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2013年7月5日 第1回PDCAサイクルを通じた医療計画の実効性の向上のための研究会議事録

医政局指導課

○日時

平成25年7月5日(金) 13時30分~15時00分


○場所

航空会館 B101会議室(地下1階)


○議題

1.医療計画の策定状況について
2.医療計画の実効性の向上について
3.その他

○配布資料

資料1:医療計画について
資料2:医療計画の策定状況について
資料3:二次医療圏・基準病床数等の状況について
資料4:指標の活用状況について
資料5:医療計画の見直し事項への対応状況について
資料6:医療計画作成支援データブックについて
資料7:本日の議論について

○議事

○久保木医師確保等地域医療対策室長補佐 松田先生は少し遅れていらっしゃいますが、定刻になりましたので、「第1回PDCAサイクルを通じた医療計画の実効性の向上のための研究会」を開催いたします。本日は、先生方には御多忙のところ御出席を賜り誠にありがとうございます。開催に当たりまして、梶尾指導課長より一言御挨拶を申し上げます。

○梶尾指導課長 皆さん、こんにちは。皆様方には大変お忙しい中、この研究会にお集まりいただきまして心よりお礼を申し上げます。
 医療計画は都道府県が国の定める基本方針に則して、かつ、地域の実情を踏まえつつ、急性期から回復期、在宅療養に至るまで、地域において切れ目なく必要な医療が提供される体制を確保するために策定する計画です。高齢化が進む我が国においては、地域の実情に応じた効率的かつ効果的な医療提供体制の整備はますます重要な課題となっております。医療計画が果たす役割も大きくなっております。こうした中で、今年度からの新たな医療計画が策定され、現在、各都道府県では、新たな医療計画に基づく地域の医療提供体制の構築に向けた取組が進められています。
 平成23年12月に前の医療計画の見直しの検討会が行われて、それをベースにした通知を出して、都道府県の作業が行われたわけですが、その見直しの検討会、あるいは見直しの方針に当たりましても、今回、それぞれの計画では指標を定めて評価を行って、それを基に必要な時点で施策の見直しも行う。その期間も5年ごとではなく、1年ごともという形で方針を示しております。社会保障制度改革国民会議でも、ナショナル・データベースを始めとして、データは様々な所にあるのですが、なかなか有効に活用されていないので、そういったものも有効に活用し可視化もし、医療政策、住民への情報提供などにもしっかり使っていただくべきという提言もされて、まだ取りまとめの途中ですが、そんな議論もされている状況です。
 もともとそういった方針でしたが、PDCAでしっかりやっていくということで、地域における取組をより効果的にするためにも、今般、医療計画に造詣の深い皆様に御参集いただきまして、都道府県のPDCAサイクルを効果的に機能させて、医療計画の実効性の向上のための方策について御検討を頂ければと思います。指標を基にした分析については、できるだけ標準化して、その先の具体の評価とか、あるいは施策は都道府県で考えてもらわなければいけないのですが、今のところ、標準化をできるところまでして、そして都道府県における効果的な施策ができればと思っております。
 皆様方には、この研究会の開催の趣旨について御理解を頂きまして、様々な視点から御意見を賜り、医療計画の実効性の向上のための方策、必要な支援について取りまとめていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○久保木医師確保等地域医療対策室長補佐 続きまして、構成員の方を御紹介します。奈良県立医科大学健康政策医学講座教授の今村知明構成員です。東京大学政策ビジョン研究センター特任教授の尾形裕也構成員です。国際医療福祉大学大学院教授の高橋泰構成員です。産業医科大学医学部公衆衛生学教授の松田晋哉構成員です。
 続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。大臣官房参事官の松尾です。指導課長の梶尾です。指導課長補佐の新谷です。指導課長補佐の笠井です。なお、私は医師確保等地域医療対策室長補佐の久保木です。よろしくお願いいたします。
 本研究会の座長は、尾形構成員にお願いしております。それでは以降の進行は尾形座長にお願いします。尾形先生、どうぞよろしくお願いいたします。

○尾形座長 それでは座長ということで議事を進行させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。この会合は研究会ということで、検討会ではないので、その違いはよく分かりませんが、私なりの解釈では、ステークホルダーがいないということではないかと思います。つまり、皆さん、研究者が忌憚のない意見を言っていただく趣旨ではないかと思いますので、是非、そういった趣旨を踏まえて御発言を頂ければと思います。それでは議事を進めてまいりたいと思います。資料の確認を事務局からお願いします。

○新谷指導課長補佐 それではお手元の資料を御確認ください。資料1「医療計画について」、資料2「医療計画の策定状況について」、資料3「二次医療圏別基準病床数等の状況について」、資料4「指標の活用状況について」、資料5「医療計画の見直し事項への対応状況について」、資料6「医療計画作成支援データブックについて」、資料7「本日の議論について」となっております。資料に不足等ございましたら、事務局にお申し付けください。

○尾形座長 それでは議事に入りたいと思います。議事次第にもあるように、本日の議題は3点です。「医療計画の策定状況について」「医療計画の実効性の向上について」「その他」です。まず御用意いただいている資料について、事務局から説明をお願いします。

