ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(年金記録問題に関する特別委員会)> 第5回年金記録問題に関する特別委員会議事録(2013年7月24日)




2013年7月24日 第5回年金記録問題に関する特別委員会議事録

○日時

平成25年7月24日(水) 14:58~17:01


○場所

中央合同庁舎第5号館 9階 省議室


○出席者

(委員)

磯村委員長、岩瀬委員、大熊委員、大戸委員、金田委員、喜田村委員、斎藤委員、白石委員、    三木委員

(日本年金機構)

水島理事長、薄井副理事長、矢崎理事、松田理事、深田理事、野口審議役ほか

(厚生労働省)

樽見年金管理審議官、赤澤事業企画課長、梶野年金記録回復室長、大西事業管理課長、       池上給付事業室長、黒田企業年金国民年金基金課長

○議事

(磯村委員長)
 それでは定刻になりましたので、第5回の年金記録問題に関する特別委員会を始めたいと思います。
 斎藤委員が予定どおりお越しになるはずですが、少し遅れておられるようでございます。あとは皆さん全員ご出席でございます。
 それでは、初めに事務局で人事異動がございまして、新しい顔ぶれがおそろいでございますので、ごあいさつしていただきましょう。

(梶野年金記録回復室長)
 では、樽見年金管理審議官でございます。

(樽見年金管理審議官)
 7月1日付で年金管理審議官になりました樽見でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

(梶野年金記録回復室長)
 次に、赤澤事業企画課長でございます。

(赤澤事業企画課長)
 赤澤でございます。よろしくお願いいたします。

(梶野年金記録回復室長)
 次に、池上給付事業室長です。

(池上給付事業室長)
 池上でございます。よろしくお願いいたします。

(梶野年金記録回復室長)
 次に、黒田企業年金国民年金基金課長です。

(黒田企業年金国民年金基金課長)
 よろしくお願いいたします。

(梶野年金記録回復室長)
 次に、日本年金機構ですけれども、まず、野口審議役です。

(日本年金機構野口審議役)
 野口でございます。引き続きよろしくお願いいたします。

(梶野年金記録回復室長)
 それから、峯村経営企画部長でございますが、急きょ欠席でございます。
 最後に、私は、年金局の年金記録回復室長の梶野です。どうぞよろしくお願いします。

(磯村委員長)
 ありがとうございました。
 それでは、予定どおり議事に入りたいと思います。
 梶野さんよろしくお願いします。

(梶野年金記録回復室長)
 それでは早速ですけれども、まず、資料を1枚目おめくりいただきまして2枚目に議事次第がございます。本日の議事は、ご覧いただきますように4つです。年金記録問題のこれまでの取組みと今後の対応、以下4つでございます。
 もう一枚おめくりいただきまして3枚目についている資料は、これまで毎回つけておりますが、年金記録問題の主な取組事項の全体図ということでございます。この赤く塗った部分が本日の議事に関係する部分でございます。
 以上です。

