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2013年3月28日 第10回保育士養成課程等検討会の議事録

雇用均等・児童家庭局保育課

○日時

平成25年3月28日(木)15〜17時


○場所

厚生労働省 専用第14会議室


○出席者

委員

汐見座長、大嶋座長代理、上村委員、埋橋委員、倉掛委員、田中委員、藤林委員、増田委員、矢藤委員、若盛委員、渡邉委員

事務局(厚生労働省)

鈴木審議官、橋本保育課長、北山幼保連携推進室長、鈴木課長補佐、丸山保育指導専門官、今井在宅保育係長

事務局(文部科学省)

松本教職員課専門官

○議題

(1) 「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に関する検討会議(文部科学省)」について
(2) 幼稚園教諭免許を有する者の保育士資格取得特例について
(3) その他

○議事

○汐見座長

 定刻になりましたので、ただ今から「第 10 回保育士養成課程等検討会」を開催いたします。

 委員の皆さまには、年度末の大変お忙しいところをご参集いただきましてありがとうございます。

 議事に入ります前に、本日は大臣官房審議官の鈴木審議官においでいただいていますので、一言いただきたいと思います。

 

○鈴木審議官

 審議官の鈴木でございます。委員の先生方には、本日ご多忙の中をお集まりいただきまして誠にありがとうございます。また、日ごろから保育行政等につきましてご指導を賜っておりまして、改めて御礼申し上げます。

 ご案内のように、あと 2 年で「子ども・子育て支援新制度」がスタートするわけでございますけれども、今、いろいろな準備を進めておりますが、その中で一番大事なのは、新制度を担う人材の養成・確保であろうと思っております。特に、施設型給付のコアになります「幼保連携型認定こども園」を担います保育教諭、そのための幼稚園教諭の資格特例につきまして、この検討会は昨年 10 月から、限られた時間の中で非常に精力的に有意義なご議論をいただきまして誠にありがとうございます。

 本日は、取りまとめの段階に至っていると承知いたしております。この後、ぜひともまたご議論のほど、よろしくお願いしたいと思います。検討結果が取りまとめられました曉には、速やかに通知等の改正をいたしまして、実施に向けまして私どもも遺漏のないように努めていきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 なお、大変失礼ではございますけれども、この後、国会用務で席を外させていただきますが、今後ともご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げまして、簡単ではございますけれどもご挨拶に代えさせていただきます。どうもありがとうございます。

 

○汐見座長

 ありがとうございました。鈴木審議官は途中でご退席されますので、ご了承いただきたいと思います。

 それでは、議題に入らせていただきます。まず、事務局より資料の確認と委員の出席の確認をお願いいたします。

 

○橋本保育課長

 それでは、まず資料の確認からさせていただきます。最初に議事次第があると思います。それから、資料 1 としまして「幼稚園教諭実務経験者の保育士資格取得の検討について」、資料 2 としまして「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に関する検討会議(第 3 回)における議論の論点」、資料 3 としまして、まとめました報告書の案でございます「幼稚園教諭免許状を有する者の保育士資格取得特例について ( ) 」がございます。それから、参考資料といたしまして「保育士試験の実施について」という通知を配らせていただいています。

 委員の出席状況でございますが、本日は網野委員がご欠席でございます。以上でございます。

 

○汐見座長

 ありがとうございました。これまでにやりました 3 回の検討会で、実務経験のある幼稚園教諭の保育士資格取得の特例について、かなり集中して活発な議論を行ってまいりました。

 これまでの議論を踏まえて、事務局において「幼稚園教諭免許状を有する者の保育士資格取得特例ついて ( ) 」を作成していただきましたので、本日はこれを基に議論をしたいと思っております。

 資料 1 は、検討の前提について記したもので、前回と同じものですので説明は割愛させていただきます。

 それから、文部科学省で開催されている「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に関する検討会議」の状況を記載した資料 2 については、担当の方が少し遅れますので、いらした段階で説明していただきます。

 それでは事務局より、資料 3 「実務経験を有する幼稚園教諭免許状所有者の保育士資格取得特例について(案)」の説明をお願いします。

 

○橋本保育課長

 それでは、お手元の資料 3 をご覧いただければと思います。委員の皆さまには事前にお配りしてご確認いただきました。ありがとうございました。いただきましたご意見をまとめまして幾つか修正もさせていただいておりますので、その点もご紹介させていただきます。

1 ページお開きいただきますと「はじめに」ということで、これまでの検討の経緯がございます。平成 22 3 月の中間まとめについての話。それから、平成 22 1 月以降の「子ども・子育て新システム検討会議」等の子ども・子育て関連 3 法についての経緯がございます。そして、この中で「保育教諭」というものが法的に位置づけられたということが書かれています。

 その後、この保育教諭につきまして両方の免許・資格を有することが原則でございますので、経過措置はあるわけでございますけれども、お持ちでない方の免許・資格の取得の促進ということが必要であるということで、平成 24 10 月から 4 回にわたりまして検討会を開催していただいたという経緯がございます。

3 ページ目では、併有の状況についての数字的なものを書いております。 1 (1) は「幼稚園教諭免許状と保育士資格の併有状況」ということで、保育所に勤務する保育士の中で幼稚園教諭免許状を有する者の割合が約 76 %、幼稚園に勤務する幼稚園教諭免許状を有する者のうち保育士資格を有する者の割合が約 75 %ということが書かれています。ここのところにつきまして、このパラグラフの最後のところは「一方の資格・免許状のみで勤務している者も 2 割以上存在する」という書き方にしておりましたが、矢藤委員から「 4 分の 1 程度」とした方が適切ではないかというご意見をいただきましたので、そのような書き方に訂正させていただいております。

 続きまして、 (2) は「幼稚園教諭免許状を有する者の保育士資格取得への対応」ということで、これまでの実務経験を問わない形での併有促進策についての記述がございます。

 おめくりいただきまして 4 ページでございますが、「新たな子ども・子育て支援制度への対応」ということで (1) では幼保連携型認定こども園の仕組みを説明し、 (2) には経過措置についての説明があり、もう一方の免許・資格の取得の促進ということで両方の検討会が設けられるに至った経緯が書かれています。

5 ページからが具体的な中身に入るところでございます。 3 「保育士資格取得特例の検討にあたっての基本的な考え方」ということで、 4 点書いてあります。まず、 [1] としまして、幼稚園教諭免許状を有する者が実務経験を通じて修得することが可能と考えられる事項についてはその受験・履修を免除する一方で、実務経験による修得が困難と考えられる事項については、必要な科目を受験または履修させるという考え方が一つ。 [2] として、幼稚園等に勤務しながら受験または履修することを想定して履修方法や履修時間を定めるということ。 [3] として、必要な履修時間や履修単位数に関して、保育士資格取得特例と幼稚園教諭の普通免許状の取得要件の特例の双方のバランスを取るという考え方。 [4] として、実施期間は改正認定こども園法の施行日から 5 年間が経過するまでの時限的な措置であるということ。この四つの原則を、まず確認しているわけでございます。

 そして、具体的な内容ということで 4 番になるわけですが、論点として 3 点ございます。 [1] として、どのような施設における勤務を特例の実務経験とするかということ。 [2] として、どの程度の期間が必要か。 [3] として、具体的にどのような科目にするのかという点でございます。

 最初の論点につきましては、 6 ページにありますけれども、幼稚園における勤務経験を基本としながら、幼稚園教育要領ないし保育所保育指針に基づく保育を行っているというところを一つの考え方に置いているわけであります。

 「具体的な取扱い」としましては、 [1] としまして幼稚園、認定こども園及び保育所、 [2] としまして特別支援学校幼稚部及びへき地保育所、それから 7 ページの [3] で認可外保育施設ということで、この中で指導監督基準を満たしていることが確認できるということと、一定規模の集団により継続的に保育を行うことを主たる目的としている認可外保育施設。あるいは、※印にございますように幼稚園併設型認可外保育施設といったところを対象として考えていってはどうかということでございます。

 その次の [4] でございますけれども、小学校・放課後児童クラブにつきましては、前回までのご議論の中で人事異動等でいくようなケースもあり、そういったところにつきましても一定の範囲の中で実務経験として認めることもあり得るのではないかというご議論もありましたけれども、後ほど文部科学省からご説明いただきますが、幼稚園教諭免許状の方の資格の取得の特例の関係の議論の中で、こういった小学校・放課後児童クラブ等における経験を経験としてカウントすることについては消極的な議論が大勢であるという話を伺っています。この検討会の中でのこれまでの議論を踏まえて [4] として書かせていただいておりますが、後ほどご議論いただきまして、事務局としてはここのところは最終的に両者の均衡をとっていく必要もあるだろうと考えておりますので、できれば [4] は削除するということでどうかと事務局としては考えているところでございます。

 続きまして、 9 ページの (2) 実務経験年数の考え方でございます。常勤としての 3 年間の勤務に相当するということで、保育士試験の実務経験の基準と同じような考え方を基本とする。そして、勤務を行った施設の種別に応じて実務経験年数に差を設けない。それから、幼稚園教諭免許状の種別に応じて実務経験年数に差を設けない。また、実務経験に有効期限を設けることはしないといったところ。

 それから「具体的な取扱い」にありますように、 3 年以上かつ 4,320 時間以上という形で、 1 6 時間としまして 20 日で 3 年間= 4,320 時間という計算になるわけでございますけれども、これを必要な経験の期間としてはどうかというものでございます。

10 ページは、試験科目と履修科目の関係でございます。表 1 という左下の部分が現在、実務経験を問わない資格取得特例の試験科目と履修科目が一覧で並んでいるわけでございます。これにつきまして、これまでご議論いただいた中で、表 2 の網掛けをしている部分につきましては受験または履修を免除する方向で考えてはどうかというご議論がなされてきたと思います。

11 ページに表 3 と表 4 がございます。表 3 の方は試験科目で見ますと、先ほどの表 2 7 の保育実習理論を除いた 1 6 が並んでいます。それから、履修科目の方は先ほどの網掛けになっていた部分を外しまして、それを再編・整理した科目名として並んでおります。その再編・整理された中身につきまして表 4 をご覧いただきますと、仮称でございますが最初の「福祉と養護」で 2 単位、その中には現在の科目でいいますと社会福祉・児童家庭福祉・社会的養護といったものが含まれる。そして、「相談支援」も 2 単位でございますが、家庭支援論と保育相談支援が含まれる。「保健と栄養」も 2 単位でございますが、子どもの保健 I と子どもの食と栄養といった内容が含まれる。それから、「乳児保育」で 2 単位ということでございます。

