ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(科学技術部会遺伝子治療臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会)> 第2回遺伝子治療臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会議事録(2013年7月26日)




2013年7月26日 第2回遺伝子治療臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会議事録

厚生労働省大臣官房厚生科学課

○日時

平成25年7月26日(金)10:00~11:50


○場所

三田共用会議所 第3特別会議室


○出席者

(委員)

山口委員長 谷委員長代理
伊藤委員 今村委員 梅澤委員 小野寺委員
辰井委員 中畑委員 那須委員 本田委員

(事務局)

厚生労働省:三浦技術総括審議官 中山研究企画官 許斐課長補佐 宮田課長補佐 松倉専門官
文部科学省:伊藤安全対策官

○議題

1.前回委員会での主な議論について
2.遺伝子治療臨床研究に関する指針の見直しにおける検討事項について
3.その他

○配布資料

資料1 第1回遺伝子治療臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会での主な議論
資料2 平成22年度「遺伝子治療臨床研究推進のための指針見直しに向けた調査研究」(研究代表者 日本医科大学 島田教授)総括研究報告書において指摘された検討事項
参考資料1-1 遺伝子治療臨床研究から治験に移行する場合の規制当局における手続きの例
参考資料1-2 遺伝子治療用医薬品の品質及び安全性の確保に関する指針
参考資料2 第6回疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針に係る合同会議資料

○議事

○中山研究企画官 

それでは、時間となりましたので、「第2回遺伝子治療臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会」を始めます。

 本日は皆さまにはお忙しいところをまた暑い中、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。本日の委員会は位田委員、中村委員から御欠席の御連絡を頂いております。

 次に事務局の異動があり、御報告いたします。自らのことですが、大臣官房厚生科学課の研究企画官として私、中山が異動して参りました。どうぞよろしくお願いいたします。医薬食品局審査管理課の宮田課長補佐は遅れておりますが、今回は加わることになっておりますので、御紹介させていただきます。

 次に、配布資料を確認いたします。お手元に議事次第、その下に資料1として、「第1回遺伝子治療臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会での主な議論」、資料2として、平成22年度「遺伝子治療臨床研究推進のための指針見直に向けた調査研究」総括研究報告書において指摘された検討事項というものがあります。参考資料1-2として、「遺伝子治療用医薬品の品質及び安全性の確保に関する指針」、さらに参考資料1-1として、横のポンチ絵ですが、「遺伝子治療臨床研究から治験に移行する場合の規制当局における手続きの例」というもの。さらに参考資料2として、「第6回疫学臨床研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針に係る合同会議資料」というものを配布しております。

 なお委員の皆さまの机上にはファイルがあり、各種指針などを綴ったものです。本日の参考資料1-2もこの指針の1つですので、次回以降はこちらの参考資料に綴ることにしたいと思っております。こちらのファイルは毎回使用します。会議終了後には机上に置いたままで御退席いただくようお願いいたします。以上ですが、過不足などがありましたら、事務局までお願いいたします。

 では、早速議事に入りたいと思いますので、座長、よろしくお願いいたします。

○山口委員長 

では、早速議事に入りたいと思います。皆さま、どうぞよろしくお願いたします。まず議題1、前回の議論の内容について事務局より説明をお願いします。先ほどの参考資料1-11-2も併せて御説明いただきたく、よろしくお願いいたします。

○許斐課長補佐 

資料1を御覧ください。前回の見直し専門委員会での主な議論をまとめました。1つ目は、「臨床研究と治験の整合性」です。日本では臨床研究と治験がそれぞれ異なる体系で管理されているが、遺伝子治療の実用化の推進等のためには、臨床研究から治験にスムーズに移行できるようにすることが重要とのことでした。現在、遺伝子治療用医薬品の品質及び安全性の確保に関する指針、以下、「治験の指針」と略しますが、その見直しの検討が行われているため、本指針の見直しに当たっては、互いに連携を図るべきとの御意見がありました。

2つ目は「海外の規制との整合性について」です。遺伝子治療についても、近年国際共同研究の動きが進んでいるが、日本もこの共同研究に円滑に参加できるよう指針の見直しに当たっては、海外の規制との整合性にも留意すべきとの御意見でした。

3つ目は「ベクターの品質・安全性に関する基準について」です。ここでの御意見は、まず臨床研究で使用するウイルスベクターの製造・品質管理については、GMPに準拠することとされておりますが、指針上では具体的な基準が示されておらず、各研究者まかせになっているとのことでした。また、現状では薬物製造に関するGMPがありますが、細胞療法やベクターに関するGMPといったものはなく、この分野での基準作りが課題であるとの御意見もありました。

4つ目は「その他」としました。まず、欧米ではガイドライン作成時に企業等が加わり、技術的な提案をすることがあるので、そのようなヒアリングの機会をつくることも考えるとの御意見や、創薬への企業の参入は重要であるが、その際には利益相反について適切に運用されることが重要との御意見もありました。以上まとめさせていただきました。

 続いて参考資料1-1です。前回の議論内容でもありましたが、日本における遺伝子治療臨床研究から治験に移行する場合の手続きについて御説明します。臨床研究は左半分になりますが、御覧のように研究実施施設から研究計画書等が厚生労働大臣に提出されます。前回の委員会でも御説明しましたように、「新規性あり・なし」の判断がされますが、「新規性あり」の場合は厚生科学審議会にかけまして、そこでの審議内容が意見として厚生労働大臣から施設に返され、その後実施施設で研究開始となります。通常、研究期間は数年と思われますが、研究終了後に治験に移行したい場合には右に進むことになります。

 治験を行う場合は実施医療機関もしくは製薬業者や輸入業者といった企業が申請をしていくことになります。※1に記載しましたが、これまでの確認申請は廃止され、本年7月より薬事戦略相談に移行しております。この際、大きな問題点や論点の解決のため、通常は薬事戦略相談をPMDAと行っていただくことになっております。薬事戦略相談は赤で示したように、臨床研究が終了する前から治験を見据えて開始が可能となっています。主要な問題点や論点が解決された後に、これらの機関はPMDAに治験届を出すことになります。この治験届をPMDAで調査し、その結果については厚生労働大臣に報告され治験が開始されます。このような一連の流れの中で、臨床研究から治験への移行といった出口を目指した研究が可能となっております。

 前回の島田先生の説明では、臨床研究では申請先が厚生労働大臣で、治験ではPMDAであるとの御指摘でしたが、この申請先をすべて同一にするということは、現行の制度上では難しいのですが、御指摘のあった臨床研究と治験でのベクターなどの品質及び安全性についての整合性をとっていくことが、この一連の流れを加速させるものと思い、今回の見直しでもその点について御議論いただければと思っております。以上です。

○山口委員長 

ただ今、前回の議論のまとめを御説明いただき、さらに特に議論になった臨床研究と薬事との関係を説明していただきました。

○許斐課長補佐 

続いて参考資料1-2、治験の指針について簡単に御説明いたします。今後、本指針を見直ししていく際に必要と思い、参考資料として今回付け加えました。正式には、「遺伝子治療用医薬品の品質及び安全性の確保に関する指針」といいますが、前回、遺伝子治療臨床研究に関する指針について御説明しましたので、そちらの指針との違いについて御紹介します。

 まず、その目的は1ページの「第1章 総則」にあります。遺伝子治療の指針では臨床研究の医療上の有用性及び倫理性を確保し、社会に開かれた形の適正な実施を図ることとされておりますが、こちらの治験の指針では遺伝子治療医薬品の品質及び安全性の確保のため、基本的事項を定めるとなっております。

 また次の「第2 定義」は、遺伝子治療の指針では遺伝子治療、遺伝子標識、研究者、総括責任者、実施施設、研究を行う機関等々の規定がされておりますが、治験の指針では疾病の遺伝子治療、こちらに書いてありますように、マスターセルバンク、ワーキングセルバンキング、ベクターウイルス、ベクター、非ウイルスベクター、ヘルパー、パッケージング細胞、作業区域など、やはり製品として品質などに関するものの定義が主体となっております。

 対象疾患については遺伝子治療の指針には記載がありますが、治験の指針では遺伝子治療に準ずる形になります。有効性及び安全性については、遺伝子治療の指針では有効かつ安全なものであることが、十分な科学的治験に基づき予測されるものに限るとなっておりますが、こちらの治験の指針では4ページの「第5章 非臨床安全性試験」、5ページの「第6章 効力を裏付ける試験」「第7章 体内動態等」についての規定があります。

 さらに品質等の確認については、遺伝子治療の指針では医薬品のGMPに準拠となっておりますが、指針のページでは1ページに戻り、「第2章 製造方法」「第1 遺伝子導入法による区分」「投与法による区分」。3ページの「第3章 規格及び試験法並びに製剤設計」。4ページの「第4章 安定性」。5ページの「第8章 製造施設及び設備」についての規定があります。

 生殖細胞等の遺伝子的改変の禁止、適切な説明に基づく被験者の同意の確保、公衆衛生上の安全の確保。記録の保存、情報の公開については、遺伝子治療の指針には規定がありますが、治験の指針では遺伝子治療の指針が適用されるという扱いになっております。また被験者の人権保護、研究及び審査体制、研究実施の手続き、厚生労働大臣の意見等などに関しては、遺伝子治療の指針にはありますが、治験の指針では特に設けられておりません。一方、5ページの「第9章 倫理面への配慮」があり、倫理的事項について十分配慮することという記載はあります。

