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2014年2月13日 第19回レセプト情報等の提供に関する有識者会議 議事録

○日時

平成26年2月13日(木)10時00分~12時00分


○場所

厚生労働省専用第22会議室
東京都千代田区霞が関1-2-2


○議題

議事次第
1.レセプト情報等の利活用の促進に係るこれまでの議論の整理について
2.その他

○議事

○山本座長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第19回「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」を開催いたします。
 構成員の皆様には、年度末の御多忙の折お集まりいただき、厚く御礼を申し上げます。
 それでは、会議に先立ちまして、本日の構成員の出欠状況等について事務局から報告をお願いいたします。
○佐久間室長 それでは、本日の構成員の出欠状況について御報告させていただきます。
 本日欠席予定の構成員でございますが、大久保構成員、新保構成員、三浦構成員、宮島構成員でございます。松田構成員は若干遅れていらっしゃるところでございます。
 出席人数につきましては、会議の開催要件を満たしております。
 以上でございます。
○山本座長 ありがとうございます。
 それでは、会議の開催要件を満たしているとのことですので、早速ですが、議事に入らせていただきます。
 本日の議題は、議事次第を見ていただきますように、たった1個でございまして「レセプト情報等の利活用の促進に係るこれまでの議論の整理について」ということで、よろしく御議論のほどをお願いいたします。
 それでは、早速、事務局から説明をお願いいたします。
○佐久間室長 それでは、1枚紙の資料1でございます。
 9月に開催いたしました本会議におきましてレセプト情報等の利活用の促進を御検討いただきまして、12月には、利用者へのアンケート調査、また利用者の方々からのヒアリングを実施しまして御意見をいただきました。また、1月の有識者会議では民間の方々からレセプト情報等の利活用の可能性について御意見をいただいたということでございます。
 本日は、これまでの議論の整理をいたしまして、また御議論が必要な事項については御議論をいただきたいと考えております。
 それでは、御議論の確認ということで資料1を御覧ください。幾つかのカテゴリーに分けてまとめておりまして、これまで御議論いただいてきたことの整理でございます。項目が多くなっておりますが、こういった形で整理しております。
 まず、「1 事務手続き上に係る利便性の向上」の「(1)申出添付書類の簡素化等」です。提供するデータの種類に応じた手続や必要書類の設定ということで、特にサンプリングデータセットのセキュリティ要件の緩和に伴う手続の簡素化等を御議論いただきました。また、様式1の登記事項証明書等の提出の簡素化、サンプリングデータセットの公表物事前確認手続の簡素化ということでございます。
 (2)は米印がついておりますが、「説明会開催と審査頻度の改善」ということで、これはまだ詳細に御議論いただいておりませんので、後ほどの資料でまた御議論いただきたいと思っております。内容については省略いたします。
 (3)は「厚労省内部部局の申出の手続きに係る簡素化」ということで、厚生労働省内部部局の申出に係ります有識者会議の審査を省略するということ、また省内の申請様式の整備といったことでございます。
 2に移りまして「提供するデータの利便性の向上等」ということで「(1)データの利便性の向上」です。4点ほどございます。サンプリングデータセットの基礎情報(母集団情報、匿名化コード等)の提供、サンプリングデータセット公表基準の緩和、基本データセットの提供、新システムにおける分析ツール等の提供でございます。また後ほど報告事項の方で機器更改に係る状況について御報告したいと思います。
 「(2)セキュリティ要件の緩和」は、サンプリングデータセットのセキュリティ要件の緩和、また集計表情報の利用に係りますセキュリティ要件の明確化を御議論いただきました。
 「(3)データ利用環境の提供」は、オンサイトセンターの整備を来年度予定しております。
 「(4)データ提供の迅速化」は、我々の業務でございますが、第三者提供に係る業務の委託、またデータベース管理部門におきます集計時間の短縮、新しいシステム導入によります集計時間の短縮でございます。
 「3 データ利用に係る情報提供、周知及び教育研修体制」の「(1)データ利用に係る情報提供、周知」は、マニュアルや事前説明会資料のウェブによる提供、また相談体制の充実、説明会開催内容のウェブによる提供、これも後ほど1の(2)で御議論いただくところでまた出ると思います。それから、既利用者の知見の共有ということで、既に利用されている方々から今まで説明会にあわせて講演等をいただいていたのですが、こういったものを通じて行っていきます。
 「(2)教育研修体制の充実」は、教育用ツール、データセット等の拡充や、先ほど申し上げた既利用者の知見の共有、相談体制の充実というものでございます。
 こちらも本日御議論いただく内容でございますが、「4 NDBの活用の範囲について」ということで、特に民間組織に提供するかどうかについて御議論をいただきたいと思っています。データの利用目的、データの種類、申し出者の要件、具体的な手続、施行時期その他ということでございます。
 最後に「5 その他」のところで、こちらは昨年1月にまとめていただきました有識者会議の報告書に基づく検討事項の一部でございます。手数料の徴収、また個人情報保護との関係もございますが、罰則等についてということ、またオンサイトセンターにおけるPrivacy Preserving Data Mindingについてということで、こういったところが今後御検討いただく事項として残っております。
 議論の整理のまとめとしては以上でございます。
○山本座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただいたのは今までのまとめということなのですけれども、これ以外に論点があるかどうかということと、この論点の中でも今まで余り議論していないもの等、4に関してはこれから御議論いただきますけれども、ございましたらどうぞ御意見をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 石川先生、どうぞ。
○石川構成員 資料1の1の事務手続の(3)です。厚生労働省内部部局の申し出の手続の簡素化ということで、内部部局の申し出に係る有識者会議審査は省略となっております。これについては、例えば高齢者医療確保法のもとでレセプトのナショナルデータベースの活用ということが、自治体、そういったところについては法的に許可されているということになっておりますけれども、それ以外のところでは、厚生労働省内部でも、例えば我々の出したレセプトのところから医療管理的なことの統計的なものに使われるという可能性もないわけではないので、そういう点では省略というのはいかがなものかと考えます。
 そういうふうなことで言いますと、例えば医療機関全体にわたって、ナショナルデータベースが日本のある面では宝ということでいろいろ使われるのは構わないわけですけれども、私が一番最初からずっと主張しておりました医療機関コードは原則公開しないということにつきましては、やはりきちんと徹底していただくということを文言の中に入れてもらわないと困ると思うのです。原則というのは非常に曖昧ですので、このところをとにかく担保していただきたいと考えております。
○山本座長 ありがとうございます。
 事務局から何かありますか。
○佐久間室長 1の(3)に「有識者会議審査の省略」と書いておりますが、これは以前御議論いただきまして、有識者会議審査と同様の審査を事務局において行うということ、あわせて御報告という形ではございますけれども、有識者会議の皆様方にはお知らせをきちんとさせていただく、このような手続というふうに理解しております。
 医療機関コードについて原則公開しないということについては、ガイドラインが現行そのままになっておりますので、その取り扱いになるかと思っております。
○山本座長 よろしいですか。
○石川構成員 はい。
○山本座長 ほか、いかがでしょうか。
 その他の項目、手数料の徴収や罰則というのは、基本的には制度整備といいますか、法律事項になるかと思うのですけれども、これに関しては昨年3月の報告書に書かれて以来、余り議論も話題もなかったように思うのですけれども、この辺はいかがでしょうか。
