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2013年12月6日 第4回雇用政策研究会(議事録)

職業安定局雇用政策課

○日時

平成25年12月6日(金) 16:00 〜18:00


○場所

厚生労働省職業安定局第1・2会議室(12階)



○出席者

委員 (樋口座長、阿部委員、黒田委員、玄田委員、佐藤委員、鶴委員、堀委員、宮本委員、山川委員 )

事務局

岡崎職業安定局長、宮野職業安定局次長、宮川職業安定局派遣・有期労働対策部長、内田職業安定局高齢・障害者雇用対策部長、古都大臣官房審議官、藤澤労働政策担当参事官、尾形職業能力開発局総務課長、土田労働基準局総務課長、古瀬労働基準局労働条件政策課調査官、成田雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課長、本多職業安定局雇用政策課長、藤井職業安定局雇用政策課労働市場分析官、高橋職業安定局雇用政策課長補佐

○議事

○樋口座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第4回「雇用政策研究会」を開催いたします。
 お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、黒田委員、佐藤委員が15分ほどおくれて出席と聞いております。
 今回は「正規雇用労働者の働き方について」及び「これまでの主な論点に対する議論の整理について」「労働力需給推計について」の3つのテーマについて御議論いただきたいと考えております。
 なお、3点目の「労働力需給推計について」につきましては、議事の公開の規則にのっとりまして、非公開とさせていただきたいと考えております。また「労働力需給推計について」の資料は、研究会終了後回収いたしますので、あらかじめ御了承ください。
 それでは、まず最初に「正規雇用労働者の働き方について」を議論していきます。
 事務局から資料1−1、1−2を御説明いただき、その後、議論に移りたいと思いますので、よろしくお願いします。
○土田労働基準局総務課長 労働基準局総務課長の土田でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、資料1−1「正規雇用労働者の働き方について(案)」ということで、問題意識、論点を提示させていただいております。
 1点目につきましては、現状ということで書かせていただいております。正規雇用労働者につきましては、企業における中核的人材の絞り込み等も見られる中で、後で紹介いたしますように、依然として長時間労働が見られるということでございまして、男性の30歳代では週60時間以上労働の者が依然として2割近い水準にあるということでございます。
 2点目といたしましては、長時間労働のマイナス面についてどう考えるかということで、記載させていただいております。
 まず、労働者の心身の健康の阻害あるいは幸福度の減退などをもたらすということで、結果として、労働者の士気や生産性の低下をもたらすことにつながるものと考えられるが、どうかということ。
 また、非正規の方が正規雇用になると、長時間労働を強いられる、あるいはそういったことになるのではないかという同様のイメージを持ちまして、正規雇用になることをためらうケースがあると考えられるが、どうか。これまでの御議論の中でもそういった御指摘があったかと記憶しております。
 3点目は、政府のこれまでの取り組みと今後の取り組みについてどう考えるかということでございます。
 これまで「労働時間等見直しガイドライン」の周知・啓発ですとか、あるいは長時間労働の抑制などに取り組みます中小企業事業主に対しまして、助成金の支給などの取り組みをやってきたところでございますけれども、今後、個人、企業、政府がそれぞれの立場でワーク・ライフ・バランスの推進に向けた取り組みを進めていくべきと考えておりますが、どのような取り組みを進めるべきかということでございます。
 続きまして、資料1−2、これは1回目の資料の再掲でございます。
 左側のほうが年間総実労働時間の推移ということで、長期的には減少傾向で推移しているわけでございますが、右側のグラフに見られるように、一般の労働者の総実労働時間は横ばいでございまして、逆にこの間、パートタイム労働者の比率が高まってきているということで、総実労働時間の減少はこういったパートタイム労働者の比率の増大がその要因の一つと考えられるのではないかということでございます。
 3ページ目、週労働時間別雇用者等の推移ということで、これも第1回の資料の再掲でございます。
 週35時間未満の者の比率が高まっている中で、一方で週60時間以上の者の比率が下がっているという状況ではございます。平成24年では週60時間以上働いている方が1割を切っているという状況にはなっておりますけれども、これを30代男性の割合で見てみますと、18.2%ということで、倍ぐらいございまして、引き続き2割近い高水準になっている状況にあるということでございます。
 4ページ目、最近の年次有給休暇の取得率等の推移でございます。
 平成4〜5年ぐらいがピークでございまして、56%を超えるような水準であったわけでございますけれども、その後、長期的に低下してきておりまして、一昨年、ちょっと回復傾向で50%近くになったわけでございますが、昨年またちょっと下がってしまって、24年度につきましては47.1%ということで、近年ずっと5割を下回る水準で推移しているということでございます。
 5ページ、これは各委員の先生方御承知かと思います。労働時間法制の概要ということでございます。
 原則週40時間、1日8時間ということでございますが、例外的な取り扱いということで、弾力的な働き方ということで、変形労働時間制ですとかフレックスタイム制、また、事業場外、裁量労働制等のみなし労働時間制があるということでございます。
 また、法定休日につきましては、毎週少なくとも1回。
 時間外・休日労働につきましては、いわゆる三六協定を労使で締結していただきまして、監督署に届け出た場合には、時間外・休日労働をさせることができるということになっております。
 また、時間外、休日及び深夜労働につきましては、割増賃金の支払いが必要ということでございまして、時間外または深夜につきましては、通常の賃金の2割5分以上の割り増し賃金、休日につきましては3割5分以上の割り増し賃金ということになっております。
 6ページ、ただいまの労働時間制度がどういった割合で利用されているかということでございます。
 弾力的な労働時間制度につきましては、全体の適用労働者の54.7%がこの対象になっているということでございまして、単純な通常の労働時間制度が適用になっている労働者につきましては、45.3%ということでございます。
 その内訳につきましては、一定の期間内を平均して、法定労働時間の水準を満たせばいいという変形労働時間制につきましては、38.7%の方が適用になっているということでございます。
 そのほか、フレックスタイム制については7.9%、事業場外みなし制度につきましては6.6%、専門業務型の裁量労働制は1.2%、企画業務型の裁量労働制につきましては0.3%の労働者の方々が適用になっているということでございます。
 7ページ、これまで厚生労働省として取り組んでまいりました過重労働対策、長時間労働対策の全体像ということでございます。
 まず、労働時間の削減ということで、時間外・休日労働の削減でございます。先ほど申しましたように、三六協定を締結して、届け出た範囲内で時間外・休日労働ができるわけでございますけれども、届出があった際、限度基準に基づきまして、1カ月45時間、1年間360時間を超えないように、現場において監督官が指導しているということでございます。
 また、年次有給休暇の取得促進につきましては、計画的付与制度、労使協定を結びまして、業務との兼ね合いをつけながら年次有給休暇を取得できるようにという、労使が取り決める制度でございますけれども、その活用を促しているということでございます。
 労働者の健康管理に係る措置の徹底ということで、労働安全衛生法に基づきまして、産業医の選任等、健康管理体制の整備ですとか、健康診断の実施を徹底する。また、長時間にわたりまして、時間外・休日労働を行った労働者に対しましては、面接指導を行うように徹底するというような指導をしているところでございます。
 また、一方で、最近メンタルヘルスということも強く言われておりますので、そういった対策の推進もあわせて進めているところでございます。
 3番目といたしましては、これは一昨年ぐらいからやっと端緒についたところでございますが、パワーハラスメント対策も今、普及啓発に努めているところでございまして、職場のいわゆるパワハラの定義を策定いたしまして、公表することで、現在、社会的な機運の醸成ですとか、そういったものに努めているということでございます。
 また、ポスター、パンフレットあるいはハンドブックということで、徐々に対策を今、進めているというところでございます。
 8ページ、2010年に数値目標を策定しております。
