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2013年12月12日 第12回先進医療技術審査部会

(了)


第12回先進医療技術審査部会

(1) 日 時:平成25年12月12日(木) 16:30~18:05

(2) 場 所:経済産業省別館114会議室(1階)
(東京都千代田区霞が関1丁目3番1号)

(3) 出席者:
猿田座長、山口座長代理、伊藤構成員、柴田構成員、
関原構成員、竹内構成員、大門構成員、田島構成員、
直江構成員、藤原構成員、山中構成員
  (事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 治験推進室長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
保険局医療課 専門官
医薬食品局審査管理課 課長補佐

議 題:
1.新規申請技術の評価結果について
2.先進医療会議の審査結果等について(報告事項)
3.その他



○猿田座長
 時間がまいりましたので、第12回先進医療技術審査部会を始めさせていただきます。12月に入って、大変お忙しいところ、また寒い中を構成員の先生方におかれましては御出席いただきまして、どうもありがとうございました。
 それでは、早速始めさせていただきますが、まず本日の構成員の出欠状況です。一色構成員、佐藤構成員、山本構成員、三上構成員からは欠席の御連絡を頂いております。なお、本日は日本医師会から石川先生に御出席いただいております。16名の構成員のうち、12名の構成員にお集まりいただいておりますので、本会議は成立することを申し上げます。
 それでは、配付資料と本日の審査案件の確認を事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局です。配付資料について確認させていただきます。議事次第から始まりまして、座席表、開催要綱、構成員及び技術員名簿と続きます。「新規申請技術の評価結果について」として、資料1-1から1-13があります。「先進医療会議の審査結果について」として、資料2があります。「厚生労働大臣の定める先進医療及び施設基準の制定等に伴う実施上の留意事項及び先進医療に係る届出等の取扱いについて」の一部改正等について、いわゆる「先進医療通知の改訂」として資料3があります。「先進医療評価委員会」開催要綱等として、資料4があります。最後に、参考資料1、2となります。
 また、ホチキス止めで、「整理番号022に対する第12回先進医療技術審査部会における指摘事項」を、構成員の皆様には机上配付資料としてお付けしてあります。本日の資料は以上です。乱丁、落丁等がありましたら、事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。
 それから、利益相反についてです。申請医療機関との関係や対象となる医薬品及び医療機器の企業等について資料1-1、11ページに記載しております、「申請医療機関」「医薬品・医療機器情報」を御覧ください。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業に関して、事前に確認をさせていただいております。山口座長代理からは利益相反の届出がありました。参考資料1、177ページにお付けしている「先進医療会議における利益相反の対応について」を適用いたします。整理番号022 「睡眠中発症及び発症時刻不明の脳梗塞患者に対する静注血栓溶解療法の有効性と安全性に関する臨床試験」について、山口座長代理におかれましては議論に参加いただき、意見の確認に加わることとさせていただきます。なお、事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がありましたら、この場で御報告をお願いいたします。
(確認)
○医政局研究開発振興課専門官
 では、該当なしということで進めさせていただきます。また、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等についてはタブレットから閲覧しいただきます。会議資料とタブレットの内容は異っておりますので、発言者は会議資料の何ページ又はタブレットの何ページと予め御発言を頂きますと、議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。資料はよろしいでしょうか。特に問題なければ、早速議事に入りたいと思います。最初に、「新規申請技術の評価結果について」、これも事務局から御説明お願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局より御説明させていただきます。なお、撮影されている傍聴者の方は、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 では、資料1-1、11ページを御覧ください。今回、先進医療Bとして評価していただく1つ目の技術は、整理番号020「FDG-PET/CTの不明熱診断への応用」です。適応症は不明熱となっています。申請医療機関は国立国際医療研究センター病院です。審査担当構成員として、主担当が柴田構成員、副担当として伊藤構成員、田島構成員となっております。資料1-4、19ページを御覧ください。審議に先立ちまして、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について、事務局より説明させていただきます。
 「1. 実施責任医師の要件」として、診療科は放射線科又は核医学科を「要」としています。資格はPET核医学認定医を有し、さらに日本核医学会専門医又は日本医学放射線学会専門医のいずれかを有することとされています。当該診療科の経験年数、当該技術の経験年数はいずれも「不要」と。当該技術の経験症例数も「不要」とされています。「2. 医療機関の要件」としては、診療科は放射線科又は核医学科とされており、診療科の医師数としてはPET核医学認定医を有し、さらに日本核医学会専門医又は日本医学放射線学会専門医のいずれかを有する者が1名以上、他診療科の医師数として、不明熱の診療に従事する内科系医師が1名以上、その他当直体制が「要」で、緊急手術体制は「不要」、院内検査は「不要」、他の医療機関との連携体制は「不要」と。「3. その他要件」として、一番下の「頻回の実績報告」は「不要」というのが施設要件になっています。
では、審議をお願いいたします。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。この先進医療においては、技術の評価とともに、施設の評価が非常に重要です。いつも軽視されている部分があったものですから、正式にこれも御議論いただいたということで、御了承を頂きたいと思います。
 それでは、早速、主担当の柴田先生からガイダンスをやっていただきまして、また各委員にお話を伺います。よろしくお願いいたします。
○柴田構成員
 国立がん研究センターの柴田です。お手元の資料の1-2の部分と1-3の部分を御覧ください。1-2の部分が評価表です。1-3の部分は「医療技術の概略」と「薬事承認申請」までのロードマップが書いてあります。医療技術についてはFDG-PET/CT検査による不明熱の確定診断になります。こちらを臨床試験で評価しようというものになっております。
 1-2の評価表に戻っていただきまして、実施体制の評価を伊藤先生にお願いいたしました。いずれも1番から3番まで「適」として頂いておりますが、コメントを頂いておりますので、後ほど伊藤先生から御説明いただきたいと思います。田島先生からは4番、5番について、「不適」との評価を頂いております。こちらについては説明文書の記載内容等について修正が必要であるというものですが、14ページの実施条件欄に、コメント欄に記載した問題点が修正されれば「適」としていいと考えますとのコメントを頂いております。こちらについても後ほど田島先生にコメントを頂きたいと思います。
 「試験実施計画書等の評価」については私が担当いたしました。6番から16番まで、いずれも「適」と判断しております。実施計画書やPMDAとの相談の記録等を見ますと、本申請に係る診断性能を評価するときに、何をもって正しい診断とするのかというゴールドスタンダードの定義が難しいところがありました。これはどうしてもやむを得ないという部分ですが、それについては申請者の先生方は先行研究など、いろいろなものを検討した上で、なおかつPMDAとの間のすり合わせもした上で、定義がされていますので、こちらは問題がないと思います。ただ、単に診断性能の数値を、プライマリーエンドポイントの数値を示すだけではなく、その定義を採用した経緯など、可能であれば、異なる定義における診断性能等についても参考情報として提示されれば、この申請で使われている診断の精度に関する理解が一般の方に深まるのではないかと思います。これはただコメントですので、これが必須の条件ではないと考えております。
