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2013年12月16日 第4回社会福祉法人の在り方等に関する検討会 議事録

社会・援護局福祉基盤課

○日時

平成25年12月16日(月)15:30〜17:30


○場所

中央合同庁舎第5号館22階専用第14会議室


○出席者

浦野構成員 雄谷構成員 高橋構成員 田島構成員 田中構成員 (座長)
千葉構成員 対馬構成員 西元構成員 藤井構成員 松原構成員
松山構成員 宮田構成員 森構成員 (全員出席)

○議題

社会福祉法人の大規模化・協働化等について

○議事

○田中座長 それでは、ほぼ定刻となりました。ただいまから第4回「社会福祉法人の在り方等に関する検討会」を開催いたします。

 皆様方におかれましては大変お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

 本日は委員全員出席でございます。

 では、早速議事に入ります。

 カメラの方はここまでとさせていただきます。

(報道関係者退室)

 本日の議題は「社会福祉法人の大規模化・協働化等について」です。

 初めに事務局から資料の説明をお願いします。

○正野補佐 それでは、まずお配りしている資料の確認をさせていただきます。

 本日の資料は、「社会福祉法人の大規模化・協働化等について」という資料と、「第1回検討会における松山構成員からの照会事項について」という2つの資料になっておりますが、皆様、お手元に資料はございますでしょうか。

 それでは、事務局の説明から始めさせていただきます。

 まず私から「社会福祉法人の大規模化・協働化等について」という資料について御説明させていただきますので、こちらの資料をめくりながらお聞きいただければと思います。

 3ページをご覧ください。この資料は社会福祉法人経営の特徴について簡単にまとめた資料でございます。従来型の社会福祉法人経営のモデルは、手厚い施設整備補助金であるとか、一法人一施設といった指導であるとか、措置費による経営を前提にしておりまして、結果としてそれが施設管理中心の経営、零細な事業規模、再生産・拡大生産費用は基本的に補助金と寄附金、サービスとしても画一的といった特徴があったとされています。

 それが昨今では社会福祉法人を取り巻く状況が大きく変化しており、介護保険法、障害者総合支援法の施行によりまして、利用者のサービス選択が自由となり、多様な福祉ニーズが出てきた、さらにその経営主体も株式会社、NPO等の多様な主体が入ってきた、さらにそこに三位一体改革などの補助金改革によって、補助金・負担金の減少、地方への税源移譲があり、今までの施設単位の経営ではなく、法人単位の経営の必要性が出てきている状況でございます。

 4ページと5ページの2ページは、社会福祉法人の規模観について、きちんとした統計ではないのですが、手元にある資料で規模観が見られないかということで2つの指標でお示ししたものになります。

 まず4ページですけれども、事業区域から見た規模観ということで、社会福祉法人は、法人の事業区域によって所轄庁が変わってまいります。その所轄庁で社会福祉法人の規模を俯瞰して見ると、1〜3にありますように一般市の区域内、中核市の区域内、指定都市の区域内、この3つの市域にとどまっているものが全体の7割といった状況でございます。それ以外に都道府県の区域内である場合は都道府県が所轄庁、2以上の都道府県の区域にわたる場合には国となるのですけれども、全体的には市域の中で活動している法人がほとんどになっております。

 ■の2つ目のところですけれども、全国社会福祉法人経営者協議会の調査では、会員法人6,873法人のうち約半数の3,469法人が単数施設経営法人となっておりまして、市域の中で、かつ単数施設の経営法人が多数を占めているのが全体としての概況ではないかと受けとめております。

 5ページは、職員数から社会福祉法人の規模観を見られないかと考えて分析した資料でございます。なかなか統計がないもので、全国1万9,810法人のうち、施設経営をしている法人が1万7,346法人、退職手当共済制度に加入している法人が全体で1万6,678法人ありますので、この退職手当共済制度に加入している法人で1法人当たりどれくらいの加入職員数があるかというのを法人規模別に見たのがこの棒グラフになります。注意を要したいのは、必ずしも加入職員数イコール従業員数ではない、要するに退職手当共済制度ではない退職金共済をかけている場合もございますので、これだけで正確な規模観を示しているわけではないのですが、そういった点に留意した上で見てみますと、大体30人未満の加入員の規模である法人が非常に多くなっております。中小企業の目安である100人以下であるかどうかというところで見ると、約9割が100人以下の加入員ですので、やはり比較的規模の小さい法人がまだ多いと考えられます。

 6ページになりますが、こちらは法人の規模の差に着目して特徴と留意点を事務局のほうで検討してまとめた資料でございます。大規模というのは、イメージとしては複数のエリアで活動している法人ですとか、複数事業を展開している法人、小規模というのは、単一エリアで活動していたり、単一事業を実施している、少人数の事業をやっている法人というイメージです。

 まず特徴について確認しますと、大規模法人になると福祉ニーズに対応した柔軟な事業展開ができる、法人内の資金の融通が可能、また広範な人事異動が可能であり、職員のキャリア形成に寄与でき、定期的な人材募集も可能になる、そして法人本部と施設の役割分担がおのずとでき、さらに統括部門も専門化される、業務効率化が図られるというのが大規模の特徴ではないかと考えられます。

 一方で、小規模の特徴ですけれども、小規模法人ですと、意思決定が迅速である、地域に特化したサービスをきめ細かく提供することが可能である、法人全体の一体感が醸成されやすいといったことがあるのではないかと考えられます。

 このような特徴と裏表の関係になるのですが、留意点を見ていきますと、大規模の留意点は、意思決定に一定の時間を要する場合があること、組織が大きくなるほど法人本部の組織の機能を動かすためのシステムが求められること、ガバナンスがしっかりしていないと施設ごとの縦割りが起きるケースもあること、権限委譲が十分されていないと、小規模でできたような地域の固有のニーズにきめ細かく対応することは難しくなる可能性があること、事業が提供するサービスの統一的管理が必要になってくるといったことがあるのではないかと考えられます。

 続いて、小規模の留意点ですが、サービスを多様に展開するときに制約があること、人事異動の幅が限られますので、職員のキャリア形成に限界が出てくること、定期的な人材募集が難しくなること、経営組織の牽制機能が働かないと理事長の専横が起きる可能性もあること、法人本部と事業所に境がなくなって法人としての意識が希薄になる傾向があることがあるのではないかと考えられます。

 次に7ページに参ります。7ページから9ページは、大規模化、協働化に関するこれまでの議論について資料をまとめています。

 まず7ページですが、社会福祉基礎構造改革の中間まとめにおいて法人の大規模化についてどういった提言があったかということですが、ここでも法人単位での経営を可能にする条件を整備する必要があるとか、会計間の資金移動を弾力化する必要がある、また一法人一施設では経営基盤が脆弱でありますので、法人経営基盤の拡大を可能にする方策をとる必要がある、また法人の自律性を高めることによって多角的な事業の展開を可能とする必要があるということが既に提言されています。

 8ページは、平成10年から12年の改革で言われたことの一連の資料ですが、法人運営の強化のイメージとして、理事会や評議員会の役割分担をしっかりした上で、代表権の分掌とかをして法人本部の機能充実が必要だということや、法人本部の企画立案機能の強化が必要ですので、法人会計を導入・活用するとともに財源・スタッフの確保をして法人本部を強化しようということが、このときからイメージされています。機能を強化した上で各施設について事業計画をしっかり作って運営の体制づくりをしようということが12年段階からの法人本部機能の強化のイメージとしてございました。

 次に9ページに参りまして、平成18年の社会福祉法人経営研究会の取りまとめですが、この中でも、経営を効率化し安定化するためには法人トータルの採算をとっていくことが不可欠である、一法人一施設を基礎とした規模ではなく、複数の施設事業を運営する多角的経営を行うための規模の拡大といった方策を見出すことが必要である、このことは地域ニーズに柔軟な事業展開を行うことだけでなくて、職員に多様なキャリアアップの機会を与えて、一生涯働ける職場とすることにもつながるとされています。ただし、下の2つの○では小規模法人についても触れておりまして、小規模法人が経営上の弱みを克服する方策として、法人同士が連携・共同し、研修や調達等で協業化を行うことによって経営の効率やサービスの向上を図るというやり方もあるのではないかということが、18年の提言の中にも記載されています。

10ページに参ります。これまでの検討会でも何度か出てきていますけれども、平成25年、今年の閣議決定においても規模の拡大が言われておりまして、まず日本再興戦略の中では、法人規模拡大の推進と経営の高度化といったことが提言されております。また、社会保障制度改革国民会議報告書においても、社会福祉法人制度について、機能の分化・連携の推進に資するような、例えばホールディングカンパニーの枠組みのような法人間の合併や権利の移転等を検討することが必要である、特に社会福祉法人については経営の合理化、近代化が必要で、大規模化や複数法人の連携を推進していく必要があるといったことが閣議決定においても記されているところです。

1112ページですけれども、こちらは第2回の検討会資料として1度お出ししているものなのですが、実際に社会福祉法人の中でも現在の仕組みの中で協働化の取り組みを始めている法人もありまして、11ページは京都府の社会福祉法人端山園が中心となって、複数の社会福祉法人が連携して、共同でスーパーバイザーを確保して人材育成を図ったという事例です。12ページは、大阪府社会福祉協議会が会員の社会福祉法人と連携して、生活困窮家庭の相談事業を行ったものです。現場でも先進的な法人から取り組みが進められています。

13ページに参ります。社会福祉法人の規模拡大に向けた選択肢ということで、今まで大規模化、協働化といったものを見てきたのですけれども、規模を拡大するとした場合、その法人自身が拡大していくということを考えた場合には、法人が多角的経営を行うための本部機能の強化が必要ではないか、また実際に組織を大きくするためにはこれまでも取り組んでは参りましたけれども、合併・事業譲渡をやりやすいようにする必要があるのではないかということがあると思います。こうした法人自体が大きくなるもの以外の方法、比較的小規模な法人が規模拡大と同じような効果をもたらす一つのやり方としては複数法人による協働化といった方法もあるのではないかと考えております。

 ここで留意点ですが、平成12年の社会福祉基礎構造改革において、小規模通所授産施設やホームヘルプ事業については社会福祉法人の設立のための資産要件を大幅に引き下げておりますので、議論に当たっては、こうして小さい規模の社会福祉法人の設立を前提として改革したこともあることに注意しながら規模拡大ということを考えていかなければならないと思います。

