ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(児童部会ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会)> 第6回児童部会ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会 議事録(2013年8月8日)




2013年8月8日 第6回児童部会ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会 議事録

雇用均等・児童家庭局

○日時

平成25年8月8日(木)15:00~16:40


○場所

厚生労働省(中央合同庁舎第5号館)22階 専用第14会議室


○出席者

委員

小杉委員長 (労働政策研究・研修機構特任フェロー)
海野委員 (全国母子寡婦福祉団体協議会理事)
大塩委員 (全国母子生活支援施設協議会会長)
島崎委員 (政策研究大学院大学教授)
新保委員 (神奈川県立保健福祉大学教授)
杉澤委員 (山形県子育て推進部子ども家庭課長)
三木委員 (戸田市こども青少年部長)

参加人

新川参加人 (NPO法人WINK理事)
赤石参加人 (NPO法人しんぐるまざあずふぉーらむ理事長)
片山参加人 (NPO法人全国父子家庭支援連絡会代表理事)
佐藤参加人 (ハンドインハンドの会主任研究員)

事務局

石井雇用均等・児童家庭局長
鈴木大臣官房審議官(雇用均等・児童家庭担当)
定塚雇用均等・児童家庭局総務課長
小野家庭福祉課長
高松家庭福祉課母子家庭等自立支援推進官
度会家庭福祉課課長補佐

○議題

ひとり親家庭への支援施策の在り方について
(中間まとめ(案)について)

○配布資料

資料 ひとり親家庭への支援施策の在り方について(中間まとめ)(案)

○議事

○小野家庭福祉課長

 皆さまおそろいでございますので、ただ今から「第 6 回ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会」を開催いたします。

 本日は、兼子委員、中田委員がご欠席ですが、委員 7 名のご出席をいただいております。

委員の皆さまには、お忙しい中をお集まりいただきまして誠にありがとうございます。

 それでは、議事に移りたいと思います。小杉委員長、よろしくお願いします。

 

○小杉委員長

 はじめに、本日お手元にお配りしております資料の確認を、事務局よりお願いいたします。

 

○小野家庭福祉課長

 それでは、資料の確認をさせていただきます。配布資料は、議事次第と資料「ひとり親家庭への支援施策の在り方について ( 中間まとめ ) 案」でございます。以上でございます。

 

○小杉委員長

 それでは次に、参加人の参加についてです。本日は、 NPO 法人ウインクから新川てるえ理事、 NPO 法人しんぐるまざあず・ふぉーらむから赤石千衣子理事長、 NPO 法人全国父子家庭支援連絡会から片山知行代表理事、ハンド・イン・ハンドの会から佐藤俊恵主任研究員の参加を求めますが、よろしいですか。

 

(「異議なし」の声あり)

 

○小杉委員長

 ありがとうございます。

 次に、本日の進め方ですが、本日は中間まとめの議論を行います。事務局に「中間まとめ ( ) 」を作成させましたので、まず、事務局からこれについて説明をしていただきます。

 続いて、この「中間まとめ ( ) 」につきまして、意見交換を進めてまいります。本日は、中間まとめを行う議論ですので、普段と順番を変えまして、まず参加人からご意見をいただいて、その上で、委員で中間まとめの議論をするという手順にしたいと思います。

 ということで、円滑に議事を進めていきたいと思いますので、ご協力をお願いいたします。

 それでは、まず事務局より資料の説明をお願いします。

 

○小野家庭福祉課長

 事務局でございます。それでは、お手元の「ひとり親家庭への支援施策の在り方について ( 中間まとめ )( ) 」でございます。委員の皆さま、参加人の皆さまには、事前にお配りしたものでございますが、あらためて全体をざっと見てまいりたいと思います。

1 ページ目は「はじめに」でございます。一つ目のパラグラフは、本専門委員会の成り立ちでございますけれども、平成 22 年の児童扶養手当法改正法附則の施行 3 年後の検討規定に基づく支援施策の在り方の検討のためというものでございます。

 次いで、検討を始めるまでの経過といたしまして、児童扶養手当法改正以降も運用改善や予算措置などによりまして改善が図られてきているのですが、就業状況、収入の状況などに鑑みて、依然として厳しい環境に置かれているということ。そうした中、昨年の臨時国会では「母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の支援に関する特別措置法」が議員立法により成立したこと。また、今年の通常国会におきまして「子どもの貧困対策の推進に関する法律」の審議の過程におきましても、ひとり親家庭の子どもの貧困率の高さが指摘されたといったことを挙げております。

 一段落飛びまして、この中間まとめですが、現時点で今後の検討に向けまして支援施策の全体や個別の支援施策の在り方に関する方向性の論点といったものを整理するものでございまして、厚生労働省におきまして提示された方向性や論点に沿って、施策の充実に向け必要な検討が行われることを期待するということで整理しております。

 次のページでございます。第 1 に「ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する基本的考え方」ということでございます。 1 の「ひとり親家庭の現状」のところでございますが、これはデータを説明しておりまして、このページについては説明を省略させていただきます。 3 ページ目でございます。二つ目の丸のところでございます。この間、いろいろなデータを議論してきたことを踏まえまして整理したものですが、ひとり親家庭は子育てと生計の担い手といった二重の役割を一人で担うといった不利を抱えているために、仕事と子育ての両立の難しさ、非正規雇用の増加、男女の賃金格差などの我が国の社会が抱える課題の影響を顕著に受け、厳しい状況に立たされているといえると整理しております。

 次いで、 2 「ひとり親家庭の自立と支援」ということで、基本的な考え方を整理しております。一つ目の丸で、ひとり親家庭の自立した生活といいますのは、子どもが心身ともに健やかに成長し、その将来に良い影響を与えるという観点や、ご自身が寡婦となった後の生計維持の観点からも望ましいことから、できる限り就業による自立を目指すべきであること。次の丸ですが、他方で就労による自立が直ちには困難なひとり親家庭もあり、就業自立以前の日常生活上の自立など、状態像に応じた自立を目指した支援も必要であるということ。次のパラグラフですが、そうした支援のためには、一般施策とひとり親家庭のニーズに即した支援施策との双方の充実が必要であること。そのためには、ひとり親家庭のみの施策ということで整備するのは限界があるのですが、一般の施策について優先的な利用なども検討する必要があるということ。次のパラグラフでございますけれども、養育費の確保への支援も必要であること。次のページにまいります。一つ目の丸ですが、児童扶養手当などの経済的支援が重要な役割を果たしていること。次の丸ですが、他方で児童福祉や教育の分野におけます支援、また法務分野の専門性を要する支援も必要であり、社会福祉、雇用、教育、法務など多岐の分野にわたった支援が必要であるということで、国・地方公共団体の双方において、関係機関との協力・連携した取組が不可欠であることを指摘しております。

 次の 5 ページ目でございます。第 2 というところからが具体的な検討の個所でございますけれども、 1 の「支援施策全体、実施体制について」は、支援施策を総論的に整理いたしまして、 10 ページ目の 2 以降では施策分野ごとの各論について整理しております。また、それぞれの中で (1) で「現状と課題」、 (2) で「施策の方向性」という形で進んでまいります。

 それでは、この 5 ページの 1 「支援施策全体、実施体制について」の (1) 「現状と課題」ということでございます。カタカナのア~エで四つ整理しております。アの「相談支援体制の状況」ということでございますけれども、ひとり親家庭の支援ニーズには多様なものがあって、課題も多様なものを抱えている場合もあるということで、個別のニーズに対応する支援メニューが必要であるとともに、事情に応じて適切に組み合わせて行う相談支援が必要であるということを言っております。一つ飛びまして、こういった相談や支援の役割を期待されている母子自立支援員についてですが、まず三つ目の丸でございます。地方財政措置がとられているものの未設置の市等もあるなど、市等によってばらつきがあるということ。続きまして、勤続年数ですけれども、必ずしも長くないということ。いわゆる「雇止め」がなされているという指摘や研修への参加機会が確保されないことがあるといった指摘もなされています。こうしたことを背景として、専門性が蓄積されず向上性が図られていないという指摘もございます。次の 6 ページ目でございます。ここでは、相談ニーズについてデータを追っていたわけでございますが、一つ目の丸の「このように」というところでございますけれども、相談したいというニーズがあるものの母子自立支援員などの公的機関がこれに十分に応えるものとはなっていないところでございます。実際の相談内容ですとか認知度を踏まえますとどうなっているかということでございますけれども、二つ飛んで「このように」というところでございます。相談・支援につきましては、中心となって担うべき母子自立支援員の体制が十分でなく、知識などの専門性も十分でないため、相談・支援が十分に行えていない地域もあること。また、ひとり親家庭がどこに相談に行くべきか分からず、相談者の負担ともなっていることから、どのように相談支援体制を確保していくかということが課題となっていると結んでおります。

