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2013年10月7日 第3回 たばこの健康影響評価専門委員会(議事録)

健康局がん対策・健康増進課

○日時

平成25年10月7日(月)10:30〜12:30


○場所

厚生労働省専用第9会議室(19階)


○出席者

出席委員 (敬称略・五十音順)

奥村 二郎 (近畿大学医学部環境医学・行動科学教室教授)
蒲生 昌志 (独立行政法人産業技術総合研究所安全科学研究部門リスク評価戦略グループ研究グループ長)
欅田 尚樹 (国立保健医療科学院生活環境研究部長)
山海 知子 (筑波大学医学医療系保健医療学域准教授)
◎谷川 武 (愛媛大学大学院医学系研究科公衆衛生・健康医学分野教授 【委員長】)
津金 昌一郎 (独立行政法人国立がん研究センターがん予防・検診研究センター予防研究部長)
望月 友美子 (独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターたばこ政策研究部長)

○議題

(1)第2回までのたばこの健康影響評価専門委員会の論点整理
(2)たばこ自体の健康影響について
(3)かぎたばこ(スヌース)の健康影響について
(4)その他

○議事

○長坂補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第3回「たばこの健康影響評価専門委員会」を開催いたします。

 開会に当たりまして、健康局長の佐藤より御挨拶申し上げます。

○佐藤局長 皆さんおはようございます。健康局長の佐藤でございます。

 ちょっと私のことを申し上げておきますと、7月2日付で、前任の矢島鉄也の後を引き継ぎまして今この職にあります。どうかよろしくお願いいたします。

さて、本日は、お忙しい中お集まりいただきまして本当にありがとうございます。第3回のたばこの影響評価専門委員会を開催しましたところ、このようにお集まりをいただきまして、本当にありがとうございます。また、健康づくりの中でたばこ対策、大変重要でございますが、各委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中、また諸般の事情のある中でたばこ対策に取り組んでおられますことに、この場をかりて厚く御礼を申し上げます。

 また、お伺いしますところ、多田羅浩三先生の後任として、このたび、委員長に谷川武先生をお迎えするということになったそうでございまして、これも大変御高配をいただいたと聞いておりまして、感謝申し上げるところでございます。

差し当たり、このたばこの健康影響評価専門委員会では、たばこ成分の分析、それから健康影響評価を行い、健康影響を減じるための施策ということで、科学的知見に基づいて御議論いただくということになると思います。その点、御協力のほどお願いします。

限られた時間ではございますが、活発な御議論をお願いして、私からの挨拶にかえさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。

○長坂補佐 本専門委員会の委員長は、厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会運営細則第3条に従い、専門委員の中から部会長が指名することになっていますが、永井地域保健健康増進栄養部会長の指名により、今回から谷川武先生に委員長を行っていただくことになりました。谷川先生、御挨拶をよろしくお願いいたします。

○谷川委員長 どうも皆様、初めまして。谷川でございます。このような場に、多田羅先生の後任として委員長を仰せつかりまして非常に緊張しております。

委員の先生方、津金先生、望月先生初めまして、私が公衆衛生を始めたころからもう既に大活躍されている先生方でして、私はこれまで、産業保健、そして地域保健、最近では東京電力の非常勤産業医ということで、そちらのほうでもいろいろとやっておりますけれども、実は私、たばことの関係は、その東京電力で社員の方々にとったデータがパッシブその他で免疫との影響というのを、昔、2004年に出しました。そういう意味で、私自身、そのたばこに関する科学的なエビデンスの一部を構築できたかなと思いますが、そういう今回の科学的なエビデンスに基づいて、そのエビデンスをきちっと出していくという非常に大事な趣旨を踏まえまして、第1回、第2回の御議論の様子も拝読いたしまして、相当これは活発にされているなという印象を受けております。

多田羅先生の後を継ぎまして頑張っていきたいと思いますので、皆様、よろしく御協力のほどお願いいたします。

○長坂補佐 本日は、大和委員におかれましては欠席との御連絡を受けております。7名の委員の専門委員会ということになります。どうぞよろしくお願いいたします。

資料の確認をいたします。お手元の資料をごらんください。

議事次第

座席図

たばこの健康影響評価専門委員会の設置について

資料1 前回までの論点整理

資料2 成分リスト表

資料3 望月委員提出資料

資料4 欅田委員提出資料

資料の確認は以上でございますが、もしお手元に配られていないもの、あるいは落丁等ございましたら、事務局までお申し出ください。

それでは、撮影はここまでとさせていただきます。以後の進行につきましては、谷川委員長、よろしくお願いいたします。

○谷川委員長 それではよろしくお願いいたします。早速、議題(1)につきまして議論をお願いしたいと思います。前回までの論点整理につきまして、事務局のほうから御説明をお願いします。

○野田専門官 たばこ対策専門官の野田でございます。私より、資料1、資料2に基づきまして説明をさせていただきます。

資料1、前回までのたばこの健康影響評価専門委員会の論点整理につきまして御説明をいたします。(1)「たばこの影響評価専門委員会の目的」といたしましては、「たばこ及びたばこ成分の健康影響評価を行い、たばこによる健康影響を減じるための施策について検討するためのエビデンスを得る」ということで整理させていただいております。

また、評価の進め方につきましては、「最終的に広く検討を行うことを目標とする。たばこに含まれる健康影響を与える物質を広く把握し、まずは結果の出るものから検討を行う」。「個別の成分の検討と平行して全体像の検討を行うべき」。これはたばこ自体の健康影響評価を行うという意味でございます。また、「曝露状況の実情も把握する必要がある」。さらに、「既存データも活用して検討を行う必要がある」と整理いただいております。

また、評価を行う物質につきましては、「まずはポロニウム及びアセトアルデヒドの検討を行う」ということを御提案いただいております。さらに、「全体像の把握においては、重金属やアンモニアも重要な成分であり検討を行うべき」。さらに、「単体の化学物質評価からのアプローチには限界があるので、『混合物』の評価方法についても整理する必要がある」ということも御指摘いただいております。

また一方で、カルボニル類や有機化合物は資料2のリストの全てを優先的に検討する必要があるのかということも御指摘いただいておりますので、この点につきましては、まずはポロニウム及びアセトアルデヒドの検討を行った上で、その後の検討を再度考えていく必要があると認識しております。

(4)「たばこ業界との関わりについて」でございますけれども、「たばこ製品に含まれる成分や添加物等については、たばこ業界からの情報開示を事務局から、あるいは委員会として要求すべきではないか」ということを御提案いただいております。

 また、「たばこは我が国の現行法規上、含有成分の規制のない製品であり、消費者への情報提示が必要である」ということも御指摘いただいております。

 また、「その他」といたしまして、委員の共通理解を深めるために、たばこと健康との基礎的な疫学的知見を共有することが重要」ということ。また、「科学的知見の部分と検討結果の限界を含めてまとめる」ということを御提案いただいております。

 さらに、「エンドポイントとして、がんとともに循環器疾患や呼吸器疾患についてのリスクについても検討すべき」。さらに、曝露状況についても分析を行うべきという御指摘をいただいております。最後に、対象物質が既存の規制枠組でどのように扱われているかについての情報も参考にすべきということもございまして、今回の委員会の中では、望月委員より、その資料のさわりの部分を御提出いただいております。

 事務局からは、論点整理として以上でございます。

○谷川委員長 ありがとうございました。過去2回のこの委員会の論点をまとめていただきましたけれども、委員の先生方、これでよろしいでしょうか。何か追加、御修正ございませんでしょうか。

 それでは、続きまして、たばこ自体の健康影響、日本学術会議による無煙たばこ製品による健康被害を阻止するための緊急提言につきまして、望月委員から御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○望月委員 ありがとうございます。私の資料は、通し番号の3ページからで、ちょっと大部になるのですけれども、参考資料もつけさせていただいておりまして、適宜後ろのほうの参考資料を参照させていただきます。

 私の今日のお話は、前回の宿題事項と、自分自身で非常に関心のある領域、特に3番目の既存の規制枠組の中で、今のたばこの各成分がどのように扱われているかということに関してまとめたことをお話しします。

 まず、5ページ目ですが、今般、日本学術会議から新しいたばこ製品に関する緊急提言というものが出されました。これは、私も特任連携委員として作成には関与したのですが、日本学術会議の中に脱タバコ社会の実現分科会というものがあります。この中で、この8月1日から、日本たばこ産業株式会社がゼロスタイル・スヌースという新たな無煙たばこ製品を大阪で試験発売するということに関連して、過去の学術会議の分科会でも、後に述べますが、ガムたばことか、あるいは日本全体に対して脱タバコ社会の実現という諸々のことを提言していた流れから、今般は、この新しい製品について、現状どうなっているのか、海外でどのようになっているかということを分科会の中で提案して、学術会議の提言として出されたものです。

 このまとめに関しては、5ページの私のスライドのNo3に、表紙と学術会議のロビーでパネルで展示してある資料をお示ししました。作成の背景は、たばこ規制枠組条約への批准を契機に日本で紙巻きたばこの消費量は、現在かなり減少している。それから、受動喫煙対策が進んでいる中で、新しいたばこ製品、特に煙の出ないものに関して需要が出てきて、実際に製品として投入されている。それから、実際にそのような使用者が若干増加傾向にあるということを述べております。

 そして、一つの大きな問題は、無煙たばこというのは煙が出ないということから、いわゆる受動喫煙の害はないのではないかという認知のされ方、それから、注意文言がこの新しい製品に関しては本当は最小容器に書かれていないので、これは事業法で求められている注意文言の記載において抵触するのではないだろうかとか、非常に小さい製品なので、青少年とか、あるいは医療現場で使われていても全くそれが外からわからないというような諸々の課題があります。そこで、提言の内容では、特に条約の中でも、あらゆるたばこ製品に関して統一的な規制枠組の中で検討すべしという中で、日本ではまだこのような新規製品については除外的に枠の中に入っていないことから、特にこの健康影響評価専門委員会の認可などでもきちっと焦点を当てて対象とすべきであるということ。

受動喫煙対策については、今までの法律とか条例の定義ですと、煙による副流煙などが対象になっているのですが、実際に過去の厚労省の検討会の中でも指摘されたようなサードハンドスモーク、それから、この新しい製品から発生するような揮発性成分も、実はWHOFCTC、たばこ規制枠組条約の8条「たばこの煙にさらされることからの保護」そのガイドラインの中でも明示的に、煙のみならず、たばこ製品から発生するガス状成分も視野に入れるという視点もあることから、他者への曝露の観点から、この対策について定義などを見直すべきでないだろうかということ。

それから、先ほど事務局のまとめにもありましたように、成分規制に関しては所管官庁が日本では明確でないことから、これについても協調体制を整備すべきであるということなどを提言いたしました。

 また、特に海外の事例ですと、無煙たばこ製品を禁煙支援のいわゆるニコチン製剤などの代替製品として推奨するような動きもありますので、これに関してもエビデンスをレビューしたところ、そういう証拠は不十分であるということがわかりました。

 通し番号の6ページ目ですけれども、その8月30日に日本学術会議として提言を出したところ、同日に厚生労働省からも、もう少しわかりやすい、簡単な情報提供ということで述べられております。

