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2013年3月26日 第19回政策評価に関する有識者会議 議事録

政策統括官付政策評価官室

○日時

平成25年3月26日(火)10:00~11:46


○場所

厚生労働省専用第21会議室


○出席者

高橋座長、渥美委員、阿部委員、井部委員、梅田委員、篠原委員、高橋委員、野川委員、堀田委員、本田委員、森田委員、安永委員

○議題

(以下、議事録)

○高橋座長
 それでは定刻になりましたので、ただいまから第19回政策評価に関する有識者会議を開催させていただきます。
 ちょうど年度末で委員の皆様には大変お忙しい時期ですが、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 今日は河北委員、菊池委員、本田委員、山田委員が所用により欠席です。まだ高橋委員が到着しておりません。
 それでは事務局より本日の議事及び進め方についての説明をお願いいたします。

○政策評価官
 政策評価官の峯村です。よろしくお願いいたします。
 本日は、お手元の議事次第にありますとおり、平成25年度の厚生労働省における事後評価の実施に関する計画(案)について御議論、御審議いただきたいと思っております。
 まず、資料の確認です。お手元に配布の資料1-1が厚生労働省における事後評価の実施に関する計画(案)です。その後に、別紙1として、それぞれのワーキンググループごとに、1.労働・子育てワーキンググループ、2.医療・衛生ワーキンググループ、3.福祉・年金ワーキンググループの関係の資料がついております。
 資料1-2は実施計画の新旧対照条文です。資料2-1として、「厚生労働省における政策評価に関する基本計画(第3期)」という資料を付けております。資料2-2は、「政策体系新旧対照表(平成24年度→25年度)」です。参考1は政策評価に関する有識者会議の開催要項、参考2は参集者の名簿、参考3が「施策目標の評価予定表(平成24年度~28年度)」です。
 資料で不足等がありましたら事務局のほうへお申し付けください。
 今日の議事の進め方は、今回の実施計画の改正点を事務局より御説明をいたします。その後、実施計画(案)の別紙のうち、今回は来年の夏に御審議いただく15の施策目標について、御意見をいただきたいと考えております。これまでは夏の会議で、実績評価の指標について委員の皆様から御意見を賜って参りましたが、PDCAのいわば計画段階と申しますか、Pの段階で御意見をいただき、より一層政策の充実を図っていきたいと考えて、今日このような進め方になっております。特に測定指標欄を中心に御意見を頂く形で進めたいと考えておりますが、具体的には15の施策目標について、労働・子育てWG、医療・衛生WG、福祉・年金WGを順に、それぞれのワーキンググループごとに区切って進めていきたいと考えております。時間については、各ワーキンググループ概ね25分程度を考えております。事務局からは以上です。

○高橋座長
 ありがとうございました。それでは今の御説明どおりに議事に入ります。平成25年度の厚生労働省における事後評価の実施に関する計画(案)について、事務局より説明をお願いいたします。

○政策評価官
 それでは説明をさせていただきます。基本計画については、今年度より第3期に入っており、平成25年度については特に大幅な変更は考えておりませんが、変更点について簡単に御説明させていただきます。
 資料1-2「新旧対照条文」に基づいて説明させていただきます。右側が現行で、左側が改正後という形で、新旧の対照となっております。変更部分についてはアンダーラインを引いてありますが、基本的に、変更部分のほとんどは年度の修正と申しますか、24年を25年に、25年を26年に変更しています。裏面の第4の1の「政策体系に基づき対象とする政策」の3行目から4行目にかけては、昨年は「平成24年度」となっていましたが、改正後は「前年度」と変更しています。実施計画の別紙には、そもそも25年度施策の予定表を付けているわけですが、25年度に実績評価書を作成するのは24年度施策の実績についてであり、原局から紛らわしいという御意見がありましたので、「前年度」という表現にさせていただいています。
 資料2-2「政策体系新旧対照表」です。これについても若干、文言の修正をしております。基本的に政策の現状の方向性に沿って修正をしており、修正した施策大目標及び施策目標については、赤字で分かるようにしております。御確認していただければと思います。事務局からの説明は以上です。

○高橋座長
 ありがとうございました。この件について御意見、御質問はありますか。大筋の変更はないということで、質問事項もあまりないのではないかと思います。よろしいですか。
 それでは事務局においては、引き続き平成25年度の厚生労働省における事後評価の実施に関する計画の具体的な作成作業に入っていただきます。

 次に、議題2のテーマの、平成25年度の厚生労働省における事後評価の実施に関する計画」(案)の別紙についての議論をお願いいたします。
 質疑応答があるため、所管部局がメインテーブルに着席いたします。
 最初、労働・子育てワーキンググループから始めますので、よろしいでしょうか。

(メインテーブルセット)

○高橋座長
 それでは、実施計画別紙の1.労働・子育てWGに関する施策についての質疑を行います。資料1-1の別とじに資料があります。
 対象施策目標は、「3-2-1 労働者の安全と健康が確保され、労働者が安心して働くことができる職場づくりを推進すること」、「3-4-2 豊かで安定した勤労者生活の実現を図ること」、「4-1-1 公共職業安定機関等における需給調整機能の強化及び労働者派遣事業等の適正な運営を確保すること」、「5-2-2 福祉から自立へ向けた職業キャリア形成の支援等をすること」、「6-2-2 児童の健全な育成及び資質の向上に必要なサービスを提供すること」、「6-4-1児童虐待防止や配偶者による暴力被害者等への支援体制の充実を図ること」。以上6つの施策目標について御意見をいただければと思います。
 夏に、本格的な事後評価の作業をこのワーキンググループごとに別れて行うわけで、資料は事前配布をする予定ですので、より良い評価の作業ができるように、今日の時点で様々な御注文を委員の皆様からいただきたいという趣旨です。とりわけ指標の取り方とかについては、色々御意見、御要望等があろうかと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。
 施策目標ごとに、順繰りに進めたほうがよろしいかと思います。「3-2-1労働者の安全と健康が確保され、労働者が安心して働くことができる職場づくりを推進すること」について何か、とりわけワーキンググループに所属しておられる委員の皆様から御指摘等があればありがたいので、よろしくお願いいたします。
 一通り1つの施策目標ごとにやり、最後にもう一度気がついたところに戻っていただくという感じでやれればと思います。どれも非常に多様な事情がありますので、なかなか御指摘いただくのも大変かと思いますが、戻ることはやぶさかではないので、取りあえず1つ1つの施策目標ごとに一件とした上で、また前に戻りまして御指摘を頂くやり方でと思っております。3-2-1は意見がないようです。
 次に、「3-4-2豊かで安定した勤労者生活の実現を図ること」について何かございますか。

○篠原委員
 ものすごく初歩的な質問で申し訳ないのですが、先ほどの施策目標では「労働者」となっていて、こちらの施策目標では「勤労者」となっています。これは法律に基づいてだと思いますが、ものすごい素人にとっては、「労働者」という言葉でいいのかなと。非常にくだらない質問のような気はしますが、どうでしょうか。

○高橋座長
 答えづらいかもしれませんが、どなたか、担当の原課のほうから何か答えてください。

○質疑対応者(労働基準局)
 施策(2)の勤労者財産形成促進制度には、民間の労働者ばかりではなく公務員も入っております。そのため、「勤労者」という言葉を使っております。

○篠原委員
 そうすると、「労働者」と書いてあるのは、範囲が違うわけですか。

○質疑対応者(労働基準局)
 「勤労者」は、「労働者」よりも公務員の分、少し広くなっているとお考えいただければと思います。

○高橋座長
 よろしゅうございますか。それぞれのカバーをする範囲が異なるようです。
 次に「4-1-1公共職業安定機関等における需給調整機能の強化及び労働者派遣事業等の適正な運営を確保すること」です。
後で戻ります。引き続き、「5-2-2福祉から自立へ向けた職業キャリア形成の支援等をすること」について。

