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2013年8月27日 第3回精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成25年8月27日(火)17:30〜20:00


○場所

航空会館 7階大ホール
(東京都港区新橋1−18−1)


○出席者

伊澤構成員、伊藤構成員、伊豫構成員、岩上構成員、柏木構成員
香山構成員、河崎構成員、吉川構成員、倉橋構成員、佐藤構成員
澤田構成員、田川構成員、田邉構成員、近森構成員、千葉構成員
和田幸恵氏(中板構成員代理)、中島構成員、長野構成員、野沢構成員、樋口構成員
平田構成員、広田構成員、三上構成員、山本構成員、良田構成員

○議題

1 構成員からのヒアリング
2 意見交換

○議事

○北島精神・障害保健課長

 それでは、定刻となりましたので、只今より「第3回精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」を開催いたします。

 構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、御参集いただきまして誠にありがとうございます。

 本検討会は公開のため、検討会での審議内容は、厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定ですので、あらかじめ御了承くださいますようお願いいたします。

 次に、本日は、構成員の代理として1名の方に御出席いただいておりますので、御紹介申し上げます。

 中板構成員代理、公益社団法人日本看護協会事業局長、和田幸恵さんでございます。

 

○和田構成員代理

 和田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○北島精神・障害保健課長

 また、野沢構成員におかれましては、都合により1830分ごろ御退席の予定と伺っております。よろしくお願いいたします。

 それでは、ここからの議事は座長にお願いいたします。

 

○樋口座長

 座長の樋口でございます。

 本日は、まず事務局の方から用意されました資料の説明をいただきまして、その後に、本日は6名の有識者の皆様から御意見をいただいて、その後に意見交換をさせていただきたいと思っております。

 まず、前回の検討会でもお話ししましたように、これまでの論点の整理に関する資料を事務局に作成してもらいました。また、前回御指摘がありました病床数の推計に関する資料についても本日用意をしてもらいましたので、この2つの資料につきまして説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 

○江副課長補佐

 それでは、お手元の資料1、資料2につきまして御説明させていただきます。

 まず、資料1、横の紙ですが、御確認ください。「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針に関する論点の整理」ということで、まず、この資料の位置づけですが、前回、座長から御説明があったように、これまでの論点を整理した紙を事務局の方で作成せよということでしたので、これまでの御議論、第1回、第2回でいただいた御意見、それから、それ以前に関連の検討会、例えば昨年の6月に取りまとまりました精神病床の機能分化に関する検討会等の取りまとめから、関連する記載について改めて整理したものでございます。

 大きな項目としては、論点1から論点5となってございまして、基本的には、今回の指針で定めるべき項目に沿って論点を整理させていただいております。細かい御意見等につきましては、事前に構成員の皆様にお配りしましてお目通しをいただいておりますので、ここでは簡単なその構成の御紹介ということで、詳細な御説明は割愛させていただきたいと思います。

 1ページ目の「論点1 全体的な方向性について」ということで、全体に関わることについて、これまで第1回、第2回でいただいた御意見を整理させていただいております。

 おめくりいただきまして、2ページ以降が「論点2 精神病床の機能分化に関する事項」について、幾つかの項目に分けて議論を整理させていただいております。

 まず、最初の丸ですが、入院医療から地域生活への移行のための機能について、それから、2つ目の丸として、急性期の患者に対して医療を提供するための機能について、3つ目として、入院期間1年未満の患者に対して医療を提供するための機能について、御覧いただければわかりますように、それぞれのポツの最後のところに括弧、何々構成員、あるいは、括弧、機能分化検討会といったことで書かせていただいておりまして、それらについての構成員の御意見についてはあらかじめ御確認をいただいているところであります。

 おめくりいただきまして、3ページ、次の丸としまして、重度かつ慢性の患者に対して医療を提供するための機能について、それから、重度かつ慢性の患者を除く入院期間が1年を超える患者に対して医療を提供するための機能について、おめくりいただきまして、4ページですが、その他、精神病床の機能分化に関する事項のその他の論点としまして、まず、機能分化の方向性に関しての御意見、それから、その次のページ、5ページに移りますが、その他としまして、身体疾患を合併する精神障害者に対して医療を提供する機能についての御意見を記載させていただいております。

 続きまして、6ページですが、「論点3 精神障害者の居宅等における保健医療サービス及び福祉サービスの提供に関する事項」ということで、まず、精神障害者の居宅における医療サービスの在り方について、続いて、通院患者に対する医療の在り方について、7ページに精神科救急医療体制の整備について、これは第1回、第2回の御意見に加えまして、関連する精神科救急医療体制の検討会の報告書からの関連する記載をこちらに記載しております。おめくりいただきまして、8ページ、論点3の続きですが、一般医療機関との連携について、これはこちらでは論点かと考えておりますが、これまで余り具体的な御意見はないのですが、論点の一つとして掲げさせていただいております。それから、保健サービスの提供について、福祉サービスの提供について、その他ということで整理させていただいております。

 9ページからが「論点4 精神障害者に対する医療の提供に当たっての医師、看護師その他の医療従事者と精神保健福祉士その他の精神障害者の保健福祉に関する専門的知識を有する者との連携に関する事項」、チーム医療ですとか、多職種連携とされるような項目ですが、これについても、入院患者に対する医療における多職種連携の在り方について、それから、地域で生活する患者に対する医療における多職種連携の在り方について、人材の養成について、その他という項目で整理させていただいております。

 おめくりいただきまして、10ページ、「論点5 その他良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供の確保に関する事項」ということで、これまでの論点以外の重要事項について記載するということになっておりますが、この中でも幾つか論点として上げさせていただいておりますのが、関係行政機関の役割についてとして保健所と精神保健福祉センター、それから、多様な精神疾患・患者像への医療の提供について、ここでは関連する検討会からのということで、依存症対策について掲げさせていただいております。それから、精神医療の標準化について、精神疾患に関する知識の普及啓発について、11ページに移りますが、精神医療に関する研究の推進について、それから、その他の事項ということで整理をさせていただいております。

 引き続きまして、資料2の御説明に移りたいと思います。この資料につきましては、先ほど座長から御説明がありましたように、前回、伊澤構成員から、長期の病床の推計に関して資料を出してほしいということの御依頼がございましたので、それに関して関連する資料を御説明させていただきます。この元々の資料としましては、平成23年6月2日の「社会保障に係る給付費等の将来推計」という資料になります。

 おめくりいただきまして、まず1ページ目ですが、「具体的な改革のイメージ(パターン1)」ということで、いろいろな条件を仮定しまして、こうした条件に基づいて改革を行った場合にどうなるか、あるいは、こういった改革を行わずに現状がそのまま推移した場合にはどうなるのかといったような場合に分けて、その次の3ページ目ですが、次のページにございますように、現状投影シナリオ、改革シナリオ、それぞれのシナリオに応じて将来の病床推計を行っているというものになります。この中で、下から4番目ですが、精神病床を御確認いただきますと、平成23年度時点で35万床とあったところが、現状を投影した、このまま特に改革を行わずに推移した場合には、平成37年、2025年には37万床に若干増えるというところでの御指摘がございましたが、この改革シナリオの方を見ていただきますと、一定の仮定に基づいた改革を行った場合には、むしろ35万床から27万床に下がるというようなこととなっております。

 具体的な改革シナリオの内容につきましては、さらにめくっていただきまして、最後の4ページ目ですが、こちらの精神科入院とされているところのサービス利用というところに具体的な書き入れがございます。「精神病床については、機能に応じた体制の充実とともに、退院支援、アウトリーチ等の充実により、在院日数の1割程度の短縮及び入院の2割程度の減少を仮定する。」と。それで、「コメディカルを中心に3割程度の増員を図る。」と。こうした前提のもとで改革を進めていった場合には、むしろ病床としては下がるというような推計となってございます。

 資料1と資料2の御説明は以上になります。

 

○樋口座長

 ありがとうございました。

 この論点整理に関しましては、本日のヒアリングの後の総合的なディスカッションのときにまた御議論いただければと思いますので、この後は、早速本日の6名の構成員の皆様からのお話を伺わせていただこうと思います。それぞれの持ち時間は大変短くて恐縮なのですが、10分間となっておりますので、円滑な会議の運営にぜひご協力をいただければとお願いしたいと思います。6名の皆様からのヒアリングが全て終了した後に、構成員を含めた質疑応答、意見交換という形でいつもと同じように時間をとってございますので、御議論をいただければと思います。

 それでは、これから早速ヒアリングを開始いたします。

 まず、トップバッターですが、柏木一惠構成員から、お手元に資料を提出していただいておりますこの資料に基づきましてお話を伺いたいと思います。

 では、よろしくお願いいたします。

 

○柏木構成員

 よろしくお願い申し上げます。

 まず、本指針に求めることを6点にまとめておりますが、特に強調させていただきたいことは、精神病床の人員配置を一般病床のそれと同等にしていただきたいこと。病床削減は地域精神保健医療体制の構築なしに不可能なわけですから、同時並行的に地域医療、地域福祉の充実強化を図っていただきたいこと。「社会的入院」の解消及び再生産させないためには、居住資源の確保と地域生活を支える人材の充実が必須であること。早期の退院、再発予防、地域での生活を支えるためには、院内における多職種チームの関わりと地域支援チームが入院中から有機的に連携できる仕組みが必要ということでございます。

 1に移らせていただきます。「今後の新たな入院患者への精神医療について」でございますが、1年以上の入院を防ぎ早期退院を図るため、どの病棟にも専従する精神保健福祉士、作業療法士等の退院支援に関わる従事者の配置が必要であることを求めたいと思います。そして、24時間365日のケアを担う看護の方々と、私たちのようなコメディカルスタッフの役割・機能は明らかに違いますので、看護職員の配置基準にコメディカル職種を含めないことを基本としていただきたいと思っております。

 現法では私どもの、私の浅香山病院では、救急病棟あるいは急性期治療病棟で既にPSWが常勤配置させていただいておりますけれども、今現在でも、資料を見ていただいたらわかりますように、早期の退院についてはかなりの、一定程度の効果はしておりますけれども、適切な地域移行・地域定着が不足して、結局、算定外入院であるとか回転ドア現象とかいうものが課題になっております。

 しかも、次の入院3カ月〜1年未満、これも資料を見ていただいたらよろしいのですけれども、資料の3−3、療養病棟で亜急性期の入院の方たちを見ているという状況がありまして、こちらは、もともと入院が90日以上経ってしまった人たちの後方支援病棟と算定外入院と、さらに長期療養している方たちを混在的に見ているというような実態があります。つまり、ここの病棟は1番の医療ケアも、それからコメディカルスタッフの充実はもちろんですけれども、医師看護などの重点配置が必要と考えられるという状況が私どもの病院の中では起こっているということが言えて、入院3カ月〜1年未満のこの一番長期入院を防ぐための病棟には、充実した配置を求めたいと思っております。

 「現在の長期在院者への対応」ですが、これは資料の5−1、資料の5−2、資料の8−1、資料の8−4を御参照いただいたらよろしいかと思いますが、長期入院により低下した社会生活能力回復のためのさまざまな試みをしながらも、なおかつ、病院の中で支援が届かないというか、地域に結びつけられないような長期在院者の病棟には、ぜひ精神保健福祉士の常勤配置を求めたいと考えております。

 次に、「重度かつ慢性について」でございますけれども、この重度かつ慢性についての定義につきましては、多分別のところでいろいろな議論がされているかと思いますけれども、限定的な定義としていただくということ。私どもが関わっている人たちの中でも、当然精神科の医療が今後も必要であろうという重度かつ慢性の方はもちろんいらっしゃいますけれども、少なくともIADLADLの課題を有する人につきましては、居住資源の確保、訪問看護やヘルパーさんたちの障害福祉サービスによって十分地域生活支援が可能であるという現実的にも、私が実践している中でも十分に対応できていると言えると思いますので、IADLADLの課題というのは、「重度かつ慢性」からはぜひ外していただきたいと考えております。

 続きまして、4番の「病床機能と併せ、外来機能の充実強化も不可欠」、これにつきましては、田川構成員がお話になられた部分とかぶることがあると思いますので省略させていただきますけれども、再発予防や再入院の抑制、地域生活支援の充実を図るためには、外来支援に特化したチームの存在がぜひとも必要であると考えております。

 それから、「精神科医療のチームアプローチ」であるとか「チーム医療、多職種連携の要諦」、5、6につきましては一緒にお話をさせていただきますけれども、チーム医療が推進されるためには、患者さんに関わる全てのスタッフが、各々の視点や役割を相互理解・尊重し合う土壌があって初めて成り立つことでありますし、それぞれの専門職の力量がアンバランスにならないために研鑽の機会が保障されていることが不可欠だと思います。

 私たちのようなPSWであるとかコメディカルスタッフは、ある程度、こう言っては何ですけれども、か弱い存在でございますので、豊かな土壌と丹念な世話があって初めて花が咲くというわけでございまして、私たちのようなコメディカルがそれなりに活躍している現場というのは、逆説的に言いますと、ある程度いい医療を提供しているのではないかと考えております。

 それから、改正法において退院後の生活環境相談員のことが書かれておりますけれども、これは、もともと私たち精神保健福祉士が、入院時から退院後のことも見据えて、入院中あるいは退院時、退院後のシームレスケアを実現するために、病院とさまざまな地域の関係者を結ぶコーディネーターの役割を果たしてきたと自負しているわけですけれども、それが全ての病院について保障されているかというと、そうではありません。そのコーディネーターが核となる地域の支援者に徐々にシフトしていく丁寧な関わりが必要だと思うのですけれども、退院後、生活環境相談員の役割と責務がまだはっきり明らかになっていらっしゃらないので何とも言えませんけれども、ここを明確にしていただいて、その担保を図っていただいて、研修はもう必須、この生活環境相談員の役割が本当にきちんと果たせているかという評価の仕組みも必要になってくるかなと考えております。

