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2013年8月9日 薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会 議事録

○日時

平成25年8月9日(金)
17:00~


○場所

厚生労働省共用第8会議室


○出席者

出席委員(16名) 五十音順

◎五十嵐   隆、 石 井 則 久、 生 出 泉太郎、○大 野 泰 雄、
 柿 崎   暁、  加 藤 進 昌、 金 澤   實、  國 頭 英 夫、
 斎 藤   充、  高 杉 敬 久、 新 見 伸 吾、 林    邦 彦、
 槇 田 浩 史、 三 谷 絹 子、 三 宅 良 彦、 渡 邉 治 雄
(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(6名)五十音順

 遠 藤 一 司、 倉 山 英 昭、 戸 部 依 子、 日 野 治 子、
 村 島 温 子、 矢 野   哲

行政機関出席者

今別府 敏 雄 (医薬食品局長)
成 田  昌 稔 (大臣官房審議官)
森 口    裕 (安全対策課長)
広 瀬    誠 (安全使用推進室長)
山 本  弘 史 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

○議題

○事務局 まだお見えでない先生方もおられますが、定刻になりましたので、「平成25年度第1回医薬品等安全対策部会」を開催させていただきます。本日の部会は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただいていますので、御理解、御協力のほど、よろしくお願いします。また、傍聴の方々におかれましては、「静粛を旨とし喧噪にわたる行為はしないこと」、「座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示に従うこと」など、留意事項の厳守をお願いします。
 本日御出席の委員の方々におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。本日の会議は遠藤委員、倉山委員、戸部委員、日野委員、村島委員より御欠席の御連絡がありまして、遅れていらっしゃる先生方につきましては、御欠席の御連絡はいただいておりませんが、御欠席の御連絡をいただいた委員及び遅れている委員を除きまして、現在15名の委員に御出席いただいています。本部会の定員は22名ですので、定足数に達しておりますことを御報告します。
 議事に入ります前に、事務局の異動がありましたので、簡単に御説明します。少し遅れて出席する予定ですが、医薬食品局長として、榮畑の後任に今別府が着任しています。また、審議官として、こちらも少し遅れて出席の予定ですが、平山の後任に成田が着任しています。また、安全対策課長として、俵木の後任に森口が着任しています。また、医薬品医療機器総合機構安全管理監として、森の後任に山本が着任しています。
 それでは、議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
 本日の部会におきましては、個別の医薬品等の安全対策に係る審議はないため、すべての委員が審議及び議決に加わることができることを御報告させていただきます。
 以後の議事の進行は、五十嵐部会長にお願いします。
○五十嵐部会長 皆さん、こんにちは。大変暑いところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。あと2人おいでになる予定ですが、始めたいと思います。初めに事務局から、配布資料の確認をお願いします。
○事務局 各委員の先生方には、事前に資料を送付させていただいていますが、お手元の資料の御確認をお願いします。配布資料一覧を御覧ください。
 資料1「医薬品等の市販後安対策について」の関連では、資料1-1-1「平成24年度の安全対策について(まとめ)」、資料1-1-2「過去5年間の副作用報告の公表状況」、資料1-1-3「死亡症例の公表状況(A評価:因果関係が否定できないもの)」、資料1-1-4「死亡症例の公表状況(公表しているもの全て)」、資料1-2「医薬品等の使用上の注意の改訂について」、資料1-3「リウマチ治療薬『ケアラム/コルベット錠』とワルファリンとの相互作用が疑われる重篤な出血について」、資料1-4「陣痛促進剤の安全対策について」、資料1-5「シタグリプチンの使用上の注意の改訂について」、資料1-6「ワクチンの安全性に関する評価について」、資料1-7「『サリドマイド及びレナリドミドの安全管理に関する検討会』の開催について」です。
 資料2「医薬品等の副作用等報告の状況について」の関連では、資料2-1「薬事法第77条の4の4の規定に基づく薬事・食品衛生審議会への副作用・感染症等報告について」、資料2-2「国内副作用報告の状況(医療用医薬品)」、参考資料2-2「薬効分類表」、資料2-3「国内副作用報告の状況(一般用医薬品)」、資料2-4「国内感染症報告の状況」、資料2-5「外国における新たな措置の報告状況」、資料2-6「研究報告の報告状況」です。
 資料3「医薬品等の感染症定期報告の状況について」の関連では、資料3-1「感染症定期報告感染症別文献一覧表」、資料3-2「感染症定期報告の報告状況」です。
 資料4「医薬品等の回収報告の状況について」の関連では、資料4-1「医薬品等の回収報告の状況について」、資料4-2「平成24年度医薬品等自主回収一覧」です。
 資料5「その他関連」では、資料5-1「市販直後安全性情報収集事業結果(リバーロキサバン)について」、資料5-2「ゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告の報告件数等について」、資料5-3「医薬品等安全対策部会安全対策調査会委員の追加について」、資料5-4「薬用化粧品の自主回収について」です。以上です。
○五十嵐部会長 ありがとうございました。資料が足りない方はいらっしゃいますか。それでは、議題1に入ります。事務局から資料の説明をお願いします。
○事務局 報告事項議題1「医薬品等の市販後安全対策について」です。
 (1)「平成24年度の安全対策について」御説明いたします。資料1-1-1を御覧ください。こちらは平成24年度の安全対策についてのまとめの資料となっています。1ページ目に、医薬品及び医療機器の副作用等報告数の推移を示しています。副作用等の報告については、薬事法第77条の4の2第1項の規定により、医薬品等の製造販売業者は、その医薬品等に係る副作用、不具合、感染症、研究報告を知ったときには、報告することが義務付けられています。また、医師、歯科医師、薬剤師等の医薬関係者についても、同条第2項の規定により、医薬関係者が必要と認めるときは、国に直接報告することが義務付けられています。
 この制度に基づき報告された、過去5年間の副作用等の報告数を下表に示しています。(1)の医薬品については、平成24年度の製造販売業者からの副作用報告は41,254件、感染症報告は159件、研究報告は884件、外国措置報告は1,134件、感染症定期報告は1,117件。また、医薬関係者からの副作用報告は4,147件です。こちらは昨年度と比べて、大きな変化はありません。
 次のページを御覧ください。安全対策上の措置数の推移を示しています。医薬品に係る平成24年度の措置ですが、「医薬品・医療機器等安全性情報」への情報掲載が41件、使用上の注意の改訂の指示が197件です。
 また、3ページ及び4ページを御覧ください。そのほかの安全対策の状況として、安全対策調査会での審議や、医薬品医療機器総合機構での検討を受けた安全対策措置の実施状況を示しています。内容としては、一般用医薬品のリスク区分の見直し。ベバシズマブの原則禁忌の見直し。デノスマブの重篤な低カルシウム血症について、使用上の注意改訂及びブルーレター配布の指示。インフルエンザワクチン、子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの安全性に関する評価。サリドマイド及びレナリドミドの安全管理に関する手順の見直しについて、となっています。資料1-1-1については以上です。
 次に資料1-1-2を御覧ください。医療機関及び製造販売業者から報告を受けた副作用症例については、医薬品医療機器総合機構の情報提供ホームページにおいて、医薬品ごとに副作用ごとの件数や、各症例の概要を公表しています。これについて、全体の公表数の総計。そして、このうちの死亡症例の公表数について、過去5年間の状況を取りまとめたものが表になっています。一番上の行が、公表数の年次推移となっており、その下が死亡公表数。死亡公表のうち、因果関係が否定できないとされたもの等、医薬品医療機器総合機構の評価結果となっています。
