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2013年9月4日 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 (第13回) 議事録

○日時

平成25年9月4日(水)10:30~11:28


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

関原健夫部会長 印南一路部会長代理 西村万里子委員 森田朗委員
矢内邦夫委員 白川修二委員 花井十伍委員
石山惠司委員 田中伸一委員 伊藤文郎委員
鈴木邦彦委員 安達秀樹委員 嘉山孝正委員
堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
土屋裕専門委員 田村誠専門委員  昌子久仁子専門委員 加茂谷佳明専門委員
池田俊也参考人 福田敬参考人 田倉智之参考人
<事務局>
木倉保険局長 神田審議官 宇都宮医療課長 佐々木医療課企画官
竹林保険医療企画調査室長 近澤薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

1 議論の中間的な整理について

○議事

○関原部会長

 皆さん、おそろいになりましたんで、ただいまより、第13回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会」を開始いたします。

 まず、委員の出席状況ですが、本日は、万代委員が御欠席です。

 それでは「議論の中間的な整理について」を議題といたします。

 これまで議論してまいりましたが、その議論の共有という意味で、中間的な整理をいたします。事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。

 佐々木企画官、どうぞ。

○佐々木医療課企画官

 医療課企画官でございます。

 中医協費-1、費-2という資料がございまして、順次使いながら御説明をさせていただきます。

 今回、部会長とも相談して、議論の中間的な整理(案)を用意させていただいております。

 まず、表紙、1ページ目でございますが、医療分野のイノベーション進展によって、より高い治療効果が期待される医療技術が選択できるようになる一方で、高い治療効果等が期待される医療技術の中には費用が大きなものがあるため、これらの増加による医療保険財政への影響についての懸念や費用の大きな医療技術の中には、必ずしも治療効果等が十分高いと言えないものがあるという指摘があるということで、平成24年度の中医協の答申、附帯意見の中にも、費用対効果の観点を可能な範囲で導入することについて検討を行うということをされておりまして、24年4月に本専門部会を設置し、以後12回の議論を行っていただいております。

 検討内容としては、制度の基本的な考え方等々ございますが、個別の内容につきましては、2ページ以降でございます。

 まず、1つ目の「医療技術の費用対効果評価の必要性について」でございます。これは、費-2で申しますと、3ページ目から16ページ目までにざっと過去の中医協資料がついておりますが、これらも含めてまとめた内容を書かせていただいておりますが、(1)として、現行制度における費用対効果評価の取り扱いについてのご指摘としては、現在は安全性、有効性を中心として、総合的な評価を行っており、費用対効果に関しては、保険適用を希望する際に提出を求める等の対応を行っていますが、医薬品、医療材料、医療者等の技術の3分野の取り扱いが異なっております。

 それから、費用対効果の評価結果を明示的な加算の用件とする等の具体的な基準が設定されていないということでございます。

 さらに、提出が行われた場合であっても、提出された資料の検証を行うというようなことはされておりません。

 これらの考え方を踏まえまして、医療保険上の評価を行うにあたり、著しく従来の技術よりも高額な費用を要する技術等の一定の要件を満たす医療技術を対象として、効果のみならず、費用も考慮した評価をということのために検討を行うということの必要性が確認されております。

 「2.制度の基本的な考え方」の対象技術です。これは、費-2の資料で申しますと、18ページでございますが、対象技術としては、希少な疾患を対象としていないこと。対象の疾病について代替性のある他の医療技術が存在する。代替する医療技術と比較して、有用性の観点から、財政影響が大きい可能性がある。安全性・有効性等が一定程度確立しているというようなことが議論をいただいております。

 ただし、上記以外のものは、必要に応じ対象とすべきではないかという意見もございました。

 結果活用につきましてですが、費-2の資料で申しますと、19ページにございますけれども、医療技術の評価については、安全性・有効性の評価を初め、さまざまな観点から総合的に行うという考え方で、基本的に維持しつつ、費用対効果の結果を活用、より妥当な医療技術の評価を目指す。

 費用対効果評価は医療技術の評価の一部であって、この費用対効果評価のみをもって、その収載、価格決定というものをするものではないということ。柔軟性を持ったものとして硬直的な運用を避ける。

 それから、費用及び効果の双方の観点から評価を行う。費用の観点のみの評価ではないということです。

 用語の定義につきましては、費-2でページが飛んで恐縮ですけれども、23ページにございまして、医療技術という場合は、医薬品、医療材料、医療者等の技術(手術など)となっております。

 次に、分析と評価の区分に関して、でございます。

 これに関しましては、費-2の資料で言えば、2122ページでございますが、諸外国における取り組みを踏まえると、3つの要素に分類できるということで、4ページ目に移りますが、分析、それから評価、意思決定ということでございます。

 諸外国においては、分析の結果をもって、一律に意思決定を行っているわけではなく、評価によって、より幅広い社会的側面も勘案しているということで、我が国においても同様の考え方ということで進めるということを確認されております。

 具体的な評価の運用方法のうち、評価の手法に関しましては、非常に膨大な資料で議論していただいておりまして、関連資料は費-2の26から37ページまでついておりますけれども、まとめますと、効果指標の取り扱い、○1でございますが、費用対効果の効果指標については、QOLを反映した生存期間である質調整生存年(QALY)、生存年、それから臨床検査値、治癒率、重症度、発生率などが検討の対象となっております。