 それから、「地域連携の推進」でございますけれども、これは、「すべての入院患者を対象に」と書かせていただいておりますのは、現在、この医療保護入院に関しましては、退院後生活環境相談員の役割ということがうたわれておりますけれども、任意入院の患者さんにはその人たちがつかない。ですから、例えば、医療保護入院で入院されても、任意入院に変わってしまえばそういった人たちがつかないということにならないように、必要に応じて地域の支援者が病院と協同して退院支援に関与できる仕組みが必要であるかと考えております。社会的入院者の退院支援は、病院の精神保健福祉士による支援だけでは限界があります。ですから、院内多職種チームによる関わりと地域の支援者が介入できる仕組みが必要であると思います。それから、精神保健福祉相談員等の公的機関の職員が、例えば審査会であるとかだけではなくて、権利擁護だけではなくて、連携実態についても評価していただいたり、関与する仕組みというものも望まれると思います。

 それから、ここには書かれておりませんけれども、地域連携の推進につきましては、資料9のアンケートを見ていただきましたら、非常に残念な結果でございますが、居宅介護支援事業所、いわゆるケアマネさんですけれども、その多くが、認知症支援等において精神科医療機関との連携に課題があると考えているという数字が非常に大きく上がっております。

 この残念な現実は、「認知症等」と書かれておりますけれども、これから地域移行していく人たちの大半は65歳以上の高齢精神障害者になってくると思います。それから、既にもう高齢で発症していらっしゃる高齢うつの方であるとか、妄想性障害であるとか、実は介護保険事業者の方たちが、この人たちを本当に一生懸命見ていらっしゃるという現実があります。ですから、地域連携には、高齢の精神障害者がほとんど今、介護サービスによって支えられていると言っても過言ではないと思いますので、地域連携、精神科医療連携には、介護連携も大きな課題だと思っております。

 以上です。

 

○樋口座長

 ありがとうございました。

 それでは、続けてまいりたいと思います。次は香山構成員でございまして、お手元にやはり資料が提出されております。この資料に沿ってお話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○香山構成員

 日本作業療法士協会の香山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは最初に、「指針策定に向けた全体的な方向性に関する意見」としまして、今PSW協会の柏木さんからも言われておりましたが、第1に、精神科医療を一般医療と同等にしていく方向性を示す。それから、精神障害者の地域生活を保障することを最優先にする制度にしていく。それから、精神科病床を減らし、入院医療は必要最小限にする方向性を明示する。それから、医療、保健、福祉の役割の明確化とスムーズな連携(機関間・職種間等)を確保する。それから、地域生活支援、就労支援、機能的な連携ができる人材、全てうたわれておりますが、人材は非常に今、乏しいと感じておりますので、その人材育成が非常に課題になっているのではないかと思っていますので、そこを保証するところがないと先には進めないのではないかと感じております。

 2ページに入りますが、作業療法士がどんなふうに働いているかということを御説明申し上げ、そして、作業療法士が有効に使っていただけると、少しでもいいものに、皆様のために貢献できるのではないかという論点でお話しさせていただきたいと思うのですが、現在、2012年で6万1,856人の有資格者が生まれておりまして、これは年々増えておりましてこれだけの数になっております。日本作業療法士協会の会員数としては4万6,092人ということになっております。

 それで、4万6,092人のうちの作業療法士が精神科の方にどういう配置になっているかといいますと、5,550人が1,332施設の中にいるという図になっております。作業療法士協会としましては、地域生活支援をできる作業療法士を増やしていくという方向性を示してきましたが、この青印であります精神科の領域の地域生活支援のところにはなかなか食い込めていないというのが現実ではあります。その他の介護保険等の領域の中では徐々に作業療法士が増えてきておりますが、医療の中で、一般病院の中で仕事をしているのが2万3,201人ということになっておりますので、圧倒的に医療の中で仕事をしているという状況でございます。

 3ページになりますが、作業療法士の精神科領域の会員数としましては5,550人いるわけですが、その中で、病院の中で精神科作業療法を専従にしている人が78.7%、それから、精神科デイケアの中で12.6%等々で、それが圧倒的な医療の中で仕事をしているということになっております。

 最近増えておりますのが、若干増えてきましたのが、この訪問看護・指導をするような領域に少しずつ増えてきているということで、私の勤めておりますところも、多職種アウトリーチチームを作りましたので、そこに作業療法士が専従でいるというような状況にも拡大してきているところがありますが、圧倒的に、精神科作業療法・デイケアのところで仕事をしている方が多いということになります。

 作業療法の定義を改めて皆様にお示ししておりますが、これは、理学作業療法士が法として成立して定義されたものというわけなのですが、「『作業療法』とは、身体または精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作、その他の作業を行わせることをいう。」という定義がございます。

 「応用的動作又は社会的適応能力の回復を図る」ということがあるにも関わらず、その後の手芸や工作といったところが強調されたがために、非常に誤解されて受け取られてしまったということがありまして、医療施設の中で手工芸を行わせるのが作業療法だという認識が非常に高まっていたということがあります。それで、「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」ということで、平成22年4月に医政局長通知ということでこのような作業療法の中に含まれているものはADL訓練やIADL訓練や、それから、就労に関することですとか、福祉用具に関することですとか、退院後の住環境の適応訓練ですとか、発達障害や高次脳機能に対するリハビリテーションも全て作業療法が行うのです。ですから作業療法を有効に使っていただきたいという通知を厚生労働省が出していただいているという流れがございます。これまで非常に誤解されてきているというのが、作業療法士の嘆きになっております。

 そういったことがなぜ起こってきたのかということもありますが、次の4ページでございます。「精神科作業療法の現状」は、1施設に大体4.5名配置されております。それから、作業療法の取扱人数が、今、1日50人を標準とするという非常に現実離れした基準があるのですが、それからはちょっとずつ離れてきて25.2名になっております。最低1日5人から最高50人という取り扱いということが作業療法の幅を生み出してきていて、これが、個別で対応している方から、まだまだ集団で対応している人まで幅広くいるという現実がそこには見えています。

 外来作業療法実施施設は50%、それから、個別対応が必要な患者さんの割合は、作業療法士が見たところ全体の17.2%、必要は感じているが対応できないというのが54%もいるということです。実施時間は2時間ということに対する基準がございますが、これが長いと感じているのが89.9%、それから、先ほど柏木さんも、高齢になっていらっしゃる方々が多いということから言いますと、身体機能が廃用性症候群も含めて非常にあるわけですが、作業療法士がそれに対する身体機能訓練をオーダーされることが非常に多くなってきております。それに対する何らかの措置が必要だろうと感じております。これは、体のことをよく知っているのが精神科の中では作業療法士だという認識でオーダーが来ますが、実際は、身体的なリハビリテーションの知識がある医師の依頼ではない中でやっているという現実がそこにはあるということになります。

 それから、認知症病棟への複数名の配置により退院促進が図られるというデータも出ております。それから、チームカンファレンスの実施率は85%、それから、医師、看護師、PSWとの連携が7586%ほどあるということです。

 「作業療法の目的」としましては、このようにさまざまに使われていますが、最終的に集団活動への参加で獲得できる項目はやはり圧倒的に多く、個別対応が必要なニーズへの対応ができていないという現実がございます。

 「作業療法における作業の意義とセラピストの役割」ということは、このように障害の軽減の手段、技術獲得の目標、よりよい作業体験としての実存という形で作業が幅広く使われる役割があるのだ、意義があるのだと明示されておりますが、それを明確に使っていくという意味では、やはり対象者の個別のニーズに対応することが原則になるだろうと思います。

 作業療法士がどんなふうに働けばいいかというところが5ページの下のところにありますが、医療機関の中の急性期、回復期、長期入院者の退院促進、重度かつ慢性、それぞれに、やはり多職種が連携しながら仕事をしていくということが必要ですし、この地域のスタッフの入ったケア会議のところに、大きなインセンティブを持って、何らかの負荷をつけていただくことが必要だろうと思います。

 それから、「急性期対応型デイケア」と書いておりますが、そこで作業療法士が働けたらいいということと、それから、診療所の中になかなか作業療法が入っていけないという現実がございます。これからの診療所の役割から言いますと、機能的に動ける作業療法士が非常に重要だろうし、それから、訪問の方に作業療法士を十分に配置していただけるようなことが必要だと思います。それで、その地域との連携が欠かせないですし、先ほどの介護保険サービスとの連携も欠かせないと思っております。

 最後のページでございますが、適切な作業療法の提供を目指しますと、急性期での関わりを可能にしていく、それから、個別支援を可能にしていくということで、より退院支援や就労・就学支援、集団適応を促す支援などは個別がやはり必要です。それから、アウトリーチへの積極的な参画、チーム医療や地域移行への評価ということで、当協会としましては、リハビリテーション実施計画書というものをこれまでずっと提示してまいりました。

 それから、「地域生活を支える仕組み作り」としましては、必要なときにいつでも受けられる医療の提供、それから、居住サービスの充実、就労支援・日中活動支援の充実ということで、これは、私の地元の作業所の方々に、ぜひここのところは強調してくれ、就労支援だけではなくて、地域格差もありますが、日中やはり活動ができる場所の充実が非常に重要だということで、それを強調していただきたいと言われてまいりましたので、ここを強調させていただきます。

 それから、医療から地域生活を支える部署へ人員を転換していくという方向性が必要なのだと思いますが、そのためには強力なインセンティブと教育が必要だと思います。医療で働く人が、今度は地域生活をどう支えていくかということには非常な教育が必要だろうと思います。それから、効率的な連携技術を持つ人材育成が必要だと思います。連携、連携という言葉が出てきておりますが、連携技術を持つ人はそんなにいないというのが現状ではないかと思いますので、ここも意識する必要があるのではないかと思っております。

 以上です。

 

○樋口座長

 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、田邉等構成員からお話を伺います。田邉構成員は、全国精神保健福祉センター長会の意見をまとめて御報告いただけるということになっております。よろしくお願いいたします。

 

○田邉構成員

 それでは、全国精神保健福祉センター長会の意見を申し上げます。

 センター長会では、さまざまな精神の健康障害にある人が地域で健康を回復していくために、地域での問題解決能力を高めることが重要と考えています。今後の適切な精神科医療の方向づけに関して、(マル1)機能分化と地域での役割分担について、(マル2)地域の疾患対応力を増す人材育成について、(マル3)長期入院者の地域移行の促進、(マル4)入院によらない医療の充実、(マル5)患者の人権の尊重、この5点について意見を述べます。

 1、精神科医療の機能分化が地域での具体的な役割分担に反映されるべき。

 既に入院医療で医師、看護者の配置基準を一般医療と同等にしていく方向性と、精神病床の機能分化の方向性が示されていますが、今後、機能分化されていく各医療機関が実際に地域でどの役割を担うのか、また、保健・福祉とどのような連携が可能なのかが重要です。

 その点で、従来の統合失調モデルに留まらず、認知症、各種の依存症、発達障害などへの医療とケア、さらには、引きこもり、自殺未遂者対応などのメンタルヘルスの課題への対応も含めて、その地域で、それぞれの課題での問題解決能力が高まるような連携体制を具体的に構築すべきです。

 精神科医療機関の機能分化を踏まえた上で、都道府県レベルの医療計画のもと、圏域レベルでの具体的な役割分担(機関連携の関係図)を上に述べたような主要な問題別にそれぞれ描けるようになるのが重要です。精神科医療を担う公的医療機関が1割程度で、これからは医師個人の経営する診療所の増加が予想されている我が国では、圏域レベルでも問題別の連携体制を構築して、それを地域で共有することが必要です。そして、この体制を構築し、各機関の役割を認識し共有していく協議では、圏域の行政機関、保健機関が調整の役割を担う必要があると思います。

 2、依存症や発達障害に対応可能な人材の育成を推進すべきです。

 統合失調症や認知症の対応システムと人材は地域に増えつつありますが、潜在人口が多いと考えられる依存症、発達障害に対する人材は、医療も保健福祉も十分ではありません。

 近年、発達障害には支援法ができ、発達障害者支援センターが活動し、また、引きこもり問題での支援センターも立ち上がりましたが、地域で対応できる医療機関は不足しています。

 また、依存症問題では、医療は数少ない専門医療機関にほぼ限定され、回復者が運営する民間入所施設での対応を頼みとしている現状があります。学生のアルコール乱用死、依存症者の飲酒運転事故、脱法ハーブ等の薬物乱用と依存、処方薬の依存、多重債務や自殺を招く病的賭博、さらにはインターネット依存など、近年、依存症問題への対応に関わる社会的ニーズは高まっていますが、地域で対応可能な人材はなお限られています。

 これまで専門領域扱いであった依存症や発達障害について、どの地域においても、医療、精神保健相談、家族支援が受けられるよう、これらの問題で各領域の人材を育成し、地域での問題対応能力が高まるようにすべきです。

 発達障害では、障害を早期発見して家族や教育者等に療育指導することが、当事者の社会適応を改善し、二次的精神障害の合併を低減、予防します。依存症では、家庭に適切な相談支援を行い、当事者に受療を動機づける早期介入・早期支援の相談技術が重要です。

 これらの問題に対応可能な人材育成のために、医療分野の研修の他に、地域で精神保健福祉センターを中心とした教育研修を充実させ、保健所・市町村の関係機関、地域の相談支援事業者等に人材育成を推進すべきです。地域の人材育成が、早期発見、早期対応、障害の進行予防に重要です。

 また、地域の精神保健福祉の中核的技術センターとして、これらの問題での人材育成や複雑困難事例の相談やコンサルテーション機能を求められている精神保健福祉センターには、地域のニーズにかなう教育研修機能の充実やマンパワーの強化が必要です。

 平成21年の全国の精神保健福祉センターの状況でいいますと、大体3割弱は職員が10人以下なのですね。精神保健福祉センターにはいろいろな機能が求められてはいるのですが、実は小規模化していて、そして、なおかついろいろな法定業務、例えば医療保護入院は年間14万件ありますけれども、そういった審査などもする事務もしないといけないということで、精神保健福祉センターの方に求められている機能を果たすためには、少し体制や人員強化が必要だと思います。

 3、長期入院防止、地域移行促進の業務を入院医療の業務として標準化する。

 法改正で新設予定の医療保護入院者への退院後生活環境相談は、長期入院の抑止効果、また長期入院者の地域移行促進に有効と考えられます。

 保護者制度の問題点として、入院に同意した保護者が患者の退院を望まない、あるいは拒否することが指摘されていましたが、当事者や保護者に地域の社会資源を説明し、安心させ得る退院支援ケースワークの充実も大切です。退院支援のケースワークは精神医療の本来業務ですが、これまでの入院医療では、この業務を遂行する環境が十分ではありませんでした。

