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2013年10月9日 中央社会保険医療協議会 診療報酬改定結果検証部会 第38回議事録

○日時

平成25年10月9日(水)9:29~10:06


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

牛丸聡部会長 森田朗委員 関原健夫委員 西村万里子委員 印南一路委員 野口晴子委員
<事務局>
神田審議官 宇都宮鈴木医療課長 佐々木医療課企画官
竹林保険医療企画調査室長 近澤薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

 ○ 平成24年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成24年度調査)の本報告案について

○議事

○牛丸部会長
 おはようございます。若干早いかもしれませんけれども、皆さんおそろいのようですので、始めさせていただきます。ただいまより第38回「診療報酬改定結果検証部会」を開催いたします。
 まず委員の出欠状況について、報告いたします。本日は全員が御出席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 「○ 平成24年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成24年度調査)の本報告案について」を議題といたします。
 平成24年度に実施いたしました、特別調査6項目につきましては、速報として、平成25年2月27日、4月10日、5月29日及び6月12日の4回にわたりまして、中医協総会に報告を行っているところですが、このたび、最終的な報告書が取りまとめられました。
 まずはこの報告書の作成において、検証部会の委員、つまり公益委員の皆様には、短い期間で内容を御確認いただきましたことを、この場をおかりしまして、厚く御礼申し上げます。また、いろいろな面でサポートしてくださった事務局の方々に対しても、お礼を申し上げます。
 報告書に対する検証部会としての評価につきまして、委員評価案を作成いたしましたので、この後、事務局より説明をいただきます。その上で、本日は、検証部会として、評価案について御議論いただき、最終的な検証部会としての評価を取りまとめたいと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。
(「異議なし」と声あり)
○牛丸部会長
 それでは、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○竹林保険医療企画調査室長
 保険医療企画調査室長でございます。
 資料の説明をさせていただきたいと思います。
 本日の資料、中医協検-1-1から中医協検-1-7まで7種類の資料でございますが、中医協検-1-2から中医協検-1-7までにつきましては、24年度実施分の調査のそれぞれについて、既に総会に速報という形でお示しさせていただいたものに、結果についてのコメントでございますとか、調査票をつけてものでございますが、本日は、中医協検-1-1、検証部会としての24年度調査分の評価についてを中心に説明させていただきたいと思いますので、中医協検-1-1という資料をごらんいただきたいと思います。
 中医協検-1-1の最初のページに、24年度調査の概略を書いてございまして、ページの中ほどに(1)~(6)という形で、6種類の調査のタイトルを紹介しております。
 2ページ以降に、6つの調査のそれぞれにつきまして、調査の目的でありますとか、方法、概要、回収状況、主な結果、検証部会としての評価という形で整理をして、おまとめをいただくということでございます。
 例えば救急の調査が最初に出てまいりまして、記述は2ページ目から始まりますが、10ページ目をごらんいただきますと「(5)検証部会としての評価」という部分がございます。この部分が、救急の調査について、検証部会としておまとめいただく部分でございます。
 本日は時間の制約もございますので、それぞれの調査について、中医協検-1-1の(5)の部分につきまして、現時点での内容を御紹介させていただきたいと思います。この後、総会もございますので、ポイントを絞った、なるべく簡略な説明をさせていただきたいと存じます。
 最初に救急医療関係の調査結果は、2ページ目以降でございますが、(5)になりますと、10ページ目以降でございます。
 ○1として、小児特定集中治療室管理料の新設などの小児救急の評価についてでございますが、11ページ目のイをごらんいただきますと、新生児特定集中治療室管理料の算定施設において、病床利用率や平均在院日数が減少しているのは、退院調整部署の体制充実が図られ、新生児特定集中治療室退院調整加算の算定件数も伸びた効果があらわれているということ。
