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2013年12月4日 第9回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成25年12月4日(水) 13:00~15:00


○場所

グランドアーク半蔵門 「富士西」(4階)
東京都千代田区隼町1-1


○出席者

熊坂、田中、千葉、藤井、堀田、渡部(敬称略)

○議題

1.平成25年度介護事業経営概況調査の結果について
2.介護保険サービスに関する消費税の取扱い等について
3.平成26年度介護事業経営実態調査の実施について
4.その他

○議事

○松岡介護保険データ分析室長 それでは、定刻となりましたので「第9回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会」を開催させていただきます。

 初めに、本日の委員の出欠状況ですが、堀田先生はおくれるとの連絡をいただいております。お越しになれば全ての委員に御出席いただくことになる見込みです。

 なお、局長は、1340分に国会用務のため退席予定です。失礼をいたします。

 それでは、冒頭のカメラの撮影はここまでとさせていただきます。撤収方、御協力をお願いいたします。

 

(報道関係者退室)

 

○松岡介護保険データ分析室長 議事に入る前に、お手元の資料について確認させていただきます。

 では、皆様、お手元の資料を見ていただければと思います。

 資料1-1「平成25年度介護事業経営概況調査結果の概要(案)」

 資料1-2「平成25年度介護事業経営概況調査結果(案)」

 資料2  「介護保険サービスに関する消費税の取扱い等について」

 資料3-1「平成26年度介護事業経営実態調査の実施について(案)」

 資料3-2から資料3-6まではすべて調査票となっております。

 資料3-2「介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設調査票(案)」

 資料3-3「介護老人保健施設票(案)」

 資料3-4「介護療養型医療施設票(案)」

 資料3-5「居宅サービス・地域密着型サービス事業所票(福祉関係)(案)」

 資料3-6「居宅サービス・地域密着型サービス事業所票(医療関係)(案)」でございます。

 資料の不足等がございましたら、事務局までお申しつけくださいますよう、お願いいたします。

 以降の進行を田中委員長にお願いいたします。

 

○田中委員長 皆さん、こんにちは。

 第9回の調査委員会です。きょうから熊坂委員に御出席いただいています。

 

○熊坂委員 よろしくお願いします。

 

○田中委員長 給付費分科会の委員である熊坂委員にこちらの委員会にも、前回御就任いただいたのですが、きょう、出席が初めてですので、御発言をよろしくお願いいたします。

 早速ですが、議事次第に沿って進めてまいります。

 議題1「平成25年度介護事業経営概況調査の結果について」、事務局から説明をお願いします。

 

○説明者 それでは、議題1の関係につきまして資料の御説明をさせていただきます。

 資料1-1、1-2でございますが、まず、1-1をごらんください。

 「1.調査の目的」でございますが、各サービス施設・事業所の経営状況を把握し、次期介護保険制度の改正及び介護報酬の改定に必要な基礎資料を得ることを目的としております。

 また、平成26年4月に消費税率の引上げが予定されておりますので、介護保険サービスにおける消費税率引上げへの対応の検討を行うために必要なデータにつきましても、この調査で取得することとしております。

 本調査は、本年の7月を調査時期といたしまして、平成24年度の決算額を把握しているものです。

 調査対象は、全ての介護保険サービス。

 調査客体数につきましては、前回同様の抽出率を基本としておりますけれども、前回、22年の概況調査で結果として精度が低かったサービスにつきましては、客体数をふやした上で、約1万5,000施設・事業所を客体といたしました。

 このうち有効回答となりました集計対象数は約6,500施設・事業所で、有効回答率にしまして41.7%となっております。

 調査の主な結果といたしましては、各サービスの収支差率は居宅介護支援を除きプラスとなっております。

 また、前回調査と比べますと収支差率については、訪問介護など4つのサービスで上昇、介護老人福祉施設など11のサービスで低下となっております。

 総収入に占める給与費の割合を見ますと、前回調査と比べまして、介護老人福祉施設など12サービスで上昇しており、これは事業所における処遇改善の取り組みが反映された結果ではないかと考えているところでございます。

 続きまして2ページ目、これは各サービスの有効回答率の状況でございます。介護老人福祉施設、介護老人保健施設につきましては50%以上となっておりますが、介護療養型医療施設、訪問リハビリテーション、特定施設などが1020%台と有効回答率が低くなっております。

 参考として、前回の概況調査、22年の結果を書いておりますが、トータルとしてはほぼ同様の数値となっております。

 また、欄外に注記してございますが、今回、定期巡回、夜間対応型訪問介護、複合型サービスの3つのサービスにつきましても調査対象といたしましたが、有効回答数が極めて少ない状況であり、今回の結果公表の対象外としております。

 続きまして3ページ、各サービスの調査結果の概況でございます。

 まず、一番右の欄でございますが、各サービスの収支差率を見ますと、下から5番目の居宅介護支援のマイナス3.1%を除きまして、ほかはプラスとなっております。

 サービスの分野別に見ますと、上段の介護保険3施設、認知症対応型共同生活介護、これらにつきましては、収支差率が6%台から8%台となっております。

 次に、その下の訪問介護から訪問リハビリテーションまでの訪問系のサービスについては、ほかと比べますと全体的に収支差率が低い状況でありまして、特に訪問看護、訪問入浴介護の収支差率が1%台となっております。

 その下に通所系のサービスがございます。通所介護、認知症対応型通所介護、こちらは7%台から8%台と比較的高くなっていますが、通所リハビリテーションは4.3%という数値となっております。

 短期入所生活介護につきましては、3.8%の収支差率となっています。

 居宅介護支援は唯一マイナス収支ということで、マイナス3.1%となっています。

 それ以外のサービスにつきましては、福祉用具貸与が9.7%、特定施設入居者生活介護が10.4%など、比較的高い値となっております。

 その横に収入に対する給与費の割合がございます。こちらを見ますと介護保険3施設、認知症対応型共同生活介護、その他の通所系サービス、これらはいずれも50%台から60%台となっております。特定施設入居者生活介護は若干低めで、41.6%となっております。また、訪問系のサービス、居宅介護支援につきましては、おおむね70%以上となっておりまして、それ以外のサービスは福祉用具貸与を除きまして50%台から60%台となっております。

 なお、サービス名、収支差率の欄に※の付してあるサービスにつきましては、有効回答数が少なく、集計結果に個々のデータの一つ一つが大きく影響していることが考えられますので、参考数値としております。

 最後に4ページ目、こちらは過去の調査と今回の調査における収支差率と収入に対する給与費の割合について並べてございます。これは参考として添付をしてございます。

 資料1-1の説明は以上でございます。

 続きまして、縦型の資料1-2をごらんください。

 1ページ目、「調査の概要」ですが、調査概要、回収状況につきましては、先ほどのものと重複しますので、省略をさせていただきます。

 下に留意事項として3つ掲げてございますが、3ポツ目、今回の調査につきましては、消費税対応の検討のためのデータを取得するということでございまして、調査票の費用の項目の最後に消費税課税対象支出の合計という欄を設け、調査をいたしましたところでありますが、記入があったものが有効回答の半分程度にとどまっております。さらに、記入があったものにつきましても、明らかな誤記と考えられるものが相当数ありましたことから、この項目については、公表の対象外としております。

 2ページ目以降につきましては、各サービスごとに収支等の状況の詳細でございます。基本的に前回調査と同様の分析を行っておりまして、詳細な数値につきましては、サービスごとにこちらをごらんいただければと思います。

 時間の都合上、個々の説明は割愛させていただきます。

 議題1「平成25年度調査結果の概要」の御説明は以上でございます。

 

○田中委員長 ありがとうございました。

 とても重要な数値です。これについて委員の皆様方から御意見、御質問がありましたらお願いいたします。

 熊坂委員、どうぞ。

 

○熊坂委員 今回から委員に加えさせていただきました熊坂です。よろしくお願いします。

 居宅介護支援のみ収支がマイナスになっておりますけれども、この分析につきまして、もちろん給与費が占める割合が非常に高い分野ですので、いろいろあると思うのですが、端的に言って、年度ごとにずっと過去の収支もよくないのですが、どのように分析されていますでしょうか。

 

○田中委員長 お答えください。

 

○説明者 お答えいたします。

 資料1-2を見ていただきますと、15ページが居宅介護支援事業所の結果でございます。

 これを見ていただきますと、今回の25年の調査が右から2番目の欄、その左側に前回、前々回、2219の概況調査、直近の実態調査、平成23年の結果が並んでございますが、毎回、ケアマネ事業所につきましては収支で見ますとマイナスでございます。これは過去も委員会で御議論をいただいているところではあるのですけれども、ケアマネ事業所の場合ですと、施設に併設されているもの、単独の事業所として行っているもの、いずれも調査の中では調査対象として含めてございます。それらの事業所の収益、費用の平均値を出しておりますので、単独型で見た場合にどうかといった点はあるかと思いますけれども、調査の設計上は分けていないということでございます。

 

○熊坂委員 それは給付費が実態に合わないということの分析もされていますでしょうか。

 

○説明者 そのあたりの詳細な分析は足りておりませんが、調査結果といたしましては、回を追うごとに収支差率自体は改善をしてきていることはこの結果からごらんいただけるかと思います。

