ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会))> 平成25年度第12回DPC評価分科会・議事録(2013年12月18日)




2013年12月18日 平成25年度第12回DPC評価分科会・議事録

○日時

平成25年12月18日(水)
14:58~16:05


○場所

中央合同庁舎第5号館
講堂(低層棟2階)


○出席者

【委員】

小山分科会長 藤森分科会長代理 相川委員 池田委員
石川委員 井原委員 緒方委員 樫村委員
香月委員 金田委員 川上委員 工藤委員
河野委員 嶋森委員 瀬戸委員 竹井委員
福岡委員 伏見委員 美原委員

【事務局】

佐々木医療課企画官 他

○議題

1.平成25年12月13日中医協総会への中間とりまとめの報告結果を踏まえた追加の検討事項について
2.その他の追加の検討事項について
3.検討結果のとりまとめ(案)

○議事

14:58 開会

○小山分科会長

 定刻より少し早いのですが、全員委員がそろいましたので、第12回「診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会」を開始いたしたいと思います。

 大変お寒い中、また年末の大変お忙しい中、皆さんお集まりいただきましてありがとうございます。

 今日は、出席状況では渡辺委員が御欠席です。では始めたいと思います。

 では、まず本日の資料の確認をお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 資料のほうの確認をさせていただきたいと思います。

 まず、座席表、議事次第、委員名簿はございますでしょうか。

 続きまして、D-1の資料としまして「平成26年改定に向けた『中間とりまとめ』の総会への報告結果を踏まえた追加の検討事項について」はございますでしょうか。

 続きまして、D-2の資料としまして、D-2-1「平成26年改定に向けたDPC(診断群分類)の見直し作業について」、D-2-2「適切な傷病名コーディングの推進について(案)」、D-2-2(別紙)「DPC/PDPS傷病名コーディングテキスト」の案はございますでしょうか。

 最後、D-3といたしまして「平成26年改定に向けたDPC制度(DPC/PDPS)の対応について検討結果(案)」はございますでしょうか。

 過不足等ございましたら、お申し出ください。

○小山分科会長

 ありがとうございました。特によろしいですか。

 それでは、まず最初の議題でありますけれども「平成251213日中医協総会への中間とりまとめの報告結果を踏まえた追加の検討事項について」を議題といたしたいと思います。

 これは、過日、先週の金曜日に中医協総会へ行きまして、前回ここでお認めいただきました中間報告をしてまいりました。その中で幾つか指摘事項があったのですけれども、多くは2つ大きな指摘事項があったかと思いますけれども、それについてこれから議論をしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 では最初に、まず事務局より説明をお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 お手元の資料D-1に基づきまして御説明させていただきます。

 「平成26年改定に向けた『中間とりまとめ』の総会の報告結果を踏まえた追加の検討事項について」でございます。

 ただいま分科会長から御説明がありましたとおり、平成251213日の中医協総会におきまして「中間とりまとめ」が報告されまして、おおむね了承されております。その中で、さらなる追加の検討が必要であると指摘された事項につきまして本日、御議論をいただきたいというものでございます。

 まず1つ目「『後発医薬品指数』の評価上限の設定のあり方について」でございます。

 総会における議論において、後発医薬品指数を新設することについては了承されましたが、後発医薬品指数で評価上限を設定することの妥当性について、再度DPC評価分科会において議論をすることになりました。今、案1の形で中間取りまとめを行いまして、目標値に達していない医療機関を減点する考え方で中間報告させていただいております。

 この考え方についてですが、平成25年4月5日に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」が示されておりまして、平成30年3月末までに新たな後発品使用割合の60%を目標とすることとされたところでございます。DPC対象病院は、DPC/PDPSが包括支払いであることによって、後発医薬品の使用が促進されることが期待されていたわけでありますが、入院医療で使用される薬剤について、後発品の使用割合の平均値は37.2%であって、目標値である60%を達成していない医療機関の割合が約90%となっている現状でございます。

 案1については、各医療機関の後発医薬品の使用割合が目標値に到達していない度合いに応じて連続的に減点するという考え方でありまして、特に後発医薬品の使用が進んでいない医療機関に対して、後発医薬品の使用の取り組みを促すという考え方となっております。

 2ページ目になりますが、案2は、後発医薬品の使用割合に応じて加算する考え方で、評価上限を設定しない考え方でございます。後発医薬品の使用割合に応じて直接的に指数を加算していく考え方でありまして、目標値の60%を達成している医療機関においても目標値以上の後発医薬品の使用が評価される形になりますが、DPC包括評価によるインセンティブとの二重インセンティブになるのではないかという指摘があり得ると書かせていただいております。

 その下にございますのが、前回も提出させていただいているものですが、医療機関ごとのヒストグラムを出させていただいております。論点ですが、後発医薬品指数の評価上限の設定方法について、どのように考えるかでございます。

 続きまして、3ページ目「3日以内再入院ルールの見直しに係る上2桁コード(主要診断群)による一連の判定について」でございます。一連とみなすルールの適用対象は、現在の「同一病名」がDPCの上6桁目まで共通という考え方になっておりますが、これを「同一診療科の疾患」は2桁目まで共通に拡大することの妥当性について、中医協総会で再度検討するべきという議論がなされたところでございます。

 上2桁で同一疾患とみなすことの妥当性について検討するため、一連とみなす基準を上6桁コードから上2桁コードに変更した場合に、新たに一連とみなされる組み合わせについて、図表1のほうで集計しております。こちらに書いてあるトップ20でございますが、新たに一連とみなされる組み合わせが並んでおるところでございます。

 続きまして、4ページ目でございますが、図表1における上位5件の組み合わせをさらに取り出しまして、それを詳細にさらに検討するため、再入院時の医療資源を最も投入した傷病名の「ICDコード」及び「実施手術」について集計を行っております。図表2-1~図表2-5までが上位5件の組み合わせについて集計したものでございます。左側がICDコードの順位のコラムになっておりまして、右側が手術コードの上位10件までの一覧となっております。

 7ページ目の一番下のところでございますが、以上の集計結果より、再入院時の医療資源を最も投じた病名は、前回入院の最も医療資源を投じた病名と関連性があって、一連とみなして差し支えないのではないかという考え方を提示させていただいております。

 最後、8ページ目が論点になりますが、同一病名の判断基準を「上6桁コード」から「上2桁コード」に変更することの妥当性についてどのように考えるか、こちらについて御議論いただければと思います。