 この考え方等につきまして、 12 ページ以下に書いてございます。まず、 [1] の試験科目でございますけれども、「保育実習理論」の受験を免除するということ。それから [2] の履修科目でございますが、まず「 1: 社会福祉」「 3: 児童家庭福祉」「 12: 社会的養護」につきまして整理の考え方が書いております。なお、ここの部分の書き方につきましては、網野委員から、少し細かく書いてはどうかというご意見をいただきましたので、「社会福祉・児童家庭福祉・社会的養護の意義と役割、制度と実施体系等」といったことで、全てを書くと長くなりますので代表的なものを書きまして、あとは「等」といった形で整理するということで原案を提示させていただいております。それから「 4: 家庭支援論」「 10: 保育相談支援」については、重要な科目であると同時に経験を一定程度積んでいることを考慮した再編。また、 3 番目の「 5: 子どもの保健 I 」「 7: 子どもの食と栄養」につきましても、重要性を謳うとともに一定の経験を積んでいることを考慮したもの。 4 番目の「 9: 乳児保育」につきましては、幼稚園等での勤務経験では乳児との関わりがないため、履修が必要な科目とすることを掲げております。

13 ページは「保育士資格取得特例の実施について」でございます。まず (1) としまして、家族支援や社会的養護等に関する研修を受講して、より実践的な力を身につけることが望ましい。このため、地方自治体や保育士養成施設等が協力して研修を開催することが求められるという点。

 それから (2) としましては、時限の措置ということもございますので、対象となる方々に対する十分な周知を必要とするということ。

(3) といたしまして、特例に対応した講座の開講を養成施設等に対してお願いする等の働きかけが求められるということでございます。また、対象者の多くが現に勤務されている方々であることを想定いたしまして、通信教育や夜間開講など勤務者の状況に配慮した対応が望まれるといったことを書かせていただいております。

 最後のところでございますけれども、この報告書の中で、この保育士資格取得の特例についてまとめていただいているわけでございますが、保育士養成をめぐっては、平成 22 3 月の本検討会中間まとめ第 2 部にもあるとおり、多くの検討課題がある。それらにつきましては、本検討会として早期に検討を続ける必要があると考えられる。ここにつきましては、増田委員から「早急に検討を続ける」という形に修正すべきであるというご意見をいただきましたので、そういった修正をさせていただいているところでございます。

 以上、要点を拾いながら説明させていただきました。いろいろとご意見をいただきまして、ありがとうございました。以上でございます。

 

○汐見座長

 議論をしたいのですが、その前に、文部科学省から担当の方が到着されましたので、資料 2 「幼稚園教諭の普通免許状に係る所要資格の期限付き特例に関する検討会議 ( 3 ) 」における議論の論点について、ご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

 

○松本教職員課専門官(文部科学省)

 文部科学省の松本でございます。遅れて失礼いたしました。それでは、資料 2 に基づいて幼稚園教諭の方の検討状況について、第 3 回でございますがご報告させていただきます。

 まず、「最低在職年数」のところでございます。一つ目の丸でございますが、保育所が幼保連携型認定こども園に移行するためには、非常勤で勤務している保育士も、幼稚園教員の免許状・保育士資格の両方が求められることを考えると、できるだけハードルは低い方が良いと思う一方、やはり資格を取る以上、また教員としての質を担保するためには、一定期間、保育士としての勤務をしながら実力をつけていくことも必要であり、実務経験 3 年、かつ 4,320 時間という要件は適当ではないかということ。やはり、ハードルを下げることと質を担保することの両方のはざまで悩まれながら、 3 年、かつ 4,320 時間が適当ではないかというご意見をいただいたところでございます。

 「勤務経験を評価する施設等の範囲」でございますが、ここについては、実は第 1 回・第 2 回でおおよその整理がついていたところでございます。一つ目の丸で、まずメルクマールを作って検討したところでございますが、 [1] [4] がメルクマールでございます。 [1] 保育所保育指針に基づき教育・保育を実施していること。 [2] 小学校就学前の幼児を対象としていること。 [3] 一定規模の集団により継続的に教育・保育を行うことを目的としていること。 [4] これらに関して行政監督 ( 許認可等 ) の仕組みがあること。このメルクマールに該当するような施設における保育士としての勤務経験を評価してはどうかということを第 1 回・第 2 回で議論しました。

 ここには具体的に記載はしておりませんが、メルクマールに該当する施設としては、認可保育所はもとより、認可外保育施設でありましても、例えば認定こども園の幼稚園型や地方裁量型、幼稚園併設型の認可外保育施設、へき地保育所、認可外保育施設指導監督基準を満たす認可外保育施設、また、幼稚園の預かり保育というようなところでの保育士の経験は評価してしかるべきであろうということでおおよそ整理がついていました。一方で、第 3 回では※印で記載しておりますが「小学校や放課後児童クラブにおける勤務経験も対象にするのか」ということ。これは人事異動等でこういうところで働いている保育士もいるかもしれないということで議論させていただきました。

 そのことについては、戻って恐縮ですが一つ目の丸の冒頭でございますが「本特例は、あくまでも特例として免許状取得要件を下げるものであり、適用対象は必要かつ最低限とする必要がある」ということ。これまで議論してきた、先ほど申し上げたメルクマールは外せない要件であり、人事交流等の背景事情を考慮して対象施設を広げることは適当ではないというご意見をいただいております。

 また、「教職課程の質の維持・向上に向けて課程認定を厳格化している中では」ということでございますが、こちらも指定保育士養成施設という制度がありますが、免許状の方も教職課程認定制度といって先生になるプログラムを認定する制度がございます。これは文部科学大臣が認定するものでございますが、この審査を厳格化しているという流れがございます。そういう中で、特例の要件の検討に当たっても、このようなメルクマールは大原則とすべきであり、対象施設の範囲を必要以上に広げることは適当ではないというご意見もいただきました。

 また、特例期間は 5 年間あるため、雇用者において人事配置等の工夫をしていただく余地があるというご意見がありました。

 続きまして、「大学等で修得を要する内容及び単位数」でございます。まず、単位数でございますが、幼稚園教諭免許状の特例と保育士資格の特例の単位が同じであることが大原則であるべきだというご意見が多数ございました。また、保育教諭の質の確保を図りつつも本特例の趣旨も踏まえるならば、できるだけ負担感を減らすことが極めて重要であり、現職の保育士が、 1 年で確実に資格を取得できるようにするためには、 8 単位程度の範囲内で深く学ぶことができるようなプログラムが望ましいのではないかというご意見をいただきました。

 「学ぶべき内容について」でございますが、保育の質が高まる中に「教育」がしっかりと入ってくることが重要である。そのために、「教育とは何か」ということや、さまざまな教育方法等についてしっかりと押さえられるような科目を履修することが重要である。

 また、学校には自己評価が義務づけられており、学校関係者評価の努力義務も課されている。このような学校教育として制度的な位置付けについてはきちんと学ぶことが必要ではないか。

 学校教育としてのカリキュラムの体系性や指導法について学ぶことが必要である。

 相談業務については、日々の保育士の業務の中で身につけているということで、教育の方も相談業務というものがありますが、それは省略して構いませんけれども、幼児理解については、保育記録をとることなどを通じ、適切な評価について学ぶことも含まれるため、改めて学んでもらってはどうかというご意見がございました。

 次回の第 4 回は 3 29 日の 13 時から開催する予定でございます。以上になります。

 

○汐見座長

 ありがとうございました。それでは、二つのご報告がそろいましたので、今の厚生労働省側からの案と、文部科学省の現在の論点のご説明について、ご質問も含めて自由に意見を出していただきたいと思います。

 その前に、網野委員から意見が届いていますので、お伝えします。

 

 「報告案に関しまして、賛成いたします。ただ、以下の点について意見を述べさせていただきます。

 新たに提案された履修科目の多くは、本来それぞれが 2 単位等の重みを持つ 2 ないし 3 科目を統合化して 2 単位としたものであり、 1 科目として履修させる場合、その内容構成に関しては相当の配慮が必要になると考えます。」

 

 少し説明しますと、これは先ほどの 11 ページの表 4 です。 4 科目にするために、 2 単位ですが内容的には 6 単位ないし 4 単位分を 2 単位として扱うことになっているということを指していると思います。

 

 「特に、社会福祉・児童家庭福祉・社会的養護を含む「「福祉と養護」に関しては、格段の配慮が求められると考えます。具体的な以下の点について慎重に検討することを求めます。

[1] 保育士が関わる専門分野は社会福祉及び児童家庭福祉(社会的養護を含む ) における公的責任及び社会的責任を行使する内容を非常に多く含んでいるので、保育士は福祉の意義及び福祉に係る使命・役割を深く理解、認識し、福祉マインドをもって臨む姿勢を培うように学ぶことができる内容を考慮する。

[2]3 科目に共通の視点を踏まえて、福祉と養護の理念・意義・定義等について触れる。特に、人権・権利・子どもの最善の利益の考慮に関する内容は不可欠である。

[3]3 科目に共通の視点をもって福祉と養護の歴史及び現状・動向を伝える。

[4] 法制度・政策に関しては、できるだけこれらの分野の関連性を重視して体系的に触れる。

[5] 実施体制、援助活動に関しては、 3 科目で学ぶことができるそれぞれの分野ごとに重要な内容について触れる。

[6] 社会的養護に関しては、保育士が児童福祉施設において 18 歳未満の児童と深く関わる役割を熟知できるように特に配慮して内容を構成する。」

 

 この 6 点のご意見が届いております。簡単に私の方でもう一遍言いますが、表 4 の中でとりわけ「福祉と養護」というところが、保育の仕事というのは基本的に福祉という側面が非常に強い。学校教育として位置付けられている幼稚園との重なりはあるのでしょうけれども、独自性というのは福祉というところにある。「福祉とは何か」ということについて非常に丁寧に原理的に、しかも動向等を踏まえて教育すべきではないかということで、ここについてもう少し細かい提案があったら良いのではないかというご意見でした。そういうご意見が届いているということをご承知おきいただいて議論を続けたいと思います。

