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2013年8月8日 スイッチ直後品目等の検討・検証に関する専門家会合 議事録

医薬食品局総務課

○日時

平成25年8月8日(木)16:00~18:00


○場所

航空会館大ホール
東京都港区新橋1丁目18番1号7階


○議題

1.開催要綱について
2.これまでの経緯等について
3.スイッチ直後品目及び劇薬の特性等について
4.その他

○議事

○尾崎薬事企画官 ただいまより、第1回「スイッチ直後品目等の検討・検証に関する専門家会合」を開催させていただきます。構成員の皆様方におかれましては御多用中、本検討会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。本日、事務局を務めさせていただきます、医薬食品局薬事企画官の尾崎と申します。よろしくお願いいたします。それでは、開催に当たりまして、医薬食品局長の今別府より御挨拶を申し上げます。
○今別府局長 今別府でございます。先生方には御多忙中のところ、快く委員をお引き受けいただき、また今日のような暑い日にお集まりいただきまして感謝申し上げます。この会議に御参集いただきましたことについて、一言、話をさせていただきます。御承知のように、今年6月の閣議決定で特記されています、スイッチ直後の品目、劇薬指定品目について御議論いただくわけですが、後ほど御説明しますように、リスク評価の終わっていないものということで23品目、劇薬が5品目で、現在28品目ございます。これについて御議論をいただくということですが、この28品目個々の議論ももちろんですが、トータルでこういうものをどう考えるのかも議論していただこうと思い、そういう構成に本日はしています。
 最後に誠に厚かましいお願いでありますが、閣議決定上は秋という言い方ですけれども、是非、9月をめどに結論を出していただきたいということで、最後に厚かましいお願いをさせていただきます。いずれにいたしましても御支援をよろしくお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○尾崎薬事企画官 はじめに、構成員の御紹介をさせていただきます。お手元に名簿が配付されていると思いますので、そちらに沿って御紹介させていただきます。資料1の裏側が名簿になっています。名簿の上から御紹介させていただきます。薬事・食品衛生審議会副作用・感染等被害判定部会部会長の飯島正文構成員です。薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会部会長の五十嵐隆構成員です。なお、五十嵐先生には座長をお願いしています。よろしくお願いいたします。社団法人日本専門医制評価・認定機構理事長の池田康夫構成員です。薬事・食品衛生審議会会長の西島正弘構成員です。日本学術会議薬学委員会委員長の橋田充構成員です。一般社団法人日本医療薬学会会頭の安原眞人構成員です。
 次に事務局を紹介いたします。大臣官房医薬担当審議官の成田です。医薬食品局総務課長の鎌田です。同じく安全対策課長の森口です。審査管理課長の佐藤です。監視指導麻薬対策課監視指導室長の稲川です。総務課医薬情報室長の中井です。総務課課長補佐の田中です。よろしくお願いいたします。
 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。議事次第、座席表、資料1~4、参考資料となっています。資料1は1枚物ですが、この検討会の開催要綱です。資料2が「これまでの経緯等について」というタイトルで10数ページあるものです。資料3が「一般用医薬品及び劇薬について」という資料で、こちらも10数枚の資料です。資料4が「スイッチ直後品目等一覧」で、28品目の医薬品を一覧にまとめたもので、それと後ろに分厚めの資料が付いています。参考資料として、先日取りまとめられた前回の審議会「一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会」のまとめの資料を参考に付けています。また先生方の机には、28品目の医薬品それぞれの添付文書等を参考として置いています。資料はよろしいですか。
 それでは、ここからの進行につきましては五十嵐座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 本日はお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。大変暑いところ大変ですけれども、よろしくお願い致します。議事に入る前に確認事項があります。この検討会は原則公開で行い、事務局で議事録をまとめます。その後に各構成員の先生方に目を通していただき、厚生労働省のホームページで公開することになっています。よろしくお願いします。
 では議事に入りたいと思います。議題1ですが、検討会開催要綱について事務局から説明をお願いいたします。
○尾崎薬事企画官 それでは、資料1につきまして私から御説明させていただきます。資料1はこの検討会の開催要綱です。目的ですが、先ほど局長の御挨拶の中にもございましたが、本年6月に閣議決定された日本再興戦略において、一般用医薬品のインターネット販売に関して、「『スイッチ直後品目』及び『劇薬指定品目』については、他の一般用医薬品とはその性質が異なるため、医療用に準じた形での慎重な販売や使用を促すための仕組みについて、その成分、用法、用量、副作用の発現状況等の観点から、医学・薬学等それぞれの分野の専門家による所要の検討を行う。秋頃までに結論を得て、所要の制度的な措置を講じる」とされました。その検討を行うために、この検討会を開催させていただくということです。
 検討事項ですが、検討会の目的が、今、御説明させていただいたような内容ですので、検討事項としては「スイッチ直後品目」と「劇薬指定品目」のそれぞれについて、医学・薬学的観点から特性を整理していただくことが1点です。また、その特性を踏まえた上で、どのような留意をしなければならないか。販売や使用に当たっての留意点をまとめていただきたいと考えています。構成員はここにお集まりの皆様方です。庶務は医薬食品局の総務課で担当するということです。資料1の説明は以上です。