14ページは、社会福祉法人の設立のための資産要件について表にしたものです。簡潔に御説明しますと、施設を経営する法人については資産要件として、基本的に事業を行うための物件、土地・建物の所有権を有しているということがその要件となります。在宅のみを実施する法人については原則1億円の資産が基本財産として必要であるという要件になっています。小規模通所授産施設とかホームヘルプ事業については、先ほど出てきましたように1億円から1,000万円ということで、平成12年の見直しの中で引き下げられているといった事情があります。社会福祉協議会、共同募金会、社会福祉事業団については、施設経営法人と少し異なるものですので御参考ですけれども、これらについては基本的に300万円以上の基本財産という要件がございます。社会福祉事業団につきましては都道府県、指定都市でそれぞれ1,000万円、500万円の出資といった形で設立要件が異なっています。

15ページに参ります。15ページからは、先ほどの本部機能の強化、合併・事業譲渡、協働化ということで、お示しした3つ選択肢に沿って具体的な御提案として資料を用意しております。まず本部機能の強化ですけれども、社会福祉法人の本部が、各事業の剰余金ですとか、その他の独自財源、人事権を用いることで不採算部門への充当や新規事業の立ち上げなどを行うことによって多角的事業展開ができるのではないかということで、イメージ図を作成しております。先ほど平成12年の検討会で理事会、評議員会の役割分担をして、企画立案機能と事業計画に沿った事業実施で展開していくというところまで行ったのですけれども、さらにそこから踏み込んで各事業に入ってくる資金を1度法人本部に集めて、法人本部のほうでそれぞれの複数事業に配分する、場合によっては新しい事業を起こす資金としてそれを使うというようなお金の流れをつくることによって法人本部機能の強化ができるのではないかと考えられます。

16ページは、社会福祉法人のサービス提供機能や専門性の強化のために、現在も合併・事業譲渡がありますが、法人単位で機能強化していくためにはどんな方法があるかという観点で資料を作成させていただいております。

 現在の合併と事業譲渡は、どちらも合併契約や事業譲渡契約を結んだ上で定款の作成・変更をして、所轄庁の認可申請を経て合併や事業譲渡ができることになっております。ただし、合併については平成24年度17件、23年度11件、22年度38件ということで、全国2万法人あることを踏まえますと、件数としては非常に少ない状況にございます。

 次に17ページに参ります。17ページからの3ページは複数法人の協働化のやり方としては3つ方法があるのではないかということで、それぞれパターンを作成しています。

 まず17ページですけれども、資金関係で協働化をするというのであれば、複数の社会福祉法人が受託法人である社会福祉法人に出損、お金を出したり、人の派遣をすることによって、研修・人材育成の事業であったり、その他地域におけるサービス展開に有益な協働事業を行ってそれぞれの法人に寄与する。場合によっては生活困窮対策もやっていくといった形が考えられるのではないかというものです。

18ページは、お金ではなく、今度は人に着目しまして、役職員の人事交流をすることによって異なる社会福祉法人間で事業の共同実施や連携の強化、あとはキャリアパスの構築に寄与できるのではないかという提案をさせていただいている資料です。例えば理事であったらこの図ですとC理事とF理事がそれぞれの法人の理事になることによって、法人同士の理念の共通化や、役割分担をしながらしっかり連携をしていけるようになるのではないかというものです。また、職員のレベルでも人事交流することによってお互いの法人経営とか仕事の仕方を共有していくことができるのではないかと考えられます。

 次は19ページに進みます。社団的な連携というもので、新しい話なのですが、例えば非営利性の高い複数の法人、社会福祉法人以外の法人を含んだものが、現行の制度にはありませんが、社団型社会福祉法人の社員となることによって社会福祉事業の展開や地域貢献の実施のための連携・協働をするといった仕組みは考えられないかということで御提案させていただきます。

 ここまでのまとまりが大規模化・協働化についての資料になります。2つ目のまとまりとして、協働化や本部機能の強化といったことに関しましては、資金の話が重要でございますので、資金調達に関する資料を用意しています。続けて御説明させていただきます。

21ページですけれども、社会福祉法人の事業に関しては、大きく分けて施設建設のときの費用と通常のサービスの運営についての費用がかかることになるのですが、施設建設に関してはかつては国・都道府県による公的補助で4分の3を賄って、残り4分の1は自己負担、この自己負担については独立行政法人福祉医療機構の融資があるという形になっていたのですが、冒頭にもお話ししましたように、三位一体改革などの補助金改革によって4分の3補助という固定的な概念は既になくなっております。福祉医療機構の融資については今でも長期固定低利の政策融資として限度額はありますが、実施されております。

 サービス実施にかかる費用については基本的に運営費として介護や障害の分野であれば介護報酬や自立支援給付費、その他の措置施設や保育所であれば措置費、保育所運営費、またそれ以外にも各種事業によって補助金といった形で運営費として支弁されております。また、先ほどの福祉医療機構において施設建設以外にも経営支援という形で経営資金の融資を行っております。

 その他の財源ということになると、各法人で寄附を集めたり、また民間金融機関からの融資を受けたり、最近ですと有料老人ホームとかにつきましてヘルスケアリートを活用するといった資金調達の方法が考えられます。

22ページは、先ほどの報酬や運営費等、サービスの対価として受け取った費用を社会福祉法人内部でどのように取扱うことができるかという資料でございます。法人内の社会福祉事業というところにそれぞれ介護報酬、自立支援給付費、保育所運営費、措置費とあるのですが、基本的に法人内では上限がある部分もありますけれども、かなり融通ができるようになっております。ただし、先ほど協働化の方法で御提案させていただきましたような法人外にお金を出すことについては、今のところどの剰余金についても外に出すことはできないといった制約があります。

 この後の23ページから25ページにつきましては、22ページの資料の根拠になる通知などを示した資料ですので、説明は割愛させていただきます。

26ページは、独立行政法人福祉医療機構の政策融資の資料になります。福祉医療機構においては福祉貸付という中でさまざまな名目で融資を行っておりまして、基本的に社会福祉施設については、規模が零細である、低収益構造である、入所施設もあり、担保処分が難しいといった事情を踏まえ、政策融資としてこうした融資が行われております。

2728ページは寄附金の扱いについて作成した資料です。寄附金については基本的に受け取る側の社会福祉法人は法人税や事業税が非課税になっており、寄附をする側の方に寄附税制という形でインセンティブが働くようになっています。社会福祉法人につきましては、例えば国税ですと、指定寄附金や特定公益増進法人に該当し、所得税の所得控除や、法人税の損金算入といったインセンティブを受けられることになっております。

 また28ページですが、個人が社会福祉法人に寄附を行った場合については、先ほど所得税に所得控除があると御説明しましたけれども、一定の要件を満たした社会福祉法人、具体的には、要件1の認定NPOの認定要件であるパブリックサービステストと同等の要件である、寄附金額が年3,000円以上の寄附者が年間100人以上いるか、または総収入金額に占める寄附金の割合が5分の1を占めること、または要件2の認定NPOの認定要件と同程度の情報公開要件、事業報告書、役員名簿、定款等の閲覧、これらのいずれかの要件を満たしている法人に対して寄附をした場合には、所得控除ではなく税額控除も選ぶことができるといった制度になっております。社会福祉法人については、全体1万9,810法人のうち、税額控除対象法人が472法人となっております。

29ページは、今回の大規模化・協働化に係る論点を最後にまとめたものです。

 1つ目としては、社会福祉法人の大規模化、多角経営、合併・事業譲渡や協働化についてどのように考えるかということ。

 2つ目として、社会福祉法人の本部機能強化のためにどのような方策があるか。どのような経営組織が必要か。また環境整備としてどんなことが必要かということ。

 3番目として、社会福祉法人の合併・事業譲渡が進むためにはどんな方策があるか。そのための環境整備はどういったことが必要か。留意点としてどんなことがあるか。

 4番目として、社会福祉法人の協働化が幅広く行われるようにするにはどのような方策があるか。個別の論点としてはどんな取組をすることが考えられるかどうか、また、それを実施する体制としてどんな仕組みが必要かということ。また、それをやるために障害となることがあるのかどうかや、幅広く実施されるようにするためにはどんな整備が必要かということ。

 最後に5番目として、資金調達についても今回資料を用意させていただきましたので、資金調達の多様化についてどのように考えるか、こうしたことについて、御意見をいただければと思います。

 最初の資料の説明については以上になります。続けてお願いします。

○前田専門官 引き続きまして、第1回目の検討会の際に松山構成員より御照会のありました件につきまして報告のペーパーをお手元に両面刷りで2枚になりますけれども、御用意させていただいております。

 まず福祉サービス関係に提供するために要する費用の取り扱いでございますけれども、1ページ1つめの四角にも書いてございますとおり、地方公共団体、社会福祉法人、営利法人などといったさまざまな運営主体がございまして、それぞれ運営主体に使途を限定しているものではなく、当該運営主体が運営する事業所が対象となっているということにつきましてまず御留意をいただきたいと思います。その上でそれぞれ交付される費用でございますが、2つめの四角にある1〜4のとおり4つのカテゴリーがございます。

 1つはサービス利用者もしくは事業所でサービス提供に従事する職員の方々の費用といった目的を特定した上で行う福祉サービスの対価として交付されるいわゆる運営費と呼ばれる国庫補助金等がございまして、介護給付費等負担金などを含めて平成23年度の決算ベースですと約3兆円ございます。

 2つ目としましては、福祉サービスを提供するための事業所などの施設の修繕などに交付されるいわゆる施設整備費と呼ばれるものでございます。これが国庫補助金等で同じく平成23年度の決算ベースで約190億円ほどございます。

 3つ目でございますが、一方で国庫補助金等の中には地方公共団体が行います各種施策としてまちづくり的な要素も含んだような形態であったり、もしくは支出する地方公共団体が柔軟な交付ができるようにということでメニュー化したような予算も包含されているものであります。主な例としてそちらに書いてありますとおり、障害関係であれば例えば地域生活支援事業費補助金、もしくは整備費の関係でいきますと地域介護・福祉空間整備費交付金、もしくは子育て支援対策臨時特例交付金などなどがございます。

 それ以外として、地方自治体の御判断によって独自の財源などを活用しながら単独で行うような補助も存在しているという状況でございます。今回集計しました内訳につきましては2ページ〜4ページにかけて参考として掲載しておりますので、後ほどご覧いただければと思います。

 以上であります。

○田中座長 ありがとうございました。

 ただいま説明のあった内容について質疑を行っていきます。2つに分かれていて、社会福祉法人の大規模化・協働化と資金調達の話がありました。両者は重なるので完全に分離することは難しいかと思いますが、まずは前半の大規模化・協働化について御意見、御質問があればお願いします。

 その前に、松山構成員、これはよろしゅうございますか。

○松山構成員 ありがとうございました。

○田中座長 では、大規模化・協働化について御意見、御質問のある方はよろしくお願いします。いつもそうですけれども、せっかくいらしたから1人一言は言って帰るという感じでまいりましょうか。どなたでもどうぞ。