○新谷指導課長補佐 お手元の資料1~資料7までまとめて御説明いたします。資料1は「医療計画について」ということで、今回の医療計画の見直し内容等について簡単に御説明いたします。
 1ページ、医療計画制度は各都道府県が、地域の実情に応じて、当該都道府県における医療提供体制の確保を図るために策定するものです。医療提供の量(病床数)を管理するとともに、質を評価するものです。医療機能の分化・連携を推進することによって、急性期から回復期、在宅療養に至るまで、地域全体で切れ目なく必要な医療が提供される「地域完結型医療」を推進していく趣旨で策定されるものです。下の枠囲みは、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患の五疾病及び救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療の五事業及び在宅医療ごとに必要な医療機能と、各医療機能を担う医療機関の名称を医療計画に記載していただいて、地域の医療連携体制を構築いたします。そうした地域の医療連携体制を分かりやすくお示しすることによって、住民や患者さんが地域の医療機能を理解することにも資するものです。
 今回、指標によって地域医療、医療連携等に関する現状を把握した上で、課題の抽出、数値目標の設定、施策等の策定を行って、その進捗状況を評価し、見直しを行うというPDCAサイクルを推進していくことをお示ししております。
 2ページ、「医療法の改正の主な経緯について」は、医療計画制度は昭和60年に導入して、平成18年に現在ある4疾病・5事業の具体的な医療連携体制を位置付けるなどの見直しを行ったものです。
 3ページ、今回の医療計画の見直し内容について主なものを記載しております。1つ目、二次医療圏の設定に関して、「医療計画の作成指針」において、一定の人口規模及び一定の患者の流入・流出割合に基づく二次医療圏の設定の考え方をお示しして、都道府県に対して入院に係る医療を提供する一体の区域として成り立っていないと考えられる場合には、見直しを検討するとともに、見直しを行わない場合には、その考え方と医療の需給状況の改善に向けた具体的な検討を行うように指針としてお示ししております。
 また、疾病・事業ごとのPDCAサイクルの推進についても、疾病・事業ごとに効率的・効果的な医療体制を構築するために、その医療計画の実効性を高めていくことが必要であることから、全都道府県で入手可能な指標等を指針に位置付け、都道府県がその指標を用いて現状を把握すること。さらに、把握した現状を基に課題を抽出し、課題を解決するに当たっての数値目標を設定し、その目標を達成するための施策等を策定すること。また、定期的な評価を行う組織や時期も明記し、施策等の進捗状況の評価を行うことと、必要に応じて施策等を見直していくこと。さらに、それを住民等に公表していくことをお示ししております。
 今回、3.の在宅医療、4.の精神疾患の医療体制の構築についても、従来の4疾病に加えて、精神疾患を加え、5疾病・5事業とするとともに、在宅医療についても達成すべき目標や医療連携体制について記載することとしております。
 5.の医療従事者の確保についても、より具体的な施策を記載いただくとともに、東日本大震災で認識された課題を踏まえて検討会が開催され、報告を受けておりますので、その内容等を踏まえて、より充実した計画とするようにという指針をお示ししております。
 5ページ、二次医療圏の見直しとありましたので、二次医療圏の状況等について資料を付けております。6、7ページは、具体的に医療計画に記載する内容となっております。医療計画におきましては、計画の基本的な考え方をお示しした上で、地域の現状等をしっかり分析していただいて、5疾病・5事業及び在宅医療のそれぞれに係る医療連携体制を記載していただく。また、疾病の発生状況に照らして、都道府県知事が特に必要と認める医療、医療従事者の確保に関する事項、医療の安全の確保に関する事項、基準病床数、医療提供施設の整備の目標、その他、医療を提供する体制の確保に関し必要な事項、施策の評価及び見直しについて記載していただくこととしております。
 8ページ、医療計画の作成に当たって、都道府県にお示ししている指針に記載している医療計画の作成の手順となっております。医療計画を策定するためには、案を策定するための体制の整備が重要です。その上で、基本理念についての検討、医療計画の基本骨子についての検討を行い、現行の医療計画。今で言いますと、1個前の医療計画ですが、それに基づき実施された施策の効果をしっかり検証していただく、それを踏まえた施策立案をしていただくことが重要です。(4)の地域医療の現状分析等に係るデータを収集し、必要であれば調査を実施、将来予測の検討などを行っていく。また、医療計画を策定していくに当たっては、診療又は調剤に関する学識経験者の団体や、市町村・都道府県などから意見聴取を行った上で、都道府県医療審議会に諮るといった関係者の合意形成も必要になってきます。
 9ページ、5疾病・5事業及び在宅医療のそれぞれに係る医療連携体制の構築の手順を記載しております。まずしっかりと現状を把握していただく。データを踏まえて、患者の動向、医療資源、医療連携等に関する現状を把握した上で、適切な圏域を設定する。さらに、必要な医療機能を明確化した上で、関係機関の連携を検討し、医療機関の名称を記載していく。さらに、把握した現状から課題を抽出して、それを基に達成すべき数値目標を設定し、それを達成するための施策を策定していく手順となるかと思います。さらに、5疾病・5事業ごとに評価を行う組織や時期なども明記していくことで、PDCAサイクルを推進していくことが重要になってきます。
 10ページ、医療計画を作成するに当たっての組織について記載しております。都道府県医療審議会に医療計画を諮ることが必要になってきます。地域医療対策協議会や都道府県医療審議会などの下に、医療計画、5疾病・5事業及び在宅医療のそれぞれについて協議する場として、作業部会を設置していただくとともに、必要に応じて圏域ごとに関係者が具体的な連携等について協議する場として、圏域連携会議を設定して協議をしていただいた上で、相互連携を図りながら策定していただくことをお示ししております。
 11ページ、地域の現状の把握については、医療計画策定の前提条件となる地域の現状は、地勢、交通、あるいは人口構造、人口動態、住民の健康状況、受療状況、医療提供施設の状況などを把握した上で、5疾病・5事業それぞれごとに国から病期・医療機能別及びストラクチャー・プロセス・アウトカムに分類した指標をお示ししておりますので、医療提供体制の経年的比較、あるいは医療圏間の比較や医療提供体制に対する指標相互の関連性などをこうした指標を活用して明らかにしていくことを求めております。
 12ページ、医療計画の評価及び見直しについては、策定した医療計画はしっかりと評価し、見直しを行っていくことが重要です。具体的な数値目標の設定と評価を行い、その評価結果に基づき、計画の内容を見直すPDCAサイクルを効果的に機能させるために、○の1番目に書いてある内容をあらかじめ明らかにした上で、少なくとも5年ごとに施策全体又は医療計画の達成状況について調査、分析、評価及び公表を行うことと、今回は5疾病・5事業及び在宅医療については、評価・見直し体制及び公表方法を明らかにした上で、年次推移や施策の進捗状況の把握、評価について、1年など定期的に評価していくことを求めております。こうした関係から、今回、大体1年などで評価を行っていく都道府県もあることから、医療計画の評価に関する研究をしていただくことでお集まりいただいている次第です。13ページからは、関連する事項について参考資料を付けておりますので、適宜御参照いただけると幸いです。
 資料2~資料5までが医療計画の策定状況に関する資料です。資料2「医療計画の策定状況について」は、現在策定された医療計画から比較的ほかの都道府県の参考になるのではないかという好事例に当たるものを抜粋しております。
 1ページ、旧計画に基づき実施された施策の効果を検証していくことが重要です。山口県や兵庫県などでは、前回の進捗達成状況を評価した上で、例えば山口県では、地域における医療連携体制を推進するために具体的な手法である地域連携パスの導入地域数は増えていることから、引き続き導入の促進に努めるといった前回の評価と、この後にどうやってつなげていくかを記載していくことが重要になるかと思います。
 2、3ページはグラフやレーダーチャートなどを活用して、自身の都道府県と全国値の比較、あるいは自身の都道府県の全国の都道府県との比較、あるいは二次医療圏間の比較を行っている事例です。
 4ページ、散布図を活用した分析や地図を活用した分析などについて記載しております。
