ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 再生医療製品患者登録システムの在り方に関する検討会・体内埋植型医療機器患者登録システムの在り方に関する検討会> 平成24年度第1回再生医療製品患者登録システムの在り方に関する検討会 議事録(2013年1月16日)




2013年1月16日 平成24年度第1回再生医療製品患者登録システムの在り方に関する検討会 議事録

医薬食品局安全対策課

○日時

平成25年1月16日(水)10:00~12:00


○場所

航空会館 501・502会議室


○議事

○事務局 それでは、2分ほど早いのですが、皆さんお揃いになりましたので、平成24年度第1回再生医療製品患者登録システムの在り方に関する検討会を開催いたします。開催に当たり、榮畑潤医薬食品局長からご挨拶いたします。
○医薬食品局長 足元のお悪いところ、朝から先生方にお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。今日は第1回ということですが、はじめに担当局長として一言ご挨拶いたします。
 先生方には常日頃から医薬行政に御理解、御協力いただきましてありがとうございます。また、今日は御多忙のところ、朝からこういう会議に御出席いただきましてありがとうございます。
 昨年、京都大学の山中先生がiPS細胞の関連でノーベル賞を受賞されました。これにより、再生医療によりましてこれまで治療法のなかった多くの患者さんを救えるようになるのではないかという国民挙げての大きな期待感があるのだろうと思っています。そういう中で私ども厚生労働省といたしまして、再生医療の開発・実用化も国を挙げての重要な課題だろうと思っておりますし、我が医薬食品局だけでなくて省を挙げて関係各局で様々な取組を進めているところです。特に、医薬食品局については、再生医療製品の特性を踏まえた承認審査や市販後対策の在り方について、できれば今年の通常国会に薬事法改正案を提出したいと思っております。その関係でいろいろな諸準備、諸検討も進めているところです。
 一方、世界最先端の医療として再生医療の実用化を進めていくに当たりましては、再生医療製品の安全対策が大事になるのだろうと思っています。このために、先ほど申しました、薬事法改正によるいろいろな諸制度を作っていくとともに、安全対策を進めていくための必要な体制整備が重要になるのだろうと思っています。
 そういう中でこの再生医療製品患者登録システムをどのように作っていくかというのは、私どもとしても必要なことだろうと思っておりますが、そういう中でも、再生医療製品の市販後の情報収集体制をどのようにしていくのか。これらの点について、国内外の実態を調査いたしまして、その結果を検討材料としながら、最終的に再生医療製品の使用患者全例について、中央登録システムというのを作れないかということも考えております。
 今日お集まりいただきましたこの在り方に関する検討会におきまして、正にこの患者登録システムの在り方について、今後様々な調査を進めて、その結果をまたこの検討会にも御報告させていただき、そういうようなものも材料としながら先生方におきまして様々な御議論をいただきたいと思っています。そういう中で良い患者登録システムができればいいなと思っています。それがまた再生医療製品の安全対策にも資しますし、それがいわば再生医療を進めていくことにも繋っていくのだろうと思っています。
 この検討会で先生方から忌憚のない御意見を頂戴できればと思っています。いろいろまだこれからご面倒をおかけいたしますが、是非ともよろしくお願いしたいと思います。朝から恐縮ですが、ご面倒をおかけいたします。
○事務局 ありがとうございました。次に、本日は第1回の会合ということで構成員の先生方をご紹介いたします。まず、本会の座長ですが、開催前に構成員による互選の手続を事務局で行った結果、大阪大学大学院医学系研究科外科学講座心臓血管外科教授の澤芳樹先生にお願いすることといたします。
○澤座長 ただいまご紹介に与かりました大阪大学心臓血管外科の澤でございます。大変僭越でございますが、御指名によりまして、検討会の座長を務めさせていただきたいと思います。先ほどの局長のお話にもございましたが、再生医療をいかに安全に推進していくかというのは非常に大きな課題でございます。もちろん、再生医療製品がまだ二つ、三つという段階でございますが、今日お集まりの皆さんはアカデミアとして再生医療を推進してこられた、もちろん研究開発から、また臨床応用に向けて非常に努力をされておられます。かつ、企業の方にもご参加いただきまして、また一方で、再生医療学会という立場で皆様方が所属されていますが、こちらのほうでもやはり再生医療をいかに推進するか、その中にキーワードは安全、そして、そのためにより早い承認と、その承認によるエビデンスを作っていくためのデータベースの構築と、これを主眼に置いた再生医療学会での取組、それらが具現化していくことが非常に重要で、今回この検討会、特にこの再生医療製品ですね、この登録システムを考えていく会は、アカデミアにとりまして、企業にとりまして、また学会の考え方としても大変ありがたい会だと思っております。是非、忌憚のない御意見、御議論いただき、良い形でこの登録システムができていくように、皆様方よろしくお願いしたいと思います。
○事務局 ありがとうございました。続きまして、構成員の先生方を順にご紹介いたします。独立行政法人理化学研究所発生・再生科学総合研究センター網膜再生医療研究プロジェクトリーダーの高橋政代先生です。
○高橋構成員 よろしくお願いします。
○事務局 大阪大学大学院医学系研究科脳神経感覚器外科学教授の西田幸二先生です。
○西田構成員 よろしくお願いいたします。
○事務局 東京女子医科大学大学院先端生命医科学系専攻教授の大和雅之先生です。
○大和構成員 大和でございます。よろしくお願いいたします。
○事務局 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科顎・口腔再生外科学教授の朝比奈泉先生です。
○朝比奈構成員 朝比奈です。よろしくお願いいたします。
○事務局 本日ご欠席でございますが、京都大学再生医科学研究所教授、京都大学iPS細胞研究所・副所長の戸口田淳也先生にも構成員をお願いしております。
 続きまして、慶応義塾大学医学部整形外科学准教授の中村雅也先生です。
○中村構成員 中村です。よろしくお願いいたします。
○事務局 山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学教授の坂井田功先生です。
○坂井田構成員 坂井田です。よろしくお願いします。
○事務局 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻口腔外科学分野教授、東京大学医学部付属病院顎口腔外科・歯科矯正歯科科長の高戸毅先生です。
○高戸構成員 高戸でございます。よろしくお願いします。
○事務局 再生医療学会評議委員(株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング専務取締役)の大須賀俊裕先生です。
○大須賀構成員 大須賀でございます。よろしくお願いいたします。
○事務局 続きまして、本会には、座長とも相談の上、企業団体から参考人の先生方にも御出席いただいておりますので、御紹介いたします。再生医療イノベーションフォーラムから、テルモ株式会社研究開発本部研究主幹の鮫島正先生です。
○鮫島参考人 鮫島です。よろしくお願いします。
○事務局 アステラス製薬株式会社研究本部分子医学研究所主席研究員の中島秀典先生です。
○中島参考人 中島です。よろしくお願いします。
○事務局 テラ株式会社取締役専務執行役員の飯野直子先生です。
○飯野参考人 飯野でございます。よろしくお願いいたします。
○事務局 続きまして、事務局のスタッフをご紹介いたします。まず、初めにご挨拶いたしました榮畑潤医薬食品局長です。
○医薬食品局長 ご面倒をおかけします。
○事務局 平山佳伸医薬担当審議官です。
○医薬担当審議官 よろしくお願いします。
○事務局 俵木登美子安全対策課長です。渡邊伸一安全使用推進室長です。あと、私、課長補佐の吉田と申します。同じく課長補佐の高畑です。同じく課長補佐の奥田です。同係長の鈴木です。
 また、オブザーバーの先生方も併せてご紹介いたします。内閣官房医療イノベーション推進室企画官の浅野武夫様。
○浅野 浅野でございます。
○事務局 厚生労働省医政局研究開発振興課再生医療研究推進室長の荒木裕人様。
○荒木 よろしくお願いします。
○事務局 医薬品・医療機器総合機構安全第一部医療機器安全課の石井健介様。
○石井 石井でございます。よろしくお願いします。
○事務局 紹介は以上でございます。これ以降議事に入りますのでカメラ撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事進行を座長の澤先生にお願いいたします。
○澤座長 それでは、議事に入っていきたいと思います。まず、事務局のほうから本日の配布資料について確認をお願いします。
○事務局 それでは配布資料の確認をいたします。まず、お手元に本日の座席表、A4一枚紙がございます。続いて本日の検討会の議事次第、A4一枚紙がございます。議事次第の下に配布資料と書かれておりますが、これに沿ってご紹介します。
 資料1が本日の検討会の構成員等名簿、A4一枚紙です。資料2「再生医療製品患者登録システムの在り方に関する検討会」の開催要領、A4一枚紙です。資料3-1「再生医療製品患者登録システム整備事業」、A4横のパワーポイント両面コピーの資料です。資料3-2「事業スケジュール(予定)」、A4横のパワーポイントの資料です。資料4「再生医療製品の市販後安全対策にかかる調査事業の概要」、A4縦2アップ両面コピーの資料です。
 以上ですが、漏れ等がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
○澤座長 よろしいでしょうか。それでは議事を進めてまいりたいと思います。まず議題の1「再生医療製品患者登録システム整備事業について」事務局のほうからよろしくお願いいたします。
○事務局 それでは、事務局のほうから本事業の経緯、事業概要、本会の役割等について説明いたします。資料2をご覧ください。本検討会の開催要領ですが、目的のところに書かれております。本検討会は、再生医療製品患者登録システム整備事業における、再生医療製品の患者登録システムの在り方及び再生医療製品患者登録システムの仕様を検討することを目的として開催するということでございます。したがって、検討事項は、再生医療製品患者登録システム整備事業の在り方と、同システムの仕様ということになります。
