ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会)> 第4回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会議事録(2014年3月24日)




2014年3月24日 第4回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会議事録

大臣官房統計情報部企画課国際分類情報管理室

○日時

平成26年3月24日(月)14:00~16:00


○場所

厚生労働省 専用第17会議室


○出席者

今村聡委員、大江和彦委員、金子あけみ委員、金子隆一委員、栗山真理子委員、
郡山一明委員、駒村康平委員、田嶼尚子委員、永井良三委員、中村耕三委員、
西田陽光委員、樋口輝彦委員、松谷有希雄委員、宮崎元伸委員 <五十音順>

○議題

(1)世界保健機関勧告によるICD-10の一部改正の日本への適用について
(2)我が国における今後の傷病の分類等のあり方について
(3)その他

○議事

○永井部会長

 では、時間となりましたので、「第4回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会」を開催させていただきます。

 委員の皆様方にはお忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございます。

 最初に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

 

○事務局

 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。

まず、お手元に厚いクリップでとめました資料のほうを御準備ください。

資料1-1-1「統計法第28条第1項及び附則第3条の規定に基づく疾病、傷害及び死因に関する分類 疾病、傷害及び死因の統計分類 基本分類表・新旧対照表(案)」

資料1-1-2「用語の適正化に伴い修正を行う基本分類名及び病名の字体変更一覧」

資料1-2「統計法第28条第1項及び附則第3条の規定に基づく疾病、傷害及び死因に関する分類 疾病分類表・新旧対照表(案)」

資料1-3「同 死因分類表・新旧対照表(案)」

資料2「統計法/世界保健機関分類規則」

資料3「前回部会発言要旨」

参考資料1「疾病、傷害及び死因統計分類提要 内容例示・新旧対照表(案)」

参考資料2「疾病、傷害及び死因統計分類提要 総論・新旧対照表(案)」

参考資料3「疾病、傷害及び死因統計分類提要 索引・新旧対照表(案)」

参考資料4「第3回疾病、傷害及び死因分類部会議事録」

机上配付資料1といたしましては、前回の一部改正に当たっての基本方針について、1枚紙がついております。

以上でございます。

お手元の資料につきまして過不足、落丁等ございましたら、事務局までお申し出ください。

続きまして、本日の委員の出席状況の御報告をあわせてさせていただいてよろしいでしょうか。

本日は、赤川委員、五十嵐委員、菅野委員、廣松委員、辰井委員、堀田委員の6名から欠席の御連絡をいただいております。

 出席者が全委員数の3分の1を超えておりますので、会議が成立していることを御報告いたします。

 大江委員と西田委員からは、少し遅れるとの御連絡をいただいておりますので、御了解ください。

 

○永井部会長

 ありがとうございました。

 事務局の構成の変更、異動がありましたら、御紹介をお願いいたします。

 

○事務局

 人事異動に伴いまして、統計情報部企画課長が本田から三富になりましたことを御報告させていただきます。

 三富は、国会用務がございまして、今回欠席となっておりますことを御了解いただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○永井部会長

 ありがとうございました。

 議事に先立ちまして注意事項がありましたら、事務局からお願いいたします。

 

○事務局

 円滑な議事の進行のために、写真撮影等につきましては、ここまでとさせていただきます。御協力よろしくお願いいたします。

 

○永井部会長

 ありがとうございます。

 では、議事に入ります。「世界保健機関勧告によるICD-10の一部改正の日本への適用について」であります。

 事務局から説明をお願いいたします。

 

○事務局

 前回の部会におきまして、WHOによる一部改正の2010年版に基づき改正案を御提示させていただきました。机上に配付しているものでございます。最新のWHOによる一部改正の内容に基づき改正作業を進めるとの御判断を部会からいただきました。これを受けまして、WHOより2013年1月に公開された一部改正内容に基づき、ICD専門委員会で作業を行っていただいたところでございます。

また、日本医学会及び日本医学会の専門分科会へも御確認をお願いしたところでございます。日本医学会、専門分科会の指摘を踏まえまして、2月28日に開催いたしましたICD専門委員会においてご検討いただきましたものを、専門委員会案として今回取りまとめをさせていただいております。

告示の改正の専門委員会案として御提示しておりますのが資料1-1から3まで。

また、内容的には、詳細な病名等につきまして議論の必要性があると判断いたしますので、疾病、傷害及び死因統計分類提要の内容及び総論の改正の専門委員会案として御提示をしております。これが参考資料の1と2になります。

専門委員会での審議の状況につきましては、委員長である菅野委員から御報告いただくところではございますが、本日は御都合により欠席されておりますので、専門委員会を代表いたしまして、委員長代理の飯野委員から取りまとめの状況について御報告をお願いしております。

 

○永井部会長

 では、飯野委員、よろしくお願いいたします。

 

○飯野ICD専門委員会委員長代理

 飯野でございます。

菅野委員が所用により欠席のため、私がICD専門委員会の委員長代理としてお話しさせていただきます。

先ほどお話があった専門委員会では、部会での御意見を踏まえまして、2013年公表版を確認しました。

その内容ですけれども、「ディスペプシア」というものを「機能性ディスペプシア」と修正するとか、「糖尿病のインスリン依存型」「非依存型」というものを「糖尿病1型」「2型」へ修正する。そういうふうに臨床の現場に即した重要な改善が2013年版に載っております。ですから、それに従って行うということは非常に望ましい方向と思われます。

次に、2月28日に行われました専門委員会での議論について報告いたします。

専門委員会、また各学会から出された意見について、基本的に反映するということで了承されております。

ただし、一部複数の異なる意見が出た箇所、あるいは疑義が生じた箇所がありましたので、それを一件ずつ検討いたしました。

今回は、その中でも全体にわたる事項について御報告いたします。3点御報告いたします。

まず、新生物関係の用語です。新生物関係に関しては、cancercarcinomaneoplasmtumorsarcomaといろいろな用語が使われております。

それぞれ訳し分けをする必要があるということで、日本医学会の用語辞典における訳を参考に議論を行ったところ、結論を言いますと、cancerは「がん」。carcinomaは「癌(腫)」。neoplasmは「新生物<腫瘍>」。tumorは「腫瘍<瘤>」。sarcomaについては「肉腫」とすることになりました。

2番目のcombinationあるいはmultipleという語の訳は、これまでcombinationmultiple、いずれも「複合」と訳しておりました。用語の混在が見られておりますので、検討の結果、combinationを「複合」とすることは問題がないと考えられますが、multipleを一律に1つの訳にするのは非常に無理があるということで、「多重」「多数」「多発」を基本訳として、あとは文脈によって適切な訳をするということに整理しました。

3番目のunspecifiedは、これまで「詳細不明」、「部位不明」と訳されていますけれども、その訳を「原因不明」「特定不能」といった言葉に直したらどうかという意見がありました。しかし、unspecifiedの意味するところとしては、「詳細がわからない」「必要な詳細事項が書かれていない」、あるいは「原因がはっきりわからない」「特定することができない」というような例が多くあります。各章によってその意味合いが若干異なります。

内容例示として1,500カ所以上に登場するunspecifiedを全て見直すことは大変な作業となりますので、今回は総論にunspecifiedの記載方法を注記とすることで委員会としては了解いたしました。

以上、3点を御報告いたします。

 

○事務局

 ありがとうございました。

 事務局から追加、補足がございましたら、お願いいたします。

 

○事務局

 先ほどお伝えしましたとおり、前回御提示させていただきました2010年版からさらに2013年版に公開された内容までを反映させるに当たりまして、追加改正の内容のうち主なものについて補足して事務局より御説明させていただきます。なお、2010年と2013年版で2段階に変わったところについては、誤植の訂正等が非常に多かった部分もございますので、もう少し中身のある部分を説明させていただきます。

 

○事務局

 それでは、説明させていただきます。参考資料1、参考資料2をお手元に御用意ください。

 参考資料1、2とも前回部会で御提示させていただいた2010年版改正資料より2011年以降追加になった項目を表示、追加しています。

 追加になった項目に関しましては、網かけにして示させていただきました。

また、用語に関して、現行からの変更もございまして、それも網かけで示しています。

資料の見方といたしましては、例えば内容例示の1枚目のNo.1をごらんください。これは項目に網かけがございますが、2011年以降の変更だという意味でございます。

専門委員会案の「第I章 感染症及び寄生虫症(A00-B99)」の「(A00-B99)」というところに網かけがしてございます。これは専門委員会において原文に忠実にすべきという御意見をいただきましたので、現行から変更になったという意味でございます。

一番右にございますWHOの原文は、見え消しになっているものは削除、アンダーラインが引いてあるものは追加という意味でございまして、それらを専門委員会案のほうには反映してございます。

2010年版の改正資料より2011年以降追加になった項目は、内容例示では約100項目ございました。総論では約50項目が変更となっております。

そのうち、先ほど谷から申し上げましたように、2010年版で改正になったものをさらに2013年版で改正しているという項目が、内容例示、総論を合わせて25項目ほどございましたが、それはいずれも誤植程度の修正でございました。