○安永委員
 連合の安永と申します。私が所属する労働・子育てワーキンググループ以外のワーキンググループで評価する施策目標も含めて見ましたが、目標設定のあり方について、他の施策目標では概ね今の最新値を上回るような目標設定になっていて、少なくとも前年度を上回るように設定をされています。しかし、5-2-2の障害者職業能力開発校の修了者における就職率の目標は、最新値を下回る値で目標が設定されていて、特段この説明書きを見てもその理由がよく分かりません。是非、説明していただきたいと思います。

○質疑対応者(職業能力開発局)
 まず、障害者職業能力開発校の就職率の推移は、20年度が59%、21年度が55%、22年度が60%、23年度が65.9%で、大体60%前後で推移をしているという状況です。就職率は、多分に景気などの要因にも左右されますので、直近3か年の平均値を計算し、この数値が60.3%になりますので、これを上回るように61%を目標値として設定させていただいております。
 また、求職を申し込まれる障害者の方は増加し、障害の重度化、多様化も進んでおります。障害者校では、精神障害者の方、発達障害者の方、また一般の職業能力開発校や民間への委託訓練ではなかなか十分な訓練ができない、就職もなかなか難しい面があるというような方々を、積極的に受け入れているところです。こうした方々の訓練生に占める割合が増加していくことも考えると、23年度の実績と比べて数値は低下していますが、25年度の就職率目標については、低いものではないのではないかとこのように考えております。

○高橋座長
 いかがでしょうか、この項目については。
 引き続き、「6-2-2児童の健全な育成及び資質の向上に必要なサービスを提供すること」ですが、これについては何かありますか。基本的には、放課後児童クラブをめぐる様々なデータです。よろしゅうございますか。
 最後の項目になりますが、「6-4-1児童虐待防止や配偶者による暴力被害者等への支援体制の充実を図ること」です。よろしゅうございますか。
テクニカルなことなので御意見も出にくいかと思いますが。とりわけワーキンググループに御所属の先生方で気になることがあれば御指摘いただければと思います。前の施策項目に遡っても結構ですので、この労働・子育てワーキンググループについて、何か全体的なことや、個別的な指摘事項がありましたら、どうぞ御発言ください。

○野川委員
 最初の施策目標3-2-1ですが、労働災害防止対策に関連することです。最新値のところで、1も2も震災の直接原因分を除くということで、これは突発的な不測の事態でもちろん急に数値が上がるので、一般的に政策評価の指標には使えないという趣旨は分かりますが、これは、例えば隕石が落ちたということとは違い、日本という国の固有の事情で、これからも起こりうることで、実際にはこういう災害はいくらでも想定されているわけです。しかし、いい数値も出ている。つまり、今後の検討課題かもしれませんが、こういう大災害が一定の予想の範囲内に起こり得て、そこでは当然労働災害と見なされ得るようなものも十分に起こり得るということを考え、ああいった大災害を契機としたしかし労働災害というものに被ってくるものについて、政策が対応できるかということを評価対象にできるような仕組みというのは、やはり必要ではないかと思いますが、この点はどういうふうに考えておりますか。

○質疑対応者(労働基準局)
 実は、この除いた分の方々は、例えば津波で流されて亡くなった方が多いわけです。その数を入れていくと、では津波対策を労働災害防止対策でやるのかという話になる議論もあり、津波を防ぐこと自体は別に私たちの仕事ではありませんが、職場で津波に遭った時に事業者としてどういう対応ができるのかは今後の課題だと、私たちも思っております。ただ現時点でそこまできちんと検討ができていないので、この段階では、そこまで視野においた評価はできておりません。今後の課題として御意見として検討させていただければと思います。

○高橋座長
 政策評価には、日常的なルーチンの話と不測の事態というのがあって、まさに不測の予期せざる時に政策がどれだけきちんと機能するかというのも大きなテーマになろうかと思います。これはむしろ政策評価官室でも検討し、研究すべき課題です。これは今の御指摘の領域に限らず、非常時の政策機能の評価の話にまで発展していくのかと思います。少し研究をするということで受け取らせていただきます。
 ほかに何か。

○野川委員
 すみません、今の件は、実は震災の後『大震災と労働問題』という本を上梓させていただいた時に、これは労働災害になるのかという問合わせが非常に多くて、津波を防ぐとかではなく大災害に関連した労働災害というものが1つのテーマになりうると私は思ってお願いしました。
 もう1点、施策目標4-1-1の派遣についてです。これはハローワーク等の需給調整機能の強化及び労働者派遣事業等の適正な運営ということで、需給調整機能は数値化できる指標がたくさんあると思います。したがってここにも載っていると思いますが、問題はこの労働者派遣事業の適正な運営です。適正という言葉自体が定性的な内容をおのずから含むものですので、なかなか評価の指標は難しいとは思いますが、それにしても測定指標として挙がっているのが説明会等において労働者派遣法の周知啓発を図った事業所数ということで、もう少し工夫が必要なのではないかと思います。これが適正さというものの指標となり得るかということです。例えば労働者派遣をめぐっては様々なトラブルがあり、色々なところで争われております。予防の措置だけではなく、そのような事後的なリスクというものがどのように回避されているかを考える指標というのもあり得るのではないかと思います。希望でもありますので、もし何かコメントがありましたらお聞きしたいと思います。

○質疑対応者(職業安定局)
 派遣の担当課です。今回こういう形で書きましたのは、昨年10月に御案内のとおり改正労働者派遣法が成立いたしました。内容も、従来は規制緩和という面が色濃かったのですが、労働者保護というところがかなり重点的内容となっており、また派遣元、派遣先に新しい義務をお願いする内容になっていたために、丁寧な説明が必要だろうということで、この事前分析表には書いておりませんが、改正法の施行前は特に派遣元に対して重点的に御説明を申し上げ、改正法の施行後は派遣先に対して重点的に御説明申し上げるという形で、実際の説明会の事業では行っておりました。
 ただ先生がおっしゃるとおり、それはあくまでも事前の話で、事後的なやり方は少し検討できないかという御指摘は、正におっしゃるとおりだと思います。どういう形でできるかは少し検討させていただきたいと思っております。以上です。

○阿部委員
 先ほど野川委員から労災の目標値の設定について御指摘がありました。それは先生のおっしゃるとおりだと思いますが、ここではできれば目標値は、死亡者数を減らす、負傷者数を減らすというところに置きたいわけですね。ところが震災があって最新値が上振れしてしまうと、それとの目標値の乖離は大きくなってしまって、一体何なんだということになってしまいます。私は、目標値はこのままで、震災の上振れした部分は除いた上で最新値と目標値を置くことはいいのではないかと思います。ただし、震災による被害をどうやって少なくしていくかは、十分に考慮していただきたいとは思います。

○高橋座長
 ありがとうございました。予見の変動が起こると目標値の意味が変わってしまうので、それはできるだけ安定的に評価した上で、少し与えられた条件の変動を加味した政策評価というのはどうすれば良いのか。技術的に、理論的にも、なかなか難しい課題かと思いますが、是非チャレンジしていただきたいと思います。災害対応とか様々なリスク対応には、そういう問題がいつも秘められておりますので。
 ほかにありますか。

○渥美委員
 東レ経営研究所の渥美です。パワハラについて伺います。御案内のとおり、昨年12月に厚生労働省が、過去3年間にパワハラがあった企業は3割を超えているとの調査結果を発表されたことを、興味深く拝見しました。今回の「労働者が安心して働ける職場づくり」には、パワハラの項目が入っていないと思います。家庭内のDVも問題ですし、学校のいじめも大きな問題ですが、職場のパワハラについても何らかの施策目標を掲げるべきではないかと私は思います。そこについてはいかがですか。

