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2013年8月1日 第65回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成25年8月1日(木)10:00〜12:07


○場所

グランドアーク半蔵門 富士東の間(4階)


○議題

1.次回の診療報酬改定に向けた検討について
2.協会けんぽの平成24年度決算見込みについて
3.社会保障制度改革国民会議の議論の状況報告

○議事

○遠藤部会長
 皆様、おはようございます。それでは、定刻になりましたので、ただいまより「第65回医療保険部会」を開催したいと思います。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
 それでは、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、大谷委員、福田委員より御欠席の御連絡をいただいております。
 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方について、お諮りしたいと思います。大谷委員の代理として黒川参考人、福田委員の代理として近藤参考人の御出席につきまして御承認いただければと思いますけれども、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 また、オブザーバーとしまして、日本商工会議所の大井川さんの御出席につきまして御承認いただければと思いますけれども、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 初めに、前回に続いて「次回の診療報酬改定に向けた検討について」を議題といたしたいと思います。事務局からは、前回、委員の皆様からいただいた意見をもとに資料を作成していただいております。なお、この議題の参考資料として、前回の医療保険部会の診療報酬改定に関する資料を委員の皆様のお手元のファイルにまとめていますので、適宜御参照いただければと思います。
 それでは、事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。医療課長、どうぞ。
○宇都宮課長
 医療課長でございます。それでは、資料1をごらんいただきたいと思います。「次期診療報酬改定における社会保障・税一体改革関連の基本的な考え方について」ということで、前回、7月25日の医療保険部会での意見を中心に整理させていただいたものでございます。
 その整理の仕方としまして、まず1ページ目の「1.基本認識について」ということと、3ページ以後の「2.次期診療報酬改定(社会保障・税一体改革関連)の基本的な考え方について」という大きなくくりで分けさせていただき、さらに2のほうは、(1)入院医療、(2)外来診療、(3)在宅医療という分類にさせていただいております。
 それでは、1ページ目の基本認識についてのところから御説明させていただきます。表の左側については、これまでの議論等を整理したものということで、項目的なものを書かせていただいておりまして、右側に委員の意見等ということで、前回の主な意見の抜粋などが書かれております。主な意見につきましては、参考資料1のほうに前回の各委員の発言要旨というものがございますので、詳しい意見についてはそちらのほうを御参照いただければと思います。
 まず、基本認識について。
 ア 社会保障・税一体改革では、消費税率を引き上げ、医療・介護サービスの機能強化と重点化・効率化に取り組むこととされており、これらの方向性を踏まえ、診療報酬改定の検討を進めるべきとしておりまして、その下に、社会保障・税一体改革での見直しの方向性として、ポツを3つ書いてございますが、これは平成24年2月に閣議決定されました社会保障・税一体改革大綱から抜き出した文章でございます。急性期病床の位置付けを明確化し、云々と、この3つのポツはその抜き出した表現そのままでございます。
 それから、イ 病院・病床の機能分化・強化と連携は、診療報酬と補助金による誘導が考えられるが、それぞれの特性を考慮しながら、診療報酬と補助金を適切に組み合わせて対応することが適当ということで、これにつきましては、7月25日の意見ではなくて、右側のほうに書いてございますけれども、医療保険部会における主な議論として、これは6月10日の社会保障制度改革国民会議に遠藤部会長のほうから御提出いただいた資料から抜き書きさせていただいたものでございます。それを踏まえて、イの今、読み上げましたような文章の整理にさせていただいているということでございます。
 続きまして、2ページ目でございますが、ウ 病院・病床の機能分化・強化と連携は、患者が必要な医療を受けられない事態が発生しないよう、患者の受け皿を整備しながら段階的・計画的に進める必要。
 エ 病院・病床の機能分化・強化と連携に当たっては、医療従事者の確保が重要であり、医療従事者の負担軽減とともに、チーム医療の推進に引き続き取り組む必要。
 オ 平成26年度診療報酬改定においても、医療法改正による対応を待たずに、社会保障・税一体改革で示されている「平成37年度(2025年度)の医療の姿」を見据えつつ、平成24年度改定に引き続き、病院・病床の機能分化・強化と連携、外来診療の機能分化、在宅医療の充実等に取り組む必要。
 これにつきましては、右側のほうに書いてございますが、昨年の診療報酬改定の基本方針、これは一昨年、平成23年12月の医療保険部会でおまとめいただいた基本方針でございますが、ここに書かれている文言と、あと、1ページ目の最初のほうの7月25日の医療保険部会での主な意見として、来年の改定に向けて2025年に向けた方向性に沿ってという、その辺のところを組み合わさせていただいて、「オ」の文章にさせていただいているところでございます。
 続いて、3ページ以降でございますが、入院医療については、まず1高度急性期・一般急性期について。ア 高度急性期及び一般急性期を担う病床の機能の明確化とそれらの機能に合わせた入院医療の評価を行う観点から、以下の事項について検討を行う必要がある。 急性期病床の担う機能の明確化を行い、高度急性期及び一般急性期を担う病床の機能強化。患者の状態に応じた医療の提供。入院早期からのリハビリテーションや退院支援の推進。急性期病院の平均在院日数の短縮等。
 2長期療養についてということで、ア 急性期病棟と長期療養を担う病棟の機能分化を図り、高齢化の進展に伴う長期療養患者の受入れを推進する観点から、以下の事項について検討を行う必要があるということで、急性期病棟における長期入院患者の評価の適正化。おめくりいただいて、長期療養を担う病棟の受入体制の充実等。
 3として、亜急性期等についてでございます。ア 病床の機能分化に向けた評価を行うため、急性期病床からの患者の受入れ、リハビリの提供、在宅患者の急変時の受入れなど、亜急性期・回復期を担う病床の機能をそれぞれ明確化し、亜急性期・回復期の機能に応じた評価について検討を行う必要がある。
 続いて、5ページ目、4地域特性については、前回の資料でこのような分類をさせていただいたのですが、これについては御意見が出てございませんで、前回のときの資料から右側に抜き書きをさせていただいております。地域的には、一つの病院で複数の医療機能を持つことが必要な場合もあり、そのような地域の実情に応じた評価体系についてどう考えるかということでございます。
 5有床診療所における入院医療について。ア 有床診療所については、在宅患者の急変時の受入れ機能、在宅医療の拠点機能等を有しており、それらの機能に応じた評価について検討を行う必要がある。
 (2)外来診療について。
 ア 複数の慢性疾患を持つ患者に適切な医療を提供しつつ、外来診療の機能分化を更に推進するため、以下の事項について検討を行う必要がある。診療所や中小病院におけるかかりつけ医機能の評価。大病院の専門外来の評価。大病院の紹介外来を更に推進する方策等。
 最後の6ページでございますが、(3)在宅医療について。
 ア 在宅医療を担う医療機関の量の確保と、患者のニーズに対応した質の高い在宅医療の提供を推進し、地域包括ケアシステムを構築するため、以下の事項について検討を行う必要がある。看取りを含め、在宅療養支援診療所・病院の機能強化。24時間対応、看取り・重度化への対応など、機能に応じた訪問看護ステーションの評価とともに、訪問看護ステーションの大規模化の推進。在宅歯科医療の推進。在宅薬剤管理指導の推進。訪問診療の適正化等ということでございます。
 この資料につきまして、また補足とか追加・訂正等、その他いろいろございましたら御議論いただければと思います。説明は以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。前回、社会保障・税一体改革関連で、診療報酬改定の基本方針となり得ることについて御意見を伺ったわけでありますけれども、ただいまの御説明を踏まえまして、御意見、御質問いただきたいと思いますけれども、どなたでも結構でございます。鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 それでは、まずこの資料についてお話させていただきます。4ページの3亜急性期等についてというところでございますが、ここの3行目に「在宅患者の急変時の受入れ」とあります。きのうの入院医療の分科会の議論を見ましても、いわゆるサブアキュートを亜急性期とするのは無理があるという意見も出ておりました。急性期にも、重症、中等症、軽症がありますし、サブアキュートは急性期、ポストアキュートが亜急性期としたほうが現実的だと思いますので、この文章は削除すべきだと思います。
 それから、最後の6ページで、在宅医療を担う医療機関というところですが、これは在支診、在支病の評価というのはいいのですが、在宅の裾野を広げるということも重要ですので、在支診、在支病以外の中小病院、有床診療所、診療所の在宅の評価も必要であるということを入れるべきだと思います。
 とりあえず、以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。亜急性期に関することと、もう一つは在宅療養支援診療所でなくても在宅医療を行うわけでありますので、その辺の機能も目配りをした書き方にするべきであるということであったと思います。
 それでは、武久委員、お願いします。
○武久委員
 今の御意見なのですけれども、今、日本全国で救急医療が非常に困難な状態になっているというのは皆さん御存じで、一時、嫌な言葉でたらい回しというのがありましたけれども、特養で病気がちょっと憎悪しても、全て救急車を呼んで大病院に行ってしまう。そうすると、褥瘡の熱だったとか、そういう患者さんがいっぱい来る。それが全部ERへ最終的に来てしまうと、ERはパンクしてしまう。結局、本当の意味の救急が必要な人が入れない。
 これは全国民的な大問題なので、救急にもいろいろあるわけですね。子どもの発熱とか、ちょっとけんかで殴られたとか、いっぱいありますけれども、少なくとも慢性期の患者さんが療養していて急性憎悪したときに入る病院というのを、要するに救急の機能分担をしないといけないだろう。だから、救急病院に救急を全て押しつけて、その治療が終わった後を亜急性が診たらいいというのは、ある意味正しいように見えますけれども、高度急性期で診なくてもいいような救急患者は物すごく多い。その一部を亜急性期が担当してくれという方針じゃないかと私は思いますので、これはこのまま置いておいたほうがいいと思います。
○遠藤部会長
 それでは、しばらくこの問題で。鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 武久先生のおっしゃるのもごもっともなのですけれども。
○遠藤部会長
 鈴木委員、1つよろしいですか。鈴木委員のおっしゃったこと、私は理解できたのですけれども、サブアキュート、ポストアキュートというお話もあって、委員の皆さん、必ずしも御理解されていないところもあるので、もう一度わかりやすく、前半の御意見をおっしゃっていただきたいと思います。
○鈴木委員
 皆さん、御存じない方が多いかと思いますけれども、入院医療の分科会では武久先生もお出になっていますが、きのうも議論が行われており、我々は、オブザーバーで意見を聞かせていただきましたが、ここの議論にある意味先行して、具体的に言えば7対1の急性期病床を減らして亜急性期の病床をふやそうとして、無理やりそれを強行しようとしているのです。我々としては、大きな方向性としては、そういった必要性はあると認めますが、現場を混乱させるようなことは避けるべきだと主張しております。
