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2014年3月17日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会食肉等の生食に関する調査会議事録

厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課

○日時

平成26年3月17日(月)
14:00~17:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室 
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館6階)


○出席者

委員

朝倉委員 五十君委員 石川委員 加藤委員 小林委員
高橋委員 田崎委員 戸部委員 西内委員 野田富雄委員
野田衛委員 松永委員 山本委員(座長) 八幡参考人

事務局

新村食品安全部長 長谷部基準審査課長 滝本監視安全課長 西村食中毒被害情報管理室長 三木輸入食品安全対策室長
梅田補佐 先崎補佐 新谷専門官 小西専門官

○議題

(1) 食肉等の生食について
(2) その他

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので、「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会食肉等の生食に関する調査会」を開催させていただきます。

 本日は御多忙のところ御参集いただき、まことにありがとうございます。

 本日は本調査会の委員13名全員の方に出席いただく予定になっております。したがいまして、本日の調査会が成立いたしますことを御報告申し上げます。なお、石川委員につきましては、遅れる旨の連絡がございました。

 また、本日は議事に関連いたしまして、国立感染症研究所感染症情報センター第一室の八幡主任研究官に御出席いただいております。八幡先生には腸管出血性大腸菌O157の感染症患者数が施策の前後でどう変化したか、厚生労働科学研究で解析されておりましたので、御報告をお願いしております。

 なお、報道の方に申し上げますが、冒頭のカメラ、写真撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

(報道関係者退室)

○事務局 それでは、以降の議事進行を山本座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山本座長 それでは、始めたいと思います。

 最初に配布資料の確認を事務局よりお願いします。

○事務局 それでは、議事次第に基づきまして、配布資料の確認をさせていただきます。

 配布資料といたしましては、資料1、資料2、資料33-13-23-33-4、資料4が資料4-14-2となっております。

 リスク低減策というところで資料55-15-25-3、資料6、資料7、裏面になりますけれども、参考資料が17までございます。

 委員の先生方の机上には、全国食肉事業協同組合連合会が作成しております「食肉衛生マニュアル」、日本畜産副産物協会の「畜産副生物の知識」、この冊子を配布していただきました。

 また、机上配布資料といたしまして、本日発表します東京都の田崎委員のパワーポイントの資料を配布しております。

 本日配布いたしました参考2及び参考3につきましては、前回の調査会での御意見を踏まえ、修正しております。

 参考2につきましては、前回調査会で腸管出血性大腸菌を入れておりましたが、病原体として病原性大腸菌も入れさせていただきました。

 参考3につきましては、朝倉委員から資料を頂きまして、と体での病原体の検出状況を加えております。

 また、前回の調査会の資料5にありました汚染実態調査につきまして、委員よりデータの取扱いについて御意見がございましたので、食肉等にどのような危害要因が存在するか確認するためにまとめた資料であり、汚染率等のデータは生食用の食肉に限ったものではない旨を記載した上でホームページに掲載しております。

 本日お手元にお配りしております資料は以上でございます。不足や落丁等がございましたら、お気付きの際に事務局までお申し出いただきますようお願いいたします。

 以上でございます。

○山本座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。資料はございますか。

 それでは、途中お気付きになれば、また事務局に言っていただければと思います。

 まず、議題「(1)食肉等の生食について」ですが、今日は大勢の方から御発言をいただくことになっておりますので、速やかな進行に御協力をよろしくお願いいたします。

 資料1を御覧ください。前回開催された1226日が第1回ですが、その時から大分時間がたっておりますので、ちょっと思い出していただきたいと思います。

 まず初めに、その時は調査会における検討の進め方ということを議論しまして、前回、危害リスト、今回の参考3についておりますが、そのようなものを整理していくということでやっておりました。それで公衆衛生上のリスクに応じた対応をしていかなければいけないだろうということで議論が進んできたと思います。

 今回はその時に検討の進め方の中で2番目として、危害要因はそれぞれあるのだけれども、では、流通の実態としてはどうであろうかということで、生食される食肉等の流通実態を今日関係の委員の先生方から紹介していただくということ。

2つ目としては、その食肉のリスク低減措置、そういったものについて厚生労働科学研究等が行われておりますので、そこの紹介とそれについての議論をしていきたいと思っております。

3回目以降はこれからの話ですけれども、食肉の種別ごとのリスクの大きさ、そういったものを考えた上での検討の優先順位を決めて、優先順位の高いものから、リスクの大きさに応じた規制手法について検討していくということにしていきたいと思います。それが済みますと、検討結果を乳肉水産食品部会で報告して、さらに検討を続けていくということになろうかと思います。よろしいでしょうか。そのような形で進めていきたいと思います。

 それでは、まず初めに流通実態について、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、資料2、参考資料4、この2つの資料を用いまして、御説明させていただきます。

 まず資料2を御覧ください。「生食用食肉の提供に関する自治体調査の結果について」となっております。

 こちらの方につきましては、生食用として食肉等の流通実態、小売りですとか飲食店での提供、こういったものを把握するために、自治体が把握している状況を取りまとめております。

 都道府県等に対しまして、獣畜、家きん等の食肉等を生食用として生の状態、若しくは一部加熱した状態、タタキですとか湯引きですとか、そういった状態で提供している施設数。こういったものについて、畜種・部位ごとに報告を依頼しております。

 一番下の箱になりますが、「調査・集計方法」になっております。施設数を数で報告していただいたのではなくて、例えば50施設以上そのところで販売等を行っているというものであればA1050施設ということであればB、一桁の施設数であればC、こういったふうに報告していただきまして、Aだったら50Bだったら10Cだったら1とみなして報告自治体数を乗じて概算したものでございます。

 例えばというところで、参考資料4を御覧ください。こちらの左上の方に「牛・飲食店営業」となっていると思いますが、関東の胃、2番目のところを見ていただければと思います。Aと報告した自治体が1つあったということで50Bと報告した自治体が2つあったということで、10×220Cと報告した自治体が5個あったということで、5×15。これを全て足し合わせますと、関東の胃で75ということになりますが、こういったものを日本全国の自治体の報告と各部位ごとに足し合わせまして、作成した表でございます。

 資料2にお戻りいただきたいと思います。まず、1ページ目の下の表になります。牛、豚、馬、鶏、こういったものについては一定量が提供されているのではないかと。

 裏面になりますが、上が飲食店営業、下が食肉販売業でございます。1番が牛、2番が豚、3番が馬、4番がめん山羊、5番がその他の獣畜、6番が鶏、7番がその他の食鳥となっております。3番の馬、6番の鶏については、飲食店営業の方では全国的に一定量が販売されていると。

 下を見ていただければと思いますが、馬につきましては食肉販売業でも全国的に販売されておりますが、鶏につきましては九州のみといった形になると思われます。

 牛につきましては、胃や心臓を中心に全国の飲食店で提供されている。豚につきましては、肝臓や胃を中心に、主に関東地方の飲食店で提供されている。めん羊・山羊、その他の獣畜やその他の食鳥の流通量は少ないということと、あとはその他の獣畜・食鳥として、生食用で提供しているのは、主として鹿やダチョウであったと。こういったことが分かりました。

 資料2、参考資料4につきましては、以上でございます。

○山本座長 ありがとうございました。

 質疑応答につきましては、最後にまとめて時間をとることにしたいと思いますので、引き続き、食肉等の流通に知見を有する委員の方々からの報告をお願いしたいと思います。資料もありますので、簡単にそれぞれ10分程度でお願いいたします。

 それでは、まず、日本食鳥協会の資料について、高橋委員からお願いします。資料3-1になります。

○高橋委員 食鳥協会の高橋です。

 事務局から報告があったように、このアンケートを見てほしいのですが、協会のメンバーの二百何社に関しては小売り、荷受、生産とあるのですが、一応、生食では出すなと、極力出さないでくださいというお願いをしています。ですから、アンケートを取っても、ある程度、組合員からはほとんどやっていないという答えが返ってきています。

 ただ、問題は南のほう、逆に言えば先ほどのアンケートのように九州方面にかけて、このアンケートに書いているように、宮崎、鹿児島、その辺の部分では通常に売っていると。ただ、宮崎県にしろ、鹿児島県にしろ、鶏肉の生食用の規定というのがありまして、これを読んでみると相当難しい。細菌だとか、そういうのは規制はしているのですが、ある程度、協会が小さなところ、地鶏だとか、基本的には鶏を生で食べてもブロイラーは余りおいしくない。要は地鶏で日数を飼った鶏がおいしいということで、ここにも出ているように食の文化だと。何を言うんだ事務局はということでやられているのですが、たまたま私たちも出張に行きますと、本土の人は極力食べるなと。地元の人は免疫があるから食べるんだということをやられていまして、そんな大きな問題という形にはなっていないのですが、いろいろ保健所さん辺りが宮崎にしろ、鹿児島の辺りで相当指導はしているみたいです。

 現に、生で食べるなという部分では相当指導はいているのですが、どうしてもその部分をやっているのですが、文化だと言われてしまうと、なかなか難しいことが起きていて、これはいろいろとほかの肉も出てくるのでしょうが、会員には言っているのですが、小さな食鶏処理場みたいな部分がある程度、地鶏を1日何羽やっていて、それを生食で売っていると。私も見にいったのですが、スーパーでも堂々と売っているんです。タタキみたいなのがですね。

 これはどうやって生食がと言うのですが、極力やめての会員には言うのですが、それ以上の手が出せないような状況で、食べているほうもわかっていて食べているなという感じがありますので、これ以上の規制はできないなと。もう昔から生で食べていたということで、東のほうはいろいろ聞いてみますと、だんだんなくなって、過去はあったらしいですが、そば屋さんの板わさだとか、ささみだとか、そういうのを私らも食べたことがあるんですが、今はほとんどなくなっているという状況です。

 小売りが西の大阪なり、奈良なりが、外食産業が牛の生がなくなったために鶏をふやしているという情報が入っているんですが、いろいろ当たってくださいと言っているんですが、鶏の生は末端の飲食店などでは若干増えてきたかなという言い方をしています。その点で懸念はしているのですが、地方の保健所さんは相当指導はしているみたいなので、とりあえず今ある生食なら最低守ってよねと。近所でやっている人がいたら、その生食の規定を絶対に守ってよという言い方で終わっています。

 協会からは以上、そういうところです。

○山本座長 ありがとうございました。

 食鳥協会としては生食はしないようにということをおっしゃっているということと、ただ、地域によって九州のほう、南のほうではそういう習慣があるということですね。文化か習慣かというと、いろいろ難しいところがあると思いますけれども、そういうものがある。西のほうで、大阪のほうでは少しそういうのが牛レバーが禁止されたために、鶏のレバーもしくは鶏の生が若干増えているのではないかと。関東のほうは逆に今まであったものが、鶏については少し減ってきているというような実態だということで、お話をいただいたと思います。

 質問につきましては、また後でお受けしたいと思いますので、続きまして、日本畜産副産物協会の野田委員、お願いいたします。資料3-2です。

○野田(富)委員 日本副産物協会の野田でございます。

 私からは資料3-22枚紙の資料でございます。

 私どもの協会は、二本足の鶏なんかは基本的に扱っておりませんが、牛豚等の内臓を主として扱っている業者さんを傘下に持つ協会でございます。基本的には途中で発生しましたものを卸し、一部小売りをやっている業態だと思っていただければ、よろしかろうと思います。

 私どものまず一般事項の衛生管理の取り組み、1枚目の一番下の3でございます。5点ほど書いてございます。昭和の後半から取引規格をつくりまして、あるいは等級基準や製造工場の認定等々の取り組みを始めております。さらには、期限表示のための試験方法のガイドラインをつくり、それから3でございますが、これはお手元に参考までに配布しております冊子でございます。

 基本的には副生物関係の全般の紹介なり、あるいは栄養なりといったようなものも全部含まれておりますけれども、関係いたしますのは46ページからですかね。副生物に関係いたします安全・安心の取り組み、あるいは注意事項として会員さんを念頭に置いて作成しましたものでございます。つくりましたのが231月でございますから、レバーの規制導入前でございますので、そういった意味で冒頭に注意書きの1枚紙のペーパーも載せております。

47ページに表示の話。

55ページからが衛生的な処理と取扱いという形でもって、と畜段階から一般家庭での消費の段階にまで気をつけていただきたいことを記載しております。

60ページに、食中毒の防止の関係につきまして、項を改めまして書いております。

 特に61ページ、肉の生食の食中毒あるいは新鮮だから生でもは間違いですよねといった形でもって、会員に衛生的な取り組みについて注意喚起をするとともに、これは一部消費者の方々にも配布しておりますので、消費者の方々にも御注意いただきたいということで、消費者相手のイベント等でもこういったものを冊子にして、注意喚起を図っているということでございます。

 元に戻っていただきまして、資料3-2のそのほかの取り組みでございます。4は食品衛生マニュアルで、これは全肉連さんのつくられたマニュアル。これにつきましても、私どもの副産物関係のものも、この中に記載していただいて、会員にもお配りをしているといったようなことでございます。

 そのほか、いろいろな食肉関連団体さんでマニュアル等々をつくっておいででございます。そうしたものにつきましても、私どもの協会を通じて会員さんには随時情報提供しているというようなこともございます。

 次のページ、裏側でございます。会員さんに対します情報提供なり連絡体制といったものにつきましては、ファクス、郵送、メルマガ等々で情報提供、あるいは最近では、ホームページでこういった情報についても随時情報提供をしてきております。

 会員に対します講習会は毎年タイムリーな議題を、講演と現地の視察を組み合わせまして、少なくとも年1回やっております。関係いたしますものをここに2点ほど掲載しております。21年におきましては、厚労省の当時の田中補佐に御講演を頂戴し、食肉科学技術研究所の理事長さんの保存期限の話、それから、大阪の南港市現地視察をしたといったようなことがございます。23年には、ちょうど生レバーの検討が始まっておりました関係で、内臓関係の食中毒菌対策といった内容で、当時の岩手大学の品川先生に御講演を頂戴し、群馬食肉市場も視察をしたといったようなことがございます。

 生食の提供実態の把握は、当然のことでございますけれども、私どもは厚労省さん、あるいは農水省さんの御指導を受けて、提供しないようにということは従来から守っておりますので、そういった業者さんはありませんでした。ただ、馬肉を生食用で販売しているよという会員さんは2社ほどございました。

