ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)> 第242回中央社会保険医療協議会総会議事録(2013年5月29日)




2013年5月29日 第242回中央社会保険医療協議会総会議事録

○日時

平成25年5月29日(水)9:00~11:26


○場所

於 厚生労働省講堂専用15~16会議室(12階)


○出席者

森田朗会長 石津寿惠委員 印南一路委員 関原健夫委員 牛丸聡委員 西村万里子
矢内邦夫委員 白川修二委員 花井圭子委員 花井十伍委員 石山惠司委員
田中伸一委員 伊藤文郎委員
安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員
万代恭嗣委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
丹沢秀樹専門委員 北村善明専門委員 福井トシ子専門委員
<参考人>
保険医療材料専門組織松本純夫委員長
<事務局>
木倉保険局長 宇都宮医療課長 井上医療課企画官
竹林保険医療企画調査室長 近澤薬剤管理官 田口歯科医療管理官 他

○議題

○医療機器の保険適用について
○臨床検査の保険適用について
○在宅医療について(その2)
○社会保障制度改革国民会議の議論について
○平成24年度診療報酬改定結果検証に係る調査(平成24年度調査)について(在宅医療、医療安全等)

○議事

○森田会長
 おはようございます。それでは、おそろいになりましたので、ただいまより第242回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 それでは、委員の出席状況について、御報告いたします。
 本日は、藤原専門委員が御欠席です。
 また、審議官は公務のため欠席いたします。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。
 初めに「○医療機器の保険適用について」を議題といたします。
 本日は、保険医療材料専門組織の松本委員長にお越しいただいておりますので、松本委員長より御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○松本委員長
 それでは、説明いたします。中医協総-1をごらんください。
 1ページ目、2ページ目にありますのが、製品の一覧表です。今回の医療機器の保険適用は、C1が5種類、C2が2種類です。
 3ページ目をごらんください。1つ目の製品は、X3リムフィットカップです。
 5ページ目の製品概要をごらんください。本品は、人工股関節置換術に使用される間接固定型の寛骨臼カップです。ガンマ線照射と融点以下の熱処理を連続して行うことにより、架橋処理された超高分子量ポリエチレン製の本体にライナー機能をあわせ持つものです。
 耐摩耗性が向上し、大きな骨頭と組み合わせることにより、脱臼抵抗性が向上しています。
 価格につきましては、057人工股関節用材料、(1)骨盤側材料丸3カップ・ライナー一体型(II)を類似区分とし、耐摩耗性の向上と脱臼抵抗性の向上を評価して、改良加算5%を加算し、8万7,900円といたしました。
 外国平均価格との比は0.91です。
 2つ目の製品は、6ページ目のExceed ABT E1 セメンテッドカップです。
 8ページ目の製品概要をごらんください。本品は、1つ目の製品と同じく、人工股関節置換術に使用される間接固定型の寛骨臼カップで、ライナー機能をあわせ持つものです。加工処理方法がガンマ線照射とビタミンE浸漬であることは異なりますが、主な有用性も先ほどと同様で、耐摩耗性が向上し、大きな骨頭と組み合わせることにより、脱臼抵抗性が向上しています。
 価格につきましても、先ほど同様、057人工股関節用材料、(1)骨盤側材料丸3カップ・ライナー一体型(II)を類似区分とし、耐摩耗性の向上と脱臼抵抗性の向上を評価して、改良加算5%を加算し、先ほどと同じく8万7,900円といたしました。
 外国平均価格との比は、0.97です。
 3つ目及び4つ目の製品は、9ページ目のエヴィアシリーズ Pro及びエヴィア-Tシリーズ Proです。
 11ページ目の製品概要をごらんください。本品は、特定の条件下で1.5テスラの装置によるMRI検査が可能となるシングルチャンバのペースメーカーです。リードが2本のデュアルチャンバのペースメーカーは、既に保険収載されており、今回はリードが1本のシングルチャンバの製品で申請がありました。
 今回お諮りする2つの製品の違いは、エヴィア-Tシリーズに遠隔モニタリング機能がついていることです。
 価格につきましては、両製品とも112ペースメーカー(1)シングルチャンバを類似区分とし、ダブルチャンバのペースメーカーが改良加算5%と評価されていることにならい、本品も同様の加算とし、78万1,000円といたしました。
 遠隔モニタリング機能の有無で価格が同じなのは、既に保険収載されているダブルチャンバで同じ価格設定となっていることと、遠隔モニタリング機能が医学管理料で評価されているためです。
 外国平均価格との比は、比較対象国で販売されているエヴィア-Tシリーズ Proで1.18です。
 5つ目の製品は、12ページ目の5019型DF4ヘッダ用High Voltage スプリッタキットです。
 14ページ目の製品概要をごらんください。本品は、植え込み型除細動器を使用している患者のうち、除細動閾値が高く、通常の方法で反応しないために追加の除細動電極が必要となった患者に使用し、植え込み型除細動器の摘出や入れかえをしなくても、電圧を分岐することができる製品です。
 価格につきましては、植え込み型除細動器に対して、本品と同様の機能を持つ製品がなかったことから、原価計算方式とし、25万6,000円といたしました。
 外国平均価格との比は、0.97です。
 6つ目の製品は、15ページ目のPEM Flex SoloII PET スキャナーです。
 17ページ目の製品概要をごらんください。本品は、本品単独での検査を行わず、全身PET検査に伴い、患者に投与したポジトロン放射線医薬品の乳房における分布を検出し、画像情報を提供する製品です。
 価格につきましては、特定保険医療材料としては算定せず、新規技術料にて評価することが適当と判断いたしました。
 このため、外国平均価格との比はありません。
 7つ目の製品は、18ページ目の神経再生誘導チューブ ナーブリッジです。
 20ページ目の製品概要をごらんください。本品は、外傷などによる末梢神経の断裂等に導入して、連続性を持たせ、神経再生の誘導と機能再建を目的する製品です。本品自体は、約2~4カ月後に分解・吸収され、体内には残存しません。
 価格につきましては、本品と同様の機能を持つ製品がなかったことから、原価計算方式とし、38万8,000円といたしました。
 外国平均価格との比はありません。
 今回御説明いたします内容は、以上です。
○森田会長
 どうもありがとうございました。
 事務局から補足があれば、お願いいたします。井上企画官、どうぞ。
○井上医療課企画官
 特段補足はございません。
○森田会長
 どうもありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御質問等がございましたら、御発言をお願いいたします。特にございませんか。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 11ページのエヴィアシリーズは、1.5テスラの装置によるMRI検査が可能と書いてあるんですけれども、これは1.5テスラのみ可能なのか、それ以下の装置も可能なのか、教えていただけますか。
○森田会長
 どうぞ。
○松本委員長
 私から答えます。当然、磁場の少ないものでもできると理解をしております。
○森田会長
 鈴木委員、よろしゅうございますか。
○鈴木委員
 はい。
○森田会長
 ほかにいかがですか。
 特に御質問等はないようですので、本件につきましては、中医協として承認するということで、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○森田会長
 ありがとうございました。それでは、ただいま御説明のありました件につきましては、中医協として承認することにしたいと思います。
 松本委員長におかれましては、御説明どうもありがとうございました。
 本件に係る議論は、以上といたします。
 続きまして「○臨床検査の保険適用について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。企画官、どうぞ。
○井上医療課企画官
 資料中医協総-2によりまして、臨床検査の保険適用に関しまして、お諮りをいたします。御承認が得られれば、本年6月より収載予定という製品です。
 1ページ目は、測定項目を記載いたしました。抗トリコスポロン・アサヒ抗体でございます。
 2ページ目、3ページ目をごらんください。測定目的としては、夏型の過敏性肺炎の診断の補助に用いるものでございます。
 既存の類似の検査の点数から、案としては、診療報酬の点数を900点と設定しております。
 以上でございます。
○森田会長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御質問等がございましたら、御発言をお願いいたします。
 ないようでございますので、本件についても、中医協として承認することにしたいと思いますが、よろしゅうございますね。
(「異議なし」と声あり)
○森田会長
 ありがとうございました。それでは、ただいま説明のありました件につきましては、中医協として承認することにいたします。
 続きまして「○在宅医療について(その2)」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。医療課長、どうぞ。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 資料中医協総-3をごらんください。在宅医料(その2)でございます。
 1枚おめくりいただきまして、3ページ目から訪問看護について書いてございます。
 5ページ目ですが、訪問看護についての御説明ということで、こちらに書いてございますように、訪問看護につきましては、介護保険の給付が医療保険の給付に優先することになってございます。訪問看護の利用者ですが、要介護の方は30万人ほど、医療保険の利用者が10万人ぐらいという状況でございます。
 6ページでございますが、今、申しましたように、介護保険が優先でございますけれども、その中で、特掲診療料別表7と書いてございますが、難病の方、がんの方、その他特別訪問看護指示書の交付を受けた方、こういった方については、医療保険から払われるということでございます。
 7ページ目でございますが、訪問看護ステーションの基準等ということで、下線で引いてございますけれども、常勤の看護職員が勤務すべき時間数で除して得た数が2.5以上となる員数、看護職員のうち1名は常勤でなければならないなどの基準がございます。
 8ページは、介護保険のものが参考として示されてございます。
 10ページ目でございますが、訪問看護の利用者数の増加ということで、医療保険、介護保険ともに増加しているということでございます。
 右側のグラフは、どの年齢層も増加していると書いてございますが、特に高齢者で伸びているということがあると思います。
 11ページでございますが、小児0~9歳の利用者数も伸びているということ。
 右側のグラフは、新生物も伸びてございますが、精神、神経系の疾患でも非常に伸びているということでございます。
 12ページでございますが、わかりにくいかもしれないんですが、棒グラフが在宅患者の訪問診療料、折れ線グラフが在宅人工呼吸指導管理料でございまして、それぞれの算定患者数及び算定回数が示されてございます。
 平成22年から23年に急に伸びでございますが、これは回数や人数がそのまま伸びたのかということですが、22年までは診療行為別調査、抽出調査からの推計ということで、23年からナショナルデータベースを用いたものに変わってございますので、はっきりとはわからないんですが、そういった調査の仕方が変わったことも一因かと思われます。
 13ページでございますが、訪問看護を利用しているがんの患者さんということで、がんの患者さんの増加率が高いんですが、ターミナル療養費を算定している患者数は9.4%にとどまっています。
 14ページは、参考までに三大死因等を書いてございます。
 15ページは、訪問看護事業所の推移ということで、訪問看護事業所の利用者数は、増加傾向ということですけれども、訪問看護ステーションが少しずつ増加しているのに対しまして、訪問看護を担当する医療機関は、減少傾向にあるということでございます。
 16ページは、訪問看護ステーションの規模別状況ですが、5人未満の小さい事業所が非常に多いという現状がございますが、こういった小さいステーションの場合、24時間対応の届出の割合が低いということがございます。
 17ページは、今のまとめとして、2点ほど書いてございます。
 18ページは、課題等でございます。
 19ページは、訪問看護に求めることとして、24時間対応、症状が重くなっても対応してくれる、頻回な訪問でも対応してもらえる、こういったことが求めることとして多いということでございます。
 20ページからは、24年改定の概要でございます。
 21ページは、訪問看護の看護補助者の同行訪問についても、評価を行ったということです。
 22ページは、月13回以上の訪問看護を行っている場合にも、算定可能にしたということ、訪問看護を週4日以上提供できるようになったということです。
 23ページは、急性期後の患者の受け入れに対する評価として、対象患者の追加、回数制限の緩和、訪問時間の見直し等を行ったということでございます。
 24ページから、検証調査の結果概要(速報)でございます。
 25ページは、訪問看護ステーションの規模の変化です。先ほど小規模と申し上げましたが、ほんのわずかですけれども、規模の大きいところが増加しているということです。
 26ページは、職員数及び職種の変化として、看護師だけではなくて、補助者、事務職員等を加えますと、そういった方も微増しているということです。
 27ページは、訪問看護ステーションの規模が小さいほうが、24時間対応の加算を届け出る割合が少ないということです。
 28ページは、規模が小さいほど、看護職員1人当たりのみとり数が少ない傾向にあるということがわかっております。
 29ページは、小さいほど、看護職員1人当たりの緊急訪問の回数が少ない傾向にあるということです。
 30ページは、規模が小さいほど、看護職員1人当たりの特別訪問看護指示書の発行数が少なくて、軽度の利用者が多い傾向にあることなどが示されてございます。
 31ページは、規模が小さいほど、複数ステーションからの訪問看護を利用している患者さんが多いということでございます。
 こういったデータ等をお示ししましたが、32ページに課題をまとめてございます。
 論点としまして、24年度診療報酬改定の効果は見られていますけれども、今後、ステーションの規模や機能の評価について、どのように考えるかということでございます。
