ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会薬価専門部会)> 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第96回議事録(2013年11月27日)
2013年11月27日 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会 第96回議事録
○日時
平成25年11月27日(水)12:00~12:49
○場所
厚生労働省講堂(低層棟2階)
○出席者
西村万里子部会長 印南一路部会長代理 牛丸聡委員 関原健夫委員 |
矢内邦夫委員 白川修二委員 花井圭子委員 石山惠司委員 |
安達秀樹委員 中川俊男委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員 |
加茂谷佳明専門委員 土屋裕専門委員 吉村恭彰専門委員 |
坂巻弘之参考人 岩佐孝参考人 古賀典之参考人 |
<事務局> |
木倉保険局長 神田審議官 宇都宮医療課長 佐々木医療課企画官 |
竹林保険医療企画調査室長 近澤薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他 |
○議題
○平成26年度薬価制度改革に向けた全体的な論点整理について
○市場規模予測について
○議事
○西村部会長
それでは、皆さんそろいましたので、始めます。ただいまより第96回「中央社会保険医療協議会 薬価専門部会」を開催いたします。
委員の出欠状況について報告します。緒方参考人が御欠席です。
それでは、議事に入らせていただきます。
これまで薬価専門部会で御議論いただいてきました論点について、議論がほぼ一巡しましたことから、今回、これらの論点整理の方向性について取りまとめた資料が事務局より提出されています。
まず事務局から説明をお願いいたします。薬剤管理官、資料説明をお願いいたします。
○近澤薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
それでは、中医協薬-1をごらんください。
「次期薬価金制度改革に向けた論点整理について(案)」ということで、こちらのほうで、おさらいをさせていただきたいと思います。1年強、議論をさせていただいたことについて、おさらいをさせていただきたいと思います。
2ページをごらんください。きょうの構成ですが「○1新医薬品の算定について」「○2後発医薬品の算定について」「○3長期収載品及び新薬創出・適応外薬解消等促進加算、他について」でございます。
3ページは「○1新医薬品の算定について」でございます。こちらですが、1つ目として、規格間調整ということで、1週間に1回の製剤が1カ月に1回になって、その分、分量がふえている。特に製剤上の工夫がないものに対しての算定方式ですけれども、0.5850という数値を使ってはどうかという方向性になっております。
4ページの医療用配合剤でございますが、市販品のプソイドエフェドリンを配合しただけの製剤という、混合の配合剤でございますけれども、こちらの算定に関しては、そのような新規性のない配合成分については、薬価収載されている単剤のみの薬価としてはどうかということになっております。
5ページですけれども、ラセミ体のルールでございます。単に薬価収載されて長期間経っているものだけで除外理由になるのであれば、見直すべきという指摘を受けまして、基本的には(ロ)の高い有効性、安全性を有することが客観的に示されているものだけをルールから除外するような形にしております。
6ページでございますが、外国平均価格調整でございます。こちらですが、それぞれ調整の幅が引き上げと引き下げでばらついておりましたので、それを統一して、25%としてはどうかという意見でございます。
7ページは、最高価格が最低価格の5倍を超えるものは除外する、いわゆる5倍外しというルールがございましたけれども、こちらを3倍外しにしてはどうかということで、御議論をいただいております。
8ページになりますけれども、外国平均価格調整の○3でございます。国内で原薬や製剤の製造が行われている場合には、製剤輸入に比べて、より詳細に積算されているということで、製造に必要な経費が積み上げられていることから、外国平均価格調整の対象から除外することとしてはどうかという御議論がございました。
9ページから14ページは、関連してございます。
9ページでございますけれども、画期的な新薬が予想されるのかどうかということに関して、事務局で考えられるものについて、簡単にまとめさせていただきました。