○質疑対応者(労働基準局)
 すみません、ちょっとこれは内部的な話かもしれませんが、パワハラ対策は別のところで行っているため、政策体系の整理の関係でここには入っておりません。

○渥美委員
 ちなみに、どこをみれば出ていますか。後でも結構です。

○高橋座長
 入れ替えもありますので、後ほどコメントしていただくことでよろしいですか。労働・子育てワーキンググループの皆様には、大体来年の夏ぐらいになりますか、本格的に提出していただいた実績評価書をまた御審議いただくということになると思いますので、各課においては、今日の御指摘、御意見を参考にしながら作業を進めていただければと思います。
 1.労働・子育てワーキンググループに関する質疑はこれで終わります。後ほど質問事項についてはお答えいただきますが、ここで入れ替えをします。御苦労さまでした。

(メインテーブル入替)

○高橋座長
 引き続いて、2.医療衛生WGに関する施策についての質疑をいたします。資料1-1に別とじになっています。2.医療衛生ワーキンググループの資料を御覧ください。施策対象目標は、「1-2-2医療従事者の資質の向上を図ること」、「1-4-1政策医療を向上・均てん化させること」、「1-5-3適正な移植医療を推進すること」、「1-6-3医薬品の適正使用を推進すること」、「1-10-2生活習慣の改善等により健康寿命の延伸等を図るとともに、がんによる死亡者の減少を図ること」の5つです。また先ほどのやり方に従って、1つずつ確認をした上で総括的な質疑をするということにいたします。
まずは、「1-2-2医療従事者の資質の向上を図ること」について、何か御質問、御意見等がありましたらよろしくお願いします。

○井部委員
 測定指標3「看護師等における講習会・研修会等の修了者人数」について、目標値の人数が前年度以上となっていますが、この研修会・講習会の中身はどのようなものを指すのかを教えていただきたいと思います。

○質疑対応者(医政局)
 研修事業のメニューとしては、1つ目に看護教員の養成、2つ目に実習指導者への研修、3つ目に認定看護師への専門分野研修、4つ目に中堅看護職員への研修、最後にがん・糖尿病についての40日間程度の研修、この5つを事業として設けています。

○井部委員
 それは認定看護師、ある一定の資格を持っている人たちを対象にしている研修ですか。

○質疑対応者(医政局)
 認定看護師への支援はもちろんありますが、それ以外の研修に関しては資格の要件はなく、大体、臨床経験5年以上という人を対象にしています。

○篠原委員
 看護師の関係で、講習会・研修会等の修了者の人数が書かれているのですが、私達が評価するときに、恐らく増えているので、研修が増えているのは当然で、1人当たりに対して増えたのかという部分に関心がものすごくあるのですが、その辺はどうなのですか。看護師の場合は大分増えているのですか、ほとんど変わらないのですか。

○質疑対応者(医政局)
 受講者数自体でしょうか。

○篠原委員
 受講の権利とか義務のある人たちとの比率です。これは7、8年経っていますよね。だから、大分増えたという感じはするのですが、看護師の数はどうなっているのかです。

○質疑対応者(医政局)
 受講人数は、累積を見ると確実に積み上げてきてはいるのですが、経年的に見ると実は少し減ってきているのです。しかし、ある程度の年齢層の受講ニーズは満たせたと、一定程度評価しています。なかなかパーセンテージでお示しできず、どれぐらいの率で5年以上の者が受講しているかは即答できずに申し訳ありません。

○高橋座長
 よろしいですか。引き続き、「1-4-1政策医療を向上・均てん化させること」をお願いします。ここの独立行政法人については、また別途の体系での評価がありますが、これは政策医療というまとめ方での評価になろうかと思います。何か御意見はありますか。

○森田委員
 政策医療を向上・均てん化させることが政策の目標になっていますが、これは対象になっているのは国立病院機構の事業だけですね。それ以外にも、例えば大学の付属病院とかそういう所は政策の対象にはなっていないのでしょうか、というのが1点目です。そういう意味で言うと、政策医療という言い方自体が非常に漠然としているので、事前分析表を拝見しただけでは最終的に何を目指しているのかが分かりにくいということです。
 2点目は測定指標の話ですが、治験をどれぐらい受け入れたかということと、論文をどれぐらい発表していたかという目標が挙げられており、研究をきちっとしているか、あるいは日本の医療の向上のための政策が実施されているかを判断するということかと思います。1つの印象としては、確かにこれらは指標になると思うのですが、この2つでとか、これくらいだけで評価するのはなかなか難しいのかという気がします。特に、一番下にあるホームページのアクセス件数は、数値目標がなかなか掲げられない所では政策指標としてよく使われるのですが、海外の例もあるのですが、これをかなり重要な指標とすると、内部からみんなでアクセスをするということが行われたこともあります。先ほどの労災の場合の死亡者数などの指標と、副次的・参考的な指標とがあって、それがべたっと同じレベルで挙げられていて「やっていますよ」というのでは、評価をしにくいのかなという気がします。その意味で言うと、ある目標を達成するために1つの指標で測るのは難しく、複合的にいろいろな指標が絡み合って総合評価になるのではないかと思います。その時に、ここで挙げられている指標が、政策医療の向上を目指していらっしゃる施策の成果を、果たしてどれくらい反映しているのかということです。お尋ねしたいことはお分かりいただけると思いますが、その辺について少し聞かせていただければと思います。
 次に、ほかもそうですが、これは事務局のことだと思いますが、指標の立て方の話です。ロジックモデルの話になりますが、どういう因果関係でもってアウトカムになってくるのか。先ほどの失業率の改善は経済動向によってかなり違うし、そちらが多分一番効いてくるファクターだと思います。今の高度な経済学ですと、その辺の影響はコントロールできると思いますが、そうした工夫がないと、ややミスリーディングな評価をしてしまう可能性があるのかと思いますが。

○高橋座長
 これは政策評価の原論にも関わる御発言かと思うのですが、いかがでしょうか。

○質疑対応者(医政局)
 先生の御指摘はごもっともで、原点的な課題であり難しいところかと思っています。2つ目の、ホームページのアクセス件数では分かりづらいところもあるのではないかという御指摘はごもっともではあるのですが、情報発信に関する指標として、我が課として知恵をしぼった結果です。内部からのアクセスに関しても、医療関係の職員にはそれができるような余裕は多分ないのだろうと思います。もしかしたら医療関係者よりも患者の方のアクセスが多いかもしれないのですが、そもそも情報を発信して見てもらわなければ意味がないので、まずはそこから指標にしているというところです。
 最初の御質問ですが、政策医療については、最近は、特に政策という点では国が医療自体の質を高めるとか、臨床研究の質を日本でもどうやって高めていくかということに関心が高くなっており、当然大学でもかなり力を入れていますが、我が省としましては、まず国立病院機構やナショナルセンターにおいて難病やがんの治療といった高度医療、先駆的な医療にどうやって取り組むかを、検討しております。
 先ほど座長からもお話がありましたとおり、個々の独立行政法人がきっちりやっているかは、個々の独立行政法人の評価でやっています。こちらの政策評価では、政策評価という括りで、臨床研究若しくは治験をしっかりと実施していたのかを指標として見ることとしています。例えば、治験に関しては日本でのドラッグラグやデバイスラグを少しでも早く進めるべく、特に一時期は日本国内で治験ができる環境になかったといった問題もあり、治験ができる環境の整備を推し進めてきたため、そうした背景から出てきた指標でもあるかと承知しております。なおかつ、独立行政法人になって右肩上がりで努力して実施している状況も数字の上で見えてくるかと思っていますので、そういった形で1つの指標になるのではないかとは考えています。ただ、森田委員のおっしゃるとおり、それでいいのかと言われるところについては、また引き続き考えていかなくてはならないと思っています。

