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2014年2月20日 第14回先進医療技術審査部会

(了)


第14回先進医療技術審査部会

(1) 日 時:平成26年2月20日(木) 16:30~17:50

(2) 場 所:中央合同庁舎第5号館 共用第8会議室(19階)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号TEL:03-5253-1111)

(3) 出席者:
猿田座長、山口座長代理、石川構成員、一色構成員、
伊藤構成員、佐藤構成員、柴田構成員、関原構成員、
大門構成員、田島構成員、藤原構成員、山中構成員、
山本構成員
  (事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
医政局研究開発振興課 課長補佐
保険局医療課 専門官
医薬食品局審査管理課 課長補佐

議 題:
1. 新規申請技術の評価結果について
2. 総括報告書の評価について
3. 試験実施計画の変更について
4. 協力医療機関の追加について
5. 高知大学医学部附属病院における事案について
6. その他

○猿田座長
 これから第14回先進医療技術審査部会を始めさせていただきます。構成員の先生方におかれましては大変お忙しいところ、また寒い中をお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。
 本日の構成員の出欠状況です。欠席の方は金子構成員、直江構成員、竹内構成員、3名の方が御欠席ということで、16名中13名の出席がございますので、本会議が成立することを申し添えます。
 今回から、日本医師会より石川先生に御参加いただいておりますので、石川構成員から一言御挨拶お願いいたします。
○石川構成員
 日本医師会の医療政策と広報とITをやっております石川といいます。前々回に1回出させていただきまして、大変難しい会議だと感想を持っておりますが、頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○猿田座長
 どうぞよろしくお願いいたします。それでは、本日の配布資料に関して事務局から確認をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 配布資料について、確認させていただきます。まず、議事次第から始まり、座席表、開催要綱、構成員及び技術員名簿と続きます。
 次に、「新規申請技術の評価結果について」として、資料1-1~1-5があります。「総括報告書の評価について」として、資料2-1と2-2、「試験実施計画の変更について」として、資料3-1と3-2があります。「協力医療機関の追加について」として、資料4-1と4-2があります。「高知大学医学部附属病院における事案について」として、資料5があります。最後に、参考資料1~4となります。トータルのページは全部で96ページになりますので、一番後ろが96ページであることを御確認ください。
 また、構成員の皆様におかれましては机上配布資料としてホチキス止めを2つ用意しております。1点目の「新規技術の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け結果について」は、6ページで構成されています。もう1つの「先進医療審査の指摘事項に対する回答」としては、10ページで構成されています。本日の資料は以上です。乱丁落丁等ございましたら、事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。
 それから利益相反についてです。申請医療機関との関係や、対象となる医薬品及び医療機器の企業等について、資料1-1、11ページに記載しております申請医療機関、医薬品・医療機器情報を御覧ください。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業に関して、事前に確認をさせていただいております。また、39ページの総括報告を御審議いただく案件についても、事前に利益相反の確認はさせていただきました。山口座長代理からは39ページの技術について、利益相反の届出がありました。参考資料2、89ページの「先進医療会議における利益相反の対応について」を適用いたします。山口座長代理におかれましては、当該技術に関する検討に御参加いただきますが、議事のとりまとめには加わらないとさせていただきます。
 なお、事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がございましたら、この場で御報告をお願いいたします。では、該当なしということで、進めさせていただきます。
 また、今回もタブレットを使用して、届出書類等についてはタブレットから閲覧していただきたいと思います。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は会議資料の何ページ、又はタブレットの何ページとあらかじめ御発言をいただきますようお願いいたします。以上です。
○猿田座長
 よろしいでしょうか。もし、よろしければ、早速議事に入りたいと思います。新規申請技術の評価結果について、これも事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 それでは撮影されている傍聴者の方はここまでとさせていただきます。是非、御協力をお願いいたします。
 では資料1-1、11ページを御覧ください。今回、先進医療Bとして御評価いただく技術は、整理番号026、内視鏡手術支援ロボット(da Vinci Surgical System)による胃手術です。適応症は胃悪性疾患、申請医療機関は藤田保健衛生大学病院です。審査担当構成員として、主担当が柴田構成員、副担当として山口座長代理、佐藤構成員です。なお、構成員の皆様には机上配布資料としておりますが、傍聴席の皆様には後ほど厚労省のホームページを御覧いただければと思います。1月受理分の新規技術の先進医療A又はBへの振り分けについては、座長の判断により先進医療会議を持ち回りで開催し、構成員全員が書面での検討を行った結果、先進医療Bへの振り分けが妥当との御判断であったことをここに御報告申し上げたいと思います。
 資料1-1にありますように、本技術は薬事承認済みではありますが、「未承認等の医薬品若しくは医療機器の使用又は医薬品若しくは医療機器の適応外使用を伴わない医療技術であって、当該医療技術の安全性、有効性等に鑑み、その実施に係り、実施環境、技術の効果等について特に重点的な観察・評価を要するものと判断されるもの」であるとして、先進医療Bに振り分けられたと理解しております。
 参考資料3、93ページを御覧ください。これは平成24年11月に、先進医療A、Bの分類に係る考え方として提示されたものです。94ページのように、薬事承認済みですが重点的な観察を要する技術については、この四角に囲んだものが該当するのではないかということで審議され、承認されています。すなわちロボットを用いる手術については薬事承認内であっても、重点的な観察が必要ということで、先進医療Bに振り分けるのが妥当ではないかということで、皆様に御承認いただいているところです。
 資料1-5、37ページを御覧ください。審議に先立ち、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について、事務局より説明いたします。実施責任医師の要件として、診療科は外科、資格として消化器外科学会専門医、当該診療科の経験年数は5年以上必要、当該技術の経験年数は1年以上、当該技術の経験症例数は術者として20例以上という、実施責任医師の要件が求められています。医療機関の要件としては、実施診療科の医師数として、日本消化器外科学会指導医の常勤医師1名以上及び日本内視鏡外科学会技術認定取得医の常勤医師1名以上となっております。他診療科の医師数として麻酔科常勤が1名以上、その他の医療従事者の配置として常勤臨床工学技士1名以上となっております。また、緊急手術の実施体制が「要」で、院内検査(24時間実施体制)が「要」という、施設要件となっております。以上です。
