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2014年2月3日 第5回「日本人の食事摂取基準(2015年版)」策定検討会 議事録

健康局がん対策・健康増進課栄養指導室

○日時

平成26年2月3日(月)15:00〜17:00


○場所

厚生労働省専用第22会議室


○出席者

構成員<五十音順・敬称略>

雨海 照祥 ( 武庫川女子大学教授)
勝川 史憲 (慶應義塾大学スポーツ医学研究センター教授)
門脇 孝 (東京大学大学院医学系研究科教授)
河野 雄平 (独立行政法人国立循環器病研究センター生活習慣病部門長)
木戸 康博 (京都府立大学大学院教授)
葛谷 雅文 (名古屋大学大学院教授)
熊谷 裕通 (静岡県立大学教授)
児玉 浩子 (帝京平成大学教授)
古野 純典 (独立行政法人国立健康・栄養研究所理事長)
佐々木 敏 (東京大学大学院教授)
佐々木 雅也 (滋賀医科大学附属病院栄養治療部病院教授)
柴田 克己 (滋賀県立大学教授)
柴田 重信 (早稲田大学教授)
曽根 博仁 (新潟大学大学院教授)
多田 紀夫 (東京慈恵会医科大学教授)
寺本 民生 (帝京大学名誉教授・臨床研究センターセンター長)
中村 丁次 (神奈川県立保健福祉大学学長)
菱田 明 (浜松医科大学名誉教授)
深柄 和彦 (東京大学附属病院手術部准教授)

事務局

佐藤 敏信 (健康局長)
椎葉 茂樹 (がん対策・健康増進課長)
河野 美穂 (栄養指導室長)
芳賀 めぐみ (栄養指導室長補佐)

○議題

(1)活用の基本的事項について
(2)報告書(案)について
(3)その他

○議事

○河野栄養指導室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第5回「日本人の食事摂取基準(2015年版)」策定検討会を開催いたします。

 構成員の先生方には、御多忙のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。

 本日ですが、河野先生が若干おくれておりまして、また葛谷先生におかれましても、おくれていらっしゃるとのご連絡を受けております。

 まず、配付資料の確認をさせていただきます。

 お手元の検討会議事次第、座席図、構成員名簿をおめくりいただきまして、資料1としまして、「活用に関する基本的事項について(案)」、資料2としまして「前回検討会からの主な変更点等について(案)」、資料3といたしまして、「検討会報告書(案)抜粋」となっております。

 資料3につきまして、抜粋の方法ですが、「目次(案)」をごらんいただけますでしょうか。「1.総論」、「2.各論」の「エネルギー」につきましては、全文掲載しております。「栄養素については」ということで、「1−2 たんぱく質」以降の栄養素については、食事摂取基準のみの表を掲載するという抜粋の仕方をとっております。

また、目次裏面を見ていただきまして、「2 対象特性」と「参考資料 生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連」につきましては、全文を掲載しております。また、表紙の裏面、目次の左側のページを見ていただきたいのですが、「報告書とりまとめに向けた留意点」としまして、次回取りまとめに向けまして、「1.数値は、計算式の再確認、数値の丸め方、平滑化などにより、変更することがありうる。」「2.文章の表現についても、より簡潔なものになるよう修正を行う。」ことについて、御留意いただきますようお願いいたします。

 また、先生方のお手元には、机上配付としまして、報告書案の全文を配付しておりますので、こちらのほうも討議の中でごらんいただければと思います。

 また、フラットファイルのほうは、前回までの検討会の資料となっております。

 不足等ございましたら、事務局へお申しつけください。よろしいでしょうか。

 それでは、以降の進行は、菱田座長にお願いいたします。

菱田座長 それでは、議事に入らせていただきます。

 今回はまず、資料1にあります、食事摂取基準の活用について議論をしていきたいと思います。この「活用に関する基本的事項について」、ワーキンググループ座長の佐々木構成員より説明をお願いいたします。

○佐々木(敏)構成員 わかりました。少々お待ちください。

 それでは、「活用に関する基本的事項について」、御説明を申し上げます。

 資料1をごらんください。それから、適宜、報告書(案)のほうをごらんいただきたいと思います。では、資料1にしたがって、説明をしてまいります。

 整理の方針といたしまして、「総論」の4つ目ですが、大きな柱として、「活用に関する基本的事項」を位置づけることとしております。これは、この検討会の「はじめに」の会におきまして、使うための食事摂取基準であるという目的を達成できるように執筆をしたということでございます。活用の基本的な考え方を明確にすること、そして、活用の基本となります方法が、食事の摂取状況のアセスメントでございます。その方法について、理論的整理をしております。また、活用に当たりましては、指標別とともに、目的に応じた活用が重要であります。その留意点を整理いたしました。個々については、重要事項のみでございますが、この後でお示しをいたします。

 そして、基本は現行の2010年版と考え方、理論はほとんど変えてございません。踏襲をしております。しかしながら、全体を通して、その考え方や概念について理解が深まりますように、図を多用しまして表現をしております。2010年版は、文字が中心でございまして、どうも理解が困難であるという御指摘もいただいております。そこで、図を多用することといたしました。

 個々の例を幾つかお示ししたいと思います。構成は、資料1の下に書いてございまして、「4−1 活用の基本的な考え方」、「4−2 食事摂取状況のアセスメントの方法と留意点」、その次「4−3 指標別にみた活用上の留意点」、そして最後「4−4 目的に応じた活用上の留意点」でございます。

 資料1裏面にお進みください。活用の基本的な考え方は、2010年版に余り明記をしていなかったのですけれども、今回は保健分野でよく使われておりますPDCAサイクルに基づく活用を基本といたしまして、そして先ほど申し上げましたとおり食事の摂取状況のアセスメントからこのサイクルが始まるということを書きました。

 報告書(案)をごらんいただけますでしょうか。23ページ〜43ページでございます。

 まず23ページをごらんください。4−1の下に図5というところがあります。これが、食事摂取基準の活用とPDCAサイクルをあらわしたものでございます。これが活用の基本になるとお考えをください。

 続きまして、そのアセスメントについて、活用の基本となりますことから、食事摂取基準の活用と食事摂取状況のアセスメントの概要、このつながりを示すということが重要であると考えました。そして、そのためにつくられたのが文章では4−2、図では次のページの図6ということになります。ここで、食事調査によって得られる摂取量と食事摂取基準の各指標で示されている値、それらがあり、比較を行いという図があります。実はこれは、アメリカとカナダが策定しました食事摂取基準の活用、アプリケーションのところに挿入されている図をもととしまして、日本の現状に沿うように書いたものという経緯がございます。

 そして、特に食事調査については、目的や状況に応じた方法を選択する必要があります。食事のアセスメント方法は1種類ではございません。目的に応じて使い分ける必要があります。その長所、短所などの特徴を整理しました。それを文章とともに表に入れてございます。それが25ページの表になります。どのアセスメント法を用いましても、測定の誤差等がございます。また、そのときに身体の状況の調査も必要になります。食べている物だけではございません。また、食べている物の調査をいたしましても、その栄養摂取量を計算するためには、食品成分表が不可欠でございます。そのようなものの利用をするときの注意点、そして特徴、そういうものをこの後のページでお示しをしております。2531ページがそれに当たります。

 そして、食事調査によるアセスメントの実施を促すために、あくまでも一例という位置づけなのですけれども、妥当性と再現性が確証されております食事調査票の例を盛り込むことにいたしました。これが26ページの参考3になります。あくまでも、これは参考でございまして、また一例であるということ、そして、それ以外のものに対しても、広く内容を本文に掲げたり、先ほどの表10や文章の4−2、図6等を参考にして、適切なものを各利用者が利用してほしいという気持ちでございます。

 その次に(4)です。活用に当たりまして、食事改善を目的とする場合、個人を対象とする場合、集団を対象とする場合がございます。これは、現行の2010年版もそれに分けて記載されておりますし、この考え方は2005年版で具体的に提唱され、記述されております。今回はそれを踏襲する形をとっておりますが、それぞれの目的に応じた活用をどうすべきかというところに特に留意をしまして、再整理をしております。その活用の留意点については、目的に応じた活用の基本概念、そして食事摂取基準を適用した食事摂取状況のアセスメント、そして食事改善の計画・実施という留意点になります。

 具体的に申しますと、33ページから「個人の食事改善を目的とする活用」について、記述が始まっております。34ページにそのための図7、図8が挿入されております。そして、これらをまとめた表が、37ページの表16となっております。これも2010年版に書かれているものを少し改良したということでございます。

 続きまして、集団を対象とした食事改善を目的とする場合について、3843ページにかけてまとめられております。図としましては、図1011というところです。集団を扱うときに知っておいてほしい基本的な、理論的な知識ということで、図の12、図13が添えられております。重複になりますけれども、これらはおおむね現行の2010年版の内容を踏襲しながら、現実の活用の便を図るという方針に従って記述をいたしました。

 以上でございます。

○菱田座長 ありがとうございました。

 今回の改定では、活用に関する基本的な考え方を明確にしていただき、活用の基本となる食事の摂取状況のアセスメントの方法について具体的に書かれていますし、基本となる考え方や概念についても、図を用いてわかりやすく表現されていますけれども、今の御説明のところに関して、何か御質問、御意見がございましたらお願いしたいと思います。

 どうぞ。

○柴田(重)構成員 報告書の29ページに「日間変動」という言葉が出てきまして、実際にアセスメントをとるときに、日によって違うだろうという概念だと思うのですが、私、この会に最初に出席させていただいたときに、いわゆる時間栄養学といいますか、日内変動といいますか、1日という単位でも、アセスメントしにくいのだけれども、実は1日の中でもしにくいと思うのです。実際問題、そういった資料を集めてこられるかというと、現在のところなかなか難しいですが、少しずつ論文はございます。例えば、去年の終わりごろに発表されて、朝食、昼食、夕食の割合をちょうど逆にする。例えば、7:5:2を、逆に2:5:7のように食べさせると、肥満が非常に改善するということがございます。そういったことを考えますと、考え方としては日内というのも実は重要ではないかと思っていますが、余りそれをサポートするメタ・アナリシスがございませんので、データ的には示すことはなかなか難しいですが、言葉といいますか、そういったことがあり得ると。それから、私としては、今回の改定には多分難しいと思うのですが、次回改定のときに、日内、あるいは日間という両方が対比して入ると、割とまとまりやすいのではないかと思っております。

 以上でございます。

○菱田座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○佐々木(敏)構成員 貴重な御意見ありがとうございました。

