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2013年10月17日 第11回 先進医療会議議事録

○日時

平成25年10月17日(木)16:00~16:42


○場所

航空会館 501,502会議室


○出席者

【構成員】
猿田座長 北村座長代理 五十嵐構成員 柴田構成員 福井構成員
福田構成員 藤原構成員 山口構成員 山本構成員
【事務局】
医療課企画官 医療課専門官 医政局先進医療専門官他

○議題

1 平成26年度の先進医療の保険導入等及び施設基準の見直しに係る検討方法等について
 (先-1)

2 その他
 (先-2)

○議事

16時00分 開会


○猿田座長

それでは、時間になりましたので、第11回の「先進医療会議」を始めさせていただきます。

出席予定の方、皆そろいまして、本日、御欠席の方は中川構成員だけでございまして、中川構成員からは委任状の提出がありましたので、全て議事のほうはこちらにお任せするということでございます。

それでは、資料の確認を事務局のほうからお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。それでは、資料の確認をさせていただきます。

 座席表と議事次第と先生方の名簿がございまして、先-1-1が1枚でございます。先-1-2、こちらも1枚でございます。別紙が1枚ございます。先-1-3がございまして、先-1は以上でございます。先-2が横のもの、裏表で1枚という構成になってございます。

過不足等ございましたら、事務局までお申しつけくださいませ。以上でございます。

○猿田座長

 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

今日は、審議というよりも、一番重要な保険に導入するための、そういうことの議論をさせていただくことになると思いますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、早速事務局のほうから御説明をよろしくお願いいたします。

○事務局

 それでは、御説明いたします。先-1-1を御覧いただければと思います。既に中医協のほうは改定に向けた議論が始まっておりますけれども、先進医療の方も、平成26年度の診療報酬改定に向けまして保険導入や施設基準の見直し等を行ってまいりますので、そちらの検討方法について案をお示ししてございます。こちらでよろしいかということでお諮りしたいと思います。

 先-1-1の最初のところですが、御存じのとおり、旧先進医療専門家会議のときから、既に第2項先進医療に入っているような技術につきましては、実施保険医療機関からの実績報告等を踏まえまして、普及性、有効性、効率性、安全性や技術的成熟度、社会的妥当性等の観点から保険導入に係る検討を行っていただいておりました。この際に施設基準に関する検討も行っておりました。

また、先進医療として継続させる場合には、これは先進医療としての施設基準につきましても見直しを改定のたびに行っているところでございます。

 先進医療の一本化というものを経ておりますが、基本的には従前と同じようなやり方で行っていきたいと考えておりまして、改定についての検討につきましては、保険導入等に係る評価の透明性、公平性の向上、施設基準の見直しに係る検討の効率化の観点を踏まえまして、以下のような方法でやらせていただきたいと考えております。

 まず、改定の検討のもとになる実績報告でございますけれども、こちら、今年の6月30日締めでございまして、それまでの1年間の実績を地方厚生局に9月までに提出することとされておりますので、現在、とりまとめの最終段階にございます。実績報告につきましては、実績した件数でありますとか額、あとは有効だったか無効だったか等のデータをとっております。

 次に2ポツのところ、実績報告に基づきまして、事前評価を行います。これは、各技術につきまして構成員又は技術委員の先生方に担当を割り振らせていただいて評価を行いたいと考えております。下のところの表に詳細をお示ししてございます。

 各技術3名ということで、主担当1名、副担当2名ということになってございますけれども、主担当には、基本的にこちらの先進医療会議の構成員の先生方にお願いしたいと考えております。

そこで、保険導入等につきまして、まず4段階で評価をいただきたいと考えております。Aが優先的に保険導入が妥当である技術、Bが保険導入が妥当である技術、Cが継続することが妥当である技術、Dが取り消すことが妥当であるというような技術、こちらの4段階で御評価を各構成員の方に行っていただきたいと思います。

A又はBと評価して保険導入が適当とされたものにつきましては、保険で実施する際の施設基準の要否、また、どのような施設基準が適当かということについて御意見をいただきたいと思っております。また、主担当の先生におかれましては、仮に継続となった場合に、施設基準を見直す必要がないか、技術が成熟してきているのであれば、施設基準を見直す等の普及促進等の観点から見直しを行うということを検討していただきたいと考えております。

