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2013年12月6日 第10回厚生労働統計の整備に関する検討会 議事録

大臣官房統計情報部企画課統計企画調整室

○日時

平成25年12月6日(金)13:30~15:20


○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省6階 専用第23会議室(608)


○出席者

委員(五十音順、敬称略、◎:座長)

阿藤 誠
阿部 正浩
今田 幸子
大江 和彦
柏女 霊峰
齋藤 英彦
土屋 了介
津谷 典子
◎ 廣松 毅

委員以外の外部有識者

高畑 純一郎 (獨協大学経済学部専任講師)

事務局

姉崎統計情報部長
本田企画課長
武隈統計企画調整室長
野口審査解析室長
手計統計企画調整室長補佐

○議題

1.「厚生労働統計調査の論点等」に基づく統計調査の検討について
2. その他

○議事

○本田企画課長

御出席予定の委員でまだお見えになっておられない方もおられますけれども、定刻になりましたので、「第10回厚生労働統計の整備に関する検討会」を開会させていただきます。

委員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席いただきまして、誠にありがとうございます。私は、本年7月より統計情報部の企画課長に着任いたしました本田でございます。よろしくお願いをいたします。

審議に入ります前に、前回の検討会以降、私以外にも事務局に異動がありましたので、紹介をさせていただきます。

私の左隣におります統計情報部長の姉崎でございます。

 

○姉崎統計情報部長

姉崎と申します。よろしくお願いいたします。

 

○本田企画課長

その隣で、統計企画調整室長の武隈でございます。

 

○武隈統計企画調整室長

武隈です。よろしくお願いいたします。

 

○本田企画課長

私の右隣で、審査解析室長の野口でございます。

 

○野口審査解析室長

野口と申します。よろしくお願いいたします。

 

○本田企画課長

次に、本日の出席状況でございますが、西郷委員、石川委員、大沢委員、玄田委員、永瀬委員が御欠席でございます。

土屋委員におかれましては、15分ほど遅れて御出席をされると御連絡をいただいております。

それでは、以後の進行につきましては、廣松座長によろしくお願いいたします。

 

○廣松座長

皆様、本日、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。議事を進めます前に、本日、当検討会にお招きしております先生を御紹介いたします。

獨協大学経済学部専任講師でいらっしゃいます高畑純一郎先生です。

高畑先生には、お手元の議事次第にございます資料2「統計調査の利活用に関わる効果の測定方法の私論」について、阿部委員とともに御研究内容を後ほど御披露していただくことになっております。よろしくお願い申し上げます。

それでは、議事を進めてまいりたいと思います。

本日の議題は、皆様のお手元にございます議事次第にありますとおり、1点目が「『厚生労働統計調査の論点等』に基づく統計調査の検討について」でございます。2点目は「その他」となっております。

それでは、最初の議題でございます「『厚生労働統計調査の論点等』に基づく統計調査の検討について」の検討に移りたいと思います。

これに関しましては、お手元にお配りしております資料の最後に付いてございます参考資料、1枚物でございますが、それを御覧いただければと思います。これは、当検討会で取り上げるテーマを整理したものでございますが、平成2312月の第4回の検討会から、これまでに1~8までのテーマのうち5までの検討を終えております。

また、前回、本年3月に開催いたしました第9回の検討会におきましては、厚生労働統計調査の現状と改善方策という形で、これまで御議論していただきました各テーマに関する検討結果について、中間報告をおまとめいただきました。

そこで、本日は、残っておりますテーマの6と7について議論を進めてまいりたいと思います。

まず、テーマの6、すなわち「調査間の調整について」でございますが、この点について事務局から説明をお願いいたします。

 

○武隈統計企画調整室長

統計企画調整室長の武隈でございます。

資料の御説明に入ります前に、お手元の厚いドッチファイルについて説明させていただきます。

こちらは、第8回の検討会でお示ししました厚生労働統計調査一覧を11月1日時点の情報に更新したものです。厚生労働省で所管しております一般統計調査について、調査ごとに概要をおまとめした表裏1枚紙と、調査要綱及び調査票をつづっております。

少し中を御覧いただければと思いますが、調査ごとの概要ペーパー、数字のインデックスシールが貼ってあるものです。そこでは、調査の目的や実施周期、調査方法といった基本情報に加えまして、調査がどのような施策等に使われているかということを示すPDCAサイクルの活用、さらにはe-Statやホームページのアクセス数、統計法第32条に基づく二次利用の件数等を載せてございます。こちらにつきましては、本日の御議論におきましても適宜御活用いただければと思います。

それでは、次に本題に戻りまして、資料の説明をさせていただきます。

まず、資料1-1から1-3がテーマ6の調査間の調整についての関係の資料です。

資料2は後ほど先生のほうから御説明がありますが、テーマ7の利用活用度合い及び費用対効果についての関係の資料です。

最初の議題として、テーマ6の調査間の調整についてですが、参考資料では、個々の調査の調査項目に関して、他の調査との重複や関連性の強化、行政記録情報の活用可能性について検討するということとされておりますけれども、しかしながら、本日は個々の調査について、この場で御議論していただきますと膨大な時間を要するということもございますので、後段の行政記録情報の活用可能性についてということに絞って御議論をお願いしたいと考えております。

それでは、資料1-1から1-3の説明をさせていただきます。

行政記録情報等の活用に当たりましては、これから述べるように様々な課題があるところでございますが、本日は委員の皆様には、そうしたいろいろな課題がある中で、少しでも行政記録情報等の統計調査への活用を進めるための御提言や御助言をいただければと考えているところでございます。

それでは、資料1を御覧ください。資料1-1と1-2は、この関係につきましての政府全体の動向を示したものです。

まず、資料1-1は公的統計の基本計画でどのようになっているかというものです。御承知の方もございますが、平成26年度からの新しい基本計画に向けて、現在、統計委員会で検討がなされているところでございます。

上のほうの現行の計画ですけれども、その中では3行目「近年の統計調査環境の変化への対処、統計精度の維持・向上、報告者の負担軽減や統計作成の簡素・効率化にとって極めて有効である。」ということで、下から3行目で「『調査計画の策定の際、行政記録情報等の有無及び活用の効果等について、事前に調査・検討する。』」ということとされております。厚生労働省におきましても、この方針に沿いまして事前に調査検討を行っているところです。

真ん中から下の方ですけれども、先頃、総務大臣から統計委員会のほうに諮問された基本計画の諮問文のほうですけれども、この中では今までで言っているような上の観点に加えまして、4行目に、データがいろいろ協力を得られなくなって取りにくくなっている中で、「正確な統計作成という観点からも、一層重要となっている」というところが加わっております。

なおといいますか、ただしといいますか、「行政記録情報等の活用に当たっては、当該情報の電子化の状況や電子化に要する費用と、軽減される報告者の負担等を総合的に勘案することも必要である。」ということで、現在の諮問のほうでは、ただただ進めていくというものではなくて、いろいろ多面的な検討も必要で、そういうことも考慮してやっていきましょうというトーンに変わってきているのではないかと考えております。

その次に、資料1-2を御覧ください。これは統計委員会で個別の統計について審査された際の担当の部会長からの報告ですけれども、法人土地基本調査の変更及び法人土地基本統計の指定の変更の審議の際に出された意見です。

真ん中のほうの2つ目のパラグラフのほうで「実際」というところから、「今回を含めこれまでいろいろな案件の部会審議を経験して痛感しましたのは、保有者の協力は保有者のリスクにおいて行われることや紙媒体での保存が一般的であることなどをどのように克服すれば、「行政記録情報の活用」という理念の実現に近づくことができるのかという問題でした。」とありまして、「私としましては(1)保有者が「法令の制約や関係者の権利利益を不当に侵害するおそれがある」と判断することが無理からぬ事情がある。

2)用語の定義や情報の時点に関し整合を取れず、本来の統計作成という目的の達成が困難である。

3)行政記録情報の保有状態等から、(紙か電子媒体とかということだと思いますが、)活用すればかえって非効率となる結果を招く。」などの点で、一番最後のほうで「活用すべきであると強く求めることは難しいと考えました。」というような報告がなされております。これは実は廣松座長が部会長として報告したものを使わせていただいておりますが、なかなか実際のところは厳しい状況があるというところでございます。

次に資料1-3を御覧ください。こちらは、厚生労働省の状況についてまとめたものです。

1につきましては、目的ということで、一般的なもので政府全体のものと同じです。

企画審査の段階では、先ほども言いましたが、活用できないかということはチェックをしている状況でございます。

2のほうで、実際に行政記録情報等の活用状況ですが、平成24年度で12の調査で活用をしております。それにつきましては、後ろのほうに別添として表をつけておりますので、見ていただければと思います。

類型としましては、まず、母集団情報の整備に活用しているもので、労働関係の調査については、労働保険料の徴収等に関する法律で、保険関係が成立したら届けなさいということになっていまして、それを使って母集団を整理しているというものです。

その次の行政記録情報等として得られた情報をもとに調査票を作成というものにつきましては、行政記録が出されたものをストレートに転記すれば、調査に使えるものとして台帳を新たにして活用しているというものがその次の表のものです。

その裏を見ていただきまして、統計調査結果と行政記録情報等を合わせて統計作成。これは合わせて統計を作成しているというものです。統計調査の調査事項を代替というのは、主にですけれども、一部の調査事項は行政記録を活用して書いているというところでございます。

一番下の国民年金被保険者実態調査につきましては、母集団情報の整備と統計調査の調査事項の代替の両面で活用しているというものでございます。雑駁な説明ですけれども、そういう状況にあります。