 事務局からは以上です。

○小山分科会長

 ありがとうございました。

 今、御説明があったように、2点が指摘事項だと思います。1つが、後発医薬品指数の評価上限の設定のあり方について。この分科会では、一応、ロードマップにのっとった60%に行けば満点という形でいいのではないだろうかということだったのですけれども、中医協の委員の先生からは、60%で切るよりも、やはりもっと上限を目指してもらったほうがいいのではないかという考え方で、案2のような考え方が示されました。今お話がありましたとおり、案1のほうは、60%を目標にして、行かなければ減点をしていくという考え方、それから、逆に、この案2のほうですと、60%を超えて、さらにその評価をしていくということになると、ある意味、二重インセンティブになる可能性があるという考え方であります。これに対して、この点について皆さんの御意見を伺いたいと思いますけれども、いかがでしょうか。どちらがいいかとか、あるいはもしわからない点がありましたら御質問でも構いませんが、いかがでしょうか。

 川上委員、お願いします。

○川上委員

 案1、案2もそれぞれの考え方だとは思いますけれども、医療機関の薬剤管理の実状としては、60%ではなく100%をとにかく目指せと言われると、厳しいかな、現実的にはなかなかやりにくいかなと思います。

 案1の内容を見ますと、60%を達している医療機関が1割程度ある一方で、多くの病院はまだそこに達してません。設定としては、そこに到達する医療機関も実際にはあるけれども、みんなにそこを目指してほしいという目標の方が現実的で妥当性が高いように感じております。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほかに御意見いかがでしょうか。

 瀬戸委員、お願いします。

○瀬戸委員

 済みません。案1が減点で、案2が加算ということなのですけれども、例えば60%の施設、要するに、ここに配分する予算はある程度想定されていると思うのですが、60%のところの施設は、ざっくばらんにいうと、どちらがどうなのですか。

○小山分科会長

 事務局、いいですか。お願いします。

○事務局

 事務局でございます。

60%使用している医療機関にとってみれば、案2のほうが高い評価になるという形にはなるかと思います。

○小山分科会長

 よろしいですか。だとしたら、どう考えますか。

○瀬戸委員

 要するに、60%の病院だと、どちらも基本的には同じということになるのですか。

○事務局

 事務局でございます。

60%以上の医療機関にとっては、案2のほうが高い評価になるということになりますが、その分、60%に達していない医療機関にとっては低い評価になるということです。

○小山分科会長

 どうぞ。

○工藤委員

 理解が必ずしも一致していないかもしれないのですけれども、60%以上を達成しているのはまだ10%ですね。ということは、90%の病院は達成していないので、そこについて、それぞれ減算のような格好だと余り元気が出ないのではないのか。むしろ達成している病院をふやしていって、ある段階から、逆に今度は達成していない場合に減らすというやり方のほうがいいのではないか。今はむしろ達成を目指したほうがいいのではないのかという感じがするのですけれども、そういう理解でいいのですか。間違っていますか。

○小山分科会長

 結局、7番目の機能評価係数IIになりましたので、7番目の評価係数を満点とることは加算になるわけです。

○工藤委員

 そうですね。了解しました。

○小山分科会長

 満点とることは加算になりますし、途中でも一応評価されますと。ただ、上限が60%を100点満点と考えるのか、100%を100点満点と考えるのかということなのです。ですので、一応、60%がロードマップでは目標値なので、ここを100点満点として評価してもいいのではないだろうかと。ただ、60%を超えてしまった医療機関にとっては、先ほど瀬戸委員がおっしゃったみたいに、60%を超えてしまうと、もう余り私たちはありがたみがないのだよなということにはなり得ると思うと。ただ、そういう病院というのは、現在のところ約10%程度の病院であるという理解でよろしいのですか、事務局。

○事務局

 はい。分科会長のおっしゃるとおりと認識しております。

○小山分科会長

 だから、いずれにしろ、インセンティブは与えられます。しかも、例えば30%であっても、そのうちの半分の評価はいたしますよという考え方ですね。だから、もしこれが100%になると、その比率がもっと少なくなってしまうという形で、先ほど川上委員がおっしゃったみたいに、目標値がこのぐらいだとみんなやる気になるので、このぐらいの数値のほうが適当ではないかというのが川上委員のお考えかと思います。

○川上委員

 追加しますと、目標値を超えても、DPC制度の下ではジェネリックを使うメリットは依然残っていますので、この係数が満点に達したとしても、医療機関としての薬剤費の効率化は図れるのではないかと思います。

○小山分科会長

 緒方委員、お願いします。

○緒方委員

 これは減点という言い方がよくなくて、1点から途中の点数が加算されるという意味だと思うので、表現を変えればいいような気がします。

○小山分科会長

 この前も事務局が言われていたな。表現の仕方が悪いと怒られていましたね。

 池田委員、お願いします。

○池田委員

 済みません。確認をさせていただきたいのは、これはいつの時点の実績を踏まえて、いつの時点で係数が設定され、そして、それはどういうタイミングでその係数は見直されていくのでしょうか。

○小山分科会長

 事務局、どうぞ。

○事務局

 事務局でございます。

 平成26年4月からの改定で用いるデータというのは、平成2410月1日~平成25年9月30日までのデータということで、前回、1213日の中医協総会で了承されたところでございます。ですので、後発医薬品の使用割合の係数につきましても、そのデータを用いて算出することになります。機能評価係数IIのほうは毎年改定ですので、基本的には1年に1回、前年度のデータを活用して見直していく形になるかと思います。

○池田委員

 そうしますと、もう既に、来年度の係数に関しては、これまでの実績なので、これまでの実績が評価されるということで、1年後に関しては、これからの頑張りといいますか、改善が評価されると理解してよろしいですか。

○事務局

 そのとおりだと思います。

○小山分科会長

 ほかに。

○美原委員

 お聞きしたいのですが、案1のときは60%だと1点、80%でも1点、案2の場合には、100%だと1点、60%だと0.6点と、そんなイメージですか。

○小山分科会長

 実は私もそれを聞きたかったのですね。

○美原委員

1.6になるとか、そういうことなのですか。

○事務局

 事務局でございます。

 点数の考え方でいきますと、指数という考え方自体が他の医療機関との相対評価を決める考え方であって、絶対的な点数自体が意味を持つものではありません。ですので、ほかの医療機関と比べて高い評価になるのか、低い評価になるのかという考え方に基づいて考えていただければと思います。

