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2013年7月10日 第3回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会議事録

健康局結核感染症課

○日時

平成25年7月10日(水) 16:00〜20:00


○場所

国立感染症研究所共用第1会議室
(新宿区戸山1丁目23−1)


○議題

(1)予防接種基本計画の策定について
   ・予防接種の適正な実施に関する施策を実施するための基本的事項
(2)風しん対策について
(3)4ワクチンに関する技術的検討
(4)小児用肺炎球菌の予防接種について
(5)その他

○議事

○嶋田室長補佐 定刻となりましたので、ただいまより第3回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会」を開催いたします。
 本日は、御多忙のところ御出席をいただき、まことにありがとうございます。
 本日の議事は公開ですが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 また、傍聴の方々は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 初めに、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 本日は、委員10名のうち、岡部委員、小森委員、坂元委員、澁谷委員、多屋委員、中山委員の6名が出席いただいております。池田委員からは30分程度おくれての出席と連絡をいただいております。
 また、庵原委員、中野委員、宮崎委員の3名から欠席の連絡をいただいております。
 現時点で厚生科学審議会の規定により定足数を満たしておりますので、本日の会議が成立していることを御報告いたします。
 また、本日、5名の参考人をお呼びしておりますので、御紹介させていただきます。
 福井県勝山市健康福祉部健康長寿課主幹、櫻井陽子参考人、独立行政法人国立病院機構三重病院臨床研究部長、菅秀参考人、独立行政法人国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター長、溝上雅史参考人、東北大学加齢医学研究所教授、渡辺彰参考人、少々おくれておりますが、筑波大学附属病院副院長、須磨崎亮参考人は後ほど出席いただきます。
 また、事務局に人事異動がございましたので、御紹介いたします。
 7月2日付で佐藤敏信健康局長が着任しております。
 これより、佐藤健康局長より御挨拶申し上げます。
○佐藤健康局長 改めまして、健康局長の佐藤敏信でございます。7月2日付で前任の矢島に引き続いてこの局を担当することになりました。
 きょうは7月としては記録的な猛暑だということですが、そうした厳しい気象条件の中、そしてまた大変お忙しい中、お集まりをいただきまして本当にありがとうございます。
 また、平素より、感染症対策はもちろんのこと、予防接種行政につきまして大変な御尽力、御努力をいただいておりますことに、この場をかりて厚く御礼を申し上げます。
 せっかくの機会ですから、ちょっと私めのことを申しますと、7月2日に来たと申しましたが、実は今を去る15年ぐらい前までは中島さんが今おります感染症情報管理室長ということでしたので、岡部先生などにも大変教えていただきながら、感染研にも足しげく通いまして、いろいろなことを教えていただきました。
 それ以降、きょうの議題でございます4ワクチンに関する技術的検討や風しん対策、あるいは予防接種の基本的事項など見ますと、あの当時、議論しながらなかなか実現できなかったことが、今、実現しようということもありますし、またその当時は思いもつかなかったようなことで新しい問題が出てきて、新しい発想で取り組んでいただいている部分もあり、いろいろな感慨が思いめぐります。いずれにしましても、きょうは4時間という大変長丁場が予定されているようですが、私もこの15年ぐらいのおくれを取り戻すべく、一生懸命さびついた頭をフル回転させますし、またいろいろな場面で御指導賜ればと思います。
 いずれにしましても、限られた時間ではございますが、どうか熱心に御討議いただきますようお願いをいたしまして、簡単ではございますが、挨拶にかえさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。
○嶋田室長補佐 それでは、議事に先立ちまして、配付資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、配付資料一覧、委員名簿、資料1から9まで、また参考資料1を用意しております。配付資料一覧と照合していただき、不足の資料がございましたら、事務局にお申しつけください。
 申しわけございませんが、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○嶋田室長補佐 引き続き、審議参加に関する報告をいたします。
 予防接種ワクチン分科会審議参加規程に基づき、各委員及び参考人から、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受け取り状況、申請資料への関与について報告いただいております。
 議題2に関しまして、風しんワクチンの製造業者である北里第一三共ワクチン株式会社、武田薬品株式会社、一般財団法人阪大微生物病研究会。
 議題3に関しまして、水痘ワクチンの製造業者である一般財団法人阪大微生物病研究会、おたふくかぜワクチンの製造業者である北里第一三共ワクチン株式会社、武田薬品株式会社、肺炎球菌ワクチンの製造業者であるMSD株式会社、B型肝炎ワクチンの製造業者である一般財団法人化学及血清療法研究所、MSD株式会社。
 議題4に関しましては、小児用肺炎球菌ワクチンの製造業者であるファイザー株式会社。
 これらの企業から過去3年度における寄附金等の受け取りについて、各委員、参考人より申告をいただきました。
 出席委員のうち、池田委員がファイザー株式会社から50万円以下の受け取り。
 岡部委員が北里第一三共ワクチン株式会社、武田薬品株式会社、一般財団法人化学及血清療法研究所、一般財団法人阪大微生物病研究会及びファイザー株式会社から50万円以下の受け取り。
 多屋委員が武田薬品株式会社、一般財団法人化学及血清療法研究所、MSD株式会社及び一般財団法人阪大微生物病研究会から50万円以下の受け取り。
 欠席委員のうち、庵原委員が武田薬品株式会社、一般財団法人化学及血清療法研究所、一般財団法人阪大微生物病研究会及びMSD株式会社から50万円以下の受け取り。
 中野委員が北里第一三共ワクチン株式会社、武田薬品株式会社、MSD株式会社及びファイザー株式会社から50万円以上500万円以下の受け取り、一般財団法人化学及血清療法研究所及び一般財団法人阪大微生物病研究会から50万円以下の受け取り、また議題4の小児用肺炎球菌ワクチンについて、申請書類作成の関与についての申請がございます。
 宮崎委員が武田薬品株式会社及び一般財団法人化学及血清療法研究所から50万円以下の受け取り、また議題3のうち、B型肝炎ワクチンについて申請書類作成への関与についての申請をいただいております。
 参考人のうち、須磨崎参考人が北里第一三共ワクチン株式会社及びMSD株式会社から50万円以下の受け取り。
 渡辺参考人が武田薬品工業株式会社及びMSD株式会社から50万円以上500万円以下の受け取り、ファイザー株式会社から50万円以下の受け取りについて、それぞれ申告いただいております。
 なお、今回は欠席委員から議事に関する意見書が提出されておりますが、これらの意見につきましても今回の議事に盛り込むため、欠席委員も申告の対象とさせていただいております。
 今回申告いただいた委員、参考人のうち、50万円以下の受け取りは審議への参加、議決に加わることができますが、50万円以上500万円以下の受け取りは審議への参加はできますが、議決に加わることはできません。
 また、中野委員が議題4の小児用肺炎球菌ワクチン、宮崎委員が議題3のうちB型肝炎ワクチンについて申請書類作成への関与について申請されておりますので、これらの取り扱いについてお諮りさせていただきます。
○岡部部会長 ただいま事務局のほうから審議参加についてお話があったわけですけれども、現在出席委員の方は全員議決に加わることができ、もちろん審議はできます。
 中野委員、宮崎委員がワクチンの申請資料に関与しているということですが、今までの委員会等々で、もちろん公平な立場でということですけれども、臨床医の立場あるいは経験者としての立場での御意見は非常に貴重なものがあるので、御意見としてはいただける。ただ、議決には参加できない。もともと今回は紙で意見だけを提出していただいたので、議決のほうは関係ありませんけれども、従来どおりのやり方であれば御意見はいただけるということで諮りたいと思うのですが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○岡部部会長 御意見が公平かどうかというのはもちろん我々のほうも見て、それが当然であるというような形での御意見をいただくことになります。
 それでは、今のところは御了解をいただいたということで進めたいと思いますけれども、これでスタートしてよろしいですか。
 先ほど健康局長からもお話があったように、きょうは暑い中ですけれども、一応クーラーは入っているようですから、少しは頭を冷やしながら議論ができるのではないかと思います。
 4時間は長いということでもありますけれども、前回のときも時間切れになったり、どうしても相当いろいろな内容のことを話さなくてはいけないので、以前の部会のときから、例えばACIPは回数だけではなくて本当は午前午後で2日間もやっているというのが1回ですから、そういう意味ではきちんとした議論をやるということで、申しわけないのですけれども、今回は4時間という時間が設定されております。資料はそんなに厚くはないのですけれども、中身は相当濃い話になると思いますので、よろしくお願いいたします。
 ただし、わずかな時間ですけれども、休憩を真ん中ぐらいでとりたいと思いますので、それも御了承ください。
 それでは、議事次第に従って順番どおり進めていきたいと思います。
 一番最初は、前回からの引き続きにもなりますが、「予防接種基本計画の策定について」ということになります。
 今回は参考人の方に来ていただいていますので、地域においての取り組み、あるいはかなり以前から予防接種センターといったようなことが行われているのですけれども、実際にうまくいっているところと余りうまくいっていないところがあって、この点について、一つは「予防接種の適正な実施に関する施策を推進するための基本的事項」について、接種記録、接種率向上等の自治体の取り組みを福井県勝山市の櫻井参考人からお話をいただいて、次に医療機関や相談事業、先ほどちょっと申し上げました予防接種センター、これは亡くなられた神谷齊先生が御尽力されて立ち上げたものですけれども、それを国立病院機構三重病院の菅先生が継がれてずっとやっていますので、その辺のお話を伺いたいというのが最初であります。
 それでは、御説明をお願いするのは、順番で済みませんが、櫻井参考人からお願いいたします。よろしくどうぞ。
○櫻井参考人 福井県勝山市の櫻井と申します。私のほうから福井県勝山市の予防接種状況について説明をさせていただきます。
 資料1の1ページをごらんください。福井県勝山市は福井県の東北部に位置しております。恐竜化石で有名なところでもございます。
 めくっていただきまして、2ページは、勝山市の概況といたしまして、人口は約2万5,000人、出生数は、平成24年ですけれども、171人という状況になっております。
 住民の予防接種の接種率ですが、2ページにポリオを完了した率、3ページに三種混合追加の接種率、麻しん・風しん混合ワクチン1期の接種率ということで、幼児を中心に接種率を掲載させていただきました。ほとんどが90%以上の接種率という状況になっております。
 めくっていただきまして、4ページは、麻しん・風しん2期完了率ということで、平成18年4月2日から平成19年4月1日生まれの子だけですけれども、95.8%、DT2期完了率が91.9%という接種率になっております。
 接種率向上に向けた取り組み状況ですが、定期予防接種の費用については、A類の疾病についての接種費用は全額公費負担で無料、B類疾病、これはインフルエンザになるのですが、市のほうで1,500円を補助して、勝山市の場合は3,000円ですので残り1,500円は自己負担していただくという状況になっております。そして、医師会、学校等と連携した接種勧奨及びPRを行っております。
 5ページは、それぞれの時期に分けまして、接種勧奨状況及びPR状況について掲載をさせていただきました。
 乳幼児期につきましては、妊娠届け出時に「勝山市子育てガイドブック」といいまして、勝山市の子供に関するいろんな情報を入れたものを配布していますが、その中に予防接種について掲載をさせていただいてPRしております。
 出生届け出時に問診票を市民課で配布しております。
 新生児・乳児期は、保健師が全数訪問して予防接種について保護者に説明をしております。
 接種開始時期につきましては、予防接種開始対象年齢に個別通知を実施しております。
 病気などの受診時に、かかりつけ医による個別の接種勧奨を行っております。
 1歳半児・3歳児健診につきましては、接種状況を確認しながら小児科医師による接種勧奨を行っていただいております。
 就学時健康診断のときにも、学校と小児科医のほうから接種勧奨を行っております。
 それ以外に、年1回必ず未受診者へは郵送による通知を行っております。
 続きまして、児童・生徒への受診勧奨及びPR状況です。
 対象者に個別通知をいたしまして、学校からの接種勧奨というのがかなりございまして、学校からいろんな便り「保健だより」等を発行しておりますが、その中で予防接種をPRしていただいたり、保健の先生のほうからも子供たちに予防接種を呼びかけていただいたり、予防接種のチラシ等を配布していただいております。
 そのほかに、かかりつけ医による接種勧奨ということで、子宮頸がん予防接種については、かかりつけ医のほうで初回接種スケジュールを作成して受診勧奨を行ったり、兄弟が受診されるときに接種状況を確認しまして勧めるということも行っております。
 めくっていただきまして、6ページは高齢者の受診勧奨、インフルエンザ予防接種ですが、こちらのほうは市広報によるPRをしております。そのほかに、非課税世帯に郵送で個別通知をしております。非課税世帯は接種につきましては無料ということで、無料券を発行しております。
 そのほか、かかりつけ医による接種勧奨ということで、予診票につきましては、市内の医療機関に事前に配布して、主治医から呼びかけていただくという状況になっております。
 次に、接種記録につきましてですが、こちらの予診票につきましては、出生届け出のときに配布しております「予診票綴」です。乳幼児期に接種する予防接種につきましては、全て一冊の「予診票綴」にしまして、保護者にお渡しをしております。
 7ページの上のほうですけれども、「予診票綴」をめくっていただきますと「使用についての注意」「個別予防接種実施医療機関」ということで、勝山市内には9医療機関、御協力していただいている機関がございますが、そちらの名称、住所、電話番号を掲載してお渡ししております。
 その下に予診票の一部をコピーさせていただきました。前回、川崎市が報告されたのと同じように、勝山市も2部複写になっておりまして、医療機関と勝山市と1部ずつ控えを持っている形になっております。接種をしましたら、毎月、予診票は10日までに市に提出していただくようになっております。
 めくっていただきまして、8ページです。接種の流れですけれども、先ほど説明をさせていただきましたとおり、出生届け出時に予診票を配布させていただきます。そして、対象者に接種通知をします。こちらの赤いところは後ほど説明します予防接種管理システムを利用しているものです。通知はシステムを利用しております。医療機関で接種を受けていただきまして、医療機関から報告を市に上げていただきます。その報告に基づきまして、台帳管理ということで接種状況を記載、入力しております。
 予防接種台帳の管理状況について御説明いたします。予防接種の管理台帳は、紙ベースの台帳と予防接種管理システムでの二重の管理を現在実施しております。紙ベースでの管理ですけれども、対象者を予防接種管理システムから予防接種ごとにそれぞれ打ち出しております。医療機関のほうから報告書が上がってきましたら、予診票に基づきまして、下のほうにございますが、住所、氏名等を書きました台帳に接種日と接種医療機関を記載しております。
 9ページをごらんください。予防接種管理システムによる管理ですけれども、住民健康管理システムを導入いたしまして、住民情報、住民基本台帳と予防接種状況を連動して管理しております。システムの主な内容は以下のとおりになっております。現在のシステムは平成18年度から導入をしております。
 主な管理システムの内容ですけれども、個人ごとの接種台帳による接種状況の管理で、登録、修正、削除、照会などが可能となっております。それから、帳票等ということで、接種対象者、未完了者、接種済み者がわかるようになっております。それから、宛名シールは、通知用に1人ずつ保護者の名前が入りまして、乳幼児に通知を送ることができます。集計表は、年齢別、医療機関別等で集計が出せるようになっております。
 システムでの管理の流れですけれども、先ほどから説明していますとおり、通常、毎月10日までに医療機関から接種者の予診票が提出されますので、それに基づきまして、接種日、接種医療機関、ワクチンのロット等の入力をしております。
 転入時には、予防接種状況を記入した用紙を提出していただきまして、その状況をシステムのほうに入力しております。
 10ページは「システムによる接種台帳の様式例」ですが、入力しました内容を個人ごとに画面で見られるようになっております。これを見ていただきますと、何日に接種をして、接種済みかどうかというのが台帳にあらわれます。接種をしていないところは空欄になっております。勝山市で接種していない方については「(市外)」と書いてございますが、転入者につきましては、転入先のほうで打っているかどうかということでわかるようになっております。
 インフルエンザの接種台帳の様式ですけれども、インフルエンザのほうはちょっと様式が違いまして、年に1回ずつ入力ができるようになっております。画面につきましては、ずっと打ってきたのが通して見られる状況になっております。また、このシステムを利用いたしまして、入力時に死亡しているかどうかという確認もできるようになっております。接種日と接種状況以外に、ロット、接種場所、ワクチンの製造会社、そういうものがわかるように入力できるようになっております。
 11ページをごらんください。「医師会等との連携」ということですが、定期予防接種につきましては、ポリオも四種混合になりましたので、全て医療機関での個別接種を実施しております。そして、予防接種担当者会議というのを年2回実施しておりまして、予防接種に関します事務の方も交えまして打ち合わせをしております。
 かかりつけ医からは接種勧奨をしていただいております。先ほど勝山市内の9医療機関というお話をさせていただきましたが、勝山市の場合、広域化はしておりません。市だけの接種になっております。一部、入院等をしていらっしゃる方につきましては、広域で受けることは可能ですが、基本は勝山市のみの医療機関になっております。小児科が3軒あるのですがそのほかは外科や内科で、病気でいろんなところに皆さんかかるのですが、そのため、かかった医療機関から予防接種を勧めていただけるというきめ細かな状況にもなっているところがあります。現在、広域化に向けて福井県が検討しているところですが、先ほど申しましたとおり、接種率がかなり高いので、この接種率を維持しながら広域化も検討していかないといけないというのが一つ課題になっております。
 それから、医師会との連携では、予防接種のポスターの掲示や予防接種スケジュールの作成ということで、市内のお医者さんが1回接種をいたしましたら、先ほどの予防接種の「予診票綴」に実施予定日なども書けるようになっておりますので、そういったものをかかりつけ医が記入していただいて、スケジュールを組んでいただいております。
 「学校との連携」ですが、学校保健会総会というのが年に1回ありまして、そちらのほうに出席いたしまして、予防接種の接種状況等について説明をしております。それから、学校からの接種勧奨、チラシ等を配布しております。入学前には、小学校入学予定者の保護者へということでこういったチラシを配布しまして、学校に予防接種の状況がわかるように提出をしていただくようになっております。
 12ページをごらんください。「転入者への対応」ということで、転入している方につきましても、的確に接種状況を把握して問診票をお渡しするために、こちらに記載してあります用紙をお渡ししまして、接種内容を記載していただいております。この内容につきましては、先ほども説明しましたとおり、予防接種健康管理台帳に入力いたしまして、未接種者への働きかけや接種の通知などにもこの内容を反映して通知を送るような状況になっております。提出されなかった方については、接種に関する問い合わせ等があったときにこちらのほうから確認をさせていただくという状況になっております。
 最後に「勝山市に住所がない人の対応」ということですが、市外にいらっしゃって勝山市に来た方とか、里帰り分娩の方でお問い合わせがあった場合には、現在、個別接種になっておりますので、定期予防接種の実施主体は各市町村であり、それぞれの市町村が医療機関と委託契約等を結ぶ形になっておりますので、住所のある市町村にお問い合わせをしていただいて、勝山市内の医療機関で接種が可能かどうかということをお住まいの市町村で聞いていただくようにこちらのほうから説明して、医療機関とそちらの市町村の話し合いの上で受けていただくような形になっております。
 以上で勝山市の予防接種の状況についての説明を終わります。
○岡部部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、続いて菅先生、お願いいたします。
 御質問はお二方の発表が終わってからにしたいと思います。
○菅参考人 よろしくお願いします。三重病院の小児科の菅と申します。
 三重県の予防接種センターについて御説明申し上げます。
 まず、「三重県の予防接種システム」についてですけれども、1994年に予防接種法が改正されまして、それを受けて予防接種システムを構築いたしました。2つの目的を持っております。
 目的の1つは、ワクチンを受ける人がワクチンを受けやすい接種システムをつくるということで、原則、全てのワクチンを個別接種としております。三重県では1986年からかかりつけ医での乳児健診を実施しておりましたので、それとドッキングさせるような形で行うということです。また、相互乗り入れということで、かかりつけ医による接種を行うわけなのですけれども、居住地がどこであれ、かかりつけ医で接種ができ、被接種者の居住地の接種料金で行うということで、支払いの請求はそれぞれのかかりつけ医から市町の担当部局へ行うということです。委託医は市町と契約しておりますので、それを県が把握しておるということになります。また、原則、特に季節を限定してワクチン接種をするということは行わず、OPVも通年で接種を行っておりました。
 目的の2つ目は、基礎疾患を持つ方あるいは海外渡航者のワクチン接種、及び県下の予防接種に係る人たちの知識の向上ということを目的としております。そこで、2001年に予防接種センターを設置いたしました。
 予防接種センターの位置づけですけれども、これは三重県の委託事業として2001年から、当院、国立病院機構三重病院が受託しております。1年に1回、三重県の公衆衛生審議会予防接種部会ということでセンターの事業内容を報告しまして、それを受けて部会で内容を検討して、また改めて委託先を検討するということで、1年ごとの更新というシステムになっております。2001年から今まで三重病院がずっと受けているということになります。
 具体的な事業内容について御説明いたします。大きく分けまして、相談事業、ワクチン接種事業、研修事業、そして情報発信ということになります。
 まず、相談事業ですけれども、対象は自治体あるいは県民の方々、あるいは医療機関からの予防接種に係る質問に対して回答するということです。自治体に関しましては、三重県以外の自治体からの問い合わせもございますので、それにも対応しております。
 人員は、専任という形ではなくて兼任なのですが、医師は4名です。もちろん、病院業務と兼任です。事務員も1名で対応しております。
 相談の受け付け時間ですが、ファクスと電話で受け付けております。ファクスでは受け付け時間を設けておりませんので、いつでも送ってくださいという形です。電話での相談は、原則、火曜日と金曜日に受け付けております。
 それに対する回答は火曜日と金曜日に行うということなのですけれども、内容によって急ぎの場合は個々に対応をしております。