 タイム・オブ・デイという考え方で、最近この分野の人間、栄養学研究の論文数が急激にふえてきております。おっしゃるとおりで、私ども策定側のワーキンググループも、この種の論文の収集を幾つかしております。網羅はしておりませんけれども、柴田先生がおっしゃるような傾向、動向は見えます。したがって、活用でこうしましょうねという提言はできなくても、このような研究の動向があるということを1パラグラフぐらい挿入するのはよいかなと、今お聞きをしたのですけれども、どうでしょう。

○柴田(重)構成員 私としましては、別に時間栄養などという難しい言葉を使わなくてよくて、日間と日内ですので、1パラグラフ、3〜4行ぐらい入れていただけると、次のステップになっていいのではないかとは思っております。

○菱田座長 はい、どうぞ。

○児玉構成員 23ページ〜27ページにかけてですが、食事摂取状況のアセスメント、これが一番始めのスタートになる、非常に大事なことだということは理解しておりまして、26ページに1つの例としてBDHQを挙げて、私もこれは非常にいい調査用紙だなと思っております。ただ、これは使うのにお金が要るような、私が学生に実習でこれを使おうとして、簡単にコピーはできない状態になっていたと思うのですが、このようにしてここに記載された場合、できるだけ自由に管理栄養士さんが使えるような状態にしていただければ、非常にありがたいなと思います。もしかしたら、私の勘違いかもわかりませんが。

○佐々木(敏)構成員 よろしいですか。

 たくさんのこの種のアセスメントツールが現在開発されたり、活用されたりしています。児玉先生がおっしゃることはごもっともで、本来、こういうものは現場で活用したいと思う人たちが自由に活用できるような、そういう環境づくりを進めていくことは必須であると私は思います。全てのこういうツールに関して、そういうことを進めることをむしろ奨励したいといいますか、そういう気持ちが私にもございます。ぜひ広く使われたいなという気持ちです。

○児玉構成員 よろしくお願いします。管理栄養士さんが栄養指導するにしても、そういう予算は出ないものですから、これはいいとわかっていても、そういうハードルがあって使えないということがありますので、それはどこの部署で検討されるかわかりませんが、ぜひお願いしたいと思っております。

 もう一つよろしいでしょうか。今、ざあっと見せていただきまして、2010年版の37ページに、考慮するエネルギー及び栄養素の優先順位というのが示されていますが、それが2015年版ではちょっとわかりにくいのではないか、そういうところがありました。これは全ての栄養素を全部合うようにするというのはなかなか難しくて、やはりその対象によって、どこを重点にしたらいいかとかいうのが明確にわかるほうが実際使う人にとっては便利ではないかなと思っているのですが。

○佐々木(敏)構成員 御指摘ありがとうございました。私、説明すべきところを飛ばしてしまいました。申しわけございません。この優先すべき栄養素というのは、2010年版、現行版に掲載されております。また、私の記憶違いでなければ、2005年版にも入っていたと記憶をしております。2015年版(案)としましては、今回これを入れておりません。その理由は、対象者の特性、それから使用の目的によって、優先すべき栄養素というものは固定されるものではありません。それを利用していただける方々が、目の前の集団や個人にとってどの栄養素が大切なのか、またどの順位であるのかということをアセスメントして、または身体状況、あらゆるものを鑑みて、そこで決めてほしいと。そこも含めての活用であるという考え方を今回とりたいと考えております。

と言いますのは、私個人の経験になってしまうので、ここまでの意見と少し異なるのですけれども、優先すべき栄養素というのを出しますと、あたかもほぼ全ての人にその栄養素を注意しなさいという文言が流れかねないという危惧を持っております。それに対して、今回はその個人、その集団をしっかりと見て、そしてこの食事摂取基準に従って判断をしてほしいと。そこに専門職としての技量がありますということを目的として、今回全体として執筆させていただきました。そういう意味から、その部分を結果として書かないことになりました。

○児玉構成員 今、先生がおっしゃった趣旨をどこかにはっきり明記していただくのがよろしいかなと思います。

○佐々木(敏) わかりました。検討させていただきたいと思います。

○菱田座長 はい、どうぞ。

○寺本構成員 ただいまの件と非常に関係するのですけれども、優先する順位というのは、全てあまねく優先するというのはなかなか難しいと思うのです。だけど個々においては、やはりこれのほうがより強調するべきだという、最近のいろいろな話題があるかと思うのですけれども、そういうことからすると、やはり強調するべきところもあるのではないかと思うので、個々の場合には必要になってくるものもあるということは、どこかで記載する必要があるのではないかなという気がいたします。

○佐々木(敏) 済みません、よろしいですか。コメントだけです。

 個々についてそれを十分に考慮してくださいねという文言は必要ですね。私もこれは必要だと思います。

○菱田座長 その点は、追加する方向で考えていただくということですね。

 はい、どうぞ。

○古野構成員 26ページの妥当性・再現性が検証された例というのがありますけれども、検証されたというとすばらしいものだという感じを持たれるのだけれども、実際には相関係数で0.4ないし0.6ぐらいで、中等での妥当性、再現性ですね。だから、引用されている論文のエッセンスみたいなものを、妥当性とか再現性が幾らぐらいあったかということをお示しいただけると、より活用度が高まるのではないかと思うのです。それと、簡略版というのは、大体食品項目が少ないから、少ないのは過小評価になりますね。あわせて、絶対量の過小、過大評価のどちらの方向にいくのかということも示していただけると、せっかくこういう立派なものを書いておられるのだから、そこら辺を書いていただけると、これがもっとすばらしいものになると思うのです。

 それとついでに、27ページの右側の質問票の例がありますね。これはどこかからとられているわけですか。だから、どの論文に対応するかというのも書き込まれていたほうがいいかと思います。

○佐々木(敏)構成員 ありがとうございました。そのとおりで、確かに論文を読んでいただきますと、モデレートと書いてあるのですね。中等の信頼度と書いてあるのです。古野先生がおっしゃるように、それぞれの質問の表といいますか、アセスメントツールに特徴がございまして、手放しですばらしいというのは、どれもございません。そして、それぞれが長所と短所をちゃんとわきまえて使っていただきたいというのが、まさしくこの活用の趣旨でございます。それを考えますと、古野先生がおっしゃったように、バックデータといいますか、情報を付記するということは、深く正しい知識、そして全ての数多くのアセスメントツールをうまく選択していただく、あらゆるアセスメントツールの中から適するものをその場その場で選択して使っていただくための知識として重要なものであると私も思いますので、ありがとうございます。これは、前向きに検討して、事務局に相談をしたいと思います。

○菱田座長 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ、お願いします。

○柴田(克)構成員 25ページの表10の「食事調査法のまとめ」についてなのですけれども、一番下に「生体指標」というのも食事調査法の1つに入っています。これはどちらかと言えば、食べた後の個々人の栄養評価方法の1つではないかなと思います。確かに逆算していけば食事摂取状況のアセスメントもできることはできるのですけれども、主な目的はやはり栄養評価だと思うのです。前のほうは食べるまでの栄養計画に使えるものだと思うので、入れなくてもいいのではないかという気がするのですけれども。

○佐々木(敏)構成員 よろしいでしょうか。

 これは、私は入れたほうがよいと考えております。その理由は、例えばですけれども、ナトリウムのように、尿中に摂取量が絶対値として評価できるくらい高い精度で得られると、数日間の蓄尿が必要になりますが、そういう栄養素もございます。それから、精度はかなり下がるとは思いますが、微量ミネラルのようなものは、毛髪等の濃度を代替値といいますか、一つの指標として用いることも行われております。したがいまして、確かにこれは食べるという、その瞬間ではなくて、食べた後の話で、上の5つとは完全に見ているときが異なります。その意味で、そのことをよく理解できるような文章に修正するということは必要かと思います。しかしながら、今私ぱっと読んだだけなのですけれども、短所の最後のところに、そのような消化吸収などの影響を受けるとかいうことも書いてございますので、そのようなところの文章を修正するということで、1つの食事、アセスメント法の中には含めるという方向でいかがでしょうか。

○菱田座長 どうぞ。

○柴田(克)構成員 その中に、栄養評価として今後利用が期待される方法とか、そういうものを入れておけば、食事摂取状況のアセスメント、それから食べた後の栄養評価ときちんと区別できるのでいいと思うのですけれども。そこら辺が、活用のところで、食事摂取状況のアセスメントを過大評価して、栄養評価に使ってしまう間違いが出たりしているので、食べ物の栄養価は、あくまでも計画のアセスメントで、その後の生体使用を使うものは、これは栄養評価の流れだということを明確にするといいなと思います。

○佐々木(敏)構成員 おっしゃるとおりです。生体指標の中の多くは、結果といいますか、栄養の評価のほうに属すると思います。したがって、食べる物を評価したのと、食べた後の評価をしたものは、理論的、そして目的から見て異なるものである、それぞれの利用すべき場があるということは、必要かなと私も思います。これは、事務局と相談をいたしまして、また、柴田先生の御意見をいただいて、修正をしたいと私としては考えます。また相談をさせてください。

○柴田(克)構成員 お願いいたします。

○菱田座長 ほかに。

 はい、どうぞお願いします。

○雨海構成員 2015年版では食事摂取基準の活用が大きな論点のひとつになると思いますが、先生方が議論なさっていたように、DHQの現場への適応は極めて重要と思います、今回、例えば、DHQBDHQが実際に臨床で私が実際に使わせていただいての個人的な印象を述べさせていただきますと、BDHQは医師と患者さんとの共通言語でも使いますし、同時に一緒に栄養外来をやっていただいている管理栄養士さんとの共通言語でもあり、非常に有用で適切な情報だと感じています。ただし、正しく使わないと、やはりひとり歩きして、誤った使われ方をすると問題になるので、26ページの最後に書いてありますが、「適切に用いる」ということを強調していただけるといいかなという気がいたします。

○佐々木(敏)構成員 ありがとうございます。適切に使うのは当たり前というか、それは当然でございまして、強調すべきであると思います。そして、本来は食事摂取基準という非常に広いものに対して用いるためには、もっと多種多様なアセスメントツールの開発と利用環境が整う必要があると私は考えております。あくまでも、こういうものはごく一例にすぎず、別にそれを強調しすぎるものであってはいけないと。そして、いろいろなものからちゃんと選んでくる、そして選べる環境を整えていくことが、この活用を実現させる意味で重要であろうと考えております。

