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2014年2月27日 第206回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課

○日時

平成26年2月27日(木)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室(6階)


○出席者

(公益代表)鎌田委員、柴田委員、橋本委員、阿部専門委員
(労働者代表)石黒委員、清水委員、新谷委員
(使用者代表)小林委員、高橋委員、青木オブザーバー、大原オブザーバー

事務局

岡崎職業安定局長、宮川派遣・有期労働対策部長、鈴木企画課長、富田需給調整事業課長
松原派遣・請負労働企画官、鈴木主任中央需給調整事業指導官、亀井需給調整事業課長補佐、木本企画調整専門官

○議題

1 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案要綱について(公開)
2 一般労働者派遣事業の許可について(非公開)
3 有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可について(非公開)

○議事

○鎌田部会長 定刻になりましたので、ただいまから第 206 回労働力需給制度部会を開催いたします。本日は、労働者代表の春木、宮本両オブザーバー、使用者代表の秋山委員、公益委員の竹内委員が所用により欠席されております。なお秋山委員の代理として、日本商工会議所産業政策第二部の上條課長が出席されております。

 本日は、最初に「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案要綱」について公開で審議いただき、その後、許可の諮問の審査を行います。許可の諮問の審査については、資産の状況等、個別の事業主に関する事項を扱うことから非公開とさせていただきますので、傍聴されている方々には退席いただくことになることを予め御承知いただきたいと思います。

 それでは、本日の議題に入りますので、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。御協力をお願いいたします。

 それでは、審議に入ります。最初の議題は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案要綱」についてです。前回に引き続き御審議いただきますが、事務局から追加の説明があります。お願いいたします。

○亀井補佐 私からは、本日追加でお配りしている資料の説明を行う前に、改めて本日お配りしている資料の確認をいたします。お手元の議事次第を御覧ください。本日、議題 1 に係る資料として、 4 種類を御用意しております。資料 1 、参考 1 、参考 2 については、前回の部会においてもお配りしたものです。今回、参考 3 として、「建議と要綱の対応表」を御用意いたしました。過不足等ありましたら、事務局にお申し付けいただければと思います。

 資料 1 から参考 2 までの説明は省略いたします。参考 3 を御覧ください。参考 3 は、建議と要綱の対応表です。本日もお配りしていますが、建議と要綱について、両方見ながら議論を理解することが非常に分かりにくいという御意見がありましたので、こちらは左側に建議の制度改正に関わる部分を抜粋し、右側に要綱の該当する箇所を並べるという形で、分かりやすく整理したものです。簡単に説明いたしますと、「要綱該当箇所その他」としている欄が、要綱では法律で手当するもののみを記載しておりますが、実際には省令や派遣元・派遣先指針、また通達によって定めている業務取扱要領や許可基準のように運用に関わる部分で手当てするものもあります。そうしたものを、網羅的に整理いたしました。

1 ページ目を御覧いただきますと、左側の建議の欄に (P.1)2 「特定労働者派遣事業について」とあります。特定労働者派遣事業に係る建議の見直しの内容を、そのまま抜粋しております。それぞれの段落に対応する形で、「一 特定労働者派遣事業の廃止」とあります。これは、要綱の第一の一の部分が、これに対応していることを意味しております。第 2 段落は、「派遣労働者の保護に配慮した上で、小規模派遣元事業主への暫定的な配慮措置を講ずることが適当である。」こちらは、許可基準に係る運用の内容ですので、 ( 運用で対応 ) という形で表現しております。次の段落は、要綱の第 3 2 が該当することを記しております。補足いたしますと、 ( 運用で対応 ) としている中には、業務取扱要領、また許可基準などの様々な措置が該当する場合がありますので、御留意ください。

1 ページ目の一番下、 (P.2)3 、期間制限については、 (1) 新たな期間制限の考え方について、要綱該当箇所、その他の部分を書いております。こちらは法律の文言としては記載しておりませんが、この考え方を ( 要領等に明記する ) ことを入念的に記載しております。同様の考え方で、それぞれの段落に対する要綱などの対応箇所を記載しておりますので、本日の議論の参考としていただければと思います。

