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2013年6月21日 児童部会認定こども園保育専門委員会(第1回)

雇用均等・児童家庭局保育課

○日時

平成25年6月21日(金)13:30~15:30


○場所

中央合同庁舎7号館東館講堂(文部科学省3階)


○出席者

委員

秋田座長、無藤座長、阿部委員、網野委員、岩田委員、榎沢委員、岡上委員、岡村委員、柏女委員、神長委員、上林委員、河邉委員、吉川委員、小枝委員、酒井委員、志民委員、柴崎委員、杉原委員、田中委員、民秋委員、寺田委員、野本委員、帆足委員、増田委員、矢藤委員、渡邊郁美委員、渡邉英則委員

事務局

文部科学省 大槻政策評価審議官、関大臣官房審議官、蝦名幼児教育課長、竹林幼児教育企画官、津金教科調査官、湯川幼児教育調査官、冨森子育て支援指導官
厚生労働省 橋本保育課長、北山幼保連携推進室長、馬場保育指導専門官

オブザーバー

内閣府 長田子ども・子育て支援新制度担当参事官

○議題

(1)幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定に関する合同の検討会議座長の選任等について
(2)幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定について
(3)その他

○議事

〇 事務局より配付資料の確認及び出席者の紹介があった。

〇 事務局より資料3「幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定に関する合同の検討会議の開催について」及び資料4「幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定に関する合同の検討会議運営規則案」についての説明の後、原案のとおり会議の運営に関する規則が了承された。また、公開に関する規則に基づき、この時点から会議が公開された。  

【竹林幼児教育企画官】 

 それでは、認定こども園教育専門部会と認定こども園保育専門委員会の合同の検討会議の立ち上げに必要な手続が終了いたしましたので、これより議事を公開いたします。

 まず初めに、事務局より、文部科学省大臣官房審議官の関が御挨拶を申し上げます。

【関大臣官房審議官】 

 本日はお忙しい中、また雨の大変降っている中、御参集いただきましてありがとうございます。

 幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定に関する合同の検討会議の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。

 このたびは、委員の皆様には、この策定に関しまして委員をお引き受けいただきまして、誠にありがとうございます。御案内のように、子ども・子育て支援新制度につきましては、昨年の通常国会に法案が提出されまして、国会における修正を経て、関連3法案が昨年の8月に成立したところでございます。

 新制度におきましては、認定こども園制度の改善を行い、幼保連携型認定こども園につきまして認可・指導監督を一本化し、学校と児童福祉施設としての両方の法的位置付けを持つ単一の施設として新たに制度化されたところでございます。この子ども・子育て支援新制度につきましては、質の高い幼児期の学校教育、保育の総合的な提供を図ることを大きな目的の一つとしております。

 新たな幼保連携型認定こども園におきます教育、保育内容の基準となる幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)は、この新制度の大きな中核をなすものであると考えております。このため、中央教育審議会に認定こども園教育専門部会を、社会保障審議会に認定こども園保育専門委員会をそれぞれ設置をいたしまして、この合同の検討会議におきまして、幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定につきまして御検討いただくこととしたところでございます。

 新制度につきましては、最速で平成274月の本格施行を予定しておりますので、この幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)につきましては、その1年前となります平成263月頃、来年の3月頃には告示をしたいと考えております。そのため、本件につきましては、大変お忙しい中とは存じますが、年明け頃までをめどに御提言を賜りますようお願いを申し上げます。

 委員の皆様におかれましては、是非充実した御議論を頂きますようお願いを申し上げまして、簡単でございますが、挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【竹林幼児教育企画官】

 それでは、この会議の座長を認定こども園教育専門部会と認定こども園保育専門委員会から1名ずつ選出させていただきたいと思います。

 認定こども園教育専門部会の主査は、参考資料として机上のファイルの中にございます教育課程部会運営規則により教育課程部会長が指名することになっており、部会長より無藤隆委員を主査に御指名いただいております。教育専門部会の委員の先生方の御異論がなければ、無藤委員に座長をお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。

(拍手)

【竹林幼児教育企画官】 

 ありがとうございます。それでは、認定こども園教育専門部会の主査は無藤隆委員にお願いいたします。

 続きまして、認定こども園保育専門委員会ですが、こちらは互選で委員長を選出することとなります。認定こども園保育専門委員会の委員の方、どなたか委員長の御推薦はございますか。網野委員、お願いいたします。

【網野委員】

 社会保障審議会児童部会の委員をされておりまして、またこれまでの保育所保育指針の改定に関する検討会の委員もされておりました秋田喜代美委員が誠にふさわしいと思いますので、推薦させていただきます。

【竹林幼児教育企画官】

 今、網野委員より秋田委員の御推薦がございました。保育専門委員会の委員の先生方、御異論がなければ、秋田委員に座長をお願いしてはどうかと考えますが、いかがでございますか。

(拍手)

【竹林幼児教育企画官】

 どうもありがとうございます。

 それでは、ただいま無藤委員と秋田委員が共同座長に選任されましたので、今後の議事進行につきましては、お二人にお願いをしたいと思います。本日の議事進行は無藤座長にお願いをし、次回は秋田座長にお願いするという形で交互に進行を御担当いただいてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

(拍手)

【竹林幼児教育企画官】 

 どうもありがとうございます。それでは、無藤座長、よろしくお願いいたします。

 進行に先立ちまして、無藤座長と秋田座長に一言ずつ御挨拶をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【無藤座長】

 座長に選出いただきました無藤でございます。

 御存じのように、新しい子ども・子育て支援の制度につきまして、平成27年度本格実施に向けて準備が進められているところでございます。それを受けまして、この合同会議では、幼児期の教育、保育が生涯にわたる人格形成の基礎を培うという認識の下で、幼稚園そして保育所それぞれの良さを併せ持つところの幼保連携型認定こども園の保育要領の策定に向けまして議論を行っていくということでございます。

 その際に、現行、既に幼稚園教育要領及び保育所保育指針がございますので、その整合性を確保すること、小学校教育との円滑な接続について配慮することなどが特に必要かと思います。

 私としては、そのことに向けて、ここにお集まりの皆様方、御専門家の御協力を頂いて、精いっぱい務めさせていただきたいと存じます。どうぞ御協力、よろしくお願いいたします。

【秋田座長】

 御選任いただきました秋田でございます。先ほど関審議官からもお話がございましたけれども、以前からの関係者による検討と国会による審議等を踏まえ、子ども・子育て支援新制度では幼保連携型認定こども園は、学校と児童福祉施設の両方の性質を持つ新しい施設として位置付けられたところでございます。認定こども園は、保護者の方からも評価の高い、質の高い施設ということでございますが、新しい幼保連携型認定こども園をより充実した施設とするためにも、今回の検討会議は大変重要な意義を持つものであると感じております。

 昭和23年に保育要領の作成が議論されて以降、二元制度において進められてきた乳幼児のための施設制度において、保育・教育課程という子どもの生活にとって最も重要な内容の側面を改めて検討し、整合性を保ち一本化していくところの極めて意義深い画期的な場であると考えてございます。

 検討に当たっては、幼稚園教育要領や保育所保育指針との整合性を図りつつ、また、これまでの認定こども園の実態等を踏まえつつ審議を進めていく必要がございます。

 非力ではございますけれども、議事進行を無藤座長とともに共同で務めさせていただきたいと思っておりますので、皆様からかったつな御意見を頂き、御意見の取りまとめに務めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【無藤座長】

 それでは早速、私が今回の座長ということで司会進行を務めていきます。

 議事でございますけれども、本日は幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定についてということでございます。まず事務局から御説明をお願いいたします。

【蝦名幼児教育課長】

 それでは、本日、お手元に関連する資料を御用意させていただいておりますので、お手元資料、資料番号5、それから678につきまして、簡単ではございますが、御説明をさせていただければと思います。

 まず資料5でございます。「子ども・子育て関連3法について」という横長の資料を御覧いただければと思います。

 今回、幼保連携型認定こども園について制度の見直しを行うということでございますが、この全体像につきまして、まず簡単に御説明をさせていただければと思います。

1ページおめくりいただきますと、「子ども・子育て関連3法の趣旨と主なポイント」というページがございます。この趣旨は、保護者が子育てについての一義的責任を有するという基本的認識の下に、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進していこうということで、各般の制度改正を行っているものでございます。

 主なポイントとして三つございます。一つには、認定こども園、幼稚園、保育所を通じた財政措置の仕組み、共通の給付である「施設型給付」を作っていこうということが1点。それから2点目として赤字にしてございますが、認定こども園制度の改善ということで、特に幼保連携型認定こども園の仕組みの改善を行うということ。3点目として、地域の実情に応じた子ども・子育て支援の充実をこれまで以上に図っていこうということが、大きな3本柱でございます。

 そのうちの2点目でございます認定こども園制度の改善につきましては、ページを送りいただきまして4ページを御覧いただければと思いますが、4ページに今回の認定こども園法の改正についての全体像をお示ししてございます。

 認定こども園は、御案内のとおり、資料の一番左に類型とありますように、4類型ございます。認可幼稚園と認可保育所が連携して一つの施設でもって幼児教育、保育を総合的に行うという幼保連携型、また幼稚園をベースとしつつ、そこに保育所的な機能を付加する幼稚園型、保育所をベースとしつつ幼稚園的な機能も付加する保育所型、それから地方裁量型と4類型ございますが、このうち認可幼稚園、認可保育所を併せ持つ幼保連携型については、大変取組としては、保護者の方々の評価も高く、施設を運営していらっしゃる方々についても、良い制度だと言われてございますけれども、幼稚園としての認可、保育所としての認可、いずれも受ける必要がございますし、それにまつわる指導監督も、それぞれの方面から二重に掛かってくるといったようなことがあり、大変作るのに困難があることと、運営上も支障がそれなりにあるということが御指摘をされておりました。

 今回の子ども・子育て関連3法におきます認定こども園法の改正によりまして、幼保連携型認定こども園については、学校と児童福祉施設としての両方の法的な位置付けを持つ単一の施設として再構築をするということになったわけでございます。したがいまして、従来は一つ傘の下に、幼保連携型認定こども園という傘の下に幼稚園と保育所がそれぞれございましたものが、幼保連携型認定こども園という単一の施設として今後運営をされるといったことになります。

5ページには、少し図示して、大変簡略化したイメージを、5ページの右側の下半分にお示しをしてございますが、大きく申しますと、3歳未満のお子さんに対しては、保育を必要とする子どもさんに対して児童福祉法に基づく保育を行っていただく。3歳以上のお子さんについては、保育を必要としないお子さんに対しては学校教育としての教育を行っていく。そして3歳以上の保育を必要とする子どもさんに対しましては、同様の学校教育を行うとともに、児童福祉法に基づく保育も行っていただくというようなこと。簡略化したイメージでございますけれども、このような整理をしてございます。