 次のページ、小さな資料5、通し番号の7ページ目ですけれども、無煙タバコに関するデータがどこにあるか探しましたところ、この新しいJTの製品、それから、過去に売られたガムたばこについても、これは全部輸入なので、輸入関税の観点から、日本での流通状況を把握することができました。これは、たばこ税の観点からは紙巻きたばこ換算でカウントされておりますので、実際にはグラムとかキログラムで入ってくるのでちょっとわかりにくいかもしれませんけれども、この3つ並べたグラフでおわかりになるように、まず、最初に入ってきたガムたばこは、ちょうど健康増進法が施行された2003年に導入されておりまして、ピークがある中、日本学術会議、厚生労働省、それからNGOなどがアクションを起こして、実際には市場としては大きくならずに日本からは撤退されてしまったという経緯があります。

 それから、3つ目のかぎ用の製造たばこですが、これが今回の製品にかかわるもので、ここにはまだデータとしては出ておりません。ただし、2010年あたりからこれが急増しておりまして、もちろん、紙巻きたばこに比べればコンマ何%という非常に小さいシェアでありますけれども、実際に輸入されていて、普通の販売店でも特殊な扱いで買うことができます。今回のJTの無煙たばこはスウェーデンから輸入されるので、今後どのように入ってくるかは、今後このようなデータを追いかければ見えてくるということです。

 これに関しては、今までが日本学術会議における提言のまとめです。

 次の8ページ目に、たばこと各種疾病との関係についての基礎的な知見を共有せよということだったので、これをまとめてみました。前回、5月21日の第2回の専門委員会に提出したスライドを再掲してありますけれども、海外でどうしてたばこ対策が進むのかという一つの背景としては、やはり圧倒的な科学的証拠と徹底的な因果関係の評価がきちんと政府機関等によってなされていて、それをエビデンスとして、サイエンスとして政策への橋渡しをするような仕組みが既にある。それの一例が、アメリカの保健省から出されている、いわゆる公衆衛生総監報告書です。これは、1964年以降、徹底的に因果関係の推論ということに徹したミッションを持っておりまして、事務局は、CDCOffice on Smoking and Healthです。これがアメリカのみならず、日本を含むいろいろな国々のたばこ政策の礎になっているということを前回お示ししました。

それから、最近の2010年の報告書には、因果関係の推論のみならず、メカニズムの推論にまで言及されているという流れがございます。

 それから、これもよくいろんなところで引用される報告書ですけれども、世界保健機関の国際がん研究機構、IARCが発がん性の評価のモノグラフというものを過去にわたって出されています。その中で、たばこについては何回か取り上げられていますが、たばこの煙は、グループ1、人に発がん性のある物質であると評価されております。アメリカのカリフォルニア州の環境保護局は、たばこは有害大気汚染物質であり、閾値がないものである。もちろん、連邦政府の環境保護局、EPAも同様の報告書を出しているところです。

特に強調したいのが9ページですが、この因果関係の推論というのは非常に厳密なプロトコルに載っておるわけで、たった一つの研究論文から疫学的に因果関係ありと判定しているわけでは決してないということを、この専門委員会のメンバーにとってはもう言わずもがなのことですけれども、まとめました。特に因果関係推論の9基準というのがHillによって出された非常に古い、1965年のペーパーをもとに、その後のアメリカの公衆衛生総監の報告書の推論はなされておりますし、いわゆる疫学のコミュニティではこれにのっとっているわけですけれども、2004年のこの報告書は、最初の1964年の報告書からちょうど40年たって、もう一度この因果関係の推論の仕方から捉え直してみようというものでした。というのは、その過程でIARCの報告書とかカリフォルニアEPAなどのほかの大きな動きが出てきたというようなことから、もう一度再構成したものがここの四角で囲ったものです。

これが、津金先生に解説していただいたほうがいいことですけれども、人、地理、時間的な一貫性を持つこと、関連の強さがあること、関連の特異性、時間的な前後関係がある。つまり、原因が結果に先行するということ。それから、科学的な原則に矛盾しない、生物学的メカニズムや生態データに一致していること、用量反応関係があること、それから、実験に基づく証拠、このように7つにまとめられております。したがいまして、アメリカのこの因果関係の推論をもとにしたサージャン・ジェネラルのレポートの2004年以降はこれに従って、もう一度過去のあまたの知見を洗い直した結果です。

それから、もう一つ重要なのが10ページ目ですが、なぜその因果関係の結論にこだわるのかということが同じ報告書に書かれております。やはり喫煙がある疾病の原因であるという判定を下すことは、その疾患を予防する、あるいはしなければいけないという意味を直ちに持つ。つまり、これの一連の報告書は政府当局によってなされておりますので、政府当局が因果関係の判断を下しているわけで、それは直ちに予防しなければいけないということがやはりポリシーへの意味にかかってくる。

それから2つ目、因果関係の結論に達した場合、即座に適切で、次の段階は、この喫煙防止と禁煙支援により回避できる疾病への負荷というものを推定することである。これが非常にたくさんのテキストの中から私が抽出したことですけれども、このような政府による仕組みがございます。

そのまとめが、11ページ目です。2004年にいわゆる能動喫煙の喫煙による因果関係の判定、それから、次の2006年には、いわゆる受動喫煙による疾病との因果関係が判定されておりまして、この2つのエビデンスをまとめたものです。この図版は、WHOのエムパワーという報告書がこれにのっとって新たに書き起こしたものを転載してあります。

このように、喫煙、あるいは受動喫煙が引き起こす疾患は、がんのみならず、循環器系統、それから呼吸器、それから、例えば失明とか白内障、歯周炎などのように、ほとんど全身に起こるということがこの報告書によってまとめられました。

そして、黒字のものが、因果関係の証拠が確実であること、それから、青字のほうが、まだ示唆的であるけれども、かなり確からしいというものが2つまとめられています。その中で、これは一目瞭然ですけれども、それぞれからの抜粋をいたしますと、繰り返しですが、喫煙はほとんど全ての臓器を冒し、多くの疾病の原因で、喫煙者の健康を損なう。禁煙は直ちに、また長期的な便益をもたらし、喫煙による疾病のリスクを下げ、健康状態を改善する。それから、タール・ニコチン量の少ないシガレット喫煙、最近出ている紙巻きたばこというのは低タールがうたわれているようなものですけれども、健康に明らかな便益をもたらさない。それから、腹部大動脈瘤以下の疾患については、アメリカではいわゆる喫煙病のリストに加わったということが2004年のレポートにまとめられております。

それから、右側のほうが受動喫煙について同様にまとめてあるものですが、受動喫煙を主として受けるのは小児と非喫煙者である。その早世死亡と疾病の原因である。それから、受動喫煙を受けた小児はSIDS、急性呼吸器疾患などなどのリスクが高いし、両親の喫煙が小児の呼吸器症状の原因で、肺の発達をおくらせる。それから、受動喫煙は成人では循環器系への害が直ちにもたらされ、虚血性心疾患と肺がんの原因となる。受動喫煙への曝露にはリスクフリーのレベルはないということが科学的に明らかにされている。

次の12ページです。これに引き続いて、先ほど申し上げた2010年の報告書では、さらにメカニズムまで言及している非常に基礎的な研究の集大成です。基礎といっても、いわゆる生物学的な基礎研究及び行動学的な基礎研究、なぜたばこを吸うのか、吸い続けるのか、あるいはその環境要因などについても分析してあります。

そのまとめです。繰り返しになりますが、たばこ煙への曝露にはリスクフリーなレベルはない。安全な閾値はございません。それから、次の2番目がこの専門委員会に関連するのではないかと思いますが、たばこ煙という複雑な不完全燃焼物質の化学的混合物を喫煙するということで、DNA障害、炎症、酸化ストレス等のメカニズムを経て、がん、循環器疾患、呼吸器疾患になる。それから、たばこ煙への曝露期間と量とがリスクの大きさや重症度と直接関係している。

それから、持続的かつ長期間の使用は、ニコチンや他の物質を介した脳内ニコチン受容体に関するたばこ製品の強力な依存性作用による。つまり、わかっていてもやめられないとか、やめようと思ってもやめられないというのがこの依存性によるものです。ここについては次回以降にもう一度拡大して御説明したいと思っています。

それから、受動喫煙を含む低レベル曝露でも、血管内皮細胞の不全や炎症を急激に引き起こして急性心循環器系発作や血栓症の原因となる。

それから、6番目、これもこの専門委員会に直接関連があるかと思いまして下線を引きましたが、たばこ煙の特定の毒性物質の排出を減らすという製品改良戦略が、主要な健康障害を低減させるという証拠は不十分である。ですので、前回からも個別と全体を相互並行してやるべきだというようなことはまさにここに関係するので、特定物質について1つや2つ深く掘り下げて、仮にそれを除去できるからといっても、全体のたばこの健康障害を低減させるとはとても言えないし、たばこ産業のほうがいろいろなリスクの少ないと標榜されるたばこ製品を改良して世に出していると思いますが、まだまだその証拠は不十分であるということです。

それから、次の13ページ目ですが、国立がん研究センターを含む国立の研究機関の研究者によってレビューされた、「Tobacco FreeJapan」というプロジェクトがございました。あえてこれを出しましたのは、日本では公的なプロジェクトとしてアメリカのサージャン・ジェネラルのレポートのようなものがなかったので、当時、ジョーンズ・ホプキンス大学の先生がサージャン・ジェネラルのレポートとWHOIARCのレポートの両方に加わっていらしたので、その先生をお招きして、やり方をまねてみようというプロジェクトでした。

一つの目的は、海外と日本におけるエビデンスを比較してみようということと、そのやり方についても、システマティックレビューの一歩手前ですが、試みたということで、日英2カ国語で1,200ページの報告書をまとめました。後半は、特に条約後の日本社会に向けての政策提言を出しましたが、提言の半数は実現されています。

そのうちの抜粋をここに書いてありますが、例えば喫煙の肺がんのリスクについては、日本と例えば欧米諸国とではかなりリスクレーショというものが違うのですけれども、それも幾つか仮説というか、説明があります。例えば喫煙開始年齢が違うのではないかとか、あるいは、日本はフィルターたばこが多いからではないかという中で、累積喫煙量、つまり、曝露量の差によってかなり説明できることをこのプロジェクトの中で明らかにしたことを御説明します。

それから、14ページ目ですが、これはお隣にいらっしゃる津金先生のグループの研究成果なので後で補足していただきたいのですが、「科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」という中の一部です。これは、日本のエビデンスについてレビューした結果、厳密な、ほぼ確実であるという科学的根拠としての信頼性の強さを一つの判断基準として置きながら、喫煙と各種がんについて確実かどうかというものをレビューした結果と了解しております。

日本では、研究班のレベルではこのようなシステマティックなアプローチがございますけれども、その後、いわゆるたばこ白書が10年来出されていないということは、ぜひこれを契機に、海外、その後の、例えば2003年に出しました「Tobacco FreeJapan」以降も、10年分のエビデンスが蓄積されておりますので、ぜひ米国の公衆衛生総監の報告書に並ぶような形でエビデンスの統合を行っていただけたらと思います。

15ページ目は「日本人におけるたばこによる超過死亡の推計」ですが、先ほどのアメリカのサージャン・ジェネラルのレポートの因果関係の推論をどうしてやるかという2つ目ですが、因果関係が確定された後にやる作業としては、どれだけ回避できるかという負荷の推計です。それの試みの一つを2つの論文として御紹介したいと思います。これは、がんセンターの片野田先生、それから東大の池田先生それぞれが別々に行った成果によって、いわゆるたばこによって多くの疾患になることがわかったけれども、それによって年間何人が亡くなっているのか、超過死亡の推計を行っております。全く違う研究グループが異なるアプローチをしたにもかかわらず、能動喫煙の超過死亡は年間約13万人とほぼ一致しているので、このあたりが日本における一つの回避すべき、あるいは回避できる負荷の大きさと考えられます。