 15ページに進んでいただきまして、総合評価ですが、先ほど田島先生のところから頂いていたコメントに対して対応がなされれば、「条件付き適」としていいと考えております。評価については以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。総括的に御説明いただきました。それでは、それぞれということで、まず伊藤先生から御意見を頂けますでしょうか。
○伊藤構成員
 この技術そのものはガリウムSPECTと比較されるものです。不明熱の診療というのは、悪性腫瘍、膠原病、結核を含めての感染症が最終結論であることが多いのだろうと思います。診断がつきにくいことも多いのですが、そのときに、ガリウムSPECTは、それまで原因が判らなかったから、ガリウムを使ってみましょうという使い方がされていると思います。しかし、このガリウムが面倒くさいのは、便で排泄されるので腸をきれいにしなくてはいけないなどの手間がかかる。この技術はそういう意味での面倒くささもなく、かつ精度が高くなるのだろうと思うところではあります。
 ただ、資料を見せていただくと、国際医療研究センターのケースがHIV関連疾患であるのが気になります。HIV免疫不全の人たちはある意味では、抗がん剤の治療をしていて、好中球などが減少している人の発熱と近いところがあります。それだけのデータをもって、一般の不明熱に有効だと後で言えるのかが多少気にはなりました。
 それ以外については、ガリウムのスキャンそのものが、資料を御覧いただいて判るとおり、それほど有効性が高くなくて、しかもコスト的にも高いので、使える機会が多くないので、今後、より有用な技術が出てくるというのが正しいことなのかなと思いますが、半面、FDG-PETが濫用されるような話になるのであれば、本末転倒なのではないかという危惧を持ちながら、見せていただきました。
 ただ、この技術そのものや実施体制については問題があるとは思いませんでした。これが私からのコメントです。
○猿田座長
 ありがとうございました。時代とともに不明熱対策は変わってきて、結核から膠原病、それから混合性のもありました。実際には、この形で今は診察するのです。また、後ほど議論をお願いします。
 田島先生から御意見を頂けますでしょうか。
○田島構成員
 「同意に係る手続」「同意文書について」です。説明文書に不備がありましたので、これは不適とさせていただいております。補償内容については、「補償なし」ですが、それは「補償ある」にしていただく必要がありますので、これも不適の評価にいたしました。
 「説明文書について」の問題点を述べたいと思います。まず、「8. 本研究に参加した場合に予想される不利益」の項目において、「両検査は、すでに保険診療として十分な実績と安全性が確認されているために、臨床研究のための保険や補償の契約はありません」と記載されております。しかし、他に十分な実績があり、安全性が確認されている検査であっても、万一患者さんに健康被害が生じた場合には、ICH-GCP基準に則り、補償がなされなければなりません。保険に加入されるかどうかは御自由ですが、補償金を支払うための何らかの手当てをした上で、「補償はあり」とし、説明文書にも補償される旨の記載をしていただく必要があると考えます。
 次に、説明文書の「9. 本研究に参加しない場合について」で、「その他の方法で不明熱の原因を調べる」という記載があるだけで、「その他の方法」が具体的に記載されておりませんので、患者さんのほうで、この欄で比較対象できるように具体的に記載していただきたいと思います。
 「12. 費用について」は、費用の金額を具体的に73,250円と記載して、患者さんがどれくらいの費用がかかるのかを理解されるようにしていただきたいと思います。この費用の点について、説明文書には、「患者さんの負担はない」と書かれておりますが、やや違いますのは、先進医療実施届出書、タブレットの数字になりますが、13ページの様式3号において、「平成25年度分は国立国際医療研究センターからの研究費にて賄い、次年度以降は、厚労省科学研究費の取得を目指している」と書かれております。また、同じ仕様の17ページの様式5号でも、(先進医療にかかる費用)として、「研究費などで補てんするため患者負担は無い予定」と書かれております。費用負担につい不確定な記載内容になっております。説明文書に「患者さんの御負担はなし」と書かれる以上は、仮に予定された補填費等が取れない場合でも、必ず何らかの方法で手当てをして、患者さんに負担をさせないようにしていただく必要があります。もし、費用の手当てができずに、患者さんの御負担になる場合には、その旨を説明文書は書き直して、具体的にいくらの御負担になるのかと金額も記載していただく必要があると思います。
 続いて、「15. 担当者の連絡先、相談窓口について」です。研究代表者の氏名と連絡先のみが記載されております。研究担当者の氏名と連絡先も追記していただきたいと考えます。以上です。
○猿田座長
 ありがとうございました。特に、感染症の問題もありますから、今の部分は大切かと思います。それでは、柴田先生にもう一度総括的にお話をしていただいて、それから各構成員の先生方から意見を頂きます。よろしくお願いします。
○柴田構成員
 医療技術について伊藤先生からコメントを頂きました件と、田島先生から頂きました倫理面のコメントを踏まえましてお話をいたします。先ほど申し上げましたとおり、田島先生からのコメントを頂いた部分についての対応がなされれば、このものは前に進めていただいて問題はないのではないかと考えております。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。ただいまのような結果で、総括的に柴田先生からは、田島先生のほうも御意見の修正があれば、よろしいのではないかとのことです。伊藤先生もその形でよろしいでしょうか。
○伊藤構成員
 はい。
○猿田座長
 それでは、構成員の先生方から御意見を頂ければと思います。どうでしょうか。
○藤原構成員
 今、テクネシウムを用いた骨シンチが海外の原子炉の不具合か何かで輸入が減っていて、私どもの施設でも、週に何件か、結構限られている実態があります。その事態がこのガリウムSPECTにも起きる可能性がないのかは一応見ておかれてはいかがでしょう。全然、関係なければいいのですが、それで納入が少なくなるとしたら、患者登録に支障が出ると思いますので。
○猿田座長
 どうですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 事務局です。その辺の情報はまだ確認できておりませんので、今回の指摘事項としてお伝えするようにして、回答を求めたいと思います。
○猿田座長
 よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。ほかにどなたか、御意見はありませんでしょうか。
○直江構成員
 このプロトコールの内容そのものではないのですが、ちょっと気づいたことが1つだけあります。3ページを見ますと、この「倫理委員会の構成」というのが出てまいります。国際医療研究センターでは、病院長が倫理委員会の委員長をされている。これはちょっと不思議だと見てて思ったのです。確か、倫理委規定というか、ガイドラインには、「医療機関の責任者は倫理委員会のメンバーにならないこと」と書いてあったと思うのです。
○医政局研究開発振興課専門官
 御指摘のとおりで、倫理指針には、「施設の長が倫理審査委員会の審査委員長になってはならない」という規定があります。直江先生の御指摘はごもっともなのですが、これは申請医療機関に確認しますと、病院長が施設の長ではなくて、理事長が長になるということで、ここは確認ずみで、その倫理指針には抵触しないということです。以上です。
○猿田座長
 過去の申請がそうなのですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 過去の申請はゼロです。
○直江構成員
 了解です。
○猿田座長
 よろしいでしょうか。ほかにどなたか御意見はありますでしょうか。
○関原構成員
 この同意書の中に、5ページですが、「不明熱の治療にはいかに早く、正しく、原因の診断にたどり着けるかがとても重要です」とあり、例えとして、ステロイドという薬はと、膠原病には劇的な効果がありますが、結核には悪化しますと。これは別に不明熱の診断の話ではなくて、ステロイドを治療としてどう使うかというたとえになっているのです。ここに書いてある説明は、この治療のたとえに全然なっていないのではと私は思います。膠原病の診断の話ではなくて、単に膠原病の治療をどうするかというたとえの話であるわけです。それと、この「不明熱の原因を探る」という説明に合わず、どうも余りロジカルではないと私は考えたのですが。
○猿田座長
 これはどうですか。
○伊藤構成員
 診断が確定しないままに時々高熱が出てて、膠原病だろうというので、ステロイドという治療法を取ってしまうと、結核を悪くすると。だから、診断が確定しないままに、治療を開始するのは正しくないという例えだと思います。表現の仕方が多分悪いのかもしれません。ですので、きちんと診断をしないままに、中途半端に治療法を選択するのは、患者さんにとって不幸になります。
○関原構成員
 それはしかし、これに限らずですから、たとえとしては、何とはなしにしっくりこないなと、読んでいて私は思った。
○猿田座長