アメリカのFDAでは、Breakthrough Therapy指定というものを行っておりまして、9ページにあるように、3つの製品を例示しておりますけれども、こちらが重篤もしくは致死的な疾患の治療のため、今、得られている情報から、既存の治療を超える改善が示されるだろうということで、指定を受けておりまして、現実にはFDAの審査官と開発の段階から意見交換や相談、助言ができるという形で示されております。
このような画期的な新薬も控えているという状況でございます。
10ページでございますが、総合科学技術会議の有識者議員提出資料ということで、革新的医薬品の開発を進めるべきである。
それから、○3でありますけれども、再生医療についても期待されているということで、iPS細胞、ES細胞などもございますが、細胞を利用するようなものも出てきている。
その例示としまして、10ページの一番下にございますが、PMDAにおきましても、24年10月1日より新たに組織改編を行いまして、再生医療製品等審査部を設立しておりまして、画期的な技術を用いた再生医療製品の相談、審査のための強化をしている状況にございます。
11ページでございますけれども、以前より、特に安達委員から、加算についての定量的な評価をちゃんとしてほしいという御指摘がございました。11ページにございますけれども、主任研究者を北里大学薬学部の成川先生にお願いしておりまして、加算率の定量的な算出法に係る研究を既に始めております。最終的な報告が出るのは、26年3月までにはでき上がるという予定でございます。
定量的な評価のイメージでございますが、12ページになりますけれども、2つ例示を挙げております。
左側には、有用性加算(2)でA=10%、トラムセット配合錠というものがございます。
それから、有用性加算(2)のA=5%として、リクシアナ錠がございます。
2つとも真ん中辺に下線を引いておりますけれども、加算の評価としては、当該収載品の対象となる疾病または負傷の治療方法の改善が客観的に示されていることの条件を満たしたということです。
具体的にどんなものであったかといいますと、トラムセットに関しましては、下に3つ●がありますけれども、そのうちの上に、用量を低減することによって、副作用の軽減が期待される。右側にいきますが、副作用の軽減がポイントとして上がります。
それから、既存成分の単剤投与を上回る鎮痛効果が証明されたということで、類薬に対する優越した有効性が挙げられる。
下のリクシアナに関しましては、従来のXa阻害剤が注射薬であったところ、経口投与可能なものとして初めて出したということで、侵襲性の軽減なども考えられるということです。
右側を見ていただきたいんですけれども、それぞれ項目としては、副作用の軽減ですとか、類薬に対する優越した有効性、侵襲性の軽減がございますが、副作用に関しては、副作用の軽減の程度にもよりますし、もともとの副作用がシビアなものかとか、いろんなものがございますので、それを定量的なポイントとして、右側に○○ポイントとありますけれども、ポイント制みたいなもので、定量的なものはできないか。
過去の実績をもとに検討して、今後の定量化に生かしていくということで、こちらの研究を進めていただいております。
13ページ、14ページになりますけれども、算定組織から意見がありました。現在、原価計算の営業利益率は+-50%ですけれども、改正案というか、提言としては、+100%まで上げてはどうか。
ただし、13ページに赤でくくっております、対応の方向性の中にありますけれども、定量的な評価手法を導入することを前提に、営業利益率の拡大をしてはどうか。
2つ目の◆がありますけれども、費用対効果の議論は、費用対効果評価専門部会で議論しておりますので、そちらとも並行して、その推移も見つつ、検討していくというのは当然のことだと考えております。
14ページになりますけれども、世界に先駆けて日本で承認をした場合の評価でございます。
対応の方向性でございますが、新規作用機序を有する新薬で、世界に先駆けて日本で承認を取得した場合に関しての評価は、画期性加算、有用性加算を受けた品目に対して評価する。前回の議論のときには、単に新規作用機序で、世界に先駆けたものを評価してはどうかという話だったんですが、それに関しては、加算を受ける有用なものに関して、評価してはどうかという形で書いております。
2つ目のポツになりますけれども、加算率の定量的な評価の導入も前提としますが、加算率は市場性加算と同じように、固定式で10%としてはどうかということでございます。
15ページは「○2後発医薬品の算定について」でございます。
