ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(疾病対策部会難病対策委員会)> 厚生科学審議会疾病対策部会 第34回難病対策委員会 議事録(2013年10月29日)




2013年10月29日 厚生科学審議会疾病対策部会 第34回難病対策委員会 議事録

健康局疾病対策課

○日時

平成25年10月29日(火)10:00~12:00


○場所

厚生労働省 専用第18~20会議室(17階)


○議事

○西嶋疾病対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「厚生科学審議会疾病対策部会第34回難病対策委員会」を開会いたします。

 委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 まず、本日の委員の出欠状況を確認させていただきますが、山本委員、駒村委員から欠席の御連絡をいただいているところでございます。

 以降の議事進行につきましては、金澤委員長よろしくお願いいたします。

○金澤委員長 皆様おはようございます。それでは、「第34回難病対策委員会」を始めます。

 最初は資料の確認です。簡潔にお願いしましょう。

○西嶋疾病対策課長補佐 資料1 難病対策委員会の改革に向けた取組について(素案)

 資料2 難病対策に関する意見交換会でいただいた主なご意見

 参考資料1 医療費負担額の変化に関するモデルケース

 参考資料2 参考資料集

 参考資料3 第3033回難病対策委員会における主な意見

 また、患者団体等との意見交換会における団体からの個別の意見につきまして、委員の皆様におかれましては机上に配付をさせていただいておりますので、そちらも御参考いただければと思います。

 また、カメラの撮影はここまでとさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。

 また、資料に欠落がございましたら、事務局までよろしくお願いいたします。

○金澤委員長 ありがとうございました。では、カメラはここまでということです。

 それでは、早速議事に入りたいと思うのですが、資料1をごらんいただきましょうか。これがきょうの主な議論になります。「難病対策の改革に向けた取組について(素案)」です。これは前回までの議論をもとに事務局でまとめてもらったものです。

 きょうの進め方といたしまして、これから内容の説明をしてもらいますけれども、全体を3つぐらいに分けまして、第1と第2、第2というのは3ページの頭ぐらいまで、それから、2番目が第3、これは3~5ページの真ん中あたりまで、それ以後という3つに分けます。それぞれに御意見をちょうだいしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 ただ、きょうはいろいろな御意見が出るであろうと思いますので、終わりのほうは時間がなくなれば、次の会に持ち越すということもあり得るということだけ御承知おきいただきたいと思います。

 それでは、事務局から資料1及び資料2を使って御説明をお願いしましょう。

○小澤疾病対策課長補佐 それでは、御説明させていただきます。

 まず、資料1の前に資料2をごらんいただけますでしょうか。こちらは27日日曜日に開催いたしました難病対策に関する意見交換会におきまして、各患者団体等からいただいた主な御意見についてまとめさせていただいたものでございます。

 あわせて委員の先生方にのみ意見交換会で使用した各団体からの意見を表形式でそのまままとめたもの、それから、参加団体の一覧を机上配付しております。45の団体が参加を希望いたしまして、各団体から御意見をお伺いいたしました。

 時間もありませんので、資料2は項目だけ簡単に御紹介させていただきます。

 まず1つ目が、医療費助成の対象となる患者の認定について。2つ目が、患者負担の在り方について。3つ目が、国民の理解の促進と社会参加のための施策について。4つ目が、効果的な治療方法の開発と医療の質の向上についてということで、それぞれに御意見をいただいております。

 項目は以上でございますけれども、資料の詳細はこちらを御参照いただければと思います。また、参考資料3といたしまして、前回までの委員会での意見もまとめておりますので、そちらについても御参照いただければと思います。

 それでは、資料1を御説明させていただきます。

 委員長からもございましたとおり、意見のとりまとめ素案ということで出させていただいておりますが、本年1月におまとめいただいた提言でございますとか、これまで9月から委員会の場で委員の皆様に御議論いただいた内容や、先ほどお話しいたしました患者団体との意見交換会などを踏まえまして、事務局で難病対策の改革に向けた取り組みについて、具体的な内容を素案としてまとめさせていただいたものでございます。全体は5つの章立てからなっておりますが、第1から順を追って、ざっと御説明させていただきたいと思います。

 まず「第1 難病対策の基本理念及び基本的事項」でございます。

 基本理念につきましては、提言では難病対策の改革の基本理念として提示していただいておりましたものを、今回は難病対策そのものの基本理念として置かせていただいております。

 その下に、難病対策の定義を記載しております。原因不明で、治療法が未確立であり、生活面で長期にわたり支障が生じる疾病のうち、がん、生活習慣病等別個の対策の体系がないものとして、希少なものに限定せず、その代わりほかで体系立って対策をしているものについては除いてるというものでございます。これは昭和47年の難病対策要綱を参考に作成させていただいたものでございます。

 「2.国による基本方針の策定」については、国が難病に係る医療や研究開発の推進を図り、また、福祉や雇用などほかの施策との連携を図るための基本的な方針を策定したいと考えておりまして、こちらについてもこのように記載させていただいてございます。

 次に「第2 効果的な治療方法の開発と医療の質の向上」でございます。

 「1.治療方法の開発に向けた難病研究の推進」でございますけれども、診断基準の作成を行う研究や、診療ガイドラインの作成の推進、それから、新規治療薬、医療機器等の開発につなげるための研究の推進、あるいは未承認薬、適応外薬であって難病の治療等に有効なものの開発の促進などについて記載させていただいております。また、研究成果の還元であるとか、わかりやすい最新情報の提供についても行っていかなければならないということで記載してございます。

 「2.難病患者データベースの構築」についてでございます。難病患者のデータ登録の目的は、症例が比較的少ない難病について研究の推進に結びつけることであり、難病患者データベースは対象疾患に罹患した患者全員が登録可能なシステムとして、データ登録を行った患者に対して、関連情報を付加した難病患者登録証明書を発行することとして記載させていただいております。

 また、難病指定の役割として、的確な診断や新規の臨床調査個人票の発行を役割として位置づけまして、また、新しい臨床調査個人票の更新に関しては、難病指定または難病指定と連携したかかりつけ医等が発行するということで記載させていただいております。

 それから、難病患者情報の取り扱いにつきましては、個人情報の保護に十分配慮し、必要な体制を整備することということで記載させていただいております。

 「3.医療提供体制の確保」についてでございますけれども、難病医療拠点病院や地域基幹病院、それから、指定難病医療機関の関係について整理いたしまして、日常的な診療はかかりつけ医が行うという体制を明確化してございます。

 また、極めて希少な難病を診断するための医療提供体制につきまして、難病医療支援ネットワークの形成、あるいはこれと連携した体制の整備について記載させていただいております。

 以上が、第2についてでございます。

 次に「第3 公平・安定的な医療費助成の仕組みの構築」について御説明させていただきます。

 まず「1.医療費助成の対象疾患及び対象患者について」でございますが、対象疾患につきましては、これまでの議論で出てきている4要素を要件としておりますけれども、そのうち希少性の要件に関して、委員会の中でも議論いただきましたことを踏まえて明確に規定させていただいております。[1]患者数が人口の0.1%程度以下、これは希少性ということで明確化させていだたいております。[2]原因不明。[3]効果的な治療方法が未確立。[4]生活面への長期にわたる支障の4要素を満たしていて、かつ客観的な指標に基づく一定の診断基準が確立している疾患を対象疾患とすることということで明示させていただいております。

 資料1別添の1ページをごらんいただければと思います。今申し上げました考え方に沿いますと、医療費助成の対象となる候補は約300疾患程度となります。これにつきまして前回の委員会で伊藤委員からも拡大した際の疾患の数についてお求めがあったものでございまして、こういった形で提示させていただいております。

 なお、こちらは現在研究班において研究途中の結果をもとにした疾患数でございまして、対象疾患は最終的には第三者的な委員会で決定されることとなっておりまして、疾患の分類方法によっても今後、疾患の数は変わり得るというものでございますので、御留意いただければと思います。

 素案に戻っていただきまして、現行の特定疾患治療研究事業の対象疾患、56疾患ありますけれども、このうちであっても今申し上げたような要件を満たさない疾患につきましては、新たな医療費助成とは別の対応を検討することを考えておりまして、そういったことを規定しております。例えば、スモンに関してでございますが、こちらは原因が薬剤だとわかっていることもありますので、難病ではないものとして予算事業で対応することを検討してございます。

 次の対象患者の認定基準についてですが、これまで御議論いただいておりましたとおり、すべての対象疾患に対して重症度分類等を導入すること、疾患ごとにそれぞれの疾患特性に応じた重症度分類等を設定することといたしまして、助成の対象は対象疾患に罹患している難病患者データベースの登録患者のうち、症状の程度が重症度分類等で一定程度以上の方、日常生活または社会生活に支障がある方とすることと記載させていただいております。

 ただ、症状の程度が一定程度以上に該当しない軽症の場合であっても、高額な医療を継続的に必要とする方については、医療費助成の対象とするということを前回の委員会の中でも示させていただいておりましたけれども、今回は少し具体的な考え方を掲載させていただいております。医療保険に高額療養費制度の多数回該当という制度がございまして、これは直近の12カ月間の間で、既に3回以上高額療養費の支給を受けているような方は多数回該当ということでございますけれども、つまり、高額療養費の負担上限額を3回超えているぐらい医療費がかかっている方。そういった場合には、その月の負担の上限額をさらに引き下げるということで負担が軽減されるという制度がございます。こういった多数回該当の考え方を参考にいたしまして、今回例といたしまして、月ごとの医療費の自己負担が2万4,600円を超える月が年間三月以上ある場合には、軽症の方であっても医療費助成の対象とするということで、新たに考え方を整理して御提示させていただいております。

 なお、今申し上げた2万4,600円というのは、70歳未満の高額療養費制度における多数回該当の制度におきまして、低所得者の場合に設定されている金額でございまして、あくまで今回例として掲載させていただいておりますので、これをもとに高額な医療というのがどういうものか、具体的に御議論いただければと思っております。

 また、医療費助成の対象疾患で用いる認定基準の設定につきましては、難病研究で確立された診断基準を踏まえること。また、診療ガイドラインは医療費助成の対象となる医療の範囲についての目安とすることを記載させていただいております。

