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2013年11月18日 第3回社会福祉法人の在り方等に関する検討会 議事録

社会・援護局福祉基盤課

○日時

平成25年11月18日(月)15:30〜17:30


○場所

三井住友海上駿河台新館3階お茶の水カンファレンスセンターC会議室


○出席者

浦野構成員 雄谷構成員 高橋構成員 田島構成員 田中構成員 (座長)
千葉構成員 対馬構成員 西元構成員 藤井構成員 松原構成員
松山構成員 宮田構成員 森構成員 柴臨時構成員

○議題

社会福祉法人のガバナンスについて
(法人組織の在り方、透明性の確保等について)

○議事

○田中座長 定刻より少し早いですが、構成員がおそろいですので、ただいまから第3回「社会福祉法人の在り方等に関する検討会」を開催いたします。

 皆様方におかれては、お忙しい中お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。

 本日は、全ての構成員に御参加いただいています。

 さらに、本日は「社会福祉法人のガバナンスについて(法人の組織の在り方、透明性の確保等について)」が議題ですので、専門的知見を有する会計の専門家として、日本公認会計士協会から柴毅常務理事に臨時にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

○柴構成員 柴です。よろしくお願いいたします。

○田中座長 では、早速、議事に入ります。

(報道関係者退室)

 本日の議題は「社会福祉法人のガバナンスについて(法人の組織の在り方、透明性の確保等について)」であります。

 初めに、事務局から資料の説明をお願いします。

○正野補佐 本日は「社会福祉法人のガバナンスについて(法人の組織の在り方、透明性の確保等について)」ということで資料を1つお配りしております。まず、こちらについて事務局から御説明したいと思います。

 まず、今回の資料の構成ですけれども、1つ目が「社会福祉法人の組織について」、2つ目が「社会福祉法人の運営の透明性の確保について」ということで、大きく2つのまとまりに分かれております。

 まず、資料の3ページをご覧ください。社会福祉法人のガバナンスの必要性についての資料でございます。こちらにつきましては、まず最初にありますように、社会福祉法人は、ここ2回の検討会でも見てまいりましたように、高い公益性を有する法人格となっております。

 この高い公益性を活かした社会福祉法人の経営については、左側にありますように、1つは、福祉サービスの中心的担い手として地域ニーズに応じた事業展開が必要であり、社会福祉事業の着実な実施であったり、地域の福祉ニーズの多様化・複雑化への柔軟かつ機動的な対応といった要請があるのと同時に、右側にありますように、社会福祉法24条に基づく経営原則を実行していただく、こういう2つの要請がございます。この2つを合わせまして、社会福祉法人独自の経営論の確立が必要であろうということで、以下の4点、経営組織、事業管理、財務管理、人事管理といった観点からのガバナンスをしっかりやっていく必要があるだろうということでございます。

 今日の組織の在り方、透明性の在り方は、主に一番左の経営組織のところに当たるかと思いますので、まずこちらをご議論いただきたいと考えております。

 ページを1枚おめくりください。4ページと5ページは、現在の社会福祉法人の組織に関する資料です。社会福祉法人は、憲法89条を踏まえた「公の支配」に属する法人格組織でございますので、公正かつ適正な運営が図られるような組織体制が必要です。

 こちらの図にありますように、まず真ん中に理事会というものがございます。社会福祉法人に関しては、理事会という言葉は通知で出てくるものなのですが、理事については、法律上は3名以上、さらに通知上は6名以上選任すべきとなっております。それを牽制する組織として右側に監事がありまして、監事は法律上1名以上、通知上は2名以上となっています。

 さらに下のほうですけれども、評議員会を原則諮問機関として設けるとされておりまして、こちらが設けられている場合には理事の選任、監事の選任については評議員会で行うことになっております。

  5ページは、さらにその詳細について書いている資料でございます。ちょっと細かい字なのですけれども、左側から、法律、審査基準、定款準則にそれぞれ定められている事項を記載しておりますので、必要に応じてご覧いただければと思います。

 この中で、特に定款準則のところでグレーで色塗りにしてある部分がありますけれども、定款準則の要件については、譲渡所得税非課税という土地建物の寄附の際の非課税要件になっておりまして、かなり多くの法人でこちらを遵守して組織体制が整備されております。

 6ページにお進みください。ここからは、これまでの社会福祉法人の理事会や評議員会、組織関連関係の見直しについて資料をまとめております。まず最初に、理事会・評議員会に関する近年の改正ですけれども、社会福祉法人の組織については、理事会の強化、理事・理事長が経営責任を負える体制というのをまず念頭にして体制の整備を図っているほか、評議員会については諮問機関としての役割を果たしていくための改正が行われてきております。

 まず、平成12年を見てみますと、幾つかありますが、例えば法人の代表権の分掌ですとか、かわりに評議員会については理事会の意思決定機関としての責任を明確化するために原則として諮問機関にするであるとか、事前の同意を事後同意も可能とするなど柔軟な対応ができるような形で見直しをしてきています。

 平成17年をご覧いただきますと、理事の要件について、評議員会設置法人については職員である理事の総数の上限を廃止するとか、業務の重要事項について、評議員会の同意事項についてあらかじめ意見を聞くことでも構わないという形で見直しております。

 平成18年の改正では、介護保険事業だけを経営する法人については評議員会を置かなくてもよいという形に改正してきております。

 7ページについては、先ほど御紹介した平成12年の改正の考え方の前提になった社会福祉基礎構造改革についての考え方の資料になります。社会福祉基礎構造改革では、社会福祉法人の経営について、法人単位で経営を可能とする条件を整備する必要がある、また、会計間の資金移動を弾力化する必要があるといったことが既に言われておりました。また、中ほどを見ますと、理事長及び理事が経営者として各施設の運営についても指揮し、事業内容が的確に点検でき、経営責任を負える体制が必要である、そのためには、法人の経営規模の拡大が必要であろうと言われております。また、最後にあるように、法人の自立性を高めることによって多角的な事業の展開を可能とする必要があるといったことも提言されております。

 8ページ目でございますけれども、こちらは平成18年の社会福祉法人経営研究会報告で示された「社会福祉法人経営の現状と課題」における方向性です。

 まず、理事会・理事については、実質的に執行機関としての機能体制を整備すべきということが改めて提言されております。理事の選任は極力名目的な人事を排し、法人経営に実質的に参画できるものを選任すべきとも言われております。さらに、理事会で重要事項を判断するためには、必要な情報を随時提供できる法人の体制が不可欠で、これを可能とするための法人本部機能の強化が必要だということが言われております。

 次に、法人本部機能の強化と中間管理層の育成というところで、理事・理事会がその役割を果たすためには法人本部機能の強化が必要であるが、まず、そのための中核を担う中間管理層を育成・確保することが必要だと言われています。そのためにも、法人規模を一定程度以上へ拡大していくことが必要であるということが言われております。

 次に、監事、外部監査のほうにまいります。監事については、年1回程度の監査にとどまらず、理事会に出席することによってその機能をしっかり果たしていくことが必要だと言われています。

 また、外部監査については、法人の自主的経営の健全性を確保するために今後とも積極的な活用が必要だと言われております。

 最後に、評議員会については、地域社会や利用者のニーズを酌み取って有効に機能させることが必要であるということが言われております。また、これは平成18年の報告書ですので、公益法人制度改革の動向を踏まえてさらに検討する必要があるだろうと締められております。

 9ページ目については、公益法人改革による財団法人の組織の変化です。財団法人については平成18年に公益法人制度改革がございまして、大きく制度が変わっております。その中で法人の組織というものがどのように見直されたか、お示しした資料になります。

 まず、理事・理事会ですけれども、理事の権限と責任の明確化ということで、理事会への本人出席が義務化され、また、損害を与えた場合の賠償責任が法定化されました。そして、その下にありますように、理事会が法定化されて、業務執行の決定、代表理事の選定、評議員会の招集決定といった事項、理事会の権限が法律上しっかりと規定されております。

 さらにその上で、監事や評議員会についても大きな改正が行われております。まず、監事の権限と責任の明確化ということで、監事に理事会出席義務が法律上規定され、評議員会への報告義務、さらに理事の職務執行監査、不正行為の差しとめ権限といったものも規定されました。また、大規模な法人に関しては会計監査人の設置義務といったものも規定されています。

 評議員・評議員会については、まず評議員が法定化されて、その権限と責任が明確化されました。選任方法も法律上規定されまして、定款に定めることにより、理事による選任ができないことになりました。また、評議員会へも必ず本人が出席しなければいけないことになっていまして、代理出席は認められないということになっています。さらに、評議員会の法定化、権限と責任の明確化が規定されまして、理事、監事、会計監査人の選解任権限であったり、その他重要事項の特別決議ができるといった形で財団法人の組織は改革がなされました。

 以上がまず1つ目のまとまりの法人の組織の変化についての資料です。

 続きまして「社会福祉法人の運営の透明性の確保について」の資料もあわせて御説明いたします。

 まず、11ページ目ですけれども、現在の社会福祉法人の透明性の確保の取り組みについてまとめた資料です。社会福祉法人については、サービス利用を希望する者がサービスを適切に選択するためにも適切な情報開示が必要になっております。

 まず、平成12年の社会福祉法の改正で、事業報告書と財務諸表について閲覧を法人に義務づけるといった改正が行われました。また、これと併せて、閲覧というのは、利用者の方だったり、利用を希望する方が法人に申し出て見られるものなのですけれども、そうでなくて、もとから公表していたほうがいいということで、社会福祉法人審査基準という通知のほうで、法人の広報やインターネットで業務や財務等の情報を自主的に公表することが望ましいということで、要請をしています。

 また、各事業単位で見ていきますと、平成14年に、グループホームについて、サービスの質の評価を受けた場合はそれを公表することを義務づけるとか、平成18年に介護サービス情報の公表、また小規模多機能型居宅介護等についてサービスの質の評価の公表といったことが進められています。

 平成19年には、社会福祉法人審査基準という通知ですけれども、法人の役員や評議員の氏名、役職等の法人情報についても広報やインターネットを通じて公表することが望ましいというふうに要請レベルで公開情報の拡大しております。

 さらに、平成24年には、社会的養護施設である児童養護施設等についても、質の評価の外部評価を受けたときにはそれを公表することを義務づけるといった形で公表は進めてまいりました。

12ページにまいります。そのように進めてきたのですが、現状について各法人を比較したときどうなっているかということがここから2ページの資料であります。

 まず1つ目が閲覧制度の比較です。閲覧制度ですので、請求したときに見せてもらえるものですけれども、表にありますように各法人を並べております。閲覧の対象者が各法人ごとに違いまして、その下が閲覧対象書類について、法律上、閲覧による開示が義務づけられているものをマル・バツで記載しています。

