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2013年8月7日 平成25年度第8回入院医療等の調査・評価分科会議事録

○日時

平成25年8月7日(水)13:59~15:47


○場所

中央合同庁舎第5号館
専用第22会議室(18階)


○出席者

【委員】
武藤分科会長 安藤委員 池田委員 石川委員
香月委員 高智委員 佐柳委員 嶋森委員
武久委員 筒井委員 藤森委員
【事務局】
宇都宮医療課長 佐々木企画官 他

○議題

1.中間とりまとめ(案)について

○議事

13:59 開会

○武藤分科会長
 それでは、ただいまから「平成25年度第8回診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)」を開催させていただきたいと思います。
 今日の委員の出欠状況は、神野委員が御欠席ということであります。
 今日の議事次第は、中間取りまとめ(案)、前回の皆様方の御意見を取り入れて加筆・修正したものについて、特に文言に関してぜひともチェックしていただければと思います。
 それでは、事務局のほうから御説明のほどお願いしたいと思います。
○一戸補佐
 よろしくお願いいたします。
 資料の説明をさせていただきます。
 資料は2つありまして「診調組 入-1-1」と書いてあるものと「診調組 入-1-2」と書いてある【別添】資料編ございます。
 まず、入-1-1「中間取りまとめ(案)」というものを御説明させていただきます。
 表紙をおめくりいただきまして、1ページ目です。
 資料の見方ですけれども、前回御議論いただいたものに加筆したところを赤、後ろのマスコミ席の資料には多分下線が引いてあると思いますが、それで表現してありますので、そこを中心に御説明させていただきます。
 まず、1ページ目は目次ですので、これは飛ばさせていただきます。
 2ページ目をごらんいただきたいと思います。
 まず、この分科会の検討の背景と、実態調査を行いましたので、その内容ということです。
 上のほうから読んでいきますと、平成24年8月にこの分科会が発足いたしまして、中医協総会で「平成24年度診療報酬改定における中医協答申(平成24年2月10日)附帯意見」のうち、下に列挙してある附帯意見の項目について、この分科会で検討するということになっておりましたので、26年の診療報酬改定に向けた検討に資するデータを収集・分析することを目的にして調査を行い、調査結果等に基づいて検討を行ったというものであります。
 2ページ目の下のところは該当する附帯意見が抜き出されておりますので、ここは説明を割愛させていただきます。
 4ページ目からでございます。
 「(1)一般病棟入院基本料の見直しについての影響および慢性期入院医療の適切な評価の見直し」というところで、まずは○1平均在院日数でございます。
 この資料で首尾一貫しているのは「現状と課題」のところで赤で追記されていたり、修正しているものについては、別添の参考資料の数字、前回、約何%と書いてあったりした数字を正確に記載しているとか、中身をよりわかりやすく追記したというだけで、大きく方向性を変えているものではありません。
 4ページ目で追記したのは、3番目の黒ポツをごらんいただくと、短期滞在手術を平均在院日数の対象から除外した場合に、どれぐらいの影響があるかというのを資料に基づいて記載しました。
 一番下の黒ポツは、特定除外を平均在院日数にカウントする場合ですけれども、その影響について、資料に基づいて記載したというものでございます。
 1枚めくっていただきたいと思います。
 平均在院日数の方向性のところについては、7対1のあり方について御議論いただいて、おおむね方向性としては御了解いただいていると思っておりますが、2ポツ目の「複雑な病態をもつ急性期の患者に対し、高度な医療を提供すること」の前に、これは前回、神野委員が御指摘いただいたと思いますが、全ての患者がこういう病態であるわけではないのでということで「主に」というふうにつけ加えさせていただいております。
 4ポツ目については、ここのページで示しているのは平均在院日数の具体的な見直しの方向性として2点挙げられるということで、ここも明確にしております。
 方向性自体は、(ア)については「短期間で退院可能な手術や検査の対象となる患者については、平均在院日数の計算対象から外すこと」、(イ)については「7対1、10対1入院基本料を算定する病棟において、特定除外項目に該当する患者については、平成24年度診療報酬改定において実施した13対1、15対1入院基本料と同様の取扱いとすること」。
 「同様の取扱い」の中身は、6ページ目に書いてありますように、平均在院日数の対象とするけれども、出来高で算定するか、平均在院日数の対象としないけれども、療養病棟入院基本料の例で算定するか、いずれかを選択できるということになっています。
 それに対して、受け皿となる病床の整備が必要というのが下から2番目のポツ。
 一番下のポツからが前回の御意見を踏まえて追記したところです。
 この方向性については、一律に制度を見直すのではなく、個別の手術や検査、個別の特定除外項目について検討を加える必要があるといった意見ですとか、13対1、15対1の特定除外に該当する患者と7対1、10対1では取り扱いを同じにするかどうかというのは、慎重に判断するべきという意見があった。
 一方で、7対1入院基本料を算定する医療機関に期待される機能を考えると、特定除外制度の廃止は当然で、その後に出てくる亜急性期を担う病床の評価の充実とあわせて、これは一連のものとして考えるべきだという両論があったということを記載しております。
 最後は、一定の経過措置を設けるべきだという御意見がありましたので、ここに追記させていただいております。
 1枚目めくっていただきたいと思います。
 7ページ、8ページが重症度・看護必要度についてです。
 「現状と課題」のところです。赤で追記しているところは、正確に記載させていただいているだけで、中身は変わっておりません。
 「その他」のところです。「計画に基づいた10分間以上の指導」「計画に基づいた10分間以上の意思決定支援」というところは、前回、平均在院日数の短縮とか、在宅復帰率が高まるといったようなデータをここに記載していたのですが、そこまでは言い過ぎではないかという御意見もありましたので、基本的には7対1の入院基本料を算定する病棟での該当率が高かったということで、この中に入れ込んでおります。
 次は8ページ目です。
 「方向性」としては、
(ア) 時間尿測定及び血圧測定については、項目から削除すること
(イ)創傷処置については、褥瘡の発生状況を把握するためにも、褥瘡の処置とそれ以外の手術等の縫合部等の処置を分けた項目とすること
 (ウ)呼吸ケアについては、喀痰吸引を定義から外すこと
と書いています。
 (エ)追加項目については、計画に基づいた10分間以上の指導・意思決定支援、抗悪性腫瘍剤の内服、麻薬の内服・貼付、抗血栓塞栓薬の持続点滴というのを全部A項目に追加するということが考えられるけれども、特に10分間以上の指導とか意思決定支援というのは、何をやるのかを明確にすべきだといった御意見がありましたので、定義を明確にした上で、追加する。
 下から5行目のところは、喀痰吸引については、重症度・看護必要度の項目として必要であるという意見もありましたので、ここに追記をしております。
 下から3行目は、看護必要度の項目というのは、毎日、看護師さんが病棟で評価するものですので、こういった現場の看護師さんへの負担も含めて検討するべきだというのを追記しております。
 1枚めくっていただきます。
 9ページと10ページは「その他の指標について」です。
 これについても「現状と課題」のところは正確な数字で記載しているのですけれども、3ポツ目の2行目の「7対1入院基本料を算定している病棟において、DPCデータ提出届出病床数の許可病床数に占める割合は86.4%」ということが記載されているのですが、ちょっとここに漏れていると言えば漏れているのですが、7対1を算定している病院の割合からすると、78.6%が届け出ていて、21.4%が届け出ていないという事実がございます。これは後で資料をごらんいただくと書いてあると思います。
 「現状と課題」については、参考資料を正確に記載しているということです。
 「方向性」のところです。
 1ポツ目に、上の「現状と課題」の2ポツ目のところで手術件数とか全麻の診療実績のことが記載されてありましたが、「診療実績については一部の医療機関で手術件数が少ないこと等が明らかになったものの、現時点においては、医療機関全体の診療実態を正確に把握することや、診療実績の指標を設定することが困難であることに留意が必要である」という記載にしております。
 その下は、DPCデータを7対1入院基本料の要件にすべきだという方向性です。
 これについては、前回、このデータ提出を要件とする際は準備期間とコストの評価も必要だということがあったのですが、それ以外にあった意見としては、そもそも今のDPCのデータ提出加算については、DPC対象病院以外は任意であるということを前提にして議論するべきだという御意見もありましたので、ここに追記をしております。
 DPCデータの提出以外の指標としては、下に書いてある2つです。在宅復帰率と、リハビリテーション等の介入ができる体制整備を評価する指標としてはどうかということで、これは記載を正確にしているというところです。
 最後です。高智委員のほうから第3者評価も必要ではないかという意見がありましたけれども、第3者評価については、やはりコストがかかるとか、医療機関は自らの医療の質を向上させる努力をしているので、必ずしもこれを要件にする必要はないという意見もあったという追記でございます。
 以上が7対1を含めた一般病棟の見直しの話です。
 11ページと12ページが「亜急性期入院医療管理料等の見直し」です。
 「現状と課題」については、自宅に帰られている方と、在宅医療を除いて、退院先がどれぐらいかというのが、80.5%というようなところで書いております。
 ※印は、議論のため、亜急性期入院医療管理料の今の施設基準ということで「看護配置が13対1以上であること」とか、3番目のポツ「退院患者のうち、他の保険医療機関へ転院した者等を除く者の割合が概ね6割以上であること」。これは在宅復帰率です。