 次に、対象疾患の選定等を行う第三者的な委員会についてでございますけれども、まず、対象疾患の選定や見直し等を行うに当たって、国は厚生科学審議会の意見を聞くことといたしまして、厚生科学審議会に新たに第三者的な委員会として対象疾患等検討委員会、これは仮称ですけれども、そういった委員会を設置することとして難病対策委員会での対象疾患の選定などに関する考え方に基づいて審議を行うこととしてはどうかということで記載させていただいております。

 この委員会は、難病医療の見識を有する方で構成して、原則公開とすることとしてはどうかということで整理させていただいておりまして、これとは別に対象疾患の選定等に当たっては、必要に応じて患者団体の代表者等からのヒアリングを行うこととしてはどうかということで、記載させていただいております。

 それから、都道府県における対象患者の認定の手続につきましては、難病指定との関係も含めて記載させていだたいておりまして、難病指定や審査会の位置づけを記載させていただくという形で盛り込ませていただいております。

 次に「2.患者負担の在り方について」、これまでの議論などを踏まえてまとめさせていただいております。難病患者の方への新たな医療費助成の患者負担につきましてですが、難病の特性を踏まえて負担割合を3割から2割に軽減するということ。それから、所得に応じて負担限度額等を設定することとして、別添のとおりとすることと書かせていただいております。

 それでは、別添の2ページをごらんいただきたいと思います。こちらは自己負担限度額などにつきまして、前回お出しした資料から委員の皆様からいただいた御意見などを踏まえまして、赤字の部分について修正を加えさせていただいております。

 まず、前回の委員会の場で、低所得者、市町村民税非課税の方の自己負担について、いきなり0円から8,000円になるのは影響が大きいのではないかといった御意見をいただきましたので、これについて新たに設定させていただきました。階層区分を細分化いたしまして、負担限度額について8,000円だったところを新たに3,000円、6,000円の負担限度額を設定して修正を加えてございます。

 自己負担限度につきましてはもう一点、年収370万円を超えたところの4万4,400円の階層の方ですけれども、こちらは急に負担が1万2,000円から上がり過ぎるのではないかということで、もう一階層つくればいいのではないかといった御意見も伺いましたので、そういった観点から370570万円までの階層を今回設けさせていただいておりまして、こちらについては負担限度額を高額療養費制度を参考に2万4,600円として1つ階層を追加してございます。負担限度額につきましては、おおむね各階層区分の収入の低い方の10%を超えないように設定されているような形になっております。

 さらに、もう一点、上の囲み部分になりますが、同一世帯内に複数の対象患者の方がいる場合についてでございます。現行では、難病患者さんが2人目以降いらっしゃる場合には、負担限度額は2人目以降は10分の1となっております。今回見直すに当たって、この点につきましては、難病患者の方々に遺伝性の疾患などがある場合もあるということも考慮いたしまして、世帯内の対象患者の人数で負担限度額を按分してはどうかということで考えてございます。例えば、年収160370万円の世帯で難病患者の方がお二人いらっしゃる場合には、負担限度額は1万2,000円割る2で、お二人それぞれ6,000円ずつということで負担上限額を設定する。もし仮に3人の場合は、負担限度額は1万2,000円を3で割って4,000円で、それぞれ1人4,000円となるようにしてはどうかということで考えております。こちらにつきましては、今回初めてお示しする考え方でございますので、改めて御議論いただければと思っております。

 それから、素案の5ページに戻っていただきまして、現行の予算事業で認定されていた方については、おおむね3年間の経過措置を講じるという点は、これまでお示ししてきたものと変わってございません。

 それから、所得についてでございますが、医療保険と同様に世帯単位で把握することとして、所得の階層区分の適用は、都道府県の把握のしやすさなどの観点から、市町村民税の課税状況をもとに行うこととしてはどうかということでお示しさせていただいております。

 それから、同一世帯の話は先ほど申し上げたとおりでございますけれども、その下の入院時の標準的な食事療養費の関係でございます。これも、これまでも委員会の中で論点として出させていただきましたが、入院時の標準的な食事療養及び生活療養に係る負担については、ほかの公費負担医療制度と同様に患者負担として、薬局での保険調剤に係る自己負担については負担限度額に含めるということも、これまでの整理と変更はございません。

 その次の介護保険における医療系サービスの扱いについてでございますが、現在、介護保険で医療系サービスを利用せざるを得ない患者さんがいらっしゃることなど、前回の委員会でもいろいろ御意見をいただいたところでございます。こういった御意見を踏まえまして、地域によっては介護保険の医療系サービスで対応されている事情があることなどを踏まえまして、地域の実情に応じて都道府県が患者に対して審査会で審査するなどしていただいて、介護保険における医療系サービスについて必要と認める場合には、医療費助成の対象とすることを可能とすることとして、今回考え方を整理させていただきました。こちらについても新たにお示しさせていただいている考え方ですので、御議論いただければと思っております。

 続きまして「第4 国民の理解の促進と社会参加のための施策の充実」について御説明させていただきます。

 「1.難病に関する普及啓発」についてでございますが、難病情報センターについて書かせていただいております。

 それから「2.難病患者の社会参加のための支援」については、難病相談・支援センター機能強化や症状の程度等に応じた事業への取り組みについて記載をさせていただいております。

 また「3.福祉サービスの充実(障害福祉サービス等の対象疾患の拡大)」でございますけれども、障害者総合支援法に定める難病等患者の対象疾患の範囲の見直しについて記載させていただいておりまして、「4.就労支援の充実」では、難病患者就職サポーターの活用などによる難病患者への就労支援の充実について、改めて記載させていただいております。

 「5.難病対策地域協議会(仮称)」についても、地域の保健所を中心として設置いたしまして、地域における難病患者への適切な支援を図るとともに、難病患者の地域での活動を支援するため、専門性の高い保健師等を育成することを記載させていただいております。

 最後に「第5 その他」でございますが、まず、新制度の施行時期について、法案を次期通常国会への提出を目指して調整を進めるとした上で、その施行に当たっては十分な準備期間を置くことが必要と考えられることから、施行時期は法案が成立した後、おおむね1年後が想定されるわけでございますけれども、できるだけ早い時期からの施行が望まれているということで考えておりますので、既に医療費助成の対象となっている疾患に加えまして、新たに医療費助成の対象となる疾患の一部について、平成27年1月をめどに施行することができるよう必要な調整を行うことということで記載させていただいております。

 また、新制度の実施主体についてでございますが、基本的には都道府県ということで書かせていただいておりますが、政令指定都市等で行うこともあるのではと委員会の場で御議論いただいたこともございますので、現在検討中ということではございますが、こちらについても少し記載させていただいております。

 一方で、自治体などの状況も踏まえて、都道府県以外の自治体が実施主体となる場合には、必要な準備期間を設けることが必要だと思っておりますので、その旨も記載させていただいております。

 資料1の説明は以上でございます。

○金澤委員長 どうもありがとうございました。通して説明していただきました。

 先ほど予告をいたしましたように、「第1 難病対策の基本理念及び基本的事項」と「第2 効果的な治療方法の開発と医療の質の向上」という2つの項目について、最初に御質問・御意見などをお願いしたいと思います。

 伊藤委員どうぞ。

○伊藤委員 今までのさまざまな議論をもとに、いろいろ工夫をしていただいたということは本当に評価したいと思います。ただ、新たな改革に向けて意見と質問をしておきたいと思います。

 1つは、難病対策の基本理念なのですが、これも何回か発言していると思うのですが、今ここで言う対策の基本理念として、難病にかかっても地域で尊厳を持って生きられる共生社会の実現を目指すことを基本とするということは、もちろんものすごく立派なことだと思いますが、ただ、前に提言で触れて、あるいは中間とりまとめでも触れておられたような難病というものはどういうものなのか、今の人類の多様化の中では一定程度の割合で発生することを提言では述べてておりまして、そして、それを我が国の社会が包含するということが大事だということを述べておられました。私は大変よい文章だと思っております。これがある意味、患者団体にとっても新たな難病対策に向かっていく一つのスタートになっている重要な部分だと思いますので、対策の中でどういう具合に表現するかということで難しいことはあるのでしょうけれども、どこかにきちんとあの文章は入れておいていただきたいと。あれが日本での難病対策の基本理念というよりも、それが本当に出発点であると考えますので、お願いしておきたいと思います。

 そして、1で原因が不明でという難病についての定義が出ていますが、がん、生活習慣病等というのは、別個の対策の体系があるものは除くということなので、それはそれでわかるのですが、前の対策では筋ジストロフィーも書かれてあったわけです。今回その筋ジストロフィーを抜いてあるのは、今までも議論にあったように、筋ジストロフイーは重要な難病の疾患であって、難病対策で取り入れてはどうかという議論もあったと思うのですが、そのことを配慮して筋ジストロフイーという言葉を抜いたのか、質問しておきたいと思います。

 もう一点ですが、2ページにあります1つ目の○です。難病患者登録証明書を発行すると、今までの案から見たら簡略化されて大変よいと思いますが、改めて言っておきますけれども、病気になった当初あるいは診断された当初が、患者にとっては最もつらい時期であり、かつまた、社会的な支援を必要とする時期でもあります。そういう意味で、福祉制度の利用の活用に患者登録証を用いることが可能なのかどうか。あるいはどういう展望でこれを今後具体化していくのかについて質問しておきたいと思います。

○金澤委員長 わかりました。どうぞ。

○田原疾病対策課長 第1点目の基本認識のところについては少し工夫をしたいと思います。

 第2点目の筋ジストロフィーの話については、特定の疾患を抜いたということではなくて、がんや生活習慣病はそれぞれ法律があるということもありますので、そういう意味での別体系と御理解いただければと思います。

 第3点目については、済みません、福祉の関係かと思いますけれども、もう一度お願いできますか。

○伊藤委員 1つは、今の筋ジスのことについては、外したということを質問したのではなくて、入れるということなのかをお聞きしたかったのです。

 福祉につきましては、軽症患者や初期の患者さんにつきまして登録が発行されるわけですが、これが福祉制度の利用や活用による、従来出ていた診断書に代わるようなそういう活用の方法も検討されているのかということを質問いたしました。

○田原疾病対策課長 失礼いたしました。それぞれの疾患について今回、医療費助成の対象になるのかどうかというのは、また第三者的な委員会で御議論いただくことになうろかと思いますけれども、研究対象については幅広くやっていくということでございますので、そういう意味では難病の範疇には入っているのではないかと思います。