 続いて、前回の審議の際に、幾つか委員の皆様から御指摘のあった点について、簡単に回答を申し上げたいと思います。御指摘のあった順に、順次回答いたします。当方の理解等に誤りがありましたら、後ほど御指摘いただければと思います。大きくは、 4 点御指摘いただいたと承知しております。まず、要綱にも出ておりますが、派遣先における期間制限の扱いに関わる部分で、「延長したとき」「延長するとき」といった文言があります。この延長の解釈として、延長を決定したときであると解釈するという説明をいたしましたが、それは分かりにくいと。法律を読めば分かるようにすべきではないかという御指摘をいただきました。こちらについて、説明いたします。お手元の要綱の 5 ページ、「八、労働者派遣の役務の提供を受ける期間」の 3 4 5 番辺りに、今申し上げた文言が出てくるわけです。 6 ページの 3 番を御覧いただきますと、派遣可能期間の延長に係る内容が記載されています。 3 番の前から 5 行目を御覧いただきますと、「 1 に抵触することとなる最初の日の 1 月前の日までの間 (4 において「意見聴取期間」という。 ) 。即ち、期間制限の期限が到来する 1 か月前までの間に、延長することができるものとすることという内容になっております。即ち、実際に期限が到来する前に延長することができるという内容になっているわけです。実際の延長は当然期限が到来したあとに延長等は行われるものですから、期限が到来する 1 か月前には実際の延長は当然行われないわけです。ですので、期限が到来する前に行う延長とは、それは期限が到来したら延長するという意思決定であると解釈すべきものです。「延長」とは、「延長を決定した」と解釈すべきというのは、そういう理由です。

 次に、 7 ページの 5 番ですが、延長する理由の説明が、延長したときとされておりますが、こちらについては、延長の後に云々と、延長した後でやればよいのかという御指摘があったと承知しております。ここについては、意見聴取を必ず行っていただいて、延長しようかという決定がそもそもなされなければ、延長を決定した理由を説明する必要もなくなりますので、延長を決定したときは、その理由を説明するということで、こうした規定の書きぶりを行っているものです。いずれにしても、これらの点については、今般の見直しが実現した場合には、 3 4 5 6 番の一連の規定をパッケージで、今申し上げた考え方を分かりやすく丁寧に説明するとともに、周知徹底を心がけてまいりたいと考えております。

2 点目の御指摘ですが、「労働契約申込みみなし制度」の適用について、意見聴取手続のうち、省令で定めるものに違反した場合を除くこととなっている。しかしながら、何が除かれるのか分からないというような御指摘をいただいたと承知しております。要綱で申しますと、 13 ページの後半にありますが、第二の一の労働契約申込みみなし制度に関わる部分です。こちらの御指摘についてお答えしますと、意見聴取手続の中から、何をみなし制度の対象とし、何を除くべきかは、省令事項として、当部会における今後の審議に委ねられるものと考えております。ですので、今般の見直しが実現した場合には、省令の審議の際に、今御指摘のあった点について改めて御議論いただくものと考えております。また、関連して、このみなし制度に関わる意見として、先ほど期限が到来する 1 か月前までにやってくださいという意見聴取期間があると申し上げました。この意見聴取期間までに意見聴取を行わなかった場合はどうなるのかという御指摘もいただいたと承知しております。これについては、本日参考 1 として付けていますが、 4 ページの建議の2の 3 (4) のイ適正な意見聴取のための手続の 4 段落目です。こちらを御覧いただきますと、「派遣先が、過半数組合等の意見を聴取せずに同一の事業所において 3 年を超えて継続して派遣労働者を受け入れた場合は、労働契約申し込みみなし制度の適用の対象とすることが適当である」と書かれております。建議は、こちらの趣旨を踏まえて作成したものですので、期限が到来する 1 か月前の意見聴取期間に意見聴取が間に合わなかったからといって、直ちに、みなし制度の適用対象となるものではありません。