○五十嵐座長 ありがとうございます。ただいまの説明、それから資料につきまして、御質問、御意見はございますか。特によろしいですか。ありがとうございました。では次に移ります。議題2ですが、これまでの経緯等について、事務局から資料の御説明をお願いいたします。
○尾崎薬事企画官 資料2に基づきまして、御説明をさせていただければと思います。3ページからが御説明内容になります。3ページは平成18年改正薬事法の経緯で、現在の薬事法の改正の経緯が書かれています。平成17年12月に厚生科学審議会の検討部会で報告書を取りまとめていただき、翌年、平成18年3月に国会に「薬事法の一部を改正する法律案」を提出しています。国会で十分な御審議をいただいた上で、平成18年6月に成立し公布しています。その後、医薬品の販売等に係る体制及び環境整備に関する検討会を実施し、また平成21年2月には医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会を実施し、この2つの検討会を経て平成21年5月に関連の省令を公布し、平成21年6月から施行されているところです。
 4ページが現行の一般用医薬品の販売制度の概要です。一般用医薬品をリスクの程度に応じて3つに分類した上で、それぞれの販売のルールを定めているということです。真ん中のところに箱が3つありますが、第1類医薬品、第2類医薬品、第3類医薬品と、リスクの程度に応じて医薬品を3つに分類しています。1類医薬品については約100品目ぐらい、2類については8,300品目程度、3類については3,000品目弱の医薬品を分類し整理しています。その上でリスクが高い1類については薬剤師による販売を求めていますし、購入者への情報提供をしっかりした上で販売するようになっています。一方、2類と3類について対応する専門家としては薬剤師又は登録販売者となっていて、購入者への情報提供は努力義務なり必ずしも必要でないという整理になっています。問題となるインターネット販売の可否については、これまでは3類だけがインターネット販売可能という形で省令で規定しているのが現行制度です。
 この現行制度に対して、一連の裁判で判決が出ています。それが次の5ページです。1類、2類の医薬品について、インターネット販売を行う権利の確認を求める訴訟が平成21年5月に提訴され、地裁、高裁、最高裁と上がり、平成25年1月11日に最高裁で国側敗訴の判決が出ているところです。
 判決の概要を下に書いています。1つ目の○ですが、薬事法の規制は医薬品の安全性の確保を図るためのものであり、規制の具体化に当たっては、厚生労働大臣の医学的ないし薬学的知見に相当程度依拠する必要があるという点は認めていただいています。
 しかしながら、2つ目の○ですが、インターネットによる郵便等販売に対する需要は現実に相当程度存在する。また旧薬事法の下では違法とされていなかった郵便等販売に対する新たな規制になりますので、この規制については郵便等販売を事業の柱としてきた者の職業活動の自由を相当程度制約することが言える。そういった事情のもとで郵便等販売を規制する省令を作るということであれば、その省令が法律の委任の範囲を逸脱したものでないことが言えなければいけない。そういったことを考えると、薬事法の規定を見て、きちんと委任されていることが明確に読み取れることが必要と2つ目の○に書いています。
 3つ目の○が、その薬事法の分析をした内容になっています。薬事法は文理上は郵便等販売規制が規定されていないし、それらの趣旨を明確に示すものも存在しない。また国会審議でも、必ずしも1類、2類医薬品の郵便等販売を禁止すべきという意思を有していたとは言い難い。そういうことを考えると、今の薬事法の授権の趣旨が、1類、2類の郵便等販売を一律に禁止する趣旨の省令の制定までをも委任するものとして、明確であると解するのは困難である。
 そうした観点から、4つ目の○ですが、薬事法の施行規則、省令のうち、1類・2類の医薬品を一律に郵便等販売をしてはならないと規定することは、その限度において今の薬事法の趣旨に適合するものでなく、薬事法の委任の範囲を超えて違法、無効なものだという判決を受けたところです。
 この判決が出たときに、厚生労働大臣からコメントを発表しています。それが次の6ページです。大臣から、大きく2つのことを御発言いただいています。1つ目が上から3つ目の○になります。「一般用医薬品の使用は、有益な効果をもたらす一方で副作用の発生のリスクを伴うものであり、国民の健康・生命に関わるものであります。薬局・薬店の方々におかれましては、医薬品の販売を行う際、安全確保のための方策に十分配慮いただくことが重要であります」と、まず販売サイドに対して十分配慮していただきたいという発言が1つです。もう1つが国民に対する発言で一番下の○です。「国における新たなルールが示されるまでの間、国民の皆様におかれましても、インターネット販売の利用については、一般用医品の使用のリスクを十分認識いただき、適切に対応していただくようお願いします」という談話を発表しているところです。7ページ、8ページは関連の条文ですので説明は割愛させていただきます。
 こういったインターネット販売に関する裁判なり大臣のコメントを経て、今年2月からインターネット販売に関してルールを作ろうということで、「一般用医薬品のインターネット販売等の新たなルールに関する検討会」を開催しています。第1回目を今年2月14日に開催し、都合11回検討を重ねて、6月13日に議論を取りまとめたところです。