○猿田座長
 よろしいでしょうか。この前申し上げましたように、この医療機関の要件を必ず諮らせていただくということで、今御説明いただいたところが、医療機関としての要件です。
 もし、よろしければ、早速、整理番号026の評価結果について、主担当は柴田先生。まず柴田先生から御説明お願いいたします。
○柴田構成員
 国立がん研究センターの柴田です。お手元の資料1-4を御覧ください。先進医療の名称等の読み上げは省略いたします。副担当として山口先生、佐藤先生にも御担当いただきました。医療技術の概要についてはda Vinciを用いたものですが、今回提出している計画について簡単な概略を説明するためにロードマップ、タブの1-4の資料の裏の、保険収載までのロードマップの資料を御覧ください。こちらの右側の赤く塗りつぶしてある部分が、今回申請のあったものです。試験デザインとしてはシングルアームの第2相試験として計画されており、historical controlのデータを対照にして、今回、主要評価項目としてClavien-Dindo分類のGrade3以上の合併症の軽減を示すことを目標にしたものです。被験者数は300例、期間は2014年~2017年を予定しております。3年後のDFSを評価されるようになっていますので、ちょっと長目になってはいますが、主たる解析はそれよりも前の段階で、Clavien-Dindo分類のGrade3それ以上の合併症に関する評価がなされることになっております。
 副次評価項目としては、こちらに挙げたような、医療技術の内容をより詳しく把握するための項目が挙げられています。
 評価表、資料1-2に戻ります。こちらですが、実施体制の評価については山口先生に御評価いただきました。1、2、3とありますが、3の医療技術の有用性について「不適」との評価をいただいておりますので、後ほどコメントをいただきたいと思います。
 倫理的観点からの評価については佐藤先生から評価をいただいております。こちらの4、5についてはいずれも「適」として御評価いただいております。めくっていただいた所にコメントを書いていただきましたが、こちらについては後ほど御説明いただこうと思います。
 試験実施計画書の評価については、私が担当いたしました。6~16まであります。7番と10番、予期される安全性情報の書き方と有効性及び安全性の評価方法については、現時点では「不適」だと考えております。こちらについて、また後ほどコメントさせていただこうと思います。
 総評ですが、15ページを御覧ください。本医療技術の有用性について、きちんと確認すべきことがあるであろうという状況ですので、その有用性の評価方法についての修正も含めて、疑問点が解消される必要があると考え、総合評価としては今回「継続審議」とさせていただきました。評価の概略は以上です。
○猿田座長
 概略を御説明いただきました。それぞれに関して、まず山口先生から御説明よろしくお願いいたします。
○山口座長代理
 実施体制の評価です。これに参加している藤田保健など、腹腔鏡の手術で有名な施設で、責任医師の体制とか、医療機関の体制に特に問題がないと思います。
 有用性に関してですが、やはり先進医療というのはある程度有用性が、皆が納得できるレベルのものがないと、駄目だと思います。サイエンティフィックに確実だというものがあれば、何もここに出すわけはないのですが、そういうものがあるかという点で評価してみますと、このロボットの一番のメリットは遠隔にやれるということでした。つまり、パリの名外科医が、アメリカにいる人を手術するとか、例えば今であれば、放射線汚染地域の人の手術を遠隔地の外科医がやる。それはものすごいメリットです。
 ダビンチがそもそもなぜ開発されたかというと、戦場で外科医が死ぬのはまずい。本国に外科医がいて、例えばアラブとかにロボットを持って行って、そこでやるという軍事的なことが目的で作られたものなのです。ところが、素晴らしい機械ができて、幾つかのメリットがあって、例えば3Dでできるとか、操作が非常にファインな、つまり細かい操作ができるとか、将来的には非常に良いものであるかと思います。
 ただ、拡大視できるとか、3Dというのは、今の普通の腹腔鏡の手術でも、そういう機器がどんどん入っていて、ロボットだけができるというわけではありません。もちろん、ファインな操作ができるということは大きなメリットで、今回の研究も、こういう機械を使うことで非常に細かい操作ができるので、合併症が減るところにポイントが当たっているわけですね。
 胃がんの手術も、合併症がどれくらい起こるかということが一番問題になるわけですが、皆さん御存じのように、お薬と違って、お薬は多分猿田先生が出されても、私が出しても効果に余り変わらないのではないかと思うのですが、手術は、同じ腹腔鏡手術でも経験とか、あるいは技術者の能力によって大きく変わります。したがって、合併症も、施設や術者によって大きく変わります。判定方法も極めて難しいのが現状です。というのは、手術をした人は、なかなか合併症と認めたくないという傾向があって、それを公正に判断するかということが難しいということが、非常に大きな問題なのです。ただ、それに対して科学的なアプローチはあって、こういうClavien-Dindo分類みたいに、どこでやっても同じような評価ができるという判定法さえあれば、安全性が確認できて、しかも普通の開腹の手術はもちろん、腹腔鏡の手術よりも安全にできるという具合の成果が出るかもしれません。
 ただ、皆さん、1つ理解していただきたいのは、ロボットの手術は特別な手術ではなく、腹腔鏡の手術の1つなのです。腹腔鏡を支援するための道具という具合に理解してもらったらいいと思います。
 腹腔鏡の手術との差を出すというのは、ものすごく難しい作業だと思います。実際ロボットも数年前に愛知県で事故が起きています。これは膵臓を傷つけたための死亡事故です。ファインにできるはずなのだけれども、というだけではなかなか説明がつかないことがあります。
 先ほど言いませんでしたが、ロボットの大きなデメリットのひとつは触感がないということですね。手術のときに、触って、固いとか、ここまで引っ張ったら大丈夫というような触感が非常に大事なのです。腹腔鏡の場合には感触がわずかにあるのです。ロポットの場合にはパワーも強いですし、操作の慣れてない者がやると、膵臓のように柔らかい臓器を、たちまち傷つける可能性もあるので、その点も十分に注意しなくてはいけないと思います。
 もう1つは、本研究で問題があるのはエンドポイントのところです。日本内視鏡外科学会が、2年に1回広範なアンケート調査をしています。私どもの施設でもそれに回答して、私もよく見ていますが、要するにこのアンケート調査結果として報告されている腹腔鏡手術の合併症の発生率をコントロールとして、それよりも自分たちのやっている合併症の率が低かったらよろしいということにしようということなのです。そのアンケート調査というのは意外にシンプルなもので、「合併症と思われるものがあったら1つだけ書きなさい」という書き方なのです。つまり、Gradeがどうとか、そういうことは一切書いてない。しかも、回答がどれぐらいされているかという問題もあって、細かいデータは一切公表されていません。このアンケート調査に参加している施設は、藤田保健みたいに多数例やっている所から、始めたばかりの所まで全部入っていますから、クオリティーが様々なものが入っていて、ひょっとしたら高すぎる合併症なのかもしれませんし、あるいは低すぎる合併症かもしれません。つまり、分からないのです。つまり、どういうクオリティーのものか分からない。それをコントロールにしていいものかという疑問が1つある。
 この研究計画書では全然触れられていなかったのですが、JCOGというがんセンターを中心にしたかなり信頼性の高いスタディがあります。実はその研究の中で、腹腔鏡手術の合併症というのはある程度検討されています。JCOG0703というスタディで、170例ぐらいの腹腔鏡手術をある程度エキスパートが集まった施設を集めてやったら、合併症率が大体1.7%と極めて低いのです。ここは特にそうなのかもしれませんが、今回申請されている施設もそれに匹敵するようなところですから、それぐらいのデータが出てもおかしくないのです。それをあえて一般の所も混ぜた高い合併症の発生率をコントロールにするのはやや評価としては妥当性を欠くと思います。このままやっても、出た評価から進めるべきでないことが分からないということになるのは非常にまずいということで、一応「不適」とさせていただきました。以上です。