 これは、何も慢性期のちょっと具合が悪くなった方を救急車で救命センターに運べと言っているわけではないのです。そうじゃない仕組みを、例えば在支病、在支診でも、別に救急病院じゃなくても在宅の患者を診ているわけです。でも、人員体制の薄いところに、さらにそういったものを診ろというのは、現場の負担も増すと思います。武久先生の病院のようなところは可能かもしれませんが、多くの慢性期病院とか人員配置の低いところでは、現在でも非常に負担がふえておりますので、これ以上負担を増して現場を疲弊させ、そして崩壊させるということはできません。これは現実的にやるべきだと主張しております。
 現場の意見を踏まえて、現在、急性期を担っている先生方の、これも大病院から中小病院、有床診療所まであるわけですが、そういった先生の声を反映した内容にすべきだということで申し上げました。
○遠藤部会長
 私が適切に申し上げなかったのかもしれませんけれども、文章の修正の御依頼があって、それに対して武久委員は、それは必要ないという御指摘だったものですから、その文章をどのように修正するべきか、その理由について、もう少し詳しく。背景事情はよくわかりましたので、お願いします。
○鈴木委員
 「在宅患者の急変時の受入れ」と書いてありますが、在宅患者と言っても、若い方から高齢者までいろいろいらっしゃるし、軽い方から重い方までいらっしゃるので、一括りにはできないと思います。それを「在宅患者の急変時の受入れ」ということで一括りにして、それは亜急性期へというのは、明らかに実態を反映していないと思いますので、こういう誤解を生むような文章は削除すべきだと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。そういうことをおっしゃったわけですね。在宅患者を受け入れるところを亜急性と限定するような書きぶりについては、問題があるのではないかということで、この文章を消すべきだと。それに対して、武久委員はそうではないという御指摘。武久委員、どうぞ。
○武久委員
 一般的な場合はいろいろ考えられますけれども、要するに現在でも1次救急、2次救急、3次救急があって、1次救急や2次救急に来た患者で重症の人は3次救急へ送っているわけです。要するに、ワンステップしているわけです。今、鈴木委員がおっしゃったように、在宅でいても非常に重く、また心筋梗塞が起こったり、脳出血が再発したりする場合もあります。それは、そこでスクリーニングして3次救急へ行くわけですから、今の仕組みと変わらない。
 ただ、鈴木委員が今、慢性期病床が救急をという言い方をしましたけれども、これは亜急性期病床というのは、現在の亜急性期でなしに全く新しい概念のもの。すなわち3つの機能ですね。ポストアキュート、サブアキュートと、その患者さんを在宅へ早く復帰させるようなリハビリ等の機能を持った病床という新しい概念のものがつくられるのであって、現在ない病床です。これをつくるのであって、2025年には亡くなる方が1.5倍になる。そうすると、2回入院すると入院患者さんが3倍になるという状態で、病院の病床はふえないとなると、救急もまた3倍以上になると思うのです。
 そのときを見据えてどうするかというと、本当の救急と、まあまあ亜急性で診れる救急とあると思うので、そういうふうに機能分化していかないと、全てが高度急性期病院へ行くということではどうにもならないということを、当然のことながら将来的な確定的な予想のもとに担当事務局がこのような案をつくられたと思いますので、私はこのままでいいと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 では、鈴木委員、手短にお願いいたします。
○鈴木委員
 これは考え方に違うところがあるので、多分相入れないと思いますが、現場の急性期を現在担っている、特に中小病院の多くの先生方は私の考え方に近いと思います。大病院の急性期に行けと言っているのではないのです。だからと言って、13対1の亜急性期ですべて診ろというのでは現場が疲弊してしまいます。中小病院の急性期が頑張って、2次救急なども活用して受け入れ、さらに軽い急性期の方ほど早くよくなるわけですから、そうした方を早く亜急性期に移すような仕組みをつくって、自然に急性期の病床が減って亜急性期がふえるようにするほうがはるかに現実的です。
 ですから、現場の実態を踏まえて現実的に対応すべきだということを言っているのです。大きな方向性では違わないのかも知れませんが、今の武久先生の考えとは違うところがありますので、この場で折り合いはつかないかと思いますが、現場の急性期を現在担っている中小病院、有床診療所の多くの先生方は私の考えに近いと思っております。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。病床の機能の分類の議論、あるいは亜急性期の機能をどう考えるかということとも絡む話でありますので、こういう御意見があったということで、対応させていただきたいと思いますけれども、ただいまの話に関連してもいいですし、違うところでも結構です。白川委員、お待たせしました。
○白川委員
 2つあるのです。
 1つは、今、両委員が議論された急性期、亜急性期の話でございますが、基本的には今、一般病床ということで一くくりにされている病床を一定程度整理していこう、区分していこうという考え方は、両委員も多分同意されていると思いますし、私もそうしていくべきだと考えております。医療提供側の意見はよくわかりますが、患者側からしますと、7対1が今、一般病床の4割くらいとかなりの比率を占めていますが、当然、入院基本料が高いわけであります。
 そこのベッドを使うということは、高い入院基本料を負担するということになるのですが、受けた医療・看護のサービスに対して支払うという診療報酬の考え方から言えば、手厚い医療サービスを受けていないのに高い入院基本料を支払うという矛盾があるわけでございまして、そこのところもこの議論では考慮すべき点であると思っております。
 今、急性期を想定した7対1の中で、90日を超える長期の入院患者が3%ぐらいいると言われていますが、こういう方々が急性期かと言われると、90日を超える入院をされている方を急性期と言うのはいかがなものかと思います。したがって、病床区分を急性期、亜急性期と分ける方向で議論が進んでいるようでございますが、そういう方向で議論を進めていくべきだと思います。
 ただ、鈴木委員のおっしゃることもよくわかります。なぜなら、7対1をつくったときに、医療現場が非常に混乱いたしました。看護師の確保で、相当混乱したというのは事実でございますし、病床再編の中で、また混乱が起きるというのは、患者側にとっても問題だと思っておりますので、計画をきちんとつくって、その工程表に従った形で進めていくということをぜひ実施していただきたい。
 2点目は全然違う観点でございますが、20年度の医療制度改革のときに、介護療養病床の削減計画というのが出されまして、数字ははっきり覚えておりませんが、三十数万床の療養病床を削減していくという計画でございました。ところが、現実には、介護療養病床に入所されている方々の受け皿がないということで、介護療養病床の廃止については、たしか一昨年、6年間の凍結ということになりました。私が申し上げたいのは、6年間の凍結は現実を見ればやむを得ない措置だと思いますが、介護療養病床におられる方を自宅に追い出すという話ではなくて、介護施設の充実によって受け皿機能を果たしていただこうというのが、当時の趣旨だったと記憶しております。
 あと4年ぐらいしかないと思いますが、当初の計画どおり進めるのは、現実から言ってかなり難しいかもしれませんが、余り医療必要度のない方は、介護施設のほうに移っていただくという全体の方向は間違っていないと思いますので、特に介護療養病床を廃止していくという計画をもう一度きちんと立てて、凍結期間が明けるときには速やかに実行できるような体制をぜひとも整えていただきたい。資料1で言いますと、最後の在宅医療ということになるのだと思いますが、そういう意見も述べさせていただきたいと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。関連いたしますか。それでは、武久委員、どうぞ。
○武久委員
 白川委員のおっしゃっているように、もう7年前ですね。療養病床の削減というのがありました。これはどうしてかというと、ここにいらっしゃる方はもうその当時のことは覚えていらっしゃらないと思います。平成17年に小泉さんが選挙で大勝したときに経済財政諮問会議というのができまして、とにかく医療費のキャップ制ということと混合診療ということを厚労省に申し入れたときに、尾辻大臣が平均在院日数を下げますということと、特定健診をして予防に努めますと、この2つを約束した。そのときの第1命題である平均在院日数を下げるというところで、平均在院日数の長い療養病床を減らせば平均在院日数は短くなるという算術的な考え方で、療養病床を削減したらいいと。
 これは理屈がわかるのですけれども、そのときに一般病床の中にいる特定除外というのは平均在院日数に入れないということになっていましたので、そこはそのまま糊塗したというか、そっと置いておこうと。これがこの6年間に顕著化してきて、特定除外の問題のほうが重大だ。ということは、医療費が1日5万円も7万円もするところにいる慢性期の患者さんが、1日1万5,000円の療養病床を減らすより、そっちを減らすほうがよほど効率的だということになって、むしろ一般病床を減らして長期療養病床をふやしたほうが、適材適所に病床機能ができるという考え方に世の中がだんだん変わっていった。
 一方で、介護療養ですけれども、確かに我々、現場でやっていますと、特養と老健と介護療養とありますけれども、半分ぐらいはよく似た患者さんがいるというのも事実です。だから、それについては白川委員のおっしゃるように、適材適所に患者さんの病態によって施設を分けていくというのに私も大賛成です。
 ところが、施設内死亡というのを見ますと、特養は一応あるように見えますけれども、あれは籍が残っていて病院で亡くなった場合の数が全部入っておりますので、実際、老健では数%しか亡くなっていない。ターミナルを診ていない。介護療養型は、三十何%がターミナルを診ているという現実がありまして、夜間、お医者さんのいない特養とか老健。老健は昼間いますけれども、夜間はいませんから、そういうところで実際に人間が亡くなっていくということを許容する家族はそんなに多くはないということで、ターミナルを診る介護施設的な医療の必要があるような施設というのはどうしても要るわけです。
 これを介護療養病床と言うか、別の名前にするかは別として、介護の中でもそういう機能を持った病床というのは要るので、これは厚労省の担当者の方が考えられると思いますけれども、この6年間の猶予の間に、まずは急性期病院の整理をして、一般病床の整理をして、亜急性をつくって、そこから慢性期をつくって、それぞれに機能を与えて、その結果、その次のステップの介護にはどういう機能をするかというのは一連でつながっている問題なのですね。
 だから、私は白川委員の言うように、介護療養型は約束だからと言うのではなしに、あれは療養病床を削減しようとしたときに、療養病床が介護のほうへどんどん行ってしまうと介護保険料が上がってしまうから、介護療養を廃止しましょうという3段論法で行った結果ですので、もう少し大きな視野で見て、一連の流れとして考えていただきたいと思いますので、ここにそのことだけを取り出して言うよりは、むしろ全体的な流れについて記載していただければと思っております。
○遠藤部会長
 では、関連ということで、鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員
 介護療養病床に関しては、私もこれだけ超高齢化社会が進んできて、6年たてばさらに進むわけですから、在宅で、あるいは施設でということはわかるのですけれども、例えば私のところにもあるのですが、全員要介護5です。ですから、本当の重度の方の看取りの場として、施設も必要だし、在宅もやっていて、少しずつ施設に移しているのですが、それでも、ある程度まとめて、そういう方を看るところが必要なのです。ですから、そういった現状を踏まえて、これも現実的に考えていかないと本当に現場が混乱します。切り捨てだということになりかねないと思いますので、私は一定の介護療養病床というものは必要だと思っております。