 一番下のポツは、一般病床の3割以下とするということで、病床の算定制限がある。
 200床以上の病院だと、さらに算定する制限がかかるわけですけれども、こういったことが要件になっております。
 「方向性」としては、3つの機能が重要であるということは、何回も確認させていただいているので、これはいいと思います。
 12ページの上のポツです。これについては、前回、二次救急病院の指定のところで御異論が一部あったように思いますが、我々の説明が足らなかった部分を追記しまして、要するに、在宅等にいる患者の緊急時の受け入れというのをどういう機能で評価するかということで、二次救急病院の指定とか、在宅療養支援病院の届け出といったものを例示の一つとして挙げているというのを明確にするような記載にしております。
 上から2つ目のポツの※印のところについては、一番下の※印で説明が書いてありますが、病棟単位で亜急性期入院医療管理料を届け出ている場合は、看護職員の夜勤の72時間規定が該当しないというのをここに記載しております。
 最後のポツは、亜急性期でもDPCのデータ提出が必要だという方向性ですけれども、これについてもコストに対する評価が必要。
 さらに、亜急性期の医療機関にまでDPCデータ提出を求めるのは過大な負担ではないのかといった意見がありましたので、ここに記載をしております。
 1枚おめくりいただいて、次は医療提供体制が十分ではないものの、地域において自己完結する医療を提供している医療機関に配慮した評価の検討についてです。
 これについては、平成24年改定で30の2次医療圏を設定したわけですが、設定の方法について、※印で書いております。
 具体的には、要望をされるときに勘違いをされる方が多いのですけれども、単に地方であればいいということではなくて、自己完結している医療圏が大前提ということで、患者流出率が20%未満であって、人口密度が低いとか、病院・病床密度が低いというところが該当している。
 単に医療従事者がいないとかということの要望のためにこれを持ってくるということではないということであります。
 13ページの下「方向性」のところは、24年改定の評価は引き続き行うのですが、その評価の内容としては「対象とする2次医療圏の範囲も含め、現行の評価を継続していくことが妥当である」というのを明確に記載しております。
 評価の方法は「亜急性期入院医療の今後の評価体系に準じた評価」ということについては、記載は変更せずに、このまま記載しているということです。
 1枚おめくりいただきたいと思います。
 続いて、15ページと16ページは特殊疾患病棟や障害者施設等から療養病棟に転換した場合に対する経過措置になります。
 「現状と課題」のところは、調査結果を正確に記載させていただいたということです。
 「方向性」については、ほぼ追記していないのですけれども、利用実績がほとんどないので、経過措置については廃止するということが妥当。
 2番目のポツです。特殊疾患とか障害者施設の入院基本料を算定する病棟に入院している患者像というのは、療養病棟の患者像と類似しているということがあったので、障害者手帳の交付を受けた患者さんとか、難病認定を受けた患者さんが適切に長期の医療を受けるということは大事なのですが、それ以外の方々を、この病棟の対象とする患者像とか、病床の機能とか、そういうのを考えたときに見直していく必要があるのではないか。
 資料編にはどういう患者像かなどのデータが入っていないので、もし必要があれば、最後、資料を追加したいと思っております。
 1枚めくっていただきまして、診療報酬点数表の簡素化については、○1栄養管理実施加算及び褥瘡患者管理加算の包括化についてのところですが、2番目のポツのところに、前回、管理栄養士の確保が難しいという記載をしていたのですけれども、難しいというよりは、管理栄養士の確保のめどが全く立っていないと回答している。回答している施設のうち、管理栄養士の確保のために「相談していない」と回答した施設が78.3%ということで、資料を正確に記載しております。
 ○2入院基本料等加算の簡素化については、そもそも何で算定率の低い入院基本料等加算について精査が必要なのかというのは、附帯意見に基づいて検討するのだという前提を記載させていただいております。
 17ページの一番下です。
 前回、病院については、栄養管理実施加算と褥瘡患者管理加算については、入院基本料に包括・評価を継続することが妥当と書いてあったのですが、有床診療所の褥瘡患者管理加算はどこに行ったのだという御指摘もありましたので、正確にここで記載しております。
 その上で、18ページに「有床診療所の栄養管理実施加算の入院基本料等への包括については、要件となっている、管理栄養士の確保が進んでいないことから、これを踏まえた対応を検討する必要がある」というふうに記載しております。
 最後のポツは、例えば包括から除外するにしても、高齢化が進んでいる中で、有床診療所における患者さんの栄養管理を別の評価項目として、地域連携とかこういったものでやっていってはどうかという御意見があったのを記載しております。
 入院基本料等加算の簡素化については、方向性を変えておりませんで「一律に包括化・廃止することについては慎重に対応する必要がある」ということであります。
 最後、19ページ、医療機関における褥瘡の発生等についてです。
 「方向性」の1ポツ目は「有病率や発生率等の基礎データを収集した上で、褥瘡ハイリスク患者ケア加算の見直しを含めた有効な褥瘡対策へつなげていくことが必要である」。この辺は全然変えていません。
 下のほうは、在宅での褥瘡対策は大事だということが書いてありまして、アセスメントや治療を一層推進する必要がある。
 その後のところを変えております。褥瘡を発生させない努力を評価するべきではないかという意見があったのですが、その一方で、そもそも褥瘡を発生させた場合はペナルティーを課すといったような感じで厳しく当たるべきだという意見もあったと思います。
 こういったこともあったので、褥瘡の発生している状況とか、こういったものを把握できるような仕組みが必要であるという意見があったということで、終わっております。
 20ページは「おわりに」と書いてありますけれども、これは現状認識から今後の中医協総会へのお願いというか、審議について記載しております。
 いつも使われている絵がありますが、7対1入院基本料を算定する病床が多く存在していまして、「多くの患者がその病態にかかわらず、『複雑な病態を持つ急性期の患者に対し、高度な医療を提供する』ことが期待される7対1入院基本料を算定する医療機関で治療を受けている」。
 しかしながら、高齢化の急速な進行に伴い、軽症から中等症の高齢者の救急搬送人員の増加とか、そもそも病を抱えて生きていかなければいけないという患者さんがいるということの中で、7対1を算定する医療機関とか病床だけで患者の必要とする医療を完結するということはもう難しくなってきている。
 今後、7対1というのは、より高度な急性期医療に注力できる環境を整えてあげて、急性期の治療を脱した患者さんの受け入れについては、3つの新しい機能を付加しますけれども、新しい亜急性期病床とか療養病床等の受け皿となる病床を充実させていくことが必要だ。患者さんがその病態に適した病床で医療が受けられるよう、病床の機能分化を進める必要がある。
 こういう考え方とか分科会の議論で今後の方向性を今、取りまとめたわけですが、この分科会というのは中医協そのものではありませんので、26年改定に向けた検討に資する資料を調査して検討してきたわけなので、当然本報告書、分科会の調査結果や方向性というものを踏まえていただいて、入院医療等の充実が図られるように、中医協総会で審議が進められることを希望するというのを最後に記載しております。
 21ページは委員名簿、22ページは今年度の議論の開催状況でございます。
 取りまとめの文章編についての説明は以上です。
 入-1-2「【別添】資料編」については簡単に御説明します。調査の内容が最初の十何ページに書いてありまして、あとは分科会で出したデータだけなのですが、今回新たに追加したものだけ御説明させていただきたいと思います。
 まず、スライド22をごらんいただきたいと思います。
 分科会では、スライド21にあります平均在院日数が3日以内のDPCが占める割合ということで、一番左、平均在院日数の短い病院はどういうことをやっているのですかということを調べてみたのですが、今回、短期滞在の話で議論していたのが、平均在院日数が5日以内でしたので、これを5日以内ということでデータをとり直すとどうかというと、22ページにあるような形の記載になっています。
 平均在院日数が短いDPCの例の中で、白内障の手術とか、ポリープの切除とか、前立腺の検査とか、こういう短期滞在で議論になっているようなものは、やはり入っているということでございます。
 続きまして、37ページと38ページをごらんいただきたい。
 これは7対1・10対1病院の手術実施件数です。DPCデータで1年間のデータをとったのですけれども、一番左の「0件」の次が「1000件未満」ということで、余りにもその目盛りが大きいだろうということで、36ページが今回の入院の調査でやった場合の一月当たりの分類で、一番左の枠、50件というのがありましたので、1年ということで、12倍して600件でとりあえず切ってみたというのが38ページ目です。傾向自体に大きな変わりはないのですが、このようになっている。
 同じように、全身麻酔について、39ページ、40ページ、41ページをごらんいただきたい。
 40ページの「300件未満」というところを120件単位で細かく見てみたのが、41ページ目ということになっております。
 あとは、今回の取りまとめに記載されている「現状と課題」のところに書いてあります番号と相関する形で資料編がまとめられております。
 先ほど説明したように、ちょっと足りない資料があれば、こちらで追加させていただいてということにしますが、今回提出させていただいた取りまとめ(案)と資料編についての説明は以上でございます。