 この業務を促進し、業務を担う人材を確保するためにも、精神保健福祉士など有資格者による業務を診療報酬化するなど、医療の中に組み込んで標準化し、退院後生活環境相談員が機能しやすい環境整備が必要です。そして、強制入院対象者においては、重要で必須な義務的業務とし、実地指導でも審査対象とする方向がよいと思います。

 4、危機介入治療プログラムを充実させ、可能な限り入院によらない医療を推進する。

 疾病からの回復では、生活の場で健康を回復していくのが望ましいことは、精神疾患も身体疾患も同じです。精神科医療は精神科リハビリテーションのプログラムを持つようになり、患者への生活支援サービス、居住サービスも拡充されましたが、危機介入への医療提供は十分でなく、なお入院か外来か二者択一の傾向に留まっています。

 急性期やその前兆を示す時期に、医療とケアが提供されるショートステイサービスや医療中断者への積極的往診診療のシステム整備、あるいは医療導入のための診療外支援としての公的機関の訪問アウトリーチなど、危機介入の目的での治療プログラムやケアの選択メニューを多様に整備していく方向が望まれます。

 自発的に入院を望まない人、一旦入院に同意したものの早期の退院を望む人に、入院医療の代替として提示できる危機介入対応プログラムの充実が望まれます。

 多職種チームのアウトリーチ活動は評価されますが、引きこもり者のアウトリーチでは多数の関与が逆に精神不安定を招くこともあるように、単に多職種がいればよいのではなく、訪問先で動機づけの不十分な対象に介入していく際の適切なアセスメント能力、面接技術など、熟練した専門性が必要です。これらの専門性をどう担保するかにも留意すべきです。

 5、入院医療における患者の人権尊重、権利擁護の推進。

 医師数や看護者数などの入院環境については、一般医療と同等の水準を志向すべきですが、医療保護入院制度は、患者が任意で入院しないときに行使される強制入院の一種であるので、一般医療の入院と同様の家族への説明と同意の手続だけでは、患者の人権擁護の国際的基準にかなうとは考えられません。

 措置入院は強制入院の行使主体が都道府県・政令市であるという法的明証性がありますが、医療保護入院は、精神保健指定医の判断と都道府県・政令市の精神医療審査会の審査を経た手続であるとはいえ、行使する主体が病院管理者であるという制度であり、法的な検討が今後も必要です。

 したがって、次の制度改革までの過渡期では、入院者の権利擁護が重要です。今回の法改正では見送られた代弁者制度の確立が急がれるべきと考えますが、適切な人材確保が困難であれば、新設する退院後生活環境相談員に入院早期の権利擁護業務を併任させ、強制入院者への権利擁護業務を義務的業務にしていく方向を考えてよいと思います。

 また、患者の人権を尊重した適切な精神科医療を提供するためには、強制入院を審査する精神医療審査会制度の充実強化は必至です。直接面接での審査や退院請求への迅速な対応には、合議体数を増やし、かつ事務局体制についても人員を強化する必要があります。精神医療審査の地域格差を是正する意味でも、強制入院の入院審査件数を反映した審査会体制を考えていくべきです。また、予備員の拡充、法律委員のより積極的な活用、実地指導との連携強化などで、人権に配慮した医療の推進のために精神医療審査会の体制強化を図っていくべきです。

 以上です。

 

○樋口座長

 ありがとうございました。

 それでは、次に移らせていただきます。次は、中板構成員の代理として今日来ていただきました和田幸恵さんから、日本看護協会の御意見ということでお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○中板構成員代理和田氏

 只今御紹介いただきました日本看護協会の事業局長をしております和田と申します。本日、本来でしたら常任理事の中板が参るところでございますけれども、海外出張と重なりましたので、私が代理で提案をさせていただくことになりました。よろしくお願いいたします。

 私ども日本看護協会は、保健師、助産師、看護師、准看護師の4つの有資格者から構成されておりまして、現在約67万人の会員を抱えております職能団体でございます。47都道府県看護協会と連携しまして、さまざまな活動をさせていただいております。

 本日は、入院中心の医療から地域生活中心の医療に移行できるのかというところを中心に、特に地域の行政保健師と、それから訪問看護ステーションの看護師など、地域で活動している看護職に焦点を当てまして、どんな役割を果たしていくことができるか、どんな仕組みを強化すべきなのかなどを提案させていただきまして、指針にぜひ盛り込んでいただきたいと思っております。

 スライドの2でございます。本日、3つの柱でお話をさせていただきたいと思います。1つ目は、訪問看護ステーションの充実・体制整備、2つ目に、保健師・看護師の十分な配置と活用、そして3つ目に、認知症の患者の治療・支援の体制整備のことでございます。

 おめくりいただきまして、スライドの3でございますが、非常に単純に考えまして、地域の中で精神に障害を持った方々の状況として、1つは、治療をされていない未治療者の方、そして、治療を中断された方、頻繁に入退院を繰り返す方々、そして、治療が安定して退院をされてくる方々。もっと重症度別とか慢性状態とかいろいろな区分がございましょうが、地域の中でシンプルにこのように考えたときに、前提として、このような状態で多職種の専門職の人たちがアプローチしてきます。1人の患者さんに多くの専門職が関わるわけですので、そのときに誰がコーディネート役を担うのか、連携のキーパーソンは誰にあるのか、その辺の議論も非常に重要ではないかと考えております。

 最初に、「訪問看護ステーションの充実・体制整備」の問題で、スライド4を御覧ください。

 医療につながっている患者さんたちについては、現在、精神科病棟や外来の看護師さんたちによるアウトリーチが行われております。非常に効果的な事業だと伺っておりますが、現場の看護師たちに聞きますと、ぎりぎりの看護配置の中では厳しい訪問もあるという声も伺っております。

 一方で、地域の訪問看護ステーションの約半数が精神科訪問看護を実施しているという調査結果が出ております。これは、全国の訪問看護事業協会の調査結果でございまして、私は、ある意味これは非常に驚きで、大変心強く感じております。もちろん課題も多くて、訪問看護ステーションが大規模化しておりませんと、なかなか十分な看護職の配置がございませんので厳しいこともございますし、精神看護を担うことのできる技術も強化して充実していくことは非常に必要です。こういうことも鑑みまして、訪問看護ステーションの充実と体制整備というのは、患者さんが地域に移行してこられるときの重要なポイントだと思っております。

 ただ、約500カ所近くの市町村には、まだ訪問看護ステーションが配置されておりません。全ての地域で訪問看護が受けられるように今、県行政の中では、医療計画の中で訪問看護ステーションの設置を促進していくような、そういう動きがございますので、まず、地域保健医療計画の中で訪問看護ステーションの設置を進めていただくということと、最後に少し資料もつけておりますが、診療報酬上で訪問看護の技術評価を進めていただいて、複数名の訪問や24時間の対応加算なども不可欠だと思っております。

 次に、スライドの5でございますが、ここでは「保健師・看護師の十分な配置と活用」ということでお示しいたしました。

 地域の未治療の患者さん、それから治療を中断されてしまった方々のアプローチというのは、もちろん診療報酬対象外でございます。やはり行政の責任において、市町村や保健所の保健師の関わりが非常に必要だと考えておりますし、行政の保健師の配置と活用を進めていただきたいと思っております。

 また、医療にかかっている患者さんや御家族も、地域で暮らしていくためには、やはり見守っていき、その住民の一人として生活していただくことが非常に大事ですので、保健師は、医療機関や訪問看護ステーションと連携をとりながら実際には活動している現状がございます。

 スライド6でございますけれども、前回、保健所の保健師の機能低下ということで御指摘をいただいたところでございます。だんだんと保健所の保健師は配置数が少なくなってまいりまして、確かにそういう一面はございますけれども、そうはいっても、保健所の保健師は現在7,000人ほど配置されておりまして、難治性の疾患を扱う専門職として研修を受け、精神領域の介入の技術を持っている専門職という位置づけでございます。

 それから、一方で、市町村保健師の人数ですが、これは今2万5,000人ほど配置されておりますけれども、10年間で約2倍になっております。これは御承知のように、母子保健だけでなく、生活習慣病、高齢者対策、さまざまな業務が市町村におりてきておりますので、その中で市町村の保健師の配置が伸びてきているという状況です。多忙な業務の中でさらに、精神の患者さんの対応もできるのかというような御指摘もあろうかと思いますけれども、確かに非常に業務が増えておりまして、この2万5,000人で精神もカバーできるかと言われますと、ちょっと厳しいところはございます。ただ、日本看護協会は一昨年、行政保健師の実態調査を行いましたとき、約20%の行政保健師が、精神保健を主たる業務として、またはそれに準ずる業務として活動をしているという状況が見えてまいりました。そして、どんなに小さな市町村でも、必ず保健師がいるということも強みでございます。そのような状況で、やはり配置の問題、そこは重要なポイントになろうかと思います。

 スライドの7でございますけれども、地域の保健師の活動は、皆様も御承知だと思いますけれども、最大の強みは、何といっても本人の求めがなくても家庭訪問や面接ができるということでございます。そして、5番目の地域をつないでいく社会資源を調整して、活用できるように支援していく技術を持っているということでございます。

 まずは、市町村の保健師が、患者さんや御家族と関係を作り、それから、困難な事例や重症度の高い場合は、保健所の保健師や保健所のPSWと連携をして医療や他の社会資源につなげていく、さらには病院のアウトリーチにつなげていくという活動が実践されております。また、保健所の保健師たちは、関係機関や他職種と顔の見える関係を作っていくために、地域で事例検討会を開いたり、地域ケア会議などの場を作って調整機能を発揮しております。そういうような状況から見ましても、保健所の保健師の配置も今後も必要でございますし、市町村の保健師の役割についても指針の中に盛り込んでいただければと思います。

 今回、論点整理のところに関係機関の項目がございましたけれども、保健所と精神保健福祉センターの2つしか書かれておりません。そこについても、少し市町村の役割なども加えていただければと思っております。

 それから、スライドの8と9でございますけれども、既に御承知のように、精神障害者の方々を取り巻く制度というのは、大変複雑で、多様で、わかりにくくて、ほとんどが申請主義ですので、大変手間と時間がかかるようにできております。ここのところをコーディネートする役割というものも保健師に求められていくのではないかと思っております。

 最後に、3つ目の認知症の患者さんの治療と支援の体制整備ということでございますけれども、これは非常に大きな国家的な課題でございまして、どこで議論をして、どういう進め方をするのがいいのかということについては、非常に悩ましい問題だと思っております。もちろんここの検討会でも議論されるということではございますけれども、今月、厚生労働省の老健局が所掌しております認知症の医療介護推進会議というものもが開催されて、そこでも認知症の医療が検討されていると伺っておりますし、認知症の疾患医療センター事業というのも全国で展開されていて、病床数が少なくて、基本的には短期で退院をしていくけれども、なかなか入院をすると在宅に戻ってこられないという課題もあると聞いております。

 そういった意味では、認知症をどこで扱っていくのか、前回の議論でも、この検討会で扱うのかという議論があったように伺っておりますけれども、どう指針に盛り込むかということについて御議論をいただくときに、今後、要となっていく地域包括支援センターに専門性の高い人材をどのように配置していくのかというあたりのところも重要かと思っております。

 最後に、スライドの1112をつけさせていただきました。これは補足でございますけれども、日本看護協会が、今年の5月、6月に厚生労働省保険局に診療報酬改定の要望をお示しした概要でございます。詳細につきましては、本日の趣旨ではございませんので省略をさせていただきますけれども、精神科病棟でも訪問看護ステーションでも、地域移行についてきちんとした技術評価が診療報酬上評価されなければ、やはり地域移行が進まないというのは明らかなところでございます。この検討会の指針について、中医協に報告をされるようなことがございましたら、診療報酬改定にぜひ盛り込んでいただきたいということをお願いしたいと思います。

 その一方で、診療報酬に頼らない行政の保健師の増員と適正配置ということについても、地方交付税等々できちんと担保していただけるようにお願いをしたいところでございます。

 以上、雑駁なお話で恐縮でございましたが、日本看護協会からは以上でございます。ありがとうございました。

 

○樋口座長

 どうもありがとうございました。

 それでは、次に移らせていただきます。次は、長野敏宏構成員から、「愛南町における精神科医療の構造変革の実践より」ということでお話をいただきたいと思います。長野構成員、よろしくお願いいたします。

 

○長野構成員

 貴重な機会をありがとうございます。

 1ページ目から説明していきたいと思うのですが、一地域の実践ということで参考になることがあればと思ってまとめてきました。

 1ページの写真ですが、地域の風景をお見せしたかったのですけれども、ど真ん中にある施設は、ちなみに病院ではありませんので、あしからずというか、えらい目立つなと思ってですね。すみません。

 地域の現状ですが、鉄道が通っていない、日本ではやはりフリーアクセスという点では非常に珍しい、キャッチメントエリアが比較的明確な地域での実践になります。

 その次のページですが、人口は着々と減り続けておりまして、毎年500人ずつ、将来は本当に1万人の町になるという町になります。

 それから、その次に、その中で私たち医療は医療できちんとやっていかなければいけないのですけれども、医療の構造変革以外にも、自分たちが町でどう住むか、地域生活をどう作るかということにいろいろな仲間と取り組んでいますが、今回は医療のところでプレゼンテーションをさせていただきます。

 その次に、今回のテーマの一つですが、連携というところで昭和年代からずっとかなりのエネルギーを使ってきました。余りコスト換算をしたことはありませんが、年間延べボランタリーで何千人も、下手すると1万人クラスの者が駆けずり回って、ようやく連携というのは成り立ちます。患者さんの連絡をすれば連携かというと、そういうことでは決してなくて、生活の中から作り上げないと連携はできませんので、ここが絶えないような仕組みは作り続けたいと思います。

 その次が構造変革。改革はやはり犠牲を伴うので、自ら変わっていくという意味で「変革」という言葉を使っていますが、平成8年からスタートした医療の構造が、ようやく25年、右側のように変わってきました。ここまでは現行制度で全部やってきましたし、赤字も出さずに自己財源でやれてきましたけれども、これから先を考えるとちょっと行き詰まりを考えていて、その課題を提示したいと思います。