 これを見ますと、まず、公益社団・財団については、定款とか、役員名簿、役員報酬規程についても閲覧対象となっております。さらに、財務諸表については、閲覧だけでなく、次のページにも及びますが、別途公告、公告というのは公表と同じですが、公表の対象とされています。

 学校法人については、見ていただくとわかるとおり、社会福祉法人と非常に似ているのですけれども、学校法人については法律上の義務づけはないのですが、補助金配分とこの情報公開の実施状況を関連づけることによって、短大や大学とかいったところでは財務諸表の公表がかなり進んでいるといった現状になっております。

 さらに、株式会社については、定款が閲覧対象となっているほか、事業報告書に役員名簿や役員報酬を記載して閲覧対象としております。さらに、財務諸表は、閲覧のほかに、別途、公告の対象となっております。

13ページは公告制度についての資料となっています。公告というのは、先ほど申し上げたように閲覧ではなく公表という制度ですけれども、株式会社は投資判断に資する観点から、公益社団・財団は非営利法人として社会的責任を有しているという観点から、1会計年度終了後、貸借対照表を公告、公表することが義務づけられています。また、大会社、大規模法人については損益計算書の公告も義務づけられています。

 この公表の方法としては、官報による公表、日刊紙による公表、電子公告(ホームページ)による公表といったパターンが定められておりまして、官報や日刊紙の場合は、貸借対照表・損益計算書の要旨(簡略化)による公告を可能としています。ホームページの場合は全文を公表するとされております。

14ページは、第1回の資料のときも一度ご覧いただいておるものなのですけれども、今年に入って、日本再興戦略、規制改革実施計画で社会福祉法人の透明性に関する閣議決定が複数されておりまして、まず日本再興戦略においては、社会福祉法人の財務諸表の公表推進により透明性を高めるとうたわれているほか、規制改革実施計画では、平成25年度分以降の財務諸表の公表の効果的な方法について具体的に検討して結論を得ることとされています。

 また、下の2つですけれども、平成24年度の財務諸表について公表を行うよう法人に周知指導し、その取り組み状況を調査し、規制改革会議に報告する。所轄庁に対しても同じように法人の平成24年度の財務諸表についてホームページで公表を行うよう協力を要請し、それによる所轄庁の取り組み状況についても調査して規制改革会議に報告するといったことが規制改革実施計画で求められていたところです。

 今申し上げましたように、規制改革会議において平成24年度の財務諸表の公表状況について宿題を負っていたわけですが、その結果を取りまとめて先日報告してきております。その内容が次の15ページの資料でございます。

 平成25年5月の規制改革会議の要請を受けて、同年5月末に法人と所轄庁に対して平成24年度の財務諸表を公表するように厚生労働省から協力要請をしました。その結果、7月末時点での公表状況を厚生労働省に報告していただくように依頼しまして、全国1万9,810の社会福祉法人のうち有効回答1万9,012法人について集計した結果がこの下の2つの円グラフでございます。

 まず、1つ目の法人の公表状況です。まず、ホームページ、広報誌、要するに公表のツール、媒体があるかどうかというのを見たときに、全体の80%の法人でいずれかの媒体はあった。その中で、公表した法人、公表していない法人を見ると、ホームページ、広報誌、いずれかある中で、公表したのが7,962法人、全体の52.4%になっております。その内訳が右の2つの円グラフです。

 まず、ホームページで公表したというところ。ホームページがあったのは全体の法人の66.7%ですけれども、その中で公表したのが38.5%。さらに右にまいりまして、広報誌を持っているところですが、広報誌があったのは全体の法人の52.7%、その中で公表したのが53.1%という結果になっております。

 さらに下の2つ目の所轄庁での公表状況にいきます。所轄庁での公表状況については、全体の10%、82の所轄庁が公表、762の所轄庁が未公表といった結果になっております。未掲載所轄庁の主な未掲載理由としては、ホームページのシステム構築に時間を要する、また法人の了承が得られなかったといったことが聞かれたところです。

16ページは、先ほどの資料の内訳でございます。まず、全体の法人数の中でホームページがある法人を左のほうに記載しております。こちらの表の見方ですけれども、列、横が事業体別に分けた分け方でございまして、下の国、都道府県など、縦の列、行のほうが所轄庁別となっております。右のほうのホームページで公表している法人数と割合をご覧いただきたいと思いますが、ホームページがある法人の中で今回公表した法人の数とその割合をこちらで分析しております。事業体別で見ますと、比較的小規模だと思われる保育所の公表の率が低くなっているということが見受けられます。また、所轄庁別を見ますと、これも国から市に規模が小さくなるにつれて、その所轄の範囲で公表しているところが少なくなっているという現状が見られます。

 次の17ページは規制改革会議における主な御意見です。当初、平成24年の公表を要請すべきというお話があったときの会議での要旨と、あと、1024日にこの公表状況を報告したときの主な御意見の2つを載せさせていただいております。

 まず、5月の公表を要請された時点での主な御意見ですけれども、

○ 財務諸表には、各法人が持っているものであり、すぐでも出せるはず。

○ 所轄庁には既に財務諸表が提出されているのだから、速やかに公表すべき。

○ 財務諸表の公表は、誰が公表してもいい。所轄庁が公表すればコストもかからない。

○ 社会福祉法人には、公的なお金が入っており、納税者がお金を払っているのだから、全国に公表するのは当然である。

○ 社会福祉法人の会計は、赤字や黒字の統計を毎年公表していくことが大事である。

こういったことが当初から言われておったところです。

 前回1024日の報告時の主な御意見が下の段になります。そこでは、

○ ホームページ、広報誌がある法人で公表されないのは問題である。

○ 広報誌よりホームページで公表している割合が低いのは、広報誌のほうが目立たないので、そうしたいという意識が働いているとすれば、非常に問題である。

○ ホームページで公表して、常時それが見られるという状況をつくることが基本ではないか。

○ 所轄庁は基本的にホームページを持っているはずなのに公表されないことは、非常に問題である。

○ 社会福祉法人は、税金が投入されているので、納税者に対して説明責任があり、きちんと公表することが必要。同様の理由により、所轄庁は法人の同意なく、財務諸表を公表することができるはず。

○ ホームページも広報誌もない社会福祉法人に、どのように透明性を確保させるか検討する必要がある。

こういった御意見を賜ったところです。

18ページから2枚は、規制改革会議で、社会福祉法人で財務諸表の公表が進む具体的な方法を今年中に検討し、報告することになっていますので、厚生労働省として、この平成24年の調査結果を踏まえた対応方針(案)を作りました。それがこの18ページと19ページです。

 まず、18ページのほうですけれども、考え方として、

○ 社会福祉法人は、地方公共団体に代わって社会福祉事業を実施している側面もあり、補助金等が交付され、税制優遇も受ける公益性の高い法人であり、国民に対して経営状態を公表し、経営の透明性を確保していくことは、その責務である。

○ また、社会福祉法人の情報は、福祉サービスの利用を希望する者にとって、サービスを選択する上で重要な判断材料となる。

こういった考え方から、対応方針としては以下のようにしていきたいと考えております。

 対応方針のところですけれども、

1 閲覧請求等の条件を見直した上で、社会福祉法人に対し財務諸表を電子データ化してインターネット上で公表することを義務化(制度改正)。

2 社会福祉法人に対し所轄庁への現況報告書(付属資料である財務諸表を含む。)の提出を電子データで行わせることを義務化。

この2つをした上で、ホームページが存在しない法人とか未公表の法人が存在することも想定されるので、それらの法人については、所轄庁への現況報告により所轄庁に提出された電子データを使って当該法人の財務諸表を所轄庁がホームページで公表するといった段取りで財務諸表の公表をしっかり進めていくべきではないかと考えております。

19ページにまいります。先ほどの方針とあわせてですけれども、主に3つ目の点でして、しかしながら、2万の法人の中には会計処理が不適切な法人であったり、仮に会計処理ができても経営状態を適切に判断できない法人もあること、また、一般の利用希望者が経営破綻によってサービス利用に影響を及ぼすことを事前に知り得るには、財務諸表そのものだけではなく、もう少しかみ砕いたものが必要であるといったことが考えられることから、財務諸表の公表による透明性の確保とあわせて、法人の会計技術向上の取り組みですとか、健全性の確保を目的とした経営改善のための仕組み、経営診断を導入してはどうかということを考えております。

 次のページにまいります。ガバナンスに関する論点として大きく3つ挙げております。

1.社会福祉法人のガバナンスをどう考えるか。

社会福祉法人の役割や他法人との比較、公益法人制度改革を踏まえて、どのように考えるか。

2.地域に積極的に貢献するために、どのようなガバナンスの改善が求められるか。

社会福祉事業の充実や地域に密着した事業展開に、より積極的に取り組んでいくためには、どのよう仕組みが必要か。

地域や事業における現場のニーズを経営に反映させるにはどのような体制が必要か。

3.社会福祉法人が果たすべき説明責任の範囲についてどのように考えるか。

説明責任の対象(福祉サービスの利用を希望する者、国民等)についてどう考えるか。

公開方法(ホームページ、広報誌、閲覧等)についてどのように考えるか。

公開していく情報(事業情報、財務諸表、定款、役員名簿、役員報酬規程等)について、どのように考えるか。

保育所、一般市等の小規模な団体に対する経過措置に関してどのように考えるか。

こういった観点からいろいろ御意見を賜ればと考えております。

 以上です。

○田中座長 ありがとうございました。

 では、ただいま説明のあった内容について、質疑並びに討論を行ってまいりましょう。最後のページに論点が書いてありますが、前半の社会福祉法人の組織のあり方と、後半の透明性の確保に分かれていますので一応分けます。だけれども、両者の議題は重なるので、多少ダブって発言になっても構わないと思います。

 では、最初に、社会福祉法人の組織のあり方に関して御質問、御意見のある方はお願いいたします。前半、後半、それぞれ必ず1人一言は言っていただきたい。せっかくいらしていますので期待しております。

 森構成員、どうぞ。

○森構成員 先ほどの6ページの「近年の改正」というところで、これは私がそう感じたのかどうか、現場のことがよくわからないのでいけませんけれども、平成12年の改正、17年の改正、18年の改正、とりわけ評議員会の問題。実はこれを読んでいますと、評議員の権限とか立ち位置、役割というのがだんだん低下していったような、狭められていくような印象を受けたのです。逆に言うと、ちょうど平成1612月の社会保障審議会福祉部会の意見書の中にも、評議員会の牽制機能という文言を使って、理事会に対して、その独走なり、ある面では良識的な判断をするための牽制機能を持たせているはずだと私は思ったのですけれども、これを見るとだんだん。しかも、田中座長たちが社会福祉法人経営研究会でも公益制度の改革を見定めて考えておられる。そうすると、この平成18年の改正というのは、その公益法人の改革の前に出されていると解釈させていただきました。田中座長たちの報告書は18年8月だったのです。そうすると、その辺で、評議員会そのものがどうあらねばならないか。