 もう一枚、紙を検討のメモとしてまとめておりますので、御覧いただければと思います。前回も若干発言したわけでございますけれども、改めて文章にして、皆さんの御意見なり御検討をよろしくお願いしたいという趣旨でメモにしたものでございます。具体的には、2以降に書いてあります。

 今回の議事次第におきましても、優先順位の高いものからリスクの大きさに応じた規制を考えるんだというようなことで、厚労省さんはお考えのようでございますけれども、リスクの大きさというものが今の考え方のままではいかがなものかなという観点から、ここに具体的にこんなことも考えていただければということでまとめております。2のところでございますけれども、4点ほど大きなくくりでくくっております。

1つは(1)現在の検討の中身というものは、検討事項が少な過ぎるし、偏っているということでございますので、基本的には、もっと幅広に検討対象を広げるべきだろうと思います。

2つ目、規制する際の手続においては、公平、透明性を確保していただきたいということ。

3つ目、ほかの規制の実態、国内・国外問わずでございますけれども、そうしたバランスを考慮していただきたいということ。

4点目、法的な規制につきましては、実効性や代替手段がないのかどうなのかということを十分に考えていただいて、あくまでこれは慎重にお願いをしたいということでございます。

 これの具体的な4項目について、さらに具体例を挙げましたのが、次の3でございます。2の(1)~(4)に応じまして、具体的にさらにブレークダウンしたものが、その次でございます。

 すなわち2の(1)で具体的に追加していただきたいことを何点か挙げております。

1つは1でございますけれども、当該食品の生食規制による影響は、当然これを考えていただきたい。当然のことでありますが、商品として広く普及しているからには、大きなメリットが既にあるということがあるはずでございますので、その食品の栄養的あるいは食品としての位置、経済的な位置なり、あるいは栄養的な位置、そういったものをきっちり把握して考慮していただかなければいけないという話。

 イでございますけれども、国が検討するからには当然のことでありますが、全国的に広がりがなければおかしいだろうと。ほんの一部の地域に限定されるようなもの、あるいは年齢、性別、時期、摂食の量、頻度、そういったものが、国が少なくとも検討するに足るだけの広がり、量的・質的な広がりがあるかどうかといったような消費の現状をしっかりとらえるべきだろうと思います。

 一方で、供給者側の業種、業態、経営に及ぼす影響。これもしっかり考えていただかないと、これでもって生活している方々が数多くおいでになるということでございますので、単に一部危ないものがあるからといって、必ずしも即禁止だということはひど過ぎるのではないかという考え方でございます。

2でございますけれども、危害の要因といたしまして、いろいろ考えていただかなければいけないだろうということで、被害の人的、地域的拡散の程度。要は病原菌等の人体に及ぼす危害の程度というものは、通常の処理、調理工程なり消費形態等の実態をもとに、汚染がどの程度拡大するのか、あるいは広がっていくのかといったようなことを考慮すべきだろうということでございます。

3でございますけれども、そのリスクの予見のしやすさみたいなもの、あるいはリスクを回避する容易さみたいなものを当然考慮するべきだろうということで、アとイと2つに分けて書いております。一般的には、食材の数が少ないこと、あるいは加工・調理工程が少ないほど消費者にとっては、その食品のリスクを推定することは容易になるだろう。端的に言えば、牛の生レバーを予見するというのは、レバーに含まれます食中毒菌の汚染のリスクとほぼ直結するわけでございますので、非常に容易なはずでございます。一方で、いろいろな食材を高度に加工したものは、見ためだけでは、そういったリスクを予見することは非常に難しかろうといったようなことでございます。

 イも似たようなことでございますので、省略いたします。

4長期的な衛生水準なり消費動向、いわゆるトレンドを考慮すべきだろうと。単に現状の1点だけをとらえて、汚染のリスクなり大きさといったような観点から見るのではなくて、ある程度長期的に衛生水準が向上しているのか、減退しているのか、あるは停滞しているのかといったような話。そうしたものが生産、流通・加工、調理工程、一連の工程の中でどんなことになっているか。一方で当然のことではありますが、消費の動向についても増えているのか減っているのか、あるいは横ばいなのかといったようなトレンドを考慮していくべきだろうと思います。

 裏でございます。「(2)規制検討手順・手続」。

1つは、公正公明な判断基準を確立し、公表していただきたいということ。対応方針につきまして、科学的だけではなくて、法的、行政、消費者、業界の意向等を総合的に勘案して、できればポイント制のようなものを何かできないかなと。それでもって、それを公表することによって、その基準にのっとって、対象食品を当てはめて、一律に同じようなやり方でもって検討できないだろうかということでございます。

 要するに、何らかの中毒事件が出るたびに、個々にその場限りの結論を出しているようでは、特に規制によって被害を被る側の者は到底納得できないんだというようなことを是非よろしくお願いしたいということでございますし、一旦規制が導入された暁に、一定の期間ごとに再評価するようなことも是非検討をお願いをしたいというようなことでございます。

 いきなり規制ということではなくて、一定の監視期間みたいなものを是非設けて、しばらく様子を見た上で結論を出そうではないかといったようなことを考えていただきたいということ。

 (3)でございますけれども、ほかの類似事案等との整合性をよく図っていただきたいということでございます。食の安全確保のための法的な規制につきましても、食中毒の関係だけが突出して厳しくなっていないだろうかということ。その中でも特に肉関係だけが突出して厳しくなっていないかどうか。逆に言うと、私どもはそういうふうに非常に思っているわけでございます。それにつきまして、外国の規制の実態等も十分把握した上で参考にすべきだろうと思います。

 (4)でございます。法的な規制というものが本当に実効性があるかどうか。代替手段がないのだろうかということを十分に考えていただきたい。あくまで法的規制というものは最後の手段と考えるべきでありまして、抑止力となる社会的な制裁がほかにないのでしょうかということ。特に食の安全に関しましては、マスコミさんが非常に厳しい目を持っておいでになりますから、これまでの大きな食中毒は、雪印乳業さんの話もそうですし、北陸のユッケの話もそうですが、会社は全てつぶれておるわけでございまして、それを法的な規制でもって罰則を科すということが本当に実効性のあることなのかどうかといったようなことが、非常に私としては疑問に思っております。

 特に4でございますけれども、法的な規制を導入することによって、逆に誤ったメッセージを与えてしまっていないだろうか。牛の生レバーは、逆に規制されていない豚のレバーは安全なんだと、食べていいんだといったようなことになってしまってはいないでしょうかということを大いに疑問を持っているということでございます。よろしくお願いします。

○山本座長 ありがとうございました。

 さまざまな御提言がありましたけれども、リスクベースで考えていくということについは、委員の間では同意ができていることだと思いますし、また、管理側のそういう検討会でありますので、さまざまな要因を加味した上での検討というのは当然必要だと思います。その点についても皆様方の御意見、持っておられる情報を提供していただきつつ、よりよい規制の方向といいますか、規制をすべきかどうかについてまでも検討すべき検討会だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、続きまして、3-3の資料に基づいて、全国食肉事業協同組合連合会の小林委員、お願いします。ちょっと時間が押してきましたので、なるべく簡潔にお願いいたします。

○小林委員 3-3の資料と、今日お配りした食肉衛生マニュアルについて御説明申し上げます。

 まず、会員数でありますけれども、だんだん減ってきまして、ことしの2月現在で5,091人ということです。業種としては2に書いてありますように、加工していますよ、卸売をしていますよ、それから小売りをしていますよと。一部では飲食店経営もしているところがあります。しかし、小売店が大半です。

 卸しがありますので、実はその獣畜の取扱いの種類ですね。ここのところを御覧いただきたいと思うんですけれども、去年2411月に1,161店の調査をしております。毎年調査しておるんですけれども、そのうちの牛が1,54493%。幾らか取り扱っていないところもあります。豚も同じで93.7%、100%ではありません。鶏については15%のところが取り扱っていない。内臓は4割程度、馬肉が10%程度ということでありまして、先ほど申しましたように卸しが入っていますので、牛の専属の卸売さん、豚の専属の卸売店。こういうことで、牛の取扱いなり、豚の取扱いがないというところもあります。それから、一部東北のほうですけれども、豚しか売りませんよという小売店さんもおられるので、そういうものも含まれているということでございます。

 「3一般的な衛生管理の取組み」でガイドラインの作成等ということで、別にお配りしております食肉衛生マニュアル、この類のものをほぼ毎年つくっています。特にこのものにつきましては、2310月と次の年の4月にユッケの基準が厳しくなった、あるいはそのレバーを提供してはだめだよというようなことがあったものですから、その後つくっております。

 これは御覧いただきたいんですけれども、例えば26ページに生食用食肉の販売。これは以前には主にユッケを衛生的に処理・加工して、生食として提供するには、こういうやり方でやればいいんだよというマニュアルに実はなっております。基本的な衛生基準等から解き明かしてやってきている。この段階までに、ユッケについてはこういうふうにつくりなさいよということ。簡単に言いますと、100℃沸騰水にどぶんとつけなさい。内ももを2分の1に切ってつけなさい。それで16分して上げなさい。そうすれば、厚生労働省が言われる表面から1センチのところを2分間加熱したことになりますよ。だから、そういう形でやってもらえればいいんです。そういうマニュアルであります。

 そういうことをうたっていた後に、この26ページにありますように、馬刺しについては冷凍処理してやらなくてはだめだよと。これは住肉胞子虫があるから、これは冷凍して提供しましょうよということであります。

 もう一つは、豚の刺身ですね。豚のレバ刺し。これの提供が一部されているというようなマスコミ報道等もあったわけでございますけれども、食肉の販売事業の分野では以前から、豚のレバーなど扱うのはけしからぬ、危険だよということは常識なんですね。一部その飲食店のところで牛刺し、牛レバーが提供できないから、法的に合法的なものを提供しているというとにすぎないわけでありますけれども、我々としてはそういうものは販売しないということで言い切っています。

 その後、イノシシ、いわゆるジビエにつきましても、私どもは内臓も含めてですが、これについては食肉衛生検査所という厚生労働省の地方自治体が持っている執行機関みたいな話ですが、そこの公的な検査所で検査をきちんとしてもらっていると。ですから、安心なんですよ。生体の検査をし、枝肉の検査をし、内臓の検査もして、合格したものしか流通していかないんですよと。いろいろなものの病変があった場合には、それは全く売ってはならない、流通してはならないということでチェックされているわけでありますから、そういうことがきちんとできているわけです。

 一方、このジビエにつきましては、きちんとした食肉検査等が行われていない。我々は牛豚については、そういう検査が行われているから安心して食べてください。こういうことを言ってきたわけでありまして、ジビエについては検査をしていないわけですから、これは基本的には取り扱うべきではないという立場に立っています。

 特に福島の震災以降、放射線セシウムの含有量が100ミリベクレルというようなことで、かなり厳しくなっています。そうなってからは全頭検査のものができなくなっています。できなくなって、どういうところでコントロールをしているかというと、生産段階で農家の方が、飲む水、与える餌、これをきちんとモニタリング調査して、安全なものを提供している。だから、今、提供している牛豚鶏は安心して食べていただけるんですよということでありますから、野生のものをたくさん食べている、何のコントロールもできていないジビエなどは別ルートで流通すべきであると。ほかの機関で、例えば動物園ででも扱っていただくような形の別ルートで売るような、交差汚染が起きないようなことを手段としてとっていただきたいと思っております。

 裏にまいりまして、生食についてですが、あの基準値が変えられ、レバ刺しの提供がなくなってからは、そういうことは基本的にはすべきではないということで指導をしておりますし、私どもの会員のところでは、そういうことはしていないと思います。ただ、生食につきましては、以前から馬肉について、馬刺し、レバ刺し、これらの提供をしておりますので、これは主に福島ですね。それから、長野、熊本。この3県につきましては、大半のお肉屋さんで扱っています。一部、山梨の半分程度だと思いますけれども、ここで扱っているというもものであります。

 もう一つは、ここにその資料を出してありますが、消費者の調査をしておりますので、これも参考のためにお読みいただければよろしいかと思っております。家庭での生食の調理内容。家庭に持ち帰って調理している人が、規制以前のデータですけれども、いるんですね。したがって、規制後でも、私どもは生でレバーを売るというようなことをしているわけでございますから、それを持って帰って、家庭で食べている方がいないとも限らないというような感じであります。

 今後の取り組み予定なのですが、1つは、この衛生マニュアルを一部変えて、今のタタキの衛生マニュアル、加工マニュアルというのをつくっております。これには厚生労働省の担当窓口である基準課の中川さんなり新谷さんにも御指導いただきながらというようなことでやっておりますが、これが今年度末、263月までにタタキの加工マニュアルをつくりまして、来年からはそれを中心に、タタキをつくるのはこういうふうにつくったらいいんだよというようなことで、講習会を開いたりしたいと思っております。同時並行的に、このタタキも生食の一部に入ってしまっておりますので、売るためには、あるいは加工するためには、講習会を受けなければならないということになっておりますから、その講習会も地元の保健所などと相談をしながら、やっていきましょうよと。

 もう一つ取り組んでいるのは、牛のレバ刺しの復活を目指してやっています。これにつきましては、何らかの方法で衛生的な提供方法が取れないものかなということで、1つはと畜方法をどこかで変えていけばいいのではないか。この前も石川先生が言われたように、人間の肝臓の表面にも牛の肝臓の表面にも、生きたうちには腸管出血性大腸菌はいないわけですから、いかにしてと畜後、その肝臓の中にいたよという結果、それは移動したのかという話ですから、その辺の検証を行う。

 ですから、なるべくと畜後、早い時期に衛生的に洗浄をすればいいと思っていますし、それ以前に今、調べてもなかなか腸管出血性大腸菌がレバーの中から出てきていないんですね。これは食肉衛生検査所の先生方にもお願いしてやっておりますけれども、出てこないという実態もありますので、全く腸管出血性大腸菌が存在しないというレバーがかなりあるはずでありますから、いるレバーをチェックアウトをして、いないレバーを流通させるというようなこと。そのためには、どういう検査をすれば、そういうことが行われるのかというようなことを、来年度の委員会ですけれども、検討委員会をつくってやりたいと思いますので、その際にはやはり厚生労働省の担当の窓口の方も御指導いただき、あるいはこの会の先生方もどなたか出ていただいて、アドバイスをしていただきたい。五十君先生には、是非お願いしたいと思っておりますけれども、そのようなことを考えております。