○森田委員
 コメントさせていただきます。おっしゃるとおりだと思いますが、ここに挙がっている指標は、あくまでも国立病院課の仕事という形で出すわけですが、国立病院機構が担当している政策医療の話と理解してよろしいのですか。そうすると、書き方に問題もあるかという気がします。

○高橋座長
 ここに、政策医療、国が医療政策として担うべきもの、と書いてあります。これが極めて微妙です。国立病院課以外でこの定義に当てはまるものも多々あろうかと思います。そのでは国立病院課の仕事としての政策医療と限定されていますが、それだけでは、政策医療と言うともっとあるではないかという議論になってくる、とそういう御指摘かと思います。それぞれの担当課の所掌の話と目標に掲げている概念の対応関係みたいなものを、きちんと表記しておかないといけないという、そういう意味もありましょうか。そこら辺のことは、ほかの領域でも全く同じことが起こり得るので、評価官室でも少し御研究をお願いしたほうがいい事例かと思いますが。
 よろしいですか。ほかになければ、時間のこともあるので、その次に行って、またあとで戻ります。「1-5-3適正な移植医療を推進すること」について、何かありますか。

○安永委員
 質問ですが、2番目の骨髄バンクについて、連合の構成組織でも労使で取り組んでいる所が多くありまして興味を持っているところです。私自身、20年前ぐらいに登録した時に、確か理想とする登録数だったか最低限必要とする登録数だったか記憶にないのですが、そういう数が示されていて、足りないからということで登録した覚えがあるのです。現在、そういう数が示されていて、目標値との関わりがあるのかどうかを教えてください。

○質疑対応者(健康局)
 臓器移植対策室です。御質問の登録目標については、御登録いただいた頃は、30万人を目標にやっていました。現在40万人を突破して、HLAが一致するドナーが1人以上見つかる確率が、現行で95%を超えるに至りました。95%に至るのですが、移植に至るまでの方はなかなかそこまで行かず6割程度になっています。この数については、現在、審議会でも新法の施行に向けてどういう目標を立てるのがよいのか、あるいは目標値ではなくて、質といいましょうか、ドナー登録をされている方々のどういう方にリクルートするのが一番良いのかとか、今そういったことを御審議いただいているところです。数としては、これまでは30万人、現行は40万人をようやく突破した状況です。

○高橋座長
 よろしいですか。この項目で、ほかに何かありますか。なければ次へ行きたいと思います。「1-6-3医薬品の適正使用を推進する」です。この項目について、何か御質問、御意見はありますか。

○森田委員
 簡単な質問ですが、「医薬品の適正使用」がどういう意味なのか、分かりにくいところがあります。医薬分業が高まってくると適正使用になるというところで、因果関係にもう少しいろいろなものが入ってくるという気がするのですが、その辺はいかがでしょうか。講習会は、薬剤師の効率を高めるということで貢献すると思いますが。

○質疑対応者(医薬食品局)
 確かに適正使用と言った場合に、いろいろな意味合いがあるかと思うのですが、私どもは、普及啓発ということで、特に患者あるいは国民が正しく薬の使用法を理解して正しく使用するというところに着眼しています。そうすると、その場合の国民、患者への服薬指導というか適正使用についての話は、インターフェイスとしては薬の専門家である薬剤師になっていただくのが一番効率的だろうと考えています。
 そうした場合に、どのような指標が適切かということですが、普及啓発の効果を測るのはなかなか難しいものの、1つの考え方として、私どもとしては医薬分業を推進している中で、例えば患者にかかりつけ薬局をできるだけ持っていただくことによって、色々な医療機関を受診した際の薬の重複投薬や相互作用などをしっかりチェックしていただくことが重要と考えています。また、医師には直接服薬指導する時間はなかなかないので、薬局に患者が行った時に、そこでもっときめ細やかに服薬指導あるいは副作用のチェックなどをしてもらうといったことを進めていきたいと考えていますので、まず医薬分業を推進することが1つの指標になり得るのではないかと考えました。
 それとともに、単に分業率だけではなくて、新しい薬もどんどん出てくるので、薬剤師がそうした薬の副作用などもきちんと理解するとか、あるいは患者との間でしっかりコミュニケーションをとれるとか、そういうことも含めてしっかりとスキルアップしていくことが重要ですので、その意味で研修・講習会受講者数ということを指標として加えているところです。

○高橋座長
 恐らく政策目標と個々の測定指標の間に、もう1つ色々な議論がありそうだなと思います。これを具体的にどこまでどういう形で書くかどうかは、またこれも研究課題です。ある種の政策指標をなぜ採用したのかという根拠は、一応ここに書かれているわけです。しかし、それ以外にあるかもしれないとか、残念ながら情報の収集指導も不完全だけれども、こういうものが入ればより精度は高まるとか、これからワーキンググループのほうでも、色々な御指摘を頂いて改善につなげていくということもあろうかと思いますので、そちらにもお譲りしたいので、よろしくお願いします。
 引き続き、次は、「1-10-2生活習慣の改善等による健康寿命の延伸等を図るとともに、がんによる死亡者の減少を図ること」です。いかがですか。

○野川委員
 がんによる死亡者の減少の箇所で、測定指標と達成手段との関係についてお伺いしたいのですが。「がんの年齢調整死亡率の減少」ということで、これ自体はもちろん最初から掲げられていることですが、その達成手段が、がん検診推進事業とたばこ対策促進事業とありますが、これは率直に言って高校生でも挙がることですよね。がんの検診を受けましょう、たばこをやめるようにさせましょうと、非常にプリミティブな政策ですね。
 かつ、がんの死亡率を下げるためには、いろいろなプロセスがある。最初にがんが発生しないようにする、発生した時に早期に発見できるようにする。その後治療があります。その治療プロセスは、現在、非常に高度化されていて、例えば標準治療があり、標準治療が終わった後、次の先端治療があります。例えば、標準治療が終わった段階でどれぐらいの治癒率なのかとか、先端治療に移ってからどうかとかいった指標が考えられると思います。今のようにシステム化、体系化されたがん治療の実情の中では、治療プロセスは指標としてある程度の数値化も十分に可能ではないかと思うのですが、それがこれだけだとですね、これだけがん治療について国民が注視している中で、政策として少し心もとない気がいたします。
 というのは、実はこれは私事で恐縮ですが、家内が1月にがんで亡くなり、2年余りにわたって私なりにがん治療の最前線を実体験してまいりました。日本のがん治療がいかに水準の高いもので、しかもシステムとして優れたものかということも見ましたが、それだけに十分な政策評価の検証を経たものであってほしいと思うので、今申し上げた点を込めていただければと思います。

○質疑対応者(医政局)
 おっしゃるとおりです。政策評価としてどういった指標を掲げるかというのは、非常に重要な問題かと思います。確かにおっしゃるとおり、治療プロセスなるものも、現在がんの拠点病院が400弱ぐらいありますし、そういった取組なども通じて一定の指標化を試みたいと、この点も検討していきたいと考えます。
いずれにしても初期の段階においては、今回でているがんの検診やたばこ対策などは非常に重要なアイテムということで、「健康日本21」が平成25年度からスタートするのですが、その中の目標項目としても掲げているところです。

○野川委員
 もちろん、これを否定しているわけではないのですが、がんを撲滅させて数値を下げるというだけでは、指標としては少し心もとないという感じがします。

○井部委員
 戻りますが、最初の「1-2-2医療従事者の資質の向上を図ること」の施策の背景・枠組みの1行目に、医療現場の疲弊が大きいと書いてあります。疲弊が指摘されていて、医療従事者、特に医師や看護師の疲弊という問題はとても大きいのではないかと私も思います。資質の向上を図る前に、疲れがないようにしなくてはいけないと思っているのですが、それに関連した政策目標がよく分からないのですが、この疲弊の問題をどのように政策的に取り扱おうとしているのか、説明をお願いしたいと思います。