 そしてもう一つ、社会福祉法人にとって、もちろん理事会が大きな意思決定機関ではあるかもしれませんけれども、監事という立場が物すごく大きな役割。きょうは公認会計士協会の方がいらしていますけれども、例えば株式会社でも、監査の必要性というのが。とりわけ企業内から出る監査と外部から来る監査、そのようなことをして、ある面ではチェックが。そして、法人の規模がだんだん大きくなって、例えば2,000人、3,000人という大きな規模になってくればくるほど、そこで評議員会なり、特に監事というものが大きな役割を持ってくる。そうすると、後ろのほうにも絡みますけれども、先ほど表で、いわゆる社会福祉法人が定款とか役員名簿とか報酬とかいろいろなところで財団法人というのは全部マルが打ってありましたけれども、そうではない。そうすると、いろいろな規制があって、税制の優遇がある。そういうものならなおさら、社会的な公器という役割、あるいは責任を果たすためには、特に評議員会とか評議員とか。

 そして、先ほど9ページのところでの御説明にありましたように、財団法人の組織の変化ということで明確に理事・理事会、監事等、あるいは評議員・評議員会というもののあらねばならない姿をきちっと明示しておられる。これがある面ではこれから求めていく状態像ではないか。この資料をいただきまして、特に比較対照すると余計。実際に先進的におやりになっていらっしゃるところはそのように。

 今日は千葉構成員もお見えでございますので、例えば福祉医療機構さんが経営診断とか経営指導もしていらっしゃるということからいっても、標準化をして数値化するとか、そういうことをしてやっていくことが大変重要ではないか。そして、そこから経営指導なり診断をしていくことができれば、ある面では、従来の護送船団でやってきたものが一歩前進できるのではないかと感じました。

○田中座長 評議員会の位置づけについて、公益法人とは違っているのではないかと大変鋭い御指摘をいただきました。

 松山構成員、お願いします。

○松山構成員 今の御指摘は非常に重要だと思います。私も、厚労省さんの御説明を聞いていて1点教えていただきたいことがあります。9ページの一番下に、公益法人の場合、評議員会の法定化、権限と責任の明確化で、理事、監事、会計監査人の選解任権限があると書いてあるのです。最初に説明を受けた社会福祉法人の評議員会にはその権限がないような印象を受けたのですけれども、それがどうかというのを事実確認させていただきたい。

 というのは、例えば米国の非営利医療・介護・福祉事業体、日本で言うと社会福祉法人に近いものの仕組みはどうなっているかというと、評議員会は地域住民の代表で、これが理事を選ぶのです。理事会は経営執行権限を持っていません。理事会はあくまでガバナンスでありまして、その中に経営執行役員は通常1名しか入っていません。経営執行役員の選任と解任を理事会がやるということによりガバナンスが物すごく効くようになっているのです。

 日本の仕組みは、経営執行も含めて、理事会に権限を集中している結果、実はガバナンスが効かなくなっているのではないかという印象を受けます。その辺は厚労省のほうでどういう御見解なのでしょうか。

○田中座長 事務局、お願いします。

○前田専門官 ただいま松山構成員から御質問のございました社会福祉法人における評議員の制度でありますけれども、定款準則の中に書いてあるものが全ての権限でございまして、御指摘のとおり、財団法人を例にすれば、財団法人のような評議員が理事を解任する、もしくは理事を選任するといった規定は現在ございません。

○田中座長 さらにありますか。

○前田専門官 失礼いたしました。

 解任の部分のみそのような規定がないという状況でございます。

○松山構成員 そうすると、選任はできるということですか。

○前田専門官 はい。

○藤井構成員 私も、今、お2人の構成員から御発言があったとおりだと思います。まず、ガバナンスといったときに、誰が誰をガバナンスするのかということだと思うのですけれども、日本では、少なくともコーポレートガバナンスというのは株主が経営者をチェックするという意味でございます。これが非営利法人になりますと、持分というものが通常ございませんので、誰が誰をというのが不明確になるわけでございます。この点、一般財団に関して言いますと、同じく二層構造をつくりまして、評議員会が理事会を、あるいは理事をチェックする、ガバナンスするという仕組みになっているという理解をしておりますから、まずは、ガバナンスという前に主語がなくてもいい法人があるというのが、ガバナンスというのは何なのか。内部牽制とか内部のチェックという意味であれば経営者が内部をチェックするものとしてございますけれども、ガバナンスと言うからには、誰がという主語が明確である必要があり、評議員会というのは必ず必要だということになるのだと思います。

 ただ、社会福祉法人というのはさまざまな規模がございまして、1保育園も社会福祉法人となっている現状で、小さな市町村で評議員会が3つも4つも要るといったときに機能するのかといった問題もございます。過去そういった経緯で措置施設のみとか保育園のみといったものが外されてきたのだろうと思います。ただ、介護事業のみのケースで評議員会が要らないというのは、大規模法人もありますから、ちょっと理解しにくい。比較的最近の制度改定によってこうなったわけですが、これを機にぜひ戻していただくとともに、評議員を選任するのは誰か、この点も重要で、今ですと、理事及び理事会が選任するというわけのわからないような状況になっておりますから、ここのグリップを変えることによって社会福祉法人の本来目指すべきものになるのだろう。

 ただ、規模とかそういったものをさまざま勘案しないと、現にはうまく機能しないと思います。ガバナンスというのは、私はさまざまなもののバランスだと思います。経営者というものは、経営環境の中でさまざまなバランスの中で動いているものでございますから、単に監事とか評議員によってチェックされるというだけではなくして、途中ございましたけれども、1つは、公益法人改革の中にありますように、理事の損害賠償といったみたいなものを明確化することも考えていかないといけない。

 これは会社法とか一般社団・財団の中では任務懈怠義務となっているものだと思いますが、現状の法律でも善管義務ということで、当然、損害賠償は社会福祉法人の理事の方は受けるわけでございます。では、一体誰が訴えるのか。過去、私、社会福祉法人が理事を訴えたということは一回しか聞いたことがございません。これも法廷外でやられたことでございまして、それは理事会が全部ひっくり返ったのでそういうことが起きるわけですけれども、訴える側がちゃんといなければ、この損害賠償も機能しません。まずは、社会福祉法の中に任務懈怠義務に当たるものをきちんと明文化するとともに、訴える主体としての評議員会を機能させる形にしないと動かないだろう。

 それから、現在の社会福祉法には、理事の刑罰は言及されたものがないのですけれども、一般財団に関して特別背任を明確に言っております。特別背任ではなくて刑法の中の一般背任は、当然、社会福祉法人の理事の方にも係るわけですけれども、告発する人がいないということ。それに、たしか、会社法が10年以下懲役1,000万以下罰金とか、刑法が3年10万円とか、そういうのになっておりまして、一般財団の特別背任7年500万円が決まっているという刑罰でございまして、特別背任と比較しますといかに刑法の背任が非常に軽いという罪になっております。さらに、評議員及び評議員会の代表訴訟を明確にするとともに、損害賠償責任、懈怠責任と理事の刑罰、特別背任、これを明確にするというのは必要なのではないかと思います。

 以上です。

○田中座長 ありがとうございました。

 千葉構成員、お願いします。

○千葉構成員 まず、ガバナンスという今回のタイトルですけれども、今、藤井構成員も誰がという主語が必要だと仰ったのですが、まさにそのとおりであります。1つは、規制改革会議等々で言われているキーワードがそのまま生きているということなのだろうと思うのです。ただ、今、藤井構成員が仰ったように、誰がというのが明確にならないというのが1つ。

 それから、何のためにガバナンスするのだという目的論がなくて、ガバナンスの形ができているかできていないかというところで議論が集中しないのか。何のために社会福祉法人が公器にふさわしい役割を担って、果たしているかということを誰がどのように利害をこうむっているのか。いわば市民なのですけれども、一般にそんなに声高らかに言う市民がいっぱいいるか。

 ちょっと後ろ向きの言い方になってしまうかもしれませんけれども、昨今のようにコミュニティーが崩壊しているような中で、企業の場合だと株主なので明らかにその人の利害が明確になるのですが、社会とか地域社会といったときに、確かに概念的にはあるかもしれないけれども、そういうものなのかなと。つまり、形の上で企業とかそういうもののガバナンスを一生懸命考えても、何かちょっと違うのではないか。やはり主語のいないガバナンスというのは何なのかというのが1つあるのかと思うのです。

 ただ、そういったときにちょっと気になるのが、社会福祉法人というのはもともと非常にいろいろな牽制機能が働いていると思います。もともと憲法89条という説き起こしがあったように、公の支配に属するような所轄庁の監査あり、いわゆる制度でいう、ここで議論になっていた評議員会や理事会というのがあると思うのです。結局、これまでの改正経緯を見ても非常に立派なことが書いてあって、これがちゃんとできていればすごいではないかと思えるのだけれども、それが結果としてできていないというと、結局それは制度の問題なのか、制度を運用する側の問題なのかというのが1つ。

 もう一つは、その制度が運用できているかどうかというのは誰がチェックしているのか。基本的にはそれは一般的監督権という中で所轄庁が見ているはずなのですけれども、そんな組織の経営について精通した地方公共団体の官吏がいるかというと、申しわけないですが、私は非常に絶望的な気分にならざるを得ない。それを実効性あるものにするときに、制度を幾らいじっても、それは違うのではないかという気もしている。確かに、どういうクラスターの人をどれぐらい、例えば評議員会、理事会とか、何層のクラスターをつくるかというのは重要な思想だし、こういう場で検討しなければいけないことなのかもしれませんけれども、多分、それというのは形だけつくっても今までの改正の経緯と同じことが起きてしまうのではないか。何で働かなかったのかというところをもうちょっと詰めるべきではないかという気がしています。

 長くなりましたが、以上です。

○田中座長 形だけつくるのではなく、機能するものをつくれというところですね。

 松山構成員、どうぞ。

○松山構成員 今の御指摘はもっともなのですけれども、国民から見ると、制度をつくっても、所轄庁及び社会福祉法人のガバナンスの仕組みが機能していないのだったら、そんなものに非課税優遇措置などはやめてしまえという話になると思うのです。それではまずいのでこういう検討会があるのではないかと思うのです。

 千葉構成員と私の意見はほとんど一致していると思います。これから日本社会・経済が大変になるのですから、社会福祉ニーズというのは物すごく拡大するのです。それに応えられるだけの、つまり、先ほど御指摘のあったガバナンスに主語が持てるような社会福祉法人をどうやってつくっていくのか。そういう社会福祉法人を政策的に支援して、そうでない社会福祉法人についてはたまっているお金を出してもらうという方向に持っていくしかないのではないかというのが私の意見です。