 その下のウでございますけれども、今回の改定で新設された小児特定集中治療室管理料については、本調査では届け出施設が1施設もなく、施設基準が厳しいとの指摘もあり、今後の動向を注視する必要があるとされております。
 ○2といたしまして、救急搬送患者地域連携受け入れ加算の引き上げなど、後方病床における取り組みに関する評価につきましてですが、今回の改定におきましては、救急搬送患者地域連携受け入れ加算の引き上げ、あるいは算定要件の緩和などを行ったところですけれども、紹介加算、受け入れ加算ともに、平成24年4月以降に届け出施設が大幅に増加して、算定件数も増加していることから、救急搬送患者に関する地域連携に一定の効果があったとされております。
 ○3といたしまして、院内トリアージ実施料の新設など、二次救急医療機関等の救急外来に関する評価についてでございますけれども、12ページをおめくりいただきまして、ウでございます。平成24年4月以降にトリアージを導入したと回答した医療機関の比率が高かったことから、24年度の改定が院内トリアージの導入促進に大きく貢献しているなどとされております。
 続きまして、その下、○4でございますけれども、精神科救急に関する部分でございますが、同じく12ページのアのところでございます。6行目辺り、紹介加算の新設により、他の医療機関への転院が円滑に行われるケースがふえたかどうかにつきましては、現時点では、その効果は明確ではないということで、今後の動向を注視する必要があるなどとされております。
 救急の調査の概略は以上でございます。
 続きまして、在宅医療の実施状況及び医療と介護の連携状況調査の結果でございます。これは14ページ目以降ですが、(5)の評価の部分は22ページ目以降でございます。
 これにつきましては、23ページ目をごらんいただきたいと思います。ケというパラグラフですけれども、在宅医療に関する緊急時の病床の確保について、平成24年4月以降の半年間で、在宅患者を連携医療機関に緊急入院させようとして、入院できなかった経験を有する施設が、機能強化型在支診で3割近くあったということで、緊急入院のための病床の確保が依然として課題ということ。
 24ページ目のセでございますけれども、これも在宅医療に関して、3行目以降ですが、患者さんのほうでは、医療機関同士が連携して、夜間・緊急時の対応体制を整えていることに安心感を高めているといった一方で、他の医療機関との連携の効果として、24時間体制の負担が軽減されたと回答した医療機関の割合が決して大きくないことから、連携体制を構築することが、24時間体制の構築を推進することには、必ずしも寄与しない可能性があるなどとされております。
 また、最後のまとめの部分ですけれども、在宅医療を進めるために、有効な退院調整や医療機関や介護保険施設・事業所との連携に対する評価など、さらなる充実を図ることが必要であるなどとされております。
 在宅医療の関係の概略は以上でございます。
 続きまして、訪問看護の関係の調査、25ページ目以降でございますが、(5)の評価の部分は32ページ目以降でございます。
 これにつきましては、33ページ目をごらんいただきたいと思います。一番下にクというパラグラフがございます。退院直後の医療依存度が高い状態の要介護被保険者などに対し、退院直後の2週間に限り、医療保険での訪問看護が提供できることとしたところ、改定前後で特別訪問看護指示書が交付された利用者数、利用回数がそれぞれ増加していることから、訪問看護の推進に効果があったとされております。
 34ページ目の中段、サでございますけれども、標榜時間外の訪問看護につきまして、早朝、夜間、深夜の訪問について、介護保険と同様に評価することとしたところ、こうした時間帯の計画的な訪問看護の実施状況について、改定後に大きな伸びが見られた。
 同じページの一番下、セでございますけれども、24時間連絡対応加算の届け出割合については、訪問看護ステーションの職員数による規模が大きくなるほど、高くなるという結果でございます。
 訪問看護の調査の概略については、以上でございます。
 続きまして、在宅における歯科医療と歯科診療で特別対応が必要な者の状況調査の結果についてです。これは36ページ目以降ですけれども、(5)につきましては、46ページ以降でございます。
 ○1としまして、在宅歯科医療についてでございますが、47ページ目の中ほど、オをごらんいただきますと、歯科訪問診療に関する他機関との連携についてございます。6行目の右辺りですが、課題として、歯科訪問診療があることが知られていないといったことが挙げられておりまして、連携を図っていくためには、歯科訪問診療に関する情報等の周知が重要などとしております。
 48ページ目以降、○2として、特別対応が必要な患者に対する歯科医療につきましては、49ページ目のキをごらんいただきたいと思います。特別対応が必要な患者さんを受け入れる上での課題として、診療に時間がかかる、採算が合いにくい、全身状態の管理が必要になるなどの回答が多かったということで、同じパラグラフの下のほうですが、特別対応が必要な患者に対する歯科診療の負担を軽減するための方法を幅広く検討を行っていく必要があるなどとされております。