○小山分科会長

 池田委員、どうぞ。

○池田委員

 先ほどの続きで確認です。そうなりますと、26年4月にまた後発医薬品使用に関する係数が新たに見直されるわけですが、そのときに評価される実績というのは、年度がややこしいのですが、既にもう過ぎてしまった平成2510月~来年9月ということになりますね。要するに、今年と同じように来年も評価すると。ただ、そうしますと、こういう考え方を具体的に提案した後に後発医薬品の使用割合をふやしていっても、既にその前の時点の月のものが実績として評価に入ってしまうのは、やや問題がある気がするのですが、それはいかがでしょうか。

○小山分科会長

 事務局、お願いします。

○事務局

 事務局でございます。

DPCの改定は今までそういうやり方でやってきたのではないかと思います。医療機関群の基礎係数の導入につきましても同様ですし、ほかの係数による評価も、全てそれまでの実績のデータに基づいて、新たに改定でつくられた項目も前年度のデータに基づいて評価してきたところなので、後発医薬品についても、それと同様の考え方になるかと思います。

○小山分科会長

 でも、池田委員、そんなことを言っても、この方向にみんな行ってくださいとさんざん言い続けてきたわけですからね。後発医薬品を使ってくださいというお願いをしていたわけですからね。そういう努力をしていたところをこれで評価しようとしているわけですね。1年ごとにやりますので、今まで努力していないところは、これからその先1年努力すればその次に努力が認められるし、逆に、今まで努力してきたことの実績が今回やっと認められるという考え方でどうですか。ずるいといえばずるいのかもしれないのだけれども、でも、方向性としてはそんな方向性なのかなと思うのですが。

○池田委員

 他の指数と違って、これに関しては、これから頑張ればどんどん上がるものですね。

○小山分科会長

 どんどんというか、60%まではね。

○池田委員

 例えば、もう少々短いスパンで、つまり、これから改善することによってこの指数が上がるような、そういったインセンティブのつけ方もあるのではないかということを思いまして、質問させていただきました。

○小山分科会長

 ありがとうございます。ほかに。

 相川委員、お願いします。

○相川委員

 そうすると、案1、案2にしても、現在、手挙げをしていて新規参入する医療機関においては、参入前のいわゆる出来高払いの時代の後発品の使用量で評価されるということですか。

○小山分科会長

 事務局、どうぞ。

○事務局

 事務局でございます。

 新たにDPC対象病院になる病院は、今、全て準備病院という形でDPCデータの提出が義務づけられているところでございますので、そのデータを用いて行うということになります。

○相川委員

 私はそれを確認したかったのです。そうすると、一般的には準備病院のときには、後発品よりも出来高払いのほうがある程度利ざやがあるということもあって、そうなっているところを、今度は出来高払いの時代のデータをもって、今回、この指数をつくることになると、新たに参入する準備病院にとっては初年度はかなり厳しい状態になるという理解でよろしいのでしょうか。

○小山分科会長

 ただ、先生、2ページ目の表を見ていただければ、対象病院も準備病院も同じようなカーブを描いていますからね。だから、どこもみんな、各病院がもうその方向に向かってはいるのです。ですので、今、先生が懸念された御心配は、この表を見る限りは余りないかなという感じはいたします。もう努力して60%を超えているところも、恐らくパーセンテージでは10%ぐらいあるということですね。

 事務局、今の御質問に対して何かありますか。

○事務局

 事務局でございます。

 後発医薬品の使用については、DPC病院だけではなくて、ほかの全医療機関が目指すべき方向性として提示されているものと理解しております。その取り組みがDPCではこのように評価されるという形ですので、準備病院から切りかわるところが不平等ではないかということではなくて、準備病院であっても後発医薬品の使用に取り組むべきだという考え方になるのかなと思います。

○相川委員

 了解しました。

○小山分科会長

 今、出来高病院もパーセンテージが20%を超えると点数が有利になっていますので、それがここにきいているのだと思いますが。

 ほかにいかがでしょうか。

 皆さんのおおむねの考え方は、やはり案1でよろしいかと感じるのですけれども、どうでしょうか。よろしいですか。

 では、分科会で再検討をいたしましたけれども、今のような御意見がありまして、一応、案1を提案させていただく形にしたいと思います。事務局、それでよろしいですか。

○事務局

 はい。

○小山分科会長

 では、その次の3日以内の再入院でありますけれども、上6桁か上2桁かというところの議論になります。これに対する御意見、御質問をお願いいたします。

 これは、前回、瀬戸委員から出されたのですけれども、瀬戸委員、さらにこの細かいデータがその次のページ、4、5、6、7までありますが、ごらんになってどうでしょうか。上2桁でもよろしいのか、やはり上6桁にしたほうがいいのか、そこはどうでしょうか。

○瀬戸委員

 この後、いろいろお聞きしまして、了解いたしました。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほかはいかがですか。

 中医協での御質問では、やはり疾患が全然違うのが出てくるのではないかというたしか御指摘だったですね。今回、そういう組み合わせを見せていただいたのですけれども、それほどかけ離れたものではないかなという感じがするので、上2桁でもよろしいのではないですかということなのですが、よろしいですか。

 こんなに早く行ってしまうと困ってしまうのですね。

 河野委員、お願いします。

○河野委員

 1つお伺いしたいのですけれども、これを上6桁から上2桁にしますと対象がかなり狭まりますね。再入院のときに、通常ですとほとんどが一連になっていくという可能性がある。中小病院と大病院との影響ですけれども、経営的に中小病院が比較的そういうことを考えてやっていた可能性もないわけではないのかなと。そうすると、上2桁にすることによって、中小病院に対する影響が非常に強く出るということはないのですか。

○小山分科会長

 どうぞ、お願いします。

○事務局

 事務局でございます。

 大病院と中小病院を施設別に比較した案は、まだ集計していないところではあるのですが、以前のDPC分科会には出させていただいておりますが、全体に与える影響ということですと、今回の資料にはないのですが、前回入院で最も医療資源を投入した病名と、今回の入院の契機となった病名の上6桁でみなされているのが大体50%ぐらいです。それに追加して、上2桁をみなすことで大体2%ぐらいふえる影響ですので、それほど大きな数が新たに一連とみなされるわけではないというところはございます。

○小山分科会長

 よろしいですか。

 井原委員、どうぞ。

○井原委員

 平成15年からレセプトを見てきた印象としては、今、河野委員がおっしゃったような御懸念はさほどないだろうと。これは、さまざまなDPC病院において、傾向が異なるという印象はあまりありません。あくまでも印象でございますが。

