ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 厚生科学審議会(科学技術部会疫学研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会・臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会) > 第9回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議 議事録(2014年2月26日)




2014年2月26日 第9回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議 議事録

医政局研究開発振興課

○日時

平成26年2月26日(水)12:00〜16:00


○場所

三田共用会議所 大会議室(A〜E)


○出席者

【委員】

福井座長 楠岡座長代理 跡見委員 磯部委員 位田委員
今村委員 川村委員 久保委員 真田委員 新保委員
田代委員 玉腰委員 知野委員 津金委員 土屋委員
直江委員 中島委員 永水委員 花井委員 藤原委員
丸山委員 宮田委員 山縣委員 渡邉委員

【事務局】

小松局長 (文部科学省研究振興局)
板倉課長 (文部科学省研究振興局振興企画課)
伊藤安全対策官 (文部科学省研究振興局生命倫理・安全対策室)
宮脇室長補佐 (文部科学省研究振興局生命倫理・安全対策室)
三浦技術総括審議官 (厚生労働省)
宮嵜課長 (厚生労働省大臣官房厚生科学課)
中山研究企画官 (厚生労働省大臣官房厚生科学課)
工藤課長補佐 (厚生労働省大臣官房厚生科学課)
高江課長補佐 (厚生労働省医政局研究開発振興課)

○議題

1 統合指針(草案)について
2 その他

○配布資料

議事次第 議事次第
座席表 座席表
委員名簿 疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議委員名簿
資料1 統合指針(草案)
資料2 指針各章(草案)の論点概要
資料3 第8回合同会議の意見概要
参考資料1 第8回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議議事録
参考資料2−1 疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議中間取りまとめ(平成25年9月)(概要)
参考資料2−2 疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議中間取りまとめ(平成25年9月)
参考資料3−1 公正な研究活動の推進に向けた「研究活動の不正行為への対応のガイドライン」の見直し・運用改善について(審議のまとめ)
参考資料3−2 厚生労働科学研究費補助金における研究不正への対応について(報告)

○議事

○高江課長補佐(厚生労働省医政局研究開発振興課) 定刻となりましたので、第9回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る合同会議を始めさせていただきます。本日はお忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。今回の会議ですが、門脇委員、児玉委員、後藤委員、祖父江委員、中村委員、計5名の委員から欠席との連絡を頂いています。また、磯部委員、知野委員、渡邉委員からは、遅れて到着されるという連絡を前もって頂いています。また、真田委員と直江委員はいらっしゃっていませんが、間もなく来られるかと思います。

 次に配布資料の確認をさせていただきます。一枚紙で本日の議事次第と、配布資料を記載したものがあります。それに沿って説明させていただきます。まず議事次第、座席表、この合同会議の委員の名簿があります。資料1、総合指針の草案、資料2、指針各章の論点概要、資料3、第8回合同会議の意見の概要を御用意しています。また、参考資料は全部で5点、12-12-23-13-2とあります。

 また、当日配布資料で恐縮ですが、資料226ページ。資料2はページ番号を打ってありませんが、一番後ろから2枚目のページ、この部分についての差し替えを机上配布させていただいています。また、委員の先生方の所には、参考資料集を紙ファイルで置かせていただいています。前回までの会議資料については、事務局席に備えてありますので、何かありましたらお申しつけいただければと思います。資料の過不足等は大丈夫でしょうか。

 それでは、審議の円滑な実施のため、写真撮影等はここまでとさせていただきます。以降の議事進行は福井座長、よろしくお願いします。

○福井座長 それでは、議事に入りたいと思います。本日は4時間も取ってありまして、お手元の資料1は全部で38ページありますが、前半は前文から第4章、21ページ分についての検討と、できましたら間で10分か15分の休憩を入れた後、残りの第5章から第9章までの、後半についての検討を進めたいと思います。

 では、事務局から指針案の構成について、前文から第4章まで説明をお願いします。

○工藤課長補佐(厚生労働省大臣官房厚生科学課) それでは、お手元の資料1から、まず表紙の記載しております表題についてご説明いたします。昨年9月の中間取りまとめ以来「人を対象とした医学系研究」(仮称)と記載していますが、これについては事務局でも、まだ1つの案に絞り込むことができず、脚注で記載してあるような形で、中間取りまとめで示された見直しの方向性に沿って、検討する必要があるものと考えています。本日のところは、この仮称のまま、案文のご検討を先に進めていただければと考えている次第です。

 続いて1ページ目から3ページ目までが目次となっています。全体の構成については、前回、昨年1213日に開催した合同会議から変わっている点としまして、2ページ目の第6章と第7章の間に「試料・情報の二次利用等」という章を、12月の時点では記載してございましたが、それについては第5章の中で、試料・情報の二次利用に関する規定も盛り込んで整理することができましたので、試料・情報の二次利用の章は独立した形では設けずに、以降の「重篤な有害事象への対応」「研究成果の信頼性確保」といった章が、番号を1つずつ繰り上がりまして、第7章、第8章となっている次第です。

 続いて資料14ページ目の前文と、次のページの第1章の第1「本指針の目的及び基本方針」の案文です。これらについては、前回の合同会議で案文としてお示ししまして、その際に御指摘いただいた点のほか、今回初めてお示しする第1章第2以降の案文を作成する過程において、委員の先生方から頂いた御意見なども踏まえまして、更なる記載の整備を図ったものです。前回の合同会議でお示しした案文からの変更については、資料22ページ目と3ページ目に赤字、見え消しで変更箇所が分かるような形でお示ししておりますので、適宜、御参照いただければと思います。

 では、続いて第1章の第2以降の説明に入ります。第2「本指針の適用範囲」においては、「他の指針との適用範囲に含まれる研究は、第一義的には本指針の適用対象としない」ということとしつつも、「必要に応じて適宜、本指針の規定を参照することができる」といった旨の規定を置いてあります。この点に関しては、5ページ目の脚注※2に記載しているように、例えばヒトゲノム・遺伝子解析を含む研究について、ゲノム研究倫理指針の適用範囲にそれは含まれるわけですが、ゲノム研究倫理指針の方で対応できない事項について、本指針の規定を参照できるといったようなことを、ガイダンスで示すこととしています。

 これらについては前回の合同会議で、概要としてお示しした内容に基づくものでして、現行と同様に適用される指針を、いわば平面的に区分けするスタイルですが、将来的には本指針の方を基本部分として、他の指針を上乗せという形で整備されていく可能性も考慮しますと、現時点において他の指針の適用範囲に含まれている研究であったとしても、本指針の適用の方が基本となり得るような形で規定しておく、といったことも考えられるかと思います。こうした点も含めて、御検討・御議論いただければと存じます。

 次の第3「用語の定義」に関して、前回の合同会議で御指摘いただいた点のほか、こちらについても案文の作成過程において、委員の先生方から頂いた御意見も踏まえて、定義の案文をお示しています。

7ページ目の(2)「侵襲」の定義について、身体的・精神的な負担と危険、いわゆるリスクを包括して規定する(1)と、侵襲、それ自体については身体的・精神的な負担の部分のみと定義をしつつ、第2章以降の規定における場合分けにおいては、リスクも加味したものとするという(2)の、2パターンをお示ししています。

 本日の資料1では、前文ですとか、あるいは脚注の部分も含めて、(1)の方の定義に基づいた記載となっていますが、御議論いただきまして、仮に(2)の方を採用することとなった場合には、次回の会議までに該当部分について、所要の記載の整備を図りたいと存じます。

(3)の「介入」について、前回の合同会議では(1)(2)という形で2パターンをお示したもののうち、(2)の方をベースに追加記載を図ったものです。

(4)「試料・情報」については、前回の合同会議では試料について、人体から取得されたものに限定しないという案をお示ししたところですが、御指摘を踏まえて、試料については「人体から取得された試料」のみとするという形で整理をしています。

 次の(5)「既存試料・情報」については、前回の合同会議では○1、○2の内容を包括した形での定義規定案をお示ししましたが、こちらも分けて記載した方が分かりやすいとの御指摘を踏まえて、記載をそのようにさせていただいています。

(6)の「研究対象者」の定義については、前回の合同会議でお示しした案から、インフォームド・コンセントを受けようとする側が、必ずしも研究者等に限られないことから、○1の括弧内の記載を整備しまして、また、○2の記載について、「既存試料・情報の由来する人」としてはどうかという御意見も頂いたところですが、なるべく他の部分の規定で用いている書き振りで統一してまとめていくほうがよいであろうということで、「既存試料・情報を取得された者」と記載をさせていただいている次第です。

8ページ目の(9)「試料・情報の収集・分譲を行う機関」ですが、前回の会議では「試料・情報の収集・提供を行う機関」と表記をしていました。しかしゲノム研究倫理指針の方での「試料・情報の収集・分譲を行う機関」に相当するものでありまして、なるべくそちらの記載ぶりとの整合性を図った方がいいとの御意見をいただきましたので、「試料・情報の収集・分譲を行う機関」と記載をしています。

(10)「研究者等」について、こちらは現行の両指針における「研究者等」の定義規定を踏襲して、研究者等に研究機関の長も含むという形での規定となっていますが、第2章以降において、例えば「研究責任者への報告」といった規定について、文意からしますと明らかに研究機関の長は含まれない規定ででも「研究者等は」と記載しているなど、まだ整理が間に合っていない部分がございます点を、御容赦いただければと存じます。

(12)「研究機関の長」ですが、前回の合同会議以降、事務局においての案文作成の過程において、こちらは新たに定義を置くこととしたものです。現行の疫学研究倫理指針における「研究を行う機関の長」、臨床研究倫理指針方では「組織の代表者」に相当するものです。

(14)「インフォームド・コンセント」の定義については、前回の会議でお示ししたものから内容的に変わっていませんが、1行目に「研究対象者又はその代諾者等」について、以降、「研究対象者等」と表記する旨をここで記載しているので、第2章以降、「研究対象者等」と記載してある部分には、代諾者等が含まれている内容ですので、御留意いただければと思います。

(17)「個人情報」の定義について、個人情報保護法における定義との整合性を図りつつ、本指針の対象となる研究においては、死者について特定の個人を識別できる情報が取り扱われることが少なくないことにかんがみまして、死者についても含めて言う場合の表記として、10ページの上から12行目に記載しているように、「個人情報等」という表記を行うこととしています。

(21)「有害事象」のうち、「予測できない重篤な有害事象」について、前回の会議では「予期しない重篤な有害事象」と表記していましたが、判断に主観的な意味合いを排除するという観点から、薬事法に基づく副作用等の報告で用いられている「予測できない」という書きぶりに改めています。「用語の定義」までについては以上です。

○高江課長補佐 続きまして11ページ、第2章の「研究者等の責務等」について御説明します。研究者等の責務については、前回の会議で御紹介させていただきましたとおり、今回、研究者の責務と実施にかかる手続が混在していたものを、きちんと整理させていただきまして、概括的な責務をこの章で記載させていただき、また、それぞれの手続論については第3章以降にまとめ直したという形にさせていただいています。

 まず第4の「研究者等の基本的責務」ですが、2つ項目がありまして、1つ目が「研究対象者等への配慮」ということで、インフォームド・コンセントを受けなさい、相談・問合せに対応する、業務上知り得た情報を漏洩してはいけない。また、人権を尊重する観点から、重大な懸念が生じた場合には、長と責任者に報告するという形で置かせていただいています。

 また、前回の会議において、研究の質の担保についての責務の必要性について、御指摘を頂いています。それも踏まえて、2つ目として、「倫理的妥当性及び科学的合理性等の確保」として、研究計画に従って適正に研究を実施すること。また、倫理的妥当性・科学的合理性を損なう、若しくはおそれがある情報を知った場合の、研究責任者への報告。また、そういった情報を知った場合に、責任者と研究機関の長への報告を置いています。3つ目として教育研修ですが、先立って教育研修を受けるとともに、継続して適宜受けるということを記載しています。

 第5「研究責任者の責務」ですが、ここも3本立っていまして、まず1つ目が研究計画の作成、あと研究者に対する遵守徹底です。まず研究計画を作成して許可を受ける、変更のときも同様にする。また、研究責任者は計画作成に当たりまして、負担と危険を最小化する対策を講じなければいけない。また、侵襲を伴う研究であって、通常の診療を超えた医療行為を伴うものを実施する場合には、補償を行うための保険その他の措置を講じること。また、研究に関する情報の公表の規定。更に研究が適正に実施され、信頼性が確保されるように、関係者の指導管理という責務を置いています。

2つ目が「進捗状況の管理・監督及び有害事象の把握・報告」です。まず研究の適正な実施、信頼性を確保するための情報収集と検討を行うこと。また、研究の倫理的妥当性・科学的合理性を損なう、又はおそれがある場合の対応。更に研究の実施において、期待される利益よりも危険が高い場合、若しくは十分な成果が得られた場合に、研究を中止・終了する規定。4つ目として、重篤な有害事象への対応。5つ目として、有害事象発生状況時に、研究機関の長に報告する規定。また、次は13ページになりますが、他の研究機関と共同で研究する場合の、情報共有の規定を置いています。

3つ目として、これは以前の指針にもありますが、通常の診療を超えた医療行為を伴う研究を実施した場合の対応として、研究対象者が最善の予防、診断、治療を受けることができるよう努めなければいけないという規定を置いています。

 第6、「研究機関の長の責務」です。ここは4つ柱がありまして、まず1つ目が総括的な監督ということで、最終責任は長が負うこと。また、研究対象者の生命、健康、プライバシーを尊重して研究が実施されるよう、関係者に周知徹底をすること。また、一部業務について、単に委託して研究する場合の項目を置いています。

2つ目のまとまりが体制・手続の整備でして、1つ目が相談、問合せ窓口の設置。2つ目として、補償その他の措置が適切に講じられることの確保。3つ目が情報・研究結果等に関する情報の公開について。また、(4)として、この指針に実際適合していることの、自らの点検評価と適切な対応を求めること。5つ目として、研究者等が教育研修を受ける機会を確保していただくこと。また、6つ目として、これは研究機関の長が定められた規定において、権限、事務を適当な者に委任することができるという規定を置いています。

3つ目として研究の許可ですが、責任者が研究計画を実施、若しくは変更の許可を求めた場合には、倫理審査委員会に意見を求めること。また、研究の継続に影響を与えると考えられる情報があったときの対応について、規定をしています。

4つ目が大臣への報告ですが、この指針に適合していないという場合に、その適合していない程度が重大であるときには、厚労大臣、若しくは文科省の所管の場合には文科大臣に報告して、公表しなければならない。2つ目として、研究機関における研究が指針に適合しているかどうかの適合性調査について、国が行う調査に協力していただく旨の規定。3つ目として、重篤な有害事象が発生した場合の、厚労大臣への報告の規定を置いています。第2章は以上です。

○伊藤安全対策官(文部科学省研究振興局生命倫理・安全対策室) 引き続きまして第3章、「研究計画」について御説明します。こちらの章については、統合指針において初めて設けられた章でして、これまでの現行指針においては、いろいろなところで規定されていたものを、できるだけ取りまとめて分かりやすく整理したものです。まず第7の「研究計画」ですが、最初に研究計画の作成、変更ということで、研究責任者が研究計画を作成して、長の許可を受けること。2つ目として、研究機関の長は倫理審査委員会の意見を聞きなさいということを書かせていただいています。それから3番目の所で、長は倫理審査委員会の意見を尊重して、許可等について決定しなさいと、このような構成になっています。

 また、今回、他の研究機関と共同して研究を実施しようとする場合についての規定も書かせていただいています。例えば1番の(2)ですが、「研究責任者は、他の研究機関と共同研究を実施する場合には、各共同研究機関の研究責任者の役割や責任を明確にした上で研究計画を作成しなければならない」と書いています。こちらについては、多施設共同研究を行う場合に総括責任者を設ける例が多いということですが、そういった総括していろいろと計画の作成などを行うことができる責任者を選任できる旨を、ガイダンスでお示しさせていただきたいと思います。

 また、2番の(2)では、研究機関の長は、やはり共同研究を行う場合に他の共同研究機関における倫理審査委員会の審査状況など、必要な情報について自分が見てもらう倫理審査委員会に提供すること。それから(3)においては、研究機関の長は、共同研究における計画を一括して審査するよう、倫理審査委員会に求めることができるという規定も置かせていただいています。

 次に第8、「研究計画書の記載事項」です。こちらは、第8(1)で一般的な研究機関の記載事項を書かせていただいています。そして次の(2)17ページの方では、いわゆるバンク、アーカイブにおける記載事項を書かせていただいています。今回、この統合指針本体に書いている記載事項は、全て義務付け事項を書かせていただいていまして、任意的な事項はガイダンスでお示しする構成にさせていただきたいと思っています。

 この記載内容については、現行の指針における記載事項を一通り規定させていただいています。また、この会議において、例えば研究対象者に関係する研究結果などということについて、記載しておいた方がいいという意見も出ましたので、そのようなことも踏まえて、いろいろと書かせていただいています。

 例えば第8(1)の所で、前半の方に書かれている記載事項については、これは全ての研究において書いてくださいということを想定しています。また、17ページの○12からですが、こういった特定の要件に該当する場合というようなことを、後半の方でいろいろと記載事項として整理させていただいています。この辺については先生方から、これは別に任意事項でもいいのではないか、あるいはもっとこれを記載すべきだと、こういった御意見を言っていただければと思うのでよろしくお願いします。

 次に18ページの第9「研究に関する登録・公表」ということでして、これは現在の臨床指針にも書かれているものですが、それをベースにして、軽微な侵襲を除いた侵襲を伴う研究であって介入を伴うものについては、大臣の指定する公開データベースにおいて、研究の概要、研究結果、あるいは研究計画が変更した場合や、研究の進捗に応じて適宜更新する、こういったことを義務付けています。

 また、2番の「研究結果の公表」で、その他の情報についても、これは全ての研究を対象にしていますが、できるだけ研究結果を公表しなければならないということを書かせていただいています。第3章は以上です。

○高江課長補佐 続いて第4章、「倫理審査委員会」の章を御説明します。まず第10「倫理審査委員会の設置等」です。18ページの下の部分ですが、まず設置の要件として、設置者が○1から○3の要件を満たしていなければならないということで、○1が審査に関する事務を的確に行う能力、○2は次のページですが、継続的に運営する能力、○3として、中立的かつ公正に運営する能力。この3つを掲げさせていただいています。

 ただ、これだけですとかなり蓋然的で、具体的なものがないと、なかなか的確性を判断できないということもありますので、それについては19ページの下にありますが、それぞれガイダンスの方で、詳細について考え方を示したいと考えています。

2つ目としては、倫理審査委員会の設置者の責務ですが、まず手順書を作成して、業務を行わせるということ。また、2つ目として、これは前回の御指摘もありまして、新たに入れ込んでありますが、倫理審査委員会が審査を行った、その審査の資料の保存の規定です。第8章の所で、資料・情報等についての義務を書かせていただいていますが、この倫理審査委員会の資料についても、当該研究の終了が報告された日から5年を経過した日まで、適切に保管するという規定を、新たにここに書き込ませていただいているので、これについていろいろ御議論、御意見を頂ければと考えています。

 また、3つ目として、あらかじめ手順書、委員名簿を大臣の指定する方法で公表する。また、設置者は審査の概要、会議の開催状況についても公表する。あと人権、知的財産等の関係で、非公開にする場合はこの限りでないと規定しています。

4番目として、設置者は倫理審査委員会の委員、又は事務局に対して、教育研修を受ける措置を講じなければいけないことを規定しています。5つ目として、こちらは指針適合性に関する、厚生労働省が行う調査に協力する義務を置いています。

 第11として、「倫理審査委員会の役割・責務等」です。まず(1)として、こちらは研究機関の長から、研究実施の適否について意見を求められた場合には、倫理的観点及び科学的観点から、利益相反に関する情報も含めて、公正かつ中立的に審査を行い、意見を述べるとしています。また、この意見を述べた研究の適正性及び信頼性を確保するために、研究機関の長に対して計画の変更ですとか、必要な意見を述べることができる規定を置いています。