 同じページの下、○3として、歯科医療に関する医療機関サイドの意向調査でございますが、これにつきましては、50ページのエをごらんいただきますと、歯科訪問診療及び特別対応が必要な患者の歯科医療を始めるために整えてほしい環境としまして、診療に適した装置・器具をそろえるための支援が最も多く、診療報酬上のより一層の評価、他機関・他職種との連携をするための支援などが挙げられていたということが紹介されております。
 歯科の関係は以上でございます。
 続きまして、医療安全対策や患者サポート体制の評価の効果の調査の結果につきましては、(5)になりますと、58ページ目以降でございます。この調査は、異なる要素が一緒くたになっているような調査ですけれども、最初のアからエの部分が、今回の改定で算定要件の緩和等を行いました、感染防止対策加算に関する部分でございます。
 58ページ目の下のイでございますが、同じパラグラフの中で、59ページ目にお移りいただきまして、1行目でございますけれども、感染防止対策加算1あるいは2の届け出施設の大部分が、医療安全管理部門とは別に、専門の感染制御チームを設置している状況がありまして、こういった取り組みが積極的に行われた結果として、同じページの中ほど、エでございますけれども、新規入院患者1,000人当たりのMRSAなどの感染者数が、平成23年4月から9月と比較して、大きく減少していることから、感染防止対策の促進効果はあったものと考えられるとされております。
 オからキまでが、患者サポート体制充実加算についてでございますけれども、60ページのキをごらんいただきますと、患者調査結果において、相談窓口での説明や文書についてわかりやすかったという回答、窓口を利用した結果、問題や疑問・不安が解決したといった前向きな回答が多く、最後のところですけれども、患者にとって、患者相談窓口は評価されているようだとされております。
 また、栄養管理実施加算につきましては、同じページの中ほど、ケでございますけれども、有床診療所に対する調査結果では、平成24年3月31日時点で、この加算の届け出を行っていなかったという医療機関は86.7%であり、その理由として最も多かったのは、管理栄養士がいないということであったわけですが、こうした医療機関のうち54.4%が25年度末までに管理栄養士の確保について、めどが全く立っていない状況であることから、対策を検討する必要があるとされております。
 医療安全対策等につきましては、以上でございます。
 最後でございますけれども、後発医薬品の使用状況調査につきまして、(5)の評価は71ページ目以降でございます。
 まずは24年改定で実施されました、後発品の使用促進策、加算などに関してでございますが、72ページ目の上、○1でございますけれども、保険薬局の後発医薬品調剤体制加算についてでございます。
 アのパラグラフの中段以降ですけれども、後発品の調剤率の数量ベースの平均値は、24年4月に1カ月で2.1ポイント増加したということで、新たな加算制度が導入されたためと考えられるなどとされております。
 ○2でございますけれども、一般名処方の処方箋に関する加算についてでございますが、同じページのイでございます。6行目辺り、一般名で処方された医薬品のうち61.9%が後発品を選択していることなどから、そのページの一番下ですけれども、一般名処方による後発品の使用促進効果はあったと考えられるなどとされております。
 74ページ以降、○3として、医療機関における後発品の使用体制加算についてでございますけれども、この加算を算定したと回答した医療機関の4割から5割は、24年4月以降に加算の届け出をしているという点で、加算の見直しの効果なのかもしれないとしつつも、その絶対数が小さな値にとどまっているということが指摘されております。
 74ページ目の一番下のパラグラフ以降が、平成24年度の改定項目以外の部分、すなわち後発医薬品の使用について、薬局や患者さんの意識などの分析でございます。
 75ページ目に進んでいただきまして、一番上の「○1 保険薬局に関して」という部分でございますが、アのパラグラフの5行目辺りからですけれども、1品目でも変更不可となっていない処方箋のうち、1品目でも先発品を後発品へ変更して調剤した処方箋の割合は27.3%ということで、平成23年度の調査結果から大きく増加しており、保険薬局における後発品の変更調剤は一定程度進んでいると推察できる。
 76ページ目以降「○2 医療機関・医師に関して」ですけれども、ページの一番下のウですが、診療所・病院に1年前と比較して外来診療における後発品の処方の変化を尋ねましたところ、診療所・病院とも、過半数において多くなったという回答があったことから、医療機関の外来診療における後発品の処方も進んでいることが把握できる。
