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2013年10月25日 第196回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

職業安定局派遣・有期労働対策部需給調整事業課

○日時

平成25年10月25日(金)10:00〜


○場所

厚生労働省 共用第7会議室(5階)


○出席者

(公益代表)鎌田委員、柴田委員、橋本委員、阿部専門委員、竹内(奥野)専門委員
(労働者代表)石黒委員、清水委員、新谷委員、春木オブザーバー、宮本オブザーバー
(使用者代表)秋山委員、小林委員、高橋委員、青木オブザーバー、大原オブザーバー

事務局

岡崎職業安定局長、宮川派遣・有期労働対策部長、鈴木企画課長、富田需給調整事業課長
松原派遣・請負労働企画官、鈴木主任中央需給調整事業指導官、亀井需給調整事業課長補佐、木本企画調整専門官

○議題

1 今後の労働者派遣制度の在り方について(公開)
2 一般労働者派遣事業の許可について(非公開)
3 有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可について(非公開)

○議事

○鎌田部会長 ただいまから、第 196 回労働力需給制度部会を開催いたします。本日は、議題の「労働者派遣制度の在り方について」を、公開で行い、その後、許可の諮問の審査を行います。審査としては、資産の状況等、個別の事業主に関する事項を扱うことから、非公開とさせていただきますので、傍聴されている方々は、御退席いただくことをあらかじめ御承知いただきたいと思います。それでは、本日の議事の労働者派遣制度の在り方について、議事に移りたいと思います。

 本日の進め方については、「派遣先の責任の在り方」、「派遣労働者の待遇」、「派遣労働者のキャリアアップ措置」の 3 点について、事務局から資料を説明してもらった後に、御議論を頂ければと思いますが、派遣労働者の待遇とキャリアアップ措置については、重なり合う部分も多いことから、この 2 つは併せて御議論を頂きたいと思っております。

 はじめに、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○亀井補佐 本日、お配りしている資料について御説明させていただきます。事務局から資料を 4 種類、また、新谷委員から御提出していただいた資料が 1 種類を用意しております。確認していただき、過不足等がありましたら、事務局にお伝えください。

 資料 1 です。こちらは本日現在の委員名簿です。労働者代表の清水委員に役職の変更がありましたので、その変更を反映させたものです。

 資料 2 です。本日の 3 つの論点の派遣先の責任の在り方、派遣労働者の待遇及び派遣労働者のキャリアアップの措置について、御留意いただきたい点を事務局がまとめたものです。

1 番として、派遣先の責任の在り方です。派遣先の団体交渉応諾義務について、法制的な対応を行うべきとの意見について、どう考えるか。また、派遣先と派遣元の使用者責任の分担について、現在の整理から見直すべきと考えられる点はあるか、という論点を提起しております。

2 番として、派遣労働者の待遇についてです。これは 2 つに分けており、 (1) 均等・均衡待遇についてです。 (2) 労働・社会保険の適用促進及びその他の待遇改善に係るものです。 (1) 1 つ目の○は主に均等待遇についてで、派遣労働者の待遇改善のために、派遣先の労働者との均等待遇を義務付けるべきとの意見について、どう考えるか。また、労働契約法や、パートタイム労働法の仕組みを導入するべきという意見について、どう考えるかという論点です。

2 つ目が均衡待遇に関するものです。我が国の労働市場の状況を考えると、仮に均等待遇が直ちに困難であるとした場合には、派遣先の労働者との均衡待遇。こちらは、平成 24 年改正において配慮義務が課されており、これを強化していくことについて、どう考えるか。また、強化していく場合に、派遣先の協力が不可欠という意見について、どう考えるかということです。 (2) 労働・社会保険の適用促進、その他の待遇改善に係る論点をまとめたものです。

3 番として、派遣労働者のキャリアアップ措置についてです。派遣という働き方は、入職しやすいというメリットがある一方で、労働者のキャリアアップに十分結び付いていないという指摘もあります。このキャリアアップを推進していくことについて、どのように考えるべきか。また、推進していくとすれば、どのような仕組みが考えられるかということです。御参考として、研究会報告の抜粋を 3 ページ以降に付けておりますので、適宜、御参照いただければと思います。

 資料 3 です。本日の 3 つの論点に係る関係資料をまとめたものです。論点ごとに整理しております。まず、派遣先の責任の在り方に係る資料です。 2 ページを御覧いただくと、改正労働者派遣法附則の規定の抜粋です。派遣先の責任の在り方が論点となった契機に係るもので、下線部にあるように、平成 24 年改正法の附則に設けられた検討規定ですが、派遣先の責任の在り方について、速やかに検討を行うものとされております。

3 ページです。今の附則に係る国会での議論を御紹介するものです。長妻大臣が検討規定を設けた趣旨を説明されている部分でして、下線を引いてあるように、派遣先の団交応諾義務などについて、最後の部分ですが、労働政策審議会において議論を行っていただくこととしております。

4 ページです。朝日放送事件の概要です。労働契約の当事者である雇用主と、労働者、更に第三者が関わってくる事案において、この雇用主以外の第三者に、労働組合法上の使用者性が認められるか否かが争われる事案のリーディングケースとなったものの、判決などの概要をまとめたものです。

 一番右に最高裁の要旨を記しておりますので読み上げます。第三者であっても、アンダーラインのとおり、雇用主から労働者の派遣を受けて自己の業務に従事させ、その労働者の基本的な労働条件について、雇用主と部分的とはいえ、同視できる程度の現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にある場合においては、その限りにおいて、労組法第 7 条の使用者に当たるものと解することが相当であると。例外的に使用者性が認められるといった判示がされております。

5 7 ページです。派遣先の団体交渉応諾義務について、中央労働委員会が示した命令の概要です。 5 6 ページの結論としては、使用者性が否定されたショーワ不当労働行為再審査事件の概要ですが、 2 番の判断の要旨の下線部のとおり、ただいま紹介した朝日放送事件の判例の考え方を踏まえつつも、そこに続く部分のように、派遣法の立法趣旨としても、派遣法において派遣先は、労組法第 7 条の使用者に該当しないことを原則として立法されたと解することが相当と示しつつ、これに続く部分で、一定の例外をおいて、派遣先においても、労組法第 7 条の使用者性が認められるといった幾つかのケースを 5 6 ページにわたって挙げられております。

 アンダーラインのとおりですが、 6 ページ目の真ん中の○にあるとおり、例えば、派遣先事業主に対して、当該派遣労働者の雇入れを求める行政勧告ないし、その前段階としての行政指導がなされた場合であるとか、それに続く指針が派遣先事業主に求める措置を履行していない場合に、同事業主が、当該派遣労働者の基本的な労働条件等に対して、雇用主と部分的に同視できる程度に支配力を有している場合や、幾つか例外を挙げていただいております。

7 ページです。同じく、中央労働委員会で使用者性が認められた阪急交通社不当労働行為再審査事件の概要です。判断の要旨の 3 つ目の○のとおり、判断枠組としては同じですが、個別具体的な材料を勘案して、この事案について、現実的かつ具体的な支配力を有していたものと認められたという形で、具体的な内容を見て結果が分かれるものになっております。

8 ページです。派遣労働者に対するインターネット調査に基づいて、派遣先に対する苦情の申立ての有無を問うた結果をまとめたものです。苦情を申し立てたことがある方は 2 割。ない方が 8 割という結果です。

9 ページです。同じ調査を基に苦情の中身をまとめたものです。表の左から御覧いただくと、業務の内容に対する苦情が最も多く、職場での人間関係がこれに次ぐという結果になっております。

10 ページです。同じ調査を基に苦情の相談先をまとめたものです。表の左から、相談先として最も多いのは派遣会社である。次いで、派遣先の派遣責任者に伝えた。次いで、派遣先の上司ということになっております。

11 ページです。派遣先に対する苦情・トラブルの内容です。ネット調査ではなく、アンケート調査を基にその結果をまとめたものです。最多は、表の下段の真ん中の職場での人間関係。次いで、表上段の真ん中より少し左の業務の内容で、ネット調査と同様の傾向が出ております。

12 ページです。同じく、アンケート調査によって苦情の申立てや、トラブルの相談をどこに行ったかというものですが、最多は、表の真ん中の派遣会社である。次いで、一番左の派遣先の派遣先責任者。次いで、右の派遣先の上司というネット調査と同様の結果になっております。

13 ページです。これはアンケート調査によって、派遣先に対して派遣労働者からどのような苦情・トラブルが寄せられているかの結果をまとめたものです。最多は表の真ん中の人間関係が 29.4 %です。次いで、表上段の真ん中辺りに、業務の内容というものがあります。次いで、その左の労働時間という結果になっております。

 受付方法として表の 2 ですが、派遣先に問うておるもので、当然、派遣先責任者が最も多いという結果になっております。

14 ページです。 13 ページまでは主に、団交応諾義務や苦情等のトラブルについて問うたものですが、 14 ページの資料は、現行の派遣法に基づき、労働基準法等の責任の分担の概要をまとめたものです。労働基準法上の様々な使用者責任については、派遣元は賃金、年休、災害補償、産前産後休業。派遣先は労働時間、休憩、休日、時間外 / 休日労働等という形で責任の振り分けを図っております。安全衛生法や、男女雇用機会均等法などにおいても責任の振り分けを図っておりますが、労働基準法の部分について、考え方を簡単に紹介すると、労働者の具体的な就業に関わるものについては派遣先が、そして枠組みを設定するものについては派遣元が、という考え方の下に、このような具体的な振り分けを行っております。

15 ページです。ここからは論点の 2 である派遣労働者の待遇に係る資料です。

16 ページです。規制改革実施計画の関係部分の抜粋です。 6 14 日に閣議決定されたものですが、概要欄の (2)(3) のとおり、派遣労働者のキャリアアップ措置と派遣労働者の均衡待遇の在り方について、議論するよう決定されております。

