ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 健康局が実施する検討会等 > 健康づくりのための睡眠指針の改定に関する検討会 > 第1回 健康づくりのための睡眠指針の改定に関する検討会 (議事録)(2014年2月3日)




2014年2月3日 第1回 健康づくりのための睡眠指針の改定に関する検討会 (議事録)

健康局がん対策・健康増進課

○日時

平成26年2月3日(月)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省専用第12会議室(12階)


○出席者

    内山 真(座長)  日本大学医学部精神医学系主任教授

尾崎 章子   東邦大学看護学部教授
兼板 佳孝   大分大学医学部公衆衛生・疫学講座教授
栗山 健一   国立精神・神経医療研究センター成人精神保健研究部精神機能研究室長
小山 恵美   京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科准教授
佐々木俊則   公益社団法人日本歯科医師会理事
巽 あさみ   浜松医科大学医学部看護学科地域看護学講座教授
田中 克俊   北里大学大学院医療系研究科産業精神保健学教授
谷川 武   愛媛大学大学院医学系研究科医療環境情報解析学講座公衆衛生・健康医学分野教授
中板 育美   公益社団法人日本看護協会常任理事
長谷川克己   公益社団法人日本栄養士会副会長
道永 麻里   公益社団法人日本医師会常任理事
                              (敬称略・五十音順)

○議題

(1)新たな指針の論点について
(2)新たな指針の構成について
(3)その他

○議事

○長坂補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第1回「健康づくりのための睡眠指針の改定に関する検討会」を開催いたします。
委員の皆様には御多忙の折お集まりいただき、お礼申し上げます。
厚生労働省健康局がん対策・健康増進課の課長補佐の長坂でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、佐藤健康局長より一言御挨拶をいたします。
○佐藤健康局長 厚生労働省健康局長の佐藤敏信でございます。
本日は、第1回の「健康づくりための睡眠指針の改定に関する検討会」にお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。
また、平素より健康づくり全般に関しまして御指導・御助言をいただいておりまして、この場をかりて厚く御礼を申し上げる次第でございます。
さて、健康日本21(第二次)がスタートしたところでございますけれども、もともと御記憶の方は多いと思いますが、栄養、運動、休養という3つのキーワードがありまして、休養の中のかなり部分が睡眠ということで考えられていたわけですが、どういう形がいいのか、科学的な根拠が少ないままこれまで進んできたところでございますが、最近、睡眠に関する研究も進んでいるようでございますし、また、関連して疾病発生との関係も話題になっているようでございます。そうしたことから、繰り返しになりますが、科学的論拠に基づいて睡眠の問題を健康づくりという観点から検討していただくということで、委員会を開催しております。
簡単でございますが、冒頭の挨拶にかえさせていただきまして、本日の議論が実のあるものとなりますよう、よろしくお願いいたします。
○長坂補佐 続きまして、委員として御就任いただきました先生方を御紹介いたします。
資料1の別紙をごらんください。
内山委員。
尾崎委員。
兼板委員。
今、席があいていますが、出席予定の栗山委員。
小山委員。
佐々木委員。
巽委員。
田中委員。
谷川委員。
中板委員。
長谷川委員。
道永委員。
以上、12名でございます。
なお、本日は、藤原委員より欠席の連絡をいただいております。
続きまして、事務局を紹介いたします。
椎葉がん対策・健康増進課長でございます。
○椎葉がん対策・健康増進課長 椎葉です。よろしくお願いいたします。
○長坂補佐 野田たばこ対策専門官でございます。
○野田専門官 野田でございます。よろしくお願いします。
○長坂補佐 高山課長補佐でございます。
○高山補佐 高山でございます。よろしくお願いいたします。
○長坂補佐 馬場課長補佐でございます。
○馬場補佐 馬場でございます。よろしくお願いいたします。
○長坂補佐 どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、配付資料の確認をいたします。
ひとくくりにしてありますが、上から議事次第、座席図、資料1から資料6までが入っておりまして、その後ろに参考資料1、2と続いております。
なお、ひとくくりになっておりまして確認しづらい部分がありますので、途中、落丁等ございましたら、事務局までお申し出いただければと思います。
なお、35ページの資料6につきましては、A3タイプで机の上に置いてあります。ひとくくりにしてあるものと同様のものでございますが、A3判の拡大で置いてあります。
続きまして、本検討会の位置づけについて、野田専門官より御説明いたします。資料1の開催要綱をごらんください。
○野田専門官 では、資料1につきまして、野田より説明をさせていただきます。
資料1をごらんください。
本検討会の目的でございますけれども、睡眠分野につきましては、国民の健康づくりのための取り組みとして、平成15年度に「健康づくりのための睡眠指針検討会」を開催し、「健康づくりのための睡眠指針」を策定し、現在まで活用してきたところでございます。
また、その後、健康日本21及び健康日本21(第二次)におきましても、睡眠に関する具体的な目標を設定し、睡眠に関する普及啓発等に取り組んできたところでございます。
ただ、睡眠指針の策定から10年以上が経過いたしまして、科学的知見が蓄積したこと、さらに、平成25年度から健康日本21(第二次)が開始したこともございますので、睡眠の重要性につきまして、さらに一層普及啓発を進めていくことを目的といたしまして本検討会を設置し、睡眠指針の改定に向けた検討を行っていきたいと考えているところでございます。
簡単ではございますが、以上でございます。
○長坂補佐 続きまして、開催要綱4の(1)に「構成員の互選により座長を置き」とあることから、座長の選出をさせていただきたいと思います。
まず、御推薦があれば、どなたかよろしくお願いいたします。
谷川委員、お願いいたします。
○谷川委員 愛媛大学の谷川でございます。
現行の「健康づくりのための睡眠指針」の策定時から中心的に参画されまして、この分野に非常に精通されております内山委員が適任かと思いますので、推薦したいと思います。
○長坂補佐 ありがとうございます。
そのほか何か御意見等ございますでしょうか。
委員の皆さん、御異論ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○長坂補佐 御異論がないようですので、内山委員に座長をお願いしたいと思います。
内山委員におかれましては、どうぞ座長席のほうへ御移動ください。
(内山委員、座長席へ移動)
○長坂補佐 それでは、以後の進行を内山座長にお願いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○内山座長 どうもおはようございます。
それでは、御推薦いただきましたので、私が座長を務めさせていただきます。
○長坂補佐 撮影はここまでとさせていただきます。
○内山座長 それでは、本日の議題に入りたいと思います。
まず最初に、睡眠に関する施策的な背景につきまして、事務局のほうから御説明をお願いいたしたいと思います。
○野田専門官 野田でございます。
では、事務局より睡眠に関する施策的背景につきまして、資料2に沿って御説明をいたします。資料2をごらんください。
我が国における死亡率の推移といたしましては、生活習慣病が戦後50年の間にふえてきたという状況がございまして、生活習慣病は、やはり生活習慣に関係しているということがございますので、生活習慣病を制圧していくためには生活習慣の改善が必要であるという状況がございます。
次のページをごらんください。
生活習慣病の一つの重要な要素といたしまして睡眠がございますけれども、近年の研究におきまして睡眠の障害が死亡にかかわるということが明らかになってきております。
まず、上の棒グラフでございますけれども、睡眠が短いものが虚血性心疾患の死亡や総死亡のリスクが高いという結果や、睡眠時間が長いものでは脳卒中死亡や総死亡のリスクが高いという結果がコホート研究などでわかってきております。
さらに、睡眠の質に関係するものといたしましては、睡眠時無呼吸が循環器疾患発症や総死亡と関係するという研究結果が海外で出てきております。
これは、Apnea-hypoxia indexというものが多くなれば多くなるほどそのリスクが高まるという結果でございますので、やはり睡眠の質というものも生活習慣病の予防のためには重要になってくるということが近年わかってきております。生活習慣病の予防のためには睡眠の適切な改善というものが必要になってくるということで、ますます科学的知見が蓄積されてきたということが過去10年間の状況であると考えております。
次のページをごらんください。
そのような状況もありまして、健康日本21(第二次)の中でも睡眠というものが重要な要素になっております。
健康日本21に関しましては、「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」というものを最終的な目標といたしまして、平成25年度より開始したところでございますが、その中の大きな生活習慣の要素として休養というものが引き続き入っております。休養の中にはもちろん睡眠というものが入っておりますので、睡眠の改善というものが健康日本21の目標達成に向けて重要な要素になってくるということがございます。
下の図をごらんください。
睡眠に関しましては、1978年に始まりました第一次国民健康づくり運動の中でも、健康づくりの3要素として栄養、運動、休養というものが設定されておりまして、1つ大きな要素の中身となっていたところでございますし、さらに、平成6年には「健康づくりのための休養指針」というものを策定しておりまして、その中に睡眠に関しても記載があったという状況がございます。
さらに、2000年より始まりました健康日本21(第一次)におきましては、睡眠に関する目標を設定し、さらに平成15年の「健康づくりのための睡眠指針検討会」では現行の睡眠指針を策定したということで、10年間対策を行ってきたというところでございます。
さらに、平成25年からの健康日本21(第二次)でも引き続き睡眠の目標を設定しているという状況でございます。
次のページをごらんください。
12年間にわたり行ってまいりました健康日本21(第一次)におきましては、最終評価を行っておりまして、その中では睡眠に関して12年間行ってきた成果について検討を行っております。
その中では、「睡眠による休養を十分にとれていない人の減少」というものについては目標を達成したというところが評価されておりますが、その一方で、「睡眠の確保のために睡眠補助品やアルコールを使う人の減少」というところについては悪化しているということもございましたので、そのような状況を踏まえて健康日本21(第二次)の目標が設定されたという状況でございます。
