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2013年7月26日 第1回精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成25年7月26日(金)9:30〜12:00


○場所

スタンダード会議室虎ノ門HILLS店 2階ホール
(東京都港区虎ノ門3−6−2 第二秋山ビル)


○出席者

伊澤構成員、伊藤構成員、伊豫構成員、岩上構成員、柏木構成員
香山構成員、河崎構成員、吉川構成員、倉橋構成員、佐藤構成員
田川構成員、田邉構成員、近森構成員、千葉構成員、中板構成員
中島構成員、長野構成員、樋口構成員、平田構成員、広田構成員
三上構成員、山本構成員、良田構成員

○議題

1 精神障害者に対する医療の提供の確保に関するこれまでの検討状況 等
2 構成員からのヒアリング
3 意見交換

○議事

○北島精神・障害保健課長
 皆様、おはようございます。それでは、定刻となりましたので、只今より「第1回精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」を開催いたします。構成員の皆様方におかれましては、大変御多忙の中、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 私、進行役を務めさせていただきます精神・障害保健課長の北島でございます。どうぞよろしくお願いします。
 議事に先立ちまして、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長、蒲原より御挨拶を申し上げます。

○蒲原障害保健福祉部長
 おはようございます。皆様方、本当にお忙しい中、御参集いただきまして、本当にありがとうございます。
 この分野の動きについては、先の通常国会で法律が通ったということで、それも含めて、いろいろな形で来年4月の施行に向けての準備ということをしなきゃいけないという段階になっているわけでございます。御案内のとおり、社会保障審議会の障害者部会において、この法律の施行も含めていろいろ議論いただくことになっているわけでございますけれども、特にこの精神医療の指針の関係につきましては、こういう形で検討会を開いて先生方に丁寧に議論してもらおうということに相なっているわけでございます。
 この分野については、これまでもいろいろなビジョンの策定を初め、いろいろな形で御議論いただいておりますけれども、昨年には特別の検討会で一定の方向性をもらっているということでございます。そうした議論を踏まえながら、またここで具体的に指針に向けて御議論いただいて、来年4月の施行ということをきちっと迎えていきたいと思っています。
 丁寧な議論をいただきまして、また我々もその議論をよく頭に入れて施策を進めていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 それでは、早速ですが、初めにお手元の資料の確認をさせていただきます。
 資料1は、「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会 開催要綱」でございます。
 資料2は、「精神障害者の医療の提供の確保に関するこれまでの検討」でございます。
 資料3は、「精神障害者に対する医療の提供の現状」でございます。
 資料4は、「平成25年7月18日第50回社会保障審議会障害者部会 資料6今後の検討の進め方について(抜粋)」でございます。
 資料5は、伊藤構成員提出資料「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会 参考資料」でございます。
 資料6は、河崎構成員提出資料「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針の策定に当っての見解」でございます。
 資料7は、佐藤構成員提出資料「5疾病5事業時代の総合病院精神科の役割」でございます。
 資料8は、田川構成員提出資料「これからの地域精神科医療の充実に向けて」でございます。
 足りない資料がございましたら、事務局までお申しつけください。よろしいでしょうか。
 それでは、次に本検討会構成員の皆様を御紹介させていただきます。詳しくは、お手元の構成員名簿を御参照ください。五十音順に御紹介申し上げます。
 特定非営利活動法人全国精神障害者地域生活支援協議会代表、伊澤雄一さんです。

○伊澤構成員
 よろしくお願いします。

○北島精神・障害保健課長
 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター社会精神保健研究部長、伊藤弘人さんです。

○伊藤構成員
 伊藤でございます。よろしくお願いします。

○北島精神・障害保健課長
 千葉大学大学院医学研究院精神医学教授、伊豫雅臣さんです。

○伊豫構成員
 伊豫でございます。よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 特定非営利活動法人じりつ代表理事、岩上洋一さんです。

○岩上構成員
 岩上でございます。よろしくお願いします。

○北島精神・障害保健課長
 公益社団法人日本精神保健福祉士協会会長、柏木一惠さんです。

○柏木構成員
 柏木です。よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 一般社団法人日本作業療法士協会常務理事、香山明美さんです。

○香山構成員
 香山でございます。よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 公益社団法人日本精神科病院協会副会長、河崎建人さんです。

○河崎構成員
 河崎です。よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 特例社団法人日本精神科看護技術協会専務理事、吉川隆博さんです。

○吉川構成員
 吉川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 全国保健所長会副会長倉橋俊至さんです。

○倉橋構成員
 倉橋でございます。よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 日本総合病院精神医学会監事、佐藤茂樹さんです。

○佐藤構成員
 佐藤です。よろしくお願いします。

○北島精神・障害保健課長
 日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科博士後期課程に在籍されており、精神障害者当事者でもいらっしゃいます、澤田優美子さんです。本日は、欠席でございます。
 公益社団法人日本精神神経診療所協会理事、田川精二さんです。

○田川構成員
 田川です。よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 全国精神保健福祉センター長会会長、田邉等さんでございますが、御出席の御予定ですが、少々遅れていらっしゃるところでございます。
 社会医療法人近森会近森病院院長、近森正幸さんです。

○近森構成員
 近森でございます。よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 医療法人青仁会青南病院院長、千葉潜さんです。

○千葉構成員
 千葉でございます。よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 公益社団法人日本看護協会常任理事、中板育美さんです。

○中板構成員
 中板でございます。よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 公益社団法人全国自治体病院協議会副会長、中島豊爾さんです。

○中島構成員
 よろしくお願いします。

○北島精神・障害保健課長
 特定非営利活動法人ハートinハートなんぐん市場理事、長野敏宏さんです。

○長野構成員
 よろしくお願いします。

○北島精神・障害保健課長
 毎日新聞論説委員、野沢和弘さんですが、本日は欠席でございます。
 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター総長、樋口輝彦さんです。

○樋口構成員
 樋口です。よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 千葉県精神科医療センター長、平田豊明さんです。

○平田構成員
 平田です。

○北島精神・障害保健課長
 精神医療サバイバー、広田和子さんです。

○広田構成員
 おはようございます。広田です。よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 公益社団法人日本医師会常任理事、三上裕司さんです。

○三上構成員
 三上です。よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 成城大学法学部教授、山本輝之さんです。

○山本構成員
 よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会理事、良田かおりさんです。

○良田構成員
 良田でございます。よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 続いて、事務局の紹介をさせていただきます。
 蒲原障害保健福祉部長です。

○蒲原障害保健福祉部長
 よろしくお願いします。

○北島精神・障害保健課長
 井上企画課長です。

○井上企画課長
 よろしくお願いします。

○北島精神・障害保健課長
 中崎心の健康支援室長です。

○中崎心の健康支援室長
 よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 清水医療観察法医療体制整備推進室長です。

○清水医療観察法医療体制整備推進室長
 清水でございます。よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 精神・障害保健課課長補佐の尾崎です。

○尾崎精神・障害保健課課長補佐
 どうぞよろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 精神・障害保健課課長補佐の江副です。

○江副精神・障害保健課長補佐
 よろしくお願いします。

○北島精神・障害保健課長
 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の福田祐典所長です。

○福田所長
 よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 なお、本検討会は公開のため、検討会での審議内容は厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定ですので、あらかじめ御了解くださいますようお願いいたします。
 次に、座長の選出に移らせていただきます。座長は、検討会開催要綱に基づき、構成員の互選により決めることとしております。
 どなたか、御推薦の方はいらっしゃいますでしょうか。

○良田構成員
 樋口先生はいかがでしょう。

○北島精神・障害保健課長
 只今、樋口先生との御推薦がございました。

(「異議なし」と声あり)

○北島精神・障害保健課長
 皆様、御賛同いただきましたので、開催要綱に従いまして樋口先生に座長をお願いしたいと思います。それでは、樋口構成員は座長席に御移動をお願いいたします。
 それでは、樋口座長より一言お願いいたします。

○樋口座長
 樋口と申します。よろしくお願いいたします。
 只今御推挙いただきまして、私もそろそろお役ごめんではないかと思っておりましたが、もう少しやれということでございます。重責でございますが、皆様の御協力を得て進めさせていただきます。
 よろしくお願いいたします。

○北島精神・障害保健課長
 ありがとうございました。
 また、座長代理につきましては、座長から御指名いただければと思いますが、いかがでしょうか。

○樋口座長
 それでは、私のほうから、千葉大学の伊豫教授にお願いできればと思っておりますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○北島精神・障害保健課長
 それでは、御指名でございますので、伊豫構成員に座長代理をお願いいたします。
 それでは、ここからの進行は樋口座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○樋口座長
 それでは、改めまして、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、まず資料に沿って事務局の方から御説明をいただくという手順でございます。これまでの精神障害者に対する医療の提供の確保に対する検討の状況を、ある意味ではおさらいすることが目的でございます。そして、それに加えまして、早速本日から構成員4人の方々から御説明をいただくということでございまして、その4人の方の説明が全て終わった段階で、その後に全体の質疑をさせていただきたいと思います。恐らく個々の報告等についても御質疑があろうかと思いますが、時間が非常に限られておりますので、まず全ての説明を終えた後に意見交換という形にさせていただきたいと思います。
 まず初めに、本検討会の開催につきまして、資料1「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会の開催要綱」を事務局のほうから説明をお願いしたいと思います。

○江副課長補佐
 それでは、資料1を御覧ください。本検討会の開催要綱について、簡単に御説明いたします。
 まず、趣旨といたしましては、先の第183回国会で成立しました精神保健福祉法により新たに策定することとされた精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針に記載すべき内容等について、有識者・関係者の参集を得て検討を行うこととなっております。
 検討事項としましては、(1)としまして、その精神保健福祉法の中にも書き込まれてございました以下の4点について、特に検討していただくこととなっております。1点目が、精神病床の機能分化に関する事項。2点目が、精神障害者の居宅等における保健医療サービス及び福祉サービスの提供に関する事項。3点目が、精神障害者に対する医療の提供に当たっての医師、看護師その他の医療従事者と精神保健福祉士その他の精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識を有する者との連携に関する事項。4点目として、その他の重要事項となっております。
 (2)としまして、その他精神保健医療福祉に関する事項となっております。
 構成等につきましては、本検討会は、社会・援護局障害保健福祉部長による検討会としまして、社会・援護局障害保健福祉部長が開催することとなっております。
 その庶務は、一番下にございますけれども、精神・障害保健課が行うこととなっております。
 資料1の御説明は、以上です。

○樋口座長
 ありがとうございました。
 では、続きまして、資料2「精神障害者の医療の提供の確保に関するこれまでの検討」、それから資料3「精神障害者に対する医療の提供の現状」及び資料4「平成25年7月18日社会保障審議会障害者部会 資料6(抜粋)」となっておりますが、これについて事務局の方から説明をお願いいたします。