○田口歯科医療管理官
 歯科医療管理官でございます。
 続きまして、在宅歯科医療につきまして、御説明をさせていただきます。
 34ページに写真をつけさせていただいておりますが、在宅歯科医療は、こういった形で実際には実施をされているところでございます。
 はじめに、高齢者並びに要介護者の口腔内の状況について、少し御説明をさせていただきます。
 36ページ目でございます。上の図、高齢者における現在歯数は、各年齢層で調査ごとに増加をしてきており、また下のグラフになりますが、80歳で20本以上自分の歯を有する者の割合も、着実に増加をしてきている状況になっております。
 37ページ目は、健常高齢者と比較をしまして、要介護高齢者の平均残存歯数は少ないと報告された研究結果を示しております。具体的には、上の表に書いてございますが、要介護4と5の高齢者である要介護者群と健常者群との平均残存歯数を見ますと、3.7本、9.1本で有意差が認められております。
 38ページは、要介護者への3年間の口腔機能の管理が、義歯の装着に与える影響を示したものでございます。歯科継続的な医師が施設を訪問し、入れ歯の調整あるいは製作等の歯科医療の介入を含めた3年間の継続的な口腔機能管理を行った施設では、非介入施設よりも有意に義歯が継続的に使用されていたことを示したものでございます。
 39ページ目でございますが、これは実際に歯科訪問診療で行われている診療内容につきまして、平成24年度の検証調査において、調査をした結果でございますが、先ほどの継続的な管理の効果でも示されましたように、義歯の調整あるいは製作、口腔機能の管理が主体であることが示されております。
 40ページ目でございます。これは要介護者に対する口腔ケアの効果を示したものでございます。口腔ケアを行った群では、期間中の発熱発生率、あるいは2年間の誤嚥性肺炎の発症率に統計学的に有意な差が認められたことを示したものでございます。
 こうした要介護高齢者の方々の口腔の状況、あるいは継続的な口腔機能管理等の結果を踏まえ、在宅歯科におきましては、これまで診療報酬上さまざまな評価を行ったところでございます。
 42ページ目をごらんいただきたいと思います。現在、在宅歯科医療に係ります診療報酬上の取り扱いを図として整理したものでございます。
 右上の表にありますとおり、平成22年度の改定におきまして、歯科訪問診療料は、訪問先の種別によらず、診療時間が20分以上か未満か、それと同一建物において、診療を行う患者さんが1人かあるいは複数かによる算定という形で整理をさせていただいているところでございます。
 43ページでございます。こういった中で、24年度の診療報酬改定におきましては、在宅歯科医療の評価を重点課題としまして、ここに掲げられている評価を行ってきたところでございます。
 44ページ目、あるいは45ページ目につきましては、参考資料といたしまして、医政局で実際に事業として行われております、在宅歯科医療推進の基盤整備事業を示させていただきました。
 例えば平成20年度からは、在宅歯科医療を担う歯科医師等に対する講習会、あるいは歯科用ポータブル機械の補助制度などを実施しているところでございます。
 このような中での在宅歯科医療の現状でございますが、まず47ページ目にあります在宅療養支援歯科診療所は、平成20年の改定で、在宅療養を歯科医療面から支援するために、在宅歯科医療のニーズにきめ細かく対応することが可能な歯科診療所を位置づけたものでございます。
 具体的には、点線の囲みであります5項目を施設基準としており、現在、全国の歯科の診療所の約7%、5,000弱の施設の届出がなされているところでございます。
 48ページ目は、在宅療養支援歯科診療所の都道府県別の届出状況を示したもので、これを見ていただくと、おわかりかと思いますが、かなり地域差が見られる状況になっております。
 49ページ目の上のグラフは、医療施設調査からのデータでございます。ひし形でプロットされているグラフが、居宅への訪問を実施している歯科診療所の割合、四角でプロットされているグラフが、施設への訪問歯科診療を実施している歯科診療所の割合でございます。
 居宅への訪問は減少傾向であったものが、近年、増加傾向に転じまして、平成23年時点で、施設・居宅を訪問して実施している歯科診療所は、増加しているものの、施設を訪問して、歯科診療を実施している歯科診療所が13%、居宅が14%という形になっております。
 下のグラフは、1診療所当たりの1カ月当たりの訪問歯科診療の実施件数でございますが、施設での実施件数が著しい増加という形になっております。
 50ページ目のグラフは、24年度の検証結果で、同じように、1医療機関当たりの歯科訪問診療の月平均の算定患者の延べ人数を調べたものでございます。
 一番下のグラフ、歯科訪問診療料2の増加が著しい形になってございます。
 51ページ目になりますが、訪問歯科診療の必要数、供給量につきまして、医療課で独自に推計をしたものでございます。折れ線のグラフが実際の必要量、棒グラフが供給量をお示ししているところでございます。
 例えば左のグラフになりますが、全国の要介護者3~5の方々の74.2%とございます。74.2%といいますのは、出典のところに書いてございます厚生労働科学研究で、要介護者の方々が歯科治療を必要とされた割合が74.2%でしたので、それを用いさせていただきましたが、そういった方々が、毎月歯科診療を受診すると仮定した場合のグラフでございます。居宅の場合には、約75万人の方が歯科治療を必要とされますが、実際に23年の調査から見ると、7.8万人にしか提供されていないという形になってございます。
 52ページ目は、在宅歯科医療における医療機関での連携に係る診療報酬上の対応例を示したものでございます。1~5の大きな項目を診療報酬上評価させていただいてございますが、22年あるいは23年度の算定件数を社会医療診療行為別調査から調べましたところ、いずれも算定がないか、あるいは非常に少ないという結果でございました。
 53ページ目は、算定が少なかった理由を、23年度の検証調査で調査をした結果を示したものでございます。いずれの項目も算定できなかった理由としては、該当するケースがないというのが一番の理由でございましたが、具体的には、医療機関同士の連携の困難さを理由として挙げてございます。
 続きまして、在宅歯科医療の現状と課題につきまして、24年度の検証結果を交えながら御説明させていただきます。
 54ページ目、55ページ目のグラフでございますが、これは医療機関が歯科訪問診療を実施するきっかけを、医療機関側と患者にお聞きした結果でございます。両方のグラフとも、寝たきりになる前から通院していた医療機関に対して、受診をするというのが、非常に多かったという結果でございます。
 57ページでございますが、歯科訪問診療の課題につきまして、実際に歯科訪問診療を行っている医療機関、行っていない医療機関についてお聞きをした調査の結果でございます。
 左のグラフが、実際に訪問診療を行っている医療機関の結果でございますけれども、この医療機関では、装置あるいは器具購入にコストがかかること、歯科訪問診療を行う時間の確保が難しいという課題を挙げていただいております。
 また、未実施の医療機関におきましては、歯科訪問診療自体の要請がないという回答が非常に多い現状でございました。
 いずれにしましても、共通の課題としましては、装置・器具購入にコストがかかるでありますとか、あるいは訪問歯科診療を行う時間の確保が難しいといったところを挙げていただいているところでございます。
 最後のスライドになりますが、課題としましては、これまで述べたことを書かせていただいてございますが、それを踏まえた上で、論点といたしましては、居宅に対する歯科訪問診療を推進するために、在宅療養支援歯科診療所を含めた歯科医療機関の歯科訪問診療の提供のあり方、あるいは歯科訪問診療をやっていない医療機関の参画について、どのように考えるかということ。
 在宅歯科医療の裾野を広げるために、地域における医療連携等を促すための方策をどのように考えるかということを、挙げさせていただいたところでございます。
 私からは以上でございます。
○近澤薬剤管理官
 続きまして、薬局における在宅業務の説明をさせていただきます。
 薬剤管理官でございます。
 薬局の在宅業務ですが、通院が困難な患者さんに対して、医師の指示に従って業務を行うものでございます。こちらも介護優先という形になっております。
 61ページ以降、在宅薬剤管理指導業務の変遷とありますが、平成6年10月に在宅患者訪問薬剤管理指導料というものが設定されております。こちらが在宅業務の柱です。
 63ページになりますが、平成20年度改定以降、緊急時の対応ということで、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料というものが設定されております。
 24年度改定では、在宅患者調剤加算ということで、在宅患者の処方箋に基づく調剤に関して、15点の加算をつけております。こちらのほうは、緊急時等の体制整備、医療機関等に対する在宅業務実施体制の周知、医療材料、衛生材料の供給体制を整備するという要件を付しております。
 64ページ以降は、在宅業務における薬剤師の関与でございます。
 65ページになりますが、こちらのほうは、医政局のチーム医療の推進に関する検討会の報告書でございますが、その中で、在宅医療を初めとする地域医療においても、薬剤師が十分に活用されておらず、看護師等が居宅患者の薬剤管理を担っている場面も少なくないという指摘を受けております。
 66ページは、ちょっと古い平成19年度の研究費による事業の調査の結果でございます。在宅に入る前に関しましては、左側の図にありますけれども、薬剤の保管状況ですとか、飲み忘れ、服用薬剤の理解不足という問題がございましたが、右側を見ていただきますと、薬剤の保管状況、飲み忘れ、理解不足というのは、改善されている結果が出ております。
 67ページ、68ページにいっていただきたいんですが、こちらは非常に客体が少なくて、対象の薬局が90薬局、患者数が110という、ごくごく限られたパイロット的な研究の報告書でございます。訪問薬剤管理指導を行う前に関しては、薬の服薬を忘れることがしばしばある、いつもあるというものが、在宅業務によって改善するという結果が出ております。
 68ページですけれども、実際には、在宅に入る前に副作用が出ている。その後、医師と協議したり、連絡することによって、減量、あるいは用法変更、薬の変更ということも実施されているということでございます。
 69ページ以降ですが、24年度改定で、薬局での在宅業務に関して、どのようなことを行ったかということの説明をさせていただきます。
 70ページですが、在宅業務を行う際の課題ということで、実際に薬剤師が少ない場合に応需できない、あるいは夜間とか休日に対応できない、無菌設備がないため対応できないということが、現場から挙げられておりました。
 71ページ、72ページにございますとおり、24年度改定においては、サポート薬局という仕組みを導入しまして、小規模薬局でも連携することによって、在宅業務ができるという仕組みを導入しております。
 73ページ、74ページになりますけれども、無菌調剤ということで、がん患者さんを中心に無菌調剤を必要とする患者が多く存在するということで、73ページは無菌調剤の写真でございます。
 74ページになりますけれども、現実には、こちらにあります標準キャビネット、安全キャビネットというもので、抗がん剤の調製に適するもの、卓上型のクリーンベンチという小型のものができているということで、従来の施設要件を見直すべきではないかということになりました。
 75ページになりますが、施設要件のうち、専用の部屋を有していることということで、もともとはクリーンルームを要することとなっていたんですけれども、こちらのほうを改正しております。
 あわせまして、76ページ、77ページですけれども、在宅では患家との距離がよくない。適正な在宅の指導ができないので、16キロメートルを超える場合にあっては、特殊な事情がある場合を除き、算定できないということを導入しております。
 78ページ以降は、医療関係者との連携でございます。
 79ページになりますが、左側の表にありますけれども、保険薬局数は5万強ございます。そのうち、在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨の届出を行っている薬局数は4万強、およそ8割は在宅をやりますという届出をしております。
 右側の円グラフにありますけれども、8割ぐらいは、指示があれば応需可能であるということになっております。
 80ページになりますけれども、医療材料・衛生材料の供給について、現場の薬局では60%ぐらいは供給できるような体制をしています。
 80ページの下になりますが、地域において、供給への要望がないため、供給していないという実態がございました。
 24年改定ですが、81ページになります。先ほど説明いたしました、在宅患者調剤加算という施設要件の中で、地方公共団体、医療機関及び福祉関係者等に対する薬局が在宅業務をやっていますということを周知するような手だて、医療材料及び衛生材料を供給できる体制を整えるという施設要件を付しております。
 現状と課題でございます。83ページ、84ページをごらんください。先ほどお話しましたように、薬局で在宅業務の届出をしているのは、大体4万強です。これは83ページの下から2つ目のカラムになります。
 1つ上になりますが、実際に在宅業務をやっているのは4,000ちょっとということで、1割ぐらいしか在宅業務をやっていないという状況です。しかも、50回未満が7割ぐらいあることになっているので、回数的にも少ない。これは20年度から24年度を見ても、傾向は余り変わっていない状況です。これは薬局での在宅患者訪問薬剤管理指導の状況です。
 条件を変えまして、84ページになりますけれども、先ほど無菌調剤の話がありましたが、無菌調剤の処理ができる薬局数でございますが、20年度128薬局が、24年度には231薬局ということで、倍近く伸びているということで、ニーズに応じてふえてはいる。そういう薬局では、8割以上が在宅の業務を行っている。
 それから、83ページと84ページを見比べていただくと、実際に行っている回数が、84ページでは50回、100回、200回を超えるようなケースもいっぱいある。しかも、20年度から24年度を比べると、回数が多くなっているということがわかってまいりました。
 85ページ、86ページになりますが、在宅でのチーム医療の推進ということで、今後の課題を実態調査するということです。
 85ページにありますけれども、24年度改定の検証に近いような調査、サポート薬局との連携状況、無菌調剤に係る薬局の負担軽減の効果を調べます。
 86ページにありますけれども、医療材料や衛生材料の供給体制の整備がどうなっているか、うまくいっているのかどうかということで、今後の調査で、在宅業務を実施しやすい環境づくり、医師の指示の出やすさ、あるいは歯科診療所、看護ステーションなどとの連携がどのようにいったらうまくいくのかということを調べて、いろいろと検討していきたと思っております。
 以上でございます。
