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2014年2月28日 第16回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録

大臣官房統計情報部企画課国際分類情報管理室

○日時

平成26年2月28日(金)14:00~16:00


○場所

厚生労働省共用第9会議室


○出席者

菅野健太郎委員長、飯野靖彦委員長代理、落合和徳委員、木下博之委員、
久具宏司委員、滝澤始委員、戸倉新樹委員、中田正委員、中谷純委員、
名越澄子委員、根本則道委員、馬場志郎委員、針谷正祥委員、肥塚直美委員、
松本万夫委員、望月一男委員、森内浩幸委員、横田順一朗委員、渡辺賢治委員

○議題

(1)世界保健機関勧告によるICD-10の一部改正の日本への適用について
(2)WHO-FIC分類改正改訂委員会(URC)へのICD-10一部改正提案について
(3)その他

○議事

○菅野委員長

 それでは、定刻になりましたので、「第16回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会」を開催いたします。

 先生方には期末の大変お忙しいさなか、会議に次ぐ会議だろうと思いますけれども、御出席賜りまして、本当にありがとうございます。

 まず、事務局から配付資料の確認をお願いしたいと思います。

 

○事務局

 事務局でございます。

まず、配付資料の確認をさせていただきます。

お手元に配付資料として、資料1-1「統計法第28条第1項及び附則第3条の規定に基づく疾病、傷害及び死因に関する分類 疾病、傷害及び死因の統計分類 基本分類表・新旧対照表(案)」

資料1-2「同 疾病分類表・新旧対照表(案)」

資料1-3「同 死因分類表・新旧対照表(案)」

資料2「URCへのICD-10一部改正提案について」

参考資料1「疾病、傷害及び死因統計分類提要内容例示・新旧対照表(案)」

参考資料2「疾病、傷害及び死因統計分類提要総論・新旧対照表(案)」

参考資料3「疾病、傷害及び死因統計分類提要索引・新旧対照表(事務局仮訳)」

参考資料4「ICD-10の一部改正スケジュール」

参考資料5「第15回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会議事録」となっております。

また、机上配付資料1「審議項目一覧」ということで、参考資料1、2から抜粋し、再掲したものが1部ございます。

机上配付資料2といたしましては、前回の事務局仮訳の元版の資料を再度お配りしておりまして、基本分類表です。

机上配付資料3は疾病分類の提要の中身。

机上配付資料4は総論の内容となっております。

机上配付資料5といたしましては、ICD-10一部改正にあたっての基本方針(案)」。

最後に、机上配付資料6といたしまして「ICD-10 Update Platform」。こちらは、ICD-10の実際に投票を行うプラットホームの1つの例示といたしまして、Post-polio syndromeの部分をお出ししております。

以上でございますが、お手元の資料に過不足、落丁等ございましたら、事務局までお申し出ください。

 

○菅野委員長

 先生方、資料はおそろいでしょうか。もしも欠けているようでございましたら、直ちに用意いたしますので、お知らせください。

 

○事務局

 続きまして、本日の委員の委嘱及び出欠の状況を御報告いたします。

本日付で、日本産科婦人科学会から御推薦いただいておりました水沼委員が、御都合により退任されることとなり、後任として久具宏司委員に御就任いただきましたので、御報告いたします。

 

○菅野委員長

 それでは、新委員としてお務めいただきます久具委員から一言御挨拶をお願いできればと思います。

 

○久具委員

 水沼前委員の後任といたしまして、日本産科婦人科学会から派遣されてまいりました久具宏司と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 

(拍手)

 

○菅野委員長

 よろしくお願いいたします。

 それでは、先ほど申しましたように、期末で皆さんお忙しい時期でございますが、委員の方の出席状況について、事務局から御説明をお願います。

 

○事務局

 委員の出席の状況でございますが、本日は、岡野委員、岡本委員、神庭委員、柏井委員、嘉山委員、清田委員、高橋委員、玉岡委員、土屋委員、矢永委員、渡辺重行委員の11名から御欠席の御連絡をいただいております。出席の委員数が全委員数の3分の1を超えておりますので、会議については成立しておりますことを御報告いたします。

 

○菅野委員長

 ありがとうございます。

 今回のこの会は、審議事項が多く内容も専門的な事項にわたりますので、必ずしもここで決められない場合もあると考えておりますので、こちらで十分審議ができない、あるいは専門的な意見が必要であるという場合には、またそちらにフィードバックをお願いしたいと思っております。

 それから、厚労省は非常に多いのですけれども、事務局にまた人事異動があったようですので、事務局から御報告をお願いします。

 

○事務局

 人事異動に伴いまして、統計情報部企画課長が本田から三富になりましたことを御報告いたしますとともに、三富からこの場をかりて御挨拶をさせていただきます。

 

○三富企画課長

 2月1日に統計情報部企画課長を拝命いたしました三富則江と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 委員の皆様方におかれましては、大変御多忙のところ、本委員会に御出席を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。

 この委員会につきましては、社会保障審議会の運営規則に基づき、平成18年に社会保障審議会統計分科会のもとに専門委員会として設置され、疾病、傷害及び死因の統計分類であるWHOICDの課題とその改善に関する我が国の対応方針について、WHOにおける審議や検討過程を踏まえながら御審議いただいてきております。

 現在、我が国の統計分類としては、平成18年1月からICD-102003年版を適用しておるところでございますが、このたび、2013年1月までにWHOが公表しました勧告内容を適用することとして、委員の方々に作業をお願いしておるところです。短期間に大変膨大な資料の確認に御対応いただきまして、まことにありがとうございます。

本日はいただいた御意見に基づき御審議いただき、専門委員会として部会へ報告する内容をおまとめいただきたく、お願い申し上げます。

また、もう一点の議題としまして、WHOにおける2014年の一部改正に向けた日本からの意見提出案についても御審議いただく予定でございます。

限られた時間の中で盛りだくさんの内容となり、まことに恐縮ではございますが、本委員会の趣旨を十分に御理解いただきまして御協力賜りますよう、何とぞよろしくお願いいたします。

 

○菅野委員長

 ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。

 そのほか、事務局からございますでしょうか。

 

○事務局

 円滑な議事の進行のために、写真撮影等につきましてはここまでとさせていただきますことを御了解ください。よろしくお願いいたします。

 

○菅野委員長

 先ほどの配付資料にございますように、非常に分厚い資料に基づいて、審議事項も今回は多岐にわたっておりますので、迅速な審議を行いたいと考えております。

 それでは、議事1「ICD-10の一部改正の日本への適用」。これはICD-11の開始がおくれる見込みが濃厚になってきているということもございますし、この間のさまざまな状況、医学の進歩にもう2003年版が対応できていないという状況が、例えば消化器分野でもございますし、多方面でもございますので、その間、きちんとICD-10のアップデートを取り入れようということでございまして、その辺は厚労省、大変評価できる動きをしていただいたと思っております。

 ということで、早速この議事に入りますので、事務局から説明をいただき、それについて審議を始めることにいたします。

 

○事務局

 事務局でございます。

まず、資料1-1及び1-2、1-3をごらんください。こちらにつきましては、統計法に基づく告示の分類表でございますが、専門委員及び日本医学会から御意見をいただき、反映させていただいたものでございます。

なお、資料1-2「疾病分類表・新旧対照表(案)」につきましては、人口動態・保健社会統計課保健統計室から修正提案がございますので、保健統計室長の瀧村からまず御説明させていただきます。

 

○菅野委員長

 それでは、瀧村さん。

 

○瀧村保健統計室長

 保健統計室長の瀧村です。

 保健統計室で所管しております患者調査の中で、疾病分類を用いて統計を作成しております。疾病分類を利用する立場から3点、疾病分類表の改正を提案しておりますので、それについて説明をいたします。

まず、1点目は脂質異常症の変更です。資料1-2の6ページ目をごらんください。疾病小分類のc-0410がこれまで「高脂血症」となっておりましたところを「脂質異常症」に名称変更していただきたいと考えております。

理由といたしましては、日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版」におきまして「高脂血症」を「脂質異常症」と表現を改めたこと。また、医療計画の作成に関する指針、これは厚生労働省の通知ですけれども、その中に現状把握のための指標として脂質異常症に関する記載があることです。

あわせまして、1ページ目のa-0403、疾病大分類の「その他の内分泌,栄養及び代謝疾患」を「脂質異常症」にしていただくこと。

3ページ目の疾病分類表中分類b-0403、下から4番目「その他の内分泌,栄養及び代謝疾患」を「脂質異常症」としていただきたい。追加をしていただくことを提案しております。

疾病小分類のみならず、大分類、中分類にも追加していただく理由としましては、先ほど申し上げました医療計画の作成指針の中に「原則記載すべき現状把握の指標」というのがございまして、その1つに「脂質異常症患者の外来受療率」がございます。これにつきまして、都道府県別集計の要望が自治体より出されております。疾病大分類、疾病中分類にも「脂質異常症」が追加されることによりまして、詳細な地域別集計が可能となりますので、このような提案をさせていただいております。

2点目は9ページになりますが、「部位不明の骨折」等に関するものです。疾病小分類c-1911「その他の明示された部位,部位不明及び多部位の損傷」に分類されるICDコード、基本分類コードのところにございますT14についてです。現在、T14は、ICDでは「部位不明の損傷」ですけれども、こちらは19章の「損傷、中毒及びその他の外因の影響」のc-1911に分類されておりますが、この中のT14.2「部位不明の骨折」、T14.3「部位不明の脱臼、捻挫およびストレイン」、T14.7「部位不明の挫滅損傷および外傷性切断」につきましては、部位不明ではありますけれども、それぞれ骨折、脱臼、挫滅損傷、外傷性切断に分類されることが適切かと思いますので、8ページにありますc-1905c-1906c-1910にそれぞれ分類されるように提案するものです。

