ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 第233回中央社会保険医療協議会総会議事録(2012年11月14日)




2012年11月14日 第233回中央社会保険医療協議会総会議事録

○日時

平成24年11月14日(水)8:59~10:19


○場所

於 厚生労働省専用18~20会議室(17階)


○出席者

森田朗会長 印南一路委員 関原健夫委員 牛丸聡委員
小林剛委員 白川修二委員 花井圭子委員(代理 森原琴惠) 花井十伍委員 石山惠司委員
田中伸一委員 伊藤文郎委員
安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員
万代恭嗣委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
佐藤田鶴子専門委員 北村善明専門委員 福井トシ子専門委員
<参考人>
薬価算定組織長瀬隆英委員長
木倉保険局長 宇都宮医療課長 井上医療課企画官
竹林保険医療企画調査室長 近澤薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

1 医薬品の薬価収載について
2 DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について
3 その他

○議事

○森田会長
 おはようございます。皆さんおそろいになりましたので、ただいまより「第233回中央社会保険医療協議会総会」を開催いたします。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。本日は、西村委員、石津委員、藤原専門委員が御欠席です。
 また、花井圭子委員が御欠席ですので、代理といたしまして森原琴惠連合生活福祉局次長に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 なお、審議官も公務により御欠席とのことでございます。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。
 初めに、医薬品の薬価収載についてとDPCにおける高額な新規の医薬品等への対応についてを一括して議論いたしたいと思います。
 まず、医薬品の薬価収載についてですが、本日は、薬価算定組織の長瀬委員長にお越しいただいておりますので、長瀬委員長より御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○長瀬委員長
 薬価算定組織の委員長の長瀬です。私から、今回検討いたしました新医薬品の算定結果について報告いたします。
 資料、中医協総-1-1をごらんください。今回の報告品目は、資料1ページの一覧表にありますとおり、15成分、22品目です。
 それでは、算定内容について説明いたします。
 まず、1番、ディアコミットドライシロップ分包、250mg、500mg、カプセル、250mgであります。
 資料2ページをごらんください。本剤は、クロバザム及びバルプロ酸ナトリウムで効果不十分なてんかん、これをドラベ症候群と言いますけれども、このドラベ症候群で間代発作または強直間代発作に対するクロバザム及びバルプロ酸ナトリウムとの併用療法を効能・効果とする内用薬であります。
 資料3ページをごらんください。本剤は、既存の抗てんかん薬に類似する効能・効果を有する類似薬がないことから、原価計算方式による算定が妥当と判断しました。また、営業利益率については、平均的な係数を用いることが妥当と判断しました。
 資料2ページに戻りまして、本剤の算定薬価は、250mg1包、507.10円、500mg1包、1,015.10円、250mg1カプセル、507.10円となりました。
 なお、本剤は、未承認薬使用問題検討会議において開発要望があり、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の決定を受け、政府から開発支援を受けた品目であります。
 では次です。資料4ページをごらんください。アイミクス配合錠LD・HDであります。本剤は、高血圧症を効能・効果とする内用薬です。
 資料5ページをごらんください。本剤は、高血圧症を適応症とするARBであるイルベサルタンとカルシウムブロッカーであるアムロジピンの配合剤でありますので、新医療用配合剤の特例による算定が妥当であり、また、補正加算については、いずれの要件にも該当しないと判断いたしました。
 資料4ページに戻りまして、本剤の算定薬価は、配合錠LD1錠が150.40円、配合錠HD1錠が173.40円となっております。
 また、本剤は、配合剤としては承認後1年以内の新薬となりますが、それぞれの単剤が既に承認されて1年以上経過しているため、14日間の処方制限の除外対象品目とすることが妥当と考えます。
 次に、資料6ページをごらんください。ロトリガ粒状カプセル2gであります。本剤は、高脂血症を効能・効果とする内用薬です。
 資料7ページをごらんください。本剤は、効能・効果、薬理作用などが類似するエパデールS900を最類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算定が妥当であり、補正加算については、いずれの要件にも該当しないと判断いたしました。
 資料6ページに戻りまして、本剤の算定薬価は、カプセル2g1包、254.00円となりました。
 次に、資料8ページをごらんください。アミティーザカプセル24μgであります。本剤は、慢性便秘症、これは器質的疾患による便秘を除きますが、これを効能・効果とする内用薬であります。
 資料9ページをごらんください。本剤は、本剤と同じ効能・効果、薬理作用、用法などが類似する類似薬がないため、原価計算方式による算定が妥当と判断いたしました。また、営業利益率については、平均的な係数を用いることが妥当と判断しました。
 資料8ページに戻りまして、本剤の算定薬価は、カプセル、24μg1カプセルが156.60円となりました。
 資料10ページをごらんください。スイニー錠100mgであります。本剤は、10ページにございますけれども、効能・効果にある丸1から丸5でありますけれども、ここに示すいずれかの治療で十分な効果が得られない場合の2型糖尿病を効能・効果とする内用薬であります。
 資料11ページをごらんください。本剤は、効能・効果、薬理作用、用法などが類似するジャヌビア錠50mg、グラクティブ錠50mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算定が妥当であり、また、補正加算については、いずれの要件にも該当しないと判断いたしました。これは、DPP-4としては6剤目になるということであります。
 資料10ページに戻りまして、本剤の算定薬価は、100mg1錠が83.00円となりました。
 次に、資料12ページをごらんください。ブフェニール錠500mg、顆粒94%であります。本剤は、尿素サイクル異常症を効能・効果とする内用薬であります。
 資料13ページをごらんください。本剤は、効能・効果、薬理作用、用法などが類似する類似薬がないことから、原価計算方式による算定が妥当と判断しました。また、営業利益率については、平均的な係数を用いることが妥当と判断しました。
 資料12ページに戻りまして、本剤の算定薬価は、500mg錠1錠が449.40円、顆粒94%1グラムが831.70円となりました。
 なお、本剤は、未承認薬使用問題検討会議におきまして開発要望があり、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の決定を受け、政府から開発支援を受けた品目であります。
 次に、資料14ページをごらんください。ヴォトリエント錠200mgであります。本剤は、悪性軟部主要を効能・効果とする内用薬であります。
