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2014年1月31日 第3回 国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議 議事録

保険局国民健康保険課

○日時

平成26年1月31日(金)18時30分~19時00分


○場所

中央合同庁舎5号館9階省議室


○出席者

構成員

福田 富一 (栃木県知事)
岡崎 誠也 (高知市長)
齋藤 正寧 (井川町長)
田村 憲久 (厚生労働大臣)
土屋 品子 (厚生労働副大臣)
赤石 清美 (厚生労働大臣政務官)

○議題

国民健康保険制度の見直しについて

○議事

○中村国民健康保険課長 ただいまから「国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議(国保基盤強化協議会)」を開催いたします。

 本日は、大変お忙しい中、また遅い時間にお集まりいただきましてありがとうございます。

 本日の進行をさせていただきます保険局国民健康保険課長の中村でございます。よろしくお願い申し上げます。

 それではまず、本日の御出席者を紹介させていただきます。

 福田栃木県知事でございます。

 

○中村国民健康保険課長 岡崎高知市長でございます。

 

○中村国民健康保険課長 齋藤秋田県井川町長でございます。

 

○中村国民健康保険課長 続きまして、田村厚生労働大臣でございます。

 

○中村国民健康保険課長 土屋厚生労働副大臣でございます。

 

○中村国民健康保険課長 赤石厚生労働大臣政務官でございます。

 

○中村国民健康保険課長 まず初めに、田村厚生労働大臣より御挨拶を申し上げます。

○田村厚生労働大臣 本日は、この会議にお集まりをいただきまして、まことにありがとうございます。ちょっと国会の状況がございまして、遅くなったことをどうかお許しをいただきますようよろしくお願いいたします。

 国民健康保険でありますけれども、まさに事業の運営という形で、皆様方には大変お世話になっていますことに、改めて心から深く感謝を申し上げます。

 社会保障制度改革国民会議の中におきまして、報告書ということで、医療保険制度全般の見直しがいろいろ挙がってまいりました。この中におきまして、全体像、それから進め方、これを含めたプログラム法がこの12月に成立をしたわけでございます。

 プログラム法では、国保の保険者、それからまた運営のあり方、こういう部分に関しまして、国保の財政上の構造的な問題をしっかりと解決することとした上で、この財政運営の責任を都道府県に担っていただくことを基本に、都道府県と市町村の間で役割分担をしっかりと検討を行った上で、必要な措置を講ずるとなっております。

 そのような意味からいたしますと、厚生労働省が、国保が抱えておりますいろいろな赤字の原因や、また運営上の課題を分析した上で、財政上の構造的な問題をしっかりと解決し、責任を持っていかなければならないと思っておるわけでありますけれども、あわせて都道府県、それから市町村の役割分担に関しましては、この会議を含めまして、いろいろと御議論をさせていただきたいと思っておる次第であります。

 いずれにいたしましても、国保の構造上の問題をしっかりと解決していかないことには、なかなかこのスキームというものを皆様方に御理解をいただき、御協力をいただけないと思っておりますので、どうかこの会議で忌憚のない御意見をいただきまして、皆様方それぞれに御納得のいただけるような形で、方向性を持っていかせていただきますようによろしくお願いを申し上げまして、一言冒頭の御挨拶にかえさせていただきたいと思います。

 どうかよろしくお願いいたします。

 

 

○中村国民健康保険課長 それでは、議事に入らせていただきます。

 まず、今回の国保基盤強化協議会の開催の趣旨や、協議会における主な協議事項、今後の進め方等につきまして、保険局長より御説明を申し上げます。

○木倉保険局長 保険局長の木倉でございます。本日はありがとうございます。

 お手元に、資料が2点ございますが、3枚紙の「資料1」と右肩につけているものをごらんいただきながら、経緯、今後の進め方を御説明申し上げます。

 改めて申し上げるまでもないことですが、国保制度は、我が国の国民皆保険の基盤として大変重要な役割を果たしていただいているわけでございますけれども、低所得者の方々、あるいは高齢になられて医療の必要が高くなってこられた方々、そういう方が多く加入しているという構造的な問題を抱えておるわけでございます。このためにこれまでも50%の公費、さらには構造に着目した追加的な公費投入という、あるいは高齢者医療制度を創設いたしましての保険者間の財政調整等の仕組みを進めてきたところではございますけれども、しかしながら国保財政の状況はまだまだ厳しいものがありまして、先日も24年度の財政状況の速報を出させていただきましたが、23年度、あるいは24年度と、決算補填等のための一般会計の繰り入れを約3,500億円いただいておりますが、それを除いて実質的な単年度の収支差約3,000億円程度の赤字となっておるところでございます。

