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2013年10月4日 平成25年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会【第二部】  平成25年度化学物質審議会第3回安全対策部会                  第137回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会

○日時

平成25年10月4日(金)15:30〜17:00


○出席者

出席委員  五十音順

化学物質審議会安全対策部会委員(6名)
大 石 美奈子、 亀 屋 隆 志、 恒 見 清 孝、 東 海 明 宏、
◎林     真、 吉 田    緑
(注)◎部会長

中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会委員(9名)

青 木 康 展、 小 山 次 朗、  日 下 幸 則、  白 石 寛 明、
鈴 木 規 之、 田 中 嘉 成、◎中 杉 修 身、 吉 岡 義 正、
和 田    勝
(注)◎委員長

薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会委員(11名)

有 田 芳 子、 板 倉 ゆか子、 浦 山 京 子、 小 幡 純 子、 
豊 島   聰、  永 沼    章、  新 美 育 文、◎西 島 正 弘、
菱 田 和 己、 平 塚    明、  吉田  喜久雄
(注)◎部会長

行政機関出席者

恒 藤    晃 (経済産業省化学物質安全室長)
木 村 正 伸 (環境省化学物質審査室長)
成 田 昌 稔 (厚生労働省大臣官房審議官)
倉 持 憲 路 (厚生労働省化学物質安全対策室長)

○議事

○厚労省事務局 時間がまいりましたので、ただ今から「平成25年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会第2部、平成25年度化学物質審議会第3回安全対策部会、第137回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会の合同審査会」を開催いたします。

 本日は、いずれの審議会も開催に必要な定足数を満たしており、それぞれの審議会が成立していることを御報告いたします。

 審議に先立ち、軽装のお願いについて申し上げます。地球温暖化防止、省エネルギーに資するため、政府全体として軽装に取り組んでいます。これを踏まえ、事務局は軽装にて対応させていただいています。委員の方々におかれましても御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 続いて、お配りした資料の確認を行います。お手元の、第2部議事次第の「配布資料一覧」と突き合わせて御確認ください。まず、本体の資料が資料1〜3の3点です。それから、参考資料1〜9がございます。

 それでは、これより御審議を賜りたく存じます。審議に当たりましては、薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会の西島部会長に本合同審議会の座長として議事進行をお願いいたします。

○西島座長 皆さん、こんにちは。ただ今御紹介いただきました西島です。本日の合同審議会の座長を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 恒例のとおり、本日の会議の公開の是非についてまずお諮りいたします。このような審議会の公開についてはそれぞれの規定がありますが、「公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合又は特定な者に不当な利益若しくは不利益をもたらすおそれがある場合」等、このような場合は非公開とするべき場合となりますが、今回はそれに該当しないと考えていますので、原則、公開したいと思います。ただし、営業秘密等に該当する場合は秘匿することを認めることとしたいと思っています。このようなことで進めたいと思いますが、委員の先生方、それでよろしいでしょうか。

 それでは、本日の審議会は公開といたします。また、議事録は後日ホームページ等で公開されますので、あらかじめ御承知おき願います。

 早速、本日の議題に移ります。まず、議題1「第一種特定化学物質に指定することが適当とされたエンドスルファン及びヘキサブロモシクロドデカンの今後の対策について」の審議に入ります。審議に当たりましては、資料1に添って順次進めたいと思います。まず、資料1の「1.検討の背景等」と「2.エンドスルファンについて」を事務局から説明してください。

○経産省事務局 資料1と資料1別添も併せて説明いたします。まず、資料1の1ページを御覧ください。

()背景です。「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(以下、「ストックホルム条約」)」では、難分解性、生物蓄積性、毒性及び長距離移動性を有する残留性有機汚染物質を定め、人の健康の保護及び環境の保全を図るため、各国が国際的に協調して当該物質の製造、使用、輸出入を原則的に禁止する等の措置を講ずることとされています。我が国では、これまでこの条約に基づく対象物質については、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(以下、「化審法」)、「農薬取締法」、「薬事法」、及び「外国為替及び外国貿易法」に基づき所要の措置を講じてきました。化審法においては、条約の廃絶・制限の対象となった物質については、第一種特定化学物質に指定し、その製造、使用等を制限することにより同条約の義務を履行してまいりました。

 平成23年4月のストックホルム条約の第5回締約国会議では、6,,,9,10,10-ヘキサクロロ-,,5a,,,9a-ヘキサヒドロ-,-メタノ-,,-ベンゾジオキサチエピン=-オキシド(以下、「エンドスルファン」)が同様に廃絶・制限の対象物質とすることが決定されています。また、本年5月にストックホルム条約の第6回締約国会議が開催され、ヘキサブロモシクロドデカン(以下、「HBCD」)を新たに同条約の廃絶・制限の対象物質とすることが決定されました。HBCDは、締約国会議の下部会合である残留性有機汚染物質検討委員会において、科学的知見に基づき検討され、締約国会議に対して廃絶・制限等に関する提案がなされたことを受けての決定です。条約事務局より締約国各国に対して、これらの物質を対象物質に追加すること等に関する決定の通知がなされますと、締約国は通知から1年以内に決定を遵守するための所要の措置を講じることとなっています。ちなみに、エンドスルファンについては、実態として、農薬取締法により既に販売禁止農薬に指定される等の措置が済んでいます。

 これらを受けまして、本年6月28日に化学物質審議会審査部会及び中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会において、エンドスルファン及びHBCDについては、難分解性、高蓄積性であり、人や高次捕食動物への毒性を有するものであることから、化審法の第一種特定化学物質に指定することが適当であるとの結論が得られています。なお、薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会においては、本日、この会議の前に御審議いただきまして結論を頂いています。

 これを踏まえ、これらの2物質を第一種特定化学物質に指定した際に講じるべき化審法上の所要の措置について検討する必要があります。

 次のページを御覧ください。()化審法に基づく第一種特定化学物質に係る主な規制措置を記載しています。1点目は、製造・輸入の許可制です。それぞれ化審法の第17条、第22条に規定されています。2点目は、政令で定める製品で第一種特定化学物質が使用されているものの輸入の禁止措置です。こちらは化審法第24条に基づくものです。3点目は、政令で指定された用途、いわゆるエッセンシャルユース以外の使用の禁止措置です。化審法第25条に基づくものです。4点目は、環境の汚染の進行を防止するために特に必要があると認められる場合、第一種特定化学物質の製造・輸入業者等に対して、当該化学物質又は当該化学物質が使用されている製品の回収等の措置命令。これは化審法第34条に基づく措置です。これらについて研究する必要があると認識しています。

