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2013年11月15日 障害年金の認定(肝疾患による障害)に関する専門家会合(第4回)議事録

○日時

平成25年11月15日(金)17:00~


○場所

中央合同庁舎5号館共用第8会議室


○出席者

委員

植松幹雄委員 岡上武委員 戸田剛太郎委員 
中村広志委員 八橋弘委員

○議題

(1)障害認定基準(肝疾患による障害)の改正案について
(2)診断書の改正案について
(3)その他

○議事

○戸田座長 定刻になりましたので、ただいまから第 4 回障害年金の認定に関する専門家会合を開催いたします。本日はお忙しい中、本会合にご参集いただきましてありがとうございます。本日は坂井田委員が欠席と伺っております。本日の資料と議事について事務局より説明をお願いします。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 本日の会合資料を確認いたします。座席表、委員名簿のほか、お手元の議事次第の下、資料 1 として「前回(第 3 回)会合の議論の内容」、資料 2 として「障害認定基準(肝疾患による障害)の改正案」、資料 3 として「診断書(肝疾患の障害用)の改正案」、その他、参考 1 として「各文献における Child-Pugh スコアの記載」、参考 2 として「血清アルブミン測定法に関する通知」をお配りしております。お手元にございますか。不足がありましたらお申し出いただければと思います。

 続きまして本日の議事でございます。初めに、前回会合の議論の内容を踏まえた認定基準の改正案を作成しておりますので、それについてご議論をいただきたいと思います。その後、診断書の改正案についてもご議論いただければと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

○戸田座長 皆さん、資料はそろっていますね。事務局から説明がございましたが、前回第 3 回の議論を踏まえ、事務局で障害認定基準と診断書の改正案を最終案として作成されております。論点も限られてきたと思いますので、今回の会合である程度最終的なまとめとしたいと思います。委員の皆さん、ご協力をよろしくお願い申し上げます。それでは最初に障害認定基準の改正案について、前回からの変更点を中心に事務局からご説明をお願いいたします。

○関口障害認定企画専門官 では、お手元の資料 1 の「前回(第 3 回)会合の議論の内容」及び資料 2 の「障害認定基準(肝疾患による障害)の改正案」を説明いたしますので、お手元に 2 つの資料をご用意いただければと思います。

 資料 1 は、前回の第 3 回専門家会合で委員の先生方にご議論いただいた事項について検討課題ごとに異論が出なかった事項と、今回の会合でさらにご検討をいただきたい事項に分けて記載したものです。さらに、各課題の事項ごとに前回の会合における委員の先生方の主なご意見を下段に記載しています。資料 2 の改正案は、前回の会合でのご議論を踏まえ、当事務局で作成したものでございます。

 では、資料 1 の「前回(第3回)会合の議論の内容」の 1 ページを開いていただき、検討課題 1-1 をご覧ください。併せて、資料 2 の改正案の 69 ページを開いていただき、( 4 )の重症度判定の表をご覧いただければと思います。朱書きのところが今回の改正案として、これまでの会合において既にご確認いただいている箇所です。黄色のマーカーのところ 1 箇所、ペンディングとしておりますが、血清アルブミン( BCG 法)については、再度、先生方にご意見をいただきたいと思います。なお、この改正案のページは障害認定基準全文のページ数をそのまま付していますのでご了承いただければと思います。

 検討課題 1-1 、「肝疾患での重症度判定の検査成績について」です。前回の会合で異論が出なかった事項は、境界となる異常値については基本的に中等度と判定することです。検討事項の 1 つ目としては、検査方式として「 BCG 法」を追記すること。また、その他の検査方式として、「 BCP 法」及び「改良型 BCP 法」も特に追記すべきかどうかでございます。

2 つ目としましては、プロトロンビン時間について%、秒の他、 INR 基準値も追記すること。また、中等度の異常値の%を 40 70 に変更しておりますが、秒についてはどのように考えるかです。なお、血清アルブミンの検査法については、現在のところ従来から利用されている BCG 法以外の改良型 BCP 法による検査の補正式について、日本肝臓学会においても統一した見解が出ていないと聞いております。この点については、のちほど参考 2 の資料のところで説明をさせていただきます。

 プロトロンビン時間については、日本の現状ではプロトロンビン時間は%で評価されており、実際に運用していただいております日本年金機構で調査したところ、診断書も秒だけで記載されていることはほとんどなく、運用上は支障が生じない、むしろ%に統一した表記のほうが認定上もいいのではないかというご意見がありました。また、%表示のみとすれば、診断書にその値を記載してくるものと思われます。これらにつきまして先生方のご意見をいただければと思います。なお、認定基準改正案の秒及び INR についてどうするべきか。これについてはペンディングとしておりますので、先生方のご意見をいただければと思います。

 次に、資料 1 2 ページ目と資料 2 の障害認定基準(肝疾患による障害)の改正案 71 ページ( 6 )をご覧ください。ここでは前回の会合において異論が出なかった事項として、障害の程度が 1 級の障害の状態について、「前記( 4 )の検査成績及び臨床所見のうち『高度異常を 3 つ以上示すもの』」に加えて『高度異常を 2 つ及び中等度の異常を 2 つ以上示すもの』を追加すること。 2 つ目として、検査項目及び臨床所見において、高度異常を 3 つ以上示す場合」及び「高度異常を 2 つ及び中等度の異常を 2 つ以上示す場合」については、日常生活においても相当程度の影響が生じているものと考えられることから、運用上、一般状態区分の判断について十分確認した上で認定を行うものとすることでございます。ここでの検討事項はございませんでした。

 資料 1 3 ページ目をご覧ください。検討課題 2 、「慢性肝炎の認定の取り扱いについて」です。前回の会合で異論が出なかった事項は、インターフェロン等による治療中の場合の基準は特に規定しないことです。ここでの検討事項はございませんでした。

 資料 1 4 ページ目をご覧ください。検討課題 3 、「肝移植の取り扱いについて」です。前回の会合で異論が出なかった事項は、等級の決定の仕方について、身体障害者手帳とは異なるが、障害年金の従来の認定基準の考え方に基づくものであり、特に取り扱いの変更はないことです。ここでも検討事項はございませんでした。

 次に、資料1の 5 ページ目をご覧ください。検討課題 4 、「その他の検討事項について」です。項番( 1 )及び( 2 )、さらに資料 2 の改正案 72 ページを併せて開いていただき、( 10 )及び( 11 )をご覧ください。ここでは前回の会合で異論が出なかった事項として、「胃・食道静脈瘤内視鏡所見記載基準」を削除し、認定に当たっての参考とするために「吐血・下血の既往、治療の有無」を追加すること。「特発性細菌性腹膜炎についても、同様とする。」を追加することです。また、「( 7 )検査成績は、その性質上変動しやすいので、肝疾患の経過中において最も適切に病状をあらわしていると思われる検査成績に基づいて認定を行うものとする。」とすることでございます。