 以上、遺伝子治療臨床研究の指針と異なりまして、治験の指針はその目的のごとく、品質や安全性の確保のために設ける項目で構成されております。以上です。

○山口委員長 

前回のまとめと、議論になりました臨床研究と遺伝子治療薬との関係、遺伝子治療薬の指針ではどういうことが主に書かれているかについて、御説明いただきました。全体について、前回の議事のまとめの内容、及び関連して臨床研究と遺伝子治療薬の関連性について、御質問、御意見等、あるいはこういう議論もあったのではないかということで追加等がありましたらお願いします。

 よろしいでしょうか。全体の議事についてはこういうことであったということで、議事要旨で御確認いただき、臨床研究と遺伝子治療薬との関連については、今日の議論でもまた出てくるかと思いますので、そこでまた重ねて、今回出していただいた1-1あるいは1-2についての関連についても、そこで議論すればと思います。

 次に、議題2に移ります。本日は前回に引き続き、指針の見直しについての全体的なブレーンストーミング的な議論をしたいと考えております。このために、前回参考人として出ていただいた日本医科大学の島田先生に平成22年度にまとめていただいた厚生労働科研費による「遺伝子治療臨床研究推進のための指針の見直しに向けた調査研究」が公開されておりますので、これに基づきどのような議論があったかを今日、御紹介いただいた上で、前回の専門委員会でもお話したように、指摘された検討すべき事項について、ここで議論を深めていただければと思っております。

 それぞれの項目について、簡単に事務局より説明いただきたいと思いますが、前回の専門委員会でもお話したように、疫学研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針の見直し状況については、本指針の検討すべき項目として共通している部分があるので、これについても事務局から御説明をお願いします。

○許斐課長補佐 

では、資料2です。こちらは山口先生からもありましたように、平成22年に島田先生が調査研究された報告書において指摘された事項を抜粋しております。それらの項目が現状ではどのようになっているかを簡単に御説明いたします。「9 個人情報の保護に関する措置について」、「10 人権保護に関する事項について」は疫学・臨床研究に関する倫理指針と共通する事項と考えております。1つ目の検討事項は、「遺伝子治療の定義及び適用範囲について」です。現状では、「遺伝子治療」、「遺伝子標識」といった定義がありますが、化学合成したDNARNAや、逆に自然界に存在するDNARNAやウイルスの投与については、指針の対象となるか記載がありません。またDNAワクチンといった予防についても現状では含まれておりません。適用範囲については特に規定する文言がない状況です。

 次に、「2 対象疾患について」ですが、現状ではこちらに示す丸1から丸3までの3つの要件をすべて満たす必要があります。これは指針が作成された当時、安全性が確立されていなかったことによります。「3 iPS細胞を用いた臨床研究の取り扱いについて」です。これは前回の委員会でもお話しましたが、iPS細胞作製時の細胞への遺伝子導入が本指針の適用範囲に含まれるとも考えられ、一方で、「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」でもiPS細胞を用いる研究が対象となっているため、両指針が適用されると判断すると、2つの審査会での審査が必要となります。そこで現状では、「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する審査委員会」に遺伝子治療の専門家である審査委員が加わり、審議を行っております。本指針の見直しでは、これらについて整理が必要となります。「4 多施設共同研究について」です。既に多施設共同研究は行われておりますが、各施設を統括する責任者がない状況です。また、実際に治療は行わず、ベクターやベクターを導入した細胞を作製する機関についての定義がありません。

 「5 審査体制」です。現状では、施設内倫理審査委員会と厚生労働大臣への意見という2段階審査となっており、新規性のある・なしで厚生科学審議会での審議の有無が異なってきております。一方、ウイルスベクターの専門家は限られておりますので、施設内倫理審査委員会のみで研究を行う場合は、遺伝子治療の安全性を十分確保することが難しいのではないかということになります。

6 実施施設から厚生労働大臣への各種報告について」です。現状では、研究経過報告書の提出は求められておりません。また研究終了後の追跡調査機関の設定はありません。さらに重大事態等報告書や終了報告書の提出期限が明記されておりません。

 「7 情報の公開について」です。臨床研究に関する倫理指針では、実施する臨床研究について、介入研究を伴うものについてはUMINJAPIC、日本医師会のサイトへの登録が求められていますが、本指針には記載がありません。

8 記録の保存」です。現状の指針では記録の保存は5年間です。一方、「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」では10年となっております。

9 個人情報の保護に関する指針について」です。現行の指針では第6章に記載されておりますが、内容が個人情報保護法の一般的な解説となっており、さらにこれらについては次に御説明する疫学・臨床研究に関する倫理指針に共通する事項です。

10 人権保護に関する事項について」です。これも疫学・臨床研究に関する倫理指針と共通する事項ですが、現状では未成年者に対する研究におけるインフォームド・アセントについての記載がありません。以上となります。

○山口委員長 

それでは早速ですが、島田先生にまとめていただいた研究報告では現行の遺伝子治療臨床研究の指針の問題点等を洗い出していただいており、それに沿いまして1から10までの項目について事務局から御説明いただきましたので、それぞれ順番に議論すると進行がスムーズかなと思いますので、それぞれ1つの項目ごとに5分から10分ぐらいの間で議論したいと思います。特に910は臨床研究指針等とも絡みますので、1から8までを先に各項目ごとに議論したいと思います。

 まず、遺伝子治療の定義および適用範囲について、御意見あるいは疑問点等について、また、この見直しには確か小野寺先生と那須先生が御参加していただいているので、その辺から御意見でも結構ですので、議論になった点も含めて御紹介いただければと思います。

○小野寺委員 

成育医療センターの小野寺です。島田先生と一緒に参加させていただいて、叩き台を作った際に、遺伝子治療の実態と現状の指針はかなり違うということで、遺伝子治療の定義に関して挙げさせていただきました。

 まず、指針作成当時は、遺伝子治療の標的というか、細胞に遺伝子を入れて、がんの治療などでよくやったのですが、マーキングスタディということを行っていたのですが、現在、ほとんど本治療については行われていないということがあります。それが第1点です。

 もう一点は、指針では飽くまでも治療を目的ということになっていますが、最近はウイルスに関しても種々のウイルスがあります。例えば、腫瘍溶解性ウイルスのオンコリティックウイルス、はしかとか、そういう生ウイルスを使ったウイルスに対してどういうふうに限定するかという点や、がんワクチンに関して、合成したDNAをどうするか。あるいは、mRNAを作って細胞に入れて発現させて、それをがんワクチンとして使うとか、そういうことが出てきますと、今までのとおりに単純に遺伝子を入れることではなくて、合成されたDNARNAの扱いを定義上どうするかということです。

 先ほどの話に戻りますと、治療を目的としたというところで、がんワクチンはどうか。これはワクチンですから、予防に入るのではないかという点で、定義の「疾病の治療を目的とした」というところで、がんワクチンに関しては「予防」とそこが合わないのではないかという点が主な所です。使用するゲノム、核酸をどう考えるかということと、「治療」に限定していいのかという点が、主な議論の内容だったと思います。

○山口委員長 

ありがとうございました。那須先生、いかがでしょうか。

○那須委員 

岡山大学の那須です。大体、小野寺先生がおっしゃったようなことが議論になりました。現実的にもアメリカではすでに遺伝子を組み込んだものを使って、術後の再発予防といったものを対象にした臨床研究というか、治験が行われているというのが現状であるということです。それから、オンコリティックウイルスといったウイルス治療そのものもこの指針に入って、現実的に今、幾つかプロトコールが国内で走っている現状、それをどうするかということが問題になったと思います。

○山口委員長 

ありがとうございます。遺伝子治療にファミリアでない先生方もいらっしゃると思いますが、オンコリティックウイルスに関しては、東大の藤堂先生がやっておられるような、組み換え技術を使ったオンコリティックウイルス(腫瘍溶解性ウイルス)と、ワイルドタイプのウイルスを使ったオンコリティックウイルスがありますので、組換え技術を使っていると遺伝子治療と考えやすいのですが、ワイルドタイプを使っていると、多分、日本では遺伝子治療の指針にはかからないところがあるかと思います。ほかの先生方から、今、小野寺先生と那須先生が指針の検討の状況を含めて説明いただいたので、その辺も含めて、もし御意見、あるいはこういうふうに指針の範囲を考えるべきだというところがありましたら、お願いします。

○今村委員 

ちょっと素人のほうからで恐縮ですが、要するに、見直しに当たっては、「予防」というのも含めろという考えでよろしいのですか。

○山口委員長 

多分、含めるべきかどうか、その辺の議論をしていただければと思っております。というのは、海外でもFDADNAワクチンのような予防ワクチン、B型肝炎ウイルスの予防ワクチンとか、そういうものは遺伝子治療には含めていないのです。ヨーロッパは遺伝子治療に含めていると。海外でも規制はそれぞれ少し温度差があるようですので、それをどういうふうに見るかということを議論していただけると有り難いです。

○本田委員 

素人なので質問ですが、先ほどがんワクチンの話が出ていましたが、今、臨床研究という形で一部やっているとは思うのですが、今回のこの定義の中にがんワクチンみたいなものを入れないと、きっちりそういう枠に入ってこないというか、含めないと、そういう網の中には入らないということですか。入れないといけない理由とかをもう少し教えていただきたいのです。

○山口委員長 

多分、私が説明したほうがいいかと思うのですが。今、すでに例えば名古屋大学でがんワクチンと腫瘍溶解性ウイルスと2種類ぐらい遺伝子治療の中で議論になっているところはあります。腫瘍溶解性ウイルス、要するに特異的にがんだけを壊すようなウイルス療法があるのですが、組換えDNA技術を使ったものと、そういうもので使っていないものとがあり、すでに名古屋大学ではワイルドタイプのウイルスを使って腫瘍溶解性ウイルスの臨床研究が行われているのですが、それは遺伝子治療ではないので、厚生労働省には臨床研究としての申請は来ていないという状況です。