それから16ページ目です。3つ目のトピックスですが、前回、たばこにたくさんの有害成分が含まれていて、アメリカのFDAでは、Harmful and Potentially Harmful Constituents、いわゆるHPHCとして93物質を抽出していることを、私、あるいは欅田先生、それから、1回目には蒲生先生が御提出になられました。これらの93物質を一つの拡大リストとして、ここから絞っていこうという考え方でしたが、これらの物質、リストアップされている物質が日本でどのような規制枠組にあるのかということを調査いたしました。

このポンチ絵にあるように、たばこの煙に含まれる化学物質は7,000種以上あり。7,000種というのはどういう物質かということが同定されているもので、実際にはこの何倍か、あるいは何十倍かであることがたばこ産業によっても述べられています。その中で93物質あって、ここからスタートするに当たって、物質を同定するCAS番号を全部振り直して、調査対象物質を92にしました。それから、日本の各種法令についてこれがどのように扱われているかということを絞り込んだのですが、13の法令においてこの物質が既にリストアップされていました。それが68種類です。

それから、今般、スヌースが登場したことによって、スヌースに含まれる発がん物質、スヌースとしてではないですけれども、IARCのモノグラフにおいては28種類の発がん物質がこのような無煙たばこに入っているというリストがあり、それも掛け合わせてチェックした結果を次の17ページに示しました。非常に細かいリストで、それを拡大したものを事務局につくっていただいたA3のリストがございます。

多くの物質が既存の有害物質規制枠組にあるというタイトルですけれども、ここに挙げられた物質が先ほどのポンチ絵の68種類の物質で、日本における有害化学物質の規制枠組というものは、例えば労働安全衛生法、毒物及び劇物取締法、それから家庭用品規制法などなど、皆さんがよく御存じの法律ですけれども、一番多いのが労働安全衛生法と大気汚染防止法で既に規制されているような物質がたばこの煙の中に入っていることがわかりました。これをごらんになると、もちろんそれぞれの法律によって、禁止から基準を設けるところまでリスクマネジメントのレベルはそれぞれありますが、既にこのような法律の中でのマネジメントの仕方の考え方はやはり今後の作業の参考になるのではないかと思います。

それから、例えばこの物質の中で非常に有名なところですと、アンモニアとか一酸化炭素、ニコチン、シアン化水素などはよくいろいろなところでたばこの煙の中に入っているということ、御存じかもしれませんけれども、例えばニコチンで言うと、毒物及び劇物取締法の中で取り締まられているにもかかわらず、たばこ製品というだけでここでは除外されていることなどもよくわかると思います。

最後に、「まとめ」ですけれども、18ページです。このように、冒頭に申し上げたような無煙たばこ、特にスヌースというような新規たばこ製品、それから、今回は触れておりませんが、電子たばこも同様に市場にどんどん入ってきています。それから、スヌースにおいては、たばこ製品としてたばこ事業法の中で管理されておりますが、それでも現場では、最初に申し上げたように、最小容器に注意文言がつけられていないとか、今のスヌースに関する健康影響というものは、まだまだ疫学的なエビデンスは、実はこの製品については得られていないということもございます。

それから、電子たばこについて言うと、過去に電子たばこが国民生活センターによって問題提起されたときにニコチンの入っているものが随分流通していたのですが、厚生労働省のほうでそれを受けて、毒劇法に抵触するということで注意喚起がなされました。ところが、今、ネット販売でニコチン入りのものが堂々と売られているという現状もあります。つまり、続々と市場投入されている割には、消費者のみならず、保健医療者や行政当局の認識とか知識、あるいは対策が追いついてないという現状があります。

それから、無煙たばこは、かつてはカートリッジ方式が出ていたのですけれども、このスヌースというのは煙が出ないということに関して、煙の出るたばこに関してはリスク認知とか、あるいは社会通念として人前では吸わないということが徐々に確立されているのですが、それともう一つは、さまざまな規制に対して挑戦する製品群であるのみならず、いわゆるつなぎたばことしてたばこが吸えない環境下で使うというような併用使用により、喫煙者はずっと発がん物質にさらされるというような点からもリスクは増大する可能性がある。

それから、たばこによる健康被害に関する疫学的証拠は十分であり、我が国で回避すべき健康負荷は年間13万人の超過死亡と待ったなしの状況であり、我々、この専門委員会のメンバーとしてはやはりこれを見過ごすことはできないのではないでしょうか。

最後に、たばことかたばこの煙に含まれる多くの化学物質は、有害物質規制の枠組内で、既に使用禁止を含む厳格な管理がされている。ですので、今回我々がいろいろなアプローチでたばこの成分、あるいはたばこの煙に含まれるさまざまな物質にアプローチするときに、ではこれをどう管理していくのかということも念頭に置きつつ議論が進められたらよいと思っております。

以上です。

○谷川委員長 多岐にわたり詳細な解説をいただきまして、ありがとうございました。議論を後ほど行いたいと思います。

続きまして、紙たばこスヌースとポロニウムの健康影響評価につきまして、欅田委員から御説明をお願いいたします。

○欅田委員 引き続き、資料4ですけれども、通し番号では65ページになります。そちらをごらんください。

今、望月委員のほうから非常に幅広くレビュー的に御紹介いただいたわけですけれども、私たちのほうからは、それに基づきまして具体的に化学成分を分析して、議論のためのエビデンスをつくるという作業を並行して実施しているところであります。前回は、ポロニウムの分析法を確立して、実際、日本のたばこの実態がどうなのかということを御紹介しました。その結果が65ページの下半分のところに示してあります。

Research cigarettes、これは標準たばこで、国際機関等でこういう作業をするときにリファレンスとして使われるためのたばこであります。それ以外に、国内で流通しています海外のたばこA、それと国産たばこBについて、はかった結果を前回お示ししました。

今回、これに加えまして、前回はたばこ葉に含まれるポロニウム及び主流煙の中でも粒子状成分についてだけ紹介しましたが、次のページに示しますように、たばこのブランド、ものすごくいっぱいありますので、もっと多くの銘柄について評価した結果をお示しします。

66ページの上ですけれども、1R5Fとか3R4F、CM6、これは標準たばこですね。標準たばこもいろんな性質のものをつくっていますので、それぞれについてリファレンスとして分析しました。それ以外に、新たに国産たばこABCDについて分析を行っています。

なお、国産たばこBは、前ページの国産たばこBと同じ銘柄の分です。比較してみてもらいますと、前回は、たばこ葉中に、N=5,すなわち1試料5サンプルで測定して、シガレット当たり24.1mBqという数値でしたけれども、今回新たにもう一度測定し直しましても、25.3mBq、シガレット当たりという形で、非常に再現性よくはかられていることが確認いただけると思います。

そのような中で国産たばこ4種について評価しましたけれども、たばこDにおきましても25.1mBq/cigaretteというような形で、比較的高いものが国内のたばこの中には含まれているところがあります。

また、前回までの中におきましては、測定し始めて非常に短期間でございましたので、たばこ葉と主流煙の中の粒子状成分についてまでの報告でしたけれども、実際喫煙される方におきましては、ガス状成分も摂取しますので、そのガス状成分がどうなのかということについても新たに分析法を確立して評価しました。それが66ページの下になります。

簡単に1銘柄について、国産たばこBについてのみ記載していますが、赤で囲ってあるところです。粒子状成分に関しましては、前回も報告してきたような値で、ISO法、HCIヘルスカナダ法、2つの方法について評価しまして、1.8mBq、あるいは4.1mBqという数字を得ております。新たに測定しましたガス状成分につきましては、それぞれ、ISO法で0.3mBq、ヘルスカナダ法で0.5mBqということで、ポロニウムは、主流煙の中におきましては、ガス状成分よりも粒子状成分に多く含まれていることが確認されております。

それぞれ合わせましても、主流煙全体として摂取する量は2mBq、あるいは4.6mBqという状況でありました。これは、以前、レビューとして報告されていました数値を括弧書きで書いていますけれども、たばこ葉からの移行率がどの程度かということで、大体主流煙中に10%前後ではないかと記していたのですけれども、私たちの分析におきましても、喫煙方法の違いがありますけれども、ISO法で7.9%、ヘルスカナダ法で18%というところで、たばこ葉から10%から20%ぐらいのポロニウムが移行し得る可能性があるということが確認されました。

これがポロニウムについての分析結果の御報告であります。

引き続き、先ほど望月委員のほうからもありましたけれども、スヌースについての御報告をいたします。先ほど来話がありましたように、8月1日から、国内でもスヌースが販売されるということになりましたので、私たちのところで早速それを入手して分析を始めました。スヌースに関しましては、先ほど来話がありましたように、海外でも議論がありまして、EUにおきましては、67ページの上に示していますけれども、これはドイツのがんセンターが出している資料であります。

ドイツのがんセンターにおきましては、スヌースは、身体に有害であると。がん、口腔内影響等を引き起こしてくる。また、2番目、依存性を引き起こしてくる。さらに、若者を引きつける、若人のたばこへの誘導口、ゲートウェイになってくるということ。あるいは、全体としてたばこの消費を増加させる。学術会議の中でも書かれているわけですけれども、デュアルユースということで、紙巻きたばことこういう無煙たばこを同時並行して使うという形で、本来ならば喫煙ができないような環境におきましても、こういうスヌースを使うことによって、喫煙状態を継続して、使用量をむしろ高めてしまう可能性が大いに指摘されているといったところがあります。

また、先ほども話がありましたけれども、無煙たばこ、こういうスヌース類が禁煙に効果あるのではないかということが言われていますけれども、それに対しての科学的な根拠はない。むしろ禁煙を目的とするのであれば、医薬品としてのニコチン製剤、治療薬を使うことが望ましいということが言われています。

こういった形で、EUにおきましては、たばこの製造・販売、行政管理等に関する加盟国の規制に関するすり合わせの指令というのが出されているのですけれども、そういう指令に基づきまして、たばこ製品を規制しています。口腔内使用のたばこ、スヌースを含むものについては市場参入を禁止するということが行われています。ただ、スウェーデンはその範囲から除かれているという状況で、スウェーデンで幅広くスヌースが販売されているところがあるというような状況です。そのような環境下におきまして、先ほど言いましたように、8月1日からスヌースが販売されるようになったわけですけれども、早速厚生労働省のほうからも注意喚起という形でホームページのほうから情報が発出されるようになりました。

67ページの下に書かれているところでありまして、学術会議からの情報に関して望月委員のほうから詳細に紹介がありましたけれども、厚生労働省のほうからも、スヌースとはどういったものかということで、まずちょっと、よろしければ現物を供覧させていただこうと思いますけれども、小さなポーション、小袋に含まれたたばこを口の中に入れるというものです。説明しながら見ていただいたらと思いますので、両方からちょっと回させていただきます。

(現物を供覧)

○欅田委員 こういったものですけれども、ほとんどミントのお菓子と変わらないような入れ物に入っていて、望月委員からもありましたように、最終産物であるこういうパッケージに警告を書かないといけないのですけれども、そういうことが一切書かれてないということで、これを引っ張ってもらいますと、中にこういうポーションという紙に包まれたたばこ葉がくるまれたものがあって、これを上唇の裏側なんかに入れてずうっと維持するというふうな形で使用されるものであります。