()審議会の付議事項です。これら4点の措置のうち、2.第一種特定化学物質が使用されている場合に輸入を禁止する製品の指定及び、3.第一種特定化学物質の使用を認める用途、いわゆるエッセンシャルユースの指定については、化審法第56条に基づき、審議会の付議事項となっています。ただし、本日の審議会では、この2点以外の二つの措置、製造・輸入の許可制等に関する措置についても検討していますので、併せて御相談させていただきます。

 表1は、今の二つの物質の概要をまとめたものですので御参照ください。エンドスルファンは化審法では新規化学物質に、ヘキサブロモシクロドデカンは化審法では監視化学物質に指定されています。

 以上の背景を踏まえ、まず、エンドスルファンについて御審議を頂きたいと存じます。3ページを御覧ください。「2-1.エンドスルファンの製造・輸入の規制のあり方」について説明いたします。()エンドスルファンの使用の現状及び今後の見込みについてです。エンドスルファンは農薬として使用されていましたが、平成22年に全ての農薬登録が失効し、それ以降、製造・販売・出荷はされておりません。加えて、平成24年3月には、販売禁止農薬にも指定されています。また、農薬以外の用途は確認されてはおらず、エンドスルファンが今後使用される見込みはないと考えられます。

()エンドスルファンの製造・輸入規制のあり方についてですが、エンドスルファンは化審法の新規化学物質で、その製造・輸入に当たっては化審法に基づく届出・申出が必要であることから、事実上はエンドスルファンの廃絶が行われていると認識していますが、速やかに第一種特定化学物質に指定し、その製造・輸入及び使用を改めて禁止することが適当だと考えています。また、既に他の化学物質により代替されていることから、法第25条に基づくエンドスルファンが使用できる用途、いわゆるエッセンシャルユースを指定する必要はないと考えています。

 続いて、「2-2.エンドスルファンが使用されている製品の輸入の禁止について」です。先ほど説明いたしましたとおり、化審法においては第一種特定化学物質が使用されている製品で、国内に輸入されるおそれがあり、使用の形態、廃棄の状況等から見て輸入を制限しない場合に環境汚染が生じるおそれがある製品については、過去の製造・輸入の状況や海外における使用の状況等を考慮した上で、政令で指定して輸入を禁止する措置を取ることとされています。国内におけるこれまでのエンドスルファンの使用状況及びエンドスルファンが使用されている製品の輸入の状況、更に、海外におけるエンドスルファンの使用の状況について、国内での実態調査や世界各国の在外公館宛てに公電による調査依頼をして調査を行いました。資料1の別添に、海外の実態調査についての概要をまとめています。3ページの「3.海外におけるエンドスルファンが使用された製品の製造・輸入状況」です。この調査の結果、現在、海外で使用されていることが確認された用途は農薬のみでした。農薬としての輸入は、農薬取締法で既に措置されていることから、現時点で化審法においてはエンドスルファンが使用されている製品について輸入禁止措置を講ずる必要性はないと考えています。

 続いて、2-3「その他の必要な措置について」です。化審法においては、第一種特定化学物質の指定に当たり、環境汚染の進行を防止するために特に必要があると認められるときは、必要な限度において、その製造事業者や輸入事業者等に対し当該物質及びそれを使用した製品の回収等の措置を命じることができるとされています。ただ、申し上げたとおり、現在得られている情報からは、エンドスルファンが使用されている製品の存在は確認されていませんので、国内で回収等を命じる必要性は認められないと考えています。一旦ここで説明を終わります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○西島座長 今回の審議についての背景と、エンドスルファンについての説明でしたが、ただ今の説明について御質問あるいは御意見があれば伺いたいと思います。いかがでしょうか。

○吉田()委員 化審法上の製品としてのエンドスルファンの使用はないということですが、農薬として、つい最近まで何十年間にわたって使用されてきています。農薬の製剤というか、農薬として、まだ農家等にストックがかなりあるのではないかと思います。そのような点について、POPsで規制される物質として、ストック量などについて、農林水産省と連携して情報を共有されているのでしょうか。もし情報があれば、今どのぐらいの量がストックされているのか教えていただきたいと思います。これが1点目です。

 それから、震災で販売会社が津波で流されて農薬が流出したというような事例もあります。農家にストックされていたとしても、回収するなり無害化の処理をすることもあってよいのではないかと思います。それは、化審法上の対象物質ということではありませんが、分かる程度で教えていただきたいと思います。

○西島座長 環境省からでしょうか。

○環境省事務局 エンドスルファンについては、平成23年度末には販売禁止農薬に追加されるよう省令の改正が行われています。平成231213日付けで農林水産省から全国の農薬協同組合に対して、「販売禁止農薬等の回収について」という要請文書が出されています。その中では、農家等の使用者に対して注意喚起がなされること、製造者が自主回収を始めていることなどを周知しています。

○西島座長 吉田委員、よろしいでしょうか。

○吉田()委員 結構です。

○西島座長 ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。

○有田委員 禁止になったとしても、研究の場合は使えることになっていると思います。その研究の内容について、どこまで特例といいますか、きちんと徹底して周知しているのか。例えば大学の農学部とかが取っている管理の状態などについて、これからされるのかどうか教えていただきたいと思います。

○西島座長 これについては、環境省でしょうか。

○環境省事務局 エンドスルファンについては、現在は新規化学物質ということで、製造を行う際には化第3条に基づく製造等の届出を頂きまして、審査を受ける必要があります。ただ、その規定には幾つか例外規定があります。その第3条の第2項に、「試験研究のため新規化学物質を製造し、又は輸入しようとするとき」についてはその届出が不要であると定められています。

○西島座長 今の点は後日でも結構だと思いますが、もし可能であれば、大学等での研究についてお答えいただくことはできますか。

○経産省化学物質安全室長 現在の運用としまして、第一種特定化学物質を試験研究用に輸入するケースは結構あります。例えば大気中なり環境中での第一種化学物質の濃度等を測定するときの標準物質として輸入するケースが結構あります。多くのケースが、大学なり試験研究機関で使われるために輸入されるものです。そのようなものについては、貿易管理令に基づき、個別に輸入業者に最終の所で試験研究に使うという確約書を取っていただいた上で、私どもで確認をします。その確認がないと輸入ができないという制度になっています。そういう意味では、試験研究用に輸入される際は、最終的に試験研究に使われるという確約書を取って輸入を認めているという運用をしています。ただ、もともとは農薬として使われたこともありますので、恐らく試験研究用としても農薬関係の試験研究が想定されると思いますので、今の御意見については農林水産省にも伝えまして、政府としてできることをしっかりやっていこうと考えています。