○佐久間室長 前回の有識者会議で新保先生から御紹介があったと思いますが、個人情報保護、いわゆるパーソナルデータと言われている部分の検討が内閣府の方で進められているという話もございます。そちらの方の議論とあわせながら、並行した議論を進めていく必要があるかと思っております。現在、こういった形で挙げておりますけれども、引き続き有識者会議の方で議論を続けていただきたいと思っております。
○山本座長 ほか、いかがですか。
○石川構成員 もう一つ、懸念事項の一つなのですけれども、私もいろいろと議論に参加していますとナショナルデータベースは使い方によっては大変すばらしいものができる、研究ができると思っております。その中で、従来、延々とやってきましたレセプトということについて、さらに精緻化しろという議論が早晩出てくるのではないかと考えております。精緻化というのは、今まで我々がどういう保険の医療をやってきたか、そしてまた保険の処方をしてきたかということに対して、病名だとか、そういったことについてもっと精緻化しろという要求が出てくる可能性があるわけです。その場合に、我々医療の現場にとっての負担にならぬようにいろいろと配慮していただくことも必要だと思うのです。使っていくと絶対そういうことがあらわれてきますので、そこのところも今後、議論の一つの問題として出てくるのではないかと思っております。
○山本座長 ありがとうございます。
 その議論がここで出るときには、現場の負担にならないようにという観点も踏まえてきちっと議論をしていきたいと思います。ここで議論が出ればいいのですけれども、ここで議論が出ないで進んでしまうことも時々あります。
 ほか、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、今まで大筋合意をいただいている項目は一応そのままとして、今日はさらに議論が必要なところ、あるいはさらに説明を聞かなければならないところを中心に進めてまいりたいと思います。
 それでは、資料1でいうと1の「事務手続きに係る利便性の向上」のところに入りますけれども、資料2で事務局から説明をお願いいたします。
○佐久間室長 それでは、これも1枚紙でございますが、資料2を御覧ください。
 「申出審査および事前説明会の頻度改善について」でございます。まず、データの利用の申し出の審査については、研究者からのアンケートとヒアリング等でございますが、この頻度をふやせないかという御意見が一部寄せられております。現行はどうしているかということでございますけれども、データ利用申し出をいただくときに、事前説明会の参加を必須としておりまして、この説明会についても今のところおおむね年2回の開催という状況になっています。
 こういった中で、どういうふうに考えていくかということで、黒枠の中でございますが、「事前説明会開催内容の動画の資料化に併せた事前説明会参加義務の免除」と書かせていただいております。現在、申し出者の利便性の向上を目的といたしまして、事前説明会の説明内容を動画・ビデオに撮りまして、これをウェブサイトの方から閲覧できるような準備をしております。3月をめどに行えるように作業を進めております。
 また、説明会にあわせて、既に利用されている方々からの御講演をいただいて、利用の実態、実績等々をお話しいただくということをやっておりますが、こちらもスライドと音声資料として閲覧できるように作業を進めております。
 こうしたビデオをとウェブによる説明会の情報を得られるようになる状況にあわせまして、事前説明会の参加の義務を申し出に当たっての要件から削除、免除してはいかがかと考えております。
 2番目の「申出受付の通年化」でございます。説明会の内容について常時閲覧できることになりますので、申し出に関しての事前相談と申し出の受付け期間についても通年化させていただいて、随時申し出を受け付けることが可能としてはいかがかということでございます。
 あわせて、これも前回、御議論いただきましたが、データを利用されている申し出者の方々でございますが、データの分析を一定程度終えている場合については研究終了前に申し出を行えることとしてはいかがかということでございます。
 3番目の「審査頻度の改善に向けて」ということでございます。今、申し上げたような改善策を実施して実際に申し出件数がどれぐらいふえるかというのはあるのですけれども、今、3月及び9月をメインに行っているところでございますが、その増加の程度に応じまして審査頻度をふやすといったような改善策を図っていってはどうかということでございます。
 以上でございます。
○山本座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関しまして、御質問、御意見がありましたらよろしくお願いいたします。
 稲垣構成員、どうぞ。
○稲垣構成員 健保連の稲垣です。
 方向としてはこれでよろしいかと思います。1点気になりましたのは、申し出受け付けの通年化ですと、申し出る側としては、審査が行われることを想定すると、3番目に書いてる審査頻度の改善については、現行の2回というのを例えば4回にするなどの腹づもりが必要と考えます。
 以上です。
○山本座長 ありがとうございます。
 事務局の方ではいかがですか。
○佐久間室長 今度3月にも審査分科会を開催し、審議していただくのですが、今のところ10数件ぐらいの申し出になっております。この件数がどれぐらいふえるかによってどの時期に開催するかということもあると思います。
 あわせて、申し出に当たって事前に相談を受け付けていまして、具体的な研究計画、申し出内容を、かなり細かくというわけではないのですけれども、御相談させていただきながら進めております。そういった中で、申し出の方々の御要望も踏まえながら進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○山本座長 ありがとうございます。
 今の件数であればこのくらいでいいのでしょうけれども、増えてくればそれなりに対応を考えなくてはいけないということが1点ございますね。
 もう一つ、出す側からすると、いつ審査をしてもらえるのかというのが例えば科研費を申請するとか何とかのときには要素としては結構大きいと思うので、申請時に、順調にいけばこの月に審査が行われるみたいなことがあった方がいいのかなという気はしますけれども、それは大丈夫ですか。
○佐久間室長 基本的に、審査分科会を開催するところは予め明示させていただいて、その上で御相談という形にしたいと考えております。
○山本座長 ほか、いかがでしょうか。御意見はございませんでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、おおむね既に御同意いただいていることですけれども、この方向で進めるということにさせていただきたいと思います。
 次は、資料1の4の「NDBの活用の範囲について」、特に民間利用の検討に関してですけれども、事務局の方から説明をお願いいたします。
○佐久間室長 それでは、資料3の御説明の前に、報告事項ではございますけれども、資料4の1枚紙を御覧ください。
 資料4につきましては、海外におけるレセプトデータの提供状況について、アメリカ、韓国、台湾における民間の提供等の動向を厚労科研の研究班を中心にお調べいただきましたので、概要を御報告したいと思っております。
 2ページ目、アメリカ、韓国、台湾におけるレセプトデータ提供の概要を御覧ください。
 まず、アメリカの機関は、CMS(Center for Medicare and Medicaid Services)でございます。提供しているデータといたしましては、個人を識別できる情報、個人を識別できない個票データ、集計表など複数を提供されているということでございます。特に民間提供の有無というところでございますが、CMSが提供するデータは、データの種類によって違うということでございますけれども、種類により民間が利用できるものがあるという状況でございます。個人情報の関係については省略させていただきます。
 韓国は、Health Insurance Review Agency(健康保険審査評価院)でございますけれども、こちらの方は層化抽出データと、そのほかに申し出者の要望に応じて抽出を行ってデータ提供する場合もあるということでございます。韓国の場合、公共・民間部門に提供しておりますけれども、民間提供先といたしましては、マスコミや患者団体等、対象となる組織が限定されている状況ということでございます。
 次に、台湾は、National Health Insurance Research Databaseというところがございます。こちらの方も、系統抽出データと特定したデータということで疾患別のデータセット等々でございます。台湾の場合、民間への提供については禁止しているということでございます。過去に、製薬会社等に治験業務サポート等の目的で試行的に提供した時期があったということでございますけれども、現在は研究者にしか提供していないという状況でございます。