さらに、販売時には、こういうリーフレットというか、スウェーデンで幅広く使われていますよという形のメッセージが込められたものが提供されたり、もっと問題かと思われるのは、販売促進のために、スヌースそのものは380円ですけれども、申告すれば全員漏れなくクオカードを提供しますという形で、500円のクオカードがいただけるという形で販売されているような状況です。

67ページの説明に戻りますけれども、スヌースは、今お話ししたような無煙たばこ。どのような健康影響があるのかということに関しましては、禁煙治療のためのニコチン製剤ではなく、たばこ葉からつくられているものですので、当然、ニコチンだけでなく、たばこ特異的ニトロソアミン等の発がん物質が多く含まれています。そのために、口腔がん等の原因になるだけでなく、歯周疾患を引き起こしたり循環器疾患も引き起こしていくということがあります。したがって、紙巻きたばこの安全な代替品になるものではないですよということを指摘しております。

また、健康上の注意点としましては、そういうことで、紙巻きたばこと同様の健康リスクを高めるとともに、依存性が指摘されている。また、こういった製品ですので、今度、使用していてもそうたばこ臭さが使用者のほうで出ないものですから、青少年なんかのゲートウェイとして使われる可能性が非常に問題になってくるところがあります。

それとともに、今お見せしましたように、非常に小さな容器で、お菓子と同じようなものですので、子供が間違えて口に入れてしまうという状況も引き起こしますので、そういう誤飲・誤用の注意が問題ですよということをお示ししています。また、中に含まれている化学成分に関しましては、これも先ほど来紹介がありましたように、IARC国際がん研究機関のグループ1に属するものを含め多数の化学物質が含まれている。当然のことながら、そういう発がん化学物質をいっぱい含んだものを口の中に直に入れて使用するというものがスヌースの実態ですよということを示しております。

68ページの上は、これも先ほど来紹介が望月委員のほうからありましたけれども、2004年にはガムたばことしてファイアブレークというものが紹介されて輸入されるようになりましたけれども、その際には、厚生労働省初め学術団体も協力してその問題提起を行っていったということで、そういった情報公開に基づきまして、使用量のほうは減衰していったというところがありました。このときも厚生労働省のほうから、右に示しますような「ガムたばこと健康に関する情報について」という形で注意喚起が出されているところがあります。

こういった背景を踏まえて、WHOのほうにおきましては、スヌース等無煙たばこについてきちんと規制対応していきましょうということで、前回も紹介しましたテクニカルレポートシリーズNo955というものが出されております。これは「たばこ製品の規制に関する化学的な基礎についての報告書」というものですけれども、この中におきましては、電子たばこと無煙たばこについて情報が提供されております。その無煙たばこにつきましては、無煙たばこの成分は、燃焼させるたばこ製品の排泄する物質に比べて単純であると。2008年にWHOTobRegというたばこのレギュレーションに関する会議、FCTCのもとで実施されていますが、それにおきまして、発がん物質の濃度の規制値を設定することが妥当かつ実行可能なものであるということが示されまして、その規制値等に関しての勧告が69ページの上に示しているような状況で示されています。

電子たばこ、あるいは口腔内に入れるスヌース等を含めた無煙たばこ、そういったものに対しては、ニコチンを送達するヒト消費用製品は全て規制すべきであると。その中で、特にたばこ特異的ニトロソアミン、あるいはベンゾピレン、多環芳香族炭化水素の一つでありますけれども、こういったものについては上限値を設定すべきであるということで、具体的な上限値に関しましては、無煙たばこ中のたばこ特異的ニトロソアミンのうちのIARCのグループ1に指定されているものです。NNNNNKの合計値に関しては、たばこ乾燥重量1g当たり2マイクロgと制限すべきである。ガイドライン値としてこのような値を提供する。さらに、多環芳香族炭化水素の一つであるベンゾピレンに関しましては、1g当たり5マイクロg以下にすべきであるというガイドラインバリューが示されているところであります。

また、無煙たばこは、流通、あるいは販売、その後の保存に関しても注意しないといけないですよと。こういう規制値を設定したとしても、ニトロソアミン等は、保存期間中、あるいは移送中にさらに上昇してくる可能性がありますので、そういったものに対しては製品の瑕疵として返品しなければならないという期限をつけるということも求めるし、使用者においては冷蔵庫において保管するということもちゃんと示さないといけないですよということまで書かれているというところであります。

そういうことで、各国の規制者は、紙巻きたばこと同様、安全基準を満たしている無煙たばこ製品のほうが有害性低いわけではないことを消費者に知らせるべきである。消費者の行動に影響を与えて被害をもたらす、製品のランキングや測定結果の公表は禁ずべきである。こういったものについてモニタリングしてちゃんと評価していくということは非常に大事ですけれども、その値が低いものがむしろ低影響のものでいい製品でありますよというランキングにつながるような扱い方はしないように気をつけていきなさいと。これは無煙たばこに関するこういった規制値に限らずに、ほかのたばこの化学物質についても言われているところでありまして、たばこパッケージに関しましても、現在はオーストラリア等先進諸国におきましては、プレーンパッケージが導入されていますが、日本で今現在、タール、ニコチンが表示されていますけれども、あれも吸い方によって全然違うということで、そういった数値を明記して優劣をつけるような使用はしないようにしていきなさいということがFCTCの中でも言われているところです。

そういったところを踏まえて、8月に販売されてすぐに私たちのところでも分析を開始しました。その結果を69ページにお示ししております。4本のバーがあって、4つの銘柄についてお示ししていますけれども、既に海外で流通していましたマルボロの2種類について、それと、今回JTが販売しました2種類について右側にそれぞれ示しています。

ニコチン量に関しましては、グラム当たりですけれども、日本のスヌースは、マルボロ等に比べて半分ぐらいという形で低い値を示しています。これはグラム当たりに整えていますけれども、今、供覧しましたのは非常に小さいパッケージで、0.2gぐらいしかたばこ葉が入っていないのですけれども、そもそも海外のスヌース製品は、だんだんとそういう小さいのから大きいのに移していて、0.4gぐらいとかいう形で販売されているものも多い。また使用者のほうでは、1つだけでなくて、それを一遍に2つ口に含むような形で使用することも行われているところも実態のようであります。

問題となりますたばこ特異的ニトロソアミンのうちNNNNNKの合計値に関しまして右側に示しますけれども、上でお示ししたように、WHOでは、ドライ、ウェット1g当たり2マイクロgという上限値を設けているわけですけれども、マルボロのほうはそれをクリアーしているような状況でしたけれども、今回のスヌースに関しましては、右に示しているように、それを超過しているような値が得られているところであります。販売されて間もないところですので、私たちのところでも現在進行形でいろんな化学物質について分析しているところですけれども、今後さらに多くの化学物質について分析して、その結果をこの場を含めていろんなところで公表していきたいと思います。

最後のスライド、70ページですけれども、別に今回のスヌースだけでなしに、新規のたばこ製品、あるいはたばこ関連商品というのが非常に幅広く作られてきている。特に受動喫煙防止対策なんかが進められている中で、そういったものに対応して、継続して喫煙状況が維持できるような製品というのをたばこ産業のほうがどんどんつくってきているというところがあります。

その一つとして、女性、あるいは若い人をターゲットにしたメンソールたばこの問題というのは前回も御指摘したところで、左上に書いていますけれども、これも、どういうわけか日本で販売されているメンソールたばこがドイツのがんセンターのパンフレット、雑誌に警告としてモデルとして利用されているという状況がありました。メンソールたばこの問題等については前回もお示ししたところです。初めて吸う人にとっては刺激のあるものを和らげてしまう、また、それで深く吸い込んでしまうような形で、喫煙誘導につながってくるし、女性をターゲットとしたようなものが新たにいっぱいつくられてきているというところがあります。

右に移りまして、電子たばこ、これも望月委員のほうから詳細な報告がありましたけれども、日本におきましては、ニコチンが入っている電子たばこというのは薬事法の対象物になってきますので販売できないということでこれまで対応されてきていたのですけれども、個人輸入等で幅広く海外のニコチンが入ったたばこというのは販売されているところであります。

私たちは、国内で電子たばこが販売され始めた当初からそういったものについて分析していたのですけれども、ニコチンが入っているか入ってない以上に、製品の安定性ということに関しての問題が非常にありますよということで、その一例をグラフとして示していますが、これは当時国内で流通していました多数の電子たばこについて10銘柄ほど購入しまして、幅広く分析しました。

その中の一つがこれで、これは1銘柄について示しています。A−1からA−10と書いてありますけれども、1銘柄を10パッケージ買って、それぞれのパッケージから3回ずつホルムアルデヒドの発生量を評価するということをやったわけです。そうすると、見て一目瞭然で、A−7とかA−9のパッケージというのは非常に高い値が出てくる。ほかのパッケージは濃度が低いというような形で、同じ製品であっても、化学物質の発生量は全然違ってくるよということがあります。

この原因についても同定しまして、電子たばこというのはカートリッジに入っているいろんな溶液を熱を加えて蒸気として発生させるわけですけれども、その気化器の構造がなかなか整ってないものですから、ロットによって非常にばらつきがあって、状況に応じてはこのようにすごく高濃度の化学物質を発生するということが確認されました。このようにホルムアルデヒドが高い状態になっているものに関しましては、そのほかのアクロレインとか他の化学物質も非常に高濃度であることが示されて論文として公開しているところであります。

左下ですけれども、無煙たばこに関しましては、日本におきましてはこういった形で、ニコチンを含んだ電子たばこというのは公的には販売されてない、個人輸入等しかできてないのですけれども、海外におきましては今非常に流通が広がっていっているというところがあります。したがって、私たちが発表したこの右上のデータなんかに基づいて、日本の状況がどうなのかという情報提供の依頼というのは海外からも多数私たちに寄せられているところで、そういう無煙たばことしてのニコチンの入った電子たばこが急激に普及しているというのが大きな問題である。さらにスヌース、スナッフ等、新しい商品が開発されているというところが問題になってくる。こういったものを含めたトータルとしてのたばこ製品の管理・対策というのが求められてくるところです。

最後に1つ、右端にネオシーダーというのが入っていますけれども、これについても御存じの方はおられるかもしれませんけれども、これはたばこではなくて、医薬品という形で、もう50年以上前から販売されています。たばこを吸っているような人というのはせきが出てきたりしますけれども、それの鎮咳剤、せきを止めるためのお薬というような形で販売されているのですが、実はこれも随分以前から、このネオシーダーを分析すればニコチンが含まれているということが言われていまして、たばこの代替品としての普及がされているところであります。一昨年のたばこ税の増加に伴いまして、たばこがだんだんワンコインに近いような状態になってきていますけれども、それに比べて安いものですから、たばこにかわってこれを使用する方がふえて、ネオシーダーの販売量がますます高くなっているところがあります。

ところが、このネオシーダーにつきましても、ニコチン量は日本で売られているパッケージ表示、0.1mgニコチンの低ニコチン、低タールたばこと大体同じぐらい含まれています。加えて問題なのは、電子たばこの上でお示ししたホルムアルデヒドのようなガス状成分は、通常販売されている紙巻きたばこ以上に高濃度で曝露されるという製品です。こういったものがお薬として販売されているのがまた日本の特徴であるということも踏まえて、先ほど述べましたように、総合的なたばこ対策を実施していくことが非常に大きな課題になっているということを述べたいと思います。