 その次のページの上側ですが、今回の機能分化というテーマ、小さな病院でやっていると病棟別の機能分化ができませんので、ユニット制を導入したりとか、いろいろなことにトライしながら、時間をかけてここまで進んできております。その道中は決して楽なものではなくて、マネジメントしてくる課題がかなりたくさんありました。

 この右下の部分の地域作りというのが一番ベースにありますが、それの中で一番上の病院機能を見直して、10年後を住民も含めて提示して、そのプロセス、具体的構想を明示して初めて、中にあるマネジメントすべきことが浮かび上がってくるし、物事が前に進んでいくということになります。一つ一つにかなり注意事項というか失敗もかなりしてまいりました。

 その次に、やはり将来像を明示したというところがとても大きくて、在り方検討会でも出させていただきましたが、平成8年に先々代、2代前の院長が将来像ということで作った、平成8年に作成した図です。もちろんこのとおりスムーズに進むわけではありませんで、途中で何度も見直しながら進んできております。

 その次のページ、「疾患群別に」ということで書いていますが、ざっと普段の感覚で区分させていただきました。特に認知症、高齢精神障害者はかなり増えております。その中でも、共生型小規模多機能特区申請の中でトライアルをずっとしてありますが、これはすごく効果的だと思われるのですけれども、共生型といいながらも、若年性の精神障害者に対しては、総合支援法の枠組みでショートステイとして使うとかという状況で、本来の意味での小規模多機能的使い方ができれば、入院を防ぎながら地域生活の中で支えるという点ではかなり効果があるのかと。高齢精神障害者も含めて看取りもできるような状況になってきていますし、ひとつこれから使える手だてではないかと思います。

 その次のページ、神経症、児童思春期のこと、依存症群であったりとか、地域で総合的にやらなければいけませんので、これが全部また機能分化という形でばらばらになることは避けたいと思っております。

 その次、構造変革を続けていく中で、病棟の中の患者さんの年齢構成がどう変わってきたかというデータです。右上に黄色い枠で囲っているのは現在入院中の方、とにかく入院をしていただかないような医療でありたいとしてきましたので、残っているのはほとんど統合失調症系の高齢者の方となってきました。

 その次、連携のところですけれども、地域の全資源と隈無く連携をしながら物事を進めております。

 その次は、資源作りの経過になります。

 その次に、一番難渋したところですので、スタッフ配置というところで、平成8年のスタッフ配置から今の多職種配置になっている様子を図示させていただきました。

 図で描くと何か一足飛びにできたようなので、その次のページに年次ごとの経緯をずっと書いておりますが、ざっとした数字で、例えば医師のところなんかも非常勤の常勤換算は入れていませんので、正確な配置数はもう少し変わってきますが、年々先を見据えながらしてきました。

 このスタッフ配置でも、例えば外来・地域ケア部門、8ページの下なんかを見ると、毎日、全患者さんについて多職種でミーティング等をずっともう10年以上やっていますが、この辺の連携とかそういうものに関しては、なかなか本当に評価が厳しいので、もう少し、これからもっと小さくなってくるとこういうことができなくなるおそれをちょっと心配しております。

 9ページの下側のところは収入の内訳ですけれども、ようやく地域側の予算と入院の予算が半分半分になってきました。十六、七年かけてやってきたのですけれども、今でもやはり病棟にかなり依存しているような状況があります。

 その次、ここまでやってこられた強みというのは、やはり地域作りがベースにあったこと、チーム医療で介護保険も含めていろいろな方々とのネットワークがあるということは、やはり強みです。あと、改革ビジョンが出たことはとても大きくて、平成8年から、なかなかやはり同意を得るということはとても大変で、理念がどんと打ち出されたことは非常に後押しになりました。

 あと、やはり単独の病院でやってきたグループ内の病院が車で1時間の距離にあります。そことの連携をとりながらやれてきたことが、やはりメリットだろうなと思います。それで、ハードな投資は避けてきています。

 ここから先にかなり悩んでおりまして、また知恵をお貸しいただけるとありがたいのですけれども、基本的に、地域での警察介入のような入院とかもほとんどないような穏やかな状況になってきましたので、病床ゼロに持っていきたいとは思っているのですが、実際は今60床で、少し10床とか5床とか残すような形までゆっくり持っていきたいのですけれども、このままで、今までのようなやり方では、さすがに存続不可能ということになってきます。

 その右側にこの2年後、まだ机上のプランニングで、悩みながらのものですけれども、こういう展開はどうだろうかと今、もうかなり長い時間かけてやっていますが、具体的にいろいろな検討をしているものです。これをあえて出させていただいたのは、実は、これを真剣に考えたりとか動かそうとすることで、これまで見えなかったことが見えてきたこともありまして、それをその下にまとめさせていただきました。

 診療報酬であったりとか制度のことが中心になりますので、課題全般でいくとまだ無数にありますが、医療をどう確保するかという点で書かせていただいています。

 やはり地域病棟ゼロというのは本当の意味では不可能ですので、小さな病棟をどうしても本当は持ちたいのですけれども、現行制度では、どうやっても小さな病棟を持つことが難しいと思います。有床診療所にしても、やられているところは差額個室料であったりとか、いろいろな工夫をされてやられていたりとか、やはり精神保健福祉法の問題であったりとか、使えなかったりとか、あと、やはり精神科ということで分かれていますので、多科病棟の一部も使えませんし、ショートステイの外に外づけ医療で何かやれないかとも思っているのですけれども、やはり本体の医療部分が小さいと、かわりばんこにショートステイに入っていく人が十分確保できないとか、いろいろな問題があって少し悩んでいます。例えば、ショートステイの中に一定期間、集中的・包括的に1対1で専門職が24時間つきっきりできるような医療を提供できる仕組みとか、こんなことができないかなと思ったりしています。

 これはもう周知のことですけれども、小規模な精神科病院は、どうしても機能分化にできない分フィーを得られません。どうしてもケアミックス病棟内機能分化という仕組みは、これからの構造改革にはとても必要なものではないかと思います。

 やはり24時間ケアつき、医療度が濃いケアつきホーム、イメージとしては認知症グループホームのような小規模で事業をもう少し強化したようなものも一部要るのではないかと思っていて、こういうものがあると重度療養というものがまた変わってくるのかなとも思っているのですけれども、いろいろな反省を生かしながら、こういう制度に当たるものがやはり今欠如しているのではないかと思います。総合支援法でいろいろな機能の組み合わせはとてもいいのですけれども、やはり機能が10個の品物を組み合わせて一つの商品にするのはとても難しくて、包括的なものも要るのではないかと思っています。

 今、認知症のこととか高齢者のこともかなり動いていると、実際、精神科医療と一般在宅医療・介護というところの問題の違いを余り感じなくなっています。今の在宅医療・介護の推進に関してはかなり検討が進んでいて、とある一説によると、政策を総動員して在宅医療・介護を推進するとまで書かれているのですけれども、そこにやはり、せっかく5疾病5事業という中で医療法の中に入っていっている状況ではあるのですけれども、そこの検討の中に、やはりもう少し精神科の在宅医療の事が重ねられないかと思っています。今回の機能分化とかチーム連携とか、そういう話がある程度結論が出た後には、在宅医療の存続性という問題が必ず残ってきますので、それから検討したのでは間に合わないのではないかと思っています。

 改革ビジョンが打ち上げられて、ずっと時間が経って進められているところはどんどん進められていると思うのですけれども、その行き着く先が持続困難、どんどん膨れていくことはもちろん私たちも望みませんし、地域で必要最小限でいいと思っているのですけれども、持続困難では安心して進めないという、そこがもう切迫して目の前に来たかなと思っております。

 以上でございます。ありがとうございました。

 

○樋口座長

 ありがとうございました。

 それでは、最後になりますけれども、良田かおり構成員から、家族会の意見ということでお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

 

○良田構成員

 良田でございます。よろしくお願いいたします。

 私は難しいことは全然わかりませんので、本当に家族会としてこういうことを希望するということを述べさせていただきたいと思います。

 まず、急性期の患者さんに対して医療の質を上げて、入院を短期にするということは必要なことだと思います。とても大事なことだと思います。ただ、人員を十分配置するということと同時に、患者さんや家族に目を向けた診療とか優しい看護というものの内容、質、そういうものが実施されることを家族としては強く望みます。

 それから、家族会では、やはり長期入院になっている方、病状もよくなったり悪くなったりであまり芳しくない、そういう家族を持っている人が多いわけですけれども、退院促進とか、それから社会復帰するためにコメディカルというような話もいろいろ出ておりますけれども、やはりそういう中で病状が不安定になったり具合が悪くなったりする人も出てくるわけで、医療面で後退した体制の中では患者さんが不利益にならないかどうかということも心配いたします。ですので、やはり医療の質が後退しないように、なおかつ、退院や社会復帰がしっかりとできるような体制作りというものが作られていくべきではないかと思います。

 それと、最初に退院ありきという議論がずっとされてきたのですけれども、そうではなくて、やはり治療と病状の改善ということが大前提だと思うのです。特に最近の話でも、これ以上よくならないからとか、やるべきことはやったからという形で、「もう3カ月で退院ね」と無理に家族に帰すというようなこともよく見られて、またそれで転院をされるというようなこともありますので、そういったことが増えないように、帰すだけということではなくて、帰した場合の退院後の家族を含めた支援がどうあるかということをしっかり考えていただけたらいいなと思っています。

 2ページ目に行きますけれども、この変な図が張りつけてありますけれども、これは、私が今イラストをつける練習をしていて、後で消そうと思って消すのを忘れてしまったのであまり気にしないでください。すみません。やっとこのグラフを張りつけることができたというぐらいの技術でして、今、頑張っている最中です。すみません。

 グラフは、家族会で平成21年に自立支援調査研究プロジェクトで家族会の方に調査したものですけれども、「受診して診断を受けた後に、十分な情報を得られるまでにどのぐらい時間がかかったか」ということで、「2年〜3年」という方が40%以上になるということで、何年もかかってから医療とか治療の情報を得ているということですね。「受診してから早い時期に病気についていろいろな情報を家族が得ていれば、その後の対応は違っていたと思うか」ということに対して、64%の人が「自分の対応は変わっていたと思う」と言っているのですね。

 ですから、この次の下の欄に行きますけれども、やはり早期に情報を得られないということが、治療の受け入れとか再発防止等の問題を大きく左右しているわけです。ですから、退院というその前に、きちんと、入院後あるいは受診後に、本人や家族に対してしっかりとした情報が提供されることが必要ですし、それから、いろいろな知識を勉強したり、そうする機会がきちんとあってほしいと思います。そういう知識がないままに退院をしますと、また同じような繰り返しがあるのではないかということを心配いたします。

 また、退院後は、家族教室とか服薬教室とかというように集団でやっているところはたくさんあるとは思うのですけれども、それでもいいとは思いますが、やはり基本は、個別に、一人一人が困ったときに相談できる体制ということで、退院後も地域の中でしっかりとした相談ができるということを実現していただきたいと思います。

 次の、「居宅における保健福祉サービスの提供」、3ページですけれども、このグラフは、「本人が1カ月以上、治療を中断したことがあるか」という問いに対して、「ある」という方が74.5%いらしたのですね。これはすごく高い数字で、1カ月以上治療を中断しているということは、この中に再発された方も結構いらっしゃるのではないかと思われます。再発・再入院になってしまった方が結構いらっしゃるのではないかと思います。本当に家族にはどうにもならない危機的な状況が続いてしまっているということだと思います。

 「本人の病状の悪化によって危機的な状況になった際、家族としてどのような苦労や心配があったか」という問いに対しては、多くの方が「恐怖心が強くなった」とか「体調が悪くなった」とか、いろいろな思いをされております。

 こういうような状況になったときに、他の方も皆さん言っていらしたのですけれども、そういうときには、いつでも相談できて、なおかつ、そのままの状態にしておかないで、ただ「困りましたね」だけではなくて、しっかりと関わってくれるような体制が欲しいと思うわけです。病院内のソーシャルワーカーなどの支援者と、それから地域の相談支援者などが連携して相談に乗ってくれる体制作りが必要です。

 家族には、実は相談支援の専門員の方のことを取材しまして、それを機関誌に載せたりしたこともあったのですけれども、でも、家族の人には、この相談支援員の方がどこにいるか全く見えないのですね。ですから、家族の人に「相談に乗ってくれる人がいますよ」と言っても、「どこですか、どこにいますか」ということで本当にわからないのです。ですから入院中、入院をしたときとか受診をしたときに、「この方」という何か顔が見えるような出会いがあるといいなと思います。これは希望なのですけれども、家族は、やはりそういう出会いがあるととても安心するのですね。それで、「あの人がいるからあそこに行ってみよう」とか「電話してみよう」とかという気になるので、そういう機会を作っていただけるとありがたいと思います。

 次に、4ページですけれども、「治療の中断や病状が悪化したときに必要なこと」という問いかけに対しては、やはり圧倒的に「精神保健や医療・福祉の専門職の方が訪問して本人に働きかけてくれること」を希望しています。もし、薬を飲まなくなってしまったとか、拒絶しているとか、病状が悪くなってしまった場合には、できるだけ改善への努力は早い方がいいわけです。今までは、家族はどうしようと思いながらもどうにもならなかったという現状がありますけれども、そういうものそういう状況がやはり再発・再入院をずっと作ってきたと思うのです。ですから、自宅で危機を乗り越えられるような、入院をしなくても、早期に関わって、自宅で改善できるような医療サービスが欲しいし、同時に、やはり家族を支えることが必要ではないかと思います。これらは全て、訪問による個別サービスで実現をしてほしいと思っています。

 その下ですけれども、「多職種による訪問型医療や保健・福祉サービスの充実」をしてほしいということです。医療だけではなくて、生活の改善とか、何気ない会話とか、それから音楽を聴くとかいった気分転換とか、あるいは生活技能の支援といったような保健・福祉的な関わりも重要ではないかと思うのですね。生活内容が改善されることで御本人も落ちついてくるということもあるので、ただ薬を飲むとか注射するとかということではなくて、そういった医療と福祉の連携によるきめ細かな対応が必要だと思います。それから、作業療法士とかソーシャルワーカーの働きかけなんかで、すぐに結果が出ないような、例えば、本人は会ってくれないけれども、非常に動揺している家族にまず働きかけるというような、そういうものでも、そういう努力が非常に必要な場合もあるわけですけれども、そういう努力に対しても評価をきちんとしてほしいと思うのですね。診療報酬だけではカバーできない部分もあるかと思いますので、どういった形かはわかりませんけれども、そういうものも評価できるようなシステムを作るべきではないかと思います。