 イ「支援メニューの地域によるばらつき」の件でございます。個別の支援メニューについてでございますが、地域によってばらつきがみられるということ。また、次の丸でございますけれども、 3 行目からですが、実施している地方公共団体におきましても、利用したいときに利用できないなどニーズに対応できていないという指摘もあります。次のページでございます。「このように」からですが、地方公共団体における支援メニューの充実、提供体制の整備をどのように進めていくかが課題となっている。

 ウ「利用と周知の状況」でございます。施策によってはひとり親家庭に認知されておらず、十分に利用されていない状況にあります。次の丸で例示しておりますが、このようなところでございますけれども、どのようにそういった施策の周知を進めて利用を促進していくかということが課題となっております。

 エ「父子家庭の状況」でございます。最初の二つの丸はデータをお示ししたものでございます。三つ目の丸の「このように」のところでございますけれども、父子家庭の中にも就業と子育てとの両立の困難や、現在の雇用環境等を背景として経済的に厳しい状況に置かれて支援を必要としている家庭もあるということ。現時点で、制度面で対応できていないものや名称などから父子家庭が利用しにくいものもあることから、父子家庭への支援をどのように進めていくかということが課題となっているとしています。

(2) 施策の方向性のア「相談支援窓口体制の整備」でございます。まず一つ目の丸で、相談支援窓口体制のあり方として、四つのあるべき相談支援の姿を提示しております。黒ポツが四つございますが、一つ目の黒ポツで言っている包括的・総合的な相談・支援。二つ目のポツで言っている継続的・計画的な寄り添い型の相談・支援。三つ目のポツで言っております潜在的な支援ニーズにも応える積極的な相談・支援。四つ目のポツで言っております地域連携型の相談・支援。こういった体制を整える必要があるというところでございます。二つ目の丸でございますけれども、こうした窓口体制の整備に当たりましては、地域によってひとり親家庭の支援ニーズが異なってくるということ。また、ひとり親家庭に関わるさまざまな社会資源の在り方が多様ですので市等が地域の実情に応じた相談支援窓口体制の在り方を検討して整えることが適当であるとしております。その上で、国が何をするかということですが、少し飛びまして国は、財政的な支援を含む必要な支援を行うとともに先進的な取組等の収集と市等への情報提供を行うことについて検討が必要であるとしております。

9 ページ目のイ「母子自立支援員の体制の強化と資質の向上」でございます。一つ目の丸ですが、まず、各市等におきまして、その重要性について改めて認識いただいて、体制を強化するということ。安定的な雇用ですとか研修への積極的な参加といったことで待遇改善を図って資質を向上させることが必要である。このために国は、体制の強化と資質の向上を図ることについて地方公共団体に働きかけ、必要な支援を行うことについて検討が必要であるとしております。また、資質の向上のためには必要な専門性や必要とされる水準、あるべき支援者像について認識を共有した上で、専門職として確立する必要がある。そのために、国においてそうした研究をすることが必要ではないかとしております。

 次に、ウ「地方公共団体における支援メニューの整備と提供体制の確保」でございます。メニューのばらつきにつきましては、それぞれの地方公共団体におきまして地域の支援ニーズを把握した上で、計画に反映させて計画的に整備していく必要がある。このために、国は全ての地方公共団体におきまして計画が策定されるようにするほか、補助メニューの充実を図ったり、先進的な事例について情報提供する、取組状況を公表するなどの助言・支援を行って促進すること。次に、地方公共団体において事業を実施していても提供体制が支援ニーズに十分に応えられていない場合があるという指摘がございましたので、提供体制が実効性の上がるものになっているかどうか見直すよう、国が地方公共団体に促すことが必要である。

また、次の丸ですが、支援メニュー有効性や効率性の観点から効果の検証ということが必要であるということを謳っております。次の 10 ページでございます。なお書きのところでございますけれども、就業支援施策の効果の検証に当たりましては、就職件数だけでなく、雇用形態や稼働所得等も踏まえて検証する必要があるとのご意見がございました。

 エの「支援施策の周知と利用の促進」ということで、パンフレットなどの紙媒体をはじめ、インターネットメディアの活用など、ひとり親家庭が接しやすい方法での周知について検討が必要である。また、行政とのあらゆる接点を通じて相談・支援につなげて必要な支援メニューにつなげるような体制を構築する検討が必要であるということでございます。

 オ「父子家庭への支援」ということでございます。

母子自立支援員等による相談・支援の実施ですとか、母子寡婦福祉資金貸付金の貸付対象の拡大など、父子家庭への支援の推進について検討が必要であるということ。また、施策の名称について対象となっていることがわかりにくいというご指摘。また、母子家庭と父子家庭では異なる面もあるというご指摘を踏まえまして、父子家庭も支援を受けられることを周知徹底する方策についても検討する必要があると整理させていただいています。

 次いで、各論でございます。 2 の「就業支援について」の (1) 現状と課題でございます。一つ目の丸でパート・アルバイト等の非正規雇用で働く者の割合が多いということ。次の丸ですが、一定の割合のひとり親が転職を希望しているということ。また、次のページの上ですが、収入の増加や安定した雇用が望まれているということ。駆け足で恐縮ですが、一方におきまして次の丸の「このように」のところですが、正規雇用の場合には、比較的、稼働所得は高くなるものの、子どもと過ごす時間や子育てに費やせる時間が限られることになるということ。そういう状況の中で、末子の就学ですとか進学ということを捉えて、正規雇用に転換している場合があること。そういったデータを見た上で、これらの仕事の安定や収入ということと、子育ての時間というものの両立、そういったもののジレンマに悩んでいらっしゃる。その中で、就業と子育てとを両立させている状況にあるということです。そうしたひとり親家庭に対しましてどのような就業支援を進めていくかが課題となっているということです。最後の丸の「他方で」というところでございますけれども、次のページをご覧いただけますでしょうか。そうした就業支援に加えまして、直ちには就業できないひとり親家庭もあるというのが、上のところでさまざまな条件の困難を書いております。直ちには就業できない家庭もあることから、その自立に向けてどのような支援が必要かということが課題であるということでございます。

(2) の施策の方向性ですが、一つ目の丸で書いてあることでございますけれども、これらひとり親の状態像に応じたきめ細かな就業支援が必要であるということ。二つ目の丸ですが、より安定し、よりよい所得が得られるように転職やキャリアアップの支援の推進について検討が必要であるということ。そのためには、休日や夜間などにも相談・支援や資格取得講習等を受けられるようにすることについて検討が必要である。三つ目の丸でございますが、一般の子ども・子育て支援の充実とひとり親家庭のニーズに即応した子育て・生活支援施策の充実が必要であるということ。四つ目の丸の真ん中辺りからでございますが、ハローワークでの支援につきましては、さらに周知を進めて活用を促すことが必要であるということ。また、市等の相談支援体制の整備に当たっては、こうした国の機関が実施している就業支援との連携強化について検討が必要であると整理させていただいております。 13 ページの上のところですが、事業主への支援策については更なる周知が必要であるというご意見があったということを書いております。母子家庭等就業・自立支援センター事業につきましてですが、事業の内容をより効果的なものにしていくことやサービスを改善することについて検討が必要であるということ。次の丸ですが高等技能訓練促進費等事業等につきましては、対象資格の拡大について国が具体例を示して促すこと等で活用促進を図ること。また、住民税等の課税対象とならないようにすることといった指摘をさせていただいています。その上で、教育訓練と就業機会の提供や子育てとの両立、時間的なメリットのため在宅就業支援を活用すべきであるというご意見がございました一方で、賃金職員が安く、雇用形態が不安定であったり、費用対効果の面からの指摘もありまして、在宅就業支援に係る検証について検討が必要であるとしております。続きまして、特別措置法でございますが、特別措置法に沿いました国や地方公共団体によります例えば受注機会の増大への努力などの取組の推進について検討が必要であるということ。また、「他方で」のところですけれども、直ちには就職できないひとり親に対しては。個別の事情を踏まえた回復への支援や日常生活や社会生活での自立のための訓練などから入っていくなど、継続的・計画的な寄り添い型の支援が必要であるということを指摘させていただいております。

 各論の二つ目でございます。 3 「子育て・生活支援について」の (1) 現状と課題でございます。一つ目の丸では末子の年齢についてということでデータを見ております。乳幼児や小学校低学年である場合が多いということ。二つ目の丸「他方で」というところでございます。