○千葉構成員 ちょっと補足をいいですか。

 松山構成員とまさに思うところは同じかと思うのです。まず1つは、そういう外の目というのも当然あるのですが、もう一つは、中の人たちが法人の業務をしっかりグリップしているのかというところも問われるべきではないか。何でもかんでも企業等の仕組みを敷衍して語っていいのかどうかは疑問です。少なくとも人が複数集まって一つの組織を形成してある目的を達成しようという意味では、その限りにおいては普通の組織と何ら変わらないので、そういう意味では、現場のことにちゃんと精通した人が企業とか、社会福祉法人さんでもいらっしゃると思うのですけれども、現場のたたき上げの役員という方がどれぐらいいるというのがある程度ないといけないのかなという気がしています。そういう意味では、理事がそういう形でちゃんと組織をグリップしているのかというのが1つ。

 もう一つは、これは後の透明性の話にもつながってしまうのですけれども、監事さんなのです。昨今、財務諸表開示といったときに、ここにも出ていましたけれども、内容が非常にめちゃくちゃな決算書があるという指摘があります。私も実際に目にしたこともあります。それが何で出てきているのかというと、結局は、手続上は少なくとも監事の目も理事長の目も通っているはずなのに、なぜそれが見抜けなかったのか、そこの資質の問題というのが問われるべきなのかと思うのです。その外の牽制も当然必要だというのを否定するつもりはないのだけれども、そもそもその手前の内部の経営をグリップする人の能力もちゃんと考えなければいけないのかなという気がしています。

 以上です。

○田中座長 雄谷構成員、どうぞ。

○雄谷構成員 今、千葉構成員が言われた部分というのは本当にキモの部分で、こんな社会福祉法人は危ない、そういう部分がはっきりしないとだめなのだろう。そうすると、今、理事会、評議員会の問題が挙げられていますけれども、詰めていくと、こんな理事長で大丈夫なのですか。自分も含めてですが。

 一般的な株式会社であれば、経営一新のリスクを負ってでも乾坤一てきの勝負をする見返りがある。ところが、社会福祉法人の場合は、その理事会なりを一新する、それに見合うものがきちんとあるのかというと、なかなかそういったものが見当たらない。それは非常勤であったり、あるいは無報酬であったりということが大きく影響していると思います。

 ただ、安定性とか公益性ということを考えると、一般の市場のように、そういったことが頻繁に起こっていいのかという問題が一方ではあります。しかし、今のこういった御時世になって、そういう安定性を錦の御旗に上げてやっていくという時代ではないのだろう。そうすると、先ほどありましたが、誰が誰をという問題が見方として1つある。

 もう一つは、どのようにという問題も別次元でしっかり考えていく必要があるであろう。どのようにということになると、そこにある物差しは何ですかという話になりますので、何をもってという問題が1つ出てくる。そこら辺の問題を解決しないといけない。

 第三者評価という話が上がっていますけれども、もちろん、第三者評価の弱い部分もある。特に経営責任という問題、経営品質という問題を追っていくと、まだまだ弱い部分がある。

 経営品質賞であるとか、ジャパンクオリティーアワードといったものを考えていくと、理事長責任と、いち早く経営者が的確な判断をできるかどうかという問題がきちんと見定められている。そういったものも視野に入れてやっていかなくてはいけないだろう。社会福祉法人であっても卓越した経営仕組みを求めていくということがそろそろ必要なのかなと。

 先ほど言いましたけれども、よく現場の話を聞くと、いろいろな大会がありまして、本当に情熱のある現場の職員が、○○さんのところの仕組みは本当にすごいですね、でも、私たちのところはなかなか上に理解がなくて、どう転んでもそうはならないのですという諦めの声が出る。現場の職員はこうなればいいというのはわかっている。しかし、それを正していく仕組みがないということがあるのです。

 そうすると、先ほど言われましたけれども、最近、各法人に属して常勤として勤めている施設長が理事を務めていくというのは、そういった面では、責任をとるということも伴って非常に意味があるのだろうと思います。ただ、エンプロイーサティスファクション(ES)的な観点からいくと、そういった部分を非常に強くしながら、僕は先ほど言いましたけれども、こんな社会福祉法人は危ないという見極め方の中で、特に代表権を持っているのに実際には名誉職のような理事長職の方々はたくさん見られます。そういった方々は、先ほど言われましたけれども、どう転んでもこの社会福祉法人に公益的あるいは社会貢献というものが求められる時代で、以前の慈悲の時代であったような役職、そのときに担っていた理事長職というのは大きく変わっていかなくてはいけない。そのときに物差しが要るのではないかという気がします。

 松山構成員が言われていましたガバナンスが効いていないのではないかというのは、実際問題、私たちの問題ですけれども、そういったことになっているのは多々ある状況であろうかと思いますし、情報公開も一歩踏み込んで強い言葉になってきているような気もします。そういった書き方をされるのは、情報公開を進めていく上ではもちろん必要ですけれども、社会福祉法人が主体的にみずからを改善していくような仕組みをつくっていく必要はあるのかなと思います。

○田中座長 一般企業ですと、社長が暴走するのをとめることがガバナンスの主目的ですが、こちらではむしろトップが何もしないことをきちんと監視すべきである。それも含まれます。

 先ほど手を挙げておられ浦野構成員、お願いします。

○浦野構成員 皆さんの御意見なども承っていて、私の感想をまず申し上げますとやはり戦後50年の慣性の法則というのが物すごく効いている。つまり、そこからきちんとハンドルが切れていないということなのだろうと思います。語弊はあるかもしれませんけれども、社会福祉法人のガバナンスは、少なくとも措置制度の時代のままです。

 こういう言い方はどうかと思いますけれども、所轄庁にしてみると、理事長などは要らない、所轄庁が施設長を指揮するのだという構造だったと思うのです。そういう中で、今でも、例えば理事長が無報酬でなければいけないかのような言説が日に陰になされていたり、ある県では、理事長の報酬が日額1万円までとかいうようなことも一部言ったとか、実際には、理事も理事会も有名無実という時代が長く続いていた。そこからかじをいかに切るか。切らなければいけないのだけれども、慣性の法則が効いていてなかなか切れないということがあるのだろうと思います。

 結論的には、社会医療法人なり公益財団なりのレベルまで持っていかなければいけない。最低そこまで行かなければいけないというのはそのとおりでして、そこへ持っていかなければいけないのだけれども、どうすればそこへ持っていけるか。制度的にも決めてしまえばそうなるのでしょうけれども、それだけでは実態がなかなか伴わないのかなという気がしています。

 そこで、評議員会の評議員の選任ということについて、いかにして地域の声や働く人々の声を評議員会に吸い上げていくかということも考える必要があると思います。

 例えば、今、評議員に地域の福祉関係者を入れなさいという指導があると、あるいは地域の代表を入れなさいという指導がありますと、勢い、商工会の会長さんにお願いしようとか、農協の組合長さんにお願いしようとか、肩書きで選んでいくという発想になりがちなのです。そうではなくて、例えば、それぞれの社会福祉法人、まともに運営している社会福祉法人であれば、そこでそれなりにボランティアさんの活動が展開されていたりするわけです。特に何か公職を持っているとか持っていないとかではなくて、日ごろからその施設、法人の活動に支援をしてくださるような方々をきちんと評議員会に入れていく。あるいは、働く人々の代表として、管理職でない人々をきちんと評議員に入れていくとか、そういうことも考えていく。評議員会を議決機関にするということは大事なことですけれども、その内実として、どういう人々を評議員会に入れていくかということもあわせて考えないと、資料でも「名目的な人事を排し」と言いながら、むしろ名目的な人事が助長されるという不思議な逆転現象が起きますので、そこのところでいかにしてそういう人々の声を入れていくか、そこまで考えないといけないのかなとは思っております。

○田中座長 ありがとうございます。

 では、対馬構成員、どうぞ。

○対馬構成員 社会福祉法人ノテ福祉会では、札幌市と北海道厚生局の実地指導をしていただく際は、事前通知を頂いてから実施されてきました。現場ではどうしても、日々の目先の業務に追われ、作成すべき書類が後回しになっています。日常業務ですべき業務を確実に行っていくためには、実地指導の事前通知はない方が良いと考えました。平成26年4月には札幌市、北海道厚生局に対して、実地指導の事前通知をお断りする旨、申し出をしようと考えています。いつ実地指導に来られても対応できる体制づくりを準備しているところです。

併せて、全国で行っている市町村の実地指導の内容についても見直す必要があると思っています。規定についての重箱の隅をつつくような指導ではなく、ガバナンスとか、コンプライアンスについて重点的に指導すべきと考えます。現場が一番見てほしいのはサービスの質だろうと考えています。しかし、そこはチェックされていないのが実態なので、社会福祉法人に対する実地指導のあり方を変えるべきだと考えます。

当法人は、理事会・評議員会のほかに執行役員会を設置しています。執行役員会は理事会・評議員会で承認された執行役員5名で構成され、月2回、徹底的に議論する場を設けています。併せて、内部監査室に2名を配置しています。1名は経理に長けている者で財務諸表を中心に見ています。もう一人は、サービス関係のコンプライアンスを重点的に見ています。

さらにこれからは、内部統制が重要な時代なので、そのために内部統制室を設け、ガバナンスについてもチェックをしています。また、サービスの品質については外部評価と内部評価を行っています。その結果で、どういった研修が必要なのか、教育研修室長が立案して研修を行っています。

今、社会福祉法人の組織の在り方についてもう一度考える必要があります。このような体制を維持するには多額なコストを要します。これからの社会福祉法人は、一定の規模が必要だろうと考えます。この委員会でこれからの社会福祉法人の規模についても議論が必要だと考えます。

○田中座長 先進的な取り組みをありがとうございます。

 追加ですか。

 では、先に。

○浦野構成員 今の規模の話についてですけれども、5ページの資料の紙面の右上のほうの定款準則のところに「親族等特殊関係者は理事定数に応じて以下のとおりとすること」という租特要件があるのです。実は、社会福祉法人の規模を拡大していこうという話になったときに、すぐにではないにしても、いずれ、法人の合併ということを当然視野に入れていかなければいけない。そのときに、いきなり合併しましょうといってもなかなか難しいわけです。そうすると、親族が制限されるのは当然として、例えばA法人の理事がB法人の理事になるときにこの特殊関係者とみなされるということで、理事の相互乗り入れということが極めて難しい状況になっているのです。資本関係で支配をするということがないわけですから、人的に交流をしていく、経営者が相互に乗り入れしていく中で合併の機運を醸成していくということは手法として必要になってくると思うのです。そうするときに、ここでA法人の理事がB法人の理事になるにはこれだけの制約があると、合併という機運がなかなか盛り上がらないということになるのだろうと思うので、ここの見直しもあわせて必要なのではないかと思います。