 また、相談に対する回答者ですけれども、接種スケジュール、接種間違い、副反応等については原則、医師が電話で回答を行っております。また、センターでの接種の予約を行いたい、あるいはワクチン・予防接種に係る基本的な事項に関しては事務員が対応しております。
 具体的な相談内容ですが、まず接種スケジュールは、有効性、安全性をもとに回答を行いますけれども、具体的には、接種が抜けていたときにキャッチアップ接種をどのように行うか、あるいは接種間隔が短くなったとき、長くなったときの対応、あるいは回数を多くしてしまったときの対応、あるいは接種歴がわからないときにどのようにスケジューリングするか、また海外で接種を受けておられた場合、日本のワクチンと互換性があるかどうか、国内でどのように接種をしていけばよいかということです。
 次に、副反応ということがあります。そのときに話題になっている副反応というのがやはり問い合わせが多くて、今だと例えば子宮頸がんワクチンあるいは日本脳炎ワクチンというのが多いのですけれども、そのような副反応に対する回答、また実際何らかの副反応の既往がある子供への接種というのも行います。
 接種過誤の場合はどのように対応すればいいかということで、具体的には接種量を間違えた、あるいは接種ワクチンの種類を間違えた等なのですけれども、それに対しての回答を行っておりますし、またキャッチアップの接種はどのように行うかということを回答しております。
 具体的な相談内容の実績につきましては、3ページ目、4ページ目の資料をごらんください。平成13年から1年ごとの相談件数を示しましたけれども、ここ5〜6年非常に多くなっておりまして、昨年は700件ぐらい、合計で4,902件の相談を受けております。
 問い合わせ先は、昨年の問い合わせ先なのですが、一般の方が4分の3で、市町村が10%、あと会社、医師等々になっております。
 相談の内訳は、少し見づらいのですけれども、昨年度の4月から3月まで、月によって多い少ないはあるのですけれども、オレンジ色が渡航に当たると思いますが、トラベラーズワクチンに関する問い合わせがどの月でも一番多くなっております。あとは、種々それぞれのワクチンに関する問い合わせということになっております。
 次に、ワクチン接種事業に関して御報告いたします。
 ワクチン接種事業の対象者は、基礎疾患がある方あるいは海外渡航を予定されている方に対して行っております。
 接種日は、基礎疾患がある方は月曜日の午後、トラベラーズワクチンは火曜日の午後ということで、スケジュールを調整して行っております。
 具体的な接種実績につきましては、添付資料の4と5と6を見ていただきたいと思います。資料4は接種者数です。平成18年以降がそれ以前の5年と比べて多くなっているのですが、これは統計のとり方が少し違っております。平成13年から17年は相談を受けた人数という形なのですが、18年以降は延べ接種者数になっております。1人の方が例えば5回ワクチンを受ければそれを5と数えておりますので、このような差が出ているということです。最近は、コンスタントに900〜1,000、多いときは1,000を超える接種回数になっております。
 具体的にどのようなワクチンを接種しているかなのですが、ポリオ、四混、DPT、定期接種に該当するもの、あるいはインフルエンザ、水痘、ムンプス等もございますが、トラベラーズワクチンをやっておりますので、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、破傷風というところも多くなっております。最近は、平成24年度を見ますと、A型肝炎、B型肝炎などが非常に多くなっております。また、狂犬病も昨年は159、かなり多くなっております。また、基礎疾患を持つ方への接種ということで、通常の定期接種、予防接種も行っております。
 トラベラーズワクチンとしての海外渡航先は、世界地図でお示しいたしましたが、特にアジア・中東諸国が多いのですけれども、あと南北アメリカあるいはヨーロッパというところで、世界中いろんなところへ行かれる方が相談を受けて、ワクチンを接種しております。
 3番目、研修事業は、予防接種研修会への講師派遣ということで、三重県医師会が行うもの、あるいは県下それぞれの地区の医師会が行うというのもございますけれども、そこに講師を派遣する。あと、県が開催いたします医療従事者向けの予防接種研修会への講師を派遣するということで行っております。県内の、これは全部ではないのですけれども、一部の地区の医師会では、予防接種研修会に出席しないとその地区の医師会が関係する市町における定期接種の委託医に登録されない、登録されなければ定期接種ワクチンを接種しても定期接種とみなされないということで、必ず研修会への出席を義務づけるというスタンスでやっております。
 4番目の情報発信ですが、三重県小児科医会、県医師会、地区医師会予防接種担当理事への情報発信を行う。あるいは定期的に開催されます小児科医会等で予防接種の話題、今後の流れ等について報告するということを行っております。
 また、その他の事業といたしましては、三重県初め、県下の各市町の感染症対策、これはサーベイランスや感染症予測事業、その他ありますけれども、それに対してのアドバイスということもあわせて行っております。
 以上です。
○岡部部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、何か御質問か御意見がありましたら、どうぞ、お願いします。
○澁谷委員 御説明ありがとうございました。勝山市さんの説明でもう少し聞きたいところがあるので質問させていただきたいと思います。
 5ページの「乳幼児期の接種勧奨及びPR」というところに表がありますけれども、妊娠の届け出のときにガイドブックをお渡しするということなのですが、勝山市さんは、母子健康手帳というのはこのときに出される、あるいは母子健康手帳に特別、予防接種のことの記載が任意の部分であるというようなことはあるのでしょうか。あるいは全くガイドブックの記載というか、別とじにしてあるものを活用するという形で、母子健康手帳のほうはほかの市と余り変わらないようなものなのでしょうかということがまず1点。
 それから、7ページのところにありますが、システムとして毎月10日までに市に医療機関から報告が来るということなのですが、私どものところでも気をつけなくてはいけないと思っていることがありまして、例えば接種間隔を間違ってしまったりしていても気がつかなくて、報告があった時点で記入をしてみて間違いに気づくというような、そうすると発見がおくれてしまうわけです。そういうような問題はないのでしょうかということと、もし何かそういうことに対して予防策をとっておられるのでしたら、教えていただきたいということ。
 もう一つ、医療機関との連携のところで、疾病の主治医と接種医が違う場合、それぞれの情報がうまくつながって活用できるのかどうかということです。実際には同じ場合が多いのかもしれませんけれども、予防接種は別の先生のところでするということがあるとすると、もともとの何か慢性的な病気を持っておられるお子さんの主治医の情報がうまくつながるようになっているのでしょうかということで、先ほどの説明ではつながりそうだなという感覚は持ったのですけれども、実際にはどうなのでしょうか。その辺をもう少しお聞かせいただければと思います。
○櫻井参考人 まず、1点目の母子手帳の内容のことなのですけれども、母子手帳のほうは既存のものを購入しておりますので、他の市町村と同じものを使っております。その中にも記録等が入っておりますし、副読本などもつけております。その中には予防接種の内容について入っているのですが、実はきょうこちらにはないのですけれども、こういう形で気軽に持ち運びができる小さいものを配布させていただいて、全ての子供に関するサービスが載っている手帳になっております。予防接種だけではなく、ほかの子育てに関する医療機関の地図等も小児科やセンターとか入っておりまして、そういったものの活用がしやすいということで、この中にもうたわせていただいているという状況になっております。
 2点目の接種間隔についてですが、接種間隔について間違えたということがありますと、実は接種した先生のほうから事前にお電話をいただいて、事故報告で上げていただいたりということもございます。予防接種の予診票を入力するときに先ほど言われたように気がつくということもあるのですが、間隔については、予防接種のスケジュールで管理をしておりますので、体調が悪くて受けられなかったという場合は、先生のほうからずっと受けられない状態ということであれば確認はできますし、そうではない場合は間隔も見ながら入力ができているので、今のところ大きな間違いというのはないような状況になっているかと思っております。
 3点目、主治医と予防接種の医師が違うという点ですけれども、以前、ポリオの予防接種を集団でやっていたときは、ポリオを受ける前に、慢性的な病気、心臓病とか、そういう病気などで管理が必要な場合は、必ず主治医の先生の了解を得て、その状況を伝えて予防接種を受けていただいておりました。今、個別接種になりまして、確かに市外の先生で治療をしていらっしゃって市内の先生で受けるという場合もあるのですけれども、市外の先生で病気のほうをかかっていましても、風邪を引いたときに市内の小児科にかかっていらっしゃったり、1カ月健診、4カ月健診という乳児健診はなぜかこちらのほうで、健康管理ではないのですけれども、受けていらっしゃるということもあります。予防接種だけを受けに行くというのは、初めてそれで受ける方もいらっしゃいますけれども、その後何らかの形で市外の先生にかかりながら、ふだんの健康管理的な部分は市内の先生でという状況になっている方がほとんどです。特別、管理が必要な場合には、確かに例外ということで契約を結んで、その先生でなければならないというときであれば予防接種をしていただいております。
○澁谷委員 ありがとうございました。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 ほかにはいかがでしょうか。菅先生のところは、三重県の委託事業ということは一応予算は三重県から、運営の一部、どのぐらいかわかりませんけれども、それは出ているわけですか。
○菅参考人 そういうことになります。
○岡部部会長 今、ほかのところの状況なんかはわかりますか。以前、神谷先生がこのぐらいのレベルのことをやっているのはそうはないのだというようなことをおっしゃっていました。
○菅参考人 済みません。他県の状況はよく把握しておりません。申しわけないです。
○岡部部会長 ほかはいかがでしょうか。
 櫻井先生、勝山市では予防接種をやる人に対するエデュケーション、研修事業みたいなことはこの中としてやっているのでしょうか。
○櫻井参考人 予防接種を受ける教育というところですね。訪問したときに予防接種についての説明とかお話はしています。
○岡部部会長 受けられる人ではなくて、接種をする人に対して。
○櫻井参考人 接種をする先生方ということだと思うのですけれども、新しい予防接種が入ったときや制度が変わったときには、医師会のほうにお願いをしまして、先ほど三重県の先生がおっしゃったように、医師会の中で小児科の先生が講師となりまして、説明していただいたりという形をしていただいております。
○岡部部会長 どうぞ、坂元先生。
○坂元委員 川崎市の坂元といいます。
 出生数が171人ということは、かなり子供さんの顔の見える関係が構築できて、接種状況を追えるということだと思うのですけれども、そういう意味で、接種率が100%にいかない、受けない人というのは逆に何か事情があるのか、もし差し支えなければお教えいただきたいと思います。
○櫻井参考人 受けない理由というのは実は把握しております。余り記録に残してもらうと困るかもわからないのですけれども、大きいのが宗教上の理由と保護者の考えということです。受けに行かれない方というのは、保育園、学校のほうである程度支援が必要な保護者の方を把握していますので、そういったお母様方に保育園や学校も働きかけをしていただいて、1回つながりますと受けるということができるのですが、全く親の考え方で受けさせないという方はいらっしゃるので、なかなか100%にいかない状況になっております。
○岡部部会長 やはり個人の考えを尊重しなくてはいけないので、そういう事情があるということですね。
○櫻井参考人 はい。
○岡部部会長 わかりました。櫻井先生、もう一つ、済みません。システムで入れているのは市独自でつくったシステムなのですか。それともどこかのものを応用してやっているとか。
○櫻井参考人 既存のものを購入しております。
○岡部部会長 ほかにはいかがでしょうか。
 それでは、前回は茨城県および川崎市のお話を伺って、今回、三重県および勝山市のお話を伺ったので、これはいいとこどりをしなくてはいけないので、事務局のほうはまとめていただいて、反映できるものは反映する、あるいは議論の必要なものについては議論するというふうにしたいと思います。参考人の先生方、どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題に行きたいと思うのですけれども、議題3は「風しん対策について」であります。少しピークは過ぎてきたかなというような感じのことが感染研からもレポートが出ていたようですけれども、ワクチンの需給状況、これが一つ問題にもなっていますので、これについて事務局側から説明をお願いします。
○難波江課長補佐 お手元の資料3をごらんください。
 1ページ目の下ですけれども、これは、きのう感染研から公表されました風しん患者の報告数、ことし25週までで、ここ数週は減少傾向にあるというところでございまして、ただ、昨年同時期に比べてはまだ高い状況が続いているというところでございます。
 2ページ目の上のグラフは、ここ5週の都道府県別のデータで、患者の多い大阪、東京、神奈川、このあたりはいずれも減少傾向にあるというものでございます。
 前回も御報告しましたけれども、今年度の任意接種の状況です。例年、任意接種数というのは年間約30万回というところでございますが、今年度は4月で約9万回、5月で約32万回、6月で約36万回と急増している状況です。これは医療機関への納入実績に基づく推計ですので、医療機関の在庫は入っていないというものでございます。6月末時点で医療機関在庫を含まないで卸やメーカーなどにある在庫は64万本というところでございます。今年度の供給見込みですが、風しん単独ワクチンで約24.5万分と年度当初より約7万本追加されています。MR混合ワクチンで約462万本、年度当初よりは約102万本追加になっています。うち210万本を定期と想定しておりますので、任意分で276万本ぐらい全体で今年度供給見通しがあるというところでございます。
 3ページ目、上と下とございますが、これはシミュレーションになります。月20万回、25万回、30万回、35万回で任意接種が推移した場合にその在庫がどのぐらいになるか。前倒し出荷や増産等の対応をしない場合、8月末時点で枯渇する。今、メーカーのほうで前倒し出荷・増産等の対応いただいておりますので、そのペースでいきますと8月の枯渇は何とか避けられるという数値になっております。
 続きまして、4ページ目、これも同じくシミュレーションをグラフで示したものでございまして、上が前倒し出荷・増産等の対応をしない場合、下が対応する場合です。黒い実線の部分が製造合計、供給量になりまして、7月の供給量は少な目ですが、8月、9月と出てきます。下のほうが今、対応していただいている数値で、8月がこのぐらい出てきまして、35万ペースで来ても枯渇というところはないという状況でございます。9月にまた出てきます。さらにメーカー、関係者のほうに頑張っていただいて、前倒し出荷・増産等の対応をやっていただいているところでございまして、これよりまだ上積みというか、出荷がふえる可能性があるというところでございます。
 続きまして、5ページ目「厚生労働省の対応」ですけれども、「厚生労働省では下記の対応を実施」ということで、メーカーに対して前倒し出荷・増産を要請しております。それから、今お示ししたような任意接種数とか、今後のシミュレーション、任意接種における優先接種者をホームページなどで情報提供しております。それから、自治体、日本医師会、卸売業者に対して安定供給対策の協力依頼(通知)、今後、助成事業を実施する自治体に対して、抗体検査測定を併用した事業の検討の協力依頼(通知)、参考資料1についておりますが、こういった通知を発出しております。
 5ページ目の下が「現在の優先接種者」ということで、既にこの前もお示ししました定期接種者、妊婦の周囲の方や妊娠を希望される方で抗体価が十分であると確認できた方以外の方、こういった方が優先接種者であるというものでございます。
 6ページ目「今後の当面の対応について」ですけれども、まず6月末の時点で64万本ほど在庫がある状況ですが、今後さらに需給が逼迫した場合にはどういった対応を行うべきか。
 それから、情報発信をいろいろ今やっているのですが、さらにどういった点を工夫すべきか。以下の例として、妊婦というだけではなくて、妊娠初期でリスクが高くて抗体が不十分な方、こういった方が同じ優先接種の中でもより優先度が高いということや、供給状況や流行状況についてもう少し頻回・詳細に情報提供を行う。それから、母子手帳、接種歴の確認を勧めるようなメッセージを出していく。こういった例でございますが、どういった点をさらに工夫すべきかというところについて御意見をいただければと考えております。
 次のページは「中長期の対応について」になりますが、今般の流行を踏まえまして、中長期的視点に立って、感染症法、予防接種法に基づきまして「特定感染症予防指針」を策定して対策を進めてはいかがかと考えております。これは感染症法上の特定感染症予防指針であり、かつ予防接種法上の個別予防接種推進指針というものになりまして、現行、5つの疾病、性感染症、HIV/AIDS、インフルエンザ、結核、麻しん、特定感染症予防指針はこの5つでできていまして、うち3つ、インフルエンザ、結核、麻しんが予防接種法上の個別予防接種推進指針になっているのですが、風しんもここに加えてはいかがかというものでございます。
 指針は、法律に基づきまして、含まれる事項というのは規定されておりまして、原因の究明、発生の予防及び蔓延の防止、医療の提供、研究開発の推進、国際的な連携、その他となっております。
 指針の策定は、感染症部会とこの予防接種・ワクチン分科会基本方針部会の下に「風しんに関する小委員会(仮称)」を設置した上で、今秋以降に検討を開始して、年度内を目途にまとめてはいかがかとさせていただいております。
 以上です。
○岡部部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、風しんについて、現状あるいはワクチンの問題、いろいろ御意見があるのではないかと思いますけれども、取り組みやなんかも含めて何かありましたら、では最初に小森先生、その次、坂元委員、川崎市の状況ということで。
○小森委員 患者報告数がピークを迎えているのかもしれないということは、何よりも朗報だと思っておりまして、このまま終息することを願っておりますけれども、さりとて幾つかのことを考えていかないといけないと思うのです。今、御説明があったほかに少なくとも議論しておく必要があると思いますのは、需給がアンバランスになった場合に、1点は、例えば定期接種の2期接種を延期するということの是非については議論しておく必要があると思いますし、前回もお話をいたしましたけれども、ワクチンの輸入ということについても議論をしないままというわけにはいかないと思いますので、その2点については議論していただきたいということです。
 それから、次々と自治体等について要請が出され、需給のバランスが非常に厳しい状況の中で、医療機関については状況を正確に把握していただいた上で冷静に対応して過剰に発注することがないように、また流通状況については、都道府県並びに都道府県医師会、卸業者との密接な連携の中でモラルハザードが起こらないようにしていただきたいということは、日本医師会としても提案もさせていただいたところでございますが、そういった中で既にさまざまな公費負担をしておられるような自治体からの悲鳴といいますか、苦情というか、そういうものはないかということについて1点教えていただきたいと思います。
○岡部部会長 では、そのことも含めて、坂元委員、よろしいですか。
○坂元委員 まず、ちょっとお伺いしたいのは、今の資料の5ページの「現在の優先接種者」という中に「抗体価が十分であると確認できた方」ということで、当然これは抗体のチェックをするということで、自治体が一つ懸念していますのは、抗体価をはかってくださいというふうに市民の皆様にお勧めして、検査キットの供給状況がそうやって自治体がお勧めしても十分な状況にあるのかということをまず1点お教えいただきたい。
 それから、5ページのワクチンの供給は、自治体間で情報のやりとりをすると、かなり地域によって納入状況のばらつきが出てしまって、割と多目に供給がある地域と、端的に言いますと、関東圏の自治体で話し合うと関東圏はどうもかなり不足状況になっており、関西がちょっと供給が多くなっているという、かなり地域差が出ておるのではと思います。総量としての供給という問題と地域差という問題をしっかり把握願えればなというふうに思います。
 それから、今、小森委員からありました未承認ワクチンに関しましては、実は神奈川県の市町村が今、もちろん承認ワクチンを受けた方に対して公的補助をしている段階ではございますが、神奈川県のほうが未承認の輸入ワクチンを受けた方にも公的補助ができないかという県からの提案があって、ここに関しては各自治体で検討しているのです。未承認なものに対して公金、たとえ償還払いという方法でもつまり税金から補助を出すということが可能かどうかというのは非常に難しい問題があって、先生と受けられる方が任意の契約でやられるのは構わないのですけれども、そこに公的補助を入れられるかどうかという議論を現在神奈川県とやっているところございます。
 以上でございます。
○岡部部会長 ありがとうございました。ほかに、どうぞ、多屋委員。
○多屋委員 まず、一番最初に、患者さんの報告数のグラフのことなのですけれども、少しピークが過ぎたかなという御意見がございましたが、実際のところは、感受性者として残っていらっしゃる方はまだ数百万人規模でいらっしゃるわけですので、これで油断するというのは余りよくないのではないかなと考えております。昨年のピークは7月の終わりで132人ですので、そのまだ3倍程度あります。ワクチンがこのままでいくと足りなくなるかもしれないというメッセージが出てからまだ2〜3週間ぐらいしかたっておりませんので、安心してしまうということについては慎重になったほうがいいのではないかとこのグラフについては考えております。
 あと、ほかにもあるのですけれども、幾つか御質問があったので、先に行ってもいいでしょうか。
○岡部部会長 そうですね。今、少し先に議論をしようということが出てきたので、自治体の取り組みとしては、具体的には坂元先生、川崎市のほうでは市民の方に対するメッセージというのはどうしましたか。
○坂元委員 やはり優先的に枠を絞って、妊娠されている方の夫とか、かなり限局的に枠を絞って、供給が余りない中で枠を絞って優先度をつけてやっております。その中の一つの質問として、キットの供給状況と地域のアンバランスということに関して教えていただければと思います。
○岡部部会長 物がない場合にはやはりある程度絞るというのは必要になってくると思うのですけれども、今度は抗体のチェック、これについての今のバランス状況というのはいかがでしょうか。事務局のほう、何か調査されましたか。
○難波江課長補佐 幾つかございまして、一つは、優先接種が「抗体価が十分であると確認できた方以外の方」と二重否定になっているのですが、これは一時、「抗体価が不十分な方」というふうに記載したときに、検査しないとわからないではないかという意見がありまして、検査で抗体価が十分であると知った人はいいですが、それ以外の方についてはまだ優先に残りますという意味で、ちょっとわかりにくいですが、二重否定にしております。
 7月2日に出した通知につきましても、広く検査を受けてくださいとメッセージを出しているわけではなくて、これから公的補助を考えている幾つかの自治体から問い合わせがありまして、今後公的補助をやる場合どうすればいいかという御質問がありましたので、今後やるのであれば検査を挟むということを御検討くださいという形で出したものでございます。
 検査の状況ですけれども、検査会社に聞いている中では、今、足りていないという状況ではない。ただ、またこれも同じで急激に需要が伸びれば安定供給は難しくなるおそれもある。既にメーカーのほうは増産の対応はしていただいていますので、その辺は密に連携をとって安定供給を何とかやっていきたいとは思っています。
○岡部部会長 それから、1期、2期の問題がありましたけれども、これについてはどこかで議論がされていますか。
○難波江課長補佐 きょう御欠席の委員からも御意見いただいておりますので、読み上げさせていただきます。