同居者の状況からみまして、他の家族に頼れない状況にあるということで、保育や放課後児童クラブといった子育て支援は不可欠でございます。また、こうした一般の子育て支援とともに、ひとり親家庭のニーズに応じた支援を適切に組み合わせていくことが重要であるということ。他方で、まずは日常生活を安定して送ることができるようにすることが必要なひとり親家庭もある。こうした多様なひとり親家庭の状態像に応じた支援をどのように進めていくかということが課題となっております。また、子どもについて各年代に応じた支援が必要であるということ。親の帰宅時間につきまして、子どもへの消極的な影響も懸念されるというご指摘もありました。次の二つの丸では、進学の状況についてデータを示しておりますが、次の 15 ページ目をご覧ください。一番上のところがそれを総括したものですが、ひとり親家庭の子どもの大学・短大への進学する割合が比較的低い状況にあると考えられる。希望が実現できていない状況にあるとも考えられる。そういったことを見た上で、子どもがその置かれている環境にもかかわらず、心身ともに健やかに成長することが、ひとり親家庭支援の目指すところであること、また、貧困の連鎖を防止する必要があることからも、親への支援だけでなく、学習支援などの子どもを対象とした支援も重要であり、どのように進めていくかということが課題になっていると整理しております。

(2) の施策の方向性でございます。一つ目の丸ですが、就業状況等に応じた保育体制の整備や企業における就業時間等への配慮など一般の子ども・子育て支援の充実も必要であるということ。特に、新制度の下でも保育所の優先利用などをする配慮が必要である。二つ目の寡婦 ( ) 控除の件でございますけれども、婚姻経験のないひとり親世帯には寡婦 ( ) 控除が適用されず、保育料が高くなるという問題提起がありました。これにつきまして、寡婦 ( ) 控除自体を見直して婚姻経験のないひとり親も対象とすべきであるという意見もございましたが、寡婦 ( ) 控除の趣旨や考え方さらには財源に留意する必要があると整理しています。次の丸ですが、支援ニーズに即応した子育て・生活支援施策の充実が必要であるということ。一つパラグラフを飛ばしまして、母子家庭等日常生活支援事業につきましては、ニーズに的確に対応できる体制の確保、事業の周知を促進するため国による支援の充実の検討が必要であるということでございます。 16 ページの二つ目の丸で、母子生活支援施設の件でございますが、専門的支援を受けることができるものでございますけれども、さらに活用することが望ましく、周知、広域的利用、支援の質の向上、職員体制の充実、地域的偏在への対応について検討が必要である。次に、親や子どもの心の支えでございますけれども、重要であり、相互交流や情報交換の機会の確保、また、父子家庭につきましては特に悩みを話し合えるコミュニティが少ないということがございまして、相互交流に対する支援が必要であるというご意見もございました。次の子どもへの支援でございますが、学習支援ボランティアなど施策の充実や活用促進の検討が必要であるということ。また、地域の大学との連携について検討が必要であること。あるいは、支援中の事故の責任の所在について懸念があるというご意見もございました。次に、医療費助成でございますけれども、国の制度とすることを望む意見、あるいは現物給付方式とすることを望む意見もございました。一方で、モラルハザードが生じる恐れがあることから、適当ではないという反対の意見もあったということでまとめています。

各論の三つ目、 4 「養育費確保支援について」でございます。次のページの一つ目の丸です。養育費については、確保のための支援策が講じられてきておりますが、取決めや支払いが低調であるということを言っておりまして、三つ目の丸で、理由についてですが、養育費についての正確な知識を持っていない場合や、接点を持ちたくない等の理由で確保に消極的な場合もみられます。次の丸で面会交流についてのデータを示していますが取決めや実施も多くないというところでございます。次の丸ですが、養育費の確保や面会交流につきまして、最近では民法の改正におきまして1、2というようなことについて条文上明記されたほか、取決めの有無についてのチェック欄が設けられるなどの制度的対応や進展が見られます。その上で、養育費確保支援をどのように進めていくか。あるいは、子どもの立場からも重要であります面会交流の支援をどうやって進めていくかが課題になっていると整理させていただいております。

(2) 施策の方向性のところでございますけれども、養育費については、離婚の前からの意識付けが重要でありまして、関係者に対する周知啓発が必要であるということ。また、相談や行政との接点の機会等を捉えまして取決めや確保のための支援や制度を紹介して利用を促すなど、消極的なひとり親も含めた確保を促す支援についても関係機関や民間団体と協力した上で行うことを検討する必要があるということでございます。次の丸で、母子自立支援員や母子家庭等就業・自立支援センターなどにおきましても相談が受けられるように、相談員への研修事業等の活用を促すことが必要であること。また、養育費の取決めや支払いの義務付けの検討についてという意見もありましたが、民法の協議離婚制度の根幹に関わる問題であるので慎重に検討すべき課題であるというご意見もありました。続いて、面会交流についてでございますけれども、その意義や課題などを関係者が認識した上で、取決め・実施がなされるように更なる周知啓発について関係機関や民間団体協力して行うことが必要であること。あるいは、面会交流には独自の専門性が必要であるということでございますので、関係機関との責任や役割分担を明確にすることについて検討する必要があることなどを整理しています。

 各論の最後、 5 「経済的支援について」でございます。 (1) の現状と課題のところですが、一つ目の丸の最後の行です。児童扶養手当は、重要な経済的な支えとなっているものと考えられること。また、受給者数につきましては次の 19 ページの上ですが、受給者数は増加しておりまして、多くのひとり親家庭が児童扶養手当を経済的な支えとしているということ。次の丸でございますけれども、平成 22 年の改正時の附帯決議におきまして、この1~5に書いてあるようなことが今後の検討課題とされたことでございます。これらのうちには既に措置済みの事項もあるわけでございますが、その上で、さらに平成 24 年には行政評価局から、併給制限の在り方について検討見直しを求められているところでございます。この併給制限については対応されていないので、こうした課題についてどう対応するかが課題となっているということでございます。次いで、貸付金の方でございます。母子家庭の子どもの進学のために一定の役割を果たしていること。一方で、現時点では父子家庭への対象拡大が行われていないこと。また、地域主権戦略大綱におきまして、貸付権限について都道府県から全ての市へ移譲することについて検討対象とされていることがあり、そうした課題にどう対応するかが課題となっております。

20 ページでございます。 (2) 政策の方向性ということでございますけれども、最初の丸の 3 行目でございますけれども、児童扶養手当と公的年金との差額について児童扶養手当を支給するなどの方法によりまして、児童扶養手当の水準の所得を保障することについて検討が必要であり、その際には地方公共団体にできるだけ事務負担がかからないように早期から施行準備を行うことが必要であるということ。 5 年経過後の一部支給停止措置については、この措置がとられている方の状況の把握について検討が必要であるということ。また、一部支給停止措置につきまして廃止すべきというご意見もあったところでございますが、社会的な理解が得られるかといった点にも留意すべきであるということを書かせていただいています。次の丸ですが、第 2 子以降の加算額の見直しを検討すべきというご意見もありましたが、多額の財源の確保が必要となることに留意すべきであるということでございます。また、運用上の改善を求めるご意見もありました。一方で、事務コストなどに留意すべきというご意見もありました。さらに、受給できなくなった際に直ちに他の支援施策が受けられなくならないように経過措置について検討すべきというご意見がございました。これにつきましては、支援施策ごとに経過措置を設けることが必要であり、それぞれに財源や事務負担が必要となることから難しいというご意見もございました。次いで、貸付金の話でございますが、母子寡婦福祉資金貸付金の貸付対象を父子家庭に拡大することについて検討が必要であること。次の丸でございますけれども、全ての市に移譲するということにつきましては、都道府県よりも比較的財政力が弱いと考えられる市に事務を移管することについては、必要な貸付けがなされなくなるおそれがあること、また、審査や債権回収の専門性という面で対応が難しいことなどから、移譲は現実的ではないと考えるということでございます。最後の丸は保証人についてでございますけれども、各都道府県において必要な貸付けが行われるように制度の趣旨や保証人に関する適切な取扱いを徹底することが必要であるということをまとめさせていただいています。

 駆け足になりましたが、以上でございます。

 

○小杉委員長

 ありがとうございました。

 それでは、この中間まとめ ( ) につきまして、まず、参加人の方々からご意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。

 

○赤石参加人

 この中間まとめを拝見して、問題があるということを浮き彫りにできた点では、いろいろなことが書き込まれていると思います。ただ、いろいろな財源上の制約などがあって、実際に解決に向かう施策は、なかなか難しいところで書かれていると全体的に思います。ただ、それは今の状況というところで厳しい中で問題はあるということの認識を共有できた点ではありがたいし、前回よりも思った以上に書き込んでいただいた点もあったかと思います。

 そのように思ったところで、各論ですけれども、就労を自立という像だけではなくて、例えば就労が困難な方に別の支援が必要だということがきちんと書き込まれたことや、一般施策の中にひとり親への支援というものを優先的な形で盛り込むことの必要性など、前回よりも進んだところを評価したいと思っております。