(磯村委員長)
 よろしゅうございましょうか。
 では、続きまして、どうぞ。

(梶野年金記録回復室長)
 それでは、資料1から説明をお願いします。

(日本年金機構柳樂記録問題対策部長)
 では、資料1をご覧ください。
 この資料は、昨年7月、以前の年金記録回復委員会の際にもご説明をしたものでございます。記録問題に取り組んでまいりまして、これまでの進捗状況と今後について中間取りまとめ的なものを行うということで昨年ご報告しました。それからまた1年が経過しましたので、現時点までの取組みと今後の対応について、改めてこの特別委員会にご説明をするものでございます。
 また、概要につきましては、この委員会の第1回目、3月の終わりに開催された際にもご説明をしましたので、それとかなり重複する部分がございますので、簡潔にご説明したいと思います。
 表紙をめくっていただきまして1ページ目、「年金記録問題の概要」でございますが、大きく2つの側面があるということでございまして、1つは、基礎年金番号に統合されていない年金記録を、基礎年金番号に統合していくという作業があるというのが記録問題の1つ目の側面でございます。
 2つ目の側面は、オンラインに記録されている内容に正しくないものが含まれているということで、それを正しくしていく作業が必要であるということが記録問題の2つ目の側面でございます。
 正しくないものが入っている原因は、2つ書いてございます。1つは、オンラインに記録する際に、当初紙台帳で記録していたものをコンピュータの記録に移すという作業を行いましたが、正しく移しかえなかったということが原因になっているもの。それから、厚生年金基金の記録については国に対して届出をし、また厚生年金基金に対しても届出をするということになっておりますが、両者の間の記録で一致しない状態になっているものがあるということで、これらについて正す必要があるということが誤りに関する問題の一つの側面でございます。
 それからもう一つは、厚生年金の記録を過去に遡って訂正をする際に、実際よりも短い期間あるいは低い標準報酬月額に、事実と異なる訂正が行われたというケースがありまして、これらについて対応する必要があるというものでございます。このように、大きく2側面から対策をこれまで行ってきたわけでございます。
 具体的な対応の内容については、2ページ目から3ページ目に、これまで行ってきたことが棚卸といいますかリストの形で並んでおります。
 1つ目の未統合記録を統合していくという問題につきましては、2ページのマル1~マル7まで並んでおりますような特別便、定期便などを始めとした各種便の送付、すなわち、漏れ、誤りがある可能性がある場合に、ご本人にそれを通知し、それに対する回答をいただくことを通じて記録の訂正を行っていくという作業を行ってまいりました。メニューとしては既に昨年の段階で出たものと同じでございまして、内容についても概ね同じ内容でございます。
 昨年からの進捗点といいますと、上から4番目ですが、定期便について、平成24年度分の送付を行ったということ、それから、最後7番目でありますけれども、茶色便、共済年金の記録で基礎年金番号に統合されていないものがありますが、それについて、平成21年にも送付しておりますが、平成25年3月に改めて送付したというものがございますので、新たに記載をしております。
 大きな2つ目としては、記録内容の訂正、正しくしていくという作業でありまして、各種の突合せ作業を行うということでございます。紙台帳とコンピュータ記録の突合せや厚生年金記録と国の記録の突合せなどの対応を行いますし、今申し上げた未統合記録の統合のための各種便についても、当然ながら記録の統合のほかに記録の内容を正しくするという意味での効果といいますか成果も上げるということでございます。
 それから、ローマ数字3その他ということで、記録訂正に向けた様々な道筋、手法について列挙しておりまして、年金事務所段階で迅速に記録回復するための回復基準を定めていただきましたので、それに基づいて作業するということや、総務省におかれましては、第三者委員会において詳細な調査を行った上で記録の訂正の要否の判断をしていただくというようなことなどの対応を行ってきたわけであります。
 これらの経緯については、4ページ目に年表のような形でまとめておりますので、また後ほどご覧いただければと思います。
 これらの作業の現時点での進捗状況を5ページ目、6ページ目にまとめております。
 大きな1つ目、未統合記録に対する対応については、主に各種便への対応ということになりますが、ご覧いただきますとわかりますように、ほとんどの項目については、一番右端の処理数の欄になりますけれども、回答があったもの、「訂正あり」などのものについて、100%あるいはほぼ100%の処理が行われた段階に至っております。ごく最近に送ったもの、具体的に言いますと、上から4段目の加入期間10年未満の黄色便は、昨年6月から7月に送付をしております。それから、一番下の茶色便については、平成21年にお送りしましたが、平成25年3月にまたお送りしておりまして、こういった比較的最近お送りしたものについては89%あるいは95%ということで、ほぼ100%というところまでにはあと一息という状態でございますが、全体で見ますと、各種便に関しての対応はほぼ終了に近い状態になっているという現状でございます。
 次の6ページ目、大きな2つ目、記録をただすための各種突合せ作業につきましては、一番上の紙台帳とコンピュータの突合せにつきましては、対象7,900万人に対しまして、処理を完全に終えたものが6,200万人ということで、78%まで作業が進んでいる状態に至っております。1つ飛ばしまして、厚生年金基金の記録との突合せにつきましても、延べ人数で3,713万人が対象となっておりますが、昨年12月時点で94%の突合せが終了しております。
 その他につきましても、ここに記載のとおりの進捗状況でございます。
 これらを踏まえまして、対策の成果がいかほどかということが7ページに表でまとめられています。
 ローマ数字1未統合記録につきましては、各種便などの送付の結果でございますけれども、未統合記録が統合に結びついたものが、平成18年6月以降累計で1,346万人という状況になっております。
 なお、未統合記録の状況につきましては、後ほど別に参考資料のほうに資料が入ってございますので、そこでご説明いたします。
 それから、ローマ数字2の記録の内容をただしていくという作業につきまして、1つ目の紙台帳とコンピュータ記録の突合せにつきましては、124万人の記録の回復が行えたという状況でございます。そのほか、国民年金特殊台帳あるいは被保険者記録と厚生年金基金記録との突合せなどについても、記載のとおりの成果が上がっているわけであります。
 これらにつきまして、実感を持てるようにという形で、受給者について年金額がこれらの結果どれぐらい年額で増額したかということを累計でとっておりまして、平成20年5月以降の累計ということになってしまいますけれども、額としては年額で875億円の記録回復が行われたということでございます。受給総額に仮に換算をする試算額を出してみますと、年金額総額でいいますと約1.8兆円の記録回復が行われたということが現時点での成果でございます。
 以上が、これまでの対策の内容とこれまでの成果ということでございます。
 8ページでございますが、今後の記録問題への対応ということをまとめております。
 8ページの表でございますけれども、一番左側には、永続的にやっていく、各種便の対応については、概ね完了している状態にありますが、記録回復基準による訂正などにつきましては、申し出があります都度、回復基準に該当するかどうかを年金事務所で判断した上で、該当するものについては訂正をしていくということを引き続き行っていくことになります。
 それから、2つ目の記録の突合せ関係の作業につきましては、このすぐ後にご説明しますが、ほぼ作業の最終段階にある状態でございます。
 それから、「ねんきんネット」という、ご自宅でご自分の記録を手軽に迅速に確認いただけるツールを開発いたしまして、現在まで着実に改良を重ねてまいりました。平成25年度以降についても、ここに書いてございますように、受給者の見込額試算ですとか年金記録をわかりやすく表示する、あるいはスマートフォンなどに対応するということで、より利便性の向上に努力をしているところでございます。また、こういった「ねんきんネット」などの実用化、それから突合せの進展などを踏まえまして、今年1月からでございますが、真ん中の欄に書いてあります「気になる年金記録、再確認キャンペーン」を実施しているところでございまして、キャンペーンを踏まえた記録確認の申し出などで年金事務所にお越しになっていただいているというところでございます。
 それから、年金記録問題への対応として最後でありますが、再発防止の対策を従来から重ねておりますが、またさらに引き続き行っていくということが概略でございます。
 今申し上げた個々の項目についてもう少し今後の具体的な進め方、目途についてご説明をしておりますのが9ページ以下でございます。
 9ページの(2)に、紙台帳等とコンピュータ記録との突合せの今後の実施方針について記載をしております。
 今後の予定といたしましては、事業者段階での突合せについては平成25年度中を目途に終了する予定になっておりまして、ご本人に記録の誤りなどがある方に対するお知らせ通知につきましても、処理が難しいケースを除きまして、今年度中を目途にお送りするよう目指すということが今年度の予定でございます。
 2段目に書いております紙台帳検索システムを活用した未統合記録の持ち主検索作業についても、ほぼ同様の作業スケジュールとなっております。
 (3)に、厚生年金基金の突合せに関する今後の対応についてという項目でございますが、これは本日、3番目の議題として厚生年金基金の突合せに関する議題がございますので、そこでご説明いたしますが、一次審査については概ね終了に近づいておりまして、今後は二次審査についての対応が課題になっております。二次審査の基金からの提出期限が平成25年10月末ということでございますので、提出期限までに依頼があったものについては、平成25年度中を目途に必要な記録訂正を進めるという予定になってございます。
 キャンペーンにつきましては、10ページ、11ページに書いてございます。
 キャンペーンの概要については、この委員会でも何度かご説明をしておりますので、詳細についての説明は省略をさせていただきます。
 11ページに、参考ということで、1月から開始しておりますキャンペーンでの具体的な回復事例を幾つかご紹介させていただいております。
 事例1にありますのは、「年金記録確認のお願い」というハガキを受給者の方にお送りしております。そのハガキをご覧になって、ハガキを持って年金事務所に記録確認の依頼にお越しになった例でございまして、旧姓で記録されている記録が見つかりまして、142カ月分について記録の回復ができた。その結果、老齢厚生年金の額が約44万円から約135万円に増加したという事例がございます。
 事例2としては、先ほどご説明した「ねんきんネット」で自らの記録を検索できるようになっておりますが、ご自分の記録を検索されまして、戸籍の生年月日と違っているということで検索をされたところ、該当すると思われる記録があるという表示をされたので事務所に相談をされたという事例で新たな記録が見つかっている事例がございます。
 事例3でございますが、このキャンペーンの中で記載をしておりますが、ご自身の分だけではなくてご家族の分についてもご確認いただければありがたいということで、そういったやり方についても以前の年金記録回復委員会でもご助言をいただいてそういった内容にしているわけでございますが、そういうことも踏まえてハガキを見て、ご本人ではなく、同居しているご長男の方が年金事務所に相談をされた結果、年額1万5,000円分の記録が新たに見つかったなどの事例が報告されておりますので、参考としてご紹介をさせていただきます。
 12ページに、再発防止対策ということで列挙いたしております。
 現在、大きな項目でいえば4項目の再発防止対策を実施、あるいは今後実施する予定にしております。
 1つは、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」によって、今、回復例でもご紹介いたしましたが、ご自分の記録を確認いただくということで誤りを正す、あるいは抜けている記録を自ら見つけて年金事務所への相談につながるというような形で記録の正確性を確保するということが可能になっておりますので、「ねんきんネット」等の普及に努力をしていくということでございます。
 2つ目として、基礎年金番号の重複付番の発生を防ぐために、新たに付番する際に、重複付番のおそれがある場合には別の番号、本物の基礎年金番号とは違う番号で管理をするという形で、重複が生じない場合に限って新たな付番を行うという取扱いを行うことによって重複付番を防止するという対策を行うことにしております。
 3番目といたしましては、入力誤りを防ぐ際の一番根本的な対策としては、入力作業が生じないようにすることが最も効果的でありますので、電子申請や電子媒体による届出を促進するということで、記録の誤りを根本から防止することができますので、その電子化の促進を行っております。
 4番目といたしまして、厚生年金基金との記録の突合につきましては、平成26年度を目途といたしまして、国が持っている厚生年金基金加入員の記録を定期的に基金側に情報提供して不一致がないかどうかを確認していただいて、時間が経ってからではなくて、速やかに誤りを見つけて訂正していただくことが可能になるようなシステムの構築を準備しているところでございます。これにつきましては、3番目の議題のときにご説明をいたします。
 以上が、これまでやってきたこと、進捗状況、それから今後の対策の概要でございます。
 以下、参考資料ということで幾つか資料をおつけしております。
 先ほどご説明しました未統合記録の直近の状況についてまとめておりますのが、1枚めくっていただきまして15ページに掲載している表でございます。
 5,095万件のうち解明された記録が、左上にあります2,961万件というのが今年6月時点での状況でございます。1年前、平成24年6月時点は2,855万件でありましのたで、この1年で106万件、解明された記録が増加しているということでございます。
 その内訳は、マル1に書いてございますが、基礎年金番号に統合されたというものが1,721万件でございます。これは1年前と比べますと74万件増加をしている状態でございます。また、1,721万件を人数に換算をいたしますと1,346万人ということでございまして、これも1年前と比べますと50万人増加をしているというところでございます。
 解明された記録のうちの死亡者等とされるものについては1,240万件ということで、1年前と比べまして32万件増加をいたしております。
 以上が解明された記録ということでございまして、残された2,134万件は、昨年と比べますと106万件減少ということになりますが、なお解明を要する記録あるいは作業中の記録ということになります。
 その内訳がマル3~マル6までに並んでおりますが、現在調査中のものが4万件ございます。
 マル4名寄せ特別便等の対象となりましたが、ご本人から回答がない、その他の理由で持ち主が判明するに至っていない記録が874万件、今年6月時点でございます。その内訳が括弧の中に並んでおります。一番多いのは、お送りしましたけれどもご本人から回答がないものが324万件、回答はありましたけれども、ご自分のものではないということでご回答があったものが198万件、お送りをしましたけれども、未着で返ってきたものが54万件、その他が299万件でございまして、299万件の具体的な中身は、表の外に(注1)という形で書いてございますが、例えば「訂正がある」というご回答はあったけれども、調査した結果、それは残念ながらご本人のものではなかったものですとか、あるいは基礎年金番号のある記録と名寄せをされたけれども、その記録はその期間に別の記録と期間重複がありまして、その記録がご本人のものであるとは言えないということで、特別便の送付ができなかったものなどが「その他」というところに計上されているものでございます。
 マル5につきましては、以上のような調査中でもなく、また何らかの手がかりが得られたということもないということで、残念ながらいまだに何らの手がかりも得られていないものがございます。これが今935万件ということでございます。これがどういうものであるかということは、手がかりが全くありませんのでうかがい知れないのですけれども、想定されるものといたしましては、死亡しているのではないかというようなこと、あるいは国外に転居されているのではないか、あるいはそもそも届出された段階で既に氏名が誤っている、生年月日が誤っているなどで国の記録からはご本人の手がかりを得ることができないものなどが含まれているのではないかと推測をいたしております。
 マル6でございますが、手がかりが得られていないことには変わりはないのですけれども、今申し上げたマル3~マル5までのいずれかに分類されているものと同一人であると思われるもの、具体的に言いますと、欄外の(注2)にありますけれども、マル3~マル5の記録と氏名、生年月日、性別の3項目が一致しているので、かなりの確率で同一人ではないかと思われるものが321万件あるというところでございます。
 以上が、5,095万件未統合記録についての今年6月時点の現状でございます。
 次のページが、これまでの統合の推移ということでございまして、色がついているものが統合された結果ということでございます。一番右端が1,721万件ということでございまして、平成19年から21年ぐらいまではかなりのペースで統合が進んでいるわけでございますけれども、平成22年ぐらいからペースがスローダウンいたしまして、大体四半期で20万件前後の統合状況ということでございまして、ある一定程度のところで統合については頭打ちになっていくのではないか、この後の解明については岩盤にぶつかりつつあるのではないかと認識をしております。
 次のページ以下、未統合記録の分析につきましては、前にご報告した内容と基本的には同じでございますので、割愛させていただきます。
 なお、統合記録と未統合記録の比較につきましては、この1年間で今申し上げたように統合が100万件程度進んでおりますので、改めて数字を取り直しておりますので、表の中の数字については入れ替わっている部分がございますが、分析結果そのものについては特段大きな変更はございません。
 24ページ以下が、紙台帳とコンピュータ記録の突合せに関する参考資料でございまして、24ページについておりますのは、コンピュータ記録と紙台帳の突合せの姿を図示したものでございます。コンピュータ上には3億件の記録がありまして、うち5,000万件程度が未統合となっている。それらも含めました全体のコンピュータの記録と、紙台帳について、紙台帳検索システムを用いて突合せを行っているというところでございます。
 25ページは、紙台帳とコンピュータ記録の事業の実施状況、推移について表にまとめたものでございますので、詳細は割愛いたします。
 27ページ、今回資料として新たにつけているものでございますが、この紙台帳とコンピュータ記録の突合せにつきまして、これで全ての記録問題が解決するのかという点が1つ目にございます。
 ここでは、一定の射程範囲、有効範囲がありますということを述べております。ここで書いておりますのは、紙台帳からコンピュータ記録に移す際に誤りが生じた場合は、今回、その紙台帳とコンピュータ記録を突合せて誤りを見つけておりますので、そういったものは回復されるということでございますが、事業所からそもそも届出が誤った状態で出てきているものですとか、あるいは正しく出てきたけれども、紙台帳に記入する際に誤ったものなどについては、今回のこの紙台帳とコンピュータ記録の突合せでは見つけることはできませんので、そういったものについては第三者委員会における調査審議などに委ねるということになります。そういう一定の有効範囲があるということが1つ目です。
 2つ目として、紙台帳とコンピュータ記録の突合せについての不安点として、コンピュータ記録は現にもう正しくなっていて、それを紙台帳と見比べて、紙台帳の記録の方が誤っているのに、その記録に合せて訂正をしてしまわないかということが不安だと言われます。それについては、ここに書いてございますように、そういったことが生じないような仕組みが設けられているということでございます。
 1つは、そもそも突合せ事業を行う際に、事業者、それからその結果を踏まえた職員審査において、そういうことが起きないようにしているわけでございまして、突合せの際にコンピュータ記録の訂正履歴を確認いたしまして、紙台帳の記録から今のコンピュータ記録に訂正がなされているものについては訂正をしないということにしております。また、訂正がなされていないものにつきましても、第三者委員会の申立履歴を確認しまして、「訂正不要」と判断されているものについては、今の紙台帳が正しいということになりますので、コンピュータ記録の訂正は行わないというルールになってございます。
 ということで、誤訂正が発生しないような仕組みにしておりますが、それでもなお、そういう網の目を潜って間違ってしまう場合がなきにしもあらずということで、そういうものについては2番目のセーフティネットとして記録の訂正の際にはご本人に訂正内容を記載した通知を送付するようにしておりますので、そのご確認をいただくということになります。ご本人が訂正内容を正しいと認めて記録訂正を希望する際には記録訂正を行いますが、ご本人が記録訂正は正しくないという回答があった場合には、事跡を残して訂正を行わないということになっております。また、ご本人が受給者で減額になる場合には、通知は送付いたしませんで、突合せ結果の事跡のみを残すというような形で、冒頭申し上げたような誤ったオンライン記録の訂正が生じないような仕組みが講じられているわけでございます。
 28ページは基金突合についてですが、別の議題がございますので、そちらに譲りたいと思いますので、説明は割愛いたします。
 最後のページでございますが、これまでの記録問題に関する経費の合計、過去のものについては決算、それから25年度については予算の数値でございますが、ご覧のような経費がこれまでにかかった経費あるいは今後かける予定の合計額ということでございます。
 資料1については以上でございます。