具体的には、「睡眠による休養を十分にとれていない者の減少」というものは、経年変化の状況で有意に減少したという状況でございましたけれども、一方で、「睡眠の確保のために睡眠補助品やアルコールを使うことのある人の減少」というものは逆に増加していたという状況で、その状況を踏まえまして目標を設定したという状況でございます。
その目標は次のページにございまして、項目として「睡眠による休養を十分にとれていない者の減少」というものを引き続き設定していく。これにつきましては、第一次の目標値は21%ということで、達成できたというところでございますので、さらに目標を15%というところに置きまして引き続き対策を行っていくというところが健康日本21(第二次)の目標となっております。
簡単ではございますが、以上でございます。
○内山座長 ありがとうございました。
引き続きまして、本検討会の主な論点の案につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○野田専門官 引き続き野田より説明をさせていただきます。
本検討会を開催するに当たりまして、事務局といたしましては、半年ほど有識者の先生方に御意見を伺ってまいりました。
その結果を踏まえまして、資料3「『健康づくりのための睡眠指針』の改定に係る論点(案)」というものを作成させていただきました。
この案につきましては、事務局として有識者の先生方にヒアリングを行い、意見を集約させていただいたものでございます。
「1.指針の対象者と利用者」につきましては、御意見を伺いましたところ、やはり対象は、睡眠に関する疾病にかかっていない健康な人とすべきというところ。
さらに、利用者につきましても、地域・職域の保健指導実施者や一般国民とするというところが引き続き望ましいのではないかということを有識者の先生より伺っております。
さらに、「2.改定のポイント」でございます。
科学的根拠に基づいた指針であること。
さらに、ライフステージ別に検討するということ。
3つ目に、生活習慣病・こころの健康に関する記載を充実させるということが重要ではないかということを有識者の先生方から伺っております。
この論点につきまして詳しく説明をさせていただきます。
「1.科学的根拠に基づいた指針」ということでございます。
科学的根拠に基づいた指針を示し、睡眠に関する正しい知識を普及啓発することが重要であるということを有識者の先生方から伺っております。
具体的には、現行の指針につきましても科学的根拠に基づいて策定されたというところがございますけれども、やはりエビデンスの十分な引用など、さらに記述を十分にした上で、国民がその根拠に基づいて深く知ることができることが必要ではないかということを有識者の先生方はおっしゃっておりました。
さらに、指針として示すほど科学的根拠がまとまっていない事項については、解説編で十分にその根拠を議論した形で記載すべきではないかということも意見として伺っております。
「2.ライフステージ別の指針」でございます。
ここにつきましては、年齢が進むにつれて睡眠時間が減少し朝型化するなど、ライフステージに応じて睡眠の具体的な指針が変わってくるのではないかという御意見がございましたので、そのように年代別に指針を示せるかどうかというところも一つ大切な議論ではないかということを有識者の先生から伺っております。
「3.生活習慣病・こころの健康」の点でございます。
1つ目のポツです。睡眠時無呼吸は生活習慣病の原因になるという科学的知見が過去10年間で相当集まってきたということを伺っておりまして、さらにその大きな要素の一つとして肥満というものが睡眠時無呼吸の原因となってくるということがございますので、睡眠時無呼吸につきましては、新指針にどのように加えていくべきか、具体的には科学的知見に基づきまして、さらに記述を拡充させるべきかどうかというところを有識者の先生から聞いております。
さらに、眠れず、休息感がなく、日中もつらいときにはうつ病の可能性があるということもございますので、その点についても議論をしていくべきではないかということが言われております。
「4.睡眠時間」でございます。
睡眠時間につきましては、平成15年の指針では「自分に合った睡眠時間があり、8時間にこだわらない」と記載しておりますけれども、新指針では具体的な数値を示せるかどうかということが有識者の先生から意見として出ておりました。
「5.その他」の点でございます。
世間で誤解されている事項について十分に整理をしていくべきではないか。
具体的には、光や音などの環境とか、運動習慣、食事、アルコール、たばこなどの生活習慣との関係。さらに、スマートフォンや成長、美容、記憶などの睡眠との関係性についても議論をしていくべきではないかということを有識者の先生から伺っております。
以上が事務局が半年にわたりまして有識者の先生方から意見を伺った論点の案でございます。
以上でございます。
○内山座長 どうもありがとうございました。
それでは、事務局のほうで御説明いただきました今後の睡眠指針の論点につきまして、少し意見交換を行いたいと思います。御質問、御意見などがございましたら、よろしくお願いいたします。谷川先生。
○谷川委員 まず最初のところに「対象者は、睡眠に関する疾病にかかっていない健康な人とする」と書いてあるのですが、過去のデータで睡眠に問題のある方がたしか2割とかという話もありましたし、また、年代別に見ますと、不眠という問題は非常に有病率が多いわけでして、そういう方々は、それは病気だからといって除外してしまうのか。むしろ有病率の高い病気にかかっていらっしゃる方、しかも、その中で本人がそれを自覚していない方も結構いらっしゃると思うのですけれども、そういう方も本当は含めたほうがいいのではないかと思うのですが、そのあたりはいかがなものでしょうか。
○内山座長 これにつきまして、いかがでしょうか。御意見ございますでしょうか。兼板先生。
○兼板委員 今、谷川委員がおっしゃったことに私も賛成します。あまり「健康な人」というふうに限定しないほうがいいかと思います。広く「一般国民」ぐらいにしておいたほうがよろしいかと思います。
○内山座長 いかがでしょうか。そのほかに御意見はありますでしょうか。
実際に不眠症に関しましては、2005年にできました国際診断の新しい分類によって、日常生活に甚大な影響のある場合を臨床的な不眠とするということが出ておりますので、疫学の中で20%というので出ておりますのは、困っているところが甚大かどうかというところを必ずしも通っていないものだと思いますので、その辺のところを含めて、ここに書いてあるのは、臨床診断を受けている人、ないしは医療を既に受けている人を主な対象としないと。そんな考え方でよろしいでしょうか。
○谷川委員 はい。
○内山座長 この指針の対象につきましては、少し広くとるという御意見がございました。
そのような形でよろしいでしょうか。小山先生。
○小山委員 大筋はそれもありだなとは思うのですが、全体の雰囲気を暗くしないように、病気は困るというちょっと暗目な話ではなくて、前向きに生活習慣を改善すると、こんないいことがあるよというのがわかるような形ではどうかなと思っています。
それには理由があって、薬の処方を受けるということ、医療の対象にもう既になっている人とそうではないグレーゾーンの人もいるわけで、生活習慣をよくする話と睡眠がよくなる話とは鶏と卵の関係もあると思うので、根本の生活習慣を健康的なところに持っていくことをしながら、気がついたら睡眠の悩みも心配するところまでいかないし、前に比べたら健康増進につながっているということもあるので、限定することはないと思うのです。
○内山座長 非常に建設的な御意見ありがとうございます。
今、小山委員のほうから、睡眠の問題で医療にかかっている人、臨床診断を受けている人の中にもグレーゾーンに属する人がいるのではないかと。必ずしも薬物療法だけが全ての方法ではないということをおっしゃっていましたが、2000年以降にこういったデータが幾つか出てきておりますので、そういったことを踏まえて、余り狭くし過ぎない方がいいのではないかということと、建設的に生活習慣を変えていくことで改善していくことができる可能性があるものについては含めるべき、こういう御意見だったと思いますが、いかがでしょうか。佐々木先生、どうぞ。
○佐々木委員 私も賛成ですが、論点の「3.生活習慣病・こころの健康」ということで、病気との境目のような問題も含まれておりますので、広く検討したらよろしいのではないかと思います。賛成します。
○内山座長 どうもありがとうございます。
谷川委員、お願いします。
○谷川委員 1つ非常に大事な問題がありまして、一般に元気だと思われている人の中で、睡眠を一番犠牲にして働いている、霞が関全般、厚生労働省の方もそうかと思うのですけれども、せっかくこれを出すからには、今、元気だから別に睡眠時間が短くてもいいよというのでなくて、これは恐らくデータが幾つか出ていると思うのですが、人間が生きていくために必要な睡眠時間とか、そういうものをなるべく守ったほうがいいよみたいなことも行く行くは出していったほうがいいのではないかと思うのです。
というのは、やはり元気な人ほどいかに睡眠を切り詰めるかがその人の能力みたいに思われているような現状というのは、おかしいと思います。
あと、私は今、愛媛県で中学生、高校生とかの健康問題をやっているのですけれども、彼らは睡眠時間が4時間とか、下手すると3時間という子たちが結構いるのです。それは塾とクラブで。でも、そんなのはおかしいだろう、土・日ぐらいゆっくり寝かしてやれよと言ったら、いや、試合があるし、そんなことはできないと。全般的に元気な人ほど睡眠を削っていいという風潮に対して、こういう会でそれはよくないということを出していっていただければと思うのですが、いかがなものでしょうか。
○内山座長 どうもありがとうございました。
睡眠の不足に対しての予防ということで、特に勤労者、子供の問題、そういったことについての意見も指針の中に織り込めるかどうかという御意見でございます。いかがでしょうか。
メディアなどでよく取り上げられる割にはエビデンスが少ないというのが実はこういったことで、危機感をあおるようなものが多いのですが、その辺のところも整理をしていくというのは大切なことではないかなと思います。
巽先生。
○巽委員 勤労者の健康な人を対象として、勤労者のメンタルヘルスと睡眠ということを研究しているのですけれども、ハイリスク者を保健指導するという観点で研究を進めてきますと、ハイリスクでない人たちにも保健指導の効果があるということで、睡眠障害のあるなしで分ける必要はないかなと思います。
職域に関しましては、今、谷川先生がおっしゃられましたように、職業生活自体そのものが睡眠をとれない構造的なものになっているところもありますので、そういうところも含めると、広くとられたほうがいいかなと思います。
○内山座長 どうもありがとうございました。
産業医学的な側面をかなり重視していこうというお話と、もう一つは、より広げて、予防対策としての含みを持たせていくことができるのではないかといった御意見だったと思います。
これにつきましては、どうでしょうか。田中委員、お願いします。
○田中委員 今、巽委員がおっしゃったことにちょっと追加でありますけれども、我々はRCTで幾つか職域をやっているのですが、もともと例えば糖尿病なり高血圧なり、サブクリニカルなものであったとしても、やはり睡眠の習慣を改善することでさらに望ましい方向に動くということがあります。
ですから、疾病の予防というよりも健康増進という立場からも、例えば時間の問題がありましたが、なかなか厳しいところもあるのですけれども、高齢者もそうですし、労働者もそうですが、カフェインの摂取といった非常に簡単なこととか、睡眠儀式のようなリラクゼーションのための少しの方法を保健指導するということだけでも、グレーゾーンが改善するというだけではなくて、閾値下のものも改善の傾向を十分認める。そういったパワーを睡眠の保健指導というのは持っていると思いますので、健康増進という立場も含めると、全国民を対象にするということをもっと前面に出していいのではないか。
