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2013年8月9日 第2回精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成25年8月9日(金)9:30〜12:00


○場所

都道府県会館 4階402号室
(東京都千代田区平河町2−6−3)


○出席者

伊澤構成員、伊藤構成員、伊豫構成員、岩上構成員、柏木構成員
長谷川利夫氏(香山構成員代理)、河崎構成員、吉川構成員、倉橋構成員、佐藤構成員
澤田構成員、田川構成員、益子茂氏(田邉構成員代理)、近森構成員、千葉構成員
村中峯子氏(中板構成員代理)、籠本孝雄氏(中島構成員代理)、野沢構成員、樋口構成員、平田構成員
広田構成員、三上構成員

○議題

1 構成員からのヒアリング
2 意見交換

○議事

○北島精神・障害保健課長
 皆様、おはようございます。それでは、座って進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、定刻となりましたので、只今より「第2回精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 本検討会は公開のため、検討会での審議内容は、厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定ですので、あらかじめ御了承くださいますようお願いいたします。
 次に、本日は、構成員の代理として4名の方々に御出席いただいておりますので、御紹介申し上げます。
 香山構成員代理、一般社団法人日本作業療法士協会、長谷川利夫さんでございます。
 田邉構成員代理、全国精神保健福祉センター長会副会長、益子茂さんでございます。
 中板構成員代理、公益社団法人日本看護協会健康政策部部長、村中峯子さんでございます。
 中島構成員代理、公益社団法人全国自治体病院協議会精神科特別部会部会長、籠本孝雄さんでございます。
 また、長野構成員、山本構成員、良田構成員から御欠席との御連絡をいただいております。それでは、ここからの議事は座長にお願い申し上げます。

○樋口座長
 座長の樋口でございます。おはようございます。
 本日は、まず事務局から用意されました資料を御説明いただいた後に、おいでいただいた5名の有識者の皆様から御意見をいただいて、意見交換をお願いするという予定になってございます。
 まず、前回、検討会の対象であるとか、あるいは進め方について、各構成員から御質問があったことなどを踏まえまして、指針の内容を検討するに当たっての想定される論点、あるいは今後のスケジュールについて、資料1及び2として事務局で作成をしてもらいました。まずは事務局から資料の確認と説明をお願いいたします。

○江副課長補佐
 それでは、お手元の資料をまず御確認ください。資料1としまして「想定される論点(案)」、資料2としまして「指針の検討に係る今後のスケジュール(案)」という2枚の紙を御用意しております。まず、この2枚について御説明させていただきます。
 資料1の「想定される論点(案)」を御覧ください。こちらの構成は、第一から第四までにつきましては、改正精神保健福祉法の条文にございます大臣の指針の事項に沿って構成しておりまして、それぞれにつきまして、事務局の方で、これまでの検討会の御議論ですとか、いただいた御意見を踏まえて、想定される論点というものを整理させていただいております。
 第一が「精神病床の機能分化に関する事項」ということで、想定されます論点としましては、急性期の患者に対して医療を提供するための機能、入院期間1年未満の患者に対して医療を提供するための機能、重度かつ慢性の患者に対して医療を提供するための機能、重度かつ慢性の患者を除く入院期間が1年を超える患者に対する医療を提供するための機能、入院医療から地域生活への移行のための機能といった論点を想定しております。
 第二としまして「精神障害者の居宅等における保健医療サービス及び福祉サービスの提供に関する事項」としまして、精神障害者の居宅における医療サービスの在り方、通院患者に対する医療の在り方、精神科救急医療体制の整備、一般医療機関との連携、保健サービスの提供、福祉サービスの提供といった論点を考えております。
 第三につきましては、「精神障害者に対する医療の提供にあたっての医師、看護師その他の医療従事者と精神保健福祉士その他の精神障害者の保健福祉に関する専門的知識を有する者との連携に関する事項」、多職種連携、チーム医療といった事項ですけれども、これにつきましては、第一と第二と重なる部分もございますけれども、まず1点目として、入院患者に対する医療における多職種連携の在り方、2点目として、地域で生活する患者に対する医療等における多職種連携の在り方、人材の養成といったことを考えております。
 第四の事項ですけれども、「その他良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供の確保に関する重要事項」ということで、関係行政機関の役割、多様な精神疾患・患者像への医療の提供、精神医療の標準化、精神疾患に関する知識の普及啓発、精神医療に関する研究の推進といった論点を考えております。
 もちろん、これにつきまして、いろいろと御議論もあろうかと思いますが、続きまして、資料2を御説明させていただきます。資料2を御覧ください。「指針の検討に係る今後のスケジュール(案)」ということで、前回も大まかな今後のスケジュールについて御説明させていただいたところですけれども、改めて整理をさせていただきました。
 第1回が、先ごろ行われましたように、早速ヒアリングを開始させていただいたところですけれども、第2回が本日ということで、ヒアリングの続きをさせていただいて、今、説明させていただいた「想定される論点」についても含めまして議論いただくことを考えております。
 第3回としましてヒアリングの続きをお願いしまして、議論された論点整理に関する資料をできれば提出させていただいて、それについても御議論いただいて、それらの御議論を踏まえて、第4回、9月19日には指針案の叩き台をお示しして御議論いただければと考えておりまして、第5回、9月30日には、その指針案の中間まとめを取りまとめさせていただきたいと考えております。
 第6回以降、残された論点について御議論いただきまして、第7回、11月には、この指針案の議論をしていただいて、12月の中旬には指針案を最終的に取りまとめるということで進めていければと考えております。
 事務局からの説明としては以上になります。

○樋口座長
 ありがとうございました。
 それでは、今の事務局でまとめていただいた論点に関しても御意見があろうかと思いますけれども、それについては後半の討論の御質疑の中でお願いすることにいたしまして、とりあえず、本日は、早速、5名の構成員からの御意見をいただいてまいりたいと思います。お一方の発言の持ち時間としてのおよその目安でございますが、10分ぐらいとなっておりまして、円滑にこの会議を進めることに御協力をよろしくお願いしたいと思います。そして、5名の皆様からお話しいただいた後に、構成員を含めた質疑応答、意見交換ということでまとめた時間をとりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 では、早速ですが、まず、平田豊明構成員から「わが国における精神科救急・急性期医療の現状と課題」について御説明をいただきたいと思います。平田構成員、よろしくお願いします。

○平田構成員
 おはようございます。平田でございます。
 私、今日は資料を用意させていただきました。表紙に書いてありますとおり、千葉県精神科医療センターの院長でありますけれども、精神科救急学会の代表ということと、それから、自治体病院協議会の常務理事もやっておりますので、そういった立場を反映しての参加であると御承知おきください。
 前回もちょっとお話ししましたけれども、精神科病床の機能分化、病棟の機能分化というテーマは、我が国の精神科の医療の中でも入院医療の部分に焦点を当てた議論ですけれども、日本の精神科の病院が世界の趨勢に比べて、まだまだ、かなり遅れをとっている。脱入院化という面で遅れをとっているわけでありますけれども、いろいろな機能をごたごたに背負わされているという状況があるわけで、こういったものに対する異議申立てが「機能分化」という言葉なのだということをまず御理解いただいた上でお話をさせていただきたいと思います。
 精神の病院は今、医療的な機能の他に、福祉的な機能であるとか、いろいろなものを背負っているわけでありますけれども、機能分化を語る場合に一番ポイントになるのは、治療的な機能です。治療施設としての精神科の病院というのはどうあるべきだろうかということのモデルをお示しするために、今日はお話をします。お手元の資料に沿って御説明していきます。
 1ページの下は、精神科救急医療、急性期医療を含みますけれども、この任務ということであります。3つほどまとめました。精神科救急の仕事の第1は、まず、迅速な危機介入です。これによって、不幸な事象、自殺や事件、こういったものを未然に防止することである。これが大事な肝です。
 それから、もう一つは、迅速な危機介入は何のためにやるかというと、地域で生活する精神科の利用者の在宅ケアを支援することです。早目に火を消せば大事にならずに済むという考え方です。迅速性ということが大事な仕事。
 2つ目は、重症患者に手厚い医療を提供して、慢性化と長期在院を防止することです。現在、日本の精神科の病院の入院患者の半分以上が慢性患者である。1年を超える人が3分の2という現状があるわけでありますけれども、初めから患者が慢性だったはずはありませんで、最初は必ず急性症状で始まるわけです。それが見逃された場合もありますけれども。急性期にきちんと手当てをすれば、慢性化、長期在院化を防げるという仮説のもとで我々は仕事をしております。
 次に、2ページに移りまして、1995年から、我が国では精神科救急医療体制整備事業というものが国と都道府県との運営費用の折半事業として開始されました。現在、既に全国に普及しているわけでありますけれども、その状況を簡単に御説明します。
 御覧のように、近年、この事業の利用者数そのものはそんなに変わっておりません。4万件程度です。そのうちの約4割が入院ということになっております。
 けれども、2ページの下の図にありますように、地域差が非常に激しいです。利用件数からいきますと、必ずしも都市部が多いわけではありません。岩手県などがかなり利用率が高いです。ただ、入院の件数を見ますと、東京、大阪が飛び抜けているように、やはり大都市部に集中しております。
 3ページの上の図は、人口との勘案をした図であります。横軸は人口万対に対する受診件数、縦軸が入院率です。これをとりますと、きれいな負の相関、双曲線に近い近似曲線が引けるような分布になります。
 右下は、地方が中心でトリアージが弱い。軽症な患者もこれを利用する。逆に言えば、救急の事業を利用せざるを得ないのです。他の医療機関が少ないために、こういう状況があります。
 左の上の方は都市部が固まっておりまして、この地域の救急事業というのは、重症患者にトリアージが絞られてしまう。ですから、軽症の患者に対しては非常に敷居が高いという特徴を持っています。ただし、縦軸掛ける横軸の積をとりますとほぼ一定なのです。人口万対年間1から2件というレンジにほぼおさまる。こういう法則性があることがこの図でわかります。
 その下の図は、日本の精神科救急・急性期医療の牽引役と言っていいと思いますけれども、精神科救急入院料病棟です。俗称スーパー救急病棟ということになるわけですけれども、この認可施設の推移を見ました。2002年に初めて認可されて、この年、1号店が私どもの千葉県の精神科医療センターだったわけですけれども、その後、徐々に増えまして、2008年からは合併症型、総合病院でも認可が受けられるようになるというふうに順調に増えて、現在、2013年6月末で115カ所です。こういうふうに増えております。
 次の4ページの上にその分布が載っております。都道府県によってかなり偏りがあります。全国の精神科救急医療圏140圏ほどありますけれども、ここに1カ所ぐらいずつ分布するのが一番バランスがよいのでありますけれども、残念ながら、そうはいっておりません。まだ1つも救急施設が認可されていない県は、御覧のように、青森、岩手、新潟、和歌山、香川、鳥取、島根、大分というふうに、まだ残っております。急性期治療病棟というものを含めますと、全国に普及しているのですけれども、救急病棟もまだ偏りがあります。
 4ページの下の方は、分布はしているのだけれども、ベッドのシェアからいきますと、御覧のように救急病棟のシェアは全病床の2%弱に過ぎないのです。これは2年前の精神保健福祉医療ですから、ちょっと古いですけれども、急性と救急と両方合わせた急性型の包括病棟、両方合わせても6.5%のシェアしかありません。ただし、この6.5%で年間の全入院件数の3分の1をカバーしているということで、回転率で病床の少なさを補っているのです。
 回転率が上がれば平均在院日数が短くなるわけでして、次の5ページの上の図にお示ししましたように、我が国の平均在院日数はどんどん低下しております。かつては500日台というのが定説だったのですけれども、95年あたりから、薬がよくなったせいもありますけれども、救急事業が開始された後、ずっと低下しております。特に救急入院料の新設、あるいは増額の年以降、減り方が大きくなっている。急峻になっていることがおわかりだと思うのです。やはり政策がこういう数字に反映していることを如実に語っているわけです。
 続きまして、このスーパー救急病棟のモデルになりました当センターの診療概況について、4枚ほどスライドを用意しました。
 5ページの下に当センターの図があります。これは冬の明け方ですかね、救急車がとまっているところです。50床しか病床はありませんけれども、御覧のとおり、非常に手厚いスタッフが配置されております。28年前に開設したときには、当時の標準からすれば、ど外れたといいますか、クレージーな病院だと言われましたけれども、今、ようやく1つのモデルになってきました。
 6ページの上に当センターの基本方針。これは開設以来の4方針が書いてあります。即応医療、集中医療、継続医療、包括医療、こういう4つの戦略を立てまして、それを実現するための戦術を下に書き出してあります。即応、集中、継続、包括と。一文でまとめますと「急性患者を速やかに受け入れ、手早く治して社会に戻し、地域で支える」。地域で支えるというのは、地域の中でという意味と、地域の力でという意味と、両方含まれます。こういう方針で28年間ずっとやってきました。
 診療実績を昨年度のデータで示しましたのが6の下の図です。年間、電話相談が新規が7,400件、1日20本ちょっとです。その他に、通院している患者からホットラインサービスを受けていますので、1日に100本ぐらいの電話を受けているということです。これは全県から相談を受けまして、ここで緊急度をトリアージいたします。当番病院、あるいは地域の基幹病院に6割程度紹介して、4割程度を当センターが診る。再来の患者も含めますと年間1,000件ぐらいの救急患者が訪れますけれども、6割が夜間・休日、6割が新患です。そのうちの4割が入院になります。入院しますと、平均在院日数が44日。これはいつもよりもちょっと長目ですけれども、大体6週間で7割ぐらいの人が在宅に移行するということです。他の病院の通院も含めますと71%、7割は自宅に戻る。29%、3割ぐらいの人が転院しますけれども、その理由は右上に書いてあるとおりでありまして、3分の1ぐらいはかかりつけ病院へのショートリリーフの患者を戻した場合です。あとは以下のような割合になっています。
 それから、7ページの上の図は、入院患者の残留曲線を全国と当センターと比較したものです。御覧のように、赤い実線が当センターの、これは一昨年の転帰でありますけれども、3カ月以内に93%が退院しています。3カ月で機械的に区切るわけではありませんで、その後もフォローしている患者がいます。この年は10カ月で全てが退院しているということです。ただ、3割が転院しておりますので、この人たちが全国平均と同じぐらいの残留率を示すと仮定しまして補正したのが破線の図です。これを補正しても全国平均よりも残留率はかなり低くなっているということはおわかりだと思います。3カ月までが急性期。期間で分けますとそういうことになるわけです。それから、3カ月から12カ月までが亜急性期ということになるかと思います。1年を超えて残った人たちが、いわゆるnew long stayという人たちで、後の議論のテーマになる「重度かつ慢性」の患者を含むということになるわけであります。
 次の7ページの下は、これまた全国状況に戻ります。23年末の在院患者の期間別の構成を見ますと、御覧のとおり、3カ月未満が5万6,000、1年以上が3分の2ということになるわけです。今後は3カ月未満の人たちに急性期の良質な医療を提供して、いわゆる精神科特例を実質廃止したような人員配置に望もうという方針が出ております。それから、3カ月から1年のケースについてはリハビリを強化する。1年を超えたnew long stayの人たちのうちの一部を重度かつ慢性というふうに定義して、厳密な定義をした上で何らかのインセンティブをつけようという議論が今、残っております。
 最後に、問題点の指摘と提言ということです。いろいろな問題点の指摘の仕方がありますけれども、私の立場からは、このように4点抽出して書き出してあります。時間がないので1つ1つは説明しませんけれども、御覧ください。日本の場合、救急へのアクセスというのがまだまだ遅れているのです。それから、身体救急との連携が未整備。それから、救急入院料、スーパー救急病棟での医療もかなり不均質になっておりまして、経営優先のスーパー救急というものも見られるようになってきていて、利用者の利益が後回しになっているような実態も仄聞されるという状況であります。
 最後に、そういった問題点を克服するための改革の指針案を3点ほど示しました。アクセシビリティの向上に関しましては、特に最後のアウトリーチを強化しなくてはいけないかと思います。34条の制度がどうも機能していないというのもありますので、これは手直しが必要だと。それから、合併症に関しては、御覧のような提案をしました。最後に、スーパー救急病棟に関しては、レベルを上げるために、eCODOと呼ばれる全国共通データベースを導入して、全国でクオリティーの競争をするということです。それから、ピアレビューを行う。こういったことを条件にして、認可基準を厳しくした、グレードアップした病棟を考えたい。
 最終的には、将来的には、新規の非自発入院は、こういった規格の高い病棟に限定すべきではないか。イギリス、イタリア等はみんなそうなっていますけれども、そういう提案をして、私からの話を終わらせていただきます。

