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2013年9月5日 障害年金の認定(肝疾患による障害)に関する専門家会合(第2回)議事録

○日時

平成25年9月5日(木)17:00~


○場所

厚生労働省専用第12会議室(12階)


○出席者

委員

植松幹雄委員 岡上武委員 坂井田功委員 
戸田剛太郎委員 中村広志委員 八橋弘委員

○議題

(1)関係団体からのヒアリング
(2)障害認定基準(肝疾患による障害)の事務局見直し案(たたき台)について
(3)その他

○議事

○戸田座長 座長の戸田です。定刻になりましたので、ただいまより第 2 回障害年金の認定(肝疾患による障害)に関する専門家会合を始めたいと思います。本日は大変お忙しい中、本会合にご参集いただきましてありがとうございます。

 本日の資料と議事について事務局から説明をお願いします。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 本日の会合資料を確認します。お手元に、座席表、委員名簿、参考人名簿を配らせていただいています。議事次第の下、資料 1 として日本肝臓病患者団体協議会からの意見要旨、資料 2 として全国 B 型肝炎訴訟原告団からの意見要旨、資料 3 として薬害肝炎全国原告団からの意見要旨、資料 4 として肝疾患による障害年金支給認定基準の改訂に関する意見書、資料 5 が前回会合の議論の内容、資料 6 が検討課題 4 (その他の検討事項について)に係る委員の意見、最後に資料 7 として障害認定基準(肝疾患による障害)の事務局見直し案(たたき台)をお配りしています。お手元にありますでしょうか。不足がありましたらお申し出いただければと思います。

 続きまして本日の議事です。初めに本日ご出席いただきました団体の皆さま方から、生活実態の状況や認定基準に関する意見などについてヒアリングをさせていただきたいと思います。それぞれ 10 分程度のお話をいただいた後に、委員の皆さま方からご質問をいただく時間を 15 分程度取りたいと思います。ヒアリングが終わりましたら、前回会合の議論の内容を踏まえまして、事務局において見直し案のたたき台をつくりましたので、それについてご議論をいただきたいと思います。その後、前回の会合では議論ができませんでした検討事項についてご意見をいただければと思っています。よろしくお願いします。

○戸田座長 ただいま事務局から説明がありましたように、前半はヒアリング、後半は見直し案のたたき台について議論を進めたいと思っています。まず、参考人としてお越しいただきました皆さま、お忙しい中、本会合にご出席いただきましてありがとうございます。限られた時間ではありますが、質疑応答を含めてお話を伺いたいと思っています。時間は 10 分ぐらいでお願いしたいと思います。それでは最初に日本肝臓病患者団体協議会の赤塚さまからお話をいただきます。よろしくお願いします。

○日本肝臓病患者団体協議会 赤塚参考人 ただいまご紹介いただきました日本肝臓病患者団体協議会、略称日肝協と申しますが、代表幹事をしている赤塚と申します。患者会を代表して意見を述べたいと思います。ペーパーが配られていると思いますので、ペーパーに沿って意見を述べたいと思います。このたびは私どもの意見書に関してヒアリングの時間を設定していただき、患者の生の声を聞いていただけることになり、とてもありがたく思っています。

 肝疾患の患者は常に病気に対する大きな不安、仕事や日常生活に対する多くの心配事を抱えています。病気は本当に治るのだろうか、肝硬変や肝がんに進行するのではないか、いつまで生きられるのか、仕事は続けられるのか、生活を維持していけるのかなどいつも葛藤しながら暮らしているのが現実です。

 今回の障害年金支給認定基準見直しに当たり、病気と闘う患者の不安や心配を少しでも支えてくれるものとして、障害年金の趣旨にのっとった認定基準の改訂を実現していただきたいと切に願っています。前回の専門家会合を傍聴し、委員の皆さまのご意見を拝聴して感じた点も含めて、幾つか意見を述べさせていただきたいと思います。

 1 つは第 1 回専門家会議で議論になりました慢性肝炎を障害認定の対象から外すかどうかの問題です。私自身も平成 14 年改訂以前の認定基準で障害厚生年金 3 級を受給していた経験があります。当時と比較すれば、現在は肝炎の診断治療は格段に違っていますので、現在慢性肝炎の対象者は当時のように多くはないと思っていますが、慢性肝炎で非常に苦しんでいる患者さんがいらっしゃるということを述べたいと思っています。

 インターフェロン治療をしても効果がなく、副作用と後遺症に苦しみ、 AST ALT が下がらず、強ミノ C を打ち続けている難治性の肝炎患者さんが少なくありません。根拠あるいはデータを示せと言われると何とも申し訳ないのですが、数値で申し上げることができないのですが、少なくないという感じを受けています。

 また、ペーパーにはありませんが、最初からインターフェロン治療を選択できない慢性肝炎の患者さん、例えば血小板の減少や貧血症状がひどくて、インターフェロンが使えない慢性肝炎の患者さんがいらっしゃいます。あるいはインターフェロンの副作用が強く、仕事と治療の両立が難しい患者さんもいらっしゃいます。全身倦怠、食欲不振、あるいは精神的な不安定ということで仕事が続けられないで、結局、仕事か治療を選択せざるを得ない。そして、治療を中断してしまうという慢性肝炎患者さんのケースも少なからずあると思っています。

 最後のところに書いてありますが、この方は一緒に肝炎患者の運動をしている方です。 O H さんという 58 歳の男性で、初診は 2006 6 月、医療機関は都内の有名な専門病院の先生にかかりました。慢性 C 型肝炎の 1b タイプ、 AST ALT が非常に高く、 200 前後ありました。治療はペグインターフェロンをはじめ、各種のインターフェロン治療を試みましたがウイルス排除ができず、副作用、後遺症に苦しんでいます。肝機能が高いまま数年継続し、現在強ミノ C を週 3 回注射して、ようやく AST ALT 50 前後まで下がってきた状態です。病状は既に肝硬変というところに進展しています。

 この方の生活はどういうことかといいますと、治療と書いてあると思いますが生活です。検査やインターフェロン治療の繰り返し、強ミノ C 注射など、この間何度も入退院をし、通院を続け、結局仕事ができなくなり、 32 年間勤めた会社を 51 歳で早期退職せざるを得なくなりました。収入はありませんので、同居している母親の年金、障害を持っている兄の手当をあてに一緒に生活をしているという状況です。とても仕事に就くという状況ではありませんし、こういう状態ですから実際に仕事はないという現状です。当然、障害厚生年金の 3 級あたりが受給できるのではないかと思いますが、制度の存在を知らないということで未申請できてしまっています。こういう例があります。

 3 団体で出した意見書に書いてありますが、初期の肝硬変であるにもかかわらず、慢性肝炎と診断される例も多々あると思います。慢性肝炎で苦しんでいる患者さんが結構いらっしゃると思っています。第 1 回の会議では慢性肝炎を対象から外すという意見もありましたが、検査データで一律に外すということは、障害年金の対象になる救済すべき患者を排除することにもなりかねませんので、慢性肝炎を障害認定の対象にぜひ残していただきたいと強く要望します。障害厚生年金 3 級から肝疾患をなくさないでほしいというお願いです。

 次に、第 1 回の会議では議論になりませんでしたが、インターフェロン治療中の場合の基準、あるいは自己免疫性肝炎についての基準という検討項目があったかと思います。そういう検討項目が入っているということは、積極的にこのような方々を障害年金の対象にしていただけるのではないかという思いから、このような文章になってしまいましたが、別枠で認定基準を設けていただきたいという意見ではありません。慢性肝炎の枠の中で、こういう方々を対象にしていただけないかというお願いです。

 2 つ目は検査値についてです。 Child-Pugh の基準をベースに検討するという意見だったと思います。 Child-Pugh のみの検査値だけではなく、肝疾患の場合は特有の症状を表す検査項目も加えて検討するという意見もあったかと思います。いずれにしても肝疾患の実情に合致した現在の医療水準に沿った認定基準になるように、ご検討いただくことを願っています。

 3 つ目は、第 1 回の会議で配られた資料の国民年金・厚生年金保険障害認定基準(第 13 / 肝疾患による障害)の認定基準の説明ですが、肝疾患による障害の程度は、自覚症状、他覚所見、検査成績、一般状態、治療および病状の経過、具体的な日常生活状況等により、総合的に認定するものと記述してあります。要するに検査値のみで判断することがないように、私どもの意見書にも述べていますが、肝疾患に関しては独特の臨床症状や身体症状についても判断する上で重視していただきたいと願っています。

 最後に、この会合での議題ではありませんが、障害年金制度の周知徹底をお願いしたいということを述べさせていただきます。以上、簡単ですが報告を終わりたいと思います。

○戸田座長 ありがとうございました。続きまして、全国 B 型肝炎訴訟原告団の榊原さんからお話を伺います。よろしくお願いします。

○全国B型肝炎訴訟原告団 榊原参考人 私は全国 B 型肝炎訴訟原告の榊原俊之です。私は幼少時の集団予防接種における注射器の使い回しにより B 型肝炎ウイルスに感染し、これが原因となる肝がんを発症した被害者であることが裁判を通じて認められ、平成 24 10 月に国との間で和解が成立しました。集団予防接種時の注射器の使い回しにより、 B 型肝炎ウイルスに感染させられた被害者は厚労省の推計によっても 50 万人以上もおり、私のように肝臓がんを発症して苦しい人生を送ることを余儀なくされている人も数多いと思います。このような人々にとって、障害年金はとても重要な生活の糧になるものであり、できるだけ多くの患者の生活実態に沿った運用がなされることを望んでいます。

 私自身も障害年金の 3 級の認定を受けていたことがあります。その経験に即して、障害年金の認定について意見を述べます。私は高校時代はラグビーの選手で、体力には自信を持っていました。平成 9 年に、前に勤めていた会社を退職し、商社に転職し、忙しい営業の仕事に移りました。年間大体 300 日を超えるホテル生活という厳しい仕事をしていました。平成 13 年にたまたま受けた病院の検査で、 B 型肝炎ウイルスのキャリアであることが判明しました。しかし、特に肝臓病の自覚症状もなく、仕事も日常生活も普通にこなしていました。また、 HBs 抗原が陽性でキャリアということでしたが、 HBe 抗原は陰性、 HBe 抗体は陽性のセロコンバージョン状態で、 HBV-DNA も検出量以下のわずかなウイルス量しかないということで、それほど心配していませんでした。

 しかし平成 18 年ごろ、私の体に異変が生じました。強い疲労感が残り、いつまでも取れない日々が続くようになりました。夏ごろには少し動いただけでも、激しいだるさと倦怠感を覚えるようになり、以前のように営業に走り回ることができなくなってしまいました。そこでこの年の 8 月、福岡の病院に検査入院して CT を撮ったところ、 B 型肝炎による肝臓がんであるという宣告を医師から受けました。私は B 型肝炎ウイルスのキャリアであることを 5 年前から知らされていましたが、それまでは特段の症状がなく、突然のがん宣告に本当に驚きました。