○中杉委員長 基本的には、これはもともとが化審法と言いながらPOPs条約に絡んできているので、POPs条約に対する国内対応というものがきちんと計画としてあるはずです。その説明をしていただけば委員の先生方に分かっていただけるのではないかと思います。これは、環境省、経済産業省、また、農林水産省も以前にDDTなどが埋設農薬の問題でいろいろな処理をしています。それを踏まえて、環境中のストックパイルがどのぐらいあるのか、また、製造・使用はもちろん禁止する、更に、環境中にあるものをどうするかということも踏まえて全体計画を立てなければいけない話です。ですから、そのようなものを御説明いただければ先生方に御理解いただけるのではないかと思います。

○西島座長 有田委員、よろしいでしょうか。そのほか御質問ございますか。

○菱田委員 資料1の別添1の「3.海外におけるエンドスルファンが使用された製品の製造・輸入状況」で、調査対象国198か国で回答国数が119か国ということですが、この中でPOPs条約に締約している国はどのぐらいの割合なのでしょうか。

○環境省事務局 申し訳ありません。回答国のどの国が締約国かどうかというような形での集計はしていません。

○西島座長 そういうことですが、このようなときは後日また御連絡いただけるということですか。

○厚労省事務局 事務局で確認しまして後日御報告したいと思います。

○西島座長 よろしくお願いいたします。そのほかに御意見、御質問ございますか。

○板倉委員 農薬として使っている国があるということは、輸入農産物として入ってくる可能性はあると思います。そのような場合に研究機関で測定をすることは当然出てくると思いますが、実際にデータはあるのでしょうか。

○厚労省事務局 厚生労働省の食品部門で実施した「農薬等の1日摂取量調査」というものがありまして、平成2122年のものでは、エンドスルファンは検出されていないというデータがあるようです。

○西島座長 よろしいでしょうか。ほかにございませんか。これはそれぞれについてお認めいただくのですか、それとも、後でまとめてでしょうか。

○厚労省事務局 まとめてお願いいたします。

○西島座長 分かりました。続いて、資料3に戻ります。「3.HBCDについて」を事務局から説明してください。

○経産省事務局 HBCDにつきましても、四つの規制措置について一つずつ説明させていただきます。資料1の5ページの「3.HBCDについて」を御覧ください。「3-1.HBCDの製造・輸入の規制のあり方等について」です。まず、()HBCDの使用の現状及び今後の見込みです。HBCDは平成16年度に第一種監視化学物質、現在は法律が変わりまして、「監視化学物質」と呼ばれていますが、これに指定されております。過去の製造・輸入数量についての届出は、平成16年度以降は実績として集計されています。

 表2を御覧ください。製造・輸入数量は、おおよそ2,000トン〜4,000トン程度で推移しています。これらのうち、表2の中央に国内出荷量のデータもありますが、大半は国内に出荷されており、繊維製品、発泡ポリスチレン製品用の難燃剤として用いられております。ただ、ストックホルム条約におけるHBCDの議論を踏まえまして、関連業界では代替物質への転換への取組が数年前から進められてきておりますので、平成22年度以降、製造・輸入数量及び国内出荷量はともに減少傾向にあります。こうした中、国内のHBCD製造事業者は、平成24年3月までにHBCDの製造は終了しています。表2の一番下の平成24年度の速報値ですが、製造・輸入数量の数字は、製造自体は実態がないということですので、輸入量のデータということです。

 6ページです。HBCDの主な用途について、表3に用途別の出荷数量を記載しています。「樹脂用難燃剤」「繊維用難燃剤」「その他」という項目があります。資料1の別添の7ページに、主な用途について、フロー図のような形で示しています。

 先ほど申し上げたとおり、HBCDは主に繊維と樹脂、発泡ポリスチレン用の難燃剤として使われておりました。ただ、POPs条約における議論を踏まえ、各業界で自主的に切替えの取組が進められております。したがいまして、用途別出荷量を見ていただきますと、繊維用難燃剤は平成24年度実績で既に出荷量がゼロとなっています。

 6ページの中央に、HBCDの主な用途について、代替に向けた取組の現状及び今後の見通しをまとめています。1点目の繊維については、今、申し上げましたとおり、HBCD以外の難燃剤への代替が既に終了しています。したがいまして、現在、我が国において繊維製品向けにHBCDというものは使用されておりません。

 樹脂のうち、製法により2種類ありますが、ビーズ法発泡ポリスチレンという、ビーズのようなものを膨らませて成形加工する発泡ポリスチレンのものですが、こちらは略称としてEPSと呼ばれていますので、今後は「EPS」と表現させていただきますが、こちらについてもHBCD以外の難燃剤への代替が既に終了しています。したがいまして、EPS向けには我が国においてHBCDは、現状で使用されておりません。

 3点目です。樹脂のもう一つの製法、押出法発泡ポリスチレンです。こちらはXPSと呼ばれていますので、今後は「XPS」と呼ばせていただきます。こちらは、用途の中でも、HBCDの出荷量の中でもかなりの量を占めておりましたので、現在も代替に向けた取組は精力的に進められており、既に基本的な技術も確立しておりまして、切替えに向けた取組の実証段階にあります。ただ、事業者によってバラつきは見られますが、平成26年3月末、つまり今年度末までには、全ての品目について代替品を用いたXPSの安定的な製造が可能になる見込みです。つまり、XPSについても、HBCDの代替は今年度中に完了するという見込みです。

 こういった現状を踏まえまして、()HBCDの製造・輸入規制等のあり方について説明させていただきます。ストックホルム条約では、廃絶・制限の対象となった物質について、他の物質への代替が困難である場合、人への暴露及び環境への放出を防止し、又は最小限にするような方法で行われていることを確保するための適当な措置がとられていることを条件に、締約国会議で合意された用途については、製造又は使用等についての禁止の適用を除外する仕組みがあります。これがエッセンシャルユースの仕組みです。