6ページに、少し詳細な制度設計について説明をしてございます。いろんな項目がございますが、下から四つ目に教育・保育内容の基準とございます。これは、従来であれば幼稚園と保育所の組合せで幼保連携型認定こども園が運営されてまいりましたので、幼稚園教育要領と保育所保育指針を各施設でもって組み合わせて工夫して対応していただいたということでございましょうけれども、今般、幼保連携型認定こども園という単一の施設となるということがございますので、この施設が行う教育、それから保育の内容の基準は単一のものとして定める必要がございます。したがいまして今回、この場で御議論いただければということでございます。

 この内容については、現在の幼稚園教育要領と保育所保育指針との整合性の確保でありますとか、小学校教育との円滑な接続に配慮すべしということが法律上求められてございます。この点につきましては、後ほど補足させていただきます。

 また、設置基準等についても単一の施設にふさわしい内容を定めていく必要があるということでございます。

 資料6を御覧いただければと思います。資料6は、先ほど口頭で御説明をさせていただきましたように、この新しい幼保連携型認定こども園の教育と保育の内容の基準であります幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)につきましては、中央教育審議会の下にございます認定こども園教育専門部会と、社会保障審議会の下にございます認定こども園保育専門委員会の合同の会議によりまして、この検討をお願いするということになってございます。

 一方、この大きな子ども・子育て支援新制度全体につきましては、内閣府に子ども・子育て会議が設けられておりまして、全体の進行管理、あるいは施行後の運営状況の管理を行っていくということになってございます。したがって、三つどもえのような構造になってございますが、この検討自体は合同会議においてお願いをいたしまして、この検討状況につきまして、子ども・子育て会議にも随時報告をしていくということで、全体として整合性のある内容にしていければと考えてございます。

 資料7を御覧いただければと思います。本日から具体的な内容についての御議論をお願いできればと考えてございますが、その際に考えられる検討課題の例を事務局の方で御用意をさせていただきました。

 まず、この1枚目の枠の中を御覧いただければと思いますが、ここで第10条、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律、これがいわゆる認定こども園法と言われているものですが、今回この第10条で教育及び保育の内容についての規定を設けました。その内容の基準である保育要領(仮称)については、今ほど申し上げた認定こども園法第101項に基づいて定めるということになっております。

 ここで教育あるいは保育という文言が、この条文の中に出てまいりますけれども、実は、この教育、保育の文言につきましては、認定こども園法の2条で定義を行うこととしまして、教育については教育基本法第61項に規定する法律に定める学校において行われる教育として学校教育を指すものとして。また保育については、児童福祉法第6条の37項に規定する保育、いわゆる教育課程に代わって行う養護及び教育──この場合の教育は学校教育を除くということにしてございますが、これを指すものというふうに法律上は整理をしてございます。

 一方、教育、保育という文言については、これまでも幼稚園、保育所における活動などについて、当然ながら使用をされてきてございます。幼稚園に適用されている学校教育法におきましては、教育とは学校教育を意味して、保育とは幼児の心身発達に応じた一定の養護や世話が必要となるなど、幼稚園の教育方法の独自性を表すために、そのための用語として用いられているということがございます。

 また、保育所には児童福祉法が適用されてございますが、ここでいう保育とは養護と教育を一体として行うものとされまして、ここでいう教育とは、子どもが健やかに成長し、その活動がより豊かに展開されるための発達の援助を意味する用語として使用されてきているだろうと思っております。

 このように学校教育法や児童福祉法におきましては、それぞれ教育や保育というものが少しずつ違った内容を指すものとして使用されておりますけれども、今回、子ども・子育て支援新制度の検討、そのための制度の創設に当たりましては、先ほど申し上げたような認定こども園法の改正も行ったわけですが、この中で教育と保育を両方、法令用語として用いる必要がありましたけれども、同じ法律の中で、一つの用語について二つの意味を持たせることは技術的にできなかったということもございまして、冒頭申し上げましたとおり、教育については学校教育、保育については児童福祉法に基づく保育であるというような定義を、この法律の中ではさせていただいておりますけれども、この定義によって、現在の学校教育法や児童福祉法の教育や保育の用語の意味が変更されるということでは全くございませんので、その点についても御留意を頂ければと思います。あくまでも教育が学校教育を指しているのは、この認定こども園法の定義として、そのようなことになっているということでございます。

 このほか、この第10条の下に第13条を引かせていただいておりますが、第10条の2項では、幼稚園教育要領と保育所保育指針との整合性を確保すること、それから小学校における教育との円滑な接続に配慮しなければならないということが、この保育要領(仮称)については法律上定められているところでございます。

 併せて第13条では、第13条の2項で幼保連携型認定こども園の設備及び運営に関する基準については、幼保連携型認定こども園の保育要領(仮称)とは別に定めるということになってございますので、御紹介をさせていただきます。

 こうした今の法律上の規定を踏まえて、論点として1から3までを事務局の方で御用意をさせていただいております。

 論点の1点目は、幼稚園教育要領と保育所保育指針との整合性についてでございます。幼稚園については、教育の目的でありますとか目標、それから保健・安全、評価などの運営に関する事項については学校教育法などに規定をされていて、幼稚園教育要領は教育内容に関する事項について規定をされているということでございます。

 一方、保育所につきましては、児童福祉法や児童福祉施設の設備及び運営に関する基準などに主として運営に関する事項を規定しながら、保育所保育指針には、保育そのものの内容に加えまして、健康及び安全、保育所の評価、保護者支援、研修等の取扱いについても規定をされているというような違いがございます。

 また、幼稚園教育要領と保育所保育指針には、共通で規定されている事項もございますれば、幼稚園教育要領のみに規定されている事項や保育所保育指針のみに規定をされているというような事項もございます。

 その具体的な例としては、この下に(1)から(5)までに掲げさせていただいているとおりでございますけれども、単一の施設であります幼保連携型認定こども園の保育要領、仮称でありますが、これを定めるに当たっては、これらの違いを踏まえながら、どのように整合性を図っていくかということが論点の一つになるだろうと考えてございます。

 それから論点2として、小学校教育との円滑な接続ということを挙げさせていただいております。幼稚園教育要領では、小学校以降の生活や学習の基盤の育成と小学校との連携について規定をされております。また保育所保育指針では、小学校への就学に向けて、小学校との連携について規定がされている。こうしたことを踏まえて、幼保連携型認定こども園の保育要領を定めるに当たりまして、小学校教育との円滑な接続について、どのように整理し捉えるべきかということが論点になるだろうと考えております。

3点目として、幼保連携型認定こども園の固有の配慮事項ということでございます。幼保連携型認定こども園は、質の高い幼児期の学校教育と保育を一体的に提供することを目的とし、学校と児童福祉施設としての法的な位置付けを持つ単一の施設であるということは繰り返し述べているとおりでございますが、この教育と保育の内容の基準を定めるに当たっては、こうした幼保連携型認定こども園の固有の特性、事情に配慮をした規定が必要ではないかということが大きな論点になるだろうと考えてございます。

 以上のような論点を御用意させていただいておりますが、そのような点についても御議論いただきながら、保育要領が定められた際には、解説も併せて作成をするということを予定いたしております。

 資料8といたしまして、それぞれの幼稚園教育要領と保育所保育指針の対照表も御用意させていただきましたので、適宜御覧をいただければと存じます。

 以上で資料の説明を終わらせていただきます。

【無藤座長】

 ありがとうございました。今のようなことで、私どものすべき課題の説明ということになろうと思います。

 本日でございますけれども、第1回でございますので、ただいまの蝦名課長の御説明を踏まえて、幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定につきまして御意見、御質問等、順番にお願いしたいと思います。御意見は、先ほどの課長の御説明の中で主立った論点というのが出ておりましたけれども、それらに沿って、あるいはまた別なことでも何でも結構でございます。

 また、もちろん第2回以降、発言のチャンスがいろいろありますし、また足りない部分等について文書などで事務局にお知らせいただきたいと思います。

 さらに、司会も2人の座長交代でしろとか、事務局も交代でと、いろいろ厳密に交代なんですけれども、発言も、事務局としては交互にしていただくのがよろしかろうということでございますので。交互というのは、こちら側に厚労省側といいますか、保育所側というんですか、こちらが文科省側というか、幼稚園側というか、いらっしゃるわけで、それぞれあいうえお順ですけど、こちらを指名したらこちらを指名してと厳格にやりなさいと、こういう御指示でございますので、きちっとやりたいと思います。

 今日は全員に発言していただきますので、順番ということでよろしくお願いいたします。そういうわけで、保育委員会について網野委員から、そして教育部会の方は阿部委員からということにいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 では、まず網野委員、よろしくお願いいたします。

【網野委員】

 今後検討する内容として、総合こども園でもありませんが、従来の認定こども園を更に越えた単一の施設ということの意義を非常に考えながら深める内容が多いかと思います。

 私としては、先ほど御説明いただきました資料7のところで、論点が三つ例として挙げられていますが、特に論点1ですね。幼稚園教育要領と保育所保育指針との整合性ということにポイントを当てて、意見を述べさせていただきたいと思います。

 中でも、幼稚園教育要領はまさに教育の内容、保育所保育指針は保育の内容、これが言うまでもなく中心になっているんですが、保育所保育指針に関しましては、この指針の第1章総則、その最初、1の趣旨に、冒頭に、これは何を書いているかという文章がありますが、これは非常に重要な部分がありまして、一つは保育所の保育の内容に関する事項。もう一つ書いてありますね。これに関連する運営に関する事項。この二つが含まれています。従来の保育所保育指針とは、この点がかなり、やはり違った特徴を持っていますので、保育所保育指針の中に一定の部分、保育所運営指針のような趣旨が含まれています。

 この整合性ということを考えますと、それぞれの教育関係、福祉関係の法令で、かなり運営に関しては定められていますが、とりわけ、例を挙げますと、資料72ページ目の例(5)がございます。この内容というのが、例えば保育所保育指針では、まさに組織としての保育力を本当に持ちながら、どんなに一人一人の保育者、保育士の能力が高く、質を考えて保育をしても、それだけでは十分達成できないという趣旨が、この(5)に書かれているような部分ですね。私としては、例えば第6章の保護者支援を担当してきましたので、この点、つくづく感じる面があります。

 保育士の養成の課程では現在、幾つものカリキュラムの中で、私どもは保育ソーシャルワークという言葉を使っておりますが、保育という専門性にプラスして、いかに保護者支援の内容を深める必要があるか。これは一人一人の保育者、保育士だけではなくて、保育所組織としてという部分が非常に関係してきます。この点は、これからいろいろ議論する中で、整合性を図るという論点でも、一つの例として、どこまで踏み込むか。できましたら、保育要領の中で明確に保護者支援の重要な意義とか、できればもう少し具体的なハウツーも含めて触れる必要があるのではないかと思います。