 5ページ、独自の調査の結果を踏まえた医療機能の現状分析を行っている例です。例えば脳卒中に関して、医療機能に関する調査を都道府県内で行っており、その結果を記載しております。その結果を踏まえて、さらに来院後1時間以内に専門的な治療が開始できる体制の構築をするといった内容や、リハビリテーション体制の構築を進める施策の方向性が記載されております。
 6ページは圏域の設定、7ページは地図を用いた医療提供体制の見える化などです。地図とそれに付随する情報を一緒に記載していただくことで、医療提供体制が分析しやすくなるといった内容です。
 8ページ、アクセス数の分析を行っている都道府県を掲載しております。左側の群馬県では、中核医療機関から道路を走った場合の脳梗塞の急性期医療機関への2時間アクセス圏域、あるいは心筋梗塞の急性期医療機関への2時間アクセス圏域を記載しております。右側の佐賀県の例では、搬送30分圏域、1時間圏域を記載した上で、県内の全域が30分、1時間で搬送できる体制の中にあるということを明らかにしております。
 9ページ、地図情報を活用した医療提供体制の見える化の例をお示ししております。
 10ページは関係機関の連携の検討ということで、どういった役割を果たす機関があるかということを分けていただいた上で、それぞれの機関に求められる役割分担を分かりやすく記載している例です。
 11ページから13ページまでが、医療機関ごとの医療機能の見える化の提示です。例えば、11ページ、大阪の医療計画では医療機関名を左側に明記して、手術、化学療法、放射線療法なども縦列に記載した上で、横列に疾病、がんの部位別の対応可能状況を記載しております。下は初期救急医療機関の診療時間ですが、各医療機関ごとに診療受付時間なども明示しております。
 12ページも同様にt-PAの治療が可能な医療機関や、急性期、回復期のリハビリテーションが可能な医療機関などを明示しております。兵庫県は脳卒中の急性期医療を担う医療機関の選定条件を明示した上で、こうした条件を満たしている医療機関を記載しております。13ページも同様の内容です。
 14ページ、周産期の医療計画については一次、二次、三次、それぞれの流れ図をお示しして、医療機関名も記載した上で、それぞれの医療機関を担う診療の内容も詳細に記載しております。
 15ページは目標の設定です。具体的な目標を設定することが大事です。
 16ページからが、今回基準をお示しして見直しを行っている二次医療圏の見直しです。16ページのように人口20万人未満、流出率が20%未満、かつ、流出率が20%以上の条件を満たす医療機関について、一体として医療を提供する医療圏として成り立っているかの検証を行っていただいております。
 そうしたことを踏まえて、17ページの宮城県では二次医療圏の見直しを行っております。第六次医療計画における今後の医療提供体制やインフラ整備の見通しなどについても検討をした上で、有識者会議において丁寧な議論を行い、最終的には向こう5年のみならず、10年先を見据えた上で、将来にわたる震災復興や連携も踏まえ、より広域的な視点で医療提供体制を構築していくことが必要であるとして医療圏の再編に至っています。
 18ページは、見直しを行わなかった県の例示です。見直しを行わない場合にも、医療圏設定の考え方を明示するように求めております。宮城県などでは、相互に行き来がある医療圏について統合も検討されましたが、協議会において議論を行った結果、道路網の整備が進捗したことによって、アクセスの改善が患者流出の要因の1つとして考えられました。ただ、医療圏の統合は更に患者の流出を助長させ、それに伴い医師や医療資源が流出し、医療圏が医療過疎地域となるおそれがあるということで、更に継続して医療圏の検討を行っていくことで、今回は見直しは行わないという結論に至っております。
 19ページは地域の住民の意向などを反映させた医療提供体制の構築を行っている例です。20ページなどは、住民から見やすいという視点からコラムを掲載している例示です。21ページは医師確保に関する北海道の分析の状況と、それに対しての施策の方向性の内容を示しております。22、23ページは、在宅医療に関する医療提供体制などの例示です。24、25ページは、災害医療に関して記載いただいていた内容で、DMATチームの編成数などを記載したり、空港との位置関係、あるいは各災害拠点病院における備蓄の状況などについても記載した都道府県があったという例示です。
 資料3は「二次医療圏別基準病床数等の状況について」です。1ページ、平成25年度の医療計画が策定された後の一般病床及び療養病床、精神病床、結核病床、感染症病床、それぞれの基準病床数、既存病床数の状況と二次医療圏数を記載しております。
 2ページから7ページまでは参考までに、平成元年以降5年おきの基準病床数、既存病床数の状況を付けております。9ページ以降が、今回の医療計画において、各都道府県の二次医療圏別に構成する市区町村、その人口、基準病床数、既存病床数を一覧にしたものです。
 資料4は「指標の活用状況について」です。今回の医療計画の策定に当たっては、5疾病・5事業を在宅医療別に、医療機能別ストラクチャー・プロセス・アウトカム別に整理した現状把握のための指標例を都道府県に対して示しておりまして、必須指標と推奨指標に分けております。◎は必須指標、○は推奨指標、印がないものはそれ以外のものです。例えば、2ページの「がんの医療体制構築に係る現状把握のための指標例」では、ストラクチャー・プロセス・アウトカムが左の軸になっており、医療機能として予防、治療、療養支援と分けて、それぞれの現状を把握するための指標例を示しております。12ページまでが指標例です。
 13ページは各都道府県における指標の掲載状況についてです。指標の掲載状況については、一体として全部まとめて後ろに表として掲載する形式や、5疾病・5事業ごとに表として掲載しているもの、また文章として掲載しているものなどが出ております。
 14ページは平均としての指標の使用状況です。一番左の枠の全体数で見ますと、例えばがんで国が示している数は43個に対して、平均的に使用している数は25個になります。必須指標では22個に対して、平均21.4個使用していただいておりますので、おおむね必須指標に関しては国が示しているものを各都道府県で分析していただいていることになります。推奨指標、必須・推奨以外についても示しているとおりです。
 15ページからは、都道府県別の各項目別の指標の使用状況、使用率になります。例えば、指標使用率の「がん」では、国が示した43に対して、各都道府県が使用している数及び率を示しております。それぞれの疾病・事業別に全体、必須、推奨という形で後ろに掲載しております。
 資料5は「医療計画の見直し事項への対応状況について」です。今回は特に二次医療圏の設定について検証を頂いて、設定範囲を変更しない場合には理由を記載することを求めており、PDCAサイクルの推進についても記載を頂くこととしております。医療従事者の確保に関しても、具体的なことを記載することとしておりますので、該当する部分の抜粋を各都道府県別に付けております。
 1ページから8ページまでが、二次医療圏の見直し状況についてです。9ページからがPDCAサイクルの推進状況について関連する部分の記載を抜粋しております。14ページからが医療従事者の確保について、左側に支援センターの設置の有無、支援センターの取組、協議会の活用等に分けて記載しております。
 資料6は、これまでが医療計画の策定状況についてでしたが、今後は医療計画の進捗評価を行っていくことと、医療計画の今後の策定につなげていくことを考えると、医療計画に現状把握のために用いている指標などを分かりやすくグラフなどにして提供していくことが重要であろうと考えております。都道府県は医療計画の策定に当たって、医療、公衆衛生、薬事、社会福祉、社会経済等に関する様々な統計資料を分析して、医療提供体制の課題を把握し、数値目標の設定及び達成のための施策立案につなげることが求められており、そのためにはグラフ化などの加工が必要になりますが、これには作業負担が伴うものですから、現状分析に基づき、より実効性のある医療計画の策定及び、より効率的な施策の進捗評価に資するために、国が医療計画策定に当たって必要と考えられる指標を二次医療圏単位で集計、加工し、データブックとして都道府県に提供することを考えております。2、3ページなどにイメージや収載すると考えられるデータなどについて記載しております。資料は以上です。
 こうした資料を基にして、資料7の「本日の議論について」で論点のイメージを提出しておりますが、こうした内容を参考にしていただいて、いろいろと御議論を賜れればと考えております。よろしくお願いいたします。