 

○田中委員長 藤井委員、どうぞ。

 

○藤井委員 2点です。まず、回収率なのですが、全般に国がやられるこういうタイプが一つ、4割という線はあるかと思いますし、前回と比較しましても、一応クリアしたということで、事務局のかなりの努力と、御回答をいただいた事業所の皆様、あるいは関係団体の皆様にまず敬意を表したいと思うのですが、ただ、資料1-1の2ページを見させていただきますと、たしか平成22年のときには決算書を出せばいいという、非常に簡便な方法をやられたこともあり、非常に回収率も高くなっていたため、今回はそういうやり方ではないということで、実は、少し危惧をしていたのですが、むしろパーセントは上がっていて、さらに言いますと、明らかに上がってきている。老健であるとか、訪問介護であるとか居宅介護支援、こういったサービスがございます。なぜ上がってきたかという分析をしていただくのは、今後ほかの回収率を上げるためにも役に立つと思いますし、恐らくはこの事業所団体の方々の非常なる努力があるのではないかと思いますので、ヒアリング等を行っていただくとともに、ぜひ役所として十分な敬意を払うというか、褒めていただくといいますか、よく頑張っていただいたということを言っていただきたいなと思います。

 もちろん下がっているところもありますので、そのあたりも、例えば介護老人福祉施設ですと、64から54と下がっていますが、これは先ほど申し上げましたような決算書をつければいいということで落ちたのではないか。つまり23年度は実態調査では43.4ですので、だとすれば、例えばスポット的に年俸でもいいよという考え方があるかもしれませんので、全体として数値は動いていないのですが、各事業所ごとに動いておりますので、上がったところ、下がったところを分析していただいて今後に資するような形で。せっかく40%を維持するための御努力をいただいて、成果は出ていると思うのですけれども、さらにむちを打つようで申しわけないのですが、そのあたりをお願いできればなと。

 先ほど熊坂委員がおっしゃった件でございますが、私の理解なのですが、概況調査、実態調査の2段をわざわざ国費を使ってやっておられることの主たる理由が、概況調査ではまず大枠として捉えている。例えばケアマネは相変わらず赤字だということを今回大枠として捉えるのだろうと思うのですけれども、ただ大枠として捉えた範囲でも、ページ数で言いますと、資料1-2の15ページだと思うのですが、これは全般に言えるのですが、ぜひこのあたりも分析していただきたいと思うのですが、集中度といいますか、端の15ページで言いますと、下のグラフの25%以上マイナス20%以下といったところが非常に大きかったわけですが、これが縮んでおりまして、一応その中央のピークらしきものが少し見えると、0から5のところに、プラスのところに出ているという意味では、これの理由がどういう理由なのかにもよりますが、全般には悪くない傾向なのではないかと想像することができるのです。

 いずれにしても、例えば特別養護老人ホームでありますと、地域密着型がある、ユニット型がある、そこのどこが黒字でどこが赤字で政策的にどちらかが黒字であることはやむを得ないあるいは好ましいと考えるかという点があるのだろうと思うのです。居宅介護支援についても、特定事業所加算がついているところについては既に黒字であるというデータが前回までの分析であると思いますので、まず大枠としての黒字、赤字という部分を捉えるのがこの概況調査である。実態調査の際には、熊坂委員がおっしゃっていただいたような、政策的に見てここが黒字であるから、ここの赤字の点はやむを得ないという言い方は役所のほうでは言いにくいかと思いますが、そういった見方ができる分析をしていただければ、より我々のほうとしても意見が言いやすいかなと思います。という意味で、大枠として熊坂委員がおっしゃっていることに賛同いたしますが、恐らく概況調査ではそこまでは予定してないものだろうという理解をしておりますので、もし私の理解が違っておれば御指摘をいただければと思います。

 

○田中委員長 特にないですか。御指摘ありがとうございました。特に回収率が上がっている老健、訪問介護、居宅介護支援についてはその理由をきちんと見きわめて、今後一層回収率が維持向上できるように工夫すべきだと藤井委員に言っていただきました。おっしゃるとおりです。

 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ。

 

○熊坂委員 今回公表の対象外にしているサービスが幾つかありますけれども、これについては今後どうされるのでしょうか。

 

○説明者 お答えいたします。

 今回3つのサービスが回収数が少なかったということでございますが、定期巡回と複合型、あと、夜間対応型訪問介護もそうですが、3つのサービスとも抽出率は全て1分の1で調査票をお送りしておりますが、やはりもともとの母集団が少ないということでございますので、26年度の実態調査においては、極力、調査票の工夫をし、回収率向上に努めていきたいと考えております。

 

○熊坂委員 客体が少ないということは、もちろん当然統計に耐えられないということになりますが、その前段階の客体が少ないということはこのサービス自体が果たして妥当であるのかどうかの検討はされますでしょうか。

 

○朝川振興課長 振興課長です。

24時間サービスなどは始まったばかりだということもあるのですが、確かに思ったように今、サービスが伸びておりません。一方で地域包括ケアを実現していく上では非常に重要なサービスであると私どもは認識しておりますので、次期報酬改定に向けてどういったところにネックがあるのかも含めて、分析はしていく必要があると思っています。概況調査でありますとか、経営実態調査でありますとか、そこからデータが出てくることは非常に重要だと思っておりますので、回収率を上げる努力をすることと、それ以外のいろいろな研究事業とかもありますので、そういったところもあわせて活用しながら少し分析をしていくことではないかと考えています。

 

○田中委員長 どうぞ。

 

○千葉委員 今の件ですが、まさに今、振興課長がおっしゃられたように、制度ができたばかりで、ビジネスモデルとしてでき上がっていないのではないか。もちろん報酬の妥当性とか、制度の仕組みの妥当性の分析というものも必要。ただ今はまだそれ以前の段階。まずは今の仕組みの中でうまくやっているところと、やっていないところを分けて分析すべき。報酬改定の話以前の段階として、統計的集計ではなく、個々の事例を用いたミクロの分析を1回下ごなしした上で次の報酬改定のときにしっかりした統計調査をするというのが必要だと思う。事業の実態のほうをまずてこ入れしなければいけないと思います。

 

○田中委員長 私も一委員として。同じく今の定期巡回並びに夜間対応等が独立のビジネスラインかどうかそもそもわからないところの調査が少ないとか、そこの数字が妥当かどうかには余りこだわらないほうがいいと思うのです。むしろ定期巡回を併設している事業所はどうかとか、併設していないものに比べてどうかとか、もっと大きなかたまりで見ないといけない。今、千葉委員も熊坂委員も御指摘のように、事業としてそもそもどういう意味があって、多分、単独のビジネスモデルではなくて、もう少しいろいろなビジネスラインを持っている訪問系で、夜間もするとか、定期巡回もする。したがって、そのモデルが確定していない段階の付随的なところを取り立てて取り上げて回収率が低いと言っても、そもそも数値がわからないのかもしれないので、余りそちらに答えを持っていかないほうがいいと思います。すごく大切なサービスですし、広めたいので、捉えるときに注意が必要です。例えば病院で言えば、患者相談室の収益があるかとか、地域医療連携室の収益があるかと問うても意味がなくて、そういう連携室を持っている病院は経営がどうかという見方をしたほうがモデルとして正しいわけです。定期巡回もそれに近いところがあるので、余りここの回収率を上げる、ここの数値を細かく書かせるところにエネルギーを使うよりはもう少し広い目で捉えていったほうがいいと思うのです。これはあくまで一研究者としての意見で、委員長発言よりももう少し気軽にとっていただいて結構です。

 では、次の件をどうぞ。

 

○千葉委員 資料1-2の1ページの下の留意事項の3ポツ目のところに行ってよろしいでしょうか。

 多分これは後半の議題にもつながってくると思うのですが、今回の調査を設計するに当たって、あのときの記憶をたどると、たしか事業所団体のヒアリングをこの場でもやった。そこで幾つかの団体のほうから、あのときは高額投資の話が主だったのですが、やはり経常的な支出についても調べるべきというお話が確かあった。それを受けてこの調査設計になったと記憶しています。それで、調査をやってみたところ、この下にあるように、適切な結果が出てこなかった。これはもともと仕入れにおける課税額の把握というのは、課税事業者ではなく仕入税額控除をやらない人にとっては、余りそこを日々気をつけて記帳していない。それを後から書くのも多分無理があったのではないか。後講釈なのですけれども、こういう結果が出ることは想像に難くないのかなと思います。仮にそれを頑張って書いていただいた方でも明らかに誤記というのもあったとされています。もし差し支えなければ、どんな誤記があったのか、簡単なものでいいのですけれども教えていただければと思います。

 

○説明者 基本的に書かれている数値で多かったのが、給与費は消費税がかかりませんので、そこはカウントされないはずなのですが、一方で、事業所の費用の中で給与費は相当な部分を占めるわけでございますが、その給与費を除いた額と比べたときに、相当それよりも過大な数値が記入されているものについては、これは明らかに課税支出の合計としては大き過ぎるという判断ができるかと思います。そういったケースが相当あったということで、今回、公表外という扱いにさせていただいたということでございます。

 

○千葉委員 了解でございます。

 