【無藤座長】

 重要な論点だと思います。ありがとうございます。

 それでは、阿部委員、よろしくお願いします。

【阿部委員】

 大学で美術教育を担当しております阿部です。このたびの小学校学習指導要領図画工作の解説書を担当させていただきました。この関係から、論点2の小学校との接続に関心をもっております。幼児教育における「遊び」は「学び」の理念を大切に、特に表現について、絵をかいたり、音楽に合わせて踊ったりする芸術に関わる活動をこれまで以上に重視して策定に取り組みたいと考えております。

【無藤座長】

 ありがとうございます。

 それでは、岡村委員、お願いします。

【岡村委員】

 認定こども園を経営しています岡村と申します。この先生方の中に私が参加するのは、とても気持ちが重かったんですが、現場の経験から発言をさせていただきたいと思います。

 秋田で20年、また福島に移って3年間、幼稚園、保育園、後の7年は認定こども園に携わっておりますが、幼稚園、保育園に子どもたちが制度上分けられていることに、最初から私は疑問を持ってまいりました。その中で思わされたことは、一つの国が子どもの育ちを二つに分けて考えるのではなくて、子どもの育ちは一つで保障していくということが必要なのではないか。

 そんな中で認定こども園制度が始まってすぐに、その取組をさせていただいて、私はそれは間違いではないと思っています。子どもたちを二つの制度に分けるのではなくて、一つの育ちを保障する、そのような思いの中で、しかし保護者の就労の状況や保育の時間の長さの違い、その中で考えられるデイリープログラム、そういうものの工夫、いろんなものが絡み合って、今の認定こども園は、短い時間ではありますけれども、多くの好事例を生み出してきていると思っています。

 どのように総合的に子どもの育ちを支えるか、保育に苦労している保護者を支えるか、あるいは地域を支えるか。そんなことを新しい保育要領の中でも意識として持っていくことができればということを願っておりますが、ただ、この短い時間の中で、幼稚園教育要領、保育所保育指針とまた全く別物を作っていくのは大変なことだとも思います。

 将来的な夢として、今お話しした一つの育ちをということと一緒に、先ほど網野先生が御紹介いただいた保育所保育指針の総論のところにも触れられているような理念を、将来的には是非明確にしていただきたいということが一つあります。

 それは、89年に国連の総会で採択された子どもの権利条約、その言葉の中から子どもの最善の利益ということを私たちも酌み取っておりますし、新しい制度の中でそのことが考えられて、子どもがどの施設を利用しても同じように公費が使われること、育ちが保障されることが考えられていると思いますが、OECD諸国ではベースに、やっぱり、その子どもの権利条約を置くことで、国家財政の再編までも含めた大きな改革がなされていて、チルドレン・ファーストであるとか、スターティング・ストロングであるとか、様々な効果が今、発揮されていることを考えると、この1年では無理であったとしても、将来的には是非、理念として、子どもの最善の利益を含む子どもの権利条約を明確にしていくような方向性を描きながら、この1年間の検討をしていただきたいということが一つあります。

 さらに、さっきの課題の整理の中では三つ目のことについて、幼保連携型認定こども園の固有の配慮事項というところで、是非このことは皆さんにもお考えいただきたいということがあります。

 それは、幼稚園教育要領、保育所保育指針は、あくまでも保育を実践している施設の中での指針ということになります。網野先生が少し家庭へのということも触れてくださいましたけれども、実際には認定こども園、幼保連携型は、子育て支援が必須の事項として含まれておりますし、それだけではありません。新しい制度の中では総合的な機能が求められている。具体的に私の今の園でも、放課後児童クラブであるとか、子育て支援センターを担当しておりますし、あるいは地域型保育給付と言われる事業の中では、家庭的保育であるとか、いわゆる保育ママであるとか、様々な事業が予定されていて、そういう事業所の指定を受けると、そういう機能も持って、幼保連携型認定こども園は息づいていくことになります。

 地域の中でそういう機能をしっかり果たしていくためには、是非、施設の指針、要領だけではなくて、様々な機能に着目した、子どもの育ちを中心に描きながら、しかし多様な機能に着目した描き方をしていただきたいというふうに願っています。

 以上です。

【無藤座長】

 ありがとうございました。

 それでは、岩田委員、お願いします。

【岩田委員】

 岩田です。保育と教育の一体的実施というこども園の位置付けですけれども、やっぱり保育と教育の意義が、もう一つはっきり分からないということが1点。そして、一応、告示を見ますと、0歳から就学期までの一貫した教育及び保育を書いてありますけれども、認定こども園で一体型、一貫する場合に、幼稚園と違って6年間のスパンを考えないといけないと思います。

 指導要領は、幼稚園教育要領の場合は3年間で達成すべきねらい、教育の目標というものが5領域として挙がっているわけですけれども、保育所指針でも、幼稚園の5領域の内容とねらいを準拠する形で書いてあります。しかし、幼保一体型の6年間という長いスパンを考えるときに、3歳から5歳児の時期に到達する5領域の内容やねらいだけじゃなくして、3歳未満、すなわち0歳、12歳ですね。この3年間で到達すべき内容とねらいというものを、やっぱり一つの下位目標というか、途中の下位目標として、そういうようなものをワンステップとして、挙げるべきじゃないかと思います。

 したがって、今、幼稚園も保育所も3歳から5歳に達成すべき目標として、5領域で挙がっているわけですけれども、その3歳から5歳に到達すべき目標の前段階として、準備段階として、0歳から2歳までにどういうことが育っていないといけないかというようなことを細かく記述する必要があるんじゃないかと思っています。

 かつては、保育所指針の方が、0歳から6か月未満と、6か月から13か月未満、13か月から2歳、2歳、3歳、4歳、5歳、6歳といった具合に年齢ごとに教育的な保育内容とねらいが詳しく書いてあったんです。

 だから、幼稚園の先生も、3年間の最終の到達目標が書いてあるだけではカリキュラムが組みにくいので、逆に保育所指針の年齢ごとのステップを参考にして、自分たちのカリキュラムを組んでいたというような話も聞いたこともあります。

 しかし、以前の保育所指針みたいに八つの年齢に区切って、教育的な内容とねらいを順番に挙げていくと、そういう細分化に伴うデメリットというのも一方では考えられるんだけれども、やはり6年間一貫の連続性を考えるときや僕は0歳から2歳という、これを真ん中あたりで区切って、そこで到達すべき目標や内容を書き込む必要があるんじゃないかと思います。

 過去には、保育所指針は八つの年齢段階に分けて内容が書いてあったんですけれども、それがなくなって、幼稚園の教育要領のような形になったわけですが、そのかわりに、現行の保育所指針の中では、おおむねという形で、発達段階の特徴が8段階に分けて書かれているわけです。

 それで、6年間の到達目標を3歳未満とそれ以降に分け、年齢ごとに細かく区切るかわりに、現在の保育所指針の中に書いてある発達過程ごとの説明を、もう少しきめ細やかに書いていく必要があるかもしれません。

 それから、もう一つ。保育所指針の中にある、養護に関する生命の維持と情緒の安定。これも内容とねらいが挙げられているわけですけれども、これも0歳から5歳児までを一括するのではなく、同じような考え方で2段階ぐらいに、3歳児未満と、それから3歳児以降ですね。そういう2段階ぐらいに区切って書いてもいいんじゃないかということです。

【無藤座長】 

 ありがとうございました。

 それでは、柏女委員、お願いいたします。

【柏女委員】 

 淑徳大学の柏女です。前回の保育所保育指針、あるいは幼稚園教育要領の改訂、両方に主として福祉の視点から携わらせていただきましたので、そこも踏まえながら、大きく5点申し上げたいと思います。

 まず第1点は、午前中の子ども・子育て会議で、私も参加をいたしまして、今後、その利用者の利便性や、あるいは子どもの最善の利益を考慮すると、幼保連携型認定こども園をメーンストリームにしていくべきだという発言をいたしました。そういうことから考えますと、この要領というのが非常に大事になってくると思っています。これが1点目です。

2点目ですけれども、その幼保連携型認定こども園保育要領を定めるときには、いろんなタイプの幼保連携型認定こども園が生まれてくるとは思いますが、やはりフル装備の基本形を念頭に置いた趣旨、要領を作成すべきだ。つまり、学校教育、そして保育、それから地域子育て支援、さらには在園児の保護者支援、この4点をフルセットで持った要領を作成すべきだと思います。

 そう考えますと、最もそれに今近いのが保育所保育指針ということになります。指針は2万字程度、幼稚園教育要領はその半分程度ということになります。保育所保育指針を基本としていくことが妥当ではないかと思います。

3点目です。現場に役立つことを考える等、現在の幼保連携型認定こども園の実践をとても大切にすべきだと思っています。そういう意味では、岡村委員の御発言もありましたけれども、幼保連携型認定こども園の実践に謙虚に耳を傾けるべきだろうと思います。

4点目です。応諾義務、あるいは保護者支援、安心・安全の確保など、いわば福祉的な視点を重視すべきだというふうに思います。幼保連携型認定こども園は、児童福祉施設であると同時に、第2種社会福祉事業としても位置付けられております。それなりの法令遵守が求められるわけですし、そうした社会的責任を明確にすべきだろうと思います。そういう意味では、網野先生が少し触れられた保育の内容に深く関わる運営に関する事項についても記載することが妥当ではないかと思います。

5点目です。幼保連携型認定こども園には、これから幼稚園、保育所から認可換えが行われることが多くなります。双方にとって、それまでの実践から移っていくことになりますので、違和感のない要領にすべきだと考えます。つまり、幼稚園から移ってくる、幼保連携型認定こども園に移ってくる点については、幼児期の教育とは何かということをしっかりと議論をして書き込んでいくことが必要だと思います。後伸びする力、あるいは生きる力の基礎を培うということは一体どういうことなのか、これをしっかりと書き込んでいくことが大事だと思います。

 同様に、保育所から幼保連携型認定こども園に移っていく、その場合に、その教育って何なのかを理解することが大事だということですが、もう1点、幼稚園から幼保連携型認定こども園に移っていく。その場合には、012歳児の保育についてしっかりと書き込まれていることが大事だろうと思います。つまり、発達過程区分の概要、つまり発達の過程と、そして保育の留意点、それらについては明確に書かれることが、幼稚園から幼保連携型認定こども園に移ってこられる事業者の方々にとって大きな参考になるのではないかと思います。0から6歳を一つながりのものとして捉えていく視点が大事だろうと思っております。

 私からは以上でございます。ありがとうございました。

【無藤座長】 

 ありがとうございます。

 それでは、榎沢委員、お願いします。

【榎沢委員】

 榎沢と申します。私が主に研究しておりますのは、実践ですね。幼稚園の現場での実践とか、保育の実践です。実践が私の主ですので、そこに私は一番関心がありますので、その視点から少し質問をしたいと思います。