○菱田座長 ありがとうございます。今回の改定では、アセスメントするということを非常に重視した形での記載になります。そのことに対して積極的な方向でのいろいろな意見をいただきました。多くの意見については、発言者のことを酌んだ形で修正させていただくということでよろしゅうございますか。児玉委員から出されました、BDHQなどのツールが有料であることに関しては、無料で使えるような方向になるようにしていただきたいという要望を述べられたと理解し、今回の中には反映されないかと思いますけれども、そういう御意見があったということでまとめさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

 どうぞ。

○深柄構成員 非常に基本的なことで申しわけないのですけれども、例えば入院患者さんに病院食を提供する場合の基本となる常食の栄養成分、あるいはカロリーであるとか、たんぱく質の量とか、あるいは半消化態の栄養剤・濃厚流動食の組成を決めるときに、病院の栄養士、食品会社・製薬会社の方々は、今回の食事摂取基準を参考にすることになるのでしょうか。

○佐々木(敏)構成員 それはそのときの病態、いろいろなものを考えて決められることであろうと思いますが、この日本人の食事摂取基準を重要な一つの参考資料として使っていただきたいと考えています。しかし、それだけではございません。

○菱田座長 どうぞ。

○深柄構成員 例えば、入院患者さんに常食を提供する場合、成人でも非常に体格が小さい方から大きい方、体重が軽い方から重い方がいらっしゃっるにもかかわらず、常食に含まれる栄養量は基本的には1パターンなのです。病院が標準的なものとして食事を提供しますよといっても、患者さんによっては栄養量が足りなくなったり、あるいは過剰になってしまうという場合もあると思います。入院患者さんに提供する食事の量については、若干の考慮を有するとか、一言文言を入れていただけるといいのではないかと考えます。

○佐々木(敏)構成員 ありがとうございます。食事摂取基準の使用範囲から申しますと、健康な人から、特定保健指導ぐらいのところの人たちまでということに活用範囲を限定しております。その意味で、そこまでが直接活用ということになります。その後は、間接活用になろうかと私は考えます。すなわち、実際に病気を持っておられる、しかもそれが入院という場におきましては、健康であれば、または健康に近ければ、このようなエネルギー並びに栄養素組成の代表値が提示されているガイドラインがある。それに対して、この疾患を持ち、この体格で、この状況の場合はどうすべきかということを決める1つのリファレンス、参考資料としてお使いいただくのではないかと考えます。

特に病院の場合は、これは食事摂取基準の責務を超えるものだと思うのですけれども、個々の患者さんの病態や、それに類することをかなり正確に検査し、見積もり、決めていく必要があるでしょう。それを考えますと、こういうものがある、そしてこれを1つの参考資料として使ってほしいという気持ちはあります。けれども、ここにあるからそのエネルギー量、その栄養素量が常食にとって正しいのであるというわけではないと考える必要があるのではないかなと考えます。

○菱田座長 入院患者さんの食事について触れることは食事摂取基準の対象としているところから少し外れている。入院患者さんの食事を考えていただくときに参考にしていだける資料であると考えていただくことだと思います。よろしゅうございますか。

 いろいろあるかと思いますが、時間の関係もありますけれども、もしどうしてもという方がおられましたら。

 よろしいですか。

(「異議なし」と声あり)

○菱田座長 それでは、いろいろ出していただきました意見をもとに修正をしていただくということでいきたいと思います

 続いて、「報告書(案)」についての議論に移らせていただきます。

 前回の検討会で、策定する指標や値について議論を行っていただき、いろいろな御意見をいただきました。それを踏まえて、前回の検討会からの主な変更点について報告をいただきます。前回御了承いただいた構成(案)の各論における対象特性、さらに参考資料についても、資料をお示しいただいておりますので、御説明いただきたいと思います。

 佐々木構成員、お願いします。

○佐々木(敏)構成員 それでは、前回の検討会で御議論いただきました内容につきまして、ワーキングループのほうで議論を深めまして、変更等を加えました点について、簡単に説明をさせていただきます。

 資料2をごらんください。この順に従って御説明申し上げます。

 まず、「参照体位」なのですけれども、確かに参照体位は目標とする値ではございません。あくまでもリファレンスとしての意味でございます。したがって、そのような誤読につながりかねない表記は避けるように文言を改めました。そして、「基準体位」と書かれている場所があったのですけれども、その変更についての理由を変更しました。そして、全ての文章、一応きょうは事務局でこの文言に関してチェックを入れて修正をお願いしておりますが、何しろ非常にページ数が多いので、ひょっとしたらまだ残っているところがあるかもしれません。もし見つけていただきましたら、どうぞ御連絡をください。

 その次の「エネルギー」でございます。総死亡率を指標としまして、それを最も低く抑えるために望ましいと考えられるBMIの範囲を提示する方法をとるということを前回報告いたしました。ところが、あくまでもこれは総死亡率でありまして、個々の疾患の死亡をあらわしませんし、ましてや発症をあらわすものではございません。そして、いろいろな研究手法上の問題もございます。そして、さらに重要なことが実は1つ落ちておりました。それは、現在の日本人の体格、体位を十分に考慮し、実施可能性を見、そして問題点を明らかにしながら向こう5年間使える、使っていくための食事摂取基準を策定するという考え方でございます。これは、目標量の定義のところに書いているものでございまして、この点から、このエネルギーのところを見直すということをワーキンググループでいたしました。そこで、次のような変更案をきょう御提示させていただきます。

 エネルギーの章で、現在の日本人のBMIの分布を国民・健康栄養調査、平成22年並びに23年の生データを用いて算出をしていただきました。59ページをごらんください。表4でございます。これが平成22年、23年国民健康・栄養調査を用いて、年齢18歳〜49歳、50歳〜69歳、70歳以上のBMIの分布でございます。その一方で、表3の上の左側の部分なのですけれども、「総死亡率を最も低く抑えるための望ましいBMI」というのがございます。こことの間を見ました。

そうして、研究上の限界、それから日本人における研究数の、もちろん有限個数しかありませんので、理想的な無限個数か、または理想的な研究成果を得るのは当然限界があるわけですけれども、そこも踏まえて、目標量の考え方をここに含めまして、表3をこのように改めたいと考えます。「このように」と申し上げますのは、この表3の年齢区分はこのままにとどめ、左側に「総死亡率を最も低く抑えるための望ましいBMI」の範囲を記載する。そうして、右側にその数値範囲と下側の分布の状況、並びにそれ以外の必要と考えられることを含め、右側の「目標とするBMI」の範囲を提示するという方法でございます。

結論を申しますと、「目標とするBMI」は、18歳〜49歳並びに50歳〜69歳は、「総死亡率を最も低く抑えるために望ましいBMI」とほとんど一致するという結論となりました。その一方で、70歳以上のところは、現在の日本人の体格と、表3の左側の下の数値範囲とはかなりの乖離がございます。そして、現在のBMIをそのまま望ましいBMIにシフトさせる、変更させるというのは、いろいろな問題を生じさせるリスクがあると私たちは考えました。そこで、「目標とするBMI」は、下の値は18歳以上が18.550歳以上が20.0、そうして70歳以上を21.5とする案を考えました。この18.520.021.5という範囲は、それぞれの総死亡率の体重が低いところでの上昇を見た、この左側のページ、またはそれ以前のページに書かれている論文を精査いたしまして、大きく総死亡率が上昇しない範囲として設定をし、かつ表4の人口として日本人から離れすぎていることのないような配慮をいたしました。特に70歳以上のところは、フレイルティを含めまして、虚弱、そのような栄養不良の問題も大きな問題となってまいります。その一方で、循環器疾患を中心といたしまして、過度な体重というのは当然よくありません。このバランスをどうとっていくのかということが非常に重要なところであろうと思います。このようなことを鑑みまして、この数値を選びました。

一方、「目標とするBMI」の上は、18歳以上が24.950歳からが24.9そして、70歳以上も24.9という数値をここに提示したいと考えております。しかしながら、70歳以上に関しましては、先ほど申し上げました問題がございます。したがいまして、今回脚注を付したいと考えております。

まず1つ目です。70歳以上では、純粋にコホート研究等から得られたBMI、それと現在の日本人の実態というものに乖離が見られます。さらに、虚弱の予防、そして生活習慣病の予防の両者に十分に配慮する必要がございます。このようなことを十分に考えて、弾力的に用いてほしいと、前回の御意見をいただいたものを、もう一度データを見まして、こういう修正案を提示したいとワーキンググループは考えております。

 これが、「エネルギー」に関する変更点でございます。

 続きまして、「栄養素」についての変更について御説明申し上げます。

 まず、「主要栄養素バランス」でございます。これは、「主要」でよいのかという非常に重要な御指摘をいただきました。英語では、マクロニュートリエントです。または、エナジープロバイディングニュートリエント、幾つかの教科書を見てみたのですけれども、そのような用語が使われております。この「マクロ」というのを片仮名にしてよいかというところで若干迷いがございまして、その一方で、「主要」というものは「マクロ」の和訳ではないです。そこで、今回は「主要(マクロ)栄養素バランス」を案として提示させていただきます。しかしながら、ここはもう少し御議論をいただいたほうがよいかなと考えているところでございまして、本日の時点におきましては、「主要」という言葉と「マクロ」という言葉を併記しまして、案を提出させていただきました。これが文言に関することです。

 次に、中身でございます。この「主要(マクロ)栄養素バランス」ですけれども、目標量の数値、表を見ていただきたいと思います。抜粋版と卓上配付版でページが異なります。資料3の抜粋版の103ページをごらんください。その中で、御議論いただきました脂質でございます。脂質を変えるとほかが変わり、ほかが変わればこれも変わるというのがバランスでございますが、脂質を全ての年齢階級で、2030%エネルギーに改めたいと考えております。そうして、たんぱく質をそのままで保ち、炭水化物を5065%エネルギーに変更したいと考えております。脚注には、この主要(マクロ)栄養素の範囲については、おおむねの程度を示したものでありまして、生活習慣病の予防並びに高齢者におきましては虚弱の予防の観点から、弾力的に運用するという旨をここに付記したいと考えております。この端の数値が強調されすぎないように、私たちは注意を払いたいと考えておりますが、数値を提示することが必要でございますので、このような方法をとらせていただきたいと、ワーキンググループでは考えております。

 次に「脂質」でございます。96ページの飽和脂肪酸をごらんください。これは現行の2010年版の数値から改めたいと考えております。具体的に申しますと、成人につきまして、7%エネルギー以下と変更すると提示させていただきます。そうして、下の数字は書かないという方針をとろうと考えております。これは、下の値を設定するための生化学的な十分な根拠に乏しいということ、そして、今回この脂質に対する御意見をいただいた後で、私たちはもう一度ほかの国の食事摂取基準、それから脂質が関係する食事のガイドライン、他国のものを見比べました。たまたま一覧表にしてくださっているレビューペーパーがありましたので、それを中心として見たのですけれども、今回提示させていただく案をとっている国がマジョリティ、大多数でございます。そして、その根拠というところも調べましたけれども、今、私が申し上げましたような根拠を用いているところが多いようでございます。