 ただ、問題としては、安全性とかその辺の内容については、多分組換えをしていてもしなくても同じだろうと思われるので、その辺をどういうふうに別々の枠に入れておくのか、それを議論したほうがいいということです。がんワクチンについても、予防というのは定義に入っていないので、一旦腫瘍を切除して、その後がんワクチンを使った場合は、先ほど那須先生から御説明をいただいたように、がんがもう一度発生してくるようなものはちょっと入りにくいのではないかという議論です。それも指針に明確に書いておけば入れるということで、その辺の議論をしていただけると有り難いです。

○那須委員 

先ほどの予防の件は、その次の論点である対象疾患に関わってきます。ですから、現状の指針では非常に生命を脅かす重篤な疾患という要件が入っているのですが、術後の再発の方は、手術をした後はお元気ですが、再発した後重篤になると。そういった考え方からすると、適応される疾患、病状、それと遺伝子治療の定義が密接に関わってくると思います。

○山口委員長 

先生、ありがとうございます。もしほかに御意見がありましたら、時間もありますし、先ほど那須先生がおっしゃったように、これは対象疾患とも非常に密接に関連する話ですので、対象疾患のほうに議論を移らせていただければと思います。対象疾患のほうについて、今の1と絡めて御意見を頂ければ有り難いです。

○小野寺委員 

対象疾患については、先ほど山口先生がおっしゃったように、当時はかなり遺伝子治療の不確定性から、対象疾患をかなり限定して、重篤な遺伝性疾患、がん、エイズのような生命を脅かすという、かなり疾患を限定したところがあります。ただ、遺伝子治療が始まって、ほぼ20年以上経って、かなり安全性や有効性が確認されたことから、必ずしもこのような重篤な疾患のみを対象としていいのかという点があって、例えば大阪大学で行われているような閉塞性の血管性の病変に関して行ってもいいのではないかということで、かなり疾患をもう少し緩めてもいいのではないかという点が1つです。

2番目として、例えば、被験者にとって遺伝子治療の臨床研究に参加することによりいわゆる利益が不利益を上回ることという要件があります。上回るということは、これは必ず遺伝子治療のほうがいいということになるのです。遺伝性疾患の場合というのは、骨髄移植との比較となりますので、必ずしも上回るのではなくて、同等というレベルでも十分いいのではないかという点が大きな論点だったと思います。ですから、かなり指針の対象疾患に関しては緩めたいということです。

 もう1点は、先ほどの論点に戻ってしまいますが、20年間に行われたウイルスベクターとか既存のベクターに関しては、対象疾患の範囲を少し広げてもいいのではないかという点です。ただ、これまでに使われていないウイルスベクター等々に関しては、やはり安全性が確認されていないので、そういうベクターを使った際には、対象疾患を今までどおり限定していいのではないかということで、これは飽くまでも案ですが、ベクターの種類によって使い分けを行っていきたいと、あのときは提案させていただきました。以上です。

○山口委員長 

ありがとうございます。当初の指針ではわりと重篤な疾患に限定していたということと、他の療法との関係をどう整理するかということを御説明いただきました。御意見、あるいは御質問でも結構ですので頂ければと思います。

○谷委員長代理 

九州大学の谷です。よろしくお願いいたします。今の対象疾患については、歴史的には、最初の遺伝子治療の指針の中では、重篤な致死的な遺伝性疾患、がん及び後天性免疫不全症候群となっていたと思いますが、その後の平成16年の改定から、生命を脅かす疾患又は体の機能を著しく損なう疾患と一部改定になっていたと思います。

 だんだん遺伝子治療の方法論が確立されてきております。遺伝子治療のベクターの安全性についても、ここまでだったら大丈夫そうだというところの限界も分かってきております。既存のベクターに関しては、対象疾患を拡大していくことは特に理に合っている方向性だと思います。

 予防についても、確かに根治的手術もあるのですが、手術の中ではある意味では姑息的な手術等もあります。その場合の予防に関しては、治療予後というのが大体分かりますので、再発及び転移性のがんに限りますと、そういったものが高いものに関しては、予防法を取り入れていくことは非常に理にかなっているのではないかと思います。

○山口委員長 

ありがとうございました。大分、指針の改定が行われつつ、より広く、経験の積まれたベクターであれば広く使っていく方向で考えたほうがいいのではないかということと、新規のウイルスベクターの場合には、割と限定した使い方がいいのではないかと。先ほどの小野寺先生の御意見と同じような御意見を頂けたように思います。

○今村委員 

1 とも関係しますが、治療と言えば、疾病になってからのものということになります。ただし医療という観点から考えれば、治療と予防というのは2つの大きな柱になります。とすれば、この見直しというときに、必ずしも遺伝子治療ということではなくて、治療を医療に文言を変えて、そして対象となる疾患、あるいは研究の方法をもう少し拡大していく。この分野の進歩というのも、恐らくまだ期待されるわけでしょうから、文言の変更も含めて考えられてもいいのではないかと思います。

○山口委員長 

ありがとうございます。

○伊藤委員 

よく意味が分からないのですが、「3つの要件全てに適合するもの」ということを外した場合に、それはどういう疾患を対象にして、どういう現象が起こるのかということがよく分からないので、ちょっと考えようのないところもあるのですが。例えば「遺伝子治療の安全性が確立していなかったため」ということで、この条件を付けたとすれば、遺伝子治療の安全性が確立していれば、別にこういう条件を付ける必要はないということを意味するのか。やはり、これは何らかのきちんと条件というのが必要だということも言っているのかがよく分からないのです。これは遺伝子治療の安全性が確立していることを前提としてお話されているのだと思いますが、どこがどのように安全性が確立しているのかというのが分からなければ、これは判断の材料がないと。

 「利益が不利益を上回る」ということが予測される場合はいいのですが、今、現在、同等なものならいいのではないかということがあるとすれば、それは治療ということになるのか、そんな必要があるのかということもよく分かりません。

 予防についても、予防ということはどこまでが予防なのか。どういう疾患が予測されるから予防なのか、ということがはっきりしていないので、これは安易に外すと、予防の歯止めというのはどうするのかということになってくると思うのです。そこのところもはっきりしないとよく分からないし、すでに今までの条件の中でも、「重篤な遺伝性疾患、がん、後天性免疫不全症候群、その他の生命を脅かす疾患、又は身体の機能を著しく損なう疾患であること」ということを外す理由は何なのか分からない。

 すでに研究が進んでいるのであれば、こういう重篤な遺伝性疾患、がん、後天性免疫不全症候群等がどのように、どの程度遺伝子治療の効果があったのか評価されているのかも分かりませんので、何かそこのところ、現在がどうなっているのかということをはっきりして、その上で、なぜこの言葉を外さなければならないのか、新たに解釈しなければならないのかということの目的とか、メリットというのがはっきりしないで議論してしまうと、ただ厳しい条件を外しただけということになってしまうのであれば、これは問題かなというような気がいたしました。

○山口委員長 

非常に貴重な意見をありがとうございました。現状は遺伝子治療が世界的にも含めて、どれだけの経験が積み上がっているのか。しかも、遺伝子治療の専門家から見て、今どういう状況になっているのかという点について、もし御意見があればお願いします。

○那須委員 

私は実際に前立腺がんの患者さんの治療をしておりますが、通常、この指針によりますと、ほとんどもう再発をして、転移がたくさんあって、保険医療での抗がん剤を使って、それでも再発をしたというような方が現実的な対象になります。

 イメージとしてはそういう患者さんに投与することになるのですが、先ほどの安全であるということは、かなり大ざっぱな言い方かもしれませんが、特定のウイルスベクターについては、安全性に関する情報がこの20年間でかなり蓄積されておりますので、特定の投与法といったものを行えば、非常に副作用が少ないということが期待できます。現状では、抗がん剤をたくさん使ったり、分子標的薬を使った後に適用となることが多いですが、そうではなくて、もう少し抗がん剤を使う辺りで、こういう比較的副作用が少ないという情報が蓄積されているような手法を行えば、3番の利益と不利益という観点においては、大幅に利益が上回るというのを現場で行っております。現状では、もう全く手の打ちようのない患者さんが適用になってきてしまうということで、副作用でかなり体が弱った状態で適用されている方をもう少し抗がん剤を使う辺りで、こういった治療ができればというのが、私たちの現実の経験です。

○山口委員長 

ありがとうございました。小野寺先生、お願いします。

○小野寺委員 

今、那須先生はがんのほうから説明していただいたのですが、私は小児科医で、遺伝性疾患をずっとやってきているのですが、今、おっしゃられるように、20年間でレトロウイルスを使った患者さんは、疾患によりますが、何千人という形でやられていて、ウイルス自体での安全性という意味では、多分、重篤な副作用は今のところ報告されていないと。それをもって必ずしも安全かというと非常に難しい点はありますが、その部分はクリアされていると思います。