また、資料1-3の1枚目に戻っていただきまして、その効果として調査実施者である厚生労働省の原局、原課に聞いたところ、行政記録情報を活用することにより効果として、報告者の負担の軽減、それから調査にかかる委託費の軽減が挙げられています。これは後ほど述べますが、場合によって、まちまちでして、調査によっては増える場合も報告されています。それから、全数把握が可能となったこと等を挙げております。母集団の整備において使う、活用することはより正確な報告者の抽出が可能となったと述べております。

次に、2ページ目、これは現在行政記録情報等使っている統計の原課のほうに課題等はありますかということでアンケートを行ったところ、下のような表の事項についてアンケートを行ったところですけれども、図を見ますと、まず課題がないというところから類推しますと、電子媒体であることや調査のデータ把握時点が相違ないということであれば使えるということが類推できます。

課題があるというところから見ますと、調査の行政記録を受領する時期に遅延が発生していることや、内容の精査のための照会確認の作業が発生していることなど、活用するために手間や費用がかかるということが考えられます。そういうところが読み取れるのではないかと考えています。

3ページ目のほうは、もう少し具体的にどういう課題があるのかというところですけれども、「(1)データ受領時期の遅延」ということでは、期日までに受領できないということや、督促作業が発生するということがあります。

「(2)データ保存媒体が紙」というところでは、紙の場合とか電子と混在しているようなところがありまして、「また」のほうでは、保有者側のほうでいろいろ電子化するための作業等が発生している場合があるということがあります。

「(3)目視でのデータ取り込み」ですけれども、行政記録情報が電子媒体で提出された場合においても、例えば細かい話ですけれども、株式会社と(株)となっているだけでもなかなかデータの取り込みが自動的にできなくて、目視で確認しなければいけないというようなことも生じているとのことです。

「(4)経費の増加」ということで、繰り返しになりますが、経費の増加につきまして、経費が削減されたという調査もあるのですが、システム改修費等とかで、かえって経費が増加している場合も見受けられます。

「(5)照会作業の発生」ということで、私などは、行政記録が届いたものであれば照会しなくてもいいのかなと思っていたのですけれども、記録があるからといって照会しなくてもいいということではなくて、照会しなければいけないと。行政記録ということで行政側からもらっているものですから、提供元の事業主さんとかに聞こうと思えば、ルートは直接ではなくて経由して聞かなければならないので、かえって手間になるような場合もあるやに聞いております。

繰り返しですけれども、「(6)データ確定時期の遅延」というところがあります。

その次に、4ページに移っていただきます。行政記録情報等の活用に当たって考えられるその他の課題等ということで、これ以下につきましては、当統計企画調整室のほうでいろいろな調査を見て、この調査であれば行政記録を活用してできるのではないですかと担当課のほうに聞いたところ、以下のような困難な点が挙げられているというところです。

(1)は「データ把握時点の相違」というところです。

(2)のほうで「把握対象の不一致」。これは客体のほうですけれども、例えば行政記録が全数で、統計調査のほうでは求められるのは新規のもの、新規の施設だけというような場合とかが例としては考えられますけれども、そういう場合にはマッチング等に多大な作業を要するとか、「また」のほうですけれども、例えば行政記録情報のほうが新規で、統計調査のほうが全数把握というような場合では、新規のものは取れるけれども、残りについては調査しなければいけないということでかえって煩雑になるような場合もある。こちらから見ると、何かできるのではないかと思っても、やはりできない部分があるということです。

(3)は若干(2)よりも細かい視点になりますけれども、例えば企業単位と事業所単位の相違であって、なかなか整合性をとるのが難しいというようなところです。行政記録が事業所で、統計調査のほうは企業として取る場合とかでしたら、例えば事業所で一部取れていますけれども、それ以外もまた取らなければいけない。逆の場合もあるというところです。

こういうことを含めますと、(4)のほうで「作業量の増加」というところがあります。様式や保存媒体の違いによって、いろいろ作業が発生するというようなことが述べられております。

以上、行政記録の活用についての情報についての説明になります。繰り返しになりますけれども、いろいろ課題があるところですけれども、この中で、一歩でも進めるための御提言や御助言をいただければと考えているところです。

以上です。

 

○廣松座長

ありがとうございました。

ただいま政府全体における状況、特に統計委員会における検討状況、厚生労働省で既に行政記録情報等を活用している一般統計調査における課題、それに加えて今後の活用に当たっての課題という3点について御説明をいただきました。

この点については決して特効薬があるわけではなくて、地道な努力をしていく必要がある問題かと思いますが、まず、先ほどの資料についての説明に関しまして、何か御質問等はございますか。よろしいでしょうか。

御質問も含めて委員の方々から御意見をいただきたいと思います。特に、先ほどの説明にございましたが、行政記録情報等の統計への活用に当たって、紹介していただいた課題以外に考慮すべき点等がございますれば御提案いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

では、津谷委員、お願いいたします。

 

○津谷委員

私も統計委員会の委員であり、行政記録の活用が現行の基本計画にいろいろと書かれていることから、廣松座長と同じように審議その他である意味大変な困難を経験した者として言わせていただきますと、行政記録はもちろん種々多彩なのですけれども、その質には一般的にいうピンからキリまであると思います。

ですので、行政記録は何でもいいからとにかく活用しましょうという形で行政記録の活用への期待が現行の基本計画では非常に大きいように感じるのですが、活用するにも、その行政記録によりますので、ここにいろいろ書かれておりますけれども、精査が必要であると思います。ただ、一番質の良い行政記録であっても法的な縛りがあって使えない場合もあります。例えば人口動態統計などがそうなのですけれども、たとえその行政記録を活用して、例えば統計調査のプレプリントでこの部分は使おうとしても使えないということもあったりして、オールマイティではないという気がします。

行政記録というのは、本来、行政のために収集された情報ですので、それを全て統計調査のために使っていく、変えていくということは恐らく無理であろうと思います。ですので、行政記録がそれほど無理なく統計調査に使えるのであるならば当然使うべきですけれども、余り過大な期待はしないほうがよいであろうと思います。

そして、これも私の感想ですけれども、ここで具体的な活用における課題というところの3ページで挙げられております事柄についてですが。

データの電子化は、行政記録だけにとどまらず、現在では多くの調査が全部もしくは一部デジタル化されているわけですが、もし同一調査でデジタル化された部分と紙媒体の部分が混在していたり、過去のものは全て紙媒体の場合となると、困難や問題が起こってくることも考えられます。このような場合、どこまで電子化するべきなのか。もう一回言いますが、行政記録にはピンからキリまでありまして、全部過去に遡ってデータをデジタル化し活用するというのは、恐らく必要ないし、不可能であろうと思います。

ただ同時に、一時的に経費が増加しても、もし今後ずっと使えるようになるものであるならば、やはり初期投資としてデータのデジタル化に踏み切るべきであろうという場合も考えられると思います。ですので、ポイントとしては、やはりフォワードルッキング、つまりこれからのことを考えて、初期投資のためにある程度のマンパワーや経費がかかるとしても、中・長期的に効果の高いものについてはデジタル化を思い切って行って、それを今後推し進めていくべきだと思います。そして、もし時間とマンパワーと経費に余裕ができれば、これはなかなか経費が絞られていますので難しいですけれども、必要に応じて過去に遡るものでもやる価値があると判断されたら、やはりデジタル化を行って、時系列的な情報を得ることも必要になるかなと思います。

ですので、経費の増加というのがこれからある程度ペイするのか、回収できるのかということも考えられて、ある程度マンパワーとリソースを効果的に振り分けておやりになる必要があるのではないかと思いました。

 

○廣松座長

ありがとうございます。

今、津谷委員のほうから大変貴重な御意見をいただきました。先ほど紹介がありました資料1-2ですが、これは昨年の12月に法人土地基本調査の審議を行った時に公表したメモでございます。少し補足をいたしますと、この審議の中で大きな焦点になりましたのは、土地基本台帳です。土地基本台帳に関しては、いわば完璧な台帳ではあるのですが、問題はそこから先でございまして、所有者以外の者がそれを見ようとすると、委任状を取らなければいけません。そうすると、全国の土地全体に対して所有者から統計に使うために委任状を取って、今度、その委任状に基づいて、この台帳は地方自治体が管理していますので、市区町村に行って、閲覧をして、それを統計作成のために使うということなのですが、ごく単純に計算しても、1つの市というか地方自治体で大体それが10万件ぐらい発生するだろうと予想されました。

それを全国で行うのはほとんど不可能な状況のものですから、確かに現行の基本計画等で行政記録情報の活用ということを大変強く推進しようとしているわけですが、この場合はちょっと非現実的であると判断をしました。そこで資料1-2にございますようなメモ、特に(3)がそれに相当するだろうということで、公表したものです。行政記録情報に関しては、確かに今、津谷委員がおっしゃったように、過大な期待がかけられているところがあります。統計の立場からはなかなか言いにくいのですが、行政記録情報の中でも使えるものはなるべく使うことにして、余り無理はしないほうがいいのではないかというのが私の個人的な、今までの経験から得られた感想でございます。

ただし、この点については、現在、政府全体というか社会全体の動きの中でなかなか難しいところがございまして、御存じのとおり、今、政府全体としてオープンデータということを大変強く強調しているわけですが、それについて担当のところがおっしゃっている具体的な内容は必ずしも明確ではありません。政府の持っているデータのオープン化ということに関しては、私はどちらかというと統計分野はかなり進んでいると思うのですが、それ以外の分野に関して今後どうするかということに関しては、必ずしも具体的な方策が見えているわけではない、雰囲気だけが先行しているところがありまして、今後、どういう形で進めていくかということがこれから考えていかなければいけない点ではないかと思っています。