それでは、2011年以降改正のうち主なものについて御報告をさせていただきます。

まずは参考資料1の23ページをごらんください。

E10「インスリン依存性糖尿病」という言葉が「1型」に変更になったというものでございます。これに関しましては、該当する項目は23ページのNo.95にございます。

24ページのE12の包含の「インスリン依存性」「インスリン非依存性」は、専門委員会案としては、E12の「1型」「2型」。

同様に、E13においても、除外として「インスリン依存性」「インスリン非依存性」となっていたものを、専門委員会案として「1型」「2型」に変更してございます。

その下「糖尿」と訳しておりましたが、これは誤訳でございまして、「尿糖」と訳すべきでございました。

こういった「インスリン依存性」「インスリン非依存性」に関する用語を全て変更してございます。

次に、参考資料1の29ページから31ページをごらんください。

一番下のNo.128、眼科に関する項目でございます。3桁コードH544桁コードH54.0以降のコードタイトルが変更になっています。

おめくりいただきまして、30ページをごらんください。

中ほどに注記がございますが、31ページに記載してございます視覚障害の重症度分類の説明です。重症度分類の表というのは、2002年国際眼科学会の理事会決議、2003年9月「視覚の喪失及び視機能評価基準の開発」についてのWHOによって勧告された視覚障害の重症度の分類というのが今回勧告になっています。

31ページをごらんください。専門委員会案のところに分類項目が示してございます。

現行では「視覚障害の分類項目」となっていたものが「分類項目」となりまして、1、2、3、4、5、9が勧告では0から9までの分類となりました。

分類項目にタイトルがつきまして、例えば0は「視覚障害なし又は軽度の視覚障害」、1は「中度の視覚障害」、2は「重度の視覚障害」、3はblindnessで「盲」、4は同じくblindnessで「盲」、5も同じくblindnessで「盲」というふうに変更になってございます。

3桁コード、4桁コードに項目を当てはめますと、29ページの一番下のところにH54.0「両眼性盲」という言葉がございます。現行ではH54.0は「盲<失明>,両眼」となっておりました。

ここの包含の項目として、今までは「両眼の項目、重症度分類の3,4,5の視覚障害」をここに入れるのだという例示がございました。ところが、WHOの勧告では「項目5の視覚障害」が例示として挙げられてございます。

これを事務局で整理してみましたところ、もう一度30ページをごらんください。

例えばH54.1は重症度分類項目2の視覚障害を入れてよい、H54.2は重症度分類項目の1の視覚障害を入れてよいというふうに例示がございます。

H54.9は、専門委員会案として「両眼性視覚障害(詳細不明)」と用意させていただいたところですが、誤訳でございました。これは「詳細不明の視覚障害(両眼性)」と御修正ください。

このように項目が修正になっています。

ところが、先ほど申し上げました重症度分類の3と4の「盲」という項目、そして5の「盲」という項目の区分けがございません。

例えばH54.0というところに今まであった両眼項目3、4というものが消えてしまっております。そうしますと、「盲」という方の重症度分類3または4といったものをどこに入れたらよいかということがここでははっきりいたしません。

現在、WHOに今までのどおりの解釈でよろしいかということを問い合わせしているところでございますけれども、私どもといたしましては、できれば従来どおりの項目の分類ではどうかと考えておりますが、これにつきましては、専門委員会の眼科専門の柏井委員、部会長とももう一度御相談させていただきまして、次回の部会において最終的な決定をお示しさせていただこうと考えています。

次に、33ページをごらんください。

I48、現行では3桁「心房細動および粗動」という項目でございました。これは日本からの提案が受け入れられたものでございます。先ほどの「糖尿病」に関しましても日本からの提案が受け入れられた項目でございますが、こちらも日本からの提案が受け入れられたものでございます。

WHOといたしましては、4桁コードI48.0に「発作性心房細動」、I48.1として「持続性心房細動」、I48.2として「慢性心房細動」、I48.3として「定型心房粗動」、I48.4として「非定型心房粗動」、I48.9「心房細動及び心房粗動、詳細不明」という新しいコードが追加になっています。これも2013年版の改正でございます。

次に、42ページをごらんください。

No.179でございます。K30、現行では「ディスペプシア(症)」となっていたものが「機能性ディスペプシア」と変更になりました。これも日本からの提案が受け入れられた内容でございます。

次に、46ページをごらんください。

No.195K64「痔核及び肛門周囲動脈血栓症」のコードでございます。「痔核」のコードは、現行では「循環器疾患」という項目になっていました。ところが、2013年版の勧告によって「消化器系の疾患」と変更になり、グレードが採用されています。

次に、参考資料2の総論をごらんください。

総論といいますのは、死亡診断書から原死因を選択する際のルール等が記載されているものでございますけれども、2013年の改定によりまして、かなり詳細なルールの明示がございました。

No.12、中ほど以降にございますが、死亡診断書に複数の記載があった場合、因果関係をとる際にどのようにとったらよいかということがかなり細かく明示されました。

2番目の網かけを少し読ませていただきますと、

最初に記載された因果関係の起因を確認するには、直接死因(I欄の最上欄の最初に記載された病態)から始める。その下欄に記載された最初の病態が直接死因を引き起こし得るかを確認する。引き起こし得ない場合、その同じ欄に記載された次の病態が直接死因を引き起こし得るかを確認する。そのようにして、直接死因を引き起こし得る病態が見つかるまで続ける。見つかった病態を、以下において「仮の起因」と呼ぶ。直接死因を引き起こし得る病態が記載されていない場合、直接死因で終わる因果関係は存在しないことになる。

という記載がございますが、これを4ページで図式化して例示してございます。

この矢印図でございますが、例えば上の一番左側は、直接死因の下に2つの原因が書いてあった。この場合、左側に書いてあったものが原死因となっていくということの例示でございます。

その右側は、直接死因の下の欄に2つの病態が書かれていた。その下の欄に同じく2つの病態が書かれてあった。直接死因から因果関係を調べていったところ、一番下の欄の右側にある病態から因果関係が続いていた。そのために、黒丸になっているところが原死因となる。

同じく、次の項目は、直接死因の下に1つだけ原因が書いてあった。その下の欄に2つの病態が書かれてあった。そしてその下の欄に2つの病態が書かれてあった。直接死因から因果関係をたどって調べたところ、この場合は4段目の左側のものが原因となり得るものであったということが明示されてございます。

今までこういった内容は文章でつらつら記載してございまして、なかなかわかりづらかったのです。ところが、今回このように図式化していただいたことで、私どもは非常に助かりました。これによって原死因のとり方が明示されたと考えられます。

次に、20ページ以降をごらんください。

2013年版で「糖尿病」の表記が変わったことをお話ししましたが、原死因のとり方、コーディングのための注記というのが総論にございますが、そこにおいて、「糖尿病」に関して具体的な例示がこのように多く追加になってございます。

例えばE10-E14の「糖尿病」に関して、「下記の記載を伴うもの」としてコード名が記載してございます。例えばE87.2「アシドーシス」という分類項目は、「糖尿病」と記載があって、なおかつ「アシドーシス」の記載があった場合は、E10-E14の中の.1「ケトアシドーシスを伴うもの」という分類コードにしなさいということでございます。

以下同様に、例えばE88.8「その他の明示された代謝障害」という項目が死亡診断書の中に糖尿病と同時にどこかに記載されていたら、4桁細分類コード1というのは「ケトアシドーシスを伴うもの」という意味ですので、E10-E14のどこかの.1「ケトアシドーシスを伴うもの」という分類コードにしなさいということが明示されてございます。

以下、例えばG58.4「神経学的合併症を伴うもの」としなさい。

H20.9の「虹彩毛様体炎」というのが記載されていたら、.3。「目の合併症を伴うもの」というコードでございますので、.3を付したE10-14にコードしなさいということでございます。

このように関係のあるコードを列挙し、明示されたことでございます。

22ページをごらんください。

 真ん中辺に「下記の起点となる先行原因として記載された場合」というのがございますが、I覧の「糖尿病」と記載された下の段、つまり、原因として例えばE15というコードが記載されていたら、これは非糖尿病性低血糖昏睡、詳細不明の低血糖性昏睡の場合のみ使いなさいというコードなのですけれども、この場合は、E10.0あるいはE11.0E12.0E13.0といったようにコードしなさいという明示でございます。

 先行原因としてE15以下記載された各コードが記載されていれば、糖尿病の原因と考えられるので、糖尿病を伴った下記の疾患は4桁細分類コードを使って明示しなさいということが記されてございます。

次に、70ページ以降をごらんください。

No.136になります。

これは同じく総論の中の「損傷の性質」について明示されていることでございます。実はこれは31ページの書きかえでございます。

31ページには、これまでS02「頭蓋骨および顔面骨の骨折」は、「複数の部位の記載がある場合は、頭蓋骨および顔面骨を含む多発骨折S02.7にコードする」。また、S06「頭蓋内損傷」は、「頭蓋骨または顔面骨の骨折が、頭蓋内損傷と関連のある場合、骨折が優先される。下記の記載を伴うもの:S02.-頭蓋骨または顔面骨の骨折、S02にコードする」という現行のコードがございました。

今回、これを全て削除してきました。それに伴いまして、先ほど申し上げました70ページ以降、「損傷の性質」として整理がされてございます。

大きなものといたしましては、優先順位の決定でございます。72ページをごらんください。上のところに「ICD-10損傷の性質コードの優先順位」と記載がございます。つまり、これまでは骨折を優先しなさいといったような注記がございましたけれども、コードによっては優先順位を設けましょう。例えばS00-S02.0は6という低いコード、そしてS02.1は4というコードというふうにコードが付されております。

1が最も高い優先順位、つまり、重症のものという意味でございます。

これに伴いまして、今まで私どもは、例えばI欄の(ア)に「脳挫傷」と書かれ、その下の欄に「肺損傷」と書かれていて、II欄に「頭蓋骨骨折」といったような病態が記載されていた死亡診断書があった場合は、今まで「骨折」が優先だったので、II欄の「頭蓋骨骨折」というのを死亡原因と考えてございました。