○田中座長 法人単独ではなく、合併を視野に入れて。

 先ほど田島構成員が手を挙げていましたが。

○田島構成員 結局、後で話す情報公開、透明性の問題とどうしても重なり合ってくる部分があるのですけれども、1つは規模の問題が大きいと思います。職員が20人程度、保育所で1億円いかないという規模の中で法人機能が持てるのかというと、なかなか持てないだろう。理事長に給料を日額1万円という指導を私も聞いたことがありますが、5,000万とか6,000万円の収入規模では1万円も出せないです。小さいところを否定するわけではありませんけれども、その規模を大きくするということをきちっと政策として考えていくべきだろうと思っています。

 公益法人、新公益法人の制度の中でも、比較的大きな法人は制度のとおり運用できるのですが、小さな社団・財団さんは運営に大変困っているという実情があって、いろいろな要望の中では、法人の規模でガバナンスのあり方を変えるべきではないかという議論も出ていることはちょっとつけ加えておきたいと思います。

 それから、小さな法人でガバナンスを生かすためには、これは都道府県によって違うのでしょうけれども、理事長が施設長を兼任するなという指導を厳しくしている県がまだあります。つまり、浦野構成員は施設長兼任。

○浦野構成員 いいえ、私は兼任ではありません。

○田島構成員 外れましたか。

○浦野構成員 はい。理事長の専任でやっております。

○田島構成員 規模が大きくなってくるとできますよね。でも、規模の小さいところで、理事長と施設長が兼任できないとなると、法人からお金をもらうということがほとんどできないわけです。報酬がゼロで、責任を負わされて、結局、会議だけ来る。年に4回か5回しか来ない理事長というのは、現実にどのぐらいかわかりませんが、数割、下手をすると5割ぐらいいらっしゃるかもしれない。地方分権ですから難しいかもしれませんけれども、この問題を緩和していただくというか、施設長をしながら法人も見ていく、法人の責任も負っていくという体制が改善できないかというのがもう一つです。

 規模が大きくなれば、先ほど外部の監事の監査もありましたけれども、内部の監査機能を本部が持てる。私は、これは非常に大きな役割だと思います。内部監査があって、監事監査があって、外部の監査人の監査があって、公的機関の監査がある。一定規模の法人であれば、やはりそれぐらいの手順を踏んでいかないと上手にはできないだろうと思います。

 もう一つは、社会福祉法人というのは理事長の権限が非常に大きいのです。専決事項が物すごくあって、予算範囲であれば全て独断的に決められるように法律上なっている。それが、さっきの対馬構成員のところのように、私がいたところもそうですが、執行役員なり経営委員会なり、名前は何でもいいのですけれども、理事長の専決事項を審議していくというか、集団で決めていくようなそういう役割を持たせるためにも規模が必要で、その規模の中で専任の本部の事務局長なり常務理事なり事務局員がいて、そして代表的な施設長が何名か理事に加わっている。この人たちは常勤の理事としてきちっと法人を回していく。そういう執行体制がとれることが一番望ましいのだろうと思います。

 ただ、小規模なところをどうやって監督しながら存続させていくのか。それとも、小規模なところはもうだめだ、総収入が5億円以下は法人として認めないとか、そういうことはなかなかできないでしょうから、小さなところの特例をさっきの評議員会の必置でないような感じでつくるとかいうことも将来の課題としては出てくるのかなということを今は感じております。

 長くなって済みません。

○田中座長 ありがとうございます。

 高橋構成員、どうぞ。

○高橋構成員 別の視点から少しお話ししたいと思うのです。

 まず、法人を設立する審査会が都道府県で開かれますが、どの程度のボリュームで法人をつくっていくのかというときに、地域性を前提に考えた、いわゆる偏在しているものではなくて適正配置をしていくことと、そして、核になる法人が必要なのだろうと思うのです。そうしたときに、小さい法人と大きい法人。大きいというのは、もともとは施設を設立するための小さい法人だったかもしれない。保育園をつくりたいから法人をつくるというのが今までの順序でありましたけれども、そこに法人を設置することによって今後どのようにその地域で福祉を発展させていくのかという福祉活動の核が必要だろうと思うのです。

 新しい法人ができるときに認可証を手渡す機会に列席するけれども、保育園をつくりたいから法人をつくるのだということですが、この法人の理事者に対して、または理事長を含めて、どういう事前研修がなされていて、法人というものがどういうものかを理解させているのかどうかということはすごく疑問に思うのです。これは当然、先ほどのお話のように、慣性なものがあれば、当然そこの中でなされているのだろうと思うのですけれども、今後、この法人が小さな政府的な役割をしていくとすれば、やはりそこのところを明確にしていく必要があろうと思うのです。ただ、法人をつくるのではない。保育園をつくりたいからつくるのではない。やはり地域福祉的なものを視点に置くとすれば、その法人は地域や行政からも将来すごく期待もされていくわけです。今、1法人1施設的なものが多い中では、例えば、理事の相乗りというのが先ほどありましたけれども、そういう中で保育園を束ねていくことも地域としては必要かもしれません。もう既にある県ではそんな例もありますけれども、そういうことも必要だと思うのです。

 もう一つは、評議員会が設置されてもされないでもいいような業種があるのではなくて、社会福祉法人にはもう既に評議員会があって、これは地域代表だとか、利用者代表がそこで意見を述べられるような仕組みをシンプルに考えるべきだと思うのです。保育園には要らないとか、介護のサービスには要らないとかではないですね。置かないでもいいということではなくて、社会福祉法人には必ずそういう仕組みがあって、それによって公益性が認められていくのだということをもっと社会全体の認識にさせていくことも必要なのではないかと思う。だから、地域性、法人の専門性というものに対しての意見が業界からももっと述べられるようにする。

 ちなみに東京では、約4割の施設は地方の法人が経営されているのです。というのは、本来は東京の法人がやるべき仕事が、地方の方々、それも大きな法人、力のある、財力を持っている方々です。そのかわり撤退も早いです。ある程度業務が終わったとか、経営が困難になったというので撤退もされます。後始末はやはり東京の法人がされるのです。そういうことを考えると、地域性というのはすごく重要なのではないかと思うのです。法人が幾らたくさんあっても、それだけのカバーするものができていないということであるとすれば、郵便局のように、通ってでもやれるような、山の中にも法人があっていいと思うのです。そこの地域の福祉サービスをするとすればリサーチにより、福祉施設の設立に対して地域性を私はすごく考える。それと、法人の設置のとき、設置を求める側に対してどれだけの期待をして、行政はそれなりの支援がなされているのかということだと思うのです。

○田中座長 西元構成員、どうぞ。

○西元構成員 私どもの社会福祉法人もそんなに大きいとは思ってはおらないのですけれども、法人の運営に関しては20年ほど前から組織化ということを考えています。どう考えたかといいますと、いわゆるフォーラム方式と言われる形をとろうと思いました。理事会とか評議員会、それから監事さんがいらっしゃいます。そうした役員会の人たちと職員の人たちと一緒になって考えていかないといけない。一緒になって経営、運営をしていかなくてはいけない。それを求めようとしたわけです。非常に難しくて、今まだその途中だと思っておりますけれども、こういった形をつくりました。

 1つは、理事会とか評議員会のほかに、本部体制をとりながら職員で形成する経営委員会というのをつくりました。この経営委員会に対しては、定款の細則で権限を持たせるようにしました。常勤監査役は職員の側から内部監査をしていくものです。これは、コンプライアンスという部分と、もう一つは、理事さんだとか評議員さんたちの業務の執行の仕方について監査をするということになります。必要であれば意見を言えるようにするということも条文化しました。

 結局、フォーラムというのは、チームワークということが前提になっていないといけないと思います。それまでは文鎮型といわれる組織であったわけです。理事長が1人いて、理事長の命令一下、右向け右なら右という形をとっていたものを、今ではそうではなくて、経営委員会、要するに現場の職能の代表、種別の代表、それから本部の主に経営管理などをしている人たちが16名いますけれども、そういう人たちがそれぞれの専門性を持ってやっています。文鎮型の場合、1人の人がオールマイティーにやることはなかなかできないので、いろいろな専門性を集めた形の経営委員会をつくって、それぞれの職能とか種別、例えば施設で話し合われたことがそこへ反映できるようにしていく。今そんな形を考えて動いています。

 ですから、いろいろな意見が出てスピードが遅くなってしまう場合もあります。しかし、役員会のときには経営委員会も出席して、傍聴という形で必ずオブザーバー参加をするということになっておりますので、職員に対しても全て透明性を確保する。そんなことをしております。

 権限だとか責任だとか義務というのが組織性の要素の一部分だと思いますけれども、これを明確化していくのは、やはり定款の中で細則をつくって、細則の中で、権限、責任、義務といったものをしっかりと位置づけておく。そうすることでフォーラム形式ができるのだろうということで、今それをつくり上げて、やっと細則のところまでやってこられました。それから、専決権の問題にしても、理事長だけが専決権を持つのではなくて、常務理事の専決権、また、本部がありますので本部長の専決権、施設長の専決権、いろいろ専決権も条文化しております。そうしたことをしていかないと、組織化というのは頭で考えているだけではなかなかできないのではないか、そんなことを思っています。

 以上です。

○田中座長 事例報告、ありがとうございました。

 藤井構成員。

○藤井構成員 先ほど申し上げましたガバナンス、誰が誰を統制するのかという観点と、もう一点、何をガバナンスするのかという観点があると思います。改めて誰が誰をガバナンスするのかという観点ですと、今の皆さん方のお話を聞いていると、ステークホルダーが経営者をガバナンスする、経営者が内部をガバナンスする、両方ともガバナンスという言葉で呼んでおられるケースが多いのだなと。株式会社では、通常、コーポレートガバナンスというのはステークホルダーが経営者の部分しか言わないのですけれども、両方呼んでいるということですので、そこを区別してどうするかという制度づくりが必要なのだろう。そのときに、基点といいますか、その支点になりますのは経営者なのだけれども、その経営者であるはずの理事が経営者としてなかなか機能していないという問題が皆さん方から提起されているのだろうと思います。

 その点で1点指摘させていただきますと、法律上、理事会という定義や機能等が社会福祉法にはございませんで、理事としか書いてございません。理事会というのは、定款準則の通知のほうには書いてあるのでございますが、一般社団・財団のように、理事会が理事の職務の執行を監督するという書かれ方はしておりません。この法人の業務の決定は理事をもって組織する理事会によって行うという書かれ方しかしておりません。そのため、現在の社会福祉法では、他の理事の故意・過失に基づいた理事会決定といったものを参加した理事が責任を問えるかどうかというのは怪しい構成になっているというのが1点でございます。