 構成員等は記載のとおりです。また、運営についても記載のとおりですが、運営のところの(5)です。本検討会は原則公開で開催いたします。ただ、今後、個人情報の保護とか知的所有権の保護等の観点から、必要な場合には非公開とすることができますので、その場合には、構成員の了解を得た上で本検討会の結果について公表するということにさせていただきます。
 続いて、資料3-1をご覧ください。本事業の概要について説明いたします。まず、背景ですが、初めに榮畑局長のほうからもお話がありましたが、国策として再生医療の実用化の取組を進めているという状況の中で、今後再生医療製品の開発と承認が増えていくことが予想されます。ただ、その再生医療製品については、性質上、市販前に十分な症例数で臨床成績を得ることが難しく、承認取得後にその有効性と安全性について把握をする必要があり、使用全例について調査を実施する必要があります。また一方で、その製品を開発する企業については、大手企業と比べて経営体力が十分でないベンチャー企業等が多いことから、市販後調査等のノウハウを有していない場合も多いので十分対応できない恐れがあるという背景があります。
 したがって、国がここに助力をすることによって再生医療製品の使用全例について中央登録システムを構築して、そこで有効性と安全性に関する信頼性ある評価を行える環境を整備して、またそれによって、開発メーカーの負担軽減によってより活発な開発の促進に繋げると。これによって再生医療製品の市販後フォローアップの体制を確立し、また、再生医療の実用化の推進に繋げるということです。
 これについては、システムの検討と実態調査ということになるわけですが、システムの検討については、この検討会で構成員の先生方、参考人の先生方の御意見を頂いて、どういう登録をするのか、どういう情報を登録するのか、あるいはどういうふうに運営するのか、いろいろなご意見を頂いて、そのシステムの在り方をこの検討会としてまとめていただければと思っております。
 また、並行して実態調査を行い、海外で、例えば再生医療製品の市販後調査がどのような登録スキームで行われているか、また、国内で見た場合に、国内の医療施設で再生医療製品がどのように使用されていて、また臨床試験等がどのように実施されているのか。また、国内の開発状況等についてどのようになっているかなど調査を行った上で、このシステムの検討の材料にしていただく考えでおります。
 裏面をご覧ください。これは、あくまでもイメージ図ですので、まだこれで確定したわけではございませんが、事業を始めるに当たってこういうイメージを考えているということです。各病院で再生医療製品の使用を受けた患者さんがいらして、各病院からその培養皮膚であるとか培養軟骨であるとか、そのような再生医療製品を使用された患者さんの登録が行われます。各病院が登録患者の再生医療製品を用いた術後の状況を外来の際に確認して、診察内容をシステムに登録していくと。その中央システムに登録したデータを使ってその有効性・安全性の検証を行っていくと。また、これについては、その情報を受けて市販後の安全対策に役立てるということです。
 事業スケジュールですが、資料3-2をご覧ください。大きく〔1〕、〔2〕、〔3〕とありまして、この検討会については今年度から開始して、平成25年度1年かけてこの在り方を検討していただくということで予定しております。また、同時並行で今年度は実態調査を行って、その結果を検討会の検討材料にしていただくということです。平成25年度にその在り方の検討結果をまとめていただき、その結果を踏まえて平成26年度から具体的な患者登録システムの開発と構築に入っていくと。システムの開発がほぼ2年間かかるのではないかということで、このような予定で進める心積りでおります。
 事務局からの説明は以上です。
○澤座長 ありがとうございました。今、事務局から御説明がありましたように、再生医療製品の登録システムを作って、全例登録して、そのフォローアップ、予後調査をしながら、安全性・有効性を検証していくのはアカデミアにとっても非常に有意義ではないかと考えます。
 ここで整備事業についての御意見をいただければと思います。いかがですか。後ほど、最後にもう1回フリーディスカッションをしますが、まずは登録システム整備事業についての御提案について、御意見をいただければと思います。こちらから御意見を伺いたいのですが、まず大和先生、いかがですか。
○大和構成員 事業そのものは、元々再生医療学会の中でも、こういうことをすべきであるという話が出ていましたし、重要性は理解しているつもりですが、実際にこれを構築して、かつ、継続的に運営をやっていこうとすると、予算立てとか、中身をどこまで深くいくのかに関しては、やや不安というか、気になるところがあります。最終的には、企業さんがかなりの利潤を出せるステージに入れば、その企業さんたちからお金を頂戴してというのが筋ではないかと思いますが、やはり立上げ期においてはベンチャー中心で、なかなか。今度、テルモさんが入ってくるので、事情が変わると。現状では、J-TECさんとか、うちはまだ商品がないですが、セルシードとか、大企業に比べれば足腰が弱いという現実があって、そこに負担を負わせるのはいかがかと思います。学会としても可能な限り協力したいと思いますが、やはり最初のところでは、最初の立上げ期が5年なのか10年なのか、読めないところもありますが、是非国の支援をいただきたいと考えます。
○澤座長 ありがとうございました。西田先生、お願いします。
○西田構成員 少し具体的な話になりますが、この整備事業、登録の内容について、どこまでするかということが少し気になったのです。データベースという、データを蓄積することに留めるのか、それを使って解析するという目的までできるような登録にするのかということで、目標点によってかなり変わってくるかと思います。データベースだけだと、多分ここを運営する運営体制にもそれは影響すると思うので、まずそこを決めるべきかと思います。
○澤座長 大変重要な御指摘が出てきているのですが、事務局ではそこまで、それとも、少しは考え方とかはお持ちですか。要するに、将来的に、もしくは、運営としてどうフィードバックしていくかですね。ちなみにJ-MACS、石井さんがおられますけども。J-MACSが運営されていると思いますが、その辺りはいかがですか。
○安全対策課長 はっきり申し上げて、事務局ではっきりした方針とか、その点についてまだできているわけではありません。西田先生の御心配の向きは、やりたいことはたくさんあって、ただ、多くの情報を集めれば、それだけ負担が大きくなるので、先ほど大和先生から御指摘がありましたような、資金面以外にも、実際に登録いただける先生方への負担がある程度可能な範囲でないと、システムの永続性という点にも影響を与えるかと思いますので、どこまでのデータでその他を切り捨てられるかについても御検討いただけたらと。また、海外とか、国内でも、再生医療に限らず、特に医療機器の世界ではレジストリーが運営されているものもありますので、そういった所の実績なども見ながら御議論いただければと考えております。
○澤座長 ありがとうございました。高戸先生、いかがですか。
○高戸構成員 運営に関しては、もちろん反対される方はいないと思います。今、趣旨は専門医制度ということで違いますが、日本外科学会がやっているような、ナショナルクリニカルデータベース(NCD)などは非常に項目が多くて、確かに煩雑ですが、やはり当初はそんなに数が多いのでなければ、比較的詳細なデータを集める必要があると思います。ただ、本体が学会でいいのか、あるいは別機関でいいのか決定しなくてはなりません。出だしというのが非常に肝心なところなので、多くのデータと、そして、どこがそれを受け持つかをしっかり決めて、反映させていくことは重要だと考えます。
○澤座長 大変重要な御意見だと思います。中村先生、何かございますか。
○中村構成員 皆さん、この整備事業の必要性は認識していらっしゃるし、もちろん私も重要なことだと思います。先ほどお話があったように、まず一番は、この事業の目的が、有効性と安全性に関する信頼性のあるデータを蓄積することであれば、詳細なデータも当然必要になると思いますが、フィージビリティという観点からすると、余り詳細なデータをやると、継続性という意味では問題が出てくると思うので、やはり疾患ごとによっても評価項目とかが変わってきますから、安全性に関してはミニマムリクワイアメントができると思います。ただ、その有効性に関して、どこまで詰めたデータをレイストレーションするかに関しては、例えば、学会資本とか公的資金を使うのであれば、それに関してもミニマムなものにして、個々の詳細なデータというのは、もう一つ下に疾患ごとにグループを作って、そこで詳細に解析するようなデータまではやるというスタイルのほうがいいのではないかと思います。
 あと、一番問題になるのはフィージビリティだと思うのです。実際に紙ベースでどんどん記載していくのは、我々も学内でこういった患者登録システムを関連病棟と連携してやっているのですが、私はやはりインターネットを使ったほうがいいと思います。それも実際に開始しているのですが、全く作業が楽になります。それだとフィージビリティがぐっと上がります。
 在り方の所にいくつか項目がありますが、どのように登録させるか、あるいは、どのように登録率を上げるかとか、あるいは、追跡、長期に可能とするのは、患者が来たときに、ドクターがその場で入力するような形でやっていく。もちろんセキュリティをしっかりコントロールしなければいけないのですが、そういったシステムを考えていったら実現可能なのではないかと、個人的には思っています。
○澤座長 ありがとうございました。永続性というか、如何に長期に運営していけるかは大事なのです。先ほど高戸先生がお話されたNCD、ナショナルクリニカルデータベースですが、これは専門医制度とリンクさせているのですね。そこがモチベーションになっているので、それを入れない限りは専門医になれないとあって、自ら入れるのですけど。その辺りが製品ということになると、逆に企業側の立場的に、モチベーションがどれだけ続くか。それと、もちろんアカデミアの協力と、その辺りのバランスが重要なのかというイメージがあるのですけど。企業のほうから、大須賀さん、いかがですか。
○大須賀構成員 実際に市販後調査をやっているのですが、やはり再生医療製品の特性からして、かなり時間をかけてやらざるを得ない。我々の場合は7年、プラス観察期間がありますから、9年とかやるわけで、データもそこまで取らないといろいろなことが分かってこないかと思いますので、長期継続性というのは非常に大事だと思います。
 あとは、先生方がおっしゃったように、項目だけでも、ザッと見ても30項目とか、いろいろありますので、書き入れる先生方の御負担も考えなければいけない。でも、継続性は重要だというところはあります。安全性に関しては、企業の場合はGVP省令がありますのでGVP、それから、GPSPに則って、これは義務としてやらなければいけない。有効性は当然、治験が症例数の限られた中でやっていますので、その後の市販後調査で、実際市場に出した中で、いろいろな先生に承認の範囲内でいろいろな使い方をしていただいて、当初の治験とは違ったところでも有効性がすごく分かってきたこともあって、これはこれですごく意味のある重要なデータになりますので、長期に、それもそれなりに深くやっていけたら理想だと思います。