現状は、新規に収載するときは0.7掛けで、10品目を超える場合は0.6掛けになっております。前回の議論を踏まえまして、0.6を基本として、10品目を超えたら0.5、もしくは全体的に0.5はどうかということでございます。
16ページは、既収載後医薬品の薬価改定についてでございますが、下にございますけれども、現行のルールでは、多数の価格帯が存在する。
価格帯を削減するということで、右側にございますけれども、30%以下の品目は統一名・統一価格、それよりも上のものに関しては、○の価格帯とあります。幾つの価格帯がいいのかというのは、基本的に価格帯をどこまで削減するかということを前提にして、御議論をいただきたいと考えております。
17ページ以降は「○3長期収載品及び新薬創出・適応外薬解消等促進加算、他」でございます。
前回の御議論を踏まえまして、17ページの対応の方向性でございます。Z2についてでございます。一定期間についてというのは、後発医薬品が収載されてから5年経過した後のものを対象にしてはどうか。
ただし、2つ目にありますけれども、25年度の薬価調査の結果を踏まえて、以下について検討してはどうか。
1つ目としまして、適切な置きかえ率はどこの数字を用いたらいいのか。
○2として、特例的な引き下げをするときの引き下げ幅をどう考えるか。こちらも安達委員から指摘がございましたけれども、要するに5年後を経てすぐに対象になるものと、10年経つものの違いもあるし、もともと5年で60%というロードマップのことも、0から60%ではなく、40%から60%という傾きも違うので、どちらにしても、薬価調査の結果を踏まえて検討してはどうかということでございます。
3つ目でございますけれども、強制的な特例の引き下げとして、既に導入されているZと、今度議論しているZ2の取り扱いについても検討してはどうかということでございます。
18ページになりますけれども、真ん中辺りにありますが、Z2を導入することを前提としまして、新薬創出・適応外薬解消等促進加算を制度化することとしてはどうか。ただし、運用に当たりましては、実際の加算によって得た研究開発がちゃんと進んでいるのかどうかというのは、当然改定ごとに確認することとしてはどうかということでございます。
一番下にございますけれども、19ページを見ていただきたいんですが、1、2がございます。
新薬創出加算の関係で使われるべきものとしては、1、真に医療の質の向上に貢献する医薬品の国内研究・開発費。対象としては、小児、オーファン、あるいは難病など、アンメットニーズへの対応です。
2として、医療上必要性の高い未承認薬等検討会議において要請されたり、公募品目として挙げられたものに対する開発費が挙げられておりますが、こういうものの対応が考えられます。
18ページに戻っていただきまして、対象となる品目ですけれども、今、説明をいたしましたI、要するにアンメットニーズですとか、オーファンドラッグに関して、研究開発をするという希望をちゃんと持っている、実際にやりますという企業だけを対象としてはどうかとしております。
19ページでございますけれども、改定ごとに研究・開発費を適正に使っているかどうかというのは、19ページにあるような、1、2についての研究・開発費をチェックするということで、考えてはどうかということでございます。
20ページ、21ページでございますが、前回の議論のときに、事務局より現在の算定ルールの中には、医療上必要性の高い医薬品の安定供給のための制度として、不採算品目再算定と最低薬価制度がございますということを説明いたしました。
20ページをごらんいただきたいんですが、前回の改定のときに、不採算品で引き上げたものとしては、主に注射薬が多かったということで、こちらにあるような、68成分、296品目が対象になっております。
状況を確認しましたところ、21ページを見ていただきたいんですが、もともと最低薬価の制度の中にある最低薬価というのは、1管または1瓶ということで、右側の絵にありますけれども、小容量のアンプルとか、バイアル製剤を念頭に置いていたことがございまして、実際に不採算品再算定で挙げているものの多くが、左にあるような大容量の輸液バッグであったということですので、輸液バッグに着目しまして、容量に応じた最低薬価を設定する方向で、検討していってはどうかということでございます。
今までの御議論を今回おさらいとしてまとめさせていただきました。
以上でございます。
○西村部会長
御説明ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に関して、質問等がありましたら、お願いします。
安達委員、どうぞ。
○安達委員