 お願いします。

○田島構成員 まず5ページの退職手当共済の人数ですが、退職手当共済に加入していない施設だけでなくて、常勤でない職員、期限つきの職員は退職共済に加入しないので、特別養護老人ホーム等でいいますと大体40%くらいでしょうか。全労働者の非常勤率よりもやや高い非常勤職員率ですから、0.4で割り戻したくらいの数字が妥当な数字ではないかなと。ですから、1〜9というのはもうちょっと減って、グラフを少し右へずらして御理解いただいたほうが、読み取ったほうがいいのかなと思って拝見しておりました。

 それから、大規模化、大きくなればいいというように単純には思いませんけれども、しかし5ページのグラフを右へずらしたとしても、やはり10人、20人、30人という規模の法人が大変多い。社会福祉事業の場合は1人1,000万は稼ぎませんので、1億、2億円くらいの収入規模があるわけで、ここでは仮に5%収益差があったとしても、それで法人本部の機能を維持できるわけにはならないだろうと思っています。東京都の検討会で東京都に詳細な調査をしていただいたことがあるのですが、本部がありますかと聞きますと、7割くらいの法人がありますと答えるのですが、どうもよく聞いてみるとそれは本部会計があるというのを本部があると言っているのであって、本部機能がない法人がほとんどではないかなと思っています。この委員会に加わってから私どもの専門職大学院のゼミに現役で働いている経営層がたくさんいるものですから聞いてみましたけれども、やはり収入規模が3億とか5億くらいですと、施設長等を兼任して常務理事などで経営も全体を見るように心がけていますという感じでございます。14億、15億円くらいの規模の法人になると、施設長兼任の理事もいるけれども、私は常務理事で施設長から離れて全体を見る視点でかかわることができているという実例を聞いてまいりましたので、それなりの規模が必要なのではないかなと思っております。

 たくさん申し上げて申しわけないのですが、もう一つは相変わらず厳しい地方自治体の御指導がございまして、何でこんなことまで言うのかなという指導があるようでございます。社会福祉法人の理事の相乗り等についていろいろ言われたとか、甚だしいのは訪問介護事業所の指導に来て生活介護が多過ぎると。なぜそんなことを言うのかよくわからないのですが、社会福祉法人ならば身体介護をもっとたくさんやれと叫んでいったとか、どうも理屈がわからないことをいろいろおっしゃっているようでございます。それは地域の実情に応じて生活介護も身体介護と同じように重要な介護だと私は思っています。

 もう一つは、社会福祉事業については自分で持っている土地・建物でやれという指導が余りにも強烈に行き渡っておりまして、例えばケアハウス等については営利企業さんであると借地・借家でもできるけれども社会福祉法人はできないとか、例えばサービス付き高齢者住宅に取り組もうとしても恐らく全部自己所有でないとやらせないという御指導がそれぞれの地方自治体で行われるのであろうと。一方では尻尾を踏んづけておいて、もっと自由闊達に地域のニーズに合わせてやれというのはちょっと無理があるので、こういうところで少し御紹介をして自由にできるような環境もつくっていただかないと、どうもここでの議論が上滑りしてしまうのではないかなと思います。愚痴のような話で申しわけありませんが、そんなことを申し上げたいと思います。

○田中座長 5ページの見方、ある程度のクリティカルマスがあるのではないかとの御指摘、自治体の指導が問題の場合があり得るという3つ言っていただきましてありがとうございます。

 森構成員、お願いします。

○森構成員 どちらかというと今までいわゆる人材育成は、例えば処遇改善交付金でもケアをする人たちに対して1万5,000円かさ上げするとかいろいろな話、そういうことによって人材育成あるいは研修をしていくことが中心だったと思います。しかし、今回社会福祉法人の大規模化とか協働化を考えた場合には、やはり中間管理職というのですか、実務と経理を含めた中枢でやられる方たちの養成をしていかないと、組織はある面では事業規模が大きくなっていくけれども、そこに特にマネジメントができる人材がなかなか育っていないというのですか、そうすると一番心配なのは結局理事会の意思決定にいろいろな意味で影響を及ぼしてくる。そういうことから考えたら、8ページの法人本部の「企画立案機能の強化」は、実は田中座長たちがおやりになった研究会のところでもそういうことをうたっておられたと思います。やはりこういう企画立案ができるスタッフの養成を早急にしていかないと、組織だけ大きくなっていってもそこをマネジメントできる人がいなければ理事会自体が機能しなくなってくるという感じを私は持ちましたので、その辺の人材育成も重要な柱ではないかと思います。

○田中座長 最高経営幹部だけでなく、中間で企画立案、マネジメントに係る人材の養成が欠かせないと言っていただきました。ありがとうございます。

 千葉構成員、どうぞ。

○千葉構成員 私も今の話に関連するところで申し上げますと、先ほど田島構成員がおっしゃった退職手当共済の職員分布ということで、これは私どもの福祉医療機構で実施している事業のデータなのですけれども、おっしゃるように全部ではない。被共済職員数を集計していますので、そこのバイアスがあるだろうと思います。我々は別に貸付事業で事業者の状況をつかんだり、いろいろ聞いたりしているのですが、あくまで感覚的な数字なのですけれども、大体こちらに書いてある5ページのところでいうと、2つ目の※、真ん中あたりに、中小企業基本法では従業員100人以下または資本金5,000万と書いてありますが、これで仮に切ってみた感じで、つかみの数字でアバウトに申し上げますと、職員数でいうと100人を下回っている法人が大体7割くらいです。一方、社会福祉法人の場合は資本金という概念はないですが、似たようなものとして元入金である基本金を考えますと、基本金規模別で見ると5,000万を超えるところで大体7割あります。5,000万を切る小さいものは3割しかない。社会福祉法人の事業体としての特性は、人で見るとすごく小規模なのだけれども、資本で見るとものすごく財産を持っている。これは法人の基本財産は自己所有でなければいけないということにも絡んでくるのだろうと思うのですが、もっと突き詰めていくと、何で社会福祉法人に自己所有規制をかけているのかというところをもう一回問わなければいけないのではないか。

 今回の議題の本筋にそぐわないかもしれませんが、話が出たついでに申し上げておきますと、私が少なくともいろいろな方から聞いたことがある範囲でいうと、法人が自分で財産を持たなければいけないというのは、借地の上とか借家の中でやっていると、家主がかわってしまったときに追い出されるとか、いろいろな理由で安定的な事業ができないということがあると聞いたことがあります。それはあくまで今の借地・借家法での権利関係が決められる前の昔の時代の整理なのではないかと思います。果たして今、そういう法人の資産要件は自己所有という形で安定性を確保することが必要なのかどうか。逆に言うと、法人の安定性は何によって担保されるべきなのかを再考すべきではないかと思います。今の制限では財産という形の目に見えるものでやっていますが、果たしてそうなのか。逆に財産を持っているがゆえに、小さい額の売上で多額の財産を維持しなければいけない。となれば、再生産利益というか最低限必要な利益でいうと、どうしても売上パーヘッド当たりでは大きく利益が出ざるを得ない。それがもうけ過ぎみたいな批判につながっているわけです。一般企業などで資本回転率が0.3を切っているようなところは本当にありません。社会福祉法人は大体0.3を切ってしまっています。そんなことでいうと、いろいろなことが混ざり合って例えば内部留保の批判なども出てきているということもあると思います。やはりその一因に財産状況とかビジネスモデルが何であるのということを問うてみる必要があるのではなかろうかという気がしております。

 もう一つは、先ほど森構成員のお話に賛意を表したいと思うのですけれども、やはり中間管理層の養成は私も重要だと思います。ただ、小規模な法人だと中間管理層をしっかり育てにくい。逆に言うと、例えば平成18年、19年ですか、「社会福祉法人の経営の現状と課題」という報告をされたときに一法人一施設はだめよとあのときも高らかに言っているわけです。でも、それで今日まで何か動きがあったかというと、全然動きがない。何で動きがないのだろうというところをよく突き詰めておかないと、幾ら制度とか法律を変えていじったところで誰も見向きもしなければ、前も言ったかもしれないですけれども、結局同じ轍を踏んでしまうのではなかろうかと思います。これはあえて事務局に聞くつもりはないですけれども、何であの当時せっかくガイドラインまで出して連携・合併などを推奨したのに皆さん動かなかったのかというのは考えておく必要があるのではないか。その原因の一つは多分合併などしなくても経営できたということ。もっといえば、経営管理の上でいくつかの法人で手を組んだほうがより効果的だという発想が経営者にないことがもしかしたらあるのかもしれない。そうなってくると森構成員のおっしゃった中間管理職とか経営というマインドを持った人を育成しない限りは、幾ら制度が立派なものができてもそれを使おうとする人が出てこないのではないかという気がしています。

 長くなりましたが、以上でございます。

○田中座長 法人の安定性のために資産を自己保有するという限定があるがゆえにリターンオンセールスが高く見えてしまうなどの問題がある。それから、経営側にニーズがなければそもそも人材育成を叫んでも進まないかもしれない。いずれも貴重な御指摘です。ありがとうございました。

 対馬構成員、お願いします。

○対馬構成員 きょうは5時で中座をしますので先に発言させていただきます。16ページに「2合併、事業譲渡について」が書かれています。右側の事業譲渡については過去に経験があります。あるところから頼まれて自分の事業の一部門を買ってくれないかという話が持ち込まれ、最終的には合意に至って事業譲渡を受けたことがあります。

合併については、銀行あるいはM&Aの会社からの紹介がありましたが、相手方と会ってみると、自分は社会福祉法人を立ち上げるために3億を寄付した。ついては法人合併後に自分が寄付した分を回収したい。これを裏金でほしい。あるいは自分が理事長を退任する際に退職金で回収したいといった話があります。少し聞くだけでも危ないなという話が多いので、合併についてはどういうイメージなのか、話を聞かせていただきたいということが1つ。

 それから、15ページ目ですが、社会福祉法人の意思決定機関は理事会であると、それはそのとおりなのですが、私どもはこの下に執行役員会制度を設けて、法人の専務理事であるとか各施設の施設長を執行役員に選任してさまざまな議論をしています。案件によっては評議員会に上げる、理事会に上げるという方法で行っており、この図のイメージとはちょっと違います。もし、ほかの法人でこうした執行役員会を開催しているところがあれば教えてください。