 いずれにしても、ただいまの「みなし制度」に係る御指摘については、省令事項が多くありますので、省令の審議の際に、併せて整理をした上でお示ししたいと考えております。

 続いて、 3 点目の御指摘です。雇用安定措置の対象となる 3 年間従事する見込みのある者と要綱上は規定されております。しかしながら、実際にはいわゆる細切れ契約の方が多い中で、どのように 3 年間従事する見込みを判断するのかという御指摘をいただいたと承知しております。こちらについても、詳細は省令に委任されておりますので、省令の審議の際に併せて御議論いただくべきものと考えております。その前提の上でお答えいたしますと、契約において 3 年に到達することが確認できる場合が該当するということは、前回申し上げたところですが、細切れ契約でも、更新の実態などを勘案し、 3 年間従事する見込みのある者に該当する場合はあり得ると考えております。

 最後に 4 点目の御指摘ですが、八の部分の期間制限の条項の中に、今回「業務」という文言が残っております。この点について、業務に基づく期間制限は、今回撤廃するにも関わらず、なぜ「業務」という文言を残さざるを得ないのかという御指摘をいただいたと承知しております。こちらの点については、前回説明いたしましたが、派遣労働者の方にお任せしたい業務があり、それを担える方が派遣されるという労働者派遣の性質は、今回の見直しによっても変わるものではないという前提があります。ですので、法律において、派遣先における派遣労働の利用を記述しようとするときには、この業務に基づいて派遣するという業務という文言を残さざるを得ないということです。しかしながら、従来持っておりました期間制限の単位としての法的意味はなくなりますので、「同一の」という縛りも外れますから、見直し案における「業務」という文言は、法律上派遣労働の利用を記述する範囲において意味を持つものと承知しております。

 なお、派遣先単位の期間制限の条項についても、ならば単に業務と書くに留めず、組織単位の文言を補ってはどうかという旨の御指摘もいただいたと承知しております。こちらについては、法律はなるべく簡素のものにするという要請もあることから、省略しているものです。前回いただいた御指摘に対する説明は以上です。

○鎌田部会長 ただいまの説明を含めまして、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。

○新谷委員 意見もありますが、とりあえず質問からさせていただきたいと思います。まとめられた横書きの建議が縦書きの要綱になるとき、建議に盛り込まれた内容が要綱にどのように反映されているかを私どもも見ております。今日、追加で配られた参考の 3 として、要綱に盛り込まれている部分と、今後まとめられるであろう指針、省令等に委ねられている部分との区分けの表を提示いただいたわけです。この表について、先ほど口頭で説明いただいたところですが、よく分からないのが、「 ( 運用で対応 ) 」するという書きぶりなのです。先ほどの説明ですと、「「運用で対応」とは業務取扱要領等に規定するといった対応を想定している」ということなのですが、そのレベルの対応でやるべきものと、やはりそれでは足りないと言わざるを得ないものとがあると考えます。特に、 3 ページの (3) の雇用安定措置の具体的内容については「運用で対応」となっているのですが、これも今回の改正の中で、派遣労働者の雇用安定のために盛り込まれた内容でありますので、これがこういう「運用で対応」というレベルに留められてよいのかという点を含めて、これは何を意味しているのかを確認させていただきたいと思います。

○鎌田部会長 事務局、どうぞ。

○富田課長 御指摘いただいたのは、雇用安定措置の※の所だと思います。直接雇用の依頼で、派遣先が直接雇用しないとなった場合には、「 (2) から (4) までのいずれかの措置を講ずる」という部分に対して、今御指摘があったのだと思っております。それから、省令事項でここで想定しておりますのは、法律で書けていない項目、具体的に言いますと、 (1) 派遣先への直接雇用の依頼、 (4) も改めて書くことになると思いますが、それを書くことを予定しております。実際に、それを講じたときにどのように担保していくのかという話については、それは雇用安定措置を設けたという法律の趣旨をどう達成していくかということですので、それは行政の指導指針や法律上の解釈の業務取扱要領でお示しすることを現在想定しているところです。

○新谷委員 御説明いただいたように、特に (1) の所は、法律に盛り込めなかった部分であるということです。しかし、前回、雇用安定措置の優先順位や序列の話もいたしましたが、雇用安定措置はやはり重要な項目ですので、その要領、指針の取扱いについても、是非まとめられた建議の意味するところが徹底できるような規定ぶりにしていただきたいと思います。ここでは、これ以上は申し上げませんが、「 ( 運用で対応 ) 」という文言では少し弱い印象を持ちましたので、意見として申し上げておきたいと思います。