 検討事項としては、認定要領 2 の( 10 )の規定について、肝硬変症に付随する病態のため、「食道・胃静脈瘤などの静脈瘤については」とし、「肝機能障害」を「( 4 )に掲げる検査項目及び臨床所見の異常」に修正することとしてよいかでございます。これについては、肝疾患による障害の認定の対象は肝硬変症及びその付随する病態でありますところ、食道・胃静脈瘤などの静脈瘤や肝がんについてはそれ自体が肝機能障害、いわゆる重症度判定の対象となる障害の状態として認定されるものではなく、その症状が上乗せされて考慮されるため、肝硬変、肝炎とは異なるこうした表現ぶりといたしました。また、「肝機能障害」という言葉は医学的に問題があるという先生方のご意見がありましたことから、「( 4 )に掲げる検査項目及び臨床所見の異常」に修正するものでございます。これらについても先生方のご意見をいただければと思います。

 次に、資料 1 6 ページ目をご覧ください。検討課題 4 の「その他の検討事項」についてです。項番( 3 )の「肝硬変の認定基準について、発症原因に応じた規定ぶりとするべきか」です。資料 2 の改正案 72 ページ( 8 )も併せてご覧ください。前回の会合で異論が出なかった事項は、アルコール性肝硬変について、アルコールを摂取していないことを確認できた場合のみ、認定の対象とすることです。ここでの検討事項は、アルコール性肝硬変について、「継続して必要な治療を行っていること」及び、「各検査日より前に 180 日以上アルコールを摂取していないこと」を確認できた場合のみ、認定の対象とすることとしてよいかでございます。この「必要な治療」とは、通院はもちろんですが、在宅診療においても医師の指示に基づき、受診や服薬、生活上の管理が適切に行われているかなどの治療状況を考えております。先生方のご意見をいただければと思います。

 資料 1 7 ページ及び 8 ページについては、診断書の記載にかかる意見となりますので、説明は省略させていただきます。

 資料 1 9 ページ目と、資料 2 の改正案 72 ページの( 11 )を併せてご覧ください。検討課題 4 、項番( 5 )の検討事項は、肝がんの記述について、肝硬変症に付随する病態のため「肝がんについては」とし、「肝機能障害」を「( 4 )に掲げる検査項目及び臨床所見の異常」に修正することとしてよいかということでございます。ここでも前回の会合において、肝機能障害の文言は医学的に問題があるとのご意見をいただきましたことから、 2 10 )の規定と併せて修正するものでございます。ここでも先生方のご意見をいただければと思います。

 その他、資料 1 10 ページ以降は、「字句の整理事項について」としておりますが、改正案で現行から変更した箇所を整理したものでございます。参考までにご覧いただければと思います。

 続いて、資料 2 の改正案 68 ページに戻っていただければと思います。 2 1 )の規定中、「肝がん」と「特発性細菌性腹膜炎」の規定の順番を入れ替えております。また、( 2 )で肝硬変に特有な自覚症状として、「有痛性筋痙攣」、いわゆるこむら返りを追加しております。

 次に、資料2の改正案 69 ページの( 3 )をご覧ください。肝疾患の検査として、血液検査において血小板数は血球算定検査、血清総ビリルビン及び血清アルブミンは血液生化学検査、プロトロンビン時間については血液凝固検査とすることが本来は正しいため、それらの名称を記述いたしました。また、肝生検につきましては、肝硬変などの肝臓にびまん性変化をきたす疾患の確定診断及び予後の判定に有用と考えられますので追加したものでございます。内視鏡検査については、検査対象が食道・胃静脈瘤に限らないため削除して、上部消化管内視鏡検査とさせていただきました。これらについても先生方のご意見をいただければと思います。以上、資料 1 及び資料 2 の説明を終わらせていただきます。

○戸田座長 ありがとうございました。障害認定基準の改正案について、委員の皆さまのご意見をお伺いしたいと思います。資料 2 の認定基準の改正案を初めのほうから順番に見ていきたいと思います。用語なども含めて逐一厳しく見ていただきたいと思っております。

資料 2 の改正案、 68 ページの「 2 認定要領」の( 1 )から( 3 )の語句の修正や追加についてお願いします。まず( 1 )について何かございますか。私が気が付いたのは「食道・胃静脈瘤などの静脈瘤」です。これは診断書では「食道・胃などの静脈瘤」ですので真ん中の静脈瘤は取っていいと思うのですが、どうでしょうか。異論はございませんか。ではこれは取っていただいて。その他何かございますか。「胆汁うっ滞性肝硬変」という病名、ありますよね。岡上先生どうですか。

○岡上委員 そうですね。胆汁うっ滞型と言いますね。性ではないですね。 PBC PSC ですよね。

○戸田座長 「胆汁うっ滞性」でなく、「胆汁うっ滞型」にしますか。

○岡上委員 型でいいのでは。

○戸田座長 意味は分かるのですが、「胆汁うっ滞性」ではなく、「胆汁うっ滞型」としてください。( 1 )のところでその他いかがですか。よろしいですか。あとで気が付いたら言ってください。では( 2 )のところ、「有痛性筋痙攣」、いわゆるこむら返りを加えました。「嘔気」を「悪心」に変えました。嘔気は調べてみると医学用語ではないのですね。

○岡上委員  68 ページの一番下、「出血」というのは出血傾向ですか。どこかからの出血という意味ですか。単に出血というのも変な感じですね。

○戸田座長 出血傾向があって、体のどこかに出血してそれを患者さんが気が付いたということでしょうか。

○岡上委員 「出血傾向」にしておいたほうが。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 「出血傾向」は他覚所見のほうにございます。 69 ページの 2 行目です。

○岡上委員 では、「出血」が要らないのではないですか。

○戸田座長 この「出血」は取ってよろしいですか。やっぱりあったほうがいいという人はいないですね。よろしいですね。自覚症状の「黒色便」はよろしいですか。下血でなくて。

○八橋委員 さっきの出血は「吐血」ではないのですか。

○岡上委員 それなら、「吐・下血」ですね。

○戸田座長 「出血」と「黒色便」を取って、その代わりに「吐・下血」としますか。よろしいですか。次の「他覚所見」は「他覚症状」のほうがいいのではないですか。

○岡上委員 そうですね。

○戸田座長 「他覚所見」ではなくて、「他覚症状」にしてください。そして、私がもう一つ気になるのは、「食道・胃静脈瘤」が他覚症状のところに入っていることです。食道・胃静脈瘤というのは内視鏡検査とか、あるいは食道・胃透視をやって見つけられる検査所見であって、他覚症状のところに食道・胃静脈瘤があるのはちょっとおかしいと思いますが、いかがですか。

