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2014年1月9日 第18回レセプト情報等の提供に関する有識者会議 議事録

○日時

平成26年1月9日(木)10時00分〜12時00分


○場所

厚生労働省専用第14会議室
東京都千代田区霞が関1−2−2


○議題

1 レセプト情報等の利活用の促進について

1.1 民間ヒアリング (敬称略)
・製薬業界からの意見
日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 兼山達也
・医療機器業界からの意見
(一社)日本医療機器テクノロジー協会医療保険委員会 冨森浩二
・シンクタンクからの意見
三菱総合研究所人間・生活研究本部主席研究員 園田輝夫

1.2 有識者意見提供「個人情報に準ずる情報に係る情報保護の考え方について」
新保史生構成員(慶應義塾大学総合政策学部 教授)

2 サンプリングデータセットにおける利用環境のあり方について

3 基本データセットにおける匿名化基準等について

4 利用者等からの意見への対応について

5 その他
【報告】レセプト情報等の第三者提供に関連する平成26年度予算について

○議事

○山本座長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第18回「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」を開催いたします。
 構成員の皆様方には新年早々お集まりいただき、どうもありがとうございます。昨年中は非常にお世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いを申し上げます。
 会議に先立ちまして、本日の構成員の出欠状況等について、事務局から報告をお願いいたします。
○加藤(源)補佐 本日は室長の佐久間は所用により不在としておりますので、代わりに私、加藤が御説明させていただきます。
 それでは、本日の構成員の出席状況について御報告させていただきます。
 現在、欠席予定の構成員は、印南構成員、宮島構成員、武藤構成員から欠席と伺っておりまして、出席人数につきましては会議開催要件を満たしております。
 以上でございます。
○山本座長 ありがとうございます。
 それでは、会議の要件を満たしているということですので、早速ですけれども議事に入らせていただきます。
 本日も、前回に引き続いて少しヘビーなテーマですので、できるだけ要領よく議論を進めて行きたいと思います。御協力よろしくお願いを申し上げます。
 まず、本日の議題「1 レセプト情報等の利活用の促進について 1.1 民間ヒアリング」について、まず事務局から説明をお願いいたします。
○加藤(源)補佐 昨年9月に開催されました有識者会議で、レセプト情報等の利活用を今後、促進していくということにつき、利用者などからのヒアリングを実施したり、海外でレセプト情報がどのように活用されているかの状況を参照したり、あるいは具体的な利活用の促進策としてどういったものがあるかを検討していこうということになっていたかと思います。
 それを受けまして、昨年12月19日に開催されました第17回の有識者会議では、利用者、それから説明会に参加いただいた方々に対して行ったアンケートを御紹介し、それから実際にお使いいただいた方々に意見提供をいただきました。
 そして、今回は民間の方々にお越しいただいて、レセプト情報等の利活用の可能性について、それぞれのお立場からお話しいただくこととしております。
 本日は、まず保険診療に関係の深い業界の中央団体、それからシンクタンクの方々からレセプト情報等の活用、それでどういった知見を導くことができ得るのか、あるいはそういった知見を実際に民間の立場でどういった活用ができ得るのか、あるいは現在の第三者提供におきましても構成員の皆様に御議論いただいておりますように、そこにどういった公益性が担保できるのか、そういったことを幅広く聞いてまいりたいと思っております。
 それでは、まず医薬品業界からの意見提供となります。
 日本製薬工業協会医薬品評価委員会の兼山達也さんより、製薬業界からの御意見としてどのようなデータの利活用が考え得るかについて御説明いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
○兼山参考人 御紹介ありがとうございます。
 本日はこのようなチャンスをいただきまして、大変感謝いたします。どうもありがとうございます。
 早速ですが、我々製薬業界がナショナルデータベースの利活用に寄せる期待を説明させていただきます。
 まず、内容はこちらの2枚目ですが、こういった順番に沿って御説明させていただきます。
 まず「我々の思い」です。我々製薬企業は患者さん並びに医療関係者の方々に必要な医薬品を早くお届けし、そして適正に安心して御使用いただけることを使命といたしております。
 「患者さんを守るために」医薬品を安全に使用していただくために、開発時の非臨床及び臨床データ、それに加えまして、市販後は主に副作用自発報告が中心になりますが、そういった安全性情報を収集しまして、迅速そして適切に評価し、その結果を医療現場の方々に還元することに日々努めております。
 次は、現状の課題の全体図を示しております。
 医薬品の開発段階及び市販後の安全確保にはさまざまな情報が必要なのですが、現状は非常に限られております。下側にございますこのブロックが積まれている部分は一番下がNDBになっております。現在、このナショナルデータベースはございません。
 臨床段階におきましては、まず開発段階で患者さんの数でありますとか現状の治療状況、自然経過等を評価しまして、開発分野の選定でありますとか、プロトコルの作成を行っております。
 そのために必要なものはこの臨床疫学的な情報でありますとか、薬剤の既存の治療の実態、そういったものはとても重要なのですが、日本ではこれらの情報が非常に乏しい現状にあります。
 そして、市販後におきましては、主に市販後の安全性情報といいますのは副作用の自発報告です。医療機関の先生方から個別にいただきます自発報告が中心なのですが、それだけでは実際に評価できません。その評価のためには、さまざまなこういった類薬の経験でありますとか、疾患の特性でありますとか、そのお薬自体の使用実態、そういったものを踏まえて評価が必要です。ですが、やはりこちらの方につきましても現状、乏しい状況にあります。そして、こういったところにナショナルデータベースによる臨床疫学でありますとか、使用実態といった情報が利用可能になることで大きく改善できると考えております。
 これが、我々のナショナルデータベースに期待する全体像になります。
 我々、製薬企業におけるナショナルデータベースの利活用分野を大きく分類して示しております。左側は「市販後 安心・安全」に関するもの、右側は「新薬開発」に関するものでございます。
 左側の「リスク最小化策」と申しますのは、例えば、お薬に対して禁忌の設定あるいは定期的な臨床検査を実施していただいて、副作用を予防するということをお願いしている場合がございます。そういったものをリスク最小化策と呼んでおります。
 そして「ベネフィット評価」と申しますのは、例えば糖尿病の患者さんへの2次病変、網膜症でありますとか慢性腎不全といったもの。そういったものの発生率の評価でありますとか、あるいは抗がん剤での長期生存の評価といったものが該当いたします。
 右側の「アンメッドメディカルニーズ」と申しますのは、現状の治療状況で満足されていない、治療が不十分な分野を示しております。例えば、既に薬剤はたくさんある、降圧剤といったものはたくさんございます。ですが、中には非常に頻繁に薬剤が変更される患者さんあるいは複数、とても多くの薬剤を併用される患者さんがあったりします。そういったところというのは現状、治療が足りていない分野ということがわかります。そして、そういった分野とその疾患の重要性、重篤性、そういったものとを加味して薬剤の開発分野を選定してまいります。
 では、ナショナルデータベースが利用可能になるとどういうことになるかということを示しております。
 まず、ナショナルデータベースによるそういった医薬品の使用実態でありますとか、疾患の状況といったものは臨床開発、医薬品の安全性評価のとても基礎的な情報源になると考えております。
 まず、ナショナルデータベースが利用可能になることによって、そういった使用実態であるとか治療実態がわかるようになります。そのわかったエビデンスに基づいて、いろいろな副作用の報告でありますとか、そういったものを評価することが可能になります。それによりまして、判断、措置の適時化。そういったことを行うことができます。また、医薬品の開発分野の選定でありますとか、プロトコルの作成もできるようになります。
 その結果、安心・安全が推進され、医薬品の改善につながると考えます。現状、そういったエビデンスはございませんので、多分こうだろうとかこうに違いない、そういった予断、想定に基づいて判断されている部分が決して少なくない。そういった状況が改善できると考えております。
 続きまして、主なニーズをより具体的に御説明させていただきます。
 まず「副作用を生じ易い要因の評価」というものをどのように行うかという例でございます。
 左下のこの図、円グラフなのですけれども、真ん中の部分、小さい円の方はある薬剤Aにおけるある副作用が生じた患者さん20例の投与経路の割合を示しております。静脈注射の方が85%と非常に多いという状況があります。
 こういった情報を見ました場合、我々製薬企業のセーフティー、安全性の担当者は静脈注射がもしかしたらこの副作用のリスク要因になるのではないか。静脈注射を避けて、筋注していただければ副作用は減らせるのではないだろうかという直感は得ます。ですが、それだけではなかなかアクションに結びつけることはできません。やはり確信が持てません。
 そこに、この外側のようにナショナルデータベースからその薬剤Aが実際に使われている患者さんの投与経路の割合がわかる。そういたしますと、その結果、例えばこのように逆に静脈注射の方が少ないのだということがわかれば、より確信を持ってできれば筋注で御使用ください、特に必要性のある場合を除いて筋注で御使用くださいということを先生方にお願いすることによって副作用が減らせる。そういったことが考えられます。要は、そういった形でリスク最小化ができるというイメージです。
 ここに示しましたのは、そういった投与経路の場合なのですけれども、これは例えば投与量でありますとか、投与期間でありますとか、患者さんの合併症、併用薬、そういったものが同じように評価可能になります。
 そういった形で情報を得てリスク最小化を行っておるのですけれども、リスク最小化がきちんと機能しているかということの評価も必要になります。大きく分けて2つございまして、まずリスク最小化策が現状行われているか。
 例えば、投与時にはこうしてください、例えばアナフィラキシーのような投与後の危険な副作用が起こることがありますので、しばらく様子を見てくださいとかあるいは必ず検査をしてから投与してください、肝機能あるいは腎機能といったものの異常がありますので定期的に検査してくださいということをお願いしている場合があります。
 そういったものをお願いはしているのですけれども、それがきちんとなされているかどうかというのは、今はわかりません。わからない状況でそういう副作用の報告からそういった患者さん、要は検査されていない患者さんあるいは禁忌に設定している患者さんが多い状況がありますと、我々はどうしても医療機関の先生方に繰り返し繰り返し何らかのお願いをする。例えば機構の方からあるいは厚労省の方から何か出していただく、学会から出していただくということを行わざるを得なくなります。現状、実態はわからないので、ずっとそれをすることになります。ですが、実態がわかればこれはこれで実はきちんと機能しているのだということが判断できる場合があります。
 また、下側になるのですけれども、治験時に副作用を防止するために、例えば入院して使う。投与後、何日間かは観察下に置くというプロトコルを組んでいる場合がございます。そういったプロトコルを組んでいます場合、基本、市販後もその使用条件を付すことになります。それはあくまでも治験だからできたことでありまして、必ずしもそれがリスク最小化、副作用の防止に必須かどうかというのは実はわからない部分がございます。
 そういった部分につきましても、実態と実際の副作用の起こる状況というものを分析することで、もしかしたらこれは過剰なのではないか。そういった過剰なものを防止できる、軽減するということができれば、それは患者さんにも先生方にも非常に役立てていただける情報になるのではないかと考えます。
 続きまして、薬品の開発分野の選定になります。
 1つは「治療満足度が低い分野の特定」がございます。
 先ほど申し上げましたように、既に薬はたくさんあります。3つ4つ全く違う系統の薬、同じ系統の薬も、複数ある場合、ですが、非常に多くのお薬が併用されていましたり、頻繁に治療が変更されていたりあるいは何らかの副作用で薬剤が途中で途切れたりという場合がございます。
 そういった場合というのは、要は、まだ治療が足りていない、薬はあるのだけれども、新しい薬が実は望まれている分野だということがわかります。
 次に「剤型開発」がございます。
 通常、新薬を開発しますときは標準的な患者群に対しましての剤型で開発いたします。例えば錠剤でありますとか、カプセル剤。容量につきましても、標準的な容量で開発いたします。ですが、例えば一応、小児の適応はとれている場合、ですけれども、小児の患者さんはマイナーとして剤型を開発していない場合もございます。ですが、市販後で小児の患者さんが実は多い、あるいは実際の使用量は比較的低い容量で使われている、あるいは高い容量で使われているという場合です。そういった場合は、現状の剤型では決して使いやすい状況にはないということがわかります。そういった場合、例えば小児の患者さんでいえば、シロップあるとドライシロップでありますとか、含量の小さい製剤といったものを開発するということがあります。
 そして、もう一つ「ドラッグラグの改善」がございます。