○江副課長補佐
 それでは、資料2を御覧ください。「精神障害者の医療の提供の確保に関するこれまでの検討」ということで、かいつまんで御説明させていただきたいと思います。
 まず、「(英数字1)改正精神保健福祉法の概要及び主な検討課題」ということで、おめくりいただきますと、上のスライドに今回の法律の概要がございます。
 柱立てとしましては、主に4点ございます。1点目が、まさに本検討会のテーマであります精神障害者の医療の提供を確保するための指針の策定。2点目が、保護者制度の廃止。3点目が、医療保護入院の見直し。4点目が、精神医療審査会に関する見直しとなっております。
 施行期日は、原則、平成26年4月1日となっております。
 検討規定としまして、政府は、施行後3年を目途として、ここにございます各種課題について検討を加えまして、その結果に基づいて所要の措置を講ずることとなっております。
 特に、本検討会のテーマであります指針の策定につきまして、その下のスライドにもう少し詳しく記載がございます。この指針の策定ということが平成26年4月施行ということなのですが、○の1つ目としまして、改正精神保健福祉法では、厚生労働大臣は、「精神障害者の障害の特性その他の心身の状態に応じた良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針を定めなければならない」とされております。
 その法律の中でも、もう少し具体的な項目について4点書き込まれております。2番目の○の内容ですけれども、1点目が精神病床の機能分化に関する事項。2点目が、精神障害者の居宅等における保健医療サービス、福祉サービスの提供に関する事項。3点目が、精神障害者に対する医療の提供に当たっての医師、看護師その他の従事者との連携に関する事項。それから、その他の重要事項という、これらについて指針に書き込むということが法律上、規定されております。
 ですから、3つ目の○としまして、この指針の策定に当たって、本検討会で一定の意見集約を図った上で、障害者部会で議論するという流れとなっております。
 3ページを御覧いただきまして、これまでの検討経緯を簡単に振り返っておきたいと思います。
 3ページの下のスライドですが、平成16年に厚生労働省におきまして精神保健福祉施策の改革ビジョンというものを定めました。これが10年間のビジョンでしたので、現在もこのビジョンのもとで各種施策が展開されていることになります。
 おめくりいただきまして、4ページの上のスライドですけれども、ビジョンの5年目、中間点の段階で状況を検証するということで、また検討会が開かれまして、そのとりまとめが行われております。その際にも、精神保健医療福祉の改革をさらに加速するということが確認されております。
 それから、4ページの下のスライドですが、その後の状況としまして、平成22年に障害者制度改革の推進のための基本的な方向についてという方針が閣議決定されております。その中で、特に精神医療に関係する課題としましては3点挙げられておりました。下の3点ですけれども、左下が退院支援、地域生活支援。下の真ん中が強制入院、保護者制度。右下の人員体制の充実。これらの課題について検討せよということで、これまで検討して、その一部が今回の法改正で反映されたということでございます。特に、右下の人員体制の充実ということに関連して、今回の指針の策定ということが求められております。
 続きまして、左下の退院支援、地域生活支援に関連しまして、既に幾つかの施策が動いておりますので、ごく簡単に御紹介しておきたいと思います。5ページの上に各種取り組みの全体像がございます。
 まず、大きく分けて1点目が、地域移行、社会的入院の解消に向けた、病院からの退院に関する明確な目標値の設定ということで、第3期障害福祉計画において明確な目標値を設定しております。
 大きな2点目としましては、地域移行・地域生活を可能とする地域の受け皿整備ということで各種施策を行っておりまして、まず医療面での支えとしまして取組2ですが、できる限り入院を防止しつつ、適切な支援を行うアウトリーチの充実。取組3として、夜間・休日の精神科救急医療体制の構築。取組4として、医療計画に精神疾患を追加するといったことを行っております。
 続きまして、福祉・生活面での支えとしまして、取組5として、地域移行支援、地域定着支援という障害福祉サービスを創設しております。取組6として、地域生活に向けた訓練、状態悪化時のサポートなどを組み合わせて実施できるような措置を講じております。
 最後に、認知症に関する支えということで、取組7として、地域での生活を支える精神科医療と、地域の受け皿整備ということを認知症に関連して整理しております。
 それぞれについて、簡単に概要を5ページ、6ページ以降、記載しておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 それで、9ページに移りまして、本検討会のベースになります検討会の取りまとめについて、簡単に御紹介します。9ページの上ですが、精神科医療の機能分化と質の向上等に関する検討会というものが昨年まで開催されておりまして、昨年6月28日に意見の整理が行われております。
 9ページの下に、その概要がまとまっております。精神科医療の現状としましては、約6割は3カ月未満で退院しておりまして、約9割は1年未満で現状でも退院しているという状況です。一方、1年以上の長期在院者が約20万人と、入院者全体の3分の2を占めているという状況です。一般病床よりも、精神病床は低く人員配置が設定されている状況です。精神病床の今後の方向性としましては、精神疾患患者の状態像や特性に応じた精神病床の機能分化を進めるという大まかな方向性が取りまとまっております。
 下を御覧いただきますと、具体的に言いますと、左側が新たな入院患者の1年未満の部分ですけれども、3カ月未満につきましては、医師・看護職員は一般病床と同等の配置とし、精神保健福祉指導の退院支援に関わる従事者の配置を規定する。
 3カ月から1年未満につきましては、医師は現在の精神病床と同等な配置とし、看護職員は3対1の配置を基本としつつ、一定割合は、精神保健福祉士等の従事者の配置を可能とする。また、精神保健福祉士等の退院支援に関わる従事者の配置を規定する。
 それから、重度かつ慢性というカテゴリーにつきまして、調査研究等を通じて患者の基準を明確化しまして、明確かつ限定的な取り扱いとする。
 その重度かつ慢性の方以外の入院患者につきましては、1年で退院させて入院外治療に移行させる仕組みをつくるということが、方向性として合意されております。
 右側の現在の長期在院者についての取り扱いですけれども、現在の長期在院者について地域移行の取組を促進するということが合意されておりまして、医師は、現在の精神病床の基準よりも少ない配置基準とし、看護職員、その他の医療従事者の多職種で3対1の人員配置基準とする。さらに、開放的な環境を確保し、外部の支援者との関係をつくりやすい環境とするといった全体的な方向性について、昨年6月に取りまとめが行われております。
 もう少し詳しい内容につきまして、10ページ以降にございますので、適宜御参照いただければと思います。
 以上で資料2の御説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、資料3の御説明をさせていただきたいと思います。ただ、こちらの資料、かなり大部になっておりまして、逐一説明するというよりは、この構成について御紹介しておいて、今後の議論の中で適宜参照いただければと思います。
 「精神障害者に対する医療の提供の現状」という資料でございまして、目次を御覧いただきますと5点に整理しております。1点目が、精神科医療の現状ということで、主にデータに基づいて、最近の精神科医療の現状について御紹介しております。それから、2、3、4、5については、先ほどの指針の中で書き込むテーマに沿って、関連する施策ですとか現状についての資料を付しております。
 おめくりいただきまして、まず精神科医療の現状ですけれども、国際比較、それから患者数に関してのデータを載せております。それが2ページ、3ページとなります。
 それから、おめくりいただいて、4ページ、5ページと、入院患者や外来患者の疾患別の内訳、年齢分布といったスライドが続いております。
 6ページをおめくりいただきまして、精神疾患による在院期間別の入院患者数とか、処遇別の状況、それから平均在院日数というスライドが続いております。
 おめくりいただきまして8ページですが、平均在院日数の疾患別の状況、それから入院・退院率の状況、それから精神病床の患者の動態といった資料が続いております。
 10ページになりますが、退院者の状況、それから病床数の推移といったものが続いております。
 12ページ、13ページに、医療費の関係で、一般医療と精神科医療の比較といった関係の資料が続いております。
 14ページをおめくりいただくと、全体の2番の精神病床の機能分化についてということで、幾つかに整理して資料を付しております。
 まず、病床区分別の状況と経緯ということで、精神病床の全体的な定義とか状況につきまして資料を付しております。
 特に15ページの下を簡単に御紹介しますと、精神病床と一般病床の対比におきまして、医療法の施行規則で人員配置基準というものが決まっておりまして、精神病床につきましては、一般病床が医師16対1のところ、48対1、それから看護職員が一般病床で3対1のところ、4対1ということとなっております。
 16ページ、17ページと、その他医療法等に基づく精神病床の取り扱いの経緯等についての資料が続きます。
 18ページを御覧いただきますと、精神病床の機能分化についての2番目、診療報酬の関係でございます。
 19ページの上に診療報酬の精神病床の届出病床数が、診療報酬の入院料の区分ごとに整理したものがございます。それぞれの入院料の詳しい概要について、19ページ、20ページと続いております。
 それから、診療報酬の入院料ごとの患者の状況についての資料が21ページ、22ページと続いております。
 それから、22ページ、精神病床の機能分化の3点目「重度かつ慢性」にかかる調査検討ということで、昨年度、研究班の中で、「重度かつ慢性」の検討に資するために、精神科病院における長期入院患者に関する調査というものを行っていただいておりますので、その概要を御紹介しております。
 24ページ、全体の3点目、精神障害者の居宅等における保健医療、それから福祉サービスについてということで幾つか御紹介しております。
 1点目が、アウトリーチの関係の資料ということで、25ページ、26ページに概要・実績の資料がございます。
 2点目として、訪問看護として、27ページ以降で利用者の状況とか疾患の状況。
 それから、28ページに研修事業とか関連する資料がございます。
 それらを含めた精神科訪問看護の診療報酬が29ページに整理されております。
 3番目の居宅におけるサービスの3番目、外来、デイ・ケア等ですが、30ページ以降に経緯、それから利用者数の推移。
 それから、32ページに診療報酬上の取り扱い等がございます。32ページの下が外来に関する診療報酬が整理されております。
 33ページに4点目、医療連携としまして、まず33ページの下以降で、医療計画に関しての資料を付しております。
 また、34ページ、関連する研修事業。
 それから、35ページ、36ページにかけて、精神科救急医療体制整備事業に関しての資料をつけております。
 37ページ、連携ということで、上が認知症に関する連携の診療報酬上の評価。その下が、それ以外の精神科医療の連携に関する診療報酬上の評価についてお示ししております。
 それから、38ページの上にそれらを含めた地域連携に関する主な診療報酬を整理しております。
 38ページ以降が、その他の5点目、地域連携ということになりまして、医療と福祉の連携等についての資料が続きます。
 39ページ以降、精神障害者に特に関連の深い福祉サービスに関しての御紹介として、地域移行支援、地域定着支援といったサービスの状況についての資料です。
 41ページ、42ページと、関連する事業。それから、障害報酬、介護報酬での取り扱いについての御紹介がございます。
 43ページ以降が、退院支援・地域連携クリティカルパスの具体的な例示をつけております。それが44、45、46、47と続いておりまして、48ページもその続きでございます。
 49ページに、それらを含めた地域移行に関する主な診療報酬について整理しております。
 49ページの下から、全体の4番目、精神障害者のチーム医療についてということで、幾つか資料を提示しております。
 まず、50ページ、医療従事者に関しての国際比較、それからそれぞれの従事者の数の推移といったものが続きます。
 53ページは、ちょっと毛色が違いますが、医師・看護職員等が多いほど平均在院日数が少なくなっているということの、一つの調査の御紹介です。
 54ページ以降が、精神保健福祉士、作業療法士、56ページが心理職についての推移となります。
 診療報酬上、チーム医療に関連する取り扱いとしまして、具体的な例示としてリエゾンチーム加算とか、57ページの上にそれ以外のチーム医療に関連する主な診療報酬を整理しております。
 57ページ以降が全体の5番目、その他としまして、まず1番目、関係行政機関としまして、58ページ、精神保健に関しての保健所の概要、相談の実績。
 59ページに精神保健福祉センターの概要と実績をつけております。
 60ページ以降が、多様な疾患・患者像への対応ということで、各種精神保健福祉に関する取り組みを御紹介しておりまして、まず(マル1)としまして、自殺対策関係が60ページ、61ページ、62ページと続きます。
 それから、(マル2)としまして、依存症対策として、各種事業。
 それから、65ページには、昨年度行いました依存症者に対する医療及びその回復支援に関する検討会の概要と報告の概要をお示ししております。
 66ページが、児童精神医療ということで、関連する事業とか専門機関の配置状況。それから、診療報酬上の最近の取り組みについて御紹介しております。
 68ページが、摂食障害の概要になります。
 69ページが、災害医療ということで、災害派遣精神医療チーム等の取り組みを御紹介しております。
 70ページ以降が、てんかんへの対応に関連する資料。
 72ページの上が、高次脳機能障害への対応。
 72ページの下からが、医療監察法関連の資料を付しております。
 それから、75ページ、その他の3点目、精神科医療の標準化ということで、処方実態に関する過去の研究の概要ですとか、それに対応した診療報酬の取り扱い。
 それから、76ページの下ですが、児童・思春期に関連するガイドラインの取り組み。
 また、77ページ、その処方実態のフォローアップの研究の概要。
 それから、77ページの下ですが、最近発表されました睡眠薬に関するガイドライン。
 それから、78ページ、うつ病に対する認知行動療法のマニュアル。それから、自殺未遂者に関する手引、ガイドラインといったものが示されております。
 79ページ、その他の4点目、精神疾患に関する知識の普及啓発ということで、80ページに、厚生労働省のほうで運用しております2つの関連するウェブサイトの御紹介をしております。
 81ページ、その他の5点目、精神医療に関する研究ということで、82ページの上のスライドが、特に精神科に関連の深い厚生労働科学研究費補助金の中で、障害者対策総合研究事業の概要についてお示ししております。
 その下のスライドが、最近、精神関係の5学会が取りまとめられた精神疾患克服に向けた研究推進の提言というものから、今後の精神疾患領域の研究に関しての提言から抜粋しております。
 83ページ、その他の6点目、最後になりますが、今回の指針と関連の深い指針等ということで、先ほど御紹介しました改革ビジョンとか、84ページ、これも一部重複しますが、医療計画。
 それから、86ページに障害福祉計画に関連する資料。
 87ページに、認知症の5カ年計画、オレンジプランの概要。
 最後、88ページになりますが、介護保険事業計画についての資料となります。
 かなり駆け足になってしまいましたが、以上で資料3の御説明とさせていただきます。
 続きまして、資料4を御覧ください。こちらが今後の検討の進め方になります。先週木曜日、7月18日に社会保障審議会障害者部会が開催されました。その中で、本検討も含めた今後の検討の進め方についてという資料がございました。その中で、障害関係の課題について、特に精神障害に関しての課題については、まさに右上のところにございます本検討会で検討して、本日、検討会を立ち上げまして、12月中をめどに指針案を取りまとめることとされております。
 ただ、12月中とございますけれども、まずは9月中をめどにしまして、中間的な取りまとめを行えればと考えておりまして、夏の間、かなり急ピッチにはなりますが、8月に2回、9月に2回、合計5回程度で中間的な整理を図れればと考えております。残された課題について、適宜、障害者部会にも御報告しながら、12月中に指針案を取りまとめるということを予定しております。
 以上で資料2、3、4の御説明とさせていただきます。