○澤座長 ちなみに今、J-TECさんではどんな形で市販後調査をやられているのですか。
○大須賀構成員 培養表皮に関しては二つあります。一つは市販後臨床試験が走っています。これは30症例です。それとは別に、使用成績調査、全症例ですね、これが7年間で、今はもう5年目に入りましたが、それを二つやっています。
○澤座長 ちなみに、その登録は、医者というか、病院側がやっているのですか。
○大須賀構成員 いえ。全部企業が実際に出向いて、先生方からヒアリングをします。調査カードは先生方に直接書いていただかなければならないので、それを企業が収集して、データ解析をして、年次報告をすると。
○澤座長 そういう意味で、こういうのができるとかなり円滑にやれるわけですね。
○大須賀構成員 そうですね。すごく期待しております。
○澤座長 ですから、今、既にやりかけている市販後調査をうまく取り入れてやれるような体制に持っていければ、企業側にとってもいいですね。
○大須賀構成員 そうですね。
○澤座長 鮫島さん、いかがですか。
○鮫島参考人 今、大須賀さんからも話がありましたが、企業の立場でも市販後調査を実際にやっていくわけですが、こういう整備事業をやっていただくと、非常に有難いと思います。ただ、先ほど澤先生からおっしゃられたような、既存の、例えば補助人工心臓でやられているような、データベースの運営での問題点とか課題を出していただいて、こういう新しい製品をどういうふうに登録していけばいいのかを検討、議論させていただければと思います。それと、長期であっても期限を設けるべきではないかと考えております。
○澤座長 ありがとうございました。企業側も非常に期待しているということで、大変重要な取組みだとは思います。ルール上、どのぐらいフォローアップしなければいけないとか、それは特に、生物由来製品の場合は20年とかありましたね。
○安全対策課長 ジェイスの場合は確か、動物細胞も入っているために30年ということで、それは製品そのものの、企業における保管というか保存ですので、患者さんの情報という意味では、法律上何年というのがかかっているわけではなくて、今、再審査のために全例調査をやっていただいている状況です。
○澤座長 ということは、法律上はないけど、どこかで区切るのはあり得るのですね。例えば、5年とか10年とか。
○安全対策課長 そうですね。患者さんの情報をどこまで追いかけていくのかについては製品にもよりますし、疾患にもよるのかもしれないとは思います。
○澤座長 ありがとうございました。その辺りは、例えば生存でいくと、他病死というか、いろいろな要因が入ってくるので、それに固有の原因による副作用かどうかが十分フォローアップできれば一番いいかという、それぐらいの、ある程度の期限をそれぞれで考えてやるのが一番いいかと私は思います。あと、先ほどJ-MACSの話が出ましたが、石井さんのほうからその辺りを御紹介いただいて、現状での問題点というか、難しい点を挙げていただけますか。
○PMDA医療機器安全課長 今、PMDAのほうで、植込み型補助人工心臓の市販後レジストリー、J-MACSというのを行っています。今日、既に先生方から御指摘があった、データ入力に関して、日本外科学会のデータベースについては、専門医制度とのリンクになっていることから、先生方がほぼ強制的にデータを入れられているわけですが、やはりこういった全例調査の登録システムを作るときに一番肝心なのが、まずデータを入れていただく環境を整えることです。J-MACSは立上げの際に、植込み型補助人工心臓の関係学会、6学会・1研究会あるのですが、そちらの学会の先生方とお話合いさせていただいて、施設基準の中に、データの登録を義務付けるというような形となっております。これは、保険償還とも連動した施設基準です。それによってデータを登録しないと、次の施設認定の更新のときに更新ができなくなるというような、ちょっと厳しい形を取らせていただいて、全例データが登録されるようなシステムを作っています。
 あと、先ほど中村先生からも御指摘がありましたが、紙ベースの登録は、J-MACSでは一切やめています。全てウエブ上から、施設に提供したIDとパスワードで入っていただいて、ウエブ上でデータ入力をしていただく形を取っています。ただ、やはりデータの項目数は、植込み型補助人工心臓ということで、かなりの項目量です。ですので、施設側では相当汗水かいていただくことになります。しかし、それに対するフィー等は一切なく、手弁当でデータを入れていただいているのが実情で、一つの大きな課題だと思います。病院的に、十分な人材が確保できるところは、先ほどお話があったようなクラークの方がデータ入力をしていますが、それとは別に植込み型補助人工心臓に関しては、補助人工心臓の管理技術認定士という制度も一緒に立ち上がっており、データ入力もその管理技術認定士の方々に手伝っていただいているのが現状です。今後、そういったレジストリーの問題点や課題等を紹介できればと思います。
○澤座長 ありがとうございました。PMDAのほうから御紹介いただいて、非常に参考になるかと思います。やはり入力する手間をどう考えるかで、そのときに資格とか施設の基準とか、手枷足枷になるのですが、そういうのとリンクさせるのが重要かと思います。例えば医療機器でも、最終的に、承認時に、保険収載時にそういう施設基準を通っている施設でないと使用できないということで、最近はそういうふうな承認の仕方が多くないですか。その辺りの御紹介を。
○安全対策課長 今の先生の御指摘のように、特にリスクの高い医療機器については承認に際して、関係学会とかなり議論をさせていただいて、学会の御協力をいただいて、施設基準であるとか、又は使用する医師の基準であるとか、そういったガイドラインを作っていただいて、それが保険と連動する形で世の中に出てきています。
○澤座長 ありがとうございました。そういう流れでやるのは、既に一つの方向性になっているし、そういう意味では、再生医療製品もまだ余りたくさんの製品がなく、必ず市販後調査をして安全性を確認しなければいけないという観点からすると、施設の基準とか承認とリンクさせたデータベースは、運用しやすいというと言い方はあれですが、運用の方向には進みやすいかと、今の議論ではあるかと思います。この辺りはまた後ほど議論いただいて。
○高戸構成員 細かなデータベースが必要だと思うのは、再生医療製品はほかのものと若干違って、外科的な手技とか、患者さんの条件によって結果が大きく異なってくる可能性があるからす。例えば、大須賀さんの所のジェイスにしても、熱傷で、どのタイミングで、どの先生がやるのでは、成績が若干違ってくると伺っていますが、やはり扱う者の、医師の技量によって結果が大きく変わってくると思います。再生医療製品が全部そうかというと、そうではないと思いますが、そういった特性があるので、当初は比較的多くのデータがあったほうが良いと思います。逆に、余り大雑把なデータは役に立たない可能性があるので、最初はそういう細かなものを望みます。中村先生がおっしゃったように、疾患ごとで必要です。軟骨にしても、我々が移植していて、患者さんの条件とか移植するタイミングによって結果が変わってきます。そういう、微妙なところが分かるようなデータベースを疾患別に構築していただけると大変役に立ちます。
○澤座長 ありがとうございました。そこも大変重要な意見です。
○西田構成員 また、データベースが進んだ後の話かもしれませんが、データの質の保障ですね。治験と違って、実際に製品を使った人が入れるという操作になると思いますので、質の保障は、そのデータを使って、また、安全性とか有効性の解析を後でするということがあるのならば、そういうところの担保を後々考えなければならないのかとも思います。初めは要らないかもしれませんけど、そこは。
○澤座長 では高橋先生、よろしく。
○高橋構成員 私も、細かいのがあるのが理想的だと思います。だから、まず全体の理想的な形を考えて、どこまでが中央でできて、どこからが各疾患の学会かを切り分けるのかと思います。多分、そのときに中央でやるのは、安全性と効果に分けると、むしろ安全性のほうが中心で、効果の部分は各学会になるのか。そのときに、最終的にデータをどのように使うのかによって、誰がやるのかがまた変わってくると思います。
○澤座長 ありがとうございました。多分この辺りもJ-MACSが参考になるかと思いますが、J-MACSのイメージは、国全体のレジストリーとしてデータが出ているのを引用しながら、いろいろな施設なりが、また、違うデバイスが出てきたときの参考とか、そこは各論的に、個々にやるべきで、そこにデータベースを全部入れるのは無理ですね。
○朝比奈構成員 今ここで論議している人たちは、既にいろいろと扱っておられて、それで、心臓だとか、重篤な障害が起きやすいものに関してはそういう詳細なのが必要だと思いますが、このシステム自体が、これから参入しようという人たちに、しやすい環境を作るものでなければいけないと思います。ものすごくハードルを高くしてしまうと、そんなに大変だったらやめてしまおうということになるので、中村先生がおっしゃったように、ミニマムリクワイアメントを決めておいて、それさえ満たせば、市販後の調査というか、市販前の、背景の2番目にありますよね。市販前に、十分な症例数で検査ができないから、こういったことをやるのだと。それに利用できるような形にしておくことが。正直言って、私たちがやっているのは命に関わるようなところではないので、それでハードルを高くされてしまうとなかなかそちらに入っていけない。産業として育つチャンスも摘み取ってしまうシステムにしてはいけないと思います。むしろ産業になり得るような環境にするためのシステムとして構築していただきたい。そのためには、余り厳しくすると誰も入ってこなくなってしまうのではないかと思います。
○澤座長 それも大変重要な御意見で、先ほど中村先生のお話もありました。領域によって程度も違ってくるかと思いますし、そこの辺りがそれぞれにという考え方も出てくるかと思います。また、この辺りを後ほど、フリーディスカッションの所で更に議論を進めたいと思います。
 次の議題に移ります。次の議題は「再生医療製品の市販後安全対策にかかる調査について」で、事務局のほうから御説明ください。
○事務局 資料4を御覧ください。再生医療製品の市販後安全対策にかかる調査事業の概要(1)です。目的は、再生医療製品の市販後安全対策及び使用患者登録システムの在り方の検討を行うにあたって、その検討材料とすべき再生医療製品に関する国内外の種々実態・状況及び市販後安全対策のあり方を調査するということです。期間が限られていますが、今年度中に行うということになっています。