 5ページ目でございますが、医療技術の多様性に対応可能なよう、一定の普遍性を有するとともに、比較可能性に留意した効果指標を用いるということが求められるとなっております。

 また、医療におけるゴールとしては、寿命保持・延長、QOLの維持・向上が重要である。

 それぞれの指標の特徴については、QALYに関しましては、生存年と生活の質の双方を考慮した包括的な評価が可能であると。

 それから、疾患に依存せず、異なる疾患でも比較が可能である。

 諸外国で幅広く利用されております。

 ただし、データの収集や分析に多くの労力を要することがあるというふうな指摘がございました。

 生存年に関しましては、致死的な疾患においては、確立された指標と言えまして、諸外国でも広く利用されており、疾患に依存しないということがありますが、客観的な指標でありますが、QOLは考慮されていないという点がございました。

 臨床検査、治癒率等でございますが、疾患等に応じた指標は利用可能であって、データの入手が容易であるということがありましたが、異なる指標間での比較が困難であるということで、当該医療技術がもたらす効果を包括しているとは限らないということでありました。

 あと、判断基準を個々の指標に応じて設ける必要があるという御指摘もございました。

 6ページ目に入りますが、また、効果指標の取り扱いについては、疾患や医療技術横断的に使用できることや、患者自身によるQOLの評価の重要性を鑑みてQALYの使用を検討してもよいのではないか。

 諸外国においては原則としてQALYを使用するか、あるいは1つのオプションとして利用していることが多いという意見がある一方で、諸外国の先行例において、QALYの評価を一律に適応し、その弊害があるというようなケースもありますという御指摘。

 それから、QOL以外の指標で、患者の機能をより反映する指標がないか検討してはどうかという御意見もございました。

 方向性でございますが、以上を受けて、効果指標に関する取り扱いに関しては、QALYを用いた増分費用効果比を単一の指標とした機械的な運用により保険収載の可否を判断することを行わないことを前提とし、我が国の医療制度や医療現場の実情を踏まえつつ、質調整生存年、臨床検査値、治癒率、重症度、発生率等を効果指標とする際の運用方法やそれらの組み合わせのあり方を今後検討する。

 また、費用対効果評価においては、効果指標の取り扱いと併せて評価において医療技術をどのように評価するのかが重要である。効果指標で捉えきれない医療技術の側面は評価において勘案することも考慮することを検討するというふうにさせていただいております。

 7ページ、費用の範囲や取り扱いに関してでございます。

 これに関しては、費-2で申しますと、39ページから47ページに関連資料をつけております。費用の範囲の取り扱いとしては、公的医療費、それから公的介護費、生産性損失、家族等による介護等の費用、その他というのがございますが、その取り扱いとしては、医療技術が公的医療保険に与える影響について検討を行う観点から、公的医療費のみの検討で十分ではないかという御意見。

 生産性損失は推計方法にばらつきが大きいので、費用として含めるのは慎重であるべきという御意見がございました。

 その一方で、生産性損失が減少することが、社会的な観点から重要な場合があり得るので、何らかの形で勘案すべきではないかというような御意見もございました。

 方向性でございますが、以上を受けて、費用の範囲や取り扱いについては、公的医療費のみを費用の範囲に含めることを原則としながら、公的介護費、生産性損失を費用に含めた分析を同時に提出することを可能とするなど、公的医療費と、それ以外の費用の取り扱いを明確に区別しつつ、今後の検討を行うとまとめさせていただいております。

 8ページでございます。比較対照のあり方でございます。

 費-2の資料で言いますと、49ページから54ページの部分でございますが、比較対照のあり方については、比較対照とする技術は、既に医療保険制度で利用されているものであることが必要である。

 診療現場での使用実態を踏まえて検討する必要がある。

 諸外国では、診療現場で幅広く使われており、当該医療技術の導入によって置き換えられる医療技術としていることが多いということを踏まえまして、方向性としては、以上を受けて、我が国において費用対効果を行う際の比較対照技術は、幅広く臨床現場等で使用されており、当該技術が導入されたときに、最も置き換わり得ると想定されるものを原則として今後の検討を行うとさせていただいております。

 データの取り扱いでございます。費-2の資料では、56ページから63ページでございますが、効果データや費用データの取り扱いについては、下記のような確認、指摘がなされたと。

 有効性、安全性等の効果データとしては、システマティックレビューに基づき、臨床研究の情報を収集し、エビデンスレベルが高くかつ現実の臨床成績を反映しているものを優先的に利用することが重要である。

 一方、エビデンスレベルのみに捉われることなく、対象集団や診療実態の違い等に留意することも重要である。

 費用の算定は、単価に回数をかけることにより得られる。

 単価としては、公定価格等実際に現場で使用される価格を用いるのが一般的である。

 回数については、ガイドライン等に示された標準的な診療過程や実際の診療を分析したデータ等に基づき計算することが多いが、9ページに入っておりますが、いずれにせよ日本国内の診療実態を適切に反映していることが重要であるとしておりまして、方向性としては、効果データについては、幅広に関連する効果データの検索を行う等、網羅性を担保することとする。また、対象集団や診療実態の違い等を留意しつつ、原則としてエビデンスレベルが高いデータを優先することとして、今後の検討を行う。