今までのものを整理していただいて、私がお願いした意見等も御紹介いただきましたので、ここで多くを申し上げることはないんですが、1つは、11ページの定量評価の件です。ここは日本の薬価を決めるルールの上で、非常に曖昧なところで、はっきりしていただきたいということを申し上げてきました。こういう取り組みをしていただいているということは、それを多とするわけでありますけれども、これは薬剤管理官にお聞きしたらいいのか、参考人にお聞きしたらいいのかわかりませんが、過去にもこういう試みはあったはずなんです。ですが、なかなか成案ができなかった経緯があるのではないか。それが来年3月までにまとまるという確信がございますかというのが、管理官にお聞きする御質問です。過去に成案に至らなかったことで、こういうふうになっていることについては、参考人に御意見を伺いたいと思います。それが1点です。
それから、14番の世界に先駆けて云々というところは、今の提案だと、有用性加算(2)の1つの加算要件に、さらにこれを加えるということですね。それで、そのほかの条件として、画期性加算及び有用性加算と書いてありますが、有用性加算(1)で評価されたと読んでよろしいのですかということになりますが、これが御質問であります。
最後の21ページは、前回、業界の皆様方から御意見、実情も陳述していただきましたので、状態に関しては理解をいたしました。この方向でいいのではないかと思います。
まずは以上でございます。
○西村部会長
それでは、薬剤管理官の質問に対して、お願いいたします。
○近澤薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
11ページの定量的な評価でございますが、確信があるかと言われましたら、確信がかなりあると御説明させていただきたいと思います。
○西村部会長
2点目の14ページのスライドについては、いかがでしょうか。
○近澤薬剤管理官
14ページの点でございますが、当初、算定組織は、有用性加算(2)の要件に追加してはどうかということでございましたが、業界からは、独立した評価にしてはどうかという意見がありました。
医療機器のほうでも、世界に先駆けて、日本に導入することの評価がございまして、それを考えましたところ、まずは独立した評価、要するに世界に先駆けて薬理作用類似薬で、日本に一番最初に持ってくるものに関しての独立の評価として考えております。
ただし、それは新規作用機序で、日本で初めてに導入しただけではなくて、画期性加算あるいは有用性加算、加算を受けるいいものしか対象にしないということを考えております。
○西村部会長
わかりました。
最初の御質問について、参考人の方々からございますか。過去の試みの定量評価について、古賀参考人、お願いいたします。
○古賀参考人
参考人の古賀でございます。
このような加算要件、加算率の決定に係る具体性を持たせた定量化につきましては、過去、私どもの業界内部で一度スキームをつくるべく試みたことがございまして、きょうの御提案にあるポイントシステム、それとは別のコンセプトに基づくスキーム、2種類ほどスキーム化を試みましたが、最後の段階で、各疾病領域での特性、あるいは重篤性、医療上の必要性、そういったところの比重のかけ方が、私どもの知恵ではなかなか決定できませんでした。妥当な案を決定できなかったということがございまして、最終的には、具体的な提案を断念した経緯がございます。
以上でございます。
○西村部会長
ありがとうございます。
よろしいですか。
安達委員、どうぞ。
○安達委員
ありがとうございました。
14番について1つだけ意見を述べますけれども、薬価算定組織の意見として、世界に先駆けて日本で承認を取得した場合とあって、イノベーションを評価するための加算要件と書いてあるんですが、国内で最初に発売する、承認をすることだけが、イノベーションの評価なんでしょうかということは、根本的な疑問でございます。
製薬企業は、今、グローバル企業活動の中で、それぞれ世界中の疾患に対してしのぎを削って、新薬の開発をしている状況にあると理解しておりますが、そういうときに、日本で開発する、あるいは米国の会社が開発して日本に持ってくる、どちらでもいいんですが、日本だけが先に承認をすることについて、なぜその評価が要るのか。もっと言うと、製薬企業という資本主義の中での会社経営としての企業ではあるけれども、一方では、医療にかかわる大切な治療薬等を提供するという、ある意味の公益性を持っている企業が、日本人だけ優先されたら加算をつけるということになるのかという、根本的な企業本来の役割からしても疑問があるんですけれども、それはどうなんでしょうか。これはむしろ製薬業界の方々の代表に御意見をお伺いしたいと思います。