○樋口座長
 ありがとうございました。大分はしょっていただいて駆け足で説明いただきました。恐らくいろいろ御質問あろうかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、この後の構成員からのヒアリング、説明を行っていただいた後に、全てを含めた御質疑をいただこうと思っております。全体の計画が12月中をめどにということで、その途中、9月中に中間取りまとめ、かなり忙しいスケジュールになっておりますので、御協力をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、続きまして、構成員からのヒアリングに入りたいと思いますが、本日は4人の構成員から御説明いただくことになっておりまして、その資料がお手元の資料5、6、7、8とございます。
 それでは、まず最初、トップバッターとして、伊藤構成員から御説明をお願いしたいと思います。

○伊藤構成員
 本日は、お話をさせていただく機会をいただき、ありがとうございます。事務局から資料の御説明をいただきましたが、短い間で議論する上でどれもとても重要な資料で、これからも事務局資料を参考に、発言したいと思います。
 さて、今回お示しいただいた、これまでの政策、そしてこれからの方向について、限られた時間でありますので、5つにまとめてお話をさせていただきたいと思います。
 2ページ目の今回の検討会で重要な資料から読み取れるキーワードは、質の高い入院医療、退院支援の充実、入院外の治療に移行する、そして、退院患者の増加、地域移行の取組の推進ということになるかと思います。これらのキーワードから、入院1年未満の入院患者グループ、重度・慢性の患者グループ、長期在院者グループごとに、より質の高い医療体制作りをこの場で議論されるものと理解しています。
 そして、この方向性を私なりにまとめますと、下の図の通り、入院から地域生活支援まで、段差をできるだけなくしていく工夫と、その選択肢の幅を広げていくことを加速化していこうということになると思います。ポイントは、入院医療については、一般医療と同程度の高い基準によるステップアップの仕組みをどう作っていくかになります。長期在院者の医療については、制限的でない、より地域に近いステップダウンの仕組みをどう作っていくかです。そして、地域ケアにつきましては、入院・入所の方をより早い段階で受け入れるためのステップアップの枠組みが必要だと考えます。
 もう一点つけ加えますと、一般医療との連携です。これは、入院医療においてはリエゾンの領域になりますし、地域においてはかかりつけ医との連携ということに集約できるかと思います。
 3ページ目にあります、既存資源を活用するという観点も不可欠です。幾つか先進国で経験されましたように、これまであった資源や予算が知らないうちになくなるという事態にならないように、改革・変革は注意深く進めていく必要があると思います。我が国は、民間入院医療の割合が高く、それぞれ独立採算で運営していて、国公立・公的病院などと同様に地域医療に貢献してきたという経緯があります。これらの資源を減らすことなく、地域ケアの資源に転換していくという視点が必要だと思います。
 そういう意味で、2009年の検討会のときにお示ししたのが、この図であります。各医療機関の観点からすれば、地域が病院と意識できる地域包括ケアシステムを総合的に提供できる組織に、病院はどう転換していくのか、そういう道筋をどう作っていくかということになると思います。これは費用の観点から見ますと、精神科入院医療の支払いは、今後も急性期をより集中的、濃厚な医療を行う方向になり、一方で、長期の入院医療の評価というのが低くなり、かわって福祉サービスの密度を上げていくということになると思います。
 財政的なバランスを病院医療から地域ケアへと移行していく、この転換をどのようにスムーズに進めることができるか、これがこの検討会、そしてこれからの精神保健医療福祉のバランスの最適化という上で、最大の論点と思います。
 先ほど事務局からお示しいただいた診療報酬について、入院ではどういうものができてきたかというのをまとめたのが4ページ目でございます。いわゆる包括病棟、精神療養病棟が創設されたのが1994年でありますが、病棟ごとの機能分化が進められてきたというのがおわかりになるかと思います。
 下は、地域ケアに関してで、古くは1965年に通院精神療法という加算に始まりまして、デイ・ケア、訪問看護、継続外来支援などのメニューが創設されています。
 さて、少し観点を広く考えまして、5ページ目です。OECDの資料で、多くの加盟国で測定可能な指標では必ずしもありませんが、退院後の治療の継続性や再入院が重要な指標となっていることがおわかりになると思います。精神障害は慢性疾患という特性がありますので、治療を続けながら地域で生活しているかを確認することが必要なのは、ある意味当然なのかもしれません。
 この中で、右の真ん中にあるグラフは2007年に示された指標で、統合失調症患者の計画されていない再入院率を各国で性別ごとに示しています。重要なのは、ここに日本のデータが示されていないことです。それはなぜかと申しますと、日本ではこの指標、これは一般医療でも同様でありますが、再入院率を把握しづらいという制度的な特徴があるからです。
 各国の医療制度の特徴がまとめられた、わかりやすい図があるのでお持ちしました。OECDの別の会議で、加盟国の医療体制と保険による特徴を示したもので、日本は、民間主導の医療提供体制で、国民皆保険という公的保険で行われている。そして、ゲートキーパーがないという特徴があります。同じような特徴は、オーストリアやチェコやギリシャ、韓国、ルクセンブルクなどで見られます。こういうフリーアクセスが担保されているという強みがある一方で、ゲートキーパーが制度されていないために退院患者をフォローアップする仕組みが制度的に希薄で、再入院などが把握しにくい制度となっているということであります。
 6ページ目に御覧になれますように、日本としてどうしていくかを考えますと、フリーアクセス制度のもとで、ゲートキーパー機能をいかに付与していくかということになると思います。これは精神科医療に限った課題ではありません。そして、再入院リスクのある患者さんが退院後に治療を継続しているかどうかを確認する必要があるわけです。そういう意味では急性期入院のみ提供する病院や、安定期のみ診療する診療所というものに対しては、治療継続が必要な慢性疾患を持つ地域住民をフォローアップする仕組みを意識していただくといったことを構築することが求められるのと思います。
 次に、治療継続を地域で担保する対象は、全ての患者さんではありませんから、優先順位があるわけです。そのイメージは、治療を中断すると腎透析に移行するリスクが高まる糖尿病の患者さんと類似しているのではないかと思います。精神科疾患では、中断すると再入院率が高まるような方々ではないでしょうか。その基本的な考え方の整理を試みたのがこの図です。縦軸は医療の必要度を示して、上に行くほど必要度が高まる。横軸は、患者さん御本人の治療への参画の希望の強さで、左に行くほど強い希望があるということであります。
 そうしますと、地域で治療の継続性を担保するグループというのは、左上から下と右の方に広がる楕円のグループを、どう丁寧にケアしていくかということになります。これは、本人の了解のもとであることが大前提でありますが、治療継続を確認していく必要があるのではないかと思います。
 次が7ページ目です。重度・慢性の定義の議論が始まっていますが、これだという基準がすぐできるかどうかというと、なかなか難しい点もあるのかもしれません。専門家が内的基準に当てはめ、この方々は重度で慢性であるという方々の事例を積み重ねていくというところから始めていく必要があるのかもしれません。
 地域責任性については、既に施策でいろいろな試みがされています。その例としましては、医療圏での措置入院の患者さんを地域の医療措置入院の25%以上を受け入れるという診療報酬があります。また精神保健指定医の役割として、救急への参画や地域の精神保健指定医の皆さんが救命救急、リエゾンといったものに関与するということが示されているのも大変大事な仕組みです。また、これからの可能性としましては、精神科救急医療体制の整備事業の中に、常時対応型の施設というものが要件として必要になっていく。また、自院の患者さんが急変のときには、対応できるソフト救急を提供する必要があると思います。
 少し観点を変えまして、精神障害者のフットサルチーム、大阪のグループです。イタリアに遠征しまして、イタリアのフットサルチームのトーナメントに入って準優勝したという記事です。こういう夢のある活動をしていると、デイ・ケアの次の一般就労へ移行する割合が多くなったということが、この経験から出ていると聞いております。
 スライドに垂直連携とあります。入院や在宅ケアが提供されますが、最終的には御本人の希望する回復を目指したような支援をしていく必要があるだろうと思います。そうしたらせん状の流れを展開していきますと、入院も含めて地域生活のパスポートのようになります。こういったパスポートがこれから必要なのではないかと考えています。糖尿病では糖尿病パスポートというものが地域連携クリティカルパスの別名としてすでにあります。地域連携クリティカルパスは、医療計画の中で都道府県が把握を推奨されている精神疾患医療体制の指標例として乗っております。これは、昨年10月の改定で乗ったもので、大変大事な点ではないかと思います。
 10ページには連携に関するこれまでの診療報酬についてまとめてあります。最初は、がんの緩和ケアでチーム医療における精神科医の関与が2002年に盛り込まれたことから始まります。近年の診療報酬改定ではかなり重点的に新しく評価されているというのがおわかりになると思います。
 続きまして、3つ目の論点である「チーム医療」について、これまでどのような診療報酬が看護師、作業療法士、精神保健福祉士、臨床心理技術者のチームに評価されてきたかまとめました。今までの診療報酬の中でもいろいろなものがある。これをどうこれから加えていくかということが大事になります。
 11ページに、精神科医療においては、総合病院精神科の機能をどう強化していくかは優先順位の高い課題です。総合病院精神科の縮小傾向という我が国の動向は、多くの欧米諸国とは逆の方向です。精神障害者の方は高齢になられていますので、身体合併症対策が急務であります。一般医療にも理解を得やすい精神疾患医療の領域でもあります。総合病院の精神科の機能をどう柔軟に考えていくかという観点も必要です。総合病院精神科の機能を強化する要素には3つあります。これまでの政策でいきますと、地域の精神科医療資源を活用するような枠組み、先ほどの精神保健指定医の地域での役割を強化していくような方向があります。次にリエゾン精神看護師やコメディカルの方々が活躍できる仕組みがあります。最後に、意識の高い身体科の方の看護師やスタッフの啓発・育成、バックアップも重要です。
 さて、現実に進められてきた施策と、これから求められる方向性について整理してまいりました。以上の整理から、近未来へのステップとして、具体的に検討可能な内容はどんなものがあるかを、現実的な可能性という観点からまとめました。診療報酬を念頭に、また各方面の皆様の期待も想定しつつ、考えられる限り集めた内容がこの図であります。具体的な議論の参考にしていただければと思います。
 以上が近未来を検討する中心的なテーマについてでありますが、やや中長期的な論点で幾つか問題提起をして、私の発表を終わらせていただきます。
 1つは、臨床指標です。これは、医療保護入院医療管理料の中で、行動制限に関する要件にある、医療の質を多施設で相互に見ていくことはこれから大事になってくるのと思います。日本医療機能評価機構が病院の第三者評価団体として1995年にできましたが、海外では第三者評価の認定に臨床指標を用いた改善活動を盛り込まれるようになっています。
 2つ目が診療報酬、やや技術的なところで恐縮ですが、精神科医療の診療報酬を、入院医療についてまとめますと3つあります。1つは、いわゆる出来高病棟という精神病棟入院基本料、もう一つは包括病棟という特定入院料、そしてDPC/PDPSという一般医療で行われている診断群分類包括評価の3つです。これからの方向としてぜひ御検討いただきたい第1点は、出来高病棟をはじめ診療報酬でこれから求められる医療に、引き続きインセンティブを付与していただきたいと考えています。
 第2点は、特定入院料、包括病棟についてです。実は、レセプトの分析をしていますと、各医療機関で入力していた薬剤内容が提出するレセプトには全部消えてしまっているという点の改善です。出来高病棟ではどういう治療がされているかをレセプトから把握できるのですが、包括病棟での治療内容はレセプトから把握できない状況になっています。DPCの算定病棟ではできます。つまり、特定入院料の診療内容の記録をどう保持し、治療内容を分析できるような仕組みをどう作るかは、中長期的に見ると大変大事な論点であると思います。
 3つ目は、DPCの医療機関別係数に精神科医療の要素を加味して、総合病院の精神科機能が充実しているところが評価されるような仕組みをぜひ作っていただきたいと思います。
 次に、これは議論はあると思いますが、変革を推進するための必須要素として病棟転換型の居住系施設に関して、一言述べさせていただきます。現在もアウトリーチ事業では、病棟の転換というか、削減と連動して行われているという実態もありますし、他の転換事例も国内外に、例えばデイ・ケアのデイルームに移行していくような転換もあります。再施設化なのではないかという批判もあると思いますが、どういう医療組織にしていくかという意思決定は各医療機関の判断に任されているわけでありますから、各医療機関が採用しやすい選択肢を複数提示していくことが大変大事であります。再施設化を防ぐことは、外部の判断を意思決定に盛り込めば回避可能なのではないでしょうか。また、時限的な政策として考えていく、そして定期的に見直していくということを入れた上で、次のステップとしては不可欠なのではないでしょうか。この枠組みを選択肢とする道を閉ざすことは、私はこれからの精神保健医療の変革にとって足踏みになるのではないかと思います。
 さて、最後に、当事者の参画事例を積み重ねていく重要性について述べさせていただきまして、話を終わります。この検討会では、既に当事者の参画がされていますし、これはたしか国では広田さんが90年代の後半に初めて入られたというのが、日本の保健医療福祉界では初めてだと記憶しております。国のレベルでのこうした事例、また、地方自治体レベルにおいても、審議会や地域連携会議の中に当事者が関与することも望ましいと思います。また、これはもう少し先の話かもしれませんけれども、個別治療レベルにおいても、入院時や入院中、また非自発的な治療の前、または治療後の振り返りで当事者がかかわる事例は、実は既に国内で幾つか出てきています。当事者の方の負担も結構大きいので、代理人等の立場もあるかもしれませんが、当事者の参画事例というものを積み重ねていく必要があるのだろうと思います。
 以上です。時間を超過したことをお許しください。