○岡上委員 本人は自覚しないから、やはり他覚でしょう。

○戸田座長 ですが他覚症状のところに入れると腹腔鏡で見た所見もここに入るということにならないですか。入れておいていいですか。

○岡上委員 やっぱり他覚じゃないですか。

○戸田座長 他覚ですか。ではこのまま入れておきます。どうですか。

○中村委員 検査所見と言えば検査所見ですよね。

○戸田座長 検査所見なんですよね。浮腫、腹水、黄疸……、これは診た所見ですよね。検査所見が入ってきているのはちょっと違和感が。どうですか。入れておいていいですかね。では入れておきます。そして「他覚所見」ではなく、「他覚症状」ですね。( 3 )の「検査としては」というところ。黄色いマーク、赤字のところは訂正した部分、あるいは加えた部分です。

○岡上委員 これは血液凝固「系」でしょう。

○戸田座長 「系」を入れたほうがいいですね。「系」を入れてください。「上部消化管内視鏡による食道静脈瘤検査」は、「による食道静脈瘤」を取っていいですね。もう一つの考え方としては、血球算定検査、血液生化学検査、血液凝固系検査、全部合わせて血液検査としていいのではというのもありますが、どうですか。どうも血液検査とすると血算と誤解される可能性がありますし、臨床血液検査といったら血算ですね。これは並べてよろしいですか。

○中村委員 お任せします。

○岡上委員 このほうが具体的で分かりやすいです。

○戸田座長 このほうがいいですね。はい。ではこのままでよろしいですね。次に( 4 )重症度判定の検査成績のところにいきます。これについては参考資料がありますので事務局から説明をお願いします。

○関口障害認定企画専門官 それでは、参考 1 の「各文献における Child-Pugh スコアの記載」及び、参考 2 の「血清アルブミン測定法に関する通知」を説明させていただきますので、お手元に 2 つの資料をご用意ください。参考 1 は前回の会合において坂井田先生に依頼し、先生からご提出いただきました資料でございます。また、参考 2 は本年 10 8 日付けで日本肝臓学会の理事長名で会員に通知された資料でございます。

 参考 1 の資料について説明いたします。この資料ではプロトロンビン時間の%、秒、 INR の基準値、異常値が各文献により異なっていることがご確認いただけると思います。また、%と、秒・ INR を一緒に載せている文献があまりなく、外国の文献では 4 秒と 6 秒に相当するプロトロンビン時間の値は各々おおよそ 50 %と 40 %であるというものもありました。

 次に、参考 2 の資料について説明いたします。この資料によりますと、日本国内でのアルブミンの測定方法については、主として改良型 BCP 法と BCG 法がともに約 50 %の割合で用いられており、今後は改良型 BCP 法への移行が進むと予想されるという記載があります。また、「施設間での試薬の違いなどにより施設間で差が見られると考えられるが、今後日本臨床検査医学会による統一した補正式の提示を要請していく」となっており、現段階で統一的な補正式が出されているわけではないことが伺えます。以上で、参考資料の説明を終わらせていただきます。

○戸田座長  Child-Pugh スコアの記載は坂井田先生に調べていただいた資料でございます。本日坂井田先生がご欠席ですので、八橋先生から補足的な説明をお願いします。

○八橋委員 では参考資料を見ていただきたいと思います。坂井田先生から申し送られておりますが、いろいろ調べると Child-Pugh スコアは文献によって基準が異なるということでした。「日本肝臓学会編 慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド 2013 」、 2013 4 月発行で新しいものですが、現在の日本肝臓学会のガイドラインに記載されている基準は、国内の主な内科学書や、厚生労働省研究班報告をはじめ、国内で広く用いられているとコメントされています。その下にある 3 つの基準は海外、国内のものですが、少しずつプロトロンビン時間や INR が異なっているということが具体的に示されています。

 用紙の裏を見ていただきたいのですが、これも海外の文献です。やはり少し基準が違うということです。最後に四角で囲ってある Child-Pugh スコア、これは 1973 年の original version の基準ですが、このオリジナルでは、何秒延びたかという記載が書かれています。しかし、その後、問題が発生し、いろいろな測定のぶれということがあり、延長時間だけを書くという考えから、現在では INR に移行したという歴史的な経緯があるということでした。

 今、より正確なプロトロンビン活性値は INR と考えられていると思います。ただ、肝疾患においては、従来から活性値はパーセンテージで表現するということが一般化、定着していますので、坂井田先生のご意見としては、肝臓学会の診療ガイド 2013 のような記載が一番妥当なのではないかというコメントをいただいています。以上です。

○戸田座長 ありがとうございました。坂井田先生の提出された資料について、八橋先生からご説明いただきました。まずアルブミンについて皆さんのご意見をお伺いします。血清アルブミンが、「 3.0 以上 3.5 以下」ということについてはよろしいですね。 Pugh の原著では「 2.8 から 3.5 」になっていますけれど、 3.0 から 3.5 でよろしいということです。

 ところがアルブミン測定法が BCG 法から改良型 BCP 法に変わりつつある、変わってきているということへの対応をどうするかということが問題になっています。そして、認定基準に掲載する血清アルブミン濃度について、どの測定法によって測定された濃度を掲載するかということ。もう 1 つは、 BCG 法あるいは改良型 BCP 法で測定された濃度を掲載した場合、その相互の換算式を付け加えるべきかどうかということが問題になります。

 肝臓学会の提言では、アルブミン値を含むデータを学会や論文などで用いる場合には、測定法を明示して改良型 BCP 法で記載した場合には従来の BCG 法で測定したアルブミン値を併記するとなっています。要するに BCG 法にこだわりが少し見られるということです。それはなぜかということですが、血清アルブミン濃度は肝予備能の評価や各種治療のガイドラインの適応に使用されていて、アルブミン製剤の使用基準や肝移植の順位決定には BCG 法によるアルブミン値が広く使われているためです。この障害認定について改良型 BCP 法にしてしまうのはどうかということがあるわけです。そういった意味で血清アルブミンについては、 BCG 法によるアルブミン値としたいと思うのですが、この点について皆様のご意見をお聴きしたいと思います。

 そして改良型 BCP 法で得られた値を BCG 法で得られた値に、また、 BCG 法で得られた値を改良型 BCP 法で得られた値に換算する式をどこかに付け加えるかということですが、まだ統一した換算式が正式に出されていないということです。これにつきましては、統一された換算式が提示された時点、決定した時点で認定基準に書き込むということも考えていいのではないかということです。この重症度判定の際の検査項目におけるアルブミン値はここにございますように「 3.0 以上 3.5 以下」として、「血清アルブミン( BCG 法)」ということとしました。

 そして、診断書についてはあとで議論になると思いますけれども、 BCP 法、改良型 BCP 法も併記するということにしたいと思います。この重症度判定における血清アルブミンの記載は「血清アルブミン( BCG 法)」にしたいと思いますが、どうでしょうか。