 続いて資料1-1-3を御覧ください。この資料は、資料1-1-2の副作用報告の死亡公表数のうち、因果関係が否定できないと評価されたものの件数を、過去5年間分、医薬品ごとにまとめたものです。
 資料1-1-4になりますが、こちらは同様に資料1-1-2の副作用報告の死亡公表数について、因果関係の評価結果にかかわらず、医薬品ごとに集計したものとなっています。これらの集計結果につきましては、国民の皆様に対する、医薬品の適正使用に供する情報提供の一環として、毎年1回、本部会において報告しているものです。資料1-1の関係については以上です。
 続きまして(2)「医薬品等の使用上の注意の改訂について」御説明いたします。資料1-2を御覧ください。こちらは、医薬品等の使用上の注意の改訂についてですが、本年3月22日に開催されました、前回の本部会以降に改訂したものの一覧です。3月に22件、4月に15件、5月に2件、6月に12件、7月に8件の改訂を行いました。これらの使用上の注意の改訂については、本部会の先生方に事前に御確認をいただいたものであり、また、これらの改訂は、機構の情報提供ホームページに掲載するとともに、毎月発行している「医薬品医療機器等安全性情報」にも掲載しているので、詳細な御説明は省略させていただきますが、5点だけ御紹介します。
 まず5ページの表の一番左、通し番号で12-134~12-139にありますエスシタロプラムシュウ酸塩等の抗うつ薬についてですが、海外で実施された臨床試験の結果、それぞれ年齢は異なりますが、小児や若年成人の患者で有効性が確認できなかったとの報告があり、これらの患者に投与する際には、適量を慎重に検討する旨、注意喚起を行っています。
 また、10ページになりますが、13-16にありますイグラチモドについて、禁忌及び併用禁忌にワルファリンを投与中の患者を追記する改訂を行っています。これについては後ほど詳しい説明があります。
 また、11ページの13-18にありますレベチラセタムについて、精神症状が強く現れ、自殺企図に至ることもあるので、本剤投与中は患者の状態及び病態の変化を注意深く観察する旨、注意喚起を行っています。
 また、13ページになりますが、13-29にあります子宮頸がん予防ワクチンについて、発生機序は不明であるが、ワクチン接種後に、注射部位に限局しない激しい疼痛、しびれ、脱力等が現れ、長期間症状が持続する例が報告されているため、異常が認められた場合には、神経学的・免疫学的な鑑別診断を含めた適切な診療が可能な医療機関を受診させるなどの対応を行うことについて、「重要な基本的注意」の項に追記しました。
 最後に13ページの13-31にありますトルバプタンについて、投与初期から重篤な肝機能障害が現れることがあるため、投与開始前に肝機能検査を実施し、少なくとも投与開始2週間は頻回に肝機能検査を行うこと。また、やむを得ずその後も投与を継続する場合には、適宜検査を行うことについて、「重要な基本的注意」の項に追記しましたので、御紹介させていただきます。資料1-2については以上です。
○事務局 続きまして(3)「リウマチ治療薬『ケアラム/コルベット錠』とワルファリンとの相互作用が疑われる重篤な出血について」御説明いたします。資料1-3を御覧ください。2013年5月17日にリウマチ治療薬「イグラチモド(ケアラム錠25mg及びコルベット錠25mg)」について、抗凝固薬として用いられるワルファリン(ワーファリン錠0.5mgなど)との併用は行わないよう、「使用上の注意」に追記するとともに、次ページ別添1に示します安全性速報、いわゆるブルーレターにより、医療関係者などに対して、速やかに注意喚起を行うよう、製造販売業者に指示しました。
 7ページの別添2を御覧ください。ケアラム錠25mg及びコルベット錠25mgは、単球、マクロファージや滑膜細胞による炎症性サイトカインの産生及びB細胞による免疫グロブリンの産生を抑制することにより、抗リウマチ作用を示すもので、関節リウマチ症を適応症とする薬剤です。本剤は作用機序は不明ですが、ワルファリンの作用を増強する恐れがあるため、併用の有無を確認すること。定期的に血液凝固能検査結果を確認することとされています。
 1ページの中程に戻ります。「ケアラム錠25mg及びコルベット錠25mg」の添付文書には、2012年9月の発売当初から、ワルファリンの抗凝固作用を増強する旨について記載しており、2012年12月には両剤併用例の重篤な出血例が報告され、製造販売業者から併用時の注意のお願いを配布し、注意喚起を行ってきました。しかし、2013年5月に、関連性の否定できない肺出血による死亡例が1例報告されたことから、これらの医薬品の併用を行わないよう、「使用上の注意」の改訂などを指示することになりました。
 今回の注意喚起のポイントは、1.現在ワルファリンを併用している患者については、ケアラム錠25mg/コルベット錠25mgの服用中止を検討すること、2.現在ワルファリンの治療を必用とする患者には、ケアラム錠25mg/コルベット錠25mgを投与しないことの2点です。
 また、ワルファリンを服用している患者やその家族は、自己判断で中止せず、医師の指示に従うことが重要ですので、医師又は薬剤師に相談すること、ケアラム錠25mg/コルベット錠25mgを服用している患者やその家族は、ほかの医療機関を受診する際に、その旨を医師又は薬剤師に申し出ることをお願いするとともに、製造販売業者に注意喚起するよう要請しました。資料1-3については以上です。
○事務局 続きまして(4)「陣痛促進剤の安全対策について」御説明いたします。資料1-4を御覧ください。陣痛促進剤、具体的にはオキシトシン注射剤、ジノプロスト注射剤、ジノプロストン経口剤の安全性については、平成22年に医薬品医療機器総合機構において開催された専門協議におきまして、症例の詳細や論文、海外の添付文書の記載等の情報を基に、陣痛促進剤の添付文書に未記載の、重篤な副作用、出血性脳血管障害、常位胎盤早期剥離、子癇、この追記の必要性が検討されたところです。
 その結果、いずれの症例も薬剤との因果関係は否定的、あるいは情報不足のため、判定不能との意見が多数であること。それから、国内外の文献等を含め、得られている情報からは、陣痛促進剤と出血性脳血管障害、常位胎盤早期剥離、子癇との因果関係は明確ではないことから、添付文書に追記する必要性は低いとの結論に達しています。
 一方、分娩時には重篤な緊急状態が起こることがあるため、妊婦の状態を十分に観察すべきとされまして、添付文書の「警告」欄に、「患者に本剤を用いた分娩誘発、微弱陣痛の治療の必要性及び危険性を十分説明し、同意を得てから本剤を使用すること。」それから、「重要な基本的注意」の欄に、「薬剤の使用の有無によらず、分娩時には母体の生命を脅かす緊急状態(子宮破裂、羊水塞栓、脳内出血、くも膜下出血、常位胎盤早期剥離、子癇、分娩時大量出血等)が起こることがあるため、本剤を用いた分娩誘発、微弱陣痛の治療にあたっては、分娩監視装置を用いた分娩監視に加えて、定期的にバイタルサインのモニターを行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。」この旨が記載されることとなりました。
 その後、陣痛促進剤による被害者を考える会より、陣痛促進剤の使用と出血性脳血管障害等との因果関係について、より踏み込んだ記載を添付文書上で行うようにという御意見をいただくとともに、その根拠として、カルテですとか文献等を複数提出いただきましたことから、本年7月8日に再度、機構において専門協議を開催しまして、後ろに付けていますとおり、調査結果報告書が取りまとめられたところです。
 この報告書では、平成22年の使用上の注意の改訂及び、それに基づく安全対策は妥当と判断していまして、また、報告された症例の中には、点滴の開始速度や、陣痛促進剤投与時の分娩監視が適切でない事例や、母体や胎児の状態悪化への対応の遅れ等が要因で発現した症例も見受けられることから、今後も引き続き、添付文書に記載されている注意事項を遵守し、適正使用が確保されるよう、情報提供を続けることが重要としています。
 この機構の報告書を受けまして、7月25日に開催されました安全対策調査会において、産科、脳神経外科、薬理学の専門家の先生方に参考人として御出席いただき、御審議いただきました。薬理学の専門家の一部からは、主にPGF2αによります血圧上昇の可能性について説明があった一方、他の薬理学の専門家の先生からは、動物実験の用量は、臨床用量と比べ、かなり高用量であることなどについて発言がありまして、それから臨床の産科の先生からは、新たに提出された文献や症例報告からは、臨床的には因果関係は明確ではないなどの御意見がありました。
 審議の結果、現行の陣痛促進剤の添付文書では、平成22年のPMDAの評価による改訂がなされているということ。それから、PGF2αでは、慎重投与の欄に「高血圧症のある患者」と記載されていることなどから、提出された文献報告からは、添付文書の改訂は必要なく、現在の使用上の注意を踏まえ、適正に使用されることが重要であるとされています。よって、今回の審議を踏まえた添付文書の改訂等は行わないこととしています。本報告事項については以上です。