 こちらの方は、日本の制度に似ている国々について御報告をさせていただいております。研究班の調査ということで御協力をいただきながらしておりますが、悉皆的な調査ができているわけではございませんので、おおむねの現状ということで御報告させていただいたものでございます。
 以上でございます。
○山本座長 ありがとうございます。
 この御報告に関しまして、何か御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいですか。
 台湾、アメリカに関しては何度もこの有識者会議に出てきておりますが、韓国もこういったことだということでよろしゅうございますか。
 それでは、引き続き、説明をお願いいたします。
○佐久間室長 それでは、資料3を御覧ください。「民間利用の検討に関する論点」の資料でございます。
 前回の有識者会議における民間ヒアリングの概要ということで、前回、製薬業界、医療機器業界、シンクタンクの3者からヒアリングをさせていただきました。その意見の概要を今回レビューしたいと思っております。
 まず、製薬業界ですが、必要な新薬のより迅速な市場への提供、また医薬品の適正・安心な使用ということを基本理念とするとしております。
 あわせて、具体的な利用目的として5つほど挙げております。副作用を生じやすい要因の評価、リスク最小化策の評価、リスク評価・ベネフィット評価、医薬品開発分野の選定、臨床試験のプロトコールの作成などでございます。
 具体的にどんなデータかということでございますが、薬剤使用実態集計ということで定型及び半定型の集計表、疾患診療実態集計ということで定型及び半定型の集計表、またオーダーメイド集計ということで目的ごとに特化した集計解析ということでございます。
 その他のところで幾つか御意見がございますけれども、専門機関等による集計・解析結果の入手を希望されるということ、また個票データについても必須ではないけれども、複雑な集計を行う際には必要となる可能性もあるということ、公平性ということもおっしゃっていたと思います。
 次に、医療機器業界からでございますが、基本理念が、医療の質の向上につながるよい製品を早急に医療現場に届けること、また行政・地方自治体の医療政策推進へ寄与するということでございます。
 具体的な利用目的は、新規医療技術の研究開発の促進、治験・臨床研究計画の効率化、より精度の高い保険適用希望、医療機器の安全対策の推進ということです。
 どんなデータかと申しますと、保険適用希望書への記載のために特別抽出、サンプリングデータセット、集計情報の活用ということ、また医療機器のふぐあい情報の抽出と活用ということでございます。
 その他として、地方自治体の在宅医療推進のための連携の一員として事業者への情報共有を希望するということでございました。
 3つ目はシンクタンクでございますが、基本理念としては、より広い分野と多くの産業への活用と利用者の目的に応じたデータ提供環境の整備ということでございます。
 利用目的としては、医療機器分野、これは先ほどございましたけれども、市場動向や製造計画、新医療機器の商品化における単価設定や需要予測の基礎資料ということ、生命保険関係ですと健康評価指標を構築するための基礎データ、健康産業ですと生活改善プログラムの開発・商品化、介護予防に向けたリハビリプログラム、脳梗塞再発予防のリハビリプログラム作成のための基礎資料等ということでございます。
 具体的な御要望は、関連する業種の利用団体への集計表の提供だったと思います。
 こちらの方は前回のヒアリングの概要ということで、こういったものに基づいてどういったことを検討しなければいけないかというのは次のページを御覧ください。
 3ページでございます。活用範囲を検討するに当たってどのような検討事項があるかということでございます。こちらはデータを提供するときの事務的な流れに合わせて書いておりますが、特に黒塗り白文字になっているところが御検討いただく必要があると考えられる事項でございます。利用目的、提供するデータの種類、申し出者の要件、分析主体・利用形態、公表内容といったところでございます。
 それぞれについてでございますけれども、4ページを御覧ください。利用目的についての検討でございます。幅広い主体によるデータの利活用を検討するに当たりまして、これまでの議論を踏まえてどのような利用目的が合理的であるかということで、上段の点線の枠に入っているところでございますが、本来目的以外の第三者提供でのデータ提供の制限ということで、目的が書かれています。
 1は、厚生労働省、行政機関の場合ですけれども、医療サービスの質の向上等を目指した正確な根拠に基づく施策の推進のために利用する場合ということと、かつ公益性が高い、こういったような要件になっております。
 2は、行政以外といいますか、研究者の方々が使われる場合でございますけれども、1に規定する施策の推進に有益な分析・研究または学術研究の発展に資する目的で行う分析・研究、かつ公益性が高い、こういったような条件がございます。
 今回の民間組織からの御要望は、先ほど御説明したとおりでございますけれども、下の方に並べてあります内容でございます。現行の規定に該当するもの、しないものがあると考えられますけれども、民間が使われる場合に利用目的についてどのように考えていくか、整理していくか、この目的を変更するのかしないのか、こういったことについて御議論いただきたいと考えております。
 次の5ページを御覧ください。「提供データの種類についての検討」ということでございます。ヒアリングにおける民間組織からの御要望は、先ほど申し上げたとおり、集計表情報をまずはということが多かったと思いますが、そういったものについてどの種のデータを提供するかということでございます。
 「取り得る対応策およびその長所・短所」とございますが、ここは個人の特定可能性に合わせて表を作っております。
 例えば定型表、半定型の集計表情報でございます。長所として、個人の特定可能性について検討する必要がなく、安全に利活用ができるのではないか。
 サンプリングデータセット、基本データセットは、比較的匿名性を高めているデータセットでございますので、こちらも比較的安全に利活用できるのではないかということでございます。
 特別抽出のところは、個人情報に準ずる情報を提供することが問題となる可能性があるということでございます。
 ただ、定型表、半定型集計表についての短所ですが、ニーズがたくさんあると思いますので、ニーズに対応するものを提供側で作成する必要があるということ、また、提供側、我々の集計作業の方の供給能力について数が多いと対応できなくなる可能性もあるいうことが一部考えられます。
 一方、特別抽出については、ニーズに即した研究が可能となるということでございます。
 こちらの資料は事前に委員の先生方に送らせていただいているのですが、本日御欠席の新保先生から御意見がございました。先ほど申し上げたように、特別抽出のところで個人情報に準じる情報を提供することが問題になる可能性があるというカラムがございますが、サンプリングデータセット、基本データセットについてもこの問題が生じる可能性があるのではないかという御意見でございます。
 こうした中で、データの種類について御議論いただきたいということでございますが、一つは、個人の特定可能性を考慮して、まずは定型表や半定型集計表の提供を行うかどうか、また利便性や充実した成果を得ることを目的として個票データの提供まで行うのかどうか、この点について御議論いただきたいと思っております。
 6ページを御覧ください。「分析主体・利用形態について」ということでございます。従来、主として研究機関がデータ分析等業務を行っておりましたけれども、民間等の研究機関に対して開放することをどう考えるかということでイメージを作っております。
 点線枠の中でございますが、「従来」と書いているものは、厚生労働省からデータを提供させていただいて大学等の研究機関で研究をしますので、その際に、民間等研究機関、民間企業等でございますが、基本的にデータクリーニング等の作業のみの外部委託で受託するような形でございます。民間組織が厚労科研究費を受けている場合は大学等研究機関に該当する形になるかと思います。
 今回「民間組織が関与するさまざまな形態」ということで3つほど挙げております。
 1つ目でございますけれども、民間等研究機関が単独で申し出を行って、分析主体も民間等研究機関の場合です。
 2つ目は、民間企業が、これは民間企業・中央団体と書いておりますが、単独で申し出を行って、分析主体も民間企業等が行う場合です。
 3つ目は、民間企業等が民間等研究機関に集計表の作成を依頼し、分析主体については民間等研究機関です。
 このようなものが概念的には考えられると思っております。
 こういった民間等研究機関など民間企業がデータ分析の主体となることをどこまで認めるのかといった点も議論になるかと考えております。