○田中委員長 議題1についてほかに意見はございますか。

 どうぞ、渡部委員、お願いします。

 

○渡部委員 質問というよりは意見、要望ですけれども、資料1-2のグラフを見ますと、押しなべて全事業、福祉用具の貸与は除いて、一番下のグラフと一番上のグラフ、両極端なところが、前回の調査に比べると少なくなっているというのが客観的に見えるところだと思っております。これがどういう要因に基づいて両極端が少なくなったのかという要因分析等していただきますと、より有効な分析ができるのではないかということを考えております。もしなさっているのであれば、その原因がおわかりであれば、今回、御教示いただければと思っております。

 

○田中委員長 確かに両極端が減っています。何か分析をなさっていますか。

 

○説明者 一部のサービスを除きまして、マイナス20%以下、プラス25%以上の左右両極端なところは、全体に真ん中に寄ってきている傾向が今回の場合は見られます。

 今回の調査と前回22年の調査を比べた場合には確かにそのような傾向が出ておりますけれども、詳細な分析はできておりませんので、今後行っていきたいと考えております。

 

○千葉委員 一つ関連していいですか。

 

○田中委員長 どうぞ。

 

○千葉委員 私ども福祉医療機構でもこういう決算分析をやっている経験から、こういう外れ値のところで山が出ているのは、これよりも高い階層をもっと細かく区分すると一応ちゃんとした分布になっていく。それが20以上で全部くくるから、その他もろもろが入ってしまい、該当サンプル数が大きくなって出ているのだと思います。

 その「その他もろもろ」というのは2つ要因があって、1つは、実態が間違いなく記入されていて、実際に外れ値だというもの。もう一つ回答者の誤記入によるものです。そこのところをどこまで除外するかによってとんでもない利益率が出たりというのをうまく抑えられることもあります。そのチェックの仕方を、余りつき詰めてしまうとサンプル数的にこの調査の信頼性云々というのが出てきますが、逆に言えば、前回より今回のほうがそこを改善しているということは、チェックがうまくいき出したということなのかなという気もしています。あくまで推定の議論ですが、そんなことも可能性としては考えられるのではないかと思います。

 

○田中委員長 ありがとうございます。

 渡部委員が言われたように、ここは今後、何らかの形で精査を進めてください。

 また後で思いついたことがあれば議題1に戻っても結構ですが、時間の都合で次の議題2に移らせていただきます。

 議題2は「介護保険サービスに関する消費税の取扱い等」についてです。

 事務局から説明をお願いします。

 

○説明者 それでは、資料2、「介護保険サービスに関する消費税の取扱い等について」の資料をごらんください。

 消費税の対応については、前回の経営調査委員会で基本的な方向性について委員会としておまとめをいただきました。これを踏まえまして、本日御提示させていただいております。

 1ページ目「1.介護報酬における対応について」「基本的な考え方」でございます。消費税8%引上げ時の介護報酬改定については、基本単位数への上乗せを基本としつつ、消費税負担が相当程度見込まれる加算についても、上乗せを検討する。

 これが委員会、さらにその後の分科会でおまとめいただいたものでございます。

 具体的な提案でございます。

 「基本単位数への上乗せについて」、基本単位数への上乗せ率は以下のとおりとしてはどうかと考えております。

 消費税引上げに伴う影響分について適切に手当を行うため、人件費、その他の非課税品目を除いた課税割合を算出し、これに税率引上げ分、3%の場合ですと(108/105-1)を乗じて基本単位上乗せ率を算出。

 基本単位上乗せ率がその下にありますけれども、これは課税割合、各サービス事業所の課税経費の割合に税率引上げ分を掛けるということでございます。

 課税割合は先ほどの上にあるものと同じで重複いたしますが、1から人件費、その他の非課税品目、それぞれを引いたものでございます。なお、(108/105—1)に(注)を設けさせていただいておりますが、医療保険における対応との整合性を踏まえ検討ということでございます。消費税は3%上がりますが、今回の消費税引上げに伴う介護報酬、診療報酬、これらの取り扱いについては現時点で政府の対応が決まったわけではございませんので、本日の資料としての御提案はそのような状況であることを(注)として書かせていただいているものでございます。基本単位数への上乗せについてはこのような考え方で上乗せ率を出してはどうかということでございます。

 続きまして、2ページ、「加算の取扱いについて」。各加算への対応につきましては、以下の2つの段階で検討する必要があるのではないかと考えております。1つ目といたしまして、まず、上乗せ対応を検討すべき加算の整理でございます。2つ目といたしまして、上乗せ対応をする加算について具体的な処理方法でございます。

 まず、上乗せ対応を検討すべき加算の整理でございます。以下(ローマ数字小文字1)と(ローマ数字小文字2)の加算につきましては、それぞれの理由により、上乗せは不要ではないかと考えております。

 1つ目の加算については、単位数ではなく、基本単位数の割合で設定されている加算でございます。プラス5%の加算、プラス10%の加算といったものでございます。これらにつきましては、基本単位数への上乗せで手当されることになります。上乗せをされた基本単位数に割合分だけ加算いたしますので、基本単位数への上乗せで既に手当がされるということではないかと考えております。

 2つ目の加算でございますが、福祉用具貸与に係る加算でございます。福祉用具貸与に係る加算は離島等における交通費の加算でありますが、この加算の設定が交通費相当額割ることの1単位単価10円になっておりますので、消費税引上げ後の状況において事業者は課税転嫁された交通費相当額をもって算定できることになります。

 以上の2つは除かれる加算ということで整理をいたしております。

 次に、(2)上乗せ対応をする加算の具体的な処理方法でございます。

 今、申し上げた(1)の(ローマ数字小文字1)と(ローマ数字小文字2)の2つを除く残り全ての加算につきまして、加算の評価内容に占める課税費用の割合が大きいと考えられるものについては、基本単位数への上乗せ率と同様に課税費用に係る上乗せを行うこととしてはどうかと考えております。

 次に、(マル2)ですが、課税費用の割合が大きいもの以外の全ての加算につきまして、次ページにあるような考え方により対応することとしてはどうかと考えております。

 3ページ目、「考え方」でございます。

 1)、まず、これらの加算につきましては、イ、ロとあります。

 イ、評価内容に占める課税費用の割合が小さいということでございます。例として並べてございますが、ほかにもたくさんあろうかと思います。

 ロ、もともとの単位数の設定が小さく、上乗せ分が1単位に満たないものでございます。これにつきましても、例として載せてございますが、実は、相当数の加算が仮に上げようと思っても1単位上がらないのではないかというぐらいの単位数の設定となってございます。このように個別に上乗せ分を算出して対応することがそもそも困難な加算が多いということが考えられます。

 2)しかしながら、一方で報酬全体としてみた場合、基本単位数への上乗せだけではなく、加算分への影響分も含め適切に今回、手当をすることが必要ではないかと考えております。

 3)このため、個々の加算単位数への上乗せは、これらの加算については困難でありますので、考えられる対応といたしましては、基本単位数への上乗せに際しまして、これらの加算に係る消費税負担分も含めて基本単位数へ上乗せすることとしてはどうかという御提案でございます。

 括弧に書かせていただいておりますけれども、基本単位数への上乗せに際しましては、もとある基本単位数に掛けることの基本単位上乗せ率プラス加算に係る上乗せ率ということで考えてはどうかという御提案でございます。

 報酬への上乗せにつきましては以上でございます。

 次に、4ページ、「2.基準費用額、特定入所者介護サービス費、区分支給限度基準額について」でございます。

 これら介護保険に特有なものにつきまして、前回の委員会でも検討すべき項目として、少し触りだけ議論をいただきましたが、これらにつきましての基本的な考え方でございます。

 基準費用額、特定入所者介護サービス費、区分支給限度基準額については、介護事業経営概況調査の結果や、消費税引上げによるサービス利用料への影響等を踏まえ検討する。このようなことで前回させていただいておりますが、今回調査結果が出ましたので、真ん中の表でございます。若干数字が見にくくて恐縮でございますが、そもそも平成17年に3施設等につきまして、ホテルコストを外出しにいたしました際、そのときの基礎となるデータが平成1610月の介護事業経営概況調査のデータでございます。上が食費で、その下が居住費、多床室、従来型個室、ユニットと分かれておりますが、それぞれ当時の外出しをされた関係の項目の調査データが記されてございます。

 これに対しまして、一番左側、基準費用額、当時設定され、なお現在この基準費用額というのがそれぞれ設定されているところでございます。

 今回の調査結果が赤く囲われていない真ん中のところでございます。平成25年7月の概況調査(マル1)でございます。1610月のデータに対しまして現時点ではこのような調査結果となってございます。

 なお、消費税が上がりますので、真ん中の(マル1)のデータに単純に、まだこれも決まっておりませんけれども、仮に105分の108を掛けた場合の数字を試算してございます。それが赤く囲われた左側の箱でございます。

 なお、ちょっと細かくて申しわけありませんが、調理員等、減価償却費それぞれのデータにつきましては、まず、※1と付してございますが、調理員等、この中には委託費だけではなく、自前で行われている場合の調理員の方の人件費も含まれた数字でございますので、厳密に消費税引上げの影響を受けるものと受けないもので考えますと、そこは除かれる必要がございますので給与費の部分を除いた数字ということで括弧書きでさせていただいております。