○高橋座長
 これはどなたから、お答えいただきますか。

○井部委員
 前のワーキングの問題なのでしょうか。

○政策評価官室長補佐
 施策は組んでいるはずなので、職場での過重労働等の話になってくると、多分、前のワーキングの中の目標等に入ってくるのではないかと思います。

○井部委員
 質問が遅れましたね、すみません。

○堀田委員
 全体についていいですか。

○高橋座長
 はい。

○堀田委員
 この実施計画そのものに関する質問ではないかもしれませんが、今、医療関係全体で見ると、在宅医療の充実、地域包括ケアとの連携等々が非常に強く求められているところだと思うのですが、それが今回の実施計画モデルの中には見当たらないのです。政策体系の中で特にそういうことを明示しているものも、新旧対照表を見ても見当たらないので、厚生労働省としてはそういう政策推進は取り上げられないということなのか、それとも個々のいろいろな項目の中にばらして入れておられるのか。もし、ばらして入れておられるのなら、事後評価の中に入っている部分があるのかどうかをお尋ねしたいと思います。

○高橋座長
 これはむしろ政策評価官のほうですね。

○政策評価官
 恐らく事業活性化の問題も含めて、在宅での医療・介護等の取組は、基本的に非常に大きな施策の柱になると思っていますが、実施計画の中というよりも、個々の施策の中のメニューとして入っている形になっています。今日、個別の分析表という形で御議論いただいているものは、全体のうちの15なので、実績評価の中で御議論いただくものの中に、堀田先生の御指摘の内容が含まれていると思っています。

○高橋座長
 施策目標は割とボトムアップで組み立てられていますが、現実にはかなり所掌横断的施策があり、例えば社会保障と税の一体改革に入っている政策は正にそういう感じが入っています。これをこの政策評価ではどう受け止めるのか。これは、政策体系を串刺しにするようなテーマがあると考えた場合に、例えば、ここの分科会でそういうテーマを挙げてやってみるべきだという意見があった場合どう対応するのかと、そういうことでもあろうかと思います。

○政策評価官
 今、座長からお話がありましたとおり、個々の政策を予算書の予算の項目と連動させて積み上げて、目標という形で作っています。例えば、最後に参考3として施策目標評価予定表を付けており、そのうち赤字で抜いているのは、今日各ワーキングごとに御議論いただいているものですが、今回の御議論の中に含まれてはいませんが例えば「9-3-2介護保険制度の適切な運営を図るとともに云々」あるいは「9-3-1高齢者の介護予防・健康づくりを推進するとともに、生きがいづくり及び社会参加を推進すること」という項目の中で、今御指摘のあった地域での取組と申しますか、在宅での取組の指標を盛り込んでいるという仕組みになっています。大きく横串で在宅での取組を推進するという作り方にはなっていないものですから、そこのところが非常に薄まっているのではないかという御懸念も御意見としてあるのかもしれませんが、個々の分析表の中では議論はされているのです。作り自体が予算の項目を前提としているので、そこのところは分かりにくくなっているのは現状です。その点は、また色々考えていかないといけないと思っています。

○堀田委員
 座長が指摘されたとおり、結局、縦割りになるから、包括的な政策についての当否がしっかり判断できないという問題なので、その点は今日の実施計画の問題ではないのですか。全般的に考慮する必要はあると思います。

○篠原委員
 関連して、串刺しと、厚生労働省がやるべきもので積み上げたのとで、抜けてしまうところがあるという気が私はしているのです。1つは、ほかの省で放射能関係のことをやっているのですが、厚労省はあまり熱心ではないというか、無関係というか、やはりここでもすごく薄まっているので、これは積み上げるのではなくて、検討するための何かもっと上の機関が要るのではないかという気はしているのですが、その辺は今後のことでどうでしょうか。堀田委員の御指摘にも関係があるのですが。

○高橋座長
 政策の実行過程では、何とか対策本部を官房に置くとかという形で、介護対策とか、ワーキングチームとか、かなり横断的な組織をつくるのですが、政策評価では先ほど説明があったように予算書とリンクさせているということで、ここのミッションとしての政策評価法に基づく厚生労働省の政策評価という話と、さはさりながら国民的な関心のあるテーマの政策評価という話と、多分そういうことだと思うのですが、それについてどう扱うかという議論は、有識者会議のミッションを考えると、かなり重要なテーマでもあるのかと思われます。子育て支援なども、ある意味ではまさに総合的な政策評価が絶対必要な領域です。政策評価法の趣旨も前提にしながら、なおかつ、政策評価の課題がそういう形で存在するというお話を堀田委員から頂きましたので、これは私どもの会議の課題でもあると思いますので、また少し継続的に議論する機会をつくっていただくように、これは評価官室にお願いすることで整理してよろしいですか。

○渥美委員
 東レ経営研究所の渥美と申します。小児がんについて伺います。御案内のとおり、昨年6月に閣議決定された第2次がん対策推進基本計画の中で、重点課題として小児がん対策の充実が掲げられています。私ごとですが、2年前に1歳の下の子が小児がんということが分かって、成育医療研究センターで大変お世話になりました。厚生労働省も非常に力を入れているのはよく存じています。今回の測定指標の中で、成人向けの早期発見は入っていると思うのですが、小児がんは子どもの病児原因の第1位ですし、これは親が早く見つけないとなかなか本人というところではないので、そこは是非測定指標の1つに入れていただきたいと思うのですが、いかがお考えでしょうか。

○質疑対応者(医政局)
 おっしゃるとおり、小児がんも、第2次がん基本計画の中でも重点課題の1つとしています。昨年も色々検討した結果、拠点病院の整備は15か所程度ですが、取りあえず緒に就いた状況です。そういったところも踏まえながら、指標化の可能性も含めて内部で議論させていただければと思っています。

○渥美委員
 よろしくお願いします。

○高橋座長
 よろしいですか。それでは、2.医療・衛生ワーキンググループ関係についてはこれで終わりにいたします。どうもありがとうございました。
 引き続き、3.福祉・年金ワーキンググループに移りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

(メインテーブル入替)

○高橋座長
 それでは、3.福祉・年金ワーキンググループですが、実施計画の別紙、資料1-1の別とじになっています。対象施策目標については、「7-3-1災害に際し応急的な支援を実施すること」、「7-5-2戦没者の遺骨の帰還等を行うことにより、戦没者遺族を慰藉すること」、「9-1-3企業年金等の健全な育成を図ること」、「11-1-1国立試験研究機関の適正かつ効果的な運営を確保すること」、以上の四つです。よろしくお願いいたします。
 それでは、「7-3-1災害に際し応急的な支援を実施すること」について何かございますか。これは非常にシンプルな書き方です。

○森田委員
 指標の所で、「災害が発生してから又は発生する恐れが生じ」と色々書いてありまして、避難所の設置状況で目標値が100%になっているわけですが、これは、避難所を1か所でも作れば100%となるのか、必要量に応じてどれぐらいで達成したということになるのか。必要量はどうやって測定するのか。その辺りについて説明がないと、どこか1か所でも作ったから100%の達成率なんだと、少し失礼な言い方をして申し訳ないのですが、そういうふうにも受け止められかねないと思うのですが。その辺りについて、もう少し詳細な情報の提供をしていただかないと、このままでは何とも言いかねる気がするのですが。