○尾形座長 はい、ありがとうございました。それでは、ここから議論に入りたいと思います。今、事務局からお示しいただいたように、一応資料7で、このようなことを議論してほしいということで書かれております。1つは都道府県の医療計画の策定状況について課題の整理、もう1つが医療計画の策定状況を踏まえ、今後PDCAサイクルを効果的に機能させるための方策の検討です。両方が密接に関連しますので、特に分けることはいたしませんが、こういったことも踏まえつつ、今日は自由に御意見を賜れればと思います。特に皆様方の中には実際の医療計画の策定、各都道府県の策定に関与されている方もおられると思います。そういった御経験も踏まえて、御意見を賜れれば幸いです。それでは、自由に御発言を願いたいと思います。どなたからでもどうぞ。

○高橋構成員 では、口火を切らせていただきます。実際のいろいろな指標の項目は出ていますが、数字はまだ入ってないわけです。私もこういう数字をいろいろ扱ってきた経験から申し上げますと、まず数字を集めて、この医療圏がどんな医療圏であるのかというサマリーが非常に重要になるのです。それで、例えば私が医師会の日医総研のホームページに書いてある全医療圏の評価というのがあります。今度、新しい改訂版を出しますが、ある程度共通のフォーマットで、この医療圏は面積、人口がこれだけということから始まって、急性期病床はかなり多い、慢性期が少ないなど。それから介護に関しては、介護保険施設は多いが高齢者住宅が少ないなどという全体像が分かるというものに落し込む仕組みがないと、なかなか目標値が定まりません。指標の絞り込みのときに、1つはこういうサマリーを作るために必要なものは何か。この地域のイメージをつかめるものを作るということが1つあろうかと思います。
 2点目としては、これはちょっと行き過ぎかもしれませんが、将来の人口推計を踏まえて急性期病床は充実しているけれども、0から64歳が40%減る。そういうことを示して、ある程度目標の方向値が示される。そのような文章化できるということを意識して、指標を選ぶことが非常に重要ではないか。そのようにこの資料を見て感じました。

○尾形座長 ありがとうございます。確かにそうです。全体像が分かるようなサマリーというのは、非常に大事ではないかと思います。また、その辺についても議論していきたいと思います。

○今村構成員 今の高橋委員の意見に同感です。よく似た切り口であるのですが、今の患者数の推計というところが非常に今の医療計画の中では弱いと思います。例えば、介護保険事業計画にしろ、老人保健事業計画にしろ、まずは人口推計の中から、どれだけの要介護者がいるか。そして、今のままの医療を提供しようとすれば、どれだけ足りなくなるかの推計部分が最初にあって、明らかにここ10年の間で人口構成は変わっていくわけです。毎年65歳以上が100万人ずつ増えて、65歳以下が100万人ずつ減っていくという事態が起こってくるわけです。ここ10年間の変化というのは、やはり今までどおりではないのです。
 だから、今後に起こってくる向こう5年間なり、10年間の変化を各医療圏別にサマライズする。そして、その中でどれだけ患者数が増えてくるのかを見た上で、それぞれの医療圏別に指標を考えていく必要があると思います。これがほかの地域計画、介護保険事業計画などではやっていることで、この地域医療計画の中でやっていないことではないかと思います。

○尾形座長 これは事務局に伺いたいのですが、人口推計はある程度は、いろいろな所で使われてはいると思います。そういう観点から医療計画を見てみると、どんな感じでしょうか。今日ではなくていいので、次回以降に少し整理していただければと思います。
 それから、新人口推計の都道府県別というのは間に合ったのですか。

○新谷指導課長補佐 人口推計は国立社会保障事項・人口問題研究所で行っています。

○尾形座長 医療計画を作るときに、つまり3.11があったので、確か全国のものは出したけれども、都道府県別を出すのはしばらく遅れましたよね。

○新谷指導課長補佐 はい。都道府県の医療計画の素案作成には間に合わない時期に公表されたと思います。

○尾形座長 間に合わなかったのですか。

○高橋構成員 3月27日に出ましたので。

○尾形座長 間に合わなかったのですね。

○高橋構成員 間に合ってない。

○尾形座長 ですから、使ったとしても、前のものということになりますね。その辺も含めて、人口推計がどんな形で使われているかという辺りをですね。

○新谷指導課長補佐 幾つかの都道府県では、人口推計まで載せている所がありましたので、またまとめて資料を提出させていただきます。

○尾形座長 次回以降に出していただければと。

○松田構成員 患者数の人口構造の推計と将来推計と、それに患者調査の結果を合わせて医療圏別、市町村別に、どういう傷病構造になっているかという推計のソフトは作って、それをお配りして、その研修会もやりました。それから、ナショナル・データベースのデータを使って、医療圏ごとに、どういう傷病ごとに、どういう受療率、自己完結率になっているかを、流出率も含めて分析するソフトをエクセルでマクロで動くものを作って、各都道府県の担当者に配りました。
 研修も3回から4回やったのですが、実際今回の医療計画で、それを活用してくれたのは、2つか3つの県だけです。なぜ、使えなかったのかという理由を聞いた際、なかなかやはり担当者の方がこの領域にそれほど詳しくないという現状があるようです。それで、私たちは実は医療関係者のほうにもアプローチして、そういう分析結果を提供したのですが、最終的には行政内部の議論でそれが反映されていない。となってくると、やはりここで、こういういろいろな議論をして、また活用するためのデータを作ったとしても、都道府県の中での医療計画にそれをどう反映させていくか。そこの体制を、都道府県レベルで少し明示してあげないと、多分先に進まないと思うのです。
 私たちも全国の医療計画を眺めているのですが、前回の医療計画の評価をやっている所は少ないのが現状です。それはやはり前回作った人と今回作っている人が違うという問題もあるし、そうなってくると、都道府県単位での医療計画の策定、それから評価をどうやっていくかに関して、もう少し具体的な指針を出していったほうがいいのではないか。多分、そこに各都道府県が持たれている衛生研究所や、それぞれの都道府県にある大学の役割も出てくると思うのです。その辺を考えていかないと、実効性のある計画を作るのはなかなかしんどいかなというのが、この3年間の私の感想です。

○尾形座長 ほかにいかがでしょうか。今日は最初ですので、自由に議論していただければと思います。

○今村構成員 今の松田委員からの御指摘の回答の1つかと思うのですが、最初に患者の動態を載せるべきだと申しました。載せられない一番の理由は、患者数が増えていくからです。今のまま患者の増え方をそのまま今までどおりに医療を提供しようとすると、ベッド数は明らかに足りなくなっていきます。そう考えていくと、平均在院日数を短くしていくなどの形で吸収する形になります。すると、その先に、では介護保険が受けられるのですかという話があります。介護保険も医療は医療でやってください、医療は介護保険でやってくださいということで、独立してやっていますから、その2つを掛け合わせると、実は全然足りなくなると私は思うのです。
 実際に、県で計画を作るときに、医療は医療の分野で専管でやっていきますからという話が当然出てきます。医療から外れる部分は介護でやってください、となります。最後の意思決定を見ていると、それは医療の分野ですから、医療でやってもらわないとということで、お互い正論の計画を立てるのですが、全体の計画を見ると、本来相手がやるべきと言われている部分での行き場が失われるという状況があります。それに対しての回答はどこも出せていない状態だと思います。その中で、強行に作ろうと思うと、素直に数字を出すと、すごく矛盾が見えてくるので、なかなか現実的に載せにくいという状態があるのではないかと思うのです。私はまずその現実を直視するということからやっていったほうがいいと思うのです。現実に全てを解決することは難しいので、その中でどのような最適解を見つけられるかを各地域で考えていかないと、もう待ったなしで高齢化が進んでいきますので、対応できないのではないかと思います。

○尾形座長 むしろ技術的な問題よりも、そういう政策を先に考えて、それから作るからという、そういうようなお話です。一方で松田構成員がおっしゃったような正に作る体制の中で、なかなかこちらがいろいろ情報で示しても、活用できないという面もあるのかと、両方あるのかなと思います。