 取りまとめの概要が11ページになります。主なポイントですが、2.(1)の各コミュニケーション手段に求められる機能とか、2.(2)の各コミュニケーション手段の特徴をまとめていただいています。2.(3)の1つ目の・ですが、結果として、第1類・指定第2類、その販売方法については合意が得られなかったということで、両論併記になっています。2.(4)の安全性確保のための方策ですが、安心・信頼できる店舗で販売すべき、専門家がきちんと関与すべき、必要な情報の把握と伝達など、こういった安全性確保のための方策が必要なことについては合意が得られています。2.(5)の偽造医薬品・偽販売サイトの対策もしっかりやっていく。こういった合意が得られているところです。
 12ページが、今年の6月14日に閣議決定された「日本再興戦略」で、一般用医薬品のインターネット販売について幾つか指摘を受けているところです。○の下の1つ目の・で、「一般用医薬品については、インターネット販売を認めることとする。その際、消費者の安全性を確保しつつ、適切なルールの下で行うこととする」。ここからがこの検討会の検討課題になってきますが、「スイッチ直後品目」及び「劇薬指定品目」については、他の一般用医薬品とはその性質が異なるため、医療用に準じた形での慎重な販売や使用を促すための仕組みを考えなければいけない。その際には医学・薬学の専門家による所要の検討を行うとされたところです。こういった経緯を経てこの検討会を開催させていただいているところです。
 13ページ、14ページですが、一般用医薬品によるものと思われる副作用報告件数をまとめています。左側の棒グラフですが、一般用医薬品は1年間に250症例程度の副作用報告が上がってきています。14ページが、その中でも重篤なものなりは具体例を挙げています。特に左側の箱が死亡症例の状況です。平成19年度から23年度の5年間で総計24件の死亡例があります。また1類医薬品の中でも2件該当するということで、一般用医薬品でもそれなりの数の副作用が出ていることを示す資料です。これまでの経緯については以上です。よろしくお願いいたします。
○五十嵐座長 ありがとうございました。資料2の御説明につきまして御質問、御意見はございますか。よろしいですか。それでは次に移りたいと思います。議題3ですが、スイッチ直後品目及び劇薬の特性等について、事務局から資料の御説明をお願いいたします。
○田中総務課長補佐 御説明申し上げます。スイッチ直後品目等一覧の御説明の前に、一般用医薬品と劇薬について簡単な基礎的資料を資料3という形でまとめていますので、改めて先生方に御説明する内容ではないかもしれませんが、これについて先に御説明申し上げます。まず、「医療用医薬品から一般用医薬品へ転用されるまでの流れについて」をまとめています。3ページの一般用医薬品について、一般用医薬品の薬事法上の定義ですが、「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの」と定義されています。伝統的に使われている漢方といったものを除くと、大きく分けて2種類あって、下に書いていますけれども、いわゆる「スイッチOTC」と呼ばれるものと、「ダイレクトOTC」と呼ばれるもの、この2種類あります。主には上の「スイッチOTC」が大部分を占めますけれども、こちらについては、一般用医薬品としての承認を受ける前に医療用医薬品として使われていて、その有効成分が、スイッチという言い方をしていますけれども、転用されたものです。これについては医療用としての使用実績があって、副作用の発生状況、海外での使用状況といったものから見て、一般用として適切であるとされたものです。このほかに、医療用としての根っこがない形で、医薬品として使われる最初のスタートが一般用としてスタートしたものとして「ダイレクトOTC」という言い方をしたりしますけれども、これについても幾つかあります。
 4ページで承認審査の流れですが、模式的に書いています。上の申請者は製薬企業になりますが、企業からの申請に従って医薬品医療機器総合機構、あるいは厚生労働省における薬事・食品衛生審議会への報告・諮問、答申などの手続を経て最終的に承認される流れになっています。
 5ページで、これが平成19年度から導入されたスキームで補足情報ですけれども、スイッチOTCの推進を図るため、従来の「個別企業からの申請」という枠組に加え、医薬品の関係学会のほうでスイッチOTC化が適当と考える成分を取りまとめていただき、公表するというスキームも導入されています。
 6ページから、「スイッチOTCの市販後の安全対策について」をまとめています。7ページが製造販売後調査についてです。市販後調査という言い方もしていますが、スイッチOTCについては、一般用医薬品としての安全性評価がまだ確立していませんので、承認される際にその条件として製薬企業に対し、製造販売後の安全性に関する調査、市販後調査の実施(原則3年)が義務づけられます。その種類を下に書いていますが、主に2種類の調査があります。特別調査と一般調査という言い方をしていますが、上の特別調査については、協力いただくモニター薬局を選定し、使用者の協力を得て、内用薬については3,000例、外用薬については1,000例の症例を収集することになっています。これについては下の・ですが、副作用が有ったか無かったかにかかわらず、調査することになりますので、副作用の発生頻度を把握することができる。具体的な調査の中身ですが、有害事象が発生した場合には当該医薬品との因果関係の有無を判断するために、有害事象の詳細な症状(内容、程度、転帰等)や、医療機関を受診したか、具体的に下された診断名の他に、服用状況、アレルギー等を収集することになっています。それに加えて一般調査という形で、これは全販売先薬局に対し、使用者から副作用の報告を依頼して収集する。また、何か有害事象が起きた場合には上がってくる形になっている調査です。この2つの調査を原則3年かけて実施することになっています。
 8ページですが、市販後調査の評価ということで3年かけた調査を、その後、約1年の審査期間の中でリスク評価を行う流れになっています。そのリスク評価の結果、最近の例で申し上げると第1類あるいは第2類に指定された事例があり、第1類についてはイコナゾール、アシクロビルといったものが指定され、よりリスクが低いということで第2類に指定されたものとしては、ジクロフェナクナトリウム、トリアムシノロンアセトニドといったものがあります。