 今般、ストックホルム条約の廃絶対象物質に追加されることが決定したHBCDについては、建築用の難燃性EPS及び難燃性XPSについては、その用途を適用除外とすることが認められています。しかしながら、今説明したとおり、我が国においては建築用の難燃性EPS及び難燃性XPSは、平成26年3月末までに、全ての分野において、HBCDから他の物質・技術への代替が完了する見込みである状況です。したがいまして、我が国においては、建築用の難燃性XPS及び難燃性EPS向けについても、これを適用除外、例外にすることなく、平成26年4月以降に、HBCDの製造・輸入及びその使用を禁止する措置を導入することが適当である考えております。

 続いて、「3-2.HBCDが使用されている製品の輸入の禁止について」です。HBCDについては、ストックホルム条約の第6回締約国会議において廃絶の対象とすることが決定されたことから、適用除外とされた建築用難燃性EPS及び難燃性XPSを除いて、今後、諸外国においても、その製造・使用が禁止される予定です。こうしたことを前提に、国内におけるこれまでのHBCDの使用状況及びHBCDが使用されている主な製品の輸入の状況及び海外におけるHBCDの使用状況について調べまして、その結果を8ページの表4にお示しした上で、輸入禁止製品について説明させていただきます。

 ただ、その前に、輸入禁止製品をどういった考え方で指定するのかについて、説明させていただきます。9ページの(参考1)に「輸入禁止製品の政令指定の考え方」があります。この第一種特定化学物質が使用されていると考えられる製品のうち、基準の1.と2.の両方に該当するものについて、政令指定をし、輸入の制限をすることが適当であると考えており、この考え方に基づいて、輸入禁止製品について議論を行ってきたところです。

 基準について説明させていただきます。1点目は、HBCDなり第一種特定化学物質が使用された製品が、国内に輸入されるおそれがあるかどうかです。こちらをどのように確認するかと申しますと、国内あるいは海外において、第一種特定化学物質が使用された製品の製造実績があるかどうか、そして、その製品が日本に輸入された実態があるかどうか。こういったことを調査して、判断をします。()に「ただし」とありますが、過去に製造の実績などがあったとしても、今後、海外で製造されるおそれがなかったり、あるいは日本にそういった製品が輸入されるおそれがなければ、この基準には該当しないといった考え方です。

 2点目の基準は、その製品の輸入を制限しない場合には、環境汚染のおそれがあるかどうか。この考え方については、その製品の使用自体が、環境へ直接放出されるような形態をとるかどうか、あるいは管理体制などを見ながら、判断するといったところです。

 この考え方に基づきまして、それぞれの製品について検討した結果を、7ページ、8ページにまとめています。表4は、今、申し上げたような製品、別添の7ページにあるような製品群について、輸入を禁止する必要があるかないかを検討するための基本的な情報がまとめられています。横軸には、国内又は海外の製造実績の有無、あるいは日本への輸入の実績の有無、そしてストックホルム条約上の扱いについてまとめています。

 まず、品目の()()の繊維用難燃処理薬剤、難燃性EPS用ビーズ、防炎生地・防炎カーテンについては、今後もHBCDを使用した当該製品の輸入の蓋然性が否定できず、当該製品の輸入を制限しない場合には使用の形態等から環境を汚染するおそれがあると考えられるために、輸入禁止製品とすべきと考えています。

 続いて、品目()()、難燃性EPS(ビーズ法発泡ポリスチレン)及び難燃性XPS(押出法発泡ポリスチレン)、畳については、国内外での製造実績はありますが、海外からの日本への輸入の実績はありません。したがいまして、今後もこれらの製品が輸入される蓋然性はないと考えておりまして、輸入禁止措置を講じなくても環境汚染のおそれと、当該製品による環境汚染のおそれは想定されないと考えております。

 最後の品目の()「自動車部品(難燃性カーファブリック等)・自動車」については、我が国の輸入自動車のほぼ全てをカバーする欧米等の自動車メーカーが、欧州等の規制に合わせてHBCDの使用を全廃する予定です。したがいまして、HBCDを使用した当該製品の使用は、今後極めて小さくなると考えられますので、輸入禁止措置を講じなくても環境汚染のおそれは想定されないと考えております。しかしながら、これは代替を進めているといった現状ですので、引き続き諸外国におけるHBCDに係る規制の状況を注視するなど、輸入の状況等の把握に努めることとしまして、もし当該製品によって環境汚染を生じるおそれが認められれば、輸入禁止製品とする等の措置を検討すべきであると考えております。

 9ページです。今、御説明したことをまとめますと、HBCDを使用した製品のうち、繊維用難燃処理薬剤、難燃性EPS用ビーズ及び防炎生地・防炎カーテンについては、今後とも輸入されるおそれがあり、それによって環境汚染を生じるおそれがあると考えております。これを踏まえて、表5に示したとおり、これら三つの製品、繊維用難燃処理薬剤、難燃性EPS用ビーズ、防炎生地・防炎カーテンを政令により指定し、第一種特定化学物質が使用されている場合は、輸入を禁止する措置を講ずることが適当であると考えております。

 なお、HBCDが使用されている製品の輸入の状況については、今後とも実態把握に努めることとしまして、仮に環境汚染を生じるおそれのある製品が確認された場合には、輸入禁止製品に追加するなどの措置を速やかに検討するべきであると考えています。以上が、輸入禁止製品に関する検討状況です。

 続いて、10ページの「3-3.その他の必要な措置について」です。化審法においては、第一種特定化学物質の指定に当たっては、環境汚染の進行を防止するために特に必要があると認められるときは、必要な限度においてその製造業者や輸入事業者等に対し、当該物質及びそれを使用した製品の回収等の措置を命ずることができるとされております。これの必要性についてですが、環境省で、平成21年度〜平成24年度に実施した環境モニタリングデータに基づき、HBCDの環境リスク評価を実施しています。これについては、参考資料6にまとめています。

 こちらの結果、予測最大暴露量とHBCDの毒性データを基にした人及び高次捕食動物の無毒性量・予測無影響濃度を比較し、生態影響に関しては、現時点ではリスク懸念箇所が複数存在することが明らかになっています。一方、人健康への影響については、リスク懸念箇所は確認されておりません。

 また、今後、HBCDの製造・輸入・使用の禁止措置を講じるシナリオと、これらの措置を全く講じないシナリオを設定し、将来の環境リスクも推計した上で評価しております。その結果、HBCDの製造・輸入・使用の禁止措置、これから第一種特定化学物質に指定することによって行う措置ですが、この措置を講じるシナリオでは、環境リスクが低減し、予測最大暴露量は、HBCDの毒性データを基にした人及び高次捕食動物の無毒性量・予測無影響濃度を下回るといった予測結果が得られております。したがいまして、現時点で得られている情報からは、環境汚染の進行を防止するために製品の回収等の追加措置を講じる必要性は認められないと考えております。ただし、今後とも継続してHBCDの環境モニタリングを実施し、状況に応じて必要な措置を講じる必要があると考えております。