 家族やまた、当事者のレスパイトといいますか休息する場所作りも必要かと思います。

 それから、5ページですけれども、「家族を支援するシステムが必要」ということですが、今までは本当に家族に丸投げ状態でしたので、家族が疲れてしまうと、もう御本人が入院をするとか、あるいはなかなか退院にこぎつけられないとかという問題もあったわけですけれども、そういう家族全体をきちっと支援するシステムがあると、家族の力が非常に強まるし、それから、本人に対するいろいろな問題なんかも解決する能力が高まっていくのではないかと思います。

 イギリスのバーミンガムで行われているものですけれども、「メリデンファミリーワーク」というのがあるのですね。これは家族全体、これは当事者も含んで家族なのですけれども、両親とか兄弟とか祖父母、また、そういう人たちをそれぞれのニーズに合わせて支援をしていく。親の立場と兄弟の立場は全然違うわけですけれども、そういう立場の違う人たちの問題点なんかも、一人一人きちっと丁寧に話を聞きながら、その人たちの問題を解決していく、そういった形で家族を支援していくという技術があります。それは同居していない家族も含まれているのですけれども、イギリスのバーミンガムでは、このメリデンファミリーワークを導入して、明らかに病気の再発率を下げたという話でした。これは現地に行って説明を聞いた人の話ですがその話の中では、導入9カ月後、約10%の再発率だったと聞いております。

 ファミリーワークを行う人というのは、専門職や時には家族でもある人もそうなのですけれども、特別の教育訓練を受ける必要があります。日本でもこうした制度を導入すべきではないかということで、当会では来年の春に、3月頃に、バーミンガムから専門の方をお呼びして講演会を行うことにしています。ですので、看護の方や、それから作業療法士の方、あるいはPSWの方とか、その他医師の方も含めて専門職の方で関心のある方は、ぜひ聞いていただきたいと思います。

 最後、「高齢化への対処」です。地域で暮らしている人の中には、自宅であるとか、家庭であるとか、単身でアパート暮らしの人もいるでしょう、施設の人もいるかもしれませんけれども、そういう方が、皆さん高齢化がどんどん進んでいると思います。家族ももう8090近くなって、御本人さんも60代を超えてしまうというようなケースもだんだん増えてきて、親亡き後どころか、親ももちろんですけれども、御本人の高齢化ということが今後大変な問題になってくるのではないかと思っています。

 また、高齢でも自分の身の回りのこととかそういうことができていればいいのですけれども、身体的な問題とか認知症の問題が出てきたときに、今は高齢者施設に入所できない。これは精神ばかりではなくて、知的障害とか他の障害の方も同じだと思うのですけれども、基本的には、高齢者問題対策というものを障害者対策の問題の方からもう一度見直してみなければいけないのではないかと思います。

 できたら、老健局と援護局の合同の検討会ですとか、何かそういうものをもって、高齢者問題を単に精神障害者の問題だけではなくて、障害を持っている人の高齢問題としてきちんと検討していかなければいけないのではないかと思います。地域や、それから病院から高齢者施設に入所できる体制作りが必要なのではないかと思います。精神のグループホームとかケアホームが、だんだんみんなが高齢化してきて介護施設化していくのも困るでしょう。ですから、やはりきちんと平等に、一般市民と同様に高齢者施設に入所できるということも必要ですし、また、できるのだったら、きちっと在宅の介護として、しっかりとした生活ができるようなサポートが必要ではないかと思います。

 高齢者の施設にもアウトリーチを充実させて、職員の人にはきちんと知識を得ていただく、介護士とか看護師さんとか職員さんの啓発とか偏見の除去というものが必要ではないかと思います。

 ひいては、よく家族会なんかでは要望書にあるのですけれども、この偏見の問題は、高校とか中学の教育現場から始まっていろいろな啓発活動をしてほしいと思います。ストレスということではなくて精神疾患ということで、5大疾病にもなったことですし、しっかりとした教育をやっていただきたいということもあります。

 特に、私は社会に影響力を持つ政治家とか行政の人とか、教師とか警察とか弁護士とか、そういう影響力を持つ人への啓発というものも力を入れるべきではないかと思っています。

 何かまとまりのない話で申し訳ありませんでしたけれども、一応終わります。ありがとうございました。

 

○樋口座長

 ありがとうございました。

 これで、以上、本日の予定をしておりましたプレゼンテーションはお終いになります。皆様、大変時間をお守りいただいたおかげで、この後のディスカッションの時間を約1時間残していただいてございます。

 それで、冒頭にありましたように、この指針に関する論点の整理というのを最初、事務局の方から説明、細かい説明はございませんでしたが、構成が示されております。それと参考資料の1−2というものも含めてでございますが、ここの中に書き込んでいく内容でまだ書き込まれていないものもたくさんございますので、今日の6人の方のお話をもとに、またこれをさらに書き込んでいくことになりますし、それからまた、今日で一応、ヒアリングという形をとるのはこれが最後に多分なるのだと思うのですが、したがいまして、この論点整理の中でまだ幾つか全く真っ白になっているところがございます。項目だけになっているところがございます。そういうところも満たしていく必要があろうかと思いますので、これからの御意見を頂戴する中で、そういったこともちょっと頭に入れていただきながら御質疑をお願いできればと思います。

 それでは、どうぞ、どなたからでも結構でございます。はい、どうぞ。

 

○倉橋構成員

 今の論点整理についてですけれども、今回新たに御指摘いただいたところで、特に感じた足りないところがあります。今まで議論してきたのは医療に、言わばレールに乗った後にどういうふうに復帰するか、社会で受け入れるか、支援するかというようなところが論点となってきたと思うのですけれども、実は、レールに乗っていない、いわゆる未治療者の方とか、あるいは中断してしまって、ドロップアウトしてしまって、再度医療に乗せなければいけないというような方々に対する論点があると思います。そういうような方々に適時適切に早期介入して医療に結びつける、早期介入という視点を、論点整理に項目として新たにつけ加えるべきではないかと考えます。

 早期介入の課題は幾つかあるのですけれども、保健所、そしてその担当職種としては保健師、看護協会の方の指摘もございました。協力いただいている保健センターの方からもそのような指摘がございましたので、ここが大きな1つの論点だろう、入り口の部分も論点として指摘しておくべきではないかと思います。

 そして、論点としましては、まず相談ベースの対応となって、情報提供等を適切にやらなければいけないという御指摘もございましたけれども、実際には、強制的な措置入院となることは余り多くありません。相談ベース、外来受診、任意入院、そして医療保護入院となる場合がございまして、現場では田邉構成員が御指摘のように、医療保護入院で問題となることもございます。そこら辺を整理していただきたいと考えております。

 それを実施するには幾つか問題がございますけれども、体制を整備して、人員、人材を確保・育成することが肝要かと考えます。この点につきましても皆さんに御議論をいただけたらと考えています。

 

○樋口座長

 ありがとうございました。

 どうぞ。

 

○近森構成員

 私は精神科医ではございません。現在、透析をやっておりますけれども、そういう精神科医でない一般医の身体疾患を診ている医師から、基本的なことを皆さん方にちょっと考えていただきたいと思って発言させていただきます。

 近森会グループは、もう30年以上前から、急性期から、リハビリテーション、在宅という、現在、精神科医療で求められている医療をずっと実践してまいりました。精神科の専門病院である近森病院第二分院でも、急性期病棟では、在院日数が60日で、チーム医療が充実しておりますので、大学出の看護師さんとか精神保健福祉士、作業療法士といった多くの優秀な方が集まってくださっております。だから、精神科医療であっても、医療の質が良ければスタッフは集まってくれるのですね。特に、精神科看護というのは非常におもしろいですので、優秀な方が集まってくださいます。

 統合失調症やうつに対してはデイケアを行っておりまして、できるだけ職場復帰、社会復帰を図っております。うつの方は入院医療からデイ、外来ということで、職場復帰、社会復帰が図られております。統合失調症のデイにつきましても、社福のほうで就労支援を強力に行っておりまして、患者さんの笑顔が、表情が変わってくるのですね。入院中とデイのときと、そして、就労支援して、社会に貢献できる、自立できて自分で稼げるようになる。こうなると精神障害者の表情が変わってきます。

 いいことだからどんどんやろうということでやっておりますと、デイの人数が、前は50人以上、60人、70人おったのですけれども、現在は10名まで下がっておりまして、もう真っ赤っかなのですね。だから、あるべき精神科医療をやればやるほど赤字になります。これは当然のことで、社会に帰して、地域に帰すと、患者さんはいなくなりますので売り上げが下がるということです。現在、104床の病床も60床まで、急性期に特化して、そして本院の方に統合しようと思っております。

 これからの精神科医療の方針に合った医療を提供するためには、やはり急性期医療の点数傾斜をもうちょっときつくして、早く帰せば帰すほど売り上げが上がるというような点数設定にしていかなければならないと思います。

 現在のこの精神科医療の最大の欠点というか、今の精神科医療がどうしてこのような状態になっているかというのは、診療報酬の単価が低いというだけなのですね。単価が低いから数を増やさないといけない。入院も多く診ないといけない、急性期も回復期も療養も増やさないといけないし、入院も外来も、多くの患者さんを診ないといけない。そして、多くの薬を出さないと売り上げは上がらない。今の精神科医療の悪いところというのは、単価が低いだけなんですよ。単価が低ければ数でこなすしかないのです。精神科病院というのは民間がほとんどですから、自分たちの首がかかっています。どうしても数を診ないといけない。そうすると粗診粗療、お薬の大量投与ということにならざるを得ないのですね。

 数を絞って、急性期は急性期でどんどん治すためには単価を上げるしかないのです。今、皆さん方は、この3回にわたってものすごくいい提言をしてくださっています。本当に精神障害者のことを考えた誠意のある提言をしておりますけれども、これが実現されるためには診療報酬を上げてもらうしかないのですね。そういうことを厚生労働省は考えているのかという不信感が、この委員の中にみんな渦巻いているのではないか、そんな感じもしております。

 私は、一般医療に関しては医政局医療課でかなり診療報酬を上げておりますけれども、どうしてもこちらは障害保健福祉部ということで、どうしても力が弱いのではないかという感じもしております。そういうことで、これからあるべき精神科医療を実現するために、どういうような手順で診療報酬を上げる予定なのか、それをちょっと事務局にお伺いしたいと思います。

 

○樋口座長

 それでは、事務局、よろしくお願いします。

 

○北島精神・障害保健課長

 大変厳しい御意見を頂戴いたしました。私ども、この検討会の中間的な取りまとめを9月にしたいと思っておりますのは、まさに診療報酬改定に間に合わせたいというところがございまして、そういった今、御指摘いただいたような御意見も頂戴しながら、なるべく早く診療報酬に関わるところは取りまとめ、診療報酬の確保を図ってまいりたいと考えております。

 

○中島構成員

 それは急性期に傾斜配分するということですね。

 

○北島精神・障害保健課長

 急性期に人員を厚くしていくということが、これまでの改革ビジョン等でも御提言いただいておりますので、その方向は強く打ち出していきたいと思っております。ただ、具体的にどのくらいのものにしていくかというところは、御意見があれば、ぜひ頂戴しておきたいと思います。

 

○樋口座長

 それでは、千葉構成員、お願いします。

 

○千葉構成員

 全く近森構成員の話は、ずっと主張しているところですからいいのですが、安いものをいっぱい入れて何とかしなければならない方向に行くというのはちょっと、現在はそういう方向ではあまりなく、みんな赤字方向に、いいことをしようと思って赤字方向に向いていて、ひどい目に遭っているということなのですが、精神科の構造、診療報酬上からいけば専門職を養えないのですね。専門職の評価とか専門的な治療に対する評価が全くなされていないというところに大きな問題があって、入院基本料云々の話からすれば、これが16対1なり何なりと、一般医療と同じになれば、当然一般医療並み、あるいはそれ以上にということは考えられると思うのですけれども、何よりも技術料がないですね、低いです。PSWがいたって点数にならないのですね。OTがやっている仕事だって、50人診てくれなければ採算が合わないような、1人、2人の個別OTをやれるような点数でくれていないのですね。

 精神科の看護なんかはもっとひどくて、看護の方々はいろいろな手間暇をやいて、いろいろなプランを立てたり活動したりして治療プランを実行しても、一切見ないですよね。何か検温や検脈をする看護師さんたちと一緒になってしまうと言ったら、看護協会さんに怒られてしまうかもしれませんが、そういった精神科の看護の技術料を認めてもらいたいのですね。

 それと、もっとひどいのは、精神科医が毎日診察しても、週1日しか診察料をくれない。一般の方々は余り御存じないと思いますけれども、要は週1日だけ診ていればいいのだ、そういうような差別的な話になっているわけですね。同じように濃密に治療したいと思っても、精神科特殊療法、つまり作業療法をやって、その後にSSTをやるとか何かするといっても、どっちか1つだけですよね。午後に何をやろうと、午前中で1つやったら、もうあとは点数なし。それだったら、午前中やったら、午後何もしないで寝かせておいた方がいいのですね。

 こういったような構造的に大変おかしいことが行われていて、だから、濃厚な治療を行う環境ができているというところにまさに問題があるのだと私は思っていて、一般医療並みにというのであれば、そういったようなところを一般医療並みに治療密度が高められるような、それだけの人を投入できるような、そういう人たちを養うことができるようなフィーをつけてくれということが大前提なのだということを、せっかく近森先生に言っていただいたので、みんなの思いだと思いますから、ぜひその辺のところは頑張っていただきたいと思います。

 

○樋口座長

 伊豫構成員。

 

○伊豫構成員

 私はちょっと違う視点になってしまうのですが、この論点の整理の10ページ、11ページのところで、診療報酬に関連させるとすると、どういう内容の医療をやっているから必要であるということにつながるのでしょうか。その観点から述べさせていただきます。