○松田構成員 幾つかの自治体で、医療と介護と検診と個人ベースを全部つないで、トータルで傷病の負荷を見たりするというプログラムを作ってやっています。多分、プログラムを作るだけでは駄目なのです。保健師さんなどの担当者に集まってもらって、研修をやっていって、それぞれの地域の方が自分の地域の問題を課題として明確に意識していただかないと、先に進めないだろうと思っています。
 私らも福岡県で研修会を年に4回くらいやっています。まず、やはりデータの環境を整えてあげるということが重要なのだろうと思います。技術的にはもうできることなので、あとはどう一般化するかだけです。国ベースでやるというのはなかなか難しいと思うのですが、ただ一方でナショナル・データベースは国がもう使えるはずです。今までは研究班がナショナル・ベースの使用を申し込むという形で研究の中でやっていましたが、ある程度方法論も固まったと思います。それもできれば、厚生労働省の中で事業化していただいて、定期的にデータを出していただくことをしていただければいいのかなと思います。同じように、介護データベースもありますので、介護データベースからも同じようにして、指標を出していただければ、それを先ほど高橋委員が言われたみたいに地域単位で集約していくと、いろいろなものが見えてくるだろうと思います。
 あとは、このPDCAサイクルのところと、今度は医療計画の実効性の向上のための問題になってくるのは、多分地域医療ビジョンとの兼ね合いになってくると思うのです。地域医療ビジョンでは日常生活圏域のところで、正に地域包括ケアをどうやっていくかということを書き込まなければならなくなるのです。そうすると、この在宅ケアをどう書き込むかという話になります。これは現時点では在宅ケアに関して、これという指標がないのです。その辺をどう作っていくか。実態把握を含めて、やっていかなければいけないし、多分在宅ケアが進みにくい何か構造的な要因があるのだろうと思うのです。そういうものを明らかにしていかないと、なかなか書けないのかなと思います。
 あと、データベースのところで、是非お願いしたいこと、データブックに載せられるといいと思っているのは、総務省が持たれているというか、各都道府県の消防局が持たれている救急搬送のデータです。幾つかの都道府県でそれをお手伝いしたのですが、岩手県が出していたと思うのですが、あれがあると、救急に関してかなり細かい救急に関する分析ができる。今これに関して、使えるデータはいっぱいあると思います。少しそれを厚生労働省の管轄だけでなく、周辺も含めて、データの活用を働きかけていただくと有り難いと思います。

○尾形座長 今の御指摘について何かありますか。

○新谷指導課長補佐 集められるデータについては、できる限り集めて入れていきたいと考えております。この研究会の中でも必要なデータについて、いろいろ御提言いただければ非常に有り難いと思います。

○尾形座長 松田委員のお話の中で1つ感じました。研修の体制や中身などについても、次回以降でいいのですが、例えば政策研究大学院大学でやっているものなど、保健医療科学院でもやっているのですけれども、そういった今の体制とどんな中身でやっているのかという辺りも一度整理して、示していただくと今後の改善点などが出てくるのかと思います。これも次回以降で結構ですので、お願いします。
 それからもう1つ、今お話が出てきたことで、これはちょっと御説明いただいたほうがいいかと思うのは、正に地域医療ビジョンが今、議論になっています。それと、ここでの議論というのはどう考えたらいいのかという辺りを少し事務局から補足的に説明をお願いします。

○梶尾指導課長 先ほど、今村先生からありましたとおり、将来の人口構成の変化と今の患者の状態を併せると、かなりベッド数が必要になります。社会保障・税一体改革では入院者の見込みが平成23年133万人を単純に延ばすと、162万人になる。ベッドも166万床を、202万床にしないといけないというのは、なかなか現役・労働者人口が減っていく中で、なかなか難しいだろうと。そこで、機能分化等を図りながら、病床数としては現在の病床数くらいの範囲で役割分担していきましょうというような絵柄を全国ベースとしては書いているのですが、しかし、全国一律に同じように変わるわけではありません。現状、人口構成が違いますから、それでは、各地域でどうしていくのかということの道具が正直ないということだったので、それを通称「地域医療ビジョン」と称していますが、新しく報告制度を導入して、病院からは現在の機能、あるいは将来どうしようとしているのかの報告、あるいはそれと併せて実際どういう医療をやっているのかの報告を求めるという報告制度を導入し、併せてこれまでの医療計画は既存の人口構成、退院率、あと平均在院日数の減少率を用いてますが、もう少し先のところ、2025年なりに向けて、どういう人口になっていく、そうすると、将来の医療の需要はこれだけだ、それに対応する供給をどうしていくのかという推計を行い、この共通情報を行政や医療の関係者で共有して、急性期をやろうと多くの病院が思っても、そのような数だけの患者さんはいないという状態になってくるというようなことなどを含めて、どのようなことをしていくのかを、地域地域で話して、それで中長期の提案というか、ビジョン作りをしていこうと。
 それを都道府県が中心になってやっていく。中長期的にどういう役割を持ってやっていくというようなことを医療計画と併せてやっていくことによって、地域地域でどういう姿で医療提供体制を描いていくかということをやっていこうではないかと。そうするときに、では都道府県として、それだけの重い責任を持つとすると、どういう体制を作り、あるいはどういう権限があったらいいのか、どういう裁量があったらいいのかという話と併せて、関係者と議論していますが、それと併せて仕組み作りをしていく。それだけの仕事をしないとできないと思うと、県の中でもそういう体制を作らないと、いい加減にはできないとか。そういったことと併せた形で、そうやっていくということになろうかと思います。
 その上で、この検討会は、ここでやっていただくことは、その先のいろいろな評価分析は当然するわけですが、まずは足下の今、作っている医療計画について、指標は定めたのですが、それをどう評価し、次の政策展開していくかという、まず足下の所ができないと、そんな大きな段階には進めない。しかし、一方で、そこもなかなかできていないという現状もあります。そこをまず一歩進めるためにどういう支援ができるかということを御議論いただければと思っているところです。

○高橋構成員 1つ、確認をしたいのです。資料4にいろいろな指標が出ておりますが、これは例えば一番上のストラクチャー指標で、神経内科医師数、脳神経外科医師数というものが出ています。これは単に数値が入っているだけなのか。それとも、人口10万人当たりなど、そういう指標と指標を組み合わせて、そういう標準化をするようなものを意識しているのですか。

○新谷指導課長補佐 そういった形式の統一が必要であろうとは思われますが、今の時点で載せていただいている都道府県もそれほど多くない状況です。

○高橋構成員 基本的には生の数字ですか。

○新谷指導課長補佐 はい、そうした形です。

○高橋構成員 そうすると、先ほどの議論の続きになりますが、最低限やらないといけないと思いますのは、この指標を基にして最終的に欲しいのは自分の地域がこれが多いのか、少ないのか、将来足りていくのか、不足するのか、そこが分かることが基本であるとすると、まずその数値だけ見ても、多いか少ないのか分からないので、人口10万人当たりとか、75歳以上、1,000人当たりというような形の、ほかと比較できるような形にすることが最低限必要であると思う。
 さらに、私がいつもやっているのは統計的に見たら、余り正しくない部分もありますが、偏差値化をしているのです。それで、偏差値50だったら、全国平均で、数字が小さくなると、現状ほかと比べて足りない。大きくなれば増えるという形で、その偏差値だけをかき集めて、ずらずらと並べるだけでも、うちの医療圏は医者が少ないが、看護師とベッド数は非常に多いというようなことが瞬時に分かるようになります。まず、この指標はほとんど全てに関して、そういう標準化をして、できれば偏差値も付けて、その偏差値を基にレポートを作るというようなところまでやってあげると、目標何をすべきかということは、自然に見えてくるのではないかと思います。

○新谷指導課長補佐 ご指摘の数値について、資料に高知県における例をお示ししています。

○高橋構成員 何ページですか。

○新谷指導課長補佐 資料2の9ページですが、実際に使われている例としてはこういった形で脳神経外科医師数が書いてあります。生の数字で、ここの医療圏では2人、44人という形で掲載されております。御指摘のとおり、標準化が必要だろうと思われます。