○事務局 続きまして(5)「シタグリプチンの使用上の注意の改訂について」御説明いたします。資料1-5を御覧ください。本資料は厚生労働省からの依頼に基づき、シタグリプチンリン酸塩水和物の重度腎機能障害のある患者への投与について、PMDAが調査を行った結果報告書と、製造販売業者より提出された本剤の重度腎機能障害患者への投与の禁忌解除についての要望書から成っております。
 1ページを御覧ください。シタグリプチンは2型糖尿病の効能・効果を有するDPP-4阻害剤ですが、本剤の承認申請時、国内において血液透析又は腹膜透析を要する患者を含む重度腎機能障害患者に対する投与症例がなかったこと、及びこれらの患者における用量調節に必要となる12.5mgを投与できる製剤を承認取得者が開発していなかったことから、「使用上の注意」の「禁忌」の項に、「血液透析又は腹膜透析を要する患者を含む重度腎機能障害のある患者」が記載されました。今般、本剤の承認以降に国内外の腎機能障害患者における市販後データが蓄積したこと、及び本成分の12.5mgを投与できる製剤の医薬品製造販売承認申請がなされたことにより、製造販売業者より、19ページの要望書が提出されました。
 12ページを御覧ください。PMDAによる検討の結果、国内における特定使用成績調査において中等度腎機能障害患者について、特に安全性上の懸念が認められていないこと。海外臨床試験において重度腎機能障害患者について、特に安全性の懸念は認められていないこと。海外臨床試験において重度腎機能障害患者に対し、本剤の成人通常用量の4分の1量の投与により有効性が認められたこと。今般、承認取得者から本剤の成人通常用量の4分の1量に当たる12.5mg錠の承認申請がなされたことから、本剤の重度腎機能障害患者への投与の禁忌を解除することが妥当とされ、その検討結果について、本年7月25日に開催された第3回安全対策調査会で御審議をいただきました。その結果、「使用上の注意」を改訂して差し支えないとされたことから、その旨、製造販売業者に事務連絡を行っております。以上です。
○事務局 続きまして(6)「ワクチンの安全性に関する評価について」御説明いたします。資料1-6を御覧ください。本年6月14日に合同で開催された安全対策調査会及び厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の副反応検討部会において、子宮頸がん予防、ヒブ、小児用肺炎球菌の3ワクチンと、不活化ポリオ、インフルエンザ、日本脳炎の各ワクチンの安全性について評価をいただきました。
 初めに、1の「子宮頸がん予防、ヒブ、小児肺炎球菌ワクチンの副反応報告状況」についてです。本年1月~3月末までの副反応報告の状況は、表1のとおりです。この期間の副反応報告は、子宮頸がん予防ワクチンの「サーバリックス」は医療機関から17名(うち重篤は3名)、製造販売業者からは11名が報告されております。
 同じく、子宮頸がん予防ワクチンの「ガーダシル」では、医療機関から10名(うち重篤は2名)、製造販売業者からは6名が報告されております。
 ヒブワクチンについては、医療機関から36名(うち重篤は8名)、製造販売業者からは14名が報告されております。
 小児用肺炎球菌ワクチンは、医療機関から48名(うち重篤は11名)、製造販売業者からは17名が報告されております。
 これらのワクチンの副反応の報告頻度については、これまでに本部会に報告しました頻度と比べて大きく変化はありませんでした。ただし、子宮頸がん予防ワクチンについては定期接種を中止するほどリスクは高くなかったものの、ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛がワクチン接種後に見られたことから、この副反応の発生頻度が明確となり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種の積極的な勧奨を控える措置が講じられています。
 2ページ目ですが、ヒブ及び小児用肺炎球菌ワクチンにおいて、同時接種された方で死亡症例が3例報告されております。専門家の評価が行われた2例については直接的な明確な因果関係は認められず、また10万接種当たりの死亡例の報告頻度は急ぎ対応の検討が必要とされる0.5を下回っていたことから、引き続き報告状況を監視していくことになっております。
 次に、2の「不活化ポリオワクチンの副反応報告状況」についてです。1月~3月末までの副反応報告は、ポリオのみのワクチン製剤であるイモバックスでは医療機関から6名(うち重篤が6名)、製造販売業者から4名の報告がありました。
 また、ポリオのほかに百日せき、ジフテリア、破傷風のワクチンでもある混合不活化ポリオワクチンでは医療機関から9名(うち重篤8名)、製造販売業者からは1名の報告がありました。
 続いて、3の「インフルエンザワクチンの副反応報告状況」についてです。昨年10月~本年3月までの今シーズンの出荷数量は5,024万回分で、副反応報告は医療機関から301名(うち重篤53名)、製造販売業者からは86名で、右側にお示ししている前シーズンと比べて、大きな変化はありませんでした。また、死亡症例は医療機関から4名、企業から5名の合計9名が報告されておりますが、ワクチン接種との直接的な明確な因果関係は認められないという評価を頂いております。
 最後に、4の「日本脳炎ワクチン」の副反応報告状況についてです。本年2月~本年3月末までの副反応報告ですが、医療機関からは11名(うち重篤は2名)、製造販売業者からは3名の報告がありました。この資料の説明は以上です。
○事務局 続きまして(7)「『サリドマイド及びレナリドミドの安全管理に関する検討会』の開催について」御報告いたします。資料1-7を御覧ください。サリドマイド製剤及びレナリドミドの製剤については催奇形性を有することから、その胎児曝露を防止するため、それぞれサリドマイド製剤安全管理手順(TERMS)及びレナリドミド適性管理手順「Revmate」が作成され、関係者に対して遵守が求められております。これらのTERMS及びRevmateの両手順について、前回御報告のとおり、本年3月11日の安全対策調査会において改訂案が審議され、その結果、妊娠可能性のない女性患者の定義の見直しや残薬の確認方法の合理化などの改訂について了承され、改訂が実施されたところです。
 一方、その調査会での検討の際には、個人情報の取扱いや遵守状況の確認方法の在り方については別途検討の場を設けて議論することが適当との御意見をいただいたところです。この御指摘を踏まえ、個人情報の取扱いや遵守状況の確認方法を含む両製剤の管理の在り方について検討を行うため、新たな検討会「サリドマイド及びレナリドミドの安全管理に関する検討会」を設置することとしました。既に第1回検討会は6月13日に開催しましたが、開催要綱と構成員は、資料1-7の3ページ目以降に別紙として掲載しております。今後第2回以降開催する予定ですが、本検討会での議論の結果が取りまとめられた際には、その結果を安全対策調査会に報告し、報告内容に基づき、管理の在り方について、再度安全対策調査会において御審議をいただく予定としております。以上で資料1-1~1-7までの事務局からの説明を終わります。
○五十嵐部会長 ただ今御説明いただきましたことに対して御意見、御質問はございますか。
○國頭委員 二つ全く違うことをお聞きしますが、最初に、デノスマブ、ランマークについてです。前回だったか前々回だったか忘れましたが、Caが低くなるという副作用に対して、頻回にCaを測れという勧告がありまして、頻回というのはどのくらいを指すのかと、お聞きしたら、全然答えられなかったですね。今日は来ておられないようですが。頻回というのは一応どのくらいを指すのか。
 それから当然のことながら、1回使って、2コース目以降だと多少とも1コース目大丈夫だった方に関しては2コース目以降のリスクは少なくなると思うのですけれども、それについても前回何の指針もお聞かせ願えなかったのですが、採血の頻度、頻回というのは具体的にどのくらいを指すのか。それはどのくらいまでそれを続ければいいのか、その頻度は、目安はどういうものなのかということを示していただかないと、多分、臨床現場は混乱するばかりだと思います。メーカーに、「どうなっているのか」と聞いても、「それは全然分からないのです」とお答えになるばかりなので。それは今決まっているのか、今決まっていないとしたら、これからどのようにして、いつ頃そういうのが出てくるのかをお聞かせ願いたいのですが。
○五十嵐部会長 いかがですか。お答えできますか。
○安全使用推進室長 先生から御指摘いただいた事項ですけれども、今の時点ではすぐにお答えが難しいようですので、そこは次回までに整理して、お答えさせていただきたいと思います。