○森田会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明のありましたことにつきまして、御質問、御発言いただきたいと思いますけれども、非常に盛りだくさんでございますので、最初に訪問看護という形で、少し分けて御議論いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 訪問看護でございますが、32ページの論点のところを見ますと、規模を拡大したい、看護職員が5人以上のところを評価したいということですが、16ページの下を見ますと、1事業所当たりの看護職員数となっております。さらにグラフの下には、訪問看護の人員基準の算定対象となる職員のみと書いてあるのですが、これは常勤換算の人数なのかどうかを教えていただきたい。看護職員数というのは、どういう数字なのかということを教えていただきたいということが、1つございます。まずそれについて、教えていただけますでしょうか。
○森田会長
 お答えください。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 おっしゃるとおり、これは常勤換算でございます。
○鈴木委員
 そうしますと、重要なのは、常勤職員数だと思います。常勤職員数というデータはあるのでしょうか。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 常勤職員数というデータはございません。
○鈴木委員
 実際、私のところにも訪問看護ステーションがありますけれども、常勤の方が夜間の対応などを一生懸命やってくれるのに対して、非常勤のパートの方が幾ら多くいても、好きな曜日の好きな時間帯だけをやるという方ばかりですと、実際には、24時間対応にならない場合もあります。例えば規模が大きいところを評価するとなると、常勤の方が少なくて、非常勤のパートの方がたくさんいるところも、高く評価されることになりかねないので、少数でも常勤の方が頑張って24時間対応をしていれば同じだと思うし、地域性もあると思いますので、常勤数への配慮が必要だと思うのですけれども、それについては、どうお考えでしょうか。
○森田会長
 事務局、お答えください。
○宇都宮医療課長
 もちろん先生のおっしゃるとおりで、常勤が主体になるとは思うんですが、片や家庭に入られている方が、活用できる時間だけやるとか、看護資源の活用という観点もあるので、その辺については、今後いろいろな状況を見ながら、御議論いただくことだと思います。
○鈴木委員
 常勤職員数も考慮に入れないと、もちろんパートの方もたくさんいていいのですけれども、常勤換算をすると数だけは多く見えるけれども、実は少数の常勤職員で頑張っているというところがあるようですので、それはきちっと対応していただきたいと思います。
 それと、地方では、通常の看護師でさえ集まらないのに、訪問看護ステーションの看護師はさらに集まらない状況があり、大規模化しても、地方ではエリアがどんどん広くなってしまって、結局1カ所では回り切れないということもありますから、地域性もあると思います。そういったところでは、実際には複数の訪問看護ステーションがグループを組んで、カバーしているところもありますので、そういった現実的な対応への評価も必要だと思いますので、御検討いただければと思います。
 以上です。
○森田会長
 ありがとうございます。
 西澤委員、どうぞ。
○西澤委員
 今回のデータの説明をお願いしたいんですが、先ほどの12枚目のパワーポイントのところで、23ページからはナショナルデータベースだということで、22年度と違うという話だったんですが、その辺りの説明をもうちょっと詳しくお願いできますか。
○森田会長
 事務局、どうぞ。
○宇都宮医療課長
 今のお話ですが、22年までは社会医療診療行為別調査でございますので、抽出調査でした。抽出したものをもとに、全数を推計するというやり方をしてございます。
 それに対しまして、ナショナルデータベースについては、全数調査ということでございますので、そういった影響もあるということで、実際にどの程度の影響かというところまでは、まだ検証してございません。
○西澤委員
 わかりました。非常に重要なことだと思います。そうであれば、ここにきちっと書いていただかないと、恐らく同じような調査方法でこうだとみんな読んでしまうんです。今、言ったようなことを一言書いていただくことによって、その影響があるんだと我々は思う。今後こういうデータをもとにして議論する上で大事なので、そういうことは必ずお願いしたいと思います。
 さらに13枚目も恐らくそういうことだと思いますので、そういうことであれば、注釈シートをつけていただければという要望でございます。
 もう一点でございますが、資料を見ていて、32ページの論点なんですが「平成24年度診療報酬改定の効果がみられているが」と書いているんですが、パワーポイントのデータで、どこのところを読めば、その効果が見られているかよくわからないので、説明をお願いいたします。
○森田会長
 事務局お願いいたします。どうぞ。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 全て出ているというわけではないんですが、例えば25ページです。25ページ以降は、結果の速報が出ていますけれども、25ページであれば、やや大規模化が進んでいるという、その辺のところなどを指してございます。
○森田会長
 西澤委員、どうぞ。
○西澤委員
 大規模化が進んでいるのが、即24年度診療報酬改定の効果というのは、余りにも飛躍していると思います。この表現は違うのではないかと思います。しかも、訪問看護ステーションというのは、先ほど課長が説明したように、介護保険が優先です。そうであれば、規模が大きいのは、介護報酬の改定も当然絡んでいると思います。そういうことでは、この言い切りは問題なので、論点は変えたほうがよろしいのではないかと思います。
 もちろん私たちが現場にいて、24年度の診療報酬改定、介護報酬改定は、かなり訪問看護について、やりやすくしていただいたという気持ちを持っておりますので、効果はあったんだろうとは思っていますが、こういうところで論点を出す場合には、しっかりしたデータをもとにして議論すべきだと思います。推計にすぎないもので、効果が見られたと断言するのは、余りにも行き過ぎだと思いますので、この辺りは変えていただければと思っております。
 以上です。
○森田会長
 事務局、何かございますか。
○宇都宮医療課長
 先ほど25ページを言いましたが、どちらかというと、26ページで、事務職員とか看護補助者については、看護補助者の加算などをつけているということで、もうちょっと根拠があると思います。だた、西澤委員がおっしゃるように、確かに同時改定でしたので、介護保険の影響もあると思いますので、その辺のところは、もうちょっと慎重に考えたいと思います。
○森田会長
 ほかにございますか。伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員
 私も32ページの訪問看護ステーションの規模や機能の評価について、機能の評価は当然すべきですが、規模の評価というのは、いかがなものかと思っております。
 以前、データに出てまいりましたが、訪問看護の業務の中で一番時間がかかっておりますのは、移動時間であります。できるならば、小規模で頻回に行わなければならないという、まさにこれから在宅の中心になっていくのが訪問看護だとすれば、できるだけ小さな事業所でもすぐに対応できる体制を整えていく。例えば1つの事業所であるんだけれども、地域に分散して3カ所にそれぞれ3人ずつ職員を配置し、それぞれが対応していく。訪問看護の事業者の中心になっていくのは、自治体であるのか、医師会であるのかはわかりませんけれども、事業所の規模としては、確かに3人、5人という規模になるのかもしれません。1人ではないのかもれませんが、できるだけ移動時間を短くしていく、そういう機能を評価していく形にしないと、これからは多分うまく行き渡らないのではないか。当然、今、通信技術が発達をしてきましたので、こういうことは十分に可能ではないかと思っています。
 以前のように、1カ所に集中して、そこに看護師さんが集まって、そこから派遣をされていくという形ではなくて、これは患者さんのところへ行くことを前提とした組織でありますから、最初から患者さんの近くに点在をしていただいて、集積は違う形でしていく。これからはこういう方法をとっていくというのが、1つの大きな方法ではないかと思っていますし、またそういうことをやっていく事業所、そういうことをやっていくところを評価するのが、1つの方法ではないかと思っております。
 以上です。
○森田会長
 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員
 私も今の伊藤委員の意見に賛成でありまして、小規模というのは、それなりに現場での理由があるんだと思います。大規模だから、ある制度でそこにお金を投じるというよりは、今ある小規模の機能をしっかりと評価した上で、ネットワーク化、連携、ネットワークをつくるということに診療報酬を当てれば、今の訪問看護はより充実するのではないかと思います。もちろん、将来的には大規模化、徐々にそのネットワークがインテグレートされて、統合されて、自然に大規模化してくるんだと思います。
 ですから、ここでの具体的な提案としては、今の小規模でも1日1回ではなくて、機能が違うところから、訪問看護を受けることができるようにしていただきたい。今、認められていないんですけれども、そういうことが認められるような診療報酬の体系にすれば、現場はより一層生き生きとした訪問看護ができるようになると思います。5年、10年後はこうだと思いますけれども、それではクラッシュしてしまうで、ソフトランディングさせるためには、現在ある小規模をネットワーク化していただきたい。
 小規模は理由があるんです。小規模のところをネットワーク化して、そこにお金をつける。それから、1日に2カ所ぐらい、機能が違う訪問看護ステーションを受けることができるという制度にしたほうが、より具体性があって、実現性があると思うんですが、課長、御意見どうですか。
○森田会長
 それでは、課長、お願いします。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 今の御指摘はごもっともでございまして、確かに小規模なところは理由がございますし、そのネットワークを進めるというのは、まさにそのとおりだと思います。ただ、大規模化というのは、単に規模を大きくして、そこだけのステーションから遠くまで行けということではなくて、例えばコアとなる事業所を持って、そのサテライトとして、田舎のほうに持っているとか、そういうものも含んで大規模化と申し上げています。
 小規模のステーションの場合、何が問題かというと、管理業務に時間がとられてしまって、訪問看護に行く時間が少ないということで、きょうはそのデータをお示ししていないんですが、そのようなデータもございますので、いかに管理業務を少なくして、1人当たりの負担を少なくして、訪問看護に行っていただくかという観点だと思います。もちろんネットワークも非常に重要なことだと思いますけれども、今、申し上げたようなサテライトとか、そういうことも含めて、大規模化というのは、推進すべきだということでございます。
○森田会長
 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員
 日本の明治時代の人間を扱う福祉とか、そういうものは、何となくほかの業務と同じように考えがちなんです。それでサテライトとか、集中ということになるんですけれども、実際は人間が人間を見ているということなので、そんなふうにはいかないのではないかと思います。私の手術も患者さんは1人ずつ全部違いますからね。
 31ページのスライドを見れば、現場のことが書いてあります。これは、今、課長にも言っていただいたので、いいんですけれども、31ページのスライドにありますように、ステーションの規模が小さいほど、複数ステーションからの訪問看護を利用している患者が多いというデータが現場ですから、ここに光を当てて、そこで診療報酬をやるほうが具体的だし、実効性があると考えます。そのことについては、どうでしょうか。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 決して私は否定しているわけではなくて、そういうものも認める。ただ、その方向性として、より小規模なところがふえるような方向ではなくて、できるだけ管理的なコストは減らして、訪問看護を充実していただくという方向性を考えることも必要だということで、申し上げさせていただきました。
○嘉山委員
 今回のレジュメはかなりよくできていると思うんですけれども、ただ、現場の声、現実に訪問看護をやっている方々の声をもうちょっと聞く必要があるのではないかと思います。
 あと、規模にしても、果たして、どのぐらいの規模が訪問看護ステーションとしていいのかということも、まだないところで、ただ単にサテライトという概念だけを持ってきても、医療とかこういうものは現場ですから、その辺のことも一度モデルケース、あるいは現場の人の声を聞いて、研究でもして、サテライトをつくるんだったら、どのぐらいの規模でということを考えていただきたいと思います。
 規模というのは、どういうことかというと、どういう機能が必要かということなんです。要するに訪問看護をするときに、どういう機能を持っている人が必要かということで、大体規模が決まってくると思います。それらをつくることは可能なので、これは医政局マターだと思いますけれども、医政局でも同時にやっていかないと、診療報酬だけでは片づけられない問題だと思うので、よろしくお願いします。
 課長、その辺をどうお考えですか。
○森田会長
 課長、何かございますか。
○宇都宮医療課長
 もちろん医政局とも連携してやっていきたいと思います。ありがとうございます。
○森田会長
 何人かの方の手が挙がっていらっしゃいますので、西澤委員、福井専門委員、矢内委員の順でお願いします。
○西澤委員
 1つは、大規模というんですけれども、医療課のイメージしている大規模というのは、大体何人ぐらい以上のことをイメージしているんでしょうか。
○森田会長
 医療課長、どうぞ。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 今、特に何人以上ということではなくて、きょうお示ししたデータを見ると、規模が大きいほうが、効率的に訪問看護ができる、中身も充実してできるようなので、今よりはできるだけ規模を大きくしていこうということでございます。
○森田会長
 どうぞ。
○西澤委員
 わかりました。
 今、いろんな意見がありましたけれども、規模が大きければ大きいほどいいとは限らないと思います。大きくなり過ぎると、例えば何十人の訪問看護ステーションになると、イメージが湧かないんです。シェアも大きくて、逆にうまく管理できない。やはり適正規模はどれぐらいかという話もしておかないと、ただ規模が大きい、小さいだけではないと思います。