 言葉づかいをちょっと直していただければいいのです。分かりました。よろしいですか。
○関原構成員
 もう1点は、ここにありますように、不明熱の特定については従来のやり方、「SPECTというのは診断に有効である」と書き「PETは容易に特定できる」と書いてあって、当然容易に特定できるほうが優れているはず。これは最初から分かっています。要するに患者としてはどちらを選ぼうかという、今までの治療よりもちろん進んでいるかどうかをチェックするまでもない話。、なぜこんな記述なのか読んでいて気になったのです。大した話ではないですが、一言申し上げました。以上です。
○猿田座長
 その辺りのところを戻すときにお願いしていただければと思います。
○柴田構成員
 大きな問題ではないのですが、プロトコールの規定の中で、画像委員会やモニタリング担当者の方の具体的なお名前がまだ決まっていない所があります。本実施計画については、モニタリングや監査を行う部署はもう特定されています。責任者の方のお名前も書いてありますし、画像委員会もきちんと委員長の方の特定までされています。どのような方を選ぶかということも提示されていますので、大きな問題ではないと思いますが、開始されるまでにきちんと特定していただくべきであろうとは思います。それは後ほど御確認いただくことにしたいと思います。
○猿田座長
 よろしいですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 はい、分かりました。
○猿田座長
 ほかにありませんでしょうか。それでは、もしなければ、この020は「条件付き適」ということで、今御審議いただきました点を修正していただくことにいたします。どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして2つ目の技術、整理番号021について、これも事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官
 では、資料1-1、11ページにお戻りください。2つ目の技術は、整理番号021「FDG-PETによるアルツハイマー病と前頭側頭葉変性症の鑑別診断」です。適応症とはアルツハイマー病と前頭側頭葉変性症となっています。申請医療機関は国立長寿医療研究センターです。審査担当構成員として、主担当が大門構成員、副担当として山本構成員、田島構成員となっています。
 先ほどに引き続いて、資料1-8、35ページを御覧ください。本件についても、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について、事務局より御説明します。
 「1. 実施責任医師の要件」として、診療科は放射線科あるいは神経内科の所属が必要である。資格は放射線科については放射線専門医/核医学専門医、神経内科については神経内科専門医の資格が必要です。当該診療科の経験年数は7年以上、当該技術の経験年数は1年以上、当該技術の経験症例数は実施者として5例必要とされています。「2. 医療機関の要件」としては、診療科は放射線科あるいは神経内科、実施診療科の医師数は「必要」で、放射線科は放射線科診断専門医、核医学専門医1名以上、神経内科は神経内科専門医1名以上、他診療科の医師数は特に問いません。その他、医療従事者の配置として、診療放射線技師、薬剤師が「必要」。当直体制は「不要」、緊急実施体制も「不要」、院内検査(24時間実施体制)は「不要」とされています。
 一方、他の医療機関との連携体制は「必要」で、自施設で全て対応可能な場合は「不要」とするとされています。医療機関としての当該技術の実施症例数は、施設の中で5例以上必要だということです。最後に、「3. その他の要件」として、頻回の実績報告は「不要」とされています。以上です。それでは御審議をお願いします。  
○猿田座長
 ありがとうございました。この施設に関してまだちょっと意見もあるのですが、また後で伺います。
 では、これを担当していただいた主担当は大門先生で、まず大門先生からよろしくお願いします。
○大門構成員
 主担当の大門です。「申請技術」の名称は専門官の方から御説明いただいたとおりでして、その概要を掴んでいただくには、お手元の資料1-7の33ページの概要図、それから、裏面のロードマップを御覧いただくとよいかと思います。
 本試験では、特にアルツハイマー病と前頭側頭葉変性症の鑑別診断におけるFDG-PETの臨床的有用性を評価することになっています。最終ゴールとしては、薬事承認申請を通して効能・効果拡大を狙っています。また、米国においては、今回の試験目的と一致しますが、FDG-PETによるアルツハイマー病と前頭側頭葉型認知症の鑑別に関しては、メディケア・メディケイド・サービスセンターが2004年から既に保険償還を行っている状況です。続いて、試験デザインについては、タブレット端末の583ページの実施計画書内のフローチャートを御覧いただくとよいかと思います。概要を口頭で申し上げますと、アルツハイマー病と前頭側頭葉変性症の患者を登録した後、被験検査であるFDG-PET検査とそのコントロールの役割を果たす脳脊髄液中のリン酸化タウ検査を行うのですが、診断結果のゴールドスタンダードは、先ほどの柴田先生の案件でもあったように、これは登録前ではなく、それらの検査を行った後の1年間の経過観察後の臨床診断結果と設定されています。また、主要評価項目は、FDG-PET検査と脳脊髄液中のリン酸化タウ検査の感度の差となっています。
 本申請技術の評価に関しては、実施体制に関して山本先生、倫理的視点に関しては田島先生、実施計画書等に関しては私が担当しています。その評価結果ですが、25ページの資料1-6の指摘事項を御覧いただくと分かるように、実施計画書に関して、詰めておいてよさそうな点が事前に散見されたので、諸先生方から事前に照会又は指摘が行われ、相応に適切な修正が行われている状況です。しかしながら、お手元の資料1-5ですが、21~23ページの評価結果があるように、いくつか対応すべき点が少し残っている状況です。したがって、これらの点について、今日御欠席の山本先生の御意見書を事務局から読み上げていただくとともに、田島先生からコメントを頂戴し、その後に私からのコメントとともに総評を述べたいと思います。
○猿田座長
 ありがとうございました。今日、山本先生はおられないので、それでは、事務局からまず御説明ください。
○医政局研究開発振興課専門官
 本日、山本構成員が御欠席ですので、評価結果及び照会事項について御説明します。
 資料1-5、21ページを御覧ください。山本構成員においては、「実施体制の評価」として、1番、2番、3番について事前評価をいただきました。いずれも「適」との御判断をいただいています。コメントとしては、研究実施体制等の疑問点について申請者が適切に対応されたため、全て「適」としましたとされています。事前評価で照会事項については、資料1-6、25ページを御覧ください。本会議の前に山本構成員から申請者に指摘した事項がこの25、26ページになります。26ページにはその回答が示されています。
 主な指摘事項をここで紹介します。25ページです。「研究計画書に関する照会事項」として、1-1.です。髄液検査を実施の際に、同時に炎症所見の有無を判断することになっています。その検査項目を記載してくださいというのが1-1.です。1-2.については、研究開始時の臨床診断は、時期的にPET検査前に行われますので、PET検査結果の影響を受けないと思われますが、12か月後の臨床診断時には、担当医はPET検査やp-tau181検査の結果を知った状態で臨床診断を行うことになると思われます。そういう意味で、バイアスを与えることにつながらないでしょうかというのが1-2.の指摘です。
 1-3.は記載についてです。実施計画書とモニタリング手順書の記載が異なるので、記載を一致させてくださいという指摘です。1-4.はモニタリング、解析その他をCROに委託すると記載されていますが、委託先が決まっているのであれば計画書の実施体制に記載してくださいとの指摘でした。
 それに対しての回答が26ページに記載しています。1-1.については指摘に応じてきちんと記載しますという御回答でした。1-2.はバイアスについてですが、本研究では、アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、FTLDと称しますが、脳臨床診断は共に操作的診断基準の各項目を満たしているかどうかで決まります。操作的診断基準は中核的診断特徴、支持的診断特徴、除外診断特徴からなりますが、このうちFTLDの支持的診断特徴の脳画像にFDG-PETの所見が該当すると思われます。ただし、支持的診断特徴の有無では診断の変更にならないので、本質的なバイアスにはならないかと思います。また、FTLDの除外診断特徴の脳画像にFDG-PETの所見が該当すると思われ、こちらは除外基準なので診断のバイアスになる可能性があります。このため、本研究では、FTLDの除外診断特徴においては脳画像としては、CT、MRIのみを評価することとして、FDG-PETは除外診断特徴の評価対象外とすることで診断のバイアスを回避することにしたいと思います、というお答えでした。