そして、もう一つ、この飽和脂肪酸について、変更させていただきたい点がございます。目標量は、2015年版は小児、1歳〜17歳にもできるだけ当てたいと考えております。そのために、この飽和脂肪酸、そしてほかの栄養素では食物繊維、カリウムにも現在は18歳以上に数値が限定されておりますが、それを1歳〜17歳まで拡大をして、そこに算定をしたいという案を提示させていただきました。ところが、ほかの国を見ますと、1歳〜17歳まで、ここの案に示しましたように、何らかの数値が当てられている国が多うございます。しかしながら、目標量は、先ほどエネルギーのところでも申し上げましたとおり、現状を十分に見て、そして可能性を考慮して決めるべき、そして、活用すべきとなっております。

ところが、ここで問題が出ました。我が国の小児、1歳〜17歳におきます飽和脂肪酸の摂取量並びにその摂取源に関する信頼度が高く、そしてこの食事摂取基準の算定に使えると考えられる報告が、質・量ともに十分に見出すことが困難であろうと考えるに至りました。摂取量のデータをかなり見ようとしたのですけれども、なかなか難しかったというところがございます。そういうことで、この飽和脂肪酸に関しましては、食物繊維、それからカリウムとは異なり、今回はと言いますか、今回もと言いますか、18歳以上に数値を当てるのを限定したいと考えます。そして、これは次回以降の検討課題に申し送りたいと、ワーキンググループとしては考えております。

 それから、そのほかの栄養素ですけれども、これは具体的に申し上げる時間がございませんが、外挿方法が複雑なものや、年齢階級間での値の平滑化が必要になるものなど、いろいろございまして、現在、事務局を中心に、そして御担当いただいた先生と何度もチェック作業を進めている状況でございます。その結果としまして、本日時点で数値がわずかに変更になったものがございます。しかしながら、根本的な変更点はありませんでしたので、個々の御説明は割愛をさせていただきたいと思います。

 続きまして、あと1つだけです。「対象特性」でございます。1つ目が、「乳児・小児」、そして「妊婦・授乳婦」です。ここは、各栄養素で設定された値を概観する、それぞれの栄養素別に対象者特性でぐっとまとめるということをしていただきました。それからもう一つ、これが乳児の特徴なのですけれども、乳幼児用の調整粉乳に関する栄養摂取の状況並びに考えるべきことの記述を「乳児・小児」のグループの先生方に記述をお願いをし、それを含めたいと考えております。これは実際に、乳幼児調整粉乳が使われておりますので、現実的なことからこれは考慮すべきと私どもワーキンググループは考えました。

 最後に「高齢者」であります。各栄養素で設定された値を同じく高齢者という軸で全栄養素を概観していただきました。そして、高齢者の特徴であり、重要な健康課題でありますフレイルティ(虚弱)とサルコペニアについての記述をしていただくことをお願いしました。これは、高齢社会において重要な栄養問題であると、ワーキンググループは考えております。そのための執筆をしていただきました。しかしながら、具体的な数値を提唱するというまでには、まだなかなか研究をまとめるところまでは至っておりません。今回はその過渡期というところで、可能なエビデンスを食事摂取基準という観点からおまとめいただくというところでお願いをし、そのように案を作成いたしました。

 「参考資料」ですが、前回御了承いただきました構成案の記述例にしたがって、内容を記述し直したというところでございます。

 前回からの変更等に関しては以上でございます。

○菱田座長 ありがとうございました。

 今、御説明いただいた順にしたがって、議論をしていただければと思います。

 それでは最初に、「参照体位」を初めとする「総論」のところでの御意見をいただければと思います。資料3でいきますと、11ページから始まりますが、いかがでしょうか。

 お願いいたします。

○佐々木(雅)構成員 59ページはまだですか。

○菱田座長 そうですね。その次の「エネルギー」というところで議論させていただこうと思います。

 よろしゅうございますか。「参照体位」について、表現を改めた理由についても書いていただいてということになりますが、もし御議論なければ、次へ移らせていただきます。

 「エネルギー」というところで、BMIの問題も前回議論があって、59ページの表3のところで、このような表現にしたい、表3を出すに当たって表4も加えるということで説明があったかと思います。

 はい、どうぞ。

○佐々木(雅)構成員 表4も加えていただいて、かなりわかりやすくしていただいたと思うのですが、表3の左側の22.527.4というのは70歳以上で、目標とするBMIがこれを外れているというのは、やはり違和感があるのですけれども、この下の数字をそろえるというわけにはいかないのでしょうか。

○佐々木(敏)構成員 下の数字をそろえるということは、表3の右側の目標とするBMI70歳以上の下の値を22.5にするという意味ですか。そういう理解でよろしいですか。

○佐々木(雅)構成員 あるいは、左を21.5まで広げる。

○佐々木(敏)構成員 それは、解釈上難しいかなと思います。なぜかといいますと、左側は、総死亡率を最も低くするためという観点からいろいろな研究をまとめるとこの数字範囲になるという意味なのです。そして、それをそのまま出すことはよくないと。現在の分布を見、いろいろな状況を鑑みて、右のような数値を出したいと。この表3の構造を変えたほうがよいかもしれませんが、左側はある一つのリサーチというものから出てくるとこんな数字になる。でも、実際に使うのは右側の数字がよろしいのではないでしょうかという提示でございます。

○佐々木(雅)構成員 わかりました。そうすると、右側の数字の21.5はいかがなのでしょう。左側の範囲を外れていることになります。ここを22.5にそろえるわけにはいかないのですか。

○佐々木(敏)構成員 私たちも、それも一案として考えたのですけれども、表4にございますように、22.5にすると、22.5を下回っている70歳以上の方がかなりみえます。45%の方が下回っております。そこを22.5という数字を出してしまうと、出してしまうという表現はよくないかもしれませんが、私たちがおそれているのは、この年齢階級というのは、体重、BMI以外のさまざまなことを十分に勘案して使っていただきたいのです。それを考えますと、45%という集団に対して、この22.5という数字を出すのは、現状としましては高すぎるのではないか。あくまでも食事摂取基準2015年版は、2015年4月から5年間使うという期間限定型のものです。したがって、その5年間の中での日本人の体位の変化、推移を予想しまして、現行をよく見ながらということになりますが、数字を算定していくべきものであろうと私どもワーキンググループは考えて、このように数字を下げるということをいたしました。でも、その数字を下げても、50歳〜69歳よりはやや高めに持ってきているというそのあたりを考えたことでございます。

○佐々木(雅)構成員 わかりました。

○菱田座長 どうぞ。

○児玉構成員 59ページの表4の「BMI分布の状況」、現状の体系がわかって非常にいいと思うのですが、BMIは男女で大分違うのではないかなと思うのですけれども、これは男女まとめて算出したのですね。データを出してみないと何とも言えないとは思うのですけれども、男女で違いみたいのものがもしあれば、それも栄養指導などするときに、男性か女性かに対応できるのではないかなと思うのですが、いかがでしょう。

○佐々木(敏)構成員 なるほどね。と言いますのは、すぐ左の図6は、男性と女性と別にリスクカーブが書いてございます。それを考えますと、表3は男女を別に出すほど強いエビデンスではなく、これは男女を丸めたものを出したいと私たちは当初から考えておりまして、それに関しては、前回も特に御意見をいただいておりませんので、そのままにしたいと私たちは考えております。

しかしながら、表4のところは参考値、児玉先生がおっしゃいますように、活用を実際にされる方々のことを考えますと、参照データとして表4を男性、女性、並びに男女合計という数字にしておくと親切かなと今思いました。

○菱田座長 はい、どうぞお願いします。

○曽根構成員 表3は、今回かなり新しくてできて、今後ある意味でひとり歩きというか、単独で用いられる可能性もあると思います。左側の「総死亡率を最も低く抑えるための望ましいBMI」というのは、あくまでも研究結果のまとめであり、実際は右側の「目標とするBMI」を使うことを考えておられるわけですね。つまり、この「目標とするBMI」は、研究結果に加え、いろいろなことを考えた上での目標ということかと思いますが、そのあたりが実際使う人にわかりやすく伝わるかが心配です。と言いますのは、一般の方がこの2つの項目をぱっと見たときに、どちらを本当の目標にしていいのかわからない恐れがあるような気がいたします。たとえば、長生きしたい人は左を目指すのかな、とかそういう誤解を与えかねないと思います。恐らく前回も申し上げたので、先生はそのあたりも御勘案の上、この「目標とするBMI」を決められたと思うのですが、やはり国民の健康を考える上では、死亡率だけではなくて、いわゆる寝たきりに結びつく心血管疾患などのアウトカムも勘案する必要があると思います。この下の脚注を見ますと、確かに実態BMIとの乖離が見られるということに触れられていますが、その真意として、本当は総死亡率を低く抑えたいなら左がベストなのだけれども、実態とは乖離しているから、つまり実際には無理だから右で妥協しましょうという理由のみで右がつくられたものではなくて、他のアウトカムなども含めいろいろなことも総合的に判断されて、現時点でのベストと思われるものを右に示したということが読む方にわかるようにされると、誤解が減るのではないかなと思いました。

○佐々木(敏)構成員 とてもありがとうございます。そのように、私たちワーキンググループが考えた施行プロセスと作業プロセスが、活用していただく方に十分にわかるような表構成と文章校正を検討したいと考えます。確かに、今この脚注2を読みますと、「乖離が見られるため、」の「ため」はよくないと。その後の文章と、その前の文章がやや異なることを示しております。曽根先生がおっしゃったのは、こういうところをちゃんと読者に伝わるようにしたほうがよいのであろうという御意見であろうと私は理解をしました。私個人としてはそのとおりであると、賛成でございます。したがって、表3の構造並びにこれに関連する文章、本文並びに脚注の部分の構成を、事務局並びにワーキンググループメンバーで再検討をして、より誤解の少なく、かつ正しく用いていてだけるようなものに仕上げたいと考えます。