 週の労働時間60時間以上の雇用者の割合を、2008年の10%から5割減にするという目標がございまして、直近値では9.1%になったということでございます。
 また、年次有給休暇の取得率につきましては、2020年には70%ということでございますが、直近値は、先ほども47%程度と出てしまっておりますけれども、2011年は49.3%だったということでございまして、なかなか現在厳しい状況にあるわけでございます。
 今後の取り組みといたしましては、現在も取り組んでおります「労働時間等見直しガイドライン」の周知・啓発、それらに基づきます「働き方・休み方改善コンサルタント」によります各種の指導、相談に努めてまいりたいと思っておりますし、また、現在多様な正社員モデルの普及促進ということで、懇談会を立ち上げておりますので、その成果も今後活用してまいりたいと思っております。
 また、年次有給休暇の取得率向上に関しましては、これまでの対策とあわせまして、地域での取り組みを支援するということで、普及啓発活動を今後強化してまいりたいと考えているところでございます。
 9ページ以降は一応参考資料でございまして、内閣府の「ワーク・ライフ・バランスに関する意識調査」をつけさせていただいております。
 長時間労働の抑制を阻害している要因についてどう考えているかということでございますけれども、労働時間が長い人ほど職場の雰囲気につきまして、1人当たりの仕事量が多いですとか、あるいは突発的な業務が生じやすいですとか、あるいは締め切りに追われがちだというような、業務体制に関する部分について課題を感じているという状況が出てきております。特に、一日の労働時間が12時間以上のうち、自分の労働時間の長さについて不満を感じている人につきましては、その傾向が強いということが表れているところでございます。
 10ページ、長時間労働の抑制を阻害している要因として、上司の意識を挙げている方が多いということで、労働時間の長い人ほど、上司が残業している人に対してポジティブなイメージを持っていると感じているというようなことが、こちらの資料から見てとれるということでございます。
 11ページが年次有給休暇取得に対するためらいの状況でございます。平成12年と平成24年の比較でございまして、何らかの形でためらいを感じるという方は、平成12年に比べますと平成24年で減ってはきておりますけれども、それでもやはり3分の2ぐらいの方が何らかのためらいを感じているということでございまして、ためらいを感じる理由、左側の下の四角の中でございますけれども、みんなに迷惑がかかると答えた方が、平成12年より平成24年のほうがふえているという状況になっているところでございます。
 最後の12ページ、これは現在、労働政策審議会のほうで、労働時間法制の見直しが既に始まっているということでございます。日本再興戦略に基づきまして、企画業務型裁量労働制を初めまして、労働時間法制につきまして早急に実態把握調査・分析を実施して、この秋から検討を開始するということが提言されております。
 また、平成20年の労働基準法の改正法に定める3年後の見直し規定に基づきます検討時期が到来しているということでございまして、この9月から労働条件分科会で検討を開始しておりまして、10月30日には再興戦略にありますような実態把握調査の結果を報告しているということでございまして、今後来年の秋に向けまして、精力的に御審議いただきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○樋口座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に基づきまして、御意見、御質問をいただきたいと思いますが、どなたからでも結構ですので、正規雇用労働者の働き方、労働時間に関する問題提起ですが、いかがでしょうか。
 ちょっと質問させていただきたいのですが、先ほどの資料1−1で3つ目の○に「労働時間等見直しガイドライン」の周知・啓発ということで、この内容については、例えば査定のあり方とか、そういったものまで踏み込んだものになっているのかどうかというのは、いかがなのでしょうか。
○古瀬労働基準局労働条件政策課調査官 お答えします。
 査定のあり方、これは長時間労働をさせている上司をどのように評価するかとか、そういったことについて盛り込まれているかどうかという御質問でしょうか。
○樋口座長 正確に言いますと、先ほどの資料1−2で、内閣府の「ワーク・ライフ・バランスに関する意識調査」が出ていて、この中で、社員が、上司が自分をどう査定しているかというところに、ポジティブとネガティブなイメージがあって、特に残業している人に対するイメージですか。やはり、どうも残業するということをポジティブに意識しているのではないかと思っている。そうすると長時間労働が多いですねと。
 今回出ていませんが、有給休暇についても全く同じ傾向が明らかに出ていて、割と有給休暇を多くとっている人に対して、上司がネガティブに思っているのではないかと考えている社員の場合に、有給休暇がとれていないとかという話が出ていたかと思うのですが、そういったものについて、何かガイドラインの中でふれているものはあるのでしょうか。
○古瀬労働基準局労働条件政策課調査官 ガイドラインにつきまして、今、盛り込んでいるところはございませんが、今、動いている話としまして、働き方・休み方改善指標というものを今後開発しようと考えておりまして、その開発の検討の中で、この評価の点も含めて、企業と労働者に調査をかけているところでございます。
 この検討の結果も踏まえまして、指標のほうに御指摘の点も反映できたらと考えております。
○樋口座長 どうも会社のほうを調べてみると、そういった残業時間の長さとか、あるいは有給休暇の多さというのは査定の対象には当然なっていないと考えている企業が多いし、上司が多いのかもしれないのですが、査定される側はそれが見られているのではないかというようなことで、その間に食い違いがありそうだなという結果が出ていて、そこまで政策的に踏み込むのかどうかわかりませんが、そこは1つの労働時間短縮というか、残業時間の短縮とか、有給休暇の取得率の低さとかというようなところで問題になっているのではないかという指摘が聞こえますね。
 そういったところは、今のところはまだそこまで踏み込んだ議論にはなっていないと。
○古瀬労働基準局労働条件政策課調査官 今、調査をしておりまして、これからそれを踏まえた議論になるかと思います。
○樋口座長 食い違いがあって、労働者が一方的にそう考えているということであれば、逆に考課者教育であるとか、そういったところで、会社のほうが含まないと考えているのであれば、そういったものは含まないのだと社員に対して明記あるいは明示したほうがいいのではないか。社員のほうは恐れている。会社のほうはそんなことは見ていないよと言っている。情報の不完全性といおうか、非対称性といおうか、そのことが、ある意味ではこういった問題をなかなか進展しないところにしている1つの原因かなと思うのです。だとすれば、何をもって評価しているのかとかをはっきりさせていくようなことが、政策的にどこまでやるかは別として、解決策の一つかなと思ったもので、そうしたほうがいいのではないでしょうかという。
○古瀬労働基準局労働条件政策課調査官 ありがとうございます。
○樋口座長 ほかにどうでしょう。
 どうぞ。
○阿部委員 以前、私、政策研究大学院大学の黒澤昌子さんと一緒に、自己啓発だったかと思いますが、教育訓練給付金の利用についての分析をやったことがあって、訓練給付金を使っている人たちの特徴というのは、労働時間が短い人なのです。逆に、長時間労働をしている人たちは、当然そんな訓練を受ける時間はないですから、訓練を受けないですね。
 資料1−1の2番目の○で、労働者の心身の健康の阻害とか、あるいは労働者の士気や生産性の低下という問題もあるのですが、長期的に見ると、能力開発にもマイナスの影響がある可能性はあるだろうと思います。
 今、私は個人的には能力開発の問題って非常に難しいなと思っているのは、今までは多分企業が労働者に対して、OJTやOFF-JTを通して計画的に能力開発してきた面もあると思うのですが、それが今度徐々に技術革新が早くなっているとか、競争が激しくなった結果、個人に求められる部分も出てきているところがあるのではないかと思うのです。今、そういう意味で、学び直しとか、そういう議論もあると思いますが、そう考えると、労働時間の問題はそういったところにも影響してくるというところは、問題意識としては持っていてもいいのかなと思っています。
 以上です。
○樋口座長 御意見ということでよろしいでしょうか。
 玄田さん、どうぞ。
○玄田委員 1点は質問で、1点は意見であります。
 資料1−1にある2番目の○で、長時間労働が正社員の生産性の低下をもたらしているかどうかということについて、厚生労働省ではどういうアプローチで調べていらっしゃるのかということが、まず伺いたいところです。
 言うまでもなく、生産性をどうやってはかるかというのは、大変難しい問題ではありますけれども、一義的には、正社員における実質賃金率、労働時間に対して一体どれだけの報酬が支払われているのかということは、経済学等々の前提にすると、生産性を間接的にはかる1つの重要な指標だろうと思っています。