 また、ストックホルム条約においては、残留性有機汚染物質を含む廃棄物は、環境上、適正な方法で処分することとされていることを踏まえ、在庫のHBCDやそれらを使用している製品については、廃棄等の関連法令等に従って適切に措置する必要があると考えております。

 また、文面上には記載していないのですが、化審法における環境経由ではないのですが、今まで説明させていただいた製品などについては、カーテン、断熱材など、比較的生活に身近な製品について御議論させていただきたいと思っておりまして、これらについて直接暴露の観点でリスク評価をしました。こちらは化審法とは直接の関係はないのですが、直接暴露についても、引き続き使い続けて大丈夫なのかといった御懸念があるかもしれないと思いまして、そのような観点からNITEと厚生労働省で作成していますので、こちらは参考資料7として配布しています。このような結果は、これらの製品を使用することによる人健康へのリスクは懸念されるようなレベルではないという結論が得られておりますので、併せて御紹介させていただきます。御議論よろしくお願いいたします。

○西島座長 ただ今HBCDについて詳しく御説明いただきました。これについて、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

○有田委員 防炎カーテンについて、参考資料7に出ているのかもしれないのですが、綿で燃えないといいますか、消防署などに置いている寝具、数は少ないと思うのですが、ビーズを使ったクッションが一時流行っていて、そのようなものが禁止になる前に出ているので、この中にはカーテンなどしか出ていないのですが、本当にそれが全体の量としてどうなのかという、評価を含めて今後把握もしていただきたいと思います。

 それから、カーテンについては、例えば端材などはリサイクルなどしていると思うのですが、消費者は知らないので、そのまま出していると思うのです。これからは違ってくると思いますが、そのような状況についての情報は、今後どう考えられているのでしょうか。「禁止しました」というだけになるのかどうかということです。

○厚労省事務局 まず、この化審法に沿った形での措置になりますが、9ページの下に記載していますが、なお書きの辺りに、「HBCDが使用されている製品の輸入の状況については、今後とも実態把握に努め、環境汚染を生じるおそれがある製品が確認された場合には、輸入禁止製品に追加するなどの措置を速やかに検討するべきである」と記載していまして、私どもも、表4に掲げている製品がありますが、そのほかの製品で環境を汚染していくおそれがあるものが出てくるようであれば、そういったものについては情報を集めて、然るべき措置を講ずる検討を進める必要があるかと思います。

 同じように、生活の身の周りの製品についても、このようなところで情報が集まってくれば、併せて検討する必要があるかと思います。

○西島座長 そのほか、御質問、御意見はございますか。

○恒見委員 HBCDの規制については、ストックホルム条約以上の規制をするかどうかが、一番大きなポイントだと思います。その中で、参考資料6のリスク評価の内容を見てみますと、繊維からの排出、特に水域への排出が大きいですね。繊維に関しては規制を行うことで、生態リスクは懸念されないレベルにまで達しているわけです。

 それ以上に、ストックホルムで例外規定となっている建築用難燃性EPS向けを除くというのが、どこまで効果があるかというと、それほどリスクが下がるわけではない、ある意味効果が低くて、HBCD物質を代替することで価格は上がるというのは産業界からも聞いておりますし、そういう意味では費用対効果というのはかなり悪いのではないか、その中でこのような形で、全ての用途で規制するというのは、果たして本当に妥当なのか。せっかく参考資料6のリスク評価書があるわけなので、その辺まで検討されたのかというのが一つです。

 それから、海外から見たときに、ストックホルム条約よりも日本は厳しい措置をとっています。日本は技術的に可能ですのでやりましたという感じにはなるような気もするのですが、ある意味厳しいコメントがきそうな感じもします。逆に日本から見ると、欧州RoHS指令といった、日本にとっては輸出産業がかなり厳しい立場でいらっしゃるわけですが、日本版の建材RoHSのようなイメージだと感じています。そのようなところの、海外からの厳しいコメント等に対しては、どのように対応されるつもりでいらっしゃるのでしょうか。

○経産省化学物質安全室長 まず、参考資料6の試算も一定の過程を置いた試算ですので、これがどこまで精緻なものかというのは、一つの論点としては当然あると考えています。また、今の御指摘の点は、論点としては十分にあり得るところだとは考えます。

 ただ、日本の化学物質審査規制法の考え方では、難分解性であって、高い生物蓄積性があり、かつ人健康あるいは生体に対し長期毒性があるというものについては、一旦、環境中に出てしまったらそれが蓄積されることがあり得るということで、厳しい対応を取るというのが、法律を作ったときの趣旨であったわけでして、科学的な知見の充実により、新しくHBCDなりがそのような第一種特定化学物質に該当するという判断をした以上は、法律の趣旨にのっとって、HBCDの製造と輸入については、代替が難しいというものでなければ禁止をしていくというのが、法律の趣旨にのっとった考え方だと考えています。

 そのような意味では、世界的にはストックホルム条約では、建築用の断熱材に使われるHBCDについては代替も難しいという場面もあるので、5年間は適用除外にしようということになったわけですが、日本では来年の3月までには代替ができるという見通しが立っている以上、法律のもともとの趣旨に基づいてHBCD自体の製造と輸入は、ストックホルム条約では認められた適用除外は日本では認めずに、禁止にしていくというのが法律に基づいた考え方ではないかと考えています。

 それについて、海外からどのような意見がくるのかというのは、現時点では分かりませんが、ストックホルム条約の中でも、この物質が良くない物質で、国際的にいずれは廃絶していこうという大きな方針自体は決まっているわけですから、日本がそれについて適用除外を導入せずにやっていくことについては、大きな趣旨としては説明はでき得るのではないかと考えています。

○西島座長 よろしいでしょうか。

○鈴木委員 まず、()()()はそれぞれ輸入実績ありということで、輸入禁止にする御判断ということで理解いたしました。()は、輸入実績があって、各基準を満たさないというけれども、多分、実質的に先進国がいったので大丈夫だという御判断かと思われるのですが、()()が、どの程度実際の管理において識別できるのか、少し注意深く見ていく必要があるのではないかと思います。具体的には、この時間の中で説明しきれるかどうか分からないのですが、()について、現実的な御判断ではあるかという気はしますが、どのように監視をしていくのかについて、もしお考えがあれば教えていただきたいと思います。