 その上で、少しだけ、もし手直しできるならということで、これも大したことではないのですが、 11 ページの二つ目の丸ですが、最後の一文です。「末子の就学や進学を捉えて正規雇用に転換している場合がある」は、「捉えて」という言葉なのでよいのではないかと思いますが、例えば小学校 1 年生になると、かえって学童保育の時間が短くなったりして、就労は困難になりますので、「進学後に」とか。これだとそのときにすぐできるような。私も子どもが小学校 1 年生のときに転職しましたが、子どもも私も非常にかえって大変になりましたので、大体皆さまにお話しするときは、 1 年ぐらい待って 2 年生か 3 年生になってから転職した方がよいと申し上げているので、この考え方は違うのではないかと思います。昨日出てきたので、そこは申し上げられなかったのですが。

15 ページの三つ目の丸で、寡婦 ( ) 控除について問題があると記述していただいたことは大変ありがたく思っております。第一歩ではないかと思っていますけれども、もし、私が申し上げたことを書いてくださっているのであれば少し違いますので、もし直るならそのようにしていただきたいのです。「これについて、寡婦 ( ) 控除自体を見直し、婚姻経験のないひとり親を対象とすべきであるとの意見もあったが」もし私が申し上げたことであるとするならば、寡婦 ( ) 控除が婚姻歴のない母親にもみなし適用し、保育料などを軽減するということなので、「みなし適用」のような言葉で言ったかと思います。これだと税制の改正になってしまいますが、そうではなくて保育料の算定基準のことを申し上げたつもりでございます。これは言うべきだったのですが、正確に見えなくて申し訳ありませんでした。

 同じような問題で、例えば 13 ページの高等技能訓練促進費についての二つ目の丸で、住民税等の課税対象とならないということがありますので、これも実は婚姻歴のない方にはここで引っ掛かってくると思いますので、それも含めたことをおっしゃっている、全ての方についておっしゃっているのだとしたら、よいと思っております。

 全体的にはよく書き込んでいただいたと思っております。細かい点でも運用の改善が入っております。今後どのように生かしていくのか、そこを見守りたいと思っております。ありがとうございます。

 

○小杉委員長

 ありがとうございます。 3 点細かい点で書き加え、あるいは変更があればということでしたが、お答えは今の段階ではなくて後でということにしますか。

 

○小野家庭福祉課長

 そうですね。他の参加人の方にもご意見を伺ってからにしたいと思います。

 

○小杉委員長

 分かりました。それでは、他の参加人からのご意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。

 

○片山参加人

 ありがとうございます。全体を見渡しまして 3 ページですけれども「大人が一人」の「子どもがいる現役世帯」の相対的貧困率は 50.8 %とありますが、これで支援施策をまとめて良くしていって、今後相対的貧困率をどれぐらいまで良くしていくのかという数値的な目標を掲げるのか掲げないのかということを聞かせていただきたいこと。

16 ページの三つ目の丸ですが、「父子家庭については、当事者同士の悩みを話し合えるコミュニティーが母子家庭に比べて少ないことから、当事者の相互交流に対する支援が特に必要である」ということで、父子家庭のコミュニティがあるにはあるのですが、公的な支えのある行政や社会福祉協議会の支えのあるものがないということなので、そこを加えていただきたいと思いました。

 それから、寡婦 ( ) 控除というものがありましたけれども、遺族基礎年金について記載がどこにも見当たらなかったような気がしますので、確認したいのですが。

 

○小杉委員長

 すみません。最後の点がよく聞きとれなかったのですが。

 

○片山参加人

 遺族基礎年金。死別の場合に支給されるものです。

 

○小杉委員長

 では、この点についても後でということで、次は佐藤参加人お願いします。

 

○佐藤参加人

 ありがとうございます。ハンド・イン ・ハンドの会の佐藤です。先だってのものよりはかなり詳しくまとめていただいて、ありがとうございました。まず 2 点申し上げたいと思います。メールでもお知らせしているのですけれども、 16 ページの一番下の丸の医療費助成についてですが、この文章の中に「モラルハザードが生じる恐れ」というご意見があることは承知しておりますけれども、ダブルワーク、トリプルワークをしている母親たちが時給制で働いている中、それを全て投げ打って受診に果たして行くのだろうかということは個人的に思っております。逆にいうと、ダブルワーク、トリプルワークをしていても、勤務先の健康保険などにつながっていないケースが大変多くて、健康診断も受けられていない母親も大変多くいらっしゃいます。そういった中で、窓口で 3,000 5,000 円という負担が重い母親もいる中で、早期受診につなげて重症化を防ぐという意味でも児童扶養手当を受給しているような世帯については医療費の助成は、就業を継続するという点においても役割が大きいものと思いますので、「重症化する前の早期受診につなげるため」というところを付け加えていただきたいと思います。

13 ページの上から三つ目の在宅就業について申し上げます。働き方が多様化しているというのはもちろんそうかもしれませんけれども、在宅就業支援を利用された母親たちが在宅就業に結びつかなくてもキャリアアップの一つとして、職業訓練の一つとして受けて再就職を果たしている母親もいます。養成機関に通えないケースというのは地理的に不利な条件がありますので、そういった地理的な条件を職業訓練という意味においてもカバーしているわけでございまして、就業意欲を損なわないような形で、あるいは増すような形で在宅就業を位置付けていただけたらと思っています。これは話が横にそれますので、特にひとり親に限ったわけではなくて、在宅就業自体は障害者や高齢者など通勤に大変困難を伴うような方についても恐らく厚生労働省で推進されていると思います。母子家庭の母親も小さい子どもがいて保育園に連れていくのもままならないという中でスキルを身に付けるという意味で在宅就業支援は一定の役割を果たすものと考えています。また、障害者の中には地理的条件に恵まれていなくても、精神的な障害で対人関係に問題のある方が在宅就業で就業が継続できるといったケースも多数見受けられますので、そういったことも踏まえて検証について検討の必要があるということであれば、さまざまなキャリアアップのスタイルの一つという位置付けでこの辺りをぜひ加えていただきたいと思います。以上です。

 

○小杉委員長

 皆さまのご意見を伺うということで、新川参加人。

 

○新川参加人

NPO 法人ウインクの新川てるえです。よろしくお願いします。取りまとめご苦労さまでした。いろいろと網羅されていて、私から事前に一つだけ意見として出させていただいたのは、養育費の部分で 17 ページに書いてあるように、子どもの立場からも重大な課題だと思っていまして、議論の中では割と母親側の努力義務ということで議論されていることが多いのですが、取決めをしていない理由の中に「相手に支払う意思がないと思った」というのがあるのですけれども、意思がない親への啓発というのをどうやって行っていくかというのが非常に今後の重大な課題になるのではないかと思っておりまして、ここが含まれていますかということをお聞きしたところ、最後の「施策の方向性」の中の「離婚当事者を含む関係者」という部分に含まれていますということだったので、納得はしているのですが、一応情報を共有するという部分で意見として強く言っておきたいと思います。以上です。

 

○小杉委員長

 では、参加人の方々のご意見に、ご質問の部分もあったかと思いますので、ご返答いただければと思います。事務局、お願いします。

 

○小野家庭福祉課長

 ありがとうございました。基本的に全てのご意見につきましては、承った後に、また委員長ともご相談の上で修文できるかどうか。また、するかどうかということも考えさせていただきたいと思います。その上で、おっしゃっていただいたことについてお答えしてまいりたいと思っています。

 まず、赤石参加人からいただきました 11 ページの「捉えて」の話、「後に」というお話でございますが、基本的に承っておりまして、そうした方向ということは非常に説得力があるというかリアリティのあるご意見をいただいたと感じております。

 二つ目は 15 ページの税制の寡婦 ( ) 控除のお話で、赤石参加人のおっしゃったことだとすると、こういうことだよというご説明をいただいたと思いますが、確か寡婦 ( ) 控除自体を見直してひとり親を対象とするべきであるというご意見も他の方からあったように記憶していますので、赤石参加人のお考えのところは問題提起があったというところで一応書いたつもりでした。ただ、これも検討してみたいと思います。

13 ページでございますが、赤石参加人の三つ目のお話で二つ目の丸の高等技能訓練促進費の住民税等の課税の話ですが、これは今のところ、ここで書くときに想定していたのは高等技能訓練促進費を使う人ということでございまして、そこにおいて特にいわゆる未婚と離婚の人、死別の人という区別ということではないと考えていました。