また、そういったことで、野田専門官のほうから、これまでの2回のまとめということが最初に紹介されましたけれども、その中で、たばこ製造会社、輸入会社のほうにたばこに関する情報を提供してもらうことを求めるべきでないかというお話もありました。アメリカFDAの試みはそういったものが実施されているわけですけれども、新規のたばこ製品というのが非常に幅広く出てくる、またその中に含まれている化学物質が多岐にわたるということですので、その情報をたばこ会社のほうに求める。それに加えて、私たち、中立に国際的な協力のもとで行っているような機関がその公表している値が正しいものであるのかどうか評価していく枠組をつくっていくことも大事ではないかということで、前回も述べましたけれども、改めてもう一度提案させていただきたいと思います。

以上です。

○谷川委員長 どうもありがとうございました。

本当にこの実際にはかったデータというのはすごく重みがあると思います。それでは、これまでの事務局の説明及びお二人の委員の先生方の解説を踏まえまして、総合的に議論していきたいと思います。どうか活発な御意見、よろしくお願いします。どなたかございませんか。

 どなたも初めおられなかったら私の感想から言わせていただきますと、第1回、第2回の議事録も読ませていただきまして、そして実際に今回のお二人の意見をお聞きしますと、これだけたくさんたばこに悪いことがあるのだったらなぜやめないのかなと考えたのですけれども、多分、やめたら、禁酒法時代のように、密輸たばことか、自分たちでたばこつくったりいろんなことするでしょうし、そうなってくると、何とか科学的に少しでも危険性の少ないものにしてもらうしかないと。そういう意味では、今、欅田先生が示されましたように、僕、ちょっとびっくりしたのが、69ページの、なぜマルボロのほうがニコチンがたくさん入って、ニトロソアミンが少ないのかと。マルボロのほうが企業努力しているのかなという気もするのですけれども、しっかりとこういうデータを見ますとさまざまなことがわかってきますし、また、ネオシーダーの話もそうですし、電子たばこでこれだけホルムアルデヒドがあるのはすごいなと。吸うものによって違うのだなというのがある一方で、これは津金先生とかにお聞きしたいのですけれども、こういうもののリスクというのが、果たして一日に20本吸って20年間でどれぐらいなのかと。

特に66ページのたばこ製品のポロニウムの分布というのは、これまた非常にきちっとしたデータを欅田先生がつくっていただいたわけですけれども、ここに書いていますように、主流煙だけで、例えばたばこ当たり何mBqのものを吸って、そしてそれを20年間で、20本だとどれぐらいのものに相当するのか。これがほかの自然放射線曝露とどのように違うのかとか、そういうあたりをどのように評価していったらいいのかとか、いろんなことを考えました。

 津金先生、何か御意見ございませんでしょうか。

○津金委員 例えばポロニウムとかは実際どのぐらい曝露するかということがわかるわけだから、シーベルトとかに換算して、そうすると、年間、要するに20本たばこ吸う人だったらこのぐらい曝露すると。それで、あと、今現状の放射線の例えば発がん影響とかそういうものの用量反応関係に照らし合わせながらリスクというものを客観的に評価することはできるでしょうねという感想ですけれども、ほかはなかなか難しいですね。

望月さんの発表の中で、因果関係があるかどうかというだけではやはり規制とかリスク管理においては十分ではなくて、もちろん必要な条件ではあるのですけれども、我々の社会というか、当該集団においてどれだけの被害をもたらしているかということをきちっと評価する。それにはどのぐらいの曝露レベルがあるかということと、用量反応関係ですね。それを照らし合わすということで、実際問題としては、たばこに関しては日本においてはこのぐらいの被害者がいるということが定量的に出ているというわけで、当然、規制の対象であるということは間違いないだろうと。

 それから、14ページですか、我々のやっている日本人でのエビデンス評価というのを紹介してもらいましたけれども、これはあくまでも日本人においてそういう健康影響があるかどうか、発がん影響があるかどうかということを評価しているので、基本的に日本人のエビデンスを中心に使っているので、いわゆるデータが十分ではないという現状があって、国際評価に比べれば少しコンサバティブな評価になっていて、当然、受動喫煙と肺がんというのは国際評価においては確実であるわけですけれども、ただ、あくまでも、要するに、日本人を対象とした研究としては、必ずしも、残念ながらたくさんそろっているわけではないというようなことから、少しトーンダウンしていることはしているわけですけれども。

 あと、最後、望月さんの発表で一番気になったのは、「まとめ」のところの18ページの3ポツ目で、「たばこによる健康被害に関する疫学的証拠は十分であり」と。これは別に疫学的と入れる必要なくて、科学的証拠というか、いわゆる証拠は十分であるとすべきかと。もちろん疫学的証拠も十分だけれども、ほかの証拠も十分だから、証拠は十分と言わないと、疫学的には証明されているけれどもという論理を展開されてしまうので気をつけたほうがいいと思います。

○谷川委員長 望月委員さんの、2つのデータで13万人という、疫学データに基づいてという話ですね。

○望月委員 いや、全体です。だから、科学的証拠は十分にあるということで、疫学は余計です。その13万人をあえて出しているのは、要は被害の大きさはそれだけ大きいのですよと。ポロニウム一つを追求して、ポロニウムによる肺がんがどのぐらいかという試算ももちろん必要だと思いますけれども、1回目か2回目、欅田委員でしたか、ここでお出しになったデータでしたか、ポロニウム単独でどれだけの人が死ぬかというのは非常に小さい。だけれども、ポロニウムフリーのたばこはつくれるのか、あるいは、その大きさをもってどう判断するのか、あるいはそれ以上たくさんの物質を含む混合物としてのたばこ製品にどうアプローチするのかということはまた別の問題なので、13万人のバーデンがかかっているんだよということのリマインドです。

 ついでに、欅田先生の最後のスヌースのレギュラーとミントの物質の測定ですけれども、非常に興味深くて、私たちもその製品を手に入れて、どちらも、例えばかいでみる。そうすると、レギュラーのほうが明らかに臭くて、ミントのほうは、メンソールで結構においがマスクされていて、これだったらいけるのではないかなんていうぐらいの、要は製品に対しての一般の人たちの認知の仕方というのは、やはりミントのほうがまだましなような感覚があるにもかかわらず、実態としては逆であるということも、ミントのほうが発がん物質をたくさん持っている、含んでいるという情報もすごく重要で、それは多分、スヌースに限らず、いろいろな紙巻きたばこが開発される中、低副流煙たばこだとかメンソールが出てきてはいますけれども、それが必ずしも実際のリスクの大きさとは関連しないということもこの検討の中できちんと共有していくべきではないのかなと思いました。非常に見かけにだまされているというような結果が出ていると思います。

○谷川委員長 1つお聞きしたいのですけれども、スウェーデンはなぜこれを規制対象外にしているか、そのスウェーデンの根拠って何かわかるでしょうか。スウェーデンが除外している根拠。

○望月委員 スウェーデンの地場産業なので。スウェーデン以外のEU諸国では、各国での実際の法律の実行状況というのは不ぞろいがあると思いますけれども、EUとしては禁止。それはスヌースに限らず、オーラルたばこ総体として禁止しているのは、公衆衛生上の今後の被害だとか、あるいは青少年への影響などがあってのことだと思います。

○谷川委員長 スウェーデンって公衆衛生も非常によく発達している国だと思うのですけれども、スウェーデンのこのFDAとか厚労省に相当するところは、このスヌースについては何かコメントには出していますか。

○欅田委員 そこまでまだちょっと届いてない。

○谷川委員長 その辺はどうなっているのか知りたいところですね。地場産業というのは確かにあるのでしょうけれども、そこで恐らく健康影響に関して熱心に考えていらっしゃるグループもあるのではないかと思うのです。

○望月委員 逆にスウェーデンでは、今まではスヌースの利用は健康によりよいというようなエビデンスがスウェーデンの地場のたばこ産業の助成によってたくさん出てきた。ところが、最近の例えばカロリンスカ・インスティテュートの報告だとそれを覆すようなものも出てきているので、やはり科学と政策判断のせめぎ合いの結果が今の状況で、それがもしかしたら今後逆転する可能性もあるのではないかと。

○谷川委員長 その辺のところ、ぜひまた教えてください。

あともう一つ興味深いのですけれども、68ページの、無煙たばこ(ガムたばこ)は衰退していったという話をお聞きしましたけれども、そういう背景と、今回スヌースとかが出てきたけれども、これも同じように衰退していくのかどうか、ガムたばこが衰退していった要因というのは何が一番大きいのでしょうか。

○望月委員 いろいろあると思います。多分、時期尚早だったかなと。2003年ですと、健康増進法ができて、ようやく受動喫煙対策がじわじわと進んできたところで、今ほどに公共の場所での禁煙、あるいは職場の禁煙というのは広がってなかったと思いますが、チャンスとしては需要が出てきた。それと、学術会議のみならず、厚労省のアクションだとか、あるいは、もちろん、競合製品ですと、ガムの形をしたニコチン代替製品などもありますね。あとNGOもアクションしましたし、さまざまなアクションがあったけれども、ではどのぐらい売れていたのか。東京では随分広告も見ましたけれども、私は、ちょっと時期尚早だったので売れなかったと思います。でも、それも日本がテストマーケットになったとスウェーデン・マッチ社のレポートには書いてありました。人前でガムをかむというのが、日本だとどうなのですかね。

○谷川委員長 アメリカよりちょっとポピュラーでないですよね。

○望月委員 多分いろいろなことが奏効して、実際には撤退したと。今後、新しい無煙たばことか電子たばこの市場がどのようになっていくのかというのは、情報とかさまざまな関係団体のアクションによると思いますが、最初に私のまとめの初めに書いたように、そういうものに不慣れ、要はどう扱っていいかわからない。例えば今日、欅田委員が供覧されて、初めて見る、あるいは、この製品が出る前ももちろん海外ではあったし日本でも買える状況だったけれども、話には聞いたことがあるぐらいで、多分、関係者のさまざまなエビデンスの用意も含めて準備できてないというのが1つ問題だと思うし、それが出てきたところで、どうやってアプローチするのか、規制する枠組をまだ持ってないわけですので、そうやって手をこまねいていてよいのでしょうかというのが私の問題提起です。

○谷川委員長 ほかに御意見ございますか。

○奥村委員 欅田先生から総合的なたばこ対策が要るのではないかという話がありましたが、初めに谷川委員長が言われたのを素朴に考えるとその通りだと思うのですが、なかなか現実に難しいのも事実です。議論がその次にガムたばこの話にいったのですけれども、ガムたばこで、望月先生が、不慣れな部分もあったと。そういう経過もあったかとは思いますが、今すぐにできるというのであれば、現行の法体系の中で、何か規制とか、あるいは圧力を加えていくといった手法があるのではないかと思います。

例えばさっきスヌースを見せてもらって、食品とか、家庭用品とか、そういうものの法体系の中だったら規制可能かなあという感じが直観的にはしました。例えばガムとか子供のおもちゃには規制かかっているし、今のを見ても、実際に口に入れたり。こういう現行の規制の中でも議論しておいて。もちろん、たばこの対策というので総合的なのも必要。そういう細かな積み重ねをしていくと、こういう規制が出来ていないではないかというのが明らかになってくる。今、何が何かよくわからないですね。どのようにしていっていいか。具体的に、ここはこの法律で可能、いろんな法律が別表2に出ていました。例えば、大気汚染防止法でたばこのニコチンは規制がかかってないかと。これは量の問題ですね。たばこに出てくる濃度と量で大気が汚れるほどの濃度にならないから規制対象になっていない。また、たばこ以外に発生源があると、たばこの主要な成分でも大気汚染防止法でひっかかっている。そんな細かなことですが、一つ一つの法律とその規制手法をはっきりさせながら進めていってはどうかということです。これが1つ。