 また、※2減価償却費につきましては、このデータはあくまでも25年7月の調査時点で、24年度以前の投資に係る減価償却費のデータでございます。将来消費税が引き上がった26年4月以降の数字はもちろんございませんので、とりあえずそのことを置いておきまして減価償却費、あるデータとして105分の108を掛けましたらこういう数値になりますということで、※2に注釈をさせていただいてございます。

 調査データは以上でございまして下の箱でございます。基準費用額、特定入所者介護サービス費についてでございますが、基準費用額については、今、御説明申し上げました実態調査の結果、現行の基準費用額を設定した際の費用額、表の一番右側の数字でございます。それと今、申し上げました直近のデータに105分の108を掛けました費用額に一定の変動が認められますけれども、当該変動幅をどのように考えたらよいかということでございます。

 また、基準費用額につきましては、補足給付との関係で利用者の負担限度額というものがありますけれども、これにつきましては入所者の所得の状況等を勘案して決めているということでありますので、今回この点をどのように考えたらよいかということでございます。これにつきましては、御議論をいただければと思っております。

 続きまして5ページ「区分支給限度基準額について」でございます。先般の委員会でも委員から御意見もございましたが、区分支給限度基準額につきましては消費税引上げの際の重要な論点でありますので、この委員会の意見として以下の(マル1)(マル2)の点に留意をしつつ、介護給付費分科会で結論を得ていただくということで、委員会として付言してはどうかということで書かせていただいてございます。

(マル1)の点でございますが、消費税引上げに伴う介護報酬への上乗せ対応は行うということでございますので、報酬への上乗せを行うことによりまして従前と同じ量のサービスを利用しているにもかかわらず、区分支給限度基準額を超えてしまう可能性があるという点をどう考えるかというのがまず1点でございます。

(マル2)でございますが、今後27年度に10%に上がることが予定されております。その際に27年は通常改定の年でもございますので、通常改定時の対応に加えて、今回引上げる場合はそれへの対応、それから10%時の対応ということでシステム改修を何回か要する可能性が出てまいります。そういったことと合わせまして、医療保険において10%時の議論というのはまたありますので医療保険における議論の動向、これらも踏まえまして検討する必要があるのではないかということで(マル1)(マル2)と、このような点に留意をしつつ、結論は分科会のほうで得ていただくということで委員会としては付言してはどうかという資料に本日はさせていただいております。以上が大きな2点目の基準費用額、それから区分支給限度基準額でございます。

6ページ以降につきましては、6ページが基準費用額の関係、7ページが区分支給限度基準額の関係、8ページが過去の分科会における、これらについての議論の経過を簡単にまとめたもの。いずれも参考として資料添付させていただいております。消費税の取扱いにつきましての資料の説明は以上でございます。

 

○田中委員長 ありがとうございました。多段階の付加価値税の最終段階が非課税であると、このように極めて人為的に難しい対応をするしかない。本当はどれを取っても最適な解はなくて、今いろいろな案が出ていましたがどれも非常に歯切れが悪いです。それは多段階付加価値税の最終段階が非課税かつ公定価格という、独特な世界だからですね。多段階付加価値税が非課税でも最終段階は自由価格ならばさほど問題はないわけですが、公定価格である医療と介護に伴う、いずれにしても一長一短ある解の中からどれを取るかをめぐる、苦しい選択についての説明でした。事務局からあったように最終的には分科会で決めることでしょうが、専門家である皆様の御意見はこの会議で伺いたいと存じます。3つテーマがありますので3つごとに分けてお願いいたします。

最初に「1.介護報酬における対応について」、全体論です。1ページについて御意見、御質問があればお願いいたします。渡部委員お願いします。

 

○渡部委員 1ページのこちらの介護報酬における対応についての基本単位数への上乗せについてでございますが、このロジックに関してはこのとおりだろうなと思っております。また注意書きにありますとおり医療保険における対応等の整合性を踏まえ検討ということですから、まだ具体的に詳細が未定だということだと思っております。

 その前提で一つこうあるべきだろうなと思っているところを1点述べさせていただきますと、この基本単位に上乗せをする率の算定において課税割合というのを利用されております。要は収入を100としたときに人件費の割合、その他の非課税品目の割合を引いて課税の割合を算出するというロジックだろうというふうに思っております。これについては異論はないのですが、果たしてこの課税割合を使うときの収入というのは、介護報酬収入を100として計算をされるのか。又は、その他の事業収入、介護報酬以外の利用者負担金収入、補助金収入、こういったものを入れた事業収入を100としてこの割合を使うのかによって、結果が違ってくるのだろうというふうに思っております。

 今回、基本単位に上乗せをするということであれば、この課税割合というのは介護報酬収入を100として、それぞれの人件費の割合等を算定すべきなんだろうと個人的には思っているという意見でございます。

 

○田中委員長 この1.0が何であるかという点ですが、お答えになりますか。

 

○説明者 具体的な算出につきましては、今後の作業となるわけですが、渡部委員のお話も参考として考えていきたいと思っております。いずれにいたしましても今回の対応は介護単独ではございませんので、医療、介護とそれぞれ整合を取りながら決まっていくべきものと考えております。

 

○田中委員長 藤井委員、どうぞ。

 

○藤井委員 2点ございます。1点は先ほど渡部委員がおっしゃられたことで、基本的には私も渡部委員に賛成なのですが、利用料収入をどうされるかという問題があると思います。特に特定施設入居者生活介護というのは2.5対1以上の配置で、かなり利用料収入が入っております。そしてその部分は支出としては人件費にかなり溶け込んでおりますので、これは費用をどう分けていくかということがありますので、ちょっと丁寧に一つ一つ見ていかれて、総論とすれば渡部委員の言うとおりと思っております。

 それからもう一点、これは確認ですが、2.に関係する話ではあるのですが、ここの課税割合のその他非課税品目率というところで食費、居住費にかかわるものは当然もう外に出ているので全部抜いてやりましょうという意味で、その他の非課税品目ではないので、品目等になるのではないかと思うのですが、入っているということでよろしいかどうか確認をお願いします。

 

○田中委員長 どうぞ。

 

○説明者 その点も含めまして適切に対応を考えていきたいと思っております。

 

○田中委員長 先ほど私言い間違えました。1.ですから1ページから3ページまでについて最初にまとめて御議論くださいということです。1ページだけではなく加算についてもです。

 お願いします。

 

○熊坂委員 両委員がお話されたとおりだと思います。私もこの方法しかないのではないかと思いました。途中から議論に加わったのですが、勉強をさせていただいてそのように思っております。私は医師会員でもありますし、また医療法人の理事長でもありますが、ここにありますように医療保険における対応と整合性を踏まえ検討ということです。医療の場合ですと、薬品代とか材料費、あるいは非常に医療機器も高額であるということで、消費税の影響をかなり受けるわけなのですけれども、介護の場合ですとやはり人件費の割合が非常に高いということと、さして高額な機器等も少ないということでもありますので、医療よりはいろいろな意味での影響は少ないと感じておりますので、今この原案のとおりで当面やっていくということでよろしいのではないかと思います。

 冒頭に田中委員長がお話をされました、いろいろな含蓄のある言葉だと思いますけれども、そのように私も考えております。

 

○田中委員長 ありがとうございました。

 千葉委員、お願いします。

 

○千葉委員 私もここに書いてあることについては基本的には異論はございません。テクニカルに算式の重箱を突っついても、他制度との整合とか、いろいろな意味で絶対の正解はもともと先ほども委員長が言ったようにないと思っておりますし、そもそも論で言うと、こういう考え方のフレームワークをつくるのをこの委員会でやるべきなのかというところはあると思っています。やはりその制度の枠を動かすときの調査のスキームというところで我々はミッションを与えられているのではないかというのが第一義だと思います。そうは言っても消費税とか税額の計算というのは渡部先生はじめいろいろな有識者の方もいらっしゃるので、そういうテクニカルなアドバイスという意味ならばこの場での議論もありなのかなと思います。

 そういうところで余り細かい計算式の重箱を突っついても仕方がないのです。先ほど藤井先生がおっしゃったように課税割合のところも当然これの掛け算が基本単位数ですから、収入のほうに掛け算をするのでこの課税割合も分母は収入でなければいけないのかなと思いつつ、ただ収入のほうは分けられても、それに対応する一個一個の対象経費が分かれているわけではありませんので、人件費が報酬部分の人件費とそうでない人件費なんてあるわけではないので、なかなかそこは難しいところなのだろう、もうここは決めの問題なのだろうと思います。もうそこはどこで割り切るかしかないのかなというのが正直なところです。

 そのときにちょっと一つだけ引っ掛かるというか、これも別に意見を述べる立場ではないと思うのですが、3ページのところです。加算のところについては諸般の事情でいろいろと加算に困難な要素もあるので、結局その基本単位数の上乗せということで、基本単位数の上乗せ率に加算に係る上乗せ率を足した上で基本単位数に掛けるという形なので、結局加算の部分のしわ寄せは全部基本単位数に乗せると読み取れるのです。これは仕方がないことだと思います。ただこれを繰り返していくとだんだん本来の姿と算式で想定している世界が乖離していくことが考えられる。でも他に手はないので、そういうことの第一歩踏み出すんだよということを認識した上で、これをやるならやるという方向にするしかないのかなという気がしています。何にも建設的な意見ではないのですが、ちょっと気になっただけでございます。以上です。