 調査の概要ですが、大きく六つございます。〔1〕海外における再生医療製品の使用、規制、開発の実態、〔2〕海外における再生医療製品の市販後の情報収集体制(患者登録システムを含む)の実態、〔3〕日本国内の医療施設における再生医療製品の使用、研究開発の患者情報取扱いの実態、〔4〕日本国内の再生医療製品開発・製造・販売企業の市販後安全対策に関する意識調査、〔5〕国内外における長期生体埋植型医療機器の患者登録システムの実態調査、〔6〕再生医療製品使用患者登録システムに求められる基本的な機能とデータ項目。この六つです。
 裏面を御覧ください。留意事項ですが、〔4〕に書かれていますように、この事業は調査業務ではありますけれども、調査結果を基にその調査を行った事業実施者においては、再生医療製品の市販後安全対策のあり方の具体的な提案をしていただくことも念頭に置くということです。また、再生医療製品の市販後安全対策に公費が充てられる場合があることにも留意して、コスト管理に着目した費用対効果の積算も考慮することをお願いしています。ウ)ですが、初めに説明しましたとおり、この調査の実施にあたっては、この検討会の委員と調査内容などを協議することにしています。また調査結果についても、この検討会に報告するということです。
 調査対象ですが、〔1〕海外調査では、外国における再生医療製品の規制状況にかかる調査を欧米中心に5か国以上、外国における再生医療製品の使用状況にかかる調査を欧米中心に5施設以上、外国における再生医療製品の開発状況にかかる調査を欧米中心に10企業以上、というふうにしています。〔2〕国内施設調査については、国内における再生医療製品の使用、研究開発状況の調査ということで、国内医療施設20施設以上を考えています。〔3〕国内企業調査では、国内における再生医療製品関連企業における安全対策に関する意識調査ということで、国内企業10社以上を考えています。概要は以上です。
○澤座長 ありがとうございます。再生医療製品の調査事業として市販後安全対策を調査するのは非常に重要ということで、この目的に関しては問題ないかと思いますが、内容等も含めて、これはもっとこうしておくべきという御意見を、またいただけますか。概要(2)に調査内容等が書かれていて、(4)が実際の調査対象ということですが、よろしくお願いします。
○大和構成員 (4)の調査対象で、〔1〕海外調査のア)に「欧米を中心に5カ国以上」と書いてありますが、一応、中央審査で行くならATMP( Advanced Therapy Medicinal Product Classification )になっているので、欧州でそんな何箇国も回ってもという気はひとつします。ホスピタルエグザンプションのことを考えているなら、それは各国でやる必要はあると思いますけれども、そこら辺を明確にしたほうがいいのではないかと思います。
 欧米というのがちょっと気になっているのですが、韓国や中国、あるいはもう一つの委員会で問題になっている、アジアの未承認でやっているような所を、反面教師として見に行くのも悪くないのかなと個人的には思っています。ヨーロッパの国をいくつも回っても、同じ制度でやっていたら行く意味があるのかなと思います。
○澤座長 大変重要です。よく対比されるのが韓国ですし、韓国も是非調査対象に入れていただきたい。中国の何とも言えない領域のブラックマーケットというか、そこまで調査できないでしょうけれども、オフィシャルに中国の調査などもやっていただけたらと思います。欧州は確かに一つで十分ですね。
○大和構成員 ただ、ホスピタルエグザンプションで、今、どうなっているのか私も把握していないので、もしもそっちが重要であるという認識であれば、それはありだと思います。
○澤座長 特に安全対策を調査するのですが、どんな項目でするかというところがポイントではないかと思います。その点については御意見はいかがですか。
○大和構成員 今日、資料を持って来ていないので記憶で喋りますけれども、プロベンジ(米国において承認された前立腺がんを目的とした自家細胞由来細胞免疫治療製品)にせよラビブにせよ、市販後調査のところはすごく重く載せていて、かつてアメリカは市販後調査が重く載せられていても、「できませんでした」と言ってかわしてしまうケースが多かったと思いますが、最近はそれができなくなっていると思うので、やっているとは思うのです。だけどそれを、先ほど西田先生がお話されたように、本当にがちがちのGCPでやっているのか、どれぐらいコンプロマイズしているのかが、実際、FDAのサイトを見にいってもよく分からないところがあって、あの辺のところがどういうふうに具体的にされているのか。あるいは過去の事例でも、アメリカで承認が出た製品はかなりの部分、市販後臨床試験をやってくれというのがくっついていて承認が出ているものがあるのです。だけど実際に調べてみるとみんなやっていないのです。患者が集まらなかったという理由でやっていないようですが、どうやってやろうとしていたのかに関しても、できれば情報があればと思います。
○澤座長 海外がすべていいというわけではないので、できなかったらデータベースの必要性ということが、逆にクローズアップされると思いますから、そういうデータベースまできっちりやっているのかどうかは、レジストリーですね。
○大和構成員 追加すると、ターミスというのを何年か前に作ったときに、最初にティッシュ・エンジニアリングと言い出したバカンティ氏(Charles A. Vacanti, MD, Brigham and Women’s Hospital, A Teaching Affiliate of Harvard Medical School, USA)が、レジストリーを作ろうということで提案したのですが、学会主導でやろうとすると強制力が働かなくて頓挫しているというか、まだできていない現状があるのです。なので、個人的にバカンティ氏に聞くというのもあるかもしれません。
○高橋構成員 今のお話を聞くと、調査対象の海外調査のところで、確かに規制のところはそんなにたくさんなくてもよくて、実は使用状況というか、市販後の調査がどう行われているかというところを、もっとたくさんしたほうがいいような気がします。それと、再生医療製品はまだ世界でもそんなに多くないので、私は知らないのですが、医療機器のほうでそういうことが行われているのであれば、そっちの市販後調査の実態が重要かなと思います。
○澤座長 まさにそのとおりかと思います。こういう事業調査を始めても、規制のことはNIHSの佐藤さんなんかすごくリアルタイムに把握されていますので、むしろ使用状況や安全性をどう評価しているかを重点にして、本当に副作用が起こったときにどうフィードバックしているか、そこを中心にというふうに思います。
○中村構成員 先ほどの議論にも出たのですが、ここに書いてある費用対効果を考えるときに、何年間、どのくらいの症例数までやるかという実態は私も見えていないので、何人まで登録するのか、何年までやるのかというあたりの実態がはっきりすると、我々のこのシステム作りに非常に有用な情報になると思うので、そこは是非加えていただければと思います。
○西田構成員 一つは今と同じ意見だったのですが、もう一つは、市販前の症例数はどのぐらいの感じで承認されたかというのをリンクさせて、市販後調査をどのようにやっているかを調べると全貌が見えてくると思いますので、そこも含めてお願いできたらと思います。
○澤座長 坂井田先生、いかがですか。
○坂井田構成員 うちは韓国ある大学と細胞治療の患者登録を一緒にやっていくことになりましたが、私が知っている限り、規制はよく似た状態だろうと思います。是非、調べていただきたいと思います。それと、私は行けなかったのですが、FDAで教室員が聞いたところ、アメリカでは多くの間葉系細胞を用いたClinical Trialが実施されているそうで、意外に担当の人が簡単に会ってくれて聞くことができたそうなので、その辺の情報もいただければと思います。
○澤座長 あと企業側から、どういう調査をして欲しいということでは、いかがですか。
○大須賀構成員 今の海外調査の件に関して、安全性に関しては、既に米国の場合も各企業から重篤な事象があった場合は、当然、FDAに情報が出て、FDAのホームページにアップされているということです。アメリカも一緒だと思いますが、先ほど言いましたようにGVP、それからGPSPといった決まり事があり、それに則って企業が報告する義務がありますので、情報公開しなければいけないということです。これは多分、アメリカ、ヨーロッパは全部、安全性に関する情報はすぐ出てくるものがあると思います。それがどのぐらいデータベースになっているかは、ちょっとまだ分からないですけれど、有効性に関しては、多分、ばらばらだと思います。海外の企業に聞いても、有効性に関するレジストリーはあまり通っていない話を聞いていますし、安全性と有効性は多分違うと思います。
○澤座長 ほかに企業の方、いかがですか。飯野さんはいかがですか。
○飯野参考人 私、今までの話を聞いていて、せっかく調査をやるのであれば、このデータベースが、どんな所でどんなふうに利活用されているかというところも、もし知ることができれば、先ほど目的のところで解析までやるのかとか、データベースで終わらせるのかというお話が出たと思いますが、データベースの利活用のところで何か項目を決めて調査をすることができれば、有効なのではないかと感じました。
○澤座長 ありがとうございます。あと中島さん、いかがですか。
○中島参考人 これは、今回のシステムの在り方にも関わってくると思うのですが、最終的にそういうデータを集めて、それを解析する所がどこなのかというのも非常に重要です。再生医療製品というのは、先ほど高戸先生がおっしゃったように医師の技能がかなり大きいのです。特に有効性に関して出てくるところですので、そういう有効性と安全性について、今の日本ではまずは再生医療学会という所でまとめていく話になっていますが、海外では、再生医療製品を用いた医療の有効性をどこが担当して評価しているのか。あるいは再生医療製品そのものの性能や安全性に関しては、どこが評価しているのかという点も含めて調査していったらいいのではないかと思います。
○澤座長 ありがとうございます。鮫島さん、いかがですか。
○鮫島参考人 この調査にあたって、再生医療製品をどの範囲で行うかは決めておかないと、周辺機器も含めてなのか細胞そのものなのかというのは、はっきりしたほうがいいのではないかと思います。
○澤座長 そうですね。この再生医療製品は、定義を言い出すと再生医療、細胞治療製品と、また違う委員会で話題が沸湯するところまでいくと思いますが、基本的にアメリカではセルセラピーですよね。ですから、その範囲内ということになるのだろうと思いますが、日本の再生医療という言葉が非常に普及している意味合いは、再生という定義をものすごく細かくする以上のニュアンスがあります。細胞製品も使ったというところだと思いますけれども。
○鮫島参考人 我々が関連する部分で、例えば遠心機を使って分離した細胞を移植しているという実態もあると思います。ここでは再生医療製品という言葉になっていますので、何を市販後の安全情報とするのかが、結構分類が見にくくなるかもしれない。
