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2013年7月30日 第2回次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画及び認定制度に係る効果検証研究会 議事録

雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課

○日時

平成25年7月30日(火)15時00分~17時00分


○場所

中央労働委員会 講堂(7階)
東京都港区芝公園1-5-32


○出席者

委員

阿部委員、黒澤委員、佐藤委員、武石委員、矢島委員

厚生労働省

石井雇用均等・児童家庭局長、鈴木大臣官房審議官(雇用均等・児童家庭、少子化対策担当)
成田雇用均等政策課長、中井職業家庭両立課長、楠田職業家庭両立課長補佐

○議題

(1)第1回研究会の議論について
(2)企業ヒアリング(非公開)

○議事

○楠田職業家庭両立課長補佐
 済みません、大変遅れてしまっておりますけれども、ただいまから第2回「次世代法に基づく一般事業主行動計画及び認定制度に係る効果検証研究会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御参集いただきまして、まことにありがとうございます。
 本日は議事が2つございまして、1つが第1回研究会の議論について。それと企業ヒアリングを予定しております。このうち、企業ヒアリングにつきましては個別の会社にかかわることでありまして、第1回研究会でお配りした議事の公開についての個人に関する情報を保護する必要がある場合、それと、公開することにより、特定の者に不利益を与え、また、不利益を及ぼすおそれがある場合に該当するため、非公開とさせていただきます。
 なお、この企業ヒアリングは場所を変えて実施いたします。傍聴はできませんので、その旨あらかじめ御了承ください。
 委員の出欠状況ですけれども、遅れていらっしゃるということでございまして、恐縮ですが、先に始めさせていただきたいと思います。
 資料の確認でございます。今回は資料は1つでございます。パワーポイント横置きの「第1回研究会での議論を踏まえた補足資料」でございます。落丁等ございましたらお申し出ください。
 それと、第1回研究会の資料につきましては、お手元のファイルにとじておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 それでは、以下の進行を佐藤座長にお願いいたします。

○佐藤座長
 それでは、今日は第1回の議論を踏まえて、補足資料も御用意していただいておりますので、補足資料について御説明いただいた後、前回の続きで一般事業主行動計画及び認定制度にかかわる政策効果について議論したいと思いますので、まず最初に補足資料について御説明いただければと思います。