○樋口座長
 平田構成員、どうもありがとうございました。
 救急、急性期医療を中心にしてお話をいただきました。それでは、この後また御質問をいただくことにいたしまして、引き続き次の方からお話を伺います。
 次は、伊豫雅臣構成員でございまして、「重度慢性統合失調症患者への良質かつ適切な医療についての提言」ということで資料をお出しいただいております。それでは、伊豫構成員、よろしくお願いいたします。

○伊豫構成員
 よろしくお願いいたします。資料4を御覧ください。私は文章で書いてありますが、かいつまみながら御説明させていただきます。
 まず、背景として、有効な医療体制の構築というのは、有効な治療法をより多くの人々に提供できるようにすることという考え方が背景にございます。
 国際的に治療抵抗性統合失調症というのは定義が何度か変わっておりますが、ほぼ確立しています。1つは、通常の抗精神病薬に反応しない統合失調症の方々、また、錐体外路症状などが容易に出てしまうために通常の抗精神病薬が使えない方々とされております。この方々は、クロザピンや修正型電気けいれん療法(mECT)などによって、大きく精神症状や社会的機能が改善されることが報告されております。特にクロザピンは、自立度や就業率、治療継続率を上昇させ、再入院率や自殺率を低下させ、かつ医療費も減少させるのではないかと報告されております。
 それから、もう一つ、ドパミン過感受性精神病、これは1970年ぐらいから知られているものなのですが、最初は治るのですが、徐々に抗精神病薬の効果に耐性ができてしまって、大量投与となり、ちょっと薬をやめたり、量を減らしたり、またストレスがかかると簡単に精神病症状が再発し、より重度の精神症状を来すというものです。これに関しては私たちも治療法を開発してきておりますが、クロザピン自体も極めて有効であることがわかっております。
 ところで、クロザピンを中心にして話させていただきますと、アメリカで1990年に導入されました。日本は2009年、19年遅れでございます。このように普及が極めて遅れていることと、それから、重篤な副作用、無顆粒球症が起きるのではないかということ、今、日本で1.2%ぐらいと言われております。それから、そのための副作用モニタリングが極めて煩雑であるということが問題として考えられます。それから、mECTが実施できない精神科病院が多数存在しています。これは麻酔科医との連携が困難ということが原因でしょう。
 次の2ページ目に入りますが、第2段落の最初のところに書いてありますが、平成24年度に行われた重度慢性に関する調査で、長期入院統合失調症患者の80.9%がクロザピンの適応ではない。また、88.4%がmECTの適応に当たらないと報告されております。しかし、これらの患者の多くに、精神症状が極めて不安定で長期入院となっている統合失調症が多く含まれるということになりますと、国際的に言われる治療抵抗性統合失調症患者が多く含まれている可能性があります。そうであれば、かなりの治療効果を見込めるのではないかと考えられます。
 ところが、このように適応ではないと書かれているということは、背景として、治療抵抗性統合失調症の診断が難しいということや、クロザピンの適応が難しい、また、mECTが使いづらい、重度慢性自体がさまざまな要因からできているために、確定診断に至ることが困難であるということが考えられるわけです。
 そういうことから、次の3ページ目の問題点のところに記載しましたが、今、申し上げた、このような問題を解決して、重度慢性とされる統合失調症患者により適切な治療を提供することが地域医療に結びつけていくためには重要な点だと思います。問題点として(英数字3)に列挙してあります。
 (英数字4)対策の表1に、問題と対策をそれぞれ対応させておりますが、まず、クロザピンやmECTを使用できる施設が限られているということに関しては、使えるところと使えないところで、地域でネットワークを組む必要があります。
 例えば、クロザピンでは、無顆粒球症という重篤な副作用があって、これのために使いづらいという精神科病院の先生方のお話をよく聞きますので、それに関しては総合病院が核になった連携体制をとります。
 それから、治療抵抗性統合失調症や過感受性精神病の診断や、クロザピン等の適応の判断が難しいために、24年度の報告となっている可能性があるわけですから、複数の施設で協力し合った、共同したレビューボード、検討委員会のようなものをつくる必要があるでしょう。
 それから、治療抵抗性となり、重度慢性化してしまう背景の1つに、抗精神病薬の多剤大量投与や再発・再入院が繰り返されることが指摘されております。したがって、抗精神病薬の使用に関する適正化が必要と考えられます。
 外来治療においては、現在、さまざまな方法が用いられておりますが、クロザピンや持効性注射薬が再発・再入院を抑えるということが知られておりますが、もう一つ、チェコでITAREPSという方法が開発されており、そういったものを使うことも有効だろうと思っております。
 4ページ目の上を見ていただきたいのですが、これはクロザピンの使用を単科精神科病院でも可能とするために千葉県で行っているものです。真ん中の青いところに病棟を有する総合病院の精神科がございます。4施設あります。外側に緑色の5病院ございますが、これが単科精神科病院です。この5病院がクロザピンを使用中に、もし無顆粒球症などが出た場合には、このコアホスピタル、真ん中の4施設のどこかが受け入れるということで、いざというときの安全性を担保するというものです。これは土星のような形から、サターンプロジェクトと称して始めておりますが、コアホスピタル、真ん中の4施設と外側の4施設が24年からスタートして、この6月に5施設になったわけです。全国でクロザピン使用が1,785名に対して、千葉県では126例です。国府台病院が特出して行っておりますが、それ以外で既に69例と徐々に増えてきております。今後はさらに単科精神科病院を増やしていくことと、ピンク色の使えないところ、さらにクリニックと連携先を増やしていく必要があるだろうと考えております。
 こういったことを行える病院としては、4ページの(マル2)の治療抵抗性統合失調症の入院治療というところですが、かなり重度の精神症状や、生活困難も含まれておりますので、精神科救急、または身体合併症病棟のようなところで、濃厚な医療として1年ほどは診ていく必要があるだろうと考えております。
 そのような医師数、スタッフ数、または病棟構造というのは、急速につくることは困難ですので、精神科救急、身体合併症、または急性期病棟の病床の一部をこれらに利用していくことが重要ではないかと考えております。
 5ページ目の右側に先ほど言いました複数の病院が連携していくという、重度慢性統合失調症治療検討委員会のようなものを共同指導のような形でつくって、適切な診断を、またはクロザピン、mECT等の適応を判断していく必要があるだろうと考えております。
 最後に7ページを見ていただきたいのですけれども、これはチェコで開発されたITAREPSというシステムで、携帯電話で統合失調症患者の再発予防をするというものです。導入前後2年間比較しますと、入院率が60%以上抑制されると報告されています。
 次の8ページを見ていただきますと、数は少ないのですが、私たちが多施設で1年間の無作為化対照試験を行った結果です。訪問看護の方が週に1回、電話で10項目のチェックリストを用いて質問します。片方はITAREPSのコンピューターソフトで判定して、片方は訪問看護の方が判断するというものです。ITAREPSで再発兆候が出たら、すぐに20%増やして抗精神病薬を飲んでいただくというもので、対象群は通常どおりの医療をしていただきます。そうしますと、1年間で両群の間で再入院率が75%低下、総入院日数が95%低下、1回当たりの入院日数が79%低下という結果になりました。今後、こういった方法も考慮していく必要があるだろうと思っております。
 以上です。どうもありがとうございました。

○樋口座長
 ありがとうございました。
 伊豫構成員からお話しいただきました。今、主に重度慢性統合失調症の検討をしているところでも、大変役立つ内容の御指摘ではないかと思います。クロザピン、あるいはmECT等が今の段階では非常に限られたところでしか使えないというところをいかにうまく活用していくか、そのためには地域との連携、それから、総合病院の精神科と単科精神病院の連携、そういったことを取り込んでいくことが重要であろうということでございました。
 それでは、次に進みたいと思います。次は、伊澤雄一構成員から「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会資料」を出していただいております。では、伊澤構成員、よろしくお願いいたします。