 次に、片山参加人からいただいたご意見で 3 ページの貧困率の話でございますけれども、貧困率につきましては、子どもの貧困対策基本法という法律ができた中で、第 8 条で政府に対して大綱をつくれということになっていまして、その大綱において何を指標として掲げるかという 1 項の中に子どもの貧困率というものを指標として入れることになっております。この大綱は、今後内閣府を中心に政府としてまとめていきますので、その過程で子どもの貧困率についても指標として位置付けていくということは法律に書き込まれていることでございますので、進めていきたいと思っております。

 次に、 16 ページでおっしゃっていただきました父子家庭の公的な支えの部分につきましては、少し文章の工夫を試みたいと思います。

15 ページの寡婦 ( ) 控除の関連でおっしゃった遺族基礎年金の件でございますけれども、遺族基礎年金について確かにここには何もないのですが、具体的に何をどうすべきだということでおっしゃったのかを教えていただければと思いました。

 

○片山参加人

 遺族基礎年金や遺族厚生年金は局がまたがって年金局になってしまうということで私も強く言えなかったのですが、前政権の社会保障と税の一体改革において来年の 4 月に消費税が増税されたときに遺族基礎年金が死別の父子家庭、母親が亡くなった場合、今までは遺族基礎年金が子ども加算分ぐらいであって、父親と子どもが生計を共にしている場合は支払わないということになっていたと思いますが、これを増税というところで社会保障の見直しというところで進んでいく。母子家庭のそれと同じような支払方法になると伺っているのですが、最近、消費税で私たちが政府に要望したものの中に、万が一社会情勢などで消費税がアップしない、 8% にならない場合でも遺族基礎年金はスタートしてくれということをお願いしたのですけれども、それをお話しさせていただいたのと、遺族厚生年金の 55 歳要件というのも撤廃に向けて進めていただきたいとお願いしたいところです。以上です。

 

○小杉委員長

 事務局、お願いいたします。

 

○小野家庭福祉課長

 ありがとうございました。 1 点目につきまして、条文上どのように書いてあるかを今、確認できないのでお答えできないのですが、その点について具合的に年金局に聞きまして情報提供したいと思っております。 2 点目の件につきましても、そういった 55 歳要件の話についてもきちんと年金局に伝えたいと思っております。ありがとうございました。

 続きまして、佐藤参加人からいただいた点についてでございますけれども、 16 ページの医療費助成のところですが、ご意見としては「重症化や早期受診のために」こうしたことが必要であるということを加えるべきではないかというご意見だったのですよね。分かりました。これにつきましては、少し検討してみたいと思いますが、恐らくこの点については他の委員の方からご意見があったことを踏まえて書いておりますので、後ほど委員からのご意見のときに、その点についてもまた何かお考えがある委員の方にはご発言いただければありがたいと思っております。

 もう一つ 13 ページで、在宅就業の件でございます。キャリアアップとしての位置付けであるとか障害者、高齢者、通勤が困難な方にとって非常に有効な施策であるということでございます。この点につきましては、趣旨を踏まえましてどのような修文ができるかということはまた委員長とご相談させていただきながら直したいと思います。

 最後に、新川参加人からいただきました 17 ページの点でございますけれども、この点につきまして特に具体的にどこをどうしろということではなかったと思いますので、ご意見として承りました。ありがとうございました。

 

○小杉委員長

 ありがとうございました。それでは、参加人の意見を踏まえまして、今度は委員からご意見をいただきたいと思います。中間まとめ ( ) につきまして、また、それ以外でも構いませんけれども委員からご意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。

 

○大塩委員

 大塩でございます。私は、前回の議論を踏まえ細かいところまで書き込んでくださったのでとても分かりやすくなったという印象を受けました。ありがとうございました。 2 点ですが、 14 ページの下から三つ目の丸です。「親の帰宅時間については、上述のとおりであり、親のしつけや教育が十分に行き届かず、子どもへの消極的な影響も懸念される」という文章は、確かに議論の中では出しましたし、仕事をとるか子どもと過ごす時間をとるか。どちらをとっても大変な状況ですということは意見交換の中では意見として出しましたが、これが唐突に出てきているような印象があって「上述のとおりであり」というのが読み込めないことと、一番の問題は「子どもへの消極的な影響も懸念される」とありますが、消極的な影響とは何ですか。子どもと過ごす時間が少ないということが一番の大きな問題であり、これをどうするかということだと思いますので、ここの書き方についてご配慮いただきたいということが 1 点。

 もう 1 点は、 20 ページの上から 2 番目の丸ですが、「児童扶養手当の 5 年経過後の一部支給停止措置については、同措置がとられている者の状況の把握について検討が必要である」と書き込んでいただいておりますが、この 5 年経過した後に一部支給停止になっておられる方たちの状況を把握していないのに、下から 2 行目に「就職困難な事情がない上に就業意欲も認められない者にまで手当を支給することについて」という表現があり、これがどのようにつながってくるのか、就業意欲がないと認められたのかどうか、これがとても引っ掛かっています。実際に 5 年経過後のわずか数パーセントでしたが、その方たちの追跡調査をしていただきたいというのがお願いです。以上です。

 

○小杉委員長

 ありがとうございます。事務局、お願いします。

 

○小野家庭福祉課長

 ありがとうございました。まず、 14 ページのところにつきましては、文章の工夫が必要だということだと思いますので、もう少ししっかり読めるようにということで直したいと思います。また、「消極的な影響も懸念」につきましては、過ごす時間が少ないということでいろいろな影響が出てしまうということを書いたつもりでしたが、そこも分かりにくいと思いますので、少し工夫してみたいと思います。

20 ページの個所につきましては、状況把握、追跡調査についてはしっかりやってまいりたいと思っております。この「また」のところで書いていることですが、これは前回、一部支給停止措置について過去において状況を調べたことがあったときに、こういうご事情があるということで、例えば「就業意欲も認められない」と書いていることは例えばハローワークに行っている、訓練を受けているなど何かしらの特に病気などのご事情がない上に、さらにそういった就業に向けての活動もされていないという方がいらっしゃって、そういうことでここに書かせていただいた次第でございますけれども、これについては追跡調査をしっかりやってまいりまして、我々としてこういった方々に対して何ができるかということを施策として進めてまいりたいと考えております。ありがとうございました。

 

○小杉委員長

 海野委員、お願いいたします。

 

○海野委員

13 ページの在宅就労の件ですけれども、在宅就労も例えばパソコンなどの仕事ですと簡単な事務仕事だったらわざわざ出すことはないし、その人なりの特殊な能力を持っていないと在宅の仕事には結びつかないと思います。ここのところをどのようにすべきかをもう少し解決方法として見出しておかないと在宅就労といっても仕事には結びつかないのではないかと思っております。

15 ページの「婚姻の経験のない人」ということですが、この税制も子どもを育てるという目的が婚姻をしていようが、していまいが目的は一つなので、ここのところを認められるように何とかしていただけないかと思っております。

 それから、 5 年経過後の一部支給停止は、ほとんどが停止になっていないと思います。ということは、無料職業紹介所を全国母子寡婦福祉団体協議会でやっていますと、そこへ証明書をくださいと来るのです。どう見ても就職活動はしていないのだけれども、くださいと来る限りは出さざるを得ない状況なので、今のところ一部停止はほとんど起きていないのではないかと思っておりますので、そこのところはよいのですけれども、全体を考えますと、これから作っていくであろうと思いますのは父子の福祉法だと思いますけれども、母子寡婦福祉法と一緒にすると内容的に全く違いますので、もし、作るようなことがあれば父子だけの福祉法、母子の根底を考えながら父子だけの福祉法を作るべきではないかと思っております。内容が全く違いますので、一緒にされると全く困るという状況もありますので、ここで先手を打ってお願いしておきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。

 

○小杉委員長

 事務局、お願いします。

 

○小野家庭福祉課長

 ありがとうございました。 13 ページのところで、ご指摘いただいた件でございます。恐らく海野委員がおっしゃったことで言いますと、私ども最後のところで「在宅就業支援に係る検証の検討が必要である」ということでございますので、今ご指摘のあったような点についても検証の中で見ていくことになると考えております。

15 ページの寡婦 ( ) 控除の件でございます。これは今、認めてほしいというご意見がありましたので、そういったご意見があったということは我々も重々認識させていただいた上で対応させていただきたいと思っております。

20 ページにつきまして、まず 5 年経過後の方でございますけれども、今のところ 0.4% の方が一部支給停止措置ということになっているわけでございます。現状としてはそういったところがあるわけでございます。また、最後のいわゆる父子福祉法と母子福祉法を分けるべきではないかというご意見につきましては、そうしたご意見があったということは私どもとして受け止めさせていただきたいと考えております。

 

○小杉委員長

 ありがとうございました。では、他の委員からご意見を伺います。こちらから順番にいきますか。では、杉澤委員からお願いします。

 