17 ページです。諸外国の派遣労働者の待遇に関する義務の国際比較を行ったものですが、主に均等待遇を中心に、 EU とその加盟国においては、 EU 指令に基づいて、等しく均等待遇が設けられているという結果です。日本においては先ほども少し触れましたが、均衡待遇の配慮義務を掛けているという結果です。

1 つ資料に訂正がありまして、注 3 において、「労働協約により派遣先の正規労働者と異なる労働条件の設定が可能」、ここの部分ですが、事実関係を現在確認中の部分がありますので、その旨、御留意いただければと思います。

18 ページです。論点案にも挙げております労働契約法とパートタイム労働法における関連規定を抜粋したものです。契約法は、期間の定めをもって不合理な労働条件を設けることを禁止するものであります。パートタイム労働法は、業務の内容が通常の労働者と同一の方についての差別的取扱いを禁止する内容となっております。

19 ページです。現在の派遣制度において、均衡待遇の配慮義務がどのような形で掛けられているかということで、派遣元と派遣先に分けて関連規定を抜粋したものですので、参考として御覧ください。

20 ページです。ここからはデータ関係です。派遣労働者の方に対するアンケート調査を基に、派遣元が行っている均衡待遇のために教育訓練の取組を行っているかどうかを問うた結果をまとめたものです。 (1)(2)(3) とありますが、雇用形態別に見られるようにしたものですが、全体の傾向として、上の表の真ん中の「派遣先企業に対して、派遣労働者が同様の業務を行っている他の社員が受けている教育や研修を一緒に受けられるようにしてほしいと働き掛けている」のが最も多い。次いで左の、派遣先企業で、派遣労働者に対し個別に教育や研修を行ってもらうよう、働きかけている、といったものが多い結果となっております。

21 ページです。均衡待遇のための福利厚生について問うたものです。上段の左の、福利厚生施設を利用できるよう働き掛けている、というのが最も多く、真ん中の物品の貸与がこれに次ぐという結果です。

22 ページです。同じく、アンケート調査を派遣先に問うた結果をまとめたものです。どのような均衡待遇の取組を行っているかというものです。最多は上の段の真ん中の福利厚生施設の利用です。次いで、その右の物品の貸与という結果です。

23 ページです。インターネット調査によって、派遣労働者の方に待遇改善の希望を問うた結果をまとめたものです。左から順に最も多いのは、賃金・手当を改善してほしい。次いで、交通費を支給してほしい、という結果です。

24 ページです。紙調査のアンケートによって、派遣労働者の方に待遇改善の希望を問うたものです。最多は、表の上の段の賃金・手当を改善してほしい。次いで、表の下の、交通費を支給してほしいと、おおむね同様の傾向です。%は違っておりますが、順序としては同じになっております。

25 26 ページです。待遇に係る資料のうち、社会保険や労働保険の適用に係る部分です。現行制度の派遣法や派遣規則の指針において、どのような措置が設けられているかを抜粋したものです。

27 ページです。加入状況に係るデータをまとめたものです。真ん中の派遣労働者の方々ですが、正社員や契約社員よりは少し低く、パートタイム労働者よりも、かなり高いという結果になっております。

28 ページ以降は、論点の 3 つ目のキャリアアップ措置に係る資料をまとめたものです。

29 ページです。アンケート調査によって、派遣元において均衡待遇のためのということではなく、教育訓練をどのようなことを行っているかという結果をまとめたものです。最多は、表の上段の真ん中の、派遣就業前に行うというもの。次いで、その右側の、派遣就業中の者に対する研修、となっております。上段の左の、登録中の者に対する研修、というのは、大体、無期がほかよりも多いという結果になっております。

30 ページです。具体的な中身を問うたものです。全体の傾向としては、表の下段の、安全・衛生の確保、コンプライアンスのために行うもの、というのが最多で、次いで、上段の左の汎用的なビジネススキルに係る研修という結果になっております。

31 ページです。派遣先に対して、派遣労働者のスキル向上のために、どのようなことを行っているかをまとめたものです。最多が左の派遣先での OJT です。次いで、その右側の派遣先の従業員と合同での Off-JT です。真ん中より少し右のスキル向上に役立つ情報提供も、そこそこの数字となっております。

32 ページです。労働者に対して、どのような研修を受けたことがありますかということを問うたものです。最多は、表の下段の右の、研修を受けたことがない、という結果になっており、受けた中身で多いのは、表の上段の一番右のコンプライアンス研修がおおむね最多となっており、次いで、初級 OA スキルや情報保護、汎用的なスキルなどが大体、同様の数字で並んでいるという結果です。

33 ページです。このページ以降は、賃金に係る調査結果をまとめたものです。アンケート調査によって、派遣元に対して、どのようなときに派遣労働者の賃金を上げるのかを問うた結果をまとめたものです。最多は、表の一番上の左側の、派遣労働者のスキルや経験が上がったとき、という結果です。そのほか、雇用形態によって若干のばらつきがありますが、表の真ん中の右側の、派遣労働者に対する派遣先からの評価が上がったとき、というのも、かなりのポイントが付いております。また、上段に、業務に必要な資格を取得したときであるとか、勤続期間が長くなるにつれて、そういったものについて無期であれば、賃金が上がる契機となり得るという結果になっております。

34 ページです。同じアンケート調査によって、派遣元にどのようなタイミングで賃金アップを行うものかを問うたものです。最多は、雇用形態によってかなりばらつきがありますが、無期であれば、定期的に行っているものが最も多い。それ以外の雇用形態については、表の上段右側の不定期というものが最も多い結果です。

35 ページです。同じくアンケート調査によって、派遣元に対して、派遣労働者のキャリア形成のために、どのような取組を行っているかを問うた結果をまとめたものです。かなりばらつきがありますが、最多は、表の一番上の左側の自己啓発支援であるとか、中段右側、自社における昇給・昇進制度があるというものが、かなり高くなっている結果です。その他の取組については、おおむね同程度の数字となっております。

36 ページです。派遣労働者を無期雇用に転換させたことがあるかどうかということを、派遣元に問うて結果をまとめたものです。不明が半分ありますが、転換した例はないが 4 割弱あります。では、転換したときは、どのような形態なのかということをそれぞれまとめております。

37 ページです。ネット調査によって、派遣労働者の方々に能力やスキルをどのように獲得しているかを問うた結果です。表の左から多い順ですが、派遣先での OJT です。次いで、派遣就労を始める以前の経験で、これも OJT 類似かと思いますが、このような結果です。

38 ページです。同じく、ネット調査で労働者の方々に、キャリアアップができたと感じることはありますかと問うたものです。半数の方がキャリアアップできたと感じることがあるという結果です。業務別に分けて見ることができますが、説明は省略いたします。

39 ページです。キャリアアップができたと感じることがある、と答えられた方に、どういうときにそういうことを感じますかと問うた結果をまとめたものです。最多は、仕事が高度になった、幅が広がった、というのが 6 割です。次いで、希望する会社、業種・職種に就けたという者と、賃金が上がったという者が大体、同程度となっております。

40 ページです。アンケート調査によって派遣労働者の方に、能力やスキルの獲得方法を問うたものです。最多は、表の上段左の OJT です。次いで、右側の、派遣就労を始める以前の職場での経験、ということで、ネット調査と同様の傾向です。

41 ページです。同じく、アンケート調査によって労働者の方にキャリアアップできたと感じることがありますかと、問うたものです。「ある」が 5 割で、「ない」が 4 割です。おおむねネットと同様の傾向と考えております。

42 ページです。同様のネット調査で、派遣労働者の方に直接雇用の打診を受けた経験の有無を問うたものです。 7 割ほどが「ない」。打診を受けた方はどういう雇用形態で受けたことがあるかということを、それぞれまとめております。

43 ページです。直接雇用の打診を受けた経験を業務別に分けて見たものです。

44 ページです。紙のアンケート調査によって、労働者の方に直接雇用の打診を受けた経験の有無を問うたものです。「ない」が 7 割弱で、ネット調査と同様の傾向です。

 資料 4 の参考資料の説明をいたします。前回の部会等で、委員からお求めになられたものをまとめたものです。 1 ページは、現在の派遣制度において、派遣期間を延長する場合に過半数労働組合等から意見聴取を行うこととなっており、その関与の状況をまとめたものです。表の 1. は、派遣期間の制限のある業務について、期間延長する場合の定めを設けているかというものです。定めているものが 5 割。いないものが 4 割という結果です。表の 2. の定めているのであれば、期間はどの程度定めていますかというものですが、大体、 3 年が 6 割。それ以外は、ばらけているという結果です。

2 ページです。意見聴取をした際に、労働組合等がどのような反応を行っているかというものです。表の 3. の最多は、特に意見は出されなかった。次いで、受入期間を延長してよいと。意見の聴取を行うべきですが、行っていないのが 1 割あります。また、 1 %ですが、受入期間を延長すべきでないという意見も出ております。表の 4. が、こうした意見を出す場合に期間に限らず、どのような意見を付けているかというものです。特に意見は出されなかったが 7 割ですが、表の左側にあるように、派遣労働者の受入れは、あくまでも一時的・臨時的な場合に限定すべきであるとか、正規雇用を減らすべきではないなど、合計すると、 2 割程度あるという結果です。参考資料の御説明は以上です。

 資料 5 の新谷委員から御提出していただいた資料ですが、議論の過程で適宜使用されるということで、説明は省略いたします。

○鎌田部会長 どうもありがとうございます。それでは、派遣先の責任の在り方から、自由に御発言をお願いしたいと思います。

○高橋委員 論点の前に、資料に関してなのですが、新谷委員にちょっと苦言を呈させていただきたいと思います。私は、本日の資料 5 を見て本当にびっくりしました。驚きを隠せません。委員の提出資料として新聞記事のコピーが出されるということに関しては、極めて問題ではないかと思っています。私自身、審議会の委員をさせていただいて結構たちますが、初めての経験で、本当に驚いています。