 資料15ページをごらんください。本剤は、効能・効果、薬理作用、用法などが類似する類似薬がないことから、原価計算方式による算定が妥当と判断しました。また、営業利益率については、平均的な係数を用いることが妥当と判断いたしました。
 資料14ページに戻りまして、本剤の算定薬価は、200mg錠1錠が4,027.20円となりました。
 次に、資料16ページをごらんください。メサペイン錠5mg、同10mgであります。本剤は、ほかの強オピオイド鎮痛剤で治療が困難であり、中等度から高度の疼痛を伴う各種がん沈痛を効能・効果とする内用薬であります。
 資料17ページをごらんください。本剤は、効能・効果、薬理作用、用法などが類似する類似薬がないことから、原価計算方式による算定が妥当と判断しました。また、営業利益率については、平均的な係数を用いることが妥当と判断しました。
 資料16ページに戻りまして、本剤の算定薬価は、5mg錠1錠が178.30円、10mg錠1錠が338.50円となりました。
 なお、本剤は、未承認薬使用問題検討会議において開発要望があり、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の決定を受け、政府から開発支援を受けた品目であります。
 次に、資料18ページをごらんください。ジプレキサ筋注用10mgであります。本剤は、統合失調症における精神運動興奮を効能・効果とする注射薬であります。
 資料19ページをごらんください。本剤は、補正加算の要件に該当せず、また、効能・効果、薬理作用、用法などが類似するジプレキサザイリス錠10mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算定が妥当であり、補正加算については、いずれの要件にも該当しないと判断いたしました。
 資料18ページに戻りまして、本剤の算定薬価は、筋注用10mg1瓶が1,725円となりますが、これは、外国平均価格の4分の3を下回ることから、外国平均価格調整による引き上げの対象になります。調整後の最終的な算定薬価は、筋注用10mg1瓶が2,067円となりました。
 次に、資料20ページをごらんください。アイリーア硝子体内注射液40mg/mLであります。本剤は、中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性を効能・効果とする注射薬であります。
 資料21ページをごらんください。本剤は、補正加算の要件に該当せず、効能・効果、薬理作用、用法などが類似するルセンティス硝子体内注射液2.3mg/0.23mLを類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算定が妥当であり、補正加算については、いずれの要件にも該当しないと判断いたしました。
 資料20ページに戻りまして、本剤の算定薬価は、2mg0.05mL1瓶が15万9,289円となりました。
 次に、資料22ページをごらんください。ソマチュリン皮下注60mg、90mg、120mgであります。本剤は、外科的処置により効果が不十分または施行が困難な先端巨大症・下垂体性巨人症における成長ホルモン、IGF-I(ソマトメジン-C)の分泌過剰状態及び諸症状の改善を効能・効果とする注射薬であります。
 資料23ページをごらんください。本剤は、補正加算の要件に該当せず、効能・効果、薬理作用、用法などが類似するサンドスタチンLAR筋注用20mgを最類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算定が妥当であり、補正加算については、いずれの要件にも該当しないと判断しました。
 資料22ページに戻りまして、本剤の算定薬価は60mg1筒が18万360円、90mg1筒が25万3,900円、120mg1筒が32万3,624円となっております。
 次に、資料24ページをごらんください。タイガシル点滴静注用50mgであります。本剤は、大腸菌、アシネトバクター属などで、ほかの抗菌薬に耐性を示した菌種、菌株でありますけれども、これを効能・効果とする注射薬であります。
 資料25ページをごらんください。本剤は、効能・効果、薬理作用、用法などが類似する類似薬がないため、原価計算方式による算定が妥当と判断しました。また、営業利益率については、平均的な係数を用いることが妥当と判断いたしました。
 資料24ページに戻りまして、本剤の算定薬価は、50mg1瓶が1万8,568円となりますが、これは外国平均価格の2分の3を上回ることから、外国平均価格調整による引き下げの対象になります。調整後の最終的な算定薬価は、50mg1瓶が1万2,188円となっております。
 次に、資料26ページをごらんください。シーブリ吸入用カプセル50μgであります。本剤は、慢性閉塞性肺疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解を効能・効果とする外用薬であります。
 資料27ページをごらんください。本剤は、類似薬効比較方式(I)による算定が妥当と判断しておりまして、比較した薬物は、チオトロピウム、スピリーバであります。また、営業利益率については、平均的な係数を用いることが妥当と判断しております。
 資料26ページに戻りますが、本剤の算定薬価は、50μg1カプセルが199.20円と、スピリーバと同じ価格となっております。
 次に、資料28ページをごらんください。ギリアデル脳内留置用剤7.7mgであります。本剤は、悪性進行膠腫を効能・効果とする外用薬であります。
 資料29ページをごらんください。本剤は、効能・効果、薬理作用、用法などが類似する類似薬がないため、原価計算方式による算定が妥当と判断いたしました。また、本剤は、悪性度の高い悪性進行膠腫に対して製剤上の特性により、1回の術中投与により、効率的かつ局所的に抗腫瘍効果を示す薬剤であり、抗がん剤特有の全身性の重篤な副作用がプラセボに比べて差が見られず、安全性を確認したということから、平均的な営業利益率プラス10%とすることが妥当と判断いたしました。
 資料28ページに戻りまして、本剤の算定薬価は、7.7mg1枚が15万6,442.60円となっております。
 次に、資料30ページをごらんください。トービイ吸入液300mgであります。本剤は、嚢胞性線維症における緑膿菌による呼吸器感染に伴う症状の改善を効能・効果とする外用薬です。
 資料31ページをごらんください。本剤は、効能・効果、薬理作用、用法などが類似する類似薬がないため、原価計算方式による算定が妥当と判断しました。また、営業利益率については、平均的な係数を用いることが妥当と判断しております。
 資料30ページに戻りまして、本剤の算定薬価は、300mg1管が9,776.20円となりますが、これは、外国平均価格の2分の3を上回ることから、外国平均価格調整による引き下げの対象になります。調整後の最終的な算定薬価は、300mg1管が8,633.80円となっております。
 以上で私からの報告を終わります。
○森田会長
 どうもありがとうございました。
 事務局から補足がございますか。薬剤管理官どうぞ。
○近藤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 新薬の算定結果につきましては、ただいま長瀬委員長から御説明いただいたとおりでございます。
 続きまして、総-1-2をごらんいただきたいと思います。先ほど長瀬委員長からも御説明がありましたけれども、今回収載予定の2番目の品目、アイミクス配合錠LD、それからアイミクス配合錠HDでございますけれども、同様の効能・効果、用法・用量の組み合わせのもととなっておりますイルベサルタン、アムロジピンベシル酸塩それぞれの単剤が、既にもう1年以上の使用経験があると考えられますので、今回、あわせて新薬の14日ルールの処方制限について、その処方制限を外してはどうかということの御提案をさせていただきたいと思います。