 それから、登録証明書の扱いについては、どういう位置づけにするのかというのは我々のほうでもう少し検討を進めたいと思いますが、ここではすべての方で御希望される方、同意される方については、データの登録ができるような形にしてはどうかという内容でございます。

○金澤委員長 ありがとうございました。

 ほかにどうですか。益子委員どうぞ。

○益子委員 2ページ目の難病患者データベースは、対象疾患に罹患した患者全員が登録可能なシステムにすると書かれていて、とてもいいと思いますけれども、前回はボランタリーの登録だということで、やはり軽症から拾っていって世界的にも通用するデータをつくるならば、ボランタリーで患者が費用を出して登録するというのではなく、この辺の援助が必要なのではないかと思いますので、ぜひ取り上げていただきたいなと思いました。

○金澤委員長 これでいいということですね。ただし、ちゃんとしたことをやりなさいということだと思います。

 これは、次に調査個人票があり、さらに医療受給者証というのがあって3種類あるわけですね。下の2つは真鍋委員の範囲だけれども、地域で地方自治体が発行することになりますね。一番上の登録証明書というのは、保健科学院のほうにデータが行って、そこでデータとしては使途されるわけですよね。どこが発行するのですか。

○田原疾病対策課長 発行の主体については、我々のほうで検討させていただければと思いますが、基本的にはすべての方が御希望されるのであれば、登録できるような体制にはしておくという考えでございます。

○金澤委員長 ここは、データの国際的な信用性にかかわる非常に大事なところだと思います。

 ほかにどうですか。葛原委員どうぞ。

○葛原委員 2ページの「()難病指定医(仮称)の役割」のところで、「難病指定医は、的確に診断することを主な役割とし」と書いてある部分に関してです。たしか議論の中では、的確に診断するのが一番大事なのですが、治療に関しても患者ごとに一番適切な治療計画を策定する役割を担ってもらうということになっていたと思います。その理由は、結構バラバラな治療がやられていて、特に最初からどんどん新しい薬を使えば、かえってこじれてしまうような病気もあるということも含めて、的確に診断し、現時点で最も適切な治療を行うということも、ぜひ入れておいていただきたいと思うのですが。

○田原疾病対策課長 その点につきましても少し考えたいと思いますし、また、更新の際には指定医と連携したかかりつけ医がそういう個人票を出すということもございますので、その辺も含めて少し整理をして、また次回にお示ししたいと思います。

○金澤委員長 ありがとうございます。確かに、そのとおりですね。

 治療をするというのもあるでしょうけれども、治療方針を立てるとか、そういうことだとちょっと誤解を招かないかという気がしますが、ほかにどうですか。

 真鍋委員どうぞ。

○真鍋委員 2ページの「()難病指定医(仮称)の役割」の2つ目の○です。最後の行に「難病指定医(仮称)と連携したかかりつけ医等が発行する」、これまでの議論を踏まえた結論だと思いますけれども、連携した中身が、私どもは認定審査を行っていく上で、指定医さんではない方から臨床調査個人票が出てきましたと。そのときに連携したということがどう担保されているのかというのが、なかなかわかりにくいことが想定されますので、これは恐らく制度をつくり込んでいくときに何らかのチェック欄を設けるのか、連名にするのか、そういった何らかの工夫は必要だと思うので、そこはぜひ具体的な制度設計のときに御配慮をお願いしたいと思います。

○金澤委員長 わかりました。

 ほかにどうですか。春名委員どうぞ。

○春名委員 第2の1に「診療ガイドラインの作成を推進する」とありますけれども、これは医療関係者向けのものだと思いますが、こういう費用対効果にすぐれた治療法に関して、患者さんにも患者さんの自己負担があるわけですから、それをちゃんと患者さんにも提供していくことが大切ではないかと思います。

 それと、今回の治療研究をやるときの評価のアウトカムに関して、病気が完全に治るというだけではなくて、症状を抑えるだとか再発や再燃を防止するだとか、生活自立の状況だとか、そういうことに対しても効果的な治療法をちゃんと評価できるようなものにする必要があります。それに関連しまして、患者データベースを今回専門医の方が登録するわけですけれども、生活自立の状況などに関して負担のないように登録できる仕組みなども必要ではないかと思います。

○金澤委員長 ありがとうございます。ほかにどうですか。

 本田委員どうぞ。

○本田(麻)委員 1ページの第2の治療方法の開発のところですけれども、3つ目の○の「研究で得られた成果を還元することとし、広く国民が理解できるようにわかりやすく差新情報を提供する」というのはとてもいいことで、私もそう意見を申し上げたのですけれども、「何とかなどで」と具体的に一言入れられないのかなと。何かボワンとしていて、例えば、インターネットとかそういうことを一言入れておいていただきたいなと感じました。具体的にどういう形で手に入れられるのか全くイメージがつかないなと思ったので。

○金澤委員長 難しいですね。何を言ったらいいですか。

○田原疾病対策課長 今、難病情報センターがございますので、ああいったところを通じてということになるかと思います。

○金澤委員長 わかりました、ありがとうございます。余りにもたくさんメディアがあるから、今のはいいですね。

 ほかにどうですか。小幡委員どうぞ。

○小幡委員 先ほど基本理念のところで伊藤委員がおっしゃったことは、私もそう思います。要するに、理念としては、どなたでも発症し得る難病について、国としてどのように責務として取り組むべきかということは改めて書いておいたほうがよいと思います。

 それから、もう一点、今、難病指定医とかかかりつけ医とか、もう一つ、指定難病医療機関(仮称)というものがございますが、個人票を発行できるようなかかりつけ医さんは、指定難病医療機関に指定されるという理解でよろしいのでしょうか。

○田原疾病対策課長 そのとおりでございます。

○小幡委員 ここが分かれて書いてあったものですから、お伺いいたしました。ということは、指定医がいないところでも医療機関に指定されれば発行できるので、アクセスが容易になるという理解でよろしいですね。

○田原疾病対策課長 そのとおりです。

○金澤委員長 もう一回確認しておきますけれども、難病指定医がなかなか近くにおられない過疎地域と言っていいのかどうかわかりませんが、そういうところに住んでいらっしゃる患者さんはおられると思うのです。そういう方々にわざわざ毎年出てきてもらってということも、もちろん可能であればいいのだけれども、前にも申し上げたかもしれないけれども、やはり巡回して専門医のほうが回っていくというシチュエーションだってあっていいのではないかというのが私の考えです。伊藤委員もそういうことを前にちょっと言ってましたよね。

○伊藤委員 北海道では昭和49年からだと思いますけれども、専門医と患者団体と保健所と市町村が協力して、専門医の先生に御協力いただいて、地域を回って診断と治療方針なりあるいは福祉制度の利用について一緒になってやるシステムを、ずっと何十年もやってきているのですけれども、それに似たような仕組みは我々の経験でいえば可能だろうと思っておりますので、ぜひ検討していただきたいと思います。

○金澤委員長 ただ、みんながみんなやれと言われるとつぶれてしまうから、限られた場所でお願いしたいと思います。

 ほかにどうですか。葛原委員どうぞ。

○葛原委員 今のことに関して、前にも申し上げましたけれども、私はやはり難病指定医とか専門医がきちんと患者さんを1年に1回ぐらい診るというのは、単に医療費の補助ということだけではなくて、患者さんに対する医療の均てん化という上でも必要なことだと思います。ですから、これまでの制度ではかかりつけ医が発行するというのが、今度は難病指定医というのが入ったのは大分前進だとは思いますが、医療の提供側からいっても、恐らく本当の意味で患者さん御自身の希望から言っても、年に1回くらいはきちんと指定医が診ることが望ましいのではないか。それができない場合は、かかりつけ医という程度に考えていただいたほうが、私は医療の質の担保とか難病医療の推進ということからは、そちらのほうがむしろ筋が通っているのではないかと思います。

○金澤委員長 ありがとうございます。ほかにどうですか。

 最初の1と2の問題に関しては、大体よろしいでしょうか。基本理念、基本的事項、それから、効果的な治療法の開発と医療の質の向上、この件に関しては随分議論してまいりましたし、一応このぐらいにさせていただいて、多分いろいろな御意見があるであろう第3の問題、医療費助成に移りたいと思います。ただ、第1と第2の問題で思い出したといことで戻っていただいても結構ですが、とりあえず「第3 公平・安定的な医療費助成の仕組みの構築」に移りたいと思います。3ページです。

 伊藤委員どうぞ。

○伊藤委員 これも今までの議論に基づいて、さまざまな工夫をしていただいているということは本当に高く評価したいと思いますが、幾つかの点についてお願いと質問をしておきたいと思います。

 1つは、おっしゃっていましたように3ページの下ですけれども、高額な医療費がかかる方も対象にするということも前進なのですが、月額2万4,600円を超えるという治療がずっと続けられている状況をどう考えるか。私どもは、2万4,600円超える月が3カ月もあるということを放置しないほうがいいのではないかと。つまり、病気ではどういう治療がどの程度続くかというのは予測もつくわけですから、3カ月たたないとだめだよというのはちょっと酷なような気がいたします。

 4ページですが、第三者的な委員会についてですけれども、これも前回申し上げましたように、第三者委員会は学術的な側面から対象疾患を考えるということで、公平性・公正性が担保されるのだと思います。それに対して難病対策委員会では、さまざまな社会的な状況や社会的な側面、あるいは行政やさまざまな仕組みのことも含めて検討するわけでありまして、そういう中で患者会の意見あるいは今までも意見交換会を大分やっていただいたり、さまざまな形で要望も届けたりしてきたわけですけれども、同じようなことを第三者委員会でも行うとなる、難病対策委員会と第三者委員会との関係が非常に不明確になっていくのではないかと。

 そういう意味で、社会的な側面を含めたものは難病対策委員会として、第三者委員会は本当に学術的な側面から検討をしていただくのがよいのではないかと。そういう意味からいっても、これも前回述べましたように、ここに患者団体のヒアリングとか代表を入れていきますと、そのヒアリングをするだけの能力のある団体の意見は採り上げられでしょうけれども、そういうことのできない病気、あるいは団体すらない病気などが果たして公平・公正に検討されるのかということでは危惧するべきものがあると思いますので、役割分担と同時に、第三者委員会の仕組みももっと限定的な、学術的なものにしていただきたいということをお願いいたします。