 費用データについては、原則として、単価は診療報酬点数表等を用いることとし、回数は、我が国の診療実態を適切に反映していると考えられるデータ、ガイドラインや診療実態のデータを用いることとして、今後の検討を行うとさせていただいております。

 具体的な評価の活用方法に関しては、費-2の資料で言えば、65ページから74ページに関して、関連資料がございます。

 ○1-1として費用対効果評価の活用方法についてでありますが、諸外国における費用対効果評価の取り組みを踏まえ、結果活用方法としては、下記に大別できるとの確認がなされておりまして、保険償還の可否、それから、保険償還価格への反映ということでございます。

 また、諸外国において、保険償還の可否の判断に使用する際には、患者アクセスを確保するための措置として、あらかじめ定めた使用回数や使用期間まで償還し、上回った部分は、公的医療保険制度外による提供とする等の対応が行われているということが確認されております。

10ページ、活用方法については、我が国の公的医療保険制度のあり方を踏まえると、費用対効果評価の活用方法としては、償還価格への反映のほうが適しているのではないかという意見があった一方で、アクセスを確保すること等については慎重に配慮しつつ、対象技術等の状況によっては、保険償還の可否に活用することもあり得るというような御意見もございました。

 今後は、我が国における具体的な例をもとに結果の活用方法についての検討を行ってもよいのではないかという意見もございました。

 ○1-2として結果活用の時期でございますが、保険収載の前後、保険収載後、1~2年経過、さらに数年後と3つのパターンがございましたが、保険収載の前後に結果活用を行う際は、早期に費用対効果評価の結果が反映される一方で、評価に時間を要する場合、保険収載の遅延につながる可能性があることが指摘されております。

 保険収載後、時間を経てから結果活用を行う場合は、蓄積した臨床データや研究結果の活用が可能であることや、評価の時間を確保できるため、保険収載の遅滞の懸念はなくなることが指摘されました。一方で、費用対効果評価の結果は活用せずに、一定期間償還が行われることをどう考えるかという課題もございます。

11ページ、方向性でございますが、現在の我が国の保険医療制度との整合性や患者アクセスの確保等に留意しつつ、保険償還の可否の判断や保険償還価格の決定に医療技術の費用対効果評価の結果を活用することについて、適宜具体例を用いることも考慮しながら、引き続き検討する。なお、結果活用の時期についても併せて検討を行うとさせていただいております。

 終わりとしまして、医療分野のイノベーションの進展によって、より高い治療効果を期待される医療技術が選択されることの一方で、費用が大きなものがあるため、医療保険財政への影響について懸念があるということで、冒頭と同様の内容を書かせていただいておりまして、次の段落ですが、これらの課題に対応するため、当部会における上記の整理を踏まえつつ、先行する諸外国における費用対効果評価制度の動向や我が国の保険医療制度との整合性等も十分に勘案しながら、具体例を取り上げた検討等を含め、引き続き、医療技術の保険適用の評価に際し、費用対効果の観点を導入することについて検討を行っていくこととするとさせていただいております。

 説明は、以上でございます。

○関原部会長

 どうもありがとうございました。ただいまの事務局からの説明に対しまして、御意見、御質問等がございましたら、どうぞ。

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員

 前井上企画官のもとで十分検討ができたので、大分硬直的な内容から柔軟な内容に変わってきてはいると思いますが、幾つかまだ我々にとっては十分ではないという点がありますので、お話しさせていただきたいと思います。

 まず、5ページでございますが、QALYについてのメリット、デメリットということが書いてありますが、これだけですと、メリットがほとんどで、デメリットは労力を要するというような、大したことではないと捉えられがちな記載になっておりますが、やはり以前としてQALYありきというか、そういう考え方が抜けていないと思いますので、QALYを全く使わないというドイツのような国もあるわけですが、そういうことではないにしても、もう少しQALYの問題点もこの間、いろいろ明らかになっておりますので、そういったものは、ぜひデメリットとしてちゃんと記載しておくべきだと思います。

 例えば、私が議論の中で発言しておりますように、QALYは、高齢者には不利に扱われる可能性があるというようなところを、これをメリットと思っている方もいらっしゃるのかもしれませんが、我々はデメリットだと思いますので、これをぜひ入れていただきたいということと、そもそもQALYというのが仮想データを用いて算出するということによっておりますので、そのためによる信頼性の低下ということがあるかと思いますので、これは実際の実例を見たときに、実証データと仮想データがごちゃ混ぜになって出ていながら、最終的な結果がもっともらしい数字として出てくるということがありますので、そこはやはり欠点として仮想データを用いることによる信頼性の低下というのを入れるべきだと思います。

 それから、我々はその間、ドイツの例とか、最新の情報とかも聞かせていただいたりしたわけですが、6ページのところの方向性、そういったところを踏まえると、ドイツの話などでは、効率性フロンティアというような話も出てきて、あたかもそのときの説明は、効率性フロンティアが実際には使えないという印象を与えたかのような説明でしたんですが、実際は、そういうことだけでもないと思いますし、どんどん進んでいるわけですから、そういったことも含めて検討する必要があるというふうに思いますので、その指標についても、これは最初から出てきた指標しか書かれておりませんから、方向性のところ、QALY以下、いろんな指標が入っておりますが、そこにぜひ効率性フロンティアというものも入れて、発生率の後に効率性フロンティア等というようなことで入れていただきたいと思います。