ところが、今回「損傷」の優先順位を使いなさいという指摘がございましたので、これからは、「頭蓋骨骨折」は優先順位が3でございますので、S062は優先順位が2、「肺損傷」は優先順位が2とになりまして、「脳挫傷」「肺損傷」とも優先順位が同列になります。このために、一番上に記載された「脳挫傷」を原死因ととることになると考えられます。

こういった大きな変更が2013年版では行われてございました。

御報告は以上でございます。

 

○永井部会長

 ありがとうございます。

 それでは、ただいまの御説明に御質問をお願いいたしたいと思います。いかがでしょうか。

 

○田嶼部会長代理

 事務局からのお話で大きな変更が行われたということがわかりました。特に一番最後に御説明いただいたことを考えますと、とても重要な点だと思いました。

死因の優先順位を考えることは、これまでは行われてこなかったのですか。頭部骨折で何十年もその分類が使われてきたということなのでしょうか。

 

○事務局

 先ほどの損傷の話でございますね。

 

○田嶼部会長代理 ええ。

 

○事務局

31ページに記載がございましたように、それまではコーディングのルールとしまして、骨折を優先しなさいというルールだったのです。なので、私どもはそのルールに従って骨折を優先してきました。2013年版では何でも骨折を優先というのではなくて、部位によっては優先順位を考えるべきでしょうというふうに考え方が変わったということです。

 

○田嶼部会長代理

 それは臨床的には実に妥当なことだと思うのですけれども、そうなると、今度は死因の数、どれが多いか、少ないかということが変わってくるのですが、その辺のところの調整はどのようになってまいりますか。

 

○事務局

 このルールが適用されたときから統計をとり始めます。そのときに人口動態統計として公表されます。そのときに、この数字が変わった根拠はこの変更によるものと考えられるといったような、数字が変わった説明をさせていただくことになると思います。

 

○今村委員

 確認なのですけれども、今の御説明は、我々が死亡診断書や検案書を書いたあと、それを最終的に国としてどのような統計処理をするかというプロセスにおける処理の仕方が変わったという理解でよろしいのでしょうか。

つまり、書く側の意識というか、どういうふうにそれが取り扱われていくかということを理解していないと、結局、最終的な処理のところに影響するというお話なのかどうか。つまり、単純に処理のところをこう変えますというだけであれば、書くほうの話は余り変わらないわけですね。

今、田嶼委員がおっしゃったように、結果的に処理の仕方が変わったら、日本の死因統計が変わるかもしれないけれども、あくまでも処理の仕方の話なのか。要するに、医療者全体がこのことを理解していなければいけないのかどうか、そこの確認なのですが。

 

○事務局

 事務局でございます。

 基本的には国の中における原死因選択のルールの変更というのが具体的な内容になりますが、原死因選択のルールを理解した上でお書きいただければ、より正確な統計がとれるということは事実でございます。ですので、当面はルールの変更ということが全面に出ますけれども、後々、御議論いただきますが、あり方の検討の中でも出ているように、記載の内容に対してどのように処理されるのかを御理解いただくことによって、より正確な統計データというのがとれると認識しております。

 

○田嶼部会長代理

 このことは大学における教育ともリンクさせないと、日本における死因統計がどのぐらい事実を反映しているのか、そういうことにも関係してくるような気がいたします。教育側にも課題をいただくということになりますけれども、それが現実を反映した死因統計になるように思いますので、大変結構なことではないかと思います。

 

○郡山委員

 郡山です。今の御説明、皆さんのおっしゃるとおりだと思うのですが、もう一つここで理解というか、認識を持たなければいけないのではないかなと思うのは、「骨折」といったことが死因で挙がっていたものを臨床的に、つまり、このことが大事なのだというふうにICD-10自体が概念を変えようとしているというような感覚がどこかにあるのではないのかなと思うのです。

そのことを僕らは知っていて、今、事務局から説明があったように、今後、ICD-10を我々はどのように使っていくのかということの視野がそれで少し変わってくるのではないのかなという気がするのです。

つまり、WHOから指摘されたものを使っているのですというところに目を置くのか、それともWHOがやろうとしているところに私どもは目を置こうとしているのか、そこで随分その議論も変わっていくかもしれないなという気がします。

 

○永井部会長

 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

前回の部会で最新のICDを適用するという本部会の判断を受けて改正作業を行っていただいているところです。改めてWHO2013年公表版までを含んだ改正案をもとに改正を行うということでよろしいでしょうか。

よろしければ、今回のICDの一部改正の日本への適用につきましては、2013年までに公表された内容について答申案の検討を行うことにしたいと思います。

この件は大臣の諮問に基づき審議をしております。

今後のスケジュールを事務局から御説明いただきたいと思います。

 

○事務局

 事務局でございます。

本日御提示いただきました案につきまして、改めて5月に御確認をいただきます。御意見等を4月14日月曜日までに事務局のほうへ御連絡いただきたいと思っております。

多量の資料でございますので、今、ここで全て見ろというのはなかなか無理かと思いますので、少し時間をとらせていただいた上で、いただいた御意見を踏まえて、最終案を事務局のほうで取りまとめさせていただきまして、5月に予定しております次回の部会において、答申案として内容確認の上、御了解いただくという予定で考えております。

 その後、答申案につきましては、統計分科会、社会保障審議会へ報告するという運びになるかと思います。

 

○永井部会長

 ありがとうございます。

 では、委員の皆様におかれては、今回出されました案につきまして御意見がある場合には、4月14日月曜までに事務局へお届け願いたいと思います。

議題1は以上でございます。

議題2に移ります前に、前回の部会で検討をお願いいたしました今後の告示改正のサイクルについて、事務局で御検討いただいた結果をお話しいただきたいと思います。

 

○事務局

 お手元に資料2を御準備ください。

WHOで、改定及びおおむね3年に1回とされております大改正については、基本的にその都度その内容について御報告をさせていただきたいと考えております。

ただ、実際のプロセスなどにつきましては、再度事務局のほうで改めて整理した上で御報告させていただければと思っております。というのも、本部会は、統計分科会のもとに設置された部会でございますので、統計分科会との関係等を含めて、整理した上で御報告をさせていただきたいと思っております。

なお、統計分類基準として、統計の継続性につきましても確保していく必要性があるかと思います。改正内容については、我が国の統計調査等の混乱や著しい負担が増大することも危倶される内容と考えられますので、ここで、実際に人口動態統計を担当しております人口動態・保健社会統計課長の小野より、担当としての側面から御説明をお許しいただければと思います。

 

○永井部会長 よろしいでしょうか。

それでは、御説明をお願いいたします。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 人口動態・保健社会統計課の小野でございます。よろしくお願いいたします。

 今し方事務局の谷より統計の継続性の確保や、我が国の統計調査等の混乱や著しい負担の増大の危惧という話がございましたが、私からはこの2つの側面から人口動態統計の事情を説明申し上げます。

 まず、統計の継続性の確保でございます。人口動態統計では、ICDの総論で定められたルールに基づき、死亡診断書に記入された複数の死因の中から選択した原死因に基づき死亡統計を作成しております。

 このため、ICDの改正を適用した場合には、先ほども御議論がありましたけれども、分類の変更だけでなく、原死因選択ルールの変更の影響も受けますため、統計の結果に大きな影響を及ぼす可能性がございます。

 顕著な例としては、平成7年にICD-10を適用しましたときに、原死因選択ルールの変更により目に見えて脳血管疾患が増加し、肺炎が減少したことがございます。

このような影響がございますので、頻繁に改正を適用すると、統計上の変化が実態の変化によるものなのか、ICDの改正によるものなのかわからなくなり、時系列比較が困難になるという問題が発生する可能性がございます。

それぞれについて注を書けばいいかもしれませんけれども、そこらじゅうでこういう統計の不連続が発生しますので、注を書き切れるかなという感じでございます。

 次に、統計調査の混乱や著しい負担の増大の危惧についてでございます。

 人口動態調査は、現在、年間130万件に及ぶ死亡一件一件の調査票について、審査やエラー修正を行うほか、調査票に記載された複数の死因の中から原死因を選択し、死亡統計を作成しております。その事務量は膨大なものとなっており、かつ人口の高齢化に伴う死亡数の増により、事務量は増大を続けております。

一方、毎年のように定員削減を迫られて、担当事務官1人当たりの負担は増加しておりまして、現在でも統計調査事務が将来にわたって円滑に実施できるか危惧されているところでございます。

さて、ICDの改正を適用するとなりますと、改めて原死因選択ルールを実務に適用するためのマニュアルを整備し、担当事務官を教育するとともに、事務を支援するための原死因選択ルールを組み込んだシステムの改修が必要になります。

マニュアルの再整備や事務官の再教育、さらにシステムの改修については、必要に応じ各分野の専門家やWHOに問い合わせながら行う必要がありますので、相当の準備期間を要します。

さらに、システム改修については、世界に1つの特注品ですので、開発や動作テストに相当な期間を要することから、改修経費も高額となる一方、政府全体でシステム経費の削減を求められる中、予算の確保はますます困難になっております。

以上のような状況を鑑みますと、ICDの改正の適用は、適正に実施できても人口動態統計の継続性について問題発生の可能性があり、また、限られたリソースの中での突貫工事の結果、万一適正に実施できなかった場合、統計の精度について問題発生の可能性があり、さらには、システム改修の予算が確保できなかった場合などは、告示されても実施できない可能性もありますので、頻繁な改正については慎重であるべきと考えております。