○田中座長 生々しいコメント、15ページの図の描き方にほかのあり方もあり得るということですね。ありがとうございました。

 高橋構成員、お願いします。

○高橋構成員 幾つか発言したことがございますが、法人強化のためにはまず資本金が必要なわけです。今までは施設をつくるために福祉医療機構からお金を借りてやっていたということなのですけれども、本来であれば法人があっての施設であるわけですが、今までは逆です。施設をつくるために法人ができたということが一法人一施設のときの考え方ですから、強化するためには施設ではなくて法人強化のための資金の貸し付けなどもあってもいいのではないかと思うのです。そうすると理事長の手当だとか常務理事の手当というものもそこで用意ができて、いずれその返済は施設から上がってくるような資金の中でできるのかもしれませんが、今の順番でいうと、なかなか法人を強化するための資金がないところが一番だろうと思うのです。

 もう一点、今の森構成員のお話のように、ある程度中堅層の蓄えがないと事業の拡大もできないわけです。一法人一施設的なところではそれぞれの充て職の人たちだけですけれども、だからそういう意味での拡張をしていくためには法人をある程度合体していくことが、対馬構成員のおっしゃるようなこともあり得るわけで、M&Aでも今、おっしゃったような話はすごくあります。4億で買い取りましょうというような企業もあるのです。そうすれば法人をつくるより早いですから、公益性を企業のイメージとして上げていくこともできるわけで、それが果たしていいかどうかは別としても、やはり住民のためにニーズをある程度充足するために社会福祉施設をつくろうとすれば、方法は幾つかあるのではないか。私の施設でも今、事業も入れれば施設と両方で約50くらいの事業がありますが、それは結局拠点になるものがあるから事業がいろいろ付随して、特養にはサービスの事業も、養護施設には小規模も、保育園には分園もというふうに広がっていくわけですから、一定の規模はどうしても必要になってきたと思います。それと留保したお金がそこに十分に放出できるわけであります。ですから、借金なしでも施設をつくるくらいの勢いで、借入金ではなく寄附金を集めるのも、一つの法人のイメージが信頼関係を前提につくられていけばその地域の中で機能していく。前々回ですか、小さな法人というイメージも当然その地域に行政との信頼関係の中に構築できるのではないかと思うのです。

○田中座長 ありがとうございました。大きくすることで地域での信頼感等の効果が大きい。それから、法人本部が資金を集められるような仕組みも必要だと言っていただきました。

 浦野構成員、どうぞ。

○浦野構成員 こんなに小規模な法人が多いのかということは、自分の業界ながら改めて驚いたわけでございますけれども、いかにして規模拡大を進めていくかを考えたときに、やはり幾つか知恵が必要なのだなと思っております。それは例えば今日の資料の中にもありましたように、役員の相互乗り入れというようなことを今までは特殊関係者ということで非常に規制が大きかった。この部分を、親族はもちろん別の次元の話ですけれども、親族でない法人の理事の相互乗り入れというようなことはもうちょっと拡大していく必要があると思います。

 もう一つは、さすがに従業員が10人、20人というところで6人の理事を超える7人の評議員を置きなさいといっても、それは確かになかなか難しい。そのときに一つの知恵として、やはり地域の社会福祉法人の共同の評議員会というようなものも考えられないかと思っております。そうすることによって実は評議員会を設置しやすくなるという目先のメリットもあるのですけれども、評議員会を通じて複数の法人のガバナンスをつくっていきながら、複数の法人間の交流も進めていく。そんな知恵もあるのかなとも思っています。一つのアイデアとしてそんなことを考えられないかなという意見でございます。

○田中座長 地域共同の評議員会ですね。新しい考え方です。理事の乗り入れは現在規制されているのですか。

○浦野構成員 特殊関係者ということで、親族の規制があるのと同じレベルで規制がかけられています。ですから、要するに親族と同じにみなされるのです。

○田中座長 藤井構成員、どうぞ。

○藤井構成員 先ほど千葉構成員がおっしゃった点ですが、平成18年からこちらにいらっしゃる田中座長、田島構成員、そのほかいらっしゃる先生方で危機意識を持って言っているにもかかわらず、5年たっても状況は変わっていない。そして千葉構成員のおっしゃったように、なぜ変わらないのかという観点に基づいたことを考えていかなければいけないのではないかと思います。

 この間何人かの知り合いに言われたのが、何人かの知り合いとは全て小規模な社会福祉法人の経営者ですが、大規模化の意味がわからない、大きくなればいいというものでもないし、大きくなれるところのエゴではないかといったようなことを言われました。おっしゃっていることもよくわかるし、例えば株式会社でも圧倒的に多数は小規模零細でございますから、田島構成員がおっしゃったように何が何でも大規模にしなくてはならないという話でもないのだろうと思います。

 ただ、健全な形で規模が大きくなっていくのが絵として余りにも見えていない。あえていえば、どんどん利益を出して、その資金でもって、あるいは借金でもってどんどん特養をふやしていくといったようなモデルしか見えにくいところがあったり、あるいは片方で売りたいという話が、先ほどお話があったように何かブラックマーケットの中でやられているということしか見えてこないのが問題なのではないかと思います。

 6ページに「法人の規模の差に着目した特徴と留意点」という、これは本当に適切におまとめいただいていると思うのですが、大規模のメリット12345は、まさにだから大規模化してほしいと我々は思っているわけなのですが、そういう私がお叱りを受けたような法人であれば、典型的に1の柔軟な事業展開しなくても何も困らないわけです。一施設で一特養を守っていて精いっぱいです。2の資金の融通も、修繕のお金を守るためにお金が必要なんです、何年後に建て替えなんですということだけ考えていればいいですし、なければ、福祉医療機構からお金を借りればいい。これも守られている。3番も先ほど森構成員がおっしゃいましたが、管理職員、経営職員を育てる上で人事異動でさまざまなところでキャリアパスがあって、一皮むける体験をさせていくというのが管理スタッフを育てる上で重要なわけですが、私は経営者のキャリアということに興味を持っていろいろ聞いたり研究もしたりしているのですが、皆さん方さまざまな形でキャリアを積んでおられる。福祉以外からキャリアを積んでいらっしゃる方が結構多いです。福祉の中でという方はむしろ少数派になるのではないかというくらい、自法人の中でキャリアを積んでいって管理層、経営層として育っていない。これは育っていなくても一施設一法人を守っていれば何も苦労しないということですから、大規模の特徴のところは我々とすればやってほしいのだけれども、別になくても困らない状況がありますので、むしろこれをこちらのほうから推すよりは、私はナチュラルヒストリー的な意味でどう大規模化していくかという絵を、先ほど浦野構成員が言われたのでつくづく思ったのですが、まず最初は描いていただいている絵でいうと、理念にシンパシーがある、地域でやっていこうではないかといったときに、恐らく同地域で同じ事業をやっていると大体そんなに仲がよくないことが多いと思います。逆に言えば、別事業で地域福祉をやるために老人とか障害とかこだわっていられないね、やっていきましょうというタイプで、18ページの4のようなものがまず始められる。役職員の人事交流です。その次が浦野構成員がおっしゃっていたような、評議員会をどうせなら共同化していこうかといったような取り組みがある。

 その次のステップとして複数法人によって事業をやる。17ページと19ページがございまして、17ページは現在きたおおじでお取り組みの例をお描きになっているのだと思うのですが、実は11ページがうまくいっているのは、山田さんという極めて卓越した経営者がおられて、この方が指導されて行政を説得して、厚労省も説得してとかいろいろやっておられるのでできているにすぎませんで、これはモデルというよりは特殊例と言ったほうがいいと思うのです。これが成り立ちにくいのは、やはり受け先が社会福祉法人ですと財団ですから、財団というのは理事会を構成するのは経営者といいますか、ガバナンスするのは自然人しか無理でございますから、委託関係で縛っていくしかない。それに対して今回お描きいただいた19ページの意味が非常にあると思いますのは、新型社会福祉法人で社団的な連携とお書きいただいているのは、これですと評議員会は自然人ではなくて法人がなれますので、参加した法人が評議員会という形でグリップできる。グリップしてそこの事業に対して協働してやっていくものができてくるというこの流れがある。

 さらにいうと、今でも、社会福祉法人は事業譲渡ができます。しかし、たしか古都審議官が大変苦労されたので御存じだと思うのですが、事業譲渡を分割と比較すると、事業譲渡は非常に面倒である、事業を譲渡しますのでやっている側が変わるということで、契約も重要事項説明もやり直さなければいけないということで、コムスン事件のときに営利法人は分割ができるからいいけれども、非営利法人は事業譲渡しかできないのでえらく苦労して、それで嫌になってやめた非営利法人もあったやに聞いております。今、非営利法人には分割という手はないのですが、これは分割がそもそも株式分割ということから分割が来ていたのですが、会社法の改正で株式の分割を伴わない分割、金銭的なものによる分割ができておりますので、ぜひ分割という制度をお考えいただきたい。しかも今、事業譲渡は、これも古都審議官が昔書かれたやつに、新設社会福祉法人に事業譲渡という手はあるがやらないほうがいいと書いてあるのですが、新設分割は結構意味がございまして、会社分割でも新設分割はかなりございます。Aという法人とBという法人が例えばある地域において協働して地域福祉をやっていきましょうといったときに、そこのものを切り出して新設の法人をつくるというようなところでかなり有効な手段だったりします。

 何が申し上げたいかというと、こういう少しずつ地域に役に立つ社会福祉法人が大きくなっていくというイメージの部分を補強・補完していくと、ではやってみようかというところができてくるのではないかということで、そのときにこのやり方ではなくてこのやり方でも何とかできるではないかという考え方では、会社法の歴史を見ればわかるのですけども、より融通がきくように、より融通がきくようにとさまざまな仕組みをつくっておりますので、そうしていかないとやはりその気がある法人の経営者の皆様方がそちらの方向に流れていかない。そちらのほうをきちんとつくっていく上で、今、ブラックな方法で取引されている社会福祉法人の売買を何とか禁じないと、大体ブラックな売買をしてきれいになるはずはございませんので、よりブラックになっているケースのほうをよく見聞きいたしますので、今までこういった話が表に出たことはないですけれども、2人の委員から出ましたのでこれを機に私も言わせていただいて、大変危惧するところでございます。

 そういったところともう一点、森構成員、千葉構成員がおっしゃったところですが、やはり今、資産規模云々出入口で縛っておりますのは、第1回目で申し上げましたけれども、歴史的には財産をなげうって福祉やる方々でハードルをかけていた、そういう仕組みだったのだろうと思います。今、財産をなげうって福祉をやる時代ではないと思いますし、それから千葉構成員がおっしゃったように、定借等のこういった法整備もできているのですから、土地を持たなければいけないというのはむしろなくしていただいて、財産要件は極めて軽くしていただいて、そのかわり実績要件、ですからいきなり何もやったことがない人が社会福祉法人を始めるのをいかに禁じるか、NPOとかそういったところである程度の実績を積んでおられる方々に社会福祉法人として入ってきていただける道をしっかりつくって、この入口から先ほど申し上げたような地域の問題をやっていくためには協働してやっていく。協働の先に一緒になっていくというものをつくっていって、これは全てがなる必要はないけれども、どうも社会福祉法人がすばらしい発展を遂げるにはあれが成功モデルだねと見える方法はつくれていけるのではないかと思います。