○樋口座長
 どうもありがとうございました。
 次に進ませていただきます。次は、資料6、河崎構成員から「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針の策定に当っての見解」という資料を提出いただいております。御説明お願いします。

○河崎構成員
 河崎でございます。それでは、資料に沿って説明させていただきます。
 まず、今回、法改正に伴いまして、この精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針の策定ということがきっちり定められたことに関しては、私どもは評価すべきであると考えております。と言いますのは、これまでいろいろな国の方からの改革ビジョン、あるいはあり方検討会等の報告書、あるいは平成22年6月の閣議決定を受けてのいろいろな検討等を見ますと、一貫性を持って精神保健医療福祉の改革ということは進められてきているのだろう。ただ、それが現実的な形として実現しづらい状況にあるのも事実だと思っております。
 そういう中での今回の指針の策定というのは、この指針の策定が、これまでの国が進めてきた、あるいはそれぞれの医療現場や関係諸団体が進めてきた日本の精神保健医療福祉の改革に拍車をかけ、そしてより現実的なものとして実現していくという意味での方向になることが実現すれば、これは極めて評価されるべきであるものと思っております。
 もう一点、そういう意味では、この指針は、精神保健医療の改革を推し進めるということでなければ全く意味を持たないものでございますし、先ほど申し上げました、これまでのいろいろな提言・施策というものを踏まえた検討ということを、私たちもこの検討会では十分に共通の認識を持たなければいけないのではないかと思っております。
 2ページ目の上にもう少し基本的な視点について書かせていただいております。先ほどの発言とも重複しますけれども、そういう意味で、この指針は実効性のあるものでなければ意味がない。単に理念だけを示すということであってはいけないと思いますし、法の中に定められるということから考えましても、実効性のあるものにしていかなければいけないということが1点ございます。
 もう一点は、先ほど伊藤先生の方からの御説明の最後のところにもございましたけれども、この指針の内容そのものが精神科医療サービスの提供を行っている側からしますと、それぞれの医療機関特性であったり、あるいは地域特性であったり、そういうものが活かせるような多彩な内容。つまり、多彩なロードマップが示されているということが必要だろうと思います。これがなければ、幾らイメージとして示されても、それぞれの医療機関がどういう選択肢を選択すればいいかというところが、これまではなかなか示されていなかったと思っておりますので、ぜひこのあたりの観点での議論をお願い申し上げたいと思います。
 それと、最も重要なのはと書いておりますけれども、こういう施策がまずは段階的に行われていくことが必要だろうと思います。一気に大きく現実から乖離した状況で物事を決定していくことは、あるときには意味があるかもしれませんが、多くの精神障害者の皆さん方や、医療・福祉・保健に関わっている職員の皆さんたちからも考えますと、一つ一つ段階的に、現実的にそれが実っていくことが必要であると思っておりますし、そのための財源確保ということも、これは忘れてはならないものであるということでございます。
 今回のこの検討会では、3つの観点から指針作りを検討するということになっておりますが、今日は医療提供の方からの話ということでございますので、精神病床の機能分化について、もう少し掘り下げて意見を述べたいと思います。
 2ページ目の下のスライドに書いておりますが、精神病床の機能分化を目指すことができる、これも先ほど申し上げましたけれども、機能分化ということが実現できる指針を作り上げていっていただきたいということでございます。
 もう一点、機能分化ということを考えていただく際に、昨年の質の検討会で示された、ああいうイメージは非常に実践的な内容であろうかと思っておりますけれども、もう一点、単に期間だけではなくて、疾病特性や状態像ということに応じた急性・慢性の議論というものもしっかりとしなければいけないのではないかなと考えます。精神疾患の疾病特性ということを考えますと、場合によれば、長期に罹患されている患者さんが急性期の症状を呈する場合もございますし、あるいはそういうところを考えますと、単に期間だけでの議論ということだけではなくて、状態像を勘案した急性・慢性の議論というものが必要だと思っております。
 もう一つは、段階的な移行ということになりますけれども、現状の人材や財源を効率的に再配分するということが、どこかの段階で必ず必要になってくるわけですけれども、これもぜひ段階的な形で実現していっていただきたいというところでございます。
 3ページ目の上に書いておりますのは、私たち日精協の中で、これからの精神保健医療はどうあるべきかという議論を何年間か行ってきました。今日も、その成果物としての我々の描く精神医療の将来ビジョンの抄録版をお手元に配付しておりますので、また後ほど見ていただければと思いますが、その中で、これから精神医療サービスの方向というものはどうあるべきなのということを少しまとめたのが、このスライドでございます。
 内容的には当たり前のことをまとめているわけでございますけれども、特にこの中で2つ目の黒ポチのところでございますが、入院治療の適正化ということを私たちは提案として出しております。これは、必要な急性期医療にはしっかりとした治療を行う。そのためには、そこに人員配置も含めて、医療密度を上げた集中的な治療というものが必要になるし、それが本来の精神科の入院医療であろうということを再確認しているところでございます。さらには、急性期を過ぎた後の、あるいは状態像としての回復期、こういうところには、リハビリテーション機能を強化したものが必要になってくるということを強調しております。
 3ページの下の表が、全般的に現在の精神科の入院医療をどういうふうに適正化していくべきかということを示したものでございます。現在の精神科の入院医療には、医療的対象者あるいは介護的な対象者、福祉的対象者、さらに重度・慢性という形で議論されたり、もっと広い意味での保護的対象の方たちも、現在の入院医療では一緒に対応しております。しかし、それぞれの状況に応じて、支払われるべき財源は違ってくるであろう。医療的対象には、医療サービスとしての社会保険サービスが必要になってきますし、介護的対象者には介護保険サービス等が必要でしょうし、福祉的対象者には障害福祉サービスという形で対応していくべきであろう。
 そうなってきますと、今後の精神科の入院医療は、主としてこういう医療的対象者の方たちにしっかりと対応していくというのが、精神科医療の入院の部分での一番重要になるところであろうかと思います。その中には、急性期も回復期も、身体合併症あるいは重度の慢性の方たちも入ってくるのだろう。そこは、非常に短期の入院で密度の高い医療を提供するということが求められるのは当然でございます。
 4ページ目を見ていただきたいと思います。
 上は、今のイメージをもう少し全体的に文章として落とし込んでいる内容でございます。特に、医療的な対象者に対しては、どういう対応をすべきなのかというところと、そこで浮かび上がってくる問題点を示しております。
 4ページの下の部分を見ていただければ、医療的な対象者には高密度の医療を展開すべきである。そして、それは短期であり、リハビリ的な回復期の治療であり、あるいは亜急性期として重度の方のハイケア治療、さらには身体合併症、こういうものが必要とされてくるのが機能分化の中での大きな部分を占めるのだろうと思っております。
 ただ、その際に、こういうことを実現していくためには、いかに治療構造というものを変えていくのかということが問われてきます。当然ながら、病棟の構造あるいは人員配置、その際の治療のシステム、さまざまなことが出てきますが、いずれもそれぞれ財源というものが必要になってきます。そして、この財源にはどういうことが求められるのかということに関しましては、現在の入院医療費の総額を何らかの形に組みかえていくことも重要でしょうし、もっと多くの財源が医療の中に投入されることも必要になってくるだろうと思います。
 5ページの上のところに、そのあたりの財源の問題を少し全体的な形として示しております。これまで私たち日精協としまして、将来ビジョンの報告書、先ほど申し上げましたように出しました。これは、それぞれの医療機関が、あるいは行政も含め、関係の方たちも含めて、今後の精神保健医療福祉をどういう方向に持っていくのかということを示したロードマップであろうと考えております。しかし、今までは、その部分で財源の問題ということがどうしても避けて通られてきたと思っております。財源なくして改革はないということが私たちの一つの主張の柱になっております。これは、精神科の病院が変わっていく際にも、しっかりとした財源的な担保ということがなければ変わりようがございません。
 そういうことも勘案しながら、この検討会で指針づくりということをぜひ行っていっていただきたいということでございます。
 以上でございます。