 それから、4ページの下の「2.患者負担の在り方について」ですけれども、3割から2割に軽減というのがいいのかどうかということは、いろいろ議論があるところですし、障害者の医療では原則1割ということになっているわけですから、それから見てこの2割というのはいかがなものかということも、いま一つ検討の必要性があるのではないかと思います。

 そして、もう一点は、ここには書かれていませんけれども、難病の医療負担が決まった段階で、小児慢性特定疾患では特定疾患の2分の1を上限額とするということで議論が進んでいると思いますけれども、そうすると同じ病気で小児慢性特定疾患の医療を使う人と、一般の難病対策での医療費助成を使う人と両方出てくる可能性があるのです。それは、単なる不公平ということだけではなくて、安いほうを使おうと思えば使えるわけですから、そうなった場合に難病対策でのデータの蓄積という問題と、小慢でのデータの蓄積が連動するのかどうかという不安があると思います。そこについて、もうちょっと小慢の御意見もいただきたいと思います。

 それから、5ページの2つ目の○ですけれども、同一世帯内に複数の対象患者がいる場合というのは実は結構あるのです。同じ病気で家族が複数という場合もありますが、特定疾患に入っているけれども、それぞれ違う疾患で家族内に特定疾患の患者がいるという場合があります。そうすると、この同一世帯内に複数の対象患者がいる場合というのは、同一疾患だけのことを指すのか、さらに同一世帯の中で複数の特定疾患の患者がいることも想定するのかについて質問しておきたいと思います。

 そして、都道府県の実情に応じて医療系サービスを必要と認める場合にはというのはわかりにくいので、何を言っているのかなと思いますが、もう少しわかりやすく説明していただきたいと思います。これは資料1の別添資料で、介護保険などにつきましても訪問看護ステーションが行う訪問看護を含むということですが、実際、患者の実態から言えば訪問リハビリなども重要と思われますけれども、それも対象にはならないのかということで、質問と意見、希望を述べておきたいと思います。

 医療費全体につきましては、いろいろ工夫をしていただいたところですけれども、なお、一番低額の方々の本当に年収80万円もないような世帯の方々で、毎月3,000円というのは可能なのかというだけではなくて、これも前回述べましたけれども、ほかの障害者の制度その他が最低額が2,500円になっている段階で、難病が高いというのはいかなる理由によるものなのかと。難病が難病であるとすれば、生涯ずっと医療費負担が続くことを考えれば、ここは最低限でもほかの制度と額をそろえるべきではないかと思いますし、370570万円で層をつくっていただいたのはありがたいのですが、これらの額も本当に毎月2万4,600円や4万4,400円という額が負担し切れるのかということを懸念しておりますので、もう少し工夫をいただければと思います。

 生活医療費の患者負担についても、なお軽減できないかをお願いしておきたいと思います。

 ○金澤委員長 たくさんありました。一個一個わかりますか。私はやっと7つピックアップしましたが。

○田原疾病対策課長 まず最初に、高額な医療が必要な軽症者の方ですけれども、これはどのくらいの額にするのかというのは御議論いただければと思いますし、3ヶ月というのは医療保険の高額療養費制度ことを念頭に置いておりますのでの、この辺は構造は余り変えないほうがいいかなと思いますが、なるべく早くから医療費助成の適用が受けられるような運用の工夫というのはあり得るのかなと思っております。

 第2点目、第三者委員会ですけれども、これについてはまた、この場で御議論いただければと思います。

 3番目は負担のあり方で、障害者のように1割にしてはどうかというお話がございましたが、これは前回も少し申し上げましたように、障害者の自立支援医療というのは効果が確実な治療について給付するということで、かなり限定がかかっておりますので、難病の特定疾患、幅広く対処療法についても医療費助成をするという考え方がございますので、それとは考え方が違うということ。それから、高齢者の高額療養費制度を念頭に置いた場合に、まず2割という御負担を考えて御提示したものでございます。

 最後のほうでお話のありました、低所得者の方の3,000円と6,000円という部分についても、同じような考え方で、もう少し御負担をいただけないだろうかということで提案をしたものでございます。

 4番目、小児の慢性疾患については、母子保健課から後でお話しさせていただきます。

 次に、複数の患者について病気が違う場合については、これも対象となると。同一疾患ではなくて、違う疾患でも同一世帯内でそういう方がいらっしゃる場合は、人数で按分するという考え方でございます。収入の把握も世帯単位でやっていくという考え方から、こういう取り扱いをしてはどうだろうかというものです。

 それから、介護保険との関係ですけれども、お手元の参考資料2の27ページに「介護保険法の規定による医療系サービス等」というものがございます。先ほどお話のありました訪問看護、訪問リハビリテーションも、こういう介護保険法の規定による医療系サービスで、現在、特定疾患の医療費助成の対象になっているものでございますので、こういったものが地域の実情で、医療保険のサービスから提供するのは難しいというような実情があるという場合は、介護保険で提供された場合でも難病の医療費助成で負担をしていこうという考えでございます。

○金澤委員長 もう一つ、別添3。市町村民税非課税の約80万円の3,000円というのが2,500円にならないかと。

○田原疾病対策課長 それは先ほどもちょっと申し上げましたように、障害者の自立支援医療の考えと違いますので、2,500円ということではなくて、もう少し御負担をいただけないかということでございます。

○金澤委員長 それでは、桑島さん。

○桑島母子保健課長 母子保健課でございます。小慢の患者さんたちと大人の難病とのデータの連結というお話を御質問いただいたと思います。私どもはそういった認識上にございまして、1月にまとめました中間報告の中でも、登録管理データをより効果的に研究で活用できるように、経年的な蓄積ができる仕組みとして考えていきたいと。その中でも特に難病のデータとの関連が可能となるような仕組みを構築していくということも、報告書に文言として入れてございますので、現在その方向で検討させていただいてございます。

 以上でございます。

○金澤委員長 ほかにどうですか。福永委員どうぞ。

○福永副委員長 今回の改革の中で一番大きな変化の一つが、すべての疾患に対して重症度分類を導入するということではないかと思います。そういうことで、特に軽症の患者さんにとっては不安感というか、今後どうなるかということも大きいかと思いますので、一つは、先ほどの議論にあった軽症者もきちん証明書を発行できるように、そして参加できるような制度設計をしてほしいということと、軽症者の方は証明書から認定に至る場合にスムーズな移行ができるよう、また患者さんに不利益が及ばないような形での移行ができるような制度設計にしてほしいなと思います。

○金澤委員長 ありがとうございます。

 ちょっと1と2に戻ったような感じですが、ついでに申し訳ないですが、私もちょっと戻らせてもらえませんでしょうか。3ページの第3のすぐ上の○です。これは、今回の改革の中では大事な提案なのではないかと思いますが、つまり診断が非常につきにくい、あるいはつかないような一見難病の方の診断をつける上で、こういうネットワークをきちんと利用できるような形にするというのは、非常に大きなことだと私は思っています。つまり、1つはナショセン、それから、難病の研究班、それぞれの分野の学会、ここにいわゆる大学というか特定機能病院のようなものが抜けているので、ここはむしろきちんと入れておいてもらいたいと。ここのネットワークが機能すると、世界に冠たるものになると私は思います。もちろん、それぞれのところが多少はプライドを捨ててもらわなければいけないのだけれども、これは大事なことだと思います。ぜひ入れておいてください。

 伊藤委員どうぞ。

○伊藤委員 先ほど御回答いただいたのですけれども、訪問リハビリのことで明確にお答えをいただけなかったかと思いますので、それをお願いしたいのと、もう一つ忘れていましたけれども、資料1の別添で、階層区分で生活保護というのが設けられています。これもずっと問題になったのは、特定疾患、難病であっても生活保護を受給している人は何のデータ管理にもならないし、それから、保健所や行政さまざまな支援の対象にならないという問題があったのですが、この生活保護もこの中できちんと位置づけられることによって、それらの問題も解決に向かっていくということなのかどうか、教えていただきたいと思います。

○田原疾病対策課長 訪問リハビリテーションの件につきましては、先ほど参考資料の27ページにありましたように、介護保険のほうからサービスが提供された場合でも医療費助成の対象にすると。そして、上限額は複数の医療機関、それから、訪問看護ステーションだとか、あるいは調剤薬局といったものを全部まとめて合算して上限を設定いたしますので、これまで複数の医療機関に行かれていた方は、それぞれ上限設定があったわけですけれども、今回はこの額で打ち止めということになりますので、そういう意味では負担軽減される方もいらっしゃるのではないかと思っております。

 それから、2番目の生保との関係では、もし、法律になっていきましたら、生保よりもこちらで見るということが出てくると思いますので、申請があればデータの中に入ってくると。そして、それもデータ収集の対象になると思っております。

○伊藤委員 補足していただきたいのですけれども、今までは難病の患者さんが生活保護を受けた場合は、生活保護での医療費助成だったものが、この法律になれば生活保護の人の医療費は難病対策で見るということを意味しているのでしょうか。

○田原疾病対策課長 難病にかかられた生活保護の方で、医療扶助を受けられている方は、まず、公費負担として医療費助成の対象になっていくということです。御自身の負担は必要ないということです。

○金澤委員長 小池委員どうぞ。

○小池委員 5ページの介護保険との関係でさっきも出ていたのですけれども、介護保険の制度というのは、基本的に設計思想として社会ですべての高齢者が要介護になったときに支えるという仕組みで、いろいろな制度よりも優先してということで、例えば、生活保護を受給している人でも介護保険の被保険者になって段階的な保険料を払い、それから、1割負担も、そのお金は生活扶助のほうで出るわけですけれども、そういう形ですべての人にとにかく公平に介護保険を優先的に適用していくというルールを一応設計思想としてつくっているのですけれども、要介護の人でもどんどん最近は医療依存度の高い高齢者がふえてきていて、介護保険の考え方からいくと、できるだけ例外を求めないで、介護保険の制度の中には高額療養費に似た制度もあって経済的な負担が高くなる人は償還されるという仕組みもあるので、これが地域によってということになると、それぞれ市町村の判断で、あなたは医療保険のサービスを使ってくださいと。今問題になっているのは障害者、総合支援法で全部最初1割負担と考えたのが応能負担になって、負担ゼロであったのが65歳になったときに、一応ルールとしては介護保険に移るので、ホームヘルプサービスとか1割負担をすることになるのですけれども、市町村の実情によって障害者の方に気の毒とかいろいろ適用していない、65歳を超えても障害者のサービスを受けているケースもあると聞くのですけれども、その辺は介護保険のほうに難病の特殊性を余り持ち込まないほうが、制度の公平性という点ではいいのではないかというのが私の感想です。