○猿田座長
 後ほど先生方から御意見いただきますが、恐れ入ります、倫理的な観点から佐藤先生からよろしくお願いいたします。
○佐藤構成員
 今回、倫理的な観点から審査をさせていただきました。説明文書を幾つか先方とやりとりをした経緯が、紙の資料の33ページに書いてございます。da Vinciの使用料は会社負担なのですが、そのことについては説明文書にも説明がありますし、COIの対策も取られていると判断をいたしました。ただ、私がこの審査をするときには分からなかったのですが、名古屋大学の死亡例のケースについて、この説明同意文書では、「ロボット鉗子による内臓損傷などの危険が考えられます」というだけの説明で、死亡という言葉が触れられていないので、もしかすると、より具体的に説明をすべきかもしれないと、今考えました。以上です。
○猿田座長
 各先生のコメントをいただきまして、実際私もやりとりを拝見させていただきましたが、柴田先生からもう1回全体的にまとめていただいて、それから。
○柴田構成員
 まず、実施計画のところについて、ちょっと補足をいたします。資料1-3をお開きください。こちらは、事前に、申請者の先生方に照会をお送りしまして、回答いただいたものです。
 17ページから26ページ辺りまでについて、実施計画に関する問合わせをしております。17ページの安全性に関わる事項については、今回の臨床試験が安全性を評価するものであることも考えると、しっかりとした規定をしておくべきであろうということで、少し大変ではあると思いますが、細かく規定していただくべきであることを指摘しております。
 19ページの被験者の登録方法ですとか、20ページのデータの取扱い・管理について、あるいは22ページの評価方法等については、適切に評価をしていただくために疑問点をお伺いしたところですので、こちらについてまだ一部残っているところがあるので対応していただく必要があると考えております。
 評価表に戻りまして、1-2の14ページ、「不適」とした理由についてです。先ほど山口先生からも御指摘がありましたように、ヒストリカルコントロールの設定が妥当であるのか、ということは、やはり詰めていただく必要はあると思います。
 また、単純にGrade3以上ということで割合を評価するだけで十分なのかということも、議論が必要かと思います。例えば、仮に先ほどお話に上がったような手術関連死亡とみなすべき事象が生じた場合などにどう評価するのかといったところも、詰める必要があるかと思います。ですので、この辺のところが、有効性・安全性の評価方法のところで重要な論点になっているのではないのかと考えます。
 もう1つ、[2]ですが、現在、合併症規準を使って、本医療技術に伴う有害事象/有害反応を評価すると臨床試験実施計画書に定められておりますが、その予期性の規定については、この合併症規準に書いてある事象は予期されるものであるとざっくりと書いてあります。これは余りにもざっくりとした書き方ですので、今回の臨床試験に伴って想定されるものというのは、明示的に、臨床試験実施計画書に列記しておくべきであろうと考えます。そのようにしておくことで、予期されない事象の評価・予期されない事象の報告とかそういうものの管理といった面でも、より臨床試験の実施のしやすさが変わると思いますし、しっかりと評価していただくために、ここは重要なポイントではないかと考える次第です。そのほかについては省略いたします。臨床試験の実施計画等についての評価に関するコメントは以上です。
 総合評価ですが、先ほど山口先生に御指摘いただいたところは、かなり大きな問題であると考えておりますので、一応ここではやはり「継続審議」ということで、そこを詰めるべきではないかと考えております。以上です。
○猿田座長
 そうしますと、先生の最終的な御意見とすれば、本技術の有用性並びにその有用性の評価方法についての疑問点がもう少し解消されるまでは、一応「継続審議」にしたほうがいいだろうと、こういう御意見ですね。ありがとうございました。
 それでは、構成員の先生方から、今のような御説明ですが、御意見をいただきたいと思います。非常に難しい問題でございますけれども、実際に各構成員の先生方と機関との間のやりとりを読ませていただきましたが、先生方、詳細に御検討いただいています。また、施設のほうからもきちんとした回答をいただいておりますが、結論的には、今柴田先生がまとめていただいたような状況です。どなたか御意見をいただければということです。
○藤原構成員
 藤原です。山口先生に、相場観というか、確認したいのです。今日は胃がんですが、そのうちいろいろなもので、da Vinciで出てくるのではないかと思うのです。先行する前立腺がんはもう保険償還されています。配布資料の37ページで、医療機関の要件というところです。当該技術の経験症例数が術者としては20症例とか、医療機関としては25症例とか、当該技術の経験年数が1年以上とかとなっていまして、診療で導入する場合と、先進医療Bでda Vinciみたいなロボット手術を導入する場合では異なってくると思うのですが、この辺りどのぐらいのラーニングカーブでいけば将来的にいいのかとか。胃がんで、この数で本当に多過ぎるのか、少な過ぎるのかが外科医でないので分からないのですけど。
○山口座長代理
 ロボットによる経験がそんなに多くある必要はないと思います。あくまでも支援する、これ機械ですから、道具ですから。むしろそれよりも腹腔鏡できちんとできている技術があるかというところにポイントを当てて、やはり決めたほうがいいのではないかと思います。
○藤原構成員
 ということは、この施設要件なども見直してほしいということになるのですか。
○山口座長代理
 いずれそうだと思います。というのは、恐らく調べたら分かると思うのですが、今、腹腔鏡手術をやっている所は、まだラーニングカーブはいろいろな施設が混じっているので、調べたら施設によって合併症率全然違うと思うのです。しかも毎回2年ごとに変わってきていますので、やはりきちんと調べてないと、何を見ているのかが分からなくなると思います。今、幸いにしてこのロボットに関しては、名古屋大学のそういう事故があって以来、いろいろな要件が決められて、どこもきちんとやっているのです。ただし、名古屋もそういう要件はきちんとやった上で、しかし事故が起きているわけですから、その点は十分注意が必要です。腹腔鏡の手術について、少なくとも相当慣れた人でないと、手は出さないほうがいいのではないかと、私個人的には思います。
○藤原構成員
 事務局にも確認というか、後で将来的にこれを考えておかないといけないと思うのですが、つまり臨床研究中核とか、早期探索とか、特定機能病院とか、ああいう所では先進医療Bに入るときに、症例数の減免要件など一時議論されたと思うのです。例えば大学の特定機能病院とそれ以外の大きな病院とで、同じようにこの症例数の要件をお願いするのかどうか、多分こういうことをやりたい施設はたくさんあると思うのです。それぞれの施設で要件が違うのかなということもちょっとあるのかなと思いました。
○山口座長代理
 その点は、例えば抗がん剤などの場合はそのチェックとか何か技術とはまた別の面のところが非常に重要なのですが、やはりいくら体制がしっかりしていても、やる人の技術がなかったらまずいので、ちょっと違った視点から決める必要があるのではないかと思います。
○猿田座長
 今、内視鏡手術のことが出ましたけれども、私が一番苦い経験したのは、私が座長の時慈恵大で前立腺の手術で失敗した事件がありました。その少し前に委員会にある施設から申請があり、その技術が難しいことと、広めるための考えもあり、内視鏡学会の理事長が構成員であったこともあり、かなり議論してあの施設を許可した後、あの事件が起こり前立腺の内視鏡手術が、当時かなり難しいことを知りました。あのときのことがあり、腹腔鏡の手術は非常に慎重にやらないといけないと思うのですが、山口先生は専門でございましたので、そういったことなのですが、やはり十分注意しないといけないということなのですね。どうぞ、事務局。
○保険局医療課専門官