 治療として、まず肝動脈塞栓術を受け、次にラジオ波焼灼術を受けましたが、全身麻酔が使えない手術で、表現のしようのない激痛にうなり声を上げ続け、終了時には目まいで胃の内容物を吐き出してしまいました。退院のときに、思い切って再発の可能性を医師に尋ねると、 3 年以内に 98 %の人が再発するという答えがあり、絶望的になりました。退院後、何とか仕事の遅れを取り戻そうと懸命に働きましたが、 4 週間に 1 度は病院で検査を受けなければならず、いつがんが再発するかという恐怖心で精神的にも不安定な状況が続きました。また、足がむくんで、長時間歩いたり、立っていることができず、倦怠感や目まい、立ちくらみがたびたび起きるようになり、以前のように仕事をすることが到底できない状態となり、職場の上司から退職を勧告されたため、平成 20 4 月に会社を辞めざるを得なくなりました。

 私は無職になりましたが、追い打ちをかけるように肝臓がんの再発を繰り返すことになりました。最初の再発は平成 22 7 月であり、それから 1 年足らずしかたっていない平成 23 5 月には 2 度目の再発がありました。この間、裁判の基本合意が成立してほっとしたつかの間、平成 23 11 月には 3 度目の再発がありました。平成 24 年の 1 月に開腹手術を受けましたが、腹水と出血がひどく、外科的切除手術ができる状態ではなかったため、そのまま肝臓に直接エコーをあててラジオ波で焼灼する術式に変更になりました。この手術後、状態は、肝硬変の状況も悪化し、これまで歩いていた、家から最寄り駅までの道のりもタクシーを使わなければならなくなりました。病気が進むにつれ、経済的出費がどんどん大きくなっていくことは辛い日々です。

 私のウイルス量は、最初にキャリアであったことが判明したときから、ずっと HBV-DNA が検出量以下の微量であるため、核酸アナログ製剤を使って肝臓がんの再発を防ぐ治療を行うこともできません。そのため、いつ再発するかという恐怖心が頭から離れたことはありません。私は、会社を退職した平成 20 年に、 B 型肝炎訴訟の仲間から障害年金制度を教えてもらいました。少しでも生活の糧が得られればと年金の申請を行いました。先にも述べたように、私は平成 18 年に肝臓がんを発症するまでは、 B 型肝炎ウイルスのキャリアであっても特に症状はなく、肝硬変との診断も受けたことがありませんでした。申請の際に、医師が作成してくれた肝疾患障害用の診断書では、障害の原因となった傷病名は肝細胞がん、傷病の原因は B 型肝炎ウイルスキャリアと記載されていました。

 障害の状況としては、 Child-Pugh によるグレードは「 A 5 6 」であり、検査項目では血清アルブミンと血小板が中程度の異常値であり、その他に幾つかの異常値があったように思いますが覚えていません。その他には肝臓がんの治療歴や全身倦怠感があることが記載されていたと思います。また、申請のときに、私が書いた書類には、既に述べた、肝臓がんを発症してからの身体の状況や、仕事ができなかった経過を詳しく記載した記憶があります。 私としては、当時検査項目のところにあった、 Child-Pugh というのが肝臓の状態の基準になっていると聞いていたので、それが A という最も軽い程度になっていたため、障害年金は認定されないのではないかと不安に思っていました。しかし、結果的には 3 級の認定を受けることができ、失業してしまった立場であった私にとって本当に助かりました。しかし、私が 60 歳になったとき、 3 級の障害年金より特別支給の老齢厚生年金に切り替えたほうが受給額がわずかながら多いということで、現在では障害年金の受給はしていません。

 最近の検査では、総ビリルビンが 2.2 で中程度以上、血清アルブミンが 2.6 で高度異常、血小板数が 6 2,000 で中程度以上、血中アンモニアが 116 と極めて高い異常値になっており、全体的に 3 級の認定を受けたときよりも悪くなっています。また、日常生活でもいっそう疲れやすく、 1 日中家の中にいることも増えているので、障害年金で 2 級の認定を受けてもおかしくないのではと思っています。現在、認定基準の見直しがなされているということなので、その結果を見ながら申請すべきかどうかを決めるつもりです。

 このような私の経験から、認定基準の見直しに関して先生方に申し上げたいことは、まず肝臓がんを発症し、再発を繰り返すということは患者にとって本当に大変なことだということです。仕事を以前と同じようにすることができないのはもちろんのこと、普通の生活をするにも相当な体力、気力が必要なのです。ですから、肝硬変の程度を示すという Child-Pugh の指標だけでなく、肝臓がん等の病状や、就労・生活状況の実態を踏まえて総合的に認定していただきたいのです。

 また、私は血小板の数値はずっと低い異常値であり、最近では血中アンモニアの数値もとても高くなっています。これらは Child-Pugh の項目には入っていない検査だということです。私には医学的な詳しい見解は分かりませんが、もし肝臓の状態を調べるために有効な検査があるなら、あまり検査項目を限定せず、幅広く柔軟に認定を行っていただきたいと考えています。私の意見は以上の通りです。専門家の先生方に、適切で有効な認定基準を検討していただけるものと信じています。肝炎ウイルスによって重篤な病状に陥ってしまった多くの患者の支援に役立つよう、障害年金の制度が十分に機能することを強く望みます。

○戸田座長 ありがとうございました。続きまして、薬害肝炎全国原告団の浅倉さん、前にお願いします。

○薬害肝炎全国原告団 浅倉参考人 浅倉美津子です。本日はこのような機会を設けていただきありがとうございます。私は薬害肝炎東京原告団の代表を務めています。東京原告団には 500 人近い患者が参加しており、これまで多くの C 型肝炎患者さんと接してきました。また、肝炎対策基本法に基づき設置されています肝炎対策推進協議会では患者代表委員を務めています。この協議会では肝炎患者さんの生活実態を踏まえ、どのような生活支援があり得るのか、次回の会議で議論することが予定されています。以上の立場からお話をさせていただきます。

 薬害肝炎全国原告団は 2008 年以降、毎年厚生労働大臣と協議をする場を持っています。ここでは薬害の被害者には限らず、広く肝炎患者一般のための恒久対策についても議論しています。恒久対策を議論する上では、患者の現状をご理解いただかなければなりません。そこで大臣に直接、原告である患者さんの声を聞いてもらうことになり、今年は愛知県の女性が選ばれました。ただ、彼女は 2 3 分話すとハーハーと息苦しくなり、話し続けることができないという健康状態でしたので、私が彼女の書いたものを代読しました。その内容を要約してみます。

 彼女は 40 年前にフィブリノーゲンの投与を受けて肝炎に感染しました。 C 型肝炎と告げられたのは平成 3 年のことです。平成 10 年ごろには肝硬変に進行し、平成 22 年には肝がんが見つかりました。近所の病院で肝がんを焼く手術を受けました。消化器内科の担当医から、身体障害者手帳のお話があり、申請書を書いていただきました。しかし、認定は受けられませんでした。手帳の認定のために必要な Child-Pugh 分類の点数が足りなかったからです。さらに平成 23 年の秋に肝がんが再発し、平成 24 年の 2 月にその一部を摘出しました。術後いったん呼吸が止まり、生死の境をさまよったものの、何とか命を取り留めました。入院の期間は 3 カ月近かったそうです。

 今度は民生委員の方から勧めがあり、再び障害者手帳の申請をしました。しかし、このときは障害の継続している期間が足りないとのことで申請は通りませんでした。今は症状がやや安定し、 Child-Pugh 分類の点数は 8 点といわれているため、やはり障害手帳はもらえません。けれども彼女は重い症状に苦しんでいます。平成 20 年を超えたあたりから、とても疲れやすくなりました。立っているのもつらく、もちろん仕事はできません。家の中では伝い歩き、外では杖が必要で、歩いても 10 分が限度です。 1 日の大半を寝て過ごしています。夫と 2 人暮らしでお子さんはいません。夫は仕事を持ちながら家事のほとんどをこなしており、彼女は大変申し訳ないと言っていました。また、体のあちこちに赤い斑点ができ、いつも痒さに悩まされていて味覚障害もあります。このような重い症状でも国からの支援が何もない、障害者手帳ももらえず、障害年金の認定も受けられない。もしそうであるとしたら、今の支援の在り方はおかしいと思います。

 もう一人ご紹介します。一昨年の大臣との協議の際には、大阪在住の女性原告の声を聞いていただきました。症状が重く、介護が必要な状態で、ここ霞ヶ関で開催されている大臣協議まで足を運べなかったため、大臣には録音した声を聞いてもらいました。彼女は何度も肝がんの再発を繰り返しており、食道静脈瘤を併発し、外出は困難でした。しかし、障害手帳をもらおうと何度申請しても通りませんでした。彼女は大臣に録音を聞いてもらってから、半年もたたずに亡くなりました。ここまで進行し、生活が苦しくても国の支援がないとしたら、制度自体がおかしいと言わざるを得ません。 C 型肝炎患者、特に肝硬変、肝がん患者の生活実態、お二人を紹介しました。その他にも、歩けない、精神的に大変で生きる気力が出てこない、外出することができないという声がたくさん寄せられています。そういった生活実態にも目を向けていただきたいと思っています。

 私たちは何としてでも肝炎患者への公的支援をもっと充実させるべきだと、障害認定をし、適切に行うべきだと思っています。その観点から何度かアンケートや調査を行い、意見書を国に提出しています。詳しくご説明する時間はありませんが、このアンケートや調査に基づく意見書については、今回の意見書の中でも触れていますのでぜひご参照ください。

 ここにおられる八橋先生が行政研究として、約 6,000 名の患者に対するアンケートに基づき、生活実態を調査されています。肝炎対策推進協議会では、その中間報告をしていただきました。そこでは、多くの患者が肝炎感染によって生活上の大きな負担に苦しんでいる、その実態が明らかにされています。公的支援を求められている方がたくさんいることも分かりました。そういった方々へ適切な支援がされるように基準を見直していただきたいと思います。

 短い時間の中で十分なお話ができませんでしたが、少なくとも Child-Pugh 分類でグレード C になっていないからとか、点数が少し足りないからというだけで患者を支援の対象から外す、切り捨てることだけはやめてほしいと思います。そういった思いから、私たち薬害肝炎全国原告団は弁護団と協同して、また全国 B 型肝炎原告団・弁護団、日肝協の方とも連携して意見書を作成・提出しました。医学の素人が作成したものですから、不正確であったり、誤解をしている点があったりするかもしれません。その点は専門家の目で厳しくご指摘いただければと思っています。私ども肝炎患者の思いをご理解いただき、ぜひ適正な基準をご作成くださいますようお願いします。

