ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(医療機器・体外診断薬部会)> 薬事・食品衛生審議会 医療器医・体外診断薬部会 議事録(2013年8月28日)




2013年8月28日 薬事・食品衛生審議会 医療器医・体外診断薬部会 議事録

○日時

平成25年8月28日(木)14:00~


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

出席委員(19名) 五十音順

○荒 井 保 明、 荒 川 義 弘、 石 井 明 子、 今 井 聡 美、
  梅 津 光 生、◎笠 貫   宏、 川 上 正 舒、 齋 藤 知 行、
  正 田 良 介、 武 谷 雄 二、 田 島 優 子、 寺 崎 浩 子、
  中 谷 武 嗣、 新 見 伸 吾、 千 葉 敏 雄、 濱 口    功、
  菱 田 和 己、 村 上 輝 夫、 桃 井 保 子
(注)◎部会長 ○部会長代理
他参考人4名

欠席委員(5名)五十音順

木 村    剛、 塩 川 芳 昭、 鈴 木 邦 彦、 高 橋 好 文、
西 田 幸 二

行政機関出席者

今別府  敏 雄 (医薬食品局長)
成 田   昌 稔 (大臣官房審議官)
佐 藤  岳 幸 (審査管理課長)
広 瀬      誠 (安全使用推進室長)
古 元  重 和 (医療機器審査管理室長)
矢 守  隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
佐久間 一 郎 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構副審査センター長)
俵 木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)

○議事

○医療機器審査管理室長 定刻になりましたので、「薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会」を開催いたします。

 委員の先生方におかれましては御多忙な中、また、お暑い中をお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。

 本日は、医療機器・体外診断薬部会委員24名のうち、現時点で17名の御出席をいただいております。あと2名の先生方がお見えになる予定です。薬事・食品衛生審議会令に基づく定足数を満たしておりますことを御報告いたします。

 はじめに、事務局側に人事異動がございましたので、医薬食品局長に着任いたしました今別府より御挨拶を申し上げます。

○医薬食品局長 今別府でございます。私は、昭和の終わり頃から平成の初めにかけて、当時の薬務局に在籍しておりまして、その頃バイオが非常に盛んな頃で、バイオベンチャーの育成などをやっておりました。その前には難病対策や、臓器移植の関係、人工透析の関係などをやっておりました。今度は世紀の変わり目にロンドンにおりまして、その頃は、例えばグラクソの研究所に行くと、『A Passion for DNA』というワトソンの著作を渡されるような、ゲノムの時代でした。そういう意味で、30年以上、役人をやっておりますので、技術の革新といいますか、そういうものを肌で感じることができております。

 実は、前回、薬務局に在籍をしたときに、医療機器開発課を作って、医療機器の話も非常に期待をしておりました。この会議は、私は今日初めて出ますが、聞けば、一昨年度は5回の審議で9品目、昨年度は7回の審議で17品目ということで、更に今年度はもうそれを上回るペースで皆さんにお願いをしているということで、誠に恐縮ですが、それは技術革新の賜物でもあろうかと思いますので、引き続き今年度も、従来同様、御支援をいただきたいということをお願い申し上げまして、冒頭の御挨拶にさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○医療機器審査管理室長 続きまして、本日の出席者の中で人事異動のございました厚生労働省の職員を紹介させていただきます。本日遅れておりますが、審議官として新たに成田が着任しております。審査管理課長の佐藤です。安全対策課長に森口が着任しておりまして、本日、代理として安全使用推進室長の広瀬が出席しております。

 続きまして、医薬品医療機器総合機構にて人事異動のありました者を紹介いたします。上席審議役の俵木です。最後に、私は医療機器審査管理室室長に着任いたしました古元と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 続きまして、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて御説明いたします。平成13年1月23日付けの薬事・食品衛生審議会決議に基づき、本日の議題1については会議を公開で行います。また、議題2以降については、医療機器の承認審査に関する議題ですので、企業情報に関する内容等が含まれます。そのため、非公開といたしますので、御了解ください。

 これより議事に入りますので、傍聴の方によりますカメラ撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いします。

 以後の進行について、笠貫部会長、よろしくお願いいたします。

○笠貫部会長 本日は、お暑い中お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 まず、事務局から配布資料の確認をお願いします。

○医療機器審査管理室長 公開案件について、資料の確認をいたします。資料1-1「医療機器の認証基準案について」。資料1-2「医療機器の認証基準案に係る基本要件チェックリスト案について」。参考資料1-1「医療機器の認証基準に関する基本的な考え方について」。参考資料1-2「認証基準において引用するJIS」です。参考資料1-2については、事前に委員の先生方にお送りした資料には含まれておりませんでした。また、本日、会議後回収したいと思いますので、机上に残しておいていただきますよう、よろしくお願いいたします。資料の確認は以上です。

○笠貫部会長 ありがとうございます。資料については、皆さんおそろいでしょうか。

 それでは、これより議題に入ります。議題1「医療機器の認証基準案について」事務局から御説明をお願いします。

○事務局 議題1「医療機器の認証基準案について」事務局より御説明いたします。資料1-1、資料1-2、参考資料1-1、参考資料1-2を御用意ください。

 はじめに、参考資料1-1について御説明します。認証基準については、平成17年の改正薬事法の施行により、第三者認証の制度を導入しております。現在、我が国には第三者認証機関が13機関あります。厚生労働大臣が基準を定めて指定する指定管理医療機器については、第三者認証機関がその基準に基づいて適合性の評価を行い、認証する形をとっております。現在までに管理医療機器の一般的名称1,799品目のうち1,367品目、基準数でいうと825基準が制定され、平成24年度では新規申請のあった管理医療機器全体の約96%を第三者認証機関がカバーする状況です。裏面に医療機器のクラス分類について記載されておりますので、御参考になさってください。続きまして、資料1-1を御覧ください。本日、先生方に御報告させていただく認証基準案については、資料の表紙にある「1.非静注インフュージョンポンプ認証基準(制定案)」ほか改正2基準の、計3基準です。資料1-2は、基本要件適合性チェックリストで、先ほど御説明しました認証基準案3件に対応するものです。最後に、参考資料1-2は、今回御報告させていただく認証基準において引用するJIS規格です。本日御報告させていただく基準のうち、新規に制定される非静注インフュージョンポンプ認証基準については、パブリックコメントを実施しており、特に御意見等は頂戴しておりません。本部会終了後に、告示でお示しする予定です。これらの内容については、医薬品医療機器総合機構から御説明いたします。

○機構 報告事項議題1、資料1-11-2、参考資料1-11-2「医療機器の認証基準案について」医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 資料1-1です。先生方に今回御報告いたします認証基準案は、新規制定案が1件と、告示に引用している日本工業規格の改正に伴う改正案が2件です。番号1の非静注インフュージョンポンプ認証基準()が新規制定案です。

 1ページの上段を御覧ください。非静注インフュージョンポンプ認証基準()が対象とする一般的名称は「非静注インフュージョンポンプ」で、基準の日本工業規格としては、医用電気機器安全の通則規格であるJIST0601-1とし、使用目的、効能又は効果は、「泌尿器系(経尿道的)又は産婦人科系(経膣的)において、医薬品及び溶液を血管以外に注入するために用いること」としております。

 戻りまして、資料1-1の目次を御覧ください。番号2及び3が、日本工業規格の改正に伴う改正案です。これらは2012年6月1日にIEC60601-1エディション3に対応して、JIST0601-1が第2版から第3版として改正されたことに伴って、この通則規格を引用する個別規格、JIST0601-2-37(現在公示待ち中)の改正に伴う基準の改正案です。

 また、今回の改正で一般的名称の定義に変更を行うものは、番号1で記載した1名称です。1ページの下段を御覧ください。当該認証基準に含まれる一般的名称については、一部、静脈以外の血管に対する医薬品及び溶液の注入を許容するような誤解を与えてしまう記載となっていたこと。また、ほか一般的名称に該当する品目と対象の明確化を図ることを目的として、基準制定に当たり、既承認品の現状の使用実態に合わせて、一般的名称の定義を、記載のとおり現行から改正案へ整備することとしております。

 資料1-2を御覧ください。基本要件適合性チェックリスト案です。新規制定1件とJIS改正に伴う改正2件、合計3件の基本要件適合性チェックリスト案となっております。また、改正案件2件については、適宜、日本工業規格改正に伴う文言の見直し、基本要件への適用・不適用、特定文書の確認の記載項目等の見直しを行いました。説明は以上です。

○笠貫部会長 ありがとうございます。委員の先生方から御質問、御意見はありますでしょうか。

 新規が1件と改正2つの認証基準が出されておりますが、いかがでしょうか。昨年度は新規のものに対して96.6%というのは、認証基準についての進行が確実に進んでいるということだと思いますが、個別にこの3件について、特に御質問はございませんでしょうか。

 特にないようでしたら、これで議題1を終了とさせていただきます。公開では以上の議題になります。

○医療機器審査管理室長 ありがとうございました。以降の議題については非公開とさせていただきますので、傍聴の皆様には御退席いただきますようお願いいたします。非公開で行う以降のものについて、若干お時間をいただいて再開したいと思います。

○医療機器審査管理室長 準備が整いましたので、「医療機器・体外診断薬部会」を再開したいと思います。まず、非公開の議題に係る配布資料について確認をさせていただきます。本日は資料が様々ありまして、申し訳ありません。順に御説明申し上げます。

 非公開案件の資料として、資料2「医療機器『PDT半導体レーザ』の希少疾病用医療機器としての指定の可否について(諮問書)」。資料3「医療機器『PDレーザ BT』の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定について(諮問書)」。資料4「医療機器『InterStim II 仙骨神経刺激システム』の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定について(諮問書)」。資料5「医療機器『エクリス・リバース人工肩関節』の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定について(諮問書)」。資料6「医療機器『メドエル人工内耳 EAS』の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定について(諮問書)」。資料7「新たに追加する医療機器の一般的名称に係るクラス分類及び特定保守管理医療機器等の指定について(ヘパリン使用中心循環系動静脈カニューレ)(諮問書)」。資料8「希少疾病用医療機器の指定の取消しについて」。資料9「医療機器『エキシマレーザ心内リード抜去システム』の再審査報告について」。資料10「医療機器・体外診断薬部会 報告品目」。資料11「競合品目・競合企業リスト」。参考資料2「薬事分科会審議参加規程」。参考資料3「クラス分類ルール(平成16年7月20日付薬食発第0720022号厚生労働省医薬食品局長通知)」。こちらは順に配布しております。それとは別に、委員の先生方の机の上に当日配布という形で、1~6の資料を配布しております。当日配布1「専門協議委員リスト」。当日配布2「議題3[PDレーザ BT]正誤表」。当日配布3「リバース型人工肩関節全置換術のガイドライン()」。当日配布4「使用成績調査実施計画書()」。当日配布5「希少疾病用医薬品及び希少疾病用医療機器の指定制度」。最後に当日配布6「医療機器・体外診断薬部会 報告品目(平成25年4月1日~平成25年6月30)」。以上が資料の確認です。不足等ありましたら御指摘いただければと思います。

 なお、1点、御連絡申し上げますが、審議の順番については、参考人の先生の御都合により入替えをいたします。議題3の次に議題6「『メドエル人工内耳 EAS』の製造販売承認の可否等について」御審議いただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは部会長、よろしくお願いします。

○笠貫部会長 議題2に移らせていただきますが、その前に、資料はおそろいでしょうか。

 では、本日の審議事項に関与された委員と利益相反に関する申出状況について、御説明をお願いいたします。

○事務局 審議事項に関する影響企業の調査について御報告いたします。資料11と参考資料2です。これらの報告については、平成201219日付け薬事分科会で決定された薬事分科会審議参加規程に基づくものです。皆様から毎回御報告いただいておりますので、概要は御存知かと思いますが、過去3年度にわたり寄附金・契約金等の額について、競合企業と申請企業から申告を頂き、その結果に応じて審議不参加、若しくは議決への不参加という形を、審議会規程として定めております。

 資料11「競合品目・競合企業リスト」を御覧ください。表紙になっているのが議題2「PDT半導体レーザ」についてです。申請者はパナソニック ヘルスケア株式会社となっております。こちらは現在、国内外において類似品はないと考えられることから、競合品目の申請はありませんでした。

 裏面が、議題3「PDレーザ BT」についてです。先ほど御説明いたしました議題2と同一の品目で、一般的名称が「PDT半導体レーザ」、販売名が「PDレーザ BT」となっております。同様に類似品目はないと考えられることから、競合品目の申請はありませんでした。

 3ページが、議題4「InterStim II 仙骨神経刺激システム」についてで、申請者は日本メドトロニック株式会社です。競合品目として、原理的に類似する神経刺激装置という理由から、2品目が申告されております。

 4ページが、議題5「エクリス・リバース人工肩関節」についてで、申請者はTORNIER S.A.Sです。競合品目として、株式会社デピユー・ジャパンから2品目、ジンマー株式会社から1品目がそれぞれ競合品目として申告されております。

 最後が、議題6「メドエル人工内耳 EAS」についてで、申請者はMED-EL Elektro-Medizinische Gerate GmbHです。競合品目として、株式会社日本コクレアのNucleus Hybrid Systemが同様の使用目的・原理を有する人工内耳という理由から申告されております。

 また、本日の審議事項に関する影響企業について、委員の皆様から寄附金・契約金等の受取状況をお伺いしましたところ、薬事分科会審議参加規程第12条の「審議不参加の基準」又は第13条の「議決不参加の基準」に基づき、御退室いただく委員及び議決に御参加いただけない委員はいらっしゃいませんでした。以上、御報告いたします。