○金澤委員長 今のことに関しては、私もちょっと質問のような形で、似たようなことを言うかもしれないですけれども、5ページの真ん中の○で最後の3行を見ますと、都道府県が必要と認める場合には医療費助成の対象とすることを可能とするという文章に読めるのですね。これが現実にできるのかどうかよくわからない。真鍋委員に聞きたかったのですが、どうですか。

○真鍋委員 この資料を拝見してびっくりしたところでございまして、今の私どもの事務体制でこの必要性を判断するというのは無理だと思います。というのは、担当者は1人事務方がほかの事業もやりながらやっておりますので、例えば、この方の訪問看護あるいは訪問リハが地域の事情に照らして必要なのかどうか、これはお医者さんが必要と言ってそれでケアマネがきちんとプランを組んだものであれば、必要だと言わざるを得ないですし、それをだめだと言うことは無理です。その判断を都道府県に持ってこられても困るなというのが一つ。

 あとは、先ほど小池委員から御指摘がありましたように、都道府県で運用が異なるとなると、これはまた県ごとに患者さんで公平性を欠くことになってしまいますので、こういう運用の仕方はよくないのではないかと思っております。ここは私どもは疑問があって、このままでは受けられないなと思っているところでございます。

○金澤委員長 今の視点は、もちろん後でまた修正してくれると思いますけれども、今の時点でコメントをどうぞ。

○田原疾病対策課長 都道府県の実務との関係でいえば、よくお話をして実情を踏まえたような対応をしたいと思っております。

 それから、都道府県間で運用が異なっては困るというお話がございますが、そこは指針のようなものを出して統一した対応がとれるように工夫をしたいと思っております。もう少し実務的なところも含めて話をしたいと思います。

○金澤委員長 関連ですか、本田委員どうぞ。

○本田(彰)委員 現場からの意見ですが、医療費請求などレセプト提出時に、どちらに提出すればよいか混乱するのではないかと危惧されます。レセプト提出に関して現場が混乱するというのが訪問看護ステーションの側としては大変困ることなので、そこがスムーズにいくようにしてほしいと考えます、できれば告知のかたちで、疾患とかは厚生労働大臣が定めたという形で、提示されることに関してそれで動いているというところがあります都道府県だと大変煩雑になってしまうというか、広域でやっているステーションもありますので、そのあたりも御考慮いただきたいと思います。

○金澤委員長 わかりました、ありがとうございます。前の会のように、会合のことに関しては、できるだけ医療の中に取り入れて考えようという基本的なところは維持したまま、どうかここをもう一回考えて。

○田原疾病対策課長 ここでも書いてありますように、医療保険での対応が基本であると。小池委員から言われた内容はそうだとは思っておりますけれども、現状を踏まえたときにこういう対応をしてはどうだろうかという御提案でございます。

○金澤委員長 わかりました。もうちょっとポリッシュしていただきましょう。

 では、真鍋委員から続きをどうぞ。

○真鍋委員 先ほど田原課長から実務でもう少し検討を加えるということで、安心したところがあるのですが、2つ指摘させていただきたいと思っております。

 3ページの下、高額療養費の多数該当の考え方を準用してということで、月ごとの医療費の負担が2万4,600円を超える月が年間三月以上あるという話ですけれども、厳密に読むと、例えば、直近3カ月なのか、あるいは年で考えたときに例えば4月、7月、9月とかそれはどこで判断するのかとか、きちんと書いていただかないと、我々として運用できなくなってしまうのではないかという心配がありますので、ぜひそこは考え方を明確にしていただきたいと。できれば、早くから多数該当に見込まれるという方は、最初からこれ以上自己負担がふえないような運用になるといいのではないかと思っています。

 あとは、5ページの上から2つ目の○、同一世帯内の按分という考えなのですけれども、これも案文と書かれてしまうと、3人いると3分の1ずつもらわなければいけないんです。恐らく趣旨は、同一世帯内で上限がちゃんと決まるようにということだと思うので、同一世帯でだれかが1人がもらえば、あとの患者からはもらわないとか、按分と書いてしまうとそういう発想になってしまうんです。全員からもらわなければいけなくなってしまうので、ここの発想としては恐らく同一世帯内からは同一の上限でというようなことだと思いますので、ここは書き方を工夫していただければと思っております。

 以上です。

○金澤委員長 何かございますか。

○田原疾病対策課長 第1点目の実務につきましては、よく話をして、できるだけの対応をしたいと思います。

 案文については実務のことを考えて分けたほうがいいのかなということでお示ししているのですけれども、今の御議論を踏まえて、また考えたいと思います。

○金澤委員長 ありがとうございます。

 本間委員どうぞ。

○本間委員 制度案の自己負担限度については、前回私ももう少し区分けを細かくしてくれとお願い申し上げたのですが、一応その線で見ていただいて、大分自立支援医療の水準に近くなったかなとは評価したいと思います。若干、現行の制度から見ると、自己負担額が少しふえるのかなという気がしないでもないので、その辺は私も伊藤委員と同じ意見で、自己負担限度は患者側としては低ければ低いほどいいのですが、全体予算の制約があってなかなかその辺は難しいと。これはむしろ制度施行後の不断の見直しによって、具体的な数字の水準は見直していくということのほうが、むしろ大事ではないかと。現行の制度は途中で対象疾患がふえていったのですが、止まってしまったんですね。だから、その見直しがないということ自体がむしろ問題でして、56疾患以外の疾患の方は医療費助成から長年にわたって除外されていたと。これがむしろ問題だと思います。そういう意味では、第三者委員会でやることになると思いますが、助成水準とか対象疾患を不断に1年1回という形で見直すという形でやっていけば、今まで助成の対象にならなかった疾患の患者さんから見れば、モデルケースを計算したものも出ていますけれども、相当画期的な内容かなと。その点での評価はしたいと思います。むしろ、見直し作業がこれからきちんと担保されるような制度でやっていくことが大事かなと思います。

 以上です。

○金澤委員長 ありがとうございました。見直し規定については確かにそのとおりですね。

 では、本田委員どうぞ。

○本田(麻)委員 私も今、本間さんがおっしゃったように、対象が広がるという、今まで助成を受けられなかった方が、参考資料1のように受けられるようになることで大分楽になるというか、支援が受けられるということはとても評価すべきところで、まず、そこを私も評価したいと思っています。

 あと、今まで受けていらっしゃった方がちょっと自己負担がふえることについては、いろいろな御意見もあるかと思いますし、患者側にしてみればもちろん少ないほうがいいに決まってはいると思いますけれども、一方で、私は何度も言っているので恐縮ですが、いろいろな疾患の方がいる中で、これをどうとらえるのかをしっかり書き込んでほしいということを、もう一度発言したいと思います。これは、取り組みについての素案ということで箇条書きにしかなっていないので、その辺は書いていないという理解なのですけれども、例えば、3ページの一番下「ただし、症状の程度は上記に該当しないが、高額な医療を継続して必要とする者については、この医療費助成の対象にする」というのは、とてもすばらしいことで、私は難病ではないけれども患者としてはとてもありがたいことで、これがないと今の状態を続けていけないという意味では、とても重要な項目だと思っているのですけれども、一方で、高い医療を受けながら現状を維持しているほかの疾患の人たちはいっぱいいらっしゃるんですよね。そういうものに対して難病はなぜこれが必要なのかということをある程度書いておかないと、逆に難病の患者さんが後ろ指を指されるようなことになってもいけませんので、その辺はきっちり対処していただくようにお願いします。

○金澤委員長 ありがとうございます。非常に大事な御指摘ですね。

 伊藤委員どうぞ。

○伊藤委員 真鍋委員にもおっしゃっていただいたように、高額が続くことが予測されるのであれば早めにということは、そう言っていただいて我々も本当によかったと思います。

 あと、本間委員もおっしゃっていた見直しのことなのですけれども、こういう言い方をしたら悪いですけれども、行政で見直しというのは、その後よくなったということは余りなくて、見直しといえばどちらかといえば負担増になる。そういう歴史をずっと持ってきたと思います。大々的に議論するのであれば、また別ですけれども、そういう点で、ちょこちょこ見直しをしなくていいような制度設計をあらかじめしておいていただいて、あと、さまざまに矛盾が重なってきたら、いろいろな検討をしていくのは仕方ないことだと思いますけれども、あるいは拡大をしていくという方向が明らかであれば、そういう見直しはしていただきたいのですけれども、これは十分に私どもとしては注意・警戒を要するところだと思います。

 もう一点は、本田委員もおっしゃったことですが、額がふえるということは従来、費用が余りかかっていなかったからふえることに反対だということではないのですよ。検討をお願いしているのは、これからの患者さんもこの額で本当にいいのか、ここからスタートしていいのか。もっと生活実態や医療の実態に即した金額をきちんとつくっておかないと、従来のからの人もそうだということではあるのですけれども、そこが力点ではない。今後、難病対策に入ってくる疾患や多くの患者・家族のことを考えれば、ここはもう少し検討をお願いしたいという趣旨ですので、よろしくお願いいたします。

○金澤委員長 ほかにどうですか。春名委員どうぞ。

○春名委員 資料1の別添で、次の国民の理解の促進とも関係すると思うのですが、「高齢者の外来の限度額を参考にしつつ」というところが、杞憂かもしれませんが、国民の理解を促進するという意味で、難病患者さんというのは高齢者に似ているんだという誤解を生むことを心配します。むしろ、なぜこういう医療費助成が必要なのかという国民の理解を促進するための説明という意味では、こういう助成をすることによって難病患者さんも社会参加ができたりとか、あるいは働いて納税者になることができるとか、そういうことを国民の理解の促進のために、もう少し説明していくことが必要ではないかと思います。

○金澤委員長 ありがとうございます。

 ほかにございますか。小幡委員どうぞ。

○小幡委員 私は前回欠席したので、1018日の医療費助成のたたき台のときに大分ここで御議論があって、今回の資料1ということになっているのかと思いますが、今のお話にもありましたように、高齢者と並べて参考にするというのは、やはり難病は高齢者とは違うので、そこは合理性が必ずしもないと思います。そのような意味で前回の階層区分には問題があるかと思っておりました。