 例えば、抗がん剤の開発におきまして既存の薬剤による治療が効果無効あるいは効果不十分の患者さんを対象にするというプロトコルはよくあります。実際、日本でそういう患者さんがどれだけいるかわからないという状況ですと国際共同治験で、では日本でどれだけいるのと聞かれて、わかりませんと答えることになります。ですので、どうしても国際共同治験等に参加しづらい状況がございます。
 我々「製薬企業がNDBの利用を望む理由」です。
 まず、現状、アカデミアの方々でも利用可能になっております。ですので、公益性の高い目的で我々の目的と合致する目的で研究していただければいいのですけれども、なかなかそういう状況ではございません。ですので、我々製薬企業ならではの目的、学術的好奇心といいますか、興味ではなく我々の責任に立脚した研究、使用が必要になります。そして、やはり「適時・迅速性」、つまりは、自発的に行われるのを待つのではなくて、やはり能動的に行っていく必要があると考えます。
 そして「公平性」がございます。ナショナルデータベースは公のものですので、企業の大きい小さいといいますか、そういったものとかかわらず利用可能になるかと考えます。
 「NDB利活用の形態と主なニーズ」の対応になります。
 左側の方は、ではどういうデータがあればいいのか、どういう使い方をするという部分でございます。それに対しまして、右側が先ほど説明いたしましたような利用目的、ニーズの部分です。印刷が飛んでしまっておりまして「安心安全」の隣側の台形の部分は「新薬開発」という文字が実は入っております。申しわけございません。
 いろいろ並べておりますけれども、項目としまして★印が入っています部分、これは当面、必要な中心となるような使い方と考えております。
 先ほどの利用形態につきまして、順に、説明させていただきます。まず「薬剤使用実態集計」でございます。
 これは定型の部分と半定型の部分を考えております。薬剤ごとにどの年齢層の患者さんで、どのように使われているかという集計です。要は、薬剤と年齢区分で1行になるような集計をイメージしております。患者数でありますとか、新規の処方患者さんの数、1日の投与量、診療科、入院、外来の区分といったようなものです。
 提供のイメージとしましては、新薬あるいは一定数の副作用の報告のあるような薬剤です。そういったものについて、定期的に集計されて利用可能になるような形を想定いたします。
 実際、どのぐらいの数があるかといいますと、新薬が500ぐらいでしょうか。年間10件以上の副作用があるような成分といいますと大体600成分ぐらいでしょうか。あわせましても1,000を超えるか超えないかという薬剤の数になるかと思います。
 こちらは「疾患診療実態集計」の部分です。
 こちらにつきましても、ICD−10の疾病分類と年齢区分とでどういった患者さんがいるかということを定型で集計するイメージです。
 先ほどの薬剤の使用実態の集計と、こちらもなのですが、これは我々、製薬企業だけではなくて、アカデミアの方あるいは臨床家の先生方にもこの情報というのは恐らく役に立つ、使っていただけるようなものではないかと考えます。
 これは「オーダーメード集計」によって薬剤疫学研究を行う場合です。
 薬剤疫学研究によって、医薬品のリスク、副作用、安全性をダイレクトに評価するような使い方になります。
 大きく分けて2つございまして、何らかの報告で新たなリスク「Signal」と呼んでいますけれども、確実ではない、もしかしたら危ないかもしれないという情報です。そういった情報があった場合の評価及びまたは新薬で世の中に出てその薬について、これがとても監視しなければいけないというようなものを継続的に監視するような場合があります。
 ここでは言葉ですと難しいので、次の図をお願いいたします。
 実際の「薬剤疫学研究のイメージ」になります。
 左下の図は、ある薬剤が使われた患者さんと使われない患者さんで、時系列にあるイベントが散発的に起きていく状況、この●(黒丸)がイベントなのですけれども、それが起きていく状況を示しております。
 まず一つは、イベントとしていますのは、レセプトという、ナショナルデータベースには副作用という定義はございませんので、あくまでもイベントになります。それを右側の表のように最終的にクロス集計表の形にして、相対的に評価するということを行います。ですので、ある薬を使って副作用が起きた、何%で起きるかという絶対値を示すのではなくて、ある場合、ない場合あるいは他の治療の場合、この治療の特定の薬剤の場合でリスクがふえるかふえないかということを評価するものです。
 続きまして、ナショナルデータベースの活用のスタンスについてです。
 我々製薬企業が、自ら全てのデータをいただいて解析するということは想定しておりません。専門家、やはりナショナルデータベーの集計解析にはスキルが必要ですので、専門家の方によって集計されることを望みます。そして、それらのナレッジが蓄積されて専門家の方々と我々とでコミュニケーションをとって利用できる形というものを想定しております。
 最後「まとめ」になります。
 必要な医薬品を早く届け、その安全性を確保することは我々製薬企業の国民の方々に対する義務であると考えております。
 網羅性が高く実態を反映するナショナルデータベースは比較的簡便な定型の集計であっても利用価値が高いと考えます。
 医薬品の課題はまれな事象が多く、大規模なデータソースは新たなリスクの早期の検出と評価を可能にすると考えております。
 日本での治験、新薬開発の活性化も期待されます。
 我々製薬企業でナショナルデータベースが利用可能になることを強く希望いたします。よろしくお願いいたします。
○山本座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの兼山さんの御説明に関しまして御意見、御質問があればどうぞよろしくお願いいたします。
 頭金先生、どうぞ。
○頭金構成員 私もNDBが医薬品産業あるいは製薬メーカーにとって極めて有用であるということは、疑いがないと思っております。一方で、私どもアカデミアと製薬企業では立場が違うと思いますので、幾つかお聞きします。特にNDB利活用のスタンスについてお聞きしたいわけですけれども、もし提供が可能になった場合、個別の企業が提供を依頼するのかあるいは製薬協という立場で依頼をされるのか。どういう立場で提供を依頼することを想定されるのかについて教えていただきたいと思います。
 また、それにも関連するのですけれども、研究成果の公表についての考え方もお聞きしたいと思います。アカデミアの私どもは、研究成果を必ず厚労省へ報告し、同時に学会発表、論文という形で社会に研究データそのものを公表しますが、個別の企業という立場では、それが難しい場合もあるのではないかと思います。その辺についてもどのようにお考えになっているのか教えていただければと思います。
○山本座長 兼山参考人、どうぞ。
○兼山参考人 まず、先ほど前半の御質問に対してなのですけれども、原則、企業が個別にということは余り考えておりません。と申しますのは、1つは定型の集計の部分です。これは、医薬品の主に安全性の部分というのが基本になります。これを企業によってやる会社とやらない会社があるというのは、やはりよくないと私は考えます。
 ですので、ある一定の基準に従った薬剤につきましては全体を集計してそれを何らかの形で、公開でやりますか個別になるかはわかりませんけれども、利用することでどの会社もどの薬もやはりある一定の安全性の評価ということに使う。国民、患者さん及び医療現場の先生方に役に立てていただく。そういったことを考えております。
 もう一つ、オーダーメードの集計につきましては、やはりどうしてもある程度、企業個別にならざるを得ないと考えます。ただ、この場合恐らくPMDA、医薬品機構と協同になるということがあるかもしれません。それはまだこれから相談させていただくことになります。
○山本座長 よろしいですか。
 では、石川構成員、お願いします。
○石川構成員 日本医師会の石川ですけれども、この製薬企業の方たちがNDBに寄せる期待ということでお話を聞いたわけですが、いろいろとこのレセプトというものの限界というのは私ども自分たちが発出していますのでよくわかっているわけなのですけれども、これからこのいろいろ副作用だとか安全性だとか、そういうものをこれで知るというのは極めて難しいのではないかと思っておるのです。
 むしろ、このNDBではないですけれども、レセプトをいろいろ集計して製薬企業さんが役に立つのはどちらかというと商業的な意味で、販売促進だとかそちらの方での価値は私、すごくあるのではないかと思っているのですが、もちろんこれはNDBの利用ですからそういうことはできないにしても、私はこれが安全・安心が全面に出てこうやって議論されているということについては、大変難しいのではないかということを思っております。
 ですから、むしろ私たちがいろいろ関係しております他のデータベースです。1,000万件以上のデータベースを他のところで10医療機関で集めているわけなのですけれども、そういったところの利用の方がずっと目的にかなうのではないかと思っておりますけれどもいかがでしょうか。
○山本座長 いかがでしょうか。
○兼山参考人 私たちもナショナルデータベースによって薬の副作用がどのぐらいあるかとかそういったことをダイレクトに評価することはできる場合もあるとは思うのですけれども、むしろできない場合の方が多い。難しいと考えております。
 本日、御説明させていただいたものも、基本は副作用の自発報告でありますとか臨床研究でありますとか、そういったある情報があったときにそれを補完する、それを評価するための周辺の情報です。要はナレッジとしての知識の土台としてナショナルデータベースを使わせていただきたい。その価値において定型的な集計であっても十分に価値があるのではないかということを御説明させていただいた次第でございます。
 ですので、おっしゃられますとおり起きたか起きなかったかとかそういった情報といいますのは、もっと粒度の細かい電子カルテでありますとかあるいはレジストリーでありますとか、そういったところで見るべきものとは思っております。
○山本座長 ありがとうございます。
 他、いかがでしょうか。
 私はPMDAで「MIHARI Project」というものがあって、これで電子化された診療情報を使ってお薬の安全対策がどうできるかというものに、もう5年間やっているのですけれども、そのあとでそこでレセプトを使うという試みも5年間やってきたのですが、確かにシグナルを発見するというのはかなり限定されたものにしかできないのですけれども、ただ、PMDAの副作用報告にしても、例えばアメリカFDAのAERSにしても、副作用は集まってくるのですけれども最も大きな問題は母数がわからない。つまり、どれだけお薬を使われているかわからないので、頻度がわからないのです。したがって、リスクが評価できない。この母数を知る上では確かに兼山さんがおっしゃるように、NDBというのは非常に網羅性が高いので、母数を当てはめることによってそのお薬の危険性を正確に評価できるというのは確かにあるでしょう。
 ただ、その対策の効果、つまり、この薬を使うときにはこの検査をしてくださいというのをある時点で通知を出して、それが本当に広がっているかというのも、これもレセプトで比較的よくわかる。よくわかるようになったのは最近で、日付が入ってからなのですけれども、日付が入る前は前後関係がわからないのでなかなか難しかったのですが、現在では当日を除いてほぼ追えるということで、効果がわかるというのをそのPMDAでの「MIHARI Project」では結果として出ているということはちょっと追加して報告をさせていただきます。
 他、近藤先生、どうぞ。
○近藤委員 日本薬剤師会の近藤です。
 薬剤師会としまして、全体としてこの製薬企業がNDBを使うということについて非常に有用ではないか、有意義ではないかと考えております。
 13ページの「薬剤使用実態集計 定型/半定型」これは実際、臨床の現場で我々のようなところにおりますと、各企業が個々に労力を使って集めているというものを全体でナショナルデータベースを使って見ることができるということは、非常に有効ではないかと思います。ただ、先ほど石川先生もおっしゃられましたが、これが全てではなくて、またこれプラス補完で個々の企業がデータを集めるということを同時にやっていただくということが大事ではないかと思います。
 それで、最終的に7ページの「安全・安心の推進/新薬開発の改善」というのが最終的な目標といいますか、最終的なプロダクトになると思います。そのことにつきましては、これは個々の事例についてはまたこの検討会で出てきたときに検討すればいいかと思いますが、全体としての流れとしてはこのナショナルデータベースを製薬企業さんが使うということにつきましては、おおむね賛成の意見を述べさせていただきたいと思います。
 以上です。
○山本座長 ありがとうございました。
 他、いかがでしょうか。
 石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 私もこれを有用に使っていただくということについては、大変賛成なのです。
 しかし、例えば今、座長の方からありましたように母数を知るとかそういうことは本当にできることだと思います。ただ、私たち、例えば高血圧の多々ある薬を患者さんがちょっとこれを使ったら具合が悪くなったということで、ちょっとした副作用です。それでまたかえてしまうわけです。かえたところのモチベーションということについてはレセプトに全く反映されないわけなのです。そのことを言っているわけです。
 ただ、昔ダイクロトライド、今ニュートライドしかないです。臨床医はわざわざ半錠しか使っていないというのがどの程度日本でやられているか。あれはいい薬ですからまだ汎用されているのですけれども、そういった調査をして医療費を的確に使うという方向で研究していただくというのも非常に有効なのではないかと思います。
○山本座長 ありがとうございます。
 まだ御意見があるかと思いますけれども、予定した時間を大分過ぎておりますので、次に移りたいと思います。
 それでは、次のプレゼンテーションに関して、事務局から紹介をお願いいたします。
○加藤(源)補佐 続きましては、医療機器業界からの意見提供となります。
 一般社団法人日本医療機器テクノロジー協会医療保険委員会の冨森浩二さんより、今回、医療機器業界からの御意見として、どのようなデータが活用し得るのかについて御説明いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
○冨森参考人 よろしくお願いします。