○武藤分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ここから皆様方の御意見を伺いますけれども、また項目に区切っていきたいと思います。赤字で加筆された部分に関して重点的に見ていただければと思います。
 1ページから平均在院日数の6ページまで、これに関して見ていただきます。
 2ページはこの検討の背景及び実態調査、4ページから在院日数ということですが、いかがでしょうか。
 高智委員、どうぞ。
○高智委員
 それでは、平均在院日数、4ページの部分です。
 文言の修正ということではなく、私どもの思いということでお聞きいただければと思います。
 国民会議の報告書におきましては、少子高齢化の中で、社会保障制度の持続性を高めるため、医療提供体制の改革が不可避と位置づけております。病院完結型から地域完結型へ見直す方向性がはっきりと打ち出されているわけでございます。
 これを着実に実現させていくためには、病床の機能分化が不可欠であり、改革の第一歩となる7対1入院基本料における特定除外制度や短期入院の見直しをぜひ実現していただきたい。
 もう一つ、短期間で退院可能な手術・検査や特定除外につきましては、個別の検討を求める意見があったことを追加しておりますが、例えば悪性腫瘍の場合、年齢やがんの進行状況によって患者の容体が異なることは考えられますが、検討することができるのだとしても、データに基づく検討が必要になると考えております。
 一定期間の経過措置を設けることにつきましては、医療現場の混乱を避ける観点からも必要とは思いますが、経過措置の設定期間につきましては、受け皿となる医療機関の整備を前提といたしまして、13対1もしくは15対1の見直しを行った際の経過措置に相当する期間、すなわち、6カ月を指標にすべきと考えております。
○武藤分科会長
 御意見ありがとうございます。
 そのほかにございますでしょうか。
 武久委員、どうぞ。
○武久委員
 今まで議論に余りなっていなかった部分についてです。
 この内容について特に文句があるわけではないのですが、一般病床以外のいわゆる亜急性期、回復期リハ病棟、療養病床、いずれもハード、療養環境は、6.4平米の4人部屋までという基準があるのです。
 7対1・10対1を含めた一般病床は、新しい基準では6.4平米の4人部屋になるのですけれども、経過措置として、4.3平米の8人部屋とか10人部屋までも適用になっているわけです。
 現実問題として、2週間程度の入院であれば、ほとんど何ら問題ないと思うのですけれども、これが現実として特定除外になるような2カ月、3カ月、特定除外で半年というふうになると、療養環境としては非常に劣悪になって、そういうハードの意味からも、急性期の治療が終わったら早く亜急性期(仮称)なり療養環境のいいところへ移すということは、リハビリテーションのことも含めて必然的であろう。
 もう一点は、神野委員が時々、療養病床等で診られるのかというような御意見をお話ししていらっしゃいましたので、私のほうで緊急調査をいたしましたところ、医師と看護師を含めて平均30%以上加配しているという事実がございました。ということは、要するに、あれだけ重度の人、すなわち医療区分2、3が80%というふうな患者さんを診ている病棟は、法定のぎりぎりでやっていては診られない。したがって、いろんな事故が起こるから、医療機関はそれぞれ考えて、それなりに加配をしている。
 したがって、なかなか収支が厳しいというデータが出ておりますので、もし御希望であれば、皆さん方にもお配りしたいと思います。
 この2点で、療養病床であろうと、医師も看護師も現在のままでも亜急性期の機能を十分持つような病院が結構たくさんあるという事実をお知らせしておきたい。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 中間取りまとめ(案)に関してはいかがでしょうか。平均在院日数に関して。
 石川委員、どうぞ。
○石川委員
 随分直していただきまして、ありがとうございます。
 今、武久委員のほうから御自分で調査をされたというお話がありましたけれども、私も特定除外項目については自分のところでも調査いたしましたし、また、日本医師会と四病院団体協議会のほうで詳細な数多いデータで調査をしておりまして、ぜひそういうものも参考にして、特定除外項目については議論を中医協のほうでしていただきたいという要望でございます。
 13対1・15対1の特定除外項目に該当する患者に対応した結論について、また後日、我々のところでも評価するという話ですので、そういったことも含めて、7対1・10対1の特定除外項目の問題については十分検討するべきだと考えております。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 そのほかございますでしょうか。
 藤森委員、どうぞ。
○藤森委員
 今回の委員会は、そもそもデータに基づいて議論をするということで、実際非常に詳細なアンケートをしていただいた。その結果に基づいて議論ができたと思うのですが、回答率がなかなか低いとか、アンケート物だけでやっていくのは難しいのだろうなということで、今回、その中で例えば7対1にDPCデータの提出を求めるとか、あるいは亜急性期に求めるというのは、一つ方向として、こういったものを恒常的に仕込んでいって今後の議論に生かしていく。そこでいろいろとれてくるものがあると思いますので、そういう意味では、大変まとめていただいたと思っています。
 ありがとうございます。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 そのほかございますでしょうか。
 嶋森委員、どうぞ。
○嶋森委員
 私も、これまで、検討されました医療機能の区分など、幾つか議論されたことが適切に書かれておりますので、こういう形で機能区分を図っていくという方向でぜひやっていただきたい。中医協でも御検討いただければ大変良いのではないかと思います。
 一定期間の経過措置というのも、先ほど御意見がありましたように、長くならないように限定するということも必要ではないかと思います。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。
 ないようでしたら、次の7ページ、8ページ、重症度・看護必要度はいかがでしょうか。
 池田委員、どうぞ。
○池田委員
 2点確認をさせていただきたいのですが、今回追加すべきと考えられる項目の中に「計画に基づいた10分間以上の指導」「計画に基づいた10分間以上の意思決定支援」という項目がございましたが、8ページの「方向性」というところですと「計画に基づいた10分間以上の指導・意思決定支援」と書いてございます。これは別々の項目を立てるという理解でいいのか、それとも例えば1項目に統合していくような方向なのかということの確認が1点です。
 もう一点です。下から2行目の「現場の看護師への負担も含めどの程度の影響があるか」というのは、大変重要なところだと思うのですが、この「負担」というのが、先ほどの御説明では、この項目を記録していくということに負担がかかるのではないかという御説明と理解していたのですが、もう一方で、例えばこうした項目が項目として上がりますと、必要な患者さんによりこういったものを提供しようということで、現場もさらに忙しくなるということもあるのかもしれないので、この「負担」というのは、どちらの影響を分析するということなのか。
 その2点について伺えればと思います。
○武藤分科会長
 では、事務局、お願いします。
○一戸補佐
 まず、1点目の指導と意思決定支援についてです。これは調査の段階からも別の項目で調査しておりますので、今のところ別々の項目として考えています。
 現場への負担というのは、池田委員がおっしゃっているように、2つ側面があって、項目をふやすことによって評価するなり何なりというのに負担があるということもありますし、これは研修を受けないとできないというふうになっているので、新たな項目をどうするのかという話もあります。
 もう一つは、先ほど言ったように10分間以上の意思決定支援とか指導を行うと、この時間をとられるわけでありますし、新たな項目が追加されれば追加されるほど、定義に基づいてやらないとだめだということもあるでしょうし、いろんなことを考えて項目の数とかそういったものは考えていくべきだろうと考えています。
○武藤分科会長
 池田委員、どうぞ。
○池田委員
 指導・意思決定支援ということについて、筒井委員に伺うのか、嶋森委員に伺うのが適正なのかあれなのですが、これは全く内容が違って、同じ患者さんに両方が行われる。つまり、1つの項目にチェックがつけば、もう一項目にもチェックがつきやすいというたぐいのものなのか、それとも、やれる患者さんは全く異なっていて、別々の項目を立てることに意味があるのか。そのあたりはいかがでしょうか。
○武藤分科会長
 では、嶋森委員、どうぞ。
○嶋森委員
 意思決定支援というのは、例えば乳がんなどの診断がついた場合、乳房の切断するか、温存するのか等、診療に対してどういう方向で行くのかなどの意思決定をすることを支援することです。入院期間が短くなってこの支援が非常に重要になっています。治療も高度になっていますので、いろんな選択肢がありますから、今だったら、遺伝子治療やその検査等、そういうところで意思決定支援が重要になっています。
 一方、指導というのは、例えば慢性の病気を持ちながら在宅を続けていくときに、どういう生活の仕方などについての指導です。2つの場面はかなり違うと思います。
 ただ、1人の方がある日に意思決定支援を受けて、退院後の指導等も含めて教育指導を受けるということはあると思いますが、2つは、全く違いますので、別に評価をしたほうがいいのではないかと思います。
○武藤分科会長
 池田委員、どうぞ。
○池田委員
 大変よくわかりました。
 指導に関しては、確かに看護師さんが主体となった形で行われるのが実際だと思うのですが、意思決定支援に関しては、例えば医師等の職種が主に行う、あるいは多職種が一緒に同席してということもあり得ると思うのですが、これは看護必要度という項目としてあるべきものか、それとももうちょっと違う種類のものか。つまり、看護師さんによって専ら行われるというふうに理解していいのか。そこはいかがですか。
○武藤分科会長
 嶋森委員、どうぞ。
○嶋森委員