○楠田職業家庭両立課長補佐
 職業家庭両立課の楠田でございます。資料について御説明させていただきます。パワーポイント横置きの「第1回研究会での議論を踏まえた補足資料」でございます。
 一般事業主行動計画策定、実施、くるみんマーク認定の流れということで3ページを御覧いただきたいのですけれども、前回の研究会で次世代法の概要については御説明したのですが、行動計画策定や認定マーク取得の具体的な流れまでは御説明していませんでしたので、補足としてこの資料を作成いたしました。
 簡単に説明させていただきますと、左側からですけれども、まず1として各企業が自社の現状や従業員のニーズを把握して、次に、これを踏まえて行動計画を策定。次に行動計画を公表し、従業員に周知。行動計画を策定した旨を都道府県労働局へ届出。さらに行動計画の実施に移りまして、その後、くるみん認定を受ける場合には行動計画期間終了後、都道府県労働局へ認定申請を行い、審査が行われまして、ここで審査がおりれば子育てサポート企業として認定され、くるみんマークが付与される。以降はこの繰り返しとなっていくということでございます。
 4ページからは行動計画、くるみん認定の効果について資料を掲載しております。
 前回の研究会の御指摘の中に、行動計画策定の効果やくるみん認定取得を目指すことの効果、くるみん認定取得後の効果をどのように考えるのかという御指摘がありまして、ほかにもくるみん認定を取得している企業と取得していない企業について、有意な差はあるのかという御指摘もございました。
 これらの御指摘に関しては、前回の研究会でも計画や認定の効果について調査を御紹介しましたが、今回は補足資料としまして既存の調査結果を再集計して資料を作成しました。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「平成24年度一般事業主行動計画に関する調査結果報告書」、こども未来財団の「企業の次世代育成支援に関する調査報告書」、労働政策研究・研修機構の「男女正社員のキャリアと両立支援に関する調査結果」を再集計しております。
 あわせまして、くるみん認定を受けた企業の離職率について、佐藤先生と朝井先生の指摘をもとに、事務局が作成した資料も掲載しております。それと、前回研究会で提出した資料も適宜再掲させていただいております。これらにつきまして資料の5ページ以降で行動計画に係る取り組みと効果、くるみん認定取得に係る取り組みと効果に分けて説明させていただきます。
 恐縮ですが、説明に当たっては今回新たに提出した資料を中心に説明させていただきます。
 まず5ページから、行動計画に係る取り組みについての資料を掲載しております。
 6ページの資料は、企業が一般事業主行動計画についてどのような取り組みを行ったのか、行動計画の1期目、2期目、3期目ごとに集計したものです。特徴としましては資料にございますけれども、育児休業制度、短時間勤務制度、子どもの看護休暇制度の割合が高くなっております。
 7ページの資料は、企業が計画策定に当たってどのような取り組みや工夫を行ったのか集計したものです。特徴としましては従業員への情報提供や推進担当者の外部セミナー、研修等への参加の割合が高くなっております。
 8ページの資料は、企業は行動計画にどのような次世代育成にかかわる環境整備等の取り組みを盛り込んだのか。行動計画の1期目、2期目、3期目ごとに集計したものです。特徴としましては残業削減の取り組みの割合が高く、次いで年休の取得促進、両立支援制度の周知が続いております。
 9ページ以降は、行動計画に係る効果について資料を作成しております。
 10ページの資料は、行動計画の策定の有無別に女性正社員の勤続年数を集計したものです。特徴としましては、行動計画を策定していない企業では、勤続年数5年以下の企業の割合が高くなっていることが挙げられます。
 11ページの資料は、行動計画策定をきっかけに新設または拡充した両立支援策別に、企業の人事担当者の効果の認識を集計したものです。特徴としましては資料にございますが、どの制度を新設・拡充したか及び企業規模にかかわらず「女性の勤続年数が伸びた」については効果を認識している割合が高い。「特になし」は全体的に数値が低いですけれども、その中でも「女性の勤続年数が伸びた」の割合が高くなっております。
 12ページの資料は、行動計画策定をきっかけに新設または拡充した両立支援策別に一般従業員、これは女性、子供ありのものですけれども、評価を集計したものです。特徴としましては、全体的に育児休業制度、短時間勤務制度を新設・拡充した企業のほうが、各種効果を認識している傾向にある。「特になし」の企業においても一定の評価をしており、行動計画策定に伴う効果が伺えます。特に「女性が結婚・出産後も辞めることなく働ける環境にあると思う」の割合が、企業規模にかかわらず高いということが挙げられると思います。