○國頭委員 ちなみに頻回という言葉は、何か定義あるのでしょうか。多分、ないと思いますね。当然医者は、患者さんの状態によって、例えば安定している喘息の患者とか何とかだったら、3か月に1回でも結構頻回の採血になります。術後の患者等だったら、頻回というと本当に1時間に1回とか2時間に1回とか、頻回ですね。ですからその目安が全く分からない状況で、ただ「頻回」と言われて、「やれ」と言われても、何の取っ掛かりもないので非常に困ってしまうわけですね。
○機構 医薬品医療機器総合機構です。ランマークの件ですが、本日、担当の者が出席しておりませんで、大変申し訳ありません。最近同じような頻回の検査を求めたものとして、先ほど事務局からも説明ありましたが、資料1-2の11ページ、番号で、13-21でトルバプタン、サムスカという利尿剤に分類される薬ですが、こちらの肝機能障害に関して、やはり投与初期は頻回に検査をというような形で、肝機能障害の検査を求めてくださいという話をやっております。失礼いたしました。これはカリウムですね。大変失礼しました。13-31です。トルバプタンの方で、肝機能障害を重要な基本的注意の項に関連する記載を追記して、少なくとも投与開始2週間は頻回に肝機能検査を行うこと。また、やむを得ず、その後も投与を継続する場合には適宜検査を行うこと、という形での、肝機能障害に関する注意事項を追記させております。
 サムスカに関しては製造販売業者の大塚製薬より、別途資材を配付させていただき、その中で目安として、この場合の頻回というのは、開始後2週間は2、3日に1回で、2週間以降に関しては1週間とか2週間に1回ぐらいというような、資材で目安となるようなものの情報提供はさせていただいております。
 一般論としてですが、先生がおっしゃったように、なかなか全てが2、3日だとかいう話は少々難しくて、そこはやはり薬によって変わっていくというのが実情です。
○國頭委員 まず、投与後2週間と区切られると、頻回と言われると、そのくらいだろうという目安はつくのですよ。ランマークでは、それがなかったですね。そうすると、どのくらいが頻回なのかという目安が全然ないですね。この薬は2週間まではそれで、というのがあるのですが、その規定がない以上、では3日に1回の採血を、未来永劫薬を使う間、未来永劫でもないですが長く使う場合は、ずっと週に2回外来に来てもらわないといけないのかという話になってしまって。癌の患者さんが多いので、貧血で倒れるのではないかという話になってしまう。ですから、その辺は整理していただかないと、現場は本当に困ります。
○機構 御指摘ありがとうございます。次回までに、企業の方とも相談の上、実際の低カルシウム血症の発現の状況とかも踏まえて、何らかの目安が示せないかということについて説明させていただきます。
○五十嵐部会長 よろしいですか。
○國頭委員 はい。
○五十嵐部会長 では二つ目をお願いします。
○國頭委員 パピローマウイルスのワクチンについてなのですが、American Society of Clinical Oncology、米国臨床腫瘍学会というのがありまして、私もその会員です。会員になりますと、メールで毎日、ASCO Newsというのを送ってくるのですね。そうしますと、ほとんど毎週のように、「このパピローマウイルスのワクチンに対して、接種率がまだ非常に低い。こんな有効なものを何で皆使わないのだ、もっと使え」というようなものが、本当に毎週のように流れてくるのです。ですから、この文面にあります、「積極的な勧奨を控える」のではなくて、大変積極的な勧奨をしているのです。どちらが正しいかということをもちろん申し上げているわけではありません。ただ、こんなに態度が違うのは、何かやはり違いがあるからだろう。そうすると、その有害事象の頻度が違うのか、民族差があるのか。それともアメリカ人は、余りそういうのをレポートをきちんとしてないのか、把握してないのか、気にしないのか。もしくはリスク・ベネフィットに関する考え方が違って、向こうはこのくらいのリスク・ベネフィットは十分許容範囲内と考えるが、日本ではそうでないという、そういうようなものなのか。どちらが正しいとは言いませんけれども。ベネフィットに関するデータは、向こうの持っているデータも、こちらの持っているデータも同じはずでありますので、不勉強で申し訳ないのですが、まずは、この有害事象に関して欧米での報告というのはどのくらいあるのですか。頻度と、あと重篤性に関してですが。単純に、何でこんなに向こうとこちらで態度が違うのかというのが非常に不思議なのです。あの学会のニュースを見ますと、向こうは本当に国を挙げてみたいな感じで、勧奨している印象を持ちます。
○五十嵐部会長 よろしいですか。どうぞ説明してください。
○事務局 この積極的な勧奨を差し控えるとなったのは、原因がよく分からない激しい疼痛を起こす患者さんが、それもワクチン接種部位ではなくて、別の所で疼痛を起こされる患者さんがいらっしゃるということで、その発生頻度とかがまだそういう情報が十分集まってなくて、そういう十分な情報を与えた上で、接種の判断をしていただきたいということで、6月14日の合同の検討会においては、積極的な勧奨は差し控えると。
○國頭委員 もちろん私は、その方針が間違っているとか何とか申し上げているわけでは一切ありません。ただ、単純に、アメリカは、ではなぜこんなにものすごく積極的に推奨をしているのか。これを知らないのか。民族差として、向こうではこれが起こってないのか、知らないのか、レポートされてないのか、それが不思議なのです。アメリカでのレポートというのはないのでしょうか。
○事務局 数などについては今、分かりませんが、海外でも、その疼痛に関する症例があるというふうには承知しております。
○國頭委員 そうすると、リスク・ベネフィットに関する考え方が違うというようなことなのでしょうか。いや、それはどちらが正しいと言うわけではないですけれども。向こうでも、それを分かっているのですか。そういうことが一定の割合で起こると、重篤なものも起こるということが分かっているはずなのですか。
○事務局 海外の方でも、そのCRPSとか、そういう形の副作用報告があるというのは認識をしております。
○國頭委員 はい、分かりました。
○事務局 ただ、先ほどの、海外でいう、その「積極的な勧奨」というのが日本と違うといったところの違いについては私の方もよく存じておりません。
○國頭委員 繰り返しでご免なさい。私は、どちらが正しいと申し上げているわけではないです。
○金澤委員 今のパピローマウイルスの件ですが、ここには「積極的に勧奨すべきではない」というふうな、極めて文言としては穏やかな文言なのですが、実際に起こったことは、ほとんどこのワクチンの出荷が止まって、日本国民はワクチンを接種しないと。それから、自治体によっては、むしろ積極的に打たないようにというようなことを首長さんなんかが言っていて、それがあたかも鬼の首を取ったかのような報道がされている。それは、こういった文言に基づいているのだろうと思うので、責任は極めて重大だと思うのです。積極的に勧奨すべきでないと言っただけで、厚生労働省は「何も止めろとは言っておりません」なんていうふうな言い訳は通らないと思うのです。ですから、もう少しそこの事実関係をはっきりさせて、科学的な根拠に基づいた推奨というのをすべきであって、今、國頭先生おっしゃったように、科学的な根拠が必ずしも十分ではないし、頻度が分からないと言っても、この表1を見ると、11万回で医療機関報告は17で、重篤3という数字も出ているわけです。それで発生頻度等がより明らかになるまで待つというのは、一体何を待ったらいいのか。頷けない面が多過ぎると思います。
○事務局 積極的な勧奨を差し控えると言ったところで問題になったのが、接種部位に限局しない激しい疼痛が起こるところで、その発生頻度が必ずしも明らかになっていない。副作用報告でそういったケースの患者さんの症例の、より詳細なカルテなどを集めて、より詳細な報告をして、発生頻度を明らかにしようと今、努めているところです。その発生頻度が分かりましたら、また、そのほかにもいろいろ宿題をいただいておりますので、その辺りも調査会あるいは副反応検討部会の方に報告をさせていただいて、積極的な勧奨をすべきでないと言ったところをどういうふうにするのかは、また改めてお諮りしたいと考えております。
○五十嵐部会長 よろしいですか。このCRPS、あるいはMMFという合併症については、これは12歳の子たちから打つワクチンなのですが、それから筋注をするということで。これまで小児科医や、あるいはこの病気の専門家の方も、内科の先生方、あるいは麻酔科の先生方がいらっしゃるのですが、余りなじみの少ない合併症であったことと、その痛みの程度等がかなりひどいということが、この検討会では問題になりまして、もう少し実質的な数が実際いるのではないかということで、現実に調査をしているところなのです。ですから、それがもう少しはっきりすれば、今、先生方が御指摘になったような科学的な頻度とか、あるいは実際の病気の状態とか、そういうことがもう少し分かるのではないかと思います。一時的に勧奨接種を控えるという、勧奨することを控えるというふうに、取りあえず部会では決めたわけです。この判断については御批判もあるのではないかと思いますが、私もその部会に出席させていただきましたので、存じ上げております。そういう状況があるので、苦渋の判断で、今こういう状況になっているということを御理解いただきたいと思います。