○杉澤委員

 山形県の杉澤です。書きぶりがどうこうということではないのですが、 16 ページの医療費助成の件ですけれども、先ほど佐藤参加人からあったご意見については、私も同じ認識を持っておりますので必要に応じて書き加えていただく、あるいは検討していただければと思います。反対意見があるということも書いていただいて結構だと思っています。

 それから、今日は中田委員がいらっしゃらないのですけれども、相談窓口体制や実施体制の重要なキーマンであります「母子自立支援員の体制の強化と資質の向上」を 9 ページに書いていただいております。重要性についてあらためて認識して待遇改善を図り資質を向上させるということは重要ということで、 2 番目の丸に国が地方公共団体に働きかけ、理解を得ながら促進、そして、必要な支援を行うと書いていただいております。山形県の場合も平成 15 年ごろでしょうか、それまで期限なく継続雇用してきた方を母子自立支援員に限らず、全体の嘱託職員の適正な雇用という観点から、何のチェックもなく継続というのは問題だということになりまして、そこで整理された経過があります。現在は山形県では 5 年間働いていただきまして、 5 年ごとに見直してさらに継続が必要だという理由をきちんと位置付けて継続雇用ということにしています。長い方ですと 24 年、 25 年という経験年数の方もおりまして、前に海野委員からありました公務員になるよりは逆に細やかな支援ができるというご意見もありましたが、確かにそういう点があると思いまして、正職員になった場合には何年かごとに人事異動ということを考えると、逆に 5 年という期間も職員の異動から見ると長い。そして、研修の機会などもそれなりに積み重ねて受けていただいて、それなりに資質の向上を図っていただいています。これをさらに充実させるという点については、財政措置もしていただいているのですが、これをさらに向上させるといいますか、体制の強化ということについては働きかけ・理解・認識だけではなかなか動かない部分も正直あります。

 県の場合ですと県全体での準備体制で、別の話ですが虐待対応が増えて児童福祉司を増員したいけれども、なかなかできません。例えばそういう話がある中で、この母子自立支援員の体制強化ということを実際にやるとなると相当な支援なりがないと動かしづらいところがあります。書きぶりがどうこうということではないのですが、現状や考え方を少し申し上げました。まとまりがなくて申し訳ございません。

 

○小杉委員長

 ありがとうございます。

 

○小野家庭福祉課長

 ありがとうございました。医療費のことについては先ほどと同じでございます。また、他のご意見も踏まえまして、書きぶりについてご相談させていただければと思っております。

 二つ目の母子自立支援員の配置ところでございますけれども、いろいろなニーズの中で、つらいというお言葉をいただきまして、行政の課長職にあるものとして本当に共感する覚えはあったわけでございますが、我々としてはまさにここに書いてある必要な支援を行うということで、県の皆さまと一緒に進んでいきたいという思いを持ってやっておりますので、そういったことでまた今後ともご協力いただければありがたいと思っています。以上です。

 

○小杉委員長

 ありがとうございます。三木委員、お願いします。

 

○三木委員

 戸田市の三木です。大変よく書き込んでいただいていると思います。全体的な印象として私も一般市ということで出させていただいていますが、やはりひとり親の現状と課題が大変多岐にわたっており、それぞれひとり親家庭に共通する問題と、それぞれ個別の状況によってというところの両方の支援が必要だというところは再認識しました。また、一般の子育て支援策を充実させる中で優先的に補えるものがあるということについても、やはり大事なことだと再認識したところです。

 今の杉澤委員が言われた母子自立支援員の 9 ページと 8 ページの相談支援体制ですが、戸田市の場合は前にお話したように家庭児童相談員の 6 名が兼務しているので、やはり工夫の仕方があるのではないかと思います。 8 ページの一番下の丸のところで「窓口体制の整備に当たっては、地域によってひとり親家庭の支援ニーズが異なってくるほか」で、「市等が地域の実情に応じた相談支援窓口体制の在り方を検討して整えることができる」といったところです。他にも「子育て支援の窓口や他の機関でも」という言葉もありますので、母子自立支援員ももちろん大事ですけれども、それを補完するといいますか専門性をどこまで求めるかということは前回もお話しさせていただいたのですが、「どこに相談したらよいか分からない」ということをよくこの会議でもお聞きしましたので、どこで相談できるかということをまず示す。そこに誰かしらが母子自立支援員という名称でもよいですし、他の名称でもよいのですが、そこからつなげていくということが大事ではないかというのが印象としてあります。

 また、各自治体によって、実施している・していない施策事業がまちまちで取組が不十分ではないかというご指摘もありましたし、まず実施主体がまちまちで分かりにくいとのご指摘も受けました。それについては、やはり整理していく必要があるだろうというところで、自治体だけではなく、もちろん国にもまた働きかけをしていただいて、こういった形が良いのではないかというモデル的なものも示していただければありがたいと思います。

 それから、相談事業の周知や各支援事業の周知について分かりにくいとかホームページだけではというご意見もいただきました。一般市としても、ここについては今後十分に力を入れていく必要があると思います。ちなみに、戸田市の場合は今、児童扶養手当の現況届の受付中です。前にもお話ししましたように通知文の中に「就労支援事業のご案内」ということで、これはピンポイントで児童扶養手当を受けていらっしゃる方に、何枚にもならないように A4 の裏面にこういったことがありますのでご相談くださいといったことは通知に付けています。そういった工夫もしていますということをご紹介させていただきました。

 具体的なものが今後はこの中間まとめ ( ) から実施に向けて動いていくと思いますので、示されたものが実効性のあるものになるよう期待したいと思います。

 一つ二つ申し訳ないのですが、 9 ページの下から三つ目の丸の 3 行目ですが「地域のニーズに合った支援メニューを整えられるように補助メニューの充実を図ること。先進的な事例について」とあるので、この補助メニューは例えばどういったことを想定されるのか、教えていただければありがたいというのが一つです。

20 ページですが、母子寡婦の貸付の関係で、下から二つ目の丸になります。これは補足ということで意見を付け加えさせていただきたいのですが、都道府県から全ての市に移譲することについては、市としては審査や債権回収の専門性が必要であるということで私も発言させていただいたのですが、それとともに担当部署を設けるとか、特別会計を設けてそれを実施するということがありますので、戸田市のように件数が少ない場合、特別会計を設けて行うことやまた担当部署を設けることについては、相談員がもしかしたら貸付業務を兼務するかもしれないとなりますと、やはりそこに不都合が生じてくるのではないかということもあります。それから、各市に事務を分散させることで事務の効率化という点、事務の集中というところで県での現状の事務のままが良いと考えますので、その点を補足として付け加えさせていただきたいと思います。以上です。

○小杉委員長

 事務局、どうですか。少し補強しますか。

 

○小野家庭福祉課長

9 ページの「補助メニューの充実」ということでございますけれども、この委員会でもご紹介させていただきましたさまざまなメニューがございます。そういったものを充実させていくということもございますし、また、新たに他に何かあればということで、今後は新しいご提案をさせていただくかもしれませんが、それについて、ここでの提言を踏まえて、検討してまいりたいと考えております。

20 ページの点につきましては、今、委員がおっしゃったことを踏まえて、また、文言については委員長とご相談させていただきたいと思います。ありがとうございました。

 

○小杉委員長

 では島崎委員、お願いいたします。

 

○島崎委員

 全体としては前回に比べてよく書き込まれたという印象があります。以下、申し上げることは、修文意見ではないのですけれども、若干のコメントと確認です。まず、いろいろ参加人の方から意見が出されましたが、私は出された意見が誤読されないようにするため、特段の支障がなければできるだけ意見どおり正確に書き込んだ方が良いと思います。

 それから相談支援体制ですが、これはワーディングにこだわるつもりはありませんが、私はこの検討会でずっと同じことを言っています。相談というのはひとり親家庭の相談に限ったことではないのですけれども、これは総合性と専門性と即時性がなければ機能しません。いろいろメニューを広げてやってくださいと言っても、結局は機能が分散して、かえって実効性が乏しくなるということはしばしばありますので、その点はぜひ施策を推進するに当たってご留意いただきたいと思います。率直に言うと、行政の自己満足のために相談事業をやってはいけないということです。また、民間でしっかりしたところがあれば、そこに委託することも考えるべきだと思います。

 貸付業務は、母子自立支援員の現状とも関係すると思います。私は。母子自立支援員の実態についてつまびらかに承知しているわけではありませんが、実際はかなり貸付業務の審査・償還業務に忙殺されているというのが実情ではないかと思います。果たしてそういうことでよいのか。貸付業務の審査・償還について、誰が実際にその業務を担うのかということも含めてよく検討された方がよいのではないか。職員を 1 人専任で確保するとか、母子自立支援員を増員するとか、正規雇用化するとかといった意見に反対するつもりは毛頭ありませんが、「言うは易く」という面もあります。三木委員がおっしゃったように実際には地方公務員の定員も厳しい中でなかなか大変です。ですから、業務の中身をもう一回よく洗い直すことも必要なのではないかと思っています。