○高橋構成員 はい。

○松田構成員 今の高橋委員の考え方でいいと思います。多分、私らもSMRと同じような標準化をやっていますが、標準化や偏差値などでやってしまうと、全国平均がもともと低いものは、高く出てしまうなど、いろいろあります。むしろ、私はやはりそれぞれの指標に関して、目標値があるべきだと思うのです。人口10万当たり何人くらいの医師が必要、人口10万当たりの神経内科が何人なのかなど。ただ、それに対して、どの程度なのかという形のほうが多分いいのだろうと思います。多分、そういうのを専門医の先生たちに問いかけることによって、そこからいろいろ回答を得て、その目標を設定し、決めていくことが望ましいのではないかと思う。それが必要なのかと思う。
 あとはPDCAサイクルを回していく上で、やはり大事なことは、データが今あるものから半自動的に出てくるのが望ましいと思うのです。データを作るのにすごく手間がかかるということではモニタリングはしんどいと思います。そういう意味ではデータ、ここに上がってきた指標を定期的にこうやって作っていくための仕組みをどう考えるかが、このPDCAサイクルを回していくための一番の肝になっていくのではないかと思います。

○今村構成員 今の標準化の話で、我々もいろいろと、標準化をして出すかどうかは、大分議論がありました。例えば、脳卒中などになってきて、二次医療圏単位でやると、もうドクターの名前が特定できるのです。何々先生と何々先生がどこにいるかという話があって、それを一般論でなかなか対策ができない。実際には何々病院と何々病院の脳外科を統合するかというような形で、もう密着してくるのです。ですから、単純に一般化した数字で語れない。議論のスタートとしては一般化した数字で始まるのですが、計画の中身に書くときには、実際の病院の統合なり、診療科なりの融通ということまで考えていかないと作れない。こういうように出て来ざるを得ないという面があるのかとは思います。ただ、松田先生も高橋先生もおっしゃっているサマリー的な数字を作ることは、私は絶対必要だと思います。これはナショナル・データベースから引っぱってこれるのだったら、全部自動化できるので、二次医療圏別に同じ土俵で数字を作って、配ってあげるということは、やれたら各都道府県はそれをベースにして議論をしていけると思います。少なくとも、誤解や計算方法が分からないという理由で、その数字を使わないということはなくなると思うのです。それは検討していただく余地があるのではないかと思います。

○尾形座長 今、それぞれ出ている御意見は必ずしも相互に矛盾していないと思います。平均値、全国平均と、この数値を比べるというだけでも、いろいろなことが分かると思います。それから、松田委員がおっしゃったように、それに目標値なのか、標準値なのか分からないけれども、それを加えて、並べて見せるというのも非常に有益ではないかと思います。
 それから、今村委員がおっしゃったこととの関連でいうと、どうしても実際の政策をにらんでということになってしまうのはよく分かりますが、その前の段階として、一応標準化して示して、更にそれをどう使うか。あるいは、それを踏まえて、どう考えるかというのは、次のステップなのかという気がします。できるだけ、今出ているような御意見を踏まえて、標準値あるいは全国平均値と比較できる、相対化するということが必要ではないかと思っています。

○高橋構成員 先ほど少し話をいたしました日医総研のレポートは二次医療圏データベースの数値をマクロで読み込んで、自動的に県別、それから二次医療圏の人口10万人当たり、75歳1,000人以上当たりを計算して、それで偏差値、それからその偏差値に応じてイロハを付けるというとこがもうマクロ化しているのです。次にやろうとしているのが私がコメントを書いているのですが、そのコメント書きが非常に大変なので、数字を拾って、自動コメント作成システムをいま作ろうとしています。これはちょっと日医と相談しないといけないと思いますが、余り大きな問題ではないと思うので、こういうノウハウは提供することは十分可能であります。むしろこういうものを作ると、基準値をどうするかということで、議論ができる。それができてしまうと、自動的に全部、要は主観がなくて、同じ物差しで各地域の評価ができたサマリーが作れるようになると思います。むしろ、そういうようなところで土台を作ってあげて、この地域が多いか少ないか、今後足りないかというようなものも、こういうところで基準値を作って、自動的に流し込んで、まず標準的にこの地域はこんな所ですよ、ということを示すものを目指していくのは1つのアイデアではないかと思います。
 それから、次回以降のことでまだ決まっていないと思うのですが、松田先生のシステムを何となく知っているのですけれども、私は詳しく聞いたことがないので、一度御紹介いただきたい。自治体に配っているシステムというものです。先生の講演でそういうものを作っているというのは聞いていますが、私自身は説明会も出ていないので、是非一度聞かせていただきたい。

○松田構成員 厚労省が一昨年の研究班の成果として出しているので、一応それをサンプルで出して。

○新谷指導課長補佐 研究班の成果して報告していただいていますので、先生と御相談させていただいた上で。

○尾形座長 そうですね。もし、差し支えなければ1回、それでは御説明いただく機会を作りたいと思います。

○松田構成員 あとはいま、これももうマクロで動くようにしたのですが、人口の推計を出して、それに関連調査のデータを引っぱってきて、将来推計をやるというものを作っています。そこから、ある程度の仮定を入れるのですが、そういう傷病構造になったときに、現行でいうと、どのくらいの一般病床数が必要になるのか、急性期の療養病床が必要になるのかという、そこまで一応今、作り込んでいます。
 それに、在院日数を、例えばこのベッド数に抑えるためには在院日数をどのくらいにしなければいけないのかなどのことを今、作り込んできています。また、将来的にはこれをナショナル・データベースから呼び込んだデータでやれるようにということで、いまインターベースの設計をしています。それができれば、多分これをデータブックという形でいまの研究所の成果として出すことになるだろうと思います。それに、高橋先生がいろいろとやられているようなことを少しアイデアを頂いて、総合的なものが作れればいいなと思っています。それは次回、またお示しします。

○尾形座長 ほかに、いかがでしょうか。それでは、私から1つあります。評価に関連してです。資料2で御説明いただいた、これはいい事例ということなのでしょうが、山口や兵庫の事例が出ています。例えば資料2の1ページの兵庫県の保健医療計画だと、これは△と書いてあって、自分で評価しているのかと思いますが、どういう基準でどういう評価をすべきかということは、厚生労働省からは示してはいないのですか。ここは任せているということですか。

○新谷指導課長補佐 はい。そこまでは特段の指定はしていませんで、前回の評価をすることということのみをお示ししています。

○尾形座長 こういう形で評価をしろ、というようなことも特に言っていないと。とにかく評価をしろということで、これが出てきたということですか。その辺も、本当に評価をするのだとしたら、少なくとも、こういうところはこういう視点から評価をしてもらいたいというのは、あったほうがいいのかもしれませんね。

○梶尾指導課長 地域医療再生計画というのを各都道府県がやっていて、それについては、医療計画ではなく地域医療再生計画としての自己評価をしてもらっています。それは、このような評価をしてくださいということを、かなり丁寧に示しています。地域医療再生計画では、このような評価をというのを自己評価でやってもらっている。これは、指標というよりは、公平性はどうだったかとか、効率的だったかというので、指標の個別評価とはちょっと違いますが、こういうやり方をしているという部分は紹介させていただければと思います。医療計画では、こうやってください、というところまではやっていなかったということです。

○尾形座長 最近、独立行政法人などの自己点検評価というと、一応基準があって、進捗状況などをA、B、C、Dで、それぞれの項目ごとに自分で評価して、それを外に出して外部評価を受けるということをやっていますよね。医療計画では、いままでそういうプロセスが余り考えられていなかったのかなという気がします。それでも、やらないよりはもちろんやった方がいいので、こういう△と付けているのは、それはうなずけるのですが。