 それから、最後のところなのですが、「2.終わりに」というのに対応する1.というのはどこなのかなという気もするのですが、この「2.終わりに」というのは、どういう意味なのか、つけ足しなのか、まとめなのか、ここに書いてあるからいいでしょうということにはならないと思うのですが、まとめなら、まとめとはっきり、「はじめに」がないのに「終わりに」だけがあるみたいな感じですので、後でこれが本当に残るのかどうかも怪しいので、ぜひ、これはまとめならまとめと書いていただきたいと思います。

 それと、一連の議論の中で、足りないところというのは、費用対効果分析をどのように行うのか、あるいはアプレイザルをどのように行うかというところの議論がほとんど行われていないということで、これが実は重要になると、出てきた結果をアプレイザルでひっくり返すことも実例が出ましたけれども、あるわけですから、そこもきちんと議論しないといけませんので、そこを、やはりきちんと記載しておく、この「2.終わりに」がどういう扱いになるかにもよるのですが、まとめということであれば、しっかりまとめとしていただいた上で、例えば、下から3行目の具体例を取り上げた検討等を行い、費用対効果分析やアプレイザルの具体的方法も含めて、引き続き医療技術の保険適用の評価というような形にするとか、この「2.終わりに」がまとめということであれば、変えていただいた上で、そういうふうにはっきり記載していただいたほうが、よりわかりやすいんではないか。これまでの議論を反映させたものではないのかなと思います。

 それと、私は前回、ぜひドイツの最新の状況だけではなくて、イギリスの最新の状況やフランスの情報も教えてほしいという話を言っておりますが、それについての回答もございませんので、それは本日ということではなくても結構ですから、ぜひ教えていただければ、我々の議論の幅が広がるのではないかと考えております。

 以上です。

○関原部会長

 それでは、企画官のほうは、幾つか御質問がございましたので、お願いいたします。

○佐々木医療課企画官

 医療課企画官でございます。幾つか御指摘をいただいておりますが、これは、あくまでも事務局でつくりました案でございますので、今、御指摘のありました、例えばQALYの記載について、例えば高齢者が不利になるとか、仮想データを使って、部会の参考人の先生方もおられますし、そこら辺は御意見を賜りたいというところでございます。

 また「2.終わりに」となっているのは、まとめというのは、確かに御指摘のとおりではないかと思います。それは、直させていただこうと思います。

 また、具体的な検討等の中身につきましては、まさにきょうの部会で、今後どう進めていくかということも御議論いただけると思っておりまして、そういう意味では、鈴木委員の御指摘以外にも、またあれば、御意見を賜りたいと思います。

 また、最後に御指摘のあった英仏の最新状況につきましては、前回御指摘をいただいておりましたが、本年4月に英仏の状況については参考人から御報告いただいており、本年10月からフランスが開始をし、イギリスでも来年度から制度の見直しを行う予定ということですが、今のところ、情報の更新版というのは、直ちに用意できそうもないという、参考人の御意見もありまして、本日は用意しておりません。今後、部会のほうで、そういった資料も必要ということになれば、参考人と協力して御用意させていただきたいと思っております。

 以上でございます。

○関原部会長

 では、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員

 もう一つ抜けていたのが、指標に効率性フロンティアをぜひ入れてほしいというのは、どうでしょうか。

○関原部会長

 企画官、どうぞ。

○佐々木医療課企画官

 その点も含めまして、部会で御議論いただければと思います。

○関原部会長

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 過去12回、この部会でいろいろ議論してきたことをうまくまとめていただけたのかなと、全体としては、そういう印象を持っております。

 問題は、11ページで、鈴木先生の意見で言えば、まとめの部分でございまして、私も、まとめとすべきと思っておりますが、要は今後どうするのだということが最大の問題だと思っております。

 事務局のほうでは、今後こういうことをやっていきたいというのは余り明記しない形でまとめておりますが、私どもとしては、これまで12回の中でQALYがどうだとか、基本的なことは、ほぼ勉強し、理解をしたと認識しています。

 鈴木先生のような、この方面に造詣の深い先生からすれば、まだ抜けている部分もあるという指摘をされるのはわかりますが、私どもにしてみれば、基本的なことは、今までの部会を通じて、理解したと思っておりますので、今後はそれを具体的な形で、例えば日本の事例に当てはめてみると、どうなのだと。例えば、鈴木先生は、QALYだけではなく効率性フロンティアみたいなものも考慮すべきだという主張ではございますが、例えば、今、一番よく使われている効果指標はQALYということですので、QALYを使って、実際の案件に当てはめたらどうなるのだといったことをやっていかないと先に進まないと思っております。

 そういったことをやる中で、QALYの不適切な部分でありますとか、あるいはほかの指標、データ等も使うべきではないかという具体的な提案もしていけるのではないかと思っております。

 では、どうやって具体的な例を挙げるのだという話でございますが、これは、まさにアイデアで、先生方からもいろいろ意見を頂戴したいと思うのですが、例えば、薬で言いますと、過去数年間、実際に保険適用され、価格決定されているもので財政影響の大きいものを取り上げてみるとか、あるいは医療技術で言いますと、先進医療から保険適用されたものも過去にございますので、そういった過去の例を取り上げてみて、ここにある効果指標でありますとか、アプレイザルの方法でありますとか、そういったことを当てはめてみて、費用対効果を見ることからスタートするのがいいのではないかと私どもは考えておりますので、提案をさせていただきたいと思います。