 以上でございます。

○山本座長 ありがとうございました。

 現在のところの流通実態としては、馬肉の生食用が出ている以外は、会員の方が生で提供するものはまずないであろうと。ただ、会員以外のところの把握はまだできておられないと。今後の検討課題をいろいろとお話しいただきました。生レバーにつきましても、管理措置がきちんとしたものがあるのであれば、議論を再開することはやぶさかではないといいますか、それは閉じていませんので、きちんとした管理措置が分かり次第、また御提案をいただければと思います。

 それでは、続きまして、日本フードサービス協会の加藤委員、お願いいたします。

○加藤委員 お手元の資料3-4は日本フードサービス協会のアンケート調査結果という形で提出されていますが、実際には全国焼肉協会と合同で実施したものであることを申し上げておきます。

 また、この調査は昨年12月に第1回目の当委員会が開かれる直前に実施したものであります。今回第2回目の委員会が開かれる前に、厚労省から牛肉以外の生食の流通あるいは消費実態の調査依頼がありましたので、追加的にヒヤリングを行っています。

 しかし、2回目の調査におきましては、私どもの協会の場合焼肉店経営の会員の多くは全国的に多店舗展開を行っておりまして、その他の鹿やイノシシ、あるいは鶏肉等の生食は提供していないということが分かりましたし、焼肉協会の会員でも同様であることが明らかになりました。

1頁目に出ていますように、取り扱う獣畜肉の種類及び状態の中で、獣畜の種類で牛、豚以外にその他として10%、部位の中でもその他10%とありますが、これらについての具体的中身については、つまびらかにさせていただきたいと思います。

 私どもと焼肉協会両方の衛生管理の取組ですが、これは平成19年当時、食の安全・安心に関するいろいろな事例が、例えば中国でのギョーザ事件やミートホープの問題などがあった後でございまして、食の信頼性向上のための自主行動計画を各食品産業団体が作成するということになりました。JFは平成206月、焼肉協会は平成209月に、農林水産省が定めた5つの基本原則の中においての各論で、それぞれの項目に関しての体制整備や行動基準に関するチェック項目を作ったのが自主行動計画でございます。

 そして、両協会とも協会機関誌や会員に対する講習会の実施等で、これらの衛生管理の取り組みに関する啓蒙、普及活動をしているという状況であります。

 なお、2ページ目は「II.生食について」ということで、これは昨年12月における現在の生食用牛肉メニューの取扱いについてということで書いてあるものでございます。取り扱っているというのが72社、取り扱っていないというのが35社、以前はあったが中止したというのが48社という状況でありまして、具体的な取り扱っている場合の提供部位や提供方法については、その下の欄に幾つか販売価格とともにメニュー名で記載をしております。

 中止した理由ですけれども、多くが当時の役所の指導等により、また、法規制の実施によって。レバ刺し等では、法規制により、厚生労働省の通達を受けて、あるいは牛ユッケ食中毒事件の報道後の自主的な判断でということで、これらを全て入れましても38社という数字になって一番大きいわけでございます。また、保健所からの指導を入れますと、これで46社というような形になります。いずれにおいても当時のそのような食中毒事件の報道に、あるいはその事件の発生に端を発した新しい規制によって、一挙に取扱いを中止したということになっております。

 現在、生食用の牛肉の提供の問題、牛レバーの生食禁止の問題、これらにつきまして、各会員者の意見等を聴取したのが3ページ、4ページ、5ページにありますので、これは先ほど日本畜産副産物協会の野田さんからお話がありましたように、是非それぞれお読みいただきたいと思います。私どもは先ほど全肉連さんのおっしゃいましたように、この牛レバ刺し、またはユッケの極めて厳しい規格基準に基づく流通禁止の実態について、現在その見直しを含めて再検討を期待し、または内部的な議論を進めているということを申し上げておきたいと思います。

 ユッケの生食用の牛肉の禁止、あるいは使いにくくなったということと、牛レバ刺しの復活を求める意見等につきましては、この345ページを御覧いただきたいと思います。先ほど先生からもお話がありましたように、リスクベースで検討をするにしても、そのベースの各論においては、先ほど日本畜産副産物協会の委員から提案のありました、そのようなきめの細かい検討を是非先生方の御指導を得ながら、この席で細かく進めていただきたいということでございます。

 まさに一挙に極めて短期間のうちに、生食の提供が禁止されたと。食文化がメニューから消えていったというようなことについての業界の戸惑いといいますか、また、お客様からの問い合わせということが現実に今でもかなり店頭では出てきているということを報告で聞いております。

 なお、これらのことにつきましては、今一層細かく、その具体的な中身、トレンド等を含む中身について、業界はどんな理由で受け止めているかということを含めて調査をして、是非この委員会に出させていただき、皆様の議論に供したいと思っております。

 既に3団体から、それぞれ復活を望むという視点における流通の内容、実態等の報告がありましたので、繰り返しになりますから、それぞれについては省略させていただきますが、お手元の個別アンケートの中で指摘されました業界の意見を是非お読みいただきたいと思っております。

 以上です。

○山本座長 ありがとうございました。生食の提供というものの中に、特に禁止された牛のレバーについての話がまだいろいろと業界では考えていきたいということをおっしゃっているようですけれども、飲食店では生食として、現在、肉はある程度、ユッケの形で提供しているということだと思いますが、会員の店舗の中では、大手チェーンはそんなにやっていないと認識してよろしいでしょうか。

○加藤委員 大手チェーンは安定的に、また、大量に仕入れ調達ができる体制が禁止以降はできていませんので、そういう意味でメニューから外したというのがほとんどです。そういう意味では、1センチにカットしてやっていくということで、大幅な原価率のアップになって、従来のリーズナブルなプライスで提供できないというところから、メニューから外したというのが現状ですから、そういう意味では、そのようなリスクの回避措置について、我々がサプライチェーンの最終段階にある飲食業の提供者として、その生産、加工、流通の中でリスクがどのような形で発生し、それを生産、加工、流通の工程の中で適切な価格の工程管理の中で解除していく形でできたものが、現状の仕入れ価格なのかどうかということについては、もう少し議論と中身に入っていきたいと、そういう気持ちを持っているというところもあります。

○山本座長 ありがとうございました。

 それでは、一とおり業界団体から流通実態等、それから、御要望等もありましたかと思いますが、そのような形で御意見をいただきました。

 次に、そのような状況を踏まえまして、自治体として指導や監視を行っておられることについて、東京都の田崎委員より10分程度で御説明をお願いします。資料4-14-2です。パワーポイントを使われるようですので、机上配布資料があるようですが、それも御参考に御覧ください。

○田崎委員 お待たせしました。先ほどの机上配布の「飲食店等における生食肉の提供状況について」という資料と、資料4-14-2を併せて御説明させていただければと考えております。

PP

 実際の監視指導の内容の中で、東京都における状況、生食用食肉の取扱い状況について御報告させていただきます。

3年間、過去の23年から25年までの状況でございまして、立入件数、及び実際に生で提供するなどの取扱い件数につきましては、食品群別に分けさせていただいております。生とか生に近いタタキとか、そういったもので提供されていた事業者の方の件数が平成23年から25年まで、その内訳が牛の肝臓あるいはそれ以外の内臓、ユッケ、タタキ、牛刺しなど、どういった形で扱っていたかについての内訳を示しております。

 「牛ユッケ・牛タタキ・牛刺し等」に※がついておりますけれども、これの提供については実際に23年から25年まで調査をした中で、規制後国のガイドラインに基づいて条例で規定した届出をしていなかった事業者がここに書かれている25年以降の推移でございます。

 あとは「牛ユッケ・パック品」というのは、きちんとした製造工程に基づいた、規格基準を守られたものが提供されているといった状況です。

 馬刺し、鶏のレバーが各年度ごとに分けられています。鶏刺しと鶏レバーについては平成25年の夏の調査では、これまでより若干多くなっているという状況でございました。

 豚レバーにつきましても、24年から25年については多くの事業者の方が取り扱われているという現状にございます。

PP

 改善状況ということで、生食用についての取扱い中止をした施設などの数です。指導の結果、提供を中止したというものです。鶏のレバーとか豚のレバー、豚刺しなどについてに基準はございませんので、行政指導によって取扱いをやめていただく監視指導を行わせていただいております。このような内容でございます。

PP

 牛以外の食肉の生食用としての提供施設数でございますけれども、圧倒的に馬刺しが多く、鶏刺し、鶏のレバー、豚刺し、豚のレバーといった順で、数的には馬刺しが、取扱い量が一番多いという結果でございます。鶏刺し、レバーについては、近年増加傾向にあるといった状況でございます。

PP

 提供施設数につきましては、かつ部位別にそれぞれ表をつくらせていただいております。馬と鶏については筋肉部位、牛については胃、心臓、ハツの部分とか、こういったものを提供される事業者の方が多い傾向と。

 豚については、筋肉部位からそれぞれ内臓部分まで提供していると。馬については、筋肉部位が多いということでございます。

 鶏につきましても、筋肉部位ということで、あとはカモとかダチョウなどが一部ございますけれども、この辺が主流を占めているという結果でございました。

PP

 牛のハツ刺しの提供事例ということで、これは食中毒として断定された事件ではございませんけれども、あるお店で有症苦情、いわゆる食中毒と思われる事例がたびたび発生したという事例がございました。都内のモツ鍋店ということでございましたが、そのメニューの中に牛のハツ刺しがございました。たまたまというか、苦情の中でO157患者さんが発生しまして、重症化したものですから、営業者として食中毒の可能性が高くリスクがある旨をよく説明をし、提供をやめていただいたという経過がございます。これはあくまでも喫食した状況等の蓋然性からハツ刺しが原因の可能性があるということで話をしたということで、断定には至っておりません。

PP

 豚レバーの提供事例でございます。これは食品衛生歳末一斉監視指導で飲食店に入ったということで、実は規制があるわけではないのですけれども、実際にメニューにはなく、オーダーに応じて、店としては裏メニューとして提供していたという事例でございました。事業者の方は豚レバーなら牛と異なって腸管出血性大腸菌の影響がないと考えていたということで、豚レバーにつきましても生食で提供することについては、さまざまな危害がありますよということを丁寧に説明させていただいたところ、この事業者の方は提供をおやめになったという事例でございます。

PP

 鶏のタタキの提供事例です。これも夏季対策の際にある自治体が定めた「生食用の基準」に基づき販売されている鶏肉を、鶏料理店において食品衛生監視員が発見したものです。

PP

 パワーポイントに写真がございますので、御覧になっていただければと思います。ここに生食用鳥肉で食べられます、といった記載がありまして、製造者の氏名とか、あとは条件があって、賞味期限にかかわらず早めにお召し上がりくださいとか、保存方法は凍結させて販売する、賞味期限は凍結品ということで、表示はこのような表示があって、これはこの自治体の中でこういった規定で流通しているということでございます。外観はこのような格好で、凍結品なので融解して使用するという内容でございます。

PP

 この自治体の中での販売に限るとの通知が当該自治体ておるようです。生食用の食鳥肉の成分規格目標といった形で、いわゆる糞便系大腸菌群、サルモネラ属菌、カンピロ、ブドウ球菌等が陰性でなければならない。あくまで自治体の中での基準なので、事業者に対しては県内で出荷するように指導している。ただ、流通社会ですので、インターネットなどで当該自治体外にも流通し、一旦問屋等に販売すれば、他自治体にも流通する状況でございました。

PP

 鶏料理チェーン店での事例がございまして、これはある市からの情報提供に基づいて、本社を指導したという内容でございます。鶏刺しと鶏わさということで、鶏料理の専門のチェーン店でございます。生食用の鶏肉を使っておって、本社に対してメニューをできれば変更できないか、リスクがありますよと指導保健所としては指導的立場ですので強制力はありません。関東近県でも同じような形で提供されているものと考えられます。結果として、今もメニューの中にはまだ掲載はされていて、やめるような状況には至っていないとのことです。

PP

 実際の提供の内容ついてはこのような形で、お手元には写真ですので、現物をお見せしているので提供できませんけれども、鶏の胸のタタキですね。このような調味料につけて、刻み肉として召し上がっていただくという内容です。

 鶏わさについては、周りをブランチングのような形で一瞬加熱して、召し上がっていただくというようなもので、これは同じようなあぶり刺しという形で、周りをあぶって提供しているということです。わさびとか、しょうがなどをつけて食べるというような提供のメニューになっております。

 馬刺しについてですが、一番提供が多かったのですけれども、厚生労働省さんに出していただいているガイドラインに外れた内容で提供している事業者は、都内にはおりませんでした。

 こちらについては以上でございます。

 それでは、こういった監視指導を行っている一方で、どのような食中毒が発生しているかというところの資料でございます。お手元の資料4-1と資料4-2を御覧ください。

 資料4-1につきましては、過去3年間の事例でございます。これを一覧で提供させていただいております。まず4-1から御覧になっていただきますと、この中ではメニューでカンピロの食中毒の多くの場合は、鶏の生食あるいは生食に近いようなメニューの中に入ってございます。原因食品としてはここに書いてありますけれども、飲食店の食事とか会食料理と書いてありますが、疑われる食品の中には、レバーあるいはユッケなどが入っている。

 統計的な調査や残品の調査を行って、最終的に決定しているのが一番右側の生または加熱不足の肉のメニュー名ということで、原因食品と確定したものについては確定、あるいは統計的処理でカイ二乗検定やオッズ比などで検討したものが推定食品となっております。例えば55日の飲食店の食事ですと、これは疑われる食品の中で鶏レバーとなっておりまして、推定されるもの。74日の真ん中辺に「不明(会食料理)」と書いてありますが、ここには鶏刺しと書いてあります。これは原因食品としてこの鶏刺しが原因だったと確定したものでございます。

 このような事例がつらつらと書いてございまして、次のページを開けていただきますと、平成246月から71日、2の辺で630日~71日のところで、牛のレバ刺しがたくさん事例として挙がっております。これはちょうどO157の規制がかかる直前でして、いわゆる駆け込みで、このころは多くの方が牛のレバーを召し上がった時期でございます。