○八橋委員 この問題に関しては、肝臓学会の中でワーキンググループが編成され議論されたと聞いています。アルブミンの測定法が変化したということに関しては、今はちょうど過渡期にあるようです。普及度は、 BCG 法は 46 %、改良型 BCP 法は 46.4 %、 BCP 法が 3.3 %ということで、ちょうど移行期にあるのではないかと思います。換算式というのも一応公開されていますが、「皆さん、この換算式に使いましょう」という段階までには至っていないようです。

 また、この通知書の最後に書かれているかと思いますが、厳密性が求められる事例、たとえば学会論文では、2つの測定法による測定値を併列表示することを推奨するとなっていますが、 Child-Pugh 分類を含めた、いろいろな基準に関しては、現時点では「注意を喚起する」という表現に留まっています。ですから、現時点では「従来の BCG 法で測ったら 3.0 から 3.5 」と留めておくのがいいのではないか。ただ今後、再検討する余地は十分あると思いますので、世の中全体の基準が変わったときには改訂するといったコメントが議事録の中に記載されれば良いのではないかと思います。

○戸田座長 それでよろしいですか。中村先生。

○中村委員 当院も 2 年半前に改良型 BCP 法に変わりました。少し調べてきたのですが、改良型 BCP 法も試薬によって、あるいは対象となる疾患によっても相関係数が変わってきてしまいます。ですから、統一した相関で全部まとめるのは難しいのではないかと思います。特に現時点では。

 約半数の施設で改良型 BCP 法を使っているので、認定する先生の施設がどちらの方法をやっているかは、もちろんその先生に調べてもらわないと分からないですが、認定する先生の立場としては、改良型 BCP 法の現時点でのある程度の目安が何らかのかたちでどこかに載っていたほうがやりやすいのではないか。それがこの表に出ていなくてもいいのですが、やはりいちいち換算式を使って計算するのは、診断書を書く先生も面倒ですし、さっき言いましたように、試薬によってもかなり変わってきてしまうので、ある程度の目安、改良型 BCP 法の数値の目安を載せていただいたほうがいいという気がします。

○戸田座長 植松先生。

○植松委員 多分、ほとんどの先生はそこまで全然気が付いていないと思います。改良型 BCP 法のほうが低く出ますから、このままでも低く出るのであれば別にいいわけですよね。これが反対だと非常に問題かもしれませんが。もちろん BCG 法で書くのもいいのですけれども、できれば今の段階で改良型 BCP 法の目安も書いておいたほうが本当はいいのかもしれませんね。そうしないと、今はいいですけれど、 3 年先、 5 年先にもこのまま使うわけで、そのときに混乱を招くかもしれません。

○戸田座長 岡上先生、いかがですか。

○岡上委員 私がここで話したときに誰も知らなかったということは、肝臓学会の先生方でさえ気が付いていなかったわけです。世の中の趨勢はどんどん改良型 BCP 法の頻度が増えているわけですから、ここに BCG 法だけ書いて改良型 BCP 法を書かないというのは、非常におかしな話です。だから、植松先生がおっしゃったように、どこかに記載しておかないと時代はこっちに変わっているのに何で改訂のときにこれだけなのかということになる。ただ、値は確かに一定していないので、その辺は問題かもしれませんが、このままでは片手落ちだと僕は思います。

○戸田座長 事務局としてはどうですか。要するに、「 BCG 法で 3.0 から 3.5 」これをここに書くのはよろしいですよね。

○岡上委員 これはそうですね。

○戸田座長 これはいいのですが、「改良型 BCP 法ではいくらである」ということをどこかに書いてほしいということです。それは可能ですか。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 その点につきましては、現在統一された見解がないということも含め、従来から引き続いて現在規定されている BCG 法の数値を載せておくかたちで考えております。実際に認定する際ということだろうかと思いますが、現状は診断書を作成される主治医の方に BCG 法の数値を確認するということや、医学的知見に基づいて BCG 法の基準値に置き換えて判断するというかたちでやっていかざるを得ないのかなと考えております。

○戸田座長 肝臓学会の提言では、改良型 BCP 法によって測定したアルブミン値においては、従来の BCG 法により測定した補正アルブミン値を並列表示すると書いてありますね。要するに BCG 法に少しこだわっているという感じがします。八橋先生、どうですか。

○八橋委員 ただ、併記した論文はまだ見たことがないですよね。

○戸田座長 見たことがないです。こういう提言が出たあとは併記されるかもしれないですね。

○八橋委員 私は、この肝臓学会からの通知の最後の箇所の Child-Pugh 分類に関しては、併記ではなく注意を喚起するに、留めているのだと理解しています。この問題は、この委員会だけの問題ではないと思います。

○戸田座長 そういうことは可能ですか。要するに……。

○池上事業管理課給付事業室長 改良型 BCP 法の換算の仕方については、この通知の中で 1 つの事例として挙がっていますけれども、結論のところでは試薬の違い、施設間の違いも見られるので、日本臨床検査医学会に検討を要請するというかたちになっています。もし何か通知を示すことが可能であれば、全国の認定医の先生のためにそういうことを示すこともあろうかと思いますが、残念ながら現時点で BCP 法に関して「これでやってください」という数値をお示しすることは難しいと思っています。ただ何ができるかと考えていきますと、まさにこういう通知が出て、 1 つの取り組みとして換算式の明示がありますので、「こういう通知が出ているのです。改良型 BCP 法と従来の BCG 法で数字に違いが出るのです」ということは情報提供していくことが可能だと思っております。

○戸田座長 中村先生が言われたように、改良型 BCP 法による基準値というのは、まだないですよね。

○中村委員 ないです。

○戸田座長 おそらくいずれは改良型 BCP 法が主体になると思うのですが、現時点では改良型 BCP 法で測定したアルブミン値を採用して重症度判断基準を示すことはできないということですので、今回は「血清アルブミン( BCG 法)」でやっていきたいと思いますが、どうでしょう。

○岡上委員 「( BCG 法)」はこれでいいと思うのですけれども、ただ、現実にわれわれの病院は、 BCG 法で測っていないわけですよ。測っていない施設が半分あるのにこの文章だけでは非常に問題です。ですから、どこかに「改良型 BCP 法だったらこうなりますよ」ということを大体の目安でもいいから書いておかないと、判定する先生方は自分の病院が BCG 法なのか改良型 BCP 法なのかほとんど知らないと思いますよ。肝臓学会のドクターさえ知らなかったのだから。これは問題だと思います。専門家が集まって基準をつくったときに、測っていない先生が半分いるということが現実にあるわけだから、それはどこかに担保しておかないと何のための議論をしたかということになる。

○戸田座長 そうですね。どう対応していくか。

○岡上委員 ですから、診断書のほうには測定法の項目がちゃんとあって、それに丸を付けるからいいのですけれども。診断書にあってこちらにないのはおかしいのではないですか。