 また、3つ目としては、業務上知り得た情報の漏洩は、してはいけない旨の規定を置いています。4つ目として、委員又は事務局に関して、教育研修を受けなければならないということに、させていただいています。最初は年1回以上で御提案を差し上げましたが、そこの所はいろいろ現況も踏まえて、継続して適宜教育・研修という形で、詳細についてはガイダンスの方で示させていただくという形にしています。

2番目ですが、構成要件と成立要件です。前回の会議で、成立要件についても規定すべきではないかという御意見がありましたので、この構成要件として、○1から○6までの要件を置かせていただいていましたが、この要件を審議の際の成立要件にも当てはめるという形にさせていただいているので、いろいろ御議論いただければと考えています。

 また、2つ目として、審査の対象となる研究の実施に携わる研究者等は、審査若しくは意見の決定に参加してはならない。ただ、求めに応じて説明を行うことはできるという規定を置いています。

 次の21ページですが、研究機関の長は、倫理審査委員会の審査の内容を把握するために、必要な場合は出席ができるという規定を置いています。4つ目として、小児・障害者等、社会的弱者を研究対象とする場合には、そういった方に関して見識を有する者に意見を求めなければならないという規定を置いています。また審査の対象、内容に応じて、有識者に意見を求める規定。6つ目として、原則は全会一致。ただ、全会一致が困難な場合には、出席委員の大多数の意見により、それを倫理審査委員会の意見とすることができるとしていまして、採決には大多数、過半数程度では不可であると。また、手順書にその旨をきちんと事前に決めておくことなどを、ガイダンスで示そうとしています。

 また、3つ目は迅速審査の規定ですが、前回申し上げたとおり、付議不要も含めて、この迅速審査の中で取り扱うという形にしています。また、前回御指摘がありましたが、迅速で不可と判断された場合は、通常の審査に振り分ける、再審査はいらないという旨を、ガイダンスで示させていただこうと考えています。

4つ目として、他の研究機関が実施する研究に関する審査についての規定ですが、審査の対象となる研究の実施体制、他の機関の体制についても十分把握した上で行うこと。また、2つ目として、一度審査を行ったら、その後もきちんと継続して行わなければならないという旨の規定を置いています。

 これで前文から第4章までの、前半の御説明を一通りさせていただきましたので、御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

○福井座長 最初の、前文から第1章、10ページまでの内容についての御意見を伺います。4ページの「前文」の所について御意見はありますでしょうか。

○位田委員 やや細かい点なのですが、前文の8行目、第2段落の1つ上です。「人間の尊厳及び研究対象者の人権」と書いてあります。確かにこれはそうなのですが、恐らく臨床研究ないし疫学研究の影響という観点からすると、対象者だけではなくて、その他にも人権の保護について配慮する必要がある場合もあり得るだろうと思います。ここは「研究対象者の」というのは削っていただいて、「人間の尊厳及び人権が守られなければならない」という方が適当です。例えば家族とか、同じ病気の人とか、そういう者に対する影響はあり得ると思うので、対象者に限るというのは余り良くないのではないかと思います。

○福井座長 この点について何か御意見はありますか。なければその方向で、次の資料作成のときに訂正をお願いできればと思います。他にこの「前文」についてはいかがでしょうか。またいつでも戻ってきますので、思い付いたところで御発言いただければと思います。次に5ページの第1章「総則」の第1と第2の途中までになりますが御意見ありますでしょうか。

○藤原委員 前々回ぐらいで御指摘したと思いますが、下の方の脚注3の所で、「医薬品の市販後調査の実施の基準に関する省令」と書いてあります。これは平成9年の省令です。現行は平成16年のGPSP省令で多分根拠になっているものが違っているのではないでしょうか。前回私が会議の中で問題にしたのは、GPSP省令に従って行う製販後調査の中身が参加される患者さんや、被験者の方々に介入度の度合いとか、侵襲の度合いが強いような製販後調査、製販後臨床試験ではない普通の調査なのですが、アカデミア主導の臨床研究でやると介入とか、侵襲の度合いが強いと判断される場合であっても、漫然と製薬企業がそのような製販後調査をやっていることが多いといいものです。GPSP省令の製販後調査の項では厳しく規定していないのに、臨床研究倫理指針の方で厳しく規定されているという齟齬があると困るので、それを踏まえて、この前も、ここの会議だけではなくて医薬局でお願いしたいと言ったのですけれども、GPSP省令で調査についてもちゃんとインフォームド・コンセントを課すとか、GCP並みとか、あるいは臨床研究指針並みの規制をしていただきたいというお願いを、もう一遍リマインドでお願いします。

○福井座長 先生がおっしゃったことは了解いたしましたけれども、このページの文言のどこに。

○藤原委員 ここの引用が、多分平成16年の省令なので。

○福井座長 そこを変えるということでよろしいでしょうか。他にはいかがでしょうか。

○楠岡座長代理 3の所が「薬事法」になっているのですけれども、法律の名前はこのままでよろしいのですか。

○福井座長 「薬事法」という名前ですね。

○楠岡座長代理 名前が変わりましたよね。

○工藤課長補佐 まだ、ご指摘のとおり、「薬事法」を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法)に改称する改正法が成立していますが、まだ改正法の施行がされておらず、「医薬品医療機器等法」になるのは施行されてからということで、現時点においては「薬事法」という記載になります。

○楠岡座長代理 現時点では「薬事法」のままでということで、分かりました。

○福井座長 他にはいかがでしょうか。

○位田委員 第1章の第2の「適用範囲」なのですけれども、先ほど説明があって、平面的に住み分けのような表現を使われたのですが、「ただし」以下ですけれども、「他の指針の適用範囲に含まれる研究については、必要に応じて適宜、本指針の規定を参照することができる」と言ってしまうと、参照しなくてもよくなってしまうので、案文を考えてみました。例えば、「1つの研究で複数の指針の適用範囲に含まれる研究においては、本指針以外の指針を適用した後に、当該指針に規定のない残余の事項については本指針を適用する」と。だから、1つの研究の中にゲノム研究と、ゲノムを使わない部分がある場合には、そのゲノム研究の部分についてはゲノム研究指針を使い、それ以外の部分についてはこの臨床研究の指針を使わなければならない。そうでないと、ゲノム研究以外の部分は何も指針に従わなくてもよくなってしまうので、この指針の適用範囲の問題はそういう趣旨ではないだろうと。前から、2つ以上の研究の内容が、1つの研究計画に入っている場合には、当然2つの指針が、それぞれの部分で適用されるのだという話は出ていたと思いますので、そのように。「参照することができる」という話だけではちょっとうまくいかないかなと思います。もう一度申し上げた方がよろしいでしょうか。

○福井座長 もう一度お願いいたします。

○位田委員 これが良い案文であるかどうかは余り自信はありませんが申し上げます。「1つの研究で」、若しくは「研究計画で」と言った方がいいかもしれません。「1つの研究で複数の指針の適用範囲に含まれる研究においては、本指針以外の指針を適用した後に、当該指針に規定のない残余の事項については本指針を適用する」。

 もう一回申し上げます。「1つの研究で複数の指針の適用範囲に含まれる研究においては、本指針以外の指針を適用した後に、当該指針に規定のない残余の事項については本指針を適用する」。法律家も何人かおられますので、この規定で適当かどうかをちょっと。

○工藤課長補佐 頂いた御意見を踏まえ、ご提案頂いた案文をもとに修正案文を事務局で作成し、次回お示しさせていただきます。

○福井座長 委員の先生方から何かありますか。

○田代委員 今の位田先生の御提案ですが、ゲノム研究であっても、指針にうまく規定されていないものについてはこの指針でみるということで、私もそちらの方がいいと思います。将来的には、この指針が基本的な土台となって、上乗せ部分を特異的な指針が見る形を目指すということでいいと思います。

 ただ1点、繰り返し申し上げているのですが、その際にいたずらに別々の委員会で審査する必要はなく、1つの委員会で審査できるということを、ガイダンスとして出していただきたいと思います。そうしないと、1つの研究計画をバラバラにして、部分ごとにいろいろな委員会で見るという、ちょっとおかしなことを推進してしまうので、そこはガイダンスで書いていただければと思います。

○福井座長 よろしいでしょうか。

○楠岡座長代理 今の位田先生の御意見だと、こちらの指針の方が多分範囲が広いので、より特異的な指針をまず適用して、残りの所はという話にはなると思うのです。しかし、指針間に優劣を付けるような形で案文を記載した方がいいのか、双方同等とし、手順として特異的なところは先に片付けて、残りの所はこの指針でというように、ガイダンスレベルで示すのがいいのか。最初から指針の優劣というか、どちらを先にというのを規定してしまうのは、かえって問題にならないかという点を危惧するのですが、その辺はいかがでしょうか。

○位田委員 私は、先ほど田代さんもおっしゃいましたけれども、要するにこの指針が一番広い指針でベースになって、上乗せと表現されたと思うのですが、それぞれゲノムならゲノム、ヒト幹細胞ならヒト幹細胞と、特異的な部分は一応その全体をカバーするように、その研究全体をカバーするように指針が出来上がっていますので、それをまず適用していただく。

 そこが優先かすると言っていいのか、若しくは例外としてと言っていいのかよく分かりませんが、基盤になるのはこの指針で、個別の研究計画について特異的な部分は特異的な指針をそのまま適用する。そういう意味では優劣を付けるという表現を使ってもかまわないと思いますが、そのように思っています。

○楠岡座長代理 それであれば、先ほど説明のときにもこの指針が人に関する研究の基本の指針であるということをおっしゃっていたので、そのことを序文かどこかに明示しておいた方がいいのではないか。そうであれば、今おっしゃることは非常にはっきりすると思います。

○位田委員 ある意味では、最低限この指針に書いてあることは守れよという話で、その他は上積みの条件が付いているということです。

○福井座長 私も、その順番の所をここに書いてしまうと何となく違和感があります。そのことも含めて次回事務局案として出していただくことにしたいと思います。

○丸山委員 今の位田先生の案を伺って、私も同じ趣旨の文案を出しますので御検討いただければと思います。「他の指針が適用される研究についても、当該指針に規定がない事項については本指針を適用する」辺りでいかがでしょうか。

○位田委員 分かりやすいですね。

○福井座長 他の項目についてはいかがでしょうか。6ページの第22の「日本国外において実施される研究」、それから第3の「用語の定義」の所はいかがでしょうか。

○津金委員 適用範囲の方なのですが、○3の「既に連結不可能匿名化されている情報のみ用いる研究」が指針の対象としないと書いているのですが、「この世の中で対応表が存在していない研究だけを規定する」というように、あえて下の4の所に書いているわけです。例えば10ページの(21)においては、「対応表を保有しない場合は、当該研究機関においては個人情報等を含まないものとして取り扱って差し支えない」と書いてあります。いわゆる個人情報でないものだけを扱って研究することが、果たして本当に指針の適用を受けなければいけないのか。

 例えば、コホート研究のプール解析を想定します。個々のコホート研究はみんな指針に準じてIRB承認をきちっと取ってやっていますけれども、匿名化されたデータを集めて、それを解析するときに、これが新たにまた倫理指針の適用であるというイメージはなくて、そういう事例は他にもたくさんいろいろあると思うのです。例えば国民健康栄養調査の連結をしたデータが厚生労働省にある。そのデータをもらって解析するようなときに、本当に指針を1から適用して、プロトコールを立てて、IRB審査を受けなければいけないのかということに疑問を感じました。

○福井座長 これは、自らの研究機関において対応表を保有しない、という所にも当てはまらないというケースですか、最後におっしゃった所は。

○津金委員 保有しないときには○3に含まれない。○3に含まれないということは、要するに除外されないということですよね。自らの研究機関において対応表を保有しないということが○3に含まれないということは、自らの研究機関において対応表を持っていなくても、、ここでは連結不可能に該当しないと言っているわけです。

○福井座長 この点についてはいかがでしょうか。

○工藤課長補佐 ちょっと分かりにくいかと思うので補足させていただきます。津金先生がおっしゃられているのは、本指針の適用対象としないものについて、○3「既に連結不可能匿名化されている情報のみ用いる」と規定している一方、連結可能匿名化で対応表を保有しないものについては、個人情報は含まないものとして取り扱って差し支えないとしているいうことで、本指針の適用範囲ではあるものの、種々の手続等は簡素化というか、簡略化できる形になっている点について、いっそのこと適用範囲対象にしない方に整理してはいかがかとの御提案と承るのですが。

○津金委員 そういうことです。要するに、個人情報を用いない研究なので、ヒトを対象とした研究の指針の適応と言えるのかということです。

○工藤課長補佐 ○3の部分は、現行指針の規定を踏襲した部分ですので、今回見直しに当たって、そこも含めて見直すかどうかという点については、新たに御議論いただくことになると思います。

○福井座長 いかがでしょうか。花井委員どうぞ。

○花井委員 最終的にはインフォームド・コンセントの関連でも出てくるのですけれども、連結可能匿名化の場合に、研究機関の方で連結できるものを持っていない場合でも、実際の現場では共同研究とかで、連結できるものを持っている施設の人が共同研究者に入っていたりする場合もあって、そのときに研究としてはこれを連結しないというデザインのときに、例えばもう1つ協力している機関にいる人は簡単に連結できる。実態としてできる状態にあるときとか、そういう細かな事情があるので、ガイダンス等々で、どちらでもいいのですけれども、等々で連結可能匿名化の場合に、事実上連結可能な施設の人が共同研究に入っている場合はどうするかとか、そういうところも定めておいた方がいいかと思います。それはガイダンスで示すかどうかです。

 連結可能、不可能というのは、全く全部消してしまえば不可能で問題はないのですけれども、可能な場合はその取扱いによってできる、できないということが細かにいろいろな研究のスタイルによって事情が変わってくる場合もあるので、そこはある程度ガイダンス等々で整理していただくような形も含めて御検討いただけたらと思います。

○福井座長 川村先生はいかがですか。

○川村委員 津金委員が言われたことは、メタアナリシスに関することだと思います。メタアナリシスも2種類あって、集計値のみが提供されて、それで再分析を行う場合と、個別のデータの提供を受けて、それを元データのレベルから再解析する方法と2つあります。前者は直接には個人データを扱わないので、微妙な問題は含まないのですが、個人データの提供を受けて再度分析する場合は、提供を受ける段階では匿名化はされていると思いますけれども、元の所に返れば連結可能と。それをどう扱うかということが1つです。

 もう1つ別の話で問題になるかと思ったのは、例えば健保組合などが自分の所の組合員のデータを集約して研究者に提供するようなことが行われます。その際も同じように、倫理指針の対象としなくてもよいのかという問題が発生するので、そこはこの委員会で議論しなければいけないと考えています。

 もう1つは、学会などで学会員の施設から提供を受けて、学会としてデータベースを作った場合に、それを特定の学会内の委員会で分析するという事例がかつてありました。そのときも連結不可能匿名化のみとしてよいかどうかというところが引っかかりました。非常に悪意があれば、ダミーを使って連結不可能匿名化データを作らせて、それを研究者が受け取って分析することもできなくはありません。その辺りをここの委員会で方向性を検討する必要があるかと思います。

○福井座長 結局、連結不可能というのは、どのレベルでの不可能なのかということですね。定義は簡単ではないと思います。丸山委員どうぞ。

○丸山委員 津金先生が最初に問題提起されたところなのですが、川村先生がおっしゃった、提供元ではまだ連結可能になっている状態の試料を用いて、提供先で研究をするような研究について審査をするとしても、指針の適用があるとして審査の対象になるとしても、迅速審査のような形で処理されると思うのです。それでも審査を受けるのは煩瑣だというような実情があるのでしょうか。

○津金委員 現実問題として、そういうときには、個別の研究が審査を受けているということを書きながら論文にしているケースを多くみます。それをやらなければいけないとなると、やはり大変になるかもしれません。

○丸山委員 その点は事務局から指摘がありましたように、疫学指針の当初からこの形で定めてきたので、今は元が連結可能で、研究者側は連結不可能、対応表なしというのについては適用ありとしており、適用外ということにすると、ルールを変更するということですよね。ですから、やはり検討することが必要ではないかと思います。

○津金委員 いろいろなレベルはあると思うのです。本当にデータだけを解析するというのはよくあることなので、そのデータだけを解析して論文を書くというのに、いちいち研究計画書を書いて倫理審査を受けるというのは、研究に対してアゲインストの方向になるかとは思います。もちろん、先ほど言われたようにそこが余りにも近いところで、容易に連結可能であるところのデータを扱うという意味においては、もちろんきちっと手続を経た方がいいと思います。

○福井座長 この点についていかがでしょうか。山縣委員どうぞ。

○山縣委員 この前提が、多分連結可能匿名化で、それを他施設に持っていったときに、そこでその対応表を持っていないという前提が、IDに関してはその対応表を持っている所と同じIDがくっ付いたデータを持っていることが前提に、これまでずっと話をしてきたと思うのです。つまり、それは遡れると。だけど、渡す時点で、IDを完全に外してしまうことによって、本当にそれは対応表を持っていたとしても、その個人を同定できないデータになって、解析する場合はそれで十分なわけです。そういうものを本当に対象にしなければいけないのか。

 これまでゲノムなどでも、バンクにしても、そういう所というのはもう一度また追加の情報を得るということが常に前提になっていた話があると思うのです。今のメタアナリシスの場合というのは、それは基本的にはそこで完結する話と考えると、やはりちょっと違ってくるのかなという気はします。

○福井座長 いかがでしょうか。

○津金委員 思い出しました。確かに渡すときに、基本的にはある意味で全く違うIDで渡しているので、その意味では完全な連結不可能匿名化と言えるのかもしれないです。

○位田委員 質問なのですが、その元のIDと違うIDを付けるという意味ですよね。そうすると、元のIDと違うIDの対応表というのはどこかにあるわけですか。

○津金委員 廃棄してしまえばいい。

○山縣委員 津金先生、そういう形であればいいわけですね。

○津金委員 そうです。

○福井座長 IDのまま渡すということが頻繁に行われていたのでしょうか。私自身は、全然違うIDをつけて、それを渡すものと思っていたものですから。

○山縣委員 恐らく、ゲノムのときにも追加の情報、要するに臨床データとかは後で追加されてくるので、それが前提となって、連結可能匿名化であり、それが外に出されたときにはそれを持っていないので、誰のものか分からないけれども、もう一遍それは追加できるということがあの指針の中でも前提になっていたと私は理解しています。だから、その対応表を持っているか持っていないかです。

 今の場合は、そういうものもなくしてしまうことによって、ひょっとしたら大元も対応表を持っていないという枠組みに入れることができるというふうにはなりませんか。

○位田委員 要するに、その対象者に遡ることができない、いかなる方法を持っても遡ることができないという状況であれば連結不可能と言っていいと思うのです。遡れる場合であっても、対応表を渡さなければ、これも連結不可能というので、同じ言葉が二重の意味で使われるのですよね。

○山縣委員 そう思います。

○位田委員 そこをちょっと整理しないといけないのではないですか。

○山縣委員 そう思います。だから津金先生の場合は後者で対応ができるかという気がしました。

○福井座長 位田先生がおっしゃったような、いかなる手段でも遡れないという意味の、連結不可能の程度をどこかに書き込むということではいかがでしょうか。

○位田委員 1つ気になるのですが、私はサイエンティストでないので間違っていたら訂正していただきたいのです。そのようにしても、もし個別のヒトのデータを扱う場合に、ゲノムデータを扱うときには、本人を同定できる可能性があるという話があるので。

○福井座長 それはありましたね。

○位田委員 これはゲノムの話ですから、この臨床研究では必ずしもそうではないかもしれませんけれども、そこだけが気になります。

○花井委員 私は全く理解していなかったと思うのですけれども、連結不可能というのは絶対に不可能匿名化と、それから、もらった方だけが照合していないのも連結不可能に入っているというのは、整理として私はそうは理解していないのです。やはり、一方に対応表があればそれは可能なのだから、何らかの手段で、やはりそれは連結して別の研究に使いましょうというのが可能であれば、それは連結可能匿名化と整理しなければ。実際の現場を知らないで言っているのですけれども、普通に考えると概念としては理解しにくいです。今までは前提として、もらった方が連結不可能ならば、不可能というので議論が進んでいたのでしょうか。