 

○田中委員長 我々に求められているのはテクニカルな意見ですから、それで結構だと存じます。

 堀田委員、お願いします。

 

○堀田委員 私もこの1~3ページのところの方向性は全く異論がないというか、このようなことにしかできないのだろうと思うのです。先ほど渡部委員と藤井委員が御指摘のところの次に深めていくときには1ページのところの1が何を指すかで、とりわけ基本は介護料収入であるべきだと思いますが、保険外利用料のところの扱いについてどう整理するかを含めて、次の議論のときには材料を出していただけるといいなと思います。

 以上です。

 

○田中委員長 ありがとうございました。基本的に異論はなかったようです。

次に4ページ「2.基準費用額、特定入所者介護サービス費(居住費・食費関係)、区分支給限度基準額について」の御質問、御意見お願いいたします。どうぞ。

 

○千葉委員 この表なのですが、どのデータを使ってどう計算したかはわかるのですが、これをどう読んだらいいかというところで、ちょっと聞き漏らしたかもしれないですけれども、これは結局一番左の基準費用額とその右側にある赤い枠で囲ったところの大小関係でほぼニアイコールとか、こっちのほうが大きいとかを見ていけばいいのでしょうか。見方をもうちょっと御教示いただけるとありがたいのですが。

 

○説明者 お答えいたします。説明が不十分でございましたが、一番右の数字というのが基準費用額が設定されたときのもととなる調査データでございます。ですので、この一番右側の16年の調査データのうちのそれぞれ調理員等、それから材料費等の数字。また居住費につきましては減価償却費と高熱水費。これらの合計、この太字の計の数字、これが一つバックデータとしてあった上で基準費用額が設定をされているということでございます。ですので今回の調査結果におきまして、それに仮に105分の108を掛けた数字が隣にある数字でございますので、比べていただくべきはまずは一番右側の16年のデータ、これに対して同じく赤で囲った左側のほうの数字を見ていただくということで、この表はつくってございます。

 以上です。

 

○藤井委員 1点、4ページの考え方で賛成なのですが、田中委員のお話を聞いていて何かロジックなるものが必要かなと思います。つまりコストでこれが足りているからいいではないかというロジックは変だと思います。なぜならば最終消費者に転嫁してもらっているときに、儲かっているからあげなくていいではないかという理屈はないと思うのです。ですから基本の考え方をすればこうではないかと思うのですが、田中委員がおっしゃったように公共料金という見方をいたしますと、診療報酬と介護報酬はほかと違う点が何点かあるのですが、大きな点は自分たち事業所の側が上げます下げますと審議する形になっていないことと、それから消費者が10割、例えば電気料金、水道料金、交通費全部消費者が払っているわけですが、払っていないと。したがって非常に下方硬直的になっているのではないか、例えば福祉サービスに関しては介護報酬は上限設定のはずですが、それよりも安い設定をしている事業所はほとんどありませんし、1380円等々についても、それよりも低い設定をしている事業所はほとんどいないと思うのです。

 平成1510月からは1380円に設定して以来いろいろな料金は下がっている。デフレが進んでいますから下がっているはずなのですが、それに応じて下げている事業所はない。なぜかというと消費者が一部しか負担をしていないので、価格が敏感に動く必要がないといいますか、非常に下方硬直的なので事業者側も下げていない。価格メカニズムが働いていないという1点があれば、つまり今の価格、ここにあります4万2000円とか1万円とか、こうした価格そのものが公定価格であり、しかも極めて下方硬直的で流動的に動いていない。だからコストをもとに算定していいのだという理屈が要るのかなと。コストが変わっていないのでいいではないかはちょっと弱いかなと思いました。

 以上です。

 

○田中委員長 熊坂委員、お願いします。

 

○熊坂委員 ただいまの藤井委員のお話はとても重要だと思いました。やはり介護保険の精神みたいなものを頭に、コストがこうだから下げてもいいとか、そういうことではなくて、やはり支給限度額にしても、いろいろなサービスにしても、ただでさえ介護の職員が資格を持っていながら離れているという状況が出ていますので、やはり介護保険そのものにもう一度精神を吹き込むことを、私もケアマネですが、そういうことを考えていくときに、今の藤井委員のお話については真剣に議論をする必要があると感じました。

 

○田中委員長 ありがとうございます。いずれも重い御指摘です。制度を人々に納得し続けていただくためには、理論、理念が背景にあって、結論は同じになるのかもしれませんが、その上で言わないといけない。表面的な事実ゆえにいいではないかではだめだということもありますし、それから今後検証を重ねていく必要があるので、後の検証に耐えられるように来年の段階でまとめておかないといけません。それは親委員会に対する提言かもしれませんが、その場対応でこれでいいではないかといった結論を出してはいけないと2人から言っていただいたのだと思います。ありがとうございます。

 どうぞ。

 

○藤井委員 これは精査されてのことだと思うのですが、1610月から25年7月のところで、私は従前からこの間非常に特養等で建てるときに、いわゆるコスト意識が働いて昔のように高く建てていない、安く建てるようになってきたので、下がっているだろうなと。にもかかわらずホテルコストは下がっていないだろうなという見方をしていましたので、こういう結果になるのではないかと思っていました。

 ちょっとはてななのが老健療養型のほうの減価償却費がこんなに落ちているかなというのがちょっと直感的にわかりにくくて。例えば老健の4万4,428円が2万7,907円になっています。落ちるとすれば療養型は想定できて非常に老朽化が進んでいますのでもう償却を終わったような施設があるのではないかと想像はできるのですが、老健がここまで下がるのかなという気がちょっとあります。これはちょっと次の審議会までないとは思いますが、精査していただいてこれが下がっている理由がわかったほうが私としても安心して委員の一人として審議会にお諮りいただけるかなと。見られる方が見ると何で安いのだという話にはなるのではないかと思います。

 以上です。

 

○田中委員長 御指摘がありましたので、老健の減価償却費がこの間なぜこんなに下がったのか、もしわかればで結構ですが見てみてください。

ではもう一つ5ページの区分支給限度額について、(マル1)、(マル2)、これは両論併記的に書いてありますが、これについて御意見をお願いします。

 

○熊坂委員 非常に単純な言い方ですが、この区分支給限度額については、今回の消費税が上がることによってこれは変えてもいいと、変えるとは恐らく上げることだと、そういうことでもいいのでしょうか。そういうことを含んでいる文言なのでしょうか。

 

○田中委員長 老健課長お願いします。

 

○迫井老人保健課長 老健課長でございます。資料の書き方、それから多分議論の前提を確認されているのだろうと思います。余りお答えにならないのかもしれないですが、これは先ほどの事務局の説明の中で申し上げました、前回7月に御審議をいただいた、それまでの時点で、もともと消費税の議論は医療保険を含めて冒頭に委員長がおっしゃったようにさまざまな限界がある中でどうするのかと。基本的には医療の考え方をもちろん踏襲して整合性はとりつつということですが、ここに記載されております、2ポツの部分は介護保険固有の制度でございますので、これらについて基本的に整理をしていく必要があります。

 逆に言いますと制度ですから、基本的には合意形成があれば制度自体の見直しはもちろんあり得るべしということです。ですが見直す場合については一定の合理性、それから説明責任等が生じることになります。ですので我々としては今こういう制度を運用していてこういう数字ができていますということで事務局なりの整理をして関係者のお考えなりを整理すると、5ページに記載されたような論点になるのかなということを御提示させていただいた上で委員会としての整理をお願いできればなと。

 特にここの部分につきましては御専門の立場の御意見も重要ではあるのですが、特に5ページの○に書かれているような実態論の部分もありますので、こういったことも含めて委員会としてどういうふうにお考えをいただけるのかなと。事務局なりのサジェスチョンとしては、基本的には分科会で御議論をいただくような内容なのかなと提示をさせていただいたということでございます。

 

○藤井委員 かなりこの区分支給限度基準額をどう考えるか難しい問題で、したがって先ほど千葉委員がおっしゃいましたようにこの委員会の役割が何なのかというところに戻るのですが、委員会の役割を超えているかどうかわからないですが、言える機会なので言わせていただきますと、これは言うまでもないことですが、この区分支給限度基準額そのものの根拠が介護保険制度前につくられたものでございまして、今となっては根拠足り得てないものだという御認識をお持ちだと思うのです。これをいつかどこかの時点できちんと見直していただきたいなというのがあるのではないかと思います。それがないと見直しのロジックも多分ないのだと思います。

 いずれにせよこれは今のままで行くか、あるいは上げるのか上げないのかということだと思うのですが、やはりごく一部の方で報酬を上げたことによって限度額を超えてしまうケースが出てくるのだろうと思います。そういう措置をどうされるのかということで、本来ですと10%に上げるときにインボイスも含めて抜本改革をやってくれるのかと思っていたのですが、どうもそうでもなさそうなのです。8%のときもやって10%のときもやってシステム改修にどれだけ国費を投じるのだということにもなりますので、10%のときにまとめてきちんと考えますよという会議もあり得るとは思うのですが、その間にギリギリ上限の方が困ることのないようにという配慮ををどうされるのかの技術的な問題かなという気もいたしております。