 一番初めの基本理念のところで、難病というのは誰でも発症するかもしれないので、そういうことになれば皆さんで負担していきましょうという原則から考えますと、新たな医療費助成の自己負担分について、どのあたりの所得で入れるべきかというのは、本当はもう少し御議論があるところかと思うのです。他方で先ほど本間委員からもございましたように、従来助成していなかった層も広がるという、そことの関係で総予算というのがあるので、ある程度のところはやむを得ないところなのだろうと思いますが、この階層区分について個人的には非課税部分からスタートするのがよいのか、もう少しここで言う4区分ぐらいからスタートして、さらにもう少し所得の高いところにまで層を広げて、全体をもう少しこの表の下に持っていくということもあり得るのではないかと思うのですが、そこは恐らく総予算の話との関係だとは思います。

 先ほどの第三者委員会が立ち上がって、新しく難病の医療費助成部分を広げていくということを速やかに円滑にしていくという中で、とらえていくことになると思っておりますが、確かに難病の理念からすると、伊藤委員が言われたように、所得区分はもう少し高いところ、表の下のほうにずれ込むこともあるのかとは、感想として思っています。

○金澤委員長 感想として受け取らせていただきます。

 ほかにございますか。葛原委員どうぞ。

○葛原委員 意見を数件と、あと質問1つです。さっきから介護保険についての話と混同しないほうがいいという意見が出ていますが、現場から見ますと難病というのは幾つか種類があって、血液とか免疫の病気のように、高額の医療費がかかるけれども、日常生活動作の面では見かけは全く普通で介護保険を必要としないような人がいる一方で、神経難病みたいに、だんだんと体が動かなくなって介護が不可欠で、医療に関しても経管栄養、胃ろう(ペグ)とかチューブ、あるいは排泄、嚥下の管理が主で、これはむしろ高齢者に近いと思います。この案の肩を持つわけではないのですが、介護保険の中で使われる医療というのは、治療によって寛解状態が得られたらすぐ社会復帰できるような症状の難病とは違うのではないかと思います。これに該当するのは、神経系、運動器、重い心臓病、肺疾患などです。できるだけ制度を複雑にしないために、実態に即して対応してもいいのではないか。私が診ている患者さんは介護保険で全然問題ないと思う人が多いので、その辺をきちんと精査した上で、介護保険とは別のものをつくるかどうかを考えたらどうかと思います。

 2つ目の意見というのは、実施主体についてです。先ほど都道府県単位にするか、市町村単位にするか、国の単位にするかということがいろいろ出ていますが、できる限り国で1つの基準をつくるということにしていただきたいと思います。というのは、医療費の請求だって、都道府県の範囲を超えて、医療機関を皆さんが受信されるわけですから、請求が全部違うというのは恐らく現場では非常に大変だと思います。昭和50年代ぐらいには、まだ補助が1万円くらいのところから東京都みたいにかなり難病に人に補助金を出しているところまであって、私が診ていた埼玉県や千葉県の患者さんがたくさん難病に対する助成金が多いということで東京都に引っ越してこられました。それは都道府県ごとに補助が違ったからです。だから、事態が起こることは避けるようにしたほうがいいということで、できる限り都道府県任せにせずに、国でこういう基準に合わせていただくほうがいいのではないかと思います。

 質問を1つですが、従来の議論の中で、医療費の補助というので、例えば難病と指定されたら、その病気だけに関してきちんととっているところと、丸めで骨折しようが、がんになろうが、高血圧だろうが全部無料にしているとか、過去は施設ごとに全部違っていたわけです。今回こういう形でやるときの医療費というのは、今度は全部丸めというか、この病気についてだけというのではなくて、すべての医療費の合算の上で限度額をしているのか、それとも難病と認定された病気だけの治療費になっているのか、さっきの説明ではっきりしませんでしたので質問させていただきます。

 以上です。

○金澤委員長 最後の御質問には、ぜひ答えてください。

○田原疾病対策課長 今もそうですけれども、今後の制度設計でも難病にかかる医療について医療費助成をするということですので、それとは関係のない疾患に対しては、通常の医療保険で見ていただくことになろうかと思います。そこで、素案の4ページの一番上に診療ガイドラインについて少し触れておりますけれども、医療費助成の対象となる医療の範囲についての目安というものを整理していくような形がいいのではないかということで、ここにお示しをしております。

○金澤委員長 伊藤委員どうぞ。

○伊藤委員 葛原先生はたくさんの患者さんを診てこられて、いろいろ人の最終的な場面にも出会ってこられたので、そういう感想をお持ちだと思いますけれども、私が冒頭申し上げて小幡委員からも言っていただいたように、何でこの難病対策があるのかという理念からすれば、難病は高齢者と同じだということをずっと言っていくと、難病対策は要らないのではないかということになってしまいかねないので、ここは少し慎重にお考えいただきたいと思います。

 きょうもわざわざ27日日曜日に開きました厚生労働省と患者団体からの意見交換会に出された各患者団体からの意見をプリントして皆さんにお配りさせていただいたのは、この中にもそのことがたくさん書かれているんです。何で難病対策が高齢者医療と同じだというところから始まっているのかとか、それは違うのではないかということが中にいっぱい書かれています。ぜひそういう意味で、きょうは皆さんにも読んでいただきたくて、これを配らせていただきましたので、これもお目通しいただいた上で、難病対策はどうあるべきかをもう一度、この委員会の最終段階に至るまで皆さんで御検討いただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。

○金澤委員長 1つ2つ高齢者医療とは違うのだということをピックアップしてくださいませんか。資料2から。

○伊藤委員 これだけたくさん書いてあるのでピックアップしようもないのですが、一つ皆さんがおっしゃっているのは、診断されてから長い経過をたどっているのだと。実際に長い年数病気に立ち向かってきて一定の年齢になっている。それを高齢者という概念で状態が一見似ているから同じだというのはおかしいのではないかという意見が、3分の2ぐらいの団体は言っているのだと思います。もし必要だったら抽出していただければありがたいと思いますけれども。

○金澤委員長 病気が違いますから、それは当然そうだと思います。

○葛原委員 ちょっといいですか。一言だけ釈明いたします。私は、高齢者医療だと言ったのではありません。介護を必要とするような難病に関しては、介護保険を適用することで足りるのではないかと申し上げたので、そこは誤解がないようにお願いいたします。

○金澤委員長 わかりました。ありがとうございます。

 ほかにございますか。道永委員どうぞ。

○道永委員 4ページの第三者的な委員会について質問なのですが、この委員会では対象疾患の認定や見直し、認定基準の設定や見直し等と書いてありますけれども、今、自己負担に関しては見直すとろくなことがないという御意見もありましたが、やはり制度をつくったら見直しは絶対に必要だと思います。もし、この金額で決めたとして、果たして患者さんたちがどれだけ自己負担が増えたかとか、そういったことをちゃんと検証する必要があると思います。それを話し合う委員会というのは、この委員会だと考えていらっしゃるのでしょうか。

○田原疾病対策課長 基本的には制度の内容については、この委員会で議論することをイメージしております。ここで言う第三者的な委員会というのは、医療費助成の対象となる疾患を決めるという委員会でございます。

○道永委員 そうしましたら、自己負担のところでよろしいのですが、見直しについては難病対策委員会で継続して審議をするみたいな一言を入れていただけたらと思います。

○田原疾病対策課長 わかりました。

○金澤委員長 千葉委員どうぞ。

○千葉委員 今、第三者委員会の話が出ましたので、厚労省からお返事があったと思いますが、私もそのとおりといいますか、そうしていただきたい。というのは、やはり専門家集団が専門的に意見を言う場所と、制度の設計あるいは運用を検討するところというのは、ある意味で分けた方がより公平性が担保できると思います。

 それから、見直しということにつきましても、制度運用の見直しということと、疾患をどう取り上げていくのかという見直しは、ある意味で別問題だと認識しています。

 それに関連して、先ほど伊藤さんが言われたことは極めて重要でありまして、第三者委員会というのはこの前も申し上げましたけれども、非常に公平性の担保が極めて重要だと思います。Aという病気とBという病気で、どちらが重くてどちらがどうなのかといった議論に多分なると思うので、そこについては専門家の立場からというのが非常に重要だと思います。

 先ほど言われましたように、患者会の皆さんの御意見が配られておりますが、これは一方で非常に大事でして、そこで大切な参考意見として扱うということだと思いますが、第三者委員会というのは公平性を担保する意味で、専門家によるしっかりとした議論がなされるべきであると。

 それに関連して、4ページの()の2つ目の○の一番下に、原則公開とするとありますが、この公開というのがどの程度の公開なのかというのは、私は専門家の立場でここに出席しておりますので、これは非常に重要であって、やはり専門家が公平な意見をしっかり言うことが担保される委員会でないとよくないのではないかと思います。例えば、患者会の方々はこういうふうに出していただいて、これはとても参考になるのですけれども、これにしても入っていない患者会というか、入っていない疾患のほうがうんと多いわけです。そういうことも公平に見ていくというか、そういう視点が第三者委員会では極めて重要であると思っています。

○金澤委員長 ありがとうございます。できれば第三者委員会に関して御意見をいただきたいと思っていたので、ちょうどいい御意見をいただきました。

 伊藤委員も前にお話しいただいた中で、患者団体の代表等からのヒアリングに関しての問題点も指摘してくれているわけです。その辺に関してはいかがですか。本間委員からも似たような御意見をいただきましたが。

○伊藤委員 補足すれば、この第三者委員会に何ら患者やそういう人たちの希望やいろいろなものが反映されなくていいということを言っているわけではないのです。ですから、今、千葉委員にも言っていただいたように、それは難病対策委員会でやるべきだということが基本ですので、患者の代表で出てきて我々が入らなくてもいいんだと言うのも何かおかしく思われるかもしれませんけれども、そういうことではなくて、この委員会でしっかりと議論することと、千葉委員がおっしゃったように、専門家集団で学術的にきちんと公平・公正に議論されることがうまくかみ合うことが大事なのではないかと思いますので、改めてしつこいようですけれども、つけ加えておきたいと思います。