 これにあわせまして、要件も議論になると思いますが、7ページを御覧ください。「申出者の要件についての検討」でございます。データの提供に当たりましては、公益性の確保が前提とされておりますけれども、民間組織による申し出者の要件についてどう考えるかということで、個別組織からの場合と中央団体の場合で業界内の代表性と長所・短所についてシェーマを作っております。
 民間企業等の個別組織の場合ですが、長所としては、個別のニーズに合ったデータを提供することが可能となること、短所としては、データ提供の前提である公益性の確保が不明瞭になる可能性があり、また業界が求めている公平性が確保されない可能性があるということでございます。
 一方、業界の中央団体についてでございますけれども、長所としては、各企業へ一律に情報を提供することが可能となり、業界が求めている公平性が確保できるということ、ただし、短所として、中央団体の定義を明確にすることが難しく、申し出をされました組織が確かに中央団体と言えるかどうか、こういった判断の難しい事例が想定されるということでございます。
 個別の民間企業、研究所等を申し出資格を有する者として認めるかどうかということが論点でございます。あわせて、各業界の中央団体を申し出資格を有する者と限定した場合でございますけれども、中央団体としての資格認定をどう行うか、こういったところが課題として挙がってくると考えております。
 8ページは、現行のガイドライン上で示している提供依頼申し出者の範囲、要件でございます。7番目のところが民間に該当するところでございます。これは参考として挙げています。
 次に、9ページを御覧ください。「公表内容についての検討」でございます。これまでの第三者提供におきましては、研究の成果について公表することを必須としております。今回の場合でございますが、公表の取り扱いについてどう考えるかということで3つ挙げております。
 公表を求めない。
 公表を求めるが、内容に応じて有識者が事前に確認する。
 公表を求めるが、有識者の事前確認を必須とする。
 長所、短所をいろいろ書いてございますが、この3点について御議論をいただきたいと思っております。
 次に、10ページを御覧ください。今回、御議論いただく内容について、利用目的、データの種類、申し出者の要件、公表内容のところを民間利用者に求める条件の厳しい・緩いに合わせて図にしたものです。
 まとめますと、利用目的でございますが、どういう目的にするか、より公益性の高い研究に限定するのか、それともこれまでの第三者と同様の利用目的にするのか、また民間組織の利益に資するような研究を認めるのかどうか。
 提供データの種類については、定型表、半定型集計表、サンプリングデータセット、基本データセット、特別抽出、どういったところまで認めるのか。
 申し出者の要件については、これも難しいところがありますけれども、中央団体にするのか、個別組織もしくはシンクタンクのような民間研究機関を認めるのかどうか。
 公表内容については、事前確認を必須とするのか、内容に応じて確認するのか、それとも公表を求めないのか、こういうところを御議論いただく際の簡単にまとめたシェーマでございます。
 最後でございますけれども、11ページを御覧ください。今、申し上げたところの御議論の中身によってということでございますが、試行期間の設定について御検討をいただく必要があるかと考えております。
 試行期間を設定する、設定しないというところで、長所・短所を示しております。
 試行期間を設定する場合でございますけれども、長所としては、データ提供を行う過程で申し出者の要件や提供するデータ内容などの要件について具体的な知見をもとに精緻化を行うことができるということ、短所でありますけれども、試行期間で定められた手続はあくまで暫定的な手続でございますので、継続的な修正が必要となるということでございます。
 試行期間を設定しない場合は、ほぼこの反対のことでございます。
 試行期間については、具体的な申し出者要件の設定や提供するデータ、申し出審査等について実施状況を勘案して検討していくこととし、当面の期間を試行期間として位置づけた上でデータ提供を行うこととしてはどうかと書いております。こういったことについて御検討いただければと思います。
 また、試行期間を仮に設定する場合でございますが、試行期間における対象についてどうするか、医療に関係する業種に限定していくのか、これ以外の業種についても対象としていくのかということでございます。
 長々と御説明申し上げましたが、民間利用の検討に関する論点についてそれぞれ御説明申し上げました。
 以上でございます。
○山本座長 ありがとうございました。
 本日御議論をいただく中でこれが一番大きなテーマでございまして、資料3に関しまして忌憚のない御意見を伺わせていただければと思います。何か御意見はございますか。
 まず初めは、全体を通じてお気づきの点あるいは御発言されたい点があったらお伺いしたいと思います。少し議論をした後で、あるいは意見が出なければそのまま進んでもいいと思いますけれども、10ページ目の「これまでの整理のまとめ」というところ、この中でどこを選んでいくかみたいな形で議論を進めさせていただければと思います。
○飯山構成員 ちょっと質問なのですけれども、今おっしゃった10ページの提供データの種類では、民間に厳しい方のところに定型表があって、緩いところが特別抽出です。5ページの個人の特定可能性でいくと定型表の方が低くて特別抽出が高いとなっているので、何となく違和感を覚えます。どうしてこちらでは特別抽出の方が民間利用者に求める条件が緩くなるのでしょうか。
○加藤(源)補佐 御指摘ありがとうございます。おっしゃられたような事項で確かに一部齟齬があるかと思います。10ページのところの整理で明記したかったことというのは、民間利用者に求める条件をどのように考えるか、ということです。提供データの種類として、緩い側のベクトルに特別抽出とありますのは、特別抽出であれば今の提供体制と何ら変わりなく民間の方々がデータを享受できるということで、おっしゃっていただいたように5ページのベクトルとは方向が逆になっております。これはあえて民間利用者に求める条件という軸で整理したことにより反転してしまったもので、このあと議論いただく際には、この10ページのまとめの資料をベースに議論していただけたらと思っております。
○山本座長 要するに、定型表に限るというのが民間利用者に求める条件としては最も厳しいという意味なのですね。したがって、定型表、半定型集計表、両方認める、あるいは定型表、半定型集計表、サンプリングデータセットまで認める、最後の特別抽出まで認めるというのが一番緩い条件だと御理解いただければと思います。
 何となく見たときにぎょっとしますが、「厳しい」というのは民間利用者に求める条件の厳しさで、上から順番にだんだんと緩んでくるという感じだから、これが一直線で結べるわけではないのですけれども、例えば利用目的はここまで許す、提供データの種類は上からここまで、申し出者の要件は上から順番にどこまで許すみたいな形で見ていただけるとまあまあ分かるかなという感じだと思います。
○加藤(源)補佐 ありがとうございます。
○山本座長 小林構成員、どうぞ。
○小林構成員 利用目的の話ですけれども、資料3の4ページに検討というところがございますが、上段の方で、これまでのデータ提供の制限ということで、2で第三者提供の場合でも公益性が高いものとして原則として議論されて認められてきたという状況がございます。下段では、今回民間組織からの要望がありましたけれども、例えば製薬業界であれば副作用を生じやすい要因の評価、これは非常に公益性があると考えられると思います。またさらに、民間企業の中で健康産業あるいは生命保険等の将来的には販売促進というような話がございましたけれども、そこまでは今の段階ではちょっと行き過ぎではないかと思います。やはり公益性ありというところは譲れないと思いますので、10ページの表がありますけれども、少なくとも下段の民間組織の利益に資する研究を認めるというところまでは慎重に考えた方がよろしいと思います。
○山本座長 ありがとうございます。
 10ページの一番左側は、少なくともこれまでの第三者提供と同様ぐらいまでだということですね。
 冨山先生、どうぞ。
○冨山構成員 資料3の10ページで、提供データの種類と申し出者の要件の部分が大きい重要と思います。我々レセプトを提供する側としては、今までも公益性が高いということでレセプト情報の提供について認めてきた経緯があります。また、海外のアメリカ、韓国、台湾をにおいてもも、全て民間に開放しているというのはどこもなく、台湾などは民間へは禁止しています。
 前回の有識者会議の話でも、医療情報の保護については個人情報保護法の改正で今後対応していくということでございましたが、罰則等も何も決まっていない現状を踏まえ、また、個人情報保護法の改正に伴ってレセプト情報の取り扱いについてもきちっとルールを決めていただきたい。ここの部分につきましてはできるだけ慎重な対応をお願いします。