 先ほどあるように、理事長が非常に強い権限を持っている。ここには、1つは、定款準則という形でモデル定款をつくっておられまして、これが通知であるにも関わらず、非常に幅をきかせておりまして、ここにしか重要なことが書かれていないという非常にバランスの悪い状況になっております。その中に、預かり金の日常管理は専決していいとか、あげくの果てには、物品の売却・廃棄は専決していいとか、非常に事細かに書いておりまして、そして、行政が事細かにこのとおりに書けとか、このとおりにせよというものになってしまっているという問題がございます。ですので、まず、このモデル定款が通知で、法律の根拠に基づかないものによって指導・行政監査しているというものを、法律に大きな枠組みを決めて、かなりの範囲で定款自治を認めていく。定款自治を認めるからには、そこの部分をちゃんとガバナンスするという仕組みができ上がらなければいけない。そこには、先ほど私がちょっと先走りして申し上げましたように、懈怠責任であるとか、損害賠償であるとかといったことも明示していくというバランスなのだろうと思います。

 もう一点、誰が誰をガバナンスするかという問題と何をガバナンスするかという問題ですが、ガバナンスの世界では、一般には、第1に法令・規則違反があるかどうか。第2に財務、第3に効率性とか効果性といったようなことのガバナンスが行われるということになっております。この効率性・効果性といったときに、会社とはかなり違うものをチェックするということを、これまでこの場で議論しておるのではないかと思います。

 財務も、会社とは異なるものをチェックするのだろうと思っておりまして、財務の外部のチェックというのは、恐らく、会社というものは利益があるかのように見せつけるということが一番の問題でございますから、利益があると言っているけれども本当はきちんと書かれていないのではないだろうか、利益があるかのように書いたのではないかというのをチェックするのが最重要でございます。社会福祉法人の場合は、ちゃんと財務諸表ができ上がっているかから始まって、変な余らせ方をしていないか。もちろん、経営状態がこれではどうしようもないのではないかということもあると思うのですが、今議論していますのは、むしろ変な剰余金が残り過ぎていないかということと、そもそも財務諸表が生きているか。

 この財務諸表に関して言いますと、社会福祉法人審査基準という通知に、監事の1人がわざわざ財務諸表が読めると書いてあるのです。これは不思議な文言でございまして、2000年当時はこれでよかったのかもしれません。財務諸表が読める人間はそう多くなかったように思うのですけれども、1人が読めるということは、もう一人が読めなくていいと書いているのも同然でございまして、今どき新入社員が財務諸表を読む、福祉学科の学生が財務諸表を読むのを教えている時代でございまして、ぜひこの規定を外したほうがいいのではないかと思ったりいたします。

 財務に関して言うと、今申し上げたような特殊な、変に余らせないできちんと地域福祉に使っているのだろうか。なおかつ、一定程度の利潤に当たるものの中から、効果的に地域の谷間に落ちるようなもの。あるいは、老健局長が言っておられましたけれども、どうしても社会福祉法人はリスクがある事業、儲かりそうもない事業をやらない傾向にございますが、地域包括ケアとか在宅ケアとか民間企業も手を出せないようなリスクがあるもの。あるいはイノベーションが必要なものもきちんとやっていこうとか。あるいは、特に過疎地等ですと、ある程度お金にならないところにもサービスをやっていこうといったものに使われているかどうかといったことがガバナンスされる必要があるのだろうと思うのです。そういったあたり、何をチェックするのか、そしてそれをどのようにするのかということがある程度明示されれば、先ほど50年間の慣性というお話がありましたけれども、社会福祉事業は何もするな、この定款準則、定款、モデル定款に一言一句従えと。田島構成員がよく仰るキリスト教の理念を書こうとしたら、そんなことは書くなと言われる。そういったものを出して、これがルールだとすれば、日本の地方公共団体の役人の方は真面目でございますから、そっちの方向で今後を監査していく目というものが働く。

 それから、先ほど浦野構成員が仰っておられましたけれども、私自身もある区の介護保険事業計画の座長をやらせていただいているのですが、きちんと説明をして理解をしていただくと、一般公募した構成員の方々というのは非常に現実的かつ卓越した意見をなさるようになってきているのではないかと思います。これは23区だからなのかもしれませんけれども、我々は、一般の方々というのは余り知識もないし、適切な意見がなかなか出てこないのではないかと思いますが、そうではなくて、そういうお願いをしてこなかった。さらには、そういった方にきちんと意見を言っていただくためにかなり情報を提供し、理解していただくプロセスを踏まなければいけないのですけれども、これをやってこなかったということではないかと思います。地域の住民の方々、市民の方々にこの社会福祉法人を理解していただく、そしてこの器をしっかりつくっていただくのだという啓蒙・啓発といいますか、教育といったようなものを入れ込んで評議員会をつくれば、50年の慣性と、あるいは千葉構成員が仰っておられたようなものを。

 県の監査から区市に変わったことによって、心配していた以上に区市のほうがむしろ柔軟であるという話を私はよく聞きます。これまでの慣性にとらわれていないのだろうと思いますけれども、こういう機会に一気にこういったものが変えられるのではないか。そのとき、先ほど来議論がありますように、規模の問題をどう考えるか。小さなところにできないものはできないですけれども、できないところはできないでいいからそのままいてくださいという話ではないのだと思うのです。大規模化するというインセンティブを増しつつ、できないところに猶予を与えるという仕組みをどうつくるかというのが別途必要なのだろうと思います。

 以上です。

○田中座長 宮田構成員。

○宮田構成員 評議員会につきましては、その機能はともかく、とりあえず今のところ、措置事業、介護事業、保育事業については必置義務がありません。ということは、社会福祉事業の障害以外は必置ではないということになる。多分、それがかなりの問題なのだろうと思います。少なくとも自立的な経営ということで社会福祉基礎構造改革以降取り組んできている中で、幾ら規模が小さくても、公益法人として1個の法人格を持つ以上、そこはしっかりとそういう仕組みを入れるべきなのだろう。ただ、評議員会の機能につきましては、今のままでいいとは思いませんが、これから先どのような位置づけをしていくかというのは別途議論するべきだろう。取り急ぎ、必置を外れているところは速やかにきちんと位置づけていくことがまずは必要なのではないかと私は思います。

 以上です。

○田中座長 松原構成員。

○松原構成員 ガバナンスの問題ということで企業統治の問題ですので、1つあるだろうなと思うのは、世襲が前提になっているようなところがあるということです。私は、世襲を否定するつもりは全くなくて、世襲していただいていいのですけれども、原則は経営の優秀な方が継いでいくべきです。今お話にありますように、社会福祉法人は地域の社会的財産だ、今まで以上にそういう位置づけにしたいということであればなおさら、何々家の私物というのではなくて、社会の公器、社会の財産となるためにも優秀な方が経営者になることが前提になっていくような流れが今後求められるだろうということです。この点は別に、法的に世襲は禁止とか、そんなことはできる話ではございませんので、意識的な問題です。現在のように小規模のケースでは問題ないのですが、今後、地域の財産として大きくなる場合、そういう意識が今後は求められるだろうと考えます。

 あと、透明性の確保についてです。先ほど何度も御指摘ありますように、やはりステークホルダーの方々にわかりやすい財務情報公開が求められると思います。実は医療法人も財務諸表を県のほうに提示して、県は求められたらそれを誰にでも情報閲覧が可能な状態にしていますけれども、そこでははっきり言って収益、費用、利益しかわからないのです。これだと、例えば取引先とかから見るとどういう状況なのかなというのがわかりづらい。簡単な経営分析ができる程度の財務情報の公開というのがステークホルダーにも必要ですし、そういうことによって社福も内部規律を正されるというのですか、正しい財務諸表をつくろうという姿勢により強く動くと思いますので、ただ、公開するのでなくて、その公開する中身もチェックが必要かと思います。

 あと、最後に、経営診断をするというお話がございました。19ページに「経営改善のための仕組みを導入してはどうか」ということで、本日も来ていらっしゃいます日本公認会計士協会に対して技術協力を依頼ということなのですけれども、これも全く反対する話ではないのですが、福祉医療機構がここずっと社福の経営診断とか融資のプロとして実績がございますので、福祉医療機構の御活用もぜひ御検討いただきたいと思います。

○田中座長 ありがとうございます。

 社会福祉法人の透明性の確保に法もどうぞと言おうと思っていたら、松原構成員が先に言ってくれたので。

 せっかくですから、柴構成員、どうぞ。

○柴構成員 まず、ガバナンスの話です。

 私ども、会計監査をする立場としては、ガバナンスで最も重要なのは、やはり経営者の誠実性というところに着目しております。先ほど対馬構成員から話があったように、経営者の方が経営に真に取り組むと、先ほどお話があったように、いろいろと管理体制を構築していくのだと思っております。ただ、それに任せておくと、今の皆様のお話でいくと、そういったことに対応できるところは限りなく少なくなっていくという部分では、ある意味、公益認定のように、法でそういったものをバックアップしていくということも必要なのかなというのがガバナンスについての感想です。

 それから、透明性の確保です。幾つかポイントがあると思うのですが、まず、公表の部分と正確性の部分と、先ほどお話があった経営診断の部分です。公表のところですが、今、法でこのように公表しなさいというような考え方で進んでいますけれども、1つは、法人側のマインドセットの問題があると思います。義務化という言葉の中にそういったことも含まれているのかもしれないのですが、こうやって適時に開示すればこういう御褒美がありますよとか、逆に、今開示しなければむちがあるというような対応も1つ必要なのかなという部分です。

 それから、公表の手法についてです。各法人がホームページで公表するというのは当然望ましい姿なのですが、これを法で制度化して機能するかということについてはちょっと疑問があります。多分、各法人のホームページで開示する場合、これの網羅性をチェックするということはできないのではないか。それから、適時性も確保できないでしょうし、事後的に改ざんされてもチェックできないということで、制度化としてはこの方法はちょっと厳しいような感じを受けています。

 英国では、監督機関のほうでウエブで公表するとか、フランスでは商業裁判所に登記するといったような各国の制度があると思いますので、ここら辺をもう少し検討いただければ。

 今、2の方法として、所轄庁のほうで公開するということが挙げられていますが、どちらかというと、こちらのほうが実効的なのかなという気がしております。ただ、これは正確性の問題にかかわってくるのですけれども、所轄庁が公表するデータの中に各法人の数値が入ってきたとき、そこにBSが合わないというような話もあったと思うのです。そういうデータが紛れていた場合、一部の不信が全体の不信につながるということもございます。その場合も、大規模な法人から小規模な法人まであると思うのですが、せめて何らかの正確性の担保を維持した上でないと、これも公表しただけでは済まない話なのかなと感じております。