○遠藤部会長
 直接関係する話についてご発言を。白川委員からどうぞ。
○白川委員
 私が申し上げたかったのは、約6年前にそういう方針が出て、法律もできて、それが凍結されている状態で、あと4年たてば凍結が溶けますから、また議論しなきゃいけないという話に当然なります。要は、それを踏まえた、どういうふうにしていくのかという議論を医療保険部会ですべきではないですかということです。そのためにはたたき台が要るので、事務局のほうで見直しの案を出していただけないかということでございます。
 これは早目にやりませんと、凍結に関して、民主党政権下では、医療保険部会で議論がされないまま、突然凍結という政府の方針が決まったわけでございまして、それでは20年度の法改正は何だったのかとの不信感を我々は持ったわけでございます。医療側の先生方の意見の一端をお聞きしましたが、我々だって意見があるわけでございまして、それは医療保険部会で議論して、方向性を出していくべきではないのかというのが私の現在の意見でございます。
○遠藤部会長
 ちょっとここで1つまとめさせていただきたいのですけれども、まず白川委員のおっしゃっていた御指摘、2つありまして、1つは、一般病床、特に7対1などに長期入院患者がいるということをかんがみながら、適正な機能区分を考えていって、それに沿うような診療報酬の体系を考えていくべきだということが、多分前半の話だと思います。
 後段の話は、療養病床の再編の問題をきちんと議論するべきではないかということだったと思うわけです。確かに現状、御案内のとおり、医療療養型の一部は一般病床になり、そして介護療養型から医療療養型への移行が進んでいるという状況でありますので、当初、再編計画を立てたときとは流れが違っているという状態になっているわけなのですけれども、これをどうするかというのは、また非常に大きな議論であるわけであります。
 実は、今、介護療養病床の話が出ておりましたけれども、これは診療報酬とは直接関係ない話ではあります。関連はしますが、ちょっと分けて議論したいと思います。療養病床再編計画を医療保険部会で議論するのかどうかというところは、1つ論点としてあるかと思うのです。今のお話は私、非常によくわかりましたけれども、今は診療報酬、次回改定との関連ということなので、とりあえず御意見として承っていくという形で考えさせていただきたいと思います。
 当部会で療養病床再編計画にどこまで関与するのかということは、ちょっと事務局と相談しながら決めさせていただければと思いますけれども、そういう取りまとめでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 では、医療課長、どうぞ。
○宇都宮課長
 医療課長でございます。今の白川委員の御認識に、多分誤解がちょっとあると思うので、そこだけ訂正させていただきますが、介護療養病床については、廃止について凍結されたということではなくて、法律上、廃止ということになってございます。ただ、昨年3月31日時点で、まだ介護療養病床として残っているものについては、6年間の猶予を持たすということでございますので、今、介護療養病床の制度があって、6年後にどうしようと、また議論が沸き起こるという話ではございません。
 もう一つは、介護療養については、転換支援措置などを老健局のほうでやってございますので、またそれはこちらの医療のほうとは別の話で進んでいるところでございます。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。それらの事情も含めて、どうするか、またちょっと御相談したいと思います。
 それでは、お待たせいたしました。岡崎委員、お願いします。
○岡崎委員
 今、議論になっています、ちょうど小泉改革のときに療養病床の再編、特に高知県高知市の場合、療養病床関係のベッド数が非常に全国的にも突出して多かった。療養病床の報酬が極端に下げられると、病院の経営上の問題が生じ、もし病院から出されるということになりますと、受け皿の施設がない。前回の会でも申し上げたのはそこなのですが、地方では、中山間地域が非常に多いので、例えば車いすで日常生活ができるかといったら、ほぼできないという状況もございまして、療養病床の一方的な削減方針に対しては、当時、様々な御意見を申し上げた経過があります。
 論点がわかりにくいのではないかと思いますので、今配布されていますファイルの18ページの表が、今、論点になっているところで言うとわかりやすいのではないかと思います。大体、こういう機能区分になっておりまして、当時は療養病床もしくは介護病床の部分から、一定、介護施設へ移すという流れも確かにあったと思います。当然、介護の施設は、特養にしても、老健にしましても、御承知のとおり待機待ちの方々がたくさんおられます。高知市は地方都市で、施設数はあるほうですけれども、概ね2年待ちです。多分関東近辺では、こういう関係の施設の入居待ちというのは3年待ちぐらいになっているはずです。
 だから、そういうところも全部絡んでいきますので、六、七年前の状況と今とでは、また状況が違うと思いますし、それぞれの病院の経営者のドクターの理事長からしますと、介護施設に移行するといったら、そういうふうな認識といいますか、お考えになりにくいというところも多分あると思います。この療養型病床の診療報酬の問題とか、いろいろな問題が絡まってきますので、ここだけ特化して論議しているわけではありませんけれども、療養型病床のあり方を含めて、先ほど武久委員がおっしゃられました全体のバランスと流れが、つながっていますので、これらをどういうふうに考えていくかというのは、論点としては重要だと思います。全部関連していますので。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 それでは、小林委員、お願いします。
○小林委員
 第1点目の病床機能の見直しについてですが、保険者はどこも極めて厳しい財政状況にあり、国民負担を最小限にとどめていくことが基本であると考えます。限られた医療資源を有効に活用していくためには、効率的かつ効果的な医療提供体制を実現させる必要があります。7対1病床をはじめ、急性期病床であるにもかかわらず、慢性期患者や軽い症状の患者が入院しているという状況や、そもそも7対1病床が突出して多過ぎるという状況を見ますと、現在の病床の機能分化については、まだ非効率な部分があると考えております。
 高度急性期から長期療養まで、それぞれの病床機能に応じた患者像を丁寧に把握した上で、その患者像に即した適切な評価をして病床の機能分化をさらに改革をしていくということが必要だと考えております。
 それから、病床機能の見直しから少し離れますが、病床の機能分化の推進だけではなく、医療提供体制の見直しや医療給付の重点化・効率化について制度面からメスを入れていかなければ、我が国の医療保険制度の持続は難しいと考えております。病院と診療所の役割分担・連携の推進や、かかりつけ医機能の強化を通じて、緩やかな形でのフリーアクセス制限を進めていく必要があると考えます。限られた医療資源の中でフリーアクセスを確保していくためには、国民会議でも議論されておりますように、例えば紹介のない外来受診に対する一定額の定額自己負担導入といったものについても、検討してはどうかと考えます。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 それでは、森委員、お願いいたします。
○森千年委員
 前回の会合でも御指摘があったかもしれませんけれども、社会保障・税一体改革成案において、2025年の姿として描かれた将来像に向けて、着実に進めていただきたいと考えております。資料1の3ページに記載のとおり、病床や病院の機能分化を進めて、患者の状態に応じた適切な医療提供が行われることが重要であると考えております。現場の混乱が生じないようにソフトランディングを図ることは重要ですが、病床や病院の機能分化を通じて、患者の状態に応じた適切な医療提供を行い、平均在院日数の縮減を図るといったことが必要です。
 また、資料の4ページにございますとおり、長期療養を担う病棟の受入体制の充実、並びに資料5ページに書かれております有床診療所における入院医療の機能評価は、急性期病床の適正化や在宅医療の促進の観点から必要ということは理解しておりますが、社会的入院の問題が残らないよう、十分配慮する必要があるのではないかと考えております。
 また、新しい項目として、本年6月の規制改革会議の答申に盛り込まれておりますように、医療のICT化の促進による医療提供体制の効率化、それから遠隔医療を初めとする医療機関の連携についても、追加して御検討いただければと思います。特に、遠隔診療について地域医療の充実にもつながると考えているところでございます。
 それから、前回発言する機会がなかったのですけれども、基本認識について最後に触れさせていただければと思います。現在、財政の健全化が中長期的な大きな課題であり、国際公約にもなっております。社会保障関連費が増大する中では、予定どおり消費税が引き上げられた場合でも、税で補えない部分を公債で補うという状況が解消されるわけではありません。こうした状況を踏まえますと、消費税の引き上げ財源によって医療・介護の機能強化を図ると同時に、重点化・効率化についても着実に進める必要があると考えております。
 特に、過去2回の改定では、デフレという状況の中でもプラス改定をしたという経緯もございますので、将来にわたって持続可能な社会保障制度を実現するためにも、まずは給付の効率化・重点化、療養範囲の適正化といったことの検討に注力する必要があると考えております。医療の重点化・効率化を進める上では、医療情報のICT化を進めるなどして、地域の医療資源やニーズ、それから診療情報などに関するデータを収集して活用していくことが極めて重要であり、これは同時に質の高い医療が効率的に提供できる体制を実現していくことにもつながると考えています。
 また、患者の診療情報の共有化を図ることで、検査や投薬の重複などの無駄を排除することも可能になると思われます。したがいまして、診療報酬改定におきましては、こうした視点や方向性も踏まえた検討をぜひお願いしたいと考えております。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 それでは、柴田委員、お願いします。
○柴田委員
 病院の機能分化の方向ということについては、もう何度も意見が出ていますので、重ねて申し上げません。診療報酬あるいは地域医療計画というところで、きちんと位置づけて進めていくことが大事だと思います。ただ、そのときに分化、分けるということはもちろん大事なのですけれども、患者の立場に立ってみると、最初に急性期が終わった後、自分はどうなっちゃうのだろうというのが、みんな不安に思うところだと思います。そういう意味で、連携ということが非常に大事になってくるのではないかと思っております。
 きょう配られたペーパーの1ページの「イ」のところにも、そういうことが書いてありますから、当然それは含まれるものだと理解しております。例えば救急の場面がそのままそうなるかどうかというのはありますけれども、救急搬送患者の地域連携紹介加算とか地域受入加算というものが始められております。このとおりにいくかどうかわかりませんけれども、例えばこんなイメージで診療報酬上も連携を進められるような条件をつくる。そして、せっかく退院調整加算というものをつくったわけですから、こういうものが生きるようにしていくのが大事なのではないかなと思っています。
 分化と言うからには、そこにいる患者さんが安心してニーズに応じた医療を受けられるようにするという連携のほうも、忘れてはいけないのではないかなと思っております。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。私も同感でありまして、国民会議で同じようなことを申し上げました。診療報酬でも、さまざまな連携のために報酬はつけているわけでありますけれども、さらにそれを進めるという御意見だったと受けとめたわけであります。
 では、森委員、樋口委員、鈴木委員で、初めての方を優先します。森委員、お願いいたします。
○森昌平委員