○位田委員 これは、個人情報保護法との関連もあると思うのです。要するに対応表をある機関が持っていなければ、それは連結不可能と考えましょうという使い方なのです。元の所に対応表があっても、そのデータなり試料を他の機関に移したときに、対応表が一緒に付いていかなければ、渡してもらった機関では連結不可能匿名化として取り扱ってよろしいという言い方だったと思います。

 本来の連結不可能というのは、世の中に対応表が全くなくなってしまったときだと思います。私も、その方が本来の形だと思いますが、今までの指針は、データなり試料なりを渡すときに対応表が一緒に付いていかなければ、受け取った機関では連結不可能として扱ってよろしいと。だから2つの意味で使われてしまう。

○工藤課長補佐 連結不可能として取り扱うのではなく、個人情報を含まないものとして取り扱うということを、10ページの脚注※21に記載させていただいています。その部分で混乱があるのでないかと思います。

○位田委員 でも、結局はそれは連結不可能とみんな言ってきたわけですけれども、細かな表現は別として。

○花井委員 しつこいのですけれども、連結不可能としたものが、連結可能になる局面が生じる可能性があるので、そういう局面をどうするかというふうに整理すればよいという理解でよろしいのですか。

○工藤課長補佐 連結不可能なものから、再び連結可能に戻るということは用語の定義上想定しておりません。要するに、対応表を持たないということをもって、それが連結不可能であるという定義はしておらず、飽くまで個人情報は含んでいないということで取り扱えるということであるにすぎません。対応表を持っていないからといって連結不可能になっているということでは決してないということです。それを混同されないようにしていただければと思います。

 御指摘の○3の現状の疫学指針の規定ぶりが、「既に連結不可能匿名化されている」という形で規定しております。ある研究のため提供する際に連結不可能匿名化した場合は含まず、既にそれ以前から連結不可能、要するに対応表もなく世の中で誰も連結できない形になっているものということで、いわゆる統計データみたいなものを想定して規定されているものと事務局では理解しております。

 「既に連結不可能匿名化されている」を単に「連結不可能匿名化された」とすると、研究用に提供する際にIDを外して、対応表も残さずに匿名化されれば、連結不可能匿名化として本指針の適用を受けなくなります。それで指針対象外としてもよいかどうかも、また御議論いただければと思います。

○花井委員 本当にしつこいのですけれども、事務局の説明だと、IDを外して、受け取った側では連結不可能なものも、連結可能匿名化なのだけれども、それは個人情報として扱わないという説明に聞こえたのですが、それでいいのですか。

○工藤課長補佐 そうです。個人情報は含んでいないと。個人情報は含んでいない情報を用いる研究であるけれども、指針の対象とはなるということです。

○花井委員 飽くまでそれはIDが残っていて、元の施設が持っていれば、それは連結可能匿名化情報だという概念でいいですね。

○工藤課長補佐 そうです。提供した側においても、連結できない形で、ID自体を断ち切ってしまうというか、抹消してしまって提供した場合においては、もともとあった対応表を持っていても連結できなくなっているので、それは連結不可能だと。

○花井委員 はい、分かりました。今の確認は、先ほどの前提と違いますよね。

○位田委員 個人情報を持っていないものとして取り扱うということが、現場では連結不可能匿名化されているものとして扱われているだろうという話なのです。

○津金委員 やはり、「既に」という言葉はなくて、連結不可能匿名化されている情報のみを用いる場合は指針の対象にしない、というようにしていただいた方が現実的ではないかと思います。

○工藤課長補佐 「既に〜されている」とまで限定しなくても、提供の依頼があって連結不可能匿名化された場合も含めて、提供を行った元でも連結できない状態として提供されるなら、それを用いた研究は指針対象外でよいということでこの委員会においてコンセンサスに至るのであれば、「既に〜されている」の所を「連結不可能匿名化された」と見直す方向で案文修正いたします。

○宮田委員 私のおぼろげな記憶なのですけれども、ゲノム指針のときにやはりこの議論があったと思うのです。必ずみんなつまずく所なのです。私の記憶だと、「既に」という概念はなかったと思います。いろいろな指針が混在していますので、ここで議論が行われて、整合性が取られたと考えた方がいいので、そうすると「既に」は要らないと思います。すみません。今、ゲノム指針でも「既に」があるということが分かりましたので、ここで申し上げたいのは、「既に」は今回新たには要らないのではないかということです。

○玉腰委員 研究者としては、確かにその規定は大変使いやすくなるものではあるのですけれども、対象者の同意の範囲だとか、そういうものをどう確認をして、連結不可能匿名化して渡すかという部分については、どこかで説明をしておかないと、今のはデータを頂いたら連結不可能匿名化して使えるということですね。その辺りのことを規定しないで、そのまま行くのはまずいのではないかと思います。

○福井座長 それは、インフォームド・コンセントのレベルでの話でしょうか。

○玉腰委員 インフォームド・コンセントのレベル、あるいは最初の研究計画の範囲から、合理的にこの次の研究に連結不可能匿名化して渡すことの説明が付くかどうかということを、研究者の裁量だけでいけるのかどうか。使う側としてはとても助かるのですけれども、実際にはいろいろな場合が想定されるのではないかということを危惧します。

○楠岡座長代理 もし、○3の「既に」を取った場合でも、注の※4は生きるのでしょうか。もし「既に」を取ることによって、※4も対象になる。要するに施設には対応表が残っているけれども、提供は匿名化されている場合というのは、連結不可能匿名化された情報という扱いになるのですか。

○工藤課長補佐 連結不可能匿名化について「既に」を取ったとしても、連結可能匿名化で対応表を保有しない場合の取扱は変わりません。対応表が提供元で保有されていて、提供元に戻せば連結されてしまう場合には、「連結不可能匿名化」とは扱わないということです。飽くまで、提供先では個人情報は含んでいないという扱いにとどまります。

○楠岡座長代理 そうでないと、ほとんどの臨床研究はみんなこれになってしまいます。ただ、「既に」があるかないかでどこまで変わるのかをはっきりさせておかないいけない。独り歩きすると、インフォームド・コンセントの問題についてとおっしゃったのと、全く同じで、そこのレベルが完全に曖昧になってしまうと思うのです。

○宮田委員 ちょっと訂正させていただきます。ゲノム指針では、「既に」というのはなかったです。疫学指針にはあって、前の臨床指針にもない。ですから、多数決でいうと12の状況にあります。

○福井座長 もし多数決でいうと、では、「既に」を取った案で、他の所との整合性を考えた案を次回出していただくということではいかがでしょうか。

○工藤課長補佐 今、御議論いただいた点も踏まえ、あるいは案文を改めて検討し、「既に連結不可能匿名化されている」を「連結不可能匿名化された」とした場合、これまでの取扱とどう変わるのかということも含め、次回、資料を御用意させていただければと思います。

○福井座長 それでは時間のこともありますので、7ページで。

○田代委員 すみませんが1点だけ。6ページの※7の「医科学、臨床医学、公衆衛生学、歯学、薬学、看護学」の後ろに「介護・福祉」という言葉が入っています。私の理解では、介護・福祉分野の研究をこの指針が明示的にカバーするということは、これまでにも書かれていなかったはずです。科研費の細目でいっても、社会福祉学は、人文社会系に入っていますし、この委員会でも社会福祉士の方を参考人に呼んだとか、そういう方が委員として入っているわけではないので、ここで明示的に書くのはまずいのではないかと思いますので、「介護・福祉」というのは外していただいた方がいいのではないかと思います。

 むしろ、人文社会系の扱いと同じで、今後5年間かけていろいろ周知をしていって、すり合わせをしていく方向で、あくまでも参考にしていただくという方向で考えた方がいいと思います。

○福井座長 いかがでしょうか、事務局から何かありますか。

○工藤課長補佐 事務局側としては、既に現行の疫学研究倫理指針の対象に、介護・福祉の領域の研究も含まれていると認識しています。厚労科研などで、介護・福祉系の研究費を助成する際に、例えばリハビリテーションセンターなどへの研究費交付などに当たって、疫学指針に準拠するということを1つの要件としてこれまでもやってきました。そうした経緯もあって記載しております。

○田代委員 もちろん厚労科研を出すときに、この指針に準拠するようにということを定めるのは構いません。また、リハビリテーションは明らかに「医学系」の中に入ると思います。ただ、ここで「介護・福祉」と言ってしまうと、社会福祉学全般が入ってしまいますので、厚労科研に応募しないような、つまり医療系の研究とは到底言えないような研究を全体として含めることはちょっと無理があるのではないかと思います。

○真田委員 外すのも問題があると思うのです。先生がおっしゃったように、研究の内容自体が、介護というと人の食べる、寝る、出すというような、そして高齢者になると健康に関係しないということがあり得ないので、やはりこれはどこかで担保する必要があるのではないかと思います。

○田代委員 そのとおりだと思うのですが、繰り返し申し上げているように、これは手続的な公正性の問題です。この委員会の委員には社会福祉関係の方は1人も入っていないと理解しています。その中で勝手にルールを決めるというのはよくなくて、将来的に含めていく方向で、例えば今後社会福祉関係の方にも情報提供をしながら、意見をすり合わせていく作業があればかまわないと思うのです。少なくとも、ここには看護とか歯学とか医学系の人たちは全員入っているので、その方たちの意見は入っていると思うのです。それが急に入るということになると、やはり難しいのではないかと思います。

 つまり、社会福祉関係のジャーナルで、必ずしも倫理指針というか、倫理審査を受けなければジャーナルに載せないという規定を持っている所は多くないと思いますので、いきなり今回の改正で明示的に入れるというのは無理があるのではないかと思います。

○真田委員 具体的にどこで審査されるべきだと思いますか。つまり、この方々が看護学のジャーナルに投稿されてこられることも多々あります。

○田代委員 それは、もちろん看護学のジャーナルとして、自分たちのジャーナルとしては倫理審査を義務付けることはやっていいと思うのです。厚労科研とか、研究費との紐付けてやることももちろんあり得ると思います。むしろ、ここで定義されている「人を対象とする医学系研究」の中に明示的に入ってくるような研究をやる場合には、当然どの分野であっても指針によってカバーされるという理解でいいと思うのです。しかし分野の固有名を出して、全体として入るというのは、さすがにいきなりは難しいと思います。

○福井座長 事務局からどうぞ。

○工藤課長補佐 明確化させていただければと思います。ここで「介護・福祉」と記載しておりますが、「介護・福祉」の全体を含むという趣旨ではありません。後ろに記載してあるように、「人体から取得された試料及び人の健康に関する情報を用いる自然科学分野の」ということで、「介護・福祉」であっても、人文系に属するような部分については、この指針の適用対象にはなりません。飽くまで「人体から取得された試料及び人の健康に関する情報を用いる自然科学分野の研究」が基本で、それに該当する介護・福祉の研究ということです。そういう理解の下で、厚生労働省としては既に現行の疫学指針の対象に入っているという理解です。

○田代委員 もちろん「その他」ということに係っているのであれば、当然それは入ると思います。ただ一般的に考えると、「その他」を代表するのがこういうものなのかと言われると、例えばサンプルを使う研究のような生命科学系の方が一般的には多いのではないかと思います。ですので、こういう特出しをした書き方をするのが適切かというのは分からないのですが、今言われたような趣旨がはっきりしているのであれば、それはそれで構いません。

○福井座長 又は、文案がもうちょっと詰められた後で、コメントをいろいろな分野の方に聞くという手続ではいかがでしょうか。そのことについては事務局とも相談したいと思います。7ページをお願いしたいのですが、ここで「侵襲」(1)(2)があります。これについては是非御意見をお願いいたします。川村先生どうぞ。

○川村委員 「侵襲」と、その次に書いてある「介入」については以前から意見を述べさせていただいています。(1)にあるように、侵襲が「負担」と「危険」という概念だとすると、臨床現場で使っている感じと少し異なります。「負担」はburden、「危険」はriskということですが、負担は侵襲とは少し次元の違う別の問題だと思います。危険についてはリスクなのですが、これは現在は起きていないけれども、将来起きるかもしれないことをリスクというのです。侵襲は、現にその行為そのものに侵襲性があるかどうかということになります。

 改めて侵襲ということを考えるとinvasiveという英語の訳になるかと思いますが、入り込むことで、表門から礼儀正しく入っていくのでなくて、門でない所から入っていったり、あるいは門を壊しながら入っていくようなイメージの概念だと思います。臨床の現場では、主に生体を傷つけることという趣旨で使っていることが多いのですが、具体的には穿刺、切開、放射線照射などを指します。

 生体を傷つけること、あるいはそれを少し固い言葉で言うと「損傷」あるいは「傷害を与える」という言葉は、言葉として大げさといいますか、この指針にはあまり適さない言葉であるようですので、大変表現に苦慮して「非生理的作用」という(2)の言葉が出てきました。どこまで許されるか分からないのですが、傷つけるというような側面が主に臨床現場では使われているので、そのニュアンスを採用した良い表現があればと思っています。

 具体的に言うと、例えば非生理的な入り方をするのでも、放射線は細胞傷害性、遺伝子傷害性があるけれども、超音波は非生理的な入り方をするのですが傷害性がないので侵襲がないと言います。その辺りが用語としてうまく表現できないかというところを感じております。

○福井座長 川村先生としては、(2)の方がどちらかというと好ましいということでしょうか。

○川村委員 そのとおりで、(2)の考え方を取りたいのだけれども、言葉として何か収まりが悪いところはあります。

○田代委員 基本的には以前から申し上げているように、医学的な用語と規制上の概念が一致するというのは難しいと思います。ですので、可能な限り近くということでしかないと考えています。ここで(2)とした場合に、「侵襲」という言葉はそもそも要らないのではないでしょうか。つまり、これはイコール「負担」になっているので、こうなってくると「負担・危険」と書いた方がよくて誤解がないと思います。(1)だと、「負担」と「危険」を混ぜて「侵襲」という言い方をしているので、2語のものを1語にするという意味では省略するメリットがあります。(2)になってしまうと、もはや「侵襲」という言葉を言葉の定義として使うよりは、「負担」と「危険」を合わせて、「試料・情報」のような扱いにしているので、それであれば「侵襲」という言葉は要らないのではないかというのが私の感じです。

○川村委員 そういう意味ではなくて、負担とか危険が侵襲を表さないということを問題にしています。(2)というのは、「非生理的」という意味の言葉を代わりに使ったというだけのところで(2)を支持すると言いましたけれども、本来は「生体を傷つけること」とストレートに書くのが妥当だと思います。

○田代委員 私は今回の指針では、この「侵襲」と「軽微な侵襲」という、川村先生がいろいろと定義された用語が、キータームになっていて、規制の強弱をかなり決めていると思うのです。そのとき、基本になるのは研究対象者にどのぐらい負担になったり、危険があったりするのかを考えて決めたはずです。それであれば、無理に「侵襲」という言葉を使わない方がいいのだと思います。

 以前の指針に戻れば、結局「最小限の危険」という言葉が同じことを意味していたわけです。具体的にこの研究が研究対象となる人にどのぐらいの負担やリスクを負わせるものなのかによって、同意であったり、審査の強弱を変えたりするという考え方です。そういう意味でいうと、「侵襲」という言葉がうまく一致しないのであれば、もう使わないというのが良いと思うのです。それがうまくフィットしていないのであれば、どのぐらい負担があって、どのぐらい危険があるのかということで、例えば「最小限の危険」という表現が、ここで先生にお示しいただいているように、基本的には「日常検査レベル」ということで今までずっと使われてきたものですので、それに戻すのが一番すっきりはするのではないでしょうか。

○福井座長 いかがでしょうか。私の意見ですが、リスクは将来起こることについての話で、最小限の危険と言われても分かりにく、重篤な危険と言われても、何となく臨床現場ではフィットしません。やはり、「生体を傷付ける」という、正にその言葉の意味で「侵襲」という言葉を使っていて、「リスク」は別のことを意味しているように思います。。

○川村委員 それに関連して言うと、医学が持つ侵襲性というのがあって、その違法性を阻却するというので、そこのところにインフォームド・コンセントというか、医学研究において大事な点があると。リスクがあるかどうかとか、負担があるかどうかとは少し観点が異なると思います。

○田代委員 私もそれには同意します。ただそうなってくると、ここに精神的なものを入れるのは違和感があります。これまでの指針で侵襲というのは、細則やQ&Aの中では、先生がおっしゃったような、皮膚を傷付けるという意味で使われていたので、それを侵襲としては持ってきて、先ほど言った指針の上下させる判断としてはまた別の尺度になってしまうのかと。そうすると、ちょっとややこしくなると思うのです。そういう意味では、侵襲の中に精神的なものを入れてしまった点でかなり比喩的になっていて、厳密な意味での、いわゆる医療現場での侵襲というのとはちょっとずれてきてしまっているのではないかと思うのです。

○川村委員 心でもトラウマという言葉があります。日本語では心的外傷と訳しますが、あれも侵襲性があるというように医療の現場では使いますので、拡張されていると。もともとは物理的なというか、身体的なものを意味していたのに、現在では心理的なものも含めて侵襲があると。震災で親を亡くした人に対して、その親のことを根掘り葉掘り聞くというトラウマを惹起するようなものも、侵襲があると現場では言っていると思うので、拡大されたという経緯はあります。

○福井座長 もしそうでしたら、(2)1行目の「侵襲」(=身体的・精神的な負担)の所を「心身に及ぼす外傷」という言葉を使ったらどうでしょうか。もし、「トラウマ」というのを、心にも使うとなると、そのまま日本語にすると「外傷」という言葉が当てはまると思います。それが良いかどうか、何か御意見はありますか。丸山委員どうぞ。

○丸山委員 非医学というか、私の個人的な印象だと「外傷」というと、先ほどの「穿刺、切開」という、目に見えて分かるもののようなイメージがあるのですが、今のそれを伺う前の段階で、川村先生がおっしゃった「穿刺、切開、放射線照射」など、それで(2)の最初の文章を続けて「研究対象者の身体又は精神に日常生活で被る範囲を超える非生理的作用を及ぼす行為を言う」というので、侵襲の定義としてはいいのではないかと思います。

 侵襲の概念を使う一番主立った所はインフォームド・コンセントの要件だと思うのです。やはり、インフォームド・コンセントの際の方式を分ける基準として、この侵襲性というのは有用な概念だろうと思います。負担でなくて、刺す、切る、焼くというような所の概念で要件を分けるこれまでのやり方が、それなりに合理性があるのではないかと思います。

○福井座長 「危険」については分けて考えてもよろしいということでしょうか。

○丸山委員 やはり、「危険」は先ほども御指摘があったように、将来のことを含んで、「侵襲」という言葉自体は現時点の概念ではないかと思います。

○宮田委員 お隣に反論するのは難しいのですけれども、その時間の概念をどう取るかによるのだと思うのです。侵襲というのでブスッとやって出血というのは分かりやすいですけれども、それでは半年後、10年後にどういうリスクがあるか。そうすると、インフォームド・コンセントの中で、予測できない重篤な有害事象という概念があるのですけれども、それとリスクという、今、我々が議論しているところが実はリンクしてきてしまいますので、今までの慣習上は尊ばなければいけないので、その慣習上リスクと言った場合は一体何年ぐらいのところを考えて皆さんが議論しているのかというのを、ここですり合わせておいた方がいいのではないか。すり合わせにくいとは思うのですけれども、そうでないとみんなが思っているリスクという概念が、時間の関数であるので、随分人によって違うのではないかという印象を私は持っていました。