 今、この資料では、毎月の統計の資料を御準備いただいて、御紹介いただきましたが、不勉強で申しわけなかったですが、例えば賃金構造基本統計調査等で一般労働者を見た場合に、一般労働者の実質賃金率はどう推移しているのか。
 労働時間は、これを見ますと2006年以降は若干減っているようには見えます。一方で、賃金はよくわかりません。全体的にはもちろん下がっているのでしょうけれども、パートの影響は大きいでしょうから、正社員に限定した場合に、賃金は、場合によっては労働時間の減り方に比べて据え置きだと、結果的に賃金率が上がっている可能性もないわけではなくて、もちろん一方で、正社員の実質賃金は下がっているかもしれないので、そのあたりはまず賃金構造基本統計調査という大変すばらしい調査があるものですから、そのあたりで正社員の実質賃金率はどうなのか、同じ正社員でも業種や規模等々でどういう動向の違いがあるのかを、まず把握いただいてから議論するほうが、前提条件の共有ができていいのではないか。そういう検討状況について伺いたいということと、もしこれからだというのだったら、そういうふうにお願いしたいというのが1点目です。
 2点目は、お話を伺いながら、どうして今、改めて正社員の働き方がここで議論されるのかなと考えてみた場合に、恐らくいわゆる限定正社員との関係が一つ背景にあるのかなと思っておりました。私は、限定正社員についての厚生労働省の検討状況について全く存じ上げませんので、一体どうなっているのかわかりませんが、当然そこで決まってくるであろう雇用のルール等々のあり方というのが正社員にも影響を与えてくる。場合によっては、限定正社員以外の正社員は、無限定である正社員だという極めて拡大的な解釈が広がることによって、労働時間等の問題も、法的なものを超えて、非常に混乱が引き起こされる可能性があるのではないかなという懸念が背景にあって、こういう議論があるのかなと、多少うがった見方を含めて考えておりました。
 ですので、限定正社員の議論と並行して、それは必然的に正社員の働き方の見直し、ルール化を伴うものだということで議論がなされているとすれば、それは本当に納得のいくものでありますし、その検討状況と常に平行しながら働き方の議論をすることが、今後の政策では重要ではないかなと、こちらは意見であります。
 以上です。
○樋口座長 では、前者にまずお答えいただけますか。
○本多雇用政策課長 時間当たり賃金率ですけれども、今、まさに分析していますというものはないのですが、労働力需給全体のマクロとも関係いたしますので、検討してみたいと思います。
○樋口座長 まず、前者について、いいですか。
○玄田委員 よくないです。
○樋口座長 御質問について。
○玄田委員 ぜひわかった段階で、またいろいろ御教示いただきたいと思います。
 2番目の限定正社員の検討状況とのというのを、もしよければ教えてください。
○土田労働基準局総務課長 限定正社員といいますか、多様な正社員の懇談会でございますが、まさに今、この時間に省内の別の場所でやっております。これも同じように9月から始まっておりますけれども、事業主の方ですとか、あるいは関係団体とか、今、ヒアリング、実態の把握に努めているところでございまして、年が明けてから具体的なあり方を含めて検討してまいりたいと思っております。
○樋口座長 今の問題で、ここでいう生産性というのは、通常1人当たり生産性を議論するのか、時間当たり生産性を議論しているのか、何かあやふやなところがすごくあるのです。1人当たり生産性を念頭に置くことになると、労働時間を延ばせば、それによって1人当たり生産性は上がるのではないかというような認識があって、もちろん残業手当は払われるわけですからコストのほうも上がるわけですが、その問題は実はすごく大きな問題ではないかなと。
 日本で生産性といった場合に、今まで1人当たり生産性で議論してきたというところがあって、そこの問題、時間を延ばせば1人当たりは確かに、よほどのことがなければ増加すると思うのです。あるいは少なくとも減らない。だけれども、それに伴ってすごく代償も払っていることになって、これは会社のほうもそうかもしれませんが、個人のいろいろな制約といった代償も大きくて、いかにして時間当たり生産性を高めていくのかという、特にその中でも付加価値生産性を高めていくのかという視点がないと、この問題は解決していかないのではないかという気がしますが、そこをぜひ、玄田さんは先ほど時間当たりの賃金率と丁寧に御説明いただいたので、そこを検討していく必要があるのではないかなと思います。
○鶴委員 先ほど、長時間労働の問題点ということでお話がちょっとあって、阿部先生から訓練の機会が少なくなるというお話がありました。
 私もそれを聞いていて、ここでも申し上げたことかもしれないのですけれども、長時間労働とジョブサーチの関係はどうなっているのかなということを、把握をされていたら教えていただきたいという感じがします。長時間労働になれば、なかなか職探しに充てる時間が少ない。そうすると、自分が転職したいと思っても、長時間労働だからできないと、そういう状況であれば、さらに長時間という悪い均衡というか、わなから抜け出すことができない。そういうことがアングロサクソンの国などと日本を比べたときの大きな違いなのかなと思うところがありまして、もし、その辺何か御存じのことがあれば、教えていただければと思います。
 以上です。
○本多雇用政策課長 今、御指摘いただいた点なのですが、ぱっと思いつく資料はないのですけれども、またいろいろと御相談させていただきながら探してみたいと思います。
 よろしくお願いします。
○樋口座長 鶴さん、何かあったら。
○鶴委員 いえ、いいです。
○樋口座長 では、宮本さん、どうぞ。
○宮本委員 大変素朴な質問で恐縮なのですけれども、長時間労働の問題を、厚生労働省としては、啓蒙で解決していくことが可能な問題、つまり、無駄に長く働いているのだから理解が徹底することで改善に向かう、その種の問題と位置づけておられるか、何かそれ以外の構造的な問題とでも申しますか、例えば先ほど座長がおっしゃった、評価のベクトルのすれ違いみたいなもの、人事考課制度、例えば業績考課といわゆる情意考課みたいなものの配分、比重が長時間労働とかかわっているとか、あるいはひょっとしたら、もっと根が深いとすると、日本のものづくりのあり方、ガラパゴス的なというか、オールインワン的な、何でもそろっているものづくり、あるいはサービスの質が極めて高い、いつでもどこでも高いレベル。もし、このあたりに1つ構造的な問題があるとすると、これは本当に消費者自身が働く局面で自分の首を絞めていることにもなるわけでありまして、そのあたりからスタートしなくてはいけないということにもなるし、そのあたりの問題構造といいますか、このあたりをどうお考えになっているでしょうか。
 非常に漠とした質問で申しわけないのですが、特に構造的な問題として考えた場合、先ほどの座長の質問と関連するのであれば、人事考課のあり方と長時間労働の関連だとか、消費社会のあり方との関連でいうならば、業態別の長時間労働のあり方だとか、何かそこのヒントになるようなものがあれば、御示唆いただけるだろうかということです。
○古瀬労働基準局労働条件政策課調査官 今のお話の中で、業態別という言葉がありました。網羅的なお答えでなくて恐縮なのですけれども、例えばコンビニ等の24時間営業ですとか、あるいは運輸業でいきますとジャストインタイム搬入ということで、指定された時間にそこにいなければいけないので、それより少し前に着いていなければいけないということで、手待ち時間が非常に長くなるといった、業態別のそういった構造的な要因はあると聞いております。
○樋口座長 雇用政策研究会ですから、しかも直近の話ではなくて、5年、10年を見据えてどう政策を展開していくべきかということとの関連で考えると、むしろ提案をしていただいて、こういった今、認識はどうなっているかという問題はもちろんありますが、直近でなかなか答えづらいところもあるわけで、言っていただいたほうがよろしいのかなと思いますが、どうでしょうか。
○宮本委員 そこは全くこのあたりなのかなと思っている程度のことで、何かその材料があるかということで、御質問しました。
○樋口座長 どうぞ。
○鶴委員 今の宮本先生のお話で、ものづくりのお話をされたのですけれども、日本の自動車とか電機は、よく言われるのは、東大の藤本先生はすり合わせ型ということをおっしゃいますね。非常に各部門が密接に、同時的にコーディネーションを行うことでつくり上げていく。
 これは非常に長時間労働には当然結びついているという理解で私はおりますので、そういうものづくり、生産活動の話と労働時間は、いろいろな形で密接に、企業の組織とか生産工程とか、そういうものをどうしていくのかと労働時間は切り離して考えられる話ではないだろうということなので、御指摘の御視点はすごく重要な視点だと思います。
○樋口座長 どうぞ。