○金澤委員長 第三者委員会での議論を原則公開ということに関してはどうですか。

○小幡委員 学問的なとおっしゃったのですが、ただ、データ的な統計とか患者の分布であるとかの客観的状況とか、学問的なお話とともにそういうものも入りますね。まず、ヒアリングについては、確かにヒアリングにすべての団体を呼ぶわけにはいかないので、限界があるというのはわかりますが、文書で意見を出していただくことは皆さんに開かれているわけですので、どのような患者団体からも文書は出していただいて、それは委員の中で会議で共有するということは必要ではないかと思います。

 その上でヒアリングをこちらでやるのか、第三者委員会でやるのかというところは、さまざまな考え方もあり得るし、こういう文書が来ましたということを議事において明確にすることで代えるということもあると思います。

 公開についても、今回のように完全に傍聴の方に入っていただく公開という形にするのか、議事録の速やかな公開にするのか、いずれにしても公開については、どうしても透明性の必要性がございますので、どういう形で審議されているかということは透明にしておかないと密室審議ということになってしまいます。もし率直な議論がしにくいということであれば、このごろは非常に早く議事公開もできますので、それでも一応公開ということにはなると思います。

○金澤委員長 とりあえずよろしいですか。おっしゃることはよくわかります。ちょっと変な意見を言うかもしれませんが、これは原則公開としても、結局どういう決め方をするかというのはわからないですよね。私は前に申し上げたので改めて申しますけれども、2つあります。1つは、第三者委員会のメンバーにどういう人が選ばれるかというのは非常に大きな問題なのです。見識の問題なのですが。そういう人たちはどこかに属していますから、そういう属している組織の一員であることを忘れてもらいたいのです、はっきり申し上げて。自分の専門も忘れてもらいたい。その上で、本当に純粋に学問的あるいは、私は社会的な立場も入れて考えてもいいと思いますけれども、いろいろなファクターを考えて選択されていく。その結果を2番目の条件というのは、投票にすべきだと思っているのです。シャンシャンというのではなくて、仮に皆さんが同じ考えであったとしても投票して決めてもらいたい。そうすれば、数字としてきちんと残りますから。そんなことを考えているのです。だから、原則ということよりも、内容の問題がきちんとあるべきではないかと思っていて、公開であろうとなかろうと、運営規則をどこかでちゃんとしてくれればいいのではないかと。後でちゃんと報告すれば、むしろ公開なんてなくてもいいと思っているのです。透明性は確かにそのとおりだと思いますから、ちゃんと後で結果を公表すればいいというのが私の個人的意見です。

 小幡委員どうぞ。

○小幡委員 委員の任命について非常に難しいというお話がございましたが、委員の方が御自分の所属を離れてきちんと意見を言ってくださることが担保できるのは、やはり議事録なり何なりの事後的にせよ公開ということで、とりあえず担保していくるということになると思いますし、それから、投票という意味はいろいろございますが、裁量がある程度あるとしても、当然まず基準づくりをしなくてはいけないわけで、その基準が適切につくられていて、ただ、基準というのは常にそれだけにとらわれると不合理なことがございますので、それは委員の中で、一種の投票にせよ、多数決にせよ、総意によって個別対応するということになります。なぜ個別対応したかということをきちんと理由にして公表する。そこで透明性を確保できます。もちろん運営規則も必要ですが、まず基準づくりと基準に従わなかった場合の個別の理由づけの公表は必須ではないかと思います。

○金澤委員長 ほとんど同じことを言っていると思いますが、ほかにどうですか。

 福永委員どうぞ。

○福永副委員長 小さなことかもしれませんけれども、難病医療コーディネーターの件は恐らく予算措置が必要な事柄でしょうから、運営する上では拠点病院に難病医療コーディネーターを複数配置するというのがあったと思いますけれども、やはり一言入れておく必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○金澤委員長 何ページの辺りになりますか。

○福永副委員長 新難病医療拠点病院の医療供給体制のところになるかと思います。

○金澤委員長 2ページ辺りに入りますか。

 そろそろ次の話題にいかないと時間がなくなってしまいましたか。第4と第5になります。つまり、5ページから最後まで。今のことは少しそこに関連しているような感じですが、いかがでしょうか。「国民の理解の促進と社会参加のための施策の充実」「その他」。

 伊藤委員どうぞ。

○伊藤委員 きょうはここまで行かないのかなと思って心配していたのですけれども、これは大変重要なことが書かれてありますので、少し意見と質問をしておきたいと思います。

 第4の「1.難病に関する普及啓発」ですけれども、難病情報センターの役割というのはますます重要になってくると思います。これを概算要求では来年度は2倍の予算になっておりますけれども、今でも月180万件くらいのアクセスがある情報センターです。難病対策が新たな対策になってスタートするとなれば爆発的にふえることが予測されているわけです。それは間に合うのですかと。来年度倍にするという予算でパンクしないで情報提供できるのかということです。

 あとは、患者会からもいろいろ心配が出ているのは、たくさんの疾患がふえると難病相談・支援センターとか保健所で相談に応じられるのかという不安があります。医療に関する情報は難病情報センターをきちんと活用するということにすればいいのであって、相談支援というのはもっと別のあり方を模索するべきだということで、1番と2番の機能強化について、まず予算が間に合うかということと、2番目の難病相談・支援センターについても相談・支援のあり方をきちんとしておかないと、単なる「患者指導」ということで受け止めているところもあったりします。これは保健所もそうですけれども、患者「指導」などは要らないので、「相談」に乗ってほしいし「支援」してほしいのですが、そのあたりでのあり方をどうするのかということも、ただ充実強化を図るというだけではなくて、その面からも検討願いたいということです。

 それから、5ページの一番下にピアサポートとありますけれども、実は前は患者団体も一緒なって取り組むということで、患者団体の育成とか支援ということが書かれていたのですが、最近は一切出てこなくなったのです。なぜ患者団体の育成という言葉が出てこなくなったのかということと、同時にここでピアサポートだけが出ているのは、何か違うのではないかという感じがしますので、ここも質問しておきたいと思います。

 福祉サービスにつきましても、これは前回質問しまして、調査でどうなったのかということと、データを出していただいて大変ありがたかったのですが、その後どうなったかを知りたいと思うのは、総合支援法が本当に地域で活用されていくのか。依然として保健行政と自治体の間に溝があってなかなか広がっていかないのかということを危惧しておりますので、そのことについてもお考えをお願いしたいと思います。

 それから、就労支援も同じです。難病患者就職サポーターを活用とありますけれども、一県一ハローワークに1人しか置かないわけです。実際はそういう形で1人だけ置かれた就職サポーターというのは有効に、ほかの行政やいろいろな相談機能と結びつくのか。そこについても今後どうされていくのかお聞きしたいと思います。

 難病対策地域協議会ですけれども、今の保健所の体制で本当にやれるのですか。これを非常に危惧しているのと、保健所がやるにしても自治体がどう受け止めるのかについて、どういう仕組みを検討されるのかについても伺いたいと思います。

 4番では以上です。

○金澤委員長 ありがとうございました。また幾つかいただきました。どうですか。

 西嶋さんどうぞ。

○西嶋疾病対策課長補佐 まず、難病相談・支援センターのことですけれども、伊藤委員がおっしゃるとおり、難病相談・支援センターが患者指導をするわけではなくて、個々の生活上の困難さ等について相談に乗るというのが基本的な機能だと思っております。そういう観点で難病相談・支援センターを今後とも機能強化をするということかと思っています。

 その前提として難病情報センターのアクセスの問題が委員からございましたけれども、これについても予算事業で倍額で十分かどうかということは確かにございますが、なるべく難病情報センターのホームページが有効に患者さんにも活用いただけるように、来年度以降サポートできるものはしていきたいと思っておりますし、それと同時に、厚生労働省の難病のホームページについても新しく制度が変わるということでございますので、あわせて充実をさせていくということで、難病情報センターの機能と連携しながら、さらに国民の方々への情報の充実が重要だと思っております。

 また、ピアサポートのお話もございました。患者団体の育成について文言がなくなったのではないか、後退しているのではないかというお話も少しございましたけれども、個々の中でも症状に応じた取り組みということでピアサポートということをほかのサービスと同様にここで記載させていただいてございます。

 また現在、患者サポート事業ということで、事業としても応援するという仕組みがございますけれども、今後ともそれは引き続き必要かと思っております。

○障害保健福祉部 障害保健福祉部です。障害者総合支援法の件で御質問がありましたので、回答させていただきます。

 伊藤委員から難病患者と居宅生活支援事業の移行状況についてということで以前御質問をいただいておりまして、そちらを調査いたしました結果が参考資料2の36ページです。一番左を見ていただきたいのですが、平成24年度中に何らかの支援事業、ホームヘルプサービスを利用していた方が328名ということでした。平成25年4月に難病等として障害福祉サービスへ移行するとか、身体障害者手帳等を利用して障害福祉サービスへ移行するというもので、各種サービスに移行した方が271名ということでした。そして、57名の方がサービスに移行していないという状況でした。

 そちらの理由について確認した結果が、一番右、()の内訳です。死亡・入院等様々な理由がございますけれども、本人等の判断で申請しなかったという方が、一番多く33名いらっしゃいます。その理由について確認いたしましたが、症状が改善したですとか、家族等の支援を受けることとなったということでした。今後症状に応じては障害福祉サービスが必要になるという状況も予測されますので、その場合は適切に都道府県、市町村と協力して対応していただきますよう依頼させていだたいております。また、あわせて難病等が障害福祉サービスの対象となった制度改正の周知についてもお願いしております。なお、11月には障害福祉関係の主幹課長会議がございますので、そちらでも周知を図っていきたいと考えております。

○金澤委員長 これは全国の数字ですか。

○障害保健福祉部 全国の数字です。

○金澤委員長 意外に少ないですね。

 あとはもう一つ最後にありましたね。

○西嶋課長補佐 難病対策地域協議会ですけれども、伊藤委員からの本当にこれがやれるのかという御指摘で、真鍋委員からもコメントがあるかもしれませんけれども、今までのこの委員会での議論を申し上げますと、当初は難病対策地域協議会をすべからく設置すべきだという御議論もあったと思いますが、都道府県あるいは地域によっては既にこういった協議会ではないけれども、複数のサービスについて協議会を共有しているという御発言もあったと思います。なので、ここに書いてありますように、例示としてそういった協議会を設置するなどしてということで、今そういった場がない地域にはぜひ設置していただいて、さまざまなサービスの主体が連携できるような場をお願いしたいという趣旨でございますので、既にこういった代わりになるものがあれば、それをもって引き続き連携していただくということかと思っております。