 13ページの資料は、301人以上の企業において、行動計画策定による企業の人事担当者の効果の認識について、計画策定の回数ごとに集計したものです。特徴としましては、行動計画の策定を重ねている企業のほうが各種効果を認識しており、特に「経営トップの仕事と子育ての両立に対する理解が深まった」「管理職の仕事と子育ての両立に対する理解が深まった」「一般社員の仕事と子育ての両立に対する理解が深まった」「女性の育児休業取得者が増えた」「男性の育児休業取得者が増えた」については、継続的に取り組むことでより効果が発揮されるものと考えられます。
 一方で「残業時間の削減が進んだ」「有給休暇取得率・日数が増加した」については、行動計画策定回数に伴う効果の伸びは、そこまで大きくないことが挙げられると思います。
 14ページの資料は301人以上の企業における、くるみん認定取得の予定の有無について集計したものです。(1)は行動計画の策定と認定の有無別に、くるみん認定の取得予定の有無を集計したものです。(2)は行動計画の策定回数別にくるみん認定の取得予定の有無を集計したものです。特徴としましては、くるみん認定の取得は行動計画の計画段階で予定して策定するかどうかによる影響が大きいということ。それと、くるみん認定の取得を予定している企業のほうが、行動計画策定回数が多い傾向にあることが挙げられると思います。
 15ページからは、くるみん認定の取得に係る取り組みについての資料を掲載しております。
 16ページの資料は、企業がくるみん認定を受けるために行った取り組みや工夫点を集計したものです。特徴としましては取組計画の策定が最も割合が高く、次いで男性の育休取得を推進するため、人事等の担当から職場への働きかけが続いております。
 17ページの資料は、くるみん認定の有無別に企業の次世代育成支援を推進するための取り組みを集計したものです。特徴としましては、特に従業員に対する情報提供の割合が高いということが挙げられます。
 18ページの資料は、くるみん認定の有無別に現在、企業が取り組んでいる両立支援や雇用均等推進の取り組みを集計したものです。特徴としましては、特に全社的な残業削除の取り組みと、年休の取得促進の割合が高いことが挙げられます。
 19ページの資料は、くるみん認定の有無別に、企業が今後新たに取り組みたい両立支援や、雇用均等推進の取り組みを集計したものです。特徴としましては、特に「在宅勤務制度、サテライトオフィスなど柔軟な勤務場所の設定」「結婚や育児を理由とする退職者の再雇用制度」「育休取得者等の復職支援・能力開発支援」の割合が高いということが挙げられます。
 20ページ以降は、くるみん認定取得に係る効果についての資料を掲載しております。
 21ページの資料は、行動計画の作成・認定の有無別に女性正社員の妊娠・出産時までの継続状況について集計したものです。特徴としましては、行動計画を作成している企業やくるみんマーク認定企業のほうが「ほとんどの者が出産後も正社員として働き続けている」の割合が高く、また「妊娠または出産前に離職する者もいるが、出産後も働き続ける者のほうが多い」を加えた割合も高くなっているということが挙げられます。
 22ページの資料は、佐藤先生と朝井先生の推計をもとに事務局が作成したものでございます。この資料は、資料にございますけれども、次世代法施行前である2003年度と、次世代法施行後である2010年度のCSR企業総覧のデータによりまして、従業員が301人以上の企業における男性の離職率、女性の離職率について行動計画を積極的に実行し、その結果としてくるみん認定を受けた企業と受けていない企業を比較したものでございます。
 その結果、認定を受けた企業は認定を受けていない企業と比較して、女性の離職率が2.7%低下する推計結果となっております。
 23ページの資料は、行動計画策定とくるみん認定取得別に、企業の両立支援やワーク・ライフ・バランスを進めるための方策について集計したものです。特徴としましては丸をつけているところですけれども、特にくるみんマークの認定要件である男性の育休取得推進の差が、認定企業と認定を受けていない企業で大きくなっていることが挙げられると思います。
 24ページの資料は、くるみん認定の有無別に企業の人事担当者の効果の認識を集計したものです。301人以上の企業と300人以下の企業に分けております。特徴としましては、企業規模を問わず、認定あり企業のほうが各種効果を認識している。特に育児・出産を理由とした退職者の減少、従業員の制度認知度の向上、女性従業員の制度利用促進、男性従業員の制度利用促進、学生に対するイメージアップ、顧客・社会全般に対するイメージアップなどで両者の差が大きくなっております。
 一方、所定時間外労働の削減、週労働時間60時間以上の従業員の割合の減少については、くるみん認定の効果が大きくあらわれていないと考えられます。