 それからもう一つですけれども、この会議の進め方で、今までいろんなリスクの会議をしていったときに、IARCが有害性を見て、その後、さっき津金先生言われた用量反応関係を見ていくという段階で調べていくのですが、実際、食品の安全委員会でやっています。ここの委員会では、たばこをともかくやっつけたいということもありますが実際たばこの問題を突き詰めると、どのような対策をとっていくか、そのときにどんな方法論があるかという点に、絞って議論していくという方法もあるので、ここらを検討してほしい。今ちょっとポロニウムが先行していますので、そういった点も進めてもらいたいと思います。

○谷川委員長 ありがとうございました。蒲生委員、どうですか。何かございますか。

○蒲生委員 きょうは欅田委員の具体的なデータを拝見して、やはりこういうデータの積み重ねが大事だなと改めて思いました。あと、たばこの九十幾つの成分について、いろいろな有害物質規制の下にあるという表を望月委員から見せていただきました。もともとこの九十幾つの物質は、有害性の知られているものにプライオリティをつけて選ばれたであろうことからすると、ちょっと失礼な言い方ですが、当たり前といえば当たり前だけれども、こういう形でいろんなところの法律にひっかかってくるような物質が選ばれているんだなというのは、これも改めて拝見して、なるほどと思いました。

 あと、ちょっと細かいのですけれども、ガムのたばこであるとか、今回新しく出てきたスヌースに関して言うと、必ずしも呼吸器からの曝露ではないというようなことで、同じ物質でも、実際に個別の成分でリスクを評価していくという段階になったときには少し評価の仕方が違ってくるのかもしれないなと思いました。これは今後の話かもしれません。そんなところです。

○谷川委員長 ありがとうございました。山海先生、いかがですか。

○山海委員 私もいろいろ勉強不足の部分がありますので、できれば教えていただきたいのですけれども、スヌースがスウェーデンのということですけれども、日本でこのスヌースを入れようという動きというのはどういうことなのでしょうか。

○望月委員 もう発売されていて、8月1日に大阪でテスト販売が始まっています。

○山海委員 まだ8月の10月ということで、どういう状況かということはわからないですか。売り上げというか。

○望月委員 それは、さっきも申し上げたように、輸入されているので、どこかの統計には出てきますので、1年たてば、先ほどのグラフに示したようなところに出てくるか、あるいは、日本たばこ協会が銘柄別に販売量、それは本数でいっていますけれども、そこに出てくるかどうか。公表されているのが上位20ですので、そこまではシェアはいかないのではないのか。爆発的に売れたら、もしかしたら学術会議の提言で認知されて売れているかもしれませんけれども、まだ地域限定なので、そこまでは捉えにくいと思います。

○山海委員 行く行くは、その地域限定から、今度は全国にということになるわけですね。

○望月委員 それはわからない。テスト販売ですので、うまくいけば。今までのカートリッジ式の動向を見ていても、まず地域限定でいろいろお試し期間なのではないでしょうか。

○山海委員 ありがとうございます。ちょっとわからないことばかりであれですけれども、あと、無煙たばこの場合、先ほども呼吸器以外のところからということですが、揮発成分等もその人に吸収されていくことになると思うのですけれども、例えば受動喫煙という側から言いますとどのような感じで捉えればよろしいでしょうか。そちらにも問題点があると。

○欅田委員 使用者個人の呼気についての評価ができればいいのですけれども、恐らく日本では、販売されたものに対してはデュアルユースになる、要は、紙巻きたばこを使っていてこれを使う方というのが多くだと思われますので、そうすると、ベースがもともとあるので、そこの評価単独にというのはなかなか難しいのではないかと思います。その前の議論のところの兼ね合いですけれども、今回はスヌースという形でJTのほうから販売されていますけれども、もともと名前がつけられているゼロスタイルというのは数年前から、パイプに含まれたかぎたばことして、これも受動喫煙が対策とられているところで、燃焼させる喫煙をしないで喫煙状況が維持できるようにというもくろみだと思うのですけれども、かぎたばことして、もともとは関東、東京だけで限定で販売されていて、今、全国に販売されていっているというような形で、そのゼロスタイルという名前がある程度広がったところで、新たに今度スヌースというものが販売されているというところで、いろいろたばこ会社のほうは販売戦略を持った中でやられているというところを認識しながら対策とっていかないといけないのかなと思います。

○山海委員 ありがとうございました。

○谷川委員長 ちょっとお聞きしたいのですけれども、ゼロスタイルとかスヌースというのは、今、禁煙車とか禁煙すべきところでそれを使用してもいいのですかね、悪いのですかね。

○欅田委員 当然それは、禁煙希望される方に関しましては禁煙治療薬でやるべきものであって、前に出されていたゼロスタイルというかぎたばこにしても、ニコチンだけをデリバリーするものでなくて、それ以外の有害化学物質、発がん物質も入ったものですので。そういう意味でなく、制度としてですか。

○谷川委員長 バスとか電車とか禁煙車とか。

○欅田委員 それはそれぞれの事業体によってばらついています。飛行機に関しても許しているものもあれば許さないところもあるし、それが混乱のもとになっているところもあります。

○谷川委員長 飛行機はもともと危険という、火気を使うからという原因ですよね。火気使わなかったらいいのかなという気もするのですが、そうでないのですか。

○欅田委員 それは全然事業体によって対応が違ってきます。

○望月委員 今のところ、学術会議でレビューしているのですが、実際に具体的な社名を挙げれば、ANAは禁止、JALOKとか、それも、無煙たばこだけでなしに、電子たばこもやはり同様に、使用者が周りの人たちに何らかの影響を及ぼすということと、多分、先ほど先生おっしゃったように、現場の混乱ですね。似たようなものを、片方は紙巻きたばこは禁止で、片方は似たようなものを使うという。

だから、私のプレゼンの中でも申し上げたように、健康増進法とか受動喫煙防止条例、あの中の定義では、火をつけて出た煙と書かれて、明示されてしまっているのですね。そうすると、厳密には条例などの適用外になってしまうということもあります。

ただし、WHOのガイドラインには、脚注ですが、たばこ製品から発生するものまで含めるということが書いてあるので、例えばその意味からも、受動喫煙という概念の見直し、要は他者に対する余計な曝露、有害物質への曝露をどう捉え直して制度に落とし込むのかということも今後必要になってくるのではないか。だから、電子たばこ1つとっても、名称はたばこですけれども、事業法上のたばこではないわけですね。なので、ニコチン入りが今バックしているという状況なので、その辺もう一度、この専門委員会の中で最初にスコープをどこまで決めるかという議論があったと思いますけれども、検討の対象物質のスコープのみならず、たばこの健康影響評価のこのたばこって何を指すのということももう一度確認しながらでないと、現場はどんどんいろんなものが出てきているのでイタチごっこ的になるし、その原理原則はどこに置くのか、厚労省が持っている法律の中でやるのか、先ほど奥村委員がおっしゃったように、法律の中でもしカバーできる範囲があるのであればそこを明確にするということもやはり必要ではないかなと思います。

○谷川委員長 あと、69ページの先ほどのニトロソアミンですね。WHOの上限値を上回るというのは非常にきれいなデータで衝撃的なのですけれども、これは、例えば欅田先生にお聞きしたいのですけれども、先ほど津金先生もおっしゃいましたけれども、さっきのポロニウムと似ていますけれども、これぐらいのレベルのものをどの程度摂取し続ければ、例えば胃がんとかになるのか。よく食塩摂取が強い地域では胃がんが多いと。その原因の一つがニトロソアミンではないかと言われていますけれども、食べ物の中に含まれているものでもたくさんとったらまずいというのもあるでしょうけれども、これはそのレベルをはるかに超えているでしょうか、どうなのでしょうか。そういう検討ってされるのでしょうか。

○欅田委員 そこらは非常にまた難しいところで、私たちのほうで分析しているのはたばこの葉の中に含まれている化学物質の量であって、これがどの程度摂取されるのかということに関しては、また溶出試験なりをやっていかないとわからないところでして、それに関してはやり方もまだ定まったものがないところがあったり、非常に困難なところがあると思うのですね。

ただ、現状として販売されているもの、既にこうやって口に入れるようなものの実態がどうなのかということに関してはモニタリングしっかりやっていかないといけないと思いますので、そういった意味合いで、ニトロソアミンだけに限らずに、ほかの化学物質についても評価して、私たちのほうで公表していきたいと思っているところです。

○津金委員 今の関連ですけれども、WHOの上限値というか、これぐらいに抑えるべきであると。この数値は何に対して、どういう根拠でこういう値が出てきたのか、ここら辺、御存じだったら教えてほしいのです。

○欅田委員 済みません。ちょっとそこまでまだ追いかけられてないところがあります。

○谷川委員長 1回目、2回目の議論を読ませていただきまして1つ非常に感銘を受けたのが、こういうものを発売するときに、いろんな物質が入っていますね。どうしてそれを明示しないのかなというのがあるのです。多分、食料品でこういうのがちょっとでも含まれていたら発売禁止になるのではないかと思うのですけれども、何を含んでいてもいいというか、たばこの葉を使っておれば何でもありみたいな感じの表現があったと思います。そういうことまで初め考えてなかったと思うのですけれども、恐らくニコチンとタールと一酸化炭素ぐらいしかわからなかったのがどんどん何十種類も有害物質を含んでいるということがわかってきたわけですけれども、このあたり、例えば、今、欅田先生、国の金を使って一生懸命分析されていますけれども、むしろ生産者のほうが分析して、それをきちんと公表して、それを第三者機関がきちんと見るとかいう制度にしないとなんかおかしいのではないかなという気もするのですけれども、その辺はどうなのですかね。

○野田専門官 この委員会の報告内容につきましては、まず関係する部局には情報提供させていただきます。そういう形で、この委員会の意見自体は反映されていくことになると思います。実はたばこの製品規制につきましては、もちろんたばこ事業法という他の省庁でやっている法律のもとで行われておりますので、その内容によりましては、そういう関係する省庁に情報提供させていただきたいと思います。

○谷川委員長 なかなか難しいですね。たばこ全部やめてしまえと言ったら、さっき言ったように、昔のアル・カポネみたいのが出てきてえらいことしそうですしね。かといって、そういう意味では、この委員会の意義というのは、どういう科学的なリスクがあるのかというのをきちんと出していって、それでも吸うのか吸わないのか。もしくは、それをちょっとでも減らすような努力ができないのかとか、そういうあたりかなと思うのですけれども、望月先生、まだ言い足りないことありますかね。

○望月委員 私の第1回目の資料で、委員の先生、お手持ちかもしれませんけれども、4ページ目に、実は旧厚生省がやりかけたのですね。それで、リスクアセスメント、リスクマネジメント、リスクコミュニケーション、それから規制の整合性まで含む全体のスキームを立てた上で、奥村先生、厚労省にいらっしゃいましたけれども、その後に、たばこの成分についても、国のお金ではかっています。

そのときの観点というのはさまざまなものがいろいろな規制に入っている。ですが、たばこだけがなぜか例外である。そこにどういうものがまず入っていて、どういう規制の枠組がありやなしやということが当時の厚生省の中にあったと思うのですね。もちろん厚生省のその当時の、ちょうどそのときにFDAがたばこの製品規制に初めて乗り出すというところがあったので、海外の状況もにらみ合わせると、新しくそういう製品規制法を立てるか、現行の法律の中で課するところはやっていくかという議論がスタートするはずだったのですけれども、多分、志半ばでその後十数年たってしまったというのが現状だと思います。ですので、もう一度、今度は条約という大きな法的な枠組の中で国として実行しなければいけない段階に来ておりますので、根本的なところもやはり議論すべきと思います。