(磯村委員長)
 ありがとうございました。
 委員の皆さん、何かご意見やご質問はございますか。
 どうぞ。

(三木委員)
 紙台帳の突合の前提が紐付けだと思うのです。その紙台帳との紐付けが、どこまでの精度でやって、最終的に紐付かなかったものも1.2億あると思うのですけれども、それは紐付く可能性がないものかどうか確認をしたいと思います。

(磯村委員長)
 今ご返事できますか。

(日本年金機構柳樂記録問題対策部長)
 紐付けにつきましては、1つだけではなくて幾つかの手順を追って行っております。
 まず1つ目でありますが、一番基本となる紐付けとしては、基礎年金番号あるいは年金手帳記号番号と生年月日が一致するものについてはご本人の可能性が高いということで、まず紐付けを行いました。それを一次紐付けと呼んでおります。また、それだけでは必ずしも多くの紐付けが十分行われないということで、補足的にそれ以外の紐付けも行うことにいたしました。それはたしか私の前任ですけれども、前の年金記録回復委員会等にもお諮りをして作業を行っているものだと聞いております。具体的には、二次紐付けということで、一次紐付けで紐付かなかったものについても、今度は氏名と基礎年金番号あるいは手帳記号番号が一致するものについて紐付けを行うということにしております。
 ここまでですと、いずれにしろ、基礎年金番号なり手帳記号番号がはっきりしているということが前提になりますけれども、番号の一部が読めないとかいったことになりますと、今の一次紐付けあるいは二次紐付けでもなお紐付けができませんので、さらに三次紐付けということで、氏名と生年月日が一致するものについても、三次紐付けという形で紐付けを行っております。氏名と生年月日ということになりますと、同姓同名もかなり多くなりますし、それから番号は全く度外視をしているということでありますので、必ずしもご本人ではない方にも、本人の年金記録ではないものにも紐付くという可能性はあるわけではありますけれども、しかし、紐付けを一応十分にした上で、その紐付いた画像がご本人のものかどうかというものについては、個別に見ていくという形で処理をするほうが未統合記録の統合あるいは記録の訂正などについては有効ではないかということで、そういう形で現在、一次紐付け、二次紐付け、それから三次紐付けという形での紐付けを行っているということでございます。

(磯村委員長)
 よろしいですか。
 どうぞ。

(白石委員)
 11ページに「気になる年金記録、再確認キャンペーン」と具体例を書いていただいて、結構こういう事例は有効的だと思います。実際にこれで記録回復ができた件数は把握しているのでしょうか。できれば、やはりどれだけの件数が上がってきているかということで、効果的なものかどうかがわかるということが1つと、あともう一つですけれども、15ページのところで、解明された記録と、どちらかというと解明作業中、または、なお解明を要する記録のこちらの2,134万件、多分一番怖いのは、この数字だけがひとり歩きを現在しているような気がします。一般の国民から見ると。例えば先ほどの説明で、マル5のところで、持ち主の手がかりがいまだ得られない記録ということで、死亡等など推測されているという発言をされましたけれども、確かに推測しかできない範囲だとは思うのですが、やはりこれを一般の方が見たときに、推測が許されるのかどうかということがあります。最終的には推測ではない形が望ましいのかなというように、一般の立場、国民の立場からの視点で発言させていただきました。

(磯村委員長)
 どうぞ。

(日本年金機構北波事業企画部長)
 事業企画部でございます。
 今ご質問ありました11ページの例でございますけれども、これは代表的な例ということで、キャンペーンの主眼でありますハガキをお送りするということに対応した例と、それから今回の一つの売りでございます「ねんきんネット」での未統合記録の検索、これを利用されたケース、それから、まさに高齢の方も多いという中で、お子様とか周りの方が気付かれるという典型的なケースについてピックアップをさせていただいて、これは6月に公表させていただいて、キャンペーンを進める一つの材料にしていただこうと考えました。
 ご質問のように、キャンペーンの効果としてどのぐらいの記録が見つかったのかということでございますが、実は、この個別のハガキにつきまして言いますと、大体2月から4月までの3カ月間で、事務所にハガキを持ってこられた方が約4万1,800件もございます。一月当たり1万3,000件ぐらいの方が来られて、その中で見つかる、見つからないということがあろうかと思います。ただ、私どもも実際のところ、どこまで厳密に数字を取ろうかというところを考えたとき、年金事務所の負担というところも配慮いたしまして、まさに目立ったケース、実際ハガキが契機になってわかったとか、そういったことが窓口できちんと把握できたものは、各事務所からなるべく出してほしいということで、主だったものということで出していただいたということがございます。その中で典型的なケースを3つセレクトさせていただいたということです。
 この3つ以外にも実際、各事務所が典型的にキャンペーンの事例ではないかというケースとは幾つか集めておりますので、どこかで時期を改めて少し分析をさせていただきたいと思いますが、ほとんどがやはりハガキを持参されるという契機でというものが年金事務所でもそこが一番多いのではないかということであります。全数で厳密に把握しているわけではないということをご理解いただければと思います。

(柳樂記録問題対策部長)
 マル5の手がかりが得られていない部分についてですが、これは文字どおり手がかりが得られておりませんので、残念ながら、死亡しているとか、どこの方かわからないのが現状でございますので、事実関係を確定することができないということでございます。そのうち年齢的に、死亡したと判断していいもの、例えば120歳を超えているとか、そういう方についてはマル2のほうの死亡者等の記録というほうに繰り入れておりますが、マル5に残っておりますものについては、ご本人がどなたであるかというのは全く確定できないものですから、確定的にその原因を申し上げることが現時点ではできないということでございます。ただ、大体どれぐらいが死亡しているのかというような推計的なものは可能だとは思いますので、検討課題とさせていただきたいと思います。

(磯村委員長)
 どうぞ。

(三木委員)
 過去議論したかどうかわからないのですが、マル5の935万件に対して、紙台帳の紐付きの状況というのはどうなっているのか、もしわかれば教えていただければと思います。

(磯村委員長)
 今わかりますか。

(日本年金機構柳樂記録問題対策部長)
 935万件の紐付き状況は今資料がございませんので、調べた上でご報告したいと思います。

(磯村委員長)
 では、また適当な機会に。
 ほかにはよろしいですか。どうぞ。

(斎藤委員)
 資料の最後に年金記録問題に係る経費をまとめていただきました。費用対効果を数字だけで考えるのはそぐわないことなのかもしれませんが、考えておくべきことだと考えます。この数字をどう読むのか、どういうふうに解釈するのかは立場によって随分違うとは思いますが、国民の中には、「ねんきん特別便」に960億円もの多大なお金がかかっているとみたり、いろいろなご意見があるだろうと思います。それに対して、私たち記録問題を解明しようとしている立場としてこの数字をこう考えていますというようなことを一度まとめる必要があるのかなという気がするのですが、いかがでしょうか。

(磯村委員長)
 いかがですか、まず事務局から。

(日本年金機構柳樂記録問題対策部長)
 その全体の評価自体は事務局ができるのかどうかわかりませんけれども、まず個別で言いますと、例えば紙コンなどにつきましては、コストパフォーマンス論で言いましても、投入しているコストに対して得られる効果、つまり回復される年金額のほうが多いということで受給者についてもそうですし、また被保険者についてもそういう試算結果に基づいてご議論いただいて、最終的に全件について実施するというご意見を回復委員会でも賜ったということでございます。
 それから、今の話は純粋なコストパフォーマンス論としての議論でしたが、その際の議論でも、前の年金記録回復委員会でもありましたが、そういった目に見える、評価できるコスト対効果という議論のほかに、外部効果的なものとして、誤った記録ができる限り解消された、将来に向けて正しい記録として年金制度が運営されていくという、そういった外部効果といいますか、信頼による年金制度全体に対するプラスの効果というようなものも、コストパフォーマンス論のほかにあろうと思います。こういった面につきましては、なかなか事務局でどうこう申し上げるような点ではありませんし、むしろ国民全体のご評価を賜るようなものかとは思いますけれども、事務局として申し上げられるのは、そういう個々のコストパフォーマンス面でも一応クリアしている。また、コストパフォーマンス論の外の外部効果的なものもあるということで、前の年金記録回復委員会においても、個々の委員によっていろいろお立場の濃淡はあったように記憶しておりますが、そういった意見であったかと聞いております。ただ、これは委員会を改めまして特別委員会でありますので、またこの委員会でも必要に応じてご議論いただければと思います。

(磯村委員長)
 斎藤委員、よろしゅうございますか。

(斎藤委員)
 数値として上回った効果がありましたということを国民に申し上げるのは一つですけれども、ここまでこういうお金の使い方をするべきだったのだろうかということはよく聞かされます。そういったことも踏まえて、ここまでやってきたわけですので、私たちも反省をし、総括をしなければいけない時期に来ているなと思っております。
 年金に対する不信感を払拭するところまでは残念ながらいかなかったとは思うのですが、それに対してここまで真摯に対応していただいたということは皆さんが評価してくださっているとは思います。ただ、これだけやってもわからないもの、つまり宙に浮いてしまったものをこれだけ発生させてしまったのかというご批判の声は多分出ると思います。それに対しては真摯に受け止めなければいけないと思っております。何となく総括ムードなのですけれど。

(磯村委員長)
 はい、どうぞ。

(日本年金機構柳樂記録問題対策部長)
 担当としては、全く個人的な感想でありますけれども、やはりもう少し早く記録問題に対して適切な対応を打っていれば、ここまでの経費をかけることなく記録の適正化はできたのではないかと思っておりますので、ここの表に掲げておりますような数字が必要となったという点につきましては、将来に向けての年金業務の運営に当たってはよく肝に銘じて今後考えていくべきだと思っております。

(磯村委員長)
 非常にいい答弁が出ておりましたけれども、この辺は秋口から暮れにかけて報告書をご議論いただきます際にも、ここまではっきり書けるかどうかはわかりませんが、触れないで素通りするというわけにはいかない部分だろうと思っておりますので、またその段階でたたき台をお示ししてご意見を聞きたいと思っております。ただ、それにつけても、先ほどの白石委員のご意見にもありましたように、15ページのところ、ここが実は肝になるわけです。一番肝心なコアの部分だろうと思うのですが、この15ページのところが、まだ何となくふわっとしていて、これだけで4,000億円ものお金をかけた、ということなのか、という感じがします。もう一踏ん張り、ある程度の説明があり、国民の皆様になるほどと思ってもらって、そのうえで4,000億円のお金と比較してみると、少し違うのだろうと思います。したがいまして、この15ページのところ、例えば、下の箱のマル4のところ、前回と比べますと、かなりわかってきました。かなりわかってきましたけれども、では、自分のものではないと回答があったものが198万件ある。では、これは一体誰のものかというところまでは、まだ踏み込んでいないわけですね。あるいは下のマル5、括弧の中の3つ目に、届出誤りにより収録されたものが、件数はわかりませんけれども、かなりあるのでしょう。なぜそれがわかったのだろうか。届出誤りがわかったということは、正しい持ち主がいたか、あるいは大正18年などの、あり得べからざる記録があったから届出誤りがあったとわかったのか。何かのきっかけでわかったわけですね。何でわかったのだろうか、この辺がもう少しはっきりすると、なるほど、よくやってくれたということになるのではないかと思う。今のままだと、多少は今までよりはわかってきましたけれども、何となくもう一つはっきりしない。それなのに4,000億円ものお金をかけたのか、という議論が出てくるのではないのかと、私もお二方の話を聞いておりながら思いました。この辺は前回の勉強会でも実はいろいろ出たのですが、まだ本日はその辺、事務局からお示しいただける段階ではないということのようですから、折りを見て適当な時期に、報告書の審議をする前の段階までに、一般の方から見て、なるほど、ここまでやってくれたのか、と思っていただけるようにして、初めて4,000億円のお金が、そこまでやったのなら仕方がないか、というようにご理解願えるのではないかと個人的に思うのですが、委員の皆さん、いかがでございましょうか。
 どうぞ。