 その上で、先ほど前回の宿題事項について事務局から回答をいただいたのですが、それに関して意見を申し上げたいと思います。順不同ですが、 1 つは、労働契約申込みみなし制度の関係です。これについては、要綱の中では、意見聴取手続との関係でみれば 2 箇所留意すべき箇所が出てきていると思います。すなわち、意見聴取手続きの内容について省令で規定するとしている 7 ページの最初の行の所があり、その後 14 ページでは、意見聴取手続きのうち省令で規定するものに違反した場合には労働契約申込みみなし制度に該当するとされている箇所です。この 2 箇所については非常に分かりにくい構成になっているというのが、我々がこれをユーザー側として読んだときに思うところです。これは非常に重要な部分ですので、確認を含めて申し上げておきたいと思います。もともと、 7 ページと 14 ページに書かれている省令で定める手続に関しては、これらは当然に中身が一致しないことが大前提になっているわけですが、その上で、「意見聴取をしなかった場合」はみなしの対象にするということですが、「意見聴取をしなかった場合」とは一体どういうものなのかというのが重要になります。「意見聴取をしなかった場合」とはどういうものかというと、先ほども説明があったように、参考 1 の、この建議の 4 ページの 4 段落目に書いてあるように、派遣先という主体が過半数組合等の意見を聴取しなかった場合ということです。そのときの「過半数組合等」の内容はどこに書いてあるかというと、その上のイの所に「過半数代表者は、管理監督者以外の者とし」と、「投票、挙手等の民主的な方法による手続により選出された者とすることが適当である。」とあり、これは対になっているわけです。したがって、こういった対象者に対して派遣先が意見を聞くことをしなかったケースにおいては、労働契約申込みみなし制度の対象にするということだと思います。問題となるケースとしては、派遣先において、例えば社長がその派遣先の管理部長や取締役といった自らの近くにいる経営陣に対して「この問題に関する意見を聞くからな」といった形で意見聴取を行う場合が考えられますが、そうした場合にまで、「これで意見聴取は行っている」といった強弁をされても、それでは建議が求めているような派遣先の労働者の意見を実質的に聞いたとは当然言えないということだと思います。この過半数代表者の問題というのは、実は派遣にかかわる問題というだけではありません。しかし、既存のスキームとして過半数代表者の仕組みを使うとした途端、現在の過半数代表の問題がやはりそのまま反映されてしまうという問題は必ず生じてしまうのです。これについては、 JILPT の調査があります。私どもは何回も申し上げておりますが、この過半数代表者が選ばれる仕組みについては、 JILPT の調査ですと、会社が指名した者を充てるケースが 28 %あります。また、社員会や親睦会の代表が自動的に過半数代表に横滑りするものが 11 %あります。要するに 4 割近くが、ここの建議でまとめられたような民主的な手続きでは選出されていないということです。すなわち、労働基準法施行規則の第 6 条の 2 の選出手続に照らして多くが不適切な選出がなされているという実態になるわけです。したがって、建議にあるような意見聴取をするという行為が適正に完成されるためには、きちんとした選出手続によって選ばれた過半数代表者に対して意見を聴取することがなされなければ、やはりこれは労働契約申し込みみなし制度の発動の対象にすべきであると私どもは思います。今後、具体的な省令の書きぶりを審議していくということですが、当然この選出手続については、建議でまとめられた手続要件にきちんと従った者を対象として行われた意見聴取であるべきであると考えます。現時点でこうした点を強く要望いたしますが、この点について今、事務局としてのお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。

(1) ○富田課長 今の点ですが、要綱の 5 ページの八に「役務の提供を受ける期間」とあります。ずらずらと派遣先の期間制限を延長する手続が、 3 6 まで書かれております。ここで、一連の手続は八に書いており、そのうち違反は根幹に関わるようなところです。ですから、建議でいう過半数組合等の意見を聴取せずに同一の事業所において 3 年を超えて継続して派遣を受けた場合については、 14 ページの第一の ( ) にありますとおり、申込みみなし制度の対象にするという整理にしております。これについては、過半数組合は明白だと思いますが、過半数代表も含めて意見を聴取せずに 3 年を超えて受けた場合がありますので、八に書いてあるもの全てを対象にするわけではなく、本当に意見聴取の根幹に関わるようなことが対象になってきます。具体的には、意見を全く聞かなかった場合が一番明らかな場合としてあると思います。いずれにしても、ここについては厚生労働省令で定めると書いておりますので、その省令の際にまた整理してお示ししたいと思います。