また、内山座長からもありましたように、例えばSASの問題であっても、SASでCPAPだけしても本当にQOLが改善するかというと、そうではなくて、やはり生活習慣の見直しもしないと全体のQOLは下がらないという結果も出ておりますので、疾病に既にかかっている方も、それが十分でない場合には含めるといった形で、かなり広目にとったほうが。寝る、食べる、運動するというのは、人間が生きるための基本的な構造だと思います。そこのスキルアップは全国民を対象にすべきなのではないかなと考えております。
○内山座長 どうもありがとうございました。
やはり少し広めにとっていこうではないかという御意見が多いようです。また、今、田中委員の御意見の中で非常に重要だったのは、目標というものが何なのか、何を改善するのかということに関しまして、生活習慣病ないしこころの健康といった非常に日常的でわかりやすいもの、あるいは健康施策と一致したような方向でこの目標を設定できるような、そのために睡眠の改善を行うということで、これを何らかの形できちんとエビデンスをもって示せるということが大切かなと思います。
ちょっと余談になりますけれども、外国などの学会が出すメッセージは、睡眠をよくするということだけが全ての目標になっているものが結構多くて、日本で予防活動を長く続けてきた伝統を生かしてということになると、これでは位置づけとしてはまだ不十分なのではないかと感じます。私たちは、それより一歩進んだものをつくろうという方向になるかと考えております。
ほかに何かございますでしょうか。小山先生。
○小山委員 附属の資料にも少し書かせていただいたのですけれども、目標をどうするかということで、睡眠の中身をよくしたいとか、生活習慣をよくしたいということそのものを個人の目標としてしまうと、多分挫折すると思いますので、それらがよくなったら、自分の生活にとってもっといいことがあるよと。ニンジンをつらないと馬は走らないので、ニンジンに相当するものをもう少し具体的な自分の生活の中のこと、シェイプアップすると、ここの棚に並んでいるかわいい服が着られる、あるいはちゃんと寝たら志望校に入れるとか、ちょっと回り回ってくるかもしれないけれども、その人の生活に合った前向きの目標を達成するためにも大事なのだということを挙げて、そのためにどうマネジメントするか。自分の状態の記録に基づいて問題点を解決して、最終の自分にとってのいいことを実現するために、こういうふうに生活習慣を改善しないといけない。そのために、生活環境であるとか生活習慣をこんなふうにと具体的な方法論に落とし込んでいく。マネジメントの考え方なのですけれども。
だから、睡眠の問題を自分で見過ごしているということも、記録をとっていくことによってわかりますし、どこを解決したら自分のQOLがより豊かなものになるというところを設定して、そこに向かって走るというふうにする。病気の改善ということだけでいくと、ちょっと暗い感じの目標になってしまうので、自分にとって、これだったら走っていけるのかというところ、マネジメントの考え方を持っていくと整理できるのではないかなと考えています。
○内山座長 今、小山委員のほうから睡眠をよくすることの意味について啓発を進めるべきだというような意見が出ましたが、これにつきましては、いかがでしょうか。
○谷川委員 これについては、先ほど私が申し上げましたように、特に中学生、高校生などの場合、学校の構造からしてどう考えても1日に5時間、4時間しか睡眠がとれないというのを当たり前のようにみんなやっているわけです。
生理学的には最低どれぐらいは必要だというのがある程度わかっているわけですし、また、今、小山委員がおっしゃったように、志望校に入るというのも、昔は四当五落と言って、4時間寝たら通るけれども、5時間睡眠したら落ちるぞというまことしやかな伝説がありますが、それは全く否定するべきだと思うのです。
そういうことも今は全くなっていないわけですから、頑張れと言うだけで、頑張れということの中には、睡眠時間を削ってでも頑張れということが今、まだ広く一般にはされていますので、そういう意味でも、睡眠時間をしっかりとったほうがむしろ記憶の定着にもなるとか、そういうエビデンスも最近は出てきたようですから、そういうことも含めて、広く啓発したらいかがかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○内山座長 今、小山委員と谷川委員のほうから睡眠をよくすることの意味を啓発することも大切というご意見でした。睡眠指針の方向としては、健康日本21の中で示されたものに対して、睡眠についてのいろいろな知識、生活指導、保健指導というものを生かして健康づくりをすすめていくという方向性でした。こうした視点から少し違ってきているように思いましたが、これにつきましてはいかがでしょうか。睡眠ということを中心にして、睡眠の意義について広めていくか、あるいは保健指導ないし生活習慣の改善によって健康を増進するという目標のためにあるものを少しまとめていくかというところについては、意見が分かれるところだと思います。
○谷川委員 完全に分かれるのではなくて、特に中高生は悲惨な状態だと思うのですけれども、後々の不登校だとか、学校に行けない不適応だとか、さまざまな不定愁訴にもつながってくると思いますので、健康という概念からも現状を少し見直すということが大事かと思います。
○内山座長 わかりました。
こういった意味で広めていこうという意見もございます。この辺のところは、この指針の作成について本質的なところかと思いますので、ちょっと御議論をお願いしたいと思います。
先ほどちょっと記憶の問題など出ていましたけれども、認知科学的な側面では、栗山委員、どうでしょうか。
○栗山委員 お話を伺っていた中で、記憶のことからはちょっと外れるかもしれないのでが、ライフステージの問題というところと絡むのですが、この対象となる人たちには恐らく2タイプの人が含まれていて、1つは睡眠に対してずぼらで健康を害してしまうような一群と、逆に健康なのだけれども、睡眠に過剰にフォーカスしてしまって健康を害してしまうという群、その人たちがこれを見てどうなるかということが問題になるかと思うのです。
そういったときに、若い人たちは比較的柔軟性があるので、無理してしまうというか、先ほど谷川先生がおっしゃったように、睡眠不足になっても頑張ってしまう。
それに対して、お年を召した方に関しては、ある程度時間があったり、眠る時間があるにもかかわらず、生物学的な特徴も含めて眠れなくなってしまうので、健康ではないのではないかと心配して睡眠をかえって害してしまう。
こういった2タイプの人たちに対して、1つの同じ指針でいけるのかどうか。逆に言うと、1つの指針でそれを包括的に対象としていけると、内山先生がおっしゃったようなとてもいいものになるのかなという漠然とした感じを持っております。
○内山座長 どうもありがとうございました。
専門家のヒアリングの中で「ライフステージ別に検討」ということが出てきたというのは、健康日本21(第一次)の中で睡眠指針を策定したことによって、睡眠による休養がとれていない人たちが減少できたということが1つの成果であって、こういった形でこれは少しずつ進んでいるので、今までの方法を踏襲するような形の中で考えていけることかと思います。
寝酒とか睡眠薬とか睡眠補助品を使っていることで眠りを確保しようという人たちがふえているというのは、今、栗山先生のほうから御指摘があったように、2000年以降になって、実は健康に年をとると実質的な睡眠時間というのは減っていくということが明らかになりまして、そういったことから、どういう世代に対して、どういう問題を持っている人たちのための情報なのかということが非常に混乱しているために起こってきているところが少しあるかと思います。この辺はライフステージ別の検討という中で個別に議論を深めていくというような形で今後進めていきたいと思いますが、いかがでしょうか。では、兼板先生からお願いします。
○兼板委員 少し議論がさかのぼってしまうかもしれませんが、睡眠をよくして、その次に何が来るかということで、小山委員とか谷川委員が話されていたことと関係して、個々の細かい目標というのは、指針の中で一つ一つ設定するのは難しいと思いますので、ここは広く、こころの健康、体の健康あるいは事故の防止という形で、睡眠をよくすることによって、主として健康づくりの観点からこういう方向になるのだという意義が指針にはあるかと思います。
それから、栗山委員がおっしゃったように、眠れない世代とか、不眠症状で眠れない人、あるいは意図的に眠らない人を一緒に盛り込めるかどうかということなのですけれども、労働と睡眠というのは表と裏の関係があって、寝ないで働くことが美徳だと思われた日本社会において、睡眠が重要なのだということを指針の中で知らせるということはとても大事なことです。
他の生活習慣と違って、食事、運動、お酒、たばこというのは、割と個人の行動変容で変えられるのですけれども、睡眠習慣というのは社会的な背景があって、個人の行動変容だけではうまくいかない面がありますので、社会全体にそういった睡眠の重要性を認識してもらう。そういう意味では、厚生労働省のこういった健康づくりの睡眠指針というのは大きな役割を担っていると思いますので、そういったところでまとめていくということが大事だと思っています。
○内山座長 どうもありがとうございました。
世代別あるいは対象者別に、具体的な方向としては生活習慣病、こころの健康、事故の防止などの形で、具体的な目標のためにどういったことが使えるかということを整理していくことが重要なのではないかというのが兼板委員の御意見でした。
尾崎委員、よろしくお願いします。
○尾崎委員 先ほどのどのような方を対象にするかということなのですけれども、最初に内山座長がおっしゃいましたように、不眠症状があるということと不眠症であるということは別のことだと思うのですが、実際地域で高齢者の方に接しておりますと、自分は不眠症ではないかと思って非常に心配されている方がいます。でも、実際に不眠症の定義等をお示しして、不眠症状があるということだけでは不眠症ではないですよと言っただけで睡眠薬をやめていかれる方も散見されます。
すなわち、医療機関等にかかって薬をいただいている方、健康な方も含めて、行政、地域保健等では対象になると思うのですけれども、正しい情報を提供するだけでやめていかれる方を拝見しておりますと、臨床的な診断を受けている、いないにかかわらず、幅広く対象にしていったほうがいいのだろうと思います。
もう一つ、先ほど栗山委員がおっしゃいましたように、私もこの指針には大きく2つの対象があるというのには非常に賛成で、勤労世代で睡眠をとりたくてもとれない方と、逆に時間があって、具体的に言えば8時間眠らなければいけないと考えている高齢者が、実際は8時間眠るのは困難なわけですが、睡眠にこだわる余りに不眠を助長しているという例もあります。
高齢者の方ですと、私たちの場合は、ここで言っていいのかどうかわからないですが、そんなに無理して眠らなくていいですよと逆のアプローチをすることによって安心していただける、そういうアプローチも有効であると考えておりますので、眠りたくても眠れない睡眠不足の方たちと、時間があって自分の時間を睡眠に当ててしまうといった行動をとっていて不眠になっている方に対して、ライフステージ別に対応を考えていったほうがいいのかなと思います。
○内山座長 どうもありがとうございました。