 今の座長のコメントに補足をさせていただきたいと思うのですが、慈恵青戸の事件のときは、先進医療で確かに前立腺のラパロをやっていましたが、慈恵青戸は先進医療外でやっていて、施設基準を満たしていなかったと記憶をしております。それも補足をさせていただこうと思います。
 もう1点ですが、da Vinci手術については平成24年5月の先進医療専門家会議の指摘に基づいて、オールジャパンでプロトコールを立てて、オールジャパンで出してくれということになっているかと思うので、この20例、25例については、申請者側の立ててきた基準と今認識をしております。今後、各臓器でプロトコールを立ててくれるのでしょうけれども、そのときに各臓器でどういうラーニングカーブを見せて、どういう症例設定をしてくるかによるのだと思います。そこは申請者側の要因ももちろんあるということです。
○猿田座長
 ここでは、一応20例以上になっていますよね。
○藤原構成員
 先ほど、山口先生がおっしゃいました、名大の症例の調査報告書を読んでみたのですが、術者は腹腔鏡500例ぐらいやった人だったと書いてありましたが、それでもなかなかハードル高いのかなというのと、むしろロボット手術の経験よりも、鏡視下手術を何例やった人をというのがいいのかなと、山口先生の話を聞いて思ったのですが。
○保険局医療課専門官
 そこは事前相談のときにも、申請者側とよく相談をしていくということになろうかと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局ですが、今回、申請者との面談で、先ほどの資料の1-5で、20例と設定された根拠についてですが、資料37ページ、資料1-5で術者として、20例以上と申請者が記載した背景ですが、これも論文によって、これタブレットの134ページに載っているのですが、ラーニングカーブのことが試験実施計画書に記載されており、大体技術が、これは腹腔鏡ではなくて、da Vinciの技術がプラトーに達するのに20例程度を要するであろうということから、20例というのが設定されました。以上です。
○猿田座長
 ほかに、どなたか御意見ございませんでしょうか。
○関原構成員
 胃がんは日本で10万人発症して、最も治癒率が高くて、性格も良いがんだと。だから安心して手術を受けていると。こういうのが普通の日本の患者だと思うのです。
 この説明書では、「胃がんの手術は、合併症はしばしば発生し」、それで在院日数が延びる原因になる。しばしば発生すると説明し、そのあと、「da Vinciはその発生を減らすのです」と、そういうロジックになっているものですから、ちょっと私は、この「しばしば」というのはどのぐらいを言っているのか。これを見ると、何となしに、やはりda Vinciはいいのかなと、患者には思える。私は、この表現がやや誘導的な感じがしないでもないなと思いました。メリットは、結局発生率が低いというのと、高い治療効果と書いてあるわけですしね。
 さっき、前立腺の青戸病院の話がでました私は泌尿器学会の事故調査委員会ができて、患者としてメンバーになり、結構勉強しました。やはり新しい技術というのは結構難しいと痛感し、前立腺のような神経が走って、非常に小さな場所というのは別ですが、胃や大腸のような割方大きい臓器で、こういう高価なロボットを使って手術をやるというのは、これは費用対効果の話になってしまうと思うのですが、その辺も総合的に考えて、これはどうなのか、この場での議論ではないのですが、胃で使うのは劣後するような気がするというのが、私の率直な印象です。
○山口座長代理
 おっしゃるとおりで、通常の胃癌手術でものすごくファインな操作があるかと言ったら、そんなことはないのです。例えば、前立腺で広がった1つの理由は手術操作の中でも尿道の吻合とか、非常にファインな場所有用だと主張されています。ですから、手術を始めて終わりまで、ずっとそういうファインさを要求されているわけではないのです。胃がんについても、その局面があるかというと、私は余りないと思うのです。ただ、例えば微細の血管を吻合するとか、あるいは脳神経外科の領域などではあるのかもしれませんが、パワーのすごいものを脳外科領域で用いるのは安全性の点でまだ解決すべき問題があるのではないかというのが、私の感想です。
○関原構成員
 それに関連して、やはり先進医療というのは基本的に保険収載することを前提とした技術ということなので、これ、しかし、本当にそういうところまで展望する手術なのか、ある意味では選定医療みたいな話だなと感じます。もし、今の制度の中でこういうものを使おうと思うと、先進医療の場に載せるしかないのでしょうけれども、何かしら違和感があるというのは率直な印象なのです。
○猿田座長
 確かに、臓器によっての問題、非常にこれは重要なところです。
○保険局医療課専門官
 今、関原構成員もおっしゃっていましたし、座長も指摘していましたことなので、改めて述べるまでもないのかもしれませんが、申請者側の御主張としては、既存の腹腔鏡手術に対して、明らかな優勢があるという御主張になっておりますので、それが当然証明されれば、これから先進医療会議で社会的な妥当性を議論することになろうかと思います。明らかな優勢があれば、追加的な償還価格ということが見えてくるのでしょうけれども、一方で、同等であると、非劣勢であるということしか分からないのであれば、同等の価格になるということも見据えて、御議論をいただくことになるのではないかと考えております。
○山本構成員
 私、医療機器のこういう試験に対して、余り高いハードルは付けたくないと、一般的にはそう思っているのですが、対照となる現在の手術操作の安全性の合併症の発生率を、ヒストリカルコントロールとしては比較的発生率が高い対象群を選んでいらっしゃる。ところが、山口先生がおっしゃったように、別の研究ではもっと低い合併率が報告されているということでしたら、合併症率がこのぐらいが相場であるという適切なヒストリカルコントロールが得られていない。かつ、試験の症例数がかなり見込めるようです。300例とおっしゃっていますので。であれば、安全性の検討を主にするということでしたら、比較試験というデザインを考えていただくのも、1つのやり方なのかなという気はちょっといたしました。
○猿田座長
 それが本当は良いところですけど、なかなか難しいところです。貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。ほかにどなたか御意見ありませんでしょうか。
○伊藤構成員
 この技術は平成22年ぐらいに先進医療にかかっているのですが、そのときには腹腔鏡の手術と開腹手術の差がはっきりしてないので、今はまだ認めるのは時期尚早という話になったと思うのです。腹腔鏡の手術というのは開腹に比べて、こういうある一定の患者層に対して有益であるということはもう認められたという認識で、よろしいのでしょうか。
○山口座長代理
 胃がんの腹腔鏡手術に関しては、まだ日本胃がん学会は研究的な立場をとっていますけれども、実際には世の中ではかなり行われていて。恐らく実感としても傷が小さいということは客観的な事実です。出血量がやはり20ccとか、開腹に比べると、すごく減って。有用性は、一般的には認められていると理解していいと思います。
○猿田座長
 入院期間が短めになりますね。
○山口座長代理
 ただ、入院期間はやはり恣意的なものがあって。見ていると、私は、余りあてにならないなと思っています。
○猿田座長
 ほかに御意見ありますでしょうか。もしなければ、先ほど柴田先生の御意見通りでよろしいでしょうか。
○保険局医療課専門官
 今の伊藤委員がおっしゃっていた話は、平成22年のとき、確かJCOGの3相試験が実施中だったと思うのですが、あれってまだ解析中なのではなかったかなと思うのです。そこの確認ですが、JCOGの3相試験の実施状況はいかがでしょか。
○山口座長代理
 比較試験は途中ではないでしょうか。
○保険局医療課専門官
 まだ途中ということですね。はい、分かりました。
○山口座長代理
 シングルアームのはもう出ていて、そんなに危なくないということが分かっている。
○山中構成員
 解析結果が発表されるのはまだこれからです。
○猿田座長