 こうした構造的問題に対応するために、この間も、23年2月以降で厚生労働省と地方各団体との間で協議をさせていただきまして、直近の国保法改正、この24年の国保法改正でございますが、国保の財政基盤強化策を恒久化するなどを内容とする法改正をさせていただいたところでもございます。また、そのときには、社会保障・税一体改革に伴います低所得者対策を拡充していくことなどにつきましても、ともに御検討いただきまして、結論を得てきておるところでございます。

 また、今大臣が申し上げましたように、昨年12月に成立をいたしましたプログラム法、この中では国保制度のあり方を含む医療保険改革全体につきまして、これは予算措置や法律改正もあるわけですが、平成26年度~平成29年度までの間を目途に順次講じていくとされておりまして、このために必要な法律案を、平成27年に開催されます国会の常会に提出することを目指すものとするとされておるところでございます。

 このためにこの協議会におきまして、この場をしっかり活用させていただきながら、改めて国保が抱えております課題の分析をいたしまして、対応の方向性について十分に協議をさせていただきたいと考えておるところでございます。

 協議事項でございますが、2番に書いておりますように、1つには、国保の財政上の構造問題の分析とその解決に向けた方策。

 2つ目には、国保の運営業務に係る都道府県と市町村との役割分担のあり方。

 3番目として、その他各地方団体から御提案をいただいた事項と考えておるところでございます。

 まず、財政上の構造問題の解決に向けました方策の具体化に当たりましては、このプログラム法を踏まえまして、保険料の適正化等の取り組みを推進しますとともに、現在の赤字の原因や運営上の課題を分析した上で、国保への財政支援の拡充のあり方をしっかり検討してまいりたいと考えております。

 また、今回のプログラム法の大きな特徴といいますか、考え方といたしまして、これまで国保の安定的な運営を確保するために講じてきていただいております都道府県内の市町村の医療費の負担を分かち合う、この共同事業の拡充を今進めていただいておるわけでございますが、さらにこの対応を超えまして、都道府県が国保の財政運営責任を担うこととし、それから医療提供体制の改革の一環として、国保の保険者のあり方、運営等のあり方、それを見直していくのだということが打ち出されていると認識しておるところでございます。

 ただその場合にも、プログラム法にあるとおり、都道府県が国保の財政運営責任を担っていただく場合におきましても、国保の運営業務のうち保険料の賦課徴収や、保健事業を進めていただく、こういうものにつきまして、住民に身近な市町村におきまして、引き続き積極的な役割を発揮いただく必要がある業務があるところでございます。

 この役割分担の具体的な姿につきましては、今後、地方自治体の皆様と十分に協議をしながら検討してまいりたいと考えておりますが、保険料の賦課徴収、あるいは保健事業、さらには資格管理のあり方、保険給付のあり方などにつきましては、その効率的な執行の確保、それから医療と介護の連携をしっかり図っていかなければいけないという観点、それぞれこのようなものを踏まえながら検討が必要だろうと考えております。

 そこでこの進め方でございますが、スケジュール的なものといたしましては、3枚目にありますように、本日の政務レベルの協議を踏まえまして、明日から2月でございますけれども、早速に2月から事務レベルでワーキンググループを組みまして、月1~2回程度精力的に開催をさせていただきながら、課題や取り組みの方向性を検討し、整理を進めてまいりたい。また、本年7月を目途に、政務レベル、この場の協議に中間的な取りまとめを付していくことにさせていただいてはどうか。しっかりこの間、ともに準備をさせていただきたいと思っておるところでございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 簡単でございますが、資料説明は以上でございます。

○中村国民健康保険課長 それでは次に、協議会の再開に当たりまして、国民健康保険制度の見直しにつきまして、地方代表の皆様から順次御発言をいただきたいと存じます。

 まず、福田栃木県知事から御発言をお願いいたします。

○福田栃木県知事 本日は「国保基盤強化協議会」を開催いただきまして、まず御礼を申し上げます。真に持続可能な国保制度の構築に向けまして、有意義な協議の場となるよう努めてまいりますし、願っているところでございます。

