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2014年3月18日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録

○日時

平成26年3月18日(火)14:00~17:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室


○出席者

委員

大野委員(部会長)、石井委員、延東委員、尾崎委員、斎藤委員、佐藤委員、根本委員、宮井委員、山内委員、由田委員、吉成委員、鰐渕委員

事務局

長谷部基準審査課長、國分企画情報課長、横田課長補佐、大田課長補佐、中西課長補佐、小川専門官

関係省庁

農林水産省消費・安全局農産安全管理課 峯戸松専門官、 畜水産安全管理課 山木専門官、 畜水産安全管理課 池田係長

○議題

(1)食品中の残留農薬等に係る残留基準設定について
・動物用医薬品ジョサマイシン
・動物用医薬品ダノフロキサシン
・農薬メトコナゾール
・農薬プロパルギット
・農薬ピリミジフェン
・農薬ファモキサドン
・農薬フルフェナセット
・農薬フルジオキソニル
・農薬メタアルデヒド

(2)その他

○議事

 

○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会」を開催させていただきます。

 本日は高橋委員、永山委員より御欠席されるとの御連絡をいただいておりますが、農薬・動物用医薬品部会の委員14名中12名の御出席をいただいておりますので、本日の部会が成立しておりますことを御報告いたします。

 また、利益相反に関しまして、本日の部会で御審議をいただくこととしております品目において、今回確認を必要とするものはありませんでしたので、あわせて御報告させていただきます。

 それでは、以後の進行は大野部会長にお願いいたします。

○大野部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。

 初めに、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

○事務局 資料の確認をさせていただきます。本日お配りしました資料は、まず議事次第と配付資料一覧、さらに委員名簿と関係省庁の方の出席者の名簿をつけた資料がございます。

 その後ろに座席表がございます。その後ろに本日御審議いただきます品目につきまして、それぞれ資料1-1、資料2-1というような報告書(案)を資料9まで配付させていただいております。

 その後に資料1-2、資料2-2というように食品安全委員会の評価書等についても同様に資料9まで配付させていただております。

 その後ろに資料10としまして「飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令の改正について」。

 資料11としまして「急性参照用量を考慮した残留農薬基準の設定について」と、その別添資料が1部。

 資料12としまして「クロチアニジンのパブリックコメントの概要について」がございます。

 さらに、委員及び事務局のみに、資料3、資料4及び資料10に関連する参考資料をそれぞれ1部ずつと、食品衛生分科会における確認事項の横1枚紙を配付しております。

 不足している資料等がございましたら、事務局までお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございます。皆さん、よろしいでしょうか。

 それでは、審議に入りたいと思います。

 本日は、平成2618日、217日及び311日付で薬事・食品衛生審議会へ諮問された動物用医薬品2剤、農薬7剤について御審議をいただきます。なお、報告書に作成に当たりましては、皆さんに事前に資料をお送りさせていただきまして、御検討いただいているところでございます。どうもありがとうございます。

 それでは、議題1の食品中の残留農薬等の基準値設定をいたしたいと思います。

 まず、動物用医薬品ジョサマイシンの審議をお願いいたします。それでは、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、1剤目、ジョサマイシンでございます。資料1-1を御覧ください。

 今般の残留基準の検討につきましては、ポジティブリスト制度導入時に新たに設定された基準、いわゆる暫定基準の見直しについて御審議いただくものです。本剤は国内で動物用医薬品として承認されており、暫定基準が設定されております。今回が初めての部会報告となります。

 「1.概要」につきまして、本剤はマクロライド系抗生物質でございます。化学名、構造式及び物性につきましては、記載のとおりでございます。

 「(5)適用方法及び用量」について、使用方法は記載のとおりでございます。ここで投与期間について追記させていただきます。

 まず、豚に関しては7日間、鶏に関しては57日間、すずき目魚類に関しては5日間投与することとなっております。

 続きまして、休薬期間ですが、豚においては3日間、鶏においても3日間、すずき目魚類においては20日と設定されております。

 続きまして、ページをめくっていただきまして、「2.対象動物における残留試験」でございます。分析対象の化合物はジョサマイシンとしております。本剤に関して、バイオアッセイによる微生物学的定量法によって定量が行われております。分析の概要及び検出限界については、以下に記してございます。

 結果につきましては、(2)の16に記載してございます。全ての試験において休薬期間以内に定量限界以下となっております。

8ページ目、食品安全委員会によるADI評価に関しまして、毒性学ADIについて0.01mg/kg体重/day及び微生物学的ADI0.00066mg/kg体重/dayとなっております。これらの数値から、より小さい値である微生物学的ADIを設定することが適当であると考えられます。

 「4.諸外国における状況」についてですが、JMPRにおいて毒性評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。米国、カナダ、EU、オーストラリア及びニュージーランドにつきましても基準値が設定されておりません。

 さて、「5.基準値案」でございます。当初、残留の規制対象を親化合物のジョサマイシンのみとする案としておりましたが、事前の確認作業の中で、山内委員より、抗菌活性のある代謝物についても考慮に入れるべきではないかとの御指摘をいただきました。その後、規制対象抗菌活性のある代謝物の中でも最も活性の高いJM-O1 及びJM-O2 とする案について事務局でも検討しましたが、各組織、特に可食部において抗菌活性のある代謝物がどの程度残留しているかのデータが不足しているため、本剤については規制対象及び基準値をどのように設定するかについて、データ収集を含めたさらなる検討が必要との結論にいたりました。

 今後は本部会でいただいた御意見等や、EUには基準値がありませんが、報告書等がございますので、それらのデータを踏まえまして、必要に応じて農林水産省と協議をし、対応を検討していまいりたいと思います。

 続きまして、基準値案でございます。各組織に残留する活性代謝物の全てがJM-O1 及びJM-O2 と仮定した場合に、各残留試験における定量限界値をもって基準値とする案を採用しております。これらの基準値案により暴露評価を行いましたのが10ページの表でございます。TMDI試算によりまして、一番高い幼少児で25.0%のADI占有率となっております。

 最後のページが答申案です。

 事務局からの説明は以上です。今後の対応について御検討のほど、よろしくお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、どうしましょうか。今後の対応について先に御審議いただいて、それから必要に応じて細かいところに入ってきますかね。

 御説明がございましたように、事務局案としましては、代謝物であるJM-O1 JM-O2 を測定対象物にしたほうがいいのではないかというような御意見でございますけれども、ただ、それらの組織内分布がわからないということで、さらに継続審議にしたほうがいいのではないかと、そういうことですね。

○事務局 そのとおりです。

○大野部会長 山内委員のほうからまず何か御意見をいただければありがたいのですけれども。

○山内委員 一番最初の案がジョサマイシンとなっていたんですけれども、食品安全委員会のほうの評価書の中にもJM-O1 JM-O2 がございますし、どのような残量の規制対象とすべきなのか、ジョサマイシンにしていいのか、事務局に質問しました。その結果、一旦ジョサマイシンからJM-O1 O2 にする方向で提案がありましたが、それでも、まだデータが十分ではないと聞きましたので、私のほうからもう少し調べられるものがあれば、きちんと調べていただいた上で、急いでやる必要がないのであれば、きちんとデータをそろえられる条件を見つけていただきたいと提案したところです。

○大野部会長 どうもありがとうございます。

 先生方から、これに関連して御意見を伺えたらありがたいですけれども、いかがでしょうか。

 吉成先生、お願いします。

○吉成委員 まだわからないのかもしれないですけれども、この代謝物は水酸基がO2 のほうは2つついているような化合物ですが、これは親化合物と個別に測定できる機器分析法は確立されているのでしょうか。これは定量が今現在でバイオアッセイでされていますので、この方法では親化合物と代謝物を分けて検出することはできないと思いますので、それがないことには。ないからデータがないのかもしれませんけれども。

○大野部会長 そうですね。分析の先生方から御意見を伺えればありがたいです。JM-O1 O2 について、測定できる可能性がないと話が進まないということですね。

 根本先生、いかがでしょうか。

○根本委員 ジョサマイシン自体、バイオアッセイで検討したデータしかないので、いただいた資料の中では機器分析のデータ等がなかったので、そもそもこの類の化合物の分析は難しいので、申請者等にその辺のデータ等を出していただくしかないかと思います。一応OHがついているので、はかれるのであれば分離できる可能性はあるとは思うのですが、実際にちゃんと分離できるのかというのは、これだけではわからないと思います。それと、代謝物の01 02 のみではなくて、当然ながら親化合物についても、その消長をきちんと追いかけていっていただければと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 斉藤先生、いかがですか。

○斉藤委員 恐らく、できなくはないかと思いますけれども、今、先生がおっしゃられたように、いただいた資料のこちらのほうでは、バイオアッセイしかやられていないということですから、現段階では判断が難しいかなという気はしております。

○大野部会長 佐藤先生、いかがでしょうか。

○佐藤委員 はい。斉藤先生と同じ感想です。

○大野部会長 それでは、企業から、ただいまの分析法について、いろいろ御意見を伺ってから判断するということにしたほうがよろしいですか。もしうまくいきそうもない場合には、バイオアッセイをせざるを得ないということになりますけれども、それはそれでもよろしいのでしょうか。こういう残留基準にのっとっているかどうか、チェックのときに方法論としてバイオアッセイをしても構わないということでよろしいでしょうか。

○事務局 基本的には、各組織における可食部に基準値を設定していますので、それらの可食部において、どういった代謝物がどれぐらい含まれるかのデータがあるかどうかというものを調査しまして、部会にもう一度御報告させていただければとは思っております。

○大野部会長 ありがとうございます。

 今のところは、このJM-O1 O2 という提案ですけれども、これを対象とすると、8ページの微生物学的ADIの計算値を基に計算し直さないといけないのではないかと思ったんですけれども、これはいかがでしょうか。どれだけ下がるのかはわからないですけれども。

○事務局 規制対象をこのJM-O1 JM-O2 にするかどうかということも踏まえて検討した後、もしもこの2つにする場合は、微生物学的ADIについてもその値を基に検討させていただく予定でおります。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、これについてはケミカルな分析法について、企業に御意見を伺うということでよろしいでしょうか。

 それ以外のところについて、今、御指摘していただけるところがあれば、指摘をしていただきたいと思いますけれども、ございますでしょうか。

○鰐渕委員 今、言われた微生物学的な毒性がどういう形でちゃんとするのかということが非常に効いてくると思いますので、そこをきっちり調べておいていただかないと、ADIを設定できないのではないかと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 では、ほかの先生はよろしいでしょうか。お願いいたします。

○斉藤委員 1点だけ、この力価の評価をどうするかというのも検討されておいたほうがいいかと思います。昔に分析したある抗生物質では、力価のほうが実際のグラムより上回るということもあるんです。初期に決めた力価がだんだん精製度が上がったりして、1gなのに1g以上の力価があるという抗生物質も中にはあるので、そうすると理化学的分析法だとそれはあり得なくなってしまうので、その微生物学的定量法だと、確かに力価でいいと思うのですが、機器分析をやった場合には、そういう矛盾が生じる可能性もあるので、力価と機器分析での定量値をちゃんと評価しておいたほうがよろしいかと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。力価と定量的な分析法との関係を調べた上で、ということでよろしいですか。

○斉藤委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ほかに御意見はございますでしょうか。

 それでは、ジョサマイシンについては、企業に分析法について御意見を伺って、その上で再審議をしていただきたいと思います。どうもありがとうございます。

 それでは、次の品目についての御審議をお願いいたします。次はダノフロキサシンでございます。

 では、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、2剤目のダノフロキサシンです。

 資料2-1の部会報告書(案)を御覧ください。

 ダノフロキサシンについては、いわゆる暫定基準の見直しについて御審議いただくものです。

 まず、概要ですが、本剤はフルオロキノロン系合成抗菌剤であり、細菌のDNAジャイレースを阻害することにより、抗菌効果を示すものと考えられております。

 化学名、構造式につきましては、(3)、(4)で記載のとおりです。また、国内では牛の細菌性及びマイコプラズマ性肺炎並びに豚の細菌性肺炎を適応症とした筋肉内投与の注射剤が承認されており、海外では牛、豚及び鶏の呼吸器病の治療に使用されております。国内外の適用方法及び用量は、2ページの上段に記載させていただいております。

 続いて「2.対象動物における残留試験」ですが、分析対象化合物はダノフロキサシン及び脱メチル化体であり、分析法の概要は記載のとおりです。また、提出された牛、豚、鶏の残留試験の結果については、3ページ以降に示しております。