○山本座長 ありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。
 府川先生、どうぞ。
○府川構成員 私も資料3の10ページについてちょっと提案があります。10ページの資料は民間利用者に求める条件という軸で全部整理していますけれども、別の整理の仕方として、提供データの種類を中心に据えて、それを軸にして、利用目的、申し出者の要件、公表内容などを整理した方が基本的には分かりやすい。ベクトルが逆になっていますので、提供データの種類を軸にこれをもう一度整理し直した方が分かりやすいのではないかと思います。
 1点確認なのですけれども、5ページの提供データの種類のところで、定型表と半定型集計表という2種類があります。半定型集計表の方は、データを提供する側に最初プログラムするという負担がかかるという意味で違っていて、利用者の利用の仕方という意味では、個人の特定可能性について全く不可能ということで両方は共通点があると理解していいのかどうか、お尋ねします。
○山本座長 事務局からお答えできますか。
○加藤(源)補佐 府川先生の御指摘のとおりで、半定型と申しておりますのは、ユーザーあるいは利用希望者、申し出者からの要望を聞いて集計表を作るという過程を経ます。定型表というのは、こちらで何らかの形で固まったものを作ってウェブサイトか何かで公表する、そういう違いですので、その過程で申出者のニーズを酌む酌まないの違いはあるのですが、閲覧する側からすると集計表を見るという観点では同じかと思っております。
○山本座長 個人の特定可能性はゼロということですね。
 石川先生、どうぞ。
○石川構成員 翻りまして、資料3の2ページのヒアリングの概要のところでちょっとお聞きしたいことがあります。製薬業界のその他のところに「専門機関等による集計・解析結果の入手を希望する」と書いてありますが、専門機関というのは具体的には何を意味しているのか、明確にしてもらいたい。
 今までも第三者の方たちへの提供には、分析だとか、そういう研究所みたいなところでやるといったときに中間生成物についての言及が余りなかったように思います。目的と成果物についてはきちんと点検するというようなことですけれども、途中で出てきた中間生成物みたいなもの、これが結構いろいろありまして、怖いものもありますので、これについての縛りをどういうふうにするかということがあります。専門機関というのはどういうことなのか、教えていただきたいということです。
 いつも思うのですけれども、製薬業界の副作用を生じやすい要因の評価やリスク最小化策というのが、2ページ、4ページも要望のところで出ています。これは私どもの組織の役員会などにかけて逐一報告しているのですけれども、果たしてナショナルデータベースでこういうことができるのかとみんな疑問に思うわけです。できるわけがないと思っているわけなので、それをいつも頭に持ってくるというのはどうも解せない気がします。もっと単刀直入に、自分たちの発出している薬、作っている薬がどの程度利用されているか、どういう病名で利用が多くなっているのか、そういうことがむしろ一番知りたい事実なのだと思うのです。それを書いた方がより透明性があるのではないかと思うのです。いつもリスクとか副作用から来るのですけれども、これは私どもにとっては全くおかしな話だと思います。これをレセプトで見るのは無理と考えております。幾つかお答えをお願いしたいと思います。
○山本座長 ありがとうございます。
 専門機関に関しては何か事務局の方でありますか。
○佐久間室長 前回のヒアリングのときにお話があったかもしれませんけれども、分析、集計するノウハウがなかなかないと聞いておりますので、そういったものができるような機関ということで専門機関等によるということを希望されていると認識しております。
 成果の具体例のところで、例えば疾患診療実態集計、薬剤使用実態集計ということをおっしゃっていますので、恐らく石川構成員がおっしゃるようなところも一部入っているのかなという気はしております。
○山本座長 要するに、副作用を生じやすい要因、そういったところをレセプトデータベースだけでできるというふうにとられると誤解を生むわけで、レセプトデータベースだけではできないわけです。それ以外の副作用報告にどれくらい信頼性があるかどうかは別として、少なくとも副作用報告が出ている件数に対して実使用数が出てくるので、分母が分かる。つまり、確率がきちっと評価できるという意味でこういったことが可能になるわけですね。したがって、ここの書き方が、何となくこれを提供すればこれが全てできるみたいに見えてしまうのが余り好ましくないかなという気はします。
 それから、もしも個票を使ってやるのだったら、今のところ、我々は他のデータベースとの結合を禁止しているわけですから、そういう意味ではできなくて、これはあくまでも集計表を通じて母数を把握するという意味なのだということを明確に書いた方がいいのではないでしょうか。
 頭金構成員、どうぞ。
○頭金構成員 ただいまの座長の意見に賛成いたします。NDBのデータから全ての副作用の要因を明確にするというのは無理です。先月のこの会議でも石川先生がおっしゃっていたように、病院情報システムのデータ、いわゆるミニセンチネルのデータの方が副作用の要因研究には合っていると、思います。ただ、一方で医薬品の使用実態がNDBからは分かるので副作用を生じる一つの要因としての情報がNDBから得られるという意味で製薬協の方はおっしゃられたのかなと考えております。
 もう一点、専門機関なのですけれども、前回のヒアリングの際に製薬協の方がおっしゃっていたのは、シンクタンクに加えて、個別の医薬品に関してはPMDAと共同してやりたいと説明していたと思います。私の理解ではこの専門機関の中にはPMDAも入っていると考えておりました。
 以上です。
○山本座長 ありがとうございます。
 石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 すみません。PMDAということだとか、分かるのですが、専門機関というのが調査・分析も含めておやりなる。目的にかなって、成果物もいろいろ出していただくというのは、申請した機関の責任でやるわけですね。専門組織というところは、分析して、いろいろな途中経過を経て成果物を出してくる。その途中の産物について、これは実例が今までありますので、これをどうやって管理するかという問題ですね。
 先ほど私、一番大事なことをしつこく言っていましたけれども、医療機関コードですね。最初のところでこれが添付されない形で出して、専門組織の方に行かないかどうか、これはきちんと担保していただかないと、正直言いまして医療機関コードでソートをかけますと、我々のやっている医療機関の傾向、薬の使用、そういったものはレセプトで丸裸になります。それを言っているわけです。こうやってナショナルデータベースを作るということについては最大限の協力をしているわけですから、そこのところをきちんと担保して、中間生成物も含めて変なふうに使われないということを管理していただきたいと考えるわけです。
○山本座長 ありがとうございます。
 医療機関コードに関しては現状のガイドラインに何も変更がありませんので、これは提供しないということになっております。中間生成物に関しては、提供するデータの種類によって多分変わってくる話ですので、そこの議論がある程度進んでからまた考えたいと思います。
 それ以外。冨山先生、どうぞ。
○冨山構成員 資料3の4ページ、利用目的についてです。前回の民間組織からの要望の中で、医療機器業界の要望の内容の中で例えば医療機器の安全対策の推進や精度の高い保険適用希望など、現実的でないと思われる部分があります。あくまでもこれは向こうの要望のまとめということで分けていただきたく思います。
○山本座長 ありがとうございます。
 これはあくまでもインタビューの中での要望ということで、実現可能性については先生のおっしゃるとおりですね。
 ほか、いかかがでしょうか。
 近藤先生、どうぞ。
○近藤構成員 先ほど小林構成員や冨山構成員が言われましたけれども、資料3の10ページの申し出の流れの「民間組織の利益に資する研究を認める」というのは、私どももいかがなものかということと、申し出者の要件の業界の中央団体というところは、例えば日本製薬工業協会ですと70社が加盟されていると思うのですが、これを公平性というところからどう見るかというのは、どのようなものをもって中央団体と言うかということも含めて、これから議論していかないといけないと思います。いずれにしましても、民間企業等の利益に資するということについては少し慎重にされた方がよろしいかと思います。
○山本座長 ありがとうございました。
 ほかは御意見いかがでしょうか。