 今、連携の話が出ましたけれども、資料1の一番最後の(3)の在宅のところを見ていただければと思います。これまでの議論等を整理したものということで、医療機関、訪問歯科、訪問看護ステーション、薬局の整備についての記載がありますが、それぞれの施設がきちんと在宅の体制をとる、充実することも重要ですけれども、何よりも在宅医療で重要になってくるのは、各施設、各職種が連携することです。ぜひこのことは書き込んでいただきたいと思っております。
 それから、前回、在宅訪問薬剤管理指導を推進する中で、かかりつけ薬局、薬剤師機能を強化していきたいというお話をさせていただきましたけれども、これは在宅に限ることではなくて、外来診療の中でも、かかりつけ薬局、薬剤師機能を強化しながら、慢性疾患、複数の疾患を持つ患者等に適切に対応していきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 それでは、樋口委員、お待たせしました。
○樋口委員
 私は、この中で医療難民などという言葉を申し上げましたけれども、これからは医療難民と同時に死亡難民がふえそうで。ということは、かかりつけ医の問題ですけれども、このごろ見ておりますと、ある時期大都市周辺で盛んだった呼び寄せ老人とは、また別な意味で、親たちが地方で大手術を受けまして、その予後に東京に来る。70代、80代の病気を持った患者の移動が多いのです。急性期の治療は終わって移動しているわけですけれども、移動先の地域で、かかりつけ医がどこにいるかわからない。がんだとすると、がんの専門病院に行く。家にいる間におかしくなる。そうすると、死亡診断書を書いてくださるお医者さんがどこにもいないということになってしまいます。
 高齢者が病弱で、死も近いというとき、かかりつけ医、死亡診断書を書いてくださる医師を確保するという視点からも、かかりつけ医というシステムを推進して欲しいと思っています。高齢者の移動に伴って、もとの病院から地域を移動してもきちんと連携してくださるような、連携のあり方、紹介のあり方、あるいは移動した地域で、そもそもかかりつけ医という役割を十分に果たせる方がどこにいるか、若い家族にとってはわからないわけです。ですから、そういうことを紹介してくださるような仕組みをぜひつくっていただきたいと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。新たな視点からの御指摘だったと理解しています。ありがとうございました。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 まず、樋口委員のお話に関しましては、そもそも地方にいらっしゃる虚弱な高齢者の方が、御高齢になってから都会に行かなくても済むように、地域でもしっかりと介護ができる地域包括ケアシステムを地域性に応じてつくっていかなければならないと思います。その中で、かかりつけ医機能の充実は重要だと思いますので、どこにいてもかかりつけ医がすぐに選べるような仕組みもつくっていかなければいけないと思っております。
 その上での話でございますが、7月下旬からいよいよTPPに向けた交渉が始まり、また規制改革会議では保険診療と保険外診療の併用療養制度を最優先課題と位置づけて、混合診療の解禁を求める意見が出ています。改定の基本方針においては、今後の超高齢社会においても、必要な医療は保険診療で行われるべきとの理念のもと、国民皆保険を堅持し、国民の健康を守るという基本認識を書き込むべきであると思います。
 社会保障・税一体改革において、消費税の引き上げ財源で医療サービスの充実を図ることは、国民との約束です。補助金ではどうしても公的病院が中心になるため、民間中心の医療提供体制である我が国では、診療報酬によるインセンティブのほうが効果的です。消費税の引き上げ財源を平成26年度診療報酬改定に充てて、これからの超高齢社会でニーズが増加する地域に密着した医療の担い手である中小病院、有床診療所、診療所を強化し、かかりつけ医機能の充実と在宅医療の裾野を広げる取り組みを推進するとともに、急性期の大病院との機能分化と連携を進めるべきです。
 社会保障・税一体改革の中で病床の機能分化が求められていますが、性急なやり方をすれば、現場に大混乱と反発を招くことになりますので、現実的な対応が必要です。例えば、現在7対1の急性期病床を無理やり減らして、亜急性期病床に移行させようとしていますが、現場では急性期には重症、中等症、軽症があり、サブアキュートは急性期、ポストアキュートは亜急性期とするのが自然な受けとめ方であり、具合の悪い方は一旦全て急性期で受けて、落ち着いたら早期に亜急性期に移すような仕組みにするほうが、スムーズに移行が進むと思います。
 今後は、地域に密着した医療の担い手である中小病院、有床診療所、診療所が連携して、地域ごとに介護なども含めた地域包括ケアシステムを構築していくとともに、それを外側で支える高度急性期医療を担う大病院との連携も重要になります。こうした急性期病床から慢性期病床、在宅医療までの医療機関の連携をさらに強化し、地域の複数の医療機関が協力して、患者の状態に応じた質の高い医療を提供することを支援する必要があります。
 地域特性については、平成24年度診療報酬改定において、入院基本料などで地域に配慮した一定の評価が行われました。医療資源の少ない地域においては、その後も高齢化や人口減少により医療従事者の確保に困難を極めており、その対象範囲の見直しとともに、引き続き地域の実情に応じた配慮が必要です。有床診療所については、病院からの早期退院患者の在宅・介護施設への受け渡し機能、専門医療を担って病院の役割を補完する機能、緊急時に対応する医療機能、在宅医療拠点としての機能、終末期医療を担う機能の5つの機能を担って、地域に密着した医療に貢献しています。有床診療所の入院基本料は余りにも低く抑えられて来ており、そのような多様な機能に応じた評価が必要と思います。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。幅広の御意見をいただいたわけでありますけれども、ほかにございますか。
 堀委員、どうぞ。
○堀委員
 先ほど連携の話が出ましたので、歯科からも一言申し上げたいのですが、在宅歯科医療におきましても、当然有病者の患者さんが多いということで医療連携が重要であって、連携を評価する項目も幾つかあるのですが、毎年6月に行われている診療行為別調査を見ますと、この連携の項目の取り組みがほとんどないということで、これは歯科だけではなくて、全体に連携項目の算定が少ないということであります。
 日本歯科医師会としましても、そういった意味で医科歯科連携、多職種連携の推進を進めてまいりますが、歯科だけのほうで連携を進めるというのはなかなか難しいところがございまして、次の改定では、できれば医科のほうから積極的に連携を求めていただけるような仕組みができないかどうかを御検討いただきたいと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。武久委員、どうぞ。
○武久委員
 3ページにもございますように、病床機能の分化と連携というところでは、リハビリテーションという項目が非常に重要なのですね。高度急性期、急性期での急性期治療の間は、リハビリテーションをなかなか十分に提供できないこともありまして、早期からリハビリテーションするということは私も賛成ですけれども、問題は算定日数制限がありまして、それ以降のリハビリは来年度から基本的になくしていこうという方向性があります。これは、要介護被保険者という名前になっておりますけれども、ほとんどの方が要介護被保険者になっている状況を見ますと、そういう人たちに対してはリハビリテーションが提供できなくなる。
 では、特養・老健に行けばいいじゃないかと言うけれども、先ほど皆さんがおっしゃったように、いっぱいで入れない。仕方なく動けない状態で、医療療養病床なり慢性期の病床にいるという場合には、リハビリを提供できないことになってしまいます。これは、医療保険部会での非常に大きなテーマだと思うのですけれども、皆さん方、脳卒中の患者さんと廃用性症候群の患者さんがいたときに、どちらがリハビリテーションによってよくなるか、想像したことはございませんか。
 ある人に聞くと、それは脳卒中のほうがよくなると言うのですけれども、脳卒中は神経損傷を伴うわけです。神経がだめになるわけです。廃用性症候群は、肺炎とか、いろいろなもので寝たきりになったおかげで、あと動けないということは、神経損傷を伴っていませんから、リハビリテーションをちゃんとやれば神経損傷を伴っているより早く治るわけです。
 ところが、廃用性症候群に対するリハビリテーションというのは、イメージとして必要ないじゃないかというイメージになっているかもわかりませんが、そこをちゃんとリハビリすることによって、自宅へ帰って、自分のことは自分でできるようにすることで、介護保険や医療保険の効率化が非常に高まると思いますので、慢性期のリハビリテーションの重要性ということをもう少し医療保険部会で認識していただいて、そういう文言をこういうところに入れていただきたいと思います。
○遠藤部会長
 リハビリの問題は、診療報酬の決定過程においても、その上限をどうするかということで随分議論になってきた問題でありますけれども、それをまた御意見をいただいたということであります。
 関連でも結構ですし、ほかのお話でも結構でございますけれども、小林委員、どうぞ。
○小林委員
 最後の在宅医療についてであります。今後の急速な少子・高齢化を考えると、在宅医療に対するニーズは相当高まると思いますが、在宅医療のニーズも多様化していく中で、在宅医療をさらに拡大していくためには、医療機関から在宅への円滑な移行、それから先ほど出ていましたように、医療と介護の連携を進めることが重要であって、在宅医療に当たるお医者さんは言うまでもなく、それにも増して重要なのは訪問看護が果たす役割だと考えます。現状では、訪問看護に従事するマンパワーは極めて限られている状況であり、ここを今後、面的に厚くしていく必要があります。
 診療報酬の議論から離れるかもしれませんが、訪問看護師の絶対数を増やしていくためには、訪問看護に従事する看護師のキャリアパスのあり方も含めて検討すべきではないかなと思っております。
 それから、繰り返しになりますが、保険者はどこも極めて厳しい状況にあります。また、次回改定は消費税8%の実施と重なり、診療報酬での対応が求められている状況にあります。次回診療報酬改定に当たっては、国民負担を最小限度にとどめていくことが基本であり、これ以上の国民負担を回避するためにも、診療報酬の引き下げを視野に入れて、効率化できるものを常に探し、医療費適正化に向けた取組みをしっかり打ち出していくことが必要だと考えておりますので、あえて意見として申し上げます。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 それでは、岩村部会長代理、お願いします。
○岩村部会長代理
 若干コメントを述べさせていただきたいと思います。
 まず第1は、きょうの資料1の1ページ目の診療報酬と補助金との関係ですけれども、どちらも政策的な誘導をするための手段であるという点では、恐らく同じような機能を持ち得るのだと思います。ただ、診療報酬のほうは、診療行為あるいは入院といったことに対する対価の支払いという意味を持つものであって、その対価のつけ方によって医療機関などの行動を誘導する。それを通して一定の政策目的を達成するという性格のものかなと思います。
 他方、補助金というのは、これもいろいろなものがあるので、概括的に言うのは難しいのですが、物すごく大ざっぱに言うと、一定の政策目的を設定して、その政策目的を達成するために、対象となるターゲットとなる人たちに一定の行為をしてもらう。その行為をすることによって何か追加的な費用が発生するときに、いわばその追加的コストを削減するためにお金を出すという形をとることが多いのかなと思います。
 そうしますと、医療機関などの経営努力あるいは自発的な行動というのを促すという観点からすると、医療保険分野における政策達成手段としては診療報酬のほうが好ましい。診療報酬による誘導ではなかなかできないもの、例えば今、申し上げたように、一定の行動をとるためには一定のコストが必要であって、それを補ってあげなければいけないところについては補助金を組み合わせるという形になるのかなと思っています。そうだとすると、診療報酬というものがまずメインであって、補助金というのはそれでなかなか達成できないところを補うという形になって、その適切な組み合わせを考えていくことになるのかなと思います。