 それでは、知事会を代表いたしまして、意見を申し上げます。

 最初に、国保の財政上の構造的な問題の解決についてでございます。

 地方3団体では、これまで国民皆保険の最後の砦でございます国保制度を持続可能なものとするため、現在の財政構造を見直し、定率国庫負担を大幅に拡大するなどによって、財政基盤の強化を図るべきであると主張してまいりました。

 また、全国知事会では、国保の構造的な問題が解決され、持続可能な制度が構築されるのであれば、市町村とともに積極的に責任を担う覚悟であることを表明してきたところでございます。

 先ほどの説明にあったとおり、プログラム法におきましても、財政上の構造的な問題の解決が、都道府県が国保の運営を担う前提条件とされております。

先般開催しました全国知事会の社会保障常任委員会の席上、田村大臣からは、「国保の財政上の構造的な問題の解決に責任を持って取り組んでまいる。」と決意表明をいただきましたことから、この言葉を重く受けとめ、国保基盤強化協議会の再開に応ずることとした次第でございます。

 こうした経緯を踏まえ、国保基盤強化協議会におきましては、後期高齢者支援金における全面総報酬割導入で生み出される財源の国保への優先投入など、財源の確保を含め、国が果たすべき具体的な財政責任を明らかにし、ぜひとも国保の財政上の構造的な問題をしっかりと解決してくださるよう、改めてお願いを申し上げます。

 なお、前回の国保基盤強化協議会における合意事項であります、消費税引き上げ時に実施される2,200億円の公費投入のうち、低所得者保険料軽減の拡大500億円につきましては来年度から実施されることとなっておりますけれども、保険者支援制度の拡充のための1,700億円につきましても、早急かつ確実に実施いただくよう要望いたします。

 次に、市町村との役割分担などについてでございますけれども、国保基盤強化協議会におきましては、まず国保の財政上の構造的な問題を抜本的に解決することが優先的に処理すべき課題となりますが、運営面等の検討を行うに当たっては、社会保障制度改革国民会議や、プログラム法に明示されているように、都道府県と市町村が適切に権限と責任を分担する制度といたしまして、特に、保険料の賦課・徴収や保健事業の実施等については、引き続き市町村がその責任において実施をし、なおかつ、保険料の収納率や医療費水準などの市町村の努力が反映されるものとなるようお願いをしたいと思います。

 この点につきましては、これまで社会保障審議会医療保険部会などの場におきまして、本日御出席の岡崎市長、齋藤町長には、「国保の保険者が都道府県になっても、保険料の徴収率や地域の健康づくりなどが後退するという懸念はなく、引き続き市町村がしっかり責任を果たしていく。」という趣旨の発言をいただいているところでありますので、大変心強く思っております。

 法制的に都道府県と市町村の関係をどう整理するか、難しい課題もあると聞いておりますけれども、ぜひ法律にしっかりと規定をし、都道府県と市町村が適切な役割分担のもと責任を分かち合って協力し、将来にわたり安定的な運営が確保される制度をしっかり実現していくようお願いをしたいと思いますし、我々も努力をしてまいります。

 結びに、今後、地方と協議を尽くし、地方の合意を得た上でなければ、成案は得られないということを改めて申し上げておきたいと思います。全国知事会といたしましても、事務レベルワーキンググループにおきまして、具体的な提案をしていきたいと考えておりますが、国において財源確保を含め財政上の構造的な問題の解決策が十分に講じられない場合や、都道府県と市町村の権限や責任の分担が法的に担保されない場合などには、この協議会からの離脱も辞さない考えでありますので、国におきましては、くれぐれも地方との信頼関係を損なうことのないよう、真摯な協議と誠意ある対応を心からお願いをいたします。

 以上でございます。

○中村国民健康保険課長 ありがとうございました。

 次に、岡崎高知市長からお願いいたします。

○岡崎高知市長 

 私は国民健康保険の中央会の会長もお預かりをしておりますので、特に国民健康保険を今後、少子高齢化の中でいかに守っていくかということには、非常に大きな危機感を抱いてもいるところです。そういう中で、今回の国保の基盤強化の協議会、地方3団体と、またハイレベル会議を開設していただきましたことには、我々も心から感謝を申し上げるところです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 国保も50年の歴史がありますけれども、最初の、いわゆる自営業の方々を中心とします比較的財政が安定していた国保の立ち上げ時期と比べますと、現在は、年金生活者の方々、特に退職者の方々が非常に多くなっておりますので、非常に財政構造が脆弱になってきています。先ほど局長から御説明をいただきましたとおり、24年度の決算でも、単年度収支で約3,000億という大きな赤字を抱えておりますので、やはりこれは非常に大きな構造的な問題があるということは、大臣初め多くの皆様方も御認識のとおりでございます。その構造問題をいかにして改善をしながら、今後とも国保制度を守っていくかということは非常に大きな課題でもございます。