 まず事務局の方に教えていただきたいのですが、今回の幼保連携型認定こども園保育要領は、仮称ですが、保育要領というふうに名称が決まったのはなぜでしょうか。つまり、教育要領ではなくて、保育要領という名称を使われていますね。それは何か理由があって、そうされたのか、とりあえずなのか、そこを教えていただきたいと思います。

【無藤座長】 

 どうぞ、最後まで。

【榎沢委員】

 私は今回の幼保連携型について、幼稚園の機能と保育所の機能を一体化するという意味で、「保育」という言葉を使われたのであれば、よいなとは思っております。しかし、実際には、例えば指針では「保育は養護と教育を一体的に行う」と書いてあり、保育の中に教育が入っています。一方で、幼稚園教育の方は、「教育」というふうに保育を切り分けた使い方がされている。そのためが、現場では、保育の理解がうまく統一できていないのだと思います。教育と保育に関して、事務局の説明ですと、法律上は教育について定義されたし、保育についても定義されたということです。一応、法律上の形式的な定義はありますが、実際に現場で保育者の方たちがどういうふうに実践をやっているかというと、法律上の定義でもってやっているわけではありません。保育者が実践はある子どもへの向かい方のためとか、関わりの持ち方等々を含めたものになっているわけです。そのため、現場では教育の感覚と、保育の感覚に違いがあって、うまく統一化できていないのだろうと思います。これまで幼稚園と保育所が二元的に来たのは、教育の感覚と保育の感覚のずれがあったせいではないかと思います。

 今回、両方併せて保育要領という形でするのであれば、教育についてと、つまり乳幼児期の教育についてはどう考えるのかということをしっかり議論をしていくことが必要かと思っております。

 今回、この要領を作るに当たって、もしもお考えがあって保育要領という名称にしたということであれば、議論の足しにするためにその辺の理由を教えていただきたいと思い、質問させていただきました。

 もう1点は、今度の子ども・子育て支援新制度について事務局から簡単に紹介していただいたことについてです。「質の高い幼児期の学校教育、保育の総合的な提供」ということが新しい制度の目的になっております。私も、これはとてもよいとは思っております。

 ただし、実践の場に特に関心のある者としては、質の高さについて、どこまで考えていったらいいのだろうかと思います。もちろん設置基準等、例えば保育室の広さとか、職員の数などは実践の質を左右するので、それは重要なことです。しかし、それだけで質が決まるわけではありません。実践そのものが重要です。それが質を決めることになります。したがって新しい制度でうたっている質の高さを実現していこうとするのであれば、その質の高さについて新しい要領の中で示していくことが大事だろうと思っております。下手をすると、乳幼児期の質の高さとは逆の方向に行ってしまうことも起こり得るだろうと思っております。

 特に教育が最近は国の方でも注目されてきています。学校教育の早期も検討をされているようですので、質の高い乳幼児期の教育と保育に関して、一体何を実現していくことが重要かしっかり議論をして、この要領の中に示していくことが大事かと思っております。

 以上です。

【無藤座長】

 ありがとうございます。御質問がありましたけれども、いかがでしょう。

【蝦名幼児教育課長】 

 保育要領(仮称)ですけれども、これは結構古くから仮称として用いられてきたと思いますが、当初の考え方としては、恐らく教育の、幼稚園教育の独自性を表すものとして保育という言葉が学校教育法でも用いられていて、その保育という言葉でもって、この小学校に上がる前の内容を表すものとして、仮にではありますけれども、置くことができないかということだったのかなと思っています。

 保育要領(仮称)という呼び名、され方がずっとされてきましたが、一方で、先ほど申し上げたように、法律の内容の検討は、実はその後に行われ、結局、その一つの施設で学校教育も保育もということを行う単一の施設を新しく法律上規定するためには、教育という場合の教育の定義をしっかりさせなければいけない、保育の定義をしっかりさせなければいけないということもあって、冒頭申し上げたように、学校の場合の教育は学校教育だけ、保育については児童福祉法に基づく保育を指すんだというふうな定義を法律上置くことになりましたということが経緯としてはございます。

 したがって、文部科学省で、中央教育審議会にこのことについての検討のお諮りをした際にも、たしか名称については、保育要領とあるけれども、法律からおりてくる保育の考え方は、定義にあるように、児童福祉法に基づく保育しか表していないので、この名称で良いのかという質問もあって、そのときには、そこも含めて、これから御検討いただくことになると思いますと回答させていただいたところでございますけれども、この名称の仮称については、当面、仮置きというものだと私自身は考えてございます。

【無藤座長】 

 吉川委員、お願いします。 

【吉川委員】  

 失礼します。保育所の現場にいる者として、少し感じていることをお話しさせていただきたいなと思っております。

 この要領が現場にとって分かりやすい表記であると同時に、認定こども園の特性であるとか、保育、教育の全体像がイメージしやすいものであってほしいなというふうに思っておりまして、ただ単に幼稚園教育要領と保育所保育指針のつなぎ合わせ、張り合わせをしたことにとどまらず、将来的に全ての乳幼児に関わるものの指針となるような要領であってほしいなという願いを、まず持っております。

 今の指針の中に遵守すべきこと、努力義務が課せられていること、地域性等に基づいた創意工夫が行われること、実質上の配慮事項等々というふうに書き分けがなされているところがございますけれども、我々が保育の原点に立ち返る、あるいは実践を振り返る視点としては、その地域性や独自性、創意工夫の名の下に子どもにとっての不利益が生じないように、この総則の中に認定こども園の特性であるとか、保育、教育の基本的な原理原則であるとか、社会的な役割や責任について、きちんと明記してほしいと思っております。

 また、この中には、保護者との協働、あるいは保護者支援といったことも大きく明記していただきたいというふうに考えております。

 また今回、幼児期の学校教育ということが少し前面に出てくるのかなというふうに考えてもおります。このことを私自身が否定することではありませんけれども、いわゆる早期教育の偏重に陥ることのないように、0からの丁寧な発達理解と、乳幼児期に大切に育むべきことを明記して、幼児期の教育概念を整理しながら、入学前あるいは入学後の教育と混同されることのないような記述であってほしいと思っております。

 さらに、子どもの家庭福祉の視点が二の次にならないような書きぶりで、一人一人を大切にした保育、教育のありようについて、きちんと整理していく必要があるのかなと思っております。幼稚園教育要領の中には、幼児期であるとか幼児というような書きぶりがたくさんありますが、指針の中には一人一人という言葉で整理をされた項目がたくさんあります。それだけ一人一人に寄り添った保育、教育のありようの追求ができるようにしておくことが必要かと思っております。

 また、特に保育内容についてなんですけれども、0から就学前までの養護的機能そのものが、その後の教育の基盤をなす重要な事柄であるというふうに捉えておりまして、指針の中にある養護のねらい、内容について、このことを大事にしながら、指針同様な保育の内容等について触れていただきたいと思っております。

 また、子どもの健全育成のための健康、安全、食育ということは切っても切れないことでありますので、このことも要領の中にきちんと落とし込んでおく必要があるかと思っておりますし、また評価については、保育の質を担保するという意味においても、必ず明記が必要なのではないかなと思っております。

 現在、私のところでもそうなんですけれども、障害のあるなしに関わらず、個別的な配慮を必要とする子どもが非常に増えてきているのが現状でございます。また、11時間を超えての長時間の保育も一般化しておりますし、一人一人の生活と発達の連続性を大切にしながら、親と一緒に生活のデザインができる、育みのデザインができるような、全ての子どもの個別的な計画も必要ではないかというふうに考えております。

 指針では2歳までの個別計画となっておりますが、小学校への接続等々を考えると、この個別計画については、全ての子どもについてということの方向性が必要ではないかなというふうにも考えているところです。

 このことを通して、保護者の養育力の向上であるとか、子育て支援に資するものになればいいなと、併せてそのように考えているところです。

 もう1点は、指針の改定のときもそうでございましたけれども、大綱化されたことによって行間をどのように読み込むかということは、現場にとって大きな課題でもありました。なかなかそこの行間の読み込みがうまくできないということもございましたので、今回のこの要領についても解説本等々を出していただけると、現場で実践に移しやすいものになるのではないかなというふうに考えております。

 以上です。

【無藤座長】 

 ありがとうございました。

 それでは、岡上委員、お願いします。

【岡上委員】  

 私は幼稚園の現場を長く経験しまして、そしてその後、今、幼稚園教諭、保育士の養成に関わっているものでございます。その立場からお話し申し上げたいと思います。

 この新制度が審議されるときに、国会論議の中でも、それからいろいろな検討会の中でも、質の高い幼児教育を保障する。社会のニーズに応える、子育て支援を充実させるという意味でも、あるいは社会保障の問題とかいろいろなこともあるけれども、その中で一番の問題は、質の高い幼児教育を保障すること、それを目指して新制度を作るんだということが繰り返し説明されました。その説明を伺いながら、ああ、新しい制度になるけれども、確実に幼児教育が今までよりも質の高いものになるんだなと、そんな思いで期待しておりました。

 そういうところから言いますと、この保育要領が本当に幼児教育の質を高めるもの、そういったものを目指したものになっていくとうれしいなと、そんなふうに思っております。

 今、地域の中で子ども同士の遊び、群れ遊びが消失しています。そういった群れ遊びの中で、子どもの遊び文化が伝承されていたり、あるいは人との関わり方とか、そういったことが自然と学ばれていたりしたわけですけれども、そういった機会が今、社会の変化や、子どもが自由に遊べる場や時間がなくなっていることなど含めても、子ども同士の中での学びというのが少なくなっています。

 そういった意味では、これからの幼稚園も保育所も認定こども園も、全てのところでの役割というのはどんどん大きく、そういった意味での学び豊かな学校としての認定こども園といった施設が重要な役割を果たしてくると思います。そういった意味で是非、教育の質を担保する内容、それを考慮していただきたいということが一つでございます。

 それから、もう一つは、論点3に関わることでもございますけれども、認定こども園新制度がどんどん推進されていきますと、子どもたち、認定こども園に在園するという形になるわけですけれども、保護者の中には、自分で子育てする時間をたくさん持ちたい、そういった生活スタイル、あるいは子育てのスタイルを選ぶ方もいらっしゃるわけでございます。そういったことが十分安心して選べるようになるためにも、認定こども園に全ての子が長い時間在園し教育、保育を受けるということだけが前提になるのではなく、是非、この子どもの1日の生活リズムや集団生活の経験年数が異なる子どもたちが在園することが可能になる、あるいは保護者がそれを安心して選べるような保育要領にしていきたいと、そんなことが希望でございます。