 続いて「3ADIの評価」ですが、毒性学的ADIについては、犬の3カ月亜急性毒性試験を基に0.024mg/kg体重/dayと評価されております。また、微生物学的定量法ADIにつきましては、0.018mg/kg体重/dayと評価されており、こちらが毒性学的ADIよりも低い数値であることから、この値をダノフロキサシンのADIとして設定しております。

15ページに行きまして「4.諸外国における状況」ですが、JECFAにおいて評価が行われており、国際基準が設定されております。また、米国、カナダ、EUにおいても基準値が設定されております。

 「5.基準値案」ですが、まず残留の規制対象については、ダノフロキサシンとしております。なお、国際基準においても使用残留として親化合物のみを設定しておりました。

 「(2)基準値案」については、1718ページに記載しています別紙1を御覧ください。基本的に国際基準を参照して基準値を設定しております。なお、乳については乳牛における残留試験において休薬期間終了後、定量下限値未満という結果が得られており、定量下限値である0.05ppmを基準値として設定しております。

 これらの基準値案により暴露評価を行いましたのが、19ページの別紙2でございます。TMDI試算により一番高い幼少児で15.1%のADI占有率となっています。なお、15ページの下段に記載させていただいておりますが、暴露評価においては各食品について、基準値の上限までダノフロキサシンが残留していると仮定した上で、食品中に残留するダノフロキサシン由来の総残留に占めるダノフロキサシン脱メチル化体及びそれ以外の残留物の割合は、JECFAの評価書を参考に16ページ上段の表のとおりとしました。その上で残留物のうち、脱メチル化体についてはダノフロキサシンの10倍の毒性であることを考慮し、また、それ以外の残留物についてはダノフロキサシンと同程度の毒性を持つと仮定して、ダノフロキサシン相当量の推定を行っております。

21ページが答申案となります。

 事務局からの説明は以上になります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございました。

 それでは、これは初回審議ということで、一つ一つ御検討をお願いいたします。

 まず、用途、薬理作用、その辺りについてはいかがでしょうか。尾崎先生、よろしいですか。

○尾崎委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

 宮井先生、何かありますでしょうか。

○宮井委員 よろしいと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、化学名、構造式、物性、その辺りについては吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

 代謝のところではいかがでしょうか。

○吉成委員 今、御説明のありましたように、N脱メチル体というのができまして、これが比較的活性も毒性も親化合物に比べてむしろ強いぐらいある場合もあるということで、御説明のあったように、対象はダノフロキサシンでもいいかと思いますけれども、実際に暴露評価をそれを加えてやっていただいたということで、15ページの表のような値ですので、問題ないのかなとは思っております。

 事務局の方にお伺いしたかったのですけれども、16ページの表でその他というのがありまして、それを暴露評価で計算する際に、どういうふうに分子量の変換とかを行っているかというのは、何か情報はありますか。親化合物と同じ分子量として計算されていますか。

○事務局 そのようになっています。

○大野部会長 ありがとうございます。

 私も同じようなことですけれども、代謝試験を鶏、豚、牛についてやっていまして、残留するのは親化合物と脱メチル化体ということですね。肝臓中でしか調べていませんけれども、それが残留しているということ。ただ、先ほど御説明がありましたように、休薬期間中にいずれの動物でも未検出になるということがございましたので、親化合物についてフォローすればよろしいのかなと思いました。暴露評価についても今、御説明がありましたように、代謝物のほうも含めて暴露評価するということになっているので、それについては脱メチル化体のほうが毒性が強いということがありますので、それでよろしいかと思いました。

 今までのところで先生方から御意見はございますでしょうか。

 それでは、毒性のところで鰐渕先生、お願いいたします。

○鰐渕委員 記載のとおりで結構かと思います。

○大野部会長 ありがとうございました。

 それでは、分析法、分析結果、その前に延東先生のほうから微生物学的ADIの設定について何か御意見はございますでしょうか。

○延東委員 ありません。

○大野部会長 分かりました。ありがとうございました。

 それでは、分析法、分析結果、その辺りについて御意見を伺いたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

 斉藤先生、お願いします。

○斉藤委員 2ページの2の分析法ですけれども、これは非常に簡単にアセトニトリル酸で抽出して、あとは脱脂しただけで傾向が出るからということでやられているから、できるとは思うんですけれども、腎臓とか肝臓とか夾雑物の多い試料は大丈夫だったのかなと。ほとんど前処理、クリーンアップをしていないので、その点がきれいな部位だったらいいのですが、汚い部位だとどうなのかなというのが心配なのと、もう一つは「又は」以下の文章の中で2行目に「加熱加水分解し」となっていますが、ということはこのダノフロキサシンの加熱加水分解物を測定しているのかなと思ったのですが、それはどういう物質なのかは言及していなくてよろしかったのでしょうか。

○大野部会長 「又は」というのはどこに記載がありますでしょうか。

○斉藤委員 2ページの下から3行目の「又は、試料からメタノール」云々です。「加熱加水分解し、高速液体クロマトグラフ(FL)を用いて定量する」となっています。

○大野部会長 ありがとうございます。古いものを見ていてすみません。

 それについて事務局のほうはいかがでしょうか。ちょっと待ってください。吉成先生のほうから御意見があるようなので。

○吉成委員 回答があるかもしれないですけれども、多分動物でやるとグルクロニドができるので、それを加水分解して、親化合物にしてはかっているのかなと思ったんです。

○斉藤委員 そうであるならば、そこは明記しておいたほうがいいかと思います。何を測定しているのか、これだとわからないので、ダノフロキサシン自体を加水分解してしまっている断片を測定している可能性もあるので。

○事務局 企業より提出された残留試験の報告書に記載されている分析法でも、測定物質はこの上に記載しているダノフロキサシンと脱メチル化体ですので、先ほど補足いただいた抱合体の加水分解なのかなと思うのですが、詳細は今分かりかねますので、また確認して改めて報告させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○大野部会長 よろしいでしょうか。それでは、確認をお願いいたします。

 そのほかに分析法、分析結果について御意見はございますでしょうか。

 それでは、基準値と国際的整合性、その辺りについてはいかがでしょうか。延東先生、いかがでしょうか。

○延東委員 18ページをお願いします。食品名の上から5行目に「魚介類(その他の魚類に限る。)」とあるんですけれども、一番下の欄に「その他の魚介類」とありますが、その他の魚介類というのは何を想定しているのか私にもわからなくて、魚介類その他の魚類に限るというところまでは分かるのですが、その下の魚介類は貝類、甲殻類、エビ、カニの類ですね。その他の魚介類となると、これは魚介類その他の無脊椎動物に限るという意味なのでしようか。あるいはその他の魚介類というのは、全てを含んでしまうという意味なのか。

 多分その他の魚介類という意味は、魚介類(その他の無脊椎動物に限る。)という意味なのかなと読んだのですけれども、その他の魚介類という意味であれば、もう全て入ってしまうので、魚介類その他の魚類に限るという言葉は要らなくなってしまうんです。

○大野部会長 いかがでしょうか。お願いします。

○事務局 言葉が足りなくて申しわけないですが、基本的にこの最後に書いてある「その他の魚介類」というのは、上に書いてある魚介類以外のもの全てにおける基準値ということになっております。最初に御指摘いただいた4つ目の「その他の魚類に限る」も、その上3つの魚介類以外の魚類に限るということで、これについては畜産物や農作物も同じように何とかがあって、その他というふうに基本的に全てカバーできるような感じにさせていただいています。

○延東委員 ここはウニ、ホヤとか、そういう類なのかと思ってしまったりもしたものですから、分かりました。全てを含んで魚介類ということですね。

○大野部会長 ウニ、ホヤも含まれるわけですね。ありがとうございます。

 それ以外に全体を通して御意見はございますでしょうか。

 特にないようでしたら、先ほどの2ページ目の分析法について、加熱加水分解するというところの表現について確認した上で、最終報告としたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、そこの確認については、私と分析を専門としておられる先生方に確認していただくということでよろしいでしょうか。

 それでは、分析を専門とされる先生方、あとで御足労ですけれども、チェックをよろしくお願いいたします。

 それでは、次の品目に行きたいと思います。次はメトコナゾールについて御審議をお願いいたします。

 では、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、3剤目のメトコナゾールになります。

 資料3-1の部会報告書(案)、あとで説明しますが、資料3-2の農薬評価書のほうもお手元に御覧いただければと思います。

 本剤については、先月の部会において御審議いただく中で、1点指摘をいただいておりました。簡単に説明させていただきますと、ADIの設定根拠になった毒性試験が発性毒性試験であるということ。それの状況で、一方で安全係数が100と設定されていることから、どのような議論の経緯をもって、このように100と設定されたのかを確認するように御指摘をいただきました。

 したがいまして、本日は資料3-2としてお配りさせていただいています食品安全委員会における評価の経緯等について、簡単ではありますが、初めに説明させていただきたいと思います。

 農薬評価書の4ページを御覧いただければと思います。こちらにメトコナゾールの議論の経緯が記載されておりますが、御指摘いただいた毒性試験については、別に生殖発生毒性の評価に関するワーキンググループにて議論しているということでございました。この経緯の文章でいきますと、2013225日にそのワーキンググループで議論が行われております。

 また、資料3-1の参考として、そのワーキンググループを踏まえて、直近で開催されました第93回農薬専門調査会幹事会で、このワーキングでの議論を踏まえて、さらなる検討が行われておりますが、こちらがその議事録になります。ここにポイントが記載されておりましたのでお配りしたのですが、31ページの下段から32ページにわたって、そのADIの設定根拠になった水頭症の無毒性量を中心に議論している旨が分かります。

 こういった議論を踏まえて、先ほどの食安委の評価書の37ページの上段において、この発性毒性試験に特化した無毒性量を判断する文書がまとめられておりました。

 また、先月の部会で御指摘いただいた安全係数については、そのワーキングの議論の中で追加の安全係数の要否についても議論がされているようでして、追加の安全係数については不要ではないかという意見が出されたことを受けて、この安全係数は100いうことで、この報告書はまとめられているというような経緯のようです。

37ページの表に実際の各試験が5試験行われているのですけれども、それぞれどの用量で水頭症が発現していたのか。実際に御覧になられれば分かると思うのですが、試験番号1については4mg/kg体重/day25。ほかに低いところとしては、試験番号4の対象群のゼロの1例と1mg/kg体重/day1例が出ている。そのほかにも幾つか出ていますけれども、こういったデータを総合的に勘案して、無毒性量は2mg/kg体重/dayと判断しているようでした。

 御指摘を踏まえた説明は以上になるのですけれども、今回の報告にあわせて、軽微な点ですが、報告書に修正がありますので、あわせて説明させていただきます。まず、先月の部会で報告させていただきました新たな摂取量に基づく暴露評価をこのメトコナゾールについても行っており、9ページの表と15ページの別紙3については、その暴露評価を踏まえて修正をしております。

 また、18ページの答申において、規制対象を明確にするため cis 体と trans 体の総和と改めて、18ページの右上の端に追記させていただいております。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○大野部会長 ありがとうございます。この安全係数については、私がコメントさせていただいたことですので、私から今の御意見を伺った上での意見を述べさせていただきます。

 私の意見は、100でいいのかと。水頭症という、かなりの問題となるような奇形がウサギで出ている。ウサギだけではなくてラットでも出ている。それがNOAELの設定の基準になっているということで、そういう重篤な症状が出ている場合の安全係数は必ずしも100ではなくて300とか1,000とか、そういうのを過去にやられていたことがあるということなので、そうしないでいいのかということを懸念して御意見を伺ったものです。

 食品安全委員会としては、生殖毒性のワーキンググループで検討して、データを整備して、報告書の37ページにあるようなまとめをしていただいて、その上で2mg/kgNOAELと判断する。その上での安全係数は100でいいと判断をされたということですけれども、37ページの表34を見ると、試験番号1では12mg/kgでは出ていませんし、必ずしも4LOAELとも言い切れないようなところもございます。バックグラウンドも実験4では水頭症が1例出ていますし、LOAELと言えないという意見が出てもおかしくないというような状況です。

 また、41例しか出ていないということもありますので、私としては、この2mgに、さらに追加の安全係数を加えてADIを設定しなくてもいいのではないかというような食品安全委員会の結論でよろしいかと思ったところですけれども、鰐渕先生、その辺はいかがでしょうか。