 以上です。

 

○田中委員長 システム改修は10%のときだけにして、途中の段階では別枠で配慮する案もあり得ると理解したのですが、よろしいですか。そういう御提案ですね。給付費分科会で結論を得るようにと書いてありますから、逆に言えばこの委員会は自由に発言していいということですね。専門家として自由に御意見をお願いします。もう一、二いかがですか。

 堀田委員、お願いします。

 

○堀田委員 根本的にやり直すことをしないのであれば区分支給限度基準額については特にこの基本の部分が上がるのであれば全く手を入れないのはとりあえずありえないのだろうなと思います、というのが一つの前提で。ただ全体で3つの論点のうちの1つ目と区分支給限度基準額のところに書かれているのはそのように諮るのであろうと思うのです。とりわけこの長期的な制度、システム改修という言葉を使われていますが、ということを考える際には今、藤井委員が直近で御指摘になった区分支給限度基準額の考え方、とりわけ私が違和感があるのは戻って恐縮なのですが、4ページのところでこういった議論をする際にこの表をもとに何を議論すればいいのだろうかというのがすごく考えるところです。短期の方向性としては書かれていることはごもっともで、基本的な考え方に全然異論はないのですが、ここの委員会からの課題の提起としては長期的にどうこの基準費用額を考えるか、それから区分支給限度基準額を考えるかについての議論が必要ではないかということをぜひ加えていただいたいと思います。

 

○田中委員長 基本単位への上乗せのところでもどっちみちシステム改修は必要なのに何で区分支給限度基準額のところだけシステム改修が2段階になってはいかぬという意見が出ているかは整合性が取れてないですね。2番目は変えないからいいだろうけれど。上乗せについても変わるのだからこっちも変える案もあり得るし。

 どうぞ。

 

○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。もし私の説明に過不足がございましたら計画課長のほうにも御支援をいただきたいと思うのですが、この点はよく私どもも質問を受けます。そういうこともあって改めて確認の意味も込めて御説明をさせていただきます。報酬改定は定期的に訪れます。それから、消費税の議論が始まった段階で、方法論は別としまして、報酬を修正し得る、改定し得るということはメッセージとして発信はさせていただいておりますので、少なくとも事業者さんが今度の4月に報酬改定なんかあるの?ということはないように注意深く情報発信をしてまいりました。

 しかし、ここに扱われているような、例えば区分支給限度基準額、これは今まで動かしたことはございません。そういたしますと従来改定で行ってきたさまざまなシステム改修とは違う、例えば保険者、市町村の負担、さまざまな部分でいろいろな修正が従来にはない対応を求められることになります。そういったことに我々は注意深く一応情報発信をしてきているつもりではありますが、実際にやるとなった場合のシステム改修の負担は従来の改定とはちょっと次元が違う。余り大げさにいうのは本意ではないのですが、かなり大掛かりな対応を要するということで、改めまして同じシステム改修だから同じではないかという御指摘は本当に頻繁に受けるのですが、特に保険者が担う事務負担は相当なものがございますので、その点はやや強調させて記載をさせていただいているところでございます。

 

○田中委員長 ありがとうございます。保険者にかかわるシステム負担が区分支給限度基準額では強調されているのですね。

 どうぞお願いします。

 

○熊坂委員 先ほど課長さんがお話したとおり、私も市長として保険者を12年やりましたので、今回の改定についても市町村はどうなるのだろうと見ています。そういったことも勘案しつつ介護保険の理念みたいな区分支給限度基準額については、この委員会でももう一回議論をしてもいいのではないかなと思っています。

 

○田中委員長 よろしゅうございますか。

 それでは、今いただいた議論を簡単にまとめますと、消費税8%引上げ時の対応として基本単位数への上乗せ率は各サービスの課税割合ここは厳密にテクニカルにこれから考えるのでしょうが、各サービスの課税割合に税率引上げ分を乗じて算出する。これについては特段の異論はありませんでした。

 加算の取り扱いについては、まずは基本単位数に対する割合で設定されている加算と福祉用具貸与にかかわる加算は上乗せ対応を行わないとの事務局原案に対して特段の異論はありませんでした。

 次に、その他の加算のうち課税費用の割合が大きいものについては、基本単位数への上乗せについてと同じく課税費用に関する上乗せを行う。一方、課税費用の割合が小さいものなど個別に上乗せ分を算出して対応できないものについては、あるいは対応することが困難なものについては、基本単位数への上乗せに際してこれらの加算にかかわる消費税負担分も含めて、2段階になりますが、そういう計算を行うとのまとめでよろしゅうございますか。

 基準費用額については、まずは実態調査から見て、実態論としては据え置いてもよいのではないか。また、利用者の負担限度額については入所者の所得状況等を勘案して決めていることから見直さないのが事務局の案でしたが、委員から出た案は、これはこれで構わないけれども、これに対するもう少し世の中に説明可能な理論的根拠、あるいは熊坂委員の言い方を借用すれば、理念的な部分まで含めた説明がないと実態調査で影響がないからだけでは弱い。もう少し解説をつけた上でそういうまとめになると思います。

 区分支給限度基準額については、消費税引上げの際に利用者の一部が受ける影響を考えればとても大切な議論であります。当委員会の意見としては、結局事務局が出している2つの案に対し、今日のところ我々としては結論は出せませんが、この2つの案を介護給付費分科会で改めて議論をいただくことになります。1つは介護報酬の上乗せを行うことにより、従前と同様のサービスを利用しているにもかかわらず、区分支給限度基準額を超える可能性があることをどう考えるか皆さんに議論をしていただきたい。

 その一方で、今、課長に御説明いただいたようにこれは保険者のシステム改修が大変です。平成27年度に予定されている消費税10%引上げ時に通常の改定に加えてもう一度システム対応の可能性があります。それも踏まえて医療保険側が2段階のときにどうしていくかに関する議論も踏まえて検討すべきであるとのまとめでよろしゅうございますか。

 それでは、そのようなまとめとして介護給付費分科会に報告をすることにいたします。ありがとうございました。

 次に議題3「平成26年度介護事業経営実態調査の実施について」事務局から説明をお願いします。

 

○説明者 それでは、議題3の関係につきまして御説明をさせていただきます。

まず資料3-1をごらんください。「平成26年度介護事業経営実態調査の実施について(案)」でございます。平成26年度の実態調査については以下の基本的な考え方に沿って調査を行ってはどうかと考えております。

「1.調査の目的」といたしましては、介護報酬は各々のサービスの平均費用の額等を勘案して設定するとしていることから、各々の介護サービスについての費用等の実態を明らかにし、介護報酬設定のための基礎資料を得ることを目的とする。

「2.調査時期及び公表時期」といたしましては、調査時期は平成26年4月、公表は9月ごろに本委員会へ報告したいと考えております。

「3.調査対象等」につきましては、基本的に前回平成23年度の調査と同様で行いたいと考えております。

1枚おめくりいただきまして、2ページ目でございます。

「5.回収率及び有効回答率を確保するための具体的な方策」でございます。(1)調査票設計の見直しを今回少し行っておりますので、簡単に御説明をさせていただきます。

まずポツが3つございますが1ポツ目でございます。要介護度別の利用者数等の詳細な調査項目については調査対象サービス分のみを把握することとしたらどうかと考えております。前回までの調査では他の併設のサービスについても詳細な項目を同様に記入をしていただくことにしていましたので、記入者負担が大きかったところを見直しを行うものでございます。

具体的に資料3-2、特別養護老人ホームの調査票になります。調査票の2ページでございます。特養のところですが要介護度別の利用者数等について書いていただくページでございます。前回の調査では、この後にすべてのサービスに同様の記入欄を設けまして、その中から特養としてほかに併設しているサービスがある場合は、そこの欄をチョイスしていただき記入していただくということを行っておりましたが、記入負担に配慮して今回は削除し特養だけの欄としているところでございます。

資料3-1の2ページ目5.(1)の2ポツ目でございます。調査対象サービスに係る費用按分に必要となります併設サービスの利用者数等の項目について今回は1ページに集約をして把握することとしたらどうかと考えております。

今度は資料3-2の3ページでございます。こちらをごらんください。この調査の一番の肝となります併設サービスとの費用按分のために必要な項目として、従来から延べ利用者数、食事の延べ提供数、送迎の延べ回数等を記入していいただくこととしておりますが、これを併設サービス分を縦に全て取りましてこの中から併設サービスのものについては事業所番号、延べ利用者数等全ての記入を1枚の中でしていただくこととしてはどうかと考えております。

資料3-1にお戻りいただきます。今回の調査票設計の見直しの3点目でございます。職員数と職員の給与について1つの設問として把握することとしたらどうかと考えております。前回までの調査では別々の設問でページが分かれておりまして、回答をいただく事業所の会計の区分が調査対象のサービス単独で収支を把握できる単独会計なのか、もしくは会計を他の併設サービスと合わせて一体的に行っている一体会計なのかによって記入が必要となる設問を分けておりましたが、ページが違う関係で片一方の記入がなかったりといったような記入不備が多かったということでございますので、その点の見直しを行っております。