 まずは、本日このような機会を与えていただきましたこと、大変感謝しております。
 それでは、お時間が押しているということですので早速、資料2に沿って説明させていただきます。
 まず、2ページ目でございますけれども、こちらの有識者会議の方で業界の意見を言わせていただくということに関して過去の資料等をいろいろつけ焼き刃ながら勉強させていただきまして、そもそも目的外利用といいますか、さらなる利活用ということで行政、地方自治体、研究者、あるいは大学といったようなところに、医療サービスの質の向上等を目指したような施策の推進等々の目的でさらに広げてはということで、この検討会が進めてこられていると理解している。
 その中で、今回、民間組織がレセプト情報を使わせていただくということに関しましては、何が大事かと思いましたときに、やはりここの「目的外利用(第三者提供)」と書かれている四角の一番下の「公益性の確保」のところをどう解釈するかというのが大事かと考えました。
 この一番下の(例)というところが発想のもとではございますけれども今、実際厚生労働省等におきまして、予算をとって施策なり事業なりでやっていただいているものの幾つかを挙げたのですけれども「医療上の必要性の高い医療機器の開発促進」「希少疾病用医療機器の研究・開発の促進」あるいは「在宅医療推進のための医療機器や連携システムの開発促進」こういったことを進めること自体を国からも期待されているということで、これに準ずるようなこと。すなわち「医療の質の向上につながるより良い製品を早急に医療現場に届けること」。これは、少し公益性というところにかなうものではないかという理解でこの後の話をさせていただきたいと思っております。
 続きまして、3ページ目「医療の質の向上につながるより良い医療機器を早急に医療現場に届けるために」ということでございまして、左に書いてありますのは一般に研究開発から治験、薬事承認、保険適用、そして先生方患者さんのもとにその医療機器を届けるための流れでございますけれども、それぞれのところでレセプト情報等のデータベースが活用できるのではないかということをざっとまとめたものでございます。
 ただ、先ほどの質疑応答の中でもありましたけれども、現在のレセプト情報だけでできること以外に将来的にレセプト情報等という中で、いろいろなデータベースと結合ししたようなものでなければできないものという期待を込めたものもこの中には入っておりますので、その点につきましては私どもの理解がそのレベルということで御容赦いただきたいと思います。
 まず「研究開発」のところで、やはり医療ニーズの高いところ。これは先ほどの製薬のお話に便乗させていただくことになりますけれども、現在どれぐらい患者さんいて、どれぐらい治療に難渋されていて、あるいは合併症その他において医療費という観点からもどれだけ困っているか。そういったところの未充足ニーズですね。そういったところにソリューションとなるような医療機器、医療技術を提供するというのは非常に大事。そういったターゲットといいますか、役に立つ場所を探すということにつきましては、こういった有用な医療情報関係のデータベースというのを使わせていただけたらということでございます。
 それと「臨床研究・治験」こちらの方も先ほど医薬品の話でありましたけれども、特に医療機器の場合は医療者の技術を伴うような医療機器、医療材料がございまして、対象となる患者さんが特定の医療機関に集中しているケースだとかいろいろございますが、やはりこれも民間企業、当然ながら治験をやっていく段階で、ここでどうプロトコルを組んでどういう医療機関にお願いするか。これにかなり時間等を費やしております。こちらの方も有用なデータベース等の活用によってそこがスピードアップして効率化できれば、より早く現場にいいものを届けるということに使えるだろうという一般的な解釈として挙げさせていただきました。
 それと、これは「保険適用」のところで少しぴんとこないかもしれませんが、この3番のより精度の高い保険適用希望。それと、これが医薬品とも共通で非常に重要で特に大事だと思っていますけれども、4番の医療機器の安全対策等の推進。これらにつきましては、もう少し具体例を次以下の資料で書いておりますので御説明させていただきたいと思います。
 4ページ目をお願いいたします。
 実は、保険適用希望に関しましては、医療機器、特に新規のもので新しい保険を希望する場合には、これは保険適用希望書ということで、例えば様式1のところでは、適用患者数の推定人数、あるいは市場性加算といったことを要望する場合には、様式3−3で疾病と対象患者数の根拠の記載を求められております。
 それと、医療経済の有用性に関する資料ということで、この材料の使用によって、医療費の増分、減分、結局医療費全体に与える影響。こういった資料を記入して提出することが求められています。
 これらの記載事項というのは、保険医療材料専門組織で、いわゆる材料価格を決定するための資料で、ここのデータはいい加減なものを出すわけにはいかない。ここの資料が正確であればあるほど、医療費の適正な配分といったことで、この組織の価格決定に使えるということで、これは実はいい加減に書くと私どもは怒られるような、逆にこれをちゃんと埋めるためには非常に苦労する欄でございます。
 現状は厚労省の方で出されている患者推計とか、レセプトのサンプリングデータによる推計などの統計資料、それに疫学研究論文などを用いておりますけれども、ここのところでレセプト情報等のデータベースを使わせていただければより正確な記載ができて、これはひいては医療費の適正な配分に寄与すると考えております。
 次、5ページ目でございます。安全対策のお話でございます。
 これも先ほどから申している通り、現在のレセプト情報だけではどれだけ不具合の情報がとれるかということは難しいということはある程度理解した上で理想的なことも含めて書かせていただいておりますけれども、まず、申し上げたいのは、医療機器というものの特性上、医薬品と少し違うポイントというものがあって、それを強調させていただきたいと思います。
 医薬品の場合は、そういった不具合情報とか、先ほどありましたような話につきましては、基本的には情報の周知徹底といったことが中心的な対策になります。
 医療機器の場合も当然ながらその情報の周知徹底は大事なのですけれども、実はその不具合に対して改良品によってそれの対応が可能になるということが医療機器の場合は非常に特徴でございまして、早ければ1年以内に改良品を出すことでそれまでの前製品の問題を改善する。そういったことを現場に提供することが可能になります。実際には、そういったことを繰り返すことによってどんどんよい製品が次々出されているというのが医療機器の特徴でございますので、そこのこともあわせてこの不具合情報にかかわるような情報をいかに精度よくタイミングよくとるかということで、データベース等が使えたらというふうに考えております。
 それともう一点、下の方の記載もある意味、安全対策という意味では同じなのですけれども、もう一つ医療機器の特徴として、整形のインプラントとか心臓関係の埋め込みの機器。こういった一度施術して体内に入れたらほぼ生涯使うような医療機器。
 これもちょっと薬と違って長く入れるという特徴がございまして、実はこういったものが最初の治験もしくは最初の4年程度の市販後調査期間ではわからないような不具合が5年、6年、10年たってから出てくるという場合もございまして、当然ながら企業も現在の安全性情報の仕組みの中で必要な情報は全部届けて対応するということはございますけれども、ここのところでもより強力なデータベースの情報を活用できればいいのではないかと考えています。
 この話はもうちょっと具体例を挙げた方が御理解いただきやすいと思いましたので、6ページ目に人工股関節の例を挙げさせていただきました。
 人工股関節、右の小さいイラストで見にくくて恐縮ですけれども、皆さん御存じのように股関節部分、大腿骨側と骨盤側の方にこれだけの人工材料を入れて、関節の動きをさせる。これの臨床成績が非常に優秀で、先生方の技術の進歩のおかげということでございますけれども、70年代から急速に普及しております。
 体重の半分以上の重荷をこのような曲がった形で支えるということも含めて、材料や構造も含めた力学的デザイン、それぞれ骨にくっつける部分の骨との固定法、関節として最も大事な摺動部、こういったところの素材などは歴史上、非常にさまざまな工夫を凝らした製品がつくられてまいりました。
 ただ、歴史を振り返ってみますと、開発時には想定できなかったような長期間使用後の不具合で結果的にもう一度手術をして入れ直すといったことの率が高くなるような製品が実は散見されております。
 典型的なものは、その摩耗粉によるという話なのですけれども、当初、関節面のところではポリエチレンが使われていまして、ポリエチレン自体は皮下に埋めても何ら炎症反応等を起こさない安全なポリマーということで採用されたのですが、これを5年、6年と使っていきますと、小さな摩耗粉ができてくる。そうすると、その摩耗粉に対して異物としてマクロファージが集まって、それが結局周辺の骨を溶かして割と短期間に人工関節がもう一度がたがたになって使えなくなってしまう。そういうことが歴史を通して明らかになって、最近では高密度、高分子架橋をされたポリエチレンで摩耗粉が出ないものとかあるいはさらに特殊なコーティングを施したものという改良品につながってはおりますけれども、まだ5年10年たって起きるものについては、その歴史を経ていないものについての情報をウオッチしなければいけない状況にございます。
 先ほども申しましたけれども、新医療機器でも通常は再審査期間というのは承認後4年ということですが、5年6年たってから出るような不具合に対しても患者さんにとっては非常に重要な問題になりますので、もしも問題があるのならすぐにでも改良すべきで、先ほど言ったような問題点を解決しなければいけないという意味で最も理想的な将来像としましては、まずレジストリデータベースがあって、個々の製品ごとのレジストリー情報、それとカルテ情報等も含めて不具合情報、これらが連結しますと、早期の問題発見と早期の改良品による解決ということが可能になります。
 ただ、この理想像というのは当然これからいろいろ進めていただくことを期待しておりますが、その下のところに、現在のレセプト情報等で、ここまでは少なくとも可能ではないかと考えているところを記載しております。御存じのように特定保険医療材料は製品別ではなくて機能区分別ですので、機能区分でしか書かれないので、詳細な個別製品の情報はありません。ただ、実際には骨盤側7区分、大腿骨側6区分といったように細かく機能区分されている中で、例えば先ほど言いましたコーティングされたカップというので1区分存在しますので、実際にはその製品特徴が機能区分でもある程度追えます。
 それと、不具合情報がないと言いながら、これは医薬品の話と似ていますけれども、人工関節再置換術という技術料、処方がありますので、こちらの方で実質的にはある程度の不具合の代替情報もとれる。
 この結合のところは現実的にはまだ一工夫、難しいかとは思うのですけれども、まず、できることからでいえばこういったことで、現在のレセプト情報等の利活用から、将来的な理想像につなげていくようなことができないか。
 レジストリデータベースに関しましては、今、学会の方がボランティアで自分たちで登録しているけれども人工関節でいえばまだ登録率は2割程度という話を先生方から聞いておりまして、海外では国策でやっているところもあるとは思うのですが、いずれ患者さんのためのいい医療ということではこういった仕組みにつなげる一歩として今回のような話で何とか前向きに取り組めないかと考えております。
 一番最後はちょっと直接利用するというのとは異なる蛇足になりますけれども、医療機器業界というのは、実は在宅医療のためのシステムであるとかそういうところまで広い守備範囲ございまして、これも地方自治体等が医療計画でこういった情報を活用されるという過去の資料を見させていただいたときに、もちろん大病院と在宅を看るかかりつけ医の連携といったところの医療計画の中で、実際には在宅の患者さんのところに機械とか材料を届ける業者というのもこれを支える一員として寄与させていただいている部分もございますので、これはデータを使わせてもらうというよりもその中で何か一緒の連携ができないかという意図でございます。
 特に震災などの対応時、御記憶されていると思いますけれども、医療機関さんは現場の患者さんの対応だけで在宅にいる患者さんのところまでなかなか見ることが難しい中で事業者が全て安否確認をさせていただくとか、そういった形で在宅医療に関してはかなり事業者もかかわっているということで、ただ、自分のところの会社の患者さんのデータベースしかないということも踏まえて、何かこの辺ではこういう大きな医療計画の中で事業者も絡むようなことが考えられないかという話でございます。
 最後は直接の利用とは異なりましたけれども、本日、用意した資料は以上でございます。よろしくお願いします。
○山本座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの冨森さんの御説明に関しまして、御意見、御質問がありましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 確かに人工関節の場合は再置換ということで、ある程度不具合情報というのが補足可能だと思うのですけれども、その人工関節以外のものでこういったことがレセプトで可能なものは何か思いつかれますか。
○冨森参考人 循環器系のペースメーカーなどのインプラントも、再置換とか交換のためのというのは別途、技術料があって、その技術料では追えたと理解しております。
○山本座長 他、いかがでしょうか。
 松田先生、どうぞ。
○松田構成員 産業医大の松田です。
 私たちもDPCのデータを使って、こういう医療材料の分析などをやっているのですが、これと直接関係しながらも関係していないような話なのですが、やはり機能区分別のレジストリーで点数がついているという、あそこが問題で、製品別に薬と同じようにレセ電算のコードがついてくるような形にならないと分析できないと思うのです。
 その場合に多分、業界としてもその製品の標準的なコードを一般化するという努力をしないと、化学科の薬と違って、医療材料の場合には使いにくいのではないかと思うところもあります。