 1-3.と1-4.についてはそれぞれ記載のとおりです。また、「2. 研究計画書以外の照会事項」にしても、薬事法の記載があったので取り除いてくださいということに対して対応しています。 
 以上の結果から、もう一度21ページにお戻りください。実施体制の評価として、1番、2番、3番について、いずれも「適」と御判断をいただいています。以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。今、細かく御説明いただいたとおりで、山本先生とそれから回答者との間のやりとりでした。
 それでは、恐れ入りますが、田島先生から御指摘を2つお願いします。
○田島構成員
 「同意に係る手続、同意文書」について、説明文書に不備があったので「不適」の評価にしています。それから、「補償内容について」は補償有りということで、保険に加入して、万一の場合には適切に補助金が支払われるようになっていますので、「適」と評価しました。
 説明文書で訂正いただきたい内容について御説明します。まず1点目です。「2. あなたの病気と治療について」の項目で、アルツハイマーについては原因と症状の双方が説明されていますが、前頭側頭葉変性症については症状のみ説明されています。やはり、患者さんにとっては、後者についても原因に関する説明を記入していただいたほうが分かりやすいと思いますので、この点お願いしたいと思います。それから、「3.2) 試験の目的について」に補充していただいたほうがよいと思うことがありました。アルツハイマー病と前頭側頭葉変性症が治療法、予後及び看護・介護の方法が大きく異なるために、鑑別診断を精度良く行う必要性が非常に高いことを説明していただいたほうが、患者さんにより理解されやすいと考えます。「3. 3) 試験の方法について」ですが、試験に参加した場合、通常の診療より検査の数が多くなると書かれていますが、通常の診療で受ける検査の内容が不明ですので、両者比較しやすくなるように説明を具体的に追記していただきたいと思います。また、「8. 他の治療方法の有無とその内容」の項目においても、参加しない場合における「通常の検査」がどのようなものか、具体的に書かれていないので、これも明記していただきたいと思います。
 次に、「14. 試験参加中の費用、この試験に係る資金運用源と保険診療の関係」において、これはいくつか問題があります。まず、タイトルの「資金運用源」は「資金源」の誤りだと思いますので、これを訂正していただきたいと思います。また、利益相反の問題について、国立長寿医療研究センターの研究代表者により公正に研究費が使用されるということで、利益相反の状態にはならないと記載されているわけですが、このようなことを記載するのではなく、プロトコールの37ページを見ますと、使用予定の医薬品の製造販売業者から研究費の一部の提供を受ける予定と記載されているので、そのことを明記して、その見込額、実際に臨床研究を実施する時点で額が確定していたら、その確定額を記入する必要があると思います。また、利益相反については文言の説明をしていますが、研究をするために必要な資金を製薬会社等から提供してもらうことにより、その結果の判断に歪みが起こりかねることと書いてあるのですが、起こりかねるのであれば問題はなくて、起こりかねないことが問題ですので、ここの記載を起こりかねないことに訂正していただく必要があると思います。
 次に、同じ項目の「医療費について」です。脳脊髄液検査と神経心理検査費用の金額も、これは患者負担ではありませんが、具体的に記入していただいたほうが患者さんにとって参考になると思います。また、「臨床試験協力費について」、患者さんがは1来院あたり7,000円を支払う回数について、3回となる予定と書かれていますが、予定ということでは間違いが生じるといけないので、回数を確定した上で、その確定数を記載していただくようにお願いしたいと思います。
 次に、「15. 健康被害が発生した場合の治療と補償について」に記載されている「補償制度の概要」が今回の申請書にも添付されていませんでした。説明文書と別に添付することになると添付漏れが起きかねないので、やはり、説明文書に添付して、これを一体にしたものを御用意いただくほうがよいと思います。
 最後に、「18. 試験結果及び知的財産権の帰属と公表について」の項目に書かれているのが、この試験に関するデータは、当センター、認知症臨床研究治験ネットワークに帰属し、研究発表、論文投稿等は認知症臨床研究治験ネットワーク運営委員会が行います。ただし、当センターで登録された症例に限り、当センターからの研究発表、論文投稿等はこの限りではありませんという内容ですが、データのみならず、知的財産権が発生した場合、その帰属先がどこになるかを記載していただく必要がある上に、ここにあります当センター認知症臨床研究治験ネットワーク、あるいは運営委員会が法人格をもつものなのか、権利の帰属主体になり得るものなのかが疑わしいと考えています。当センターであれば独立行性法人ということで法人格をもっていますが、それ以外の名称にそのような人格があって実際に権利の帰属主体となり得るかどうかをもう一回確認していただいた上で、正確に御記載いただきたいと考えています。
 また、この但し書きの趣旨も不明確で、「この限りではない」というのが何を指しているのかもよく分からないので、全体の書き振りを一義的明確になるように記載し直していただいたほうがいいと思います。患者相談の対応は整備されていますので、これでいいと思います。以上です。
○猿田座長
 詳細に御指摘いただきましてどうもありがとうございました。
 それでは、もう一回、大門先生、総括的にお願いできますでしょうか。
○大門構成員
 了解です。先ほど事務局から、先生から詳細に御説明いただいており、1年間の経過観察後の臨床診断結果のゴールドスタンダードにすることについては、これはまたアルツハイマー病の正確な診断には望ましく、認知症疾患ガイドラインでもそれが推奨されているとのことでした。
 それから、諸々の検査結果を既に目にしていることの影響については、先ほどの御説明にもありましたように考えにくいようですし、また、登録前の臨床診断結果をゴールドスタンダードした場合の感度解析でその影響を論じることが可能かと思われます。
 更には、この案件は既にもうPMDAとの対面助言においてもすり合わせができていて、こういった点からも問題はないと考えています。また、23ページの実施案件欄に示していますように、先ほどもこれも柴田先生の案件でも言及されましたが、実施体制のいくつかの部分で、やはり現在選定中の状況だと御回答いただいています。そのほか、目標症例数や有害事象の評価期間に関して記載を整備したほうがよさそうな点が依然として残っています。したがって、24ページの総評にあるように、まずは各構成員が指摘した事項に適切に対応していただくこと、実施体制のメンバーを固定させて実施計画書に反映させる必要があるかと思いました。これらについては、恐らく十分解決可能な内容だと思われるので、総評としては、「条件付き適」と判断いたしました。以上です。
○猿田座長
 どうもありがとうございました。今、御説明いただいたとおりかと思いますが、委員の先生方、どなたか。
○藤原構成員
 一番問題と思ったのは金の流れの所です。先ほど、田島先生は「同意説明文書」で金の流れの所、不透明な所を御指摘されたのですが、タブレットの610ページでプロトコールの10-3.の4の所に「臨床試験費用」と書いてあるのですが、届出書とかいろいろ見ると、日本メジフィックスが多分販売会社なのでそこから金をもらうのだと思うのですが、ただ、モニタリングの費用としか記載されていません。届出書を見ると7機関で、全国にわたってやっていて、それにモニタリングを委託で実施するとなると、結構な額になると思います。あと、監査についても、多分これですと、委託することになるでしょう。本来ならメジフィックスが治験をやればいいような話を、何でこの先進医療Bに来ているかはちょっと理解に苦しむところです。プロトコールの中にはきちんとメジフィックスから資金提供がある旨を書いていただき、どういう経費にいくらかかるかは、これは本来は研究倫理審査委員会がその資料をきちんとチェックするべきところだと思うのですが、この会議へも出していただきたいと思います。モニタリングにいくらメジフィックスから資金が入ります、監査にいくら入りますとかというのがはっきりしないと、どこに金が使われるのかが分かりません。
 また、先ほど田島先生がおっしゃった知財の所についても、知財を研究者が主張する道理がおかしくて、メジフィックスの製剤を使って効能・効果を取得するのでしたら、メジフィックスが知財を持つのが本来の筋のような気もしますし。いずれにせよ、そもそも先進医療Bでこれを何でやる道理があるのかなというのを感じました。
○猿田座長
 ありがとうございました。非常に重要な御指摘と思います。この辺り、どなたか御意見ありますか。事務局から何かありますか。
○医政局研究開発振興課専門官
 一応、企業治験をなぜ行わないか、回答を求めていまして、申請者からのお答えを紹介します。申請者らは、本件に関して、医療機器としての合成装置のマーケットは小さく複数の会社で製造販売をしていることを勘案すると、最大数10台程度の販売しか期待できない。また、合成装置の価格も数千万円であるため、高額の費用を必要とする治験を実施しても収支が合わない。薬品としてFDGについても市場規模を考慮すると、効能・効果の追加のため新たに治験を実施しても収支が合わない、すなわち予算の関係上、先進医療を選択したというのがこれらの理由と思います。