 9ページは製造販売後調査後の評価の流れです。先ほど少し説明しましたが、スイッチOTC薬については承認条件として製造販売後調査が原則3年、医療用としての根っこがない形で承認されるダイレクトOTC薬については、新薬の再審査という形で、より長い4~8年の調査をします。これについては安全性の面、有効性の面から調査することになっていて、1年間の審査期間を経てリスク区分が決定されることになります。一番下の全てのOTC薬については、承認からの期間にかかわらず薬事法の規定に基づいて副作用報告が義務付けられています。
 10ページですが、最後に御説明した副作用報告に基づいて、承認されて4年なり経った後のリスク評価後に、リスクの区分が見直されることもあり、その例としてここに記載している第2類から指定第2類に指定されるもの、第3類から第2類に上がるもの、逆に第2類から第3類に落ちるものがあります。
 11ページに製造販売後調査の必要性をまとめています。これについては医療用から一般へスイッチ(転用)された直後は、四角の中に書いてあるようなリスクが想定されますが、その大きさが不明であることから、製造販売後調査において、その有効性に関する情報の他に、副作用、相互作用、依存性の発生等の情報収集を行い、リスク評価を行う必要があると書いています。
 具体的なリスクですが、スイッチOTCについては、承認される前の段階では医療用医薬品として使われていて、その間には医師の診断に基づいて処方され、薬剤師が調剤・交付するなど、医療従事者が厳格に管理する形で使われていました。スイッチされた直後は専門家の関与がより薄くなりますので、新たな健康被害のおそれがある。例えば連用されて重症化とか、副作用の兆侯があるのに見逃してしまう。本来受診すべき状態であるのに放置されてしまって重篤化するといったリスクが考えられます。次の□で、これまで医療用として使われていたものが一般用として使われることにより使用者の対象が少し変わってきますので、その使用者の変化、あるいは用法・用量に従わない使用、適用外で使われてしまうといったおそれもありますので、それによる新たな有害事象の発現のおそれがある。さらに乱用のおそれもあり得ると考えています。併用される医薬品、健康食品などの摂取される食品等との相互作用のおそれも、医療従事者による確認がされないことになります。ダイレクトOTCについては、一般用としてスタートすることになりますから、これまで治験では明らかとならなかったデータについて、医薬品として広範に使用されることによる、新たな有害事象の発現のおそれも考えられるとしてまとめています。
 13ページで、「劇薬」についても簡単にまとめましたので御説明します。こちらも薬事法の規定に基づき、劇性が強いものとして厚生労働大臣が審議会の意見を聞いて指定することになっています。具体的な規制の内容ですが、直接の容器あるいは被包に「劇」の文字を表示するほかに、譲渡の際に制限があって、譲受人から、品名、数量、使用目的、譲渡年月日、譲渡人の氏名、住所、職業が記載された文書の交付を受けることとなっています。その文書については譲渡された日から2年保存する規定になっています。譲渡の対象者についても制限があり、14歳未満の者、あるいは安全な取扱いに不安があると認められる者に対して交付してはならないという制限が掛けられています。
 そういった劇薬ですけれども、どういう基準になっているかが次の14ページです。平成10年にまとめられた指定基準で丸1丸2とあります。丸1の急性毒性については動物実験の結果、例えば経口投与の場合、毒薬が30mg/kg以下、劇薬が300mg/kg以下のものについては、それぞれ毒薬・劇薬の指定がなされます。こういった急性毒性のデータがないものについては丸2として、1)~6)までの条件を勘案した上で毒薬又は劇薬の指定がなされます。
 その指定の流れについては15ページです。こちらも一般用医薬品の承認の流れと類似していますが、申請者である企業から医薬品医療機器総合機構あるいは厚生労働省へ資料の提出があり、そこで指定される形になります。以上が資料3の御説明です。
 次に、具体的な品目の一覧を示している資料4の御説明を続けて行いたいと思います。1ページですが、1~28番まで28品目、これは7月末時点のリストになっています。このリストについては、一般用医薬品としての承認がなされ、販売が確認されているもののリストと考えていただければと思います。6月の閣議前後の報道では、ここは25品目と報道されていましたけれども、その後の精査によって3品目追加されていますので、それも補足として御説明申し上げると、具体的には20番のストナリニZ、23番のアンチスタックス、28番のエフゲン、この3つの品目が追加されています。追加の理由ですが、ストナリニZは上の19番のコンタック鼻炎Zと同じ成分で、精査した結果、これについても承認され販売されていることが確認できましたので1つ追加しています。23番のアンチスタックスについては、6月から販売されていることが確認されましたので追加しています。28番のエフゲンは第2類医薬品の中の劇薬があり、これも1つ追加させていただきます。使われ方としては人に使うものではなく物品の殺菌や消毒に使う効能を持っています。
 今から1~28を御説明しますと時間を取ってしまいますので、代表的なものを御説明しつつ、資料の構成も併せて御説明したいと考えています。No.1の「アラセナS」ですが、1ページに記載しています。表の形式でまとめた元のデータですが、お手元の分厚い資料の添付文書あるいは承認審査の際の審査報告書の内容をもとに、事務局で整理したものです。