 このここに書かれている論点3、短い文ではございますけれども、保護者の生活スタイル、そして、この新制度の理念が、保護者がまず第一の教育の責任者であるという第一義の理念からいたしましても、この幼保連携型の認定こども園の保育要領が、その保育要領を読んだだけで保護者が安心して自分の子育てスタイルを選べる、そこにもつながるような内容であってほしいなと思います。

 また、もちろん、それは当然子どものそれぞれの保育時間に応じた子どもの幸せにつながるわけですし、豊かな学び、豊かな生活につながるものと思っております。

 以上でございます。

【無藤座長】  

 ありがとうございました。

 それでは、酒井委員、お願いします。

【酒井委員】   

 東京家政学院大学の酒井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 私は栄養教育学ですとか地域栄養学といった分野から、現行の保育所保育指針の改定、それから平成17年の食育基本法公布の前に出されております保育所における食育に関する指針、そしてさらには平成24年に保育所における食事の提供ガイドラインの作成に関わらせていただきました。

 この食育というのが、言葉が大変目新しく使われてきているわけですけれども、今回の保育所保育指針と幼稚園教育要領、そして小学校の学習指導要領に位置付いたことで、やはり乳幼児期の食事がもたらす養護的な側面と、特に教育的な側面の、この5領域全体に総合的にまたがって展開できる内容として示されたことは、とても新しかったかなと思います。

 このたびの認定こども園が012歳児の低年齢児、そして長時間保育のことを考えますと、やはり、それは子どもにとって生活文化を作り出していく場そのものになろうかと思います。そして、子どもたちの育ちを保障していくためには、やはり今とても問題視されていますけれども、アレルギー対応の問題も含めまして、十分な配慮がされた食事の提供が必要になってくるのではないかと思います。それが、認定こども園で出す食事が、保護者への教材的な意味も含めまして、大きな意義をなしていくことを期待したいものです。

 現在の認定こども園の食事がどのように提供されているかということを考えますと、家庭から実際にお弁当を持参していたり、保育所と同様に園内の調理室で給食を提供していたり、又は外部からの搬入も含めまして、今後、大変多様な食事提供パターンが考えられ、それが年齢によっても異なるということも考えられるわけですね。

 そうしていくと、この認定こども園だけでも形態が多様化しているのに、なお一層、それに加えて食事のパターンというか、提供の仕方も複雑化していく可能性があるかなと思います。それによって引き起こされる事故というのが一番問題であり、その事故対応も含めましてガイドラインの作成が必要になってくるのではないかと思います。

 いずれの形態であろうと、食を通した子どもの育ちを支え、これからの食文化を創造できるような認定こども園を期待したいと思いますし、それを保障する保育要領の策定を願っているところです。どうぞよろしくお願いいたします。

【無藤座長】  

 ありがとうございました。

 それでは、神長委員、お願いします。

【神長委員】  

 私は、この論点でいいますと、論点1と論点3に沿って意見を述べたいと思っております。特に論点1の最後に書かれております、これらの異同を踏まえながら、どのような整合性を図るのかという、そのことについて意見を述べたいと思っております。

 確かに幼稚園教育要領と保育所保育指針の書きぶりは、今回、平成20年度の場合には随分整合性がとれておりますし、お互いに見やすく、幼稚園の立場から保育所の様子が分かる、保育所の立場から幼稚園が分かるという形で書かれているかというふうに思うわけですね。ですから、これを踏まえながら整合性ということを図っていくことが大事かなと思っております。

 そのときに、どちらかのベースにして考えるというよりは、例えばここに挙げられている一つ一つを見ますと、なぜそこにそれが入っているのかとか、入っていないかと、理由が大分違うわけですね。ですから、やはり最終的には、幼保連携型認定こども園で働く先生方がよく理解できるというところで判断していくわけですけれども、考え方を整理する場合には、一緒くたに考えるよりは、何か一つ一つについて、なぜというところをもう一度、それぞれの歴史的な背景も見ながら考えるべきではないかなと思うんです。

 それで、例えば最初に書いてございます目的とか目標というのは確かに幼稚園教育要領の中にはありませんけれども、これは平成元年、平成10年と幼稚園教育要領が非常に大綱化して構造化して読みやすくしようという動きの中で、学校教育法にあるものは学校教育法を見ることによって小学校との違いとか、それ以上の学校との関係が分かるわけですから、そちらを併せて研修のときに取り上げるということも踏まえながら、とってきたわけだと思うんですね。

 そういったことを踏まえますと、やはり、この大綱化してきたところの歴史を踏まえたときに、今回の認定こども園で、それが必要なのか、必要でないのかということを、現場の定着度を見ながら判断していくことが大事かと思います。

 ただし、先ほども解説書ということがお話が出て、行間を読み取るというお話がございましたけれども、私も全く同感でして、現場では、ここに全部書いてあったから分かったというよりは、むしろ、ここに書いてあることと解説書の中で更に書き込んでいるところを研修の中で話し合いながら確認していくという検証をするわけですね。そのことがすごく大事ですから、全てここに書き込むというよりは、むしろ、この行間から研修を深めていくところもあっても良いのかなと思います。

 ただし、先ほど来から保護者支援とか、やはり、是非ここには必要だという、その項目といいますか、書きぶりもあると思いますけれども、簡略に書きながらも、解説書の中には、より丁寧に書くような、一つ一つについて吟味しながら、定着しているのか、でも、なおかつ必要なのかという、そういう議論をしながら整理していくことが大事かなと思っています。

 幼稚園教育要領も大綱化している割には、内容の取扱いのところは年々増えてきているというのは、これは保育所保育指針でいう発達の過程と非常に重なる部分がありまして、ねらい、内容というものを、いざ教育課程で考える場合、また指導計画に考えていく場合に、目の前の子どもの発達を読み取りながら、その発達を見通していくことが大事でして、そのことを考えていくときには、やはり内容の取扱いに、この、いわゆる3歳から5歳の間にどのような発達の過程が見られるのかを見通しながら、それぞれに編成するという意味で、これは平成元年、平成10年、平成20年と、内容の取扱いについては非常に手厚く書いてあるところもありますので、何か一つ一つについて、それぞれの考えてきたもので確認しながら整理していくことが大事かなと思います。

 ただ、最終的には読みやすい、使いやすいというところがありますので、解説書との関連は、是非考えていただきたいなと思っています。

 そうしまして、次の第3の論点なんですけれども、これについても現場の先生方、実践の先生方の声などを集めながら、是非、固有の配慮事項については丁寧に書いていただきたいなと思います。

 特に3歳児の場合ですと、012歳から3歳児のクラスに入ってくる子どもたちと、家庭からその3歳に入ってくる子どもたちが一緒に生活するわけですから、当然、安定に向かう時期ですね。不安定から安定に向かう時期は十分とらなくてはいけないですし、そこの指導体制、保育体制についても相当に配慮するということが必要だと思うんですね。

 そこに手厚くすることによって、その次の子どもの成長があるわけですから、ここに、この書きぶりですけれども、やはり担任する先生が読んだときに、そこを意識するという、そういう意識しなくてはいけない事柄については是非、この固有の配慮事項というところにはポイントをきちっと示していただければと思います。

 実践の場でいろいろ伺う中では、やはり2歳の後半から3歳に移る場合、単に3歳になったからこの部屋というよりは、時々、しばしばなのかもしれませんけど、交流しながらということも配慮して3歳のお部屋に入ってくるようなお話も伺いますので、やはり今工夫なさっている、そういう工夫が更に広まっていくような書きぶり。こうするというのではなくて、ここに、ここが大事だよという、このことをしっかりやると、むしろ4歳、5歳は子ども同士のつながりがしっかり育っていくという、そういった見通しを、是非この中で示していただければと思っております。

 以上です。

【無藤座長】  

 ありがとうございました。

 それでは、柴崎委員、お願いします。

【柴崎委員】  

 大妻女子大学の柴崎と申します。保育環境や保育臨床相談を専門としておりますので、実際に現場でこれを今度は使う立場の保育者の視点から、簡単に今、意見を述べさせていただきたいと思います。

 大きく分けると2点あります。一つは、結局この保育要領が作られると、現在ある保育所保育指針と幼稚園教育要領、この二つと合わせると三つという感じがするんですね。でも、今のいろんな委員の意見を聞いていると、その二つをどうミックスするかという捉え方が多いと思うんです。私はこれは、確かにミックスするんだけれども、それが現場の人に行ってしまうと、すごい混乱が起こると思います。例えば、チョコレートとバニラを合わせて食べるとき、ソフトクリームで食べるのか、アイスクリーム状にして食べるのかです。そうすると、ソフトクリーム状にすると見えるわけですよね。どこが指針で、どこが要領と。そうすると、また現場では、幼稚園がいい、保育所がどうのと、終わらないんですよ。そういった意味では、アイスクリーム状にしてほしい。味が分かる。この味だというね。これがどっちで、これがどっちでというよりか、やっぱり認定こども園という一つの施設の特徴だとか、良さだとか、そこの目的とか、それがはっきりと、総則だとか、それから、それ、両方にない特徴としての配慮事項で書かれると、そうすると、すごく現場は分かりやすいと、私は一つは思います。

 二つ目が、この基準というのは結局は、教育課程か保育課程を編成するときの基準になりますよね。多くの園では、こども園、たくさん見させていただいていますけど、3歳未満は大体保育指針、これは当然ですけれども。その上をどうやって作っているかという話なんです。そこのところを現場に作りやすいのには、どういう示し方をすればいいかということを聞きながら、そして、そういう体系で示せばいいと思うんですね。これをどうミックスして示そうかとか、これまでのいろんな流れがありますけど、それにこだわり過ぎると、現場はそれに固執して、一番作りやすいものが作れなくなるというふうに思います。

 そして今、神長先生がおっしゃったように、やっぱり保育要領で示すものと解説書で示すものは、別個で考えた方がいいと思います。これまでの経過だとか、細かい違いをどういうふうに克服するかとか、そういうのはみんな解説書でいいんですよ。例えば保育要領を見たときに、あっ、これが認定こども園だという味が分かるように作っていただきたい。簡潔で分かりやすいというふうに思います。

 以上です。

【無藤座長】  

 ありがとうございます。

 じゃ、上林委員、お願いします。

【上林委員】  

 上林です。現場にいたようなこともあって、今、教育委員会だというところでお話をさせていただきたいと思うんですけれども、まず、2点ありますが1点目。お話の中に既に出てきていますけれども、子どもの最善の利益だとか、保育の質の保障だとかというようなところがたくさん出てきているんですけれども、とてもさらりとしていて耳触りのいい言葉ではあるんですが、それが果たして、実際に保育をしている人たちにとってどのぐらい、どういうものが保育の質として向上しているものなのかとか、それから子どもの最善の利益といっても、多分、その言葉からイメージすることは、いろいろなことが出てくるし、一人一人違うんだろうなと思うんですけれども、そのあたりが少し整理されて示されると、現場としては非常に有り難いなというような気がしています。そのことが1点です。