○笠貫部会長 ありがとうございます。ただ今の事務局からの御報告、御説明について、特段の御意見はございませんでしょうか。

 よろしければ、皆さんの御了解を得たということで、議題に入ります。

 議題2「医療機器『PDT半導体レーザ』の希少疾病用医療機器としての指定の可否」、議題3「医療機器『PDレーザ BT』の製造販売承認の可否等について」併せて審議を行います。なお、報告事項議題8も関連することから、併せて報告をお願いいたします。

 本議題の審議に当たりましては、参考人として、独立行政法人産業技術総合研究所電子光技術研究部門主任研究員の古川祐光先生に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。

 概要について、事務局から御説明をお願いします。

○事務局 これから審議、報告させていただく案件は、同一品目における内容であることから、3つの議題をまとめて御説明いたします。一般的名称は「PDT半導体レーザ」、販売名は「PDレーザ BT」です。腫瘍に親和性を有する光感受性物質を投与し、外科的に摘出した部位に残存する腫瘍組織にレーザ光を照射し、腫瘍細胞を変性・壊死させるという光線力学治療に用いるレーザ照射装置となっております。

 はじめに、希少疾病用医療機器に関連する事項として、資料2及び資料8を御覧ください。

 審議事項議題2、資料2「医療機器『PDT半導体レーザ』」の希少疾病用医療機器としての指定の可否について」及び、報告事項議題8、資料8「希少疾病用医療機器の指定の取消しについて」御説明いたします。

 パナソニックヘルスケア株式会社が開発するPDT半導体レーザについては、平成2012月に「悪性神経膠腫」に関する希少疾病用医療機器として指定したところですが、本品の開発が「悪性神経膠腫」より適応範囲の広い「悪性脳腫瘍」を対象として行われ、承認申請されたことから、希少疾病用医療機器の指定についても、申請内容に合わせて変更が必要な状況となりました。つきましては、資料8に基づき、既に指定されている「悪性神経膠腫」への適応を取り消すとともに、資料2に基づき、新たに「悪性脳腫瘍」を予定される使用目的、効能又は効果として指定することについて御審議いただくものです。資料2「希少疾病用医療機器概要」のタブの1枚目です。悪性脳腫瘍を予定される使用目的、効能又は効果とする指定に関して、対象患者数については、厚生労働省の「平成23年度患者調査」によると、中枢神経系の悪性新生物の総患者数が7,000人と報告されていることから、患者数が5万人未満という希少疾病用医療機器の指定基準を満たしているものと考えております。

 医療上の必要性については、本邦における悪性脳腫瘍に対する治療は、手術により最大限に腫瘍を摘出することを基本とし、術後に組織型に応じて放射線治療又は化学療法を追加する集学的治療が行われておりますが、その予後は不良であり、治療成績の向上が望まれております。本品は、特定の波長のレーザ光を照射する光線力学を利用した医療機器であり、腫瘍組織への集積性を有する光感受性物質である医薬品タラポルフィンナトリウムと組み合わせて使用することで、手術による腫瘍の摘出後に、残存した腫瘍細胞を傷害することを目的としております。本治療法は、悪性脳腫瘍に対する摘出手術成績への上乗せが期待される新規治療法であることから、医療上の有用性は高いと考えております。

 開発の可能性については、本邦において、術前画像診断により悪性脳腫瘍が疑われる患者を対象に、本品と併用薬を用いた光線力学的治療の有効性及び安全性について検討することを目的とした第II相試験が実施され、承認申請されていることから、本品の開発の可能性はあると考えております。

 以上のことから、本品は悪性脳腫瘍に対して、希少疾病用医療機器の指定要件を満たすものと判断しております。

 続きまして、資料8を御覧ください。予定されている使用目的、効能又は効果を「悪性脳腫瘍」とした指定申請に伴い、既に指定されている「悪性神経膠腫」については、開発を中止する旨の届出がありましたので、御報告いたします。なお、本品の併用医薬品である「タラポルフィンナトリウム」については、平成2012月に「悪性神経膠腫」に関する希少疾病用医薬品として指定を受けたところですが、「悪性神経膠腫」より適応範囲が広い「悪性脳腫瘍」として、平成25年8月2日開催の医薬品第二部会で審議され、8月12日付けで希少疾病用医薬品の指定がなされております。

 次に、先ほど御説明しました、希少疾病用医療機器と同一の製品に関する審議事項である、議題3について御説明いたします。資料3を御覧ください。1枚目が諮問書になります。具体的な品目の概要は、審査報告書1ページになります。一般的名称は「PDT半導体レーザ」、販売名は「PDレーザ BT」です。先ほど御説明しました希少疾病用医療機器と同一の製品で、申請者はパナソニックヘルスケア株式会社です。

 本品目の概要は、審査報告書5ページを御覧ください。図1が本品の外観になります。概略としては、光感受性物質タラポルフィンナトリウム製剤を用いた光線力学的療法に用いるレーザ照射装置で、本品から照射する光と腫瘍親和性光感受性物質との光化学反応により、強い酸化力を有する一重項酸素を発生することで、腫瘍細胞を変性・壊死させるものです。

 使用目的、効能・効果については、3ページに記載しております。光感受性物質タラポルフィンナトリウム製剤を用いた光線力学的療法に使用することを目的とするレーザ装置である。対象疾患は、脳腫瘍摘出術を施行する場合に限る原発性悪性脳腫瘍となっております。承認条件については、1.と2.のとおり、それぞれ必要な措置を講ずることとなっております。

 なお、平成25年8月26日に開催された医薬品第二部会では、タラポルフィンナトリウムについて承認して差し支えないという審議結果をいただいていることを補足させていただきます。詳細については、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

○機構 審議事項議題3、資料3「医療機器『PDレーザ BT』の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定について」医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 当日配布資料1の1ページを御覧ください。本審査に当たり、御覧の4名の専門委員に御意見を頂きました。また、事前に配布した資料に印刷ミスがございましたので、当日配布資料2の1ページ~3ページに正誤表をお示ししております。お詫び申し上げます。

 はじめに、品目の概要について御説明します。審査報告書4ページです。先ほど事務局より御説明したとおり、本品は腫瘍親和性のある光感受性物質タラポルフィンナトリウム製剤による光線力学療法に用いるレーザ照射装置です。以降の説明の中で、タラポルフィンナトリウム製剤のことを「レザフィリン」、光線力学療法のことを「PDT」、レザフィリンと本品を用いたPDTのことを「本治療」と申し上げます。レザフィリンは、早期肺がんを対象とするPDTに使用する医薬品として、既に平成1510月に承認されており、早期肺がんを治療目的としたレザフィリンを励起するレーザ照射装置も平成16年1月に承認されております。今般、悪性脳腫瘍を摘出後の摘出腔に残存した浸潤腫瘍細胞に対するPDTにレザフィリンを用いるため、レザフィリンについて、悪性脳腫瘍を効能・効果として追加する承認事項一部変更承認申請がなされました。レザフィリンの適応追加の申請に伴い、本品も承認申請されました。本品は、早期肺がんにPDTを施行するための既承認のレーザ照射装置を設計の基礎とし、脳腫瘍摘出腔にレーザ光を照射するための改良が施された品目です。既承認のレーザ照射装置と波長及びパワー密度が同一で、照射時間が短く設定されています。照射中のイメージを7ページの図5に示しております。本品は、脳腫瘍摘出後の摘出腔に対してレーザ光を照射するため、清潔な術野に直接触れることがなく、摘出腔内に照射が可能となるよう改良が加えられており、照射ユニットという構成品が追加されています。この照射ユニットを手術用の顕微鏡に固定して照射を行います。

 次に、非臨床試験に関する審査の概要を御説明します。審査報告書9ページからです。申請当初、本品には「観察モード」と呼ばれる、診断目的でレザフィリンを使用する照射モードが搭載されていましたが、レザフィリン及び本品を診断目的で使用する点については、評価資料が提出されていないことや、本品の治療に観察モードは必須ではないことから、機構は本品に観察モードを搭載することは不適切と考え、観察モードを本品から除くことが妥当と判断しました。申請者は、この点について了承しております。

 そのほか、使用設定の妥当性について、審査報告書10ページ以降に記載のとおり、主に照射パワー密度及び照射時間の根拠、照射パワー密度の許容変動幅の妥当性、レーザ光の照射面における照射パワー密度分布の妥当性について審査し、審査報告書に記載のとおり、申請者より追加資料の提出や添付文書における注意喚起を行う旨の対応がとられ、機構は了承しました。また、審査報告書14ページから記載したとおり、レーザ照射装置としての基本的な安全性と資料どおりの性能を有することが確認されたことから、非臨床試験成績について了承しました。

 続きまして、臨床試験に関する審査の概要を説明します。審査報告書20ページに記載のとおり、臨床試験成績に関してはレザフィリンの審査において評価がなされたため、本品の審査報告書においてもレザフィリンの審査結果を引用しております。臨床試験成績について、概要を御説明します。審査報告書22ページ下段、「評価資料」と記載された項を御覧ください。術前の画像診断により悪性脳腫瘍が疑われた患者を対象に、本治療の有効性及び安全性を検討することを目的とした非盲検非対照試験が国内2施設において、医師主導治験として実施されました。

 有効性については、審査報告書24ページの中程及び43ページの中程に示すように、国内臨床試験において得られたPDT施行12か月後の全生存率の結果等から、初発膠芽腫に対する本治療の有効性は期待できると判断しました。本治療の目的は、「手術により腫瘍を最大限に摘出した後の残存した腫瘍細胞を傷害することで術後の治療成績を向上させ、延命を図ること」とありますので、有効性の評価項目として延命効果に関する項目を設定することは妥当であり、臨床試験成績より本治療の一定の有効性は認められると判断しました。

 安全性については、審査報告書26ページ冒頭及び44ページの下から9行目以降に示すように、レザフィリンの使用において注意すべき有害事象としては、光線過敏症及び肝機能検査値異常があると考えますが、その他の有害事象を含め、既承認の早期肺癌と同様に注意することにより、本治療の臨床現場に提供することに特段の問題はないと判断しました。ただし、悪性脳腫瘍患者での検討は限られており、審査報告書38ページ冒頭及び46ページの下から3行目以降に示すように、製造販売後には本治療を施行した症例を対象として、目標症例数100例、登録期間3年間の調査を実施することが必要であると判断し、申請者に指示しております。

 なお、以上のレザフィリンの審査結果については、先ほど事務局より御説明しましたとおり、今月26日に開催された医薬品第二部会において審議され、了承されております。

 以上、本品に関する審査及びレザフィリンの審査結果を踏まえ、本品の審査における主要な論点について御説明申し上げます。審査報告書49ページの「総合評価」を御覧ください。1つ目の論点、「レーザ光のパワー密度の許容変動幅と照射面におけるビームプロファイルの妥当性」についてです。本品の許容変動幅及びビームプロファイルが均一でない点について、いずれも本治療に与える大きな影響はないと判断しましたが、PDTの効果を期待する照射対象部位を可能な限り照射面の中心に配置させることが、より高い治療効果をもたらすと判断し、添付文書において、標的部位の中心にビームの中心を合わせてレーザを照射することを注意喚起することが妥当と判断しました。

 2つ目の論点、「対象疾患の妥当性」についてですが、PDTの作用機序に鑑みて、浸潤性の悪性脳腫瘍において高い腫瘍摘出率を見込める症例に対しては、局所的に本治療を施行することにより、本治療の有効性が発揮できると考えられることから、対象疾患は摘出手術の対象となる悪性脳腫瘍とすることが妥当と判断しています。ただし、レーザ光の組織内侵達深さには限界があることから、腫瘍摘出率が低い場合には本治療による治療成績の向上は望めないと考えます。よって、本治療の施行の適否について、適切な判断が可能な脳腫瘍摘出手術に精通した医師が、PDTに関する十分な知識を習得した上で本品を使用することが適切と考え、承認条件1及び2を付すことが妥当と判断しました。

 最後に3つ目の論点、「照射方法の特定及び照射方法の周知徹底の方策」についてです。腫瘍摘出後に再発する可能性が高い部位に対して、局所的に腫瘍組織を変性・壊死させることが本治療の意義と考えます。脳腫瘍を専門とする脳神経外科医のコンセンサスとして、残存浸潤腫瘍細胞による増悪・再発の可能性が高い部位として認識されている部位を、本品の照射対象部位とすることは妥当と判断しました。よって、本品の照射対象部位について、学会ガイドライン等を通じて、本品の使用施設の医療従事者に対して適切な情報提供を行うことが妥当と判断し、承認条件2を付すことが妥当と判断しました。また、機構は、申請者が関連学会と協力することにより、製造販売後に得られた情報を基に、学会ガイドライン等の改訂等、必要な措置を講じ、治療成績の向上に努めることも継続的に検討していくことが必要と考えます。

 以上の審査を踏まえ、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器・体外診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断しました。本品は、希少疾病医療機器に指定されていることから、再審査期間は7年と判断しております。生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。なお、薬事分科会では報告を予定しております。

 ここで、事前にいただきました委員の先生方からのコメントを紹介させていただきます。寺崎委員より、2点コメントを頂いております。1つ目が、遮光制限の照度の基準として500ルクス以下という数値が示されているが、直射日光などの日常生活の中にある光が具体的にどのぐらいの照度であるか、情報提供する必要性についてコメントを頂きました。この点に関しては、本品を導入する医療機関において、遮光期間中の患者管理について、講習等を通じて適切に情報提供し、遮光期間である術後2週間、入院が継続している場合には、医療機関内での直射日光は浴びないよう、病室ではカーテンで日光を遮光し、蛍光灯の下での生活を義務付け、やむを得ず屋外へ出る場合には、帽子やサングラスを着用するなど、皮膚が露出しないような服を着用することとなっているようです。術後2週間以内に退院する場合には、退院後自宅において、同様に直射日光を浴びないような環境で、屋内で生活してもらうよう指導することとなっております。