○鰐渕委員 この試験自身が5つやられていて、一番問題になるのは、この試験4がコントロールで出ていて、そのことによって散発性に出ているというところで、この試験自身をどう取り扱うのかというのが一番難しいところなのですが、残りの4つの試験が一番低いところでも4なので、この試験を用いる、トータルで見るということをすると、2NOAELにするという判断はそれでいいのかなと思います。

 ただ、先生が先ほど言われた重篤なものに対して、LOAELだったら多分さらに大きく、最大は1,000になると思うんですけれども、NOAELなので100でいいと判断されているのかなと。出ていない量だからという判断なのかなと思いました。これでいいかなと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。先生方はいかがでしょうか。

 それでは、事務局の説明で皆さんは納得していただいたと考えてよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、前回の継続として問題だったことは解決されたということですけれども、それ以外にメトコナゾールについて追加の御意見はございますでしょうか。

 それでは、これでメトコナゾールについての審議は終了とさせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、これについては終了で、事務局からいただいた案をもって、この部会の報告とさせていただきます。ありがとうございました。

 それでは、次の品目、これも前回から継続ですけれども、プロパルギットについて事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 4剤目のプロパルギットについて説明させていただきます。部会長のほうからもありましたが、この剤に関してはメトコナゾールと同様、前回の部会にて御指摘をいただいた点を踏まえて、今回再報告させていただくものでございます。

 御指摘いただいた箇所は部会報告書の6ページにございます、ADI設定に関する安全係数に追加の係数として3が採用されている点に関して、その経緯を今回新たに御報告させていただくものとなります。

 プロパルギットに関しまして、資料4(参考)をつけさせていただいております。これは食安委における専門調査会の議事録でございます。プロパルギットの議論に関しましては、議事録の20ページから始まっております。そのADIに関して議論がなされているのが34ページからでございます。

 この会議においてでもNOAEL、ウサギの発生毒性試験2mg/kgに安全係数100で除したADI0.02を採用するか、もしくはJMPRでも同様の試験が行われておりまして、それに準じて、今度はラットの併合試験の最小毒性量なのですが、それを用いて安全係数300で除した0.0098ADIとするかの2つに関して議論がなされております。

 その後、ラットの併合試験に関しまして、投与量は5080400で、それぞれ1例ずつ有害事象が発生していることから、この最小毒性量というものが軽微であるという結論に至りまして、追加の安全係数は3で妥当なのではないかという議論がなされた結果、最終的にはJMPRの評価と国際整合性を取ると同時に、得られた毒性試験の活性が軽微であるという、その2点の理由から追加の安全係数は3で妥当であるという結論に至っております。

 前回御指摘いただいた点は以上でございます。その後、プロパルギットの報告書に関して若干変更がございましたので、御報告させていただきます。

 部会報告書の7ページですが、先ほどのメトコナゾールと同様、食品摂取頻度、摂取量調査の結果を踏まえまして、暴露評価を行った数値に若干修正させていただいております。それ以外については前回御審議いただいた内容と変更はございません。

 事務局からは以上です。御審議のほど、よろしくお願いします。

○大野部会長 ありがとうございました。これについては鰐渕先生からたしか御意見を伺ったと思いますけれども、いかがでしょうか。

○鰐渕委員 今の説明で十分分かるんですけれども、この部会報告書の中にその経緯が、300にしたということが分かりやすい1行くらいで文章を入れればいいのかなと思います。そうしたら上の会で文句は言われないかなと思いますけれども、一言で言うと最小毒性量を用いている点と、その最小毒性量がNOAELに近い軽微なものであるということから追加の係数を3にしたというところですね。それが入っていれば、非常に分かりやすいかと思います。

 以上です。

○大野部会長 それをどういうふうに入れますか。食品安全委員会の報告書には、きちんとそういうふうに書いてありますか。

○鰐渕委員 報告書には、そこまでは書いていないです。

○事務局 食品安全委員会の報告書の39ページの上の段に、追加の安全係数を3とすることが妥当であると判断した理由が記されておりますので、これを引用する形で追記させていただくことでよろしいでしょうか。

○大野部会長 鰐渕先生、よろしいですか。

○鰐渕委員 それで結構だと思います。

○大野部会長 では、この39ページの第2パラグラフの「以上より」から書いてある必要事項を抜き書きして書くということでよろしいですか。ほかに先生、よろしいでしょうか。

 それでは、そのようにさせていただきます。

 前回問題になったところはその点だけだったかと思いますけれども、それ以外について先生方から今御覧になって、気がついたことはございますでしょうか。また、質問はございますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、今のところの最小毒性量を用いたことによって、安全係数を300にしたというようなことの説明文を食品安全委員会の報告書から抜き書きして、ここに入れるということで、それをもって、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

○事務局 食安委の評価書を引用する箇所ですが、読み上げますと「最小毒性において認められた腫瘍の発生は1件のみであり、前がん病変も認められなかったことから、この毒性評価は軽微であると考えられ、追加の安全係数は3とすることが妥当であると判断した」という点を追記させていただくということでよろしいでしょうか。

○大野部会長 そういう表現もありますね。鰐渕先生、よろしいですか。

○鰐渕委員 そちらのほうが分かりやすいと思います。

○大野部会長 分かりました。では、そちらのほうを追記してくださるようお願いいたします。先生方、よろしいでしょうか。

 それでは、追記した部分をもって、この部会の報告とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 それでは、次の品目ですけれども、ピリミジフェンについての御審議をお願いいたします。

 では、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、ピリミジフェンについて説明させていただきます。資料5-1を御覧ください。

 今般の残留基準の検討につきましては、ポジティブリスト制度導入時に新たに設定された基準値、いわゆる暫定基準の見直しについて御審議いただくものです。用途につきまして、本剤はフェノキシエチルアミン系の殺ダニ剤で、筋肉細胞内のカルシウムイオンの代謝異常を引き起こし、筋肉の収縮能を失わせたり、硬直させることにより、殺ダニ効果を示すものと考えられております。

 化学名、構造式及び物性につきましては、その下に記載したとおりです。

 ページをめくっていただきまして「2.適用の範囲及び使用方法」についてです。記載について、ここで1点修正がございます。3行目のところで「4.0%ピリミジフェン水和剤」と記載しておりますが、正しくは「4.0%ピリミジフェンフロワブル」でございますので、後ほどここの箇所を修正させていただければと存じます。

 それでは、説明に戻らせていただきます。国内で使用されている使用方法につきましては、表中に記載したとおりです。

 続きまして「3.作物残留試験」についてです。

 「(1)分析の概要」についてですが、本剤につきましては分析対象が異なる2つの分析法がございまして、1つはピリミジフェン親のみを測定した分析方法、もう一つがピリミジフェンと各種代謝物及びそれらの抱合体を代謝物C又は代謝物Jに変換して測定する分析法です。2にそれぞれの分析法の概要を記載しております。

4ページ「(2)作物残留試験結果」についてです。作物残留試験結果につきましては、6ページの別紙1を御覧ください。夏みかんにつきまして、先ほど申し上げました分析法の両方で分析が行われております。両方の分析値がほぼ同様の値であることから、代謝物の残留はそれほど多くないということが推測できます。

4ページに戻っていただきまして「4ADIの評価」についてです。食品安全委員会におきまして、無毒性量を安全係数100で除し、ADI0.0015mg/kg体重/dayと評価しております。なお、発がん性試験において、雄ラットで副腎の褐色細胞腫の発生頻度が増加しましたが、腫瘍の発生機序は遺伝毒性によるものとは考えがたく、評価に当たり閾値を設定することは可能であると評価されております。

 「5.諸外国における状況」につきまして、国際基準は設定されておらず、5カ国地域でも基準値は設定されておりません。

 「6.基準値案」です。

 「(1)残留の規制対象」については、ピリミジフェンのみとする案としております。これは作物残留試験等の結果から各種代謝物やそれらの抱合体は、親化合物であるピリミジフェンの残留と比較して十分に低いこと、食品安全委員会においても農作物中の暴露評価対象物質をピリミジフェン親化合物のみと設定していることから、ピリミジフェンのみとする案としております。

 「(2)基準値案」につきましては、7ページの別紙2を御覧ください。基準値現行の欄で網かけになっている箇所が暫定基準になっておりますが、今回、国内で実施された作物残留試験結果を基に残留基準を見直す案としております。これらの基準値案により暴露評価を行った結果、5ページの表に記載しております。EDI試算によりまして、一番高い幼少児で18.9%のADI占有率となっております。

 最後のページが答申案となります。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。これについては初回審議でございます。

 化学名、化学構造について、吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、薬理作用、用途、使用方法、その辺についてはいかがでしょうか。尾崎先生、よろしいですか。

○尾崎委員 はい。

○大野部会長 宮井先生、よろしいですか。

○宮井委員 よろしいです。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、代謝と代謝物、それらについてはいかがでしょうか。

○吉成委員 幾つか測定されていますように代謝物が出るのですけれども、構造的にも水溶性の増す反応あるいは抱合体へと行く方向の反応と分解反応が多いですので、作残試験からもほとんど検出されないということで、親化合物をフォローするということでよいのではないかと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。私も結論としては同じでございます。作物での代謝試験をやってみると親化合物が大部分で、あと代謝物が出ていても、それは10%以下であるということです。実際に申請に当たって代謝物を含めた残留性をはかっていますけれども、その結果とすると親化合物だけを測定した場合と、代謝物も含めて測定した場合とで差がほとんどないということで、代謝物の占める割合は低いという判断でよろしいかと思いました。そういうことで、親化合物だけを規制対象物質としていいのではないかと思いました。

 ただ、4ページの「6.基準値案」の「一部の作物残留試験において」というところで、3行目「残留と比較して十分に低いことから残留の規制対象には含めないこととする」となっていますが、これは代謝物を直接測っていませんね。代謝物と親化合物を含めた測定値と親化合物だけを測定した値と比較して、差がほとんどないから低いと推定したわけですね。十分に低いと推定されることというほうが正しいのではないかと思いますけれども、吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 はい。

○大野部会長 今までのところで先生方から御意見はございますでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、安全性のところで鰐渕先生から御意見を伺えますでしょうか。

○鰐渕委員 記載のとおりで結構だと思います

○大野部会長 ありがとうございます。先生方はよろしいでしょうか。

 それでは、分析法と分析結果、その辺りについてはいかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、基準値と国際的整合性、そこについての御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、全体を通して御意見はございますでしょうか。

 それでは、1カ所についてだけ表現を修正されましたけれども、それをもって、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

 吉成先生、お願いします。

○吉成委員 分析の概要に相当するものかもしれないですけれども、2ページの書き方なのですが、ピリミジフェンの代謝マップを見ていたら、ピリミジフェンそのもののコンジュゲートもできるようなパスウェイが書かれているのですが、そうするとこの分析方法で本当にそれがはかれているかどうかはわからないのですが、2ページの分析対象の化合物の一番下では各代謝物の抱合体となっていますが、この中にもしかしたらピリミジフェンそのものの抱合体も入る可能性があるのかなと思いますが、いかがでしょうか。

3ページの分析方法で、それがとれてくるのかどうかというのがまずわからないので、何とも言えないんですけれども、物としては植物でできるという試験結果が、親化合物の抱合体ができるという記載が資料にありましたので、もしかしたら親化合物の抱合体も測られているかもしれませんので、必ずしも代謝物の抱合体だけではないかもしれないと思いました。

○大野部会長 いかがでしょうか。

○事務局 親化合物の抱合体ができるかについては一度企業に確認をいたしまして、吉成先生に報告させていただきたいと思います。

○大野部会長 吉成先生に伺いたいのですが、1ページのピリミジフェンの構造からみると、どこで抱合を受けるのかなと思うのですけれども。

○吉成委員 大元の資料を持ってこなかったのでわからないですが、植物だけで受けるようなパスウェイの絵を持ってきたのですが、何ができていたかはわからなかったのですけれども、2級アミンがありますので、そこは1つ可能性があるかなとは思いますが、確かに先生の言われるように構造を見ると、動物は起こらないと書いてあります。

○大野部会長 それでは、企業に確認をしていただくということでよろしいでしょうか。もしそれも含めて考えるとすると、各代謝物の抱合体の表現が変わる可能性があるということですね。ありがとうございます。