 それから、入院医療については、先ほど来、御指摘があるように、7対1病床というのがデータを見てみても非常に急速な増え方をしていて、多分その増加には、例えばそれだけ急に急性期の患者さんが増えたというデータもないでしょうから、政策的に見ても妥当性がある状況では余りないだろうと思います。ただ、1回こういう状況ができてしまうと、それを今度変えていこうということになると、非常に強い抵抗が予想されるわけで、それを押し切ってもやっていくということを腹を据えて考えていく必要があるのかなと思っています。
 ただ、もちろんほかの委員の方の御指摘がありましたように、その結果として現場で混乱するということは避けなければいけないし、最終的に迷惑をこうむるのは患者さんということになってしまいますので、そこのうまい兼ね合いをとりながら進めていくことが必要ではないかと思います。
 それから、外来の関係では、私もかかりつけ医の機能というものを充実させていくことが必要だと思っています。諸外国では、かかりつけ医を普及させるためにかなり思い切った手をとっている例もあり、そういったことも場合によっては考えつつ、このかかりつけ医の機能の充実ということを考えていくこともあるのかなと思います。
 最後です。在宅医療については、介護保険のほうでも地域包括システムの構築ということでいろいろ検討を進めているところです。とりわけ高齢者については、介護保険のほうの地域包括ケアシステムというものと、うまくかみ合うような形での診療報酬体系というものをぜひ検討していただくことが望ましいかなと思っております。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 包括的にまとめていただきまして、どうもありがとうございます。
 岩本委員、どうぞ。
○岩本委員
 岩村部会長代理が診療報酬と補助金の役割について整理されたのですけれども、経済学者の立場から少し補足しますと、診療報酬が政策目的の誘導として万能といいますか、かなり有効に使えるわけでは必ずしもないという限界点について、1つ指摘しておきたいと思います。部会長代理の発言を聞いて、そのことを感じましたので、その後になりますけれども、発言したいと思います。
 診療報酬というのは価格でありまして、医療サービスについては、この価格は公定で決まっているという以外に関しては、かなり市場メカニズムが働いている分野だと思います。そうすると、この価格を需要と供給の原則を無視してつけると、医療の現場に非常に大きな混乱が生じて、どうしてもそこに価格設定の制約がありますし、常に需要と供給のことを考えて診療報酬を設定しなければいけないということを考慮する必要があると考えます。だから、政策的に誘導すると言っても、需要と供給を無視した価格をつけると、結局その政策的な誘導ではなくて、むしろ混乱を招いてしまうことが起こってしまう。
 例えば7対1病床についても、現状というのも、そういった意味で行き過ぎた価格のインセンティブが働いているというのがあらわれているということで、メーンという捉え方はいろいろと考え方があるかと思いますけれども、そういう限界を考慮しながら設定しなければいけない。特に価格を見つけるというのは非常に難しいことですから、間違った価格づけを起こさないように慎重に検討することが必要だということを補足したいと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。非常にパワフルであるがゆえに、適切な価格設定が重要であるということだったと理解いたします。
 ほかにございますか。菊池委員、お願いします。
○菊池委員
 先ほど訪問看護について御発言いただきましたが、前回の診療報酬改定で訪問看護の評価をしていただき、その後、訪問看護の事業者数が少し増えてきているという状況がございます。また、これからは、地域で看取りや重度化への対応をもっと行えるように、その評価を引き続き行っていただきたいということは前回も述べたのですが、それらの対応を、今まで以上にもっと大きく伸ばしていきたいと思った際に、その1つとして訪問看護ステーションの大規模化が必要ではないかと考えております。
 これは診療報酬の評価でお願いしたいことですが、それ以外に訪問看護師の確保については、病院に就業する看護職が多く、地域の訪問看護を充実する看護職は全体の2%程度しかいないという状況の中で、訪問看護にどうやって人材を確保していくか考えたときに、診療報酬だけでは人材の確保がなかなか難しいのではないかと考えております。
これは医療保険部会ではなくて、違うところで検討することかもしれないのですけれども、そういったことも含め、合わせた対策が必要ではないかと思っております。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。在宅医療を担う非常に重要な要素でありますので、そういう意味での訪問看護のてこ入れというのが必要なのだという御主張だったと理解いたします。
 横尾委員、お願いいたします。
○横尾委員
 ありがとうございます。幾つかございます。
 1点目は、この会議に出るようになってから、医療関係、薬事関係の団体とか、いろいろな専門家の方々の御意見も聞いてきているのですけれども、そこで感じたことは、一つ一つの診療報酬となると、それで幾らの数字設定になるかということが最終的な関心になりがちなのですが、何人かの方々からも出ていたように、一国民として考えると、最高の知見を生かす医療と医療サービスの提供というのはすごく大事だと思っています。そういう意味からすると、トータル的に一人一人の国民の皆さんにメディカルケアをいかに提供するかが重要だと思います。
 先ほども歯科医師会のほうから出ましたように、私も改めて教えていただいて勉強になったのですが、口腔ケアをすることによって、神経系とか認知症とか、さまざまなことがかなり改善できる。そういった知見があるならば、それを生かして医療と結びついて、最終的にはこの診療報酬等にも生かすような工夫を、ぜひ厚労省のほうで検討いただけないかなと、まず感じております。
 2点目は、高齢者のことです。高齢者のケアで、先ほどほかの委員からも出ましたけれども、神経末梢関係の損傷を伴う病気の場合は、機能回復になかなか至らないことがあります。私も身近な人で存じ上げております。しかし、リハビリはどうしても必要でありまして、治らないからやめるとなるとほかの機能まで落ちてしまいますので、そういった場合の機能回復ということを継続してやれるようなケアをしていかないと、元気な年配者として、あるいは長寿者として過ごすことは難しい。そういった高齢者の特殊なケアということも、ぜひどこかで考えるべきじゃないかなと思っています。
 3点目に、有床診療所のことでございますが、これも有床診療所の関係の現場に近い方のお話を聞きました。非常に志の高いドクターの皆さんで有床診療所にかかわっていらっしゃる方々は、こういった在宅ケアや看取りを含めたケアというものに非常に強く関心をお持ちのようでございますから、これを支援する、バックアップするような制度上の配慮というのがとても大切だろうと思っています。
 4点目は、実は夜間の体制のことです。私どもも市立病院を持っておりますが、いろいろな公立病院等で聞きましても、特に療養型病床の場合は夜間がなかなか大変なようです。ナースが夜間常駐されておられますけれども、それぞれの患者の方々の疾病の状況によっては、数名ではなかなか対応し切れないということもあるようですので、何とかこの辺の増強なりケアができるような配慮も、今後は高齢化が進むことに伴って必要になると思っています。
 5点目は、今後の課題ということで思っていることです。それは、今回は報酬等には直接反映しないと思いますが、実は佐賀県には県立病院がありまして、ホスピスがあります。当初、ホスピスの存在や内容の認知が少ないときは参加がなかなかなかったような話も聞きましたが、最近では待ちの状況が大変多いようでございます。多分全国的にそうだろうと思います。
 ホスピスケアというものをどう位置づけるのかということと、そこをこういった医療体制の中で整備したり、バックアップしていかないと、多くの患者の方、特にがん患者等の皆さんは、難しいがんほどそうですけれども、「ホスピスに入りたい」、「そこで緩和を受けながら人生を全うしたい」という方も増えておられますが、明らかに不足しています。こういったことをどうするかも、今後、厚労省でぜひ検討いただければと思います。
 最後は今後のことですけれども、数年後にマイナンバー制度が動き出します。厚労省でも別の番号を考えていらっしゃるような情報を聞いたりしていますが、いずれにしても国民から見れば、例えば一人一人の飲んでいる薬の情報、あるいは自分の医療診断にかかわる情報等のリンクが早くなりますし、一人一人の状況がわかるようになります。
 年配の皆さんが一つの病院で薬をいただかれて、ほかの病院がいいといううわさを聞いて、そちらに行って、また同じような薬をもらうということがないように、サービス提供が的確にできていくと思いますし、一人一人の健康状況にあわせた医療というのが、より確実に確立できていくような状況が整ってくると思いますので、そういったことも射程に置いた医療行政の充実をぜひ厚労省で考えていただきたいと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 では、武久委員、お願いいたします。
○武久委員
 この報告書というか、テーマ、基本問題についての中にないことについて、ちょっとお願いしたいのですけれども、病床機能の分化の中に急性期、亜急性期、回復期、慢性期とありますけれども、皆さん御存じかと思いますけれども、亜急性期、回復期リハビリテーション、慢性期の病床は、全部6.4平方メートルの4人部屋までという療養環境が整備された環境があるわけです。ところが、急性期の7対1、10対1の中には、4.3平方メートルの8人部屋とか10人部屋まで許容されているわけですね。
 もちろん、重症、急性期のときには、ICUに8人も10人もいるところで1週間や2週間いてもいいのですけれども、問題は1カ月、2カ月、または半年、1年と入院する場合に、そういう狭い療養環境のところで本当に療養ができるのかと考えると、当然のことながらできるだけ早く療養環境のいいところへ移って、今いろいろ話が出ているように、リハビリテーションなどを集中的にやって、早くよくして帰るという意味では、療養環境は非常に重要なのですね。その視点がここに全く抜けているわけですね。7対1でいつまでもいたらいいということになると、それは逆に言うと患者さんが困ることになるわけですね。
 だから、患者さんがそこから亜急性期なりに出ていくことのほうが困るという論点がどこかにありましたけれども、そうじゃないのですよ。そういう視点もあるということを考えて、療養環境についても、この医療保険部会のほうで非常に重要なテーマとして、一言書いていただけたらと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 まだ御意見あるかと思いますけれども、予定した時間を少し超えておりますので、本日はこれぐらいにさせていただきたいと思います。基本方針ということなので、幅広の御意見を承りました。中には、医療保険部会で議論できる範囲の外のものもありましたし、いわんや診療報酬としての落とし込みの中で、どこまで具体化できるかというものもありましたけれども、幅広の御意見をお聞きしたということでございます。
 前回、今回とも御意見を承りましたので、事務局には御苦労ですけれども、これまでの意見を整理した形で、とりわけ診療報酬との対応関係で位置づけられそうなところを整理したような形で、次回、この部会でまた提出していただきたいと思いますけれども、よろしくお願いいたします。そのような形で次回以降も少し話を進めていきたいと考えております。よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 次に、2つ目の議題であります「協会けんぽの平成24年度決算見込みについて」、それから3つ目の議題であります「社会保障制度改革国民会議の議論の状況報告」、この2つを一緒に議論していきたいと考えております。
 それでは、まず初めに、小林委員から資料の説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○小林委員
 ありがとうございます。協会けんぽの小林です。今般まとめました協会けんぽ(医療分)の平成24年度決算と、これを足元に試算した平成25年度から29年度までの5年収支見通しに関する試算内容、さらに協会けんぽの現在の財政状況などについて、提出資料にそって御説明申し上げます。