 腸管出血性大腸菌の事例はそれほど多くないのですが、実は都内では牛レバーの刺身、あるいは生食用のような喫食により、カンピロバクターの食中毒が以前からかなり発生しておりました。ここでカンピロの事件が起きたのですが、これ以降、牛のレバー喫食はありませんでしたので、当然、牛のレバーによるカンピロバクターの事例はないといったところで、これ以降は牛レバーによるカンピロバクター食中毒は一切発生していないという現状にございます。

 こういった細かい内容を御覧になっていただきますと、その次に資料4-2に移っていただきまして、東京都におけるカンピロバクター等を原因とする食中毒発生状況、カンピロバクター等と書いてありますけれども、腸管出血性大腸菌、カンピロバクターといったところで総計患者数の記載がございます。

 食品ごとの件数のところで、牛レバ刺しという形で、25年はゼロ件という状況でございました。生の鶏肉、鶏わさなどについては、コンスタントに発生があります。ユッケにつきましては、規制ができて以降、腸管出血性大腸菌、カンピロバクターの事件も現段階では起きていないというところでございます。

 過去の発生状況のグラフについては下の2つ、平成14年~25年の発生件数と患者数でございます。平成19年のところに腸管出血性大腸菌の患者数が突出して多いところが見られますけれども、これは大学の食堂で発生した食中毒事例ということで、多摩地域の事例でございます。

 裏面を御覧になっていただきますと2ページですが、鶏肉の疑い件数につきましても、コンスタントに毎年食中毒発生がございまして、鶏肉、生の提供によるものが疑われるもので、このような形で掲載させていただいております。これが東京都における発生状況でございます。関東周辺地域についても大方、似たような傾向と考えております。

 以上でございます。

○山本座長 詳細な資料をいただきまして、ありがとうございました。

1点だけ確認したいのですけれども、このスライドの3ページの提供施設数の母数は分かりますか。

○田崎委員 3枚目の資料でございますか。

○山本座長 3ページ目で「生食用食肉等の提供施設数(飲食店))と書いてあるのですが、この提供している施設の数は分かるけれども、全体の中のどれくらいが提供しているのかというのが見えてこないので。

○田崎委員 これは立ち入りをしたのがその前のページの数で、これが立入件数で、実際に立ち入って問題があるところを確認して指導させていただいたという件数です。全部が扱っているわけではなくて、扱っている中で、もし正確な母数が必要であれば、後ほど確認させていただきます。

○山本座長 この3年分のを足した中の例えば豚ですと肝臓で117となるんですか。

○田崎委員 結果として豚の肝臓を現在取り扱っている軒数が117ということです。 

○山本座長 では、全部で500件近くの117件ということですね。

○田崎委員 そうです。

○山本座長 分かりました。どうもありがとうございました。

 それでは、資料24について御意見、御質問等を受けたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○石川委員 1つ、鶏のところで生食で食べるのは文化というお話があったんですけれども、文化というと、これはいい文化と悪い文化があるのですが、どうなのでしょうか。継続しておきたい文化と思っているのか、それとも、いつごろそういう文化があったのか、それはお分かりなのでしょうか。教えていただきたいと思います。

○高橋委員 いつごろというのは分からないのですが、これは日本全国で鶏をみんな飼っていましたので、その中からスタートしたと思うんです。九州のほうは地鶏が多かったという部分で、先ほど出ていたように、あれを見ると鶏も普通のブロイラーではないんですね。親の雌系のものという格好になっていました。普通のブロイラーが盛んになった以前の話なので、関東でも大分あったのでしょうけれども、自然と南だけ残っていったという感じなんです。あくまでもブロイラーではないと思うんです。調べていった中で、やはり地鶏です。

 先ほどの食中毒の中にも心臓だとか胃だとか腸がありました。そんなものは基本的には食べるものではないというイメージが皆さん全国で持っているのですが、先ほど説明したように、地鶏当たりを丸々1羽をばらして、その提供をしている業者がたまたま心臓を食べさせたり、胃を食べさせているという部分なので、それは地域地域でちょこっと残っている部分があると思うんです。たまたま宮崎、鹿児島などに行くと、食の文化なんでということを言われたので、先ほど発表しました。

○石川委員 分かりました。どうもありがとうございます。意見は後で、今は質問だけですか。

○山本座長 御意見もいただければと思います。

○石川委員 これは内閣府の食品安全委員会で議論をしたことがありまして、要するに生食の文化は日本にあるかどうかということで調べた方がいまして、余りないんです。だから、もう本当にあったとしても明治以降の文化であって、基本的には日本の食文化の中では熱を加えて食べるというのが肉類ではあったんだということです。私たちは教育の観点から考えると、いい文化は残さなければいけませんので、そういう点から質問をさせていただきました。

 もう一点、都の発表の中でカンピロバクターの鶏刺しとか、あぶりとか、そういうのが出てきましたけれども、あれで何でカンピロバクターの食中毒が出てくるのかということについては、その先を調べたかどうかということですね。要するに筋肉の中にはカンピロバクターはいないので、どういう形でなったのかということについて、もう少し詳しく調べていただいたかどうかということをお聞きしたいです。

○山本座長 いかがでしょうか。

○田崎委員 これらの事例では残品などを検査した結果が重要と考えております。しかしカンピロは潜伏時間が比較的長いものですから、届出を受けた後の調査の際には既に同一ロットの残品は失われている状況でございました。これらの事例については、それぞれほとんど残品は発見できかったというところでございます。しかし、参考品などにつきましても、筋肉部位あるいは臓器の部分を検査し、カンピロバクターが出てきたという事例はございました。細かい内容については、データを持ってきておりませんが、実際に検出された生肉もあります。部位的には筋肉中とか、細かく分けた調査については、実施しておりません。

○山本座長 よろしいでしょうか。

 それでは、五十君委員、どうぞ。

○五十君委員 机上配布の「飲食店における生食肉の提供状況について(東京都)」の1枚目の下の表になります。その中の右端に「その他」という項目があるのですが、これは家畜の例えば羊とか、あるいはジビエというものも全部含まれるとう理解でよろしいのでしょうか。

○田崎委員 そのとおりです。ジビエやダチョウなども含まれております。

○山本座長 ほかにございますか。

 私から加藤委員に聞いておきたいのですけれども、資料3-42ページ目で、生食用牛肉メニューを取り扱っているというのが72社あるのですが、ここの中で取り扱っているものというのは、この下の表にあるものだけで、生レバーとか、そういうものは入っていないという理解ですか。

○加藤委員 生レバーは入っています。

○山本座長 代表的なものは、この表にあるものだけと考えてよろしいでしょうか。

○加藤委員 代表的なものはこのメニューということでよろしいと思います。

○山本座長 そうすると、牛関係がほとんどですけれども、豚とか鶏とか、そういったものは、この焼肉店では扱わないと。

○加藤委員 チェーン店では。

○山本座長 これは大型のチェーン店が中心ですね。

○加藤委員 中心だと思います。もちろん焼肉協会でも専門店が少ないですね。焼肉協会もこの表の中に全て入っていますね。ですから、焼肉協会で豚の生は、この表の中に入っていません。

○山本座長 分かりました。どうもありがとうございます。ほかにございませんか。

 これまでの御説明、流通実態等について、まとめながら、お話をしていきたいと思いますけれども、鶏は生食として提供されている規模が結構大きいと見ていいと思います。一部地域といいますか、九州の南のほうが中心だとは言うけれども、かなり全国に鶏なども生で食べられている例があるのではないか。馬は全国に結構生食として流通していると。牛の内臓、豚がある程度、生食として提供されている。もちろん牛のレバーは生食用の提供は禁止されているのですが、それ以外の部位、豚が生食用として提供されている。

 一方、山羊、羊、ジビエ、これは基本的には生食用としては提供されていないのではないか。そういう実態はほとんどないと。生食用として提供している事業者が今日御説明になられた協会の会員以外の方が多いということですけれども、それがどうも提供しているものが原因ではないかということですが、なかなかその実態を把握するのが難しい状況にあるのだと思います。

 自治体として取り組んでいるお話の中では、生食用として提供中止を指導しても指導を聞いていただけない実情がある。これは古くから、それを提供してきた業者さんにとっては、なかなかすぐに変更できないということもあるのかもしれませんが、逆に新しく参入された方は、そういう情報を知らなかったということで、危険情報を聞くことによって、メニューから外すということをされているものもあるということですので、この辺は1つ情報提供の上での参考になるかと思います。

 馬肉、鶏肉、これは東京都だけでもかなりの飲食店で提供されているということですので、生食の問題はこの辺はかなりあるのかなということです。牛も含めてカンピロバクターがあったわけです。ただ、牛のレバーは禁止されましたので、カンピロバクター食中毒は、牛によるものは、ここ2年発生していない。鶏肉によるものは発生が多いということで、カンピロバクター食中毒は問題であるということになるかと思います。

 そのほかにポイントとして、この辺があるのではないかというような御意見とか聞き落としたというようなことがございましたが、少し追加したいと思いますけれども、いかがでしょうか。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員 先ほど野田委員が言われたのですけれども、私も以前そういう意見を言ったことがあると思いますが、なぜ食肉だけなんですかと。それは食肉でリスクが一番少なくなることが一番いいわけですが、現実にはそういうわけにはいっていない。これは空中細菌から始めて、細菌汚染の可能性はいろいろなところにあるわけで、要はほかの食品についてのリスクと、この食肉についてのリスクの比較をきちんと出していただけないかなと。例えばカンピロバクターでも結構ですから、この肉の生肉で鶏が提供されていますよというようなところで、そういうもののカンピロバクターの汚染率と、それから生がきです。私は好きで生がきを食べるんですけれども、うちの女房はフライにしたものでも当たります。これはカンピロバクターかどうかは分かりませんが、そういうものの食品との比較をきちんと出していただけないものかなと。

 もう一つ言いますと、この前も言ったんですけれども、魚介類が絶対数では食中毒が一番多いんです。それは食べる人が多いからということではあると思うんですが、食中毒が発生する頻度の中の牛肉、豚肉の生食の発生頻度、リスクですね。それをきちんと言っていただかないと、例えば私どもは馬肉で2日間統計してやりましょうということで一生懸命やっているんですが、魚でも住肉胞子虫はいるわけで、これは常識的に御説明いただければ。だけれども、それはそういうことにはなっていないではないですか。ですから、そちらの危険度と、この馬肉の住肉胞子虫の危険度と発生頻度、その辺をきちんと科学的なデータを出していただけないかなと。なるほど、リスクが多いよという話であるならば、そこからどういうふうにして、そういうものを減らしていくか。こういうことを作業として始めればいいわけでありまして、どうもその辺の比較のデータが少ないのではないかということです。

○山本座長 御意見をありがとうございました。なかなか食品ごとのリスクをハザード抜きにして比較するのは難しいのですけれども、まず考えているのは食肉全体としての生で食べるということについてのリスクはいかがなものかということが一義的にあったわけですね。それ以外のものと比較するということになりますと、例えば極端に例でいいますと、前にも野田委員からあったかと思いますが、たばこのリスクの話が出てくると思いますが、そういうもののリスクとか、では、雷に打たれるリスクはどうなっているのかというものと比較しろという話になってくることも1つあると思います。

○小林委員 そこまでは言っていません。

○山本座長 そこまでは極端な例でありますけれども、生として食べるものでほかにあるとしたら、卵であるとか魚であるということですが、これまで魚介類と卵については一定の方策はとられてきているということが後ほど説明があるかと思いますけれども、事務局から、これまでとられてきた生食に関する施策について御説明をいただきたいと思います。

 では、事務局、お願いします。

○事務局 それでは、参考資料5、参考資料6、こちらの方になりますけれども、卵、生食用魚介類について、今までやってきた施策について御説明させていただきます。

 まず、参考資料5を御覧ください。「卵及び卵加工品によるサルモネラ食中毒の発生防止のための対策」となっておりますが、平成1011月に規格基準や表示基準を策定して、それと同時に卵選別包装施設、いわゆるGPセンターというところですが、そういったところにおけますガイドライン、家庭における注意事項、こういったものを策定しました。また、農林水産省さんにおきましても、農場における総合的な対策指針などを定めまして、生産段階での衛生管理を指導しております。

 主な内容といたしまして、規格基準では、食品の製造、加工又は調理に使用する鶏の殻付き卵は、食用不適卵であってはならない。

2つ目のポツになりますけれども、鶏の殻付き卵を加熱殺菌せずに飲食に提供する場合は、賞味期限内の生食用の正常の卵を使用しなければならない。

 あとは成分規格としまして、液卵、工場などで使ったりするものにつきましては、成分規格、サルモネラ属菌や細菌数、製造基準、こういったものを規定いたしました。

 表示基準といたしまして、鶏の殻付き卵の表示については、品質保持期限、消費期限といったものや生食用である旨、あとは品質保持期限を経過した後は加熱殺菌を要する旨。こういったものを表示するように定めております。

 卵、選別、包装施設、GPセンターにおけますガイドラインですけれども、GPセンターは、生産農場から卵が収集され、洗浄して重量ごとにサイズ格づけし、包装する施設でございます。

 本要領におきましては、原料卵の受け入れから保管、洗卵、検卵、表示等について規定しております。

 家庭における注意事項で、サルモネラ属の食中毒の防止は、家庭における卵の適切な取扱いが重要ということで、購入から保存、調理、食事、そういったものについて注意事項を明記しております。

 裏面を御覧いただきたいのですが、平成11年に規格基準は策定されております。平成8年、9年当時は大体患者数が3,000人とか2,000人いたものですけれども、現在は200300人というところで、ここ10年近くは推移しているというところでございます。

 以上が卵についてでございます。

 参考資料6「生食用魚介類の加工品による腸炎ビブリオ食中毒の発生防止のための対策」となっております。

 平成136月に規格基準、表示基準を策定し、関係業者への指導、消費者に対する普及啓発を行っております。

 規格基準でございますが、ゆでだこ、ゆでがに、生食用の鮮魚介類、お刺身などですね。あと、むき身の生食用のかき、冷凍したお刺身等、こういったものについて腸炎ビブリオの成分規格を設定しております。