 ほかに先生方から御意見はございますか。山内先生、お願いします。

○山内委員 先ほど2ページの水和剤はフロアブルに修正とおっしゃいましたね。6ページの作物残留試験の一覧表の剤型は変えなくてよろしいですか。

○宮井委員 登録上は水和剤となっているのですが、市販されている農薬は粉状のものもあれば、顆粒状のものもあり、液状のものもあります。ここでは商品が液状の懸濁液となっているものをフロアブルという形でこれまで表記するようにしています。ただ、表のほうまで直すのは面倒なので、これはこのままにしておいてよろしいのではないかということで、これまでやってきております。

○山内委員 ありがとうございました。

○大野部会長 ありがとうございます。そこの修正もございましたね。

 それでは、今のところ修正は2カ所。それから、企業に伺って、場合によっては作物残留試験の2ページの各代謝物の抱合体のところの表現が変わるかもしれないということでございますが、それを前提にして、この報告書(案)を部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

 それでは、各代謝物の抱合体のところの修正に関しては、吉成先生と私でチェックさせていただくということでよろしいでしょうか。

 それでは、そのようにさせていただきます。どうもありがとうございました。

 それでは、次の品目ですけれども、農薬のファモキサドンについての御審議をお願いいたします。

 では、事務局から説明をお願いします。

○事務局 それでは、ファモキサドンについて説明させていただきます。資料6-1を御覧ください。

 今回の残留基準の検討につきましては、魚介類による基準値設定、IT申請に基づく基準設定及びポジティブリスト制度導入時に設定した暫定基準の見直しについて御審議いただくものです。

 概要についてですが、用途の記載について修正がございます。用途のところに「オキサゾリジンジオン系殺菌剤である。チトクロームb及びチトクロームc間の電子伝達経路を遮断し、病原菌のミトコンドリア内の電子伝達系を阻害する」と記載が一部重複しておりますので、この記載を1つにまとめて「病原菌のミトコンドリア内のチトクロームb及びチトクロームc間の電子伝達系を遮断することにより殺菌作用を示すものと考えられている」と修正させていただければと思います。申しわけありません。

 化学名、構造式及び物性につきましては、その下に記載のとおりです。

2ページ「2.適用の範囲及び使用方法」についてです。日本国内における使用方法を2ページの表に、海外における使用方法は3ページの表に記載しております。

 「3.作物残留試験」についてです。分析対象の化合物はファモキサドン、分析の方法については2に記載のとおりです。

 「(2)作物残留試験結果」につきまして、国内で実施された作物残留試験の結果を別紙1-1に、海外で実施された作物残留試験結果の概要を別紙1-2及び別紙1-3に記載しております。

 「4.魚介類への推定残留量」についてです。

 「(1)水産動植物被害予測濃度」ですが、本剤については水田で使用はないことから、非水田PECtier1が算出され、0.0099ppbと算出されております。

 「(2)生物濃縮係数」につきましては、ブルーギルの生物濃縮性試験から3,400と算出されております。

 次のページになりますが、これらを用いまして、推定残留量が168.3ppbと算出されました。

 「5.畜産物への推定残留量」についてです。乳牛における飼養試験が実施されており、各食用組織及び乳の最大残留量を表1に記載しております。なお、表1の結果に関連して、JMPRでは肉牛及び乳牛におけるMTDBをそれぞれ0.82ppm及び3.09ppmと評価しております。

 ページをめくっていただきまして、表1の結果とMTDBの結果から算出される推定残留量を表2に記載しております。なお、乳の推定残留量につきまして、JMPRでは表1に記載した乳の残留量からではなく、別途測定された乳脂肪の残留量と全乳中の脂肪含有率から0.019と算出されております。

 「6ADIの評価」についてです。食品安全委員会におきまして、イヌの1年間慢性毒性試験の無毒性量を安全係数200で除すことにより、ADI0.06mg/kg体重/dayと評価されております。こちらにつきましても資料6-2の食安委の評価書になりますが、40ページに追加の安全係数2を用いた説明が記載されておりますので、こちらについても先ほどのプロパルギットと同様、追加の安全係数2を用いた理由を追記させていただければと思います。

 「7.諸外国における状況」についてです。諸外国における状況につきまして、コーデックス基準が小麦、ばれいしょ等に設定されており、米国、カナダ、EUにおいても基準が設定されております。

 「8.基準値案」につきまして、規制対象はファモキサドンとする案としております。なお、食品安全委員会におきましても、農産物、畜産物及び魚介類中の暴露評価対象物質としてファモキサドンを設定しております。

 「(2)基準値案」につきましては、12ページからの別紙2を御覧ください。現行の基準値の欄の網かけのところが暫定基準となっているところですが、コーデックス基準や提出された作物残留試験結果に基づき、基準値を見直す案としております。加えまして、既に本基準として設定されている、ばれいしょやはくさいの基準につきましても、こちらはADI占有率の問題から作物残留試験を基に、今回、基準値変更を行う案としております。

6ページに戻っていただきまして、これらの基準値から暴露評価を行った結果が7ページの表に記載しております。EDI試算によりまして、一番高い幼少児で55.9%のADI占有率となっております。

 最後のページが答申案となります。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。これも初めての審議でございます。

 それでは、化学名、化学構造、物性、その辺りについて吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 これで結構だと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、薬理作用のところですが、これは修正したもので尾崎先生、よろしいでしょうか。

○尾崎委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

 用途、使用方法、その辺について宮井先生、よろしいでしょうか。

○宮井委員 3ページ目の2の作物名のところで、一番下にHerbal Infusuinsと書かれているのですが、Infusuinsは英語ではないような気がします。インフュージョンの間違いではないかと思います。

○事務局 こちらは誤記ですので、後で修正させていただきます。

○宮井委員 それで、これは具体的な植物名ではないですね。恐らくハーブティーにするハーブ類のことを言っているのかと思いますが、もともとがこういう表記になっているわけですか。11ページのEUの表では、カモミールと書かれていますが、こういうハーブティーにするハーブ類のことを言っているわけでしょうか。

○事務局 そうですね。詳細についてはもう一度確認させていただきたいと思いますが、カモミール等の一部の作物の試験を基に、こういったハーブ全体のグループに使用が認められているものと思いますが、こちらの使用が認められている植物名につきましては再度見直しをして、御相談させていただく形でよろしいでしょうか。すみません。

○大野部会長 では、お願いいたします。

 それでは、体内動態、代謝物について、吉成先生、お願いします。

○吉成委員 動物で幾つか代謝物ができますが、特に問題となるようなものはできませんので、原案のとおりでよろしいかと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。私も同じ意見でございます。ほとんど作物中に入らないということですので、測定対象物質としては親のみでよろしいかと思いました。

 今までのところで先生方から御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、安全性のところについて、鰐渕先生、お願いいたします。

○鰐渕委員 先ほどの件と同じで、今回の追記の理由をきっちり入れておいていただければ。NOAELがとれているのに何で追加が入っているのかというところですね。これは非常に微妙なところですけれども、NOAEL自身をこれにするというのは全然問題ないし追加があるというのは私もリーズナブルなんですけれども、短いところでうまく記載をしておかないと、だらだら書いてしまうと難しいかなと思いますので、よろしくお願いします。また見させていただきます。

○大野部会長 ありがとうございます。では、安全係数を200にした理由について簡潔に書くということですね。先生方、よろしいでしょうか。

 それでは、魚介類への推定残留量の設定のところで、佐藤先生、よろしいですか。

○佐藤委員 はい。問題ありません。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、分析法、分析結果についてはいかがでしょうか。特にございませんでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、基準値と国際的整合性、その辺りについてはいかがでしょうか。根本先生、お願いします。

○根本委員 12ページでばれいしょの基準値が0.05ppmに変更されることになっているのですが、作物残留試験ではどちらも0.01ppmの定量限界未満ということなので、国際基準の0.02をそのまま適用してもいいのかなとも思ったのですが、いかがでしょうか。

○大野部会長 事務局のほうでいかがでしょうか。

○事務局 こちらにつきましては、国内の作物残留試験がまず2例しかないということから、定量下限であるのですが、これまでの運用ですと、ばらつきを考慮して0.05という値を設定していました。確かに国際基準は0.02だったのですが、これまでこういう運用だったということで、また今後その作物残留試験につきましては、例数を増やして試験が実施されることを検討されておりまして、その際には、また全て定量下限だったら、その値を基準値案とするようなことも検討してまいりたいとは考えているのですが、現行これまでのやり方と同様に設定した場合は0.05を設定しておりましたので、今回もこのような案として報告書を作成させていただいたところです。

○大野部会長 根本委員、いかがでしょうか。

○根本委員 今後、作物残留試験を追加して評価するということであれば、よろしいのかなと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。ほかの先生はいかがでしょうか。

 それでは、全体を通して、ほかに御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、Herbal Infusuinsのところについて確認して、場合によっては作物名をそのまま入れることになるということですね。あとはADIの評価のところで安全係数を200にした理由について簡潔に加えるということ。そういうことで、この部会の報告案をこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、修正箇所についてはそれぞれ、宮井先生と鰐渕先生に確認していただくということでよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 それでは、次の品目ですけれども、次はフルフェナセットについて御審議をお願いいたします。

 では、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、フルフェナセットについて御説明させていただきます。資料7-1を御覧ください。

 フルフェナセットは初めての審議となります。農薬取締法に基づく適用拡大申請及びIT申請に伴い、基準値を設定するとともに、暫定基準の見直しを行うために御審議をいただくものでございます。

 まず、概要です。フルフェナセットは酸アミド系の殺虫剤です。長鎖脂肪酸の生合成を阻害することにより、細胞分裂を阻害し生育抑制を起こすことから、除草効果を有すると考えられております。

 化学名、構造式及び物性は御覧のとおりでございます。

 次ページより、適用の範囲及び使用方法を示しております。国内での使用方法としまして、小麦、大麦について記載しております。今回基準を設定するほかの作物につきましては、海外での使用となります。

4ページの作物残留試験を御覧ください。国内の作物残留試験では、フルフェナセット及び標準品の入手可能な代謝物WXP13種類を分析対象としております。分析法の概要は記載のとおりでございます。

 また、海外の作物残留試験につきましては、フルフェナセット及び N -フルオロフェニル-N-イソプロピルアミノ基を含む代謝物につきまして、フルオロアニリンに分解後、誘導体化しまして、4-フルオロ-N-メチルエチルベンゼンアミントリフルオロアセトアミドを測定しております。

 作物残留試験の結果につきましては、7ページからの別紙1-1から1-3まで、国内、EU及び米国のデータをそれぞれ記載しております。

5ページに戻りまして、ADIにつきましては食品安全委員会において、イヌを用いた1年間の慢性毒性試験の無毒性量を用いまして、0.011mg/kg体重/dayと設定されております。

 諸外国における状況につきましては、JMPRにおける毒性評価はなされておらず、国際基準は設定されておりません。アメリカ、EU等の5カ国地域について調査しました結果、米国、カナダ及びニュージーランド等において基準が設定されております。

 基準値案については、6ページを御覧ください。6ページの冒頭に記載しておりますけれども、食品安全委員会では海外の作物残留試験においてフルフェナセット及びフルオロフェニル構造を持つ代謝物を一括して分析していることから、それらを暴露評価対象物質としております。

 しかし、日本におきましては、先ほど残留試験のところで簡単に御説明しましたけれども、欧米で実施されております試験法では硫酸酸性化での24時間の過熱還流やアルカリ性下での水蒸気蒸留など試験操作が煩雑であり、十分な制度が得られなかったことから、日本国内で分析可能で、かつTRR10%を超える代謝物WP1、それからフルフェナセット本体について規制対象とする案としております。

 これらの基準値案ですけれども、10ページの別紙2を御覧ください。今回基準を設定いたします小麦と大麦につきましては、先ほど代謝物3種類とフルフェナセット親化合物を測定しました残留試験結果を基に基準が設定されております。それ以外のとうもろこし、大豆、ばれいしょ、トマト、ひまわりの種子につきましては、海外の残留試験を基に基準が設定されております。日本の分析法で分析しますと、これら海外での残留試験の結果よりも検出値が低めに出る可能性もございますけれども、ほとんどの作物において検出値、海外での分析法においても不検出となっております。

 また、検出事例のありました大豆とばれいしょにおきましても、大豆は25件中2件の検出で最大値が0.10ppm、ばれいしょにつきましては20件中3件が検出されておりまして、最大値が0.109ppmということで非常に検出事例が少なくなっておりますので、日本における分析法で分析をしても、さほど分析結果に影響を与えないのではないかと考えております。