 8 26 日に出しました意見書は弁護団と作成しました。加藤弁護士から説明させていただいてよろしいですか。

○戸田座長 よろしいです。資料 4 にあります肝疾患による障害年金支給認定基準の改訂に関する意見ということで、加藤さんにご説明をお願いしたいと思います。

○全国薬害肝炎原告団 加藤説明補助者 薬害肝炎弁護団の加藤です。お時間をいただきありがとうございます。私からは 5 分程度で、本日の配布資料 4 の、 3 団体で 8 26 日に提出しました意見書について、特に 9 ページ以降の、 1 級、 2 級、 3 級の認定基準の考え方について説明したいと思います。

 まず基準の枠組みにつきましては、 4 ページ以降の第 3 項で説明していますが、検査数値、附随疾患である臨床症状、身体症状の 3 つを組み合わせて判断するという考え方を取っています。これはヒト免疫不全ウイルス感染症についての障害年金の等級認定の考え方にならっています。以下、今申し上げた 3 つの項目について順に説明したいと思います。なお、意見書の中で検査項目については 5 ページの第 4 項で、附随疾患である臨床症状については 6 ページからの第 5 項で、身体症状については 8 ページの第 6 項で説明しています。

 まず検査項目について 9 ページのアの部分をご覧ください。読ませていただきます。

 ア、別表 1 記載の検査項目のうち、 3 カ月以上の間隔をおいた 2 地点において、 5 項目について中等度以上の異常が認められる場合、または 3 項目について高度異常が認められること。あるいはローマ数字(小文字) 2 3 項目について中等度以上の異常が認められること。または総ビリルビン、血清アルブミン、プロトロンビン時間、腹水、肝性脳症のうち 1 項目以上について高度異常が認められること、というように 2 つに分類して、これを後の組み合わせの基準としています。

 続けて 10 ページの別表 1 をご覧ください。別表 1 Child-Pugh 分類の検査項目を基本としていますが、それ以外に血小板や肝臓の繊維化程度を測るフィブロスキャン値などを挙げています。このフィブロスキャンという機械については、まだ各病院にはそろっていないと伺っていますが、ウイルスが排除されず、肝臓が硬くなっている方は、それに伴い痒みや倦怠感が増加するといわれていました。ですので、指標として有効ではないかと考え、盛り込んでいる次第です。

 また、中等度の異常なのか、高度の異常にまで至っているのかに関する数値につきましては、前回のこの場での先生方の議論も踏まえ、さらに従前の障害年金で定められた数値、 Child-Pugh 分類なども踏まえた上、記載しています。

 申し訳ありませんが、 1 点だけ訂正させていただきます。総ビリルビン値について、中等度の異常を 2.0 以上 3.0 以下、高度異常は 3.0 超としていますが、これを 2.0 以上 3.0 未満、高度異常を 3.0 以上と改めたいと思います。

 改めて 9 ページに戻ります。今度は個数の観点です。中等度以上の異常の個数については、 Child-Pugh 分類におけるグレードの考え方を参考にし、さらに前回のこの会合で、グレード C は基本的に 1 級に該当する、あるいはグレード C はかなり重く、グレード B の重い方のことを考えなくてはならないとの先生方のご意見があったことを踏まえ、おおむねこの程度ではないかと考えて整理しています。さらにプロトロンビン時間等、いくつかの項目について高度異常が認められる場合も、おおよそ就労等は困難と判断し、盛り込みました。

 次に付随疾患臨床症状です。 9 ページのイの部分をご覧いただきたいと思います。これも、もともと障害年金の考え方として存在していたものです。それについて私たちが行いましたアンケート結果や、文献などを参考にまとめました。肝がんについては原発性というように限定しています。原発性に限定しましたのは、全く別のところからの転移性も含むとすると、広すぎるのではないかと考えたからです。もし医学的に誤っていましたら、お詫び申し上げます。逆に漏れている疾患がありましたら、ご指摘くださいますようにお願いします。

 最後に 10 ページの別表 2 の身体症状の部分をご覧ください。アルファベットの a から e HIV ヒト免疫不全ウイルス感染症と同じ項目です。この点は肝疾患でも同様と判断をしました。 f 以降については肝疾患特有のものですが、 i については似たような項目が他の疾患でもありました。なお HIV 感染症では抗 HIV 療法による日常生活に支障が生じる副作用があるという項目がありました。いわゆる治療による副作用というのを項目として挙げています。この点につきまして、私たちはインターフェロン等の治療を意識しつつ、また、その副作用、後遺症のようなものも意識しつつ、最後の j のような書き方をしました。

 原告団、弁護団で一生懸命考えてつくり、ご提案させていただいたと思っていますが、いまだこの別表 1 には空欄部分があります。他にも医学的に相当ではない点があるかもしれません。その点はお詫びします。ただ、大きな意味での考え方、認定の枠組みをぜひご理解くださいますようお願い申し上げます。以上です。

○戸田座長 ありがとうございました。大体時間内に終わりました。では、参考人の皆さまからのご意見、意見書の内容につきまして、委員の皆さまからご質問などはありますか。順序は不同で結構です。どなたに対してのご意見、ご質問でも結構ですのでお願いします。何かご質問はありますか。

○岡上委員 質問ではなくて意見でもいいですか。

○戸田座長 ご意見でもよろしいです。

○岡上委員 順番に赤塚さん以下について、私の考えていることを述べたいと思います。ご存じの通り、前回も話しましたが、 B 型肝炎、 C 型肝炎に対する治療は大変進歩しました。来年以降、 C 型肝炎に対してはインターフェロンフリーの核酸アナログがベースになってくると思います。今回の改訂は、その事を見据えて改定すべきと考えます。 B 型肝炎に関しては、今インターフェロンをファーストラインとして選んでいるのは、比較的若い患者(多くは 35 歳以下)で、肝臓学会のガイライン、あるいは熊田班のガイドラインもそのようになっています。もちろん 35 歳を過ぎてもインターフェロンを使用する場合はありますが、今は核酸アナログ製剤でほとんどの患者さんがコントロールできる状態です。そうしますと、血小板数の減少や貧血があるからといって治療ができないという時代は、 C 型でさえなくなりますので、そういうことを前提に改定案を作成する事が重要と考えます。前回もお話ししましたが、残念ながら正しい診断や治療が行われていない患者さんが沢山いて、気の毒な結果になっていると思います。

 1 ページ目の最後に、自己免疫性肝炎が増えていると書いていますが、これは間違いでむしろ自己免疫性肝炎は減少し、若い人の自己免疫性肝炎は決して増加していません。

 次の榊原さんの件に関しては大変お気の毒です。 B 型肝炎ウイルス持続感染( HBV キャリア)ではウイルス量( HBV  DNA 量)が一定以下になると肝障害を起こさず、病気の進展もほとんどなくなり、発癌の危険性も極めて低下します。このような患者さんに肝癌が発生した場合には B 型肝炎ウイルス感染が肝癌の原因なのか、その他の原因がないかの検索が重要で、特にわが国では肥満、糖尿病、脂質異常症などのいわゆる生活習慣病患者さんの増加に伴い、それに起因する肝障害(非アルコール性脂肪性肝疾患: NAFLD )患者さんが増加し、 NAFLD に中で炎症や線維化を伴う非アルコール性脂肪肝炎( NASH )ではしばしば肝癌発生をするため、肥満や糖尿病などのある方は、これによる肝癌の可能性を考える必要があります。

 浅倉さんのほうは症例を出しての話なので、コメントの必要はないと思いますが、例えば、肝硬変患者さんでは味覚異常を訴える方がいらっしゃいますが、これは肝疾患の重症度と関係なく、慢性肝障害に起因する亜鉛欠乏によることがしばしばです。自覚症状と重症度は必ずしもパラレルではなく、こういうのを認定基準に採用するのは医学的に適切ではないと考えます。認定の 1 つの基準にするというのは非常に間違っていると思います。何度も申しますが、適切な診断の元に適切な治療を受けることが最も重要であることを強調したいと思います。

○戸田座長 改訂についてどうですか。

○岡上委員 前回も申し上げましたが、血小板数は肝臓の重症度を反映するものではありません。例えば同じ肝硬変でも飲酒が原因の場合は、前日大量飲酒後に受診すると血小板数はかなり低下しますし、寝不足でも低下します。血小板数の正常値は 15 万から 35 万ぐらいまで、すごくバリエーションがあります。おっしゃる通り、一般的には肝線維化が進めば血小板数は下がりますが、それは重症度を表すものではありません。血小板数が 4 万、 5 万ぐらいで、仕事を普通にしている方はたくさんいらっしゃいます。私は、認定の条件に血小板数を入れないほうがいいと思っています。

 それから 10 ページの別表 2 に関してですが、自他覚所見に HIV 感染と同じ項目を入れるというのはナンセンスです。 HIV 感染では免疫不全が起きるため種々の症状がでるわけで、肝硬変で泥状とか水様下痢が続くということはほとんどありません。例えば塩分を控えるというのは、腹水のある場合に塩分を控えるのであって、項目の中にこういうものを入れることはリーズナブルではないと思います。

 また、病態進行により健常時に比し 10 %の体重減少があるというのも、本当に肝臓が悪くてなったのかどうかよく分かりません。もし肝硬変で 38 度以上の熱がずっと続くと、これは極めて重症で、こういうものを混ぜて書くのは問題です。

 また、フィブロスキャンは導入している施設が非常に少ないのでこれを採用するのは無理です。認定条件は多くの病院で判定可能な条件とすべきです。

 細かくなりますが、腹水は何をもって軽度とか中等度と判定するのか、例えば高度異常の腹水は、いわゆる治療抵抗性の腹水(難治性腹水)と定義するとか、ある程度具体的に記載する事が大切と思います。それから総ビリルビンも 3mg/d ℓ以上を高度としますと、肝臓専門医から見ると、 3mg がなぜ高度かということになるわけです。一般に肝臓専門医が明らかに黄疸があると判断できるのは総ビリルビン値が 3-4mg/d ℓ以上で、大変厳しくとって 2mg/d ℓ以上です。高度異常を 3mg というのは少し低すぎるのではないかと思います。

 その他のものは、前回も申しましたように Child-Pugh をベースにして、あとはどういうバリエーションを付けるかということですので、項目としては Child-Pugh の項目で良いと思っています。

○戸田座長 血中アンモニアなどについては。

○岡上委員 アンモニア値の変動は大きく、かつ最近は高アンモニア血症の多くは薬剤でコントロールできますので、アンモニアを重症度に入れるというのは好ましくないと思います。治療が大変進歩しており、平成 14 年に策定された基準は治療の進歩を念頭に変えるべきです。私はアンモニアを採用する必要はないと思います。特に肝臓自身がそれほど悪くなくても、シャントがある場合はアンモニアがすごく上がってくるので、それは重症度とは全然関係ないわけです。この辺は入れる必要はないと思います。