○山川委員 資料1−1の2番目の○については、生産性の話が出ておりますが、この文章を読む限りですと、ここで問題にしている生産性の低下は「結果として」が入っているために、心身の健康の阻害、幸福度の減退の結果としてという意味での生産性の低下という捉え方でよろしいのでしょうか。
 そうすると、かなり限定された把握になってきて、2つありそうな気がするのですけれども、樋口先生が言われたように、時間当たりの生産性の低下という、働き方の効率性の問題がありまして、もう一つはこのような心身の健康の問題もあります。
 その後の「また」のつく文章は、かなり別のことを言っていて、要するに参入障壁といいますか、恐らく雇用政策研究会として、労働力を有効にさらに活用するという今の政策方針からしますと、正社員に参入する上での障壁として長時間労働があるとしたら、それは改めるべきではないかという問題があって、それは全体としての経済の成長に役立つ。
 労働時間問題というのは、幾つかの視点がありそうなので、そこはちょっと整理したほうがいいのかなと思います。
 あとは意見ですけれども、いつも法律学者は同じことを言うので、労働法の実効性確保ということで、サービス残業等の問題は、企業への働くことへの信頼自体を損ねるという意味でも、生産性に影響を与えるかと思いますので、そこは改めて申し上げたいと思います。
 以上です。
○樋口座長 先ほどのものづくりの話で、確かにすり合わせとかということで、協同して同時に働いていく、ある意味では画一的な働き方。それはまた長時間労働となっている面があるということは間違いないと思うのです。
 ただ、今の長時間労働、特に60時間云々というところで、大きな問題になっているのは、生産現場というよりも、むしろホワイトカラーのところで、そこまで同時にみんな働いてと、ものづくりのすり合わせの話と違う問題があるのではないか。
 先ほど、業種とか職種別にという話がありましたが、それぞれ違った理由がありそうだなという中において、特に私が気にしているのは査定のところなのです。ものづくりであれば、何時間働いたかというのは、モーターを動かしてとかという話になってきますので、割とパンクチュアルに捉えられるだろう。
 ところが、ホワイトカラーについて考えてみると、どうもそこがよくわからない。本当は時間についてもいろんな限定があったりしているわけですが、そこのところについてちゃんとした把握ができていない問題というのが中にあって、一人当たりに対して給与を払っているという意識なのだけれども、時間に対して払っているという意識が薄いところもあったり、あるいは職務が明確でないから、自分の仕事が終わったら帰ってもいいよと言われても、終わったか終わらないかがよくわからないところがあったり、突発的なことがあったりというところで、職務の明確化と査定の話を考えていかないと、特にホワイトカラーについてはなかなか実効性が上がらないのではないかなという気がしますが、どうなのでしょうか。
 ホワイトカラーについても、別の意味でのすり合わせをやっているというのは間違いないとは思うのですが。
○阿部委員 実は、私、去年の秋ぐらいからホワイトカラーの生産性という調査をやりまして、そこでは皆さんの考えていることとは内容的に違うのですか、簡単にいうと、生産性を、ある期間の中で仕事をやり終えなければいけないというのが、普通、ホワイトカラーでは出てくるわけです。こういう計画書をつくってくださいとか、こういう報告書をつくってください。これがデッドラインが決まっていて、そこでやり終えなければいけないわけです。場合によってはできなくて延びることもあると思うのですけれども、それと、もう一個必要なのは、クオリティーをどこまで出すかという、時間というか量の問題とクオリティーの問題という2つに直面して、量とクオリティーを同時に達成していくと、多分生産性が高くなっていくという構造だと思うのです。
 それを見ていくと、例えば労働時間が長い人は、数はこなすのですけれども、クオリティーには影響しないですね。つまり、労働時間が長くなればもちろん数はこなせるのです。だけれども、クオリティーには影響しない。むしろ短いほうがクオリティーは達成する可能性はある。つまり、本当に能力のある人のほうがいいということがわかりました。
 あと、仕事の内容が明確化されていると、量もクオリティーも達成する可能性が高いです。
 一番大きかったのは、上司とのコミュニケーションがうまくいっているかどうかとか、そういったところも結構ありまして、いろいろヒアリングしてみると、最後ここまでできましたという段階で、こんな話ではなかったというのを上司からされて、もう一度最初からスタートし直す。生産性ゼロですね。ということが結構あるという話で、労働時間の問題と生産性の問題は直接関係ないのですが、意外と職場での働き方、働かせ方といったところも大きいのかなと思います。
 もちろん、査定が厳しいと量とクオリティーを出さないといけないですから、当然ながら労働時間が長くなる可能性はあるのだろうなと思います。
 ちょっと玄田さんに質問というか、先ほど時間当たりの生産性というところをおっしゃっていて、それはそのとおりなのだろうなと思うのですが、個々人で見ると、その時点その時点で生産性と実質賃金がいつも一緒になっているわけではなくて、例えば若い人のほうは、もしかしたら賃金は低くて生産性が高いという局面もあるかもしれませんし、そのときに、労働時間と実質賃金の関係をどう考えるのかなと今、思っています。
○玄田委員 頑張って考えてください。それはわからないですね。年齢とか勤続年数ごとの関係を見るのではないですかね。
 先ほどの賃金センサスの2010年から2012年を見ると、1時間当たりで所定内給与額はほぼ横ばいですね。業種別とか規模別で見ても、余り大きな変化はないみたいですね。ただ、今、阿部さんがいわれたように、年齢とか勤続年数ごとに見ると、例えば若い人は時間当たり生産性はふえているかもしれないけれども、40代とかはそうではないとかというあたりを見ながら考えていくことが大事なのではないでしょうか。
○樋口座長 鶴さん、どうぞ。
○鶴委員 ちょっと今のとは離れてしまうのであれなのですが。
○樋口座長 決着はついたということでいいですか。
○玄田委員 どうぞ。
○鶴委員 先ほどちょっと樋口先生がおっしゃった評価の話なのですけれども、長時間労働と昇進するとか出世する確率というのは、実は日本以外でもちゃんと実証分析があって、長時間労働ほど昇進をしているというのがあります。だから、これは日本だけの現象ではなくて、双方がどう思ったとしても、結果としてそういうことが起こっているということだと思うのです。
 多分先ほどの話からいって、厳密なパフォーマンス評価をできたとしても、先ほど阿部先生がおっしゃったように、パフォーマンスと労働時間が本当に結びつくのかというのは、私はあると思います。ただ、長時間労働というのは、どうも長期的なコミットメントみたいなところで双方の評価、お互いに評価をし合うところがあると、そこがある限り、長時間労働をなかなかやめにくい。それによって、雇用主に対して自分が何らかのシグナルをしていくとか、そういうものが現実としてあるのだろうなということなので、確かにそのときそのとき時点のパフォーマンス評価として、別に何時間労働したからということで評価しているわけではないのだよという話をしたとしても、この問題はなかなか根が深いなという印象は持っております。
○樋口座長 すごく根が深いのですよ。ただ、何が評価されているのかわからないというのは、どう頑張ったらいいかがわからないというところで、いろいろなもので頑張ろうとするわけです。
 大学の成績の評価というのも、従来は割とざる的にやってきたところがあって、試験だけでとかという形だったわけですけれども、今は割と明確に、出席はどうで、何割は出席でということをやるわけです。通常の試験はどうでということを明示しろと、それによって学生の出席率は相当に変わってくるということもあったりして、そこに例えば労働時間が入っているのか、入っていないのか。あるいは残業しないで早く帰ることに対して、逆に今度は上司に対する査定を入れるような企業もあったりして、そうすると、相当に部下のほうの働き方も違ってくるというのは事実として起こっていて、何が評価されているのかわからないということは、しばしば全人格的な評価をされるほうを考えなくてはいけないということになってきて、そこのアバウトさのいい点と悪い点が、今の日本においていろいろ起こっているのかなと。
 だから、そういうところがある意味では、バーゲニングポジションがイコールではないと思うのです。やはり労働者のほうが使用主に対して弱い。弱いものの一つというのは、そこのところはどうもありそうかな。
 何が給与に、あるいは昇進に影響するのかわからないとなってくると、いろんなところで防衛線を張る、あるいは張らなくてはいけないということになってくるところ、そして、またどう頑張ればいいのかというメッセージが伝わってこないというところの問題はあるのかなという感じがします。
 よろしければ、次の議題に移りたいのですが、2つ目の議題で「これまでの主な論点に対する議論の整理について」。
 資料2を用意していただいていますので、これについて事務局から説明をお願いいたします。
○高橋雇用政策課長補佐 それでは、資料2の「これまでの主なご指摘」をごらんください。