○伊澤構成員
 伊澤と申します。よろしくどうぞお願いいたします。
 今までのお話は、学術、学際的なお話がございました。急に雰囲気を変えて申し訳ないのですが、地域生活支援のことについてお話をさせていただきます。
 全国精神障害者地域生活支援協議会、まちでの暮らしを支える人たちの集まりということでございます。本指針を構成する要素として、福祉サービスの提供、もしくは地域生活支援のあり方につきましては、大きな割合とはなっておりませんが、退院後のまちでの暮らしが円滑に進むように、そして在宅での医療・保健とともに生活を支援する、それが車の両輪としての役割ですね、その観点からお話をさせていただきたいと思っております。
 前置き的に、精神障害者の地域生活支援の経緯というのを少しおさらいしておきたいのですが、1970年代に作業所が起きたというところです。まさに萌芽として、親御さんたちのやむにやまれぬ思いの中から出てきた実践だったりもするわけなのですが、本当に手弁当、持ち出し、ボランタリーな実践でした。
 その後、社会的認知を得る中で、事業化、制度化が進んで、各自治体の補助事業、そして国庫補助制度なども実施されたということがございます。
 その後、さまざまな地域の課題を背負う中で、たくさんの機能を小規模作業所、福祉作業所は背負うことにもなりまして、相談支援事業所であったり、ヘルパーの活動の原形であったり、あるいは駆け込みのお泊まりの利用の場に供するなど、ショートステイの事業の走りだったり、地域生活支援センターのような雰囲気の交流の機会だったり、あるいは集まる人たちが共同で生活するグループホームの出発点であったり、そういう実践をたくさんまちに産み落としてきたという感じがしております。
 最終的に精神の作業所は全国に1,600ほどが存在し、その後、法改正で事業再編がありまして、障害の壁がなくなり、また、就労支援を強調した事業運営が主流となりましたので、おおらかな実践が少し損なわれているというふうに私は表しておるのですが、現状では、福祉サービス事業全体に対する事業評価が総じて低いと思います。低廉な事業費による運営が続いて、貧しい状態にある。事業として維持していくのが精一杯という現状も見られて、支援体制づくりに不安が尽きない、こんな事情がございます。
 その次の資料は、私たちの団体はamiという団体なのですが、その視点による課題整理をさせていただいております。この間、国、行政に対して、さまざま要望しておりますけれども、そこの要望を少し振り返りも含めてまとめてみました。喫緊の課題、具体的強化・抜本的改革を求める課題、国が迅速に対応すべきと思われる内容の課題などを掲げてあります。
 その中で、特に、今回、指針との関係で大切と思うものを次に掲げております。医療と生活支援の量と質の問題ということになります。精神科入院医療体制に関しましては、隔離収容政策に終止符を思い切り打つべきである。社会的入院の解消、入院医療の適正規模化、病床削減のことですけれども、これは諸外国に比して圧倒的な病床数、約32万床ございます。万対28という配置です。世界中の精神科病床が162万床だと伺っております。その2割がこの国に存在している。言いかえますと、世界で入院している方の5人に1人は日本人であるということにもなるわけでありまして、諸外国はおおむね万対5から7に圧縮してきているという経過がございますが、この万対5を超えると隔離収容の傾向が強まるという説も伺っております。ですので、病床の削減、縮減というものは非常に大きな課題だと思います。
 次に、精神科医療の質向上ですけれども、長年言われておりますけれども、精神科特例の完全撤廃ですね、そこはしっかり織り込んでいただきたいと思います。同時に、医療法施行規則10条3項にございますが、他科からのパージといいましょうか、排除の傾向が非常に強くございますので、ここも即刻廃止していただきたいと思っております。
 それやこれや考えるときに、昨年の6月28日にまとめられました「精神科医療の機能分化と質の向上等に関する検討会報告」の中身が基本ラインではないかと思っております。そこをスタートにしながら、さらに積み上げ、あるいは深めを求めていくということかなと思います。
 あわせまして、障害者の権利条約の批准に向けて国内の環境整備を進めてきている状態ではありますけれども、権利条約批准の環境整備の要件としても、現状の入院精神医療に関しましては看過できないという感じがいたしております。権利条約の関係で申し上げますと、14条の身体の自由の関係、あるいは19条の地域社会への包摂、これは特定の生活様式で生活するよう義務づけられないことというのが主要な中身になっております。それと、25条に関しましては、医療の提供という条項でございます。他の者に提供されるものと同一の範囲、質及び水準の保健サービスを提供すること、そして、障害のある人自身が属する地域社会に可能な限り近くで提供すること、このようなことがうたわれているということですので、しっかり視野に入れながら進めるべきではないかと思います。
 次の資料なのですが、これは何だろうと思いまして、実は、今年の2月19日に厚労省から出された資料なのですけれども、後に解説いただければと思ったりしておりますが、先々、病床を増やしていくというふうに、ぱっと見、見える資料でございます。ただ、ただし書きの中には、「現状を将来に投影した場合」という書き出しであったりとか、「このように病床を増やしていくことは非現実的である」という表現も見受けられますので、どういうふうに受けとめていいかがわからない。そういう資料なので、後ほど説明をいただければと思います。
 「改革」への投げかけということで続けてまいりますが、生活支援における諸課題ということで挙げております。地域移行(脱病院)・定着支援(病院への回帰防止)、さらに退院し続けていることを支えるということが定着支援でありますので、そこの強化ですね。それと、近年、地域支援の大きな課題として、社会的孤立の問題や、あるいは無支援の状態という方々に対する支援も非常に大きな課題になっております。併せまして、支援事業所の拡充(安定的な地域拠点機能の確保)ということも非常に大きなテーマになります。
 特に地域移行退院支援に関しましては、ここ数年、国の補助事業がどんどん縮んできてしまっています。理由としましては、退院支援が地域移行支援として福祉サービスの1つとして個別給付化されたということが理由として挙げられます。これ自体は非常に画期的なことで、個別対応支援が力強く相談支援事業所を軸に担われて進むことを願いますけれども、ただ、同時に、個別給付の対象になる方々は、退院の意思を持った人たちなのです。
 実は、実際入院している方の中で、退院したくない、自分はもう退院はいいという後ろ向きの気持ちにある方が結構入院していらっしゃいます。こういう人たちには、従前からの補助事業での関わりがとても大きかったのではないかと思います。特にピアサポーターの方々が病院に出向いて、患者と直に触れ合う実践は、まちでの暮らしを伝えながら、あなたも一緒にやりませんかというメッセージを投げかけながら、具体的な、極めてリアリティーあふれる実践でありました。それに触発されて、退院意思を持って退院に至った人も多いと思います。このピアサポート活動はもっともっと評価されてよいのではないかと思っております。
 実は、このことも含めまして、2年ほど前には障害者制度改革推進会議の流れの中で総合福祉部会が営まれ、そして骨格提言を提出いたしました。それは精神の分野に限らず、我が国障害者福祉を展開していく際の目標として、多彩な障害を持った当事者の方や、あるいは関係者が協力して紡いだものとして、理想を掲げたものだと思っております。それに向けて邁進してほしいという思いがございます。
 その次の資料が総合福祉部会の骨格提言、そのエッセンスを書き出しておりますけれども、2つの基本的な視点の中の、先ほど申し上げた権利条約の批准に関しましては、直近の数字ですと7月28日現在で国連192カ国加盟のうち133カ国が批准をしていると、こういう事実がございます。
 次の資料は割愛させていただいて、その次に、生活支援の個別要素として、まちでの暮らしのインフラ整備といいましょうか、それについてもうちょっと言及させていただきます。まず、要素として大きいのは居住系の支援ということであります。とにかく退院先の確保が第1です。強力な居住政策を展開すべきだということであります。Home Firstという言葉があります。まず、住居なのですね。その場合に、グループホーム、ケアホームというのが真っ先に頭に浮かんだりもしますが、ただ、グループホームもケアホームも、もともと求めていらっしゃる方はさほど多くないのではないかという実感があって、周囲が勧めるから、親がそこでなければだめよと言うからということで、御自身の気持ちからは少し離れたところでグループホーム、ケアホームが存在しているような感じも、これは個人的な感じですけれども、しております。
 ですので、多彩なオプションをもっともっと出すべきではないかということで、「たとえば」というところで幾つかの例示を示させていただきました。言わずもがなの内容もありますけれども、公営住宅の単身入居制度、あるいはモバイル型のグループホームというのは、グループホームを運営して、設置して、そこに入居している方が長年たったらそこのロケーションに馴染むわけですから、グループホームはそこからどいて、新しい場所で新たなグループホームを始める、そこに新たな方の迎え入れをしていく。つまり、居住区を広げていく、そういう実践という意味であります。公的保証制度は言わずもがなです。シルバー・ハウジングに関しましては、先行して1980年代の後半に高齢福祉の分野で取り組まれたものですけれども、公営住宅の10戸から40戸を活用して、ライフ・サポート・アドバイザーを市区町村に配置して、定期巡回で見守りを中心とした支えをやっているという入居支援の在り方です。そういったものも取り入れていければと思います。以下、割愛いたしますけれども、さまざまなオプションを出すべきではないかと思います。
 前回の会議のプレゼンで河崎構成員がお話になりましたように、介護福祉目当ての入院者の方がとても多い。その存在を病院が抱えざるを得なかった経緯があって、それは歴史的経過の不幸であり、またその一方で地域生活支援体制が、特に居住系の不備や力不足が原因であることは否定できないと思います。なので、記述しましたように、多様なメニューを軸にした具体的計画の立ち上げが、河崎構成員がおっしゃるように、工程表や年次計画とともに策定されなければならないと思っております。
 そして、このことをもってして、病棟転換型の福祉施設はなしにしてほしいと思います。他の障害福祉分野、特に知的障害の分野におきましては、脱施設化が非常に大きく展開しております。勇躍シフトしております。そういう中で、精神分野が新たな人里離れた施設福祉を行おうとしている。そして、社会的入院ではなくて社会的入所を新たに、閉塞的な状況をつくらしめようとしている。それは絶対に避けるべきではないかと強く思います。
 日中活動や訪問系の関係でも課題は多くありますが、克服の鍵は、先に申し上げたように骨格提言が握っていると思われますので、そこから多くを酌み取るべきではないかと思います。
 ただ、全体を通じて申し上げたいのは、矢印で書きましたけれども、施設や事業に対するコンフリクトの問題なのですね。住民とのあつれき、摩擦によって事業が進められない、あるいは立ち上げられないという事情がまだまだ全国にたくさんございます。そういったものを課題として捉えながら、これを克服していく流れを作り出していく、そこは指針を編さんしていく上での重要なテーマなのではないかと思います。普及啓発と併せて進めていくものではないかと強く思っております。
 すみません、時間がないので早口になりますけれども、理不尽な財政配分構造と書きましたけれども、平成17年の資料なのでちょっと古いですけれども、概ね構造は変わっていないということをお聞きしましたので、あえて出させていただいております。医療に大きく偏った財政配分がございまして、地域の活動はわずか3%で行われているという、こういう事情でございます。
 何をするにもお金が必要です。それにしても、とにかく地域は貧しい、それが端的に示されていると思います。地域における生活支援を推し進めて医療との連携や協働を深め、より高度で難易度の高い支援のミッションに応えていくためには、この偏った構造の是正が課題だと思います。
 しかし、とはいえ、医療に注いでいる資金をただ単に地域に流せということではありません。医療は医療としての適正な質の担保を実施するということでありまして、当然、先ほど申し上げた特例を外すことであり、病棟のマンパワーを増やすということも当然のことです。さらに、入院医療のマンパワーを地域生活支援型に再配置していくことも視野に入れて、そのことを通じて、地域医療の活性化、そして生活支援との共同促進、そして入院医療の規模の適正化を追求していくことが大事なのではないかと思います。
 関連して財政のことをもう一つだけ申し上げておきたいと思うのですけれども、骨格提言を今日は随分引きますけれども、骨格提言の中では、財政問題に関しまして、支援サービスの予算規模がOECD諸国34カ国のGDP比率の平均である0.39%を目指すべきだという提言内容でありました。現在、日本は0.19%で、金額で言うと1兆1,138億あたりですかね。OECD中の18位に留まっている。平均値に上げるには0.193%の増額が必要となって、現在の倍額つけなければならないということだったりもするわけであります。
 スローガンを幾つか並べておりますけれども、最後に掲げたのはAging in Placeという、高齢福祉分野で最近特に使われている言葉のようです。「馴染み、親しみの、慣れた場所、選んだ居場所で安心して自分らしく年を重ねる」、これは精神分野でも目標として掲げていくべきではないかと思います。そして、くどいようですけれども、病棟転換型の福祉施設の設置は、とにかく違うと思っています。病院は、あるいは病棟転換による施設は、AgingのためのPlaceであり得ないし、あってはならないと思っています。
 最後に、局面に臨む基本姿勢と書きましたけれども、社会的ミッションに対する取り組み姿勢にさまざまな覚悟が今、強く求められていると思います。強い緊張感で望んでいきたいと思っております。
 すみません、延びてしまいました。以上です。

○樋口座長
 ありがとうございました。
 伊澤構成員からは、地域生活支援、そして医療、両面の観点からのお話をいただきました。現状と、それから、あるべき姿といったものも提示していただいたと思います。
 それでは、続きまして、吉川隆博構成員から「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針の策定に当たっての意見」ということで資料をいただいております。それでは、吉川構成員、よろしくお願いいたします。