 25ページの資料は、301人以上の企業におけるくるみん認定の有無と、行動計画策定回数別に企業の人事担当者の効果の認識を集計したものです。特徴としましては行動計画の策定を行うだけでも一定の効果が見られるが、くるみん認定の取得により大きな効果がみられる項目が多い。特に育児出産を理由とした退職者の減少、従業員の制度認知度の向上、女性従業員の制度利用促進、男性従業員の制度利用促進、学生に対するイメージアップについては、取り組みが進むほど効果が大きくなると考えられます。
 一方、所定時間外労働の削減、週労働時間60時間以上の従業員の割合の減少、年休の取得率の向上については、くるみん認定の取り組みの進捗度による差が顕著にみられないということが挙げられると思います。
 26ページの資料は、300人以下の企業におけるくるみん認定の有無と、行動計画策定回数別に企業の人事担当者の効果の認識を集計したものです。特徴としましては、行動計画の策定を行うだけでも一定の効果は見られますが、くるみん認定の取得によって大きな効果がみられる項目が多い。特に育児・出産を理由とした退職者の減少、取り組みに対する会社での理解促進、従業員の制度認知度の向上、女性従業員の制度利用促進、男性従業員の制度利用促進、労働時間に対する意識の向上、年休の取得率の向上、学生・顧客・社会全般のイメージアップについては、取り組みが進むほど効果が大きくなると考えられます。
 27ページの資料は、行動計画提出回数とくるみん認定有無別に企業の人事担当者の効果の認識を集計したものです。特徴としましては行動計画提出回数の多い企業のほうが効果を認識している割合が高い。また、くるみん認定企業のほうが効果を認識している割合が高い。「女性の勤続年数が伸びた」については、企業規模・提出回数・認定有無によらず、効果を認識している割合が高いことが挙げられます。
 28ページの資料は、行動計画提出回数とくるみん認定有無別に一般従業員、女性、子供ありの効果の認識を集計したものでございます。特徴としましては、全体的に行動計画提出回数を重ねている企業のほうが、行動計画提出回数の少ない企業より肯定的な評価が強い。300人以上の企業において行動計画提出回数が3回、4回の場合、くるみん認定企業のほうが非認定企業より各項目に対する肯定的な評価が強い。それと、男性の育休取得に積極的であると思うとの項目については、認定の有無にかかわらず、否定的な評価が多い中で、300人以上で行動計画を3回、4回提出しているくるみん認定企業の一般従業員においては、肯定的評価の程度は相対的に高いことがうかがえると考えております。
 29ページから、一般事業主行動計画の期間についてでございます。
 30ページ、前回の研究会の御指摘の中に、短期の行動計画を策定している企業のほうが、くるみん認定取得の意思が強いものと考えられるが、届出された行動計画の期間を把握しているのかという御指摘がございました。この御指摘については都道府県労働局の把握しているところによりますと、表にありますとおり全体の約97%の企業が次世代法の認定対象計画期間である2年間から5年までの範囲で計画策定しているということでございます。
 また、前回の研究会の御指摘について口頭で説明させていただきたいことが2点ございます。
 まず前回の研究会の御指摘の中に、行動計画を1回しか策定していない企業があるが、こういった企業は法違反になるのではないかという御指摘がございましたが、これについて回答させていただきます。
 行動計画の期間については、くるみん認定を取得するためには2年以上、5年以下であることが必要になりますけれども、認定を取得しないのであれば、期間について法律上の制限はございません。ですので、例えば計画期間を10年とすることも可能でございまして、計画期間が10年であれば1回しか行動計画を策定していなくても法違反にはならないということになります。
 また、前回の研究会の御指摘の中に、くるみん認定を取得した後、行動計画を策定していない企業、すなわち法違反企業を把握しているのかという御指摘がございました。これについて都道府県労働局の状況を確認したところ、現在、都道府県労働局においては行動計画の届出を集計しておりまして、行動計画の届け出の有無及び計画期間については把握しているということなのですが、この届出の集計の中にはくるみん認定の取得の有無は含まれていないということで、くるみん認定を取得してから計画を策定していない企業というのがどれぐらいあるかは、把握していないというのが現状でございます。
 ただ、労働局に聞きましたところ、くるみん認定を取得している企業はやる気があって、さらに上を目指している企業が多いので、次の計画を策定していない企業はほとんどないと聞いております。また、労働局では計画の期限が近づいている企業に対して注意喚起を行っており、計画の期限が超過している企業に対しては口頭での指導も行っております。ただ、計画策定中の企業からもう少し待ってほしいと言われることもありまして、実際の運用においては計画期限を超過したことをもって直ちに法違反とするのではなく、一定期間待つなど柔軟な対応を行っているところでございます。
 以上で事務局からの説明を終わります。