 これらの基準値案によりまして、暴露評価を行い、その結果を11ページの別紙3に記載しております。TMDI試算によりまして、最も高い幼少児のADI比は16.6%となっております。

 最後の13ページが答申案となります。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。それでは、これも初回審議ということで、一つ一つ御審議をお願いしたいと思います。

 それでは、化学名と化学構造と物性については、吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 大丈夫だと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 薬理作用、その辺は尾崎先生、いかがでしょうか。

○尾崎委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

 用途、使用方法、その辺は宮井先生いかがでしょうか。

○宮井委員 よろしいと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、体内動態、代謝物、その辺りについては吉成先生、いかがでしょうか。

○吉成委員 非常に多くの代謝物ができまして、測定が非常に難しいということがあるようです。今回はその中で4ページにあるWXP1を測定した結果から、日本では規制対象をWP1と親化合物にするということで。本来でしたら共通構造を持つ欧米のような測定方法で代謝物をまとめてはかっていただければいいかと思うのですが、安定した結果が得られないということで、共通対象物の代表的なものであるWP1を含むような測定方法を規制対象とするということで、御説明がありましたように大まかな値は変わってこないかなと思いますので、現状の測定方法では、この方法あるいは規制対象がよいのではないかと思います。

 以上です。

○大野部会長 ありがとうございます。私も見たところ、小麦、大豆、とうもろこし、ばれいしょについて、代謝試験では親化合物は検出されなくて、WとかP1とかP6とかP4とか、そういう代謝物が検出されたということです。ただ、作残試験では小麦とか大麦ではWのみが検出されたとか、そういうこともあって、Xは検出されないというようなところがございます。P1については大豆で検出の可能性が高いということもございまして、親化合物とWP1の測定で、それを測定対象物とするということでよろしいかと思いました。

 その辺について、いろいろと御意見があったと思いますけれども、佐藤先生はいかがでしょうか。

○佐藤委員 現行では最善の方法ということで、結構かと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。ほかに先生方から御意見はございますでしょうか。

 代謝物Sについて御意見を吉成先生から伺いたいなと思うのですが、いかがでしょうか。システイン抱合体のような感じがするのですけれども。

○吉成委員 この標品があって、これをはかれればいいのかなと思ってお尋ねしていたところがあったのですが、結局ない。

○大野部会長 標品がないから、はかれないということですかね。ありがとうございます。やむを得ないということですね。

 欧米の方法でやると煩雑であって、十分な精度が得られなかったということですけれども、これは言葉の裏から見ると、欧米はきちんとはかれているのかということにつながってしまうと思うのですが、その辺は大丈夫なんですか。欧米ははかれているのか。

○事務局 欧米でも必ずしもこの全ての代謝物が入手できるわけではございませんので、まず一部の代謝物とフルフェナセット本体について添加回収試験を実施しておりまして、その添加回収試験の結果を見た限りでは、一応一定の回収率が得られているというところでございます。

○大野部会長 日本で十分な精度が得られなかったというのは、これは企業ではかった結果ということですか。

○事務局 はい。試験法を検討されたけれども、うまくいかなかったと伺っております。

○大野部会長 ありがとうございます。その辺について、分析の先生方に御意見を伺いたいと思うのですが、いかがでしょうか。お願いします。

○根本委員 規制対象化合物としては、検査する側としては化合物がはっきりしていて標準品があるということで、こういう選択されたのはいいのかなと思うのですが、ヨーロッパでの定義とはちょっと違うので、その辺の経緯を例えば日本の残留試験の対象化合物はこうだったので、その結果からとか、何か少しつながるように書いていただいたほうがいいのかなとは思いました。

○大野部会長 ありがとうございます。基準値案の残留の規制対象のところに、そういう表現があったほうがいいということですか。

○根本委員 そうですね。

○大野部会長 そういうことを書くのは可能ですか。

○事務局 文章を検討させていただきまして、またメールか何かで御相談させていただくということでよろしいでしょうか。

○大野部会長 よろしいですか。ほかの先生はいかがですか。分析を専門としている先生に特に御意見を伺いたいと思うのですけれども、お願いします。

○斉藤委員 海外の方法でうまくいかないというのは、代謝物がないからいかなかったという、そういうとらえ方でよかったのでしょうか。それとも分析法自体がよくなかったと。つまり妨害物があって分析できないとか、そういう意味だったのでしょうか。

○事務局 海外のほうは幾つか多分3種類ぐらいだったと思うのですが、数種類の代謝物で試験をしまして、回収率は一応得られているのですが、日本のほうはその再現性が悪かったと伺っております。

○斉藤委員 日本で海外の方法、こちらの5ページで出ている方法を試してみたら、うまくいかなかったという意味でしょうか。

○事務局 そうです。

○斉藤委員 単純に考えると、これは海外のものは全部フルオロアニリンにしてしまって、それをTFAで誘導体化しているだけなので、単純かなと思っていたんです。むしろ日本の4ページに出ているもののほうが、これは代謝物があるにしても、これの安定同位体は全部そろっているのでしょうか。LC/MS/MSで測定していますから、精度を上げるためには、この代謝物の安定同位体を使わないと信頼性のあるデータは出ないかなと思っていたんです。

○佐藤委員 通常の作残試験では安定同位体は使っていないです。

○斉藤委員 むしろ、こちらのGC/MSのほうが精度がいいのかなと思っていたんです。うまくいかなかったというのがはっきりわからなかったので質問させていただいたのですが、結果として日本ではいい精度が出なかったというのであれば、こちらの4ページに記載されている方法で仕方ないのかなという思いはしました。ただ、1点だけ、代謝物Xは海外だと検出されてしまいますね。もし出ていた場合にはフルオロアニリンですから。でも、日本ではこれを除外しているということですね。

○斉藤委員 代謝物WP1であって、Xは規制対象に入っていないですね。

○事務局 はい。今回基準を設定する作物につきましては、代謝試験の結果、Xが検出されているものがございませんでしたので。

○斉藤委員 ですから、海外の場合には、それも万が一出ていた場合には測定しているから、ちょっとどうかなという気がしただけです。

○大野部会長 ありがとうございます。私が気になったのは、以前、海外の測定対象物質と日本での測定対象物質を違えたことがありまして、日本では個々のものについて測定できるから、それを設定する。海外では特定の構造についてだけ対象物質とするというようなことがありましたけれども、そのときに後でパブコメで海外と同じようにしてくれというパブコメがあったときに、元に戻しましたね。欧米と同じようにしました。

 今回もこれについて、そういうパブコメがあった場合に、どういうふうに答えたらいいのだろうか。今お話があったのをそのまま答えられるのかなと思ったのですが、その辺はいかがですか。

○事務局 どちらかと言いますと、日本の分析法のほうが測定できる代謝物が少ないわけですから、実際の海外での作物残留試験で基準を置いた場合には、日本の分析法で測ったほうが実質的には緩くなるんです。日本の分析法で分析したほうが、同じものをはかっても、日本のほうが緩くなりますので、そこはSPS協定とかで、日本のほうが厳しい規制をしているということで問題になることはないのかなと思っております。

 ですので、日本で分析して違反であったものは、海外の分析法のほうがよりたくさんの種類の代謝物を含んで測定するわけですので、より高めに出る。だから、日本の分析法で違反だった場合には、海外の分析法ではかっても違反になるのではないかと考えております。

○大野部会長 前のときは、同じ方法でやってくれというコメントかなと思ったんですけれども、別にそういう基準値の問題ではなくてですね。そういう場合に、もし同じ方法にしてくれというような意見が出たときに、日本では再現性がよくなかったからとか、そういうことを言うと国際的な問題が起きないかなという気がしたんです。

○事務局 基準値案のほうで、10ページの別紙2を御覧いただきたいのですけれども、今回IT申請とかで基準を参照していますEU。それから、暫定基準の見直しで基準を参照しておりますアメリカ、この辺りの海外の基準と日本の基準値案は全く一緒でございますので、さらに日本の分析法で多分はかったら、海外の分析法と同等あるいはより緩いほうになると思われますので、これについて特に異論が出ることはないとは思うのですけれども、そのWTO通報でもし意見がありましたら、またその際に検討させていただきたいと思っております。

○大野部会長 分かりました。今までのところで先生方からコメントはございますでしょうか。吉成先生、お願いします。

○吉成委員 13ページの答申案のところで、これはXは入れないんですね。

○事務局 すみません。

○吉成委員 それともう一点、書き方なんですけれども、7ページの別紙1-1の「本体」という言葉はやめられたほうが。今まで親化合物という記載はあったかと思いますけれども、フルフェナセットの「本体」をとるか、あるいは親化合物にしたほうがいいかと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。よろしいですか。ほかにございますでしょうか。

 それでは、安全性のところで鰐渕先生、いかがでしょうか。

○鰐渕委員 ADIの設定の書きぶりは、これで結構です。

○大野部会長 ありがとうございました。

 それでは、分析法、分析結果、その辺りについてはいかがでしょうか。既に御意見を伺ったところもございますけれども、追加で何かあれば伺いたいと思いますが、よろしいですか。

 それでは、基準値と国際的整合性、その辺りについてはいかがでしょうか。

 それでは、全体を通していかがでしょうか。特にないようでしたら、これについては吉成先生から御指摘をいただいたところで、代謝物Xについて測定するようなことが書かれているところについては修正するということで、それを修正したものをこの部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 それでは、次の品目ですけれども、フルジオキソニルについての御審議をお願いいたします。

 では、事務局から説明をお願いします。 

○事務局 それでは、フルジオキソニルについて説明させていただきます。資料8-1を御覧ください。

 フルジオキソニルの報告は、今回で3度目になります。前回は平成2310月に報告させていただいております。

 今般の残留基準の検討については、農薬取締法に基づくトマト、メロンの適用拡大申請に伴う基準値設定依頼がなされたこと。また、関連企業からインポートトレランス申請で豆類に基準を置く要請があったことから、今回の部会で御審議をいただくものです。

 概要です。フルジオキソニルはフェニルピロール系の非浸透移行性の殺菌剤です。糸状菌の原形質膜に作用することにより物質の透過性に影響を及ぼし、アミノ酸やグルコースの細胞内取り込みを阻害して、抗菌作用を示すものと考えられております。

 化学名、構造式、物性は記載のとおりでございます。

2ページ「2.適用の範囲及び使用方法」です。今回、適用拡大申請があったものは、3ページのメロンとミニトマトについて四角で囲ってあるところでございます。

5ページの6の「40%フルジオキソニル水和剤」ですが、こちらは「40%フルジオキソニルフロアブル」と修正させていただきます。印刷に間に合わなかったので、口頭での説明とさせていただきます。

8ページの「3.作物残留試験」です。分析対象の化合物をフルジオキソニル親化合物とし、記載の方法で分析を行っております。作物残留試験は国内のものについては12ページからの別紙1-1。海外のものについては15ページからの別紙1-2。また、海外で実施された収穫後使用に係る作物残留試験の結果については、こちらは添加物部会の報告書ですが、20ページからの別紙1-3となっております。今回新たにデータが出されたものについては、セルが色づけしてあります。

 畜産物への推定残留量については、今回の審議対象とはなっていないので説明を省略させていただきます。

9ページ「5ADIの評価」です。食品安全委員会は0.33mg/kg体重/dayと評価をしており、こちらは前回と同じ値となっております。なお、評価に供された遺伝毒性試験において、 in vitro 試験の一部で陽性の結果が得られていますが、小核試験を始め、 in vivo 試験では陰性の結果が得られたので、フルジオキソニルは生体にとって問題となる遺伝毒性はないと結論づけられております。

 「6.諸外国における状況」です。2006年にJMPRにおける毒性評価が行われ、ADIも設定されており、国際基準も大豆、ブルーベリー等に設定されております。主要国地域における基準は記載のとおりです。

 「7.基準値案」です。残留の規制対象は、こちらも前回と同じですが、農産物にあってはフルジオキソニル、畜産物にあってはフルジオキソニル及び酸化による代謝物Kに変換されるベンゾピロール代謝物とさせていただいております。