 当たり前のことなのですが、私どもはいつも申し上げておりますとおり、国民健康保険のいわゆる保険者が崩壊しますと、医療は守れませんし、地域の健康づくりも進められないということは非常に大きな課題ですので、このハイレベル会議、またもう一つワーキング会議が非常に重要な場になりますけれども、ワーキングの会議を通じて、今後の持続的な解決を図っていかなければならないということを強く思うところでございます。

 当面の課題を少し申し上げますと、先ほど福田知事も申し上げたとおりでございますが、国保に2,200億円投下するということは、大きな方針としては決めていただいておりますが、そのうち26年度の早期に2,200億円について、市町村への保険者への支援も含めて強く実施を求めてきたところですが、残念ながら低所得者部分への、26年度予算でいいますと、現在612億円の支援というのがほぼ予算として挙げられておりますけれども、残りの1,700億については、特に保険者への支援部分が、26年度まだ実現されておられませんので、この部分の実施につきましては、早期かつ確実な実施を我々も求めるところです。

 市町村ともに3月議会を迎えるところですが、各市町村ともに、例えば国保の上限額の引き上げ、これは条例事項ですので、3月議会にかけていく必要があります。そして逼迫しております各市町村の国保予算をお諮りしていかなければなりません。25年度は、やはり国保の赤字を相当見込んでいる市町村が多いので、そうしますと上限額の引き上げと国保料の引き上げを迫られているところでもあります。ただ消費税率の引き上げのタイミングと重なりますので、3月議会で議決をいただけるかどうかというのは非常に不透明でもございます。そういう意味で、やはり1,700億の財政支援は非常に重要でございますので、それはぜひ念頭に置いていただきたいということを、改めまして強く要請をしておきたいと思っております。

 今般の国保の運営の中でいいますと、高額療養費の制度見直しが入りましたので、その点には感謝申し上げるところです。

 また、低所得者の保険料の軽減につきまして、2割軽減、5割軽減の拡大の部分ですが、特にこれまで1人世帯の軽減が認められておりませんでしたけれども、1人世帯でも5割軽減が適用されるということは、被保険者の方々には非常によかったと評価される点だと思います。

 ただ先ほど申し上げましたとおり、市町村の財政運営は非常に厳しくなっておりますので、そこはどうか御理解をいただいて、早期の保険者に対する財政支援というのは強く要請してまいりたいと思います。

 先ほど知事も申し上げられましたとおり、これから都道府県と市町村で役割分担をしていくということになりますので、我々も例えば県庁の皆様方に、各市町村へ行って保険料の徴収をということは現実的には無理ですので、やはりそういう保険料の徴収の部分とか、地域の健康づくりというのは、市町村が前面に立たなければいけないということは我々も強く認識しているところです。

 ただ、技術的にこれから相当難しい作業になりますのは、御承知のとおり、保険料の設定が4方式と3方式、特に資産割をとるかとらないかというのが非常に大きな課題であります。恐らく、現在、資産割を入れているところが大半ですので、資産割を外すことは現実的には難しい課題になろうかと思いますけれども、どういうふうな保険料の組み立てにして、それを都道府県が保険者になるという前提のもとで、各市町村の保険料をいかにならしていくかというのは、技術的にも相当難しいと思っていますので、ワーキンググループの議論がすごく重要になると感じております。そういう意味で、このハイレベル会議はもちろんでございますが、ワーキングの会も、ものすごく重要な会になりますので、その点もよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 地方からは、地方からの意見を整理をして、こういう方向で進んだらどうかということは、また意見として具体的に述べさせていただきますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。

 以上です。

○中村国民健康保険課長 ありがとうございました。

 次に、齋藤井川町長から御発言をお願いいたします。

○齋藤井川町長 まず、今日こういう形で、国と地方が議論できることに心から感謝を申し上げたいと存じます。また、先ほど田村大臣からは、構造問題について、しっかり解決していくと強い決意の表明がありました。大変心強く思っております。ぜひこうした形で、今後の構造問題、あるいは財政運営のあり方、こういうものが実りある形で実現するように心から期待を申し上げたいと思います。