○猿田座長
 ありがとうございます。今のような御説明はなかなか難しいのです。先進医療の場合は、確かにこれだけの症例数をやって、先進医療から出口に持っていくときに大変であります。もちろん治験として早くやっていったほうがずっといいことは確かなのですが、そうはいかないところが問題です。藤原先生、どうですか。
○藤原構成員
 多分、企業が治験をやれないというのは理解できるのです。それでしたら、この7施設でやるのではなくて、例えば先進医療Bの枠組みで長寿医療センター1箇所ぐらいでまずやってみて、それでそこそこ良い結果でしたら、先進医療Aに移って、保険診療に入れるかどうかをそこの段階で決めればいいと思うのですが。プロセスがいきなり多施設共同研究を資金もないのにやってみるというのには疑問を感じます。これは核医学領域の臨床研究に共通の問題だとは思うのですが。例えば、この会議にはかかっていませんが、メチオニンPETという、脳の悪性腫瘍の診断、これは広く自由診療でやられていますが、こういうのも、こういう所できちんとプロトコールを作って見ていけばいいなという気はするのですが。止めるのはやぶさかではないので、資金の流れをきちんと示していただいて、できれば委託研究でやってくださいというところだと思いますが。
○猿田座長
 今、藤原先生からいただいた御意見は本当に重要なことで、そこの所は理解した上で、一応施設のほうには伝えて下さい。
○医政局研究開発振興課専門官
 はい、お伝えしておきます。
○猿田座長
 その形を戻すということで、今、施設としてはこの形でやっていくことだと思うので、この7施設ですね。ですから、そこのところもよくやっていただいて。あと、実際に先進医療としてやる場合に、先ほど田島先生に御指摘いただいた部分、そこのところを明確にしていただくことが重要かと思います。そこは大門先生、よろしいですか。
○大門構成員
 結構です。
○猿田座長
 そうやっていただければ。山本先生に関しては、大体、これでよろしいのではないかと、山本先生の御意見なものですから。田島先生、よろしいですか、先生の御指摘いただいたことに全部対応していただいたということで。
○田島構成員
 はい。
○猿田座長
 それで大丈夫ですか。事務局はよろしいですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 はい、指摘事項として申請者に照会いたします。
○猿田座長
 一応そういう意見があったということで。確かに、1つの難しいところなものですから。ほかに先生方どなたか、提案ありますか。
○山口座長代理
 よく理解していないかもしれませんが、これはADとFTLDの鑑別が非常に重要だと書いてはありましたね。そういう患者を臨床診断して2つに分けて、そしてこういう検査をやって、その後治療をしているはずですから、別々な治療を行えるはずです。でも、そのときに、別な診断がついたときにどうなるのですか。いろいろな臨床的なことで鑑別して、2つの群に分けて、そして検査をして、その検査の結果がその臨床診断おかしいのではないかとなったときに、そのまま続けるということなのでしょうか。何かそれちょっとかわいそうな気もするのです。
○医政局研究開発振興課専門官
 今の件については、もし診断の精度を見るのがこの試験の目的で、確かにそれに該当した場合はお薬が入るのでしょうが、それに該当しない場合は該当しないとして取り扱ってお薬が入らない、アリセプトなどだと思うのですが、そういうのが入らないと理解しています。ですので、対象患者には、解析対象には全て入るのだと思うのですが、治療についてはまた別なのではないかなと理解しています。
○山口座長代理
 ということは、治療は最初にこのPET以外の診断で分けて、それは診断に関係なしにずっと1年間継続して、継続した後にそれは本当だったかどうかを突き合わせるというやり方ですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 そのとおりだと思います。
○大門構成員
 補足です。一応その件に関して実際にどうされるのかというところは質問させていただいたのですが、特には規定しないということで、恐らくそのまま治療が入るのだとは思います。
○山口座長代理
 アルツハイマーを診断する精度を上げるだけだったら、もうアルツハイマーだけにして、そういう具合に臨床診断されたものに対してやって、何年後かに本当にどうだったかを検証するだけでいいのであって、FTLDとの差別化がそこに混じってきているので非常に分かりにくかったので、ちょっと質問しました。
○猿田座長
 先生、ここは診断の所なので非常にポイントなのですが、実際にそれをどうするかで。
○山口座長代理
 これは、やはり認めないと、すごく膨大な件数が行われるのですよね。
○猿田座長
 行われています、そうです。
○山口座長代理
 だから、やはり本当に必要なものは何かという絞り込みをやらないと、これでよかった、よかったというデータだけ出ると、またそのデータが一人歩きする可能性があるのではないでしょうか。
○保険局医療課専門官
 今の山口座長代理の御意見はもっともだと思います。これは、先進医療会議の範疇かもしれませんが、いざ保険に入れるときに、誰が対象なのだとなると思うのです。それに関連して、今回Inclusion criteriaがMMSEが20点から26点という、MMSEと言うと、認知症ではない軽症の段階を対象にしていると思うのですが、それは恐らく鑑別が難しい人だけに使うことを想定しているのではないかと思うのです。
 ここで1点、大門構成員にお尋ねなのです。メディケアで既に償還されているということなのですが、確かメディケアでもある程度縛りを入れていた気がするのですが、このMMSE20から26というのは、メディケアと大体並びなのか、それともそうではないのかというのは分かるのでしょうか。
○大門構成員
 申し訳ありません。そこまでは私地震確認できていない状況です。
○保険局医療課専門官
 分かりました。その辺り、もしあれでしたら親会議で保険との観点の所で、例えば米国のメディケアを参考にするとか、そういう意見を付してもいいのかもしれません。
○大門構成員
 分かりました。
○猿田座長
 難しい所なのです。今、御存じのとおり、早期探索の拠点としては東京大学が、岩坪先生が中心でやってもらっていて、そこの辺りともかなり検討して下さっているのですが、非常に難しい所です。ですから、一応、この形で一番大切なことは診断の所なのです。今、山口先生に御指摘をいただいたことも非常に重要なポイントですが、どうですか。
○関原構成員
 私も素人なもので、気になったのは、認知症が非常に増えており、認知症のうち、大体半分ぐらいはアルツハイマーですから、この診断をPETを使ってやることになったら、これはものすごく医療費がかさむ話です。また一方で、国民の間では、PETというのは癌の診断というよりは、むしろがんの発見や転移を調べるため全身をPETで見ると認識されているわけですが、脳のある部分だけをチェックするために全身を見る機械をバンバン使うということに、私はちょっと抵抗があります。結局、PETを作り過ぎて、倒産するPETセンターも出ているわけです。安売りもしているわけです。だから、その辺も含めて考えた方が良いと思います。
○猿田座長
 やはり一番知りたいところで、今のこのやり方で本当にどれだけしっかりとした診断がつけられるかどうかというところが、この試験の一番重要なポイントと思います。
○関原構成員
 そうですね。この説明には、これは何か有用だと、補助療法としていますと、有用であると書いてあるわけです。なぜ有用だという何か理由は、例えばアメリカでこうやるとか何か書いてないと、ただ有用であるというその理屈が私は分からないのです、これ。
○猿田座長
 今までの検討方法に比べて、この形であると、かなり予想的には鮮明に出て、診断的なのであろうというので、本当にそうかどうかをやはり検討していただくことが重要です。
○関原構成員
 「とされています」と書いてあるので発言しました。
○猿田座長
 言葉上のですね。
○関原構成員
 それから、費用が7万5,000円で、本人の負担は2万3,000円で、正に健康保険を使っているような話なのです、これ。ちょうど3割があなたの負担だということで、これは先進医療が一種の混合治療と言いながら、実は負担は何か3割ですと書いてある辺りも、もう保険を前提にした話に近いものですから、医療費全体のことなどを含めて、何かこのまま走っていくのは怖いなという感じはしていたものですから。
○猿田座長
 ありがとうございました。
○保険局医療課専門官
 今の関原構成員の御指摘もあると思うのですが、恐らく先進医療会議のマターだと思うのですが、アリセプトは結構高いお薬でして、後発品でも1日薬価で、恐らく1錠で450円ぐらいするので、下手すると年10万円を超えるお薬ですので、これがもし不必要な方に入っていて切れるということであれば、ある程度価値はあるのかなとは思いますので、先進医療会議のほうで是非御議論をいただきたいと思っています。