お願いいたします。

 

○阿藤委員

津谷委員が指摘されたデータ保存媒体のところですけれども、例えばここでデジタルデータと紙媒体が混在しているケースがあるというような場合、そこから統計を作るのが例えば統計情報部であるのか、あるいは同じ部局内でそれをまとめるのか、その辺が私はよく分からないのですけれども、例が示されていないですから。ただ、同じ部局内あるいは統計情報部がやるにしても、そういう媒体が混在しているケースに対して、例えば統計の側からなるべくデジタル化を進めるようにというようなことを勧告できるのかどうか。どちらにしても、行政情報そのものもきちんとエビデンスとして出していくためには集計作業が必要なわけで、そうすると、紙とデジタルがばらばらになっているというのは不自然な状態とも言えるわけですね。そういうところを解消するような努力というものを何らかの形で勧告できるのかどうか分かりませんけれども、そういう方策はないのかどうかということだと思います。

 

○廣松座長

その点は、行政内部のことだと思いますが、厚生労働統計ではなくて経済統計の分野ですが、統計側から行政記録情報の電子化に関して申入れをして、費用も一部負担をするという形で進めている例はあります。ただ、それはまだどちらかというとまれな例で、少なくとも今の行政の組織上のことから言うと、統計のほうから行政記録情報の保有部局に対して、あくまで協力をお願いするという以外のことは難しいのではないかと思うのです。それはいかがなのでしょうか。

 

○武隈統計企画調整室長

確かに予算を伴うものについてこちらで用意というのはなかなか現実的には難しいと思いますので、座長が言われたように協力ベースで、特に津谷先生が言われたように、これからのことについては、どうせやるのだったら統計を作成する際の利便性のことも意識して原局のほうで考えてくださいというような趣旨のことを、この委員会の報告書にまとめていただき、まとまった際にはちょっと訴えていくということを、協力をお願いしますベースですけれども、やっていきたいと考えます。

 

○廣松座長

ほかにいかがですか。

どうぞ。

 

○齋藤委員

少し素人のような質問ですけれども、今、利活用という意味は、誰でもいつでもということを想定しているわけですね。例えば先ほどの土地台帳みたいなものは委任状まで取って調べるかということがあると思うのですが、そこまでしなくても、保有者が資料1-2で議論されていますように、関係者の権利、利益を不当に侵害する恐れがあるとかということで出さない場合でも、例えばある特定の研究をしたいからこういうものに使わせてくれとかという審査するようなシステムをそれぞれ作って、例えば学術的な目的の場合は認めるとか、そういう段階的な利活用というシステムは考えられないのでしょうか。

 

○手計統計企画調整室長補佐

今おっしゃられたようなシステムというのは、なかなか現状ではなくて、逆に統計法では、調査票情報の二次利用等の制度があって研究分野とかに活用できるというのはあるのですけれども、行政記録情報については私が把握している限りではないのかなと思います。

したがって、段階的にそういった方向が目指せるかどうかというのは、今後、検討の余地はあるのかなと思いますけれども、現状ではそういったようなシステムができているということはないと考えています。

 

○廣松座長

そうですね。今の御指摘のとおり、統計の場合、目的外利用というか、本来の目的とは違う、例えば学術目的等で使うことに関して、現状では調査実施部局が利用者からの申請を審査して、個人とか調査対象者が特定化されないかどうか、チェックして利用を認めるというシステムはできています。

また、行政記録情報に関しては、今、お答えがあったとおり、そういう形の審査をするというシステムはありません。それぞれ保有部局の判断だろうと思います。

どうぞ。

 

○津谷委員

座長のおっしゃることは基本的に私もそうではないかと思います。統計調査については、個票データの目的外利用という申請を出せば、必ずしもではありませんけれども、そのまま個人が特定される情報を落として使うことができます。それに加えて、これは基幹統計調査に限りますけれども、その中の幾つかは匿名化をしまして、齋藤先生がおっしゃったように、これはどなたでも基本的に使えるようになっております。

ただ、行政記録は私が知る限りでは、例えばレセプトのデータを市区町村に掛け合って、そして、個人の情報を落として研究目的で出してもらったということがあるように聞いておりますが、通常の行政記録というのは、届ける側からもこれが一般的に使われるということは全く想定されていません。ですので、下手をすると、恐らく下手をしなくても法的に問題になる場合が少なくないと考えられます。先ほども申しましたけれども、行政記録は調査のために収集しているものではありませんので、匿名性を幾ら担保すると言っても、使いにくいものが結構多いのではないかと理解をしています。

 

○齋藤委員

分かりました。もしそうなら、利活用ということを最初から考えないほうがいいのではないでしょうか。

 

○津谷委員

これは調査をやるときの行政記録の利活用についてで、一般の方が行政記録の利活用をされるということとは違うような気がしますが。

 

○廣松座長

どうぞ。

 

○今田委員

私の頭が悪いのか、よく分からないのですけれども。要するにテーマがいろんなものがごちゃごちゃ入り過ぎているのではないかと思うのです。法律的にアクセスできないような情報から、ただ、便宜的にデータ化されていない場合とか、あるいは紙で電子化されていないような便宜的なレベルとか、いろんなレベルの課題が入っている。事務局として利活用の課題を整理していただいたのだけれども、まだこの整理ではよく分からない。

要するにだめだぞと、言っているような整理の仕方なので、もう少し論点や問題点を明確にしてほしい。理解しようとするものがこの資料を読んだ場合に、利活用というのは何を目的とした課題なのかがよく分からない。申し訳ないですけれども、素人でも分かるように、利活用は何をどう利活用するのかについて明確にしてほしい。先ほどの話のような法律的に個人のデータなのでアクセスできないようなレベルの話ではしようがないですし、あるいは行政的に秘密のデータで一般などに知らすことはできないようなものを利活用の議論に入れてもしようがない。利活用という議論をある意味では調査研究とか何かに利することができるデータの活用という観点から、少し整理していただいて、できないものに関しては、そこは問わないという形でもう一度整理していただいたら、課題が何なのかというのが分かるのではないかと思います。

 

○廣松座長

済みません。私の説明が足らなかったのかもしれません。ここで取り上げている行政記録情報の活用というのは、あくまで統計目的です。一般の方にそれを全て提供する、政府が言っているオープン化というのはそうなのかもしれませんけれども、それは今議論をしている統計目的の利用とは直接的には関係しません。あくまで今ここで言っているのは、統計作成のために行政記録情報をどう使うかということに限定をしてお考えいただいたほうがいいと思います。

レセプト情報の利用に関しては、統計の目的外利用をモデルとして、今まで一般に使えなかったレセプト情報を利用できるようにしたというものだと思います。この検討会で御議論いただきたいのは、統計の作成に当たって、行政記録情報は統計調査に代わるものとも考えられる。それをどううまく有効に使うかという点に絞って考えていただいたほうがいいかなと思います。

どうぞ。

 

○津谷委員

利活用は一般の方についてではなくて、統計作成上のということで、私はここでこんなことをお伺いしていいのかどうか分からないのですが、厚生労働省が管轄していらっしゃる行政記録情報は、先ほどの座長がおっしゃったように、いちいち許可を取らなくても事業所その他には使えるのでしょうか。

例えば21世紀出生児の縦断調査がありましたけれども、あれは出生届からサンプルが抽出されたと理解しております。当然子供が生まれると出生届けが出てまいります。そうすると、ほぼ全ての子どもの生年月日がわかります。確かそこから、縦断調査のもともとのパネルを抽出したと理解しております。何年何月出生児というのが特定できるというのはそういうことだと理解しております。

そうすると、その出生届けには、子供の生年月だけではなく、性別、そして少なくとも母親の年齢の情報は出てくるわけで、その部分は調査で改めて聞かなくてもよいということになります。先ほど母集団の整理に使えるということがあったと思うのですが、厚生労働省が許認可を出していらっしゃる、例えば全医療施設に関する基本的な行政記録情報があって、それを調査のための母集団整備やサンプル抽出のために使われるとすれば、その分を落とすことができる。このような事例はそんなにたくさんはないのではないかと思うのですけれども、そういうようにして行政記録情報を利活用することができるのではないかと思いましたのと、そして厚生労働省が管轄してらっしゃるものについては、そういうふうに使っていく分には問題がないのですよねという質問です。

 

○手計統計企画調整室長補佐

基本的には、今、例えば行政記録情報を活用しているものについては、特に法令の定めがないものであったりとか、先ほど津谷委員のほうからお話のありましたように、母集団情報等に使っている場合は、過去の調査の結果をもとにやっているものなどもあったりしますので、必ずしも法令に縛られていないものについてはそれなりに活用ができるのでないかと考えています。

 

○武隈統計企画調整室長

行政文書には個人情報保護の問題もあります。資料1-3の別添としてお示ししたものは、ダイレクトに厚生労働省に届いているものではなくて、例えば市なり県なりに出されて、それを目的から照らして、市町村なり県の御判断で厚生労働省に届け出るというものも含まれてあります。そのときに出す際には、多分といいますか、市町村、県でこれは出してもいいのかどうかという御判断がある中で、個人情報保護の問題もクリアしているものと考えます。