 それからアメリカでも、このパピローマワクチンの接種は一度も受けてない人が30~40%ぐらいいるのですね。ですから、きちんと受けている人が半分強ぐらいという状況で、米国でも先生おっしゃったように、接種率を上げるように、今キャンペーンしているのも事実のようです。確かに、日本とアメリカとでこういうふうに違うのだということを奇異に感じる方が出てくるのは、私もそのように感じておりますが、先生方の御指摘はもっともではないかと思います。よろしいでしょうか。
○金澤委員 直接は関係しないのですが併せて言わせていただくと、オセルタミフルを10代の子供には打たないこと、禁忌であるという決定をして、その後、森島班とか、いろいろエビデンスを集めたけれども、そのタミフルが有意に多いということは分からないにもかかわらず、未だその禁忌を外せない。それからほかの薬剤に関しても、10代の子供には注意して打つようにという但し書がその後、ずっと付いているわけです。そういう一度決めたことが改訂できない体質があるとすると、この問題は相当根が深いということを言わせていただきたいと思うのです。
○五十嵐部会長 いかがでしょうか。
○事務局 部会の方でもそういうことがないように速やかに調査の方を行って、報告するようにということでしたので、調査の方が済みましたら、副反応検討部会や調査会の方に御報告したいと思っております。
○金澤委員 この速かに改訂をするのだということを、議事録にもしっかり残していただきたいというふうに思います。
○五十嵐部会長 委員の中から、そういう強い要望の御意見が出たということをきちんと記録させていただきたいと思います。この点について、ほかによろしいでしょうか。
 それでは、議題2に進みます。事務局から資料の説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項議題2「医薬品等の副作用等報告の状況について」御説明いたします。資料2-1を御覧ください。薬事法第77条の4の4の規定に基づく薬事・食品衛生審議会への副作用・感染症等の報告について御説明いたします。平成24年12月1日~平成25年3月31日までの4か月間に受け付けられた副作用報告等に関する状況を御報告するものです。報告事項は大きく2つです。一つ目として、1.に示す製造販売業者からの報告、二つ目として、2.に示す医薬関係者からの報告です。
 1.の(1)製造販売業者からの国内症例の報告状況です。表の左側、副作用報告につきまして、医療用医薬品について13,833件、一般用医薬品について98件、合わせて13,931件の報告を受け付けております。また表の右側、感染症報告として、医療用医薬品について49件の報告を受け付けております。前回、平成24年8月1日から平成24年11月30日の4か月間に受け付けた副作用報告は15,186件、感染症報告は52件でしたので、報告件数としては、大きな変化はありませんでした。
 (2)外国症例の報告状況があります。この4か月間で副作用報告が84,724件、感染症報告が12件ありました。なお、前回の4か月間の報告数は、副作用報告が98,222件、感染症報告が20件であり、大きな変化はありませんでした。
 (3)外国での新たな措置の報告状況です。この4か月間で346件の報告を受け付けております。前回の4か月間の報告数は441件であり、大きな変化はありませんでした。
 (4)研究報告の報告状況です。この4か月間で376件の報告を受け付けております。前回の4か月間の報告数は427件であり、大きな変化はありませんでした。
 2.としまして、医薬関係者からの報告です。この4か月間に1,218件の報告を受け付けております。前回の4か月間の報告数は1,515件であり、大きな変化はありませんでした。資料2-2~資料2-6は、副作用報告、感染症報告、外国措置報告、研究報告の概要資料です。概略を説明させていただきます。
 資料2-2を御覧ください。この4か月間に報告されました医療用医薬品の国内の副作用報告について、医薬品別、副作用別の件数を整理したものです。薬効分類別に並べておりますのは、薬効分類については参考資料2-2の表を御覧ください。表の見方に幾つか留意点がありますので御注意ください。
 1)として、これらの副作用報告は、医薬品との因果関係が不明なものを含め製造販売業者等から報告されたものでして、個々に医薬品との関連性を評価したものではありません。
 2)として、副作用報告の件数につきましては、平成24年12月1日~平成25年3月31日までに報告されたものですが、同一症例に複数の被疑薬が存在し、同じ症例が複数の企業から報告された場合は重複してカウントしておりますので、ここで報告された件数が、そのまま症例数にはなりません。
 3)として、副作用報告の件数です。本報告期間中に報告されたものであっても、本報告期間中に追加情報により因果関係が否定された場合や、重篤性が変更となり、報告対象外となった場合には報告件数から除外しております。
 4)として、報告件数は副作用名別の件数で示したものであり、1症例で複数の副作用を発現する場合がありますので、報告件数を合計した数が報告症例数になるわけではありません。以上です。
 資料2-3を御覧ください。一般用医薬品の国内の副作用報告です。一般用医薬品につきましては、一番左のカラムに薬効群の名前を示しております。こちらを参考に御確認いただければと思います。
 資料2-4が感染症の報告状況です。多くが輸血用血液製剤に関連する感染症の報告です。
 資料2-5は外国での新たな措置の報告状況です。資料2-6は研究報告の報告状況です。簡単ではございますが、副作用等の報告についての御説明は以上となります。
○五十嵐部会長 ありがとうございました。ただ今の事務局からの説明に対しまして、御意見、御質問はいかがでしょうか。
○生出委員 資料2-3の一般用医薬品の国内副作用報告の状況ですが、以前はこの中身に転帰が書いてあって、治ったとか、死亡したというような事例が書いてあったような気がするのですが、変わっていないでしょうか。それと、この98例の中で死亡例等々はあったのでしょうか。
○安全使用推進室長 この資料として部会報告をさせているものについては、確か転帰などの記載はなかったかと思っております。記載として特に変更はないかと思います。
○生出委員 そうすると、私が勘違いをしているのは、リスク区分の変更とか何かのときの資料等々には転帰も書いてあったのですか。
○安全使用推進室長 3か月~4か月ごとの部会ごとの報告のものではなくて、恐らく年1回分をまとめて集計させていただいたときに、全体の毎年の報告数の推移とか、どんな薬剤でどんな副作用が多いというお話とか、死亡事例についても、どんな死亡事例が出ているかというような御報告の資料を作らせていただいたものがあるかと思います。
○生出委員 分かりました。これを見ますと、1類、指定第2類等々、なかなか副作用が多くて、簡単にネットで売っていいものかと感じたものですから質問させていただきました。
○五十嵐部会長 ありがとうございます。ほかにいかがですか。
○國頭委員 資料2-2は毎度、毎度、ほかの先生方も何回か指摘されましたが、これを並べられて何が分かるのかというようなことを言われたと思うのですが。素人的で申し訳ないのですが、ビッグデータで解析してどうこうというのが、最近、はやりですね。プロスペクティブに何かきちんと、限られた症例でどうこうではなくて、雑多だと言うと大変失礼に当たりますが、とにかくかき集めたデータを解析して、限られた症例数では何か分からなかったことが出てくるというようなのがよく言われるのですが、そのような解析は、予定はされないのですか。というか、できないのでしょうか。統計の専門家でないのでよく分からないのですが。
○安全使用推進室長 実は、平成23年度より医療情報データベースということで国としては1,000万人規模のデータを目指して全国10の大学等の医療機関に御協力をいただきまして、そこでは、電子カルテの情報とか、レセプトの情報とか、DPCとか、検査のオーダリングのデータなども電子化されて、それをストックしたデータベースから何か情報が得られないかというようなことを、そういうことを活用するための基盤整備のようなものを現在進めているところです。まだ途上という状況で、少しずつデータを整備していくことにしております。現在、東京大学病院のシステムがようやく立ち上がったところですので、これから試行的な検討をしながら、平成27年度までには完成させていきたいと思っております。
○國頭委員 この資料に関して、何か、毎度毎度これを作っていただくのは御苦労様という感じがするのですが、これを積み上げると結構なものになりますね。それをどうこうということはできないのですか。