○菱田座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○門脇構成員 表3について、このように改定していただいて、前回に比べて適切だと私は思っているのですけれども、やはり私も今の曽根先生の意見に賛成で、表3左側の「総死亡率を最も低く抑えるための望ましいBMI」はあくまでも総死亡率とBMIの相関関係で、因果関係ではないと思うのです。特に病気が重症化して、がんなど体重を減らすような疾患がある場合には、BMI低値は病気の結果であって、病気の原因、あるいは死亡の原因ではないことは明らかなので、これが本当に疫学的に本当に正しい表現なのでしょうか。私は、そのように思わないのです。疫学的に正しい表現をしないと、今、曽根先生がおっしゃったような大きな誤解につながるおそれもあると思うのですけれども、いかがでしょう。

○佐々木(敏)構成員 おっしゃるとおりだと思います。すなわち、これはリサーチベースのファインディングという、そういうレベルでございまして、そしてあくまでもアソシエーション、関連でございます。因果ではございません。そして、さまざまな注意を施してこれを解釈し、活用することが必要でございます。ガイドラインというものは、リサーチによって得られた数値を、ただ、平均化することではございません。そうではなく、目的に応じてまとめ上げるというのがガイドライン作成の方法論であろうと、私個人は考えております。

それを考えますと、門脇先生がおっしゃったことはしごくもっともでございまして、この表記が望ましいイコール本当に望ましいというようにそのまま理解をされると、それは作成のグループの者としては困るなと考えます。このあたりの文言は、本当に注意をして、アソシエーションなのか、そして社会が使っていただきたい数字なのかということを十分に考えた文章づくりを、今後、残された時間でさせていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

○菱田座長 どうぞ。

○児玉構成員 ちょっと今の内容に関しまして、目標とするBMIだけを示す表として示すというのはいかがなのでしょうか。その前の総死亡率を抑えるBMIというのは、アセスメントの状態ですね。そういうのを全部アセスメントして、評価して、最終的に目標とするBMIをこのように設定したというふうに、表3から総死亡率云々のところを除いて、それは文章で示して、というのはかなり荒っぽいやり方ですか。

○菱田座長 どうぞ。

○寺本構成員 全く同じことを言おうとしたのですけれども、要するに、これはあくまでも参考とするデータであって、例えば下の分布の状況と、そういったものと似たような内容を持っていて、目標とするBMIというのが提言になるわけなので、それが混在するから非常に誤解を招くのではないかなという気がしているので、望ましいというほうは、表を分けるか、文章の中でそういうものを記載するか。そうしないと、曽根先生がおっしゃったように、何か望ましいのはこちらなのだから、みんなこちらをやったほうがいいのではないかと、当然そういう考え方になるのではないかなと気がします。要するに、提言しているのはこちらなのだということを明確にしたほうがいいような気がいたします。

○菱田座長 多分、ワーキンググループのほうで考えられたことと、皆様から出していただいた御意見とは、方向としては全く同じ方向を向いていて、異なるのは、その表現の仕方についてだと思います。今のような具体的な提言を考慮いただきワーキンググループから、表現の仕方を次回に提案していただくということが望ましいと思いますが、より具体的な提案を含めてご意見いただけると、ワーキンググループとしては作業がやりやすいかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 ほかにいかがでしょうか。

 はい、どうぞ。

○古野構成員 前回も少し申し上げたのですけれども、今回の資料2には載っていないのですけれども、例えば報告書(案)の54ページと、抜粋のほうの53ページのまとめのところとか、その1つ前の基本的にPALです。これをもう使わないという方針なわけで、これは伝統的に使われてきていますね。諸外国でも使われているのです。そういうことも勘案して文章を、世界的にはPALに引かれている人もおるわけです。だから、まとめのところに、国際的にPALを使っている国々、機関もあるけれども、先生方が評価されて、PALは身体活動レベルを正しく評価できないので、エネルギー摂取量の基準を出せないという方針は、私は勉強不足で、先生方のほうがよく勉強をしているから、いいと思うのです。ただ、世界的にはこういう状況であり、従来日本でも、前回までは使われてきているわけだから、そういう背景もまとめのところに入れて、もうちょっと背景がわかるようにしてくださるとありがたいのですけれども。まとめのところが突然これになっているから。後ろの参考までずうっと読んでいく人だったらわかると思うのですけれども、ここは余りにも唐突すぎる変化だと思うので、PALが不正確で、評価が難しいという結論をお持ちで、そういう結論に至ったのですから、私はそれでいいと思うのです。ただ、文章を少し勘案していただけると、唐突さがなくなると思って、読む人がわかりやすいかと。でも、それは先生方の御判断に任せます。

○菱田座長 もう少し丁寧にしていいただきたいという要望という形で受けていただくということで、よろしいですか。

○古野構成員 2〜3行入れていただけたらいいというだけです。

○佐々木(敏)構成員 おっしゃるとおりだと思います。本来はPALをもっと前面に出したいと言いますか、エネルギーを考え、使う上で、PALというのは非常に重要なものであるとワーキンググループは認識をしております。しかしながら、諸外国の状況も踏まえまして、PALを活用の中にどう入れていくのかということは、大変大きな課題をどこの国も抱えているようでございます。したがって、突然にという、このパラグラフの切れ目が、根拠がうまくつながるような文章の流れを考えるということをいたします。

○菱田座長 はい、どうぞ。

○佐々木(雅)構成員 実際活用される場合には、例えば73ページにもありますけれども、このPALによって随分数値が違いますし、やはりこの部分はどうしても大事な部分で、個人がどのあたりの活動レベルになるかによって、必要エネルギー量も指導するときに随分と違ってきますので、PALというのは抜かせないとても大事なところだと思うのです。実際の活用を考えますと、このあたりの使い方は、どのぐらいの活用レベルであればどのぐらいに該当するのかということが、栄養士さんはなかなか難しいところだと思いますので、そこの説明をぜひ丁寧に詳しく加えていただければと思います。

○菱田座長 佐々木先生、今の点はいいですか。

○佐々木(敏)構成員 その部分は、資料3の65ページに「2−3.身体活動レベル」というところがございまして、そこの表6に書いております。現在、私たちが書けるのは、この程度というと言い方はよくないですけれども、十分な研究がまだ整っていないようで、しかし、佐々木雅也先生がおっしゃるように重要な部分ですので、最低限これぐらいは記載をしたい。しかし、ここより記載するのは今回難しい。何とか2020年版のときは、これよりも2段階ぐらい進めるところにPALのエビデンスと、それから活用のための具体的方法を持っていければよいなと、つくっていて感じているところでございます。感想で申しわけございません。

○菱田座長 どうぞ。

○中村構成員 ちょっと一般的な話をさせてもらうのですが、かつて食事摂取基準というのは、「栄養所要量」と言っていたのです。この「栄養所要量」を、「食事摂取基準」にしようというのは、1997年にカナダのモントリオールで行われた国際栄養学会議で、ドクター・ヤングが世界の学者を集めて提唱したのです。そのシンポジウムに私も参加したのですが、そもそもこの目的は、人類共通の栄養所要量を決めようというのが、テーマだったわけです。なぜかというと、人類の栄養の必要量は、世界各国同じなのではないか。各国がそれぞれ膨大なお金を使うよりも、人類の共通の値を決めたほうがいいのではないか。その論拠は、各国で使われている引用論文がほとんど共通したものを使われているからであります。そして、結局どうしたかというと、国際的な標準的な値を示すのではなくて、ダイエタリー・リファレンス・インテイクというところに落ちついたのです。だから、リファレンスを決める作業をしているのだという認識が必要だと思います。議論が活発になってくると、何か日本人の標準値や正常値を決めると錯覚していく傾向があります。今回体格を、参照値にされたのは意味があると思います。先ほどから議論を聞いていて、これはこれから検討していくときに、頭に入れておく必要があるのではないかなと思っております。リファレンス値を示して、どういうふうに個々に、集団に活用していくかというところがとても重要なところになってくるのではないかなと思っております。

○菱田座長 ありがとうございました。

○古野構成員 一言いいですか。今の真意がよくわからなかったのですけれども、私の発言はだめな発言だということの御意見なのですか。

○中村構成員 いいえ違います。先生の個人的な発言に反論したのではないのです。反論したのではないのですけれども、佐々木先生の先ほどの議論から、結局、真実の摂取量も真実の必要量は、エビデンスをいくら重ねていったって出ない。それで、それは活用方法として、現場の管理栄養士さんに頑張ってもらいましょうということ思います。そもそもここのダイエタリー・リファレンス・インテイクというのは、そういう値であるということを言っているのだという一般論をお話しました。

○古野構成員 難しすぎて理解できなかったので。

○菱田座長 ほかにございますでしょうか。

 そうしますと、この「エネルギー」のところについては、先ほど表3の扱いの問題がありました。その中には、「総死亡率を最も低く抑えるための望ましいBMI」というこの表現そのものがいいかどうかというのが1つの論点だったと思います。それは単なるアソシエーションだということをもう少し明確にしたほうがいいのではないかという御意見があったということが1つと、表3の中の左と右を一緒にするというのは、かなり誤解を招くおそれがあるので、左の部分を本文中に述べる形にするか別表にするという形での修正をしたらどうかという御意見が多かったと思います。こうした点を踏まえて、ワーキングの佐々木先生のほうでまとめていただくということにしていただく。それから、今のPALの表現について、少しつけ加えていただくということでよろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○菱田座長 それでは、この部分については、今のような形で進めていただくということにしたいと思います。

 続いて、「栄養素」に移らせていただきます。「主要(マクロ)栄養素バランス」という言葉の問題、これについては引き続き御提案があればお願いしたいというのがワーキンググループからのお願い、その上で、脂質と炭水化物のバランスのところと、それからそれについての脚注の表現、それから飽和脂肪酸のことがありましたけれども、何か御意見ございますでしょうか。

 はい、どうぞお願いします。

○柴田(克)構成員 まず名前なのですれども、やはり「主要」というのは少し抵抗があって、マクロ・イコール・ビッグとすると、昔の古典的な食品栄養素の領域では、3つの大量に必要とする栄養素という意味で、三大栄養素という言葉があるのですけれども、やはり多量栄養素というのを思ったのですけれども、3つの大量に必要とする栄養素ということで、「三大栄養素バランス」というのはなかなかいいのではないかなと、この年になって思うようになってきたのですけれども。

○児玉構成員 私もそのように思っておりました。

○菱田座長 ありがとうございます。

○佐々木(敏)構成員 それも候補なのですけれども、大きいか小さいかはわかりませんが、我々は2つ検討すべきだと考えたところがありまして、1つ目が、炭水化物の中にアルコールを含めているのです。アルコールは決して摂取を進めるものではない。摂取してはいけないという意味ではないのですけれども、ある個人や集団においては、実際には摂取がされているわけです。そして、このバランスの中では、アルコールは炭水化物の中に足し算をして、そして3つに分けてバランスを示すという方法をとりました。そこはあったとしてもというふうにして使うかなというところが1つです。なぜかと申しますと、そこを挙げてしまわないと、アセスメントのところやそれから活用のところで、アルコールを除いて計算をしたり、食事摂取量を使ったりしようとすると、これは使用がややゆがんだ形になってしまいます。そこに1つ注意を払うべきであろうと考えます。