○福井座長 いかがでしょうか。放射線と通常の医療行為とは随分違うと思います。

○川村委員 時間という尺度はリスクにはなくて、今か将来かしかないのです。だから今は起きていない、例えば放射線障害は、がんとして出てくるのは将来ですけれども、放射線障害がなぜ侵襲かというと、今DNAを傷つけるからなのです。ただ、目に見える形になるのは先になるだけで、放射線照射は、あくまでも今DNAを傷つける。将来傷つけるわけではない、そこを捉えて侵襲と言います。

○宮田委員 そうすると、リスクの元はそこに発生しているということですよね、どうなのですか。

○川村委員 そうですね、リスクということはどうですかね。

○宮田委員 そこは今おっしゃったことが本当にクリアで、多分そういう二元論で分けられると言える場合もあるのですけれども、実際に見えない侵襲、そこにリスクの元が生じていないとリスクという概念にはならない。しかも、それが個別ごとにどういうリスクでなくて、最終的に疫学的な長い研究で、甲状腺疾患の割合が何パーセントぐらい増大するみたいな言い方ですよね。

○跡見委員 リスクを将来的なものというような定義が今されています。リスクというのはそうではなくて、今あるかもしれませんけれども、リスクマネジメントとか、人が行うことによって生じるものをリスクと言うというような定義もあるので、余り言葉の問題をここで深く掘り下げるというのは不毛のような気がします。

 先ほど川村先生がおっしゃったような、医学で使われている医療の「invasive」というものを、ある研究者たちが念頭に置いて整理した方がすっきりするだろうと思うのです。

○宮田委員 不毛なことはこれで終わりにしたいと思います。今、実はそのリスクを「invasive」に含まれないかという議論をしてみたのです。ですから、それでよければ侵襲ですっきりいくのではないか。それも精神的なものも含めてですけれども、そのように私は思います。

○福井座長 現場では、リスクを侵襲に含むという意識はないです。

○永水委員 医学研究者でない者からなのですが、個人的な印象としては、侵襲というのは、丸山先生や川村先生がおっしゃっていたような、身体に対する接触によって、接触行為自体がもう侵襲に該当して、リスクというのはそれによって、接触行為から生ずる可能性のある結果というぐらいの認識をしておりました。皆様方はどういうお考えでしょうか。

○福井座長 なかなか難しいところですね。

○川村委員 医学的な話だけします。一般社会で使われている概念と少しずれるけれども、起きてしまったことはアウトカムと言います。起きていないことはプログノーシスと言います、予後。プログノーゼとかプログノーシス。プログノーシスの中で良いことはベネフィット、悪いことはリスクと言います。それが医学的に使う定義です。起きてしまったことはアウトカムなので、がんが起きたということが分かった時点でそれはアウトカム、生存・死亡とか、発がん、罹患した、しない。まだ起きるかどうか分からない、見込みの段階のことを予後と言って、それがプログノーシスで、その中に良いことはベネフィットというし、悪いことはリスクという、そういう言葉で医学研究は行われています。

○福井座長 いかがでしょうか。

○田代委員 なかなか付いていけないところがあるのですが、ただ私としてはもし(2)を取るのであれば、侵襲がイコール身体的、精神的な負担だというところはやはりおかしいと言うか、このイコールがやはり成り立たたないのではないかと思います。ですので、(2)の中の定義を見ていくと、当該行為によって、研究対象者にもたらされる危険と書かれているので、恐らく負担も同じような扱いではないのかという気がするのです。今、川村先生がおっしゃった定義でこれが本当に「侵襲」(=身体的・精神的な負担)となっているのかというと、なっていないですよね。そこをクリアにしていただければ。

○川村委員 だから負担とか危険という言葉を使わないで、要するに傷つけることをいい表現で、法令文に馴染む表現で表わしたいと思っています。私の表現では損傷をもたらすこと、インジュリー、ダメージをもたらすことという表現ですが、言葉が少し躍りすぎてしまうというか、物々しくなってふさわしくないとお聞きしているので、表現に苦労しているところです。

○位田委員 こういう規則を作るときに、何らかの言葉を使わないといけないので、恐らくそれを侵襲という言葉で全部含めようとされていると思うのです。しかし現実にこの指針を作ったときに、現場で使っていただかないといけないので、現場の人が現実に使われている言葉をできるだけ使ってここで表現する。そのときに少し長くなってもそれがはっきり分かるような形でないと、規則だからこれで1つにまとめて何々等でいってしまおうというのは、あまりいいやり方でないような気がする。それが1つです。

 それからリスクの問題はこの指針の中にリスク論を入れて今まで議論をしてきましたから、どうしてもそのリスクをどのように日本語で表現するか。負担とか危険等という話が出てくるのだと思うのです。もう1回元に戻って、考え方としてはリスク論を入れてもいいと思うのですが、少し現場の人が最も分かりやすい言葉、日常的に使っている言葉を使って、ここで説明する。それを実際の規則に落としていくというのはいかがでしょうか。

○川村委員 医療の世界の人は侵襲という言葉に何の疑問を持たないので、つまりもう医学生のころ、あるいは看護学生のころからもう嫌というほど聞いていますから、定義をことさらに書けという方が難しいというのが現状です。

○福井座長 現場では全然問題のない言葉ではあると思います。

○丸山委員 繰り返しで恐縮ですが、今、位田先生がおっしゃった前半の部分と川村先生がおっしゃったところも、私が申し上げたところとは抵触していないと思うのですが、先ほどの川村先生の御発言を踏まえて、「侵襲」のあとの括弧などは全部取ってしまって、侵襲の定義として「穿刺、切開、放射線照射等、研究対象者の身体又は精神に日常生活で被る範囲を超える非生理的作用を及ぼす行為をいう」ということで、先ほど川村先生がおっしゃった医学の分野の方はもう侵襲というのは常識的に頭に浮ぶ。それとこの文章は同じことを少し難しい言葉で言っているだけですので、定義としたら今のでいかがかと思うのですが。負担などは別の所で改めて定義するならするということで、侵襲の定義の中では、このリスク、負担などの問題は取り上げない、含めない整理でいかがかと思います。

○福井座長 事務局、どうぞ。

○工藤課長補佐 事務局から(1)(2)としてお示している考え方として、基本的には医学の現場における、あるいは学術的な意味での用語の定義規定というのと、一方で本指針でのいろいろな規定の場合分けのために使っている用語という側面との両方を、うまくバランスを取りながら、何とか文言整備していければということです。(2)で丸山先生から御提案いただいたような形で侵襲を定義したとしても、やはり場合分けにおいては、これまでの議論の経緯からするとリスクも含めた形での場合分けをしていく必要があるのでないか。結局、(2)の下3行に書いてあるような、侵襲+リスクで場合分けをしないといけなくなってくるのではないかというところでありますが、いかがでしょうか。

○丸山委員 インフォームド・コンセントの22ページ、インフォームド・コンセントの際の口頭か文書か記録かという場合分けのときの侵襲というのは、先ほどから川村先生もおっしゃり、私も申しております「穿刺、切開、放射線照射」、放射線照射は私はこれまで念頭に置いておりませんでしたが、こういう皮膚を切るかどうかというのがイメージされて場合分けをしてきた。負担、将来のリスクなどというのはそれほど念頭に置いてこなかったと思いますので、そういう点を踏まえて先ほどから申しているところなのですが。

○高江課長補佐 インフォームド・コンセントのところだけではなく、ここで言うところのリスクに関しては保険の措置、この指針の全てのところが場合分け、優劣を決めるところで使っているワードになってきますので、そういった点も考慮して御検討していただきたく存じます。

○福井座長 この侵襲という言葉は今回のガイドラインのキーワードでもあります。

○丸山委員 今おっしゃったようなところについては、それなりの手当をされるのは必要だろうと思いますが、インフォームド・コンセントのところについては今、言ったようなところで整理できるのではないかと思います。保険などはまた言葉を足す必要があるかもしれないと思います。

○宮田委員 頭が混乱しましたので、整理していただきたいのですが、(1)ではなぜいけないのですか。それは先ほど放射線のときにリスクの元が侵襲の瞬間で生じたではないかというお話に絡んできてしまいますが。

○福井座長 恐らく臨床現場で使っている内容、意味とずいぶんずれてきてしまうという意味です。危険がこの中に入ると。

○宮田委員 それをあえて分けて、今の指針全体の分けた形の定義で侵襲及びリスクに基づいて、ランク分けされていくという、そういう定義ですよね。

○福井座長 そうですね。「侵襲等」という言葉は残すということではいかがでしょうか。丸山先生がおっしゃったように、侵襲そのものの定義をもう少し川村先生の御意見を入れたような定義にして、プラス危険、イコール侵襲等というのは残して、後半にいろいろ出てくる箇所では侵襲等を使うという案ではいかがでしょうか。

○宮田委員 「侵襲」と「侵襲等」という、またこの委員会の中ではある種の方言として通用するものが誕生したなと感じがするのですけれども、そのために侵襲等というのは仮にこの法文で概念を扱うための仮の概念だとしていただかないといけないので、それは侵襲等の定義も脚注か何かでしっかりしていただくことを前提にしてください。その限りで使うならいいです。ただここでまた「侵襲等」が一人歩きするとどうなるのだろうなと思います。

○楠岡座長代理 結局、この侵襲の言葉の定義というよりも、後でどう使われるかが問題です。1つはインフォームド・コンセントのとてろがあると思います。もう1つ、研究のクラス分けの中に観察研究において、侵襲の有る無しが1つの分かれ目になっているのですが、その中で侵襲有りで、例えば観察研究の中で採血を伴うというのはとても分かりやすいのですが、観察研究の中でいわゆる狭義の侵襲はなくて、リスクのみがあるような研究があるかと今、ずっと考えていたのですが、それが思い浮かぶようなのがないのですが。もしそういうものがなければ、侵襲という言葉1つでもいいと思います。何か直接的な行為以外にリスクが発生するような前向き観察研究のようなものがあるのであれば、リスクという言葉、危険ということを別出しにしておかないと、何か問題が出るかもしれない。もしそこがあまり考えにくいのであれば、侵襲という言葉に、後で使うのは研究のクラス分け、インフォームド・コンセントなどの分類に必要なタームとしてここで定義するということであって。そうすると侵襲1つにまとめてしまってもいいような気もするのですが。その辺はいかがでしょうか。多分事務局もそういうお考えでされているのだと思うのですが。

○位田委員 ごく簡単なのですが、「等」の中に含まれるのは危険ですよね。「侵襲」と「危険」を「侵襲等」という言葉で括ろうという話ですので、そうしたら。

○福井座長 侵襲と危険。

○位田委員 侵襲の中に、この(2)ではなくてですか。侵襲と負担と危険という意味ですか。

○川村委員 言葉を別扱いにするのでしたら、配慮すべき点は侵襲だけではなくて、負担と危険も配慮するという意味だったら3つ並列になります。ただ後で出てくるインフォームド・コンセントその他に、侵襲以外の負担、危険は配慮される必要があるかどうかを考えなくてはいけなくて、ほぼ侵襲だけで決着がつくようにも思うのです。負担、危険でクラス分けが必要かどうか。

○丸山委員 インフォームド・コンセントのところは今も川村先生がおっしゃったように侵襲でいけるのですが、補償などになると遠隔的な副作用のようなことを考えると、やはり「等」を入れて、先ほど福井先生がおっしゃったように負担とリスクですね。狭義の侵襲プラス負担とリスクで「侵襲等」という概念を立てる方が整理しやすいかなと思うのですが。

○跡見委員 今、僕もやっと整理がついたのですが、先ほどから言っているように、医学的にはやはり侵襲というのは負担や危険やいろいろなものを含んだ広義の言葉で、一般的にやはり結果的にそういうものが出てくるというのが侵襲だろうと思えば、侵襲という言葉でまとめて、ほかのことを考えると「侵襲等」を、後で加えることなのですかね。侵襲ですべてが医学的にはやはり含んでいるのだろうと思います。

○福井座長 リスクもでしょうか。

○跡見委員 そうですね。結果的にそうなるから侵襲というのがあって、リスクの程度が出てくるのだろうと思うのです。そこまで細かく分類し始めると、全ての言葉が進まなくなってしまうのだろうと思うのですが、いかがでしょうか。

○直江委員 なかなか難しいのですが、侵襲という言葉は先ほどから言われているように、医学の点では心身ともに他が誰かに対して影響を及ぼすことを広く包含する言葉で、これはこれでいいと思うのです。ただリスクというのは将来にわたって不確実なことを含めて包含している言葉なので、視点が先ほどおっしゃったように時間ですかね、いろいろなことが含まれているので、やや曖昧な言葉と思います。これは危険があるかどうかと、誰も予測ができないものも含めて、危険というように思います。

 それから負担という言葉あるのですが、負担というのはどちらかというと、やはり患者さんがどう感じるかというような視点の問題、つまり侵襲に対する負担という、主と客の関係ではないかと思います。ここで定義するとすれば、先ほどおっしゃったように侵襲ということは、身体を含む外から中に何か影響を及ぼすことなのだということと、脚注に書いてあるような危険ということも定義して、前に行った方がいいのかなというようにも思います。負担という言葉も出てくると、いろいろまた難しいのではないかなと思います。ですから私はどちらかというと(2)ということと、危険という言葉はそのときどきに応じて、「等」にしたり「また侵襲及び危険」と書いたりして、分けていった方がいいのかなと少し思います。つまりいつも必ず「等」で危険が含まれるというと、ごっちゃになると思うのです。これは少しまずいと思います。

○位田委員 先ほど言いかけたのはもし侵襲と危険、この2つを「等」で結ぶのであれば、もうきちんと「侵襲と危険」と言ってしまった方がいい。ただ川村先生が負担も入るとおっしゃったので、では3つになると3つ書くのかと思ったので、それ以上は申し上げませんでしたが、もし負担が落とせるのであれば「侵襲と危険」という2つを書いた方がいいのではないかと思います。

○藤原委員 実際診療している身からすると、もっとシンプルにしてほしくて、多分被験者さんが一番感じるのは身体への危険なのです。だから身体的な危険が一番リスクが高い。その次にあるのは精神、心に対する負担がやはりあって、いろいろな研究をやっていても例えば「あなたの生殖行為についてどう」、「避妊についてどう」など、いろいろ。がんの場合なら「家族に死んだ人はいますか」などは、心にかなりデリケートなところに突っ込んでいくので、それは侵襲性は高いと判断して、うちの倫理委員会などでもそれは侵襲性は高いとしてインフォームド・コンセントは要りますよという判定をしているので、シンプルに言うのだったら、「身体的な危険と精神への負担」、それがあるものが侵襲ですよと。将来的には金銭的な負担もあるかもしれない。それから「等」は絶対にやめてほしいのです。「等」でやると今の日本の倫理審査委員会はいくらでも広くいろいろな解釈をして混乱するだけなので、「等」は入れないでほしいというのと、シンプルにしてほしいというのが実際にやっている身としては思います。

○花井委員 先ほどからの議論ですが、この(2)を見ても後の方に軽微な侵襲の定義にさらに、身体的、精神的負担をもたらすのは危険が少ないものとしてしまっていて、総合規定的概念と包含的概念を全部まぜているテキストになっているので混乱している。これを見ると結局、侵襲によって危険と負担が生じるという理論になるのであれば、先ほどから何人かの先生がおっしゃっているように侵襲だけ書けば足りるのであって、その侵襲の中身に精神的なものを含むということになっていれば、本来それによってもたらされるのが危険と負担なのであって、それ以外によって危険と負担がもたらされるということがないかぎり、それはシンプルに侵襲を精神と身体に対する働きかけと書いておけば足りるのではないかと思うのですが、ほかに何かあるのですか。

○福井座長 延々と議論が続きそうですので、今までの御意見をまとめて次回、提出したいと思います。

○工藤課長補佐 今の御議論を踏まえて、基本的には(2)の侵襲で整理しつつ、場合分けで用いるときにリスクを含める必要があるかどうかと、そうでない部分とを仕分けを整理して、次回の会議でお示ししたいと思います。

○福井座長 そうですね、その方向でお願いします。本来なら21ページが終わっている時刻ですが、どういたしましょうか。せめて第1章は終わったところで休憩を取りたいと思います。

○田代委員 7ページの範囲で1点だけ短いコメントです。※14にある「通常の診療を越えた医療行為」という言葉が後から入ってきたのですが、キータームの1つになっていて、幾つかの場合分けで利いてきています。ですので、定義はこれでいいのではないかと思いますから、「通常の診療を越えた医療行為」は本文で定義した方がいいのではないかと思います。キータームになるものはきちんと本文で定義をするということでお願いします。

○直江委員 6ページ、「人を対象とする医学系研究」の定義ですが、下から3行目から読みますと、「国民の健康の保持増進及び患者の生活の質の向上に資する知識を得ることを目的として」ということですが、患者の生活の質の向上だけなので、「患者の予後並びに生活の質の向上」としないといけないと思います。

○福井座長 よろしいですか。

○山縣委員 別のところで8ページ、(10)「研究者等」、2行目に「研究機関以外において、既存試料・情報の提供のみを行う者」云々とある。この研究機関以外においてというのが必要なのか。どうしてこれがあるのかについて確認したいのです。

○工藤課長補佐 ここで「研究機関以外において」とした趣旨としましては、その上の(9) 「試料・情報の収集・分譲を行う機関」、いわゆるバンク、アーカイブの定義で、こちらが「研究機関のうち」としていて、既存試料・情報の提供を行うのですが、研究機関の一類型という整理にしている関係から、(10)はそうした研究機関以外においてということで、つまりバンク、アーカイブから既存試料・情報の提供が行われる場合を除くという観点で「研究機関以外において」と入れているということです。

○山縣委員 そうするとその上の研究機関にいわゆる個人事業主などが全部入っていて、こういうときに読むのは当該研究の研究機関という意味合いになるのですか。

○工藤課長補佐 おっしゃられているのは当該研究というのは、既存試料・情報を用いる研究でしょうか。

○山縣委員 今問題になっている、今倫理審査にかけている研究の研究以外、研究機関以外。

○工藤課長補佐 一般的な意味での研究機関です。

○福井座長 これは当該の研究を行っている研究機関という意味の言葉ではないでしょうか。一般的にしてしまうと、少しおかしくなってしまう。

○山縣委員 そうしないと例えば、大学にいる研究者がただ単に解析だけを頼まれるときも入ってしまうということでよかったのでしょうか。

○伊藤安全対策官 ここで書いているのは、確認的な規定の意味で、研究機関に所属する人たちはおよそ研究者であろうというのが、まずございます。その後、既存試料・情報の提供のみを行う者というところが、研究機関になるかどうかという整理があります。この場合、共同研究機関として位置付けるかという話になったときに、既存試料・情報の提供のみを行う者は、必ずしも研究機関にならなくてもいい。なってもいいのですが、ならなくてもいいと。そういった形で研究機関にならないで、提供のみを行うような選択を選んだ人たちは研究者等とはならないと。こういうことを言いたいがために、あえて確認的にここを書かせていただいたということです。

○丸山委員 分かりやすくなるかならないか分からないのですが、最後に山縣先生が発言されたところは、研究機関のところのその上の(7)ですね。括弧内の所で、委託を受けた者は除くというので、大学でも解析のみを受託している場合は研究機関にならないということになるので、今の(10)の下から2行目から最後の行にかけては、例としてはコホートなどに予後情報を提供する医療機関、検診機関などをイメージされたら分かりやすいのではないかと思います。

○工藤課長補佐 脚注※18で記載している所が正に、丸山先生がおっしゃられている部分かと思います。

○福井座長 この2行は、先生は削除できるとおっしゃっているのでしょうか。それとも内容を変えた方がいいと。

○丸山委員 山縣先生が趣旨を尋ねられましたので、少し補足したまでです。

○山縣委員 これで分かれば結構です。

○福井座長 これでよろしいでしょうか。また、確認をお願いします。9ページはいかがでしょうか。

○位田委員 (14)の「インフォームド・コンセント」の定義ですが、2行目、「研究に関して十分な説明を受け」とありますが、そこにやはり「事前に」を入れておいていただくべきかなと思います。それから(15)の「代諾者」、1行目、「研究対象者の意思及び利益を代弁できると考えられる者」を「最も代弁できる」など、そういう単に代弁できるという話ではないのだろうと思います。