 2つ目は、小児に対して本治療を適応する場合の、レザフィリンの投与量に関しての御質問でしたが、本治療の小児への適応については、治験を含めて経験がなく、用量についても成人と同様の設定でよいか、現時点では不明です。原則として、本治療は成人に適応すべきものと判断しており、小児悪性脳腫瘍を対象とした本治療の臨床開発については、今後検討する旨、申請者より回答されております。

 機構からの御報告は以上です。御審議のほどよろしくお願いします。

○笠貫部会長 ありがとうございます。参考人の古川先生から何かありましたら、追加をお願いします。

○古川参考人 PDT半導体レーザについては有効性があり、安全性も特段の問題があることが見受けられません。通常、これまでのPDTではフォトフリン治療が承認されておりますが、そのフォトフリン治療に比べ、有効性はより高く、安全性もフォトフリン治療より劣るものではないと見受けられますので、今の機構の判断は妥当なものと考えております。

○笠貫部会長 ありがとうございます。本件について、委員の先生方から御意見、御質問はありますでしょうか。

○寺崎委員 繰り返しになりますが、資料3「添付文書()」に、注意事項が書いてあります。35ページに、いろいろな条件は書いてあるのですが、私が申しましたのは、別紙8-3の右側の2)で、例えばPDT2週間経過後に指を直射日光に当ててみて、それで水疱が生じたら、また1週間遮光が必要など、実験のような状況が書いてあることや、その下に「光線過敏反応が消失後も投与後4週間以内の外出に関しては帽子、手袋等を」と書いてありますが、投与後4週間以内の外出にはこのようなことが必要であると書けば単純であると思います。治療中の注意などは書いてあり、事後の注意については講習会で行うとのことなのですが、少し不十分かと思いました。

○笠貫部会長 事務局から、それに対して何かございますか。

○機構 添付文書の書き方については、レザフィリンの添付文書との整合もありまして、こういった記載になっているのですが、今の寺崎委員からの御指摘は、ここの記載をもう少し分かりやすくしてほしいという御指摘と理解してよろしいでしょうか。

○寺崎委員 薬の添付文書はどこに付いているのですか。見つけられなかったのですが。

○機構 今回は資料3にはレザフィリンの添付文書については付いておりません。

○寺崎委員 資料2にもないですね。

○機構 資料2にもないと思います。

○寺崎委員 分かりました。「光線過敏が消失後も4週間以内の外出は」と言っているのですが、左側の一番下には、「投与後3日間はサングラスをかけさせること」ということだけしか書いていません。しかし、右側にはさらに帽子などと書いてあるので、表現を統一して書いたほうがいいのではないかと思いました。御検討くだされば結構です。

○機構 申請者と少し話をしてみて、もう少し分かりやすい記載を検討したいと思います。ありがとうございます。

○笠貫部会長 よろしくお願いします。ほかにはございませんか。

 千葉先生、小児の方は今後の検討ということでよろしいわけですね。

○千葉委員 笠貫部会長のおっしゃるとおり、小児はまだ今すぐ結論は出せないと思っております。

○寺崎委員 小児の治療について慎重に考える可能性があるようなことを文章の中に書いてあったように思いましたので、今回コメントさせていただきました。小児に施行しないのでしたら、やらないというように書いたほうがいいかと思います。小児への治療の可能性があるように書いてあったと思うのです。

○機構 審査報告書の中に、「慎重に使用すること」と書いてあるのは、申請者側の意見で、基本的には成人に使用するようにしていただきたいというのが、機構側の意見です。

○千葉委員 その場合ですと、小児用はまだ使用しないということを明確におっしゃった方がいいのではないかと、私は思います。

○機構 現状のレザフィリンの用量に関しても、「通常、成人には」と書かれていて、小児に使用することを想定はしていない。その用量の設定から、小児に使うことは想定されていないと考えています。

○笠貫部会長 今のお話は、適応のところで、もう「小児」というのは入れない、「成人」という言葉を入れた方が、はっきりするということでよろしいでしょうか。もし、実質的に同じことであるならば、分かりやすくきちんと適応にも書いたほうがいいのではないでしょうかということですが。

○機構 現状、レザフィリンの添付文書は、相互作用の項に小児への投与について、「小児に対する安全性は確立していない」という記載があります。これについて、レーザの添付文書への記載は抜けていたのですが、ここについて同じ記載をさせていただくことを検討したいと思います。

○笠貫部会長 適応を、成人の原発性・悪性腫瘍と書いたらはっきりするのではないかという、御指摘だと思います。レザフィリンという薬剤とレーザと、両方合わせたものについては成人に対してですということを、明確に適応として書かれたほうがよろしいのではないでしょうか。途中の議論の過程はいろいろあっていいのですが、最終的な結論としては、今のお話では、成人の原発性の悪性腫瘍ということになるかと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。

○機構 本品はレザフィリンが投与された患者に照射されることになっておりますので、レザフィリンの投与がない患者については、まず照射されないということです。レザフィリンのほうで、そこの安全性が確立していないので、除かれているということです。本品については、そもそも小児の脳腫瘍患者については使用されないということで、2つで1つのものとして捉えて、レザフィリンで除かれているので、本品については、特段記載は必要ないと判断しています。

○笠貫部会長 レザフィリンという薬剤にはっきりと「成人」というように書いてあるのですか。書いてないのですか。

○上席審議役 私の理解では、通常、医薬品については成人での臨床試験しか行われません。小児での臨床試験は非常に難しいので、承認までに小児での有効性・安全性が確立といいますか、評価できないということで、通常、成人では1日何錠という形で、成人の用法・用量で承認が下ります。小児について、使ってはいけないとかいうことが明確になっているわけではなく、「小児に対する投与」の項で、小児には臨床試験としての有効性・安全性の評価が確立しているわけではないということは書かれています。適応自体を禁止するようなことではないので、今の適応の表現のままの方がいいのではないかと思います。

○笠貫部会長 寺崎委員、千葉委員、それでよろしいですか。

○寺崎委員 小児への安全性が確立されていないものでも、どうしても必要なら、使うことが想定されるような気がしました。私のPMDAへの御質問は、成人と小児とで体表面積の計算の仕方が違うのではないかと思うので、その計算された体表面積は、薬のドーズとしては、大人と同じドーズでいいのかどうかということでした。小児には絶対使用を禁止するということであれば不要ですが、小児に投与されるような含みも少し持っているような感じであれば、小児に対する薬の説明がなくてよいのかという御質問でした。それは、ここに薬の添付文書がなかったものですから分からなかったのです。

○上席審議役 恐らく小児への投与量について、小児での治験は行われておりませんので、まだそこのデータがないということだと思います。多くの薬も、小児に対する投与量については、承認の時点でほとんど分からない状況で、小児科の先生方に御苦労をおかけしているわけですが、それと同じような状況なのだろうと思いますので、そこは今後、市販後に情報を集めていくようなことになるのではないかと思います。

○事務局 補足させていただきます。46ページに、小児の悪性脳腫瘍患者を対象とした本薬を用いたPDTの臨床開発を検討するよう申請者に指示をしており、さらに、これに従うということで、今後その辺りのデータはそろえていくのかと考えております。添付文書にも記載が漏れていたというところがありましたので、添付文書の記載も見直させていただきたいと思っています。

○笠貫部会長 千葉委員、よろしいですか。

 今、薬として小児は確認されていませんということと、確認されていない薬剤に対して、PDTという光線力学的療法を加えたとき、更に分からないということを、どう重みを持って捉えるかどうかによって、組合せの場合には成人だけにするのかどうか。または、薬と同じように、まだ確立はされていないという形で、今後使える余地を残すかどうかという、その判断だろうと思います。

○千葉委員 私はこの専門領域ではないのですが、一般的に小児の場合、いつも問題になります。安全性が確認されていないということが最初の薬であって、それが別の薬と更に併用したときには、もっと分かりませんということは、やはり書いたほうがいいのではないかと思っております。

○笠貫部会長 1つは、確かに対象の原発性悪性脳腫瘍というのは、小児の場合、大人と同じように生存率が非常に低いという、そのニーズからいったら小児に対しても、一応、薬と同じようにある枠は起こしておきたいという、悪性度を考えて、今回はそういう形の表現にしていただくということでも、よろしいですか。そこを、気を付けながら、少し表現を検討していただけたらと思います。それ以外にはございますでしょうか。

 私から御質問したいと思いましたのは、関連学会と連携していろいろなことを進められていることは、大変良いことだと思います。この中にも、市販後の調査のプロトコルも書いてありますし、先ほどの説明の中でも学会のガイドラインがあるということもお話にあったと思います。そうすると、薬事法上どうなるのか、医療機関と医師ということがあるのですが、承認条件の中に、学会のガイドラインなどは書けないのですか。

 もう1つは、先ほどの市販後の実施計画は、基本的には全症例登録の100症例ということなのですが、これを学会と一緒にやっていくという意味合いのことは、この承認条件の中にどこまで反映できるかということはいかがでしょうか。承認条件の中に、先ほど御説明したものを、できるだけ入れられる範囲で入れていただくと、はっきりするかと思うのですが、どうでしょうか。

○事務局 過去に「関連学会と連携して」という言葉を冒頭に付けて、承認条件とした例もありますので、その辺りの書きぶりに関しても、検討させていただきたいと思っております。

○笠貫部会長 ありがとうございます。ほかにありませんか。

 非常に悪性度の高い疾患に対して、薬剤とPDTとの組合せの新しい治療法ということで、皆さんに御理解いただけたと思います。よろしければ、議題ごとに議決をとります。

 まず、議題2「PDT半導体レーザ」について、本部会として、希少疾病用医療機器として指定して差し支えないものとして、よろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、指定を可とします。

 次に、議題3「医療機器『PDレーザ BT』」については、本部会として、審査報告書にある条件を付した上で承認を与えて差し支えないものとし、審査期間は7年間とし、生物由来製品及び特定生物由来製品への指定は不要ということで、よろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。この審議結果については、次回の薬事分科会において報告することにいたします。

 議題3が終了しましたので、参考人の古川先生におかれましては、御退室いただいても結構ですし、引き続きお聞きしていただいても結構ですので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございます。

── 古川参考人退室 ──

○笠貫部会長 議題6に移ります。議題6「医療機器『メドエル人工内耳 EAS』の製造販売承認の可否等について」審議を行います。

 本議題の審議に当たっては、参考人として慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科教授でいらっしゃる小川郁先生にお出でいただいております。よろしくお願いいたします。

 まず、審議品目の概要について、事務局から御説明をお願いします。

○事務局 資料6に基づいて御説明させていただきます。1ページは諮問書です。一般的名称は「人工内耳」、販売名は「メドエル人工内耳 EAS」。申請者は、MED-EL Elektro-Medizinische Geräteという企業です。特記事項としまして、本品は医療ニーズの高い医療機器の早期導入に関する検討会において選定された品目でして、優先審査品目として審査された品目です。本品の概要につきましては、2ページの図1、図2を御覧ください。音声信号処理装置に音響刺激の機能が追加されたものが、図1です。また、図2が人工内耳です。本品の使用目的につきましては、1ページお戻りいただきまして、上から3行目で、「補聴器装用では効果が十分に得られない、低音域に残存聴力を有する高音急墜型聴力像を呈する感音難聴を対象とし、聴覚障害者の聴覚路に音響刺激及び電気刺激を与え聴覚の一部を回復させる。」というものです。また、承認条件として以下のような条件を付すことを考えております。詳細につきましては、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

○機構 審議事項議題6、資料6「医療機器『メドエル人工内耳 EAS』の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定について」医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 諮問書の次ページを御覧ください。本審査に当たり、当日配布に記載しております2名の専門委員の御意見を頂きました。以降の説明において「メドエル人工内耳 EAS」を「本品」と呼びます。

 はじめに、品目の概要について御説明いたします。審査報告書1ページを御覧ください。本品は、補聴器では効果が十分に得られない、低音域に残存聴力を有する高音急墜型聴力像を呈する感音難聴を対象とし、低音域は音響刺激し、高音域は電気刺激することで音声等の情報を知覚させるための人工内耳システムです。本品は、審査報告書2ページの図1及び図2にお示しします、音声信号処理装置のオーディオプロセッサと、電極及び刺激器のインプラントから構成されております。サンプルも準備しておりますので、そちらも御覧ください。オーディオプロセッサは、既承認品に音響刺激機能が追加されたものであり、インプラントは、既承認品と同一です。図3に本品の基本原理をお示ししております。オーディオプロセッサに内蔵されたマイクロフォンで受信した音信号を、周波数帯域に応じて電気刺激回路と音響刺激回路に分離し、聴力の損失が著しい高音域は、既承認品の人工内耳と同様に、インプラントの電極から聴神経への電気刺激により音を知覚させ、聴力が残っている低音域は音声として増幅し、外耳道から音響刺激で知覚させます。本品は、患者の聴力に応じて至適にフィッティングすることが可能となっております。

 審査報告書3ページを御覧ください。イの項の7行目、本品の開発の経緯です。本邦で承認されている人工内耳の適応は90dBHL以上の重度難聴患者に限られており、低音域に残存聴力を有する高音急墜型感音難聴の患者への有効な治療法はないのが現状です。そこで、同側耳における音響と電気の複合刺激を行うことで当該患者への適応を可能とした機器(以下、「EAS」という。)が開発されました。