 まず、この多様な精神疾患・患者像への医療の提供についてというところで、依存症対策がなされております。その一方で、例えば、不安障害、強迫性障害、PTSDも含めて考えますと広汎な疾患が入りますが、これらは生涯有病率28.8%という報告もあって、極めて多くの患者さんがおられます。この方々は必ずしも精神科を受診せずに、例えばベンゾジアゼピン依存などに陥ることが非常に多いと考えられます。では、その治療をどうするかというと、非薬物療法としては認知行動療法が極めて有効ということが知られております。我が国では、うつ病については認知行動療法の診療報酬化していただきましたが、それ以外にも、こういった不安障害に対するものも極めて重要だろうと考えております。

 それから、もう一つは双極性障害です。単極性うつ病と自殺の関係についての認識が深まっているとは思うのですけれども、双極性障害の方々では、うつ病の状態が非常に長いために単極と間違えられる方々が非常に多いというのが知られております。従来、躁うつ状態の生涯有病率0.5%程度と言われていたのが、最近では双極性障害(英数字1)型、(英数字2)型合わせて2%以上で、さらにスペクトラムというものを含めると4、5%と極めて高い率でございます。

 こういった方々の治療は、抗うつ薬は基本的にはあまり使いません。うつ病なのに、うつ状態なのに抗うつ薬は使わないということで、大きな治療法に変更が出ますので、こちらについての適切な医療の提供も重要だろうと思います。

 その双極性の重要性というのは、不安障害に関しますと、双極性の方々に半数以上が不安障害を有するとされています。それから、難治性の糖尿病や高血圧などの生活習慣病の方々の中にも、相当数、双極性障害の方がいらっしゃるだろうと推定されます。しかし気分の安定化によって改善することを我々自身も報告しておりますが、そのようなことがありますので、不安障害や双極性障害への適切な医療の提供というのは考えていく必要があるだろうと思っております。

 それから、提供を確保すべき良質かつ適切な医療とは何かということになります。それに関しましては、やはり世界においても行われておりますし、我が国においても行われてきていますが、診断や治療のガイドラインを整備して遵守していくようなことをしていく必要があるだろうと思います。また薬剤の適正使用についての評価体制の確立というものも重要と思います。

 しかし、海外のガイドライン、アルゴリズムと我が国のものでは異なってしまうのは、やはり薬物の適応疾患が違うためだと思います。海外では第1選択薬になっているものが、我が国では適用になっていないということで、我々は、例えば患者さん方に、これは我が国では適用ではないけれども海外では適用です、第1選択ですという説明をしながら処方するということも出てくるわけで、できるだけ世界的な方向性をキャッチアップできるようにすることが必要だろうと思っております。

 それから、認知行動療法などの有効な精神療法の普及や、それに関する研究の推進というものが非常に重要で、特に、これに関しましては必ずしも医者である必要はないわけです。例えば、アメリカで認知行動療法というと、医療費が一番高いのが医者で、次がサイコロジストで、次がケースワーカーというような区分けにアメリカではなっているようです。そういった形で、さまざまな医療職が提供できるようにしていくというのは大事だろうと思います。

 この認知行動療法に関しましては、腰痛を含めた慢性疼痛、それがまた今、非常にさまざまな薬が日本に入ってきていますが、それに関しましても認知行動療法と理学作業療法、それから、疼痛に関する薬物を使うということが非常に有効であるとわかっており、今、整形外科やペインクリニックでは、この認知行動療法に高い関心を持っております。

 しかしながら、それらに応えられる精神科医療というものがまだ極めて不十分となっておりますので、それらについての普及できる体制整備、またはそういったものができるような標準化が必要だろうと考えておりました。

 最後にもう一つ、長くなってしまうのですが、精神医療に関する研究の推進なのですけれども、やはり医学の発展なくしては良質かつ適切な医療の提供というのはできないと考えられますので、精神疾患の病因・病態に関する研究、脳科学研究というものがどうしても必要で、かつ、それに基づいた創薬も重要であろうと考えております。ですから、バイオマーカーとか、将来的にはiPSなどの新技術を用いたものに関する研究も進めていく体制整備が必要なのではないかと思っております。

 特に、このときには基礎研究者と精神科医、臨床医学者の双方向において、トランスレーショナル、基礎から臨床というよりも、臨床からの基礎に、特に精神疾患の場合には情報提供、交流というものは極めて重要と考えています。

 最後になりますが、この研究の推進や医療の提供等に関係するのですが、やはりITですね。現在、インターネット、スマホ等を含むいろいろなIT技術が進んでおります。それらを用いたセルフマネジメントシステムというものを確立していくことが、効率かつ良質な医療の提供にもなるのではないかと考えておりますので、それらに関する研究や体制の整備というものもしていただければと考えております。

 すみません、長くなりました。

 

○樋口座長 ありがとうございました。

 では、伊藤先生、それから、その後、河崎先生。どうぞ。

 

○伊藤構成員

 どうもありがとうございます。隣にお座りの伊豫先生のご発言と関連する点もありますので続けて申し上げます。

 伊豫先生おっしゃるように、薬物療法、そして薬物以外の認知行動療法などの治療法の普及といったものが必要だと思います。

 また、ガイドライン、これは先ほど良田構成員が、早期に情報を得られないことが治療の受け入れ、再発防止の問題を大きくしているとお話になられたとおりだと思います。早い段階で。

 

○広田構成員

 ちょっともっとはっきり言ってください。

 

○伊藤構成員

 失礼しました。治療を始める早い段階で、これからの治療がどのように行われていくかがわかりやすく示されることはとても大事だと思います。

 また、その前の多様な精神疾患・患者像への医療の提供です。依存症対策しか出ていませんが、事務局の初日の資料の60ページから、いろいろな制度と関連した内容があります。自殺対策の重要性、依存症、児童、精神、発達障害の診療ネットワークの整備、また、摂食障害、災害医療、てんかん、てんかんにつきましては、適切な服薬が行えるような知識の理解を深めるための啓発であったり、診療ネットワークの整備がとても大事だと思います。高次脳機能障害等があります。こういったところは資料がありますので、ぜひ書き込んでいただければと思います。

 また、外来に関連してデイケアについて、対象患者さんを明確にして、一定期間集中したデイケアを多職種で行うといったような体制も必要なのではないかと思います。

 ちょうど三上構成員がお手を挙げられているので、後ほど御指摘されると思いますが、一般医療機関との連携です。これは、かかりつけ医の先生との連携もありますし、伊豫先生がおっしゃられるように、もっと専門の、専門疾病を対象とする専門医との連携、こういった内容が、大変重要になってくるのだろうと思います。

 最後に、今日の長野構成員のお話に大変感銘を受けています。長野構成員の資料で、特に8ページ、9ページは、これから精神科医療がどう変わっていくかを如実に示されている実践です。多くのことが学べるのではないかと思います。長野構成員がおっしゃられていたように、都市部と非都市部で事情が随分違っています。非都市部では、これから高齢化と人口の減少が想定される中で、現存する社会資源である精神科医療施設を、どのようにこれからの社会資源にしていくかという点は大変重要だと、御発表を伺いながら改めて感じました。

 以上です。

 

○樋口座長

 それでは、河崎構成員、お願いします。

 

○河崎構成員

 日精協の河崎です。

 まず1つ、先ほど倉橋構成員がおっしゃられていました早期介入、特に未治療者あるいは医療中断者の方たちにどういうふうに早期に介入していくかという論点に関しましては、先ほどの構成員のおっしゃるとおりだろうと思います。

 ただ、私たち医療を提供する立場からしますと、これはやはり保健所の非常に重要な業務としてぜひ充実していっていただきたいと思っています。我々医療を提供する方の立場からも、そういう際にどのように医療介入をしていくかということは、非常に悩ましい問題点がいろいろあろうかと思っております。ですので、このあたりを整理するためには、強制的な医療介入をどういうふうに法的に担保していくのかというところの議論をやらなければ、なかなか医療関係者はそこへ今、踏み込んでいくことにいろいろな問題点があると思っております。ですので、早急にそういうようなシステムを構築するためにも、ぜひ行政的な、あるいは保健所が中心になって早期介入というシステムを具体的に議論していくべきであろうと思います。

 それが1点と、それと、少し話は変わりますが、これまでの論点整理の中でもございました人材の養成についてというところでございます。9ページでしょうか。

 そこにも出ておりますように、やはりそれぞれの構成員の先生方がおっしゃっているように、いろいろな職種の方たち、あるいは初期の研修医等が、どのようにそういう精神疾患ということ対する理解を深めて、その中で、偏見であったり、あるいはスティグマであったり、そういうものを払拭していくのかというのはすごく重要なことだと考えます。そういう意味では、ぜひ医師の研修制度にもう一度精神科を必修にしていただくということが極めて重要で、中島先生が医道審議会医師分科会医師臨床研修部会で孤軍奮闘なされておりますが、ぜひ、これは今回の指針の中にもそういう方向性を明記すべきだと私は思います。

 私の病院も、現状でも選択必修ということで、ある総合病院から毎月研修医を受け入れておりますけれども、やはり彼らに聞きますと、この1年目もしくは2年目に精神科を研修することで、その後、総合病院で精神障害者の身体合併症等に対応するときに、研修をした後はその辺の意識が全く変わるということを言っていただきます。これは非常に大事なことで、その後のいわゆる精神障害者の合併症ということを考えていく際にも、ぜひそのあたりのところは、この指針の中でも方向性を示していっていただきたいと思います。

 それと、もう一点ですが、今までの2回の中であまりやはり議論がなかったのは認知症のことだろうと思います。今日の構成員のヒアリングのプレゼンテーションの中でも何人かの方たちが、認知症の問題をどうするのかということの問題提起がございましたけれども、これは、やはりこの障害保健福祉部の中で精神科の医療ということの指針を検討する際には、認知症の方たちに対する精神科医療の必要性あるいは重要性を何らかの形で明記すべきであろうと思います。入院をするとかというような狭い話ではなくて、必要なときに認知症の方に対する精神科医療というものは、これは否定する方はいらっしゃらないと思いますので、そのあたりについても何らかの方向性というものを示していくべきであろうと考えております。

 それと、最後に1点ですが、今日の柏木構成員のお話の中に、資料の中にもございましたが、将来なのでしょうが、病棟ごとにPSWを専従にすべきだというようなお話があったかと思います。これは、当然その方向性になっていくべきだろうと思うのですが、ただ、現状、PSWの方たちの現在の数が、大体精神科病院に5,500人ぐらいでしょうか、1病院に5人程度というようになっていたかと思います。これを今までの需要と供給のバランスもしくはPSWの養成数等から見て、どのあたりで各病棟にPSWを専従させていくということが可能になっていくのかということも、ぜひ協会としても議論をしていただいて、またお示しを願えればと思っております。

 同じことは作業療法士の方もそうなのかなと思っていまして、最近、作業療法士の養成学校が、非常に定員を下回るようなところも増えてきているとも聞いておりますし、これは作業療法士の皆さん方が、精神科の領域だけではなくて、いろいろなところでその専門性を発揮できるような環境作りが非常に必要なのかと普段から思っておりますので、これは蛇足ではございますが、発言させていただきました。

 以上です。

 

○樋口座長

 それでは、何人か手を挙げて、5人挙がっていますので、一番端、三上委員からずっとこっちに回ってきましょうか。

 

○三上構成員

 ありがとうございます。

 先ほどお話がありました一般医療機関との連携について申し上げますが、今回、精神科医療として統合失調症を主体に討議されているわけですけれども、一般医療機関と関わりの強いものとしては、認知症及びうつ病があるかと思います。

 認知症につきましては現在オレンジプランがありまして、ネットワークという形で認知症疾患医療センターや、いわゆる身近型のもので連携ができてきております。また、診療報酬上の評価も徐々にされてきているわけですが、うつについては、我が国は非常に自殺率の高い、先進国の中では自殺者が非常に多いところで、その原因としてうつ病・うつ状態があるということから、うつを早期発見して治療していくということが非常に大切なのですが、これに対する評価や仕組みというものがまだ十分できておりません。

 静岡県にあります富士市が「富士モデル事業」として、不眠を対象に受診を促し、一般の医療機関から精神科へ紹介するという連携システムを作っておりますけれども、このようなシステムについてはまだ補助金等で評価をされているわけではございませんので、診療報酬というのは難しいかもしれませんが、事業として評価できる何らかの仕組みを作るよう提言していただきたいと思います。

 それから、身体合併症を伴う患者の救急搬送についてですけれども、精神科救急といいますと、いわゆる慢性的な身体合併症を持っている患者が精神科救急に搬送される場合、あるいは精神疾患を基礎疾患とした患者が身体救急に搬送される場合の両方あると思います。どちらが救急かということが2つあると思うのですが、それぞれ縦列モデルと並列モデルでの対応というものがあると思うのですけれども、さらに言えば、精神疾患と身体合併症の両方が救急である場合、例えばうつやパニック等の様々な要因によって、自傷行為があって救急搬送される場合もございます。また、総合病院の精神科のあり方についても、一般救急が診られて精神科救急は診られないけれども精神科医がいるという総合病院もありますし、精神科病院で精神科救急は診られるけれども一般救急は診られない。ただし、身体科の先生方もいらっしゃるというような場合もあります。あるいは、精神科と身体科のそれぞれの救急が終わって、両方が慢性の状態になったときの後送病院の縦列の仕方というものについてもさまざまなケースがあると思いますので、その評価については細かく詳細にやっていただきたいと思います。

 それから、精神病床の機能分化の話ですが、これは一般病床については今、医政局の担当でいろいろとやっているわけですけれども、精神科についても非常に大切だと思います。長野構成員より、規模の小さいところで機能分化することはかなり難しいのではないかとのお話がありましたが、これは一般病床についても同じことが言えるわけですけれども、基本的には、「病棟内機能分化」とおっしゃいましたが、これは一般の中でも傾斜配分されております。一般病床で例えば2病棟しかないようなところは、1つの病棟はかなり手厚く配置をし、1つの病棟は少し療養型のような形になっているという形もあるように、傾斜配分するという仕組みがあります。ですから、病棟内あるいは患者ごとに傾斜配分をするということも可能なのではないかと思いますので、規模の大きなところと規模の小さなところというのは分けて考える必要があるのではないかと思います。

 それから、日本看護協会の和田事業局長より、訪問看護ステーションの話がございましたけれども、実際に精神科訪問看護というのは、訪問看護ステーションだけではなくて、やはり医療機関からの訪問看護というのが精神科訪問看護の中では非常に重要だと思いますので、その辺の視点で書いていただきたいと思います。