 もう一つは、国際的な用語として、それは通るかというところだったのです。これはむしろ先生方にお聞きしたいです。国際用語として通りますか。もし御存じの先生があれば教えていただきたいのですけれども。

○柴田(克)構成員 これは別に日本語だから国際的なことは考えていなくて、英語はマクロニュートリエントでいいのではないですかね。

○佐々木(敏)構成員 それでいいのかなと、なぜほかの国々はそれを用いていないのかと私たちは考えてしまったのです。

○雨海構成員 今回の策定方針の最初のところに、「科学的根拠に基づく策定」の文言が明記されています。科学的根拠としての引用文献自体、現在のところ残念ながら、その多くを和文よりも英文に頼らざるを得ない。このような文脈において科学的根拠の多くを依存する英文のエビデンスとの整合性を保つとためには、やはり英語文献で対応されている概念、あるいは言葉遣いが用いられるべきではないかなという気がします。私もちょっと勉強不足なのでお伺いしたいのですけれども、その英語文献で、「三大栄養素」という表記があるかどうか。マクロニュートリエントなのではないでしょうか。

○柴田(克)構成員 それはないと思いますけれども、昔の日本人の方というのは、いろいろとすばらしい言葉をつくっているのです。例えば、「ピルビン酸」を「焦性ブドウ酸」とか、きちんと代謝まで考えてくれた立派な名前があるのです。いつからかは知りませんけれども、最近は「ピルビン酸」と言いますけれども、昔の人は「焦性ブドウ酸」と、いい名前だなと今思っているのですけれども、だから、そんなふうに考えるのもいいのではないかと思うのですけれども。

○菱田座長 中村先生。

○中村構成員 国際的には「三大栄養素」というのはないです。

○菱田座長 そういう言葉は、一般的には使われないということですね。

 この件につきましては、もし、より良い御提案がありましたら、直接また御意見いただければということで、内容のところについてお願いしたいと思います。目標量の脂質の部分と、炭水化物のところですが、基本的にはまずたんぱく質は必要量を決める。それから、脂質は上限を決める。そして、炭水化物が残りと、こういう話の中での議論だと思います。

 はい、どうぞお願いします。

○寺本構成員 原則的にこれでもいいかなと思うのですけれども、基本的に、前のものと比べると、やはり30歳以降の方々が脂質の摂取量がちょっと上がっているという感じにはなるのですね。要するに、今までの国民健康・栄養調査を見ていてはっきりしているのは、日本人の脂質摂取量は、最近は少しずつですけれども、年々上がってきていて、それに伴って、コレステロールの値とかそういうのも変わってきているし、BMIも上がってきているという実態があるということを念頭に置かれなければならない。特にそれが中年以降で起こっているということを考えると、やはりここら辺のところの注意は必要なのです。

ですから、今回は一つ一つで言っているのではなくて、バランスで考えているので、私はこれでいいのかなと思うのですけれども、食事全体を考えた上でのパーセンテージを、こういうふうに提示をしているという表現をきちっと述べていただくことが重要で、特に中年以降の方に関しては、特に男性なのですけれども、ある程度そういう意味での、それが重要だということは記載が必要かなという気がするので、その辺のところだけちょっと念頭に置いていただければと思っています。

○菱田座長 どうぞお願いします。

○勝川構成員 体重に及ぼす影響に関しましても、たくさんの介入研究のデータがなかなかまとめづらいのですけれども、自由摂食で低脂肪を施したデータに関してまとめますと、大体脂肪のエネルギー比率が20%〜30%で、ごくわずかですけれども、1年間で2キロぐらい体重が減る傾向にあるという点では、割と一致しているように思います。ですので、この本文の中には、現状で目標量上限に満たない人は、習慣的に摂取している人は、その目標量の上に持っていく必要はないということを明記しているわけですけれども、表のほうにもその文章を加えていただくとよろしいのではないかと思います。

○菱田座長 どうぞお願いします。

○児玉構成員 私も、高齢者のことは、実際余り勉強していないのですけれども、30歳以上は、2025%ではこのバランスをとったりとか、あと実際の現状にそぐわないと判断されたのだろうとは思うのですけれども、バランスを含めて、脂肪の摂取はあくまでも目標値ですので、そうすると、2025でだめなのか、わざわざ30%まで上げる必要があるのかなと。現状を私は知らないので、何とも言えないのですけれども、いかがなものかなと思います。

○菱田座長 佐々木先生、今の点についての御意見お願いします。

○佐々木(敏)構成員 これは非常に難しい御議論であります。まず、脂質のところを中心に考えますと、上の値を成人のところで25にするか、30にするかですけれども、論文数から見ますと、もっとたくさんの脂質摂取量を30%エネルギーぐらいの脂質にするという介入試験、特に体重の変化並びに血清史実の変化等の介入試験は、かなりの数がございます。そして、諸外国も30という値は、ほかのガイドラインもかなり用いています。ところが、30より下に下げた介入試験がまれというのがありまして、25という数字を出した場合、「ではなぜ」と聞かれると、そのための理由づけを十分にし得る科学的根拠をつくるのが困難であるというところがございます。もしも2530の間に、観察研究も含めまして、信頼度の高いトライアルがあれば、そちらを採用するということに、中立的立場としてなるかと思いますが、脂質のグループの先生方、並びに重症化予防の先生方がしていただいたレビューの結果を総合的にまとめると、そして現在の日本人の摂取量の推移並びに、先ほど中村先生がおっしゃったような食事摂取基準が他国でどうなっているかというところを総合して勘案しましたところ、30と出し、そして脚注並びに本文で丁寧に理解と使用を誤らないように注意を喚起するというのが適切ではないかとワーキンググループとしては考えた次第でございます。

○児玉構成員 ちょっとよろしいですか。今、先生は30%というデータはたくさんあるとおっしゃったのですが逆ですね。

○佐々木(敏)構成員 逆です。

○児玉構成員 諸外国、アメリカなどは物すごくたくさんとっている。それを30%まで抑えたらどういう結果がということですね。ですから、ちょっとニュアンスが違うのではないかなと思います。

○佐々木(敏)構成員 そのとおりです。その研究はかなりたくさんございました。

○菱田座長 25%というのはないということですか。

○佐々木(敏)構成員 あるのですけれども、数はやはり極めて少なくなります。

○多田構成員 よろしいですか。脂質摂取量をふやすと飽和脂肪酸がふえてくるというところが非常に問題になってくるというのは、皆さん御案内のとおりであります。今回の摂取基準においては、飽和脂肪酸を7%未満にしっかり抑えていますから、むしろ30%という中で考えていただくということになってくると、糖質摂取量の上限も減ってくるわけでありますし、脂質を30%としても、脂質を25%とし、その分糖質を5%増加する場合より実際的にはHDLコレステロールは上がってきますし、TG、トリグリセライドは下がってくるという結果が得られていますから、余り問題はないと思います。

 それから、きょうお配りしている中の卓上版でありますけれども、175ページの下のところに炭水化物のパーセンテージを提示した理由がここに書かれておりますけれども、「一方、目標値の上の値はたんぱく質云々」と書いてあるところです。これは、恐らく目標値の上の値ではなくて下の値ですね。ここにそういった根拠がありまして、こういった脂質を30%エネルギーにしたところで、炭水化物の値が50%から始まるとなっていますので、これとの整合性もあるということであります。

○菱田座長 2030という値自体は問題ないのだけれども、上げるような印象を持たれることに関して、間違ったメッセージにならないようにお願いしたいという御意見かなと思います。その辺のところは、また佐々木先生のほうで、多少くどくなるような形でも表現していただくということでよろしいでしょうか。

 はい、お願いします。

○深柄構成員 語句の問題にまたちょっと戻るのですけれども、先ほどから「主要栄養素バランス」なのか、「マクロ栄養素バランス」なのか、「三大栄養素バランス」なのかということで問題になっていますが、結局はたんぱく質と脂質と炭水化物ですね。例えば、アメリカの静脈経腸栄養学会のガイドラインでも、このバランスについて言うときは、「たんぱく質・脂質・炭水化物バランス」と書いてあったりするのです。見る人が、「マクロ栄養素」とは何なのだろうといったときに、「マクロ」は日本人には余りよくわからない言葉であって、「主要」といったときに、ではそのほかの栄養素は主要ではないのか、重要ではないのかという間違いを生じる可能性があるので、むしろ「(マクロ)」とやるよりは、単純に3つしかないので、その3つを示しているので、そういう形にすれば簡単で、よりわかりやすくて誤解がないかなと思いました。

○菱田座長 ありがとうございます。それを含めて検討していただくということで。

○佐々木(敏)構成員 はい。

○菱田座長 ほかにどうでしょうか。

 お願いします。

○門脇構成員 私も寺本先生の御意見、非常によく理解できるところが多いのです。高脂肪食になって、肥満や内臓脂肪蓄積が我が国で戦後ふえてきたということは、疫学的には相関関係ですけれども、病態生理学的には高脂肪食は同じカロリーでも肥満を起こしやすいということで、因果関係でもあると思うのですけれども、2010年との比較で考えると、2010年では炭水化物は全部5070なのです。今回は5065にしているわけですけれども、そのときの脂質は、29歳までは2030にして、30歳からは2025にしているのです。これはこれとしてすごくいいと思うのですけれども、前回のときは、炭水化物が全部の年齢で5070なのです。ところが、脂質は29歳までは2030で、30歳からは2025なのです。前回の基準がいいのではないかなと思います。

例えば、前回の2010年を見ますと、104ページに脂質が出ています。例えば男性も女性でも一緒ですけれども、29歳までは2030で、寺本先生がおっしゃっているように、30歳から健康のことを考えると、2025がよくて、2010年のほうがいいと思うのです。炭水化物のほうは、全年齢5070なのです。つまり、炭水化物の量は同じように基準範囲をとって、脂質だけ下げているという形で処理して、それは実は私はいいと思って、炭水化物の量を広げたら、その分つじつまを合わせるために脂質をふやしたという形に今回はなっているのです。前回から炭水化物は50まで認める、広げるというのは私は賛成で、前回も50まで広げているので、でも脂質を上げずに炭水化物を広げると、前回みたいな形で広げられればベストだと思うのですけれども。私が申し上げている意味わかりますか。