○吉川構成員
 吉川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は看護師でして、看護師が精神医療に携わっているのが、やはり入院病棟、入院医療に携わっている者が一番多いのですが、その他にも外来部門であったり、もちろん在宅部門にも看護師が多く従事しております。近年では在宅訪問看護等で活躍する看護師も少しずつ増えてきているといった状況もありますので、そういったことも踏まえてお聞きいただければと思います。
 まず最初に、ちょっと大枠なところにもなるのですが、指針の策定に向けて、幾つか意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、1つ目に挙げていますのが、今回の指針の策定に当たって、平成16年の9月に策定された改革ビジョン、または、それ以後検討されてきたものを反映した指針になることを期待しております。その中では、患者の地域生活を支えるための医療を目指せるようなものにしていただけたらと思っております。
 そして、地域のさまざまな人的、物的資源が有効に活用され、また、その効果が高まるような方向性を目指していただければと思っております。そのためには、保健・医療・福祉が協働できる体制作りが大切だと思います。
 それと、入院医療のみならず、地域医療においても、多職種がチーム医療の展開ができるような体制の整備、確保が必要ではないかと強く思っております。
 そういったことを踏まえまして、次のところから、具体的なところについての意見を少し述べさせていただきます。
1つ目の項目として「精神科医療の提供体制のイメージ」ということで、図式化をさせていただきました。これはあくまでもイメージなのですが、現在の入院医療については、急性期、あるいは回復期の医療であるとか、看護が力を入れているところなのですが、患者が退院された後には地域での継続医療として、外来診療であるとか、在宅医療というものが展開されています。今後、外来・在宅医療について充実・強化を図ることが必要と、これは従来から言われていることなのですが、外来・在宅医療の充実を図るときの役割が何なのかということを明確にしていくことが、現場にとっても、そこは非常に大事なところではないかと思っております。
 現在は入院医療で急性期、回復期、それから、地域での継続医療となっているのですが、入院治療で全ての医療的な課題を解決しようとすると、どうしてもそれに伴って入院期間が長くなってしまうといった傾向もございます。そういったところを踏まえて、患者の地域生活を支えるための医療という考え方に立ちますと、一番下のところに書かせていただいていますが、私自身も、多分、病気になったとき、そう思うと思うのですが、今の生活とか、仕事とか、そういったものの中断をできるだけ短くして、でも、必要な医療を受けたいと思うのが普通であろうと思いますので、できるだけ入院期間は短くして、必要な医療は地域生活を再開しながら受けられるような、そのための外来・在宅医療を充実・強化していく必要があるのではないかと考えています。
 それと、もう一つ大きなところでは、入院医療と在宅外来医療が論じられるときに、それぞれ別々にこれを検討されることが多いのですが、患者から見たときには、入院も外来も在宅も同じ医療ですので、そこは一体的な医療体制の確保としていろいろ検討することが必要ではないかと思っています。この枠の中には、これ以上書くと複雑でわかりにくくなるので、今回は医療に特化したところにしましたが、外来・在宅、地域で、患者の支援については、医療的なニーズだけではありませんので、生活面とか経済面とか、そういったところの支援も組み合わせて、患者の生活を支援していけるような体制が非常に重要だという前提に立っております。
 次の2番目の「精神病床の機能分化」については、病床の機能分化と地域における継続医療の推進ということで、先ほども申し上げましたように、入院医療と入院外医療を並行して検討して、両者による一体的な医療体制の実現を目指すことが重要だということと、チーム医療を基盤にして、各専門職が主体的に自らの役割を発揮していくというときには、ある程度標準化された治療計画が必要ではないかと考えております。具体的な対応としては、これは改めて申し上げることもないのですが、クリティカルパスとか、地域連携パスとか、そういったものの活用が促進されるような制度の導入が必要ではないかと考えております。
 次に、これは入院医療のところになるのですが、先ほどの構成員の救急医療のところにも出てまいりましたが、救急、あと重症者への集中的な入院医療の体制の確保というところで、精神科病院へ入院して治療を受ける患者が、安心、また安全に療養ができるように、24時間を通じて入院受け入れとか、集中的な医療・看護の提供ができるような体制が必要ではないかと思っております。
 それと、急性期以外の患者への入院医療の体制確保についても少し出ましたが、急性期病棟の後方支援といいますか、3カ月以上、なかなか退院できなかった方について、やはり手厚いケアを提供して、それ以上の入院の長期化にならないような、入院の長期化を防ぐよう、ケアの質を高めたり、在宅医療、地域サービスとつなぐような、そういった医療的な調整能力を高めていくことが必要ではないかと考えております。
それと、大きな2番目になりますが、ここからが「地域における保健医療福祉サービスの提供」についてになります。今回、私は、医療のサービスの訪問看護の役割・機能について、イメージを表現させていただきました。訪問看護というのは在宅医療の1つの機能ではあるのですが、在宅医療においてもチーム医療が展開できるようにすることが必要だと考えております。現在、在宅医療については、医療機関からの訪問看護、あと、訪問ステーション、精神特化型の訪問看護ステーションなどがあります。下に書いてありますように、それぞれが役割を担っております。併せて生活支援を行う福祉サービスとの組み合わせも非常に重要になってくる。あと、(マル3)に書いてありますように、再発・再入院のリスクの高い患者のケアについては、保健所などの行政機関との連携も非常に重要ではないかと考えています。ただ、現状、こういった在宅医療、チーム医療を展開していくときにも、多職種形成については、多職種を配置して、そういった力を発揮していくというときに、配置についてまだまだ課題もありますので、そういったところも踏まえて、外来・在宅医療部門を今後どのように力を高めていくことができるのかというのが大きな課題になるかと思います。
 次をめくっていただいて、外来部門の体制強化についてですが、現在、先ほどの訪問看護も含めて、精神科病院にある外来とか在宅医療部門というのは、診療報酬上にならって個別の機能に分かれている。例えば、外来、デイケア、訪問看護とかですね。そういった状況があります。それぞれに専門職が配置されているのですが、1つ1つの機能に配置されている職員は、やはり規模が小さいというか、そういった状況になっております。
 それと、地域住民、関係機関、地域の関係者から、精神科病院での地域精神医療の拠点となる部門とか、あと、担当者が見えにくいと、これは福祉の事業所などからも、病院と連携をとるときに、担当者や担当部署が明確でないので、なかなかその辺が進んでいかないといった声もよく耳にします。
 こういった外来部門の体制については、21年の9月に取りまとめられました精神医療保健福祉のさらなる改革に向けての中でも、精神医療保健体系の再構築で、地域医療の拡充が示されています。指針においても、そのことを十分反映したものにしていただければと思っております。
 それと、外来、デイケア、訪問看護サービスについては、今、そういったサービスを組み合わせて利用されている患者もいらっしゃるのですが、デイケア、訪問看護、それぞれで治療計画の立案や評価を行っておりますが、地域で利用できるサービスを統合するような地域医療部門を創設して、効果的な治療計画や総合的な評価を行える、そういった体制が有効ではないのかなと考えております。
 それと、外来部門の機能及び人員配置の充実・強化を行って、医療相談であるとか、服薬教室、あと、家族教室など、患者が退院して地域に戻られた後、実際の生活の中で出てくる服薬の仕方であるとか、困り事などを踏まえながら、やはり丁寧にそういったところにアプローチをしていくことが必要ではないか。そういったことができるような仕組みの導入が必要ではないかと考えております。
 こういった外来、在宅医療の統合は、地域医療においても、多職種チームによるチーム医療を実現すること、そして患者の多様なニーズに応えるためにもつながっていくのではないかと考えております。
 現在、入院外医療費が精神科医療費全体の25%となりますが、そこを高めていくためにも、医療経済的なインセンティブが働きやすい、発展性のある体制をつくることが重要ではないかと考えております。
 3番目の訪問サービス提供に関する制度の狭間の解消というのは、かなり細かいところにもなるのですが、現在、訪問看護を提供できる場所が限られているということもありますので、そういったところの拡大であるとか、あと、65歳を超えた方については、訪問看護を利用されていても、介護保険が優先的な取り扱いになって、それまで使っていた訪問看護の回数が少なくなったり、費用負担が逆に多くなったり、そういった課題もありますので、制度面について柔軟な運用ができるような対応が必要ではないかと考えております。
 それと、市町村、あと保健所などの行政機関と民間のサービス提供機関が必要に応じて相互に協力を求めたり、協働で対応することができるような制度の導入が必要ではないかと考えています。今も地域によってはかなり官民協働で、アウトリーチも含めて、その地域の精神障害者の方の支援を行っていますが、そのあたりが全て報酬とかで医療機関においては評価されるものばかりではないというところもあります。そういった官民協働の体制を促進することになれば、やはり医療機関等に対する連携の評価も必要ではないかと考えております。
 また、アウトリーチ支援につきましては、これも現場の状況から、例えば、未治療でありますとか、引きこもりの方などは、精神の医療につながっていないということだけではなくて、身体の医療にもつながっていない方が非常にたくさんいらっしゃいました。ですから、何とか支援者につながっても、非常に重篤な体の病気が隠れていて、そういったところで非常に苦しんでおられる方もいらっしゃいますので、身体面のケアに関するアセスメントも併せてできるような体制作りが必要ではないかと思っております。
 それと、医療や福祉サービスにつながっていない段階の対象者の方への支援については、こういった対象者というのは、地域の中で支援が行き届かない、あと、本人、御家族もなかなか相談することができない、地域の中で孤立、孤独な状態になっているということもあります。そういった地域の課題ということもありますので、相談支援事業との組み合わせについても検討する必要がある。それが有効ではないかとも思っております。
 最後に、地域における連携についてですが、精神障害者の方の地域生活を支えるためには、地域の事業者等の求めに応じて医療職が必要なサポートができるような仕組みづくりも必要ではないかと考えております。これは医療面、生活面の両面に対応できるような体制としてです。具体的な対応としては、医療面から適切な指導・援助を行う、医療連携体制の評価の導入とか、あと、相談支援事業者との連携が促進されるような仕組みの導入ということを少し書かせていただいています。この連携というのが、顔の見える関係という、そういった関係性だけで補っていくとか、行っていくというのは限界があるというか、それで全国がうまくいくかというと、なかなか難しいところがあると思いますので、きちっと担当者を配置するとか、あと、インセンティブをつけるとか、そういった対応も必要ではないかと思います。
 それと、こちらには書いていないのですが、医療職が地域と連携をしたり、連携を深めるためには、医療職、もちろん看護職も含めてですが、地域生活支援の視点とか、知識を深めるための人材育成についても、ぜひ指針において盛り込んでいただけたら、検討していただけたらと思っております。
 時間が来ましたので、簡単でございますが、説明は以上とさせていただきます。ありがとうございました。

○樋口座長
 ありがとうございました。
 吉川構成員からは、精神科医療の提供体制及び地域における保健・医療・福祉サービスの提供といった2つの大きな観点からの御提言、お話をいただきました。
 それでは、最後になりますが、倉橋俊至構成員から「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関して 保健所の立場から」ということで資料をお出しいただいております。それでは、倉橋構成員、よろしくお願いいたします。

○倉橋構成員
 全国保健所長会の副会長の倉橋といいます。
 勤務先は東京の荒川区保健所でございます。保健所というのは精神保健の第一線機関ということで、主に保健を担当しているわけでございますけれども、入院中以外はほぼ連携などの中心にあり、病院、診療所等の医療機関、そして福祉系の自治体等と連携調整していますが、これは大都市の保健所政令市や特別区におきましては、保健所と自治体が一致するわけでございます。一致といっても二枚看板なのですけれども。一致する場合もございますし、地方におきましては、都道府県の保健所と市町村の調整を主体的に行う役目を担っているところでございます。このような立場から、指針策定に関しまして、保健所の現状と課題などについて少々述べさせていただきます。
 まず、保健所の現状ということで、幾つかポイントをまとめました。
 まず、保健所が減少しております。この20年ぐらいで、1,000以上あったものが半減している状況でございます。しかも、その設置形態がさまざまになってきているということがありまして、以前のように保健所は均質ではございません。例えば、福祉事務所と合併して設置されているものもあれば、区民事務所、役所の出張所と併設されている場合もございます。場合によっては保健所長が1人だけ、部下のない状態で衛生関係の保健センターに位置づけられているような極端なところも稀にあるという状況でございます。
 精神保健分野の担当というのも同様にさまざまな形態になってきております。三障害ということで、自治体の障害の部門で精神を担当することになった、これ自体は非常によろしいことなのですけれども、その連携という意味で、どうしても医療分野、そして保健分野の一部が、保健所、あるいは医療機関を担当する保健師や医師のいるところでないとできないということがございまして、事務的な手続等に関しましては、本体の自治体の障害関係の部署でやり、保健のところで実際の大部分のものを担当しているというところが標準的なところかと思います。
 一方、保健所全体として見ますと、幾つかの変化が、数だけでなく、設置形態だけでなく、内容の変化が見られます。業務量がこの二十数年で非常に増大してきているというところがまず第1に挙げられます。精神保健自体の業務量も増大しておりますし、健康づくり、高齢者、介護予防、認知症対応などなど、自治体の中で、ある意味、保健所、保健関係の業務が重視されてきたと言えば、そのとおりではあるのですけれども、各分野でかなり担当する業務が多くなってきているというところがまず1点あります。しかも、量的変化と言いましたけれども、量だけではなく、質の変化もございます。よく言われるように困難事例がふえ、複雑化して、多要因に対応しなければいけなくなったために、非常に時間、手間がかかる事例が増えてきている状況でございます。精神保健分野で言えば、統合失調症事例はもちろんありますけれども、それ以外の発達障害とか、境界例等の複雑事例が増えてきているということでございます。それに対して人員増があるかというと、若干ありますが、増大に見合うだけの人員増はございません。
 その下の項目は、ちょっと特殊な組織内部の話なので簡単にしておきますけれども、以前は地区担当制といって、1人が精神から、母子保健から、感染症など全部を担当していたものが、1つは業務が増大してやり切れなくなったために、効率化しなければいけないという要請もあり、業務担当制に変わってきております。その結果、分散配置をすることによって、逆に特化して、効率化はしたのだけれども、連携するときには多少問題が出てきているという状況があります。
 それから、もう一つは、個人情報保護や情報公開、あるいは情報の目的外使用というのが役所では大変厳しくなってございまして、課を超えて情報を提供するときには、非常にチェックがかかるといいますか、原則として提供するなという自治体が増えてきております。
 それから、クレーム対応というものも非常に業務量として増大しているところがありまして、保健師が疲弊して休職に追い込まれた例もあるという状況でございます。
 そのような中で、今回、法改正がございまして、こういう検討をすることになったわけでございますが、現状認識という意味で幾つか挙げさせていただきましたけれども、多くの方が何度も言っていらっしゃいますように、長い在院日数と長期入院患者が問題であり、社会的入院をできるだけ減少させ、適正な病床数にする。そのためには病床の機能分化等が必要であろう。求められるものは退院支援と地域生活支援であって、そのかなりの部分に保健所が関わるという状況だという認識でございます。
 課題といたしましては、急性期の入院医療と医療体制の変化、それに対しましての地域移行支援体制を構築する必要があるだろう。それを継続するための地域生活支援体制を整備していく必要があるだろうという認識でございます。法改正に当たっての認識をまとめさせていただきました。
 では、保健所としてどのような課題を持っているかということでございますが、まず、医療との連携が大切でございます。病院との連携、診療所との連携。主に病院では入院という意味合いで書かせていただいてございますけれども、入院中の連携と、それから、患者の多くは外来でおるわけでございますので、そちらの連携がまず第1に重要になってきます。
 それから、精神保健福祉センターとも、東京都の場合は、地域を担当して、専門家の方々がいらっしゃって、先ほど申しております困難事例などにつきましても協力してアドバイスをいただきながら対応しているところで、大変心強いところでございますけれども、このようなところとの連携が大切です。
 それから、情報を活用するということで、先ほど申しました個人情報保護条例などで制限がかなりかかっているところではあるのですけれども、これを十分に活用していくことが必要であろうということ、それを支える仕組みを確保していく必要があるということを考えております。 それと、一番大事なことは人員でございます。人材、まずは量的に、ある程度以上のマンパワーを確保する必要があろうかと考えております。
 そして、そのマンパワーを前提にして、地域で支える精神保健体制の仕組みづくり、組織といいますか、仕組みを構築するべきであろうということでございます。特別区や保健所設置市では内部の連携になりますが、地方、道府県の保健所と市町村の間では、連携体制、一体性というものが問題になってこようかと考えております。
 そして、それを支える法的枠組みといいますか、組織体制の整備と要項、要領と書いてございますけれども、決まり、仕組みなどを順次整備していく必要があろうかと考えております。
 次に、今回の指針策定に当たりまして、幾つかの問題点を書かせていただいております。
 1点目は、組織連携といいますか、保健所独自の機能もあれば、市町村の福祉を中心といたしました一般的な生活支援、そして精神保健関係の生活支援、さまざまな生活支援の仕組み等がございますので、それとの連携が地域支援に当たっては非常に重要になり、保健所と市町村の連携・協働が必要であろうという組織的な連携問題が1点目でございます。
 それから、2点目は、退院前からという書き方をしましたけれども、時間的に継続して、どのフェーズでも医療と保健福祉の連携が必要であるということ。組織的なものと、それから、時間的なものが常にできるという仕組み作りが必要かと考えております。
 それから、次の点につきましては、病院の指導管理業務もございますので、実地指導、あるいは立入検査、指導などとの密接な連携も必要であろうかと思います。
 もう一つ、自治体の一般的な保健福祉、そして精神に関しましても、自立支援協議会などというものがございますし、障害福祉計画・介護保険事業計画等の自治体の計画の中で位置づけて、実効性のある対策をとっていかなければ、絵に描いた餅となってしまいますので、このような計画との整合性、基盤整備等が必須となるということで、これと矛盾しない、そして活用できるような形の計画、仕組みを作る必要があると考えております。
 同時に、それを実現するための、再掲になりますけれども、組織整備と人材育成が必要であろうということでございます。
 そして、その質的なものでございますが、統合失調症だけでなく、いろいろな分野に対応できるノウハウといいますか、専門家の方々と連携して体制整備していく必要があろうかと考えております。
 主なところとしては以上の点を問題点、課題として挙げさせていただきましたけれども、特に都市部におきましては、特別な問題点がある。特有の問題点もございます。
 先ほど入院率が違うという話もございましたけれども、人口が多いために、対象者自体が非常に多くなるということ。
 それから、人口密集地であるがゆえに問題が顕在化しやすく、許容範囲が狭い。したがって、入院等の必然性も早くなる、厳しくなるという状況がございます。
 それに対応する医療資源は、大都市は比較的恵まれていると言えば恵まれてはいるのですけれども、入院できる病院が都市部には減少しているという事実がございますし、駅前などの外来診療所はある程度ある、増加している部分もあるのでございますけれども、そのような医療資源の偏在があり、周辺部に入院病院が集中するということがございまして、著しい偏在があるということでございます。
 それから、機能分化等がこれから実施されますと、この偏在についての影響がさらに強調され、都市部においてはかなり対応困難な状況も想定されることを危惧しているところでございます。
 これにつきましては、精神科クリニック等の役割ということで、さらに連携を強化していく必要があろうかと考えているところでございます。
 以上、まとめますと、何点かになります。保健所はさまざまな設置形態となっておりますので、それに対応していかなければならない。人員につきましても不十分であるという状況だということ。そして、今回の法改正は非常に望ましいことでございますが、現状に即した適正な医療体制をしていただきたいということ。退院支援、生活支援につきましては、関係機関が十分に連携協力体制をとっていくべきであろう。これは組織的にも対応し、時間的にも連携を深めていける仕組みが必要であろうという意味でございます。そのためには、人材育成、そして組織の強化と仕組みづくりが大事であろう。都市においては、偏在等の特有の事情を勘案していただきたい。最後に、実施に当たっては、現在あるデータ、それから、監視指導等の仕組みも活用して有効な対策としていただきたいということでございます。
 以上です。