○関原部会長

 それでは、今のは御提案ということで、今後どういうふうに進めるかという場合の大事な意見ということにさせていただきたいと思います。

 ほかに、嘉山委員、どうぞ。

○嘉山委員

12回会議をやってきたわけですが、QALYを用いた増分費用効果比、コスト・パー・QALYを単一の指標とした機械的な運用により、保険収載の可否を判断することを前提にはしないとか、あとは重症度、発生度、いろんなファクターを入れて今後検討という形で、非常にバランスよくまとめていただいたと思います。

 ただ、まとめてある以上、今、白川先生おっしゃったように、今後どういうふうなものをつくっていくのかということに関する大事なターミノロジーがちょっと少ないのではないかと思います。

 例えば、このQALYを使うにしても、QALYに対するいろんな議論が出たわけで、その中で、今、白川先生がおっしゃった大事なタームを入れたいと、私は思っているのですけれども、その提案をちょっとさせていただきます。

 1番は、例えばQALYでも最近、鈴木先生おっしゃったように、かなり問題点が本国のイギリスでも出ていて、抗がん剤の収載が大体3割しかないと、これこそ、ドラッグラグを先ほどの総会では一生懸命やると言っておいて、一方で、これで抑制してしまったら何もならないわけで、これもやはり整合性をつけなければいけないと思いますので、ちょっと具体的なことを言わせていただきます。

 一番の問題点は、QALYに関しては、このまとめでは、計算するのがちょっと大変だということだけが書かれているのですが、そのほかに、例えば4ページの効果指標の取り扱い等々に、あるいは5ページで言いますと、真ん中あたりにある(ア)のQALYの質調整生存年について、これは、かなり具体性になるのですが、でも大事なポイントを入れておかなければいけないので、たった1つだけ、今、お話ししたように、4番のデータの収集や分析に多くの労力を要することがあるということだけがネイティブファクターとして入っていて、そのほかの1、2、3は、ポジティブなデータが入っていて、議論の中身がちょっと完全には反映されていないのではないかと思いますので、これに関しては、参考資料がついていますけれども、いろんな議論の結果が出ています。

 この中で、例えば、27のスライドにありますように、いろんなデータがありますが、その中で、どの効果指標を優先し、考慮すべきかというのは、これもある程度書き込んでいただきたいと思うのです。この27ページのような、この概念を書き込んでいただきたい。

 そのまとめは、もうちょっと後に出てきますけども、31ページに議論したことが出ておりまして、要するにアウトカムをどうするかということで、先ほど鈴木先生がおっしゃったように全然変わってくるので、そのアウトカムの考え方を、こういうふうな問題点がQALYではあるので、このことも日本流のQALYをつくるのであれば、挙げておく必要があると思いますので、まとめに書き加えていただきたいと思います。

 それから、データの取り扱いに関しても、ページでいいますと、参考資料の57ページ。これは、アメリカの抗がん剤のASCOの分析でも、この2年前から、いわゆる従来のメタアナリシスよりもさらに、メタアナリシスというのは、要するにブラインドサディオが加わっているものをライダマイズド・クリニカル・トライアルと言うわけですが、メタですから、多数のそういう論文を集めて結果を出すというようなことをやっていたのですが、それだけではだめだと、2年前から米国では、58ページにあるように、網羅性が必要だと。これは、田倉先生か池田先生か、どちらかちょっと忘れましたけれども、もはや網羅性が必要だということなので、この辺も具体的に網羅性のあるメタアナリシスでないと、バイアスがかかったデータだけですと、非常に結果がうそになりますから、こういうことも実際には書き込んでおかないと、先ほど白川先生が言ったように、どういう向性でつくってまとめ上げるのかというタームがないので、この辺が大事なところではないかと、ちょっと細かくはなるのですが、非常に大事なことなので、このまとめに書き加えていくことが、本当のこれからつくる際の方向性になると思いますから、要望したいと思います。

 以上です。

○関原部会長

 嘉山先生から2つの、QALYの問題は、鈴木先生からも何回も指摘がされておりますので、きょう出ましたこのまとめについては、修正も含めて、それから今後の進め方についても関連いたしますので、その辺は十分検討したいと思います。

 ほかに、白川先生、どうぞ。

○白川委員

 今の嘉山先生の発言は、そのとおりだと思う部分もあるのですが、特にQALYについて、例えば我が国で費用対効果の仕組みを入れる場合に、どういう使い方をするのだと、これがまだ皆さんの合意を得ていない部分もあると思うのですが、おっしゃるとおり、イギリスで抗がん剤の保険収載が、QALYのおかげでうまくいっていないという発言がございましたが、例えば日本でQALYを使うということになったとしても、それだけで保険収載の可否を決めるのかというと、それは、また別の話でございます。私が申し上げたかったのは、とりあえず、QALYを使って費用対効果を計算してみて、どういう問題があるのか、日本に導入するとした場合、QALYだけに頼ると、何か問題があるのだとしても実際に確かめてみないと、何とも意見を合わせていくことが難しいと感じております。ですから、先ほど来申し上げているとおり、具体例で実際にやってみてはどうかと、そうしないと議論が進まないのではないかと、また改めて申し上げたいと思います。