○森田会長
 どうぞ、企画官。
○井上医療課企画官
 医療課企画官です。
 資料総-2に関しまして御説明いたします。「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について」という資料でございます。
 新規に薬価収載された医薬品等については、DPCにおける診療報酬点数に反映されないことから、一定の基準に該当する医薬品を使用した患者については、包括評価の対象外とし、次期診療報酬改定までの間、出来高算定をするというルールになっております。このルールに基づき、この総-2の資料による一覧につきまして、次期診療報酬改定までの間、出来高算定とすることとしてはどうかと考えております。
 以上でございます。
○森田会長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら御発言願います。伊藤委員どうぞ。
○伊藤委員
 大変たくさんの新薬が出てまいりました。御努力いただきましたメーカーの皆さんには、また審査いただきました皆さん、心から感謝を申し上げます。
 1つ問題提起をしたいと思っております。実は、大変新薬が多くなってまいりまして、この原価計算方式というものが、これはいつごろから取り入れられていたのかわかりませんけれども、ここの中で、流通経費が7.9%という形で定率になっておりますが、果たしてこれが正しいのか。これは高いものは高くついてしまうわけでありまして、どういうものが含まれているのか定かではございませんけれども、一度これは定額の方式を一つ提案したいと思って問題提起をしたいと思っております。高いものをできるだけ安く入るように、使用できるようにしていくには、やはりこうした方式も検討いただくのが一つの方法かと思っておりますので、ぜひ検討の材目に入れていただきたいと思っております。
 2つ目であります。これは1つ疑問を投げかけたいと思っておりますが、24ページのタイガシル点滴であります。これは、製品総原価1万3,176円、そして今回の算定価格が1万2,188円。これは当局の御努力は大変評価をしたいものでありますけれども、多分、私は中医協の委員になりまして初めてでありまして、ほとんど製薬メーカーの方々は、関原先生のお言葉ではありませんが、15戦全勝を目指されてきたわけでありますけれども、この製品総原価が算定価格を上回る、これは実際に逆ざやが出まして、社会貢献と言えばそういうことなのかもしれませんが、今までの中で果たしてこういうことがあり得るのかと。これは、実は製品総原価が本当に正しいのかという、もう既にこれを下回った価格で販売するということは、今までの考え方とするとあり得ないのではないかと思っております。そうなると、この製品総原価というものが本当に正しいのかなという感じを持つのであります。これは大きな疑問でありますので、ぜひ解明いただけるとうれしいと思います。
 以上であります。
○森田会長
 事務局どうぞ。
○近藤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 先ほどの流通経費の件に関しましては、薬価専門部会で引き続き議論の課題とさせていただきたいと思います。
 それから、2つ目のタイガシルの製品総原価の件でございますが、これは一律、ルール上、外国平均価格調整の対象になったがために、こういう調整で引き下げになっていると思います。それで、原価計算方式のそもそもの考え方は、実際に入ってくる製品あるいは製造する製品に係るコスト、研究開発費などとか、そういうものを全部積み上げて算定しておりますので、一律にルールを当てはめますと、こんな形で製品総原価よりも下がってしまうようなことが起きてしまっているというのが今回明白になりましたので、原価計算方式で採用したものについて、外国平均価格調整をどう対応させるのかに関しましては、多分課題ですので、こちらのほうも薬価専門部会のほうで引き続き検討させていただければと思います。
○森田会長
 ありがとうございました。伊藤委員、よろしゅうございますか。
 ほかに。鈴木委員どうぞ。
○鈴木委員
 6・7ページのロトリガ粒状カプセルでございますが、この比較薬はエパデールということになっておりますが、このエパデールは、10月17日の薬食審一般用医薬品部会で、前代未聞の強行採決でスイッチOTC化ということになったわけですが、最終的には12月の薬事分科会で決定されるということになるわけですが、それに極めて似た薬、しかも効能・効果は高脂血症のみということです。これはもう、そういうスイッチOTC化を見越した駆け込みの申請ではないかという疑いが持たれるわけですが、それについては事務局としてはいかがでしょうか。
○森田会長
 では、事務局、お願いいたします。
○近藤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 エパデールのスイッチOTC化につきましては、特に見越してということは、ちょっとこちらのほうでは特に把握はしておりませんでした。いろいろな情報を考えますと、エパデールのスイッチOTC化というのは、多分何年か前から議論は続けていたとは思います。新しく今回収載するロトリガについては、特にスイッチOTC化とか、全然そういうことは関係なく、淡々と治験のデータが出て、申請がされて、PMDAの審査を終えて承認されたということで、特にそういうバックグラウンドの情報で何か左右されたというようなことではないと認識しております。
○鈴木委員
 そうではないというお考えなのかなという答えだと思いますが、新薬が少なくとも出された場合、物がすぐにスイッチOTC化というようなことは私はおかしいと思います。ということは、少なくとも新薬である間は、そういったことはない、しないということで、武田薬品ですから、こういう大手メーカーが出されるわけですから、そういうふうに信じてよろしいでしょうか。
○森田会長
 では、長瀬委員長、お願いします。
○長瀬委員長
 ロトリガ粒状カプセルでありますけれども、これは、効能・効果が高脂血症となってございます。それから、医療用エパデールも、やはり高脂血症という、いわゆる医学の世界では病名という形になるわけですけれども、私が承っているところでは、OTC化されたエパデールというのは、これは健康診断などで指摘された境界領域の中性脂肪値の改善ということで、非常に条件がついているわけですね。そういう意味で言うと、いわゆる高脂血症という病気に対して使うという認識と、このOTC化された薬物とは、効能・効果が違うのではないかと私たちは考えました。
○鈴木委員
 もう一回ちょっと事務局でも先生でもよろしいのですが、では、今度のこのロトリガ粒状カプセルは、中性脂肪値が幾つ以上の場合に使われるのでしょうか。適応ですね。
○長瀬委員長
 よろしいでしょうか。高脂血症という病気でございますので、明確な定義あるいは基準などはないかと思います。これは、中性脂肪であれ、コレステロールであれ、高脂血症に対する薬物だということです。
○鈴木委員
 高脂血症として中性脂肪が幾つ以上の場合を高脂血症というふうに、この薬としては、使う場合、幾つ以上を想定しているのでしょうか。
○森田会長
 事務局、お答えいただけますか。
○近藤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 審査の過程では幾つという多分数字の話はしていなかったと思います。要するに、物によっては、効能・効果に関連する使用上の注意というところの中である程度の数字を切って、幾つ以上の場合に使用するというようなものを書くものもございますが、こちらのほうは、特に添付文書の中にそのような数値というものは示されていないと思います。
 それから、先ほど私のほうで説明不足だったと思いますけれども、こちらのロトリガをスイッチOTC化するかどうかということの考え方ですけれども、こちらのほうを開発されている会社からは、これをOTC化するというようなことは現時点では考えていないというような回答は得られております。