 最近、医師がインフォームド・コンセントをするときは看護師が同席していることは多いと思います。
 それは、医師から治療方針について説明された後でも、特に悪性腫瘍とか新しい病気のことを聞いた患者さんは、十分理解できていない場合があります。そこで、重要な意思決定支援の場合は看護師が同席してどう理解しているかを確認します。もし、看護師が同席しない場合には、後でそのことについてどういうふうに理解されているか、これからどうされますか。と患者さんにお聞きして、意思決定を支援するという形で通常行われていると思います。
 患者さんが意思決定をするまで医師がきちっとつき合っていられる時間はないと思いますので、看護師が意思決定を支援するということは通常行われていると思います。
○武藤分科会長
 では、最後に。
○池田委員
 そうしますと、今、追加項目として「計画に基づいた10分間以上の意思決定支援」というのは「計画に基づき、看護師等が患者に対して継続して10分間以上にわたり治療・検査の意思決定を支援した場合」ということで、項目を立てて評価をしておりますが、パターンとして多職種が同席してという場合はこれを満たしていると考えたほうがいいのかどうか。
 あとは「看護師等」というところが、もし医師が10分間以上これを行った場合もこれを満たしていると考えていいのか。どのように考えるとこれは看護必要度として適切な評価になるというふうに理解していいでしょうか。
○武藤分科会長
 どうぞ。
○嶋森委員
 そこについては、ここに書かれている実施すべき内容と定義をこれから明確にするということではないかと思います。
 私の考えていることは今のような説明ですが、細かいことは、その辺を検討して定義を決めていくということになると思います。
○武藤分科会長
 では、石川委員、どうぞ。
○石川委員
 この点につきましては、この間、在宅復帰率とか、いろんなことの評価がこの後、書いてあったので、ちょっと言い過ぎなのではないかということを言ったのですけれども、事実、計画に基づいた云々ということについては、まだ議論が余り充実していないと思うのです。ですから、ここでやっても意味がなくて、我々としてはかなり予想の段階で言っていることが多いので、これは次の中医協総会のほうで頑張って議論していただくというのが一番いいのではないかと思います。
○武藤分科会長
 そうですね。内容的にも明確にした上でということで。
 では、武久委員、どうぞ。
○武久委員
 最近は、医師が患者さんに説明を求められたり、看護師が説明したり、これは急性期とか回復期、慢性期を問わない。慢性期の場合は、ターミナルのこととか、例えば非常に時間がかかる家族間調整とか、結構あるのです。ここに書いてあるようなことだけをしゃべろうと思っても、ほかのことについてどんどん質問が出てきて、結果的に10分で済まないとか、医師も結構張りつけられて、私が医師になったころに比べると、非常によく説明を求められて、それに対して誠実に答えていないと、ここの病院はだめだという評価になってくるように、インフォームド・コンセントというのは非常に重要なのです。これに対しては医師も看護師もかなりの時間を費やしているわけです。
 このような限定はともかくとして、これは急性期、慢性期を問わず、今の国民の気質というか、権利意識の高まりというか、そういうことも含めて、いわゆる看護必要度、要するに、時間が非常にとられているということに対して考えていただけたらと思うのです。
 前に石川委員等もおっしゃっていましたが、医療必要度と看護必要度というのは、医師が指示をして看護師がするから、同じような概念でいいと思うのですけれども、医師がこういうことを説明しても認めるというふうにしていないと、看護必要度だから看護師だけでいいのだというのは、ちょっとどうかなという感じがします。
○武藤分科会長
 筒井委員、どうぞ。
○筒井委員
 10分間以上の指導とか意思決定支援というのは、7対1、療養全て、現在は1割もやられていないのです。
 分析しますと、この2つの項目の発生率は、ほかの項目とはちょっと変わった特徴があります。先ほど石川委員がおっしゃられましたように、これらの項目は医療制度の中で必要とされる項目ではありますが、現在は、実施されていない項目になっているようです。
 看護師さんたちだけでなくて、医師と共に実施することについては、現行の看護必要度の定義の上で認められているので、こういうのはなるべく多職種協働でやっているというような定義を今後は、検討されるとよろしいかと思います。
○武藤分科会長
 石川委員、どうぞ。
○石川委員
 私が言いたいことは「計画に基づいた」と言ったときの計画だとか、治療方針ということをきっちり医師が立てた上で、それを看護師さんも含めてスタッフが理解していただいて、患者さんの指導に入るとか、意思決定支援をするということになるわけですから、これは看護師さんの労働時間の問題だけでなくて、医師がそういうものをきちっと立てるという点では、医師の労働時間とかさまざまなところにも影響があるので、今おっしゃったようなチーム医療、チームカンファレンスを構築するというところも含めまして、もっと議論が必要だと思います。
○武藤分科会長
 安藤委員、どうぞ。
○安藤委員
 項目の妥当性とかその中身、どのように実施するかという話でございますけれども、私は、そういう選択とか妥当性の話ではなくて、そもそもオリジナルのある研究によって選択されたA項目が幾つか、B項目が幾つかというものが要件に取り入れられたわけですが、例えばA項目は2点以上であるとか、B項目は3点以上、もう一つの変数として、看護必要度該当率が、今までは10%だったのが15%になった。
 この辺の数字の妥当性については、この間、筒井委員からのシミュレーションのデータではっきり出ておりますが、そもそもA項目2点、B項目3点にはそれなりの根拠があったのだろうと思うのです。オリジナルの研究を見ていませんからわかりませんが。
 今回その中身を大幅ではないけれども一部削除して、一部加えるということになると、この重みが変わるのではないかなと思っておるのです。
 今後、重症度・看護必要度を考えるに当たって、先ほど言いましたように、A項目が幾つ、B項目が幾つ、もう一つが該当率。この2つのツールで診療報酬が決定されていくと思うのですが、2点、3点のところのマグニチュードというか、意味合い、重みというのは、今回大きく変わるのではないかと思うのですけれども、それは大丈夫なのでしょうか。
○武藤分科会長
 では、事務局からどうぞ。
○一戸補佐
 前回シミュレーションで出させていただいたときに、創傷処置と呼吸ケアを全部削除してしまうと相当程度影響が出るというシミュレーションをさせていただいたわけです。
 この分科会としては、データを見ていただいて、どれぐらい影響があるかというのは、最終的には中医協で判断していただくことになるのだろうと思うのですが、一応、分科会としてその調査結果を見て、どういう項目が重症度・看護必要度の方向性として導き出せるかというのを今回見ていただいて、中医協で議論していただくときに、同じような議論が出てきて、どういう要件にするべきなのかというのは、最後、中医協で決めていただくことになるのだろうと思います。
○武藤分科会長
 安藤委員、どうぞ。
○安藤委員
 該当率を変数として、そこで調整するというのは非常にわかりやすいからいいのですが、そもそもオリジナルのと言いますけれども、Aが2点、Bが3点というものには、それなりの意味があったと思うのです。今度それを入れかえるとなると、そのままそれを流用するのが妥当かどうか。今後の問題としてお伺いしておるのです。
○武藤分科会長
 では、そろそろ次の項目に移ってよろしいでしょうか。では、最後に池田委員、どうぞ。
○池田委員
 看護必要度の件で、先ほど計画に基づいた10分間以上の指導や意思決定支援が1割にも満たないという結果であったというふうに御説明いただいたと思うのですが、これの調査期間というのは、1日、24時間で見ているというふうに理解してよろしいのですか。
○武藤分科会長
 では、筒井委員、どうぞ。
○筒井委員
 これは、多分お手元の6月13日の資料を見て申し上げている内容です。
○武藤分科会長
 期間はどのくらいでしょうか。
○筒井委員
 期間は2週間です。
○武藤分科会長
 では、事務局からどうぞ。
○一戸補佐
 今回、調査期間の中で2週間看護必要度をつけていただいて、その中でこれに該当する人がいたかと聞いている中での該当率ということです。
○池田委員
 つまり、2週間の中で1回でもやっていれば、これがつくということですね。
○一戸補佐
 そうです。
○池田委員
 わかりました。ありがとうございます。
○武藤分科会長
 どうぞ。
○石川委員
 8ページ目の(ウ)呼吸ケアのところで「喀痰吸引を定義から外すこと」。一方の意見として、下から5行目「重症度・看護必要度の項目として必要であるとの意見もあった」ということですが、議論の中では、正確に表現しますと、呼吸ケアというのは、内容が多岐にわたっていて、喀痰吸引だけでなくて、例えばICU的な体位ドレナージにしても、タッピングにしても、そういったものがある。
 ただ、呼吸ケアは、療養のところだとか15対1のところでも必要な方は必要なのです。
 だから、そこのところだけ外してしまうということでなくて、呼吸ケアについては、いろいろと種類があるということをもう少し書いていただいたほうがいいのではないかなと思います。
○武藤分科会長
 高智委員、どうぞ。
○高智委員
 8ページの「方向性」につきましては評価し、支持したいと存じます。
 支持すると言いましても、(ア)から(エ)のところは専門の先生方に今後とも検討、研究を進めていただければと思います。
 その上で、一言意見でございます。
 重症度・看護必要度につきましては、複雑な病態を持つ急性期の患者の状態像に合った項目とするため、濃淡をつけるという意味合いを含んでおりますが、療養病棟等、慢性期患者に多い項目につきましては、見直す方向を軸として舵をきるべきと考えております。
○武藤分科会長
 佐柳委員、どうぞ。
○佐柳委員
 今度の案に書かれていることについては、基本的にはこれでいいと思っているのですけれども、今まで何回も話しましたが、B項目はこのままでいいのかというのが本当にひっかかるのです。