 それと、もう一つなんですけれども、平成元年、10年、20年というふうに幼稚園教育要領を改正されてきていて、そのあたりから小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の学習指導要領と一緒に改訂されてきているところで、20年には保育所保育指針も一緒に告示になってというので、小学校以上の学校と改訂が同時になされるようになったようなところで、本当にそうなるかどうか分かりませんが、元年、10年、20年とくれば次は30年だろうと思うんですけれども、その30年の改訂になったときに、例えば幼稚園教育要領や保育所保育指針、それが残るか、残らないかも分かりませんが、恐らく全部が認定こども園になるわけではないということなので、出てくるんだろうと思います。それが仮に30年だとしたら、この25年に認定こども園の保育要領を作ることは、その30年の改訂のときに、幼稚園教育要領や保育所保育指針に大きい影響が当然出てくるんだろうということが考えられるんですけれども、そのあたりのことを踏まえながら作成していくことが大事なのかなと。これはちょっと感想じみていますが、そんなことを感じています。

 以上です。

【無藤座長】  

 ありがとうございました。

 じゃ、民秋委員、お願いします。

【民秋委員】  

 民秋でございます。よろしくお願いします。

 最初に、このお話を聞いたときに、ようやく保育もというか、保育はここまで来たかというのが、私の正直な感想でございます。ここに至るまでの関係各位の御尽力に、まず敬意を表したいと思います。

 すなわち、幼稚園と保育所それぞれがそれぞれの社会的ニーズに応じてそれなりの働きをしてきたし、これからもその必要があると思いますけれども、一つになろうという動きが緒についたわけでございますので、私個人としては大変うれしい限りで、この作業に一生懸命励みたいと思っているところでございます。

 とにかく就学前の子どもの健やかな育ちというものを幼稚園と保育所と二つにある、それを支える場の在り方を考えるわけでございますから、そしてそれが幼稚園も保育所も共通項にあるわけですから、この機会は十分に生かさなければいけないと思っています。

 そのときに、まず基本的には私は、先達が50年、60年、昭和20年、22年からの歴史の中での営々と築いてきたもの、保育所保育指針とか幼稚園教育要領の趣旨は大切にしたいと思います。

 そして今度は、0歳から6歳というお子さんをお預かりして保育をするわけでありますから、特に次の3点に私は、まずは、とりあえずは注目をしたいと思っています。

 まず一つは何かといいますと、保育所保育指針で言っているところの保育の、言うならば方法的特徴、特性という言葉を使っていますけれども、養護と教育が一体となってという、この趣旨、これは十分に生かしていかなきゃいけないと思います。

 確かに幼稚園教育要領には養護という言葉は一度も出てまいりませんけれども、養護というのは、先ほどどなたかもおっしゃいましたように、生命の保持と情緒の安定でございますから、そしてそれを保育所保育指針で言うところの教育を支えるという、そのような位置関係がございますから、これは養護と教育が一体というところは存分に生かさなければならないのではないかと思います。

 二つ目は、発達過程区分という言葉がございます。ここでは発達過程という言葉になっておりますけれども、発達過程区分と言った方が私はいいと思っていますが、これは御承知のように、一人一人の子どもの育ちを捉える捉え方でございます。もう一つ、保育所保育指針では発達の連続性という、その区分に沿っての発達の連続性という言葉も使っています。0歳からとにかく。

 この発達の連続性というのは大体よく使われるのは、幼稚園と小学校との関係とか、保育所と小学校との関係において発達の連続性という言葉が捉えられがちですけれども、それはそれで合っているんですけれども、もう一つ、0歳から1歳、2歳、3歳、4歳、5歳、6歳という、この発達の連続性をもって子どもは育っていくわけでございますので、この発達過程部分と発達の連続性というあたりはキーワードになるのではないかと私は思います。

 そして、もう一つが小学校との連携でございますが、これは幼稚園教育要領には載っていないんですけど、幼稚園の方にも採用されていると思いますが、保育所でいえば保育所児童保育要録というのがございますが、それ、今度の保育所保育指針で採用されることになって使っておりますけど、私はこれについても大いに検討して注目をしなきゃならないものだと思います。

 そして最後に、保育と呼ぼうが、教育と呼ぼうが、いろいろ議論が分かれるかもしれませんけれども、何を育てるのか。学校教育法にも出ておりますし、保育所保育指針にもしばしば出てきます。人間形成の基礎を培うんだと。もっと具体的に言えば、小学校からの義務教育の基礎を培うんだというふうに言っています。さらに、もうちょっと具体的に言えば、生きる力の基礎や、心情、意欲、態度というものを育てるんだというふうに言います。これを、この新しい保育要領の中に、どう落とし込むかというあたりを真剣に考えていきたいなと思います。

 以上です。

【無藤座長】  

 ありがとうございます。

 それでは、河邉委員、お願いします。

【河邉委員】  

 河邉です。質の高い保育とは何かということを子どもの気持ちを代弁すれば、きっと毎日が心地よくて楽しいということだと思います。

 私は乳幼児の育ちにとって遊びが極めて重要であるということを主張し続けてきた立場から、現在危惧している二つの点を踏まえて、策定についての提案をさせていただきます。

 一つは、保育と教育の捉え方についての誤解を乗り越える内容にしたいこと。それから二つ目は、論点3に押さえられているように、認定こども園の独自性を生かした内容にすることです。

 一つ目ですけれども、保育と教育は法令の規定上を文言が使い分けられているわけですけれども、それが誤解されていて、現在、いわゆる教科学習を前倒しするような保育が見受けられます。いわゆる幼児期の発達の特性上、遊びは重要な学びの形態です。遊びを中心とした保育が乳幼児にとっては最もふさわしい学校教育の方法であることを、確かな指標にしていただきたいと思います。

 それは幾つか条件がありますけれども、三つほど挙げるとすれば、子どもたちが興味を持ったことに十分に関わることができる時間と空間が保証されていること。二つ目が、その興味を深め、探究心や好奇心を育てていけるような環境の構成や援助があること。三つ目は、他者との生活が楽しく、関わりが深まるような活動が展開されること。このようなことが0歳から6歳まで一貫して行われること。それが具体的に示されれば、うれしく思います。

 二つ目は、そのことと認定こども園の実情をどう反映するかということ、論点3に関わることです。現在、こども園の先生方は、この点について大変苦労されています。0から6歳までですけれども、一緒くたに生活と遊びを語ることはできないと思いますので、私は四つほど分けて考える必要があるかなと考えています。

 一つは0歳、1歳、2歳の子どもの生活と遊び。二つ目が、3歳以上の子どもの生活と遊び。三つ目が、5歳児の後期のいわゆるアプローチカリキュラムと言われているような時期の生活と遊び。それから四つ目は、ちょっと質が異なりますけれども、1日の長い生活の中の体験の濃淡。このことについて具体的に何か示されたらいいのではないかと思います。

 幼稚園教育要領には協同性という概念が示されて、幼稚園修了までの子どもの姿が大分明確に、みんなの中にイメージされてきています。こういう育ちのイメージを大事にして、遊びの中で、どうやったらそこに子どもたちが行くのかということを、0から6歳まで連続性を踏まえながら考えられるようなものになったらいいのではないかなと思います。

 しかし、この教育の方法は極めて難しくて、容易ではありません。高い保育者の資質が必要です。先生たちが研修、研究の権利が保障されて、しっかりと遊びの中で育つということを保護者や地域に主張できるような、そういう資質を高めていく必要もありますので、それもどこかに触れるような内容になったらいいなと思います。

 以上です。

【無藤座長】  

 ありがとうございます。

 それでは、寺田委員、お願いします。

【寺田委員】  

 東京成徳短期大学の寺田でございます。現場にいた経験もあり、大学教員であるという両方の立場からお話をさせていただきたいと思います。

 何人かの先生方がおっしゃったように、乳児期から児童期までの子どもの発達の連続性を鑑みながら今回作っていくことが大事だということ、私も賛同いたします。一人一人の子どもと、さらに親の生活を支援すること、そして生き生きと楽しく子どもらしい子どもが成長していけること。今、河邉委員もおっしゃいましたけれども、0歳から6歳までの時間と空間の保証、ここは大変押さえておきたい点であるなというふうに私も考えます。

 それで、小学校の今1年生の問題の中に、話を聞けない子、自分の思いを言葉で伝えられないということが問われてきていますけれども、話を聞ける子どもが育つ、それから自分の思いをきちんと言葉として表現することができる子が育つには、まずは乳児期の0歳のときの愛着関係が、私は不可欠ではないかと思います。その点で乳児期、3歳未満児の時期を大事にするということを提案したいと思います。

 愛着関係が育まれること、全身で受けとめてもらえることが、そのことが快、不快を感じ、そして自らの言葉を発し、人の話を聞こうという子どもが育っていくと感じます。アメリカのNICHDの研究によれば、専門性の高い保育者に育てられた場合と、そうでない場合では、明らかにその後の生活が変わっていくということが立証されています。

 乳児保育の充実という点と、保育の専門性を質の向上するという2点を私は提案したいと思うんですが、まず乳児保育の充実ということでは、養護における具体的なねらいと内容について、教育との一体化を鑑みながら含めていくことが大事だと考えています。

 それから、さらに専門性についてですけれども、網野先生や柏女先生もおっしゃいましたが、第1章総則の中で22項の中で、それらのことが書かれておりますし、乳児保育に関わる配慮事項の第322、ウの中にもそれらのことが、保育所における環境を通して養護、教育を一体的に行うことを特性とするようなことが考えられています。

 それらのことも含めまして、これからの中には、幼稚園教育要領の部分と保育所保育指針を照らし合わせて、そして幼稚園教育要領の中の養護的な部分は各所に散らして書かれている部分があると思います。保健的なことは個別法で対応して、運営についても別の法律で規定されているというような状況下にあると思います。その点、保育所保育指針との書きぶりが異なると思われます。

3歳以上児に関することは、幼稚園教育要領と保育指針、おおむね、ほぼ似た書きぶりにはなっておりますが、そのあたりで神長先生、それから柴崎先生も御提案なさいましたが、解説書で細かく、そこを書き入れていくということが大事なのではないかなと思います。

 保育所保育指針の中でも発達過程のことが書かれておりますが、より解説書の中で、特に保育所で年齢が小さければ小さいほど、未熟児で生まれた子、そういう過程を考慮した発達過程に留意する必要があると思われますので、そのあたりのところは解説書で加えることとして、大まかなところを要領は押さえていくというような点で収めていかれたらよろしいのではないかなと考えております。