 さらに加工基準といたしまして、加工に使用する水に対する規定や十分洗浄し、製品を汚染するものについては除去しなければならない。こういったものを規定しました。

 保存基準といたしまして、冷蔵品は10℃、冷凍品は-15℃以下で保存としています。

 さらに表示基準といたしまして、生食用である旨の表示や品質保持期限、こういったものを定めております。

 また、基準とはなっておりませんけれども、関係業者にする指導では、保存基準の10℃ではなくて、できる限り4℃以下とか、そういったことを指導しております。

 こういったことにより、平成10年には患者数で12,000人を超えていたものが、平成13年、このころから審議会でいろいろ審議して、指導の通知を出しておりまして、平成137月から規格基準を適用しております。現在におきましては、23年、24年と100人前後で食中毒の患者数は減っておると、こういった状況でございます。

 説明は以上でございます。

○山本座長 ありがとうございました。卵についてはそのような形の規制で大分減ったということがありますが、腸炎ビブリオについて、これは生食用の鮮魚介類の規制がかなり入ったということで減った。ただ、ハザードとしては、ほかにまだ残っているだろうという御意見はあるかと思います。

 これはノロウイルス等がいまだに減っていないという原因の1つが考えられるわけです。ただ、ノロウイルスの難しいところは、食品ばかりではないというところが難しくて、なかなか有効な規制がとれていないという状況にあるのかと思いますが、今回はそういう意味で、ほかとのリスクを比較して、この食品が特に高いからということではなくて、生食肉として提供すること自体も含めて、その安全性を確保していくにはどうしたらいいか。もしくはそれが安全確保ができないのであれば、どういう規制をかけていくのかということの議論のたたき台になる御意見ということです。ですから、食肉の生ということについて考えていて、食肉全体をどうこう規制する話とは意味合いが違っていると思いますので、この辺は御配慮いただければと思います。

 ほかに何かございますか。3回目で対策、リスクの軽重といいますか、そういうものについて議論を深めていきたいと思いますので、今日のところは流通実態としての鶏や馬の生食用が結構出ているということとか、ジビエや山羊、羊などは生食用としては提供されていないとか、協会の会員の方々は生食用の提供はしていないけれども、それ以外のところで提供が行われているのではないかということになりますと、協会以外の数がどれくらいあって、実態はどうなのかというのが、まだ本当は探っていかなければいけないところなのかもしれません。

 そこへの普及啓発活動をどういうふうにしていくかは、協会を通じてとなると、協会以外のところにはなかなか届かないということですので、厚生労働省、報道機関を通じての情報提供、消費者への啓発活動を強化していくというのは必要な手段かとは思われます。それは次回によく御議論をいただいて進めていきたいと思いますが、今日のところはこれくらいにして、次に行きたいと思います。

 リスク低減策等の検討について、厚生労働科学研究で関係したものが行われています。それぞれ10分程度で紹介していきたいと思います。獣畜の食肉等はと畜解体処理の段階でどうしても腸管内の微生物に汚染されていますので、リスクゼロということになると、なかなか困難かとは思います。ただ、と畜解体方法によって細菌汚染をどれだけ低減できるかという研究が行われております。

 また、危害要因がそれほど重篤でないものであれば、リスク低減策を導入することで現在よりは安全なものが提供できる可能性がありますので、今後の規制のあり方を検討する際には重要であると思います。

 それでは、まず私が行っている研究について御説明させていただきます。

PP

 タイトルで「生食肉の衛生に関する検討会」は調査会の間違いですので、訂正を願います。

PP

 資料6はスライドでは見にくいのですけれども、前回のこの調査会で提出しました危害リストになるわけですが、その中の牛(内臓)の危害要因として、腸管出血性大腸菌、サルモネラ属菌、リステリア・モノサイトゲネス、カンピロバクター・ジェジュニ/コリといったものがあるわけですが、やはりどうしても考えなければいけないのは、腸管出血性大腸菌とサルモネラ属菌であろうということ。

PP

 原因食品として事件が起こっているものとしては、ハツ刺し、ユッケといったもので、ユッケでは死亡例が出たということで、これは規格基準ができました。

 サルモネラ属菌では生センマイといったものがあるわけです。

 カンピロバクターでは、ほかにハツ刺し、ミノ刺し、生センマイ、ホルモンといったような、内臓肉に由来する食中毒が発生しているということから、それらをいかに衛生的に処理するかということで、と畜解体工程の後、その内臓処理の段階において、どのような手段があるかを検討させていただいています。

PP

 これは市販の牛内臓肉の細菌汚染状況を大阪市立の環境科学研究所の方が調べられて、報告されている例ですけれども、まず縦に見ていくと検体が大腸、第一胃、第二胃と並んでおりまして、それの検査件数。それから、1g当たりの生菌数ということで、これは103 のオーダー、104 のオーダー、105 のオーダーといったところで検出されたものということで、その検体数が記載されているという状況です。

 大腸などでは生菌数が104 105 辺りが1g当たりいるということから、さらに多いところでは107 程度のものまであるということですね。通常の1g当たり107 ということになると腐敗の一歩手前くらいまでいっている状況かと思いますが、そのような高いものもある。

 第一胃から第四胃にしましても、大体105 104 、そのあたり、第二胃では106 あたりのところが多いというような形になってくるわけです。第三胃が105 106 のところにありますけれども、これはセンマイとして食べられている部分です。

 肝臓についても、これは生菌数ですのであれですけれども、105 あたりのところにあります。

 最後の欄に、O157の分離状況ということで、大腸、第二胃、第三胃、第四胃、血管、肝臓、心臓といったところから検出がされているということです。O157の検出は非常に難しいのですけれども、この場合はかなりの検出率で検出されているということになろうかと思います。

PP

 私どもの研究体制としましては、この内臓肉の衛生管理はほとんどこれまで取り扱われてきませんでしたので、目的としては牛内臓肉衛生管理の中でも腸の衛生管理に関する研究はほとんど行われていないということとか、胃袋も含めて、腸、胃袋、その辺のところをどう扱うかということをやっていこうと。その手法についても少し考えましょうということです。

PP

 全国の食肉衛生検査所の協力を得まして、内臓肉の処理に関係している方々にアンケートを行って、その処理のポイントと思われるところを抽出するということと、汚染の指標菌として一般生菌数、大腸菌の数を調査いたしました。

PP

この図は見にくいかと思いますけれども、縦に先ほどの大阪市の図と縦横逆になっているような形になるんですが、菌数が縦に書いてありまして、AHまでは食肉検査所で調べたデータをそれぞれ出しているわけなので、Aの食肉検査所からHの食肉検査所までで調べたということになります。

 そうしますと、Aの食肉検査所では、小腸では104 105 あたりのところが一番多くて、Cの検査所はそれより1つオーダーが高い。Gの検査所で調べると、そこの処理はよくて菌数が少し低いほうにあるということが分かります。大腸はばらつきがありますけれども、Cの検査所で調べると非常に高い菌数が出てきたということですね。盲腸、直腸等も生菌数はCの検査所は非常に高いというようなことが分かりました。ということは、その内臓の処理の状況、業者、そういった環境によって菌数というのはかなり大きく違いが出てくるということが言えると思います。

PP

 大腸菌につきましては、大体103 104 を平均としているようですけれども、それより低いものにGの検査所で調べたデータがありまして、ここは全体的に小腸、大腸、盲腸、直腸、白物と言われているものの菌数が低いという結果が得られています。

PP

 これは第二胃から第四胃までの生菌数と大腸菌数を合わせたものですけれども、第二胃、いわゆるハチノスと言われているものは105 106 で検出される。センマイと言われている第三胃は104 106 の間ですけれども、かなりばらつきがありました。第四胃については大体104 106 ぐらいのところ。大腸菌は大体104 105 、低いところでは1010100というような低いところ。これはGですけれども、そういったところも見受けられますということです。

PP

 これは24年度の結果でしたが、まとめとしましては、食用として処理される内臓は第二胃から結腸まで平均して104 105 のオーダーであったと。8カ所の検査所のうちの1カ所は平均より10分の1になっており、1カ所は10倍高いということがあった。菌数が低いと畜場は、いわゆる対米と畜場ということで、アメリカに肉を輸出することが可能な土畜場。つまりHACCPを導入されているところであるということで、内臓処理についてもそういった一般的な衛生管理状況がかなり工場しているということが想像されました。

PP

 アンケートを見ますと、1頭ごとに流水や貯め水、どちらをするのかということとか、まな板に腸管の内容物が出て、次のものに汚染がいかないようにするのかどうかという問題。

Gと畜場はきれいなところだったんですけれども、小腸、大腸、胃をまとめて処理はしているのですが、最終洗浄までの回数がかなり問題かということを指摘しておりました。

 温湯の使用は、使っているところと使っていないところがありますが、使っているからと言って低いというデータにはなっていないということは、交差汚染を防ぐようなほかの手立てをちゃんとしておかなければいけないということになろうかと思います。

PP

 工程をいろいろ考えていく上で、今回25年度にやったのは、水荒の回数によって菌がどれくらい減るのかというようなこと。今回は粘膜面と小膜面の汚染状況は調べることができませんでしたので、水洗の回数を見ていくということにしました。あとはそれで水がどの程度汚れていくのかというのも観察してもらっています。

PP

1枚飛ばしますけれども、Aと畜場では第二胃は通常の洗浄をやっている場合には大体105 のオーダーでした。洗浄回数をふやすということになったりしますと、最終製品では約1logですね。10分の1まではいきませんけれども、それ近く下がる。大腸菌も同じようなことが言えると思います。

 洗浄の水の中には、同程度の菌が洗うたびに出てきているということですので、回数をふやせば、どんどん菌は減っていく可能性は高いということが言えるかと思います。

PP

Gのと畜場で生菌数で小腸、大腸、直腸の前後、胃袋の前後ということを見てみますと、大体やはり1オーダーとまではいきませんけれども、1log近く回数、最終洗浄の前と後ということで比べると減っているということが分かりますので、恐らくその洗浄することによる効果はある程度認められるだろうと。

 ただ、水はこの都度変えていかないと、洗浄水にはその103 程度、もしくは大腸菌だと30個、40個程度のものが残っているということですので、洗浄水を更新しながらやっていかなければいけないということになるかと思います。

PP

 今回の25年度のまとめですけれども、今後の菌数の低かった施設及び高かった施設において、どのような処理がなされているかをきちんと調査して、その方法のポイントを検討することにしまして、さらにアンケート調査に基づく改善点を見たことで、洗浄用水槽の水の交換回数というものがかなり必要なのだろうということがわかってきました。

 洗浄前後で約1logの減少があるので、量も含めて洗浄の回数を変えていかなければいけないだろうということであります。

 以上、簡単に御報告を御報告させていただきました。

 質問は申しわけありませんが、最後にまとめてということになりますので、次に野田委員から資料5-2に基づいて説明をお願いいたします。

○野田(衛)委員 よろしくお願いいたします。

 それでは、「熊本県におけるイノシシ、シカ及びブタのE型肝炎ウイルス汚染実態調査と分子疫学解析」ということで、過去3年間にわたって研究を行ってきましたので、その概要について、お話しいたします。

PP

 今日のお話にもありましたように、E型肝炎はE型肝炎ウイルスによる肝炎で、従来は輸入感染症として位置づけられていましたけれども、近年はイノシシ、鹿、豚などの動物が感染する、いわゆる人畜共通感染症として位置づけが高まっています。実際にE型肝炎の患者は年間数十名が感染症法に基づき届出されていますが、その多くはそれらの食肉との関連性が示唆されております。

PP

 そのようなことから、熊本県、感染研との共同研究で、熊本県において採取しましたイノシシ142頭、61頭、1,329頭について検査を行ってまいりました。検査方法は遺伝子検査に基づく検査を行った後に、塩基配列を決定する検査とELISA法による豚血清中の抗体検査を行いました。遺伝子検査につきましては、肝臓から病原体の遺伝子を見つける検査ですので、陽性はウイルスを保有しているということ、すなわち感染のリスクがあるということを示します。ただし、遺伝子検査ですので必ずしも感染性があるかは正確には分かりません。

 一方、抗体の検査につきましては、過去にE型肝炎にかかったことがあるかないかということを調べます。陽性は、基本的には過去に感染があったことを意味し、と畜された時点において病原体は排除され、感染のリスクはないことをないこと示しています。

PP

 その検査結果でございますけれども、イノシシ、鹿、肥育豚について検査を行った結果、イノシシにつきましては、筋肉の2例、肝臓の12例、血液の4例、計143頭のうち13頭、9.2%が遺伝子検査で陽性でした。

 鹿につきましては、61頭を検査しましたが、全て陰性でした。

 肥育豚につきましては、廃棄肝臓及び血清を対象にして行いましたが、廃棄肝臓につきましては183例中11例が陽性で陽性率6%。血清につきましては1,146件検査し1例が陽性で陽性率は0.09%でした。

PP

 肥育豚の廃棄肝臓あるいは血清から検出されたE型肝炎ウイルスの検出状況を畜舎別に見たものを示します。例数は少ないですけれども、1例検査して1例陽性であった、すなわち陽性率100%の畜舎もあれば、十数例検査してもほとんど検出されない畜舎もございました。検出されたE型肝炎は全て遺伝子型G3に分類されるものでした。

PP

 その検出されたE型肝炎ウイルスの分子疫学的な系統樹を示しております。細かいことはよろしいんですけれども、わかっていただきたいことは、青が豚、赤がイノシシの検査結果です。豚に関しましては、豚舎ごとに同じ遺伝子型のウイルスが見つかる傾向がございます。一方、イノシシにつきましては、その採取した地域ごとに異なる遺伝子型に分類される傾向がございます。

PP

 遺伝子型のG4につきましては、イノシシのみから検出されておりますが、これもやはりG3と同じように、地域ごとに異なるクラスタを形成しているということです。すなわちイノシシにつきましては、それぞれの捕獲地域において特有のE型肝炎ウイルスが存在していて、それが感染しているということを示します。一方、豚につきましては、豚舎ごとに同じタイプが検出されますので、豚舎ごとに同じタイプのE型肝炎ウイルスが維持されている可能性を示唆しています。