 以上です。

○田中座長 大規模化の道筋をさらに柔軟につくっていくこと、古都審議官にさらに本を書いていただくことが必要かもしれませんが、それがとても大切である。それから、社会福祉法人の使命を守ることは財産ではなくて人であると。まさに根本ですね。ありがとうございました。

 雄谷構成員、どうぞ。

○雄谷構成員 今、藤井構成員が言われた健全な形で大規模化するモデルが見えないというのはまさにそういうことだと思います。自然にという言葉も藤井構成員は言われましたけれども、そのことは非常に大切だと私は思います。理想を求めて現実に処すというのが福祉の現場でありまして、その理想を忘れると社会福祉法人ではないのかなと。まず理想とか理念、哲学がない拡大はやはり気をつけるべきではないか。いろいろな手法があって、適正な規模に法人を持っていくことは今、論議されていますので、そのこともそうなのですが、藤井構成員が言われた健全な形で拡大していく、それはどういうことかというと、拡大するプロセスにおいても地域に貢献していることが求められるということだと思うのです。その拡大するプロセスにおいても地域に役立ということはどういうことかというと、まず1つは社会福祉法人ですから福祉事業で地域のニーズに応えながら不足するサービスをきちんと行っていくことが大切だと。それを受けとめながら拡大成長することが大切なのだろう。

 ただ、もう一つ見方を変えると、社会福祉法人の側からの論理ではなくて、地域の論理から見ると今度はどういった言い方ができるかというと、例えば地方自治団体でもてあましているような公的財産が山ほどあります。そういった赤字体質の例えば公的事業とか、あるいは遊休財産を有効利用するといったことも一つ大きな手法としてあるのではないかと思います。今、日本財団等々ではそういった物件に対する援助、助成は行っていますが、なかなかそういった意味では残念ながら国の助成が及んでいないということがあります。ですから、地方で本当に困っている遊休財産を有効利用してあげる。そうすると、そこに投じられているいろいろな人件費であり、あるいはそういったものが反対に地方自治体においては赤字解決の糸口になる。実際問題私たちの法人でも北陸本線のJRの駅を完全受託しています。JR側ではなくて、その駅自体が市の管理下にあったのですが、何千万という赤字を出していました。それを例えば就労継続のA型で受けながら、高齢者や児童の受け入れなどをやるということで、市は全くそういった持ち出しがなくなるということがありまして、これは便利だということで隣の駅もまた受託することになりました。そういったやり方は、実をいうと新しいものをゼロからつくり上げるよりも、十分地域の中で理解をいただきながら、かつ福祉サービスを効率的に展開できる大きな手法だと思います。ですから、社会福祉法人が今、求められている社会貢献という手法は、確かにいろいろな生活困窮者あるいはそういった関連のはざまに陥っているようなサービスを展開するようなことはもちろん大切ですけれども、財政的にも社会福祉法人が地方の市町村に対してさまざまな提案をすることで十分担っていくことができるのではないかと思っています。まさにそれもまた地域におけるれっきとした社会貢献ではないのかなと思いますし、ウインウインで乗ってくれる、ただそのときにはやはり地方自治団体の理解が必要です。大きな大きながらんとしている体育施設で1人の方が一生懸命体力トレーニングをしている、それを見守っている10人もの職員がいるというようなことをやるのであれば、それを介護予防の施設に変えていく、あるいはもちろん一般の方々が入ってきてもいいといったことをしていくと、どんどん赤字体質の地方を支えることができるのです。そういった手法をやっていくことが一つ手としてあるのかなと。先ほど自然な形でと言われていましたけれども、地域のニーズに応えながらさまざまなサービスを展開するとともに、地方社会がもてあましている財産を有効利用していってあげることも大きな意味合いとして社会貢献の一つとしてあるのではないか。一法人一施設という方々がたくさんいることが今回わかりましたけれども、そういったところも比較的規模を拡大しやすいこともあろうかなと思います。

 以上です。

○田中座長 地方自治体の遊休資産の有効活用によって地域貢献をしながら大きくなれる、しかし無駄な投資はなくて済むという、大変いいですね。

○雄谷構成員 そのときに国と地方自治団体の理解が必要だということはもちろんあると思います。

○田中座長 どうぞ、千葉構成員。

○千葉構成員 この流れを乱すような発言で申しわけございません。一応今回のテーマが規模、協業化というスケールメリットの点だろうと思います。私も別に厚労省老健局で処遇改善に関する懇談会に2度ばかりお邪魔したことがあって、いわゆる処遇改善交付金のときつくったキャリアパスとか人材育成するための仕組みをどうしましょうかと意見を聞いたときに結構気になったのが、やはり小規模だからキャリアパスなんて入れたら身の丈に合わないという御発言が多かったことです。現実はそうだとしても、それでいいのかなと思ったことがあります。ですから、私は基本的にはやはり製造業ほどではないにせよスケールオブエコノミーは、働くと考えます。サービス業ですから限定的かもしれませんが。社会福祉法人でも一定の規模はあったほうがよいというイメージを持っています。

 ただ、1つ気になるのは、今回の資料の中で基本的に大規模化を志向するような書きぶりがある一方で、地域に根差したきめ細やかな小さな法人を否定しないということを言っていらっしゃる部分があります。ある意味それは事業の実施の仕方であって、法人規模の問題なのかというと違うのではないか。もちろん先ほど言ったように大きくなればなるほどビューロクラシーになっていってガバナンスが働きにくくなったり、縦割りになったりいろいろなことが起きることもあるのでしょうけれども、それはむしろガバナンスの問題なのであって法人規模の問題ではない。と考えると、そもそもここでの共通認識として法人規模を大きくすることが大事なのかどうかというところをどう考えているのかというのは、まだもやっとしたままで議論をしているように思います。ですから、逆に言うと、皆さん方はどうお考えなのかというのは聞きたいです。一方でそういう前提となる施設経営ではなくて法人経営をしろというのを何か当たり前の前提で議論されていますが、社会福祉法人の実施する事業の中で措置制度による事業は相変わらず措置費という使途制限がかかっている事業を実施しています。そこでは法人規模で資金を融通無碍に使うと言ったら行政から怒られるわけです。それに手をつけないまま法人経営がいいことだといって議論が突っ走ることがよいことなのかとても気になりました。特に福祉の主要3分野である老人、障害、児童の大体の分野がそういうふうにして利用者助成型になっていくからまさに法人経営になじむ事業形態は確かに多いことは間違いない。けれどもそれではない措置のような事業をしかやっていない社福法人の場合、そのように言ってしまってよいものなのか疑問です。ですから、社会福祉法人が一くくりにしにくいという前提がまずあって、その中でどこの部分に何をするのかというふうに議論を組み立てていかないと、十把一からげで全部が全部介護型、障害型のようにやるのはいかがなものかという気がします。あえて水を差すような議論ですが、そこのところをお忘れなくということはぜひ申し上げておきたいと思っております。

 以上です。

○田中座長 高橋構成員、どうぞ。

○高橋構成員 今、千葉構成員のおっしゃった、まず適正規模という問題と、私も社会福祉法人経営者協議会のほうの浦田構成員の後をついで措置制度委員会の委員長を仰せつかっているのですけれども、現在の措置制度によって施設を経営している法人はどうも流れの中に乗れないのです。やはり普遍化していく部分と最低基準による公的資金による民法上の親権の代行又は一部を代行する仕事、もっとはっきり言えば、国親的な部分、親のない子たちを見るというのは措置制度の中で国が親がわりをするわけですから、なかなかそういうものを自由化できない部分があり、児童の権利を擁護するには外部から寄附金を相当額集めてきて初めてそこの子供たちだって大学に行かせることもできるのだけれども、今の措置の中では無理なのです。

 また、私の法人も15年前に分割しました。これは地域性を前提にして約15区市町との関係で法人の適正規模を考え、新法人をつくり分割しました。当時も1,000人を超える従事者になったものですから、地域を拠点に分けたのです。その後、今日私の所属する法人のほうは15年の経過の中で当時と同じくらいの規模になったのです。これは行政のニーズをどれだけ咀嚼しながら事業をしていくか、明確化されたからです。そういうところでは行政も土地を提供するとか、借地でやるとか、いろいろアイデアをこちらも提供できる関係ができてきたということでもあるのですが、それと大幅に借入金ができるようになったこともあります。福祉医療機構が非常に柔軟な対応をしていただいている、これはちゃんと借金を返しているからだと思うのですけれども、そういうふうな後押しがあってできていることでは、やはり拠点となる地域の住民に対するニーズを市町村がどれだけ咀嚼して我々に相談していくか、パートナーとしての法人を考えているかというところでもあろうと思いますし、規模の問題も当然そこの中から自然に広がってきていることはあると思います。それでその中に育っている中間管理層が安心して管理者になっていかれるという一つの流れもできていくということでもあろうと思うのです。

○田中座長 大規模化の措置施設の厳しいところには必ずしもなじまないとの御指摘は、事務局はしっかりノートしておいてくださいね。

 松山委員、どうぞ。

○松山構成員 別の視点から申し上げたいと思います。これから社会福祉ニーズは拡大すると予想されます。それが構造的に従来と違う形で拡大していくのだと思うのですけれども、制度全体の改革を考えるときに、そこで仕事をしていただいている社会福祉法人がその構造変化についていけるような体制になっているかということが問題なのです。先ほど規模が大きい小さい云々がありましたが、私は規模が大きくなることによって当然いろいろな人がそこに参加することで牽制効果が働く、外部からも注目が集まる、つまりガバナンスをもっとしっかりしろというような外部からの圧力が働くと思うのです。

 一方で、先ほど御指摘のように自然な形で規模が拡大するのが望ましい。私もそう願っていますが、自然な形で規模を拡大することすら望んでいない法人がたくさんあるのが日本の制度の問題なのだと思うのです。その法人がもし今、担っている役割が地域のニーズから見てしばらくずっと続くのであれば、それは一法人一施設でも構わないと思います。しかし、問題はその法人がやっていることに対するニーズが少なくなっていっているにもかかわらず、次の事業に出ていかないことの結果何が起きているかというと、その法人に自分が寄附したお金を何とか守るという行動に移るわけです。その気持ちは非常にわかります。しかし、非課税で運営されている以上、そのままではちょっとまずいのではないかというのがこの検討会の指摘になるのではないかと思うのです。