○岡部部会長 失礼しました。そこをお願いします。
○難波江課長補佐 委員と参考人の先生方には机上に紙を配付しているかと思いますが、まず、庵原先生から風しん対策につきまして
 現在の風疹流行は、風疹ワクチンの効果により、長い間風疹流行がなかったため、感受性者が蓄積した首都圏、近畿圏で流行している。(最後の大きな流行は1977年:35歳以上の多くの人はこの流行の曝露を受けており、この世代の抗体陰性者は20%程度(風疹の集団免疫率は80%)、また35歳以下の世代はワクチン接種の機会が提供されたが、受けそびれた人達である:感受性者が蓄積していない県では散発的な発症のみで、発症者のクラスターはない)。
 まず、メッセージとしては、現在風しんは全ての県で流行していないことを伝える。発症者が増加している県、発症者が減少している県、散発的に発症している県に分けて表示することで風しんパニックを抑える。散発的に発症している県では流行抑制を図る必要はない。
 2つ目として、ワクチンがshortageになれば、より接種対象者を限定する必要があり、風しんの流行抑制よりもCRS予防を目的とする。
 3つ目、妊娠経験者は母子手帳で風しん抗体価を確認する。
 4つ目、ワクチン接種歴を自分の母子手帳で確認する(特にMMRワクチン接種世代以降)。
 5つ目、流行抑制のためには発症者のring vaccination(職場の同僚、家族などへの接種)のほうが効果的。
 6つ目、発症者は発症後7日以上仕事を休む(米国の就業停止期間より)。
 7つ目、MRワクチンの1期は麻しん対策のためにも必要。2期対象者の70〜80%は接種が既に終了しているので、「2期を延期する」声明を出すのは不要。
 8つ目、麻しんと同様に、風しんも病原体診断による全数把握が必要ということでございます。
 続きまして、中野委員からいただきました御意見です。
 小児の1期と2期の定期接種は、最優先して確保されるべきである。現在の風疹流行、2000年代後半の10代後半世代の麻疹流行は、ともに感受性者の集積により発生したものであり、MRワクチン1期と2期の接種率が低下したら必ず何年か後に流行が起こる。また、2期の一番の目的は2回の接種機会の確保であり、減衰した免疫に対する追加効果を期待することが主目的ではない。
 公的なワクチン一斉投与を議論するためには、疾病サーベイランスの結果に基づいた流行地域や対象年齢の特定など投与対象者の選定、その実施のために必要なワクチン量の確保をまず行った上でないとかえって混乱が生じる。
 それから、宮崎委員ですが、
 風疹対策には、今行うべき緊急施策と中期的な施策がある。
 風疹流行は、関東、近畿都市圏での発生数が山を越せば全国の発生数も落ち着きを見せることが期待されるが、地方での発生が五月雨式に起こりつつ、だらだらと発生が続いていく可能性あり。
 かつての大流行の中心は幼稚園、小学校だったので夏休みで流行が終息にむかったが、今回の流行は成人中心なので、夏休み効果は期待できない。
 風疹の伝搬性から考えて、今回の流行でも感受性成人の多くは未感染のまま残る可能性が高い。ワクチン接種をしない限り、成人感受性者問題は今後長く続く。
 現状ではワクチン供給問題から妊婦周辺に接種対象を絞らざるを得ない。
 感染症対策上は1期MR接種が最も重要なので、1期分は絶対確保した上で余剰分を成人対策にあてる。
 2期接種の扱いは微妙だが、ワクチン供給を見ながら、1期接種済み児の場合は2期接種を就学後1年間は認めるとすれば、実質的、心理的余裕は生みやすい。
 成人に対する本格的な対応については、接種対象者をどのように設定するか、ワクチン供給と費用の問題を整理し、特定感染症予防指針(または個別予防接種推進指針)の策定に向け、検討する。
 緊急輸入(特例承認)の要望がある海外のMMRワクチンは現在国内承認審査中。
 以上でございます。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 小森先生からの提言もあって、また前回も話をされていましたから、一応議論をしておく必要があると思うのですが、1期、2期は、自治体によっても多少温度差があるようです。2期を今のところやめて回すかというような意見も出てきたり、あるいは今の中野先生、庵原先生等々の御意見もあったところなのですけれども、これについてはどうですか。
 多屋先生、どうぞ。
○多屋委員 2期の定期接種を延期することについては、2期というのは風しんのみならず麻しんのワクチンという大きな目的もありますし、2期の対象者分を例えば任意接種に回すということによって期待される効果よりも、2期接種を延期することで現在95%にようやく近くなってきている2期接種の接種率に本当に回復できるのかどうかという心配が非常にありますので、1期と2期はしっかりと95%を目標として接種を続けていくというメッセージはぶれないほうがいいのではないかなと2期接種については思っています。
 また、2期の対象者というのは多くが保育所や幼稚園に通っていると思うのですけれども、保育所は医療機関に次いで妊婦さんが多いところでもありまして、そういう意味から2期接種は1期接種とともに、まずはファーストプライオリティーとして接種していくほうがいいのではないかと考えております。
○岡部部会長 坂元委員、どうぞ。
○坂元委員 ちょっと私の理解が足りないのかもしれないですが、延期という言葉が自治体側からとると定期接種の枠を出てしまうのか、定期接種の期間内での5歳から7歳のずっと後のほうにやってもらうという意味なのか、延期という言葉の意味がどういう意味なのか、ちょっと理解できないのですが、そこをお教えいただければと思います。
○岡部部会長 そこははっきりしていただいたほうがいいですね。多屋先生の今の意見は、例えば来年小学校に入る子なら、やはり夏は夏でちゃんとやってくれということになりますか。
○多屋委員 はい、そういう延期メッセージではない、受けたいと思うときにいつも受けられるというほうがいいのではないかなという意見です。
○岡部部会長 通常、夏は少し少なくなっているのですけれども、数カ月後にもしある程度の増産でふえてくるのだとしたら、ちょっと待っていてねというのは可能かもしれないのですが、余り2期をずらしてしまうというのは、今、多屋委員がおっしゃったように、本当は、はしかのエリミネーションというのは先に立っているわけで、これを崩すわけにはいかないと思いますから、そこは基本的には、1期、2期はきちんとやっていただく。ただ、数カ月ちょっと見てねというのはある程度やむを得ないところかもしれませんけれども、一方では、多屋先生がおっしゃったような家族のことあるいは若いお母さん、これからもう一回お母さんになるかもしれないという方の対策もあるので、余り積極的に伸ばすというようなことはしないほうがいいのではないかというところが大方のところではないかと思いますが、よろしいでしょうか。
 もう一つ、小森先生は緊急輸入が必要だとしての意見なのか、あるいはそういうことはしっかり一応議論しておいたほうがいいという趣旨なのか、そこも含めて。
○小森委員 大変難しいのですが、緊急輸入ということになるとMMR、さらに大人を対象ということになりますと余計なMMがあるということでもありますので、副反応も当然予想されることから、メリット・デメリット論については十分議論する必要があると思います。当審議会が我が国では唯一議論する場であると思いますので、これは恐らくそれぞれ功罪相半ばするのだと思うのですが、議論していく必要があるということ。
 もう一つは、過去にMMRが申請をされて、ストップしているということの中で、例えばですが、いろんな選択肢がある中で、次年度以降の子供さんに対するMRワクチンの接種等についても、海外のMMRをそこで使う、あるいはまた来年のMR分等について前倒しして今回使うというようなことも含めて、さまざまな観点から検討していく必要がある。というのは、今、多屋委員も御指摘になられましたけれども、私も冒頭に申し上げましたが、このまま終息してくれればこういったことは全て杞憂に終わるのですが、そうではないとすれば、やはり需要と供給のバランスがタイトの状況の中で国民の方々が非常に心配をされると思うのです。こういう場合にはこういうオプションがありますよというオプションを幾つか持っておかれないと、政策としては結果的にだめでしたという話はあり得ないので、やはりそこはちゃんと議論をして、少なくとも準備はしておく。そうであればこういうふうな手順でやりましょうという準備をしておく必要があるのではないかということを申し上げたい。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 ちょっと中長期的な観点というところも入ってくるので、来年以降のことを考えるならば、お二人の欠席の委員からも御指摘があったのですけれども、やはり先を見据えた考えというのはまずやっておかなくてはいけない。その中の長期的に見たMMR、それから後で話が出てくるムンプス、水痘といったような問題も、特にムンプスはMMRが絡んで議論になると思うので、余り長い話は次のときに、次のときというのはムンプスや何かのときにも一緒に話ができると思います。
 ただ、この中の提言といいますか、厚労省からの資料のさっき御説明のあった風しんに関する特定感染症予防指針、これはぜひやってもらいたいと思います。少しピークが過ぎてきて、私たちも含めて多くの方がこれでほっとしてしまうと、来年になると風しんというのは一体何のことだったか忘れているようなことが多いので、むしろそういうときにこそしっかりやって、これから先5年間をどうするか、そういうことを含めての議論をしていただければと思います。特定感染症予防指針についてはぜひということで私が先に言ってしまったのでけれども、委員の先生はそれでよろしいですね。これはぜひサポートして、感染症部会と一緒になってつくり上げていくということがまず必要だと思うのですけれども、それはぜひよろしくお願いします。なるべく早急に立ち上げるようにお願いします。
 緊急的な部分に関しては輸入をというのは、しかしこれを公的にやる場合には、仮にワクチンをまさかかつてのポリオのときのように治験もなしに全部直ちにというわけにはいかないだろうと思うので、プロセスを踏むとするとどのぐらい時間がかかりますか。つまり、治験をやって検定もやらなくてはいけないだろうと思うので、そういったようなワクチンが世の中に出てくるためには。
○難波江課長補佐 時間は当然要しますので、この8月にすぐというわけにはいかないです。
○岡部部会長 臨時のそれぞれの個別というのは、これはどのワクチンでも技術的に可能にはなっているので、そこはそこで個々の話としてやっていただくとして、国として緊急輸入をして直ちに8月に間に合わせるというようなことは技術的には難しいだろうと思います。
 どうぞ、多屋委員。
○多屋委員 私も特定感染症予防指針の策定はぜひお願いしたいと思います。それに関連してなのですけれども、超短期的な対応と中長期的な対応の両方を決めていかなければいけないということです。特に超短期的な対応については、タスクフォースなどのようなものをつくって、即、今年はどういうことをするかというものをまず決めていくということと、もう一つは、国として例えば風しんのエリミネーションを目標にするのか?とか、どれぐらいまでにそれを達成するのか?といったところが特定感染症予防指針の中に盛り込まれるとすごくいいのではないかなと思いました。
 特定感染症予防指針に入れば、「風しんの患者さんが1人出たらすぐ対応」というところが、今の5類感染症ですとなかなかとりにくいといったことも、自治体の方からお伺いしていますので、そういうこともとりやすくなりますし、いいことも多いのではないかなと思っています。
 それから、今、実際、風しんを発症されている妊婦さんやCRSの赤ちゃんの御家族のことなどもございますので、そういったことについての対策もぜひ考えていただきたいなと思います。
○岡部部会長 中長期的な部分でタスクフォースというのは、特定感染症予防指針が出れば、麻しんのときも麻しん対策グループといったようなものができたので、研究班が中心になるか、あるいはそういうグループができるかですけれども、そこも含んで風しん全体をとにかくきちんとやっていこうということで、ぜひそれは構成をお願いしたいと思います。
 それから、公的にやるということについては、相当、月を要するのに、直ちに緊急は私自身は無理だとは思っています。個人レベルでやられるものについては妨げるものではないけれども、ただ、MMRは割に発熱率が高いということが余り知られていないので、導入されるところでは一応そういったようなことも検討して、導入というのは臨時にやるところですが、配慮いただきたい。
 それから、増産はメーカーだけの問題ではないだろうと思うので、いろいろな関係機関のほうで増産に協力をぜひお願いしたいところですけれども、つくったものが余ってもいけないので、これが中長期的な内容に関係してくるだろうと思います。
 それから、対象を絞るということも、例えば「妊婦の夫」というふうに1行ぐらい書いてありましたけれども、妊娠の後半になってしまえばほとんど安全なので、むしろ妊娠するかしないかぐらいのところがあるので、そういったようなところでの対象の絞り込みであるとか、全体のエリミネーションをやるならば多くの人に受けていただくわけですけれども、その対象を母子手帳での確認であるとか、抗体の検査も場合によってはやむを得ないだろうと思います。
 ただ、ボーダーラインはやはり陰性に読んだほうが安全息が高くなるわけですけれども、そういったような工夫をしながら、とりあえずここですぐに来月からふえてくるのではないというのは残念なのですけれども、地域によっての考え方も違うでしょうし、そこはサーベイランスデータを見ていただいて、地域ごとのアナウンスを発して、全国一斉に今すぐというのはちょっとブレーキをかけなくてはいけないかもしれません。
 この間も申し上げましたように、米国などでもよくこういう問題が起きて、その場合には、あるキャンペーンをちょっと緩めようとか、あるいはワクチンが来たならばもう一回再開しようというような議論はしばしば行われるので、やはりそこは現実的に見ていく必要はあるだろうと思います。余り不安をあおってもいけないし、一方では、やるものをきちんと継続的にやっていただくというような努力をしていく必要があるだろうと思います。
 多屋先生、どうぞ。
○多屋委員 今の岡部先生のお話を伺っていて思ったのですが、今回、厚生労働省から現在の供給の見込みなども丁寧に出していただきまして、ありがとうございました。これを見ていますと、462万本が今年度供給されると書いてありまして、定期接種分の210万人を引きますと250万人ぐらいは接種ができるわけです。現在、4月、5月、6月でまだ数十万人しか受けていらっしゃらないわけですので、効果的に、接種を受けてもらいやすいようにと思います。何分、成人の方に受けてもらうのがとても大変です、ようやく世論が高まってきて、受けに行ってくれたと思ったところでこういうことがあって残念なのですけれども、時々職場の健診で採血する機会などもありますので、そういったところで風しんの抗体価を一緒に見ていただくとか、成人の方が、今後も引き続き、残りの250万本を効果的に使ってもらえるような方策も考えていただきたいなと思います。
○岡部部会長 難波江補佐、どうぞ。
○難波江課長補佐 補足ですが、先ほど私、メーカーの人に頑張っていただいてと申しましたが、岡部部会長がおっしゃるとおり、メーカー以外にも卸とかいろんな人に頑張って対応をいただいているところです。来月にもすぐ出てくるものでもないという御指摘があって、二百数十万本、単独も含めると270万本ぐらいは今年度できるというところで、今、土日返上で頑張っていただいて、今お示ししている出荷がまだこれから上積みされる可能性は十分ありますので、そういうことで関係者に非常に御努力いただいています。来月の分もこれから伸びる可能性もあるというところでございます。
○岡部部会長 それも数字が低いとすぐに不安になって、逆に足りないから今のうちにといった声が出てきてしまうのですけれども、やはり淡々とその数字は出していただいて、現状としてはこのぐらいなので、進める側もそれを見ながら対応していくということが必要だろうと思います。
 一部には、ちょっと残念なのですけれども、それっとワクチンを抱え込んでいるところがあるやにも聞いています。ごく少数だろうとは思いますけれども、バランスよくいけるようにということをぜひお願いしたいと思います。
 あとお一人ぐらい、どうぞ、小森委員。
○小森委員 議論いただいて、それでいいのですが、ただ、ワクチンは無理ですね、だからそれはおしまいです、そういう形ではなくて、やはり国民の方は大変心配しておられるので、このことはこういうふうに準備できるけれども、こういう理由で緊急輸入で特例承認を受けて実施することは妥当ではない、しかしながらオプションとして準備はしてありますよというメッセージ。それから、抗体の検査キットの問題がありましたけれども、このことについてはそれこそ緊急輸入等を含めて決して枯渇することがないようにしてありますから大丈夫ですよというメッセージ。2期接種の延長の問題等についても、そういったメッセージを出していく。オプションについては、しっかり準備、対応済みですということをぜひ発信をしていただきたいと強く要望しておきます。
○岡部部会長 メッセージの発信をする際にも専門領域にある方々の意見をぜひ取り入れてやっていただければ、特にそのためにこういう委員会があるので、一々審議をしてという意味ではないのですけれども、そこはエビデンスをきちんとやるというふうにしていただければと思います。
 ほかの議論もやらなければいけないので、一応風しんはこのぐらいにしておきたいと思うのですけれども、よろしいでしょうか。
 では、次に行きたいと思います。次は議題の3です。これもそれぞれ一つ一つがいろいろあると思うのですけれども、4ワクチン(水痘・HB・23価肺炎球菌・ムンプス)ですが、前の予防接種部会では、7ワクチン含めて定期接種が妥当である、つまり人々に広くやる、それについては受け入れられて、そのうちの3つが定期接種化になって、4つについては衆参両院から附帯決議としてこれを年度内にどういうふうにするのかきちんと定める。加えて、ロタもこの分科会でも紹介がありましたけれども、ロタについてもなるべく早く検討を行うようにという附帯決議がついているので、今これで定期接種にするしないという話ではないと思うのです。ただ、その内容と現状について見直して、技術的な検討課題としてどういうものがあるのか、あるいは早急にやる必要があるのかといったようなことも含めて議論していきたいと思います。
 一番最初が水痘なので、説明は事務局のほうからよろしくお願いします。
○難波江課長補佐 それでは、お手元の資料4をごらんください。「水痘ワクチンの接種対象者及び接種方法について」という資料でございます。
 今、部会長がおっしゃったとおり、標題のところに注意書きが書かれております。「本資料は技術的検討であり、国民に対して広く接種機会を提供する仕組みとして実施するためには、前提として、ワクチンの供給・実施体制の確保、必要となる財源の捻出方法等の検討を行った上で、関係者の理解を得るとともに、副反応も含めた予防接種施策に対する国民の理解等が必要」ということで、あくまでも技術的検討で、これでそういった広く接種機会とか定期接種が進むという話ではなくて、まずはここで技術的に御検討いただくために用意させていただいた資料です。
 背景といたしましては、既に部会長がおっしゃったとおり、昨年5月の第二次提言で7つのワクチンについては医学的・科学的観点から広く接種を促進することが望ましいという提言をいただいております。また、この3月の予防接種法改正において、衆参両院の附帯決議で4ワクチン(水痘、おたふくかぜ、成人用肺炎球菌、B型肝炎)について、平成25年度末までに定期接種の対象疾病に追加するか結論を得る又は得るよう努めることとされております。このため、今後、仮により広く接種機会を提供する仕組みとして水痘ワクチンの接種を実施する場合における、接種対象者や接種方法等について、検討しておく必要があるということで用意させていただきました。
 2ページ目の上の「水痘の疾患概説」では、水痘は、水痘帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる伝染性疾患で、年間約100万人の患者が発生していると推定され、ほとんどが9歳以下、空気感染し、強い伝染力を持つ。家庭内の接触では90%が発症してしまうと報告されています。
 臨床症状は、通常2週間の潜伏期で、掻痒を伴う発疹を生じ、最終的には痂皮化する疾患で、一般には軽症ですが、年間4,000人程度が入院して、20人程度が死亡していると推定されております。また、成人でかかりますと重症化しやすい傾向があります。
 治療法としては、通常、カチリなどの外用が行われまして、免疫不全者など重症の場合はアシクロビルやバラシクロビルが使われるというものでございます。
 使用するワクチンは、阪大微研の「ビケン」、1987年に販売が開始されているワクチンでございます。
 3ページ目の上の「水痘ワクチンの接種対象者・接種方法のイメージ」でございますが、対象年齢は生後12月から生後36月に至るまでの間の者、1歳、2歳を対象として、2回皮下接種で、接種間隔は3月以上置くものとし、予防接種を受けることが適当でない者は、ワクチン全般に共通するもの以外は特記事項はないというものでございます。
 標準的には、生後1歳になったらなるべく早く初回接種をした上で、初回接種終了後半年から1年間隔を置いていま1回行うというものをイメージしております。
 「技術的事項における論点」でございますが、水痘ワクチンの接種回数について、1回接種又は2回接種とすることが考えられるが、どちらが望ましいか。以下の点について整理し、検討する必要がある。ワクチンの有効性について、接種回数による費用対効果の違いについて、他国等における推奨接種スケジュール。
 水痘ワクチンの2回目の接種時期として、4〜6歳時又は初回接種後早期に行うことが考えられるが、どちらが望ましいか。以下の点について整理し、検討する必要がある。2回目の接種時期による有効性の違いについて、免疫の持続性について、水痘の発生状況について。
 4ページ目、まず「水痘ワクチンの有効性について」でございますが、水痘ワクチンの有効性についてはさまざまな報告があるが、1回接種することで、水痘の罹患を80〜85%程度、重症化をほぼ100%防ぐことができるとされている。
 ワクチン1回接種後のbreakthrough水痘は6〜12%の接種者に認められる。このような症例は、ほとんどの場合軽症であるが、感染源となりうることが知られており、アウトブレイクを引き起こすことがある。
 Breakthrough水痘のリスク因子として、ワクチン接種後の抗体価との相関が指摘されているが、1回接種で不十分な抗体上昇しか得られなかった者も2回接種することで十分な抗体を獲得することができると報告されている。
 ワクチンを2回接種することで、1回接種と比べて長期にわたり患者数を減らすことができたと報告されているとしております。
 下の図は「ワクチン接種後の抗体価と水痘罹患率及びその平均発疹数」で、抗体価が高いほどその罹患率や発疹数が少ないというものでございます。
 5ページ目の上は「接種回数ごとの累積水痘罹患率の比較」でございまして、1回接種と2回接種を比べると、2回接種のほうが水痘罹患率が低いというものでございます。
 5ページ目の下は費用対効果ですが、社会的視点、これは生産性損失も含めたものでございますが、社会的視点で任意接種と定期接種を比較した場合、接種回数にかかわらず費用低減効果が見込まれる。1回接種と2回接種を比較した場合、増分費用と低減費用はほぼ同等であると見込まれるということです。
 6ページ目の上側に図で示したものがございますが、横軸が予防接種の増分費用で、縦軸が水痘罹患費用の低減額です。緑が1回接種、赤が2回接種で、青が両方合わせた任意接種との比較になりますが、1回接種、2回接種とも費用対効果がいい。疾病に係る低減額のほうが高いとされております。
 6ページ目の下が「他国等における水痘ワクチンの推奨接種スケジュール」です。1回接種の国と2回接種の国があるのですが、1回接種の国はカナダ、韓国、カタール、ウルグアイなどで、1歳で打たれています。2回接種についてはアメリカ、ドイツ、オーストラリア、ギリシャ、サウジアラビアなどがあるのですが、1歳時に打った後に4〜6歳時に打つ場合、それから1回接種終了後すぐに打つ場合と10〜13歳で打つようなさまざま組み合わせがあるというものでございまして、日本小児科学会の推奨スケジュールというのは、生後12〜15月に一度打ち、その後18〜23月に打つというものでございます。
 7ページ目の上、接種時期による抗体の獲得状況ですけれども、2回目の水痘ワクチンを、4〜6歳時に接種した場合と、1回目接種後3カ月に接種した場合の抗体保有率・抗体価は、どちらも1回接種群を大きく上回ると報告されているとしまして、2回接種後の時期ですが、1回目の3カ月後に打った場合と4〜6歳時に打った場合ではいずれも大きく上回る抗体保有率になっているというものでございます。