 これは最後に、一応念のための確認です。 17 ページの最後のところです。「例えば」となっていますから、単なる例示だと思えばよいのかもしれませんが、「離婚に関する相談や届出の際に養育費の相談につなぐなど」という表現があります。結論から言えば、このままでよいという気もしないではないのですが、私が懸念していることを申し上げると、離婚届の様式を改正するときに、養育費の取り決めのチェック欄の記入は離婚の要件化ではないということについて慎重な配慮をしていたのではないかと思うのです。その一方で、この委員会の中でこういう意見があったのは事実なので、私はこの表現を取りやめるべきだということを申し上げているわけではありませんが、確認しておきたいことは、この表現は参加人の方は気になりませんかということです。

 それから、面会交流についてですが、他の省庁との関連もあって、明確に書けなかったのかもしれませんけれども、面会交流の問題は果たして本当にどこがどういう形で受けるのかという問題があります。養育費の相談もさることながら、面会交流についての相談が実際に出てきたときに、一体どこでどういう形で受けるのかということについては、やはりそこは相当の覚悟をもって対応する必要があると思います。

以上、修文ではありませんけれども、その点について参加人からご意見があればお伺いしたいのと、もし、事務局の方でコメントがあればいただきたいということです。

 

○小杉委員長

 事務局からコメントをお願いいたします。

 

○小野家庭福祉課長 

 どうもありがとうございました。ご意見いただきながら最初にいろいろな意見を正確に書き込んだ方がよいというのは、先ほどの医療費の件だと思いますので、そのように承りました。

 

○島崎委員

 その点はわかりました。

 

○小野家庭福祉課長

 また、相談支援の件でいろいろとこういうところを検討すべきである、留意すべきであるという点をいただきました。今後、施策を進めていくときにその点に関しては私どもも留意してまいりたいと考えております。

 最後にご指摘いただきました 17 ページの養育費の個所でございますけれども、この点につきましても、私どもが文章を整える際にチェック欄の要件化ということにならないようにということは配慮して書いたつもりでございました。

 また、面会交流の件につきまして、相当覚悟が要るという話がありまして、今私どもが事業を進めているわけでございますけれども、その事業をやっていく中で今後、他の行政機関とどのような組み方でこういうことをやっていったらよいのかということは考えていきたい、問題意識を持って進めていきたいと考えております。

 また、参加人へのご意見の投げ掛けもあったので、また参加人からも今のご発言に対してご意見があれば、おっしゃっていただければありがたいと思います。

 

○小杉委員長

 参加人からということで、ご意見を求められたのですが。新川参加人。

 

○新川参加人

 ウインクの新川です。島崎委員がおっしゃるとおり、現状だとどこに相談したらよいのかというのが、よく分かっていない中での文章にはなってしまっているのではないかという感じはします。ただ、どのようにしたらよいのかというのは、私には分かりません。

 

○小野家庭福祉課長

 ありがとうございました。「関係機関や民間団体」と書かせていただいておりまして、具体的にどこというのは踏み込めなかったところでございます。ただ、政策を進めていく上では今いただいたご意見がありますと、そういうところの所管省庁というのは大体どういうところだろうというのは我々も分かっておりますので、そうした行政機関と話をしていくということで進めていきたいと思います。

 

○島崎委員

 「届出の際に養育費相談などにつなぐなど」という表現は、特に気にならなければそれで結構です。一つの例示ですし、いろいろな機会をとらえてということであれば、別にこだわるつもりは全然ありませんし、海野委員からそういうご意見があったことも事実です。修文してくださいということではありませんが、確認しておきたいということで申し上げました。

 

○海野委員

 この件に関しては私も出したのですけれども、母子家庭はそんなにお休みが取れないのです。区役所に離婚届を出しに行くのはよいのですけれども、家裁が遠いと、またあらためてお休みを取らなければならないとか、いろいろな要素が絡んでいますので、できたら離婚届でその役所内に相談窓口があれば 1 日で済んでしまいます。そういうことを考え合わせると、その近辺でやっていただいた方がよいのではないかと思います。あらためてお休みを取ると、パート就労などですと収入も減りますし、そういうことを勘案すると、そこの問題が働いている人にとっては一番大変なのではないかと思っています。金銭的な面だけではなくて、休みを取るということが今、民間企業では大変なことなので、そこのところを考えてあげないと駄目だと思っていますので、できるだけそういう方向性をつけていただければと思っています。

 

○小杉委員長

 この際にということですね。

 

○赤石参加人

 「届出の際に養育費相談につなぐ」というこの書きぶりが離婚の要件に新たな負荷を掛けて離婚しにくくなるという危惧はないのかというご質問だったのではないかと思いましたけれども、つなぐだけならば情報提供するということだけなので、特にそのことで負荷がかかるということはないのではないかと読んでいました。

 二人でそろって離婚届を出しに行くことは多分していないと思います。一方が書いて郵送して、また自分が書いて出すような形の方が多いだろうと思いますので、この取決めというものをチェックしたとして、調停調書や裁判を経ている方はもちろんそれはチェックされるでしょうが、口約束の場合の中身については、かなり確実性のないものから書いておられると思います。それについて新たに相談するから、チェックできないから出さないというようなことにはならないのではないかと思っているということです。現状ではそのように思っております。

 

○佐藤参加人

 ほとんど同意見ですけれど、届出の際につなぐ、こういう相談機関があるとか、こういう方法があるという、これは恐らく今でもやっておられると思います。ただ、養育費や面会交流のチェック欄が義務化されてしまうのであれば、現状の体制では大変不備がありますので、そうすると一刻も早く離婚した方が良いようなケースが離婚できなくなってしまう。どちらが良いか悪いか、メリットが大きいか少ないかということだと思いますので、それは支援体制その他が十分に整備された後での話だと思います。現状では、その辺りがまだ十分に整備されていないということであれば、ひとり親かあるいは監護親側に付く子どもがむしろ最優先されるということの方が大事で、そうであれば養育費の相談は、逆に言うと離婚する前、あるいは落ち着いてからということになるかもしれませんので、「つなぐ」というのは情報提供ぐらいのことではないかという理解でおりました。

 

○小杉委員長

 ということで、よろしいですか。もう 1 件、医療費の話があちらこちらから出ておりますが、この件に関して島崎委員から何かありますか。

 

○島崎委員

 前にも申し上げたのですが、この問題についてはいろいろなご意見があるのは私も承知しています。ただし、特に国の制度として、無料、かつ、現物給付化するということについては、例はちょっと違いますけれども、老人医療費の無料化と本質は同じだと思うので、それについては賛成できませんということは申し上げてきたとおりです。ただし、これについては、いろいろなご意見があり、また、自治体のご判断としていろいろなことをされているのは承知しております。これも前回申し上げました。従って、先ほど佐藤参加人から、そういう意見もあるというで、そのことを加えてほしいということについて反対するつもりはありません。

 

○小杉委員長

 ありがとうございます。最後に、新保委員からお願いいたします。

 

○新保委員

 まず、 1 ページ目の一番下のところに 2 行、「厚生労働省において」というところからスタートする個所があります。この文章は想像するに、提案するのが本中間まとめであり、検討するのが厚生労働省ということを書いているのだろうと思います。多分そうだろうと思いますが、これを読ませていただくと「厚生労働省において提示された方向性や論点に沿って」とも読めるのではないかと思います。これは明らかにそれではないと思いますので、「本中間まとめにおいて提示されている方向性や論点に沿って」という書き出しでお書きいただいて、「検討する主体が厚生労働省」と書いていただくか、できれば「厚生労働省ほか関係省庁において」と書いていただければ、より良いのではないかと思います。その辺り修文が可能でしたら、お願いしたいと思います。

 二つ目です。先ほどから出ている子どもの医療費に関することです。私自身は先日、社会保障制度の国民会議の報告書を読ませていただいて、この会議の中でも数人の子ども関係の代表となられている委員が、かなり子ども関係の予算について発言されています。しかし、報告書の最終段階においては、やはりその思いは私たちが期待するほどには書かれていないのではないかという感じを持ちました。

 そして、今回この委員会の中で山形の杉澤委員から、かなり積極的なご発言があったことは、自治体の方がそのように思っていらっしゃるというのはとても心強いことだと思います。もちろん発言されていない方々の多くもこの点について、子どもの医療費、そして健診を積極的に受けられることについて、積極的な意見をお持ちの方が多いのではないかと思いますし、私も国民会議の報告書の中に書き込めなかった部分、書き込まれなかった部分の一つとして、この医療費のことについては、もう少し積極的に書いてよいのではないかと思っております。