 厚生労働省としては恐らく、いや、そこまでというような感じもあるかもしれないのですが、根本はやはり、人体にこれだけの健康影響あるものが何を入れてもいいような状況であるということを国民がまず知らない。それから、もしかしたらフルオーソリティを使えば、業界から、いみじくも委員長がおっしゃったように、もっとたくさんのデータが出せるかもしれない。それは、前回か前々回に厚生省にお問い合わせをして、財務省を通じて、あるいは委員会として業界から情報開示できるのではないだろうかというお問い合わせはしましたし、論点整理のところにも書いてありますので、その結果をぜひ教えていただきたいのです。それがノーなのかイエスなのか、いやちょっと待てなのか、そこも含めて、事務局として財務省ないし業界に対してどのような情報開示請求をなさったのか教えていただけないでしょうか。

○野田専門官 事務局からは、まず業界に対しては行っておりませんで、前回も申しましたように、財務省の理財局総務課のたばこ塩事業室のほうに情報の照会をさせていただきました。その結果、たばこ塩事業室につきましてはそのデータ自体持っていないという回答をいただいているという状況でございます。

○望月委員 ということは、政府の中ではそういう成分についてどこも持っていないということになりますね。

○野田専門官 少なくともたばこに関係するような法律を持っている、少なくとも大きい法律を持っている部局である、まず厚生労働省の健康局がん対策健康増進課及び財務省の理財局総務課たばこ塩事業室についてはデータはないという状況だと思います。

○望月委員 だから、特別研究で欅田先生のところが実施し始めたということですか。

○野田専門官 そういうことで、欅田先生のほうで、昨年、ポロニウムの検討を行っていただきましたし、まさに10年前にも厚生労働省のお金でたばこの成分を測定したという状況でございます。なおかつ、関係部局といたしましては、まさに欅田先生のおられる国立保健医療科学院で成分分析を行っていただいているという状況です。

○谷川委員長 ほかに、委員の皆さんから御意見ございませんか。

 欅田先生、実際測定されてみて、今後どういうことが必要かというのは何か御意見ございますか。

○欅田委員 新たな枠組をFCTCを批准している中において根本的に考えるということもどこかでやらないと、現在の法規制の中でできる範囲というのが非常に限定的なところでありまして、先進諸国だけでなくて、近隣のASEAN諸国も非常にたばこに対して先進的な考えのもとで対応がとられるようになっているのですけれども、そういった意味では、今、日本の現状というのは非常に途上国になってきているところがあると思うのですね。そういったことをトータルとして考えていく場というのが必要ではないかとは思うところです。

○谷川委員長 国際的な状況を見ながらということですか。

○欅田委員 はい。

○谷川委員長 本当にこれは難しい問題ですね。しかし、科学的ということで、本当に無数の有害物質がわかっていますけれども、その中から上位90とか68とかに絞り込んで、それが実際どの程度含まれているかということをまず出すということは非常に大事なことだと思いますし、ただ、そういうのが入っているということに対して国の金を使って測定するのはおかしいような気も僕は個人的にするのですけれども、どうなのですかね。そういうのがあるとわかっていたら、それをきちっと、車ですと、排気ガスがこれだけあるとなったら、排気ガスを減らせと言って、マスキー法案が出まして、それに対して日本の優秀なホンダとかのシビックなんかが軽々とそれを突破していましたけれども、そういう企業努力はできないものかなと思うのですけれども、そういうのをもっと国のほうから求めていける何か法的な根拠みたいなものはないのかなあということを考えます。

 その一方で大事なことは、先ほど私申し上げましたけれども、ゼンマイでしたか、食べ過ぎたら胃がんになるぞというときに、そのゼンマイ、全員食べないとかではなくて、どの程度食べてもいいのかとか、そういうリスクの評価みたいなものを、ほかの食べ物とかそういうものとちょっと対比しながら、たばこ一本に含まれているこの発がん物質はどれぐらいで、どんな効果あるのかということも出していくと、より国民にわかりやすく、それでもあなたは吸いますかということを言えるのではないかなという気もしますし。

やはり一番大事なことは、できるだけ科学的根拠に基づいて、そのたばこを吸うか吸わないかを決めてもらうということですし、もう一方、ちょっと大事だなと思うのは、新しい形のニコチンのデリバリーといいますか、スヌースとかそういうものに対して、青少年に与える影響とかそういうものについては、やはり科学的な議論の前にちょっと考えないといけないことがあるのではないか。ただ、この委員会の範疇から外れるかもしれませんけれども、そのあたりはやはりどこかで出しておかないといけないと思いますね。これも科学的と言えば、例えば行動科学的といいますか、こういうものを出したときにどのような影響を青少年に及ぼすかというようなことの議論は、物質レベルではなくて、むしろ心理社会的なレベルでの影響というのを考えて、そういうものに対して手をこまねいていいのかどうかということも議論すべきかなという気がいたしました。

 どうでしょうか、ほかに先生方、今回の説明につきまして御議論ございませんでしょうか。大分時間もたってまいりました。

 それでは、今後の健康影響評価を行うという方向性並びに分析する物質についてもう一度ちょっとまとめてみたいのですけれども、今回の資料1、2の論点整理、先ほど事務局のほうからありましたけれども、この方向性でよろしいでしょうか。委員の先生方、いかがでしょうか。ここの資料1、2、これは前回の資料でもございますけれども。

○望月委員 前回の資料の最後、「由来と特性から見た優先候補物質の(案)」というところで、大枠、欅田先生の構成と一緒ですけれども、発がん性の観点、非発がん性の毒性、生殖毒性、依存性、そしてもう一つは、英語だとパレイタビリティと言って、味というか、魅力の観点から、メンソールを私は追加したのですね。それがちょっと事務局の資料で、私も事前チェック漏らしてしまったのですが、ございませんので、先ほど欅田委員からの御指摘もあるように、メンソールというものはどのようにはかるのか、私、存じませんけれども、実際にシェアも多くなっていますし、条約の中でも、あるいはFDAの対策の中でもメンソールというのは添加物の一つとして主要なターゲットになっていますので、ぜひ候補物質に入れていただけたらと思います。

 それから、この間、スヌースをある六本木のたばこ屋さんに買いにいったときに、何とメンソールの結晶を売っていまして、どうやって使うのかなと思ったら、あぶって使うと。まるでドラッグのような使い方を実際に使用者がしていて、今、メンソールたばこが出回っている一つは、刺激を求めると。それから、メンソールが欲しくて吸うと、実際はその中にあるニコチンを求めているかのようですけれども、意外とメンソールも重要なターゲットになるのではないかと思うので、ぜひ御検討いただけたらと思います。

○谷川委員長 いかがですか。

○野田専門官 わかりました。望月委員の御指摘は、資料2のこの表の中にメンソールも加えるべきということですね。

○望月委員 はい。

○野田専門官 では、そのように事務局としてまとめ直させていただきます。

○谷川委員長 疫学的に言いますと、男性の喫煙は減ってきましたけれども、女性の喫煙はふえている。特に働く女性ですね。我々も職場でよく見かけますけれども、夜勤のときには吸っている女性多いですけれども、やはりメンソール多いですね。ちょっと格好いいというか、親父みたいなたばこの吸い方をしないで、やはりメンソール。そういう意味では、非常にたばこに対するアトラクティブなものをメンソールによって生み出している、いい営業戦略と言えば営業戦略ですけれども、健康的に言うとちょっと困ったなという状況は事実でありますね。

山海先生、この辺どうですかね。メンソールというのは実際に先生の同僚の中だとか、同級生とか、職場で吸われているのかどうか。

○山海委員 同級生というよりも、産業医をやっていました現場では、やはり相当よく用いられているように思います。

○谷川委員長 それは女性ですか。

○山海委員 女性ですね。それに、吸い方がまた少し中毒的といいますか、男性の年配の方には吸えないような中毒的な吸い方をする、依存的な吸い方をするような女性も見受けられるように感じています。

○谷川委員長 そういう意味でも、ちょっとこれは入れていただくことでお願いいたします。

○望月委員 それと、今後これをはかって、それをどうするという次の段階を念頭に入れた場合に、例えば原料にそのまま入っている、それから製造過程で添加物として入れるもの、それから製品として出て、使用時、紙巻きたばこなら燃焼させて出てくるようなもの、3つの段階があると思うのですね。それをどうコントロールするか。そういう観点からもう一度この表を整理し直していただいて、そのひな形が前回出した表にございますので、例えば燃焼生成してしまうようなものですと、それまでは入ってなかったけれども、燃焼によって使用者が実はつくってしまうということにもなりますし、添加物でしたら、その段階でコントロールできるし、原料そのものだったらどうするのか。ポロニウムは原料そのものに入っているので、それをどうやって技術的にコントロールするのかというような議論になるので、それは整理のし直しをしていただけたらいいのではないかと思います。

○野田専門官 具体的にどのような形で整理し直すかということを御指摘いただければ、こちらとして。

○望月委員 前回の資料の最後につけてあります由来別です。

○野田専門官 たばこ自体の成分と、あと煙と。

○望月委員 原料段階で入っているもの、添加物、それから燃焼生成するようなものに大枠分けて、さらに優先物質をこのたくさんの中から絞り込むときに、どこをターゲットにするか。最終的には体の中に入ってくるものという最終物質で見ればいいのかもしれないのですけれども、そもそも入っているものをどうやって取り除くのかということも出てくると思います。

○野田専門官 具体的には、この資料2のところの縦の部分を入れ替えるという考え方でしょうか。

○望月委員 それか、今の3つの1、2、3くらいに印をつけて、これはそもそも原料に入っていたものと、ここは添加物として新たに入ったもの。あるいは燃焼して出てくるようなものだよというのがわかればいいのかなと思います。ちょっとテクニカル過ぎるのであれば、とりあえずの。優先物質もたくさんありますけれども、これ全部はかるわけではないですね。これはもう最終リストなのですか。

○野田専門官 基本的には、このリストについては今後も流動的なものであると事務局としても認識しておりますので、今後の議論によっては加えたり減らしたり、あと入れ替えたりということはあると思います。

○谷川委員長 そうですね。無限にやっていくと大変ですからね。とりあえずはできるところをしっかりやっていって、それがどの程度のリスクを出すかということをきちっと公表できればと思います。

あともう一つ、今回御説明いただきましたスヌース、無煙たばこ製品ですね。こういうものについての成分分析及び健康影響評価につきましても、今回のたばこの健康影響評価専門委員会で取り上げていくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○谷川委員長 では、そういう認識でいきたいと思います。そのほかございませんでしょうか。

○奥村委員 議論の進め方ですが、この委員会が4月に始まって、もう半年たっていて、資料1と資料2にある程度まとまってきています。会議の中で、私から、全体的に見てほしいとお願いしましたところ、そういう点も整理もされてきました。今後進めていくときに、例えばポロニウムの話も、多分、欅田先生が提出しているのは自分のところのデータを提出してきておられるので、そんなにどんどんデータが出てくるわけでもないと思います。問題提起として欅田先生がデータを示されたと考えると、次に、そのリスクを明らかにしていくというときには、ただ過去のデータとかそういうのも整理してやっていかなければいけない。そうこうしていると時間がどんどんたっていって、データができたころには次の物質が来たり、あるいは次の製品が来たりするので、ある程度、議論をいつまでにどのように結論づけていくというスケジュールを立てていく必要があると思います。例えば、ポロニウムは半年ぐらいで報告書を出しますというような、それから、さっきのいろんな規制の話で、全体像を、欅田先生、御要望です。規制の話を詰めていくアプローチ法としては、個別の現行の法規制で可能なものを整理してみたらどうかと思います。やはり、現行法を活用する方が早いし効果も大きいからです。検討する項目ごとに、何カ月単位でやっていきますという整理表を立てながら、その項目ごとに、次の会議までにどんなことをやっていきますと、そんなのはどうかなと思います。