 ご自由に、ご感想・ご意見等をお願いいたします。

 

○橋本保育課長

 先ほどの報告書 ( ) の説明の中では省略してしまいましたが、前回ご議論いただいた中で、前回の議論の集約をしてみますと、 8 単位というところにケースワーク的な部分を加えてはどうかというご意見をいただきましたので、それを足しますと内容的には 10 単位になりますが、もとより働きながら取っていただくという今回の特例の一つの特性を考えると同時に、先ほど文部科学省から説明がありましたように、幼稚園教諭免許の特例につきましては 8 単位でまとめる方向で今整理されているということも考慮しまして、全体として負担の軽減という観点を入れて 8 単位に軽減するということで、網野委員からもご意見がございましたように、社会福祉と児童家庭福祉と社会的養護のところをまとめて 2 単位という形に再構成するような形で案を提示させていただいたわけです。そこのところを補足します。

 

○汐見座長

 最初に、私からの質問で申し訳ないのですが、これに基づいてシラバスのようなものをある程度作って、その上で開講していただきたいというような段取りというのは省として考えられていますか。

 

○鈴木課長補佐

 今後作る通知の中で、ある程度の例示のような形でシラバス等をお示ししたいと考えております。

 

○汐見座長

 それはまたこの検討会で議論することになるかどうかというのが気になったものですから。前はそういう形でシラバスを作るところまでやったものですから。

 

○橋本保育課長

 具体的な段取りまでは、まだ決めておりませんけれども、いろいろとご意見をいただきましたので、私どもなりに整理して座長と相談させていただければと思います。

 

○矢藤委員

 今、鈴木補佐がおっしゃった「例示として」という提示の仕方ですが、今回の趣旨を加えたら、かなり押さえるべきところをしっかりと押さえるということが重視されると思いますので、「拘束力」という言葉が適切かどうかよく分かりませんが、もう少しこれはきちんと必ず押さえなければいけないというところを明確にするような形の方が良いのではないかと思います。

 

○増田委員

 今のことと関連いたしまして、平成 23 年度からの検討会で示していった新たな保育士養成課程のシラバスまでも具体的に出したのですけれども、それぞれの養成施設でそうした趣旨や内容をどこまで実施の段階で行われているかというのは、十分とはいえないと思います。そういう中で今、お二人の先生がおっしゃいましたように、かなり狭く厳選しているわけですので、その中でのどういった内容が欠かせないか、重要かということはぜひ示して、このことがある程度チェックできるような体制というのでしょうか、そういうことも含めてやりませんと、数の確保はできても冒頭から繰り返し言っている質の確保にはつながらないのではないかと思います。

 

○汐見座長

 今のことを含めて、時間は限られていますがご自由に。先ほどの学童保育等でも意見が必要ですのでお願いします。

 

○大嶋委員

 今のことに関連して、具体的にこれを受けてその後通知を出すにしても日程的なことを教えていただければと思います。

 

○汐見座長

 これは各養成校に対して要請するということも含めて、考えられている段取りですね。お願いします。

 

○鈴木課長補佐

 具体的なスケジュールはまだ細かく決めていませんが。

 

○大嶋委員

 おおよそで結構です。

 

○鈴木課長補佐

 夏ぐらいまでに。スケジュールとしましては 7 月を目途に保育士試験の実施通知の改正をしまして、それを各自治体に周知する。その後は順次、試験の規定の改定ですとか各大学や保育士養成校にお示しして講座開設の要請をするということを考えております。

 

○大嶋委員

 それは今年の 7 月。

 

○鈴木課長補佐

 はい。今年の 7 月です。

 

○汐見座長

 現実には、それを受けて各養成校で体制を整えて、実際に募集するのは来年度になりますか。

 

○橋本保育課長

 平成 26 年度には養成施設の方でそういう講座を開講していただきたいと思っております。

 

○汐見座長

 分かりました。それが現実的なのでしょうね。そういうことも含めて、お願いします。

 

○上村委員

 ということは、特例措置の期間は 6 年ということになりますか。

 

○橋本保育課長

 そうなります。

 

○汐見座長

 ここで決めなければいけないのは、先ほどペンディングになりました、ページ数で申しますと 7 ページです。小学校と放課後児童クラブについて、必要があって法人内で異動してというのは、我々が議論したのはそういうケースの場合も 1 年を上限にカウントしたらどうかということにしましたが、幼稚園側としては幼稚園は幼児教育に特化したような経験になっていますので、小学校以上の子どもたちの経験を今回は入れないと判断されているようです。それは足並みをそろえた方が良いのではないかというご提案があったのですが、これについて今日は決めてしまわなければいけませんので、ご意見をお願いします。

 

○上村委員

 そのご提案でよいと思われます。

 

○汐見座長

 というのは、除いてもよいのではないかというご提案ですね。

 このことについて、何か補足のご説明が文部科学省の方からございますか。これについては、かなり議論になったのでしょうか。

 

○松本教職員課専門官(文部科学省)

 先ほど申し上げましたように、第 1 回・第 2 回でかなり整理ができたところがございまして、そういう意味では小学校や放課後児童クラブにおける勤務経験をどうするか。前回の保育士検討会でこのような議論があった後に幼稚園側の検討会がありましたので、そういうところに論点を絞って議論させていただいたという経緯がございます。

 一つの考え方として、いわゆる幼稚園における教育と保育というものがあって、それが幼稚園教育要領と保育所保育指針という中でかなり近いところもある中で、保育士をしていれば幼稚園の先生として求められているところについても、かなり実務の経験を積んでいるのではないかという考え方に基づいて単位数を減らしていきましょうという中では、かなり近いといえるようなところの施設をできるだけ特例ですから限定的に決めていきましょうという議論の中で対象施設が決まっていったという経緯がございます。そういう中で、人事交流や人事の問題を考えると対象とする施設が際限なく広がっていってしまうということではなくて、そういうところは人事配置などで工夫できる点もあるのでメルクマールによって決めていきましょうという結論になったということでございます。

 

○渡邉委員

 両方に出ている立場として、文部科学省の方がメルクマールをきちんと示しその大原則を守るということに関しては私も賛成です。ただ、両方の会議に出ていて感じることは、文科省は教育だと言って、厚労省は福祉だと養成校の先生も含めて言い出すと、教育と福祉がバシバシぶつかるというのは認定こども園でいつも起こってきたことです。私はどちらも一緒になっていくことで、結局は両施設の保育が豊かになるとか子どもが豊かに育っていくということはどういうことなのかということを基本とするという原則を守らないと、どうしても福祉は福祉という範囲で 0 18 歳までで幅は広いですから、そこは全部分かっていた方が良い。その一方で、教育は教育で、学校教育体系の中の幼稚園はそこは教育なのだという言い方をし、それが非常に強く出てしまうとすると、これからの認定こども園の在り方が難しくなると思ってしまいます。幼稚園か保育園か。子どもが長くいるかいないかというよりも、いろいろな子どもたちがいる中で一緒に育っていく。 14 時で帰る子どもがいたり、夏休みと冬休みもある子どもたちがいる中で育ちをどう保障するのか。預かり保育の子どもがいたり働いている親の子どもがいる中で、その保育をどうするか。養護と教育とか、「福祉」と「養護」という言葉を使う中で、、教育の中にも養護は入っているし、幼稚園教育も保育という言葉を使っています。そういう中で、衝突とならないような配慮をしていかないと、別にこの会議がそうなっているというわけではないのですが、何となく二つの会議を受けるとそのようになってしまう感じがある中で、これからの子どもたちが親の多様な働き方であったり、その中でどういう保育や教育を行っていくのかという原点だけは大事にされなければいけないと思います。

 そういう意味では、今回 8 単位になって、社会福祉、児童家庭福祉、社会的養護、親を見据えた家庭支援、保育相談支援を学んだことによって、幼稚園教諭が保育士の視点を持った中でより豊かに子どもと関われるような内容にしていくことが非常に大事であって、何を取るかなど「せめぎ合い」のようなところもあるのでしょうけれど、それが現場ではわざわざ資格を取る時に、ある意味ではこういう科目ができてくるという提案をすることに意味があるような気がしています。文部科学省も厚生労働省も多分同じだと思いますが、幼児期に何を大事にするかということがきちんと押さえられるという議論になりながら履修がされていったり新たな資格が取られていくということにしないとまずいのではないかという思いを持っています。

 

○増田委員

 今の渡邉委員の発言に関連しまして、先ほど文部科学省のご説明の後半の部分で、大学等で修得を要する内容及び単位数のところで、その中の学ぶべき内容です。「教育とは何か」あるいは「相談業務は日々の保育士の業務の中で身に付けているが幼児理解については」という辺りがどのような論理の内容なのかを少し教えていただきたいと思います。

 それと、そちらの会議で、 8 単位の具体的な内容を今このことと関連付けながら考えたいので教えていただければと思います。

 

○松本教職員課専門官(文部科学省)

 もう少し細かいカリキュラム表を準備してご説明差し上げた方が本当は丁寧だったかと思っております。まず、「教育とは何か」というところでの議論ですが、実は免許を取るに当たって必要な科目というのは教育職員免許法という省令に決まっております。その中で例えば教職に関する科目、教科に関する科目に大きく分かれておりますが、多くは教職に関する科目が議論になったところです。幼稚園の先生というのは私立も公立もあって、実際には私立が多いところですが、共通しているのは免許を持っているというところですが、もう一方で公立の先生になるに当たっては地方公務員としての適用がある。それは地方公務員法という法律がありますが、それに加えて教員には特別に教育公務員特例法という特別法がございます。そういう意味で言うようなものですが、教職の意義、教員の役割、教員ならではの研修のこと、服務のこと、身分保障のこと。そういうことを必ず学校の先生になるためには学んでいただくわけですが、これから教育・保育の両方を担っていくような方には特に研修のことはあらためてというかきちんと学んでいただく機会があってもよいだろうということで、そこを 2 単位分、いわゆる教職概論を 2 単位分学んでいただいたらどうかという議論がございました。