 7ページ目の下の図の「水痘の発生状況について」は、小児科標榜医療機関から集めた小児での状況でございます。水痘患者の70%以上は4歳以下の幼児であり、2回目の接種がおくれることで、不十分な免疫しか獲得できなかった児が、水痘に罹患し、感染源となる可能性があるというものを示したものでございます。
 以上を踏まえまして、8ページ目に論点を改めて記載させていただいております。仮に水痘ワクチンを広く接種する場合における以下の論点について御審議いただきたいということで、接種対象年齢、接種回数、標準的な接種期間、キャッチアップの要否とその実施方法、その他とさせていただいております。
 以上でございます。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 背景のところは十分御存じと思いますし、このニーズというのは随分今まで、前の部会のことを持ち出すまでもなく、議論されているので、早い導入が必要ではないかと思うのですけれども、一つ変わってきているのが、接種回数の考え方などがあります。小児科学会、それから感染症研究所のホームページのほうも、もし2回目をやるのならばその間隔は早いほうがいいですよという提示をしているので、多屋委員、その理由をちょっと御説明いただけますか。
○多屋委員 日本小児科学会も感染症疫学センターのほうも、1歳でまずすぐにMRワクチンなどとほぼ同時期に接種をして、2回目については、今、日本はまだ毎年100万人を超える患者さんがいらっしゃるという状況ですので、どうしてもbreakthrough水痘から感受性者に感染が広がっていくということも考えますと、なるべく早目に2回目を接種するほうが今の日本にとってはメリットが大きいのではないかと考えています。
 以前、米国のACIPを傍聴させていただきました折に、アメリカでも2回接種のことが議論されておりまして、1回接種だけのときはbreakthrough水痘の方から感染が広がっているという事例があって、それで2回接種にされたという経緯があると思うので、やはり初めからしっかり2回接種で、なるべく早目に2回目というのが推奨されるのではないかと思います。
 それから、大人の水痘のことが今まで取り上げられてなかったのですけれども、以前、厚生労働科学研究費の岡部班で研究をさせていただいたときに、入院の患者さんについては、大人もかなり入院されておられまして、小児と同等か若干多目の入院患者さんがいらっしゃったこともつけ加えさせていただきたいと思います。
 また、二次、三次の小児医療機関では毎年水痘の院内発症者が出て、院内感染対策に大変な苦労をしておりますので、ぜひ流行をまず抑制させる方法を導入していただきたいと思っています。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 ほかの委員の先生方から水痘に関して何か御意見がありますか。アシクロビルが出てきたとはいえ、やはり免疫不全の方などが感染すると非常に重症になり、冷やっとするのが臨床の場だと思うのですけれども、須磨崎先生、何か一言どうぞ、参考人ですけれども、水痘のことに関して小児科の立場で。
○須磨崎参考人 病棟の管理という点からいきますと、特に重症の患者さんが多い病院ではこういったことが物すごく大きな診療の負担になっているのは確かで、そういう面からもぜひ進めていただけたらと思います。よろしくお願いします。
○岡部部会長 さっきのbreakthrough水痘という言葉、これはなかなか翻訳が難しいのですけれども、多屋先生、ちょっと説明もつけ加えておいてください。
○多屋委員 ここにも書かれていると思うのですけれども、水痘ワクチンの接種を1回受けた方の20%弱が、周りで流行してしまうとどうしても、軽いのですが、発症してしまいます。その方のことを英語でbreakthrough varicellaと言っていますが、日本語で何というかというとこの表現になるのかなと思います。
○岡部部会長 1回接種しても、水痘ワクチンの性質的なもので軽い水痘にかかってしまうというのが今までもよく知られていて、ただ、それがまた感染源になるということも問題があるので、全体に水痘を抑えるためにはやはり2回接種が必要である。費用もかかるわけですけれども、水痘をきちんと対処することによって、合併症の問題もありますし、院内感染対策の問題もあるので、これはうまくすると帯状疱疹の予防にもかかわっていくことがあるということで、これも早く導入をするということの意見ではコンセンサスが得られていると思います。
 技術的に、接種回数、対象年齢は今、提示されておりますし、標準的な接種期間も小児科学会、それから感染研のほうからも出ているのがほぼ世の中には受け入れられているのではないかと思います。
 4番目に事務局が提言された「キャッチアップの要否とその実施方法」、それから中野先生ときょう欠席委員の庵原先生等から意見があったと思うので、それも含めてよろしくお願いします。
○難波江課長補佐 では、きょう欠席の委員からの意見を読み上げさせていただきます。
 まず、庵原委員でございますが、
 定期接種として2回接種しても医療経済効果が認められている。
 多くの子どもでは移行抗体は誕生頃に消失しており、集団免疫率を維持するために、生後12か月以降早期に初回を接種する。
 初回接種後1年を過ぎ、流行の曝露を受けると発症率が増加すること、2回目接種後の抗体反応は初回接種6か月以降から高くなること等から、2回目の接種時期は初回接種6〜12か月後が適切である。
 水痘流行を抑制するためにはキャッチアップ接種が必要(3〜5歳:1回接種)。
 水痘ワクチン接種者は、将来帯状疱疹の発症が減少すると予測される。
 続きまして、中野委員でございますが、
 社会には水痘流行により大きな被害を受ける者(水痘が重症化することが明らかな免疫抑制薬投与者や臓器移植後の者など)が居り、その数は医学の進歩とともに増加している。ワクチンによる集団予防で水痘帯状疱疹ウイルスを駆逐することは、国民全体の健康を守るというワクチンがもたらす公衆衛生学的な恩恵を期待できる。
 1−3歳で2回の接種(1回目は1歳になったらなるべく早期に。2回目は1回目から6か月から12か月の間が標準的な接種期間。1回目と2回目の接種期間は3か月以上開ける)という接種スケジュールは、水痘の流行疫学(好発年齢)や水痘ワクチンの免疫原性を考えると理にかなっている。
 定期接種導入直後は、発生患者を短期間で効果的に減少させるという観点から、3歳以上5歳未満にcatch up接種を行うことが望ましい。
 続きまして、宮崎委員でございますが、
 1歳からの定期接種にする。
 副反応に大きな問題はない。
 効果の面から1回接種は不十分で、2回接種がのぞましく、我が国の現状からは、ルーチンには1歳代に2回目を接種して流行抑制を狙うが、就学前児では未接種、未罹患小児が1割以上残っているので、未接種・未罹患者または1回のみ接種・未罹患者に対して、当面、就学前にキャッチアップ接種を入れるのが早期流行抑制には効果的。
 水痘ワクチンの接種率が7割程度にとどまると、未接種、未罹患成人が増加し、かえって成人の重症水痘が増加するリスクがあるので、定期化する場合には排除(国内伝搬がない)をめざす。
 以上でございます。
○岡部部会長 以上が欠席の委員からの御意見で、ほぼコンセンサスが得られているのではないかと思いますが、キャッチアップのことについてちょっと。
○難波江課長補佐 今、御欠席の委員からのコメントにもございましたけれども、我々のイメージとして、1歳、2歳を対象というふうにお示しさせていただいてはいるのですけれども、導入するときにそれだけでよいのか、水痘の発生状況を踏まえると4歳以下に多く出ていることから、導入時にはその上の層も経過措置的に対象とするのがよいかというものでございます。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 坂元委員、どうぞ。
○坂元委員 質問ですが、キャッチアップというのは、仮に実行する場合は定期接種化の中に入れる、そうすると3回という解釈でよろしいのでしょうか。
○岡部部会長 多屋先生のほうからがいいですか。
 では、事務局のほうからお願いします。
○難波江課長補佐 3回接種ではなくて、導入時に1歳、2歳より上の方です。既に3歳、4歳になられている方に対して接種を行うか否かというものでございます。
○岡部部会長 その場合は、想定としては1回、2回。
○難波江課長補佐 そこも御議論いただければと思っていますが、御欠席の委員からは1回接種という御意見はいただいております。
○岡部部会長 菅先生も御意見があったら、どうぞ。
○菅参考人 私も大体皆さんと同じ意見ですが、キャッチアップに関しては1回か2回かというのはちょっとわからないところです。
○岡部部会長 水痘は今まで議論がたくさんあったので一応まとめておこうと思います。
 接種回数は、やはり先ほど御説明のあったようなbreakthroughを抑えないと今度は水痘そのものの大きい意味で見たコントロールができないので、できたら2回が必要である。
 キャッチアップについては基本的には行うということのほうが、3歳、4歳、そういったような幼稚園、保育園からも水痘をコントロールするということが必要なので、できたら考慮するような形でやっていただけたらと思います。
 時期、タイミングは既に幾つかのエビデンスも出ていますので、ファクトシートに従った形でのやり方になると思います。この委員会としては、ぜひとも水痘ワクチンを早く実現するべく、財政当局などにこれからいろんな話もするのでしょうけれども、関係方面には専門家のところと予防接種の委員会ではそれを求めているのだということ、それが後ろを押すような形になるといいなと思います。プロセスとしては分科会にもう一回出すのだと思いますが、そうですか。
○難波江課長補佐 分科会にかけます。
○岡部部会長 分科会に出すまでに幾つかの課題があるとすれば、それはまたファクトシートにかかわった先生方とよく相談していただいて具体的なところを詰めるというようなところでいきたいと思うのですけれども、まとめとしてはそんなところでよろしいでしょうか。事務局は何か意見がありますか。
○難波江課長補佐 今、いただいた御意見を整理しまして分科会のほうに報告する資料をつくらせていただければと思います。くどいようですが、実際に定期接種化というのには、接種体制、ワクチンの供給確保、財源の捻出、さまざまな課題がまだあるということは御承知いただければと思います。
○岡部部会長 さまざまな課題は了承した上で委員会としては水痘の定期接種化を強く求めるということ、仮にほかのところから意見があったときは、やはり日本から水痘をもうちょっと何とかすべきであるという意見が強くあるのだということを背負っておいてください。ぜひ、よろしくお願いします。
 では、最後に多屋委員。
○多屋委員 キャッチアップのことで一つ、7ページ目の小児の水痘の年齢分布なのですけれども、1歳と2歳が2回接種で十分カバーされますとどうしても半分が3歳、4歳、5歳、6歳になってしまいます。小学校入学前までに2回という接種の確保ができないと、その世代だけが感受性者がたくさんいるという形で残ってしまうので、どこかでそれを解消していただけるとありがたいなと思います。
○岡部部会長 その辺も考慮してということですね。
 澁谷委員、どうぞ。
○澁谷委員 この水痘だけではないのですが、今、座長がおっしゃったファクトシートを以前幾つもつくったと思うのですが、あれはやはりアップデートして最新のいろいろな情報を入れて積み上げをしていかないといけないものだと思います。あれに従事された先生方は大変御苦労なさったと思うのですが、それが今どうなっているのか。例えばここの会でいつも使えるようにといいますか、進行管理ができるようにといいますか、あれを生かせる体制になっているかどうかということがちょっと気になったものですから、お教えいただければと思います。
○岡部部会長 これは事務局のほうからですか。当時、出版しようかというあれもあったのですけれども、ホームページ上に載せてあるので、あれでほぼ完璧ではないかと当時はできたものなのですが、もし仮にアップデートが必要なものであれば、それはお願いする必要があると思います。そこから何か大きく進んでいるということは余りないのではないかと思うのですが、どうですか。多屋先生は水痘のほうに入っていましたね。
○多屋委員 ファクトシートの水痘にはかかわりましたし、ファクトシートが7つ感染研から出て、その後、作業チーム報告書も出ているのですけれども、かなりしっかりしたものになっているので、まとまったものが確かに一つあるといいなと私も思います。追加はそれほど大きくはないように思います。
○岡部部会長 もちろん、科学的にいろんなことが進んでいるのがあるので、もし委員の方、ほかからも、ここはやはり修正すべきであるというのがあったら委員会を通じてでも言っていただいて、そこは大変でしょうけれども、ファクトシートをつくったグループ、あるいはそこで必要な事項についてはアップデートするという方針は一応立てておきたいと思います。事務局、よろしいですか。何かありますか。
○難波江課長補佐 結構です。
○岡部部会長 それでは、大分時間がたったといってもこれでおしまいではないのですけれども、ちょっと小休止ということで10分ぐらいお休みをして、ちょうど6時5分には始めるというふうにしたいと思います。11〜12分の休憩になります。よろしくお願いします。
○嶋田室長補佐 では、再開は6時5分でよろしいですね。
 休憩に入ります。

(休 憩)

○嶋田室長補佐 引き続き議論を開始させていただきます。お願いいたします。
○岡部部会長 ぴたり6時5分から始めるようにしますから、後の御協力もよろしくお願いします。
 それでは、次の議題は、最初はおたふくかぜなので、ムンプスワクチンについての御説明を事務局のほうからお願いいたします。資料5です。
○難波江課長補佐 お手元の資料5「おたふくかぜワクチンの接種対象者・接種方法及びワクチン(株)の選定について」の資料を御説明させていただきます。同じように注意事項がついておりますので、御承知ください。
 背景でございますが、同様に、第二次提言を受けているところでありまして、2つ目ですが、一方、第二次提言をまとめる際に、予防接種法の対象となる疾病・ワクチンのあり方については「ワクチン評価に関する小委員会」で検討が行われたが、国民に対して広く接種機会を提供する仕組みを構築するに当たっては、どのワクチンを使用するか選定する必要があるとされているところでございます。
 今般の法改正における附帯決議で、4ワクチンについて結論を得る又は得るように努めることとされているとしております。
 2ページ目の「おたふくかぜの疾患概説」ですが、おたふくかぜはムンプスウイルスによって引き起こされる、耳下腺の腫脹を特徴とする伝染性疾患である。数年おきに流行が見られ、近年では患者数の多かった2005年に135.6万人の患者が発生したと推計されている。幼児期に感染が多く、3〜6歳で全患者の60%程度を占める。また、ムンプスウイルスはAからMまでの13種類の遺伝子型に分類されており、近年主にG型が流行している。
 臨床症状ですが、2〜3週間程度の潜伏期を経て、発熱と耳下腺の腫脹・疼痛をもって発症する。合併症として無菌性髄膜炎の他脳炎、難聴、精巣炎等が挙げられる。
 右側に合併症の合併率を記載していますが、自然感染の場合、無菌性髄膜炎が1〜10%、脳炎が0.02〜0.3%、難聴が0.01〜0.5%、精巣炎が20〜40%で起きるとされております。
 治療法は、特異的な治療法はなく、発症後に解熱鎮痛剤等の対症療法が行われるというものでございます。
 続きまして、3ページ目の上のスライドでございますが、「おたふくかぜワクチンの接種対象者・接種方法のイメージ」としまして、1期を1歳時、2期を小学校に入る1年前ということで、MRと同じスケジュールをイメージしております。
 3ページ目の下でございますが、「技術的事項における論点」は、おたふくかぜワクチンの接種回数について、1回接種又は2回接種とすることが考えられるが、どちらが望ましいか。ワクチンの有効性について、接種回数による費用対効果の違いについて、他国等における推奨接種回数。
 2つ目の○ですが、おたふくかぜワクチンの接種時期をどのように設定することが望ましいか。他国等における推奨接種スケジュール、接種時期による副反応の発生について、免疫の持続性及び2回目の接種時期による有効性の違いについて、おたふくかぜの発生状況について。
 4ページ目の上のスライドは、おたふくかぜワクチンの有効性ですが、これまでにおたふくかぜワクチンの1回接種と2回接種の効果を比べた報告では、2回接種の方が高い効果が示されている。おたふくかぜワクチンを1回接種している国での患者数の減少は88%以上であったが、2回接種している国では97%以上の減少が見られているということで、下に「接種回数による有効性の比較」として各国のデータが示されております。
 4ページ目の下は「おたふくかぜワクチン接種回数による費用対効果の違い」として、社会的視点で任意接種と定期接種を比較した場合、接種回数に関わらず費用低減効果が見込まれる。1回接種と2回接種を比較した場合、2回目の接種を行うことで超過費用の発生が予想され、費用対効果も良好ではないとしています。
 5ページ目の上に図がございますが、右側が予防接種の増分費用、縦側が罹患費用の減少額で、1回接種の場合は費用対効果がいいのですが、2回目というのはワクチン費用の分がむしろ増加する。トータルとしては費用対効果がいいとされております。
 5ページの下は他国での接種回数ですが、おたふくかぜワクチンを接種している117か国中、110か国でワクチンを2回接種するプログラムを設けているとしております。
 6ページ目は「他国におけるおたふくかぜワクチンの接種スケジュール」としまして、多くの国が2回接種で、1回目を1歳時、2回目はさまざまですが、1回目接種の4週間後からやっている国、3〜6歳、4〜5歳でやっている国、11〜12歳ぐらいでやっている国、さまざまございます。
 6ページ目の下は副反応の発生でございます。おたふくかぜについては、年齢が高くなるほど髄膜炎や難聴などの合併症の発症率が高くなるとされているが、ワクチンについても同様に、接種年齢が高くなるとともに副反応の発生率が高くなることを示唆する報告がされている。2回目の接種を受けている等、既に免疫を持っている方における接種では、おたふくかぜに類似した副反応は基本的に発生しないと考えられている。
 下のテーブルの年齢別の接種後の耳下腺腫脹率を見ますと、1歳時で0.98%、2〜3歳で2.18%、4〜6歳で3.8%、7〜10歳で6.45%と、年齢が上がるにつれて発生率が高くなっているというデータがございます。
 7ページ目の上は「おたふくかぜワクチン接種後の有効性の推移」としまして、おたふくかぜワクチンの有効性に関するmatched case-control studyでは、ワクチン接種後、徐々にその効果が減衰し、特に接種後5年以降にその傾向が顕著であることが報告されているとしております。
 その下の「おたふくかぜワクチン接種時期による抗体保有価の違い」は、米国での研究ですけれども、2回目の接種を以下の時期に実施して比較したところ、2つのグループ、4〜6歳に接種した群と9〜11歳に2回目を接種した群で比べますと、各年齢で抗体価に大きな違いは見られず、結論として著者らはワクチンの接種時期を後ろ倒しにする利点は認められなかったと述べております。
 8ページ目の上側、これも同様に小児科を標榜する医療機関からの定点報告でございますが、日本におけるおたふくかぜ罹患者の60%程度は3〜6歳の幼児が占めている。ワクチン1回接種者におけるおたふくかぜ罹患年齢は平均6.3歳であったと報告されております。
 以上を踏まえまして、仮に、おたくふくかぜワクチンを広く接種する場合、以下の論点について御審議いただきたいと考えております。中身は先ほどの水痘と同様となっております。
 9ページ目の「おたふくかぜワクチンの選定について」でございますが、おたふくかぜワクチンに使用されているワクチン株は、世界で10種類以上あり、それぞれ有効性と安全性に差がある。特に、無菌性髄膜炎の発生は、ワクチン株ごとに大きく異なることが報告されている。したがって、おたふくかぜワクチンの選定に当たっては、ワクチンの有効性・安全性とともに疾病の疫学的考察等を踏まえて総合的に判断する必要がある。
 10ページ目でございますが、現在、国内で製造販売の承認を受けているワクチンは2つございまして、株でいいますと星野株というものと鳥居株というものが使われていまして、抗体陽転率はいずれも90%以上を示すというものでございます。
 10ページ目の下でございますが、そのほか世界で使われているワクチン株の主なものとして、Jeryl-Lynn、Rubini、Urabe-AM9、Leningrad-3、Leningrad-Zagrebというものがございます。概要は右側に書いているとおりでございます。
 11ページ目の上側に有効性の比較を載せております。Jeryl-Lynn株については有効性が61〜91%、Urabe-AM9株については54〜93%の範囲で有効性が報告されております。Rubini株については有効性が劣ることが多くの報告で指摘されております。国産株の星野株と鳥居株については80%以上の有効性があると報告されております。その他のワクチン株では有効性に関する報告は少なく、十分に評価することは難しい状況となっております。
 11ページ目の下は「おたふくかぜワクチンの有効性」ですけれども、ワクチン導入前後の罹患数の比較で、2回接種、1回接種で分けておりまして、2回接種で多くの国で99%を超える減少率が見られ、1回接種でも80〜90%の減少率が見られているものでございます。
 12ページ目、副反応の発生頻度の株ごとの違いでございます。無菌性髄膜炎の発生頻度はJeryl-Lynn株のほうが国産ワクチンの星野株・鳥居株よりも低いとされております。
 以上を踏まえまして「仮におたふくかぜワクチンを国民に対して広く接種機会を提供する場合に考えられるワクチン(株)の選択肢」として、2つお示ししておりまして、選択肢1が、ワクチン接種による予防効果とワクチン接種により無菌性髄膜炎等が発生するリスクについて被接種者に対して十分説明し、理解を得た上で実施することを前提に、星野・鳥居株のワクチンを使用する。
 選択肢2が、ワクチン接種による予防効果とワクチン接種により無菌性髄膜炎等が発生するリスクについて比較衡量し、有効性は劣るもののより高い安全性が期待できるワクチン(株)が承認された時点で、費用対効果等を踏まえ、当該ワクチンを使用するというものでございます。
 13ページ目の上は、選択肢1と選択肢2の利点と課題を比較したものでございます。
 選択肢1の利点としては、星野・鳥居株は、既に国内で薬事承認されているワクチンであり、迅速に導入し、罹患数を減少することが可能である。星野・鳥居株は、Jeryl-Lynn株に比べて有効性が高いとされており、流行株であるG遺伝子型のウイルスに対してもB遺伝子型と同程度に中和することができると考えられる。
 課題としては、星野・鳥居株は、無菌性髄膜炎の合併率がJeryl-Lynn株のものに比べて高い。
 選択肢2の利点と課題でございますが、まず利点として、Jeryl-Lynn株は、星野・鳥居株に比べて無菌性髄膜炎の合併率が低いと報告されている。必要に合わせて、接種するワクチン及びその組み合わせ(2回接種とする場合)を選択することができる。
 課題としましては、Jeryl-Lynn株は、現在、国内で薬事承認されていないワクチンである。Jeryl-Lynn株は、星野・鳥居株に比べて有効性が劣るとされており、流行株であるG遺伝子型のウイルスに対する中和能はA遺伝子型に対するよりも劣ると考えられている。ただし、海外で発生を抑制した実績がある。Jeryl-Lynn株のMMRワクチンを輸入して使用した場合、ワクチンに含まれる麻しん株が異なるため、発熱の合併率が高い等、無菌性髄膜炎以外の副反応が増加する可能性がある。
 下は参考資料でございますが、「Jeryl-Lynn株ワクチンの有効性」として、Jeryl-Lynn株については、流行時のVaccine Efficacyが61〜91%であると報告されており、フィンランドでは14年間にわたって2回接種を実施した結果、国内発生件数0件を達成している。
 一方、Jeryl-Lynn株の遺伝子型はA型であるが、A遺伝子型ワクチンにより誘導された抗体は、G遺伝子型ウイルスに対する中和能が若干落ちることが報告されている。実際、米国ではJeryl-Lynn株のMMRを2回接種することで順調に患者数が減少していたが、近年、高率にワクチンを2回接種しているにも関わらず、おたふくかぜの流行がみられていることから、効果の減弱及び3回目接種の必要性について議論されている。(一部の州では既に3回目の接種プログラムを実施している)。
 14ページ目の参考資料2「MMRワクチン(Jeryl-Lynn株)の安全性」でございますが、日本では、一般に発熱率の高いワクチンに対して抵抗感があると言われており、現在のMRワクチンは発熱率を低く抑えるように開発されている。こちらの3社の発生率は3%、4%、5.9%となっております。