最後にもう一点だけ申し述べます。

改正の間隔があいてしまうと、その間に新しい疾病が発見された場合など、その情報がとれないではないかとお考えになる向きもあるかもしれません。この点につきましては、人口動態統計では告示の分類に細分類、より細かい分類を追加して対応しております。

例えば近年、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)がマスコミを騒がせました。これは統計基準の告示に従えば、「その他の明示されたウイルス性出血熱」に分類されますけれども、人口動態ではこの分類をさらに細分化いたしまして、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の分類で統計がとれるようにしております。

これは分類の細分化でありまして、原死因選択ルールの変更はございませんので、システムの対応も小規模なもので済み、実施できているものでございます。

間隔があいたとしても、人口動態統計ではこのような工夫により情報をとるように努めておりますことを、これを機会に御承知いただければ幸いでございます。

私からは以上でございます。

 

○永井部会長

 ありがとうございます。

 要するに、変えるのは難しいということをお聞きしたのですが、ただ、ずっと変えないのかという話にもなると思うのですが、どういう対応が今後できるのか。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 必要性が高まったときにリソースを確保して。

 

○今村委員 ちょっと御質問。

 今日は、いわゆる社会保障審議会の統計分科会という立場で参加させていただいているのですけれども、一方、内閣府で今、死因究明の推進計画を検討する会が設けられていて、これは内閣府ですから当然各省庁を越えて、厚生労働省の問題だけではなくて、法務省、総務省、文部科学省、警察庁、さまざまな省庁が出ている。そこで亡くなった方の死因究明については、決して犯罪死の問題だけではなくて、全ての亡くなった方たちの死因を適切に把握することが非常に重要だという話の中で、死亡診断書あるいは検案書のあり方についても見直すべきだというような意見も現在出ているところです。

 そういった今の御説明の中で、非常に人もいない、予算もないというのは事実だと思いますので、そこはすごく大事なところだと思っていますけれども、一方、そういう国の会議の中できちんとした予算確保に向けて発言していくということも、私はその委員として参加している以上、重要な立場ではないかなと思っています。

この場でできませんと言ってしまったら、それで終わってしまって、今度内閣府でもそれを前提にして議論が進むのはおかしなことではないかなと思っております。ほかの委員の先生方は、そこでどういう議論がされているかということを御存じないと思いますので、あえて申し上げさせていただいています。

もう一点、私ども医療者は、御遺体を診断する死亡診断書と検案書というのは今、1枚の用紙で書いていて、診断書を発行するときは標題の「検案書」を消す、検案書を発行するときは「診断書」を消すと。

日本の診断書記入マニュアルを見ると、これは死因究明にとってすごく重要な書類だということになっているのですが、前回の第3回でも私は自分で勝手に思い込んでいたので、我が国における検案書の発行枚数がわからないのではないですかということを議事録に残させていただいていますけれども、そもそもそういう整理が統計のほうでされているのか。つまり、診断書の発行枚数と検案書の発行枚数が何通ずつあるというのを私は見たことがないのです。ですから、そういう処理がどうなっているか。

長々となって恐縮ですけれども、もう一点だけ。私どもが紙ベースで書いた診断書は、どういうルートで最終的に先ほどのような取り扱いを受けて処理をされているか、そのプロセスを私どもは全く理解していないのですね。この機会にどういうプロセスでそういうふうになっているのか。先ほどの最終的な処理の仕方をこう変えますというのはわかりましたけれども、それをちょっと教えていただければと思います。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 まず、人口動態統計の仕組みを説明申し上げます。死亡が発生しますと、届け出義務者が市区町村に届け出ます。その際に死亡診断書を添付するということになっております。

事件が発生しますと、市区町村は人口動態調査死亡票というものを死亡届と死亡診断書を基に書いていただくようになっています。これを我々に提出いただいて統計をとっているということでございます。

調査票の中には検案書か、診断書かという分類はございませんので、私どもでは統計はとれておりません。

 人口動態の流れはそうでございます。

診断書は結局、どこに行くのかということなのですけれども、最終的には市区町村から法務局のほうに死亡届と一緒に移送されます。そこで保管されるというものでございます。

我々は、死亡診断書の情報の中から死亡統計の作成に必要な情報を抽出いたしまして調査票に転記してもらって統計をつくっている。そういう仕組みでございます。

 

○今村委員

 そうすると、我々が出した死亡診断書をもとに、保健所か行政の方が調査票をつくられて。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 市区町村でつくって、保健所で点検をしてもらっています。

 

○今村委員

 だから、市区町村の行政の方が我々の死亡診断書に基づいて調査票をつくり直されるというプロセスがあるということですね。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 さようでございます。

 

○今村委員

 それはそのままただ単に転記されるのですか、それとも何かルールに基づいて解釈が入っているのですか。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 いえ、ございません。死亡診断書の中で死亡統計に必要な部分について転記をしてもらっています。

 

○今村委員

 普通に考えると、どうしてそこで診断書と検案書の区別がない帳票になってしまうのですか。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 人口動態統計では把握する必要がなかったからということになると思います。

 死亡統計といいますのは、基本的にはWHOのほうで、例えばICDがまさにそうなのですけれども、こういった分類でつくりなさいとか、国際的な決まりがございまして、それに基づいて我々はつくっているということでございます。

 

○永井部会長

 そうすると、死亡診断書の一部の情報がWHOの書式に基づいて転記されるということですか。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 いえ、人口動態統計を作成するために必要な死亡診断書の一部の情報が調査票に転記されて、私どもに上がってくるということでございます。

 

○永井部会長

 その他の情報は捨てられてしまうのですか。先ほどの原死因分類とか。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 私どもに来る時点ではまだ原死因選択がされておりませんので、全ての死因が書かれた状態であります。原死因選択は私どもで行っております。

 

○今村委員

 先ほどの人がいない、お金がないというお話なのですが、今、電子的にそういう処理、大江委員にこの間もちょっとお答えいただいたような記憶がぼんやりあるのですが、そういう方向性というものはないのですか。つまり、市町村の行政の方がただ転記するだけの作業を延々と日本中でやっているという話は、本来統計的には必要なくて、電子的にそれぞれのところにデータが行けば、それで済むのではないかなと思うのですけれども、そういうふうに変わるということ。つまり、1回はお金がかかるかもしれませんが、それを行っておけば、今後亡くなる方がすごく増えてくる中で、事務作業量というのがうんと減るのではないかなと単純に思ってしまうのですけれども。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 市区町村の事務でございますが、もともとの死亡診断書は紙でございますので、いずれかの段階で打ち込む必要、データ化する必要があるわけでございます。

 現在、私どもは調査事務のオンライン化を進めておりまして、市区町村では紙の調査票に書くのでなくて、オンラインで打ち込んで送達してもらうというふうにしております。

 いずれにしても、それは紙に書いてあるものが単に電子データに変わっただけでありまして、文字であることは変わりませんので、結局、我々がシステムの支援を得ながら、最後には人間の目で見て原死因を選択して統計を作成しているということでございます。

 

○今村委員

 すみません、私ばかり申し上げて。先ほどの御説明を聞いても、医師である私でも複雑過ぎて、あのルールを適正に判断できるかと言われると、相当に習熟しなければ難しいのではないかなと。今は医師でない事務官の方が膨大な数を処理されているというお話ですね。

 電子化して一定のルールがソフトの中に入っていれば、原死因選択なども機械的にある程度できて、おかしなものだけを人が目で確認するというプロセスでできる。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 まさにそのようにやっております。我々は原死因選択も機械の支援を得て行っております。基本的には機械にやってもらって、機械ができないような事例については人が見て最終的に原死因を決め、統計をとるという作業をしております。もう既にできるところは機械化を進めているということでございます。

 

○永井部会長

 前も議論がありましたけれども、例えばある方が感染症で亡くなって、その原因は足の血管虚血があり、そのための感染である。その原因として糖尿病がある場合には、、原死因は糖尿病なってしまうわけですね。それはそもそも時代に合わないのではないかという議論が前にされたのですが、そういうところは見直すお考えは全然ないわけですか。それは原死因選択ルールそのものにかかわってくるわけですけれども。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

WHOの定めた原死因選択ルールで我々は死亡統計を作成しております。

 

○永井部会長

 それはそれとして、データベースをつくっておくということはあってもいいと思うのです。WHOのルールの原死因はこういうことで、こういう分類がされるという統計表はつくれるかもしれませんが、大事なのは統計をどう使うかなのです。しかも、疾患の概念というのは何十年で変わっていきますから、それに固執するというのは、時系列という意味では重要かもしれませんけれども、それだけでなくて、これをどう使うかという立場から死亡診断書なり調査票というものを位置づけるべきではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。

 

○宮崎委員

 議論が2つ混同しているのは、今、委員長がおっしゃったのは、せっかくここまできちんとつくるのであるならば、それを医学上、疫学上どうやったら活用できるかということを考えて改正すべきだというのが1点。

今村委員が言われたのは、医療機関が死亡診断書なりを書いたときに、それがどのように扱われて、どこに上がっているのかというのを聞きたいのですよ。

今、課長が「我々、我々」と言っているのは、それは主語が全くわからないのです。主語と述語と目的語がないから話がこんがらがってしまっている。医師が書いた診断書が市町村なら市町村に上がって、そこで何を書いて、どこへ上げて、その中身はどういう形で上がってくるのかというのを恐らく今村委員は知りたがっていると思うので、そこを言わない限り、「我々」というのは全部我々なのですよ。市町村なのか、個人なのか。要するに、厚生労働省の統計情報部の担当官なのか、法務省なのかわからない。そこをちょっと説明していただけませんか。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 では、死亡診断書の流れを申し上げます。