 それと、もう一つは、保健師の活用についてお話がございましたが、今は市町村保健師が2万5,000人ということでしたけれども、実際には地域包括支援センター、これは全国でもう既に4,000カ所以上ありますし、ブランチを入れますと7,000カ所以上あるということで、そこには保健師が必ず1人ずつ入っておられるということになります。これは今、老健事業としてされておりますが、精神医療の方の、うつもそうですし認知症もそうですし、高齢者の要介護、要支援の話もそうなのですが、ワンストップサービスでこういったところを活用するということが、我が国の医療資源・介護資源の有効活用にとっては非常に大切だと思いますので、ぜひその視点で書いていただきたいと思います。

 

○樋口座長

 どうぞ、お隣。

 

○広田構成員

 早く終わってと言わないでください。医者がこれだけしゃべりまくっているのですから。

 私は、今日熱があって寝ていたのです。8月30日に、「総理官邸で消費税増税について話をして」ということで、新聞記者から電話がかかってきて、「菅さんの推薦ですか」と、菅官房長官の選挙区は私の居住区も含まれ、区民として出会えば激励していますが、私がこういう委員をやっていることも知らない。私は、神奈川県警を15年間回っていますから警察と救急の現状はよくわかっています。良田さん、私も昔は警察官の偏見だと思っていましたが、偏見ではないです。警察官通報以外、本来警察が扱わなくていい話がいっぱい警察に舞い込んできます。精神障害者や家族から愛まで求められています。あまりにいろいろなものを求められ過ぎている。所管行政が、きちんとやるべきところがやればいいのです。それをやってからの話です。私は、夜中の2時まで警察に行っていましたが、4月から12時までにしています。

 それと、これは大熊由紀子さんという、ある意味で日精協に対して反日精協のうちの一人ですね。彼女の講演を聞いたのですけれど、人生の質、クオリティ・オブ・ライフの話をされてとてもよかった。人は衣食住、それから、もう一つが医療の医ですね。そしてコミュニケーションのノーマライゼーション、そして愛のノーマライゼーション、それから誇りと役割のノーマライゼーション、これが必要だと話をされていました。1994年、ラ・シュ・セ・ボン・アンド・ユキということで、私は、これを全部今、手にしているというか、こういう状態で暮らしている、幸せな精神医療の被害者に戻れたと思いながら、聞いてきました。

 そこで、大熊さんはこういういい話をした後に、日精協批判を始めたのです。最初、私がいて、ど真ん中に座っていたから、緊張してお話をされていたけれど、休み時間に声をかけたらにこやかになって、「ここには有名な広田和子さん、日本で一番有名な広田和子さんが」という形になったのです。私は彼女にこう言った、蒲原さんにもぜひ聞いていただきたい。精神の法令補佐たちにも言いましたけれど、「大熊さん、もう精神の中で日精協が悪いということをやめて」と。業界の中で割れていては、いつまで経っても国民の精神科医療になりませんから。警察の現場や救急の現場や町の中の実態は、さっき伊藤さんが言った、まさに都市部と都市部でないところは違うわけです。私の住む都市でも自殺未遂が出れば、みんなが「入院させろ」、「追い出せ」と言うわけです。「明日は我が身だから、何かあったら私に言って下さい」と言えばおさまる町もある、私が言うとおさまっていますから。でも、私のような変わった人がいなければおさまらないで入院かもしれない。

 そういう背景には、マスコミ報道があまりにも教師や公務員や警察官をたたくことを筆頭に、マスコミ自身が病んでいる。これは日精協のアドバイザリーボードとして出た「精神障害者に対する偏見の是正」という座談会の中に出てきます。また、「精神障害者の就労支援」について日精協のアドバイザリーボードとして発言している冊子、この中に出てくるのは、「社会的入院がタッスクペイヤー」という話です。河崎先生が発言しています。これを資料として出します。

 今日、ここの話を聞いていると、私は高校時代に業務監査委員で、会計等の中身を監査したけれど、これでは診療報酬が上がってこなかったのがわかる、下手だなという感じです。百花繚乱でみんな勝手な話をしていて、では、何が一番大事なのかといったときに、患者が見えないのですよ。たまたま澤田さんと私、患者が2人ここにいるけれど、患者不在の論議です。

 何で患者が薬を飲むのが嫌なのかと言ったら、例えば若い男性に、「いつまでも広田さん広田さんと言ってこないで、女の子と付き合ったら」と言ったら、「僕は結婚できない体です」と。つまり薬の副作用で性的不能ですよ。副作用でいろいろなことがあります。今、電話をかけてきたのは、パニック障害の大変な状態で、交番で騒いだりしたけれど、この前一緒にライブに行ってきたとか、生活の中ではいろいろあるじゃないですか。何でもかんでも早期発見・早期介入と言うけれど、法34条を持ち出すまでもなく、保健所は医療に結びつけないで家庭訪問しまくればいいと思いますよ。話し相手になればいいのだから。基本的にやっていない。現行法の中でやるべきことをそれぞれがやればいいのです。

 それで、いわゆる代弁者がどうのこうのと言っている、いつの話かしらと。先日、保護者制度をなくすというところで国会が通ったのに、相変わらず代弁者とか言っている。前にも言っていますけれど、アメリカのサンフランシスコでは、「あなたは治療を受ける権利がある」「あなたは治療の説明を受ける権利がある」「あなたは治療を拒否する権利がある」と、もう20年ぐらい前から普通に掲げている。徹底的にインフォームドコンセントをやればいいわけでしょう、予算とってややこしくするのではなくて。

 私は精神障害者の世界で30年間生きていますけれど、私の身内はそれと全然関係なく暮らして、それでも友人に電話で話したのは、「内閣府から依頼されて総理官邸に行かなければいけないけど、天涯孤独だった方がよっぽどよかったわ。何か自分の身内を巻き込んだら嫌だから」と言ったら、天涯孤独の友人が、「本当に暮らしやすいよ」と言っている。そろそろ家族も、「この子を残して死ねない」ではなくて、「自立して」「世帯分離」とか多様なことを考えないと、この親をどうしたらいいのかという仲間がいっぱいいることと、「親が認知症ぎみになって精神障害者が元気に介助している」という話もいっぱいあります。もっと現実の社会を知らないと。

 4年前から私は高齢者の介護施設に行って、デイサービスのお話し相手ボランティア、傾聴ボランティアをやっています。職員も違うし、「目と目が合ったらそらして、私のこと嫌いなの」とか「誰と誰がどうした」とか、そんなことはない。精神的に、とても楽です。

 「将来、高齢者の介護保険と障害者の制度を統合するのかしら」なんていうことも大熊さんへの質問にちらっと出ていましたけれど、そういう時代に突入しているのに、相変わらず私が、ここの三上さんと河崎先生みたいに紳士的ではなく、敵ながらあっぱれ的な日精協副会長だった津久江一郎さんとやり合っていた20011219日以前の話なんです、今日の話は。

 自殺だって、報道が自殺連鎖を生んだりいろいろなことをしているわけです。だから、この前も言ったけど、社会に目を開いて、電車の中で昨日もいろいろな話をしていますけれど、子供も変わってきている。家庭でも全然親が育てられていない、それでいていじめだ、体罰だと全部学校に法律を作っているという時代。精神疾患も医者とかコメディカルの教科書を変えるだけで、偏見がなくなるとかいろいろあるわけです。お金もかけずに。

 私が今日聞いていて、30日に消費税のことで官邸へ行くので、ここへ這いずってでも来てよかったというような新しい視点がないです。いつまでたっても同じことをごちょごちょ言って、「では、何がなのですか」と私が聞きたいぐらい。

 私は、本当に日精協に腹をくくってもらって、社会的入院をきちんと退院ではなくて開放して、国内の拉致被害者だから。そのためには、前にも言っているけれど、国土交通省と内閣府と厚生労働省が、きちんと空き家のこともいろいろなものを含めて住宅政策を打って。マスコミ報道も静まりジャーナリズムになってもらって、病床を大幅に削減して、そして、マンパワーをつけて、そこに診療報酬をあげてというようなやり方をしなければ、こんなこと国民にどのように言うのですかと聞きたい。私自身がここに、精神医療の被害者として出ていてもわからない。

 私は25年前に打たれた医療ミスの、たった1本の注射ですよ。カルテには2本と書いてあるけれど、ハロマンスという分裂病の。分裂病ではなかったとみんなが言っているけれど。そのために、どれだけ薬を減らすのに大変な思いをしているか。たまたま今はいろいろな環境が整って減らしてきています。減らしてきているけれど、本当に1ミリとか2ミリずつですよ。そのぐらいデリケートな問題に、早期介入、早期医療に結びつけるとか言うけれど、徹底的に予防だと思います。啓発も、もう精神障害者が出かけていって話をする時代じゃないです。

 朝日新聞、高給取りの科学部のデスクが、「SSRIを飲んでいて治らない」ので、「朝日を辞めたら治った」という時代ですよ。マスコミ各社もこのとおりです。「8月30日に日本新聞協会を代表している読売新聞の社長も総理官邸に出てくるけど。この管理社会のようなぎすぎすした、ただただ告発するパパラッチ報道をやめない限り、新聞もテレビももたない。もちろんお巡りさんも教師も霞が関ももたないよね」と言ったら、記者たちが、「そうです。よろしくお願いします、広田さん」と言う時代なんです。

 そういう時代を受けて、きちんとした論議をしていただきたい。こんな何か、10年前だか15年前に戻っていないで。保護者規定が変わっても、相変わらずこういう昔話だと、本当に国民がわからないと思います。私がわからないから。医療が必要な人にはきちんと精神科救急を整備すべきだし、救急隊や警察の負担が大きすぎる。菓子折を持って救急隊が御礼に行っているんですよ、病院へ。精神科救急を必要としている人が、何時間も、十何時間も、警察の保護室等に入るのです。警察官に、ものすごい負担になっていますよ。

 先日、神奈川県の部長以下5人に保護室へ入ってもらったんですよ、私が一緒に行って。警察署は休日に関わらず、署長以下3人が出勤してくださった。警察の人よりも私の方が長い補足説明をしましたが、そういう現場の人に対して「偏見とは言えないでしょうね」と私は言いました。だって、若いお巡りさんが、「広田さん、MD(メンタルディスオーダーの頭文字)を今日対面監視(見守ること)します、保護室の前で。どういう心づもりをすればいいのですか」と言ったので、「君たちが寝られなくなって、何かわからないけれど、自分ではわけのわからない状態等を急性期状態と言うから、そういう状態の時の人が、君たちのように、立派に仕事をしているときもあるということを想定して、座って見守っていてね」と言ったら、「わかりました」と言われました。ところが3日後に、「広田さん、それにしてもひどかったです」と、これが現実なんです。

 社会のいろいろな現実を知って、さすが精神科の領域、流行の先端、時代の先を行っている話を出し合っているなと持っていけば、財務省も予算をつけるかもしれないけれど、今までの話だったら、私が財務省だったらノーです。ちょっと先週に続いてきついことを言いましたけれど、皆さん、ぜひ頑張って、みんなで業界の精神科医療から国民の精神科医療にしたいと思います。

 以上です。

○樋口座長

 ありがとうございました。

 それでは、どうぞ、平田先生。

 

○平田構成員

 広田さんの後ではちょっとしゃべりづらいのですけれども、50音順に並んでいるのでしようがないですね。

 私は満遍なく全部にコメントする時間もありませんので、入り口の部分と急性期の治療の部分、その2つに関してちょっと焦点化してコメントと要望をしたいと思います。

 まず、入り口の部分、医療アクセスの問題ということになりますけれども、やはりこちらから医療を届けるという発想は必要になってきますので、アウトリーチというのがやはり大事なキーワードになってくると思います。

 その際に、アウトリーチはやはり2種類あると考えて整理したほうがいいと思いますね。一つは医療型のアウトリーチ、もう一つは保健型のアウトリーチと私は考えていますけれども、医療型のアウトリーチというのは、いわばポストホスピタルと言ってもいいかもしれません、入院治療が終わった後、在宅移行した後に在宅支援をすること、それから危機管理をすること、これがやはり医療型のアウトリーチの仕事だと思います。保健型のアウトリーチは、プレメディカルといいますか、プレホスピタルの領域のアウトリーチということになりますけれども、アセスメントですね、必要性の評価と、それから医療へ導入するための機能を持つ、この2つの機能を持つべきだと思います。

 特に、保健型のアウトリーチが今、今日話題になりましたので、そこに焦点化しますと、これは非常に大事な部門で、これを強化しなくてはいけないのですけれども、なかなか保健所が機能しづらいという状況になってきていますので、1つだけ提案したいのですけれども、保健所に今の嘱託医制度というものがありますね。これは精神科の嘱託医が何人かついているはずですけれども、そこに指定医をとる条件として、地域の相談に乗ることとレポートを出すということを義務づけたらいかがかと思います。社会の中でどんな問題が起きているのかということを直に見るいい機会になりますので、指定医になるためにぜひ経験してもらいたい領域だと思いますので、それを1つ提案したいと思います。

 それから、急性期の医療、特に医療費の配分の問題になりますとかなりデリケートな問題になるのですけれども、近森先生が御指摘なさったように、医療費の単価が精神科は非常に安いですね、特に入院医療費の単価が、今、一般科の医療費の5分の1ぐらいですね。急性期の医療費が、一般科は1日6万円という時代になっていますけれども、今、精神科の平均が1日入院して1万1,000円、大体精神療養と同じぐらいの医療費単価ですね。精神科の救急入院医療病棟は非常に高額な医療費が給付されていると言いますけれども、たかが3万4,200円ちょっとですね、一般の救急の医療は精神科医療の3倍です。スーパー救急なんて呼んでいますけれども、診療科、一般科から見ればスーパーと言うのは恥ずかしい、1周おくれのトップランナーという感じなのですね。

 何でこんなふうになってしまったかというと、一言で言えば、やはり医療法の精神科特例ですね。これが私は諸悪の根源であると言い切っていいのではないかと思いますね。これが作られたのは53年前、当時の事務次官通達という形で出されていますけれども、これは当時の医療の情勢から見て、民間病院を育てる、増やしていくという政策を実行するために必要な措置だったと思うのですけれども、それが53年間残ってしまって、現在では、結果としては精神科の医療を一般医療から隔離してしまった。それから、精神科の医療が水準を上げようとすることの足かせ、拘束になっているのですね。精神科特例というのは、精神科医療にとっては、拘束制限の、きつい隔離拘束の原因になってしまっているのですね。