 提出資料の1ページ目をごらんください。協会けんぽ(医療分)の平成24年度決算と収支見通しについてです。
 1つ目の○試算の経緯等でありますが、さきの国会で、協会けんぽに対する特例措置を平成26年度までの2年間延長すること等を内容とする健康保険法の一部改正法が成立しましたが、この改正は当面の対応であり、協会けんぽが抱える赤字財政構造は何ら変わっておりません。
 協会けんぽの財政基盤の強化のためには、まずは協会けんぽに対する国庫補助率を健康保険法本則が定める上限20%まで引き上げるとともに、高齢者医療制度のあり方を含む制度全体の見直しの実現が急務であります。協会けんぽとしては、今後の医療保険制度全体の見直しに対する基礎資料として、今般まとまった平成24年度決算の内容と、その平成24年度決算を足元にした平成25年度から平成29年度までの収支見通しを作成した次第であります。
 次に、2つ目の○の試算の制度前提であります。試算に当たっては、2つの前提で行っております。1つ目は、制度前提Aとして、現状維持の国庫補助率16.4%、後期高齢者支援金の負担方法を3分の1総報酬按分とした前提です。2つ目は、制度前提Bとして、特例措置が終了する平成27年度以降、協会が要望しております国庫補助率20%、後期高齢者支援金負担方法を全面総報酬割導入とした前提です。この2つの前提をもとにして試算を行っております。
 2ページ目をごらんください。平成24年度の協会けんぽの決算についてです。
 最初に、収入についてであります。表の収入欄の計のところをごらんいただきたいと思います。収入は、8兆5,127億円となっております。年々医療費が増加する一方、保険料収入のベースとなる加入者の賃金が伸びないといった財政の赤字構造に加え、支出の約4割を占める高齢者医療に対する拠出金が前年度より約3,000億円増加する状況にあり、このような費用を賄うために、平成24年度の保険料率を全国平均で9.5%から10%に引き上げたことに加え、保険料率の設定時点で下落すると見込んでいた標準報酬月額が、結果的に横ばいとなったことから保険料収入が増加し、保険料収入は7兆3,156億円となっております。
 次に、支出についてですが、表の支出欄の計のところをごらんいただきたいと思います。支出については、高齢者医療に対する拠出金等の増加により8兆2,023億円となりました。そのうち保険給付費は4兆7,788億円となっておりますが、この伸びは例年より小幅なものとなりました。
 こうしたことから、結果として単年度収支は3,104億円のプラス、24年度末の準備金残高は5,054億円となりました。ことし1月時点では、平成24年度末の準備金残高は約4,400億円と見込んでおりましたので、準備金が見込みよりも約600億円増額する結果となりました。
 次に、3ページ、5年収支見通しについて、ごらんください。
 先ほど御説明した平成24年度決算を足元として、平成29年度までの5年間の収支見通しについて、一定の前提を置いて機械的な試算を行ったものです。試算の前提となる賃金上昇率は、平成25年度は24年度標準報酬月額等の実績を踏まえて、0%としております。
 平成26年度以降は、3つのケースを前提としております。ケース1は、政府による国民年金・厚生年金の平成21年財政検証の経済前提における経済低位ケースの賃金上昇率に0.5を掛けたもの、すなわち平成26年、27年度はプラス0.8%、28年、29年度はプラス1.05%とした場合です。ケース2は、0%で一定とした場合です。ケース3は、過去10年間の賃金上昇率の平均であるマイナス0.5%で一定とした場合です。
 続いて、見開き4ページ、5ページをごらんください。試算結果のポイントです。4ページは、制度前提A、すなわち現状を維持した場合について、5ページは、制度前提B、すなわち協会が要望しております国庫補助率20%引き上げ、かつ全面総報酬割導入が実現した場合について、それぞれの結果を記載しております。
 まず、4ページ、制度前提Aについて御説明いたします。
 枠囲みの中の1つ目の○ですが、現在の平均保険料率10%を据え置いた場合、平成26年度までの2年間は準備金を取り崩すことが可能ですが、ケース1では平成28年度に、ケース2、ケース3では平成27年度に準備金が枯渇する結果となります。その後も平均保険料率を10%に据え置いたまま推移すると、累計赤字が増加し、5年後の平成29年度末では、賃金上昇率がプラスのケース1でも6,100億円の累積赤字、賃金上昇率がゼロのケース2で1兆2,200億円の累積赤字、さらに賃金上昇率が過去10年の平均であるケース3では1兆5,500億円の累積赤字という結果となります。
 次に、枠囲みの中の2つ目の○です。均衡保険料率、すなわち平成27年度以降、単年度で収支が均衡するために必要な保険料率をお示ししております。均衡保険料率について、平成29年度の時点では、賃金上昇率ケース1では10.6%まで上昇、ケース2では11%まで上昇、ケース3では11.2%まで上昇する結果となります。
 続いて、5ページの制度前提Bについて御説明いたします。
 まず、枠囲みの中の1つ目の○をごらんください。平均保険料率を現在の10%に据え置いた場合、制度前提Aよりも準備金の減少が遅れ、平成29年度末では賃金上昇率ケース1では300億円の累積黒字、ケース2では5,800億円の累積赤字、ケース3では9,200億円の累積赤字となります。
 また、枠囲みの中の2つ目の○をごらんください。保険料率を均衡保険料率とした場合を記載しておりますが、制度前提Aよりも保険料率の上昇が抑えられ、平成29年度では賃金上昇率ケース1では10.3%、ケース2では10.6%、ケース3では10.9%となります。
 ここまでが平成24年度決算と平成25年度以降の収支見通しに関する説明です。
 6ページ以降は、関連する詳細データや参考資料でありますので、説明は省略させていただきます。
 先般成立した健康保険法の改正は、平成26年度まで特例措置を2年間延長するという当面の対応であります。協会が抱えている赤字構造は、何ら解決されておりません。国会審議において田村厚生労働大臣が答弁されておりますとおり、2年後の協会けんぽの財政は待ったなしの状況です。
 協会の財政問題について、政府の立場は、国民会議の議論などを踏まえて検討するとしておりますが、実際に国民会議では、医療保険制度を持続可能な制度とするための議論、特に被用者保険の最後の受け皿である協会けんぽを持続可能な制度とするための具体的方策については、議論がありません。また、具体的には所得の低いほうが高い保険料率を負担するという逆進的な状況をどう解消するかについても議論がなく、私どもとしては今の状況に対して大変危惧しております。今の制度枠組みのままでは、5年以内に兆円単位の累積赤字に陥ることが明らかであります。
 今回、特例措置の2年間延長によりまして、多少の猶予をいただいたわけですが、協会けんぽが抱える財政構造問題を解決するためには、まさにこの2年間が勝負の年であります。今回の国民会議の議論が、私どもにとっては最後のチャンスであります。遠藤部会長には、国民会議の取りまとめに大変御尽いただいておりますが、ぜひとも協会けんぽを初め、被用者保険が持続可能となるよう、あと一段の御尽力を改めてお願い申し上げます。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 それでは、国民会議の話も出ましたのでで、引き続き、国民会議に関して事務局のほうから資料説明をお願いしたいと思います。
○大島課長
 参考資料2をごらん願います。「第18回社会保障制度改革国民会議議事次第」と書いてある紙でございます。今週月曜日に国民会議が開かれました。ここでは、総論(案)と各論の骨子(案)、それから数名の委員の方からの意見書の資料が配られております。総論は案全体が出ておりますので、総論部分につきまして簡単に御説明させていただければと存じます。
 1枚おめくりいただきますと、資料1と右肩に振ってあります総論部分(案)。ページが上と下に2段ありますが、下のほうのページで御説明させていただきたいと思います。3ページでございます。
 「はじめに」とございますが、ここは社会保障制度改革国民会議の昨年11月30日以来の経過が書いてございます。
 第1部 社会保障制度改革の全体像。この第1部がいわば総論というところに当たります。
 1 社会保障制度改革国民会議の使命。
 これまでの社会保障制度改革の経緯ということで、ここでは1990年代以降、この20〜30年の社会保障制度の主な改正の経過が書いてございます。
 4ページの1段落目の最初のところですけれども、そういう制度改革によりまして持続可能性は高まったものの、少子化対策の遅れ、高齢化の進行、医療・介護現場の疲弊、非正規労働者に対するセーフティネット機能の低下等の問題が顕在化したという指摘があります。
 こうした状況を踏まえ、福田政権・麻生政権のとき、社会保障国民会議、安心社会実現会議におきまして社会保障のあり方をめぐる議論がされてまいりました。
 少し飛びまして、さらに民主党政権下においても、さきの安心社会実現会議の議論が引き継がれました。昨年2月には、社会保障・税一体改革大綱が閣議決定され、そのための関連法案が出ております。
 その下の(2)社会保障制度改革国民会議の使命ですが、この法案が国会で審議される中、昨年6月、自民、公明、民主の三党で確認書が合意され、それに基づき、三党の提案で社会保障制度改革推進法案が国会に提出され、昨年8月に成立いたしました。
 5ページ、この改革推進法で基本方針というものが定められております。それから、国民会議の設置も、この法案の中で位置づけられました。国民会議の立ち上げに当たりましては、三党合意による国民会議における検討項目も示されました。
 少し飛びますが、真ん中ちょっと上ですが、国民会議におきましては、この改革推進法に規定された基本的な考え方や基本方針に基づいて、社会保障制度改革を行うために必要な事項を審議するということを使命にしております。
 2 社会保障制度改革推進法の基本的な考え方。
 自助・共助・公助の適切な組合せ。これにつきましては、自助を基本としながら、我が国の社会保障制度においては、国民皆保険・皆年金に代表される自助の共同化、共助でありますが、としての社会保険制度が基本であり、「公助」は自助・共助を補完する位置づけといった記述がございます。
 おめくりいただきまして6ページ、社会保障の機能の充実と給付の重点化・効率化、負担の増大の抑制。
 社会経済情勢が大きく変化してきております。その中で、リスクやニーズに対応していくためには、社会保障の機能強化を図らなければならない。
 一方で、経済成長の鈍化、少子高齢化の更なる進行といった中で、国民負担の増大は不可避ということでございます。負担について国民の納得を得るとともに、最小の費用で政策目的を実現するといった観点から、徹底した給付の重点化・効率化が求められる。
 それから、現在の世代の給付に必要な財源は、後代につけ回しにしないといったことが書いてございます。
 (3)社会保険方式の意義、税と社会保険料の役割分担。
 国民皆保険・皆年金と社会保険方式の意義。「皆保険・皆年金」は、すべての国民が、公的医療保険、公的年金による保障を受けられる制度であり、この仕組みは「社会保険方式」として運営されている。
 7ページでありますが、この社会保険方式についてのメリットとデメリットがそれぞれ記述してあります。
 2皆保険・皆年金のセーフティネット機能の弱体化。非正規雇用の労働者が少なくないことが大きな問題となってきておりまして、そのために効果的な未納・未加入対策や被用者保険の適用拡大など、就労形態の変化に対応した制度設計の見直しを図っていくことが課題となっているといった記述がございます。
 3税と社会保険料の役割分担。社会保険制度は、原則、保険料を財源としておりますが、多くの公費(税財源)も投入されています。
 8ページでございますが、2段落目、社会保険制度への公費投入の理由は、一つは、無職者や低所得者も保険に加入できるよう、保険料の負担水準を引き下げることであり、もう一つは、保険制度が分立していることによる給付と負担の不均衡を是正することである。
 ちょっと飛びます。一方、後者につきまして、これは保険制度が分立しているということでございますが、制度分立は保険者の仕組み方の問題であり、基本的には保険制度の中での調整が求められ、公費投入に頼るべきでなく、公費投入は保険者間で調整できないやむを得ない事情のある場合とすべきであるといった記述がございます。