 こちらは、第3回までの委員の皆様方からいただいた主な御意見を整理させていただいたものでございます。
 まず「人的資源の最大活用について」でございます。
 順を追っていきますが、まず最初としては、雇用の場として成長する分野に人材が移動することは必要である一方、その産業は雇用条件が悪いということで、その改善が必要ではないか。
 2つ目は、同じようなことです。医療・福祉分野についてですが、賃上げとか、働くことが誇りに感じられるような水準とかというものが求められておりまして、就業環境の改善が必要という点でございます。
 3点目、内部労働市場を十分に機能させるためには、労使関係が機能することが重要だという点でございます。
 4点目、転職市場では、信頼できる情報をいかに得るかということが重要でありまして、その中で、信頼できる人を間に置くことであるとか、できるだけ多くの情報を提供していくといった方策が考えられるのではないかという点です。
 次、情報をもとにしたマッチングをより機能させるために、内部労働市場における評価といったものも、外部労働市場の評価と一体的にものとしての検討が必要ではないかという点でございます。
 次の点、能力などの情報をもとにマッチングを行ったとしても、それ以外の点でのミスマッチが生じる可能性がありますので、そういったことを避けるために、トライアル雇用などの促進といったことをやっていく必要があるのではないかという点でございます。
 次が、異なる産業、異なる職種への転職を勧めるという点では、好事例、ノウハウの収集・提供が必要ではないかという点でございます。
 次は、ハローワーク、地方自治体、民間人材ビジネスの現状、強みを踏まえて、補完関係でありますとか連携関係を構築していく必要があるのではないかという点です。
 次が、民間人材ビジネスが伸び悩んでいるわけでございますが、今後活用していくという点からすると、育成をしていくことが必要ではないかという点でございます。
 次が「労働集約分野の労働力確保について」という論点についてでございます。
 1点目が、介護関係の離職率については二極化している状況にあって、いいところもあるなど、正しい情報を提供していく必要があるということで、そういったよい状況についての情報などを問題のあるところに提供して、改善を促す取り組みが必要ではないかという点でございます。
 2ページの最初の○、介護保険制度などの見直しによりまして、生活支援労働などの新たな分野が生まれてくるということで、そういった分野も雇用の場として念頭に置いていく必要があるのではないかという点でございます。
 次が、建設労働者について、技能習得に時間がかかるということで、そういったことを意識して、人材育成を行っていく必要があるという点でございます。
 次の○、建設、ものづくり分野につきまして、高卒といったところを初めとする若者に働きかけを強化していく必要があるのではないかという点で、そういった分野になじみがないこともありますので、能力開発の関係者がコーディネート役として紹介・体験のカリキュラムを行うといったことも考えられるのではないかという点でございます。
 次の大きな論点として「人的資本形成のあり方について」でございます。
 最初のところ、人材育成に関する問題点は、正社員の働き方の変化により生じている面があるということで、訓練と能力開発のあり方という点だけ見るのでは、答えにたどりつかないのではないかということで、非正規雇用労働者がふえる中で、正社員の責任とか、長時間労働が解消されない状況がある。また、成果主義の導入に伴いまして、評価などに力がそそがれるということで、人材育成に手が回らなくなるという問題点があるのではないかという点でございます。
 2つ目、労働移動が起きる中で、今、必要な能力だけではなくて、これまで身につけた知識を整理して、それを生かしていく能力が必要ではないかという点でございます。そういったことを習得するために必要な支援も行っていくべきではないかという点でございます。
 3つ目、今と同様の観点でございますが、変化に対応する能力、柔軟性、対応力が基本的な能力として必要で、幅広い業務につくといったことも必要なのではないかということでございます。
 次については、学び直しを進める上で、学び直した労働者を受け入れる土壌、企業といったことも必要ではないかという点でございます。
 次が、学び直すということに関して、若者だけではなくて、高齢化の中では高齢者が学ぶことも必要ではないかという点です。
 次が、民間教育訓練機関が大きな規模を占めている中で、実態把握でありますとか、そういったところとともに、良質なものに育てていくことが必要ではないかという点でございます。
 2ページ目の最後、訓練を受けた後の就職の促進というところでは、評価が重要でありますので、評価制度を確立し、訓練と評価を関連させていくことが必要という点でございます。
 3ページ目の一番上、同じように評価の観点ですが、人材の採用といった点が何によって決まっているかは重要なポイントということで、社会的な職業能力の評価を考えていく必要があるのではないかという点でございます。
 次の大きな論点として「若年者雇用対策について」でございます。
 最初のところが、情報の非対称性を解消するために、労働時間、給与など、より多くの情報を開示していくといったことが必要ではないかという点でございます。
 2点目、新卒の就職の促進という観点から、希望する者については、手数料を払っても民間のサービスを受けることができるようにすることも考えられるのではないか。その一方で、問題のある事業所に対しての是正といったものも課題ではないかという点でございます。
 3点目、若者の「使い捨て」が疑われる企業につきましては、法令の実行性確保を図ることが重要である。一方で、適職が見つかって転職したいというような方には、転職しやすいような支援をすべきではないかという点でございます。
 次が、ジョブサポーターなどの質の確保を図っていくべきではないかという点でございます。
 次につきましては、中退者などで就業希望がある方については、学校からしっかりと労働行政に引き継いでいただくことが必要ではないかという点です。
 次は、キャリア教育についてですが、労働行政としては、ワークルールの講師の派遣など、現実の労働市場を教えることの支援を行っていくことに加えまして、一方で、教育と産業界との連携といったことも重要ではないかという点でございます。
 最後、ニートについてでございますけれども、景気がよくなってくる中で、就労につながりにくい若者が残ってくることが想定されますので、評価の指標として経済的自立のみならず、その他の活動自体を評価する視点といったことも必要ではないかという点でございます。
 次の柱として「非正規雇用労働者対策及び多様な働き方について」です。
 最初のところが、施策の対象、呼称の問題に関して、非正規雇用の中で有期雇用といったものを考えていく必要があるのではないかという点でございます。
 2つ目が、多様な正社員の普及促進でありますとか、能力に応じた処遇を求めて転職してキャリアアップをするという働き方の推奨について、進めていくべきという点でございます。
 次が、長時間労働などで非正規になる方がいるということで、男性も多様な働き方を選択できることを打ち出していくことが必要なのではないかという点でございます。
 4ページ目の一番上の○、有期労働から無期労働契約への転換についてですが、無期雇用に転換されるのか、雇いどめがふえるのか、どういった課題があり、どう対応するのがいいのかといったことを検討していく必要があるのではないかという点でございます。
 次が、労働契約法を契機に、企業において人事戦略の見直しということで、非正規の使い方を考え直したという調査もあるということで、そういった契機になっている面があるのではないかという点でございます。
 続きまして「高齢者の就労支援について」でございます。
 最初のところは、今後の5年間の課題としては、就業者の確保が労働対策の主な課題ということで、そういった点からは、高齢者層の就労参加が重要な課題だという点でございます。
 2つ目、健康寿命が延びている中で、60歳でありますとか、年齢で働くことについて区切って考える必要はないのではないかという点でございます。
 次が、高齢者になって活躍するためには、40代といった一定程度若い世代から、どういったことをやっていくのか考えていくことが必要なのではないかという点でございます。
 次が、活躍の仕方として、学校や地域などにおいて、高齢者がこれまでの経験を生かしていくということが考えられるのではないかということ。
 その次は、これまで培ってきた能力を企業や社会で活用していくことも考えられるのではないかという点です。
 次が、有期労働契約の無期労働契約への転換に関して、高齢者の継続雇用の扱いについてどうしていくのか、考える必要があるのではないかという点でございます。
 次が「障害者の就労支援について」でございますが、障害者の方が、使える力をできるだけ発揮して参加できる社会をつくっていくことが大事ではないかという点でございます。
 続きまして「女性の活躍促進について」でございます。