○戸田座長 その他に。加藤さん、どうぞ。

○全国薬害肝炎原告団 加藤説明補助者 今、岡上先生のほうからお聞かせいただいた意見について、若干こちらのほうで補足というか説明をしたいと思います。第一に味覚障害については、浅倉さんが説明しましたが、それを直接認定基準にはわれわれも反映はしていません。状況として大変だということで味覚障害を挙げましたが、それがストレートに認定基準とはわれわれも考えていません。

 次に別表 2 の、 a b c d e について、 HIV の感染症をそのまま持ってくるのはいかがなものかというお話ですが、基本的には a の疲労感、倦怠感や、あるいはそれ以外の発熱等について、われわれの肝硬変患者についても同じような結果が出ていました。病態としては違うかもしれませんが、生活制限として同じような、こういうことが出るのではないかと考えています。

 さらに i の塩分を控える食事制限については、いろいろな食事の制限によって生活が制限されるということで書かれている部分ですので、これも身体症状としては入るのではないかと考えて盛り込みました次第です。

 腹水、ビリルビンもそうですが、ビリルビンについては Child-Pugh 分類と従前の年金の認定基準を踏まえて書いています。いずれも 2.0 3.0 という数字が出ていたと思います。先生は今 4.0 と言われたのでしょうか。

○岡上委員 そうではなくて表現の仕方です。私は Child-Pugh をベースにするのがいいと思っていますので、表現の仕方が、ビリルビンが 3.0 以上で高度異常と言われると、肝臓の専門医は「ビリルビンが 3 ぐらいで、これがなぜ高度か」ということになります。表現の仕方が適切でないという意味です。

○全国薬害肝炎原告団 加藤説明補助者 そうするとチャイルドでも 1 点と 2 点と分けて、それでこの数字。その表現について、われわれもこだわりませんので、基本の記載がそうであれば、真ん中のところにくるか、それとも一番右端にくるかという判断で分けていただければ、それは私どもも結構です。

 腹水についての、軽度、中等度というのも、こういう表現が従前されていましたので、それを使ったのですが、腹水のある、なしという形で表現を変えるということも、われわれとしては異議のあることではありません。その辺りの表現については、先生方にお任せするしかないと思います。ただ、最初の身体症状の部分については、 HIV 感染症や免疫など、その辺りの機序は違うかもしれませんけれども、出てくる生活の制限については重なるところがあるのではないかと考えています。以上です。

○戸田座長 その他にご意見、ご質問はありますか。八橋先生、どうぞ。

○八橋委員 意見というよりも、まず感想を述べた上で、コメントをしたいと思います。患者さんの代表の方 3 名は、今までいろいろと苦労を強いられ、非常に厳しい生活状況であったことがよく理解できました。原告団代表の方は、認定基準を新たに作られたようですが、よく考えられたというか、よく調べられて作成されたと思います。しかしながら私たち専門家からの目でみると、細かな点でどうかなあ、というところが幾つかあります。というのは、認定基準ですので、客観性、公平性について十分考慮しなければなりません。その点については順次、今から議論をしたいと思います。

 私が研究班の中で実施した患者アンケート結果のことが引用されましたので、それに対して私はお答えしなければいけないと思っています。今回、患者さんからアンケート調査をおこなって私自身が、初めて分かったこと、気がついたことが多々あります。われわれ医者は、患者さんの病院での一般状態、血液検査所見、治療法、薬に関しては、注意を払って見ています。しかし、病院の外で、どのような生活をされているのか、正直、今までそれほど意識しませんでした。今回アンケート調査をおこなってみて、患者さんたちは、これほどまでに大変だったのか、ということが分かりました。ところで、検査結果とかチャイルド A B C の方が、それぞれ、どのような生活をされているのか、今までまとまった報告がほとんどありません。腹水があることでどの程度、生活制限されるのか。アルブミン値が 2.5 を割ると、どのような症状が出て、どのように生活や仕事に支障がでてくるのか、学問としても全く検討されていないことが大きな問題点だと考えております。

 従来から、障害の認定基準というものがあり、これを用いることで、ある程度、客観的に判定されてきました。しかしながら、前回、作成した障害手帳の認定基準でのチャイルド C という基準は、振り返ってみると厳しい基準であったと私も認識するようになりました。私は、前回の障害手帳の認定基準作成時の委員でもあります。今回は、以上のような経緯を十分踏まえた上で考慮した上で、障害年金に関して考えたいと思っています。以上です。

○戸田座長 その他に、坂井田先生。

○坂井田委員 榊原さんなどの症例はよくお見かけするので、本当にお気の毒だと思います。このようなものは、どちらかというと、事務局に聞いたほうがよいと思いますが、悪性腫瘍が主な病態になっているので、そちらのほうでお救いできないのかなという感じがするのですが、それが感想の一点です。細かいことになりますが、フィブロスキャンのことを言われましたが、これの検査法では肝線維化だけでなく炎症も反映されます。例えば慢性肝炎でも検査血が高くても、インターフェロン投与で炎症が沈静化すると値はすぐに下がりますので、今はこの分野の検査法はすごく開発が進んでいるので、違う方法、たとえばエコーで肝臓の硬さを測る機械なども出ていますので、もう少し検討される必要があると思います。

○戸田座長 確かにフィブロスキャンは、硬化度、繊維化の程度を測定するのですが、その他にも硬化度、線維化の程度を測定する手段は VTTQ VTTI などいろいろあります。それぞれに一長一短あって、現時点において、フィブロスキャンで得られた結果を取り上げて、基準に入れるのは少し時期尚早ではないかということです。先ほども言われましたように、硬度化、線維化の程度を測定する装置を持っていない施設も多いということで、これはまだ入れないほうがいいのではないかと。

○全国薬害肝炎原告団 加藤説明補助者 了解しました。

○戸田座長 どうぞ。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 坂井田先生から悪性新生物の話がありました。お手元に認定基準の全文がありますが、そこの 82 ページ、 83 ページに、悪性新生物による障害認定基準がありますので、がんになられた方についてはこちらのほうで認定するという形になります。障害の状態が、 83 ページの( 5 )のほうに状態として書いてありますので、必ずしも肝機能の検査数値ですべて判断するのではなくて、こちらのほうでも認定するということになります。

○戸田座長 肝がんについては悪性新生物の障害の程度、悪性新生物による障害というのが第 16 節にありますので、それで対応していくことが十分にできるのではないかと思いますがいかがでしょうか。植松先生。

○植松委員 細かいことで申し訳ないのですが、今、肝がんの話が出ましたが、意見書の臨床症状のところで、原発性肝がんまたは食道静脈瘤のいずれか、または双方の治療経験があるというところですが、肝がんがあること自体で、かなりの重みがあると思っています。ですから、治療経験というか肝がんがあること自体が、もう既に3級以上と考えていいと思います。

 肝がんがあるからといって、悪性新生物のマニュアルを使わないで、どちらかというと、肝疾患ととらえているので、肝がんに対する記載はきちんとのせた方がいいかと思います。

○戸田座長 肝疾患という面でとらえると認定の対象にならないという場合もあるということですね。そのような場合は、悪性新生物で再チャレンジするという対応の仕方というのはいかがですか。

○植松委員 良いと思います。それと、非常に細かいのですが、 Child-Pugh の分類は、プロトロンビン時間が 40 から 70 %という形になっているのですが、障害認定のほうの認定基準でプロトロンビン時間は秒数で、正常基準値は 10 から 14 ですが、これは調べると、真ん中の中等度異常というのは 14 秒から 18 秒未満、高度異常は 18 秒以上の延長というほうが正しいのではないでしょうか。

○戸田座長 延長ではなくて。

○岡上委員 基準値というのは、前回言っていたように、 PT を秒で表す場合には必ずコントロールを取り、それを基準にして何秒延長しているか表示するわけです。コントロール値は多くの施設で 10 から 14 秒の間で、基準値はコントロール値と書いたほうがむしろわかりやすいかもしれません。コントロール値が 12 秒とすると、 6 秒延長すると 18 秒になりますが、肝臓学会では PT 18 秒は劇症肝炎の判定に使用する値です。秒での表示でも良いとは思いますが、両方の表示を認めては如何でしょうか。

○池上事業管理課給付事業室長 この辺りの数値は、今ある基準でも同じような書きぶりになっています。この後説明するたたき台でも同じような記述になっていますので、もしよければそちらの時間帯でご議論をいただいてはどうかと思います。

○戸田座長 私も調べてみたのですが、 2 秒延長した場合は大体 70 %です。 4 秒というのは少し厳し過ぎるという感じはします。後でまたこれについては。

 そろそろ時間ですが、ご意見はありますか。

 加藤さんが説明された障害認定基準の改訂に関する意見について、幾つか問題があるようですが、これを参考にしてやっていきたいと思います。例えば「健常時に比し 10 %以上の体重減少がある」で、健常時というのはいったいいつだということです。肝硬変というのは 10 年、 20 年の経過でなっていくわけです。仮に 30 歳頃、慢性肝炎を発症して、 50 歳近くなって肝硬変となった場合、健常時は 30 歳以前となります。体重は年齢によっても変わってくるわけで、 10 %以上体重が減少しても、必ずしも病気によって体重が減少したとはいえないこともあるわけです。別表 2 にはこの他にも幾つか問題があります。例えば有痛性の筋痙攣というのは、いわゆるこむら返りです。こむら返りについてはいい薬があって、漢方薬にも効果的なものがありますし、現在ではほとんどコントロールできているように思います。この別表 2 については問題点をいちいち挙げていくと、予定時間をオーバーすることになりそうです。加藤さんの言われたお気持ちはよく分かりましたので、この辺でよろしいでしょうか。

○全国薬害肝炎原告団 加藤説明補助者 もちろん表現等細かなところについては、専門家の先生から見て稚拙なところがあると思いますので、私どもは訂正というか検討していただければ、それで結構だと思います。

○岡上委員 むしろ C 型の場合には、体重を減らすほうが発がんリスクは減ってくるし、病気の進展も抑制できるということがいわれているわけです。これがすごく問題だというのはそういうことなので、体重を減らすほうがいいわけです。インスリン抵抗性とか酸化ストレスは非常に大事なことです。

○全国薬害肝炎原告団 加藤説明補助者 その意味で、体重を減らさなければいけないわけですね。

○岡上委員 肥満の人は体重減少が重要ですが、非肥満者は無理に体重を減らすことはむしろ悪い結果をもたらします。だから別表 2 は、 HIV 感染(エイズ)をベースにしており、これを肝炎に当てはめるのは問題です。