 そもそも論としてどうしてこの話が出てきたかということを考えれば、いわゆるリセットといいますか、こうしたケースが少なからず存在するということがデータ的にも、我々の印象と一致したことがこの検討を始めた理由だと思います。それならば今回は上2桁にして、一度これで行ってみて、不都合が出るとすればどのような場合であるのかを調査して、適切な対応をすればよいと思います。

 それと同時に、今回の見直しに対する医療機関の反応も見極める必要があると思います。こうしたルールを考えざるをえないということが現実に起こっているわけですから、どのような影響がでるのかを検討してみて、不合理であるという御意見があれば、それに対してどういう対策をとるかということは再度考えてみればよいのだろうと。今回、なぜこれをするかという趣旨を考えれば、私は上2桁で試行してみるべきだろうと思います。

○小山分科会長

 よろしいですか。

○河野委員

 いや、私も趣旨はよく理解していて、リーズナブルだと思っております。

○小山分科会長

 今回、中医協に報告に行ったときに、一つ、非常に私もそのとおりだなと思って、これからやっていかなければならない考え方として、いわゆる「モラルハザード」という言葉を使われたのですね。出来高のときには、結局、過大診療がモラルハザードになってできないので、DPCになったという経緯がありますけれども、逆に、今度はDPCになった場合、過小診療がモラルハザードになってくるという逆の立場になるところで、なかなかつらいところなのかなと思います。この後、コーディングのテキストが出てまいりますけれども、これが恐らく手引になって、こういうものを使いながらやっていく形になるのかなと思います。とりあえずこの3日以内の再入院は上2桁でもよろしいかということなのですが。

 どうぞ、金田委員。

○金田委員

 中小病院に御配慮をいただきまして感謝いたします。実際上、問題ないと、中小病院だからどうこうということは全くないと考えます。

○小山分科会長

 ありがとうございます。ちゃんとやっているところは全く影響がないと考えてよろしいのかと思いますので、ほかはよろしいですか、皆さん。

 どうぞ、藤森委員。

○藤森分科会長代理

 今回、これで再入院に関しては整理が一旦ついたと思うのですけれども、例えば、レセプトを見てみますと、一般病棟から自院の中のその他病棟に転棟して、また2~3日で戻ってきてリセットということは、実は3日以内再入院とかにかからないところなので、それを結構頻用されている医療機関もあるように見えるので、ぜひ来年度以降、再転棟に関しても何か検討していただければと思っております。

○小山分科会長

 事務局、宿題としてよろしいですか。

○事務局

 承りました。

○小山分科会長

 ありがとうございます。ほかにいかがでしょう。よろしいですか。

 では、この2つ目の宿題に関しましても、一応、この評価分科会としては、原案どおりでお願いしたいという形で御報告をさせていただきたいと思います。

 では、この議題はこれまでにいたしまして、その次の議題に移ります。

 続きまして、その他の追加事項、D-2-1「平成26年改定に向けたDPC(診断群分類)の見直し作業について」ということを議題にいたしたいと思います。

 事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。

 お手元の資料D-2-1、D-2-2、D-2-2(別紙)、あと、まとめてD-3のほうもあわせて御説明させていただけたらと思います。

 まず、D-2-1についてでございますが、こちらは差しかえがございまして、傍聴用のほうは差しかえができておりませんので、ホームページのほうで御確認していただけたらと思います。委員の皆様の机上配付資料は、修正されたものが配付されております。

 まず、D-2-1「平成26年改定に向けたDPC(診断群分類)の見直し作業について」でございます。

 まず「1.平成26年改定に向けたDPC見直し作業の概要」についてでございます。基本的な考え方は以下の○1~○4となっております。「医療資源同等性が担保されている」「臨床的類似性が担保されている」「分類は可能な限り簡素であり、分類のコーディングに際して、臨床現場の負担が少ない」「その他制度運用上の問題が生じない」、このような観点から見直しをしておるところでございます。

 「(2)これまでの検討結果」でございますが、下記のようなMDCごとの臨床の専門家31名及び総括(DPC評価分科会委員)2名により構成されるワーキンググループにおきまして、回収した調査票に基づきまして下記のような見直しを行っております。

ICD-10コードと傷病名の適切な関係の検討、手術分岐、手術処置等1分岐の見直し、定義テーブル内の順位の見直し、x方式による統合・細分化、このような見直しを行っておるところでございます。現在も見直し作業を並行している班が複数ございまして、診断群分類数がまだ確定していない班もございますが、引き続き作業を進めさせていただけたらと思います。

 これまでの作業は、平成24年7月~2412月の6カ月分の退院患者調査に基づいて実施してまいりました。平成26年改定は、平成2410月~平成25年9月までの12カ月分の退院患者調査を用いて実施することとされておりますので、当該データを活用して最終的な調整を行う予定としているところでございます。

 2ページ目、3ページ目は、見直しの具体的な例を挙げさせていただいております。

 2ページ目でございます。例えば、MDC01のプリオン病のところでございますが、現在「010086 プリオン病」は含まれる症例のばらつきが大きくて包括評価できていないところでございますが、亜急性硬化性全脳炎を分離して新たな上6桁コードをつくることにより包括評価が可能となるので、このような方向で見直すという方針となっております。

 その他の見直しの具体的な例を2ページ目、3ページ目で挙げさせていただいておるところでございます。

 続きまして、4ページ目「2.平成26年改定に向けた今後の検討作業の方針」についての案でございます。

 まず「(1)点数設定方式Dの適用について」でございます。平成251113日のDPC評価分科会の議論に基づいて、現在、点数設定方式Dが適用されている診断群分類のへの適用の継続の是非及び新たな診断群分類への適用の拡大について、専門家の意見を踏まえつつ検討を行ったところでございます。

 検討につきましては、下記のような観点から行っております。まず、十分に普及している。全国の実施症例数が十分に多くて、多くの施設で実施されている。当該傷病において化学療法等が実施される全症例数に占める割合が一定以上含まれるなどの観点。7日以内入院の退院数が一定以上を占めている。1入院あたりの化学療法等に係る薬剤が高額である。入院中に複数回実施されるものは除外する。化学療法につきましては、レジメン単位で分析を行って評価しております。検査等につきましては、平成24年診断群分類点数表で定義されている検査を対象として分析を行ったところでございます。

 現行の平成24年度診断群分類点数表に基づいて、点数設定方式Dを適用するべきと考えられる診断群分類については、以下の計33分類となっております。

 5ページ目が悪性腫瘍の化学療法に係る分類で、新たに適用すべきもの計22分類が載っております。こちらの一番右のコラムに新規に適用すべきと考えられるものに○がついておりますので、御参照いただければと思います。