○佐藤座長
 どうもありがとうございます。
 これから議論したいと思うのですけれども、今日は冒頭御説明がありましたように、後半は企業ヒアリングを予定していまして、来ていただくことになっていますので、55分までということであと25分となります。そういう意味で効率的に議論できればと思います。
 この研究会は次世代法の政策効果をどう把握するか、あるいはどういう効果があるのかということをきちんと整理しようということですので、それにかかわって、今日の資料も踏まえて御意見をいただければと思いますが、その前に3ページのところで前回も少し議論しましたけれども、政策効果の捉え方を整理すると、1つはくるみん認定をとる企業が増えることによる効果と、認定はとらないのだけれども、計画を立てて実行する。くるみんはとれなかったが、実行してもらうことによる効果は分けたほうがいいだろうと思うのです。
 もう一つは、それぞれ直接効果と間接効果。例えば認定をとった企業が増えるということによる直接効果は、単純ですけれども、くるみんの認定基準の5~8です。つまり例えば男性の育児休業1人とか、女性の育休7割以上とか、短時間勤務の措置義務。これはやらないととれませんので、これは直接効果です。だからとるということは、これがやれているということです。
 例えば8の所定労働時間の削減とか、年休取得の取り組みをやるというのは直接的な効果です。認定をすることの間接効果というのは、例えば残業が具体的に減るというのがそうです。これは措置ですから、直接効果は残業削減の取り組みをするのですけれども、実際に減るというのは当初意図していないわけですから、これは間接効果でいいと思うのですが、あと、これまで人を採りにくかったのが採用しやすくなったというのが間接効果です。ですから認定をとる企業がふえることによって、当然とることによって直接的にこういう取り組みが実行されるということと、それ以外に波及効果的に残業が具体的に減るとか、有給取得がふえるとか、採用しやすくなるということがある。
 もう一つは、認定がとれなくてもとる努力をする。これは育児休業、例えば男性が育児休業をとるとか、女性が7割というのは社員の行動に依存するわけです。産前産後休業で復帰したいという女性もいるわけですので、これは企業が育児休業をとれとは言えないわけです。とりやすい環境はつくるんだけれどもということですので、あるいは男性で結婚し、子供を持つ人がいなければとりようがないわけですから、そういう意味では行動計画を立てて実行したのだけれども、例えば7番とか8番みたいなことです。短時間勤務の措置をしたりとか、残業削減等の取り組みをしたのだけれども、育児休業取得率のところでとりやすい仕組みをつくったが、とる人がいなくて例えばとれなかったというようなところがあったりすると、そこもいろいろ効果があるわけで、例えば7とか8の措置をしたとかいうのは多分、直接効果でしょうし、また、そういうところについても間接効果がある。
 例えば、1つは政策効果をどう見るかみたいなことも少し御意見を伺えればということと、そうしたときに我々が見るところで落ちているところはあるかどうか。ここら辺はまだ直接効果なり間接効果。直接効果は意図したものですから、それ以外で見落としているものがあるかどうかみたいなことも、今日御意見を伺えればと思います。
 そういうふうに今日御意見を伺えればと思うのですけれども、その前に今日の資料についてここをどう読んでいいのかとか説明をして、資料の読み方とか何かあれば先にそのことだけ伺って、その後、政策の捉え方とか、この辺がまだ十分データを集めたほうがいいのではないかということを伺えればと思います。読み方についてはいいですか。
 ついでに、先に22ページの先ほど御紹介いただいた朝井さんとの集計ですけれども、2.7%というのは認定をとったところととっていないところで、とっていないところを比較して、これはとったところととっていないところで業種とか規模とか業績が違いますので、それは統計的に処理して同じような状態がというふうにした上で計算しているのですけれども、これは2.7%ポイント低いということです。ですから、とらなかったところがたしか10%ぐらいだと思いますので、とったところは7.3%ぐらい下がる。2.7%ポイント下がるということです。ですから、たしかとらなかったところは10%ぐらいだと思うので、それは7.3%、2.7%ポイント下がるということです。データについてはいいですか。
 そうしたら、少し政策効果の捉え方とか、少しこれから整理していかなければいけないので、私はややざくっとお話したのですけれども、どんなふうに捉えていったらいいかとか、この辺まだ見ていないところだということがあれば、どうぞ御自由に。データのことでも結構です。