JMPRにおいては、農産物はフルジオキソニル、畜産物はフルジオキソニルと代謝物Kに変換させるベンゾピロール代謝物を設定しております。

 また、食品安全委員会における食品健康影響評価においては、親化合物のみで暴露評価対象物質としてフルジオキソニルを設定しております。

32ページの別紙2が基準値案でございます。今回申請のありましたものについては、32ページで、まずインポートトレランス申請があったものについてはITと記載しており、米国の基準値0.4ppmの根拠になった残留試験結果を基に0.4とする案とさせていただいております。また、とうもろこしのところは四角で囲ってあるのですが、こちらは申請はなかったのですが、コーデックスの基準を採用したので、今回このような記載とさせていただいております。また、国内については、トマトとメロン類果実のところに申請の申の字が入っております。

33ページですが、収穫後使用に係る作物残留試験に基づき設定と記載してある箇所があるのですが、これは先ほどもお話ししたのですが、食品添加物の部分なので今回の審議対象ではございません。そのため、平成2210月部会の海外の基準値を参照する場合の桁数の取扱いについての考えは適用しておりません。また、前回2310月の部会報告から今回の報告の間で添加物での審議もなされておりません。

 これらの基準値案を用いて暴露評価を行いましたのが35ページからの別紙3になります。TMDI試算で一番高い幼少児で20.4%のADI占有率となっております。

 最後の39ページからが答申案となっております。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 それでは、3回目ということで、主に拡大されたところとか、追加されたところを中心に御審議をいただきたいと思います。

 まず最初のところで、化学名、構造式、物性、用途、薬理作用、その辺りについて新たに気がついたところはございますでしょうか。吉成先生もよろしいですか。

○吉成委員 はい。

○大野部会長 それでは、毒性のところで新たなところはございますでしょうか。

○鰐渕委員 海外の評価と若干NOAELの出し方とかが違っているのは気になるのですが、食品安全委員会としては海外のものはNOELをとっているということでアドバンスではないということで、このような設定になっているということですので、これが結構かと思います。

○大野部会長 ありがとうございます。

 分析対象物質についても吉成先生はよろしいですか。

○吉成委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。私も特に変更しなくてはいけないということはないと思いました。

 分析法、分析対象物質、その辺について何か新たに問題はありましたでしょうか。

 それでは、基準値と国際的整合性、その辺りについて新たなものが加わったわけですけれども、御意見はございますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、全体を通して御意見はございますでしょうか。山内先生、お願いします。

○山内委員 確認の質問です35ページ、36ページの暴露量は、ポストハーベストとして添加物として認められているものも含めた結果になっていると考えてよろしいですか。

○事務局 御理解のとおりです。

○大野部会長 ありがとうございます。

 全体を通していかがでしょうか。吉成先生、お願いします。

○吉成委員 確認させていただきたいのですけれども、この分析方法が書かれていて、代謝物をKにするというのが8ページ辺りに書かれているのですが、この分析方法では親化合物もこれは代謝物Kになるということは、親化合物と代謝物が全て、いわゆるベンゾピロール構造を持っているものをまとめてはかっているということでよろしいですか。

10ページの基準値案の「(1)残留の規制対象」の書き方ですけれども、2行目の「また、代謝物Kはフルジオキソニルに換算し、ベンゾピロール代謝物とフルジオキソニルの合計量を畜産物における残留量とする」と書いているのですが、この文章だけを読むと親化合物は別途はかっておいて、代謝物Kに変換される代謝物を足したような書きぶりにも読めたんですけれども、親化合物もKに変換されるので、もともと全てKに変換して、それをKから親化合物に戻して算出しているという理解でよろしいですか。

○大野部会長 8ページの分析法の説明だと、そういう内容ですね。これはいかがですか。この8ページの分析法の概要で書かれた方法で、実際の残留試験についても行われるというとになると、ここの表現が違ってくると思いますけれども、いかかですか。

○事務局 記載ぶりについて、また御相談させていただきたいと思います。

○大野部会長 吉成先生、そういうことでよろしいですか。

○吉成委員 はい。

○大野部会長 それでは、そこについては分析の先生方に確認していただければありがたいですので、分析を専門とする先生方にもチェックをお願いいたします。

 ほかにございますでしょうか。山内先生、お願いします。

○山内委員 トータルでポストハーベストとして認可している基準と、農薬としての残留基準として決めたものの合計で暴露評価を実施しているということが何らかの形でわかったほうがいいのではないかと思いますので、10ページの(3)にポストハーベストとしての基準も含めているということをお書きいただいたほうがよろしいかと思うのですが、いかがでしょうか。

○事務局 それでは、「7.基準値案」の(3)の続きという理解ですね。その場所に注3か何かを設けて、ポストハーベストの分についても一緒に暴露評価をしているといったような記載ぶりにしようと思うのですが、そういう書き方でよろしいでしょうか。では、書きぶりについても、また相談をさせていただきます。

○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのように修正をお願いいたします。

 ほかに御意見はございますでしょうか。それでは、幾つか修正、追加の御意見がございましたけれども、それを修正追加したものをもって、この部会の報告とさせていただいてよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。あとでこの修正案のチェックについては皆さんの御協力をよろしくお願いいたします。

 それでは、次の品目ですけれども、メタアルデヒドについての御審議をお願いいたします。

 それでは、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、9題目のメタアルデヒドでございます。資料9-1を御覧ください。

 今般の残留基準の検討につきましては、農薬取締法の基づく適用拡大申請がなされたこと及び関連企業からインポートトレランス申請がなされたことに伴う基準値設定について御審議いただくものです。

 まず、概要でございます。用途ですが、「ナメクジ類、カタツムリ類及び淡水性リンゴガイ科巻貝の経口吸収及び腹足部からの接触吸収により、麻痺を誘発するとともに粘液分泌を促し収縮させることで、死に至らしめると考えられている」と記載しているのですが、事前に宮井先生から御指摘を頂きまして、2行目終わり辺りから「収縮させることで殺虫効果を示すものと考えられている」と修正指示を頂いておりますので、このように修正させていただきたいと思います。

 化学名、構造式等につきましては、記載のとおりでございます。

2ページ目「2.適用の範囲及び使用方法」について記載しております。申請がありました作物名、使用時期につきまして、四角で囲んでお示ししております。

3ページ目には、海外での使用方法をお示ししております。

 「3.作物残留試験」でございます。分析対象の化合物としまして、メタアルデヒドについて分析が行われております。分析方法につきましては、記載のとおりでございます。

 結果については78ページにかけて、別紙1-11-2に記載しております。

4ページの「4.魚介類への推定残留量」につきましては、前回の部会で御審議いただいた内容と変更はございません。

5ページの「5ADIの評価」につきましても、ADI0.002mg/kg体重/dayという評価となっており、前回御審議いただいた際と変更はございません。なお、記載しておりますように、「ラットを用いた2年間慢性毒性/発がん性併合試験において、最高投与群の雌で肝細胞腺腫が増加し、雄ラットを用いた中期発がん性試験において、再高用量群(355mg/kg体重/day)でのみ肝腫瘍のプロモーション作用を有したが、発生機序は遺伝毒性によるものとは考え難く、本剤の評価に辺り閾値を設定することは可能であると考えられた」と評価されております。

 「6.諸外国における状況」でございます。JMPRによる毒性評価はなされておらず、国際基準も設定されておりません。諸外国におきましては記載のとおり、基準値が設定されております。

 これらを踏まえまして「7.基準値案」でございますが、残留の規制対象はメタアルデヒドのみとする案としております。食品安全委員会におきましても、農産物及び魚介類中の暴露評価対象物質としてメタアルデヒド(親化合物のみ)を設定しているところであります。

 具体的な基準値案でございますが、9ページの別紙2を御覧ください。国内の作物残留試験成績に基づきまして、夏みかんの果実全体からその他のかんきつ類果実につきまして、基準値を設定しております。また、登録の有無の欄にITと記載してあるものはEUの基準値を参照しております。

 これらの基準値案で暴露評価を行いましたものが10ページの別紙3でございます。TMDI試算によりまして、一番高い幼少児で45.1%のADI占有率となっております。

 最後のページが答申案となります。

 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○大野部会長 どうもありがとうございました。これは4回目ということでございます。

 化学名、構造、その辺については変更はないですね。薬理作用のところで表現が若干、宮井先生のコメントで修正がありましたけれども、尾崎先生、よろしいでしょうか。

○尾崎委員 はい。

○大野部会長 ありがとうございます。

 測定対象物質についても変更はございませんでしたけれども、メタアルデヒドのままでよろしいですか。ありがとうございます。

 安全性の面でも前と同じですけれども、よろしいですか。ありがとうございます。

 今までのところで何かございますでしょうか。

 それでは、分析と分析結果について、新たな問題はございますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、基準値のところで新たにつけ加えられましたけれども、よろしいでしょうか。

 全体を通して御意見はございますでしょうか。

 それでは、特にないようでしたら、細かいことですけれども、私から聞きたいことがあって、7ページで、夏みかん、すだち、かぼすのところは試験条件で28日間たったところで測定していますね。2ページのところで、かんきつ類については収穫30日前までという休薬期間が設定されていますが、そのところで差があるのですが、このくらいの違いは今まで許容してきたということでよろしいですか。

○事務局 はい。

○大野部会長 分かりました。

 それでは、全体を通して、先生方から何かございますでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、薬理作用のところの表現を若干変えたものをもって、この部会の報告とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 本日予定しておりました動物薬、農薬についての御審議は終了いたしました。

 それでは、本日の審議結果の食品衛生分科会での取扱いについて、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 平成2233日に了解されました食品衛生分科会における確認事項に基づきまして、本日の部会で御審議いただきました動物用医薬品2剤、農薬7剤についての食品衛生分科会での審議又は報告の取扱い案について、原案を御用意させていただきました。こちらの横1枚紙を御覧ください。

 本日、御審議いただいた品目のうち、ジョサマイシンにつきましては、今後も引き続き検討を行うことになりましたので、こちらの案からは除外させていただきます。ダノフロキサシン、ピリミジフェン、ファモキサドン、フルフェナセット及びプロパルギットにつきましては、既に設定されている残留基準の一部改正に該当しますことから、区分3とする案とさせていただきました。

 それから、区分4とする案にしておりますメトコナゾール農薬がございますけれども、前回の部会に引き続き、今回の部会で御審議をいただいておりますが、こちらはADIの変更なしとこちらに記載されておりますが、実際にはADIが変更されておりますので、こちらのメトコナゾールにつきましても区分3とする案とさせていただきたいと思います。

 フルジオキソニル、メタアルデヒドにつきましては、いずれも食品安全委員会の評価の結果に変更がございませんので、ここに記載のとおり、区分4とさせていただきます。

 以上です。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ただいまの取扱いについての案ですけれども、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、説明があったような形で、分科会長の御了解を得たいと思います。

 それでは、事務局から今後の手続について説明をお願いいたします。

○事務局 本日御審議いただきました動物用医薬品1剤、農薬7剤につきましては、食品安全委員会からの通知を受けておりますことから、何品目か修正が必要なものがございますが、御確認いただいた修正版をもって部会報告書とさせていただきます。

 今後の手続につきましては、パブリックコメント、WTO通報、消費者庁協議等、必要な手続を進める予定としております。

○大野部会長 ありがとうございます。

 そのほかに報告事項はございますでしょうか。

○事務局 本日は3件ございますので、順に御説明をさせていただきます。

○事務局 まず、資料10を御覧ください。

 今回、飼料の安全の確保及び品質の改善に関する法律に基づき、下記の物質ペンディメタリンの規格を別紙のとおり改正することについて、農林水産大臣から厚生労働大臣に意見聴取がなされたことに伴い、本部会に報告させていただくものでございます。

 改正案については別紙のとおりでございますが、それにあわせて、次のページの概要について説明させていただきます。

 評価物質はペンディメタリンでございます。

 化学名及び物性については、記載のとおりでございます。

 本剤はジニトロアニリン系の除草剤でございます。雑草の発芽発生時に作用し、生長を抑制することで枯死させると考えられております。

ADIも設定されておりまして、0.12mg/kg体重/dayとなっております。

 食品の残留基準ですが、畜産物の残留基準は設定されておりません。参考にお示ししているとおり、残留基準が設定される食品は、小麦、大麦等にございます。残留基準の対象物質はペンディメタリンでございます。