 次に、正確性です。先ほど来、経営の方が不在とか、そういう話を聞いてだんだん不安になってきているのですが、正確なデータがあるかないかというのは、経営者が正確なデータを必要としているかしていないかにかかわる話でございまして、それが正確に出てこないということは、申し訳ないのですけれども、いわゆる丼勘定というか、ざるで水をすくうような経営があり得るのではないかということを心配するのです。

 そこで、入り口論として、既に社会福祉法人としてある法人についてはまた別途監督という部分で見ていくしかないのですが、審査制度の中でそれなりの体制づくりがある法人でなければというようなことも今後検討するべきなのかなと。そういうざるのようなところに公費を投入するということは多分問題が起きると思いますので、そういったことも考える必要があるのだろう。

 それから、市、都道府県、県、国と所轄庁が分かれておりまして、それぞれのレベル感があるのだと思うのですけれども、聞いた話によると、市によっても、政令指定都市から地方の小さな市、人口が100万人からいるところと5万人程度というようなところで、それなりに管理レベルが異なってきているのではないかということを、私ども、地域会のメンバーから聞きます。

 私どもの協会で実は地方の地域会向けに研修をやっているのです。地域会によっては県とタイアップしたり、市とタイアップして一緒にやっているケースもありますので、そういったところでは、私ども、ボランティアなのですけれども、会計士協会を利用していただければ、有効な研修ができるのかなと思っております。

 それと、公益のほうにもあったのですけれども、一定規模の法人については、ぜひ外部会計士による監査が必要であるということを御理解いただければと思っています。一定規模以上の法人については、公益性のみならず、公共性という意味では公開企業と変わるところがないと思っています。雇用とか環境とか消費といった一般市民の生活レベルに深くかかわる部分でございまして、そういった意味でも会計監査を入れてほしいと思っております。

 それと、経営診断なのですけれども、今、私どもは協力して作成中で、年度内にはどうにか出すように作業をしております。これについては、各法人で自己の診断、経営判断のために使っていただけるようにということと、もう一つは、所轄庁のほうで指導監査というのがあると思うのですけれども、そこであたりをつけるというのですか、効果的・効率的な監督ができるような指標分析になればなと。

 最後に、これを集計してマクロ的に分析して、公費の効率的な使い方ができているかどうかといった見方もできるのではないかということで、そういった基準づくりも今手がけているところでございます。

 私のほうは以上です。ちょっと長くなって済みません。

○田中座長 専門性の立場からありがとうございました。

 残り20分ほどですが、透明性の確保についてさらに御意見のある方。

 松山構成員。

○松山構成員 今、非常に重要な御指摘がありましたが、私は、財務諸表の公開の仕方については、所轄庁800以上のものに任せるのではなくて、少なくとも都道府県単位で集約していただいて公開の仕組みをつくっていただきたいと思います。

 というのは、846も所轄庁があると、調べようと思ってもわけがわからないのです。ところが、都道府県単位でまとまっていれば、例えば東京都が社会福祉法人検索というウエブをつくっておられますけれども、あのようにまとまって置いてあると、地区別にも見られますし、全体像が見えるのです。そのようにしていただきたい。

 それから、私が調べていておもしろい法人がありました。結構大きな社会福祉法人だったのですけれども、所轄庁に出している財務諸表には疑問符がつく一方で、ホームページに正しい財務諸表が公表されていたのです。これは一体何だろうと思ったのですけれども、公表している財務諸表はかなり詳細なものでした。それはちゃんと連結財務諸表として正当なものだと私は認識しました。そういう意味で、連結の法人全体の財務諸表を出していただくと同時に、所轄官庁に出しているものをPDFにして、それを外部から見られるようにしていただくと、実はいろいろな人が見たときに検証できるのです。それが残っていればいろいろな分析もできると思います。

 今日、1点教えていただきたいのは、厚労省の資料の中で15ページの一番下に「未掲載所轄庁の主な掲載理由」ということで、法人の了承が得られなかったから開示できないというのがあるのですけれども、これは一体何なのかということです。

 というのは、規制改革会議のほうからいろいろ要望が出ていて、所轄庁が財務諸表を持っているのだから公開できるではないかということなのですけれども、これは統計法の関係で、所轄庁が財務諸表を持っていたとしても簡単に個票を開示できないという意味なのでしょうか。「法人の了承が得られない」というのは。

○友藤課長 国では行政機関の保有する情報の公開に関する法律というのがありまして、地方自治体も同じようにそういった行政機関として保有している情報について公表するかしないかについていろいろ取り決めをされています。ですから、それぞれの自治体さんのほうでその基準に従って、これは法人情報だから開示できないという判断をされたのだと思っています。ただ、法人情報でも、法人特有の情報であれば、法人の競争性の観点から開示しないということはあり得ると思うのですが、それ以外のものであれば基本的にオープンにしていいですよということだと思っています。地方自治体さんのそれぞれの御判断だとは思っていますけれども、私としては公表できないことはないのではないかと認識しています。

○松山構成員 そうすると、またもや日本のすごい欠陥がわかるのですけれども、所轄庁によって解釈が違ってルールが違うということになると、これは物すごく大きな問題。

○友藤課長 それぞれルールは地方自治体さんのほうでつくっていたりしますので、そういった形で運用されているのだろうとは思っています。ただ、今回、公表に向けて私どもがいろいろルール化させていただくということになれば、国でオープンにしなさいという形になれば、自治体さんのほうも御協力いただけるものと考えております。

○松山構成員 わかりました。

○田中座長 千葉構成員。

○千葉構成員 透明性の話で、先ほど公認会計士協会の方から非常に専門性の高いすばらしいお話をいただいたのですが、私もそこに同感するところが多くて、まず1つは、公開については、今、厚労省の提示されているスキームというのは非常にいいのではないかと思います。その際に、今、松山構成員が仰ったように、所轄庁ベースでやるというのも一つの手だとは思うのですけれども、それとて相当数あるということと、ある種統一的な比較可能な状態、検索可能で計算可能な状態のものができるかというと、多分ばらばらになるのではないかと思っています。

 そういう意味では、こういう例えがいいのかどうかわからないのですけれども、社会福祉法人に近い分野で学校法人というのがあります。大学を持っている学校法人が多々あるわけで、その中には会計学の学科を持っている法人も多々あるわけです。自らの学校法人の会計の研究をしている人というのは山ほどいるわけです。しかし、社会福祉法人の会計を研究する人というのはいるか。ほとんどいないです。

 これは何があるかというと、結局、財務諸表の特殊性とかも含めて、学校法人の場合、スピーカーが回りにいっぱいいるのです。だけれども、社会福祉法人の場合というのは、それを言ってくれる人は本当に限られた人しかいない。そういう中で、孤軍奮闘して、自分たちは内部留保がどうだとか言っているのも何かむなしい気がするというのが一つあるので、やはり研究する人を多く抱える、もしくはそれを見てくれる人を多く抱える。松山構成員のような方をいっぱい抱えるという形が本当は重要なのかなと。

 そのときに一番問題になるのは何かというと、多分、それは公開の方法に関わってくるのですけれども、PDFにするとか、画像でやるというのは大変なことになるのです。もちろん、原本をそのままPDFにするから、正確性を担保する上ではこれに越したことはないのですけれども、分析するにはもう一度データ化、デジタル化しなければいけないというのがあります。

 企業などでも、昨今、これは税務だけではなく、いろいろな手続の中で、それ専用のプロトコルを使って財務データを吸い上げるXBRLという規格があるのですが、そういうデータでダイレクトに相手のデータから吸い上げてくるという方法があります。そうすると、報告する側の負担も少なくなるし、使う側ももう一度打ち直さなくてもいいということがあります。

 私が主張したいのは、せっかくこういうのをつくるのであれば、利用可能なもの、特に企業の場合だと、昔は紙、紙が映像になって、それが二次利用可の計算検索可能という形で進化してきている。社会福祉法人の場合は一々そんな段取りを踏まなくても、社会基盤でEDINETというのもできていますから、そういうものの活用も視野に入れながら、このデータを社会化していく、社会統計として使えるような状態にしていくことが重要ではないかという気がします。

 そうなってくると、そこの規約さえ決めてしまえば、後は所轄庁で持っていても県で持っていてもいいのですけれども、全国組織みたいなところで1個持っているというのが一番いいのではないか。それが、表側がそろうデータとしてもいいのかなという気がしています。

 昔は、厚生労働省にWISHという厚生労働ネットワークに社会福祉法人の現況報告システムがあったのに、今はなくなったと聞いています。だから今、全国統一で吸い上げたデータがないのです。あわせて、当時の社会福祉・医療事業団、私どものところのWAM NETWISHの現況報告を一般の者に開示できる仕組みを持っていたのですけれども、当時は時期尚早というか法人側の開示意思がほとんどなくいつの間にか使われずにうやむやになっているところもある。別に自分で名乗りを上げるつもりはないですけれども、自分も特養とかいろいろなもののデータを集計している経験で言うと、単一主体で、データベースという形で検索可能なことは大変重要だと思います。

 例えばアメリカなどでも、For990という様式で申告して、それが電子化されて検索可能、計算可能なオールUSのデータベースができているのです。そういうのも参考に、ぜひ社会福祉法人でもそういうデータベースが必要なのかなと。

 そのためには、そのベースとなるデータの信頼性付与という意味では、まさに公認会計士協会さんを含めて、会計情報の妥当性確認の仕組みが不可欠です。確かに一定のコストがかかるわけですけれども、それに余る公共性・公益性を持っている法人だということからいうと、企業よりもさらにハードルが厳しいというか、義務化する、きつくするほうに振ってもいいのではないか。要は、規模が大きいものだけ監査を義務化ではなくて、中規模や、もうちょっと小さくても義務化すべきぐらいの考え方があってもいいのではないかという気がしています。そういう意味では、データの信頼性の付与、それから統一したデータベースが必要。

 もう一つあるとすれば、財務諸表の公開というのは、企業などですと、有価証券報告書というのをご覧いただくとわかるとおり、単に財務諸表だけではなくて、その営業の状況とか、長文式の財務開示も入っています。そういう意味では、昨今ですと、企業会計の中でも統合報告という形で、環境報告とかいろいろなコンプライアンス報告を含めて、統合した開示、ディスクロージャーをしていますので、そういう企業などの先進事例も横目に置きながら、この社会福祉法人の在り方というのは、段階を踏まないで一足飛びに飛んで財務・非財務の開示である統合報告に持っていってしまってもいいのではないかという気がしています。