 もう一つは教育に関する制度的なことですが、教育というのは教育委員会というものがあって、そこで指導主事というものもあったり教育行政というような部分がありますが、そういう制度的なもの。教育行政や学校経営も教職課程では学んでおりますが、そういう制度的なものについては学んでいただいた方がよいだろうというご意見がございました。

 それから、具体的な内容についてはかなり実態としては多くが重なっている部分もあるわけですが、幼稚園教諭免許を取るためには一種であれば 18 単位、二種であれば 12 単位、カリキュラムに関することを学んでもらう機会がありますが、その中で学習指導要領や幼稚園教育要領などカリキュラム論のようなものを 1 単位分ぐらい学んでもらった方がよいだろうというご意見がありました。これは特に幼稚園と小学校の連携という考え方でも学習指導要領がなっているところがありますので、教育課程の意義、編成の方法については 1 単位分学んでもらった方がよい。指導法や教育方法及び技術、これは教育学部でいうと教育工学のような分野ですが、いわゆる各領域のことについては個別に学んでいただく必要はないですが、そういう教育工学や横串的な教育指導法を 2 単位程度学んでいただいてはどうかというご意見がございました。幼児理解と方法というのはかなり重なるところはございますけれども、評価のことも含めれば保育記録をとることもカウンセリングをすることもさることながら、評価ということも含め、また実際に子どもたちの実態を知った方がそういうことであらためて幼児理解のこと、評価のことを学んでいただくことは有意義であろうということで 1 単位ほど学んでいただく。それで合計 8 単位という議論であったと理解しています。以上になります。口頭で失礼いたしました。

 

○大嶋委員

 今の議論の 7 ページに戻ってよろしいですか。小学校・放課後児童クラブについて P となっていますが最後の方で「 1 年以上経験した場合、特例に必要な実務経験年数に 1 年を上限に算定できることとする」というような条件付きで認めようということですと、一方で今の文部科学省側は切っているわけで、そういう意味からすると幼稚園教育要領に基づくところの実務経験を幼稚園の免許を持っている人に特例として保育士資格を取りやすくしようという趣旨からすれば、これは削除してもよいのではないかと私は思います。以上です。

 

○汐見座長

 今、二つの論点が出ているような感じがしますが、文部科学省が今考えておられるのは 5 科目 8 単位ということでしょうか。

 

○松本教職員課専門官(文部科学省)

 具体的な議論は明日ということでございますけれども、 5 科目 8 単位というご議論であったということでございます。

 

○汐見座長

 そうしますと、例えば通信教育でやる場合には 1 単位はどのようになるのですか。 15 コマ分ではないということですか。それでも 15 コマは 15 コマなのでしょうか。

 

○松本教職員課専門官(文部科学省)

15 コマ 2 単位分でございますので、 7 回か 8 回のシリーズになるのではないかと思います。

 

○田中委員

 確認ですけれど、文部科学省の検討で勤務を評価する施設の範囲の部分で、このペーパーでは放課後児童クラブということでご議論いただいたということですが、先ほどの例示の中には、いわゆる障害児施設ですとか乳児院・児童養護施設は含まれていなかったように思います。特別支援学級の子どもが在籍することも十分あり得ることですが、そこの部分もメルクマールには該当しないということで経験年数には含まないという理解でよろしいのでしょうか。

 

○松本教職員課専門官(文部科学省)

 実はそこも議論になりまして、個々の保育士のそれぞれの施設の勤務実態を考慮すれば今委員がおっしゃったような実態もあるわけですが、一方でそれぞれの勤務、誰がどのような人を対象に保育を行っていたかを個別に判断していくというのは困難なところもあって、ある程度施設単位で区切っていくしかないだろうという議論でありました。そういう意味では先ほど申し上げた施設以外、いわゆる乳児院については対象外になるという整理となっています。

 

○汐見座長

 ご意見はどうでしょうか。解説めいたことで整理させていただきますと、文部科学省の方は保育士にもちろん関係はしているだろうけれども学校教育としての認定こども園ということを考えたときに、学校教育として位置付けるときにどうしてもこれは学んでもらわなければいけないということが教育、教職です。教育するということはどういうことなのか。その身分や権利、義務についてもしっかり理解してもらわなければいけないということで教職概論があって、制度について福祉制度とかなり違う制度になりますから、その教育制度について学ばなければいけない。指導法についてさまざまな体系化された指導法がある中で、どういうものを採用していくか。その判断をどうするのか等についての指導法カリキュラム論があって、それとカリキュラム論があって幼児理解があるということで主として教育ということについて最低限学んでもらわなければいけないことについて選んだという感じですね。

 それに対して、私たちがやっている方は 11 ページの表 4 にありますけれども、幼稚園の先生が幼児教育を行いながらも必ずしもここのところについてはきちんと学んでいないだろうということで、まず福祉という考え方と子どもを養護するということについての考え方、社会的な権利を奪われたような子どもたちも含めてです。それから、これまで保育所の方はかなりいろいろな親のサポートをせざるを得なかったことから、その相談支援ということについてこれがソーシャルワーク的な手法も含めた専門性を持っているということをきちんと学んでもらうということ。そして、食は当たり前ですから病気についても赤ちゃんのときからの病気について知識を持っていなければやれないということで保健と栄養。そして、乳児保育については経験がないということでこれはきちんとやっていただかなければいけない。こうやって幼稚園の先生が今まで経験があったとしてもここのところは保育教諭になるためには絶対に学ばなければいけないことをピックアップしています。これは必ずしも福祉という形で統一されているわけではなくて、これまでの実務経験ではあまり入ってこなかったけれども保育教諭としてはまずやらなければいけないことの中で大事なものを四つ選んでいるという感じです。

 そうしますと、保育士というのは実は 18 歳までですから病院保育士などいろいろなところがあって、そういうところで働いてきた保育士はその経験をカウントされないのかとなったときに、認定こども園は原則 0 6 歳ですから、その経験をあまり小学生の保育をやってきたということがあったとしても幼児をきちんとやってこなかった場合には今回は外そうというのが文部科学省の考え方です。それを厚生労働省も同じメルクマールという形で取り入れたらどうかというのが先ほどのご意見です。その代わり、この科目についてはしっかり勉強していただくという、そこが論点になっている。逆にいうと、学童の方からは乳児保育の経験がないから乳児保育をやれという。しかし、学童について保育士はやってきたのだから、それは同じようにカウントされてもよいのではないかというご意見は当然あるだろうと思いますが、今度認定こども園はあくまでも乳児・幼児なので今回は外させていただくということで一貫しているのではないかというご意見です。ですから、筋は通っていると私は思ったわけです。

 

○矢藤委員

 質問ですけれど、文部科学省の方でシラバスのようなものを明示していくという方針はあるのでしょうか。

 

○松本教職員課専門官(文部科学省)

 実は、ここは非常に難しいところがございまして、大学における教員養成という原則がございまして指定施設として指定していないということがございまして教職科目をこれまで国からシラバスの中身まで示すということがなかったという歴史的な経緯がございまして、それは今でもシラバスを作っていないところでございますので、含めるべき事項については省令上明確にさせていただきます。それは教育の服務や研修ということはやってくださいというところまでは指定しますけれども、 1 15 回までのシラバスを明示するというところは予定していないというところです。

 

○矢藤委員

 今なぜお聞きしたかというと、例えば教育の制度について学ばなければいけないこととされていますが、保育士養成課程の教育原理の中にはっきりと学校教育の制度のことについては含まれているわけです。つまり、何が言いたいかというと、必ずしもシラバスでなくてもよいと思いますが、含むべき内容が明確にこちらの方からも出る。文部科学省からも出て、だから、文部科学省にこうしてくださいという立場にはないのですが、少なくとも双方が何を履修させようとしているかということが明確に出されることで社会的なチェックが利くという状況をつくることによってこの特例の信頼性を、より担保するようなことを双方とも考えて提案するような形をとった方が、より合理的ではないかと思います。

 

○汐見座長

 それは、文部科学省としてはやったことがないですね。

 

○松本教職員課専門官(文部科学省)

 これは明日の議論になりますが、指定施設、教職課程認定という考え方と保育士養成施設という指定の考え方の違いもあるかと思います。幼稚園教諭養成の方は基本的には短大以上ということで、保育士養成施設というのはあまり学校の種類は区別しないという中で、大学に対してシラバスの作成まで国が明示するということについては学問の自由からくる高等教育の考え方もございます。大学の中で学ぶことによってその中の一部である教職課程を履修することによって教員の力量がついてくるという考え方がございますので、そこについてのシラバスを作って明示するというところはそれぞれの大学の考え方も踏まえると難しいところがあるというのが正直なところです。

 

○矢藤委員

 それは十分承知しています。ですから、シラバスに限らず今の教職免許のような形でこれとこれを含むべき事項として明示されていますので、そういう範囲でよいと思います。それから、教職課程の認定の手引きを見てみると、こういう科目名でこういうことを含むといったレベルでもよいので、それがこれに関しても明示されるとよいということでご理解いただければと思います。特に齟齬(そご)のある話ではないと思います。

 

○松本教職員課専門官(文部科学省)

 かしこまりました。実は今回の文部科学省の手続きとしては報告書が出てそれでおしまいというわけにはいかず、省令を改正する必要がございます。具体的には免許を取るための表が省令に書いてあるわけです。その特例の表を別途作るという意味ではやるべき内容がまた明示されるということになっています。

 

○汐見座長

 先ほど、厚生労働省の方はシラバスと私が申し上げたのは間違っていたのかもしれません。シラバスでは必ずしもなくて、取り上げるべき項目が書かれているだけです。その中で何をどう教えるべきかについては何も書かれていないので。

 ただ、この項目は認定こども園を担う保育教諭には最低限勉強しておいてほしいことであるということについて養成校ないし短大ごとにバラバラであっては困るということです。それを合わせられないかというご意見です。項目を提示する程度の 3 項目とか 4 項目程度でしょうけれど。

 

○橋本保育課長

 私どもから先ほどお配りしたのも今汐見座長がおっしゃった一回一回の講義の中身ということではなくて、全体の範囲の中で学ぶべき項目です。

 

○汐見座長

 取り上げるべき項目ですね。

 