○工藤課長補佐 (14)「インフォームド・コンセント」の定義規定に、「事前に」という趣旨の言葉も入れることにつきまして、当初、事務局で検討しましたが、例えば乳幼児から16歳までにわたって連続して行う研究の場合、開始当初には、当人のインフォームド・コンセントは受けずに、16歳になった時点でその研究継続についてのインフォームド・コンセントを受けるということになりますので、定義規定としては「事前に」は入れずに、後の522ページで「実施又は継続について説明を受ける」と定めるようにしています。

○位田委員 説明いただいた趣旨はよく分かるのですが、ここは定義の問題なので、原則的なことをここに書いて、例外は個別の条文に書くというのが本来の形だと思うのです。ここに「事前に」というのを書かないと、インフォームド・コンセントは必ずしも事前でなくてもいいのだという話になってしまいますから、そういう意味で申し上げています。

○工藤課長補佐 分かりました。では、用語の定義では事前に取らない場合もありますが、事前にという形で追記を再度検討したいと思います。

○位田委員 それをやり始めると、例外を全部定義の中に入れないといけないので、ですからインフォームド・コンセントの例外は例外規定を作ればいいと私は思っているだけです。

○永水委員 今の事務局の御説明では、乳幼児から研究する場合には代諾者からインフォームド・コンセントを得るわけですから、「事前」にというのを入れても別に問題ないと思います。

○工藤課長補佐 了解しました。確かに代諾者、親権者、親などからは当然、事前に受け、当人は事前時ではなくて16歳になった時点で受けるということと思います。

○福井座長 代諾者のところの1行目、「最も代弁できる」という所も位田先生から御指摘がありました。

○丸山委員 2つ目の御指摘ですが、この(15)の代諾者の定義は臨床指針をそのまま踏まえたもので、これでいいのではないかと。精神医療の研究などで両親が2人とも同意することが必要な場合というのも考えられますので、「最も」となると単数をイメージしかねないこともあり、先ほど先生がおっしゃったところを使って恐縮ですが、あまり要件的なところを定義の中で論ずるのはいかがかと思いますので、これぐらいでよろしいのではないかと。ゲノムの指針はもっと簡単な定義なので、その辺りも踏まえてこの辺りでいいのではないかと思います。

○福井座長 ありがとうございます。それでは10ページはいかがでしょうか。

○位田委員 少し迷うのですが、重篤な有害事象という表現がこれでいいのか。つまり重大な有害事象というのはよく聞くのですが、重篤なというのは少し。重篤なに続くのは疾患などというそういう話ではないのかなと思います。重篤な有害事象で全部通してあるのですが、普通は重大な有害事象ではないかなと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。

○工藤課長補佐 GCP省令との整合性を図って「重篤な」という言葉を使っております。

○福井座長 いろいろな所で出てきている言葉ではあります。

○工藤課長補佐 そうですね。

○位田委員 日本語としてはおかしい。

○福井座長 よろしいでしょうか。まだ長丁場ですので、7分ほど休みたいと思います。210分から再開したいと思いますので、お願いします。

(休憩)

○福井座長 休憩時間が短かくて恐縮ですが、再開したいと思います。11ページから21ページまでをできれば30分ぐらいでやりたいと思っていますので、簡潔にポイントを御指摘いただくようお願いいたします。まず、11ページについてはいかがでしょうか。

○藤原委員 11ページの、2「研究の倫理的妥当性及び科学的合理性の確保」についてです。(1)では、「研究計画に従って、適正に研究を実施しなければならない」と書いてあるのですが、その前に1つセクションが必要です。倫理的かつ科学的に妥当かつ合理的な研究計画を作成するということが、研究責任者の一番大きな責務の1つだと思うのです。いろいろな研究を見ていますと、プロトコールがずさんだったり全然いい加減なのでひどいことが起きているというのがこれまでの事案です。実施の前にきちんとした、倫理的に妥当で科学的に合理的な研究計画を作るということが研究者の責務であるということを、できればここに入れておいていただきたいと思います。

○福井座長 研究計画は研究責任者の責務として扱ってあると思いますが、いかがでしょうか。事務局から何かございますか。

○高江課長補佐 今の藤原先生の御趣旨は分かります。少し飛んでいますが、(1)(2)のどちらかの納まりのいい方に、御指摘の部分を反映させたいと思います。

○藤原委員 そうです、すみません、次のセクションでした。研究責任者の責務の所です。

○福井座長 そうですね。ほかにはいかがでしょうか。

○位田委員 また人権の話です。11ページの、第2章第41(1)で「生命、健康及びプライバシー」と書いてあります。ここは「プライバシー」に代えて「人権」と入れておいていただけますか。プライバシーは人権の中に入りますし、人権の方が概念としては広いのです。

○福井座長 ありがとうございます。12ページについてはいかがでしょうか。

○藤原委員 臨床試験で有害事象が一番多く発生するのは、がんの領域です。12ページの一番下から2つ目の(4)ですが、通常、海外でもそうですし、GCP省令でもそうですが、発生した重篤な有害事象のうち、研究計画書や、治験であれば治験薬概要書、市販後の薬であれば添付文書など、そういうものに既に記載されているような有害事象を一々報告していると膨大な数になってしまいます。ここの本文でなくてもいいのですが、報告しなくてもいい例外項目があるということをガイダンス等でうたっていただければ、がん領域のような重篤な有害事象が普通に発生する所では助かります。

○福井座長 はい。事務局で案をお願いします。

○位田委員 どこに入るのか、恐らく12ページの2の所ではないかと思います。研究者が研究不正をしていて、それを研究責任者が知ったとき、その取扱いがここには書かれていません。その辺を書いたらいいのではないかと思います。

○福井座長 確か、ほかの所で、研究責任者プラス機関の長にという。

○位田委員 研究者が研究不正を見付けたときには、責任者及び機関の長にと。逆に、研究責任者が研究者のやっている不正を見付けたときにどうするかというのは本来ここに書かれるのだろうと思います。

○福井座長 これは別個に項目を定めるということでしょうか。それとも、どこかに。

○位田委員 そうですね。ほかの所に入れ込むのは少し難しいので、項目を1つ入れるのだと思いますが。

○楠岡座長代理 「研究者等」の中には、研究者も研究責任者も全部含まれているので、先ほどの第2章第42(3)の中でも、研究責任者は含まれるような気もします。研究責任者が見付けたら、研究責任者は自分に報告すると同時に長へ報告する格好になりますが。

○位田委員 これは「研究の進捗状況の管理・監督」という項目なので、責任者の責任として、中で研究不正が起こったときにどうするかということを書いておいた方がいいのではないかという話です。

○福井座長 案を考えたいと思います。

○藤原委員 13ページの一番上の(6)で、共同研究の場合に研究責任者がほかの施設とどのようなコミュニケーションをするかという所で、「当該研究に関連する必要な情報」と漠と書かれていますが、我々、臨床試験をする立場からすると、他施設との情報共有で一番必要なのは、自分の施設又は他施設で起きた重篤な有害事象の情報を共有するということです。そこはガイダンスなどで、重篤な有害事象についての情報共有をすることが研究責任者の責務だということをうたっておいてほしいというお願いです。

○福井座長 はい。それでは、13ページはいかがでしょうか。14ページは。

○丸山委員 下から4行目から最後の行の「大臣への報告等」の(3)についてです。2行目に、「当該研究に関連する予測できない重篤な有害事象が発生した場合には」ということで、公表と厚生労働大臣への報告があるのですが、これは上の(1)のように、「大臣への報告」を先に置いて、「速やかに厚生労働大臣に報告し」として、(3)で「(2)の対応の状況・結果を公表しなければならない」では、まずいでしょうか。いかがでしょうか。御検討ください。

○福井座長 よろしいでしょうか。ほかにはいかがでしょうか。

○宮田委員 今のことは結構重要です。私どもは御報告を受けるときに、半年遅れや1年遅れというような報告が相当あります。まず、厚生労働省に報告するということを書いた方が私は現実的だと思います。

○跡見委員 これは質問です。今の4「大臣への報告等」の(1)で、「当該研究機関において現在実施している又は過去に実施された研究について、本指針に適合しないことを知った場合」というのは、これは内部告発のようなことがあったときということだけでいいのですね。そこまで調べることを要求はしていないということで。これは質問です。

○高江課長補佐 過去のものに関しては、基本的にはそのとおりです。ただ、少し戻りますが、13ページの第6「研究機関の長の責務」の2「体制・手続の整備」の(4)に、「自ら点検」で適切な対応を取らなければいけないということがありますので、こういったことからも出てくる可能性はあるということです。

○福井座長 ほかにはどうでしょうか。

○山縣委員 14ページの上の「研究実施のための体制・手続の整備」の(6)です。今までは臨床研究の指針ではこれがあって、対外臨床研究ということで、実際には病院長に委任している所が機関としては多かったと思いますが、疫学研究と一緒になった場合に、機関の長は、こういう研究はこういう人に委任し、こういう研究は例えば学部長に委任すると、現実的にはそのようなことになるという理解でしょうか。

○福井座長 事務局はいかがですか。注の※34には(学部長、病院長、施設長等)と書いてありますが。

○伊藤安全対策官 基本的には、あらかじめ学内の規定で、もう少し幅広い形で、こういう業務・事務、その中に研究が入っていて、病院長なり学部長なりがそういう権限・事務を委任することが書かれていることを想定していますが、特別のプロジェクトのようなものでそういうことがあるとすれば、必ずしもそういう者を除外している訳ではありませんが、余りそういったものは想定していません。

○福井座長 山縣先生、文言を変えた方がよいのでしょうか。

○山縣委員 いや、この「適当なものに委任」ということが、この機関のある特定の人だけに委任しているというわけではないのですね。それであればいいと思います。

○宮田委員 つまらないことが2点です。1つは、先ほど「プライバシー」を「人権」に直していますので、13ページに「プライバシー」が書いているので、それも当然直さないといけないと思います。

○福井座長 はい。

○宮田委員 2点目は、今の山縣先生の御議論の中で、権限と事務を委任することはできても、責任は委任できませんね。

○伊藤安全対策官 そこは、13ページの第61(1)にありますとおり、その研究機関の長は「最終的な責任は負う」ということなので、委任をしても負うのだろうということになります。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。

○位田委員 また研究の不正についてです。研究機関の長が研究不正があると通報された場合に、それに対応する措置を取る。恐らく、14ページの3「研究の許可等」の所に項目を立てるのではないかと思いますが。

○福井座長 研究機関の長が不正を見付けた場合に、どうするかでしょうか。

○位田委員 はい。研究者等から通報があった場合に何をするかということを、やはり、書いておく必要があるのではないか。通報があるだけで話が終わってしまってはしょうがないので。

○福井座長 これも事務局でお願いします。

○高江課長補佐 (2)では足りないということでしょうか。3(2)が正にそれを念頭に置いている規定ですが。

○福井座長 これは研究責任者が研究者の不正に気が付いたときに、研究機関の長が何をするかということでしょうか。

○高江課長補佐 これが足りないようであれば、実際に研究の継続に影響を与えると考えられる情報について、今の位田委員からの御指摘の、研究不正があったときや、そのほか人権が侵害されるおそれがあるとき、ということをガイダンスでお示しするような対応を、事務局で案文を考えさせていただきたいと思います。

○福井座長 14ページまでで、ほかにいかがでしょうか。

○玉腰委員 確認です。4(1)は「現在実施している又は過去に実施された研究について、本指針に適合していないことを知った場合」という形になっています。この「本指針」というのは、当然、今回定められるものだけではなく、その前に遡ってという理解でよろしいですか。

○高江課長補佐 当時の指針も含めてということです。

○玉腰委員 含めてですね。この辺について、注釈のようなものを入れていただくことは可能でしょうか。

○高江課長補佐 入れます。

○知野委員 少し戻りますが、12ページの2(2)の「研究の倫理的妥当性又は科学的合理性を損なう、又は損なうおそれのある情報を知った場合であって、研究の継続に影響を与えると考えるときには、遅滞なく」報告し、計画を変更しなければならないという所ですが、これはあえて「研究の継続に影響を与えると考えられるときには」と入れなければいけない理由はあるのでしょうか。その前の、科学的合理性を損なうものや倫理的妥当性も損なっていれば、もうそこで見直すべきではないかと思いますが。

○福井座長 いかがでしょうか。そのように思いますが。

○伊藤安全対策官 今の御意見ですが、この部分については、結局、何でも報告するのかというところの調整を図って入れているものです。

○福井座長 どういう意味でしょうか。

○伊藤安全対策官 何かあったからといって、研究の継続に影響を与えないようなものまでも一々全部上げるのかということで、やはり、ここでは継続に影響を与えると考えられるもので、義務付けるということでよろしいのではないかということです。

○福井座長 いかがでしょう。

○知野委員 ただ、前のところで「倫理的妥当性、科学的合理性が損なわれている場合には」と書いてあるので、研究の継続に影響を与えることは避けられないのではないでしょうか。

○田代委員 ただ、ここは「損なうおそれのある」ということが入っているので。

○知野委員 「又は損なうおそれのある」ですね。

○田代委員 「又は」ですね。ですから、損なうおそれのある場合も入っています。研究者の方では、損なうおそれのあるものでも、とにかく全部上げるという規定になっていますが、それを責任者が集約して、これは実際に影響があると判断したら機関の長に上げるということです。私としては、むしろ損なうおそれがあるものでもどんどん上げてもらう仕組みを作るのが一番だと思いますので、ここは残してもいいのではないかと思いますが。

○福井座長 「研究の継続に影響を与える」という文言を残すという意味でしょうか。

○田代委員 そうです。特に、損なうおそれのある場合というものも入るので。

○知野委員 その前に「損なう」と書いてありますので、その点で矛盾していると思いますけれども。

○位田委員 読点が1つ多いのかもしれません。「損なうおそれのある情報を知った場合であって、」の読点を外せば、くっ付きます。そういう趣旨ですよね。損なった場合にはきちんと報告して、おそれがある場合には影響するかどうかを判断して、ということですから。

○福井座長 位田先生の御指摘で皆さんが納得されるようでしたら、次回、そのように文言を訂正していただくということで。

○高江課長補佐 「、」を取るか取らないか、検討させていただきます。

○福井座長 15ページはいかがでしょうか。16ページは。

○位田委員 15ページの2「倫理委員会への付議」の(1)の一番最後の所です。「倫理審査委員会が研究の変更又は研究中止の意見を述べたとき」は、変更・中止を指示しなければならないと書いてありますが、これでは、倫理委員会の意見に必ず従わなければいけないという話になります。倫理委員会というのは、もともとそこまでは権限がないのだろうと思います。ですから、最終的な判断権限は研究機関の長が出すので、「指示することができる」という表現に変えた方がいいのではないか。趣旨としては、指示しなければならないということに私は賛成ですが、そこまで言ってしまうと、倫理委員会の権限が強過ぎるのではないかと思います。

○福井座長 よろしいでしょうか。事務局、どうぞ。

○伊藤安全対策官 そうであれば、16ページの3の、一般の所で、そもそも長は「倫理審査委員会の意見を尊重し」、こうしなければならないという形になっていますので、こちらも、「踏まえ」ではなく「尊重し」ぐらいにするというのではいかがでしょうか。

○位田委員 尊重して、中止を指示するのですか。

○伊藤安全対策官 はい。

○位田委員 今、比較としておっしゃったのは、16ページの3の所ですか。これは、尊重して、許可その他研究に必要な事項を決定するのです。それに対して、15ページの方は、変更又は中止を指示しなければならないということになってしまうので、中身の幅が違うと思います。

○福井座長 先に、渡邉先生、どうぞ。

○渡邉委員 やはり、16ページの3です。その下に、「研究機関の長は、倫理審査委員会が研究の実施について不適当である旨の意見を述べたときには、当該研究の実施を許可してはならない」と記載がありますが。

○位田委員 それも全部含めてです。

○渡邉委員 全部、含めてですか。私は、特に先ほどの15ページの2(1)は、16ページの記載を念頭に置いて、変える必要はないと考えますが。

○楠岡座長代理 この研究機関の長の責務というのは国際的に我が国独特のシチュエーションです。本来は、研究責任者がIRBの意見を聞いて、その意見に従うということが筋ですが、なぜか日本はそれを研究機関の長に責任を負わせる形になっているわけです。それを考えると、研究機関の長というのは、あくまでもIRBと責任者の間の言わば仲介役であって、研究機関の長がIRBの意見を変えられるとなると、これはいびつな構造になってしまうのではないかと思うのです。

○福井座長 いかがでしょうか、位田先生。

○位田委員 そういう形にしてしまうと、最終的に、研究をしていいかどうかという責任がIRBに行ってしまいます。そういう話ではないだろうと思うのです。

○丸山委員 倫理審査委員会の否定的な評価があれば、これまでも、研究開始の際には許可してはならないということが当初の指針から定められています。それを踏まえると、開始後のものについても、IRBというか倫理審査委員会がやめるようにと言えば、しないという方に長は拘束されるとするのが筋ではないかと思います。やめる方に、実施しない方に、倫理委員会の意見が優越すると思います。それがこれまで一貫して取られてきたところだと思います。

○位田委員 今まではそうなのですが。

○永水委員 そうしますと、先ほどの13ページの第6「研究機関の長の責務」の一番最初の所で、「最終的な責任を負うのが研究機関の長である」ということとの抵触が起こるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○丸山委員 あえて、そういう問題が起こった場合には、既存の倫理審査委員会を解任して新たな倫理審査委員会を設置するというような非常手段になると思いますが、日本の組織体制上は、自分が設置したものについて意見を尊重する。そこには、実体的な、こういう指針が定める要件が入ってきて拘束されるということが平時の原則です。それがまずい場合には、先ほど言ったような措置を講ずるということになると思います。

○楠岡座長代理 確認ですが、位田先生の御意見は、2「付議」の(1)の第3項の「この場合において」という所ですね。

○位田委員 はい。

○楠岡座長代理 そうですね。これは、その前段の緊急事態において、特例的に医療機関の長が許可した場合に対して、事後にIRBがそれはやめた方がいいという場合です。ですから、もし事前に聞いていれば同じ意見が返ってきたということになるならば、やはりこれもIRBの意見を聞いて、余り裁量を認めるべきではないのではないか。中止というのはかなり強い意見で、修正で出てくれば、そこは当然変えられることはあるので、そこも考えると、これはこのままでもいいのではないかと思います。

○位田委員 私は、考え方としては特に異論はありませんが、ただ、IRBの意見に必ず従えということになると、最終的な責任が、制度のいかんにかかわらず、IRBにきてしまう可能性があります。そういう責任を持てるような機関ではないのではないかというのが私の理解です。

○丸山委員 「せよ」ということに対して、倫理審査委員会が「実施してよろしい」ということに対して、機関の長が、倫理委員会はそう言っているけれども今回は控えるという判断はあり得ると思うのです。ですから、必ずしも倫理委員会の判断が全て拘束するというわけではないと思います。

○位田委員 それは思わないけれども。

○丸山委員 これは被験者保護の指針ですから、研究が実施された場合に被験者が危害を受けるような場合が想定されるので、通常はそういうことで整理できるのではないかと思います。

○福井座長 位田先生が御指摘されました15ページの2(1)の最後の「指示しなければならない」については、このままでよろしいということでしょうか。

○位田委員 いや、中止なり不許可の場合であっても、倫理委員会に最終的に責任がくるというのは少し違うのではないかというのが、私の考え方です。ここで、いや、そうではなくて、否定的な見解が倫理委員会から出た場合には必ず従わなければいけないというルールにするのであれば、それはそれで構いません。