 品目概要のところに販売名としてアラセナS、一般名ということで成分名を記載しています。製造販売業者、承認日、市販後調査期間は3年間としています。効能・効果は口唇ヘルペスの再発で、再発から下線を引いています。この下線の意味ですが、医療用として今も使われていて、その効能・効果との違いがあるところを下線で示しています。具体的に医療用については、医療用医薬品情報として帯状疱疹、単純疱疹という形で再発に限定せず、効能・効果が示されていますので、その違いを下線で示しています。用法・用量については1日1~4回、承認条件は先ほど御説明したとおり製造販売後調査を3年間実施するとしています。審査時の主な留意事項として、初発の場合には自己判断が困難であることから再発に限定する。既承認品目と同様に、患部が広範囲の場合には重症のため医療機関への受診を注意喚起する。乳幼児に対しては初発である可能性が高いので、「6歳未満の乳幼児」への使用は禁忌とされています。こういった指摘が審査時にされました。
 次の枠で医療用医薬品の情報として販売名、製造販売業者、承認日を記載しています。用法・用量としては、こちらも患部に適量1日1~4回として、一般用と同じような形で使われることになっています。
 次の枠の副作用情報として、一般用医薬品、医療用医薬品それぞれの期間を書いた上で、件数などを紹介しています。一般用医薬品としての副作用報告は今のところありませんが、医療用医薬品として使われていた際には、平成16年4月~平成25年2月の大体9年弱のデータになりますけれども、重症例として2例の報告がされています。
 次の枠の留意点ですが、添付文書に禁忌なり慎重投与について記載がありますので、そこに書いてある内容について噛み砕いた形で事務局で整理した情報になっています。留意点丸1として、販売時に収集・確認すべき事項(禁忌等に関連するもの)をまとめています。先ほど御説明したとおり、6歳未満の乳幼児は、初発である可能性が高いため、販売を控えること。妊婦又妊娠していると思われる場合、授乳中の場合については販売を控えること。あるいは慎重に評価するという形でまとめています。
 2ページで、類似の項目をグループごとに分けて記載していますが、過去に医師から口唇ヘルペスの診断・治療を受けた診断歴があるかどうかを確認する。患部が広範囲の場合には販売を控える。全身症状が見られる場合に販売を控える。こういった控えるべき情報について次のグループのところに書いています。併用薬について、ほかの医師から別の処方薬がある場合にはそれを確認する。口唇や口唇周辺以外には使用しない。長期連用はしないといった注意事項を記載しています。
 丸2販売時及び使用時に注意を促すべき事項については、副作用として添付文書に書いてある情報をまとめていますが、例えば皮膚の発疹、はれ、かゆみといった副作用について報告がありますので、売る段階でそれがないかどうかを確認する。それらが現れた場合は、使用を中止し、速やかに相談するよう求めること。長く治療して改善しない場合、ひどくなる場合には、使用を中止し、速やかに相談するよう求めること。このような形でまとめています。以上がアラセナSの御説明と資料の構成です。こういった形で順々にほかの品目についてもまとめています。これがスイッチ品目の代表例です。
 次の「リアップX5」が、ダイレクトOTCに当たるものです。3ページに同じような構成でまとめていますが、品目概要については製造販売後調査ではなく、4年の再審査期間が指定されています。これについては医療用医薬品としての使用経験がありませんので、その部分については空欄としています。副作用情報としては、一般用医薬品としての副作用情報、平成21年2月~平成25年2月の販売について、4例の副作用情報があることを記載しています。留意点については、丸1販売時に収集・確認すべき事項(禁忌に関するもの)をまとめています。4ページで丸2副作用に関連するものとして販売時及び使用後に注意を促すべき事項として、先ほど御説明した内容の順番で記載しています。これがリアップX5です。
 内用薬について、18ページでNo.9の「ロキソニンS」ですが、販売名、一般名、用法・用量といった情報をまとめています。これについては一般用、医療用ともほぼ同じような形で規定されています。副作用情報については19ページですが、一般用としては、平成23年1月~平成25年2月の2年間の実績で10例の重症な副作用が報告されています。医療用医薬品としても9年弱の症例として1,378例の症例が報告され、うち62例の死亡例が確認されています。留意点についても添付文書情報等を基に、同じような形で丸1丸2としてまとめています。
 劇薬のところの紹介をしますと、61ページの「ガラナポーン」です。同じような形で品目概要をまとめて、これについては医療用医薬品としての販売がありませんので、それについては空欄としています。副作用情報について、一般用医薬品としての副作用報告は今のところありません。留意点についても同じような形でまとめています。
 最後に、62ページで劇薬指定成分として何が指定されているか示すべく、「ヨヒンビン」という成分が劇薬指定成分ですけれども、これについての情報を欄外に記載しています。
 かいつまんだ御説明になりますが、以上です。
○五十嵐座長 それでは、これからディスカッションに入りますが、その前に、ただいまの御説明について、御質問がございますか。
○安原構成員 御説明ありがとうございました。副作用報告の数字の見方を教えていただきたいのです。一般用医薬品と医療用医薬品を対比するような形で出していただいているのですが、例えば最初のアラセナの場合ですと、一般用医薬品のほうはなくて、医療用医薬品のほうはあるとか、ロキソニンSの場合も絶対値としては医療用医薬品はすごくたくさんある形になっているのですが、これはどのように解釈したらよろしいのですか。例えば副作用のモニタリングの体制とか、そういったことが問題なのか、それとも一般用医薬品の場合はいっぱい細かい留意点が付いているから、相対的に副作用が小さくなっているのか、どのように考えたらよろしいでしょうか。