○全国薬害肝炎原告団 加藤説明補助者 もちろんそこは先生方でご検討いただければと思います。

○戸田座長 まだいくつか問題がありそうですが。中村先生、ご意見かご質問をお願いします。

○中村委員 患者さんからのいろいろなお話を伺って、やはり肝臓がんを発症すると、かなり生活上の支障や精神的なダメージもかなり大きいというのが大きなポイントだと思います。

 植松先生にお聞きしたいのですが、実際に肝臓がんの方は肝疾患用の診断書で出てくることのほうが多いのではないですか。

○植松委員 ほとんどそうです。

○中村委員 認定する先生が、それを肝疾患ではなくてその他の悪性腫瘍のほうで、認定のほうで切り替えられるかどうかというのもあると思うので、その辺は肝臓のほうの基準というか認定のほうに、肝臓がんに関して何か文言は必要なのかなという感じを持っているのですが。

○植松委員 私もそう思います。ですからぜひ盛り込んでほしいと思います。

○戸田座長 肝疾患による障害認定で、認定の対象にはならないとなった場合、悪性新生物のほうで検討するということはできるのですか。どこのレベルでやるかということですけれども。

○植松委員 例えば転移性肝がんの場合には、逆に、先ほど言った悪性新生物の扱いで認定します。例えば大腸がんがあって、手術後に申請があって、転移性肝がんがかなり大きくなって、その場合には悪性新生物という形で認定しています。ただ原発性肝がんの場合にはそのまま肝疾患の診断書でできますし、 HCC があればかなりポイントが大きいと考えます。

○戸田座長 あくまで肝がんについては肝疾患でやると。

○植松委員 そのほうがいいと思うのですが、いかがですか。

○戸田座長 そうすると、基準を考え直さなければいけないということになりますね。

○植松委員 そのようなことはなくて、肝がんということが一つ盛り込んであればいいわけではないですか。当然肝がんが悪化すればチャイルド C にもなるし。

○戸田座長 悪化すればね。

○岡上委員 それはすごく問題で、例えば抗ウイルス療法で完治した C 型肝炎や肝硬変に肝癌が発生することはしばしばあります。そのような患者さんのほとんどは肝機能正常で Child-Pugh には全くひっかかってきません。肝硬変をベースにして肝癌が出た場合は多くが Child-Pugh にかかってきますけれども、著効例からの肝癌は別です。 HBV の場合でも肝機能が正常か正常に近い方から発癌することがあります。ですから、肝癌は別に考えなければなりません。

○中村委員 この規定の基準が Child-Pugh を基準にして、検査成績だけでいくと、今お話にあったような肝臓がんの方がそこから漏れてしまうということで、先ほど植松先生もおっしゃいましたが、そこに何か肝臓がんに関しては、こういう規定、基準にするというのを別に。

○戸田座長 現在の認定の基準での一般状態というのがあります。そこでやるのですか。

○中村委員 一般状態区分と検査の数値が乖離していたりすると、かなり認定は迷うのです。本当にこの数値でこれだけ悪いのだろうかと思う場合もありますし、これだけ悪いのにイやウがついている、こんなに数値が悪いのにという場合もあるのです。そうすると認定の先生はかなり迷うと思うのです。特に肝臓の専門でない先生が認定する場合には、かなり迷うと思うので、その辺は基準のほうにきちんと文言で、こうした場合には 3 級とするとか 2 級とするというのは入れていただいたほうがいいと思います。

○戸田座長 この点について議論すると時間がかかりそうです。これは後の議論にもかかってくるのです。肝がんについては別に認定基準をつくるべきであるということですか。例えば確かにぴんぴんしている人で肝がんができたとして、 Child-Pugh 分類でも A であると、要するに肝機能検査はほとんどかかってこないが、肝がんがあるという人については、それに対して。

○中村委員 検査数値だけにとらわれないような文言を認定のところに入れておいたほうがいいのではないかと。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 今議論している悪性新生物の関係は、そちらの認定基準もありますので、そちらの認定基準と肝疾患のほうと、こちらで整理した上で次回ということでお願いできればと思います。

○戸田座長  B 型肝炎ウイルスの非活動性キャリアのなかにはかなり大きな癌が存在しても肝機能検査はそれほど高度の異常はない方もいるのです。そういう人たちはどうするか。そうなると、それは悪性新生物に入る。

○植松委員 先ほど岡上先生がおっしゃっていましたが、 NASH 、がんの発症の肝がんが最近増えていますから、そちらのほうについても、ウイルスだけではない肝がんのことも配慮しなければいけないと思います。一応認定基準を考えなければいけないと思います。

○戸田座長  NASH による肝硬変というのは入っていないので。

○岡上委員  NASH からの肝癌に限らず、肝癌に関しては、きちんとしたステージ分類があるわけですから、肝癌はそれに従って判定すべきで、 Child-Pugh とは全く別の次元のものです。

○戸田座長 肝疾患の範疇で扱うのですか。

○岡上委員  Child-Pugh をベースにして肝疾患の範疇で扱うとなると、先ほどお話ししたように著効例からの発癌例は認定には全く入りません。 NASH から肝癌も入らない例があります。 NASH は最後まで腹水や黄疸が出ない事が多く、別の形で救済する必要があるかもしれません。肝癌のステージ分類には多くあり、そのいずれかを採用すれば良いと思います。

○戸田座長 なかなか議論が終わらないのですが、患者団体の方々からのお話に対するご意見、ご質問については以上にします。本日はお忙しい中、貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。ここで参考人の皆さまに席のほうに移っていただきまして、次の議事に進みたいと思います。事務局のほうから説明をよろしくお願いします。

○関口障害認定企画専門官 資料 5 の「前回会合の議論の内容」および資料 7 の「障害認定基準(肝疾患による障害)の事務局見直し案(たたき台)」を説明しますので、お手元に 2 つの資料をご用意いただければと思います。まず資料 5 について、前回の会合で委員の先生方にご議論をいただいた事項について、検討課題ごとに異論が出なかった事項と、今回の会合でさらにご検討をいただきたい事項に分けて記載したものです。さらに各課題の事項ごとに、前回の会合での委員の先生方の主なご意見を下段のほうに記載しています。

 資料 7 のたたき台につきましては、前回の会合でのご議論を踏まえて当局で作成したものです。では資料 5 1 ページを開いていただき、検討課題 1-1 をご覧いただければと思います。併せて資料 7 の事務局の見直し案(たたき台)の 69 ページを開いていただき、( 4 )の重症度判定の表をご覧いただければと思います。朱書きのところが削除等をしているところです。なお、今申し上げたたたき台のページについてですが、これは障害認定基準全文のページ数をそのまま付していますのでご了承いただければと思います。

 68 ページで用語の修正を行っていますが、これは診断書と記載を合わせるということで、今回は修正をしていますが、次回、診断書のたたき台を示したいと思いますので、次回の会合で先生方のご意見をいただきたいと思います。

 まず検討課題 1-1 「肝疾患での重症度判定の検査成績について」です。前回の会合では見直すべき検査項目として異論が出なかった事項について、認定要領 2 の( 4 )の検査項目「アルカリフォスファターゼ( ALP )」と「コリンエステラーゼ( CHE )」を削除するということです。委員の先生方からアルカリフォスファターゼは重症度を反映するものではなく、糖尿病と合併すると高い値を示すとのご意見がありましたことから、肝疾患の重症度とかけ離れた判定結果とならないようにするため、削除することとしたものです。同様にコリンエステラーゼについてもアルブミンで十分対応が可能であるとのことですので、必要性がないと判断して削除しました。

 次に検討事項として「血小板数」の取り扱いについて、前回の会合でご意見が分かれていましたので、再度先生方にご意見をいただければと思いまして、こちらに記載した考え方を事務局で示しました。先生方のご意見をいただければと思います。

 次に資料 5 2 ページ目を続けて説明します。ここでは検査項目について、追加すべき検査項目があるかどうかについてですが、検査項目に特に追加すべき項目はないとのことでした。検討事項についてはここではありません。ただし、診断書のみ記載項目があるものの取り扱いについては、次回の専門家会合において診断書の見直し案のたたき台となるものを示したいと思います。その際に併せてご検討をいただければと思います。

 続いて資料 5 3 ページ目です。ここでは( 3 )について前回の会合で異論が出なかった事項として 3 つあり、以下の通りになります。基本的に Child-Pugh 分類に合わせた形で、総ビリルビンも血清総ビリルビンと直しています。

 次に、本日の専門家会合においてご検討いただきたい事項としては、腹水の中等度異常のアステリスクが 1 つ、および高度異常のアステリスクが 2 つの説明文を、それぞれ「腹水あり」「難治性腹水あり」とすることでいいかどうかです。併せて、腹水、脳症の異常欄にあった説明書きの「*治療により軽快するもの」、「**治療により軽快しないもの」を削除しました。脳症については昏睡度分類で区分が可能であり、治療の状態を加味する必要がないことから削除しています。また、本来、腹水・脳症については検査項目というよりは臨床所見に当たると思いますので、表記のように記載したものです。

 続いて資料 5 4 ページ目です。資料 7 については 71 ページを併せてご覧いただければと思います。 4 ページ目の検討課題 1-2 の重症度判定の基準について説明します。「各等級の障害の状態の規定について、客観的に等級判定ができるよう見直すべきか」についてです。前回の会合において異論が出なかった事項について、 Child-Pugh 分類の検査項目を基本として、その他の要件を加味して判定するということです。この項番では 2 つの事項について、ご検討いただきたい事項があります。そちらに記載された通りです。

 次に資料 7 71 ページの( 6 )の表について、各等級の障害状態の規定、一部例示について、客観的な基準として異常値の個数を示しましたが、 1 級、 2 級および 3 級のそれぞれの変更理由を説明します。 1 級から 3 級の規定については、現在では異常値の個数が示されていません。 1 級は高度異常を示すもの、 2 級および 3 級は中等度の異常を示すものとなっています。たたき台では現行の基準を踏まえて、 1 級については 6 項目中半数の 3 個以上の高度異常があれば当該等級に該当するものと考え、 2 級については 6 項目中半数の 3 個以上、中等度以上の異常値があることで当該等級に該当するものと考えたものです。また、 3 級については、 2 級よりも軽い程度の方を対象としていますので、中等度以上の異常値が 2 個以上あることとしたものです。

 これを Child-Pugh 分類のスコアと比較してみると、 1 級は 11 点、 2 級は 8 点、 3 級は 7 点になるものと思われます。本項目で血小板数が入っていますので、 Child-Pugh 分類よりは緩和されているものと思われます。なお、一般状態区分については他の内部疾患と共通のものですので変更はしていません。