(岩瀬委員)
 磯村委員長のおっしゃることに全く同意しますが、もう一つ、斎藤委員との意見の違いがありまして一言言わせていただきたいのですけれども、4,000億円かけてここまでやったというのは、これは国民の税金を使わせてもらって、社会保険庁がやらなかった、あるいはさぼってきた年金記録問題を解決させてもらっているわけですから、これを今岩盤に突き当たって、もうほとんど厳しい状況に来ているというのはわかるのですけれども、これでもう記録問題をやめてしまうとなると、4,000億円を使わせてもらった国民に対して、いわば、半永久的に記録問題に関して日本年金機構は取り組むのだという姿勢を出さないと、4,000億円というお金が一体どうなったのだという批判が出るのではないかなと私は思います。ですから、記録問題をそろそろけりをつけるという時期に来ているとは思いますけれども、一通りの解明作業は、こういう状況で、こういうことですという報告をした後、機構として今後この記録問題をどのように取り組んでいくのか、どういう体制をとるのかということを、これはそろそろ機構の考えを明らかにしていただきたいというふうに思いますので、次回にでも考えをまとめていただけないかとお願いします。

(磯村委員長)
 なるほど。どうぞ。

(三木委員)
 今、岩瀬さんがおっしゃったとおりだと思うのですけれども、報告書もひとつそういう反映をしたものになるべきだというように思いますが、結論は多分3つあると思っていまして、1つは、機構の内部や地方自治体も含めて、ありとあらゆるデータを全部見られる可能性のあるものは見ましたという、手持ちの情報資産については全部完璧に見たという状況までやったということが岩盤に突き当たったというような、そういう今表現された状態だと思うのです。あと、今後プラスでやっていくことは、お客様が、例えば生年月日が先ほどあったように、親から言われていたのと違う届出で出していたということを思い出しましたというような、お客様が持っている情報と機構が持っている情報資源を突合すると何かがわかってくる、もしくはお客様が言ってきたことが正しいから、それにあわせて訂正するとわかるようなという、そういったものについてはお客様から相談に来た場合には、全ての機構の持っている情報資産は事務所の窓口なり「ねんきんネット」なりですぐ活用できる状況になっていて、それのパターンに応じてきちんとマニュアル的にも窓口できちんと整備されて対応できるようになっているという状態が今後の状態というようなことだと思うのです。
 あと3つ目は、過去の年金記録問題ということではなくて、今から受け取る情報に基づいて作っていく年金機構の情報というものが全て適正な正しいものだということを担保するようなオペレーションとシステムができているというような再発防止策というものが3つ目にあって、そういったことについてきちんと説明をしないといけないのではないかと思っております。

(磯村委員長)
 なるほど。こういったご提案なのですが、できるもの、できないもの、いろいろあろうかと思います。これは今すぐの問題ではなくて、次回以降、どこかの折りを見て事務局で整理をしていただけませんでしょうか。そういった運びでよろしゅうございますか。
 どうぞ。

(日本年金機構柳樂記録問題対策部長)
 冒頭1点目で委員長がおっしゃったマル5の括弧に書いてある中身のことでありますけれども、これはマル4と異なりまして、死亡しているということがわかったとか、あるいは国外に転居していることがわかったとか、届出誤りにより収録されたということがわかったということで書いているものではありません。いまだに持ち主の手がかりが得られていない原因として想定されるものを列挙しているものでありますので、現実的には残念ながら全くわかっていない、何ら手がかりも得られておりませんし、その中身についてもどうなのかというのはわかっているわけではありません。ですので、届出誤りということがわかったということで書いてあるわけではありません。

(磯村委員長)
 では、この3つの項目は、単なる、あり得るであろうということを列挙しただけと。


(日本年金機構柳樂記録問題対策部長)
 そうです。

(磯村委員長)
 なおわかりにくいですね。一般の人には。

(日本年金機構矢崎理事)
 よろしいでしょうか。

(磯村委員長)
 どうぞ。

(日本年金機構矢崎理事)
 非常にいろいろいいご示唆いただいたと思っております。いずれにしましても、これだけのお金も使わせていただいて、こういう結果になったというのは、よりわかりやすく分析する必要があると思います。その中で柳樂も申し上げましたように、一定の推計にはなりますが、この中の方で、あるいはもう亡くなられた方、これは非常に機械的な生存率や何かを使うということになると思いますけれども、そういったアプローチもトライはしていってみたいと思います。
 何より大事なのは、皆様も言われていましたけど、もちろん記録問題がここで終わりということはないわけで、例えば、集中期間は今年度中でありますけれども、平成26年度になっても窓口に来られたお客様が、昔どこどこで勤めていたはずだけど、その記録はありますかというお申し出は、ある意味、半永久的にというお話も出ましたけれど、当然あり得るわけであります。それにいかに迅速、的確な対応をしていくか、そういう体制をどう機構として作っていくかということも課題だろうと思います。
 そういう意味では、これまでいろいろなツールを作ってきまして、昨年の年金記録回復委員会でご説明しましたけれども、紙台帳検索システムを使って、今までと比べて随分早く紙ベースのものを見れるような仕組みとか、それを使って全国統一的な検索のマニュアルというものも昨年夏から試行して1月から本格稼働だったと思いますけれども、そういったこともやっておりますので、そういったものはより徹底させるということだと思います。また現場でそういうオペレーションが可能な体制も当然平成26年度以降も作っていくということも課題だろうと思います。
 最後は、やはりこういったものを再生産しないように、先ほど柳樂も説明しましたけれども、電子化ですとか本人のご確認ですとかいろいろありますけれども、そういったものをもう一回整理し直すと、そういったことはやはりトータルの形で、区切りというような言葉を使われたと思いますが、まさに今年そういう中で整理をしていくということが大事だと思いますので、また少しお時間をいただいて、ご報告、ご相談申し上げたいと思います。

(磯村委員長)
 そういうことで、適当な時期にまたご報告いただけるようでございますから、本件は一応よろしゅうございますか。
 ありがとうございました。それでは事務局はお手数ですが、よろしくお願いいたします。
 続いて、次の議事へまいりましょう。

(日本年金機構白井記録管理部長)
 それでは、2つ目の議題でございます資料2、共済記録に係る日本年金機構における整備状況ということでご説明をさせていただきたいと思います。
 おめくりいただきまして1ページでございますけれども、共済記録の整備状況ということで、この間の大まかな経過が述べられております。
 ご案内のとおり、基礎年金番号が平成9年1月から導入されたわけでございますが、そのとき共済組合員であった方、あるいはそれ以降、共済組合員になった方、あるいはその当時から受給者であった方等につきましては、私ども日本年金機構で基礎年金番号を振って、その基礎年金番号をもとにいろいろな情報交換をしてまいったところでございます。
 2つ目の○にございますが、そうは申しましても、平成9年、基礎年金番号導入前に共済組合、いわゆる公務員や学校の先生、あるいは公立病院等をお辞めになった方もたくさんいらっしゃるわけでございまして、その方は当然平成9年1月時点では国民年金であったり厚生年金であったりしたわけでございますが、そちらのほうで厚生年金あるいは国民年金で基礎年金番号を取った方につきましては、それ以前にお辞めになった共済組合の期間につきましては、基礎年金番号なしのままで管理をされていたという状況があったわけでございます。
 これに関しまして、その下の参考にございますとおり、平成19年7月5日に、「年金記録に対する信頼の回復と新たな年金記録管理態勢の確立について」ということで、その方向性を指摘されたわけでございまして、1つは、この過去記録、いわゆる基礎年金番号が振られていない平成9年1月前にお辞めになった記録181万件について厚生年金制度一元化に向けて基礎年金番号に統合すると、この過程においてでございますが、具体的手法としましては、基礎年金番号と名寄せを行って記録が結びつくと思われる方に対してその旨をお知らせしますといったようなことが示されたわけでございます。そういった事業を進める中で、3つ目の○でございますけれども、平成25年3月末現在で、この過去記録198万件という件数のうち123.4万件の統合を行ってきたところでございます。
 2ページをおめくりいただきまして、具体的に統合に至る手法でございますけれども、ローマ数字2の1つ目の○でございますが、共済過去記録198万件につきまして、この基礎年金番号の記録とカナ氏名、生年月日、性別が一致の記録を抜きまして、平成21年3月に「共済組合等加入記録の確認のお知らせ」というものをお送りいたしました。これは封筒の色が茶色だったものですから、「茶色便」と名付けさせていただきます。こういった茶色便というものを送りました。
 2つ目の○ですが、一方、それ以前にも「ねんきん特別便」等でお客様にお送りしていた中では、その回答の中で、自分は、例えば郵便局にいたとか、学校の先生をやっていたといったようなお申し出も当然ございまして、その都度というか、そういうお申し出に対しましても、共済組合等に確認を行う中で、記録等もいわゆる基礎年金番号に紐付けていったわけでございます。その結果につきましては、その下の箱にございますが、茶色便あるいは特別便等でお申し出が232.3万件ございましたが、平成25年3月現在で約99.8%の処理が終わっておりまして、ご本人様に回答させていただいている状況でございます。
 結果のところは、先ほど申しましたように、こういった事業の回答作業の中で123.4万件が基礎年金番号に結びつきましたということでございます。
 続きまして、3ページをお開きいただきいのですが、198万件との差、約70数万件につきまして、これをどうするのだということが一つ議論になるわけですけれども、そこでの共済過去記録整備に係るさらなる対応ということで、1つ目、再度の茶色便の送付ということを事業として行いました。1つ目の○にございますけれども、平成21年3月についでということで、平成25年3月に31万件の茶色便を送っております。その内訳は、(1)ですが、平成21年3月にお送りした茶色便の未回答の方、約22万件いらっしゃるわけですが、この方に対して、これも以前の10月の年金記録回復委員会でご指摘いただきましたように、重複して送ることのないようにというご助言もいただきましたので、既に先ほど申しましたような特別便でご回答いただいている方等を除きまして、この再送付に18万件をお送りしました。
 (2)といたしましては、氏名変更履歴名寄せの実施でございますが、当初、先ほどの平成21年3月につきましては、データ抽出の時点での直近基礎年金番号のカナ氏名でしか抽出してございませんでした。そのときの旧姓で当ててみようということで、当時の基礎年金番号、氏名変更履歴に過去記録の氏名があれば、そういう方につきましてもお送りをしていこうということで、この平成25年、やはり同じ時期に約13万件の茶色便を送付しました。(1)と(2)の合計でさっきの31万件の茶色便を送付させていただいたところでございます。
 2つ目にございます○、これは現在、お客様のから回答と申しますかお申し出がまいっておりまして、5月31日時点でございますけれども、受付12万4,118件ということでございます。これは現在、私どものところで鋭意受付審査業務を行っているところでございます。
 2つ目に、「ねんきんネット」への掲載でございます。こういった茶色便の再送付等を行っても、なおかつご回答いただけない、あるいは自分の記録ではないというお申し出になるケースも多々あろうかと思いますが、そういった場合でも、「ねんきんネット」に共済記録の有無、こういったものが検索できるように平成25年度中のシステム的な設計を検討しているところでございます。そういうことで、今後、最終的にはネットでご確認をいただくということになっていこうかと思っております。
 以上が、昨年10月の年金記録回復委員会でご報告させていただきました共済記録整備の事業のその後の展開でございます。
 続きまして、4ページをお開きいただければと思うのですが、備考となっていますが、これは今後の被用者年金一元化への対応ということで載せさせていただいております。法案が通って、平成27年10月実施ということでございますが、主にポイントは3つでございます。
 1つ目につきましては、共済記録の確認と情報交換ということでございますが、現在は紙あるいは磁気媒体により一定周期でやりとりをしているところでございますけれども、一元化後は、この情報連携システムで、直接一定キーを介在しまして、その場で共済の記録を参照することで迅速な年金裁定あるいは年金相談等の実務を行うようにしますということです。
 2つ目につきましては、「ねんきん定期便」への共済情報の記載ということでございます。現在のところ、定期便につきましては、絵の左側にございますが、ちょうど「002」と「003」の間があいている期間があります。本来ここが共済期間であったということでございますが、現在はこのように空いている期間という表示をさせていただいておりますが、一元化後は、そこの「003」に公務員共済ということで、実際に公務員あるいは学校の先生等の期間をここに打ち出すということでございます。
 ちなみに、「公務員共済」という名前で括っておりますのは、私学共済は私学共済と表示するのですが、国家公務員共済組合と地方公務員共済組合につきましては、例えば、地方公務員から国家公務員共済に移りましたときには、記録と原資を後の共済に移すという制度がございますので、国家公務員共済組合と表示した場合に、ご本人様が、以前は地方公務員共済組合におられたということで誤解があってはいけませんので、ここは一括りで公務員共済と表示させていただくような工夫をしてございます。これがその定期便への記載ということでございます。
 おめくりいただきまして5ページでございますが、3つ目が年金相談ということで、これまで見込額等につきましては、それぞれ所属の機構、あるいは共済であれば各共済にまずご相談をいただいていたということでございますけれども、先ほどの情報連携システム等の活用によりまして、お客様が訪れた窓口におきまして、共済の記録と機構の記録を併せた基本的な相談に応ずることができるようにますということがこの一元化への対応の3つ目の柱でございます。
 以上で私のほうからの説明を終わらせていただきます。