PP

 以上の取りまとめは書いてあるとおりですので、省略いたします。

PP

 次に、豚のE型肝炎ウイルスに対するIgG抗体の保有状況について、豚舎別に取りまとめたものです。こちらが一般豚、こちらがSPF豚です。一般豚とSPF豚について比較しますと、陽性率はトータルで一般豚が80%弱、SPF豚が11%強ということで、一般豚の汚染抗体保有率が高い状況になっております。

 豚舎別に見ますと、陽性率0%のものから陽性率100%のものまで、その陽性率はさまざまでした。SPF豚につきましても同様に、陽性率0%のものから100%まで、さまざまでした。

PP

 以上の結果から、SPF豚の方が一般に抗体保有率状況は低く、一般豚の方が高い傾向にあります。しかしながら、その抗体保有状況というのは、豚舎別に大きく異なっているということを示しております。

PP

 次に、2010年、2011年の複数の年度にわたって調査した結果を豚舎別にまとめたものです。それぞれの年において抗体保有率が低かった豚舎は、やはり次の年も低い傾向にあり、前年度に抗体保有率が高かった豚舎は、やはり次年度も高い傾向にありました。このことから、E型肝炎ウイルスの汚染が低い豚舎であれば、やはり低い状況が維持されますが、汚れた豚舎ですと、やはり次の年も汚れた状態になっているということを示唆しております。

PP

 以上の結果から、イノシシ、豚の検体からE型肝炎ウイルスが検出されました。特にイノシシにつきましては、肝臓以外に筋肉の部分もE型肝炎ウイルスに汚染されている可能性があり、その喫食には十分注意する必要がございます。

 また、先ほど来からお話がありますように、生食用牛レバーの販売禁止に伴って、豚レバーの生食ということが一部行われているという報道もございましたが、本研究等からE型肝炎の汚染リスクがあり、その生食にはリスクが伴うということがあります。

 一方、食品を取扱う時におきましては、交差汚染等の防止対策が必要です。

PP

 最後のまとめとしまして、リスク低減策として提言できるということにつきましては、豚舎ごとに抗体保有率が違うということでございますから、E型肝炎に汚染しない畜舎環境をつくるということで、E型肝炎の汚染状況は減らすことができる可能性は示唆されると考えております。以上です。

○山本座長 ありがとうございました。

 それでは、朝倉委員が鶏の食鳥処理について研究しておりますので、その説明をお願いいたします。

○朝倉委員 よろしくお願いいたします。

PP

 まず1枚目のスライド、こちらはカンピロバクター食中毒の概要をお示ししております。本件は極めて広い家畜や家きん類の腸管内に生息しておりまして、食肉とりわけ鶏肉、それから牛や豚、あるいは鳥の内臓肉、飲食水などを汚染して、人に食中毒を引き起こします。先ほど田崎委員からの御説明がありましたように、潜伏期は比較的長いために、原因食品の特定が困難な食中毒の1つと認識されております。

PP

 近年の国内における細菌性食中毒発生の中で、カンピロバクターによるものは、その事例数は最も多いものとして認識されております。また、原因食品としては先ほど申し上げたように、鶏肉が最も重要と考えられています。

PP

 現場における制御として、特に農場での制御が根源的と目されている一方で、その状況はいまだに困難な点が多いということを踏まえ、現状においては農場から消費の各過程において諸対策を考慮すべきと考えられます。

 こうしたことを受け、2009年に食品安全委員会では「鶏肉中のカンピロバクター・ジェジュニ/コリ」と題した食品健康影響評価を策定しております。この評価書の中においては、各段階における諸対策を具体的に提案されておりますので、この厚生労働科学研究においては、それらのリスク管理手法としての有効性を評価することとして検討を始めました。

PP

 本研究での具体的な検討対象段階は、農場、食鳥処理場、流通の3過程がございます。

PP

 まず、農場においては、カンピロバクターの保菌農場と非保菌農場が極めて明確に分かれるというような疫学的な情報もありましたので、これに関連するところとして、実際の飼養管理に関するアンケート調査を農場に対して行っております。

 結果としては、その中で鶏舎の形態が1つ、衛生管理にかかわってくるようなファクターとして浮かび上がってきています。このほか、開放鶏舎から構成される農場での汚染実態調査を行い、分離成績として約8割が陽性という結果を得ております。このほか、ブロイラー農場での発育段階に応じてカンピロバクターを保有するようになる。すなわち、搬入時においては、幼雛の段階ではカンピロバクターを持たないということ。これは国内外でもこれまでにも報告がございますが、その検証を行い、実証できたというところです。

 また、農場では、一旦汚染した場合には、その清浄化が非常に困難とも考えられておりますけれども、そうした持続汚染にかかわるところについて検討を行い、分離菌株の遺伝性異常を調べることで持続汚染が必ずしも同一菌の常在化によるものではないといった知見を得ております。

 このほか、農場内での鶏舎間伝播においては、人の動線との関連性も示唆されています。

PP

 また、食鳥処理段階では、カンピロバクターの交差汚染が食鳥肉における汚染を助長する1つのファクターとして認識されております。こうしたことを受け、本研究では、ある食中処理場の御協力のもとで、集荷から食鳥肉の包装に至る各過程のうち、脱羽後の検体から盲腸便及びと体のふき取りを行いました。盲腸便から菌が検出された場合には、そのロットをいわゆる保菌ロットと判定し、それない場合においては非保菌ロットと識別していきました。この後、いわゆる塩素消毒を含むチラーの処理前後で、それぞれと体のふき取り検査を行い、カンピロバクターの定性検出試験に供しました。

PP

 その成績です。514日あるいは524日の例などを見ていただくとお分かりかと思いますけれども、盲腸便から菌が検出されなかった、すなわち非保菌ロットのみを処理した場合に、それらの最終的なチラーまでのふき取り検査で菌が検出されることはありませんでした。一方、531日あるいは1016日の事例のように、盲腸便から検出される、すなわち保菌ロットを処理した場合には、それらに由来すると体のふき取り検体はいずれも陽性を示しました。

 そして、510日のように、初めに非保菌ロットを処理した後に保菌ロットを処理して言った場合に、と体から検出されたのは保菌ロット由来の検体のみでした。

 それから、4つ目のパターンになりますけれども、初めに保菌ロットを処理して、その直後に非保菌ロットを処理した場合には、保菌ロットのみならず、非保菌ロット由来のふき取り検体からもカンピロバクターが検出される状況が把握されました。

PP

 最後の非保菌ロットのと体汚染については交差汚染が強く疑われたため、分離菌株について、PCR-RFLP法とよばれる遺伝子型別法によって、その遺伝学的な同一性を確認することとしました。710日の処理の一例を見ていただければ、お分かりかと思いますが、このTYCと書かれたロット、すなわち非保菌ロットでしたけれども、こちらのと体ふき取りから分離されたA型あるいはE型という遺伝子型の菌株は、その直前に処理されたロットの盲腸便あるいは盲腸便及びふき取り液からも検出されております。これらの知見をもって、非保菌ロットへの汚染は、直前に処理した保菌ロットからの交差汚染に由来することが実証されました。

PP

 また、保菌ロットと非保菌ロットの識別に当たっては、やはり迅速性と簡便性が求められるかと思います。これを担保する一例として、ここではイムノクロマト法を採用し、高感度な遺伝子検査法であるリアルタイムPCR法との成績の比較を行いました。結論として、同法はPCR法とほぼ同等の成績を収め、さらに培養も成績よりも高い値の陽性率を示していました。

PP

 一応、食鳥処理段階におけるまとめとしては、保菌ロットを処理した直後に非保菌ロットを処理した場合にも、後者のと体からもカンピロバクターが検出され、分離菌株の遺伝子型別を通じて、これが交差汚染に因ることが実証されました。

 また、迅速かつ簡便な保菌の確認を行うための手法については、その開発が望まれますが、例えばイムノクロマト法についてはPCR法と同等の成績を示しました。

PP

 それから、流通過程における情報として、まず市販食肉におけるカンピロバクターの汚染実態状況に関する調査結果をお示しいたします。検体数はそれほど多くはございませんけれども、特に鶏肉は主要な原因食品と目されることから、特にモモ、ムネ、ササミの3部位をそれぞれ検体として検出試験に供しました。また、牛肉、豚肉については、それぞれスライス肉を検査材料といたしました。

 結果として、カンピロバクターは牛肉及び豚肉からは検出されませんでしたが、鶏肉のいずれの部位からも本菌は検出されました。一方で、モモ、ムネにおける陽性率はササミにおけるそれと比べて、高い値を示しておりました。

 その原因について、現時点では明確ではありませんが、ここで供したモモあるいはムネ肉検体については、皮つきの形態をとっていたということ、それから、これらの部位については、そもそもがと体の外表面に接触する部位に位置することなどが、これらの高率汚染との関連性を示すものと考えられます。

PP

 また、流通段階におけるカンピロバクターの制御法について文献収集を行い、それらの中で主要なものをお示ししたのがこちらの表になります。冷凍、有機酸添加あるいはバクテリオファージ添加、紫外線照射、このほか放射線照射についても研究レベルでは検討が行われております。

 一方で、これらの中で冷凍処理についてのみが海外で既に導入実績がある。すなわち実際の応用的な制御対策法として用いられているということを踏まえまして、本研究では国内の鶏ひき肉を用いて、その検証に当たりました。

PP

 その冷凍処理に関しては、最初に始められたのがアイスランドということです。当外国では90年代初頭から既に冷凍が義務化されていたようでありますけれども、これを諸事情があって解除しています。しかしながら、それに伴ってカンピロバクター食中毒は急増していったという実態を踏まえ、冷凍を再び義務化するとともに、農場から消費者への啓蒙活動に至る複合的な対策を行い、最終的にその食中毒発生数を減らしていったという内容報告されています。このほか、冷凍処理に関しては、デンマーク及びニュージーランドでも義務化が行われているとのことです。

PP

 実験的にカンピロバクターを鶏のひき肉に1g当たり約103 個をスパイクして、冷凍処理を行った後の生存菌数の変化を示したのがこちらの図になります。約103 個の接種菌数が冷凍1週間後にはおおむね102 個へ、すなわち101 オーダーの低減が図られ、そして、14日目には更に1オーダー下がり、約102 オーダーの菌数低減が図られることが示されました。

PP

 また、鶏のひき肉においては、そもそも自然汚染の発生率が高いということを踏まえ、一定の自然汚染が想定される、市販の国産鶏ひき肉を購入し、冷凍した場合に菌の陽性率がどのように変化するかといった検討を行いました。結果として、無処理の場合には約40%、50検体中20検体が陽性を示しましたが、1日の冷凍でその陽性率は24%、1週間の冷凍では約12%にまで低減しました。

PP

 このほか、本菌は外環境の刺激を受けて、時として培養性と生存性の数値に乖離を示すことが報告されています。こうしたことから本研究の中では、いわゆる培養性と生存性を並行的に比較してみようという試みも行っています。その生存性評価に当たっては、EMA-PCR法を用いて、その陽性率をすなわち生存率と読み替えて、検討を行いました。

 食品内、鶏ひき肉内における本菌の挙動については、おおむね同様の傾向を示しておりましたけれども、その中で冷凍処理の2日目の値については、培養性に比べて生存性は統計学的により高い値を示していました。

PP

 また、菌株間でこの冷凍処理に対する感受性がどの程度違うのかといったことも比較を行いましたが、結論としては、より冷凍時間を長くすればするほど、菌株間の感受性の差は縮まる傾向が見られています。

PP

 冷凍処理に関するまとめとして、鶏肉内カンピロバクターの汚染は冷凍処理を通じて、101 102 オーダーの低減を示しました。また、40%の汚染率を認めた市販鶏ひき肉は、1週間の冷凍処理によって12%にまで汚染率を低減させました。また、冷凍処理を通じたカンピロバクターの生存性、それから菌株間での冷凍感受性の差異などを踏まえると、一定時間以上の冷凍処理というものが確実な汚染低減には有効と考えられました。

PP

 全体のまとめとして、食鳥処理段階における汚染、非汚染鶏群の識別と区分処理は、交差汚染低減に有効な応用的対策と考えられます。また、流通段階では、冷凍処理が鶏肉内のカンピロバクター汚染の低減に有効と考えられます。しかしながら、こうした処理は一定の低減を示すものの、単一の手法によって、本菌の鶏肉汚染を完全に制御するものではないということも明らかとなりました。

 以上です。

○山本座長 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、資料6に基づいて、生食用食鳥肉の衛生対策ということで、自治体がやっておられる対策を事務局から御説明をお願いします。

○事務局 資料6に基づきまして、自治体が行っております取り組みについて、簡単に御紹介させていただきます。

 こちらの方は1ページから始まりまして、宮崎県でございます。19ページから鹿児島県のものが入っております。

 宮崎県におきましては、生食用食鳥肉の成分規格目標を定めまして、糞便系大腸菌群、サルモネラ属菌、カンピロバクター属菌、黄色ブドウ球菌、こういったものが陰性でなければならないという目標を定めております。

 また、認定小規模食鳥処理場における生食用食鳥肉の加工基準目標、こういったものを定めて衛生的に加工処理をするとしております。また、食肉販売業、食肉処理業における生食用食鳥肉の加工基準目標。

 さらに14ページからは、飲食店営業における生食用食鳥肉の加工基準目標といった形で、食鳥処理場、食肉販売業、さらに飲食店営業、各段階でどのように衛生的に加工をしなければならないか。こういったものを定めております。

 また、鹿児島県ですけれども、鹿児島県のほうでは通知を出しておりまして、生食用食鳥肉の衛生基準というもので成分規格目標、こちらも糞便系大腸菌群、サルモネラ属菌、カンピロバクター属菌、黄色ブドウ球菌、こういったものは陰性でなければならない。さらに食鳥処理場における加工ですとか、食肉処理場における加工、飲食店営業の営業許可を受けている施設における調理、こういったものの手法。さらに生食用食鳥肉の処理工程及び保存等の表示基準目標。こういったものを定めて衛生的に取り扱うように指導しているところでございます。