もう一点言いますと、これがドラッグラグ対策だと言われるお話がありますけれども、今、ドラッグラグの中で、審査によるラグ等々は、相当改善をされて、短縮されていて、一番大きいのは申請ラグだと言われています。こういう言わば加点をつけたことで、馬に人参をぶら下げるように、申請ラグのほうは、本当に縮まりますか。日本の発売前の治験等々の手続をもう少し簡略化することが、一番申請ラグを小さくするポイントなのではないでしょうかと思いますけれども、その辺は、製薬業の参考人の皆さん方はどう思っておられるのかということをお聞きしたいと思います。
○西村部会長
加茂谷専門委員、お願いします。
○加茂谷専門委員
加茂谷でございます。
安達先生御指摘のとおり、企業の立場からいたしますと、今、世界同時開発を各企業が進めている中にあって、どの国から上市をするかというのは、その国におけるマーケットの状況、さらにはその国におけるプライシングの状況等を勘案いたしまして決定している状況にあると思います。
その観点で言いますと、例えばその国、特に日本における創薬環境が非常によくなっているとか、あるいはこのようなインセンティブをつけていただくこと、新薬創出等加算につきましては、日本における開発投資が先行した形で進むようになったということを、本会でも何度となく御紹介申し上げたところでございます。
こういう観点から言いますと、私どもいたしましては、世界同時開発、世界の人々に有用な薬をという基本的な考えはもちろんありますけれども、ドラッグラグの解消という話をこれまで議論してきた中にありましては、世界に先駆けて日本が最初の上市国としての評価があることは、各企業のインセンティブになり、モチベーションが上がるということで、歓迎させていただきたいと思いますし、その方向で、私ども企業も頑張っていきたいという気持ちを持っているところでございます。
○西村部会長
安達委員、どうぞ。
○安達委員
私ばかりで申しわけありませんが、1つ言い忘れました。重要な点ですので、追加させていただきます。
18ページの2つ目の◆の最後の行です。「新薬創出、適応外薬等の解消の促進を図る当該加算を制度化することとしてはどうか」という、霞が関文学みたいな、おかしな単語が突然出てきます。従来言われた恒久化と制度化というのは、違うんでしょうか。
○西村部会長
薬剤管理官、どうぞ。
○近澤薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
ストレートな答え方が難しいんですが、試行を2回行っておりますし、制度化することによって、きちんとした制度化ということです。
ただし、そこは考え方として、無条件ではないということをかなり大事にしておりまして、そういう意味で、3つ目の◆にありますけれども、新薬創出・適応外薬解消等促進加算が試行でも入っていたときのもともの考え方は、研究開発で日本の患者さんのためになるようなことをしっかりしてほしいということがありますので、それは改定ごとに毎回絶対に確認するということを含めて、あわせて、こちらのほうは、引き続き御議論をお願いしたいと思っております。
○西村部会長
よろしいですか。
○安達委員
今の御説明ですと、恒久化と同じ意味だと受け取らざるを得ないんですけれども、それについては、今後の議論ということですので、改めて議論させていただこうと思います。
○西村部会長
ほかにございますか。
石山委員、どうぞ。
○石山委員
原則論を言うのは、今の時期どうかとは思いますけれども、本来、世界に先駆けて承認を得るような画期的な新薬を開発するというのは、理念型で見ると非常に格好いいことを言っていますが、製薬業界のトータルで求めているのは、診療報酬からの補填です。本当にいいのか、こういう大事な話であれば、基本に戻って、国家が戦略上の判断で、補助金なりでやるのが筋ではないかというのが、まず大前提として思っております。
ただ、それは非常に難しい問題なので、加算に限って話してみますと、いろんな意味から見て、新薬創出加算の制度化というのは時期尚早です。
4つ目の◆を見ますと、次ページに1と2が書いてあるんですけれども、これは1に限定していくんですね。そうなると、現在の700億弱の金額自体に対する影響はどうなりますか。
○西村部会長
薬剤管理官、どうぞ。
○近澤薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
1に限定というのは、対象となる会社をIに限定することになります。ですので、どちらにしても、2に関しては、未承認薬検討会議で要請される話になりますから、こちらをやっていただくのは当然のことです。しかも、金額に関しては、1と2はちゃんと見ていきますけれども、1のようなことをやらない企業に関しては、最初から加算の対象にはしないという考えで臨みたいと考えています。