○倉掛委員

 小学校と学童クラブなどの特例の規定については前回の議論の中で自治体ごとの運用の差があったり、公立での人事異動の実態といったものを把握していくのをどこまで特例の条件としていくかが難しいという議論があったと思います。国の今回の特例の考え方を統一したものとして文部科学省の方と厚生労働省の方でと考えると私も外してもよいのではないかという気がします。すっきりさせた方が良いのではないかという意見です。

 もう一つは別の話ですけれど、皆さまがどのようにお考えなのかお聞きしたいと思っている点が一つありまして、今後、幼保連携型認定こども園保育要領といったものが検討され作られていく。その後に実際には平成 27 年度から新しい認定こども園がスタートするとしたときに、 5 年の間に取っていくと考えると先ほど実際上は平成 26 年度からの開講が始まるとすると移行期間は 6 年間であるという話がありましたが、実際 1 年ぐらいの履修で資格がそれぞれ取れるようにすると本当の認定こども園が幼保連携型の保育要領に基づいて実施経験を積んで、仮に 3 4,320 時間経過した職員がどのように対応するのか。それに対する何らかのインセンティブを考えた方がよいのかどうかという辺りを皆さまはどのようにお考えなのかということです。

 つまり、対象施設と期間を議論してきたわけですが、具体的に平成 30 年辺りに新しい認定こども園でそれだけの経験を積んだ職員が出てきたときに、今検討してきた条件と全く同じ条件でさらに履修をしなければいけないということに直面したときに、私はそれでよいと思います。結論からすると、そこに新たな特例を 2 段階設けるようなことは多分運用が技術的に難しいだろうと思いますので、やらない方がよいのではないか。しかも、その学校教育施設として学校教育として免許なり資格なりがなければ職に就けないという前提で考えてきているときに、資格が正式にない形でそこに経験を積んだとしても、それを対象としてしまうのは、今までも議論がありましたがやや抜け道的な方向に加速させてしまう恐れがあるのではないかということを考えれば、やらない方がよいのではないかと考えています。

 一方で、 4 分の 1 近い現在働いている保育者たちが持っていないということを考えたときに認定こども園で既に勤めている方、あるいは今後そこを増やしていくということを考えたときに、特例の特例というと変な言い方ですが新しい認定こども園で経験を積むと、まさしく乳児保育も経験できるだろうし学校教育も経験できていくという経験ができていたとしたら、より取得しやすい方策を考えてあげてもよいのではないかと個人的に思ったものですから、皆さまはどのようにお考えなのかということが一つあります。

 ただ、注意した方がよいだろうと思いますのは、先ほど渡邉委員がおっしゃっていたように、新しい認定こども園の保育の中身が一体どういったものになるのかというのは、実はこれからしっかりと検討し直す必要があると思っていまして、現行の制度としては幼稚園教育要領と保育所保育指針しかないわけですから、それをメルクマールにするしかないのですが、新たに幼保連携型認定こども園の保育要領の内容がこれから議論されていくとしたら、それを先取りして特例の特例といったことにするのは不可能だと思いますが、現実的に 3 年ぐらい経ったときにここでパートとしても非常勤としてもこういう経験を積んできているのにと渡邉委員がおっしゃっていたような救済策というのでしょうか、その辺も考えるとどうなのかと思っています。質問というか、ややこしい話をしているかもしれませんが。

 

○渡邉委員

 それに関連するかどうか分からないのですが、実際に今は認定こども園の数が少ないですから、例えば 4 分の 1 の人たちが保育士資格しか持っていなくて幼稚園教諭になっているのですが、委員に横浜市の田中部長もいらしていますが、横浜市型の預かり保育をやっている幼稚園ならば、みんな認定こども園になる可能性があります。幼稚園の中の預かり保育の中にすでに福祉部門が入っているわけですから。そのときに私が一番気になっているのは、横浜市では保育士が足りなくて大変な思いをしているという中で、保育士と幼稚園教諭を持っている人でなければ認定こども園の職員になれないという事態が起こったときに、例えばパートの人が保育士資格しか持っていない、特に試験を受けた人たちが幼稚園教諭を取りづらいだろうと思います。運営する側とすると平成 27 年とかその先をイメージするときに、幼稚園教諭と保育士を持っている人たちがどれぐらいいてくれて、園を手伝ってほしい人を探す時に、講師も含めて幼保両方の免許を持っている人でなければ保育教諭になれないといったときに現場がパニックになるかもしれません。国としては幼保連携型の認定こども園を推進しようとするのですけれども、実際にはどのようにして皆が保育教諭になっていくかというイメージが一番難しい。それは多分、今の保育士の人たちが幼稚園教諭免許を持っていても、認定こども園になるといって幼稚園教諭免許を有効にさせなければならないときには免許更新講習を受けなければいけないというだけでも大変ではないかと思います。原則としてメルクマールがあるということに関してはここの会議でも特例がなくてもよいと思いますが、現場サイドとしては、裾野は広がるからあった方が良いという発言は自分でしましたが、どこかで少しとりやすいように緩めておかないと結果的にそれで苦しむのは行政の方であったり、ある意味で厚生労働省や文部科学省の方たちや認定こども園を推進しようとしながら、その資格がうまくいかないという形で待機児童問題も含めてうまくいかなくなったらそれは苦しいのではないかという思いを持っています。できれば両方持っていて保育の質が上がるということをとても大事にしたいという熱意は強いのですが、ただその中で現場がどこまで対応しきれるかというのが今は見えないというのが正直な感想です。

 

○上村委員

今のご意見に関連して、現実的に現場では 人材不足に悩まされるのだろうなと 思っています。まず、確認させていただきたいことは、これは 試験と履修の両方の方法を併用してもよく、履修の場合は 8 単位 を履修する必要がある ということでよろしいでしょうか。

 また、 現に働いている者が取得していくことになるので、 どうすれば取りやすいのか現場の意見をぜひ聞いていただき、移行するときに運用上の方策という形で具体案を今後出していただきたいと思っています。

 その方法が 13 ページに「通信教育や夜間開講など勤務者の状況に配慮した対応が望まれる」と書いてありますが、「望まれる」だけではなく、 具体的にしていただき たいと思っています。

 また、養成校だけで 対応していくことは大変だと思います。 保育士試験は 各都道府県で行っていますが、各 自治体 とも協力して 合格しやすいような方策を講じていただく必要があると思います。質の確保は大前提ですが、質と同時に運用上の取りやすさも考えていただきたいと思います。

 

○橋本保育課長

 運用の話につきまして、先ほどの通信教育の話にせよ、これから先この報告書の中での書きぶりの如何にかかわらず、養成施設に対して私どもとしてはこうしてほしいということを強く制度上の要請として使命をぜひ果たしていただきたいとお願いしなければいけないだろうと思っております。免許の更新等につきまして文部科学省からいずれ整理された形で伝えられるだろうと思っておりますけれども、いろいろな形で漏れがないように、また、そこのところで必要以上に不便を感じることがないように、そういったところをいろいろな面で配慮しながら実務を進めていくというところは私どもとしても留意しなければいけないと思っておりますので、そこのところは両省間で話し合いをしながら進めていきたいと思います。

 

○上村委員

 そういったときに、事前の講座を 設けていただくなどの工夫もしていただきたいと思います。

 もう一つ確認したい点は、移行期間で取得できなかったらどうなるのかということです。 この点について 具体的に 考えていただく 必要があると思います 。先ほど 6 年間とおっしゃいましたが、これがもし期間を過ぎてしまったり、この期間内に試験に受からなかったりしたときにどうなるのか。何かお考えがありますでしょうか。

 

○橋本保育課長

 この特例を考えるに当たっての前提が、まさに期間限定の特例であるというところにありますので、その期間中に取れなかったときにどうするかということは現時点で私がお答えすることは非常に難しい話ですが、そういう意味では試験に受かるか受からないかというところは多分に本人の部分が大きいわけですが、全体として 8 単位の履修ということにつきましての負担がどの程度かということを考えたときに、ぎりぎりのところまで負担の軽減は先生方にご配慮いただいて少ないものにしていただいていると思いますので、そこは施設の管理者側としてもそういった講習を受けられるような環境づくりはご考慮いただきたいと思いますし、私どもとしても、これからの行政施策の中でそういうもう一つの方の免許資格を取るに当たっての代替要員を確保するといった行政的な対応はこれから先の問題として検討したいと思っています。

 

○増田委員

 「取りやすく」ということは今の現実の保育士不足のところから当然の声だと思いますが、この検討会が始まりますときに、あくまでもこれは特例であるということは何度も出ていたと思います。現状が保育士でいえば保育士試験があり 2 年制養成あり 4 年制養成あり 2 年・ 3 年・ 4 年とあり、さまざまな実態がある中で、しかも八十何%が幼稚園教諭そして保育士資格二つの資格・免許の併有ですけれども、そこは専門性をより高めていくという大前提の下に保育士養成と幼稚園教諭の養成が行われている。そういう中で、今の実態に合わせるために特例をやるのですが、さまざまな制度が関連性をもって今まで検討されてきていないわけですから、ここで特例を出したときに「そういうことでよいのか」ということがたくさん出てくるわけです。そういう意味で、今回の報告の中の 5 番のところで最後の検討会の第二部に書かれているようなさまざまな課題について「早期に」という言葉を入れてくださいましたが、喫緊に検討していくことが必要だと認識しております。特に、保育士試験で今の保育士試験の科目の中で、もちろん内容的には今回ここで出たような内容をしっかりと入れ込むことになっておりますけれども、試験科目そのものとしては新たな今必要とされているような試験科目にもなっていない。そのようなさまざまな状況がある中で、一方でこの特例措置を緩やかに取りやすいようにという流れをあまりにも安易につくってしまうと、では保育士とは何か。幼稚園教諭とは何か。その養成とは何なのかという新たな課題が生まれてくると思いますので、例えば 5 (1) で「地方自治体や保育士養成施設等が協力し、研修を開催すること」この辺りを、ここにあまり具体的に示すことは難しいと思いますけれども、ある程度その資格・免許を取りやすくするという今回の特例措置の中で現実的に保育現場で保育教諭として勤務する人が 8 単位だけの学びで十分とはいえない。そのときに、この研修の在り方をもう少し何か示し方ができるのか。あるいは、この後の対応をしっかりとしていくことが必要だと思いました。