○樋口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、今度は資料7をお開きいただきまして、佐藤構成員から「5疾病5事業時代の総合病院精神科の役割」というタイトルで御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○佐藤構成員
 日本総合病院精神医学会の佐藤でございます。よろしくお願いします。4疾病5事業が5疾病5事業ということで、精神疾患が医療計画の対象になったということで、こういうタイトルにさせていただきました。
 総合病院精神科の特徴は、一般医療と密に連携しているということが最大の特徴でありまして、これは精神科診療上もメリットがありますし、さらに一般医療と精神科医療の診療連携がとりやすいという利点もあるわけです。すなわち、総合病院精神科は、精神科医療と一般医療をつなぐ役割をしているということが言えると思います。
 次のページへ行きまして、救急搬送困難例ということが言われていまして、これは精神科救急と一般救急の乖離が問題になっています。これによって各都道府県で精神科救急を含む傷病者の搬送基準の見直しが行われましたけれども、医療提供体制、精神科医療と一般医療が乖離している状態では、これを直ちに解消するのは難しいのではないかと思います。
 その下の方、精神科救急医療体制に関する検討会が2011年に行われて、身体疾患を合併する精神疾患患者の受入体制確保に関しまして、縦列モデルと並列モデルを併用していくという方針になったようです。実際には、並列モデルが少ないので、こういうふうにするしかないと思いますけれども、現実的な問題としては、縦列モデルを充実させていくことはなかなか難しいのではないか。一般医療における精神医療体制、それから精神科医療における身体疾患診療体制を充実させることは難しいわけですね。並列モデルは、伊藤先生の方からも、弱体化しているということで、支援が必要ということを挙げていただきましたけれども、これを医療政策的に強化することによって可能ではないかと考えております。
 次に、救命救急センターに精神科病棟があると、この連携がうまくいくのですけれども、全国で救命救急センターが227ぐらいありまして、うち精神病棟ありは89ぐらい、ちょっと代わっているかもしれませんけれども、4割弱なのです。特に、東京以外の関東、中部、近畿、四国といったところで精神病棟保有率が低いのです。救命救急センターで精神病棟を有する病院が一つもない府県もございます。
 救命救急センターに精神科医がいなければ、下のように精神疾患を持った、おなかを切った患者さんが救急救命センターを受診した場合、とりあえず外科とか救急科で対応しましても、その翌日、不穏になってしまうと対応が困難になってしまって困ってしまうわけです。
 次のページへ行きまして、救命救急センターに常勤の精神科医がいれば、このあたりはかなり解消されるのですけれども、さらに精神科病棟があると、一般医療と精神科医療を切れ目なく提供できまして、傷の手当と同時に精神科治療も連続的に行えることになると思います。
 その下ですけれども、これは私たちの救命救急センターと精神科が密に連携しているのですけれども、自殺企図患者を5年間調べましたところ、身体的な治療が必要な人はICUとICU以外の救急病棟で入院が必要な人は入院する。さらに、専門的な精神科治療が必要な人は精神科病棟に移っていただくとすると、切れ目なく自殺企図者に対する身体的な医療と精神科的な医療を提供できるということになります。
 5ページ目の上の方、自殺企図者の精神科的な診断を見てみますと、入院しないで帰った人、あるいはICU外の救急病棟で1泊2日ぐらいで帰った人の診断を見ますと、F4、F6という軽い精神疾患の人が多い。それに対して、ICUに入院する人とか精神病棟に移る人は、F2、F3という本格的な、専門的な精神科治療が必要な人がこちらの方で対象となっているということで、治療的なスクリーニングがここで行えると考えています。
 その下ですけれども、一般病棟に対するリエゾン・コンサルテーションを見てみましても、全科からの依頼があるのですけれども、救急科からの依頼が増えているということが言えると思います。
 次、6ページ目の上ですけれども、実際に精神科医と一般科の医師がどのように診療しているかといいますと、例えば精神科病棟に身体合併症患者、統合失調症で大腿骨頸部骨折のような患者さんが入院すると、整形外科的な診療は整形外科医が行うわけですね。これは、精神病棟に入院しても同じですね。精神科医の方は、精神症状の管理とか全体的な身体状態の観察を行う。手術も、当然、外科医が手術室で行います。
 これが一般病棟に入院した場合は、大腿骨頸部骨折の診療を整形外科医がもちろん行いますけれども、不穏であれば、連日、精神科医が往診あるいは回診しまして、一体的に診療しているわけですね。ですから、総合病院内では、精神科医は院内の中央診療設備、放射線、検査、薬局等を駆使して、他科医師と一体になって診療に当たっているということが言えると思います。
 総合病院精神科の現状でございますけれども、徐々に総合病院精神科数は減少しているのです。要因としましては、低い医療経済基盤と言いましょうか、特に入院部門の収入が少ないということです。一般病院におきましては、不採算部門として切り捨てられる。一般病院も医療経営を強化しなくちゃいけない場面になりますと、不採算の精神科病棟は廃止されたりするところが結構多いのです。
 さらに、最近は医師の偏在化という問題が影響しておりまして、特に初期研修の自由化によりまして地方における医師不足が深刻になっております。そうしますと、地方における総合病院精神科が閉鎖されたり、休止になることが多いのです。精神科医療の中でも、医師数が少なくて忙し過ぎるということで、若い人がなかなか総合病院の精神科に来てくれない。この2つのことによって総合病院の精神科が減少している。
 現状の数字的なものを見てみますと、2012年に総合病院精神科の基礎調査を行いまして、これは今、集計中でありまして、速報値でございます。総合病院精神科を有する一般病院は約908です。一般病院全体が8,600ぐらいですから1割強でございますけれども、精神科を有する一般病院は908で、そのうち有床は255です。精神科病棟を持っている病院は255。精神科病床はないのですけれども、常勤の精神科医がいるところが300ぐらい。次が無床で非常勤です。精神科のニーズがあって精神科を標榜しているのですけれども、常勤医を確保できないために無床のところが250弱ある。有床255が1万6,390床となっていますが、このうち14病院の760床が医師が集まらない等によって休床中、精神病棟をオープンできないわけです。
 算定している入院科を、基礎調査から判明した179の有床総合病院精神科で見ますと、7対1、これはほとんど特定機能病院、大学病院ですけれども、これが3%ぐらいで、10対1が少し増えてきて13%。15対1よりは13対1が増えてきまして、これは平均在院日数80日以内です。さらに、その他のところは、精神科救急・合併症入院料とか精神科救急入院料が11%ぐらいある。上の7対1、10対1、その他というところが比較的高い点数をとっているところで、これが4分の1ぐらいになります。
 総合病院精神科の診療報酬を見てみますと、2008年度、救急・合併症入院料新設以前は、実質的には15対1しかとれなかった。その後、2010年に10対1の要件を緩和していただいた。それから、13対1の精神科病棟入院基本料を新設していただくことによって、少しずつ総合病院精神科の診療報酬は上がっていますけれども、依然として低い。精神科救急・合併症入院料の取得病院は、現在のところ9病院に増えております。5年弱でですね。
 総合病院の精神科救急入院料は、精神保健指定医が5名以上、比較的大規模な精神病棟を持っているところが多いのですけれども、これが12ぐらいあるのです。あわせて21ぐらいの総合病院が救急・合併症入院料あるいは精神科救急入院料を取得している。
 この精神科救急・合併症入院料を取得しますと、下の大阪府立急性期・総合医療センターの例ですけれども、これは救急科を経て入院したケースも含まれているわけですけれども、大阪府内で合併症を担当する比率がぐんと上がりまして、こういう高い点数をつけていただくと機能が強化できるという一つの例だと思います。
 他方、次のページの精神科救急・合併症入院料は、算定できないものが結構多くて、肝心の精神科病院からの身体合併症が、入院前3カ月以内に精神病棟に在籍したものは算定対象外という規定がございますので、これは算定できないという大きな問題があります。
 総合病院精神病棟の入院収入の現状は、5月分として直近のものをサンプル調査をしてみましたけれども、15対1、13対1では一般病棟の3割ぐらいです。10対1で4割ぐらいになりまして、救急・合併症入院料とか救急入院料を算定しましても5割弱ということで、一般病棟に比べて低い入院収入です。
 次の10ページ目の上の方は、私どもの病院の他の診療科との比較ですけれども、2008年8月、救急・合併症入院料を算定する前と比較しまして、他の科も伸びているのですけれども、救急・合併症入院料を取っても他科との差は開く一方で、3万円以下というところはほとんどないのです。
 総合病院精神科病棟の診療報酬はいかにあるべきかということを考えますと、基本的には、総合病院においては、精神科であろうと、内科であろうと、外科であろうと、検査、薬局、栄養課、事務等を共同利用していますね。診療はその科だけで行うわけではありませんので、少なくともホスピタルフィー、入院基本料に関しては同じであるべきではないかという主張です。
 一般病棟入院基本料と精神病棟入院基本料というものが分かれていて、総合病院でも精神病棟入院基本料を算定せざるを得ないのですけれども、これが分かれていること自体が本当は不合理じゃないか。
 日本総合病院精神医学会の平成26年に向けた診療報酬改定の要望は1から6のようになっていますけれども、そこで6のDPC調整係数に精神科医療にかかわる貢献度を加えていただきたいということがあります。これは、一般病院のほうが精神科医療を抱えていますと、不採算ということで切り捨てられる傾向があるのです。精神科医療に精神病棟を持っているとか、精神科救急をやっているという一般病院は、調整係数を少し加えていただけると、一般病院の方の精神科医療をちゃんと保持しようというモチベーションが上がるのではないか。6を特に要望したいと思います。
 それから、精神科病棟入院料に関する要望は、精神病棟を一般病棟入院基本料に合算可能にしていただきたいということ。これは究極の要望でございまして、なかなか難しいと思うのですけれども、これが認められるまではずっと声高に要求し続けたいというのが最大のものです。
 次に、12ページに行きましても、一般病棟入院基本料と精神病棟入院基本料の点数の差がございます。例えば、10対1、13対1、15対1というところで、一般病棟入院基本料と精神病棟入院基本料の点数の差があるわけですね。ということによって、先ほどのような3分の1とか2分の1という格差がついている。精神病棟を合算しても一般病棟入院基本料の平均在院日数の要件はクリアできるのですね。例えば、血液内科とか整形外科というのは7対1の要件、18日以内を超えてしまっているのですね。でも、一般病棟全体で合算しますと、18日以内におさまるのです。精神科が少し長くても、私どものところは合併症だけではなくて、なるべく直接地域に帰そうということで、治療抵抗性の統合失調症等も担当しておりまして、若干長くなっておりますけれども、これを加えても18日以内におさまるということです。
 新しい総合病院精神科の動きがありまして、本年度中に新潟市民病院に精神科病棟ができる。それから、2016年に新県立奈良病院に精神科病棟が新設される。これはホームページに明らかに書いてあります。このように、地域においては総合病院精神科設置のニーズが高いと思います。
 総合病院精神科が充実しますと、一般救急と精神科救急の乖離が解消されます。一般医療と精神科医療が融合して医療連携が円滑になりまして、一般医療・精神医療と分けるのではなくて、切れ目のない医療を国民に提供できるようになる。さらに、精神科医療の専門性が高まって、質の高い精神科医療が提供できるようになって、国民の精神科医療に対する信頼性が増してくるのではないかと考えております。
 最後、総合病院精神科病棟がありますと、地域医療連携が非常に円滑になるというモデル的なものです。
 以上でございます。

○樋口座長
 ありがとうございました。
 それでは、最後になりますが、田川構成員の方から、資料8に基づきまして、「これからの地域精神科医療の充実に向けて」というタイトルで御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○田川構成員
 日本精神神経科診療所協会の理事をしております田川です。
 スライドの1ページですけれども、精神科診療所というのはどんなところかというのが、今まで発言する場が余りなかったように思いましたので、こういうものをつくりました。まず、転勤できないというのがあるわけです。だから、10年いたら10年間、そこで診療しなきゃいけない。20年いたら20年間診療しなきゃいけないというのがあります。次に、生活にとても近い位置で診療していますので、どうしても生活を見ざるを得ないということです。
 それから、マンパワーが弱い。零細企業ですから、とても弱い。
 それから、多種多彩である。得意、不得意があります。下にちょっと書きましたけれども、私は統合失調症の方を地域で診たいと思ってやり始めて、依存症とかはよくわからないわけです。依存症でやっておられる先生もおられますし、児童でやっておられる先生も多種多彩です。
 それから、地域差が大きいですね。大阪など、200以上、精神科診療所がありますけれども、数カ所しか精神科の診療所がない県もある。
 日精診の基礎調査でみると、20年以上前から診療所をやっているところが約3分の1です。それから、65歳以上の医者が4分の1。他だったら定年退職になっているのですけれども、4分の1おられます。約2割に精神科デイ・ケアがあって、約3割に精神保健福祉士がおります。先ほど言った得意分野がさまざまにあるわけです。こういう得意分野を中心に、日精診ではいろいろな委員会活動が活発に行われています。
 先ほど言った地域差もありまして、大阪などは精神科診療所が200以上ありますから、得意、不得意を踏まえた形で外来精神科医療の医療計画を立てさせていただきました。ある地域でどのぐらいのところが統合失調症の人を診るのか、うつ病の人を診るのか、依存症を診るのかというのを地域に割り当てて、その地域はどのぐらいキャパがあるのかというのを出した形です。
 先ほど言いましたように、私は統合失調症圏の方を診たいと思って診療所をやっています。今、62歳で33年間精神科診療所をやっておりまして、医者が1人、精神保健福祉士4名です。現在、実数で800名ぐらいの通院者がおられ、3分の1弱が統合失調症圏の方です。この前、学会のシンポに呼んでいただいた時に調べたのですが、20年以上通院している人が約2割、そのうち統合失調症圏の方が57名おられます。こういう感じでやっております。長く地域で身近に生活を感じながら、いろいろな機関と連携してということです。精神障害者の就労支援に首を突っ込んで、どちらかといえばそちらで発言させていただくことが多いのですけれども、こういう背景の中で就労支援を始めたところがあります。
 2ページ目に移っていただきまして、この間の精神保健・福祉・医療についてということです。入院から地域へというのは、私が診療所を始める前からずっと言われ続けてきたことで、誰も否定されないことなのだろうと思いますけれども、今のいろいろな動きというのは、長期入院者がいかに退院して地域移行するかというところにばかり目が向いているのではないかという感想を持っております。精神障害者、全国で320万人おられるということですけれども、その9割以上が病院ではなくて地域に今、暮らしておられるわけです。
 我々診療所というのは、長い入院の後、退院して、地域で暮らす精神障害者の受け皿になるというのは言うまでもありませんが、それよりも、どちらかというと、今、入院したくない精神障害者の方をいかに入院させずに地域で診ていくかというのが、我々が一番力を入れていることです。これにアウトリーチも含まれるのですけれども、それだけではない。いろいろな形で工夫していますけれども、こういうところが余り評価していただけていないのかなと思っています。
 次、改正精神保健福祉法についてですけれども、これはいろいろなところで意見表明されていると思います。やはり保護者の義務が外れたのはとても喜ばしいのですけれども、地域社会でその代わりに支えるという体制が弱いのではないかと思っています。あと、強制入院はやはり強制ですから、もうちょっと公的な担保がしっかりいかないとだめなのじゃないか。また、これからどうなっていくのかという方向性が見えない。そのあたりを若干危惧しております。
 これは御提案と言うと変ですけれども、退院後生活環境相談員が病院に入ったのはとてもいいと思いますし、地域の支援者を入れた協議というのはとてもいいことだと、大変評価しております。ただ、この中に、その方を外来で診ていた外来医療機関の医者あるいはスタッフも加えていただけないか。よくあるのは、特に、私、統合失調症の方をたくさん診ていることもあるのかもわからないですけれども、入院された病院の先生から、この方の良い状態はどんな状態ですかというのをわざわざ聞かれることがあるのです。
 幻聴がばんばんあって、妄想がばんばんあっても、地域でひとり暮らしをされている方は大勢おられます。そういう方がどういうふうになられたら地域に戻れるのかというのを具体的に伝えていけるのは、地域の支援者ももちろんそうですけれども、地域の医療機関、その方を診ていた医療機関がいろいろな情報をお伝えすることもできるだろうし、そうすることで、病院の先生方としても治療の目標みたいなものがもう少し明確になるのではないか。そこから早期退院につながるのではないかと思っています。
 退院の期間が来たときに協議する場を持つということですけれども、もっと早い時期に持っても、先の見通しが立てられるという意味ではいいのではないかとも思っております。あるいは、退院する時点で、その方が通院するであろう医療機関の者も入れて、しっかりした協議をしていくというのもとても大事ではないかと思います。
 次、地域精神科医療です。地域精神科診療所には、連携は必須です。先ほど言いましたように、マンパワーはとても弱いですから、いろいろなことをやろうと思ったら連携せざるを得ない。平成23年の患者調査では、診療所は精神科外来の29%、統合失調症圏の26%、認知症の64%の外来医療を担っているということが出ています。とてもマンパワーが弱いので、自院だけでできることは本当に限られてしまいますから、そこに連携が必要になってきます。
 ただ、連携というのは、単に顔を会わせて話をすればいいとか、文書を交わせばいいというだけじゃないと、地域で統合失調症の方を診ていて思います。連携というのは、重なり合いながらつながらなきゃいけない。そうでないと、その人を本当にしっかり支えるような連携はできない。診療所は医者が診察に張りつくことになりますから、精神保健福祉士を中心としたコメディカルのスタッフが重なっていく部分を担っていく。就労支援を先ほどやっていると言いましたけれども、就労支援でも診療所のコメディカルスタッフ、医療機関のコメディカルスタッフに本当に協力していただかないと、仕事を続けられないというのは明らかなことです。
 ですから、コメディカルスタッフというのはとても重要なのですけれども、これに対する評価がとても低いと思っております。ぜひ今後、地域でそういう方を支えていく上でも、こういうコメディカルスタッフは大切なので、しっかり評価をしていただければと思います。
 その次に、救急の問題での24時間対応です。この前、アンケート調査をしたのですが、34%の方が24時間対応をしていると答えています。半分の方が時間外対応は非常に難しいと。ただ、やりたい気はあるのだけれども、そういうシステムがないからなかなかできていないのだという結果も出ています。多分、いわゆる情報センターがうまく機能すれば、時間外対応が難しいと答える方はもっと少なくなるだろうと私個人は思っております。
 その次に、救急への出務ですが、28%の方が出務していると答えていますが、出務のシステムがないということで、19%の方が出務しておられない。これはとてももったいないことだと思いますので、精神科診療所の医者も救急に出務できるようなシステムをぜひ考えていただければ、半分ぐらいの医者は救急に出務することができるだろう。
 措置鑑定についても同じです。28%は出ているのですけれども、20%はそういうシステムがない。措置鑑定、言われれば行くつもりはあるのだけれども、そういう形になっていないということで、しておられないので、システムをぜひ作っていただきたいと思います。
 その次、自死にかかわる諸問題ということで、これはいわゆる富士モデルのデータなのですけれども、睡眠障害が2週間ぐらい続いておられる方に対してキャンペーンをして、そういう方が受診される。精神科病院は、かなり重度の方でも受診するのは躊躇されるようで、診療所の方に来られるのですけれども、その中で重度の方、最重度の方75名を診ると、72%に希死念慮がかなりあった。かなりインテンシブに、週に1回以上、2回とか3回とかもありますけれども、そういうふうに治療していったら、最後、6ページになりますけれども、9割以上の方が改善されて希死念慮が抜けていくということもあって、こういう場面でも精神科診療所はお役に立っていけるのではないかと思います。
 初めにプロフィールを出しましたけれども、精神科診療所は非常にマンパワーの弱い限界もありますけれども、とてもおもしろいところもある。大切に使っていただければなと思っております。
 以上です。