こちらの担当の割り振りにつきましては、座長と事務局のほうで相談をして、後ほどお送りしたいと考えております。

おめくりいただきまして2ページのところでございますけれども、こちら、書面審査の結果に基づきまして、全技術を以下の3つに分類したいと考えております。これはあくまでも事前評価の結果ですので、検討については、ここにお示ししたア、イ、ウ全て検討の俎上には上るものでございますが、参考のために3種類ぐらいに分けさせていただくというものでございます。

まず1つ目、アでございますが、これは、構成員又は技術委員、担当、副担当3名全員が保険適用が妥当とした技術でございます。

続きまして、1つ飛んでウを説明させていただきたいのですが、ウにつきましては、主担当、副担当合わせて3名全員がD評価、つまり、先進医療としてはもう終了してはどうかと御評価いただいたものでございます。真ん中のイがアとウ以外という形になってございます。

大まかこのような分類に基づきまして、次は、先進医療会議の場で最終的な評価を決定していただきたいと考えております。実施時期としましては12月から1月となってございますが、恐らく、例年のペースでまいりますと、1月中の開催になるのではないかと考えております。こちら、内容につきましては、御評価いただいた全技術につきまして、事前評価の結果をとりまとめて先進医療会議に事務局から報告させていただきたいと思います。

これらの評価結果に基づきまして1つずつの技術について検討を行っていただいて、保険導入をするのか、継続するのか、はたまた技術としてはもう終了しても差し支えないのかということについて検討していただこうと考えております。

大まか、ア、イ、ウのところで検討の方針についてお示しをしておりますが、ア、イ、ウいずれも3通りのゴールがあるかと思いますが、おおむねアに該当する技術につきましては、主に保険導入の妥当性について御検討いただきたいと考えております。

イに該当する技術につきましては、保険導入がいいのか、継続がいいのかという観点で妥当性を評価していただきたいと考えております。

ウにつきましては、基本的には取り消しの方向ということでございますが、継続する必要はないのか、取り消しでいいのかということについて検討いただきたいと考えております。

続きまして4ポツのところでございますけれども、先進医療会議において、これは保険導入が妥当、これは継続が妥当、これは取り消しが妥当と決めたものを中医協の総会に報告いただきまして、その報告に基づいて中医協総会で最終的な方針を決定していただくということになります。

以上で、先進医療として継続するのか、保険に入るのか、はたまた削除かということは中医協で決定されるわけですが、継続とされた技術につきましては施設基準の見直しを行っていただきたいと思っております。具体的には、1月から3月の間に、もともと事前評価の際に施設基準案を主担当の先生に作成していただいておりますので、先進医療会議を一度開催しまして、施設基準の変更について御評価いただきたいと考えております。

続きまして先-1-2でございますが、こちらは実際に担当される構成員又は技術委員の方にお送りする評価表の案でございます。このような構成でいかがかということでお諮りしたいと思います。

一番上にまず評価結果を記載いただきまして、先ほど申し上げた4段階、保険導入が妥当なのか、現状どおり先進医療がいいのか、取り消しがいいのかということを決めていただくということでございます。A又はBとした場合に限りまして、保険でやるときの施設基準について御意見を記載いただくということでございます。ここに最終的な評価結果を御記入いただいた上で、個別の評価項目について、それぞれ3段階で、社会的妥当性は2段階でございますが、御記載いただきたいと考えております。

こちら、御覧のとおりでございますけれども、有効性、安全性、技術的成熟度、社会的妥当性、普及性、効率性ということで御検討いただきたいと考えておりますが、日本の医療保険制度が皆保険であまねく広く実施されるということをお考えいただいた上で、先進医療のような実施について基準があるようなところだけではない、広い施設で実施が実際にされるということを踏まえて御検討いただきたいと考えております。

さらに、マルの7、一番下のところでございますけれども、総合判定Cと、現状どおり、先進医療が適当と、継続とされたものにつきましては、どういうところが保険適用の条件になるのかということを御記載いただきたいと考えております。