 例えば今回の資料で44ページのところにB項目があって、0点から2点にランクづけをされているわけです。できなかったら2点、そしてできるは0点。その間に、少し支えがあったらできるとか、こういう当たり前のような状態像を出しておるのです。
 これからの亜急性期のことも含めてなのですが、いかに早くADLを回復させていくかとか、そういう視点で医療機関というのは運営をしていかなければいけないと思うのです。そういう意味でいけば、看護とかこういうものは、単に診療の補助に走りまくっているだけではなくて、しっかりとこういうケアを通して回復をさせていくという観点からの視点が必要だろうと思うのです。
 極端に言えば、44ページだって、ちょうど中間点の少しできるようになったというのを回復と評価してもっと上にするとか、ちょっとした工夫の仕方があるのではないかという気がします。
 後ほど多分出るのだろうと思うのですけれども、急性期の病院では、入院しているとADLが悪くなっているケースも相当出ているわけで、それは基本的に防がなければいけない話でしょうし、この次の段階だと思うのですが、もう少しアウトカムを期待する看護というのか、そういうものが少し指標としてあっていいと思うのです。
○武藤分科会長
 今のお話に引き続いて「その他の指標について」へ移りたいと思いますけれども、いかがでしょうか。9ページと10ページであります。
 高智委員、どうぞ。
○高智委員
 9ページです。7対1病院におきましては、8割強の病床でDPCデータを提出している実態があるため、一定以上の診療実績を把握できていると考えておりますが、その中で手術件数や全身麻酔の手術件数が極端に少ない医療機関があることにつきましては、中医協総会で今後ぜひ検討に付していただきたい。
○武藤分科会長
 ほかにございますか。特段ございませんでしょうか。
 それでは、後でまた戻ってきてもよろしいので、次の項目に行きたいと思います。11ページと12ページ「亜急性期入院医療管理料等の見直し」です。
 香月委員、どうぞ。
○香月委員
 これは文言の修正ではないのですけれども、私たち都道府県は医療計画をつくる中で、要するに、地域医療をどうするかということでいろいろ議論をしてきたわけです。その中で、資源がいっぱいあるところでなくて、むしろ少な目のところでどういうぐあいにしたらいいかということで、この中で出ている亜急性期の機能というのは、まさに必須の機能でして、特に救急機能というか、急患をしっかり受け入れる、あるいは要請に応じてきちっと受けてくれるということと、もう一つはしっかり帰してくれる。
 しっかり帰すということは、単に退院させるという話でなくて、できるだけ本人が望むところに帰す。そうすると、単に帰す能力だけでなくて、介護や地域包括支援センター、そういったところとの連携も非常に重要な要素だなということがわかっていまして、実際そのような医療機関もあるわけです。
 そうすると、ここは体制だけでなくて、ぜひ実績、実際によくやっているところの評価、そんなところができるような形をとっていただきたい。そうすると、地域においても安心して医療を受けられるというような環境が生じると思います。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 では、ほかにございますでしょうか。
 安藤委員、どうぞ。
○安藤委員
 12ページでございます。この間も議論になったと思うのですけれども、一番上の黒ポツの3行目「二次救急病院の指定」というのは、例示として挙げられたということですが、救急告示病院ではどうもなさそうだということがこの間、議論されたと思うのです。
 帰って調べましたら、昭和52年7月に「救急医療対策の整備事業について」という医政局長通知が厚生労働省から出ておるようなのです。その中に幾つか要件が書いてあるのです。そのことを意識された二次救急病院なのでしょうか。ちょっと確認です。
○武藤分科会長
 事務局、どうぞ。
○一戸補佐
 これは前回もお答えしたと思うのですが、二次救急は、基本的には医政局の指導課が所管しているのですけれども、その補助事業とか、そういったものの規定に該当するものが二次救急病院ということで考えております。
○武藤分科会長
 よろしいですか。
 池田委員、どうぞ。
○池田委員
 亜急性期病床においても医療内容に関するデータの提出を求めるということは、大変重要なことだと思います。
 その場合に、例えば褥瘡の問題であるとか、認知症の有無であるとか、今のDPCデータ、急性期を主体とした内容とはやや異なる情報も医療内容の評価の際に必要になってくるのではないかと考えられますので、ベースは、さまざまなフォーマットが出てくると混乱しますので、DPCデータということで結構かと思いますが、その中身については若干見直しといいますか、亜急性期の病床の評価に特化したようなものも含めていくことが必要ではないかと思います。
 あと、アウトカムの評価という御意見もあって、私もそれは今後の医療の評価の中で大変重要だと思いますので、そうしたアウトカムの評価にも一定程度つながるようなものを含めて、収集ができるような形を今後検討していくのがよいのではないかと考えます。
○武藤分科会長
 ほかにございますでしょうか。
 石川委員、どうぞ。
○石川委員
 前回も今、安藤委員がおっしゃいました二次救急病院の指定ということについて3回ほど指摘をしたわけです。
 亜急性期病床の要件ということについて「二次救急病院の指定や」ということが例として載っているということなのですが、二次救急病院というのは、私たちも第一線の現場で一次救急病院の後方としての位置だとか、そういったことで位置づけをするわけで、私たちが心配しているのは、これから議論していただいて定義づけをする亜急性期病床が、二次救急病院という指定を受けたときに、本来の亜急性期病床の性質でないものまで引き受けなければいけないというところが大変になってくるということで、これを要件にしないほうがいいのではないか。安藤委員のほうもそういう意見であったと思います。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。
 藤森委員、どうぞ。
○藤森委員
 12ページの3つ目の黒ポツです。確かに「DPCデータの提出」と書いてしまうと、本当に過大な負担というのが想像されてしまうので、池田委員も言われたように、亜急性期に少し適したような簡易版のDPCも考えていくというような表現があればいいでしょうし、特に11ページの「方向性」の○1から○3といったものをきっちり様式1の中で捉えていけば、後々ほとんどの項目がなくてもやっていけるかなと思いますので、ぜひそういうふうに少し文言を追加していただければと思います。
 以上です。
○武藤分科会長
 高智委員、どうぞ。
○高智委員
 ただいまの藤森委員の考え方、方向性を支持させていただきます。
○武藤分科会長
 筒井委員、どうぞ。
○筒井委員
 私も藤森委員の意見と池田委員の意見に賛成です。
 DPCデータの中で、資料の44ページと45ページに出されている「DPCデータにおけるADLの評価基準」と「重症度・看護必要度に係る評価票」というのは、前回も藤森委員とお話させていただいていたところでして、なるべく共通化していけばよろしいのではないかと考えます。
 もう1点についてですが、先ほどの佐柳委員からの御質問は、前回も佐柳委員が御指摘され、嶋森委員がそれについて回答された内容です。重症度・看護必要度に係るB項目は、基本的に看護師さんが何もしなかった場合は、「できる」と評価されるようになっています。この字面だけを見られますと、先ほどおっしゃったような中身になるのだと思うのですが、定義的には、寝返りをできないというのは、患者が必要としていた場合に看護師さんが、寝返りをさせなかった場合は「できる」になるという定義になっております。
その状態像から見て、寝返りが必要である方についてやっていない場合には「できる」とされ、点数はとれなくなります。また、患者が寝返りをできるにも関わらず、看護師の介助が発生しなかったかどうかについては、院内で監査委員会を組織していただいて、その患者さんの状態増にみあった看護となっているかを記録するというような研修を長年にわたってやっています。
 ですから、先ほど申し上げましたように、B項目については、DPCデータにおける評価基準と共通化させるということも含めて整理すれば看護師の評価に関わる負担は減るので、望ましいということと、看護師が専門的な判断のもとで、この人には寝返り、起き上がりが必要であるにもかかわらずやっていなかったというのは、0点「できる」になるという定義を嶋森先生たちが創って研修をしておられるということを、再度、申し上げたいと思います。このあたりはB項目の評価は、研修を受けていないと誤解が多いと思うので、もう一度、申し上げます。
○武藤分科会長
 亜急性期に関して、いかがでしょうか。
 佐柳委員、どうぞ。
○佐柳委員
 私は詳しく勉強していないので申しわけないのですけれども「できない」というものは、今、御説明になったようなもので全部満たされているわけでもないですね。いわゆる状態像をあらわしている指標でもあるのでしょう。
 一方において、やっているか、やっていないという指標も一つあるのだろうと思うのです。そこはもう少し分けて考えるとか、指標のつくり方みたいなものは、当然これから問題としてあるのではないかなという気がします。これは全部が全部ではないでしょう。
○武藤分科会長
 嶋森委員、どうぞ。
○嶋森委員
 前回も申し上げたので、お聞きしたままで、済みませんでした。
 今、筒井委員がおっしゃったのは、最初、逆におっしゃっていたのです。寝返りができない人に何もしない場合には「できる」になります。きちんとケアをせず、その人ができるかどうか確認をしていない場合は「できる」になります。
 ですから、患者さんの状態に合わせてきちっとケアをして、確認して、動かさないといけない。動かない人に何もしなければ「できる」になるので、高い点数にはならないような定義になっています。
 このことをアウトカムに使うということもできると思います。一定期間にどのぐらい回復したかで評価できます。既に回復期リハで使われていますので、それを使うことは可能だと思います。