 私としては、今、特に24時間のきちっとした体制等は絶対に必要だと思います。それをするためには、現場ではやはり5人以上いないとできないと思います。そうだとしたら、ここでは、何となく5人以上は規模が大きいと見えるんですけれども、適正規模としては5人は必要ではないかという考えもあります。数十人いるとなったら、これは問題なので、そうだとすれば、大規模であればいいということにもならない。その辺りの議論は、もうちょっとしてほしいと思います。
 私の考えとしては、もしここで規模が大きいのが5人以上だとすれば、ある程度適正規模として、それぐらい必要ではないかという考えを持っております。
 以上です。
○森田会長
 福井専門委員、どうぞ。
○福井専門委員
 大規模化するかどうかということについてですが、今、訪問看護ステーションは6,000カ所ぐらいで、なかなか増えてないんですけれども、訪問看護ステーションに看護師を雇ったときに、教育を担当する人がいないという現状があります。教育担当者を置くことが重要なのですが、そのためには、今の3人、4人の規模だと、どうしても通常業務に加えて教育体制まで回し切れないという状況があります。
 それから、大規模な訪問看護ステーションに機能を持たせる場合、例えば利用者さんのニーズとして、資料の19ページにあるような、24時間対応してくれる、病状が重くなっても対応してくれる、頻回な訪問でも対応してもらえることなどに対応できることと、なおかつ訪問看護ステーションで働く看護職の労働環境も考えると、5人以上は必要になるのではないかと思います。
大規模をどの程度にするのかという定義は検討が必要ですが、小規模で、小回りのきく機能を果たしている訪問看護ステーションと、事業所のすみ分けというか、役割分担を明確にしていくことが必要ではないかと考えます。
○森田会長
 特に回答はよろしいですね。御意見ということですね。
○福井専門委員
 はい。
○森田会長
 矢内委員、どうぞ。
○矢内委員
 今まで各委員の皆様から出てきた意見と重なるところもありますが、訪問看護は、医療機関から在宅への円滑な移行、あるいは医療と介護の連携を進めるうえで非常に重要な役割が期待されるということで、平成24年度の改定でも、在宅医療と並んで重要な位置づけをされていたということでございます。今後もこのニーズは拡大するだろうというところを見据えますと、今日の色々なデータ等を拝見させていただきますと、患者さん等々のニーズに応え切れていないという意味で、不十分ではないかという印象を持っております。
 そのような中で、32ページにあります課題や論点ですが、その方向性としては、私も理解いたします。そして、こういう方向だと思うのですが、訪問ステーションの規模の拡大を図って、規模が大きいところを評価するということだけでは、先ほどから意見が出ていましたように、問題は解決していかないのではないかと思っております。小規模の事業所が多数を占めているという現状を直視し、小規模の事業所であっても、複数事業所が連携して、例えば一定規模以上の事業所と同等の訪問看護の機能を果たせるということであるならば、連携していることについての評価をするとか、あるいは小規模事業所の体制をもう少し強化するという仕組みを考えるとか、そういった工夫がなされるべきではないかと思います。そういう意味では、小規模事業所という実態をもう少し踏まえた、現実的な対応が望まれると思います。
 それから、これは中医協の問題として議論することではないかもしれませんが、在宅医療のニーズがこれだけ多様化していきますと、訪問看護師の絶対量が足らないのではないか。これを増やしていくこと、また訪問看護師を育てていくキャリアパスというんでしょうか、幾つかの経験を踏んで訪問看護師になっていただくという育成の仕組みとか、そういったことをあわせて考えていくという論点も考えていただいた方がいいのではないかと思います。
○森田会長
 御意見として承っておきます。
 ほかにいかがでしょうか。安達委員、どうぞ。
○安達委員
 この議論が出てきたときに、どうして今さらこの議論をしているんだろうというのが、最初の正直な印象です。つまり介護保険が発足したときに、訪問看護というのは、ずっと医療保険の分野だという扱いできて、4月から新たに介護保険が発足をする、年度変わりの2週間足らずの期間で、突然介護保険のほうに訪問看護を入れる。これは通知1本なんです。その当時、私は中医協には関与しておりませんけれども、地元の医師会にいて、およそ看護が必要な状態というのは、医療だろう、正直そう思っていたんです。だから、今、病院の訪問看護センター、介護保険の訪問看護センターが減っているというのは、その扱いの結果として、じわじわと病院のほうが減っているということだと思います。だから、大規模化という提案は、人数はともかくとして、今、1号側の矢内委員が御指摘になったように、そもそも訪問看護に従事する看護師さんが足りない状態なんだろうと思います。
 それは福井専門委員も言及されて、教育が要るとおっしゃっている。ですけれども、看護師さんのキャリアパスの中で、訪問看護というものが、介護保険の対応であるか、医療保険の対応であるかによって、違うのかどうか。これは日看協としてはどういうふうにお考えになっているのか。日看協として、訪問看護というものを看護業務の1つの重要な分野として、全体として取り組もうという姿勢であることは、前にもお伺いしました。ですけれども、それが介護保険の扱いになっているために、医療でないかのような形になって、看護師さんのキャリアパスの上に、大きなある種の影響を与えるのかどうかという印象があるので、それは福井専門委員に御意見を伺いたいと思います。
 事務局の方には、過去の話で申しわけないですが、そもそも改定の2週間足らずの間で、通知1本で医療保険から介護保険へ訪問看護を移すという、こんな大きなことをやってしまった、そのときの経緯というのは何でしたか。本当はこの辺から議論を根本的にやらないと、この問題は解決しないかもしれないという印象なんですけれども、わかる範囲で結構ですので、その辺の経緯も教えてください。
 以上でございます。
○森田会長
 福井専門委員、どうぞ。
○福井専門委員
 2025年では、在宅で訪問看護を必要とする人たちが51万人だと言われています。訪問看護ステーションに看護職がキャリアパスの一環として流れるような仕組みというのは、現在は足りていないと考えています。
 看護教育の中に、在宅での看護が入り始めたのは、ここ10数年ぐらいです。そういった状況の中にありながら、2025年を見据えていけば、高齢者が非常にふえていく、医療依存度が高くても、在宅で暮らしとともに療養していかなければならない状況にあります。これを支えるのは、介護ではなくて、看護だと思っています。看護が支えていくためには、看護職の質を上げていかなければいけないという状況にあると思います。
 訪問看護ステーションに、新卒の看護師を入れることができるかというトライアルを、今、始めているところですけれども、それは厳しい状況にあります。一方、ベテランの看護師をキャリアパスの一環上に乗せていくとなれば、今度は経済的な問題があります。病院で働いているような給与が、訪問看護師では得られないという実態があります。その堂々めぐりが、訪問看護ステーションの人をふやしていかないという実態になっているんだろうと思います。そのためにも、大規模化していって、経営基盤を盤石にしていくことが、1つの策になるのではないかと考えています。
○森田会長
 今のお答えでよろしいですか。
○安達委員
 どうもありがとうございます。
○森田会長
 事務局、お願いします。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 当時の詳細な経緯というのは、存じ上げていないんですが、介護保険法が平成9年12月17日に制定されまして、その後、介護報酬の主な論点と基本的な考え方について、中医協ではなくて、医療保険福祉審議会の介護給付費部会で中間取りまとめなどが行われて、それに基づいて議論されてきたようでございます。
 平成11年2月26日の中医協の総会においても、介護報酬の主な論点と基本的考え方についての御議論をいただいておるということがございます。翌年の12年3月に介護報酬の答申が行われて、日付まではわからないんですが、3月となってございます。
 安達委員がおっしゃった2週間前というのは、恐らく平成12年3月14日に、介護保険との給付調整についてということで中医協の諮問答申が出ておりますが、中医協のほうは、3月1日に診療報酬の諮問があって、3日答申という、プロセスとしては、そういうことがございます。内容までは詳しくわかりません。
御存じだと思いますし、若干長くなりますが、介護保険法の第1条を読み上げさせていただきます。「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け」ということが書いてございます。つまり介護保険法の第1条で、医療とか看護とか、そういうものも含む概念であるということが明記されてございますので、そういう意味で、恐らく訪問看護が必ずしも医療保険ではないというか、むしろ要介護者に対して、医療や福祉を一体的に提供するという考え方から、推測ですが、介護保険優先になったのではないかと思います。
○安達委員
 ありがとうございます。
 事務局としては、そういうお答えをされないと、立場もないということは、よく理解いたします。
 その辺のところは、今、私が中医協に参加させていただくようになってから問題になることの中に、これだけではなくて、幾つもある。その当時の中医協は、どこまで突っ込んで議論をしたんだろうということが、疑問な部分が多々あります。そんなことを言うと、全部ひっくり返ってしまう話なので、そんなことは申しません。
 それに対応するためには、6ページの絵にある、介護保険と医療保険のすみ分けの中での訪問看護対象者のイメージ、この具体的な適応をより緻密にして、介護保険の概念だけでは無理だろうと思われるような訪問看護については、医療保険を例外的に認めるということをある程度積極的にやらないと、訪問看護の実態というのが、なかなか広がっていかない。看護師が何を求めてられているのかというところも、明確にならないかもしれないので、そこら辺を具体的にしながら、できるだけ実態に合わせて、医療保険で必要なものは医療でということで、新たなイメージをつくることが必要なんだろうと思います。総論的に私はそう思っておりますということだけ、申し上げておきます。
○森田会長
 ありがとうございました。
 牛丸委員、どうぞ。
○牛丸委員
 検証部会長として申し上げておきます。きょうの在宅医療(その2)、現在、訪問看護の議論ですが、その後の在宅歯科においても、24年度の検証に係る調査の結果が使われております。総会においても何回か申し上げましたように、検証部会が行っている調査は、回収が終わって、まとまりましたら、速報ということでお出ししまして、それに基づいて公益委員による検証部会での評価を行って、本報告をつくり、それを総会へお出しすることになっております。後で2つ速報が出てまいります。
 きょうの訪問看護で使われています検証部会の結果ですが、まだ速報としてもお出ししましておりません。恐らく次か次ぐらいの総会でお出しする予定です。ただ、まとまってきておりますので、本日、在宅医療の議論をするということで、事務局でそれを使ったということです。もちろん図表としては、このままですから、間違っておりませんが、先ほど問題になりました論点、評価というのは、事務局が速報段階で出てきたものに基づいて、こういう解釈をなさっているということで、検証部会として、最終的に行う評価はまだ行っておりませんので、このようになるかもしれません、あるいは、もっと違ったものになるかもしれません。それは全くまだわかっておりません。ただ、そこだけは言っておきます。
 今、いろいろ議論がなされまして、我々検証部会の委員が本報告を作成するときにも、非常に参考になりましたので、最終評価というのは、我々が行いますが、図表をどういうふうに見たらいいか、こういう点に注意したほうがいいということは、アドバイスをいただくと、非常に参考になります。評価するのは我々ですし、きょうの最後に別の速報を出しますけれども、本格的な議論は本報告が出てから、また行っていただきたいんですが、きょうも御指摘があったように、データは重要ですので、そのデータをいかに見るか。見方はいろいろですので、我々は注意して見ておりますが、こういう見方もあるということ、訪問看護だけではありませんけれども、ほかのところにおいても、そういう点があれば、御指摘いただきたいと思います。つけ加えました。
 以上です。
○森田会長
 ありがとうございました。
 ほかにございますか。万代委員、どうぞ。
○万代委員
 訪問看護ステーションの規模の件の続きでございますが、私もこれまでの委員の方々がおっしゃったように、論点にありますように、ただ単に規模の拡大を目指せばいいのではないと考えております。
 課長のプレゼンテーションを聞いていまして、どういう論点になるのか、自分で想像しながら聞いていたときに、1つは連携です。ネットワークをつくる中で、規模の小ささを補うということもあるのではないかと考えながら聞いておりまして、課題のところにもそういう文言が出てくると期待しておりましたら、そうではなかったということでございます。ぜひここは委員がおっしゃるような論点についても、次回のところに必ず盛り込んでいただいて、論点がぼけないようにしていただきたいと思っております。
 薬局にしてもそうですし、在宅にしてもそうですし、ある程度連携の機能を使って、規模の小ささを補っている。そういう診療報酬の手当があるわけでございますので、訪問看護ステーションについて、それがいいかどうかはわかりませんけれども、そういった方向性も1つ論点として存在するべきと考えております。
 あと、スケールメリットでございますが、果たして、5人、10人が本当にスケールメリットになるかというと、一般常識的にはそうではないだろうと思います。そういったところで管理業務が煩雑になって、小規模ではこなし切れないということについては、例えば伊藤委員がおっしゃるように、ITを使うとか、そういったものに対して、何らかの手当をする。そういったことも方策として考えられるのではないかと思いますので、ここの点はぜひお答えいただきたいと思いますし、次回も在宅医療が議論になると思いますけれども、そのときにスライドの論点がそのまま出てくるのではなくて、規模をどう考えるかということのほかに、これまで委員がおっしゃったようなネットワークについての構築をどうするか、その問題点をどういうふうに解決するかという論点についても、盛り込んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○森田会長
 医療課長、どうぞ。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 もちろん本日の議論は、この次に議論いただくときには、論点として盛り込みたいと思います。
 スケールメリットのお話などがございましたけれども、先ほどもちょっと触れましたが、訪問看護事業協会か何かの調査だったと思うんですが、管理業務に小規模は時間をとられるとか、そういうこともございますので、そういったデータもあわせて提出させていただいて、その上でまた御議論いただければと思います。