 繰り返しもございますけれども、死亡が発生しますと、届け出義務者が死亡届と死亡診断書を市区町村に届けます。市区町村には、その死亡届と死亡診断書をもとに人口動態調査死亡票を作成していただきます。その作成方法としては、死亡診断書の主要な部分を転記するというものでございます。

次に、作成されました死亡票は保健所に送られます。保健所で点検をしていただくということになります。保健所の点検が終わったものが都道府県に集約されます。都道府県は県分をまとめて厚生労働省に提出されます。それをもとに我々は原死因選択をし、コードを振り、死亡統計を作成しているという流れでございます。

 

○今村委員

 ありがとうございました。大変詳細に流れがわかりました。

 その際に死因の統計に使われる部分だけ調査票に転記すると。残りの部分はどうなるのですかと永井座長から先ほどお話があったと思うのですけれども、例えば解剖が行われたか、行われなかったのかとか、自宅なのか、そうでなかったのかというような情報は、先ほど言った法務省のほうに上がっていくというお話でしたでしょうか。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 死亡診断書の原本は法務局のほうに移されるということでございます。

 

○今村委員

 法務局に移ったものは、統計的にどのように使われるのですか。総務省が最終的に統計の全ての総元締めをされているというふうに理解していますが、そういった情報というのは、国の中で統計として処理されているのですか。

 私がなぜこだわっているかというと、今の死亡診断書の書式を見直さなければいけないと。「解剖」と書いてあるけれども、司法解剖か、行政解剖か、新法解剖かの区別もないわけですね。今、死因究明には画像診断も非常に重要になっているけれども、画像診断の情報も書く欄がないという中で、今までのような死亡診断書を見直すべきであるという議論がある。

そういったときに、幾ら見直しても、その情報がどのように統計的に使われるかということがよくわからないままだと、変える意味がなくなってしまうので、ちょっと伺っております。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 厚生労働省では、人口動態統計の死亡統計をWHOの基準などに従ってつくっております。そのために必要な情報だけを報告していただいておりますので、必要でないものにつきましては、普通は報告を求めないということになります。

 法務局に行った死亡診断書がその後、どのように統計的に扱われるかについては、申しわけございませんが、私は存じておりません。

 

○郡山委員

 死亡診断書でなくて、全体の話をさせていただいていいですか。

 

○永井部会長

 死亡診断書のプロセスのことはよろしいですか。どこかで使い方の問題をきちっとしないといけないと思うのです。仕事ではないということではなくて、これをいかに使うかということをもう一方で考えないといけないと思うのですが。

 

○大江委員

 先ほどそのプロセスを丁寧に説明いただいたのですが、その中でどこからが既に電子化をされているのかも御報告いただけますでしょうか。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 一番進んだところでは市区町村レベルから電子化されております。ただし、死因については単に文字データで入っているというものでございます。

 

○大江委員

 そうしますと、市町村の事務で死亡統計調査票をつくるときに、電子的に入力して、以後、電子的に保健所及び県を通じて厚労省に行くというパスもあって、進んでいるところではそういうシステムが動いているということですね。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 さようでございます。

 

○大江委員

 それができていない場合には、市町村の事務から調査票そのものが紙で保健所に送られ、県に送られ、厚労省まで紙で来る。厚労省のほうで紙を入力されているというケースもあるということですか。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 さようです。

 

○大江委員 全体の割合としては、大ざっぱに言って、例えば半分ぐらいは市町村から電子化されていますとか、その辺はわかりますでしょうか。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 市町村レベルからの数字は今、手元にないのですけれども、保健所レベル以降であれば、約9割ちょっとが電子化という形で厚生労働省に届いております。

 

○大江委員

 全体の9割は厚労省に届く段階で既に電子的な形で届いているということですね。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 はい。

 

○大江委員

 よくわかりました。

 

○田嶼部会長代理

 死亡統計のデータですけれども、国が行う統計処理が目的でなされているわけですね。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 はい。

 

○田嶼部会長代理

 ですから、恐らく目的外の使用ということはお考えになっていらっしゃらないのかなと。でも、私たちはすばらしいデータを臨床や疫学に応用したいわけです。諸外国では、National Registryがあって、患者さんの予後がそれでわかるとか、そういうふうな制度が整っているわけですけれども、日本はそこに行くとどうしてもとまってしまう。

したがって、そのあたりを国のほう、厚労省と法務省で考えていただいて、ダイナミックなものにしていただく。そうすると、永井部会長がおっしゃっていたような方向に発展するのではないか。臨床医としてはそれを望んでいるわけです。

WHOがおっしゃる規則にのっとってデータが出て、それを出すことしかおできにならないのかどうなのか、その辺のところについてお伺いさせていただけませんでしょうか。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 死亡統計をつくる以外のことには利用できないのかということでございますけれども、我々が作成しましたデータにつきましては、二次利用ということは可能でございます。

 一方で、人口動態調査は統計法のもとで行われておりますので、目的に即して調査設計が求められるということでございますので、最終的に要らないデータについては廃棄してしまうとか、調査対象の秘密に配慮した事務を求められておりますことから、調査票に書いてあることを全て保存しておくことはなかなか難しい状況だと思います。

 

○田嶼部会長代理 

 そうすると、最初のセッションで、今度WHOが新しいルールをおつくりになったものは受け入れてくださるのですね。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

2013年版の適用ということでございますか、これは努力しています。

 

○田嶼部会長代理

 そうすると、ダイナミックに変わってくる、臨床や研究の面についても使うものを視野に入れてくださっているということですね。しかし、今は継続性や経費の問題などがあって、どのぐらい対応してくださるかはわからないとか、そういうお話だったのか。全体像がちょっと見えなくなったものですから、改めてお伺いします。

 

○姉崎統計情報部長

2013年版のルールは、今、ここで御議論いただいておりまして、御了解を得てこれを適用するということを考えておりますので、認めていただければ、これに基づいて人口動態統計も変わるということであります。

先ほど課長が説明して、部会長からもやらないことかというふうに言われたのですけれども、やらないということではなくて、例えばICDのルールについては、小改正は毎年あって、大きな改正が3年に一度あって、10年とかという大きな改正でICD-10からICD-11みたいな、こういうのがあるわけですが、前回の議論の中で、例えば少し大きな改正で3年に1回改正があったら、3年ごとに変えるということがあるのではないかという議論があったのですけれども、それについて統計の継続性とか、マニュアルのいろんな整備と教育費、それから予算が毎年一律に削減される中で、3年に1回システム改修の予算をとれるかというと、実はなかなか難しい問題がある。

課長が申し上げたのは、できないということでなくて、3年に1回必ずやりましょうというふうに機械的になってしまうと、そこはちょっと難しいので、そこら辺は3年に1回の改正があったときに報告をさせていただく。そのときに、最初に谷が申し上げましたけれども、報告を分科会から上げてくるのか、直接部会に報告するのかという報告の仕方、それから3年に1回で本当に大きな改正、これはやはり変えたほうがいいということになったら、変えないといけないのかもしれませんが、今まで3年に1回の説明もちゃんとできていなかったということがあったので、3年に1回のルール改正のことは、どういうやり方かということを含めて説明をさせていただこう。ただ、3年に1回改正があったら、必ずシステムを改修するということだとちょっと難しいということを説明させていただいて、全部やりませんとかということではないということを御理解いただければと思います。

 

○永井部会長

 ですから、予算が主な理由であるということですね。

 

○姉崎統計情報部長

 そうですね。

 

○永井部会長

 継続性ということを言われましたが、昔のルールを遵守するのだということではないのだということですね。必要があれば変わってしまうのもやむを得ないと。そこはよいのですね。

 

○姉崎統計情報部長

 そうですね。平成7年にICD-10を適用したときに原死因選択ルールが変わったので、あるものがすごく増えたり、すごく減った。これはICDのルールがこういうふうに変わったから、こういうふうになりますよとちゃんと統計上に注記すればいいことでありますから。ルール変更によってその病気がどのぐらい増えたかという寄与度みたいなものを出せと言われると、それは難しいわけですけれども、何でこんなに数値が大きく変わったのかというのは、ルールが変わったからという事情を明記すればいいだけの話ですので、統計の継続性についてはそういうこともありますということです。

一番大きいのは予算の話です。まことに申しわけないのですが、予算の話とマニュアルの整備と職員の教育にかなり時間がかかるということなので、3年に1回必ずやりますよということになると、なかなか負担が大きいなという趣旨であります。

 

○今村委員

 御説明を聞いてよくわかりました。

お話の趣旨とずれるかもしれませんが、2点だけ教えてください。

ICDのルールを変えると、死因の統計の継続性がなくなると。世界がWHOに勧告を受けてみんな同じように変えているわけですね。そうすると、ほかの国でも同じようにそういった死因の統計というのが大きく変わっているのかどうかというのが知りたいのです。つまり、日本だけが変わって、よその国はそうでもないですという話になると、なぜそんなことが起こっているのかということだと思うのです。

もう一つは、死亡診断書の一部だけを死因究明で使っていると。これはWHOのルールに従ってやるということだと思います。ほかの国の診断書の書式を見たことがないものですから、これは日本の診断書と共通のものがあるのかどうか。今後の参考のために、もしわかれば教えてください。

 

○事務局

 実はICDの適用につきましては、各国にある程度任されております。配付させていただきました資料2のところに少し記載があるかと思うのですが、WHOの勧告の分類規定というのがございます。資料2を1枚おめくりいただいて、下線を引いている第3条の語尾のところ「勧告に、できる限り従わなければならない」ということで、各国のある程度の裁量は認められているものという判断ができるかと思います。