○中井医薬情報室長 明確にそれについて評価をしたことはないのですが、一般的には、医療用医薬品の場合、医師、薬剤師に管理されていて、容易に副作用に気付くという点があります。一般用医薬品の場合は副作用かどうかを患者さん自身が気づかない。例えばロキソニンであれば肝障害を、自身では薬の副作用という意識がなく、肝障害と思わずに、ただ単に、だるいとか調子が悪いということで医療機関に行ったりする場合がありますし、そういう意味で気付かない、これが原因だと思わないで治療に行かれる方が多いと推察されるのではないかと思っております。
○五十嵐座長 ほかにいかがですか。
○池田構成員 製造販売後調査ですが、特別調査は一応3年間で、内服薬については3,000例ということで、非常に重要な調査だと思います。これはモニター薬局を付けて、モニター薬局では全例で調査をするという理解でよろしいのですよね。要するに、これの1つの目的は、頻度の高い副作用で発生頻度を把握するということになると、どのぐらい使ったかということで、どのぐらいの人が副作用があったのか、なかったのかということになるわけです。ですから、モニターの薬局を選定すれば、ある程度の頻度は出るのかなと思うのですけれども、それは全例でよろしいのですよね。
○中井医薬情報室長 モニター薬局に関しては一部回収できない場合もあり得ることと、先ほどの御質問にありますように、認識されない場合も一部あり得るだろうと思います。
○池田構成員 あとはモニター薬局を選定した場合に、そこで使われている頻度が全体の使われ方のどのぐらいに当たるかは、どのように推定するかということがあると思うのです。個々の薬の副作用の頻度というのは、モニターでいいと思うのですけれども。
○中井医薬情報室長 その辺は選び方になるかと思いますが、どのぐらいの頻度で、売上中のパーセンテージが出るかどうかは自信がないのですが、実態としてどういうことかというのは調べて回答させていただきたいと思います。
○池田構成員 もう1つは、安全対策というと、3年やって3年で、その調査の結果をリスク評価という格好で使うわけですね。市販後調査というと、新しいシグナルを拾ってくるという考え方の調査というのがあり得ますよね。何か新しいシグナルが出たと。それに対して、例えば半年後に思わぬシグナルが出たときに、それをどのように評価するかという面の調査も当然あるわけです。医療用医薬品というのは、なるべくシグナルを早めに見付けるような仕組みを作ろうということで努力されていると思うのですが、一般用の医薬品、特にスイッチOTCなどは、シグナルの拾い方をどのように考えておられるのですか。それはこの製造販売後調査では、必ずしも出てこないかもしれませんね。
○中井医薬情報室長 確かに御指摘のとおり、モニター薬局と通常の副作用報告で評価をするということですので、頻度的にも、どうしても専門家の関与にあるものと比較して、報告の頻度は一定程度減ってくると思いますので、その辺はまだシグナルまで評価できるまでにはなっていないかもしれません。ただ、上がってくれば上がってきて、ドーッと上がってきたら、そのまますぐ対応するということは、もちろん我々としてはやるわけでありますが、もう一歩進んだ段階である予測する段階までは進んでいないかもしれません。
○五十嵐座長 ほかにいかがですか。大体御理解いただけたでしょうか。あとで個別の品目について御意見を伺うつもりです。その前に、1~23番までのグループと、24~28番までの劇薬のグループに大きく分けられると思いますが、それぞれの分類について共通して留意すべき事項があるかどうか御意見を戴きたく思います。
○飯島構成員 一般論的な話をさせていただきたいのです。今からの発言は医薬品の副作用被害判定部会長としての立場から発言させていただきます。
 インターネット販売うんぬんで、使用前の注意事項と使用後に起こった副作用の注意事項については、大分議論がされていると思います。これからこれも議論しなければなりません。一番根本的に違うところだけを皆さんに了解いただきたいのです。
 医療用医薬品と一般用医薬品というのは、どこがどう違うかと言いますと、私ども副作用の被害判定のときに、一番問題になるのは適正使用です。医療用医薬品というのは、医師、若しくは歯科医師の指示により処方された医薬品を適切に患者さんが用いるというのが、医療用医薬品の場合の適正使用の考え方です。
 したがって、私たちが不適正と判定する場合が幾つかあります。1つは、残薬の自己判断による使用です。例えば1回何かで医師から薬をもらって、一部を残して飲み終わった。それが半年とか1年経って、自己判断で再び用いたという場合には、適正な使用とはみなされません。
 もっと問題になるのは、家族内が多いのですが、他人に処方された薬を家族の中で使い回すというか、例えば奥さんに処方された薬を御主人が服用して副作用が起こった場合、これも当然適正使用とはみなされないわけです。ところが、これは医療用医薬品の話をしており、一般用医薬品になりますと、この規制が外れてまいります。
 例えば、常備薬的に使う場合もありますし、購入して購入者が使うわけではなく、家族が使う場合もあります。それについては医療用医薬品と一般用医薬品というのは安全性使用に関しては、全く考え方が違います。多分、薬学の先生方もその辺は同意していただけると思います。
 そうした場合、スイッチOTCに限って総論的に、どれがということを申し上げるつもりはありませんが、医療用医薬品で来た医薬品が、今度は一般用に転用されたわけです。そうすると、その間には使われ方について、ここに懸念が幾つか書いてありますように、適正な使用ではない場合もあり得るかもしれません、自己判断で使う場合もあるかもしれません。使われるときに医療用ではなくて一般用で起こる副作用があり得るのではないかと私は考えます。そういう場合は性格が違うので、一般用に転用した3年間の特別調査期間があって、1年間の再審査期間があって、それから安全性を評価するというのですから、これを薬剤師の顔の見えない販売をするのであれば、スイッチOTCについては、本来は再評価を待ってやるのが適正な考え方ではないか。