○安全使用推進室長 ただ、この資料の情報につきましては、PMDAに副作用情報データベースがありまして、そのデータベース上で管理されているということと、あとは、情報につきましても、もう少し一般の方にも解析できるような形で副作用報告の状況をデータとして開示させていただくようなこともしているところです。
○安全管理監 PMDAから補足的に説明させていただきます。これは企業からの報告データですが、これをいわゆるデータマイニングの手法を使って、ここから自動的にシグナルの検出ができないかというような手法でも現在、試行的にやっておりますが、なかなかうまくヒットするものではありません。シグナルの検出という点では何回か出てはいるのですが、実際に添付文書改訂に足るようなデータがデータマイニングの手法によって、ビッグデータ解析の手法によって得られるのは年間1、2件というような状況で、まだ手法の改善をしているというような段階です。
○大野部会長代理 今の御質問に少し関連しているのですが。前に戻って申し訳ないのですが、資料1-1-3で見ると、それぞれの医薬品について年度ごとにどのぐらいの副作用が起きているか分かりますね。これが時間の経過でもって分かるのはいいのですが、同じような薬でどちらが副作用が多く出ているものかと比較するためには、販売量なり、処方量や生産量などをベースにして比較しないと分からないわけです。例えばヘパリンの所でも、ヘパリンカルシウムとヘパリンナトリウムと数値的には副作用の総計が随分違いますが、ヘパリンカルシウムが全然売られていないのだったら、少なくて当然ですし。そういう解析ができるような計算方法とか解析方法とか、そういうものはやっていないのでしょうか。
○安全使用推進室長 先ほどのデータベースの取組ともつながってしまうのですが、現在、副作用につきましては自発報告という形で副作用の報告が分かったものを報告いただいているものですから、実は投与されている薬がその母集団、どのぐらいの方に投与されているのか、又はどういう頻度で副作用が得られているのかという正確なデータが得られない状況になっております。それを克服するためにも現在進めておりますような大規模な医療情報データベースを使いまして、そのデータベースの中で、まずどの方に処方されて、その方のうち、どのぐらい副作用が出ているのか、また逆には、通常、医薬品を投与しない方の報告は今、副作用報告の中から全く得られない状況ですが、医薬品が投与されない方でも原疾患の方とその中で薬を投与された方でどうなのか、そういったことが比較できるようなことを目指して今、データベースの構築を進めているところです。
○大野部会長代理 WHOなどですとATC/DDDという手法があります。実際にどのぐらい処方されているかというのは生産高では分からないわけですね。販売額でもなかなか分からないわけです。実際にどのぐらい処方されているかの指標としてATC/DDDという指標を作って、それで比較しているのですが、それは随分前からやっているわけです。あれは日本では取り入れられないのですか。
○安全管理監 補足説明ですが、PMDAでは大体似たような考え方で、民間の販売金額のデータからは大体各錠剤の使用量などが分かるものですから。そうすると、DDDというのは「Daily defined dose」といいまして、大体1日量はこのぐらいなので、延べ何人の患者に投与されたのかはその販売数量から推定が利くので、WHOでもその手法でもって大体母数を出すというような手法をとっているのです。それに類似した形での数字は内部的には取って、それを指標として見ることはしておりますが、それだとあくまで延べ人数が分かるだけで、それは正確な患者数とはまた違うものですから。
○大野部会長代理 そうですね、あくまで推定値になりますね。
○安全管理監 それは相対的な重み付けには使えるのですが、それからまだ確たる相対的な数値までは出さないで、参考値として読む段階でやっております。
○大野部会長代理 こういう表に、参考値としても、全体の使用量とか、そういう数値が出ていると分かりやすいのですけれども。
○安全管理監 どのようなまとめ方ができるか、今後、検討するようにしたいと思います。
○五十嵐部会長 ありがとうございます。より進化したものにしていただくように今後、検討していただきたいと思いますが、よろしいですか。ありがとうございました。ほかに御意見はございますか。
○柿崎委員 母数と比率という点では先ほどの御質問と同じなのですが、資料2-3の一般用医薬品の所で、病名だけを見ると、かなり重篤と思われるようなものもあり、転帰が心配になってしまう病名も報告されています。これに関しては、更に母数の把握が難しくなってくるのではないかと思うのですが、この辺も、比率がどの程度かというのが問題になってくるかと思います。できれば比率なども上げられればいいのではないかと思うのですが。
○安全使用推進室長 なかなか、母数の方が難しい状況にはあります。それから今回報告しておりますものにつきましては、まだ因果関係等が厳密に評価されている状況ではないという形でもあります。
○柿崎委員 これは、一般に販売されており、ここに報告されている以外に起きている可能性もあるわけですね。
○安全使用推進室長 はい。そうです。
○柿崎委員 ですから、病院用の医薬品と比べて、違った意味での危険性もあるのではないかと思うのです。
○安全使用推進室長 はい。ありがとうございます。
○五十嵐部会長 ほかにいかがですか。よろしいですか。それでは議題3に進みます。資料の説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項議題3「医薬品の感染症定期報告の状況について」御説明いたします。
 感染症定期報告は、薬事法に基づき、製造販売業者が製品又はその材料による感染症に関する論文等を報告するものです。今回は昨年12月~本年3月末までに報告された感染症定期報告を取りまとめており、合計で364件の報告がありました。資料といたしまして、資料3-1「感染症定期報告感染症別文献一覧表」と資料3-2「感染症定期報告の報告状況」がありまして、共に感染症定期報告を基に医薬品医療機器総合機構において整理、作成させていただいておりますが、資料3-2につきましては、感染症定期報告の報告ごとの整理で、製造販売業者ごと、医薬品の成分ごととなっておりまして、同一文献が複数回掲載されていたり、前回の本部会で報告済みというものもありますので、新規の文献につきまして感染症ごとに整理されております資料3-1を用いて説明をさせていただきます。
 資料3-1を御覧ください。昨年12月~本年3月末までに報告された新規の文献及び報告記事等139件をまとめております。今回、比較的報告が多かった感染症は、1ページ目の下から13ページ目まで報告の概要がありますインフルエンザに関するものが73件で最も多くなっております。その中身は、米国でのインフルエンザAのH3N2変異型の報告が多くなっておりました。
 次いで、15ページから始まりますウイルス感染に関するものが17件となっております。中東でのコロナウイルス感染事例についての報告が多くなっております。
 続いて、19ページ目からの米国でのウシの炭疽感染に関するものが10件となっております。今回も、事前に国立感染症研究所の渡邉委員、石井委員、国立医薬品食品衛生研究所の新見委員に御確認を頂いております。直ちに安全対策措置を講ずる必要があるものはなく、また、今回は特段コメントするものもなかったと伺っております。報告は以上です。
○五十嵐部会長 ありがとうございます。これにつきましては何か御質問、御意見はございますか。よろしいですか。それでは、御意見がないようですので議題4に進みます。よろしくお願いします。
○事務局 報告事項議題4「医薬品等の回収報告の状況について」御説明いたします。資料4-1、資料4-2を御覧ください。
 回収の報告の状況です。薬事法により、製造販売業者が医薬品等の回収に着手したときにはその旨を厚生労働大臣に報告しなければならないということになっております。この規定に基づき施行規則が設定されておりまして、具体的な報告事項等を規定しているということになっております。このような法令を受けまして、回収通知ということで監視指導要領としまして、回収に当たっての基本的な考え方や対象範囲をどのように特定するか、若しくは手続をどうするかといったような細かいことについても規定させていただいているという状況です。また、この回収通知により実際に回収に至った場合におきましては、全ての事例をインターネットで公開し、注意喚起をしているという状況です。薬事法の中に、回収の状況につきまして審議会報告をするという規定がありまして、今回、この規定に基づきまして御報告をさせていただきます。
 資料4-1の1.にあります1枚目の表ですが、一番右側に平成24年度の回収の件数を記載してございます。この部会の御担当であります医薬品、医薬部外品、化粧品につきまして、それぞれ医薬品が129件、部外品が8件、化粧品が74件の回収報告を頂いているという状況です。医療機器も含めまして、全体597件ということです。例年と比べまして大きな変動はないものと考えております。