これに基づいて、米国とかでしたら、自国でICD-9-CMClinical Modificationというもう少し細かい分類を使って国内分類はしているという状態がありますので、そういったものをいつICD-10のほうに切りかえるのかということを自国で判断した上で、ICD-10で報告を上げ始めるということです。

ただし、前回菅野委員からも御発言があったように、米国は原死因選択ルールだけではなくて、今、大使館経由で聞いておりまして、まだ回答は来ていないのですけれども、どういった分析をしているかというのは、少し違う形をとっているような状況だと聞いております。

様式でございますが、WHOが現在、様式について提示しているところは、死亡診断書のI欄の(ア)(イ)(ウ)(エ)のところとII欄の5項目というのが、WHOのルールではこういった様式にしなさいというふうに規定がかかっています。

1点だけ違うのは、II欄の関連死因のところについては2段になっているというだけで、日本の場合は1段ではございますが、横に列記できるようになっていますので、そういう意味では、実質上はICDの分類の様式というのは、死亡診断書のI欄、II欄の部分だけというのが基本でございます。

それ以外は様式についての規定はございません。

各国の場合については、ある程度こちらでも収集しておるところですが、必要であれば次回の委員会のときに先生方のお手元に配付することは可能かと思います。

 

○今村委員

 各国のルールは義務ではないので、それぞれの国の判断で従うか、従わないか選択しているというお話で、それはそうなのだと思うのですが、平成7年にICDのルールが変わったときに、それに従った国において、日本と同様の影響を受けていたのかどうかということを知りたいということを申し上げました。

 

○事務局

 その点については把握をしておりませんので、少しお時間をいただいて調べないとお答えは難しいかと思います。

 

○今村委員

 次回で結構です。日本だけが影響を受けていたとしたら、日本に変わったルールがあるからそうなるのかということをちょっと確認したかったという意味です。

 

○事務局

 そうしましたら、次回までに各国のほうに聞いてみたいと思います。

 

○郡山委員

 3つの観点から少しお話をさせてください。

せっかくなので役に立つものにしたいということが恐らく共通の概念だと思うのです。

まず最初に、ICDの成り立ちを考えると、僕は4つに分けるのが好きなので、横軸を先進国か、開発途上国かと分けて、縦軸を高齢化率が高いか、低いかというふうに分けると、日本は右の頂点にあるわけです。ICDの発想は、開発途上国も含めた公衆衛生というところで立脚をしてきたものですから、実は我々とは随分違うところにあるという前提を置かなければいけないと思うのです。

これを一体どのように使うのかといったときに、だから、一番最初にICDではこういう哲学でやろうとしているのですねと確認したのは、そういう理由です。つまり、ICDが新しい臨床に役立つようにという概念で進めようとしている。つまり、左の下の頂点にあるものでさえそう変えようとしているのであれば、我が国は右の頂点にあるのだから、我が国全体の国民に資するものであれば、ICD-10以上のことを我々はやっていくべきではないのかという概念を明確にするべきだと思うのです。

そのことが今からお話しする全体の有効性の話だと思うのです。僕は厚生省に1年ちょっと在職したのですけれども、有効性と効率性と実効性を分けて考えなさいというふうに言われたのです。非常に勉強になりました。

僕は臨床、救急にいる人間なのですが、つまり、有効性という意味では、そういう観点から話をしなければいけない。そして、ここにまさに委員として集まっていらっしゃる人を見ても、日本の中では結局、アレルギーの食事の問題とか、DM、高齢化に伴う生活習慣病とか、ほかの国とは違うものが起こっていっているわけですから、最終的にICDに対して報告するかは別として、そこのことが明確にわかる統計をとらなければいけないということがまず有効性ではないかと思います。

2番目が効率性の話です。では、そういう効率的な体制をとれるのかといったときに、これは2点あって、1つの効率性というのは、そういうデータは誰がどこに持っているのですかと。おっしゃるとおり役所は大変ですね。人が少なくて、金がなくて、全部課長のところに責任が行ってしまうというのが役所の体制だということを私もよく知っています。

なので、効率的にとれるという意味では、日本の中にスペシャリストとしての医学会がたくさんあるわけです。行政の仕事はジェネラリストであると私は習ったのです。つまり、スペシャリストがこれだけいるという中で、各学会がどういう疾病分類をして自分たちの臨床に役立たせているのかということを一度集めてみると、これは効率的にできるのではないか。外に対する効率性の問題です。

それから内に対する効率性ということで、まさに死因等を法務省がやっている、厚生労働省がやっている、何省がやっているということ、この情報が少なくとも現時点でこんなふうに生かされるのですよということをまず内部で集めて、それがどういうふうに反映していくのかということをやることが内部に対する効率性ではないかと思います。

3番目は実効性です。課長がおっしゃるとおり、こういうところで集まると、最終的に課長のところに全部お願いということで、間違いなく霞が関は夜中まで働いているのです。私は、救急にいたときより大変だなと思いました。

だけど、いいところは何かというと、これは審議会なのです。私は今まで検討会しか出たことがなくて、審議会というのは、やはり偉いのです。審議会というのは一定の権限を持っている。検討会は権限を持っていないのです。審議会だからこそ、つまり、こういうことをやるためにはこれだけの予算、ハードと人、つまり、専門家はこれだけの配置が必要で、そして内部に対して、厚生労働省だけでなくて、ほかの省とこういうのを越えて効率よくやっていくことが必要だと。先生が先ほどおっしゃっていたみんなで証明しましょうよという話、答申の中にそれを書き込んで、むしろ室を応援するということを我々がやれば、この全体の話の解決が見えてくるのではないのかなという気がしました。

以上です。

 

○永井部会長

 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

 

○栗山委員

 意見でなくて、ぜひそうしていただきたいなと思います。

 ちょうど今村委員もその重要な会議に参加していらっしゃるので、応援というか、引っ張っていただいて。

私も霞が関の皆さんが大変なのは、夜の夜中にメールを書いて、返ってくるのはお役所の方々という体験をしておりますので、十分存じております。

ですけれども、私たちの医療なり生活なりに実際に役立つ統計、せっかく御苦労してくださっているのですから、役立つものにしていただくことを私たちもここから応援したいと思いますので、とりあえずは郡山委員のおっしゃったことに大賛成ということを発言させてください。

 

○永井部会長

 短期・中期的にどうするかという話と、長期的にどうするかという話を両方考えないといけないということだと思うのですが、郡山委員、そういうことでよろしいですか。

 

○郡山委員

 はい。ですから、まずはあり方というか、要するに、ガイドラインですね。ICD-10というか、ただ単にICD-11を取り入れるかどうかというのでなくて、取り入れるに当たり我々はどんなことをするのかというガイドラインを決めてやるといいのではないのかなと思います。

 

○永井部会長

 考え方をまず整理してですね。

 

○西田委員

 皆さんとは全く違うレベルかもしれないのですけれども、一市民として私にもこれからあることで、死亡した場合、それを家族が見つけたり、事件になった場合であっても、警察から市区町村に届けるというプロセスですね。医師のもとで死んだ場合の手続と警察の手続とは違うわけですね。ただし、いずれにしても、死んだということであれば、それぞれのあり方で市区町村に届けられるということですね。市区町村に届けられた後、今の段階ではWHOの基準に基づいた形、そのときは医師か警察が検視か何かで書いた書類をそのまま市区町村の行政が転記するということですか。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 はい。調査票に転記していただいております。

 

○西田委員

 その転記したものを保健所に送って、その手続の根拠法というのは、行政法になるのですか。市区町村に関しては。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 人口動態調査令という政令を定めて行っております。

 

○西田委員

 政令ということで、いわゆる地方条例ですね。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 いや、国の政令でございます。

 

○西田委員

 それらのものが市区町村から都道府県に上がって、それを法務局と厚労省に。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 大きく2つの流れがございます。人口動態調査の流れと、届けられた死亡届と死亡診断書の流れがございます。調査票になったものは厚生労働省に来ますけれども、死亡届の原本と死亡診断書の原本は法務局に行くということでございます。

 

○西田委員

 法務局に行ったデータは5年間の。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 いや、もっと長期間の保管期間だったと思います。

 

○西田委員

 厚労省が預かったものも長期に保存されているのですか。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 いえ、調査票原本につきましては、調査年の翌々年には廃棄となっています。保存期間が決められておりますので。

 

○西田委員

 それで、現行法に基づいて転記されたものだけが残っていくということで。

 

○小野人口動態・保健社会統計課長

 はい。統計に必要なデータだけが永年保存でございます。

 

○今村委員

 今の御質問について若干補足をさせていただきますと、私が申し上げることかどうかわかりませんけれども、在宅でお亡くなりになったと。それを御家族が警察に届けられるのか、もともとかかっていた先生をお呼びになるのか、救急車に乗せていくのかによって、取り扱いが実際には違うわけですね。警察を呼ぶと、まず犯罪性があるかどうかというのを検視する。これは警察が行うべき行為であって、その立ち会いのために医師がそこに臨む。

犯罪性があれば、これは明らかに警察が担当する御遺体になってしまうので、多分取り扱いが全然違って、犯罪性がないということがわかった場合に、今度は検案という医師の仕事をする。そこで、もともとの御病状も全部わかっていて、明らかにこれは疾病に伴う死だとわかれば、診断書を発行することもあるし、そうでなければ、検案された医師が検案書を発行する。検案書と診断書は同じ書式ですので、それが御家族に渡って、先ほどもお話しになった市町村に行くという流れになっていますので、警察に行ったものが全部市町村に行っているわけではないと思います。