 以上です。

【無藤座長】  

 ありがとうございます。

 小枝委員、お願いします。

【小枝委員】  

 私は障害のある子どもの医療と教育に関わっています。ですので、このたびの認定こども園の役割の中に、家庭における養育支援が役割として入っているということに非常に心強く思いましたし、また大いに期待したいなと思っております。

 ですから、それの指針を決めるに当たっては、教育要領と保育所の保育指針の整合性を合わせるということに加えて、独自のものとして、危機管理に関する条項を是非入れていただけると。虐待防止等も勘案すると、その危機管理に関する条項を是非入れていただきたいなということを思っております。

 以上です。

【無藤座長】  

 ありがとうございます。

 それでは、野本委員、お願いします。

【野本委員】  

 國學院大學の野本でございます。

 私、いわゆる配慮の必要なお子さんとか、あるいは特別な支援が必要なお子さんのいる現場に、大学で養成をしながら関わっております。また、それだけではなくて、幼稚園教諭や保育士の方々の研修の場でも関わってきたりしておりますけれども、そういう中で、特に、ただいまも出ておりますが、例えば障害のあるお子さんの保育をどうするかというようなことについて、それぞれ触れられているかと思いますが、障害のある子どもについてということについては確かに触れられているんですが、実際、保育の現場であっては、もっとはっきり言うならば、障害のある子どもがいる保育ということを、もっと明確に出して、考えていかないといけないかなと思っております。もっと保育の基本の中で、そういうことを、今の時代にあっては考えていく必要があるのではないかと思います。

 特にこども園ということを考えますと、多様なお子さんたちが入ってきているだけではなくて、生活の在り方も非常に多様になるわけですね。そうすると、本当にいろいろな子どもについて要る、そういう保育をどう考えていくかということを実際、現場で大きな課題になるだろうと考えます。

 そうなると、単に保育関連する近接領域のいろいろな専門家の方に御協力いただいたりしながら、協働し保育を考えていくわけですが、それをいかに保育の中に落とし込んで成果の上げられるものにしていくかという、そういう協働が必要になってくるかと思います。

 そうなると、保育者間の、あるいは保育に関わる人たちの話合いを、もっと保育の視点で、大事な業務、仕事としてやっていかないといけないかなということを思います。

 こども園ということを考えると、ところが、なかなか、そういう時間をとったりとかすることが難しくなるようなことが懸念されますので、そういう保育者の話合いを非常に大事にし、研修の中でしっかりやっていくようなことを是非考えていただきたいなということを考えております。

 以上です。

【無藤座長】  

 ありがとうございました。

 それでは、志民委員、お願いします。

【志民委員】  

 私は幼児の音声表現や音楽教育を専門としておりますので、幼稚園教育要領で言うところの領域「表現」のところに関してが主に関わってくるところかと思っているわけなんですが、小学校、中学校の教員養成にも携わっておりますので、小学校への連結、それからさらにはその先の将来の文化の担い手としての子どもを育てるという視点で、手短にお話をしたいと思いますが。

 現行の幼稚園教育要領や保育所保育指針の表現のところでは、子ども自身から出てくる自己表現を尊重して、その表現を楽しんだり、それから、より豊かにしたりといったことを援助していくということが示されております。私はその理念に全面的に賛同しているんですが、この方向性は今回も踏襲されるべきだと考えているわけなんですけれども、さらに、この子どもの自己表現から文化につながる道筋という視点を今回、より明確にできたらいいなと考えております。

 かといいまして、ですから音楽の指導をすればいいという短絡的なことでは、もちろんございませんでして、子どもの表現の中には、文化の中で根本的な基盤となる感性とか、それから表現力の芽生えというものをあちこちに読み取ることができるわけですので、そういったものを土台としながら、それをいかに育てていくか。例えば声のことでしたら、言葉や歌といった文化の中で、文化といった、そういう表現形態にいかにつなげていくか、橋渡しをいくかという、そのような文化とか社会への道筋について、これまで以上にはっきりした見通しを示していく必要があるのではないかと考えています。

 以上です。

【無藤座長】  

 ありがとうございます。

 それでは、帆足委員、お願いします。

【帆足委員】  

 世田谷子どもクリニックの帆足です。私は小児科医ですので、保育所保育指針の改訂の際には、特に健康、安全面を中心にいろいろと発言をさせていただいたわけですけれども、この二つの解説書を比較してみますと、既に網野委員からも御指摘がありましたように、幼稚園教育要領における健康、安全に関わる項目は、節の下立てと言った方がいいんでしょう。字のポイント数等違いますけれども、12ページの構成。それが保育所保育指針ですと、第5章という形の中で、健康及び安全という形で配慮事項等々を含めて落とし込まれているわけです。

 この違いは、例えば酒井委員が先ほどちょっと言われた、幼稚園教育要領というか、幼稚園における食事環境における事故の問題、いわゆる誤食等々の問題ですね。アナフィラキシーショック、死亡事件等々の、そういうことについての教育要領の中に落とし込まれていない問題。それを、もし、ほかの何か情報であるからいいということになりますと、幼稚園に勤務される職員が、そのほかのものを全部引っ張りだして勉強することはできるのって。それはちょっと責任逃れじゃないのというような、私なんかですと、厳しい見方になるわけです。

 医療の場でおいては、もう15年、20年以上も前にリスクマネジメントが徹底して行われている。保育所保育指針のところで言えば、医療よりも15年ほど遅れてリスクマネジメントの問題が、実際に解説書のところにも落とし込まされた。幼稚園教育要領は、それよりも更に5年ほど遅れている形で現在を迎えていると。

 ですから、保健と安全に関しての項目については、壁を取っ払って、ともかくお預かりしている子どもたちが健康に、健やかに、安全に過ごされる環境にどのように配慮していけばいいかということを考えなければいけないと思っています。

 それから、もう一つは、幼稚園の在園児の時間がじわじわ、じわじわ長時間化しているわけですね。あるいは2歳児のプレ保育等々、低年齢児化も、もちろんありますから、そういう意味では、認定こども園ということは、もう必然的な問題で。ただ、そこに問題がありますのは、教育だけでは現在の幼稚園児を十分に見ることはできない。教育と養護をかなり兼ね合わせた配慮が必要になっている。そこのところをしっかりと保育園側も、幼稚園側も十分に押さえながら、この共通した保育要領を作っていくことを是非忘れないようにしていただきたいなと。

 あと気になるのは、看護師が認定こども園のところでは適宜配置というか、義務化でない配置のところの中にも、任意配置ですか、入っていないんですが、保育園から認定こども園に移行するところがもし出たときに、この問題はどんなふうになるのかなとか、認定こども園は病児保育とかそういうことは一切手を出さないということだと、いわゆる家族支援の問題は、地域的に認定こども園は果たさないと。

 そういうもろもろの問題がありますので、かなり子育て支援との兼ね合いの中における新たな幼保連携型の認定こども園の問題は、しっかりと腰を据え、予算的な措置も含めながら検討していただかなきゃいけないかなと、そんなふうに思っています。

【無藤座長】  

 ありがとうございます。

 では、杉原委員、お願いします。

【杉原委員】  

2点申し上げようと思っておったんですが。一つは遊びを中心にということを申し上げようと思ったんですが、既に河邉先生の方から私が申し上げるより的確な御発言がありましたので割愛させていただきまして。

 私は運動という窓といいますか、視点から子どもの発達を見てまいりました。そういうことから、ちょっと考えていることを、あと1点お話ししたいと思います。

 最近といいますか、2000年に入ってからですけれども、アメリカとか、イギリスとか、世界の先進国と言われる国々ですね。あるいはWHOも含めまして、子どもたちにもっと運動をさせる必要がある、運動してもらいたいということで、子どもの運動のガイドラインというのを出しているんですね。

 そういった背景には、子どもの生活習慣病の増加とか、あるいは体力や運動能力の低下というだけではなくて、例えばいじめとか、ひきこもりなどといった心の問題ですね。自我や社会性の未発達といった心の発達のゆがみというのが大きな問題になっていまして、その原因として、特に子どもの運動遊びの減少があるという認識があるわけです。

 日本でも平成23年に日本学術会議から、やはり子どもの運動の適正実施の基本指針が出されましたし、これは皆さん、よく御存じのように、昨年の3月には文部科学省からも幼児期運動指針というものが出されています。

 子ども、特に乳幼児というのは心身の発達が一体となって未分化の状態でありまして、運動は心と体の健全な発達に不可欠な活動であると思います。そういうことを考慮しますと、お父さん、お母さん方も含めて、乳幼児教育に関わる全ての人が、これまで以上に子どもの運動の重要性に関する認識を高めていただく。あるいは、0歳から5歳までの子どもたちがどのような運動経験をすればいいのかということについても、やはり知識を持っていただくことが大事ではないかと思っているわけです。

 そういうことで、今回作られるこども園の保育要領の中には、そういったことが、できるだけ達成されるようなことが、しっかり書き込んでいただくのがよろしいんじゃないかなと考えております。

 以上です。

【無藤座長】  

 ありがとうございました。

 増田委員、お願いします。

【増田委員】  

 東京家政大学の増田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 私は、もうこれは何度も出てきましたが、学校教育法に基づく教育、児童福祉法に基づく保育、こういうふうに出てはおりますが、よく言われているように、営みとしての保育というところで共通して考える。この考え方の下に、今までにもお話に出ましたように、子どもの主体性を尊重する保育、生活や遊びを通しての保育。このことは、保育をする場がどこであろうと、これは共通してきたものだと思います。このことが十分に示せるような保育要領でありたいと思います。

 その際に、この教育とは、保育とはということを、繰り返し言われておりますけれども、現場の一人一人の保育者が、そしてまた保護者の方も理解できるような形で、やはり、この場でもう一度、就学前の教育、保育とはどういうことを指すのかということを明らかにしておきませんと、今までも出てきましたように、偏った形での早期教育や、やけに保育に関連する方たちが不安感、そして何か今までとは違った形での、目に見える形での教育に走ってしまうという、こういうことがあってはならないと、まず思います。

 そういう中で、保育の根幹を示すものとして、子どもの最善の利益を尊重する、子どもを主体者として認めていくという、こういう基本的な考え方に立った上で、子どもがどう育つのかという発達観、そして発達過程については、これは保育要領本体に示すのか、解説書に、より分かりやすく示すのか、このことは十分に検討をする必要があるかと思います。

 そして、生活と発達の連続性という観点から、今までも出ております、養護の視点を0歳から、あの新システムの検討の中で出されました図があったかと思います。0歳から小学校低学年のところまで一貫して養護が基盤にあって、そして教育がという、あのことの意味を、しっかりと今回の保育要領で示すことができたらいいなと思います。