(磯村委員長)
 ありがとうございました。
 本件、何かご意見、ご質問ございませんでしょうか。よろしいですか。
 どうぞ。

(岩瀬委員)
 年金相談について少しお尋ねしたいのですけれど、いつから一元化で窓口での対応ができるようにするのか、そのための準備としてどういうことをされているのか教えていただけますか。

(日本年金機構今田企画調整監)
 ここで書いております一元化後の年金相談につきましては、施行日である27年10月から実施することで書いております。
 そのために何を行うかといいますと、共済記録を窓口で見られるようにする。それをもとにした額の計算などをできるシステムを作る等々のシステムを構築するということがまずシステム的な対応。あとは、これに対応するための職員の知識の醸成をしなければいけませんので、相談に対応するためのマニュアル等、これはまだ今作成段階にありますが、これを施行日までに準備して臨む、こういうことで進めさせていただいております。

(磯村委員長)
 どうぞ。

(岩瀬委員)
 では、そのマニュアルを作った上でいろいろな各種研修をされると思うのですが、そういう研修の予定は決まっているのですか。

(日本年金機構今田企画調整監)
 ご相談のみならず一元化法の改正によりまして、事務処理内容等も変わりますので、共済制度の概要、それから事務処理の内容、相談等々を含めまして、現時点では施行の半年前を目途に研修を行うと考えております。

(磯村委員長)
 何か釈然としないような顔をしておられますが、大丈夫ですか。

(岩瀬委員)
 研修について、誰を対象にどんなプログラムで、どう研修するのかということを細かく教えていただけませんか。ペーパーで出していただければと思いますが。

(日本年金機構今田企画調整監)
 対象者、それからマニュアルもこれから作成段階に入っておりますので、その作成するマニュアルの量的なもの、あと日程的なものはまだこれからかと思っています。ですので、正確にいつからいつまで、対象者は何人というところまで直ちにお出しできるかどうかというのはあれなんですけど、いかがですかね。

(日本年金機構北波事業企画部長)
 施行自体は27年10月ということもあります。それで、企画調整監からも申し上げましたように、研修自体は施行の半年前を一つのメルクマールとして、そこを中心にやっていくということでございます。これにつきましての研修、まさに一元化につきましては、お客様の望む1つの窓口でございますから、機構の年金事務所のみならず、共済にも相談が行きます。こういうところの足並みをそろえたり、どういうものをやるかということを調整した上でカリキュラムを組んで、どなたにやってもらうかというところまで調整をしたいと思っております。恐らくこういった話をもう少し具体化するのは、やはり平成26年度に入ってからということだと思いますので、大体そういった時間軸でやろうということは申し上げたとおりです。具体的なところまで、どこまでご要望にお応えできるか、今すぐできるかといったら、少し心もとないですが、少なくとも具体化というのは、来年度はこの3共済関係者も含めてきちんと詰めていくという時間軸であるということはご理解いただければと思います。

(磯村委員長)
 よろしゅうございますか。他はいかがですか。
 では、私から。これは極めて興味本位な質問ですが、一体どのような類の不具合があるのですか。大きく分けて、こういった不具合があるのだという素人にわかりやすい事例で教えてください。というのは、共済過去記録でいろいろ今まで皆さんがご苦労してこられたけれども、一体、一人々々のお立場から見たら、どこが具合悪くて、どうなったのかがもうひとつ、ぴんとこないのです。
 どうぞ。

(日本年金機構北波事業企画部長)
 まず、共済過去記録の取扱いですけれども、ここで言いますと、1つは、3ページのところ、「ねんきんネット」への掲載ということがございまして、平成25年度中を目途に、今開発の手順に入ろうということで、これは4月の委員会でご説明をさせていただきました。残念ながら、今、未統合記録の検索の仕組みの中には、5,000万件の厚生年金、国民年金の未統合記録は入っているのですが、まだ共済記録まで機構が保有してるいものを載せていないというところがございます。これをまず載せさせていただいて、思い当たる方に見ていただく。ここでどういう問題があるのかということは1つ出てくるでしょうし、そこで統合につながるようなきっかけが提供できるのではないかと思っております。ですので、具体的にここに不具合があるという話ではどうなのかということがあります。

(磯村委員長)
 少し質問が抽象的でしたか。素人風に考えますと、例えば、病院の間を行ったり来たりした、私立病院と公立病院の間を行ったり来たりした。そうすると、その間の記録の抜けがあった、あるいは場合によっては記録の期間重複があったとか、こういった不具合があったのだという、何かパターンがあるのではないかと思うのですが、そういったパターンを参考までに教えていただけたら、理解が早まるのではないかと思ったわけです。

(日本年金機構白井記録管理部長)
 そういう意味での不具合であれば、今、委員長がおっしゃられたような1つの典型的パターンは、やはり医療職でございますとか研究職でございますとか、比較的短期間でいろいろな共済を渡り歩いたときに、短期間であるがゆえに、いつ、自分が加入していたのかどうかすら、はっきり思い出すことができないといったケースは多々あろうかと思います。極端な話、数カ月とか1カ月でお辞めになったような場合には、ご本人様も、まさか共済に入っているとは思わないという誤解も場合によったらあるかもしれません。そういったようなところで、統合に至らない記録がそれなりにある一つの原因になっているのではないかと推察をいたします。

(磯村委員長)
 それで、経験値でも結構ですから、何かそういった非常に多いパターンを3つなら3つ、PRの材料に準備してもらうということはできないですか。実は、市販の本などを見ますとそういった類型が幾つか出ているのです。なぜ機構で出ないのだろうということが、素朴な疑問です。

(日本年金機構白井記録管理部長)
 どういう類型的に分けられて、どういう形でお示しできるのかということにつきましては、私どもも検討させていただければと思います。こういったところは、恐らく年金事務所でもわかりづらい部分になっている一つの原因だとは思いますので、そういったことも含めまして、何かいい方法があるかどうか検討させていただければと思います。

(磯村委員長)
 なるべく現場にもよく周知して、みんながわかやすく取り組めるようにやっていただけますか。せっかくここまで皆さんご尽力くださったのですから、よろしくお願いします。
 では、次の議事へ移ってよろしゅうございましょうか。