 ありがとうございました。理想的には山本先生がおっしゃっている通りなのですが、ここでは柴田先生に結論として出していただいたように、もう少し有用性と、その有用性の評価方法、この2つについて、随分細かいやりとりをしていただいておりますが、そこをもう少しクリアにしていただくという形で、ここでは「継続審議」という形にさせていただければと思うのですが、委員の先生方、よろしいでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局です。申請者に照会するために、ちょっとまとめを確認させていただきたいのです。まず、コントロールをどうするか、開腹手術か、腹腔鏡ということについては、腹腔鏡で妥当であろうということで、よろしいでしょうか。
 その際に、ヒストリカルコントロールでは、ハイボリュームセンターでやると低くて、術者の技術が均一でない母集団では7%程度の合併症があるので、その7%を選ばれた妥当性について、もう一度検証する。こういった場合というのは、生物統計の先生にお伺いしたいのですが、メタアナリシスのように各試験を統合解析し標準化して、それをヒストリカルコントロールとするやり方とか、あるのですか。何と比べたらいいのかという助言をいただけませんか。
○山中構成員
 ヘテロなデータいくら集めてメタアナリシスしても、それはやはりその数字の信頼性の問題は出てくるので、できるだけ今回の対象集団、対象施設に近いところのデータを集めて、精査すべき、とういうところだろうと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
 ありがとうございます。そうしますと、藤田保健、申請医療機関に類似するような施設からの腹腔鏡のデータをコントロールとして、比較することとします。そこでシングルアームで、ダブルアームでいくかという助言については、いかがでしょうか。
○山本構成員
 それはまとめて聞いていただいたら、いいのではないかなと思います。ですから、単群でいくのであれば、やはりそのヒストリカルコントロールが、これで適切かどうかということの検討を、もう一度御議論いただかないといけません。ヒストリカルコントロールが適当でないという結論になった場合には、単群試験をする根拠が、その正当性が失われてしまうので、その場合には比較試験のデザインを検討し直さないといけないことになります。まずは、この単群試験のデザインの妥当性を支えるためのヒストリカルコントロールがこれで適切かどうかということをもう一度御検討いただくということで、よろしいのではないかと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
 分かりました。
○山口座長代理
 やはり強く言わなくてはいけないのは、日本内視鏡外科学会のアンケート調査というのは、コントロールとしてはちょっと採用できないということだと思います。もともとそういう目的で作られたものではありません。今、信じられるというか、クオリティーが最も高いのは、やはりこのJCOGの0703というスタディで、176例やっています。これは合併症の率が1.7%と、極めて低いのです。これを恐らく採用しなかったのは、自分たちのところと比べても、こちらのほうが良いからなのかもしれません。ですから、その辺り、ではそれだったら、やはり比較試験やるしかないのかというところを詰めていただいたほうがいいのではないかと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
 分かりました。クリアになりました。ありがとうございます。あともう1点、確認なので、先に柴田先生どうぞ。
○柴田構成員
 比較試験の対照の取り方の部分ですが、ヒストリカルコントロールをまず精査していただくのが大前提ですが、山本先生のコメントを補足させていただくと、例えばランダム化は無理にしても、同時対照で、同じ医療機関で、これを使っているものと使ってない方という形で、同じ選択規準で、同じ評価規準でやっていただくというのが、次善の策としては選択肢の中に入ってくるかなと思います。
○猿田座長
 大切な点ですね。
○医政局研究開発振興課専門官
 確認事項ですが、資料の14、15ページで、柴田構成員の指摘事項の(3)(4)というのは、そのままもう一度指摘事項としてお伝えするということで、よろしいでしょうか。
○猿田座長
 はい。
○医政局研究開発振興課専門官
 私は以上です。ありがとうございました。
○猿田座長
 よろしいですか。それでは今の事務局のほうでまとめていただいたことを機関のほうに戻さしていただくということで、この場におきましては一応「継続審議」という形の結論にさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 続きまして、次も事務局から御説明をお願いできますか。
○医政局研究開発振興課専門官
 了解しました。資料2-1、39ページです。今回、先進医療Bの総括報告書に関する評価を頂くのは大臣告示番号025、生体内吸収性高分子担体を用いた塩基性線維芽細胞増殖因子による血管新生療法です。申請医療機関は京都大学医学部附属病院です。審査担当構成員は主担当が山本構成員、副担当が大門構成員です。審議に先立ちお断りがあります。本技術の試験結果については学会未発表論文投稿中のためですので、詳細な試験結果の記載については、省略いたしておりますことをあらかじめ御了承ください。また総括報告書の詳細な結果についてはタブレットに挿入しておりますので、適宜御覧いただきたいと思います。以上でございます。
○猿田座長
 それでは山本先生から説明をよろしくお願いいたします。
○山本構成員
 タブレットの365ページが総括報告書の本体です。先進医療を承認されたのは2010年7月1日です。京都大学医学部附属病院で、医療技術の概要としては閉塞性動脈硬化症、又はバージャー病による重症虚血患者10名に対して塩基性線維芽細胞増殖因子、これは商品として売られているもので、商品名はフィブラストスプレーですが、そちらを徐放化ゼラチンハイドロゲルに混ぜて、腰椎麻酔下で虚血下肢に40か所の筋肉内投与を行い、4週及び24週後に安全性及び下肢血流改善・救肢状況の評価を行う内容です。昨年1月1日に先進医療としては終了されております。私と副担当の大門先生で評価させていただきました。
 まず、39ページの評価表で、有効性です。主要評価項目において、統計学的に有意な改善が見られており、副次的評価項目もほぼ同様の傾向を示しています。24週までに臨床的に意味のあると思われる改善効果が認められた症例も全員ではありませんが、数例見られており、小規模な試験結果ですが、当該治療の有用性が期待できる可能性が示されていると考えております。ですので有効性としてはBと付けさせていただきました。
 安全性は「あまり問題なし」ということで、コメントとしては重篤な有害事象自身は発生しておりますが、医薬品との因果関係を強く疑うものではありませんでした。既に承認された医薬品でして、剤型と投与経路の変更ですので、当初から危険性については限定的なものと思われておりましたが、試験結果からもそれ以上の、この製品が承認される際に予測されていた以上の危険性を示唆する所見はございませんでした。
 技術的成熟度は、難易度の高い技術ではないと考えております。もちろん腰椎麻酔下などがございますが、通常の経験を積んだ医師であれば、あるいはその医師の指導の下であれば、十分実施できる内容と考えております。
 ということで、私の総合的なコメントは、先ほどから述べましたように、主要副次的評価項目で傾向としては改善傾向があり、主要評価項目では有意な改善が見られております。また臨床的に意味のある改善効果が認められた症例もあります。一方、安全性はあまり大きな心配をするものではないので、今回は期待できる結果ではあると思います。ただしもちろん10例の小規模で、なおかつ比較対照のない試験ですので、検証的な試験を今後する必要はあるとは考えます。そこのところは規制当局のお考えだと思いますが、これだけでもうこれで大丈夫ですというのは少し難しいかもしれません。検証的な試験の実施が必要な可能性はございます。
 本試験を承認申請の参考資料として使用することは可能ではないかと思います。ただしこれもこちらの委員会は規制当局ではないので、データの信頼性保証等は行われておりませんので、そちらについては規制当局の仕事だと思います。ただし参考資料として使用することで、効率化に資する可能性はあると考えております。副担当の大門先生からもお願いいたします。