3点目は、同じ9ページの疾病小分類のc-2109「歯の補てつ」に関してです。この分類にはICDコードのZ46.3「義歯の装着及び調整」、Z46.4「歯列矯正具の装着及び調整」が含まれておりますが、Z46.4につきましては、内容から見て疾病小分類のc-2109「歯の補てつ」からc-2110「特定の処置(歯の補てつを除く)及び保健ケアのための保健サービスの利用者」に変更するのが適切と考えられますため、提案をしております。

以上でございます。

 

○菅野委員長

 幾つかの名称、「脂質異常症」は今、そのような形で学会が扱っておりますので、それに伴う変更が1ページ目、3ページ目、6ページ目に加わります。御説明にないその他の新規追加等もあるようでございますけれども、先生方、特にコメントあるいは御質問ございますでしょうか。

それでは、お認めいただくということで対応させていただければと思っております。

そちらのほうはよろしいですね。これは疾病コードですけれども、ICD-10との関係、特に齟齬を生じるということはないということでよろしいのですね。

 

○事務局

 まずは疾病分類、死因分類につきましては、日本オリジナルの分類でございますので、これらがICD-10の基本分類に影響することはございませんが、名称等については、この次の議論で、幾つか御提案いただいたものを決めていただきますので、再度この疾病分類、死因分類ともに名称が変わる部分もあるかと思いますので、そこは御承知おきいただければと思います。

 

○菅野委員長

 その点、いきなりこれを言われてもわかりにくいところがあろうかと思いますので、御質問させていただきましたけれども、基本的には現状に合った名称変更、あるいは新規追加等々が行われるということでございますので、御了承のほどお願い申し上げます。

 

○事務局

 資料1-1、1-2、1-3に加えまして、参考資料1の分類提要の内容例示の新旧対照表及び疾病、傷害及び死因分類の総論の新旧対照表もあわせてごらんください。こちらは、告示内容に対して内容例示等の詳細なものを掲載されておりますので、相互にリンクし合いながら内容記載については決定されるものでございますので、あわせて御説明させていただきます。

 先ほどの告示の分類とあわせて、こちらについても、専門委員及び日本医学会からの御意見を、可能な限り反映する方針で事務局案及び選択案を御提示させていただいておりますが、一部異なる意見をいただいている箇所が何点かございますので、本日は、その部分について特に御議論いただき、委員会としての案をおまとめいただければと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。

異なる御意見をいただいている箇所の御審議については、15件ございます。

それでは、個別の内容を国際分類分析官から御説明させていただきます。一括説明をして、一括で議論になると、話が前後してしまって、混乱も予想されることから、御面倒かとは思いますが、1題ずつ内容を決めていただいた上で、次に行くということにしたいと思います。また、この後、URCの提案内容の議論もございますので、大変恐縮ではございますが、1課題当たり5分から6分程度で御審議をいただければ、大体時間内に終了することが可能かと思いますので、御協力よろしくお願いします。

 

○菅野委員長

 分野が異なりますので、一件一件審議しないと事は進まないのだろうと思いますし、また、専門学会からの代表が欠けているところもありますので、ここの場で議論が延々と続くということは難しいと思いますので、そのように一件ずつの審議ということにさせていただきたいと思います。

それでは、最初のところからお願いいたします。

 

○事務局

 それでは、個別に御審議いただきます。

 内容例示の項目4をご覧ください。これにつきましては、「A05 その他の細菌性食中毒、他に分類されないもの」というコードがございまして、除外項目としての表記「クロストリジウム・ディフィシルによる全腸炎(A04.7)」と事務局仮訳を御提案させていただきました。

 

○菅野委員長

 ちょっと済みません。机上配付資料と合わせるほうが見やすいですね。

 

○事務局

 済みません。そうですね。皆様、机上配付資料をごらんください。参考資料1は大変細かいので、見づらいことから、机上配付資料1として抜粋版を御用意いたしました。委員の皆様におかれましては、机上配付資料1「審議項目一覧」をごらんください。傍聴の皆様は、そのまま参考資料1をご覧ください。

 それでは、項目4の内容でございます。項目4の除外に「クロストリジウム」ということで項目を記載しましたところ、この項目名に御意見をいただきました。

 この項目タイトルは、内容例示の項目タイトルそのままを訳してしまいましたが、よくよく見ましたところ、「foodborn intoxication」という言葉が抜けておりまして、案3の内容に非常に近いので、これを採用させていただこうと考えましたけれども、ここに「intestinal」というのが入っていないことから、代案としまして、「クロストリジウム・ディフィシルによる食中毒及び感染症」という訳にさせていただきたいと思います。いかがでしょうか。

 

○菅野委員長

 よろしいでしょうか。感染症の関係でございますけれども、食物由来のCDは余り多くはないと思うのですが、でも、アメリカ等ではノソコミアルだけではなくて、一般の方がクロストリジウム・ディフィシルの強毒株に影響を受けているということはあることはあるので、こういう分類をつくっておくという必要性が生じたものと思われます。原文に忠実な形の代案が提案されたということです。

 

○飯野委員長代理

 正確に訳しているので、そちらのほうがいいと思いますね。

 

○菅野委員長

 そのほか御意見ございますでしょうか。

 それでは、とりあえず感染症にも一応お諮りいただいて、代案ということを一次採用案として設けるというふうにさせていただければと思います。よろしいでしょうか。

 それでは、次に参りたいと思います。

 

○事務局

 次に参ります。内容例示、項目6になります。3桁コードA09、4桁コードA09.0A09.9に対する御提案でございます。

事務局仮訳を御用意いたしましたけれども、御提案として右にございます案が出されました。

この分類項目といいますのは、感染症が原因とわかっているものをA09.0とし、感染症が原因かどうかも判明していないというものをA09.9にするという分類につくられていますので、A09.9、当方の仮訳をそのままにしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

 

○菅野委員長

 いかがでしょうか。案1はどこから出てきたのでしょうか。

 

○事務局

 実は感染症の委員からなのですけれども。ただ、そのまま使わせていただくと、A09.0A09.9が混乱するかと思います。

 

○菅野委員長

 難しくなると。

 

○事務局

 それから、A09.9のほうに「infectious」という英語が入っていないので、「感染」という言葉を除いたほうがいいのではないか。つまり、原文に忠実にしたほうがいいのではないかということで、事務局仮訳のほうでいかがでしょうか。

 

○菅野委員長

 事務局仮訳でいきたいと。そのほうが全体の整合性がとれるという御説明でございまして、それでは、感染症学会にそのように御説明をして、納得をいただくようにお願いしたいと思います。

先生方、よろしいでしょうか。この原文をどう訳していくかというのがこの作業の中心的な問題でございまして、日本語の適当な学術名、学術訳が医学会用語集で出ておりますので、それに基づいておりますが、今、言ったような全体像の分類体系から見ると、こちらの事務局訳がよろしいということでございますので、そのようにさせていただきます。

 それでは、御了承いただいたということで、次に行きたいと思います。

 

○事務局

 3番目に参ります。内容例示の項目7、19に関連するものでございます。原文といたしまして、「Human immunodeficiency virusHIVdiseaseB20-B24)」に対する事務局仮訳を御提案いたしましたところ、「後天性免疫不全症候群」という御提案をいただきました。事務局の仮訳の用語は一般的ではないという御意見でございましたけれども、医学用語辞典で確認しましたところ、HIVというのは、「ヒト免疫不全ウイルス」と記載がございましたので、「ヒト免疫不全ウイルス[HIV]」ということで、diseaseに関しまして、「症候群」と御提案をされていますけれども、diseaseを「病」又は「症候群」というふうに使い分けると混乱が生じると思っております。

 ここの項目を続けて話させていただきますと、HIVに関しまして、B20.0の包含のところにも記載がございます。原文「HIV disease resulting in tuberculosis」でございますけれども、事務局仮訳の「結核を起こしたHIV病」というのはわかりづらいというお話がございました。「HIV感染者に発症した結核症」と御提案をいただいたのですが、この訳に関しまして、例えば「HIV感染症であって、結核を併発したもの」と明記したほうがわかりやすいのではないかという御意見をいただいておりまして、御提案します。

 

○菅野委員長

 両方ともわかりにくいような気もする。

 

○事務局

 済みません。

 

○菅野委員長

 続いて、この項目全てやっていただきたい。

 

○事務局

 次に、B20.6の「カリニ肺炎を起こしたHIV病」というのがございまして、「HIV感染者に発症したニューモシスチス肺炎」又は「ニューモシスチス・イロベチイ肺炎を起こしたHIV病」ではどうかという御提案をいただいております。

先ほどのように、「起こした」というのを「併発した」にしてはどうかという御意見もございます。

それから、Z21の事務局仮訳として、「無症候性ヒト免疫不全ウイルス[HIV]感染状態」ということを御提案しましたところ、「HIV感染者」を入れたらどうかという御提案もいただきました。

 当初の予定ではございませんでしたけれども、B20.0の包含を例示したときに、タイトルとして「非結核性抗酸菌感染症を起こしたHIV病」というのはおかしい、誤訳ではないかということで、調べさせていただきましたら、辞典では、「mycobacterial infection」というのは、「マイコバクテリウム感染」と記載がございましたので、この項目に関しましては、「マイコバクテリウム感染を起こしたHIV病」、あるいは先ほどの御提案のように、「病」ではなくて「感染症」とするという御提案になるかと思います。