○鈴木委員
 通常、中性脂肪は150以上が高脂血症ということですから、150以上ということだと思いますが、今、長瀬先生がおっしゃったように、長瀬先生は違うとおっしゃったのですが、一方では、我々医療分野では、中性脂肪が150以上の場合に、エパデールや今度の薬も使うことになると思うのですが、さらに今、かつては少し緩かったかもしれませんが、現時点では、例えば中性脂肪だけが高い場合でも、200以上の場合にはもう治療するというようなことが行われているわけですし、その他、HDLコレステロールが低い、あるいはLDコレステロールが高い、そういう場合には、もう150以上からでも治療するわけです。一方、同じ厚生労働省の中で、健康局では、生活習慣病の予防としてずっと長い間、「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後に薬」とか言っているわけですね。これは我々の医療と考えとしては決して矛盾しないと思うのですが、一方の、先ほどの同じこれも厚生労働省内の医薬食品局の一般用医薬品部会では、エパデールに関して、150から300未満は薬と。要するに、我々は今までは「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後に薬」、これは基本的な考え方として言ってきておりますが、今度は、一方では、同じ数字ですよ、150から、最初に薬ということを言われるということは、私は、国民の方はどっちを信じたらいいのか混乱すると思うのですが、これについてのお考えはいかがでしょうか。
○森田会長
 薬剤管理官どうぞ。
○近藤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 多分、薬の使い方を考えたときに、やはり基本的には、薬というのはそもそも好んで使うものではないと思っております。それで、ロトリガについても、重要な基本的注意の中で、「あらかじめ生活習慣の改善指導を行い、さらに高血圧」とか、要するに生活習慣の改善を行うというのがやはり基本だということは考えてあって、さらに、それでも高脂血症という形での疾病として分類されるときには、この薬を使うことも可能ということだと思っております。
 先ほどのOTCのことに関しましては、どんな考えでOTCとして使われるかというのは、こちらのほうには限定的な情報しか入っておりませんので、鈴木委員から御指摘のあった点は、こちらのほうで担当の部局のほうに、こういう厳しい指摘があったことはお伝えさせていただきたいと思います。
○鈴木委員
 ぜひ、国民の方が混乱しないように、また、不必要な不安を抱かないようにしていただきたいと思います。
 以上です。
○森田会長
 ほかにいかがでしょうか。嘉山委員どうぞ。
○嘉山委員
 新薬が出てきていいことだという話がありましたが、適応のところでちょっと、言葉の問題で長瀬先生に質問させていただきたいのですが、14ページのパゾパニブ塩酸塩のところです。これは、悪性軟部腫瘍という言葉が、これはがんにある程度関係するわけですけれども、患者さんにとっては、何を指しているのかちょっとお教え願いたいのが1つと、それから、その次の薬もがんになっていますが、これは、いわゆる上皮性のがんだけを指しているのか、広い意味でのがんを指しているのか、肉腫とかそういうものを指していないのか、これによって適応が全然変わってしまうので、そこを定義していただきたいと思います。
 それから、3番目ですけれども、28ページの私の専門分野の悪性神経膠腫、これは学会でも非常に応援したいとは思っているのですが、29ページの書き方では、新薬をこの程度で承認してしまうのかという誤解を受ける可能性があるので、以前、器械のときには文献をつけていただくようになっていて、それで中医協としては非常に理解しやすいということで、ここで決定するのに何か情報がないとしにくいだろうということがあったのですが、お薬に関しても、例えばこの29ページにあるような、わずか16例、8例で24例の症例で、どういう結果が出たということをもうちょっとわかりやすく皆さんに提示したらいいのではないかと思いますので、その3点についてお聞きしたいのですが。
○森田会長
 では、長瀬委員長、お願いします。
○長瀬委員長
 まず、ヴォトリエント錠200mgの適応であります。悪性軟部腫瘍という言葉が効能・効果となっておりますけれども、この悪性軟部腫瘍というのは、1つの参考資料がちょっとございますけれども、この非上皮組織のうちで、骨や歯あるいは網内系、グリア及び実質臓器の支柱組織を除いた中胚葉由来の線維組織、あるいは脂肪組織、筋組織、血管組織、滑膜など、あるいは外胚葉由来の末梢神経など、こういった全身の軟部組織から発生する腫瘍であるということであります。組織系としては非常に多様であるということでございます。
 一般的には、私はザルコーマと解釈してよろしいかとも思うのですけれども、こういった軟部腫瘍が対象となっているということであります。
○嘉山委員
 それは、ICD10では、どういう分類になっているのですか。
○近藤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 済みません、ICD10の件につきましては、ちょっと調べておりませんので、また後ほど御報告させていただくということでよろしいでしょうか。
○嘉山委員
 わかりました。では次のを。次は、要するに16ページの各種がんと、要するに漢字の「癌」になっていますが、これはやはり平仮名の「がん」のほうが、患者さんは非常に安心すると思うのですね。今の肉腫のザルコーマの患者さんですとか、私の専門の悪性脳腫瘍は、平仮名の「がん」に入るのですよ。でも、白血病、悪性リンパ腫等は、血液がんは平仮名の「がん」ですから、この漢字の「癌」は、大腸がんとか胃がんとか、上皮性組織から出たものなので、そういう意味では非常に狭まるのですね。平仮名にしないと、肉腫の患者さんが不安になるといけないので、がんセンターでも肉腫外来をつくりましたので、そういう希少がんの人も含めてほしいのですが、いかがですか。もうそろそろ医学的にきちんとしたほうがいいのではないですか。
○森田会長
 では、事務局、お願いします。
○近藤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 先生御指摘のとおりかと思います。ただ、今までずっと、オピオイドも含めて、がん疼痛の場合、こういう形で、「中等度から高度の疼痛を伴う各種癌」という形で漢字を使っております。ただ、審査報告書の中には、この「癌」ではなくて、平仮名を使ったりというようなことはあります。それで、これは薬事のほうでの効能・効果の書きぶりということでございますので、先生の御指摘もあったことを担当部局のほうに伝えたいと思います。
○嘉山委員
 言葉は非常に、特にお役所では大事だと思いますので、今までもその言葉で苦しめられたりしたことが現場ではたくさんありますよね。ですから、やはりベターライズしていたほうがいいと思うので。
○近藤薬剤管理官
 追加で御説明させていただきます。
 一応、がん種に限ってこれが使えるということではなくて、基本的には、がんそのもの全体に疼痛管理として使うということには考えておりますので、広く使っていただきたいと思っております。
○長瀬委員長
 それから、3つ目です。ギリアデル脳内留置用剤、これは先生の御専門の領域かと思いますが、実は、これにつきましては、不服審査等も行っております。出された資料等を添付すればよろしかったのでしょうが、症例数がかなり少ない、それから、いわゆる生存率等についても、統計的な有意差というものを見出すことが困難な程度の症例数であったということで、ちょっと資料としては出しませんでしたけれども、少なくともプラセボと比べては、安全性については問題ないだろうということ、それから、この疾患が非常に難治性が高く、ある意味で期待されているというのでしょうか、そういったような薬剤であるということその他を加味して認定したと。しかも、これについては10%の加算をつけたわけですけれども、これは諸状況を加味した上でのことでございます。