○大和構成員 最初から気になっているのですが、今、安全性確保と推進の委員会をやっていますね。あそこの席でも、あるいはそれ以外の規制改革委員会のところでも出た資料で、来年度に薬事法の改正をやって、薬と医療機器と再生医療の三本立てにしますということです。再生医療のところに関しては、あくまでもテンタティブなというコメントが付いていましたけれども、それでも早期承認をやりますと書いてあって、その代わり市販後のところに重きを置くようなお話があります。決まっているという意味ではないですが、そういうお話がちらちら漏れてきています。そのこととこれはリンクしていると考えて然るべきということで、よろしいのですか。
 あるいは、いわゆるミニマムマニピュレーション(minimun manipulation)でホモロガスユース(homologous use)だった場合、規制を受けないというようなストーリーが、ヨーロッパやアメリカだったりするとありますし、日本の様々な指針にも、ただの細切であるとか遠心程度であれば培養していないわけだから、この対象になりませんという記載があったりします。その一方で、安全性確保と推進の委員会では今年度の非常に早い時期に、似非再生医療と委員会で指摘された薬事承認を伴わない再生医療に関して、かなり強力な規制をかける方針が出ているように委員としては感じているのです。実はその辺のところが全部密接にリンクしているので、そっちのほうの方針なり先行きが見えないと、ここで募る意見がとんちんかんになってしまうのではないか。私も鮫島さんのコメントには全く賛成なのですが、ここで言っている再生医療製品というのが、薬事承認を取ったものだけを指そうとしているのか、あるいはもう少し幅広くなのか。私は細胞組織加工製品という意味で、がん免疫療法等々も含まれて然るべきだと考えていますけれども、どなたかコメントをいただければと思います。
○澤座長 お願いします。
○安全対策課長 今、医薬食品局がやろうとしているレジストリーは、テリトリーとしては、承認を受けたものの市販後をどういうふうにフォローアップしていくか。そのためのシステムということで予算要求をしているところです。この制度自体は、将来的には発展的な活用の方法はあると思いますが、薬事法の改正が今後どういうふうに行われていくか、まだ検討段階なので私から断定的に申し上げるわけにいきませんが、今、私たちが再生医療製品として考えているのは、狭い意味での再生医療に限らず細胞を使ったもので、先生がおっしゃったように、ミニマムマニピュレイテッドの部分については外れると思いますが、そのほか、がん免疫療法も含めた細胞を利用した医療、セルセラピーと言われるような部分についても、概念としてはこの再生医療製品と考えています。ただ、周辺機器のようなものについては考えていません。周辺機器も使った上で作られた細胞医療製品を使用した、患者さんの情報をフォローアップしていくということで、場合によっては周辺機器の安全性についても、そのデータの中に入ってくる可能性はあるかと思っています。
○西田構成員 大和先生が言われた中で重要なポイントが2点あると思います。1点は、今言われた範囲と、もう一つは早期承認とのリンクです。ここで、市販前に十分な症例数が臨床試験で得ることが困難で、承認後にという話で目的を書いていますから、この辺のリンクを考えるべきだと思いますが、そうだとしたら、ある一定数の症例数は、この場合は非常に詳しくデータを取らなければならない。実際の市販後のデザインそのものにも影響しますので、そこのところは明確にしたほうがいいと思います。そこはいかがでしょうか。
○安全対策課長 法改正をして、新しい承認のあり方みたいなものを考えていこうということで検討していますけれども、まだそこのところについては法律の案も出ていませんし、これからの国会での御議論でもありますので断定的には何も言えません。通常承認を受けたジェイスについても全く同じ状況です。承認申請前に収集できる症例数は限られていて、もちろん十分な情報を集めるためには何十、何百とやればいいのかもしれませんが、限定された臨床データで承認されていって、先ほど御報告がありましたように、市販後に臨床試験が実施されています。全例調査もしているということで、承認の形態如何を問わず、ここに問題意識として書かせていただいたように、承認前には十分なデータが取れないだろうということで、そのために承認をどうしようかという議論は別途行われるわけですが、いずれにしても市販後に十分な情報を集める必要があるので、そこは新規参入を阻むことのないように、そこを何か手当できるような制度を作っておくべきだというのが私たちの考え方です。
○澤座長 ありがとうございます。恐らくもう一つの安全性の委員会もそうですし、実際に薬事法がどう改正されるかということも、経緯をリンクさせながら議論していただかないといけない。資料3-2のスケジュールを見ると、結局、この検討会は25年度まであって、その後、実際にシステムの開発・構築というのは26年から始まるのです。ここではスタートがどこなのか分かりにくい絵になっていますが、今、決まっていない部分がたくさんあるので経緯を見ながらいけるという感じですね。
○安全対策課長 26年度からがシステムの開発です。
○澤座長 開発に入るのですね。実際に使用を始めるのは、開発ができたら順次という考え方ですね。
○高橋構成員 少し細かいことですが、薬事法の改正とすごくリンクしていると思っていて、一つ指摘させていただきますと、私たちが要望として出したいのは、細胞だけでなくデバイスとか、あるいは適用外で使用する薬、再生医療のときに使いたい薬など、そういうセットで承認をお願いしたいと考えているので、そういう場合もあるかもしれないということを指摘しておきます。
○安全対策課長 恐らく、そういった場合には入力項目として使用した薬剤であるとか、また使用した機器も併せて情報を入れていただくことで収集していって、見ていくことになるのだろうと理解しています。
○澤座長 ということで、考え方は薬事承認を取って、市販というか保険収載される形で、実際に医療が始まっているものが基本的には対象になるということで、いいですね。それについてきっちりと全例登録をしていくということかと思いますが、それ以外の研究面の要素とか、これに付属していろいろな学会の臨床研究の部分が出てくると思います。そこをどうしていくかは学会のマターになると思います。ですから承認された製品についての市販後調査をベースにしながら、またそういう観点から議論していただければと思います。そこは整理をしておくべきか、もちろんリンクはするのですが、学会の方でまた議論していただければと思います。その他、調査についてはいかがでしょうか。御意見はございますか。
○鮫島参考人 確認ですが、資料4では期間が25年度3月末になっていて、資料3-2では調査実施は24年度末ですが、どちらですか、25年末ということですか。
○澤座長 25年の末です、度ではないですね。
○事務局 25年度は誤りで、平成25年3月末日ということです。失礼いたしました。
○澤座長 「度」を抜いてください。
○大和構成員 フリーディスカッションと考えていいですか。
○澤座長 もうちょっと待ってください。
○大和構成員 調査対象で国内企業10社以上とあるのですが、10社あるのかなと思います。がん免疫療法を7個にして再生医療を3個にするとか、そういうイメージですか。狭義の再生医療で7社とか8社集めてくるのは結構難しいのではないか。半々ぐらいならできるかなと思いますけれども。
○澤座長 これはどうですか。国内は施設の調査と企業の調査となっていますけれども、逆に。
○大和構成員 10社というのは何か。
○澤座長 また施設、20施設というのも。
○大和構成員 これも多いですね。
○澤座長 これもちょっと分かりにくいのは、例えば女子医大、大阪大学、應応大学、東京大学、そういう所に調査をされるのですかね。再生医療製品の使用としてはそんなにないのではないか。どうですか。
○高戸構成員 ただ、J-TECの製品を使っている病院を挙げれば、20は遥かに超えます。
○澤座長 そういうことですか。研究でなくて製品ということですね。
○高橋構成員 これも先ほどの再生に絞ると、まだ見えてこないところもあって、医療機器で実際に市販後調査がうまくできているのかとか、そういうほうが情報も出てくるような気もします。
○澤座長 再生医療製品でなくて。
○高橋構成員 そうですね。
○澤座長 いかがですか。このあたり、国内施設調査はJ-TEC製品だけでいくのですか。そんな感じのイメージでいいのですか。
○安全対策課長 必ずしもそういうイメージではないのですが、再生医療の研究段階も含めて。
○澤座長 研究も含めていると。研究開発状況というのはそういうことですね。これは確かにJ-TECばかりでもあれでしょうから、いくつかばらしてということだと思います。
○安全対策課長 あと、特に海外ですけれども、今年度中に調査をしてレポートをまとめていただく予定で、業者選定を正に今しているところです。特に先ほどからいろいろ御指摘もありましたけれども、是非、ここは行っておいたほうがいいとか、この先生には会ったほうがいいという施設又は専門家がございましたら、今日、この場でなくても結構ですので。
○澤座長 もしあれでしたらメールベースで、各先生方に必ず1人か2人ぐらい推薦していただくと。
○安全対策課長 再生医療製品の使用実績の多い先生であるとか、この分野で各地域で主導的な先生であるとか、先ほどの米国でのレジストリーを模索された先生であるとか、そういった先生を御紹介いただくと非常にありがたいと思っています。年度内の調査ですので、1月中に対象を絞り込んで調査にかからないといけないので、是非、先生方の人脈も活用させていただき、調査対象先の選定を急ぎたいと考えています。あまり数にこだわらなくてもいいのですが、聞いておきたい所については是非、回って調査をしてきてもらいたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
○澤座長 そうですね、ありがとうございます。
○西田構成員 もう一つ、高戸先生が言われたように、再生医療製品の場合は製品プラス医師の技量がすごく成績に影響するので、技量をどのようにして実際に実施する医師が得たのか。トランスファーですね、そういう状況と医師の経験も含めて調べていただいたらいいかなと思います。製品のプロダクトの良し悪しとともに、再生医療は医師の技量に拠るところが、再生医療が産業化し普及する上で非常に難しい点ですので、そのあたりはどうされているのかというのは非常に大事かと思いますので、お願いします。
○澤座長 それは、各先生に、例えば示してもらった先生に、そのポイントも聞いてほしいということですね。3月末には出てくるということでちょっと大変だと思いますが、是非、やっていただいて、次年度でこれをベースにまた議論させていただきたいと思います。その他、これはもっと調べておいてほしいということがプラスアルファでございますか。大和先生、内容にはこんなものでよろしいですか。