 あと、これは特定材料だけですけれども、いわゆる一般の材料なども本当はいろいろ分析したいところはあるわけです。例えば、手術糸の問題などいろいろあるわけですが、今それがなかなか分析できない。それもやはり医薬品と同じような形で製品ごとのコーディーコードをつけていくということをやっていかないと、次のステップに進めないのではないかと思います。それがやはり業界としてぜひ努力していただきたいと思います。
 それができれば恐らく、実は日本ぐらい医療材料をいろいろ使っている国というのは余りないので、いろいろな分析、臨床的、疫学的にもすごくおもしろいことができると思いますし、その日本の医療産業をこれからやっていくにも非常に役に立つと思いますので、業界側の努力も少し期待したいと思います。
○冨森参考人 ありがとうございました。
 機能区分の問題に関しましては主に保険のところでは中医協等でお話しさせていただいてますけれども、今おっしゃっていただいたように安全性といった面から製品を追うという視点でも私どもが検討したり、あるいは業界の中で一部のものについては自主的なデータベースとか、そういったことも検討は進めておりますので、また御期待に沿えるように頑張りたいと思います。
○山本座長 いかがでしょうか。
 これは今の御説明だと現状のNDBから一体どういう形式のデータが必要なのかというのが具体的にわからなかったのですけれども、もしありましたら説明していただけますか。
○冨森参考人 そういった意味での具体性のところでは若干、資料が不足していたかと存じます。大変恐縮なのですけれども、先ほど製薬業界さんからありましたような研究開発のところでの医療ニーズをある程度把握するための定期的な集計表の話とか、ああいったことは実は医療機器でも共通して使わせていただけると考えまして、その辺でちょっと便乗させていただければと考えております。
○山本座長 ありがとうございます。
 他、いかがでしょうか。
 それでは、次に移らせていただきます。次のプレゼンテーションについて、事務局から説明をお願いいたします。
○加藤(源)補佐 それでは、続きましてシンクタンクからの意見提供となります。本日お越しいただいております三菱総合研究所の園田輝夫さんよりシンクタンクの立場の御意見としてどういったデータの利活用が考え得るか御説明いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○園田参考人 三菱総合研究所の園田と申します。
 本日はこういった席を設けていただき、ありがとうございました。
 私どもとしては、今までの研究とか実証事業等々の実績から活用手段と想定される産業についてお話しできればということで御用意させていただきました。
 それでは、1ページをめくっていただきまして、まずは「レセプトデータの取り扱い」ということで2ページ目にございますけれども、再度確認ということでつけさせていただきました。
 レセプトというのは非常に複雑なデータ構造となっておりまして、御存じのようにレセプトの情報がそれぞれレコード化されておりまして、レコードごとに顔が違うわけです。個票データで今までは使っておりますけれども、個票データにはコードと点数、回数しか入っておりません。これでは何のデータかよくわからないわけです。
 そういうことで、各マスターを張りつけて、その属性だとか点数、計算方式といったものの情報を張りつけてデータベースレコードをおつくりするということでは、非常に算定ルールの知識とかシステムデータベースの知識とか、そういうものがないとこの個票というのは扱えない状況であるのは皆さん御存じだと思いますけれども、そういう状況でこれを幅広く使おうとなるとなかなか難しい面がありますということで、2ページ目にございますように、データの提供方法というものが今後考えていく必要があるかと思います。
 民間利用ということで御指名いただきましたので、どんなようなことのレセプトの活用があるかということを前提にお話をさせていただいていますけれども、こちらの3ページ目にございますように、現在は第三者提供ということで委員会の中で目的利用、それから利用者の審査を行いまして必要となるもののデータを特別抽出して個票データを御提供している。今、2ページ目にございましたような、こういう複雑なデータを御提供して利用者がこの環境を用意するという形になっておりますので、非常にスキルの高い方が御利用いただくという形になっています。
 やはり、この民間、要するに公益性という面でも幅広く御活用いただくには、やはりここにございますようにオンサイト利用。要するに、利用者がちょっと離れたところから利用できるような環境を整備するということになる。
 それにさらにここにある3番、ホームページに公表集計表を出す。要するに、集計表で十分、ある程度の研究とか、推測、実態を把握できるであろうということが今後の産業には必要であると考えております。
 特にこのオンサイト使用については今までの承認もありますけれども、登録会員の方に限ってそういった目的、使用目的とか研究成果を御発表いただくという前提の中で大分類・中分類・小分類といった抽出項目、それから集計項目を設定でき、その設定をした結果、オーダー集計表を御利用いただき研究に利用いただくという環境がいいのではないか。これはアメリカでもこういう形でやられていますけれども、こういった形で少し幅を広げた利用の使用方法があるのではないか。
 それから、一般公開。これはいわゆる自治体さん、各地方自治体さんもいろいろ悩まれていますけれども、5疾病5事業。こういったものがどれだけ実際いらっしゃるのか。糖尿病の患者さんが今どれだけいらっしゃるのかということがわからない状況で、今いろいろと政策がやられています。
 こういったことをもう少し幅広く定型帳票の中で皆さんに周知できるような環境があれば、もう少し自治体も含めてメーカーさんや、先ほど機器メーカーさんもございましたけれども、もうちょっと実態の数値だけで結構だと思うのですが、そういったものが今どう動いているのか動向を知るという意味での集計表を御提供いただけると非常に活用の幅も広がっていくのではないかと考えております。
 次、4ページ目にいきまして、あくまでも集計表から得られる民間利活用の想定事例でございます。
 当然、医薬品の実態、動向を知ってそれぞれのイノベーション、新規イノベーションをやるとか、新規開発していくということ。それから、医療機器も同じように考えます。
 その他考えられるのが、我々としてはいろいろ過去の研究等々でやっておりました健診産業、それからこちらにございますように生命保険、健康産業、食品産業、住宅産業といったところで、そういったレセプトデータの基礎集計を活用して、より精緻な研究事業もしくはその市場開拓に利活用できるのではないかと考えております。
 具体的に我々の方で研究をやった事業の中の事例を幾つか述べてさせていただきたいと思いますけれども、3−1に「医療機器開発の促進」ということで、我々としては平成23年度から3年間、来年も続くのですが、経済産業省の課題解決型医療機器開発というものをやっております。
 今年25年度は52のコンソーシアムの団体さんが新規開発の医療機器を開発していただいておりますけれども、この開発の工程の中で非常に問題があるのは医療現場のニーズが上がってくるのですけれども、では幾らでどれだけ売るのだというところが非常に手探りの状態でわからないまま発車してしまうのがほとんどというか、まずそうならざるを得ないのです。
 実態でどれだけの患者さんがいらっしゃるの、そういう状態の人がどれだけいらっしゃるのだろう、今の既存もしくは改良品の機器がどれだけ普及されているのだろうということの実態がわからないまま、これはすごいぞということで医療従事者が提案してきて、そこに技術とか医療技術、特異性とか特許性とかに非常に注意をされる。ところが製造現場の方は開発技術とか加工技術に非常に注ぎ込んで、実際これはどれだけで売れるのだろうということがわかないままコンソーシアムがスタートするのです。
 治験とか薬事申請になると巨額の投資が必要になってきます。ここで初めて誰が負担するのと。幾ら売れるのだろうというところが、ここで皆、壁にぶち当たってどこまでやるのだ、どこまでの製造予定の中でこれを開発、投資するのだというところが非常にクエスチョンのまま市場に出ていくというのがほとんどというか、現実的にそういう状況であるのが実態なのです。
 ですから、そのNDBを利用して本当に必要な状況の患者さんはどれだけいらっしゃるのか。これが必要となる症状の方はどれだけいらっしゃるのかということがわかって開発いただくことで、本当に言われるように医療機器は輸入超過で特に診断、治療という治療の分野でほとんど輸入品に限られています。日本のものづくりの技術を生かした日本の患者さんに合ったQOLの高い医療機器の開発というのをやはりこういうところから入っていかないとなかなか前に進まないだろうと考えております。
 次の3−2の事例でございますけれども、これも経済産業省の医療・介護周辺サービス産業創出という事業をやりまして、このときにも我々としてはかかわった事業なのですが、これも当然、集計表で結構なのですけれども健康というものをアセスメントして、一つの企業もしくは個人に健康に対する評価をつけよう。それに対して保険料が安くなったりするのではないかというところで実証事業をやったことがございます。
 健康に留意し健診結果が良好で医療費がかかっていない方に対する生命保険の加入者に対する個人評価。こんなに頑張っているのに、こんなに医療費を使っていないのにみんなと同じ保険料ではかわいそうだね、少し割引しようではないかという商品化ができるように、こういったものをきちんとした評価をするためにも実証事業では1病院とか数保険者に対するサンプルデータしかなかったのですけれども、NDBで全国の平均いわゆる地域、年齢、性別、業種、業態、職種、要するに管理職は鬱病が多いというような、そういったグループに分けてどれだけの健康状態の方がどれだけの医療を必要とするのかということをグルーピングしてその成果を一つの指標にまとめていくという作用ができれば、そういった世の中に通用するような指標が開発できるであろう。
 健康経営とか健康会計というものがメディアにもあらわれていますけれども、そういったものをもう少し全国に定着できるような形にしていくということにもやはりNDBというのは有用であると考えております。
 3−3「生活改善のための健康産業」これも具体的に今どれだけの方がいらっしゃるのだろうということで、医療機関と民間フィットネスクラブいわゆる健康産業の方が生活習慣病を中心に民間フィットネスクラブや疾病予防のための運動指導とか栄養指導に広げていこう。病院さんと連携で保険適用外の部分で非常にそういった産業の方と連携しながらやっていくことが国民のQOLを高めていくということで、現実的にはどういう使い方をしますかといいますと、具体的に糖尿病の方に対して、生活改善の方がどれだけいらっしゃるのかとか、保険では3カ月までしか介護、リハビリは適用できないのですけれども、3カ月以降のリハビリを民間フィットネスが受け継ぐのですが、そういった機能改善、機能回復に対する運動処方箋というものを病院さんからいただいて、民間が受け継ぐ。
 それから、もう一つこれも実際やったのですけれども、脳梗塞の手術をされた方というのは5年以内に50%の方がほぼ再発しております。こういった方に対して、命の大事さを知っている手術後の退院された方に対して栄養指導、健康指導をやっていけば、非常に価値の高いサービスができるというふうに商品化できるのではないかということで、こういった3つの健康に対する実証事業をやったのですけれども、これもやはりNDBいわゆる全国的にどれだけの方がどういった状態でいらっしゃるのかということがわかると非常に商品化というのはおかしいのですけれども、そういった悩まれている方に対してサービスが提供できるという環境ができると考えております。こういったものにもNDBは使える。
 最後になりますけれども、8ページになりますが4、こういったNDBの活用の範囲というのは行政のみならず情報がタイムリーに提供されることで、民間サービスの活用化がまた違った形で図れるであろう。国民が安心して質の高い医療を受けるためにも健康の維持、増進を図らせるための仕組みがこういった形でできるのではないかということで、NDBの活用の幅というものを個票提供という中から基礎集計とかオーダー集計みたいなものからもう少し活用の幅を広げさせていただけば有効な利用ができるのではないかということの御説明をさせていただきました。
 以上でございます。
○山本座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの園田さんの説明に関しまして御質問、御意見があればどうぞよろしくお願いいたします。
 冨山構成員、どうぞ。
○冨山構成員 確かにおっしゃるようにこういうふうにそれぞれレコード種別ごとに集計表ができれば非常にスムーズな研究が進むというは十分理解しております。手間はかなり大変だと思います。
 1点、3ページに書いてあるこのオンサイトの件なのですけれども、大分前にこの有識者会議でも将来的にオンサイトということを考えるべきではないかという話は以前出たと思うのですが、やはり今後この活用を考える場合はこの件については前向きに検討する必要があるのではないか。特にセキュリティの問題等も民間活用を含めた場合により重要になってくると思います。この点については一番気になった部分でございます。
○山本座長 ありがとうございます。
 事務局から何かありますか。
○加藤(源)補佐 最後の資料8のところで後ほど御説明しようかと思っておりますが、オンサイトに関しましては来年度以降、徐々に整備を進めていこうと考えております。
 今後はオンサイトを整備するということと、そのオンサイトに民間の方々も活用いただくとしたらどういう枠組みでどういった情報へのアクセスならばお認めすることとするかという議論が出てくると思いますので、それは実際のオンサイトセンターそのものの整備と並行して議論していければと考えております。
○山本座長 ありがとうございます。
 治療などは予算的な裏づけはあるみたいですので、具体的に検討を始めることになるだろうと思います。
 あと現在、このNDBからつくったデータで公表されているデータというものはおおよそわかりますか。
○加藤(源)補佐 公表されているデータというのは、NDBからとなりますか。