○樋口座長
 ありがとうございました。
 それでは、以上で5人の構成員の方にお話、資料の説明等いただきました。これから約1時間ぐらいございます質疑応答と意見交換に入らせていただきますが、全てにわたっての議論としてもいいとは思うのですけれども、少し区切ったほうがいいかなと思いまして、前半の平田構成員と伊豫構成員のところ、救急・急性期医療の問題と、それから、治療抵抗性の重症慢性の問題と、この2つについて、まず御質疑をいただいて、そして残りの3つについて、後半の議論として、そして総合的に全て絡んだ御議論を最後にいただくというようなやり方で進めてまいりたいと思いますが、いかがでございましょうか。どうぞ。

○香山構成員代理長谷川氏
 日本作業療法士協会の長谷川と申します。
 伊豫構成員の御発表に意見を述べさせていただきたいのですけれども、構成員の配付された資料の1ページ目の下から9行目ぐらいのところに「クロザピンやmECTの普及の低迷、DSP予防や治療が確立していないことが、本邦において多くの統合失調症患者が症状の改善が乏しいために長期入院している」ということ、それから、2ページ目の下から8行目のところでも、「統合失調症患者についてクロザピンまたはmECT、持効性注射薬等による治療の適否を明らかとし、適応患者に対する積極的な使用を推進して」と記載されています。
 もともと精神科医療の機能分化の質と向上等に関する検討会の機能分化を進めた場合の今後のイメージという中にも、我が国の場合は長期在院患者というのが非常に多くいて、重度かつ慢性というのが表でも緑色で上の方に薄くなっているわけです。恐らくここの部分の話をしていただいているのだとは思うのですが、例えば、こういった形で、mECTの積極的な使用を推進といった場合に、もちろん治療アルゴリズムを出していただいてはいるのですけれども、長期在院者の方に対しても、要は本来必要でない方に対して、される可能性はないのかとか、あと、mECT自体が、副作用のこともありますけれども、副作用のことが余り出ていなかったので、そういったところで心配される方もいるのではないか。
 つまり、医療保護入院初め強制入院という入院形態の中で行われている治療だということを、そこは再確認しておく必要があるのではないかと思ったのですね。例えば、行動制限、隔離、身体拘束もありますけれども、医療者からすると、それは治療だと捉えられるけれども、される側にとってはそれは必ずしも治療でなかったりとか、感じられなかったりすることもあるわけで、重度かつ慢性ということに限局化されて話をされているかと思うのですが、若干危惧を感じたもので、最初に発言させていただきました。
 以上です。

○樋口座長
 どうぞ、伊豫構成員。

○伊豫構成員
 まず最初の青字のところでとさっきあった、一部の方ということなのですけれども、一応、計算上は、平成24年度の報告を考察すると、退院できない人たちの約半数がそれに該当する可能性があります。それから、私が班長をさせていただいたときにありました、私の資料9ページの11に該当しますが、「精神医療の質的実態把握と最適化に関する総合研究」のときに、精神科病床を有する病院に対しての調査を金沢の松原三郎先生が中心になって行いました。そのときに、症状が重篤で改善しないために退院できないという方が、統合失調症の方だと、入院患者の45%です。ですから、決して一部ではないということを御理解いただきたいということが1点です。入院している統合失調症患者全体の45%が症状の改善が望めないために退院できないということですね。ですから、極めて多いということです。
 次に、mECTが、受ける側ではそうではないと言うのは、適応の問題として取り扱うべきでしょう。先ほども言いましたように、国際的には治療抵抗性、抗精神病薬で症状が改善しないために退院できない方々に対して有効な方法の1つとしてクロザピンやmECTが挙げられます。ですから、その適用の判断が極めて重要でありまして、先ほど私が御提案させていただいた、資料5の図2のSCS Review Boardと書いてありますが、重度慢性統合失調症という診断そのものが問題があると言われており、それはさまざまな要因があるということなので、3施設、クロザピンやmECTを使っている施設と、そうではない、使えない施設と協働で、患者が適応であるかどうか、よりよい治療法は何なのかというものを探って、よりよい医療を提供していくということです。単独で1つの病院、または一人の医師が決定mECTを行っていくということではないと御理解いただければと思います。
 ちなみに、重度慢性と治療抵抗性に関してですが、2ページ目の方向性の下に「なお、重度慢性統合失調症は様々な要因によって生じている可能性が高い」と記載しました。ここでは、機能レベル、GAFと書いてありますが、41点以下がクロザピンの適応となる機能レベルですから、例えば、この41点以下の方々について、重度慢性として、その原因についてや、よりよい医療とは何だろうというのをグループで考えていくシステムを作ることが、よりよい医療を提供し、まさに御指摘いただいたような不適切な強制医療にならないようにしていく方法と考えております。

○樋口座長
 どうもありがとうございました。
 他にはいかがでしょうか。どうぞ、千葉構成員。

○千葉構成員
 重度かつ慢性は別のところで今、伊豫先生も私も入って論議をしているところですけれども、いろいろな方々の論議の中では、mECTやクロザピンを使ってもなおかつよくならない人たちを重度かつ慢性にするのだという考え方と、それから、その前の段階で、重度かつ慢性の方々に対して、mECT、あるいはクロザピンを使って、重度かつ慢性という人たちをはっきりさせるのだという論があるのですけれども、私は前者の方なのですけれども、今の先生のお話からすれば、重度かつ慢性という方々は、クロザピンの適応になるような方々を対象とするという考え方でよろしいのでしょうか。

○伊豫構成員
 私の考え方は、先生も御承知のように、まず、重度かつ慢性ということと治療抵抗性という言葉の定義の問題がございます。世界的には治療抵抗性というと、まずクロザピンの適応です。次に、クロザピンで治らない方々をウルトラ・トリートメント・レジスタント、超治療抵抗性と、「ウルトラ」がついているわけですね。現在、日本の状況を考えると、例えば、クロザピンでも治らない人たちといおうとしても、クロザピンの治療がほとんどされていない、使用されている人は2,000人もいないわけですよ。それでクロザピンで治らない方たちをそうしましょうと言っても始まらなくて、むしろ私は積極的に重度慢性、長期入院をしているような方々から、このような治療で治りそうな、改善が見込まれるという方たちをちゃんと見つけ出して、適切に判断して実施していくことがより合理的なのではないかと思っております。もしクロザピンで治らないとなれば、それは国際的に言えばウルトラ・トリートメント・レジスタントなので、そちらとして考えていくべきでしょう。ただし、それに対しても、次のステップとして幾つか、まだ確定はしていませんけれども、世界的には方法が提起されていますので、それらをまた使っていく、より専門性の高い医療となっていくかと思います。

○千葉構成員
 ありがとうございます。私も、重度かつ慢性の人たちというのは、より高度な治療、あるいはケアをすることができるように、重度かつ慢性の人たちの層をはっきりさせて、そこに対して積極的な治療をするためだというふうに、重度かつ慢性のなかなか治らない患者のための医療密度を高めるという、本人たちの利益と考えていたので、先生のお話は大変賛同できます。ありがとうございました。

○伊豫構成員
 最後に一言だけ。先生と同じなのですけれども、そういうことでも治りにくい方々がいらっしゃいますので、その方たちに対する濃厚なケアというのは適切に考えていくべきだと思っております。

○樋口座長
 他にはいかがでしょうか。どうぞ、三上構成員。

○三上構成員
 精神科救急について、平田先生に少しお伺いしたいのですが、地域移行、あるいは在宅での医療、継続を支えるために、やはり救急がしっかりバックアップしないとできないと思うので、千葉県精神科医療センターの活動は非常にすばらしいと思いますが、一方で、精神科救急入院料病棟認可施設はまだ106施設しかないということと、千葉県の精神科医療センターについても、スタッフ数が非常に多くて、今、医師不足、看護師不足が言われている中で、こういうものが果たして本当に現実的に普及できるのかどうか、この点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。また、可能であれば千葉県精神科医療センターにおけるいわゆる人件費比率はどれぐらいなのか、経営状態について少しお伺いしたいと思います。併せて、8ページの上の方のスライドの4に「精神科救急入院料病棟での医療が不均質」と書いてあって、経営優先の「スーパー救急病棟」運用ということから、患者の「流民化」と書かれているのですが、この辺のところについて少し御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○平田構成員
 経営状況は、昨年度は一般会計繰入5億もらって、3億お返ししているということで、医療収支で2億の赤字ですね。医療収益に対する人件費比率は80をちょっと切ったぐらいですかね。70%ぐらいということで、民間病院でいったらやっていけないレベルですけれども、自治体病院の単科の精神科の病院でいきますと、平均すると100%なのですね。要するに、医療収益で自分たちの給料を稼げないというのが現状ですので、その水準でいけば、経営的にはかなり健闘している病院かなというふうに自画自賛させていただきたいと思います。これは慢性の患者がいないせいですね。そういうわけで、経営的にはかなり厳しい条件の中で、それでもスーパー救急病棟の最低の施設基準というのがありますので、それが守れれば、当センターぐらいの治療成績は出せるのではないかと私は感じています。
 それから、スーパー救急病棟での医療の不均質でありますけれども、これは毎年、私が調査しておりますので、明らかなのですね。平均在院日数などは、一番短いところで二十何日、長いところだと百三十何日というふうな差がありますし、診断構成等の中でも非常に差があるということで、これをどう均てん化していくといいますか、水準を上げて平準化するにはどうしたらいいかということが課題になっています。
 それから、スーパー救急病棟というのは、御承知のとおり、いろいろな縛りがありまして、在院が3カ月を超えてしまう患者、あるいは過去3カ月以内に精神科への入院歴が一度でもありますと、救急入院料の算定外と。算定外と書いたのはそういう意味なのですけれども、こういう患者たちが救急入院料病棟という高い規格の病棟に入院することを敬遠されてしまうのですね。ですから、そういう人たちが、結局、他の慢性的な病棟や病院に入院せざるを得ないということで、ちょっと刺激的ですけれども、流民化とか、沈殿という言葉を使わせていただきました。これはデータとしてはきちっと出していませんけれども、こういう事例があるということは確実ですので、こういう人たちをどうするかというのは、我々自身の課題であると考えています。

○樋口座長
 よろしいでしょうか。他には御質問、御意見ございますか。どうぞ。

○岩上構成員
 岩上でございます。
 大変良いお話を伺ったと思っていますが、伊豫構成員のお話も、平田構成員のお話も、そういうことが全国で普及していけば良い、それが指針に盛り込まれていくということが望まれることだと思います。そこで、前回、河崎構成員もおっしゃっていたように、そのためにはやはり経済的な裏づけがないと進まない。それも踏まえた上で、どういう政策誘導があると、伊豫先生がおっしゃっていることとか、平田先生がおっしゃっていることが推進されるのかということをお聞きしたいと思います。

○伊豫構成員
 ありがとうございます。では、伊豫の方からですが、まず、重度慢性の方だけを見ていきますと、3ページに書きましたような問題点と、表1にありますネットワークをいかに作るかということになります。その次のページで、4番の青印のマルとか、緑印のところがクロザピンを使用する病院ということになります。青印がmECTということになります。ですから、そこら辺がより積極的に行えるような診療報酬的なものがいただければいいのではないかと考えておるのですが、ただ、その一方で、重度慢性用の新しい病棟をつくるとか、そういったことは、医師数、スタッフ数、病棟構造を考えると実現困難であり、現在ある救急とか、急性期病棟をうまく利用していくことが重要だと思っております。
 それから、もう一つは、連携体制がとにかく必要ですので、右側の5ページにSCS Review Boardと書きましたが、相互の病院を医師、またはスタッフが訪れて、患者の適切な医療について考えていくというような、相互に往復するための支援がいただければ、より動くのではないかと考えております。

○樋口座長
 平田先生、どうぞ。

○平田構成員
 私は単純でありまして、私どものセンターの方針であるところの重症の急性期患者を速やかに受け入れて、早く治して社会に戻して、地域で支える、こういうことをちゃんとやっている医療機関に対して、手厚い診療報酬なり補助金なり、給付がなされるような仕組みをつくることですね。具体的には診療報酬ということになると思いますけれども、できるだけ高規格の病棟できちっとやっているところに対して、それ相応のインセンティブが給付されるというシステムを作り上げることだと思うのですね。各論的にはいろいろな意見がありますので、全て話し切れませんけれども、幾つかプランはあります。

○樋口座長
 ちょっといいですか。伊豫構成員に1つ、今の関連で伺っておきたいことがあるのですが、この連携といいますか、総合病院と単科病院と地域とという、サターンプロジェクトというのは大変魅力的なのですが、都市部はかなり実現可能性が高いと思うのだけれども、地方に行って、単科の病院と総合病院がものすごい距離が離れているとか、かなり広大な地域の中で、そういった医療機関が点在している、そういうところでもこれは可能だと先生はお考えでしょうか。