 おめくりいただきまして、6ページ目には、関節リウマチ等で4分類、その他で2分類、検査等に係る分類で5分類を新たに適用することとしてはどうかという提案がなされております。

 対応案でございますが、平成26年度の点数表の見直しが確定してから、上記の考え方及び候補となる診断群分類に基づき、引き続き専門家の意見を踏まえつつ、点数設定方式Dの適用について検討することとしてはどうかという提案となっております。

 7ページ目は参考ですが、現在、試行的に適用されている22の診断群分類を参考で載せられておりますので、御参照ください。

 続きまして、8ページ目「(2)副傷病の検討」についてでございます。DPC/PDPSは、原則として医療資源病名1つに基づいて診療報酬を請求する支払方式でありますが、入院時併存症または入院後発症疾患との組み合わせによって、在院日数が当該医療資源病名の全体平均より大きく延びる場合があり、このような傷病名のうち症例数の多いものを「副傷病」として定義しているところでございます。

 対応案でございますが、退院患者調査の様式1における「入院時併存傷病名」及び「入院後発症傷病名」も「副傷病名」と呼ばれているところでございますが、診断群分類点数表に定義される副傷病名との混同を招く可能性があることから、診断群分類点数表に定義される副傷病名は「定義副傷病」と呼ぶこととしてはどうかという提案でございます。

 また、これまでと同様の方法によって、診断群分類の手術あり・なしの分類ごとに対象とする「定義副傷病」の設定に係る検討を行うこととしてはどうかという提案でございます。

 続きまして「(3)新たな技術等の保険収載(平成26年度における医科点数表の改定)に伴う定義テーブルの修正」でございます。

 対応案でございますが、医療技術評価分科会・先進医療会議からの報告を受けて、中医協総会において未収載技術の評価または既収載技術の再評価が行われた際には、それに対応した診断群分類の修正を行うこととしてはどうかという提案でございます。

 続きまして「(4)新規に保険収載・効能追加され出来高算定の取り扱いとなっている薬剤(いわゆる『高額薬剤』)への対応について」でございます。

 対応案でございますが、平成26年改定に活用するデータは、何度も繰り返し申し上げておるところでございますが、平成2410月~平成25年9月であることを踏まえまして、平成2410月以前に中医協総会において高額薬剤とされたものについては、平成26年改定に活用するデータにより、当該薬剤の1年以上の使用実績を把握することが可能でございますので、原則として当該薬剤は包括評価とすることとし、必要に応じて当該薬剤の使用の有無による分岐を設定する等の対応について、検討することとしてはどうかという提案でございます。

 また、平成2410月以降に高額薬剤として認められた薬剤につきましては、当該薬剤の使用実績に関するデータが十分ではないことから、原則として引き続き高額薬剤として取り扱うこととし、平成26年改定の診断群分類点数表の見直しにあわせて、再度当該薬剤に係る出来高算定となる診断群分類の見直しを行うこととしてはどうかという提案となっております。

 9ページに、現在の「高額薬剤判定」の運用方法について、参考として挙げさせていただいておるところでございますが、基本的にこの「高額薬剤判定」というのは、高額薬剤告示への追加の作業と、定義告示への追加作業の2つからなっております。

 高額薬剤判定の対象とする薬剤につきましては、新薬、効能効果・用法用量の一部変更(薬事・食品衛生審議会で審査・報告されたもの)、事前評価済公知申請、この3つを対象として、年に4回この判定作業を行っておるところでございます。効能効果・用法用量の一部変更について、薬事・食品衛生審議会で審査・報告されたものとこちらに明示しておるところでございますが、医薬食品局審査管理課で事務局のみ審査によって一部変更が承認されたものについては、薬事・食品衛生審議会への報告が省略される可能性がありますが、こちらにつきましては、基本的に後発医薬品がほとんどを占めていることから、この判定の対象外としているところでございます。

 続きまして、D-2-2について御説明させていただきたいと思います。

 こちらは、前回、12月9日のDPC評価分科会で御議論いただいたところの続きの検討になるところでございますが「130100播種性血管内凝固症候群」等、いわゆるアップコーディングの事例が存在するのではないかと指摘されている診断群分類については、適切な傷病名コーディングの推進に向けて、何らかの対応が必要であると考えられるところでございます。

 下に130100に係る診断群分類の点数の経年変化を示させていただいておるところでございますが、平成22年~24年にかけて、1日当たり平均医療資源投入量が低下傾向を認めており、逆に件数のほうは増加傾向を認めております。

 対応案でございますが、130100DICによって請求する際は、一連の入院の中で医療資源を最も投入したのがDICであるか否かに関する的確な審査を可能にする観点から、下記の内容が記載されたものをレセプトに添付することを義務づけることを試行的に導入することとしてはどうかという提案となっております。

 その内容についてですが、DICの原因と考えられる基礎疾患、厚生労働省DIC診断基準によるDICスコア、今回入院中に実施された治療内容及び検査値等の推移となっております。

 今後、DICのコーディングの動向を踏まえつつ、DIC以外で同様の対応とする診断群分類を追加することについて、次回改定(平成26年度)以降、引き続き検討することとしてはどうかという提案となっております。

 続きまして、D-2-2(別紙)でございますが、こちらは、前回、12月9日のDPC分科会で御議論いただいたものでございますが、その御議論を踏まえまして一部修正しておるところがございますので、御報告させていただきます。

 まず、目次をごらんいただきたいのですが、各論がないのに総論があるというのは不自然ではないかという御指摘を受けましたので、IIIIIIIVVとローマ数字で目次を振らせていただいておりますけれども、このような形で見直しをさせていただいておるところでございます。

 あと、コーディングに対して疑義がある場合の問い合わせ先についても御意見がありましたので、修正させていただいております。

 あと、一番後ろのほうに留意すべきICDコードの一覧をつけさせていただいておりまして、こちらは42ページからずっと後ろのほうまでついておるところでございますが、こちらも新たに表を追加させていただいておるところでございます。

 続きまして、D-3でございますが、こちらは、このDPC評価分科会終了後、中医協総会に最終的に報告するときの報告書の案でございますが、基本的には中間取りまとめの内容どおりでございますが、本日御議論いただいたことを追加して、中医協総会に分科会長のほうから報告していただく際の報告書の案となっております。