○西村部会長
続けて、どうぞ。
○石山委員
そうなると、1の対象会社というのは、かなり限定されていきますね。現実においても、手を挙げているところと、挙げていないところがあるものですから、1の対象会社が具体的にどこかというのは、質問するつもりないんですけれども、金額的に見たら、加算の額はかなり減っていくと思います。
○西村部会長
薬剤管理官、どうぞ。
○近澤薬剤管理官
申しわけございません。金額の加算というよりも、対象となる企業は、ちゃんとやる気のある企業しか対象にしないことになりまして、金額に対しては、例えば2年ごとの検証のときに、個別具体的に見ることはできると思います。
○石山委員
私は老婆心ながら言ったので、対象とする企業をシビアに限定していただくのはありがたいんです。でも、それが本当に現実に即しているのかという疑問があったもので、質問しました。
以上です。
○西村部会長
手を挙げられていた、白川委員、どうぞ。
○白川委員
今回まとめていただいた中で、対応の方向性と書かれております部分について、今までも幾つかの点については、意見を申し上げておりますが、改めて何点か指摘をさせていただきたいと思っております。
1つは、8枚目のシートの原価計算方式で、国内の原薬で製造が行われている場合は、外国平均価格調整の対象から除外することにつきましては、以前も申し上げたとおり、原価がはっきりするから、これでいくのだということになれば、外国平均価格調整とは何なのかという、本質論にかかわる問題だと考えておりまして、この件について、私は納得しておりません。
14枚目でございます。これは安達先生も質問されましたが、日本初、世界に先駆けて新薬の承認を取得した場合の加算でございます。日本再興戦略とか、そういったことも気にされながらの提案だろうと思います。そういうことを診療報酬でやるのかという議論はあるかと思いますし、やるとしても、例えば有用性加算と画期性加算を受けたものに限定されておりますが、画期性加算はともかく、有用性加算は1と2があって、たしか2の加算は5%からで、そういうものまで対象にするのは、いかがなものかという感じがしております。やるとすれば、有用性加算(1)以上とか、そういう形ではないかと思っております。
16枚目のシートでございます。下のポンチ絵で改正案が出ております。これも以前に申し上げたとおり、一物一価という考え方をすれば、ジェネリック医薬品についても、同じ効能であれば、同じ値段です。ですから、統一していくのだという方向は、ぜひ確認をしていただきたいと思っております。そうは言うものの、現実的に、今、価格帯は6つとか、7つに分かれているものもあると思いますので、この辺は薬価調査の結果が近々発表になると思いますので、薬価調査の結果も見ながら、幾つかのステップを踏んで、最終的には統一価格にしていくという道筋を、この部会でも議論させていただきたいと思っております。
17枚目の長期収載品につきましても、以前から申し上げているとおり、ZとZ2の一本化と書かれていますが、私どもとしては、Zは残したままで、Z2を新たに導入することがリーズナブルだと考えております。
18枚目の新薬創出加算につきましては、支払い側として、意見をまとめたわけではございません。ただ、以前から申し上げている疑問点がまだ解決していません。
今、石山委員から話がありましたが、19枚目の1と2の比率が変わってきているという問題、薬価の維持は平均乖離率を基準でやっていて、そのことと新薬の創出あるいはドラッグラグの解消に対する貢献とがマッチしない、つまり、全くリンクしていない基準になっている。そういったことを解消する仕組みが必要です。
18枚目の最後には、そういう開発を行っている企業に限定するのだと書かれておりますが、これで私が申し上げた疑問が全部解決するのかというと、決してそんなことはないと思っておりますので、これにつきましては、もう少し議論をさせていただいた上で、制度化するかどうかを決めるべきだと考えております。
医療上必要性の高い医薬品の話でございます。21ページで、特に輸液、注射薬等について、容量に応じた最低価格を設定する方向というのは、このとおりだと思いますので、これについては賛成をいたします。
その他、前回は生薬から目薬まで出て、私は唖然としたのですが、それ以外のことについては、現行の不採算品再算定の仕組みであるとか、最低薬価制度で十分にカバーできると考えておりますので、事務局の案を支持いたします。
○西村部会長
今、6点挙げていただきましたが、御意見でしたので、承っておきたいと思います。薬価調査の結果を見ながら、継続議論ということも出されておりました。
矢内委員、どうぞ。