 当初は遺伝子治療というのは多分、最終手段、つまり、もう全ての治療法がない段階で初めて遺伝子治療が出てくるという段階だと思います。すなわち、がんも抗がん剤、経過的な手術、放射線、あるいは私たちは主に骨髄移植ですが、骨髄移植が全て不可能だという段階で初めて遺伝子治療という形になってきています。ただ、先ほどお話したように、どうしてもそういう段階ではかなり成績が悪いというところがありまして、ほかの治療と同じように考えていただいて、より早い段階で遺伝子治療を行えれば、これはヨーロッパやアメリカからのデータからでもそうですが、かなり有効性が上がってきているという点から、安全性及び利益が不利益を上回るという点で、立ち位置をもう少し前に、つまり全ての治療法が同等とは言いませんが、今までは最後の手段であったところを、もう2つ、3つ前に出していただきたいと思いまして、このような形で、「重篤な疾患」という言い方は、多分状態が重篤という意味だと思うのですが、そういうところを外したほうがより進むのではないかと考えています。

○伊藤委員 

ありがとうございます。ただ、那須先生や小野寺先生がおっしゃったのは、全く素人というか、我々から見れば治療なのです。あるいは再発防止とかも、現在治療中の状態と思えるのですが、ここで、「予防」と書かれていると、一般的にこういう分野にいない国民としては、将来を予測して予防のために何かをやるのかという受け止め方になってしまうと思うのです。ですから、歯止めという問題も起きてくるのですが、「予防」という表現でない表現が可能なのか。それは、飽くまでも「予防」というのは「予め防ぐ」ですから、予め防ぐのか、それは必要な治療の一環であり、継続した治療なのかということは、どこかで明らかにしたほうがいいかなという印象です。

○本田委員 

私もそこのところが一般の人間としては、私たちがん治療を受けた経験がある中で、術後に補助療法ということで、再発を防ぐために抗がん治療をするという、本当に初期ですよね。それは私たちにとっては治療なわけで、世の中の一般国民は予防とは思っていませんよね。そういう意味での遺伝子治療はもっと早い段階で、先ほど那須先生がおっしゃったように、それは是非、研究ができるようにしていただきたいと感じているのですが、全くがんになったことのないような一般の人が、予防目的でするようにとらえられる世の中というのはどうなのかと思います。

○山口委員長 

那須先生から御意見を頂ければと思いますが、今、本田委員がおっしゃったように、例えば切除した後で、今はがん細胞はないのだけれども、予防的に遺伝子治療をしておくことによって再発されてこない。今は重篤ではないわけですよね。多分、重篤でない方に予防のための治療をやっていく。その辺は比較的受け入れやすいかと思ったのですが。

○那須委員 

先ほどからの議論をもう少し明確にしておきたいのは、この議論は、今がんについてされているということで、遺伝性疾患とかそういうものは外しておいて、がんの予防ということだけで言えば、がんにならないようにすることと、再発や進行を抑えること、これを私たちは「予防する」と言いますが、術後の再発や進行というのは、ある程度いろいろな蓄積から予測ができますので、この方は再発を必ずするだろうということが分かるようになってきているということです。恐らく、それが私たちのイメージするどちらかと言うと予防で、疾患の発症予防というのはもう少し先のことになって、いろいろなことが進むと、この方は高率でがんが発生するとか、何年以内に発生するとか、そういったことが分かってくれば、ある特定の方にそういったことができるということです。

 遺伝性疾患も同じで、この方はもう確実に起こり得るとか、起こってからやるのか、そういったことの見極めがかなり絞り込めるような時代が早晩来るのではないかと思います。ですから、今回の指針の改定で、予防ということを記憶するときに、ある程度定義というか、どういうことをもって予防とするかということを明記しておけば誤解は少ないのではないかと思います。

○山口委員長 

ありがとうございます。今、そういう状況と、もう1DNAワクチンのように、健康時に打つようなもの、例えばB型肝炎のDNAワクチンでは、本当に健康な人に打つプラスミドがあります。こういう場合のところも御意見、あるいは議論を頂けると有り難いです。要するにこれは全くの予防になりますので、海外でも、この辺は遺伝子治療に入れるか入れないか議論が分かれているところです。もしその辺の御意見を頂ければ有り難いです。

○今村委員 

先ほどの繰り返しになるかもしれませんが、今、おっしゃったような、いわゆる健常人に投与するようなものを、あえて外す意味というのがあるのかどうか。医療の中の非常に大事な部分です。特にこれからは疾患の治療と並んで、予防というのは非常に大事な部分になってくると思うのに、わざわざそういうものを外して研究を進めていくという、その必然性というか、そういうのは分からないですよね。

○谷委員長代理 

先ほど2点お話がありまして、1つは、今、今村先生がおっしゃっていたところです。「遺伝子治療」という名前がここで使われているというのは、アメリカの遺伝子治療のガイドラインをそのまま使ったもので、治療になっているかどうかというのは、我々としては、「遺伝子医療」というふうに考えていくべきだと思います。「遺伝子治療」としているものですから、やはり「治療」という概念が先に立って、先ほどからおっしゃっているような誤解を生じ得ることは1つ問題になっていると思います。

 もう1つは、この「3つの要件をすべて適合するものに限られる」ということに関しては、飽くまでも臨床研究の第I相を対象に、歴史的に形成されております。したがいまして、今問題になっているのは、安全性が確認されて、第II相、第III相を今世界中で行われておりますし、日本でもそういうステージには入ってきております。その場合、果たしてこの3つを満たす必要があるのかどうかに関しては、やはり慎重に議論しないと。例えばがんの患者さんに対しても、これ以上ほかに治療法がない、今では分子標的薬がどんどん入ってくるような状態で、がんの患者さんは疲弊された状態で来られます。そうなったときに、こういった新しい医療を第I相試験のままで行っていいのかどうか。その場合に、薬剤の正確な機能や効果の判定ができるのかどうかについては、非常に疑問が残るところだと思います。したがって、そういった現状を踏まえて、この3つの要件の制限については外す方向を考えてもいい時期ではないかと考えるわけです。

○山口委員長 

ありがとうございます。先ほど伊藤先生が御提案になったことは、どこまで対象疾患を考えていくのか、今後、指針を実際に変えていくときに、また議論し直していったほうがいいかと思います。すみません。時間の関係で次の3番に移ります。3番はiPS細胞についてです。先日ヒト幹細胞の審査で、大臣から臨床研究が承認されたことでニュースになっているので御存じのことかと思います。iPS細胞を用いた臨床研究の取り扱いについて、まだ現行の規定の中では少し不十分な記載になっている点について、この辺について、もし御意見があればお願いします。実際には先日ヒト幹細胞のところで、遺伝子治療の専門家が加わって審査を行っているので、体制としては出来上がっているのだろうと思うのですが、これを改正のときにどう書き込んでいくか。その辺について御意見を頂ければと思います。

○小野寺委員 

iPS に関しては非常にヒト幹細胞指針との兼ね合いがありまして、あのとき多分問題となったのは、現状の定義から考えたときに、遺伝子又は遺伝子を導入した細胞を人の体内に治療のために使用するということで、当時、山中先生が出されたときはレトロウイルスを使っていたので、遺伝子が入った細胞をiPSとして使うということで、遺伝子治療になるだろうということになりました。

 ただ、その後に種々のベクターの改変がありまして、最近ではプラスミドやタンパクやRNAによって、それは合成したRNADNAの取扱いにも関わってくるのですが、そのような形で遺伝子が入った細胞なのか、遺伝子を使って遺伝子が改変された細胞なのかというところが、多分、iPSの一番の問題点となります。今までの定義では、遺伝子が入っているiPSは遺伝子治療の対象です。しかし、もし遺伝子が抜けてしまったiPSは、遺伝子治療の対象とはならない。その辺の整合性をどう取るかというのが、多分問題点だったと思います。

○中畑委員 

京都大学の中畑です。見方によって両方の指針に関わるわけですが、ダブルスタンダードでそれぞれの委員会が別の結論を出すということは、絶対に国の方向としてあってはならないことですので、そこはどちらを中心にした治療かということで判断されるべきであると思います。

iPSの場合は、確かにiPSを作製するときにはいろいろな方法で遺伝子を導入するわけですが、iPS細胞そのものを治療に使うということで、むしろ、遺伝子治療の専門家にヒト幹細胞の委員会に加わっていただいて、そこで議論をするという形のほうが、今後もふさわしいのではないかと思います。

iPS細胞と遺伝子治療との関係を考えますと、普通の遺伝子治療は導入した遺伝子、あるいはその細胞がいつまでもずっと体の中で機能していることが、その治療の一番大きな目的です。それはがんであろうが、ほかの代謝異常であろうが、そういうことになるわけです。iPS細胞の場合は導入した遺伝子がいつまでも発現している、機能を果たしていると、それはiPS細胞にはならないのです。iPS細胞として出来ても、それは分化しないので全く使いようもないし、iPS細胞という名前を付けることすらできないわけです。iPS細胞の場合は、導入した遺伝子が一過性に発現するが、iPSになった後は、その遺伝子がシャットダウンされて消えてしまう、あるいはその機能がなくなってくると。そこでもともとの遺伝子治療を目指している方向と、iPS細胞を使って医療を行う場合の導入した遺伝子に対する考え方というのは全然違うことになりますので、同一の遺伝子治療の中で扱うというのは私は難しいのではないかと思います。やはり、治療の主体が幹細胞から分化させた細胞を使う医療ということで、そちらのほうに遺伝子治療の専門の方が加わって、遺伝子治療の立場から見て、問題点がないかどうかということを審査するという形が私は一番いいのではないかと思います。

○山口委員長 

ありがとうございます。

○梅澤委員 

ヒト幹指針には倫理指針があるものの、実際の審査委員会におきましては、有効性と安全性の考慮を行っている。それで実際に審査が行われているという理解です。

 現実的にiPS細胞が、遺伝子を使用して作製している現状においては、両指針が適用になりますので、両審査委員会で云々ということですが、私も先ほどの中畑委員と全く同じ意見です。