○森田会長
 よろしいですか。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 私も万代先生の意見と似ているのですが、問題は訪問看護ステーションに何を期待するのかということで、そこが整理されていないため、安達先生が指摘のように、介護なのか、看護なのかという話が出てくるのだと思います。
 小規模ですと、確かに24時間対応は難しいと思います。ただ、訪問看護ステーションに24時間対応を期待するのかというと、実態をよく承知していないものですから、意見を言いにくいのですが、24時間対応で夜間の緊急呼び出しがどれぐらいあるのかということが、データとして出ていないものですから、よくわからないのですが、以前、在宅医療に携わる先生の話を伺ったときに、夜間の呼び出しは、意外と少ないのだと言われていたことを、私は印象的に覚えています。在支診や、訪問看護ステーションにどういう機能を果たしていただくかということは、もうちょっときちっと議論しなければなりません。全ての看護ステーションが24時間対応するのが理想的かもしれませんが、多分そんな必要はないと思っております。
 それから、頻回な訪問という話も、患者さんの希望としてはかなり高い率が出ているのですが、たしか前回改定では訪問看護管理療養費について、月13回以上の訪問看護を行っている場合でも算定可能ということにしましたが、月13回も訪問看護を受ける患者さんの率に関するデータは出ていないと思いますが、私の想像では、かなり少ないのだろうと思います。
 申し上げたかったのは、そういう特殊な例と一般的に求められる機能を整理したうえで、訪問看護ステーションの体制を考えていかなければいけません。
 また、伊藤委員が言いましたとおり、移動時間は、無視できない要素でございますし、私も訪問看護ステーションを見たことがありますが、1時間かけて患者さんのお宅に行き、駐車禁止の心配をしながら看護をして、また1時間かけて移動をする。こういった仕事に看護師さんに就いてくれというのは、相当難しいと思います。ですから、例えば自宅を訪問看護ステーションにして、患者から呼び出しがあったら行くというような訪問ステーションがあってもいいのではないか。このように、必要性に応じてバリエーションをつけていくという弾力的なやり方も、この分野では必要ではないかと思っております。
 そういうことで、次回この議論をするときには、24時間対応における緊急呼び出しはどれぐらいの回数があるかや、13回以上の頻回な訪問看護がどれぐらいの頻度であるのかというデータがありましたら、示していただくことを、お願いいたします。
○森田会長
 事務局ございますか。
○宇都宮医療課長
 今のデータについては、次回以降、御議論いただくときには、出させていただきたいと思います。
 夜間と頻回の話ですが、白川委員がおっしゃったように、通常の介護保険の対象の方であれば、比較的安定しているので、夜間とか頻回というのは少ないんですが、ただ、その中で、医療保険の対象になるかというのは、介護のほうで対応できないので、医療保険の対象になるということで、そういう意味では、介護のほうと比べて、夜間の対応とか、頻回の対応が必要になるというケースが多いということがございます。いずれにしても、データを今度用意させていただきたいと思います。
○森田会長
 花井圭子委員、どうぞ。
○花井圭子委員
 2025年に向け、在宅へという大きな流れの中で、訪問看護というのは、非常に必要になってくるものだと思っております。
 規模の話ですが、24時間対応が必要であれば、5人が必要だと言われておりますし、24時間対応がどのぐらい必要かどうかという問題があるにしても、患者側からすれば、いつでも来てくれるという安心感が、何よりも在宅でやることの意味だろうと思います。
 先ほど西澤先生がおっしゃったように、適正規模という言い方があったかと思うんですが、それがどのぐらいなのか、どういう状況だとどのぐらいなのか、そして、福井専門委員がおっしゃった教育ができて、財政的にも経営が成り立つような規模というのは、一体どのぐらいなのかということがわかるような資料も出していただけたらと思います。
 以上です。
○森田会長
 事務局、よろしいですか。
○宇都宮医療課長
 適正規模については、事務局のほうで、今までどのぐらいが適正かということは、検討したことがございませんので、このぐらいが適正だということを示す資料というのは、なかなか難しいと思うんですが、関連するような資料については、できるだけ出させていただきたいと思います。むしろ看護協会さんのほうで、そういったものがあれば、お願いしたいと思います。
○福井専門委員
 幾つかお答えできるようなデータはあると思いますので、そろえて、確認していただいて、出し得るに耐え得るデータかどうかも見ていただいて、お示ししたいと思います。
○森田会長
 ありがとうございました。
 これに関連してですか。西澤委員、お願いします。
○西澤委員
 今、白川委員、花井委員からいろんな意見があったと思います。2025年に向けて、これから在宅医療をどんどん伸ばさなければならないということだと思います。キーとなるのは、訪問看護だと思っています。
 先ほど在宅診療をしている先生方は、意外と夜の呼び出しは少ないとありましたが、その1つの理由としては、訪問看護師さんがよくやってくれているから、直接医者にいかないということもあるんです。
 私が5人規模と言ったのは、24時間というのは、看護師さんがそれをやってくれるので、我々医者は助かるということを含めて言っております。どうして5人かというと、実際の呼び出しといいましょうか、行った回数は少ないけれども、結構、夜、相談の電話は入っていると聞きます。ということは、行っていないから必要がないではなくて、待機している、電話番をしているということも非常に大変なんです。夜間の間、それに縛られているんです。訪問看護師さんがそれに縛られるということは、ある程度勤務割をつくらなければならない。そうしたら、やはり5人以上いないといけない。例えば5人いても、月6回当番に当たるんです。5人でも大変だという気を持っております。そういうことを含めて考えていただければと思います。実際に訪問看護に行った実績だとか、夜、呼び出された実績ではなくて、24時間常に待機しているということを考えていただければと思います。
 それから、私が5人規模と言ったのは、単独であれば、最低そうだということで、例えば3人のところはできないのかというと、3人規模が3つあれば9になりますから、そうすると、9人で持ち合うということも可能だと思います。そういう連携というのは、当然ありだと思います。ただ、最初から連携の場合とやると、すごく話が混乱するので、まず1つのシンプルな形として、5人以上規模をベースにして考えたほうが、考えやすいということで申し上げました。
 今後、在宅医療をきちっと推進するためには、訪問看護の必要性がございます。これによって、我々在宅医療をやって医者が非常に助かっている、患者さんも非常に助かっている、そういうことを含めまして、今後、議論していただきたいと思っています。
 以上です。
○森田会長
 ありがとうございました。
 まだ在宅歯科、薬局の在宅もございます。
 関原委員、どうぞ。
○関原委員
 意見ですが、きょうの御説明は、結局過去14年間のトレンドをベースに、いろんなコメントされましたが、先ほど花井委員がおっしゃったように、問題は2025年に向かっては、過去と全く違うボリュームなんです。しかも、地域として急増するのは、東京を中心に大都市近辺です。更に独居者だとか、老老という人が対象になってしまうということなので、従来型の3人のスタッフできめの細かい対応ではなくて、ある程度規模を大きくして、新しい急増するニーズに対応することあり、従来とは相当違ってくるのではないかと思います。そういう意味で、過去のトレンドがこうだったから、今後はこうだということではなくて、むしろ将来を予測して、それにふさわしい介護のあり方を考えていかないと、結局急増するニーズに合わなくなると感じましたので、将来のところを含めて、提言なりあり方をまとめてもらうとありがたいと思います。
○森田会長
 ありがとうございました。
 この件ですか。嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員
 今、関原先生がおっしゃったことは、私も感じていまして、きょう、いろんなディスカッションがあったんですけれども、データがまだないんです。例えば白川先生がおっしゃったような、デマンドはどういうものがあるのかということも出ていない。
 11ページのスライドを見ていただきたいんですけれども、医療保険の訪問看護の利用者数が右側に出ています。ここで神経系の疾患がぐっと伸びているんですが、これは脳卒中です。一番下の茶色いものが、がんです。精神、行動というのは、認知症などの患者ですけれども、まだ団塊の世代のとんでもない固まりが、75歳以上にいっていないにもかかわらず、これだけふえているので、関原先生がおっしゃるように、これは早急にきちっとした議論をして、対応を立てておかないと、大変なことになると思います。脳卒中の治療を見ていると、脳卒中の治療成績は、10年前と変わっていないという結果が出ています。変わっていないというのは、よくなっているんだけれども、高齢者がふえているので、ふえているんです。つまり療養の数がふえるんです。団塊の世代が75歳にいっていないのに、これだけふえているということは、今後75歳にいった場合には、この角度はこれ以上上になりますから、早急に中医協で、今、疑問に出たような議論をして、対策を立てないと、大変なことになるということを、脳卒中を一部専門でやっている人間として、情報を提供したいと思います。
○森田会長
 ありがとうございました。
 訪問看護のほうは、これぐらいにいたしますが、ほかにございますか。石山委員、ございますか。簡潔にお願いします。
○石山委員
 方向としては、おっしゃるとおりだと思っております。
 福井先生にお聞きしたいんですけれども、小規模のもので連携をとるということが、具体的に行われているケースはあるんですか。
○福井専門委員
 ございます。大規模のところから、サテライト的に幾つかのステーションに連絡を取り当たり、定期的にカンファレンスを行ったりしています。ただ、共通の利用者さんを担当するときに、その方の指示をもらう主治医との連携において、難しい状況があると聞いています。
○石山委員
 そういうデータもぜひ事務局に提案していただけると、今のような議論ができるのではないかという感じがしております。
 あと、1点簡単に申し上げます。牛丸先生、スライドの25に5人以上の事業所の割合がございます。一番下の括弧書きで、この母数はnが702になってございます。702というのは、平成23年、平成24年、どちらを指しているんですか。母数が同じなんですか。
○森田会長
 これは事務局にお答えいただいたほうがいいですね。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 母数は同じでございます。702で同じ事業所です。
○石山委員
 ということは、母数自体の変化がないと見ていいわけですね。逆に平成24年度、ステーション自体の数がふえていれば、24.6というのは、実数とどういう関係になってくるのかわからなかったものですから、両方とも702の比較でやっているという理解でよろしいんですね。
○森田会長
 事務局、どうぞ。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 これは702の事業所について、2年間追って調べたもので、702の事業所のうち、一部がこうやって大規模化したというデータでございます。
○石山委員
 単純に702の比較だけで見たわけで、5人以上の大規模化は、もっと実数がふえているかもしれないんですね。
○宇都宮医療課長
 さようでございます。
○石山委員
 わかりました。
○森田会長
 それでは、そろそろ次の訪問歯科のほうにいきたいと思います。御発言をお願いいたします。
 堀委員、どうぞ。
○堀委員
 歯科のほうを取りまとめて発言をさせていただきたいと思います。
 早い時期によくまとまった資料になっていると評価いたしますが、若干古いデータも入っているような気がいたしまして、冒頭の在宅の写真は、2年前に出た写真と同じだという気がいたします。
 医科の委員の先生から御指摘があったんですが、40ページに『Lancet』に掲載された、いわゆる口腔ケアの効果というデータが出てございますが、これもいかんせんかなり古いデータでして、もう少し新しいデータもたくさんありますので、次回にはそういったものを御提示いただきたいと、最初に要望しておきたいと思います。
 歯科におきましては、この5年、6年間で、超高齢社会における新しい歯科医療の役割・責任ということを議論して、診療報酬改定にも反映をお願いしてまいりました。そういった意味では、在宅歯科医療も大きな柱でありますが、1つ気になりますのは、毎回同じ課題が出てきているという認識がございます。
 2つありますが、1つは、先ほど管理官から説明がありましたとおり、数字の上では、特に要介護者におきましては、在宅歯科医療の要望が大変大きいにもかかわらず、供給が充足されていないということであります。更にそういった実態があるにもかかわらず、現場からは要請がないという御意見が多いということであります。
 51ページには、先ほど御説明があったとおり、ニーズに対して、デマンドが不足しているグラフがありますし、57ページの右側ですが、なぜ訪問診療を行わないかということについては、理由の一番上に要請がないと記載がございます。すなわち、ニーズがあるにもかかわらず、顕在化していないという実情を示しているものと理解をしております。これが1点目の問題意識であります。
 もう一つは、在宅ですので、いろんな基礎疾患がある有病者の方が多いということで、医療連携、他職種連携が重要であるという理解でおりまして、そういった連携を評価する項目も幾つか出ているということですが、説明があったとおり、取り組みがなかなか進まないという問題があると思います。
 52ページには、先ほど説明があったとおり、退院時共同指導等の連携を評価する項目がございますが、ほとんど取り組みが出てきていないということであります。この取り組みが進まないというのは、診療行為別調査を見ますと、歯科だけの問題ではないと思いますので、横断的な検討が要るという気がしております。
 53ページには、こういった連携が算定できない理由として、該当するケースがないという回答が一番多いということで、これも連携するべきケースはあるが、顕在化していないと読むのが妥当だと思います。
 こういった2つのことが、ここ数年間で変わっていない一番大きな課題であろうと理解しておりますので、ぜひ今回の改定では少し踏み込んで、この対応の検討をお願いしたいと思っております。