○嘉山委員
 これを新薬としてお認めになっていただいたのは、我々としては非常にうれしいことなんです。患者さんも非常にうれしいことだと思うのですが、いわゆる対費用効果でやると、全くこれはとんでもない費用になってしまうのですが、それも通したということで、私は評価したいと思います。要するに希少がんで、これは治らない病気なのだけれども、新薬として部会で認めたわけですね。ですから、そういうことでやっていただければ、私は、いわゆる新薬の創製等に抑制がかからないで今やっているのだなということがわかりましたので、評価したいと思います。
○森田会長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。安達委員どうぞ。
○安達委員
 先ほど伊藤委員が御指摘になった24ページのタイガシルですが、これはもう少し確認というか議論を深めておかないといけない部分があると思うのであえて御指摘しますけれども、要は、伊藤委員御指摘のように、製品の総原価が米、ドイツに比べて2倍あるいは2倍以上にそもそもなっているのですね。ここの設定からいくから、外国調整をして下がってはいるのだけれども、それでも米、英、ドイツよりはまだかなり高い値段になっているということですから、この製品総原価の決定が問題だというのが伊藤委員の御指摘で、そのとおりであると私も思うのですが、これは薬価算定の制度改革のときにまた議論しなければいけない話でしょうが、市場規模予測のところが275人になっているのですね。ほかにも市場規模予測は、特に今回、オーファンが多いのであるのですけれども、これはどのデータに基づいて市場規模予測をしておられるのかというのが1点。
 もう一つは、それに基づいて出てきた2年後の275人という少ない適応患者数が、1万3,176円という製品総原価のいわゆる高い値付けにどの程度影響しているのか。つまり、これが仮にオーファンでなかったとしたら、製品総原価というのは幾らになるのだろうかということをちょっと突き詰めないと、今後の制度改革のときの議論の資料にならないと思いますので、その辺を明らかにさせていただきたいと思います。
○森田会長
 長瀬委員長、お願いします。
○長瀬委員長
 初めに、私からお答えしまして、原価等については、事務局からお願いしたいと思います。
 まず、投与患者数の予想が非常に少ないのではないかという御指摘であります。これは、ある意味では、私たち医療現場からすると、こういう人数であるべきだという考えであります。その理由でありますけれども、本剤は、いわゆるグラム陰性菌で、ほかの抗菌薬に耐性を示した菌株を対象としているということであります。実際には、この使用上の注意におきまして、ベータラクタム系あるいはフルオロキノロン系及びアミノ配糖体系、以上3つのうち、2系統以上に耐性を示した菌株でありまして、かつ抗菌活性を示すほかの薬剤が使用できない場合にのみ使用するということとしております。
 実際の現場では、このインビトロで感受性試験が実施されていると。1剤目の効果が悪くて、感受性試験で、今挙げました2系統以上に耐性があるということが確認された場合に本剤の投与が検討されるべきものであると考えているということであります。
 これは、諸外国と比べまして、多剤耐性のグラム陰性菌に対しては非常に厳しい使い方をすると。使用をできるだけ絞るべきであるという考え方に今のっとっているわけであります。したがって、適用患者数が非常に少なく見積もられているわけでありまして、結果的には薬価が高くなっているということが私たちの考え方であります。
 あと、価格については。
○森田会長
 薬剤管理官どうぞ。
○近藤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 患者数に関してですけれども、こちらのほうは、厚生労働省の院内感染対策サーベイランス検査部門データという、JANISレポートというのですか、こちらのほうのデータをもとに、菌種の分離患者数ですとか、それから耐性率のデータに基づき算出しているというようなことになっております。
 それで、先ほど安達委員から指摘のございました患者数がどう変わったら総原価が変わるのかといいますと、基本的には、総原価の考え方の中に、製造に関するコスト、そもそもの原材料費とか、原薬とか、そういうものの後に、製造に係るラインのコストですとかがまず積み上がりまして、その後、研究開発費とか、市販後にかかるような経費を患者数で割って、その分は製品総原価に乗せるということになりますので、こちらのほうは、275人ぐらいの患者で計算していますのでこのような金額になっていますが、10倍なり20倍とかと数がふえれば、当然製品総原価は少なくなりますけれども、一応どんな感じの数字になるかというのはイメージ的にはわからないのですが、大体どんどん少なくなっていくというようなことでございます。詳しい細かい数字とかは、ちょっと出せないので、申しわけございません。
○森田会長
 安達委員。
○安達委員
 そういうことだということをまず我々は認識して、それをこの制度改革のときにどうするかということが1つですね。付随して言えば、では、米国は2005年にこれを承認しているのですけれども、その適用患者数は、効能・効果についても、今、長瀬委員長から御説明いただいたように厳密にしている。これは、抗生剤一般に使える、安易に使うことでの耐性菌の新たな発生を少しでも防ぎたいということからすると妥当なお話なのだろうと思うのですけれども、米国でもこういう使い方ですか。
○近藤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 米国ではエンピリックに使うというような形で、欧米ですと、全体的に日本みたいな耐性菌の発生を防ぐために限定的に使うことよりは、どちらかというとエンピリックに使うというようなことの説明を受けております。ちなみに米国で使われている患者数は、日本の多分3桁上になるような使用人数になります。10万単位の数になっております。
○安達委員
 もう議論すると切りがないところもあるのですけれども、最後に1つだけ。そういうものと、先ほどのがんの鎮痛剤が、諸外国ではがん以外の痛みにも用いられているので、外国価格の参照対象にはしないとしたことと、この場合は、外国価格の参照価格に、それだけ対象が違っていても、つまり製品総原価の計算にかかわる対象患者数のところが物すごく違っているにもかかわらず、こちらのほうは外国参照価格を適用する。このルールの曖昧さというのはどういうことなのかということを最後にお聞きしておきたいと思います。
○森田会長
 薬剤管理官。
○近藤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 正直にお話ししますと、やはりこれは厳しく、要するに、薬価の収載を希望している側から見ると、これは資料の中にもあったのですけれども、やはり使用方法が違う、患者の数が違うということで、海外調整の対象ではないというのは、当然メーカー側の主張でございます。私たちも、算定組織の中でも非常に議論がありまして、使用方法、実態がかなり違うのだから、実際に日本ではガイドラインを学会なんかもつくって、使用制限をかなりするので、これを外国調整から外してもいいのではないかというような御意見もかなりありました。ただ、そうはいっても、実際、抗菌薬そのものの大体の薬価も含めた上で、今後いろいろ、拡大することは多分ないとは思いますけれども、ちょっと厳し目に算定してしまったというのが実情でございます。
○森田会長
 安達委員、よろしいですか。
○安達委員
 ありがとうございます。
○森田会長
 では、関原委員どうぞ。
○関原委員