 それから、2ページ目にありますが、平成24年度医薬品等の回収件数及びクラス分類です。回収される製品によってもたらされる健康への危険性の程度によってクラスIからクラスIIIとして数字を割り当ててございます。基本的にはクラスIIを標準といたしまして、製品の使用によって重篤な健康被害又は死亡の原因となり得るようなものであればクラスI、そのような健康被害等の原因となるとはまず考えられない場合はクラスIIIという形で振り分けまして、回収の整理をさせているということです。今回、医薬品、医薬部外品、化粧品ということですが、クラスI回収に関しましては医薬品で23件の回収が起きているということです。これにつきましては、脚注にありますとおり、血液製剤の献血後の様々な情報により投与前に事前回収をされたものが全てであるということです。もう一つ、クラスII、クラスIIIに関しましては、それぞれ、記載のような回収の件数になっているということです。
 もう一つ関連資料としまして、資料4-2にそれぞれの回収の細かな資料をお付けしております。こちらで今、御説明した1ページ目の医薬品のクラスI回収、これは全部で23件と申し上げましたが、それの詳細を記載しております。2ページ目以降に関しては、クラスII、クラスIIIの回収について細かな事例を載せさせていただいているという状況ですが、こちらについては説明を割愛させていただきたいと思います。報告は以上です。
○五十嵐部会長 ありがとうございました。この件につきまして御意見、御質問はありますでしょうか。よろしいですか。それでは、御意見がないようですので議題5に進みます。資料の御説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項5「その他」についてです。 (1)「市販直後等安全性情報収集事業(リバーロキサバン)について」、いわゆる定点観測事業について御報告させていただきます。本事業は、新たに承認された医薬品のうち新規性が高いものや国内外において使用経験が少ないものなど、特に市販直後の安全性確保が必要と判断されるものについて原則として6か月間、その医薬品の使用状況や副作用の発現状況、臨床現場への製造販売業者による安全性情報の提供状況などの情報を毎月、医療機関より提供していただき、必要な対応を図ることを目的とした事業です。
 それでは資料5-1を御覧ください。事業が終了いたしましたイグザレルト錠10mg及び15mgについて御報告させていただきます。イグザレルトについてですが、製造販売元は、バイエル薬品株式会社、効能・効果は、非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳梗塞及び全身性塞栓症の発症抑制です。調査に御協力いただいた医療機関は、市立島田市民病院、長崎大学病院、社団法人茨城県きぬ医師会きぬ医師会病院及び京都第二赤十字病院の4医療機関です。これらの医療機関における当該医薬品の使用状況や副作用の発現状況、製造販売業者による安全性情報の収集・提供状況などについて、平成24年4月18日の発売開始以降、各医療機関での採用から6か月間、毎月1回御報告いただきました。
 使用状況について、全ての医療機関で採用され、約50名の患者に使用されました。
 副作用などの発現状況については、調査実施期間中、非重篤な副作用として血尿、鼻出血、創部出血といった出血などが認められましたが、いずれの症例も、適切な対応を実施した旨の報告がありました。
 また、製造販売業者の活動状況については、医療機関への訪問頻度や市販直後調査により得られた情報等の情報提供及び副作用情報の収集に一定の評価がありましたが、製造販売業者により2012年9月に血圧管理に関する「適正使用のお願い」が配布された際に製造販売業者から情報提供がなかったとの報告が1施設からありました。調査期間終了後、製造販売業者に対し、情報提供の体制、その活動等について聴き取りを行ったところ、1.情報提供及び副作用情報の収集に当たって、納入前及び納入後の適当な頻度の訪問、2.2012年9月の「適正使用のお願い」の配布による注意喚起、3.「適正使用のお願い」の配布の際の訪問日、面接者及び配布部数について記録作成、といった取組を実施していたとの報告がありました。引き続き適正使用を推進するため、継続的に資材の作成・配布を行っており、今後も注意喚起を実施していく旨の見解が示されました。資料5-1については以上です。
○事務局 続きまして(2)「ゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告の報告件数等について」御説明いたします。資料5-2を御覧ください。ゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用の報告件数につきましては、これまでも安全対策部会や安全対策調査会の機会に定期的に御報告させていただいているところですが、今回は、平成25年3月末までの状況についてアストラゼネカ株式会社よりデータが提出されましたので御報告させていただきます。
 資料の1~4ページまでが、平成25年3月末までのゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用の報告例数及び死亡例数の推移を月ごとにお示ししているものです。1ページ目がグラフ、2~4ページ目がそれぞれを数値としてまとめた表になっております。報告例数につきましては、累積で総数が2,362で、こちらは、前回報告の平成24年12月末時点の集計から13例増えております。また、そのうち死亡例数につきましては865で、こちらは、同じく2例増えております。
 5ページ目は、ゲフィチニブに係る新規処方患者数及び継続投与患者数等について四半期ごとに整理した表です。新規処方患者数が、大体1,600~2,000人程度、継続投与患者数につきましては、大体8,100~8,700人程度で、特段大きな変化はなく推移しております。以上です。
○事務局 続きまして(3)「医薬品等安全対策部会安全対策調査会委員の追加について」御説明いたします。資料5-3を御覧ください。薬事分科会規程第4条の規定に基づき、平成17年12月1日より薬事・食品衛生審議会の医薬品等安全対策部会に「安全対策調査会」が設置されておりますが、平成25年6月より慶應義塾大学薬学部医薬品情報学講座教授望月眞弓先生に新たに調査会委員として御参加をいただいておりますので、御報告させていただきます。以上です。
○事務局 続きまして(4)「薬用化粧品の自主回収について」御説明いたします。資料5-4を御覧ください。追加で資料を2部、本日付けのプレスリリースと昨日付けの通知をお付けしておりますので、併せて御覧ください。
 株式会社カネボウ化粧品、株式会社リサージ及び株式会社エキップが製造販売するロドデノール配合薬用化粧品につきまして、使用後に白斑が生じたとの報告が寄せられたことから、製造販売業者が7月4日に自主回収に着手いたしました。製造販売業者の報道発表と同時に厚生労働省におきましても報道発表を行いまして、対象となる製品の使用を中止するよう注意喚起をするとともに、製造販売業者の実施する自主回収に協力するよう呼び掛けたところです。その後、7月23日、31日、それから本日になりますが、8月9日に製造販売業者より、自主回収の状況、白斑の申出件数等につきまして報告を受けまして、それぞれ、報道発表をしております。
 自主回収の状況につきましては、直近の本日付けのプレスリリースの情報ですが、8月4日時点で販売店にあると推定される製品の106.3%、家庭内にあると推定される製品の116.2%を回収したとの報告を受けております。また、白斑様症状の確認数についてですが、製造販売業者が訪問して確認した6,106人のうち症状の重い方、ここではカネボウは「3つの症状のいずれかに該当した方」というような集計の仕方をしていますが、「3か所以上の白斑」若しくは「5cm以上の白斑」若しくは「顔に明らかな白斑」のある方が2,424人、それ以外の比較的症状の軽い方が2,125人、回復又は回復傾向の方が1,153人、これらに該当しない方、すなわち、症状なし若しくは回収対象以外の製品を使用している方が404人という報告を受けております。
 なお、今回の事案を受けまして、日本皮膚科学会にロドデノール含有化粧品の安全性に関する特別委員会が設置されまして、原因究明、診断法・治療法の検討等が進められているところです。厚生労働省としましては、適切に自主回収が進められるよう、引き続き製造販売業者を指導しているところです。
 また、昨日8月8日付けの通知ですが、医薬部外品又は化粧品による健康被害の情報、例えばがん、過敏症、皮膚障害等の保健衛生上注意を要する有害な作用が起こること、又はその可能性のあることを疑う情報を製造販売業者が医療関係者から入手した場合には、これは平成23年8月付けの通知になりますが、これにより、この事実を示す報告書類を社内において取りまとめ、当該報告書類を研究報告として薬事法の規定に基づき期限内(30日以内)に報告するよう求めているところです。