 女性の育児休業取得率が9割近くなっている中で、そのほかの女性の活躍促進の施策との重点化をどのように考えていくのかということで、より大きな効果を生むものにシフトすることも考えられるのではないかという点でございます。
 5ページ目、専業主婦がいる男性の育児休業の取得促進というのはなかなか難しい面があるのではないかという御指摘でございます。
 次が、育児休業取得率の分母について、育児休業を取得しやすいかどうかという指標としては、従業員の方で妊娠した方を分母とするのが適当ではないかという点でございます。
 次が、女性が出産を機にやめる理由としまして、これまでの働き方を踏まえると、これからどう働いていくのかという見通しが持てないということが考えられるものですから、いろいろな施策を多様化して、将来の見通しを立てやすくするようにすることが必要ではないかという点であります。
 次が、ポジティブ・アクションについて、伸びてきてはいるわけですけれども、取り組んでいる企業の割合が伸びる速度が遅いということで、割合を上昇させていくためには、実効性のあるアプローチが求められるのではないかという点であります。一方で、こうした取り組みについては時間がかかるということがありますので、そういったことも念頭に、環境整備をしていくことも検討していく必要があるのではないかという点でございます。
 次が「正規雇用労働者の働き方について」です。
 若者、女性、高齢者の方々の参加を促進していくためには、労働時間の問題の解決が重要ではないかということでございます。
 次が、労働時間の問題というのは、行政のみならず、労働者個人が将来も考えて理解していくことが必要という点でございます。
 3点目、労働時間につきましては、上司や会社が長時間労働をどのように評価するかに影響されるということで、これは意識の啓発だけではなくて、人事管理の仕組みでありますとか、好事例の提供といったことを検討していく必要があるのではないかということでございます。
 最後「その他」です。
 1点目は「介護と仕事の両立」ということで、介護と仕事の両立は、女性だけではなく、男性にとっても大きな問題であるということですが、現状においては個人も企業も備えができていないということで、そういった認識を持ってもらうために、例えば40歳になった労働者に対して介護と仕事の両立について考えるきっかけをもってもらうというような取り組みが必要ではないかという点でございます。
 2つ目が「地域雇用」の点でございます。全体の雇用情勢が回復している中で、地域の雇用格差が問題となってくるということと、また、人口減少も地域によって異なるということ、さらには高齢者も減少する社会を迎えるといったことを念頭に考えておく必要があるのではないかという点でございます。
 6ページの1つ目の○、就職に伴う労働移動が、特に若い層で都市への移動が高まっている。地方の雇用情勢は厳しい情勢である。また、今後高齢者が減少していくことになりますと、現状地方の雇用機会であります介護の機会が減少していくことが想定されますので、今後地域の雇用の問題が重要な論点になってくるのではないかという点でございます。
 3つ目が「緊急対応」ということで、今後またリーマンショック、あるいはそれ以上のショックが来た場合に備えまして、機動性を持った施策でありますとか財源といったものなど、緊急的に対応できる視点も必要ではないかという点でございます。
 以上でございます。
○樋口座長 ありがとうございました。
 これまで研究会は3回ほど開催されて、その中で提示されてきた問題点について、事務局でまとめていただいたものを説明いただきましたが、これにつけ加えるべきもの、あるいは逆にこれは不要ではないかということについて、お話をいただければと思います。
 ただ、ここに出ていないからといって今回で終わるということではなくて、もう一回この点については深く議論していくということでありますので、きょうは玉出しのつもりで御議論いただければと思います。
 ちょうど黒田さんと佐藤さんがいらっしゃったので、この前に「正規雇用労働者の働き方について」を議論してきたので、それも含めてもし何かあったら。
○佐藤委員 追いつきますので。お任せします。
○樋口座長 いかがでしょうか。多岐にわたるので、きょうは順番は特段問わずに、どこからでも結構ですので御指摘いただけたらと思います。
 皆さんに御発言いただいたのは網羅的に拾ってもらっていると思うのですが、それでも落ちているとか、あるいは新たにつけ加えたいというものがあれば、いかがでしょうか。
○玄田委員 では、座長が困っているので。
 とてもバランスよくまとめていただいたと思いながら拝見していましたけれども、一方で、先ほどの議論と若干続きますが、賃金とか報酬に関する議論が余りないなという。何年かぶりにこれだけ賃金というのが大きな話題になっている一方で、こういう人的資源の活用とかが、正当な報酬とか対価にどうかかわるべきかというのは、もちろんそれは言うまでもなく、個別の労使間の決定事項であることは十分わかりますが、そのためにもあるべき枠組みづくりとかを、今、この段階で、新しい時代状況の中で何か整理しておく必要はないのか。賃金とか報酬のあり方という議論は、もう少しどこかであってもいいのではないかなと思いました。
 以上です。
○樋口座長 ありがとうございます。
○玄田委員 最初のあたりとか、成長する分野には賃金をという話は若干はありますが。
○樋口座長 今回はそれについて御議論いただくよりは、まず御指摘いただいてということで、承りましたということにしたいと思います。
○宮本委員 私も、大変網羅的でバランスのとれた文章だと思います。
 その上で、かつ、私は余りちゃんと出席できていないのですけれども、この前、介護労働と区別された生活支援労働をきちっと位置づけていくことが必要だと申し上げて、それも組み込んでいただいて、感謝したいと思います。
 あるのですが、この点に関して、確かに先ほど衆議院の本会議で生活困窮者自立支援法が通過したということで、よかったなと思いつつ、生活支援労働というのは、こうした中間的就労だけではなくて、もうちょっと幅広く位置づけられないと、その可能性が生きないのではないかなと思っています。
 私の申し上げ方がうまくなかったのかもしれませんけれども、決して中間的就労に限定するわけではなくて、この前申し上げたのは、要支援1、2が地域支援事業に組み込まれることで、これが大きな労働需要を地域で生んでいくだろうということ。
 もう一つつけ加えれば、サービスつき高齢者向け住宅をこの2年で11万戸、10年間で60万戸つくる。これは定義からすると、必ずしもサービスを担う労働者の常駐を求めないわけですが、しかし、ここのサービスが手厚くなっていくことが、サ高住が安定した需要を満たしていく1つの条件だと思うのです。
 10年間で60万戸つくっていくという計画に加えて、さらに、NPOが空き家を買い上げて、就労に困難を抱えている人たちをそこで雇用して、低所得者向けに供給していくというタイプ、これも10年間であと40万戸つくっていくという計画があるようです。ことしだけでも300億ぐらいの予算がサ高住にはついているわけですし、いわゆるヘルスケアリートみたいな投資の動きもセンシティブになっているとも理解しています。
 こういうことを考えていくと、ここで可能性のある雇用というのは大変大きくて、いわゆるケアつき住宅のケアの担い手を確保するところに照準点をつけていくような、そういう工夫などをしていくと、生活支援労働が一挙に広がるのかなと思ってございます。
 要するに、生活支援労働というのをもう少し大きな枠で位置づけていただくとよいかなと思います。
 それから、2点目として、自治体というか、自治体と地域の雇用政策マインドとでもいうべきものを高めるようなイニシアチブが必要かなと思います。国と自治体の協力が大切だということは、もう雇用対策法にも書き込まれていることだと理解していますし、ただ、恐らくこの間ハローワークの所管という問題があったので、ハローワークの所管は当然国のものだと思っていますけれども、やや慎重なところもあるのかなと思います。
 その1つの例として、自治体で、雇用が非常に活発につくられているところを見てみると、無料職業紹介事業をやっているところがかなり多いわけです。ただ、ハローワークとの関係ですが、無料職業紹介事業といっても、いろいろ聞いていると、本当に職業紹介をやっているのはその事業の一部である。実態としては、地元のいろいろな経済界とのすり合わせだとか、そこでの雇用づくりだとか、訓練につなげるような調整だとかということをやる母体づくりになっている。
 もう一つ言うと、無料職業紹介事業をやっていないと、例えば福祉事務所などがややフライングぎみに仕事を紹介してしまうと脱法行為になってしまうのですが、そのリスクヘッジという部分もあって、その意味でも、無料職業紹介事業に取り組んでいる自治体というのは、いろいろ活発な動きがあるように思います。