 そのことは、これからの日本の社会ということを考えると、子どもが元気で健康で、そして一生懸命学ぶことができるような健康の状況を確保できるということは、とても大切なことですし、総理大臣もおっしゃっている日本の子ども・子育て支援を頑張っていこうという大きな国策にも見合う形になるのではないかと思います。この大きな方向性から見るとするならば、その予想される成果から考えると、目的との関係からすると比較的小さなものでできることであって、もう少し私たちとしては積極的に踏み込んでよいのではないかと考えております。以上でございます。

 

○小杉委員長

 ありがとうございます。事務局、お願いいたします。

 

○小野家庭福祉課長

 ありがとうございました。 1 ページ目の点については全くそのとおりでございまして、修文を検討させていただきたいと思います。

16 ページの医療費の件についてのご発言につきましては、先ほど佐藤委員、杉澤委員、島崎委員のご発言を踏まえた修文と併せて検討させていただきたいと思います。

 

○小杉委員長

 ありがとうございました。一通りご意見がありましたが、今の皆さまのご意見を伺った上で、さらに発言をお願いします。三木委員、お願いします。

 

○三木委員

 今の医療費の関係で、これは文に入れてくださいということではないのですが、戸田市の場合、子ども医療費を無料化する前に小学生は 3 割負担のところを、 2 割を戸田市が助成して 1 割を負担していただいた期間があります。そのときに、ご意見をいただいた中では、「 1 割負担でも構わないけれども、小さい子どもを抱えながら窓口で手続きをするのが大変なので、それをどうにかしてください」ということで、ただ、現物給付化するためには「 1 割を窓口で払うだけにしてもらえれば、なおよい」と言われたのですが、やはり医療機関との調整が必要でそれが難しく、結果的には戸田市も子ども医療費ということで中学生まで無料化してはいます。しかし、最初にプレゼンで発表させていただいたとおり、医療費については島崎委員がおっしゃるように、かなり跳ね上がることは確かですので、財政面とその効果をにらみながら、やはり政策は持っていかなければならないと考えているのですが、ひとり親の医療費については、前にもお話したように約 1.5 倍にはなりましたので、やはりひとり親がかかりたくてもかかれなかったのか、もしくは現物給付することで、容易にかかれるようになったのかということは、それについてはこちらも分析はしきれていないのですが、医療費の問題というのはやはりさまざまな問題があるということはここでお話しさせていただこうと思います。

 

○小杉委員長

 他には。赤石参加人。

 

○赤石参加人

 医療費の問題ですけれども、高齢者の医療の場合に無料化することによってモラルハザードがあったという認識があるのは分かったのですけれども、ひとり親の場合に現物給付にしたときに、どうなっているのかという分析があって結論があるとよいというか、今はかなり想像の域になっている感じがして、高齢者の場合はそうだったのでしょうか。分からないのですが。ひとり親で既に現物給付でやっている自治体の分析がないところで、今まで我慢していて受診できるようになって、 1.5 倍になったのか、すごく通っているのかというのかというのが分からないので、もしどうしてもモラルハザードを書くなら、「高齢者の場合はモラルハザードがあったと思われるので危惧される」ならよいのですけれど、正確性を欠くままモラルハザードで書かれるのは少ししんどいなという感じがします。今後、できれば現物給付がよいという声は当事者からいただいているので、道は閉ざさないような書き方がよいと思います。

 

○小杉委員長

 では、この件は島崎委員。

 

○島崎委員

 「モラルハザード」という言葉は私が実際に発言したので、多分そのとおりに書かれたのだと思いますが、まず、ひとり親家庭ではなくて小児の一般の医療費についてですが、乳幼児の医療費の無料・現物給付化によって受診行動が変わったことを示唆する学術論文はあります。つまり、必ずしも老人医療費無料化についてではなく、小児の医療費に関してもそのような論文もあります。

それから、付け加えるなら、全てがモラルハザードだということを申し上げているわけではありません。確かに先ほど佐藤参加人が言われたようなことであるとか、無料化あるいは現物給付化することによって今まで隠れていた潜在的なニーズが発現したということもあるかもしれません。そういう可能性を一切否定しているわけではありませんが、一方で、一般論で申し上げれば安易な受診を誘発するといった懸念があることも事実です。

 従って、この問題に関する報告書の文章をいろいろ膨らませることについて実際にそういう意見があるわけですから、賛成意見を書き込むことを否定しているわけではありませんが、他方、こういう反対意見があったということも明記していただきたいと思います。それから、実際に自治体が取り組まれている中でも、三木委員がおっしゃったような意見があるのも事実ですので、その点はきちんと書いていただきたいというのが私の意見です。

 

○小杉委員長

 ありがとうございます。事務局、どうぞ。

 

○小野家庭福祉課長

 今、ご議論いただいたことがありましたので、それも踏まえて委員長と相談して書きぶりは工夫したいと思います。

 

○小杉委員長

 ありがとうございます。海野委員。

 

○海野委員

 医療費の問題は、地方分権で地方自治体が考えている問題なので、とりあえず川崎市の場合は小学校 1 年生終わるまでは一般の子どもも全部無料なのです。そういうことを考えて、それから上の問題に関しては、私どもは年に 1 回市議会が始まる前に、この 8 2 日に要望書を持っていろいろな問題点を掲げて毎年行っているのです。地方自治体で解決できることは地方自治体に訴えるということを基本にして全てやっていかないと、何でも国からではなくて、国からと地方自治体から両方サンドイッチのような形でやらないと無理ではないかと感じておりますので、そこのところもいろいろな団体がありますので、そこで要望していくのも一つではないかと思っております。

 

○小杉委員長

 三木委員、どうぞ。

 

○三木委員

 医療費の関係では、私もいろいろな立場、考え方を今は整理しきれないのですが、医療費も政策として自治体間競争になってくるわけですね。ですので、杉澤委員のおっしゃるとおり国の制度として一定の統一感があった方がよいというのは私たちも事務をやっていて感じるところがありますので、そういった意見も言わせていただきました。

 

○小杉委員長

 かなり意見交換ができたのではないかと思いますが、今のご意見を踏まえて、これだけ意見交換がありましたので、修文の方向もかなり見えたのではないかと思います。この辺りで意見交換は終わらせていただいてよろしゅうございますか。では、中間まとめの議論はここまでということにさせていただきたいと思います。

 本日の議論を踏まえまして、これから事務局と私とで修文させていただきまして、後のまとめについては委員長に一任という形でよろしゅうございますか。

 

(「異議なし」の声あり)

 

○小杉委員長

 ありがとうございます。それでは、そういう形でまとめさせていただきたいと思います。それでは、一定の取りまとめができましたので、最後に石井局長から一言ご挨拶をお願いいたします。

 

○石井雇用均等・児童家庭局長

 一言、お礼のご挨拶をさせていただきます。小杉委員長をはじめ委員・参加人の皆さまには、今年の 5 月からでございましたが、大変精力的なご議論を展開していただきましてありがとうございました。本日で、ちょうど 6 回目ということになるわけでございますけれども、非常にきめ細かな形での「ひとり親家庭への支援施策の在り方」について、中間まとめという形で整理することができつつあるなと、若干委員長とのご相談の修文のところが残っておりますが、取りまとめていただくことになりました。皆さまのご尽力に対しまして、あらためて感謝申し上げる次第でございます。

 今後は、おまとめいただきました方向性に沿いまして支援施策の実施体制、あるいは就業支援、子育て、さらには生活支援などの充実について、具体の検討に移ってまいりたいと思っております。委員・参加人の皆さまにおかれましては、引き続きご指導いただきますようお願い申し上げたいと思います。

 以上、簡単でございますが、お礼の言葉とさせていただきます。本日はありがとうございました。

 

○小杉委員長

 どうもありがとうございました。では、事務局から今後の予定についてお願いいたします。

 

○小野家庭福祉課長

 皆さま、どうもありがとうございました。先ほど委員長からもおっしゃっていただきましたとおり、中間まとめにつきましては、これから委員長と相談させていただきながらまとめまして、本日の意見を踏まえた修正の上で確定させていただきたいと思います。追って委員・参加人の皆さまには送らせていただきたいと思います。その上で、公表したいと考えております。また、社会保障審議会の児童部会に、開催日程などは未定でございますけれども、報告させていただく予定でございます。以上でございます。

 

○小杉委員長

 本日の専門委員会はこれにて閉会ということにしたいと思います。ご出席の皆さま、ご協力ありがとうございました。


(了)
<照会先>

雇用均等・児童家庭局家庭福祉課母子家庭等自立支援室
代表:03-5253-1111(内線7892)
直通:03-3595-3112

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