 今のところ、集計表は一部の研究者の方々が、研究者の方々の関心の分野や研究対象に応じた申出を受け、承諾された申出について集計し提供していますが、今の時点で集計表の提供実績そのものは3件で、そのなかに、その集計表を用いた研究結果が公表されているものもございます。
○山本座長 冨山構成員、どうぞ。
○冨山構成員 今まで有識者会議ではこのナショナルデータベースを研究者に対して一部提供して、そこで研究してもらった。
 ただ、今回いろいろお話が出てきた中で、薬の部分もあるのですけれども、ある程度こちらの方でまとめた形を国として出していただいてそれを活用すると非常に簡単にできる。ちょっと根本で少し考え方が違う部分があるので、今後そのナショナルデータベースをどう国としても含めて活用していくという、そこの部分がかなり絡んでくるような気がして聞いておりました。
○山本座長 ありがとうございます。
 本来目的というか、医療費適正計画のための諸表みたいなものは公表されていないのですか。
○加藤(源)補佐 失礼しました。
 先ほどの私の答えの追加で、健診データに関しましては本来目的として各種集計が我々の厚労省サイトからでも閲覧できるようになっておりますし、必要に応じて都道府県にも情報提供をしているという状況にございます。
○山本座長 ありがとうございます。
 他、いかがでしょうか。
 府川構成員、どうぞ。
○府川構成員 今、御説明いただいたシンクタンクからの御意見ということで、資料の4ページに活用の想定事例が書かれていますけれども、基本的にお考えになっているのは定型的なデータをもっと活用できるのではないかということで、個票データを使うというところは余り想定されていないという理解でよろしいのか。
○園田参考人 そのとおりであります。
 まず、基本的な今の実態がわかないために産業が一歩前に出られないというのが現状でございます。
○山本座長 他、いかがでしょうか。ございませんでしょうか。
 それでは、今回お越しいただいた皆様方には今後の議論の参考になる具体的な意見提供ありがとうございました。これから参考にしてまた議論を深めていきたいと思います。
 ここまでは民間の方々からのさまざまな御意見をいただいてまいりましたが、次は当有識者会議の構成員でもいらっしゃる新保先生より「個人情報に準ずる情報に係る情報保護の考え方について」、新保先生も加わっておられる「パーソナルデータに関する検討会」での現在の議論も踏まえて御説明をいただきたいと思います。
 それでは新保先生、よろしくお願いいたします。
○新保構成員 続きまして、慶應義塾大学の新保から、個人情報に準ずる情報の保護に関する問題について、お話しをさせていただきたいと思います。
 この点につきまして、最近は用語としてパーソナルデータ、ライフログ、ビッグデータ等のいろいろな用語が用いられておりますけれども、この点について、いろいろな用語が用いられている理由というのは、なかなかこの議論について個人情報については定義がございますが、それに準ずる情報については、今後どのように保護すべきなのかということについて、現在、さまざまな検討が行われているところであります。
 1ページ目でありますけれども、この点はどういうところかといいますと、例えば1つ例としてライフログ、この定義はもう3年前の私論でありますが、ライフログの取り扱いに当たって、最終的に取得される情報というものは個人情報だけではなく、非個人情報、特定の個人を必ずしも識別できない情報も含まれるということで、ライフログの取り扱いについては、次のページの総務省のライフログ研究会において検討がなされたわけであります。
 その次のページにおいて、総務省の研究会がとりまとめた配慮原則が提示されたわけでありますが、この時点では、具体的にプライバシー保護の観点でどのように何をすべきかということを示したというものではございません。その背景といたしまして、次のプライバシーの権利の権利性というものがございますけれども、今まで個人情報保護との関係で法律で明確に定められていないものは何かというと、実はプライバシーの権利であります。
 どういうことかといいますと、プライバシーの権利は判例においてはこちらの「『宴のあと』事件」以降、私生活をみだりに公開されない法的保障ないしは権利として保護されてきたわけでありますけれども、個人情報保護という観点からはプライバシーの保護については、保護法では特に明示されておりませんので、従来から解釈でどの範囲がプライバシーかということを考えてきたわけでありますが、具体的な基準につきましては、こちらのプライバシー侵害による不法行為の成立要件というものが判例において示されているにとどまっておりました。
 そこで、私論といたしまして、次のページの個人情報とプライバシーというものを従来から、ちょうど10年ほどたちますけれども、このような考えに基づきまして整理をしてきたわけでありますが、なかなかこの点についてこの10年間余り定着しなかったわけでありますが、ここへきてようやく私論を取り上げていただいて、現在、パーソナルデータの取り扱いという観点からも検討を行ってきていただいているところであります。
 具体的にこれはどういう意味かというと、個人情報については本来色分けが可能だと私は考えております。配付資料は白黒ですが、上から青、黄色、赤と色分けしているわけなのですけれども、青い情報を「公知の情報」、黄色の情報は「非公知の情報」、赤い情報は「機微な情報」ということで、まさに信号と同じと考えております。つまり、青信号、黄色信号、赤信号ということで、その取り扱いに当たっては区別が必要であると従来から考えてきたわけでありますけれども、この点について、法律ではあくまで個人情報は個人情報ということで色分けしておりません。したがって、色分けをせずに個人情報は個人情報として取り扱うとなっておりますので、いわゆる過剰反応を始めとして、さまざまな弊害が生じてきたところであります。
 その理由としては、右側のプライバシーという軸については、個人情報の取り扱いとの関係では考慮してこなかったという背景がございますので、私の私論としては、プライバシーという軸については、非公知、機微という枠の中でプライバシーというものを考えつつ、もう一つ、実際には3つ分けて、個人情報と領域、個人の自律という3つの保護法益から分けた上で、検討すべきであろうと考えてきたわけです。
 最近では、ようやく位置情報の取り扱いについても、まさに個人情報とプライバシーとの関係で誰かはわかるけれども、特定はできない。つまりどういうことかといいますと、例えば具体的に申し上げると、JRのSuicaの事案が問題になったわけでありますけれども、乗降履歴について氏名等を削除するとそれは匿名化された情報で個人情報には該当しないので、第三者に提供しても問題なく取り扱うことができるという考えに基づいて、情報を提供しようとしたところ、乗降履歴そのものから誰かを識別できるという点に考えが及ばなかったため、結果的にその履歴から個人を識別できるということを見落としていたわけです。つまり、氏名から個人は特定はできないけれども識別できるという点と、プライバシーとの関係で問題になるであろうということが指摘されて、データの提供を停止しているという状況になっているわけであります。
 現在、日本の個人情報保護制度は非常に複雑な構造となっておりまして、基本方針、ガイドラインに至るまで非常に細かく法律が制定されているわけでありますけれども、次のページの個人情報保護関連五法という5つの法律が現在の基軸となる法律であります。
 具体的には、次の個人情報保護関係法令というページに一覧がございますが、非常に細かく現行、個人情報保護に関する法令が定められております。しかし、これらの法律、いずれにつきましても、あくまで個人情報という特定の個人を識別できる情報についてのみ規制の対象となっておりますので、個人に準ずる情報、いわゆるパーソナルデータであるとかプライバシー保護という観点からの検討は、個人情報保護法の解釈の視点からは従来行われてこなかったわけであります。
 なお、個人情報保護法の適用の範囲は次のページとなっておりますけれども、現行の法制度において問題となっているところといたしましては、個人情報保護に関する法令の義務規定は地方公共団体には適用されないという問題がございます。したがいまして、医療分野におきましても、従来から例えば認定支援ネットワークにおいて取り扱う情報について、自治体が電子的結合の禁止を定めているということとあわせまして、自治体ごとに取り扱いの根拠となる条例が異なるということで、情報の流通に支障が生じているということも一部、問題としては従来から指摘されているところであります。
 さらに、執行の体制につきまして、次のページの主務大臣の所掌範囲と法執行というところにつきまして、こちらも非常に入り組んでおりますけれども、一覧で示すと非常に多くのガイドラインが示されているわけでありますが、これを一覧ではなく、イメージ的にわかるように作成したものがこちらの資料であります。 では、続いてこちらはあくまで確認までというところですが、個人情報取扱事業者の義務というのは、現在、個人情報、個人データ、保有個人データという3つの区分けに分けてそれぞれ適用される義務が分かれております。個人情報、これはあくまで特定の個人を識別できる情報というものが個人情報と定義されておりますけれども、検索性、体系があるものが個人データ、さらに半年以内に消去せずに保有し続けるものを保有個人データと3つ定義を分けた上で、それぞれ適用される義務が異なるという関係がございます。
 つまり、保有個人データ、半年以内に消去せずに保有していると全ての義務を負いますけれども、その半面、検索性、体系性がない個人情報については、個人データ、保有個人データの義務は負わないというものが現行の義務規定の構造となっております。
 次のページ、そこでこの後パーソナルデータの取り扱いの関係における論点として、なかなか解決が従来から難しいところとして、第三者提供、現行の第三者提供の構図はこのようになっております。原則本人同意となっておりますけれども、適用除外に該当する場合、オプトアウトに応じる場合については、第三者に、特に本人同意を得ずに提供することが可能となっております。
 なお、そもそも第三者に該当しないものとしては、委託先・合併・共同利用という3つの類型については、第三者提供に該当しないわけであります。
 この点について、次のページのオプトアウトについては、無条件で応じるのがオプトアウトという概念であります。一方、手続違反があって応ずるのが次のページの利用停止等の求めというところでありますので、今後、用語としてオプトアウトと利用停止については、似たような用語として用いられておりますけれども、そもそも法的には考え方が全く違うということが、この次のページの説明の趣旨であります。
 次に、第三者提供に該当しないものとしましては、委託、事業承継、さらにその次のページの共同利用がございます。共同利用は先ほど申し上げたとおり、第三者提供の適用を受けない、委託、事業承継、共同利用というものは、そもそも第三者提供には該当しないとなっております。そのような関係で、共同利用についてはさまざまな報道もなされておりますとおり、いわゆる脱法的な取り扱いを行うために共同利用という形にするというものも一部出てきているというところです。
 次のページ、なぜ適法な共同利用ができないのかということでありますけれども、共同利用につきましては、1、2、3、4、個人データの項目、共同利用者の範囲、利用するものの取得時の利用目的、管理者の氏名・名称、こちらの4項目を本人に通知するということであれば、利用することができるわけであります。ところが、1と2については原則変更が認められておりません。したがいまして、一度データベースを構築して、個人データの項目を変更するということができませんので、データを一度セットしてしまいますと、そのデータの利用範囲が異なる場合、または利用者の範囲が変わってしまうといった場合には、本人同意が必要になります。
 大規模な共同利用を行っている事業者におきましては、データの項目を変更したり、利用者の変更を行うということを恒常的に行っているような事例もありますが、そのような変更を行うということについては、原則本人同意が必要であって、適法に変更するということが現行は本人同意以外には方法がないというのが現状であります。
 さらに、国際的な関係についても簡単に確認させていただきたいと思いますが、昨年から今年にかけて、国際的な個人情報保護制度は大きな転換の年となると考えられます。我が国もパーソナルデータについて検討会を行いまして、12月10日に最終回の審議がなされた結果、12月20日にIT総合戦略本部決定として既に見直し案が出ておりますけれども、世界的に見てもOECDのガイドラインは昨年7月20日に改正が行われまして理事会勧告として採択され、9月9日に改正版が公表されております。
 さらに、我が国もオブザーバー参加しております欧州評議会第108号条約も現在改正に向けた検討がなされております。さらにEUの個人データ保護指令、こちらの改正案、個人データ保護規則案が公表され、昨年10月21日に欧州議会市民的自由・司法・内務委員会おいて採択がなれされております。
 改正案で興味深い点としては、例えば当初の案としては忘れられる権利とか、最終的には消去権ということになりましたけれども、忘れられる権利を行使することができるであるとか、課徴金につきましては、非常に高額の課徴金を課すことができるようになっておりまして、当初は総売り上げの2%、100万ユーロという金額が提示されていたわけでありますが、1億ユーロ、総売り上げの5%という非常に厳しい内容に変更がなされております。
 さらに、APECにおきましては、我が国は昨年CBPRという越境プライバシー・ルールへの参加申請を行っております。このように昨年、今年と大きく変革の年となるわけでありますが、それを一覧として国際的な最新動向というものを資料として次のページに入れております。
 なお、御参考までにOECDのプライバシーガイドラインでは、プライバシー執行機関を今回の改正版で明確に定めましたので、我が国におきましても、このプライバシー執行機関に当たるものを設置するということが必要になってまいります。行政手続番号法に基づいて、本年1月1日より堀部政男先生を委員長といたしまして、現在、既に特定個人情報保護委員会が設置され運用を開始しておりますけれども、今後はこのプライバシー執行機関に該当する機関としての設置を行うという方向での見直しが示されているわけであります。