 新谷委員の御指摘の所は、特に過半数代表の選出が一番の肝であろうという御指摘だと思います。これについては、実は過半数代表の規定は、今審議いただいています法律案要綱だけでなく、基準法にも過半数代表の規定がありますので、そことの整合性は図る必要があると思いますが、一般論として申し上げますと、明らかに過半数代表でない方から意見聴取をしたような場合については、これはそもそも意見聴取をしていないとみなされるのではないかと一般論として考えております。これは、もちろん他法令との整合性も含めながら、今後省令の審議の際にお示ししたいと考えております。

○鎌田部会長 ただいまのような、現段階での考えが述べられましたが、追加で何かありますか。

○新谷委員 今、事務局から考え方を伺いましたが、ご説明にあったように、明らかに過半数代表者であり得ない者から意見を聞いたといっても、法が求める意見聴取を行った事実はないわけですから、当然そういう場合には労働契約申込みみなし制度の対象にするべきであるということも申し上げておきたいと思います。後ほど再び省令事項として議論するということですから、その際にもまた改めて意見を申し上げたいと思っております。

 それから、もう 1 点、考え方を確認させていただきたい点があります。これも、先ほど事務局から宿題事項として説明を受けた内容です。例の、「延長しようとするとき」、あるいは「延長したとき」という法文上の文言の問題です。 7 ページの 5 の、特にこの「延長したとき」という文言ですが、先ほどのご説明ですと、 3 4 5 を一気通貫で見たときに、 3 に「 1 か月前までに延長するとき」と書いてあるのだから、この「延長したとき」の読み方としては、「延長を決定したとき」というように読むべきという解釈が示されました。前回も申し上げたところですが、この法律を使いこなすユーザーとして素直にこの条文を読んだ場合に、すなわち、今日は傍聴の方も来られていますが、そうした一般国民から見た場合に、「延長したとき」というのは 3 年と書いてあるわけですから、「 3 年を超えた時点」を意味しているのだと素直に読んでしまうものだと思います。そうすると、 4 の過半数組合等に対する理由、その他説明事項については、「延長したとき」にというわけですから「 3 年を経過した後に説明すればいいのだ」というように、事後的な説明で足りるように見えてしまうわけです。しかし、この意見聴取手続は何のために行っているのかということから言えば、「説明を事後的に行えばいいのだ」といったような字義どおりの解釈がなされたのでは困ります。これについては、立法技術的な書き方からやむを得ずこういう書き方になるのかもしれませんが、 3 年を経過して後に説明をするということでは意味がありません。建議の内容から言って、 3 年を超えた後の説明ということについては、一体どのように見ればいいのか、事務局から教えていただけませんか。

○富田課長 御指摘の点ですが、ここについては先ほど亀井補佐から説明いたしましたとおり、 7 ページの 5 の規定については、派遣可能期間を延長することを決定したときは、速やかに説明しなければならないという意味です。この点については、もちろん行政としても法律が成立しましたら、もちろん業務取扱要領やパンフレットなど、いろいろな方法で、その趣旨については明確にしていきたいと考えております。その上で、 3 年を経過した後の説明ですが、そもそもこの意見聴取の趣旨ですが、わざわざ 1 か月前に延長を決定しなければならないとしていますのは、 1 か月前に決定した後、労使で話し合っていただく期間を 1 か月は取っているという趣旨ですので、その 1 か月を超えてからようやく労使コミュニケーションを始めるのでは、やはり法の趣旨からは反すると思っております。私どもとしては、速やかにというのは、 1 か月経つ前に説明をいただきたいという解釈になるのではないかと考えております。

○新谷委員 立法技術的にはそういうことなのでしょうが、一般人が読んだときには、その部分を「 3 年を経過する前に」という形ではどうしても読めません。この問題点は今後の国会の論議、あるいは先ほどおっしゃったような省令や指針での徹底に委ねたいと思いますが、我々としては非常に違和感が残るところです。条文を字義どおりに読みますと、事務局の説明のような解釈は、なかなか導き出せないのではないかという印象を持っております。