 Jeryl-Lynn株を含むMerck Sharp&Dohme社のMMRワクチンについては、39度以上の発熱が6%程度にみられると報告されているが、日本国内で行われた化学及血清療法研究所による臨床第2相試験では、39度以上の発熱が23.8%にみられたと報告されている。発熱は、接種後10日前後であることから、主にワクチンに含まれる麻疹ウイルスによると考えられているが、欧米と比較して、日本では熱性痙攣の発生が多いこともあり、注意が必要であるとしております。
 参考資料3「MMRワクチンに関する過去の経緯(概要)」でございますが、昭和63年に製造承認を受けまして、平成元年から麻しんの定期接種対象者のうち希望者に対し、MMRワクチンの使用を開始いたしまして、ワクチン接種後の無菌性髄膜炎の発生が注目されまして、政府は使用上の注意の改訂の指示や都道府県を通じ接種時の留意事項等について周知するなど対応しております。平成元年9月の公衆衛生審議会では、10〜20万人に1人程度の症例発生と報告、平成4年4月の同審議会では約1,000人に1人の割合で症例発生と報告されております。
 平成5年4月の「MMRワクチンについての当面の取扱いについて(意見)」(伝染病予防部会)において、阪大微研の自社株ワクチンに係る無菌性髄膜炎の発生頻度が他の株に比べ明らかに低く、報告漏れがないか調査を行う必要があり、また、占部株について二次感染の報告がなされており、他に同様の事例がないか調査する必要がある等とされたことを受け、接種を見合わせております。
 同年5月、阪大微研の薬事法違反が確認されまして、同社を薬事法違反で行政処分した、こういった経緯がございます。
 以上でございます。
○岡部部会長 どうもありがとうございました。
 おたふくかぜも長い間、議論をやっていて、おたふくかぜという病気、流行性耳下腺炎に対する対策が必要である。それに必要なのはワクチンである。ここまでは結論がずっと同じようについています。しかし、導入に当たって回数もタイミングも大切なのですが、では何を使うかというところが、常にそこから先の議論が行かなくなり、また国内でそれに対して改良型のウイルス株が出ているかというとそこの開発も行われていない。それは堂々めぐりなのですが、基本方針が固まっていないからだというようなこともあったわけです。
 基本方針としては、これは必要であるということが感染症部会、それからこの会でも来ているわけですけれども、現在の状況としては今のようなことがあって、この会としても、財政的なことはたびたび難波江さんからも出ているように、それはさておいても、これからのおたふくかぜワクチンをどうするのだということの御意見をいただく必要があると思いますけれども、委員の先生方からどうぞお願いします。
 坂元委員、お願いします。
○坂元委員 今まで幾つかの新しいワクチンに対して検討してきたのですけれども、今後こういうワクチンが全て導入されると接種を受ける側がかなりの種類のワクチンをある一定期間でやらなければいけないという一つの問題が出てくるということで、同時接種と多価ワクチンという2つの考え方がある中で、おたふくかぜを多価ワクチンという形で保護者への回数の負担を減らしたほうがいいのか、それとも単体でやったほうがいいのか、その辺、何かありましたらお教えいただければと思います。
○岡部部会長 国際的に見た場合、ムンプスワクチンを単独でやっている国がどのぐらいあるかということについてはどうですか。私の知っている限りでは余りないのですけれども、多屋先生、何か。
○多屋委員 ほとんどの先進国は混合ワクチンが導入されていると理解しています。
○岡部部会長 先進国がというよりムンプスワクチンを導入している国ではMMRワクチンで、ムンプスワクチンを導入していない国は使っていないので、単独ワクチンを使っている国は実際にはほとんどないのではないかと思います。販売も、余り単独では海外は販売されていないと思うのですが、そこは違いましたか。どなたかそうだとか違うとか言っていただけませんか。
 氏家さん、わかりますか。
○氏家課長補佐 現時点では把握していません。
○岡部部会長 では、正確なことは後で出るにしても、私が知る限りでは単体のムンプスワクチンは余り出ていないということではないかと思います。
 どうぞ、坂元先生、先に。関連で次に小森先生、お願いします。
○坂元委員 ということはMMRという方向で考えるということなのですか。これは私もよくわからないのですけれども、今、この2つの日本のメーカーから出ているのは単体のワクチンですね。そうすると、おたふくかぜワクチンを国で導入するというのは海外並みに多価ワクチンという考え方なのか、そこがわからないのでお教えいただければと思います。
○岡部部会長 ほかの御意見があれば。
 私自身の意見としては、余り議長が言ってはいけないのかもしれないのですけれども、水痘の場合はなかなか混合が難しいけれども、現実には三種混合は広く使われているので、実際的にはMMRでいかないと無理だろうと、無理だろうというのは実際的ではないだろうと思うのですけれども、もし何か御異論があればどうぞおっしゃってください。須磨崎先生もどうぞ、小児科の立場でおっしゃっていただいて結構ですから。
○須磨崎参考人 同時接種が必要だということは我々小児科学会も言っているわけなのですが、かなり地域差があって、実際に進めるのが難しいという現状からすると、やはり多価ワクチンということが必要なのではないかと思います。
○岡部部会長 開発グループのほうがもう一つ分科会があるので、そこでも基本的な流れとしては、できるだけ安全で効果のある混合型のワクチンを進めていくべきだ、産業ビジョンのときからそういう意見が出ているので、そういう方向性であれば目の前にあるMMRをわざわざばらばらしてやることもないだろうと思います。
 どうぞ、小森先生、済みませんでした。
○小森委員 保護者のお気持ち等を考慮いたしますと、現在販売されている2種のワクチンを導入するというのはちょっと危険性が大きいのではないかと私自身は思います。ただし、MMRワクチンを漫然と見るのではなく、今、議長がおっしゃったように、もう一つの分科会、部会の意見でもありますけれども、ぜひ国策として安全性の高いMMRワクチンの開発あるいは研究等に積極的な姿勢を見せるという条件のもとにという、そういう気持ちも少しございます。
○岡部部会長 多屋委員、どうぞ。
○多屋委員 ムンプスの流行は、先ほどお示しいただきましたように5年に1回大きな流行を繰り返していまして、2005年の次が2010年にも流行があって、次は恐らく2015年ぐらいに起こってくるのではないかと思うのですが、そこが来るまでに髄膜炎の発生率が低いムンプスワクチン株と発熱率が低い麻しんワクチン株が混合されたワクチンの開発ができないものかと思います。以前はJeryl-Lynn株だけをというのは難しいと聞いていたのですが、今も変わらずそういう理解なのでしょうか。
○岡部部会長 実際にはそこはいろいろな話し合いをしないとわからないところで、以前にずっとこの前の審議会、何年も前の審議会で出たときは、Jeryl-Lynn単体で出すということは売っている側がだめだと言っていたので導入できなかったという経緯はあります。もしそういう方向があるならば、それも含めて交渉をやらなければいけないのでしょうが、現在のところそれが可能かどうかというのはわからないということになります。
 どうぞ、氏家さん。
○氏家課長補佐 先ほど御質問がありましたムンプスの単体を導入している国が世界でどれぐらいあるかということでWHOのサイト等で調べたところ、ロシアが1カ国、12カ月と6歳で導入しているということが確認できました。
○岡部部会長 ありがとうございました。そうすると、ロシアであれば量的には、数としては多いですね。
○小森委員 前半のことでいいですか。
○岡部部会長 どうぞ。
○小森委員 予防接種部会のときから申し上げていましたけれども、ここは財源のことを議論する会ではないので、あくまで医学的、科学的観点からということですから、先ほどのデータを見せていただいてぜひ2回接種、その方法については既にファクトシートそのほか明確に出て、ある程度コンセンサスもできていると思いますので、そのようにお願いをしたいと思います。
○岡部部会長 ありがとうございます。
 小森委員も御指摘になったように、もし日本のウイルスワクチン候補株がどこかで改良されていたなら、あるいは何かの変更があるならばいいのですけれども、当時、髄膜炎が問題になったときから変わっていないのです。そうすると、今のディジーズ・バードン、病気の重さ、病気の状況から、では前のものを持ち出していいかというと、これは別に大きく危険なワクチンだというわけではないのですけれども、より安全なものが改善されていないのにそれを導入していいかというのは、そこに疑問があるということだと思うのです。
 そうすると、これは繰り返しになりますけれども、小森先生がまとめていただいたように、この分科会としては、おたふくかぜの予防としてのワクチンはやはり必要である。回数その他についてはファクトシートの表であるけれども、ワクチンも単体としてではなくてやはりMMRが重要である。であれば早く開発を促すという方針が重要であるというのが委員会としてのまとめになってくると思うのですけれども、御異論があれば、大体うなずいていただいたような気がするのですけれども、どうでしょう。
 済みませんでした。目の前におられないとちょっと忘れてしまうので、中野先生、庵原先生、宮崎先生からの御意見があると思うので、それもお願いします。
○難波江課長補佐 では、庵原委員の御意見ですけれども、
 定期接種として2回接種しても医療経済効果が認められている。
 世界でムンプスを排除したと宣言している国はフィンランドだけであり、排除当時、フィンランドはムンプスワクチンを2回接種後、軍隊入隊時に男子には3回目のムンプスワクチンを接種していた(入隊時、女子は風疹ワクチン接種)。
 Jeryl-Lynn(JL)株は、安全性は高いが、有効性はUrabe株よりも劣っている。2回JL株を受けていても、高校生や大学生で流行するため、Plotkin SA(ペンシルバニア大学名誉教授)は、JL株と同じ安全性があり、効果が高いワクチン株の開発が必要と提言している。(JL株の親株/途中継代株がWistar研究所に残っているかは不明)。
 ムンプス難聴は予後の悪い合併症であり、本邦小児では1/1,000で発症している。なお、成人でのムンプス難聴の頻度は1/400である。
 本邦ムンプスワクチンは、1歳児に接種するほうがより年齢が高いところで接種するよりも耳下腺腫脹率が低いこと、また自然感染の顕性感染率は1歳では20%であるのに対し、4歳以上では90%であること、ムンプス流行を抑制するためには集団免疫率を維持する必要があること等から、初回接種を12ヶ月過ぎに行い、この時期で行うならば、本邦ワクチン株でも無菌性髄膜炎の発症率が低いと推測されるので、本邦ワクチン株を用いることを提案する。
 初回接種率が高まれば、発症年齢が現在よりも高くなることが予測されるので、2回目はMRと同じ就学1年前が適切である。
 2〜5歳のキャッチアップ接種は髄膜炎発症者が増加するリスクがあるが、集団免疫による流行抑制を図るためには、希望者には接種すべきである。
 JL株による単味ワクチンは世界には存在しない。
 続きまして、中野委員でございますけれども、
 おたふくかぜは、無菌性髄膜炎、聴力障害、精巣炎など合併症の多い小児期疾患であり、予防を心がけることが望ましい。
 ワクチンによる予防効果、疾患の好発年齢を考慮すれば、1歳になったらなるべく早期に1回目接種、就学前に2回目接種の2回接種法が適切である。
 現行のおたふくかぜワクチンは2種類の株が存在するが、無菌性髄膜炎発症の頻度は十分に低いとは言えず(添付文書ではそれぞれ「2,300人接種あたり1人程度」「1,600人接種あたり1人程度」)、より安全性の高いワクチン株を使用することが望ましい。
 続きまして、宮崎委員でございますが、
 ムンプス難聴(1/千人)、ムンプス髄膜炎(1/50人)の他、髄膜脳炎、膵炎、精巣炎等ムンプス合併症と、国内株ムンプスワクチンによる髄膜炎(1/2千人)の比較から、定期接種化が望ましい。
 しかし、100万人接種で約500人のワクチン髄膜炎が出るので、それを国、国民、マスコミが受け入れなければならない。その心構えがあるかどうかが問題。
 MMRワクチンが我が国で使えない状況。研究開発及び生産流通部会において、過去の経緯を整理し、海外のJL株含有ワクチンや国内の新たなムンプスワクチン株開発を含め、国内外のムンプスワクチン(およびMMRワクチン)の開発・導入を真剣に検討すべき。なお、MMR-2○Rは国内で承認申請され審議継続中。
 以上でございます。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 今の3人の先生の御意見も含めて何か追加で御意見がありましたら。どうぞ、池田先生。
○池田委員 先ほどの資料の中に費用対効果のことがございましたが、4ページ目の下の表とか、5ページ目の9と書いてあるグラフですが、こちらで1回接種と2回接種の費用対効果を比べた場合に、1回から2回にすれば接種の費用は2倍になる。ただし、防げる病気の数は2倍になるわけではなくて、大体1.2倍とかそのぐらいなので、そういう意味では、1回やっていることと比べて2回やっていることを見ると費用対効果の点では必ずしも計算上数字としてはよくないということで、このような記載になっているかと思います。
 ただ、これは単体での接種、つまりここで大きな費用になっているのが予防接種に係る生産性損失、すなわち親が仕事を半日休んで子供を接種に連れていくというところの費用が非常に大きく出ていまして、仮に混合ワクチンのような形でその負担が減りますと、圧倒的に費用対効果は改善するということを一応念のためつけ加えさせていただきます。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 それでは、これもまとめなくてはいけないのですけれども、回数とかタイミングについては既にファクトシートでも出ているので、これはそのとおりである。ただ、ファクトシート以降出てきた問題としては、特にアメリカにおいて2回接種をした中からもムンプスという病気が出てきて、必ずしもムンプスワクチンがすごく有効性が高いというところではないので、Plotkin先生もおっしゃっているように、ムンプスワクチン全体の考え方も必要というところがある中で、今、既存の日本のワクチン株を使って直ちに定期接種となるというところは今までも異論のあったところです。
 ただ、方針としては、MMRがムンプスという病気のことを考えても我が国には絶対に必要なので、本当にメーカーの方や生産の方の協力をいただかなければいけないのですけれども、我が国で使えるMMRワクチンの研究を直ちにできるだけ早く始めていただきたいというのがお願いではないでしょうか。
 ワクチン株は、場合によってはJeryl-LynnあるいはLeningradかもしれませんし、何かほかのという工夫もあるし、研究もある程度は動いているのですけれども、国産のワクチン株候補について使用ができるかどうかといったようなことも含めて、研究ということでは国がバックアップしていただきたいということになるのですけれども、この委員会としてはこういう考え方でよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○岡部部会長 では、それを今の結論というふうにしておきたいと思います。
 どうぞ、事務局。
○難波江課長補佐 スケジュールについて1点確認ですが、1歳時と小学校に入る1年前、MRと同じという形ですが、導入時のキャッチアップはそれでやればカバーされていくという理解でよろしいでしょうか。
○岡部部会長 考え方はそれでいいとは思うのですけれども、物がないとそこまで具体的に踏み込めないのではないかと思います。
 多屋先生、ごめんなさい。先生、意見があったでしょう。
○多屋委員 おたふくかぜは、水ぼうそうよりは若干年齢が年長児のほうに多いので、小学校入学前1年間のところに2回目があれば、と思います。8ページのグラフで見ますと、さっきの水痘と年齢分布が大分違っていますけれども、それで大体半分ちょっとが賄えることになるのだと思います。小学校低学年のところだけがちょっと残ってしまうということになるのだと思います。
○岡部部会長 ムンプスの場合は、水痘に比べると早目にやって、遅目の2回目ということでいいので、キャッチアップもそれに従って考えたほうがいいだろうということですね。
 ほかによろしいでしょうか。
 では、この会ではそういうことでまとめていただいて、分科会のほうに意見を上げるというふうにしたいと思います。
 それでは、次の議題に行きたいと思うのですけれども、参考人の先生、お待たせして申しわけありませんでした。次は、肺炎球菌、23価のほうなので、既に13価についてはこの委員会でも導入ということが決まっていますので、今回お話しするのはポリサッカライド23価ワクチンということなので、渡辺先生、お願いします。
 その前に、難波江さんからですね。失礼しました。難波江さんから説明をいただいてということになります。
○難波江課長補佐 お手元の資料6「肺炎球菌ワクチン(ポリサッカライド)の接種対象者及び接種方法について」です。留意事項は同様でございます。
 背景としても同様で、第二次提言で成人用肺炎球菌についても広く接種を促進することが望ましいとされておりまして、国会の附帯決議で結論を得る又は得るよう努めることとされております。広く接種する場合の接種対象者や接種方法等について御議論いただければと思います。
 2ページ目の上段、疾患の概要ですが、肺炎球菌によって引き起こされる伝染性疾患で、侵襲性感染(本来であれば菌が存在しない血液、髄液、関節液などから菌が検出される病態)や肺炎の発生が問題となる。
 疫学ですが、高齢者では3〜5%の割合で上咽頭に菌が存在しているという報告があり、この菌が何らかのきっかけで肺炎等の下気道感染を引き起こす。一般に、肺炎のうち1/4〜1/3は肺炎球菌によるものと考えられている。また、侵襲性感染症患者から検出された肺炎球菌の85%以上がワクチンに含まれる23種類の型であったとする報告がある。
 臨床症状ですが、肺炎により食思不振、咳嗽、発熱、呼吸困難などがみられるが、特に高齢者では、これらの症状がはっきりとあらわれない場合がある。敗血症では発熱を主症状とするが、感染憎悪にともない血圧低下、DIC、臓器不全に至る場合もある。
 治療法としては、全身管理、抗菌薬の投与が中心となるというものでございます。
 下が使用するワクチンで、肺炎球菌ワクチンは、MSD株式会社が製造販売元、1992年から販売が開始されているものでございます。
 3ページ目の上段が接種対象者・接種方法のイメージでございますが、対象年齢を65歳以上の者としております。「肺炎球菌ワクチンを使用し、1回筋肉内又は皮下に注射する」というものでございます。
 下は年齢別の肺炎球菌による侵襲性感染症、これは肺炎も含まれていますが、オーストラリアでの報告によると、肺炎球菌による侵襲性感染症の発生は高齢者で多く、肺炎を主体として発生している場合が多いというもので、65歳以上での発生が多いということでございます。
 4ページ目の上段は「年齢別の肺炎による死亡数」です。現在、肺炎は死因順位の3位であり、特に高齢者において高い死亡率となっている。このような肺炎のうち、4分の1から3分の1が肺炎球菌によると考えられているとしております。
 下の段は「肺炎球菌ワクチン接種後の抗体価」ですが、高齢者では再接種による抗体価の上昇が目立たないとしておりまして、引用は下の論文でございまして、肺炎球菌ワクチンを接種した61人の抗体価を経時的に測定したところ、より高齢な被接種者ではワクチン接種後の抗体価の上昇が低かった。これは下の左のテーブルになります。
 ワクチン接種4〜7年で、IgG抗体価は凡そ接種前の同程度まで低下した、これは右下のテーブルでございます。
 2回目のワクチン接種後の抗体価は、1回目の接種ほど上昇しなかった、これは下のテーブルの一番最後のドットになります。
 5ページ目の上段は「肺炎球菌ワクチン接種後のオプソニン活性価」の推移ですが、抗体価のみでワクチンの効果を判定することは困難であり、オプソニン活性などが指標に用いられるとしておりまして、下のペーパーでは、65歳以上の成人のワクチン接種1回群、2回群でオプソニン活性価を比較した報告で、接種回数に関わらず、5年後においても一定のオプソニン活性を保持していることが確認された。2回目の接種であっても1回目とほぼ同等のオプソニン活性が誘導されたという報告でございます。
 5ページ目の下のスライドですが、肺炎球菌ワクチンの長期の有効性を見たものでございます。米国で実施された肺炎球菌ワクチンの有効性に関するcase-control studyでは、ワクチン接種後年数がたつにつれて一定程度効果の減衰が見られた。また、ワクチン接種年齢が高くなるにつれ、有効性は低くなり、効果の減衰も早くなる傾向が見られた。下の図ですが、年齢群ごとの有効性の推移では、接種後時間がたつにつれて有効性が落ちてくるというのと、年齢が高くなるにつれて有効性の落ちも見られるというものでございます。
 6ページ目の上の「肺炎球菌ワクチンの長期の有効性」の2つ目の報告ですけれども、肺炎球菌ワクチンの有効性に関するindirect cohort methodによるmatched analysisでは、ワクチン接種後の時間経過による効果の減衰は見られなかったとしております。65〜74歳における有効性は70%、75歳以上における有効性は78%というものでありまして、下は接種後の年数ごとに見たもので、年数が高いと有効性が高くなる。ちょっと違う結果が見られているというものでございます。
 6ページ目の下は「肺炎球菌ワクチン2回接種の有効性」です。一つの報告が、アラスカのindirect cohort methodによる研究では、20歳以上の成人において、肺炎球菌ワクチンの2回目接種後5年間の有効性(74%)と1回目接種後の有効性(75%)はほぼ同等であった。ただし、接種年齢とともに有効性は下がり、20〜39歳は100%、40〜54歳は73%、55歳以上は0%であった。
 ナバホ族を対象としたcase-control studyでは、肺炎球菌ワクチンを2回以上接種することで有効性の有意な増加は見られなかったとしておりまして、下のテーブルがナバホ族の有効性に関する研究結果です。もともとこれはかなり低い有効性、20%、41%、33%という結果となっている報告でございます。
 7ページの上が安全性の報告でございまして、以前は、肺炎球菌ワクチンの接種後数年以内に再接種を行った場合、高率に重篤な局所反応が発生する可能性があるという指摘がございましたが、近年の報告では、初回接種後5年以上経過していれば、局所反応の頻度こそ初回接種に比べて多いものの、その程度は自制内(self-limited)であり、安全性に大きな問題はないと考えられているというものでございます。
 7ページ目の下が、年齢コホート別の費用対効果でございまして、保健医療費支払者の視点で分析した場合、どの年齢コホートにおいても費用低減効果が見込まれるというものでございます。下に違う群のコホートを見ていますが、75歳コホートの費用対効果が一番よくて、80歳コホート、85歳コホートと落ちていくのですが、いずれにしろ費用対効果はいいというものでございます。
 8ページ目は「他国における65歳以上の肺炎球菌ワクチンの接種」です。ここに掲げている多くの国が1回接種となっていますが、2回接種、5年後に再接種を行っている国が幾つかあるというものでございます。
 以上を踏まえまして、8ページの下にある論点について御審議いただければと思います。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 それでは、この点については参考人の先生の意見をまずいただきたいと思うので、渡辺先生、申しわけありません。よろしくどうぞ。
○渡辺参考人 東北大の渡辺でございます。私は呼吸器内科の臨床医でございまして、その視点からお話をいたします。
 まず、資料に沿ってなのですが、2ページの下の使用ワクチンは、販売開始が「1992年8月」ですが、これは誤りだと思いまして「1988年11月」だと思います。1992年8月は、実は保険適用が一部とれておりまして、脾臓摘出された方は肺炎球菌感染症に非常にかかりやすくて死亡率が高いので、そういった方々に対しての健保等の一部限定の適用承認というのがたしかこの年だったと思います。ということで1988年11月だったと思います。
 基本的には、さきにいただいた資料のお考えでよろしいと思うのですが、3ページの下を見てください。「年齢別の肺炎球菌による侵襲性感染症の発生」、これはオーストラリアの報告ですが、日本でも同じような報告がありまして、0歳から2歳、4歳ぐらいまでのところに大きな発生の集団、それから65歳以上の発生の集団が同じようにあります。日本ではさらに、これは帝京大の生方先生のサーベイランスの報告に出ているのですが、0歳から4歳までの集団の死亡率が1〜2%、後遺症が3%、これに対して65歳以上の集団では死亡率が20%、後遺症が8%というものが2009年の生方先生の報告にございます。高齢者のほうがさらに重篤であるということだろうと思います。