○阿部委員
 特にないのですけれども、次世代法がもともと何を目的にしたかということを考えると、ちょっと抜けているかなと思うのは、ママ社員がどれぐらい実際増えたかどうかとか、そのあたりの視点が欲しいかなと思うのです。
 制度がうまくできたというのは、これを見ればなるほど効果があったのでしょうが、実際に出産をして継続している人たちが本当に増えているかどうか。ここら辺が不足しているような気がします。

○佐藤座長
 御存じのように、育児休業取得率の分母は産前産後休業をとった人でいいですかね。阿部委員が言われたように、これは少なくなっているかもしれない。出産前に辞める方も結構今までは多かったので、つまり産前産後休業をとる前に辞めてしまうと育休取得率の分母に入っていないので、だから育休取得率が上がっても全体として結婚し、妊娠した女性は継続就業しているかわからないので、そういう意味ではここが広がっているかどうかが大事だ。これは社人研のもので見ると正社員については増えてきているのです。ただ、それが次世代の効果かどうかがなかなか難しい。確かに大事な点だと思います。
 何かありますか。

○中井職業家庭両立課長
 今の御質問については、前回、この青のファイルにとじています資料で、資料4といういろいろデータ集がありますけれども、その63ページによく我々も使っているグラフがありまして、おっしゃっているような社人研と、21世紀出生児縦断調査の結果ということで、よく6割の方が出産育児により退職していることが言われている中において、右側の21世紀出生時縦断調査に基づくデータについてはこの10年間で見ると継続就業率が上がっているという話があって、若干2つの統計によって程度の差はあるわけですけれども、こういったマクロの数字も最終的には整理をしていって、評価をどうしていくかということだと思っています。

○佐藤座長
 ただ、問題は次世代法の効果かと言われてしまうと、途中で育介法の改正があったりして、均等法の不利益取扱いもやりましたね。だからそれぞれほかのものが効いていると言われてしまうと、なかなか難しい面もある。確かに改善してきているのは事実です。

○黒澤委員
 今のに関連して、きょうお配りいただいた資料の12ページなのですけれども。ここに「女性が結婚・出産後も辞めることなく働ける環境にあると思う」というのが「特になし」と「短時間勤務制度」と「育児休業制度」別にあるのですけれども、行動計画を策定した企業にしかこの質問は聞いていないのですか。というか、もしほかの人にも聞いているのであれば、つまり策定していない企業もありますね。だからそことの比較をすれば行動策定の効果というのが出るかなと思ったのですが。前のページのものはよくなったとか、伸びたとか変化なので、これらは策定してからどうなりましたかということなのだと思うのですけれども、次のは状況についての質問です。もしこれについて例えば作成していない企業にも聞いていたら、その企業の回答を一緒にここに掲載することによって、今のようなことに答えられるかなと。

○佐藤座長
 もう少し阿部委員が言われたようなことを次世代法の計画立案とか、くるみんとったかどうかでやれそうなのはありそうだから、ちょっと精査していただければいいかなと思います。

○中井職業家庭両立課長
 行動計画をそもそも策定しているしていないというところでどういう差があるのかについては、前回1回目のときもいろいろ御指摘いただいたと記憶をしておりまして、その関係で今回も回数も含めて幾つか新しい資料を出させていただいておりますので、今の視点はもう一回データを洗ってみて、その両者の差を可能であれば整理させていただければと思います。

○佐藤座長
 そうですね。ですから結婚・妊娠でも辞めずに、産前産後休業、育休に行く前のところが増えているというのはすごく大事だと思いますので、それは少し精査するようにしましょう。
 ほかにはいかがですか。今みたいに見落としていた点とか、かなり大事な点があれば。いかがでしょうか。