 以上につきまして、まとめて御議論いただければと考えております。事務局からは以上です。

○小山分科会長

 ありがとうございました。

 順番に下がっていきたいと思います。

 まず、D-2-1の資料をごらんください。1ポツは見直し作業の概要でありますので、これについて、次のページに書いてありますけれども、これに関して御質問、御意見がありましたらお願いいたします。最終的にはまだこの結論は出ていないので、あれですけれども、今、作業をやっている最中ということでございます。これは大体いつごろでき上がるのですか、来年の1月ぐらいには。

○事務局

 事務局でございます。

 D-2-1の1ページにも記載させていただいておるところでございますが、最終的には平成2410月~25年9月のデータを用いまして、そのデータに基づいて副傷病等の検討も行っていくということで、今、こちらのデータの整理、クリーニングをしているところでございまして、そちらが確定してから最終的に確定していくことになると思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 これについて、いかがですか。

 池田委員、どうぞ。

○池田委員

 確認をしていただきたいのですが、見直しの具体例でプリオン病の例が出ておりまして、要するに、こうした臨床的な同一性を勘案して、分類をふやすことによって包括評価が可能になるということで、これは結構なことだと思うのですけれども、大体どのぐらいの症例数があれば、1つのこうしたまとまった分類とみなしてよろしいのかということで、もしおおよそのそういう目安があるようであれば教えていただきたいと思うのですが。

○小山分科会長

 事務局、お願いします。

○事務局

 事務局でございます。

 おおむね70症例で今やっているところでございます。

○小山分科会長

 よろしいですか。ほかはいかがでしょうか。

 では、その次のページをごらんください。4ページ、化学療法に対して、薬剤費等包括範囲の1入院当たりの点数をここに全部持ってきてしまうという方法でやって、それがある意味、功を奏しているということで、5ページから新たに加わるものに○がついております。悪性腫瘍、6ページは関節リウマチ等、その他2分類。ここで気を引くのがその次にある検査ですね。睡眠時無呼吸、狭心症、前立腺の悪性腫瘍・肥大症、下垂体、こういうものをこういう形の点数設定にしていってはどうでしょうかという御提案であります。いかがでしょうか。これに対する御意見、御質問がありましたら、お願いいたします。

 言いかえれば、これはもうほとんどDRG/PPSの世界と言ってもいいのかと思うのですけれどもね。もう大体点数が決まってきているので、1入院当たり大体この値段だと、何日入院しても同じだという形になると思うのですが。

 伏見委員、お願いします。

○伏見委員

 基本的にはこの内容で特に問題ないのではないかと思います。1点、6ページの検査等に係る分類の3番目で、前立腺悪性腫瘍と前立腺肥大症とが両方とも前立腺針生検なのですけれども、臨床的には多分ほとんど同じ病態で、分類だけ違って、これで見ると在院日数が微妙に違って、多分点数も違ったりしていると思うのですが、これは分類として別のものにするのか、あるいはこれを2つまとめて集計して、点数、在院日数等の基準値をそろえるのか、その辺はどのような方針になっているのでしょうか。

○小山分科会長

 事務局、お願いします。

○事務局

 事務局でございます。

 今、DPCのワーキンググループのほうで検討しておるところでございまして、これは、あくまでも平成24年の点数表に基づいて適用すべきと考えられる例を挙げさせていただいておるところでございまして、最終的に平成26年度の点数表が確定した段階で、候補となる診断群分類に基づいて点数設定方式Dを適用するという考え方でございますので、今のはMDC11のほうになると思いますが、そちらのほうの見直しにあわせて適用するという考え方になるかと思います。

○小山分科会長

 どうぞ。

○伏見委員

 私が質問しているのは、点数あるいは日数を決める方針なのですけれども、これは分類ごとに集計してそのデータで決めていくのか、あるいはあわせて集計するというアクションもあるのかということを教えていただきたいのです。

○小山分科会長

 事務局、どうぞ。

○事務局

 事務局でございます。

 基本的には、そこの診断群分類に該当する患者さんの平均の医療資源投入量と在院日数に基づいて決めるということで、ほかの診断群分類とあわせて判断するという考え方は、現在ございません。

○小山分科会長

 伏見委員、どうぞ。

○伏見委員

 わかりました。これは、恐らく臨床的には全く同一と言えるような病態だと思いますので、こういうものについては、来年度以降のCCPマトリックス等の検討で、整合性がとれるかどうか検討していきたいと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 今、御説明がありましたけれども、6ページの一番下に書いてある対応案ということで、平成26年度の点数表の見直しが確定してから、この内容には変化があるということでよろしいですね。一応、今のところ、平成24年度のデータではこういうものが候補として挙げられると、こういう方針でよろしいでしょうかという考え方でよろしいですか。

○事務局

 はい。

○小山分科会長

 では、これはよろしいですか。

 それでは、その次、8ページ目の(2)(3)(4)は一緒にいきたいと思います。

 (2)は、副傷病名の呼び方を「定義副傷病」という、ツリー図ではそういう形にしたいということと、新たな技術等の保険収載に関しては、そういうふうに対応していく。効能・効果が追加された薬剤についての対応もこのようにするということですけれども、これに対する御質問あるいは御意見がありましたら、お願いいたします。

 これは特に御異議ございませんね。よろしいですか。

 では、この方向で行かせていただきます。

 引き続きまして、D-2-2、DIC絡みですね。こういう表にありますように、症例数が2,000件から6,000件、恐らくトロンボモデュリンが問題なのですかね。この絡みだと思います。これを使うと全部この病名に入ってしまうのだと思うのですけれども、これに関しては、対応案として3つ、DICの原因と考えられる基礎疾患、DICスコア、実施された治療内容、検査値等の推移について、試行的に記載していただくことを義務づけるということですが、これに対しての御意見、御質問がありましたら、お願いします。

 相川委員、お願いします。

○相川委員

 この対応案ですけれども、対応案の考え方はよろしいのですが、その下に3つポチがあって「DICの原因と考えられる基礎疾患」、その次の「厚生労働省DIC診断基準によるDICスコア」と。ここに関しましては、既に私は、前の分科会で発言しているのですけれども、厚生労働省のDIC診断基準でかなり正確に診断されるのは、多くが血液悪性腫瘍に起こるDICです。それで、今、DICでトロンボモデュリンなどが使われているのは、主に敗血症になった場合に、DICが多臓器不全として起こってくるものが多いのです。