○樋口座長
 ありがとうございました。以上で今日のヒアリングの方々からのお話をいただきました。
 これからの40分から50分弱でございましょうが、御質疑をお願いするわけでございます。これから9月にかけての前段、中間まとめまでの議論ということで、テーマをもちろん全体としてはその都度、いろいろ前後した議論をしつつ、御質問等々を行っていただいて結構でございますが、本日の場合は、特に精神病床の機能分化というところを中心として、御質疑いただければありがたいということでございますし、しかし、その他のことも含めて、時間の許す限り御議論いただきたいと思います。
 それでは、どなたからでも結構でございます。御質問、御質疑、どうぞ。

○岩上構成員
 岩上でございます。皆さんにプレゼンテーションしていただいて、大変参考になりました。
 その質疑の前に、事務局の方にちょっと確認させていただきたいと思うのです。そうしませんと、この議論がどういう方向に行くかという前提条件が逸れるといけないと思いますので。まず、前提として、機能分化と質の向上の検討会の取りまとめがベースになっているということでよろしいのかと思うのですけれども、加えて、開催要綱を見ていただいて、検討事項が(1)(2)とございまして、(2)のその他の精神保健医療福祉に関する事項ということについて、どのような想定をされているのかということを確認させていただきたいと思います。
 さらにもう一つ、この(1)の課題と、今回の法改正で第33条の4以降になりますでしょうか。退院後生活環境相談員、あるいは精神科医療機関が地域への退院を促進するための体制整備をするといった項目が規定されているわけですけれども、それがこの指針と連動するのか、それともその他の事項ので幾分か議論していく方向性なのかということを確認させていただきたいと思います。

○樋口座長
 事務局の方からお願いいたします。

○江副課長補佐
 ありがとうございます。
 まず、1点目ですけれども、確かに開催要綱を御覧いただきますと、検討事項(1)がまさに指針の内容ということで、(2)にその他とございます。こちらの検討会としては、基本的にはこの指針(1)の方を中心に、少なくとも9月中までに議論していただければと思っておりますが、その後(2)のその他の事項ということで、特に法改正の中で、省令以下で具体的なことを定めるとされているような事項について、必要に応じて検討いただければと考えております。
 そこで、2点目の御質問ともかかわってくるのですが、例えば退院後生活環境相談員の具体的な内容とか、退院促進に向けた幾つかの義務規定というのが今回盛り込まれておりますので、その具体的な規定については、この検討事項の整理としましては、(2)のその他の方で検討いただければと考えております。

○岩上構成員
 ありがとうございました。

○樋口座長
 それでは、御質問、いかがでしょうか。どうぞ。

○広田構成員
 御質問ではなくて、伊藤構成員が私の名前を出されたので、まずは訂正です。私が厚生労働省の委員になったのは2001年12月19日。ほとんどの新聞が人欄に取り上げ、NHKの首都圏ニュースになりました。「それまでに厚生労働省は、精神障害者本人をずっと入れたいと思ってきた。けれど、誰を入れても業界の関係者が潰してしまうから、入れない方がいいと言ってきた」と去年亡くなった谷中輝男さんから伺いました。これは事実です。
 ここに出てくる検討会の福田課長の時代でしたけれど、いわゆるPSMや関係者が厚生労働省に行って、「なぜ広田さんを入れているのだ」ということを言ったそうです。これは、関係者から、「何でそこまで言っているのに入れているのだ」という話を伺っています。厚生労働省からは聞いていません。そうすると、今度は「誰が広田さんに言ったのだ」という犯人探しをしている。そういう世界です。その中で、私の後に当事者が何人か入っていますけれども、1人は入水自殺しています。1人は潰れています。そういう実態です。
 そして、マスコミは何と言うかというと、精神の業界に非常に入り込み過ぎていると思われる記者が二、三人いらっしゃいますけれど、それ以外の一般の記者は、例えば神奈川県内に精神科救急とかの取材に行きますと、ほとんどの医者も含めた関係者が「広田和子さんを御存じですか」と言うそうです。「有名な広田和子さんでしょうか。」と記者が家へ来ます。最初は取材に来ますが、「精神の業界は人間関係がつながり過ぎていて、もたれ合いで、取材にならない、記事にならない」と音を上げます。これが「連携ネットワーク」の実態ですよ。
 だから、それをやめない限り、当事者は入れないし、横浜市に至っては1990年代、「広田委員の発言を聞いていると、中の職員が触発されて、すぐにも精神科救急をやりたいと思ってしまうから、横浜市は時間をかけてやりたいので困る」と言って、私を委員から外して、他の委員を入れた。けれど、「その人があまりにもひどいから一緒に飲みたい」という電話がかかってきたのです。私は「ふざけるな。入れた人にも失礼だし、私にも失礼」と言いました。これが業界と地方自治体の実態です。
 厚生労働省は、この間立派ですよ。私は福田課長の時代にプライベートのことで胃潰瘍になった。たまたま東日本大震災の日に私はそばにいて厚生労働省に泊まったのですけれど、そのとき泊まった、今、愛知県にいる技官から、「広田さん、実は去年、課長と何々補佐が本当に広田さんのことを心配していましたよ」と言われて、初めて心配されていたことを知った。見守ってくれていたのですね。こういう見守りが関係者、地方自治体にない限り、当事者は潰されてしまう。
 私はたまたまそのとき潰れなかったのは、高校時代からこういうことを監査している業務監査委員をやっていたし、営業事務が長いから、20代の頃から会社の課長に、「広田さんはああ言えばこう言う人で、口がかたい」と言われていましたから、なんとか潰れないでやってこれているけれど、誰が入っても、そういう状態では潰されてしまうというのが1点です。
 あとは、お金のかかる話を河崎先生がして、山崎先生の兄弟だなと思って聞いていましたけれど、日本精神科病院協会も改革しないといけない。社会的入院を退院させなきゃいけない。そのためには、病棟転換と伊藤さんは言い出したけれど、国を挙げて住宅施策を。村木さんも次官になったことだし、それから山崎史郎さんもまだ内閣府にいるでしょうから、国土交通省、内閣府、厚生労働省、挙げて社会的入院のために。特に、日本は住宅施策が一般も貧困です。今度、皆さん、来ていただければわかりますけれど、私の家は、いろいろな方の支援のもとに、いろいろな社会制度を使いながら素敵な家に暮らし、活動もして、私が昔の私にリカバリーできて、こういう形で出席しています。
 やたら訪問看護とか言いますけれど、足の骨折を機に私はホームヘルパー制度に10年間支えられて国の委員を担えた。でも、そういう私を近所の人は知らないから、「人さまのお世話をしている人間が何でホームヘルパーなんか使っているの。みんなが言っているわよ」と怒鳴り込んでくるのも民意です。前の家でしたが。私はぜひホームヘルパー制度があった方がいいと思います。
 それから、国家レベルの検討会など要らないのです。当事者の参画で結構ですということと、一番下に代理人などの立場の関与を含めとありますけれど、これも要らない。さっき田川先生のところに拍手しました。保護者規定が外れたことで、これまで本人を入れないで、関係者が潰していた。良田さんみたいなお母さんはいいですよ。ところが、うちの母みたいに史上最悪な母だとうちの弟が言います。最大の被害者は私だとも言いますけれど、そういうところにいると保護者が対峙しているのです。味方ではなくて敵対ですよ。
 それと、関係者もそうですよ。ここに不動産屋さんはなぜいないのと思うぐらい業界のハローワークみたいな状態で、家族や福祉関係者が決して代弁者とは言えない。そういう人は代弁者ではない。私は、福祉関係者に最初の精神医療の被害を受けた医者がつけた妄想やそう状態ということのラベリングが、本人を経由しないで、保健所から作業所に流れてどれだけ迷惑したか。精神医療での被害だけでなく、作業所で被害を受け、病院のPSWの転勤で精神保健福祉センターで迷惑を受け、この業界内ですごい被害を受けている。
 それを一番わかったのは誰か。取材に来た記者たちです。警察官です。私が精神障害者ですと名乗っても、「奥さん、普通の人じゃないですか」。これがおまわりさんです。この業界は、ひとたび統合失調症とかそううつ病とか、病名がついたら医者の判定をみんながあてにしちゃって、もたれ合っている。それを記者が「おかしい」と言っている。それが変わらない限り、きちんとした本人の情報は伝わらない。
 それから、ここできちんとやり合いましょうということです。ここでやらないで、私が入った検討会の人が夜中に1時間ぐらい電話をかけてきて、何の話かわからない。「俺が出られないときだけ厚生労働省は検討会を開いている」と。わけわからないで切ったら、翌日、その人たちが他で記者会見をやっていることを記者から聞いたり、「私たちの言っているのと全然違うことをやっていて、もう取材にも行きたくない。うんざりですよ」と電話がかかってくる。または、ジャーナリストと名乗る女性が、老健局が主催した認知症のところへ行って、日本精神科病院協会の山崎先生の写真だか絵を出して、この人が認知症の患者を鍵と鉄格子の保護室に入れたがっているということを、記者たちから聞いたのです。そういう陰でやらないで、表で公明正大にやってゆきたい。
 日精協と日医が敵だと思って、私は2001年ここに入ったのです。そうしたら、敵ながらあっぱれだったわけです。ぜひ前段として、皆さん、ここでやり合って、陰で広田さんはとか、陰で河崎先生はとか、陰で樋口先生もおりようと思ったけれど、ぼけていたわね、そんなこと言わないで、一生懸命やるそうですから。
 以上です。

○樋口座長
 他に御意見はいかがでしょうか。あるいは御質問。どうぞ。

○近森構成員
 近森です。私のところは、社会医療法人近森会グループの中に第二分院という精神科専門病院がございますけれども、私は精神科医ではございません。そういう意味で、かなり昔から地域医療連携とかチーム医療について、ずっと経験してまいりましたので、外から見たこの委員会の意見をちょっと述べさせていただきます。
 今までの資料を見てみますと、機能分化という面を非常に強調されておりますが、機能分化をすればするほど、地域医療連携が大事になります。そして、チーム医療が必要になります。というのは、急性期医療に特化すれば非常に業務量が増えます。そうすると、先生方とか看護師さんという医療資源は有限ですので、機能を絞り込めば絞り込むほど、何かを捨てなければなりません。
 急性期の医療に特化して、本当にいい医療をしようと思えば、外来の落ち着いた患者さんは診療所にお願いするとか、落ち着いた入院患者さんで、もう少し療養が必要な場合は療養型の精神科の病院にお願いする。介護が必要であれば介護施設、福祉が必要だったら福祉の方にお願いして、医療連携だけでなく、地域連携を進めていかないと、もうやっていけません。
 次に、チーム医療が何で必要かというと、お医者さんが、また看護師さんが全ての業務をやると、業務量が増えてくるとやれなくなります。だから、どうしても他の職種に権限を移譲して業務を標準化して、そしてルーチン業務にして、他の職種に業務をお願いしないとやっていけません。そうすると、精神科の先生は精神科の先生しかできないことができるようになるし、精神科の看護師さんも看護師さんしかできないことができるようになってきます。そういう意味で、機能分化ということは、地域医療連携や地域の介護・福祉との連携、そして、チーム医療というものがなければ成り立たないのですね。
 そういう意味で、今日、伊藤構成員のお話を聞いて非常に勇気づけられたというか、地域医療連携とかチーム医療について取り上げてくださっています。私は、この委員会の大きな流れとして、機能分化から地域医療連携、そしてチーム医療というものを方針にして、そして検討していくのが一番実践的で、アウトカムの出る指針が出せるのではないかなと思います。