○矢島委員
 ある程度、策定と認定に関する効果でとれるものというのは今回、追加で出していただいたと思うのです。やはり策定と認定の効果の差は佐藤先生に整理いただいたのですけれども、次世代法以外のこの期間に行われたさまざまな取り組みの効果と厳密には分離し切れないので、そこは限界があるかなと思っています。
 今は議論している中に入っていない、もう一つ、この計画の社会的な意義みたいなことで言うと、学生などがこれを参考に見ているという視点が抜けていて、企業の側の利用価値というのはすでに出ているのですが、よく大学のキャリアセンターとかでくるみんを参考に見てはどうかというふうに学生に対して情報を周知しているということで、そういう役割を果たしているというのが今の視点にはないのですけれども、そういう視点も大事かなと思います。

○佐藤座長
 初めのころはそうでなくても、一度回り始めると、確かに大学のキャリアセンターなんかが、特に女子学生なんかについては、余り知らない企業で、とりわけここでとっているかどうか参考にしなさいとやっていますね。それが回ってくると先ほど学生を採りやすくなったという話がありましたけれども、そうすると企業もとろうと思うようになるわけなので、ある面では間接効果だと思いますが、その辺もどうフォローするかです。
 確かに企業にどういう効果があったかは聞いていますけれども、例えばそれを大学とか学生がどう使っているという調査はあるのでしょうか。余り見たことないけれども、探したらあるかもしれないですね。確かにそういう視点は落ちていたかもしれません。
 今、学生向けに出している求人情報というか企業の情報のところにも、くるみんをとっているかどうか載せるようになってきているので、多分そういうものを載せているということは、ニーズはあるのだろうと思いますので、それも1つの効果ではあると思います。

○武石委員
 労働時間の削減とか残業のところに、余り全体に効果がないというのが出ていたような印象があります。13ページとかですか、青い丸がついているところというのは余り効果がなかったと先ほど御説明がありました。要は計画の中にそもそもそういう項目がなければ取り組まないと思うので、そういう計画を立てるとそれが進むのかどうかという計画の中身と、それが実際にどういうふうに残業削減が進んでいるか、そういうものは分析ができるかなという気がしたのですが、やっているのですか。

○矢島委員
 それはやっていないのですけれども、ただ、計画に盛り込んでいる項目としては残業削減とか有給休暇の取得促進は8ページにあるように、計画に盛り込まれている項目としてはすごく割合が高いのです。その割に効果として挙げられているのが少ないので、ちゃんと分析されてはいないのですけれども、そういうことなのかなと思います。

○佐藤座長
 ですから、多分、計画を立てるときに残業を何パーセント削減と立てる会社もあれば、管理職に残業削減の必要性、管理職研修を年2回やります。これでもいいのです。そうした場合に、多分どちらに効果があるのか難しいのですけれども、多分あらわれ方は違うかもわからないし、取り組んでも急に仕事が増えたりすると削減しないこともあるので、確かに取組みのところと効果をもう少し丁寧に見てもいいかもわかりません。

○武石委員
 それを感じたのは、黒澤委員がおっしゃった育児休業の表もあるのですけれども、これを新設・拡充したということですね。つまり、その前からちゃんとやっているところは「特になし」に入ってきてしまうということです。だから「特になし」というのが2種類あって、前からきちんとやっているところと、そもそも何も考えていないというところと両方あると思うのです。残業なども同じような問題があるかなという気がして、やっていないからだめということでもなく、きちんとやるとどのぐらい効果があるのだろうかというのが出るといいかなという気がしたのです。そんなデータがあるのかどうかわからないのですが。