(日本年金機構柳樂記録問題対策部長)
 資料3でございます。厚生年金基金との突合せに関する内容でございます。
 この資料には、作業の現状と今後の方針と両方が書いてあるものでございますけれども、便宜上一括して年金機構からご説明させていただきます。
 1ページの説明に入ります前に、基金突合せの概要について9ページに資料がついておりますので、駆け足になりますけれども、ごく簡単に基金突合せの手順をご説明させていただきます。平成21年の春から、国から連合会に対して厚生年金基金の加入期間がある国記録を提供いたしました。企業年金連合会で各個別の基金にその記録を仕分けして提供していただきました。その上で、国記録を受け取った厚生年金基金において、国からもらった国記録とご自分で管理しておられる厚生年金基金の記録の突合せを行っていただく、この基金でやっていただくということがスタートでございます。その上で、国の記録と基金が持っている記録が一致しない場合には、日本年金機構に調査依頼を出していただくということが私ども機構で作業するスタートラインになるわけでございます。
 私どもの方に不一致記録がありますという申し出を基金からいただきますと、9ページの右の真ん中辺りに出ておりますが、第一次審査と呼んでおりますが、まず、私どものコンピュータ記録と紙台帳の記録の見比べをいたしまして、基金の記録と紙台帳の記録があっているということになりますと、国のコンピュータ記録が誤っているということになりますので、訂正を行うという、国の記録の中での確認作業を第一次審査と称しておりますが、それをまず行って、その結果を基金にお返しいたします。
 その上で、国が正しいという答えが第一次審査にあったものについて、基金から、今度は、やはり国が間違っているのではないかという場合に、証拠書類、規約認可書の写しですとか、あるいは参考資料として人事記録とか給与記録などを用いまして、それを添えて二次審査という形で再度提出いただくということになります。二次審査につきましては、基金から提出された資料に基づいて判断をいたしまして、最終的な審査を行うということが基金突合せの概略の流れということでございます。
 以上を踏まえまして現状ということで、1ページにお戻りいただきたいと思います。
 平成21年度から約4年間やってまいりました最終段階でありまして、今年度の目標といたしまして、私ども機構といたしましては、一次審査については、先ほどの1つ目の議題でご説明しましたけれども、概略が終わっております。昨年度の終わりに期限を過ぎてから提出されたものなどが若干今年度まで作業が残っておりますので、それらについて早急に処理を進めるということでございます。
 それから、今年度のメインは二次審査でございまして、10月末までに基金から調査依頼があったものについては、年度内を目途に必要な作業を行う、必要な記録訂正を進めるということになっております。そのために、厚生年金基金等からの審査依頼を早く提出していただくということが必要となりますので、国から厚生年金基金宛てに申し出の促進をしていただいているところでございます。
 それから、10月末が期限になっておりまして、また突合せの体制につきましても、特別の記録問題の費用を用いた特別な体制を組んでまいりましたが、今年度が最終年度ということになりまして、来年度は体制が解消されることになりますので、今年度に終えないといけないということでありますので、10月末までに申し出がないものについては、一次審査の結果を持って審査結果を確定するということになります。といったことが今年度の目標でございます。
 1ページの2、作業の状況と書いてございますが、一次審査につきましては、ほぼ作業が終わっているという状況でございます。二次審査につきましては、まだあまり数が多くありません。基金から提出があったものについて、それなりに作業は進んでおりますが、提出がまだご覧のような数字にとどまっているのが現状でございます。今後提出されるものだと見込んでおります。
 2ページ目に進みまして、今後の課題ということになりますが、今申し上げましたように今後の課題、二次審査が主戦場になってまいりますので、二次審査の提出を早く行っていただくということが必要になろうと思います。といいますのは、2ページの上に、参考ということで、一次審査について昨年度いつ提出されたかの実績の表がございますが、10月が締め切りであったわけでありますけれども、10月に40万件を超える、それまでの月の10倍以上の提出が一月に固まって提出をされましたし、また10月の期限を過ぎてから、また12月に2つ目の山、12万4,000件というのがあったというのが一次審査での実績でございました。こういった形で、また二次審査も締切直前に駆け込み提出、あるいは期限が過ぎてから提出をされますと、年度内に処理を終えるということが非常に困難になってしまいますので、課題といたしまして、昨年と同様に直前に提出が集中しないよう年金局のほうから基金への指導をしていただく、早く提出していただくということが課題の1点目ということでございます。
 それから、課題の2つ目といたしまして、2ページの(2)に、突き合せる記録が見つかっていない記録への対応というものがございます。これは、昨年2月の年金記録回復委員会にこういったものがあるということをご報告したものでございます。具体的には、冒頭ご説明しましたように、基金突合せといいますのは、国の記録と、それに対応する基金の記録を見比べまして、不一致があるかどうかを探すことがスタートの作業でございますが、その国の記録に対応する基金側、具体的に言えば、企業年金連合会側の記録が見当たらない。あるいは逆に、企業年金連合会には記録があるけれども、それに対応する国の記録がまだ送られてきていないという状態のものがあるということが一昨年度にわかりまして、そういうものについて作業を行うということを1年半前に年金記録回復委員会にご報告をしたわけでございます。その後、約1年半、東京事務センターの力を得まして、確認作業を続けてきたわけでございます。その結果が3ページの別紙1に書いてあるものでございます。
 相手が見つからないものは、大きく分けて2種類ございまして、今申し上げたように、1つ目は、国には記録があるけれども、その相方の記録が企業年金連合会側にないものが1つ目の類型でございまして、約31万件ございました。なぜ相方がいないのかという原因探しを行いました結果、一番多いものは、一番上に書いてございますように、そもそも基金突合せの対象ではないものを誤って国から企業年金連合会側に記録をお渡ししていたものが75%ございました。具体的に言うと代行返上基金などの記録ですとか、あるいは脱退手当金を支給済みであって、もう記録としてはない記録になっているものなどがございました。これらにつきましては、突合せ対象外でございますので、突合せ作業は不要ということで作業は終了いたします。ただし、代行返上基金の記録については、基金突合せの対象外ではありますけれども、若干対応が必要になるものがあることがわかりました。これについては、この表の後、次の欄でご説明をしますので、ここでは割愛いたします。
 それから、突合せ相手が見つからない理由の2つ目としては、国記録には特段問題はないというものがございまして、全体の14%でございました。これらにつきましては、企業年金連合会に記録がないということがおかしいということになりますので、企業年金連合会において国記録に沿って記録を新たに作っていただくことで処理が終わるということになります。
 3つ目といたしましては、突合せ相手が見つからなかった原因として、国の記録あるいは連合会の記録の一部に誤りがあったものがございます。具体的に言うと、どちらかの基金番号が間違っていたので相方が見つからなかった、あるいは基礎年金番号が間違っていたので見つからなかったというものがございました。これらについては原因が突き止められましたので、その誤っていた部分、基金番号ですとか基礎年金番号を修正いたしますと、相方があるということになりますので、右にありますとおり記録を訂正した上で突合せ作業に入るということで処理を進めております。
 最後に、7%でありますが、もう一つの第2類型、国には記録がないけれど、企業年金連合会には記録があったものの中に相方が見つかったものがあります。相方が無事見つかりましたので、突合せ作業に進むことになります。ということで、31万件については、数が非常に多かったので心配いたしましたけれども、原因探しの結果、ほぼ全て、問題がない、あるいは落着をして突合せ作業に入れたという状況でございます。
 それから、表の下のほうのもう一つの類型、国に記録がないけれども、企業年金連合会側に記録があるものが14万件ほどございました。
 これについては、一番多いのは68%ございましたが、先ほどと同じように、国の記録か、あるいは連合会の記録の一部に誤りがあったので、相方が見つからない状態になっていたものでございます。先ほどと同じように基金番号が間違っていた、あるいは基金加入員かどうかの記録の部分が間違えていた、あるいは基礎年金番号を間違えていたなどでございまして、これも原因が突き止められましたので、そこを修正しますと、相方が見つかりましたので、突合せ作業に進行しております。
 2番目の類型としまして14%ございましたが、冒頭申し上げましたように、平成21年度に国記録の情報を連合会にお渡しをしてその突合せをしておりますが、それから4年近くたっておりまして、その間に国のオンライン記録の訂正が別の契機でも進んでおりまして、今改めてオンライン記録を見ますと、その基金・連合会の記録に対応する国記録があるというものが14%ございましたので、これも突合せ作業に進行しております。
 それから、7%については、先ほど冒頭で申し上げたようなものと同じで、基金突合せの対象外であったものをお送りしていたということでございますので、これについては突合せ対象外のものについては突合せ不要でございます。また、死亡者については、突合せを希望する方について突合せを実施するというスキームができておりますので、そちらのほうで対応することになります。
 以上のような、突合せ相手が見つからない原因が、国のほうで調べた結果、なお特に見当たらなかった、なぜ、企業年金連合会にあって国の記録がないのか原因が不明のままになっているものが約10%ございまして、これらにつきましては、「ねんきんネット」で、企業年金連合会の記録があるかどうかをご本人の名前などで検索できるようにいたしまして、ご本人の側からの情報を得て企業年金連合会の記録に対応する国の記録の有無、突合せ対象の確定などの作業ができるような仕組みを組んでいるところでございます。
 以上が、昨年来からの宿題になっておりました突合せ対象が見つからない記録の原因探し調査の結果でございます。
 今ご説明した中で、代行返上基金に関して、代行返上基金の記録は今回の基金突合の対象外でありますけれども、不整合の部分がありましたので、それについて対応する必要があるということで、内容と対応方針などをまとめているのが4ページから5ページに書いている部分でございます。
 代行返上基金の記録は、もう基金ではなくなっていまして、国の記録になっておりますので、原則としては国に記録があって、国の記録では、代行返上基金、代行返上済みの期間という状態になっているのが原則的な姿でございます。ただ、例外として、代行返上基金におられた方であっても、代行返上より前に、その基金を中途脱退されて、その資金を企業年金連合会に移管されている場合については、代行返上前に企業年金連合会に移管されていますので、連合会に記録があるという状態であります。その場合、国には返上されませんので、国の記録を見ますと、基金期間と書いてあるという状態になっております。結局のところ、大部分は基本的には国のほうに代行返上済みとして記録がある。例外として、一部について企業年金連合会側に記録があるという、どちらかの状態になっているというのが正しい姿でありますが、今回、本来基金突合せの対象ではないものを送ってしまった結果、中身を見たところ、どちらか一方だけにあるはずのものが、状態が一致していないものがあるということがわかりました。具体的には、箱の中に書いてございますが、本来どちらか一方にあるはずなのに、いずれにも移管されていない。国の側でも代行返上となっていないし、かといって、企業年金連合会にも記録がないというものが第1類型で、いずれにも移管されていない状態になっているものがございました。
 2つ目として、国にも代行返上されているし、企業年金連合会にも中途脱退されている。少しおかしいのですが、両方に二重に移管されているというものもございました。
 これらの類型については、どちらかの記録が誤っているということになりますので、事実を確認した上で記録を正していく必要があるわけでございます。
 そこで、(2)対応方針のところに書いてございますが、これらにつきましては、中途脱退なのかどうかという事実をまず確認する作業を行う必要がございますので、これは国のほうの作業になりますけれども、国を通じて企業年金連合会、それから代行返上した後の企業年金基金に、その方について中途脱退の事実があるかどうかということの事実確認を行う必要がございまして、既に6月から一部実施をしていただいて事実確認をしていただいているところでございます。
 その結果、中途脱退者であるということがわかりますと、特にマル1の場合、どちらにも移管されていない場合が該当しますが、新たに企業年金連合会に記録を作る必要がありますので、企業年金基金から企業年金連合会に記録の移しかえをしていただいて、連合会で新たに記録をつくっていただくという必要がございます。
 それから、中途脱退者であるということが確認できないというような場合につきましては、代行返上基金は、基金として代行返上しておりますので、代行部分についての給付責任は国に移管をされておりますので、その記録については、国記録として確定をした上で、国の側の記録ということで国から必要な給付を将来行っていくということが必要だということになりますので、そういう方針で対応していく必要があるということでございます。
 5ページ目に書いてございますのは、今申し上げたうちの、中途脱退であるということは、現在確認作業を行っている途中でございますので、これからわかっていくものでございますので、記録もこれから作られていくわけでございます。そういった今後新たに企業年金連合会において作られることになる連合会記録について、国の記録との整合性を確認する必要はないだろうかということがここの論点でございます。
 本来は、今回の基金突合せの事業は平成21年時点での記録をお送りするということですので、そこまでのものを確認作業をしておりまして、平成22年以降23年、24年あるいは昨年の記録などについては、今回の事業の対象にはなっておりません。しかしながら、今後といいますか今年度の後半につくられた記録についても、当然、国の記録との整合性は何らかの形で確認する必要がございまして、不一致があれば、その解消を図っていく必要があるということでございます。ただ、基金突合せの対象にはなっておりませんし、また、代行返上した基金の記録の整合性については、もともと基金突合せ事業が行われる前から代行返上のときの国記録と基金記録の記録整備の手順というものが定められておりまして、それに従って従来から対応されておりますので、今申し上げたような、これから企業年金連合会で作られる中途脱退者であることがわかった人々の記録につきましては、今回の基金突合せの枠組みの中で行うのではなくて、代行返上時の記録整備と同じような仕組みに基づいて今後平成26年度以降実施していくということで、不一致の解消を行っていくということになると考えております。
 以上が基金突合せの現状及び目下の課題ということでございます。
 それからもう一つ、この資料の2つ目の論点といたしましては、先ほどの再発防止策の中でも少し触れましたけれども、厚生年金基金の記録の不一致の再発防止のための仕組みを作っていく必要があるという点でございます。
 これにつきましても、1年半前、平成24年2月に年金記録回復委員会にご説明をして、定期的に国から厚生年金基金のほうへ、基金期間についての国記録を情報提供する仕組みを平成26年度以降検討していくということを報告して了承されたという経緯がございます。ただ、その後、厚生年金基金につきましては、制度そのものの見直しの議論が政府、それから国会でも始まりましたので、今年度の工程表におきましては、その厚生年金基金制度の改正の議論が行われているところでございましたので、その議論の結果を踏まえて検討するという形にしていたわけでございます。
 ただ、今般、先の国会でありますが、厚生年金基金制度の見直しの法律が国会で成立をいたしました。その内容を拝見いたしますと、厚生年金基金の一部については引き続き存続することが制度上一応可能だという内容になってございますので、改めまして元に戻りますと、当初構想したような定期的な国から厚生年金基金への情報提供、それに基づく記録の整合性の確保ということを行うことが必要だということになるわけでありますので、今後そういうことをやっていくということでございます。ただ、記録を定期的に提供するためにはシステム開発が必要でございますので、今年度にシステム開発に着手をいたしまして、来年度から定期的な情報提供の事業を開始するということにしていきたいということでございます。
 具体的な内容でございますけれども、7ページに図がございます。
 現行の事務処理が左にありますけれども、この基金記録につきましては、事業主が国、機構側と、それから厚生年金基金側、両方にそれぞれ届出を提出するということになっております。それぞれの記録について、それぞれの機関と事業主との間にやりとりはございますが、国、機構側と厚生年金基金との間でのやりとりはこれまではなかったわけでございます。この4年間、突合せ事業を行うという状態になったわけでございますので、不一致再発防止策といたしましては、そのつながっていない三角形の残り1辺をつなげるということでございまして、この右側の表といいますかポンチ絵の下のところでありますが、年金機構から厚生年金基金宛てに、厚生年金基金加入期間に関する情報を提供する。資格取得の情報ですとか、標準報酬や賞与の支払い情報などについて、一定期間ごとに差分情報の提供を行うということになるわけでございます。受け取った企業年金基金の側では、その内容を確認いたしまして、基金側に事業主側から提供されていないのか、国が間違っているのかということについては、まず事業主に確認をしていただくことになります。その上で、事業主が、届出が漏れていた、届出が誤っていたということであれば、事業主と基金との間で新たに届出や届出の訂正などをしていただくということになりますし、日本年金機構側への届出の誤りであった、あるいは機構側の入力誤りではなかろうか、基金側には問題はないということでありますと、事業主側から機構に届出の訂正、あるいは確認の依頼などをしていただくというスキームを通じまして、国側と基金側の記録の整合性の確保を図っていくということを検討しているわけでございます。
 基金に関しては以上でございます。