 続いて資料 5 5 ページの検討課題 2 「慢性肝炎の認定の取扱い」についてです。資料 7 のたたき台のほうは、 72 ページの 2 の( 10 )の規定をご覧いただければと思います。前回の会合において、主な先生方のご意見にも書いてありますように、慢性肝炎を対象とするか否かの議論が中心でありました。ここでの検討事項については、 1 つ目が「慢性肝炎についての例外規定をどうするか」ということです。 2 つ目は「インターフェロンによる治療中の場合の基準を設定すべきか」ということです。

 ここで、資料 7 のたたき台の 72 ページの 2 の( 10 )の規定について修正案を提案しました。

 修正する理由は次に申し上げる通りです。肝疾患については、現在肝硬変を対象とし、慢性肝炎は原則対象としていません。しかし、実質は肝硬変であるにもかかわらず、慢性肝炎と診断されてしまう場合があり得るため、認定に当たり、診断名によるのみではなく、検査成績、一般状態区分なども踏まえて認定できるようにする趣旨によるものであります。なお、近年の医学的知見を踏まえると、現行規定の 100 という数値の根拠はないとのご意見が前回の会合において、委員の先生方からありましたので、それを踏まえてこのように見直しを行ったものです。

 続いて資料 5 6 ページをご覧いただければと思います。併せて資料 7 のたたき台については 72 ページ目で、新たに追加した( 11 )の規定となります。資料 5 6 ページ目の検討課題 3 「肝移植の取扱いについて」の項番( 1 )の「肝移植を行った場合の等級決定について」および( 2 )の「決定した等級は、どの程度経過観察を行うべきか。また、再認定はどのように判断すべきか」についてです。ここでは、異論が出なかった事項については、「肝移植を行った場合の認定については、一定の経過観察後に再認定を行う」ということです。そして、ここで先生方にご検討いただきたい事項は「決定した等級は、どの程度経過観察を行うべきか。また、再認定はどのように判断すべきか。」ということです。

 前回のこの会合において委員の先生方から、臓器移植、外科のご意見を聞いたほうがいいのではないかというご意見もありましたので、事務局のほうで、東京大学大学院の人工臓器移植外科の菅原准教授にお伺いしました。移植手術後 6 カ月程度で症状が安定し、就労ができるようになるとのことでした。また、拒絶反応については、半年から 1 年で 8 割方は肝機能が正常値で安定し、免疫抑制剤については一生服用を続けますが、量を徐々に減少させ、 1 年後は安定してくる。手術前の原疾患の再発については 2 年以内の場合が多いですが、肝機能障害が出る場合には再発症例の 20 %程度と推察されるとのことでした。

 こうしたことから、術後安定するまでの経過観察期間は半年でもいいと思われますが、 1 年であれば十分ではないかとのご意見をいただいたものです。このため、認定基準第 18 節に規定しています臓器移植の取扱いの規定中の「少なくとも 1 年間」を「 1 年間」と変更したものです。また、認定に当たりましては、術後の症状、治療経過、検査成績の他、予後も考慮する必要があることから、予後を改めて書き加えています。これは同じ第 18 節にあります、腹部臓器等の術後後遺症の認定や、人工肛門等の造設後の認定に当たっても規定されているものです。なお、同節、 18 節では「障害等級に該当するものが、臓器移植を受けた場合は、従前の等級とする」と規定されていますが、これは、移植後定着するまでに一定の経過観察期間が必要であることや、年金を支給されていた方の生活の安定の観点から規定されたものですので、その趣旨を明確化したところです。以上になります。先生方のご意見をいただければと思います。よろしくお願いします。

○戸田座長 ありがとうございました。事務局でつくられたたたき台について、委員の皆さまのご意見をお伺いしたいと思います。検討課題ごとにご意見を伺いたいと思います。まず資料 7 のたたき台の 69 ページを開けていただいて、重症度判定の検査項目および臨床所見について、これでいいかどうかということです。まず、これは資料 5 1 ページからやっていただきたいと思います。 69 ページの( 4 )をご覧になりながらこちらを見てください。

 検討課題 1-1 の肝疾患での重症度判定のための検査成績について、アルカリフォスファターゼ、コリンエステラーゼを削除することについては異論はありませんでした。血小板を重症度判定に入れるかどうかについては、岡上先生。

○岡上委員 全く重症度とは関係ないわけで、例えばインターフェロンをするために、血小板が少ない人は脾動脈塞栓をやれば、多くの患者さんは 10 万に上がります。脾摘すれば 15 万、 20 万に上がります。血小板数の低下は重症度を表していない証拠です。肝疾患重症度判定にこれを用いるのは学問的にもおかしいです。肝疾患における血小板減少の第一の理由は脾腫で、ついで肝障害によるトロンボポエチンの産生が落ちる事が原因です。

○戸田座長 トロンボポエチンというのは血小板の増殖にかかわる因子で、血小板数の主要な調節因子とされ、肝臓で産生されます。血液中のトロンボポエチン濃度と肝疾患の重症度とよく相関するという報告があります。一方、血小板の減少はトロンボポエチンの減少だけではなくて、脾機能の亢進が関わり、むしろこの方が血小板減少にはより重要であるとする見解もあります。

○岡上委員 むしろ脾腫による血小板減少が原因として圧倒的に多いわけです。

○戸田座長 私は 2 つの要因がかぶさっているというように思っていますが、皆さんのご意見はいかがですか。

○八橋委員 血小板と肝予備能を厳密に比較したデータは確かにないと思うのです。 10 万以上の人と 10 万未満の人が肝予備能として差があるのかについては個人差があると思います。しかし、1人の方で見てみると、血小板数の減少と肝臓の病気の進行には相関がみられます。その一方で、血小板数 10 万未満の方は、慢性肝炎と診断されていても肝硬変である可能性が高いのです。仮に重症度判定に血小板数を採用しないのであれば、慢性肝炎でも血小板数が 10 万未満の方は対象にするとか、適応を決める上での一つの目安というか、基準として血小板数を取り上げるべきと考えます。

○戸田座長 重症度判定に入れるかどうかということです。それでどちらかという。

○八橋委員 重症度判定の項目に残っていたほうが、皆さんが意識されるので、入れた方がよいと考えます。ただ、確かに血小板が 7 万の人と 5 万の人はどれぐらい違うのかというのは、客観的なデータはないのではないかと思います。

○中村委員 血小板自体が肝の重症度を直に反映しているわけではないのです。先ほど岡上先生にありましたが、脾腫の影響がかなりあって、血小板が高度異常は 5 万だという数字で区切って、 5 万未満の方が本当に肝不全が進行しているのかというと、必ずしもそうではないわけです。例えば血小板が 2 万程度しかなくても腹水もない、黄疸もない、ほとんど症状もないという方がいらっしゃるわけですから、それを認定の何級という基準の中に盛り込むのは問題があるのかなという思いはあります。

○戸田座長 坂井田先生。

○坂井田委員 今、岡上先生が言われました、 PSE (部分脾臓塞栓)をたくさんやっていますが、その治療で値は高くなるので、重症度としては確かにあてにならないので、重症度判定からは削除してもいいのかもしれません。

○戸田座長 植松先生はいかがですか。

○植松委員 重症度判定からは確かに外すべきかと思いますが、認定するほうとしては少しでも、この項目を 1 つ取れば 3 級をつけられるというときもあるので、残しておいてほしいと思います。

○戸田座長 私は入れたほうがいいのではないかと思っています。これを取ってしまうと、 Child-Pugh スコアとほとんど同じになってしまうのです。なぜ重症度判定に Child-Pugh スコアを入れないのかという議論になるわけです。今まで Child-Pugh スコアについては、参考人の方々からかなり批判的な意見がいろいろ出ていたわけです。そういった意味で同じにしてしまうのはどうかなという気がします。

 もう一つは、血小板を入れることで、かなり幅広く患者さんを救うことができるということがあるのです。全く重症度と相関しないというのは、私が調べた限りでは、血小板数の主要な調節因子とされるトロンボポエチンは肝疾患の重症度とよく相関するという報告もある一方、そうでもないという報告もある。肝疾患における血小板減少には、トロンボポエチン濃度と脾機能の亢進の 2 つが関わっていると考えてよろしいのではないかと考えているのですが。八橋先生。

○八橋委員 血小板 10 万というのは肝硬変の目安の数字だと思います。血小板数 5 万の意味については、血小板を増やす治験が今行われていて、血小板数 5 万以下というのが治験参加の基準でした。自分の肝硬変の患者さんで血小板数を調べたら 500 人中、 5 万以下の人は 50 人、 10 %でした。ですから、血小板数 5 万以下の方は、肝硬変の中の 10 %という少ない集団であること、また血小板数が 5 万以下の方は、内視鏡治療やがんの治療など観血的処置をする場合は血小板輸血をおこなって処置するように言われています。血小板輸血をしなければ観血的な処置ができないという側面があります。脾摘を行えば血小板数は増えるということですが、確かに脾摘をすれば上がりますが、肝硬変の方全員が脾摘を受けられるわけではありません。以上のことから、私は血小板数については考慮したいと思います。

○戸田座長 どうでしょうか。これは Child-Pugh スコアと全く同じ項目になるというのは、受け入れられないのですが、岡上先生はどうですか。

○岡上委員 脾摘をすれば血小板数は上がるから、血小板減少は肝疾患の重症度を表していないと言っているのです。先ほどの委員の話は次元の違う話です。今回の改定案は、 Child-Pugh と全く同じではなくて、例えばアルブミンは 2.8 3g/d ℓに上げたりしているわけです。前から言っているように、重症度を表さない因子を加えると非常にまずいと思います。拾う、拾わないとは別の次元の話で、ここは認定の話ですから。

○戸田座長 だから重症度を表さないといっても、表すという報告もあるわけです。

○岡上委員 報告もありますが、重症度はむしろ PT 、アルブミン値、ビリルビン値で規定されており、そこにわざわざ曖昧な因子を入れる必要はないと思います。

○戸田座長 事務局としては、これを入れたら何かおっしゃいましたね。 Child-Pugh スコア+血小板を入れると幅広く……。

○池上事業管理課給付事業室長 学問的な見地から、関連性については皆さま方のご意見をお伺いしたいと思っています。あとは実務的なところから申し上げますと、従来このような基準で判定を行っていまして、既にこれに基づいて受給している方もおられます。今回 ALP CHE を落とすことになっていますが、項目について大きな変動があると、受給関係に与える影響も大きくなることが懸念されるのかなと。その意味で今は血小板が入っていますので、入っているほうが、そういったところへの影響はある程度抑えることができるかなと考えています。

○戸田座長 アルカリフォスファターゼ、コリンエステラーゼについては重症度判定項目から、削除する。これはもうよろしいですね。血小板数について、これは重症度と全く関係のないものでなくて、ある程度関連しているという報告もあるということで。