 既に前回の会合の資料の中でも、厚生労働省から諸外国の労働者派遣制度についての概論の資料は出されていますし、本日も、待遇に関する関連の資料が出されているところです。もし仮にその内容に不十分だと感じる部分があれば、資料の追加要求を厚生労働省にするべきですし、もしそれでは不十分だとお感じになるならば、新谷委員ほどの見識の高い委員であれば、自らの責任で自らが作成した資料を提出されるか、あるいは、所属される組織の資料を提出されるべきではないかと思います。もし、こうした形の資料提出を許していくようになれば、自分の主張に近い記事のコピーをお互いに出し合うというようなことにもなりかねないことになりますし、私自身は、こうしたことは悪しき前例になっていくのではないかと考えております。したがいまして、今後はこうしたことのないように是非慎んでいただきたいと思いますし、本日の資料をホームページに掲載するときも、できればこの資料は削除していただきたいと、懇願させていただきたいと思います。

○新谷委員 今、高橋委員から、資料の扱いについて御発言があったわけですが、私は、今日の議論に資するという意味で資料の提出の判断をさせていただきました。今日は均等待遇が後ほどのテーマになっていますが、頂いている資料の中では、諸外国の中でもヨーロッパの資料は入っているのですが、私どもに非常に近い中国と韓国の部分が不足していると思います。これは新聞の記事ではありますが、事件を扱った記事ではなく、一般的な解説記事が書かれているものですから、これが新聞記事だから駄目とか、ほかの論文だったらいいとか、あるいは厚労省が出す分だったらいいとか、私にはその区別がよく分かりません。高橋委員がおっしゃる意味が私には理解できません。後ほど私は、あとで質問しようと思っています。この韓国と中国の記事の内容について、これは真実であるかどうかも含めて、事務局の見解なり知見をお聞きしようと思って今日提出している資料ですので、この資料に対してどういう見識をお持ちなのかよく分かりましたが、私は必ずしもそうは思っていないということを申し上げておきたいと思います。

○鎌田部会長 今の高橋委員の御指摘は、今後こういったことについては十分検討してほしいという事務局に対する要望と新谷委員に対する要望ということで、お受け取りいたします。今後、この扱いについては、事務局と検討して進めたいと思っています。それでよろしいですか。本日はこの形で進めてよろしいでしょうか。

○高橋委員 はい。

○鎌田部会長 それでは、派遣先の責任の在り方ということについての御発言をお願いしたいと思います。

○秋山委員 派遣先の団体交渉応諾義務についてですが、研究会報告書にありますように、「集団的労使関係法上の使用者性については、労働者派遣に特有の話ではなく、親会社・子会社の関係や下請関係などにおいても類似の構造がある」ということからすると、労働者派遣法において対応すべきものではなくて、今後とも労働組合法の枠組みの中で対応していくのが適当だろうと考えております。

○新谷委員 今、秋山委員から、派遣先の団体交渉応諾義務は、派遣法の枠組みではなくて労働組合法の枠組みで対応すべきという、研究会報告を踏まえての御発言があったわけですが、私どもとしては決してそういう立場には立っておりません。派遣労働は、職業安定法 44 条の例外として、雇用と使用が分離して非常に複雑な三角形の労使関係を持つ仕組みですので、一般の直接雇用に比べて紛争が多いわけです。これは労組法の枠組みでという話はありましたが、私どもとしては、今回の法改正審議の中で、派遣先の団体交渉応諾義務について派遣法の中に規定を設けるべきであると考えています。

 派遣労働の複雑さというのは、雇用主である派遣元と直接指揮命令をする派遣先とが違うということから様々な紛争が起こっているわけです。これを労働組合法の枠組みで任せてしまうとどうなるか。現状はどうなっているかというと、団体交渉を申し込んで応諾しても、派遣先では窓口で、「私どもは労組法上の使用者ではありません」ということで拒否をされて、それでまた、公的な紛争処理手続きに持ち込まれていく。団体交渉を通じて何を実現するのかということを考えたときに、派遣法の中ではっきりさせることによって紛争をいかに予防していくかということを考えるべきだと思っております。ですから、団交応諾の扱いについても派遣法の中に何らかの規定を設けるべきだと考えています。

○清水委員 団体交渉の応諾の問題については、確かに、秋山さんがおっしゃられたように、労組法上での検討というのは必要だと思います。しかし、派遣法の問題の中で、それは全く労組法上の議論に任せるというのでは、現実との関係でも、ここに書いてあるような事例との関係でも、マッチングしないのだと思います。

 例えば資料 3 に載っている朝日放送事件、これは派遣ではありませんが、中労委の命令が出てから最高裁の最終的な判決が出るまで 8 年半掛かっております。それ以外は、実際の提訴が起こってから中労委命令までどのぐらいの日時が掛かっているのか記載はしていませんが、それなりの時間が掛かっているということはよく分かります。そうすると、現場で派遣先との団体交渉の応諾義務が認められる余地がある、その問題については認めるとなれば、解決までの時間がもっと短縮できるということがあります。よくあるのは、最終的にいろいろな決定が出ても、結局のところはその解決に結び付かないで、金銭解決か何かでその職場を去らなければならないというものです。そういう解決が多くとられていることとの関係で見ると、労組法上の議論だけにするのではなくて、派遣法の下での派遣先の交渉応諾義務を、現状よりは一歩進めた形で認定するということが絶対に必要だろうと思います。

○鎌田部会長 そのほか御発言ありませんでしょうか。

○高橋委員 私は、今回のこの件に関しては、研究会報告書の内容は極めて妥当な内容であると思っていますし、このとおりでよろしいかと思います。逆に言えば、私は今の労働者側の皆さんの御発言を拝聴していて、よく分かりませんでした。個別判断で事案ごとに判断しましょう、ということでよろしいのではないかと思うのです。使用者性が全然ないにもかかわらず団交応諾義務を課すということ自体がおかしいわけですから、おっしゃられているように、一歩進めるとか、派遣法の中に組み込むといったときに、どういうことを想定して発言されていらっしゃるのか、逆にお尋ねしたいと思います。

○鎌田部会長 今、高橋委員から、労働側の意見に対して、派遣法の中に法律上明記する、若しくは一歩進めるような規定を設けるということであるけれども、個別の判断で使用者性を認めていけばいいのではないか、労働側が、法律に明記する、一歩進めるとおっしゃっているが、一体どのような規定の内容を想定しているのか、といった御質問がありましたが。

○新谷委員 今日の公益の委員の中では竹内先生がこの分野の御専門の先生ですので、私が立法の在り方を語るよりも、本当は先生にお聞きしたほうがいいかもしれませんが、なぜ団体交渉という仕組みが我が国の憲法 28 条の団決権団結権、団交権の中で認められているのかというと、現場の労使が団体交渉を通じて職場の問題を解決する仕組み、そのための保障の仕組みとしてできているわけです。今日、派遣をめぐる紛争では、例えば雇止めに際して、派遣先からの中途の契約解除に伴う解雇の問題等々の事案が非常に多いわけです。こうした派遣先から派遣契約を解除されて、派遣元で労働契約まで切られてしまうといったケースですと、派遣先の関与がないと分からない。そうした意味で、団体交渉を通じて、派遣先がなぜそういうことをしているのか、派遣先の責任の問題についても、団体交渉を通じて解決を図っていく必要がありますと。労使自治ということは常々使用者側の委員もおっしゃっているわけですから、公的な紛争システムにならないように労使できちんと話ができるように使用者性をはっきりさせるべきであると考えているわけです。

 これは、類型ごとに当然扱いが違うと思います。朝日放送を元にしたショーワの事件以降、阪急交通社の事件も含めて、東海市の事件などいろいろな類型がありますが、これは、事件が派遣先での就労に関する事案なのか、派遣元との雇用契約の就労に関する事案なのかによって随分違うと思うのです。ですから、その辺の類型を整理しながら、いかにこれを整理すれば個別の労働紛争が解決して、現場段階で団体交渉が誠実に実行できるかということを基に、立法の在り方を考えるべきだと思っています。そういった意味で、竹内先生の御見識なり御見解があれば、披れきいただければ有り難いと思っています。

○竹内 ( 奥野 ) 委員 これは、今論点として挙がっている在り方についての私の意見を述べてほしいという趣旨で理解すれば足りるでしょうか。私は、研究会報告書のほうにつきましても,研究会に参加させていただいておりまして、そこでは、研究会の委員として、この報告書の内容でいいのではないかとして、報告書に入っているところがございます。ですので、この報告書の内容で基本的に良いのではないかと考えています。

報告書の抄という形で、今回議論する論点に該当する部分が、資料 2 2 ページ目以降に付いています。先ほど来議論がなされているとおり、今後とも労働組合法の枠組みの中で考えていくことが適当という形です。御意見が出ましたが、現在、そもそも使用者性に関しては様々な紛争類型が争われています。更に申し上げますと、派遣先の団体交渉応諾義務に関しても、本日提出の関係資料の中で触れられているようなショーワ事件のような、派遣先での派遣就労が終了した後の対応をどうするかというような問題に関する紛争類型や、他方で、阪急交通社事件のような、就労中の雇用ないしは就労の管理に関わるような事件など、どういう事項を団体交渉の対象として求めているかという事案の違いの点でも判断の具体的な中身というものは違ってき得る可能性がございます。