 その見直しにつきましては、次の「個人情報法制定後の個人情報保護制度に関する検討」という資料で一覧を示しておりますけれども、2003年の法律の制定、2005年の全面施行以降、国民生活審議会におきましては2007年に取りまとめの意見、2011年には消費者委員会、その後経済産業省、総務省においてそれぞれパーソナルデータの取り扱いに関する検討が行われた結果、最終的には高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部、IT総合戦略本部におきまして、2013年12月20日の見直し方針決定という形で、次のページの「パーソナルデータの利活用に関する制度見直し方針」が示されております。
 こちらの目次を御覧いただきますと、ローマ数字の1、2、3、4という4つのパートに分かれております。この後の資料は非常に詳細な資料となっておりますので、後ほど再度御覧いただきたいと思っております。
 まず、大きな枠組みといたしまして、1つ目は背景。こちらは先ほど申し上げたいわゆるビッグデータの取り扱いも含めた制度の背景があるということとあわせて、この背景を受けて、2番目の見直しの方向性を3つ示しております。さらに、この3つ示した方向性を受けて、制度の見直し事項としては4項目示しているわけでありますけれども、具体的なポイントにつきまして、次のページから簡単にお話をさせていただきたいと思います。
 見直しの背景につきましては「1 パーソナルデータの利活用に関する制度見直しの背景及び趣旨」というところを御覧いただきたいと思います。こちらについては、4つ目の項目の1行目に平成25年6月に決定された「世界最先端IT国家創造宣言」においてという記述がございますけれども、こちらの戦略が政権交代後に打ち出されたわけでありますが、25年6月に決定されて、その後パーソナルデータの活用については9月から検討を開始いたしまして、12月末には決定ということで、非常に急ピッチにこの検討が現在進められているというところであります。
 次のページ、制度見直しの方向性でありますけれども、まず1つはビッグデータ時代におけるパーソナルデータの利活用に向けた見直し。これが1点目。
 次のページの2番目は、プライバシー保護に対する個人の期待に応える見直し。つまり、現行の個人情報保護制度は個人情報の取り扱いに関する義務を定める一方で、先ほどの私の図に示させていただいたとおり、プライバシー保護という観点からは、従来、法的には判例において解釈がなされていたにとどまっておりますので、これを法的にいかに保護すべきなのかということを2点目として、今後の見直しの方向性が示されています。
 最後の3点目になりますけれども、グローバル化に対応した見直しは先ほどのOECD、EU、APECを含め、我が国も海外の動向に準じた最先端のIT国家を創造するための見直しを行うというのが、3つ目のポイントであります。
 これを受けて、次のページの3、見直し事項、3項目示されていますので、3つの項目が具体的な見直し事項となっています。 具体的には1つ目、第三者機関、これは現在、既に設置されている三条機関としての特定個人情報保護委員会の権限の拡大を図る。
 2点目、個人データを加工して何らかの形で個人が特定される可能性を低減する。これはどういうことかといいますと、今後個人情報については、識別性と特定性を分けて議論するということを予定しております。つまり何らかの形で本人を識別できるけれども、特定ができないという状況があります。例えば先ほどのSuicaの事案については、個人を特定はできないと考えられますけれども、識別はできる。誰が何時何分にどこの駅で乗ったということについては、誰という情報は当然識別できるであろうということで、こういうものについてはプライバシー保護の観点から識別性はあるけれども、特定性はないという情報について、従来から単に匿名ということで整理がなされてきたわけでありますが、匿名、仮名も含めて今後検討を行うというところであります。
 3つ目は「国際的な調和を図るための必要な事項」といたしまして、こちら諸外国の制度との調和を含めて検討を行うということになっております。
 なお、4つ目のプライバシー保護に配慮した情報の利用、流通については、先ほど申し上げたとおりであります。
 最後に、今後のスケジュールでありますけれども、この見直し方針に基づきしましてロードマップが既に提示されております。来年の通常国会で法案提出を目指すとなっています。法制度の見直しに向けた意気込みがこのロードマップにあらわれていると思われます。
 以上、駆け足でありましたが、個人情報に準ずる情報の保護について、私から述べさせていただきました。ありがとうございます。
○山本座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの新保構成員からの御説明につきまして、御質問、御意見等はございますでしょうか。
 どうぞ。
○冨山構成員 レセプト情報とか特定検診情報、いわゆる医療情報について、具体的にそういう名前としては出ていないのですけれども、イコールパーソナルデータという形で考えてよろしいのか。医療情報の位置づけとかこの委員会でそこら辺の話が出ているのかということはお教えいただけるとありがたいのです。
○新保構成員 医療情報も当然このパーソナルデータに含まれるということになりますけれども、しかし、特に医療情報に限定せずにビッグデータの取扱いとしての議論が行われています。従来この議論については3つ分けて議論しておりました。金融・信用、医療、情報通信という重点政策分野として議論を分けておりましたが、この点については、今回は特に3つの重点政策分野に分けて取り扱いについて区別をするということではなくて、パーソナルデータをめぐる問題ということで広く議論をするということになっております。
○山本座長 どうぞ。
○冨山構成員 マイナンバー法のときに、いわゆる医療情報の取り扱いについて別途特別法をつくる等の検討があったわけですけれども、その部分が個人情報の改正の部分に持っていくという話で私は伺っていたのですけれども、そこの部分は具体的には出ていないということなのでしょうか。含まれてやるということでいいのでしょうか。
○新保構成員 医療情報については別番号ということで検討を行っていたというところがあるわけでありますけれども、この点については、プライバシー保護との関係において検討するという事項に広く含めて今後は検討することが示されておりますので、特に医療情報に限定して別途議論するという形ではなくてパーソナルデータ全般の問題を議論するということになっております。
○山本座長 よろしいですか。
 一応、最後から2ページ目の保護されるパーソナルデータの範囲の明確化のところで、今まで個人情報保護法では全く触れられていなかったセンシティビティーに関して、一応出てきている。「『センシティブデータ』については新たな類型を設け、その特性に応じた取扱いを行うこととする」。その次の「なお、高度に専門的な知見が必要とされる分野(センシティブデータが多く含まれると考えられる情報種別を含む。)におけるパーソナルデータの取扱いについては、関係機関が専門的知見をもって対応すること等について検討する」という2文は入っております。特に医療ということではないですけれども、それが入っているということだと思います。
 他にいかがでしょうか。
 どうぞ。
○石川構成員 私たちマイナンバーのところでの議論の中で、医療についての個別法ということで、大変期待していたわけなのですけれども、今、医療連携ということが介護の分野だとかそういったところも医療連携するという命題が出てきておりまして、非常に急がされているのです。そういう中で、今、議論になっている医療情報の一刻も早い整備が必要だと私などは思うわけです。今、御説明していただいた中では、その足取りが見えないといいますか、大変不安に思っております。
 それと今まで私たちが議論した中で、遺伝情報ということについて大変危惧があるのですけれども、これはその個人だけではなくて、子孫あるいは一族、そういったところまで影響するようなことについては、果たして個人情報という枠で云々できるのかというものもありまして、この遺伝情報がすごく足音が迫ってきているわけです。私たちは一刻も早く、手順がきちんと決められていって私たちが安心して使えるようになるのかということを求めているわけですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
○新保構成員 遺伝情報につきましては、個人遺伝情報と遺伝子解析について別途ガイドラインが従来から定められておりますが、大もとのパーソナルデータの取り扱いについての議論を踏まえた上で、個別のガイドラインも検討を行うということになると思いますので、現時点におきましては、個人遺伝情報についてのガイドラインの改正に向けて、具体的な方向性というものが特に示されているというところではございません。
○山本座長 いかがでしょうか。
 いわゆる個人情報保護法制の見直しが行われると、我々のナショナルデータベースの提供のガイドライン等にもかなり影響が及んでくると思うのですけれども、現時点で何か特段コメントされることがあるのか。あるいはせめて大綱ができてからといいますか、そういった時点までウオッチしなければいけないか。その辺はいかがでしょうか。
○新保構成員 各方面から個別のデータベースの活用、個別の情報の利用、その部分について特段の格別の議論を盛り込んでほしいという要望がなされておりますけれども、今回、そのような形ではなく、先ほど山本先生に御指摘いただいたセンシティブデータの取り扱いというところについての言及になっている理由はどういうところかといいますと、今後の見直し事項の最も根幹となる事項としては、各省庁が個別に対応してきた問題や検討を第三者機関が統一的に対応する、統一的な見解を提示するという点です。後ろの資料でいいますと、3の「第三者機関(プライバシー・コミッショナー)の体制整備」というところにつきまして、従来、各省庁例えば個人遺伝情報というものにつきましても、厚生労働省における遺伝子解析研究に関する議論と個人遺伝情報については個人遺伝情報の取り扱いに関する事業については経済産業省の所管となっておりますので、それぞれ個人遺伝情報といっても、ガイドラインが2つ分かれてきたわけであります。
 こういったところについて、分野横断的な統一見解の提示、事前相談、苦情処理、立ち入り検査、行政処分など、第三者機関を整備した上で、機動的に今後は対応できるようにするということがこの制度見直し事項の最も根幹となる部分でありますので、今後は個別の事案につきまして、各省庁が個別に対応してきたことを統一的な見解を提示するということが期待されているところであります。
○山本座長 他いかがでしょうか。ございませんでしょうか。
 それでは、御議論ありがとうございました。今後もこの動向を注視しながら、議論を進めていくことが重要だと考えております。
 それでは、次の議題、大きな議事の2番「サンプリングデータセットにおける利用環境のあり方について」に進ませていただきます。事務局より説明をお願いいたします。
○加藤(源)補佐 それでは、資料5、並びに参考資料1、参考資料2もあわせてお手元に御用意ください。
 資料5は「サンプリングデータセットにおける利用環境のあり方について」と題しておりますが、これは先月行いました第17回有識者会議におきまして、利用者の方々から、サンプリングデータセットは1カ月分の抽出データであり、かつ地域の情報、医療機関の情報、保険者の情報と全て削除し、希少な傷病名、医療行為、医薬品に関する情報は匿名化し、さらには高額なレセプトに関してはあらかじめ削除する等々、匿名性を高める処理を十分施しているにもかかわらず、従来どおり非常に堅牢なセキュリティ環境を要求されているというのはいかがなものか、というところから議論が始まり、皆様方の御意見も踏まえて議論を進めているところでございます。
 今回、その利用環境のあり方の一つのあり方について、モデルのようなものを御提示しておりますが、このモデルにつきまして、皆様方から御意見をいただきたいと思っているところであります。
 おめくりいただきまして、2ページ目、適切な利用環境を検討するに当たっての論点ということでございます。これは前回の議論も踏まえてのものですが、大きく5つ段落を振っております。上からまいりますと、利用場所についてですが、従来ですと個人情報に準ずる情報ということで、その情報の取り扱いが正確に把握できるよう、利用者の入退室管理を厳しく行うということにしておりましたが、これを非常に匿名性の高いデータであるということを踏まえて、入退室管理までは求めないこととしてよいのではないかということを御提案するものです。
 外部ネットワークとの接続についてですが、これは情報の流出というものは引き続き留意いただきたいという観点から、外部ネットワークとの接続は認めないこととするというのが、前回議論において決定されたかと思います。
 アクセス記録についてですが、利用者が当初より限定した状態で申出いただくということが前提になっておりますので、利用者のアクセス記録というものは引き続き残してはどうかということでございます。
 次の段落、データの管理につきましても、非常に匿名性の高いデータではありますので、もちろん最低限の盗難防止措置は行っていただくのですが、その管理状況の追跡に関して特別抽出におけるセキュリティ要件で求めているような厳しい追跡ができるような記録というものまで求めなくてもよいのではないか。
 中間生成物に関しましても、もともと抽出されたデータであり、公表基準の適用も認めないということにしておりましたので、集計された帳票については、ナンバリングほどこしたうえで棚に管理し、その場所を全て管理するということまで求めなくてもよいのではないかということであります。
 3ページ目に移りまして、次の議論に進む前にデータの位置づけ、用語についてもう一度整理を行ってはどうかという御提案でございます。既存の整理ですと、レセプト情報・特定検診等情報データベース、そこに含まれる情報をレセプト情報等と申しておりますが、これを個人情報に準ずる情報として我々議論してまいりました。
 ところが、サンプリングデータセットは実質的な個人識別可能性というものをなくしたデータであるという位置づけにするということでありますと、そのデータのカテゴリーというものも別途整理し直した方がよいのではないかということで、その下の太字で囲んでいるところが今回の提案の事項でございます。