 もう一つです。これは一般論ですが、今、参考資料6あるいは参考資料7について、御説明いただきましたが、HBCD自体というよりも、製品中に含まれる化学物質の、人あるいは生態系への排出、暴露については、今まで科学的な知見では評価しきれない部分が多々ある領域だと、恐らく様々な学会で認識されているところかと思いますので、今回必ずしも含まれていない知見が新しく出てくる可能性があるかと思いますので、そのような新しい知見に関して、監視もそうですが、もしあったときにはよく受け止めて、検討していただきたいと思っています。

○経産省化学物質安全室長 前半の御質問について説明させていただきます。御質問は資料1の8ページの表4の()防炎生地・防炎カーテンと()自動車部品・自動車というところで、どの程度、あるいはどういう違いがあるのかについて、もう一度認識を説明してほしいということだったと思います。

 まず、一番の大きな違いは、量の違いが相当あるだろうと思っています。まず、防炎カーテンと防炎生地ですが、防炎カーテンについては、統計としてHBCDが使われた防炎カーテンが何枚なのか、何キロなのかという統計はありません。ただ、私どもが関係の業界などに聞いているところでは、恐らく国産と同程度の量のHBCDを使った防炎カーテンが日本に入ってきているのではないかという感じを持っています。それで、これまでの状況を踏まえますと、国産の防炎カーテンにはHBCDが年間400トン前後使われてきたということもありますので、輸入のカーテンに入っているHBCDもそれに近い量があるのではないかと考えております。

 他方、自動車の方は、先ほども御説明いたしましたが、日本に今、輸入されているほとんどの車は欧米のものですが、欧州等での規制の動向も踏まえて、そういった欧米の自動車メーカーもHBCDはやめていくということを言っておりますので、極めて小さくなると考えております。そういう意味で、量的なところは相当の違いがあるのではないかと考えています。

○厚労省事務局 後段の方の御意見につきましてはおっしゃるとおりで、まずハザードについても新しい情報が次々に出てきますし、恐らく暴露評価に当たってのシナリオも、考えようと思えばいろいろなシナリオが考えられますので、常にそのようなトレンドを追いかけながら、最新の情報を入れながら、このような評価をする場合に当たっては考慮していきたいと考えております。

 ただ、予算や時間の制限等がございますので、そのような中で、どういった点がベストなのかを追及しながらやっていきたいと思います。

○有田委員 製品と考えられないのかもしれないのですが、取扱いは日本の業者ですが、中国から輸入されてくる製品のパッキンとしてこのような発泡材が詰められて送られてきたりしますが、そういうものは製品ではなくて詰め物であるから、対象外になるということでしょうか。

○経産省化学物質安全室長 御質問いただいたのは、箱に入っているときの発泡スチロールはどうなのかについての御懸念だと思います。それで、まず日本の状況を聞いている限りでは、HBCDを発泡スチロールに混ぜるのは、難燃性が必要となる場合ということですので、住宅などに使う断熱材など、断熱性が必要な場合に混ぜるというのが日本の状況です。HBCDも必ずしも安い化学物質ではありませんので、難燃性が必要のない発泡スチロールに混ぜるということは、日本の場合はないと聞いています。

 ただ、海外のそのようなものについてどうなっているのかは、私どもとして網羅的な調査は現時点ではしておりません。そういう意味では、委員が御懸念のとおり、海外から梱包用に入っている発泡スチロールにHBCDが混ざっている可能性は確かに否定できないところはあります。そういう意味では、そこについては、先ほどの御質問にもありましたが、9ページの下のなお書きで、引き続き状況の把握に努め、仮にHBCDがたくさん入っていて、それによって環境汚染のおそれがあることが確認された場合には、どういう措置を講ずるべきかというのは速やかに検討していきたいと考えています。

○大石委員 2点ほど質問します。1点は、今回、第一種に指定されたということで、消費者があらぬ危険性を感じて、例えば自分の家で使われているカーテンを子供が舐めたら、体に害があるのではないかというような危惧を持つことも、十分に考えられると思いますので、このような情報を出す場合に、消費者の誤解を避けるような、きちんとした情報を出していくことが必要ではないかというのが1点です。

 既に、家庭の中のカーテンですとか、そのようなものに現実に使われているということがあるわけですから、それを最終的に回収はできないまでも、処理するときに何らかの方法で、環境中にそのような物質が出ないような措置が、例えばゴミの収集の場面などで考えられないかということを、是非、検討いただきたいと思います。

○西島座長 今の点についてはいかがでしょうか、これを禁止したときの周知についてということですね。

○経産省事務局 委員に御指摘いただいたとおり、このような第一種特定化学物質に指定するということは、規制の措置の影響も大きいですし、あるいは今使っているものは本当に大丈夫かといった御懸念も当然あろうかと思います。そういう意味で、今回、参考資料7をお配りして、そういったものの補完的な材料にできればと思った次第です。

 ただ、このような会議だけではなく、もう少し分かりやすいような情報発信の仕方については、今後、この会議の後で、措置が決まった上で、検討していきたいと考えております。

○西島座長 処理についてはいかがでしょうか。

○環境省事務局 ストックホルム条約においても、このようなPOPsを含む廃棄物については、環境上適正な方法で処分することとされていることもありますので、HBCDを含有するような防炎カーテンが廃棄物になったものについても、廃棄等の関係法令に従って適切に処理していく必要があることを考えています。このようなことについて、今後、環境省においても適正処理方策の検討の必要性について検討して、しっかりと措置してまいりたいと考えております。

○西島座長 ほかによろしいでしょうか。

○吉田()委員 参考資料6、参考資料7を見させていただきました。参考資料7の製品の方の1ページには、人の毒性量ということで、一般毒性と生殖・発生毒性に分けて、それぞれ0.05mg/kg/day0.1mg/kg/dayの値が出ています。

 一方、参考資料6の環境リスク評価を見ますと、原始卵胞数の減少ということで0.1mg/kg/dayになっているのですが、低い方が同じであったら何も言わないのですが、一般毒性で0.05mg/kg/dayという値が出ています。環境省の環境リスクは0.1mg/kg/dayでリスク評価されていますから、ハザード比で倍になるといいますか、これを基準値とされているのであれば2倍になるかと思います。