 また、これも報告書の中でも触れられていますが、今日比較的よく目にする中労委ないしはほかの労働委員会の命令例では、派遣先について、確かに先ほど申し上げたような種々の事項に関する団体交渉義務の有無というものをめぐって、不当労働行為かどうかという形で争われた事件が多くございます。しかし、他方で、例えば企業グループ等の中で、子会社の労働者を組織する労働組合が親会社とか、場合によっては孫会社の労働者を組織する労働組合が祖父母の会社に当たるようなところに団体交渉を求めているというような事例等もありまして、これは学術的な観点から見た場合ですが、派遣先の紛争類型、派遣関係での団体交渉義務の在り方をめぐる紛争類型に限らず、使用者性というものについてはどう考えるべきであるかということが、学説の中で非常に議論になっています。朝日放送の最高裁の判決が、あるといえばあるのですが、そもそもこの判決がどの事案の類型、あるいは紛争事項の類型まで適用できるか、専門的な言葉で「判決の射程」と申しますが、そのようなことも含めて、実は、どのように理解するかということに関しては、学説の中で今日再び見解の対立というものが生じてきています。少し長くなりましたが、私としては、そもそも労組法上の議論として使用者性をどう考えるべきであるかというところ自体が、ある意味混迷しているところがあって、議論をして解決しなければいけないところがあると思っています。

 そういう意味で、特にここからは個人的な意見になりますが、まずは労組法の中で使用者というものの概念をどうするかについて、きちんと議論すべきであると考えています。今、労働側の委員の先生方からお話があった、派遣についてどう考えるかということについても、今日、紛争事例が労働委員会命令等で比較的多く見られて、対応しなければいけないと思うのですが、労組法一般の中で使用者性をどう考えるかというところをきちんと固めないで、派遣法のところについて先に考えることにすると、労組法における使用者性一般の考え方との整合、不整合ということも問題になってくるのではないかという気がしています。そういう意味では、労組法の中における使用者性自体の議論が、非常に議論の余地のあるものと考えていまして、そちらの議論をまずは現実的に進めていただきたいと考えているところです。

○鎌田部会長 ありがとうございました。

○新谷委員  ありがとうございました。詳細な説明を頂いたと思います。先生から御説明いただいたように、過去、学説は使用者性をめぐっていろいろな変遷をしていると思うのです。このショーワの事件は、いわゆる労働契約基準説というものに立って組み立てられていますが、この説は、派遣先とは労働契約は成立していないというところに立脚していて、ここの立法を変えない限り門前払いの状態がずっと続くという危惧を、私どもは持っているわけです。竹内委員からは、労働組合法のほうから根本的な使用者性について論議をするべきだという趣旨の御説明を頂いたのですが、労働組合法を改正するというのは大事業でして、目の前の、派遣労働者が団結権を行使して団体交渉権を行使しようと思っても門前払いだという状態を、何とかしなければいけない。現状のように労働契約基準説に立脚した解釈がなされている現状では、労働者派遣法を変えなければ突破できないという危惧が私どもにはあるわけです。ですから、現状をどう救済するのかという大きな視点に立って、ここは考えるべきだと思っています。

○鎌田部会長 ありがとうございます。派遣先の団交応諾義務に集中した議論がされていますが、派遣先の責任に関して、団交応諾義務以外のことで何か御発言がありますでしょうか。

○石黒委員 団体交渉応諾義務もそうですが、雇用と使用が分離しているというのが派遣労働で、例外的な雇用形態として認められているということを考えると、派遣先についても、実際に労働者を使用するというところからいくと、十分な使用者責任が認められるべきだと思っています。派遣先の責任の強化という点に向けて、具体的には派遣先が就労場所だということを含めると、時間外労働に対する責任、安全衛生管理の責任、動作への保証責任など、先ほどの労働組合法上の責任等々も含めて、これは 14 ページに書いてありますが、派遣先と派遣元が連帯して責任を負うという形のところをやっていくべきではないかと思っています。

○鎌田部会長 この点について、使用者側から何か御意見はありますか。

○高橋委員 特に現行の規定を変更する必要はないと考えています。今のままでよろしいのではないかと思います。

○小林委員 現行の規定の中で、派遣先においても、指針等で、この点については関係法令の遵守などということで指導がなされているので、これは法律改正までいくことなのかどうか。そこが、私が理解できなかった 1 点です。

 もう 1 つは団体交渉応諾義務についてなのですが、これは労働組合法の枠組みの中で考えるのが適当というのは、私もそのとおりだと思っています。団体交渉応諾義務については、中小企業等協同組合法でも同じような考え方があります。取引先との団体交渉権というのがありまして、これは、中小企業等協同組合法の中で、やはり裁判で議論されているところであって、労働組合法の枠組みの中で改正するのが大変だというのはよく分かるのですが、使用者責任について、その辺はやはり十分議論しておくべきだと思います。中小企業等協同組合法でも同じような案件もありますし、それは事例として同じように労働組合法の解釈を捉える部分もあるものですから、労働組合法の中で是非とも検討していただきたい、というのがお願いです。

○新谷委員  派遣先責任に関連して申し上げようと思ったのですが、今また団体交渉応諾に関する意見がありましたので、改めて意見を述べます。先ほどの高橋委員の御発言の中に、派遣先は使用者性がないという御発言があったのですが、それは、ショーワの事件の中労委判断からいっても、派遣先の使用者性は一律に否定されておらず、一定の場合には使用者性が認められているのがショーワの組立てですので、派遣先が全く使用者性がないというのは、今の判断の中では、ないと思います。そこは認識が違うのではないかと私は思います。

 その上で、派遣先責任に関連して、今回の論点について、派遣先責任は独立の項目としてあるのですが、派遣元の責任というのがないと思っています。資料に、使用者責任の分担はどうするのかと書いてありますが、派遣元責任について発言をしたいと思っています。今日は、オブザーバーの方も、正しく会社を経営されていて、実務を担っておられる方が来られているので、派遣元の使用者性について、正しく使用者責任という観点から、現場の運用についてお聞きしたいと思っています。

 今、過重労働が社会的に大きな問題になっていて、時間外協定をどういう運用をするかというのが非常に重要なポイントだと思います。今日来られているオブザーバーの 2 人の方、社外秘であれば発言いただかなくて結構なのですが、もし発言いただけるのであれば、御社における、あるいは御社だけではなく業界一般の運営でもいいのですが、 36 条の協定をどの単位で締結されているのか、協定単位について教えていただきたいと思っています。

○大原オブザーバー まず、そもそも 36 協定については、我々雇用主の協定が全ての派遣労働者に適用されるというのが大原則ですので、そういう意味では、各派遣元の法人の中の事業所単位、各派遣元も複数の事業所を持っていますので、その事業所単位で 36 協定を締結して、それが当該事業所で雇われている派遣労働者に適用されるというのが大原則です。それが適用のルールと認識をして、そのような運営がなされていると考えています。

○新谷委員 青木オブザーバーも同じですか。

○青木オブザーバー そうですね。本日の 14 ページに出ているとおり、「派遣元の 36 協定の範囲内で、時間外/休日労働が可能」と書いてありますが、同じように管理をしています。

○新谷委員 協定をどの単位で締結しているかということをお聞かせいただきたかったのですが。

○青木オブザーバー 事業所単位でやっています。

○新谷委員  事業所単位でやっておられるということですが、事業所単位というと、複数の派遣先が幾つか固まって管理をされている単位であると思うのです。あちこち派遣先があって、それを管理しているのが事業所という単位になると思うのですが、過半数代表はどのように選出されているのでしょうか。

○大原オブザーバー 各社によってやり方はいろいろあろうかと思っていますが、私が認識している限り、例えば、いついつ、こういった目的で過半数代表労働者の方を決定をするに当たり、そのプロセスを呈示して、例えば、その候補者について御異論がある方、御意見がある方というような形で、当該雇用されている派遣労働者の方々に対してお知らせし、どういうツールでそれをお知らせするかは各社いろいろなやり方があろうかと思っていますが、そういった形で意見を募り、過半数代表を決めるという手順が、一般的に行われているのではないかと理解しています。

○青木オブザーバー 同じです。詳細に関してはうろ覚えなので、はっきりしたことが今お答えできないのですが、もし必要であれば、確認して、次回お答えしたいと思います。

○新谷委員 その際、派遣先が事業所を抱えているというか、派遣先が複数あると思うのですが、 36 協定というのはもともと派遣元と過半数労働組合又は過半数代表との協定ですから、派遣先によってその中身を変えるということはないはずだと思いますが、当然、派遣先で業務の負荷が違いますから、派遣先で業務負荷が高まって、協定のぎりぎりになるとか、協定を超えてしまうかもしれないときの調整は、どのようにされていますか。

○大原オブザーバー  例えば当該協定で定められている超過時間を超える可能性があるという場合については、当然のことながら、その 45 時間超えといったことについて、事前に派遣先のほうから個別に派遣元に対して申請があって、それをベースに調整が図られるということで、適正な管理が行われていると理解しています。

○青木オブザーバー うろ覚えなので、もし必要であれば、次回答えたいと思います。

○鎌田部会長 次の議題もありますので、重要な論点だとは思うのですが、御質問があれば、事前に質問事項を呈示していただいて、次回御報告していただくということで進めたいのですが。今の段階で質問事項のリストがあれば、挙げてください。

○新谷委員 派遣元としての使用者責任の一番根幹の、労働者の労働時間の管理をどうされているのかというところを、私はお聞きしたいのです。それは、雇用と使用が完全に分離していて、派遣労働者は、派遣先で指揮命令を受けていて、派遣元がどうやってそのコントロールをしているのかというところがポイントだと思っているのです。今日はいきなり御質問をして、よく分からないということですが、次回、是非、どういう仕組みで行っているのか、お答えいただければと思います。

○青木オブザーバー  おっしゃっていることがよく分からないのですが、お答えしています。

○新谷委員 うろ覚えでよく分からないという御発言もあったので、今どういう形で管理をされているかということが分かる資料を是非提起していただいて、こういう形できちんと管理をされているというのであれば、是非お答えを頂きたいと思っています。

○高橋委員 先ほど新谷委員が私の発言を誤解して理解されているらしいので、ここで申し上げたいと思います。私は、派遣先だからといって 100 %使用者性がないと申し上げたわけではなくて、法制度として団交応諾義務を制度化するべきだという発言に対して、使用者性がない場合もあるわけですから、それに対してどうなのですかという意味で発言したわけです。労組法上の枠組みで個別事案で判断するということでよろしいのではないでしょうか、ということを申し上げただけです。