 やはり、現実的に煩雑というのがありますし、異なる意見があり得る場合もあり得ますので、それが実際に申請者側に現実的ではない判断になってしまいますので、現在、当面の対応として、ヒト幹細胞指針の審査委員会で御審査いただいているというのは、私自身、妥当、合理的だと考えております。

 一方、今現在、科学的にはかなり証明されていますが、将来的にiPS細胞が遺伝子を用いない場合においては、ヒト幹細胞の審査委員会のみで十二分と考えております。以上です。

○山口委員長 

ありがとうございます。

○中畑委員 

1 つ追加します。今、iPS細胞を用いた今後の医療として考えられているのは、例えば遺伝性の疾患では、iPS細胞を作って、そのiPS細胞の遺伝子を修復して、それを分化させて治療に用いる。その場合にはiPS細胞そのものに、遺伝子治療で考えているのと同じように、その遺伝子がずっと働くような状況にして治療に用いるわけです。その場合には、むしろ遺伝子治療の審査会のほうが主体になって行うという棲み分けをすべきではないかと思います。

○山口委員長 

ありがとうございます。2つの審査会で審査をする御意見の方はなかなかいらっしゃらないだろうと思います。恐らく、もう1つの審査会できちんとした議論し、審査ができる方向であれば問題はないだろうと。ただ、遺伝子治療としての見る目が必要な所は、そういう意見をちゃんと盛り込んだ形での審査ができればいいだろうということかと思います。全体として、ほかの先生方から御意見等がありましたら。よろしいですか。

 次の4番の議題は「多施設共同研究」ということで、これはヒト幹のほうではすでに多施設共同研究についての記載についての見直しは行われております。遺伝子治療臨床研究でも、実際には多施設共同研究は行われているのですが、指針にその記載がきちんとされていないという面があると思います。もしその辺について何かあればお願いします。

○小野寺委員 

この辺の背景について御説明させていただきます。1番は、現時点でも複数の大学が同一の遺伝子治療を行うという場合があります。ただ、その際に責任者がはっきりしなかったという点があります。次が一番の問題点ですが、先来の再生医療に関連して、遺伝子を導入する、あるいは細胞を調製する所がある程度しっかりした所で行わなければならないと考えたときに、なかなか1医療施設では行えないと。そこで企業やある程度しっかりしたCPCを持った所で細胞を調製しなければならないとなったときに、治療を行わない機関、例えば臨床用のウイルスベクターを作る所とか、あるいは細胞を調製する所が、医療機関と別の所で発生してくる形があると。

 こういう機関、つまり製造、細胞調製、医療機関という3つが合同した形で、共同研究ということが今後行われていくときの責任体制などがはっきりしていないので、この辺は再生医療のほうでははっきりしてきて、そういうものを遺伝子治療側にも取り込んでいかなければならないという点が多分、論点だったと思います。

○山口委員長 

ありがとうございます。この点について、ほかにございますか。

○中畑委員 

幹細胞の指針のほうでは、患者さんに投与する細胞について、いかに安全な細胞を作るかということにもかなり重点を置かれていますので、その場合に細胞を調製する施設の要件、こういった非常に無菌的な、きっちりした所で細胞処理をしなければいけないとか、それを扱う人の教育を十分しなければいけないとか、あるいはそこで扱う用具とか器具といったものの定義とか、操作する過程というのは必ずSOP(標準業務手順書)を作って、それに従って誰がやっても同じ製品ができるような形にするとか、それはきっちり記録に残されていなければならないとか、その辺はかなりきっちりした形で作られているわけです。

 遺伝子治療についても、ベクターを作る過程とか、当然同じ要件が要求されると思うのですが、その辺については、私は勉強していないのですが、遺伝子治療の今までの指針ではどう扱っているのか。もし欠けているとすると、それは補充したほうがいいと思います。

○谷委員長代理 

今の中畑先生の御質問に関しては、明確なものが今までなかったと思います。幹細胞指針等で記載があるような形でやらなくては、いわゆる体外法、ex vivo遺伝子治療というのは安全性を確認して、しっかりした工程、できればGMPに沿った内容で細胞製剤を作っていかないといけないと思います。

 その後、実際に輸送方法さえ考えれば、すぐ病院に配ることは可能ですので、やはり、製剤としてしっかりしたものを何箇所かで作れるような施設が、今、だんだん出来つつあります。余り自分の所で作って自分の所で投与するという考え方は完全に捨てるべきだと思いますし、やはりセンター化して、これはやっていける内容だと思います。それが一番患者さんにとって正しい方向だと思います。

○中山研究企画官 

今の話の所ですが、基本的に複数の医療機関で合同でやるという場合は共同研究という形を取りますが、例えばベクターを作製するとか、いろいろなものを外部の機関で委託させるという場合は、共同研究という概念ではなくて、それを委託させるという話になるわけです。その場合、そういうことを行う行為が、今度は医薬品とか医療機器作るということと区別できるのかどうかという話になってきて、それは再生医療のほうでもそういう問題があって、いろいろな法的措置が取られたわけです。そういった法律上の整理というか、他方、そういったことが必要になる問題ではあるということは御留意いただきたいということです。

○山口委員長 

ありがとうございます。院内調剤という形では済まない話になってくると思います。これについては、そういう方向になったときに、指針で書くだけで済むのかという話なのか。

○中山研究企画官 

そういう法律上の整理というか、そういう話も必要になる案件であるということは御留意いただきたいと思います。

○山口委員長 

施設要件について、ほかにありますか。今、事務局から御説明がありましたように、そういう点も考慮した上で指針の改定の中で議論をしていく必要があるかと思います。

 次は審査体制についてです。これについては、何回かの改正が行われて、平成16年に改正が行われて、新規性がないものは30日以内に大臣回答をするということですぐに返せるようになったので、ファースト・イン・ヒューマンのものをできるだけ審査するという状況になってくると思います。この辺について、もし御意見、あるいは議論の経過等について御質問を頂ければと思います。

○那須委員 

審査体制における新規性の問題ということで、当初遺伝子治療ができた頃は、安全性とか効果に関する情報の蓄積がなかったということで、最近になってきますと、同一の疾患で、同じベクターで中の治療遺伝子が違うとか、いろいろな経験の組合せができてきたので、それをまた最初から同じ議論をすることの合理性とか、そういったことがかなり審議されました。そういったことで、新規性というものを、かなり幅広く考えてもいいのではないかという意見が出ておりました。

○山口委員長 

新規性の問題と審査体制との関係を御説明いただきました。

○小野寺委員 

その点が本当にまず1点です。いかに現在行われている遺伝子治療に関して迅速に進めるかという点と、2番目の所なのですが、今は2段階審査になっておりましてまして、遺伝子治療は、まず病院内のIRBにかかった後に、最終的に厚生労働省の厚生科学審議会にかけられて通るとなっています。

 かなり複雑なベクターになると、大学内でそのベクターの安全性を評価するのはかなり難しいという点があるので、そういうことに関しては上の委員会でかけようという点がありました。

 それから、逆に倫理性の問題に関して、例えば簡単なプロトコールの変更とか対象疾患に関しては、倫理性に関しては、果たして厚生労働省、国の委員会にかかる必要があるのかという点があります。委員会の論議する点をもう少し明確にしたほうが、研究者にとっては研究を進めやすいのではないかということで、つまり、専門性の問題と倫理性の問題を、院内のIRBと国の審査委員会で分けてはどうかという点が出たと思います。

○山口委員長 

今の御示唆にありましたように、2段階審査になっていることで、もう少し役割を分担したほうが、合理的な審査ができるのではないかという御意見でした。ほかに御意見はございますでしょうか。

 次の課題に移ります。次の課題は、実施施設から、厚生労働大臣への各種報告です。これは、例えば重篤な副作用報告も含め、あるいは最終的には臨床研究の報告等の提出の期限と、どのように提出するかがまだきちんと決められていないではないかという議論だと思いますが、御意見等はございますか。

 事務局にお尋ねしたいのですが、重篤な報告は、その場ごとに出てくるわけですが、それ以外の報告というのは、出てくる場合と、何年か前のものが出てきていないようなケースがあるかと思うのです。その状況について、御説明いただけますか。

○松倉バイオテクノロジー専門官 

まず、重大事態報告については、先ほど委員長がおっしゃられましたように、有害事象が発生した場合に、その都度報告が出されます。報告期限については、指針上の定めはないのですが、実施計画書の中で、例えば第1報については3日以内、詳細報告については審査委員会で判断した上で30日以内など、それぞれの研究の実施計画書の中に具体的な記載が盛り込まれていますし、また、その辺が具体的でない場合は、国の審査の過程で具体的に記載していただいているという状況があります。

 終了報告については、研究が終了した段階で出していただいています。これは総括報告書など、どういう研究成果が得られたかということも含めて報告を出していただいています。

 一方、研究経過、途中経過の報告については、特段何かなければ全く報告をしてこないケースもあります。これは、特に指針上も求めていませんので、国側から要望を出したりしなければ、恐らく出てこないという状況が多いです。

○山口委員長 

次に、遺伝子治療臨床研究の審査というのは、審査の中身がかなりきちんと公開されている、これはRACの審査と同じような形にされていると思うのですが、総括報告書の公開ではないのでしたか。

○松倉バイオテクノロジー専門官 

総括報告書は、最近終了したという事例が余りないのですが、恐らく審査委員会の先生方には見ていただいた上で、科学技術部会に御報告し、資料としても公開されているかと思います。