 ただ、名前自体が恐らく余りよくないのかな。本当に職業紹介事業ではなくて、職業調整事業とでもいうべきものなのですが、ただ、これは恐らく職業安定法に根拠のある事業名なので、そう簡単に名前は変えられないと思いますけれども、何が言いたいかというと、ハローワークとゼロサム的な関係ではなくて、うまくいっているところは非常に相補的な関係ができている。このあたりをケースとしてくみ上げて、紹介することも含めて自治体の雇用政策マインドを高めるような文言をふやしていただけないかということです。
 とりあえず、以上でございます。
○樋口座長 どうぞ。
○佐藤委員 どうも、いろいろ意見を入れていただいてありがとうございます。
 まとめていくとき、留意点で、短くされたからということもあると思うのですけれども、本当に簡単なことなのですが、5ページの一番上の、日本の場合の女性の就業率はまだM字型なので、残念ながらカップルとも働いている層と、妻が専業主婦層がいる中で、男性の子育て参加をどう進めるかをやっていかなくてはいけなくて、妻が専業主婦でも男性の子育て参加を進めることはすごく大事なのですが、ただ、育児休業取得という形でやれるかどうかということなので、ここは男性の子育て参加を進めなくてもいいと捉えてしまうとあれなので、育児休業という形ではなかなか難しいから、当然専業主婦の妻であっても、残業しないで早く帰るとか、そういうことはすごく大事なので、そういう趣旨だということだけです。
 もう一つは、下の「介護と仕事の両立」のところも、ここで大事なのは、仕事と子育ての両立支援と、仕事と介護の両立支援は違うということがわかるように書いていただけたらいいなと。
 仕事と子育ての両立支援は上の育児休業と同じですけれども、男女ともにできるだけ子育てをちゃんとやってくださいということなのですが、介護の場合は、もちろん直接介護を絶対しないというわけにはいかないですが、基本的には直接介護せずに、要介護者が必要なサービスをマネジメントすることにエネルギーを置かないと、実際上両立は非常に難しいので、そのことがわかるような情報提供が大事かなと。
 企業も働いている人も、どうも子育てをイメージしてしまうのです。そうすると、両立といったときに自分が介護するのではないか。だから介護休業は、法律ができたころの趣旨も、93日というのは両立の準備、アレンジするための期間で93日になっているのです。でも、自分で介護するとなると、大体4〜5年かかるので、介護休業給付最大という議論が出てくるのですが、そういう意味で、間違ったメッセージが伝わっているので、そこを出していただく。それが2つ目。
 3つ目は、ポジティブ・アクションのところなのですが、実効性のあるアプローチはすごく大事なのですが、他方で、個々の企業ごとに女性の雇用なり活躍に相当ばらつきが大きい。例えば採用段階でも、大手の製造業の総合職でいうと、理系が6〜7割、修士卒というと、採用段階でどんな頑張っても3割採れないわけです。事務系は45%女性だけれども、技術系はどう頑張っても15%しかいない。変な話だけれども、東大の理1が、理系がたくさんふえない限り無理な話なので、あとは採れているけれども主任までまだいっていないとか、つまり、採用段階で頑張っても採れないとか、あるいは結構採れていて主任、課長までいっているとか、それぞれかなり状況は違うのです。
 大事なのは実効性のあるアプローチというとき、一律に何かやれというのはなじまないと思うので、多様な中でどう一歩、二歩進めさせるかという取り組みがいいかなと、これは私が言ったところではないのですが、そう考えていますということです。
 意見です。以上です。
○樋口座長 どうぞ。
○山川委員 内容は網羅的で、つけ加えるということではないのですが、むしろ収れんさせて整理していく方向でこれから考えるとすると、第1回目は欠席したのですけれども、先ほどちょっと申し上げた、人的資源の最大活用と全員参加の社会の実現ということで、例えば雇用されていない方は、全員参加のほうに入って、雇用されている方は、その中で非正規雇用労働者と正規雇用労働者でそれぞれ労働力の有効活用、人的資源の最大活用を図るという形で整理されるのかなという感じがします。
 雇用政策研究会は、これまでキャッチフレーズをつけるときが結構あって、そうすると、どういうキャッチフレーズが出てきて、それに向けて各論点を収れんさせていくような形での整理という方向で、濃淡をつけることになるのかなと考えます。
 あと、これまで宮本先生と佐藤先生のお話を伺っていて思ったのは、政策論をするのですが、メタ政策論というのでしょうか、ある政策でこうしたほうがいいというのは種々議論されているのですが、そのためにどういう手法をとるかということです。これは雇用政策研究会での議論なのか、あるいはJILPTあたりで提言すべきことなのかわからないのですけれども、ワーク・ライフ・バランスにしても少子化問題にしても、いろいろな政策論はしていても、どういう政策が実効的であるかということを、本格的にメタ政策論としてやったというのはそんなにないかもしれませんので、お二人の先生方のお話を聞いて、そのあたりもここで盛り込むのか、あるいは別の方向で進めるのかはともかく、ちょっと問題提起してもいいのかなと思いました。
 以上です。
○樋口座長 ほかにどうでしょう。
 5年後、10年後、どういう社会になるかというのを見通すのはすごく難しいことだろうと思うのですが、確実に起こってくることも幾つかあるかと思うのです。まずは高齢化比率が上がっていくことに対する対応をどうするか。そこについては全員参加型という形でこれまでやってきたところなわけです。
 もう一つは、変化がすごく激しくなるのかなと。産業構造にしろ、あるいは企業の中における勝ち負けであるとか、そういったところも含めて、そういう中において、雇用の安定をどう考えていくかというのはすごく重要な問題になってくる。
 今までも雇用の安定というのは、職業安定局で考えてきた施策というのは、ある意味では企業の雇用責任というような、社内における配置転換であるとか、そういったものを通じてこれを達成するということでやってきたわけですけれども、それだけで大丈夫なのかなという問題点ですね。
 やはりセーフティーネットの問題というのを一つ考えなくてはいけなくて、そのセーフティーネットのところは、言うまでもなく雇用保険があったり、あるいは能力開発支援があったりというようなことだろうと思うのですが、最大のセーフティーネットというのは職業能力だろうと思うのです。その職業能力といったものがちゃんと評価されていくのか、あるいは職業といったものが選択できるという、個人の選択をどう考えていくのか。今まではどちらかというと、先ほど無限定という話がありましたが、割とそこのところについては企業任せというところがあったわけですが、そういったものを自分で用意できるような、そして企業もまた、今度は行政的にも支援できるような体制をどうつくっていくのかなと。
 ここでは外部労働市場云々という、あるいは失業なき円滑な労働移動というような言葉が入ってきているわけですけれども、その裏側に実は今度は内部労働市場における働き方の問題、あるいは仕事の与え方の問題とか、仕事をどうこなしていくのかとかという話が重要な問題になってきて、これは諏訪先生のキャリア権ではありませんが、仕事をどう自分で専門的能力を高めていくかとか、選択していくかとかというようなことが、これは5年か10年かわかりませんけれども、重要なポイントとなってくるのではないか。
 今までの社内におけるあり方というのも、かなり人材の活用の仕方というのも、外部労働市場の流動性のなさにも影響している面があるかと思うのですが、その根本的なところを考えていく時期になってきているのかなと思います。これは一人の意見として、考えていくことが必要なのかもしれないと。
 簡単に言えば、若者の職業意識を高めようということを、みんな苦労して大学でもやっているし、いろいろなところでもやっているのですが、そうなってくると必ず出てくるのは、どういう仕事をやるのだ、あるいはやりたいのだということと結びついてくるのです。そこが企業選びという形ではなく、仕事をどう選ぶかということが出てこないと、なかなか職業意識云々ということを議論しても難しいところがあって、そこの壁の厚さをすごく感じるようなところがあります。
 大学と、あるいは学校と社会と通常は言っていると思いますが、そこの移行過程をしっかりしろとかという若者の話なども関連してくるわけで、中小企業にも行けるようにと、これは重要なことだと思うのですけれども、そこで何をやるのだ、どういうことを仕事としてやるからそこに行きたいのだというようなこともあるし、あるいは転職せざるを得ない状況においても、そういった問題は今後出てくるのではないかなと思います。
 ちょっと余計なことを言いました。
 どうぞ。
○堀委員 私の発言も盛り込んでいただきまして、ありがとうございます。
 これは私ではなくて、樋口先生の御発言だったと思うのですけれども、6ページの下から2番目の○なのですが、地域移動についてのまとめがございます。ここで最後「今後、地域の雇用の問題は重要な論点になるのではないか」と書いてあるのですが、この30年以上、労働政策において地域雇用というのはずっと大きな課題だったかと思うのですが、現代の若い層の都市への移動が多くなっているというのは、地域雇用政策ももちろん重要なのですけれども、ある程度労働政策としてスムーズに地域移動ができるような支援に力を入れざるを得ない時代が来ているのではないかという可能性も考えられるのではないかと思います。