続きまして、別紙のところでございますが。

○猿田座長

今のマルの5のところの普及性の中身、「羅漢率」となっていますが。

○事務局

大変失礼いたしました。こちら、修正させていただきます。

続きまして別紙のところでございますけれども、これは、今、御説明したとおりのことが図でお示ししてあるわけですけれども、点線で囲ってあるところが先進医療会議の改定の御検討をいただく範囲ということで、事前評価を3名の先生にやっていただいた後、先進医療会議の場で検討して、最終的な中医協への報告の内容を決定していただく。それに基づいて中医協で議論して、どの技術を保険導入するかということを決めていただくということになってございます。

見直しのところ、特に詳細な記載をしておりませんが、色のついている部分については次年度以降も先進医療で実施される技術でございますので、施設基準の見直しについて御検討いただくということでございます。

長くなって恐縮でございますが、先-1-3まで通しで説明させていただきたいと思います。

こちら、今後の予定ということでスケジュールをお示しする資料でございますが、まず、1ポツのところでございます。こちら、今回の改定で検討の対象となる技術でございますけれども、先進医療の一本化を踏まえまして、先進医療A、B双方が仕組みとしては検討の対象となるということでございますが、現時点では先進医療Bの中に対象となるものはございませんので、事実上、先進医療Aが現時点では対象になるということでございます。

対象となる技術の考え方でございますが、平成25年6月30日時点で先進医療Aに既になっていて実績報告があるものということで、これは従前と同じような扱いでございます。対象数65技術となってございます。

先進医療Bも、仕組みとしましては、薬事法の未承認又は適応外の医薬品や医療機器を使わない技術で、終了しているものですね。総括報告書が提出されているものにつきましては検討の対象となるものでございますが、今のところ、このような技術はないということで、対象は今回ありません。

それでは、スケジュール感をお示しいたしたいと思いますが、まず、本日こちらの案を御了承いただきましたら、座長と相談して担当を決めさせていただいて、事前評価のお願いを先生方に資料とともにお送りさせていただきたいと思います。それで、12月上旬までに事前評価を終えていただいて、事務局で結果を集計させていただきたいと考えております。

続きまして、12月から1月の間に、先進医療会議における評価を行うために会議を開催しまして、評価いただいた全技術について1つずつ検討を行いたいと考えております。こちらの結果に基づきまして中医協に報告させていただいて、中医協の総会で最終的な、どれを保険に持っていくのかということを決定していただくということでございます。

それで、恐らく3月になると思いますけれども、平成26年度以降も継続するものにつきましては施設基準の見直しを行って、4月1日から次の技術を実施していくことになるということでございます。

一番下のところ、こちらも従前と同じ取り扱いになるのですけれども、例年、保険導入に係る作業を円滑に実施するため、一時、受付したものを3月にまとめて審議するというような取り扱いをさせていただいております。

今回も、平成25年、今年の11月受付分、12月受付分、それと来年の1月受付分の新規届出技術につきましては、まとめて来年3月の先進医療会議で審議することとさせていただきたいと思います。先進医療Bにつきましては、既に技術審査部会をやってございますけれども、そこで「適」とされたものを新規届出技術ということで受け付けたいと思いますが、11月以降に先進医療会議のほうに流れてきたものにつきましては3月にまとめて審議をさせていただきたいと考えております。

ただし、先進医療A又はBへの振り分けというものにつきましては、早く振り分けて評価に移っていただいたほうがいいかと思いますので、こちらは従来どおり受け付けたものから振り分けていくということでやらせていただきたいと考えております。

済みません。長くなって恐縮でございますが、御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○猿田座長

どうもありがとうございました。この会としては大変重要なことでございまして、診療報酬の改定があるということで大体2年経つときにやることで、この仕事に関して、経験なさっている先生とそうでない先生といらっしゃると思うのですね。もう既にやられたことがある先生方は、今お話しいただいたことで、大体前と同じような形でやろうということですからおわかりだろうと思うのですけれども。細かいことはこれからお話しさせていただきますが、やってみて一番大切なことは、どのぐらいこの技術が普及しているのだろうかという点ですね。安全で、しかも有効性があって普及していれば保険へ持っていけるということであって、そのあたりのところは、私どものほうから事務局にお願いして、実際に、例えば1年間、あるいは2年間でどのぐらい普及したかということは重要なところなので出していただくようにしたいと思います。