○猿田座長
 大門先生、よろしくお願いします。
○大門構成員
 有効性、安全性については、山本先生がおまとめいただいたとおりだと考えています。技術的成熟度については、この治療方法は虚血部位と思われる部位にある一定間隔で投与するわけですが、この手技の成否はおそらく術者の経験、力量、症例によっても変わってくると思います。この点が今後の課題になるのかと考えております。以上です。
○猿田座長
 山本先生、大門先生からは今のような御意見で、有用であり、副作用としてもそれほど心配はないだろうということです。それでは構成員の先生方から御意見をいただきたいと思います。
○藤原構成員
 お手元の資料44ページ、開発のロードマップ、これは初回の申請時のロードマップのことですか。今の山本構成員のお話で少し混乱したのが、我々構成員には実際の総括報告書は配られていないので、全体像が把握しにくいところがあります。これは今回、初めてでしたでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官
 はい、そうです。手違いがあり、送付ができなかったのでませんでした。
○藤原構成員
 総括報告書は配られてから、見ながら。
○医政局研究開発振興課専門官
 はい、そうです。
○藤原構成員
 これは京大さんが開発されたジェルで、将来的にはどこかの会社がこのポンチ絵を見ると、ライセンシングアウトして、通常の企業治験に移行していくパターンなのですね。
○医政局研究開発振興課専門官
 その辺り、なかなかお答えしづらいところもあるのですが、藤原先生のお考えで今、進めているということで、相違はないと思います。
○藤原構成員
 もう1点、ここでの審査のときに私がコメントしたかもしれませんが、フィブラストスプレーという褥瘡の薬は既に市販されているのですね。あれはたぶん承認されたときのいろいろな議論ではFGFにはがん原性が結構あるので、スプレーで噴霧するときにはあまり発がんの心配はないのですが、注射、筋注などをやっていくとたぶん長期の発がん性は見ておかないといけなくて、今回のような先進医療Bがこれで終わってしまうと、終了届が出てしまうと、長期的なフォローは誰がするのかが少し気になります。
○医政局研究開発振興課専門官
 その点については、どのようにお伝えしておきましょうか。試験の実施プロトコールの中にはそこの観察期間はもう過ぎているのでしょうが、もう一度再評価をする。又はこれは次の試験がもう立案の段階に入っていますので、そこで長期的な評価も追加すると助言いたしましょうか。どういたしましょうか。
○藤原構成員
 先進医療から外れてしまう中で、そこまで求められるのかなというのがあり、京大さんが自主的に今後は見ていきますとおっしゃるのが一番自然なのかなとは思いますが。
○医政局研究開発振興課専門官
 その旨を部会の意見として、京都大学にお伝えするという方向で対応させていただきたいと思います。
○山本構成員
 もちろんこの薬の承認を取りたいということで、規制当局に出す場合には当然その安全性のデータは求められると思いますので、そこを目指すのであれば自主的に長期安全性のフォローをされることをお勧めするということでいかがでしょうか。
○猿田座長
 一応ここで認めていただくと、今度は先進医療会議に報告するわけですね。
○医政局研究開発振興課専門官
 そうです。
○猿田座長
 そうすると先生のほうに回ることになると思います。今度、初めての例ですので、そういう形でと。
○一色構成員
 このスタディのプロトコール全体が完全に把握できていないのですが、重症下肢虚血の患者さんはとても多くて、もし使えるようになるとこの治療に期待する向きも多いと思います。このプロトコールの内容について確認させて下さい。このジェルを注入する場所について、血管造影の所見から、どの血管がどう詰まっている場合は、どこに注射するのかが有効性にも大きく反映してくると思うのですが、10例だけで有効だったということではありますけれどもこれらのポイントが次の共同試験に反映されているのかについて御質問いたします。
○山本構成員
 もちろんこれは40か所に打っていますので、先生がおっしゃったように、やはり虚血の部位を確認をして、40か所に打つという形でやっていらっしゃいます。結果はとてもいいのです。かなりの方で虚血が改善されているのです。データとしてはいいのですが、何というか悲しいさがで、あまりいいとまた疑ってしまうところがありまして、大丈夫かなと思っていろいろ見たのですが、この10例に関してはプロマイジングな結果であると私は思いました。ただ皆さんがおっしゃるように、もちろん長期の安全性はこれでは分からない。それから、かなり重症な方を入れていらっしゃるので、自然に回復することはないと思いますが、対照群もいらっしゃらないので、そこももちろん分からないので、コメントにも書きましたが、やはり検証的な試験、我々は規制当局ではありませんが、検証的な試験はやはり求められるのではないかと思います。
 もう1つはやはり総括報告書を見て思ったのは、信頼性保証が我々、この委員会ではしませんので、そういうシステムにはなっておりませんので、本当にこれが誰が見ても間違いのない結果であるのかというところは、最初の会議のときに実施体制全部を見て、そこで大丈夫でしょうというようにして走っていただいていますので、本当にこれでこれを申請の資料として使うというときには、おそらく規制当局は信頼性保証を求めると思いますので、本当にこの結果と同一の結果で審査をされるのかも、それはこの委員会というか、このシステムでは範囲の外かなと思います。ただこの内容をさらに詰めていく試験を次にされることについては、問題はないのではないかと思いました。
○猿田座長
 おっしゃるとおりですね。ほかに御意見はございますか。今日、山本先生、大門先生からお認めいただいた形で、ここでは一応そういう形で決めさせていただいて、先進医療に回させていただくということでよろしいでしょうか。先進医療としてもう1回、議論していただくことになると思います。ご存じのとおり、末梢動脈の治療は前にも出てきました。昔、通したものは結局、効果がなくなって消えてしまったというのもあります。これは違うやり方です。ではそういう形でこれは先進医療会議に回させていただくということで、お認めいただいたということにさせていただきます。山本先生、大門先生、ありがとうございました。それでは次が試験実施計画の変更についてです。これも事務局からよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料3-1、45ページを御覧ください。試験実施計画の変更が2件申請されています。まず、1件目です。大臣告示番号043、慢性心不全に対する和温療法、適応症は慢性心不全です。申請医療機関である鹿児島大学病院から試験実施計画の変更が申請されています。そちらに45ページの実施期間が書かれています。本試験の実施期間は平成24年11月~平成26年4月までとされていましたが、症例登録が当初の予定より遅れたため、試験期間を平成27年4月まで、1年間の延長を希望すると変更申請が出ています。
 46ページを御覧ください。実際の登録状況が表で記載されています。平成25年12月31日現在の登録状況が示されています。本試験はツーアームで、片群76例の合計152例でデザインされていますが、現在のところ割付症例は103例まで達してきています。試験終了までにまだ1年の期間延長を希望しています。試験期間の延長について御審議をお願いしたいと思います。以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。大分、症例が進んできたのですが、まだちょっと足りないということで、1年間の延長ですが、委員の先生方から何か御意見ありますか。申請施設は一生懸命参加施設を増やしてやってくださっています。もし、特に問題がなければ、では、お認めいただいたことにいたします。どうもありがとうございました。