実地の保健指導の中からの御意見だったと思いますが、やはりライフステージ別に対象を絞りながら考えることが必要というご意見でした。10年前につくられた指針にちょっと不備なところがもしあるとしたら、そこがはっきりしていなかったというところがあったということかと思います。
このような形でいきますと、改定のポイントにつきまして、1.科学的根拠、2.ライフステージ別ということと、生活習慣病・こころの健康に関する記載を充実ということにつきましては、産業事故の予防とか、先ほどから産業面でのいろんなことが出ておりましたので、そういったことも含めて広く捉えるということ。
もう一つ、具体的な目標という形では、漠然としたものではない形でこういったものを入れていくことが大切かというところに落ちつくのかなと思いますが、いかがでしょうか。
そのほかに御意見ございますでしょうか。どうぞ。
○谷川委員 1つ質問なのですけれども、資料2の6ページの最終評価のところで、「睡眠の確保のために睡眠補助品やアルコールを使うことのある人の減少」というのを挙げられていますが、アルコールというのはよくないなと思うのですけれども、睡眠補助品というのは、例えば睡眠導入剤なのか、それとも最近いろいろなところで売っていますさまざまなサプリメントのことをおっしゃっているのか、それとも一般の人が眠るときの睡眠儀式のように使っているハーブティーのようなものを含めるのか、具体的にそのあたりはどのように定義されているのでしょうか。
○内山座長 どうぞ。
○野田専門官 事務局よりお答えいたします。
これはそれほど明確に定義されているものではないと思いますけれども、やはり睡眠薬などを中心にした、そのような周辺のものだというふうに思っておりますので、もちろん、睡眠薬だけではないですが、その辺の周辺のものだと理解していただければと思います。
○谷川委員 ということは、それをアルコールと一緒にしてしまって、そういうものを使うことのある人を減少させることが本当にいいのかどうかというのはいかがでしょう。例えば眠れなかったらお酒を飲むというのはよくないというエビデンスも割と出てきていますが、では、睡眠薬まで飲まずに頑張れというのかとか、ハーブティーまで禁止するのかと。それはおかしいと思うのですけれども、これを減少することが本当にいいのかどうかということは、どう思われているのですか。
○野田専門官 その点も恐らくあったという部分だと思うのですが、健康日本21(第一次)の最終評価のところでは、図の一番下の【評価等(抜粋)】のところでも書かせていただいておりますけれども、この指標については、「今後は不眠症状などで評価することが望ましい」という評価をされたというところであると考えております。
○内山座長 実際に評価に加わった兼板委員のほうから少し。
○兼板委員 健康日本21(第一次)のほうの評価委員を務めさせていただいたのですが、最初に設定されたのが2000年のころでして、このころはまだ睡眠補助品、薬局で買えるようなものとかもまだ市販されていなかったような状況でした。そういったこともあって、この指標が妥当かどうかというのは評価委員会でも議論が分かれたところです。
ですから、現行の健康日本21(第二次)のほうではこの評価方法は使っていないというふうに思っています。
○谷川委員 わかりました。
○内山座長 つけ加えさせていただきますと、2007年の国民健康・栄養調査の中で私たちが行っていた班でここのところは分けて検討するようにしています。
こういったものについて、今、出てきたライフステージ別の検討ということで、必要がないのにお薬などを飲んでいると考えられる人たち、もう一つは、本来の睡眠薬とかの使い方ではないと思いますけれども、生活の時間が切り詰められてきているために飲んでいる人たちも世の中にいるかと思います。こういったことについての検討がまだ行われていないということもあって、この辺のところについてエビデンスをはっきり示すということ。
もう一つは、この意義についてもう少し深めていくということが大切で、これもライフステージ別のというところに非常に大きなポイントがあって、谷川先生がおっしゃっていることは、ほとんど勤労者の方々で実際に臨床的な不眠症がないにもかかわらず、睡眠薬をそういう形で利用している人がいるのではないかという予測の上でお話しされているのだと思いますが、そういったことについての検討というのがこれから大切だと思います。
実は諸外国の中でもこういったことに関して全く統一的な見解が出ていなくて、産業医学の面での指摘と臨床医学の指摘が全くかけ離れているのが現状でありますので、何とかこの辺について世界に先んじて統合的に解釈できるようなものを出していきたいというのが私の思うところです。
○谷川委員 全くそのとおりだと思います。
○内山座長 ほかに何かございませんでしょうか。
巽委員、どうぞ。
○巽委員 健康日本21の最終評価の中で、第二次にも使われていると思うのですが、「睡眠による休養を十分にとれていない者の減少」というのは、数値は下がっています。けれども、健康日本21計画とか推進について、私も幾つかの市町村にかかわっているのですが、そうしますと、これはライフステージごとに違っていまして、今回、全体的には改善が見られたほうに評価がされているのですけれども、十分とれていない者といいますと、やはり40代とか50代はまだほとんどとれていなくて、市町村によっては30%ぐらいとれていないところもあったりするのです。なので、先ほどから出ているライフステージごとというのは行政、地域においても重要なことかなと思います。
○内山座長 どうもありがとうございました。
御意見をいただいた中で、やはりライフステージごとの問題点を明確にしていくというのが、いろいろ御議論のあった点の1つの解決策になるのではないかということ。あと、具体的な目標につきましては、3番に書いてありますように、幾つかの方向について漠然としたものでないということ。こんなことで科学的論拠に基づいたものをつくっていこうと。こういった形でまとめられるかと思いますが、いかがでしょうか。
○谷川委員 それでいいと思うのですけれども、今、先生がおっしゃった3番ですが、例えば睡眠時無呼吸の場合、肥満というのが書いてありますが、肥満に加えて飲酒も入れておいてほしいなと思うのです。
○内山座長 細かい点につきましては、今後、具体的な指針あるいは指針に関しての説明、こういったものをつくっていく中で考えていきたいと思います。
個別のものとしてではなくて、全般的な方向としてはこのようなストラクチャーということで、ここに挙げられましたヒアリングに基づいた方向でいいということですが、この議論の中ではライフステージ別に分けていくということの必要性が指摘されたのではないかと思います。
どうぞ。
○栗山委員 先ほど御指摘いただいた認知という側面からちょっと補足させていただきたいのですけれども、睡眠と記憶の関係が非常に深いということは最近話題にもなっておりますので、皆さんもいろいろなところを通じて御存じかと思うのですが、実をいうと、短期的な実験的な側面からすると、非常に重要だということがわかってきているのですが、長期的な影響に関してはまだまだエビデンスが少なくて、この指針の中にどう含まれていくのかという議論が今後、必要になってくるのだと思うのです。
ライフステージごとに分けるという側面からすると、あくまでもアプネアだとか呼吸障害などで睡眠が客観的に障害されている子供においては、学習成績が悪いとか、ある程度臨床的な所見も出てきておりますので、ライフステージ別に分けて入れていくことは可能かと思うのですが、成人後、特に脳機能というか、認知と言うと認知症の関係が非常にフォーカスされると思うのですけれども、睡眠が障害されているから認知症を生ずるかというと、生活習慣病のように明確なエビデンスが実はないのです。ですので、そこら辺のところは、成人後に関しては小児とは別のレベルで論じる必要があるのかなと思います。
○内山座長 どうもありがとうございました。
補足として、栗山先生は認知科学的な側面から睡眠のことを研究していらっしゃるのですけれども、はっきり言えるところと言えないところは分けるべきだということで、これは今後の指針の全体の大きな方向づけとしたいと思っております。
それでは、少し時間も押しておりますので、次に、資料をいただいた先生方から簡単にプレゼンテーションをいただきたいと思います。
まず、小山委員から資料について御説明をお願いいたします。
○小山委員 先ほどちょっと先走って「現行指針で問題点と考えられること」の「2」の話はほぼしてしまいましたので、現行の指針で一番気になったのは「快適な睡眠」というキーワードでありまして、これでくくっていいのかというのがずっとひっかかっていて、そのことだけ補足したいと思います。
○内山座長 どうぞよろしくお願いします。
○小山委員 まず、目指すのはその人にとっての健康増進に役立つ睡眠ということであるので、それがイコール快適になるのかというと、そうとは限らない場合もあるのではないかということです。
まず、「快適な睡眠」の定義がはっきりしていないので、何となく商業的に利用されているような面もあって、心地よい睡眠が得られるためのグッズとしてはこんなのがありますよと。でも、それは本当ですかというのがはっきりしないというのもあるのです。
睡眠自体が快適かどうかというのはわからなくて、起きた後の睡眠感ということは調べられますけれども、寝ている間どうだったかということは、普通の人は余り感じることができないので、それで「快適な睡眠」というのは、定義がそもそもはっきりしない。
「健康睡眠」というのを提唱していくわけですが、その前に、快適な状態というのは生活の場面ですね。5W1Hに置きかえてもいいのですけれども、類似の心身の状態であっても、場面が違うと快適に感じたり、不快に感じたりと差があるので、快・不快で切ってしまうとものすごく誤解を生みそうな感じなので、これはキーワードとして外したほうがいいなと思っています。
例えば健康づくりにつながらないかもしれない快適感の例としては、朝、二度寝をすると気持ちとしては物すごくいいのですが、生活習慣、リズムの確保という意味では勧める人が余りいなくて、おいしい夜食をとった後、幸せな気持ちになってすぐ就寝したらどうなるのかという問題とか、快適でくくっていくと大変ですし、生活環境をとっても、例えば寝室の温度の制御が完璧だ、では、快適な温室というのは通年通してずっといいかというと、人間の温冷あるいは寒冷・暑熱適応、だめになるのではないかとか、快適だったらいいということに限らないこともあるので、それにかわるキーワードをつくっていくと、論点の「5.その他 ・世間で誤解されている事項について整理する」というところが一挙に解決するのではないかと感じています。
○内山座長 どうもありがとうございました。
ちょっと補足しますと、「快適な睡眠」という言葉は、1996年に当時の科学技術庁が生活者ニーズ研究という中で大きな班を取り上げたときに初めて出てきた言葉なのです。これを略して「快眠」という言い方になりました。多分野の方々からの提案をまとめるために非常に苦労して「快適な睡眠」という名前をつくったのを覚えています。
恐らく私たちが今回やるのは、「健康づくりのための」ということがきちんと出ていますので、漠然としたあやふやな言葉は使わないということと、論点の中の「5」にありましたように、今風の言葉で言うと、都市伝説みたいなものがこの10年で余りに広がり過ぎてしまったので、エビデンスを整理しながら、健康づくりに役立つものをきちんと提供できるような体制をつくるという意味では、小山先生の御指摘はそのとおりだと思います。
「快適」ということ自体がいろんなふうにとられているという現状は、今後この中で少し整理ができたらということで、御意見を承っておきたいと思いますが、今の御意見につきまして、いかがでしょうか。どうぞ。