 

○永井部会長

 少し時間が押してきたのですが、きょうの議論は手続の話とどう使うかという話、2つあるわけですね。机上配付資料1というのは、基本方針というよりも手続的な話ですね。机上配付資料1については、どういう位置づけなのですか。

 

○事務局

 机上配付資料1のほうは、議題1の改定、要するに、2013年の改定に当たってのコンセプトのところを前回おまとめいただきましたので、それを再度お配りさせていただいたものでございます。ですので、これからの話でなくて、2013年版の訳をするに当たって、こういうコンセプトで行いましたということの確認として配付させていただいたものでございます。

 

○永井部会長

 これは非常に細かい話ですので、もうちょっと大枠の基本方針を書いていただいたほうがよいと思います。きょうは、いかに難しいか、いかに変えないかという話が最初に来てしまったものですから、よく全体がわからなくなってしまったのですが、ここはやるのだ、ここはやらないのだ、短期的にはどうするか、あるいは中長期的にはどうするかということを少し整理して、基本方針の案を次回御提示いただくことは可能ですか。それは難しいですか。

 

○事務局

 次回と言うと5月でございますので厳しいかと思いますが、実は議事2のところで発展的な内容について御議論いただく予定にしておるところなのと、これからのICDの国内の適用の状況も含めて、この中で当部会の各委員からの御意見に基づいて方針をつくらせていただいたらどうかというふうなことを考えております。

部会長からも前回の議事の中で、ある程度一定の方針をまとめて提示しましょうという御発言をいただいていますので、事務局としてはそのような方針で考えていたところでございます。

 

○永井部会長

 では、先に議事2について御説明いただけますでしょうか。資料をお願いいたします。

 

○事務局

 事務局でございます。

お手元の資料3と参考資料4をごらんください。

参考資料4のほうが、第3回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会の議事録になっております。この議事録をつらつら見ていただくのもいいかと思うのですが、ちょっと長うございますし、口語体でございますので、事務局のほうである程度発言の内容を簡素化した要点ペーパーをつくったものが資料3でございます。委員の御意見とは少しずれがあるかもしれませんが、そこは適宜修正していただければと思います。

資料3の御説明をさせていただきます。

まず、前回の議論の中で、ちょっと時間的には前後しておりますが、WHOICDとの関係については4名の委員のほうから御発言がありましたが、それぞれ連携はとっていくべきだというふうな御発言でした。

ただ、WHOICDについて、これは「限界」というふうに書かせていただきましたが、国内における限界としては、現状の原死因選択では必要な情報がとれていないのではないかというような意見が、永井部会長及び田嶼部会長代理の御議論の中から少し読み取れました。

大江委員からは、原死因の傷病選択については、傷病分類の詳細化とは異なる問題があることから、我が国における死因選択ルールというのも検討が必要なのではないか。

五十嵐委員からは、基礎疾患等の情報もある程度活用する必要があるのではないかという御発言がございました。

次に、傷病分類についてです。ここはちょっと誤解があるかと思いますが、「分類」と言うと、ある程度バスケットクローズ的な項目も出てきてしまいますので、少し補足として「(傷病リスト)」とさせていただきましたが、やはり国際連携ができるようなリストが必要だろう。

あと、過去との継続性の維持。

現状の、誤解を招かず適切な傷病の把握ができるもの。

Unmet Medical Needsが適切に把握できるような分類といったような御発言があり、2ページ目の下から4つ目のポツあたりから、新たな意見としてはガイドライン、要するに、臨床現場にフィードバックがある程度できるような情報がいいのではないかと。

下から2つ目、栗山委員からは、行政手続的な面ではなくて、他の分野にも活用できるようなもの、発展的な活用について。永井部会長からも汎用的な活用ということで、御発言が幾つかございました。

次の部分につきましては、「分析・活用関係」といたしました。ただ、分析・活用につきましては、実は分類の要件、前提として、こういう活用ができるようにするためにこういう分類をつくりなさいということでしたので、そこは裏返しの関係があるということで、斜体にした部分が再掲でございます。もう少し細かい情報とか、治療、政策に生かせる情報、医療介入による傷病への影響についても分析といったような内容が主だったものでございます。

あとは、先ほども言ったような詳細分類、Unmet Medical Needs等の把握ができるような分析を逆に分類に基づいてしなさいという御意見かと思います。

次に、情報の保存関係でございます。

傷病の情報に関して保存をすることが重要。

原死因選択におけるガイドラインの充実の前提には、死亡診断書に記載された情報を単一の情報基盤に集約しておくことが重要ではないか。

利活用の幅を拡大するために、死亡診断書の複数の情報を情報通信技術の活用によって利用しやすい形態で保存することが必要ではないかというふうな御意見がございました。

あと、死亡診断書記載に関する教育・支援でございます。

ITを活用して死亡診断書の作成に少し支援をしてはどうかというものに加えて、重立ったものとして、死亡診断書の死亡欄の記載方法等については、医師の皆さん方に対して、書き方であるとか、各項目というのを普及する必要があるのではないかといったものでございます。

支援については、臨床ガイドラインへの反映。ガイドラインへの情報還元といったものが一部出てきております。

報告書の様式でございます。

必要な情報をとるためには、死亡診断書の欄の構成の変更も視野に入れる必要があるのではないか。

活用に際して、現行の死亡診断書で不足している部分については、担当部署と連携して検討を行う必要があるのではないかということでございます。

最後に、検討に当たっての運営の関係といたしましては、国際基準、ICDなのか、それとも独自基準なのかという二者択一ではなくて、双方を使い分けるような方法の検討が要るだろうという点。

あと、バックグラウンドに潜んでいるようなものについても、ある程度手を伸ばすような検討ができる専門家の参画が必要ではないか。

あと、医学的専門家の協力を得ることが必要ではないかといったような御意見が重立ったものかと思います。

このような内容で前回御議論をいただいておりますので、今回、こういった内容を踏まえて、部会長のほうからも御提示がありました短期、中期、長期的なICDとの連携の部分、中長期的な部分について、少し御議論を深めていただいたらいかがかと思っております。

その結果を受けて事務局で少しまとめを始めさせていただいたらというふうに考えております。

 

○永井部会長

 ありがとうございます。

いかがでしょうか。郡山委員、何か御意見があれば。

 

○郡山委員

 ここに書いてあることは、まさに今、申し上げたようなことだと。これを短期、中期、長期に分ける。短期であれば、まずガイドラインを決める。中期については、各医学会がありますから、私も救急医学会からこういうのがあるとうれしいという話がたくさん来ていたりするのですね。だけど、それは救急医学会の話であって、内科学会ではまた違うでしょうから、必要であれば、それぞれの学会にそういうものを投げて検討してもらう、もしくは一堂に集まってもらって検討する。それである程度の形ができてくる。長期的には、実際に臨床に使えるもの、最終的にICDに反映するものというところの分類をどういうふうにしていくのかということを決めるというやり方はどうかなと思います。

 

○永井部会長

 いかがでしょうか。どうぞ。

 

○大江委員

 少し外れる意見かもしれませんけれども、今、資料3のまとめを説明いただいた上で、少し感じたことを発言したいと思います。

 先ほど来の死亡診断書が死亡統計調査票になって、それが9割以上電子化されて厚労省に来ているにもかかわらず、これが統計法に基づく人口動態統計に用いられる以外の活用方法は、統計法に基づいて二次利用申請をすれば可能ですが、利用度は低いというのが現実かもしれません。

しかも、この電子データは調査年の翌年には破棄されるということですと、電子化されたデータを人口動態統計以外の臨床疫学的な目的などで二次利用するということは非常に難しい状況にあるのではないかと感じました。

一方で、レセプトそのものは保険者への診療報酬請求電子データではありますが、高齢者の医療の確保に関する法律に基づいて、行政のさまざまな利用に資するもの、医療の質の向上に資するものであれば使えるということで、今、ナショナルレセプトデータベースとして長期間にわたり保存されていて、申請に基づいて二次的な利用も受け付けているという現状があります。

こういった仕組みが一方であることを考えますと、この死亡診断書の情報、あるいはその抜粋かもしれませんけれども、死亡統計調査票のデータというものが人口動態統計のみに使われるのではなくて、日本の臨床医学界の中でそれぞれ使う必要があると考える形、統計利用ができるようにもう少し整備をしていく必要があるのではないかと感じました。

そのために、現在の統計法のもとでのみ使って、それ以外の目的では統計法に基づく二次利用しかできないという枠組み自体を変えるということを一緒に考えないといけないのではないかと思います。

その仕組みを考えないことには、どういう分類があるべきかという議論を幾らしても、結局、人口動態統計にしか使えないのであれば、余り利用価値がないということになるのではないかと思うのです。

ですので、時間がかかる、視点としては長期なのかもしれませんが、統計法以外に新たな法を用意するなり何らかの措置をすることで死亡診断書情報の電子データベースを構築して、それを人口動態統計以外の医療、医学の向上に資する目的に使えるように持っていくということ、まずロードマップを描かないといけないのではないかと思いました。

それを実現していきながら、どういう分類が必要なのか、WHOICD-10分類、あるいは今後出てくるICD-11だけでいいのか。私は、それだけでは不足すると思っていまして、それぞれの臨床医学系の領域ごとにさらに細分化したものをつくる、あるいは部分的には分類のツリー構造自体が違うものが必要であれば、そういったこともつくっていく。それぞれの使い方で電子データベースが使っていける。そういう戦略を立てることが必要ではないかと思いました。