○鎌田部会長 ありがとうございました。今のことについては、よろしいでしょうか。オブザーバーのお 2 人については、今質問を受けたことについて、もしデータがあるようであれば、次回御発言をお願いしたいと思います。

○大原オブザーバー 私どもとして、労働管理の在り方について、基本的な考え方やルールについては、今御説明したとおりです。それについてデータを求められたわけですが、それは、私どもとしては、適正に行って管理をしています、という御説明では足りないという意味ですか。

○新谷委員 事業所ごとに過半数代表を選出される際に、労働基準法の施行規則の 6 条の 2 で要件が定められているわけです。それをどういう形で運用されているのか、挙手なのか投票なのかと幾つかあるのですが、その選出の仕方であるとか、派遣元の事業所の責任者の方が、派遣先各社とのやり取りで、どのような形で労働時間管理を日々やっておられるのか。これは日々変動するわけですから、その辺の具体的なやり取りの実態等が分かるような資料があれば、示していただきたいということです。

○大原オブザーバー  今の御質問の最中に、具体的にどういうデータがあるかと考えていましたが、多分それを統一的なデータとして持ち合わせていないと思うのです。それを短期間で収集するというのはなかなか難しい話で、基本的に業界あるいは派遣元として適正に行われているという説明で、私は新谷委員の御質問には十分答えていると考えています。その点は御理解を頂きたいと思います。

○鎌田部会長 今、新谷委員から細かな御質問がありましたが、それについて業界のほうでそういった調査があれば、次回出せるものであれば出していただくということでよろしいですか。

○大原オブザーバー 確認はしてみますが。

○鎌田部会長 そういうことでよろしいですか。

○新谷委員 もしデータがあれば、下さい。

○鎌田部会長 それでは、そのようなことでお願いいたします。ほかになければ、派遣先の責任はこの程度としまして、次に、派遣労働者の待遇と派遣労働者のキャリアアップ措置、これは重なり合う部分も多いので、 2 つについて合わせて御発言を頂きたいと思います。

○宮本オブザーバー  均等・均衡待遇について発言させていただきます。これまでこの部会で示された調査データからも、派遣労働者が派遣先で幾ら経験やキャリアを積んでも賃金がなかなか上がらない、横ばいだということが見て取ることができ、連合で行っている労働相談でも同様の相談内容が寄せられています。このような現状になっていることを踏まえると、派遣労働者の処遇改善に向けた取組というのは極めて重要な課題で、進めていかなければならないと私は考えています。

2012 年の派遣法改正によって、派遣先企業で雇用されている労働者との「均衡配慮義務」規定が盛り込まれましたが、現状が均等待遇には程遠い状況にあります。こうした状況を考えると、当該義務違反を理由とする損害賠償請求等も含めて、一般的には労働者がそれを求めていくというのは非常に困難です。そもそも、この規定そのものが均等待遇を義務付けているという規定になっていないということが課題だと思います。そこで、今日の資料にもありましたが、 EU 諸国の法制度等も参考にしていただいて、派遣先で雇用されている労働者との均等待遇について、我が国でも法律でしっかりと明記すべきではないかと考えます。

○鎌田部会長 ほかにありますか。

○大原オブザーバー  2 点発言があります。 1 点目は、事務局にデータの確認をさせていただきたいと思います。本日の配布資料、関係資料の資料 3 27 ページ、社会保険・労働保険の適用状況の資料が添付されております。単純な質問です。このデータは、そもそも加入要件を満たしている人のみを対象に行った数字なのか、それとも加入要件がない人も含まれて行われたデータなのかだけを確認させてください。

○鎌田部会長 事務局、どうぞ。

○亀井補佐 少しお時間を頂き、調査対象の定義を確認しまして、追ってお答えいたします。

○大原オブザーバー  もし、加入要件を満たしている人だけだとするならば、ちょっと低いというのが正直なところです。是非、御確認ください。よろしくお願いいたします。

 続いて、キャリア形成、キャリアアップの事柄です。基本的な私どもの業界としての考え方を、一言述べさせていただきたいと思います。派遣労働者の能力開発は、第一義的にはまずは雇用主たる派遣元が行うものであり、そういう意味では各派遣元とも、この派遣スタッフの研修制度の充実については、従来より力を入れておりますし、今後ともこの分野についてはしっかり対応を進めていかなければいけないと考えております。これは、当然スタッフの方々のリクルート、募集、あるいは一旦御登録をいただいた方のリテンションなど、様々な派遣会社の施策としても当然必要であり、本当に派遣労働者の方のために資する研修制度、これは一層充実を図っていくことが、第 1 点です。

 もう 1 つは、派遣労働者のキャリア形成を考えるときに、基本的には働きながらキャリアを形成していく中で二通りの道があると整理をしています。 1 つは、派遣という働き方を続けて、派遣という働き方の中でキャリア形成を図っていく道。もう 1 つは、派遣という働き方を通じて直接雇用、あるいは正社員と進んでいく道と、大きくこの 2 つがあるわけです。

 まず 1 点目の、派遣を通じてのキャリアアップについて言えば、当然のことながら我々派遣元は、派遣労働者の方のスキル、意欲あるいは経験に基づいて、様々な派遣先に対してアサインをしていくと。今はこのスキルレベルしかないので、まずはこの派遣でお仕事をしてください、そしてそれが一定期間終わったら、その方のスキルレベルを確認して、では次はこういうステップの派遣先で仕事をしましょうといったように、派遣スタッフの能力、意欲に応じて我々派遣元がアサインをしていく、手配をしていく仕組みが可能だと考えております。ただし、それを実際に行っていくためには、やはり派遣先にたくさんの派遣としての雇用機会があることが前提であります。そういう意味では、今回この議論全体の制度の在り方を考える際に、派遣労働者の派遣を通じたキャリア形成を図っていくためにも、より多くの派遣を通した雇用機会が創出される制度が必要であろうと考えております。

 それから、後者の直接雇用、あるいは正社員を目指す道について言えば、当該派遣先でのその企業の特殊な技能、あるいは能力を深めていく、あるいは広げていく必要性があるわけです。そういう意味でいえば、例えばその派遣スタッフを受け入れている同一組織内であっても、例えば派遣先内での異動を、よりやりやすくすることによって新しい仕事を経験できる、新しい人間関係の中で仕事を経験することも、大変有益なキャリア形成に資する仕組みだと思っております。そういう意味では、今回の制度の議論になっている派遣労働者の受入単位についても、キャリア形成を意識した「より小さな受入単位」といった制度設計が必要ではないか。あるいは、現在、人単位の派遣期間 3 年という議論があるわけですが、ここについてもキャリア形成の視点、当該派遣先での能力を高めていくためには、 3 年というルールの中で、例えば本人の希望により若干の派遣期間延長を可能にし、もう少しそこの派遣での経験を積めるような柔軟な仕組みも、これも本人のキャリア形成に資するものになるのではないかというように考えています。そういう意味で、いずれにしても派遣労働者 1 1 人の希望、意欲、能力に応じた様々な支援といったものも、派遣元としてしっかり今後対応していきたいと考えております。

○新谷委員  資料 5 を配布させていただきましたので、これに基づいて事務局に確認をしたいと思います。従来、事務局から示された資料は、ヨーロッパとアメリカの資料ですが、この均等待遇について解説の記事がありましたので、事実関係だけを教えていただきたいのです。中国と韓国においても、この均等待遇原則が入っているという新聞記事があるのですが、これはどのように見たらいいのでしょうか。これだけを見たら、アメリカを除けば世界中で均等待遇原則が入っていて、世界各国とも派遣は臨時、一時的であるという情報が出ています。この記事は間違っているのか、正しいのか、もしお分かりになれば教えていただきたいと思います。

○鎌田部会長 中国と韓国についての均等待遇の規定の導入ですね。

○新谷委員 そうです。

○鎌田部会長 事務局、どうぞ。

○亀井補佐 お尋ねのありました点ですが、中国、韓国いずれについても、一時的、臨時的という文言が法令上規定されているかどうかは定かではありませんが、業務単位に基づいた規制を行っていることは側聞しております。また、中国において、一定割合を超えてはならないという枠組みについては、労働契約法に相当する法令の中に、そのような規定が設けられておると承知しております。具体的に、そのパーセンテージをどうするかは、現在中国において検討中と承知しております。正確なところは確認いたしまして、後日誤りがあれば訂正させていただきます。

 それから、先ほど大原オブザーバーからお尋ねのありました社会保険の加入状況の調査について、適用条件を満たしている人も含めているのか、いないのかというお尋ねがありましたが、こちらは調査対象に満たしていない人も含んでおり、労働者御本人に加入されているかどうかを質問してのお答えですので、満たしていない人も含めて問うた結果です。

○鎌田部会長 今の事務局答弁については、新谷さん、何か更にありますか。よろしいですか。

○新谷委員  均等待遇の扱いについて、中国と韓国の状況について、もしおわかりになればお答えいただきたいと思います。特に韓国は、我が国と労働市場の構造が近いものですから、是非教えていただきたいと思います。本日の資料5は、世界地図にプロットしてあるので非常に分かりやすいのですが、本部会で議論を進めるにあたっては、やはり世界の中で派遣労働がどういう位置付けにあって、世界の潮流というものはどういうものなのかを押さえておかないといけないと思っています。我が国だけが違うルールでやるということは、我が国は我が国のルールなのだからという考え方もあるかもしれませんが、この前、この部会にも意見書を出された規制改革会議の検討においても、イコールフッティングという言葉が強調されています。要するに世界は同じ共通のルールでやるべきではないかという中で、我が国だけがこのような特異なルールになっていやしないかという検証も、是非進める必要があると思っております。

