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2013年11月27日 第30回科学技術部会ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会 議事概要

医政局研究開発振興課

○日時

平成25年11月27日(水)15:00〜17:15


○場所

厚生労働省 仮設第3会議室


○出席者

【委員】

永井委員長 位田委員 梅澤委員 貴志委員 木下委員
小島委員 高橋委員 竹内委員 戸口田委員 中村委員
西山委員 前川委員 松山委員 湊口委員 山口委員
山中委員

【事務局】

一瀬研究開発振興課長 堀再生医療研究推進室長 木村再生医療研究推進室長補佐

○議事

議事概要

 第30回ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会では、継続審議案件として、関西医科大学からの申請が審議された。また、新規審議案件として、湘南鎌倉総合病院、奈良県立医科大学、大阪市立大学及び田附興風会医学研究所北野病院からの申請が審議された。
 その結果、関西医科大学の申請については、持ち回り審議とされた。
 また、新規4件の申請については、次回以降の継続審議とされた。
 (審議されたヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要は別紙1〜5参照。)

別紙1 ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年11月27日審議

<研究課題名>
 自己脂肪組織由来幹細胞を併用した遊離脂肪移植による乳癌手術後の乳房再建法の検討

<申請年月日>
 平成25年9月1日

<実施施設及び総括責任者>
 関西医科大学 楠本 健司

<対象疾患>
 乳癌に対する乳房温存術後(術後1年以上経過した症例)の乳房変形

<ヒト幹細胞の種類>
 ヒト皮下脂肪組織由来間質細胞(ADRCs)

<実施期間及び対象症例数>
 厚生労働大臣意見発出日から5年間 5症例

<治療研究の概要>
 この臨床研究では、乳房温存術後の陥凹変形に対し、自己皮下脂肪組織由来細胞移植による乳房再建術を行い、治療の安全性、乳房形態への効果、生活の質への効果を検討、評価する。
 局所又は全身麻酔下に脂肪採取を行い、脂肪組織分離装置を用いてADRCsを得る。採取された細胞溶液と脂肪組織を混合し、注入用機器を用いて移植する。

<その他(外国での状況等)>
 本治療法は、国内において九州中央病院・九州大学において実施されており、判断した理由19例の安全性・有効性が報告されている(RESTORE研究)。ヨーロッパにおいて本研究と同じADRCを用いた乳癌術後の70症例に対し、施行された乳房再建の試験であるRESTORE2のうち、半年を経過した32症例についてthe San Antonio Breast Cancer Symposium(平成21年)において有効性・安全性が発表された。

<新規性について>
 本研究は、ADRCsを用いた本疾患に対する臨床研究として本研究機関から初めての申請であるところ。

別紙2 ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年11月27日審議

<研究課題名>
 維持透析療法中の慢性重症下肢虚血患者を対象とした自家末梢血CD34陽性細胞移植による下肢血管再生療法

<申請年月日>
 平成25年10月9日

<実施施設及び総括責任者>
 湘南鎌倉総合病院 小林 修三

<対象疾患>
 維持透析中の慢性重症下肢虚血

<ヒト幹細胞の種類>
 ヒト末梢血CD34陽性細胞

<実施期間及び対象症例数>
 厚生労働大臣意見発出日から2年間 10症例

<治療研究の概要>
 52週間の観察期間で治療の安全性および有効性を評価する。顆粒球コロニー刺激因子製剤(G-CSF)を5日間皮下注射し、その後、アフェレシスにて静脈から単核球を取り出し、磁気細胞分離装置を用いてCD34陽性細胞を分離し、取り出した細胞を腰椎伝達麻酔または全身麻酔下に維持透析患者の血流の悪い下肢へ筋肉内注射にて移植する。

<その他(外国での状況等)>
 川本らは、平成15年より慢性重症下肢虚血患者17例に対するCD34 陽性細胞移植の第1/2相臨床試験を開始し、高い安全性と有効性を認め平成21年に成果をStem Cells誌に発表している。さらに平成20年から医師主導治験を開始し、目標症例数の11例に対する治療を終了した。海外では、Losordoらにより多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験も実施されている。

<新規性について>
 維持透析中の慢性重症下肢虚血のみを対象としているところに新規性がある。

別紙3 ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年11月27日審議

<研究課題名>
 偽関節を対象とした自己骨髄培養細胞由来再生培養骨と骨芽細胞シート複合体の有用性を検証する研究

<申請年月日>
 平成25年8月20日

<実施施設及び総括責任者>
 奈良県立医科大学 川手 健次

<対象疾患>
 遷延治癒骨折と偽関節

<ヒト幹細胞の種類>
 自己骨髄間葉系細胞

<実施期間及び対象症例数>
 厚生労働大臣意見発出日から5年間 15症例

<治療研究の概要>
 骨折後3ヶ月以上の保存的、外科的療法によっても治癒を得られない遷延治癒骨折と骨折後6ヶ月以上経過した偽関節を対象とする。まず骨髄を自己血清を用いて培養し、さらにB-TCP顆粒(セラミック人工骨)の表面と孔内に骨髄間葉系幹細胞を培養し、骨芽細胞シートと混合して骨欠損部へ移植する。