○樋口座長
 ありがとうございました。
 他に御意見いただきましょうか。どうぞ、長野構成員。

○長野構成員
 長野でございます。
 先ほどの機能分化、地域連携の話なのですけれども、機能分化から地域連携というのはまさにそのとおりだと思うのです。機能分化すればするほど連携が要って、どんどん急性期、亜急性期としていくのが効率的だし、アウトカムの出るのは重々承知の上です。ただ、我々のような地方というのはあちこちにあると思いますけれども、包括的に急性期から地域支援までやらなきゃいけない現状の地方というのは無数にありますし、現実的に私たちの地域でいくと、ほぼ私1人が駆けずり回っているような状況です。
 急性期の入院医療もやらなきゃいけないし、就労支援のサポートまでやらなければいけないというところで、機能分化から地域連携にばかりフィーがついていくと、結果的にそこはどんどん沈んでいきますので、その両面は必ず両輪でやっていただかないと、地方の一般医療でも起きていますけれども、地方の精神科医療は必ず崩壊してしまう。そこは、かなり配慮が要るのだろうなと思います。機能分化が本当に進んでいくと、パーツが地方だと全部そろいませんので、そこはかなり配慮しておかないと、一気に崩壊することがあるのではないかと思って心配をしています。
 以上です。

○樋口座長
 他にはいかがですか。どうぞ、良田構成員。

○良田構成員
 良田でございます。一言言っておかなきゃという感じがあって、手を挙げたのですけれども、指針に関して4つの項目について、今後いろいろ議論していくことに全くあれはないのですけれども、私もそれに沿って考えていきたいと思っていますが、家族会といたしましては、この法改正に関して、医療保護入院の場合に家族の同意ということが残ったことに対して、それをよしとすることに苦渋の判断をいたしました。大変重い思いを持っています。
 それを見直していくということも私たちにとっては大きな課題なのですけれども、これはその他の精神保健医療福祉に関する事項になるのか、それとも医療保護入院というのは大きな項目ですので、別個にそういった権利擁護も含めた、検討会なり討議をする場を設ける予定があるのか、それとも12月までのまとめの中にそれも一遍入れるのか、そこを事務局の方に確認させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○樋口座長
 では、事務局の方からいただけますか、今後の。

○江副課長補佐
 ありがとうございます。こちらの資料2の2ページの上、法律の概要について御確認いただければと思います。
 先ほどの説明はかなり要約してしまいましたけれども、今回の法改正の概要として4点あると申し上げましたけれども、今回の検討会の主なテーマとしては、(1)精神障害者の医療の提供を確保するための指針の策定ということなのですが、確かに良田構成員がおっしゃるように、(2)の保護者制度の廃止とか(3)の(マル1)の医療保護入院における保護者の同意要件を外し、家族等のうちのいずれかの者の同意を要件するということが入院手続の変更として入ったということは、改正の内容としては非常に大きなポイントになります。
 この検討会としては、この概要の1番の指針の策定ということをメインに据えて考えておりますが、またこの検討会そのもので特別取り扱うことかどうかというのは、今後整理が必要かもしれませんが、いずれにしても、(3)の(マル1)の家族等のうちのいずれかの者の同意要件ということの考え方については、いろいろな御指摘もいただいています。法の施行が来年4月1日ということになりますので、それまでに考え方として、省令以下、通知等でちゃんと御相談しながらお示ししていこうと考えております。
 さらに、関連して、「3.検討規定」の中に、まさに施行後3年を目途として、施行の状況並びに精神保健及び精神障害者の福祉を取り巻く環境の変化を勘案し、いろいろな課題があると先ほど申し上げましたけれども、具体的には「医療保護入院における移送及び入院の手続の在り方」という文言があります。
 まさに、この医療保護入院における入院の手続の在り方ということについて検討を加えて、必要があると認めるときは、結果に基づいて所要の措置を講ずるということになっておりますので、こちらの医療保護入院の入院手続のあり方、さらに具体的に言うと、今回の家族等のいずれかの者の同意要件については、ちゃんと検討するということになっておりますので、今回の運用面の考え方の整理については、施行までにまずちゃんとお示ししつつ、この検討規定に沿って課題そのものについてちゃんと検討していくということになっております。

○樋口座長
 それをこの検討会でやるかどうかということは、まだ決まっていないということでしょうか。それとも。

○江副課長補佐
 長期的な検討の方は、この検討会とはまた別の形で検討させていただければと考えています。

○樋口座長
 よろしいでしょうか。
 他にはいかがでしょうか。どうぞ、中島構成員。

○中島構成員
 中島でございます。今日の検討会は、大きく見れば、日本の精神科医療をどうよくすべきか、どうやればよくできるかということを議論する。その中で、今回の法改正における保護者の廃止というものをどう捉えて、何をみんなに伝えたらいいかということを議論しなきゃいけないのだろうと思います。
 今日のヒアリングをそういう気持ちで聞いていたのですけれども、資料3の最初のページにある精神病床数(諸外国との比較)、平均在院日数推移の国際比較というものを見たら、日本は平均在院日数がどんどん下がってきていますけれども、まだまだ圧倒的に高いのですよね。病床数も圧倒的に多い。これをちゃんと欧米並みにまずするという大方針を明確に厚労省は打ち出してもらいたい。その大方針の中に今回の保護者制度の廃止はあります、ということを言わないと、ただ入院しやすくしただけじゃないかという批判が出てくるわけです。そこのところが1つ問題なのではないかなと思いますので、それを念頭に置いて、今後、話をさせていただきたいと思います。
 それから、各ヒアリングで話された先生方、皆さんすばらしいお話だった。伊藤先生のお話では、若干の注文と一言意見だけ言わせていただきます。伊藤先生の11ページの下、現実的な可能性ということの中に、もちろん全体として見ればちゃんとわかるのですけれども、点と線から面にどう作っていくかという視点。特に、これだけの小さい絵ですから書き込めなかったと思うのですけれども、診療所協会等は、統合失調症と、その周辺疾患にかかわり過ぎて、例えば現在どんどん増えている発達障害等についての考え方というものが明確に打ち出されていない。そのことについての方針というものが明確に出されないと困るのではないか。つまり、児童・思春期デイ・ケアとか専門プログラムという面を念頭に置いていただきたい。
 つまり、診療所というものを念頭に置かなければ、これはうまくいかないのではないかと私は思っております。今の厚労省の方針というのは、あくまで病院、そしてその病院の外来ということでしか、まだ見ることができていません。やはりちゃんとした診療所として全国に展開していかないと、これは実施できないのではないかなと思います。
 それから、今日、伊藤先生がおっしゃった一番大切なことは、13ページの上のスライドですね。変革を推進するための必須要素、これですね。病棟転換型居住系施設に関するこれまでの取り組み。つまり、日精協、民間の病院がちゃんと参画できるような形を提案していかないと、日本の精神科医療は変わりません。そのことをこれはきちんと言ってくださっていると私は思いました。ですから、例として、数年の時限的政策、3〜5年を置いてでも病院内の施設転換というものを認めていくという大胆な政策を、厚生労働省としては打ち出してもらいたいと私は思っております。
 きっと、このことで家族会や当事者の団体から激しいバッシングを受けることと思いますけれども、そんなことに負けないで頑張ってもらいたいと思います。本当は、そこまででいいのですけれども、河崎先生のこれ、身を切る主張があったらもっとよかったと思いますね。切り方がちょっと足らない感じがいたしましたので、ぜひそこをよろしくお願いしたいと思います。

○樋口座長
 どうぞ。

○河崎構成員
 中島先生、御指摘、ありがとうございます。骨までは切らないけれども、身は十分に切るつもりで、その前提でこれまでも議論してきていますし、そのあたりは御理解をしていただきたいと思います。こういう形にするためには、自らが変わらなければいけないという大前提で今回のビジョンを出していますし、その辺もよろしく御理解していただけたら。

○中島構成員
 いえ、十分わかっておりますので、実行あるのみですね。よろしくお願いします。

○樋口座長
 それでは、他にいかがでしょうか。どうぞ。

○三上構成員
 この検討会のミッションは、題に書いてあるように精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針を定めるということで、どちらかというと医療計画に沿った、資するような結論を出していこうということだろうと思います。
 現在、医政局の方では、こちらの病床機能の報告制度ということで、機能分化に関する検討会がなされておりまして、同じようなタイムスケジュールで検討がされているのですが、そちらの方では精神科病床は検討しておりませんので、基本的には医政局の一般病床に関する機能分化の検討会と、こちらの方の精神科病床の機能分化に関する検討というのをあわせて医療計画をつくり、それを地域医療ビジョンに反映していくのだろうと思うのですが、機能分化の機能ということは、1つは料金による分類、急性期なのか、回復期なのか、慢性期なのかということと、あるいは重症であるのか軽症であるのか、高度の医療ができるのかという問題もあります。
 もう一つは、河崎先生もおっしゃっていますけれども、多彩な精神疾患があります。これは、統合失調症モデルであるのか、うつ病なのか、認知症のモデルなのかということがありますので、切り口をどのようにするのかということを定めていただきたいですし、特に認知症につきましては担当が老健局の方に移管されておりますので、老健局の方にも参加していただきたいと思いますので、整理して議論しないと、何となく統合失調症のイメージでずっと話される方と、そうでない方がいらっしゃると混乱すると思います。よろしくお願いいたします。

○樋口座長
 他にいかがでしょうか。どうぞ、簡潔にお願いいたします。

○広田構成員
 さっきのは、意見です。それから、河崎先生のことに対して、中島構成員がカウンターパンチをやって、よかったと思います。ただ、安直に病棟転換と言ってはだめなのよ。そこがまた残るし、ちゃんと住宅施策を。
 それから、田川先生のは24時間参画とか、立派ですよ。でも、申し訳ないけれど、日精診に参加しているクリニックとか診療所が全体からすると少ないですから、実際に全国的に伺ったところ、「初診の患者よりも、病院の患者よりも、圧倒的にクリニックの患者が精神科救急を利用している」という現実があります。そういうところもお書きになったほうがいいと思います。
 それと、システムに参画になっていない19%というのは、ぜひ参画して精神科救急を担って、精神科病院の医者の脱病院化ではなくて、患者の脱病院化を。中島構成員が病床削減の話をしましたけど、この検討会で出したいですね。マスコミの話をした先程の話、あれは神奈川県だけではなくて、全国のマスコミがみんな言っていますから。つまり、「誰が患者で、誰が医者で、誰が関係者で、誰が家族とわからない」、「広田和子さんみたいに明るくて明確な人はいない」と言われています。業界の精神医療から国民の精神科医療にぜひしていただきたい。
 それと、どんどん患者を呼び込む早期発見・早期治療じゃない。いじくり回して患者が昔から見れば3倍に増えていますから、そういうことをやめてもらって、来た患者がきちんと治って、入院してよかったということになれば。入院制度だけにこだわって、中身が悪くて制度ばかりいじくってもしようがないと思うのです。ただ、保護者規定が外れたことは本当によかったと思います。
 それで、この検討会で結論を出したい。この間、国と地方自治体の不作為だということを社保審でも言っていますけれど、きちんと社会的入院を出して、病床を削減して、診療報酬を上げてマンパワーをつける。いわゆるあたりまえの精神科医療にしていただきたい。厚生労働省さんだって、うつの人がたくさんいるわけですよ。今日、野沢さんがいないから非常に残念ですけれど、マスコミの教師、警察官、公務員へのバッシング報道で、世の中が窒息しそうな勢いで、みんなが密告者になっちゃって、みんなはらはらどきどき暮らしている。
 もっと大らかな日本に帰って、子どものことをこんなところに載せているのではなくて、子どもは地域で遊び場があればいいのですよ。うちの前の路地裏をお子さま天国幸せ通りとつけたら、近所の人が怒鳴り込んできます。子どもが伸びやかにみんなが遊べば、うつ病にもならない。地域でもここでも大らかにやりたい。さっき私がみんなにカウンターパンチを送っちゃったから言いづらいかもしれませんけれど、もっと活発にここでやり合って、陰でやらない。いつの間にか精神の業界がみんな広田和子さんになったんじゃないと思えるくらい、この場でやり合いたい。
 私が25年前に行っていた作業所の若手職員が「アメリカに行ったら、アメリカの精神障害者はみんな広田和子さんでした」と言っていました。それまで広田和子さんはうるさいと思っていた人がです。ここは日本です。イタリアだ、アメリカだ、スウェーデンだ、デンマークじゃなくて、アジアの中の先進国の日本と言われる国民の精神科医療にしていただきたいということです。
 以上です。やりましょう。もうそろそろやらないとね。