○直江構成員
 このFDGで、これは頭しか撮らないですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 そうですね、本件はそのように理解しています。
○直江構成員
 なるほど、例えば、たまたまどこかのスライスで腫瘍が見つかるとか、そういうことは考えておかなくていいのかなと思ったのですが。例えば、せっかくやるのでしたら全身やってくれとかということになると、現場は混乱するのかなということもありますし、頭と言っても、この辺まで撮ると、頚部の何か腫瘍がたまたま何かホットにあたるとどうするのだと。
○医政局研究開発振興課専門官
 その辺りも一度照会してみたいと思います。
○猿田座長
 でも、一番ポイントは、アルツハイマーに対して本当にどれだけのあれが。
○直江構成員
 そうですね。
○猿田座長
 そこがどうしても非常に重要なので、これはやはりこの事例数でしっかりやってもらうことが大切で、皆さんも一番心配するところですので。ですから、こんな形で本当にいけるかどうかを確認してもらうことが重要です。
 この会議を通過した後、先進医療にも上げますから、そこでの保険問題、そのほか、その次の段階としてカウントしていただくということかと思いますが、どうですか。ほかに御意見ありますか。いただいた御意見はきっちり検討させていただいて、また施設に戻させていただきたいと思います。
 この治験の価値とすれば、私はポイントはそこがあるかなと考えていますが。診断をしっかりさせること。もしよろしければ、今の「条件付き」という形でよろしいでしょうか。1回戻させていただいて、今出た全問題にも御回答いただくということでどうでしょうか。ほかに御意見ありますか。大門先生、そのような形でいいですか。
○大門構成員
 よいと考えます。ここで頂戴したご意見を申請者にご検討いただきたいと思います。
○猿田座長
 もしほかに構成員の方で特に違った意見がなければ、一応、「条件付き」でこういう形で戻させていただくということでお認めいただけますか。
(異議なし)
○猿田座長
 それでは、そういう形にしたいと思います。どうもありがとうございました。時間を取ってしまいました。ありがとうございました。
 それでは、続いて、3つ目の技術の整理番号022について、これも事務局から御説明をよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料1-1、11ページを御覧ください。整理番号022「睡眠中発症及び発症時刻不明の脳梗塞患者に対する静注血栓溶解療法の有効性と安全性に関する臨床試験」です。適応症は睡眠中発症及び発症時刻不明の脳梗塞で、頭部MRI検査で発症から4.5時間以内の可能性が高いと推測され、頭蓋内出血の危険性が低い患者となっております。審査医療機関は国立循環器病研究センターです。審査担当構成員として、主担当が山中構成員、副担当として伊藤構成員、佐藤構成員となっております。
 資料1-13、47ページを御覧ください。本件についても、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件について、事務局より説明します。「1. 実施責任医師の要件」としては、脳血管内科、神経内科若しくは脳神経外科の資格が「要」とされています。資格は脳卒中の専門医の資格が「要」。当該診療科の経験年数は5年以上、当該技術の経験年数は2年以上、当該技術の経験症例数は「不要」ではありますが、発症4.5時間以内の脳効塞へのrt-PA静注療法治療件数は10例以上の経験を要するとされています。「2. 医療機関の要件」としては、診療科として脳血管内科、神経内科若しくは脳神経外科。実施診療科の医師数は3名以上、診療科の医師数として脳神経外科が2名以上を「要」としています。その他の医療従事者の配置として、薬剤師1名以上、当直体制は「要」、緊急実施体制も「要」、院内検査も「要」、他の医療機関との連携体制も「要」、24時間体制で緊急受入れが可能な連携が必要とされています。医療機関としての当該技術の実施症例数は「不要」ではありますが、発症4.5時間以内の脳梗塞へのrt-PA静注療法治療件数が10例以上必要。「3.その他の要件」として、 頻回の実績報告は「不要」ということです。以上です。
○猿田座長
 先ほどのアルツハイマーと前頭葉のところで、施設基準において放射線科と神経内科だったのですが、これに関しては精神神経科は要らないのですか。今、アルツハイマーだと精神神経科で扱っている所がかなりありますが、そこはどうなっているのでしょうか。これだけの施設でやるからいいということだけですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 神経内科でもいけるかもしれませんが、精神科も、又はとしてあったほうがよかったかもしれません。
○猿田座長
 入れておいたほうがいいと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
 35ページになるかと思いますが、その辺りも指摘させていただきます。
○猿田座長
 それでは、山中先生から包括的にお願いします。
○山中構成員
 現在の超急性期脳梗塞治療において、標準治療は静注血栓溶解療法です。ただし、この治療法は発症から治療開始までの経過時間が非常に重要で、発症から4.5時間以内に治療を始めなければいけません。この4.5時間を超えて治療をすると、二次的な頭蓋内出血のリスクが高くなるとされており、非常に重篤な問題が起こるということです。この治療体制において、正確な症状の発症時刻が分からない脳梗塞患者は、原則、この超急性期治療の対象とはなり得ません。
 ただ、困ったことに、睡眠から覚めて、本人ないし周囲の方が症状に気付く場合や、あるいは、日中、起きているときの発症なのだけれども、意識障害等のために本人が発症時刻を伝えられない場合等があります。こういった患者は、正確な症状の発症時刻が分からないわけですが、かなり多くて、脳梗塞患者の全体の約4分の1を占めるという過去の報告や、あるいは国立循環器病医療センターのデータでは全脳梗塞1,214例中502例、実に41%が該当しているということです。
 この患者集団に対して何らかの医療技術の開発が必要ですが、過去の研究から4.5時間以内の発症の可能性が高いことが分かっているので、こういった患者に対しても静中血栓溶解療法をやろうという趣旨の臨床試験です。ただし、先ほど申し上げたように、頭蓋内出血等のリスクがあるので、発症時刻を推定する手段として頭部MRI等の工夫をしながら、さらに4.5時間以降の可能性を高めるために、12時間以内が確実なことは要求して、できるだけ頭蓋内出血のリスクを抑えながら、静中血栓溶解療法を評価するという、300例のランダム化試験です。
 実施体制の評価を伊藤先生、倫理的な側面を佐藤先生に評価していただいていますので、構成員の先生方の評価をいただいてから、私からコメントをさせていただきます。
○猿田座長
 それでは、伊藤先生から実施体制等の評価をお願いします。
○伊藤構成員
 循環器病センターをはじめ、多くの施設でrt-PAの治療がされている所では、体制そのものは問題がないと思いました。ただ、先ほどからお話が出ているように、発症時間が長くなると、Favourable outcomeが余り良くない。少なくともこういった図を見る限り、発症から7時間を超えると逆転するのです。この来院から4.5時間の人たちの中に、発症から6時間や7時間の人が入らないかどうかは画像で確かめるからと言われると、それはそれでよいのかと思いますが、メリットが出るのか出ないのか分からないままに幅広く施行されるのは嫌だなと思います。研究ですので、不利益が出る可能性もある方にも御協力いただくことは、それはしょうがないのだろうと思いますが、こうした対象者には有効ではない、危ないと分かった段階でのストッピング・ルールみたいなものを厳格にするべきではないかと思いました。よく見るとそういう記載もあるので、ちゃんとされるであろうと期待をしておりますが、資料を見せていただいた立場からは、そこは厳格にしていただきたいと思います。
 海外の話ですが、海外で使われている量と国内で使われている量は多少違いがありますし、日本人と海外の方とでは出血のリスクが違うので、海外で動いているプロトコールに全部合わせなければいけないので、そのとおりにしましたという理由で、分かりましたと言っていいかどうかは、今日の回答等を見ても、どうしようかと思います。
○猿田座長
 また、のちほど議論したいと思います。佐藤先生の分は事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 佐藤構成員の事前照会として、資料1-10、41ページを御覧ください。「同意説明文書を平易な言葉で記載するように」とのコメントがありました。それに対して、資料1-12、45ページにおいて、佐藤構成員から意見書が提出されています。
 読み上げます。「説明文書には、当初、拡散強調画像やFLAIRといったMRIの撮影法が説明なく用いられていたが、簡単な説明が加えられました。他の療法についても説明されています。薬剤が無償提供されている旨、また、利益相反の対応についても言及されています。