○大和構成員 時間もないので、これだけできたら100点満点ではないですか。
○澤座長 やはり、どこに行くかですかね。どこに調査に行くかということも。
○大和構成員 先ほども出ましたけれども、韓国は迅速承認をやっている現実があるわけで、実際のところどうなっているのかは、この調査でなくてもいいですが、どこかで情報が取れたらありがたいと思います。もし可能でしたら是非、隣の国なので行って見て来てほしいと思います。
○安全対策課長 是非、韓国も調査対象にしたいと思います。
○大和構成員 お願いします。
○澤座長 あと細胞治療製品は、どうなるのですか。
○安全対策課長 細胞治療製品も対象として考えています。
○澤座長 がん免疫療法も入るという考え方でいいですね。それは国内もですか。
○安全対策課長 はい。
○澤座長 医療法下でやっているものは、入らないですね。これは余計な話かもしれません。
○安全対策課長 ここは見ておいたほうがいいというお話があれば。
○澤座長 そのあたりは大和先生と議論していただきたいと思います。ありがとうございます。そういうことで、安全対策に関する調査については、以上のような観点から3月末に報告いただけるように、是非、よろしくお願いしたいと思います。
 次の議題に移りたいと思います。次は先ほども申しましたように、今日、全体に御議論いただいた内容について、もう一度、フリーディスカッションで御意見をいただきたいということです。ポイントが幾つか出ていましたけれども、これをいかに有効に継続させるかというポイントです。誰がどう入力するか、その手間とか、それに他のレジストリーを鑑みると、認定制度と絡めていると、より推進しやすいのではないかという議論があったと思います。これは施設基準とかもそうですけれども、あとは学会との連携、企業との連携です。先ほどのスケジュールで27年度までは経費的に続くということですか。
○安全対策課長 やりたいなと思っています。
○澤座長 是非、やっていただかないとということですね。そういうふうな観点からもう1回、御議論いただきたいと思います。西田先生、よろしくお願いします。
○西田構成員 先生、経費とかそんな感じですか。
○澤座長 はい、そうです。
○西田構成員 先ほど途中で止まった、どの程度の詳細なデータをという話がありました。結局このデータをどのようにいかしていくのか、ということがすごく重要かと思うのです。どこが、どうやって解析して、そのデータを何にいかすのかというところが非常に大事かと思います。
 ここのポンチ図にPMDAが、「登録されている情報を受け、市販後安全対策に役立てる」と書いていますので、もしそうならば、ある一定の症例数までは詳しいデータがどうしても要るのではないかという気がします。ただ、それを永遠に続けるのは非常に困難というかかなりしんどいので、二段階みたいな感じがいいのかと思ったりするのです。ある一定の症例数の間は、非常に詳しいデータを取って、その後は少し簡易化した登録に移行するみたいな、そういう形もいかがかと思うのです。
○澤座長 それも一つの御意見だと思います。この考え方とかやり方で運用をうまくやっていくのは非常に重要です。西田先生がおっしゃった一番重要なことは、最終的に何にいかすかです。ほかの医療機器での話を聞いた観点から申し上げますと、医療費とか、最終的に保険収載されて薬価が付いて、それが適正かどうかとか、そういうところまで持っていければ、もっとこういうデータベースがいかされるのかと思います。そういうところまで、事務局のほうでは考えているのですか。まずは安全対策課から始まっているので、安全性ということでしょうけれども。
○安全対策課長 もちろんその製品の安全性ですけれども、再生医療製品についてはどう使ったら生着がいいのか、又はその機能が発揮できるのかということについての、有効性の情報も重要だと思います。また、個別の製品ではなくて次の製品を開発するに当たって、どういうところがポイントなのかというか、何がファクターなのかという情報がそこからたくさん得られてきて、次の開発につなげていけるようなデータになっていけば、私たちとしては非常にいいのではないかと考えております。
○高橋構成員 その効果を解析して判定するというのは、どう考えてもアカデミアのインセンティブというか興味になるので、この枠組みの中だけで閉じないと思うのです。各科の班会議などがリンクして、その解析をするという形しか思い浮かばないのです。
○澤座長 おっしゃるとおりだと思います。
○高橋構成員 安全性などに関しては、企業のインセンティブのある解析の部分と、アカデミアが解析のインセンティブがある部分と分かれてくると思います。
○澤座長 おっしゃるとおりです。だから、目的を大きく構えると、またデータベースが重たくなり過ぎて大変なことになる。まず、何度も出ているミニマムリクワイアメント的なところでどのようにデータを出して、それがどうフィードバックされるかは、次の対応としてどのような形で、誰が取り組むか。それは企業なのか、アカデミアなのかというところにフィードバックされれば、このデータベースはいかされるのかなという御意見かと思います。
○中村構成員 一部繰り返しになりますが、先生方がおっしゃっているように、やはり二階建てだと思うのです。当然この目的というのは、再生医療がより活性化して、一般的な医療に根付くのを促進することですから、長期的な安全性は重要です。これは高橋先生もおっしゃったように、アカデミアというよりは企業です。それはミニマムリクワイアメントで長期的な経過を見なければいけない。
 だけど、例えばその有効性を証明するとなったら、当然施設の認定だとか、医者の技量だとか、詳細なデータが必要になってきますから、それは少し期間を限定して、これが有効なのだということをこちらが出せるような時期は、やはり時間をもう少し短く区切って、詳細なデータを取って行き、もう一つ別に走らせたミニマムリクワイアメントは安全性のために長く取っていくのが良いと思います。また、その情報を握るのがどこかというのが非常に重要だと思うのです。
 安全性に関する長期のデータというのを、本当に学会がずっと持つべきなのか。ただ、有効性に関しては高橋先生がおっしゃったように、やはりアカデミアがやるべきだと思うので再生医療学会、あるいはそういう班研究といった所で二階建てに考えたほうがいいような気がしました。
○澤座長 今の御意見は非常に重要だと思います。あとは疾患別というか重症度というか、その辺りも分けないと同じデータベースにはもちろん載せられないということでいくと、どのようにその辺をやっていくべきかということに関して、高戸先生は何か御意見がありますか。
○高戸構成員 どうやってというのはなかなか難しくて、私たちのような顔面形態の軟骨とか、膝関節の軟骨は同じ軟骨でもいろいろ違いますので、個別にやらなければいけないと思うのです。この中で一番気になるのは、日本再生医療学会の役割、制度・システムの運営だと思うのです。学会というのは生殖医療にしてもかなりな発言というか学会員に対して提示しますが、それほどの拘束力はないと思います。
 学会というのは拘束力がないので、学会がどういう立場を取って、どこがきちんと管理するかというのを最初からはっきりさせておいたほうがよいと思うのです。学会といっても、そのデータの管理には限界があります。今度、データを開示する義務になってくると、いろいろな問題が生じてくるので、そこのところを是非スタートラインで検討をしていただければと思っています。
○澤座長 今の御意見も非常に重要で、とにかくどういう形で本当に具体的に疾患別というか、それぞれにできるかということなのです。やはり、これは製品ごとという感じで最初は入らざるを得ないでしょうね。同じような製品が出てきたときに、どのように追加していくか、参考にしていくか。製品が出たら、また違うレジストリーを作らざるを得ないというか、もし10個出てきたら10個のレジストリーになっていくとかそんなことですか。そのレジストリーのためのベースとなるソフトは開発しておく、そのような考え方で今は進んでいっているのでしょうか。
○高戸構成員 そうです。
○澤座長 そういうことですね。そうなると、その製品ごとに、もちろん学会という全体もありますけれども、企業と、中心となるアカデミアとか、その辺の関与をどう考えていくかではないかと思うのです。その辺について坂井田先生いかがですか。
○坂井田構成員 先ほどから言われているように、安全性は国に見ていただいて、学会会員など、やはり有効性については専門家でないと分からないところもあります。こうしたら良くなるのではないかとおっしゃいましたけれども、そこの有効性を高めるためのところは企業が一番欲しい特許の部分であるから、やはり区分けする。私も最初はちょっと勘違いしていたのですが、再生医療を活性化しないとファイナルの目的は達成できないので、できれば国が関与するところは安全性の部分にしていただいて、有効性は学会もいろいろ問題がありますけれども、学会主導でやっていかなければいけないのではないかと思います。
○澤座長 企業側から、鮫島さんいかがですか。
○鮫島構成員 先生方がおっしゃるとおりで、特に有効性の部分は早めに先生方に評価していただくようなものに使えていけばいいと思うのです。企業ですので、この費用負担が最終的にどうなっていくのか、というのは非常に気になるところではあります。あとは、そのデータベースに対して誰がアクセス可能になるのか、どの程度アクセス可能になるのかです。例えば今後進めるiPS由来の製品は、どの程度どなたがアクセスできるようにするのかというのを、段階的に考えないといけないのかと思っています。
○高橋構成員 それなので安全性の中央でやるものと、あとは個別にやるもののインセンティブをいかに中央が作っていくかというポイントなのかと思っています。先ほど有効性は全部学会と言いましたけれども、確かにそこから出てくるノウハウとかポイントというのはすごい企業価値もあるわけです。最初からそれが使えますということであれば、企業の援助も入ってくるだろうし、どうインセンティブを整理するかというのは中央の役割なのかと思います。
○澤座長 鮫島構成員、高橋構成員のお話のようなポイントを今後進めていかなければいけないのかと思います。
○大須賀構成員 安全性に関しては、細胞組込み製品は、腫瘍性病変の問題、アレルギーの問題、特に同種になると出てくると思いますけれども感染症の問題、その他有害事象が出たときに、その製品との因果関係が有るか無いかを見なければいけないことになると、その背景となるデータがかなり深くないと、因果関係が有るかどうかという判断はなかなか難しいところがあります。ここの判定は専門の先生方の間でも分かれるところがあるということで、どこまで深くデータを集めるかというのは重要だと思います。