○青木オブザーバー 冒頭のオブザーバーの宮本さんと新谷委員のお話なのですが、前回のこの部会の中で、阿部専門委員と新谷委員のやり取りの中でもあったように、やはり根本的に EU 諸国と日本では、職務給、職能給や年功序列などのいろいろな問題があります。理念として、確かに均衡待遇を目指すのはもちろん理解できるのですが、いろいろな事情を考慮すれば、我が国において均等待遇を義務化するのは難しいのではないかと思っております。

 それと、今日ここに出ております「労働契約法第 20 条又はパートタイム労働法第 8 条のような仕組みを導入すべきという意見についてどう考えるか」にも関係するところで話をいたします。派遣労働者の労働条件は、私たち派遣元が決定するもので、派遣先が決定するものではありません。このため、派遣元としては派遣労働者間の均衡を考慮しなければならず、派遣先労働者との均衡のみを考慮するわけにはいかない状況があります。これは、前回、高橋委員からもお話があったような、大企業から中小企業に移ったときに労働条件を変えるのかという問題に関わってきます。また、派遣元にとっては、とても派遣先の数がすごく多いのですね。その都度、派遣先労働者との均衡によって、労働条件を決定することになると、同じ職務内容であっても派遣先によって労働条件が異なることになるため、これは派遣労働者の理解は得られないと思っています。また、私たち派遣元としても、労務管理を行うことがとてもやりづらくなります。加えて、派遣先の労働者といっても、様々な雇用形態、労働条件の労働者がいることから、派遣先のどのような労働者は均衡なのかという大きな問題もあります。したがって、このような規定を設けるべきではないのではないかと思っています。

○新谷委員  今の青木オブザーバーの意見に対し、質問をしたいと思います。今、青木オブザーバーが、派遣労働者の賃金は派遣元が決定するとおっしゃったのですが、本当にそうですか。要するに、一般的には、派遣先と派遣元が結ぶ派遣契約に基づく派遣料金がもともとあり、派遣料金が決まらないと、派遣労働者の賃金が決まらないのではないかと思います。例えば、派遣料金が1日 1 万円で契約されているのに、派遣会社が派遣労働者に賃金を1日 1 5,000 円払うかというビジネスモデルには成り立たないわけです。ですから、この派遣労働者の賃金決定の仕組みは、派遣元と派遣先の商契約としての派遣料金が決まって、それに多分マージンが各社にそれぞれ、契約ごとに違うかもしれませんが決まって、それで賃金が決まってくるものと理解をしています。ですから、前回私どもから提出した資料のように、市場の派遣料金の契約料金の変動によって、派遣労働者の賃金が変動する仕組みになっているわけです。ですから、確かに自分たちで賃金を決定するとおっしゃるのですが、その前提になるのは、派遣先と派遣元の契約料金が成り立たないと、賃金を決定できないという仕組みですから、そこが直接雇用の会社の賃金決定の仕組みとは違うということを、まず私どもの認識として申し上げておきたいと思います。

 それから、先ほどおっしゃったように、ヨーロッパと賃金事情が異なっているのですから、この労働契約法第 20 条の適用なり、パートタイム労働法を適用した均等待遇は難しいのではないかという発言があったのですが、それこそ難しいからこそ、立法的な手当をすべきではないかというのが、私たちが申し上げている内容です。この論議は、かつてはパートタイム労働者と通常の労働者との格差を是正するにはどうするかということも、長らく検討されてきまして、厚生労働省でもいわゆる「ものさし研(パートタイム労働に関する雇用研究会)」というパートタイム労働者の均等・均衡を図るための基準を考える委員会も立ち上がったこともあったと思います。ですから、労働契約法では、これは同一使用者での有期雇用労働者と無期雇用労働者における不合理な労働条件格差の禁止に関するスキームができていますし、パートタイム労働法だって第 8 条、 9 条の仕組みの中で、何を観点にしてこの格差の改善をするのかを随分検討されてきているわけです。ところが、今回の研究会報告は、ヨーロッパと仕組みが違うからもう駄目だと、均衡にいくしかないということで、ばっさり切られているのですが、難しいからこそここを検討するべきではないかということです。

 例えば、労働契約法第 20 条の不合理な労働条件格差でいきますと、同法は民事法規ですから、行政解釈は余り意味がないという意見もあるかもしれません。それでも、立法主旨として、第 20 条においては、例えば職務非関連給付に当たる通勤手当の支給、食堂の利用などに関する格差は合理性をもたないという解釈が出されています。派遣先の労働者は通勤手当を出されていて、同じ仕事をしているのに、あるいは同じ職場で働いているのに、同じ勤務地に行くのに、なぜ派遣労働者には通勤手当が出されないのか、といった問題なのです。ですから、今スキームは既にできているのであるから、これをベースにやはり立法的な手当をするべきであると、私どもは考えております。

 それから、おっしゃった中で、派遣元として派遣先によって労働者の賃金が変わることによって、労務管理ができないとおっしゃったのですが、労務管理ができないということは、これは労働者の管理、要するに派遣元としての使用者の在り方をどのようにお考えになっているのかと思います。これは、今回進めるべきは、冒頭にデータがあったように、派遣先での労働者と、派遣元との賃金格差の改善をどう進めるかが法目的としてあるべきで、派遣元での労働者の格差は、確かにそれは縮めていくべき問題ではありますが、どちらを優先するかという問題だと私は思っております。

○青木オブザーバー たくさんあったので、漏れがあったり全てに対してお答えできていないかもしれませんがお答えします。まず、検討することを否定するものではもちろんありません。それから、先ほど少しお話にありました福利厚生などすぐに取り組めるところは、もちろんすぐにやるべきだと私たちも思っております。それから、労務管理の件ですが、お分かりだと思うのですが、職場が変わるごとに賃金を上下することになると、労務管理がしづらくなることは、ご理解いただけると思うのですよね。私は、さきほど「できなくなる」と言ったのかもしれませんが、「しづらくなる」でももちろん構わないのですが、なにしろやりづらくなるということをお伝えしたくて言いました。

 派遣料金を誰が決めているのかという話になれば、これは雇用主として、私たち派遣元が決めているのは間違いないところです。確かに、原資が決められていますので、払える金額は限られてきます。ただ、全てがそれで連動しているものではなく、逆に逆ザヤになることもありますし、リーダーやかなり重要な部署の人たちにはかなりお支払いしたりしますので、これは正にそれが上下するから、若しくは決まっているからそれで決まるということでもないです。

○鎌田部会長 青木さん、派遣料金を決定するのは自分たちで、賃金ですよ。

○青木オブザーバー 失礼しました。賃金です。

○新谷委員  私も、派遣労働者の組合員化、組織化を随分やってきました。これは、派遣料金の決定の中に、派遣労働者への待遇に関する配慮がほとんどされていません。例えば、一時金、ボーナスの扱いについて、通常の会社ですとボーナスを支給される会社が一般的だと思うのですが、私の知っている会社ですと、 6,000 人ぐらいの規模の会社ですが、やっとボーナスが払えるようになったと聞いたら、その一時金原資が 3,000 万円で、 6,000 人に支給するという事例もありました。経営者に事情を確認したところ、それでも利益の中からやっとひねり出したのだということでした。派遣先から一時金等に関する配慮はないものだから、何とかしてボーナスを払いたいという心意気を見せられた経営者もおられます。もともと労働者派遣の契約単価の中に、ボーナスは全然想定されていませんから、おっしゃるように、それを原資の中からひねり出して払うというものでしたが、派遣労働者 6,000 人強で 3,000 万円、 1 人あたりにすると 5,000 円です。それが、オブザーバーの方々は賃金や一時金は自分たちが決めるのだとおっしゃるのですが、派遣料金の中で原資が決まっていて、その配分を決められるのは確かにその通りです。しかし、もともと幾ら払うかは、派遣契約の料金を超えて払った場合はビジネスは成り立たないわけで、結局は派遣契約の料金に伴って賃金が決まる要素が強いという意味で申し上げました。

○鎌田部会長 そのほか、御発言はありませんか。

○石黒委員  先ほど、青木オブザーバーからも均等・均衡待遇については検討すべきものだとおっしゃっていますし、基本的には派遣労働者の保護を考えれば、同じような仕事をしている派遣元、派遣先の労働者との均衡、均等は大事なポイントだと思っています。ただ、今回の調査の中で、 20 ページ以降、どういう取組をしていますか、という質問に対して、「不明」の回答が 4 割ぐらいあります。回答項目を見ると、「不明」以外にも、均等待遇をしていないとか、その他という回答項目があります。これは、均衡待遇の取組はどうしていますか、と派遣元に聞いている調査であり、派遣労働者に聞いているわけではないので、派遣元が把握しているのは当たり前です。それにも関わらず、「どういうことをやっていますか」、「福利厚生についてどうしていますか」という質問に対して、「やっていない」、「その他」という回答の選択肢があるにもかかわらず、「不明」が 4 割あることについては、厚労省がやっている調査について、自社の状況も把握もせず「不明」といい加減に答えるという状況は、非常に驚く問題だと思っています。逆に、これが出てくるということは、やはり今の均衡配慮義務ぐらいのレベルであれば、別にやっているか、やっていないかを行政に聞かれても答えなくていいというレベルにしか、派遣元は考えていないのだなということが、これでもう明らかであると思っています。今後検討して進めていこうということであれば、「均衡待遇」の配慮義務というレベルではなくて、「均等待遇」の義務というような形も含めて、きちんと法律の上でやっていくしかないのではないかと思っています。