 内容例示の項目7、19に関しましては以上でございます。

 

○菅野委員長

 それでは、ちょっと御審議をいただいて。

B20.6は読み方が難しくて、誰も読めなかったりして、日本語訳としては「イロベチイ」に学会のほうで統一したと。「カリニ」はもう使わないということが確定しているわけですけれども、英語名は、ジロベッシーなのか、ジロベッキーなのか、このようにイロベチイなのか、どう読むのかが問題になっていたのですが、これでよろしいですね。

 

○事務局

 はい。

 

○菅野委員長

 そうだとすると、灰色の網かけのところに統一するのがよろしいだろうと思いますけれども、先生方、いかがでしょうか。

 

○飯野委員長代理

 これは、「起こした」と言うと、何か原因みたいに感じられるのですけれども、「併発した」とかそういう意味だと思うのですが、いかがですか。

 

○菅野委員長

 これは、「resulting in」というのが、結局、HIVの人にこれが起きたということで、そこはほかにもいっぱいあって、こういうふうに統一されていれば、これでいいかなと思うのですけれども、いかがなのでしょうか。要するに、これは続発症みたいなものですね。そのときの表現が、何々を来したとか起こしたとか、いろいろあり得ると思うのですが、統一的にどう扱われているのかということ。

 

○飯野委員長代理

 それで統一されていればいいと思います。

 

○菅野委員長

 いかがでしょうか。後の「sequelae」のところが出てくるのですけれども。

 

○事務局

 御提案のように統一した表現に合わせていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

○菅野委員長

では、そのようにしていただくということですが、「カリニ肺炎」はやめたほうがいいということで、これは名前がこういうふうに変わりましたので、変えていきますということでございます。

それから、一番上「不全症候群」ではなくて、「disease」になっておりますので、これはそのままにしておいたほうが無難ではないかと思います。いかがでしょうか。

次ですけれども、これもやはり「起こした」となっていますので、これも統一を図っていただくのでしょうけれども、「マイコバクテリウム」は、結核以外のものを指している。それを意訳をしていただいて、「非結核性抗酸菌」と書かれたのをそのままに直して「マイコバクテリウム」と。これも「ミコバクテリウム」でなくて、「マイコバクテリウム」が学名になっているということでよろしいのでしょうか。

 

○事務局

 医学用語辞典では「マイコバクテリウム」と記載がございますけれども、「ミコバクテリウム」、その学会によってはということがございますので。

 

○菅野委員長

 御確認いただいた上で、特にこれには問題はないと思います。

 次が「結核を起こした」ということで、「起こした」とか、案1は「発症した」とか、ニュアンスがより伝わるようにということで御提案があったのではないかと思いますが、これも同様な扱いということで、先ほど飯野委員がおっしゃったような、誤解を生まないようなわかりやすい訳にしていただくということになればと思いますけれども、先生方、いい知恵がありますでしょうか。

 ないようでしたら、事務局でほかを見回していただいた上で、統一していただくようにお願いしたいと思います。

 

○事務局

 わかりました。

 

○菅野委員長

Z21ですけれども、これはキャリアの状態で、「HIV感染者」となっておりますが、無症候性というのは、恐らく分けているのですね。だから、「HIV感染者」としてしまうと、これは全部を含んでしまって、発症している人も含んでしまうような訳なので、「感染状態」としているのは、そのためなのでしょうけれども、肝炎などは「キャリア」という形で発症していない人を分けているのですが、その辺はどうなのでしょうか。

 「感染状態」になっていますか。名越委員、どうですか。

 

○名越委員

 我々は、「キャリア」と言うと、無症候性も、症候性も両方含んでいいので、「感染者」となると、「無症候性」というふうには特定できないと思います。

 

○菅野委員長

 「無症候性」をつけたほうがよろしいということになるのですね。

 

○名越委員

 はい。

 

○菅野委員長

 「症候性」と言うと、また変なのですけれども。要するに、感染者であっても症候が出るとは限りませんので。B型肝炎でも症候が出ている人は少ないですものね。

 

○名越委員

 あれは肝機能異常というデータとしてです。

 

○菅野委員長

 ただ、「無症候性」のほうがより妥当であるというふうな御意見がございましたけれども、ほかの肝炎との絡みなども考えますと、そのように書くほうが、ただ単に「HIV感染者」よりはいいという御意見でよろしいのですね。

 

○名越委員

 はい。

 

○菅野委員長

 ですから、灰色の網掛け部分を採用するほうで。

 

○事務局

 ありがとうございます。

 

○菅野委員長

 先生方、御自由に御発言ください。

 

○久具委員

 特に専門というわけではないのですが、「無症候性」に「性」というのが入っていることによって、感染した人の中で症候が出る人と出ない人が初めから分かれていて、そのうちの症候のない人を指しているというふうに聞こえてしまうような気がするのですけれども、そうだったらそれでいいのですが、そうでないとすれば、「無症候性」ではなくて、「無症候の」としたほうがよろしいような気がしたのですけれども、どちらなのでしょうか。

 

○菅野委員長

 これは、まだ免疫不全状態を発症していないという意味ですね。項目19でしょうか。

 

○事務局

 これはZですから21章です。

 

○菅野委員長

 参考資料1の18のナンバーのところを抜粋してございます。全体が「ヒト免疫不全ウイルス病」となっておりまして、今、「シンドローム」でなくて「病」のほうが原訳に忠実であるということで、その中で発症していない状態を除くという「除外」というのが、「無症候性ヒト免疫不全ウイルス[HIV]感染状態」と訳しているわけです。ですから、「性」が要らないのではないかとか、「無症候の」と言ったほうがより明確ではないかと。あるいは「免疫不全を発症していない」とか、そういうふうに書くほうがいいのかもしれない。

 

○事務局

 先生、そうしますと、「性」を取って「無症候ヒト免疫不全ウイルス[HIV]感染状態」というのはいかがでしょうか。

 

○名越委員

 やはり肝炎の立場から言うと、「無症候性」というのをふだん使っておりまして、それは人間の一生の歴史の中で、この時期は無症候性であり、この時期は症候性でありというふうに経過していくもので、一般的に医療の現場では使っていますので、むしろそこを「無症候」とか「無症候の」とされると、ちょっと肝炎の使い方と変わってしまうな、統一性がとれないなと考えます。

 

○菅野委員長

 全体を見計らうと「無症候性」でいいのではないかという御議論ですが、久具委員、よろしいでしょうか。

 

○久具委員

 結構でございます。

 

○菅野委員長

 それでは、原案としては事務局仮訳にいたしたいと思います。

 ただ、感染症学会にもフィードバックをかけて下さい。きょう御欠席ですので、強い御意見があるかもしれませんので、よろしくお願いします。

 それでは、次の4番目、内容例示。

 

○事務局

 では、次に参ります。内容例示の項目117118に関連するものでございます。

 ここに例示しておりますけれども、G09「中枢神経系の炎症性疾患の続発・後遺症」、G09B91とも「続発・後遺症」ということに対しての御意見でございました。「sequelae」は「後遺症」でいいのではないかという御意見だったのでございます。ただ、ICDといたしましては、「sequelae」という言葉が非常に多く出てまいります。そうしますと、「続発・後遺症」を全て「後遺症」とすると大変な量であることと、それから今までその言葉を使っていて、言葉が変わるとちょっと混乱が起きるのではないかと考えられます。

辞典で調べますと、「sequelae」は「続発症」でも「後遺症」でもいいと書いてございますので、ここは併記をさせて、今までどおりに使わせていただければと考えますが、いかがでしょうか。

 

○菅野委員長

 これは特に異論はないのではないかと思いますので、このような使い方で統一性を図るというふうにいたしたいと思います。どうもありがとうございます。

 

○事務局

 次は5番になります。眼科ですが、きょう、柏井委員がいらっしゃらないので。ただ、御提案が非常に多岐にわたって、細かく御提案いただいて、参考資料のところに記載してございますが、見にくいだろうということで、事務局としてこのような表にさせていただきました。

ただ、これに関しまして、きょう決定ということにはならないと思いますので、もう一度柏井委員に、御意見を反映したこの表の形でよろしいでしょうかということを確認するとともに、委員長とも御相談して最終版としたいと考えております。いかがでしょうか。

 

○菅野委員長

 眼科は、内科疾患の眼病変としても出ますし、腎臓なども出るかもしれませんし、先生方の専門の立場から何かコメントをいただければと思うのですけれども。

簡単にざっと読んでもらえればいいかと思いますが。何を問題にされて提案されているのか、概要説明をお願いできればと思います。

 

○事務局

 わかりました。御意見といたしましては、「blindness」と「盲」には幅があっても「失明」は「光覚なし」の意だというふうにすべきということでございました。

 「visual impaiment」には視覚等の障害も含み、中心視野10度未満の視野障害も項目3に加味されているそうです。

「非視覚障害」という言葉がおかしいということで、「視力障害なし」という言葉を使っていくと。

事務局としていろいろ調べたところ、binocularというのは「両眼性」であり、monocularというのは「単眼性」、blindnessが「盲、失明」で、one eyeというのは、辞典には記載がなかったものでございますので、「片眼の」としていきたいということです。

low visionという言葉を片仮名表記にしたらという御提案があったのですけれども、以前、内容例示には「低視力」という言葉にしてございましたので、これはそのまま使わせていただければと考えております。

柏井委員からいただいたH54からH54.054.154.254.354.454.554.654.9に関しましては、ここに表記している形の言葉にしたいと考えております。