○戸田座長 改良型 BCP 法では、試薬によって少し測定値が違うというわけですね。そうなるとどれを採用することになりますか。要するに認定基準における改良型 BCP 法のアルブミン値として採用するには、どれを採用すればいいか。

○岡上委員 そこまで書かなくてもいいですが、改良型 BCP 法は従来の BCG 法に比べてこういう傾向にありますよということは書いておかないと、半数近くの施設が現実に改良型 BCP 法で測っているわけですから。

○戸田座長 やっているのですからね。それをどこかに記載する方法を考えていただく。よろしいですか。可能ですか。

○池上事業管理課給付事業室長 参照値みたいに、改良型 BCP 法だとここからここの範囲というふうに示すことは難しいと思っています。

○岡上委員 難しいですか。

○池上事業管理課給付事業室長 はい。ここからここの数値が BCG 法の 3.0 から 3.5 に当たるというのを示すのは難しいと思っています。

○戸田座長 難しいというのはどうしてですか。

○池上事業管理課給付事業室長 それは、改良型 BCP 法に関して中等度の異常に該当する数値が何かということについては、まだ学問的に受け入れられるものがないということです。

○戸田座長  BCG 法でこうであるから、 BCG 法の 3.0 から 3.5 は改良型 BCP 法のこれに相当しますよということを書けばいいのでは。

○池上事業管理課給付事業室長 それを示すのが難しいと思っています。例えば、 3.0 に該当する数字を何にするかということを、決めるのが難しいです。

○戸田座長 要するに、試薬によって少しずつ違うということを……。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 それもあるかと思いますが、各施設によって試薬が違うと聞いておりますし、ちょっとご確認したいのですが、例えば改良型 BCP 法で測定したものに関して、全部が全部というわけではないと思いますが、異常値に該当すると等級判定に関わるようなものについては、施設というか、主治医のほうに「 BCG 法だったらどの値になりますか」ということを確認させていただく作業をすることは可能ではと思いますが。

○戸田座長 診断書に BCP 法が記載されていたら、「 BCG 法でいくらになりますか」と問い合わせる。そういうかたちですか。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 はい。

○岡上委員 そんなことをいちいち聞かれたら主治医は大変です。下に換算式を、例えば「 BCG 法で 3 だったら、換算式では改良型 BCP 法でこうなりますよ」と書いておくと大体分かるわけじゃないですか。審査員がいちいち主治医に電話して聞くのは大変ですよ。

○中村委員 具体的にここの換算式で、 BCG 法の 3.5 を改良型 BCP 法の式に入れますと 3.285 なのですよ。だから大体……。

○岡上委員 そうです。大体、 0.3 から 0.4 上がるのです。

○八橋委員  0.2 0.3 という話ですけれども。ただ肝臓学会も 1 つの事例として換算式を紹介していますが、その式は完成したものというか、統一したものではないことが書かれてあります。ですから、この委員会で、その式を提示するのは問題と考えます。審査する側としては、具体的な数字が欲しいかと思うのですが、まだその数字を明示するのは早すぎるのではないかと思います。

○戸田座長 そうですね。中村先生、今のお話はどうですか。

○中村委員 今のお話にあったように、試薬でも変わってきますし、対象患者さん、グロブリンがどれぐらい入っているかで全然変わってきてしまいます。ですから慢性炎症疾患のある方でグロブリンの多い方だと BCG 法だとかなり高く、改良型 BCP 法だとかなり低い。それこそ 0.3 0.4 ぐらい低くなります。この辺のスタディーができていないとしっかりとした数字は出せないと思います。ただ目安として、「改良型 BCP 法だと 0.2 から 0.3 0.4 ぐらい低く出る」というのがないと、認定する先生は肝臓専門の先生が認定しているわけではないですし、やはり認定のときに困ってしまう。目安ですね。最終的には総合判定ということになると思います。過渡期なので致し方ないと思いますが、やはりある程度の目安はあったほうがいいです。そうでないと困ると思います。

○戸田座長 あったほうがいいですか、植松先生。

○植松委員 おっしゃるとおりだと思います。今こうやってつくるのですけれど、換算式というのは何年かすると、多分また変わってくると思うのですよね。ですから「換算式の改訂時にはこの限りではない」という文言でも入れておけば、審査するほうがある程度計算すればいいのではないかと思います。

○戸田座長 岡上先生は改良型 BCP 法によっては、いくらであるということを入れるべきであると。

○岡上委員 いや、入れるべきというか、日本の病院の半分の施設がこの測定をしていないのですよ。新しい方法でやっている施設はこれが書けないじゃないですか。僕はそれを言っているのです。値よりも、そちらのほうがむしろ大事です。やっていない施設がいっぱいあるのだから、それを担保するために何らかの方法がいる。先ほど中村先生が「疾患によって違う」とおっしゃいましたが、疾患は肝臓を扱っているのだから、疾患には何の関係もない。肝臓と認定されているのですから、それは全然問題がありません。換算式は Hepatology にも載っているもので、別に肝臓学会がつくったわけではない。あくまでも目安として書くのであって、それは大きな問題ではないと僕は思います。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 基準の中に盛り込むのはなかなか難しいかなと思っていますけれども、施行するまでに十分な周知期間を取り、その際に肝臓学会からこういった数値が出ているということも含めて情報提供しながら周知していくということで考えていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○戸田座長 そうですね。要するに、ちゃんと統一された換算式がなく、施設によって少しずつ値が違うから、「改良型 BCP 法ではいくらになる」ということをはっきり明示することはちょっと問題があるけれど、「 BCG 法ではこうですが、 BCP 法や改良型 BCP 法では値が違いますよ」ということをどこかに書くというかたちですね。それは可能ですか。

○八橋委員 今回、基準値に関しては、現状に留めておき、実際に審査をする方には、この肝臓学会から出ているドキュメントを案内としてお出しすれば、情報としては伝わるのではないかと思います。

○戸田座長 ではそういうことでよろしいですか。要するに、まずは改良型 BCP 法におけるアルブミン測定の換算式がまだ確定していないということ。ところが BCG 法による測定については広く使われていますし、今までそれでやってきたわけですから、とりあえずここで置いておいて、そうして何らかのかたちで「改良型 BCP 法ではこうなのですよ」ということを知らせるということで解決したいと思います。よろしいですか。ではそうしましょうか。それでは事務局のほうでどうするかを考えてください。要するに「改良型 BCP 法で測定されている場合、得られた値をこのまま BCG 法の判定基準に当てはめてはいけません」ということはちゃんと知らせるということですね。

 もう 1 つ、プロトロンビン時間です。プロトロンビン時間につきましては、坂井田先生に調べていただいた Child-Pugh スコアの記載についてプロトロンビンのところを見ていただきたい。 40 70 %もあり、 50 80 %もあり、 54 44 %というのもあり、大変混乱しているわけですね。われわれとしては肝臓学会で編集した「慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド 2013 」に基づいてやっていきたいと思います。もう 1 つ最近肝臓学会から出した「肝臓専門医テキスト」というのもございますね。いずれも 40 70 %になっているので、これは「 40 70 %」にしていきたいと思います。