 海外の使用状況としましては、本品のオーディオプロセッサ及びインプラントは2011年に欧州で認可を受けております。

 本品の非臨床試験について御説明いたします。審査報告書7ページの「性能を裏付ける試験」の項を御覧ください。性能を裏付ける試験として、音響刺激機能について試験が行われていますが、電気刺激と音響刺激間で発生するタイムラグの評価については実施されておりません。この点について申請者は、音波の伝搬距離が短く、各刺激間でそれが大きな差になるとは考えにくいこと、また、音響刺激機能と電気刺激機能の両方が動作することの影響は、脳で音を知覚する段階で起こるものであり、これらの同時評価は非臨床試験で確認することは難しいことから、臨床試験でその有用性の評価を行った結果、臨床上問題ないことが説明され、機構はこれを了承しました。

 続いて、臨床試験成績について御説明いたします。審査報告書8ページを御覧ください。欧州3施設で14歳以上の高音急墜型聴力像を呈する両側性の感音性難聴を対象に実施されました。有効性の主要評価項目は、音場語音明瞭度検査の、1.静寂下・単音節、2.静寂下・文章、3.雑音下・文章の各条件下におけるEAS刺激の有効性評価、また、副次評価項目は、音響刺激、電気刺激、EAS刺激の各聴取条件下における音場語音明瞭度検査による有効性の経時的変化、純音聴力(気導検査)による低音域の残存聴力の経時的変化、アンケート調査による主観的有用性の経時的変化です。

 試験結果について御説明いたします。審査報告書9ページ、10ページの図4~6に主要評価項目の結果をお示ししております。18例が解析対象とされ、術前と術後3か月で行うEAS初フィッティングから6か月後の評価で語音の聴取の改善が見られ、至適条件に調整された補聴器を上回る成績が得られました。副次評価項目につきましては、審査報告書11ページの図7~9より、電気刺激、EAS刺激の各聴取条件において著しい有用性が認められました。また、審査報告書16ページの図10にお示ししましたとおり、残存聴力については、最大、平均20dBの低下が見られました。最後に主観的有用性については、審査報告書17ページの図11に示しましたとおり、術前の補聴器装用と比較して統計学的に有意な改善結果が得られました。

 次に、安全性の評価結果です。審査報告書17ページの表10を御覧ください。有害事象として4件、不具合として3件が報告され、本品との因果関係のある大きな問題は認められませんでした。また、参考資料として、審査報告書18ページに示します、日本語を母国語とする日本人における有効性及び安全性を確認することを目的として、現在、本邦で実施されております高度医療の評価資料も提出されました。結果は審査報告書19ページにお示ししておりますが、日本語話者に対する有効性が確認され、安全性についても、明らかな関連のある有害事象は1例もありませんでした。

 以上の臨床試験成績を踏まえ、本品の審査における主要な論点について御説明いたします。1つ目の論点は、欧州での臨床試験成績を本邦へ外挿することの妥当性です。まず、適応患者の聴覚学的基準について、本邦で予定されている本品の適応範囲と臨床試験の適応範囲は異なります。審査報告書26ページ、3.()を御覧ください。本品の適応範囲は臨床試験の適応範囲にほぼ包含されますが、差分については、本邦と欧米での検査内容の相違によること、残存聴力が低下するリスクや侵襲性を考慮したことによること、また、本品の欧州における適応範囲に基づいて設定されており、欧州での不具合及び有害事象の発生状況に特段大きな問題は認められないこと、さらに、本邦で実施されている本品と同一の適応範囲である高度医療において臨床試験と同等の有効性及び安全性が確認されていることから、本品の適応の範囲について特段問題はないと判断しました。

 次に、使用言語の違いについてです。審査報告書26ページ、3.()にありますとおり、母音に対する周波数は言語によらず同一である一方、子音については、欧米の言語の方が日本語の周波数帯より高域にあり、日本語は包含されること、本品は人間の聞こえる周波数範囲すべてに対応しており、個々の患者の聴力に合わせた至適フィッティングにより音声や言語を認識できること、既存の補聴器及び人工内耳は、同一の機器が世界中で使用され、有効であることは既に実証されていることから、日本語においても同等の有効性を示すと判断しました。以上を踏まえ、臨床試験を本邦に外挿することは可能と判断しました。

 続いて2つ目の論点は、術後の低音域における残存聴力の初期低下についてです。審査報告書26ページ、4.を御覧ください。臨床試験における低音域の残存聴力の低下の最大値は約20dBであり、機器の仕様を踏まえましても音響刺激で十分に補える範囲にとどまっており、残存聴力が保全されていることが示されました。これは、低音域に有効な蝸牛内の有毛細胞が温存されて機能し、音響刺激の効果が期待できることを意味しており、臨床試験の音場語音明瞭度検査結果における術前と音響刺激の条件下での評価結果が同等であることからも示されており、残存聴力の低下は許容できると判断しました。ただし、本品を植え込むことにより術前の残存聴力が低下する可能性があることについては、患者に対して十分に情報提供する必要があると判断しました。

 3つ目の論点は、本品の長期的な有効性及び安全性についてです。本品の適応である進行性の高音急墜型感音難聴は徐々に残存聴力が損なわれ、重度難聴となる可能性が高く、本品の音響刺激機能は、その進行の程度に伴って使用周波数帯も減少し、最終的には通常の人工内耳として機能することになります。審査報告書26ページ、5.ですが、長期実績について、海外の使用状況や文献においても特段大きな問題は認められず、また、インプラントは既承認品と同一であることから、ある程度の有効性及び安全性は期待されますが、本品の長期的な安全性については、既存の人工内耳とほぼ同様と考えることはできるのですが、有効性については、臨床試験ではフォローアップ1年を評価したものであり、評価資料としては長期成績が十分に確認されていないことから、市販後の使用成績調査において、長期成績を調査するよう指示しました。

 最後に4つ目の論点は、適応の範囲の妥当性、小児への適応についてです。審査報告書27ページ、6.を御覧ください。臨床試験及び参考資料として提出された高度医療が14歳以上又は成人を対象としていたために、本品の適応年齢は成人に限定されておりました。しかしながら、高音急墜型感音難聴の小児患者は存在し、小児ほど早期治療による言語習得への影響が大きいことを考慮すると、小児に対しても治療の選択肢を増やす意義は大きいと考えます。小児につきましては、本品のインプラントが既承認品と同一であり、高度難聴を対象に適応年齢18か月以上で承認されており、安全性は既知であること、現在、欧州における本品の適応年齢に制限はないこと、提出された文献から小児適応の有効性及び安全性が確認できたことを踏まえ、本邦での適応を18か月以上の小児とすることが妥当と判断しました。

 なお、本品の適応の判断に際しましては、低音域に残存聴力を有することを確認する必要がありますが、特に言語習得前の小児においてはその判断が困難であることから、適応の判断に際しましては、適切な複数の検査等により慎重に判断する旨、添付文書にて注意喚起を行うことが妥当と判断しました。また、適正使用に当たっては、高音急墜型感音難聴患者の病態や治療に対する十分な知識、経験を有する医師によって、関連学会の協力の下、本品の適応基準を定めたガイドラインに基づいて使用することが適切と考え、審査報告書29ページに記載の承認条件を付すことが妥当と判断しました。

 以上の審査を踏まえ、機構は、審査報告書29ページの「使用目的」で、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器・体外診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断しました。再審査期間は3年と判断しております。また、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと考えております。なお、薬事分科会では報告を予定しております。機構からの報告は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○笠貫部会長 どうもありがとうございます。それでは、参考人の小川先生から、何かございましたらお願いします。

○小川参考人 少しだけ補足をさせていただきます。高音急墜型感音難聴という難聴ですが、これは病名というよりは、難聴の程度あるいは難聴の特徴からこういう名称が付いているわけですが、多くのこういった難聴を呈する疾患としては、特発性進行性感音難聴という疾患があります。これは難病にも指定されている疾患で、最近では大体半分ぐらいで難聴遺伝子が見つかっているということで、何らかの遺伝子が関連する発症要因があるだろうということです。進行していくということが特徴で、比較的若年で発症して徐々に進行して、40代、50代ぐらいで完全に失聴するというパターンが、一番典型的なパターンではないかと思っております。高音の情報がないということは、言語的には母音は聞こえるけれども子音が聞こえない、そういう特徴です。ですので、子音の聴取りができないということで、いわゆる言葉の聴取が難しいという特徴です。先ほども成績がありましたが、補聴器を付けたとしても、静寂下では、平均的に40%程度の言葉の理解ができると、何らかの雑音があるような環境の下では10%前後しか理解ができないという状況です。これまでは、これに対して補聴器を使うわけですが、特にこういう方に対しては周波数帯域を圧縮するようなタイプの特殊な補聴器が使われてきましたが、圧縮するということは子音の周波数を低くするのです。ですから、残聴のある低音域で子音の刺激もするというような補聴器ですが、どうしても使う帯域が狭いために、幾らそういう加工をしても言葉の聴取がなかなか良くならないというような限界がありました。こういう中でEASという製品が出てきて、海外でのデータからしても、補聴器では補聴ができないような高音域を、電気的な刺激で補うということで、非常に有効な手段ではないかということで、社団法人日本耳鼻咽喉科学会からも「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」に要望書を出したということです。先ほどもありましたように、これまで、人工内耳の電極と全く同じような電極を埋め込むわけですから、安全性に関しては既に実績があって証明されておりますが、それを埋め込むことによって残聴のある低音域の聴力が長期的にどのようになるかというような、この辺の問題は今後、長期成績を見ていかないといけないと思っております。

 日本耳鼻咽喉科学会としましても、この適応基準に対するガイドラインを策定する、あるいは学会講習会等で残聴を保存する技術の標準化といったものを行っていく、あるいは、今までの人工内耳もそうですが、学会として埋め込んだ患者さんに関する情報、レジストリーを、この人工内耳に対しても行っていくという準備をしているところです。

○笠貫部会長 ありがとうございます。それでは、本件につきまして委員の先生方から御質問はございますでしょうか。

○齋藤委員 先ほど見せていただきましたが、サイズバリエーションが、この1種類だけというお話でした。しかし、これだけ小児まで対象となると、もう少しサイズバリエーションがあってもいいのではという感じがします。その点がどうなっているのかが1つです。もう1つは、アジアの国で使用された臨床実績等がありましたら教えてください。

○機構 ありがとうございます。まず1点目の、サイズに関しての御質問ですが、植え込むインプラントの方は既承認品と同一で、18か月以上の小児を対象に植え込まれているもので、このサイズバリエーションで、きているといったところです。

 それからもう1点、アジアでの実績とのことですが、提出されている参考資料においては、欧州又は本邦で高度医療が実施中ですので、その途中経過の評価をまとめたもののみとなっておりまして、アジアのものについては、申し訳ございません、添付はされていない状況です。

○齋藤委員 外耳道に入れるもののサイズは、インプラント以外には、あの1種類しかないのですか。

○機構 オーディオプロセッサの方ですか。

○齋藤委員 はい。

○機構 少々お待ちください。

○小川参考人 まず、中に入れるインプラントは内耳の蝸牛という所に挿入するわけですが、蝸牛のサイズは1歳頃から成人とほとんど同じ大きさですので、年齢に合わせてサイズを変えなければいけないというようなことはありません。外側に付ける、いわゆるスピーチプロセッサに関しては、耳介の後ろに付けるわけですが、実際に外耳道に入る所は補聴器と同じですので、今までのそのお子さんの大きさに合わせた、イヤホンあるいはイヤモールドといったものを作って挿入するということになっています。

 海外での試験ですが、韓国で埋込みが行われたものは学会ベースでは既に報告がありまして、欧米と大体同じような結果が出ていると記憶しております。

○梅津委員 これはむしろ先生がお聞きした方がいいかもしれませんが、言語習得前の幼児に対しての適応は、非常に大切だと私は強く感じました。そのとき学会として、どのように審査するのか。添付文書で書けばいいと書いてあるのですが、具体的に学会では、このように書けば大丈夫だという方法のようなものは決まっているのでしょうか。

○小川参考人 決まっているといいますか、人工内耳で低音域の残存があるかないかは別として、小児の人工内耳の適応も、既に文書になって学会で発表しております。問題は低音域にどれだけの残聴があるかということですが、これまでは、なかなかその測定が難しかったのです。いわゆる行動反応とか、そういう反応を見て評価する方法ぐらいしかなかったのです。最近、やっといろいろな、脳幹反応を測定することによって、ある程度は低音域の聴力が客観的に評価できるということになってきましたので、先ほどの話にありましたが、複数のそういった検査法を用いて残存聴力の評価をして適応を決めていくということで、これに関しては、学会でもその適応の決め方に関しては、今、ガイドラインを作成しているところです。

○笠貫部会長 ほかにはございませんか。

○千葉委員 サイズは1種類ということですが、実際に埋め込まれた後の、音響刺激あるいは電気刺激の強さに関しては、18か月の子供と成人は同じとお考えでしょうか。

○小川参考人 いや、それは恐らくマッピングの段階で、特にお子さんの場合には、入力した音に対する行動を見ながらマッピングを決めていきますが、実際にどれだけの電流で刺激をしたときにどういうレスポンスがあるかというところに関しては、大人もそうですが、結構、個人差が大きいので、子供だから、大人だからこういうレベルということを一概に言うのは難しいのではないかと思っています。

○千葉委員 例えば、あるお子さんがいて、成長段階に応じてそれを変えていくということもお考えなのでしょうか。

○小川参考人 それはもちろん、今までの人工内耳も同じですが、定期的にマッピングを変えながらやっていくということです。EASの場合には、特に低音域の残聴が本来の疾患の特徴による進行性のもので、これを入れたから進行が止まるわけではないわけですから、その進行の仕方をチェックしながら、マップといって、どの電極にどれだけの電流を与えるかという、そういう調整を変えていくということは常にやっていかないといけないと思っています。

○千葉委員 もう1点、補聴器では効果がない者に対してEASを使うと、最初の説明で触れておられますが、では、最初に普通の補聴器を使って駄目だからというように切り替えるということは、子供も大人も今後もあることなのでしょうか。