 急性期の場合、大きな手術をして1週間では、多分入院時よりもADLは下がります。今までの調査ではそういうふうになってますので、B項目をアウトカムに使うとかなりハードルは上がります。アメリカの心臓の術後は3日か4日で歩かせますので、これをアウトカムに使えると思います。いずれはアウトカムで使うということもあり得ると思います。現在のB項目は、患者の状態を把握した上で、何もしなければ「できる」になるし、やるべきケアを行ったうえで、どのぐらい動けるかを見ることになっています。B項目で意図的に高い点数をつけるというのは、難しい定義になっています。
○武藤分科会長
 では、事務局からどうぞ。
○一戸補佐
 今、委員の皆さん方からいただいた意見を全部この報告書に盛り込むというのは無理なので、我々としては、データを出すときにどういうとり方があるかという細かい議論をしていただいているという理解で、この書きぶり自体は、亜急性期にもDPCのデータを基本として出してもらった上で、その中身について、亜急性期にふさわしいものをどうするかという議論をしていただいている、そういう理解でよろしいかということをもう一回確認させていただきたいと思います。
○武藤分科会長
 武久委員、どうぞ。
○武久委員
 「二次救急病院の指定や」というところに石川委員もちょっとひっかかっておられるのですけれども、確かに「二次救急病院の指定」と言うと、イメージとして、救急車がびゅーっと来ているようなイメージなのですが、現在でも救急患者さんが困っていらっしゃるという現状があるのです。前にも言いましたけれども、亡くなる方が多くなって、病気の患者さんがふえてくる、ところがベッド数はふえないとなってくると、今以上に救急患者が7対1のトップクラスのところへどんどん来る。そこをシェアリグするために、今でも手に負えなかったら二次救急から三次救急へ行くように、ある程度の救急患者を受け入れることを亜急性期病床もシェアしてくれないと、現在の7対1の状態ではとてもやっていけない。
 そういうことからいうと、石川委員のおっしゃることもわかるのですが「二次救急病院の指定や」となっているところを「救急患者の受け入れや」というふうな形にしてくれると、多分石川先生は余り文句を言わないのではないかと思うのです。
 「二次救急病院の指定」と言うと、イメージ的にぱっと救急病院という感じがするのですけれども、確かにサブアキュートで診られる範囲の患者さんというのは、大きな手術をいきなりやるというイメージはありませんが、ただ、軽度あるいは中等度の救急患者というのは結構多いわけですから、そういう人たちをシェアリングすることによって本来の救急病院の業務、責務が非常にうまくいくという意味で、亜急性期の機能の中に救急患者の受け入れなどがスムーズにできるような機能を持たせることが重要ではないかと思うのです。
 石川委員がおっしゃることもよくわかるので、この辺の書き方がちょっとどうかなという感じがする。
○武藤分科会長
 入院を必要とするような救急患者とかですかね。
 では、事務局、どうぞ。
○一戸補佐
 救急の受け入れというところが焦点になっているのだと思いますけれども、石川委員や安藤委員が御懸念されているような救急患者を全部受けなさいということを我々は言うつもりもないのです。ただ、救急患者の受け入れという定性的な話だけになってしまうと、1件でもいいのかという話になってしまうので、ある程度救急の患者を受け入れる体制をどのように担保するのかという視点で、一定の基準がある二次救急医療機関というのを要件としてはどうかというようにここに書いてあるだけで、先生方の思いとそこまで大きくずれているとは思っていないので、あとはこれを要件として、点数設定する際にどのように解釈するかということになるのだろうと理解しています。
○武藤分科会長
 よろしいでしょうか。
 石川委員、どうぞ。
○石川委員
 亜急性期病床については、随分前に言いましたように、定義だとかそういったことについてはまだ議論が必要だということと、現在いろんなところで病床の役割分担とか、入院の役割分担、病院の機能分担、そういったことについて議論されている中で、亜急性期病床については、救急の中の二次救急指定だとか、そういったものは決してつけるべきでない。
 救急の中でそれなりの機能をするということは、武久委員がおっしゃったように大事なことだと思うので、救急を一定程度担うとかという書き方だったらいいと思います。
 加えて言えば、亜急性期病床のところだけDPCデータを簡略化するにしても何にしても求めるということは、7対1で議論していますが、ほかのところではやっていないにもかかわらず、ここだけそういうのを求めるということは全くおかしなことだと思っております。
 亜急性期病床をこれから新しくつくったり、増床したり、展開したりするという方面を検討している人からすると、これは大変足踏み状態になるのではないかと思います。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。
 佐柳委員、どうぞ。
○佐柳委員
 今、亜急性期のことについていろいろと考えていっているのですけれども、どこかでこれを受けていかなければいけないというのは、全くもっともだと思っているのです。
 だから、救急そのものの体制について、私どもは今までの救急を前提にして、二次救急と言うと、入院させる救急、それも相当に総合性を持っておかないと対応できないということを前提に物事を考えてしまうのですが、もう少し救急の体制を、これからの高齢化社会の中で対応できるように、今までのものに付加する形の仕組みづくりが要るのだろうと思うのです。
 そういうことも含めてここでやっていかなければいかぬと前向きに理解したいと思ったのです。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。
 では、最後にどうぞ。
○嶋森委員
 7対1の高度急性期をきちっと分けていくということは、次の医療機関にかなりの能力や機能が必要になってくると思います。今までとは違ったというか、次の亜急性期が担う役割について、この書きぶりはいろいろ考えないといけないと思います。在宅で療養している人の急性期を受け入れるということや今後機能分化を進めたり、整理していくために、そのようなことが考えられるようなデータを出していただくというのはいいのではないかと思います。DPCにこだわるかどうかは別として、ぜひお願いしたいと思います。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 では、医療課長、どうぞ。
○医療課長
 医療課長でございます。
 今、救急のイメージということで申し上げますと、これはハードカバーのファイルに入っている5月16日の参考資料、中医協総会に出した資料の52ページと53ページ目のところです。
 「急性期病院における早期からのリハビリテーション」という項目のところに入っているのですけれども、52ページに「救急搬送人員の変化(年齢・重症度別)」というのがございます。
 そこの下にありますが、特に高齢者の軽症と中等症が非常にふえてきている。53ページの赤い線、特に肺炎が非常にふえてきている。この辺のところをどこが受けるのか。こういうところについて、先ほどから御意見が出ていますけれども、亜急性期で受けていく必要があるのではないか。イメージとしてはそういうことだと思います。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 それでは、次の項目に移ってよろしいでしょうか。
 次は医療提供体制が十分でないものの、地域において自己完結する医療を提供している医療機関に配慮した評価の検討であります。13ページ、14ページです。いかがでしょうか。特段ありませんでしょうか。
 では、武久委員、どうぞ。
○武久委員
 医療過疎なところだけでなく、都道府県の県庁所在地以外の中小都市というのは、ある意味高度急性期病院やリハビリ病院や亜急性期や慢性期病床がきれいに分布して、幾つもの病院があるという状況が余りない場合もありますので、一つの病院が急性期と亜急性期と慢性期を統括して、一つの病院として住民の負託に応えて、地域医療病院として機能することは非常に重要なことだと思っております。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。
 佐柳委員、どうぞ。
○佐柳委員
 下から2つ目のポツです。赤字で「対象とする2次医療圏の範囲も含め、現行の評価を継続していくことが妥当である」というふうに今回なっているのですが、範囲が本当に妥当なのかどうかというのは、そんなにはっきりと言えないような気がするのです。
 もともとこの制度自身は、どこに焦点を当ててこういうのが出てきたのかというのがわかりませんけれども、30の2次医療圏というのは極めて限られた医療圏になって、中身を見れば、この基準から言ったら、医療提供体制が十分でないというよりも、むしろ対象者がいないというような地域です。人が少ないとか、そういう基準ですからね。
 だから、極めて限られた過疎地のところに適用されているということなので、その範囲であればこういう所見が出てくるということだろうと思うのです。
 先ほどの亜急性期の体制をどうつくっていくかということと極めて近似したものがこの中にあるのだろうと思うのですが、あえてここで対象とする2次医療圏の範囲を含めて妥当であると言わなければいけないのかどうか。そこだけはちょっとひっかかるような気がします。
○武藤分科会長
 事務局、どうぞ。
○一戸補佐
 この範囲については、議論する対象というよりは、今回の24年改定で決まった検証としてどういう実態だったかというものに基づいて、24年改定の内容については引き続き評価していくために正確に記載しただけで、あえて2次医療圏だけを最後に追加して、ここだけ妥当と言ってほしいために追記したわけではなくて、24年改定の中身については引き続きやっていきましょうということの記載でございます。
○武藤分科会長
 佐柳委員、どうぞ。
○佐柳委員
 それだったら「現行の評価を継続していくことが妥当である」だけでいいのではないかという気がするのです。そういう意味なのです。
○武藤分科会長
 どうですか。
○一戸補佐
 我々としては、単に明確に記載しているだけでして、多分思いはそんなに変わらないだろうと思います。