○佐々木(敏)構成員 意味はわかります。

○門脇構成員 前回はそうできているのですけれども、今回はどうしてこういうふうにできていないのかなと思いまして。

○寺本構成員 私の理解なのですけれども、あくまでも前のときは、それぞれのニュートリエントに対して設定したという考え方で、今回はトータルで考えているというのが大きな発想の転換だと思っているのです。それはすごくいいことだと私は思っているのです。ですから、ある程度の幅を持たせていて、こういうふうに抑えるべきところは抑えて、どちらを抑えるべきかというのは、その方の状態によって抑える、ある方はそこまでと。だから、その範囲というのは、あくまでもいいという意味ではなくて、許容範囲という意味で考えるので、私は、これはいいと。

ただ、問題は、先ほど申し上げたように、実際、日本人の40歳代の方々は脂肪の摂取量がだんだんふえているという状況を考えて、いろいろなことが起こってきているので、それを抑えるような、ふやしていいのだよという表現にならないようにだけすれば、こういう範囲でバランスをとってやってくださいというイメージでいいのかなと、私はそういう理解をしております。ですから、前は単体のニュートリエントで考えていたという違いではないかと思っています。

○門脇構成員 よろしいですか。寺本先生のお話を聞いて、今回どうしてこういう違いが出てきたのかというのはよくわかりました。そうしますと、脂質は本来2025がいいと思うのですけれども、25から超える場合には、やはり脂肪の中身を考慮して、飽和脂肪酸ではなくて、不飽和脂肪酸を主体にするとか、そういう表現ぶりはぜひ加えるべきではないかなと思います。飽和脂肪酸は抑えるということもやっているわけですから、決して動物性脂肪で余計にとるということではなくて、炭水化物を50まで抑える場合には、糖尿病学会もそういうことを言っていますから、炭水化物50は、人によってはそういう思考の方はいますので、今までよりもふやして55をとれというのは、ちょっと難しい。ただ、炭水化物を少なくするのであれば、その分は魚の油とか、例えばオリーブオイルであるとか、そういう植物系でとっていただくとか、脂質を議論するときには、そのあたり中身のこともどうしてもかなり強く言わないと、この分を2530動物性脂肪でとってしまうとやはりこれはまずいことだと思います。

○菱田座長 ありがとうございます。

 佐々木先生、議論としては大体出ていますか。それともまだいろいろとありますか。

○佐々木(敏)構成員 いいえ。お二方の先生がおっしゃるとおりでございます。2010年版は、各栄養素が独立に数字を提唱いたしました。足したら100にならない。または100から遠くなってしまう。そういう反省も踏まえまして、そして実際に使うときに、100になるより少し外れてもよいと私は考えますが、それを念頭に置いたバランスという概念は重要であるとして、この表を提唱したいと私たちグループは考えました。しかしながら、門脇先生、それからほかの先生方も御指摘くださいましたように、総脂質だけではなく、むしろその中身に注意すべきと。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の課題、そのために原案では、脚注3に飽和脂肪酸の目標量の上の値を十分に注意することとは書いてございます。このような部分の文言を再整理して、私たちのこの検討会の意図が十分に伝わるような文章構成を考えたいと思います。

○菱田座長 ありがとうございます。その方向でよろしくお願いいたします。

 少し時間が押してきましたが、「対象特性」のところへ移らせていただいてよろしいでしょうか。「幼児・小児」、それから「妊婦・授乳婦」、「高齢者」というところですけれども、御意見ございますでしょうか。

 はい、お願いします。

○雨海構成員 確認というか、ちょっと教えていただきたいのですけれども、高齢者のサルコペニアのところで、括弧の中で「加齢性筋肉減少」と訳していらっしゃるのですが、先生方のほうが詳しいと思いますけれども、「減少」というと、どうしても量の減少のほうに引っ張られて、筋力の低下とか、身体機能低下というものが何か外れてしまうような気がするのですけれども、どうやって日本語を取り扱ったらいいのか、ちょっと教えてください。

○葛谷構成員 葛谷です。

 これは、実際に定められた日本語訳が実はないのです。それで、本当は「加齢性筋肉減少症」と私は書いたのですが、これは本当に「症」としていいものかどうかということを迷ったので、「症」をとっただけで、「症」をつけることは簡単です。どうしたらいいものかというのがあるのですけれども。それか、もう日本語訳をなくして、「サルコペニア」と。定義が書いてございますので、あえていろいろなところで日本語が氾濫するよりも、ここの日本語訳をなくすということはあるのかなと思います。

○雨海構成員 私も葛谷先生のご意見に賛成です。

○葛谷構成員 それでよければそうさせていただきます。

○菱田座長 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞお願いします。

○児玉構成員 目次の2ページ目に「対象特性」として、「高齢者」、「乳児・小児」、「妊婦・授乳婦」という順番になっているのですけれども、恐らく高齢者が非常に多いということもあってそういう順番になっているのかなと思うのですが、ライフステージで言いますと、やはり人生というものは胎児期に生命が宿るわけですから、順番としては、「妊婦・授乳婦」、「乳児・小児」、「高齢者」にするか、そこのところはいかがでしょう。次世代育成というか、そういう願いも込めまして。

○葛谷構成員 私としては、児玉先生に同意いたします。それで結構です。

○佐々木(敏)構成員 ということですので。

○菱田座長 特別な意図はないということですね。

○佐々木(敏)構成員 はい、特別な意図はございません。

○菱田座長 では、そういう方向で検討していただくということで。

 ほかにいかがでしょうか。

 お願いします。

○木戸構成員 乳幼児なのですが、乳幼児の目安量というのは、母乳等の中に含まれる栄養成分で求められているのですね。これは、目安量ということで、定義に当てはまると思うのです。このことは、エネルギーについても同じではないでしょうか。エネルギーは、今入っていませんよね。抜粋の163ページですが。

○河野栄養指導室長 単に抜けているだけです。

○木戸構成員 当てはまりますから、これは入れてもいいですよね。

○児玉構成員 入れます。データを出しておきます。

○芳賀栄養指導室長補佐 このときに落ちているだけです。

○木戸構成員 そうですか。

○菱田座長 ほかにいかがでしょうか。

○児玉構成員 あと御検討いただきたいと思っているのは、今と同じ0〜6カ月ですか、母乳の炭水化物が、2010年版は数字が入っていなかったのですけれども、今回も数字が入っていなかったのでしょうか。

○菱田座長 炭水化物の163ページの表に数値が入っていないのですかね。

○児玉構成員 炭水化物の目安量として、パーセントではなくて入れれないことはないのですけれども、でも数字が一定しないですし、乳児はでんぷんではなくて乳糖がほとんどですので、炭水化物でもかなり性質、種類が違ってくるので、これはなしで、そのままで2010年版と踏襲するということでよろしいですか。

○菱田座長 どうぞ説明をお願いします。

○佐々木(敏)構成員 私の理解としては、表1の母乳中の中での炭水化物は意味が違うと考えて、ここはむしろ計算をしないほうがよいと私自身は思っていたのですけれども、児玉先生にその確認をお願いしたいと思います。

○菱田座長 では、これはこのままでいいということですね。

○芳賀栄養指導室長補佐 済みません、事務局のほうから。今、木戸構成員から御指摘があったエネルギーの件は、報告書(案)で出ている表は、各栄養素の母乳中濃度の表になります。現行の食事摂取基準(2010年版)ですと、エネルギーと各栄養素の基準値を再掲した表を別に示していますので、編集上そちらをおつけするという形でいかがかと思います。妊婦・授乳婦以外に、乳児・小児、高齢者についても必要でしょうか。

○佐々木(敏)構成員 あったほうがいいのではないですか。

○芳賀栄養指導室長補佐 であれば、各栄養素で策定された妊婦・授乳婦、乳児・小児、高齢者に関しての値をもう一度一覧表として再掲するという形で編集させていただくということでよろしいでしょうか。

○菱田座長 よろしいですか。

○木戸構成員 いいと思うのですが、そのときに、エネルギーが参考値として、実は本文に載ってしまっているのです。乳児に関しては、参考値ではなくて策定値になるのではないかと思いました。

○菱田座長 今の御意見について、佐々木先生何か。

○佐々木(敏)構成員 これは、母乳からその児が摂取しているエネルギー量と見ると、それはそういう観察結果があるということになります。その一方で、今回は推定エネルギー必要量という指標は参考値とするということにしていまして、そこから乳児のところを別の規則に変えるのは難しいかなと、今、少し考えたのですけれども、そういう意味ではございませんか。

○木戸構成員 多分そこが難しいと思うのです。それでこういうふうになっていると思うのですが、こうなったために、そこに少し筋が通らないところができてしまっている。それで、そのときに、推定エネルギー必要量の扱いを今回参考資料としてしまったために、定義に当てはまるけれども、あくまでも乳児の場合には参考値であるというようなくくりになってしまうという、ちょっと矛盾が生じると思います。

○佐々木(敏)構成員 おっしゃるとおりだと思います。今の私の考えといたしましては、乳児に関しては、参考値としてではなく、本来の推定エネルギー必要量というもので算定が可能であり、そのようにされているということをどこか適切なところにつけ加えるということでいかがでしょうか。エネルギー全体の構造や、定義を変えることは恐らくできないと思いますので、乳児が例外であって、ここに示した乳児の推定エネルギー必要量とは、そういう性質のものであるということを付記するということになろうかなと、今考えていますが、もし御意見いただければありがたいです。

○木戸構成員 結構です。

○菱田座長 その方向でよろしいですか。

 どうぞ。

○児玉構成員 済みません、ちょっと教えていただきたいのですが、エネルギーで目安量というのはおかしいのですか。乳児はみんな実際飲んでいるので計算して、目安量というのを、実際測定してということで目安量が出ているわけですね。エネルギーで目安量という考え方はおかしいのですか。

○佐々木(敏)構成員 目安量というのは、その摂取量であれば、並びにその摂取量以上であれば、該当する健康障害が起きることがまず考えられないという、そういう指標でございます。エネルギーの場合は、そのエネルギーを摂取していると、現在の体重並びに正常の成長が見込めるという、そういう定義です。したがって、目安量は、それより上を、たくさんの量をとっていても何ら問題にはならないのです。でも、エネルギーの場合は、それよりたくさん摂取するとそれは問題が起こります。したがって、エネルギーにおいては、目安量という指標を用いることが定義上困難であるということになってしまう問題に直面してしまいます。本当に難しいところです。