 では、そこをどうやって動かすかというときに、先ほど御指摘のあったように、例えば非営利の事業体を別途つくって共同で全体を見るような仕掛けを入れていくというのは非常に有力だと思うのですが、多分問題となる法人はそういうことにも参加しないのだと予想されます。問題はそこをどうするかということだと思います。私は仮にそういうことに参加する法人が出てきてグループをつくってガバナンスの研究とかをし始めると、地域の事情がわかっていますから、多分それに参加しないところの問題点も見えてくると思います。そこで強制力を働かせるかどうかは別にして、コミュニティーのコンセンサスを作っていく役割を担うという意味ではそういう非営利の新しい形態の団体を社会福祉法人が共同で持つのは非常に潜在力があるのではないかと考えています。

○田中座長 地域のためにですね。

 この問題をずっと議論してまた言っていただいても結構ですが、時間もありますので資金調達のほうについても発言していただいて結構です。

 対馬構成員、途中でお帰りですが、資金調達のほうはよろしいですか。

○対馬構成員 はい。

○田中座長 では、資金調達のほうもあわせて、規模のほうも引き続き触れていただいて結構ですので御議論ください。

 宮田構成員、どうぞ。

○宮田構成員 先ほどからの議論の中で大規模化とか協働化が既定の路線だというようなことなのですけれども、つまりその目的が何なのか。多分今、松山構成員がおっしゃったように、現状の中では確かに規模を拡大したいというようなインセンティブが経営者に働くような状況ではまだないのだろう。多分多様な援助ニーズへの対応であるとかいうところを具体的にやっていかないといけませんねというような状況になってきたときに初めてそういうことが必要になってくる。あるいはもうちょっと近々の話で申し上げますと、人材確保がいよいよお尻に火がついて厳しくなってきたときになって初めて大きくしないといけないねと。それは決して一足飛びに法人の規模そのものを拡大するということではなくて、多分その前に協働化であるとか、人材の確保が大変になってきたねということであれば、地域の業界団体でいろいろな仕組みを考えて、そこで協働して確保に取り組むような取り組みをしていく、そんな中で徐々に規模の拡大に向けた取り組みが芽吹いてくるというようなことを踏まないと実際にはなかなか進んでいかないのではないかなという気がしています。それは目的をきちんと明確にして、それをするために先ほどありました多様な援助ニーズへの対応というようなところで、今、具体的に大阪、神奈川がやっているようなところで問題になっているハードルを一つずつつぶしていくような地道なことをやっていくしか、なかなか一足飛びに規模を拡大していくいい方法は見つかっていかないのではないかなという気がしています。

 以上です。

○田中座長 何人かの委員から協働化が間のステップとして役に立つのではないかという御指摘がありました。

 松原構成員、どうぞ。

○松原構成員 国民の目からすると、社会福祉法人に今、何を最も期待しているかというと、いろいろ期待していることはたくさんあると思いますけれども、一番喫緊、やってほしいと思うのは特養とか保育とかの待機者問題を早く解決してほしいということだと思います。特養については言われているほど待機者はいなくて、重複の申請もあるという話ですが、それでもやはり要介護4とか5でもまだ待機させられている人はたくさんいらっしゃるのは事実ですので、こういった特養とか保育とかの供給拡大が最も社会福祉法人に国民が期待していることではないかなと考えます。今回大規模化というときに、間接的には大規模化することによって供給量は拡大するかもしれませんけれども、今回の資料とか議論ではいかに供給力を拡大していくかという話に直結する話は全くなかったので、そういう視線が、市民目線といいますか、そういうものが抜けているのではないのかなと思いました。

 もう一つ、大規模化というときにどれくらいを意図しているのか。例えば大企業並みになることを意図しているのか、そうではない、今より若干大きくなればいいと思っているのか、そこら辺によっても対策もいろいろ変わってきますし、要は何をするべきなのか、それに応じてどういう体質でいるべきか、どういう経営をするべきか、どういう規模になるべきかと変わってくると思いますので、何をすべきか、何を求められているのかということを第一に考えなければいけないと思いました。

○田中座長 西元構成員、どうぞ。

○西元構成員 共通するような意見になってしまって申しわけございません。やはり大規模化の目的をもう一度考えていきたいとおもいます。もちろん経営だとか経済活動をしていくといった面で大規模化が非常に有効だということは私自身も法人経営の一員としては感じるわけです。ただ、大規模化は大規模化を目的にするのではなくて、先ほどからおっしゃってみえるように、地域に対しての貢献力、いわゆる福祉のネットで囲い込んでいくようなことができるような地域連携力というのでしょうか、そういう力をつけていくために大規模化といったものが必要なのだという観点がもう一つ加わらないと、どうしても経済活動が中心的に見られて、藤井構成員が言われたようなブラック何とかという形のものも出てこないかなという懸念がございます。

 もう一つは、法人機能の強化ということで15ページの組織図が描いていただいてあります。わたくしどもの法人も形をとろうとして、前回も、努力していますと申し上げました。ところが、ここで問題になってくるのは、1つはどなたかもおっしゃられたと思うのですけれども、理事長のマインドを醸成していかないと、また理事長としての経営のスキルを醸成していかないとこういう組織をつくること自体が非常に難しい。要するに理事長の権限は定款で、もしくは定款細則で示されていたとしても、その権限以上の権力になってしまう懸念があります。その権力が平気で横行してしまうような場面をたくさんの法人で見てしまうことがあるということです。まずその一番トップになっているこのあたりの育成と先ほどおっしゃられたと思うのですけれども、理事長の育成が必要なのではないか。

 それから、こういう組織をつくっていくときに執行役員などをスタッフ、施設長だとかいう、中間管理職で構成していくとすれば、こういう人たちがやる場合の給与の出どころも考えていかなくてはいけない。施設長をやりながらまた執行役員もやりながらということになってくると、法人からお金を出すのか、施設から給与を出すのかといった非常に細かいお話でございますけれども、そういうことも出てまいります。また、理事長が施設長を兼務する場合は副施設長を設ければいいとかいうことを言っている都道府県などもあります。例えばそういうことはどんどんみとめていってもいいのではないのか。

 そういうことを考えていくと、法人の中で法人の定款の細則をどのように改めていけばいいのか、これは都道府県によって判断のばらつきもあろうかと思います。このあたりの考え方などはある程度事例的なものをお示しいただくのも一つの方法なのかもしれないなと。そういうことによって法人の機能を強化するための組織化も進めることができるのかもしれないなと思いました。

 以上です。

○田中座長 中間管理職だけではなくて理事長の教育、人材育成も必要であるということですね。

 千葉構成員、どうぞ。

○千葉構成員 資金調達という話なので、何度か皆様方から福祉医療機構に期待をお寄せいただきありがとうございます。資金調達の関係で今回このペーパーの中にもいろいろ御提案とかも出ているのですが、その前に資金の調達と、もう一つは大きくいうと資金は言わずもがな2つ種類があるのですが、1つは私どもが事業とさせていただいているいわゆる施設整備についての貸付、イニシャルコストに関する資金の部分と、もう一つはランニングコストに関する貸付の部分とがあると思うのです。

 私が問題提起させていただきたいのは、まず1つはイニシャルコストの関係でいうと、これはテクニカルな話なのでこういう場で言っていいのかどうかわからないですけれども、会計基準の関係。その1つ目は、社会福祉施設はかつては4分の3補助で、残り4分の1を法人自己負担で、そのうちの一部を福祉医療機構、当時社会福祉・医療事業団がお貸し付けしていたという構図だったわけですが、問題は会計基準そのものが再生産を許さない会計構造になってはいないか。もっといえば、かつて交付された国庫補助金が今は減価償却に応じて取り崩されていっている。これを取り崩すとどういう会計効果があるかというと、取り崩した分だけ減価償却の自己金融機能が働かず、投下資本の回収が補助金の分だけできないということだ。逆にいえば取り崩さないでずっと置いておけば、減価償却が終わった段階で国庫補助金も含めて全部投資を回収でき、再投資時に補助金分も含めて再び活用できるわけです。だから要は施設整備補助は当初一回だけで、その後は国のやっかいにならないから、最初の手土産でもらった補助金を大切にさせるというのが一つのやり方ではないか。今の会計基準では違っていて、補助金は経費補助として、毎会計年度に収益分配するため、結果として回収されるのは、法人の自己負担分だけという会計構造です。これがいいのかどうか。むしろ法人の自主性とか自律性、法人の資金調達についても将来国のおんぶにだっこにならないように頑張れるようにするため、一旦もらった補助金を何度でも再投資に使えるような会計処理にむしろ国庫補助金の会計ルールを改めるべきではないか。会計基準の問題提起を1点させていただきます。

 もう一つは今度ランニングコストの関係で申し上げますと、先ほど来例えば15ページの絵で組織図があって、あたかも法人が全部を牛耳って法人本部が資産配分等やるようなこととされているのだけれども、たとえば措置費事業などでは本部が事業費を配分して、措置費をもらった分の一部しか措置事業の経費にしないなどということは、許されないわけで、法人経営という考え方が必ずしも妥当でない事業も社会福祉法人は実施しているというのが1点、これは先にも申し上げたとおりです。

 もう一つ気になるのは法人本部の運営経費です。今は会計基準上特に運用指針課長通知に書いてあるのですが、法人本部にかかる経費は各施設の事業にかかる配賦経費にすることができない規定になっているのです。普通法人、株式会社でも医療法人でもそうですけれども、そういう理事会・役員会の経費は基本的には現場の配賦経費または直課経費として各事業において計上されているわけです。それでコストが構成されているのに、社会福祉法人ではそれが認められていない。だから仕方がないから今何をやっているかというと、施設会計から本部会計に繰り入れという形でやっているけれども、松山先生の言い方をお借りすれば、それは法人全体をまとめれば同じでしょうということになるのですが、少なくとも使途制限がかかっている中でそこしかできないということの範囲または本部に繰り入れられるのもものによっては制約がある中で、法人本部経費を本当に認めるつもりがあるのかないのか。少なくとも今の会計基準上は法人本部経費は事業費として、運営費として提供している公費の中では一切面倒見てはいかぬと言わんばかりの言い方になっているわけでありますので、そこのところをどう考えるのか。法人を強くするのだったらそういうところも認めていかないと、法人本部の経営管理機能をどんどん充実させろといってもお金がない、出してはいけないという規制のままだったら何も動きようがないと思います。そこの辺は会計基準とか運用指針の規定上の取り扱いとして要検討ではないかという問題提起をさせていただければと思います。