○谷川委員長 ありがとうございます。私も、この3回目、初めてでございまして、1回目、2回目、今日3回目で、全部わかってきたような感じですけれども、やはりこれはロードマップといいますか、どの物質についていつまでにどういうことを検討ということをある程度、委員の先生方の御都合にもあわせながら事務局のほうでも提案していただいて、いつまでにこういうものを出すぞというような目標を入れていただければと思います。その辺についていかがですか。

○野田専門官 スケジュールにつきましては、まずこの委員会のそもそもの目的といたしまして、科学的な根拠を十分に詰めていくというところが一番大切なところでございますので、むしろ事務局から無理やり何かしら意見を求めるという形にはならないと考えております。そういう意味で言うと、議論の進み方によってある程度時間の前後という部分が出てくると考えております。

また一方で、何を優先して進めていくかという今後の方向性につきましては、今回お示しさせていただきました論点整理のところで具体的に出てきておりまして、すなわち、成分についてはポロニウムとアセトアルデヒドをまずは具体的に詰めていくというところでございますし、さらにたばこ全体の健康影響評価についても行っていくというところが大きい3つの論点になっているのではないかとは考えておりますので、恐らく前回までの論点整理、さらに今回、先ほど御議論いただきました内容からいたしますと、その3つをまず重点的に行っていくというところになるだろうと思います。

そういう観点で考えていきますと、まずポロニウムの成分分析につきましては、欅田先生のほうで大体データが出てきている状況になっておりますので、その次の段階といたしましては、過去の文献を集めてきて、その結果を総合して判断するという作業を今後行っていくのだろうと考えております。

 一方、アセトアルデヒドにつきましても、成分の分析につきましては欅田先生のほうで行っていただいているという状況ではございますけれども、そのデータをポロニウムに引き続きまして出していただく状況になっていくと考えております。

それと並行いたしまして、たばこ全体の健康影響につきましては、先だって、望月先生より資料を出していただきましたけれども、さらに深い議論の資料が必要になってくると思いますので、例えば今回出てまいりました資料でいきますと、望月先生が行われました「Tobacco Free Japan」の結果ですとか、さらに、津金先生が行われました「科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドラインの提言に関する研究」の詳しい内容についても、次回以降御報告いただければ、さらにこのデータ自体が積み上がっていって、その結果、それぞれの報告書が出てくるという状況になってくると考えております。

 以上でございます。

○谷川委員長 ありがとうございます。

あと、ちょっと私、さっき言うべきときに忘れてしまったのですけれども、先ほど少し出ましたけれども、低ニコチン、低タールたばこ、それが健康に対してはそれほど改善しないというのがありました。これなんかも、私思うに、吸い方によってかえって有毒性が高まるということが言われていますけれども、こういうのこそ、何かもう少しきちんと国民のほうに、こういう吸い方していませんかみたいな、そういうのは危ないということをもっと出していけるのではないかと。これも非常に科学的に、例えばかみながら吸ったら、フィルターを細くしながら吸ったらどれだけ煙が多く入るとか、どれだけタールの摂取量が上がるとか、しかも本数をふやしたらどうなるかとか、深く吸い込んだらどうなるかとか、ある程度幾つかのシミュレーションできると思いますので、こういうことはむしろもっともっと厚労省のほうでやっていただくべきことではないかと思いますので、その辺どうですか。

○野田専門官 ありがとうございます。それについてはまさに論点整理の(5)「その他」の4番目の「曝露状況についても分析すべき」というところに入ってくる課題だとは思いますので、そこの論点整理の中に吸い方についても検討を行っていくというところを加えるという形でいかがでしょうか。

○谷川委員長 よろしくお願いします。今非常に健康ブームですし、日本人みんな、健康には気を使っている。また、以前と違いまして、たばこを吸う人が、ホタル族といって肩身の狭い思いをしている。そういういろいろな状況がそろっているにもかかわらず、もう少し気をつけたらより健康的に過ごせるかなというところがありますので、その辺も含めて検討していただければと思います。

思い出しましたけれども、私、今から10年ほど前に無呼吸と高血圧の論文を書いたのですけれども、それがアメリカの高血圧学会誌のむしろエディターからすごいコメントが来まして、すごい、喫煙率が50%もといって、そっちのほうにむしろコメントがわーっと書いてありました。その当時、一般的な労働者の、ホワイトカラーですけれども、50%いたということがむしろ欧米の学者の興味を生んで、僕は高血圧と無呼吸の話をしているのに、これはたばこも吸っているからだということになってしまいましてびっくりしたことがありますけれども、一般の今の日本の状況というのは世界の状況と比べてどうかということも、これは非常に大事な議論。いろんな資料を望月先生初め欅田先生もお持ちであります。こういうものをきちんと整理して、そして、各成分についても分析していただいて、その結果、やはり国民にきちっとそれを知らしめて国民の選択を見ていくというのが大事なことかなと思います。

○欅田委員 ちょっと今の関係で追加で発言させていただきたいのですけれども、フィルター、噛んだ状態とかいろんな状況で調べてみてはどうかというお話をいただきましたけれども、科学的なエビデンスを積み上げるということでは、ある程度規格化された方法で評価していくということは必ず大事になってくるわけで、その辺に関しましては、WHOの、私たちも参加していますTobLabネットとかいったところでいろいろな評価を行っているし、そのほかの海外の研究機関でも評価が行われているところで、そういった状況下で、私たちは一応、現行のたばこパッケージに書かれているISO法と、フィルターの孔をつぶした状態を模擬したような形でのヘルスカナダ法というものを2つ並行して評価していきましょうということが行われているところです。

ただ、これに関しましても、そのような値を評価して出したらいいですよというだけでなくて、既に私たちのほうからいろんなたばこについてそういうのを評価して、学会等で、あるいは学会誌へのパブリケーションというような形で公表してきているわけですけれども、そういったもので評価するだけが目標になるのではなくて、今むしろ言われているのは、さっきもちょっと簡単に述べましたけれども、そういった数値を出すことでたばこの優劣をつけるような使い方をするのは望ましくないですよと。

そもそも禁煙という対応をとっていくことが望ましいわけですので、パッケージ表示に関しましても、今、プレーンパッケージというのが世界的にどんどん広がろうとしているようなところで、そこにはもう数値は書かないようにしましょうと。有害成分、こんなの含まれてますよということは書きましょうということは言われていますけれども、数値を出して、喫煙者にこちらのほうが低影響のたばこだからそちらをとるようにしましょうねという選択材料になるようなものは出さないようにしましょうということが言われているところですので、そういった国際状況も踏まえながらこの中でも議論できればと思うところです。

ちょっと追加で発言させていただきました。

○谷川委員長 非常に大事な観点だと思います。今の先生の御発言も国際的なスタンダードに基づいた御意見と思うのですけれども、一方では日本のスタンダードは違うと思うのですね。日本人が昔、お父さんが吸っていたハイライトとかピース、これは男が吸うものだという、それがマイルドになってきて、さらにスーパーライトになってきて、そっちが健康だからといって今吸っている状況もありますので、逆に、そういうものを吸っている人に対しても危険をきちんと認識させるためのエビデンスみたいなものを出していくということも並行して行って、もちろん、先生おっしゃるように、スーパーライトだからいいんですというのではなくて、むしろスーパーライトでもこういう吸い方をしたらこの程度まで上がりますよということをやはり出してあげないといけないのではないかということも私は思います。その辺、望月先生、どんなお考えですか。

○望月委員 スーパーライトとかマイルドとか、そういうのは使うなというのは条約の中での考え方で、それから数値についても、いかなる形であろうと消費者がそれをどう受けとめるか、ミスリードされる可能性もあるので、まさにリスクコミュニケーションの観点だと思うのですね。スーパーライトだから安全だというエビデンスはどこにもないということです。

○谷川委員長 それでまた、それをどのように吸うかとか、恐らく吸い方で違うということは、今吸っている人はわかってないと思うのですね。それについての情報というのは。

○望月委員 リスクコミュニケーションですね。だから、どういう吸い方をしても、たばこはたばこで、リスクフリーレベルがないということをやはり伝えるべきだと思います。もちろん、人それぞれだし、社会それぞれ、さっき先生が国際的な流れは流れ、日本は日本の状況があるとおっしゃったように、日本の社会がある程度のレベルを許容するのであれば、それは十分なリスクコミュニケーションを経た上での何らかの意思決定だと思います。そこがまだ足りないからこのような状況が生まれているということも、1997年の厚生省の検討会の中で冒頭事務局から提出された資料だと思います。だから、本当にリスクをいろいろアセスメントしていったその先、それをどう伝えるべきなのか、それをもとにどういう判断を誰がどう下すかというところが今の段階ではないかと思います。

○津金委員 リスク管理とか、やめさせるとか、そういう意味において、低タールとかそういうのに代替するようなことはやめるというのは当然ですけれども、ただ、科学的に考えれば、要するにタールが少なければリスクは相対的には小さいわけでしょう。リスクは小さいのだけれども、結局、曝露量がふえるから同じになるという言い方をしているのかもしれないけれども、低タールのものを同じ量吸えば、例えば発がんリスクは小さいはずなのですよ。科学的には。だから、やはりある程度客観的にはそこはそこでちゃんと示していかないといけないのではないかと思うのですね。要するに、さっき言ったように、感情的・定性的にではなく、あくまでも客観的・定量的に評価するということが結局最終的に国民から信頼を得るためにも重要なのではないかと僕は思うのです。

○望月委員 そこ、もう少し突っ込ませていただくと、昔売られていたようなタールの高い製品と、その後開発されてきたいわゆる低タール製品というものは、たばこの煙の成分そのものの構成がもう異なっている。単に吸い方だけでなしに、これも私の、1回目の資料につけましたけれども、シガレットそのものが変化していっている。その変化に対して我々の認識が追いついてないというのが1つあります。だから、単に少なければ相対的にリスクは少ないという問題以上のことが含まれている。例えばベンゾピレンというのはどんどん減ってきているけれども、かわりにニトロソアミン類がふえているという状況もあります。そういうことも含めて冷静に情報提供すべきだということであれば、私も同じ考え方です。

○谷川委員長 そうですね。今おっしゃったことをまとめますと、冷静に、客観適用を保ちながら、それをわかりやすく国民に伝えていく、そういうあり方でいいかと思います。

 済みません。ちょっと最後に私が要らんことを言いまして、時間も遅くなりました。ここで時間来てしまいましたので、本日の議論をここまでとさせていただきたいと思います。

では最後に、今後のスケジュールにつきまして事務局のほうから説明をお願いいたします。

○長坂補佐 今後の日程についてですが、第4回専門委員会の開催日程に関しましては、後日改めて御連絡を差し上げたいと思います。

○谷川委員長 それでは、どうも長時間ありがとうございました。ちょっと不慣れな司会で申しわけありませんでした。次からはもうちょっとうまくいくように頑張りたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。


(了)

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