○高橋座長
 非常にシンプルな書き方なのですが、今の御質問についてはいかがでしょうか。

○質疑対応者(社会・援護局)
 今の御質問についてです。シンプルに書かせていただいているのですが、これはやはり、1か所設ければいいということではなくて、災害の規模や場所や地域によって、かなり避難所の設置数は大小分かれてきますので、100%というのは、避難を必要とする方に対して十分な数の避難所が設置された場合ということで考えております。

○森田委員
 「十分さ」というのは、どういうふうに測るのでしょうか。

○事務局
 「十分さ」というのは、災害の規模によって避難される方がかなりまちまちなので、一概に指標で示すのはなかなか難しいと考えておりまして、被災状況によって、避難が必要とする方に対して、その方たちが一時的に避難できるような箇所数という形でしか申し上げることができないのですけれども。

○篠原委員
 本日、ずっと聞いていて、目標値の立て方に非常に疑問を感じました。評価しやすいかというと、ちょっとこれでは無理だと思います。それから、我々が評価するときに、前の年に比べてどういうところをどのくらい努力したかが分からないと、実は評価のしようがないという気がします。ほかの所では、外部の人を入れて目標値の設定を検討しているかと思います。恐らく省側で目標値を立てると、自己防衛的になって、あまり厳しい評価をされるのを防衛するのではないか。我々が評価するときには、色々な条件があれば、それを加味して本当に努力している部分を評価しようとします。ある程度評価者を信用してもらってもいいのではないかということで、もう少し努力目標をはっきりさせるようにしてほしいです。もうそろそろ10年ぐらい評価の経験があるので、もう少しその辺りを対応していただければと思います。恐らく森田さんも同じようなお考えかという気がするのですが。

○森田委員
 10年言い続けています。

○高橋座長
 大変大事な宿題を頂いたような気がいたします。
 それでは、その次です。「7-5-2戦没者の遺骨の帰還等を行うことにより、戦没者遺族を慰藉すること」です。私のほうで少し気になっているのは、ほかの施策目標でもありましたが、意識調査のデータを使うことの難しさです。要するに、意識調査のデータは常に標本誤差があり、一つ一つ上がった下がったというのが、どれぐらい意味があるのか、81%が85%と4%上がったのはどうだ、という話もあるので、意識調査の数字の扱い方はなかなか難しいなという風に思います。これは感想ですのでお答えいただく必要はないかと思いますが。
 調査そのものは、全数調査をやっているのですか、それともサンプリング調査でやっているのですか。

○質疑対応者(社会・援護局)
 全数でやっています。

○高橋座長
 全数をやっているのですか。

○篠原委員
 戦没者の遺骨収集は、確か5、6年前かもっと前に、戦死した人全体の半分ぐらいという感じで報告されて、もう少しかと思います。ただ、恐らく回収できるのは全数ではなくて7割ぐらいかもしれません。ある程度その辺りを予測しながらやればどうかというのが一つです。
 それから、私は靖国神社と千鳥ヶ淵の厚労省担当の戦没者墓苑に行くのですが、残念ながら、靖国神社は外国人も含めてかなり来るのですが、厚労省担当のほうは非常に人数が少ない。少し話が離れてしまうのですが、その辺りもこういう時に考えていただいたらと。我々としては、戦後すごく繁栄してきて、忘れてしまうのはどうかという思いがあるので、もう少しこの辺りをトータルとして見て、これで本当にいいのかなという風に思います。これも答えづらいことで申し訳ないのですが。

○高橋座長
 難しい質問ですね。まさに援護企画課としての仕事という意味では、なかなか範囲を超える話で。何かコメントがあれば伺いますが。

○阿部委員
 先ほどの7-3-1でもそうなのですが、「政策体系上の位置付け」の所に「ナショナル・ミニマムを保障し、利用者の視点に立った質の高い福祉サービス・・・」と書いてあります。ここで少し気になるのは「利用者の視点に立った質の高い福祉サービス」という言葉なのです。それはそのとおりなのですが、利用者の視点と言ったときに、平均的には語れないだろうと思うのです。例えば、健常者もいれば、そうではなくて、肉体的、精神的に障害を抱えている人達もいるわけです。そういった平均的には語れないような人達へのサービスをどのように評価するかということは、すごく大事なことなのではないかと思うのです。その辺りの評価指標をどのように考えるかということです。例えば、この前ニュースで、茨木県かどこかで、震災後に精神的な障害を抱えている人たちが、なかなか避難所を使えなかったということを目にしたのです。そのような問題が少しあるのかなと思い、その辺りをどのように指標化していくべきなのだろうかと思うのです。もしかしたら、慰霊のところもそういう問題があるのかもしれませんが、いかがでしょうか。

○質疑対応者(社会・援護局)
 災害の関係で申し上げさせていただきます。避難所の中には、類型として福祉避難所というものがあり、今先生がおっしゃったような特別な配慮が必要な方に対してどのような形で避難生活を送っていただくかということも考えていますので、単に避難所ということではなくて、配慮が必要な方に対してどれだけ福祉避難所というものを設置するかという要素も、中には入れていくことも考えるべきではないかということは考えております。

○高橋座長
 ありがとうございます。福祉の場合は、今御指摘いただいたようなことが常に問題になるかと思いますので、サービスを利用された方の問題と同時に、利用しなかった人の問題、これは生活保護で言うと漏給と濫給、利用する必要がない人が使うのが濫給、利用すべき人が漏れるのが漏給で、このバランス問題はあらゆる施策の課題であるので、これも一つの宿題、まあ、永遠の宿題かもしれませんが、それをどのように適正化するかというのが、多分政策評価の役割だと思いますので、御指摘いただきました。
 引き続き、次のテーマは、「9-1-3企業年金等の健全な育成を図ること」です。これについていかがでしょうか。

○野川委員
 測定指標は「企業年金等の加入者数」と「持続可能な企業年金制度の構築」です。2番目のほうは必要な制度改正ですから、これはこれとして、数値で挙げられる1番目は、少し施策目標とミスマッチではないかと思うのです。つまり、もし施策目標が、企業年金の普及と定着を図ることというのであれば分かりますけれども、この「健全な育成」という目標に対しては、この企業年金等の加入者数などというのは前提ですよね。これがあって、そのあと、それがどう健全に育成されるかということで、実際には当然出るはずのお金の話がどうして出てこないのかと思うのです。要するに、負担がどれぐらいで、給付の状況がどうなっているのかなど。
 実際に世の中では、企業年金を巡ってトラブルもたくさん出ています。例えばリーマンショック後の企業年金の減額や給付の減額等、いろいろなものがあります。そういうお金の問題を通して適正化が図られ、適正な運営が図られているかということの指標は十分に可能だと思うのです。先ほどのがんに関する私の質問の場合は、指標をもっと増やしたほうがいいのではないか、これはこれとしていいけれどももっと増やしたほうがいいのではないかということでしたが、こちらの場合は、これ自体がミスマッチで、かつ、もっと適切な指標があり得るのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○質疑対応者(年金局)
 非常に厳しい御意見を頂きました。ありがとうございます。確かに実際、給付金額の話など、お金の問題でいろいろ問題が起こっていることは承知しております。ただ、かなりそれぞれが個別の例になっていまして、それを統計的にまとめることが非常に難しいということも御理解いただきたいと思います。
 そういう、企業年金を巡るトラブルを減らしていくことにより、加入者もトラブルのある制度だと入りづらいと思うかもしれませんので、測定指標としては、お金に絡むものが立てられればいいのですが、それに代わるものとして、そういったトラブルが少なくなり加入者の増加につながるような形で、健全な企業年金の育成を進めていきたいと考えております。

○野川委員
 それは例として挙げたのであって、私が言ったのはもっと基本的な、企業年金にどれぐらいの額があって、それはどういう運用をされているのか、どういう給付がされているのかなど、一般的な数字が出るのではないですかということです。そちらのほうが少なくとも健全な育成という目標からは適切な指標になるのではないですかと。加入者数は適切な運営の指標になるのでしょうかと言っているのです。