それからもう一つ重要な点は、やはり今、保険財政、非常に厳しくなっておりますから、各技術に関してどのぐらいのお金が、例えば一番もめていましたのは、インプラントのことであるとか、あるいは重粒子線、陽子線のことなんか、随分もめましたね。そういったことに関しても、事務局のほうからある程度前もって提案をしていただくことが重要かと思います。そのあたりのところは一番考慮するポイントかと思います。

ですから、この技術が今までの技術よりどの位優れているかということと、実際どのぐらいの経済効果があるかということ、それから、安全であるかといったこと、そのあたりのところが重要なポイントとなりますので、よろしくお願い致します。

それからあと、今お話ありましたように、ABCDの4クラスで評価していただくことと、委員に関しましては、やはり主担当のところはここの先生方にやっていただいて、副担当のほうは技術委員の方々とか、そういった方にもお願いしてやっていただくということで、最終的には、出たものをこの会議で何度か検討していただくことになっています。それから、本日お話があったこの仕事が非常に重要になりますので、新しく提出された技術の審査に関しては少しずらしてやろうというのが、事務局のほうからの御提案でございます。そういったことを踏まえまして、それではどうぞ活発な御意見をいただければと思います。

例えば昨年のものをちょっと持ってきたのですけれども、昨年、こういう形でABCをつけていまして、頻度に関しましても、数年間の実施例数を示していただいています。ここまでやっていただくといいのですけれども、簡単にどのぐらいの普及率かがともかく大切でございますので、そういった点も御理解いただければと思います。

それではどうぞ、どなたでも結構ですから。これは山口先生、よく御存じですね。先生から何かございますか。

○山口構成員

 もし判定するとしたら難しいのは、十分な数が行われていなくて評価が難しいというのは、ABCのどこにしたらよろしいでしょうか。

○事務局

 ありがとうございます。今、ABCというアルファベット、申し訳ないですが、いくつかの場面で使わせていただいておりまして、それは総合的なところでということですね。

○山口構成員

 個別のところで。例えば効率性なんか、この数ではちょっとわからないなというものもあると思うのですよ。明らかなものもあれば、だめだなと思うものもあるし、いや、これでは何とも言えないとか、そもそも値づけがされてないのになかなか難しいのではないかなというちょっと気がするのです。迷う場面があるのではないかなと。

○事務局

 今までも、毎月の技術の審査の際に、ちょっと判断不能の場合はどれにも丸をつけないでコメントをいただくということをさせていただいておりますので、そのような形で御対応いただければと思います。

○山口構成員

実施のケースが余りに少ないものは評価の対象にしないとか、そういうことでいいのでしょうか。

○事務局

もちろん、そういうことで評価が不能であればさらなる継続が必要であると御評価いただくことは可能だと思いますし、大体、ゼロがどれぐらい続いたら削除が妥当であるとか、何件ぐらいあれば評価できるとか、そういうコメントをいただけますと、我々としても助かるというところでございます。

○猿田座長

どうもありがとうございました。先生は慣れていらっしゃるから。

ではどうぞ。

○北村座長代理

先ほど座長が述べられた第2番目の点で、保険医療でのお金が緊迫している状況ということは、我々の委員会ではどのように考慮に含めた形で継続して置いておくのか、あるいは保険にせよというのか、難しいし、そういう権限を持っている委員会でも、中医協ではありませんので、お任せするにしても、我々の考える思いを書けばそれでよいのか。先ほどの重粒子線の問題など、非常に高額ですね。それに見合うだけの保険をつけるとどうなのかということの財政上の問題を含めると、どのように我々に期待されているのかなと。もしお考えがあればお願いします。

○事務局

ありがとうございます。まず、幾つかございますけれども、今回御評価いただく項目の中には、効率性という項目はございますけれども、財政影響、バジェットインパクトという項目はございません。ですので、かかる費用に対してそれなりに効果が得られるものであれば御評価をいただいていいのではないかと思います。バジェットインパクト自体は中医協総会での御判断になると思います。一方で、費用と効果のバランス、効率性という観点ではやはり御評価をいただきたいと思います。

ただ、ここの判断の基準等、詳細な、例えばどのぐらい効率性を見るかということにつきましては、むしろ、今、中医協のほうで費用対効果評価専門部会ということで、福田構成員も参考人で来ていただいていますけれども、そちらで議論しておりますので、明確な基準として何か御判断いただきたいというよりは、専門家のお立場から、効率性という観点で見てどのように考えればいいかという点で御評価をいただければと思います。