 問題はですね、 40 70 %にすると、 INR では 1.2 1.9 、そして延長秒でいくと 2 5 秒の延長です。診療ガイドのかっこ内に書いてあるのは 1.7 2.3 となっていますが、これはパーセントで表すと 30 %~ 45 %なのです。

 そして、 Pugh の原著ではプロトロンビン時間の異常は延長秒で書いてあるわけですね。そして世界的には大体 INR 。一方、日本の肝臓の専門医はパーセントに慣れていて、日本では非常に広く、ほとんどがパーセントで使われているので、パーセントに。 INR と延長秒も併記するとなると、 40 70 %にエクイバレントな INR にすると 1.2 1.9 、延長秒にすると 2 5 秒で。「慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド 2013 」、「肝臓専門医テキスト」に掲載されたものとかなり違ってくるのですね。そういった意味ではプロトロンビンの活性値ということで、プロトロンビン時間につきましては、「 40 70 %」の 1 つにしたいと思います。よろしいでしょうか。

○岡上委員 私はそれでいいと思います。もし、秒しか出していないところがあったら具合が悪いけれど、ほとんどがパーセントなのでいいのではないですか。先生もご存じのとおり、難治性疾患班会議での劇症肝炎の定義は昔は 18 秒でしたよね。その後 40 %になりました。先ほどのアルブミン値と一緒で測定法の進歩によって段々変わってきたわけで、多くはパーセントでしょうけれども、私はどちらでもいいです。

○戸田座長 では、「 40 70 %」だけにします。 INR とか延長秒は入れないということにしたいと思います。それでよろしいですね。それでは認定基準につきましては以上ですね。

 次は 72 ページです。いかがでしょうか。問題になったのはアルコール性肝障害のところです。「継続して必要な治療を行っている」と「必要な」を入れたということですね。そして、「検査日より前に 180 日以上アルコールを摂取していないこと」。各検査ごとに「○・×」と記入していくことになっています。 1 回でもいいのではないかという意見がございましたが、その都度書いていただかないと、 1 回目の検査で半年以上飲んでいなくても 2 回目の検査の前には飲んだという可能性もあるのでちゃんと記載していただくということですね。 180 日、いいですね。中村先生。

○中村委員 ええ。あれは確認の意味で記入したということですね。

○戸田座長 はい。これはやはりお酒を飲んでいる人、それで肝臓が悪くなっている人をわれわれの税金や保険料で救済するのはちょっと問題があると思うので、これは是非入れていただきたいですね。そして、継続して必要な治療を行う。「必要な」というのをなぜ入れるかというと、患者さん自身が自分の病気を治したい意思があるということで、これは是非入れておきたいということです。

○池上事業管理課給付事業室長 今、座長からおっしゃっていただいたように、患者さんの意思というのもありますし、それから必ずしも投薬ではなく、断酒のみという治療もあり得るので、幅広い範囲で読めるように、必要な範囲の治療を行っているという意味合いです。

○戸田座長 利尿剤を投与しているとかですね。そして慢性肝炎についてはこれでよろしいですね。( 10 )も「食道・胃」のあとの「静脈瘤」を取っていただいて「食道・胃などの静脈瘤」としていただく。これにつきましては、「吐・下血の既往及び治療の」……、これは治療歴の「歴」を入れたらどうですか。言葉の問題ですが。「治療歴の有無及びその頻度」と「歴」を入れたほうがいいですね。

 「治療効果を参考とし、( 4 )に掲げる検査項目及び臨床所見の異常に加えて、総合的に認定する」要するに食道静脈瘤の所見を参考として、この( 4 )に掲げる検査項目、臨床所見の異常に加えて総合的に判定する。「特発性細菌性腹膜炎についても、同様とする。」ということですね。そして前回、坂井田先生から、門脈血栓症を是非入れてほしいとあったのですが、これは診断書のところでディスカッションしたいと思います。

 「肝がんについては、( 4 )に掲げる検査項目及び臨床所見の異常に加えて、肝がんによる障害を考慮して、本節及び「第 16 節/悪性新生物による障害」の認定要領による認定する」と。そして、「( 4 )に掲げる検査項目及び臨床所見の異常がない場合は、第 16 節の認定要領により認定する」、よろしいですね。肝臓移植については特に皆さんの異論はなかったようです。よろしいでしょうか。

 認定基準の改正案について、以上ですべてを見たのですが、すべてを通覧して何か問題がある、気になるところがあるということがございましたら、おっしゃってください。よろしいですか。では認定基準についてはこのかたちで内容を固めていただきたいと思っております。続いて診断書の改正案について、事務局からお願いします。

○関口障害認定企画専門官 診断書の改正案を説明させていただきますので、お手元に資料 3 をご用意ください。資料 3 の裏面上段のマル13が肝疾患の障害の状態を記載していただくところになります。青字の部分が今回の見直し部分で、黄色いマーカーの部分が前回会合から修正したところでございます。それでは個々に診断書を説明してまいります。

 「 1 臨床所見」の欄は自覚症状と他覚所見及び検査成績を記載することになります。なお、臨床所見の自覚症状と他覚所見につきましては、資料 2 で説明しました今回の認定基準改正案に記載している事項と一致しておりません。認定基準においては主要症状を列記しましたが、診断書においては障害の程度の判定に当たって最低限必要となる症状を列記しているものでございます。また、診断書と認定基準の用語は原則統一する方向で修正を行っております。

 自覚症状と他覚所見の事項につきましては、今回の認定基準改正案の記載順に合わせております。自覚症状欄には、肝硬変に特有な自覚症状として「有痛性筋痙攣」を追加いたしました。また、肝生検欄に「グレード」と「ステージ」を記載するようにしました。これにより肝臓の炎症の程度と固さの基準によってびまん性変化をきたす疾患の確定や予後の判定を客観的に行うことができるようになりますとともに、記載項目をあらかじめ設定することにより、認定医の先生方や診断書を作成される先生方のご負担の軽減になるものと思われます。

 次に「食道・胃などの静脈瘤」については、委員の先生方から記載内容を簡素化すべきとのご意見をいただいておりましたことから、認定基準の見直しに伴いまして、傷病名を変更するとともに、確認方法を簡素化しております。認定上の最低限必要な項目として、さらに治療状況を「治療歴」に変更しましたのは、個々の状況を省略し、これまでの治療の有無を確認することにしたものでございます。

 次に、ヘパトーマ治療歴欄についてです。エタノール局注及びラジオ波、マイクロ波治療をまとめて「局所療法」と規定することといたしました。また抗がん剤治療として「化学療法」を追加いたしました。これも前回の先生方のご意見を踏まえております。