 現時点で、私どもから、こういうふうにしたほうがいいという具体的な提案をするのが、いいかどうかはわかりませんが、例えばこういった連携を調整するコーディネーター的な人材の育成や配置の視点が要るのかもしれないということであれば、44ページ、45ページにありますような、医政局の事業の視点が1つあるという気がいたしますし、昨年、介護給付費分科会では、ケアマネの資質向上の見直しの検討がされたと承知しておりますので、そういった視点もあっていいのではないか。ケアマネはもちろんですが、在宅医療、訪問看護の現場との連携強化等も考えていいのではないか。それから、カンファレンス等につきましては、医科のほうで主宰がなされるものでありますので、ぜひ医科のほうから連携をとっていただくような工夫をお願いしたいと思っております。
 以上が大きな課題でございまして、あとは、細かいところを2~3点、資料に沿って発言させていただきます。
 42ページに、先ほど説明があった20分ルールといいますか、診療時間が20分以下のときには、訪問診療料が算定できずに、初再診だけで行うといったルールや、居宅と施設の区分、人数によって区分するといったルールがあります。これはある意味、不適切な事例という言葉は適切ではないかもしれませんが、企業的に大規模に在宅を行うような、想定されない形態に対する1つの抑止的な側面があると理解しておりまして、私どももこれはある程度必要だろうという理解でおります。一方で、地道にかかりつけ歯科医としてやっている訪問診療にも、少なからず影響がありますので、そういった効果を維持しつつ、地道にやっているところには、影響がないような、より適切な方策がないかということで、これは改めて議論をさせていただきたいと思っております。
 47ページから49ページには、在宅療養支援歯科診療所がございまして、なかなか届出が進んでこないという議論がありました。これも何回か出てきているところでありますが、数をふやしていこうという方向に特に異論はないんですけれども、一方で、届出をせずに在宅を行っている医療機関もございますし、改めてどういった方向性でこれからやっていくのかという、理念的なところの整理を少しお願いしたいと思います。ここは現時点で事務局のほうで何か方向性があれば、ぜひお聞きをしたいという、質問とあわせて御意見を申し上げたいと思います。
 57ページになりますが、医療機関からの歯科訪問診療の課題として、先ほど時間の問題とコストの問題が出ていました。それには丸印が付けてあり、大変重要だと思っておりますが、もう一つ、丸はついておりませんが、医療保険、介護保険の請求事務処理が困難という意見も多く出ておりまして、これは先ほど介護と医療の給付調整といったことでも発言がありましたが、そこに近い問題であります。歯科特有の問題と理解しておりますが、特に医学管理の分野におきましては、医療保険と介護どちらで請求するかという、給付調整の考えが、少し不合理といいますか、理解できない、わかりにくいところがあるという認識でおります。また、物によっては、歯科医療機関で請求するものと、施設が請求するもののすみ分けがわかりにくいということで、ここはできれば患者さんからも、医療機関からも、わかりやすい仕組みになるような議論をお願いしたいと思っております。
 最後に資料にはないんですが、1つ、障害者歯科医療というものがございまして、今回の改定で、特別な対応を要する歯科医療と名前が変わりましたが、これは困難性から、診療室で行う場合には、100分の50加算という手当てがありますが、在宅で行った場合、同じようなケースで、より状況は困難であるにもかかわらず、そういった加算の扱いが整理できていないで、規制がかかってくることがあります。余り数は多くないと思いますが、現場からそういった御意見がありますので、今回の改定では、少し整理をお願いしたいと思っております。
 以上でございます。
○森田会長
 これにつきまして、事務局からお願いいたします。
○田口歯科医療管理官
 歯科医療管理官でございます。
 先ほどのデータ等につきましては、できる限り、今後、最新の知見を踏まえた上で、資料として出していこうと考えているところでございます。
 訪問歯科に関するニーズの問題、あるいは連携の問題につきましては、先ほど堀委員からもお話がありましたけれども、医政局のほうでやってございまして、44枚目と45枚目を見ていただくとおわかりかと思います。
 例えばニーズに関しましては、45枚目のところで、各都道府県に在宅歯科医療連携室というものを設置いたしまして、これは補助事業になりますけれども、例えば住民の方々に対する広報活動とか、そういったところもありますので、医政局とも連携を図りつつ、歯科訪問診療の重要性を国民の方々に啓発していく。あるいは歯科医師会のほうでも、専門団体として、できればそういうところをきちんとやっていただければありがたいと考えているところでございます。
 連携に関しましては、十分に算定ができていない部分もございますので、具体的にどういったものが必要なのかというところは、現場の意見を踏まえた上で、検討させていただきたいと考えております。
 20分ルールのお話がございました。これは平成22年の改定のときに、整理をさせていただいたところでございますが、堀委員からございましたように、歯科訪問診療の質あるいは内容をどういう形で担保していくかという部分にもかかわってまいりますので、これまでの経緯あるいは実態等を考慮しまして、考えていきたいと思っております。
 在宅療養支援歯科診療所の方向性でございますけれども、基本的にはきょう提出させていただいたデータから見ますと、とりわけ在宅に関します供給量といいますか、サービス量をふやしていく必要性があるという問題意識を持っておりますので、在宅療養支援歯科診療所とまたはそれ以外の診療所、両方の数をふやしていく必要があると思います。しかしながら、一方で、先ほどもお話させていただきましたけれども、歯科訪問診療の質をどのように担保していくのかという点も非常に重要な観点でございますので、まずは施設基準が必要とされている在宅療養支援歯科診療所をふやしていくことが、重要ではないかと事務局としては考えているところでございます。
 介護と医療の給付調整の関係だと思いますけれども、これにつきましても、実態を調べた上で、事務局でまとめさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。
○森田会長
 堀委員、よろしゅうございますか。
○堀委員
 1点だけ、今、施設基準の話が出ましたが、歯科衛生士の配置が基準になっております。実は歯科衛生士の確保というのが、なかなか難しい状況になっていることもありますので、その辺も踏まえて、いろいろ御検討をお願いしたいと思っております。
○森田会長
 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員
 今、がんの患者さんは、かなり在宅にいらっしゃる方が多くなりましたので、口腔内ケアが非常に大事です。最終的には、エンドポイントの生命にも影響するということは、医学界ではコンセンサスが得られていますので、こういう提案はいいと思います。
 ただ、最後の論点のどのような方策が考えられるかというところのキーワードで、先ほどの在宅看護もそうなんですけれども、なぜ看護師さんが在宅看護に行かないか、在宅歯科が進まないかという、大きなキーワードの1つは、ここでの問題ではなくて、医政局のマターだと思いますが、やはり教育です。
 歯科の先生方は、がんの口腔内ケアをするときに、かなりの方が躊躇します。やらないかと言っても、躊躇される方がいらっしゃるんですけれども、それはがんの患者さんの全体像がわからない。例えばどういう抗がん剤を使っているから出血しやすいとか、放射線を受けて、どのぐらいだということがわからないで、歯を触るわけにはいかないということがあります。
 これから裾野を広げるために、キーワードの1つは、在宅看護もそうなんですけれども、教育だと思います。先ほどもお話にありましたけれども、その辺は、保険局としては、医政局に対して、強力にいろんな教育制度を整えていただきたいと思います。
○森田会長
 それはよろしいですね。
 ほかにいかがでしょうか。花井圭子委員、どうぞ。
○花井圭子委員
 患者というか、在宅で見たことのある人が周りにたくさんいるものですから、そういう話を聞いたこととして、聞いていただきたいんですが、口腔ケアの重要さとか、訪問してくれるということを、多くの人が知らないということがありますので、ぜひ口腔ケアの重要さであるとか、緊急の場合あるいは必要な場合は訪問できるんだということを、歯科医師会として広報活動をしていただきたいというお願いが1つです。
 48ページのところで、これだけ地域によって差が大きいということをどんなふうに見られているのか。例えば歯科医師会として、非常に進んでいる地域の連携は、地域包括支援センターとの連携がうまくいっている、あるいは地元の医師会と連携がうまくいっている等々の先進的な事例があれば、ぜひお示しいただければというお願いです。
 以上です。
○森田会長
 これは、堀先生、いいですか。
○堀委員
 幾つかの事例はあると思いますので、先ほどの福井先生と同じように、中医協の議論に耐え得るものかどうか検討して、御相談して出していきたいと思っております。
○森田会長
 よろしいですか。
 ほかにございますか。鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 資料そのものについての意見ではないのですが、45ページの在宅歯科医療連携室整備事業イメージ図に、なぜかカラーの写真で、外国人5人の笑顔の姿があるのですけれども、特別な意味があるのでしょうか。日本人は漫画みたいな形で、下の方に載っていて、欧米人が上の方でほほえんでいるという図は、非常に不自然な感じがしますので、特別な意味がないのであれば、日本人の方に切りかえていただければと思います。
○森田会長
 これはお答えいただく必要がありますか。
○田口歯科医療管理官
 これは医政局の資料をそのまま参考としてつけさせていただきましたので、私から医政のほうには申し伝えるようにいたします。
○森田会長
 歯科のほうは、いかがでしょうか。堀委員、どうぞ。
○堀委員
 先ほど嘉山先生から御指摘があった教育的な問題のことについて、ざくっとでございますが、現状をお話いたします。嘉山先生が国立がんセンターに在職当時、御苦労いただきまして、日本歯科医師会と連携事業をやりまして、それが、今、全国展開をしております。相当内容の濃い研修内容になっておりまして、そういったことで、今年度は全国で少なくともがんに関しては、そういった充実が進んでいるということだけ御報告をいたします。
 以上です。
○森田会長
 ありがとうございました。
 それでは、そろそろ薬局の在宅に入りたいと思いますが、よろしいですね。
 三浦委員、どうぞ。
○三浦委員
 薬局における在宅業務につきましては、これまでさまざまな施策によりまして、在宅医療において、薬剤師が活用されるケースが次第にふえてきているという感じはしておりますが、スライド65にもありますとおり、チーム医療の推進に関する検討会の報告書で指摘されているんですが、まだ十分に活用されているとは言えない状況にあるということも言われております。
 前回の改定では、スライド71、72にありますように、地域医療の中で、地域に根差した小規模薬局を在宅医療において活用することができるよう、小規模薬局間の連携の仕組みを導入していただいたところでありますが、このような小規模薬局が在宅医療に取り組みやすい環境を今後も整備していくことが、引き続き必要であると考えています。地域に密着した小規模薬局こそ、在宅医療を推進していく上で、重要な存在であると我々は考えております。
 それから、スライド75、無菌製剤処理加算の要件の見直しについてでございますが、前回の改定で、それまで施設基準の要件とされていた5平方メートル以上の専用の部屋を有していることという部分を見直していただいたこともあり、比較的設置が容易になってきておりますが、例えばオピオイドの持続注射などのような、1種類の薬剤を無菌で希釈して調製するような場合については、技術的と時間を要するにもかかわらず、評価されていないこともありますので、無菌製剤処理加算の要件を見直すこともお願いしたいと思っています。
 無菌室の共同利用につきましては、24年8月に症例が一部改正されて、現在、実施可能となっておりますが、現行の注射薬調剤料はそれを想定した報酬体系になっておりません。実際、在宅医療において、注射薬の無菌製剤は欠かせないものになっておりますので、対応した見直しも必要であろうと考えております。
 また、薬局の薬剤師による在宅患者訪問薬剤管理指導の実施は、基本的に処方医の指示がないと認められないことになっております。ただ、実際には処方医からの指示にかかわらず、患者さんからそのような対応を求められるケースもあると聞いており、今後さらなる在宅医療の推進の中で、薬局の薬剤師が在宅医療において貢献していくことができるよう、例えば訪問指示を受けやすい環境を整えていくという、具体的な方策も必要ではないかと考えております。
 それから、中心静脈栄養、IVHに混合できる注射薬は、ここの資料にはないんですが、一定の範囲に限り認められておりますが、処方箋発行側のお医者さんのほうから、それ以外の注射薬についても、混合することを求められるケースがあると聞いております。これは医科の問題であるとは認識していますが、その範囲についても、今後、検討していただきたいということを申し上げます。
 先ほど医師の指示がないと在宅に行けない、医師の指示が必要だと申し上げましたが、現場では医師が薬剤師の訪問が必要だと判断をされていても、実際にどこの薬局がそれを受け入れてくれるのかといった指摘も言われております。私ども薬剤師会も、実際、医師会、歯科医師会、看護協会、あるいは地域包括支援センター等にも受け入れ可能な薬局を提示するように、今、進めております。在宅療養推進アクションプランを通じて、今後、どこの薬局が手を挙げて、受け入れ可能かということをお示しするよう、努力をしてまいります。
 私からは以上です。
○森田会長
 ありがとうございました。
 事務局はよろしいですか。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 今、三浦委員がおっしゃったように、薬局における在宅業務も重要ですので、これも推進すべきだと思います。しかし、もちろんその前提となる処方医の指示は必要ということでございます。
 一方では、薬剤師の在宅業務には、医療機関からの在宅業務もあるわけですが、そのデータが今回の資料には全く入っておりません。これはどうしてなのでしょうか。在宅という意味では、医療機関からの訪問も同等に評価されるべきだと思いますので、その資料も出していただきたいと思います。
 ちなみに、私の地元では、在宅業務をする薬剤師は、私の医療機関にしかおりません。月間50~60件やっているのですが、保健所の統計上は、私の地域の薬剤師の在宅の実績はゼロということになっているのです。それは、薬局からの訪問がないということで、医療機関からの訪問はカウントされないことになっているようですので、これは片手落ちだと思います。薬局の在宅はもちろん必要だと思いますが、医療機関が、訪問看護やその他の在宅業務と同じように、直接訪問サービスを提供することも必要だと思います。これは実際に実践しておりまして、他の在宅サービスとの連携とか、患者さんの安心という意味では、薬局の在宅に優る効果があると思っております。ぜひ同等に評価されるようにしていただきたいということと、まずは資料を出していただきたいと思います。それがないのは、片手落ちですので、ぜひよろしくお願いします。