○小川参考人 まずは補聴器を使ってということですか。

○千葉委員 そういう選択肢もお持ちかどうかという質問です。

○小川参考人 例えば子供の場合は、まずは補聴器を付けますね。人工内耳の場合も、大体18か月というところで人工内耳を埋め込むかどうかという適応を決めるわけですが、それまでの間は、補聴器を使ってなるべく言語の訓練をする。その段階で、言語の習得の状況などはどうかというものを見て、ある程度補聴器でできるだろうという評価ができれば、そのトレーニングができる範囲では、もう補聴器でやっていくだろうということになります。しかし、先ほどもお話しましたように、疾患としては進行するのが特徴ですので、どこかの時点では、こういうものがあればこういうものの選択を一度考えないといけないだろうということになります。大人の場合は、子供のときに言語を習得して、それから徐々に進行していって、初めてこれの適応になるような聴力になったとしますと、その方の補聴器を使っている、成人ですから長い間のトレーニングがありますから、リップリーディングを併用するとか、あるいは手話が分かるとか、そういう視覚情報で補うことで、必ずしも患者さんがこういうものを期待して求めるかどうかというのは非常に個人差があることです。ですので、補聴器とリップリーディングで十分に日常会話ができるという方の場合には、必ずしもこれを選択するかどうかは分かりません。しかし、もちろんこういうものがあれば、その段階でリップリーディングを使ったとしても、言語聴取が例えば40%、半分にも満たないというような方の場合には、こういうものの適応を、あるいは装着することをお勧めするということになろうかと思います。

○千葉委員 ありがとうございました。

○笠貫部会長 よろしいですか。どなたか、ございますか。

 先ほどの小川先生のお話で、学会が医療ニーズの高い医療機器等の早期導入から積極的に関わっていらっしゃって、適応でもQOLの話が入ってくるのだろうと思うのですが、難病で非常に進行性のある患者さんで、QOLを含めて適応としてガイドラインを考えていただいているということでした。そこに先ほどのマッピングの話も出ましたが、術式についても検討を加えていただけると、さらに、レジストリーもしていただけるということなので、こういった機器の場合には、むしろ承認条件にその学会が今のように積極的に関わっていただけることを書いていただけると、大変前向きになるのではないかという感じがいたします。また、学会からのそういった活動へ、企業だけではなくて、国からも援助というようなこともしていただけるといいという気持ちを込めて、何か承認条件をもう少し積極的に書くことを考えることは可能でしょうか。

○事務局 先ほどPDレーザのところでも議論しましたとおり、承認条件につきましては、関連学会と連携してというところで考えております。また、その学会に対してもと、先ほど笠貫先生からお話がありましたが、その点に関しましても、過去に実績もありますので検討していきたいと思っております。

○笠貫部会長 ありがとうございます。そういうことで小川先生、これからも是非よろしくお願いいたします。

○小川参考人 よろしくお願いします。

○笠貫部会長 特に御意見がございませんでしたら、議決に入ります。

 「医療機器『メドエル人工内耳 EAS』」については、本部会として、審査報告書にある条件を付した上で承認を与えて差し支えないものとし、再審査期間は3年間とし、生物由来製品及び特定生物由来製品への指定は不要ということでよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。この審議結果につきましては、次回の薬事分科会において報告することにいたします。

 議題6が終了しましたので、参考人の小川先生におかれましては御退室いただいて結構です。どうもありがとうございました。

── 小川参考人退室 ──

○笠貫部会長 それでは議題4に移らせていただきます。「医療機器『InterStim II 仙骨神経刺激システム』の製造販売承認の可否等について」審議を行います。

 本議題の審議に当たりましては、参考人として、特定医療法人社団松愛会松田病院院長でいらっしゃいます、松田保秀先生にお出でいただいております。よろしくお願いいたします。

 まず、品目の概要につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 事務局より御説明させていただきます。資料4を御覧ください。1枚目が諮問書になります。具体的な品目の概要につきましては、審査報告書1ページになります。一般的名称は「植込み型排尿・排便機能制御用スティミュレータ」、販売名は「InterStim II 仙骨神経刺激システム」です。申請者は、日本メドトロニック株式会社になります。

 本品目の概要につきましては、審査報告書4ページ、5ページを御覧ください。図1、図2に外観が示されています。概略としては、便失禁の改善を目的とした仙骨神経刺激療法において、体内に埋め込んで治療する神経刺激システムです。先にリードのみを植え込み、外部神経刺激に接続しての試験刺激を行った後、有効性が確認された患者について刺激装置を植え込むものとなっています。使用目的、効能・効果については2ページ、3ページに記載しています。「本品は植込み型神経刺激システムで、保存的療法が無効又は適用できない患者に対し、便失禁の改善を目的とする仙骨神経刺激療法に使用される。」こととなっています。

 承認条件については、3ページにあるとおり、必要な措置を講ずることとなっています。詳細については、医薬品医療機器総合機構から御説明します。

○機構 審議事項議題4、資料4「医療機器『InterStim II 仙骨神経刺激システム』の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定について」医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。本審査に当たり、当日配布1「専門協議委員リスト」の2ページに記載している5名の先生方の御意見を頂きました。

 本品の概要について簡単に御説明いたします。資料4の「申請書」と書かれたタブをお開きいただき、2枚めくっていただいて別紙2-2の写真を御覧ください。本品は、保存的治療の効かない便失禁の患者に対して、写真のような形で植え込まれ、リード先端の仙骨神経に電気刺激を与えて便失禁の改善を図るという神経刺激システムです。

 次に、審査報告書5ページに戻っていただきます。先ほど御説明がありましたけれども、図1のような刺激装置と図2のようなリードがあり、そのほかに手術用の器具と刺激を調整するプログラマ等があります。使い方としては4ページの下にございますが、まず透視下で仙骨裂孔に穿刺して通電し、神経機能が損なわれていないことを確認します。その後、リードだけ植え込んで、体外式の刺激装置を接続して試験刺激を行います。約2週間の試験刺激で便失禁の改善が認められた患者にのみ、刺激装置を植え込みます。

 開発の経緯については、5ページの下半分を御覧ください。便失禁は生命を脅かすものではありませんが、心理面やQOLへの影響は軽くありません。原因は様々ですが、分娩時の括約筋損傷や加齢に伴う機能低下等が挙げられています。その治療法ですが、海外では、国際失禁会議にてRecommendationが作成されており、初期治療として、通常は保存的な治療、例えば食事指導や下痢止めの薬、括約筋の訓練等が行われます。このような治療が無効な場合には、6ページの表1のように外科的な治療が検討され、括約筋の損傷度に応じて治療が選択されます。この中の仙骨神経刺激療法というのが本品の治療です。括約筋損傷なしの症例に対しては最も推奨されています。次の段落に機序を記載していますが、これは単純に括約筋などを収縮させるというものではなく、多因子的と考えられており、中枢や反射への関与、自律神経への関与も想定されていますが、現時点では明確な結論は得られていないという状況です。中程の段落になりますが、本邦では、仙骨神経刺激療法は存在しませんので、修復すべき括約筋損傷のない症例などの一部では、盲腸瘻から順行性洗腸で大腸を空に保ったり、人工肛門造設術といった治療も行われています。

 開発の経緯ですが、まず、疼痛緩和用の脊髄刺激装置Itrel3があり、その適応を変えて仙骨神経刺激装置としてInterStim1994年にCE markを取得し、その後、刺激装置が小型化されました。便失禁に対してのFDA承認は2011年です。外国での出荷実績は9ページ表5です。海外では尿失禁などにも使われており、便失禁での使用数は申請者も把握できていませんが、刺激装置としては全世界で113,000個ほどの実績があります。

 審査の概要について説明いたします。非臨床試験については、11ページ~14ページに記載していますが、適切な回答、修正がなされ、全体として問題ないと判断しています。

 次に臨床試験について説明いたします。審査報告書15ページを御覧ください。はじめに、海外についてですが、米国14施設をはじめ16施設にて行われた非無作為化試験で、対象患者や主な選択基準・除外基準は15ページに記載のとおりです。

 次に、有効性の主要評価項目は、植込み後12か月に失禁回数/週が50%以上減少する症例が50%以上であること。副次評価項目は、同様に週当たりの失禁日数、便失禁のQOL、切迫性失禁の回数が設定されました。17ページの図4に症例数を示しています。神経反応を見る急性期の試験刺激が132例、便失禁の改善を見る亜慢性期の試験刺激が129例、刺激装置を植え込んだ症例が120例でした。

 次に試験検体についてですが、審査報告書7ページの表2を御覧ください。試験にはこの表の左の1.と2.が使用されました。これらは3.、すなわち本品と比べて大型で、一番下の行にあるように本品より少し高い出力が可能で、その精度も本品より高いというものです。ただし、臨床試験では本品が出力できない8.5V以上を使用した症例は120例中2例で、また、国内臨床試験で3.の本品そのものを使用して12か月において問題ないことを確認しており、この点は問題ないと考えています。

 次に臨床試験の結果ですが、18ページを御覧ください。表10のように主要評価項目では120例中88例、73%の症例で失禁回数が50%以上減少しました。副次評価項目についても、表11のように改善の傾向が見られました。次に19ページの表12ですが、便失禁用のパッドを常時手放せない症例は37%に減り、「使用なし」は31%に増えました。

 安全性については20ページを御覧ください。表15が全有害事象で、110例で587件報告されました。21ページですが、死亡が3例報告されましたが、いずれも因果関係は否定されました。因果関係を否定できない有害事象は、試験刺激期には表1622例、植込み期には22ページの表1789例に発生し、主なものは疼痛、排尿機能変化、感染でした。重篤なものは23ページの表18に示します。試験刺激期に4例、植込み期に10例発生し、主なものは疼痛と感染でした。

 次に25ページの、国内臨床試験について御説明します。5施設にて本品を用いて行われ、評価項目は一番下の行から次ページにかけて記載しており、6か月時点で一旦集計しましたけれども、そのほかは海外同様に設定され、12か月の評価も行いました。症例数は図5に示しますが、21例に刺激装置を植え込みました。結果は28ページの表24を御覧ください。一番上の失禁回数半減以上の症例は70%、そのほかについても改善の傾向がありました。安全性については30ページ以降に記載していますが、海外試験と同様の傾向が見られました。

 以上を踏まえ、審査における主な論点を御説明いたします。審査報告書37ページの「総合評価」を御覧ください。1点目は、本品の臨床上の位置付けについてです。本品の対象は保存的治療が無効の患者ですが、試験刺激にもリードを植え込む侵襲がありますので、効果が期待できない患者や優先すべき治療があれば除外すべきと判断しました。具体的には、32ページの中程を御覧ください。注意すべき患者については国際失禁会議や臨床試験の除外基準に挙げられており、例えば解剖学的にリード留置が困難な患者、優先すべき治療として炎症性腸疾患、直腸脱、括約筋の損傷などがありますので、本邦においても情報提供すべきと判断しました。

37ページに戻って、1.の3行目からですが、さらに、本品の適切な患者選択には、例えば先ほどの括約筋損傷の外科的修復など、優先すべき治療の有無を判断する必要がありますので、既存の便失禁の治療について十分な知識・経験を持つ医師により行われる必要があると考えます。

 2点目は有効性についてです。試験結果からは、試験刺激で効果があっても植込み後に効果が得られない場合や、便失禁が消失しない場合もあり、パッドから解放される可能性は必ずしも高くないという結果です。しかし、保存的治療の効かない患者に、他の治療を優先した後に使用することを考えると、著効とまではいえなくとも意義を認めることは可能と判断しました。

 3点目は安全性についてです。主な有害事象の疼痛、感染について、外科的な治療を要した症例もあり軽視はできないと考えますが、重篤度や発生率から考え、また、そのほかに有効な治療を見いだしにくい中で使用されることを前提とすれば、受容は可能と判断しました。さらにリスク低減のため、清潔操作の注意喚起や手技の習熟は必要と考えます。また、2.と併せて、臨床試験での有効性、安全性評価の結果を十分に情報提供し、適切なリスクベネフィット判断を踏まえた使用を促すべきと考えます。

 4点目は長期的使用についてです。臨床試験は12か月で、海外では一部フォローアップがありますが限られており、先世代品でのデータでもありますので、市販後には可能な限り12か月を超える有効性を確認すべきと判断しました。

 以上の審査を踏まえ、機構は、審査報告書38ページの承認条件を付した上で、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器・体外診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。再審査期間は3年と判断しています。また、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと考えています。なお、薬事分科会では報告を予定しています。機構からの報告は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○笠貫部会長 どうもありがとうございます。それでは、参考人の松田先生から何かございますか。