 これを何とかしなければいかんということですけれども、やはり医療費の全体のパイが限られているから、その中で分捕り合戦をするということで、2年ごとに診療報酬改定の度にそういうことが議論されている。ここは、1つはやはりパイの大きさを何とか大きくしてもらいたい。ここは広田さんに頑張ってもらって、消費税を上げる問題の、消費税を上げるのだったら精神科の方にももうちょっとくれという話はぜひしてもらいたい。

 それから、急性期の医療費に関して、先ほど北島さんから具体的な例を示してもらいたいという意見がありましたので、これは、細かい計算をしながら厚生労働省にもう示してあります。救急学会としての要望を言えば、最初の2週間は1日5万円という形で、期間を短くして単価を上げてもらいたいという要望を出してあります。ただし、そのためには医療の質をきちっと保証しなくてはいけませんから、かなり厳しい条件をつけた上での要望ということになりますけれども、こういうことをぜひ実現していただきたいと思います。

 以上です。

○樋口座長

 それでは、どなたになりますか、お次は。中島構成員。

 

○中島構成員

 もう平田構成員等が話してくださいましたので、言うことはほとんどないですけれども…、皆さんのおっしゃっていることは御無理ごもっともという感じで、これ全部実現したら日本国の財政は保つのだろうかというのが大変不安になってまいりました。ただ、河崎構成員がおっしゃってくださったように、精神科を必修に返すということは、これは実際に経験するということなんですよね。耳学問ではなくて実際に体験するということの大切さをここでもう一回訴えなければいけないと思っています。

 それから、もう一つは、この「良質かつ適切な」というのは、これは日本語として二重になっているのではないですか。良質なら適切でしょう。適切で悪質というのはないでしょう。少なくとも今は、「劣悪でないまあまあな精神医療」、こういうことではないかと思っておりますので、ぜひ、あまり高望みしないで、今の時点で何が望めるかということを現実的に考えて文章を書く必要があるのではないかと思っております。

 1つは、今の状況では中福祉・中負担と言われておりますけれども、僕は、中の下の福祉・中の高の負担だろうと思っております。皆さん、その程度に考えられたほうがいいのではないかと思います。

 それから次に、和田構成員代理から保健師さんの話がございました。それで思いついたのですけれども、東北の大震災で出かけて、やはり一番頼りになったのは保健師さんです。この保健師さんについての見直しというか、本当にしっかり全国津々浦々に根づいていただくことが今後ぜひ必要なのではないかと思うのですね。それを含めて、この災害精神医療というものについて、どこかできちっと触れておく必要があるだろうと思います。

 実は、私も病院を建てるときに、災害拠点病院になりたいので免震構造にしたいと言ったら、馬鹿者、精神科には災害拠点病院はありません、こう言われて、ははあ、なるほど、全てそうなっているのだなと思いました。青本を見られても、「精神科を除く」という項目が非常に多いですね。あれをぜひやめて、本当に理由があるところだけ「精神科は除く」と書いてもいいですけれども、あとは書かないようにしてほしいと思っております。

 この災害精神医療というものをぜひ災害救助法の中に明確に位置づけてほしいということです。どう文章を読んでみても除外はされていないように思うのですけれども、明確な位置づけというものがないために、現在、こころのケアのチームを派遣しても全てこれはボランティアになっております。このあたりのことについても、ぜひ今回触れてもらいたいと思います。

 以上です。

 

○樋口座長

 それでは、お待たせいたしました。時間の関係であと何人いらっしゃいますか。5人。五五、二十五、25分延長してよろしいでしょうか、それとも次回回しにいたしますか。では、5人に限って御発言いただきます。1人3分。

 

○田川構成員

 3分で終わります。田川です。

 一般医療機関連携の問題ですけれども、我々一番困るのはやはり合併症の入院医療です。どこも受けてくれない。本当に困ります。その他の一般医療連携ですけれども、地域を狭くとったほうがいいだろうと。例えば、市町村レベルであるとか、あるいは市町村医師会の地域設定ぐらいが連携としてはとてもしやすい。あまり広くなり過ぎると、何が何だかわからなくなってしまうというような実感を持っております。

 実際どうやっているのだというと、基本的には医師同士の信頼関係です。どこかから紹介された方に対しては、こちらがきちんと返書を出して、その後もフォローしていくというような形、それをベースにした上での医療機関連携になる。ただ、今はうつの方を紹介された場合、一般医療機関には報酬はつくのですけれども、返書を出す精神科の方は全く何の評価もないのですね。これは産業医との連係でも同じで、産業医の方からいろいろあって、それに対して返書を出しても、こちらは何の評価もされない。医師同士の連携というのはとても大事だと思うのですけれども、その辺の評価というものがちょっと不十分ではないかという気がしています。

 もう一つは、6ページの外来医療で入院をしたくないという患者さんを何とか地域で支えるということなのですけれども、「例えば、アウトリーチなど」と書いていますけれども、まずは非常にオーソドックスに診察をきちっとしていく。この方は1週間に1回ではとても無理だと思ったら、1週間に2回、3回診療しますし、毎日来ていただいて何とか入院を回避するということもやっています。しかし、評価がないのですね。週に1回しか評価がないというような問題もあって、その辺が、一生懸命やってもなかなか評価されないという現状だと思います。あるいは家族の方とか支援者の方なんかと話をしても、評価がないです。評価はありません。

 あと、コメディカルが相談に乗っていくのもとても入院をしないで乗り切るのに大事なことなのですけれども、これも本当に評価が低いです。それ以外にデイケアで支えていくというのもあります。そうした中の一つに、アウトリーチがあると思うのです。訪問なり往診なり。アウトリーチというのは、我々がやっている中のごく一部です。アウトリーチに対する評価は低い、もっと上げなくてはいけないと思うのですけれども、アウトリーチだけで何かが解決するというふうには、外来医療をやっていて全く思わない。だから、全体に関して評価をしていただきたい。

 機関連携に関してもとても大事だと思うのですけれども、これに対する評価もない。ほとんど医者の診察以外はコメディカルが関わっていることなのですね。だから、初めに申しましたように、外来医療のコメディカルに対する評価が非常にされていない。外来医療が支えなければ、先ほど柏木構成員が言われたように、回転ドアになってしまうのですね。外来でしっかり支え切れるような、評価、バックアップがないというのが一つの大きな問題ではないかと思っております。

 以上です。

 

○樋口座長

 どうぞ、佐藤構成員。

 

○佐藤構成員

 合併症問題は、総合病院の精神科を充実していただけると全く問題なく解決します。

 それから、近森先生は分院を統合されるということは、総合病院の精神科になるということでしょうかね。民間病院が特に亀田総合病院以外は、最近新たに精神科病棟を設置するという動きがありませんので、民間の一般病院がそういうふうに精神科病棟を新たに設置していただけると、さらに合併症医療の推進に役立つのではないかと思います。

 それから、河崎先生の臨床研修の問題に関連して言いますと、これは精神神経学会マターになるのかもしれませんけれども、精神科の後期研修のところに総合病院精神科での1年間の研修の時間を入れていただきますと、総合病院精神科の人材問題が一挙に解消するということと、それから精神科医の質の向上に役立つと思います。ぜひこれは、総合病院精神科の1年間の後期研修というものを精神神経学会の中でも考えていただけると、大いに役立つのではないかと思います。

 それから、コメディカルのところですね、今まで触れていられない職種で薬剤師と栄養士についてちょっと言いたいと思うのですけれども、薬剤師は、最近は服薬指導とかという形で、薬の内容について患者さん自身が知るということが必要ですし、そこにやはり専門職としての薬剤師の関与する余地があるのではないかと思うのですね。それから、病棟でいろいろな薬の調合とか変更というのは、看護師さんが実際やっていますね。これは、本当は病棟で、少なくとも急性期の病棟では、病棟に薬剤師が常駐しまして薬の管理を一手にやっていただけるという体制になれれば、すごくやはり精神科医療の向上に資するのではないかと思っています。

 それから、栄養士もそうですね。最近、一般医療で栄養を、私のプレゼンテーションのところで言いましたけれども、栄養サポートチーム加算というものが、一般病院ではかなり有力な手段になっているのですけれども、これは精神病棟には適用されないわけでして、これも、やはり栄養的な問題を兼ねている患者さんたちが大変多いです。摂食障害も含めて多いので、そのあたりのことも、ぜひ精神病棟にも栄養サポートチーム加算を適用にしていただきたいと思います。

 それから、さっきの中島先生の関連で行きますと、災害拠点病院で、こころのケアの問題も含めて、災害拠点病院の指定要件に精神科を持っているということを要件に加えていただきますと、さらに、災害拠点病院は一般病院ですから、総合病院の精神科の設置が進むのではないかと思いますので、ぜひこれも要望したいと思います。

 それからもう一点、公的サービスのところ、危機管理・早期介入のことが話題になっておりましたけれども、保健所だけではなくて市町村もありますよね。市町村の保健師、それから精神保健福祉士というものが配置されていることもありますけれども、そういう保健所、市町村が一体になって、特に未治療の患者さんに対して早期に対応する、これはやはり診療報酬ではなくて、公的なサービスの充実という観点でこれをやっていただけると、ひいては医療費の節減にも結びつく問題ではないかと思いますので、ぜひ検討をお願いします。

 以上です。

 

○樋口座長

 それから、どうぞ。

 

○吉川構成員

 では、手短に申し上げます。

 今日の議論も聞かせていただいて、入院医療の提供のところと、あと居宅のところについては、私も同じように思うところがたくさんありました。ただ、これは論点の方が入院医療から、次がいきなり居宅等となっているのですが、今日の話でも、先ほど田川構成員も言われましたけれども、やはり外来医療というものも非常に重要な機能になってくるのではないかと思います。

 まず、国民、地域の方が、精神医療のやはり窓口となるのは外来ではないかと思いますので、なかなか今のままではできることも限られていると。これは職種とか診療報酬のことも含めて今までも御意見が出ましたけれども、そういった意味では、少し外来についての今後のあり方とか機能強化についてのそういった項目が、きちんと示されたほうがいいのではないかとちょっと思いました。

 以上です。

 

○樋口座長

 それでは、お次が。どうぞ。

 

○岩上構成員

 岩上です。

 手短にお話ししますけれども、診療報酬によらない部分、今、お話しありましたけれども、保健所や精神保健師さんや精神保健福祉センター、私も昔そこで働いていましたので大変よくわかります。そこを充実させるために指針にどう書けばいいのか。書いただけでは進まないと思うのですね。ですから、その次の段取りをやはりお示しいただけるといいかなと思います。保健と医療だけではなくて、そこに福祉が入ってくるので、そこの連動を考えていただく。

 その福祉の部分と言えば、ここは精神・障害保健課の部長の検討会ですけれども、やはりあそこの精神・障害保健課と障害福祉課に、間に壁があるのですけれども、実在する壁があるのですが、あの壁をどう取っ払うかということをやはり考えながら、この指針は考えていただきたい。どうしてもここでの議論は医療保健者中心になりますので、福祉との結びつきようが薄くなると思いますので、そこはぜひお願いしたいということ。

 もう一つは、精神保健医療福祉のさらなる改革に向けてということで、改革ビジョンやあり方の検討会で出されていますよね。ちょうど10年経ちまして、先ほど長野先生の中で、それが後押しになったというお話があったのですね。後押しになった医療機関もあれば、後押しにならなかったところもあるとすれば、この計画がどうしてうまくいかなかったのかをきちんと出していただいて、そのためには、やはり診療報酬をきちんと必要なところに向けなければいけないという方向づけをされたほうがいいのではないかと思います。

 それについてつけ加えさせていただければ、今回の指針がきちんとモニタリングできるようにしていただきたいですね。厚生労働委員会の方で蒲原先生が、1年を通してきちんと何か1つのテーマで追いかけるのではなくて、きちんと検討できる場が必要ではないかということを厚生労働委員会でもお話しになっておりましたけれども、そういうものがないと、今回の指針も、せっかくいいことが出て、では、それを誰がモニタリングするのか、その部分は考えてお作りいただけることをお願いしたいと思います。

 

○樋口座長

 それでは、最後にどうぞ。

 

○山本構成員

 法律の方からなのですが、私がおりました機能分化に関する検討会で、長期在院者のための病棟については、原則として隔離や身体拘束は行わないということを確認したと思うのですね。これは、患者の人権確保ということからも非常に重要なことですので、これはちょっと論点整理のところを見てみましたら、触れられていないのですね。これは、やはりこれに触れていただくとともに、ぜひ指針にも盛り込んでいただきたいと考えております。

 以上です。

 

○樋口座長

 ありがとうございました。皆様の御協力で10分オーバーで終わりを迎えることができました。

 それで、今日もいろいろと指針に関しての御意見を頂戴してございます。中間まとめの元となる叩き台をこれから作成して、次回からは議論をしてまいりたいと考えております。

 それから、先ほど来、御意見で追加もいただきましたけれども、まだ項目立てだけに終わっていて、中身について触れられていないものも幾つかございます。もしそういう点につきまして、今日御発言はいただけなかったところで、かつ、この中に落とし込むべきことというところでございましたら、ぜひ事務局の方に御意見をお寄せいただければありがたいと思っております。それらの意見をふまえて、事務局と相談して指針の叩き台を作成して、次回、御議論をいただきたいと思っております。

 それでは、事務局、よろしくお願いいたします。

 

○江副課長補佐

 活発な御議論ありがとうございました。

 次回の日程につきましては、9月19日木曜日の朝9時半から、場所は省内の専用第18会議室になりますので、よろしくお願いいたします。

 今、座長から御説明がありましたように、今日、時間の関係等で必ずしも言えなかった御意見等は、適宜事務局の方にお寄せいただければ、なるべくそうした御意見もふまえた形で指針の叩き台を次回にお示しできればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

 

○樋口座長

 本日はお忙しい中、また、時間をオーバーしてしまいましたが、大変ありがとうございました。これで第3回の検討会を閉会したいと思います。

 ありがとうございました。

 


(了)

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