 そして、先ほど課長が言ってくださったような、より研修を受けやすい、取得しやすい状況を今のままでやれといっても不可能だと思いますので、そうしたものの新たな整備ができるような、そういうことが感じ取れるような報告書になればよい。また、そうしなければ実際に機能するものにはなり得ないのではないかと思います。

 文部科学省のご説明では研修のこと、評価のことを新たな今回の 8 単位の内容に入れると。これは保育指針のところでも色濃く研修そして保育の改善というところがしっかりと入っているわけですけれども、その 8 単位の中でそうしたことを強調しながら、現実の現場では研修の時間の確保ができないという矛盾した状況があると思いますので、ぜひその辺りは対応できるような書きぶりで最終的なものができたらよいと思います。

 

○上村委員

  質を落とさないということは大前提です。ただ、現実的に取りにくい状況が出てくるということを心配しています。 「取りやすいように」と申しあげたのは「学びやすい環境を整えていただきたい」ということです。 そういう意味で、代替の保育士の確保や通信教育による履修等現場の意見を踏まえて取りやすさの運用上の方策を講じていただきたいというお願いです。以上です。

 

○埋橋委員

 今、増田委員がおっしゃったこととも関連してくるのですが、先ほどからの 7 ページのペンディングのところのことですけれども、ここで精神といいますか。渡邉委員がおっしゃった本当に子どもの実態、子どものための保育と考えたときに、幼稚園・保育所から小学校へ上がっていって、その先での子どもの実態を知っているということは非常に大事なことだと思います。気持ちとしてはこの 1 年を上限に繰り入れることは精神としてといいますか大変大事なことだということをどこかに残しつつ、しかし、施設なり勤務の実態の把握を考えたときに、現実的な困難を伴うのであっさりとここを切るというのではなく、そういう運用上のことから涙を飲んで諦めるというのは変ですが、そういうことをどこかに残しつつ、最終的には 4 番は削除という方向で、ニュアンスを残しつつ切っていただきたいと思います。

 もう一つは、まずは取りやすくするということを考えたときに 1 年を上限というのは重要な要件ではないかと思いますが、実務上の困難でというニュアンスを入れていただきたいと思うことが一つです。それと、幼稚園の教諭と保育士にとって違うところは、幼稚園の先生は研修ということがきちんと制度的にも位置付けられている。教職論という授業においても、そこを非常に強調する。保育士については、研修は大事ですよということは言います。しかし、制度的な裏付けがないというのが大変大きな問題点だと思っています。資格という入り口である程度要件を整えることは大事だけれども、現実的な保育の質の向上につながるのは入ってからの研修の在り方が大いに作用するわけで、養成の段階で学んだことは現実にいってかなりギャップがあるということと、教えきれていない現実場面での種々の困難をどう解決するかというのは入ってからの研修によると思います。では、この保育教諭になったときの研修の位置付けというのは制度的にどうあるのかということを課題としてきちんと明示していただきたいと思います。以上の 2 点です。

 

○若盛委員

 具体的な取り組み方はかなり論議されてきていると思っております。実際に私は認定こども園をしてきておりまして感じているのは、今ここで論議されていることは非常に歴史的なことだと思っています。というのは、今もお話がありましたように日本の乳幼児の育ち方について、文部科学省と厚生労働省で二極化してきていたわけです。でも、これからはそれを一体的にしていこうという、これは本当に昨日の裁判制度ではないけれども司法と立法の関係と同じで、本当に歴史的な取り組み方だと思っています。ですので、皆さまがおっしゃっているようにあくまでも質を落としてはいけないということが大前提ではありますが、ここまで私も渡邉委員と同じで両方に参加させていただいて思っているのは、前提としては二極化してしまっているという前提です。でも、平成 27 年以降については一本化してきたからよかったというものにしていってほしいと思っています。それぞれ存在的なものは残ってきますけれども、認定こども園一体化というところで子どもが育っていくことに保育教諭が参加していることの価値というのでしょうか、そういうものをきちんと認識した上で取り組んでいける免許制度の在り方にしていく必要があると思っていますから、先のことは見えないかもしれない。でも、認定こども園で仕事ができてよかったという社会的な価値を、国も含めて発信していく必要がるのではないかと思います。そう願いたいと思っています。だから、資格があるからよいのではなくて一体化の中で両免許が持てて、そして新しい子育てに参画できているという自負心も含めて、そういう捉え方をぜひしていただきたいと思っています。

 そして、この中には大学の専門の先生方がいらっしゃいますから、その先生方が考えている養成所としての工夫は養成所にお任せしたいと思っています。ここまで 8 単位という内容についても決められてきておりますので、それは文部科学省・厚生労働省両方を含めて先ほど渡邉委員もおっしゃっていましたが、保育者が両面を持って子どもたちを育ててきていることの良さを形として具体的にまとめていかれるようでありたいと思っています。内容的には抽象的かもしれませんが、願いは歴史に残していくための認定こども園でありたいということを強調していきたいと思っています。以上です。

 

○藤林委員

 この 3 年間、厚労科研費で放課後児童クラブと保育園の研究を分担研究者と一緒にさせていただきまして、この 7 ページの [4] につきましては放課後児童クラブの分担研究者として本当は残してほしいとおっしゃっていました。ただ、放課後児童クラブがなぜ連続性といったかというと、保育園と放課後児童クラブで切れてしまうのです。そこにいろいろな情報がいきにくいという実態が明らかになってくるのと、放課後児童クラブの存在自体が小学校の中で認知されているところと認知されていないところ、つまりこの水道は小学校の子どもだけなので使ってはいけない。放課後児童クラブの学生はこちらの水道を使いなさいなど、そのようなさまざまな実態を分担研究者から聞いているときに、仕方がないけれども先ほど埋橋委員がおっしゃったように、そのようなさまざまな状況から涙を飲んでという、先ほど私は感動したのですが、それを入れていただいて将来的にはここのところで放課後児童クラブも含めて連続的な子ども支援を行っていくのだという含みもあるけれども、今はこの資格のためにここは仕方がないという書き方を残していただくとありがたいと思います。今後の一つの課題として厚労科研費につきましてはまとめていきたいと思っていますが、分担研究者からこの点につきましては大変重要なご指摘をいただいておりますので一言述べさせていただきます。

 

○矢藤委員

 特例制度の効果的な運用に向けて養成校の側のプログラムを提供する側の視点から幾つか質問していきたいのです。まず、松本教職員課専門官に。文部科学省の方でも教員養成課程を持っている大学に講座を特別に開くようなことを要請していくということで理解してよろしいですか。

 

○松本教職員課専門官(文部科学省)

 はい。

 

○矢藤委員

 その場合に、養成校からすると 8 単位のもので多くの養成校が両方の免許・資格を出しているとすると 16 単位分用意することになります。これは結構なもので、これは教員免許の更新講習と比べても非常に多くの時間と人を費やすものになると思います。特に規模の小さな養成校などの負担が大きくなる可能性がありますから。先ほど、強く要請していくという橋本課長のお言葉がありましたが、そのニーズが実際にどれだけあってというような試算を今からされるのかどうか分かりませんが、そうでないと例えば強く要請して人もあてがってこれだけ科目を用意しました。でも、人が来ませんということがあったときにどうするのかといったようなことを、粗方どれぐらいニーズがあってどこまで強く要請できるか。その場合に教員養成課程、保育士養成課程だけでなくて教免講習がやっているように団体や地方公共団体が専門家を講師にしてこういった講習を開くというようなことの余地も、逆にニーズが多い場合はそういうことも検討することも必要になってくるのではないかと思いますので、その辺りのことも含んで要望というか検討されることだと思いますが、念のために申し添えさせていただきます。

 

○汐見座長

 この辺で何かもう少し具体的に考えていることが、省としてありますか。

 

○鈴木課長補佐

 先ほど地方自治体に、養成校に依頼すると申し上げましたが、その中で保育所などのニーズを調査しようと思っています。

 

○矢藤委員

 ありがとうございます。

 

○汐見座長

 確認させてください。我々として共通に確認しておきたいのですが、 11 ページの表 3 と表 4 のところで「仮称」という形で新しい履修科目名が提案されていますが、これはこういう名称でよろしいでしょうか。これで仮称が取れるということになりますので。

 先ほど上村委員がおっしゃったのは両方、片方を受けて片方は試験で受けるということは可能だということです。そのときに対応するのがこの科目名です。履修科目名です。ですから、試験で「福祉と養護」を取った場合には履修科目からこの「福祉と養護」を外すことができるということで、これに対応した名称になっていなければいけないので、そのようになっているはずですが、この名前でよろしいかどうかということです。私が見たところ、こうかなという感じでしたが。これ以外になければこの形で発表することになりますが、よろしいでしょうか。

 それから、今かなり意見が出ていますが、 13 ページの 5 の実施についてというところです。具体的に現場からはかなり不安が出ているということがありますし、養成校としても対応できるのかということがあります。ここでは三つ出ていまして、 (1) はこれを試験で受けるというか通信等で取っただけでは不十分なので、しっかりと研修を受けてほしいということですが、こういうことについて一般論として書いているだけではなくて実効性のあるものとするために、もう少しこの文章で書けるかどうか分かりませんが、私は全部予算措置が必要ではないかと個人的には感じました。例えば、国が応援するので各自治体それから保育団体と養成校とで無料で受けられるような研修をきちんとするということについて努力義務的ぐらいに書くとか、その後は間違いなく予算措置が必要になってきます。そういうこともありますので、この書き方についてはもう少しもう一歩出られないかというのがあります。

(2) に書かれているのは、実は潜在幼稚園教諭がいるわけです。つまり、持っているけれども今は勤めていないという人たちで、今後勤めようと思ったところが認定こども園だったらできないということになりますので、そういう人たちがこの機会に取らなければいけないのだということをどのように周知徹底するかということがあります。これも相当工夫しなければいけないので、多少予算措置が必要になるかもしれません。

 そして、 (3) のところは養成校でやるといって準備はしたけれども応募がなかった。雇った人の給料を払うのが大変だったということが起こりますので、こういうことについて何らかの期間限定ですが援助があるかどうかという辺りは、かなり実は現実的な問題になっている感じがしますが、文部科学省としてもそこは議論していないですか。

 

○松本教職員課専門官(文部科学省)