 以上です。

○藤井構成員 まず、会計のディスクロージャー、公表の件です。千葉構成員、柴構成員から御意見を伺っていて思ったのですが、先ほども申し上げたのですけれども、社会福祉法人の会計の何をチェックしなければいけないのかというのは、株式会社等とかなり違う面でチェックしていただく必要があるという点で、仮に外部監査が必要だということになってもプロトコルがかなり違ってくるのではないか。しかも、それができる先生方はそう多くない現状がある。むしろ、私などは現場へ行きますと、会計の専門家の方がいいよということで、余り御存じない上で御指導されたがゆえにひどいことをやっているというケースが散見されるという現実がある。これはかなり数を見ますので、このあたりの社会的なインフラをどうつくっていくかということなしに、今、株式会社等でやられているものをそのまま当てはめるわけにいかない。むしろ、千葉構成員の福祉医療機構がやっておられるようなものが社会的なインフラになっていくのではないか。

 その際に、1つは、間違ったことをやっていないのかというチェックが社会的な公器としては必要ですけれども、ステークホルダーに示していくという観点でいったときに、ステークホルダーが誰なのか。私は、重要なのは、地域の福祉としての器ということになりますと、やはり地域住民が見て、うまく使ってくれているなというレベルのものがお金レベルで見えないといけないのではないか。そういったときに、田中座長を中心にやられた剰余金がどうなのだろうかということを明確に、うちはあとこれぐらいある、うちはこれぐらい使います、ぜひ地域で提案してくださいみたいな数字が出たほうがむしろ意味があったりするのではないか。何をどのように出すかということでこれは一検討が必要なのではないか。やるべきだと思います。

 それから、2点目ですけれども、ステークホルダーが住民だというふうに仮に設定しますと、何が知りたいだろうかというと、先ほど柴構成員から出たと思うのですが、経営者像、この人が何をやってきたどういう方なのかというものを開示すべきではないかと思います。さらに言うと、話は外れるかもしれないのですが、社会福祉法人の理事長の資格というのはそろそろ問うてもいいのではないか。さらに社会福祉法人の理事長さんが社会福祉法人から幾らお金を得ているか。これも理事全部だと思います。それとともに、ほかのところから幾らお金を得ておられるか。これはいろいろ検討した上でだと思うのですけれども、地域住民はそういうことを知りたいと思うのです。地域住民が何を知ったらこの法人を応援してくれるかという観点から考えるという視点も必要なのではないかと思います。

 以上です。

○田中座長 どうぞ。

○千葉構成員 ちょっと補足で。

 信頼性付与というか、正確な財務データということで言うと、社会福祉法人の場合、社会福祉法人会計基準というのが新旧ともにできているのですけれども、通常、この会計基準があると、それを監査する監査基準というのが、柴構成員、たしか企業の場合ありますよね。

○柴構成員 あります。

○千葉構成員 本当はこの社会福祉法人の会計についても、そういう監査基準というものをしっかり持つべきではないかと思います。

 以上です。

○田中座長 宮田構成員、どうぞ。

○宮田構成員 そもそも社会福祉法人は、ステークホルダーをしっかりと味方につけるために、自立的に経営するためにはそういう公表を通じていろいろな地域の方とかに味方になってもらえる。そのための一つのきっかけが今回の財表になっているのだろうと思うのです。そういう視点からすると、我々としてはそこをしっかりと。先ほど藤井構成員が仰ったように、その財務諸表さえ公開したらいいのだということではなくて、自分達がやっているいろいろな取り組みをしっかりと伝えていくことが重要なことなのだろうと思います。

 それと財務諸表の正当性というか正確性につきましては、仰るように、いろいろなところで問題があるようですし、1つは、行政監査の問題でもあるとは思うのです。つまり、自治体が監査するとはいえ、法定受託事務でやるわけですから、そこはしっかりと国として一定のチェックができるような体制を整備していただく。我々も当然やっていく。それをチェックしていくのは第一義的には行政監査ですから、そこをしっかりとやった上で、事によったら外部監査を受けるというようなことも必要なのだろうなと思っております。

 以上です。

○田中座長 ありがとうございます。

 もうお一方ぐらい時間がありますが、いかがですか。

 柴構成員、お願いします。

○柴構成員 今、監査基準の話が出たのですけれども、監査基準は一般に公正妥当な監査基準というものが国際監査基準で定められておりまして、対象となる財務諸表がどういった会計基準に基づいてつくられているかという違いだけでして、監査基準そのものが1つです。

 加えて、会計士協会では、社会福祉法人に向けた監査実務指針というものもつくっておりますので、そういった意味で、我々が監査するに当たってはある程度指針となるものがございます。ただ、これが一般に広く知れ渡っているかというと、そういったところはまだ不足していると思いますので、そういった㏚活動も我々はやっていかなければいけないと思っております。

○田中座長 説明ありがとうございました。

 課長、どうぞ。

○友藤課長 事務方のほうから少しお話をさせていただきたいと思っております。

18ページは「社会福祉法人の財務諸表の公表に関する対応方針」ということでございまして、12月末までに効果的な方策の取りまとめをして、規制改革会議のほうに御報告という形になってございますが、本日御議論いただきまして、もしよろしければ、こういった方向で規制改革会議のほうに御報告をさせていただければと思っております。

 柴構成員から、実効性の担保をどうするのだというお話もいただきました。各法人に対しては監査指導という形で、私ども、財務諸表のチェックもできるような形、公表をどうやっているかというところもチェックできるというところもございます。基本的には、法人さんに義務づけで、今、閲覧請求があれば開示するという義務がかかってございますが、さらにより一歩進めて、インターネットでの公表という形で義務づけをさせていただくという形で進めさせていただければと思っています。

 松山構成員等々から、やはり一本で都道府県単位で見られるというお話もございましたが、そこについては便宜を図っていくということでございます。それはまた別途、よりよい公開方法という形で上乗せで、そちらについては今後適宜検討させていただきたいと考えております。

 そういうことで、対応方針についての御見解を少し。

○田中座長 これは、検討会として、別に法律的な意味ではないけれども、何となく了承することが望ましい。

○友藤課長 そうですね。こういう方向でいいですよというお墨つきが得られれば大変ありがたいと思っております。

○藤井構成員 私もあの場におりましたけれども、とにかく規制改革会議としては、すぐできることはすぐやれということで、そのことで言えば、これは結構かと思うのですが、これは本当にとりあえずのことなので、松山構成員も仰っておられましたし、これをやっても余り意味がないだろうというのが今の議論ではなかったかと思います。とりあえずやることは急いでやっていただければと思います、

○千葉構成員 私も同感で、これをマイルストーンの第一歩目のところの形であれば異存はありません。

 もう一つは、ちょっと質問なのですけれども、18ページの一番下のところに黒い太字で「2により所轄庁に提出された電子データ化された当該法人の財務諸表を、所轄庁のHPで公表」と書いてあるのですが、これは単独で自らホームページで公開できないもののみですか。それとも全てですか。

○友藤課長 一応、お願いするのは、所轄庁に提出されたデータ化されていないところを念頭に置いておりますが、やはり利便性の関係もありますので、全部お願いをしたいということで考えております。

○千葉構成員 多分、一個一個ホームページに探しにいくのと、そこの所轄庁に行くだけで済むのとの違いがあるので、せめて所轄庁には所轄しているのを全部データにしておいていただくといいと思います。

○友藤課長 はい。

○田中座長 森構成員、お願いします。

○森構成員 恐らく規制改革会議のほうでは、これをいつまでに全部というような厳しいというのですか、先ほど田中座長が仰ったいろいろな意味でファジーな部分がある。だけれども、規制改革会議は恐らく、いつまでにこれを成し遂げるのだというようなことを言われるかもしれませんけれども、その辺はよろしいのですか。今、千葉構成員が仰ったあの辺のことというのは、先ほど来も、いわゆるホームページで公表することができない個人的な云々とか、どうのこうのというお話があったものですから、なおさら心配になりました。

○友藤課長 これは当然、平成26年度からということになってございますので、それに向けて実施をさせていただくという形で考えております。

○田中座長 松山構成員、どうぞ。

○松山構成員 私、規制改革会議で一番ハト派の人間なのですけれども、1点、今の関係で教えていただきたいのです。

 先ほどの2のところで、電子データで開示ということになると、現況報告書の中に個人情報とか預金先の銀行名とか、情報開示制度に従うとマジックで消してくるようなデータが結構入っていますね。だから、その辺をどう取り扱うかというのを、規制改革会議で説明していただくときに、厚労省さんのほうのスタンスをある程度明確になさっていただいたほうが皆さん安心するのではないかという気がします。

○友藤課長 今後、現況報告書を公表することもありだということになれば、当然、そういった公表を前提とした資料の提出でお願いをするということで考えていきたいと思っています。

○田中座長 浦野構成員。

○浦野構成員 実は全国経営協でも既に始めておるのです。会員法人の情報開示についてはまだスタートさせたばかりですが、全国経営協のホームページで、会員である法人の情報公表は基本的には年度内に全部やるという方針でおりますので、そういうことも含めて、一覧性ということにはいろいろなやり方があるのかなとは思います。

○松山構成員 済みません。最後に1点だけ。

○田中座長 どうぞ。

○松山構成員 1点だけ申し上げたいのは、現在、ウエブで公開なさっている社会福祉法人も結構ありますが、その大半は要約版です。要約版ではわかりません。ですから、通常の財務諸表をきちっと出していただくようにしないと比較対照ができないという問題があります。

○田中座長 特段に反対の人はいないようでしたので、これはむしろ第一歩としてこのように進めていく。ただし、実務的に何を注意するかとかをめぐる話はあるかもしれないけれども、皆さん、社会福祉法人の在り方としてこういう方向が当然であるとこの会で発言いただいた、とまとめて大丈夫なのではないでしょうか。

 それから、ガバナンスの話と違って、先ほど宮田構成員が言ってくださった社会福祉法人が公開すべき財務諸表以外の部分ですね。企業で言えば環境報告書とか、コンプライアンスの報告書とか、現況報告書等々、むしろ誰かのチェックを受けるというよりは、味方をふやすための情報公開もあるとの前向きな話もしていただきました。ありがとうございました。

 きょうの話について一応そちらで進めるべきことは進めてください。それ以外にガバナンスについて言い足りないところがあれば、それは次回また発言していただくことにいたします。

 次回について事務局から説明をお願いします。

○友藤課長 次回開催でございますが、1216日月曜日を予定しております。よろしくお願いしたいと思います。

○田中座長 本日は大変活発に御議論いただきました。社会福祉法人のあり方だけではなく、実務的にもどのようにしたらいいかを皆さん言っていただいたし、先進事例の報告も大変参考になりました。御協力に感謝いたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省社会・援護局福祉基盤課

(電話): 03−5253−1111(内線2870、2871)

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