 頭金構成員、どうぞ。
○頭金構成員 後の方の議論かもしれませんけれども、公益性という観点から見ても、研究成果の公表を求めないという選択肢はない考えております。
○山本座長 ありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。
 公表の問題も、もちろん、例えばサンプリングデータセットや基本データセットまでお認めするとすれば、これは絶対公表してもらわないと困ると思うのですけれども、定型表だけという結論になった場合に、定型表を見て何か考えたことを全部公表しろと言っても余り実効性がないというような気もします。もともと、ほとんど公表されているデータを使うというだけのことになりますので、その点も後でまた少し整理をして御議論いただきたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。何か全体を通じてございませんでしょうか。
 稲垣構成員、どうぞ。
○稲垣構成員 前回、特に製薬業界団体のお話を伺って、データベースの網羅性が非常に価値があることを言っておられたので、そういった点については我々も耳を傾けるというか、重要視すべきだと思います。
 いずれにしても、第一歩ということから考えれば公益性という視点を忘れてはならいし、公表を求めることは当然だと思いますが、先ほど出ていました申し出者の要件は非常に定義が難しいと思います。公益性という観点で、申請する団体が単一の企業というのは本当にいいのかというのはありますが、その団体が公益を代表しているかどうか、内容の実態判断をして進めていってはどうかと考えます。
○山本座長 ありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。
 府川先生、どうぞ。
○府川構成員 先ほど座長の言われたことと同じことなのですけれども、提供データの種類で民間に提供するのが定型表や半定型集計表に限れば、申し出者の要件についての検討や公表内容についての検討など一切不要ということなので、今、議論しているのは、例えば民間にサンプリングデータセットを提供した場合にどのようなことを求めるのかという議論だと思いますので、まずどういうものを提供するかというのを議論するのが先だと思います。
 民間の方のヒアリングを聞いた範囲では、定型表や半定型集計表があればとりあえずはいいということなので、第一段階では提供をここに限って、後、サンプリングデータセットを提供するにはどういう工夫をしたらいいかをあわせて検討するという整理をした方が分かりやすいし、ナショナルデータベースの利用の裾野を広げるという意味でも非常に有益だと思います。
○山本座長 ありがとうございます。
 それでは、今、府川先生から、先にここを決める方が議論の進め方としてはふさわしいという御意見をいただきました。もう一つ、前提条件として、規制改革会議等からいろんな要望があってこういうことを議論しているわけですけれども、一定期間内にある程度の結論を我々として出さないといけないということです。今日の議論の後、結論を一定の試行期間を設けてやってみる。その後、それでうまくいく、あるいはそれで十分だということであれば、それを固定する。後、改善して何か行うみたいなことがあるかもしれませんけれども、そういう方針で挑むのか、試行期間を設けずにいきなり本番でいくのか、先に御意見をいただければと思います。
 私、個人的には、仮に短期間の申請であっても一度きちっと全経過をこの有識者会議で見た上で正式に運用する方がいいと思うので、試行期間はある程度あった方がいいと思っていますけれども、ほかに御意見はございますでしょうか。
 松田構成員、どうぞ。
○松田構成員 シンクタンクの件は、私はまだ頭の整理がよくできていないのですけれども、製薬業界と医療機器の業界団体の場合には、例えばPDMAと一緒にやっていただくということで、定型表と半定型表の作成だけのところをいろいろ御意見を聞きながらやっていくという形でまず試行的にやる方がいいのではないかと思います。
 多分そのやりとりの過程でいろんな解決すべき課題とか見えてくると思いますので、実際、彼らが要求しているものを出すということではステップが前進することですし、その議論の過程でいろんな解決すべき問題点も出てくると思いますので、まずは製薬業界と医療機器のところに関してはPDMAと一緒にこれをやっていただく、そういう試行をやっていただいたらいいのではないかと思います。
○山本座長 ありがとうございます。
 やはり試行をやってみるという方針で進めることでよろしゅうございますか。
 それでは、10ページの表と5ページの提供データの種類についてということで、試行期間はどこで線を切るかということを決めていきたいと思います。
 府川先生の方からは、5ページの横並びの表でいきますと半定型集計表までということで、サンプリングデータセットあるいは基本データセットについてはどのようにすればよいか引き続き考えていくという御方針の御提案をいただきました。
 いかがでしょうか。
 確かに前回のヒアリングでは、ここでよいという御意見が圧倒的で、要望としてもここだということだったと思います。
 半定型集計表に関しては、今、松田先生の方から、PMDAに御協力いただいて半定型集計表の提供を考えてはいかがかという御提案をいただきました。これは相手のあることですので、ここだけで結論を得るわけにはいかない話ですけれども、考え方としては非常にいいのではないかと個人的には思います。
 切る点としては実は3つあって、1つは半定型集計表で切る。2つ目は基本データセットのB、Cまでで切る。Dになるとリクエストによって項目が入ってきますので、個人特定性が上がる可能性はもちろんあるということで、ここは特別抽出と同じと考えさせていただく。新保先生から、サンプリングデータセットまではリスクがゼロとは言えないという御意見もございました。私自身は、あまりリスクはないと思いますけれども、とはいえ、ガイドラインではそれなりのセキュリティ対策を求めているということから考えても、我々の口からリスクがないとは言えないということになろうかと思いますので、当面、半定型集計表までということで区切らせていただいてと思いますが、いかがでしょうか。
 飯山構成員、どうぞ。
○飯山構成員 私もおおむねその方向でよろしいのではないかと思いますが、定型表につきまして、これは形が一回決まったら項目調査などずっと同じように作るとすると、定型表だけの提供の場合だったらいちいち審査は必要ないと考えてよろしいのでしょうか。
○山本座長 ここから先はまた御意見を伺わないといけないのですけれども、定型表になってしまうとデータ自体を公表していいのではないかと思っていますので、そもそも提供するも何もなくて、公表されたデータを自由に見ていただくということになろうかと思います。
 むしろ、例えば半定型集計表をリクエストがあったところだけに渡すという方が何か理屈が合わないといいますか、考えなければいけないことが非常に多くなってしまうと思うので、リクエストどおりの表ができたらその表自体を公表する、誰が見ても構わないという状態にするのが話は一番シンプルだと思います。
 この場合、民間組織からの利用の拡大というのは、単に半定型集計表を作るリクエストを出す自由があるだけということで、データは出した企業だけでなく、研究者であっても他の企業であっても他の団体であっても使うことができる。こうしておけば公平性という意味は全く問題ないと思うので、そこは私の考えで、後、御議論願えればと思います。
 とりあえず、ここで切るということでよろしゅうございますか。
 では、まず半定型集計表までを試行期間に提供してみて、結果を我々が評価するという風に決めさせていただきたいと思います。
 では、10ページに戻りまして、半定型集計表より上ということになって、利用目的に関しては、少なくとも半定型集計表のリクエストを投げるときに一応の公益性がないと我々としては動きにくいということは当然ございますね。ですから、単に自社の利益だけというか、当社が販売している薬だけの集計表が欲しいみたいなのは多分ないと思うので、ここはこれまでの第三者提供と同様という線で切っていいですか。
 その後、申し出者の要件は、定型表の場合、申し出者というのは本来存在しないと思いますが、半定型集計表の申し出者というのはオーダーメイド集計の集計表の条件を出すところということになります。ここはなかなか悩ましいところですね。先ほど近藤構成員の方から、業界の中央団体といってもその定義が難しいし、その業種の企業でありながら中央団体に参加していない企業もあるということで、製薬業界は知りませんが、業界によっては中央団体が2つも3つもあるところがありますし、そういう意味ではいかがいたしましょうか。松田先生がおっしゃっていただいたPMDAが真ん中に入ってくださるというのはPMDAが御了解いただければ、我々としては非常に楽は楽です。