 簡単ではございますけれども、説明は以上になります。

○山本座長 ありがとうございました。

 それでは、最後に施策がとられた前後で、腸管出血性大腸菌O157の感染者の状況がどう変化したかということで、国立感染症研究所の八幡先生から説明をお願いいたします。

○八幡参考人 国立感染症研究所感染症疫学センターの八幡と申します。よろしくお願い いたします。

 私どものほうでは、厚生労働科学研究補助金のほうでの検討としまして、散発例といいまして、散発例とは何かと申し上げますと、ほぼ1例ですけれども、集団発生ではないタイプの方たちの原因が何かといったようなことを調べさせていただきました。

PP

 まず、そのリスクの推定ということで、私どもは行ってまいりました。実際の報告の中でなんですけれども、この腸管出血性大腸菌といいますのは、やはり重症度が高い疾患の1つです。

 その理由としまして、我々ども感染症発生動向調査というのがあるのですけれども、そちらで統計をとっておりますと、大体の値でいきますと、重症な合併症は溶血性尿毒症症候群というHUSというものがあるのですが、そちらのほうが大体5%ぐらい、死亡例が大体0.30.5%といったようなことで、ほかの疾患と比べるとかなり重症度の高い疾患であるということで、やはり対策が重要であるというのが背景にあります。

PP

 この方法なんですけれども、調査方法としましては、マッチングをした症例対照研究と書かれておりますが、これは患者さんが報告されてきまして、患者さんと同じ年齢階級、同じ性別、同じ地域の場所で地域といっても郵便番号上3桁を用いまして、地域を一緒にした人たちを対象群ということで比較をする人たちで、健康な人たちをとってきてということをする方法です。

 対象ですが、まず症例ということで腸管出血性大腸菌の中でも血清群O157というものだけに絞りまして、今回は検討いたしました。そのO157の届出をした患者さんの中でも集団発生を入れてしまいますと、集団発生に引っ張られてしまいますので、その分を除いたということでの散発例1例、多くても1組、2組ぐらいのグループだけですけれども、2例ぐらいいるといったあたりでの調査です。

 対照群対照群ということで比較をする群になりますけれども、そちらはインターネットであらかじめプールをしておいた人たちですが、そこから同じ地域に住んでおられる方、郵便番号上3ケタで、その中で同じ年齢階級で同じ性別の人たちを選びました。

 調査の情報収集の方法ですけれども、症例に関しましては、保健所の職員の方々が調査をされるというような方法をとっております。一方で対照のほう、比較をするほうはインターネットを使って調査を行いました。

PP

 その調査の結果ですけれども、いろいろな調査はしておりますが、今回は牛肉を中心にお話しさせていただきたいと思います。2010年、2012年のデータをお示しさせていただいております。2013年のデータは集計中ですので、口頭で若干お話をしようと思います。

2010年、2012年を見ていただきたいと思います。まず、最初に生または半生と書かれているのですが、生のまま、もしくは生焼けのままでということで、牛肉、ひき肉、牛レバーといったようなあたりを食べている人たちがどれくらいリスクとしてあるのかというのを示しております。

 まず、牛肉の生または半生です。これはORと書いたのはオッズ比というリスクの強さを表すものですが、このリスクの強さは数が大きければ大きいほど、リスクとして考えられるというようなことになります。そうしますと牛肉が13.25となるので、その下の牛のひき肉よりは大きいということになります。一方で、牛レバーは28.20ということでリスクが一番大きいということになります。

 もう一つ、隣に95CIと書いてあるのですが、これは95%信頼区間というもので、どういうふうに見るのかというと、この13.25とか28.20の確からしさがどうなのかを見る統計的な指標になります。この指標ですけれども、1をまたいでいるものは統計的に有意ではない、確からしさというのは担保できないと見るのですが、牛肉、牛レバーを見ていただきますと、2010年のところです13.25の隣に4.4139.83となっておりますので、統計的に確からしさがあるということがここで分かるかと思います。

 一方で、牛ひき肉ですけれども、こちらは1をまたいでしまっておりますので、有意な関連があるとは言えません。

 また、牛レバーに関しましては28.20の隣の3.03から無限大ということですが、これは対照群の人たちがほとんど食べていらっしゃらないということなので、こういう数字が出るのですが、いずれにしても有意な関係があるということが示されました。

 その下の十分な加熱ということで見ますと、牛肉、ひき肉、内臓牛肉、いずれも有意な関連はありませんでした。2010年のデータを見ますと、生または半生の牛肉、牛レバーというのは有意な関連があったということが言えます。

2011年、2012年になりまして、ユッケとレバーのそれぞれ対策がありまして、その後のデータということになります。7月からとっているデータですけれども、それを見ますと牛肉ですけれども、1.64ということでかなりORと書いてあるオッズ比が減っているとともに、実は有意な関連も見られなくなってしまいました。0.396.93ということで1をまたいでしまっておりますので、有意だということは言えません。牛ひき肉も同様です。

 牛レバーに関しましては、実は誰も食べていないということで、計算すらもできなくなってしまったというようなことで、分母の値しか出ていないというような状況です。

 十分加熱した肉のところを見ていただきたいのですけれども、牛肉のところが2.1095%、信頼区間が1.33.91ということで実は有意になってしまいました。牛ひき肉は有意ではなかったんですけれども、牛内臓肉に関しましても同様に有意な関連が見られました。

PP

 こちらが今、計算した結果と、赤い字で書かれているPAR%というのがあるのですが、これは腸管出血性大腸菌O157になっている患者さんの中で、どれくらいの割合でこの食品が寄与しているかというパーセンテージを表したものです。

2010年の調査になりますけれども、生か半生の牛肉ということで、このPAR%は16.9%、患者さんのうちの16.9%を占めていると解釈いたします。牛レバーに関しましては30.3%ということで、これら2つを合わせて大体半数ぐらいの割合を占めているということになります。これが対策前の状況でした。

 一方で、対策後の2012年の調査からですけれども、実は生か半生の牛肉、牛生レバー、このPAR%、人口寄与危険率というのが計算することもできないぐらいリスクとして下がってしまいましたというようなことで、この結果を見る限りですけれども、対策の結果が十分とれているのではないかということが示唆されました。

PP

 一方で、この調査だけでは十分ではないのではないかという疑問もあるかもしれませんので、私どもの国立感染症研究所で所管しているというか、モニタリングをしております感染症発生動向調査でもデータを見てみようと思いまして、データを作成してみました。

PP

 方法としましては、感染症発生動向調査、患者さんを診断したら届出を全てするのですけれども、その調査の中に入ってきているデータを利用しました。腸管出血性大腸菌の登録があった人たちの中で、生肉の喫食とか生レバーの喫食といったようなものが書かれているもの。そそれから、焼肉などの喫食が書かれているものといったようなものも含めて、データから抽出いたしました。

PP

 このデータの作成方法ですけれども、NESIDと書いてあるのは感染症発生動向調査のデータベースですが、このデータベースからデータを抽出してきます。その中から我々は疫学情報と言っているのですが、患者さんの症状であったり、発病日であったり、いろいろな登録されている患者さんに関係するような情報をとってきます。

 その疫学情報とともにですけれども、疾病共通備考と書かれている欄があって、そこに書かれている用語を抽出してくるということをしました。この用語ですが、例えば生レバーとか生肉とか、そういったものが書かれていたものは抽出をしていって、01データで生肉ありとか、生肉なしとかといったような数字をつくっていきます。そのデータをもとにカテゴリーをつくりまして、グループを3つつくりましたけれども、生レバーとレバ刺し等の生食といったもの、焼肉、しゃぶしゃぶといったようなもの。あと、その他というような分類をいたしました。

PP

 このデータを2つ組み合わせてつくったデータを次にお示しさせていただきたいと思います。

 まず、このグラフですけれども、こちらは腸管出血性大腸菌全てのものになります。暫定値と書かれていますが、まだ集計途中の段階の情報ですので、この情報は変わってくる可能性は十分にあります。その制限つきでありますけれども、全体の推移を見ていきますと、我々はよく言っているのですが、3,5004,500の間でずっと推移をしているといったような範疇に入ってきます。

 昨年ちょっと特徴的だったのが、この12月にちょっとスパイクがあるところがあります。こちらは腸管出血性大腸菌のO157とO26で、保育施設でちょっと大きいのがありまして、両方合わせると200例弱くらいの数がありましたので、そこでかなり実は稼いでおります。ですので、実は前年を下回るのではないかと思っていたのですけれども、この年末に来て急に増加したということで、前年を追い越してしまったというような状況です。

PP

 そういった施設内での発生とかがありますので、そういったものを取り除いていくデータを作成してみました。腸管出血性大腸菌が発生しますと、患者さんの身の周りの人たちも含めて調査をいたします。この病気は重篤なものであるということと、ヒト-ヒト感染をしていくといったような背景もありますので、感染を食い止めるというような意味合いもありますので、周辺の調査をしていきますと、菌を持っている人も引っかかってきますので、病気を発症していない人も入ってきますので、その辺を取り除いた有症者のみといったような人たちで、かつ集団発生ではないという人たちをとってまいりました。

 そうしますと、2011年以前は大体二千数百のレベルで推移していたんですけれども、2011年、2012年となると減少しまして、2013年も減少しているというような数値で、O157は推移しております。

PP

 続きまして、年齢階級別に見てみました。この腸管出血性大腸菌の特徴的な部分としましては、5歳未満児のお子さんといったような辺り、それから高齢者といったような辺りが重症な合併症のリスクというようなことになりますので、その年齢別にどのような発生状況があるのかを見ました。

 対策の前と後で見ていただきたいのですけれども、対策前はどちらかというと上にある集団の部分になります。対策後がこの丸いところの2つです。実は0-4歳のところがちょっと高いのですが、これが昨年度の特徴として、散発的に発生している事例が多かったというようなところの1つの部分であるのではないかと考えております。ただ、まだ十分にデータを吟味したわけではないので、今、申し上げていることが確実にそうかというのは、今のところは暫定的な考えだとお考えいただけたらと思います。この年齢以外は全て減少しているというようなところが見られました。

PP

 続きまして、生肉と生レバー、これが書かれている方々のデータを取ってみました。2010年までは大体200例前後で年間推移しておりました。2011年のデータからですけれども、大体半減して、さらに対策の2つ目の生レバーの禁止後の年は、最盛期の4分の1ぐらいに減少しているということが考えられます。

 この55のところに隠れて出ているピークがあるのですが、これは実は先ほど東京都のデータにもありましたように、駆け込み需要で生レバーの方の届出が十数名ありました。その前後もそういったような方々の余波がありますので、効果がてきめんと言ったらおかしいのですけれども、生レバーを駆け込みで食べてしまったことによる患者さんがここで増えてしまったというようなデータになります。

 昨年度の暫定値でありますけれども、現状を維持しているというようなことで、対策の効果がこちらでも言えるのではないかということが考えられます。

PP

 年代別にみてみますと、お子様たちには本当は食べてほしくないのですが、食べられている方がおります。20代後半が少し上がっているところが特徴的なので、ここがどういうことで上がっているのか、今後解析の必要性があると考えております。

PP

 以上でまとめですけれども、対策後、生か半生の牛肉及び牛レバーのリスクということで前半にお話させていただきました厚生労働科学研究費の調査の結果からは、リスクが減少できた。結局は結果が出ましたということで、対策が効いているのではないかということが考えられました。

 O157による患者さんの報告数ですけれども、2011年から2013年で減少しているということが考えられました。

 集団発生を除いたO157で検討していくと、2013年の0-4歳を除いて、減少しているということで、生肉、生レバーの喫食のある報告というのは、対策後、減少は顕著であったということが考えられました。

 以上で私からのプレゼンを終わりにしたいと思います。

○山本座長 どうもありがとうございました。

 それでは、あまり時間がありませんが、これまでの報告につきまして、御質問、御意見等がございましたら、お願いいたします。

 石川委員、どうぞ。

○石川委員 宮崎県のところで質問したいのですが、1ページをめくりますと、生食用食鳥肉ということで14まで、これが全て陰性というのが許可されるということですね。それで例えば、先ほど都の方の報告で、例えば鶏刺しだとか、そういったものは生食ですね。一般的には、こういうものが流通で出ていてカンピロバクターに、かつその生食で例えば表面をあぶっても出てきてしまうということについての何か推測できる理由みたいなものはありますでしょうか。

 一番大事なのは、最後の報告でも、子どもたちも生食でなければ非常に少ないわけですよ。そうすると、これはそこの調理者がどういう扱いをしたかどうかということによって、生食でなくて、O157が起こってくるわけです。ですから、そこのところをきちんと把握することが、こういったものの食中毒を極端に低減させる1つの秘訣だと思うので、そこだけ聞いているんですけれども、どうでしょうか。

○事務局 現状において、原因はこれですという明確な答えができませんので、これにつきましては、実際の優先順位を決めて、鶏肉について検討するような段階におきまして、もう少し調べて回答させていただきたいと思っております。

○石川委員 しつこいようですけれども、先ほど見たような、例えば、生食用のパッケージで入っているわけですね。そこから開ける時に、開けて調理の方がやった時に陰性であれば、絶対に出てこないです。それが出てくるということは、もっと調理者そのものに原因があるのかとか、そういうことになりますか。そういうことを教えていただきたいと思いまして、もし調べるのだったら、そこを調べていただきたいと思います。

○事務局 そういったところも含めて調べて、お答えしたいと思います。

○山本座長 ほかにございますか。

 石川委員のおっしゃることはよく分かるのですけれども、なかなかカンピロバクターは、冷凍品を解凍して調べた時に、実際にもともとの汚染菌数を反映しているのかと言われた時に、先ほどの培養できる菌と生き残っている菌の差がありますということを若干つかんではいるんですね。

 そういったものが本当に食中毒の原因になるかどうかというのは、まだ研究が必要ではありますけれども、そういうところの差は培養陰性でも若干残っていれば、そういうものが影響した可能性は否定できないとだろうと思いますし、牛肉の場合のテストをした時の表面だけの汚染で済まないというのはよくわかったわけでね。1cmのところで60℃、2分間加熱しないといけない。これは熟成度合いが進むにつれて、その筋線維の結合が緩くなってきて、どんどん中に入っていくということもわかっているということから、鶏肉の場合にどこまでそれが言えるのかは難しいところがありますけれども、ある程度その流通している間に、そういった筋肉の中への侵入が起こり得るのではないか。