 4ページの下の「高齢者では再接種による抗体価の上昇が目立たない」という報告ですが、これは2003年の若干古い報告でありまして、その後いろんな報告が出ております。私の存じ上げているのでは2009年(平成21年)の神谷班の報告、国立病院機構東京病院(NHO)の永井秀明先生らの報告がございます。再接種が35名で70代前半ぐらいの集団だと思いますが、その方々の2回目接種後のIgG抗体価の上昇は初回接種後とほとんど同じであるということと、もう一つはオプソニン活性はむしろ2回目のほうが上昇している。それは2009年に出ております。
 2011年のワクチンは、ハンミットらの報告がありまして、三百十数名で中央値が60代後半だと思うのですが、このスタディーは2回接種だけでなくて3回接種、4回接種もずっとやっております。2回接種後の抗体価の上昇は、トーリングらの報告と違って、やはり永井らの報告と一緒で、ほとんど同じレベルまで上がる、3回目、4回目以降も同じレベルまで戻るという報告が出ております。安全性については、2回目で少しふえるけれども、3回目、4回目は同じレベルであるということで、結論としては安全であるということだと思います。
 6ページの上、長期の有効性です。高齢になるほど有効性が高い。多分これは生き残っている方々は非常に強いのだということだけではないかと思います。
 その下は、ナバホ族を対象としたとありますが、2回以上接種することで有効性の有意な増加は見られなかった。逆に言いますと、低下はしていないということだろうと思います。
 8ページ、再接種の問題ですが、2回接種を行っている国はほとんどなくて、ここに4つほど出ております。ただ、この中でイギリスは2回接種を基本的には推奨していないのですが、ワクチンのガイドラインのグリーンブックを読みますと、ハイリスク集団に関しては2回を超えて5年ごとの再接種ということで推奨していると思います。ということで、一部推奨ということだと思います。
 以上ですが、基本的に成人用肺炎球菌ワクチンはB類というか、2類というか、その枠組みでお考えだと思います。同じものにはインフルエンザワクチンが現在あるわけで、インフルエンザワクチンの優先接種の対象というのが肺炎球菌ワクチンの優先接種の対象とほぼ一緒です。CDCの勧告も皆そうですけれども、65歳以上、慢性心疾患、肺疾患、糖尿病、慢性腎疾患、免疫能低下者といったところがありますので、私としては、インフルエンザワクチンと大体同じ枠組みで考えていただければよろしいのではないかと思います。
 インフルエンザワクチンは、現在、65歳以上の方及び60歳から64歳の間の呼吸不全の方、具体的に身障1級の手帳を持っている方というのがあったと思います。ですから、それと同じ対象にしていただければと思います。ワクチンの添付文書を見ても、接種対象、勧告対象がほとんど一緒でありますので、そういう枠組みで考えていただければという意見を持っております。
 実際に身障1級というのは数としてはかなり少ないわけで、数も当然、国、自治体で把握しておられるし、インフルエンザワクチンの接種率も恐らくわかっているはずですので、財源としてはそんなに多くは必要ないのではないかと思っています。そのことが一つと、そういった方々は将来、再接種ということも視野に入れていただければと思っております。
 それから、最後の検討課題というところで、接種対象年齢としてはやはり65歳以上、今のハイリスクは60歳からと考えております。最初にいただいた資料に95歳まで書いてあったのですが、100歳以上をどうするのか。100歳以上も数万人おられる集団ですので、それはお考えいただいて、経過措置として5年間その節目に達した方々をやっていくと、大体5年でほぼ全部カバーできるということでありますので、それでよろしいかと思います。
 接種回数については、再接種を将来ハイリスク集団に関して考えていただきたいということです。
 標準的な接種期間というのは、今、私が申し上げたことですね。実際にはインフルエンザワクチンとの同時接種が既に行われておりまして、安全であり、これについても成績が出ておりますので、そういう形での推奨キャンペーンをやっていくということだろうと思います。
 以上です。
○岡部部会長 ありがとうございました。確認なのですが、再接種に関しては5年置きにずっと定期接種としてやる。
○渡辺参考人 イギリスのグリーンブックは5年ごとに、ですから3回、4回とやっているのですが、それは向こうがやっていることで、こちらでちょっと御検討いただければと思います。
○岡部部会長 ありがとうございました。ハイリスクの方に関しては60歳以上、身障1級ということで、要はインフルエンザと同じことが望ましいという先生の御意見でよろしいですか。
○渡辺参考人 そういうことです。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 それでは、欠席の委員からの御意見もお願いします。
○難波江課長補佐 庵原委員の御意見ですが、
 年齢が高くなるほど抗体反応が低下するため、65歳で1回接種が適切である。
 経過措置として5年間、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳の者に接種することがよいと思われるが、2009pdmワクチン接種時のような紛れ込みを防ぐ意味で、全身状態が悪い人は避けるべきである。
 続きまして、中野委員でございますが、
 高齢化社会をむかえて死因の第3位となった肺炎に対して、予防を心がけることは適切である。
 「予防接種基本計画」は、予防接種を取り巻く状況の変化や施策の効果への評価などを踏まえて、少なくとも5年に一度は見直しを検討することが必要であるが、ワクチン導入前の対象年齢者の市中肺炎を含めたサーベイランスデータ、ワクチン導入による効果を評価するための指標を設定しておくことが望ましい。
 続きまして、宮崎委員でございますが、
 効果(特に長期効果)が不十分な面もあるワクチンだが、費用対効果がよければ、インフルエンザと同様、高齢者への定期接種とする。免疫学的ハイリスク者も年齢を問わず対象に含む。
 接種対象年齢、追加接種の問題は内科の意見を尊重するが、相当の費用がかかる場合には、次世代対策を重視し、小児用ワクチンとのバランスを考慮する。
 疾患抑制により費用対効果が高いのであれば、中央社会保険医療審議会で健保扱いも検討すべき。RSV、麻しん、A型肝炎、B型肝炎、破傷風などには予防的グロブリン製剤やワクチン接種が健保で認められている。
 以上でございます。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 それでは、出席の委員の方の御意見をいただきたいと思います。これも基本的には導入は定期接種として妥当であるというところがあるのですけれども、年齢の問題と回数のところでこの委員会ではある程度のリコメンデーションを出すということになりますが、いかがでしょうか。ほかには御意見ありませんか。
 基本的にはインフルエンザと同様で、60歳以上をどうするかというのがありますが、60歳以上の方の身障の方も含めるかどうか、そこについてはいかがでしょうか。
 多屋先生、どうぞ。
○多屋委員 わかりやすさということからすれば、インフルエンザと同じというほうが接種される方にとってもわかりやすいのではないかと思います。
○岡部部会長 それと高齢者に対するサービスになると思うのですけれども、対策というと何か冷たいのですが、サービスとしては、もしスタートするならば5年ごとのキャッチアップ、節目ごとの年齢でのということになると100歳以上をどうするかという話もありました。
 宮崎先生が到着されました。診療が終わって飛行機にようやく間に合って今の時間です。ありがとうございました。
(宮崎委員着席)
○岡部部会長 宮崎先生、今、23価のワクチンのことをやっていますから、先生の意見は今まで紙に書いて出したものをいただきました。
 人口数からいうと、先ほど渡辺先生からもお話があったけれども、多分そんなに多い数ではないので、余りそこに制限を用いても、そんなに予算的なものを食うものではないと思います。後は、やり方と、それからインフルエンザワクチン導入のときに、実際に導入してみると接種した後にハイリスクといいますか、もともとの病気の悪化と思われるような方も事故として上がってくるということも一応念頭に置いておかなければいけないと思うのですが、どうでしょうか。
 では、基本的にはインフルエンザと同等で、先ほど渡辺先生の御提案どおりがこの委員会の意見としてよろしいでしょうか。
 後は、再接種をするとなると、これは相当費用的な問題もかかってきます。一方では、5年後なので5年後に考えるかという方法もないわけではないのですが、ほかの国でも、イギリスの例を今、出していただきましたけれども、5年後までを全部ルーチンとしてやっているところは現実としては少ないということもあります。少なくとも先進国であるということ、高齢者に対する肺炎の重症度というのは大変ですから、そこでは定期接種として1回とにかく導入を我々としては求める。2回については引き続き検討するというような形にしておいて、渡辺先生、そういうようなところだといかがでしょうか。
○渡辺参考人 引き続き検討ということで記録に残していただければ十分だと思います。
○岡部部会長 では、この委員会としては、23価に対してはそういうような取りまとめで分科会のほうに上げる。後で申し上げようとは思っていたのですけれども、分科会に行くと今度は多分、優先順位といったようなこともいずれ議論しなければいけなくなってくると思うのです。それは今のところ、ここの会ではなしでありますから、分科会のほうでさらに検討していくということになると思います。
 それでは、23価については今のようなところで意見をまとめるというふうにしまして、もう一つ、今度はB型肝炎ワクチンであります。B型肝炎ワクチンは既に使用されていますけれども、それについてユニバーサル、それから今後のB型肝炎対策をどうするかということにも結びついていくと思います。この内容については事務局の氏家補佐のほうからよろしくお願いします。
○氏家課長補佐 よろしくお願いします。資料7をごらんください。
 これまで論議のあったワクチン同様に検討課題があるということを最初に申し上げさせていただきます。
 これまでのB型肝炎ワクチンの経緯についてですが、小委員会の報告等をもとに昨年5月に感染症分科会予防接種部会において「医学的観点からは、広く接種を促進することが望ましい」とする第二次提言がまとめられました。
 一方で「我が国の肝炎対策全体の中での位置づけを明確にしつつ、接種対象年齢等も含め、効果的かつ効率的な実施方法等について更に検討を行うことが必要」などの課題も残されていたワクチンであります。
 これまで検討されてきた有効性、疫学データ、費用対効果等は今回のプレゼンテーションでは割愛させていただきます。
 続きまして、2ページの上段です。「検討課題」として、今回、一般的なB型肝炎ワクチン、そして遺伝子型と血清型の違いについて御説明させていただいた後、接種に適した時期、追加接種の必要性、遺伝子型について御議論いただきたいと考えています。
 2ページ目の下段ですが、国内で承認のあるB型肝炎ワクチンは2種類ございまして、ビームゲン、ヘプタバックス2、ともに1988年に承認を受けています。大きな違いとしましては、遺伝子型が違いまして、ビームゲンはC型、ヘプタバックス2がA型となっております。
 3ページ目の上段に血清型と遺伝子型の違いをお示ししています。血清型には4つのサブタイプがございまして、抗原決定基aは全てのサブタイプに共通してついているもので、全ての血清型に共通して効果があると考えられているものです。
 遺伝子型についてですが、8種類の遺伝子型が確認されておりまして、この遺伝子型によって臨床的な症状、地理的な分布、こういったものが変わってくるということになります。
 検討課題の1番として接種に適した時期等についてのデータをお示しさせていただきます。要旨としましては、1985年に母子感染防止事業が開始されたわけですが、母子垂直感染に対する高い予防効果があるこの防止事業に関して、そのほかの問題点というものが指摘されるようになってきています。
 一つには、国際交流が盛んになったことから、B型肝炎キャリア率が高い国から流入するウイルス、そして人々、こういったものが問題になっています。
 また、家族や集団内感染、性感染等の水平感染による予防の必要性というものがクローズアップされてきています。
 そのほか、B型肝炎ワクチンは接種年齢が若いほど良好な免疫応答が得られ、接種スケジュールにはさまざまな長所短所等があるということを述べさせていただきます。
 4ページ目の下段です。1985年の母子感染防止事業以降、同年にプラザ合意が交わされ、変動相場制へと変わってかなりの方が海外に行かれるようになったという事実があります。
 5ページ目の上段です。報告数は少ないのですが、急性B型肝炎ウイルスの遺伝子型の割合は、A型と言われる本来日本に少なかった、キャリア化率の高いタイプの遺伝子型が増加している傾向が見られます。
 5ページ目の下段は急性B型肝炎の報告数です。B型肝炎作業チーム報告書等では推計で年間2,000〜2,500人程度の急性B型肝炎があるとされていますが、実際の報告数としましては年間200人程度で推移し、20代から30代に多く、男性に多いという内容になっています。
 6ページ目の上段です。1985年に母子感染防止事業が開始されて以降、キャリアの方の数というものはずっと減少傾向を示しているわけですが、急性B型肝炎に関していえば、1施設のデータでありますが、2000年以降増加傾向にあるということが報告されています。
 6ページ目の下段に関してはB型肝炎再活性化例からの水平感染ということで、遺伝子系統樹解析等で、これまでわかっていなかった水平感染が家族内等でも起こり得るということが報告されております。
 7ページ目の上段は同様に集団感染に関して家族内感染ですが、ファクトシートに指摘があるように、2002年には佐賀県の保育所にて25名の集団感染の報告がされています。また、2009年には家族からの感染例として、祖父、その孫、さらにその父親の感染事例などが報告されております。
 B型肝炎ワクチンの接種年齢による免疫原性ということですが、直接、0歳と1歳を比べた場合、1歳のほうが少し免疫原性がよいというデータもあるようですが、一般的に接種年齢が若いほど良好な免疫反応が得られるということが知られております。
 8ページ目の上段です。実際の接種時期の検討についてですが、現在、B型肝炎のHBs抗原をお持ちのお母様から生まれたお子様に関しては、母子感染防止事業で生後2カ月、3カ月、5カ月での接種が推奨されています。こちらについては注釈がついていますが、現在、日本産婦人科学会、日本小児栄養消化器肝臓学会のほうから、生後0、1、6カ月での接種への変更が要望されておりまして、現在検討中ということです。
 そのほか、WHOの推奨スケジュールとしましては、ユニバーサルワクチンとして生後直後、そしてDPTの1回目と3回目に合わせた接種スケジュールが推奨されています。
 事務局からの提案として、スケジュール案1は生後2カ月、3カ月、7〜8カ月以降に接種する案、スケジュール案2は生後直後、1カ月、5〜6カ月以降に接種する案を提示させていただいています。ファクトシートのほうではスケジュール案2のほうを提唱していただいているところではありますが、スケジュール案2では高い接種率が期待できる一方で、これまで出生直後に接種するワクチンというものがなかったことから、医療現場に混乱を生じる可能性も懸念されます。また、出生直後に関していえば、出生後の経過や予後というものがわからないようなものもありますので、そういったものの有害事象としての紛れ込みも懸念されます。一方、スケジュール案1に関していえば、これまでどおり、ほかのワクチン同様のスケジュールでの対応が可能と考えられます。
 続きまして「追加接種の必要性について」です。要旨としましては、論文を4カ国から参照していまして、まず効果として、液性免疫における抗体価というものは経時的に低下するということが知られています。その一方で、HBs抗体が陰性化した後も発症の予防効果は長期的に示されておりまして、4カ国において高い予防効果が示されております。この免疫記憶細胞によるとされる長期的な予防効果を確認する方法として、追加接種を行うことで抗体の陽転率を観察するという試みがされております。
 11ページの下段「2―3b.中国でのデータに対する免疫記憶について」をごらんください。この中国のものは、24年前に接種を受けた方に追加接種を2回行って1回接種後の抗体陽転率を見たというものです。上の段と下の段は、5歳の時点でHBs抗体が陽性だった人と陰性だった人ということで、液性免疫の保持が長かった人と短かった人の抗体陽転率を比べて見ています。結果として、両者ともに80%以上の割合でブースター効果、追加接種の効果が1回の接種で見られたということで、比較的長期間、免疫記憶T細胞による予防効果が続くのではないかとされた論文になります。
 そのほかの国の報告について、詳細は時間の関係で割愛させていただきます。
 続きまして「ワクチンの遺伝子型の違いによる予防効果について」です。要旨としましては、先ほど申しましたように、ワクチンに2タイプ、ジェノタイプAとジェノタイプCというワクチンがございます。遺伝子型A2のワクチンに関しましては海外で広く使用されているワクチンでして、A以外に関する遺伝子型に対する予防効果が証明されています。具体的には、ユニバーサルワクチン導入後の国や遺伝子型の分布に関連なく感染率減少が見られているということ、そして動物実験やin vitroの実験での報告がございます。一方で、遺伝子型Cのワクチンについては、in vitroの実験で効果が示唆されていますが、実際の臨床疫学的な予防効果はエビデンスとしては乏しいというのが現状でございます。
 13ページの下段は地域的な遺伝子型の分布図を示してございます。台湾についての知見を次のページで説明させていただきますので、ごらんいただきますとBとCの遺伝子型が多いということが見てとれます。
 14ページの上段を見ていただきますと、1984年よりB型肝炎ワクチンの接種が推奨されて、その15年後までの経過をとったグラフです。台湾は、ジェノタイプAのワクチンを推奨していた国なのですが、ジェノタイプAは実際に余りいないわけで、予防効果による抗原陽性率の低下が見られているというグラフです。
 14ページの下段に関しては、チンパンジーを使ったインターチェンジアビリティー、交差反応性を見ている表になります。遺伝子型Aのワクチン、ヘプタバックスを接種したチンパンジーの群と接種しないチンパンジーの群で人為的にウイルスを血液の中に入れて感染させたときに、ワクチン接種群では予防効果がジェノタイプA以外のウイルス型でも見られたというものですが、接種していない群では感染が見られたという報告です。
 15ページ目の上段は「遺伝子型とブレイクスルーの発生」についてです。米国で370万人の献血献体を対象に調査した報告がございまして、その中から9例のB型肝炎遺伝子陽性例があり、そのうち6例がワクチンの接種既往があったという報告があります。アメリカではジェノタイプAのワクチンを打っていることから、A以外のウイルス株の感染が6例中5例に見られたということが記載されております。このことから、異なる遺伝子型のブレイクスルーの生じやすさというものは遺伝子型の違いにより関係がある可能性が示唆されています。
 最後に、ビームゲン、ジェノタイプCのワクチンの効果ということをin vitroで検証した報告です。ジェノタイプCのワクチンを接種した被検者からとられたモノクローナル抗体をエピトープについて解析したものであります。全てのジェノタイプに共通する抗原決定基aの部位を抗原認識するものが70%含まれ、その抗原を認識するモノクローナル抗体はほかの抗体と比べてウイルスの中和活性が高かったということから、ほかのジェノタイプへの有効性が示唆されたものでございます。
 16ページ目の上段は、遺伝子型の割合です。
 16ページ目の下段に示された検討ですが、遺伝子型Aのワクチンに関しては、予防効果にその他のワクチン遺伝子型に対して差異を認めておりません。遺伝子型Cのワクチンにおいても、共通血清型を持つことなどから、ほかの遺伝子型Aのワクチンと同様に予防効果があると考えられます。国内では遺伝子型Cのジェノタイプが多いという疫学データがございます。
 以上のことから、使用するワクチンは遺伝子型CまたはAどちらのワクチンを用いてもよいと考えられるというふうに提案させていただきました。
 最後に、ほかのワクチンと同様に技術的な検討課題として、接種対象年齢、接種回数、スケジュール、キャッチアップの要否等を検討していただければと思います。
 以上です。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 基本的にはこれもユニバーサルワクチンの必要性ということで、将来にわたるHBのお話についてはちょっと間に置いていたような感じもしますけれども、そのことも含めて議論いただければと思います。
 須磨崎先生と溝上先生においでいただいているので、どちらが先にやりましょうか。
 では、溝上先生のほうから先にお願いいたします。
○溝上参考人 ワクチンについてきょうほど勉強したことはなかったということで、非常に参考になりました。それが一つと、各ウイルスによってこんなに違うのかと印象深く思います。
 B型肝炎ウイルスは1965年に見つかりまして、1985年に日本と台湾が世界で一番最初にワクチンという形を全く違う方法で開始したわけです。実は現在それから30年たっています。この30年の間に社会的バックグラウンドが大きく変わったわけです。最初の500万人から今は2,000万人海外に出ていく。700万人海外から人が来る。そうすると違うタイプというのが非常に入りやすくなっているというのが、きょう示された一つのデータだと思います。
 もう一つは、ウイルス学的なファクターです。1985年ごろに何ができたかというと、シークエンスするのが精いっぱいだったわけです。それがいろんな解析ができるようになりました。これによってここ数年で大きく変わりました。
 3番目に、ホスト側、科学、サイエンスのテクニックが大きく変わりました。ホスト側は、今までワクチンというのは一つであって、それに対して効く効かないというのはトータルで見るしかなかったのですけれども、個々の人が見られるようになりました。2001年のヒューマン・ゲノム・プロジェクトの成功、2003年のヒューマン・ドラフト、さらに2007年のハップ・マップ・プロジェクトの成功、昨年終わった1,000人ゲノムプロジェクト、これによってホスト側の要因が大きく違うということがわかりました。30年前のバックグラウンドと今とでは大きく違ってきています。先ほどのお話もありましたように、いろんな株の違い、生ワクという形のつくり方、それ以外のことについて大きく変わったということをまず話したいと思います。
 実は私、資料を見たのはきょうが最初です。これに沿って私の意見を言わせてもらうという形でよろしいでしょうか。
 1ページ目、2ページ目については特に問題はございません。
 3ページ目、血清型はこの当時、s抗原のところにレセプターがあるということで、ここがワクチンとしてつくられました。ところが、この当時ジェノタイプはわからなかったわけです。我々は1989年に血清型と遺伝子型は違うということを提唱したのですけれども、それが受け入れられたのは2008年です。10年かかりました。この間に、全部違いまして、遺伝子型は現在10種ありまして、オランウータンの株が人間にうつるとか、そういうことまでわかってきました。大きく変わったということが1つです。
 2つ目、4つのサブタイプがあると言われたのですが、実はこれ以外のところ、S領域以外のPre-S1というところに新しいレセプターがあるということがつい昨年出ました。これによってまた大きく違ってきております。
 4ページ目です。母児感染だと思っていたら性感染に変わったわけです。4ページの下の日本人出国者数はこういうふうに3〜4倍になっていますけれども、入国者数ももっと変わっています。700万人まで上がってきています。成田空港へおりると「Welcome JAPAN」と書いてありますから、あるいはキャンペーンやっているわけですから、そこがもっと大きく変わっています。つまり、非常に入りやすくなっている。こんなことを言うといけないのかもしれませんが、例えば中国は、キャリアレートが10%以上のところで、銀座4丁目に行くと観光バスがずらっと並んでいるわけです。こういう状況で変わってきているということをぜひ御理解いただきたい。
 ジェノタイプAがふえている。これは1施設だけのデータではなくて日本全国どこでも認められております。このとおりでございます。
 急性B型肝炎報告も性的感染が若い人たちに多い。これもそのとおりでございます。