 (4)給付と負担の両面にわたる世代間の公平。
 1すべての世代を対象とした社会保障制度へ。
 9ページでございますが、子育て中の若い人々も含め、すべての世代に安心感と納得感の得られる全世代型の社会保障に転換することを目指すという記述がございます。
 2将来の社会を支える世代への負担の先送りの解消。後世代につけ回しをしているということで、これを速やかに解消し、将来の社会を支える世代の負担ができる限り少なくなるようにするといった記述がございます。
 3「世代間の損得論」と高齢者向け給付の持つ「現役世代のメリット」。
 10ページに移りますが、単に高齢者のメリットというだけでなく、年金については、現役世代にもメリットとなっているといった記述がございます。
 3 社会保障制度改革の方向性。
 (1)「1970年代モデル」から「21世紀(2025年)日本モデルへ」。
 11ページをごらんになっていただきますと、一番上のほうですが、男性労働者の長期安定雇用と専業主婦を前提とした「1970年代モデル」では、社会保障は専ら「年金」、「医療」、「介護」が中心となっていた。「21世紀(2025年)日本モデル」では、年金、医療、介護の前提となる、現役世代の「雇用」や「子育て支援」、さらには「低所得者・格差の問題」や「住まい」の問題なども社会保障として大きな課題となってくるといった記述がございます。
 (2)すべての世代を対象とし、すべての世代が相互に支え合う仕組み。高齢者世代を給付の対象とする社会保障から、切れ目なく全世代を対象とする社会保障への転換を目指すべきである。
 少し飛びまして、このような観点から、これまでの「年齢別」から「負担能力別」に負担のあり方を切り替え、社会保障・税番号制度も活用し、資産を含め負担能力に応じて負担する仕組みとしていくべきといった記述がございます。
 (3)女性、若者、高齢者などすべての人々が働き続けられる社会。
 12ページに移りまして、真ん中下のほうですが、女性や若者、高齢者、障害者を始め働く意欲のあるすべての人が働くことができる社会を目指すといった記述がございます。
 (4)すべての世代の夢や希望につながる子ども・子育て支援の充実。日本社会の未来への投資であると認識し、こうしたことに取り組むべきであるといった記述がございます。
 13ページ、(5)低所得者・不安定雇用の労働者に対するセーフティネットの構築の真ん中あたりですが、非正規労働者の雇用の安定や処遇の改善を図るとともに、非正規雇用の労働者に対して社会保障が十分機能するよう、被用者保険の適用拡大等を図っていくことが重要であるといった記述がございます。
 (6)地域づくりとしての医療・介護・福祉・子育て。少し飛びますが、高齢化に伴い患者が急増する中で、病院病床や施設の持っている機能を地域の生活の中で確保することが必要となる。すなわち、医療サービスや介護サービスだけでなく、住まいや移動、食事、見守りなど生活全般にわたる支援を併せて考える必要があり、次のページに移りますが、コンパクトシティ化を図るなどハードの整備、サービスの有機的な連携といったソフトの整備を含めたまちづくりの問題として、医療・介護サービスの提供体制を考えていくことが不可欠であるといったことで、地域包括ケアシステムの構築が課題として掲げられております。
 (7)国と地方が協働して支える社会保障制度改革。子育て、医療、介護など社会保障の多くが、地方公共団体を通じて国民に提供されている。したがって、今般の社会保障制度改革については、その成果を確実に国民に還元していくためにも、地方公共団体の理解が得られるような改革とし、自己改革や応分の負担など国と地方公共団体がそれぞれ責任を果たしながら、対等な立場で協力し合う関係を築くことが重要であるということで、その後、「(P)」がついていますが、これは各論と関わる内容だろうと思われますので、ペンディングとして書いてあると理解します。
 (8)成熟社会の構築へのチャレンジ。
 15ページになりますが、例えば、医療の目的は、従来の「治す医療」からよりQOLを重視した「治し・支える医療」への転換が求められるということで、この項の一番最後のところですが、人口構成の変化や高齢化等をネガティブに考えるのではなく、様々な課題に正面から向き合い、一つ一つ解決を図っていくことで「成熟社会の構築」をしていくべきだと書いてございます。
 4 社会保障制度改革の道筋〜時間軸で考える〜。社会保障改革については、短期と中長期に分けて実現すべきである。短期のほうは、消費増税という国民負担を社会保障制度改革の実施という形で速やかに国民に還元するため、今般の一体改革による消費税の増収が段階的に生じる期間内に集中的に実施すべき改革であるということで、短期というのは、この消費税増税に伴う負担を生じる、この期間内での改革です。また、中長期とは、団塊の世代がすべて75歳以上となる2025(平成37)年を念頭において段階的に実施すべき改革である。この時間軸に沿って考えるということでございます。
 16ページでございますが、定期的に改革の方向性やその進捗状況をフォローアップしていくことが必要であり、政府の下で必要な体制を確保すべきであるといった記述がございます。
 第2部が各論になりまして、社会保障4分野の改革。
 最後に、国民へのメッセージといった構成になっています。
 説明、以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 それでは、ただいま2つの御報告をいただきましたけれども、それでは、菅家委員、お願いいたします。
○菅家委員
 国民会議の総論について御報告をいただきまして、この総論につきましては遠藤部会長が起草の責任者をされたと伺っておりまして、大変御苦労さまでございましたということと。この総論で示されている基本的な認識については、私も同意でございますので、そのことを前提に。
 ただ、1カ所、特にペンディングになっている部分がございまして、これは各論との関係でペンディングという扱いになっているとお聞きしております。とりわけ7ページの税と社会保険料の役割分担というところが一番大きな部分なのかなと思っておりまして、この部分については各論の結論がある程度透けて見える感じがしておりまして、それについては私どもとしてはいかがなものかなと考えているところでございます。
 具体的に申し上げますけれども、7ページに既に公費が2分の1投入されている制度があるという記載があって、国民健康保険と後期高齢者医療制度と介護保険と並んでいるわけでございます。後期高齢者医療制度は、医療保険制度となっていないわけでありまして、まさに保険料の占めるウエートが1割程度の制度でございますので、これは医療保険制度あるいは社会保険制度と呼ぶことはできないということだろうと思います。
 これに対して、公費が2分の1投入されていると同時に、医療保険制度からの拠出金が4割程度投入されているわけでありまして、この医療保険制度から投入されている拠出金についてと、その拠出金についてどういうふうな評価をされるのかということについても記述がないことについては、どうなのかなと思っております。
 さらに、国民健康保険は既に2分の1、公費が投入されているわけでありますけれども、慢性的に赤字体質になっているということで、一般会計から投入されているということでありますけれども、その赤字構造を脱却するために仮に税を投入するということになりますと、2分の1を超える税の投入を国民健康保険制度になされるということでありまして、果たして5割を超えるような公費が投入された制度を、自立的な医療保険制度と評価できるのかどうかという問題が出てくるのだろうと思っております。その点について、どう考えるのかということと。
 それから、私どもは大変評価しているわけでありますけれども、国民健康保険あるいは国民年金に対して、短時間労働者、非正規労働者が多く加入している。私どもは、これは被用者保険制度に当然移すべきだと考えております。そのことが明確に書かれていることについては評価をしておりますけれども、国民健康保険についても多くの短時間労働者が加入している。非正規労働者が加入しているということを変えることによっても、国民健康保険制度の性格は大きく変わるのではないかと思っておりますので、そういうこともあわせて検討すべきなのではないかなと考えているところでございます。
 あと、次のページ、いろいろ書いてございますけれども、結論部分として、8ページの(4)のすぐ上の段落の上に各論の結論につながるような観点で記述されているかなと評価せざるを得ないわけでありますけれども、社会保険料に係る国民の負担の適正化に税を集中的に投入すべきであるということが書かれているわけです。そういう観点もあるのかもしれませんけれども、先ほど申し上げました、例えば後期高齢者医療制度について、これをどういうふうに評価するのか。それから、被用者保険からの拠出金が多く充てられていることについて、どういうふうに評価するのかといった観点からも、社会保障における税と社会保険料との役割分担というのは、違う観点から大きく見ていく必要があるのではないかと思っているところでございます。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。御意見を頂戴しました。今の話、受けとめさせていただきました。ここの位置づけは、ここをあえてペンディングにしているのは、まだ各論の議論が固まっておりませんので、各論との整合性を持たせるという意味合いで、ここの表記の仕方も変わり得るだろうということで、これは直近の国民会議に出したものですけれども、その段階ではペンディングにしているということであります。恐らく、ここは保険料と税の関係ですから、さまざまな御意見があるだろうということで、ペンディングにしているわけであります。
 ということで、立場上、これ以上申し上げられませんが、そういう意識を私は持っておりますので、あえてペンディングをつけさせていただいたということであります。ありがとうございました。
 では、白川委員、お願いします。
○白川委員
 国民会議の総論について意見を述べさせていただきたいと思います。今週月曜日の国民会議の議論をインターネットで見ておりましたけれども、若干の修正は入るようでございますが、基本的には遠藤起草委員のつくられた総論については、大略了解という結論だったと思いますが、私どもは2つの点で大きな異論がございます。
 1つは、菅家委員も御指摘された税と保険の役割についてという話でございます。この文章の中にも、社会保険方式は保険料の見返りとして給付を受けられるとなっておりますけれども、負担と給付の関係はほぼ1対1じゃなきゃいけないというのが、要は給付が必要な分だけ負担するのだというのが一般的な保険の考え方だと思いますけれども、社会保険でございますから、なかなかそうもいかない。特に高齢者医療に対する負担というのも、当然含まなきゃいけないわけでございますので、非常に複雑になるということだと思います。
 ただ、負担の5割が高齢者医療のほうの援助に回るというのは、果たしてこれは保険ですかというのが私どもの最大の問題意識でございます。したがって、高齢者医療制度の負担を保険料と税、あるいは御本人方の負担でどういうふうに賄っていくのかというのが、皆保険制度を持続していくための最大の問題、課題だと認識しておりますが、そこのところについての議論は、国民会議でも残念ながら余りやられていなかったし、この総論を見ても記載が若干不足しているのではないかという認識を持っております。
 例えば8ページにいきますと、ここもよく理解できない部分があるのですけれども、「保険制度が分立していることによる給付と負担の不均衡を是正する」と上から七、八行目に書いてあるのですけれども、今の健康保険法の考え方というのはこういう考え方ではないと私どもは認識しております。保険でございますから、先ほど来申し上げているとおり、ある保険者の集団の中で必要な給付額を保険料として負担していただくというのが基本だと。したがって、健保組合、1,400余ありますけれども、保険料は健保組合ごとに全部違うわけでございまして、その中でも協会けんぽさんの今の保険料率である10%を超えている健保組合は190もあるわけでございます。
 それは、今の健康保険法がそういう仕組みになっているから、保険者の中でいわゆる自立をしているという考え方だと思うのですけれども、これは給付と負担の不均衡を是正するとか逆進性という話がどうして出てくるのか、私には全く理解できないということを、1つ申し上げておきたいと思います。というのが大きな1点目でございます。