○矢内委員
私も石山委員、白川委員と重なるところがありますが、意見を述べさせていただきます。
15ページの後発医薬品の算定については、前回も申し上げたところですが、新規の後発医薬品の価格設定は、相当程度引き下げていくべきだろうと思います。
また、価格帯、品目数について、ここは患者や医療現場の理解、信頼確保のために、ある程度品目を絞り込むということをやっていかざるを得ないのではないか。この辺につきましては、診療側の委員の方々とも意見が一致するところではないかと思います。
16ページの具体的な提案については評価いたします。ただ、改正案の図の緑色の部分の上の価格帯については、品質確保の情報提供等を一生懸命やっていただいている製薬会社さん、医療機関の関係者さんに一定の信頼を得ているメーカーさんは、極端に低い価格帯のところと一緒になって、加重平均をされてしまいます。それがいいのかどうかというのは、これから少し議論しなければいけないところだと思います。全体を弱めてしまうことにならないかどうかということも、考えなければいけないと思っております。
したがって、提案の30%以下の品目を統一名と統一価格に収載する極端に低い価格の集約化につきましては、その方向性で理解できますが、上のところは、これからの議論で詰めればいいと思います。例えば2つぐらいの統一価格にして、先ほど申し上げたような趣旨を反映する設定にすることも考えられるのではないかと思います。
もう一つ、新薬創出・適応外薬解消等促進加算です。18ページは先ほどから御意見がたくさん出ていますが、新薬創出・適応外薬解消等促進加算というのは、制度化を恒久化と解釈しますと、制度化するに当たっては、十分な検証をすることが前提だという中間取りまとめになっています。ですが、今の状態では検証がちゃんと終わっていないのではないかと思っております。
以前、業界から提出いただきました、研究・開発費の状況については、極めて高い企業秘密があるので、事務局としては中身を精査することが難しいのではないかという御説明をいただいておりますが、この間、出されています研究・開発が真に医療の質の向上に貢献する医薬品だったのかを把握されているのかどうか、明らかでないと思っております。
また、加算を受ける一方で、要請も受けていないし、公募もしていない。こういう会社がたしか28社あるということでしたが、これについては、加算を何に使ったのかということについても明確になっていないのではないかと思っております。
18ページの3ポツ目に、今後、改定ごとに確認の作業をやるとあります。これは19ページの研究・開発費の合計が、加算総額以上であることを確認することを意味しているのではないかと思うのですが、仮に下回ってしまった場合にはどうするのかということも問題であると思います。
そういったことを踏まえて、先ほどお話にありましたように、真の医療の質の向上に貢献する医薬品かどうかという点について、ある程度明確な基準が必要だと思いますので、今のようなお話を総合いたしまして、少なくとも、現状は制度化に対しては賛成できないというか、反対していかざるを得ない状況ではないかと思っております。
以上です。
○西村部会長
ありがとうございました。御意見として承っておきたいと思います。
ほかにございますでしょうか。
吉村専門委員、どうぞ。
○吉村専門委員
既収載後発品の薬価の改定につきまして、今、矢内委員から御意見がございましたけれども、私ども流通の立場から、後発品の使用促進のために、収載品目の縮小を要望してきたところでありまして、今回の案というのは、その方向で進んでいるものと考えています。しかし、30%を超えるものの価格帯をどのタイミングで、どの程度削減するかについては、十分かつ慎重な検討をお願いいたしたいと思います。
私どもの営業の現場での後発品の販売状況を見ましても、薬価が低いからとか、あるいは取引条件がいいからということだけで、後発品が使用されているとは思われません。処方される先生、あるいは調剤をされる先生が安心して使える、信頼のおける後発品が使われているんだろうと思われます。今回の改定で30%以上の後発品の薬価を一気に一本化する、あるいは極端な少数に絞り込むことになりますと、恐らくさまざまなモラルハザードが生じる可能性があって、後発品の使用促進にマイナスに働く可能性もあると考えられます。信頼を築くための努力でありますとか、後発品に対する各企業のスタンスと市場実勢価格である薬価が、ある程度連動しているということを御理解いただいて、後発品の今後の使用促進、あるいは流通の効率化につながる価格帯数の削減を検討していただきたいと思います。
○西村部会長
ありがとうございました。