○高橋委員 この均衡・均等待遇関係では、私はいつも違和感を感じるのは、我が国の賃金制度や賃金事情に大変精通されている労働者側の委員の方が、ほかの国々、取り分けヨーロッパの国々の制度が均等待遇だから均等待遇にせよという主張が、非常に違和感をもって受け止めざるを得ないと。我が国なりの労使で築き上げてきた賃金体系、賃金制度を前提にすれば、飽くまでも均等待遇だとするならば、それなら派遣労働者だけではなくて、いわゆる正社員の賃金制度にまでも手を付けていくのですか、という話になってしまうと思うのですね。そこは、誰も望んでいないと思うのです。したがって、現在の立て付けのように、飽くまでも均衡待遇を徹底していくことは、理想としては均等待遇というのはあるかもしれませんが、そういうものを将来的には眺めながらも、均衡待遇を徹底していくこと自体は、極めて現実的な対応なのではないかと思います。私個人は、むしろ先ほど使用者側の委員からもありましたが、現実的には派遣元の中で均衡待遇をより高めていくことのほうが、より現実感がある話だとは思います。いずれにしても、平成 24 年改正で均等・均衡待遇関係に関しては、本日の資料の 19 ページにあるとおり、かなりの規定の見直しが行われて間もないわけで、こうした規定を更に周知徹底をしていくという対応が、当面は望ましいと考えております。

○小林委員 均等・均衡待遇について、平成 24 年に改正されたところがあり、派遣元については、配慮義務と。それから、派遣元に対して、派遣先の事業主には賃金の情報提供の協力要請みたいなものが付いているわけですから、これを着実に進めていくことかとは思っています。それから、労働・社会保険の適用促進のことについては、労働・社会保険の加入について、指針において派遣元には適切な加入、派遣労働者に対する未加入の理由の通知規定というものがあります。派遣先には、労働・社会保険の適用の促進に関する規定がなされていることもあり、より一層の社会保険料の加入促進の PR を積極的にやっていくべきだと思っています。

○青木オブザーバー ここに「その他派遣労働者の待遇改善のために検討すべき事項はあるか」という項目があるので、研究会のときにも申し上げたのですが、 2 点お話をさせていただきたいと思います。 1 つは、紹介予定派遣なのですが、派遣契約の締結の際に、職業紹介により従事すべき業務の内容及び労働条件を定めなければならないために、派遣先にとっては労働者の能力や適性などが分からない中で、賃金の額、また雇用期間を定めなければならず、活用が難しくなっているので、このような規制は廃止すべきだと思っているのが 1 点です。

 それから、施行規則第 28 条第 1 号、派遣元は、派遣労働者が 45 歳以上である場合には、その旨、派遣労働者が 18 歳未満である場合には、当該派遣労働者の年齢を派遣先に通知しなければならない、と現在規定をされているのですが、 18 歳未満に関しては、労働基準法など就業制限が課せられているので理解できるのですが、 45 歳以上の通知に関しては、これは多分事情はないと思うのですが、逆に 45 歳以上である旨を通知することによって、就業機会が制約されることもあるので、この項目は削除すべきではないかと思っています。

○鎌田部会長 そのほか、ありませんか。

○春木オブザーバー キャリア形成でもよろしいのですか。

○鎌田部会長 もちろん、どうぞ。

○春木オブザーバー 先ほど、大原オブザーバーがおっしゃっていたキャリア形成の関係なのですが、派遣元としてのキャリア形成に力を入れていくということです。ただ、おっしゃっていたことが、派遣先での実際の業務を通じた研修ばかりの点を言われて、派遣元としての研修はどのような状況にあるのかが、私はよく理解できなかったのですね。派遣元としての研修の在りようや、派遣元業界団体としての研修の在りようというものは、具体的にどのようなものがあるのか、あれば教えていただきたいと思います。

 これからも力を入れていくとおっしゃいましたので、どのような点で派遣元として研修に力を入れていかれるのかをお聞かせください。

○大原オブザーバー 先ほどの私の発言の冒頭で、本来派遣労働者の雇用主は派遣元なので、派遣元での能力開発、研修が基本であると。そのために、諸種の充実を図っていくということを、まず冒頭に申し上げました。そのことは御理解をいただいた上での質問ですね。

○春木オブザーバー はい。

○大原オブザーバー それですと、質問の趣旨、派遣元での研修は、例えば具体的に職種別の研修であったり、職種別の能力別研修であったり、ただし、それは Off-JT で行われることが主流ですが、派遣元としてできる研修制度は従来から継続してやっておりますし、今後もその充実、強化を図る立場であることを説明したところです。それを踏まえてといいますと、どういった質問の趣旨でしょうか。

○春木オブザーバー それは、あくまでも個社にお任せされているのか、派遣元業界団体で行っているのかということをお聞かせ下さい。

○大原オブザーバー 業界団体の質問ですか。

○春木オブザーバー はい。

○大原オブザーバー  分かりました。失礼しました。私は、派遣元の個社の話かと思っていましたので、業界団体の取組ですね。私ども、日本人材派遣協会は、協会としての存在意義の 1 つの重要な役割として、派遣労働者の方のいわゆる福利厚生あるいは能力開発に力を入れていくのだということは、従前から宣言をして、その実施に向けた具体的ないろいろな提案や検討を行っております。直近で申し上げますと、私どものみではありませんが、関係団体も含めて、派遣労働で働く方のためのキャリア形成に資する仕組みを、今、具体的に検討を進めております。 JHR という団体がありますが、そちらに私どもも一緒に参加をして、その中で派遣元として共通で取り組める派遣労働者のキャリア形成の在り方といったものの具体的な仕組みを、今、正しく検討を進めております。そういう意味で、業界としてもこの問題に積極的に取り組む。これは、おっしゃるまでもなくそのとおりで、是非それを具体化していきたいと思っています。具体的な作業も進行中と申し上げておきたいと思います。

○春木オブザーバー その上で、やはりそういった状況をつくられていくときに、派遣元事業者に対する業界団体との指導・支援はしっかりやっていかれるのですか。

○青木オブザーバー もちろん、そうです。

○春木オブザーバー 現実的にもやっておられるということですか。

○青木オブザーバー 今後もやっていきます。

○春木オブザーバー 行政にもお願いをしたいと思っているのですが、本当に派遣元事業者さん、更には業界団体としての派遣労働者の皆さんのキャリアアップに関して、相当な力量というか、重視をされていることは分かるのですが、それが本当に適正にきちんとやられていくかということが問題です。派遣労働者の皆さんのキャリアアップに本当につながっていくかといったところも加味するならば、やはり行政としても派遣元業界団体に対するキャリアアップに関する取組の指針等を定めたり、それに応じた具体的な取組をきちんと実行するようにといったところも、支援・指導も必要なのではないかと思っています。その対応について、お答えいただければと思います。

○富田課長 この点については、研究会報告でも同じようなことが書かれていると考えております。キャリアアップについては、国及び事業主団体の役割が非常に大きなものではないかということですので、研究会の有識者の方からもそのように御提言いただき、今、春木さんからも御提言いただきましたので、行政としてもしっかり取り組んでいきたいと。具体的には、現在概算要求に盛り込んでいる中身でも、キャリアアップを支援するような仕組みを予算要求の中に盛り込んでいくというようなことを通じて、キャリアアップの支援に努めていきたいと思っています。

 それから、追加で恐縮なのですが、先ほど青木さんから質問がありました 45 歳以上の通知については、詳細は後ほどまた説明したいと思いますが、高齢者雇用安定法施行規則の中に、「 45 歳以上」の定義がありまして、一応対応すべき部分がありますので、ここは通知があると承知しております。詳細は、後ほど個別に説明したいと思います。

○石黒委員  今のキャリアアップをやっていかなければいけないというのは、私も同意見です。派遣元でいろいろ教育しても、なかなかその教育に参加しないなど、いろいろな話もお聞きしていますので、まず 1 つは、派遣労働者 1 1 人の意向をきちんと確認したキャリアアップにつながるような教育訓練計画をきちんと実行することが一番大事なのではないかと思っています。そういったところの管理者も選任して、今、春木オブザーバーも言いましたが、教育訓練の成果が教育訓練をやったらこういう結果になるのだというように、均衡・均等もそうですが、職務評価制度をきちんと整備をして、こういう能力を身に付けたら、こうやって賃金も上がっていくし、所得も変わるのだということがないと、何のためにいろいろな Off-JT をやるのかが分からないものですから、そういったものをきちんと派遣元の教育訓練、キャリアアップで義務づけてやるべきではないかと思っています。

 もう 1 つは、キャリアアップを可能にするスキルを身に付けるための管理者向けの講習の仕組みも作っていく必要がありますし、一番大事なのは、教育訓練などのキャリアアップ措置がきちんと派遣元で適切に行われていて、派遣労働者がキャリアアップをしていることが分かるように、きちんと派遣元の管理のところでそういうものをチェックする仕組みを作って、それをきちんと知らせてやっていかなければならないと思っています。キャリアアップについては、今回の資料にもたくさん出ていますが、賃金をいつ、どうしてあげたかといった極めて根本的なことを把握しておらず、「不明」と回答するが派遣元が多いということは大きな問題です。いつ賃金をアップしたかを派遣元に聞いたら、不明だということが多いということは、教育訓練などのキャリアアップをしていく仕組みも含め、派遣元として自身の義務を全然理解していないのではないかと思います。そのため、そうした点も含めてより強い監督指導と、改正の中では義務化をしてきちんとやるのだということも含めてやっていきたいと思っています。

○新谷委員  キャリアアップが非常に大事だという認識は、今、労働側の委員が申し上げたとおりで、研究会報告程度のものでは全然効かないのではないかと思っていますので、ここはもう少し強化をするべきだと思っています。その上で、先ほど大原オブザーバーから、業界としてのキャリアアップの考え方を示していただきました。私が非常に懸念するのは、登録型派遣というビジネスモデルがこのキャリアアップと馴染むのかということなのです。派遣の類型は、エンジニア派遣のような正社員中心の派遣と、製造派遣のような類型と、事務派遣の類型があり、事務派遣はほとんどが登録型ビジネスだと思います。そのときに、例えば派遣先で必要とされるスキルが 100 あって、派遣元で登録している方のスキルが 80 であるとします。この場合、 80 のスキルの方をあと 20 伸ばすためにコストを掛けて教育をするというやり方と、派遣先で 100 のスキルの方が必要というのなら、スキルが 100 の方を登録の中から選んできて送り込むと考えたときに、そこにコストを掛けて 20 を上げようというのが、ビジネスモデルとして登録型で成り立つのかを一番懸念するわけです。