次のページをごらんください。

ここの分類項目、0、1、2、3、4、5とございますが、5の「盲〈失明〉」は「光覚なし」という意味だという御指摘がございました。

H54の分類表の「視覚障害」というのは、視覚障害がないのか、あるいは軽度の項目0、あるいは中等度の1、重度の2、盲〈失明〉の3、4、5、不特定の9ということで構成されているそうです。

前の改訂版にあった「低視力〈low vision〉」は、必要な低視力〈low vision〉ケアとの混乱を避けるために「1 中度の視覚障害」「2 重度の視覚障害」といった表記にするというような御提案だったのですが、柏井委員の御提案を表にしたものがここに記載している内容になっております。

 

○菅野委員長

 事務局としては同意ということでよろしいのですか。

 

○事務局

 ただ、本当に難しくて、盲〈失明〉のところを少し統一させていただいたほうがいいかと思っておりまして、きょう、柏井委員がお見えになったら御相談をしようと思っておりましたので、これはもう一度御相談ということにさせてください。

 

○菅野委員長

128の項目のところは、事務局仮訳と、柏井委員から、いろいろ詳しい分類を御提案のようでございますけれども、基本的にはそちらで解決していただくのがよろしいと思いますので、調整のほどお願いするということで。この辺の区分は我々非専門家には難しいところがありますので、調整をお願いします。

 

○事務局

 わかりました。

 

○菅野委員長

 それでは、よろしゅうございますか。

 特にコメントがなければ、次に移りたいと思います。

 

○事務局

 次は6番「Precerebral」の訳についてです。これまでも記載がございまして、統一がとれていないというような御指摘もありまして、ここに抜き出してございます。

まず、事務局仮訳をつくるときに、「Precerebral」を「前大脳動脈」と訳してしまいまして、これは誤りでございましたので、それは「脳実質外動脈」に直させていただきます。

それを踏まえまして、I72の除外項目、Q28.1の項目でございますけれども、「脳実質外動脈の解離,先天性(非〈未〉出血性)」という仮訳はどうかという御提案をいたしましたところ、案1といたしまして、「脳実質外動脈(脳底動脈、頚動脈、椎骨動脈を含む)の解離、先天性(非未出血性)」という御提案をいただきました。

英語にはこの括弧内はないのですが、I65の包含の表記のところに脳底動脈以下のこの3つの病態が記載してございますので、このほうがわかりやすいのではないかというふうに思っております。

同じ考え方で、I72.5の項目タイトル、事務局としては「その他の脳実質外動脈の動脈瘤及び解離」というふうに御提案申し上げますが、案1として、先ほど申し上げたように、「脳実質外動脈」の中に、意訳となってしまいますけれども、例示を入れるという形でどうかと考えております。

Q28.1に関しましては、同じく「脳実質外血管のその他の奇形」という御提案をしたいと存じます。

以上でございます。

 

○菅野委員長

 ありがとうございます。

 脳外科の嘉山委員はきょういらっしゃらないのですが、御意見ございますでしょうか。I65にも例示、括弧つきを入れたほうが順番としてはいいのではないかと思うのですけれども。

よろしいでしょうか。コメントとして、I72のところに案1として括弧つきが出てきますが、順番から言うと、I65が先に出てくるので、そこの中にも括弧つきで「脳底動脈」云々というのを入れておいたがほうが姿がいいように思うのです。I65から見ていきますから、先にも入れておいたほうがいいのではないかと思うのです。

 

○事務局

 わかりました。

 

○菅野委員長

 これは言葉の問題で、「Precerebral」という言葉自体は、本当は「Extra Precerebral」とかといった英語がいいのでしょうけれども、そういうふうに使っていらっしゃるということですから、そのように直していただくというのが適切かと思います。

先生方、よろしゅうございますか。

それでは、このような対応をさせていただきます。

 続きまして、7番でございます。

 

○事務局

 7番、内容例示の項目223になります。ここはコード名がN19のところでございまして、「unspecified」という言葉が出てまいります。御提案としては、unspecifiedというのは、unspecified originだとか、unspecified siteだとか、unspecified云々とあって、訳がいろいろだと。「原因不明」とか「特定不能」と訳したほうがいいのではないかという御提案。また、N19に関しては、「特定できない」という言葉にしたほうがいいのではないかという個別の御提案だったのですけれども、unspecifiedはたくさん出てまいります。それを全部まとめて「特定できない」あるいは「特定不能」としてしまうと、また混乱が生じると考えますと、できれば個別に表記するというよりは、「unspecified」というのは、例えば中身が全然わからない、原因が特定できないという以外に、例えば記載がないとか、特定しようと思ったけれども、単に記載がなかっただけなのだという場合も使えるようにといったことを勘案しまして、総論の適当な箇所にunspecifiedはこういうことも意味していますという注記を入れるような対応でいかがでしょうかということでございます。

 

○菅野委員長

 英語の訳の問題でございますが、使い方として、「unspecified」がいっぱい出てきますので、先ほどのような、事務局がいろいろこの分類をなさった経験から、このような注記で対応するのが一番やりやすいというお考えですので、これもよろしいかと思います。特に御異論がなければ、そのように進めさせていただきたいと思います。

 それでは、そのようによろしくお願いします。

 

○事務局

 はい。

 次は8番、内容例示の項目306、総論、項目73に当たります。

大変申しわけございませんが、ここでおわびでございます。私ども事務局の仮訳をつくる際に、内容例示と総論、同じ項目タイトルがございまして、訳を合わせるべきだったのですけれども、統一がとれておりませんでした。そのために多々御意見をいただいてしまいましたが、基本的には統一表記にしたいと考えております。

 いただいた意見が幾つかございますけれども、提案といたしましては、R65.0R65.1に関しましては事務局仮訳の内容、そしてR65.2に関しましては、今まで「非感染症が原因」と訳しておりましたが、「感染症」「非感染症」という言葉が少しわかりづらいという御提案があって、R65.2「感染症が原因でない全身性炎症反応症候群,臓器不全を伴わないもの」、R65.3は「感染症が原因でない全身性炎症反応症候群,臓器不全を伴うもの」という表記にしたらどうかと御提案させていただきます。

 

○菅野委員長

 これは針谷委員とか、いろいろな委員に御関係があろうかと思いますけれども、よろしゅうございますか。

 

○針谷委員

 この訳でよろしいと思います。

 

○菅野委員長

 滝澤委員もよろしいですか。呼吸器もしばしばSARSございますけれども。

 

○滝澤委員

 わかりやすいと思います。

 

○菅野委員長

 ほかにないようでしたら、今の事務局の御提案にさせていただきたいと思います。どうもありがとうございます。

 

○事務局

 次は総論の項目16でございます。原文のところに網かけしてございます箇所に提案がございました。提案としましては、英語に合わせたほうがいいということでございました。

例えば「haemorrhage,cerebral/」といったところに関しまして、事務局として「脳出血」という医学用語にさせていただいたのですが、英語に合わせると、「出血、脳/頭蓋内」といった表記になるという御提案でございました。事務局としては、確かに英語に忠実というのはいいのですけれども、わかりづらくなるので、できれば一つの単語として表記させていただいてはどうかと考えてございます。

 

○菅野委員長

 これももう既に定着した用語ですから、このほうがわかりやすいと思いますので、特に異論がなければ、そのようにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、よろしくお願いします。

次をお願いします。

 

○事務局

 総論項目16になります。これも上記の書き方と同じですけれども、事務局としては「肺水腫又は肺の血液沈滞」という仮訳にしてございましたが、それがわかりづらいということで、「肺水腫又は肺うっ血」ではどうかという御提案をいただいております。これはいかがでしょうか。

 

○菅野委員長

 これは滝澤委員にお伺いしたい。「肺の血液沈滞」というのは余り使わないですね。

 

○滝澤委員

 「水腫、肺」というよりは、「肺水腫」というのは間違いなくいいと思うのですけれども、「血液沈滞」か、「うっ血」かというのはよくわかりませんが、辞典では「血液沈滞」なのですか。言葉としては使ったことがないです。

 

○事務局

 医学辞典には「沈滞」「うっ血」両方ともあって、使っているかどうかは別にして、訳としてはどちらも可能な状態です。「沈下うっ血」という訳語も辞書には載っています。

 

○菅野委員長

 両方可能なのであれば、よく使うほうがよろしいのではないかと私は思いますけれども、先生、いかがでしょうか。

 

○根本委員

 昔の病理の教科書には「沈下性肺炎」という言葉が出てきます。でも、「水腫」「うっ血」のほうが一般的なのではないでしょうか。

 

○菅野委員長

 という病理の御意見もいただきましたので、「肺うっ血」というほうがいいのではないかというのが大勢のようでございます。

ということで、事務局仮訳を変えて、案1のほうでいくというのがここの御意見のようでございますけれども、よろしゅうございますか。

 

○事務局

 わかりました。ありがとうございました。

 

○菅野委員長

 ということで、やはり「うっ血」でよろしいというような御意見をいただきましたので、そのようにさせていただきます。

 

○事務局

 ありがとうございました。

 次に参ります。総論の項目3237の該当箇所でございます。

 「Combination」「multiple」といった英単語がございまして、それを日本語では若干混在した使い方になっておりました。そこで、統一したらどうかということで、ここに記載してございます、今までは「複合」「連合」といった表記になっていたものを「複合」としたらどうか。

multiple」に関しましては、この4つほどの表記がございまして、これは「複数」としたらどうか。

そういうことからいいますと、「Multiple conditions」に関しては「複数の病態」。次の「(Coding ofmultiple conditions」ということでは、「多発病態」という表記。