先ほど今田先生が指摘されたように、今回は割と技術的な面が中心になっていますけれども、制度面も含めて出せるかどうかは別として、また内部で整備していきたいと考えています。

 

○津谷委員

私も今田委員のおっしゃったことに大変賛成で、御説明を伺って大体のことは分かったのですが、やはり報告書に書かれるときには、そういう社会制度的な背景ですとか、枠組み、余りこれは詳しくはできないと思うのですけれども、そういうフレームワークを示されて系統的に御説明になると、読んでいてもっと理解が容易かつ文意が明確になるのではないかと思いました。

 

○廣松座長

ありがとうございました。

今ご指摘の行政記録情報の利用の仕方ということになると、これは単に統計技術的な問題だけではなくて、行政法も含めて、法的な問題もかなり絡んでくると思います。ありていに申し上げまして、国全体の統計の司令塔である統計委員会等もそうですが、そういう面に関しては大変弱いというか、法的な面に関しては残念ながらどうも十分理解していないところもあります。もし可能でしたら、この検討会の最終報告書で法的な面にも言及した形でまとめていただくようなことを考えていければと思います。

どうぞ。

 

○阿部委員

先ほど座長からは、利活用というのは統計を作成するための利活用だということだったのですが、オープン化の話と絡めて考えると、行政情報を使わない普通の統計調査の場合には、統計作成のために調査をしているのだけれども、目的外利用で元の個票に戻ることがある程度可能であるということは、もしかしたら、行政情報についても同じようなことをやられたときに、どういうように対応するかということも少し検討すべき事項ではないかと思いました。

というのは、個人情報保護の問題ですとかいろいろあって、そもそも利活用できないということもあるかもしれませんが、個人情報の問題もクリアして利活用したとしても元に戻れない可能性も十分あるので、その辺りを少し懸念していますので、その辺りも少し検討すべきではないかなと思いました。

 

○廣松座長

ありがとうございます。

どうぞ。

 

○大江委員

教えていただきたいのですけれども、別添資料で12の調査においては、一部又は全部の項目において行政記録情報が活用されている例ということの御説明がありましたが、どれでもいいのですけれども、例えば裏面にある社会医療診療行為別調査については、現時点ではナショナルデータベース、NDBのデータベースを利用するようにも変わっているということだと思いますが、効果のところに、例えば精度向上というようなことが書かれていますが、これは具体的にこのNDBを使わない時代と、使うようになってからとでどのように精度が向上したのかというのは、例えばある1年間か2年間かは、前のやり方とNDBを使う方法と両方比較とかされているのでしょうか。あるいはこの調査以外のほかの調査においても、行政記録情報を使うようになった場合と使わなかった時代とで、逆に言うと何か質の低下とかそういったことがなかったかとか、そういう評価はどのようになされてきたのでしょうか。

 

○手計統計企画調整室長補佐

今、御指摘のあった社会医療診療行為別調査については、おっしゃるとおり、ナショナルデータベースからデータを活用して集計しているのですけれども、それまでは一般的な抽出調査だったのが、データベースからということで全数調査になったということで精度が上がったという意味で精度の向上が図られたということになっております。

また一部、この社会医療診療行為別調査は抽出調査でやっている部分もあったりしますので、そういったところで徐々にナショナルデータベースのデータを使って全数になったということが一歩前進という形で行政記録情報の活用の例として挙げられているところであります。

 

○大江委員

そのほかの調査については、何か行政記録情報を使うようになってからと使う前とで比較というか評価というか、そういうことは何かなされているのでしょうか。

 

○手計統計企画調整室長補佐

その下にあります社会福祉施設等調査でありますとか、介護サービス施設・事業所調査というのは、行政記録情報を活用することによりまして、回答率にかかわらず、基本項目について、全数を把握可能になりましたので、精度が上がった部分というのがあります。

精度以外のところについては、先ほど武隈のほうから説明がありましたように、費用面では一部を除いて基本的には増加している部分とかがあったりするものがありますので、必ずしも効果だけではないといったことが今回確認をしてみまして分かったことであります。

 

○大江委員

ありがとうございました。

 

○廣松座長

どうぞ。

 

○柏女委員

直接これに関わるのかどうかはっきりしないのですけれども、ここにある一般調査の利活用というのもとても大事なのですけれども、1つ、私の分野でいえば特殊な統計ですね。例えば今、虐待の死亡事例検証だとか国のほうで行われておりますし、施設内虐待の報告があるので、それが国に上がってくる。そういう情報が今あるわけですが、きちんとデータベース化されていないという問題があります。これも例えば虐待の死亡事例調査ですと、福祉行政報告例と深く関わるところになりますし、施設内虐待ですと、今お話のあった社会福祉施設等調査、ここのとのリンクということが考えられるのではないかと思っています。その辺で、もう少し有効な活用ができないのかなと。

つまり、どんな施設でどんな声があった場合に施設内虐待が起こり得るのか。そうしたことが2つをリンクさせることで明らかになっていくのではないかというような思い。1回では無理ですし、県でやるには1件、2件とかしか起こらない。1県では1つか2つしか起こらないわけです。これは国でやらないと、それで時系列で取って政策に生かしていくということが大事だと思うのですけれども、そこのデータベース化という問題と、それから既存の調査、関連する調査とのリンク、この辺が考えられていかないかなというのが率直に思っております。直接関係するかどうかは分からないです。

 

○廣松座長

ありがとうございました。

どうぞ。

 

○阿藤委員

これもそもそも論みたいなのですけれども、ここで挙げられている調査は、厚生労働省で一般統計調査として平成24年度に12調査が何らかの意味で行政記録情報が活用されていると書いてあるのですけれども、それこそ調査の母集団からいって、つまり、利用可能であるのに全く利用されていないものがあるとかないとか、そういう情報はここからは分からないのですけれども、その点はどうなのでしょうか。

 

○手計統計企画調整室長補佐

おっしゃるように、いろんな行政記録情報がある中で、まだ活用されていない行政記録情報があるのではないかといった御指摘はごもっともだと思いますけれども、どのような行政記録情報があるかというのを全て網羅的に調べるのがなかなか難しいということで、確かにここに出ている資料については、既に活用できているということで、ある意味、把握できている行政記録情報というところはあるのですけれども、現状では全ての行政記録情報について、どういうものがあるかというのを網羅的に整理できているものではないので、そこまでの把握というのは少し難しい面があることを御理解いただければと思っております。

 

○廣松座長

よろしいでしょうか。この問題に関しては、確かにどういう言い方をすればいいか、奥が深いというか、なかなか捉えどころがないというようなところがあります。今の御説明を伺っても、いろいろ御苦労なさっていることは重々理解いたしますが、同時に、特に統計の立場から見たときに、少なくとも現状で一般統計調査のうち、12例しか使われていないという点は率直に現状として認めるべきだろうと思います。

ただ、その場合に、いろいろな御指摘がございましたとおり、行政記録情報を保有している側の問題、例えば紙媒体でしか存在しない、データベース化されていないとか、いろんな要因があろうかと思いますが、それらを全て一挙に解決するというのは難しいことだろうと思いますので、この検討会の中で、今幾つかいただいた論点を整理した上で、最終報告書の段階で公表することによって、行政記録情報を保有している部局からの協力がより多く得られるようになればというように考えます。

この点に関して、何かほかに御意見はございますか。よろしいでしょうか。よろしければ、後ほどまた改めて御発言いただく時間を取ることにいたしまして、本日、それ以外に「利活用度合い及び費用対効果について」、参考資料を御用意いただき、高畑先生にも御参加いただいておりますので、そちらのほうに移りたいと思います。

これは資料2にございますとおり、個々の調査について、施策における利活用や国民の利用度合いを検討するという目的で行われた研究ということでございます。特に、統計調査における費用対効果については、計測方法自体が確立されているわけではありませんので、それを検討することはなかなか難しく、困難な面がありますが、それに果敢に挑戦されている本委員会の委員でいらっしゃいます中央大学の阿部先生と、共同研究なさっている高畑先生に、資料2としておまとめいただきました。

それでは、まず、阿部先生のほうから、研究の御説明をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

○阿部委員

ありがとうございます。本日御報告させていただきますのは、この検討会で検討を行うテーマの7番目、「利活用度合い及び費用対効果について」ということで、その費用対効果をどのように計測していくのかということで、私と和光大学の坂爪さん、それから獨協大学の高畑さん、3人で現在研究を進めておりまして、それについての中間報告を今日、報告させていただきたいと思って用意しております。

高畑さんには、今日、実は前半でお話しいただこうと思ったのですが、昨日からどうも体調を崩されて余り声が出ないということなので、代わりに私がお話をしますが、詳細については高畑先生のほうが詳しいので、もし皆さんから御質問があれば、高畑さんがお答えになるということでやらせていただきたいと思います。

私の知る限り、統計調査の費用対効果について検討を実際行っているところがあるかということなのですが、以前、イギリスの統計委員会を訪問したときに、費用対効果をある程度チェックしているというお話を伺うことができました。それは具体的に言うと、調査に直接関わる費用というのはもちろん国でも予算、決算をしていますので日本でも分かっているはずだと思います。それに加えてイギリスでは何をやっているかというと、調査対象者が何分この調査に関わったかというのを最後に聞いていまして、例えば10分ですとか、20分と答えてもらうのです。その答えた人が1時間当たり賃金はどれぐらいなのかというのを別途、日本でいえば賃金構造基本統計調査のようなものから推計をして、機会費用を推計して、トータルでこの調査を調べるのに幾らかかったのか、まず費用を推計するということをかなり丁寧にやっています。