 したがって、そこでは3歳未満児の保育のことも、また今まで出ております支援を必要とする子どもの保育のことについて、こういったことについて、やはり、より詳しくは解説書でありますが、基本のところで触れておくべきではないかと思います。

 さらに、課題のところでも出ております、保育指針が保育の内容と運営に関する、その事項が入っているわけですが、今回の幼保連携認定こども園が、0歳から6歳、そして様々な背景を持つ子ども、また様々な機能を果たしていくということを考えましたときには、やはり、この様々な機能に応えるべく、今回の保育要領の中で、そのことを感じ取れるような内容を本体に示していく。つまり、乳児保育や障害児保育は、やはり全ての保育の根幹になるものだという、こういうことを、今の教育というものが余りにも強調される中で、私はきちっと書いておくべきだと思います。

 そして健康、安全に関することは、先ほど帆足先生もおっしゃいましたけれども、深く子どもの発達と保育の内容に関わることですので、このことも、やはり本体には少し入り口の部分だけ入れて、あとは解説書でというふうに思っております。

 あと、最後にもう1点だけ。教育課程と保育課程の捉え方、これが今の指針で初めて保育課程が出まして、やはり今まで幼稚園教育で言っている教育課程よりも包括的な概念で示されておりますので、このことも、やはり、この検討会で一度は話し合ったらいいかなと思います。

 現場の方々を混乱させない、現場の方たちが、より質の高い保育が行えるようなものに是非したいと思っております。

 以上です。

【無藤座長】  

 ありがとうございます。

 それでは、田中委員、お願いします。

【田中委員】  

 田中です。簡潔に、できたら3点。

 この根拠法令の言葉の定義と、これから示されるであろう様々な文章の言葉の定義の整合性をどう持つのかというところが第1点だと思っています。

 第2点が、今回、施設型給付、新制度の中で、初めて幼児教育が義務経費としてある程度定義されていると。従来は政策経費であったものが義務経費になったということは、やっぱり大きな点だと思うんです。この点を今回の要領の中でどう盛り込むことができるのかと。義務経費だから、どうしろ、こうしろということじゃないとは思いますけれども、その中での重要な視点はあるのではないかと考えています。

 最後に、幼保連携の一つの施設、この流れは大きな流れだと思って、この指針が、また要領は、すばらしいものになることを願っているわけですけれど、現状から言いますと、幼保連携型の新たな認定こども園になりたいと思っている地方の小さい幼稚園ほど、恐らく90%以上はなれない。ですから、いいものができればできるほど、あっ、いいのができているけど我々は潰されちゃうよねというものに、この善意の会がならないように願っています。

 以上です。

【無藤座長】  

 ありがとうございました。

 それでは、矢藤委員、お願いします。

【矢藤委員】  

 矢藤です。論点1に関して1点と周辺的なこと2点、お話ししたいと思います。

 論点1に関して、保育要領の内容の在り方について、幼保それぞれの上位法令との兼ね合いがあるかと思いますが、現場の先生方の実践のよりどころとなるものですから、網羅的にするのが妥当ではないかと考えています。

 その際、教育要領、保育指針が存続している中で、この保育要領も含めた相互の整合性を考えてみますと、当面の内容は折衷的にならざるを得ないのではないかと考えています。ただし、それはいいかげんに合わせるという意味ではなくて、幼保のそれぞれの指針、要領のいいところをしっかり踏まえて、高いレベルで統合しながら、幾らかのプラスアルファを加えていくということになるかと思います。

 周辺的なこと2点ですが、一つは、これは出来上がってから心配すればいいことかもしれませんが、保育士、また幼稚園教員の養成課程でどう扱っていくのかを考えて、まとめの際に示していく必要が、もしかしてあるのではないかなと考えています。

 もう1点は、地方自治体ごとに制度についての理解や取組に差が見られる中で、要領の周知において、形式的な伝達を超えて十分な理解と取組を促すような工夫が必要ではないかと考えます。

 以上です。

【無藤座長】  

 ありがとうございます。

 じゃあ、渡邊郁美委員、お願いします。

【渡邊(郁)委員】  

 私は、幼保連携型認定こども園の園長をしております立場から少しお話しさせていただきます。

 私は、論点3のところに、現場の園長として一番重きを置いていただきたいと思っております。認定こども園独自の配慮事項として、特に論点3に示されている文言から、一つ目として「一日の生活リズム」、二つ目、「集団生活の経験年数」、そして、次にある「等」のところに掛かってくる事項として、私は、あと三つほど挙げたいと思います。1.「教育、保育の継続性について」これにつきましては、また次回、具体例をもって説明させていただきます。2.「保育時間の長さでの園内の経験の違い、家庭での経験の違い」3.「長時間の保育、短時間の保育の保護者との連携」です。合わせて以上5点です。この5点は、マイナス方向で考えられることが多いんですが、本園では、マイナスとは考えておりません。これまで職員とともにプラス思考で、新しい保育、教育の在り方を考え合ってきました。その中には並々ならぬ努力もございましたが、是非プラス思考のできる文言を要領に書いていただければと思います。

 そして、要領の方、やはり規定のレベルということですよね。保育士と幼稚園教諭が共通理解を図るために教育要領、保育指針に規定された文言を示し、具体化する話合いをしました。そのようにも活用しました。

 また、解説書の方では解説というレベルで具体化された内容が入ることが大切だと思っております。

 以上です。

  【無藤座長】  

 ありがとうございます。

 最後ですが、渡邉英則委員、お願いします。

【渡邉(英)委員】  

 お話ししたいことはいっぱいあるんですけど、手短にします。

 私も認定こども園を長年やってきて、大体幼稚園、保育園を二つを足すという発想になります。二つを足すということは、結構、保育園と幼稚園、一緒になるのは大変だという話になることが現場の方は多いんですけど。ただ、この会議もそうなんですけど、保育園と幼稚園の方々が集まってきたときに、もう1回原点を見直すというところで言うと、幼か保のどっちかでなくて、本当に今の日本の子どもたちをどう育てるんだということを、きちんと合意はしてほしいと思っています。現実の保育園も、幼稚園も、例えばふさわしい生活を保障されているかといえば、保障されていないですよね。最もふさわしい生活の場と保育所保育指針には書かれています。だけど、それを、本当に考えているかといったら、考えられていない現実があって。それは何かといったら、保護者のニーズが先に来て、「こうしてください」、「ああしてください」と言われたら、そこに負けてしまう現場があったりする。幾ら解説書で書くといっても、もちろんそれもいいんですけど、本当にこのことが大事だよという社会的な合意がなされていかない限り、質の高い保育を進めようと思っていても難しいです。

 どちらかというと、大人の生活を尊重する中での子どもの生活を考えるというような話ではなくて、やっぱり子どもが尊重される生活をどう作るか、そのことが重要です。認定こども園では長時間の子もいれば、障害のある子もいたり、幼稚園の時間で帰る子もいる。でも、幼稚園の時間で帰る子たちにも、地域の中で子どもの居場所を作ってあげなかったり、親同士の連携を作ったりしなければ、子どもたちの居場所がないから、結果的には園の中に戻ってきてしまう。園に長時間閉じ込めておいて、子どもたちが健全に育つかというと、育たない。どう考えたって、地域に出ていったりとか、いろんな人たちと関わったりしながら育つような環境が必要です。

 その中で、やっぱり遊びが大事で、今、横浜の小学校の先生たちと話すと、ちょっと前もそうですけど、顎の辺のけががすごく多く、みんな転んで、けがばかりしているといいます。多分、そういう統計は文科省の方の方が調査はできると思うんですけど、幼児期に育っていない子どもたちがいる。社会性もそうですが、育っていない子どもたちがいるときに、本当に幼児期に何を育てるのかを、これだけの人がいたら、みんなで考えて、それをきちっと打ち出すということをしていただけると、現場は多分、勇気付けられると思います。

 以上です。

【無藤座長】  

 ありがとうございます。

【秋田座長】  

 簡単に3点だけです。一つは、認定こども園は今回、保育教諭という新しい名称の専門家が担うことになっているわけです。やはり保育所保育指針のところで、資料8に出ておりますように、総則で、その保育所の役割や社会的責任、職員の資質向上という項目があります。これは保育所保育指針のを生かすのではなく、認定こども園として、これがどういうふうにこれからの時代に役割を果たすのか。そこでの保育教諭というものが、どういう専門性を培っていき、どういう資質向上を行うのか。そして、そのための評価の在り方というのは、質の向上のために重要なことになってきます。そこを少なくとも、告示にするのか、解説書にするのかという議論はありますけれども、書き込んでいくことが必要であろうというのが1点です。

2点目としては、やはり私は大綱化によって、各地域や各園の独自性が生かされるというところの余地は残す必要があるので、できるだけ告示部分は明確な告示で、解説書の方に丁寧に、どちらのものが今度入ったとかいうのではなく、これまでの先達が従来一つずつ言葉の吟味をしてきたように、きちっと、そのそれぞれのところについて吟味をして、新しいこども園の保育要領ができたというふうにすべきであろうと考えております。

3点目は、次回以降は、何かこちら側が保育所、こちらが幼稚園というのがなくなって、名簿の人も、何か早い人と遅い人でいらいらしないような方法があるといいなと思います。

【無藤座長】  

 ありがとうございました。様々な御意見頂戴いたしましたけれども、時間、大分過ぎましたので、本日のところはここまでにさせていただきます。

 なお、本日お出しいただいた御意見につきましては、事務局で論点ごとにその趣旨を整理していくようにお願いしたいと思います。

 また、限られた時間内で意見を出していただきましたので、十分意を尽くされていない、あるいは、また後でいろいろお考えになったことあろうと思いますので、御意見、お気付きの点など、文書で事務局宛てに御遠慮なくお送りいただければと思います。

 それでは、次回以降の日程につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。

【竹林幼児教育企画官】  

 失礼いたしました。資料9を御覧いただけますでしょうか。

 次回以降の日程や議題につきましては、本日の議論を踏まえた上で検討いたしまして、座長と御相談の上、後日、追ってお知らせをしたいと考えております。できれば7月の下旬から、あるいは8月の上旬、これぐらいの時期に設定したいと考えております。御多忙のところ恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 また、先ほど座長からもお話がありましたように、文書による御意見等も頂戴したいと考えております。ファクスでも結構ですし、メール、あるいは郵送していただいても結構でございます。論点の趣旨を整理してまいります都合上、およそ71日、月曜日までを一つのめどといたしまして、幼児教育課又は保育課まで頂戴できれば幸いでございます。

 以上です。

【無藤座長】  

ありがとうございました。それでは、本日はここまでとさせていただきます。御苦労さまでした。


(了)
<照会先>

厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課

03-5253-1111(内線:7919,7918)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(児童部会認定こども園保育専門委員会)> 児童部会認定こども園保育専門委員会(第1回)(2013年6月21日)

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