○坂井田委員 私も決していらないと言っているわけではなくて、例えば血小板値をあげてインターフェロン治療をするとなると重症度が下がってしまうので、インターフェロンを受ける前に PSE (部分脾臓塞栓術)を受ける方が減って治療の機会が減ると困るなというところを踏まえて言わせていただいただけです。決して無視するという意味で言ったわけではないので、参考データという感じで入れて、たくさんの方を救う手段にしていただいて全然問題はないと思います。

○戸田座長 もう一つは、重症度判定の基準が従来のものとあまり変わってしまうと、今まで認定されていた人たちが外れてしまう可能性も出てくるので、コリンエステラーゼとアルカリフォスファターゼを削除することは皆さんは一致しています。

○池上事業管理課給付事業室長 そこのところは一致して削除すべきというご意見を頂戴していますので、そこは削除してよろしいと思います。

○戸田座長 血小板については残したほうがいいという考えの方も、私もその意見なのですが。残してもよろしいですか。どうですか、岡上先生。

○岡上委員 私は残す必要はないという考えで、肝臓専門医が重症度判定の因子に血小板数を加えたと学会などから指摘されると私は困ります。

○戸田座長 ですが、重症度を反映しているという報告もあるわけです。

○岡上委員 そのようなことを言うと、コレステロールでもそうで、その他種々のマーカーが入ってきます。先ほども言ったように、今までですと、血小板が少ないとインターフェロン治療はできなかったのですが、来年以降にはインターフェロンなしで治療が出来るようになるわけで、そのような事を念頭に議論すべきと思います。

○戸田座長 インターフェロンは関係ないですからね。

○岡上委員 だから今改正するならば、近未来のことも視野に入れて基準を作成すべきではないでしょうか。先生方が絶対に入れるべきだと言えば、別に反対はしませんが、血小板は不要との意見です。

○戸田座長 絶対に入れるべきという意見ではないのですが、私もビリルビン、アルブミン、プロトロンビン時間ほど重症度を反映しているかどうかについては、いろいろと議論があると思います。ですけれども、今までとあまり変えたくないということと、これを入れなければ Child-Pugh と全く同じになってしまうので、そうなると Child-Pugh スコアにしたらいいのではないかという意見が出てきたりすると、またいろいろ問題が出てくるので、あまり医学的ではないかもしれないが入れてよろしいですか。では、入れることにします。よろしいですね。次に追加すべき項目があるかどうか、これは特にないということでよろしいですね。項番 3 3 ページを開けてください。血清アルブミンの数値のことについていかがですか。アルブミンについて「 3 以上 3.5 未満」となって、 3 以上にして、 2.8 というのはどこから出たのですか。よく分からないですが。

○岡上委員  2.8g/d ℓは Child-Pugh です。だから今回の案は Child-Pugh よりもかなり緩めの基準です。

○戸田座長  Child-Pugh 2.8 でしたか。 3 以上というのは。

○中村委員 チャイルドが 3 です。ピューは 2.8 で、チャイルドの元のが確か 3 でした。

○戸田座長  2.8 3 でかなり違ってきますか。

○岡上委員 この辺は結構違います。

○戸田座長  3 にするか、 2.8 にするか。坂井田先生はいかがですか。

○坂井田委員 広く救済するという意味では 3 でもいいと思いますけれども。

○戸田座長 植松先生はいかがですか。

○植松委員  3 でいいと思います。

○戸田座長 八橋先生。

○八橋委員 私も 3 でいいと思います。

○戸田座長 中村先生。

○中村委員 皆さんが 3 でよければ 3 でいいと思います。

○戸田座長  3 にしましょうか。これは 3 ということで。

 検査項目としてのプロトロンビン時間はパーセントと秒で表示するということですが、プロトロンビン時間の中等度異常のパーセント表示は 40 以上 70 未満、そして高度異常は 40 未満でよろしいですね。ですが、これが秒と対応するかどうかということですが、これは各施設によって違うのです。私の病院で調べてみたのですが、 70 %の人は延長が大体 2 秒で、 4 秒は延びていないのです。八橋先生、調べてみられたらどうですか。

○八橋委員 いくつかの総説を調べてみたところ、 40 70 が、 4 秒、 6 秒と書かれてあったのをいつか見たのですが。

○戸田座長 植松先生。

○植松委員  14 のところで既に 2 なのではないですか。 70 %の 2 でよろしいのではないですか。

○戸田座長  4 以上になっています。

○植松委員  4 70 %ですか。

○戸田座長 私の病院では 1.8 秒の延長で 67.6 %だったのです。だから大体 1.8 で、 2 秒延長で 70 %ぐらいかなという気がしました。しかし、各施設によって違うので調べて。これは 4 秒にしますか、それとも2秒。私が自信がないのは、私の病院でそうだったということで、各施設によって違うということもあり、あまりごり押しはできないということです。 4 秒というのは、岡上先生はいかがですか。

○岡上委員 私も検討していないので、八橋先生が言うように、確かこのように記載されています。

○戸田座長 そうですか。 Child-Pugh 分類に 4 秒というわけですね。

○八橋委員 このような指標も、実臨床に合わせるということで補足されているのだと思います。

○岡上委員  Child-Pugh はパーセントでしか書いていないですが、日本は多くの施設が秒で表示してきましたが、最近はパーセントが圧倒的に多くなっています。秒に直すとこのような形になるということで書かれています。

○戸田座長 ではそれでいいですね。

○岡上委員 これでいいのではないですか。

○戸田座長 最近では INR のほうが多いのだということも聞きました。

○岡上委員 そうです。最近はあまり秒では表さない。

○戸田座長 これは 4 秒ということで。少し合わないところもあるのですが、テキストがそうなっているのでしたら 4 ということにします。よろしいですか。

 次に腹水のところです。中等度以上のところは岡上先生が「腹水あり」、高度異常については「難治性腹水あり」にしたほうがいいのではないかと。これはそれでよろしいですね。 脳症については1度、2度のところにアステリスクがあったのですが、これは例えば2度以上あって、治療によって軽快する場合はどうなるのかという問題がでてくる恐れがあります。2度以上があれば高度異常ということで、そういうことにします。アステリスクは両方とも取るということで、腹水については「腹水あり」と「難治性腹水あり」の 2 つにするということです。

 進んでよろしいですか。次は一番大変なところですが、資料 7 の( 6 )です。重症度判定の基準についてということです。これは検査成績の何個以上とか、そういう形になっているわけです。 Child-Pugh にはなっていないわけです。これについて皆さまそれぞれのご意見を伺いたいと思うのですが。坂井田先生から。

○坂井田委員 先ほどの事務局の提案では少し厳しすぎるかなと思います。 Child-Pugh11 点というのはすごくきついと思います。もう少しハードルを下げる方向ではいかがでしょうか。 Child-Pugh B でも肝性脳症があったりすると、かなり生活も制限されたりするので、そこは少し検討の余地があるかなと思います。

○戸田座長 こういう形でよろしいですか。例えば検査成績を臨床所見のうち高度異常が 3 つ以上示すもので、かつ一般状態区分に該当するものとか、あるいは 2 級については中等度または高度の異常が 3 つ以上という形になっています。こういう形でよろしいかどうか。

○池上事業管理課給付事業室長 今頂戴したご意見ですと、 1 級で高度異常 3 つというのが厳しいのではないかというご意見ですか。

○坂井田委員  11 点というのはかなり生命予後が悪い方だと思います。

○戸田座長  Child-Pugh 3 つ以上となった場合、確かに 11 点以上になります。それで血小板が入ってきているのです。血小板が入って 3 つ以上となると、血小板が点数に入らないわけですから 6 点です。ですから 6 点の人も入りますということなのです。そうすると、こういう形でよろしいわけですか、坂井田先生。

○坂井田委員 いや、私は Child-Pugh C は当然入って、 Child-Pugh B でなおかつ身体的なところの状態、制限のところを含めて判断したらいいかなと思って言ったのですが。こういうたたき台でも、それに近いものであれば構わないと思います。

○戸田座長 チャイルドのスコアというのは、診断のところに出てくるのです。診断項目、それを参考にということですか。

○坂井田委員 科学的なバックグラウンドというか参考程度で、一番大事なのは日常生活が制限されているかということだと思います。科学的な根拠として、 Child-Pugh という言葉が先ほどからたくさん言葉が出ていますので、それを入れるのであれば C は当然入るとして、 B でもなおかつ活動制限される方という表現もあるかもしれませんが、全面的に改定しなければいけないので、こういう表現であるのであれば、2つ以上とか、そのようにしていただければいいのかなと思って発言させていただきました。

○戸田座長 これでもよろしいと。岡上先生はいかがですか。

○岡上委員 個数よりも、かつ、一般状態区分表に該当するものとなると、ほとんどオに入ってこなくなります。だから、これは亡くなる直前の人のような感じになってくるので、何回も申してるように Child-Pugh をベースにしなければ、自覚症状などで規定されると、これはかなり厳しくなります。一般状態区分表のオに該当しなければ、 3 つ以上持っていても認定されないわけです。

○戸田座長 そうすると、エまたはオにするとかそういうわけですね。オだけではなくてエでもいいと。一般区分表のア、イ、ウ、エ、オとありますね。

○岡上委員 肝硬変でオになるような人はほとんどいないです。亡くなる数週間ぐらい前でなければオになりません。肝臓になっても最後まで多くの患者さんはかなり元気にされており、それが肝疾患の特徴です。

○戸田座長 岡上先生はオに少し問題があるのではないかということで。

○岡上委員 だから一般状態などに重みを置くと、 Child-Pugh が満たしていても認定されないわけで、しかも自覚症状は患者さんの訴えで、公平性が担保されるかどうかも問題です。

○戸田座長 先ほどの加藤さんの改訂のところでも、一般状態というか、状態を重視するというような話がありました。だから、一般状態をどこかに入れなければいけないのではないか。一般状態、患者の状態です。

○岡上委員 一般状態を省きますと、先ほどから議論があるように、血小板が加わると認定されやすくなります。だけど、オの患者さんは私の外来にはほとんどいません。すなわち病院に来られません。入院患者の、亡くなる少し前の状態です。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 今、一般状態区分の話になりましたので、こちらのほうからと思ったのですが。内科疾患、他の疾患もすべてこの一般状態区分を使っていまして、そのような他の疾患との整合性を取るという基準のつくり方をしているものですから、なかなかそこは難しいかなというように考えています。

○戸田座長 それはいいのです。ウにしてもいいわけですから。植松先生はいかがですか。

○植松委員 これはオでなければいけないのですか。例えばエまたはオとしてはいけないのですか。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 他の疾患との整合性がありますので、そういった議論、肝疾患だけということにはならないので、議論が必要になってきます。