○関原部会長

 嘉山先生、どうぞ。

○嘉山委員

 私もそれはつけ加えたいと思うのですが、そのとおりだと思います。ただ、前回、具体例として使ったイレッサが、あれはちょっと完璧なものだったので、あれは特に問題がないものですから、先生おっしゃるように、例えば希少がんであるとか、今のところまだ根治が困難ながんですね。でも、それはトライアルもしなければいけないので、エンドポイントは低いのですけれども、ですけれども、QALYでやると多分はじかれるようなものなのですけれども、日本では認められていると。それで患者さんには益があるというようなものを、やはり取り上げるべきだと思います。あるいは、イレッサは問題なかったのですけれども、今まで過去やったもので、これでやると、こんなに違ってしまっているというのは、ちょっとびっくりすることもあるかもしれませんので、新しいものでやるとか、まだ認められていないものでやってみるというのも一つの手ではないかと思います。

 基本的には、やはり先生のおっしゃるように具体性をもって一度やってみる必要があるということには賛成します。

○関原部会長

 堀委員、どうぞ。

○堀委員

 白川委員の言われる具体的なイメージというところで、私も同じように何か具体的なものを拝見したいと思っていまして、資料にありますとおり、今も保険申請をする際には、費用対効果についての資料が出てきていると。恐らく様式がばらばらで余り検討されないところと思いますが、そういった資料の中で、何か参考になるような具体例が実際にあるのかどうか、全く今議論しているレベルとは違う話で参考にならないなら別ですけれども、そういうものがあれば、1回拝見したいと思うのですが、その辺は、いかがなものなのでしょうか。

○関原部会長

 では、事務局、お願いします。

○佐々木医療課企画官

 医療課企画官でございます。

 現状は必ずしも必須という訳ではありませんので、さまざまな試算がございます。一番多い例としましては、既存の技術と比較をして、例えばある材料を使った場合に、再手術が必要なくなるので、その分の費用が減りますという事例が多うございます。

 中には、独自にQALYのようなものを計算して、提出してきている場合もありますが、それを保険償還の議論で、使っておりませんので、提出されてきたデータについての妥当性というものは、特に検証はしていない状況でございます。

○関原部会長

 堀委員、どうぞ。

○堀委員

 今の具体的なイメージを得るための参考にはならないというふうな資料には、現状はなっているのでしょうか。

○関原部会長

 企画官、どうぞ。

○佐々木医療課企画官

 医療課企画官でございます。少なくとも費用対効果部会で12回やっていただいたその議論に相当するレベルのものは、現時点で思いつかないというような状況でございます。

○関原部会長

 ほかに、石山委員、どうぞ。

○石山委員

12回の議論を踏まえて、まとめていただいてありがとうございます。ただ、最後の「2.終わり」というのが、やはり、まとめのほうがいいのではないかと。連続性で見ると、四角の括弧の5ぐらいに当たるのですね。ですから、その辺をきちんとしていただきたい。

 内容的には、かなり中立的に書かれているのですけれども、ちょっと積極性がないのではないかというのが、まとめのときの意見です。

 先ほどから、嘉山先生、白川先生がお話しされているとおり、やっぱり抽象的な概念としては非常にまとめとしてでき上がっているのではないかと思いますので、ぜひ、ちょっと具体的にやっていただきたいと。それも、嘉山先生の意見は、いろんな症例のケースもありますね、そういう中で、過去のケースでも私はいいと思うのです。過去の厚労省の決めてきた医薬の世界なり、あるいは技術でも結構です。それについて、イエス、ノーということを我々申し上げずに、こういう結果だよということを教えていただかないと、QALYにしろ、全部結びついていくような概念がちょっと持てないものですから、ここまで来たのですから、一度分析をやっていただきたいというのが、私の意見です。

 以上です。

○関原部会長

 今、何人の委員の方から具体的なものを提示しろということで、これはこれで、次回以降、なるべく早く、これはそんなに難しい話ではないと思いますので、出していただくということで、それはそれで議論していけばいいのではないかと思いますが、積極性が足りないとか、今後はどうなっているのかというふうな御意見もありますが、そのあたりはいかがですか。

 花井さん、どうぞ。

○花井十伍委員

 私も大体同じような意見で、全体としては、非常によくまとめられているのですが、結局のところ、最後のページで、費用対効果の観点を導入することについて検討と書いていますね。その実例を出すにしろ、内容はともあれ、費用対効果を何らかの形で導入するのは仕方ないだろうというコンセンサスは、多分、鈴木先生もあると思うのです。導入しない可能性も、ちょっとそれは後から聞きますけれども、全くもうこれは導入しないのだという結論もあり得る話なのか、そうじゃないのかがまず違っていて、単なる研究として実例を出す話と、それから、実装するために、やはり実例、可能性を探っていくというのでは積極性という意味では大分違うと思うのです。

 今までやってきたのは、まるで研究の勉強みたいになってきていて、この辺で実例を出すというのは、我が国に実装する可能性を探っていくのだということなのかどうかが、多分ちょっと温度差があると思うのですけれども、そこはもうちょっと踏み込んでいいのではないかと思います。

 私も、例えばシステマティックレビューについたって、例えば、実際にはCOIのバイアスとか出版バイアスとか、いろいろあって、その中で、ではどれだけ妥当なものを拾えるかとか、そういうのは、観念としてはいろいろ理想はあるのだろうけれども、やはり実際にこれを運用するということが、中医協としては非常に実務的な検討なので、それを踏まえていかないと、ずっと研究し続けることになるのではないかと。