資料3-2の5ページをごらんください。問3でございますがこの問いで職員数と職員給与をまとめて1枚の表に項目整理をいたしております。常勤・非常勤職員それぞれに職員の数、それから給与これを1票に整理をしてございます。前回の票がお手元に用意してございませんのでよく御理解いただけないかもしれませんが、前回までですと単独会計と最初に回答された場合は職員数の設問は記入不要としておりました。職員給与の設問で職員数を把握することにしておりましたが、その単独会計なのか一体会計なのかのそもそものところの回答が仮に誤りであった場合に必要な情報が得られないことが実態としてございましたので、1票にまとめることでもれなく必要な項目を埋めていただけるのではないかということで今回調査票のスタイルを変えております。

資料3-2の1ページ目をごらんください。今、申し上げました会計の区分状況の問いでございます。先ほども申しましたがこの調査は基本的に各サービスごとの収支を取る調査でございます。ですので併設サービスを除いてそれぞれの調査対象として当てられたサービス分の収支を正確に把握できるかどうかがまさに生命線でございます。先ほど平成25年度調査の公表をさせていただきました集計におきましても、単独なのか一体会計なのかのまさに入口のところで誤った理解をされまして、結果として有効回答にならずという回答が実は相当ありました。このため、単独会計、一体会計の説明を従来の調査票よりも調査票上細かく※のところで書いてございます。合わせて少しでもわかりやすいようにということでイメージ図を挿入し、こういう場合は一体会計で単独会計ではないというところを少しこれまでよりも加える形で調査票をこしらえてございます。

資料3-1の2ページでございます。このような調査票設計の見直しを行いました結果、真ん中の(2)にありますとおり、全体としてページ数は相当縮減をしております。調査票は5種類ありますが、例えば資料3-6の居宅サービスの医療関係の調査票で申し上げますと、これまでは最大で14ページ分の記入が必要でありましたところを今回は8ページの記入で足りる内容になってございます。このような形で5種類全ての調査票について同様の縮減を図っているところでございます。その下の(3)の既存情報の活用以降につきましては、従来からの取り組みを引き続き行っていくものでございます。

調査票の設計見直し以外の部分につきましては前回と同様としておりますので説明は省略させていただきたいと思います。26年度の調査の案につきまして説明は以上でございます。

 

○田中委員長 ありがとうございました。簡単になるように御努力をいただいているようです。ではこの票の調査について御質問御意見をお願いいたします。熊坂委員どうぞ。

 

○熊坂委員 今回の調査につきましては、介護従事者にとっても非常に重要な自分たちの将来を左右するそういう統計になるにもかかわらず非常に回収率が低いということです。それについてもちろん負担を軽減するとか、オンラインにするとか、既存で助かるとかということは、もちろんそれはそれで負担を取るのに大事だと思いますが、それよりもこれはもう出していただくということにもう少し工夫をしていただければと思います。例えば途中でまだあなたのところが出ていませんとか、お手数をおかけしますがとか何かやけに下手に出ているような気がそれはもちろんいいのですがもう少し4割というのは余りにも低いなという感じがするのですが、その工夫は何か考えてますでしょうか。

 

○説明者 お答えいたします。実際の調査、これは国の統計調査でございますが実施機関に委託して行っております。そちらからの話も聞きますとまずやはりそこは必要なことでありますので、実際に調査票を配布させていただいている事業所のところでこの調査がいかに重要なものであるかをきっちり認識していただくことが必要です。そのために今後何ができるか考えていきたいと思います。

 これまでも委託先からの配布だけではなく実際に調査票配布の際には厚労省からの文書も添付した上で、督促等も複数回にわたり行っております。いずれにしましても手だてをいろいろと考えながら回収率を上げていきたいと思っております。

 

○千葉委員 本当に回収率は調査の信頼性を左右する大きな問題であると思います。多分ここにある問題は最終的に使えるデータがどれだけなのかという要素があって、一つは今、委員がおっしゃったような、まず調査票を発送した中でどれぐらい返ってくるかが1点、それからもう一つは返ってきた中で不備があって落とさざるを得ない涙をのんで捨てなければいけないのがどれくらいあるのかという点です。もちろん1点目の努力が必要だというのが多分今の御指摘だと思うのです。2点目のほうで、できるだけ返ってきたものを捨てないようにする努力もまた重要だと思っております。

 その点からすると今回の調査票は、画期的に大きく進歩した部分があると思います。つまり私ども福祉医療機構での調査でもそうなのですが見た目の調査票が分厚いとそれだけで回答者は嫌気がさすというのがあると思います。そういう意味では今回はこの1枚を書けばいいのだ、この1枚というかこの1冊を書けばいいんだというふうに改善されている。持った感じもそんなに厚くない。ここが非常に重要だったのかなと思います。それで回答者の返したくない気持ちを少し和らげるという意味では返ってくる数を増やす改善ができるのではないかと思います。

もう一つは御説明の中にもありましたが、せっかく返ってきたのを泣く泣く捨てていたものがあるのをどうするかという点だと思います。それが特に先ほどの職員の数のところが複数カ所にわたり片方は書いてあり片方は書いてないというので本当は両方に書いてないと意味がない調査なので残念というのがあったと思います。そこで重要なのはこの調査票の3-2で言えば1ページ目のところの単独会計か一体会計かでまずロジックを振り分けの部分です。ここで振り分けてその上で5ページのところで一体会計の人は「うち調査対象サービス」の部分は記入不要というふうに交通整理されますからかなりここでの誤記とか記入漏れみたいなのがなくなり不良サンプルにならなくて済むのを期待できるのではないかと思います。これはやってみないとわからないものですが、ここの部分の改善には期待したいなという気はしています。

では実際に回答者の目で見たときに、一つ今のお話の中で肝になるのは例えば特養の調査票でいうと1ページ目の問1の(3)です。これは渡部先生の御専門のほうかもしれませんが「1.単独会計」、「2.一体会計」と書いてありその説明としてまず箱の中には調査対象サービス単独で会計を行っている。2.として一体会計は調査対象サービス以外のサービスと一体的に会計を行っている。こう書いてあるわけです。下のほうの※を見ればよくわかるのかもしれませんが、例えば今、社会福祉法人の場合ですとこれまでは特養では指導指針という会計ルールがありますが、あれでいうと特養の会計区分下に2.にあたる構成を前提にした上でセグメントとして通所、短期や長期の特養を表示できるようにしている構造があります。これまでにもう何度も調査をやっているからやり方はわかるかもしれません。ただ今回の回答者が前回と同じであるとは限らないので、例えば自分が指導指針でやっているときに果たして自分のところは1.なのか2.なのかというと会計区分では一体でやっていて、内訳のセグメントでは事業ごとに単独になっているけれどもどっちなのだろうと迷ってしまうかもしれません。

そういう意味では、例えばの御提案なのですが(3)のすぐ下に書いてある枠の中の単独会計・一体会計の説明のところが、「単独で会計を行っている」とか「一体的で会計を行っている」という形でオウム返しの説明になってしまっています。これではよくわからない気がします。要は何が問題なのかというと、こういう施設はどれもそうなのですが入りは分けられるのです。特養は介護福祉施設介護料収入、短期や通所などは居宅介護料収入と収入が分かれています。一番問題なのは支出が分かれて経理処理されているかどうかだと思います。そういう意味では、この単独会計・一体会計の右側の説明として、調査対象サービスに係る費用が当該サービス以外の費用と決算書等で分かれて計上されているかどうかに着目すればよいと思います。そう書けば指導指針の人だったら、自分たちは会計区分としては一体だけれどもセグメントを持っているからこれは「単独会計」でいいんだという解釈ができると思います。ここの説明はそのような形で書き分けて丁寧にやっていただくとより良いのではないかという御提案でございます。

以上です。

 

○田中委員長 非常にありがたい御提案です。業務が一体的、会計が一体的、収入が一体的、費用が一体的、それぞれ意味が違います。今のは大変わかりやすい御説明をいただいたので、できる限り採用してください。

 

○説明者 ありがとうございました。少し御相談をさせていただきながら修正のほうをさせていただきます。

 

○田中委員長 後で個別に委員から教えていただくのを加えてお願いします。

 堀田委員、どうぞ。

 

○堀田委員 細かい点なのですが、例えば3-2の5ページのところで職員数と職員給与のところがあるのですが、左側の常勤のところに換算人数とあるのは何でしょうかというのが1点です。

 もう一つは、これは私が不勉強でわからないことなのですが、きょう御紹介いただいた結果の概要の中でも、訪問系のサービスについては例えば資料1-1の表2の各サービスの状況についてという、よくこういう基礎的なものが回ると思いますが、例えば収入を見るときに訪問介護とか訪問看護とかだと訪問1回あたりというのが出てきていて、通所だと利用者1人1回あたりというのが出てきているわけですが、この1回あたり収入を見るのが何を見ていることになるのかなと思います。中身が違うことももちろんなのですが、1回あたりの時間も全部違っていてこれをどう見たらいいのかと思うところがあります。