 続きまして、特発性細菌性腹膜炎の治療歴欄についてです。先ほど座長からご意見がありましたとおり、門脈血栓症などの肝硬変の合併症として付随する病態がある場合に記載していただくため「その他肝硬変症に付随する病態」を追記したものでございます。

 「 7 治療の内容」欄につきましては、「診断時の治療の内容」に修正させていただきました。これについては、前回の議論で「現在の治療の内容」と変更すべきとのご意見がありました。障害年金は初診日から 1 6 カ月を経過した日が障害認定日となりますが、遅れて請求された場合に遡ってその時の症状を診断書に記載してもらう必要があり、その際に「現在の」という記載でありますと認定日時点に遡らず、現在の治療内容を記載することがありうるため、診断書は「診断時の治療の内容」とさせていただきました。

 また、「具体的内容」欄を設け、( 1 )から( 6 )の治療がある場合には必要に応じて薬品名や( 6 )の内容等を記入するようにいたしました。さらに、「抗ウイルス療法(無・有)」欄を追加しました。下段にかっこ書きで「ウイルス性肝炎について」の記載がありましたが、その記載は削除いたしました。これにより、見直し前はその他の所見に記載されておりましたインターフェロン療法等の抗ウイルス療法を治療内容欄に記載することで、記載漏れがないようにしたものでございます。

 続いて右側をご覧ください。検査成績欄についてです。「アルカリフォスファターゼ」を「アルカリホスファターゼ」に修正しました。血清アルブミン欄に「 BCG 法、 BCP 法又は改良型 BCP 法」のいずれかの検査方法に○を付す欄を設けてどの測定法で行われたものか分かるようにいたしました。

 さらに、アルコール性肝硬変の場合に「 180 日以上アルコールを摂取していない。」及び「継続して必要な治療を実施している」に「○・×」を付す欄をそれぞれ検査日ごとに追加いたしました。

 その他の所見の欄の(2)その他に「 MRI 検査」を追加しております。なお、プロトロンビン時間の%、延長秒、 INR の表記につきましては、先ほどの認定基準の改正案の議論で%のみとすることが決まりましたので、そのように修正させていただきたいと思っております。

 また、資料 3 に添付しております、記入上の注意欄、 4 番の欄に赤字で( 3 )~( 6 )を追記しておりますので併せてご覧いただければと思います。以上、資料 3 の診断書の改正案の説明を終わらせていただきます。

○戸田座長 どうもありがとうございました。これについてご意見ございますか。先ほど他覚所見ではなく「他覚症状」にしたので、これも所見ではなく症状にしてください。肝疾患の欄、平成の年月日で「現症」とありますが、この現症はちょっとしっくり来ないですね。注意書きのところは同じ言葉が全部使われているのですね。われわれ医者は現症と言うと診察した時点における他覚症状を指しているので、ここの現症はちょっとしっくり来ないのですが、これは厚労省ではこれを使われているのですね。

○池上事業管理課給付事業室長 はい、この用語は行政用語として他の分野にわたって使わせていただいています。その時点の症状を書いていただくということです。

○戸田座長 では他覚所見、他覚症状も全部含めて現症と言うのですね。

○池上事業管理課給付事業室長 はい。

○戸田座長 どうぞ。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 他覚症状というお話なのですが、診断書の他の疾患のところは他覚所見となっています。

○戸田座長 どこですか。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 例えば、表面の腎疾患の臨床所見の欄を見ていただきたいのですが、自覚症状、他覚所見と記載がありますので、他との並びも踏まえて検討させていただきたいと思います。

○岡上委員 戸田先生、 7 の「診断時の治療の内容」というのは、この病気を診断したときの治療ですか。

○池上事業管理課給付事業室長 ここで表現したかったのは既往ではなく、診断書で表したい時点でどういう治療を行っているか。普通であれば現在の治療内容ですが。

○岡上委員 例えば、 1 週間前に治療を受けた方も 1 カ月前に受けた方もありますよね。あるいは現在治療中の方もありますよね。どの時点のものを「あり」とするのですか。

○池上事業管理課給付事業室長 そうですね。

○岡上委員 例えば、血小板輸血なんて滅多にしないわけで。

○池上事業管理課給付事業室長 そうですね、継続して行うようなものであれば判断は迷わないですけれども、ピンポイントでやるようなものだとどうかということですね。

○岡上委員 「診断時」がしっくり来ないですね。抗ウイルス療法というのも、例えば現在抗ウイルス療法をやっている人がこれを申請することはまずあり得ないので、ほとんどは過去ですよね。

○池上事業管理課給付事業室長 ここの書きぶりについては、会議の前に座長のほうからも「診断時の」は分かりにくいのではないかというご指摘をちょうだいいたしました。ちょっとこれから追加で紙を配らせていただこうと思います。お手元に行きましたでしょうか。短い言葉で表現するのが難しいということもありますので、診断書の欄自体は一番初めの「治療の内容」という言葉に戻させていただいて、その代わりに記入上の注意を記載する紙がございますけれども、そちらに今お配りした内容で、「『 7  治療の内容』は、マル13の欄冒頭の現症日時点の内容を記入してください」というふうに注意事項として説明するようにしてはいかがかと思っております。

○岡上委員 分かりました。そうですね。

○戸田座長 それでよろしいですか。「現在の」というのは取ってしまって、治療の内容だけ。「診断時の」も取るわけですね。これは混乱するのですよね。肝硬変の診断なのか、それとも障害か。

○池上事業管理課給付事業室長 そうですね。場合によっては初診日と誤認される恐れがありますので、この文言は削除したいと思います。

○戸田座長 「治療の内容」ということで、現症はちょっと気になるのですが、冒頭の現症日時時点の内容を記入してくださいということですね。その他ございますか。

○八橋委員 改正案のときに、「黒色便は削除しましょう」と言われました。 4 に吐・下血がありますので、黒色便を削除すれば統一されます。

○戸田座長 「黒色便」を削除して、「吐・下血」にするわけですね。

○池上事業管理課給付事業室長 認定基準のほうも削除するということですか。

○八橋委員 こっちも削除です。吐・下血はありますので。

○池上事業管理課給付事業室長 すみません、漏れておりました。そうしましたら診断書からも認定基準の症状のところからも削除いたします。

○戸田座長 削除して「吐・下血」を入れるのでしょう。

○岡上委員 先生、これは現症で申請するときにあるということだから、残しておいたらいいのでは。下は既往ですので。

○戸田座長 いや、ちょっと待ってください。

○岡上委員 いや、今、八橋先生が下に吐・下血があるから黒色便を削除してはいかがですかということでしたが、下は既往で上は現症なので、残しておいてもいいのではないかと。

○戸田座長 そうですね。残しておいてよろしいですか。そしてこの他覚所見のところ、ここには食道・胃静脈瘤は入っていないですね。

○岡上委員 下にあります。

○戸田座長 下にあるから入れていないということですか。それでよろしいですか。そして、坂井田先生のおっしゃった門脈血栓をどうするかということですが、結局「特発性細菌性腹膜炎その他肝硬変に付随する病態の治療歴」のところに入れていただきたいということで、門脈血栓症は特に取り上げないという対応でよろしいですか。

○岡上委員 いいのではないですか。

○戸田座長 それから、検査成績のところで血清総蛋白、アルブミン、血小板のところにはちゃんと単位が示してあるのですが、その他のところは単位が示していない。これはどうですか。入れたほうがいいですか。何となく統一性が取れてない感じがしますが。

○岡上委員 そうですね。おっしゃるとおり、 AST なら IU/ ℓと入れておいたほうが。

○戸田座長  AST ALT については IU/ ℓ、γ- GTP については?