 すなわち、新たに「レセプト情報等簡易データ」、これは仮称でございまして、今後ガイドラインを整備するときにもう少し座りのいい名前にする可能性もございますが、要はサンプリングデータセットですとか、今、厚生労働科学研究費研究班につくっていただいている基本データセットですとか、さまざまな匿名化処理、抽出等の加工を行ったデータは簡易データという位置づけにするということです。その簡易データについて、今後セキュリティの議論をしていこうということで、あらかじめこういったデータの位置づけや用語の統一をしてみてはいかがかということで御提案させていただいています。
 ということで、4ページに進んでいただきます。サンプリングデータセットの適切な利用環境を検討するに当たっての論点ということでございます。この細かい項目は現行のセキュリティ要件の大まかな要約を示しているものでございます。大きく分けて1、2で、次のページが3になっていますが、この1、2、3で順に申し上げてまいりますと、この1の基本的な事項というところで、これは今までのセキュリティ要件ですと、例えば国内で使うこととする。あるいは利用場所は施錠可能なスペースに限定、ネットワークと接続しない、利用者はあらかじめ申出られたもののみとするということ。こういった事項は、従来どおり引き続き要件として申出者に要求してはどうかということでございます。
 その次の2のところで、所属機関が一般的に具備すべき条件ということで、個人情報保護に関する方針ですとか、セキュリティマネジメントシステムの実践ですとか、組織的安全対策の実施ということの要件を問うています。これらを満たしていただくことが条件になっていますが、右側の主な論点のところの下のところ、セルを結合している部分のところを御覧ください。
 データについても実質的な個人識別可能性がないという整理にしてはいますものの、厚生労働省から研究者の方々、申出者にお渡しするデータの管理というものの責任までも不問にするということではないかと思われますので、ここにありますように、運用管理規程などを整備して、情報セキュリティマネジメントシステムの運用を行っていただくということについては、引き続き申出者に求めていくこととしてはどうか。この点については、現行の要件と同等としてはどうかということです。
 ただし、データの識別可能性の観点から見て、例えば入退室の管理ですとか、個人情報に準ずる情報としての細かい規程とかまでは求めないこととしてはどうか、ということがおおまかな論点でございます。
 次のページも同様でございまして、3というものは例えば物理的安全対策のところですと、盗難防止のチェーンですとか、窃視防止対策ですとか、そういうことは現行の要件で求めております。
 例えば盗難防止チェーンを装着するということは、データが盗まれないということを考えますと、当然引き続き要件として求めていくものであろうかと思われるのですが、例えば窃視防止対策につきましては、例えば公表基準を求めないですとか、識別可能性がないデータという扱いにするならば、いささか冗長ではないかということが言えます。こういったところで、要件として少し過剰ではないかというものについては、その要件を外していってはどうかということがここの論点です。
 次のページは、前回の有識者会議でも御提案させていただいたもので、それに一部修正を加えたものでございます。これは利用形態のイメージでございます。左側がいわゆる特別抽出でお使いいただくデータの利用形態で、今回、御提案するのが右側のような利用形態です。大きく分けますと、一番大きな違いが入退室の状況を厳密に管理するという要件を撤廃するということでございます。
 そうはいいますものの、下にありますように利用端末ですとか空間の施錠管理は最低限のものとして行っていただく。利用端末のアクセスログを残すといったことをお願いするということです。
 7ページ、手続でございまして、申出者の方が実際にどういった書類を用意すべきなのか。そこにどういった規定を盛り込むべきなのか。そのために必要なものは何かということのリストでございますが、前回、右側の文字で起こしている部分は果たして必須なのかそれとも不要なのかということで、前回、有識者会議では議論させていただいたかと思うのですが、例えば別添2のところの書類、当然現在の特別抽出の申出手続ではお願いしているのですが、サンプリングデータセットではどうなのか。ここにありますように、情報セキュリティマネジメントのシステムを引き続き運用を求めるということであれば、これらの書類も何らかの形で出していただくことが必要なのではないかということです。
 下の倫理委員会の承諾につきましては、実質的な個人識別可能性がないという判断に立つのであれば、必ずしも提出を求める必要はないのではないかと考えられます。ただ、だからといって承諾を求める、求めないにつきましては、申出者の任意でございますし、それは研究機関のルールもございましょうから、そこは妨げるものではありません。
 別添9の詳細な公表形式という書類に関しても、求める必要はないのではないかということの提案でございます。
 参考資料がございますが、こちらは主に申出者の方々が御覧いただければということで御用意しているものです。ざっと申しますと、例えば運用管理規程の例ですと、参考資料の4ページ目、5ページ目あたりですが、こういった書類を書いていただくこと自体は引き続きお願いする。ただし、例えば入退室管理に関する規定というものはこの中から外れておりますし、個人情報に準ずる情報としてのデータの破棄に関する細かい話というものは、大分削除されています。こういったシンプルな形に改めつつも、書類そのものはご準備いただく。その一つのモデルということでお示ししているものが参考資料1でございます。
 8ページを御覧ください。「自己点検チェックリストの例」とございますが、これが例えば従来の申出ですと、もっと細かい点検を行ってもらうことを求めておりましたが、サンプリングデータセットですので、比較的数少ないチェックで、セキュリティマネジメントシステムの運用はできているのではないかという判断になろうかということでございます。
 参考資料2は、申出の要件でございますので、ここでの紹介は割愛させていただきます。
 事務局から以上となります。
○山本座長 どうもありがとうございました。
 ただいまの事務局からの御説明に関しまして、御意見、御質問はございますでしょうか。おおむね前回の議論を踏まえた今回の資料になっているかと思いますけれども、いかがでしょうか。
 セキュリティ面に関しては、おおよそこの方向でよいということでよろしゅうございますでしょうか。簡易データという名前は、何が簡易なのかよくわからないので、これは検討していただくということにして、これはいつの申請からこれを適用するのですか。
○加藤(源)補佐 今、座長の方から御指摘がございましたように、これを正式なガイドラインに落とし込むとなるともう少し時間がかかるのですが、実は今、1月末を締め切りとして申出の受け付けをしているところです。ガイドラインの改正を待たずにこの有識者会議でもし御了承いただけるのであれば、このルールで早速直近の申出でもこういった簡易的な形式でお使いいただくということができ、利活用の促進という観点からもよろしいのではないかと考えます。このあたりも御検討、御議論をお願いしたいと思います。
○山本座長 いかがでございましょうか。
 本来はきちんとガイドラインを改正してやるべきことですけれども、我々としてはサンプリングデータセットは結構皆さんが使いなれてくると評判がよくなってきて、非常に勉強になるという御意見もこの前の意見の中にあったように思いますので、どんどん使っていってもらう方が、このNDBの存在価値を高めるという意味では重要だと思いますので、もし御了承いただければ、今月の申請から適用したいと思いますけれども、何か御意見ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○山本座長 それでは、事務局からの提案のとおり、今回の申請からこのルールを適用して、同時にガイドラインの改正を進めるとしたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、資料6「基本データセットにおける匿名化基準等について」ということで、事務局から説明をお願いいたします。
○加藤(源)補佐 続きまして、資料6「基本データセットにおける匿名化基準等について」という議題に移らせていただきます。
 この議論は、これも前回の有識者会議でこれを厚生労働科学研究の研究班より御提案いただいた、現在作成中の基本データセットに関して、紹介した際に有識者の皆様方から出た意見もございましたので、それを踏まえて今回新たな提案をする、それに加えて、現在、研究班の方でつくっている外来の方のデータセットに関しても現在進捗があるということでしたので、それの紹介を行うというものでございます。
 資料をおめくりいただきまして、1ページ目でございます。「データセットにおける希少傷病名の匿名化について」という項目でございますが、これは前回の有識者会議でデータセットをつくった場合、その傷病名が非常に珍しい病名だったら、個人特定可能性が高まるのではないかという懸念が寄せられました。それに関して、以下のような対応としてはどうかということがこの資料でございます。
 それは、最低限の匿名化として抽出されたデータをまず見渡して、1度しか出現しない傷病名がもしあったとしたならば、それは匿名化して提供することとしてはどうか。実際、このデータセットといいますのは、保険者単位で抽出し、患者単位で抽出するので、事実上全人口の約5%程度のデータになるのですが、例えばその中で1例しかないような事例がありますと、これは何か特定される可能性が高まるということにつながりかねないということなので、それは匿名化してはどうかという提案です。
 下の表がございますが、先ほど来議論いただいていますサンプリングデータセットといいますのは、珍しい傷病名は匿名化いたします。その匿名化の結果、世の中にございますいわゆる傷病名コードの中から、大体60%近くのデータが匿名化されています。これはもちろん月ごとに変動があったりするかと思いますが、こういう実態となっています。
 今回ご提案した、一度しか出現しない傷病名の匿名化というものを仮に行った場合、大体対象疾患はどれぐらいなのかということですが、それがこの、25%という数字です。実際にこの25%という数字だけで見ますと、サンプリングデータセットよりも匿名化の率は低いのですが、一方、この基本データセットでは、傷病名というものは1つに限定しています。つまり、10も20も傷病名があるようなレセプトでも、1つに限定されていたり、主病名に限定されていたりするので、その他の傷病名に関しては削除が行われており、こうした処理が匿名化の向上に寄与していると考えられます。このあたりのバランスを見て、1度しか出現しない傷病名に匿名化の対象を限定するということでもいいのではないかという御提案でございます。
 2ページ目を御覧ください。今、研究班につくっていただいているデータの特徴としまして、1つの記録に関して傷病名を1つに限定するという手法をとってございます。ですので、実は匿名化するとその事例においては傷病名がなくなるという問題が発生します。そこでどうするかという提案がこちらでございまして、もしも珍しい病気で匿名化したということであれば、病名のかわりとして大体同じような対象疾患となるICD-10コードをおおよそ3桁レベルで提供することとしてはどうか、というご提案です。
 少しわかりにくい説明になりますので、下の模式図を御覧ください。これは1例でございまして、実態を反映するものではないのですが、一番左側、レセプトとお考えいただきたいのですが、この絵で傷病名が若年性境界型高血圧症と振られていた場合、そしてこれが1回しか出現しないといった傷病名であった場合に、もしこれを先ほどの議論のとおり匿名化すると消えてしまいます。消えてしまっては傷病名の分析が全くできないが、それに対応するICD-10コードとしてI10というものがございます。これは高血圧症群ということで位置づけられているものですが、これをかわりに付与します。このI10というものは実は対照表リストを見ますと、これだけ傷病名がございまして、このどれかになるけれども、I10という情報だけではこのどれかがわからないということで、特定可能性が下げられます。一方で、ある程度傷病名に関する情報はI10という情報で推測できますので、研究に活用できるということで御提案させていただいているものであります。
 続きまして、3ページを御覧ください。これもまた前回の有識者会議で御懸念いただいた事項でございまして、傷病名ではなくて、医薬品ですとか診療行為ですとか、こういった情報を提供するとなると、個人の特定可能性が高められるので慎重に検討する必要があるのではないか、という懸案です。例えば薬剤であれば、分類コードにするとか一般名でまとめるだとか、そういったことはできないのかという議論もありましたが、その下にございますように、情報を提供すれば提供するほどそういったリスクというものは起こり得るという議論はあるかと思うのですが、一方で、このデータ提供というものは基本的には有識者会議の審査分科会を経て行うものでございますので、審査分科会で例えば申出にあって、こういった細かい情報を提供する、この研究スキームは個人の特定可能性が高まるのではないかというチェックを入れることも可能でございます。ですので、この点に十分留意した上で、データとしては引き続き提供することを認めてはどうかということがご提案でございます。
 4ページ目以降は、外来データセットと銘打っておりますが、ちょうど前回、入院のデータセットをつくってそれの提案をしていたかと思うので、これの外来版を現在整備しているということで、こちらで紹介させていただいております。
 この資料自体は、第17回の有識者会議で出したものの入院という部分を外来に変えたもので、おおよそ同じなのですが、違うことがあるとすれば、一番右側にございますように、1カ月ごとにデータをまとめるという点です。その中で、例えば幾つも医療機関を受診していたら、その医療機関の数だけの情報を持たせる。ただし、医療機関に関するコードですとかそういう情報は一切消すということです。
 それぞれのデータに関して、もちろん傷病名が何個も入っている場合が実際のレセプトにはありますが、基本データセットでは、1つだけに限定されております。そしてそれに必要に応じて調剤レセプトの情報もID処理を行って、必要情報はつけるという加工をしていただけるデータと聞いております。