 次へ行きまして、6ページ目です。患者数につきましては2005年までしかありませんけれども、これ以降の数字を見ますと、ここの隣の我々の国際医療研究センターにはエイズのACCがありますが、感染ルートは同じでございますから、ジェノタイプAが8割です。そういうことからすると、30年前と今とでは大きく社会が変わったということを御理解いただきたいし、あの当時のサイエンスのレベル、ウイルス学的な知識からすると仕方なかったわけですけれども、これは大きく変えなくてはいけないという背景があります。
 それから、再活性化の問題がございますが、実は再活性化の問題は2006年に香港から正式に報告されたのが最初です。ところが、2000年の時点の再活性化を認定して5,000万円賠償せよという最高裁の判例が出ております。2000年の症例報告をもとにして出しております。その当時はわからなかったわけです。それが今やわかるようになったという背景があって、これが今、大きな問題になっていますけれども、再活性化の問題は人にうつすということと劇症化しやすいという2つの点がありました。今、私が主任研究者になって再活性化の問題をやっていますけれども、思ったほど多くはないというところで、少し安心している状況です。
 7ページ目の上のほうですけれども、これでも、おじいちゃんは2年前の検診ではキャリアであることは指摘されなかった。これは再活性化の例を示していると思います。
 ワクチンの接種年齢については、このとおりでございますけれども、注意していただきたいのは7カ月までしか見ていないのです。
 もう一つの問題点があります。HBc抗体をこの論文ははかっていないのです。HBc抗体は一番感度が高いわけです。
 「接種に適した時期の検討」については、WHOの推奨スケジュールは何で0、3、5〜7カ月かというと、HBIGを使わないのです。HBIGを使わないからそのかわり早くやって感染を防ぐという、根本的に日本と大きく違います。母児感染は今の日本のスタイルがベストです。ところが、HBIGの中に今度はプリオンが入っていないという保証がないのです。多分、大丈夫だと思います。30年やって出ていませんから、ほとんど大丈夫だと思いますが、保証することはできないという問題点があります。
 したがいまして、ユニバーサル・ワクチネーションということであるならば、家族の中にキャリアがいないなら、スケジュール案1のほうがより現実的だと思います。いるのであれば、母児感染、今のストーリーはそのまま続けるべきだと思います。
 次に、追加接種に関しましては、いろんな国がありますけれども、ぜひ御理解いただきたいのは、こういう国はHBs抗原陽性率が10%ぐらいある国なのです。ということは、いつも何らかの刺激を周りから受けているのです。ブースターがかかりやすいところです。日本とは根本的に違います。日本で医者にかかってそこでうつることはないわけですが、中国でも田舎のほうに行けば、一応ぐつぐつ煮たからということでリシリンジをまだやっているのです。そういう国と日本とは違うと思います。
 次の10ページ、台湾のデータです。universal immunizationを受けた1万8,000人を対象にNiは調査したのですけれども、注意深くこれを見るべきだと思うのですが、このうちの3.7%はHBc抗体陽性なのです。ワクチン接種前のs抗原陽性率8.1%の半分ですけれども、この人たちはワクチンを打ったにもかかわらず、やはりうつっているわけです。周りの状況、社会的な状況、注射とか、そういうものでうつった可能性があるのではないかということを示唆するデータだと考えるべきだと思います。
 中国での長期予防効果については、周りが10%であるということなら、抗体は上がらなかったけれども、抗原刺激は受けた可能性があるのではないかということを考慮して、日本とは大きく違うだろうと考えるべきだと思います。
 12ページです。ブライアンは私の共同研究者で、ペーパーを5つぐらい一緒にやっています。この論文は「JID」にしか載らなかった。これが本来ならもっといい雑誌「The New England Journal of Medicine」とか載らなければいけないのは、何でかといいますと、半分はフォローアップできていないのです。生まれたときに打って、15歳時と22歳時です。15年なら半分はいなくなっているのです。半分しかフォローアップできていなかったのです。「Annals of Internal Medicine」では66%、これが一番最初で一番インパクトがあったのですけれども、データとしては95%のCIを91〜95%として、あれは免疫があるということはわかっているのですけれども、そういう目でこの論文は読まないといけないと思います。
 13ページの要旨のところですけれども、ここについては15ページのところに飛んでいきますけれども、「The New England Journal of Medicine」のスーザン・ストラマーの論文です。これは非常にインパクトが強くありまして、どういうことかというと、370万人の献血献体を調べたらHBV-DNA陽性例が9例あった。9例中6例がワクチンを打っていた。しかも、ジェノタイプAのアメリカのワクチンとは違っていたということで、したがって、370万分の9ではないのです。この論文は、ワクチンを打った人がその中でどれくらいあるか、分母がわからないのです。この点はやはりしっかりと検証する必要があるかと思います。
 14ページの下段です。AUSAB、このときのデータは、私の理解ではこのときは今のキットと違います。これは対数計算で計算していませんので、めちゃくちゃ高いのです。高いから再感染してもブロックできたのですけれども、日本では志方先生がやられて、日本でつくったワクチンに200cc入れたら一遍肝炎が出ているのです。s抗原も出ているのです。この論文は抗体をめちゃくちゃ高くしてチャレンジして死んでいなかった。ところが、チンパンジーで昔のワクチンで上げたときにそれで200cc入れたらe抗原陽性はうつっているのです。そういう論文も確かにございます。しかも、今はチンパンジーが使えませんので、ここのところはやはりコンファームする必要があると思います。
 15ページの下のビームゲンのin vitroの評価については、他のジェノタイプの有効性が示唆されますけれども、新しいレセプターとしてのNTCPという領域が見つかってきました。それについての研究が物すごい勢いでB型肝炎創薬実用化等研究事業で進んでおりますので、ここだけではパーフェクトに防げない。その理由は、C型肝炎ではレセプターが4つも5つも見つかって、それで初めて感染が成立するなり別々のルートでうつるだろうということが言われていますので、このデータとしてはやはり古いのではないかと思います。
 16ページの上については、このとおりでございますし、これも2008年ごろのデータですけれども、全国調査の結果では、2013年はやはり同じ7%ぐらいにはなっています。
 その下のワクチンの遺伝子型の違いについて「感染予防効果に遺伝子型による差異を認めていない」という結論はまだ早いのではないかと思います。血清型を持つことから理論的にはこれで考えられるのですけれども、新しいレセプターのことを考えるとまだ結果は出ていないと思います。
 接種年齢については先ほど言いました。
 接種回数については、現ワクチンを使うとするなら3回はやはり必要だと思いますし、お母さんがキャリアの場合の接種は現時点の方法を守るべきですし、家族にキャリアがいない人の場合には現実的に今のワクチンと一緒にできるような方法がいいのではないかと思います。
 キャッチアップについては日本においては必要だと思います。なぜならメーンにうつっているのが高校生以降です。つまりセクシュアルアクティビティーの上がるときからが非常にうつりやすいわけですから、そこのことを考えれば、小さいときに打ったからといってそれができるとは思えませんし、どなたか書いてございましたけれども、イタリアでは生まれてくる子供と高校生に両方打って15年で30年までカバーしたということで成功しておりますので、キャッチアップは必要だというふうに参考人として意見を述べさせていただきます。
 以上です。
○岡部部会長 どうもありがとうございました。
 先生のお話しになった8ページの「接種に適した時期の検討」のところですけれども、母子感染事業はそのまま継続されるので、それはそれでちゃんとガンマグロブリンをやるというのはそのままアイデアが残っています。
 それから、多くの方が御存じだと思いますけれども、その場合の母子感染事業の接種もゼロ日からやる、早くからやるというふうに添付文書も改訂の方向になります。
○溝上参考人 今の母児感染は非常にうまくいっています。したがって、母児感染予防についてはこのまま、ユニバーサル・ワクチネーションを導入するしないにかかわらず、ぜひ進めるべきです。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 それでは、須磨崎先生もよろしくお願いします。
○須磨崎参考人 今、データについては溝上先生が詳しく解説してくださったので、それに何もつけ加えることはないのですけれども、基本的にこのワクチンは何のためにやるかということをもう一回考えてみますと、感染は確かに100%は予防できないかもしれない。例えば「The New England Journal of Medicine」の論文であるとか、HBc抗体が上がるとか、ただ大切な点は、ワクチンをしておけば少なくとも30年以上にわたって発症はしないというデータについては全く揺らいでいないということで、発症予防という点では今の3回のワクチン接種で極めて大きな効果があるということはもう一回確認したいと思います。
 主として言いたいことは3点です。
 1つは、今回は経済的な効果、費用対効果はB型肝炎については余り言われていないのですけれども、費用対効果が余りよくないということがワクチン小委員会の報告書にも書いてあるわけです。これについては今、溝上先生が言ってくださったように、2006年以降に再活性化という事象がわかってきて、現在、それに対しても大きな予防策がとられようとしているので、その費用については全く費用対効果には入っていないということがあるので、ぜひ先ほどお話があったファクトシートないしは評価委員会の報告書のその点を再検討していただけたらというのが第1希望であります。
 第2希望は、今、溝上先生が言ってくださいましたけれども、いつキャッチアップするのか、ないしはキャッチアップは要らないかということなのですが、大体試算してみますと、小児期に年間500人ぐらいキャリアの人が生まれています。成人になってからもやはり年間500人ぐらい、その根拠は余りはっきりしないのですが、少なくともB型肝炎が1万人ぐらい年間にいて、ジェノタイプAがその半分ぐらいとして、10%がキャリア化するとすれば、急性肝炎ということは別にしてもキャリアの発生率ということでは子供と大人と同じぐらいのインパクトを持っているということからすると、ワクチンの目的としてキャリアを防ぐということであれば、大人も子供も両方防がなければいけないということになるかと思います。そういう意味では、成人のキャリア化を防ぐという意味でも、思春期にキャッチアップのワクチンをしないとなかなかワクチンの効果が出てこないということがありますので、ぜひ思春期のキャッチアップワクチンをしていただきたいということです。
 3番目には、セレクティブにするにしても、ユニバーサルにするにしても、セレクティブのところはもっと一生懸命セレクティブをやっているといいますか、例えば現在では、お父さんがキャリアであったとしても、お子さんに感染する例もいっぱい出ていますが、そういう方たちにほとんどワクチン接種がされていないということなので、ハイリスクの方、特に家族にキャリアがいらっしゃる方には一刻も早くワクチン接種が行われるべきだと思いますので、それについてはユニバーサルとは別に早く対策を立てていただきたい。
 この3点をお願いしたいと思います。以上です。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 それでは、欠席の先生の意見をお願いします。
○氏家課長補佐 1点だけ、須磨崎参考人のコメントの中でキャッチアップという言葉が少しわかりにくいということで確認させていただきたいのですが、キャッチアップというのが、定期接種導入に伴って、まだワクチンを接種する機会のなかった世代に対して時限措置として行うものという理解でよろしいでしょうか。
○須磨崎参考人 追加接種とキャッチアップがどうも混同されるのですけれども、追加接種はユニバーサルのときには余り必要ないと思っています。ワクチンを全然打っていない方について思春期に行うという意味がキャッチアップということです。
○氏家課長補佐 わかりました。ブースターではなく時限措置としての対応ということですね。ありがとうございます。
○溝上参考人 そこの点は参考人として言いたいことを言わせてもらうと、ブースターという意味で必要だというのが私の意見です。
○氏家課長補佐 ありがとうございました。
 そうしましたら本日欠席されている中野委員のB型肝炎に関するコメントを読み上げさせていただきます。
 B型肝炎ウイルスは肝癌、劇症肝炎という重症疾患の原因であるとともに、新生児や乳児期など低年齢での感染は高い確率でキャリア化にいたる。
 乳児期のワクチン接種による抗体陽転率は、成人で接種した場合の成績に勝る。
 医療汚染事故や母子感染(垂直感染)のみならず、水平感染やde novo肝炎(免疫抑制療法などによる体内に潜伏感染したB型肝炎ウイルスの再活性化)が報告されている。
 以上の3つの理由から、乳児期の定期接種に組み入れることが望ましく、生後2、3、7〜8か月での接種が他のワクチンの接種スケジュールを考慮しても妥当である。ただし将来的には、開発される見込みの多価混合ワクチンの使用を見据えた接種スケジュールを定めたい。
 乳児期に基礎免疫を獲得しておくことは、予防接種・ワクチン分科会での議論のテーマの候補にもあがっている成人期の予防接種計画にも活用できる。現在も相当数が接種されている感染のハイリスク者、すなわち医療関係者や海外渡航者に対してより有効かつ効率的な接種スケジュールを検討することができる。
 母子感染予防は、今後も継続する
とあります。
 続きまして、庵原委員のコメントですが、
 WHOはキャリア率を1%未満にするためにuniversal vaccinationを推奨しており、キャリア率が0.03%の本邦はWHOの推奨国に該当しない。
 ワクチンに積極的なフィンランドを含めた北欧諸国も、universal vaccinationにすると医療経済効果がないため、現在も選択接種である。
 ファクトシートによれば、universal vaccinationを行うと医療経済効果が認められていない。ワクチンの予算が限られる中、医療経済効果がないワクチンを定期接種にするには、それなりの理由が必要。
 キャリア率が低いイタリアのデータでは、出生後に接種するよりも1歳で接種する方が、免疫原性が優れていることを示し、1歳からの接種を勧める意見がある。
 先天性感染は出生後のB型肝炎ワクチンの接種では予防できないことも認知しておくべきである。
 保育園での水平感染が指摘されているが、母児感染予防対策により子どものキャリア率が0.005%となった現在、毎年何人が水平感染するか不明である(極めて少ない人数と推察される)。
 universal vaccinationを言うからには、頻度が高い感染を予防することが目的であり、頻度が低い感染を取り上げるのはuniversal vaccinationになじまない。
 遺伝子型Cのワクチンは、in vitroのデータでは遺伝子型Aに効果がある。
 ハイリスク児と非ハイリスク児とを分けて考えるべきである。
 フィンランドのような積極的なselective vaccinationの方が現実的である。
 CDCやEUにおける職業上のHB対策では、3回接種した後抗体が陽性になっておれば、その後陰転化しても、感染によるブースター効果が認められるため追加接種の必要性はないとしており、母児感染予防対策においても追加接種は不要と考える(母児感染を目的としている多くの国では追加接種を行っていない)。
 WHOはHBVの母児感染予防を目的としてuniversal vaccinationを推奨しているが、日本では何を目的にしてuniversal vaccinationをするか明確にすべきである。
 以上です。
○岡部部会長 どうもありがとうございました。
 溝上先生、どうぞ。
○溝上参考人 これに関して意見はよろしいのですか。
○岡部部会長 どうぞ。
○溝上参考人 まず、庵原委員の3ページ目「5)先天性感染は出生後のHBワクチンでは予防できないことも認知しておくべきである」としていますが、実は最近は、生まれてきたときにHBs抗原陽性でもHBグロブリンで長期に持っていけば感染は防げるということも言われております。
 6番ですけれども、現在キャリア率が幼稚園の子どもは0.02%と私は理解しておりますが、0.005%は低過ぎると思います。
 次のページの11番は、欧米で特にイギリスのデータとしてメモリーとしてあるのだからということを言われ、だから必要ないというのが「The Lancet」に3年前に載りましたが、現在イギリスではそういうことはもう言っておりません。一つの理由は、イミグラント、要するに旧大英帝国の名残で植民地からの人がたくさん来て、そこがHBs抗原陽性だったということもあるのでしょうが、言っておりません。
 以上が私の意見でございます。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 須磨崎先生も何か追加は。
○須磨崎参考人 今おっしゃられたとおりなのですが、特に0.005%という数字がどこから出たのか、こういう報告はないと思うのですけれども、それについては研究班で実際に調査しておりますので、もうちょっとお待ちください。
○岡部部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、委員の先生からも、どうぞ、坂元先生。
○坂元委員 お二人の先生にお聞きしたいのですけれども、キャッチアップといった場合、例えば思春期以降の性交渉による感染を防ぐ、そこからのキャリアを防ぐといった場合に、具体的に例えばどの学年にやるのが適当なのか。
 それと、キャッチアップを何年ぐらい続ければ一つの区切りがつけられるのか、その辺もしおわかりだったらお教えいただければと思います。
○岡部部会長 須磨崎先生。
○須磨崎参考人 もともとB型肝炎ワクチンは、キャリアを減らすということもありますけれども、がんを防ぐということも大きな意味があると思うのです。今、子宮頸がんで年間3万人ぐらいが亡くなって、B型の肝がんも同じぐらいの人数が亡くなっているのですけれども、そういう点からすると、やはりがんワクチンという意味からいえば、ちょっと今、問題が起こっていますが、papillomavirusなんかのワクチンと同じようなときにやるのがやはりいいのではないかと考えております。
 もしそういうことであるとすれば、中学2年生、3年生、そういった時期にするとすれば、乳児期のものを例えば14歳ぐらいまで続ければそこの年代に達するということになると思うので、時限措置としてはそのくらいを考えればいいのではないかと思います。
 実際に、papillomavirusのワクチンとB型肝炎ワクチンを一緒に打って効果が出ているという論文も出ておりますので、別に同時接種にこだわることはないのですけれども、そういったことも技術的には可能かというふうな報告もあります。
 以上です。
○岡部部会長 事務局のほうからどうぞ。
○難波江課長補佐 1点確認ですが、子宮がん3万人というのは体がんも含めてという理解ですか。
○須磨崎参考人 頸がん。
○難波江課長補佐 我々は年間2,700人ぐらいの死亡というふうに。
○須磨崎参考人 亡くなっている方の数が2,700人だったら、B型の肝がんでは年間。
○溝上参考人 4,000。
○須磨崎参考人 では、それは発症者ということで、亡くなっている方の数も大体同じぐらいということになるわけですかね。B型肝がんと子宮頸がんと社会的なインパクトとしては同じぐらいと考えていただいていいのではと思います。ちょっと数字は間違ったかもしれません。
○岡部部会長 溝上先生。
○溝上参考人 キャッチアップ、いつ打てばいいかというのはpapillomavirusと同じ、志摩崎先生と全く同じ意見でございます。
 先ほどちょっと言い忘れました。追加してよろしいですか。私、先ほど3つ、社会的に変わった、ウイルス学的に変わった、ホスト側、宿主側でできるというふうに言いましたが、個々の個人がどう違うかということによって、例えばワクチンを打っても抗体の出ない人、特にB型に関しては、そういう人がアイデンティファイできるようになってきたわけです。
 つまり、この人は将来的に危ない。この人は将来的にB型に感染しても一生異常ない。なぜなら今、130万人いるわけですけれども、そのうち100万人ぐらいは50歳以上です。その人たちが平均20年生きるとして、死ぬのは年間4,000人ですから、8万から10万人なのです。ということは10分の1、1割ぐらいしか死んでいない。こんなことを言ってはいけないけれども、お亡くなりになるわけです。100万人全部を治療するというのが現在のストーリーなのです。というのは、どの人が悪くなるかどの人が悪くならないかわからないから。だけれども、それがわかるようになれば、ホスト側、個々の人によって、あなたはなりやすい、あなたはなりにくい。
 考えてください。家族の中で肝がん多発家系は確かにあります。その中で、お兄ちゃんはがん、弟はがんだけれども、本人はぴんぴんしているという家系もいっぱいあるわけです。そういうことを考えれば、やはり個々のホストのほうのレスポンスというのはあって、それは2009年に「Nature Genetics」に載りまして、さらにその追加のデータが今どんどん出てきております。つまり、個々のファクターがこれからはワクチンに関しては非常に重要になるだろう。特にB型肝炎に関しては一番研究が進んでいますので、B型創薬のお金をもらってそれをやっているところです。
 以上です。
○岡部部会長 済みません。そうすると個々のファクターが大きいとなると、今のワクチン政策をどうしようというところとどういう関連がありますか。
○溝上参考人 現在わかっているのは、私が言いたいのは、B型肝炎についてはここ1〜2年で非常によくわかってきた。これから論文がどっと出てきます。この人は将来的にがんになりやすい、この人はなりにくいというところは大体わかってきたという状況になりつつあります。そうするとセレクティブをかけられることになるから、ストーリー自体が変わってくる可能性があるということです。今はわからないから治療しないといけない。物すごい金を使って、全部輸入品の薬を使ってという状況ですけれども、それでもなおかつ、ワクチンはやるべきだと思います。
○岡部部会長 近い将来セレクティブになる可能性があるので、そのほうが効果が出てくるから、ユニバーサルにやることについては逆に余り意味がなくなってくるということですか。
○溝上参考人 ところが、そこのところはまだわかっていません。キャリアの中で年間130万人いて4,000人しかお亡くなりになっていないという現実から考えていくと、C型と違ってB型の場合はホスト要因が非常に大きいだろうということは前から強く推測されていたわけですけれども、2009年に最初にその論文が出て、今、世界中でそこをフォローアップしているという段階に来ているところです。
 つまり、最初に言いましたけれども、3つ変わったのです。1965年に見つかって、1985年に世界で最初にワクチンをやって、それから30年かかって3つ大きく変わりましたということです。
○岡部部会長 その3つ変わったことが、今まで予防接種部会、それからこの会でも行われていたのは、ユニバーサルワクチンが多分必要であろう、今の母子感染予防だけではHBのキャリア化を完全に防げない、仮にキャッチアップをやるのだとするとSTDを予防できるぐらいの年齢までに抗体が上がってくるのではないか、そういう議論をやったわけですね。そうするとここ数年の進歩を見ていった場合には、もうちょっと新しいストラテジーをやるとすれば、今いろんなことをやるのは時期尚早であるという形になってしまうような話でしょうか。
○溝上参考人 そこの問題については詳しいことは知りませんが、先生方のきょうの話に全然出てこなかった問題として、ヒューマン・ゲノム・プロジェクト以降、個々のファクターがわかりつつあるということをぜひ御理解いただきたい。特にB型については非常にその要因が出てきたということです。ワクチンストラテジーに対しては基本的にはやるべきだ、universal vaccinationについてはやるべきだというのが大前提ですが、そこのところをもっと見ていく必要があるのではないでしょうかということを言っているわけです。
○岡部部会長 少し時間的なこともあるので、議論をまとめたいのですけれども、ほかに委員の先生方から、宮崎先生、意見も出されていたと思うのですけれども、どうぞ。