 2つ目は、同じページの真ん中あたりに、「公費投入は保険者間で調整できないやむを得ない事情のある場合とすべきである」という記載がございますけれども、それでは何で消費税を上げるのですか。私は前回申し上げましたけれども、健保組合がどうこうという問題ではないと、社会保障制度改革は認識しております。今まで余り言ってこなかったのですけれども、この文章を読むと、保険には税金は入れませんと読めるのですけれども、それだったら、例えば健保組合の身になってみれば、今までも総報酬割とか、いろいろ出ておりますけれども、特に高所得者については負担をふやすという方向で書いてありますから、一般的に健保組合の標準報酬は高いですから、どう考えても負担をふやすという話ですね。
 なおかつ消費税を上げます。高齢者医療制度は変えません。何のために消費税を上げるのですかと我々としては言わざるを得ない。そういうことで国民の納得が得られるのですかということが、私の2点目の異論でございます。冒頭申し上げたとおり、犬の遠吠えかもしれませんけれども、私は率直に申し上げて、明日各論が出るようでございますが、この総論、まことにもって失望しております。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。この7ページの3の御議論がお二方から出ておりますので、それに関連して何か御意見があれば承りたいと思います。時間もありませんので、それでは違う点でも結構でございます。それでは、大井川オブザーバー。
○大井川オブザーバー
 国民会議、伺ったところによりますと、各論の議論があと1回しかないということで、この医療保険部会を通じて申し上げる機会も、必然的に取りまとめに向けて1回しかないということですので、今までもたびたびこの場で事業主団体あるいは被用者保険団体からも出ていましたように、例の総報酬割で浮くとされる公費の部分、実質上、協会けんぽへの国庫補助分ということになるわけですけれども、これを国庫のほうに回すということについて、各論に実際どのような形で盛り込まれるかどうか、ちょっとわからないわけですけれども、これは改めて、再度ここで反対であるということを申し上げたいと思っております。
 もちろん、国の公費というものは限りあるものですし、これを重点的に投入すべきところ、そうでないところ、重点化というものは必要だと思うのですが、私は一番気になると申しますか、その反対の意を唱える理由というのは、白川委員からも再三御意見ありましたように、最も問題であるのは、現役世代に過度に依存している高齢者医療の財政構造であると考えております。
 それで、実際、国保の保険者を市町村から都道府県に移管するという話でございますけれども、結局これを進めんがために国保の赤字解消を少しでも進めていかなければならない。そのプロセスを踏む段階として、今、被用者保険に対して行われている国庫補助というものを引き揚げたいのだという、何か財政当局側の意図が見えているような感じがしておりまして、これはむしろ世代間不公平の解消という本来の改革目的に逆行すると言ってもいいような話ではないかと思っておりますので、これは改めて反対ということを最後に申し上げたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 ほかにコメントがあればお願いしたいと思います。それでは、岡崎委員、お願いします。
○岡崎委員
 総論に対する意見ということでございますが、特に地方側の立場で申し上げます。この総論の14ページの(7)、国と地方との関係をそれぞれ記述しております。それで、国民健康保険の論議のときに常に厚労省の皆様方には申し上げているのですけれども、国民健康保険の最終責任は国が負いますということは、所管大臣をはじめ、ここにおられます皆様方もそのことははっきり明言していただいているところです。
 社会保障全体に対します国と地方との関係ですけれども、総論の記述の中では、どちらかというと地方側に対します最終責任という度合いが非常に強く書かれておられますので、ここは非常に気になるところです。もちろん、現場でそれぞれ社会保障制度を運用しておりますのは、大体は市町村の業務で、各種の保険、それから、いろいろなサービスの運営を市町村で主に担っていますので、現場としての運営の責任者というのは我々市町村が負うという認識は当然ございます。ただ、財政責任まで全部地方が負うかといいますと、先ほどの国民健康保険の財政の問題、また後期高齢者医療制度も地方が担っていますが、財政運営の責任の問題。これは、地方では御承知のとおり、無理でございます。
 では、国費としての財源は2分の1でとどまるのかということになりますと、現実的には国保はもう既に2分の1ではとどまっておりませんので、実質6割ぐらいの公費というものが投入されておられますし、投入しないと国保は持ちこたえられないというところがありますので、ここの書きぶりというのは、地方側から見るとすごく気になる書きぶりになっています。国と地方が機能分担して、それぞれの責任を果たすということは当然当たり前のことでございますが、社会保障制度の法律の組み立てとか制度の組み立てそのものは、国が責任を持って組み立てながら法律事項として決めていきますので、最終責任は国が持っていると私は考えております。
 地方側を責任者として全面に押し出されているということには、この点の書きぶりはすごく気になるところで、最終の責任は、特に財政責任等は国が負うべきだと考えておりますので、意見として申し上げておきます。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 ほかにございますか。横尾委員、お願いします。
○横尾委員
 これは素朴に思っていることなのですけれども、私はこの医療保険部会に出席させていただいて、それぞれの保険者の方や関係の皆さんが、知見の高い方々等の知恵を集めて医療のあり方を審議いただいているということで、大変学びながら参加させていただいています。私もたまたま立場上、後期高齢者医療広域連合の全国協議会の会長として来ていますが、発言のあった岡崎委員と同じように首長でもありますので、地方の財政とかも気にしながら拝聴し、意見を申し上げているところです。
 それぞれの保険者の皆さんからすると、多分それぞれの保険者の財政がよく回るように、そして将来的な負担をできるだけ軽くして、うまく財政運営ができるようにということを念頭に御検討されると思うのですが、高齢者になった方々は、国保とか後期高齢者医療制度のほうに先々入っていかれるわけでございますし、退職の方々もそうなのです。人生で言うと、生まれてから天寿を全うするまでの期間を、どのような保険と医療があるべきかというようにスパンを広げて、お互いに知恵を出すことができないかなと感じております。
 大変詳しい方々ばかりで、私など及びもつかない知見の方が多くございますので、それぞれの保険者として財政運営がうまくいくのみならず、国民が人生を全うするまでの期間をどのようにしたら、財政、医療、そして年金等を回すことができるかということを含めた議論を、ぜひ皆さんと一緒にできればなと、意見というより、感じていることを申し述べたところですけれども、そんな審議をぜひお願いできればと思っています。
○遠藤部会長
 どうもありがとうございます。
 ほかにございますか。岩村部会長代理、お願いします。
○岩村部会長代理
 若干のコメントで、隣に起草委員の先生がおられるので、非常に話しにくいのですが、8ページの(3)から来ている税と社会保険料の役割分担というところですが、一読させていただいて若干気になった点だけ申し上げたいと思います。
 第2段落で社会保険への公費投入の理由が2つあるのだということで、その後、前者については、後者についてはという議論の進め方になっているのですが、第2段落の社会保険の公費投入の理由が2つあるのだというのは確かにそうかもしれませんが、これがそんなにきれいに分かれるのか。つまり、前者と後者という形に分けて議論できるようなものなのかというのが、私はちょっと疑問に思います。両者、混然一体なのではないかという気もしますので、こうきれいに分けて議論できるのか。
 もう一つは、その後に「また」という別の観点の議論が入ってきて、最後、「こうした我が国の財政状況も踏まえれば」というところでまとめに入っているのですが、この論理のつながり、最後の結論のところへのつながりというのが、ちょっとよくわからないなという気がしています。全体の流れとしては、何となくこの結論の部分は、「前者については」という前の段落を受けてつながってきているのかなと思うのですけれども、間に「また」というのが入ってくるために、何か別の観点がここに入ってしまって、結論に至る道筋というのがいま一明確ではないなという気がします。
 そもそもは、2つに分けるということは説明としてはいいのですけれども、それをさらに二分化して議論してしまって、きれいに分けられるという形での議論にできるのかというところが、ちょっと疑問に思いました。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。適切な御指摘だったと思います。前者については、2つに分けられるのかどうかという議論がありました。どちらでも解釈できるだろうという話、内々の議論の中でも、現実問題として公費投入されているわけですけれども、それはどっちの理由なのか、なかなか難しいところがあった。したがって、かなり概念的な議論はありました。その他、御指摘を非常にいただいております。ありがとうございました。そういうこともあって、ペンディングというのをつけさせていただいたのですけれども、ほかにも重要な御指摘をいろいろいただきました。
 ほかにございますか。岩本委員、お願いします。
○岩本委員
 資料9ページの最後のほうに「世代間の損得論」に反論するようなことが書かれているのですけれども、最後の段落、「年金制度や高齢者医療制度、介護保険制度は、子どもが老親を扶養するという私的扶養を社会化したものである」という定義づけをしているのですけれども、これは大丈夫なのでしょうかという懸念がちょっとあります。このように性格づけしますと、この言葉を読みますと、子どもがいない高齢者は社会保障制度で面倒を見る必要はないという帰結にたどり着かないか。そうならないという記述が、私は全部精査しているわけじゃないですけれども、ちょっと読み取れないような状況だと思います。
 例えば年金で世代間扶養だという定義づけから、では、子どものいない高齢者には年金給付を削減しろという提案もありますので、このままいきますと、この総論からはそういうふうな提言が各論で出てくるのかなということが考えられます。では、高齢者医療制度もそういうことになるのでしょうかということに関して、この総論あるいはほかの部分で、何かそういうことにならないという手はあるのかどうかということが、ちょっとわからないという気がいたしました。
 これは、もし国民会議の総論というのが今後の社会保障制度改革のバックボーンになるということでしたら、こういう定義づけをここでされているということは、制度設計に関して、かなり重大な影響が生じかねないのかなという気もしておりますので、そういう心配でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。この総論の位置づけですけれども、29日に国民会議で議論いたしまして、総論部分、各論も含めて、起草委員会で議論をするという形で調整が進んでおりますので、29日のものが最終的にフィックスになっているというものでも決してないということであります。そういう意味では、まだ案の段階であるということでございます。
 ほかによろしゅうございますでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、予定された時間になりましたので、本日はこれぐらいにさせていただきたいと思います。
 次回でございますけれども、8月9日金曜日10時から厚労省2階の講堂で開催する予定になっておりますので、御多用でございましょうけれども、よろしくお願いいたします。
 本日は、御多用の折、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。


(了)

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