統合案として当方で出させていただいている表記にすると、訳が統一可能になるのではないかというふうに御提案をさせていただきました。

 

○菅野委員長

 これも2つは「複数」だと言えるかもしれないのですが、「combination」というのは、2つが組み合わさっている。doubleということが主に使われているようですけれども、multipleは2つよりさらに多いというニュアンスで使うことが多いのだろうと思いますが、必ずしもきれいに分けられているわけではないですね。日本語はニューメリカルに関して甘いので、なかなか苦労するところではないかと思いますが、言語に強い先生、何か御意見があれば。中谷委員は、何か御意見はございますか。

 

○中谷委員

 先ほどから電子辞書を見ながらやっているのですけれども、「combination」は基本的に2つの病態を合わせていて、「multiple」というのは3つを超えたものということで、この統合案でよろしいのではないかと思います。

 

○菅野委員長

 現在の訳というほうがよろしいということで。統合案で「複合」と「複数」と「多発」と分けているのですが、事務局としては網かけをしたいわけですね。

 

○事務局

 はい。

 

○菅野委員長

 ただ、「複合」と「複数」というのできれいにニュアンスがとれるかという問題だろうと思うのですけれども。

 

○中谷委員

 「複合」と「多発」でしょうか。

 

○菅野委員長

 「複数」と言うと、やはり「複合」も含むように思いますね。

 

○中谷委員

 「複数」と言うと、「複数原因分析」という言い方は余り耳なれないので。

 

○菅野委員長

 「多発」が下にございますね。「multiple condition」は「多発」にしている。「multiple conditions」は「複数」と。2つが並ぶということになりますから、「多数」というふうにしたほうがいいかもしれないと。つまり、「多発」「多数」。「複数」と言うと、「複合」も含むと。

日本語の問題なのですが、中田委員、いい訳はありますか。

 これは事務局も相当頭を絞ったのですね。

 

○事務局

 混乱するということで、整理してほしいという御意見があって、頭を悩ませてこの形になったのですけれども、ぜひ統一させていただければありがたいのです。例えば「複合原因分析」と言うけれども、「多発原因分析」「多数原因分析」とは言わないとかというふうに、言葉として若干違和感が出てくるかなと思いまして。

 

○菅野委員長

 そうすると、そちらは「複合」にしておいて、上を「合併」とか。

 

○事務局

 「combination」を「複合」という形にさせていただく。「multiple」は「複数」という形がいいかと思ったのですが、「多数」がいいという御意見ですか。

 

○菅野委員長

 下が「多発」になっていますでしょう。同じ「multiple conditions」になっていて、上の「Multiple conditions」は「複数」ということで、違う訳になっていますね。そうすると、やはり統一されていないという意見が出るのではないかというふうにも思うのですね。なるべくここらあたりは整理するということと、それから「combination」というのは2つの組み合わせですから、下が「複合」ということで現在の訳で使われているわけですが、上に「複合」を持っていってしまうと、ますます混乱するような感じになってしまうのではないか。

 

○飯野委員長代理

 委員長が言われるように、「combination」は「複合」で、「multiple」は「多数」と「多発」でまとめたらどうですか。その使い方は、その文の状態によって変えていっていいと思うのですが。

 

○菅野委員長

 そのほか、中田委員とか、何か御意見ございませんか。

 

○中田委員

 分けようとするのでいろいろ難しくなるのであれば、全部同じでもいいのではないかと思います。

あと死因分析などでは、「multiple cause of death」のときは「複合死因」で、「複合」という言葉が使われると思います。

 

○菅野委員長

 「複合」を残して、むしろ上の「combination」を変えるのがいいのかもしれないですね。

 これは、2つ以上の組み合わせは実例としてあるのですか。一番上の「combination」のコードについて、あるいは「condition」について、総論における用語としては「multiple」と分けてありますね。

 

○事務局

 総論には、2つの病態を合わせて1つのコードにする、つまり、病態を合わせて1つのコードにするということがあるので、それが複合病態なのです。

 

○菅野委員長

 それは通常2つに限っているわけで、3つ以上のことはあるのですか。

 

○事務局

 索引を選び出すとかというときに、2つの病態を1つのコード名にするみたいなことがございます。

 

○菅野委員長

 それはいいのですけれども、その3つの病態が合わさっている例もあるのですか。

 

○事務局

 ありますね。

 

○菅野委員長

 そうすると、なかなかわかりにくいですね。

 

○事務局

 そうなのです。

 

○菅野委員長

 そうすると、全部「複合」にしてしまえという御意見も今、いただきましたけれども。

 

○中谷委員

 「連結」という言葉があったのです。

 

○菅野委員長

 どちらに関してでしょうか。

 

○中谷委員

combinationです。

 

○菅野委員長

combinationのほうね。そうすると、対等になるということ。

 

○横田委員

 救急医療の領域、あるいは外傷領域からちょっと御意見をさせていただきますと、「multiple injury」とか「multiple trauma」とかよく使うのですが、同一損傷とか同一ディメンションの中での単数でないという意味で我々は使っています。だから、polymonoのような分け方で使っています。

 「combine」のときは、ディメンションの違うもの、原因が全く違うもの、例えばある一定の損傷を起こしても、原因となったのがお薬を飲んで交通事故というようなことは「combine」。だけど、起こったけがが、手(腕)が折れていて、頭が割れていて云々となれば、単一損傷ではないということで、「multi injury」あるいは「multi trauma」「poly trauma」という言い方をするのです。だから、数の問題だけではなくて、ちょっとディメンションの違う組み合わせを言っているのではないのかなと思いますが。

 

○菅野委員長

 ですから、先生のおっしゃる場合は「多発」という表現のほうが正しいわけですね。

 

○横田委員

 ええ。だから、「multiple」は「多発」。

 

○菅野委員長

 今、言ったように、ディメンションが違う場合は、「複合的な」というニュアンスの訳のほうが本来の意味を正しく反映できるという御意見でございますので、「複合」というのは分ける。そうすると、上が「複合」で、下が「多発」のほうがいいですか。

 そういう使い方をされている現場があるということでございますので、「multiple」の場合は、基本的には同一ディメンションのものを指すと。いずれにしても、注記をしていただいたほうがいいかもしれません。それで整合性がとれるかどうかが問題でございますが、この要望はあちこちで出てくると思いますので。そういう対応で大丈夫ですか。ちょっと検討していただいて、後でまた。

 

○事務局

 整理して御提案をさせていただいたほうがよろしいと思います。

 

○菅野委員長

 それでは、これは事務局で調整ということで。現場の使い方の御意見をいただきましたし、いろいろな意見が出ましたが、実際に適用される場合の実態を反映できるようになるべく考えたいということで、これは事務局で検討いただくということで、よろしいでしょうか。

 それでは、そのようにさせていただきます。

 

○事務局

 わかりました。

次に、12番、総論の項目119120122125126等に該当しているものでございます。これは、がんの表記の問題でございます。

新生物に関連しまして、用語としましては、cancercarcinomaneoplasmtumorsarcomaといった用語が使われております。

医学用語辞典で調べてみましたところ、cancerは「癌、癌腫」、carcinomaに関しては「癌、がん、癌腫」、neoplasmに関しては「腫瘍」を推奨する。または、「新生物」、tumorに関しましては「腫瘍、腫瘤」、sarcomaに関しては「肉腫」というような表記がございました。

総論の中に言葉で使い分けしているようですので、想定といたしまして、cancerに関しては、総論的表記ということで、「がん」を使ったらどうか。

carcinomaに関しては「癌(腫)」、つまり、癌、癌腫、同義語という扱い。

neoplasmに関しましては、部会でも御提案いただいておりましたが、「腫瘍〈新生物〉」。

tumorに関しましては「腫瘍」。

sarcomaに関しましては「肉腫」というふうに訳し分けることでどうかと考えております。

 

○菅野委員長

 それでは、これは多領域にわたりますので、少し御議論いただきたいと思います。

今日は、がん研の土屋委員がいらしていないのですが、国立がんセンターは「がん」で、これはなぜかというと、白血病とかも含めるので、平仮名にしてくれと。漢字にすると、固まって、かたいものというイメージがあるのでよくないという議論があったと聞いていますけれども、いかがでしょうか。先生、病理のほうは。

 

○根本委員

 病理学的に学生に総論で腫瘍のところを教える場合には、cancerという定義づけは、上皮性、非上皮性という意味で、広い意味での悪性新生物を全て含むのです。ですから、「癌」という表現を使っていますけれども、実際のcarcinomaというのは上皮性の悪性腫瘍ということで、「癌腫」というのが正式な名称というふうに我々は考えています。

neoplasmというのは、もちろん今も使いますけれども、余りいい言葉ではないと考えています。新しい推奨案では「腫瘍〈新生物〉」と書いてありますが、そのほうが非常にわかりやすい表現だろうと思います。

tumorは、両方訳がありますけれども、実際のところは併記しておいていいのではないのかなと思います。

sarcomaは、「肉腫」でいいと思います。

 

○菅野委員長

 落合委員、何かございますか。

 

○落合委員

 今、根本委員が言われたようなことでいいのではないかと思うのです。実際に使い分けているかというと、決して現場ではそんなに使い分けてはいないのですけれども。平仮名と漢字は一応概念的には使い分けていることと、「癌」は上皮性のもので、対応するのが「肉腫」であるという概念は学生のころから教えていますので、そういう対応でよろしいのではないかと思います。

 