 結論的には、どちらを使われようがマージンは非常に余裕があって、人健康リスクが懸念されるというレベルではないと思いますが、それぞれで違った有害性の指標を使われるということは、資料が外に出ていくときに誤解を招きますので、御相談されて、統一していただければと思います。

○厚労省事務局 参考資料6、参考資料7の話なのですが、作成された報告書の時期も違うところもあるものの、何かできるか検討してみたいと思います。

○吉田()委員 それぞれ「暫定」と書かれているので、これはこれでいいかと思うのですが、もし調整が可能であれば、誤解を招かないように一つにしていただければと思います。

○厚労省事務局 過去は過去として、1度まとめてしまったという状況があるという前提の上で、何ができるかを考えてみたいと思います。

○小幡委員 一つ確認ですが、(参考1)の輸入禁止製品の政令指定の考え方ですが、これはもともと前からあるものですね。大体この基準でよろしいのだろうと思いますが、過去10年内ということを一つの目安にしているのですが、そうすると、これは今回は10年間の実績を見て政令指定するのですが、この見直しのタイミングというのは、いつ頃になるのですか。つまり、また実績がなくなれば、もう基準を満たさなくなるということになるのですか。その場合、何年ぐらいで見直すのですか。

○経産省化学物質安全室長 これまでの運用として、一旦指定したものを外すことはやっておりませんで、一旦輸入禁止製品に載せたものは、そのまま載せ続けるという運用をしています。

○小幡委員 了解しました。

○菱田委員 エッセンシャルユースの適用除外についてですが、日本では建築用材料に用いるものは適用除外を認めないということなのですが、POPs条約の締約国でそのような対応をされる国はほかにあるのでしょうか。

○経産省事務局 実際は、国連の事務局からPOPs条約の締約国会議で決まった通知もまだ届いていない状況でして、したがいまして、その上での各国の状況は現時点では詳細には把握しておりません。

○東海委員 御提案いただいた結論に関しては、私は異論ありません。2点ほどコメントがあります。

 一つは、先ほど議論がありましたが、リスク評価をなされた2種類のレポートがありますが、これを見ますと結局、環境経由よりも屋内からの暴露の既往がはるかに大きいことが分かっていると思うのですが、その結果を踏まえて、提案された表4に書かれている基準1.、基準2.に照らし合わせて輸入禁止製品とすべきと考えられるというよりも、むしろ、暴露量を効果的に低減する上では、この用途を規制する方がふさわしいと理解した方が、私としては自然かと受け止めました。したがいまして、化審法が「環境経由の」というくだりがありますので、(参考1)に書かれたような基準1.、基準2.に照らし合わせて説明をされていると思うのですが、この二つの屋内暴露、環境経由の暴露の結果を見れば、暴露量低減のために効果的な経路に着目をした結果、この製品に対する規制をしたとまとめられた方が、自然に読めました。

 二つ目は、そもそも論になってしまうかもしれませんが、ストックホルム条約と化審法との整合性についてです。ストックホルム条約では長期移動性ということが、非常に指摘されています。そうしますと、参考資料6の後半で、G-CIEMSを使われてリスク評価のシナリオを解釈されたときに、むしろここの結果というのは国内を想定した評価結果になっていると思うのですが、あのモデルはグローバルの解析ができたと思いますので、日本でこのような消費シナリオをしたときに、遠隔地のここの場で、どのような低減シナリオの効果が生まれたのかを示された方が、国際的に化審法による施策の効果をアピールする上で説得力があるのではないかと思いました。

○経産省化学物質安全室長 1点目について、コメントをありがとうございます。資料1の9ページに、(参考1)として、輸入禁止製品の政令指定の考え方を書いています。これも、これまで第一種特定化学物質を指定したときに、この審議会においてこのような考え方で過去にやってきたというものですので、これを一言一句変えてはならないというものではないと思いますので、これも皆様方なりも含めた議論の中で、よりリスクなりの考え方、費用対効果の考え方を取り入れていくべきだということがあれば、この基準を見直していくことは当然あり得ると思っております。

 今、委員に御指摘いただいて、確かに家庭内なり何なりの暴露ということを考えても、この3製品を指定するのは正しいのではないかというコメントを頂き、私も確かにそうだなと思ったわけですが、法律的なことを最後に言わせていただくと、参考資料8に付けていますとおり、法律の目的が環境の汚染を防止するために必要な規制を行うこととなっていますので、理屈としては、環境汚染を防止するという観点で最後は判断をすることになっていることは、御理解いただければと思います。1点目のコメントについて以上です。

○中杉委員長 東海先生の御指摘は、参考資料6、参考資料7を比べると、という議論になるのかと思います。HBCDの場合の特徴的なことは、生態リスクがあるということで、そこが非常にほかのものと違いますので、そこを踏まえないといけないということがあります。

 そういう意味では、環境汚染を防止するということが、鳥類への暴露を避けているという言い方はあるかもしれませんが、このような表現の方がよろしいのかと思います。

○吉田()委員 鳥類のことでしたので、コメントします。ウズラでデータを出しているので、なぜウズラなのかということを教えてください。今日、回答できなければ、後で理由を教えていただきたいと思います。

○中杉委員長 和田先生にお答えいただくのがいいかと思いますが、実際に環境にあるのはカワウが一番影響を受けやすそうだということなのですが、カワウを実験動物として使うのは非常に難しいのです。ウズラぐらいでないと、実験の対象動物が得られないということで、やむなくウズラを使っています。そういう意味では、毒性のところと実際の環境の実態とはミスマッチのところがあります。これはどうしても仕方がないと考えています。和田先生、補足いただければと思います。

○和田委員 少し補足をすれば、実験動物として扱うためには様々な条件があるわけで、飼育条件を整えたり必要な個体数を用意することを考えると、今中杉委員がおっしゃったように、カワウを使うのはとても難しいと思うのです。鳥の中では、ウズラは大きさも適当ですし、飼いやすいということで一番よく使われているので選んでいます。

 実験動物としてOECDのテストガイドラインで推奨されている鳥種は、ウズラ以外に、コリンウズラ、マガモというのがあります。マガモを実験動物として使うのも日本では結構難しいので、かなりの数をこなしていくためには、ウズラを使うと、様々なバックデータもありますし、一番適当だとして選んでいます。