○武藤分科会長
 ほかにございますか。
 なければ、次の特殊疾患病棟や障害者施設等から療養病棟に転換した場合に対する経過措置について、いかがでしょうか。15ページ、16ページです。
 武久委員、どうぞ。
○武久委員
 特殊疾患というのは、皆さん御存じのように、一般病床のうちの一つの特定入院の病棟なのです。資料にもございますように、かなり重い患者さんが入っていらっしゃいます。
 その中で言えることは、慢性期を通り過ぎた超慢性期の患者さんが多い。難病で長期間継続して入院しないといけないような人が多い。
 これは、先ほど言っている救急病院と比べると、患者層がかなり正反対、対極にある患者さんでありまして、その人たちに救急病院と同じだけ医師や看護師の数が必要かということをまず考えていく必要があると思います。
 と申しますのは、これからの高齢化社会に対して、医師や看護師、また介護職員が相対的に減少するのではないかと言われているときに、今の療養病床の基準と変わらない基準でも医師の数としては十分やっていける場合が多いのではないか。そういうふうに考えますと、療養病床というのは環境がいいわけです。障害者病棟というのは一般病床ですから、4.3平米の8人部屋でも許可されているわけです。
 先ほども言いましたけれども、それより超慢性期、3年も、5年も、10年も入っていなければならないような慢性期の患者さんというのは非常にお気の毒で、むしろ療養環境のいい療養病床から看護師なりがちゃんと補充できているところに関しては、そこを担うという方向性を考えることによって、療養病床とよく似ているから療養病床のほうへシフトして、これをなくすというよりは、重度の人が療養病床の入院基本料1にもたくさんいるし、特殊にもたくさんいるし、障害はもっともっとたくさんいる。そういう状況から考えますと、こういう病棟というのはどうしても要るのではないか。
 これから患者さんがふえると重度の後遺症の患者さんもふえるわけですから、そういうことを見るときに、療養病床からも超慢性期の病棟の認可がとれるという方向に行くほうが、より入院医療がスムーズになるのではないかと思います。
 以上です。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 ほかに。
 では、事務局からどうぞ。
○一戸補佐
 御意見は承りたいと思います。
 特殊疾患と障害者についての検討の大もとは、もともとあった特殊疾患療養病棟というのが、療養病棟が算定できなくなった後に療養病棟に転換する際の経過措置であったわけですので、この経過措置については、実績が利用されていないので廃止するという方向で検討していますので、今、武久委員から御指摘があったものについては、まずは「方向性」の2ポツ目で書いてあります、そもそも障害者病棟とか特殊疾患病棟が担う機能に合致しているような患者像なのかどうかというのを見直した上で、療養病棟との絡み、そういったものは引き続き議論していくという内容になるのだろうと理解しています。
○武藤分科会長
 いいですか。
○武久委員
 はい。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。
 なければ、次の診療報酬点数表における簡素化です。17ページ、18ページです。特に御意見ありませんか。
 それでは、19ページの医療機関における褥瘡の発生等、20ページの「おわりに」も含めて、御意見をいただければと思います。
 高智委員、どうぞ。
○高智委員
 たしかこの前「ネバーイベント」という表現で筒井委員が指摘されたと思いますが、これはアメリカに限らず、ヨーロッパ先進諸国でもほとんど病院の中では起こらないし、そうした実態が伴っているものと思います。
 したがいまして、19ページの一番下の●の「調査や仕組みが必要であるとの意見があった」ということは、そのとおりでありまして、それをさらに進めて、具体的に先進諸国の実態についても、つまびらかにできるところまで調査・研究する方向を目指していただきたい。
 20ページ「おわりに」の3つ目のパラグラフの下から3行目に「亜急性期病床や療養病床等の受け皿」云々と書いてございますが、「亜急性期病床や療養病床等」のところにつきまして補筆をお願いしたいのです。
 ここは、急性期を脱した患者の受入機能とのつながりを精密にあらわすためには「亜急性期病床や療養病床など、受け皿となる病床を充実させる」、このように書いていただいたほうが前後の文脈がより明らかになるのではと思います。
○武藤分科会長
 いかがでしょうか。
 事務局、どうぞ。
○一戸補佐
 日本語の修正はこちらで適宜させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○武藤分科会長
 安藤委員、どうぞ。
○安藤委員
 20ページの「おわりに」が集大成みたいなもので、非常に大事なポイントだろうと思うのですが、上から7行目「もはや7対1入院基本料を算定する医療機関のみで患者の必要とする医療を完結することは難しい」というのは、いかようにも読み取れるような文章なのです。
 この際、7対1病棟に期待された本来の姿をここで明確にする方向性を書いていただいて、今回のデータで7対1病棟にはふさわしくないのだということを書かれたらどうでしょうか。
 「だから、病棟機能の分化を進める必要がある」。僕は、このような論旨の展開のほうがよっぽどすっきりすると思うのです。
 「病棟のみ」でどうのこうのと書きますと、不足しているというニュアンスさえあるような気がしたのです。
 以上でございます。
○武藤分科会長
 事務局からどうぞ。
○一戸補佐
 ありがとうございます。
 配慮してこの表現にしているわけではないのですけれども、5ページ目をごらんいただくと、説明を飛ばしてしまいましたが、7対1のあるべき姿ということで「方向性」の一番上に「7対1入院基本料を算定する医療機関」云々「複雑な病態」でどうのこうのという記載がございまして、ここ自体は方向性としては残るということですので「おわりに」は、こういったものを含めて要素が入っていると理解していただければいいかと思います。
 以上です。
○武藤分科会長
 ほかにございますか。
 佐柳委員、どうぞ。
○佐柳委員
 「おわりに」の上から5行目「軽症から中等症の高齢者の救急搬送」ということなのですが、先ほど中医協の話の中で「軽症から中等症の高齢者」という同じ言葉で説明をされていたのですが、そうやって使われているのだろうと思うのですが、正直申し上げて、高齢者の肺炎とかそういうものが軽症か、中等症かというと、本当に微妙でして、かなり重症であることは間違いない。
 これから国民の理解を得ていくためにも、むしろ身近なところで救急が受けられるとか、今までの経過を十分知っておって初めて救急対応ができる医療機関とか、そういったフレーズに少し変えていったほうがいいのではないかなというのが感じとしてあります。ずっと使われているならしようがないですけどね。
○武藤分科会長
 事務局、どうぞ。
○一戸補佐
 今、お話になられているような救急医療体制のあり方とかというのは、この分科会の範囲を超えてしまっているのです。最後の最後にまた分科会の範囲で議論してしまうのですが、一応、分科会に与えられている範囲の中で議論している中身はこれで、当然救急医療の話とかそういったものは別途中医協で議論することに多分なると思うのですけれども、身近なところというのは、かかりつけ医の評価というので、別途議論が進んでおりまして、最終的には、全ての項目を網羅する形で中医協総会で議論するということになりますが、佐柳委員の意見は意見として受けとめたいと思っています。
○武藤分科会長
 池田委員、どうぞ。
○池田委員
 褥瘡に関するデータ収集の件で確認です。
 19ページ「方向性」のところで「褥瘡の定義を明確化し、有病率や発生率等の基礎データを収集」ということで、これは日常的に、あるいは全患者についてこれをやるということなのか、今回のように特別な調査をかけてやるということなのか、これはどちらのイメージなのかという確認です。
 あともう一つは、意見として書かれている19ページの一番下の「褥瘡の発生場所の把握」です。これはなぜ上の基礎データの収集の中に含めず別途の意見、つまり、これは実際的には行うのが難しいのではないかというニュアンスなのか。そのあたりを確認させていただければと思います。
○武藤分科会長
 事務局、どうぞ。
○一戸補佐
 大分改定項目みたいな話になってしまっているのですけれども、DPCの様式1とか、そういったところに項目を追加するというやり方もあるでしょうし、今、療養病棟でやっているQIというものもあるでしょうし、いろんなやり方があると思うのですが、そもそも褥瘡が発生したということ、褥瘡とはどういうものかという定義をしないと、多分ばらばらになってしまう。
 集め方も、今回のように予算をかけて調査しても全体が明らかになるわけではないという状況を考えると、報酬体系の中でデータをとれる仕組みを内在していくほうが効率的なのではないかと事務局としては考えております。
○武藤分科会長
 ほかにございますでしょうか。
 それでは、全体を通して振り返りながら。
 では、武久委員、どうぞ。
○武久委員
 経過措置について、ちょっとお話をさせていただきたいと思うのです。
 特定除外を外すということは、実は平成22年4月の改定で決まっておりました。それを経過措置として22年10月まで延ばすと。13対1、15対1とか、7対1、10対1は全くありませんでした。トータルとして特定除外を外すということが決まっておりました。半年過ぎましたけれども、それからまた延々と伸びまして、24年10月に初めて13対1・15対1のみ2年間延びて、外すということになりました。
 今回も同じように経過措置が延々と延びるようなことがあると、実際には22年に特定除外というのは不公平だから外すということが決まっていたにもかかわらず、どこからどういう力が働いたかは別として、延々と延びている。
 しかも、24年4月の改定で7対1が平均在院日数を19日から18日、たった1日少なくするだけなのに丸2年も経過措置を考えている。考えられないです。
 平成18年4月に療養病床にいきなり医療区分が入ってきた。このときは3カ月で、7月1日からです。非常に複雑怪奇な仕組みでありまして、これには現場の人はてんてこ舞いした。