○梅澤委員 

今、委員長から少しコメントがあって、RACについての審査ということで、前回の委員会の時に、島田委員よりRACFDAの関係について、遺伝子治療でどのような役割分担があるか。RACでは、どちらかというと治療プロトコール、GCPに近いところをやっていて、FDAでは品質、製造施設等のことをやっていると。

 先ほど小野寺委員がおっしゃったように、2重審査のときに施設内倫理審査委員会では、私の理解では、倫理的なところや治療プロトコールのほうを中心的に行っていて、国の審査委員会では品質や施設その他、ベクターのかなり高度な難しいところを審査していると理解していたのですが、その理解でよろしいのでしょうか。

○小野寺委員 

基本的には、先生のおっしゃられたとおりでいいと思うのですが、そこが明言化されていなかったので、例えば簡単なことを言いますと、研究者の変更によっても、現在上のほうに上がってきたり、ちょっとしたことに関しての変更も、全て変更手続を取っているという状況ですので、そういうことに関しては、院内のIRBで終了できるのではないかという意見でした。

○山口委員長 

FDA に聞いたときには、FDAは、倫理性は見ないとおっしゃっていました。もちろん、インフォームド・コンセントは見るのですが、倫理性についてはIRBの仕事と、FDAは区別しているようでした。

○那須委員 

そのときに、主に施設内のIRBで倫理的なことを審査しているということはありますが、決して、その国の委員会で全く見ないということではなくて、国の作業部会委員会では、IRBでの倫理審査の議事録を読んで確認はするということと、もう1つは委員会の上に厚生科学審議会の科学技術部会がありますので、そこに報告したときには、ある程度倫理的なことも併せて討論されると理解しています。

○山口委員長 

では、実施施設からの報告について、どのような形で持っていくかというときには、もう一度議論をし直さないといけないというところかと思いますが、時間の関係もありますし、報告は次の情報の公開と密接したこともありますので、7番の「情報の公開」についての議論に移ります。

 先ほど、少し事務局から御説明いただきましたように、臨床研究はUMINなどに登録することが行われています。それから、世界では、ジーン・セラピーに関する臨床プロトコールの登録が行われていまして、NIHWileyの両方の登録が行われていまして、全てボランタリーの登録ですので、義務では行いません。ただ、こういう点について、どういう形で登録あるいは情報公開、経過の報告等も含めて、御議論いただければと思います。

○谷委員長代理 

公開を原則とすべきだと思いますし、実際にこういう情報というのは、世界中で希少な報告になっておりますし、ある程度電子データで入力していく必要があると思います。また、各担当者も、そういったことを実際に学会等ではやっておられますので、特に問題ないと思います。

○小野寺委員 

基本的に、実施施設から厚生労働大臣への各種報告とか情報公開というのは、現在、臨床研究に関する倫理指針、ヒト幹の指針に全て明記されていますので、それに相応するものとして、こういう基準は遺伝子治療の指針の中に入れていくべきだと考えます。

○本田委員 

こういう研究に関しては国民の関心も高まっていますし、国の税金も入ることも多いです。先日も、がんの10か年戦略の研究の会議の際にも、「国民に分かるように」というようなことも強く言われましたので、そういうことも検討して、公開は必ずするようにしていただきたいです。できれば、国民に分かるような文言を使うということでお願いしたいと思っています。

○伊藤委員 

ほかの所でときどき耳にするのですが、情報公開といっても、何らかの特許や薬剤の開発などに関わるときに、全部を公表したくないという話を聞くこともあるのですが、それは、ここでいう情報の公開ということとの関係では、どのようになるのでしょうか。

○山口委員長 

その部分は事務局からお答えいただいて、遺伝子治療は厚生科学審議会のところで、特に臨床研究でくるものはかなりの情報が公開されていると思っているのです。かなり詳細なデータなどが公開されています。それはRACと同じような審査を初めから目指した点かと思うのです。

○松倉バイオテクノロジー専門官 

遺伝子治療臨床研究の現状としては、今、委員長がおっしゃられたとおり、公開の場である科学技術部会で、審査委員会の審査結果を報告しております。その過程で、実施計画書などの関係資料も付けて公開しております。

 実施計画書の中には、臨床研究に至るまでに、どういった研究を行い、どういった成果が得られたかが、かなり具体的で詳細に書かれていますので、その程度の公開はされております。

 ただ、一方で知的財産の問題もありますので、全部を公開できるわけではなく、実際には、申請者に対して、公開してよい範囲をその都度確認し、場合によってはマスキングした状態で資料は公開しております。

○山口委員長 

もう1つは、臨床研究を実施していった上で得られたデータをまた公開する場合にも、ある程度保護すべきものもあるのだろうと思いますが。

○伊藤委員 

気になるのは、微に入り細に入り公開されてしまうと、それを見ている限り、一定の技術や知識を持っているレベルの人は、即、それを模倣することが可能なのか、そのようなことは気にしないで公開が原則なのか、判断が分からないところがあるのです。

○谷委員長代理 

やはり新規技術ですので、公開できる部分と公開できない部分があります。今、大学等でも知財部門が充実してきております。ここまでは公開していい、ここからは公開しないほうがいいということは、ぎりぎりの所で線引きがなされ得る内容になってきていますので、もちろん患者にとって重要な副作用の報告といったものに関しては、必ずやるべきだと思いますが、基本技術に関して、これを出してしまったら、今おっしゃいましたような、他者がそれを模倣することは可能だ、というようなことに関しましては保護されるべき問題だと思います。

○伊藤委員 

ほかの所でも問題になると思っているのですが、先ほど本田委員が言ったように、研究にはかなり税金が投入されているわけです。それは単に研究費というだけではなく、様々なものが投入されているときに、そのことも含めて、どういう公開がいいのか、それはよく分からない部分があるので、余りたくさん知る必要はないのかもしれませんが、そこの辺りで、公開の義務みたいなものについてどう捉えるのかをお聞きしたいと思います。

○山口委員長 

最初に説明いただいた参考資料の1-1に、臨床研究から医薬品というか、企業が絡んだ開発にしていこうと思うと、知財が確保されていないと企業はそこに入っていただけないということもありますし、一方で、御懸念されているように、国から研究費をもらって行った研究で、国民のためになるべき、情報公開すべきものと。その辺の分け方を明確に、あるいはどのように分けて、公開すべきものをどのようにするかというところと聞いたのですが、それでよろしいですか。

○谷委員長代理 

その辺については、中畑先生が山中先生のiPSの研究で御経験があると思うのですが。

○中畑委員 

確かに、我々の研究所もたくさんの税金が投入されて研究をしているわけです。基本的な姿勢としては、知的財産としてあるものは、できるだけ知財を確保していくというものでして、知財を確保するということは、投入された税金を国民に、むしろ返す形になるのだと。知財を確保していないと、同じ発見であっても、ほかの国から知財を取られてしまったら、日本国民に将来的に付けが回されるという形になりますので、研究者自身はできるだけ知財を取っておくと。国民の税金が投入されていればされているほど、日本として知財を確保していくことが非常に大事だということです。

 以前の研究者は、自分の研究をやるという、そこで知的な成果を得て発表することに重点が置かれていたのですが、今はそれと同じぐらいに、知財を確保することが非常に重要になってきていますので、そういった姿勢でやっていきますので、この遺伝子治療の場合でも、そこに発生した知財がもしあるとすれば、それはできるだけ確保する。それはマスキングして、そこの情報は公開されないという形になっても仕方がないことで、むしろできるだけ知財を取っておくという姿勢が、全体として望ましいのではないかと思います。

○梅澤委員 

本田委員の御意見はとても大事で、何を公開するか、何を公開しないかといった問題で、社会に公開されるべきものは全て公開するという態度でないと、絶対に理解が得られないと思います。

 社会に公開されるべきとも思い難いものというのは、恐らく知財のかなり大事な細かい点、私も分からないけれども、重要というものはきっとあるだろうと思います。それについては公開する必要はないだろうと。恐らくそれを知りたいのは同業他社、又は外資の企業といったところになってくるでしょうから、その辺は明確に区別して、基本的な態度としては、原則、社会に公開すべきものは公開する。社会が知りたいものは全部公開が全てだと思っております。

○山口委員長 

知財の保護を図りつつ、社会に公開すべきものはきちんと公開していくという梅澤先生の御意見だと思います。恐らく御異論はないだろうと思います。情報の公開について、指針の中にどう書き込んでいくか、今の視点をどう書き込んでいくかを、今後議論をしていく必要があると思います。

 あと3つほど残っていますので、残り時間で議論させていただければと思います。8番目ですが、「記録の保存」に関して、現行の指針で記録の保存は5年となっています。ただ、有害事象が長期間たってから起こることもありますので、その辺も含めて、記録の保存についてどのような議論があったか、あるいは今後、遺伝子治療の記録の保存についてはどうあるべきかについて、御意見を頂ければと思います。

○小野寺委員 

背景を説明させていただきます。今、山口先生がお話になったように、当初は5年だったのですが、御存じだと思いますが、原発性免疫不全症で、レトロウイルスベクターを使った症例において白血病が起こったと。その発症が3年、5年と、しばらくたってから起こったということで、現在、ベクターによっては、例えばFDAでは15年間フォローアップしなさいと。特に、単にカルテ情報だけではなく、患者のフォローアップも確実にしていきなさいということを言っていますので、単純に記録のみならず、患者のフォローアップなり、有害事象の発症を長期にわたって調べていくと。