 薬剤管理官にお尋ねします。先程の原価の件ですが、原価を決める場合には、数量が決まらなければ、この総原価ですから出てこないと思うんですね。だから、やはり最初にこの値段を決めるときには、マーケットがどのくらいで、したがって、固定費がどうで、変動費がいくら、今後市場はこれだけ伸びる、伸びても変動費はそのままいくけれども、固定費の部分は下がって、平均したらこういうことになるということで、とにかく最初のこのプライスのところのコストというものは、どういうふうにしてはじいているのか私はわからない。
 それからもう一つは、製薬会社の方がおっしゃっているように、つまり新薬として上市出来るものは非常に少なくて、ほとんどは開発費を投じても成功しないのですと。つまり、そういう開発費が管理会計上新薬に乗っかってきていると僕は思うんですね。だから、この薬のこの原価というものは、別にこの薬の総原価でも何でもなくて、いわゆる直接の原価と、管理会計上、割り振られたものと足して原価ができ上がっていると思うわけで、その辺がどういうふうになっているのかを含めて、さっきの伊藤委員の話とも合わせて、この次の改定のときにその辺のメカニズムとかあり方というものをぜひ検討していってほしいと思います。
○森田会長
 薬剤管理官どうぞ。
○近藤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 最初の収載するときの価格のコストですけれども、こちらのほうは、やはり御指摘のあったとおり、患者数ですとか、10年ぐらいの患者の動向なんかも予測した上で、当然算出しております。当然患者数を逆算することによって、多分、輸入でしたら、どれぐらいのロットのボリュームで入れるとか、そういうものも含めた上でそもそも製品に係る原価を積み上げております。
 先ほど最後に御指摘のあった成功しない研究費とかの算定ですが、実はこの個々の原価計算方式で計算している開発費は、この承認されたこのそのものに係る費用しか見ておりません。ですので、これに付随する、例えばDPP-4が先ほどありましたけれども、例をとると、DPP-4を開発するときにも、承認されるのは、この1つの成分でしかありませんが、恐らく会社としては、DPP-4阻害薬の中でも、何十個も何百個も候補品を選んで、スクリーニングをかけて、場合によっては、臨床試験も始めるのが、多分1つではなくて、何個もあるかと思います。それで失敗した経費は、この原価計算の中には載せておりません。基本的には、成功したその品目に係る費用だけを見るという形で計算しております。
○関原委員
 そうしますと、原価計算に使う平均の営業利益率の19%らというのは、これは失敗したものも含めて全部の平均の営業利益率ですね。当然これは決算上の数字ですから、PL上の。それなら失敗したものも入っているわけですね。
○近藤薬剤管理官
 考え方によってはそうですね。会社として、会社単体としての営業利益率ということになります。
○関原委員
 だけれども、その個別の成功したものの直接の開発費というのは、ごく小さいと思うんですよ。ほとんど失敗する開発費は含まないという話であれば。そういう理解でよろしいですか。
○近藤薬剤管理官
 済みません、多いか少ないかは別として、私の給料から考えると、ちょっと考えられないぐらいですね。開発費を考えれば非常にかかっていると思います。基本的に、オーファンドラッグみたいに、本当に患者数が少ないものに関して、施設も少ないというようなところは、かなり開発費は少ないとは思いますが、かなり人数が多くなる、1,000人規模で試験をするようなところでの研究開発費というのはかなりかかっております。当然、それに付随して失敗したものもかかっているのは事実です。多分100億単位とか、ある場合には1,000億単位になるかもしれませんが、そういう形でかかっているかと思います。そちらのほうは、多分薬価部会のほうで専門委員からも資料なんかが出されているかと思います。
○関原委員
 この話は切りがないので、また別の機会にお願いいたします。
○森田会長
 ほかにございますか。では、牛丸委員どうぞ。
○牛丸委員
 一つはお願いで、一つは質問です。
 まず、お願いですが、今、各委員からいろいろ原価のことで御質問がありまして、また、お答えがありました。市場規模が小さい、特に少ないということで、そこでつくられた、それが原価計算においてこういうふうになるとお話がありました。既に何回か薬価のつけ方というか、その式というか、それは資料としていただいていると思いますが、改めて、今お話がありましたように、市場規模あるいは予測人数がこういうふうに少ないことによって、こういうふうに原価に影響しているのだという計算式、それの資料があると思いますので、それをここか薬価専門部会かわかりませんが、もう一回いただきたい。それを見れば、ああ、ここがこうなっているのかなということが理解できますので、お願いいたします。
 それからもう一つ、外国調整価格というのは、これは外国の価格との関係で入れたので、それなりに意味があるわけですが、今お話がありましたように、場合によっては適用しない、場合によっては適用する、そういうことがあると、それはルールとしてどうなっているのか。外国調整価格をこうやります。ただ、その場合に、これを適用する、適用しない、その辺が文書としてあったのか。今、説明がありましたが、その辺がどうなっているか。あるいは、その都度言われるのか、その辺はわかりません。そもそものルールとしてどうなっているかという、それをいただきたい。それは、今お話がありましたように、がんの場合とこちらの少人数の場合で、これを調整する、しないというのは整合性がわからないので、その辺もありますので、そのルールを先ほどと同じように資料としていただきたいと思います。これは、さっき言いましたように、この総会か薬価部会かわかりませんが、お願いしています。これが第1のお願い。
 それから、もう一つは質問ですが、18ページのところですが、外国価格のところで、最初に承認された国、ほかは全部国なのですが、ここだけは国名でなく「欧州」と書いてあるので、これがどういうことなのか教えていただきたい。
 以上です。
○森田会長
 では、事務局、お答えください。
○近藤薬剤管理官
 済みません、最初の御意見に関しまして、ちょっと補足というか御説明させていただきたいのですが、先ほど説明がちょっと足りなかったのですが、抗がん剤、がんの疼痛に関しては、がんに対する疼痛というのは、使い方がかなり限られているという日本の実情もあって、本当に諸外国と使われ方が全然違うというのが明白だったわけです。
 先ほどの抗菌薬の一件については、性質としては、抗菌薬、しかも、実はここでは説明をはしょってしまったのですけれども、適応症菌種というのが効能・効果に書かれておりまして、それは外国と非常に似ているのです。もうほとんど全く同じような形になっているというのがあって、それで、そこまで似ているもので、さすがにこれは外国調整から外せないだろうということがあったので、申しわけないのですが適用させていただいたということになっております。ただ、基本としては、ルールの中にはもう書いてありまして、外国平均価格調整というのは原則かけますが、効能・効果とかが全く別ようなものとか、用法・用量とか使用形態が全然違うというような形で、もう明確に外せるものに関しては適用しないこともあるということになっております。
 あともう一つ、最後にいただきました欧州ということですが、これは、欧州の承認の体系が、各国で承認する場合とEMAという中央審査体制で承認するところがございまして、これは欧州のEMAという中央のところで承認した日にちになっています。ですので、欧州で承認を取った後はどの欧州加盟国でも発売できるのですけれども、そのときに、例えば戦略によりますけれども、フランスでは発売しないとかいろいろございますので、この中で言えば、ドイツだけがリストに載っていたということでございます。
○森田会長
 大分時間がたっておりますけれども、ほかにございますか。