○新谷指導課長補佐 兵庫県の評価の○×は、目標値を達成しているか、未達成であるかという観点から付けられています。

○尾形座長 未達成だから△と。

○新谷指導課長補佐 はい、そういうことです。

○今村構成員 先ほどの議論の中で出てきた、在宅の指標をどう作るかという問題と、その在宅の実際の医療をどうするかという問題は、今後の医療を考えていく上で一番大きな問題だと思うのです。実際、患者数が増えていって、在宅で受けるしかないという状況の中で、今までの単純に人口構成だけというのと違うところは、独居老人が増えてくるということですよね。独居老人が増えてきた中で、看取りをどうするのかとか、実際に独居の方を退院させたあと、どのように面倒を見るのかということを考えると、今まで以上に手間が掛かる医療が必要になってきて、例えば往診や訪問看護だけを考えても、在宅へ投入しなければいけない医療の量というのは格段に増えていこうとしている。それに対して提供できる状況にあるのかというと、全然そういう状況にはないのです。
 それを実際に計画を作るときに数字に表していくと、計画を作る側は自己矛盾に陥っていくのです。地域医療計画や介護事業計画の基本項目だけをなぞっていくと、計画としてはきれいにできるので、余りその矛盾の部分を掘り返さずに済むというところがある。これは、計画としては非常に出来がいいものにはなるのですが、現実の問題を解決していくことが非常に難しくなっていると思うのです。何年か前に、奈良県が地域医療計画を出すときに、大分ごたごたあって、遅れた時期があるのですが、現実にその問題をどうするのかということと、地域医療計画の中身に書く内容の間にどうしてもギャップが出てきて、そのギャップをどう埋めるのかということが、最大の議論になったのです。そこを表に出していく、それを平場で検討していくということが必要なのではないか。私は、最終的にその指標になるのは在宅の指標だと思うのです。その流れをつくっていくということが、今後は必要なのではないかと思います。

○尾形座長 そうですね。ちょっと頭の整理をすると、計画評価といったときに、計画自体の評価と、実際に計画を実施し、あるいはその結果として出てきた効果を評価するというのと、多分2つあって、ここでは前者の計画自体の評価をやろうとしているのかなという気がします。今回の医療計画の結果はまだ出てきていないので、計画自体を評価するということより、よく「絵に描いた餅」と言いますが、その絵の部分を評価するということなのだろうと思うのです。ただ、それだけやっていると非常にきれいに書かれているけれども、実際には、結果としてはほとんど動かなかったということになりかねない。そこはなかなか難しいところではあるのですが、取りあえずは計画自体を評価するという話をしていると思います。

○梶尾指導課長 在宅医療について言えば、資料4の12ページに、今回の医療計画での在宅医療についての現状把握のための指標としてはこういうものが考えられるのではないかということで、計画の作成指針で示しました。ストラクチャー・プロセス・アウトカム、退院支援の場面、療養支援の場合、急変時の対応等ということで、在宅を担っている医師の数、在宅医療支援病院の数、訪問看護の数、実際の利用者数とか、アウトカムは在宅の死亡者数ですが、こういった指標は定めてください、それで現状なり施策の進捗状況の把握はしてください、ということを言いました。その指標の7、8割ぐらいは各都道府県が定めているというのが、この指標の表です。それで毎年チェックをしていって、在宅の場合は二次医療圏より多分もっと狭い圏域で見ないといけないと思いますが、この地域は少ないとか、多いとかいう話が分かる。この指標で見るとこうだけれども、実際に在宅医療がそこでうまくできているかどうかということを見るために、もっとほかにこんな指標が要るのではないかという議論は、次の話としてあるのかもしれませんが、まずはこういったものを定めて、どういう点を見て施策の進捗状況なりを確認していけばいいのかということかと思っています。

○今村構成員 実際にこれは在宅の指標で、訪問看護ステーションの数、そこでの患者数などを指標として書いてあるわけですね。実際に医療計画を作っていくと、病床数はある意味決まっているわけで、平均在院日数を短くするしかないといったときに、その分、在宅で訪問看護しなければいけないということを前提に医療計画が組まれるわけですね。それに対して、介護保険のほうから来る訪問看護は、訪問看護ステーションが今の現状を維持するとしたら、人口構成が変わったらどれだけ増えていきますか、というような前提で組まれるので、2つを足し合わせると矛盾が出てくるのです。行き場のない人が出てくるという状況があって、計画の中ではきれいに完成するのですが、お互いにそこをカバーし切れていないので、アウト・オブ・リーチの部分が出てきてしまうというところが、今、難しいところだと思うのです。そこの指標まで網羅して作れれば、お互いどちらがその問題を考えるかということが整理がつけられて、今、直面する問題を正面から考えることができるのではないかと思います。

○梶尾指導課長 そこは正に現場での議論の進め方で、いろいろな計画の作り方をどう進めていくかになると思います。訪問看護に関して言うと、先ほど紹介した一体改革の数字では、現在の30万人を50万人にしていきます、それに対応する人材も増やしていきます、という話になってくるのですが、それを具体的に各地域地域でどうしていくかということがないので、そこでは矛盾が生じるという話だと思います。そこも合わせたことを、何でもかんでも地域医療ビジョンに投げてもあれなのですが、そうしたところでの話を持っていかないといけない。それがないとなかなかうまく、計画だけでという話にはならないというのは、おっしゃるとおりだと思います。

○尾形座長 今、在宅の話が出ているので、若干コメントすると、私は、在宅を、前から入っていましたが、5疾病・5事業並みに引き上げるということをやったことで、医療計画はかなり性格が変わったのではないかと思っていて、それはまだ必ずしも十分反映されていないように思います。在宅に関しては、多分この医療計画だけでは完結しない話ですよね。今お話が出ていたように、一方に介護の話があり、それこそ住宅の話がある。そういったところを押さえないと、ここでは指標でアウトカムで在宅死亡者数などが載っていて、実際に都道府県の計画を見てみると、目標値でも在宅看取りを目標値に掲げている所があって、それはそれでいいと思うのですが、ただ、どういうプロセスを経て在宅看取りになるのか、そこが分からないわけですね。その絵は、多分医療だけでは描けない。そういう意味では、ここに出ている指標自体が、やや中途半端ですよね。介護のほうへある程度は踏み込んでいる、つまり、訪問看護ステーションぐらいまでは踏み込んでいるのですが、それこそ在宅の看取りなどという話だと、居住系はどうなのかという話まで念頭に置かないと、多分書けないのではないかと思うのです。ちょっとここだけでは完結していないのではないかという気がする。そういう意味では、次の見直しになるのかどうか分かりませんが、介護のほうとどういう連携をとって、全体像をどう示すのかという辺りが、1つの課題かなと思います。

○高橋構成員 在宅に関して、ここのものが取りあえず標準化されて、多い、少ないというデータが見えるだけで、地域の在宅の状況というのは、数字が正しければかなり見えると思うのです。私も在宅のデータを触ったのですが、例えば診療所の数があっても、本当にアクティブかどうかというのがよく分からなかった。実態と一番乖離しているのは実はこの在宅のデータだという思いが、自分の触った感じでは強いのです。下に件数がなかったのですが、この件数が入ってくれば、それが一番いいのかもしれません。プロセスのほうの患者数や件数が人口当たりという形で標準化されて、都市圏であるかとか、地方とか過疎ということを重ね合わせると、かなりよく見えるようになるのではないかと思います。先ほど尾形先生が言われた老健や特養や住宅系のデータは、別の所から持ってきて付ければいいわけなので、そういうものを合わせて、ある程度地域の特性が見えるようになってくると、今までより格段によく見えるようになるのではないかと思って、この在宅の内容を眺めていたわけなのですが。