その一方で、では費用は分かったのですが、効果はどうなのかといったときに、これは結構怪しくて、この統計調査は何々に使われているというのを公表するだけで終わっているのです。費用は結構厳密に調べているものの、その効果については意外とちゃんと調べていなくて、多分そういうことをちゃんとというのも変ですけれども、費用対効果を念頭に対応している国の例でも、そのようなものでしかないということが私の中ではありました。ここにも費用対効果については計測方法が確立していないということで、多分余りこういうことについては熱心にやられていないような気がします。

しかしながら、昨今の状況を考えますと、資料2の「はじめに」の部分ですが、ここでの問題意識としては、統計調査というものが公共財としての性格を持っていて、もし公共財として政府が情報を提供する以上は、その対価として国民の負担が求められると同時に、国民は公共財を有効に活用されているのかどうかというのをチェックするというところが当然ながら出てくるだろう。そういう意味で、統計調査が国の提供する社会資本の性格を持つ以上は、やはり費用対効果ということを検証することは避けられないような状況になってきているのではないかということを「はじめに」のところで書かせていただいております。

では、公共財の価値の測定は一般的に今までどんなふうにやっていたか。それが2ページ目の、スライドでいうと3枚目のところになりますが、大きく分けると2つのやり方を今までやっていまして、消費者への便益、学校教材が消費者への便益を有するような場合の具体的手法としては、ヘドニック法とか仮想評価法ですとか、トラベル・コスト法、消費者余剰アプローチといったやり方でこれまで公共財の価値の測定というのをやられています。一方、生産面へ影響を重視するようなケースの場合は、産業連関表アプローチ、マクロ計量経済モデル、生産関数アプローチ、CGEモデルなどのようなものはやられております。

ここを余り詳しくやってもどうかとは思いますが、一応消費者への研究では、消費者への便益が中心のケースとして、今述べました4つの方法についてサーベイをしまして、どういった場合に有効であるか、どういった場合には有効ではないかということを議論しています。

いずれにしても、消費者への便益が中心のケースにおいても、統計調査の価値を測定するというのはかなり難しいというかできないとなろうかと思います。一方、生産面への影響重視のケースですが、これも統計としてはもしかしたら生産面が影響する可能性もあるわけですけれども、やはり4つの今までのやり方がありますが、必ずしもこれで統計の有効性というのを計測できるというわけではなさそうだということを議論しております。

では、何もできないかということなのですけれども、1つだけあり得るだろうと考えているのは、合計8つの手法ですけれども、これ以外に多数決原理というのが使えるかどうかというのを我々の研究では検討しております。

これは、統計の情報提供というのが国民の満足度、納得度、こういったものを高めるのであれば、当然、統計情報が提供されて国民生活にプラスかどうかということを納得してもらえるかどうか、あるいはその情報提供によって生活の質が上がるとか、生産の質が上がるとか、そういうことで満足してもらえるとかということになれば、当然統計の公共財としての価値というものが見えてくるようなことになるのではないかということで、国民のどれぐらいの人たちが統計情報を納得しているのかどうかというのを調査したら、もしかしたら費用対効果の分析に使えるようなものになるのではないかということで考えております。

そこで、理論的なことはまた研究をまとめた報告書等で御覧いただくとして、今日は主に統計調査の測定ということで、今、申し上げました多数決というのが本当に使えるかどうかということで試験的にアンケート調査を実施しまして実際分析した結果がございますので、主にそちらをお話しさせていただきたいと思います。

アンケート調査の具体的な中身は、席上配付資料ということで皆さんのお手元にあると思います。この調査は、今年の9月20日~24日まで、インターネット上で調査を行いました。ある調査会社にお願いしまして、8,781名の方にアタックしてもらいまして、2,129名から回答を得ております。回収率が24.2%ということになっております。

アンケート調査は、個人属性から始まって、その方々のどういったところに興味があるかとか、テレビとかラジオとかどれぐらい見ているのかということを最初に聞いて、その後、統計調査について比較的詳しく聞いております。

例えば席上配付資料の4ページ目からは、厚生労働省が行っている調査について、国民生活基礎調査、人口動態統計、毎月勤労統計調査、雇用動向調査、及び賃金構造基本統計調査を聞いたことがあるかどうかとか、収集を知っていますかとか、調査結果の活用をしていますかというようなことも聞きました。

その後、6ページ目に、個々の厚生労働省が実施する統計調査結果を紹介している厚生労働統計のあらましという資料があるのですが、これを見ていただいて、こういう情報を知って提供することが有益かどうかとか、国民全般にとって必要かとか、今後も提供すべき情報かどうかといったことを聞きまして、その後、具体的に9ページ目、問いの15で、こういった様々な情報を国が国民に提供することを必要だと思うかどうか。さらに、問いの16では、こういった情報を費用をかけて調査を行うことを必要かということを聞いております。

我々が注目しているのは問いの15と問いの16でして、先ほど言ったように必要かどうかということを選んでいただいて、必要だというような人たちがどれぐらいいるのかというのを効果の測定指標の1つとしたいと思っております。

次に、10ページ以降は、統計調査を利用して、白書で分析をしていて、これが政策立案とか政策評価のために統計を利用していることについて、どういうふうに人々は思っているかということを聞いているということであります。

それ以外に12ページ目、これまでに国の行う統計調査の回答者に選ばれたかどうかとか、回答したいかどうかとか、そういったこととか、あるいは最後にe-Statを知っていますかとか、そういうことも聞いております。

こういったインターネット調査を9月20日~24日にかけて行って、2,100人から回答を得たわけですが、先ほど言ったようなことで、まずこちらの資料2の3枚目、スライドでいうと6枚目になると思いますが、まず、席上配付資料の問いの15で答えていただいた、国が国民にこういう統計情報を提供することを必要だと思うかどうかということを年齢別にお示ししたものです。

まず、年齢問わず回答者全体で必要だと答えている割合は71%ポイント程度です。御覧いただければ分かるように、年齢が高くなれば必要だと答える割合が高まっていることが分かります。

その一方で、その下の表は問いの16になりますが、お金をかけて、国が費用をかけて統計調査を行うことを必要だと思うかと聞いたわけです。そうすると、トータルのところで全年齢計でいくと、56%ぐらいの人しか必要だとは答えないということであります。そうすると、上のグラフと下のグラフで大体15%ポイントぐらい、必要だと答える人が減少しているということで、公共経済学、経済学ではこういった人たちをフリーライダーと呼んでいるわけで、お金がかからなければ情報は必要だというのだけれども、お金をかけると、それは必要ないといってしまう。そういうフリーライドするような人たちがこのアンケート結果でいうと、少なからずいるということが分かったということになります。

7割の人が、そもそもお金のことを考えなければ必要だと答えているということは、多数決で考えれば統計は必要だということになるのだと思うのですが、ただ、問題は、お金をかけてまでやるかというと55%なので結構微妙なところにあるということであります。

多数決のところで言うと、実際、実はこれは統計にどれぐらいお金がかかっているかというのは明示して聞いておりませんので、もしかしたらお金の費用の水準によっては、この必要だと答えている割合も上下する可能性はありますので、その辺りは課題として考えるべきかもしれません。

次のページが今度はフリーライダーがどういう人かということで、どれぐらい具体的にいるかということなのですが、7枚目には、情報提供が必要だと答えている人たちが一番左側の棒グラフ、必要ないが真ん中、分からないというのが一番右側のほうになるわけですけれども、それぞれごとに国が費用をかけて統計調査を行う必要があるかどうかを聞くと、もともと必要だと答えている人の75%は必要だと、お金をかけても必要だと言っているわけですが、残りの25%程度が、分からない、あるいは必要だと思わない。特に積極的に必要だと思わない人たち、赤い部分ですけれども、大体7~8%いるということで、明確にフリーライドしている人たちがこのぐらいの割合いるということになります。

もっとも、情報提供、お金のことを聞かずに情報提供は必要ないと答えている人たちは、お金をかけてももちろん必要だと思わないというのが大部分ですが、一部必要だと思うと回答した人がいるのですが、これはほんのわずかな人で、これは誤差、多分回答ミスをした人と思われます。

それから、分からないの人たちも同じようで、青いところが出てきますが、このところもほとんど誤差になるだろうと、回答ミスだろうと思います。そういうフリーライダーが存在するわけですけれども、後ほどこのフリーライダーがどうして発生する人か、どういう人たちで発生してくるかというのは御報告したいと思いますが、そもそも情報提供が必要かどうかというところをもう少し詳しく見ていきたいと思います。

8枚目、これは学歴別に情報提供が必要かどうかということを見たものです。そうしますと、統計的に有意かどうかといったところは別として、高学歴者ほど情報提供は必要だと答える傾向にあります。

いろいろどういう属性の人が情報提供を必要だと感じているかということなのですが、例えば政治に関心があるような人ほど情報提供は必要だという傾向にありますし、あるいはよくテレビのニュースを見ている人ほど情報提供は必要だと答えています。

上のところで、政治に関心があるだけではなくて、経済に関心があるとか、あるいは社会に関心があるとか、いろいろ聞いているのですが、やはりそういった政治経済あるいは社会全般、健康とかいろんなところに興味がある、関心があるという人ほど、国が情報提供することは必要だと答える傾向にあります。