 松田構成員、どうぞ。
○松田構成員 PMDAみたいなのが入った方がいいと思っている理由がもう一つありまして、将来的にアメリカのResDACみたいにいろんな組織を作っていくとなると相当のお金がかかってきます。こういう集計をPMDAが間に入ってくれることによって、できるかどうか分かりませんが、委託費みたいなものがここで発生するのであればそれで全体を回せると実は思っているところがあります。何かそういう中間的な組織がきちんと入っていただいた方が、情報の管理の面でも、費用をどうするかという面でもやりやすくなると思いますので、PMDAの組織としての目的から考えても医薬品業と医療機器に関してはPMDAが入っていただいた方がいいと思います。これは委員長の方からも強く要望していただきたいと思います。
 もう一つ、シンクタンク等の役割というのも私は個人的にすごく大事だと思っています。例えばイギリスですとキングスファンドやナッフィールドなどが独自のデータ分析をやっていろんな政策提言をしています。日本も、今までもやっているとは思いますが、こういうデータを使っていろいろと政策提言をやってくれるような民間のシンクタンクの役割はとても重要だと思います。今の枠の中ではそれが入っていないのですけれども、それをどのようにこれにのせるかということも少し議論していただきたいと思います。
○山本座長 ありがとうございます。
 それでは、ここのところは試行時の結論を出さないといけないのですけれども、有識者会議としては、申し出者の申請要件というのは公益性のある申請が可能な組織ということで、中央団体あるいは個別の企業とかは限定しないと一応しておいて、可能な限り製薬及び医療機器に関してはPMDAに介在をお願いするというふうに、これはできるかどうか分かりませんけれども、近藤理事長と話をしてみないと分かりませんが、何らかの御協力をいただけるとありがたいと思います。そういうことでよろしいですか。
 猪口さん、どうぞ。
○猪口構成員 申し出者が公益性のある仕事をすれば別に誰でもよいということですね。
○山本座長 公益性のある申請ができるところ。
○猪口構成員 そうですね。そうするとそれは試行期間に限るということで、なるべく試行期間は門戸を広げていろんなアイデアを出してもらった方が、ここでは考えつかないようないいアイデアが出てくる。しかも出すのが今のお話ですと半定型集計表まで、そこでのアイデアということですから、これは余り限定せずにいろんなところから御意見をいただいていいかなと思います。
○山本座長 ありがとうございます。
 ここは余り限定をしないというふうにいきたいと思います。
 それから、定型表、半定型集計表になりますと、利用形態のところで石川構成員の方が最も御懸念なされている中間生成物、中間ファイルみたいなものも余り気にしなくていいデータになりますので、ここのところは一応何もしないということでいきたいと思います。
 それから、結果の公表は、試行期間ですから、どういう結果を得てどういう結論を得たかというのは少なくとも有識者会議にはきちっと出していただかないと評価ができないという意味では困りますが、そういう意味で、例えば広く公表するとか何とかというのも、ここも定型表、半定型集計表であればそこまで求めなくてもいいかということでよろしゅうございますか。
 では、試行期間に関しては分析あるいはメリットみたいなものをきちっと御報告願うということで、一般に公表を求めるかどうかはここでは論じないということにさせていただきたいと思いますが、それでよろしゅうございますか。
 武藤構成員、どうぞ。
○武藤構成員 今回、民間の組織の方々にデータを活用していただくということに当たって、今までの御議論は全然異論がないのですが、個人識別性の問題に加えて、民間の方々が思う公益性とは一体何なのかというのが実際見せていただかないと分からない。彼らが思っていらっしゃる公益性とこのデータでできること、先生方が思われる公益性は大分そごがあるのではないかという気がします。そこの部分をどう評価するかということは試行期間に吟味が必要と考えますと、成果の部分は確かに公表を求めるとまで言ってしまうと言い過ぎかもしれないのですが、結果、どんな公益性のあるお仕事ができたのですかということについても、縛りたいということではなくて、どんなバラエティーのあるアイデアや成果が出たのか教えていただくという意味でも、知る機会は必要かと思います。それはどうコントロールしたらいいのかというところです。
○山本座長 先ほど申し上げたように、少なくとも試行期間では有識者会議には御報告をお願いするということにしたいと思います。公表というのは、要するに論文を出す、記者発表する、多分そういうことになってしまうので、そこまでは今すぐ求めることはないのかなというか、もう一つは、先ほどちょっと言いましたけれども、リクエストがあってでき上がった集計表を、では、リクエストした人だけに渡すのか、あるいはでき上がった集計表は公開するのかにもよって変わってくると思います。公開してしまうと誰でも使えるわけですから、申し込んだ人だけではない人がいろんなことで使う可能性は多分あるのだろうと思います。ここはちょっと試行期間を通じて考えたいと思いますので、今すぐはそこの運用は論じなくてもいいかと思います。
 武藤構成員、どうぞ。
○武藤構成員 かしこまりました。
 この件で試行期間中に検討するとしましたら、一つの考え方は公表を推奨すると言ってみるという手と、もう一つは、変な風に宣伝されても困るので差し控えていただきたいという風に、こちらでの吟味が終わるまではという考え方もあるかと思いますので、やりながら決めていくということで結構かと思います。
○山本座長 そうですね。では、そういうことにさせていただきたいと思います。確かに試行期間に余り変なふうに宣伝されても困りますから、とりあえず試行期間においてはまず有識者会議に出していただいて、その結果を見てということにさせていただきたいと思います。
 ここまでは一応、民間利用者というふうには書いていますが、PMDAの議論があったように、製薬あるいは医療機器を前提に議論してきたのですが、松田先生からの御意見がありましたように、そうではない民間のシンクタンクみたいなところへの提供をどうするかというのも一応議論しておいた方がいいのではないかと思います。この点に関してはいかがでしょうか。
 ヒアリングでは三菱総研の方が御意見を出していらっしゃるのですが、イギリスやアメリカの有名な民間のシンクタンクが政府のデータを使って政府に対してかなり立派といいますか、意味のある提言をされているというのはたくさん聞いたことがございますけれども、ここで書かれている生命保険や健康産業はそこまで高尚なものではないような感じもしますね。ただ、これも一体何をもって有益とするのかというのはかなり難しい話ですので、この辺はどういたしましょうか。
 府川先生、どうぞ。
○府川構成員 私は基本的に松田先生の意見に賛成です。ただ、とりあえず第一段階としては狭い範囲で定型表を提供する、一方では学会なり研究者のところで特別抽出のデータをもうちょっと利用する裾野を広げてもらうということをして、第二段階でシンクタンクでの特別抽出の利用というのも考えたらいいかと思います。一気に両方をやるというのは難しいので、全体に裾野を広げてから、安全を確認してから次に進むというのがかなり堅実な方法かなという気がします。
○山本座長 ありがとうございます。
 これはいつも石川先生がおっしゃることですけれども、きちっとした法整備ができていない状態で余り我々の判断だけで緩めていくというのは確かにちょっとそぐわないということもあると思います。
 例えばイギリスの場合、NICEという組織は政府のデータ提供を全部管理していますけれども、職員数だけで1,000人以上います。それが申請された目的に応じてきちっと審査をして、それだけやっているからほかの国よりもたくさんデータを出せているのだと思います。今の我々の状況でそこまでのことができないということを考えるとここは少し抑制ぎみにということでよろしゅうございますか。
 飯山構成員、どうぞ。
○飯山構成員 先ほど業界の中央団体の定義が難しいというお話もあったのですけれども、シンクタンク自体の定義もどこまでが我々が対象とする適正なシンクタンクかというのはなかなか難しいところがあるのではないかと思います。その辺の議論もやはり必要かなと思います。
○山本座長 分かりました。
 では、この件に関しましては、現時点では特別な対応はしないということにして、今後、日本の個人情報保護法の整備や第三者委員会ができるということになっていますので、そういったところの仕組みの整備状況や、実際にそういう判断をきちっとできるのだろうかということを勘案しながら、引き続きこの有識者会議でも議論をしていきたいと考えます。
 松田構成員、どうぞ。