 有効性については高橋先生も言っておられたように、我々はでは、実際にジェイスで治験をやっていたころとは違った有効な使い方がいろいろ出て来たという事実があります。データの集め方も、ある種仮説に基づいて、こういうデータを集めたら分かるのではないかということでやるわけです。それが何年か経つと、それだったらこのデータを取っておけばよかったということが起こって、もう一回元に戻ってデータの拾い直しをするということがよくあります。いろいろなことが分かってくると、更にもう一歩突っ込んで、何かデプラスαのデータが有ったほうがいいのではないかということにもなりますので、その辺のフレキシビリティをどうするか。
 我々は企業である以上は、拡販するのに、こういう有効性のデータは重要です。また、高戸先生が言われたように、先生方のラーニングカーブというのはあると思います。細胞製品に付随する医療機器とか医療用具はどういうものを、どのように使うかという情報はすごく重要ですのでして、そういう情報が企業のノウハウ、プラス営業力につながってきますので、それは我々にとってもメリットがある話です。純粋にサイエンスとしての意味もありますし、事業としての意味もありますので、それは双方やれるのではないかと思います。
○澤座長 テラの飯野さんの所は、治療後の調査を実際にやられているのでしょうか。
○飯野構成員 はい。
○澤座長 その辺りも是非フィードバックできたらと思うのですがいかがですか。
○飯野構成員 今お話を伺っていて、がん免疫療法も、免疫細胞療法も含むということになってくると、何をもって有効かというところが、臨床医の先生方とまだ議論の最中です。そこのところは先ほど学会とおっしゃいましたが、複数の学会の御意見が必要なのかということ。今、施設というお話も出てきましたが、このための先進医療の制度の改革を経て、私たちも2016年度末までに、有効性を示唆できるようなデータを出さなければ、先進医療B(有効性が必ずしも十分に明らかでないもの)というところから除外されるということがあります。今、私どもの大学病院を含めた施設でも、一体どのようなデータを持ってということは、正に議論の最中なので、この議論に参加させていただくことは有意義だと思っております。
○澤座長 それは、例えば治療に関係した先生方に集まってもらってワーキングをして、実際に調査しているようなところですね。
○飯野構成員 はい、今、正に始まったところで、この施設のアカデミアの先生方がどういう項目でこれを取っていこうかということで、正に多施設でどうしようかというところです。
○高戸構成員 先ほどから発言されている、有効性がいかなるものかというのは非常に重要です。考えてみると、いろいろな研究事項で、必ず有効性の評価法の確立というのをやっています。例えば、関節軟骨にしてもなかなか難しいです。鼻の軟骨にしても難しくて、途中でMRIを使ってもなかなか評価できない場合もあります。どこの段階で有効性を評価するかというのも非常に重要な問題です。いずれにしても有効性の評価はまだ確立していない部分があるので、慎重にいかなければいけない点があると思います。
 私が詳細に知りたい例をあげると、関節軟骨なども、臨床研究を始めようと思っていますが、どれぐらい免荷したとか、リハビリがどれぐらい行われたとか、それ以外の様々な要素が加わって一つの医療になってくる。実際には医師の技量もそうですけれども、その辺もデータとして、参考にしたいなというところがあって、非常に興味深く、絶対に重要な部分だとこのプロジェクトを考えています。
○西田構成員 有効性には評価項目が明確でない領域も多いと思うのです。それは、恐らくその領域で活躍しているアカデミアが集まって、何をもって、どういう評価項目で有効性を判定するかというのは、ある程度コンセンサスを得ておかないと、いろいろなデータを集めても、同じプロダクトでも取っているデータがバラバラだったら、後で全然解析できなくなります。有効性に関しては、そういうある程度のコンセンサスが要るかなと、有効性の評価項目においては思います。
○澤座長 その辺りはガイドラインの議論もあります。もちろん、PMDAで申請したときの議論もあるでしょう。それらを踏まえて、若しくはそれを経ながら実際にやってみて、変わってくることもあるでしょうということを臨機応変に議論しながら、有効なレジストリーを作るべきということだと思います。余り有効、有効で攻めていくと、またマキシマムリクワイアメントになるので、その辺りのバランスはどこでどう整理するかというのは大変重要だと思います。この辺りについては、J-MACSは非常に苦労しているのだろうと思います。J-MACSはかなり項目が多いですよね。やはり慎重に行こうということと、あれもガイドラインを経て、かなり少数例で承認をしたがゆえのJ-MACSというかレジストリーであって、それがちょうどフィードバックされながら使われている。
 一つある機器でいろいろな問題が起こったときに、J-MACSのデータから、すぐにそれを安全性という面でフィードバックして、安全性の改良にうまく使えているので、これは非常に参考になるというので、やはりあの形がいいだろうと思います。その辺をJ-MACSの御苦労を、次回にでもちょっと整理をして現状を報告していただいて、このデータベースにフィードバックさせていただければと思います。非常に良い点は出てきているのですけれども、現場では苦労しているというのもあるので、その辺りは議論の参考にさせていただければと思います。
○大和構成員 スケジュール感覚で言うと、平成26年とか平成27年という数字が出てきていることを考えて、かつ、今現在治験が進んでいる品目の数を考えると、実は平成27年で蓋を開けても三つか四つがいいところではないかと思うのです。海外からワッと入ってくる可能性は否定できないけれども、多分そんなに無いですよね。今お話されていた議論の大半は、もう少し先の話になっていると思うのです。
 多分今年度は、今日お話していたような感じで、ブレーンストーミング的なところで終わってしまうと思うのです。幸い来年度もできるということですので、次世代医療機器審査ワーキンググループをやっていますので、ああいう事業もありますので、その評価項目であるとか、レジストリーする項目に関しては、専門家を交えてやるということで、何となく大枠がここで決められていて、多分その大枠の一つは品目ごとにでこぼこ感があって当たり前なのだと。
 澤座長から、生き死にに関わる部分と、そうでもない部分のメリハリを付けるべしという御意見がありましたが、私も全く賛成です。そういうことが、この委員会の中で最低平成24年度で付記されていれば十分ではないかと思います。ここで詳細を決める必要はないし、それはちょっと役が違うと思います。
○澤座長 もちろんそうです。先ほど申しましたように、別に安全性の委員会も走っておりますし、薬事法がどう変わるかということ、それからその全例でJ-MACSが非常に活用されながら、かつ、次世代医療機器ガイドライン委員会でしたか、そちらも順次改正も含めて議論されていますので、同時にその辺りを見ながら、これを進めていきたいと思います。
 逆に言うと、世の中の流れが一緒にうまく進んできているのかと。機器もそうですけれども、再生医療製品も、とにかく良い形で安全に、迅速に承認若しくは実用化をしていくためのいろいろな戦略を厚労省のほうで考えていただいているというのは、非常に評価できるのではないかと私は個人的にも思っております。
○西田構成員 関連してスケジュールなのですけれども、完璧なものを初めからデータベースを作って、それを後で運用するという考え方は恐らくなかなか難しいと思います。たたき台を作って、フィージビリティで何かを登録するというのを先にやって、それを後でまた改良していくという、まず早いうちにそういうたたき台を作って、ジェイスでもいいのですけれども、まず登録をして、それでまた改良していくというような、開発のスケジュールがいいのではないかと思うのです。
○澤座長 おっしゃるとおりです。何に付けても、まずジェイスから。実際に今市販後調査をやられているのですけれども、これをうまくデータベース・レジストリーの形で国のレジストリーに持っていっていただいて、その部分をJ-TECで調べているのはかなり詳細な部分もあるでしょうから、国のレジストリーに登録すべきものと分けていただくという形でうまく運用できるような形に持っていっていただければと思います。その辺りは今後議論をさせていただきたいと思います。その辺りは、大須賀構成員には頭の中に入れていただいて、整理をしていただけたらと思います。
○大須賀構成員 ジェイスと、多分春以降になるだろうと思いますが、軟骨ジャックに関しては日本整形外科学会のほうで検討委員会を立ち上げていただいて、施設基準、それから使用する医師基準も作っていただいて、更には市販後調査の調査内容もこのようにしたらどうかというアドバイスなども精力的に御意見を頂いていますので、ジェイスにするかジャックにするか、そういうことも併せて考えさせていただけたらと思っております。
○澤座長 それは、整形外科学会であれですかね。
○中村構成員 はい、委員会を作ってやっています。
○澤座長 そういう形は非常に理想的ですよね。
○中村構成員 正に安全性に関しては国が主導で、有効性に関しては学会がいいかどうか別なのですけれども、そういう委員会を作って、企業と組みながらやっていっているという形を取っています。
○澤座長 そう思いますね。再生医療学会は、どちらかというとベースの学会になって、そのサブスペシャリティ的に、各疾患に応じた学会と連携してやるようなのが理想的なのかもしれないし、そういう意味では正に整形外科学会がやられているのと、再生医療学会が連携すればいいように思います。朝比奈先生、何か言い残したことはないですか。
○朝比奈構成員 やはりベースとしては、血友病の薬の二の舞が起きないということが大事だと思うのです。厚労省としては安全性を、ほかにも委員会があるということですけれども、それが担保できるようなシステムを作るというのが本当にベースだと思うのです。
 有効性に関して俵木課長からお話がありましたように、それが次の開発につながればいいと言われたときに、ちょっと違和感がありました。それぞれ国内でも競合他社があるわけです。そこが全部情報を共有することができるのかと思ったのですけれども、大須賀さんから、それはそういったものがあったほうが有難いのだという、企業からの意見もあるのであれば、非常に詳細なものを作るべきなのかと私自身考え方を改めました。
○澤座長 それは考え方でしょうね。最大公約数的な意味での、こういうデータが次の開発につながるという意味では非常にポジティブでしょうし、ものすごく詳細な、非常に専門性の高いというか、スペシャルな技術についてはそれぞれの企業のという話にもなるでしょうし、両方の面からだと思います。中島さん、全体を通して御意見を頂けますか。
○中島参考人 今はFIRMでも再生医療というものを、細胞医療、再生医療などの定義から始まってビジネスをやっていくためにきちんと定義しなければいけないという議論をしています。その中でも、これまでずっと出ていることですけれども、再生医療製品というのは、医師の技量が結構大きなウエイトを占めてきて、一般に我々が作っているような製品とは違うところがあります。