 それから、もう 1 点は、これも建議でまとめられた内容を縦書きの要綱に変換していく中で、どうしてこのようになっているのか極めて分からない点です。前回も申し上げましたが、今回、昨年 8 月下旬からずっと議論を行ってくる際に、私どもは議論のベースにするつもりはなかった厚生労働省研究会報告でありましたが、厚労省の事務方としては、それに基づいて審議を進められてきたわけです。この審議の中では激しい論議をいたしましたが、結局審議の結果として建議に盛り込まれた内容は、「派遣は臨時的・一時的な働き方である」ということでした。あくまで、「派遣の利用も臨時的・一時的である」ということと併せて、今回の建議における原則として盛り込まれたわけです。これは、私としては、三者構成の中での議論における 1 つの大きな合意点だと思っているのです。ところが、この要綱の中には、「派遣は臨時的・一時的である」ということが一言も出てきません。今回の改正において、この重要な大原則が要綱の中に入っていないということに対して、非常な違和感を禁じ得ません。この点について前回も申し上げましたが、事務局からは、「 99 年改正の際にもそうした原則は建議の中では確認されていたものの、要綱には入っていませんでした」という説明をいただいたわけです。しかし、 99 年改正は期間制限について、原則 1 年、最長 3 年までという厳格な期間制限が入っている中での改正であったわけです。今回のこの改正は、一応「派遣は臨時的・一時的だ」というものの、派遣先の過半数組合等の意見を聴取しさえすれば、「期間制限は実質的にないものにする」といった改正です。 99 年改正とは状況が異なっているのです。また、もちろん、無期雇用派遣についても期間制限の対象外にするとなっています。そうすると、この建議でまとめられた大原則というものが、法律の中では全く読み取れない状態になっているわけです。したがって、「派遣は臨時的・一時的である」ということについて法律に明記すべく、私は、この大原則を要綱の中に必ず盛り込むべきだと思っております。事務局に対して、この考え方を改めてお聞きしたいと思います。

○富田課長 前回との繰り返しになりますが、入っていない趣旨から申し上げたいと思います。私どもとしましては、建議に書いてある趣旨のとおりであることは、まず確認した上で、なぜ入っていないのかを申し上げますと、前回は平成 11 年改正のことについて申し上げましたが、そのときも建議では臨時的な需給調整に対応するものということで、派遣を続けることは適当であるという建議を頂き、法律にするときはそこを書くのではなく、実際の規定や規制について書いています。

 それから、そもそも労働者派遣制度というのは、常用代替の防止が昭和 60 年に制定されたときも、そのようなものが原則としてあったわけです。その趣旨は法律上は登場してこなくて、結局規定の中でそれは反映するようにしているということですので、そのような派遣制度の法律の建付けからして、そのような趣旨を書くのではなく、具体的な規定が何なのかを書くことが、この法律の体系であるということで、今回お示ししています要綱にも趣旨については書いていません。あえて申し上げますと、八の 1 で、派遣可能期間を超えて提供を受けてはならないというところで、受けていないことを書いていることが、ある意味で臨時的なものが反映している部分ではありますが、それはもちろん新谷委員がおっしゃっているとおりで、臨時的という言葉を使わずに使っている所ですので、これについての評価自体は、いろいろな方がいろいろなことを言われると思います。

 これについては、前回からの繰り返しになりますが、私どもの法の趣旨が臨時的な働き方、臨時的な利用を原則とすることについては、当然そのとおりであると考えておりますので、それについては業務取扱要領などで明らかにしていきたいと考えております。

○新谷委員 前回と同様の説明をいただいたわけですが、あくまで立法技術論的な理由が中心になっています。しかし、例えば目的条項にこれを入れるとか、先ほどおっしゃったような八の箇所に「派遣は臨時的なものとし」という文言を入れれば、建議の内容がそのまま要綱に反映されているということが、しっかりと見えるわけです。しかし、今の要綱のままでは、今ご説明いただいた内容は、条文を読んでもどこにも出てきませんので、やはりこの要綱がこれでいいのかといえば私どもとしては非常に違和感が残るということを強く申し上げておきたいと思います。