○佐藤座長
 そうですね。3ページのくるみん認定基準のところを見ると、残業削減とか有給取得促進、働きの見直し、なければやらなければいけません。立てておかないと。そうすると、かなりやっているところについては、確かにもともと残業が少ないところは減る効果が出ないので、その辺はどういうふうに見ていくかは確かにあります。
 ほかにはいかがでしょうか。もう少し3ページ、私もざくっと説明しましたが、阿部委員からもお話がありましたけれども、もともとの法律の趣旨、目的の効果と間接効果。あとはこの中で認定をとることと、立てて頑張ることと、例えば立てただけというところもあります。立てただけだと効果はないと思うのですが、立ててそれなりに取り組んだ。だけれども、認定は取れなかった。多分ここもあったと思うのです。それととった。とった企業がふえてくることによって、当然ここに書いてある直接効果がありますし、間接効果がある。その辺を少し区分けしながら整理していただくということになると思うのですけれども、阿部委員が言われたような法律の趣旨から言えば子育て支援ということですから、やはり早く辞めてはしようがないわけです。その辺、政策効果を整理するときに、この辺を見落とさないようにということがあれば。

○阿部委員
 もう一個、くだらないのですけれども、私はこの次世代法ができるときの研究会に多分出ていたと思うのですが、そのときにすばらしいなと思ったことは、企業がお父さん、お母さんに対してこういう援助とかをするだけではなくて、お子さんにもキャリア教育の一環として、会社でお父さん、お母さんはどういう働き方をしているのかとか、仕事をしているのかとか、そういうことも含めて次世代法の意義があるということを話し合った覚えがあるのです。だからぜひそういう観点で、例えば会社にファミリーデーというようなことをやっているのかどうかとか、それが実際に例えば今、子供たちのキャリアって結構注目されているので、そういうものにどういう効果があったのかとか、そういったことも幅広に見てもらえるといいかなという気がするのです。データとかなかなかないですけれども、ヒアリングなどでそういうものが出てくるといいなと思うのです。

○佐藤座長
 行動計画の届け出のところでつける欄に、ここに前回の資料ありましたか。

○矢島委員
 きょうの資料の8ページの取り組みの下のほうにある、子ども・子育てに関する地域貢献活動とか、子育てバリアフリーとか、そういうものですね。

○佐藤座長
 もともと子育て期の社員がいる企業がこういうものに取り組んでもちろんいいわけですけれども、もう一つ、極端な言い方をすると子育て期の社員がいない会社もあるわけです。そうすると地域の小学生のために会社を開放して、教育をする。それはやってくださいというふうになっていたので、確かにその辺も見ることが大事かもしれないです。

○阿部委員
 やっている会社は少ないですけれども、効果が多いのであれば、例えば中学生とか高校生で今、インターンシップとか受け入れている会社さんも、地域でパン屋さとかいろいろあるのです。あれは結構いいのではないかと思うのですが、あれはまさに本当に次世代を育成していることになるのではないかと思うのです。

○佐藤座長
 ですから、もともとの趣旨は自社の社員ということもあるし、その対象者がいない場合は地域という枠組みになる。もちろん両方やってもいいわけですけれども、確かにその辺は少し見ていったほうがいいかもわかりません。
 あといかがですか。いいですか。多分、少しずつ整理していかなければいけないので、どういうふうにまとめていくか。効果というものをどういうふうに見ていくか。

○矢島委員
 先ほど武石委員がおっしゃった残業削減とか、年休の取得は効果が出ていないという話と、佐藤先生おっしゃった絶対基準があるかどうかというのの関係性があるのかどうかも、前回も議論があったのですけれども、重要な視点かなと思っていて、認定基準というものの中に絶対的な基準があるものと、相対的にその会社が目的を達成すればOKという部分があるのですが、その絶対基準を満たしているかどうかということがある分野とない分野があるので、その辺が影響があるのかどうかも次に認定を考えるときに非常に重要かなと思います。

○佐藤座長
 それでは、少し時間がありますが、先ほどお話ししましたように次のヒアリングもありますので、とりあえずここまでにし、一応今日は幾つか大事な論点あるいはまだフォローしていなかった領域もありますので、そこも見ていきながら、政策効果の捉え方の考え方も少し整理していただいて、まとめていただければと思います。
 それで、あとは企業ヒアリングに我々は飲み物と荷物を持って移動しろということですので、傍聴はできないようですので、ここまでということになりますが、御了解いただければと思います。

○中井職業家庭両立課長
 今日の御議論を踏まえて、また整理をして、御相談させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。


(了)

雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課

電話: 03-5253-1111(内7855)

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