 先ほど福田知事さんからもお話がありましたけれども、短期的な財政問題の話であります。消費税の引き上げ時に投入される公費について、来年度は低所得者の保険料の軽減の拡充分を確保いただきました。しかし、低所得者が多い保険者に対する財政支援の拡充、岡崎市長さんからもお話がありましたけれども、これはやはり早急に具体化をしていただきたいとお願いを申し上げたいと存じます。

 私は今朝、実は町の国保の算定をしようとざっと見てまいりました。今年はやはりどうしても保険料を上げざるを得ない。上げるにしても、本当に一般会計から繰り入れたいなとこういう思いで、決着をつけないで今日ここに来ました。私のところは小さい保険者で、国保の加入者数は1,200人足らずです。このうちの38%が65歳以上です。こういう保険者もいると同時に、私の町の隣には大潟村というところがありまして、年齢も若い。村民のほとんどがみんな国保に入る。所得も秋田県でナンバーワンです。保険料の世帯当たりの平均が50万円を超えて、ほぼ限度額に近い。こういうところもあるわけでありまして、こうした問題をどう解決していくかということは、財政運営の問題ともかかわるわけでありますけれども、非常に難しい問題をたくさん抱えている。ただやはり、国保は総体的には財政力も弱いし、所得も低い。逆進性が非常に強いわけです。保険者だけではいかんともしがたい問題を抱えているのだと、こういうことは皆さん御承知のとおりでありますけれども、こうしたものを責任を持って、特に国はどういう支援ができるのか、財源問題はどうするのかということをぜひひとつ考えていただきたいとお願いを申し上げたいと存じます。

 保険者の運営の問題で、私どものような小さい保険者は、例えば300万、500万という1人当たりの月の医療費の支払いがちょこちょこ起きます。これはやはりどうしても解決できない事態がいずれ来るのではないか。こういう不安を抱えながら、日常的に実は保険の運営をやっている。

 規模を大きくすることによって、そうした問題を吸収できるとすれば、どうしても頼るところは、県が運営の中心になるということであり、こういうことはぜひともお願いをしなければいけない。

 たくさんの問題がありまして、先ほど私のほうの町と大潟村と比べたように、そうした中身の問題もありますし、同時にまた医療のインフラの整備の問題、こういう格差がありまして、保険料も当然それで違うわけです。こういうことで、実はかなり難しい問題を抱えていると、こういうことは承知をいたしておりますけれども、これを乗り越えないと持続可能な個々の運営は極めて難しいだろうと思っております。

 そういう難しい問題はあるにしても、これを何とかお互いの理解のもとに乗り越えていきたい。そういう努力はいたしたいと思いますし、また国民会議の報告書においては、保険料の収納率、医療費水準、ここに配慮した仕組みを考えるべきだと、これは私どももそう思いますし、またこうしたあり方を心から歓迎したいと思います。

 そういういろいろな問題があるにしても、柔軟な考え方で、お互いに利害対立はあるわけですけれども、何とかこれを乗り越えていきたい、こういうことであります。

 これもお二方からお話がありましたように、市町村がやるべきこと、県がやってもらわなければいけないこと、この役割分担は現実としてあることは、私どもも認識しておりますし、仮に県が財政運営の責任を持ったにしても、決して私どもは保健事業から手を抜くとか、徴収をさぼるとか、そういうことは絶対にいたさない。ただやはり適正な保険料をきちんと全県一本でやれるようになるには、かなりの期間がやはり必要で、そのあたりをどう段階的に進めていくのか、ぜひ福田知事にも御理解いただきたいと思います。ただ一義的には、やはり国のほうでこの問題は解決していきたい、こうお願いを申し上げまして、私からの意見は終わります。

○中村国民健康保険課長 ありがとうございました。

 それでは、限られた時間ではありますけれども、ここから意見交換とさせていただきます。追加の御発言でも結構でございますので、何かございましたら、御発言をお願いいたします。

 

 

○岡崎高知市長 福田知事が代表で申し上げていただきましたけれども、2,200億円の投下だけでは、個々の国保財政が維持しきれないということは、収支を見ると大体そういう方向は見えていますので、その財源をいかに確保するかということはずっと議論されておりますので、総報酬割というのは一つの大きなテーマになっておりますが、難しい調整があるということは承知しておりますけれども、ぜひ国保を維持できるためにも、2,200億円にさらに追加する財源の確保ということは、市長会、そして町村会ともに、その点はぜひよろしくお願いを申し上げます。