○菅野委員長

 「肝臓がん」が平仮名になってしまうことに関して、名越委員、よろしいですか。

 

○名越委員

 これは「carcinoma of liver」なので、漢字になってよろしいのですね。

 

○菅野委員長

19のIは「肝臓の続発性がん」と平仮名になっていて、これは「癌」ということで、漢字にすると。

 

○名越委員

 漢字にしていただいたほうがいいと思います。

 

○事務局

 済みません。これは前回お出しした仮訳でございますので、今回決めていただければ、それに基づいて「癌」を当てはめるようにいたしますので。今回、一般的に多方面にわたるものですから、例示として12で原文のところを挙げていますので、ここで掲示したものがそのまま通るというものでないことは御理解いただければと思います。

 

○菅野委員長

 基本的に「癌」は、上皮性のものであれば漢字でよろしいということでございます。

tumorに関しては、辞典における訳のごとく「腫瘍」、また、括弧して「腫瘤」というのをつけると。

neoplasmは、「腫瘍」というよりは「新生物」ということでしょうかね。

 

○落合委員

 ですから、提示されている網かけのところで、cancerは「がん」。例えばhematologic cancerという場合、漢字にしてしまうとおかしいので、やはり平仮名でいいだろう。

ですから、carcinomaは「癌(腫)」でいいかなと思いますし、それ以下は、それでよろしいのではないかと思うのです。

 

○菅野委員長

 「腫瘍(腫瘤)」というのと、neoplasmというのは、必ずしもがんとは限らないので、「新生物」のほうがいいのではないかと私は思うのですが、落合委員、そういうことでよろしいでしょうか。

 

○落合委員

 結構です。ただ、腫瘍でも良性腫瘍、悪性腫瘍と言いますね。結局、neoplasmも同じことで、腫瘍イコール悪性ではないので、neoplasmは「腫瘍」でも問題ないのではないかと思います。

 

○菅野委員長

 ただ、下に「tumor」があって、「腫瘍」となっていますので、使い分けがあるようですから、むしろ下を「腫瘤(腫瘍)」としたほうがいいのかもしれませんね。

 

○落合委員

 そのほうがいいかもしれない。

 

○根本委員

 私らも実際講義をするときには、tumorの定義としては、実際の「腫瘍」を意味する場合と、それから腫れ物、massがあるものを「tumor」と表現するので、両方の意味合いがあるというふうに定義しています。

 

○菅野委員長

 ですから、neoplasmは「新生物」で、下の「tumor」は「腫瘤(腫瘍)」としておくというような感じなのでしょうか。

 

○根本委員

 括弧よりも、むしろ両方の意味合いがあるので、スラッシュのほうがいいような気がします。

 

○菅野委員長

 併記でよろしいですか。

 では、これはそのような意見が出たということで、がんセンター、がん研の所属委員が今日いらっしゃいませんので、彼らに聞いていただいた上で、このような方向で統一していくと。

 一番上の「cancer」は「がん」。「carcinoma」は「癌」、「neoplasm」は「新生物/腫瘍」ということになるのでしょう。

tumor」は「腫瘤/腫瘍」。2つ並ばない、なるべく使い分けたほうがいいと思います。

sarcoma」は「肉腫」と。これはいいということですか。

 

○事務局

 実は医学用語には「新生物」という言葉がないのですね。それで、今回「腫瘍」で、かつ「neoplasm」については、我々は「新生物」を使っていましたので、「〈新生物〉」と表記をするというふうにひねらせていただきました。

 

○菅野委員長

 これは医学用語につけ加えるように言えばいいだけの話ですけれども。

 

○森内委員

 日本医学会の医学用語辞典には「新生物」が入っていますよ。ただ、推奨語、代表語にはしていないだけで。

 

○事務局

 わかりました。

 

○菅野委員長

 ということに対応したほうが早いと思いますけれども。

 では、そのような形で、ちょっとフィードバックをかけないと、がん関係の方の御意見も伺いたいと思いますが。

 

○事務局

 もう一度まとめさせていただきます。

 今、仮として決めさせていただいた案としましては、cancerが「がん」、「carcinoma」は「癌腫」でよろしいですか。当方の案どおりで「癌(腫)」でしょうか。

 

○菅野委員長

 根本委員、どうでしょうか。

 

○根本委員

 括弧の中に「腫」は入れないような気がする。もしも書くのでしたならば、括弧を取って「癌腫」のほうがいいと思います。

 

○事務局

 では、carcinomaは「癌腫」、neoplasmは「腫瘍〈新生物〉」。ではなく、「新生物〈腫瘍〉」。

 

○名越委員

 そうすると、例えば「肝細胞癌腫」という名前になってしまうので、やはり括弧を入れておいていただかないと。

 

○落合委員

 日本語で「癌腫」と呼んでいるものは多分どこにもないと思うのです。だから、それは「癌」だけにしておいてよろしいのではないでしょうか。

 

○菅野委員長

 よろしいですか。病理的には「癌腫」という場合もある。

 

○落合委員

 病理的にはそうですけれども。

 

○菅野委員長

 一般病名としては「癌」という。

 

○落合委員

 病名が出てくるところにこのまま入れないほうがよろしいような。

 

○事務局

 それであれば、「(腫)」を残しておくと両用可能になるところなので。

 

○菅野委員長

 それでは、括弧に入れておいていただいて、「癌」と両方使えるように。

 新生物のほうは、先に「新生物」があったほうが、下に「腫瘍」が出てきますので、使い分けが多分あるのだと思いますから。先ほどのように境界病変とか、良性を含むとかもあり得ますので。

 

○事務局

 それでは、neoplasmは「新生物<腫瘍>」。

tumorは「腫瘤<腫瘍>」。

sarcomaは、「肉腫」でよろしいですか。

 

○菅野委員長

 一応、仮にはそういうことで。

 

○事務局

 では、仮として、これでがんセンター等にお問い合わせをするということでよろしいでしょうか。

 

○菅野委員長

 はい。また、がん研究会の土屋委員の御意見も伺っていただければと思います。

 

○事務局

 了解いたしました。

 

○菅野委員長

 では、続いて。

 

○事務局

 大きな項目としては最後になります。13番、総論においては頻出する表現がございまして、この訳に関しまして多数御意見をいただいています。

具体的には、下のほうに13➀13➁13➂と番号を振って例示を記載してございます。

それらの例示をまとめますと、下にあります➀、➁、➂といったパターンに分けられるように思います。ですから、英語の表現はもう決まっておりますので、それに合わせて和訳をどうするかの御検討をお願いしたいと思います。

これが使われているところというのは、例えば死亡診断書に2つの病態が書かれていたときに、その2つの病態の関係をどう捉えるかということを指示するための文章です。

例えば➀というのは、上下の因果関係がはっきりしている場合の表現です。

➁は、因果関係を認めてはいけないよという場合の表現。

➂は、因果関係を認めるという場合の表現の仕方です。

原文で言いますと、➀は「A should be obvious consequence of B」。事務局としては「Aは、Bの明らかな結果と考えるべきである」というふうに考えました。案1のような御提案をいただいています。「Aは、明らかな原因となるBを考慮すべきである」ということでございます。

➁は「C should not be accepted as D」。「CはDによるものとして受け入れられるべきではない」と事務局仮訳をつくりました。

案1としては「Cが明示された場合は、Dを原疾患とすべきではない」。

案2としましては「Cは、Dによるものと考えるべきではない」。

➂の例としましては、「E should be accepted as F」。事務局の仮訳としましては、「Eは、Fによるものとして受け入れられるべきである」。

案1としましては、「Eは、Fによるものとする」。

案2としましては、「Eは、Fによるものと考える」という御提案でございました。

 

○菅野委員長

 どちらも下手な訳だなと思って見ていますけれども。いかがでしょうか。こんな訳をしたら、多分70点とか。

➀などでも「クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎は、抗生物質療法の結果として生じたものとして想定されるべきである」なんていうのは、いかにもかたいですね。

肺のところ、あるいはそれぞれの御専門のところで「consequence」というのが出てきますが、これは何で言葉を堅苦しくのですか。「CD腸炎は、抗生物質療法の結果、生じたと考えるべきである」と単純にすればいいように思うのですけれども、「想定されるべきである」というのを絶対訳したいという考えがあったのですか。

 

○事務局

 これはあくまで仮訳でして、もともとICD-10初版のときからこういった言い回しをしてきたので、踏襲なのですが、こういうのはわかりづらいという御指摘をたくさんいただいているので、今回直していきたいと考えています。

 

○菅野委員長

 私などは、「クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎は、抗生物質療法の結果、生じたと考えるべきである」とすれば、それでいいようにも思うのですけどね。「想定すべきある」というのは余計な。

 

○落合委員

 原文には「assumed」が入っているけどね。

 

○菅野委員長

 だから、「assumed」を絶対訳したいと考えているからそうなのかという質問をしたのです。

 

○事務局

 そういうことで。勝手に取ってはいけないというふうに思いますので。

 

○菅野委員長

 それだったら、「想定すべきである」と考えればいいので、「考える」を「想定」にして、「されるべきである」などと言わないですから、「想定すべきである」とすればいいだけの話。要するに、訳が下手だなというのはそういうことなのです。「ものとして」とか、余計な言葉が入る。「もの」なんて要らないわけで。

ほかの先生はいかがでしょうか。灰色を中心にお考えいただければと思います。何しろかたいなと。

considered」は「考える」としている。「assumed」は「想定」としているので、そのことは単純にすればいいのでしょうね。

 