 ただ、表面でゼロであるということでチェックするというのは、これを言ってしまうと難しいですけれども、100%検査だけでゼロだということを言うのは非常に難しい。といいますのは、スポットの汚染と全体汚染が起こっていれば、分かりやすいのですけれども、糞便汚染がスポットに起こっている場合の状況だと、なかなか菌がうまく取れてこないというような場合があって、スポットの可能性もある。

 それから、皮の中。皮で毛包といいますが、皮の中に入っているものをうまく分離するというのは、なかなかやり方が難しいところもあるということから、完全にこれは検査陰性が100%というところが、ちょっと難しい部分があるのかなというのはあります。ですから、そこをどういうふうにこれからの対策で、検査だけを押しつけるということになると費用は膨大にかかった上で、結局見つからないというものを安全だと言うのか言わないのかという話。これがつきまとってくるんです。

 ですから、それ以外のところで何かできる管理措置。例えば内臓肉の研究ではどんどん洗浄回数をふやすとか、きれいなもので扱い方を変えるというようなことで減らしていくというようなことがあるかと思いますし、最終的にはハイリスクのグループに対する啓発活動は非常に重要で、まずは食べないようにさせるというところが1つ大事なのかなという気がいたしておりますが、余り私がしゃべり過ぎるとよろしくないのですけれども、ほかに何か。

○野田(富)委員 畜産物が非常に汚染度合いが高い、生で食べれば危ないよということは、今日の資料でも重々説明されましたし、一般の消費者の方だって供給側の業者にとっても、言ってみれば、誰でも知っていることのはずなんです。だから、それは将来的にできる限り安全な食品提供に向かって、関係者は努力をしていくんだという永遠の課題だということで す。 一方で、それでも生食というものを食べたいよという方、消費者の希望があるということ。そこをどう折り合いをつけるかということであって、100%安全なものを供給しなければいけないんだという、そこまで言ってしまうと全くおかしな話になってしまうのだろうと思うんです。

 食材全部をいろいろ調べれば、それは地球上こういった環境に無菌的なものはあるはずがないので、言ってみれば、どこでもって妥協して、それぞれの食品、食材を生で食べたいという一方の消費者の方の希望に沿い、できる限り、それによる食中毒を少なくするという折り合いをどうつけるかということが非常に重要だろうと思うんです。100%安全にしなければいけないよね、そのために危ないものはいけないよね、そういう管理する側からの一方的な議論ばかりが進んでしまっていて、本当にこんなことでいいのだろうかと若干懸念を持っているわけです。

 そういった意味で消費者団体の方も代表でお出でになっていますけれども、本当に生食を食べておいでになっている消費者の方ですね。消費者団体でなしに、以前レバーを食べたことがないけれどもということで、レバーの生食規制に 強硬 に反対された委員の方もおいでになりましたけれども、そうではなくて本当に食べたいという消費者の声をいかに一方での安全という観点での問題とどこまで折り合いをつけていくのかなと。そういう議論を是非していただきたいと思っております。

○山本座長 八幡参考人の発言を認めます。

○八幡参考人 我々は調査とかいろいろしているのですけれども、やはり公衆衛生ということで対策をしていくことがまず前提にありまして、公衆衛生は何かというと衛生という文字を書いておりますので、命を守る、生を守るということです。そのために何をするのが国民の命を守れるのかというところをまず考えていくと、最低限この部分は守ってあげなければいけないといったようなところがあると思うのですが、そのためにいろいろな情報を得て、いろいろな情報を流しているというようなことですので、その個人の希望とかではなく、やはりここは守っていただかないと命は守れませんよというようなところで情報をつくらせていただいております。

 やはり悲惨な事例とかを見ておりますと、たまたま食べてみたら重症になってしまいましたというような方がいらっしゃったり、妊婦さんで食べてしまって、その後、心肺停止で一応命はとりとめましたれども、計算すらもできなくなってしまうような方もいらっしゃいますので、そういった悲惨なこともあるということをどれくらい御存じなのか。その辺の認識を高めなければいけないのではないかということを思ったりもしておりますので、希望はいいのですが、それだけではなく、その病気自体のリスクだったり重症度だったり、そういったものを十分に考えてから進めたほうがいいのではないかと考えております。

○山本座長 御意見をありがとうございます。そういうことも踏まえて、リスクベースでハザードごとのリスクを考えていこうと。ですから、腸管出血性大腸菌O157のレベルになると、やはり死ぬ確率がお子さんでは高くなるということが当然わかっていますので、その辺をどう防いでいくかということが1つ考えなければいけないポイントだったと思います。

 では、鶏肉の場合に全て生を禁止するのかどうかということについては、カンピロバクターというもののリスクをどう考えるか。1つはギランバレー症候群が考えられますので、その辺のリスクをどこまで考えるのかということでいかなければいけないでしょうし、また、生食肉の流通の実態ということでお話をいただきましたけれども、本当にどの程度まで皆さんが希望して食べているのか。本当にリスクを負ってもいいと思って食べているのか、いないのかも、ちょっと分からないところはありましたが、そういう実態をもう少し消費者の意見を聞くことも必要なのかなということが、今、野田委員がそうおっしゃっていますので、その辺のデータ取りは必要になってくるのかもしれません。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員 事業者としては、なるべくリスクを減らして食中毒を起こさないで物を提供する。これはもう原則です。我々はこと一遍事故を起こしますと、営業停止になる、事業所がつぶれる、会社がつぶれるということですから、これはもう真剣に考えているわけです。先ほど来言っているんですけれども、それで客観的な資料を示してほしい。例えて言うならば、イノシシ、鹿は肝炎ウイルスは全然ありませんよという結果でしたね。では、鹿は安全なんですかという話になってしまうわけです。鹿は肝炎ウイルスではなくて、ほかのファクターでも安全なんでしょうか。その辺のことをあらゆる細菌についてのそういうものを出していただいたらどうかなと。

 それから、先ほどのカンピロバクターのところで、冷凍にすれば減ると。これは我々の実験でも、O157であっても低温度帯にすれば、それは日にちを経るごとに減ってくるということは確認しているんですよ。だけど、これはどんなものでも恐らくあると思うんです。低温度帯あるいは冷凍にすると減る。だからと言って、山本先生が、では、いいんだよと、ある程度いけばいいんだよという話ではなくて、やはりゼロリスク的なものを求めるわけです。ゼロリスクまでいかないかもしれないけれども、一定の基準を求めるわけで、それがどの辺になるのかということです。

 もう一つは、図らずも今日は非常にいいトライアルがあって、山本先生のところで洗浄すれば、あるいはほかの先生もそうですけれども、リスクが減りますよという話なので、その辺のことについてのデータをもうちょっと徹底的にやっていっていただきたいなと。先ほど申しましたように、我々もやる予定にしています。我々が以前に提案したのは、例えば洗浄しますよということだけではなくて、ここにも一部書いてありますけれども、機能水でやるとか、ほかのサラダとか野菜を提供している事業者が使っているような機能水を入れているところがあります。現に食肉の市場でも、あるいは食肉センターでもそういうものを導入して洗浄しているところがありますから、そういうものによって、かなりそのリスクが低下できるのではないかと我々は思っています。我々も実験しますし、先生のところでももうちょっと徹底的にやっていただきたい。

 これだけのものでなくて、厚生労働省でやっていただいている放射線の効果がどうなっているのか。あるいは農水省でもやっていて、大阪の研究所の窓口に行ったんですけれども、プラズマによる殺菌を一生懸命に研究しているところがあるわけで、そのものを含めて、どうしたらリスクの低減が図られるかという方向で、HACCPによると畜場の見直しについての対応を厚生労働省でもされていますから、それと併せた形で進めていっていただきたいなと思います。

○山本座長 御提案をありがとうございます。確かに対策の取り方は非常に重要なので、どうやればいいのかと。ただ、生レバーを禁止した時の状況は、外部の表面汚染だけではなくて、中にいるからどうしようもないというところがあったということを御理解いただきたいと思います。ですから、そういったものまである程度残っていても大丈夫だということになるかどうかというのは、難しいところかという気がします。

 もう一つは、病原体を基準として認めるかどうか。つまり、残っていていいということを認めている法律はまずないんです。そこです。だから困っている。病原体でなければ、菌数が多いだけであれば、ただ腐るだけなので。

○小林委員 分かります。先生、この点だけははっきりさせておいてください。生きた肝臓の表面に腸内細菌がいるんですか。厚生労働省のデータはそういうデータを出しているわけだから、それは違うでしょうと。これは何遍も言っているんです。と畜段階で糞便に汚染される。だから、そういうものがついてしまう。だから、糞便に汚染されないような工夫。汚染されても、どういうふうにすれば、安全が保たれるのか。そういう工夫。そういうものが必要ではないのでしょうかということを言っているんです。

○山本座長 表面だけでしたら、それは言えるのですけれども、肝臓の内部汚染はと畜のやり方そのものが変更されない限りは、防ぐことができません。

○小林委員 と畜の手法を変えればいいんですよ。

○山本座長 ですから、先に肝臓を取り出すとか、そういうことを前にもガイドラインで出しておりますけれども、それ以前に既に汚染が起こってしまう。つまり、と殺した状態で牛を倒さないで持っていくというのは、これは不可能な状態ですね。ですから、放血の時に必ず牛が倒れている。そのことによって、もう肝臓が圧迫された途端に中に入ってしまうわけなので、そういうと畜のやり方を変えない限り、今のところ、レバーを生で食べるという状況は考えにくい。そこは御理解いただきたいと思います。

 石川委員、どうぞ。

○石川委員 基本的にはエビデンスがあるわけだから、私も実際には肝臓の中には腸内細菌はいないと思いますが、やはり現状として、と殺でそういうことがあったというのが事実としてあるということです。それと、私たちは子どもがこうやってO157だとか、生でなくても起こっている現実ですね。こういうものをきちんととらえて、食中毒部会とかで議論をしているわけですけれども、基本的には今の状況で生食ということについては、子どもたちには熱を加えてということで、できる限りやることがお勧めだと言えると思うんです。

 生で食べたい人は嗜好の問題として生で食べたいということはあるかもしれませんけれども、私たちは子どもたちに伝える文化として、現状では熱を加えることが一番適当だということを伝えなければいけないと思うんです。それが第3回でやる時の結論になると思います。だから、生産側がいろいろ工夫して、そういうことをなるべく無菌で、生が提供できるということであれば、私らはそういうことでもいいのではないかと思うんですけれども、現時点では、やはりこれは嗜好の問題として処理するべきだと私は思います。

○山本座長 ありがとうございました。

 高橋委員、どうぞ。

○高橋委員 今の議論とは違うのでしょうけれども、今までこのカンピロバクタ-の問題、鶏に関してはサルモネラが多いということで、業界団体はいろいろ30分、1時間に1分はまな板を洗いなさいとか、規格がどんどんできているんです。現に生で食べているものはほんの何%という部分なので、気になったのは、今度HACCPでやりますけれども、それは大体8割、9割はなっているのですが、こうだからこの規制をというのは、生と今までの処理の仕方ですか。先ほどカンピロを聞いていて、確かに汚染されたと体とされないと体をくっつけたら陽性になるよねと。今後それが各処理場に全部言って、分けろよと極端な話でそういうふうにならないように、生として極力どうだということで動いてほしいので、業界の規制が今までよりもっと、30分の1分洗いなさいとか、今は1時間のものがそういうふうになっていくのは怖いなという感じがしたので、一言その点だけ。

○山本座長 分かりました。一般的な衛生レベルの管理の仕方ということと、生で食べることを前提とした管理というのは考え方が違うような気がいたしますが、普通は生で食べることを前提とした管理はしておりませんので、その点はよく理解しているつもりです。

○高橋委員 宮崎、鹿児島辺りだと逆に。

○山本座長 広げることになると大変。分かりました。

 そういった管理の手法のことについては、次回にもっと議論を深めていきたいと思いますが、忘れていただきたくないのは、ハザードの種類と肉の種類、つまり食べるものに何がくっついていて、それをどう食べるのかというところで、管理の仕方はどうあるべきかという議論をするので、O157ばかりが全部にあるみたいな話とは、また違うんだというところも含めて考えていただきたい。

 つまり、O157とカンピロバクターとサルモネラ、そのリスクもそれぞれに比較しなければいけないですし、鶏だったらどうなのか、牛肉だったらどうなのかということの議論と複雑に絡み合いますので、それぞれ1つずつと言いますか、整理した上で議論を進めていきたいと。とりあえずO157関係という腸管出血性大腸菌については、牛肉と生レバーについて、それぞれ議論を進めてきたわけですけれども、今後その先の別の議論をしていきたいということです。

 それから、生レバーのことについては、それぞれデータを持ち寄りながら議論を再開することについては、別に今後閉ざしているわけではないので、新しいデータが出てくれば、乳肉水産食品部会でも議論を続けていきたいと考えております。

 今日のところはこれぐらいですが、特にまだ御発言がございましたら受けますけれども、五十君委員。

○五十君委員 次回、対策について議論されるということなので、1つだけ確認させていただきたいのが資料6です。資料6はサルモネラとカンピロパクターのコントロールを具体的にやっている県の例として紹介していただいたのですが、2ページに行きますと成分規格目標が、この4つについて陰性という表現をされています。具体的にどの精度で陰性としているかという情報をいただかないと、多分次の対策としての議論がはっきりしないと思うので、その辺の情報をいただきたいと思います。

○山本座長 ありがとうございました。それは私もさっき言っていた、陰性かどうかという話、検査によって全てできるのかということを言っていたのと同じことで、その精度については情報を集めておいていただきたいと思います。

 その他は、既に御説明いただいていた、卵の規制と生食用魚介類の加工による腸炎ビブリオ食中毒の件でしたので、既に済んでおります。

 事務局から、ほかにありますか。

○事務局 特にございません。

○山本座長 それでは、御議論をありがとうございました。本日の調査会はここまでとしたいと思います。

 次回の予定について、事務局より御説明をお願いします。

○事務局 次回の本部会の日程につきましては、御審議いただく項目がまとまり次第、改めて調整させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○山本座長 それでは、以上をもちまして、本日の部会を終了します。どうもありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

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仲川(2488)
井河(2489)
代表:03-5253-1111

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