 一般用医薬品を1類、2類、3類と皆さんはおっしゃいますが、2類の風邪薬は、私どもがしょっちゅう扱うスティーブンス・ジョンソン症候群、あるいはライエル症候群という副作用をしばしば起こします。しかもこれは多くは第2類です。昨年秋、NHKの「クローズアップ現代」という番組でこれを取り上げていましたが、マスコミの趣旨は、一般用医薬品で重篤な副作用が起こってもいいのかという論点で彼らは取材に来ましたが、私が申し上げたのは、一般用であろうと医療用であろうと。
                (中断)
 話を少し戻しますが、一般用医薬品でもスティーブンス・ジョンソン症候群やライエル症候群のような死に至る、あるいは失明といった重篤な後遺症を残すような副作用は、特に第2類を中心に起こし得るのです。したがって、副作用のない薬は小麦粉と同じである。一般用であろうと医療用であろうと医薬品は医薬品だから適正に使いなさいという趣旨で放送させていただきました。一般用だから安全だという考え方は捨てていただきたいというのが1点です。
 それから、インターネット販売うんぬんという、薬剤師の顔が見えない販売をするのであれば、OTCというのは医療用を一般用に転用したわけですから、再審査期間を待ってやってもいいのではないかというのが私の意見です。以上です。
○五十嵐座長 少なくとも3年間は評価をすることがスイッチ直後品目の23品目についても必要との御意見です。劇薬については、薬学の先生方はいかがでしょうか。何か共通して御指摘できるようなことはありますか。
○安原構成員 今の飯島先生のお話は非常に大事だと思います。我々医療薬学の立場からは、一般用医薬品ではなくて、普通の医療用薬品の場合でも、当然新薬として出てきて、そして臨床の場で使われるようになりますと、そこで予期せぬ副作用などが出てきて、医療の現場での薬の安全な使い方が分かってきます。
 今回の場合は、それから更にスイッチで医療用から一般用になった場合ということですが、医療の現場での使い方以上に、本当に多様な使い方、想定されないようなことがどうしても起こってくるのが現実だと思います。そういう意味で、スイッチされてから3年間とか、特定の期間はしっかりとモニターすることが、安全性ということを考えると、どうしても必要ではないかと思います。この文章の中に、リスクの大きさが不明であるから製造販売後調査を行うという話が出ているのですが、正にそこが1つ大事です。
 もう1つは先ほど御指摘があったように、予期せぬ副作用とか、今まで出ていなかった何が起こるかというか、そういった意味でそこは慎重に考える必要があるのではないかと思います。
 劇薬のほうはもともとその作用が強い部分が当然あるわけですので、多量に使うとか、どうしても適正使用ができなくなる可能性がありますから、そういう意味で慎重に考えるというのは、使う方を守る立場からいけば、当然必要ではないかと考えます。
○五十嵐座長 ほかにいかがでしょうか。
○池田構成員 飯島先生から御指摘があったと思いますが、使い方の問題が一番大きな問題になると思います。一般用医薬品となると、常備薬という考え方で、常に手元に置いておきたいと一般の方たちは思われると思います。腹が痛くなったらこれを飲もうとか、あるいはという話だと思います。常備薬となり得るもの、あるいはその可能性が非常に高いものは1つのカテゴリーとして考えておかなければいけません。
 私も医者で、こんなことを言ったらどうかと思いますが、外用薬はどのぐらい頻回に使っていいものかというのがなかなか分からないで、非常にオーバーユースになる可能性があるのではないかと思います。外用薬の使い方はそういう点にどうしても注意しなければいけないというので、当然のことながら、一般用医薬品としても同じ一固まりとして考えておかなければいけない問題なのかと思ったのです。
○西島構成員 私も適正使用の点ですが、今、常備薬というお話がありましたが、多分、多くの方がそのように使われると思いますが、そうはしてほしくない薬もたくさんあります。例えば抗ヘルペス薬とか抗生物質類などは、ある限られた期間に使い切るのが原則だと思いますので、その辺も適正使用の上では十分考えて対応しなければいけないと思います。
○五十嵐座長 幾つか御指摘を頂きまして、大変ありがとうございます。ほかにはよろしいですか。
 次は個別の23+5で、28品目ありますが、個別の品目について御意見を頂きたいと思います。今日初めて御覧になった方もいらっしゃるかもしれませんので、今日のところは特にこの中で気になる品目について御意見を頂くこととして、次回までに各々の品目についての資料の詳細を御確認いただき、この件については引き続き御議論をいただきたいと思います。ここにあります28品目の中で、特に気になる品目について何かありましたら、御意見を頂きたいと思いますが、いかがですか。
○飯島構成員 NSAIDsが何剤か見当たります。ロキソプロフェンとかイブプロフェンは見ていただきますと、ロキソニンSに関しては19ページの右の方を見ますと、医療用医薬品でも因果関係の否定できないスティーブンス・ジョンソン、TENというのがあります。それが一般用に変わって、これがどうなのかというのは非常に懸念されるところです。医療用のときでも結構ありました。
 イブプロフェンも医療用で、かつては幾つかありますが、これも転用されてどのぐらいになりますでしょうか。これも経過観察期間をきちんと踏まえていただきたい、その間は別扱いにしていただければと思います。
○五十嵐座長 御指摘になったのは9番のロキソニンSがロキソプロフェンナトリウム、イブプロフェンが入っているのは14番と18番の2つですね。先生がおっしゃっているのは、特にスティーブンス・ジョンソンのリスクがあるという点から、慎重であってほしいという御意見でよろしいですか。
○飯島構成員 もちろん因果関係について、医学・薬学的にきちんと吟味してありません。薬局、若しくは、この報告はどこから上ってくるのでしたか。薬局からですか。
○事務局 薬局です。
○飯島構成員 ですから、私たちが判定部会で原因薬をきちんと決めていくというような、医学・薬学的吟味はしておりませんので、因果関係についてはどの程度確かかというのは吟味してございませんが、一応否定できないということで、ここに報告が上がっていると思います。こういうものは、ある期間はきちんとフォローしていただければと思います。