 もう一つ、3点目になりますが、これはいただいたページの中でいうと、前々回御説明もあったかと思うのですが、22ページの絵で例えば介護の事業とか障害の事業だと公益事業に対する資金充当がフリーパスで行って、保育所とか措置事業からだと一部分しか公益事業や本部に充当できないという絵になっています。ここで2つ問題提起があるのですが、まずこれは国の通知上こういうふうになっているという絵だとは思います。ただ、実際このとおり地方公共団体が指導しているかというと、私が聞く数は限られていますが、事例でいうと幾つかの都道府県、市等では介護、障害が保育や措置事業と同じような扱いで繰り入れを制限しているところがある。だけれども、これは国としては技術的助言で、あとは地方自治だから地方の問題ですといえばそうなのかもしれないけれども、それは余りではないかと。やはり法人制度全体を今、見直そうとしているなら、そこのところはちゃんと地方公共団体にも考え方を改めてもらうよう周知徹底すべきだと思います。これが1点、公益事業への繰り入れに関するところ。

 もう一つは、公益事業そもそもに繰り入れるときに地方公共団体が何で逡巡しているかというと、その原因が1つあると思います。以前聞いてなるほどと思ったのは、社会福祉法第26条の第2項で公益事業は特別な会計としなければいけないとなっているので、それを法律的に解釈すると社会福祉事業のお金は貸付けも含め一切公益事業等に充ててはいけないと解釈するのは当然であるという言い方をされていた行政の方がいた。つまり公益事業は通知はオーケーしているのだけれども法律は認めていないという論理構造になっていることがあるのではなかろうか。そこについてきちんと襟を正すのであれば、もし法律の解釈にそういう余地があるのなら、法律そのものをどう手当てするのかも考えるべきではないかということが2つ目。

 3つ目としては、公益事業の関係でいうと、これはテクニカルに走り過ぎるから後でお話ししますけれども、法人の外に出せる・出せないというここの絵の一番左側のところです。この話についても今は2425ページのところで介護関係とか障害関係については各局の通知の中で法人外に出せない規定としているのだけれども、そもそも法人外に出す・出さないというのは法人制度の問題なのであって、各部局でそれを縛っていること自体がどうも変な構図になっていやしないか。やはり法人制度として一括まとめて法人外に出すことをどう規定するべきかというのをまとめて取り扱う制度にすべきではないかという問題提起。

 ちょっとテクニカルになりましたけれども、資金と貸金の流れ、調達関係に関しては以上でございます。

○田中座長 テクニカルであるけれども、何かを改革するときには引っかかる問題を提起いただいたので、どう扱うかは別として事務局は検討しなくてはなりませんね。委員ももちろん意見を言うべきだし、事務局に対する宿題でもあります。どう扱うかはこれまたわからないけれども、大変重要な点を御指摘いただきました。

 松原構成員、どうぞ。

○松原構成員 千葉構成員、ありがとうございました。言うつもりはなかったのですが、便乗させていただいて会計ルールに関する提言を1つ。社会福祉法人の経営のあり方で非常に重要だと思うので1つだけ言わせていただきたいと思います。社会福祉法人の会計ルールで4号基本金がなくなりました。ですけれども、4号基本金は施設の建替のための準備金ですね。利益が源泉です。4号基本金がなくなったのは、基本金は全部寄附金でなっているのに、利益を源泉にする基本金があるのはおかしいということが理由ですけれども、これをもう一度認めていただきたい。これは明確に建替に使うのだという準備金なのです。今、内部留保が多過ぎ、少な過ぎとかいろいろ問題になっていますけれども、ここで施設建替の準備でこれだけ積んであるというのが非常に明確になります。今の状態ですと何のためにこれだけ持っているのかよくわからないのですが、明らかにこれは建替のために使うのだということが明確になります。これを、では引当金とか積立金でいいではないかとおっしゃる方がいるかもしれませんけれども、それでは簡単に引当や積立の目的変更が可能なのです。1度基本金を積み立ててしまえば勝手に取り崩せない、よほどのことがない限りその法人が倒産しそうにならない限り取り崩すことは一切できませんから、強烈な縛りをかけてこの利益分は必ず設備投資に使うのだということを明確にする、勝手に使えないようにするという意味で4号基本金の復活を提言させていただきたいと思います。

○千葉構成員 補足させていただきますと、私もそれにすごく同感なのですけれども、4号基本金を廃止したときの背景はまさに今、話があったように、源泉として見たときには確かに出るもとは業績(利益)だった。そもそも基本金とは何かというと、業績による財産の増減と業績でないものによる財産の増減を峻別するために、業績に関わりのない出入りのものを区分し、業績計算に入れないようにするための勘定科目です。したがって、P/Lでは適正な業績計算ができるという構造になっているわけです。そのときの議論したのは、源泉が利益に対応した借方の現預金を基本財産に組み入れることを問題にしたのですが、実は4号基本金はもう一つ別の側面がある。具体的にはこういうことなのです。A特養で利益ができた、その特養の利益を使ってB特養を新しく作ったとすると、B特養にとってはイニシャルコストでバランスシート上はいわゆる業績除外するべき源泉になるという事態です。要するに4号基本金は2つの要素があって、源泉の側で見ると業績なのだけれども、使われる先は実は業績カウントから除外しなければならないという2つの側面がある。多くの4号基本金が施設建替とか、または増築のために使われたもの、いわゆる自分で増資しているようなものです。そういうものをやっているということについては基本金として業績計算から除外することを容認することも会計理論上もあり得ると思うので、一旦廃止したものについては復活させて、より法人の再生産能力を高めるように制度を改めることが必要ではないかと思っております。

 以上です。

○田中座長 藤井構成員、どうぞ。

○藤井構成員 こういう研究会をやりますと事務局にお願いお願いになってしまうことがあるのですが、構成員同士が反論すべきものは反論すべきだと思いますので、お2人に弓引くのは大変ですが、松原構成員と千葉構成員の4号基本金を復活というのは私は賛成ではありません。理由は2つありまして、1つは、私はノンプロフィットの法人であっても経営を行っていく上ではやはり同じ土俵に立つべきものは立つのだろうと。そのときに同じものを繰り返し再生産していくと、大規模化するのに1で福祉ニーズに対応した柔軟な事業展開が可能と書いてございますが、松原構成員がおっしゃったように、今、特養が足りない、ふやしていかなければいけないというのはあるのですが、では未来永劫特養をつくっていていいかと私は思っておりませんで、やはり地域包括ケアをやっていくのでしょうと。そのときに今、守りに入っている法人は特養以外目に入りません、売上高の9割以上が特養ですという法人が問題なのであって、やはり特養の減価償却費分の国庫補助を抜くか抜かないかは置いておいて、そのお金をずっと守っておくという考え方は私は健全だと思っていませんし、内部留保の問題のときにそのお金は持っていてもしようがないのだよねという整理が田中座長の委員会でも経営協の検討でもそういうふうにしたと思いますが、やはり大規模化することのメリットは、そのお金を別のことにどんどん投資していって、国民からお預かりしているお金を適切な形で地域ニーズに応えていくことができているかどうかが重要なのでありますので、もう一つはでは幾らとっておけばいいのだという話がきちんと明確でない中でどんどん貯められても困るということから、議論としてはおもしろい議論だと思いますのでぜひきちんとやるべきだとは思うのですが、軽々に後戻りすればいいということではないのではないかと思います。

 同様に千葉構成員のほうから国庫補助金等特別積立金の取り崩しに関しての取り扱いのお話がありましたが、これも民間企業ですと圧縮基調している話でありまして、次は補助金をもらえないかもしれないので補助金として最初に投資でいただいたお金が自分のところに貯められるようにという社会福祉法人の経営側の気持ちは十分わかるのですが、やはりイコールフッティングの考え方からいうと、そのお金を貯めていていいのだよというような会計のあり方まで変えるのはいかがなものだろうかと思います。

 千葉構成員に弓引いたついでに弓引くのですが、ページでいいますと先ほど来福祉医療機構の話が出ておるのですけれども、26ページでございましょうか。福祉医療機構は1度前政権のときにどうするのだという話があり、やはり必要な政策融資だということで現在の形で継続しているのですが、社会福祉施設等の特徴で小規模零細、低収益構造、非営利で公共性・公益性が求められる、資金調達のノウハウの蓄積が難しいということで福祉医療機構が融資している。これは現実問題としてそうだと思いますし、必要性は高いと思うのですが、しかし逆に言えば、小規模零細でも構わない、資金調達のノウハウの蓄積がなくても構わないという世界に社会福祉法人を許しているといいますか、だからこそ別に今のままだっていいのではないかという理屈が成り立っているかのように見受ける場合があります。現にきちんと資金調達されているときには福祉医療機構だけではなくてさまざまな金融機関からお借りになっていらっしゃるところも非常に多いですし、小規模零細なところがお金を借りられないから助けましょうというものなのか、それとも頑張っておられるところにきちんと福祉医療機構はお貸ししますよといったものなのかというところは、片方で先ほどは自然な形で大きくなるものという絵が欲しいと申し上げましたが、松山構成員がおっしゃっておられたように、やはりその気がないところ、今の福祉を変えていく気がない、田中座長が御本をお書きになっておられるイノベーションを起こす気がない、質でも量でも応える気がないところを、それで全く構いませんよというのを、この委員会が終わった後もそのままというのはどうなのだろうか。人を育てることができなくて、介護人材の問題は介護業界の問題ではなくて小規模零細な事業形態の問題だとおっしゃる方がいらっしゃいますけれども、まさにそういうことはあるわけでございまして、やはり大規模化していくことの意味とか意義とかを伝えながら、そちらへの方向性を一歩一歩固められるようなものもつくりつつ、いつまでも小規模でいらっしゃって今のままでいい、先ほど措置に関して構成員と田中座長からお話がありましたが、おっしゃるとおりで措置は別だと思いつつも、例えば今の形態の児童養護施設で何が悪いんだ、グループホームなんてできるはずがない、里親なんて夢を言うなとおっしゃっておられる児童養護施設の話を聞きますと、今のままでいることの問題ではなかろうかと思わざるを得ないわけでございまして、福祉医療機構だけを云々するわけではないのですけれども、何らかの形のペナルティーではないですけれども、むちも必要かなと。

 先ほど松原構成員のほうから最後にどれくらいの規模という話がありましたが、これはどこかに書くものではないですけれども、ここで議論している想定、頭の整理が必要なのではないかなという気がしておりまして、私は一つの目安として管理運営スタッフがやはり最低5名〜10名いないところで何かいろいろできるだろうかという気がするのです。5名〜10名、先ほど田島構成員からの計算がありましたように、1人当たりせいぜい5%を振り向けるくらいだろうと思いますし、1人当たりの売り上げが1,000万いかないことを考えますと、売り上げ規模で大体最低20億、これくらいないと最低のことがやりにくいのではないかなと。