○松田参考人 松田です。今、お話がありましたように、この便失禁というのは、自分の意思とは関係なく便が漏れるということもありますし、寝ていても下痢だけが漏れるということも、もちろんあります。とにかく、人間の尊厳が損なわれる最大の問題だということは御承知のことだと思います。我々の日常診療で肛門に問題のある人たちでも、例えば括約筋が損傷を受けている場合は、縫ったりすることで対応できるのですが、局所には特別の問題がなくても、お尻の括約筋の力が弱い方は結構いらっしゃいます。その原因としては脳疾患のこともあるし、脊髄疾患のこともありますが、脳の場合だと脳梗塞などで、お尻の括約筋の力が落ちることがあります。このことに関して先ほどもお話がありましたように、一般に医療機関にかかる方は比較的少なくて20%ぐらいですけれども、悩んでいる人たちが非常に多いということです。その人たちは必ずしも全部が適応になるわけではないので、まずは診察をする。そして保存的にできるもの、それから本当に便失禁なのかどうか、その辺りの診断をしっかりと付けて、例えば括約筋であれば縫うものは縫うし、お尻の皮下に紐を入れる措置でチールシュ法とか、いろいろあの手、この手があるのですが、それでもどうしても難しい方がある程度いらっしゃるわけです。従来、そういう人に対しては、例えば括約筋がない場合は、大腿筋にある縫工筋を肛門に巻き付けて、お尻の肛門収縮機能を作る手術も行われていました。しかし、少なくとも内括約筋、外括約筋が残っている限りは、そこに刺激を与えることによって、何らかの形での肛門閉鎖反応が出てきます。お尻の締りが良くなって便が漏れる回数も少なくなります。仙骨神経刺激はその点で非常にメリットがあるのではないかと思います。それと、この辺りに対して従来、例えば仙骨に針を刺して刺激する研究は日本でも行われていましたが、今はその逆で、仙骨麻酔というのがあります。お尻の尾骨の所から針を刺して仙骨麻酔をする。局所麻酔剤を入れることによって肛門括約筋が緩みます。そして肛門の痛みが取れるという反応もあるわけですから、逆の手で仙骨を刺激することによって括約筋がしっかり締まってくると言えます。そういうことで、この有効性については明らかに外国のデータも日本でのデータからも、それなりの反応で少しは改善してくる。これは日本の中でまだまだ症例が少ないので、例えば括約筋を縫った後に仙骨刺激をする方法も、恐らくあると思いますし、用途は非常に広いのではないかと思います。

 そこで、仙骨神経刺激療法を行う場合、今の臨床医は、仙骨に針を刺して仙骨神経になるべく近い所まで持っていって刺激するという技術にほとんどの人たちは慣れていません。したがって、それは学会の講習会によってやることが恐らく前提になると思います。今、大腸肛門機能障害研究会というのがあります。これは大腸肛門病学会の一部になるのですが、その中で機能のことについて、いろいろ勉強し研究している先生方もいらっしゃいますので、その先生方を中心に仙骨にチューブを入れる技術・講習、その後のフォローをしっかりやっていくことが必要になると思います。これは、実は誰でもが「はい、はい」と簡単にできるものではないのです。正確にきちんとやることによってそれなりの効果が出ると思いますので、私たちとしては大いに期待しているところです。以上です。

○笠貫部会長 どうもありがとうございます。それでは、本件につきまして委員の先生方から御質問、御意見はございますでしょうか。

○齋藤委員 こういった埋没型のいろいろな機器に関して、いつも伺うのですが、高齢者が対象ということで、MRIを撮ったときの発熱の問題や誤作動の問題、あるいはMRI対応になっている機種なのか教えてください。

○機構 MRIに関しましては、原則は使わないでくださいというところです。ただ、今回は植込み箇所がお尻の辺りということで、頭部は必要がある場合には撮影してもよいことになっています。しかし、どんな場合でも大丈夫なのではなくて、使用可能な条件というのは書いてあります。その辺りが審査報告書では13ページにございます。規定された条件で頭部MRI撮影が可能である根拠の資料は当初は提出されていなかったのですが、照会において追加提出いただき、必要な資料がそろっていると判断できましたので、添付文書において、やむを得ない場合は行ってもよいという形で記載させていただいています。また、植込み機器ですので患者手帳などに、こういう機器が植え込まれている、こういう条件なら可能であるというあたりは記載して、患者様にも他科を受診するとき等には、しっかりその辺の情報を共有できるようにという配慮はしていただく方針です。

○齋藤委員 これは半永久的に埋め込んでいるものですか。

○機構 そのとおりです。

○齋藤委員 これはバッテリーが中に内蔵されていて、バッテリーの消耗により再手術した例があるということですが、通常の使用でどのくらいの持つのでしょうか。

○機構 はい。その辺りは審査報告書12ページの中程から少し上にあります。小型化したというお話をしたと思いますが、海外で使ったものより重量で半分くらいになっていて、恐らくバッテリーも小さくなっています。海外より短くて、患者の半数で4年以上のバッテリーの持ちを保証することになっています。ですから、その場合は、リードはそのままでよろしいのですが、本体は交換する必要が出てくるかと思います。

○齋藤委員 どうやってチェックしますか。自覚症状でチェックするのですか。

○機構 プログラマの方でバッテリーの残余量が表示されるようになっています。

○齋藤委員 分かりました。

○笠貫部会長 ほかにはございませんか。

○松田参考人 MRIのことですけれども、高齢者ばかりではないので、MRIをする場合は注意が必要だということはあると思います。ただ、最近の電子機器ですね、携帯電話とかありますけれども、あのことが私も気になって問い合わせたのですが、機構としても、それは大丈夫だということを言っていました。

○笠貫部会長 この電磁障害と言いますか、電磁干渉について、添付文書でもかなり細かく書かれていて、心臓のペースメーカーとほぼ同じですよね。携帯電話も15cm以上離してくださいということで、基本的には患者用プログラムと医師用プログラムがあるので、これはテレメトリーで変えることができるので、必ず電磁干渉を受けると。したがって電磁干渉に関する注意は、今までの心臓ペースメーカーと同じだと考えていいわけですね。

○機構 我々が考えたのはペースメーカーそのものというより、一番類似のものとして疼痛緩和などの神経刺激システムがあり、生体の電気を測定する機能があるかないかというところは神経刺激では異なるので、もしかしたら外来電磁波に対する感受性は少し違うのかもしれないです。しかし、神経刺激植込み型のものでも、既にある程度技術的には確立していると思いますので、それと同程度の注意喚起は、今回、行うべきだろうという判断をいたしました。

○笠貫部会長 前に脳の刺激装置も、このペースメーカーとほぼ同じに考えると、リスク低減化は同じ措置を取りますということだったと思いますが、今の装置で、もし電磁干渉を受けて健康被害が起こるとしたら、どのような健康被害が起こるのでしょうか。それでリスク低減化のときに、どこまで行うべきかということが決まってくると思います。

○機構 まずは、誤作動というところは起き得ると思いますが、最悪で考えられるとすれば、強力な電流が流れることで、神経が焼けてしまうとか、そういったところも考えられるだろうと思います。しかし、観察された有害事象とか海外での状況を見て、そういうのが相当な頻度で起きるものではないだろうなというところの感触は持っています。

○笠貫部会長 患者さんの手帳というのは、一応、作ってあるわけですね。

○機構 そのとおりです。

○笠貫部会長 そうすると、患者さんが日常生活の中で、電磁干渉からどのように自分の身を守るかについては、患者さんの手帳と医師の指導が十分行われていることが前提条件と考えてよろしいですね。分かりました。

○松田参考人 先ほどのボルトですけれども、今、8.5Vとなっていますが、尿失禁に対するときには2030mVぐらい使っているということがありましたので、どれだけの強い電磁波がそこに作用するか想像できないですが、もし強いものが関わったとしても、人間が生活している環境内のものであれば、最大のものが入ったとしても痛みが出たり、お尻が強く締まってしまい、括約筋の血流が悪くなってしまうということは、まずないと思います。

○笠貫部会長 先ほどの国際失禁学会のガイドラインがあって、国内では大腸肛門学会の中の大腸肛門機能研究会で、手技の問題も適応の問題も、その後のフォローも、先ほどの患者さんのも含めて、講習は学会がされるということでしたが、ガイドラインや今後のレジストリーは、お考えになっていらっしゃるのでしょうか。

○松田参考人 これを扱う場合、大腸肛門の専門医の中でも、さらに機能的な疾患をやっている人が扱わないと、最初は難しいと思います。日本の中でそういう体制がまだできていませんので、少しずつ症例を集めていき、最初は専門家であっても講習をやって、やり方をしっかりと身に付けて、一つひとつ症例を重ねていく。そういうところからスタートすることが必要だと思います。したがって、学会ですぐにガイドラインを作って、「はい、では始めましょう」というわけには恐らくいかないと思います。

○機構 講習につきましては企業が行うのですが、そこに、先ほど先生から御紹介いただいた学会に、全面的に協力いただく方針になっています。

○笠貫部会長 それは十分承知しています。学会が必ず関わってということを私は言っているだけで、特に仙骨からリードを入れる場合の技術というのは、必ずリードを移動したり抜去しますので、逆に技術の問題というのは大変なことだと思います。リードの断線の問題もあるわけですね。今のところそういうのはないですか。

○松田参考人 それは、基本的にはなかったようですね。しかし、実際は失敗したことがあったと思われますが、データが出ていないですね。

○機構 リード断線というのは、希には術中に起き得るものとしては報告されています。

○千葉委員 私の理解では、排便機能とか失禁も便秘もそうですが、内括約筋、外括約筋、肛門挙筋、それから腸管そのものの運動性、多分こういったものが複雑に絡み合って行われているのだろうと思います。

 最初に、私はこの機械は是非入れるべきだと個人的に思っています。ただ、そこで質問させていただくわけですが、神経を刺激するのがいいのか、あるいは、今のようにいろいろな筋肉が関係していますけれども、患者さんによってどの筋肉が一番問題かというのは、多分みんな違うと思います。神経を刺激した場合と筋肉を刺激した場合に、例えば横隔膜の神経を刺激すると横隔神経はやられてしまうので、横隔膜の筋肉そのものを刺激することが一般的になっていると思いますが、この場合、仙骨神経でいいのか、あるいはどこかの筋肉を狙ってそれを刺激するのがいいのかに関して、松田先生のお考えはいかがでしょうか。

○松田参考人 先生がおっしゃるとおり、筋肉は周期的に刺激していくと萎縮してしまう可能性があります。この場合は、今存在している脊髄神経があって、内括約筋は自律神経の方になりますが、外括約筋が脊髄神経の方になりますので、取り分けそこは明確ではないけれども、とにかく仙骨から神経を刺激することによって、それなりに収縮反応が出てくると思います。それ以外の方法は何もないということで、実はそういう方法になってきているわけです。ただ、先生がおっしゃるように、筋肉に刺激を与えていくと萎縮というか、筋肉が細くなってしまうことになる可能性があります。

○千葉委員 これの使用法は、例えば全くの個人生活に戻ったときは緩めておいて、社会に出るときはずっと刺激を続けるとか、そういう使い方もあり得るのでしょうか。あるいは24時間、365日、ずっと刺激するのでしょうか。

○松田参考人 そうしないと、何時、便が漏れるか分からないということはあり得ると思います。だから、例えば寝ているときはスイッチを切ってという状態では、筋肉の力がまた一から立ち上がらないといけないので、少し難しいのではないかと思います。

○千葉委員 ただ、1日に1~2回は排便しなければいけないわけですね。

○松田参考人 はい、そうです。

○千葉委員 その排便時は、刺激し続けたままなのでしょうか。

○松田参考人 そう思います。そんなに強く締まらないです。要するに便失禁を少しでも減らすというレベルでの締りということになるわけです。先生がおっしゃったように、内括約筋も肛門挙筋も、仙骨を刺激することによって起こる骨盤内の神経も、ある程度動員されて、何とかそれなりの作用が出てくるのではないかということです。当然ながら尿失禁に対しても作用はあるわけですから、まだ分からないことはたくさんあるそうですけれども、そこを少しでもやりましょうという状態のようです。

○千葉委員 最後に1点だけ、今のようないろいろ複雑な構造を想定しますと、どこを刺激するのがいいかということは、多分、術中にいろいろ刺激しながら判断されると思います。そのときの基準は、例えば直腸肛門内圧といったものなのでしょうか。あるいは、どういうことでこの場所がいいと決めるのでしょうか。

○松田参考人 それは、2週間刺激を与えますね。それで効果が出るかどうか。これは明らかに漏れるかどうかを見ないと、肛門内圧が低くても漏れない場合がありますから、必ずしもそればかりでは言えないと思います。しかし、一応、こういう検査の項目はきちんと一覧表を作って、それに応じてデータを取りながらやっていくことになると思います。

○千葉委員 つまり、手術で電極を入れるときに、この位置でいいのだということを手術中に決定する最大のポイントは、どこに置かれるのでしょうか。

○松田参考人 これは、恐らく位置が分からないと思います。深く入って、そこで電気を少し通じてみて、何か違和感を感じるかどうか、その辺りになるのではないかと思います。この辺りは我々も直接実施したことがないから、よく分からないのですけれども、先生がおっしゃるように、どの位置に入れるかというのは、レントゲンで距離をどこといっても人によって違うでしょうから、そのうちに電圧あるいはいろいろなもので、この辺りだったらいいとか、そういう反応を見ながらやっていくのではないかと思います。

○千葉委員 多分、そこのところが、トレーニングの際にも一番難しい問題なのだろうと想定しています。

○松田参考人 そうですね。入れるということは、例えば動物だったら適当なところで入れてやればいいかもしれませんが、人間にはそういうわけにいかないので、これは海外でのことも参考に、これからやっていかなければいけないと思っています。

○千葉委員 分かりました。

○機構 手術の際には、まず針を刺して、S2~S4の中で通常はS3を選ぶそうです。そこで電気を流して、爪先や肛門に刺激感があるかどうかチェックして、十分な反応が得られた所に電極を埋め込んで、その後、先生から御説明いただきましたように、便失禁がそれで治るかどうかチェックするという形の手技と聞いています。

○武谷委員 お聞きしたいのですが、これは一般名が「排尿・排便機能制御用スティミュレータ」ということで、当然、仙骨神経を刺激すれば排尿機能にも何らかの影響が及ぶことが予想されるかと思います。今回は便失禁を対象としたということですけれども、排尿機能に対してもポジティブあるいはネガティブな影響の両方あるのではないかと思いますが、例えば両方合併した方はどうなのか。あるいは尿閉とか頻尿など、尿路系の副作用も報告されているようで、この辺はプログラムを調整すればいいということですけれども、事前にこの手技をするに際して、排尿機能に関して何らかの情報を得るとか、そういう障害が起こり得ることが確率的にどのくらいか、患者さんに説明する上でも、説明書か何かに尿路機能に対する、今、私がお聞きしたようなことをもう少し書いていただけると、担当者として患者さんに説明しやすいのではないかという気がしますが、その辺はいかがですか。