 また、本件は発症時期が確定できない患者さんへのrt-PAの投与を内容とするもので、4.5時間以内であっても一定の副作用が認められるところですが、補償保険に加入しており、対応されております。患者相談の対応も取られております。
 以上のことから、倫理的には本件を認めることに差し支えはないと判断いたしました。
 これらを踏まえて、37ページですが、倫理的観点からの評価として4.と5.について「適」との御判断をいただきました。以上です。
○猿田座長
 それでは、総括的に山中先生からお願いします。
○山中構成員
 プロトコールの記載は比較的分かりやすいのですが、幾つか修正していただきたい所があります。例えば、主要評価項目として90日後の完全自立の程度を評価したModified Rankin Scaleを用いるわけですが、このModified Rankin Scaleの定義が書いてありません。この辺りは、専門家には当たり前のことなのだろうと思いますが、プロトコールは別に専門家だけが読むものではなくて、研究支援者やIRBも読むわけですから、基本的なことなので記載していただきたいと思います。
 この臨床試験は300例という非常に大きな試験なので評価できますが、先ほど伊藤先生がおっしゃったことにも関係しますが、対象集団のばらつきは大きいと思いますので、幾つか割付調整因子として含める工夫をされてはどうかと申し上げました。特に発症時刻の不明の理由は重要な因子ですが、先ほど申し上げたように睡眠時の発症なのか意識障害等なのかという理由の違いがあると思いますので、1群150例ですと、こういった理由が偏る可能性もあります。そういった因子を割付因子に加えてはどうかとコメントをしております。
 また、中間解析が必要ではないかということを尋ねていたのですが、これは別のホチキス止めの資料の4ページの7番に回答が書いてありますが、私から「中間解析は必要ないのでしょうか。実施の有無、及び実施しない場合はその理由を記載すること」と質問しましたが、回答として、「安全性評価基準案に書いたように、150例の登録が完了した時点での安全性の群間比較を行う」ということでした。ただ、プロトコールの中に記載が見当たらなくて、中間解析のプランは基本的なので、しっかり記載を求めたいと思います。
 一番注意すべきなのは頭蓋内出血だと思うのです。ただ、頭蓋内出欠という重篤な有害事象であれば、1例ごとに慎重に即座にIDMCで審議する体制が求められます。一方、150例の辞典ではいろいろな有害事象が起こると思いますが、150例ぐらい多くの症例が集まった所での安全性の群間比較を気にしているわけではなくて、有効性に関する無効中止を気にして、中間解析は必要ないのか?というコメントをしました。頭蓋内出血のリスクが高いなかで、無効中止、すなわち、プライマリーエンドポイントのModified Rankin Scaleに関して優越性を示せる見込みがないのであれば、それは直ちに試験をやめるべきと思いますので、そのことを気にして書いたのですが、有効性の中間解析についても検討していただけるようにお願いします。これがプロトコールの評価です。
 総評としては、本来rt-PAを受けるべき可能性がある患者群を同定しようとする意義のある試験だと考えます。対象集団がなかなか集積しにくいと思いますが、予定症例数300例という大きな集団でランダム化試験をやるので、この試験がもし優越性を示せれば、非常に意味のある試験だと思います。実施体制も国立循環器病研究センターがデータセンター等になっているので、非常に信頼できます。ただ、伊藤先生や私からのコメントに対して適切に答えていただけるようにお願いしますということで、条件付き適としました。以上です。
○猿田座長
 非常に大切な試験であるけれども、一番問題なのは、伊藤先生から御指摘いただいた時間の問題です。
 もう1つ、私が心配するのは、これだけの症例をやるために1,499の研究参加施設が出ているのです。これだけの施設が本当に統一を取ってやってくれればいいけれども、この辺りはよほど施設にしっかりやっていただくことです。例えば循環器病センターではIntensive careでもやっているので、すぐやることもできるけれども、対応が病院によってかなり違ってくると思うのです。その辺りを心配するのです。そこは厳重に注意して、この施設に関しては、向こうに任せ切りになるのですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 そうですね。やがて協力医療機関の追加として申請が上がってくるのだと思いますが、その際は先ほど御紹介した47ページの施設要件を確認して、それに問題がなければ、こちらで承認をいただきたいと思っております。
○猿田座長
 その辺りは、この試験は危険性もありますから。それでは、構成員の先生方から御意見等はありますか。
○関原構成員
 同意書ですが、1,507ページに「2. 予想される不利益」とあって、使用指針に応じて、4時間半以内では脳内出血の発生頻度は3.3~8.6%となっています。ところが、今回の発症時刻を特定できない患者の場合には、研究結果では3.6~6.3%となっているのです。むしろリスクは減っているというか、アンダーラインも引いてありますが、これはどういう意味なのでしょうか。これだけ見ると、不利益ではないように読めました。
○医政局研究開発振興課専門官
 これは既存の試験で得られた結果だと思いますので、実際想定される患者ではリスクがあるということは明言しなければいけないと思います。この記載についてはこれまでの結果がこうであったということが述べられているのだと思います。こういう試験は、ある程度軽症例が集まる可能性が多いので、このような乖離が起こっているのかもしれませんが、書かれている数値は過去の報告に基づいたものだと思います。同意説明のときは、このように書かれていますが、リスクがあることについては必ず説明していただくように、申請者にはお伝えしたいと思います。
○山中構成員
 今回は適用外使用です。米国でも発症から3時間以内、欧州でも4.5時間以内は適用内ですが、それ以降はリスクが高まるということで適用外になっています。同意書の数字に関しては分母の大きさにも依存すると思いますので、また4.5時間以降でも医師の判断によって、十分4.5時間以内に近いと思われれば投与しているかもしれません。Retrospectiveなデータなので、もう少し記載を充実したほうがいいかもしれません。
 確かにこれを見ると、おっしゃるとおり過去の報告からすると余りリスクが高くないように思われてしまうかもしれないので、この数字自体は事実と思いますが、ちゃんと研究の分母を、症例数がどれぐらいあって、そのうちの何%なのかということを書いていただいた方がいいと思います。
○関原構成員
 とにかく、これしか患者は見ないで、YESかNOとするわけですから。その上に利益のほうが、保険のことがこんなに長々書いてあるのですが、予想される利益は良くなる可能性があるということであって、それで終わったら保険が適用されるというのは、利益のところで書くような話ではないと思うのです。そもそも先進医療なのだから、良ければなるというのは、先進医療の説明として最初に書く話であって、ここにメリットだと書くのもどういうことかという気がしました。
○保険局医療課専門官
 確認ですが、タブレットの1,270ページですが、今回、数例の実績なし、0件で先進医療にエントリーされるということで、早期探索の国立循環器病センターで実施されるということですが、ルール上は数例やった後、1回ここで効果を確認してから更に続けることになっていたと思うのです。1,270ページを見ると、数例やって評価を行うのですが、並行して症例の登録を続けると書いてあるので、ここの確認で、一旦見知る限り大丈夫だと、大きな脳内出血が起きないことを一旦確認するということでよろしいですね、という確認です。
○猿田座長
 先進医療のこういう拠点においては、かなり条件を変えてくるということでしたが、いかがですか。
○医政局研究開発振興課専門官
 この点は、是非皆さんが御審議いただきたいと思います。我々は、事前相談のときに申請者らと相談して、こういう先進医療のルールがあって、しっかり安全性が担保された状況で実施していただきたいというコメントをしたときに、本試験に参加される患者は、従来やっている4.5時間以内、保険適用の患者が圧倒的に多いということもあったので、次の症例が、例えば実際は投与群に2例の症例があった時点で安全性評価をするという形にしていただいたのですが、その時点で審議は1~2か月かかると思いますが、その間に患者が来られたときの状況については、国立循環器病センターにおいては実施体制が確立していると判断して、申請者の御意見を聞いて、これでよいのではないかと記載をいただきました。その辺りをこの場で御議論いただければと思います。
○保険局医療課専門官
 技術としてそうだというのはあるかもしれませんが、1回決めたルールについて、そのルールを変えるという議論をしないまま、今回はいいよね、ということは難しいと思います。今のルール上読めることなのかどうかが大事だと思います。
○山中構成員
 ルール上読めないのですか?