<その他(外国での状況等)>
 ヒト幹細胞臨床研究として培養骨髄間葉系幹細胞とB-TCPを組み合わせた「大腿骨頭無腐性壊死患者に対する骨髄間葉系幹細胞を用いた骨再生医療の検討」、「月状骨無腐性壊死患者に対する骨髄間葉系幹細胞を用いた骨再生医療の検討」、「顎骨嚢胞摘出後の骨欠損を対象とした自己骨髄培養細胞由来再生培養骨の有用性を検証する研究」が実施されているが、さらに改良が必要であるところ。B-TCPではなくPRP(Platelet-Rich Plasma)等の別の素材を用いた検討が始まっている。

<新規性について>
 培養細胞搭載人工骨と骨芽細胞シートを併用しているところ。

別紙4 ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年11月27日審議

<研究課題名>
 新生児低酸素性虚血性脳症に対する自己臍帯血幹細胞療法

<申請年月日>
 平成25年10月25日

<実施施設及び総括責任者>
 大阪市立大学 新宅 治夫

<対象疾患>
 新生児低酸素性虚血性脳症

<ヒト幹細胞の種類>
 ヒト臍帯血幹細胞

<実施期間及び対象症例数>
 平成28年6月30日まで 6症例

<治療研究の概要>
 有効な治療法の乏しい新生児低酸素性虚血性脳症に対し、幹細胞を多く含む自己臍帯血を生後1−3日後に静脈内投与することにより、脳性麻痺などの後遺症を減少・軽減させることを目的とし、安全性・実施可能性を検証する。
 対象症例は1施設では多くないため、淀川キリスト教病院、埼玉医科大学、名古屋大学、大阪市立総合医療センター、倉敷中央病院との多施設研究として実施する。

<その他(外国での状況等)>
 米国Duke大学における満期出生の低酸素性虚血性脳症の新生児に対し自己臍帯血を生後3日までに点滴静注するという第1相試験と、メキシコのホセ・ゴンザレス大学病院における低酸素性虚血性脳症の新生児に生後48時間以内に自己臍帯血CD34陽性細胞(造血幹細胞を多く含む細胞分画)を投与する第1相試験がある。なお、この米国Duke大学の試験は同大のCotten医師主導による試験であるが、同医師は申請者グループのアドバイザーである。

<新規性について>
 新生児低酸素性虚血性脳症に対して自己臍帯血幹細胞療法を試みるところ。

別紙5 ヒト幹細胞臨床研究実施計画の概要 平成25年11月27日審議

<研究課題名>
 骨髄由来単核球細胞を用いた脊髄損傷(ASIA機能障害尺度A,B)に対する第2相試験

<申請年月日>
 平成25年11月11日

<実施施設及び総括責任者>
 田附興風会医学研究所北野病院 鈴木 義久

<対象疾患>
 脊髄損傷

<ヒト幹細胞の種類>
 自家骨髄単核球細胞

<実施期間及び対象症例数>
 厚生労働大臣意見発出日から2年6ヶ月間 20症例

<治療研究の概要>
 受傷後12週以内の脊髄損傷患者(ASIA機能障害尺度A,B)を対象にした自家骨髄単核球移植による脊髄再生治療の臨床的有効性及び安全性を評価する。第2相、単群の試験である。骨髄単核球の単離、洗浄、調整は手術室内のクリーンベンチで行う。骨髄単核球の投与は通常の腰椎穿刺の手技を用いて髄液腔に注入する。


<その他(外国での状況等)>
 ヒトに対して骨髄由来細胞等を脊髄損傷部位へ移植し機能回復を得たとする報告がある。平成22年には米国でES細胞を用いた臨床試験が4例に対して実施され、重大な有害事象はみられていない。
 本研究グループによる急性期脊髄損傷に対する培養自家骨髄間質細胞移植による脊髄再生治療の検討は平成17年より実施され、平成22年6月までに5例に実施され、細胞移植に伴う有害事象は観察されていない。今回、骨髄間質細胞投与の有効性を確認するため、症例数を増やした臨床試験を行う。

<新規性について>
 自家骨髄単核球細胞を用いた脊髄損傷に対する第2相試験であるところ。

厚生科学審議会科学技術部会 ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会委員名簿

  氏 名      所 属 ・ 役 職

  位田 隆一   同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科 特別客員教授
  梅澤 明弘   国立成育医療研究センター研究所 副所長
  岡野 栄之   慶應義塾大学医学部生理学教室 教授
  春日井 昇平  東京医科歯科大学インプラント・口腔再生医学 教授
  貴志 和生   慶應義塾大学医学部形成外科 教授
  木下 茂     京都府立医科大学大学院医学研究科視覚機能再生外科学 教授
  小島 至     群馬大学生体調節研究所 教授
  後藤 弘子   千葉大学大学院専門法務研究科 教授
  高橋 政代   理化学研究所神戸研究所網膜再生医療研究チーム チームリーダー
  竹内 正弘   北里大学薬学部臨床医学 教授
  戸口田 淳也  京都大学再生医科学研究所組織再生応用分野 教授
○ 永井 良三   自治医科大学長
  中村 耕三   国立障害者リハビリテーションセンター 総長
  西山 和利   北里大学医学部神経内科学 主任教授
  前川 平     京都大学医学部付属病院輸血細胞治療部 教授
  松山 晃文   (公財)先端医療振興財団再生医療実現拠点ネットワークプログラム(JST)
            開発支援室長
  湊口 信也   岐阜大学大学院医学系研究科再生医科学循環呼吸病態学 教授
  山口 照英   国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部 研究員
  山中 竹春   国立がん研究センター 生物統計部門長
                                                    (敬称略)○:委員長


<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課再生医療研究推進室

TEL: 03−5253−1111(内線4162)

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