 それから、医師の後発品の処方行動に関しまして、77ページ目のカでございますけれども、お医者様が処方箋の変更不可欄に署名される大きな2つの理由としまして、患者さんからの強い要請、後発品の品質が不安ということがございまして、前者については、患者さんの意識を変えること、後者については、品質に対する不安を解消していくことが必要などとされております。
 78ページ目以降「○3 患者に関して」でございますけれども、79ページ目のキをごらんいただきますと、後発品を使用するに当たって、重要なこととして、回答いただいた結果でございますが、5行目辺りから、薬が安くなることなどの回答があるとはいうものの、それら以外の項目については、後発医薬品の品質効果と、医師、薬剤師の薦めに要約できるなどとされております。
 80ページ目「○4 三つの調査結果の関連付け(項目によって)」ということで、保険薬局、医療機関、医師、患者という、3つの主体全てから考察した部分でございます。
 これにつきましては、82ページに飛んでいただきまして、一番下にツというパラグラフがございます。82ページ目の一番下の行ですけれども、今回の調査を見ると、保険薬局、医師、患者、それぞれから、後発品の使用促進のために大切なこととして、同じことが挙げられていて、それは厚生労働省による後発医薬品の品質保証が十分であることの周知徹底であるとされております。
 83ページのナでございますけれども、厚生労働省は、さらにこの問題に取り組んでいくことが必要であるなどとされております。
 非常に雑駁でございましたけれども、資料の概略は以上でございます。
○牛丸部会長
 ありがとうございました。
 今、御説明いただきました最終的な報告書は、検証部会でつくり上げたものですので、既に本日の会以前に、検証部会委員、公益委員の皆様とは意見交換をして、その意見を反映してつくり上げてきました。ですから、その時点で御意見は頂戴しているわけですが、さらに最終段階において、こういう形になりましたが、加えて、この内容に関して、もし御意見があれば、お願いします。
 さらに今回の報告書だけでなく、これ以降、また調査が幾つか行われ、今度の改定でなく、その次の改定に向けて調査が行われますので、今後のことに関して、調査のあり方とか、あるいは本報告書の書き方、まとめ方に関して、御意見があれば、きょういただきたいと思います。皆様、いかがでしょうか。
 印南委員、どうぞ。
○印南委員
 それでは、調査のあり方について、要望を2つほど言わせていただきます。
 1つは、2年間で改定を行って検証して、次の改定に生かす。そのための特別調査で、その間に11もの調査をやって、何とか期限に間に合わせて、こういうふうに出してくる。これ自体の仕組みは大変な仕組みで、これを実施するだけで大変なことは、十分に承知しております。それを前提にした上で、改定によっては、調査のタイミングもありますし、直ちに効果が十分に出ないもの、調査委員長をやっていた関係もあって、ちょっとした運営上のことで、意図した結果が出なかったものとか、細かく見るといろいろあります。
 それから、毎回の検証、効果を確かめるというのは、もちろんそうなんですけれども、物によっては、中期的に効果を確認しなければいけないもの、例えば在宅医療の推進とか、後発医薬品の促進などは、1回1回ミクロレベルで効果があったかではなく、1回だけではなく、2回、3回とか、改定の努力によって、どれだけ蓄積されていったかということを見る必要もあるのではないかと思われます。
 さらに1回の改定で包括化したり、それがどうあったかということはわかるんですけれども、物によっては、改定後、数年経つと、逆に効果が消えてしまうものもあるのではないか、そういうものも危惧されるわけです。そういうことも考えますと、やや中期的な検証もできれば、何らかの形でしたほうがいいと思います。タイトなスケジュールだということはわかっていますが、何らかのそういう仕組みがあったほうがいいのではないかというのが、第1点です。
 それと若干関係しますが、そのためには、入札をしたりして、調査会社が変わってしまったりしている関係もあって、例えば同じようなテーマで2回にわたって調査を実施しているけれども、そのデータをつないだり、あるいは直接比較検討したりすることがしにくい。そういうものもあるようで、今のところ、2年ぐらいでデータは消してしまっているんです。それを消さずに、なおかつ、回答した医療機関のIDは暗号化するなどの工夫をして、十分にわからないようにした上で、何らかの再利用をする方法がないだろうか。
 この2点について、もし検討できれば、検討していきたいと思っておりまして、その点をここで要望申し上げたいと思います。
 以上です。
○牛丸部会長
 ありがとうございました。
 ほかに御意見ございますか。関原委員、お願いします。
○関原委員