○菱田座長 よろしいですか。

 それでは、最後の「参考資料」のところについての御意見をいただければと思います。よろしくお願いします。

○河野構成員 脂質異常症のところで、ちょっと確認というか、意見がございます。193ページになります。アルコールと脂質に関してです。これは前のバージョンでは、アルコールが中性脂肪にプラスになっていて、今度の修正版ではそれがなくなっています。これはこれでいいと思うのですけれども、アルコールが脂質に及ぼす一番はっきりしていることは、HDLを上げるということです。これは観察研究でも介入研究でも、ほぼエスタブリしています。それから、アルコールは心筋梗塞を初めとする虚血性心疾患を予防するのですけれども、その最も大事なコンポーネントは、HDLを上げるということで半分は説明できるという論文が幾つかございますので、飲酒を勧めるか勧めないかは別ですけれども、低HDL血症についてはマイナスという矢印を図1に加えられてはいかがかということと、あとのほうの本文で、198ページに、アルコールについて2〜3行、これも中性脂肪についてだけ、余りエビデンスがはっきりしないという記載がありますけれども、HDLについては、上げるということが大体確実だと思いますので、少しだけ記述を加えられてはいかがかと思います。

○菱田座長 前段階では図1のところの表現ですか。

○河野構成員 そうです。図1に低HDLコレステロール血症にマイナスの矢印をつなげるということと、198ページに1行ぐらいちょっと加えられてはいかがかと思います。どうでしょう。

○佐々木(敏)構成員 そのエビデンスは、私ども、そして脂質異常の先生方、周知でありまして、多田先生から後でコメントいただけるとありがたいと私は思いますが、全体の見ているものとしましては、これは事実かと言えば事実であると。問題は、それを書くべきか否かという判断になろうかと思います。短い文章で書いて、しかし食事摂取基準全体としては、だからといってその目的にアルコール摂取を勧めるものではないという注意づけをしたいとは思います。多田先生、もしよろしければお願いします。

○多田構成員 河野先生がおっしゃるように、前の概念図(流れ図)ではTGに関してはプラスが出ていたのですね。それが今回消えたというのは、198ページの3行に書いています理由からだと思います。これは韓国のデータです。むしろアルコールを飲むときに一緒に食べる食事の量がふえるからTGがふえるのだということです。先生がおっしゃるHDLに関しましては、確かにおっしゃるとおりなのですけれども、ではそのためにアルコールを飲むかというと、アルコールで上がってくるHDLに関しては、健康的にいろいろ問題があるということもあって、流れ図には出さなかったということがあります。

○河野構成員 もちろんおっしゃるとおりですけれども、飲む、飲まないを推奨するわけではないですけれども、やはり医学的な事実としては記載したほうがいいのではないかと思います。ただ、疫学的なことを言いますと、飲酒者全員と非飲酒者全員を比べると、飲酒者の死亡率が低いというのが非常に大きな疫学研究で幾つか出ております。

○多田構成員 これはおっしゃるようにそうなのです。冠動脈疾患に関しては、飲めば飲むほど低くなると。ただ、飲めば飲むほど肝臓病に関してはふえていくということで、Jカーブが出ているということであります。おっしゃるとおりであります。

○菱田座長 どうぞお願いします。

○柴田(克)構成員 今の193ページの図1をちょっと見て、食事性コレステロールは脂質と別の四角に入っていて、アルコールも炭水化物と別の四角に入っているということで、今までのずうっとやると、食事性コレステロールは脂質、アルコールは炭水化物に入っていたから、別に大きいのを囲っても構わないのではないかなと思ったのですけれども。

○菱田座長 はい、どうぞ。

○曽根構成員 先ほどの多田先生の御意見に追加で、冠動脈疾患とアルコールとの関係なのですけれども、たとえメタナリスでそのように出ていたとしても、例えば我々の日本人糖尿病患者さんのデータでは、アルコールによる冠動脈疾患の予防効果は有意にでていないのです。このように日本人または東アジア人の場合、アルコールの影響が欧米とはかなり違う可能性も高いので、アルコールに関しては、メタナリスの結果のみをそのまま当てはめるということは、ややリスクがある可能性があるのではないかなということだけ、ちょっとつけ加えたいと思います。

○河野構成員 確かに日本人ではアルコールのメリットは余り出ていないです。それは、日本人は心筋梗塞が少ないからです。例えば、コレステロールも、やっと最近日本人の動脈硬化と心経管に関係するということがわかってきました。やはり動脈硬化と心疾患が問題になってきている以上は、少なくとも事実としては短い記述を加えるべきではないかと思います。まとめてみますと、ハイリスクであるほど、アルコールの心経管疾患予防効果は高いということも幾つか論文がございます。

○曽根構成員 さらにつけ加えますと、我々のデータでは、脳卒中の場合はアルコール過飲がかなりリスクを高めるというようなデータも出ておりますので、必ずしも冠動脈疾患だけでは判断できない部分もあります。

○河野構成員 脳卒中も、少し飲む人は冠動脈疾患ではない。脳出血はふえますけれども。

○曽根構成員 アルコールに関しては、全体的な国民の健康面から考えると、やはり飲みすぎに気をつけていただくという方向性がメッセージの前面に出ることが必要でこの基準にそう書いてあったから飲んでも大丈夫ではないかというとられ方をされないように、よく気をつけていく必要があると思います。科学的なメタ・アナリスのデータは確かにありますが、それと共にアルコール代謝に関しては、東アジア人と欧米人との間にはっきりした生物学的な差もわかっているので、まだ日本人、東アジア人の臨床データが少ない現状においては慎重にメッセージを出していかなければいけないのではないかと思います。

○菱田座長 よろしいですか。

○寺本構成員 ちょっといいですか。この図1で、要するに脂質と書いてあって、その下が食事性コレステロールとなっているというのは、脂質の中に含まれているけれども、これは小さい枠で書いてあるという意味でよろしいのですね。

○佐々木(敏)構成員 食事摂取基準においては、脂質という大枠の中に、食事コレステロールが構成上含めております。それを考えますと、脂質の大枠を食事性コレステロールも含むところまで拡大するほうが、食事摂取基準の構成上の整合性はとれることになるだろうと考えます。

○寺本構成員 それが1点と、炭水化物で、アルコールは横から線が引いてあって、まるで別個のものになっているようなイメージがあるのですけれども、これはこれでいいのですか。

○佐々木(敏)構成員 ここは悩むところでありまして、栄養学的には炭水化物とアルコールは別のものと考えるべきだと私は思います。ただし、ただしと申しますのは、食事摂取基準の目次の構成上、アルコールをどこかで記述しなければならない。しかし、アルコールだけを挙げるのも難しかろうという議論がたしかありまして、それで2010年版か2005年版のときだったか、記憶が少し曖昧でございますが、そのときに、炭水化物の中に含めて記述をしようと。ただし、栄養学的には議論の余地はあるというふうにして、目次が作成されたと記憶しています。それに基づいて、アルコールは、個人的にはこの炭水化物の大枠の中に余り入れたくはないのですけれども、いかがでしょうか。

○寺本構成員 要するに、私が言いたいのは、どこかで統一しないと、あちらでこれは入っているのだけれども、こちらでは入っていないというと、読まれる方は何となく混乱するので、どちらかに統一しないといけないかなと思います。

○佐々木(敏)構成員 ごもっともです。全体の構成は、この後全部見直して、整合性をとる作業をやりますので、そのときに今回のも含めてするということにさせていただきたいと思います。

○寺本構成員 もう1点、我々医療をやっている人間にとって、アルコールとトリグリセライドが全く関係ないと言われると非常に抵抗感があるのです。これは、メタ解析がそうだからと言われると、そうかもしれないのだけれども、ちょっともう一回私考えさせていただけないですか。例えば、我々がいろいろな医療の現場で、ここにまるっきり線がなくていろいろな指導をすると非常に困難なことになるので、ちょっとこれはいかがなものかという気がしているので、また後でコメントさせていただきたいと思います。

○菱田座長 ほかにいかがでしょうか。

 よろしゅうございますか。ここのところについては、今のようなところは、またこの図を一応入れさせていただくということで、前回お諮りさせていただいたのですが、入れるということで明確にしたいのだけれども、いろいろなエビデンスが不明確な部分があるというところで、それを余り明確にしてしまうと誤解を招きやすいという、そういう議論が今の背景にあるかと思います。そんなことを含めてまた検討いただければと思います。

○佐々木(敏)構成員 1つだけ補足をよろしいでしょうか。

 重症化予防のところの図に関しましては、表題全てに特に重要なものと掲げておりまして、どのレベルまで図に記載するかによってその量が異なってきます。そして、どこまでをもって重要とすべきかというところが、ボーダーライン上のものはいろいろ難しいところがありまして、重症化予防の先生方は、そこで御苦労をいただいているというところになります。

○中村構成員 先生、ちょっと関係したことを。

○菱田座長 お願いします。

○中村構成員 この図と食事摂取基準の算定が整合していないといけないので、もしプラスだったら、当然目標量を決めないといけなくなるのでしょうが、それが恐らく決められていないというのは、それだけの決め切るエビデンスがないということもどこかに明記されておかないと、図表とおかしくなる感じがします。

○佐々木(敏)構成員 そこに関しましては、中村先生がおっしゃることはごもっともで、そして理想的にはそちらの方向に進めるべきであると私個人は考えております。しかしながら、今回この重症化予防のところは、「参考資料 生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連」という表題にとどめておりまして、参考資料であるということと、関連というところでありまして、食事摂取基準の数値に反映させるということまでを、今回は目途としていないということで、25年版は策定をしたいと考えて、作業を進めてまいった結果、このようなものになったということになります。

○菱田座長 まだいろいろ御意見があるかと思いますが、時間となりましたので、今回の議論はここまでとさせていただきます。また御意見のある方は、直接、事務局のほうに御意見をいただければと思います。

 それでは、今後のスケジュールについて、事務局から説明をお願いいたします。

○河野栄養指導室長 今後のスケジュールについてですが、本日の検討会終了後、関連する学会、具体的には、高血圧学会、日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会、日本心臓病学会には、御意見を伺うこととしております。本日の御議論及び学会の御意見も踏まえまして、次回第6回検討会で報告書の取りまとめを行う予定です。また、その後2010年版の際と同様の手続ということで、使用開始の平成27年7月に向けて、食事による栄養素摂取の基準として、大臣告示を行うこととなりますので、その際には、パブリックコメントを実施する予定でありますことを申し添えさせていただきます。

 次回検討会でございますが、3月14日金曜日、14時〜16時に開催いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○菱田座長 それでは、本日はこれで閉会としたいと思います。熱心な議論をいただきましてありがとうございました。


(了)

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