○森田会長
 薬剤管理官、どうぞ。
○近澤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 病院の薬剤師のことに言及していただきまして、本当にありがとうございます。薬局の薬剤師も在宅のほうに行っておりますが、病院の薬剤師も在宅にちゃんと出かけておりますので、鈴木委員が言われたとおり、資料の中で抜けていたことに関しては、深くおわび申し上げます。
 次回、在宅の議論(その3)か(その4)があった場合ですとか、あるいは病棟薬剤業務実施加算というのが、24年度改定で導入されておりますし、その検証の調査もしております。ですので、病院の薬剤師のところで議論するのか、在宅で議論するのかわかりませんけれども、次回以降ちゃんとした資料を用意できたらと思っております。
○森田会長
 ありがとうございました。
 三浦委員、どうぞ。
○三浦委員
 鈴木先生、ありがとうございます。
 私の知り合いの薬剤師が病院に勤務しておりまして、その薬剤師は病院で在宅に行っているわけですが、大変参考になりました。本当にいい仕事をされていると思いますので、そういう資料も、今後、提出していただくことをお願いします。
○森田会長
 ありがとうございました。
 嘉山委員、ございますか。どうぞ。
○嘉山委員
 非常に素朴な疑問なんですけれども、スライド66です。意味があるから、こういうことが書いてあるんだと思うんですけれども、在宅医療・介護への薬剤師の関与とその意義とあります。意義というよりは、結果だと思います。在宅患者さんへ薬剤師さんが行った場合、約400億円になる。これは管理料をトータルどのぐらいで、最後の結果はどのぐらいのベネフィットがあったんでしょうか。かえって、管理料のほうが高いのではないか。もしもこれを出すなら、エンドポイントとしては、よくなかったのか、悪くなったのか、患者さんがどうなったかということを出すべきで、こういうデータでは議論できないのではないかと思うんですが、いかがですか。
○森田会長
 薬剤管理官、どうぞ。
○近澤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 こちらのデータは、あくまでも在宅で飲み忘れ等が解消されて、飲み残しの薬剤がどれぐらい改善されるかというだけのデータですので、管理料が幾らという形のものは、特に計算はしておりません。上のほうにもありますけれども、飲み残しは改善されているので、その結果、薬剤費として、忘れる部分がこれだけなくなったという計算でございます。
○嘉山委員
 私の質問に全然答えていません。これに要した在宅管理指導料は幾らだったんですかということを、単純に聞いているだけです。こういう統計をとったんだから、出ているはずです。
○近澤薬剤管理官
 これに関しては、実態調査の中で、管理料を幾らかとったかという計算はしておりません。飲み忘れの計算としてはやっておりません。実態調査としても、月間の薬剤費などは社会医療の診療行為別調査での薬剤料とか、いろんなものを仮想で出しておりますので、実態調査として、本当の薬材料がどうなったのかということではなくて、ある程度の仮想の計算でしかないので、管理料という話も出ていません。
○嘉山委員
 そうだとしたら、こういう値づけの400億という数字は必要ない。意味がないので、かえって出さないほうがいいと思います。これではエビデンス・ベースト・ディスカッションにならないんです。今後こういうものは改めていただきたいと思います。これは意見ではなくて、委員としての事務局への指示です。
○近澤薬剤管理官
 ここは23年11月11日の資料で、こういう形で出されているということで、説明としては不足があるかと思っております。
○森田会長
 石山委員、どうぞ。
○石山委員
 スライドの81の関係なんですけれども、調剤薬局がこういう仕事をしていらっしゃるというのは、こういう仕事をしていないと、私自身も全然知らなかったんですが、この辺の周知の仕方は、地方公共団体、医療機関及びと書いてございます。調剤薬局自体はどのような周知活動を行っているんですか。
○森田会長
 三浦委員、どうぞ。
○三浦委員
 先ほどもお話を申し上げたんですが、確かに個々で薬局が手を挙げるというのは、現実的には難しい問題があります。地域に対して、地域の薬剤師会を中心とした薬局が、例えば先ほど申し上げた在宅療養推進アクションプランがあって、各医師会、歯科医師会、基幹病院、看護協会、包括支援センター、ケアマネジャー、行政のほうにも、リストをお持ちして、こういう薬局が受け入れ可能ですということで、少しずつそういうことができるようにふやしていっているところであります。平均して、まだ5割弱ぐらいですが、今後ふやしていきたいと思っています。
○石山委員
 制度としてある以上、患者さんがアプローチしやすいというか、要請しやすいほうがよろしいですね。私が調剤薬局へ行っても、そういう話というのは、どこにも表示されていないし、聞いたことがないんです。それが1点です。
 あと、先ほど御説明の中で、地域密着型というお話をされましたね。そういう中では、この業務にかかわっているのは、調剤薬局も大手のチェーンと中小では全然違います。その辺の比率の違いとか、そういうデータはあるんですか。
 以上です。
○森田会長
 薬剤管理官、どうぞ。
○近澤薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 調剤MEDIASがありますので、その結果でチェーンなのかどうかというのは、どこまで調べられるかどうかわかりませんけれども、今の在宅の訪問薬剤管理指導料を算定している薬局の中で、チェーン薬局なのか、小規模なのかというところは、できるだけ調査をしたいと思います。
○森田会長
 よろしいですか。
 この件について、ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 在宅医療については、ほかの論点も含めて、今後も議論を進めたいと思います。
○三浦委員
 済みません。ちょっとよろしいですか。
○森田会長
 三浦委員、どうぞ。
○三浦委員
 先ほど嘉山先生から御指摘のあった、400億円削減という数字のデータなんですが、これはたしか前回改定時にも、ここに出ていたと記憶しています。そのときに、たしか節約効果はあるということをお認めいただいていたのではないかと記憶しています。
 以上です。
○森田会長
 これは前回改定の前に出た資料ということです。新しい資料を改定できるならば、そちらのほうを出していただきたいと思います。
○嘉山委員
 会長、この数字でなるほどといって、そのときの中医協は認めただけで、私が言ったことは出ていないんです。そのことを事務局はもっとベタライズしてほしいということを言っているだけです。
○森田会長
 そうしてください。
 それでは、この議題についての議論はこの辺りにしたいと思います。
 また、本日の議論を踏まえて、引き続き、次回以降、議論を進めたいと思います。
 それでは、次のアジェンダですけれども「○社会保障制度改革国民会議の議論について」を議題といたします。
 これは御報告いただくということでございますけれども、社会保障制度改革国民会議で医療・介護分野について、議論が行われていることにつきましては、委員の皆様は既に御存じだと思います。国民会議の議論の中で、診療報酬に関連する内容についても、議論が行われておりますので、その議論の内容につきまして、中医協で御紹介いただきたいと思います。
 事務局より御説明をお願いいたします。
○総務課長
 総務課長でございます。
 資料中医協総-4-1、中医協総-4-2、中医協総-4-3、中医協総-4-4と4種類ございますけれども、この資料について、御説明申し上げます。
 最初の中医協総-4-1と中医協総-4-2が国民会議関係の資料、中医協総-4-3と中医協総-4-4が国民会議の議論の整理案を踏まえ、先日、医療保険部会で議論したときの資料でございます。
 中医協総-4-1でございますけれども、御案内のとおり、社会保障制度改革国民会議が設置されておりまして、ことし8月21日が期限でございます。
 開催経過にございますけれども、これまで12回御議論を重ねておりますが、第9回、第10回と医療・介護分野について、集中的に議論をし、議論の整理案が出されたということでございます。
 検討項目でございますけれども、医療の改革の中では、健康の維持増進・疾病の予防・早期発見等の積極的促進、医療従事者、医療施設等の確保及び有効活用といった点、医療保険制度の財政基盤の安定化、医療のあり方、高齢者医療と大きく4つございます。
 中医協総-4-2でございます。第9回、第10回の議論を踏まえまして、国民会議として議論の整理案を取りまとめたものでございます。国民会議の会長から、これはある方向性を示すといった資料ではなく、このような意見が出ていたということを思い出すための資料として、作成をしたという性格のものでございます。
 内容でございますけれども、基本的な考え方、健康の維持増進など、先ほどの項目にほぼ沿った形で整理がされております。
 基本的な考え方の最初の■のところでは、主に医療のあり方についての記述がございます。
 2ページ目の最初の○でございますけれども、これは財源論でありまして、消費税増税に見合った社会保障改革が行われるかが重要であり、医療・介護1.6兆円の充実・効率化それぞれの内容を明らかにするべきといった記述がございます。
 これにつきましては、中医協総-4-4の5ページ、6ページをごらんいただきたいと存じます。今回の消費税5%引き上げの使い道でございますけれども、5ページでございますが、社会保障の充実に消費税1%程度、約2.7兆円、残りの4%程度は、安定化、今の社会保障制度を守るための財源でありまして、2.7兆円のうち、5ページ右側の2つ目の○でございますが、医療・介護の充実ということで、マックス1.6兆円を投ずるということでございます。
 細かな内訳は6ページでございますけれども、四角囲いで書いておりますが、充実、重点化、効率化というふうに両立てになっておりまして、医療・介護の充実で最大1.4兆円程度、効率化で0.7兆円程度ということで、記載されております。
 具体的な1.4兆円は、充実の内容としては、病院・病床機能の分化・強化と連携・在宅医療の充実等で、約8,800億円程度としてある一方で、重点化・効率化の右側の欄でございますが、平均在院日数の減少等で▲4,400億円、外来受診の適正化で▲1,300億円程度の効率化を行うというのが、工程表でございます。
 議論の整理案に戻っていただきまして、2ページの真ん中、健康の維持増進・疾病の予防、早期発見については、1つ目の○でございますが、健康の維持・疾病の予防に対するインセンティブが働くような仕組みの構築を推進するべきなどの意見が記載されております。
 3ページでございます。医療従事者、医療施設等の確保及び有効活用ということで、この点が中医協にも関連するところでございます。
 1つ目の○でございますけれども、医療・介護、みとりまで、継ぎ目のない地域医療・包括ケアを目標として、各地域の医療・介護需要ピーク時までの地域医療・包括ケアビジョンを作成すべき。その際、地域医療ビジョンは、これは厚労省の原案では、平成30年度だったわけでございますが、これを前倒しで作成すべきといったこと、そのビジョンに向けて、都道府県が地域医療計画、市町村が地域包括ケア計画を一定年間隔で策定し、それに沿った医療機能の分化・連携を促すための基金を創設する。これは消費税増収を活用するということであります。基金を創設し、診療報酬や介護報酬による利益誘導ではなく、まずは補助金的手法で誘導すべき。分化・連携が進んだ後に、補助金的手法に充てていた消費税増収分を順次医療機能ごとの診療報酬重点配分に移行していくべきという意見がある。
 一方で、4ページの3つ目の○でございますけれども、医療法改正による地域医療計画の見直しには、相応の時間を要することから、改革速度を速める意味で、まずは次期診療報酬改定において、診療報酬の特性を生かした機能分化のための取り組みを実施し、しかる後に地域医療計画と連動させるべきといった、両論の意見が記載されております。
 なお、4ページの一番下でございますけれども、こういった都道府県の権限強化の一環として、例えば保険医療機関の指定取り消し権限を都道府県に付与するなど、都道府県の役割を拡大すべきといったことも記載されております。
 5ページの一番上でございますけれども、こういった地域特性に関連いたしまして、診療報酬や医療計画など、全国一律の規制等をどこまで緩和するか、地域ごとの医療政策の柔軟性を検討する必要があるといった御意見、外来の役割分担のあり方として、フリーアクセスを守るためにも、初診時一定病床(例:200床)以上の一般病床で、紹介のない外来受診について、一定額の定額自己負担を導入するべきといった意見も記載されております。
 在宅医療と在宅介護の連携のあり方等でございますけれども、6ページの一番上の○や3つ目の○で、包括的な体制の構築の必要性が意見として出されております。
 飛びまして、8ページでございます。医療関連データの収集・分析等ということで、8ページの一番上の○でございますけれども、医療・介護・みとり、継ぎ目のない地域医療・包括ケアを創生するために、データの可視化が重要だということで、既存データの集約・統合により、住民、地域医療計画、地域包括ケア計画作成者に提供していくべきといった意見や、8ページの下から3つ目の○でございますが、効果的かつ効果的な医療の提供に資するよう、データを収集・分析し、医療の質のさらなる向上につなげることが必要であるということで、保険で承認された医療も費用対効果などの観点から、常に再評価されるべきといった意見も出されております。
 9ページ以降が財政論でございます。財政論でございますので、簡潔にいたしますけれども、9ページの2つ目の○、3つ目の○で、高齢者医療の拠出金、いわゆる支援金でございますけれども、被用者分については、総報酬割を導入すべきといった意見がございました。それで浮いた国費について、国保に優先の実現を図るといった意見。
 10ページの一番上でございますけれども、国保の保険者を都道府県とするべきといった意見がある一方で、10ページの一番下でございますが、共同化・効率化といった広域化のメリットを追求しつつ、市町村保険者としつつ、都道府県単位の共同事業の改善により対応といった両論の意見が記載をされております。
 11ページでございます。医療保険における療養の範囲の適正化等ということで、例えば4つ目の○でございますが、70歳以上の高額療養費、特に外来特例の見直しを行うべきといった意見や、70~74歳の医療費自己負担は、法律上の2割、現在、特例で1割でございますけれども、そういった措置の見直しについての意見が出されております。
 国民会議の主な意見は以上でございます。
 これに関連しまして、資料中医協総-4-3でございます。国民会議で議論の整理案が出されたことを踏まえまして、社会保障審議会医療保険部会におきまして、5月10日、16日、27日と3回にわたり議論をし、その主な議論を整理した案でございます。まだ最終取りまとめには至っておりません。