 

○今村委員

 今の大江委員のお話にも関係あるのですけれども、例えば今、がん登録が法制化されたわけですね。がんに関する部分については、死因もそちらで統計をとる。

一方、アスベストに関して、環境省で中皮腫についてはまた別の登録制度があって、そういう死因の統計がとられている。

亡くなった方たちに対するいろんな統計があるにもかかわらず、今、大江委員がおっしゃったように、それぞれが相互につながっていないという状況があるように思っているので、全体としてどうするのかという議論は、どこでするのかわかりませんけれども、やはり考えていただければと思っています。

 

○飯野ICD専門委員会委員長代理

 今、大江委員がおっしゃったことですけれども、ICD-11では、私も10年ぐらい前からかかわっていて、最初にそういうコンセプトでやっていたのですが、だんだんトーンダウンしていることは事実なのです。いろいろな統計、あるいは疾病、あるいは保険、いろんなものに使えるというのをICD-11では狙っていたわけです。

 大江委員の理論、オントロジー、いろんな方面から統計をとれるというシステムを日本独自につくっていかなければいけないのではないか。これだけビッグデータですから、これをいろんなものに活用できる。非常に重要な点だと思うのです。日本がリーダーシップをとってそういうものを構築していくということが必要ではないかと思っています。

 

○永井部会長

 ありがとうございます。

 ほかに御意見。金子委員、どうぞ。

 

○金子隆一委員

 まず、先ほど大江委員のほうからお話があった統計法の枠外の方法を考えなくてはいけないというのは、なかなか現場では難しいのではないか。統計法は2009年に全て改正されまして、統計委員会という司令塔があります。それを含めて動かすということでないと、なかなか難しいということがあります。

 ただ、統計の立場から言うと、二次利用というのは、その改定以降、割に簡単にできるようになりました。例えば先ほどおっしゃられたがん登録とのマッチングであるとか、そういったことは疫学の分野の方々は既にかなり活用されているという状況がございます。ですから、そういったものをどんどん盛んにしていくというのも一つの方向性であろうと思います。

私が申し上げたいのは、先ほど小野課長のほうから2つ論点があって、統計の時系列的な整合性と、それを行うための財源、人、負担の問題というのがあって、それは切り離せないのですが、今、日本の高齢化は世界で断トツのトップです。それに対処するために我々に何があるかと言ったら、長寿化なのです。これは非常に逆説的なのですけれども、今、非常に寿命が長い。ということは、高齢者が大変健康であるというような状況があります。つまり、世界で長寿化のトップをいっているのです。死因の構造が少し変わりつつあると思うのです。感染症から生活習慣病へいわゆる三大死因という形で変わってきましたが、その先に入っているような感じがします。

というのは、「生活習慣病」という言葉がうまくないと思うのですけれども、老化に関連した死因というものが当然大きくなっているのですが、それがどんどん高い年齢のほうにシフトしている。そういった病気による死亡というのが高い年齢のほうにシフトしているという現象が起きていまして、基本的には同じ死因でも新しい状況に入っている。

我々は、世界最長寿の国としてそれを記録して解明していく責任があると思うわけです。そういう中で、例えばICDの原死因選択のルールが改定されたときに、そのままほいと改定してしまう。要するに、そういう理由がつけばいいのだということではなくて、例えばこれは負担の問題とも関連するのですけれども、古い基準と新しい基準で二重に何年か走らせるとか、仮にそれが難しいのであれば、死亡票や診断書の記録をできるだけつぶさに残しておく。今はそれがうまく使えなくても、電子化されたものを残しておいて、二次利用において自由に研究者が分類、選択のルールを使おうと思ったら、それを追跡できるような形でとっておく。このぐらいのことはしていかないと。

これが大変難しいということはよくわかっております。しかし、我々は人類の先頭を行っているということを考えれば、そういったことも例えば統計委員会を動かすぐらいのことでやっていけるのではないかと思っております。

 

○永井部会長

 今、おっしゃられたことは全く同感で、結局、高齢化になるということは、1つの要因には還元できなくなっているということなのですね。長生きすればするほどたくさんの病気を持っていて、それが複雑に絡んで亡くなっていくという状況であって、昔のように原死因だとして1つの疾患に帰着させることはできない。そういうことなのではないかと思うのです。

そうすると、これはネットワークの中で理解しないといけない。多くの要因が、お互いに影響し合っているわけですね。そういうことは簡単にはわからないですけれども、でも、情報さえ入れてあれば、ITの技術で今、できるようになってきています。それを人間の頭で理解できるように1個に帰着させるなどということはしないほうがよいわけで、書かれたことをとにかく入れておく。それをデータベース化すれば、あとは数理科学でおおよそのことがわかるわけで、それがまさにこれからの時代、日本が世界に貢献できる部分ではないかと思うのです。

そういう時代の変化を踏まえた入力の仕方というのが必要です。今の基準で考える、あるいは今の考え方だとこういうふうに整理できますということもそんなに難しくなくできるはずなので、ぜひ新しい時代への対応をしていただきたいと思います。

どうぞ。

 

○郡山委員

 そういう問題と同時に、先ほど課長がおっしゃった人がいなくて、お金がないということは大事な問題で、飯野委員がおっしゃったように、かつての我々は1回そういう理想を持ったのだと。だけど、理想を実現できなかった理由がどこかにあるのです。単純にいって、その間、課がどれだけの人数を増やしたのですかというのは、数で明確に見えますね。この10年間、人を増やしたのですかと言ったときに、業務としてビッグデータを扱うだけのハードは増えたけれども、人は増えていないとか、要するに、エデュケーションがどうかという話もあったのですが、そういうものは全くされていなかったのだとか、それは課だけで解決できる問題とできない問題があるので、そこの問題も含めて、我々はこういうのを目指しているのだけれども、そこができない理由は、こういうことが過去あったので、そういうことを改善するためにはこういうことも必要だということをあわせて答申として出せばいいのかなと思います。

 

○永井部会長

 はなから人がいないからできないのですと言ってしまったらおしまいなので、とにかく難しくてもこうあるべきだということを述べるべきだと思いますけれども。

どうぞ。

 

○駒村委員

 前回欠席したので、きょう初めての参加でありまして、どういう議論が主になるのかなと思いましたが、後半の議論は非常に参考になるというか、重要な議論が続いたと思います。

 今の議論も、治療や医療技術の発展以外に、高齢化で死亡者が急増していく中で死亡統計を何のために集めているのかということで、この予算が十分そちらに入らなかったのは、政策利用、制度改革への利用という意識が少し足りなかったのではないかなと思いますので、こういう統計を政策的、制度的にどう反映していくのか。私がやっている社会保障の部門でもかなり有効に使えるデータがあるのではないかと感じておりますので、制度、政策にもこの統計を使っていくという問題意識が重要ではないかなと思って、コメントしたいと思います。

 

○永井部会長

 大江委員。

 

○大江委員

 この部会自体が統計情報部のもとに置かれている部会なので、統計以外のこともやれるようにということを発言するのは難しいかなと思ったのですが、しかし、先ほど来お聞きしている、例えば死亡統計調査票にどんな項目をピックアップするかというようなこととか、集めたデータをどれぐらいの期間保存するかということは、基本的には統計法で決められた統計目的に必要なことのみを集めて、必要な期間だけ保存する、そういう縛りがあるということを強く感じました。

一方で、死亡診断書に書かれている死亡統計調査票に転記されないさまざまな情報も一緒に解析したいというニーズはやはりあると思うのです。では、統計法を改正してそれができるようにできるのかということを考えたとき、かなり縛り(制約)があるのが事実ではないか、あるいは保存期間、5年を超えるあるいは10年を超えて保存するといったことが本当に統計法の一部改正でできるのかということについて、非常に疑問に思っています。

ですので、現にレセプトは統計法に基づいてナショナルレセプトデータベースがつくられているわけではないにもかかわらず、さまざまな疫学的な研究で利活用が始まっている事実を見ると、人口動態統計は統計法に基づいてやったらいいと思うのですけれども、それ以外の別の枠組みというものを用意して、統計以外の視点でも開発できるようなデータベース基盤というのをつくっていくようにすべきではないかと思うわけです。

そういう点で、先ほど統計法の中でやるのにはちょっと限度があるのかなという視点を提供したということです。これは非常に難しい話ですので、今後、折を見て議論がされるとありがたいと思います。

以上です。

 

○永井部会長

 大体時間になりましたので、この件は引き続き議論を重ねていきたいと思います。

 先ほどの議題1のところ、今後のWHOにおける改定及び大規模改正への対応につきましては、事務局でプロセスをさらに整理して、改めて御報告いただきたいと思います。

そのほか事務局から何かございますか。

 

○事務局

 繰り返しになりますが、今回御提示いたしました資料1-1から1-3、参考資料1、2につきまして、御意見等がございましたら、再度中を見ていただきまして、4月14日月曜日までに事務局まで御連絡をお願いいたします。

また、次回部会の開催でございますが、既に日程調整をお願いいたしたところでございます。日程は5月19日月曜日16時から18時とさせていただいております。1カ月前程度に正式な開催案内をさせていただきますので、委員の皆様におかれましては、御多忙中、恐縮でございますが、御出席のほどよろしくお願いいたします。

 

○永井部会長

 ありがとうございます。

 それでは、本日の「第4回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会」を閉会させていただきます。

どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

大臣官房統計情報部企画課国際分類情報管理室
疾病傷害死因分類係: 03-5253-1111 内線7493

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