○金澤委員長 後で真鍋委員に聞きますけれども、ハローワークのことはどうなりましたか。

○田原疾病対策課長 就労支援の関係についてはこちらに書いてありますとおりですけれども、しっかりと充実をさせる方向で関係部局と連携を図っていきたいと思います。これに限らず、一番最初に基本方針を定めるというところがございますので、現時点でいろいろと不十分な点はあるかもしれませんけれども、基本方針を定める中で一歩一歩前に進めていければと思っております。

○金澤委員長 益子委員どうぞ。

○益子委員 患者登録とも関連するのですけれども、患者登録のデータ、保健所で患者さんの了解を得て直に利用できれば、私どものところでは講演会等々やっていますので、データベースが活用できれば、もっとサービスが進むのではないかと考えています。

○金澤委員長 真鍋委員どうですか。

○真鍋委員 この難病対策地域協議会ですけれども、こういう取り組みは保健所ごとにやっているところは長野にもありますので、ぜひこれは支援をこれからもしていただきたいなと思っています。いい取り組みだと思っております。

 あと、先ほどの話題なのですが、難病患者就職サポーターなのですけれども、これは長野県にも今置いていただいています。参考資料2の38ページにあるのですが、全国15人で15の県で、1つの県に1人ということなのですけれども、今、長野県では松本のハローワークにお一人いらして、今、信州大学病院にいらっしゃいますから、よく連携していただいて、非常によく働いていただいています。できれば、この10日勤務がもうちょっと広がるといいなとか、今ニーズが出てきているところですので、もう少し数の幅が広がるといいなと、あと全県にも広がるといいなと思っています。

 以上です。

○金澤委員長 成功例はありますか。

○真鍋委員 まだ、すぐお示しできるものはないです。

○金澤委員長 北のほうの某県で努力して就職を世話したのだけれども、非常に難しいですね。

 本田委員どうぞ。

○本田(彰)委員 保健所の難病対策地域協議会関係ですけれども、難病保健医療専門医を育成するというところで、このあたり保健師の方々もすごく重要視していて、難病対策に関して保健所の保健師だけがやるものではなくて、政令都市の保健センター等の保健師もこれに取り組んでいかなければいけないというところです。保健師が集まって難病対策に対するガイドラインを今作成しようという動きになっているので、そのあたりで専門性の高い保健師育成に動いているところもあるので、そのあたりも加味してどういうふうに位置づけをしていくかということも検討していただければと思います。

 また、現行の難病医療専門員を都道府県に配置するようにとなっていて、新しい制度になっていくと難病医療コーディネーターと難病保健医療専門員に移行するような形になっていますけれども、今いる難病医療専門員がどういう形で今後動けばいいのかということも、新しい制度、取り組みになってくるときに全然見えてこないので、そのあたりも少し御説明があると、保健師の育成や難病コーディネーターを置くというところだけではなくて、現在の人材をどうするかというところもわかってくると思います。よろしくお願いいたします。

○西嶋疾病対策課長補佐 難病医療専門員につきましては、この委員会でも少し御説明があったと思いますけれども、現在、都道府県によって専門員の方がいろいろなところにいらっしゃるということですので、その状況を今把握しつつありますので、今取り組まれている方々が引き続き、よりその役割を果たしやすくなるような制度設計が必要だと思っております。

 また、御指摘のあった難病保健医療専門員でございますけれども、今、研究班で活動指針を保健師さん、あるいは保健所長さん、あるいは自治体の方々に入っていただいて作成していただいているところかと思いますので、現場レベルでどういった保健師が役割を果たすべきかという観点で指針もおつくりいただいて、それを今後広く広めていくということで考えていきたいと思っております。

○金澤委員長 春名委員どうぞ。

○春名委員 就労支援の充実で、○をもう一つつけ加えて、提言では、企業側の理解と配慮に関して、雇用管理ガイドライン等を設けていくという話がありましたけれども、これについては今年度、障害者雇用促進法が改正されまして、そういう合理的配慮の提供に関して企業に義務化されるということになって、平成28年度に向けて障害者雇用対策として企業向けのガイドラインの指針について検討が進められております。これは本当に今後の難病患者さんの就労や社会参加に対して非常に重要なことであって、それによって通院が確保できるとか、あるいは配慮が必要なときに企業に説明して門前払いになってしまうとかいうことが防止できるようになります。この場所でも、本当に大切な難病対策の一つとして、そういうことを明確にしておく必要があると思います。

○金澤委員長 書けるのであれば、ぜひ書いてほしいですね。

 千葉委員どうぞ。

○千葉委員 患者さんの支援体制のネットワーク構築ということだと思いますけれども、伊藤委員が先ほど、サポートであって専門のことではないとおっしゃったけれども、これは非常にリンクすることで、私の意見として述べさせていただきたいのですけれども、やはりそういうネットワークの構築に専門家の存在というのは必須だと思います。というのは、結局それぞれの領域にいきますと300疾患になるわけです。保健師さんにしろ事務の方にしても300疾患の把握というのは大変ですよね。だから、多分予想されることは、そんな病気は聞いたことがないというような病気の方を扱われることになるわけです。そのときに、専門家は必ずいなくてはならないというところで、やはり私はこういう支援体制の構築には専門医がたくさんいる大きな総合病院の、いわゆる指定病院ということにもなろうかと思いますが、そういうものの存在というのは絶対に必須であって、教育にしても何にしてもそこを中心に発信していくという構築を考えないと、うまくいかないと思っています。

○金澤委員長 ありがとうございます。

 本田委員どうぞ。

○本田(麻)委員 難病相談・支援センターの機能の強化というところで、とても大事なポイントで伊藤委員はおっしゃっていましたけれども、相談を受けている方というのは、先ほどいろいろな先生方がおっしゃったように、専門医の先生方との連携も必要ですし、一方で指導だけではなくて、生活上の問題、制度をどう使ったらいいかの問題、同じような体験をした人等の話を聞きたい問題、いろいろな問題があって相談をされるのだと思います。そういう方を受ける側というのは、都道府県によってバラバラなのではないかと理解しています。そういう方々が、例えば先ほどあったような専門的な勉強をされている方にどうつないでいくかとか、就労支援の相談にどうつないでいくかということを勉強する、相談員自体が勉強するような連携というかネットワークを、がんの相談支援のほうではもう始めていますし、すべてそこでワンストップで答えられたらもちろんいいのですけれども、専門的な問題になるとここにこういうふうに聞くのがいいとか、いろいろな支援が必要ですよね。そういう体制をきっちりつくっていかないと、結局行ったけれども何か指導されて終わっちゃった、それも専門の人じゃなかったとか、そういうことになってしまったらせっかくやっていても意味がなくなってくるし、都道府県でバラバラだというのも、住んでいる場所で違ってくるというのもつらいものがあると思いますので、相談を受ける側がどう連携をつないでいくか、そういう体制をつくっていくことを「強化」の中に入れていただければと思います。

○金澤委員長 ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。

 では、伊藤委員を最後にしましょう。

○伊藤委員 1つは、相談のネットワークは非常に大事なことだと思っております。再三言うようですけれども、たくさんの疾患を把握するのではなくて、その患者さんの悩みや困難をよく聞き、どういう支援ができるかを考えるのであって、少なくとも「指導」ではないということはぜひお願いしたい。これは例えば医療上の問題が入ってきますから、主治医との間の見解の違いがあっても困りますので、これは相談・支援センターが「患者を指導する」などということがあってはならないと思っております。

 もう一点最後ですが、福祉のことですけれども、実は平成25年度の障害者白書というものが、この間内閣府から発行されました。4月から障害者福祉の中に難病も入ったわけですけれども、白書の中に難病という項目は、私がざっと見た限りでは、たしか1カ所しか書かれていないというぐらいで、私はそこの委員もやっているはずなのですけれども、全体の認識がまだ難病に対してはその程度なのかということがありますので、これはぜひ健康局のほうでも頑張っていただきたいという要望をしておきたいと思います。

○金澤委員長 でも、1カ所出てきましたか。

○伊藤委員 項目ではなくて言葉で、難病などみたいな。

○金澤委員長 どうもありがとうございました。まだ少しあるかもしれませんけれども、もう一回ありますので。

○葛原委員 済みません、1つだけ、簡単に。さっきの医療費の負担がどうなるかということに戻りますが、私はそれを聞いてびっくりして、今度は丸めで上限を決めるのかと思っていたんです。例えば、現在の高額医療というのは、トータルでかかった医療費がここまでの上限を超えたらという話ですよね。癌だけということにはなっていないですよね。私も難病の患者さんを診ていると、実は診療内容をここまでで切れるかどうかというのはなかなか難しいところもあるので、できたら丸めでどのくらいという形で上限を決める方式の方がやりやすい。このような医療の仕組みが考えられないかどうかもぜひ検討していただきたいと思います。これは随分お金がかかることだと思いますけれども、そうでないと、どの項目を難病医療の側に振り分けるかというのも混乱しますし、難病部分に関してはこれだけ補助を受けても、ほかの病気のことですごくお金がかかるということだと、実際問題としては非常に生活に響いてくるということも多々あると思いますので、できたらそういう仕組みをつくっていただくほうがいいと私は思っています。これは意見だけです。

○金澤委員長 これは難しいですね。わかりました、ありがとうございます。

 まだまだ御意見はあろうかと思いますけれども、次回もう一回チャンスがありますので、きょういろいろいただいた御意見をもう一度取り入れて次回に提示してもらおうと思います。

 もう一つお願いがありまして、今、葛原委員が最後に言われたように、まだまだ御意見があろうかと思いますが、メールなり何なりで随時事務局にお出しください。よろしくお願いします。

 長時間にわたって御議論いただき、どうもありがとうございました。

 では、事務局から一言どうぞ。

○西嶋疾病対策課長補佐 委員長から最後にお話がございましたが、メール等でぜひ御意見をいただければと思いますが、できれば今週中をめどにいただければと思います。

 次回の難病対策委員会の日程につきましては、改めて御連絡を申し上げたいと思います。難病対策の改革について委員会としての御意見をそのときにとりまとめることができますよう、事務局としても準備をさせていただきたいと思います。

 本日は委員の皆様ありがとうございました。

○金澤委員長 では、閉会いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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