 鈴木先生、この辺はどうですかね。導入しないことも射程に入っているという感じなのですか。

○関原部会長

 なかなかタッチな問題になってきたんですが、鈴木先生の名前が連呼されていますので、御意見ございますか。

○鈴木委員

 私は、この文章でいいと思うのですが、やはり費用対効果の観点を導入するかどうか検討を行っていくとなると、やらないということも含まれるのでしょうけれども、導入することについて検討を行っていくだから、私はそれでいいのではないかと思うのです。

 ただ、この分野は、やり方によってもどうにでもなるのです。だから慎重にということをずっと言ってきて、その結果、かなり柔軟な内容になってきたのですけれども、まだもうちょっとかたいところがあるから、そこはやはり柔軟にという意味で言っておりますので、そこは御理解いただきたいと思います。

○関原部会長

 印南委員、お願いします。

○印南部会長代理

 今までの議論をお聞きしていて思うのですけれども、費用対効果の評価を何らかの形で導入するということに対しては、恐らく異論がない。

 それから、日本版の費用対効果の方法を作り上げるということでも恐らく異論がないと思うのです。その日本版の方法というものを考えたときに、どこが日本版なのかと考えると、1つは効果指標の取り方や組み合わせだと思います。これについて引き続き研究して検討していけばいいと思います。

 もう二つあると思います。最も重要なのが、アプレイザルの具体的な基準だと思うのです。効果指標のほうを幾ら精緻にやっても、アプレイザルででたらめなことをやって毎回違うようであれば、これは一体世界に向けて何て説明するのか、国内の患者さんや医療者に向けてどう説明するのかということになり、困ると思うのです。さらに第三としては、現在の薬価とか、材料の算定方式との整合性をどうするのかという問題です。ここでも日本版がまさしく要求されるわけです。

 次回改定に何らかの形で実施するということを考えて検討するには、具体的な実例に基づく検討は当然必要でやるべきだと思いますけれども、同時にいつまでにどういうふうに検討していくのか、そういう検討のスケジュール感も必要だと思います。事務局には今後の検討事項とスケジュール感を併せて提供していただくようお願いします。

 特に、今回のまとめでは、今後の方向性のところに、いろいろ挙がってはいるのですけれども、例えば鈴木委員がおっしゃったように、ガイドラインや体制の問題をどうするかとか、そういうことは挙がっていないのですね。そういうことも検討すべきだと思いますので、そういった今後の検討事項を若干のスケジュール感も含めて、まとめて事務局に提示していただけたら、もうちょっと議論が前に進むのではないかと思います。

 以上です。

○関原部会長

 安達委員、どうぞ。

○安達委員

 今の印南委員の御指摘はごもっともで、私もそう思います。今まで評価指標その他実例も含めてたくさん出たデータも、これは確かにそのとおりだと思う。

 要するに、研究会に終わっているのではないかということにも答えることになるかもしれませんけれども、1つ別の観点から検討すべきことを並行して検討すべきだと思っていることを申し上げます。

 要は、評価の指標は何にとるにせよ、最終的な判断は、いわゆる増分費用効果であるということは、皆さんコンセンサスがあるわけだと思います。

 つまり、ICERでやるときに何倍以上だったら保険償還の可否あるいは金額交渉の対象にするのかということと、それから倍率だけではなくて、実額の金額として、例えば1.2倍でも既存の治療法の、場合によっては1.5倍よりも高いものもありますね。だから、実額の金額として対象にするということか、あるいは倍率でやるのは、それはいろいろあると思いますけれども、そのICERの指標でおよそどこら辺をめどにして費用対効果の検討の中で保険償還あるいは価格交渉に用いるということを決めるのか、そのラインの検討ということも併せてやらないと、なかなか審議では時間がかかるのではないかと思いますので、それはぜひ並行してやるべきではないかと思います。

 ここについては、例えば、今の日本の国民皆保険制度の中にもそんな指標、考え方はないでしょうし、今までいろいろ参考人の方々から提示をしていただくときにも、オーストラリアを初めとして、その対象にする金額はどうやって決まっているのですかということもお聞きしましたけれども、なかなか国の事情によって違うということもあって明確でないのですが、それこそ日本型の皆保険制度の経済的な状況も併せた上で言えば、そういうことも並行して議論をしなければ、なかなか話が前へ進まないのかなと思っておりますので、これは提案でございますが、お考えいただくべきかと思います。

○関原部会長

 ありがとうございました。ほかに、ございますか。

 堀委員、どうぞ。

○堀委員

 確認で、勘違いしているのかもわかりませんけれども、最初のところで、対象技術については代替性があるほかの医療技術が存在すると、これが前提だと思うのですけれども、この代替技術について比較対照をするものだと思っておりますが、どこまでこの技術を広げるのかということについて、比較対照のところにおいては、無治療である場合も対象となるような書きぶりなので、そうすると、代替となる医療技術がなくても検討ができるような記載になっているのですが、その辺の整理はどう考えたらよろしいのでしょうか。

○関原部会長

 今の点、企画官、いかがですか。

○佐々木医療課企画官

 医療課企画官でございます。

 今、御指摘のところは、関連する部分として8ページの「○3比較対象のあり方」というところであるかと思いますけれども、基本的には、保険導入の可否もしくは価格ということですので、既存の技術であって、かつ医療保険制度で利用されているものというのが対象と理解しております。