○樋口座長
 ありがとうございました。
 どうぞ、千葉構成員。

○千葉構成員
 本当は、法改正のときにもっとドラスチックな法改正を期待していて、精神保健の部分あるいはメンタルヘルスの部分といった問題といいますか、そういう大きなものの改正をぜひお願いしたかったなと思っていたところですが、実にマイナーチェンジに終わってしまっています。時間的にもなかったとか、いろいろなものがあるかと思うのですけれどもね。
 主に精神科の医療を精神科の現場だけで、先ほど広田さんが精神科の業界と言いましたけれども、その中の問題だけでとどめた指針であっては、もちろんそれも必要ですけれども、もっと幅広く一般医療の中の精神科としての関わりとか。特に救急の部分は、佐藤先生とか、おっしゃっていただいたように、とても大変な部分だと思うのですね。私、救急医療の体制整備の検討会等にも出て精神科医療のお話をして、精神科救急の話をするのですが、大変四面楚歌の状態にありまして、後で佐藤先生と御相談させていただきたいのですが。
 面倒くさいのは何でも全部精神科に持っていけみたいな、ごみ箱のように押しつけられている状態にあって、一方で精神科は何もしてくれないじゃないかという怨嗟の声をさんざん食らっているところですが、実はそうではなくて、一般科の診療をされている先生方に、精神科のことももう少しよくわかっていただいて対応しなきゃいけないというところが、丸っきり欠けているのですね。そういったことも考えると、そういったところとの関係性や、啓発・啓蒙といったところも広くしなきゃならない。
 もっと広く言えば、精神保健の部分が、私は精神科の医者になって30年ぐらいになってしまうのですけれども、30年前に比べると精神保健は随分と後退したと思うのですね。それは、保健所の衰退とイコールなのかもしれないのですけれども、そういう意味では、もう少し医療の提供の確保といったときに、そこの部分も指針の中である程度触れたような形のものにして、外枠を広げていただいておく必要があるのかなと思っています。この法律そのものが精神障害者の保健と福祉のための法律ということで、医療が入っていないのが不思議なのですけれども、本来はそこの中で語られているものですから、指針をつくるときにはそういうところももうちょっと欲しいかなと思います。

○樋口座長
 他にはいかがでしょうか。今日、新しく参加されている方も何人かいらっしゃると思いますが、いかがでしょう。どうぞ。

○柏木構成員
 すみません、柏木です。大阪にあります浅香山病院という、とても巨大な精神科と200床ぐらいの一般科総合病院を持っていまして、認知症もやり、統合失調症もやり、何でも来いという、つまり雑駁な精神科病院ではあるのですけれども、そういうところで、今、連携のお話が出ましたので、少し田川先生の応援をさせていただきたいと思って話をさせてもらいます。
 もう既に病診連携が一般科と同じように進んでいますから、入院だけ当院で引き受けて、外来はクリニックにお帰しするという流れに徐々になってきていると思うのですけれども、精神科のクリニックで精神保健福祉士とか作業療法士さんといったコメディカルスタッフがいらっしゃらないことがほとんどなのです。
 ですので、先ほど広田さんも御指摘されましたように、実際、一般科の救急に来られる方も、精神科のクリニックで出された大量服薬で運ばれてきて、1日2日で帰ってしまいますので、こちらの精神科が介入することもなく帰っていかれるときに、クリニックにお帰しするという診療情報は書いても、本当にきちんともともとのところに帰っていらっしゃるのだろうかという不安をとても感じますが、クリニックの先生方は忙しくて、その人たちの後追いをしているような余裕はない。初診でも数カ月待ちという状況の中で、そんな余裕はなかなかないと。
 こちらとしては、ドクターではなくて、違うクリニックのスタッフにでも、何とか生活支援あるいは御質問いただいて様子を見ていただきたいなと思っていても、それはなかなか難しいというのが現状です。それは、当然のことながら診療報酬上に確保されていないということもありますので、これから将来的に精神科は病院という機能をどんどん縮小していき、地域に分配していくという流れがもう否定できないと思っているのです。そうすると、地域にどれだけの資源を分配できるかという仕組みを作っていただかないと、機能分化と言っても、精神科医療を幾ら3カ月未満で退院しても、その後どこかの病院に入院しているかどうかがわからないわけですね。
 実際に私どもでも救急急性期で3カ月以内、60%在宅復帰を目指していますから、ある程度の在宅復帰は可能であっても、その後、その人たちが本当に3カ月間、入院せずにどこかでやれているのかどうかすら、要するに転院してしまえばわからないわけです。そういうことを含めますと、地域にどれだけの人的配置ができるかということを、もちろん精神科の医療機関の中にも人員配置は必要だと思いますけれども、地域にそういった人たちを配置できる仕組みというのをぜひ作っていただきたいなと思っております。
 それから、ついでですけれども、認知症連携のところで、私が認知症疾患医療センターをやっているときに一番重要だと思っているのは、どなたかの先生がおっしゃったと思いますけれども、かかりつけ医連携が一番重要なのですけれども、当然のことながら、かかりつけ医の先生たちにはコメディカルスタッフ等がいらっしゃらないことが多く、その辺の情報ツールを一緒に共有化しようとしてもなかなかできません。ですけれども、認知症の方だけではなくて、高齢の精神障害者の方たちも内科疾患をたくさん抱えて、かかりつけ医の先生たちにお世話になっていらっしゃることが多いので、そういう仕組みについても考えていく必要があるかなと思っております。

○樋口座長
 ありがとうございました。
 他にはいかがでしょうか。あと5分ぐらい。どうぞ。

○香山構成員
 香山でございます。4人の先生方のお話、大変勉強になり、聞かせていただきましたけれども、先ほど中島先生がおっしゃった、伊藤先生の13ページの変革を推進するための必須要素というのが私も一番インパクトとして残りまして、これを進めない限りは先に進まないのだろうということを印象として強く感じておりますが、これをどんなふうに議論していくかというのは、ここでやっていくべきだろうと感じますし、例えば伊藤先生は、このことに対して、もう少し具体的なイメージがおありなのかどうかというところも、ちょっとお聞きしたいなと思って、質問させていただきます。

○樋口座長
 では、伊藤先生、どうぞ。

○伊藤構成員
 御評価いただき、ありがとうございます。
 具体的なイメージというか、私は日本の医療に携わる先生方を信頼していて、何とかできる方向をいろいろ考えられている事例が日本全国にいろいろあると考えています。ですから、それを集めると何ができるか、そして、それらをスケールアップするにはどういう支援が必要かという考え方が大事なのではないかと思います。ですから、私自身としては、これが大事な論点ではないかという問題提起にとどめております。
 あと、せっかく発言の機会をいただいたので若干補足させていただきます。先ほど中島先生が点と線から面という御指摘をいただきました。また長野先生は、リソースの少ないところでどうやって地域を行っていくかとお話されました。この2つはすごく大事と私も思います。ある意味で機能分化でそれぞれの要素を加え、ふたつの機能という点を連携で線でつないでいっても、面になるとは限りません。ですから、そういう意味では地域でずっと入院も含めて見ていかなくちゃいけないグループというのはどういう方で、その方にどういう支援ができるかという観点が必要と考えます。これらの観点はどこかで検討できればよいと思います。

○樋口座長
 どうぞ、平田構成員。

○平田構成員
 私は、精神科の救急学会の代表をしておりますので、恐らく救急急性期医療の観点からのコメントを求められて招集されたのだと思いますけれども、次回の検討会でその観点から少し意見を述べさせていただきます。ただ、今日は初回ですので、もう一度、この会の開催意義といいますか、何のためにやっているかということの確認を自分も含めてしておきたいのですけれどもね。
 中島先生がさっきおっしゃられたように、世界の中で見た場合の日本の精神科医療の特異性というのが非常に目立つわけです。何でこんなことになったのかというと、いろいろな言い方ができるでしょうけれども、1つの原因は、入院医療の民間依存ですね。それから、在宅医療の家族依存ということが著しい特徴ではないか。先進国の中でこんな偏りを示しているところはないのではないかと思います。そのツケが今、回ってきていて、安上がりの医療費で患者さんを精神科の病院に収容しておけばいいのだという考え方が、社会のコンセンサスとしてあったのだと思います。
 そのために、精神科の病院がやたらに増えてしまって、医療だけではなくて、福祉であり、保安施設と言ったらちょっと語弊がありますけれども、社会防衛的な組織ですね。医療・福祉・保安施設複合体と私、呼んでいましたけれども、雑多な機能を全部精神科の病院の中に押しつけてしまった。その結果、こんな状態ができてしまった。だから、機能分化ということの原点は、そういった雑多な収容施設、18世紀のフランスの一般施療院というのがその典型でしたけれども、社会的な脱落者を一括して収容していく。そういう収容をしていったら、フランスのパリの市街地の人口よりも一般施療院の人口のほうが多くなってしまったというパラドックスがあったのです。それがフランス革命の一つの原動力になったということが言われています。
 そういう雑多な収容施設から、医療は医療、福祉は福祉、神のものは神へ、シーザーのものはシーザーへという形できちんと仕分けをして、それぞれにちゃんとした水準を付与して世界標準に近づこうという意図で、この機能分化ということが語られているのだということを、まずきちんと確認していただきたいと思います。
 私の立場からは、一言で言えば、自分が入院してもいいような精神科の病院にしなくちゃいかぬということで、ずっと医療の中で、泥沼の中でのたうち回っている者ですけれども、そういうことをやってきたつもりでおりますので、くさくて、汚い保護室ですね。もう二度と入院したくないと思えるような保護室、あるいは急性期の治療病棟。重症患者が手厚い治療を受けるという医療の当たり前の原則が通用しない精神科医療の現状を何とか変えるために、この会が開催されたのだということを確認させていただきます。ちょっとええ格好しいの話で申しわけないですけれどもね。

○樋口座長
 ありがとうございました。はい。

○中島構成員
 1つだけ。厚労省に関係あることを申し上げたいのですけれども。

○樋口座長
 では、これを最後の質問にさせていただきます。

○中島構成員
 三上先生もおっしゃったのですけれども、病棟機能分化をして、一般医療ではきちんと各病院が県に申請していきましょうと。そして、それをもとに地域医療計画を組み立てようじゃありませんか、ということが出てきているのですけれども、これはあくまで一般医療のことなのですね。また精神科医療が置き去りになっているのですよ。今回は、精神科医療についてもきちんとそれをやったほうがいいのではないかと思っていて、どこかで言わなきゃいけないなと思っていました。ぜひよろしくお願いします。
 以上です。

○樋口座長
 まだまだ御意見、あろうかと思います。次回も引き続き、御意見いただいていきますし、次回もまたヒアリングが予定されておるようでございます。
 本日のところは、これで一応ディスカッションを終わりにいたしまして、事務局のほうから今後の日程等について、お願いいたします。

○江副課長補佐
 活発な御議論、ありがとうございました。
 日程につきましては、これから第2回から第5回まで日程をセットさせていただいたところでありまして、改めてその御確認をさせていただきたいと思います。
 まず、第2回、次回につきましては、8月9日金曜日の9時半から、場所は調整中ということでございます。内容につきましては、今回に引き続きまして、構成員の中から数名の方に提出資料の説明をしていただいて、質疑、意見交換を行う予定です。
 第3回、8月下旬になりますが、8月27日火曜日、夕方5時半から、こちらも場所は調整中でございます。こちらの第3回も、引き続き構成員の方々より提出資料の御説明をしていただきまして、こちらの第3回で指針の骨格案作成に向けた論点整理をお示しして、それについても御議論いただければと考えております。
 それから、第4回、第5回が9月になりますが、第4回が9月19日木曜日、朝9時半からでございます。場所は未定です。第5回、9月30日月曜日、夕方5時半から、場所は未定ということで、全体として5回の中で中間的な取りまとめを行っていきたいと思います。
 もう一度繰り返しますと、第2回が8月9日金曜日9時半、第3回が8月27日火曜日5時半、第4回が9月19日木曜日9時半、第5回が9月30日月曜日5時半となっております。
 以上でございます。

○樋口座長
 大変短い期間の中でタイトなスケジュールになっておりますけれども、ぜひ御協力、よろしくお願いしたいと思います。
 本日は、お忙しい中、長時間にわたりましてありがとうございました。これをもちまして、第1回の本検討会を閉会したいと思います。どうも御協力、ありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課企画法令係

電話: 03−5253−1111(2297、3055)

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