 それでは、続いて、もう1件のほうをよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料3-2、49ページを御覧ください。大臣告示番号048、C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変に対する自己骨髄細胞投与療法です。適応症はC型肝炎ウイルスに起因する肝硬変(Child-Pugh分類による点数が7点以上のものであって、従来の治療法ではその治療に係る効果が認められないものに限る)です。申請医療機関は山口大学医学部附属病院です。現在の実施状況については49ページの下に記載しているとおりです。主な変更を希望する項目ですが、これも、先ほどと同様試験期間の延長を希望しています。従前は、実施許可を受けてから2015年3月31日までとされていましたが、新たに2年の延長の申請がきています。すなわち、2017年3月31日まで延長してほしいという希望が出ています。変更申請をする理由については、下に書かれているとおりです。なお、お断りですが、2014年1月30日、これはヒト幹細胞臨床研究の審査委員会にも延長申請が審議されて承認されています。試験実施期間の延長について御審議をお願いしたいと思います。以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。今、御説明をいただいたとおりで、2年のこれは延長ということです。どなたか御意見ありますか。なかなか症例が集まりにくいということかと思うのですが、特に御意見がなければこの延長をお認めいただくということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、お認めいただいたということにさせていただきます。
 それでは、協力医療機関の追加について、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 次は、資料4-1、協力医療機関の追加になります。51ページを御覧ください。これまで大臣告示されている9つの技術について協力医療機関の追加申請がありました。資料4-1、51、52ページになります。先進医療名、適応症、申請医療機関、追加協力医療機関について記載しています。資料4-2、53~61ページを御覧ください。事務局において協力医療機関として提出のあった先進医療実施届出書等を確認した結果、先進医療を実施可能とする保健医療機関の要件、様式9号を満たしていることから、協力医療機関の追加として御了承いただきたいと思います。特に御意見がなければ追加の手続を進めたいと思います。以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。これもよろしいでしょうか。特に、先生方から御意見がなければ、これもお認めいただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、続いて、高知大学の問題です。よろしくお願いします。  
○医政局研究開発振興課専門官
 それでは、資料5、63ページを御覧ください。高知大学医学部附属病院における事案について御説明します。当該医療技術は大臣告示番号022、告示日が平成22年6月1日で、医療技術名は、蛍光膀胱鏡を用いた5-アミノレブリン酸溶解液の経口投与又は経尿道投与による膀胱がんの光力学的診断です。申請医療機関は高知大学医学部附属病院です。ここで、医療技術の概要に少し触れておきます。本診断法は、光感受性物質である5-アミノレブリン酸(5-ALA)溶解液を経口又は経尿道的に投与し、蛍光膀胱鏡など光力学診断システムを用いて表在性膀胱がんを赤色に蛍光発光させることで、より高い精度で検出しようとする診断方法です。試験期間は平成25年12月までとされていました。症例数の登録状況は、経口投与が165例に対して235例に実施、経尿道的投与については、165例の予定症例に対して13例が実施されていました。このうち、高知大学の医学部附属病院において84例と11例がそれぞれ実施されていました。
 これまでの経緯についてです。まず初めに、「医療機関・研究機関による臨床研究の適切な実施に係る自主点検の実施及び報告のお願い」として、平成25年8月23日に自主点検を高知大学が実施しました。その結果、平成25年11月25日に、当該先進医療として実施している臨床研究に「実施計画書の変更申請が適切な時期に審議されていなかった」と厚生労働省に報告がなされました。先進医療に承認されている臨床研究であるために、当事務局が面談を行い事実関係等の説明を求めました。その結果、先進医療実施に係る違反があることが判明したので、高知大学医学部附属病院に対して当該先進医療の中止を指示し、事実関係の確認や今後の対策の検討等の要請を行いました。これが平成25年12月になります。高知大学医学部附属病院は、平成26年1月31日付けで、「先進医療の実施に係る不適切事案の公表について」として、外部委員3名を含めた調査委員会による調査内容を公表しました。
 64ページです。どの点が先進医療に係る違反であったのかを御説明します。まず、大きく、違反については2つに分けられると思います。
 1つ目が、こちらに書いてあるように、「先進医療の実施に当たっては、倫理審査委員会等において認められた試験実施計画において実施しなければいけない」ということです。マルの1は、先進医療の実施届出書の申請時に倫理審査委員会の承認を受けていなかった。マルの2は、高度医療評価会議による指摘事項の後に試験実施計画が変更されるのですが、それを倫理審査委員会の承認を受けていなかった。さらに、マルの3は、平成24年5月に先進医療の実施計画の変更申請がなされているのですが、それを事前に倫理審査委員会に承認を受けていなかったという事実が判明しました。
 2つ目は、先進医療として、実施が認められた試験実施計画に基づいて実施をすべきでありますが、実施されておりませんでした。具体的には4つの問題点がありました。1つ目は、定期的モニタリングは10例ごと又は3か月ごとに行われると計画されていましたが、その実施が不適切であった。2つ目は、中間解析を試験実施者が担当しました。また、結果に対して効果安全性評価委員会の研究継続可否の判定もなかった。3つ目は、重篤な有害事象は倫理委員会、効果安全性評価委員会には報告されましたが、厚生労働省には報告されていなかった。4つ目は、165例の予定症例数に対して235例に実施されていたということです。
 ただし、今回の先進医療実施に係る違反において、データのねつ造・改ざん、患者に先進医療と因果関係のある健康被害を及ぼすもの、また患者の同意取得を怠ったものなどはいずれもありませんでしたという報告でした。
  65ページです。高知大学医学部附属病院の対応についてです。外部委員を含めた調査委員会は、「先進医療としての実施継続の可否について、実施計画書の遵守不十分により科学性を担保できないとして、先進医療の取り下げが妥当である」と判断しました。また、高知大学医学部附属病院は、「先進医療に関する通知・法令の遵守の徹底をはかるとともに、対策を行い、再発防止に努めていく」ことをホームページ上で公表をしました。
 今後についてですが、厚生労働省は高知大学医学部附属病院に対して、当該先進医療を中止するよう昨年末に指示をしています。また、既に、先進医療そのものは終了しており、全ての実施医療機関において、当該先進医療は現在実施されていません。今後、高知大学医学部附属病院から最終報告書が提出されることとなっていますので、その内容を踏まえて、当部会で今後の対応を検討することとします。以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。今、御説明があったように、これはデータ改ざんとかそういうこととは違って、大学自体の、こういう先進医療をやっていくことにおける契約上の問題が守られていなかった。要するに倫理委員会のことも守られていなかったし、症例のことに関してもしっかりしていなかったということで、当然、先進医療に届け出てきたときにそういうことはもう出来ているだろうと考えていたのですが、そうではなかったということです。先生方は御存じのとおり、この先進医療というのは、やはり新しい技術を使ってやるものですから、その点では倫理面や安全性の問題とかそういうことをしっかりやるのが前提です。こういうことが、出て大変びっくりしてしまったので、注意しなければいけないのですが、どなたか御意見ありますか。田島先生何かありますか。