○事務局

 委員長、この文章自体は、実はドクターに向けてというよりは、コーダーに向けて情報が来たときにどう考えなければいけないのかというのを主眼に書いていますので。

 

○菅野委員長

 だから、余計わかりやすい言葉が必要なのです。

 

○事務局

 なので、こういうふうに考えてはいけませんよというふうな、ちょっと高圧的と言うと変ですけれども、指導的な言い回しになっているというのがベースにあって、そのためにこういう言い回しになっているということです。

 

○菅野委員長

 そうです。でも、例えば事務局仮訳の➀の一番上の17を例にとっていますが、「結果として生じたものとして想定されるべきである」ということと、「抗生物質療法の結果、生じたと想定すべきである」というものとでは基本的に違わないですね。簡単になる。短く。

 

○事務局

 その点については、全体的にしゃくし定規な感じでなくて、もう少し角を落とした文章にしたいと思いますので。

 

○菅野委員長

 あとは、その辺をちょっとやわらかく直すというふうな御検討で、むしろコーダーの方から意見を聞いたほうがよろしいかもしれませんね。こういうふうに訳されると、お役所用語はわかりにくいというかねてからの批判があるように、トランスレーションをまた必要とする。「検討する」というのは「当面やらない」という言葉であるとか、いろいろ言われていますから、そのようにならないようにわかりやすい言葉を心がけていただいて、コーダーの方々の御意見も頂戴したらいかがでしょうか。

 

○事務局

 わかりました。

 

○菅野委員長

 では、次に行ってよろしいでしょうか。

 

○事務局

 本件に関しては以上です。

 

○菅野委員長

 それでは、よろしいですか。かなり大変な作業でございますけれども。

 

○事務局

 ペンディングになった件、専門委員に確認する件につきましては、専門委員と御相談させていただいた上で、委員長と御相談して最終案を決定させていただいてもよろしいでしょうか。

 

○菅野委員長

 はい。それでは、そのようにお願いします。

 続いて、議事として2番に入りたいと思います。それでは、事務局からよろしくお願いします。

 

○事務局

 まず、参考資料4「ICD-10の一部改正スケジュール(国内)」という表裏になっている資料をごらんください。

 今まではICD-102013年版の国内適用でございました。今度はICD-10の最新版の改正をWHOに提案する内容でございます。ICD-10の一部改正に向けた国内の対応に関するスケジュールについては、表紙の「国内」と書いているものの予定で今回進めてきたところでございます。

ICD-102014年の一部改正に向けて提案する意見として、発表自体は2015年ですが、昨年5月に日本医学会を通じまして各学会の修正意見を募らせていただきました。御提出いただきました意見を取りまとめたところでございますが、こちらが資料2「URCへのICD-10一部改正提案について」になります。少し厚目のもので、表に書いてあるものです。1枚おめくりいただきますと、それぞれの学会から提案された提案書がついてございます。

先般、これらの御提案について、委員の皆様に日本提出意見とすることについて賛否を伺ったところでございますが、必須項目としていた情報の不備等もあるものがございますので、中には提出を見送るほうがいいものもあるのではないかという御意見をいただいております。実は一度URCに提案して受け入れられなかった場合というのは、議事が残りますので、再度の提案というのはなかなか難しくなります。このため、提案するに当たっては、確実にWHOに反映させることを前提に提案をしていかないと、必要なものを提案しても採択されない。以後、再度復活が全く行われないということになってしまうと、必要なデータがとれなくなってしまうということもございますので、こういった面からも少し評価をしつつ、必要事項を埋めていく必要があるのではないかと思います。

ついては、具体的な個別内容について、国際分類分析官から御説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 

○事務局

 それでは、資料2をごらんください。

 通し番号を振ってございます。全部で33件の御意見をいただきました。

日本小児腎臓病学会からは、コードとしてN17に該当するものでございます。「Acute kidney injury」。今まで「renel failure」という言葉を使っていたのを「Acute kidney injury」というのが一般的になったのでということの御提案でございました。

診療情報管理学会からは3件。たこつぼ症候群。子宮平滑菌腫。「頸骨過労性骨膜炎」というのは仮訳でございます。「Medial tibial stress syndromeShin Splints」の御提案でございます。

脳卒中学会からは、脳梗塞、一過性の脳虚血発作及び関連症候群、ラクナ梗塞についての御意見をいただきました。

日本泌尿器科学会からは、膀胱の悪性新生物、精嚢原発の悪性新生物についての御提案がございました。

日本皮膚科学会からは多くの御提案をいただいてございます。

また、日本消化器病学会からは4件ございまして、これらについて御意見をいただいたところでございます。

以上です。

 

○菅野委員長

 腎臓学会はよろしいでしょうか。

 

○飯野委員長代理

AKIについては、もうWHO-URCで既に検討されていると思います。

 

○菅野委員長

CKDとパラレルの概念で、こういうふうになってきているということですけれども、整形外科の関係もありますし、婦人科の関係もございますが。子宮平滑筋腫というのが診療情報学会から出ていますけれども。どうぞ。

 

○落合委員

 この内容というか、この提案票というのはかなり細かい表記がなされています。例えば治療法のこととか症状云々とか。この位置づけというのは、どういう位置づけになるのですか。

 

○事務局

 机上配付資料6をごらんいただければと思います。一番下のところに入っているかと思います。これとあわせて参考資料4の裏側の「ICD-10一部改正スケジュール(WHO)」をごらんください。

最後に御説明をと思っておったところでございますが、ICD-10の改正スケジュールは、3月末までにWHOのホームページ上で登録を行うということがまずスタートになります。それに基づいて、WHOからホームページ上に掲載をされたものに対して、各WHOの協力センター、現状20弱程度ございますが、各国の協力センターがそれぞれ1票の票を持った状態で、それを採択するかどうか、それともペンディングにするかということを投票してまいります。

その投票に当たって、実際にホームページ上で繰り返されている議論というのが、机上配付資料6でございまして、これはPost-polio syndromeについて特に出したものでございます。

実はこれは採択された内容でございまして、こういった内容でそれぞれの定義であるとか、診断基準、鑑別診断というものが適切に提示されることによって、投票については1回目が6月、2回目が9月、最終的にはフェース・ツー・フェースのミーティングの中でペンディングになったものを決めていくということですが、こういった説明がしっかりできるものについては、1回目の投票、2回目の投票のネット上で採択が決まってしまいます。

それによって、実は10月のフェース・ツー・フェースのミーティングのときには、これをどうするかという議論はされずに、そのまま翌年の1月に発表されるという流れになりますので、一番理想的には、こういうネット上での登録と説明に基づいて、実際のミーティングの中で議論するのではなく、ネット上でもう既に最終案として登録されてしまうというのが一番理想的なもの。となると、そのときに必要になってくるのは、ほかの病気とどう違うのかとか、まとめたときにどういうふうな影響が出るのか、対比となるようなものについてはどういう動向があるか。

例えば大腸の血管の異形成等については、「大腸」という限定がかかっているけれども、ほかの項目は「腸」という広い意味での限定がかかっております。そうすると、「大腸」をもし仮に「腸」というふうに拡大した場合には、「大腸」と「腸」という拡大に対して、どれぐらい差が出てくるのか。では、小腸にはどれぐらいの発生頻度があって、それに対して統計の継続性にどれぐらい影響が出てくるのかというのが必要になってくる。

あとは、新たに病名が分離されたもの、例えばアルツハイマー病の中で一緒に扱われたレビー小体型といったアルツハイマーに対して、レビーとは分けましょうといった場合に、では、その中でどう鑑別診断をかけていくのですかというものに対して、同じではないのではないかということを適切に説明しないと、各国のセンターからは了解を得られないという状態になります。

そういう意味では、中身については拡充して書いていただく。あと、どれぐらい国際的にその数を知ることの意味があるかということ。あと、国際的な偏在がどうあるのか。発展途上国で多いのか、それとも先進国で多いのかといったものがあることによって、各国の政府、要するに、コラボレーションセンターの了解が得やすいということがございますので、そのために中身の濃い内容の御提案をいただきたいということで、こういった様式をつくった次第です。

ただ、最低限必要な項目というのは、※をつけた必須項目でございますが、最後まで議論してどうにかペンディングになるというよりも、最初のときに必要だという認識をさせるためには全体を埋めていただく必要がある。

必要ないところは、「必要ない」。ここは詳細コードの明示、行き先を明確化するので、「必要ない」という表記であって、「わからない」という表記になってしまうと誤解が出ます。1回目のチャレンジでございましたので、日本医学会とも連携するということ、我々の努力が少し足りないところもあったと思いますので、そういうところをブラッシュアップしながら、確実にICDの中に入れていくためにこういった表記にさせていただいたところでございます。

 

○落合委員

 今のNo.3の診療情報管理学会から出ている「子宮平滑筋腫」は、非常に当たり前の名前で、わざわざ新規で出す理由は何があるのか。

 

○事務局

D25「子宮平滑筋腫」には4桁コードが4種類ございます。D25.0というのは「粘膜下子宮平滑筋腫」、25.1として「壁内子宮平滑筋腫」、25.2として「漿膜下子宮平滑筋腫」、25.9として「子宮平滑筋腫部位不明」という4桁コードになっております。

御提案としては、粘膜壁内にオーバーラップするもの。

 

○落合委員

 いや、これは総称ではないかと思うのです。

 

○事務局

 そうなのですか。

 

○落合委員

 総称としてこういうものを提案したいということであれば、それはわかるのですが、4桁になる前の、D25として総括してこういうふうにしてはどうかと。そういうのはなかったですか。

 