 現にトロンボモデュリンアルファの発売後の全例調査が行われました。その全例調査では、今言ったような敗血症、あるいは全身性炎症に伴ったDICでトロンボモデュリンアルファ使われるほうが、血液悪性疾患で使われるよりもずっと多くなっていました。この厚生労働省のDIC診断基準はかなり古いものなのですけれども、これだけを基準として求めますと危険なことが生じると思います。非常に多い敗血症に伴うDICを早期に診断するためには、国際的にもよく認知されている丸藤教授が出した診断基準が、現在、日本でも実際に使われているのですね。その基準ほうが早くDICを診断して治療できる。特に敗血症に合併するDICはそのようになっています。医療現場ではそれを使っているわけですので「厚生労働省のDIC診断基準、あるいは」として、急性期DIC診断基準を追加して書かれたらいかがでしょうか。

○小山分科会長

 事務局、いかがでしょうか。

○事務局

 事務局でございます。

 定まったものはございませんので、御議論いただきまして、本日の検討結果を踏まえて対応したいと考えております。

○小山分科会長

 よろしくお願いいたします。

 ほかにいかがでしょうか。

 よろしければ、では、先ほどの相川委員の御指摘のことを考慮して、ここにつけ加えていただくという形でお願いいたします。

 引き続きまして、コーディングテキストですね。一応、この前、御意見をいただきましたけれども、これに修正を9日に1回していただいていますが、今後、これはどういう方向、これに対する意見は聞くのですか。

 事務局、どうぞ。

○事務局

 事務局でございます。

 このコーディングテキストの今後の方針につきましては、前回の会議資料のほうにも出させていただいておるところでございますが、もう一度確認させていただきます。

 まず、診断群分類点数表が確定しまして、それにあわせてこの記載内容を見直す必要がございます。これは、引き続きこの記載内容の見直しをさせていただきまして、平成26年4月からの改定のタイミングに合わせて、それぞれの医療機関が開く「適切なコーディングに関する委員会」の参考資料として出させていただく。このテキストに関する御意見についても、引き続き検討するためのという体制をつくりまして、MDC作業班のような形でこのコーディングテキストを見直すための専門家を集めまして、今後も見直しを行っていく、そのような方針を考えております。

○小山分科会長

 どうぞ。

○美原委員

 まだ「総論」がある改訂版でないものを自院のドクターと担当の診療療法管理士に見てもらって、どうですかと聞いてみました。そうしたらば、ドクターも、担当の診療療法管理士も、非常に読みやすくなったと言っていました。ただ、現場、特に診療療法管理士からは、これができてすごくいいけれども、これが本当に現場に広まるかしらということをとても心配していました。というのは、ぽんと配られても余り見ないかもしれない。だから、どこかで講習会だとか、勉強会なり説明会みたいなものをして、世の中に広く知らしめる検討をしていただけると、すごくコーディングの質が上がるのではないかという意見がありました。

 以上です。

○小山分科会長

 大変貴重な御意見をありがとうございます。今回、テキストという名前ですけれども、恐らくこれは手引書みたいな形になりまして、審査の場で使われる形のものまで完成していけば、一番それが理想的なのかなと思いますので、そうなると目を通さないとだめなのですね。

 どうぞ、御意見が何かありましたら。

○井原委員

 大変御苦労なさったと思いますけれども、最初のものに比べると、私どものほうでも、今の美原委員のご意見と同じように、大変見やすく、わかりやすくなって、別物感があるという評価です。各DPC病院に適切なコーディングのための委員会が開かれているはずですので、そういうところで積極的に利用してくださいということを、広報していく必要があると思います。私たちも勉強会の資料に使用するなど、活用していきたいと思っています。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほかに何か御意見ございますか。

 どうぞ。

○竹井委員

38ページの付録のところなのですけれども、表の形式にしていただいたことによって、このデータをシステムに取り込んで活用できる可能性も出てきたかなと思います。ありがとうございます。

 それで、もし可能であればですけれども、資料をホームページ等に掲載される際に、PDFと同時に、この表の部分を利用しやすいエクセルファイルとかで出していただければ活用も進むと思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。

○小山分科会長

 事務局、どうですか。

○事務局

 事務局でございます。検討したいと思います。

○小山分科会長

PDFではあれで、エクセルファイルだったら使えますのでね。

 ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ。

○相川委員

 先ほどの私のコメントに付言させていただきたいのですが、急性期DICの診断基準というのは、トップネームが北海道大学の丸藤教授で、実際は日本救急医学会DIC特別委員会で検討した結果作成された診断基準です。国際的に表明するために英文論文で出したために、なかなか最初は厚生労働省の方も着目していただけなくて残念だったのですが、実際の急性期医療現場ではそれが使われておりますし、また、その診断基準をもとにトロンボモデュリンの効果を判定した論文、これも実は英文論文で出ているのですが、そういうものもありますので、ぜひそれも御考慮いただいて、厚生労働省の診断基準、あるいは「急性期DIC診断基準(日本救急医学会DIC特別委員会)」とさせていただくと、敗血症患者などのDICを扱う医師にとってはありがたいと思います。付言いたします。

○小山分科会長

 ありがとうございました。

 全体を通してどうですか。

 どうぞ。

○藤森分科会長代理

DPCのコーディングテキストがやっとこういう形で出て、大変ありがたいと思っているのですが、実際、作業をしている中で、やはり今の標準病名マスターの病名とICDのマッピングが必ずしも現場に即さない部分もあって、かなり医療機関は苦慮されていて、独自にマスターを追加したり等々をされているのですね。

 その中で、実はもう一つ問題があって、この診断群分類の定義表そのもののICDがかなりダークな部分もございまして、これを選んでしまうと、どうしてもこれになってしまうみたいなこともあって、かえってコーディングしにくいということもございますので、このコーディングテキストの見直しがこれから行われると思うのですけれども、同時に、先ほどの診断群分類の見直しの一環として、DPCの定義表の上6桁に含まれるべきICD-10の見直しも一緒に両輪でやっていただけると多分いいものができてくると思いますので、ぜひどうぞよろしくお願いします。

○小山分科会長

 事務局、どうぞ。

○事務局

 事務局でございます。御指摘を踏まえまして、対応を検討したいと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。

 これで全ての議論が終了することになるのですけれども、全体を通して何か御質問、御意見がありましたら、お伺いしたいと思います。よろしいですか。

 どうぞ。

○樫村委員

 今日で最後だということなので、確認だけさせていただきたいことがあります。

 1つは、機能評価係数IIの見直しのときに、課題が5点整理されたと思います。それがことしの5月22日の分科会のときに整理されて、その1~3までというのは今回のまとめの中にきちんとまとめられたと思いますが、4番目と5番目が、指数から係数への変換方法という項目と、各係数への配分の重みづけということに関しては、この会で議論するものではないのかもしれませんが、そのときには中医協総会の議論を踏まえつつ今後検討するという課題として取り上げられておりましたので、これがどうこれから考えられているのかということが1つです。