(磯村委員長)
 ありがとうございました。
 どうぞ。

(三木委員)
 この問題も、いわゆる広義の年金記録問題というようなことで、報告書に載ってくるような問題だと思うのですが、そういう中で、再発防止策のところですけれども、これもまたもう一段と掘り下げが必要なのだと思います。そもそもなぜこういう泣き別れの問題が出てくるかというと、手書きで違うフォーマットのものに書くというようなことが基本的な原因なわけです。今も電子化を日本年金機構側で進めても、厚生年金基金と健康保険組合に関しては、別のフォーマットだから手書きで書いたほうが早いという場合が多いわけです。中途入社の方の新規加入などは。それをかねてから申し上げているように、機械にコンピュータで入れれば、プリントアウトでその厚生年金基金なり健康保険組合のフォーマットで出てくれば、もともと中身が一致していれば、その間違いというのはないわけです。人間がやる限りにおいては、コンピュータで入れたときにはマンション名を入れているかもしれないけれども、手で書くときには、3-1-1-105号と書いたりする可能性もあって、そうすると、一応デジタル的には違うものになってしまい手間がかかるわけです。本質的な解決のためには、絶対人間系でそういった違う表記でやったり、タイプミスをしたりするようなものを入れてはいけないわけです。組織の入口のところで、エンドユーザーが電子化したもので持ってきて、それでばらまくというようなことにならなければいけないはずであって、かねてから申し上げているとおり、事業主が申請するものを3票、基本的にはカーボンコピーのようなものとして出てくるように、これは制度的にできればそうしたほうがいいと思いますし、難しければ、システム的にフォーマットだけもらって、日本年金機構でもそのフォーマットに流し込めるように、どこ基金と選べば、そのフォーマットに出てくるようにするような、そういった申請用の事業主用のアプリケーションを開発して配らなければいけないと思います。
 これは前々から申し上げていることと一緒ですけれども、必ず2次元バーコードにして、きちんとどこかの基金にいって手打ちでまた入力しているというようなことが起きないように、間違いないようしなければいけないということで、2次元バーコードで中身を全部入れてほしいと思います。
 あと、現在少し議論しているのは、2次元バーコードと届出管理の進捗システム用の普通のバーコードも貼っているのですけれども、この話はまた届出進捗管理システムのものとは別のものなので、でき得るならば、届出進捗管理システムで出しているものは、届出書ごとのインシデントのIDなのです。一個一個の処理についての業務に対してのトランザクションに対してのIDを降っているわけです。その管理もできれば2次元バーコードの中に全部入れてしまって、事業主、厚生年金基金、日にちと連番で発番して、そのインシデント自体の管理を、機構側と基金側でもすべきなのです。必要に応じてインシデント自体をマッチングすれば、これが泣き別れて戻ってきて動いていないとか、そういったものを全部月次とか、やろうと思えばリアルタイムでわかるのです。まだ届出が来ていないとか。突合するときも、入っているデータベースの中身で突合してもいいのですが、必要だったら、このインシデントが来ていないからおかしいと言えるようにするためには、2次元バーコードの中に届書ベースのインシデントの内容も含むようにしてもらったらいいと思います。ここまでやれば、基本的には絶対違わないで処理もなされているような状況になっていくのだろうと思います。さらには、非常に超長期的には、本来だったらデータベース自体を共有すべきであって、それは簡単なことではないかもしれないですけれども、機構なりが開発したデータベースを厚生年金基金に提供して、そこに書き込ませる、もしくは機構の情報をそのまま使わせるというようなものが将来的にはあるべき姿だというように思います。

(磯村委員長)
 何か。

(日本年金機構柳樂記録問題対策部長)
 ご意見ありがとうございました。ご意見の趣旨は非常にクリアに理解をしております。
 本件については、他の機構の内部の諸課題と異なりまして、一つ難易度が高い案件でございます。なぜなら、機構と事業主のほかに厚生年金基金という別の主体がありまして、もっと言えば、事務自身を受託機関に委託しているところもございますので、さらに受託機関という別の主体が関与してくるということになりますので、通常のものであれば、機構のほうでいかにシステムを組んで対応していくか、それをいかに事業主に周知していくかというようなところで話が限局するわけですけれども、厚生年金基金関係の手順ということになりますと、特にシステム改修も含めた手順のバージョンアップといいますか改良ということになりますと、機構だけではなくて基金側、あるいは受託機関サイドでの対応の可能性という点を検討に入れる必要があります。そうしますと、基金のほうも、ご承知かもしれませんけれども、非常に大規模な基金から、非常に規模が小さい基金までございまして、対応可能性といいますか体力についてもかなり千差万別な面がありますので、そういう点も含めて、あるいは費用負担の面なども含めて、一体どの程度のことまでが私ども、それから厚生年金基金サイドで可能なのかという点を踏まえた検討が必要になるという点で、ご趣旨、再発防止の対応としては理解できるのですけれども、実行の面におきましては、そういう面も含めた年金局のご指導を踏まえて、どこまでできるのかということを考えていく必要があると思っております。

(三木委員)
 一般論ではそのとおりなのですけれども、基本的に今の2次元バーコードの届出書の合理化のツールというのは、受けた側のサイドというのは、既存の紙のオペレーションと比べて全く変わらないのでシステムは要らないのです。究極は手打ちでもいいわけなのですけれども、手打ちするよりも楽な普通のPCに読取機をつけて、エクセルのCSVを吐き出すためにパンチャーが手打ちでやっていることと同じことを2次元バーコードで読めば終わりというものなので、別に設備投資みたいなものは必要ないのです。強いて言えば、バーコード用の読取機が3万ぐらいなので、それを買ってCSVに入れる。システムに入れているというのは、誰かが絶対キーパンチしているわけなので、そのシステムに投入するキーパンチよりも絶対コスト下がるわけです。それ以外のシステム開発は、厚生年金基金サイドでは要らないはずです。唯一手間がかかることは何かというと、基金が幾つ今後残るかわからないのですが、そのフォーマットを、できるだけ日本年金機構のものに合わせてほしいというお願いをするか、もしくは、それが通らなかったら、そのフォーマット自体に合わせたものをこちらから出力できるように、こちらのツールの中にフォーマットを印字できるように取り込んでしまって、それで吐き出せるようするにという、その工夫だけだと思うのです。そういう意味では、厚生年金基金自体の負担というのはほとんどなくて、機構のちょっとした努力の範囲で非常に合理化ができると思っています。

(磯村委員長)
 どうぞ。

(日本年金機構柳樂記録問題対策部長)
 今後、先生のご指導をいただきながら、何がどこまでできるかという点も踏まえて、また、年金局側ともご相談をしながら考えていきたいと思います。

(磯村委員長)
 どうぞ。

(黒田企業年金国民年金基金課長)
 企業年金国民年金基金課長でございます。
 今のお話、先ほど柳樂部長からお話がありましたように、厚生年金基金側でどんなお話が必要になるのか、コスト負担等々も含めてよく検討させていただいた上で方針を得たいと思います。
 周辺情報だけを申し上げますと、今年6月に厚生年金基金、つまり公的年金の一部分を代行して受給者の方にお配りするという形の厚生年金基金制度の見直しの法律が成立をしております。これによりますと、財政的にかなり健全度が高いものが存続できますけれども、それ以外の道を選ばれる基金もかなり出てくるということが想定されます。ですので、基金側としては、むしろお店をスリムにしていって、やがてたたんでいくということを選択されるところと、今後に向けて盤石な基板を整えた上で続けようというところ、選択をされていくという時期にこれから差しかかってくると思います。そういうある意味路線を選ばなければいけないタイミングという話と、今先生からお話のありましたお話がどんな接点が持ち得るのかという話を機構や専門家の方々のご意見も伺って検討してみたいと思います。どうもありがとうございます。

(三木委員)
 検討はもちろん必要だと思うのです。ただ、今後のレポートとして最終的に報告書を書くことの一つには、この年金記録問題ということを踏まえて、今後再発しないように、これは構造的に絶対ロジカルに発生しないということになりますということをやはりうたうべきだと思っておりまして、そういう意味では、これは5年かかるか、10年かかるのかわからないのですけれども、こういう方針で今後調整であったり研究をしてシステムを作っていくというようなことを報告書の中にきちんとうたって、過去の反省を踏まえて、同じような間違いはロジカルに構造的に発生しないのだということを、ぜひともレポートに書いていくべきだと思います。