○岡上委員 γ- GTP IU/ ℓ。

○戸田座長  IU/ ℓでしたか。アルカリホスファターゼも IU/ ℓですね。

○岡上委員 そうですね。

○戸田座長 コレステロールはありますね。アンモニアが付いているのは、μ g/d ℓですね。

○岡上委員 マイクロでしたか。 AFP はナノですよね。

○八橋委員 ナノですね。

○戸田座長  PIVKA -2は arbitrary unit AU ですね。ちょっと調べてみます。

○八橋委員 そうそう、 AU

○戸田座長  AU/ ℓですね。 /m ℓかな。これは単位を加えていただくということですね。

○池上事業管理課給付事業室長 後ほど教えていただきながら入れていきたいと思います。

○戸田座長 そうですね。血清アルブミンについては、ここでは BCG 法、 BCP 法、改良型 BCP 法のどれかに丸を付けるというかたちになっています。先ほどの議論を蒸し返すようですが、事務局としてはどう対応していくということにしたのでしたか。要するに、皆さんのご意見ではほとんどが、 50 %が改良型 BCP 法になっていて、これからどんどん改良型 BCP 法になっていくことが明白なわけです。その時に……。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 先ほども申し上げましたが、肝臓学会が出されています通知を周知するというかたちでご連絡申し上げて、改良型 BCP 法で出てきた場合にはそれを参考にしつつ認定していただきたいと思います。

○戸田座長 その時にもやはり、改良型 BCP 法における、例えば中等度以上、高度以上の値も示すわけですか。「改良型 BCP 法ではこうなっています」ということを。

○池上事業管理課給付事業室長 そこまでは難しいと思っています。

○戸田座長 そうですか。今の時点で定まっていないですから。定まっていなくて、改良型 BCP 法によるアルブミン測定値を用いた Child-Pugh スコアは出ていませんし、成書にもほとんど記載されていないので、この会で決めてしまうとこれが独り歩きし始める可能性が十分にあって「違うじゃないの」という議論が出て来たら困るわけですよね。

○池上事業管理課給付事業室長 各主治医の先生方はご自分の施設でやっている検査方法に基づいて、どの検査方法によるかということを明示していただいた上で数値を記載していただく。重要なのは全国で認定を行っている、日本年金機構の認定医の先生方が検査方法による数値の出方の違いを認識せずに判定をしてしまうと、公平な判定という面で問題が出て来ますので、われわれのほうから申し上げたように、学会で示された考え方をしっかりお知らせして、それを踏まえてご判断いただくようにさせていただきたいと思います。

○戸田座長 機構のほうはどうですか。機構でそういう対応ができますか。

○植松委員 そうしないと今の段階ではできません。 3 年後はまた違っていると思いますから。換算式はここに書かないでも、認定の基準のところに 1 枚入れておいて「部分的にはこうなっている」ということを知らせていただければ良いと思います。年々変わるでしょうから、そのときはそのときで対応するしかないと思います。

○戸田座長 そうですね。それで対応しましょうか。ここではっきり書いてしまうとこれが独り歩きし始める可能性が十分あるわけで、そういうかたちで対応するということですね。修正すべき場所がいろいろ出たのですが、全体を通じて気になるところはございますか。よろしいでしょうか。では修正箇所につきましては、今までと今回で指摘された箇所につきまして、事務局で整理させていただくということでよろしいでしょうか。はい、どうぞ。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 本日いただいた先生方のご意見を踏まえまして、これから認定基準の改正案、診断書の改正案で必要な箇所について修正したあと、座長をはじめ委員の皆さま方に事前にご連絡を申し上げて整理をしていきたいと考えております。

○戸田座長 では今後の修正につきましては、事務局のほうでやっていただいて、それを皆さんにご確認いただき、最終的な取りまとめは私に一任していただくということでよろしいでしょうか。

   (委員から「意義なし」の声)

ではそういうふうに。どうもありがとうございました。今後の予定について事務局からお願いします。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 今後の予定でございます。本会合の結果を受けまして、改正案を整理した上で行政手続法に基づく意見公募手続、パブリックコメントを経まして、通知発出の作業を進めていくという段取りを考えております。施行時期につきましては、診断書の様式も変わりますので十分な周知期間を取った上で来年 6 月ごろを予定しております。なお、本日の会合資料及び議事録は厚生労働省のホームページに掲載する予定ですのでよろしくお願いいたします。最後に本会合の閉会にあたりまして、大臣官房年金管理審議官よりご挨拶をさせていただきます。

○樽見大臣官房年金管理審議官 年金管理審議官の樽見でございます。戸田座長をはじめまして、委員の皆さま方におかれましては大変お忙しい時期にも関わらずご参集いただきまして、 8 月から本日を含めまして 4 回にわたり、大変ご熱心なご議論をいただきました。貴重なご意見を賜りましたことに心より御礼を申し上げたいと思います。

 このたびの会合におきましては、肝疾患の重症度判定に関する判断基準、その判定に必要な診断書の記載項目等につきまして、専門的な見地からご意見をいただきました。現場からの要望があったわけでございますけれども、認定における明確化についての進歩が図られたものと考えております。また医療水準の向上に基づく最新の医学的実態を踏まえた見直しによりまして、各種検査項目の整理あるいは肝癌、肝移植、アルコール性肝硬変などにつきまして認定基準上の整理を行うことができたところでございます。

 これから認定基準や診断書の改正に向けまして必要な手続きを進めてまいりますが、その過程におきまして、またご相談させていただく機会もあろうかと思います。引き続きお願い申し上げます。私どもといたしましてはこの会合の成果を踏まえまして、実際の運用に生かして参る所存でございます。今後ともご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたしまして御礼のご挨拶に代えたいと思います。ありがとうございました。

○戸田座長 以上をもちまして、本日の会合を終了とさせていただきます。委員の皆さまにはお忙しい中、本当にありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省年金局事業管理課給付事業室

代表: 03-5253-1111(内線3603)
直通: 03-3595-2796

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