次に、10ページ目ですが、官公庁が実施する統計調査を知っている人ほど、やはり情報提供が必要だと答えている傾向にあります。これもクロス集計したわけですけれども、官公庁が実施する統計調査を知っている、「はい」と答えた人は青い部分、情報提供が必要だと答える傾向にあります。逆に「いいえ」と答えている人たちは、それでも60%の人は必要だと答えているのですけれども、全般的には「はい」と答えた統計調査を知っていると答えた人に比べれば、情報提供が必要だと答える割合は下がるということになります。

次に、11ページ目になりますが、白書の執筆や政策立案、政策評価のために統計調査を利用することを評価する人ほど情報提供が必要だと言っていまして、例えば上の表ですけれども、統計を利用することは有効だと、政策立案、白書執筆等に有効だと答えている人の9割程度は必要だと答えていますし、下のほうに費用をかけて統計調査を行うことは必要だということについても同じように70%以上の人が統計を利用することを有効だと思っている人であるということになります。

それに対して統計を利用することは有効ではないとか、分からないといった人たちは、情報提供は必要ないと答える割合が相対的に多くなるということになろうと思います。

ここまでが情報提供が必要かどうなのかといったところの傾向を見たわけですけれども、ここから言えることは何かということになりますが、全般に今回の調査をした人たちの7割程度は、情報提供は必要だと言っている。その情報提供が必要だと言っている人の大部分は、政治や経済などに関心があったり、そういったテレビやラジオを聞いてニュースを見ているというような人が多いということですし、あと大事なことは、統計調査そのものを知っている、官公庁がやっている情報を知っているということですとか、あるいは統計が政策立案、白書執筆というところで有効だと思っているということになろうかと思います。

ということは、要するに統計の利活用を国民がどんどん進めてくれれば、評価も高まって納得度も高まって情報提供が必要であるというようなサイクルになっていくのではないかと思われます。

フリーライダーの特徴について、またどんな人がフリーライダーか、つまり、情報提供は必要だと言っていながら、費用をかけてまでは必要ないと言っている、そういったフリーライドをするような人はどういう人かというのを、どんな個人かということを調べたのが12ページ目以降です。

まず、年齢別ではやはり若年齢フリーライダーは多くなっています。それから、学歴別に言うと、余り分からないところもあるのですが、高等専門学校とか専門学校卒でやや多い程度で、傾向としては高学歴のほうがフリーライドする人は少ないですけれども、そういうような傾向になっている。

また、ここでも同じように、先ほど白書執筆などで統計を利用することを評価するかどうかということで言うと、やはり白書執筆で統計を利用することを評価する人はフリーライダーになりにくくて、統計を利用することは有効ではないと答える人は、そもそも国が統計を提供することが必要だと言いながら、お金をかけてまでは必要ないというような傾向にあるということがお分かりになるかと思います。

さらに、統計を利用しようと思うかどうか、つまり、政府が出している統計を使ってみようかどうかということもアンケートで聞いたのですけれども、それを見ると、統計を利用しようと思わない人はフリーライダーになっている傾向があるということです。

そういう意味で、先生方の前であれですけれども、人々が統計というのはどういうものか、統計を利用してみたいと思う、あるいは統計はどういうことをやっているものなのかという、そういった統計の、社会統計だけではなくて統計全般の知識を深めていく、あるいは統計の教育をしていくというようなことがフリーライダーを生まない、あるいは統計は要らないという人たちを減らすことになるのかなと思っています。

最後に、過去に統計調査に回答した経験の有無と情報提供の必要性ということで見ますと、過去に回答経験があると調査には肯定的な傾向にあります。ただ、フリーライダーが減るわけではないようなことが右側のグラフからは言えると思います。

そういう意味で、これは逆なのかもしれませんが、回答経験があるから必要だと答えるというよりも、必要だから回答しているという可能性もあって、その辺りの因果関係は、今回、一時点で調査しておりますので何とも言いようがないところでありますが、因果関係は分かりませんが、両者の間には相関みたいなものがある可能性はあるだろうと考えています。

いずれにせよ、この後の研究では、ここで今まで話したような多数決の原理というのが本当に有効なのかどうか、多数決が有効になるようなときというのは一体どういうようなケースなのかということを議論して、最終的にはこの検討会で検討できるような形の研究成果を取りまとめたいと思っております。

雑駁な説明で先生方が御理解いただけたかどうか甚だ不安ではありますが、この段階で先生方から御意見を頂戴できれば幸いですので、よろしくお願いしたいと思います。

以上です。

 

○廣松座長

ありがとうございました。

柏女先生が中座なさるということですので、もし今の段階で何かコメントがあればどうぞ。

 

○柏女委員

明快な提案があるわけではないのですけれども、出なければならないものですから。

貴重な御報告を伺わせていただいて、本当にありがとうございました。まさに、今、私が大学のほうでやっていることが大事なのだなということを再確認させられました。レポートを書いて、私たちの学生は福祉の現場に行く学生なので余り統計には関心を持たないというかナラティブなほうに関心を持っている者が多いのですけれども、それでも、厚労省や内閣府等の統計をホームページで見せてレポートを書かせています。

そんな中で、それを使うことによっていろいろリテラシーが上達していくといいましょうか、それは確実にありますので、そうしたことが教育の必要性ということでやはり強く感じています。それと、もう一点はレポートを書いたときになかなか出典を明示しないということがありまして、それは絶対にお金がかかっているのだから、それは盗みだということを強く言っているのですけれども、著作権と同時に、それから国民の税金も盗んでいることになるということは言っているのですけれども、それを徹底していかなければならないのだなということを思いましたし、また、テキスト等でも執筆するときにそれぞれの統計調査の出典、これは当たり前のことですけれども、明記していくといったようなことが基本だけれども、大事なのだなということを再確認させられました。ありがとうございました。

 

○廣松座長

どうもありがとうございました。

それでは、委員の方々から御質問、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

では、どうぞ。

 

○土屋委員

私も統計には全く素人なのですが、大変面白い検討の仕方で興味が湧きました。スライドの11番のところで白書執筆や政策立案、政策評価のために統計調査を利用することを評価する。今の御説明を聞いていて、私はこういうものに利用してあれば、これは政府というか公的統計としては十分効果としてそこまででもいいのではないか。もちろん、国民の理解というのは最終的には必要なのですけれども、国がなぜ統計をとっているかといえば、やはり次の政策立案あるいは今までの政策の評価に使うということが一番の目的ではないかと思うので、これが十分行われていれば、それを費用対効果の効果として成果に挙げてもいいのかなと。これは計算するのが大変なのは分かるのですけれども、ということが一番の印象でした。

そういうことから見ると、最初のテーマで座長がおっしゃった、資料1-1のところで公的統計の整備に関する基本的計画の現行のところでもいいのですけれども、統計調査に行政記録情報を活用する云々とあるので、こういう文書があるということ自体は、行政記録情報というのは、当然のことながら、後に統計処理されて、処理された統計情報が国民なり、あるいは次の政策立案に利用されるということの前提があって、その上で足りないところを統計調査するという解釈からいくと、12個、厚生労働統計では利用されているけれども、全体からいうと余りにも少ないのは、むしろ行政記録情報を統計処理するというところが十分に行われていないというところをこの検討会からは強く指摘していったほうがよろしいのではないか。ですから、紙媒体でいまだに持っているなどというのは全く認識がないという。最初から統計処理する気はないのではないかというような解釈を強くしてもいいかなという印象を特に今の費用対効果ということからいくと印象づけられた気がします。私の私的感想であります。

 

○廣松座長

ありがとうございます。

今の土屋委員の御意見の中で、大変印象的だったのは、これもありていに申し上げまして、どちらかというと今まで統計分野の人間にとって統計調査がメインで、行政記録情報というのは副次的な情報源というような位置付けだったことは事実でございます。それを基本計画等で徐々に変えていこうということなのですが、確かに行政記録情報というものをもっと使うというか、有効にすることに関しては、この検討会からも声を大きくして言うべきだろうと考えます。

では、津谷委員、お願いします。

 

○津谷委員

済みません、トピックを変えてしまうかもしれません。まず、最初に1点、御質問させていただいてよろしいでしょうか。スライドの番号、1213のフリーライダーの特徴と呼ばれるものですが、対象になっているのは、スライドのナンバー7、7ページのクロスのところの一番左側のバー、これは大体ざっと計算して1,500名ぐらいの方、それを更に細かくクロスを取ったということでよろしいのですか。

 

○阿部委員

そうです。

 

○津谷委員

ありがとうございます。今、先ほど柏女委員もおっしゃっていましたけれども、大変面白い情報、有用な情報をいただきましてありがとうございます。近年、本当に調査環境が悪くなっておりまして、たとえ基幹統計調査を政府がやっても特に世帯や個人を対象にする調査は難しいということがよく分かっておりまして、今回の調査でも大変御苦労されていると思います。簡潔にいろんなことを教えていただいてありがたく思います。

ただ、まだ報告書をまとめている段階ということですので、人口統計、社会統計、多変量の解析を専門とする者として言わせていただきますと、まずアタックをかけられた数、つまりサンプルフレームが8,771で、実際に回答された方が2,129ということでしょうか。そうであれば、回答率は大体25%弱ぐらいになります。こういう調査ですから、回答率は低くなることは予想されます。また、インターネットの調査ですので、当然サンプルには代表性はない。たとえ代表性があるサンプル、つまり確率サンプルを抽出しても、回答率が25%ぐらいですと、収集されたデータの代表性は危ない。では、どうするのか。

私が思いますのは、2010年の国勢調査のデータを使って、この調査データの基本的な属性として、年齢と性別と学歴がありますので、それを国勢調査の結果と比べてみて、そこから俗に言うサンプルウェイト、つまり乗率を推計されて、それをこの単純集計やクロス集計にお使いになると、もう少し割合が変わってくる可能性があるかなと思いました。これは私の考えでございます。