 きょうの御発言ございました御指摘は大変重要なことだと思いますので、これからそれについて御検討いただきたいと思いますけれども、今回上がっております事案につきましては、少なくとも現在のルールに基づいて審査をしてこういう形になったわけでございまして、メーカーのほうもそうですし、患者さんのほうも、そのルールに基づいた審査結果に対して期待をされているということもございます。そういう前提でございますが、今回の件について、提案されました新薬と、そして、あとDPCと、もう一つ配合剤の件がございましたが、それにつきまして承認するということについてはいがでしょうか。
 ルールについては、今もございましたように明確化するということと、説明していただくという、情報提供もありますし、冒頭の伊藤委員の御指摘にありました、ルールそのものについての検討も必要だと思いますけれども、本日の承認案件については現行のルールでやったということでございますので、特に御異論なければ、承認するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○森田会長
 ありがとうございました。それでは、本日説明のありました件につきましては、中医協として承認することにしたいと思います。
 長瀬委員長におかれましては、長時間にわたりましてありがとうございました。
 本日の議題は以上でございますが、それ以外に報告事項として幾つかございますので、事務局から提出されました資料に基づいて御説明をお願いしたいと思います。企画官どうぞ。
○井上医療課企画官
 医療課企画官です。
 資料総-3-1、3-2、毎年定例の報告事項を御報告いたします。
 資料3-1で「主な施設基準の届出状況」と資料3-2で「主な選定療養に係る報告状況」です。いずれも、毎年、前年7月1日現在において各医療機関から届け出られている項目を一覧で、過去3年分、去年からさかのぼって3年分整理したものでございます。ことしは少し技術的な問題等ございまして、例年よりも若干報告が遅くなりましたことを初めにおわび申し上げます。
 この資料は、もう見ていただいてのとおりですが、留意事項を二、三点簡単に申し上げますと、データはざっと我々のほうでも見て、少し不自然なデータは全部見直すようにしておりますが、それでもやはり不自然さが残ってしまったものが幾つかございます。例えば資料3-1の4ページ目の中ほどに精神科応急入院施設管理加算という項目がございます。これは、下の段の病床数、平成21年から22年にかけて大幅に減っているものがございます。これは、データの集計上、21年は許可病床数で見ていたのを、それ以降、届け出病床数で集計し直すというふうに、少し制度を変えたためにこうした不自然なところが残っていることに関しましては、少し御了解いただければと思います。
 それからもう一点、御留意いただく事項は、データが完全に網羅されていない部分がございます。例えば資料3-1の6ページ目の一番下、新生児治療回復室入院医療管理料、これは平成22年からのものでございますが、22年の上段の医療機関数は数がございますが、下段の病床数が抜けております。あるいは、7ページ目の上から3つ目のカラムである小児入院医療管理料、1、2、3、4、5の区分のうち、区分5の下の段のカラム、病床数のカラムが抜けてございます。こうしたところ、我々としてもなるべく網羅的に整理すべきところを幾つかの制約によって網羅的にできなかった部分が一部あるという点に関しまして、あらかじめ御了承いただければと思います。
 現在こうしたデータの集計システムはアップレーティングを図っておりまして、来年度はもう少し整ったシステムにより、さらに時間的な問題、それからこうしたデータの網羅性の問題を引き続き改善を図ってまいりたいと考えております。
 以上、報告事項でございました。
○森田会長
 ありがとうございました。
 では、続いて、薬剤管理官のほうでございますか。どうぞ。
○近藤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 総-4でございます。「公知申請とされた適応外薬の保険適用について」ということでございます。
 適応外薬の保険適用に関しましては、薬事食品衛生審議会の事前評価が終了したものについて、薬事承認を待たずに保険適用することとしております。今般、公知申請して差し支えないというものが、10月26日の薬事食品衛生審議会第一部会から1品目、10月31日の第二部会から7品目出ております。こちらのほうは、もう既に保険適用されております。事後報告でございます。
○森田会長
 ありがとうございました。
 ただいま報告事項でございますが、何か確認的な御質問とかございますか。よろしいですか。
 それでは、本日の議題は以上でございますが、何かさらに御発言ございますか。印南委員どうぞ。
○印南委員
 前回議題になった指導監査についてちょっと質問したいと思いますので、お願いします。
 患者に対し不当利益が生じているケース、明確に定義できるかどうかわかりませんけれども、そういうケースが実際に診療報酬の不正請求を通じて生じているのではないかと思うのですが、まず、それがあるのでしょうか。
 それから、この間のお話ですと、私の理解では、指導・監査からは病院から患者さんに不正請求分は返還をしてほしいという依頼はしている、あるいは通知はしているということですけれども、それ以上の確認は行っていないということなのですが、この理解で正しいのかどうか。その場合、もしそうであると、病院側に不当利得が生じているのに、患者さんがそれを知らないケースもあるのではないかと思いますが、そういうケースがあり得るのかどうか、これが第1点です。
 それからもう一つは、指定を取り消された医療機関が、5年ぐらいたつと保険医療機関としての指定の再申請をしてくると思うのですけれども、そのときに、この患者さんへの返還を病院がきちんと行っているかどうかをチェックしているのか、仕組みがあるのか、これが2番目の質問です。
○森田会長
 それでは、お願いいたします。
○泉医療指導監査室長
 医療指導監査室長です。
 前回も、保険医療機関の取消の際の返還金についてご議論いただいたところです。患者さんに不当利益とおっしゃいましたが、患者さんにとっては損害ということでしょうか。
 不正・不当請求によって、患者さんが、本来ですと負担しなくていいお金を3割負担なり1割負担していることがあるかということに関しては、そういうことは当然あり得ると思います。
 また、それについて確認を行っているかという点については、幾らぐらいの患者さんの損害が発生しているか、具体的な額の確定ということは取消しの場合でも現在行っておりません。この背景を若干ご説明しますと、保険者の場合は不正・不当請求にかかる金額は当然返還されるべきとなるのに対して、患者さんについては、例えば、仮に不当とされたものであっても、投薬をはじめ一定の医療サービスを実際に受けている場合、どの部分を医療機関の不当利得として返還させるべきなのかについて議論の生ずる余地があり、この整理を行政側で一律に行うのは必ずしも容易でないという問題があります。
 また、患者さんが、自分が払い過ぎているということを知らない場合があるかということですが、これも行政から保険者や医療機関には患者さんにお伝えするようお願いしておりますが、実際には患者さんが御存じないケースというのもあり得ると思っております。
 それから、指定取消を受けた医療機関が保険医療機関の再指定を申請する場合に、患者さんに正しく返還されているかという確認する仕組みにつきましても、現在、そこまでの確認は、システムとしては行っておりません。 
○印南委員
 前々回、石山委員から、保険医療制度に対する信頼に関する重大な問題だと思いますので、何らかの対処をしていただきたいと思います。これは意見です。
○泉医療指導監査室長
 医療指導監査室長です。