○質疑対応者(年金局)
 分かりました。そこは検討させていただきます。

○高橋座長
 今までは何でも、人数が多くなればいいという対前年比何パーセント神話というものがあるのですが、やはり人口構造の変化の中、企業年金に加入すべき人たちは、色々な議論の余地はあるとしても、生産年齢人口の縮小で常識的には減っているわけです。そうすると、いつまで経っても増えたらいいという話の当てはまらないタイプの領域はこれからどんどん増えてきて、むしろ加入率だとか、先ほどの漏給と濫給の話はそういうメタファーだという意味もあるのですが、やはり対象となるべき人たちの予見変動がかなり厳しく起こっているから、指標の選び方は今まで通りとはいかないのではないですかと、多分そういう意味も含まれた御質問だったと思うのです。単に増えればいいなどという話はない時代ですよねということでしょうか。

○質疑対応者(年金局)
 はい、分かりました。

○高橋座長
 それでは引き続き、「11-1-1国立試験研究機関の適正かつ効果的な運営を確保すること」です。これについて何か御意見はございますか。
 これは、どうしても個々の国立試験研究機関ごとの指標にならざるを得ない。試験研究機関も、当然それぞれの所に評価委員会があるわけですよね。そうすると、先ほどの政策医療との関係のような話が、実は起こるのですが。しかし、それぞれ多様な試験研究機関なので、どう扱ったらいいか。

○政策評価官
 先ほどの政策医療におけるナショナルセンターや国立病院機構のように、独法評価委員会が別途設けられているというものもありますが、今回御議論いただいている国立試験研究機関のほうは、この厚生労働省の有識者会議で、省の評価として議論していただく形になっていますので、別の所で別途に評価を行うというものではありません。これは、この場で御議論いただくものです。

○高橋座長
 分かりました。少し誤解しておりました。

○政策評価官室長補佐
 補足させていただきますと、各研究機関で外部評価委員会を設けて評価をしていただいて、個々に点数をお付けいただいているという形になっております。

○高橋座長
 これも政策評価的には、なかなか難しい。

○森田委員
 基本的に、先ほどの国立病院機構もそうですが、組織そのもののパフォーマンスの評価と、政策全体として日本全体の研究目標に対してどの程度達成されているかという評価が、少し混同されているような気がします。確かに、国立の1か所でしかやっていない場合には重なるところはかなりあると思うのですが、いわば厚生科研のようなものがどれぐらいの形でその成果を生んでいるかという話だとすると、これは組織を超えて色々出てくるでしょうと。国立大学の附属病院は文科省の所管だから別ですよ、という話ではないのかなと。その辺りを評価書でも分かるような形で表示をしていただいたほうが、評価がやりやすいというか、適正な評価ができる気がします。

○高橋座長
 よろしいでしょうか。今年の課題はなかなか難しいテーマで、今までとはかなり違う課題が入ってきているような印象もあって、それぞれのワーキングの夏の作業で色々お願いをしなければいけませんが。このグループについても総括的に何か、遡っても結構ですので、お気づきのことがあれば御指摘をお願いいたします。

○渥美委員
 企業年金に関してです。先ほどの御意見に私も賛成なのですが、厚生年金基金に関して、昨年12月に厚生労働省が出している試案を見ても、いわゆる代行割れについてはそもそも改正を促すと書かれていますから、加入者で見るという見方はあると思いますが、もう既に問題ありなのは認識されているので、まとめてざっくりと加入者を増やすというよりは、問題が顕在化している部分については、多分もう少し細かな数値目標があろうかと思うのですが、いかがお考えでしょうか。

○質疑対応者(年金局)
 分かりました。御意見を踏まえて検討させていただきます。

○高橋座長
 ありがとうございます。ほかになければ、このグループも終了ということで、御苦労様でございました。
 それでは、一応これで全ての議事が終わりましたので終了いたします。宿題が幾つかあります。いろいろ工夫をしてほしいということが相当ありましたので、これは事務局で適宜、本日の発言録を整理していただいて、よろしくお願いいたします。全体として何かございますか。

○梅田委員
 本日審議したことは、平成26年度に実績評価をするということですよね。その平成26年、つまり来年の4月以降にやる作業を想定したときのことで、確認と要望があります。一つは、施策の目標で測定指標があって、次に、達成手段ということで、事業レベルで羅列してあり、非常に分かりやすいわけですが、達成手段についても、書いてあるものとないものとがありますが、目標が掲げてありますよね。それで、平成26年度の4月以降に政策評価をしたときに、この達成手段の目標の評価については、どういう形で数字が出てくるのですか。というか、小さなところからお聞きしますが、達成手段の目標が書いてありますよね。これを平成26年度に評価をするときに、この達成目標に対する評価は、書類上でやるのか、ということが端的な質問なのです。記載されるのかということです。

○政策評価審議官
 評価書上の問題ですか。

○梅田委員
 評価書上というような単純なことではなくて、内実の問題なのです。要するに、平成26年度に評価をやりますよね。今、目標をこういう形で審議し終わりました。よくよく見ると、達成手段についてずらずらと列挙されていて、目標が書いてあるのですよね。この目標についてはどうだったかということ、つまり、平成25年度の実績数値なのだろうと思いますが、それについては、評価書に記載されてなおかつ分析もされるのでしょうか、というのが私の質問というか確認なのです。

○政策評価官室長補佐
 達成手段の所で、「関連する指標番号」という部分がありまして、基本的に達成手段の目標が入っているものは、施策の測定指標にリンクしているものがほとんどのはずです。

○梅田委員
 もっと単純に質問すれば、要するに、多分今年も平成25年度の評価をやりますよね。

○政策評価官室長補佐
 はい。

○梅田委員
 その問題とも共通しているのですが、本日の議論としては、計画レベルでの平成26年度用の議論をしたわけですね。

○政策評価官室長補佐
 そうです。

○梅田委員
 達成手段の目標が書いてあるじゃないですか。書いていないものもありますが。これの平成25年度の実績数値がどうだったかということが、評価書上記載されるのかどうかという単純な質問で、それを答えてほしいということだけなのです。これは単なる様式だけの問題ではなくて、更に内実に関わる次の質問をしたいのですが、まずこれが記載されるのかどうかということを確認したいのです。

○政策評価官
 事前分析表の中には、例えば、援護の関係で申し上げますと、達成手段の所で、関連する指標番号というのは書いてありますが、その右のほうに。

○梅田委員
 ちょっと待ってください。関連するとおっしゃっているのはどれを言っているのですか。

○政策評価官
 左側に達成手段が書いてありまして、そのあとに予算が書いてあって、1つ置いて、関連する指標番号ということで、要は達成手段と指標番号をリンクさせた形になっております。

○梅田委員
 「達成手段の目標(平成25年度)」という欄がありますよね。この数値のことについての扱いです。この数値で明確な数字が出ているものもありますよね。それの平成25年度実績は、多分どこかで取ると思うのですが、それを評価書に書くのか書かないのかということをお聞きしているのです。

○政策評価官
 結論から言えば、評価書には出てまいりません。

○梅田委員
 出てこないのですか。

○政策評価官
 結論だけから申し上げるとそういう形になります。先ほどから話をしているのは、その代わりということで達成手段と測定指標とが関連付けられていますので、要は、測定指標の動きを見て、実質達成手段が寄与したのだろうというふうに判断をするのですが、達成手段の中の目標が評価書の中に出てくるという形にはなっていません。

○梅田委員
 次に私が聞きたかったのは、そこの問題なのです。要するに、もう少し単純化すると、事前分析表には色々な達成手段の目標が記載されていますよね。これは公表されるのですか。これは本日の審議用で、国民には公表されないのですか。されるのでしょう。