○宮田委員 位田先生は、倫理委員会の実情に詳しいのでそういうことをおっしゃるのかもしれませんが、こういった指針が新たに作られると、倫理委員会の方も強化されていくことを前提として、私は今のこの文言で被験者の保護はある程度満たされると判断いたします。むしろ、きちんとやろうということをもっと強調しなければいけないと思います。

○福井座長 よりセーフサイドへの判断ということにはなるかもしれません。よろしいでしょうか。16ページはいかがでしょうか。

○丸山委員 第8に入ります。(1)の○3に付いている注の※46について、これは要らない規定だと思います。個人情報保護法を念頭に置いた規定で、ここに設ける必要はありません。設けるのであれば個人情報保護の所にということですが、個人情報保護の所には、包括的に個人情報保護の原則に従うことを求める規定がありますので、※46は要らないのではないかと思います。

○福井座長 ※46の「研究対象者から取得された試料・情報の利用目的を含むこと」という所でしょうか。ほかにはいかがでしょうか。17ページは。

○田代委員 17ページの○13の規定の仕方についてですが、ここは「インフォームド・アセントを得る場合には」ではなく、「代諾によって研究を実施しようとする場合には」というより広い言い方でお願いしたいのです。アセントを得られない場合もありますし、アセント自体は努力義務で入っています。○13と○14はセットになっていて、○14は、緊急状況下で研究する場合には、第12(6)にいろいろな条件が定めてあって、それを研究計画書に書いてくださいということですが、○13は、代諾で研究する場合には本人同意ができない人でなければできない研究なのか、とか、代諾者の選定方針をプロトコールに書いてくださいということが規定されています。ですので、ここは「インフォームド・アセントを得る場合には」ではなく、「代諾によって研究を実施しようとする場合には」とした方がいいと思います。

○福井座長 よろしいでしょうか。

○伊藤安全対策官 田代先生がおっしゃることはよく分かります。ちなみに今は、代諾を得る場合については、○12の第13の規定による」というところで、代諾によるコンセントということを書いています。

○田代委員 やはり、それが分かりにくいのではないかと思っています。特に重要なのは、代諾で研究するとか、同意を全く得られない状況で研究をする場合には、研究計画自体に上乗せ規定があることをはっきり書かないと駄目だと思います。○12でまとめて書くべきではないと思います。仮に○12の中に書くとすれば、「インフォームド・コンセントを受ける場合(代諾を含む。)」となるのでしょうか。いずれにしても、代諾で研究する場合には、研究計画書に上乗せで書かなければいけない条項があるので、研究者が研究計画書を作るときに、それをプロトコールに盛り込むことがはっきり分かるようにした方がいいと思うのです。

○福井座長 具体的に、どのように変更したらよいでしょうか。

○田代委員 ですから、最初に申し上げたように「インフォームド・アセントを得る場合には」ではなく、「代諾によって研究を実施しようとする場合には」と書いてもらえれば、代諾によって研究を実施する場合の中にインフォームド・アセントを得る場合が入ります。ですから、そちらの方が広い規定だと思うので、そう書いていただければいいのではないかと思います。

○福井座長 ○12と○13を一緒にできるということですか。

○田代委員 違います。○13の表現を変えればいいのではないかということです。

○福井座長 ○13だけの話ですね。

○田代委員 私としては、○13を「インフォームド・アセントを得る場合」ではなく「代諾によって研究を実施しようとする場合には」としてもらえばということです。

○福井座長 これについては、いかがでしょうか。

○田代委員 代諾によって研究を実施する場合にはアセントを得るということも含まれるわけです。代諾者からインフォームド・コンセントを得ますし、例えば子供であれば子供からアセントを得ることが含まれます。ですから、インフォームド・アセントを得る場合というよりも、代諾によって研究を実施する場合の方が広い概念なので、そちらに変えてもらった方がいいという意味です。

○福井座長 よろしいでしょうか。

○山縣委員 多分これは、○12には「説明及び同意に関する事項」とあって、○13はその説明方法で止まっているので、それでわざわざ分けて書いたのだろうと思います。ですから、代諾のときには代諾者に同意を得ることまできちんと書かなければいけない。それが「アセントの場合には」となっているので、そういうことでこうなっているのではないかと理解しましたが。

○伊藤安全対策官 それと、16ページの第8(1)の○5でも、代諾も含めたコンセントを受ける手続というところもあります。この辺も含めて、直接本人からもらう場合と代諾の場合を、整理して書いた方が分かりやすいという指摘だと思いますので、少し工夫させていただきたいと思います。

○藤原委員 1617ページの「研究計画書の記載事項」についてですが、内容の軽重が非常に雑多です。今の日本の臨床研究で一番大事なのは、16ページに書いてある、○2、○3、○4ですね、研究の目的、意義、方法、期間、対象者の選定、統計解析の手法などを研究者が理解せずにやっているのでひどいことが起きるのです。その後のいろいろな、インフォームド・コンセントは4項目もありますし、例えば17ページの一番上などでは、相談、問合せ等の対応など、そういう非常に小さなことから大きなことまで、ザーッと書きなぐってあるという感じなので、実際にこの指針をフィックスするときには、順番や内容の重さなどをきちんと鑑みて、数字の入替えなどをしていただいた方がいいと思います。

○福井座長 ○12以降は、ある状況下についての話ですから、少なくともこの部分は少し書き方を整理することで、それより上とは区別できるような書き方が可能かもしれません。ほかにはいかがでしょうか。

○宮田委員 また先生を悩ませますが、17ページの、○16と○17に「侵襲」と出ていますが、これが今までの議論と違う意味で使われている可能性があります。あの侵襲の論のときに「介入」についても議論すべきだと思ったのですが、ここは「侵襲」ではなく「介入」ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○福井座長 どうしたらいいですか、それは。介入の方が広いですね。

○丸山委員 「介入」の方が広いので。「侵襲」を伴うような介入がたくさんあります。

○宮田委員 そうすると、例えば運動処方のようなことでも侵襲と捉えていいのですか。

○花井委員 それから、制度です。制度を介入するというのもありますから。集団に対して制度を介入するというのもあります。全然違います。

○宮田委員 そこをどうやって分けるのですか。

○山縣委員 ですから、それを分けたわけです。侵襲があって、介入がある。

○宮田委員 リスクがあると言いたかったのですね。では、「介入」はきちんと議論しないといけないですね。

○川村委員 介入でなくても侵襲性があるものがあって、採血でトラブルがあった場合なども含むので、「侵襲を伴う」と言うより、「研究に伴って有害事象が生じた場合」だと思います。侵襲とか介入とは関係なく。

○福井座長 それでいいでしょうか。

○宮田委員 その方がいいと思います。その2つの言葉はタブーになりそうなので。むしろ「研究に伴う」、つまり、新たに何かをやったことによるということだと思います。

○福井座長 では、「研究に伴って有害事象が生じた場合には、その対応」という文章になるのでしょうか。

○楠岡座長代理 介入に関する文は、○7の「研究の実施に伴って研究対象に生じる負担並びに予測される危険及び利益」の中で、観察研究か介入研究かによって説明されていて、さらに、その中に「侵襲」が加わってきた場合として○16、○17があると考えます。介入研究の中にも場合によっては侵襲を伴わないものもありますし、観察研究の中で侵襲を伴うものもあるので、全体的なリスク・ベネフィットは○7で説明した後に、更に加えてという理解でいいのではないかと思います。

○福井座長 以前の会議で、マトリックスを作って、侵襲の有無又は軽重によって考えた経緯がありまして、そこから出てきた文章ではないかと思いますが。

○丸山委員 今の御発言なのですが、○7は何が起こるかです。○16は対応に重点があるので、異なることを言っているのではないかと思います。

○福井座長 ほかにはいかがでしょうか。18ページはいかがでしょぅか。

○新保委員 第9の「研究に関する登録・公表」で、研究の概要等の登録についてです。ここには「侵襲を伴う研究であって介入を伴うもの」と記載されていますが、医学雑誌で要求しているのはもう少し広くて、侵襲だけではなく介入を伴うものを登録することを要求していることが多いのではないかと思います。ですから、ガイダンスでもいいかもしれませんが、医学雑誌等の投稿規定や国際医学雑誌編集委員会等のサジェスチョンなりレコメンデーションなど、登録データベース等の情報も参照していただくように注意を喚起する方が、後ほどの公表等のときに問題にならないのではないかという気がします。

○福井座長 「侵襲を伴う研究であって」というのを除いてもいいということですか。

○新保委員 場合によると、本文ではこれを除いてもいいかもしれません。

○福井座長 イメージではやっていますね。余り侵襲の有無によっては考えていませんね。取りあえずは、次のバージョンはこれを除く方向で、事務局から何かその点についてありますか。

○伊藤安全対策官 もともとこの書きぶりは臨床指針を踏襲して、疫学指針との関係も踏まえて整理したものです。今のような形で「介入を伴うもの」となると、もともと疫学指針の対象になっているような広いところまで広がっていくのではないか、その調整をどう考えなければいけないかということです。特に疫学研究をしている方々の御意見との兼ね合いで整理されていくものではないかと思います。

○福井座長 一般的に、疫学で介入する場合の登録はいかがですか。

○津金委員 それはやはり介入研究に該当しますから登録します。今の疫学研究は、観察研究かという話ではなくて、介入研究か介入研究ではないかというということで、介入研究であれば当然に登録ということです。

○山縣委員 私の理解では必ずしもそうではないと思っていましたが。健康な人に対して、また、地域に対しての介入のようなものを一々登録するのでしたでしょうか。そこにはひょっとすると温度差があるかもしれません。やはり介入の度合いというのは侵襲の度合いにかなり関連しているのではないかという理解ではありましたが。

○川村委員 私は全ての介入研究を登録するべきであると指導してきました。それは、対象者に対するというより、パブリケーション・バイアスを防ぐために、あらゆる介入で有効性の評価をする場合は全て登録して、その研究のアウトカムが追えるようにしなければいけないという視点です。

○藤原委員 それに関連して、現行の規定では、大臣の指定する所で、UMINJAPICと医師会治験促進センターの3つに限定していますが、将来的なことを考えると、NIH Clinical Trial gov.が世界では一番標準的です。今日も出る前に見てきましたが、NIH Clinical Trial gov.に登録している日本人の研究者でUMINに入っていない人は山のようにいます。ですから、大臣の指定するこの3つだけに限定するのではなくて、例えばWHOPrimary Registryやなど、ICMGJEで規定しているような臨床試験登録であれば何でもOKというように幅広にしておいた方がいいと思います。

○福井座長 事務局には、その方向でお願いしたいと思います。結局、先ほどの「侵襲を伴う研究であって」というのは、結論はどの方向でまとめましょうか。できるだけ多くのものを登録するという方向で動きつつあるのは事実だとは思いますが。山縣先生、いかがでしょうか。時間がないので、少し考えていただくということで、お願いします。19ページはいかがでしょうか。

○玉腰委員 18ページで、1つ、教えてください。第92「研究結果の公表」に、「当該研究の結果を公表しなければならない」とありますが、これはどのレベルの公表を想定した文言になっているのでしょぅか。私たちが公表と言うと論文だと思いますが、論文ばかりは自分の力だけではどうにもならないものがありますので。この想定、できれば例示を頂く方がいいと思います。

○福井座長 最近はgrey literatureのようなものもありますし、必ずしも。

○丸山委員 この規定のポイントは、ネガティブ・データも隠すなということなので、最低限、自分の設けたホームページなどでも許されるのではないかと思います。求められる公開度がものによって上下するとは思いますが、必ずしも正式な査読を受けた論文というわけではないと思います。

○福井座長 よろしいでしょうか。

○伊藤安全対策官 ここは、論文もあり得るとは思っていますが、やはり遅くない時期に何らかの形で結果について報告するべきではないかということを想定しています。

○玉腰委員 ですから、その場合の報告というのは、どこに対してどのような形なのか。これは例示がないと、恐らく非常に研究者は混乱すると思います。

○伊藤安全対策官 どこにというのは、この詳しい所については、ガイダンスでもう少しイメージがつかめるようなことを相談させていただいた上で、整理したいと思います。

○丸山委員 以前からお尋ねしたかったのですが、UMINや、ほかのデータベースも挙げられていましたが、開始時に登録するデータベースには結果を記載する欄は設けられているのでしょぅか。あるのであれば、そういう所が望ましいのではないかと思います。

○玉腰委員 でも、その場合は介入を伴うものだけになりますので。

○福井座長 また次回、ガイダンスにどの程度書くかということも含めて検討をお願いします。急いでいて申し訳ありませんが、19ページはいかがでしょうか。

○位田委員 倫理審査委員会の設置者の責務について、手順書を作成するというのはいいのですが、倫理委員会規程若しくは倫理審査規程を作ることと、それを公表するということ。従って、2(1)(3)に関わると思います。

○福井座長 この文言を変えるということですか。

○位田委員 手順書はいいと思いますが、倫理委員会及び倫理審査に関する規則をどの機関でも作るので、それを作って公表するということ。ですから、「規程及び手順書」を付け加えればいいということです。

○福井座長 「規程及び手順書」なのか、「規程による手順書」か、(3)はそのような文言になっていますね。検討していただくということでよろしいですか。ほかにはいかがでしょぅか。確認ですが、2(2)の「5年」は、これはこれでよろしいですか。20ページはいかがでしょうか。

○田代委員 細かい所ですが、20ページの2「構成及び会議の成立要件」の○3について、これは恐らく一般の立場を代表する者の書きぶりで、少し変わってきているのですが、この場合には「等」は要らないと思います。代諾の立場であっても、ここで求められているのは研究の対象になる立場を代弁できる人なので、研究対象者の観点から意見を述べる人が含まれていることが重要だと思います。これは必ずガイダンスが要ると思いますが、以前お示しいただいたような、本来的には患者なり地域住民の方などが入るのが望ましいと思いますので、ガイダンスでは、そういう者が望ましいという形で追記していただいて、「等」は取る方がいいのではないかと思います。

○福井座長 よろしいでしょうか。

○藤原委員 先ほど福井先生がおっしゃりかけたのは、37ページの(6)2行目の所からと不整合になるのではないかということを懸念されたのではないかと思います。情報が「少なくとも当該基準の終了後5年を経過した日又は当該研究の結果の公表後3年を経過した日のいずれか遅い日まで」と研究倫理審査委員会に掛かった申請資料は5年では、両者の記載に矛盾が起きるかもしれない。また、過去の会議の議論では10年という話もありましたので。

○福井座長 そうですね。

○藤原委員 ですから、ここでそのままOKとするよりは、ペンディングの方がいいのではないかと思います。

○福井座長 数字については、最後まで整合性を見ていただきたいと思います。よろしいでしょぅか。21ページはいかがですか。

○川村委員 時計の針を戻すようで申し訳ありませんが、「迅速審査」という言葉が適切かどうかということが少し気になります。早いか遅いかではなくて簡易審査だと思います。これはほかの指針も多分そうなっていると思いますが、「通常審査」に対する言葉として、必ずしも早さのことを言っているわけではないと思います。今決める必要はありませんが、何かのときに議論いただきたいと思います。

○福井座長 「簡易審査」という言葉がほかの所で使われている場面はあるのでしょうか。

○田代委員 私が知っている限りでは、大学の内規でそういう言葉を使っている所はあると思います。

○宮田委員 これは確認です。今回、研究機関の長と倫理委員会の設置者を分離しています。そうすると、地域倫理委員会のようなこともここでは想定して規定されているかどうか、まず確認させていただきたい。もしそうだとすると、21ページの4「他の研究機関が実施する研究に関する審査」ということが、読んでもよく分からないので、この文章はもう少し考えた方がいいのではないかと思います。

○福井座長 事務局、いかがですか。

○高江課長補佐 まず、地域の倫理審査委員会のようなものは念頭に置いています。それから、具体的に、どのようにするかという御指摘を頂けますか。

○宮田委員 21ページの4は何を指しているのでしょうか。

○高江課長補佐 まず、他の臨床機関、多分、小さい所が大きな所に頼むケースが想定されますので、大きな所にはマンパワーや体制があるので、申請してきた小さい医療機関がとてもできないようなことを指摘して、研究が止まってしまうようなこともあります。出てきた相手方の体制もきちんと理解した上で、適切に倫理審査を行ってくださいという趣旨が(1)です。(2)は、一度手を付けたら、きちんと最後まで付き合ってくださいという趣旨です。

○宮田委員 そういうことですか、分かりました。そういう意味では、研究機関以外の所で倫理審査をするための規定ですね。

○福井座長 その文言がどこかに入らなくても大丈夫でしょうか。(1)は、確かにこれだけでは分からない可能性がありますので、検討してください。

○丸山委員 川村先生の質問についてですが、迅速審査については、当初設けた趣旨は、会合を開かずに即決で審査をするということで、迅速にできる仕組みは作ったのです。これを想定したのは、10人の委員がいるのであれば、フルの委員会を開くのであれば招集の手続や日程調整が必要になるので時間が掛かるということで、該当する軽微な事項について、委員長又は委員長が指名する単数の者を想定して、その人がOKであれば承認の決定を下す。しかし、報告を受けた他の委員が異論を述べれば会合を開かなくてはいけないということで、迅速にできる枠組みは作りました。ところが、皆さんが慎重なのか、迅速審査を行うためにまた小委員会を設けるというような機関が少なくなくて、そうするとやはり時間が掛かってしまって同じなのです。何やっているか分からないというようなことで、運用がうまくいっていないところがあって、迅速には進んでいないというのは、御指摘のとおりだと思います。

 これは会合を開かずに少数の、単数あるいは2人ぐらいの者でやるということですが、現実には、川村先生がおっしゃったように、こういうやり方とは別に、もう1つ、全員が書面で目を通して賛否を決めるようなものが、「簡易審査」あるいは「書面審査」の名前でなされている所が少なくないと思います。これは指針には規定がありませんが、現実には迅速審査についてはうまく活用されていませんので、書面のやり方での審査が結構なされているのではないかと思います。補足させていただきました。

○福井座長 丸山先生は、迅速審査の「迅速」という言葉は残した方がいいという御意見でしょうか、それとも、変えてもいいということでしょうか。

○丸山委員 これは、ベースにしたのがアメリカのCommon RuleExpedited Reviewで、「expedited」という言葉なので、うまく使っていただければ迅速になるので残してほしいと思うのですが、お役所仕事なのでしょうか、なかなか単独で即決というのは、責任を被ることを危惧されるのか、うまく使われていないので、個人的には少し残念なところだと感じます。

○福井座長 残してほしいということでしょうか。

○田代委員 今の点に関して少し申し上げますと、玉腰先生と一緒にやった調査でも、迅速審査の方が期間は半分以下でやられていることは事実です。確かに活用されていないということはありますが、実態としては早いということはあると思います。この表現は各国でいろいろな言葉があるので、日本でどれを使うかについては、もうかなり「迅速審査」が普及しているので、今さら変えるのかという話はあると思います。

 それからもう1点です。21ページの一番上の(3)の規定について、これはもともと臨床指針からきているのではないかと思いますが、ここに研究機関の長が倫理委員会の委員になることはできないし、審議や採決に関わってはいけないということを明記する方がいいと思います。やはり、今でもそういう委員会が幾つか見られますし、研究機関の長からは独立した立場で審査すべきということを考えますと、はっきり書いた方がいいと思います。

○福井座長 会議にも出席できないようにでしょうか。

○田代委員 いえ、会議出席はしてもいいと思います。出席はできるという規定の後ろに、ただし、当該研究機関の長が委員になったり、採決に参加したりしてはいけないと書いていただければ、それでいいと思います。

○位田委員 2点あります。1点目は、今の田代委員と同じ点です。「必要な場合には」とありますが、その後に「委員会の同意を得て、その会議に出席することができる」ということを入れて、ただし、審議には同席できないとか参加できないという趣旨を入れる。

 もう1点は、宮田委員と事務局がおっしゃった点で、地域倫理委員会というのは同じものをイメージして言われているのかどうか確認したいのです。事務局の高江さんがおっしゃった地域倫理委員会というのは、どういうものをお考えなのでしょうか。