なぜかというと、この調査データと分析結果がどれぐらい我が国の社会、人口から見て代表性があるのかによって、せっかく有用かつ大変興味深いデータの価値が変わってくると思いました。もう一つは、先ほど言った3つの基本的な属性の中の2つによって、ここでお示しいただいているように、年齢により、また学歴により、統計情報提供が必要だと言っている割合がかなり変わってきております。

いずれにしましても、性別や年齢や学歴は俗に言う外生変数、exogenous variableですので、それらによってクロスを出していただいて大変ありがたいのですが、内生変数によるクロス集計については解釈に注意が必要かと思います。例えば政治に関心がある人ほど情報提供は必要だと言っている傾向があるとか、テレビのニュースを見ているほど情報提供が必要だと言っているというのはそのとおりで、ここでクロス集計として先生方が結果をお出しになっているのは正しいと思います。ただ、その意味することについては、逆の場合も考えられます。なぜなら、これは恐らく内生だからです。つまり、因果関係が双方にある可能性があります。

ですので、例えばですけれども、テレビのニュースを見ているほど、情報提供は必要と思う。むしろ、情報提供が必要だと思うからテレビのニュースをより見る、恐らく、この関係は両方向ではないかなと思います。また、このようには強い内生性がありますので、政治に関心があるからテレビ、よくニュースを見るし、また、情報提供が必要だと思う可能性も考えられるということで、これら3つの変数のクロスをそれぞれお出しになることが正しいと私も思うのですが、さらに、性別と年齢と学歴の情報を制御、つまりコントールされることが望ましいと思います。そうすれば、生のデータにプラスして、性別や年齢や学歴による差が取り除かれ、例えば年齢や学歴が同じだとするならばどのような関係になるのかが出てくれば、この結果がもっと分かりやすくなるかなと感じました。

特にフリーライダーの特徴についての分析については、フリーライダーと定期される回答者数は大ざっぱに計算しますと全部で1,500、それを今度は年齢や学歴別に集計しますと、非常にベースのNが少なくなります。そうすると、先生方は当然御存じだと思いますけれども、分析結果が統計的に不安定になってきますので、そういう意味でも、簡単でいいと思うのですけれども、性別、年齢、学歴の影響を取り除くために多変量の解析をして、その結果を示されれば、Nが小さくなって、統計が不安定になったり、信頼性が低下するということも防げるように思いました。

ただ、ここでお示しいただいた結果は、さもありなん、なるほどと思われるものが大変多くて、回答率は低いですけれども、恐らくこの統計情報、調査の情報、かなりいいものではないかなと思いますので、いろんな視点から分析をしていただいて、私どもにいろんなことをお教えいただきたいと思います。ありがとうございました。

 

○廣松座長

ありがとうございました。

では、とりあえず阿部委員のほうから。

 

○阿部委員

今、質問がありましたので、先生、ありがとうございました。

まず、このサンプルの抽出ですが、これは調査会社と相談しまして、県別、都道府県別に第1段階の抽出をして、その後、年齢別に抽出をして、できるだけ国勢調査に合うように抽出をしています。ただし、アタックをその後しますので、当然ながらずれが出ます。ただ、それを修正するということまではやっていません。やるべきであればやりますけれども、それほど大きくなるのかどうかというのは分からないのですが、試してみます。

ただ、結果としては、出方はそれほど大きな違いはないのではないかと思っておりますが、何分、アタックをして飛ばしていきますから、そういう意味では偏りはもしかしたら出てくるか、むしろそちらの回答を拒否された方のサンプルセレクションみたいなのはあるかもしれませんが、でも、ややもしかしたらいいほうに偏りが出ているかもしれません。分かりません。

先生が言われたことはそのとおりで、現在、回帰分析をややしているところでして、ただ、厳密には内生性の問題とかクリアできませんので、そこのところは限界があるのではないかとは思っております。

土屋先生から、どれぐらい統計が使われているか見ればいいのではないかというような御発言だったと記憶しているのですけれども、11ページで分かったことは、統計を利用することが有効だと思うかどうか。その有効だと思っている人が情報提供は必要だと言っているわけで、有効だという人をどれだけ増やすかというのが問題だというように思っております。

ですので、統計を使って白書を書くとか、あるいは政策立案するとか、それ自体も評価の尺度になりますが、それを知った国民が統計を使うこと自身が有効であるというようなところまでいかないと必要性を感じてくれないというところに問題というか、何かそういうところに統計の利活用の問題として潜んでいるのかなと考えているということです。

 

○土屋委員

もちろん、それは大変大事だと思うのですけれども、ただ、これが逆に評価する人が少ないと、そんなものはいいのだという解釈をされると困ると思うのです。むしろ、政策立案のために必要だったら、これは国の運営のために必要なので、私ども病院で日常のデータは年報という形で各病院やっているわけです。その足らない分はコンサルを頼んで特段調査をやって、次の病院の政策立案的なことを考えるので、その年報が必要ないかと言われると、通常、医者たちはほとんど必要だと感じないのです。自分の診療科のデータだけ分かればいいやぐらいの、それを病院で年報が全部必要なのを各末端まで理解させるかということになると、それを標準に考えているのです。逆に方向性を間違えると経営自体が大変無駄な努力が多くなってしまうのです。

ですから、先生が取られた政策立案なり評価に使われていれば、これは国の統計というのはよしとしてもいいのではないかというのが私の趣旨なのです。

 

○廣松座長

ありがとうございました。

では、先にお二人、手を挙げてらっしゃいましたので、津谷委員はその後にお願いします。

 

○阿藤委員

その代表性の問題は津谷先生がおっしゃったとおりで、何となくインターネットでやると、それを得意にする階層、グループの人が答えるという、そもそも母集団にそういう偏りがあるのではないかといつも思っているのですけれども、それはいろんな意味で少なくとも国勢調査の結果と比べてみるということは大変大事だと思います。

仮に、しかし、それは代表性の問題があるとして、私は統計上の必要性について7割の人が必要だと思っているということは大変高いという感じがします。ほかの国でどうなのかという気がしまして、こういう同じような調査は国際比較として存在するのかどうかということを伺いたかった。

 

○阿部委員

調べていませんが、あるのでしょうか。むしろ、廣松先生のほうが詳しく。

 

○廣松座長

私も国際比較に関する情報は持ち合わせていません。あるいはひょっとすると、総務省の政策統括官室などでそういう情報を持っているかもしれません。それは確認してみます。

では、今田先生、どうぞ。

 

○今田委員

私も阿藤先生と同じで、要するに必要だという人が7割を超えるという状況は、すごいなという感想です。私の解釈は阿部先生と違って、国が費用をかけるというのも6割近い。これは国がという点で少し少なくなったという印象です。利用した人たち、あるいはそういう経験のある人たちは非常に高い評価をしている。要するに費用効果は上がっている。そういうこのデータについての解釈です。その点について阿部先生はどうお考えになるかお伺いしたい。

この議論の中で、フリーライダーを非常に注目されているということなのですが、8ページのフリーライダーの存在という表の読み方ですが、必要だという人たちの中で国が費用をかける必要がないという人が10%いる。これをフリーライダーの存在と定義されているのですけれども、この隣の必要ないで国が費用をかける必要があるという比率も10%と同じぐらいなのです。

ということは、こちらの真ん中が誤差だというならば、こちらの一番左の10%もある意味では誤差といえるのか。こういう25%水準の回収率の調査では、誤差範囲内に入る可能性も出てくると思います。さらに、これは意識調査なので、実態についての調査ではなくて、聞かれた側が何を理解してどう答えているかという意識調査の問題がある。必要だと言う場合に、国ではなくて国以外がお金を出すことだってあり得るので、費用が必要ないとこの結果を読み取って、フリーライダーをどう定義するかによるのですけれども、こういう人がフリーライダーであり、こういうフリーライダーが多いという議論をするのは少し危険ではないか。フリーライダーであるとあえて強調するのは、もう少し十分な検討をした上でないとミスリードになるのではないかとこのデータを理解しました。

非常に有益なデータで、私たちはいろんなことを勉強させていただいたということで、それには変わりないのですけれども、その点だけいかがでしょうか。

 

○阿部委員

私、誤解があるといけないので、まずそれを言うのを忘れていたのですが、今回ここでやったアンケート調査で、厚生労働省の統計情報を評価しようという意図はさらさらありません。これをやった理由は、統計調査の利活用に関わる効果測定について、どうやったらそういう測定ができるのかということの私論と書いてありますが、私論か、試論か分かりませんが、そういうふうに位置付けしていただければと思っています。

ですので、このアンケート調査で厚生労働省の統計情報がどうのこうのと言うつもりはなくて、ただ、評価するのだったらこういうやり方があるのではないかという私論のつもりであります。ある意味、アンケートをやってこういうような出方が出てくるのではないかとか、あるいはこういう傾向があるのではないかとか、先ほど報告した段階では少し政策的な含意ではないですけれども、こうやったら情報が必要だと答える人が増えますねみたいなことを言ったので、それに流されている面はありますが、実態、これの位置付けはそういうように考えています。