(磯村委員長)
 今のお話に関連しまして、これはまことに僣越(せんえつ)なことを申し上げますけれども、ここにいらっしゃる皆さんで、2次元バーコードの機械を触ったことのある方はいらっしゃいますか。あるいは、そういったものをどうやって張りつけて、どうやって読み込んだり、どんなデータが出てくるのか、やってみたりしたことのある方はあまりいらっしゃらないのだろうと思うのです。そこで、そんなにお金のかかる話ではないですし、三木委員もおっしゃったように、手間もそんなにかかりません。ただ、要は1つだけ、誰かが強烈なリーダーシップで、これだけやらないと間違いがまだ出てくる。だから、この2次元バーコードを使ったら間違いがかなり減るということを、おっしゃっていただくかどうかだけなのです。おっしゃる方が、やはり手で触ってみないと、なかなか実感は出てこないと思いますので、提案しておきます。そんなことでよろしいですか。
 ほかにございませんでしょうか。どうぞ。

(白石委員)
 2点対応についてお聞かせください。まず、突合作業の中に、過去の標準報酬も全て突合しているのかというのが1点です。
 2つ目は、厚生年金基金と国の厚生年金の標準報酬が違う事例で、基金記録のほうが正しいという場合、多分国の入力間違いという形になるのですけれども、それが国の標準報酬の方が低いのでしたら、高く設定すれば問題はないのですけれども、逆に、国の記録の方が高く入力をされてしまって、もう被保険者のもとには「ねんきん定期便」で高い標準報酬が表示されてしまっています。こういう場合、突合をすると相違がありますのから、訂正をかけていくのだと思うのですが、このあと、被保険者に対してどうされるのか、会社に対してどうされるのでしょうか。厚生年金基金に入っている場合、国のほうの標準報酬の違いが過去から見受けられて、結構あります。今回相談を受けた事例は、もう時効を過ぎている部分だったり、結構過去のものだったりする部分もありますけれども、人数が少ないところでしたら毎月請求書と突合せしているのですが、やはり何千人規模になると、そこまで突き合わせ仕切れなくて、いただいた請求書で支払っている部分もあったりします。この標準報酬も一つの記録漏れというか記録問題にはなると思います。もし、突合されているのでしたら別に問題はないのですけれども、もし突合されていないのでしたら、やはり速やかな対応は必要ではないかと思います。

(磯村委員長)
 いかがですか。

(日本年金機構柳樂記録問題対策部長)
 1点目のご質問、標準報酬も含めて突合しているかという質問については、答えはしておりますということでございまして、期間の相違だけではなくて、標準報酬につきましても、基金記録と国記録を見比べまして、正しいほうを確定した上で訂正をしていくということになります。
 ただ、その訂正のルールで2点目にご質問がありましたのは、国の減額というご質問だろうかと思いますけれども、国の減額につきましては、先ほどの紙台帳とコンピュータ記録の突合せのところでご説明をしたものと重なりますけれども、受給者の場合には、国の給付を減額する記録訂正になる場合には、ご本人には通知をしない。事跡を残して、突合せとしては終了ということでございます。それから、被保険者などにつきましては、ご本人に通知をした上で、それが正しいかどうかというご本人からの回答に基づいて記録訂正をしていくという手順になっておりますので、標準報酬の額が突然知らない間に変わっているということにはならないという仕組みになってございます。

(磯村委員長)
 よろしいですか。
 どうぞ。

(白石委員)
 今、標準報酬まで含めて確認されているという話でしたが、もう第一次の突合はほぼ終わっているというお話ですよね。ただ、これは今週出てきた話なのです。ですから、その基金はまだ突合作業に入っていなかったと思ったほうがいいのでしょうか。そういう相違があったということが今週判明したものですから、疑問に思ったのはそういう点です。

(日本年金機構柳樂記録問題対策部長)
 作業自体はかなり進捗しておりますけれども、ご本人の国記録の訂正を要するものについてはかなり数もございまして、また回答の手順といたしましては、二次審査につながるものを優先的に厚生年金基金に回答しませんと、期限までに二次審査が出せなくなってしまいますので、昨年の終わりぐらいから、基金への回答を優先して行っております。それから、訂正があるものについては、その後、いずれにせよ基金との関係では二次審査になりませんので、基金からの一次審査の提出が遅かったものについては、若干、今年度に入ってから、特に国記録の記録訂正があるものについては、今年度に入ってから訂正のお知らせが送られているものも中には若干ございますので、そういうものの一つが、今、先生がおっしゃった具体例に当たったのかなと思います。

(磯村委員長)
 よろしいですか。ほかにございますか。
 では、私から2点。
 1つは、この基金との突合せについて苦情の申し立ては全くありませんか。今まで全然ご報告がないのですけれど。確かその窓口を以前に決めた記憶があるのですけれども、どこで誰がつかんで対処しておられるのか。本日でなくとも、後で結構です。
 それからもう一つは、これも「ねんきんネット」で最終的には見てもらうわけですね。そうしますと、「ねんきんネット」の役目というものは、かなり広がってくるわけです。紙とコンピュータの記録の本職のところはもちろん、共済過去記録も「ねんきんネット」でお願いします、こちらも「ねんきんネット」でお願いします、と。「ねんきんネット」は、大変ご苦労になってくると思うのです。今でも、なかなかたどりつかない見にくい部分がまだ残っているのに、共済過去記録や厚生年金基金の分まで入ってきますと、よほど整理をしておかないと、見る人がどこからどう入っていっていいか、わからなくなるのではないかと思います。今から老婆心ではなく老爺心ですけれども、ご準備をお願いしたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
 何か苦情のほうはわかりますか。わからなければ後でもいいです。

(日本年金機構柳樂記録問題対策部長)
 機構のほうには、特に私どもとしては基金突合せに関しての苦情というのは承知しておりません。

(磯村委員長)
 ゼロということは、ないと思うのですけどね。

(黒田企業年金国民年金基金課長)
 私どもは、個別の作業の過程で厚生年金基金から手順等々についてのご質問を受けるということは当然ございます。お尋ねのようなことがあるのかどうか、基金側に何か聞こえてきている話があるのかどうかということは私どものほうでも確認をしてみたいと思います。

(日本年金機構北波事業企画部長)
 五次リリースの中で今検討しておりますところで、未統合記録検索のところに過去記録を入れるとか厚生年金基金の対応をするとか、こういうものはまさにユーザーフレンドリーな形でどうやって提示できるかということはありますので、全体の仕組みを作る中できちんと対応したいと思いますし、先ほど委員からもご提案ありました事例みたいなものも少し考えさせていただいて、効果的に使えるような環境を作りたいと思います。

(磯村委員長)
 よろしくお願いします。
 では、次の議事へ移ってもよろしゅうございますか。
 では、次の議事をお願いいたします。

(梶野年金記録回復室長)
 それでは、最後の議題でございます。
 資料4であります。この特別委員会の報告書の取りまとめに当たっての報告書の作成方針(案)ということであります。
 これは、委員長からご提案をいただきまして、事前に委員の皆様にも見ていただいて、委員会としての方針案ということで事務局として資料を用意させていただきました。
 それでは、資料4を説明します。
 報告書の作成方針(案)ということで1、まず報告書の記述の対象期間ですけれども、日本年金機構設立以降のみならず社会保険庁時代の対策・事象も含める。マル2として、現在の年金記録特別委員会のみならず、年金記録問題作業員会、年金記録問題拡大作業委員会、及び年金記録回復委員会の審議テーマを含める。それから2、「年金記録問題」として捉える範囲ですけれども、持ち主不明の未統合の記録の問題、それから年金記録問題の誤りの問題、標準報酬遡及訂正事案等に加え、その他の年金額に関わる問題、3号不整合問題等についても記述範囲に含める。
 3点目として、報告書のイメージでございますけれども、マル1として、素案の作成については、磯村委員長、岩瀬委員、三木委員は、上の3つの委員会すべてに御参画いただいているということで、起草を担当いただけるということでございます。
 マル2として、報告書の構成ですが、「はじめに」ということで、報告書の趣旨、記述範囲、ねらい、それから「本文」として取組状況ということで、経緯と問題の所在、これまでの対策、これまでの成果と費用、それから再発防止策ということです。Cとして「おわりに」ということで、これまでの取組みや再発防止策に対する見解、今後に向けての提言ということでございます。
 4点目、その他として、まず記述に関連する計数の取扱いということで、25年12月末現在の、報告書を出すときの直近の計数によって3月末までに一旦報告書として提出し、その後、平成26年3月末時点の計数で厚生労働省、日本年金機構側が補正したものを6月ごろにホームページで公表するという措置を講じる予定です。
 マル2として、現在お願いしております社会保険労務士へのアンケートの報告書への取り込みは、アンケート結果を見てから勘案するということでございます。
 最後に、製本方法、配布の対象、それからホームページへの掲載方法などは平成26年早々にご審議いただく予定ということでございます。
 以上です。

(磯村委員長)
 ありがとうございました。
 こんなイメージでまとめてみようかなと思っておりますが、何か改めてご意見ございましたら。
 どうぞ。

(三木委員)
 先ほどから構造的に絶対間違わないようにするということをずっと申し上げていて、1つは電子化であったりオペレーションであったりというところで、ロジカルに、構造的に絶対間違わなくするということだと思うのです。そういう意味では、ここで過去、様々な問題について一個一個の個別のことについてはそれなりに議論をきちんとやってきたというような認識なのですけれども、例えば、標準報酬の遡及訂正事案のようなものについてというのは、システム的な問題でもありますけれども、どちらかというと、内部統制的な側面があって、きちんと月次で締めてどうしているとか、そういう内部統制的な観点での構造的に間違いがあれば上役がチェックすると、現在様々なチェックの構造というものはあるわけですけれども、何もかも全部チェックするみたいになっていて、恐ろしいほど拘束していって、実務的には逆に回らないというようになっていることもあるわけです。そういう意味では、きちんと月次月次の締めの中で全員が間違いなくやっていれば、遡及しようにも遡及しないわけであって、それを上書きするというような、そういう手続というかトランザクションを起こすということ自体がどうかというようなことでもありますから、今までここではそういう包括的な議論はあまりされていないのですけれども、内部統制的な観点できちんと月次で締めていく、週次で締めていく、日次で締めていくというようなことで、自然と間違いが起きなくなりますというような視点も盛り込んでいかなければいけないのではないかというように思っております。

(磯村委員長)
 ありがとうございました。
 ほかには。どうぞ。

(大熊委員)
 ずっと何の役にも立っていないので、せめて報告書を公表する前に、世の中の普通の人が読んでわかるような文章のお手伝いをさせていただこうと考えています。

(磯村委員長)
 ありがとうございます。なるべく早いうちに委員の皆さんには内々でご相談をしたいと思っておりますので、そのときはまたひとつ、ぜひよろしくお願いいたします。
 ほかにはございませんでしょうか。
 今、わかりやすくというお話もございましたが、「わかりやすく」の背景には、飾らず、隠さず、恐れずという感じも入れなければいけないでしょうし、いろいろと思っていることがございますので、また追い追いお諮りをしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 事務局からほかに特にございませんか。よろしいですか。
 では、予定の議事はこれで終わりましたが、次回以降のこと何かありますか。

(梶野年金記録回復室長)
 次回第6回ですが、9月26日木曜日、17時からを予定しております。場所や議題につきましては、追って担当よりご連絡させていただきます。どうぞよろしくお願いします。

(磯村委員長)
 では、8月はお休みということでよろしくお願いいたします。
 それでは、長時間ありがとうございました。これでお開きといたします。


(了)

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