○機構 おっしゃるとおり、刺激する仙骨神経は、海外では尿失禁適応にも使われているところがありますので、尿機能への影響は否定できないところです。臨床試験においても御指摘の排尿機能関係の不具合、有害事象が生じていて、現状、添付文書においてその辺りの発生確率は提示しています。残念ながら今回の臨床試験は便失禁が目的でしたので、その中に一定数、尿失禁等の患者様も含まれてはいたのですが、その尿失禁が回復したかどうかの評価は行われていません。その辺りは企業様の方も、今後考えていくという説明はいただいています。

○笠貫部会長 今のお話で、とにかく、これについては学会の関わり方が非常に大事だと思いますので、先ほどの国際失禁会議だけでなく、日本のガイドラインもまた検討していただいて、先生が言われたように、これを慎重に広げていくというお話も先ほどあったと思います。その時、承認条件の中に学会の関与もできるだけ入れていただきたいのですが、医師だけでいいのか。医療機関を承認条件に入れるのかどうか。これは心臓ペースメーカーの場合もそうなのです。大体、2,500施設ぐらいで入れられています。病気が違うかもしれませんが、私は医療機関もこういった大腸肛門機能について、評価できる医療機関であってほしいと思います。これについてはいかがですか。

○松田参考人 今、大腸肛門機能障害研究会の中では、内圧を測る検査はドクターと検査技師がやり、看護師、臨床工学技士の人たちがある程度加わって、機能障害研究会が行われています。したがって、ドクターだけがこれをやるのでなく、病院全体として体制を組んでいくことが必要になると思います。現に、専門病院ではいろいろな人たちが加わっていますので、講習会をやるときには当然ながら、そういう幅広い分野の人たちを集めてやっていくことになるのではないかと思います。

○笠貫部会長 そうしますとチーム医療ということを含めて、医師だけでなく、医療機関についても承認条件の方に入れていただけるといいかと思いますが、これには事務局としてはどうですか。

○機構 先生がおっしゃるとおり、この術に際しては医療機関チームとしての体制が望まれるところですが、本品の使用に対し特別な医療機関の施設が必要なものではないことから、学会との連携のお話で、当然、実施施設を最初は限定し、プロクターシップによる補助で、ある程度技術を持った医師が指導していく。そういう形で徐々に広めていく方針で伺っていますが、承認条件として医療機関を条件にしていくところまでは必要ないというのが、現状の機構の判断です。

○笠貫部会長 これは、なぜ私が言うかというと、心臓ペースメーカーは、今、2,500施設でやられています。しかし、学会に入っているのは1,000以下です。ですから、こういう新しい機器、特に大腸関係のところで新しいペースメーカーとして入るときには、いかに安全、的確に普及させていくかということは非常に大事なことなので、先ほど松田先生が、「学会に入っている人だけが医療機関ではないですよ」とおっしゃったことを踏まえると、医療機関というのは、この機械の場合には新しい領域に入ってくるペースメーカーとして入れたほうがいいのではないかということで、御検討いただけたらと思います。

○機構 分かりました。検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。

○笠貫部会長 それでは、よろしければ議決に入ります。

 「医療機器『InterStim II 仙骨神経刺激システム』」については、本部会として、審査報告書にある条件を付した上で承認を与えて差し支えないものとし、再審査期間は3年間とし、生物由来製品及び特定生物由来製品への指定は不要ということでよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。この審議結果につきましては、次回の薬事分科会において報告することにいたします。

 議題4が終了しましたので、参考人の松田先生には御退室いただいても結構でございます。ありがとうございました。

── 松田参考人退室 ──

○笠貫部会長 それでは議題5に移らせていただきます。「医療機器『エクリス・リバース人工肩関節』の製造販売承認の可否等について」審議を行います。

 本議題の審議に当たりましては参考人として、群馬大学大学院医学系研究科整形外科学教授の高岸憲二先生に御出席いただいています。よろしくお願いいたします。

 それでは、審議品目の概要につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。

○事務局 議題5について御説明します。資料5を御覧ください。1枚目が諮問書になります。具体的な品目の概要については、審査報告書1ページです。一般的名称は「全人工肩関節」、販売名は「エクリス・リバース人工肩関節」、申請者はTORNIER S.A.S、選任製造販売業者はバイオジェネシス株式会社です。本品の概要については、審査報告書4ページを御覧ください。下段の右側の図が、骨頭と臼蓋が生理的な構造に近い、従来のアナトミカル型です。左側の概略図が、こちらの形状を反転した、本品、リバース型の人工肩関節です。5ページには本品の外観図があります。

 使用目的については、3ページに記載しております。本品は、腱板断裂性関節症、腱板広範囲断裂などの腱板機能不全を呈する症例に対して用いる人工肩関節です。以下のような承認条件を付すことを考えております。詳細については、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

○機構 審議事項議題5、資料5「医療機器『エクリス・リバース人工肩関節』の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定について」医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。

 本審査に当たり、当日配布にある3名の専門委員の先生に御意見を頂きました。

 本品目の概要については、審査報告書4~5ページを御覧ください。「エクリス・リバース人工肩関節」(以下「本品」という。)は、4ページの右図のように解剖学的構造が再現されるアナトミカル型人工肩関節の構成品を反転させ、左図のように肩甲骨側を球状ヘッドに、上腕骨側を受皿としたリバース型人工肩関節システムです。サンプルも準備しておりますので、そちらも御覧ください。

 本品の開発の経緯は、5ページ中程に記載があります。腱板断裂の末期病態である腱板断裂関節症や修復不能な広範囲腱板断裂において、保存的加療、腱板修復術やアナトミカル型人工肩関節置換術では効果は限定的で、有効な治療は事実上存在しておりませんでした。しかし、リバース型人工肩関節システムは、腱板機能が欠損していても、肩関節中心を肩甲骨内側下方に移動させることで、三角筋による上腕骨動作のコントロールを可能とし、関節の安定性を得られるデザインであることから、先の病態においても肩関節機能を回復できます。このコンセプトの製品は、欧州を中心に20年を超える実績があり、近年では近隣アジア諸国でも本品を含むリバース型人工肩関節が認可され、腱板断裂関節症に対する世界的な標準治療となっておりますが、本邦ではこれまで導入されておりませんでした。

 審査報告書6ページを御覧ください。本品第1世代品は、2002年より欧州等で販売を開始し、2004年にFDA510(k)を取得しました。2005年から関節窩の固定に改良を加えた第2世代品である本品が開発され、2012年までに第1世代品と合わせて2万例以上の販売実績があります。非臨床試験については、7ページのとおり、いずれも特段の問題は認められませんでした。

 次に、臨床評価に関する資料について、8ページから御説明します。今回、本品を用いた韓国での臨床試験を添付して申請されましたが、当該臨床成績は、資料の受入基準に適合しない市販後の後ろ向き調査であること、構成品の一部でHAコートが追加された製品を使用していたことが判明しました。このため機構は、当該臨床成績のみでは評価困難と判断しましたが、リバース型人工肩関節は海外で既に多くの使用実績があり、そのコンセプトは確立していることから、海外文献等を用いて補足することで臨床評価は可能ではないかと考え、申請者に見解を求めました。これに対して、申請者から海外の類似製品を含む文献調査と、韓国市販後調査に基づいた臨床報告書が提出されました。文献調査について、検索フローのごとく文献を特定・抽出し、計25報を臨床評価に供しました。文献リストは9~12ページのとおりです。類似医療機器として、□□□□□□□□□□□□□□ DeltaIII人工肩関節も文献の選択の対象とし、その内訳は12ページ下の表にありますとおり、本品及び本品の前世代品単独の成績1報、本品及び本品の前世代品と類似医療機器が混在した文献が14報、類似医療機器のみの文献が10報でした。知見をまとめるに当たり、A~Dの4段階の重み付けを行い、13ページのような結果に基づき臨床評価が行われております。

13ページからを御覧ください。Aの文献のうち、20112012年に発行されたシステマティックレビュー2報に基づいて、リバース型人工肩関節の臨床成績について御説明します。文献1において、1314ページにお示しする腱板断裂関節症、修復不能な広範囲腱板断裂、関節リウマチ、上腕骨近位端骨折、骨折後後遺症、人工肩関節手術失敗例の再置換術の6つの病態において、リバース型人工肩関節の有効性及び安全性について検討が行われています。有効性に関して、15ページの表3のごとく、他の部位の人工関節と共通の事象ですが、再置換術で他の病態よりやや劣るものの、いずれの適応においても臨床スコア及び疼痛、関節可動域で有意な改善を認めております。合併症に関して、脱臼、感染症、グレノイド緩み、肩峰骨折、神経麻痺の5項目を中心に調査され、記載のような結果で、特に関節リウマチと再置換術を適応病態とした際に、ほかと比べ高い合併症発生を認めました。16ページ、文献2において、腱板断裂関節症、関節症を伴わない腱板断裂、関節リウマチの3病態におけるリバース型人工肩関節の有効性及び安全性が調査されました。表4のごとく、3群すべてで臨床スコアの向上、疼痛・可動域の有意な改善を認め、合併症発生率、再手術率では、関節リウマチにおいて他の病態よりも高値でした。

17ページに、Aの文献の内容をまとめております。病態により、改善率及び合併症発生率に若干の差異はあるものの、いずれもリバース型人工肩関節の効果を認めております。また、合併症発生頻度に関して、機器の要因以外に、手術手技の影響や適応患者が高齢であることなど、複合的な要因から報告にばらつきがあることが述べられておりました。なお、17ページ中段以下にあるB及びCの文献のまとめにおいても、有効性及び安全性ともに、Aと同傾向の成績が確認されております。

18ページからの、本品にHAコートをした製品が主に用いられた「韓国市販後調査」の概要を御覧ください。12か月以上追跡可能であった本品使用例を後ろ向きに収集した全51例について解析されております。なお、HAコートの有無の差分に関する機構の判断は後ほど説明します。

 結果は、19ページの表5のごとく、韓国肩関節評価スコア及び米国肩肘関節外科学会スコアともに、総合スコアで術前から術後で約30点~約70点へと有意な改善を認めております。合併症及び不具合は、表5の下に記載のとおり、術中8例(15.7)、術後4例(7.8)で発生しており、その詳細は20ページ、表6及び表7のとおりで、上腕骨骨折が頻度の高い合併症でした。これら合併症及び不具合症例においても、1例を除き臨床スコアは改善しております。

 ここで、肩甲骨ノッチングに関して簡単に御説明します。20ページ下方の図を御覧ください。肩甲骨ノッチングとは、肩を内転することで上腕骨側のコンポーネントの内側の隆起が関節窩下方に衝突し、骨を切削する事象のことです。進行度によりグレード1~4に分類され、進行すると関節窩コンポーネントが緩んだり疼痛が発生し、可動域制限を来します。本調査では、10(19.6)で発生し、うち有症状であった1例が合併症・不具合として挙げられております。また、インプラントの12か月生存率は98%でした。韓国市販後調査を文献調査結果と比べたところ、表8及び表9のごとく、有効性及び安全性はいずれも同等であったと申請者は結論付けています。

 以上の臨床評価の内容を踏まえ、本審査の主要な論点について審査報告書、審査の概要及び総合評価に基づき御説明します。22ページからを御覧ください。1つ目の要点、「類似医療機器を含む文献報告及び本品にHAコートした製品による韓国市販後調査に基づき本品の有効性及び安全性を評価する妥当性」に関して、機構は23ページのように判断しました。まず、類似医療機器を含むリバース型人工肩関節一般の文献報告から本品を評価することに関して、リバース型人工肩関節のコンセプトは海外文献などから確立していると言えること、類似医療機器DeltaIII人工肩関節は□□□□□□□であり、非臨床試験によりDeltaIII人工肩関節と本品の比較が行われ、同等性が示されていることから、本品についても一定の有効性・安全性の評価が期待できること、文献と本品を用いた韓国市販後調査で成績に大きな差がないことが確認されたことなどを勘案し、受入れ可能と機構は判断しました。また、本品の構成品の1つであるベースプレートについて、本邦申請品はHAコートなしにもかかわらず、韓国市販後調査ではHAコートありが大部分であった点について、24ページのとおり、海外市販後不具合に大きな差は確認されていないこと、HAコートの有無がセメントの要否などに関わる事象ではなく、関節窩コンポーネントは原則スクリューで固定性能が得られる構造であることから、本品の臨床評価として受入れ可能と判断しました。

 2つ目の論点、「本品の使用目的について」、24ページからです。開発当初は、主に腱板断裂関節症に使用されていたものの、修復不能な広範囲腱板断裂、更には関節リウマチ、人工肩関節置換術失敗の再置換症例、上腕骨近位端骨折、腫瘍切除後の再建術などにも使用拡大している背景があり、教本や臨床現場でもそのように理解されています。腱板断裂感染症以外の病態への使用に関する知見は限定的で、合併症や再手術が腱板断裂感染症に比べ高率であることも先に述べたとおりです。しかし、いずれの適応症も広義に「腱板機能不全」を来した病態として共通であり、本品のリスクはアナトミカル型と同様のものと本品特有のものがありますが、これらは本品の適応を慎重に行えば一定のコントロールは可能であると考えられることから、これまで有効な治療法が存在しなかった腱板機能不全の患者を対象にすれば、本品を医療現場に提供する意義はあるものと判断しました。以上を踏まえ、機構は26ページ中央に示す使用目的を設定しました。