 これは、この10年という話ではなく、もっと先の話かもしれませんが、若者が若い時期に仕事の経験がないまま地域に残るよりは、移動してもらって、ある程度仕事をしてもらってスキルを積んでもらったほうがいいので、そうした地域移動の仲介役を再びハローワークが果たすことも、長期的には議論されていいのではないかと考えまして、大分先の話になるかもしれませんが、申し上げさせていただきました。
○樋口座長 どうぞ。
○玄田委員 今の堀さんの御発言には、ある部分賛成で、ある部分ちょっと反対なので、そういう意味では論点として申し上げたいのですが、これから多分中長期的に若者の都市部への移動はふえていくだろうと。その背景にあるのは、今はまだ高齢者の方が地域にいらっしゃるので、御健在というか、介護とかニーズがある限りはそこに仕事があるけれども、地域のほうから先に高齢化が進んでいくと、今度は都会に介護が必要な人たちがたくさんふえてくるので、そこにいろいろな意味で移動が起こることは必然であろう、そこに仕事がある。
 ただ、一方で、現在のような都会の子育て環境などの場合に、果たしてそれが日本全体の幸せになるのか。確かに都会に行けば介護等々高齢者のニーズがあって、仕事があるから移動する。ただ、行ったところで、そこで若者たちがみんな家庭環境をつくれるかというと、今、おっしゃった意味は必ずしも都会への移動だけではないと思うけれども、一般的に都市部の高齢者のニーズがあるところに移動することがいいかどうかというのは、極めて大きな論点だと思う。
 前の岩手県知事で総務大臣をやった増田さんたちが言っているように、むしろ地域から都会に行くのではなくて、各地域の中の中核拠点的な防波堤になるような地域をつくっていくことが、もしかしたら雇用政策の中で重要になっていて、それは総務省マターではなくて、むしろ厚生労働省マターで考えていくべきことかもしれない。いきなり市町村から都会に行くのではなくて、地域の、今でいう県庁所在地になるかどうかは別だけれども、都会への移動を食いとめるような、そこである程度集積的な雇用機会をつくっていくような拠点づくりに、雇用対策も何かできる部分があるのではないか。ないしはもっとそこをいろいろな政策で合致していかないと、先ほど山川さんがおっしゃったような、まさに全員参加型の社会がつくれなくなってくるので、地域の移動のあり方というのはどういうのがトータルで見てベストなのかというのは、ぜひ今の堀さんの問題提起も含めて、この研究会だけでできるかどうかはわかりませんけれども、ぜひ今後の重要な課題として御検討いただきたいと、私も思います。
○宮本委員 今、玄田さんがおっしゃったことは、私も堀さんのお話を聞いてすぐ脳裏をよぎったことだったので、深くうなずいていたのですけれども、ここの文章にも書いてありますが、大体2040年ぐらいから後期高齢者が減少し始めるわけです。
 実際、地方ではそれで仕事をつくっていくことが困難になって、これは議事録にとどめたほうがいいのかわかりませんが、具体的な名前を挙げると山形県の舟形町などは、特養をつくったのですが、都会から人に来てもらわなくてはいけないということで、23区を行脚して人を集めているわけです。でも、これは厚労省的にいえば、地域包括ケア、つまり住みなれたところでずっと老いていくことができるという考え方とは全く逆の方向に行ってしまっているわけで、これについては余りポジティブに評価されていないのですが、杉並と南伊豆町の関係などは、南伊豆町に杉並の高齢者が移っていくという契約で、そこに特養をつくっていくことになっていて、要するに、地域が雇用対策として高齢者をいかにかき集めるかということになってしまっているわけですね。これはそのままいけば、認知症が進んだ段階から介護移住を奨励することになると、非常にアンヒューマンなことになってしまいかねない。東京から山形県に行って、言葉も通じなくなってしまって、恐らく認知症もひどくなるだろうということです。
 そういうことを考えていくと、若者、かつ、先ほど玄田さんが言及された増田さんたちのグループの見通しというのは、そのころになってくると、仕事がなくなるから若者が都市に移っていく、移らざるを得ない。しかし、そこでは子供を生まないから、いわば都市がブラックホールのようにどんどん人を吸収したまま吐き出さないというのが近未来の日本であるという言い方ですね。
 そうなってくると、雇用と人口動態がますますリアルな問題として議論されなければいけなくなってきて、その場合、考えなければいけないのは、若者の移動よりも、ひょっとしたら高齢者が認知症に陥る前の早い段階で、地方に第2のステージを求めて移り住んでいく、そうしたインフラづくりを地方が頑張って、いわば足による投票のような形で、地方を雇用の場として維持していく。むしろ若者よりも高齢者の移動かなというところも考えたりするので、そこも含めて御検討いただければと思います。
○樋口座長 実は私も増田さんたちのメンバーの一人で、今のお話の中で、まさにそのとおりの指摘なのですが、1つ見落としてはいけないのは、若者の移動というのは、あるいは若者の流出というのは、再生産する人たち、子供たちを生んでいく人たちがいなくなるということなのです。ですから、単に高齢者比率が上がるだけでなくて、若者の移動が次世代をつくっていかないという、同じ出生率であればその母体の人数が減るわけですから、その問題はすごく大きいという指摘なのです。
 これを戻すためには実は相当の年数もかかりますよと。何となく、あわよくば、もしかしたら出生率が上がるかもしれない。上がるかもしれないのですけれども、この問題というのは、実は30年、40年では解決できない問題として、我々は不都合なのですが、事実とて認めざるを得ないところが起こっているのではないかということが、一応言ったことなのです。
 それもすごく重要だと思うのですが、もう一つ、女性の就業に限らないのですが、今までの女性就業の問題というのは、継続就業率を上げるという形で、子供を生んでも継続して働けるということでやってきて、これはかなり、少なくとも正社員については効果が上がってきていると思うのです。
 ところが、その一方で、一回離職した人たちが再就職するときに、パートとか雇用機会がすごく限定されているというところ、これは女性だけではなくて若者でも同じだと思うのです。ここでも問題提起されている、一度会社を何らかの理由によってやめてしまった、その人たちが再就職する場合に、すごくそれが限定されている。働き方の見直しとか、あるいは学び直しということでそれは出ているわけですけれども、その問題の根本的な問題はどこなのだろうか。中途採用市場においても、果たしてその人たちが培ってきた職業能力が評価されて採用が決まるということになっている社会なのかどうか。そこも企業と外部労働市場といおうか、外との間の壁がすごく厚いという問題。
 これはよく読むと、幾つかのところで指摘されていることだと思うのですけれども、女性のところでも、キャリアの見直しをどう考えているかというのは、すごく重要なポイントになってくるような気がしますので、これは先ほど言った、新卒採用のところとも関連してくる。
 今まではほとんどが長い期間、配置転換を通じて人材を活用ということだったから、顕在化した職業能力ではなくて、潜在的な能力に基づいて採用が決まってくるようなところがあるのかな。いろんなものがこなせる能力を持っているかどうかということで、面接であるとか、協調性とか同時に人間力などというのもそういったところで見られてきているところなのだけれども、これを高めるのは多分大変ですね。
 もしよろしければ、またこの課題については、可能であれば皆さんに持ち帰っていただいて、早目にこういったものを追加したらということを、メールでも結構ですので御指摘いただくということでよろしいですか。
 事務局、それでいいですか。
○本多雇用政策課長 承知しました。
 次回の研究会までに、何らかの形でお会いするかメールかで御意見を承ろうと思っておりましたので、後で御連絡をさせていただきます。
○樋口座長 それでは、これで2番目の議題は終わりたいと思います。
 3番目は「労働力需給推計について」ということで、冒頭申し上げましたように、この議題については非公開にさせていただきたいということでございますので、恐縮ですが、一般傍聴の方は退出をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

(傍聴者退席)

○高橋雇用政策課長補佐 次回の研究会は、12月18日の10時から12時となります。場所は同じくこことなりますので、どうぞよろしくお願いします。
 需給推計の資料につきまして、資料3−1から3−4は回収させていただきますので、どうぞ机の上にお残しいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○樋口座長 では、以上で終了します。どうもありがとうございました。


(了)

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