○政策評価審議官
 公表します。これはまさに金額の一部ですから公表します。

○梅田委員
 目標は公表されて、実績数値は評価書上には記載されないとしたら、これの実績数値はどこで国民に公表されるのですか。これは公表されるのでしょう。それでは、この平成25年度の実績数値は平成26年度にどこで公表されるということなのですか、という疑問が出てきます。これは事業レベルですよね。

○政策評価官室長補佐
 御存知のように行政事業レビューというものが、また別に存在していまして。

○梅田委員
 よく知っております。

○政策評価官室長補佐
 それがまさに、事業ごとにそれぞれ評価をしていくと。その中で、ここに書かれている達成手段の目標まで細かく見ていくかどうかということはもちろんありますが、事業ごとにかなり細かく一体どういう内容になっているかを評価していくスタイルで、政策評価との関係で混同しているところもあるのですが、基本的には事業ごとの評価をきちんと行うことになっています。その行政事業レビューと、まさに先ほど色々御審議いただきました政策体系で見ていただくという政策評価と、2本立てでやっているということです。

○梅田委員
 それはよく分かっているのですが、要するに、行政事業レビューが単なる数字の羅列というか、あまり分析をしない。少々酷評なのですが、悪く言うと数字を羅列しただけで、個別の事業の評価は今まであまりやってきていないわけです。ですから、今、行政事業レビューでやるとおっしゃったけれども、私は不安なのです。行政事業レビューはこれからですから切り捨てるわけにはいかなくて、これからやられるだろうと思うのですが。行政事業レビューでやるのだという明確な御返答であれば私はそこで納得するのですが、まだ行政事業レビューが見えていない段階で、この目標に対する答えを国民に対してどこで答えるのかというのが、私の最初の疑問であり確認事項であって、非常に重要なポイントなのです。
 前回も申し上げたとおり、政策評価と行政事業レビューを二元的に、国の場合は、財務省筋と総務省筋とでやっていて、それはそれでいいのです。全然、それは悪いと言っているわけではない。そして、予算とリンクするということで非常にいいわけですけれども、やはり、この目標に対する実績をきちんと分析するということは、政策評価から抜けていくのならば行政事業レビューに行かざるを得ないのですが、それは所管ではないとまたおっしゃりたいかもしれませんが、やらないと私に対する説明にはならないですよということを1つ言いたかったのです。

○政策評価官
 基本的に、達成手段について測定指標と連動していますよと書いてあるものは、当然、測定指標と・・・。

○梅田委員
 分析の中で出てくるということですよね。それは理解しています。

○政策評価官
 出てきます。ただ、大半はそれだと思うのですが・・・。

○梅田委員
 大半ではないと思うので。

○政策評価官
 はい。ただ、目標値が書いていないものもあります。バーになっていて。

○梅田委員
 大半、連関しているのであれば、それほど心配することはないですね。少しきつい言い方ですが、大半分析の中で出てくるということを期待していいわけですか。一番難しいところなのです。簡単なことではないので。要するに、この分析は、達成手段と目的との因果関係というか、非常に難しいことに挑戦されようとしていて、それはそれでとても良いことなので、私は前向きな意見を言っているつもりなのです。測定指標の分析の中で、例えば測定指標が達成できなかった、非常に成績が悪かったといったときに、その原因としては、この数ある達成手段10のうち、このA、B、Cの達成手段が悪かったから、これを直せば施策の目標に近づくのだと、そういう達成手段との因果関係の分析をされるわけですよね。

○政策評価官
 はい。

○梅田委員
 それをやってくださいね、というのが第2の要望なのです。これは非常に難しいので、そう簡単なことではないのですが、政策評価としては、その分析を是非きちんとやってくださいねと、達成手段との関係についても論及していただきたいというのが要望です。

○政策評価官室長補佐
 これは、来年の夏に評価書を作成する際に、今御指摘のあった、指標についての達成状況や今どのような状態にあるかということを、少し細かくなってしまいますがどこまで記載するかという話になるのではないかと考えていますので、実際に評価書を作る段階になると思いますけれども、どう記載していくかということは少々考えさせていただき、原局に対しても指示をしていきたいと思います。

○梅田委員
 要望だけですよ。非常に難しいので、よろしくお願いします。

○堀田委員
 要望でどこか変えてくれなどという話ではありません。この事後評価の対象となる施策の選定に関してですが、やはり選ぶ以上は、医療なら医療全体の、福祉なら福祉全体の中で、なるほどこれを選んだのだなと、常識的に分かるような選定が要ると私は思います。そういう意味では、本日拝見した労働・子育て関係は、こういう選定で納得ができますし、2番目の、医療・衛生関係もこういう選定で、ある程度見えるなという感じがしますが、福祉と年金の選定に関して4つ選ばれているのですが、1つが避難所、1つが慰霊、そして企業年金と国立研究所という。これで全体が見えるのかなと、少し偏りがあるのではないかと感じます。

○政策評価官
 今回、15施策の関係で資料をお示ししたのですが、これは、全体で70以上ある施策のうちから私どもが任意に選んだわけではございません。これらの施策を5年ごとに評価をしてまいります。ちょうど来年の夏に実績評価をするスケジュールになっているものを今回御議論いただいたということで、医療や福祉についてはたくさん施策がある中で、例えば介護が抜けているではないかなどという疑問も出てくるのですが、それはたまたま来年度の夏に実績評価をしていただく項目の中で、該当していないということです。本来であれば75施策を全部、毎年毎年やっていくべきなのでしょうけれども、5年ごとに、大体15ぐらいずつ評価をしておりますので、ちょうど今回、例えば医療・福祉の部分であれば災害の関係と援護の関係と企業年金といった項目が、やや奇妙に思われるかもしれませんが出てしまっているということです。私どものほうで恣意的に、例えばこれであれば意見が出ないだろうなどという形で選んでいるわけではないということです。

○高橋座長
 この表にありますように、機械的にずっと一回りしようということなのですね。

○堀田委員
 失礼しました。

○高橋座長
 梅田委員からはいつも、政策評価の初心に返らなければいけないような、大変重要な御指摘を頂いておりますので、事務局として受け止めていただきますように、よろしくお願いいたします。ほかにございませんでしょうか。
 年度末の中で大変御熱心に御議論を頂きましてありがとうございました。政策評価というものはやはり、原点に返るような議論と、具体的なフィージビリティと、それから評価に割けるリソースの問題がいつもあって、その中でそれぞれ御苦労しながらということになろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。
 事務局のほうで、本日の議論をこれからどういう形で進めるか、よろしくお願いいたします。評価官のほうにお返しいたします。

○政策評価官
 長時間にわたり御議論いただきましてありがとうございました。今回は初めての試みということで、これまでは他のワーキングの評価書や制度について御意見を頂く機会がなかなかなかったわけですが、こういう形で、全体においては15施策という形ですが、熱心な御議論を頂きまして、本当にありがとうございました。
 また、頂いた御意見については、私どものほうでも真剣に受け止めて検討していきたいと考えております。先ほど御指摘のあったパワハラの関係も、どの施策目標で出てくるかというのは、まだ原局で確認中ですので、それについては追ってお知らせさせていただきたいと思います。
 また、来年度の事業評価の実施に関する計画も進めてまいりたいと思いますので、事務的な点でいろいろ御指導いただくと思いますけれども、今後ともよろしくお願いいたします。事務局からは以上でございます。

○高橋座長
 また、ワーキングでいろいろお世話になりますが、よろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。それでは、本日の会議は終了とさせていただきます。

(了)
<照会先>

政策統括官付政策評価官室

代表: 03(5253)1111

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 第19回政策評価に関する有識者会議 議事録(2013年3月26日)

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