○保険局医療課専門官
 一旦、2例やった後にここで安全性を評価して、続けるかどうかを決める形になっていたはずです。
○山中構成員
 拡大するかどうかは、多分ここの会議で諮られると思いますが、今回2例やって、独立データモニタリング委員会で議論をして、そのまま他施設にExpandさせるかどうかは、今のルールから読めると理解していたのですが。
○保険局医療課専門官
 そういうことです。これは効果安全委員会に諮るけれども、症例の登録を継続するということで、要するに安全性評価をしながら4例目、5例目、6例目と症例が積み重なっていくように読めるのですが、そうではないということですね。一旦、評価をするということですね。

○医政局研究開発振興課専門官
 この辺りは、資料の182ページに数例の実績を多施設に拡大する際に決めた事項、皆さんに御承認いただいた事項が書いてあります。「5. 先進医療の継続の可否の評価に必要な症例に達した際の報告」。申請医療機関は、先進医療において4.で定めた症例数まで実施し、その結果について独立データモニタリング委員会等で審議した後、先進医療技術審査部会に報告する、という記載になっています。そのとおりにしていただくのですが、その間に患者の登録を決めるか否かということでよろしいですね。
○保険局医療課専門官
 資料4の一番最後のページですが、数例やって、それを評価して継続するかどうかを決めるということなので、その間症例の登録を先進医療会議の議論を待つ間ずっと続けるというのは、この規定からは読めないと考えております。
○猿田座長
 その判断は難しいところですが、ほかに御意見はありますか。その辺りは明確にしておかなければいけませんね。
○医政局研究開発振興課専門官
 読めないか読めるかについては事務局で。
○保険局医療専門官
 1回預らせていただきます。
○猿田座長
 私たちは言われたとおりしっかりやりますから。
○保険局医療課専門官
 そうですね、おっしゃるとおりだと思います。
○医政局研究開発振興課専門官
 もし読めるということになればこのままのプロトコールで、読めないということであればプロトコールを変更していただくと。
○猿田座長
 みんなが分かるようにしっかりしていただかないと、混乱しますから、その点だけよろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 整理させていただきます。
○猿田座長
 ほかに、どなたか御意見はありますか。そうすると、3番に関しても、今、山中先生にまとめていただいたような形で戻させていただき、「条件付き適」という形でお認めいただけますでしょうか。
 それではそういう形で、ただし、先ほど申し上げたように、施設に関しては、増やしていくときは厳重に注意していただくと。特にこういう場合は恐いので、よろしくお願いします。「条件付き適」とさせていただきます。
○山中構成員
 評価とは別に、1点コメントさせていただきます。先ほど御指摘があったように、国立循環器病センターが実績0例ですが、「早期・探索的臨床試験拠点病院」ということで申請ができて、試験が行われます。現在、参加施設として決まっているのが川崎医大です。川崎医大では、既に20例、この医療技術が行われています。今後、約30ぐらいの施設が、これから声を掛けるのだと思いますが、Waitingしています。それが今の参加施設の概要です。
 今回、早期探索的臨床試験拠点病院が申請を行いますが、使用実績が0例なので、まずは国立循環器病センターから始めて、何例か登録した後に川崎医大やその他の病院にExpandすることになります。
 一方で、もし仮に20例の実績を持つ川崎医大が申請をしたとすれば、国立循環器病センターも含めていきなり多施設でできることになります。PIが変わっただけでそういう事態になってしまうのはおかしいのではないかという気はするのです。今のルール上、それは仕方ないのかもしれませんが、PIを変えただけでそういう事態になってしまうのはいかがなものかと思いますのでコメントしました。以上です。
○猿田座長
 実は、先生も御存じのとおり、川崎医大は救急の一番のセンターで、患者が集まるのです。岡山大ではなく、川崎医大に多く集まるようになっていて、そういう形で症例がどんどん増えています。あの施設は私も見に行きましたが、非常にしっかりした所でした。ですから、たまたま症例がそれだけ出ていたのはそういうことかと思いますが、今、山中先生がおっしゃったことは確かに大切なことなので、そこも戻したいと思います。ほかに御意見はありますか。
 それでは、今の山中先生のコメントも加えて、「条件付き適」ということで、今の部分は提出の施設に戻していただくことにいたします。
 次に、資料2「報告事項」について、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料2、49ページを御覧ください。本年12月5日に開催された先進医療会議において、先進医療技術審査部会で御審議いただいた3つの案件について先進医療会議でも審査され、いずれの案件も「適」との御判断を頂いております。告示手続を経て先進医療が開始されることを御報告します。
○猿田座長
 どなたか御意見はありますか。よろしいですか。
 特に御意見がないようなので、資料3について説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料3、141ページを御覧ください。「厚生労働大臣の定める先進医療及び施設基準の制定等に伴う実施上の留意事項及び先進医療に係る届出等の取扱いについて」の一部改正について、いわゆる先進医療通知の一部改正についてです。これは先ほどと同様に12月5日に先進医療において議論がなされ、了承されております。
 159ページの点線で囲んで記載している部分、「医療上必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、医療上の必要性が高いとされた抗がん剤を用いる先進医療Bに係る新規技術の審査等という所で、新たに新規のセクションを設け、(1)考え方、(2)実施できる保険医療機関、(3)その他を記載し、先進医療会議で御審議いただき、御承認いただきました。
 また、162ページの下線部分、「また、今般、日本再興戦略で先進医療技術の評価の迅速化・効率化を図ることを目的として、平成25年11月29日に通知を発出し、今後は、これに基づいて審査を行うこととする」ということで、下線部分を変更し、それを審議され、了承されております。以上です。
○猿田座長
 ただいまの説明について、御意見等はありますか。よろしいでしょうか。
 特に御意見がないようなので、これもお認めいただいたということにいたします。資料4をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 資料4、169ページを御覧ください。「先進医療評価委員会」開催要綱です。先進医療評価委員会というのは、がん治療に高度の知見を有する外部評価機関が事務局を担う委員会ですが、厚生労働省の委託を受け、先進医療技術の評価の迅速化・効率化を図ることを目的として、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において医療上の必要性が高いとされた抗がん剤の技術的妥当性・試験実施計画等の審査を行い、先進医療会議に報告することを目的として開催されます。いわゆる先進医療Bで取り扱っていたもののうち、未承認薬検討会議で有用とされた抗がん剤は、こちらの外部評価機関に事務局を設置して御審議いただこうということに関する開催要綱です。これについても、おおむね先進医療技術審査部会の開催要綱に準じているので、詳細は御自身で御確認をいただければと思います。
 173ページが「先進医療評価委員会」運営細則です。これも御一読いただければと思います。
 175ページに「先進医療評価委員会構成員名簿」を示しております。この体制で進めていきたいと思います。以上です。
○猿田座長
 この先進医療技術審査部会から6名の方が入っていらっしゃいます。今の御説明について、何か御意見はありますか。委員の先生方には、いろいろ大変と思いますが、よろしくお願いいたします。
 それでは、資料4に関してもお認めいただいたということにいたします。ありがとうございました。
 これで本日の議題は全部終了しました。これからの予定について説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官
 次回の日程ですが、1月の開催は24日(金)16時半から18時半とします。場所については別途御連絡いたします。本日の議事録については、作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後公開させていただきますので、併せてよろしくお願いいたします。
○猿田座長
 先生方から最後に何か御意見等はありますか。特に御意見がなければ、これで第12回先進医療技術審査部会を終わります。御協力ありがとうございました。

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