バジェットインパクトについては、コメントのところに付していただいて、総会で十分に議論いただきたいということで御提案いただければと思います。

○猿田座長

実はそのことを中医協のメンバーから言われたものですから。慎重にやって上げてくれと言われたものですから。例えば重粒子線に関しては随分もめているものですから、専門家の方にどうしたらよいかなど、うかがってみたりしています。例えば小児のがんに対しては一番効果的で認めてはという意見もうかがいました。

ではどうぞ、福田先生。

○福田構成員

今の点に関連して私も1つ確認させていただきたいのですが、確かにこの効率性のところ、重要だと思うのですけれども、私、これは初めて担当させていただくので、今のところ、この個別の評価のところですけれども、既存の技術に比べて大幅に効率的、やや効率的、同程度かをとるという形になっていますが、上の有効性・安全性とかの解説に比べて何か判断しにくいなという印象があります。今、明確な基準はないというお話であったのですが、まず1つ確認させていただきたいのは、これは単に費用のことだけを言っているのではないということでよろしいでしょうか。つまり、例えば従来のものと比べて費用削減になるものを「大幅に効率的」と言っているとかいうことでないという点を確認したいのと、もう一つ、これが今のお話で効率性はバジェットインパクトでなくて費用対効果という見方だということだったと思いますので、そういう意味では、もう少し、このABCの、その細かな基準は要らないと思うのですが、大まかなイメージとかいうのがあるのかどうかをお聞かせ願えればと思います。

例えば、技術的に追加でお金がかかってもやはり効果が著しく上がるのであればやはり保険で行うべきだというのが基本的に思うところですので、例えばその中でも大幅に効率的に考えられるのは、技術が今のものより優れていて、なおかつ費用削減になるもの。Bに相当するのは、追加的にお金がかかるのだけれども、それでもやはり効率性から見ればやるべきというか、一般的に考えて効率的なもの。Cは、そういう基準から見ると非常にお金がかかり過ぎるというようなイメージがちょっとあるのですが、何かこういう基準とかあるのでしょうか。

○事務局

御指摘いただいたように、効率性に関しましては、医療というのは基本的には高度になればなるほど費用がふえる傾向にあるということは先生方も御存じのとおりだと思いますので、費用削減になるものだけが「大幅に効率的」とか「効率的」と評価されるわけではないと思いますので、費用と効果のバランスというのは非常に重要な観点だと思います。「大幅に効率的」のところが費用削減になるものだけなのかどうかというのは一概には言えないと思いますので、先生方の間で大まかなイメージがもし本日共有できるのであればそれでもよろしいかと思いますし、そこまで突っ込んだコンセンサスというのは難しいようであれば、おのおの御評価いただいた後、最後に持ち寄ったときに御議論いただくという形でいかがかと思います。

○猿田座長

ありがとうございます。よろしいですか。

どうぞ、福井先生。

○福井構成員

今の点は、結局、外国では全部分母にクオリティ・アジャステッド・ライフイヤーを持ってきて、それで分子にコストを持ってくるわけですね。そういう研究が全く日本ではされていないために、これ、ほとんど比較不能ですね。しかも、ゼロからのベネフィットを見るのではなくて、今あるところからのベネフィットを見るという意味では、マージナルベネフィットという考え方で評価しなければだめなので、そういうためには、本当にかなりたくさんの研究者がいて、こういう新しい技術などについても、テクノロジーアセスメントそのものですので、もっともっと研究者を抱えるような形でデータを出さないと、本当のところは効率性評価を僕たちできないと思っています。印象だけで評価しているというので、僕も、前回もやりましたけれども、すごく難しいなあというのが正直のところです。

それからもう一つ、普及性のところの、できれば用意してもらえるとありがたいなあと思ったのが、それぞれの対象疾患についての罹患率、有病率というのはわかっているはずですので、または、わかっていなければわかっていないということを、これは共通のデータとして持てるはずなので、何となく評価者がそれぞれの印象で判断している可能性があるのではないかなと思いまして、そこも客観的なデータとして出せるものであればぜひ出していただきたいと思いました。