 これは全ての調査に関係しますが、23年9月と24年9月の1カ月の数値を比較して、ごく一部は大変よくなっている、あとは数パーセントよくなったか、ほとんどゼロに近いか、全くフラットという結果です。ですから、評価も総じて一定の効果があったなりますし、今後の動向を注視する必要があるとか、地域によっては一定の効果があったとか、限定的であるが一定の効果が示唆されるとか、要するに評価として平板で、すんなり入ってこないんです。だから、もう少しクリアに、限定的であるが一定の効果が示唆されるという評価でなく、現時点ではほとんど効果がない。ここはもうちょっと明確にしたほうがいいのではないかと思います。
 先ほど印南先生がおっしゃったように、今年評価できなくても、来年になったらよくなるかもわからない。それから、改定の年だけぱっと上がっても、その後フラットになるものもあるかもわからないということで、1年だけで比較をして、これで終わりということでは、余り意味がないということです。ジェネリックのように、毎年調査の必要があるものについて、少しピックアップして、それなりのフォローアップ体制でやっていかないと、これだけ毎年時間をかけて調査する意味というか、価値ないのではないかと思います。
 それから、ジェネリックも然りですが、こういうものの評価は、長期的にジェネリックを6割にするという、5年なら5年後の目標があって、それとの関連で評価して、今年はここまで達成したと、そういう長期的なターゲットとの関係で評価をしていかないと。ただ、今年改定したから、去年の人より数字が上がった、だからいいんだとか、そういう種類の評価の仕方自体がおかしい。やはり長期的な目標を前提にするための比較と、1年ごとの比較をセットでやって、幾ら去年よりふえたからといっても、目標とかけ離れていれば、評価は余りできないわけなので、その辺りのことを、もう少し調査をする人たちにも考えてもらったらいいのではないかと思います。
 具体的な、例えとして、保険薬局は促進するためには、後発品の医薬品に対する患者の理解が一番大事だと言っていますが、一方で、後発医薬品の調剤に対する考え方として、積極的に取り組んでいると回答したところは僅か3割しかない。3割しか一生懸命やっていなくて、53%が患者の理解が必要だというなら、患者に理解させるための積極的な働きかけがなければおかしいのではないかと思います。幾つかそういう点もあるので、こういうところのギャップの背景とか、もうちょっと突っ込んだ分析をしてもらいたいと思います。
○牛丸部会長
 ありがとうございました。
 ほかに御意見ございますか。野口委員、どうぞ。
○野口委員
 印南先生と関原先生がおっしゃったことと重複するんですけれども、先ほど関原先生がよりクリアな効果が見たいとおっしゃっていたと思うんですが、クリア、より厳密な効果を特定・識別するためには、もう少し突っ込んだ解析が必要です。例えばこの報告書を読んでおりましても、何パーセント上がった、下がったという議論がありますけれども、果たして本当にこのパーセンテージは意味があるのか。統計的に本当に意味があるのかということを検証していかなければいけない。ただ、そのためには、非常に時間が限られている中で、結果を早急に出していかなければいけない。こういった調査は大変な御苦労をされているわけですけれども、こういったやり方だと非常に難しい。このデータは、基礎資料をつくるための非常に貴重な国民の財産だと思います。ですから、こうしたものをもう少し厳密に、もうちょっと洗練された方法で、時間をかけて、中長期的な視点から、政策に貢献するような結果を出すような、そういったやり方を検討していただきたいというのが、まず1点です。
 2点目は、また違う視点で、可能かどうかわかりませんけれども、非常に項目が多岐にわたっていて、回答に負担がかかることもありますし、ナショナルデータベース、レセプトデータ、DPCデータ、厚生労働省様が非常に御苦労されて、収集、集積されて、研究者にとっても、政策の意思決定者にとっても、非常に貴重な財産だと思います。そうしたものを一定程度活用することはできないか。もちろん主観的な質問もありますので、全てこういう調査をやらなくてもいいというわけではないと思いますけれども、一定程度、行政データ、ナショナルデータベースで代替できるところはないでしょうかということを御検討いただきたいという、この2点です。
 どうもありがとうございました。
○牛丸部会長
 ありがとうございました。
 西村委員、どうぞ。
○西村委員
 データの蓄積と活用ということについては、私もほかの先生たちと同様に必要だと思いますし、非常に貴重な財産を有効利用していただくことは、検討していただきたいと思います。それが1点です。
 もう一点、書き方についてなんですけれども、議論を進めるに当たって、検証部会の評価のところ、まとめに関しての部分辺りについては、一覧表などにして、もう少し見えやすい形にして、中長期で検討すべき項目も、そういうものの中からピックアップできるような形に、書き方も工夫するということ、もう少し検討していただけたらと思います。
 以上です。
○牛丸部会長
 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