○伊豫構成員
 私はいわゆる医療圏ごととは考えていなくて、例えば、圏域をまたいででもグループを組むべきだと思っております。
 次に、これが最も必要になるのはクロザピンで、しかも無顆粒球症が出たときです。無顆粒球症は、適切なモニタリングをしていれば、発見して、死に至ることはありません。では、猶予がどれぐらいあるかというと、恐らく2日から3日はあるだろうと考えています。少なくとも2日はある。そうなると、見つかってから2日以内に総合病院を見つけ出して転院できればいいということになりますので、私たち千葉の場合は、広いですが、千葉県に4つ総合病院がありますので、例えば、私のところがだめだったら、成田日赤にお願いするとか、旭とか、亀田にお願いする、そういうシステムになっています。それでもかなり遠いですね。しかし、2日あると考えれば、かなり広域でチームを組んでもできるのではないかと思います。したがって、モニタリングを適切に行うことができて、いざというときに迅速に対応できる単科精神科病院であれば、少し遠距離でもチームを組めば安全性を担保していけるのではないかと考えています。

○樋口座長
 ありがとうございました。
 河崎構成員、どうぞ。

○河崎構成員
 今、樋口座長が御質問なされた部分を少しお聞きしたいと思っておったのが1点と、前回、佐藤構成員のプレゼンテーションにもありましたように、いわゆる総合病院の精神科が、ちょっと表現は悪いかもしれませんが、病床が減ったりとか、あるいは衰退をしていくという現状をたしか御説明なされたと思っているのですね。そういう中で、今の伊豫構成員の非常に魅力的な御提案だとは思うのですけれども、果たしてこういうことを実際充実させていくためには、どういう施策を打っていくのかという、ある程度の具体的なところまで議論をしないと、なかなか実際的な施策には乗っていかないのではないかという感じがしました。
 それと、もう一点、疑問に思ったのですが、先ほどの伊豫構成員の御提案は、いわゆる重度慢性の統合失調症の方に対する施策の1つの御提案かなと思いましたけれども、今、重度慢性のいろいろな議論がなされている中で、数的にはさほど多くないかもしれませんが、例えば、他の障害との重複で重度慢性のような状態像になっていらっしゃる方であるとか、さまざまな方たちがいらっしゃるのだろう。そういう視点からも、この重度慢性については議論をしておかないと、全てがmECT、あるいはクロザピン等で解決、ある程度の方向性が示されるというものではないのではないかと思っているところをつけ加えておきたいと思います。

○樋口座長
 どうぞ、伊豫構成員。

○伊豫構成員
 せっかく貴重な御意見をいただきましたので、私の考えを簡単に述べさせていただきます。私は基本的に総合病院に精神科の一般外来は要らないと思っています。病棟と他科へのリエゾンコンサルテーションに集中すべきだと考えています。それに対しては、当然、病棟の診療報酬上の問題もあって、他の科から、結局、精神科は稼いでいないからということで、相当つらい目に遭ってきています。ですから、そこをきっちりと重要性を認識していただくことが重要です。リエゾンコンサルテーションは、今後、高齢化、それから、認知症の増加を考えると、どこの科においても必須になってくると考えられますが、それらを精神科病棟で全部引き受けるのは間違えています。どこの科でも診られるようにしないといけない。そうなると、精神科医のリエゾンなどがかなり重要になります。
 もう一つは、これは非常に難しい問題ですが、確かに精神科の医師が総合病院に行かないということもあるでしょう。しかし、例えば、私たちのところだと、初期研修医は、リエゾンコンサルテーションをものすごくやりたがって、どの科に行く医者でも勉強したいというようになっています。ですから、そういった形での研修をもう一度充実させていくとか、看護師を必ずローテーションさせて精神科に行かせるとか、そういったことを併せてやりながら、総合病院での精神医療の必要性と、それの有効性の高さ、それから、精神科医が疲弊しないような形で、入院とリエゾンコンサルテーションを中心にするなどということが必要かと思っています。
 それから、重度慢性の方に重複したさまざまな問題点があるのも事実だと思います。しかも、その方がずっと長期に入院してしまっているということは、そこの病院の力だけでは退院まで持っていけないことの裏返しになるわけです。ですから、地域でチームをつくって、より良い方法を、地域の医療機関が組んで考えて対応していくために、SCS Review Boardというのを提案させていただいております。この中には、全部クロザピン、mECTということではなくて、別のことも考えていきましょうというものです。例えば、重度の強迫性障害と統合失調症が重なっているとか、そのような方々に対して、認知行動療法もあわせてやっていってあげようと思ってもできない施設はたくさんあるのですね。そのようなことも含めて、グループを組んでいけば、全部ではないですけれども、よりよい医療を提供できるのではないか、重複の問題も解決していけるのではないか、と考えております。

○樋口座長
 どうぞ、佐藤構成員。

○佐藤構成員
 総合病院の問題がありましたので、ちょっと発言させていただきます。今まで総合病院の精神科は振るわなかったといいましょうか、だんだんじり貧的になっているのは、明らかな医療政策上の手当てがなかったわけですね。数年前までは15対1、精神科の長期入院の病棟と同じような診療報酬しか与えられなかったために、医療ニーズとして総合病院の精神科は確実に多いわけですから、多いニーズを少ない医者でやると、疲弊したり、医療経済的な手当てが少ないために、病院の精神科は不採算部門だということで切り捨てられてしまって、総合病院の精神科の充実が図れなかったわけですね。
 精神科救急・合併症入院料というのを設定していただきまして、この前、大阪府立急性期医療センターの例を出させていただきましたけれども、以前は余り合併症をとってくれなかったということですけれども、点数を設定していただきますと、積極的にそういうことをやるようになって、医師もだんだん増えてくるということがございますので、私がこの前、提案させていただきましたように、救命救急センターが220強あるのですけれども、精神病棟があるのは90弱ですね。救急とか身体合併症にちゃんと対応していない病院もあるかもしれないので、まず基本のところをしっかり診療報酬を上げていただいて、より多くの医師が雇えるようにしていただくことと、精神病棟がないところは小規模で結構ですので、そこに病棟を設置できるようにしていただくと、一般科と精神科の連携が高まりますので、救急の面だけではなくて、伊豫先生がおっしゃっているような重度慢性に対してもmECTなどは十分に対応できます。そうしますと、両方の面で、救命救急センターを持っている総合病院の精神科病棟を強化していただく、あるいは設置していただくことにより、これは民間でも公的でもいいのですけれども、救命救急はほぼ2次医療圏に1カ所程度ありまして、民間の病院の場合でもかなり公的に機能していると思いますので、そういうふうにしていただけると有効ではないかと思います。

○樋口座長
 他にはいかがでしょうか。どうぞ、千葉構成員。

○千葉構成員
 先ほど伊豫構成員から、精神科以外の医療従業者、医師、もしくは看護師、その他のスタッフに対しても、これから多様な高齢者を含めての精神疾患障害が増えてくる中で、どの科でもそれに対しての一定の知識はきちんと持つように教育がなされなければならないのではないかということがとても大切なことなのだろうと思われます。論点からいけば、第4のその他の良質な、適切な精神障害者に対する医療提供の確保に対する事項の中で言えば、精神疾患に関する知識の普及啓発というところに当たるかもしれません。看護教育等の中で精神科の実習をしないまま看護師の資格を得るという方々も出てきているといいますか、そういうところもありますし、また一方では、医師の前期研修、新医師研修システムの中でも精神科がきちんと履修されないというような方向にあることに対しても、良質な今後の精神医療体制を構築するためには、その辺のところも指針等の中に一定程度は触れていただいて、それらに対しての将来的な改善を入れておくべきではないかと思いました。
 以上です。

○樋口座長
 他におありかもしれませんが、もしあれば、最後のところで出していただきますが、とりあえず、全般お二方のプレゼンテーションに対しての御質疑をここで一旦終わらせていただいて、後半の伊澤、吉川、倉橋、そのお三方のところに移りたいと思います。
 冒頭、先ほど質問が出ておりましたので、伊澤構成員の資料の3ページ目の上の全国厚生労働関係部局長会議の2月19日の資料のところでございますが、もしこれに関して事務局からコメント等ありましたら、お願いしたいと思います。

○江副課長補佐
 ありがとうございます。
 伊澤構成員の資料5の3ページの上の表ですけれども、これは伊澤構成員御自身もおっしゃっていたように、前提がございまして、現在の性・年齢階級別の医療サービス利用状況をそのまま投影した場合ということで、特に平均在院日数も変わらず、入院数も変わらないという前提のもとで、高齢化等の影響を単純に反映させた場合に、こういった推計になるということでありまして、実は、この基になった推計の中には、こういう前提ではなくて、改革シナリオという前提に基づいた推計もございまして、そちらにつきましては、例えば、今、平均在院日数が300日程度ということですけれども、1割程度減って270日程度になるという前提ですとか、あるいは入院の数自体が2割程度削減されるといったことを前提にしますと、2025年でむしろ27万床程度にはなるのではないかといった推計がなされておりました。ですので、このまま何もしないといいますか、現在の構造のままで高齢化等の影響を単純に反映させたらこうなるけれども、ちゃんと改革を進めていけば、むしろ減るのだという推計になっておりました。

○樋口座長
 今の説明でよろしゅうございますか。

○伊澤構成員
 高齢化を反映させたものというふうに受けとめてよろしいでしょうかね。

○江副課長補佐
 そうですね。人口動態の変化を反映させたということになります。

○伊澤構成員
 その動向を反映させた、つまり、現状における精神科病床において、高齢の方々が多く入院をされている、この現状を踏まえてということですね。

○江副課長補佐
 そうですね。それが人口動態の予測に応じてどういう構成の変化があるかということを単純に反映させたということですね。改革シナリオの具体的な前提については、詳しい前提がございます。もし必要でしたら、後ほど。

○伊澤構成員
 情報として出していただいた方がよろしいかと思います。

○江副課長補佐
 もしよろしければ、今、お読みすることも可能ですけれども、概要を申し上げると、先ほど申し上げたとおりで、在院日数は1割程度短縮して、入院は2割程度減少するという仮定です。それは退院支援ですとか、アウトリーチの充実等、まさに今、指針の検討の中で皆さんに御議論いただいているようなことが実現した場合にという前提に基づきますと、むしろ病床は減って、2025年には35万床から27万床になる。これがさらに減るか、増えるかどうかといったことは、改革の内容によってくると考えております。

○伊澤構成員
 資料をぜひいただきたいと思っております。よろしくお願いします。

○樋口座長
 それでは、後半のお三方のお話に関しまして御質疑をいただきたいと思います。
 どうぞ、河崎構成員。

○河崎構成員
 日精協の河崎です。
 先ほど伊澤構成員のプレゼンテーションの中で何度かお触れにはなっておられましたが、現状の精神科医療、あるいは精神科の入院医療を抜本的に再構築していくために、前回、私もお話をしましたが、今の入院医療を本当に適正化していくことが必要である。まずは、居住系の施設をどういうふうに確保するのか、いわゆるHome Firstということも伊澤構成員の方からお話がございました。
 前回、伊藤構成員も御提案をし、私も若干そのあたりを触れたかもしれませんが、病棟転換をして施設にする、この話に関しては、私たちの考え方としますと、今の精神科の入院医療の中には、医療的な対象者を筆頭に、さまざまな方たちが入院をされている。これは平田構成員も、今日、そのように御指摘をされていました。そういう方たちの中に、かなり介護的な必要度が高い人たちもいらっしゃるのも間違いがない。こういう人たちをどういう形で地域の中で支えていくのかということを考えた際に、その地域の中に、それに適した受け皿がまだまだ貧弱な状況である。それを大きく変えるためにも、私たちの考え方としますと、時間的に一定の制限があってもいいのではないかと思っておりますけれども、ある意味、サンセットメニュー的なものとして、こういう施設が1つの選択肢として用意をされることによって、大きく変え得るというところでの発言でございます。ですので、ずっとこういうような施設は必要であり、かつエンドレスにこういう施設を利用していくという前提での発言ではございませんし、まさしく今の精神科入院医療を適正化していくための1つのカードとして、こういうものが選択肢としてあってもいいのではないかというような提案であったというふうに、再度御理解を願いたいと思います。

○樋口座長
 それでは、どうぞ。

○柏木構成員
 日本精神保健福祉士協会の柏木です。
 伊澤委員にお伺いしたいのですけれども、3ページの地域移行・定着支援の強化というところでございますけれども、昨年度から地域移行、地域定着が個別給付になってから、特に地域移行に関しましては後退ではないかというふうに医療機関にいるワーカーは多く思っているところなのですが、強化というのは、具体的にはどういうことをイメージされていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。

○樋口座長
 どうぞ。

○伊澤構成員
 最初の河崎構成員のお話ですけれども、いわゆる介護機能を病院で包摂せざるを得ないような経過があった、それは事実であります。その介護機能を、私はこの中でも申し上げておりますけれども、外に出すべきである、院内に置いておく機能ではないと重ねて申し上げておきたいと思います。時限的な政策としてというお話もありますが、結局、サンセットメニューということは、その方々がお亡くなりになるのを見守るという意味合いでのサンセットメニューだと思いますので、それは私が申し上げている部分からはちょっと外れていくという感じがしております。それが1つです。
 それと、2点目の退院支援の強化に関しましては、地域移行定着支援が平成24年度から個別給付がされたということでございます。そこは福祉サービスの1つのメニュー化が図られたということで、相談支援事業所を中心に取り組みが活性化しつつあるといいましょうか、まだまだ十分な盛り上がりには欠けておりますけれども、徐々に活性化の様相が見えております。そこをさらに強化していくために、相談支援事業所が取り組みやすいような制度の拡充を果たしていく、そういう意味合いでの強化という表現を使わせていただいております。
 以上です。

○樋口座長
 よろしいですか。どうぞ。

○柏木構成員
 相談支援事業所の強化というだけで、地域移行・地域定着の支援の強化が図られるかというところなのですけれども、要は、相談支援事業所が医療機関にアクセスできる仕組みがない限り、この支援というのは使えないと思うのですね。そうすると、医療機関側の恣意的な判断で、地域移行・地域定着というサービスが使えるか、使えないかが決まってくるように思うのですけれども、そこは相談支援事業所がどういうふうに切り込めば、そういう医療機関にアクセスしていくことができるということまでは、岩上さんに聞いてもいいですか。