○高江課長補佐 地域倫理委員会は再生医療新法で定められているようなものではなく、現在1,300ぐらいありますが、最終的には質の高い所を、倫理審査委員会のように、来年度以降に厚生労働省の予算で認定制度の構築をしたいと思っているのですが、そういったイメージです。再生医療新法の地域の委員会ではないというイメージです。

○楠岡座長代理 迅速審査に関わるところについて、今の規定の中に「付議不要」というものがありますが、今回は付議不要の判断が入っていません。やはりこれは残しておいた方がいいと思いますが、いかがでしょうか。

○高江課長補佐 これは前回の会議で。

○楠岡座長代理 あえて外そうということで。

○高江課長補佐 一緒にさせていただきました。やることは一緒なのでということで。ただ、論文の投稿などもあるので、かけた形にすることでどうかということで、今回は付議不要というのは外させていただきました。

○楠岡座長代理 ガイダンスか何かに、判断の基準として「付議不要」という判断があることを示していただかないと、今のものでは「許可」か「修正」か「却下」の3つしかありません。この指針に掛ける必要がないという判断もあるということを、どこかに出していただくのがいいのではないか。

○高江課長補佐 付議不要のものをこの迅速審査の中で読み込むようにしています。具体的にどのような研究が掛からないのでしょうか。掛けなくてはいけないのではないかと理解しているのですが。

○楠岡座長代理 研究者は申請すべきものとして出してきているのですが、結果的にそれは申請の必要がないということで。前にも議論がありましたが、しばしば雑誌等で倫理委員会に掛けたかどうかを聞かれる場合もありますので。

○高江課長補佐 検討いたします。

○田代委員 若干ずれるかもしれませんが、今の話で言えば、適用で迷うようなものはどのように判断するのかを、適用の所に書いてもらってもいいのではないかと思います。適用の、随分前の6ページですが、例えば診断や治療のみを目的としたものはこの指針の適用除外だという話がありますが、グレーゾーンのようなものがあって、それは当然各機関で判断することになる。そこについては、各機関で判断することができるという形にしておけば恐らく処理できるのではないかと思います。

○位田委員 「各機関で」というのは、機関の誰が判断するのかというのが問題で、付議不要かどうかも含めて倫理委員会が判断をする。倫理委員会に持ってきたときに、これは要らないと言えばもうそれで済むのです。

○福井座長 前回はそのような議論で、その言葉を削除したと理解しています。

○川村委員 付議不要かどうかを含めて、どういうものが対象になるのかということは整理しましたので、皆さんにお届けしたいと思っています。その中で、以前の指針では、例えば無記名のアンケート調査やデータ処理の委託などについては、指針の適用にはなるけれども審査は不要というルールがありました。遡って指針に適用するかしないかというものもありますし、もっと遡って、研究か診療かという課題もありました。ディシジョン・ツリーのようなものでどこに相当するのか。最終的には審査の対象になって、通常審査か迅速審査かというところまでのフローが今までの指針ではある程度あったのですが、今度の指針ではまだ書き込まれていないことがあるので、そこの過不足の部分は整理してお知らせできるようにしたいと思います。

○福井座長 ありがとうございます。それでは後半に移りたいと思います。第5章から第9章まで、事務局からの説明をお願いします。

○伊藤安全対策官 この指針の草案の22ページをお開きください。お手元の試料2「論点概要」も含めて御説明いたします。ページがなくて恐縮ですが、5-15章「インフォームド・コンセント等」については、こちらは前回もこのような表の形でお示ししております。新たに試料・情報を取得する際のインフォームド・コンセントの手続と、既存試料を利用する場合の手続という形で整理しております。前回の議論の中では、新たに試料・情報を取得する際に、インフォームド・コンセントの手続を概ね三段階程度に分けた形で整理したらどうかということで、侵襲、介入、試料・情報の種類に応じて、インフォームド・コンセントの手続を定めております。

 この中で特に問題になったのが、前回は侵襲を伴う研究というところで、軽微な侵襲を伴う研究というものについては、文書での説明、同意までは必要なく、口頭のインフォームド・コンセントでもいいのではないかというところを少し御議論いただいたと思っております。その中で、特に採血を行う研究、今、研究を例のところに書かせていただいておりますが、少量の採血をした場合、軽微な侵襲として口頭でのICでいいかどうかという議論が行われた際に、やはり文書でのICが必要ではないかという方向になったと認識しております。結論から申し上げますと、侵襲を伴う研究で軽微なものについては、一律文書でのICという形で整理しております。それに伴って、他の軽微な侵襲を伴う研究というのも、全て文書でのICで行うという形にしております。この部分については、後々補償とか、先ほどの迅速審査とか、そういったところにも影響してくる部分でもありまして、その辺との調整を図った結果、一律に文書での説明、同意とさせていただきました。

 指針の構成については草案の1(1)では、今申し上げた新たに試料・情報を取得する場合のインフォームド・コンセントの手続ということで整理しております。23ページから(2)の部分については、「既存試料を新たに別の目的で自分のところで利用する場合」を規定させていただいております。(3)については、既存試料を他機関に提供する場合の手続を定めております。

25ページの(4)、他機関から提供されて受ける側、もらって研究に利用することについて規定させていただいております。

23ページ、(2)自らの機関において保有していた既存試料を利用する場合。(3)他機関に提供する場合のインフォームド・コンセント。こちらのところについては、(1)(2)2パターンを用意しております。特にこの2つの行為については、ゲノム研究指針との関係を考えて、できるだけゲノム指針の書き振り、構成を踏まえた方がいいのではないかといった御意見もありまして、そのような形で書かせていただいております。

(1)は、どちらも今回の統合指針を踏まえて、できるだけ簡潔、再整理した形で書かせていただいたものです。(2)は、ゲノム指針を踏まえて、そちらの方との整合性を図った形の書き振りにしております。基本的に内容は同じものを書いております。

(3)他の研究機関に既存試料・情報提供しようとする場合については、ここで前回議論になったのは、他の研究機関に提供しようとする機関、例えば、病院などが既存試料を提供する場合に、必ずしも提供のみを行う場合は研究機関にならなくてもいいと。なってもいいのですが、そういった場合は、こういった研究計画を受けることもなく、長が把握する可能性も今のところ担保されていないという問題がありました。したがいまして、(3)の提供しようとする場合においては、(1)で見ていただきたいのですが、アのなお書の「なお、試料・情報の提供に当たっては、既存試料・情報の提供を行う機関の長が定める規定に従って行わなければならない」と、何らかの形でその長が関与する仕組みを設けております。この中で、長が定める規定において、事前の許可が必要なり、事後の報告でいいという規定が定められることを想定しております。

26ページ、3「説明事項」については、先ほどの研究計画と同じように、義務付けの事項を記載しております。任意の事項についてはガイダンスの方で示すという構成にしております。この辺もいろいろと御議論を頂きたいと思っております。

 特に27ページの○18です。いわゆる包括的な同意と言われるところの議論に関わってくるものですが、「インフォームド・コンセントを受けた時点では特定されない将来の研究のために用いられる可能性又は他の研究機関に提供する可能性がある場合には、その旨と現時点において想定される内容」を書いてくださいと規定しております。これは当然白紙委任を容認するものではない旨も、ガイダンスでお示しさせていただきたいと思います。また、具体的に想定される内容とは何かという部分については、26ページにある※93の下の所で書いてありますが、○2○3○4○6○13、例えば研究機関とか、研究の目的、研究の方法、こういったものについてできるだけ書いていただきたいという形で整理しております。

 また、いわゆるこの包括的同意については、27ページの4番、「インフォームド・コンセントを受けた時点で特定されなかった研究への試料・情報の利用の手続」というところで、後々、例えば5年後に研究目的がよりはっきりとしてきたというときには、その内容を公開するとともに、研究対象者に研究の実施への拒否できる機会を保証する。オプトアウトを保障するということを義務付けておりますので、こういった規定を合わせて、どこまで概括的な形の将来への利用の制度を認めてもいいかどうかというところを御議論いただければと考えております。

5「緊急状況下に実施する研究における取扱い」については、救急医療などをはじめ幾つか考えられますが、GCP省令に沿った形で明文化させていただいております。インフォームド・コンセントのところは以上です。

○工藤課長補佐 それでは続いて、28ページの中ほどから、代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける場合の手続等の案文を記載しておりますので御説明いたします。

 代諾者等からインフォームド・コンセントを受けることが想定される研究対象者としては、29ページに記載の(3)アからウに掲げるいずれかですが、そうした人を研究対象者として研究を実施する必要性とか、あるいはどのように代諾者等を選定するかということが、あらかじめ研究計画に記載されていることを要件として定めて、倫理審査委員会による審査においても、それらを含めてチェックされるような仕組みとしております。

29ページ(3)()、こちらは現行の疫学研究倫理指針におきまして、未成年者である研究対象者について、16歳以上では研究対象者当人から、インフォームド・コンセントを受ければ親権者等からインフォームド・コンセントを受けることを要さないとしている取扱いについて、統合後の指針における取扱いを規定するものです。前回の合同会議で、親権者等が未成年者が与えたICを取り消すことができる旨を規定するという案をお示ししたところ、親権者がそうした取扱いが可能であることを知り得る機会を確保する必要があるの御指摘も頂きまして、事務局では、それを受けた案文の作成過程において検討したところ、親権者等については、オプトアウトとして規定する方がすっきり整理することができると考えるに至りまして、○2のような規定とさせていただいております。

 なお、前回の合同会議で記載した○2では、代諾者等からICを受けることで研究の価値が損ねられるといった旨の記載をしておりましたが、それについては、そうしたケースに該当する場合が非常に限られるのではないかという御指摘、あるいはかえってそういった記載について誤解を招くおそれがあるのではないかという御指摘を頂きましたので、本日の案文での記載は見送ったところです。

29ページ(3)イ、前回の合同会議では、精神上の障害により判断能力が十分でないという案でお示ししましたが、その後、事務局の案文作成の過程におきまして、より適正な記載として、ア以外、即ち未成年者以外でICを与える能力がないと客観的に判断される者という形の記載に改めております。

30ページ、インフォームド・アセントを得る場合の手続を記載しております。(3)「ただし書」の部分については、前回の合同会議におきましては、介入を伴う研究の場合に限った形での案としてお示ししましたが、その後、介入を伴わない研究、即ち現行指針における観察研究であっても、検査所見などにおいて研究対象者に直接の健康上の利益が期待される場合もあり得るということから、介入研究に限定しない形で記載を見直しております。

30ページの第6章「個人情報等」について御説明いたします。第14「個人情報等に係る基本的責務」、第15「安全管理」、第16「保有する個人情報の開示等」の3つのパートからできております。31ページの2適正な取得等の(1)(2)、第15「安全管理」の各規定については、「等」を付けた「個人情報等」で記載しているように、こちらは死者について特定の個人を識別できる情報に関しても遵守を義務付ける内容となっております。

 一方、第16「保有する個人情報の開示等」の各規定については、等を付さない、「個人情報」で規定をしております。しかし、31ページの上から2行目で記載しているとおり、死者について特定の個人を識別できる情報に関しても、準じて適切に対応し、必要な措置を講ずるよう努めなければならないという形で、努力義務の形で適用をかけております。

31ページの下から3行目、第16(1)、「第12の規定により研究対象者等に説明し、又は個人情報の取扱いを含む研究の実施についての情報を公開している場合を除き」と記載している部分について、脚注※114番に記載しているように、第12の規定、即ちインフォームド・コンセントを受ける手続におきまして、当該研究対象者及びその代諾者等に説明し、あるいは個人情報の取扱いを含めて、情報公開を行っているような場合には、ここに規定する保有する個人情報に関する事項の公表を行うことを殊更要さないとする趣旨です。32ページの脚注※115番のような場合を除けば、多くの研究においては、この記載によって、(1)の規定による公表が不要になるものと考えております。

 また、32ページの下から2行目、「開示等への求めへの対応」に関しても、基本的には第12の規定によるICを受ける手続を通じて、あらかじめ理解を得ていることを前提とすれば、開示等が請求されるケースは通常はほとんどないというものと考えております。

本日の配布資料の資料226ページの表10で、一部不十分、あるいは不正確な箇所がありましたので、本日別紙で表の差し替えを配布しております。また、資料129ページの脚注の※104番の5行目で、「第131(1)○3の規定に従って」とある部分について、「第131(1)○1の規定に従って」の誤りですので訂正させていただきます。また、34ページの上から2行目、「第122の規定に違反して」と記載しておりますが、こちらは第12の規定に違反してということの誤りで、「の2」を削除しております。第6章の説明は以上です。

○高江課長補佐 引き続きまして、第7章「重篤な有害事象への対応」、34ページの一番下からです。これは以前も御説明したとおり、今までの研究責任者等、それぞれの責務規定の中に、臨床の指針の中に入っていた部分を1つにまとめて、手続論として書き出したという形になっております。今までの指針との違いは、35ページ、2の「研究責任者の対応」の(3)後段部分、「有害事象が研究と関連する場合には、研究計画を登録しているデータベースに、有害事象に関する情報を登録しなければならない」を足しております。前回もいろいろ御指摘で、日本以外ではやっていないとかありましたが、そこについて少し御議論を頂きたいと考えております。

36ページ、第8章「研究結果の信頼性確保」です。第18「利益相反の管理」として、(1)、これは全体的なお話ですが、「研究者等は研究を実施する場合には、当該研究に係る自らの利益相反に関する状況について、適切に対応しなければならない」。※127、それぞれ利益相反の考え方で、各種指針や、今、実際に大学等で行われていることに関してガイダンスで記載することを考えております。

18(2)、これは研究責任者のすることですが、「医薬品又は医療機器の有効性又は安全性に関する研究など、商業活動に関連しうる研究を実施する場合には、当該研究に関する研究者の利益相反に関する状況を把握し、研究計画書に記載しなければならない」。このことによって、この情報は利益相反委員会で見られた上で、最終的には倫理審査委員会の方で確認されるという形で、この規定を置いております。

 第19が「研究に係る試料・情報等の保存です。(1)、情報及び情報に係る試料・情報等を作成する場合には、これを正確に作成しなければいけない。カルテからきちんとCRFを正確に作成してくださいということを規定しております。

(2)「人体から取得された試料及び情報等を保存する場合には、研究計画書にその方法を記載するとともに、研究の実施に伴って研究者等が作成する情報等が正確に保たれ」、また、試料・情報等の漏えい等が起こらないよう管理を行わなければいけないという責務を研究責任者にお願いしております。(3)、研究責任者は、(4)の所で、研究機関の長が人体から取得された試料及び情報等の保存管理に関する手順書を作成することになっており、これに従って管理を行って、管理状況について機関の長に報告する。機関の長に関しては手順書を作成して、この手順書に従って情報等が適切に保存、管理されていることを、研究機関の中での研究について管理をしていただくことにしております。

37ページ、(5)廃棄の際には匿名化をしてくださいということです。(6)(7)が保存の期間に関する規定です。(6)医薬品・医療機器の有効性又は安全性に関する研究を実施する場合には、当該研究に係る情報等について、研究の終了後5年、若しくはその結果の公表後3年を経過した日のいずれかの遅い日まで適切に保存しなければならない。連結可能匿名化された情報の対応表についても同様とするとしております。

(7)研究機関以外の保存試料・情報の提供を行う機関の長に関して試料の保存、情報等の保存の責務については、これが提供後5年としておりますが、前回も10年ぐらいにした方がいいのではないかとか、いろいろ御意見がありましたので、そこも御議論を頂ければと考えております。先ほどの倫理審査委員会の年限等も関連してきますので、その御議論をお願いしたいと思います。

 第20、これは前回の会議ではお示しておりませんが、いろいろと御指摘を頂いたこともありましたので、新たに「モニタリング及び監査」の項を起こしております。研究責任者の責務として、医薬品又は医療機器の有効性又は安全性に関する研究を実施する場合には、「あらかじめ研究計画の定めるところにより、モニタリング及び監査を実施しなければならない」としております。(2)、モニタリング監査の対象となる研究に携わる者は、モニタリング監査をしてはいけないということで、第三者性をここで述べております。(3)「研究機関の長は、第19に掲げる研究に関する情報等の閲覧その他モニタリング及び監査の実施に協力しなければならない」という規定を置いております。第8章は以上です。

○工藤課長補佐 最後の第9章「その他」について御説明します。こちらの合同会議として、案文の取りまとめを頂いた後、文部科学省の方では、生命倫理安全部会、厚生労働省では科学技術部会の方へ、それぞれ上程し、審議を経て答申いただくほか、パブリックコメントの手続も経て、最終的な指針の公布の運びとなります。これまでも公布後一定の周知期間を設けた上での施行ということとしており、そちらを規定するのが第21です。

 また、経過措置として、施行の時点で既に実施中の研究については、引き続き旧指針、即ち疫学研究倫理指針や、臨床研究倫理指針、それぞれに従って実施することができる旨を、第22(1)で規定するとともに、公布後の施行までの間におきましても、それに先んじて、新たな指針の規定に従って対応することは決して妨げるものでないといったことで、第22(2)を規定することとしております。

 最後の第23では、現行の指針と同様、「必要に応じ、又は施行後5年を目途」と記載しております。ただ、昨今の種々の状況に鑑みますと、施行後5年を迎えるよりも、先に見直しの必要が生じてくる可能性は十分あるものと考えております。

○伊藤安全対策官 参考資料3関係を若干補足して説明させていただきます。参考資料3-1、こちらは文科省の協力者会議で取りまとめた報告です。文科省におきましては、研究における不正行為の対応について、平成18年にガイドラインを作成して、厳格な対応を求めてきたところです。しかしながら、依然不正事案が後を絶たないということもあり、文科省において、昨年よりガイドラインの見直しに向けた検討を進め、今月提言をまとめたところです。

 概要に沿って簡単に御説明いたします。11ページの次のページに2枚紙で整理しておりますので御覧ください。こちらの方、ガイドラインの見直し・運用・改善に関する基本的な考え方の一番下の所です。これまでこのガイドラインの対象とする不正行為の範囲については、文科省及び所管の独立行政法人の競争的資金を活用した研究活動の不正行為としておりましたが、今般の見直しの中ではこれだけに限らず、競争的資金の配分を受けていなくても、文科省の所管の関係機関、例えば大学や独立行政法人などの研究活動の不正行為全般を、このガイドラインの見直しの対象とすべきだという御指摘を受けております。

 次のページ、新たに盛り込むべき事項ということで、()()まで書かせていただいております。この中で御説明させていただきたいのは、()不正を事前に防止する取組という所で、「各研究機関における一定期間の研究データの保存・公開の義務付け」というところです。この研究データの保存期間については、データの性質や研究分野の特性などを踏まえて、各研究機関で対応してくださいということを述べております。

 今回の統合指針の第8章におきまして、医薬品等に関する一定の研究については、研究データの保存の期間を5年と定めておりましたが、そのほかの今回の指針の対象となる研究におきましても、文部科学省の不正行為対応のガイドラインに基づき、適切に対応することが求められるということになります。今後この報告書を踏まえてガイドラインを改正して、来年度からの適用を目指して現在準備中です。なお、この報告書の内容については、関係府省とも共有して、政府を上げて取り組んでいくことも指摘しており、現在、連携を図っているところです。

 最後に、文科省では不正行為の対応のほかにも、競争的資金を中心とした公的研究費の適正な管理を研究機関に要請するため、先週18日に、公的研究費の管理等に関するガイドラインの方も改正したところです。こちらも来年度から運用を開始する予定です。文部科学省からは以上です。

○工藤課長補佐 続いて、参考資料3-2でお配りしているものについて、こちらは今説明がありました文部科学省におけるガイドラインの見直し・運用改善も踏まえて、厚生労働省におきましても、厚生労働科学研究費補助金における研究不正への対応ということで、同様のガイドラインを適用して平成26年度から実施することの旨を、先般、218日に開催した厚生科学審議会科学技術部会におきまして御報告し、御了承を頂いたところです。