その上で、代表性の問題があるということなのですが、もし代表性の問題を気にするのであれば、多分インターネット調査の限界というのは当然ながらあるわけで、もし政策評価を実際に行うということになれば、多分国がしっかりと標本抽出をしてなされればよいかなと思います。そういう意味で7割が必要だと答えているのは、私自身も実は高めかなと思っていて、先ほど言ったようにアタックして回答しない人というのは、どちらかというと興味のない人が多いだろうから、サンプルセレクションバイアスは当然ながらかかっているだろうとは思っています。ただ、そういうふうに答えた人の中でも、必要がないと答えている人、あると答えている人の違いというのはやはり見えてきているということです。

フリーライダーのところをことさら強調しているつもりもないのですが、ただ、公共経済学とかではフリーライダーの問題というのはよく扱われますし、それをどういうふうにするかというのも出てくる問題ですので、ここではフリーライダーがどういう人たちなのか。フリーライダーを減らすことはどういうことになるかということを少し言っているものであります。ただ、実際、このフリーライダーの問題というのは多分大きいと思いますので、ここは少し考えておくべきかと思った次第です。

確かに必要だと答えていて、お金をかけて必要だというのが10%で、これも誤差ではないかということなのですが、情報統計そのものが必要なくて、お金をかけて統計調査を行うことが必要だと答えている人たちの人数と、必要だと答えて必要ではないと答えている、いわゆるフリーライダーと呼んでいる層の人数は全然レベルが違うのです。だから、そういう意味で必要ない、だけれども、お金をかければ必要だというのは、ほとんど数人なので、間違って回答した可能性はある。だけれども、必要で必要ないと答えている人は間違って回答する人はそんなに多くはないだろうということで、こちらのほうは有意だろうと考えているということです。

 

○廣松座長

では、どうぞ。

 

○津谷委員

先ほどからの議論に私からもコメントさせていただきたいと思います。

まず、阿部先生の御説明で、もともとのサンプルフレームの8,781については、県別、年齢別にある意味層化をして抽出をした。ただ、その後、アタックをかけて実際に回答した人のサンプルということですね。

 

○阿部委員

抽出をしているわけではなくて、その人数に合うようにアタックをしてもらっているということです。

 

○津谷委員

いずれにしても、実際に回答した人はサンプルフレームの約25%弱と低い水準です。たとえ本当の層化・多段確率サンプル、つまりランダムサンプルを抽出して、オンラインではなく調査員調査をやっても、回答率が6割を切ってくると、データの代表性に懸念が生じます。なぜならば、回答拒否とか無回答が絶対ランダムには発生しないからです。先ほど7割というのは非常に高いと委員の皆様方おっしゃっていますが、私もそう思います。ただ、抽出されたサンプルには選択性のバイアスは必ずあります。ですので、阿藤委員もおっしゃいましたけれども、やはり国勢調査の結果との比較が必要だと思います。これはそんなに難しいことではなくて、サンプルの性、年齢、学歴別の割合を国勢調査のそれと比べるということです。サンプル数が2,129しかないわけですから、そんなに多くの基本的属性別のクロスをとっても統計的に安定しませんので、性・年齢別に見てみて、平均が1になるようにウエートを計算されるといいかなと思いました。

ただ、そうしても結果はおそらくそんなに変わらないだろうとおっしゃいましたが、結果が大きく変わったらそれこそ大変なことで、恐らくウェートをかけても結果はそれほど変わらないと思いますけれども、回答率がこのレベルである以上、やはりある程度補正は必要かつ可能かなと思った次第です。

ただ、いずれにしましても、重要なのは集計結果に示されている割合、つまりレベルよりも、むしろ私が先ほどさもありなんと思うと申しましたように、阿部先生もおっしゃっていますが、変数間の関係性です。例えば情報提供が必要だと思う割合がどれくらいかというのはひとまず置いておいて、これとテレビを見ていることとの関係性についてはどうなっているのか。これらの間にプラスの相関があることについてはおそらくそうだろうと思いますので、それを確認されればよいと思います。これは大変大変重要なことで、レベルとリレーショナルなものとを分けて考えることが必要です。その意味で、この研究の有用性というか価値は大きいと私は思います。

先ほど内生性ですが、もちろん、内生性を完璧にコントールするということは不可能です。ただ、私はそういうことで申し上げたのではなくて、回帰分析をなさったときの式の右辺に性別と年齢と学歴ぐらい入れておくと、もう少しはっきりとした結果が出るのではないかというぐらいの意味で申し上げました。

以上です。

 

○阿部委員

ありがとうございます。

 

○廣松座長

ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

もちろんインターネット調査については、今、何人かの委員の方から問題提起がありましたとおり、回答者の代表性のことに関しては十分注意する必要があろうかと思います。その点は考慮するにして、いただいた結果に対して、私個人も大変興味を持ちました。これは阿藤委員からの御質問ですが、ほかの国はどういう状況かという情報があると確かにより一層面白いものになるかと思います。フリーライダーのところに関して、今回、阿部先生、高畑先生のこういう定義に基づいて、いろいろ分析をしていただいて、これも大変面白い結果だと思います。

ただ、私が個人的に気になったのは14ページ、最後のスライドで、過去に回答経験があってもフリーライダーは減るわけではないというのは問題かなというか、現状として気になりました。

こういう調査結果ではなくて、もっと定性的なというか、あるいは一般的な傾向として、どうも統計調査に限らないのですけれども、社会全体の雰囲気としては、自分のことは知られたくない、他人のことは知りたいという風潮が大変強い。他人のことというのは、要するに公表されている情報も含めて、個人情報のことですが、ただし、その中に自分が入るということは嫌う、どうもそこが大変気になっています。特に統計調査等で、いかにしてそういう立場の人たちに協力していただくかという、そこをやはり我々としては考えなければいけないことだと思います。

もう一つ、皆さんは「統計の日」というのを御存じだと思いますが、1018日です。毎年その「統計の日」の標語を公募しています。そして優秀なものを表彰しているのですが、平成元年のものだったと思うのですけれども、「水と空気と統計と」というのがあります。この表彰された標語には、サブタイトルが付いていて、「人と社会を生かします」というものでした。要するに水も空気も統計も必要不可欠なものだということを言っている訳です。ところが、ちょっと皮肉な結果になってしまったのですけれども、「水と空気と統計と」、そこで切ってしまうと、要するにただというか、自然にあるものだということのほうが前面に出てしまって、先ほどの話ではないですけれども、何もしなくても水と空気はあるのだから、統計もそうだ、だから自分は特にそこに参画する必要はないというように逆に解釈されかねないことになっています。その点、最初のところでも議論がございました調査環境の悪化と関連して、そのような雰囲気をどう変えていくかということが一番深刻な問題ではないかと思います。その意味で、先ほど阿部先生のほうからも御指摘がございましたが、若い頃からというか、小さい頃から、統計に関する意識を持ってもらう、そういう意味で今統計関連の学会もそうですけれども、統計教育ということを大変強調しているわけです。

ただ、私の1つ希望的な観測というか、いい兆候だと思っていますのは、3年前からだと思いますけれども、統計検定というのが始まりました。中学生ぐらいの4級から、一番上はイギリスのRoyal Statistical Societyと共同で国際的な資格にもなるような、8段階ぐらいある検定制度ですけれども、11月の末に、今年の試験が行われました。大体5,000人以上受験者がいたということで、3年目で広がりを見せているというのは大変いい傾向かなと考えています。これがだんだん普及していって、統計に関する意識というか、日常生活でも統計というのは有効だと皆さんに感じていただけるような環境ができれば、大変いいことではないかと思います。

さて、もう予定をしておりました時間が過ぎてしまったのですが、今日、阿部先生、高畑先生に大変貴重な研究成果を御紹介いただきまして、心から感謝申し上げたいと思います。

先ほど、おっしゃいましたとおり、利活用度合いと費用対効果について、これからどのように研究を生かしていくかということが重要だろうと思いますので、阿部先生・高畑先生のグループと事務局とも相談をさせていただいて、ご報告いただいた内容を費用対効果の1つの手法としてどういう形で洗練していくことができるかということを考えていきたいと思います。

さて、本日のメインの議題でございます「『厚生労働統計調査の論点等』に基づく統計調査の検討について」ということは以上にさせていただきまして、2番目の「その他」のところについて事務局から説明をお願いいたします。

 

○武隈統計企画調整室長

その他としまして、当検討会の今後のスケジュールについて御説明させていただきます。お手元の参考資料を御覧いただきたいと思います。

本日、皆様には、繰り返しですが、テーマ6と7を御議論いただきました。今後につきましては、本年3月におまとめいただきました中間報告書に加えまして、今回の御議論の内容、それから、今日事務局に御指摘をいろいろいただいたところですが、それらを追加して、最終報告として取りまとめていただくことを考えています。そのための第11回の検討会の開催につきましては、来年の3月頃を予定しておりますので、御承知のほどをお願いいたします。

以上でございます。

 

○廣松座長

ありがとうございました。

最後になりましたが、全体を通じて何か委員の方々から御発言はありますでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、これでこの検討会を終わらせていただきます。

では、最後に御挨拶をよろしくお願いいたします。

 

○本田企画課長

皆さん、長時間にわたり大変貴重な御議論をいただきまして、ありがとうございました。これをもちまして、第10回の「厚生労働統計の整備に関する検討会」を閉会させていただきたいと思います。

今お話がありましたように、次回、第11回の検討会の開催につきましては、来年3月頃を予定しておりますので、また日程調整等をさせていただきますので、その際には御協力のほどを何とぞよろしくお願いいたします。本日は、お忙しい中、貴重な御議論をいただき、ありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

大臣官房統計情報部 企画課
統計企画調整室 統計企画係
TEL03-5253-1111(内線7373)

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