 会議の場では、実際に具体的にどのように周知なり開設依頼をしていくかというところまでは今のところ議論はされておりません。

 

○汐見座長

 これは私たちには書きようがないのですが、これを本当に実効性のあるものにするためには多少そういう検討会として国に要請するということが出ていた方が良いと思いますので、その辺の書き方をもう少し工夫させていただきたいと思いました。

 

○増田委員

11 ページの表 4 のそれぞれの科目のところに単位数の下に講義・講義・講義。そして「乳児保育」だけが演習になっています。この講義と演習のところのご説明をしていただきたいのですが。

 

○橋本保育課長

 ここの部分は、もともと 10 ページに実務経験の有無を問わない幼稚園教諭免許状所有者の特例がございますが、この中で表 1 でいいますと 9 番目に「乳児保育」がありますが、この部分がもともと演習科目という形で設定されていますので、今回ここの部分は実務経験があっても省略できないという方向で整理してきたということがありますので、この部分は引き続き演習科目という位置付けで残っているということになります。

 

○矢藤委員

 そうしましたら、演習だと時間数を変えるのか。そこまでは考えないというか 2 単位・ 15 コマで考えるのか。これは学則によって違いますよね。その辺りはどういう基準でやるのか確認させていただけますか。

 

○今井係長

 「乳児保育」の部分は途中の報告書の中にございますとおり平均がないので丸ごと乳児保育を学んでいただくという形になりますから、今の指定保育士養成施設の乳児保育の内容について学んでいただくという方法になりますので、演習の形態で多分現行の指定保育士養成施設が指定基準の乳幼児の科目をそのまま同じように学んでいただくという受講方法になります。

 

○矢藤委員

 その場合に、 15 コマでやっているところと 30 コマでやっているところが現実に存在するわけで、つまり時間数に 2 倍の違いが出てくるので、何らかの縛りを出して、例えば取りやすくするために 15 コマでやるとするのか。あるいは、厚生労働省の基本的な基準として 30 コマやるものなのか。それによって実際は大きく違ってくるのではないかと思ったのですが。

 

○今井係長

 指定保育士養成施設の基準では 2 単位です。単位の扱いは大学の設置基準等に則って行っていただく。設置基準上は幅のある書き方をしているので、幅のある運用がされているというのが現状です。その現状に乗っかった形で行うことになりますので、今回について特別取り扱いを変えるものは設けません。

 

○矢藤委員

 分かりました。

 

○汐見座長

 それは、それしかないでしょうね。ここだけは今までは演習でやっているものを講義にはできないと思います。大体ご意見が出たと思いますので、追加のご意見をお願いします。

 

○埋橋委員

 内容に関わることではないのですが、 13 ページの 5 (1)(2)(3) となっているところの (2) の表現で「本特例は、片方の免許・資格」となっているのですが、「片方」という表現が前の方では「一方」とか「どちらか一方」という表現になっているのでそろわないと思います。内容に関わることではありませんが、表現上で気になりましたので、お伝えします。

 

○汐見座長

 一方か片方か、相当な議論が必要な感じがしますので、それは任せますがそろえていただきたい。表現上の細かいこと、例えば私は個人的には「保健と栄養」のところを「保健と食と栄養」にした方が、食育ということが随分言われているので「食」は特別に入れた方が良いのではないかと個人的には思っています。ややこしくなるかなと思ったのですが、もう少しご意見があればお寄せいただいて、確認させていただきたいと思います。

 今回は特例措置であるということは、もう一回きちんと確認させていただきたいということです。今回ともかくそういう意味ではなるべく取りやすくするということが前提だということです。その上で、取ってもらって働きやすい環境をつくるけれども、きちんと専門性を上げるための努力は引き続きやっていただきたいということを強調するトーンにするということです。

 それから、実際にこれが発表になった後にプロセスとして順番にやっていかざるを得ないと思いますが、特に現場にとってこの資格を取ろうという気になるし実際に取れるような配慮というものについて、きちんと行っていただきたいということが今日の議論の中で出ましたので、何らかの形で入れたい。

 それから、 7 ページの [4] については文部科学省に合わせて取るということだけれども、ここに書かれている考え方については、どこかに別の形でもよいから表現として入れて、その上で「しかし、今回は」というような感じでニュアンスとして残していただきたいというご意見が出ましたので、これは 6 ページに少し短くして入れるかどうかではないかと思いましたが、そういうご意見が出ましたので配慮をお願いしたいと思います。

 あとは基本的にご提案いただいた案でよいということで確認していただけるでしょうか。それでは、あとはよろしくお願いします。

 

○増田委員

 今、汐見座長が最後におっしゃった表 4 の「保健と栄養」で「食」を入れたらというご意見に私も賛成ですが、長いけれどもこれはどうでしょうか。保育士養成課程の検討でここの名称を入れるときに「子どもの」というのが入ったわけで、「子どもの保健と食」という今回の改定の中で主張していることが出るような一つの提案として「子どもの保健と食」というのを提案しておきたいと思います。

 

○汐見座長

 栄養ではなくて、むしろ保健と食ですね。では、今日は時間がありませんので、そういう意見が出たということで、もう一回詰めさせていただきたいと思います。

 文言のところで「片方」「一方」のようなことがあればご提示いただければと思います。

 大体こういう案で発表できるというところまできましたので、先ほどのような形で確認させていただきたいと思います。大急ぎで 4 回の議論でしたけれど、何とかこういう形でまとまったということでご協力を感謝いたします。

 最後に、この委員会に参加したことの感想、あるいはまだ言い足りない思いなどをお一人 2 分間程度で、藤林委員からお願いします。

 

○藤林委員

 何度も申し上げますが、児童・福祉は専門ではなく、本当にそういう意味でこの場にいることで勉強させていただけてありがたいと思います。先ほど申し上げましたように厚労科研費の保育と放課後児童クラブについては、あえて保育の専門ではない児童福祉の専門ではない私を主任研究者にということで始めていったものですが、併せまして今後のこういう厚生労働省と文部科学省の両方で行っていく子どもの支援システムにつきましては私どもも研究者として追っていきたいということを先ほど分担研究者の方々とも話をさせていただいております。質を上げるというのは社会福祉士でもいわれていますが、この人手不足のときに質を上げるとどの程度の人がやってくるのだろうというのは社会福祉士も同じように心配していることで、上げ過ぎると今度は人が来ないのではないか。厳し過ぎると人が来ないのではないかということを同じように保育も感じていらっしゃって、そこを福祉の人材としてどのように考えていくのかということをトータルに捉えていきたいと思います。以上です。

 

○増田委員

 大変難しい課題への挑戦だったと思いますけれども、これからの日本の就学前の保育、しかもこの発達の連続性、生活の連続性というものを捉えながら、今までの幼保の枠組みを越えて「子どもの最善の利益を」ということを大事にした保育者養成資格免許の取り方ということに今後につながるような検討でありたいと思いました。まだまだ課題はたくさんありますので、ぜひこの検討会の継続を期待いたします。

 

○矢藤委員

 先ほど、私は養成校で例えば講座を準備しても来なかったらというようなことを申し上げましたが、逆もあるわけでニーズに対して開かれないということがあって、更新講習でもあったようなことだと思いますが、当初は課程を設置しないといったようなことがあって、でも今回は時限的な措置で 5 年間の中でやっていかなければいけないときに、一体どうなるのだろうと 2 3 年様子見ということがあってはいけないので、養成校の協力は不可欠です。特例への理解にも多分差が大きくあって、今ここで話し合われていることの議事録が出ていてもほとんど知らない方々と、非常に注目している方々があるわけで、そういう意味で養成校への周知と協力要請をしっかりすることにより養成校がしっかり関わることで養成校も質を向上して養成の質を向上させる機会になるようなことになればよいと思っています。

 

○若盛委員

 ありがとうございました。先ほど早めに申し上げてしまいましたけれども、日本の歴史のことでは画期的だと思っています。ようやく子どものためにどうあるべきかという論議が具体的な内容として出てきているのではないかと思っております。これは免許のことももちろんそうですが、もっといえば日本での保育従事者の処遇の問題も非常に大きいものだと思っています。もちろん資格は大事です。取れないのではなくて取れる努力をしていく必要はあると思っています。そういう意識を持てるような風土というのでしょうか、気風が必要ではないか。ただ単に資格があるからよいのではなくて、次の時代の子どもを育てていくための質をきちんと社会が保証していけるための一体化論というのでしょうか、当たり前のことですが、なぜ今までできなかったかということを含めて、これから質の良いものにしていきたいと思っております。よろしくお願いします。

 

○渡邉委員

二つの会議に出て、こちら側は保育士ですから保育課の橋本課長がおられて、向こうは教職員課の方が出てきたことにまず驚きました。文科省は幼稚園課ではないのだという枠組みの違いに最初は驚きました。教育ということを全面に出したからには、逆に先ほどの研修の話ではありませんが、教員というのはきちんと研修が保証され、認定こども園でこの資格を取るためでもよいのですが、保育者たちが学んでよいのだ、そういう時間が確保されたり予算が確保されるのだということが平成 27 年からきちんと確保されるということが必要です。資格を取るのも大事だけれども、そういう制度、現場が頑張っても、きちんとした制度ができないと今まで我慢させられている。それは設置基準もそうです。子どもの最善の利益と皆は言いますが、やっていることは子どもを狭いところに押し込め押し込めと言っていている。現場が本当に子どもたちがのびのび生活するとか、良い保育をするためにどういう形にするかといったときに、制度の中の一つの形としての資格ですが、それがどうなるかというのが安上がりの方にはならないでほしい。議論として一番早いのは幼稚園と保育園があるから二つを一緒にすればよい、足せばよいということです。でもそれでは現場はとても大変になるわけで、一つだけの方がすっきりすることもたくさんあったりする。二つになったから良いものができてきたというように、今回の議論の進め方でもどのようにすればよかったのかという言い方をするならば、本来的にはこういう議論のやり方が良いのか。このように二つに分かれた方が良いのか。それとももう少し幼稚園と保育園が一緒になって議論した方が良いのかというのは、私は議論の仕方として分からないです。