○道永委員 今、健康長寿の延伸ということが問題になっているので、「健康睡眠」というのでどういうことをイメージされるかちょっとわからないですけれども、語彙としてはすごくいいかなと思いました。
○内山座長 どうもありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。
○佐々木委員 今、「快眠」という言葉が出たので関連ですが、「3」にもありますように、睡眠時無呼吸症候群の歯科の外来で最近、外来名を変えて「快眠歯科外来」という名前にした某大学の歯学部があるのですが、こういうときに「快眠」と出てくると、ちょっと違和感を覚えていたのですが、今、お話をお聞きしましたので、ちょっと参考までに発言しました。
○内山座長 どうもありがとうございました。
恐らく専門分野の先生方が使う分にはターゲットがかなり狭まっているので、大きな問題はないかと思いますが、漠然とした「快眠」という言葉は少し避けようということで、これは1つの御提案として承りたいと思います。
先生も御存じだと思いますけれども、ものすごく多くの分野の人がかかわった中で、たしか1996年のときには共通するキーワードということで出てきたので、かなり苦労して決めたことだったように思いますね。
それでは、小山先生の御意見、御発表につきましては、こちらで一応終わらせていただきます。
次に資料をお出しいただいているのが栗山先生だと思います。栗山先生、よろしくお願いいたします。
○栗山委員 よろしくお願いします。
もう既に議論の中で多く取り上げられてしまっていると思うので、簡単にお話しさせていただきたいと思います。
先ほど内山座長もおっしゃったように、さまざまな情報が氾濫していて、都市伝説みたいなものも大分出てきて、それに惑わされてしまう人がいるということを私は危惧しております。
まず、「2002年」と書いてありますけれども、そこは間違いです。1993年にウィリアム・デメント教授が中心になって行ったアメリカの大々的な睡眠キャンペーン「Wake up America」というものがありましたが、これもフォーカスは、Sleep Americaではなくて、Wake up Americaなのです。つまり、QOLをよくするために睡眠をどうするかという視点で行っているものです。
近年多い睡眠が重要だから睡眠をしっかりとりましょうというキャンペーンの中には、かえって不安をあおってしまうような部分もあって、先ほど快眠という議論もありましたけれども、「快眠」という言葉は、マーケットを賦活するような効果があると同時に、不安を惹起するような部分もあるので、そういった部分も含まれているのだと考えております。
ですので、「健康づくりのための睡眠」というところは、ぶれてはいけないところ。
臨床的には、皆さんも十分御存じだと思うのですが、不眠症で病院にかかってくる人の約4割ぐらい、水面下ではもっと多くの割合、たくさんいると言われておりまして、精神生理性不眠という不眠恐怖みたいなものも含まれていて、健康な睡眠、客観的にはしっかり寝ているのだけれども、自分は不眠症なのではないかと恐れてしまうような人たちもいるわけです。こういったところの解決というのが今回の指針のところでは重要な部分だと考えていて、エビデンスベースドな知見が重要だと。あくまでもQOL向上のための睡眠知識を普及されるというところが重要なのだと思います。
その中で、最後のページに絵が2つ書いてありますけれども、これはちょっと手前みその部分もあるのですが、睡眠のキャンペーンを大々的にやっている中心的な組織、財団が我々のセンターの中にありまして、精神・神経科学振興財団と申しますが、年に2回「睡眠の日」という形で睡眠キャンペーンをやっております。こういった中でも本指針が取り上げられて、QOL向上のための睡眠なのだという部分が皆さんに納得していただけるというか、普及するといいのかなと考えております。
以上です。ありがとうございました。
○内山座長 どうもありがとうございました。
先ほどの御議論の中で挙がった論点に加えまして、いろいろ不確実な情報が氾濫していることの一番のもとは、睡眠を最終的なターゲットにしている、何のための睡眠なのかということ。これは小山委員からも御指摘がありましたけれども、睡眠をよくするということ自体、非常に漠然としているので、健康づくりのためのということ、あるいはQOL改善のための、向上のためのということを入れることによって、こういった誤解あるいは間違った知識によるいろいろな健康被害、不安を抱いている人たちに対してはプラスになるのではないかというお話でした。
もう一つは、精神・神経科学振興財団のほうにあります普及啓発のための組織ということで、恐らく健康日本21は、かなりヘルスケアプロフェッショナルを通じて保健指導としてなされるものと、一般に対しての知識の普及啓発という側面があるかと思いますが、一般に対する普及啓発の一つのプラットホームとしては、こういったところとも協力していくことが必要ではないかというようなお話だったと思います。
いかがでしょうか。何か御意見ございますか。小山先生。
○小山委員 財団の高橋先生からも、自分の睡眠を振り返ってみるという機会、「睡眠の日」に限らなくてもいいけれども、それを振り返るという習慣をぜひつけてくださいということをじきじきに言われていて、踏み込んでくださいと。
○内山座長 どうもありがとうございます。
恐らく振り返るための基準なり知識というのがどこにあるかというと、QOLと健康づくりというところで、そちらに関する情報というのが今回つくろうとしている方向かというふうに認識します。
ほかに何かございますでしょうか。
そうしましたら、「健康づくりのための睡眠指針」改定案に関する研究班の班長をしておられる兼板先生のほうから資料が出ておりますので、御説明をよろしくお願いいたします。
○兼板委員 大分大学の兼板です。
25年度から健康日本21(第二次)がスタートいたしまして、厚生労働科学研究費をいただきまして、「健康日本21(第二次)に即した睡眠指針への改訂に資するための疫学研究」ということで、こうした研究班を担当させていただいております。
その研究班のメンバーで指針の改定案なるものをつくってみました。お手元の資料をごらんください。A3の紙で配付されております。
まず、大項目として12項目を設定しまして、「具体的項目」「大項目のテーマ」「補足」「大項目の種類」という形で表示しています。
こうした指針を考えるときに大事にした3つのポイントがあります。
第1には、国民健康づくり運動に活用できるという視点で考えました。医療や保健、職域、学校、さまざまな場面で利用できるものであるということであります。
第2のポイントとしましては、科学的根拠に基づいたものであるということを大事に考えました。古くから行われていても医学的には誤った知識、慣習といったものを改めてもらうとか、あるいは商業ベースで広まっているけれども根拠のないもの、そういったものに歯どめをかけるという意味があります。
第3としましては、やはりライフステージに応じた対応にも配慮するということをポイントとしておきました。睡眠習慣というのは年齢で変わっていきますし、また、世代ごとに社会的な背景、役割が違っておりますので、睡眠のあり方というのも異なります。そういう観点から、ライフステージに応じた対応といったことを少しでも配慮したい。こういう観点から指針の改定案を作成いたしました。
項目ごとに少しお話をさせていただきます。
大項目の1番目は、大項目の種類で言いますと総論に当たる部分でして、これは、先ほどから話が出ておりますように、睡眠をよくすることによって体の健康、こころの健康、あるいは事故の防止につながる。睡眠そのものをよくするというのは、その先に健康づくりがあるのだという位置づけ、また、指針の目的といったことに触れている項目になります。
2番目から5番目に関しましては、エビデンスの提供ということでタイプ分けをしております。前回の指針発表から10年たっておりますが、この10年間で科学的なエビデンスがかなり蓄積されてきております。そうした科学的なエビデンスがあるものをきちんと発信していくということが大事だと思っております。
大項目の2番目の「睡眠と健康づくり」といいますのは、基本的には健康づくりを目指すという観点から、睡眠だけではなくて、運動、食事、喫煙、飲酒、そういった他の生活習慣にも配慮しながら、また、他の生活習慣と整合性を図りながら睡眠にも目を向けていく、こうした観点から設定しております。
特に睡眠習慣というのは、食事とか運動、たばこやお酒、こういった他の生活習慣からも影響を受けやすいものでありますので、こうした包括的な健康づくり施策ということを目指してこの項目を設定しております。
3番目の「睡眠と生活習慣病」に関しましては、まさにこの10年間で疫学知見が集積された領域でございまして、特に心血管疾患のリスクファクター、あるいはメタボリックシンドローム、その構成要素、こういったものが睡眠不足と密接に関係するということが内外の疫学研究によって示されております。あるいは睡眠時無呼吸症候群というものが肥満と密接に関係する。そういったことを科学的なエビデンスに基づいて発信するということが大事だと考えております。
4番目の「睡眠とこころの健康・休養」は、こころの健康づくりのほうでありまして、自殺者が3万人前後で推移している我が国におきまして、うつ病対策ということがとても大事だと思っております。うつ病の初期症状、初発症状として睡眠の問題が生じるということはよくありますので、睡眠の問題からうつ病の早期発見につなげるといったこともありますし、また、睡眠の問題をそのまま放置しておくとこころの問題を生じてくる、こういった研究も最近見られております。そうしたことでこころの健康づくりという観点から4番目の項目を設定しております。
5番目に関しましては、「人それぞれの健康的な睡眠」とありまして、睡眠習慣というのが年齢とともに変化していきます。若いころと同じような睡眠をとりたくても、実際的にそれは難しい。無理な熟眠を求め過ぎない、あるいはこだわり過ぎないということが大事だというメッセージをここで示しております。
6番目から9番目は、大項目の種類としては一次予防と言える領域です。つまり、睡眠の問題を抱えてはいないけれども、その先に睡眠の問題を持たないようにするため、睡眠障害を発症しないようにするための対策を盛り込んでおります。
特に6番目から9番目というのは、ライフステージごとに対応したという観点で設定しておりまして、6番目は全世代共通の睡眠保健指導にかかわることで、7番目が子供あるいは若年者、思春期、そういった人たちを対象にしているところであります。
8番目は、働き盛り世代、勤労世代の睡眠ということを取り上げております。
9番目は、高齢者、熟年世代を対象に書いているところであります。
10番目から12番目は、二次予防、三次予防というくくりでまとめております。二次予防、三次予防、つまり、睡眠の問題を抱えてしまったけれども、それを悪化させないようにするためにはどうしたらいいか。あるいは睡眠の問題を抱えていて、その背景には医療を必要とするような疾病が隠れているとしたら、それを早期発見し、早期治療に結びつける。
こういった観点から二次予防、三次予防という形でまとめております。
大項目の10番目は、不眠症に対する対応でまとめております。
大項目の11番目は、睡眠時無呼吸症候群とかむずむず脚症候群、ナルコレプシー、こういったしかるべき対応、医療が必要な疾患を早期発見するという観点で書いております。
特に今、申し上げました3つの疾患というのは、この10年間で治療方針がかなり進みまして、標準的な治療法が確立しております。そうした標準的な治療法が確立しているものは早期発見して、治療に結びつけるということがとても大事だと考えて設定しております。