 さらにアメとムチでも、社会福祉法人にアメを使い果たしたというような話があるのですけれども、例えば先ほど来ありますような経営者の専従に関する賃金の問題ですけれども、これは情報公開を徹底する、一人一人に幾ら出しているかということを徹底するという前提で、ある程度の規模になった場合に理事長専業には給与を許すとか、あるいは執行役員体制のガバナンスをどうするかという議論はちょっと重い気はするのですけれども、会社法ではわざわざそういう取り決めがありますし、農協も3層構造のものがございます。ですから、仮に大規模のところでは3層構造を許す、そのときには執行役員や理事に関しては徹底した情報公開とともに専従でも給料を出してよい、地域の人たちからチェックされるという前提で経営専従者にお金を出すということが、今まで地方公共団体の裁量で出していい悪いという、市と都道府県によってルールが全然違う、金額も違う、あるところでは理事長で3,000万出していいかのような、あるいはもらっているかのような話を聞きます。今の社会福祉法人の経営レベルで年収3,000万もらうようなリスクを経営者がおとりになっているとはとても思えませんので、やはり地域住民にチェックしてもらうという前提でしっかり適切な給料をもらうことも、今回あえていうとアメとしてお考えいただいたらどうかなと思います。

 以上です。

○千葉構成員 ちょっと反論を。余りここでディベートしてもしようがないのですけれども幾つか。まず国庫補助金については企業との平仄という話がありましたが、私が申し上げたかったのは、企業の中でも資本助成型の補助金を出している場合は取り崩さずに資本剰余金等に計上し続けるという経理は理論的にはありえる。つまり先ほど藤井構成員がおっしゃった圧縮記帳というのはあくまで税法上の便法ですから、実際企業会計上の本則でいえば、一旦積んで崩すというのが原則です。しかもそれは経費補助という補助に対してのみであって、資本助成に対する補助に対しては残すという余地も会計理論上は企業の場合でもあるということですから、そこは間違いないようにというのが1点。

 それから、福祉医療機構のことについては私どもの存在意義のところまで来てしまったのでちょっとしんどいのですけれども、少なくとも言えるのは、国の政策で施設整備を加速しなければいけない、量的整備が政策目標であるというところである程度とらなければいけなかった方策だと考えています。今、ここでの純粋な議論からいえば必要悪的な要素があったのかもしれません。ただ、逆に政策誘導する貸付という手段を持っているのだから、融資の審査基準の中に例えば公益的な取り組みをしっかりやっているところとそうではないところとを融資条件として区分するようなアメとムチという方法もあるのかもしれません。それは私は具体的にこの組織の人間だからというのではなくて、それとは引いた、構成員として申し上げるということで言うとそういうものもあるのかなという気もしています。

 もう一つ、アメとムチということでいうと、やはりこの議論が先ほどから何度か出てきている中でいうと、社会福祉法人は今は1回認可されたらそれで公益性のテストは終わりで、あと所轄庁の監査とかはありますけれども、少なくとも公益的な事業に消極的だからと言って法人取り消しにするような監査はまずないですね。しかしながら、理想論としてはもうちょっと踏み込んで、役割がちゃんと果たせていないところはそのことをあぶり出すようなチェックメカニズムがあってもいいのではないか。つまり入り口で規制するだけでなくプロセスとかアウトカムで規制することも必要ではないか。そういう仕組みとしていろいろなアメとムチがあってもいいのではないかという気がしています。

 以上です。

○田中座長 松山構成員、どうぞ。

○松山構成員 私は藤井構成員に全面的に賛成であり、ほとんど私が言いたかったことをおっしゃっていただいたと思います。つけ加えると26ページの福祉医療機構の図の中で社会福祉施設は低収益構造とありますけれども、既にデータを発表していますとおり、実は社会福祉法人の利益率が一番高いのです。例えば私は医療法人と社会福祉法人の両方を経営している方々にヒヤリングしましたが、全員社福の方がもうかるとの回答でした。それから、社会福祉法人、学校法人、医療法人、株式会社の4つを経営している方も社会福祉法人の利益率が一番高いということでした。これは事実だと思うのです。そうすると、社会福祉法人について低収益構造を標榜して何か論ずるのは、国民から見ると違和感がある。逆に財務諸表が全部公表されたときにその高収益構造が明確になり説明責任が一層強まる。それから、先ほど国民に説明できないようなことをやっている社会福祉法人があって、それをどうチェックするかというお話があったのですけれども、それは先ほど議論があったようにグループを組んで非営利法人を設置することが有効と思います。そこに情報が集まってくるはずです。なぜかというと、私個人が社会福祉法人の研究をするだけで、内部告発情報が私のところにたくさん来るのです。これを公表することは私の役割ではないので出しませんが、えっと思うことが色々と行われているのです。
○松原構成員 私もここでディベートするつもりはないので簡単に申し上げますと、特にここで内部留保の話とかで問題になっているのは、多分主として特養を経営している社会福祉法人であろうと思うのです。特養の主な収入源は介護報酬です。1回目の検討会で申し上げましたとおり、介護報酬は公共料金の代表的なものの一つです。公共料金は当然適正な経営のもとにおける適正な運営コスト、プラス資本コストを賄う適正な利益で成り立っている。公共料金の法律の中で明確にこの適正な報酬の部分は将来の投資に対するものなので、勝手に使っていてはいけない、つまり自分でちゃんと蓄積していきなさいという仕組みになっておりますので、この部分を法人の勝手な判断でどんどん本来事業以外のほかのものに使っていくことに対しては何らかのチェックが必要ではないかと思います。

 あとは適正な内部留保を持っていることが重要なのであって、過大な内部留保はこうした社会福祉事業において要らないと考えます。そもそも過大な内部留保を持つとしたら可能性は2つあると思います。人件費等を不適切に下げて利益を過剰に出して過大な内部留保になっているか、または本来事業以外や自由料金部分で頑張ってたまたま利益がいっぱい出たということになるかと思います。もう一つ、普通に経営していても、平均値で介護報酬は決まりますから、平均値よりコストを下げた経営をたまたまできたところは必要以上の内部留保になってしまいます。申し上げたいことは、去年の老健局の研究では過大な内部留保を持っているところは3割程度、7割は別に過大ではなかったということ。こういう中で過大ということを前提に議論をするのは乱暴ではないかということです。

 次に、公共料金でできている事業においては、そうたやすく利益が出たといってすぐ本来事業以外に使えるものではない。使えるものと使えないものとしっかり分けて討論していく必要があるのだということでございます。将来必要な分をしっかり考慮したうえで、まだ余っているならはじめて使える。

 あと質のチェックについては皆さんの御意見に全く賛成で、いかに住民などを巻き込んでチェックする体制に持っていくか。例えばオランダとかでは経理管理者全員分の人件費をまとめて全国に公表しています。透明性を図るための体制はいろいろあると思いますので、そういう検討が必要かと思います。

 以上です。

○田中座長 構成員同士が議論するのはこういう検討会の本質だと思うので大いに結構ですが、時間なのでここで残念ながら閉めなくてはなりません。

 古都審議官、どうぞ。

○古都審議官 いつもいろいろ御議論いただいて大変ありがとうございます。立場を超えてこのメンバーとして話していただいていることに感謝申し上げます。

 私どもは、もともと社会福祉法人が法人として経営できるようにしっかりやってもらいたいということで13年ほど前に制度改正をしました。その続きといたしまして、平成12年あるいは18年にいろいろ出していただいた。それがなかなかうまくいっていないことについてもいろいろ課題を提言していただいたことには大変感謝を申し上げたいなと思っております。ぜひここでそういう議論をしっかりまとめていただいて、いろいろな方面から議論していただくことは確かに問題がよく見えてくると私どもは理解しておりますので、それでやっていただければと思います。

 1点お願いがありまして、今日も聞かれた話でこういう問題があるという話がいっぱい出るわけでございますが、決して1万9,000法人全部同じ色をしているわけではございません。やはり私どもがしっかりと大規模化というものを一つ方向性として、私どもは12年前にそういった立場からすると、それをきっちり受け取ってそういう方向にやっていけるための道筋が十分描き切れていなかったという、我々としての方向性の出し方の問題があったなと反省をしているわけでございまして、そういう反省を込めて聞かせていただいた。その方向性が地方自治体にも十分お伝えできていないということでまた判断が難しくなっていることがあろうかと思います。

 そういう意味で我々としてはこの議論をしっかりやっていただくことは大変期待を込めております。それと同時に、目指すべきは健全性の高い社会福祉法人という制度であり、国民の財産でもありますので、これをそういう方向に持っていこうという意味では構成員の皆様も一致しておられると認識しております。ぜひそういうものを今後の議論でつくっていただきたいと思います。重ねて決して全てがそういう問題のある法人ばかりではないということも申し上げさせていただいて、今後の御議論をお願いしたいと思っております。

○田中座長 ありがとうございました。大規模化への道筋の議論をしなくてはならないと古都審議官にも言っていただきました。大規模化の目的がはっきりしないといけない。単に大規模化だけが目的ではなくて、介護が典型的ですが、地域包括ケアシステム構築に役に立つことが上位目的だと思うのです。先ほど児童についてもグループホームとか在宅の事業があるとおっしゃっていましたけれども、それもそのとおりで、いわゆる施設の話だけではなくて、法人が果たすのは地域にどう貢献するか。だから大規模化したくないとの選択はもしかしてあるかもしれないけれども、今の事業をイノベーションして地域に貢献する形に変えるのはマストだと思うのです。施設に閉じこもっているだけではない。だから規模は変わらないあり方もあってもいいのかもしれないけれども、多くの場合、規模拡大がセットになっているだろうといえます。

 利益率の話はこの検討会は余り関係なく、それは介護給付費分科会のほうで議論すればいいと思うので、利益率は問題ではなくて、果たして法人が地域に2025年、2030年に向かって機能を果たしているのか、そのために大規模化が必要な場合にはそうすべきであると考えるところは皆さんも意見が一致していると思います。テクニカルな点についてはいろいろな議論のあることのほうがむしろ事務局にとって後でまとめるときの参考になってよかったのではないでしょうか。

 ありがとうございました。では、次回の説明をお願いします。

○友藤課長 次回の開催でございますが、1月20日月曜日を予定しておりますので、どうぞよろしくお願いします。

○田中座長 では、年末のお忙しい中をお集まりいただきまして、大変実のある議論をいただきました。どうもありがとうございます。皆様、よいお年をお迎えくださいませ。


(了)
<照会先>

厚生労働省社会・援護局福祉基盤課

(電話): 03−5253−1111(内線2870、2871)

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