○田村厚生労働大臣 どうもありがとうございました。

 こうやって皆様方と協議会という形でテーブルをともにさせていただくということは大変ありがたい話でございまして、いろいろな幾つかの大きな課題があると思います。今お話がありましたけれども、市町村のほうでそれぞれ担っていただかなければならないであろうと思われる役割、賦課徴収の問題でありますとか、保健事業でありますとか、一方で、財政的に小さい保険者も含めて厳しい中において、全体的に財源をある程度大きな中においてそこをカバーしていくという役割からすれば、都道府県が財政的な運営の責任を負っていただく。ただ、それだけですと、今でさえ赤でございますので、どうにもならぬということでございますから、国の役割もそこにはあるわけでございまして、消費税を財源とする2,200億円、これはもうビルドインしているわけでありますので、今般は5,000億円しか、もともと13兆円強あるのですけれども、期ずれもありまして、5兆ちょっとしか来年度はないわけでありますので、この中で5,000億円、社会保障の充実ということでございましたから、この中から今612億円という話がありましたけれども、通年度ベースで500億円分、これを何とか先行投入をさせていただきます。2,200億円ありますから、残り1,700億円に関しましては、消費税を満額確保することを前提に、我々もしっかりとできるだけ早く、特に低所得者の多い保険者の方々を中心に財政支援をしていかなければならぬというわけでございますので、今般の低所得者の保険料軽減策以外の部分に関しましても、しっかり確保してまいりたいと思います。

 あわせて、さらなる財政支援という話でございました。もちろん国保の赤字の構造的な部分、それから運営上のいろいろな課題、こういうものは分析をしっかりとしなければならぬと思いますが、もともと2,200億円だけでは足らないというのは当然の話でございますので、今、後期高齢者支援金のほうの総報酬割の部分でありますけれども、この総報酬割全体で大体2,300億円ぐらい、財源的には国のほうが浮いてくるお金をどうするかという話でございますが、正直申し上げまして、なかなか難しい課題はいろいろあります。しかしながら、これも含めて必要なもの、どれぐらい必要かということもいろいろ分析する中において、国保に対しての財政支援ということを、国のほうも何とか考えていかなければならぬと思っておりますので、この場でいろいろと御議論をさせていただきながら、いろいろな分析をしながら、これから検討をさせていただきたいと思います。

 いずれにいたしましても、こうやって同じテーブルについていただけたことが大変ありがたいわけでございまして、27年度の常会に法律を提出していかなければならぬということでございまして、そういう意味ではあまり時間がないわけでございますので、これからいろいろと御議論いただく中において、どうか御協力を賜りますようによろしくお願いいたしたいと思います。

 保険料もなかなか難しい話になってくるということでございますから、本当に課題は多うございますけれども、いろいろな議論をさせていただければ、そういうハードルを乗り越えていけるだろうと思いますので、国のほうもしっかり御協力をさせていただきますので、ひとつよろしくお願いいたします。

○中村国民健康保険課長 ほかによろしいでしょうか。

 ありがとうございました。

 それでは、予定の時刻も過ぎておりますので、本日の御議論はこのあたりまでとさせていただきます。

 ここで、土屋副大臣より発言がございます。

○土屋厚生労働副大臣 福田知事さん、岡崎市長さん、そして齋藤町長さん、大変忙しい中お時間をとっていただきまして、厚生労働省まで足を運んでいただきまして、今日は本当にありがとうございました。また、ただいま貴重な意見を本当にありがとうございます。

 ただいまの意見交換、そしてさまざまな御指摘等、私どもとしてはしっかりと受けとめさせていただきまして、今後の協議を進めさせていただきたいと思います。

 そしてまた、本日御提案いたしましたとおり、今後、事務レベルワーキンググループにおいて10回程度、課題や取り組みの方向性を検討、整理いたしまして、その状況も踏まえつつ、本年7月をめどに、改めて政務レベル協議に付すこととさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○中村国民健康保険課長 ありがとうございました。

 それでは、本日はこれまでとさせていただきます。大変お忙しい中、本当にありがとうございました。


(了)

保険局国民健康保険課
指導調査係:03-5253-1111(内線3265)

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