 今、たくさん御意見を頂戴しました。それはいずれも今後のことですが、そのことについては、私自身またコメントいたします。
 きょう提出されました、24年度調査の結果についての報告書そのものに関しては、とりわけ御意見はないということで、よろしいでしょうか。ここで了承されますと、後の総会にお出しすることになりますけれども、その点はよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○牛丸部会長
 了承されました。
 今、皆さんから御意見を頂戴しました。私から要請しましたように、今後のやり方に向けて御意見をということで、いろいろとおっしゃっていただきました。これまで改定が行われますと、次の改定までに2年間しかございませんので、その2年間を使って、1年目、2年目ということで、こういう調査を行ってきております。やり方は従来ずっと変わっておりませんが、そのやり方に関しても、いろいろ工夫が必要であろう、検討しなければいけないだろう。さらには調査のやり方に加えて、最終的な報告書を作成することについても、より検討が必要だろう。今回に関しては、時間的な制約もあって、従来に従って、皆さんの御協力を得て、こういう形にしましたが、その過程で皆さんからそういう御意見が出たということです。
 2年間のうち、1年目、早くやり過ぎると効果が余り出ていない。しかし、今度、余りゆっくりすると、実際、25年度調査のほうは、今回の改定に向けて、こういう本報告書はつくれません。概要、速報で終わりますけれども、そういったように、評価までいかないもので終わってしまう。その辺が難しいので、早過ぎてもだめ、遅過ぎてもだめ、その中でこれまでやってきました。ただ、今、御意見がありましたように、こういうことだけではなく、もう少し中期的な観点でやるものが必要だろう。
 それから、入札という形でこれまでやってきたために、その都度、業者が変わる可能性もあります。制度的なことは、私も詳しいことは知りませんけれども、例えば後発の同じ調査であっても、業者が変わることによって、継続性というか、データが必ずしもつながっていない場合も出てきます。ですから、そういうことも含めて、検討しなければいけない。
 関原委員がおっしゃったように、単にこういう改定があって、どうだった、少ないところをどう見るかということだけではなく、目標値みたいなものから、これを評価するという観点での分析も必要かと思います。
 それから、その他、従来のアンケート調査だけではなく、やり方を変える、そういう方法もあるのではないか。
 こういったきょう頂戴しました御意見を踏まえながら、検証部会として、今後の特別調査のあり方、あるいは本報告書の作成に関して、1回、しっかり議論する必要があるかと思います。ですから、そのための御意見を頂戴しました。ただ、これはこういうことで、きょうは了承された。
 それから、今、少し申し上げましたように、これは24年度調査ですけれども、25年度調査の速報版がそろそろ上がってきます。これに関しても、検証部会で一応検討していただきますけれども、これも次の改定に向けて、従来どおりの形で出さざるを得ない。それがすっかり終わって、次期改定が終わった後、25年度調査の本報告書をつくることになります。そのときに、本報告書のつくり方に関して、今、出た御意見で、反映できるものは反映するし、調査票を含めた調査のやり方については、次のものですから、来年度以降の話になります。
 25年度の本報告書の作成に関しても、次年度以降の調査に関しても、私の任期はもう過ぎます。ほかの検証部会のメンバーは恐らく変わらないと思いますけれども、今のことを覚えておいていただいて、どなたが検証部会長になられるかわかりませんが、その方に十分にそのことをお伝えしますので、将来ということではなく、次の改定に向けての調査、また、報告書の作成に関しては、そのときに改めて御議論いただきたいと思います。それに向けての貴重な御意見をきょう頂戴したことになります。本当にありがとうございました。
 それ以降、ほかにもし御意見がないようでしたら、本日の一番の目的であります、報告書案は了承されたということですので、後で開かれます総会に、私から報告することとしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議論はこの辺りとしたいと思います。
 なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日はこれにて閉会いたします。どうもありがとうございました。
 総会は5分間休憩して、今、10時6分ぐらいですから、11分、その辺りに始めさせていただくことにいたします。
 ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

(代表) 03-5253-1111(内線)3288:

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