○岩上構成員
 基本は、前から広田さんから何度も御指摘いただいているように、医療機関の中をきちんと強化するということだと思います。ですから、その点で言えば、前回も御質問させていただきましたけれども、この指針と絶対に関係してくると思うのですが、地域援助事業者への連携と紹介が改正法に規定されていて、それをどういう形で行うかをある程度明確にしておかないと、ここでの指針との兼ね合いがはっきりしないと私は思っています。その上で、相談支援事業者が医療機関に呼ばれて、今の体制で入院患者と接触をとらせていただくとすれば、基本的には今の相談支援事業者が市町村の相談支援事業を受託している必要があります。そうすれば市民の人は対象になるので、その方の支援をするということで呼ばれることはできます。また、計画相談を立てるとか、地域相談を立てるとなると、そこのサービスを提供することにおいて、基本相談を行うことになりますので、それを前提とすれば、支援することができます。しかし、なかなかそこがはっきりしないのですが、基本的に地域援助事業者に何をお願いするのかということと、今後どういうガイドラインをお作りになるかということとが、ここの指針とが連動してくる話だと思っています。

○樋口座長
 よろしいでしょうか。河崎先生、手を挙げられていたので、先に。その後、伊藤先生。

○河崎構成員
 私が申し上げているサンセットという表現は、何もそこに入所なされた方たちがそこで人生を終わられるという意味のサンセットでは全くございません。そういうふうに捉えてしまっているのだとすると非常に残念だと思うのですが、私の、あるいは私たちの考え方は、現状の、例えば、介護老人保健施設、あるいは老人福祉施設、そういうところで対応をしっかりとやっていただけるのであれば、それはそれで私はいいのだろうと思っています。
 でも、現状の中で、なかなかそういうことを受け入れていただけない。それもキャパシティーの問題につながってくるのだろうと思います。そういう意味で、例えば、介護老人保健施設等で対応していただき、そこからまた地域へというルールももちろんあるわけですから、私たちが考えている施設等も、そこが最終的なターミナルの施設ではございません。そこからまた地域へということも、もちろん私たちの努力で、あるいは社会の理解で進めていくべきであると思っているところだけ追加させていただきます。

○樋口座長
 それでは、伊藤構成員、どうぞ。

○伊藤構成員
 2つあります。1つは、倉橋構成員のお話を伺いながら、地区担当制から業務担当制になり、地域で重い精神障害の方がどのぐらいいらっしゃって、どういう治療を受けているかを確認するお役割がなかなか難しくなっているという現状を、ある意味で深刻に受けとめました。一方で、伊豫先生のお話で、重度慢性統合失調症の治療検討委員会を組織され、地域でこういう患者は重いので、こういう治療をしていこうと考えるような枠組みをお作りになられていることに大変感銘を受けました。また、平田先生の御発表で、迅速に対応して、在宅ケアを支援して、慢性化、長期在院を防止するという積極的な御発言がありました。地域での優先順位の高いグループに対して、医療機関がこういう形で支援をしているというのは、保健所的な機能の補完をしているのではないかということを、お話をお伺いしながら感じました。
 もう一点は、伊澤構成員に私の悩みに回答いただきたいのですが、広田構成員ももし何かあればアドバイスをいただきたいと思います。私の原体験的なことが1つあります。それは、ある救急・急性期精神科医療をしっかりと提供されている病院にお伺いしたときに、これからもっと救急・急性期に特化していきましょうというお話をしていた。そうしましたら、看護師の方が、その方は長期療養のケアをしている看護師で、私は日ごろ一生懸命、患者さんについて、退院支援も努力をしているし、いろいろなことを試みている。でも、なかなか難しい。この先、私はどうすればいいのですか、という趣旨のことをお話されたことがありました。この看護師の方は、多分、地域でケアをされても、大変いいケアをされるのだろうと思います。この看護師の方の御発言は、長期患者だけではなくて、今長期ケアに携わっているスタッフについても、どうすればより地域に近いところでケアできるようにするか、その仕組みを作らなければならないという強い問題意識となりました。
 これが海外ですと、海外の精神科の入院医療はほとんど公的病院ですので、いわゆる人事異動で解決します。明日から地域スタッフとして働いてくださいとすれば、すぐできるわけです。しかし日本の場合は民間医療がかなりの割合を占め、各医療機関が独立採算で運営されているわけですから、経営を考えながら次のステップを考えていかなくてはなりません。それをいかに具体的に示せるかというのは、多分、この検討会の大変大事な論点なのではないかと思っています。伊澤構成員、広田構成員の御主張もよくわかるので、ではどうしたらいいのかという点について、何らかの手がかりを伺わせてください。

○樋口座長
 どうぞ。

○伊澤構成員
 長く精神医療の入院病棟におられて看護を経験された方が、訪問看護ステーションに移られるという流れが結構強く出ていると思います。そこで支援を地域で担っていく、その担い手として、東京都内の場合でも、訪問看護ステーションが地域移行退院支援の補助事業の先になり、その補助を受けながら、委託を受けながら、訪問看護の方が病院に足を運んで、地域への誘いを行うという、こういうような活動も進んできておりますので、そういった流れはさらに強まっていく必要がありますし、今の伊藤先生のお話も、そういう流れに沿って進んでいけばいいなと思っております。

○樋口座長
 では、吉川構成員、どうぞ。

○吉川構成員
 今の看護が地域でというところなのですが、今、慢性期病棟で勤務している看護者の御紹介があったのですが、私も実感から申しますと、患者が退院するといった経験が本当に少ない看護者が、実際、長期入院病棟で働いている看護者が多いのですね。ですから、患者が退院されることが、もちろん患者自身もうれしいのですが、そういった支援につながったという、看護者のそれまでの努力が報われるというのも、1つ、本当に大きなところだと思います。
 それはちょっと置いておいて、看護者が地域で活躍できるというところに、1つは訪問看護という、そういった機能があるとは思うのですが、訪問看護だけで精神障害者の方のニーズに全て対応できるかというか、応えられるかというと、そこはなかなか難しいというところもあります。それと、看護師だけではなくて、地域でも多職種がいろいろと支援をすることを考えると、多職種が地域で支援ができるような拠点を、サテライト型、いろいろとあるとは思うのですが、独立型も含めて、そういったものを複数選択肢ができるような、そういったものを検討していく必要があるのかなとは思っています。

○樋口座長
 どうぞ。

○田川構成員
 地域で精神科の診療をしていますと、とても大変な方が地域で生きておられます。幻聴はずっと続いているし、妄想的であるし、日中のリズムなどはめちゃくちゃ、それでもちゃんとひとり暮らしをされている。ちゃんと診察においでになる。ちょっと調子が悪いときなどは持続性の注射も受けていただける。信頼関係であるとか、いろいろな機関がそこに関わったりとかの中で、その方は生活しておられると思うのですけれども、その方がどこか知らない病院にぽんと入院されたような場合に、退院できるだろうかと、我々はとても心配になります。
 どうしても施策のお話だから、1つ1つ施策の段階があるのかもわからないですけれども、本当にお1人お1人について、どのぐらいしっかり情報交換して目標を定められるかというのがとても大きな問題になってくると思っています。前にプレゼンさせていただいたときに、退院支援者が病院におられて、地域の支援者と協議会を持たれるということで、もし診療所に通院しておられた方が入院されたようなときに、その方がどういう状態であれば地域で生活できるのかをしっかり病院の方も把握して、具体的にどういう方針を立てるかによって、随分入院の形は変わってくると思うのです。もちろん制度とかシステムは大事だと思うのですけれども、同時にソフトな部分をしっかりやっていくことが、長期入院を阻止できるし、早く退院できるようになるのではないかと思います。

○樋口座長
 ありがとうございます。
 他にいかがでしょうか。どうぞ、千葉構成員。

○千葉構成員
 吉川構成員のお話の中で二、三お伺いしたいと思います。
 まずは3ページなのですが、下の図の訪問看護ステーションと医療機関の訪問看護の機能や役割の差というのは、分けて考えられているように思うのですが、そのあたりはどこでどう分けるのだろうかと思います。また、地域によっては訪問看護ステーションの資源が少なかったりする場所等もあるわけで、このあたりのところはどうなのかなというのが1点、峻別というのがあるのかないのか、行うべき役割があって、それをどちらが担ってもいいのか、そういうところですね。あるいは訪問看護ステーションでなければならないのかというところをお考えなのかどうかということをお伺いしたいのと、4ページ目のアウトリーチ支援の2つ目の、いわゆるサービスにつながっていない段階の対象者を、相談支援事業所との組み合わせでも検討するとお考えになっているようなのですけれども、現実的には相談支援事業所としても入りにくいものであって、本来は相談支援事業所等が行っていくのは福祉的なアウトリーチなのだろうと思います。むしろこれは保健的アウトリーチといいますか、保健所等の機能強化で、ある程度公的な機関がしっかりと、昔は完全に保健所の仕事だったのではないかと思うのですけれども、随分保健所が衰退してしまったので、これらのところが今、問題点として逆に上がっているように思いますが、むしろこれは保健アウトリーチとして考えていく、都度に連携は必要だとは思いますけれども、主に相談支援事業所等の福祉サービス側が福祉アウトリーチとして入るのはちょっと違うのかなと思うのですけれども、その辺のところですね。その2点教えていただければと思います。

○吉川構成員
 まず1点目ですが、訪問看護の役割機能、あくまでもイメージとしてお示しさせていただいたのですが、できるだけ入院機関を短くして、医療的な課題は引き続き地域で支えるというふうになれば、そこは主治医と緊密に連携しながら、精神の医療に関する専門的な知識を持ったところが担うのが一番いいのではないかと考えています。
 ただ、訪問看護ステーションとのすみ分けについてですが、厳密にそこをすみ分けるというのがちょっと難しいのかなと思うのですが、先生もおっしゃったように、かなり偏在ですね。訪問看護ステーションがある地区と、精神障害者に対する訪問看護ができるところがかなりばらつきがあります。そこは精神障害者に特化した訪問看護ステーションを増やすという考えも1つはあると思うのですが、必ずしもそういう考え方だけではなくて、今の一般的な訪問看護ステーションが精神障害者の支援も一定程度担っていただく、そういう形で支援を増やしていくという考え方も必要だと思います。そうなったときには、できれば専門的に精神の訪問看護をやっていたところから、今度は一般の訪問看護ステーションにつなげていくという、そういった考え方で資源を確保していく。そういう意味もあって、そういうふうに切り分けることも可能なのかなと思いますけれども、そこは厳密なものではないという気も、私もここは迷いながらです。
 それと、2つ目のアウトリーチのことについてなのですが、確かに先生がおっしゃられるように、保健的なアウトリーチ、そういった性格が非常に今は高いのかなと思っています。ただ、私がいろいろなアウトリーチの医療機関が行っているところ、あと、訪問看護ステーションが行っているところとか、あと、震災で対応されているところとかもお伺いしたときに、現状見ると、従来だったら、多分、保健所が対応しているようなケース、そういった支援をされているというところもあるのですが、ただ、継続的な支援の内容を見ていると、必ずしも濃厚なケアが継続して必要な方だけではなくて、地域生活を継続するためには、例えば、見守りとか、定期的な巡回訪問という、誰かが気にかけているという、そういったことで地域で生活ができている方もいらっしゃいます。
 それと、もう一つは、医療機関に直接引きこもりの方がつながってくるというのが、地域のそういったニーズが、医療機関が自治セン協議会とか、そういったところにがっつり入っていれば、そういった情報共有もできるとは思うのですが、現実的になかなかそういうところもないので、相談支援事業と役割との組み合わせといいますか、そういった意味と、もう一つは、これは個人的な意見にはなるのですが、全部診療報酬で評価する、カバーするというのはなかなか難しい。例えば、関わりを持つとか、関係作りをする、あと先ほど言った見守りとか、そういったところについては、ある程度相談支援事業として、そういう役割で予算的に見るとか、診療報酬との組み合わせというか、そこも課題がたくさんあると思いますけれども、そういう意味合いで表示させていただきました。

○千葉構成員
 ありがとうございます。引きこもりが全て精神疾患か精神障害かということになりますと、引きこもりの方々からかなり文句が出てくるということもあろうかと思いますし、本人が望まないところに訪問サービスを押し売りしていくという形もなかなか難しいといったところで、一般の民間の医療機関であったり、医療サービスであったり、相談支援事業所の福祉サービスであったりは非常に入りにくいところなのではないか。診療報酬になじまない以前に、その辺の問題があるかなと思ったものですから、その辺のところを聞いてみたかったのです。

○樋口座長
 それでは、何人か手が挙がっています。倉橋構成員、野沢構成員、そして広田構成員、多分、それで今日はいっぱいだと思います。どうぞ。

○倉橋構成員
 今、保健所の話で、昔は保健所がやっていて、衰退したから、今はできないというような趣旨の話にも聞こえたのですけれども、確かに数的には少なくなり、地区担当制から業務担当制に変わって、やり方は変わり、カバーできる部分が大変少なくなった問題点というのはそのとおりだと思うのですけれども、反面、昔は保健所しかなかったところが、今はいろいろな手法の解決策が利用できるようになった、資源は増えたと思っております。それから、量的に増えた資源を使うために、先ほどの個人情報保護とか、それ以外のものも含めて、手順を踏まなければいけなくなった、調整業務が非常に増大したと考えております。
 そういう意味で、保健所としては、現有勢力が増えたわけではないので、確かに手が回らなくなったというのはそのとおりなのですけれども、今ある勢力としては昔と変わらず一生懸命やっていて、それでできなくなって、手が回らなくなった部分もあり、かつ、他の使える資源が増えたところの調整をきっちりやることによって、むしろ昔よりも対応はうまくいくようになり得るというか、そうしなければいけないと考えております。そういう意味で言いますと、保健所が率先して精神保健センターとか、医療機関の先生方、福祉・保健も含めて、多様な調整を、大変ですけれども、今後とも頑張っていきたいと思っています。そういうことができるような仕組みをぜひ作っていくようにしたいと考えております。
 以上です。