○西島座長 ほかによろしいでしょうか。最後に、「4.今後の進め方について」、事務局から御説明をお願いいたします。

○経産省事務局 11ページを御覧ください。今回御議論を頂いた内容を踏まえまして、今後、関係政令案についてパブリックコメント等を実施した上で、政令改正について公布を経て、下に示したスケジュールによって、HBCD及びエンドスルファンを第一種特定化学物質に指定するとともに、先ほど3.でHBCDの措置について御議論いただいた輸入禁止製品の指定など、必要な措置を講ずるべきであると考えています。

 スケジュールは(参考)の所に書いています。不確定要素も含むため、多少前後する可能性はありますが、現状の案としてこのように考えております。まず、今日の審議会で御議論いただいた内容を踏まえまして、政令改正案を事務局でまとめ、それについてパブリックコメントをいたします。併せて、この化審法における今般の措置、特に輸入禁止製品の措置というのは、POPs条約にはない化審法独自の規制措置です。つまり上乗せ規制ですので、WTO協定上、貿易の技術的障害に関する協定、TBT通報をWTO加盟国に対してする必要があります。そういった加盟国から一定期間コメントを受け付けるなどをした上で、十分な周知期間を置いた上での改正政令を施行するといったスケジュール感です。

 したがいまして、所要の手続をした後、この冬中にとは思っているのですが、2月を目処で、まずは改正政令の公布をし、先にHBCD及びエンドスルファンの第一種特定化学物質の指定に係る政令の施行により、HBCD、エンドスルファン自体の製造・輸入及び使用の禁止が措置されるわけですが、これをいたしたいと考えております。

 先ほど申し上げたとおり、WTO協定上の関係で、諸外国に対する一定の周知期間を置くという約束事がありますので、公布からおおよそ半年を置きまして、来年の8月を目処に、HBCDの使用製品の輸入禁止措置に関する政令の施行をしたいと考えています。

○西島座長 今までの議論を含めての、今後の進め方について御説明いただきました。これらの点も含めて、まとめで何か更に御質問、御意見がございましたら御発言をお願いいたします。よろしいでしょうか。

 それでは、ただ今事務局から御説明がありましたように、今回のこの議論を含めまして、今後の進め方はこのようなことで進めていただくとお認めいただいたことにいたします。ありがとうございました。

 続いて、本日の二つ目、議題2「その他」です。資料2について事務局から御説明をお願いいたします。

○厚労省事務局 資料2「第一種特定化学物質に指定することが適当とされたエンドスルファン及びヘキサブロモシクロドデカンについての所要の措置について()」は、資料1のうち審議会にお諮りするものについて記載した資料です。1ページは、3審議会でお諮りしたい資料のタイトルが三つほど並んでいます。厚生労働省、経済産業省、環境省の順でお示ししています。2ページ〜3ページが厚生労働省部分で、答申の内容に当たる部分です。4ページが経済産業省、5ページが環境省の部分に当たります。

 いずれの資料についても、内容の1点目については、化審法第24条の第一種特定化学物質が使用された場合に輸入を禁止することができない製品について、2点目については、化審法第25条の第一種特定化学物質を使用できる用途についてです。以上の2点が、審議会にお諮りしたい資料となっています。

 なお、2ページの下から3行目のカラムの中ですが、「繊維用難燃処理剤」とありますのは、「繊維用難燃処理薬剤」になりますので、追記をお願いいたします。

○西島座長 御説明していただきましたように、本日の議論を踏まえ、厚生労働省、経済産業省、環境省、それぞれの部会あるいは委員会として、3省それぞれこのように案を出していただきましたが、本来であれば、それぞれ各省庁から御説明いただくところですが、今日は取りまとめて、それぞれの決定をこのようにしたいということで、お諮りしたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、このようなことでお認めいただいたことにいたします。ありがとうございました。

 今、決定された資料の取扱いについて、厚生労働省から御説明をお願いいたします。

○厚労省事務局 今後、決議につきましては、各審議会で定められた手続を経まして、諮問答申の答申事項となり、公表される予定です。

 なお、今後の全体のスケジュールについては、先ほど資料1で説明したとおりで、一番最後のスケジュールのとおりになります。

○西島座長 もう1点あると思いますが、事務局から御説明をお願いいたします。

○厚労省事務局 「その他」の事項として、3審議会の中で別件ではありますが、平成25年度第4回3省合同審議会における資料の修正について、御報告させていただきます。なお、本件は、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会化学物質安全対策部会の下に位置する化学物質調査会及び環境省の中央環境審議会の各先生方については、先月の3省審議会で既に説明させていただきました。ここでは、経済産業省の化学物質審議会安全対策部会の先生方への説明とさせていただきます。

 資料3「優先評価化学物質相当とされた物質の再評価について()」の「1.経緯」の中程で、平成25年7月19日開催の平成25年度第5回3省合同審議会において審議を行い、優先評価化学物質相当とされたもののうち、1物質について選定の根拠に疑義が見つかったことから再評価を行いたいというものです。

 「2.疑義のあった物質」は、α-アルキル(C1216)-ω-ヒドロキシポリ(オキシエチレン)です。「3.疑義内容の検討」は、当該物質の一般毒性のNOAEL値に疑義があり、再度確認した結果、一般毒性の有害性クラスが4ではなく、クラス外であったということです。詳細は別添のとおりということで、次のページにいきまして、このまま縦に見ますと、上から七つ目のカラムです。横にしていただきますと、右から七つ目のカラムの所に、「NO()EL等」という欄があります。縦に見た場合は右が正しい、左が誤りです。横に見た場合は、上が誤りで下が正しい値です。この物質に関して、同じリスク評価書の結論部分のNO()EL500mg/kg/dayを拾わなければいけなかったのですが、リストを作る際に、50mg/kg/dayとリストを作成してしまった状況がありまして、この誤りについて訂正させていただければということです。

 1枚目に戻ります。「4.優先評価化学物質該当性の再評価()」です。この結果、当該物質については、暴露クラス「1」、有害性クラス「外」となり、優先度が「外」となることから、人健康影響の観点からは、優先評価化学物質相当ではないと再評価したいというものです。

○西島座長 これについては、経済産業省の審議会の委員の先生から、ただ今の内容について御質問、御意見がありましたらお受けいたします。御発言お願いします。

 よろしいでしょうか。特にございませんので、このようなことで御了承いただけたとさせていただきます。たくさん御意見いただきました。事務局からなにか発言ございますか。

○事務局 特にございません。

○西島座長 それでは、これで本日の議題は全て終了いたしましたので、合同審議会を終了にいたします。活発な御発言等ありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 化学物質安全対策室 補佐 佐々木(内線 2910)

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