 もう一つは、いわゆる激変緩和なのですが、これは平成24年に2%というところで激変緩和が取り入れられたということがございました。それに関しては、平成26年度の改定でも、これから実際に具体的な改定が行われないと、医療機関のばらつきというのがどのぐらい出るのか、本当にこれが必要なのかどうかもわからない状況だろうとは思いますが、もしこのことでばらつきが多く出た場合には、ある程度これを考慮していただけるのかどうかということに関して、できれば考慮していただきたいという思いを込めまして、この2つをお伺いしたいのですが。

○小山分科会長

 事務局、お願いします。

○事務局

 事務局でございます。

 まず、1つ目の機能評価係数IIの論点のところを整理させていただいたところでございますが、基本的にはDPC評価分科会は評価方法の考え方を検討する場であって、具体的な財源の考え方については、中医協総会のほうで議論が行われると考えておりまして、当然、そちらのお話につきまして、こちらで御意見を伺うことは可能なのですけれども、議論の中心は中医協総会のほうになると考えておるところでございます。

 激変緩和措置のほうも、基本的には中医協総会のほうで議論されるべき議題と考えておりますが、御意見があったということは事務局として承りたいと思います。

○小山分科会長

 どうぞ。

○美原委員

 もう決まったことなので今さらと思うのですが、やはり違和感があるのでコメントだけお話しさせていただきたいのですけれども、機能評価係数IIにおける保険診療指数のことです。大学病院の先生がどこかに1年間行くと点数がつくというので、診療の質を高めるために非常に重要だということはわかるのですが、そのとき伏見先生が、それは違うのではないのと。両論併記ということになって気になったのですが、例えば、保険指導医がなしとありで、保険指導医があるほうがいいというのが10ページに書いてありますね。「保険診療の質を高める上で有効であることが示唆されている」という根拠がこのグラフだろうと思うのですが、これは統計学的に推計されていませんね。すなわち、有意差は出ていないわけですね。ですから、そこのところで、よく見ますと保険指導医なしのほうが非常にばらつきが多いわけですから、きっちりと統計学的にやっておかなければ、差があるとは言えないということが1つと、もう一つは、どうしてこれが関東信越厚生局管区内だけなのだろうか。どうして全部の病院についてやらないのだろうかなということを思ったわけです。決まったことですので何度も言わないのですが、そんなことを思いました。

○小山分科会長

 事務局、何かお答えはありますか。

○事務局

 事務局でございます。

 nがかなり少ないので、なかなか有意差が出にくいのかなと思います。あと、なぜ関東信越厚生局のデータになっているかの背景についてでございますが、保険指導医を雇うのは地方厚生局でございまして、データを集める際に、関東信越厚生局のほうに依頼をしてデータを集めましたので、このような形で取りまとまったというところでございます。

○美原委員

 よろしいのですけれども、でも、それであるならば、やはり統計学的に有意差がないものを「差があると示唆される」と書くのは適切ではないと思います。

○小山分科会長

 御指摘、伺っておきます。

 ほかにいかがでしょうか。

 金田委員。

○金田委員

 ただいまの保険診療指数に関してですけれども、これは私の個人的な推測かもわかりませんが、社会保障制度改革国民会議の中で「競争から協調へ」という流れが打ち出されて、地域医療ビジョンをつくって、都道府県単位でデータに基づいて医療資源を適正配置する、高額医療機器も適正配置する流れにある。そういうことになれば、やはり適切なデータは保険診療上非常に重要な意味を持ってくる。そういう意味からこれになったのではないかと思うので、これはやはり国民会議の大きな流れに沿うものではないかと考えます。

○小山分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがですか。

 どうぞ。

○樫村委員

 これは1つお願いなのですけれども、今回、様式1が、随分いろいろな項目がふえて、これをうちの診療療法管理士に聞いても、やはりかなり大変だということで、やっているとおなかいっぱいになりそうだというぐらい大変かなと思います。それでもやはりこれが必要だということをこの会が示したわけですから、要するに、その一つ一つの項目にどういう意味があって、これが書かれることで制度がどうよくなって、どう利用されるのかということが現場にわかるように、周知の際にぜひそういう周知の仕方をしていただきたいと思います。

○小山分科会長

 事務局、大変重い課題が与えられたと思いますが、よろしくお願いいたします。

 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。

 どうぞ、石川委員。

○石川委員

10ページと11ページのところの議論が少し出ていますけれども、何回か言わせていただきましたが、医師の研修のところ、あるいは医学生のところからこういった知識を十分に習得していかないと、ますますこれが複雑化していく中でどんどん乖離していってしまうと思うのですね。同じことは介護保険のところでも言えるのですけれども、介護保険もすごく複雑になっていまして、今、我々が最初から見てきた介護保険よりもっと難しくなってきて、医師のトレーニングの中で相当入れ込んで教育しない限りは、介護保険に精通できない医師ができてしまう。あるいはこういう保険診療も同じだと思うのですね。ですから、ここは大学の先生方がいっぱいいらっしゃいますので、ぜひ教育の現場だとか医師研修のところで十分にこういうものをちゃんと取り入れるようにお願いしたいと思います。

○小山分科会長

 ありがとうございます。努力しますと言っていいですね、瀬戸委員。

 恐らくこういう問題は、国試に出てくるとすごく影響が大きいのですね。ですので、恐らく保険診療に関しても国試に少しずつ出ておりますので、そういった面でも啓蒙できるかと思います。先生、どうもありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 いよいよ最後になりましたけれども、これで本日の議論は全てでありますが、次回の日程等について、事務局から何か連絡事項はございますでしょうか。

○事務局

 事務局でございます。

 本日は御議論ありがとうございました。次回の開催についてですが、来年度を予定しております。よろしくお願いいたします。

○小山分科会長

 来週の水曜日にこれを中医協に報告してまいります。そこでまた大きな議論、疑義が出れば、場合によってはもう一回開くということもあるかもしれませんけれども、とりあえずは今年いっぱい、いろいろお世話になってありがとうございました。かなり大きくかじを切ったものだと思いますので、本当に皆さんのいろいろな御意見をいただきまして、ありがとうございました。

 では、本日はこれで終わりにいたしたいと思います。雪も降るということですので、1時間早いのですけれども、これで終了いたしたいと思います。どうもありがとうございました。


16:05 閉会


(了)
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