 飼料の残留基準及び対象物質(案)でございますが、飼料の残留基準の対象物質は、各代謝試験結果及び分析の対象物質等からペンディメタリンとする案としております。

 また、国内及び海外における飼料の作物残留試験等の結果から、飼料中の規格(残留基準)を下表のとおり見直すこととしております。大麦、小麦等の基準値に関しては、変更はございません。えん麦、マイロについても同様としています。牧草に関しては現行の0.1ppmから15ppmに改正する案としております。

 事務局からの報告は以上でございます。

○大野部会長 ありがとうございました。フォローできなかったのですけれども、この牧草について0.1から15にかえた理由は何でしたか。

○農林水産省 農林水産省の池田と申します。

 私のほうから今の御質問ですけれども、現行の残留基準値は平成18年当時に設定したものでございますけれども、その後、海外での本剤の適用が変更されております。牧草により残るような使い方がされているということが確認できましたので、いわゆる輸入飼料のインポートトレランスを考慮しまして、今回、基準案を改正しております。

○大野部会長 ありがとうございました。そうすると全体としての暴露評価のところは問題なかったのでしょうか。

○農林水産省 牧草の改正ということで、特に家畜の摂取は牛等の暴露が高くなることが想定されるのですが、乳牛への動物試験で畜産物への残留が定量下限未満という結果がございましたので、今回の改正で畜産物の基準を食衛法で設けていただくということは考えてございません。

○大野部会長 特に変更は必要なかったということですね。

○農林水産省 というふうに考えております。

○大野部会長 ありがとうございます。

 先生方から御質問、御意見はございますでしょうか。山内先生、お願いします。

○山内委員 手続上の確認ですけれども、この飼料の基準については農林水産省がリスクマネジメント機関として基準を設定するけれども、厚生労働省のこの部会には報告して意見を求めるという役割になっているということですか。

○農林水産省 農林水産省からは先ほどの資料10の頭紙にございますとおり、飼料安全法に基づきまして当方で基準を決めているものではございますが、同法59条で厚生労働大臣に意見を聞くというのがございましたので、今回、意見聴取を厚労省宛てに出させていただいております。

○山内委員 では、この部会がどうのこうのというよりは、最終的には厚生労働大臣から農林水産大臣に返事が行くが、そのプロセスで、この部会に参考に報告いただいたという位置づけですか。

○事務局 そのとおりでございます。特に今回は基準値が変わるわけではないので、あくまでも参考という形で御報告をさせていただいたということでございます。

○大野部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

 ほかに先生もよろしいですか。ありがとうございます。

 それでは、次の説明をお願いいたします。

○事務局 続いて「急性参照用量を考慮した残留基準の設定について」ということで説明させていただきます。資料11及び別添を御覧いただければと思います。

 現在、農作物における農薬の残留基準の設定に当たっては、国際基準や提出された作物残留試験成績に基づき基準値案を作成し、当該基準値案を採用した場合に想定される暴露量を試算し、これが食品健康影響評価の結果、設定された一日摂取許容量に基づく許容量を超えないことを確認して、残留基準を設定しております。

 暴露評価におきましては、これまで慢性毒性の指標であるADIを超えないことを確認してきましたが、国際基準を初め、欧米においては慢性毒性に加えて急性毒性をも考慮した上で残留基準を設定しております。なお、JMPRFAO/WHO合同残留農薬専門家会議における毒性評価では、急性毒性の指標として24時間又はそれより短い時間経口摂取した場合に健康に悪影響を示さないと推定される一日当たりの摂取量である急性参照用量(ARfD)を評価されており、国際基準においてはARfDを考慮した上で基準値の設定が行われております。

 急性参照用量(ARfD)を考慮した残留基準値の設定においては、ADIと同様に暴露評価が基本になりますが、短期摂取量を推定するための急性暴露評価のためには、ここで挙げさせていただきました摂食者における一日最大摂食量や作物のユニット重量等のデータが必要とされております。これらのデータ並びに急性暴露評価の考え方の検討を行うために厚生労働省としては厚生労働科学研究補助金、食品安全確保推進事業の中で検討を実施してまいりました。今般、当該研究成果を踏まえて、急性暴露評価の導入に向けた検討を進めた結果、急性暴露評価に基づく残留基準の設定のための基盤整備のめどが立ったことから、今後の導入方針について、この場をお借りし説明させていただくものです。

 実際の具体的な基準設定における位置づけや基本的な暴露評価の考え方については、別添の資料を元に説明させていただこうと思います。スライド形式の資料を御覧いただければと思います。

 まず、ARfDを考慮した食品中の残留農薬の基準設定について、実際の基準設定の流れ、あとは考え方、又は基準設定の基盤となる急性暴露評価と短期摂取量推定の基本的な考え方について簡単ではありますが、説明したいと思っています。

 最後に、今回導入するに当たって今後詳細な検討が必要な主な課題について、3点ほど説明させていただきたいと思います。

4枚目のスライドを御覧いただきたいと思います。こちらは御存知の部分もあるかとは思いますけれども、改めてこちらに示したのは、食の安全性確保のために食品衛生法に基づき設定している農薬の残留基準設定の現行の流れについて、模式的に示したものになります。

 厚労省が基準値設定要請を受けて、食品安全委員会に対してリスク評価の依頼を行い、この評価の結果としてADI等が設定されますが、その結果を踏まえて適切に農薬を使用した場合の残留試験結果に基づき、食品安全委員会が設定したADIを超過することがないよう、基準値を設定しております。

5枚目のスライドです。スライドのページ数は右下に記載させていただいております。こちらは先ほどの流れを基準設定の主な考え方に絞って示したものです。

 下のスライドにこれからのイメージということで示しているのですが、食品安全委員会のリスク評価において、急性参照用量もあわせて設定することになりますと、厚労省の基準設定においてはADIにあわせてARfDも考慮して残留基準を設定することになっています。

7枚目のスライドをお願いします。なお、現在の基準設定の考え方では、暴露評価を行うことでADIを考慮しますが、具体的に設定しますと、食品摂取に伴う残留農薬の平均的な摂取量がADI80%をいかないことを確認しており、これを慢性暴露評価と呼んでおります。一方、ARfDを考慮した場合には、食品摂取に伴う残留農薬の摂取量として想定し得る最も高いレベルにおいてARfDを超えないことを急性暴露評価により確認することになります。

 いずれにしましても、ARfDが導入された場合には、暴露評価において、これらの2点の要件を満たさない場合には、当該使用方法に基づく農薬の使用は認められず、また、提案されたMRLは設定できないということになります。また、このような場合には、適宜使用方法の変更等が必要になると考えられます。

 次のスライド、こちらは暴露評価の考え方を模式的に示したものです。従来の慢性暴露評価におきましては、各食品について平均的な残留濃度と平均一日摂取量から摂取される農薬の量を推定し、これらを合計することで平均的な1日当たりの長期摂取量を推定し、それが安全レベルとされるADI80%を超えないことを確認することになります。

9枚目のスライドに行きまして、一方でARfDを考慮した急性暴露評価におきましては、24時間又はそれより短時間の経口摂取における暴露量を考慮するということから、各食品からの残留農薬の摂取量を合計するのではなく、最も多く暴露される状況を想定して、最大残留量と一日最大摂取量の組み合わせから、食品ごとに短期の摂取量を推定し、それぞれの摂取量が安全レベルとされるARfDを超えないことを確認することになります。つまりARfDを踏まえた急性暴露評価においては、食品ごとに基準値、ひいては当該作物における農薬の使用方法について評価を行うことになります。

 次のスライドからは、その暴露評価の細かい考え方について説明させていただこうと思います。

11枚目のスライドをお願いします。今回、ARfDの導入においては、基本的に国際基準を設定する際に用いられている考え方を基に検討を進めてきました。こちらのスライドで示したものはJMPRで用いられる国際短期摂取量推定(IESTI)といいますが、こちらの定義になります。短期摂取量推定の主な考え方のポイントは、一日最大摂取量と最大残留量の組み合わせで評価されることにより、個別の食品ごとに摂取量を推定することにあります。

12枚目のスライドでして、こちらに模式的に短期摂取量の推定の考え方を示しますが、簡単に言いますと、摂食者における一日摂取量の97.5%タイル値とユニット別の残留濃度の97.5%タイル値とされる最大残留濃度から推定するということになります。また、評価対象集団は16歳の幼少児と全体の集団とされております。

 このような国際的な考え方を基に、13ページのスライドで示したような厚生労働科学研究において、短期摂取量を推定するための基盤となるデータベースや急性暴露評価の考え方について御検討をいただいておりました。データベースについては、先ほどの模式図で示した摂食者における一日最大摂取量や農作物のユニット重量になります。

 ここで申し上げました摂食量につきましては、14ページのスライドで簡単にその概要を示しておりますが、先月の部会で説明しました食品摂取量の切り替えのために実施した食品摂取頻度、摂取量調査の結果を用いております。このデータを用いまして、急性暴露評価のために摂食量データベースとして全集団と幼少児における摂取者人数や摂食者における平均摂取量や97.5%タイル値を求めております。

 また、農作物のユニット重量については、さまざまな情報を元に検討しておりますが、一部ここを修正させていただきたいのですが、原則としてMLの平均と書かせていただきましたが、ここは誤記でして、Lサイズを基準としてデータベースを作成しております。

 次のスライドが、その研究班で検討いただきましたデータベースの抜粋になります。食品ごとの摂食量と可食部のユニット重量のデータになります。例えばコメですと全員と幼少児でそれぞれデータがあるのですが、摂取者人数が全員の場合は38,519人、97.5%タイル値が350.4gとなります。ユニット重量の可食部なのですが、例えば、ばれいしょでは162gが可食部のユニット重量ということで、このようなデータを食品ごとで整備いたしました。こういったデータが整備された上で、どのように個別に計算をするのかを次のスライドから説明しております。

 基本的には国際的な考え方をベースにしておりますが、基本的な考え方として、一日最大摂食量とそのユニット重量の関係などを用いて3つのケースに分類して計算を行うとされております。

 まず、ケース1なのですが、混成試料中の残留濃度が、摂食する食品中の濃度を反映している場合ということで、言い替えますと1つのユニットの重量が25g未満ということで、一度に食べる量が複数のユニットであるという場合です。こういう場合には、最大摂食量と、HRというのは作物残留試験の最大値ですけれども、それをかけ合わせることの体重当たりの量ということで算出されます。

 ケース2については、1ユニットの重量が25gよりも多い場合であって、1ユニットもしくは数ユニットを摂食するであろうというケースです。これは推定の場合に考えられることは、摂食する食品中の濃度が作物残留試験で分析される混成試料中の残留濃度よりも高いおそれがあるという場合になります。

23ユニットを摂食する場合はケース2aとされておりまして、ユニット当たりの最大残留濃度をHR×3ということで国際的には推定するとされておりまして、これの1つ目のユニットで摂食し、残りのユニットについては混成試料中の最大濃度HRで摂取するというケースになります。

 ケース2bについては、1ユニットのみ摂食する場合ですので、先ほどの前半部分です。1ユニット当たりの最大濃度としてHR×3を最大摂食量で摂取した場合の摂取量ということになります。

18枚目のスライドはケース3ですが、こちらは以上とは異なりまして、大量に混合したり、ブレンドをされたりするように加工食品等が想定されますが、そういった場合でして、STMR-Pは使用基準に従った作物残留試験における混成試料中の残留濃度の中央値に加工係数を乗じたもの。加工品中の濃度の中央値ということになります。これを最大摂食量で摂食した場合の摂取量ということになります。

 駆け足で申しわけありませんが、19ページ以降のスライドで、今後ARfDを考慮した残留基準の設定を導入するに当たり検討すべき主な課題を3点ほど説明したいと思います。

 まず、1点目ですが、原則全ての剤についてARfD設定のための食品健康影響評価とそれを考慮した残留基準の設定が必要になりますが、現時点で残留基準が設定されている農薬は700を超えるということですので、一度に全ての剤を評価することは現実的ではありません。

 そのため、食品安全委員会への評価依頼を初め、どの剤から優先的に基準設定等を進めるべきか。評価の優先順位を判断するための考え方が重要であると考えております。

 なお、従来どおりの申請に伴う農薬の残留基準設定については、これによらず、これまでどおりの手続の流れで進めることになると考えております。

2点目ですが、短期摂取量推定において考慮する作物残留試験についてになります。御存知のことと思いますが、既登録の農薬で実施されている作物残留試験の例数は、多くの作物で2例というのが現状ですが、短期摂取量推定に用いる最大残留量HRを推定するために十分な例数とは言いがたいというのが現状でございます。そのため、実際の使用方法を反映した残留農薬の実態に基づく短期摂取量推定を行うためには、より多くの試験例数に基づくHRを用いることが望ましいと考えております。