○宮崎委員 ペーパーは後で読んでいただければとは思いますが、ベースとしてジェノタイプが違っても免疫はセロタイプなので、今までの日本でも、いわゆるadrとadw、地域的な違いがあって、しかし基本的には母子感染をワクチンで防げているので、だから厚労省の結論のようにジェノタイプが違うワクチンでも恐らく両方防げてきたのだろうと思います。
○溝上参考人 余り長くなるといけませんが、感染というものをどう捉えるかですね、黄疸が出るとか。
○宮崎委員 私も新生児の母子感染予防をたくさんやってきて、実は母子感染予防をやっていても何パーセントかHBc抗体が出てくるのです。だけれども、キャリア化を防げていたということなのです。
○溝上参考人 お言葉ですが、一つ言い忘れましたけれども、HIVと同様にHBVというのは逆転写酵素を持っておりますので、一旦感染すると一生続く。それが再活性化の原理です。
○宮崎委員 それはわかっているのです。
○溝上参考人 そういう方が今、60歳以上で入院患者の4人に1人は、s抗原マイナス、s抗体and/or、HBc抗体陽性、つまり既感染なのです。その中から再活性化を起こした。s抗原もs抗体もHBc抗体も陰性からは今のところ1例も再活性化を起こしていないのです。
○宮崎委員 それは当然のことであって、つまりHBc抗体は陽性になるのが昔からあったわけです。感染を防げなかったけれども、基本的なHBs抗原の持続陽性を防いでいたわけです。日本の中でも全部が遺伝子型Cではなかったわけです。Bが結構4分の1ぐらいありましたね。しかし、それも防いでというか、母子感染に有効であったという事実は残っています。
○溝上参考人 1つだけ。
○岡部部会長 1つだけ溝上先生で、次に、事務局で、その後議論をまとめたいと思います。
○溝上参考人 ジェノタイプという概念は分子系統解析という手法でやります。そうしますと、ジェノタイプBとCは非常に近いのです。ジェノタイプBとCはアジアにいます。したがって、配列が非常に近いのです。ところが、ジェノタイプAというのは欧米にいますので、アフリカに多いですから、全然違います。
○宮崎委員 では、台湾でなぜうまくいったかという説明はどうされますか。
○溝上参考人 台湾はHBc抗体をはかっていないのですよ。出てくるとするならこれからなのです。まだわからないというのが私の意見です。
○岡部部会長 わかったかわからないかがわかりません。済みません。
○正林結核感染症課長 きょう一応8時までにしていますので、あと5分しかないこと、それから必ずしもきょう完全なる結論をいただく必要もありませんので、特にB肝ワクチンは予防接種部会をやっていたころからいろんな論点が残されていて、きょうも案の定、なかなか紛糾していて、これは引き続き議論するということで次のテーマに移ってみてはいかがでしょうか。
○岡部部会長 それであれば安心して移れるのですけれども、HBについてはかなりまだ議論もあるようですし、一方ではもう一つHBの検証委員会というのがあって、そこからもHB対策をもう少しきちんと我が国は行うべきだということもあるので、それも含めてHBをどう考えるかということで、これはもう一回別の機会というか、この委員会のときに、今、幾つかの論点、まだ本当に議論し切っていないところもありますから、それについていきたいと思います。
 私のほうも不手際で、ぎりぎりまで時間がなってしまっているのですが、小児のほうの13価について残された課題がありますので、それについていきたいと思います。
 これは最初からでいいですか。では、済みません。池田先生、前に残っていた経済評価について追加の分ということでお願いします。
○池田委員 前回、暫定的な計算結果を提示させていただきましたが、その後6月30日に庵原先生の研究班がございまして、その中でいろいろ臨床等の先生から御意見をいただき、モデル等の見直しを行いました。きょうはその分析の結果を御提示させていただきたいと思います。
 時間もないので、何を変更したかということでございますが、まず13価で予防できる病気の患者の数について、肺炎について田中先生の文献を御紹介いただいたので、これを使っております。また、ワクチンの費用に関しても消費税等の計算を少し変更しております。また、班会議のときに、ワクチンの評価については社会の視点から、いわゆる生産性損失を考慮すべきではないかという御意見もありまして、それについても今回考慮した分析を行っております。
 途中は後ほどごらんいただくといたしまして、最終的な結果は7ページ目をごらんいただきたいと思います。前回、小児を対象としたワクチンあるいは治療については、割引率という値を大きくとると分析結果が大きな数字が出る。つまり悪くなるということがございまして、今、割引率で世界的に見直しがあるということで、割引をしない0%の値を提示していたのですが、さらに以前にお示しした作業チームの報告書あるいは小委員会の報告書の中では年率3%でやっておりましたので、それとの比較ができるようにということで今回は年率3%という数値を使っております。
 なお、アメリカのACIPでも年率3%ということで分析結果が提示されておりますので、それに合わせたということでございます。
 また、ワクチンの価格についても、13価が今年度中は7価と同じ値段になるという情報も前回のこの会議でいただきましたので、見ていただきたい数字は7ページ目の表の一番下にあるものでございます。「生産性損失含む、13価はH25年度価格」、つまり価格を据え置いたもので計算したというものでございます。
 非投与の場合に対しまして、13価のワクチンを使うことによって生産性損失を含む費用は削減になる。効果は改善という結果でございます。
 7価を13価に置きかえることについても同様の結果でございました。
 しかしながら、18カ月あるいは24カ月で7価の接種を4回終わった子供に対しまして、13価のワクチンを1回だけ補助的に追加接種を行うというものに関しましては、費用対効果の額がやや高い数字、つまり費用対効果がやや悪いという結果でございます。しかしながら、18カ月と24カ月を比べますと、18カ月は1,000万円/QALYといったところでございます。このような数値でありまして、そこは財源との兼ね合いで判断ということになるのではないかと思います。
 なお、日本だとこの数字が幾つならば費用対効果が良好と判断するかという基準はまだ示されておりませんが、下に示しました白岩さんらの研究では、500万円から640万円ぐらいまでは一般的に費用対効果が良好と判断してよいのではないかということで、参考までに御提示しております。
 以上でございます。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 事務局のほうからも追加の資料の説明をお願いします。
○氏家課長補佐 続けて、前回第2回の基本方針部会で御議論いただいた内容について資料9の1ページ目下段をごらんください。論点として提示しました新しく承認となったPCV13、これを定期接種として用いること、そしてこれをPCV7と同様のスケジュールで接種すること、この発売に合わせて定期接種として一斉に切りかえること、こちらについては特に異論がなかったと理解しております。
 最後の補助的追加接種、PCV7を全て定期接種として接種終了した方に対してさらにもう一度再接種を行うということに関しては、再度検討が必要な状況と判断しています。また、追加接種を打つタイミング切りかえについても、一部、誤った点がありましたので、そちらを修正、訂正させていただきます。
 次の2ページ目以降は、前回の部会でも提示させていただいた各スケジュールと、製薬会社のほうから提供いただいた補助的追加接種(supplemental dose)の資料になりますので、割愛させていただきます。
 6ページ目をごらんください。下段ですが、補助的追加接種を検討していただく際の疫学データというものを前回も提示させていただきました。前回提示した資料と異なる点としましては、平成24年度の庵原班での研究報告が出てきましたので、23年度のものを使っていたものに関しては変更が行われています。最新のデータによりますと、平成24年には侵襲性肺炎球菌感染症が全国で598人出ているという中で、1歳6カ月未満の者が半分の51.4%いるという割合に変わっております。
 また、7ページ目の上段は、平成25年度ですので、ことしの研究班の会議資料になりますが、最新のPCV7、PCV13の血清型のカバー率を見ますと、PCV7は全体の37%、PCV13が66.1%ということで、13価に変更することで新たにカバーされる割合、血清型というのはおおむね3割ということが示唆されます。また、相対的にPCV13に含まれる19Aという血清型の割合がふえているという報告がございました。
 7ページ目の下段も平成24年度のみのデータと変わっていますので、具体的な数字が異なっています。1歳半以降でPCV13に新たに追加される6価、プラス6価でカバーされる人数は侵襲性肺炎球菌感染症の年間約99人ということになります。
 8ページ目上段を見ていただきますと、これが2歳で切った場合になります。2歳で切りますと対象者が減りまして、新たなプラス6価でカバーされる人数が74名と変わります。
 補助的追加接種の必要性というのもまたメリット・デメリットがあるということで、前回提示させていただいたスライドとほぼ同様の内容です。
 最後に、9ページ目が前回提示したもので、訂正させていただきたい点としましては、生後15カ月と18カ月が逆転して提示してしまって、多屋委員のほうからも御指摘があったところかと思いますが、生後18カ月のほうが抗体価が減少するようなグラフとして提示しておりましたが、訂正させていただきます。9ページ目下段を見ていただきますと、15カ月、18カ月の抗体価の違いが一部には有意差が認められるのですが、論文の中の解釈としましては「追加接種が数ヶ月遅れることでの予防破綻が生じるとは考えにくく、接種時期の遅れに関連した侵襲性感染症のリスク増加は認められていない」という結論の内容でした。
 以上を踏まえまして、10ページ目の上段にまとめとして提案させていただいています。補助的追加接種は接種回数が増加するなどの問題はあるものの、抗体価が陽性となる小児肺炎球菌感染の血清型が追加できることから、1歳半以降の疾病負担を軽減できる可能性がある。
 しかしながら、補助的追加接種を定期接種として実施することについては、費用対効果の点で社会全体に対する利益が限定的である。
 そのため、補助的追加接種については、定期接種とせず、希望者が任意で行うこととしてはいかがか。
 もう1点、またPCV7による初回接種完了者の追加接種に関して、年内のPCV13発売開始時に生後18か月に満たない者においては、PCV13発売後の追加接種を選択肢として示すことはいかがか。
 以上の2点について御議論いただきたいと思います。以上です。
○岡部部会長 ありがとうございました。
 既に導入のことについては議論ができ上がっているので、今の2点のところについてだけ議論していきたいと思うのですが、済みませんが、5分か10分ぐらい、延長になります。
 坂元先生、どうぞ。
○坂元委員 補助的追加接種ですが、4月からIPDが全数報告になって、各自治体から報告が上がっているのですけれども、そのうち直近の3カ月の分の川崎と横浜の報告数を見ると、小児用肺炎球菌ワクチンを3回まで受けている、もしくは4回受けている子供の12人がIPDを発症しているということです。今、全国で70人という数字が出たのですが、4回接種を終わった後今後追っていかないとわからないのですけれども、たった3カ月間でこれだけの数が出ている。これは3回しか打っていないから十分免疫がついていないという考え方と、そもそも7価でカバーできていないということから発生しているのか、一部は血清型も分類していて、明らかにカバーされていない群から発生している場合もあります。また4回打っても発症しているということから考えると、もっと調べて全数の血清型を調査しフォローしていくとひょっとするともっと数がふえてくるのではないかと考えます。補助的追加接種に関しては、任意という考え方もありますが、もうちょっとしっかり真剣に考えてやらないと、これが後で数が大きく増えた場合、議論としては禍根を残すことになるのではないかということです。ここに関してはやはりしっかり真剣に議論していただきたいと思います。
○岡部部会長 ありがとうございました。一つの意見としては、定期接種かどうかは別としてということですか。
○坂元委員 恐らく、これがある程度の数がふえてきたときに、自治体が任意でいいですよと言えるかどうかという一つの難しさが出てくると思います。もちろん数によって、これだけ数が少ないから任意でいいですよと言えるかどうかという問題もあります。実際、既に3回受けてIPDにかかった保護者からは何でという疑義を呈されて、自治体も、7価でカバーできていない血清型かあるいは十分免疫がついていないのでは、そういう説明をしているわけですけれども、そこはやはりどうするかということも含めて考えたほうがいいと思います。
○岡部部会長 菅先生、この間、庵原班、神谷班のほうで少しデータが出ていたと思うのですけれども、もしよかったらお話をいただけますか。
○菅参考人 今、ブレイクスルーのワクチン接種後の話がございますけれども、実際、昨年度の私どもの解析では、ワクチン接種後でIPDになった方でPCV7でカバーされるタイプの人は1名しかいませんでした。すなわち、ほとんどがPCV7でカバーされなかった血清型による感染であると思われます。
 ワクチン導入以前は、ワクチンタイプがおよそ7割から8割で、ノーワクチンタイプが2〜3割だったのですけれども、全IPDで見ると2012年ではワクチンタイプは3割、ノーワクチンタイプが7割になっています。そのうちPCV13でカバーされるとなると、先ほどもありましたように、50%ぐらいにワクチンタイプが上がるので、20%ぐらいの方はPCV13をすることでカバーされるだろうと思います。しかしながら、それでカバーされない人がやはり残るので、PCV13をサプリメンタルでやってもやはりかかったという方は出てきます。それに関してはPCV13の限界なので、さらにカバーを広げていくしかないかなと思います。
○岡部部会長 パーフェクトを狙うというのはなかなか難しいことなので、ある一定のところで引かなければいけないとは思うのですけれども、ただ、坂元委員がお示しされたところでは、血清型はたしか全部測定はしていないと思うので、そうだとすると庵原・神谷班のほうのデータでいえば、かなりとしか言えないわけで、パーフェクトではないけれども、相当数はPCV13に切りかえることでできる。サプリメントまでもって、やったほうがいいけれども、そこまでできるかどうかというのは先ほどの医療経済的なものを含めての判断だと思うのですけれども、ほかの御意見はいかがでしょうか。
 もう一つ別のほうのPCV7によって初回接種終了者に追加としてPCV13を1回やる、これはよろしいでしょうか。そちらのほうは今までなかった分をきちんとカバーするということで、これはいいと思うのですけれども、補助的な追加接種、つまり、やった人に対して今度5回目になるわけですね。5回目の投与についてはオプションとしてはとっておく必要があるけれども、先ほどの医療経済的な問題あるいは病気の数からいって、定期接種としてまでカバーはしなくてもいいのではないかという一つの提案があります。
 では、欠席された委員の意見を紹介してください。
○氏家課長補佐 庵原委員のPCV13への切りかえについての意見を述べさせていただきます。
 接種スケジュールに応じた切り替え案に賛成する。
 2歳を超えるとIPDの頻度は減少するので、キャッチアップ接種をするならば、1歳半頃が適切である。また、2歳児以上を含むと医療経済効果も認められない。
というものでした。
 また、中野委員からの御意見ですが、
 ワクチンは、疾病にかかる前に予防するという観点から、接種可能な時期になったならなるべく早期に接種することが原則である。7価ワクチンから13価ワクチンへの移行に伴い「より多価のワクチンを待つための接種差し控え」が行われることは回避すべきであり、初回免疫はできる限り早い時期に完了させ、追加接種(肺炎球菌結合型ワクチンとして4回目の接種)はもし諸事情で遅れたとしても18か月齢までには完了させる。
 補助的追加接種(supplemental dose)とは、7価ワクチンをすでに4回完了した者に対する、13価ワクチンを用いた5回目/6回目接種のことである。海外諸国やわが国における7価ワクチン導入後の血清型19A型の肺炎球菌によるIPDの相対的増加、諸外国での7価ワクチンから13価ワクチンへの移行時の対処法を参考にすれば、現状で入手できるデータからは補助的追加接種は医学的に有効かつ安全な接種法と考えられる。わが国の子どもたちを髄膜炎などIPDの脅威からより広く守るために、補助的追加接種に関して、接種を受ける側・行う側とも安心して実施することができる環境を整備したい。
とあります。
○岡部部会長 ありがとうございます。
 最後になりますが、宮崎先生も案を出されていたと思うので。
○宮崎委員 基本的には切りかえていくということに賛成なのと、追加的接種は限定すればかなり効果も高いし、一時的で済むということはありますね。13価に切りかわっても、あと1年ぐらいすると13価ワクチンの追加接種は要らなくなってくるので、そこは対策を打ったほうがすっきりするのではないかと思いました。
 厚労省のまとめの最後のスライドの2つの意味がいま一つよくわからないのですが、上の補助的追加接種、これは5回目のことを言っておられるのですか。下の四角で囲んだ欄の2つをもう一回説明してください。
○氏家課長補佐 済みません。ちょっとわかりにくい表現で申しわけありません。追加で補足させていただきます。
 上の段で、補助的追加接種が受けられないという前提において、接種完了者は13価ワクチンの補助的追加接種を定期接種として受ける機会を逃しますので、3回のPCV7による初回接種を既に終えた方は、次の接種である追加接種は12〜15カ月を標準的な接種時期と設けているわけでありますが、この4回目の追加接種を受ける対象者が年内の発売を予定している13価を、発売時点で生後18カ月未満であれば待って、定期接種としてPCV13を受ける。つまり、7価、7価、7価で打った後、すぐ7価を打たないで待って13価を打つことで、プラス6価の血清型の抗体獲得が期待できる。そして、この方法は生後18カ月までであれば、諸外国においても追加接種の時期として推奨している国が幾つかあることから、そういった対応も検討できるのではないかということで提案させていただきました。
○岡部部会長 時間がなくなって済みません。今の説明は追加接種の4回目のことを言っているわけでしょう。ここは多分コンセンサスを得られていると思うのですけれども、3回のPCV7、これはなるべく早くやってもらいたいので、13価を待たずにとにかく7価をやってください、それを終わった人で後で4回目の追加接種を13価でやろう、そうすればかなり抗体の上昇もいいので、13価をやらなかった不利はカバーできるのと早く7価で免疫をつけるという有利さがあるということで、これはオーケーでいいですね。
 もう一つの課題が、PCV13をこれから1、2、3、4やった人あるいは7価を今までやっていた人に対して、5回目として13価をやるかどうか。今までの医療効果でも出てくる場合もあるし、もし追加をすれば少しでもそれは減らすことができるので、医学的に意味がないわけではないけれども、これを定期接種としてやっていくかどうかというところについてはまだ議論の余地がありというところではないかと思います。実際のお金の負担ばかりではないですけれども、そういったような問題。
 それから、もうちょっとサーベイランスデータがきちっと出ていくということも必要ではないかと思います。つまり、5回目の補足的追加接種についてはオプションとしてはとっておくけれども、現在ここで直ちに定期接種としてまでは認めなくてもいいのではないかというのがまとめではないかと思うのです。宮崎先生、今ので理解できますか。
○宮崎委員 この文章が、国が書かれた文章の意味がわからないのです。2つ目は全く定期接種を考えていないか、2番目のカラムは定期接種を考えているようにも読めるのですが、どういうことですか。
○氏家課長補佐 先ほど岡部先生にまとめていただいたように、前回も御議論いただいた内容ではあるのですが、追加接種、つまり4回目の接種に関しては、接種控えを行うことを選択肢としてはいかがか、ということを前回御議論いただいて、こちらから提示した資料に誤りがあったことから、もう一度さらに提示をさせていただいたという点ですので、接種控えを基本的には7価で行わず、常に標準的な接種時期に接種を行うべしということであれば、2番目の四角に関しては既に議論いただいた内容であり、削除していただいて結構です。
○岡部部会長 別に削除しなくてもいいのだけれども、確認としては、発売はもうすぐだけれども、早くPCV7をやってください、しかし3期残った人は13価について足りないのではないかということに対しては、4回目の追加接種のときに13価を定期接種としてやるということですね。それは前回ほぼコンセンサスを得られかけていたけれども、まだちょっと十分ではなかったので、ここをはっきりするというのが一点ですね。それで宮崎先生、いいですか、ここの文章はともかくとして。
 もう一つのほうが5回目の補助的追加接種、これをやれば残りの部分も多少は過ぎるかもしれないけれども、これはオプションとしてとっておく。ルーチンとして定期接種としてまで議論しなくてもいいのではないかというところだと思います。
 池田先生、何か。
○池田委員 事務局のほうから説明していただいた資料9の7ページ目の上のワクチンカバー率についてでございますが、実は、費用対効果の推計をする際に、このカバー率のところが結局、13価を補助的追加接種するかどうかの費用対効果を大きく左右するところでございます。すなわち、相対的に7価でカバーされる菌が減って13価でカバーされる菌がふえるのは当たり前、7価のワクチンを打っているわけですから。問題は、13価でカバーされる菌が以前よりも絶対的にふえているのかです。7価のほうが減るのは当たり前で、13価のほうは変わらずなのか、それともむしろふえているのかというところがポイントで、現在の推計では、7価の分はワクチンで減りました、13価の分は以前と同様に原因菌として出ていますという推計でやっています。ところが、相対的にふえているというのが、もしかしたら13価のものが罹患率としてふえている、発症率としてふえているということだとするとそこは話が変わってくるので、もしそういうエビデンスがないのであれば今回の推計のとおりでありまして、費用対効果の点から補助的追加接種は必ずしも推奨しなくてよいと思います。
○岡部部会長 事務局のほう、何か
○難波江課長補佐 先ほどの宮崎委員からの御指摘ですが、13価が出るということで新しいのを待とうというのが人の心情であろう。そのときに、待っても、定期接種になるのは自動的になるのですけれども、こちらとしてのメッセージの出し方として、待たずに追加接種もPCV7で完了してくださいというメッセージを出すのがいいのか、初回接種はちゃんとPCV7で完了してください、ただ追加接種については18カ月未満であれば少し待っていただければ13価を接種することが可能になります、それによってより広い血清型もカバーできます、選択肢としてそういうオプションもありますというメッセージを出してもよいかというものでした。
○宮崎委員 定期の中ですね。
○難波江課長補佐 そうです。
○岡部部会長 これは確認しておきましょう。定期接種の中でということですね。
 では、さっきのまとめでよろしいですか。坂元先生、どうぞ。これ、最後にしましょう。
○坂元委員 そうすると例えばオプションとしてとっておく。自治体側は市民への説明として、7価を4回打った人に対してのサプリメントドーズに関しては、もしかすると7価ではカバーされていないものにかかるかもしれません、それを回避したければ任意で13価を受けてください、こういう説明の仕方という形ですね。
○岡部部会長 現在わかっているサーベイランスの状況では、その割合は極めて低いからというところですね。菅先生、いいですか。この間の庵原班のは反映されていますか。
○菅参考人 はい。
○岡部部会長 では、肺炎球菌に対する言葉のところから、幾つかちょっと難しいところがありますから、そこは特に一般の方に説明するときはもっと丁寧にやらないとますます難しくなってきてしまうと思うので、そこをよろしくお願いいたします。
 司会の不手際で時間を過ぎてしまったのですけれども、ただ議論としては随分できたと思います。積み残しの部分もあるので、それはそれとして次回あるいは次々回というところで議論を続けていきたいと思います。
 それでは、お返しします。事務局のほうからどうぞ。
○嶋田室長補佐 次回の開催につきましては、8月9日金曜日を予定しております。時間と場所につきましては、追って御連絡申し上げます。
 本日は長時間どうもありがとうございました。


(了)

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