時間も押しておりますし、もう一つ議題がございますので、本件について議論はこれまでにさせていだたきたいと思います。
薬価調査が出ますので、その結果を見まして、継続的に議論を進めていきたいと存じます。よろしいでしょうか。
そして、事務局より改革の骨子案を作成していただくようにしたいと思います。
薬剤管理官、どうぞ。
○近澤薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
どちらにしても、このまま継続的に議論を進めていただきたいと思いますけれども、一応おさらいをさせていただきましたので、このおさらいに関して、業界から意見を求めるような場を次回お願いできますでしょうか。
○西村部会長
業界から意見聴取ということが出ておりますけれども、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○西村部会長
それでは、本日の議論を踏まえまして、業界団体からの意見聴取の場を設けたいと思いますので、御準備をお願いいたします。
それでは、この議題については、以上とさせていただきます。
続きまして「○市場規模予測について」事務局より資料が提出されています。
資料の説明をお願いします。薬剤管理官、どうぞ。
○近澤薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
それでは、中医協薬-2をごらんください。
こちらは石山委員から御指摘がございました、最後の残りの宿題でございます。市場規模の予測がどれくらい合っていたかということでございます。
2ページをごらんください。原価計算方式で採用されたものですけれども、そちらのほうが、過去5年で71成分ございます。
こちらにつきまして、市場規模予測との比較をしたのが、3ページ、4ページにございます。
予想の範囲内というのが3ページでございますけれども、63%以内です。それから、2倍を超えないものが、大体90%になっております。2倍を超えたものが10品目程度あったということが、3ページでわかります。
その結果をさらに詳しく分析したものが、4ページでございますけれども、上に市場拡大再算定対象範囲とありますが、○6○7○10○4が実は予想以上に伸びていまして、市場拡大再算定になっております。実際には24年度の改定において、市場拡大再算定で対応しているという結果でございます。
5ページをごらんください。超えた10品目でございますけれども、それぞれ効能追加ですとか、用法・用量の追加をするということで、適応がふえることが原因となっております。市場規模の予測が全く違ったということではなく、そのような状況を踏まえて、市場が拡大している。こちらに関しましては、現行の市場拡大再算定ルールがございますので、今後もこのような品目に関しては、再算定の対象として対応していくということでございます。
以上、これは御報告でございます。
○西村部会長
それでは、ただいまの御説明に関して、質問等はございますでしょうか。
石山委員、どうぞ。
○石山委員
ありがとうございました。いろいろ参考になります。
最後のページのスライド5です。効能追加が市場規模の拡大を結果として招いたというお話なんですけれども、効能追加というのは、もともとの審査の過程で入っていた項目が多いんですか。Aという効能だけではなくて、BとかCとかいった後に追加される効能については、どの時点でわかるものなんですか。
○西村部会長
薬剤管理官、回答をお願いします。
○近澤薬剤管理官
薬剤管理官でございます。
審査の過程でいきますと、開発をしているかどうかというのは、一定程度わかります。ただ、その結果、本当に成功するかどうかはわからないので、どんなふうになるかはわかりません。最終的な結果として、追加をされたことは確認できますので、ある程度はわかります。
○西村部会長
よろしいでしょうか。
○石山委員
ありがとうございました。
○西村部会長
ほかにございますでしょうか。
それでは、御意見、御質問はないということですので、本件の議論はここまでにしたいと思います。
本日予定された議題は以上となっております。
事務局から何かございますか。
○近澤薬剤管理官
特にございません。
○西村部会長
次回の日程等は、決まり次第、連絡をお願いいたします。
それでは、本日の薬価専門部会はこれにて閉会といたします。ありがとうございました。
<照会先>
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代表: | 03-5253-1111(内線)3277 |
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