○田邉構成員代理益子氏
 しゃべり忘れたことが出たので、ちょっとよろしいですか。

○樋口座長
 では、一言追加してください。

○田邉構成員代理益子氏
 今、倉橋先生と一緒に東京都でやっていますので。私どものところは特殊かもしれませんけれども、全国で幾つかの精神保健福祉センターで公的なアウトリーチをやっています。私どもは国の補助をもらっていないのですけれども、いつも保健所からのオーダーで、保健所と一緒に動くという形でやっています。その中でまたいろいろ福祉の人たちと一緒に動いております。私どもはセンターでも昔から世田谷リハビリセンターという、ちょっと特殊な、福祉の人たちと一緒に仕事をしてきていまして、患者の、要するに、ハーフウエーハウスみたいなことをやってきたのですけれども、結局、医者も看護師も、医療色をいかに出さずに、他職種の福祉職や何かの後ろに回って、とにかく我々の相手にしているのはお医者さんが大嫌いな人たちです。未治療だったり、医療中断で、もう病院はこりごりだと。要するに、隔離、拘束されて、ああいうところに近づくとそういう目に遭うという、お医者さんたちがいっぱいいる中で、私も医者ですが、向こうに回してあれですが、医療にもう一回つなげて入院させるのは大変苦労する人たち。家族もそういう思いをしている。同じことを言う家族もいるのですね。そういう人たちについて、医者顔しないで、見立てと、ちょっと後ろに下がって福祉の人たちに働いてもらいながら、生活支援をしながら、私たちはアウトリーチの中でも必要な人を、クライシスハウスみたいなものをやっているのですけれども、そこでも全く後方にいて、薬のくの字を言うともう口きいてくれませんので、そうして生活支援しながら、最後に、このままでは帰れないでしょう、このままでは同じだよねと言いながら気長に薬を進めて、また帰られて、措置入院されて、だけれども、嫌な思い出がないので戻ってきてくれて、本当に独立してくれたとか、本当に気長なことをやっていますけれども、そういうやり方もある。でも、やはり医者がいなければならない。こういう仕組みを地域でできたら、多分、医療保護入院は減らせるのではないか。こういう方法もある。医者としては不全感たっぷりなのですけれども、そこに慣れているのですね、みんな。そういう人材育成もあるかなと。ちょっと一言、すみません。

○樋口座長
 ありがとうございました。
 では、野沢構成員、お願いします。

○野沢構成員
 毎日新聞の野沢です。
 この精神の検討会にここ二、三年関わらせていただいているのですけれども、大きなテーマというか、基本的には同じで、長期入院や病床数の多さをどうやって解消していくか、それを地域にどうやって移していくかというのがずっとテーマであると思います。なぜそれがなかなかできないのかというと、地域に医療や福祉や居住、あるいは人的資源を含めたものが足りないからだということで出せない。それを拡充していくためには、やはりお金がいる。では、お金を増やそう、それは大賛成なのですけれども、ただ、この議論は、私を含めて、皆さんそうだと思いますけれども、なかなか一般国民は理解してくれなくて、私は社説で消費税を医療や福祉を充実させるために上げようと書くたびに大批判を受けたりしているわけですね。やはり世の中の反応はそんなもので、政治もなかなか決め切れない。それはそれで必要なのですけれども、現実的に進めていくためには、精神に係る、医療、福祉、全部含めた予算の中で、どうやってシフトしていくのかというのを議論しなければいけないと思っていて、それは大変厳しいと思います。みんな利害が対立していますのでね。どこか増やせば、どこか減らさなければいけないというので、ゼロサムの中でやる議論というのは非常に厳しいのですけれども、やはりこれをやらなければいけないと思います。
 入院に係る予算を減らして、地域の予算を増やす。そうすべきだと思うのですけれども、ヨーロッパでできて、なぜ日本でできないのか。やはり日本は民間が主流だからということですね。病棟転換の話が先ほどから再三出ていますけれども、私も基本的には、入院患者の方をそのまま残すような、温存するような転換は反対ですけれども、全く経営の転換というものを考えないと、あとはもう潰れてくれと言うしかないわけですね。それをやっていると、いつまでたっても進まない。何でも進まないと思います。何らかの経営の転換みたいなものをきちんとここで絞り込んで議論していく必要があると思うのですね。
 ここのところで議論が硬直してしまうと進まないような気がして、どうするのか、なかなか答えは出ないのですけれども、先般発表された政府の社会保障制度改革国民会議の中に、医療提供体制をどうやって変えていくかというのが主なテーマになって書かれていて、都道府県がいろいろな責任や権限を行使してということなのですけれども、その中に、医療法人に加えて福祉をやっている社会福祉法人なども交えた、あるいはNPOなども当然交えていいと思いますけれども、1つのホールディングカンパニーのようなものをつくって、その中でいろいろ提供体制を変えていくのだというくだりが出てくるのですね。これはちょっと夢物語みたいな感じがしないでもないのですけれども、こういう提供体制をつくると、その中では利害の対立はないはずなのですね。理屈的には。その中での部署の転換だけであって、こういうことは考えられないのかなと思います。なかなか現実的に難しいかもしれませんけれども、今日欠席されていますが、長野先生などの地元では、地域のNPOと医療とが合体して、患者を地域に移すような仕組みをやっているところがあるのですね。そういうことができるもの、モデルみたいなものを幾つか具体的に提案して、どうやって経営を変えていくのか、医療、福祉、あるいは就労も含めていいと思いますけれども、そういうものを変えていけるような提供体制の変革みたいなことに絞り込んだ議論が必要だなと感じております。
 以上です。

○樋口座長
 ありがとうございました。
 それでは、最後、広田さん、お願いします。

○広田構成員
 野沢さんが今、国民に伝わらないと言っているのですけれど、今日の論議も伝わらないと思います。やはり業界の精神医療で、国民が安心して365日24時間、どうやって利用できるか、そして入院治療が必要ない人が地域で幸せに暮らしていけるかということからずれてしまっているのです。
 伊澤さんの話は、今まで聞いた中で、全体的に見ればいい話だったのですが、この資料を見せていただくと、今、まさに野沢さんが言っていたけれど、理不尽な財政配分構造、これは8年前ですね。こんな古いものを出して、私が出した資料は資料として国民の目に触れない、コメンテーターではないから。でも、伊澤さんの資料は国民の目に触れるのです。こんなものを出し続けているうちは国民の精神科医療にならない。
 どうやって小異を捨てて大同に立ってやっていけるか。私は河崎先生から、今日、いわゆる病棟転換、最後まで置いておくわけではないですよ、という話を伺って、だったら、そこに入れることを考えないで、国がとった隔離収容政策で、何度も言っていますが、都道府県も病床を増やしてきているわけですから、認可を。そういうところの公の責任。それから、野沢さんには申し訳ないのだけれど、日本のマスコミが本当に日本を悪くしています。私、たまたま11月11日からアメリカのワシントンDCに行ってきますけれど、日本のテレビを見ないで米軍放送をずっと聞いています。ヒアリングで。ずっと楽に暮らせます、幸せに。本当にどれだけ疲れさせられるマスコミかということで、マスコミ各社もいっぱいうつがいるわけです。それは今日私が出している日精協の精神障害者に対する偏見の是正の中に出てきます。窒息しそうな、公務員、教師、警察官たたきというのをやめないと、いろいろなものを含めて、子供たちまでも病んでいる、この日本社会を変えないで、今、入院している人が出ていって、地域の中で暮らせるような環境はない。
 私が3年前に引っ越して、そこに暮らして、そして、環境が整った。たまたま10年前に骨折して、1年後にリハビリでスパを使ったおかげで熟睡をして、薬も減らしてきている。この1月から健康保全器具を利用していることとか、栄養を考えたり、睡眠時間も前より早く寝たりして、薬を少しずつ減らし続けている。一度薬が出て飲んだら、減らすのにものすごい努力をしなければならない、それが患者の宿命なのです。
それを、引きこもりを医療に連れていくとか、とんでもない。温泉に連れていけばいいし、私のところに来る引きこもりの親に「家から出ていって」もらうように言っています。本人に電話して、「あなたは、田舎でお父さんとかお母さんの親族の具合が悪くなって行ってしまって、机の上に1万円置いてあって、冷蔵庫が空っぽになったら餓死するの」と言うと、「餓死はしない、店に買いに行く」と言っているのが引きこもりの方です。だから、親にその覚悟があるのかということは、今日、良田さんがいないから言いづらいけれど、そういうことなのですね。
 何度も言っているように、精神科の患者を108万人から320万人まで増やしているわけですから、これ以上増やさないこと、今いる患者を治せること、これから来たら治すこと、連携、ネットワークなどと言っている前に、それぞれのやるべきことをやる。保健所が今日見えているけれど、横浜市の障害者支援担当などは使えません。
 先日も横浜市内のある交番に、「生活保護を受けたい。どうしたらいいですか」という相談で夜中に女性が行ったそうです。それは本来なら障害者支援担当とか、福祉事務所というところを、おまわりさん、わからないことが幸いで、署長まで決裁に上がった。その署長が私を信頼しているから、「こういう人がいるけれど、紹介していいでしょうか」と言うから、本人からの電話をもらって家に来た。彼女は105円しかないと言うので、「出世払いね」とご飯を出した。そして、京浜急行の弘明寺で彼女を抱き締めて、「大丈夫、あなたは幸せになるわよ」と、その一言でいいのです。彼女は翌日から、予定どおり入院しました。手紙をいただいて、「本当に広田さんに出会えてよかった」と言っていました。
 関わるPSWであろうと、公務員であろうと、いわゆる公的なところ、それから、民間の補助金でやっているところとか、私はそういうところが無理な危機介入の相談活動をしています。精神医療の被害者として。相手に安心感を与えられればいいのです。日本のメディアも安心を与えてほしいのです。ところが不安ばかりですよ。
 ということで、次回は、言いたいことはいっぱいここにありますし、千葉の救急医療センターに10年ぐらい前に伺って、本当にいいと思ったのは、インテークがすばらしい。日本の精神科救急医療の情報センターの窓口で下手なところはインテークを。千葉に行ったほうがいいです、泊まり込みで。私は7時間張りついていましたが、とてもよかったです。私と同じです。8時ごろ電話がなり、「御飯食べたの、食べてからまた電話したら」と言うと、食べて落ち着けば電話はかかってこないのです。「えっ、どうしたんですか」と、傾聴ばかりやっていてはだめだということなのです。
 それと、もう一つは、次回でいいです。ソフト救急といって、一般の市民、患者、家族、救急隊から電話がかかってくる神奈川県の4県市です、政令市が3つもあります。その協調事業の中で、かかってくる電話で、保護者がいないと言うと、その窓口は、「保護者がいないのだったら医療保護入院に持ち込めませんから、警察官通報をかけてください」と、こういうことが私が電話をかけてもある。それは次回言ってくださいということで、ぜひ次回はもっと電車の中で国民の声を聞いて、まちの中で子供と一緒に遊び、私は対馬まで行っていますけれど、いろいろな精神科病院等に泊まり歩いています。もっと目を開いて、耳を開いて、自分が患者になったら、自分が家族になったらという視点で論議しなければ、また今回も、伊澤構成員の最後のところに書いているように、「これまでさまざまな検討の機会がありましたが正直改革や変化の兆しに実感が持てませんでした」、今回もそれと同じだと思います。
 伊澤さん、こういうところに出すときには、バランス感覚のある資料を出していただきたい。ワイドショーではないのだから、理不尽な財政配分などということを出したら、国民はえっということで、ここで言わなければいけないのは、「精神科病院=悪」、「クリニック、診療所、地域福祉=善」ではないのです。精神科病院は、さっき重複という話が出たけれども、統合失調症と知的障害の重複で大変だという人も私は会っていますけれど、いろいろな重複があるのです。そういう実態をみんながもっと勉強して、自分が国民として使わなければならない、目の前のこの人だったらどうかということで考えていかないと。
 私は、相談支援は要らないと思っています。相談支援よりも、安心して出会える人間関係ということと、精神科病院に患者をお見舞いに行けるようにすれば、何も何とかサポーター、何とか地域支援員などと言わなくてもいいのです。病状が悪化するから会わせないと言うのです。病状が悪化したものをよくさせるのが病院ですから、それは予行演習のようなものなのです。そういうものが全然できていないで、ここで何でもかんでもお金をつけて、分捕り屋ではないけれど、野沢さんもね。そうではなくて、本当はこのぐらいの医療費とこのぐらいの福祉がかかるのだけれど、でも、日本は国も地方自治体も1,000兆の赤字だから、やはりこの中でやっていかなければいけないというところを国民に見せなければいけないのです。それを最初から落としどころだけ出そうとしても、国民はわからないと思います。ですから、国民の一員に立って、ぜひぜひ、もう一回論議を、きちんと次回からやっていただきたい。
 以上です。

○樋口座長
 ありがとうございました。
 時間が終わりに近づきました。大変熱心な御質疑をいただきましたが、これで本日は終わりにしたいと思います。
 次回は27日になりますけれども、引き続き、予定では4人の構成員の方からお話をいただくということで、その後、今日までに出た議論のところを踏まえて、論点の整理といいますか、その前段階のところを議論していただいてと思います。そして、基本的には既存の検討会での結論をベースに、今後どのように指針に書くべきか、指針を書くという作業が本省側にあるわけですから、それに沿った観点からの議論をしていただきたい。9月の末にまとめるところは、特に診療報酬に関係するところの論点が中心になってまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。

○広田構成員
 ちょっと座長、1点だけ、さっき伊澤構成員に対して、江副課長補佐が回答したところの資料を次回出してください。

○樋口座長
 ぜひ、よろしくお願いします。
 それでは、事務局、よろしくお願いします。

○江副課長補佐
 次回は8月27日17時半から、場所は航空会館にて開催いたします。内容としましては、今、座長からお話がありましたように、ヒアリングの続きと、それから、論点整理、指針を意識したような、肉づけしたようものをお出ししまして、それについて御議論いただければと思います。
 また、先ほどございました資料につきましても提出させていただきます。

○樋口座長
 それでは、大変長時間にわたりまして御質疑、御議論いただきまして、ありがとうございました。これで第2回の検討会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課企画法令係

電話: 03−5253−1111(2297、3055)

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