 例えば、麻酔薬と麻酔医療みたいな関係かもしれませんが、その重要なところは製品として持つべき性能と安全性のところと、その製品が組み込まれた再生医療という医療において、お医者さんがそこに入っていって、その能力を最大限に引き出すような工夫をしたときに出てくる有効性のところを、誰がどう評価していくのか、というところが非常に大事なところで、今回のシステムというのは、その基礎になるデータを取っていくところです。再生医療学会というのが医療としての有効性をきっちり評価していく所だと思います。ここに書いてあるPMDAみたいな所が、国として安全性に関してきっちりとそのデータを解析してやっていく所だと思うのです。再生医療及び再生医療製品という、これまでにない特殊性のところをきっちりと認識し、再生医療をより前に進めていくことをやっていかなければいけないと思います。
○澤座長 こういうデータの公開性が大事だと。国民目線で分かりやすい形で、安全に進めていくことが大事だというFIRMの御意見かと思います。フリーディスカッションを進めさせていただいて、大体御意見は出尽くしたかと思います。議題4は「その他」ということですけれども、その他に何かありますか。
○高橋構成員 その他でもないのですけれども、今の整形外科の動きを聞くと、承認前にその委員会はできているわけですよね。むしろ承認されてから準備しても遅いかなと思って、タイミング的に各学会との連携はもっと早めにしないといけないのかという気がしました。
○大須賀構成員 製造販売承認を受けてから委員会は立ち上がったと思います。
○澤座長 高橋先生がおっしゃるのは、臨床研究の時代からある程度そのような動きがあったほうがもちろんいいということですよね。
○高橋構成員 もっとスムーズで、速いスピードがあってできるかなと思います。
○澤座長 ハイスピードというのはありますね。
○中村構成員 個別のものに関しては市販後です。その前に日本整形学会の再生医療委員会というのがあって、その中でディスカッションがずっとされていました。
○澤座長 そうですよね、整形外科はたしかに早くて、データベースが必要だという御意見が整形外科から出てきて、再生医療学会でそれも数年前から議論していたという経緯があったので、そういう観点から言うと、臨床研究というか、アカデミアのレベルで早めに議論されるのは重要だと思います。その他に御意見はよろしいでしょうか、無いようでしたら最後に事務局から本日の議論のまとめをしてください。
○事務局 非常にたくさんの御意見を第1回にもかかわらず頂きましてありがとうございます。後で先生方のほうには議事録等も含め、簡単に事務局のほうでまとめたものを別途提供させていただきます。頂いた意見の中で、一つは非常に詳しい、非常に詳細なデータを基にしたデータベースにするのか、あるいはミニマムデータを中心にして、そういうデータベースを作っていくのか。それについては、登録システムの目的であるとか運営体制、あるいはその資金といった点から、永続的にそのシステムを動かすという意味で、そのフィージビリティを考えて、それをきちんと決める必要があるという意見を頂いたと認識しております。
 具体例として、先行する植込み型人工心臓で行われているいろいろな経験がありますので、そういう所で発生している問題等も今回作ろうとしているシステムの構築の参考になるのではないか。また、実際にそういう入力をするに当たって、実際に入力する方、若しくはその施設におけるインセンティブをどうするかということで、施設基準であるとか、資格であるとか、そういうものとリンクさせるようなことも考慮する必要があります。また、入力の手間をどうやって相殺するかということを考える必要があるのではないかという意見もあったかと思います。データベースの利活用を考えたときに、データの質の保証をどうやって担保するかというところをきちんと考える必要があるという意見がありました。
 もう一つは今の議論とも関係するのですが、これから参入しようとする所が、できるだけ参入しやすいシステムを考えたときに、そういう視点から登録システムを設計する必要があるのではないか。そういう点で具体的な提案として、例としては二段階のシステム、要するに短期間で詳しくデータを集める部分と、ミニマムで長期にデータを集める部分に分けて、その二段階のシステムを作ればいいのではないかという御意見があったかと思います。
 これから調査を行って、その調査結果を基にこの検討会で議論していただくのですが、それに関しても非常にたくさんの御意見をいただきました。まず、一つは規制というよりは、むしろ使用状況、あるいは安全性の担保の実態のほうに関して調査をもっと行ったほうが有用ではないかという点。あとは再生医療製品がまだ上市されているのが少ないですので、医療機器等で前例があれば、そちらの実態のほうが参考になるので、調べていただいたほうがいいのではないかという御意見があったかと思います。
 その調査に当たっては、調査の項目についていろいろ御意見を頂いております。特に対象国に関して言うと、例えば欧米だけではなくて、韓国で行われている迅速審査のシステムであるとか、そういう身近な所でも調査を行えば非常に参考になるのではないかという意見があったかと思います。
 データベースの利活用について、これはデータベースの目的と関連しますけれども、利活用について項目を決めて、海外ではどうやっているのかを調査する必要がある。また、その調査をするに当たって、当局が行っているのか、学会であるのか、あるいは病院単位で行っているのか、そういうところも項目を決めて調査を行うべきではないかという話がありました。
 もう一つ重要なポイントで、再生医療製品の範囲をどのように考えたらいいか、というところで幾つか御意見を頂きました。これについては、基本的には薬事承認を取ったものを想定しているのですけれども、範囲としてはそれを利活用していくことも当然あり得ますので、そういう利活用の視点を踏まえた上で、扱う範囲を考えていく必要がある。その概念ということで、いわゆる狭義の意味の再生医療なのか、細胞治療やがん免疫療法といったようなものも含めた上での再生医療に関しても調べるのかという点で御意見があったかと思います。
 もう一つは、横目で見ながら議論する必要があるかと思うのですが、別途薬事法の改正等の動きがありますので、患者登録システムの開発がそれらとどのように関連していくのかというのは議論を進めながら、その都度調整していく必要があるのではないかと思いました。
 製品の有効性と安全性という点で、製品自体が持っている有効性・安全性という点と、実際に再生医療製品を患者さんに適用する医師の技量に関して、その医師が技量をどのように得ているのか、あるいはどういう経験があるのか、そういうことに関しても当然有効性のトータルの評価では必要になってくるので、情報として要るのではないかという話があったかと思います。
 フリーディスカッションのほうです。これは重複しますが、システムの在り方を考えたときに、二段階の方式があったほうが利活用しやすいのではないかということについて、複数の先生からご意見が出たかと思います。また、安全性と有効性を考えたときに、どこが主導するのか、要するに運営はどこが主導で行うか。例えば、安全性であれば国が主導で行うのか、有効性であれば学会が企業を組み入れて学会主導で行うのか、という点などについても議論していく必要があるということだったかと思います。
 実際にシステムに登録されるデータを利活用するに当たり、その評価項目をきちんと決めていくに当たっては、いろいろな学会とのコンセンサスも必要になってくるだろうという御意見もあったかと思います。
 最後のほうですが、この全体のスケジュールを考えたときに、当然いろいろな動きを横目に見ながら調整する必要がありますので、この検討会としては非常に大きな枠組みを作っていって、その評価項目であるとか、そのレジストリーの項目については、その都度専門家を交えて具体的な検討を行って、まずそういうもののベースになる枠組みをこの検討会で作っていくことを考えるべきだというお話がありました。このデータベースを作って利活用していくに当たり、まずそのデータベースを作って、それをすぐに可動させるということではなくて、まずそのたたき台を作ってから、フィージビリティスタディを行って、それから改良して本可動に移る、というスケジュールを考えたほうが現実的ではないかという御意見も頂いたかと思います。
 以上ですがよろしいでしょうか。
○澤座長 事務局のほうでまとめていただきましたが、これは次回文章で出していただけるのでしょうか。
○事務局 次回は議事録を提供させていただきます。
○澤座長 今の事務局のまとめに、追加とか助言とかがあったら、また次回御議論いただけたらと思います。ほかに、これだけはという御意見がありますか。特にないようでしたら、これで本日の議論は終了させていただきます。事務局から連絡事項はありますか。
○事務局 1点お願いがあります。先ほど議論にもなりましたが、これから調査を行うに当たり、後で委員の先生方のほうにメールで、どこを、あるいは誰に対して調査をしたらいいか、その調査の対象先に関して候補を挙げていただきたいと思います。
できれば1月一杯、2週間以内に先生方が考える調査候補先について、事務局のほうに御連絡頂ければと思います。
○澤座長 どういう項目を聞け、というのも入れていただくことも大事かもしれません。この人はどうだから、これを聞いてこいということ。先生方の興味のある範囲で調査してもらうのが一番いいかと思います。
○事務局 そうですね、それをお聞きしますのでよろしく御協力をお願いいたします。
○安全対策課長 再生医療にかかわらず、先ほどから御議論がありましたように、医療機器でのレジストリーの実績みたいなものも非常に参考になるので、今回調査対象にしています。各先生方の分野の中で、世界又は国内で医療機器のレジストリーについて、ここの話は聞いておいたほうがいいとか、ここはうまくいっているみたいだというシステムがあればと思います。私どもも情報を集めているのですけれども、レジストリーのここがこう動いているというのが十分に情報収集できていないと思っています。先ほどの外科学会とか、ここのレジストリーは見ておいたほうがいいというような所があれば、併せてメールでお願いいたします。
○事務局 あとは事務的な連絡事項ですが、本日の会議の議事録は、出来次第先生方のほうに御連絡し、確認・修正を経て厚労省のホームページに掲載する予定です。また、次回の会合にも配布したいと思っております。
 次回は実態調査の結果を御紹介いたしますので、予定では4月から5月頃に第2回の開催を見込んでおります。また、先生方には日程調整の御連絡をさせていただきます。
○澤座長 これで本日の会議を終了いたします。長時間にわたり活発な御議論をいただきまして本当にありがとうございました。


(了)
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