最後の12番目の項目は、全体的に受診勧奨という形でまとめております。
こうした大項目あるいは具体的な項目というのだけではなかなか国民レベルまでは理解しにくい、わかりづらい面もあるかと思いまして、これに関する解説を今、つけるべく、研究班のメンバーを中心に解説をつくっているところであります。その解説で表現する内容にはそのもととなる文献とか出典とか、そういうことをきちんと明示した上で解説をつくり上げていきたいと考えている次第です。
以上です。
○内山座長 どうもありがとうございました。
「健康づくりのための睡眠指針」改定案に関する研究班のほうの検討の中から、今後の睡眠指針の改定に関しまして案をお示しいただきました。これについて御討論をお願いしたいと思いますが、御意見ございますでしょうか。どうぞ。
○道永委員 すごくすばらしい大項目があっていいのですけれども、2番の「睡眠と健康づくり」の4つ目に「就床前の喫煙は寝つきを悪くする」という表現があります。これは睡眠指針なので問題ないのですが、今、禁煙、防煙で、医師会を中心としていろいろなところで活動しておりまして、この文章が入りますと、昼間は吸ってもいいよみたいな概念になりそうなので、とにかく喫煙は睡眠に関してもそうだし、生活習慣に関してもそうだし、発がん性に関してもそうですけれども、体によくないということをもっと前面に出していただけたらと思います。
○内山座長 どうもありがとうございました。
喫煙に関して、健康日本21全体との関連も含めて強調した表現をとっていただくということであります。これは、健康日本21全体の中での睡眠のところだけではなくて、運動とか栄養といった面とも絡むところがありますので、今、御意見を伺いまして、その辺のところは関連しているものとしてやっていったほうがいいのかなと思いました。
ほかに何かございませんでしょうか。どうぞ。
○谷川委員 本当によくまとめていただきまして、ありがとうございました。
2つほどあるのですが、1つは、5番のところに「10代前半までは8時間前後、成人では7時間弱、高齢では6時間台」と書いていますけれども、ちょうど10代後半が抜けているのです。だから、できたら成人だけでなくて、「青年・成人」というふうにしないと。
今、特にそこの部分の睡眠時間が極端に限られていますので、そこをきちっと出しておいてほしいなと思うのが1つです。
○内山座長 どうもありがとうございます。
10代のところは2つに分けるということで、個別の検討はそれぞれ入れていくということですが、これは谷川先生が一緒になってつくったものですから。
○谷川委員 はい。なかなか一遍にはわからないので、でき上がったものであれですが、もう一つは、11番に「長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は」と書いていますけれども、非常に大事なことで、慢性の睡眠不足とか慢性の睡眠障害による状態でも本人は必ずしも眠気を感じていないというのを僕は非常によく見るのです。そのかわりに慢性疲労とか気力低下とか、その人自身の事故の多発とか、これは二次予防なわけですから、二次予防でやるときに眠気だけで絞ってしまうと、恐らく多くの人が見過ごされてしまう危険性があると思うので、せめて「慢性疲労」とか、そういう言葉も入れたほうがいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○内山座長 どうもありがとうございます。
11番の二次予防の項目の中に産業医学的な立場から、「疲労」とかこういったものについても入れていったほうがいいのではないかと。恐らくナルコレプシーとか、そういったもの以外に睡眠不足症候群といったものを想定しての御発言だと思いますが、少しそんなことも入れていくのがいいのではないかというのは建設的かと思います。
ほかに何かございませんでしょうか。巽先生、どうぞ。
○巽委員 この「健康づくりのための睡眠指針」は、本当にとてもすばらしくて、感心しています。
私も睡眠の重要性というところで、保健師を中心にいろいろ研修とかをやったりしているのですけれども、そういう中で睡眠を皆さんによくわかってもらうタイミングというのがすごく重要かなと思っています。
私がやっているときは、例えば住民の人ですと、特定健康診査のときに睡眠のアンケートというか、問診を入れて保健指導の必要な人をピックアップしたりということで、そのときは、たまたま研究のこともありまして、1カ月後と3カ月後にアンケートをしたのですけれども、そうすると、行政などですと回収率がとてもいいのです。高齢者の方はすごく親切で、丁寧なので。そういうときに、1年後にまたこういうアンケートをもらうと、また睡眠のことを見直せるということで、自分でどんどんやっていける、きっかけづくりみたいなことがあったと思うのです。
労働者の方ですと、労働衛生法で決まっていますので、1年に1回必ず定期健診があります。今後、ストレス調査という問診も全労働者に入ってくるのですが、この睡眠指針の中に、健診のときに最低こういうことだけはチェックしたほうがいいですよみたいなところも入ると、とてもいいかなと思ったのですけれども。
○内山座長 そうしますと、先ほど「睡眠の日」というようなお話もありましたけれども、睡眠のことについていろいろチェックしたり、考えていただくチャンスになるように、特定健診などの中にこういったものを入れたほうがいいのではないか、推奨とか推薦といったものも少し含めていくとか、あるいは地域のいろんな調査の中にそれを入れていくのがいいのではないかというお話でございました。
この中にということではなくて、参考編を書いていく中でぜひ入れていきたいことだなと思います。今の御意見につきまして、いかがでしょうか。兼板先生、どうでしょうか。
○兼板委員 最初の大項目あるいは具体的な項目に全部を盛り込むのはなかなか難しいものですから、解説編の中で吸い上げてやっていくというのが現実的だろうと思います。
また、「睡眠の日」、そういったキャンペーン等々でこうした指針が広く発信されるということ、普及啓発を今後どういうふうに進めていくか、こういったことも考えていく必要があると思っております。
○内山座長 どうもありがとうございました。
それでは、小山先生。
○小山委員 兼板先生、十分にまとめてくださってありがとうございます。
2点ございます。
5番目の人それぞれにどうだというところの中に、自分の睡眠を主体とする生活習慣、あるいは日中の何がしかのパフォーマンスの記録をとって、それを客観的に見たほうがいいですよという視点が追加されると、小さい子供さんから成人まで目安の睡眠時間が出ると思うのです。特に成人の個体差というのもあるかと思いますので。ただ、そのときに気をつけないといけないのは、今、スマホのアプリまでできてしまって、これさえ買えば自分の睡眠が測れますというふうになってしまって、それはちょっとどうかなと思いますので、どうやってログをとっていけばいいのかという方法も含めて、何かあればなというのを希望しています。
6番ですが、快適なということはちょっと置いておきまして、リラックスということでくくると、ちょっと大変なところもあるかと思うのですけれども、この中に生活環境を整備するということと、生活行動、適正な運動であるとか、食事面のこととか、睡眠と表裏の関係にある日中の生活行動もあると思いますので、夜の睡眠の準備ということだけではなくて、日中の行動も含めた行動の整備、環境の整備という視点が加わればいいのかなというふうに希望いたします。
○内山座長 尾崎先生、どうぞ。
○尾崎委員 今の話と内容が変わってしまうのですが、よろしいでしょうか。
○内山座長 では、その次にお願いします。
今、小山先生からは5番と6番についてでした。5番では、眠気で困らない程度だけではなくて、どういうことが日中のQOLを高めたことになるのかについての指針を含めてほしいということですね。どうやってログをとったりとか。
○小山委員 そうです。だから、睡眠のログも大事だけれども、それに加えて日中の目安というのも入れられるような形。
○内山座長 そうですね。日中の目安ということが重要だということです。
6番につきましては、リラックスだけではなく、環境面での記載を入れたらいいのではないかということと、食事とかこういった面のものを含めてほしいという御希望、御提案だと思います。
それでは、田中先生。
○田中委員 これ自体は、たくさん項目がありますけれども、私のイメージとしては、6番が一次予防の中でも中心になって、この指針自体を具体的に使う場合には、衛生教育とか睡眠保健指導の際の具体的なターゲットとなるような生活習慣、どのようにすればいいかということをまとめてわかりやすく示すというのが一番大きな目的だと思っています。
そういう意味では、6番について、兼板先生は3つしか書いていないのですけれども、我々の研究班の中では、エビデンスに基づいた推奨すべき生活習慣は何かということを主に研究しておりますので、6番がもうちょっと前面に出る形になるというふうな理解でよろしいですね。先生、どうでしょうか。
○兼板委員 個々の項目はまだ途中段階ですので、それぞれ表現とか項目とかは皆さんで議論して含めていけばいいかと思います。
大項目として12項目、こうしたところで大枠を決めさせていただければと思っております。
小山先生のほうの話でありますが、環境づくりということで、少しだけ「環境」という言葉を入れておりまして、この辺はちょっと悩んでいるところであります。また、個々の音とか光とか、個人差というものがあって、環境の表現が実際しづらくて悩んでいるようなところであります。その辺も含めて具体的な項目というのは少し検討していく必要があるかと思っています。
○内山座長 どうもありがとうございます。
あともう一つは、田中先生の御意見の中で、6番は総説的なところなので、順番を上のほうに持ってきたらいいのではないかという御提案も少し含まれていたように思いますが、いかがでしょうか。
○田中委員 バランスとして、これは箇条書きにしたので、それはまだ考慮されていないと思いますが、基本的に使うユーザーとしては、この指針を見て実際に保健指導しようという人たちにおいては、具体的な6番から9番、その中でも特に6番をわかりやすく提示してあげるということがとても大事なポイントだと思います。
ユーザーとしては保健指導でエビデンスとかをそんなに重視しているわけではないので、6番を中心とした指針のイメージがいいのかなと思っております。いかがでしょうか。
○兼板委員 ありがとうございます。その方向で。
○内山座長 どうもありがとうございました。
それでは、尾崎先生、よろしくお願いします。
○尾崎委員 今、高齢社会になって、介護をしている方の睡眠というのが非常に問題になっているのかなと思います。
先ほど地域にいる方は時間があって睡眠に当てているということでしたが、介護している方は眠りたいけれども眠れない、睡眠がとれないという状況にあると思うのです。そういう方たちというのは、この中の高齢者の中に入るのか、どこに入れたらいいのかわからないのですが、上手に昼寝をしていただくこととか、今、介護のレスパイトケアサービス、介護を中断したり、お休みするためのサービスがたくさんできていますので、そういったことを利用していただくということ。患者さんがレスパイトケアサービスを利用すると、介護者の方の睡眠がよくなるというエビデンスはもう出ておりますので、そういったことも含めていくと、より重層的な指針になるのかなと思います。
○内山座長 どうもありがとうございました。