 もう一つだけ言うと、認定こども園のように幼稚園と保育園が一緒になってくると、保育現場だけがワーク・ライフ・バランスから遠ざかっているような感じがしています。ワーク・ライフ・バランスは大事だと言いながら、保育士や幼稚園教諭は何となく朝から夜までいていつも遅くなっているような感じもしないでもなくて、それで母親の子育て支援しろというのも本当に難しいと思っています。子どもを持って働き続ける女性をどのようにサポートし、それにプラスして保育者として学び続けるという制度をどのように作っていくかは、今が大事ではないか。それこそ来年以降、平成 25 年度以降から新しい制度を作っていったときに、子どもたちが幸せになるためには保育者はどうしたらよいかということもきちんと議論されていって、できるだけ日本の子どもたちが幸せになるような制度を作っていただけたらありがたいと思っています。その難しさと、もう一方で希望も見えながらこの会議に出させていただいたというのが感想です。

 

○大嶋委員

 今回、この検討会で一番感じたのは、今日もそうですけれども文部科学省の松本専門官に出て来ていただいていますが、文部科学省で検討されてきていることがこの検討会にいつもこういう形で報告されて、そして私たちと質疑をしていただくということで、そういう意味では非常に今回の新たな認定こども園の性格そのものを表しているし、保育教諭という位置付けも少しずつはっきりしてきたのではないかと思いまして、そういう意味では非常に良い検討会だったと思っております。

 それから、もう一つは具体的に 90 分で 15 回授業をやる。私は保育士養成校のどこの学校が最初にこれをカリキュラムというか、これを用意するのか。考えられるのは保育士養成課程を持っていて認定を受けている学科以外に小学校や幼児教育、同じ学校の中の同じ学部なり別の学部。幼児教育の免許しか出していない学校が同じ学部内にあるわけですが、そういったところは幼稚園の免許だけを出している人たちを対象にして 4 科目のカリキュラムを具体的に作って卒業生に対してサービスをするというところから始まるのか。具体的にそのようなことも含めて、ここにも書かれているように今後の周知を徹底していく必要があると思います。以上です。

 

○上村委員

 幼稚園教諭免許にかかる特例措置の検討は文部科学省が所管し行われましたが、保育士資格にかかる特例措置について検討している私たちと一緒に検討してもよかったのではないかと思っています。相手側のことがよく分からない中で検討していくのではなく、一緒に検討する機会があっても良かったのではないかと個人的には思っています。

 もう一つは、保育士は本来、 0 歳から 18 歳までの児童が対象であり、就学前の子どもについては、養護と教育が一体となった保育を行っているのに、なぜ保育教諭を取るのにこれだけ議論しなければいけないのか疑問に思っています。今の保育士の資格のままで現実はできるのではないか。そうすれば、大混乱はないのではないかと思います。これは個人的な意見です。

 最後にまとめとして、私は保育士の仕事は本当に素晴らしい仕事だと思います。福祉と教育に分けられてしまったばかりにこういう状況が続いてきています。福祉の仕事はなぜこんなに大切な仕事なのに社会的に低く見られるのだろうと、この場に出ても私は非常に悲しく空しい気持です。この仕事は本当に素晴らしい仕事なので人を育てる基礎のところの仕事だということをもっとたくさんの人に分かっていただきたい。社会にもしっかり分かっていただきたいと思っています。そして、今は人材不足だといっていますけれども、保育士が後世に続いていってほしいと思っています。先ほど渡邉委員が言われましたように、私たちにも学ぶ機会の確保など保育の質の向上につながるような環境を構築していただきたいと思っています。ぜひ国におけるご検討をお願いいたします。以上です。

 

○埋橋委員

 二つありまして、一つは日本の保育はこれでよいのかという思いがありまして、では外国ではどうなのかということで、北欧・ヨーロッパ・アメリカ。近くのアジアではとか、そんなに深くはないですが広く見ていったときに、保育職に就く基礎的要件といいますか、つまり、高等学校までの教育を経て現実的にはプラス 2 年間の教育というものをほぼ基礎資格として保育職に入ってくるわけですけれども、このような基礎的なレベルの高さというのは世界に誇るというか、これはあまり言われないかもしれないけれども、随分貴重な特質だと思っています。これが一つ。

 それに反して、その後の処遇の悪さ。一つには給与という処遇もありますけれども、もっと北欧とかレベルの高いといわれているところでは現職にある保育者の研修の時間、それから翌日の保育準備に費やす時間もきちんと保証されているわけです。ですから、具体的にどういうかというと、準備できるような他の人手がある。クリーナーも含めて、そういう雇用も含めて保証されているというところが共通してあるけれども、それが非常に手薄であるというのが日本の保育職の現実ではないかと思います。この辺りを何とかしてほしいという強い気持ちで今回の会議が少しでも提言でき、前に進む方向に役立つことを心より祈っております。以上です。

 

○倉掛委員

 参加させていただいて、あくまでも特例の議論だったということで本編が早く始まらないかというのをずっと思いながら、そのことを半分考えながら、あくまでも特例として最善はどうだろうかという話だったと思います。ぜひ本編を続けてほしいということで一言申し上げると、保育の質の中核にあるのは子どもの経験の質で、その経験は環境や状況がどのような子どもの経験を生んでいるのか。そういう環境を通した保育というのは幼稚園の教育も保育園の教育も同じだったはずです。ですから、この専門性の中心部分を子どもがたくさんいる中でどのように子どもが育っていくのか。人間が、人類がどのように進化してきたのかといったことなども含めて、もう一度保育や教育を議論し直す非常によい機会に今いるのだと思い直して本編を始めたいということです。

 もう一つだけ。人材確保ということで現場にいるとこの養成の問題も大切ですが、実際に産休や育休を取って保育園に子どもを預けようとする保育士がなかなか復帰できない。これは保育を担う保育者がまず認定こども園なり保育園なり幼稚園なりにきちんと復帰できる。その優先要件をつくっていただきたいと思います。そこが一般の就労という要件と同一ではなくて、もう一つ踏み込んだ人材確保策というものを具体的に提案していただきたいと切に願っています。

 

○田中委員

 私は自治体の現場という立場ですけれども、認定こども園の保育教諭の議論もさることながら、保育士不足をどうするかということも現場ではかなり厳しい状況ではございます。そういう意味では、一方で質を確保するということも非常に悩ましいところで、経験年数が短く辞めていかれる保育士が多い中で、現場の声を聞くと派遣の方が給料がよいのでそちらに行ってしまうというような例も一部であったりします。委員の先生方がおっしゃいましたように、経験が質を高める一つだと思っていますので、そういったところがこの議論を踏まえて新しいものをつくっていく中で経験を積んでいっていただいて、研修なり質を上げる保育士に対する仕組みは現場としても必要だと思います。そういったところも現場としても何らかサポートできるようなことをやっていかなくてはいけないのだということを常々感じておりましたけれども、最後のまとめの中でもそういうことをあらためて痛感いたしました。ありがとうございました。

 

○汐見座長

 ありがとうございました。既に時間をオーバーしているのですけれども、この委員会は特例の措置のための議論だったのですが、特例を取り払ってしまいますと保育教諭という資格を持った人間がどういうことをきちんと学んで現場に出ていくべきなのかということについての議論が少し始まったという印象を持っています。学校教育のことについてもきちんと分かっていなければいけないと同時に、赤ちゃんのことも病気のことも分かっていないといけない。障害を持った子どもの保育のことも分かっていかないといけない。これは相当の専門性が要るということを私は議論しながらあらためて感じました。ここでも、それで 2 年で準備の対応ができるのか。 4 年制に移行していかないといけないのではないかということが、やればやるほど実感されてきたというのが私の思いです。

 ただ、保育士養成課程を 4 年制に移すことには相当のハードルが幾つかありまして、特に実は今回一緒に議論しにくかったのは、幼稚園の方は教職課程です。保育士養成校は養成校という一つのまとまった教育機関に属さなければいけないのですが、幼稚園の先生はどこかの学部の学生であって幼稚園の免許も取りたいときはその課程の幾つかの科目を取ればよいということで、一つの専門性を身に付けながら同時に幼稚園の免許も身に付けることができるのですが、保育士の方はそうではないのです。ですから、もし 4 年制にするとしたら、どこかの学部で保育士養成課程も取れるとしたら、いろいろな専門性を持ちながら同時に保育士という資格も取れるという形になるのですが、そういう自由度の違いがまだありまして、そこもどうするのかということが出てきます。私は 4 年制にするのであれば、そういう方向にしていかざるを得ないと思っています。そういうことも含めて保育教諭というものが本当にこれから大事になるのであれば、養成課程の在り方について本格的に議論し始めなければいけないということをあらためて痛感させられた大変大事な機会になったと思っております。これを単に特例のための議論に終わらせないで、日本の子どもたちのためにもっと良いシステムができるための人材養成ということを引き続き議論できればと私も個人的には思っております。どうもご協力ありがとうございました。

 それでは課長、最後に一言お願いします。

 

○橋本保育課長

 今日のご議論の中で、少し原案の報告書を修正すべき点がございますので、その点につきましては、また書き方を工夫しまして、座長とご相談して最終的に確定させまして公表したいと考えております。今、皆さま方からお話がございましたように、この検討会の中ではまさに特例といいながら、しかし保育資格を有する者としてどういう知識・経験というものを身に付けるべきなのかという本来的な養成と、現場で働きながら資格を取るということとの実際上の制約のはざまで一人一人の先生方が悩みながらご発言いただいた姿は非常に印象的だと思いました。

 私自身もそこは非常に悩んだところでございますけれども、今回こういった形で結論をまとめていただきまして本当にありがとうございました。これを実行に移さなければいけませんので、今回いろいろとご意見いただいたことを踏まえながら関係各方面への説明もしていきたいと思いますし、さまざまな行政的な施策としての予算措置も含めた対応もしっかりとやっていかなければいけないと思っております。ぜひ、ご協力をお願いしたいと思います。

 また、話の中に出ておりました保育士養成を進める上でのさまざまな課題ということにつきましても検討をお願いしなければならないと思っておりますので、諸般の状況を見ながら、あらためてご連絡を差し上げたいと思っています。本当にありがとうございました。

 

○汐見座長

 最後に一言。今日いただいたご意見をどのように文書に反映させるかは事務局と相談して、最終的には私に任せていただければと思いますので、よろしくお願いします。どうもありがとうございました。


(了)

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