 ただ、それも先ほどからお話にありますように、ベクターによってかなり違いますのでその辺もある程度明確にしていかないと、単純にプラスミドを使うもので、長期間見る必要があるのかということはありますので、一定で10年、ベクターによっては更にそれ以上を見ていかなければならないということが議論の点であったと思います。

○山口委員長 

中畑先生、ヒト幹では10年にしたという経緯も含めて、御紹介いただければ有り難いと思います。

○中畑委員 

10 年にしたときの議論は、しっかりとは思い出せないのですが、改正のときにiPS細胞は議論に出ていませんでした。ただ、長期的なフォローアップが必要だということで、10年ということになったのではないかと思います。

 今、PMDAでも、iPS細胞を使った、これからの臨床の治験についての議論が始まっているのですが、そのときには、当然iPSをつくるときに導入する遺伝子で、短期的な導入した遺伝子の導入された部位によっては悪さをすることもある。特に、腫瘍を形成する関係の所に入ってしまうと、非常に大きな問題になりますので、短期的な導入した部位に伴う問題点と、もう1つは長期の問題があると思います。

 遺伝子を導入する場合には、必ずゲノムの不安定性が惹起されないかということがあります。それは短期的には出ないけれども、長期に見ていくと、ゲノムの不安定性を獲得すると非常に変異が集積しやすくなって、変異が重なると、最終的にはがんになってしまう、浮腫が起こるということです。長期的なゲノムの不安定性をきちんと見ることが必要ではないかということが、ちょうど議論になっているところです。だから、どこまで見るかということ、どういう角度から見るかということとも関係していますので、これから議論が必要ではないかと思います。

○山口委員長 

医薬品のほうですと、ウイルス等の後発性の発症というか、C型肝炎などの発症もあって、現状の基準では長期にわたる記録の保存というのは、そういうスタンスからだとは思ったのですが、ほかにございませんでしょうか。

○伊藤委員 

「保存の期間」というのは何年がいいのかよく分からないのですが、気を付けなくてはならないのは、決められた保存期限が過ぎてしまうと、記録がないということで全てのことが正当化されてしまうということが、往々にしてありますので、そういうこともできれば加味して御検討いただきたいと思います。

○山口委員長 

医療機関が全ての情報を永遠に持っているわけにもいかないのだろうと思いますので、その辺をどう整理するかという点があるように思います。

 次の9番は「個人情報の保護に関する措置」ということで、内容が個人情報保護法の一般的な解説となっている、その辺が議論になったのではないかと思いますが。

○小野寺委員 

御説明させていただきます。このときに法改正があって、それによって遺伝子治療の指針も改定されたというのが、その際の背景だったと思います。

 ただ、当然のことながら、重複する部分がかなり多いということで、この段階では、例えば疫学指針と臨床研究指針の新しい指針が出ますので、そちらを参照する形で、遺伝子治療臨床研究ももちろん臨床研究の1つですので、そこをベースとして、更にその上に遺伝子治療があるということで、個人情報等々に関しては、できればそちらを参照したほうがより簡素になるのではないかという議論だったと思います。

○許斐課長補佐 

先ほど9番、10番、疫学及び臨床研究の指針と共通事項ということでしたので、参考資料2に、現在見直し最中の議論の内容が載っておりますので、簡単に説明させていただきます。

 こちらは「第6回疫学臨床研究に関する倫理指針及び臨床研究に関する倫理指針に係る合同会議」の資料です。この会議において見直しを行っている検討項目は1枚目に記載されています。昨日、こちらの8番から11番について議論がされましたが、7番目までの内容については、本日、9番の個人情報の保護に関する措置に含めても、議論されている内容ですので、御説明させていただきます。

 これらの項目については、前回の委員会でも御説明しましたように、疫学・臨床研究に関する倫理指針に係る合同会議で十分に議論されてきていますので、こちらで同様の議論を再びするのではなく、その見直しの内容を本指針に反映させていただきたいと存じます。ただし、これらの共通事項について、本指針に固有の問題等があるようでしたら、それらについては今後御提示いただきたいと考えております。

4ページは、「疫学研究倫理指針と臨床研究倫理指針の統合について」です。現状では、疫学研究倫理指針と臨床研究の倫理指針の適用対象となる研究は非常に多様化してきておりまして、その目的・方法等には共通するものが多くなってきております。このため、現場ではどちらの指針を適用するか分かりにくいという意見や「この多様化する研究に対応できる指針構成にすべきとの意見がございました。

 そこで「見直しの方向性」としましては、この両者を統合した指針として、見直しが行われておりまして、統合した指針については、基本共通事項と、研究デザイン、研究フィールド等に応じた場合分けが必要な事項から構成することとしてはどうか、となっております。

6ページは、「統合した場合の指針の適用範囲について」です。現状では、両指針の適用範囲は、医学・公衆衛生学系の研究に適用となっています。しかしながら、心理学、社会学、教育学などの人文・社会学分野においても、医学・公衆衛生学系研究と同様の方法や内容のものがあることから、統合後における指針との関係を整理する必要があるのではという意見がございました。

 そこで「見直しの方向性」としては、人を対象とする医学・公衆衛生学を適用範囲として、それ以外の研究についても、本指針は参考になることを考慮した構成・内容とすることとなっております。

8ページは、「人を対象とする医学・公衆衛生学系研究を指針の適用範囲とした場合、適用・非適用の区別をどのようにしてより明確にするか」といった論点がありますが、これについては、適用・非適用の対象をできる限り指針の本則に示していくことになっています。

12ページは、「個人情報の取扱いについて」です。現状では、個人情報の保護に関する法律におきましては、学術研究機関が学術研究目的で個人情報を利用する場合は適用除外となっています。これは、個人情報の保護に関する法律第5章第50条の3に記載されております。一方で、「現行の指針では法律で適用除外とした内容とほぼ同等の規制となっていることについて、どう考えるか」といった論点があります。

 これについては、医療分野におけるデータの幅広な利活用と保護に関する法制度の検討が進められている一方で、個人情報保護に関しては、現行の各指針において個別に規定されているルールについては、新たな法律で規定される事項にはならない見込みということですので、現時点においては、引き続き指針においてルールを定めていく必要があるのではないかという意見が出ています。

 そこで「見直しの方向性」として、医療情報についての法制化の動きについて、随時状況を把握しつつ指針で取り扱うべき事項を見極めた上で、現行の指針の規定ぶりの整理、見直しを検討することとなっております。ただし、具体的な事項については、可能な限りメリハリをつけた規定ぶりを検討するとともに、「連結可能匿名化」などの関連する用語についての定義を再整理することとなっています。

14ページは、「インフォームド・コンセントについて」です。ここでの論点の1つ目は、新たに試料・情報を研究対象者から取得する際、どのような内容についてインフォームド・コンセントを受けるべきかというものが挙がっています。これに対して現行の指針では、インフォームド・コンセントの説明事項が細則に示されているけれども、できるだけ具体的に記載すべき、提供者に対する倫理的配慮を前提とした上で、試料・情報の二次利用等をしやすくできないかといった御意見がございます。

 「見直しの方向性」として、インフォームド・コンセントの説明項目については、現行指針の細則に記載された説明項目をベースに整理していく方向、また、二次利用等については、当該同意の際に提供者に最低限明示することが必要な説明事項を示したり、研究の特徴に応じて説明項目の内容や範囲を変えて示すことが可能かについて検討してはどうかとなっておりますが、昨日もこの二次利用等については、あらかじめどの程度具体的な内容について、インフォームド・コンセントを受けることとするかで議論されております。

17ページですが、2つ目の論点についてです。「統合後の指針におけるインフォームド・コンセントの取扱いについて、簡略化・免除の要件を含め、どのような観点に基づいて、類型化・整理していくのが適切か」とあります。これについては、「見直しの方向性」として、できるだけ簡潔に類型化し整理することでよいか。また、インフォームド・コンセントの簡略化や免除に当たって考慮すべきリスクや負担をどのように類型化して整理したらよいかということで、昨日ももう一度議論されております。

22ページの5-1では、「未成年者のアセントについて」が議論されています。統合後の指針では、インフォームド・アセントの定義を置くとともに、未成年者を対象とした研究では、できる限り本人のアセントを得ることを記載する方向となっております。

24ページの5-2は、「研究対象者の研究参加・不参加に対する意思表示が有効な(インフォームド・コンセントを与えることができる)年齢として、現行の指針では、16歳以上を基準としているが、見直しの必要はないか」というものがあります。

 「見直しの方向性」では、現行の規定を基本とするが、研究対象者が16歳未満であっても、研究参加という行為の性質(自分及び社会にどういう利益をもたらすか)について判断ができる能力があると認められるのであれば、代諾者とともに本人からも同意を受けることについて検討してはどうか。また、研究不参加の意思表示については、アセントとの関係から本人の意向が尊重できる年齢又は条件を検討することとしてはどうかとなっています。

28ページは、「倫理審査委員会の審査の質を担保する仕組みについて」です。これについては、現状の倫理審査委員会での審査の質について、現行の指針では、審査の判断基準や着眼点が示されていないことから、ばらつきが生じているとの意見がありました。また、例えば子供を対象とする研究といった特別な配慮が必要な場合は、その専門家、子供の場合ですと小児医療の専門家ですが、そういう者を加えるべきなどの意見があります。

 「見直しの方向性」では、倫理審査委員会の役割を整理した上で、判断基準・着眼点を分かりやすくするように審査すべき共通的な事項等について示すこととしてはどうか。委員の構成についても、研究の対象や内容等必要に応じ、有識者や専門家から意見を聞く機会を設けることについて検討してはどうかとなっています。また倫理審査委員会の教育、研修などについても、倫理審査委員会の設置者が、その機会を確保することを委員会の負荷を配慮しつつ規定してはどうかとなっています。 