この中で、最近話題になっていたにもかかわらず、ちょっと抜け落ちていた点かと思います。介護者というものがどういう状況にあるかというのは非常に大切なことで、たしか尾崎先生が昔、論文で出しておられたものだったと思いますが、非常に大変な思いをしていらっしゃる方が多いということで、老老介護みたいな形になっていたり、あるいは中年の世代とか、こういった人たちがあるので、方向としては産業医学とちょっとかぶるところがあるので、産業だけに限らずに、先生のほうから御提案いただいて、その中のものとして書き加えていきたいと思いますが、兼板先生、いかがでしょうか。
○兼板委員 高齢化社会においてとても大事な問題だと思っています。なるべく入れられるようにしたいと思います。
○内山座長 ほかに何かございませんでしょうか。
○谷川委員 5番の「日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番」と書かれた背景は、補足にありますように、「無理な熟睡を求めないことが重要」ということで、高齢者向きだと思うのです。ですから、ここは高齢者向けにはいいアドバイスだと思うのですけれども、やはり勤労者層では、「日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番」というのでは不足であるという小山先生の意見に賛成で、その中に慢性の疲労としか認知されていないもので無呼吸とか睡眠不足が重なっていましたら、これは生活習慣病のリスクにもなるわけですから、そのあたりをちょっと分けて考えたほうがいいと思います。
○内山座長 どうもありがとうございました。
ほかに何かございませんでしょうか。巽先生、どうぞ。
○巽委員 先ほど介護のお話も出ましたので、調査をたくさんやっていますと、いろんなことで寝られていない人が多いのですけれども、今、共働きで子育て中の方が、女性労働者だけでなくて、男性労働者も長時間労働をやって家に帰っても、その後の子育てを半分手伝わなければいけなくて眠れないという人も結構人数がいまして、そういうところも今の時代に合った「健康づくりのための睡眠」というところに入れてほしいかなと思います。
○内山座長 どうもありがとうございました。
そうしますと、男女問わずに子育ての負担ということについても少し配慮して、これは睡眠不足の対策というところになってくるかと思いますが、こういったことについても少し言及できるような形。そうすると、睡眠不足対策のところは、産業ということにあえて絞らないということで、幾つかのものを含むと。介護、子育て、産業、労働、あと受験ですか。受験というと子供の問題なので、別に分けたほうがいいと思います。子供はそんなに勉強していますかね。僕もよくわからないのですけれども、自分のときは、部屋にはいましたが、よく寝ていました。実は親が思っているほど子供は起きていないのですね。今、そういうことを調べているのですけれども。
そういった意味で、産業だけにこだわらないで、睡眠不足対策とかスケジュールとか、こういったものについて、広い人たちに役立つものにしていこうといった御意見としてまとめられるかと思いますが、いかがでしょうか。
○谷川委員 そこは巽先生の御意見とかぶるのですけれども、今回は交代勤務について入っていないのですが、男女問わず、交代勤務明けで家にいるために子育てを手伝わされるということは、その人の健康にとって非常にマイナスだと思っているのです。看護師さんでもそうですけれども、明けの日は休みと思って家事労働をしないで、そこはきちっと休憩をとるべき時期だと思いますので、そういう観点で、労働形態に合わせた睡眠をしっかりととるということもアドバイスとして入れたほうがいいと思うのですが、いかがでしょうか。
○内山座長 どうもありがとうございました。
この辺のところになると、本指針の方向が健康づくりということの中にどこまでを含めるかということで、これは労働対策のための指針ではないので、その辺のところは、一時的には保健指導、健康のための普及啓発というところにポイントが置かれますので、また別の指針をつくっていただくのが一番いいのではないかと思いますが、こういった点も生かせるように考えていきたいと思います。
いかがでしょうか。栗山先生。
○栗山委員 僕は今まで研究のほうを中心にやっていたので、改定がされるよというところから1つの前のバージョンの指針を見直してみて気づいたのですけれども、前回のやつがとてもよくできていると思うのです。今回のものになっていろいろなインフォメーションがふえて、個別に対応みたいな形もとれるようにはなると思うのですが、その反面わかりづらくなってしまったり、前回のキャッチーなコピーみたいなものが失われてしまうようなデメリットも生じるかもしれないなというところがあると思いますので、できるだけコンパクトにして、どこまでが重要で、その次はインフォメーションとして重要度が下がるのかどうかという重みづけも含めて、解説のところを充実させていくことが大事なのかなと少し思いました。
○内山座長 どうもありがとうございました。
非常に重要な御指摘だと思います。大項目、項目に関しては余りふやし過ぎないということが非常に大切ではないかという御意見でした。確かにそのとおりかと思います。
キャッチーという言い方というよりも、簡潔によくわかるものにしなくてはいけないという御意見だったと思います。そういう形で全体をまとめるに当たっては心していきたいと思います。
ほかに何かございますでしょうか。田中先生、どうぞ。
○田中委員 今の栗山先生の御意見に非常に賛成で、自分たちでこの指針を見て、睡眠衛生教育とか、ちょっとした個人保健指導ができるかなという形のサポートをするような内容に仕上げていくことが必要だと思います。
そんな中で、個人的には6番から9番目の項目が非常に重要だと思うのですが、現実には睡眠薬を飲もうかな、どうしようかなと不眠の問題を抱えながら、先ほど言った時間に関する悩みだとか、不眠恐怖症の問題というのも実はたくさんあって、教育すればするほどそういったものもふえてくるというところがあるので、いわゆる不眠のための認知行動療法、そういった要素も前回のものには入っているのですけれども、未病対策、重症化予防という中においては、地域の保健師とか職場の保健師さんなどがもうちょっとしたほうがいいのではないかという形。すぐ睡眠薬に行くというわけでなくて、職域や地域においてもそうでしょうけれども、問題があった場合、まずは栄養指導、運動指導をして、コントロールがいかない場合には薬物治療と。
睡眠に関しても波及するさまざまな問題があるわけですから、まず睡眠の問題を抱えている場合には、衛生教育だけでなくて、睡眠保健指導をやる。睡眠保健指導の中にはどうしてもCBT-Iが入ってくるわけですけれども、そこら辺も今回どこまで突っ込んで入れるかどうかというのが一つの大きな討議の争点だと思っております。
○内山座長 どうもありがとうございます。
これに対して、たしか看護協会のほうで保健指導の中にCBT-Iを入れるということで、尾崎先生、少しやっていらしたと思うのですが。
○尾崎委員 平成14、15年から17年くらいまで日本看護協会で先駆的な保健活動の事業がございまして、そのときに保健指導の中に少しCBT-I的な要素を入れたマニュアルといいますか、ガイドブックみたいなものを作成して、内山先生も作成に携わってくださったかと思います。
ただ、それがその事業で終わってしまっていて、それにさらに新たなエビデンスを加えて普及して、保健師の方々に使っていただくことが必要かなと思います。
○内山座長 どうもありがとうございました。
そうすると、大項目のところに入れないまでも、説明の中に必ずそういったCBT-I自体の指導、認知行動療法的なものを入れていったほうがいいのではないかということですね。
それは説明の中に含めていくのは非常に有用かと思います。
○田中委員 職域でやっていても、職域の産業の保健師さんも、認知療法は非常に難しいと思いますが、CBT-Iの中でも短期行動療法、主に睡眠スケジュール法の簡便なのは安全にできるし、とても大きな意義と効果を持っていると思います。
そこに関連してちょっと考えたのですが、この指針自体をライフステージごとに分けるというのはとても重要だと思いますけれども、そういうことを考えると、一般国民の教育のためのものと、保健指導や医師がかかわってもうちょっと突っ込んだ指導をするときに供するような部分と、ユーザー別の段階というのももしかしたらあってもいいのかなと少し思いました。
○内山座長 尾崎先生、どうぞ。
○尾崎委員 実は私もそのことを非常に痛感しています。現行の睡眠指針は非常にすばらしくて、参考になる部分が非常に多いのですが、原理原則がここに書かれていて、保健師の方に一度話を伺ったときに、例えば運動であれば、マニュアルが学会でも出ているし、看護協会でも出ているし、複数のところから出ていて、具体的にどういうふうに保健指導をしたらいいのかというのがたくさん出ているので、利用しやすいのですけれども、睡眠の場合は、保健師の方々が1回目で何をしゃべって、2回目で何をしゃべって、どういうことを集団でやるのか、個別でやるのかといったように、より具体性を持たせたものがないので、なかなか着手できないといった御意見もいただいておりますので、この検討会のマターではないかもしれませんが、そういったものもあると普及していくのかなと思います。
○内山座長 どうもありがとうございました。
田中先生の御意見が非常に大切かと思います。ストラクチャーとして、前回の指針では説明の部分が非常に少なかったのですけれども、説明の部分のところがある意味では指導者向けになってくると。もう一つは、FAQになって、それに対する回答例にもなるような形ということで、現場でお聞きすると、ユーザーの方のほうがテレビなどをよく見ていろんなことを知っていて、聞かれても、本当かうそかわからないというのが非常に多いみたいです。
そういったことを含めて全体をつくっていくということになるかなと思いますが、いかがでしょうか。説明編というのは、単なるユーザーのための説明でなくということをちょっと考えていけば、先生の御意見は非常に生かせるかと思います。どうぞ。
○谷川委員 先ほどちょっと言い忘れたのですけれども、11番の表題を少し変えたほうがいいかと思うのです。というのは、「睡眠中の変化への対策」といいますが、必ずしも睡眠中のいびきだとか足のぴくぴくだけでなくて、日中の慢性的な疲労とか眠気などを全部総合していますので、例えば大項目のテーマの「睡眠障害早期発見の重要性」に相当するような表題として、「見過ごされやすい」とか「気がつきにくい睡眠障害への対策」というふうに変えたらいかがでしょうか。提案です。
○内山座長 どうもありがとうございます。
文言については具体的なところですので、細部は今後詰めることにして、全体のストラクチャーについてのお話を伺いたいと思います。どうぞ。
○兼板委員 皆さんから御意見をいただいて大変参考になっております。田中先生がおっしゃっていたように、実際国民レベルで使うものが大項目あるいは具体的な項目レベルになって、さらにそこから保健指導の現場で保健師さんが使うというのが解説編になる。その中でCBT-Iの項目を少し取り入れる。そういうふうに考えております。
○谷川委員 あと、ストラクチャーのことで1つ提案です。先ほど栗山先生から「キャッチーなコピー」というのがありましたけれども、「大項目の表題」とか「大項目のテーマ」というのは、地域・職域の保健師さんには非常にいいと思うのですが、一方では、国民、一般の方々に少し的を絞ったような訴えかけをする、例えば昔の7箇条みたいなものも大事かなと思うのですが、いかがですか。
○内山座長 このメッセージの書き方を工夫せよというお話だったと思いますが、そのとおりだと思いますが、栗山先生、どうでしょうか。