 なお、現在、短期摂取量推定について、このような課題も含めて、いろいろ検討は進めているところですが、暫定的に試験例数が4例を超える場合に限り、HRを採用するというのが1つの考えではないかということで検討をしております。

 また、4例に満たない場合には、残留農薬の実測値ではないものの、基準値をHRの代替として推定ということを行わざるを得ないと考えております。

 最後の課題として、短期摂取量推定においては食品ごとの摂食量データが必要になりますが、現時点で得られているデータでは一部の食品で摂取者人数が少なく、最大摂食量を推定するために十分とは言いがたい状況でございます。

 なお、JMPRにおいては最大一日摂食量の推定には、原則120人以上の摂取者データが必要とされております。今後詳細は検討していこうと思っておりますが、摂取量推定において一定の精度を確保するためには原則、摂食者人数が一定数以上得られている食品のみ暴露評価の対象とすべきではないかと考えております。

 最後に冒頭の資料に戻っていただきたいのですが、以上のような最後に申し上げた課題はあるものの、今後、厚生労働省としては、JMPRで設定されたARfDADI、また食品中の残留農薬のモニタリング結果における検出頻度、並びに国内における農薬の使用量等を考慮して評価の優先順位を検討していきたいと考えております。例えばとして、有機リン系、カーバメート系、ネオニコチノイド系農薬等が、国内の研究によるARfDのシミュレーション結果の報告等があり、こういう剤が挙げられていることから、これらの剤を中心に優先的に評価を行うべき剤について検討をして、順次、食品安全委員会に対して食品健康影響評価の依頼を行っていこうかなと考えております。

 事務局からの説明は以上になります。

○大野部会長 どうもありがとうございました。

 ただいまの説明について、御質問や御意見はございますでしょうか。

 フォローできなかったところがあったので聞きたいのですが、農作物のユニット重量を簡単にどういうことか、もう一度説明していただきたいのですけれども。

○事務局 現在でも基準値を設定するために作物の残留試験というものが実施されるのですが、そのときに実際にどういうふうに分析しているかというと、例えば、いちごであったら1個ずつというのがあると思いますが、実際に作物残留試験では1個ずつを別々に測っているわけではなく、ある程度まとめて分析をしているわけです。作物残留試験をある程度そういった分析の単位としては平均化されているデータなのですが、急性暴露評価は実際に摂食する状況を想定して推定する必要があるので、これをユニットと言うのですが、個々の残留濃度を考慮して摂食量を推定する必要がございます。

 先ほどのケースで言いますと、ケース2が個々の濃度を実際に考慮して推定するケースに相当するのですが、ここで言う、例えばケース2aのところでHR×3というのがあると思いますが、これが作物残留試験で実際に得られるデータと、これは混成試料で見られるデータとしてHRというのは導き出されるのですが、混成試料中が先ほど言いましたように平均化されているので、個々の試料の濃度はやはり大体これまでの研究から3倍くらいの開きがあるということがわかっています。これで3倍をかけることによって、ユニットごとの最大残留濃度が推定できるとされています。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ほかの先生はいかがでしょうか。山内先生、お願いします。

○山内委員 季節的変動はどういうふうに考慮しますか。日本の場合は極めて季節によって違いますね。

○事務局 これは今月の部会から導入している長期の摂食量と基本は同じデータですが、先月の部会でも御説明したように、あとはスライド14にも簡単に記載させていただいていますが、この基盤となった摂食量の調査については、実施時期は平成1719年、56月、89月、1112月、23月の4つの季節にわたって調査しております。これらすべての季節に当たった連続しない3日間における実際の摂食量のデータを収集して、摂食量情報にしております。

○大野部会長 よろしいでしょうか。ほかの先生はいかがでしょうか。お願いします。

○山内委員 この急性参照用量はぎょうざの事件とか、この間のマラチオンのときにフードテロのような形で故意に混入する食品の汚染が言われたときに聞いたことでありますが、今日話題になっているのは、そういう故意の混入の際に利用する基準ではなく、通常の農薬使用においても、この急性参照用量で考えなければならないような短期間暴露があり得るからそのための基準もきちんと考えていく必要がある。従来の残留農薬の基準値の考え方では不十分であり、追加で本件も検討しなければならないと考えられたということでしょうか。

○事務局 現行のADIの基準でも動物の毒性試験に基づいて設定されたADIを基に基準値を設定しております。そこは御存知のところです。ただ、その毒性は大きく分けて慢性的な毒性と急性的な毒性と2つのものがあって、急性的な毒性もあわせて考慮していこうということです。ただ、この急性的な毒性をどう考慮するかなんですが、先ほど説明したように最も暴露されるような状況、最大摂食量であったりとか、最大残留濃を想定して暴露評価を行って、そういう状況であっても急性的な毒性の懸念がないかどうかを確認するという指標になります。そういうものを現行の基準値の設定の中に取り入れていこうということになります。

 それは基本的には今までのものと同じで、登録されるであろう農薬の使用方法に基づいて適切に使用されたときの残留濃度を基に基準値を設定するのですが、それが適切であるかどうかを評価するという枠組みは従来どおりで、評価する観点が別のというか、異なった観点から評価を行うことになるということです。

○山内委員 実際に通常の農薬の使用基準に基づいて使われたようなケースで、このような急性の毒性が示された今までの危害は、具体的にあるのでしょうか。

○事務局 今まで私どものほうで食品に関する中毒とかの情報を収集しているのですが、その中で事故や事件性のあるもの等を除いて、一般に流通している食品を摂取したことによって、残留農薬による急性的な中毒という事例については、報告は受けておりませんので、そういった事例はないのかなと考えております。

○大野部会長 今までなかったけれども、可能性もあるので、こういうことを決めるということですね。

○基準審査課長 今まで慢性毒性、ADIで基準値を設定させていただいておりますが、国際的な流れもございますし、農薬の中では慢性毒性と急性毒性で比較的近いものもありますので、そういったものについては短期の摂取でも基準値の設定について考慮すべきものもあるかと思いますので、急性参照用量の導入によって基準値もより精緻な、より安全側に配慮した設定ができればということで、今回導入を考えさせていただいております。具体的に今まで危害があったというわけではございません。

○大野部会長 山内先生、よろしいですか。

○山内委員 はい。

○大野部会長 私から1つ、スライド21では今までの測定例数が大体2例だということで、前に伺ったときに農水ではこの例数をふやすという方向でやると伺ったと思うのですが、あれはもう規制できたのでしょうか。それとも、これからそういう例数を多くすることを求めるということでしょうか。

○農林水産省 通知の改正は終わっているのですが、実際に適用されるのが今年の4月から申請されるものということにはなっています。ただ、現行の通知も2例以上ということになっているだけですので、現行でもそれ以上にあるものについては、こちらにあるように4例以上あるものはHRを使う場合もあるのかとは思いますが、多くが2例だというのも事実ではあります。

○大野部会長 ありがとうございます。

 そのほかに御意見、御質問はございますでしょうか。どうもありがとうございました。

 それでは、もう一つ説明いただくものがあったかと思いますけれども、説明をお願いいたします。

○事務局 資料12につきまして御説明させていただきます。「クロチアニジンの基準改正に係るパブリックコメントの結果について」でございます。

 経緯は資料の冒頭のほうに記載させていただいておりますけれども、クロチアニジンにつきましては、農薬取締法に基づく、ほうれんそう及びはくさい等への適用拡大申請に伴い、平成2211月に農林水産省から厚生労働省へ基準設定の要請がなされたものでございます。その後、食品安全委員会による食品健康影響評価の結果を踏まえ、昨年6月に本部会で残留基準の改正について、クロチアニジンとしましては4回目の審議が行われております。

 昨年10月には、薬事・食品衛生審議会の食品衛生分科会のほうへ報告しまして、消費者庁協議を実施しております。また、これらの手続と変更しまして、昨年104日~112日までの期間パブリックコメントの募集を行いまして、多くの意見が寄せられましたことから、その内容について精査を行ってまいりました。本日はその概要について報告させいていただきます。

 まず、コメント総数としましては、1,657件のコメントをいただいております。

 いただいた意見を大きく8つのグループに分けますと、意見の多かったものとしまして、2のグループ、残留基準案が適切ではないとの観点からの御意見が1,405件寄せられております。特に欧米に比べて基準が高い。あるいは基準値がどのように決められたのか明確ではないというような意見がございました。

 続きまして、意見として多かったのは1のグループで、農薬の登録、使用に関する御意見でございます。EUでハチへの影響を考慮しまして、一部使用方法が禁止されておりますけれども、EUの禁止を踏まえ、日本でも禁止にすべきという御意見。

 農薬として薬効があっても残留量が多くなるような使用方法を認めるべきではないというような御意見もございました。

3番目に多かったのは、環境汚染に関する御意見で、210件が寄せられております。環境やミツバチへの影響を長期的に調査すべきであるというような御意見がございました。

4番目のグループ、毒性評価に関する御意見でございます。こちらは神経に作用する農薬であり、人の脳や子供への影響が懸念されるという御意見が約99件寄せられております。

3番目のグループとしまして、先ほどARfDの設定について御説明しておりますけれども、このようなARfDを用いた基準の設定、あるいは現在のADIの評価の仕方についても御意見が寄せられております。

 括弧内の件数ですけれども、1通の意見に複数の項目の内容が含まれている場合がございまして、項目ごとに重複して計上しております。ただし、いずれのグループかあいまいなものもございますので、件数はあくまでも目安としてお考えください。

 また、事実とは異なる意見もございますが、あくまでも寄せられた意見を記載しております。

 結果の概要については以上でございますけれども、これらの結果等を踏まえまして、今後の対応について検討いたしております。パブコメの意見におきましても、ARfDを考慮した基準設定に関する御意見がございましたが、先ほど中西のほうからもARfDの導入について説明させていただき、おおむねARfDを考慮した基準設定の準備が整ってきたところでございます

 また、EUにおきまして、同じネオニコチノイド系農薬でありますイミダクロプリドやアセタミプリドについて、ADIARfDの引き下げ等を推奨します専門家の意見が昨年12月に公表されております。そのため、食品安全委員会にARfDの設定のために評価を依頼し、その結果を踏まえ。再度部会での審議をお願いしたいと考えております。

 また、食品安全委員会での評価に際してはパブコメや調査で得られました一部文献についても必要に応じて提出する予定としております。

 事務局からの説明は以上でございます。

○大野部会長 ありがとうございました。

 先生方から御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいですか。

 私から1つ、農水の方に聞きたいのですが、今、ハチに対する影響があるのではないかということで、その懸念があるわけですけれども、その辺の検討は農水の担当部門ではないかと思うのですが、その辺はやられておるのでしょうか。

○農林水産省 そちらについては農水省のほうでも研究事業を実施したり、実際にヨーロッパでこの農薬を使う場面と日本で使う場面は違い、具体的には作物や使用方法が違うのですが、日本での使用場面でハチへの影響が出ているのではないかという御意見を頂いている水稲での使用等については、ハチへの影響があるのかという実態調査等を開始しておりまして、その結果を踏まえて、今後の対応を検討していくということにしております。

○大野部会長 それはいつごろ、そういう結論が出る予定ですか。

○農林水産省 研究事業のほうは当課の所管ではございませんので、研究所の実際に研究を行ったほうで現在結果を取りまとめ中と聞いております。当課において実施している調査については今年度から開始した調査ですので、もう数年は事例を集めて解析していくことが必要になるのではないかと考えております。

○大野部会長 ありがとうございます。

 ほかに御意見や御質問はございますでしょうか。よろしいですか。

 では、どうもありがとうございました。

 そのほかに伝達事項や説明事項はございますでしょうか。

○事務局 ほかに議事はございません。

○大野部会長 ありがとうございます。

 それでは、次回の予定について説明をお願いいたします。

○事務局 次回の本部会の開催日程につきましては、平成26523日金曜日の午後を予定しております。出欠につきましては、後日御確認させていただきます。また、詳細につきましても、追って御連絡を申し上げます。

○大野部会長 ありがとうございました。

 それでは、以上をもちまして、本日の部会を終了させていただきます。どうも御協力をありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

厚生労働省食品安全部基準審査課
03-5253-1111 内2921

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