 あと通所系については半日で行けるのもあったりすると思いますが、この1回あたりというものを今出されているわけですが、それでいいのかというのがちょっとあります。例えば訪問系について時間あたりにするのであれば、多分訪問介護のほうはこの調査票の案でも取れるのかなと思いますが、看護はどうなのだろうかとか、少し細かいところになると思いますが、ちょっと調査を取った結果のこのサービスの状況について収入や支出の単価というか、その目安になるものを各サービスについて現状で出されているような訪問1回あたりとか利用者1人1回あたりというものが何を意味しているのか一度ちょっと検討していただいてもいいのかなと思います。

 以上です。

 

○田中委員長 2点御指摘御質問がありましたのでお答えください。

 

○説明者 お答えいたします。1点目の常勤のところは実人員ではないかということですが、おそらく理屈からいくとそうなります。一番下に常勤換算方法の算式がありまして、施設が定めている1週間の勤務時間を分母に置いて、その方の1週間の勤務時間なのですが要するに常勤の欄の換算人員はこれで出してくださいということです。常勤職員としてその施設としては整理をされていますが、その方が必ずしも定められている時間をフルでひと月働かれていないこともあるのではないかということで、一応常勤の方も換算していただいた人数を書いていただくことで換算人員にしております。

 

○堀田委員 今のこの換算は所定ですね。所定ならば常勤なんだと思います。

 

○説明者 済みません。先ほどの回答は若干おかしいところがありまして、正確なところを申し上げます。この調査票上は常勤の職員の方でこの1から21までの職を複数兼務している方もおります。その方が常勤でいらっしゃる場合に兼務している部分も、要するに複数のところにその方の人数をカウントしていただくためには、こういう形で換算するとして整理をさせていただいているということでございました。失礼いたしました。

 2点目につきましては、今回の25年の調査結果でもそのサービスによりまして、施設であれば利用者1人1日あたりの収入支出でございます。これが訪問系になりますと訪問1回あたりで比べてみることが、おそらく妥当かなということで従来こういう形で整理をさせていただいていると思っております。またそれが通所になりますと利用者1回あたりということで、お話がありました訪問1回の中でも幾つかの時間のパターンがあるという点につきましてはそのとおりでございます。どこまで集計として行えるかどうかの検討はあると思いますが、これまでの調査結果の出し方としては、ここまでの集計として整理をさせていただいているということでございます。

 

○堀田委員 時間の影響と中身の、例えば訪問介護だったら身体なのか、生活なのか、両方の要因を受けてこの1回あたりというと全部ごっちゃになってしまっていると思うので、今後いろいろと議論をするときに単科の出し方がそれぞれの議論の中身に応じてなのですがこの単価の出し方でいいのか。それに応じてもしかすると必要な変数をもうちょっと追加したほうがいいのかもしれないということを。長期的には今年度すぐには無理だと思いますがもしかしたら検討していく必要があるかもしれないなと思っております。

 

○田中委員長 老人保健課長、どうぞ。

 

○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。御指摘あるいは御質問かもしれませんが確認をさせていただきたいのですが、この一覧表の使い方をどう捉えるかにもよりますが、たしか先ほどの議題の中でこの調査特に概況調査それからこの後の実態調査これをどう組み合わせて制度改正、あるいは主に報酬改定ですが活用するのかにつながるのですが非常に簡便な形で一覧表にして、ひと通り数字を出しています。その際にサービスの形態に着目して今、担当が御説明させていただいた視点で全部が整合的にはできませんということです。

 私どもの理解は今回は概況で非常にオーバーオール、全体を見渡すということですが当然のことながらさまざまな事業形態がございますしサービスの提供形態も様々です。ましてやそれぞれの利用者さんの状態も違う。そのあたりの議論はむしろ詳細に分科会のほうで報酬を検討していただくときに、また改めて必要に応じて再集計するなりそういうことで対応させていただくのが筋かなと思います。あくまで大ざっぱにというと語弊があるかもしれませんが全体を俯瞰するためにこの一覧表をつくっております。そういう御理解で見ていただくという理解でございます。

○田中委員長 わかりやすい御説明でした。ありがとうございます。

 藤井委員、どうぞ。

 

○藤井委員 堀田委員の最初の御質問にあった5ページの職員数と職員給与の表ですが、本当に細かいのですが、一体のところがちょっと迷うと思います。常勤の換算人員とは何を書けばいいのかというのが。ですのでこれを実人員にしていただいて単独のところも実人員を書いてうち調査対象サービス分を書けばスッキリするのではないかと思います。ちょっと御検討ください。

 まずは千葉委員のおっしゃったとおり、今回非常に量が少なくなったのは画期的なことだと思います。今まで何をやっていたのかという気がしなくもないのですが、進歩はこういうものだと思います。これは本当に素晴らしいと思います。それに加えてなのですが先ほどありました非常に回収数が少ないので、今回出さないというものなのですがそういうところに限って1分の1をあててたりするわけでございます。定期巡回随時訪問も1分の1ですし、夜間対応も1分の1だと。毎回全数をあてておいてしかも使えないそういうのが構造的になっていやしないかと。これは事務局というより私たちの責任もあるかと思うのです。

 そういうことを勘案しますと、例えば定期巡回随時対応型訪問介護看護であれば同じように投げる投げ方よりは、先ほど田中先生からもありましたように、ビジネスモデルが違ってきていることもあります。まずほとんど実績がない事業所がかなりあると思います。5人以下とかです。そういうところのデータがあればまずそこには送らない。ある程度浅くほかと同じようなデータを出すのではない集計方法も検討していただいたほうがいいのではないかということが1点でございます。

それから、これは確認なのですが、例えば特定施設にあてますといったときに、あたった事業所は資料の3-5あるいは3-6が来るということでようございますか。そうしますとこれも事務局的なこととの勘案になるのですが、例えば3-5が特定施設に送られてきた、株式会社の有料老人ホームに来ましたと。まず表紙を見たときに自分のところのような気がしないと思います。居宅サービス地域密着型サービス事業所票(福祉関係)。そしてめくっていきますと最初に出てきますのが訪問介護でございます。ペラペラ行くと最後のほう、6ページ目にチラッと出てくるのがございまして、これは全部対応していると調査票がこの数だけで来てしまうので、大変わかるのですが例えば特定施設は非常に老健より多くなっておりますので、介護報酬上も重要性が高いのでポイントで特定施設は今回収率が低いですので、うちにあたっていることをもうちょっと分かりやすい方法が事務的に工夫できるのではないかと。もう予算を取り出して動き始めている話だと思いますのですごくいまさらなのですが素晴らしい調査票の改革をしていただいたのでついでに申し上げさせていただきました。

以上です。

 

○説明者 お答えいたします。先ほど特養の表で御説明をした関係で、ちょっと説明不足で恐縮でございます。資料3-5、3-6の関係いわゆる居宅、地域密着型全てこれで対応するということですが、これにつきましてはまず最初の1ページ目の表紙のところで調査対象サービスは何々ですというのをもっと大きく目立たせてもいいと思っているのですが、まずここで特定施設ということは出ております。

それから、今回の調査票の見直しの関係でございます。まず1ページ目の会計の区分状況の下の絵柄のところでございます。ここにそれぞれの調査対象サービス名を差し込む予定にしておりますので、特定施設に送られる場合はここに特定施設サービスというふうに入れる形でそれが届くことになります。さらに1枚おめくりいただきます。2ページ目でございますがこれはこの調査票を使うことになる全てのサービスの表が3ページ以降に入ってございます。実際には2ページ目のところに特定施設であれば6ページに入っている上のほうの部分です。ここだけが2ページ目に収まるということで訪問介護以下のところは特定施設に送られる調査票には出てこないということでございます。そういうことで対応したいと思います。

 

○田中委員長 わかりました。それは大丈夫です。先ほど藤井委員が言われた1分の1のところです。本当にビジネスモデルが確立せずに数人だけがお客さまで、実験的に行っているところのデータは別に意味がないと思うのです。下手にそこのデータで利益率が高いから報酬を下げようなどとまとめたら、これから伸ばすべきサービスが困ってしまいます。療養通所を5人だけ対象に実行してみたものの、会計帳簿をうまくつけられなかった、固定費用を回せなかったから利益が高く出てしまった等は、統計上意味のない値なので、先ほど千葉委員も言われたように、ビジネスモデルが確立しているかどうかの観点ではこの1分の1については必要です。伸ばすべきサービスであるがゆえに余計そうです。

 ほかにいかがでしょうか。御専門の立場からそれぞれが委員会で話すまでもないが統計的あるいは会計的にこうだよとの意見があれば、後で事務局にアドバイスをお願いします。

本日はここで時間になってまいりましたので一応閉じさせていただきます。本日御議論いただいた内容については後日開催される介護給付費分科会に報告いたします。報告する資料については、本日いただいた御意見などを踏まえて、対応や具体的な修正については私に一任いただくことでよろしゅうございますか。

 

(「はい」と声あり)

 

○田中委員長 それでは、一任いただいたので、そのようにいたします。

本日の議題についてそれぞれ御専門の立場から大変役に立つ議論をいただきまして、ありがとうございました。これにて終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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