○栗山委員 私も賛成です。微妙なところで、やわらか過ぎてもばかにされてしまうし、かた過ぎてもわからないし、そこら辺のさじかげんは非常に重要だと思いますので、恐らく皆さんの御意見でよくなるものと信じております。
○内山座長 内容を詰めた上で最終的なブラッシュアップを十分行って、わかりやすいものにしていきたいと考えます。
ほかに何かございませんでしょうか。中板先生、どうぞ。
○中板委員 日本看護協会です。
健康づくりのための指針ということで、出された改定案がとてもわかりやすくて、非常によかったなと思っております。
1つは、先ほど論点のところでもずっと気になっていたのですが、ライフステージというところと、今、働き方が非常に多様になっているという状況の中で、看護師はもちろんそうですけれども、いろいろな働き方があります。
看護師さんは、自分が睡眠のリズムがなかなかとれないということについて、将来、自分の健康被害に覆いかぶさってくるのではないかといった不安を抱えながら、それでも働かざるを得ませんし、非常に重要な人材ですので働いていただくということになりますが、ライフステージだけではなくて、ライフスタイルということについても何らかの項目があると、保健指導をする立場としても非常によいのではないかなと感じました。
介護のことも子育てのことも全く同じで、仕事は関係なく、いろんなライフスタイルがその時期その時期にありますので、そういったライフスタイルに合わせた形で睡眠の指導をどういうふうにしていくかということを少し明記していただけると、保健指導としてはしやすくなるのではないかなと思いました。
構成としては、先ほど栗山先生がおっしゃったことに大賛成で、やはり一般の市民にわかりやすい言葉で伝えるキャッチフレーズのようなものが大項目の中にあればよいと思います。
また、前回の指針も読ませていただきましたけれども、これまた非常にわかりやすくて、保健指導をする側としても、(参考)の文献のように、エビデンスがかなり明記されていると私たちも指導しやすくなるので、今回も同様にしていただけると、保健指導としては使いやすくなっていくのではないかなと思います。
また、改めて特定保健指導等の中で、生活習慣というところで運動のことについては聞いていますが、睡眠のところまで丁寧に詳しく聞けているか、あるいはこちらがいろいろ問題意識を持って聞いているかというと、そこはまだまだ疑問点があります。今回参加させていただきましたので、こういった指針をもとにかなり普及できるかなと思っておりますので、大変期待しております。
どうもありがとうございます。
○内山座長 どうもありがとうございました。
ライフスタイルとか勤務形態に応じたような形で生かせるものをということと、もう一つは勤務形態などによる健康不安に対して答えられるようなものを何かということで、きちんとしたデータがあるのだったら、解説の中などで少し触れるようにという御意見だったと思いますが、いかがでしょうか。
既に全体討論に入ってしまって、今後の方向ということで、兼板先生に御提示いただいた後にかなりいろいろな御意見が出ておりますが、全体的なことについて何か御意見ございますようでしたら、いかがでしょうか。どうぞ。
○佐々木委員 どこでお話ししていいか迷っていたのですが、エビデンスというところでは、今までの指針の3番「快適な睡眠は、自ら創り出す」の最後に「自分にあった寝具の工夫」というところがございます。
体験的には枕のことで悩み続けて、自分なりにそのときの高さによって睡眠の満足度が随分違うわけですが、この10年の間に、ジャンルでいくと人間工学的なものになるのか、そのエビデンスというのは随分進んでいるのでしょうか。どんなものなのでしょうか。
○内山座長 小山先生の分野かと思います。
○小山委員 申しわけありません。睡眠環境学会の理事として、まずおわびを申し上げないといけないのですけれども、余りにも個体差が大き過ぎまして、かつ日常の生活の中での睡眠の客観的な検証ということになると、手段が限られてきて、例えば疫学的にどうだとか、統計的解析に耐えられるだけのデータがちゃんととれるのかということになると、大変難しいので、学術論文審査に通るレベルの研究成果が実は(あまり)出ていません。
人間工学で体の体形にある程度合わせないといけないという大ざっぱなことはわかるのですが、では、何ミリの高さで、どうしてこうしてという話、学術雑誌に載るようなエビデンスということになると、この分野は(重要だけれども)研究が大変おくれています。
申しわけないです。
○内山座長 どうもありがとうございます。
私、臨床医の立場から申し上げますと、枕の高さについては、首が痛いとか、首から肩についてのいろいろな不快感とか頸腕症候群のある方は少し高目にしたほうがいいと。ただ、そうしていくと今度は睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まるということで、御本人の状態に応じて、悪くなっていくことを防ぐというのが今、基本になっています。恐らく歯科分野もそうかなと思うのですが、今、患者さんにはそんなところを主体に行っています。
ですから、整形外科医と睡眠を見ている呼吸器科の先生の意見が、視点によって異なってしまうということがあります。ただ、医学全体につきまして、健康な人をさらに健康にする技術はまだ1つもできていないと思いますので、悪いところを防ぐという観点しか得られないのかなというふうに考えます。
どうぞ。
○小山委員 ちょっとだけ補足をします。
そういう状況があるので、マネジメントという概念を持ち込んだということなのですけれども、日常の自分の睡眠状態をフィードバックしながら、記録、ログを積み上げて、例えばこういうふうに枕を変えたら、その後どうなったというのは自分にしかわからないので、そういう習慣づくりというか、自分のことを振り返るマネジメント手法というところができてくると、例えばライフスタイル別であるとか、わかっているけれども現状の社会生活では理想的な生活ができないという場合の対応でも、自分のQOLとか睡眠習慣とか、そのログをためていって振り返ることでフィードバックしながら自分に合わせていくということが盛り込まれると、全体が一発で解決するとは思いませんが、少し前に進むのかなと思っています。
○内山座長 どうもありがとうございました。
記録をとるということを考えてほしいと。ただ、記録をとらせることがいいかどうかということの論議が一番大切なところなので、それはあるかと思いますが。
最後に、佐々木先生のほうから、前回の中で歯科のほうの問題点として、歯ぎしりが歯科医学的ないろんな問題を起こしてくるということで、そういったものについての注意喚起というものが入っていたのですけれども、今回のものにはどういう形でこれを入れていくかということについて、ちょっとお話しいただけませんでしょうか。
○佐々木委員 今日は1回目なので、そこのところは仲間と検討してきませんでしたが、今、歯ぎしりの治療法も随分変わってきておりまして、今までは寝ている間、顎関節等を安静にするためにマウスピースの様のものを入れて、夜中、ストレスとかいろんなことで歯ぎしりを起こさないようにする治療が主でしたが、最近では、生活習慣から変えようということや、心の問題から捉えて進める治療法もあります。
ただ、歯ぎしりと一言で言うと、歯周病の関連もありますが、今、どの病気でもストレスがかかわっていますので、歯ぎしりについてもストレスが大きな原因にはなっているかと思いますが、この問題について、今日提案がありましたので、持ち帰ってまた少し詰めてきたいと思います。
○内山座長 どうもありがとうございました。
ほかに何かございませんでしょうか。どうぞ。
○谷川委員 先ほどの小山先生のお話ですけれども、私、ある寝具メーカーに頼まれまして、30人ほどPSGをとったことがあるのです。その寝具を使うと睡眠がよくなるという仮説のもとでやったのですが、割とやわらかい寝具だったので寝返りが打ちにくくて、Apnea-hypoxia indexが上がりまして、結局、それについては、その寝具メーカーから出さないでくれと言われました。行く行くは厚生労働省とかそういうところの予算で寝具とかそういうことの研究もして、先ほど内山先生がおっしゃったように、整形外科的にはいいけれども、呼吸器科的にはだめだとか、そういうエビデンスをきちっと出していくことが大事だと思うのです。その人その人に合ったものをやろうとすると、企業からの委託研究では限界があるなということを感じました。一言言っておきます。
○内山座長 この場での意見としてはちょっと取り上げにくいですが、このような意見があったということです。
ほかに何かございませんでしょうか。兼板先生。
○兼板委員 「エビデンス」という言葉が先ほどから出ております。そのエビデンスも高いものから低いものまでさまざまあって、疫学研究で介入研究のメタアナリシスみたいなのがあれば、それが一番強固なエビデンスとされます。
ただ、残念ながらそこまでないものもこうした項目の中に入っておりまして、生理学的なデータだけであるとか、そういったものもございます。その辺は解説の中できちんと書いていく。ただ、エビデンスを大事しながらつくっているのだという姿勢が重要だと思っています。
○内山座長 どうもありがとうございました。
栗山先生。
○栗山委員 簡単に補足させていただきますと、患者さんを見ていると、こうしなければいけない、ああしなければいけないというのを比較的求められることが多くて、安心はすると思うのですが、それが確実にその人のためになっているかというのは非常に難しいところで、ログをとるとか、いろいろな手法も提案されていると思うのですけれども、それによって逆に不安をあおってしまったりする部分もあると思います。ですので、そういった行為が患者さんのQOLに直結しているのかどうかというエビデンスがあるのか。エビデンスという言葉で申しわけないのですが、あるのかどうかということを一つ考えなければいけないということ。
あと、先ほどの寝具のように個人差が大きい問題においては、何らかの小さなエビデンスが出てきても、そこは個人差を考慮して、言及するのかどうなのかというのは個別に対応するべきなのかなと思いました。
○内山座長 いろいろな方法をリコメンデーションの中に入れる中で、そのこと自体の意義ということについて注意深く検討すべきだという御意見だったと思います。
少し時間が押してきてしまいましたけれども、このような形でいろいろ御意見は伺えたように思います。全体的に御意見が出まして、この原案についてもいろいろ検討し直さなければならないところ、追加しなければいけないところ、あるいはよかったところなどがはっきりしてきたように思います。
本日は、このような形で本当に充実した御議論をいただきまして感謝いたします。
それでは、今後のことなどにつきまして、事務局のほうからよろしくお願いいたします。
○長坂補佐 今後の日程について御案内申し上げます。日程調整の結果、第2回本検討会は今月24日月曜日の15時からということで予定しております。後日改めて御連絡を差し上げますが、次回検討会で資料を用いて御説明されたい委員の先生方におかれましては、2月6日木曜日までにまず事務局のほうに御一報いただければと思っております。資料の提出等はまた別途御相談させていただきますので、御一報だけいただければと思っております。
以上でございます。
○内山座長 どうもありがとうございました。
事務連絡について御質問ございますでしょうか。
それでは、時間も参りましたので、本日はこれで閉会としたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

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