 ただし、治療法が現在ないようなものの場合は除くということにさせていただいておるというところでございます。

○堀委員

 そういうことであれば、最初に原則として、代替性がある医療技術が存在することということであれば、この無治療ということは、もう削除してもよろしいような気がしますけれども、その辺はいかがですか。

○関原部会長

 企画官、どうぞ。

○佐々木医療課企画官

 8ページの記載だと思います。これは、念のために書かせていただいているということなので、それで趣旨がとおるということであれば、必ずしも必須ではないと理解します。

○関原部会長

 花井委員、どうぞ。

○花井十伍原委員

 実は、この無治療は、私も引っかかっていて、確かに堀委員おっしゃるとおり、前の話からすると、あえてここに無治療と書いていると、こことの整合はどうかというところであると思うのですが、実は私、当初から無治療というのは必要だろうと思っていて、これは何を含意しているかというと、例えば、今、疾病概念というのがいろんな形で拡張しているのですね。全てが医療化していると言いますか、通常は病気と言えるのかというものを疾病名がついていて、それで、今までは疾病ではないものに対して、これは病気だと言って新たな治療ができるということがあって、それがある種医療の拡大を招いているという一般的なことがあって、なので、本来は、これは薬を飲むほどでもないというものに、いや、これを飲んだら、こんななりますよというような商品が間々、今後ふえる可能性もあるし、これまでも具体的には言いませんが、ちょっとそういう感じのものというのはちょこちょこ見出せていて、だからある種、費用対効果という場合に、そもそもこれは病院にかかるほどのものでもないのに、疾病だということをどこかでマーケティングによってつくられるということに対して、私はちょっと警戒感を持っていたので、最終的には無治療と比較というのはあり得るだろうと。

 だから、当面実装するための話をしているので、あえて必要かという御意見はわかるのですが、せっかくここに入っているのをなくすとなると、私はやっぱり残してほしいと、今、言った趣旨で残しておいてほしいというふうに考えたのですが、いかがですかね。

○堀委員

 まだ、この点に関しての議論は始まったばかりなので、今後、また議論を深めたときに再検討していただければ、全然結構だと思います。

○関原部会長

 ほかにございますか。

 三浦委員、どうぞ。

○三浦委員

 今までずっと、12回この検討を重ね、そして、きょうの議論を聞いて、費-1の1ページ目、ここに書いてあるとおり、初めにということですかね、高い治療効果等が期待される技術の中には、費用が大きなものがある。これらの増加による医療保険財政への影響について懸念や、費用の大きな医療技術の中には、必ずしも治療効果等が十分に高いとは言えないものがあるという、今、花井委員がおっしゃったような内容も含め、そして検討するということで、例えば、これは参考のほうの資料の16のスライドですと、これは、医療技術の費用対効果評価に関する考え方のまとめというところで、一番下のほうに、以上を踏まえ、医療保険上の評価を行うにあたり、著しく従来技術よりも高額な費用を要する技術等一定の要件を満たす技術を対象として、この費用対効果評価について導入を検討すると書いてあります。

 それで、最後のところの終わりにというか、まとめのところの最後にも、それで費用対効果の観点を導入することについて検討を行っていくこととすると、このまとめについて、私も基本的な考え方としては賛成です。

 そこで、先ほど印南委員がおっしゃったような、いわゆる日本版のQALYですかね、こちらをきちんと、本当に議論して、今後、費用対効果をきちんと日本版として出していく、そういう方向で、慎重に検討を重ねていくということを、私は議論を重ねるだけではなくて、スケジュール的なものも含めですが、そこは、本当に日本版のいいものをつくるということであれば、何回も試行を重ね、具体的な例を出していきながら、そして検討を重ねていくことも一方では必要だと思います。

 以上です。

○関原部会長

 大体時間が来ましたので、それでは、まず、きょう御説明のありました中間的な整理の案というものにつきまして、幾つか修正も含めた御意見が出ましたので、これは、きょうの意見を踏まえて、特に最後のまとめと言いますか、「2. 終わりに」のあたりも含めて、少し修正を加えるということで、これはこれとして、再度修正した後、皆さんに回覧して、場合によっては次回にもう一度確認をするというのが1つ。

 もう一つは、印南委員からもありましたように、その話と同時に、今後のスケジュール、検討すべき項目、そういったものあるいは課題みたいなものを、とにかく整理をしていただいて、基本的には、この部会が最初にスタートしたときに出ましたように、26年度の改定で、試行的導入が何かできるようなことについて検討していこうということでもありましたので、最終的にできるかどうかは別として、そういうことも含めて、何を具体的に検討するのか、例えばアセスメントをどうするのか、評価機関はどうするのかということを含めた、いろんなものを整理いただいて、次回にさっきの修正と併せて御提出いただいて議論を進めていくということでいいのではないかと思いますが、いかがでございますか。よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○関原部会長

 それでは、そういうことで、次回までに整理をいただくということで、ちょうど時間が参りましたので、きょうの部会は、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございます。

 それで、次回の予定ですが、どうぞ。

○佐々木医療課企画官

 医療課企画官でございます。

 次回の日程につきましては、未定でございます。また、御連絡差し上げます。

○関原部会長

 それでは、これをもちまして、きょうの部会は終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。


(了)
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