 このように、経過措置のさじかげんというのを一体どこでしているのか、よくわからないのですが、現実問題としてデータで出ているのは、7対1は平均在院日数が13.9日だ。しかも、短期間の入院の白内障とかいろんなものをのけると、実は2日や3日は延びるのかなと思っていたら、たった0.6日しか延びない。13.9日に0.6日を足したら14.5日だ。それに特定除外を入れても3.7%なのに、たった1.5日しかふえない。ということは、16日になるだけだ。それでも18日からは2日も短い。
 こういう調査データが数値として非常にはっきりしているのに、いたずらに延々と延ばす必要があるのか。
 というのは、データに基づいて担当の事務局は粛々とプランニングを出しているわけでして、このデータの結果、数字の上からは、現場は大変だからというふうには見えない。
 ところが、こういうことがございますので、経過措置については、やみくもにだらだらすることによって2025年問題がすぐ間近に来るまでこの問題を放置しておいたら、現場にいる委員等は何をしているのだと言われかねないと思いますので、大きな流れとして、高度急性期なり、7対1なり10対1の病床を亜急性期のほうに持っていって、療養病病床も、社会的入院があるようでしたらそれは出して、重症をちゃんと診ていこうという大きな流れについて、委員の皆さんは共通に認識していらっしゃるわけですから、そういう方向にベクトルを進めていただきたいと思います。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 全体を通してほかにございますか。
 安藤委員、どうぞ。
○安藤委員
 当初は7対1病床が多過ぎるから、これを何とかしたいという文脈で始められたのですけれども、7対1については今後改めて明確な定義をするという前提でございますが、それと同様に重要なものとして亜急性期病棟の充実、充足というのがあったわけです。
 「亜急性期病院」というものが単体でできるのかもしれませんが、言葉は悪いですけれども、ここに誘導するということは、相当な誘導策、インセンティブが必要だろうと思うのです。それに関しては相当練られた文章が必要だろうと思います。
 この分科会はこの程度でいいのかもしれませんけれども、今後は急性期を喜んで選ぶ病院がふえるようにしていただきたい。
 もう一つは、診療報酬における裏づけというのが非常に大事だろうと思うのです。医療費全体の総額を云々したいがためにということでは、なかなか思うとおりにいかない。これは過去の事例が物語っておると思います。
 以上です。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 ほかに。
 藤森委員、どうぞ。
○藤森委員
 今回、調査データが非常に有効だったと思うのですけれども、今後社会的コストを下げるという意味では、そもそもの支払い等々にデータを内在していくという方向だと思うのです。
 まず一つお願いしたいのは、DPCデータに関して、患者さんがどこから来て、どこに行ったのかというのは、実は弱いところがあるのです。ですから、今度の改定のときに、患者さんの出入りがきちっと、いわゆる患者調査の粒度ぐらいでわかるような形で、事務局は同じ医療課ですから、様式1にぜひ仕込んでいただきたいということ。
 もう一点です。では、DPC以外はどうするかということで、実は日本の本当の統一方法というのは電レセなのです。ですから、レセプトに患者さんがどこから来て、どこに行ったかというのを書くだけでも格段に使えるデータになっていくと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
○武藤分科会長
 ほかにございますか。
 事務局から何かございますか。どうぞ。
○一戸補佐
 ありがとうございます。
 さまざま御意見をいただきましたが、最後に御確認させていただくと、今日、決定的にこの文章を直さなければいけないという御意見があったというわけではないという理解でよろしいですか。最後にそこを確認させていただいて、それであれば、いただいた御意見を踏まえて、我々としては中医協でまた議論させていただくという形になると思います。
○武藤分科会長
 いかがですか。
 石川委員、どうぞ。
○石川委員
 あえて言えば二次救急病院ですよ。「指定」というのは、やはりまずいと思いますよ。だから、そこだけ外してもらえばいいのではないですか。
○武藤分科会長
 あと、重症度・看護必要度にも幾つか御意見をいただきました。
 どうぞ。
○一戸補佐
 亜急性期の二次救急については、前回の分科会から同じことを何回も答弁しているのですが、要件の一つとして挙げているということなのですけれども、その要件の一つでも「指定」と書くのはだめというのはなぜなのか、よくわからない。
○石川委員
 地域の一次救急、二次救急、三次救急をずっとつくってきた者として、二次救急病院というのは、それなりのでき方があるのです。一次救急の後方だとか連携の中で二次救急指定病院となるのです。だから、二次救急病院の指定になったら、一次救急から来たものを嫌がったり、断ることができないのです。そうすると、これからもっと亜急性期病院のいろいろ定義がありますね。その性質から、そこが指定を受けてしまったら、幅が狭まったり、あるいはもっと任務が過大になったりするということを言いたいのです。ですから、ふさわしくないと思います。
○武藤分科会長
 これは、二次救急、例えば在宅医療支援病院とか、幾つかの選択項目の中から選ぶという形でも難しいですか。
○石川委員
 そうですね。
 だから、役割はいいですよ。
○武藤分科会長
 どうぞ。
○一戸補佐
 それでは、ほかのところとも同じように、上の黒ポツの「必要である」の後に「二次救急病院の指定までは不要ではないか」という意見があったという両論併記にさせていただいてよろしいですか。
○武藤分科会長
 今、言ったように、二次救急と例えば在宅医療支援病院から選択するような形であればいいのではないかと思いますけれども、どうですか。
○石川委員
 両論併記でいいです。
○武藤分科会長
 どうぞ。
○一戸補佐
 それであれば、この文章のままでいいということですか。
○武藤分科会長
 と思います。
 ほかにございますでしょうか。
 どうぞ。
○石川委員
 では、全体を通じてです。
 どなたか国民会議の結論のことをおっしゃっていましたけれども、あれの前文のところに、日本の医療は十数%が公的なもので、あとは民間の施設だということが明記されております。つまり、こうやって今、保険のところでのいろんな規則だとかそういったものをやっていますが、民間が日本の医療を支えているという中では、DPCデータを要件とすべきだとか、いろいろありますけれども、我々民間でやっているものの大変なところを十分に理解して、新しい診療報酬とかに組み込んでもらいたいと切にお願いする次第であります。これは中医協に持っていってもらいたいと思います。全体的な議論の中でですね。
○武藤分科会長
 よろしいでしょうか。ほかにございますでしょうか。
 高智委員、どうぞ。
○高智委員
 石川委員の御説もごもっともだと思うのですが、公的医療保険を屋台骨としている我が国では、今おっしゃったように、診療報酬だけがひとり立ちした形で進むものでは決してない。私どもといたしましては、制度と医療提供体制、診療報酬のトライアングルが限りなく正三角形に近い状態を維持することをもって、制度全体の正常化が図れると考えております。
 原資の関係では、保険料、税、患者負担しかなく、極めてシンプルでございます。この辺を十分に認識の上、今後の議論に参画いただければ大変ありがたいと思います。
○武藤分科会長
 筒井委員、どうぞ。
○筒井委員
 この報告書自体は、先に示された宿題をこなしたという点で十分に評価できる内容だったと思います。
 また、現状のデータを随分、たくさん出していただいて、日本の医療の現状が、かなり明らかになったということを中医協に伝えていただきたいと思います。
 さらに、先ほどから、多くの委員の先生がご意見を出されているように、2025年までに7対1、35万床を、どのような工程管理をしながら、国民会議が示している適切な病床数にするかということを、中医協の中で、ぜひ議論していただければと思います。
 以上です。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 ほかにございますか。
 それでは、今日は幾つか御意見をいただきました。重症度・看護必要度もそうですし、亜急性期入院に関する御意見とかございました。修正が必要なところは、私と事務局のほうで協議させていただいて取りまとめていきたいと思います。それを中医協総会のほうに御報告する。そうした段取りでいきたいと思います。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○武藤分科会長
 それでは、これまで8回、かなり長丁場にわたりまして御議論を重ねていただきました。今後これを中医協総会に付するということで、皆様方の御協力に大変感謝しております。どうもありがとうございました。
 今後の日程に関して、事務局のほうからお願いします。
○一戸補佐
 ありがとうございました。
 取りまとめ(案)が最終的に取りまとまった段階で武藤分科会長から中医協に報告していただくことにしております。
 これは取りまとめですけれども、終わりではないのです。これは24年度調査分が終わったというだけなので、25年度調査はまた秋以降、開催させていただきますが、現時点では、今までみたいに1週間後、2週間後という単位でなくて、一月以上あけてお集まりいただくということになると思います。
 25年度調査は、13対1・15対1の特定除外の患者がどこに行ったのかという話と、大病院の紹介外来の推進、金曜日入院・月曜退院の変化、どういう変化かということ。少ない項目ですけれども、議論していただいて、最後の取りまとめに入るということになっております。
 以上でございます。
○武藤分科会長
 ということでした。
どうもありがとうございました。

15:47閉会


(了)

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