○福井座長 時間が大変短くて恐縮です。あと15分しかありませんので、途中で終わることになりますが、文書でなり、事務局にお寄せいただければそれを踏まえて、次回の会議に案を提出していただきたいと思います。まず、22ページからこの第5章インフォームド・コンセントは大変重要なところでありますが、御意見を伺いたいと思います。22ページについてはいかがでしょうか。

○津金委員 22ページに関して、※74の所に、「既存試料・情報を提供するものに係る規定は、研究者等以外の者にも適用されることに留意する旨を示す」と書いてあります。研究者等以外がこの研究指針を適用するというのは、何かちょっと矛盾を感じます。研究者等以外は基本的に個人情報保護法等、法が既に適用されて、法に基づいてある意味提供するのだろうと考えます。それが適用されたことは、研究者が留意するということは分かるんですが、研究者等以外が留意しなければいけない。この指針を守らなければいけないというのは、ちょっと矛盾があるように感じるのですが、いかがでしょうか。

○福井座長 いかがでしょうか。

○伊藤安全対策官 確かにおっしゃるとおりですが、研究に携わるというか、関わってくるというところがあります。例えば、その部分について、必ず受ける側が確認をするみたいな規定を置いて、どちらかというと、それは受ける側が中心的に考えていくのだというところはあるとは思いますが、今のところ現行規定の中でも、このような形になっています。そこは少し御議論を頂けると、非常に有り難いと思っております。

○福井座長 研究者と研究責任者と研究機関の長以外で、研究をサポートする人が周囲にいる場合も、この規定に留意するようにという意味に受け取ってよろしいのでしょうか。

○伊藤安全対策官 ここで申し上げているのは、1(3)で、既存試料の提供のみを行う者であっても、研究機関になる場合も、ならない場合もあって、ならないこ場合に長の関与を少なくとも設けるべきではないかというような話もあったので、こういうような形で書かせていただいて、留意する必要があるだろうということです。

○福井座長 この点についてはいかがでしょうか。残しておいてよろしいでしょうか。ほかには位田先生、どうぞ。

○位田委員 細かいところ、3点です。侵襲を伴わない研究という所です。研究者等は「4に掲げる事項」と書いてあります。これは多分3の説明事項という所ですよね。すみません。私はメールで頂いたのを見ているので、ひょっとしたら、今日頂いたのには直っているかもしれません。

○福井座長 3でよろしいでしょうか。確かに4はちょっと違うように思われます。

○位田委員 そうですよね。それから、そのすぐ後なのですが、文書により同意を受けなければならない。これはもちろんそうなのですが、場合によっては署名をできない人もいるので、原則として文書により同意を受けなければならないということだろうと思います。

 それから、ずうっと下の方のイの()の○2の所で、「人体から採取された試料を用いない研究」とあります。これは試料を用いなくても、情報を用いる研究でICが必要なときもあるのではないかと思うのですが、それはどこに入るのでしょう。

○福井座長 最初に原則としてというのはどうでしょうか。

○田代委員 「原則として」というのは、取られ方によっては危ないので止めた方がいいと思います。先生が御懸念の、例えば目が不自由な方の場合には、GCPの中に「公正な立会人」という規定がり、例えば家族の方が立ち会って、代わりに署名するというようなことがあります。そういう場合には、そういう風にするようにというのをガイダンスで、現行のGCPに既にあるので、それを援用する形で書けばはっきり分かるはずです。こういうケースはそうしてくださいということにした方が良く、ここで「原則として」を挿入することは危ないと思います。

○位田委員 了解します。

○福井座長 3つ目の点についてはいかがでしょうか。

○伊藤安全対策官 もう1つの位田先生がおっしゃっていたことは、5ページの総則の方で、※2の所で基本方針的なものとして、「例えば、障害者の方を研究対象者とする場合は、その障害に対応した説明や情報伝達方法を確保して必要な対応を行うことが重要である」というような形で、ちょっと前の方になりますが、こちらの方で注を書かせていただいております。

 もう1つ、○2の「人体から採取された試料を用いない研究」でも、インフォームド・コンセントを得る場合があるではないかと。そこが必ずしも要しないというような書き方になっている所でもあるのですが、1番の本則の所で、研究計画の定めるところにより、インフォームド・コンセントを受けなければならないというのが(1)から(4)まで、全てにかかっているという構成で書かせていただいております。

 先ほど、ちょっと申し忘れたのですが、「研究計画の定めるところにより」というのは、当然計画を定めるのであれば、倫理審査委員会の審査や長の許可も得ているということで、そういった長が許可を得ているということで、こういうインフォームド・コンセントが行われるということも示しているというものです。

○福井座長 はい、また検討していただくということでお願いします。23ページはいかがでしょうか。特に、(1)(2)24ページから25ページにかけての(1)(2)については、どちらかに決めていただければと思います。丸山委員、どうぞ。

○丸山委員 まずは(1)(2)ですが、私は現行規定のままというか、現行の疫学指針、臨床指針をモデルにして、ゲノム指針の改定が行われましたので、その基となったところを残している(2)が望ましいと思います。

 それから、(2)(3)の他に出す場合について、(1)でも、(2)でも、機関の長が定める規定に従って行わなければならないというのが追加されています。その規定が設けられた趣旨はよく分かるんですが、規定を作るというのは結構時間がかかります。機関の長の許可を受けなければならない等ぐらいではいけないのかと思うのですが、いかがですか。

○伊藤安全対策官 ここはちょっと分かりにくいのですが、規定(きさだ)となっているところは、それほど細かいルールという意味ではありません。要は定められていればいい。だから、決めていればいいという意味です。おっしゃっているような場合は、多分規程(きほど)となると思うのですが、という意味合いも含めて、書いているところであります。

○丸山委員 それであれば逆なのですが、許可を受けなければならないとして、施設、機関によっては、許可を与えるためのルールを設けるというようなこともあり得ると思うのです。特に、この(2)の自分のところの試料を用いる場合は研究機関だからいいのですが、(3)の単に提供する場合については、提供する側は先ほども出てきました、津金先生の御質問にもありました診療や検診機関が研究機関に提供する場合もあります。そういうところで、ルール、規定を作りなさいというのは負担が重くて、ひいては研究の方に協力を得られない可能性があります。長の了解さえ得られていれば、OKというようなところで、長が知らないままに試料が提供されるということは防げるのではないかと思います。

○伊藤安全対策官 すみません。そこについては最初は許可ということも考えたのですが、逆に許可だと大変すぎるという御意見もあって、では報告にするのか。結局、そこは長が決めてそのルールの中でやっていけばいいのではないかという形で書かせていただいています。むしろ、丸山先生がおっしゃっているような形で言うと、それほど大変ではないも、ルール的には余り厳しくしない方が、というところも含めた調整と御理解いただければと思います。

○丸山委員 分かりました。もらう側の研究機関の方から規定の雛形を出してもらう。診療、検診機関に配るというようなやり方もあり得るということですね。

○福井座長 はい、知野委員、どうぞ。

○知野委員 24ページと25ページの(1)(2)ですが、これはまず24ページの(1)の○1の場合、「情報を公開し、研究対象者が研究を実施されることについて拒否できる機会を保障している場合」。この情報公開というのはどういう形のものを想定されているのでしょうか。というのは、25ページの(2)になりますと、イの所で、「あらかじめ研究対象者等に通知し、又は公開していること」とあるのです。これは通知してくれるのなら、それは分かるだろうなと思うのですが、この公開というのはどういう形になりますか。例えば、それを本人が知らずに過ぎていくこともあり得るのでしょうか。

○伊藤安全対策官 一般的には本人が分かるのであれば、通知もあります。例えば、病院に掲示する等、ホームページに書いておく等の方法もあるかと思います。

○知野委員 やはり、そこで皆さんそういう情報公開が行われているということを知ることができるのですか。気付くのですか。

○伊藤安全対策官 というような実態でこう動いているところもあると聞いております。

○知野委員 ただ、実態的にはやはり気付かずに、そのままになっているとか、拒否等はできる状況ではなかったというようなことにはならないのでしょうか。その辺、手段というか、対策、方法はないのでしょうか。

○丸山委員 その辺りはもう、関心のある人には把握してもらおうと。関心のない人というか、どちらでもいい人もいると思うのです。そういう人にわざわざ判断の負担を受けていただくのはいかがなものかということで、だから関心のある人に分かるような公開の方法を尽くそうというところが精神だと思います。

○福井座長 位田委員、どうぞ。

○位田委員 その辺が一番難しくて、関心のある人はいるのだけれども、関心のある人が気が付かないというケースが、多分知野委員がおっしゃった問題です。例えば、ホームページに載せれば、それでいいかというと、それはそうではないのですね。ホームページを見にいかないと、情報を知ることができない。ですから、いろいろな手立てを取って、公表をする。広報がなされるというのが重要だと思うのです。だから、例えばポスターを貼る等、若しくはチラシをどこか窓口に置いておく等、これをやればいいというのではなくて、できるだけこういうことが行われますということが、いろいろな形で知らせられるような、ある種の努力をするのがやはり重要だろうと思います。

○福井座長 ありがとうございます。藤原委員、どうぞ。

○藤原委員 先ほど、丸山先生が、(2)の現行のままがいいのではないかとおっしゃいました。現行の記載だといちばん現場が多分大変というか、保守的な倫理審査委員会の場合、原則は同意を得て、ただし書で当該同意を受けることができない場合には、いろいろなことができますという記載になっています。そうすると、どうしても保守的に流れてしまうので、(1)の場合だと、以下○1又は○2に該当する場合であって、うんぬんと書いてあります。インフォームド・コンセントを受けることは要さないと、明示的にインフォームド・コンセントを要さない事例が書いてあります。できれば、ただし書ではなくて、こういう要件があったら、インフォームド・コンセントは要りませんよという記載振りの方が、(1)の方が助かるなと思うのです。

○福井座長 (3)のことについてでしょうか。

○藤原委員 この辺、全部そうなのです。(1)(2)の所です。

○福井座長 (2)もですか。

○藤原委員 そうです。

○福井座長 (1)の方が。

○藤原委員 (2)の方は全てただし書になっています。例えば、23ペーの(2)のアの3行目です。「ただし、当該同意を受けることができない場合であって、以下の()から()のいずれかに該当するときには、当該既残存試料・情報を利用することができる」というようにすると、ただし書なので、消極的に捉える倫理審査会が多い。上の(1)を見ていただくと、()の例えばフレーズの一番下の行でもいいです。「インフォームド・コンセントを受けずに当該試料・情報を利用するこができる」と書いてあります。これはただし書ではないのです。こうこうこういう条件があれば、インフオームド・コンセントを省略できますとしてありますので、そちらの方が良いかなと私は思います。

○川村委員 (1)(2)2つの要素があります。今、藤原委員が言われたような原則論と例外という構成の問題と、もう1つ分岐の仕方の何を先に持ってくるかという2つが混じっています。表現の仕方に、原則IC、ただしそうでないこともできる的な書き方と、一定の条件を満たしていれば、最初からインフォームド・コンセントの緩和、免除があるというインフォームド・コンセントそのものに対する概念というか、基準と、もう1つがディシジョン・ノードの所の何を先に持ってくるかという2点あります。どちらかというわけではなくて、2×2で実は4通りあることになります。

○福井座長 どちらがよろしいでしょうか。

○川村委員 個人的には原理原則に非常にこだわる倫理委員会は、インフォームド・コンセントが取れるのだったら、取るべきだと言っているところがあります。一方で、悉皆的に取れないのだったら、個別に取る人と、情報公開のみの人とが混在します。そういうように、悉皆的に取ることが難しければ、緩和した方がいいのではないかという委員会があって、現実問題としては全体におおよそ同じ水準を求めるべきであろうから、必ずしも原則論を先に強く主張しなくてもいいかもしれないとは思います。ただし、その辺はこの種の法律文の読み方があって、その辺は法律に詳しくない人が読むことを考えると、平易に、藤原委員が言われたような書き振りが現実には則していると考えます。

○花井委員 また、匿名化の話です。(1)(2)もそうなのですが、自らの機関においての場合で、連結可能で対応表を保有しないというのは、どういう状況を示しているのでしょうか。それが分からないのです。若しかしたら、これはそうであれば、連結不可能になると思うのですが、どういうことでこういう書き振りになっているのか。

○福井座長 事務局、どうぞ。

○伊藤安全対策官 例えば、自分のところの研究機関で、Aという研究機関の中で、連結可能匿名化の情報をほかの所からもらってきて研究を行っていたという場合に、では次のBという研究をしたい、その情報をまた使いたいという場合には、連結可能匿名化であっても、対応表を保有していない情報になるだろうと。こういったことを想定しております。

○花井委員 分かりました。もともとの研究で、ほかからもらってきて、連結可能で、対応表を持っていないものをこれに含んでいる。いわゆるインフォームド・コンセントを省略又は口頭でできるということなので、被験者の方からすると、やはりどこかで自分の個人的な情報が、後から自分が同意しない範囲で使われるのが一番の懸念だと思います。全く自分が特定されなければ、ある程度もう要らないよと。それと、ある程度同意した内容が延長線上に、まあ大丈夫だろうというところで、それは公開すればいいという趣旨なので、書き振りとしては、むしろそれが分かりやすい形の方がいいと思います。(1)が結構すっきりするのではないかとは思います。

○福井座長 ありがとうございます。丸山委員、どうぞ。

○丸山委員 (1)の方が余り詳しくない倫理委員会にも通りやすいということですが、(1)でも同意を求めることは、記録うんぬんで最初に書かれています。そこは同じではないかと思います。

 それと併せて、それよりもいろいろなところの計画書を拝見しますと、現行のルールが非常によく周知されていると思うのです。保守的な委員会で適用が危ぶまれるというのは、謙遜でなければ、議論のための例だと思います。

 それと、やはりゲノム研究を伴っているのが多いので、二本立てで研究者の方、プロトコールを書くのをいとわれないのならそれで結構ですが、しかし、やはり現実にはそのことが負担になって、両方の指針を見なければならない。要件のニュアンスが異なるということであれば、一本化するのが望ましいのではないかと思います。

○花井委員 位田先生とかに聞きたいのですが、もう1つ気になるのは、社会的に重要性が高いものを例示するということです。ある程度、社会的に重要性が高いというのは、ある種、何と言うのかは被験者保護という観点からすると、国家権力というか、公衆衛生上等、そういう場合は通常予防接種法等は、公衆衛生は個人の人権とコンフリクトするから、法があるというところで、重要性が高いものを国にとって重要性の高いものは、重要性が高いのだとなると、その辺は若干人権とコンフリクトするので、どういうものを想定されているのかを知りたいのです。

○福井座長 事務局、どうぞ。

○伊藤安全対策官 事務局から少し御説明させていただきます。もともとこの辺は個人情報保護法の関係の部分から来ているところがあるのかなと思っております。やはり、公衆衛生の関係等、そういった緊急性の高いようなもの等、そういった場合には、特に必要がある場合であって、研究対象者の同意を得ることが困難であることというような形で、除外規定を設けているところとの兼ね合いで出てきたものかなと思っています。ただ今回、疫学と臨床を両方合わせているという部分もあります。その公衆衛生という言葉が適当かというところもありましたので、このような書き方をさせていただいています。ほかに適切な言葉があるのであれば、いろいろと御指摘を頂ければありがたいと思います。

○福井座長 宮田委員、どうぞ。

○宮田委員 ここは結構きちんと議論しないといけないところだと思います。というのは、アイスランドで国民のゲノムを国家がある企業に委託して解析をして、その成果を製薬企業等に提供をして、研究を進めるというビジネスモデルがありました。それは法案は通ったのですが、結局オプトアウトだったので、これは国民の反対が後で出て、結局研究は駄目になってしまった。これは基本的に、よく読むとオプトアウトです。ですから、その後オプトアウトであれば、それの担保する条件として、拒否の自由がどこまで本当に実効的に保証できて、それを国民が行使できるかというところが担保されなければいけない。これだけの書き振りで、今までそこら辺のところの議論を素っ飛ばしていて、これを通していいかどうかは、やはりこれは時間のこともあれば、次の宿題にして十分事務局で御検討を頂きたいと、私はお願いいしたいと思います。

○福井座長 今日の時間のことも実はあります。議論を続けることができませんので、申し訳ないのですが、1点だけお願いします。先ほどの(1)(2)の件について、丸山先生が最後におっしゃったのは、(1)でもいいとおっしゃったのか、(2)の方がいいとおっしゃったのか、確認だけさせていただきます。

○丸山委員 別に私は研究しているわけではないので、研究者に対する負担を考えなくてもいいのですけれども、(2)の方がいいと思います。ほかの指針との整合性の点だけでも、(2)がいいと思います。

○福井座長 事務局、どうぞ。

○工藤課長補佐 すみませんが、丸山委員にもう1点だけ追加で確認させていただければと存じます。(2)(2)(3)(2)も、規定中に個人情報関連の部分がありますが、個人情報関連の記載は整理すべきということでしょうか。それとも、この部分もゲノム指針との並びで残すということでしょうか。

○丸山委員 個人情報絡みのが入っているのですが、一旦できたものはそれに従って、研究者の方はプロトコールを書かれてきました。これは45年続いているので、そういう実態があれば、もう今動かすことは、また研究者の方の負担を増やします。(2)(2)ア(イ)は使えない場合が多いのですが、使える場合もわずかにあります。使える場合は使ってよくて、ほかは(ア)か(ウ)でやればいいということで、やはり既成の事実もそれなりに配慮して、個人的な見解としては異質なものが混じっているとは思うのですが、そのまま残すというのが指針の作成という点では望ましいと思います。

○福井座長 それでは、次回の会議には(2)をベースに作っていただいたものを提出して、委員の間でディスカッションをお願いできればと思います。

○位田委員 この指針は臨床と疫学と両方一緒にするという話です。現行の案では疫学についての特別のルールというか、そういうものが必ずしもはっきりしなくなっているのですね。それで、疫学の先生方は本当にいいのでしょうか、ということが若干気になっているのです。疫学の研究の場合には、この倫理指針のどこを使う、臨床の場合には、こちらを使うという、ある種のフローチャートというか、そういうものが必要はないのでしょうか。私は実際に研究していないので、よく分からないのです。

○福井座長 山縣先生、どうぞ。

○山縣委員 基本的には最初の会議に言ったのですが、むしろ疫学の方が大きい範囲にあります。その中で、患者に対するか、治療なのかという話です。むしろ、こういう話だろうと思います。だから、要するに疫学研究というのは手法であって、対象が変わることによって、それは臨床研究なのか、一般的な疫学研究なのかの違いです。

○福井座長 恐らく、このままで大丈夫ではないかと思います。それでは、、申し訳ありませんが、本日はこれまでとさせていただきます。できましたら、残りの部分についの御意見をあらかじめ事務局にお知らせいただければ、次回はそれを踏まえた上でのディスカッションにしたいと思います。それでは、議題2のその他として、事務局より、何かありますでしょうか。

○高江課長補佐 次回の開催日程については、後日改めて事務局より御連絡をさせていただこうと思っています。また、本日の議事録は作成でき次第、皆様に御確認をお願いさせていただき、その後公開しようと思っていますので、こちらもよろしくお願いします。最後に福井座長からもありましたように、事務局へのコメントですが、会議ぎりぎりですと、反映できなくなってしまいます。事務局でも、みんなでまた議論をした上で、いいものを次回提供させていただこうと思います。誠に恐縮ではありますが、1週間以内を目途で、事務局まで頂けると大変助かります。その点の御協力を併せてお願いできればと考えております。事務局からは以上です。

○福井座長 ありがとうございます。それでは、本日はこれで閉会としたいと思います。最後に何か、事務局か資料のことで説明ありますか。

○高江課長補佐 紙ファイル参考資料ですが、それはそのまま机上に残していただいて、お持ち帰りにならないようお願いいたします。

○福井座長 ありがとうございました。これで閉会します。


(了)
<問い合わせ先>

医政局研究開発振興課:高江、吉岡

電話: 03−5253−1111(内線2542、4163)

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