 今般、ロドデノール配合薬用化粧品で自主回収ということになりまして、自主回収着手以降、ロドデノール配合以外の製品による白斑症状に関する相談が消費者庁の消費生活センターの方にも寄せられているということを受けまして、昨日付けでこの通知を発出いたしまして、製造販売業者さんに対しまして9月8日までにロドデノール配合薬用化粧品以外の医薬部外品、化粧品による白斑等に関する情報の有無について自主点検を行い、自主点検の結果、必要に応じて研究報告を行うとともに、必要な安全措置を実施するよう要請したところです。本報告事項については以上です。
○五十嵐部会長 ありがとうございました。ただ今事務局から御説明いただきましたことにつきまして御意見、御質問はありますでしょうか。
○國頭委員 まずイレッサ、ゲフィチニブですが。もちろん経緯は存じ上げておりますが、これ、いつまでこういうデータがゲフィチニブに限って出てくるのですか。例えばエルロチニブは同じような作用機序ですから、多分、同じように出ていますね、必ず出ていますね。不吉なことを申し上げますが、これから出てくる分子標的薬、今出ている分子標的薬、絶対に一定の割合で間質性肺炎が出ますね。多い、少ないはあるでしょうけれども。それらについても、もちろん把握はされているでしょうけれども、イレッサだけを特別にこれをずっと続けられるのかどうか。それから、確かもう少しでパテントが切れるはずです。アストラゼネカはそう言っていました。そうすると、どこかのメーカーが出てくるのかどうか分かりませんが、そのジェネリックが出たときに、やはり同じように集計されていくのか、それは会社ごとに集計されていくのかというのをお伺いしたい。私は、恐らくゲフィチニブだけを特別視する理由はもうなくなっていると。歴史的なことを考えれば別ですが、それ以外の理由ではもうないと思うのです。
 あと、一つだけ付け加えると、私はアストラゼネカから多少の講演料などももらっておりますし、共同研究もしております。COIはあります。
○安全使用推進室長 先生からも今お話がございましたように、これにつきましては、当初の頃にやはり歴史的な背景がありまして、続いてきたわけですが、確かに御指摘のように、状況も、ここ数年で余り大きな変化がないというような状況ですので、公表の在り方につきましても検討させていただきたいと思っております。
○國頭委員 あと、どうせやるのだったら、ほかの分子標的薬、恐らく同等のリスクは全部あると思いますので、何かの形でまとめて出された方がよろしいのではないかと、イレッサだけがまずくて、ほかは大丈夫という意味ではないはずですので。
○安全使用推進室長 そういった形での公表の必要性も含めて検討させていただきたいと思います。
○大野部会長代理 カネボウの化粧品により白斑様の症状が出たということですが、新聞報道によると、カネボウに報告されてから1週間ぐらいのうちに回収を決定したと。それは、早いか遅いかは別としてあるわけですが、それ以前に、6,800人も実際に症状が出ているというのに、厚生労働省に報告は上がっていなかったのでしょうか。
○安全使用推進室長 カネボウ化粧品から正式に薬事法に基づく副作用報告を頂いたのは今年の6月25日です。確かに、それから1週間ぐらいで回収は判断されているとは思います。ただ、その6月25日の副作用報告、7月4日の回収のプレス発表等が終わりました後に多分、過去に生じた方の御相談が一気に企業の方に寄せられてきておりまして、確かに数としては6,000とかという数になっております。ただ、私たちにはカネボウから6月25日以前には薬事法に基づく副作用報告は来ておりませんので、厚生労働省では把握していなかったというような状況です。
○大野部会長代理 ということは、その法的な義務はなかったということですか。医薬部外品とか化粧品に関しては、そういうトラブルが起きたときには報告する義務はないのですか。
○事務局 先ほどの企業からの報告には義務がありますが、一方、医療機関からの副作用の報告につきましては、薬事法ではリスクの大きさから医薬品と医療機器に報告が限定されておりまして、医薬部外品や化粧品については医療関係者からの報告は、法律上、対象外になっております。また、報告上の義務はありませんが、医薬部外品と化粧品につきましても、通知によって報告はお願いしているところです。また、今回の白斑につきましては、特に医療関係者からの御報告は受けていない状況です。
○大野部会長代理 医薬部外品についてはもともと、それほど懸念するような大きな副作用は出ないということを前提にしているので、そういう義務はなかったと思うのです。でも、実際に今回のことで、命に関わることではないですがQOL上は非常に重要なことですね。女性だけではないです。男性でも顔が斑になってしまったら苦しい状況になります。今回はそういう白斑という問題ですが、「茶のしずく」のときには小麦製品が食べられなくなってしまうような、そういう極めて重大な問題になったわけですね。それも、かなりたくさんの人がそういう被害を受けたということなので、例えば化粧品の場合には、かぶれとか、そういう非常に頻繁に起きるものは別問題ですが、非常にまれに起こるようなものとか非常に重篤なもの、QOLに非常に関わるようなものについてはやはりきちんと情報を集めた方がいいのではないかと思うのです、それも医薬品に近いような形で、企業からだけではなくて。ワクチンの場合もそうですが、企業からの報告と医療機関の情報は必ずしも重複していないわけです。ですから、両方から集めて、きちんと突き合わせて漏れがないようにした方がいいのではないかと思うのですが、その辺はいかがですか。
○安全対策課長 今の制度は取りあえずそういうことになっていますが、先生から御意見を頂きましたので、今後、検討させていただきたいと思います。
○國頭委員 基本的なことですが、よく分からないので教えていただきたいのですが。薬用化粧品、医薬部外品ですか。というのは認可はされるものなのですか。要するに、色の黒い人の上を白く塗ってごまかすというのではなくて、色そのものを白くしようという話ですね。ということは薬ですね。これは薬ですというように判断するのと、薬用化粧品ですという方に判断するのは、誰がどうやってそれをして、薬ではありません、薬用化粧品です、というのをどうやって認可して、そういう、色を白くしようという明らかに薬みたいな作用をするのに治験などをやるものなのですか。副作用のデータベースなどを出して承認などを受けるものなのですか。私、よく分からないのですが。
○安全使用推進室長 薬事法の中には、まず医薬品の定義があります。さらに、医薬部外品は別に、人体に対する作用が緩和なものという形でまず定義があります。医薬部外品は、薬などと同じように品目ごとに個別の承認が必要となっております。全ての製品に治験を求めているわけではありませんが、新たな成分が配合された場合、いわゆる「新有効成分」というような形で呼んでおりますが、そういったものに関しましては、動物試験は当然のことながら、ヒトでの試験結果なども含めた資料を揃えていただきまして、形式的にはまず機構の方に承認申請をしていただいて、その調査報告のような形で審査したものを更に薬事・食品衛生審議会の化粧品・医薬部外品部会で審議をして承認の可否を決めて、最終的には大臣から承認をさせていただいているということになります。
○五十嵐部会長 このロドデノールという成分が入ったこの化粧品に関しても、同じようにそういう治験のようなことをやった上で承認をされたというように理解してよろしいわけですね。
○安全対策課長 はい、承認前に臨床試験で300例を超えるヒトでの試験をやっています。これはチロシナーゼという酵素阻害効果を示す成分なのですが、その酵素阻害作用についてvitroの試験で、既にあるコウジ酸とか、ほかのものと同程度の作用というようなことも踏まえて、医薬品ではなくて部外品という形で承認されているものです。
○五十嵐部会長 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、御意見がないようですので議題5につきましては終了したいと思いますが、よろしいですか。予定されている議題は以上ですが、事務局から何かございますか。
○事務局 冒頭に申し上げました委員の出欠について訂正させていただきます。矢野委員より会議中に出席できない旨の御連絡がございまして、本日の出席は16名です。本部会の定員は22名ですので、定足数に達していることを御報告いたします。
○五十嵐部会長 ありがとうございました。それでは、本日の部会を閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

(了)

備考
本部会は、公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 安全対策課 課長補佐 黒羽(内線2752)

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