 5枚目のスライドは、前回の資料なので紹介は割愛させていただきます。御覧いただければと思います。
 6枚目のスライド、これも前回の資料と同じで入院が外来になったものと考えていただいて、おおむね差し支えありませんが、ここで御議論いただきたいことは、前回と同様、この外来データセットも匿名化処理ですとか傷病名の一元化ですとかを行っていますので、サンプリングデータセットと同様の簡便な利用環境での活用をお認めいただけないか、ということをここで御議論いただきたいと思っております。
 事務局からは以上となります。
○山本座長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からの御説明に関しまして、御質問、御意見がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
 個人的には、外来も入院もデータセットB、Cに関しては、先ほどの頻度1の病名に関してはICDの3桁コードに置きかえるということで、皆さんの御意見を聞いてみないとわからないですが、サンプリングデータセットと同様の扱いということで問題はないように思います。
 ただ、データセットDに関しては、有識者会議でその点を踏まえて慎重に検討する。検討した結果、サンプリングデータセットと同様のカテゴリーでは難しいといった場合の行き先というのは、何か事務局から御提案ございますか。もう提案を棄却するのか、あるいはよりセキュリティレベルの高い提供を認めるのかということです。
○加藤(源)補佐 実際、このデータセットがまだ使われていない段階なので、なかなかこういった方針で定めてはどうかと申し上げにくいところではあるのですが、なにぶん有識者会議で、研究のロジックですとか内容ですとか、それに従ったデータの提供ですとかが評価されるわけですので、何らかの形で申出者には会議の議論を情報提供し、その上で例えば有識者会議で提案する条件に改められるかどうかということを検討してもらってはどうでしょうか。もし利用者がそういった対応ができないとなるのであれば、別途対応を考えていただくとか、そのあたりも含めて柔軟な対応をまずやっていくことが重要かと思います。
 ただ、逆により厳重な利用環境への変更を求めることがあり得るから、基本データセットは厳しい環境でしか利用できない、といってしまうとまたデータ利活用のハードルが上がりますので、そのあたりは柔軟な対応をとりつつ、可能な範囲であれば簡便なセキュリティ環境でいろいろ使っていただいくことが一番重要なことなのかと考えたりもしております。
○山本座長 ありがとうございます。
 御意見、いかがでしょうか。
 これは今回結論を出す必要があるのですか。
○加藤(源)補佐 実は、基本データセットに関しましては、12月に開催いたしました事前説明会でも紹介はしておりますので、ここで決定していただきますと、申出者の方々にもこういったデータを活用していただくという道が開けます。ですので、そうしていただけると次からすぐ提供ということになるかと思います。
○山本座長 いかがでしょうか。
 それでは、特段御意見も今のところなさそうですので、座長の私見が入って恐縮ですけれども、データセットB、データセットCに関しては、先ほどお認めいただいたサンプリングデータセットのセキュリティレベルで提供をお認めする。データセットDに関しましては、原則申請時はそれで結構ですけれども、有識者会議の議論の中ではそのレベルでは提供できないという結論があり得るということを御了承いただいた上でということにさせていただいてよろしゅうございますでしょうか。特にございませんでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○山本座長 では、そのように説明させていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、引き続いて「利用者からの意見への対応について」ということで、事務局から説明をお願いいたします。
○加藤(源)補佐 資料7を御覧ください。これは前回の有識者会議のときに紹介しましたアンケートですとか、利用者からのヒアリングで出た意見に関して、現時点でお答えできる改善案を列挙したものです。
 ここで一つ一つ説明することは行いませんが、主要なものに関してだけここで御紹介させてください。
 まず、1枚おめくりいただいて、2ページと銘打っておりますところの手続について、上から5段目のところ、認知度の高い機関で登記事項証明書等の証明書は必要ないのではないか、という項目ですが、これはご意見としてもありましたし、ヒアリングの際に利用者からも意見がございました。実際、確かにそういった印鑑証明ですとか登記事項証明書を入手するのが非常に苦労したという声は我々も耳にしておりますが、一方でデータ提供の手続きが契約に基づくデータ提供であります以上、提供先に関しての何らかの存在証明を確保するということは必要不可欠であろうと考えます。そういった場合に、ただ所属機関の印鑑証明ですとか登記事項証明といったものを確保することがどうしても困難ということであれば、例えば申出者の印鑑証明、実印が押印された身分証明書の写しを添えて提出することで代替することを認めてはどうかとご提案しております。
 これはどういうことかといいますと、従来でしたら申出者の所属機関、申出者の所属というものが申出要件になっていましたので、こういった手続きを求めていたのですが、その手続きがどうしても困難であれば、その存在証明を申出者の所属組織だけでなく、申出者本人の存在証明であってもお認めしてはどうか、という提案だとお考えいただければと思います。
 次、おめくりいただきまして、例えば3ページ目に関しましては、一番下のところの審査頻度についての議論でございます。審査頻度については年に2回では少ないという意見、あるいは年に2回で十分ではないかという意見、いろいろございましたが、実際のところ申出数といいますものはここのところ、それほど多くはありません。これが実際にニーズがないのか、それとも要件が厳しく頻度が少ないから実際にそれほど申出が活発に行われていないのかの評価は難しいのですが、今のところ回数をふやすことよりも、例えば今、利用していただいている方は研究が終わってからでないと次の申出ができないということになっておりますが、例えば審査の方は前倒しでやってしまうですとか、そういった柔軟な対応をまずは積極的にやっていく。それから、利用を検討されている方々にも啓蒙する。その上で、活性化してきて件数がふえてきたときにさらに頻度をふやすことを検討することとしてはどうか、というご提案でございます。
 その他、5枚目にまいりますと、例えば一番上にあります日本全国の個人の台帳を管理する機関、仕組みが必要ではないかという意見がございます。例えばこういう意見に関しましては、我々の事務局でそれを行ったり、この有識者会議で何かを決めるといった範疇を完全に超えておりますので、これは対応困難という整理になるかと思います。
 その他、一番下のところで、教育用データの拡充を図れないか、というご意見もございます。そういったことに関しましては、現在、第三者提供に係る事務業務を外部委託していたり、厚労科研研究班でデータセットをつくっていただくなどの活性化などをやっていますので、そちらでいろいろ対応いただくということも検討して、少しでも改善できたらいいのではないかということを改善策として挙げさせていただいております。
 事務局からは以上になります。
○山本座長 ありがとうございました。
 何か御意見ございますでしょうか。特に最初の手続の認知度の高い機関ということで、申出者の印鑑証明と実印が押印された身分証明書の写しで代替するというのは、いかがでございましょう。
 どうぞ。
○新保構成員 これは身分証明書に実印が必要になってくるということですか。余り身分証明書に実印を押すということは想定されないかとかと思うのです。
○山本座長 身分証明書の写しに実印を押す。
○新保構成員 身分証明書の写しに実印を押すという形ですか。
○加藤(源)補佐 すみません。ちょっと説明が足りておりませんでしたが、そういうイメージでございます。
 それから、今の資料の最後、6ページ目を御覧ください。本日お越しいただいております頭金構成員が模擬申出をされた際の実施フロー図でございまして、例えば中間生成物の処理が非常に面倒でコミュニケーションができなかった、などといった利用環境の制約に関して利用者より意見があったというのが前回の有識者会議ですが、例えばこのように利用環境の中に分析機器のみならず、プリンター、保管棚、合議テーブル、ホワイトボードなど、全てを完備していただくといった工夫をしていただくことで、確かにセキュリティ要件は厳しいものを求めておりますが、それなりの研究環境は御準備いただけるのではないかということで、フロー図の例で挙げさせていただいております。
 以上でございます。
○山本座長 ありがとうございます。
 いかがでしょうか。
 この手続の身分証明書の写しに実印を押すというのは、実はHPKIという医師等の資格を含めた公開鍵証明書の発行手続というものがあって、その際に例えば医師の場合は医師免許証の提出を求めるわけですけれども、医師免許証そのものを実際に来て見せていただくということが事実上不可能なことが結構ありますので、その際には郵送による受け付けを認めているのですが、それは医師免許証のコピーに実印を押して印鑑証明書を添付していただくということで、これは認めております。
 ただし、医師免許証というのは多分みんな知っているので、写しが偽物らしいか本物らしいかというのは、形式的な話ですけれども、完全に偽造されたらわかりませんけれども、全くでたらめにつくられたものかどうかということぐらいはわかるわけです。
 ところが、身分証明書となるとこれは各組織でさまざまな身分証明書があって、この身分証明書が本物かどうかということは一目したらわからないということがあるので、若干それよりは信頼性は落ちると思うのです。
 したがって、私のこの対応は最初の認知度の高い機関ではというものを入れておく方がいいのではないかという気がします。組織の存在もわからないようなところから申請があった場合にこれでいいのかというと、ちょっと不安が残るような気がしますけれども、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○新保構成員 正式な身分証明書が発行されない機関もあると思います。
○山本座長 そこは付加しておいたらどうですか。要するに、みんながその存在がはっきりわかっていて、組織そのものの実在性は問題がないというときの申請者がその組織の許諾を得ているということを確実に知るためですから、認知度の高い組織の場合と限定しておく方が無難だと思います。
 他にいかがでしょうか。これに関しましても、今回、全く全部の結論を得るという話ではありませんので、大筋このような方向で検討を進めて、最終的にはガイドラインの改定になるわけですから、引き続き御議論をいただければと思います。
 それでは、時間も過ぎてしまいましたので、最後の資料8に関して、事務局から御説明をお願いいたします。
○加藤(源)補佐 資料8は、平成26年度予算についての紹介でございます。おめくりいただいて1枚目ですが、予算案の主要事項といたしまして、我々に直接関係するところがNDBデータの活用の促進ということで3,600万円。それから、保健局医療課のデータではあるのですが、当有識者会議で提供の審査が行われるDPCデータの活用の促進に関しては、データベース構築で5,000万円ということで予算がつきました。
 差し当たって、このNDBデータの活用の促進をどうすすめていくのか、というのが、次の2ページ目でございまして、これが先ほども御指摘いただいていたオンサイトセンターの設置でございます。これは高いセキュリティレベルの確保された場所を、東日本、西日本をイメージしておりますが大体各1カ所設置し、そこで研究者等に供することにより、データ利活用の円滑化を図っていくというものでございます。
 現在、データを直接研究者に提供していることから、どうしてもセキュリティの管理をを申出者に求めないようにすることは、なかなか難しいです。これがオンサイトセンターになりますと、セキュリティは確保されていますし、一方、データのやりとりにおける漏えい、紛失等のリスクも回避され、ログ記録も完全に残るので目的外のデータの分析に関する一定の抑止力にもなり得る。こういった利点が考えられるということです。
 先ほど意見もございましたが、例えば現時点での利用者は研究者等と書かれておりますが、民間の利活用ということが今後さらに議論されていった場合には、このオンサイトセンターを使っての利活用、といったことも議論の対象にはなってくるのかと考えているところでございます。
 事務局からは以上でございます。
○山本座長 ありがとうございました。
 何か御質問ございますでしょうか。
 実際の運用に関してはこれから議論をしていただくということでございますけれども、よろしゅうございますか。
 では、次年度以降、これをまた検討していきたいと思います。
 以上で本日用意いたしました議事は全て終了いたしました。事務局から何か連絡がございますでしょうか。
○加藤(源)補佐 本日は、お忙しい中活発な御議論をいただき、ありがとうございました。今後、2月、3月にそれぞれ1回ずつ有識者会議を予定しておりますが、次回は前回及び今回いただきましたデータの利用者ならびに民間の方々からの意見を踏まえまして、具体的な利活用の促進の方向性についての素案をお示しすることを想定しております。また、海外での利活用動向についても可能な限りで御紹介できればと考えております。
 それらの議論を踏まえまして、3月には一定の方向性が中間まとめのような形式で議論を行うことを、具体的なロードマップとして想定しております。
○山本座長 ありがとうございました。
 ということで、まだ2月、3月も有識者会議が忙しゅうございますけれども、どうぞ御協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、これで今回は閉会とさせていただきます。どうもお忙しい中、ありがとうございました。また、時間が超過して申しわけございませんでした。

 

 


(了)

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