30ページの6-2では、「倫理審査委員会の設置条件について見直す必要はないか」です。現行の指針では、設置できる機関の要件を示していないので、「見直しの方向性」として、倫理審査委員会を設置できる機関の具体的な要件を明示することを検討し、これを基に倫理審査委員会を設置することができる機関の範囲を示してはどうかということになっています。また、倫理審査委員会を1つに限定しなくてもよいことを明確化することにもなっております。

32ページは、「倫理審査委員会の審査について、迅速審査や付議不要の要件、外部の倫理審査委員会への付議が可能な要件についてより明確化する必要はないか」といった論点についてです。「見直しの方向性」では、迅速審査や付議不要、外部の倫理審査委員会への付議が可能な要件について、できる限り具体化し、統合された指針に規定するだけでなく、それらの運用についてのガイダンスを示してはどうかとなっています。

35ページは、「研究の質について」です。7-1は、「研究成果の科学的な信頼性の保証や社会からの信頼を確保するための新たな規定を設けるべきか」という論点が出ており、これについては昨日も再度議論されております。「見直しの方向性」として、現行の公開データベースの仕組みを活用し、研究責任者に研究計画の登録・公開を求めている研究について、研究の進捗状況を適宜更新することを求めてはどうか。また、研究機関の長に、当該研究機関で実施する研究の研究成果の信頼性を確保するため、適切に研究が実施されていることを自主的に確認することを求めてはどうかとなっています。

8番以降、これまでの内容の一部につき、昨日議論されておりますが、これらを含めまして、8月以降、中間取りまとめ案が作成される予定ですので、まとまり次第、またこちらで御報告させていただきます。

○山口委員長 

今、御説明いただきました疫学及び臨床研究に関する倫理指針に係る合同会議の資料について、膨大な内容で、すぐにフォローできないかもしれませんが、今後これをできる限り取り込む、あるいは必要な所を書き込むような形かと思いますが、昨日議論されたばかりの点についても含めて、910の書きぶりについて、御意見はございますか。

○伊藤委員 

一般的な治療と違って、本当に難しい治療を行う場合に、一般的なインフォームド・コンセントというようなことでの話だけでいいのかどうか疑問には思っているのですが、ここで質問なのですが、「インフォームド・コンセント」と言っている場合と、子供に関する「インフォームド・アセント」を使い分ける意味というのは、何を基準に「コンセント」と「アセント」を使い分けるのかがよく分かりません。

 それから、よその会議のことですから、余り口を出すのもおかしいのですが、対象年齢を15歳、16歳ということで果たしていいのか。我々の闘病の経験というか、その中で様々な主治医からの説明などでも、明確に記憶しているのは50歳ぐらいのときははっきりと、こういう治療とこういう治療があるのだけれども、どうするかと聞かれたのは、きちんと記憶にあります。そういうことから言えば、これは単純に年齢の話でもないと思うわけです。

 そういう意味で、単なる同意というのではなくて、本当に、子供であろうと、自分がなぜそういう治療を受けなければならないのか、あるいは受けたほうがいいのかということの納得が、すごく大事だと思うのです。これは現場の先生にお聞きしても、必ず小児科の先生はそうおっしゃっているのです。そこのところで、「未成年者に」という表現でいいのか、そして15歳、16歳という話でいいのか、「コンセント」なのか、「アセント」なのかということを少し議論をしていただければとお願いいたします。

○山口委員長 

これは成育の先生方が一番詳しい話だと思います。事務局で、昨日の議論を後でフォローしていただければと思います。

○小野寺委員 

おっしゃられるとおりでして、なぜ16歳なのかというのははっきりした定義がなくて、高校生とか、そういうレベルだと思うのですが、16歳以上でも、そこの大きな違いというのは文書による同意、これは成育だけなのか、不確実で申し訳ないのですが、成育においては、16歳以上は自署が要るというのが第1点です。15歳以下の場合は、もちろん取ることは構わないのですが、自署を取るか取らないかが違うという点です。そこがなぜ16歳かと言われると困るのですが、そこが1つです。

 「アセント」の概念については、同意書をより分かりやすく書いたということです。ですから、おっしゃるとおり、小学生とか幼稚園、もちろん、その際には、そこにある同意書をいかに易しい文章に書き換えて、本人に分かりやすく説明したのが「アセント文書」ということになっていますので、「アセント」というのは同意書をより分かりやすくした文書、そして本人に理解していただくという概念です。

○山口委員長 

明確な年齢の階層制というのは出ないのだけれども、できるだけ分かりやすくするために、アセントという仕組みというか、それを作って、分かりやすく階層制をもって説明しているということです。

○小野寺委員 

なぜ16歳なのかと言われると、成育の1つの定義上だと思います。それをもって、これ以上は確実に取らなければならない、16歳以上は義務なのです。16歳未満は取ってもいいですけれども、もちろん取れない場合もあるので、極力取ろうと。

 それから、もう1点が、16歳以下であれば、その子供たち用に、別に、より易しい文書で、説明文書を作らなければならないということで、逆に子供たちに向けた方法として、「アセント」と考えていただければと思います。

○伊藤委員 

今、ここでどうこうというよりも、これから大事になると思います。本当に当事者と一緒になって治療を行うという点で言えば、先生方も努力をしておられるのはよく聞いているのですが、16歳からということは、本当に意味があるのかないのかという問題も含めまして、考えなければいけないと思います。

 それと、アセントというのが、患者にとって分かりやすく書いてあるとすれば、コンセントのほうがよほど分かりにくいことなのか。大人のほうもそうしたらいいのではないか、我々はむしろ分かりやすくしてほしいと思っていますから。そこのところで、今まで単純に、何か説明をして同意を得ればいい、署名が必要だといっていたことで、病院に入っていると、うんざりするほど、山ほどサインをさせられるのです。果たしてそういうことが本当に同意したと言うのか。同意というのは、無理やり同意される場合がありますから、納得したのかしないのかというところに焦点を合わせたものに、これからはしていっていただきたいと思います。年齢のことも含めて、できれば、もう少し別な角度からも御議論いただいたら有り難いと思います。

○山口委員長 

遺伝子治療に特別という話であれば、遺伝子治療というのはより分かりにくいというか、科学技術の最先端のところで、逆に言えば、理解をしていただくということが重要なポイントなのだろうとは思っています。それ以外にアセントの問題もありますし、ほかの人権保護、個人情報の観点からも、御意見を頂ければ。

○伊藤委員 

今、ここの疫学及び臨床研究指針と同調することは、極めて重要な点ですので、これを今回の遺伝子治療で行うという点だと思います。

 今、山口先生がおっしゃるように、遺伝子治療というのは、遺伝子の入った細胞を入れるということで、小さな子にとっては、将来的な発達、発育に関して、成人とは違い、問題が起こることがありますので、そこはアセント、親に対する代諾の問題ですとか、親に対してはインフォームド・コンセントなのですが、子供に対するアセント、これはここからは外れるかもしれませんが、小児に対してどのような安全性基準を考えていくかということで、小児枠ということで考えていく必要があるのではないかと思います。

○今村委員 

臨床研究と疫学研究の場合のインフォームド・コンセントの場合には、研究の性質上、どうしても包括同意の問題が出てきて、研究を進める上で、そういうものも不可欠なのではないかという部分もあると思いますが、遺伝子治療に関わる部分については、基本的には包括同意はないということで、非常に個人の遺伝子情報は厳密に扱っていただかないと困るということで、疫学や臨床研究によるものよりも、ここではインフォームド・コンセントはかなり厳格なものが求められるのではないかと思っています。

○山口委員長 

遺伝情報の話と人権保護の話が入っていたかと思います。

○辰井委員 

今村先生がおっしゃったような点は、私も懸念を持ちました。今回の疫学指針及び臨床研究の改定の話というのは、臨床研究指針が対象としている研究の範囲が極めて広いので、主に試料や情報だけを使う研究はたくさんあるので、それに適応した改定をしたいという内容が、かなり含まれているように思えます。

 そういたしますと、こちらの遺伝子治療臨床研究のほうは、臨床研究指針の中でも、かなり医療寄り、治療寄りというか、ハードなほうに属しておりますので、そちらの議論につられて、うっかり緩めるようなことがないように気をつけておく必要があるかなと思いました。

○山口委員長 

ドライな研究と、人に介入する研究ということかと思います。ほかによろしいでしょうか。個人情報保護、人権保護に関する議論については、疫学・臨床研究の指針等の改正も含めて、横にらみで進めていく必要があります。向こうが検討継続中ですので、逐次、事務局から情報を頂き今後の議論に反映していきたいと思っています。全体を通してコメントあるいは議論し残した点がありましたらお願いします。

 ございませんでしたら、本日の議論はこの程度にさせていただければと思います。最後に事務局から何かございますか。

○中山研究企画官 

本日の議事録については、作成次第、先生方に御確認をお願いして、その後公開とさせていただきたいと思っております。よろしくお願いします。

 次回は830()を考えております。改めて御連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

○山口委員長 

本日はお忙しい中、本委員会に御参集いただきましてありがとうございました。これで第2回遺伝子治療臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会を閉会いたします。御苦労さまでした。


(了)
<問い合わせ先>

 厚生労働省大臣官房厚生科学課
 担当:情報企画係(内線3808)
 電話:(代表)03-5253-1111
     (直通)03-3595-2171

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