○五十嵐座長 ほかにいかがですか。
○安原構成員 4番、5番というのが膣カンジダ用薬ということで膣錠になるのですが、先ほどの適正使用というか、例えば医療の現場でも座剤を飲んでしまったなどということは、実際上はあります。ですから、膣錠の場合にも正しく使うことは、しっかりと患者さんというか使用者に対して指導することが必要で、それも工夫をしないと、錠剤と間違えて飲んでしまうことは起こり得るのではないかと思います。その辺りの指導は必要だと思います。
○西島構成員 この中で、長期使用、連用使用は避けなくてはいけないということが幾つかあったと思います。例えばその1つとして、私が気が付いたのは、3番の薬についても長期連用は避けることと書かれており、こういったことは適正使用について再評価をした上で、きちんとしないといろいろ問題ができてくると思いました。
○五十嵐座長 ほかにいかがですか。
○橋田構成員 これまでに出ている意見と重なりますが、安全性を担保するという視点から見た場合、医薬品自体の安全性の問題だけではなく、現実の使われ方が結局、治療効果と安全性につながってくるわけです。したがって、その辺をしっかりモニターするというか確認をして、必要であれば更にそれに追加でいろいろ条件を付けるということがあって、最終的には一般用医薬品として、より有効かつ安全に使われるという道をたどることになると思いますので、それまでの期間はきっちりモニターすることは、こういう薬にとっては非常に大事なことだと思います。
○池田構成員 あとはスイッチOTCなので、医療用医薬品の使用の状況で死亡例がある、重症例があるものに関しては抜き出して、どういう状況でそういうものが発生したのかを。数例でもとても大事で、一般用になれば頻度が上がる可能性があると考えてもいいと思いますが、そこのところで死亡例、重症例の報告が出ているものに関しては、だからやってはいけないという議論ではなくて、別枠で検討しておく必要があるかと思います。
○五十嵐座長 それについてはいかがですか。
○中井医薬情報室長 分かりました。医療用医薬品で重症例があるのは結構な量がありまして、特にロキソニンなどはかなりの肝障害があって、スティーブンス・ジョンソン症候群だけではなくて、肝障害その他も大分ありますし、死亡例もかなりあります。
 気になるのは、むしろそういったことに気が付かないで受診されている方がおられるのだろうと思います。重症例まで入れるとかなり多いので、典型的な死亡例を幾つかピックアップして次回にでも報告できるようにしたいと思います。
○五十嵐座長 あとはいかがでしょうか。私は小児科医の立場からすると、妊娠中あるいは出産直前に飲んで胎児に影響が出るような薬も幾つかあるようですので、こういうものについての注意喚起等が、果たしてインターネットあるいは郵送されるような薬の場合にどうやって担保できるのか非常に心配です。薬で言うと、イブプロフェンがその可能性があるのではないかと思いますので、14番、18番の薬がそれに相当するのではないかと思います。
○飯島構成員 総括する形で御意見をまとめさせていただきますと、先ほどの池田先生の御指摘は、医療用医薬品が治験の100例、200例の段階では副作用としてチェックされていないのが、広く使われるようになって1,000例、1万例となると、それまで報告されていないような副作用が出てくるというのは、今までしばしば経験することです。そういうことは医療用できちんと医療者の監視の下に使われての話です。
 これが今度は適正使用の環境が変わるわけです。適正使用で変わりますと、医療用ではない不適切な思わぬ使用をされて出てくる副作用もあり得ると思いますので、スイッチOTCに関しては、暫く安全性評価を、どの品目も全部待ってもらったらいいということで、私が次回もし出席できない場合には、全てということで意見を述べさせていただきます。
○五十嵐座長 私は事務局に質問が1つあります。「製造販売後調査後の評価の流れ」を見ますと、スイッチOTCにしても、ダイレクトOTCにしても、3年とか4年ないしは8年の再審査に基づく調査をしているわけですが、劇薬については製造販売後の調査はあるのですか。
○中井医薬情報室長 これも歴史的経緯がありまして、今、劇薬指定された品目が仮に医療用医薬品であれば、必ず再審査が行われるわけです。
 一方で、既にここにある劇薬品目は、かなり古い承認日のもので、まだそういう制度がなかった時代のものがあります。ただ、ここにいろいろ書いてありますように、後ろにホルムアルデヒド、いわゆるホルマリンとか、ヨヒンビン、ストリキニーネという一般的に化学辞典なり薬学辞典などに載っているような非常に典型的な毒性が強いものでありまして、一定程度そういう評価はされております。
○五十嵐座長 分かりました。ほかにいかがですか。
 それでは、本日頂きました御意見は事務局に整理していただきます。御要望もありましたので、それも宿題ということで次回まとめて、あるいは新しいデータとして出していただきます。今日、御指摘いただいていない残りの品目についても、引き続き次回御議論いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、最後に議題4「その他」について、事務局から説明はありますか。
○尾崎薬事企画官 特にその他の議題はありませんが、次回の日程について御報告いたします。次回は8月23日(金曜日)の10時からを予定しております。場所等、詳細については、別途御案内をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○五十嵐座長 それでは、これで閉会にしたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
医薬食品局総務課: 03-3595-2377

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