○鎌田部会長 事務局、改めていかがですか。

○富田課長 そこの御指摘については、先ほど業務取扱要領と申し上げましたが、それ以外の方法も含めて、どういう形で明らかにできるかは、引き続き検討はしていきたいと思っております。

○鎌田部会長 ただいま、根本的なところで少し議論が行われているのですが、私の考えということで申し上げたいのは、今、事務局と新谷委員との間での議論のやり取りを踏まえて、派遣労働は臨時的・一時的なものという考え方の下に、期間制限の見直しを行っていることを明らかにするには様々な方法がありますが。どのような方法があるか、事務局で検討いただくとした上で、この問題については御理解いただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

○新谷委員 是非、私どもの意を酌んでいただくような対応を取っていただきたいと思いますし、国会での論議もこれから続いてなされますので、私どもとしては、本当にこの要綱の答申文案に私どもの意見を付記していただきたいぐらいの思いで、今、申し上げております。この思いを、是非部会長に酌み取っていただきたいと思います。

○鎌田部会長 使用者側から何かありますか。

○高橋委員 業務という文言に関して、意見を申し上げます。例えば 5 ページの八の 1 に、派遣先の期間制限に関わる規定があり、そこに「当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの業務について、派遣元事業主から派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならないものとする」と規定されています。先ほどの説明は、この業務というのは派遣労働の利用において意味を持つものであるとの趣旨であったと理解をしておりますが、ここの規定は、期間制限を定めている規定であり、一般的な派遣労働の利用において意味を持つ文言を付す必要はないと、考えております。あくまで、ここは期間制限の規定なのですから、「その他派遣就業の場所ごとの業務について」ではなく、「当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所において、派遣元事業主から派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならないものとすること」とすることが適当であり、法律を簡素なものにする趣旨からも望ましいのではないかと考えております。

 何回説明を聞いてもよく分からないのですが、立法技術論的な理由から、どうしても、「業務」という言葉が外せないということなのかもしれません。それは、私は法学者ではないので分かりませんが、仮にそうだとしても、今回の期間制限は業務と全く無関係ですから、このような書きぶりですと、業務という言葉が残るだけで、業務に注目した期間制限なのではないかという誤解を生じ兼ねませんので、仮に国会で審議いただき法律案が採択された暁には、やはり厚生労働省として、 Q&A とか、様々なパンフレット、労働局に対する通達等のツールを通じて、コンプライアンスの観点から、派遣労働を利用しようとする関係者の方々全てに誤解なきよう、内容を周知徹底していただく努力を、是非お願いしたいと思います。

○鎌田部会長 前回の質問と同趣旨の御意見だと思います。

○富田課長 御意見を踏まえて、これは業務単位ではないということは明らかにした上で、今御指摘の八については、事業所単位の期間制限の話だということを、「要領」及び「 Q&A 」などで明らかにしていきたいと考えております。

○鎌田部会長 そのほかにありますか。ほかに質問がないようでしたら、この要綱については、新谷委員から御指摘のあった臨時的・一時的なものという位置付けを明らかにする方法を事務局で検討いただくことをお願いした上で、当部会としてはこれをおおむね妥当と認めることとし、その旨を職業安定分科会長宛に報告するということで、よろしいでしょうか。

                                     ( 了承 )

○鎌田部会長 それでは、報告文案の配布をお願いいたします。

                                 ( 報告文案を配布 )

○鎌田部会長 お手元に配布いたしました報告文案のとおりで、よろしいでしょうか。

                                   ( 異議なし )

○鎌田部会長 ありがとうございました。この報告は、明日開催される職業安定分科会に私から報告いたします。その際、先ほどの新谷委員からの御意見についても、併せて補足説明として述べたいと思います。

 なお、本日の議事録の署名は、清水委員、小林委員にお願いいたします。事務局から連絡事項はありますか。

○亀井補佐 退席される方々に御連絡いたします。傍聴者の方々は、事務局の誘導に従っていただき、専門委員、オブザーバーの退席後に御退席いただくようお願いいたします。

 また次回の日程については、調整の上、改めて御連絡をさせていただきます。また岡崎局長においても、ここで退席をさせていただきますので、ご了承ください。

( 専門委員、オブザーバー、傍聴者退席。事務局入れ替え )

 


(了)

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