○田島構成員
 こういうことが現実に起きているというのは誠に信じがたいことで、ほかにはないのかなというのもまたちょっと気にはなるところで。この適正に実施されていることを何らかの方法でチェックしていかないと問題になるかなと思います。
○猿田座長
 そうですね。どうしても書類上の審査とかそういうことになってしまうものですから、私としても非常に反省しているのです。
○山本構成員
 高度医療評価会議で指摘を出して試験実施計画を変更したときは、それをかけるのを忘れたという可能性もあるのですが、次の試験実施計画の変更時に、先に倫理委員会で変更を通していただき、それでこちらに出していただくという手順にすべきだったのだろうなと。そうすると、かけないと受け付けないというふうにできるので、今後、そこを確認するという作業は必要かなと思うのですが。
○医政局研究開発振興課専門官
 山本構成員の御指摘のとおりで、先進医療の新規申請の場合は、倫理審査委員会の承認を受けていることについて記載していただいていますが、今回も2件延長申請がありましたが、これを倫理審査委員会に確認するというシステマチックな制度を我々は作っていなかったものですので、この辺りは徹底したいと思います。 あともう1点、田島構成員からの御指摘ですが、こういう事態を受けて、研究開発振興課としては、先進医療Bを実施している全ての医療機関に対して、再度先進医療通知の内容を御確認いただき、先進医療を適切に実施するようにお願いしますということを周知徹底いたしました。以上です。
○猿田座長
 ありがとうございました。とにかく、やはり、この施設に関しては基本からこのような先進医療に関してしっかりやりなおしていただくことだと思っています。先進医療に関しては実施施設の条件がしっかりしていること(主として特定機能病院およびそれに準じる病院)が大切ですから、しっかりやっていただくことだと思います。ともかく、これから私も注意していきたいと思いますが、委員の先生方もよろしくお願いします。
○一色構成員
 今日も話題になったのですが、施設の追加が比較的さっと通ってしまうのですよね。その施設での倫理委員会に通っていることの確認はできているのですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 はい、そこは事務局でやっています。協力医療機関の追加についてはやっています。ただ、延長申請案件について確認が抜け落ちる場合があります。
○猿田座長
 実は、私、それもあって、事務局にはそこの所は厳重にチェックしてくれと申し上げていますが。
○山本構成員
 もう1つは、実際に症例がかなり入っているのです。
○猿田座長
 そうなのですね。
○山本構成員
 それで、この状況だと、倫理審査が適切でなかったということで論文として発表することが難しいのではないかと思うのです。ただ、患者さんは入っていらして、研究は終了しているので、その結果を全く出さないというのは、参加された患者さんの意に反してデータが全く闇に葬り去られることになるのであれば、そこは何らかの対策が必要なのではないかなと思うのですが。
○猿田座長
 ありがとうございます。それは非常に重要なことだと思います。どうですか、その辺りのことは。
○医政局研究開発振興課専門官
 その件について3回高知大学と面談したのですが、山本構成員の御指摘のように、このデータ自身を論文化するのは高知医大も難しいであろうという認識をもっていました。私もそこについて、異論はないところでした。一方、試験を実施して協力してくださた患者さんのデータをどのように活用するかについてですが、やはり、この総括報告書の中にしっかりデータを記載し、協力してくれた患者さんの行為を無駄にしないようにはしたいと思います。
○山本構成員
 もちろん、総括報告書にも出してもらいたいし、もし問題がないのであれば、試験の登録システムに結果として出すことはどうなのですか。そこは、倫理審査が不適切でしたら載せてはいけないのでしょうか。一応、試験としては終了しているので、そこに最終の報告ができないのもちょっとおかしいような気はするのですが。
○猿田座長
 ともかく、データは非常に貴重ですから、いかに無駄をしないで可能な範囲において、そこはまた事務局でもよく相談していただき、私どもも相談しますので。貴重なデータを無駄にしないことと、患者さんが協力してくださったわけですから、そこのところと、施設の状況をよく見て、もう一回、改めて報告させていただくことは重要だと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
 そうですね、最終報告が出たらまたこの場で御報告させていただきたいと思います。
○猿田座長
 そうですね。ほかに御意見ありますか。
○柴田構成員
 今回の件については、もう書類にも経緯がまとめられていますし、丁寧に分析をされていると思います。ただ、今回の件に限らず、いろいろな方の、臨床研究をされている先生方のお話を聞いているときにちょっと気になっていることがあるので、コメントさせてください。恐らく、今回、このような失敗が起こった背景には、例えば、プロトコールという言葉を2つの意味で使っているのですが、その2つの意味の区別がつかない先生がいるのではないかということが懸念されます。1つ目の意味は、一人ひとりの患者さんに、臨床研究をするときに、具体的な治療方法を定める、その一連の治療方法のことをプロトコールと呼ぶ先生がいらっしゃいます。一方で、臨床試験の研究全体の規定のことをプロトコールと言う方もいます。倫理審査委員会で承認を得ているもの、あるいは承認を得なければならないものは、前者を含む後者のほうなのですが、日常診療で先生方は、この治療方法は認められているなどという形で理解されている先生は、新しい医療行為の狭い意味でのプロトコールが倫理審査委員会で承認されているので、新しい症例集積の方法を変えたりとか、評価方法を変えても、もう既に1回承認されているからそのまま引き続きでできるのではないかと誤解されているのではないかと思うのです。つまり、1つの臨床試験計画の中で2つの臨床試験をされるということがこの背景にあって、そこのところをきちんと整理しない限りまた同じような失敗をされると思います。
 実際、高知大学の書類も拝見しましたが、プロトコールがいつ始まっていつ終わるかに関する理解が少し曖昧なのではないかとか、そういうところが懸念されたので、やはり、先進医療に関する問題が今回のメインの所ではありますが、その背景に、1つの臨床試験には始まりと終わりがあって新しい計画を立ててやるのであれば、それはまた別途、先進医療ではなくても倫理委員会に審査を求める必要があるということは、やはり広く周知しないといけないところではないかなと思います。
○猿田座長
 ありがとうございました。かなり、各大学レベルの倫理委員会に差があることがよく分かりまして、その辺りをしっかりしていかなければいけないと考えています。ほかにどなたか御意見ありますか。もしないようでしたら、これで第14回の先進医療技術会議を終わろうと思いますが、今後のこと等をよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 次回の日程について御案内いたします。3月の開催は19日の水曜日、16時半から18時半といたします。場所については別途御連絡いたします。また、来年度の、4月以降の予定がまだ確定していないのですが、2月下旬を目途に皆様方に年間のスケジュールの照会をさせていただきたいと思いますので、是非御協力をお願いします。また、本日の議事録については、作成次第先生方に御確認をお願いし、その後、公開をしますので、併せてよろしくお願いします。以上です。
○猿田座長
 3月19日ですね。
○医政局研究開発振興課専門官
 3月19日です。
○猿田座長
 16時半。
○医政局研究開発振興課専門官
 16時半、はい、そうです。
○猿田座長
 ほかによろしいでしょうか。それでは、どうも御協力ありがとうございました。これで終わりたいと思います。

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