○新谷指導課長補佐 御指摘のとおり、在宅医療に掲げてある在宅療養支援診療所は、これは届出の数ですので、機能を反映していない部分もあるというところで、それと合わせて、患者調査から得られる訪問診療を受けた患者数ですとか、医療施設調査から得られる訪問診療を提供している医療機関の数などと合わせて見ていくことが必要だろうと思われますので、そうした評価していくべき指標のようなものについても少し御提案いただけますと、今後の都道府県の進捗状況の評価に資するのではないかと思います。

○松田構成員 在宅は全部でやってしまうとなかなか大変だと思うので、幾つか問題になってくるようなものに焦点を当てて、それで在宅の指標まで作ってみるということでいいのではないかと思います。例えば人口動態の将来推計と傷病構造の推計を組み合わせていくと、肺炎の患者さんというのは大体どこの地域でも60%増し、100%増しになるのですよね。そういう患者さんを今は病院で診ているわけですが、将来的にはこういう患者さんを在宅で診なければいけなくなってくるだろうと。
 そうすると、在宅で肺炎の治療を受けている患者数とか、トータルの中での割合、これは、実はフランスの医療計画の中では、施設などで医療を受けている人たちの割合を在宅医療の指標として使っていたり、プライマリ・ケアを重視しているのですが、プライマリ・ケアだとPDSAだったと思うのですが、これは何かというと、日本でいうと、医師会がやっている休日夜間診療所のようなものなのです。ああいう救急の患者さんの中で一次の患者さんが何パーセントぐらいプライマリ・ケアの中で診られているかという指標などがあるので、取りあえず捕まえやすいものをまず捕まえていって指標化するということはできるのではないかと思います。
 例えばナショナル・データベースを使えば、市町村単位、二次医療圏単位で、例えば脳梗塞で在宅関連の外来の患者さんで在宅関連の診療報酬の請求がされている患者さんの割合というのは分かるわけですので、それをやることによって、その地域の脳梗塞の在宅患者さんの在宅医療の状況とか、取りあえず分かりやすいものから指標化していくということを、今使えるものでやっていけばいいのではないかと思います。在宅透析などいろいろあると思います。ナショナル・データベースを持っているわけですので、そこで使えるデータ、診療報酬で定義されている在宅関連とか連携関連の点数を取りあえず集計してみるという作業を、まずやればいいのではないかと思います。

○今村構成員 指標を作っていくのはなかなか難しいと思うのですが、先ほどの患者数の推計の中で、どうしても入所なり入院なりの対応が必要な人の数をある程度前提に置いて考えていかないと、絶対家で診られない人は出てくるのです。先ほど松田先生から肺炎のお話がありましたが、本当に独居老人が肺炎を家で診られるかといったら、診られないですよ。そうなってきたら、現実に入所でないと対応できない数というのがある程度あって、今、病床数と介護で全体の病床規制が掛かっていますから、あふれ出てくるのは目に見えていると思うのです。それが在宅にいくという前提で議論が進んでいますから、逆に、在宅にそれだけ力を入れない限りは受け切れないという状況があると思うのです。
 今は平均在院日数がずっと短くなってきていましたから、各療養病床や一般病床に空床がありますから、まだしばらくの間は病院である程度受けられるという環境があるのですが、平均在院日数が短くなってくるのが今は大分鈍ってきていますので、この調子で平均在院日数が鈍っていくと、患者数の増加のほうが上回るという状況が起きます。奈良のように高齢化が進んでいる所は、また在宅にどんどん戻っていっていますので、今、実際に一番しんどい部分、入所しなければ対応できない患者数を、医療の面から見た数と、介護の面から見た数で考えることができると、一番の矛盾点が出てくるのではないかと思うのです。

○新谷指導課長補佐 データベースに入れるデータという意味では、今、抽出可能なデータというものを入れていくということから始めますが、そういった将来の推計に関して、どのようにやっていくかというお知恵を頂ければと思います。

○高橋構成員 違った角度から、今、医師会でデータベースを作っていまして、各県の病院関係のデータを整理したのですが、各県のフォーマットがばらばらで、それを一元的に落とすプログラムを作って、それで落とし込むというようなことをやって、全国統一のデータベースを作ったという経緯があるのです。今は各県ばらばらなのですが、これを全国統一のデータベースに落とす方策というのは考えられているのですか。

○新谷指導課長補佐 各県の異なるデータフォーマットというのは、医療機能情報提供制度に関するご指摘ですか。

○高橋構成員 ここの順番なども、出しているけれども、ばらばらだと。それを全国1つのところに落とさないといけないわけなのですが、それをどう集めて整理するのか。

○新谷指導課長補佐 今の時点でデータベースに入れようとしているものは、国の基幹統計などで集計されているものを都道府県単位に集計し直して入れるということを想定しているので、都道府県からデータをもらってというところまでは、まだ検討はしていない状況です。

○高橋構成員 1つやったらいいと思うのは、DPCの様式1のような形で、この項目とこの項目だけは県のものをこういう形で落としてくれというのがあって、各県から、同じ順番で、同じ単位で数字が並んだものを提供してもらって、それを付けると国のデータベースができると。その項目を選び込んで、どういう形にして、それを先ほど言った形で標準化してサマリーを作るという戦略は、かなり有力ではないかと思います。いかがでしょうか。

○新谷指導課長補佐 今年度は取りあえずはデータブックという形で提供させていただきますが、資料中にもありますとおり、将来的にはデータベースの形で蓄積してということを考えていますので、その際に、そういった可能性を検討できたらと思っています。

○今村構成員 今の高橋先生の件ですが、各医療機関、医療施設は静態調査をやられていますから、あれは統計法に基づいて、使い道が目的外使用はなかなかやりにくいという状況があると思うのです。あれを、例えば1枚目は公表資料として、各病院から出してもらったものは全部公表しますということで、2枚目以降は統計法に基づく目的外使用の対象だというような整理をすれば、全部同じフォーマットで、皆さん3年に1回は書いていますので、そういう整理の仕方をして、それを国から提供できると、非常に便利だとは思うのです。壁はあるとは思うのですが、各医療機関も、協力してくれる範囲の数字というのは、病床数などはもともと公表していますし、住所なども本来は公表しているものですから、そういうことは公表しても構わないと思うので、そういう方法もあるかとは思います。

○尾形座長 よろしいでしょうか。そろそろ予定の時間が近づいてきていますので、今日の議論はこの辺までとさせていただきたいと思います。今日はいろいろ御指摘あるいは御提案がありましたので、それも踏まえて次回、用意できる資料は用意していただいて、次回にまた議論を続けていきたいと思います。それでは、次回の検討会の日程等について、事務局からお願いします。

○久保木医師確保等地域医療対策室長補佐 次回は、7月31日(水)を予定しています。よろしくお願いします。

○尾形座長 場所等は、まだ決まっていないのですか。

○久保木医師確保等地域医療対策室長補佐 場所は、追って御連絡します。時間は、14時から16時です。

○尾形座長 次回は7月31日ということですので、よろしくお願いします。それでは、本日のPDCAサイクルを通じた医療計画の実効性の向上のための研究会を終了します。長時間、御審議ありがとうございました。


(了)
<照会先>

医政局指導課 医師確保等地域医療対策室
03-5253-1111(内線2557)

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