 もちろん監査の結果、不正・不当請求が明らかとなり、被保険者の方に損害が発生している場合に、これが返還されるべきであるということについては、全くそのとおりだと思っております。このために、まず、患者さんに、一部負担金の過払いが発生しているという情報が伝わることが必要であると思います。もちろん当該医療機関が自主的にお知らせすべきだという面はあるのですが、それが必ずしも期待できないこともあると思いますので、被保険者の方への周知方法につきましては、保険者に協力いただくことも含めまして、早急に検討してまいりたいと思います。
○森田会長
 印南委員、よろしゅうございますか。
○印南委員
 はい。
○森田会長
 では、それについてもきちんとした形での対応を御検討いただきたいと思います。
 ほかにございませんか。安達委員どうぞ。
○安達委員
 前回、医療経済実態調査の次回分の議論のときに、今回の調査では消費税、いわゆる医療に係る消費税の分の調査も載せるとかというような議論もあったわけでありますが、それに関連して言いますと、中医協の中に消費税分科会を設けて、今、御議論いただいておりまして、一定程度、ある程度議論が煮詰まって、今、調査項目の検討とかもしておられる状況だと私は理解しておりますが、そこまで煮詰まってきた中で、二号側としては、我々分科会に属さない委員も含めて共同である種の意見表明をさせていただいたという状況まで来ているわけで、その調査項目は、例外なくということですから、消費税の分野も消費税分科会で議論しておられる調査項目の決定については、最終的には総会承認事項で総会にも出てくるのでしょうねということの確認が1点でございます。
 そういうことも含めて、ある程度議論が煮詰まっている中で、一度、消費税分科会のこれまでの中間取りまとめみたいなものを総会に報告していただくことが必要なのではないか、望ましいのではないかということで、これは要望なのですが、事務局としてはいかがでしょうか。
○森田会長
 事務局どうぞ。
○竹林保険医療企画調査室長
 保険医療企画調査室長でございます。
 医療経済実態調査の消費税の部分に関する調査項目につきましては、今後、消費税分科会、それから医療経済実態調査の小委員会で、ある意味、並行して議論をするような形で、これは、前後関係につきましても、少し日程の関係で、どちらが先、どちらが後と言いづらい部分がございますけれども、並行して、とにかく調査項目が決定するまでの間に何らかの形で消費税分科会における議論が得られて、それで、調査項目が決定されて、それは当然のこととして総会に諮られて最終決定する、このような段取りになるかと存じます。
 あと、今の中間まとめというお話がございましたけれども、これは、いずれにしても、高額投資に関して区分をして、採用する部分の中間まとめというものが現時点でのスケジュール感の中で、年度末をめどに中間まとめするということでございますが、それとは別の、医療経済実態調査に関して、調査項目に関する中間まとめを別途行うべきだと、そのような御意見でございますでしょうか。
○安達委員
 今のお答えいただいた分は、私が要望した分の半分だけ多分答えていただいたかなと。調査項目については、当然最終的にはそれぞれの部門会議が、総会最終上程での承認ということなんだということは確認いただいたので、それはよろしいのですけれども、要するに、8%への引き上げが再来年の4月が予定ですよね。経済条項がかかっておりますが。そういう中で、今いみじくもおっしゃったのですが、8%のときには高額分の手当てをするとおっしゃったのです。だけれども、我々特に二号側は、8%も10%も含めて、今の法案では医療非課税でいくというような考え方になっていることについて、それは8%のときも含めて、そういう高額の手当てではなくて、課税業種という主張もしているわけでありますので、中間取りまとめと私の意見、要望とお受け取りになったらちょっと申しわけなかったと思うんですが、再来年の4月ということの時間的な切迫感からいいますと、このあたりまでの議論の進捗状況を一度、近いうちにと言うとこのごろ何か変ですが、今年度中のどこか中医協ででも御報告をいただけたらというのが私の要望でございます。
○森田会長
 事務局どうぞ。
○竹林保険医療企画調査室長
 少しそのあたりの総会に対してどういう形で御報告させていただくかということについては、即答しかねますけれども、またいろいろな場で相談させていただきながら、段取りを考えていきたいと存じます。
○森田会長
 よろしいですか。
 では、西澤委員。
○西澤委員
 今、安達委員が言ったことの、1つの答えになると思いますが、今いろいろ分科会を開いたとき、分科会でいろいろな調査をするときには、必ず総会の承認を得るということになっています。そうであれば、今の、消費税分科会で高額な投資に関しての調査が始まろうとしていますが、その調査票自体をここで承認を得る必要があるのではないかということだと解釈したのですが。
○安達委員
 それもございます。
○森田会長
 事務局、いかがですか。
○竹林保険医療企画調査室長
 率直なところ、その高額投資に関する調査につきまして、総会で了承をという段取りを考えておらなかったわけでございますが、先ほど私が申し上げたのは、医療経済実態調査に関する調査票案ということでございます。分科会として調査をするということでございますので、そこまで考えていなかったというのが正直なところなのですけれども、とりあえずそのことだけ申し上げます。
○安達委員
 そのことだけ言っていただいて、それで、ではどうしていただくのかということなのですけれども、御要望したのはそういう点もあります。高額投資にかかわる調査案についても、総会に諮られるべきではないのでしょうかということもございますので。
○森田会長
 この点、事務局から手が挙がっていたかと思います。では、課長どうぞ。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 今、西澤委員御指摘のように、医療経済実態調査あるいはDPCの調査は、基本的にはもう総会のほうにかけてという感じになってございますので、森田会長とも御相談して、その辺の取り扱いについて決めていきたいと思います。
○森田会長
 よろしいでしょうか。
 きちんとある程度審議をしてまとまった段階で総会に出していただく。そのために分科会を設けているということでございます。ただし、重要な問題につきましては、分科会でどのような審議をされているかということについての報告をいただく、これは総会としても当然のことかと思っておりまして、具体的にどの時点でどういうことについてかということについては、事務局で検討していただきまして、私と相談して、報告の機会を設けるということでいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 ありがとうございました。
 それでは、ほかにございますか。
○近藤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 先ほど御指摘がありました悪性軟部腫瘍のICD10の件ですが、その他の結合組織及び軟部組織の悪性新生物ということで、C-49というところに分類がございました。御報告さていただきます。
○森田会長
 嘉山委員よろしいですか。
○嘉山委員
 はい。
○森田会長
 ありがとうございました。
 それでは、少し時間がたちましたけれども、最後に、次回の日程等につきまして事務局からお願いいたします。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 次回は、今月の下旬を予定してございます。決まり次第、御報告させていただきます。よろしくお願いいたします。
○森田会長
 ありがとうございました。
 それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線3288)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 第233回中央社会保険医療協議会総会議事録(2012年11月14日)

ページの先頭へ戻る