 この懸念は、実は厚労省が発注した研究会があり、 2010 年に東大の佐藤博樹先生が座長になった優良派遣事業者の推進の事業の研究会がありました。そこに、高橋委員も私も参画をさせていただいていたのですが、大原委員の所属する業界の協会の方もそこに幹部の方が来られていました。その場で、協会としての見解を求められたときに、実は優良ビジネスとしての教育について、それをメルクマールにするかどうかが論議になったときに、大原委員所属の委員の方は、私たちは慈善事業をやっているわけではありません、とはっきりおっしゃったわけです。要するに、登録型のビジネスにおいては、そんなことをやらなくても登録の資料の中からふさわしいスキルの人を集められるのだと主張されたわけです。わざわざ、お金を掛けて、コストを掛けて上げる必要はないのだという趣旨のことを発言されて、ああ、そういうビジネスモデルなのか、と私は改めて感じたわけです。ですから、おっしゃることは十分分かるのですが、本当にそれをお金を掛けて派遣会社としてやるのであれば、実績を示していくべきではないかと思っています。

○大原オブザーバー  他の会合での発言は私は確認をしておりませんので、そこについてはコメントを控えさせていただきたいと思っています。原則論である教育投資が回収できないから、そこまでしてやるのかというお話ですが、それは確かに投資と回収はビジネスですから、それはあるでしょう。しかし、本当に大事なことはコストではなく、いかにそこの教育研修をしてレベルアップをしたかというのは、どちらかというと知恵と工夫のほうが大事であると考えております。 80 の方を 90 100 にしていくにあっても、それは 1 1 人全くケースは違います。それから、派遣先で求められる業務レベルも違うという意味では、必ずしもコストだけを意識して我々は教育研修を行っているわけではなく、繰り返しになりますが、そこにはやはり 1 1 人の派遣労働者の意欲、能力、あるいはそういったものを加味して一律の仕組みではなく、正しく知恵と工夫でいかに能力開発を検討し進めていくかという具体的な施策のほうがより大事であり、私はそれほどコストを意識して教育訓練云々というレベルではないと認識しております。

○高橋委員 言葉の問題と捉えられてしまうのは残念なのですが、キャリアアップ措置という言葉ですが、皆さん、このキャリアアップという言葉を聞いたときに思い描くところがいろいろあるのではないかと、非常に多様な概念なのではないかと思っています。ですから、正に今、大原さんがおっしゃったとおり、非常に多様な概念を包括するものですので、多様な対応を制度上に認容していくと。要するに、一律の措置を講じたからこれはキャリアアップ措置を講じたのだとしたような制度とすべきではないのではないかと思っております。

 それから、飽くまでもキャリアアップと片仮名を使うよりは、むしろキャリア形成という言葉のほうがよろしいかと思います。これは、御本人の意欲と能力にも大いに関わってくると思いますので、派遣元あるいは派遣先が講じる措置については、飽くまでこれは支援措置、要するにキャリアアップ支援、あるいはキャリア形成支援と位置付けて、何らかの法制度の対応を考えることを基本スタンスとしていくべきではないかと思います。

○新谷委員  高橋委員の発言には理解するところがありますので、本当に多方面で検討する必要があると思います。その際に、実は私ども労働相談を幾つかやっている中に、派遣労働者からの訴えとして、特に女性の労働者の方が育児休業の関係で、派遣労働者の方で派遣元が育児休業を認めてくれないという話が幾つかきているのです。やはり、女性として継続就業してキャリアを積んでいこうといったときに、この問題をどう捉えていくのかということは極めて重要です。多方面に考えていく中に、正当な権利の行使がきちんとできる、派遣だからできないということではなくて、派遣であっても育児休業を取りながらキャリアを伸ばしていくところも重要なポイントだと思いますので、この育児休業のようなことも本当に切実な問題だと思いますので、キャリアアップの中にもこの視点として是非盛り込んでいただきたいと思っています。

○鎌田部会長 このあと、許可案件もありますが。

○春木オブザーバー 均等・均衡の中での労働・社会保険の適用のところで意見が出ていないのですが、その件はよろしいですか。

○鎌田部会長 先ほど少し出ていましたが、もしあるならお出しください。

○春木オブザーバー  私どもとすれば、労働・社会保険を派遣労働者に適用し、促進していくということは、やはり労働者保護の観点からも極めて重要だと思っています。この労働・社会保険の適用については、派遣先も、一定の責任を負うべきではないかと思っていることを申し上げたいと思います。

 具体的には、派遣元が派遣労働者を労働・社会保険に加入させているかどうかの確認を、派遣先が行うことを義務付けるべきだと思っています。加えて、派遣元が労働・社会保険料の納付義務を怠った場合には、派遣先としてもその連帯の責任を負うなどの派遣先の責任についても強化すべきではないかと思っておりますので、その点についても労働側の意見として発言をしたいと思います。

○鎌田部会長 今の話は、派遣先の責任の問題ということでおっしゃったわけですね。

○小林委員 今のは、ちょっと分からないですが、社会保険に入ることは重要なことで、別に労働側が言っていることを否定するわけではありませんので、雇用保険、健康保険は確かに入らなければいけない。この加入率が少ないことは非常に問題だということは捉えています。今言っていた派遣先が連帯して責任というのは、派遣元がもし払えなかった場合、その派遣労働者の雇用保険料や健康保険料を派遣先が払うという話を言われていましたが、正直言って、現在のところ派遣先では派遣労働者の賃金が幾らかは、全て把握できない部分はあるわけです。雇用保険を払うような形の約束の連絡は頂いていますよね、払っているとか、払っていないという連絡は。払っていないなら払ってくださいというようなことを言うような形になっていますが、その責任というのが、払えなかったときの責任というのが、どうやって派遣先で連帯責任を持てと言われても、払ったか払っていないか分からない状況もあるわけです。まとめて派遣元でお支払いしているわけです。

○鎌田部会長 恐らく、派遣先責任の基本的な考え方としておっしゃったので。

○春木オブザーバー 今おっしゃられるように、派遣先としての確認義務はあるわけですよね。派遣元が払っているか払っていないかということを確認すべきということです。

○小林委員 幾ら払っているか払っていないかまでは分からないですが、払ったよとか払っているよという約束を基に、今のところは、だから受け入れているという形で、確認を取るようなことは、指針にもなっています。

○春木オブザーバー ですから、派遣元として加入をさせなければならないことを、しっかりと推進していくためにも、派遣先として必ずそのことを確認することについては、業務取扱要領であって、法律化されていないわけです。

○小林委員 今の指針ですか。

○春木オブザーバー はい。そういったところについて、しっかりと法定化していくべきではないかというのが、労働側の意見だと思います。

○高橋委員 まだ制度はどうなるか分かりませんが、労働者側の賛意を得て、基本的にこれから派遣事業を営む事業者は必ず許可を得ていく方向に変わっていくわけですから、許可を得ていくためには社会保険料に加入するチェックを必ず受けると。それは、このあとの許可諮問でもあって、新谷委員が一番よく御存じなのですが、そうした制度が担保されていくことを十分踏まえて御発言をいただきたいと思います。

○新谷委員 これは、ここの論点にも書いてありますように、派遣元と派遣先の責任分担をどうするかという中で、我々も派遣労働者を使って事業をされるのであれば、派遣先もそれなりの責任を分担していただきたいという文脈の中で申し上げている内容です。小林委員がおっしゃったように、今幾ら払っているか分からないじゃないかという御懸念もあるので、分かるようにすればいいじゃないですかということも申し上げているわけです。

○鎌田部会長 ありがとうございます。最後は、少し派遣先の責任のほうに戻った形になっておりますが、保険との関係で恐らくそういった発言になったのだろうと思います。このあと、許可の諮問案件もありますので、労働者派遣制度の在り方の議論については、以上としたいと思います。本日は、派遣先の責任、とりわけ派遣先の団交応諾義務の問題、それから均等待遇の問題、キャリアアップの問題について、非常に活発な議論をしていただき、意見が出されたと思っています。ただ、それぞれが根本的な問題を控えておりますので、残念ながら御意見はなかなか一致を見なかったと。ただ、キャリアアップについては、遵守をするということは、労使の方々で恐らく共通の理解ではなかろうかと、私としては考えております。

 ということで、本日の労働者派遣制度の在り方についての議論は、以上といたします。議事録の署名は、新谷委員、秋山委員にお願いいたします。事務局から連絡事項はありますか。

○亀井補佐 皆様その場でお聞きいただければと思いますが、先ほど紙媒体のアンケート調査について不明が非常に多いという指摘がありました。原因の 1 つとして考えられるものとして、このアンケート調査は平成 24 年の 12 月に行っておりますが、改正法が施行された 10 1 日時点の取組を問うておりましたので、 2 か月前、改正法が施行された直後の質問であったこともあり、不明が多かったというところに影響していることもあるかもしれないことを申し上げておきます。

 事務的な連絡ですが、退席される方々におかれましては、傍聴者の方々は、事務局の誘導に従っていただき、専門委員、オブザーバーの退席後に御退席いただければと思います。また、次回の日程ですが、 11 7 ( ) 10 時から、場所は 12 階の職業安定局第 1 ・第 2 会議室で行いますので、御承知おきください。なお、岡崎局長、宮川部長及び鈴木課長においても、ここで退席をさせていただきます。以上です。

( 専門委員・オブザーバー・傍聴者退席、事務方入替え )


(了)

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