 この中では、国民会議の議論に対しまして、基本的な考え方として、一番上でございますが、日本の医療保険制度を守る観点から、全体のビジョンを示すような議論をしてほしいといった意見や、4つ目の○でございますけれども、国保の都道府県単位化や後期高齢者医療制度の負担面での全面総報酬割の導入といった、局所的な議論のまま、医療・介護に関する議論が一巡したと整理されたことは、極めて残念であるという意見がある一方で、その下でございますが、国民会議の議論は、非常に新鮮で、やはり国保の保険者は都道府県でやるべきだという方向性を打ち出した点は、高く評価するといった意見も出されております。
 飛びまして、3ページでございます。医療・介護提供体制のあり方のうち、真ん中ほどから、補助金的手法と診療報酬とございます。先ほど補助金か診療報酬かという両論がございましたけれども、医療保険部会におきましては、2つ目の○でございますが、診療報酬と補助金はそれぞれ一長一短あるので、それぞれの利点を生かしながら、最適な組み合わせを考えていくというのが、政策的には一番よい。その際には、消費税の引き上げによって生まれてくる財源を活用していく形で、2014年度から実施していくことがよいといった意見や、これまで診療報酬、医療法、補助金の相互の連携が必ずしもうまくとれていなかったので、国レベルの工夫が必要であるといった意見、診療報酬はあまねく全ての医療機関に行き渡る一方、補助金はどうしても公的なところが中心になってしまうので、両方の手法が必要であるが、診療報酬がメーン、補助金はサブとすべきといった意見が出されております。
 4ページの一番上でございますけれども、これは医療法改正がこの秋に予定されていることなどを勘案し、医療法、医療計画と診療報酬が車の両輪ということを勘案すれば、通常、11月下旬に出ている診療報酬改定の基本方針について、その一体改革関連部分の基本方針を前倒しで出すべきといった意見も出されております。
 飛びまして、5ページでございます。地域ごとの診療報酬。地域特性に応じた診療報酬といった意見が出されておりましたけれども、これについては、否定的な意見が出ております。
 外来の役割分担のあり方、かかりつけ医等と外来受診の定額自己負担等でございますけれども、かかりつけ医機能の充実などの御意見や、先ほど一定病床数以上の定額自己負担については、フリーアクセスの緩やかな制限に賛成といった意見や、一番下でございますが、フリーアクセスへの制限もある程度は仕方がないが、経済の格差が寿命の格差に直結しないような政策をお願いしたいという意見も出ております。
 6ページ、7ページは、在宅医療と在宅介護の連携のあり方等、医療関連データの収集・分析等ということで、いずれも在宅医療、あるいは訪問看護、薬局を含めて、前向きに取り組むといった意見、データ収集・分析をしっかりすべきといった意見、7ページの上でございますけれども、一方で、データ活用については、個人情報保護法に留意する必要だといった意見で出ております。
 また、共通番号、いわゆるマイナンバーの活用に関する意見や、費用対効果については、この後、御議論がございますけれども、中医協で検討中でありますので、その議論を見ながら、慎重に議論の集約をしていくことが必要といった御意見もいただいております。
 8ページ、療養の範囲の適正化等でございますけれども、療養の範囲の適正化全般については、抜本的な見直しが必要であるといった意見がある一方で、慎重論と両論ございました。
 高齢者の患者負担につきましては、一律2割ではなく、段階的に2割という意見が多うございました。また、低所得者への配慮といったことが必要だといった御意見もございました。
 9ページの一番上でございますけれども、75歳以上についても、原則2割とすることについて、どこかのタイミングで踏み込むべきという意見がある一方で、月曜日にそれについては反対という御意見もございました。
 高額療養費については、根本的にメスを入れていかなければいけない。収入がある高齢者は払うことにすることもあり得るという意見がある一方で、高療については、これまで引き下げの議論をしてまいりましたので、その対象者の範囲、幅、あるいは所得の細分化などを考えるべきといった御意見がございました。
 高齢者の保険料、医薬品に関する負担の見直し等々でございます。
 10ページ以降が、医療保険制度の安定化等の議論でございます。
 被用者保険の課題として、被用者保険の基盤強化が必要だといった御意見、真ん中ほどから、後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入に賛成、その賛否の議論、浮いた財源については、10ページ下で、国保にまず優先といった議論がある。
 一方で、11ページでは、まずは被用者保険、現役世代の負担軽減といった両論がございました。
 12ページから国保の保険者論でございます。国保の保険者論につきましては、まずは都道府県ありきといった順番が違う、構造問題の解決が先だという意見がある一方で、国保については、広域化の方向で考えるべきといった御意見が多うございました。
 13ページでございますけれども、上でございますが、国保の都道府県単位化の方向には賛成の意見が多うございましたが、メリット、デメリットなどを十分に検討すべきといった御意見もいただいております。
 メリット、デメリットの具体例として、収納率、保健事業との関係ということで、広域化により、収納率、保健事業等への悪影響が出るのではないか、そこが懸念されるといった意見がある。
 一方で、14ページでございますけれども、そういった懸念は当たらないといった両論がございました。
 国保の財政基盤について、しっかりと国民皆保険を支えるよう、改革をすべきといった議論、総報酬割といった公費を国保に充てるべきといった議論がある一方で、基盤強化には消費税財源を充てるべきといった御議論もございました。
 さらに国保のさらなる基盤強化を図るべき、あるいは消費税の増税時に220億円を国保の低所得者対策で投入することになっておりますが、それを早期に実現すべきといった御意見がございました。
 16ページでございますけれども、国保の広域化のスケジュールでございますが、今回の国民会議での委員の提案では、国保の広域化と医療提供体制の改革、都道府県の権限強化とセットになっているわけですけれども、そのスケジュールについては、昨年、国保改正で共同事業の拡大ということで、都道府県の財政運営の推進をしておるわけですけれども、これが平成27年度から実施ということで、その状況を見守る必要があるといった御意見や、都道府県化する場合には、仮に統一の保険料にいたしますと、急激な保険料の増減が生じますので、段階的な保険料をならしていくという作業が必要といった御意見がございました。
 最後に高齢者医療制度のあり方等でございますけれども、高齢者医療制度のあり方について、抜本的な議論をすべきといった御意見、真ん中ほどは、現行制度を前提としながら、改善していくべきといった御意見、下から2つ目の○ですが、国保の都道府県化とあわせて連携を図るべきといった御意見、被用者が退職して、国保に加入している現状に問題があるので、退職者について、健康保険制度の中で対応すべきといった御意見。
 18ページでございますけれども、終末期医療に関しての御意見をいただきました。
 駆け足で恐縮ですが、説明は以上でございます。
○森田会長
 どうもありがとうございました。
 国民会議の議論、社会保障審議会医療保険部会の議論は、これからの中医協の改定の議論に影響があると思いますので、御報告いただいたところでございます。
 それぞれ大変な論点があり、いろいろな御意見があるようですけれども、きょう、この場でそれについての議論は考えておりませんが、今の御説明の中で、この辺はどうなっているかということで、どうしても質問がある、お尋ねになりたい方は、御質問いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。よろしいですか。
 それでは、この情報を共有するということで、本日は承っておくことにいたします。
 それでは、最後のアジェンダになりますけれども、次に「○平成24年度診療報酬改定結果検証に係る調査(平成24年度調査)について(在宅医療、医療安全等)」を議題といたします。
 診療報酬改定結果検証部会の牛丸部会長より、御報告をお願いいたします。牛丸先生、どうぞ。
○牛丸委員
 検証部会長の牛丸です。
 本日、御報告いたしますのは、平成24年度に実施しました検証調査のうち、在宅医療の実施状況及び医療と介護の連携状況調査、医療安全対策や患者サポート体制等に係る評価についての影響調査の結果概要、速報案になります。
 本日の資料につきましては、事前に持ち回りという形で、検証部会委員に内容を確認していただき、了承いただいております。
 既に先ほどもお話しましたように、前の総会でもお話しましたように、検証部会が行いました調査は、こういう形で、速報ということで、集計結果をお出しします。その後、検証部会委員による分析・評価を加えた本報告という形にいたしまして、総会に改めて報告することにしております。
 既に後発医薬品調査、在宅歯科調査、この2つが速報ということで、総会に報告されております。それに加えまして、きょう、2つ新たに速報ということでお出しいたします。
 何度も言うようですけれども、ここで了解を得ましたら、これに基づきまして、検証部会委員によって、分析・評価を加えて、本報告という形で、夏の終わりぐらいでしょうか、はっきりわかりませんが、秋になる前ぐらいに御報告いたしますので、本格的な議論はそのときにお願いしたいと思います。
 あと、2つ残っております。先ほどの議論に若干使われましたが、訪問看護、救急、この2つが残っておりますので、いずれこういう形で速報案が出されますので、でき上がり次第、御報告いたします。
 そういうことですので、本格的な議論はそのときということですが、先ほども申しましたように、我々が分析・評価する際に、こういうデータに関しては、こういうふうに見たほうがいいとか、何か御注意あるいはアドバイスがあれば、きょうはお時間がないでしょうから、後日、事務局にメールでも結構ですから、お知らせいただければ、それを参考にさせていただきながら、検証部会委員が分析・評価いたします。
 きょう、私からは以上でして、事務局よりポイントのみ、簡略に説明をいたしますので、よろしくお願いいたします。
○森田会長
 事務局、お願いいたします。
○竹林保険医療企画調査室長
 それでは、ごく簡単に、今回の2つの調査の目的、こういった調査だということだけ申し上げます。
 1ページ目でございますけれども、調査の概要の下に目的とございます。そこに4つほど並んでおりますが、医療機関から在宅への退院調整、移行状況の把握ということでございまして、前回の改定で退院調整加算といったものが、新設されたことに伴うものでございます。
 あと、在宅医療の実施状況、夜間や緊急時の対応状況の把握、患者さんの在宅医療に関する意識等の把握、こういったことを目的として、さまざまな項目の調査を行っております。
 続きまして、中医協総-5-2でございます。医療安全対策や患者サポート体制等に係る評価についての影響調査でございます。
 これは目的の異なる複合的な調査でございまして、目的のところでございますが、感染防止対策の実施状況の把握でございますとか、3つ目のポツでございますけれども、患者サポート体制ということで、相談支援体制を整えた場合の加算の創設に伴う調査、入院基本料等加算の簡素化に関する影響の把握ということ、有床診療所の療養病床における療養環境整備の状況の把握、今後の療養環境の改善の検討状況、そういったことを調査するものでございます。こういった調査の中身となっております。
 以上でございます。
○森田会長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御質問がございましたら、御発言をお願いいたします。
 万代委員、どうぞ。
○万代委員
 2つございます。
 1つは、資料のつくり込み、形式の件でございますけれども、これは事務局へのお願いかもしれませんが、速報とはいえ、やはり見させていただいております。特に前回の後発医薬品については、端から端まで見させていただきましたが、そんな中で、貴重なデータも非常に多いと思っております。そのときに、どこにどういうデータが盛り込まれているかという目次がないものですから、困りましたが、よく見てみますと、後発医薬品につきましては、一番最後のところに目次がございまして、最後まで見て、ここに目次があったかということでございました。
 今回の資料につきましては、目次すらないということで、例えば医療安全対策や患者サポート体制に係る評価の影響調査の例えば24年改定以後、問題になりました「1.目的」の4ポツの入院基本料の加算の簡素化に関する影響等がどこにあるかと思って、ぱらぱらとめくったら、たまたま101ページが出てまいりまして、そこには4として、今のタイトルが出ておりますけれども、そこら辺の整合性です。それなりの高額な金額を払った調査のまとめだと考えますので、その点については、ぜひ速報版から、こちらが参照しやすい形式をお願いしたいと考えております。
 もう一つは、先ほど牛丸委員がおっしゃったように、データの使い方でございますけれども、速報が出る前に、事務局でデータを加工して、それがここに突然出てくるというのは、手続上問題があると思いますので、その点については、事務局で事前に使うということであれば、その時点で速報があるわけですので、速報として、そのときに中医協の場にお示ししていただく。それが手順だと思いますので、今後はぜひそのように改めていただければと思います。
 以上です。
○森田会長
 ありがとうございました。
 事務局、何かございますか。よろしいですか。医療課長、どうぞ。
○宇都宮医療課長
 医療課長でございます。
 今回のデータについては、調査実施小委の先生方には、御了解いただいたものであったんですが、万代委員がおっしゃるように、今後、手続のことは考えたいと思います。
○森田会長
 ほかにいかがでしょうか。
 他に御質問がないようでしたら、本件に係る質疑はこれぐらいにしたいと思います。
 本日、用意しました議題は、以上でございます。
 特に御発言がなければ、きょうはこれぐらいにさせていただきます。
 最後に次回の日程につきまして、事務局からお願いいたします。
○宇都宮医療課長
 次回は6月を予定してございますが、詳細は決まり次第、御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。
○森田会長
 どうもありがとうございました。
 予定より少し時間が延びましたけれども、総会はこれにて閉会といたします。
 この後、費用対効果評価専門部会がございますが、10分の休憩の後、40分ぐらいから開始することにいたします。
 それでは、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線3288)

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