○事務局

 ありがとうございます。まず、効率性のところでコメントいただいたところでございますけれども、御指摘のとおり、増分費用効果比などを用いた効果の増分で費用の増分を割るというような考え方で費用対効果の観点でさまざまな国で制度が導入されているところかと思います。指標に関しては必ずしもクオリティ・アジャステッド・ライフイヤーとは限らないという議論もまさに、今、中医協でされているところですが、少なくとも増分の費用効果比という考え方は広く浸透しているという御指摘はごもっともだと思います。

 一方、日本の中でそのような研究がまだまだ足りないのではないかという御指摘は中医協でもなされております。ただ、現時点でそのようなデータが国内にないということで、印象というふうに先生御指摘いただいたのですが、もし比較試験やヒストリカルなものとの比較などで、追加的な有用性についてある程度御評価いただけるのであれば、その辺を専門的な観点からコメント等いただければ我々としては助かるというふうに考えております。

 また、2つ目、普及性のところでございますけれども、罹患率、有病率につきましては、申請のときの書類、今回もつけさせていただきたいと考えておりまして、そちらに記載がある場合というのは結構ございます。また、申請施設等に問い合わせをして、場合によっては回収可能なものもあるかと思いますので、網羅的にというのもあれですが、必要だったら我々のほうに問い合わせていただくというような形でやらせていただければと思います。

 以上でございます。

○猿田座長

 よろしいですか。どうぞ御意見をいただければと思います。

○藤原委員

 1つだけ確認で、別紙に中医協への報告内容と書いてあるのですが、私ども、この先進医療会議で評価した結果は、報告という形で中医協に上がって、中医協での審議というのはもう一遍チェックされるということなのか、それとも報告だけなのですか。

○事務局

 中医協では審議をされます。最終的な決定権は中医協にございます。

○猿田座長

 ほかにどうぞお願いします。

○北村座長代理

 今の関連ですけれども、当委員会で保険医療とすべきという申請を届けたときに、中医協で財政面とかいろんなことで却下される可能性の率というのは大体どのぐらいなのですか。半々なのか、2割、1割に満たない。拒否されるのは、多分、1割、2割かなあと思うのですけれどもね。

○事務局

 平成16年の大臣合意以降つくられた今の先進医療制度になってから、正確な数は把握していないのですけれども、恐らくほとんどないような気がします。

○猿田座長

 大体通っていますね。それは実は事務局が非常に頑張ってくれていましてね。

○北村座長代理

大変尊重してくれていたような気がしていたのですけれども。ありがとうございます。

○猿田座長

例えば、前回改定のときのオールAで1つ、内視鏡的大腸粘膜下層剥離術というのがありまして、1年間の実施例が3,006。これは全部がAですけれども、通っていますね。もう一つ通っているのが超音波骨折治療。これは64例しかやってないのですけれども、やはり通っているという形で、なかなかその頻度との関係は難しいですね。技術面でよくて効率的によければそういう形で、そんな例数なくても通っているという感じでございます。

 済みません。勝手なこと言いまして。ともかく皆様に評価していただいて、この委員会に上げてきたときの議論が大切ですね。

 山本先生、何かありませんか。大丈夫ですか。

 どうぞ、五十嵐先生。

○五十嵐構成員

 初めてなのですけれども、わからないことがあったら厚労省にお問い合わせして聞くこともよろしいわけですね。

○事務局

はい。

○猿田座長

 ありがとうございます。ほかにどなたかございますか。

大体やり方はおわかりいただけましたでしょうか。そういった形で、これから11月、12月、1月と、そこのところ少し忙しくなるかもしれません。どのぐらい例数ありますか。かなりありますか。

○事務局

 現時点で65技術ございますので、申請のときの書類などもあわせてお送りさせていただければと思います。評価資料としては少し大き目になるかと思います。

○猿田座長

 ありがとうございました。

もし先生方、大体御了承いただけたらば、この件はそういう形で進めさせていただくということにさせていただきます。

(「異議なし」と声あり)

○猿田座長

どうもありがとうございました。

それでは、1の議題はこれで終わらせていただきまして、「その他」ということでよろしくお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。資料としましては先-2という資料でございます。先進医療技術審査部会では9月12日にかかった資料でございますが、先進医療Bの取り下げということで、取り下げというか、終わりましたというものもございますけれども、3つございますので御報告させていただきます。