 3つ目の論点として、「本品の安全性について」、26ページからです。合併症、再手術などの発生頻度が比較的高値、かつ、ばらつきがあること及び本品特有の有害事象である肩甲骨ノッチングについて検討しました。合併症発生率について、頻度が高いのではないかと一部の部会委員からも御指摘を頂きましたが、29ページ中段のとおり、対象患者は高齢かつ腱板に限らず骨など周囲組織に組織的、機能的な異常を有することも多く、骨折・脱臼などはアナトミカル型人工肩関節でも同様であり、肩関節置換術において一定数発生することは避けられず、また、本品に関しては適応患者が一部異なり、術者・手術手技などの要因やラーニングカーブの影響もあることから、単純な比較検討は困難と考えました。また、個々の合併症自体はアナトミカル型でも起こり得る内容で、従来同様の処置を行うことで対処可能であり、リバース型であることが特別に大きな危険因子とはならないと判断しました。

 肩甲骨ノッチングに関しては30ページのとおりであり、軽症のものまで含めると、構造総発生率は低くないものの、必ずしもすべてが重症に至るわけではなく、20年の海外臨床経験から肩甲骨ノッチングを踏まえても、なお腱板機能不全の世界的標準治療と位置付けられており、ベースプレートの適切な設置手技により、既存の報告以上の調整が期待できるものと判断しました。しかし、不具合・合併症の発生を最小限に抑えるためには、肩関節置換術に習熟した医師に使用され、適切な患者選択がなされ、適切な手技により手術が行われるように、講習会・トレーニングプログラムを講じる必要があると判断しました。なお、このリバース型人工肩関節の持つリスクの最小化に関しては、関連学会においても肩関節専門医によるところが非常に大きいとの問題意識を持っていただいたことから、学会にてリバース型人工肩関節に関するガイドラインを策定していただいております。本日、現時点での最終案を別紙にて配布しておりますので御覧ください。医師の基準及び適応選択に関しては、より具体的で導入直後ということも考慮して厳密に規定されており、臨床現場においても主体的にリスクコントロールを行っていただけることになっております。

 審査報告書33ページに戻ります。下から2行目、以上に述べた審査を踏まえ、機構は、34ページに記載の使用目的及び承認条件により、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器・体外診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断しました。再審査期間は3年と判断しております。また、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと考えております。なお、薬事分科会では報告を予定しております。

 事前に川上委員からコメントを頂いているので御紹介します。「本品のサイズが画一である。サイズバリエーションが少ないことに関して、体格差などの点で問題とならないか」という御指摘を頂きました。欧米でも、このサイズバリエーションで特に問題となることはなく、欧米の状況も製造元に確認しましたが、むしろ体格の大きな患者で大きなサイズが必要という現場の意見もないとのことです。コンセプト上、肩のバランスを調整する腱板機能をリバース型の半拘束型の機器デザインが代替するために、組織バランスが厳密でなくとも肩関節挙上を達成できるためと思われます。サイズが単一であるベースプレートに関しては、より小さいサイズが海外でも追加されており、本邦でも同様に対応していただくよう指示しております。以上を川上委員に御説明し、御了承をいただいております。機構からの報告は以上です。御審議をお願いいたします。

○笠貫部会長 それでは、参考人の高岸先生から何かありますか。

○高岸参考人 今、機構から説明がありましたように、今までの従来型の人工肩関節と全く逆の形をしています。飛び出している部分がへこみ、へこんでいる部分が飛び出しており、我々もこの人工関節を最初に見たときは驚いたのですが、それから20数年たって、世界各国で非常にたくさん使われ、非常に良い成績であることが1つ。それとは別にもう1つ、合併症もある程度報告されており、使い方によっては普通の人工関節よりも大きくなるのではないかということで様子を見ていたところ、先進国はソビエトと日本以外はほとんど使われております。韓国や中国、マレーシア、フィリピンといった国においては実際に使われて、非常に良い成績であると韓国の先生方も発表しております。

 しかし、今お話があったように、この人工関節は今までの人工関節と基本のアイデアなどが全く違っていて、リハビリも少し異なってくる。また、腱板断裂を修復できない、機能不全であるということが1つの適応ですから、その部分をよく習熟している医者が手術をしないと、大変なことが起こるのではないかと非常に危惧しております。実際にこの人工関節が入ってきたときに、どのようなガイドラインで動くか、どのような適応で行うかということを、日本整形外科学会が音頭を取って、日本肩関節学会、実際に腱板断裂や上腕骨骨折といったところに非常に多くの経験がある学会に諮問し、1つのガイドラインを作りました。これが今日配られた3番目のガイドラインだろうと思います。一番重要なことは、適応ということをきちんと分かっていただくこと、そして、その技術について講習会を行うこと。また、適応や術式に対して今までに経験が十分ある医師ということで、講習会を受けないと使わせない、使ってもらっては困ると、最初のうち5年間とか3年間ぐらいの期間を考えて規定しました。そのガイドラインを作った以上、それが実際にきちんと機能するかどうかを、学会として責任を持って術後の観察を行いたいということで、5年間は、我々は全例調査という言い方をしておりますが、少なくとも学会員としてはそういったことを行っていきたいと考えております。

○笠貫部会長 ありがとうございます。本件について、委員の先生方から御質問、御意見等はございますか。

○村上委員 今回は腱板機能不全の方が対象ということで、それはこのリバース型が向いていると思いますが、機構的な特殊性から、先ほど肩甲骨ノッチングでぶつかる症例があるということでした。それは、干渉が起こるかどうかを事前に解析等をされたら避けることはできるかと思われますが、いかがでしょうか。

○高岸参考人 ノッチングの発生については、この会社が実際持っているものですが、少し骨頭を外側に持っていくことで避けるという機種もあるようです。実際に解析をすることができるかは分かりませんし、それについての明確な答えは、私は持ち合わせておりません。しかし、当初の症例に比べて、発生頻度は非常に減ってきております。

○村上委員 そういう意味では、改善できる方向にあるという理解でよろしいでしようか。

○高岸参考人 そうだと思っております。

○村上委員 もう1点、今回の場合は、いわゆる球面軸受的な構造なので、股関節に近い力学的な条件にあると思います。荷重は股関節に比べるとずっと低いですね。摩耗寿命ではそれほど問題ないと思いますが、1つ気になったのは、球面の中央、スフィアの先端に固定用の穴が空いています。そこの固定用ねじが緩む場合があるという記述もあったと思いますが、そこは多少の工夫で、緩みが起こらないようにできるかと思うのです。そういう対策なども、メーカーに要望していただくことで対策はできるかと思ったので、コメントさせていただきました。

○高岸参考人 ありがとうございます。

○笠貫部会長 ほかにありますか。

 1つは、日本だけ使われていないというデバイス・ラグはどこに原因があったかということ。2つ目は、先ほど腱板機能不全ということで、これを日本で使われていなかったので、機能がきちんと分かっている人がやらないと大変なことが起こるということでガイドラインを作られたということ。これだけ立派なものをお作りいただいて、しかもレジストリをということも先ほどお話にあったと思いますが、この2点を踏まえて、学会がそこまでしてくださっているのなら、もう少しきちんと承認条件を付けられてもいいのではないかと、これは機構への御質問とお願いです。まず、デバイス・ラグがなぜ起こったか不思議だったので、教えていただければと思います。

○高岸参考人 日本肩関節学会としては、実際に広範囲の腱板断裂があって、手術をやっても余り良い結果にならない高齢の方が結構おられることは分かっていたのです。我々としては、いつメーカーに入ってくるのかと、5年も前から、いや、10年前から言っていたのかも分かりませんが、どうしてでしょう。それ以上は私も分かりません。

○笠貫部会長 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会で出していただけたら、もう少し早くこれが検討されたのではという感じもしました。

○高岸参考人 もう1つ言われたのは、実際に使われている人工肩関節が余り売れていないということです。実際に、これにリバースという、メーカーとしては訳の分からないものをやるときに、治験をやらなければいけない。それに対してものすごくコストが掛かるから、ペイしないということは言われていました。

○笠貫部会長 そういう意味では、ここで文献レビューの所をA、B、C、Dときれいに検討していただいて、最終的に議決をいただきますが、そういう形で今回提出されたということだと思います。先ほどの承認条件については、どこまで検討できますか。

○事務局 承認条件については、関連学会と連携して、そういったことを行うことができるような記載に訂正したいと思っております。

○笠貫部会長 分かりました。それでは、特になければ議決に入ります。

 「医療機器『エクリス・リバース人工肩関節』」については、本部会として、審査報告書にある条件を付した上で承認を与えて差し支えないものとし、再審査期間は3年間とし、生物由来製品及び特定生物由来製品への指定は不要ということでよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、そのように決議させていただきます。この審議結果については、次回の薬事分科会に報告することにいたします。

 議題5が終了しましたので、参考人の高岸先生におかれましては御退室いただいて結構です。どうもありがとうございました。

── 高岸参考人退室 ──

○笠貫部会長 議題7に移ります。「新たに追加する医療機器の一般名称に係るクラス分類及び特定保守管理医療機器等の指定について」事務局より御説明をお願いいたします。

○事務局 審議事項議題7、資料7「新たに追加する医療機器の一般的名称に係るクラス分類及び特定保守管理医療機器等の指定について」事務局より御説明いたします。

 1枚目に諮問書があります。1ページですが、「『ヘパリン使用中心循環系動静脈カニューレ』は、開胸部位以外の血管に挿入し、中心循環系を含む血管内において液の誘導路として利用する半剛性又は剛性のヘパリン使用管をいう。」ということです。一般的名称は、今申し上げたとおりです。クラス分類は、国際整合性ルールを合わせてIV、特定保守管理としては非該当と考えております。

 2ページですが、「新設する一般的名称()について」ということでまとめております。類似の一般的名称としては、以下のとおり、「大腿動静脈カニューレ」、「中心循環系動静脈カニューレ」、「ヘパリン使用大腿動静脈カニューレ」というのがありますが、今回の中心循環系動静脈カニューレにヘパリン使用ということで記載した一般的名称がないということで、今回新設をし、クラスIVとして承認をしたいという品目が、3ページの品目です。以上です。

○笠貫部会長 ありがとうございます。本件について、委員の先生方から御質問、御意見等はありますか。

 よろしいでしょうか。特に御意見がなければ、議決に入ります。

 「ヘパリン使用中心循環系動静脈カニューレ」については、本部会として、高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器への指定は不要ということでよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。この審議結果につきましても、次回の薬事分科会において報告することにいたします。

 議題9「医療機器の再審査結果について」事務局より御説明をお願いします。

○事務局 報告事項議題9、資料9「医療機器の再審査結果について」事務局より御報告いたします。

 全委員に配布した資料に誤記載がありましたので、当日配布2の4ページに正誤をお示ししております。お詫び申し上げます。

 再審査は、薬事法14条の4に基づき、原則新しい医療機器などについて再審査期間を定め、承認後の使用成績などの調査を行わせ、その資料に基づき、有効性、安全性の再確認などを行うことを目的とした制度となっております。1枚目、2枚目が医療機器の再審査確認等結果通知書です。ディーブイエックス株式会社のエキシマレーザ心内リード抜去システムですが、平成20年7月1日に承認された品目です。本品は、植込み型ペースメーカー等のリードを抜去する必要がある場合、リード周辺に癒着している瘢痕組織を専用のエキシマレーザ装置からのレーザ光により蒸散させ、リード抜去術を施行するために使用する機器となっております。医療機器の使用実態下における不具合発現状況、安全性、有効性等を確認することを目的として、本機器を使用した全例を対象として、平成20年7月~平成23年6月まで実施されております。

 今回お配りしている資料については、全委員の先生方にお配りしておりますので、簡単な説明としますが、安全性については、本機器や手技との因果関係が否定できない副作用が出ております。こちらは、添付文書の改訂や医師に対するトレーニングの実施などを行うことにより、対応がなされております。また、有効性についても特段問題が出ていないことから、薬事法第14条第2項各号のいずれにも該当しないこと、すなわち再審査結果の区分を効能・効果、用法・用量などの承認事項について変更の必要がない「カテゴリー1」と判断しております。以上です。

○笠貫部会長 どうもありがとうございます。本件について、委員の先生方から御質問、御意見はありますか。

 このエキシマレーザ心内リード抜去システムは、抜去するのは非常にリスクの高いことで、もともとそういう手技だと思いますが、心タンポナーデが3例あるということで、これは従来の報告と比して決して悪いものではないという判断です。私もそれでよろしいかと思いますが、特段御意見はありませんか。

 ありがとうございます。それでは、議題10「部会報告品目について」事務局から御説明をお願いします。

○事務局 報告事項議題10「部会報告品目について」事務局より御報告いたします。資料10及び当日配布6を御覧ください。

 平成25年4月1日~6月30日までの3か月間に承認された品目のうち、本部会の対象報告となっている品目について、資料10は医療機器、当日配布6は体外診断薬の一覧です。資料10は1~3ページの12品目、4~10ページの35品目があり、医療機器に関しては全部で47品目を報告します。また、当日配布6に示されている5品目が体外診断薬になっており、御報告とさせていただきます。以上です。

○笠貫部会長 ありがとうございます。本件について、委員の先生方から御質問、御意見はありますか。よろしいでしょうか。

 ほかに特段御意見がなければ、本日予定された議題はすべて終了しました。医療機器の新しいものが、次々と開発されてきているということを、また皆さんと一緒に共有できたのではないかと思います。

 最後に、事務局から何かありましたらお願いします。

○医療機器審査管理室長 熱心な御議論ありがとうございました。次回の部会については、1031()を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。連絡事項は以上です。

 これをもちまして、本日の「医療機器・体外診断薬部会」を閉会させていただきます。ありがとうございました。


(了)

備考
この会議は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 医療機器審査管理室 室長補佐 安川(内線4226)

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