○植松委員  1 級の障害年金を支給する方はオの状態の方としています。

○戸田座長 そのように決まっているわけですよね。

○岡上委員 それでいかないと仕方ないです。

○植松委員 「なおかつ」の「かつ」というのは、いかがでしょうか。

○池上事業管理課給付事業室長 ここのところは、一般状態区分については内部疾患共通で、このように整理しています。あとは検査成績と臨床所見のカウントの仕方がどうかという目で、ご意見をいただければありがたいと思います。

○戸田座長 検査成績と臨床所見については、 2 級のところに同じような形になっているわけです。八橋先生。

○八橋委員 オの障害の程度と高度異常が 3 つとの関連を考えた場合、高度異常が3つはチャイルド・ピュー 11 点に相当します。チャイルド 10 点というのはかなり一般状態が悪くて、ほとんど寝たきりというか、少なくとも自分では歩行できない状況かと思います。チャイルド C というのはオに相当すると私は理解しています。一般状態区分で等級が決まるシステムであるならば、検査所見の基準は少し緩和して、坂井田先生が言われましたように、チャイルド C ではなく B の高度のところまで、認定基準を下げなければ、実際の運用では、ほとんどの患者さんが年金を受け取れなくなってしまいます。繰り返しになりますが、検査所見の基準は、少し幅広くした方が良いと思います。

○戸田座長 オであれば 1 級になるわけですね。

○八橋委員 オだったらです。検査所見でもチャイルド C というのはオに相当します。

○戸田座長 では中村先生。

○中村委員 先ほどの検査項目と臨床所見に血小板が入ったことで、恐らく肝硬変という診断がつけば、血小板に関しては 10 万以下ですから中等度異常になってしまいます。そういう意味では血小板が入る前に比べると、血小板が入ったことで高度異常が 3 つ以上というのが一般状態区分のほうに恐らく該当するだろうと思います。そこで血小板が 10 万から 5 万の間の方で、他の高度異常、例えば脳症などがあってオの状態に近い方をどのように拾い上げるかというのが入ってきます。そういうところは議論が必要かなという感じはしますが、基本は、血小板が入ったことで、この 3 つ以上というのはある程度妥当なのではないかという感じがします。これである程度妥当ではないかと。

○戸田座長 時間がありませんので。意見も一通り出まして、皆さまからそれぞれご意見をいただきました。また、患者団体からの意見も伺いましたので、事務局のたたき台のほうでもう一度見直して改めて議論をしたいと思います。

○池上事業管理課給付事業室長 残り時間が限られてきたので、今回、たたき台と検討課題の紙について最後までご議論いただければありがたいと思っています。もう一個用意していました A3 の大きな紙のメールでご意見を頂戴したほうについては、本日ご議論をいただく時間が厳しくなってしまいましたので、次回私どものほうでたたき台を出して、それと並べてご覧いただきながらご議論をいただいてはどうかと思います。

○戸田座長 慢性肝炎と肝移植のところまでいきましょうか。慢性肝炎と肝移植についていかがですか。 72 ページの案でよろしいかどうか、どうでしょうか。その他にもご意見がありましたら。 72 ページの慢性肝炎については、慢性肝炎は原則として認定の対象としないが、障害の状態によって慢性肝炎でも認定するということです。

○植松委員 確かに 2 年後には経口になると思うのですが、それでもインターフェロン治療をされる方は残ると思うのです。その場合にインターフェロン治療をしている段階で、慢性肝炎で検査が異常値でしたが、今はインターフェロン治療で、検査値は落ち着いているという方が申請した場合に、全くデータは正常、インターフェロンをやっているので少し症状があると思いますが、そういう方は一応 3 級程度をつけるという形でよろしいのでしょうか。その点のご見解を。インターフェロンで治療中の方で、慢性肝炎でいきます。今は 100 以上なくてはいけないということがあるのですが、一応インターフェロン治療中ということで、一般状態区分のイがついていれば 3 級という形をつけているのですが、その取り扱いについてはいかがですか。

○戸田座長 一般状態区分の 3 級には、先ほどありました何個以上というのがかかってくるわけです。それを満たしてということですか。一般状態だけではできないです。

○植松委員 ですから今後はインターフェロンをやっている方は、検査データがそろわない場合は、不該当という形になるのですか。

○戸田座長 それは除外せざるを得ないのではないでしょうか。どうですか。

○岡上委員 それは検査成績で規定しておかなければどうしようもないのではないですか。インターフェロンの副作用かどうか分からないわけなので、そんなものを入れていると何のための認定かということになります。

○戸田座長 インターフェロンで非常に一般状態が悪いといった場合に、インターフェロンをやめればいいわけです。大体インターフェロンを中止すればよくなる人がほとんどですから。障害の等級に相当する臨床所見や検査所見がまず悪くなければいけないです。( 10 )についてはこれでよろしいですか。

○坂井田委員 細かいことですが、静脈瘤ができる場所は胃と食道に限らないので、肝硬変になると直腸や十二指腸などもできることはありますので、静脈瘤(胃・食道など)というような形にしておいたほうが、数は非常に少ないとは思うのですが見落としがなくなると重います。再出血するのが十二指腸の方もおられますし、これでは 2 つだけのと静脈瘤だけしか取っていないような感じがするので。消化管のどこにでもできますので、細かいですが書き方の変更を検討していただければと思います。

○戸田座長 直腸静脈瘤があります。

○坂井田委員 そのようなものもありますし、消化管の静脈瘤など、そういう言葉はあまり使用されないのですが、見落としなく所見を取れるような感じに書いておいてもらったほうがいいのかなと考えます。

○戸田座長 食道、胃、静脈瘤などとすればいいのですか。

○坂井田委員 そうだと思います。

○八橋委員 先ほどの植松先生のお尋ねは、それほど身体的には悪くないけれど、インターフェロン治療を受けることで、いろいろな労働制限が加わるということで、この項目が設けられたのではないかというように理解したのですが、そういうことですね。結局治療が終われば、また随時認定は更新していくので、副作用のあるインターフェロン治療のときだけは障害年金をいただき、治療が終われば、もらわないということが今まで行われていたという理解でよろしいですか。

○植松委員 一応そのつもりで、今まではやっていました。ですから今後も、そういうとらえ方でやっていいのかなということをお尋ねしたかったということです。マニュアル上に何も表現がなくなると、インターフェロンをやっている人はどうなのかなという疑問が残ります。

○戸田座長 インターフェロンを使っていて、検査成績および臨床所見の中等度または高度の異常、これが承認されたという、高度の異常が 2 つ以上示すということは、これは条件として必要ではないですか。インターフェロンを使っていて一般状態だけで、それは問題です。

○植松委員 ですからインターフェロンを射っていれば、少し検査値はよくなります。その前の段階というのは、かなり肝障害があって、そのためにインターフェロンが使われているわけですから、その前の段階で認定、申請が出てくるわけです。インターフェロン治療中は、 AST 30 ALT 20 位になっているのです。

○戸田座長 そして一般状態がかなり悪いという。

○植松委員 ウまでついている人もいます。その場合にどうするかということです。

○戸田座長 それはインターフェロンを中止すれば。

○八橋委員 多分これは医学的というよりも、社会的な考え方でこの一文が設けられたのではないかと想像します。今までこのようにサポートされてきた方が、今回改定することで今後困らないかというようなご懸念ですね。

○植松委員 例外的解釈という形でよろしいですか。

○戸田座長 診断書というものがありますから、そこを参考にして。だからインターフェロンを使う前の状態にプラスして。

○八橋委員 多分、今までは多くの方がインターフェロン治療で仕事を休んだり、治療導入を契機にして仕事を辞めなければいけなかったりという現実があったのではないかと思います。ただし、岡上先生が言われたように、今後、 C 型肝炎治療では新薬の開発でインターフェロン治療が劇的に減少し、内服治療だけで入院もしなくて治療するというのが C 型では主流になります。治療法が大きく変わるので、そのあたりをどう考えるか。難しい話になりますが、内服治療でも効かなかった方をどうするのか、薬剤耐性出現例の対処の仕方は、学問的にもこれから検討しなければなりませんが、今後本当にインターフェロン治療がなくなってしまうのか、むしろ一部の方で長期的な投与が必要な方も残るだろうと想像します。そのような方の場合には、インターフェロン治療で労働条件が制限されますので、今後どうするのかという議論かと思います。

○戸田座長 この( 10 )をどう改めるかについては、これはこれでよろしいのではないですか。

 次に肝移植の取り扱いについて、何かご意見はありますか。これでよろしいですか。加藤さんが言われた認定基準の改訂に関する意見のところで、肝移植が機械的にというか 1 級になっていますが、どうですか。肝移植をするとよくなる、大体 8 割の人が肝機能が正常化するのです。

○全国薬害肝炎原告団 加藤説明補助者 移植の件に関しましては手帳のほうで、 1 級を基本に考えるという認定になっていますので、それを参考にしました。前回の先生方の会議で、 1 年間様子を見るとか経過ということがありましたので、その間についてわれわれは異議を述べるものではないのですが、その経過の期間であるとか、どのように見るのかというところまでは、今回の意見書では余力がなかったので、まず原則としてそのように 1 級と見て、あとは経過観察をするという形で考えていたという次第です。以上です。

○戸田座長 分かりました。肝移植を受ける方は 1 級か 2 級の方が多いわけです。肝移植をしたら、その後 1 年間は前の状態で 1 級だった人は 1 級、 2 級だったら 2 級と、 1 年間は見るということです。これはこれでよろしいですね。では、慢性肝炎肝移植については、このたたき台の案でよろしいということにしたいと思います。何かありますか。

 では、少し時間が延びますが、検討課題のところで皆さんのご意見をお伺いしたいのは資料 6 です。

○池上事業管理課給付事業室長 時間が定刻を過ぎてしまったので、資料 6 については第 3 回にたたき台を出しつつ、こちらの資料も同じものを見ていただいて、ご議論をしていただいてはどうかと考えています。今日は難しいかと。

○戸田座長  10 分過ぎましたので、本日の議題についてはすべて終わらせることはできませんでしたが、皆さまから一通りご意見をいただきました。時間が来ましたので本日の議論はこのあたりで終わりにしたいと思います。

 それでは次回の進め方や日程について事務局からお願いします。

○和田事業管理課給付事業室長補佐 本日は委員の皆さま、ならびに団体の皆さま、お忙しい中ご出席いただき大変ありがとうございました。次回は本日の議論なども踏まえて認定基準たたき台の修正案、診断書の見直しのたたき台も示して、ご意見を伺いたいと思っています。

 次回は 10 3 日木曜日の午後 5 時からの開催を予定しています。改めて開催場所のご連絡を差し上げたいと存じます。

○戸田座長 本日の会合はこれで終了とします。委員の皆さまには長時間にわたりご意見、ご質問をいただきありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省年金局事業管理課給付事業室

代表: 03-5253-1111(内線3603)
直通: 03-3595-2796

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