○事務局

 この点は、D25として「子宮平滑筋腫」という3桁のタイトルがあるのです。4桁目を分けるに当たって、粘膜下とか壁内とか漿膜下とかというところにオーバーラップする領域があって、それをコーダーが区別しづらいと。

 

○落合委員

 もしそうだとしたら、これは産婦人科学会ときちんと話をして、意見をまとめられたほうがいいと思います。内容的には、MRガイド下集束超音波というのは日本では保険適用されていない非常に限られた治療法であるので、内容的にもそこら辺のところをお話し合いになって最終案をまとめていただいたほうがいいと思います。

 

○菅野委員長

 松本委員、どうぞ。

 

○松本委員

 私は専門が循環器なのですけれども、診療情報管理学会でまとめた責任者が私なので、お話しさせていただきます。

我々のところではICD委員会というのが学会の中にありまして、診療情報管理士の資格を持っている医師の会というのがございまして、大体50名ほどございます。本件はその中の婦人科の先生の御意見でございます。ですから、産婦人科学会とのそごに関しては、ある可能性がかなり高いと思います。ですが、一応その意見を取り上げたというわけでございます。

その人の意見によりますと、子宮筋腫の場合はオーバーラッピングを結構するので、現在の分類だけでは実際の分類がちょっと難しいというので、それぞれが合併したような分類の項目をつけていただいて分類をしたほうがいいのではないかという案でございます。

ですから、それは産婦人科学会からお話を聞くというのは十分に検討していただくということでもございます。一応、提案をさせていただきました。

 

○菅野委員長

 これからその調整の議論ということでございますので。

 久具委員、いかがでしょうか。

 

○久具委員

 私も全く同様に思いまして、この提案があることにちょっと奇異な印象を持ったものでございます。特に治療法のところに、順序が意味をなすのかどうかはわかりませんけれども、MRガイド下集束超音波手術というのが第一に出てきているところが現状とは合わないなと思いまして、それで産科婦人科学会との話し合いはどうなっているのかというふうに疑問を持ったわけでございます。

 

○松本委員

 全くなされておりません。済みません。

 

○菅野委員長

 最初のスタートがここでございますので、これからきちんとやりましょうというために、皆さんに出てきた提案をごらんいただくと。

 

○望月委員

 同じことは、その次のNo.4の脛骨疲労性骨膜炎についても言えます。というのは、「Shin Splints」というのは、私が研修医のとき読んだ英語の教科書にもはっきりと出ているのですが、それについては、日本語の訳がアカデミックに非常に難しくて、スポーツとの関連はその当時から指摘されておりますけれども、非常に難しいのです。整形外科学会の中にもICD-10の検討委員会とスポーツ医学会、学術用語委員会と組織が3つありまして、時間がなかったものですからそれぞれの委員長に具申したところ、提案自体に問題はないだろうけれども、特に「脛骨疲労性骨膜炎」という病名はいかがなものかということが指摘されました。私自身もそう思いましたし、私自身もかつて整形外科学会の学術用語委員を務めたことがあります。

したがいまして、これをずっと見てみますと、次のページに「Shin splintsは過労性」と。確かにそういう原因だという注訳があるのですが、用語の定義が非常に難しくて、「脛骨部痛」としか書けなかったのです。それと片仮名で「シンスプリント」と。整形外科学会の中の用語集では、苦心したあげくその2つしか。しかも、引用した「臨床スポーツ医学用語集」というのは、通常「臨床」とつきますと、開業医さんの集まりなのです。アカデミックにも非常に問題のある文献を引用している。既に本家本元ではかなり苦心、大変な思いをしてそういう用語を使っていたものですから。私自身もこの用語、疾患名を初めて見ました。

ということで、学術用語委員会が3月20日過ぎにあるものですから、その検討まで結論を待ってくれと事務局にお願いしたところでございます。そういうことがありまして、ちょっと整形外科学会としてはペンディングにさせていただきます。

 

○菅野委員長

 望月委員、どうもありがとうございました。

 

○松本委員

 専門ではないので何も言えませんけれども、先ほど申し上げましたように委員からの意見を吸い上げて、私は私なりにいろいろ調べてみたのですが、先生のおっしゃるように、余り確立したものではないみたいなのですね。そう思いながらもつくり上げてまいりました。

ですが、こういうふうな悩みもあるとお伺いしてございますので、ここをどこに落とし込むかということだろうと思います。専門的な立場から整形外科学会でご検討をよろしくお願いしたいと思います。

 

○菅野委員長

 ありがとうございます。

これは素の案で、出す前でございまして、先ほど谷さんが言ったように、練り上げて出さないと、まずインターネットの中で討論が行われて、却下されたら二度と浮かばれない可能性も出てくる。

もう一つは、平場での議論がありますが、そこで戦えないと困るのですね。英語のハンディキャップがありますから、なかなか戦いにくいのですけれども、やはり学会のサポート体系がきちんとしていないといけないというので、こういうフォーマットもだんだん日本が提案するようになって、練ってくる中で最低限こういうのが必要であろうというので出てきたものでございます。今のように、提案としてアイデアは出すけれども、関連学会との調整その他がきちんとできていないと戦えないので、今後、関連学会の先生方と事務局で調整を図った上で、戦えるものを出すということにいたしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。全部やっていますと切りがないし、これはまだ素案でございますので。

時期としてはいつごろを考えていらっしゃいますか。

 

○事務局

 ことしの提案期限が3月31日になるかと思いますので、参考資料4の裏のWHOのほうをごらんください。3月の末日までにネット上で登録というふうになっております。これを受けてWHO側で作業が始まって、6月、9月にネット上での意見交換及び投票があり、最終的にだめだというものと、いいよというものを外した状態で、まだ決められないというのが多くても落とされてしまいますので、ちょうど半々ぐらいでどちらかわからぬというものは、フェース・ツー・フェースで決めていくということになります。

 発表自体は来年の1月に発表されるようになりますので、その段階で発表されて、実際にICDに反映される。

1月発表時にされるという限定ではなく、何年に発表されるという条件つきです。今回の糖尿病についても、14年1月適用といったような適用期限がついた形で出てくるものも中には入ってきます。そういった形で発表されて、最終的に決めていくというふうになります。

 

○菅野委員長

 ということは、余り調整時間がないので、望月委員と松本委員の学会のほうの調整が1カ月ですと難しいだろうと思いますので、そういったものは出さないで、継続審議という形でやらせていただくということですが、先生方、よろしいでしょうか。

 

○松本委員

 いい御提案だと思います。

各国の現状ですけれども、結局は、各学会ベースでいろいろな意見が出たものをその都度出すのではなくて、プールして、しかも十分に審議した上できちっとした形で出していく。ですから、1回ずつの仕事ではなくて、長い目で見た仕事としてやっていただくということが極めて重要だと思うのです。

ですから、本日、いろいろ言われてしまいましたけれども、こういうことは今までやってきたわけでございますが、これをさらに日本の全体のベースでやっていただければ、非常にいいことになるだろうと期待をしています。よろしくお願いしたいと思います。

 

○菅野委員長

 こういうのを議論する場が従来は余りなかったのが、こういう場ができてくるということと、日本は提案自体を全くしたことがなかったのが、提案をして幾つか認められたという実績がようやくこの何年間かで出てきたので、積極的に関与していく。

そういう知的な汗をかくといいますか、そういう作業に学会の先生方のお力をいただいて、日本の存在感を国際的なレベルで示すという機会でもあろうかと思いますので、食い違いは当然あるわけでございますが、共同提案という形に持っていければと思います。事務局から御連絡を差し上げますから、ぜひ各学会でもんでいただいた上で、来年あるいは再来年という形で提案していくということをお願いしたいと思います。

 よろしゅうございますか。

 

○渡辺賢治委員

 そういった意味では、参考資料4の裏なのですけれども、これは3月から始まっているのですが、この前に日本の取りまとめをいつから始めるかというスケジュールはあるのですか。

 

○事務局

 その裏側に国内向けのスケジュールがあります。2年目途で表記させていただいているところで、先日、日本医学会の用語委員会の全体会のところでも御紹介させていただいたところでございます。

 

○渡辺賢治委員

 わかりました。

 

○菅野委員長

 それでは、事務局で、多角的な検討の必要性が今、幾つかの例でもう既に出ておりましたので、それぞれ関連学会と協議をしていただいた上で、かたいものについて提案をすると。

インターネット上でディスカッションが行われますので、日本語の文献は実際上は出せないわけですね。ですから、英語の文献ということに限定していただくのがよろしいかと思います。多くはガイドラインでありますとかメタアナリシスなどのエビデンスレベルが高いものがよいと思います。つまり、WHOの基準はメタ解析をエビデンスの最上位に置いておりますので、何かの根拠のときは、いわゆるエビデンスレベルの高いものをお示しいただく。ただ単に原著論文であるとかいうのではなくて、メタ解析、しかも複数のメタ解析がなされて、それが一致しているものをなるべく文献的根拠として挙げていただくということが必要だろうと思いますので、各学会で御検討の際はその点もぜひ考慮していただければと思っております。

 この点はそういうことでよろしいでしょうか。

 

○事務局

 はい。

 

○菅野委員長

 それでは、調整は事務局にお願いするということでございまして、できたものは幾つかを御提示いただくということにいたしたいと思います。

 次はその他ということでございます。その他、事務局あるいは先生方のほうから何かございますでしょうか。特にございませんか。

 ないようでしたら、時間をオーバーすると懸念しておりましたが、これで今回の会を閉じたいと思いますが、よろしゅうございますか。

 それでは、先生方、御議論ありがとうございました。


(了)

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