 まず、006番ですけれども、経皮的肺がんラジオ波焼灼療法でございますが、こちら、試験終了とともに、これは先進医療から削除ということになってございます。

おめくりいただきまして、経皮的腎がんラジオ波焼灼療法でございますが、こちらも試験の症例登録及び観察期間が終了したため取り下げということになってございます。

 続きまして、告示番号016の根治的前立腺全摘除術における内視鏡下手術用ロボット支援でございますが、こちらは、後継機であるda Vinci S Surgical Systemが内視鏡手術ロボットとして薬事承認され、試験参加者の確保が困難となったため、試験を終了することとしたということでございます。

 以上3件の御報告でございます。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。今、御説明いただいたこの3件に関しまして、いずれも終了、そのほか、保険ということでございますけれども、お認めいただけますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○猿田座長

 ありがとうございました。それでは、お認めいただいたということにさせていただきます。そうすると、きょう議論することはこれだけですかね。

では、先の予定だけ、よろしくお願いいたします。

○事務局

 次回の開催につきましては、平成251114日を予定してございます。

○猿田座長

 ありがとうございました。委員の先生方、せっかくの機会でございますので、何か御意見ございますか。先生方、貴重な時間をとって来ていただいていますから、できるだけ、少しでも要件多く処理させていただけるようにしたいと思っているのですけれども、きょうはそういうことで。

○山口構成員

取り下げはいいのですけれども、これは予定どおり終わったものは2つで、1つはほかのものが認められたのでということですね。その評価というのはいずれ行われるわけですね。

○事務局

さようでございます。総括報告書をいただいて、まず部会で御評価いただきたいと思います。

○猿田座長

ほかにどなたかございますか。

○北村座長代理

前もちょっと申し上げたことですが、今、福井先生もちょっとおっしゃられた、保険局の医療課でコストベネフィット、コストパフォーマンスのそういう臨床研究の支援をするような厚生科研というものを創設してはどうかということをちょっと申し上げました。今、日本型NIHとかいう案も出てきてややこしいと思うのですけれども、保険局医療課がそういう特殊な臨床研究に限った形で研究費を出して日本の研究者を育てていくと、あるいは厚生省が必要とする、さっきの効率の問題の検討をさせるというようなことについてはお考えどうなのですかね。可能性はあるのか、まあ無理なのか。

○医療課企画官

 医療課企画官でございます。

 今の御指摘に関してでございますけれども、今、中医協で費用対効果について議論しておりますのは、医薬品等の保険収載に当たってどう考えていくかということです。さまざまな検討課題が挙がっておりまして、どういう基準で判断していくかということもあるのですが、先ほどの福井先生のお話にありましたように、体制、人員などどういう組織で検討していくのかということも議論となっております。その中で、やはり専門的な知見のあるグループといいますか、研究者の先生方というのはどうしても必要になりますので、そういった点も含めて検討していくということにはなっております。

 そうした体制整備を実際、研究費という形でやるのか事業費という形でやるのか、そもそも今の中医協の組織の中に位置づけ会議費を確保して、検討していくのかということになりますけれども、いずれにしましても、何らかの検討体制がないと、全て事務局が調査検討するというのも困難だと思います。今後、中医協での議論も踏まえながら、またこういう場での先生方の御意見も参考にしながら検討していきたいと思います。そういう意味では、御指摘のような研究費を確保してということもあり得るとは思っております。

○北村座長代理

 あり得ると、検討しておるということでございますね。

○福井構成員

 僕も、イメージ的には、5人か10人くらいの人を、その費用効果分析をやる研究室みたいなものを何年間かサポートするということをやるだけでも物すごい数の分析できると思うのですね。やり方によっては、一つのテーマだけでしたら、それはもう既にあるデータの統計学的な解析ですから、新たにデータを集めるというタイプの研究ではありませんので、本当に熱中すれば、優秀な研究者のグループが5人、10人いればかなりのテーマについてできますので、ぜひ何かの方法でそのような体制をつくってもらえればと思います。

○北村座長代理

DPCなどを利用すればかなり基本データは集められると思うのですね。その目で見ていけばね。

○猿田座長

 ありがとうございます。ほかにございますか。

 もしなければ、それではこれで終わらせていただきます。どうも御協力ありがとうございました。お忙しいところ、済みませんでした。


16時42分 閉会


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課医療係
代表 03-5253-1111(内線3289)

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