○松田構成員 提案ですけれども、今までも厚生労働省の事業を民間のシンクタンクに委託していることがあると思いますが、例えばもし可能であれば厚生労働省の事業の中に、あるいは経済産業省でもいいと思いますが、省庁の事業の中にナショナルデータベースを活用した何か事業みたいなものを一つ作っていただいて、それに対して民間の企業が応募するというような形で、厚生労働省あるいは官庁の担当者の方がコントロールする形でナショナルデータベースの活用を、定型表と半定型集計表になると思いますが、やるということも一つあるのかなと思います。
 こういうPMDAみたいな公益性が担保できるような形の第三者が入ることによって安心して使えるということがあると思います。そうであるならば、例えば官庁の事業費の中でこういうものを使ってみるような事業を立ち上げていただいて、そこにシンクタンクが参加するということもあり得るのかなと思いますので、御提案まで。
○山本座長 ありがとうございます。
 また事務局の方で。
○佐久間室長 今の松田先生の御意見ですけれども、実は来年度の予算要求のときに研究費に近いような形で今おっしゃったような事業費を要求したのですが、今回はだめでした。結果的に予算要求の原案にのらなかったということがございます。そういったものが可能かどうかも含めてまた考えていきたいと思います。
 試行期間におけるPMDAの取り扱いということでございますが、先方もございますし、PMDA自体の業務としてできるかどうかというところなどいろいろ検討しなければいけないことがたくさんあると思いますので、こちらについては、我々の方で他の方法も含めて検討・相談させていただきたいと思っております。
○山本座長 分かりました。よろしくお願いします。
 将来にわたってここにPMDAが絡むということ自体は悪い話ではないと思うので、ぜひ御相談をよろしくお願いいたします。
 松田構成員、どうぞ。
○松田構成員 もしPMDAが難しいのであれば、ここにいらっしゃる先生方がそれをのむかどうかなのですが、有識者会議の委員でもいいのではないかとは思います。
○山本座長 それも検討させていただきます。
 ほか、いかがでしょうか。
 よろしゅうございますか。
 それでは、次の議題になりますけれども、「次期レセプト情報等データベースの調達状況について」ということで、事務局から説明をお願いいたします。
○佐久間室長 それでは、資料5を御覧ください。これも1枚紙でございます。
 裏面を御覧いただいて「次期レセプト情報・特定健診等情報データベースシステム概念図」でございます。このデータベースですけれども、来年度がちょうど機器更改、新しいシステムに変更するという時期に当たっておりまして、今年中をめどに開発を進めているところです。
 その概要について御紹介させていただきます。
 左上のところがデータセンターで、サーバーと周辺機器設置場所の提供でありますが、ここで特徴的なのが目的別のデータベースを作成しておくということで、集計する際にスピードアップ、集計の時間を短縮できるようにこういったものを作るということを考えております。
 また、右上のところにありますが、定型帳票出力、ファイルの出力、こういった目的があり、特徴的なのは、オペレーションセンターのオンサイトセンター、それと右下のところに外部のオンサイトセンターがありますが、こういったところで分析のツールを、データベースを利用してできるようにするということで、オンサイト利用するときにもそういったものが活用できるようなものを考えております。
 今回の機器更改に当たってサーバー自体のスペックがかなり上がって集計時間の短縮も図られるということで、こういう形で今、開発を進めているところでございまして、ことしじゅうに新しいものに置きかえていくということで進んでおります。
 以上でございます。
○山本座長 ありがとうございます。
 次期システムは大分パワーアップするようでございますけれども、何か御質問、御意見はございませんでしょうか。
 石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 目的別というのは、具体的な目的はどういうことを言っていますか。
○佐久間室長 集計のオーダーに応じて対応できるようなもので、特にこの目的のためにというような形ではありません。集計しやすいようなデータセットを数あるデータの中からピックアップして、例えばよく使われるような項目についてのデータベースをあらかじめ作っておく、こんなイメージでございます。
○山本座長 石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 よく使われるようなデータというのはどのことを言いますか。
○山本座長 ここで例に挙がっているのは、社会医療診療行為別調査やメディアスというのを作るときに目的別データベースを使うということになっていますけれども、基本的には高確法で今やっているような60項幾つの定型表を作るとか、そういったときの作業をもう少し合理的にできるようなデータベースという意味で、こちらで例えば利用申請があるとか何とかというものに関しましては、それは目的が一個一個違うので、あらかじめ作ることはできないということになろうかと思います。
○佐久間室長 社会医療は定型ファイルの方の話でございますので、例えば第三者提供もそうですが、本来目的の方で集計することがございます。そういったよく使われる項目を集計するのにあらかじめデータベースを作っていったり、第三者提供の部分でも今までこういった項目については非常に多く使われているということがあればそういった項目を集めてデータベースをあらかじめ作っておく、こんなイメージでございます。
○山本座長 ほか、いかがでしょうか。
 よろしゅうございますか。
 これはあらかじめ説明いただいたときにお聞きしたのですが、これまでのデータも全てこちらに移行して継続して、予定では5年ですから、10年分のデータが使えるような形でデータベースを構築していくということになっているように思います。
 それから、資料1の最後のその他のところでオンサイトセンターにおける機能が、PPDMがここに入っていますが、PPDMだけではなくて、分析ツールというのも一応オンサイトセンターで提供されるということなのですね。むしろ、オンサイトセンターの運用を合理的にやろうと思うとツールは共通にしておく方が多分やりやすいのだと思いますので、そういう意味ではここで分析ツールの提供もする。
 私が専門にしているということで申し上げるのもなにですけれども、PPDMの機能もぜひ御検討をいただきたいと思います。こうしないと希少症例の研究が全く何もできなくなりますので、別に研究者が公表の中身を見たいわけではないのですが、見なくて済むような、見なくて集計ができるような仕組みみたいなものもぜひ整備をお願いしたいと思います。
 外部のオンサイトセンターというのは約束事が決まっていればいいということですか。
○佐久間室長 まだ詳細については決まっておりません。来年度の予算原案の方に今、盛り込ませていただいていますので、予算が確定しましたら、その後、恐らく公募等になると思いますが、要件等も定めていく形になると思っております。
○山本座長 分かりました。
 ほか、よろしゅうございますか。
 それでは、本日御審議いただく事項は全て終了いたしました。
 何か全体を通じての御意見がございましたらお願いします。
 よろしゅうございますか。
 それでは、事務局の方から特に何かございますか。
○佐久間室長 先生、すみません。1点だけ御確認をさせていただきたいのですが、先ほどの資料3の民間の議論のところで民間の研究機関の取り扱いですが、定型表も含めて提供を今後の検討という形にする方向性でよろしいでしょうか。それとも集計表については今回対象にするような方向でということでしょうか。
○山本座長 半定型集計表のオーダーメイドの集計を依頼するということですね。そこは余り制限をしないということで一応結論を得ています。ただ念頭に置いているのは、製薬、医療機器が中心ですので、そういったところでまずは試してみるというのがいいのだろうかと思います。
○佐久間室長 分かりました。ありがとうございます。
 それでは、本日、御多忙の中、活発な御議論をいただきまして大変ありがとうございました。本日の御議論を踏まえまして、次回3月の有識者会議では具体的な方向性について中間的な取りまとめを行うことを想定しております。また、同日、3月20日でございますけれども、審査分科会を開催して、1月に締め切りました申し出についての審査も同時に行うというふうになっております。どうぞよろしくお願いいたします。
○山本座長 ありがとうございました。
 エレベーターの混む前に終わって座長もほっとしております。本日はどうもありがとうございました。また次回よろしくお願いいたします。

 


(了)

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